masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

介護人材マネジメント

教え方を教えられていない人が後輩を教えられるのか?



生産年齢人口が減少し続ける我が国では、全産業で労働力不足が事業経営の最大のリスクとなってきている。

介護事業の場合は、要介護者が今後20年近く増え続け、介護サービスを利用する顧客が増えるのに、サービスを提供する人材が不足するという2重の困難を抱えている。

しかも厄介なことに身体介護という行為は、テクノロジーが代替できない部分が多い。例えば力が必要な行為の直後に、連続して力をかけずに柔らかくボディータッチして巧緻性が必要な行為を行わねばならないことがある。

人間はこの複雑な連続した行為を難なく行うことができるが、AI搭載ロボットにこれが可能となるかは大いに疑問である。現実の介護サービスの場には、そのようなテクノロジーは存在していない。

だから生産性向上の取り組みは必然だとわかっていても、現実にはその限界点はかなり低いところにあって、人手をかけなくてよい業務とは、直接的な介護業務ではない部分でしかないという結果になっている。

このように介護事業は他産業より人手に頼らねば完結できない業務が多いという現状があり、人材不足はより深刻な問題となっている。

そうであるがゆえに、介護事業における人材マネジメントはより重要な課題である。特に従業員が定着する職場を考えなければ、募集に対して応募が増えても人材は充足しないのだから、従業員が安心して働くことができ定着する職場環境を実現させる必要がある。

その為に最も重要となるのが、定着できる人材の育成教育システムである。

しかし多くの介護事業所でこのシステムが存在していない。それどころか従業員の教育担当者が、教え方を教わっていない。つまり我流の見て覚えろ、聴いて覚えろの指示・命令が教育と勘違いされているのだ・・・それでは人が育つわけがない。

そのような体質を変えるために、介護事業経営者・管理職に向けた人材マネジメントとは別に、介護職リーダーに向けた人材マネジメントの講演依頼を受けることも少なくない。
食事介助
今日も19:00〜20:30の予定で、鹿児島県日置市の介護関係者に向けて「定着につながる介護人材マネジメント」をテーマにオンライン講演を配信する予定だ。上の画像はその際に使用するPPTスライドの1枚である。

今日の受講対象者は、介護職員のリーダー的立場の人や、居宅介護支援事業所のケアマネジャー等と聴いている。

それらの人に向けて後進育成の方法を示す予定である。根拠ある指導の方法や、そのために必要となるOJTツールをどうするのか。OJTにつなげる基礎座学の内容とそのスケジュールをどう組み立てるか。そして後輩職員にどのように面談するべきか。部下の能力を引き上げるためにどのようにアドバイスしたり、叱ったりするのかを具体的に説明する予定だ。つまり教え方をしっかり教える講演である。・・・これらはすべて僕が実務として行ってきたことであり、実績を残してきた方法論だ。

だからそれは理想論でも空論でもなく、実践できる実務論である。

今日の講演時間は日勤が終わった人も受講できる講演設定としていると思うが、実際に仕事を終えてお疲れの皆さんが多数参加すると思う。

それらの受講者の方々の貴重な時間を無駄にせず、眠たくならない実務論を伝えたいと思う。日置市の皆さん、画面越しに愛ましょう。

日置市の介護関係者の皆様を応援する動画も作成しているので、下記から視聴していただきたい。

筆者の講演予定はこちらからご覧ください。講演依頼はあかい花公式Web右上のをクリックしてお気軽に相談・お申し込みください。


※別ブログ「masaの血と骨と肉」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

介護職員の募集は媒体や方法論より目的を持つことが重要



介護職員募集広告をハローワークに出しても介護人材は集まらない時代である。

その為に、自社の公式サイトの一番目立つであろう場所に募集広告を載せることも当たり前に行われているが、介護事業者のサイトから募集広告を見て応募する人が果たしてどれだけいるだろうか?

