厚労省老健局の黒田局長が、6/18に行われた参議院・厚労委員会でカスタマーハラスメントから介護従事者を守る対策をすべての介護事業者に義務付ける方針を改めて示した。

これはケアマネジャーが利用者宅で殺害された埼玉県川口市の事件を受けて、介護従事者を守る体制をどう強化するかという質問に答えたものであり、カスハラの防止に向けた雇用管理上必要な措置をすべての事業者に義務付ける改正労働施策総合推進法が、今年10月から施行されることを見据えた動きでもある。

川口市ケアマネジャー殺害事件が、カスタマーハラスメント対策の不備で起こった事件とは思えないし、カスタマーハラスメント対策が十分取られていても、その事件は防げなかったと思う。

この事件から得なければならない教訓とは、精神疾患等で妄想があったり、思い込みが激しかったりする利用者の家族と、どのように物理的距離をとるかという問題であって、モニタリング面接の場所を利用者宅が原則であるという現行ルールの改正こそ必要なのだと思う。

とはいってもカスタマーハラスメント対策を十分講ずることは、非常に重要であることは間違いない。

介護事業者の一番大切な財産ともいえる従業員を、顧客の理不尽な暴力・暴言から護る措置を講ずることは事業者の最大の責務であると言える。
カスタマーハラスメント対策委員会
そして最も適切なカスタマーハラスメント対策とは、顧客による理不尽な言動に対しては毅然とした態度で対応することである。

しかし顧客に対し毅然として対応できるためには条件がある。それは日ごろ従業員が顧客に対し、失礼な態度をとらず、サービス提供者としてふさわしい丁寧な接客ができているということだ。

年下の者が年長者に対等の話し方をするという意味でしかないタメ口は、顧客に対しては最も失礼な言葉遣いとなるが、その意味も知ることなく、それが親しみやすい言葉遣いであると勘違いする輩は、毅然とした顧客対応など無縁のものになってしまう。

そういう従業員の態度を注意せず、毅然とした態度をとらずに直させようとしない介護事業者も、顧客の失礼な態度にだけ、毅然と対応できるわけがない。

よって適切かつ毅然としたカスタマーハラスメント対策をとろうとするならば、まずは介護事業者の全ての従業員のサービスマナー意識を高め、日ごろから介護サービス利用者に対して真摯に、丁寧に接するという基盤を整えることが必要になる。

それなしにしてのカスタマーハラスメント対策は存在しないのである。
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