現在介護報酬は3年に一度改定され、診療報酬は2年に一度改定されている。
その為、6年ごとに介護と診療のダブル報酬改定が行われることになり、近直のそれは2024年度改定だったわけである。
そして次のダブル改定は2030年度ということになが、それまでは診療報酬が介護報酬より短い周期で改定されていくことになるため、その流れが介護報酬に影響していくことになる。
つまり介護報酬改定は、常に診療報酬の風下あるいは川下にあるといってよく、診療報酬改定の動向を見つめながら介護事業戦略を見直していくことが必要になる・・・ただしそれはかなりミクロな流れの読み方になる。
それより大きな流れとか、マクロな視点を考えた場合、国の医療・介護政策がどのような方向に向けて舵取りされているのかを見つめる必要がある。
すると今見えてくることとは、2040年問題と多死社会に向けた政策誘導である。

2040年問題とは、高齢者人口がピークに達するであろうと想定されることに伴い(※実際のピークは2043年ごろと予測されている。)、要介護者数もピークに達し、さらに85歳以上の高齢者数がピークに達するために、状態急変ケースが増える中で、少子化が止まらずに生産年齢人口がさらに減るために、財源と人材はさらに厳しくなるという問題である。
そうした中で我が国は年間死者数が増え、その数は2023年時点で既に157万6016人となり、死者数・増加数共に戦後最多となった。
このように増え続ける死者数に対応して、医療機関がその死に場所になるとすれば莫大な財源が必要になるという問題がある。その為、国は死ぬためだけに入院しなくてよい仕組みを医療制度改革・介護制度改革の両者で実現しようとしている。
例えば増え続ける老衰死に対応するため、2024年度の報酬改定では、居宅介護支援費のターミナルマネジメント加算について、末期がんの利用者に特定されていた縛りを外して、疾患を特定せず算定できるようにしたのもその対策の一つである。
今後も介護保険の居宅サービス・施設サービス両面で看取り介護・ターミナルケアを実施する方向で加算新設・強化・拡大が図られていくことになる。
そのような中で医療機関は、急性期医療を中心としたサービスを行うように政策誘導されており、かつて老人病院と呼ばれた長期入院できる医療機関は、その体制では経営が立ち行かなくなるために、在宅療養を支援する医療機関(※いわゆる在宅療養支援病院等)に変換を促されている。
さらに今年に入って政府・与党は、病床数削減方針を打ち出しており、一定条件下でベッド数を削減した医療機関に補助金を出すなどして、その政策を進めている。
つまり死者数が増える中で、医療機関のベッドは大幅に減っていくのだ。そこに対応した介護支援が求められており、そこには介護事業経営上の大きなビジネスチャンスが存在するということだ。
また財源と人材が不足する中で、要介護者が増える状況を鑑みた場合、国は介護事業の規模拡大を図っていくことは確実だ。
離島以外の小規模特養の単価をカットし、大規模通所リハビリが、リハ職を一定数以上配置するなどの要件をクリアすれば規模別報酬の減算を受けなくて済むようにした前回介護報酬改定の波は、2027年度介護報酬改定にも引き継がれ、事業規模を拡大・多角化することが、安定した介護事業経営には不可欠になる。
多死社会対応と経営規模の拡大化誘導・・・この二つの視点を鑑みれば、おのずと見えてくるものがある。それは今後の介護事業経営では、ホスピス経営が不可欠であるということだ。(※ホスピスとは、終末期を迎えた人が最期を快適に過ごすための包括的なケアを提供する施設もしくはサービスを指す言葉。)
介護事業を経営するにあたり、ホスピスを機能として必ず持ちあわせたうえで、事業拡大と多角経営化を図ることが経営戦略として必要となるということだ。これをしないと時代の波に乗り遅れて、介護業界で生き残ることは難しくなるのだ。
だからこそ従業員に対しては、看取り介護・ターミナルケアのスキルを獲得できる教育もシステム化していく必要がある。
そのことについては明日、論ずることにしたい。(※介護職員がやる気になって実践できる看取り介護の方法論に続く)
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感動の完結編。
