介護保険制度改正を議論する社会保障審議会・介護保険部会は、12月に入って1日・15日・22日と立て続けに開催されたが、いよいよ25日が年内最後の開催となる。

最終審議の場では、「介護保険制度の見直しに関する意見」の諮問案が示されて、それが承認さて諮問〜答申に繋がっていき、その内容が反映される形で介護保険制度改正関連法案として来年1月召集の通常国会に提出されて審議されることになる。

昨日の審議では、「居宅介護支援費に利用者負担は導入せず」で解説した住宅型有料老人ホームの入居者に特化した新たな相談支援のサービス類型を創設する方針が承認されている。

新たなサービス類型は、事前規制の「登録制」が適用される住宅型有料老人ホームの入居者のケアプラン作成と生活相談のニーズに一体的に対応し、そこで一定の利用者負担を徴収するというもの。

これによって次期改正時の居宅介護支援費の自己負担導入は見送られることが確実となった。

ただし実際に新たなサービス類型を創設する時期について、「未定」とされており、制度改正・報酬改定が予定される2027年度当初からの施行とならない可能性もあるとのことで、今後の動向に注目する必要がある。
美瑛町の冬
今年中に結論を出さずに、来年の通常国会に提出する法案には載せられない検討事項も明らかになっている。補足給付の見直し、老健と医療院の多少室料有料化拡大なども来年の介護保険部会で継続審議となる。

さらに先日(12/4)、「影響が大きい2割負担者の拡大」という記事で、介護保険サービス利用時の自己負担の2割対象拡大は利用者・介護事業者双方に影響が大きいことを指摘したが、その対象拡大も結論が先送りされた。

今年中に結論を出さなかった理由は、公的医療保険制度で高齢者の負担増につながる改革を行う見通しのため、生活に過度な影響が出ないよう配慮したというものだ。

だがこれで次期介護保険制度改正における2割負担対象者の拡大はなくなったのかというと、決してそうではない。この問題も来年以降の介護保険部会で継続審議して、対象拡大が承認されれば、再来年2027年1月の通常国会で法案提出〜成立となれば、2027年4月以降の対象拡大は可能となる。

以前に指摘した通り連立与党を組む日本維新の会は、選挙公約等で介護関連の具体的政策をほとんど示していないが、唯一といってよい関連政策として、現役世代の社会保険料の引き下げを掲げており、介護保険利用者の負担拡大はその政策に結びつくもので、その実現を図ろうとする勢力は少なくない。

ただ来年度は診療報酬の引き上げに加え、介護報酬の臨時改定での引き上げが控えており、利用者負担はそれによって増加する。そのような中で2割負担者を拡大した場合、政権批判が噴出して現在高いまま推移している内閣支持率にも影響することを懸念しての見送りだろう。

特に来年はいずれかの時期に衆議院の解散・総選挙が行われる可能性が高い。それまでは国民の支持を失いたくないというのが本音ではないだろうか。

どちらにしても介護保険制度改正は2027年度からであり、それまでは積み残された課題として検討議論が続けられていくので、その動向に注目をしておかねばならない。
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