見も知らぬ人がたまたまネットサーフィンして、介護事業者のサイトの募集広告にヒットするんてことに期待してはならない。そんな確率はほぼゼロに近いと思わねばならないのだから、その募集広告に応募するなんて言うことはあり得ないことである。それはハローワークを通じて募集をかけるよりさらに確率が低い方法だと思う。

そのことに気が付いている事業者は、盛んに有料のネット広告媒体に従業員募集広告を掲載し、応募が増えることを期待するが、実は求人媒体は広告主の成果にフォーカスしてはいない

求人媒体がフォーカスするのは、求人媒体を通じて職を求める人なのだ。さらに言えば広告主が成果のない広告を載せ続ける方が収益になるのが求人媒体である。

求人媒体からしてみれば、広告主に就職した人が短期間で辞めてくれて、広告主が再度、再再度というふうに求人媒体に頼ってくれる方が良いのである・・・よってそこに頼っても永遠に人材不足は解消しないのは至極当たり前だといえる。

そのために、検索エンジンの検索結果にユーザーが検索したキーワード(検索語句)に連動して掲載されるリスティング広告の方が費用が抑えられて成果も高いとして、それを利用する事業者も増えている。

しかしそれによって応募が増えたとして、その応募者が本当に求められる人材として成長し定着してくれるだろうか・・・その部分のマッチングはまったく保証してくれないのがリスティング広告である。

そのため募集に応募が増えて採用人数が増えても、働いた途端に、「考えていた仕事と違う」・「自分が理想とする職場環境とは程遠い」という理由で短期間で辞めてしまう人も増え、結局人材は増えないという結果にしかなっていない介護事業者が多い。
介護人材マネジメント
そんなものに頼るのではなく、どんな資質の従業員を集めたいのかというところから、求人の方法を考えた方が良いと思う。

僕が欲する人材とは、介護事業を通じて他者の暮らしを支え、他者の役に立っているということを仕事のやりがいと感ずる人である。だからそういう人を集めようと考えた。

そのために僕のこのブログも、設置当時は自分の思いを書くだけの目的で始めたが、ある時期からは読者がいて、その多くが介護関係者であることを意識し、その中で僕の社福経営者(※当時)としての思いを理解し、その考え方に共感してくれる人が増えないかなという考えも取り入れて記事更新してきた。

その延長線上には、僕の考え方や経営方針に共鳴して、僕の経営する法人に所属したいと考える人が生まれることも期待したが、おかげさまで決して少ない人数でない方々が僕の経営方針に共鳴し、当該社会福祉法人に就職した。

その人たちが今やその法人で、後進を育てる人財となっているのである。

そんなふうに僕自身は社会福祉法人の総合施設長を務めていた当時、人材不足で頭を悩ましたことは一度もなかった。
(※ちなみに特養の看護・介護職員の配置人員は基準より多い対利用者比2:1を維持していた。)

お金をかけて人を集める方法は多々あるが、集まった人材が介護の仕事にやりがいを感じてよい仕事をし、定着するかは別問題なのだ。

理念のない介護事業者に求める良い人材は集まらない。理念を実現する方法論がないところに人材は定着しない。理念を実現する方法論に嘘がある職場から人は去っていく・・・そのことを決して忘れず、どんな人材を求めているのか、そういう人材はどういう職場を求めているのかという原点から人材マネジメントは考えられなければならないと思う。

結局、介護事業における優秀な人材は、利用者の暮らしの質を向上させる高品質サービスを目指し、それを実現する事業者に集まっていることを理解せねばならないと思う。


※別ブログ「masaの血と骨と肉」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。
新刊出版のご案内
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)のamazonからの取り寄せはこちらをクリックしてください。
masaの講演案内
当ブログ管理人masaの講演予定は、こちらからご覧下さい。講演依頼もこのページからできます。
Weekuly Access

    記事検索
    Blog Search
    Google
    WWW を検索
    このブログ内を検索
    ↑こちらにキーワードを入れて過去のブログ内記事を検索できます。
    masa's book 6
    表紙画像(小)
    新刊「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から(2019年1月20日発売)のネットからの購入はこちらをクリックしてください。送料無料です。
    masa's book 5
    新刊介護の誇り
    「介護の誇り」はこちらから購入できます。
    masa's book 4
    介護の詩(うた)  「介護の詩(うた)」はこちらから購入できます。
    masa's book 3
    人を語らずして介護を語るなTHE FINAL 誰かの赤い花になるために  感動の完結編。 「人を語らずして介護を語るな THE FINAL 誰かの赤い花になるために」。 はこちらから購入できます。
    masa's book 1
    表紙カバー、帯付き
    書籍化第1弾「人を語らずして介護を語るな〜書籍masaの介護福祉情報裏板」 はこちらから購入できます。
    Facebook
    masaのフェイスブックはこちらからアクセスしてください。
    Recent Comments
    Archives
    Categories
    Access Counter
    • 今日:
    • 昨日:
    • 累計:

    QRコード
    QRコード