介護事業者側に非がなくとも、いわれなきクレームが利用者やその家族から挙がってくることがある。

その際にも真摯に対応し、説明責任をきちんと果たそうとする姿勢は必要だろう。

しかしそれにもおのずと限度というものがある。過度にへりくだって必要以上の対応になってしまえば、結果的に不当なクレームを挙げている当事者が勘違いをして、その要求がさらに過激なものに結びつく恐れがある。

そういう意味で、真摯さや丁寧さのさじ加減も必要になってくるのではないかと思う。

そこで思い出してほしい事件がある。それは、「介護事業者にとって他人ごとではない『たてこもり殺人事件』」でも論評した、今年2月に埼玉県ふじみ野市で起きた殺人事件である。

被害者が殺害された現場は亡くなった患者宅である。懸命に治療にあたっていたものの、その甲斐なく死亡した患者の息子が、対応が気にくわなかったとして、葬儀が行われていた自宅まで医師ら治療スタッフを呼び出し、医師を猟銃で撃ち殺したという事件である。

犯人は、母親がサービスを受けていた様々な事業者にクレームを挙げ続けていた人物だそうだ。

そのような人物の呼び出しに応じて、真摯に説明しようとした被害者には何の落ち度もない。地域では親切で腕が良いと評判だった医師が犠牲となったこの事件は、被害者やその関係者にとっては理不尽極まりないものである。

このようなことが二度と起きないように、事業者側も対策を練っておく必要がある。

仮に事業者側に非があって、顧客がそのことに正当なクレームを挙げたとしても、そのことに対する謝罪対応などの要求が、社会通念に照らして相当でない場合はカスタマーハラスメントに該当するのである。

ましてや前述した事件のように、事業者側に非がないケースについては、クレームそのものが、カスタマーハラスメントである。

よって利用者宅に呼び出された場合は、いかなる状況であっても、その要求には応じてはならない。

クレーム対応は密室化しない場所(事業者の応接室など)で受けるべきで、どうしてもそれに応じない顧客に対しては、しかるべき機関(※介護保険サービスの場合は、国保連や都道府県・市町村に苦情受付窓口が設置されている)に訴えるように通告すべきである。

これらの対応について、7/26(水)15:00〜16:00アクセス札幌で、「理不尽なクレームから施設と職員を守るカスタマーハラスメント対策」をテーマに講演を行う予定だ。(※参加申し込みはこちらから。事前登録で無料入場できます
CareTEX 札幌2023講演
ケアテック札幌2023
ケアテック札幌2023 - コピー
この講演は、北海道の介護業界においても最大級の商談型展示会となるCareTEX札幌2023の中で行われるセミナーである。

事前登録することで無料入場できるそうなので、是非お早めに登録して、当日会場で僕の講演を聴くほかに、最新の介護機器等の情報を仕入れていただきたい。

カスタマーハラスメント対策は、介護事業経営を行う上で最重要なリスクヘッジである。この対策をしっかり取ることで従業員が護られ、働きやすい職場環境も生まれる。そういう意味では人材マネジメント対策の一つともいえる。

その対策を充実させることが、介護事業経営主体の体力を強化することは間違いのないところで、当日の講演を聴いて、是非今後の介護事業経営に生かしていただきたい。

それでは当日7/26会場で愛ましょう。
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