介護支援専門員(以下、ケアマネと略)という資格は、都道府県資格ではなく国家資格である。

そのことが明らかにされたのは2003年に野党議員が国会へ出した「質問主意書」に対して、内閣総理大臣・小泉純一郎(当時)名で出された答弁書によってである。(参照:介護支援専門員って国家資格だったのか・・・。

その時までは、多くの関係者の認識はケアマネとは都道府県資格であると考えていた。なぜなら資格試験は都道府県単位で行われ、合格証も都道府県知事名で出されるていたからである。

そして都道府県資格でしかないために、待遇も国家資格者の下位に置かれる傾向があると考える人も多かった。その為、ケアマネ資格を国家資格に格上げして待遇改善を勝ち取ろうとする動きがみられていたのである。

だが03年の答弁書で、介護支援専門員の資格も国家資格であることが示されると同時に、資格格上げ賃上げという運動は一気に萎んでいった。

不思議だったのは、ケアマネの職能団体などから国家資格であるならばそれにふさわしい待遇に改善できるように介護給付費の改善を図ってほしいという声がほとんど挙がってこなかったことである。

そのことが影響してか、今年度の臨時介護報酬改定でやっと居宅介護支援事業所にも処遇改善加算が新設されたものの、加算率はわずか2.1%でしかなく、他の国家資格と比べてまだまだ待遇は低い状態であると云わざるを得ない。
介護支援専門員は国家資格
ところで先週22日に行われた衆議院・厚労委員会で、中道改革連合の沼崎議員が「資格の位置付けについて正しい理解が十分に広まっていないことが、ケアマネジャーの社会的な地位の向上の妨げになっている」と問題提起した。

これに対して黒田老健局長はケアマネジャーの資格について、「法律に規定された国家資格として位置付けている」と改めて明言したうえで、ケアマネジャーの社会的な地位の向上に向けて「国家資格であるという法的な位置付けも含め、皆様に広く知っていただく取り組みを引き続き進めていく」との意向を示した。

このやり取りを聴いて、関係者の皆さんはどう感じただろうか。

老健局長は、ケアマネ資格が国家資格であることを広報する努力は示したが、待遇改善には一言も触れていないのである。まったくケアマネは馬鹿にされているとしか言いようがない。

考えてみてほしい・・・施設サービス計画書や居宅サービス計画書は、(セルフプランを除いて)ケアマネの資格を持つ者しか立案できないのである。

つまりケアマネは業務独占資格でもあるのだ。にもかかわらずケアマネを続けていると家族を養えないとして、前職の介護職員に戻ろうとする動きさえある。介護福祉士も国家資格ではあるが、業務独占ではなく名称独占に過ぎない資格である。

それなのにケアマネとして働き続けるより、介護福祉士資格を有する介護職員として働く方が待遇が良くなって、家族を養えるという逆転現象が起こっているのだ。この状態を放置しておれば、ケアマネの成り手は増えないし、ケアマネとして介護事業者に定着する人の数も増えていかないのではないだろうか。

しかも医師や看護師・社会福祉士・介護福祉士という国家資格者に課されていない定期研修受講義務も課されている。

国家資格であり、なおかつ業務独占資格であり、他の資格以上に国の管理・介入が強い資格に見合った待遇につながる介護給付費の引き上げが必要だと考えるのは思い上がりだろうか・・・僕は決してそうは思わない。

国家資格であるかどうかなんて関係ないという声も聴こえてくるが、ケアマネ資格に誇りを持っている人は、国が国家資格と明言していることを根拠・機会としてとらえ、堂々と待遇引き上げのための声を挙げるべきであると思う。

それと同時に他の国家資格者にない研修受講義務の廃止を訴えるべきだ。

世の中、正論ばかりで動くわけではないので、清濁併せのむようなこうした駆け引きが出来ない資格者では、待遇改善など勝ち取れない。

物言わぬ有資格であってどうするのだと声を大にして言いたい。
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