厚生労働省が今月4日、2024年の「国民生活基礎調査」の結果を公表している。
それによると65歳以上の高齢者がいる世帯のうち、1人暮らしの「単独世帯」は903万1千世帯であり、前年比で47万8千世帯増加し過去最多を更新した。この数字は高齢者がいる世帯全体(2760万4千世帯)の32.7%を占め、3世帯に1世帯が1人暮らしという実態を示している。
少子高齢化が進行する社会で、ひとり暮らしの高齢者が増えることは驚くべきことではなく、そのことに危機感を持つ人はさほど多くはないだろう。
されど高齢者世帯の32.7%を占めるひとり暮らしの方の事情も様々であるということに思いを馳せてほしい。
僕が介護業界で働き始めた以降、今日までのこの国には、「大震災」と呼ばれる災害が2度も起きている。1995年に発生した阪神大震災から30年・・・2011年に発生した東日本大震災から14年しかたっていない我が国である。

そこで被災し、家族をすべて失ってひとり身になった方が幾人居られるのだろう。その方々も年を取り、32.7%という数字に含まれているのかもしれない。
阪神大震災の時、働き盛りの45歳だった人は、団塊の世代の人たちが生まれた時期の最終年に生まれた人である。その人たちが今年75歳を迎えている・・・その人がもし阪神大震災で家族全てを失っているとしたら、その32.7%という数字に含まれ、身寄りのまったくない高齢者として孤独な老後を過ごしているのかもしれない。
そうした人たちが心身に障害を負った時に、しっかりと発見し支える日本社会でなければならない。
そういう人たちが孤独のうちに、心を閉ざしたまま亡くなってしまう地域社会にしないように心を寄せなければならない。
地域包括支援センターは、「発見する福祉」の行政最前線基地として機能しなければならない。その為には地域包括支援センター職員は、椅子に座り続けずに地域に出向いて様々な高齢者問題に向き合う必要がある。
介護事業所に勤める人々は、自分がサービス提供する要介護者のみならず、その周囲の人々にも目を向けなければならない。地域にどういう人たちが住み、どんな問題があるのかをキャッチできるようにしておかねばならないのだ。
自分や自分の関係者だけに関心を寄せるのではなく、地域や地域の諸問題に関心を寄せることが、地域包括ケアシステムを形骸化させずに機能させることにつながる。
地域包括ケアシステムの主人公は、ひとり一人の地域住民なのだから、地域の中で自分にもできることがある、役割があると信じてほしい。
少なくとも自分の身の回りに存在する「ひとり暮らしの高齢者」に関心を寄せて、必要な時に声をかけたり、手を差し伸べることはできるはずだ。
少しだけ勇気を出して、そのことを実践してほしい。
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感動の完結編。
