厚労省が8/26に公表した来年度予算の概算要求の中には、通所介護事業所の訪問機能の追加を支援する新たな補助制度を来年度から設ける内容が含まれている。
通所介護事業所の訪問機能の追加とは、訪問介護事業所が存在しないか、あるいは訪問介護サービスの提供が事実上困難な中山間地域・人口減少地域などの既存の通所介護事業所から訪問サービスを提供するというもの。
訪問サービスの開始前・開始時・開始後の各段階にそれぞれ補助を実施するとしており、サービス資源の少ない中山間地域等の通所介護事業所を多機能化することで、住民が必要なサービスを受けられる環境を整備する狙いがあるとしている。
このような訪問サービスは、現行の通所介護では行われていないが、しかし・・・コロナ禍の際に特例として通所サービス事業所からの訪問サービスが認められていた。
そうした通所サービス事業所からの特例訪問サービスを、通常のサービスにしようとして複合型サービスの新設が検討されたのが前回2023年度の制度改正議論でのことであった。

つまり前回制度改正で議論の俎上に上ったものの、実現しなかった複合型サービスが、地域限定という形で実現される可能性が高まったと云えるのではないだろうか。
それも2027年度の制度改正を待たずに、来年度から先行実施される可能性が高い。
問題は設備・人員基準である。「お騒がせの複合型サービスはこのままお蔵入りか。」という記事で指摘したとおり前回複合型サービスが実現しなかったのは、通所介護と訪問介護を単純に合算させた人員配置基準が高いハードルとなったためである。
今回地域限定での通所介護事業所の訪問機能の追加サービス必要であるとするなら、人員配置基準の思い切った緩和が必要だろうと思う。
訪問サービスを行う職員に、初任者研修受講などの資格要件をつけずに、サービス提供できるようにしなければならない。
現在、外国人材に解放された訪問介護では、初任者研修要件以外にも1年以上の実務経験や国際厚生事業団からの適合確認書の発行要件等があるが、これらも全て撤廃して、通所介護事業所の職員であれば外国人を含めて誰でも訪問できるようにしなければ新サービスは浸透しない。
その特例の実施状況を見ながら、通常地域でもそのような形の新複合サービスを新設できないかを検討すればよいのではないだろうか。
どちらにしても概算要求の通所介護事業所の訪問機能の追加補助金が認められるのかどうか、認められた場合どのような基準でサービス提供できるのかなどを注目しておく必要があるだろう。
※メディカルサポネットの連載・菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営の第9回更新記事は、「介護生産性向上のための人材活用と業務改革」をテーマに9/1更新アップされています。

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