先月、「高まる物価対応の期中改定」という記事を更新アップしたが、これは高市首相が10/21の記者会見で、補正予算で介護事業者などの経営改善・処遇改善のための補助金支給を明言したことについて解説・論評したものだ。
そこでは「物価高対策」・「経営改善」という言葉が入れられていることが前内閣の方針との違いであり、介護事業者にとって良い方向性であると述べた。
このことに関連して11/17に複数のマスメディアが一斉に来年度の介護報酬・期中改定決定の報を打った。その内容は下記の内容だ。
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政府は介護職員の処遇改善のため、2026年度に臨時の報酬改定をする方針を固めた。月内に策定する経済対策に明記し、年末の予算編成で具体的な金額などを決める。複数の関係者が14日、明らかにした。改定が始まるまでの対応として、25年度補正予算案にも賃上げ支援策を盛り込む。
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だがこうした報道に違和感を覚えざるを得ない。各社とも「物価高対策」・「経営改善」には全く触れずに、「介護職員の処遇改善のため」としか報道していないからだ。

もしこの報道の通りの期中改定であるとすれば、現行の処遇改善加算の上乗せしかされないことになる。
介護事業者の経営改善の給付費上乗せも、居宅介護支援事業所のケアマネジャーの処遇改善費も含まれない改定で終わってしまうという意味だ。
それではまったく意味がないと云えるだろう。いくら国費によって介護職員の給与が上がっても、その給与を支払うべき介護事業者そのものが、経営危機から廃業に至ってしまえば、処遇改善費だって意味のないものになってしまうからだ。
廃業危機とは荒唐無稽の話ではなく、現に前回の報酬改定で処遇改善加算だけ上がり、基本報酬そのものは下げられた訪問介護事業所が全国各地で倒産・廃業の憂き目にあっている。その為に全国各地で訪問介護事業所が存在しない空白区域が生じているのだ。
17日に報道各社が報じた内容だけの補助金支給や期中改定であっては、その二の舞が繰り返され、訪問介護事業所のみならず、全国の介護事業者が経営困難から廃業に追い詰められる懸念がぬぐえない。それは介護崩壊から、介護難民の大量発生につながりかねない問題である。
しかしこれらの報道は、記事配信担当記者の無知と取材力の低さによるものであり、おそらく今年度の補助金も来年度の期中改定も、従前の処遇改善加算の上乗せだけでお茶を濁されるものではないように思う。
新首相の記者会見での公式見解がないがしろにされるほど、現首相は軽い存在ではないと思えるからだ。
このことに関連して、先の参議院選挙に立候補・落選した全国介護事業者連盟の斎藤理事長は、自身のSNSで、『菅義偉 元内閣総理大臣へ「介護分野の物価高・賃金対応及び介護保険制度改正に係る要望事項」を提出しました』として、次のように情報提供している。
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◆処遇改善は居宅介護支援・相談支援を含む全てのサービスに支給されます。
◆法人・事業者向けの物価高対策は、従来の交付金+介護・福祉事業者に限定した補助金が支給されます。
いずれも年明け早々の対応予定です。残りは最後、その金額感・予算規模です。
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以上である。さすれば17日に報道されている期中改定とは、新たに居宅介護支援事業所のケアマネ等を含めた処遇改善加算に絞った改定になるものの、それに合わせて物価高対策補助金が支給される2段方式となる可能性もある。
どちらにしても今後示される補助金によって、その全容が明らかになるだろう。
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