masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

介護の誇り

誰かの人生に関わる職業で大切なことは感じの良さ



介護事業者に就職して、何らかの形で介護サービス利用者の方と関わっている人は、介護職であれ事務職であれ、職種は何であろうとも誰かの人生の一部に関わっているということになる。

人によってはその重みを理解できない方もいるのかもしれないが、それは紛れもない事実である。

介護サービス利用者にとってはそれは極めて重大なことで、自分が何らかの生活支援を受ける際に、その担当者や関係者が自分にとって気に入らない場合でも、生きるために我慢して支援を受けなければならないことが少なくない・・・それは心身に障害を持った以後の人生の幸福度を下げる問題に他ならない。

だが、他者の人生の一部に関わっているという実感をなかなか持つことができない人もいるのは致し方ないことだと思う。

そもそも介護の職業を選ぶ動機も様々で、人様のプライベート空間に踏み込んで生活の糧を得ようとしたわけではないのに、何らかの事情で会社が介護事業を行うことになって、そこで自分の意思とは関係なく介護の仕事をするという人も居るだろう。

そういう人にとっては、仕事として利用者に相対しているだけで、他人の人生に関わるという実感は持ちづらいだろうし、そのような考えは大げさと思うだろう。そして介護対人援助社会福祉事業であるという意識を持つこともできないかもしれない。

しかし心身に何らかの障害を持つ人にとって見れば、他者に自分の身を委ねるということは、決して軽い気持ちではできないことだ。

場合によっては、他人に知られたくない・見せたくないプライバシーをさらけ出して手を貸してもらわねば、日常生活が成り立たない人がいるという事実だけはしっかりと認識してほしい。 

特に認知機能が衰えていない女性の高齢者は、若い男性介護職員に下の世話を受けることを恥辱に思う人は少なくない・・・そこまでいかなくとも、何の抵抗もなく自分より年の若い異性に身を委ねることができる人は多くはないだろう。そうした視点を常に持って支援行為に携わることができるか・そうでないのかということが、利用者が支援者を心から信頼できるか否かの分かれ道につながるような気がしている。

また、介護支援を行う人が常に利用者から受け入れられるというわけではないという事実にも向かい合ってほしい。

このブログを読んでくれている介護関係者の中で、介護関連の仕事に就いた以降、利用者や家族、あるいはその関係者から一度も嫌われたことがないと自信をもっていえる方が何人いるだろう。

僕は我が身を振り返ったとき、幾人もの人に何度か嫌われてきた経験がある。自分が良かれと思った行為が、利用者やその家族に受け入れられず、逆に不快感を与えた経験は決して少ないとは言えない。

若い頃は自分が悪いとは思えないのに、利用者や家族からいわれなき非難を受けることを憤ったこともある・・・しかしそれはいつしか間違った考え方であると思うようになった。

僕自身が正しいと思う行為でも、利用者が受け入れてくれないのであれば、それは決して正解とは言えないからだ。

それぞれ異なる感情を持つ人間は、同じ行為に対して万人が同じ反応を示すことはない。僕の正解は利用者の正解ではないわけである。そして対人援助という場では、支援者たる僕たちは何よりも利用者にとっての正解を導き出すことができるプロでなければならないのである。

そういう意味で介護の職業とは嫌われてなんぼという職業ではなく、好かれてなんぼの職業であると考えるべきだ。

なぜなら嫌いという感情は負の感情で、介護支援を受ける顧客自身がそうした負の感情を抱くことは、その人の人生の幸福度を削る結果にしかならないからだ。嫌だという感情を持つ利用者に、そうした否定的感情を持つことは間違いだと説得することに何の意味もなく、それは利用者にさらに嫌な感情を抱かせるだけの結果にしかならない。

だからこそ僕は、介護の職場に新しく入る職員に最初に掛ける言葉は決まっている。その言葉とは、「どうぞ立派な介護職員になる前に、感じの良い介護職員になってください」という言葉である。
感じの良い介護職員になってください
誰かの人生の一部に関わるという意味は、誰かの人生の幸福度を上げることもできる反面、誰かの人生を不幸なものに変えてしまう恐れをも抱いているという意味だ。

どうかその重みを感じ取れる人間になってほしい。そう思えるかどうかが、その人の品格に繋がっていくのではないだろうか。

そう思えるかどうかが、介護の仕事に使命を感じ、誇りを持て続けられる分かれ道にもなるのではないだろうか。


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心掛けていることは実践論であること



今僕は福岡市・博多のホテルでこの記事を更新している。

今日は14:30〜博多駅近くの会場で講演を行う予定があり、その仕事に備えて前日に福岡入りした。新千歳空港と福岡空港は直行便で結ばれているが、僕の自宅がある登別からの移動を含めると、当日入りして間に合うのは夕方開始の講演くらいであり、どうしても前日移動になる。

だが前日入りにも良いことがあって、昨日は前夜祭ということで、福岡や山口の知り合いたちと呑み会で盛り上がった。その模様は「野球好きは、あっさりサッカー無視」を参照していただきたい。
2024/6/10博多オフ会
それにしても北海道に比べて九州の夜明けは遅い・・・だが今日は、午後からの仕事なので、空が明るくなって陽が高くなってから起きても余裕である。

今日はTKPガーデンシティ博多新幹線口 ・プレミアムホールで行われる福岡県老人福祉施設協議会・令和6年度第1回総会で、「介護報酬改定の状況から考える今後の介護事業経営」をテーマに講演を行う。

福岡県老人福祉施設協議会さんからは、今まで何度も講演依頼を頂いて、様々なテーマで話をさせていただいている。今回は特養と通所介護の報酬改定・基準改正の要点を解説したうえで、物価高対応されていない厳しい報酬単価という状況で、どのような事業経営をしていくべきかという視点で話をさせていただく。

その講演が終わった後、地下鉄博多駅から唐人町に移動し、合同会社えんどの職員研修として、「介護事業における専門職の使命と役割」という講演も行う予定だ。

合同会社えんどさんとは、今回初めてのお付き合いであるが、研修担当者の方が、数年前に僕が福岡市内の山王病院で行った講演を受講したという方であった。その話に感銘を受け、自分の社のスタッフにもその話を聴かせたいと思っていたところ、あかい花の公式サイトに掲載されている僕の講演予定を見て今回僕が福岡に滞在することを知ったということで、「一度、当社スタッフにも菊地様のお話しを聞かせてあげたいなぁ…と、ずっと考えておりましたところ、6月11日に福岡で講演される予定に気づき、その後のご予定が空いておられないだろうか…と思い勇気を出してメールを差し上げた次第です。」というメールが5/27に届いた。

こうまで云われると断ることはできないので、たまたま講演後に予定がなかったので受けさせていただいた。(※ただし、そのあと福岡県老施協事務局の方からオフ会の打診が来た・・・この時は、すでに唐人町講演の予定が入ってしまっていたので、泣く泣くお断りせざるを得なかった。福岡県老施協の皆様申し訳ありませんでした。

合同会社えんど職員研修では、介護事業に携わる者として、この仕事の使命とは何かということを理解していただくと共に、使命を果たすことによって仕事を続けることに誇りと喜びを持つことができることをあきらかにしたい・・・その基盤となるのがサービスマナーであることを理解できる話をするつもりだ。

そんなふうに14:30〜19:30にかけて2つの講演を行うが、2本目の講演後、座談会もあるため終了は20時過ぎになるだろう。そのあと、博多駅近くで一人呑み会を行って明日の帰道に備えたい。

今日の講演をはじめとして、僕は様々なテーマで講演を行っているが、そこで心掛けていることは、自分ができないこと・自分がやってこなかったことは話さないということだ。

僕が介護事業に携わった最初は、特養の生活指導員から始まっている。その後、相談室長〜業務課長を経て総合施設長を経験してきたわけだが、その間に措置制度から介護保険制度への切り替えという大改革を経験し、すべての福祉系サービス実務に精通する機会を持つことができた。

介護支援専門員の資格も取り、居宅・施設両者のケアマネジメント実務も行ってきた。

さらに母体の医療法人では、医療系サービスもすべて提供していたため、スーパーバイザーとしてそれらのサービスにも関わってきた。

社福法人の総合施設長としては、介護事業経営の先頭にも立って経営実務の経験も乏しくはない。

そうした豊富で多彩な経験を生かして実践可能な実務論を全国各地で語っている。おかげさまで評判も悪くなく、リピーターも多いことがそれを証明していると思う。この半年間で話をしているテーマは下記の通りである。

・介護事業における専門職の使命と役割
・介護という職業の使命と誇り〜従業員のやる気を引き出す実践論
・介護専門職としての社会的使命
・看取りを支える介護実践〜人生会議から命のバトンリレーまで
・介護報酬改定の状況から考える今後の介護事業経営
・介護人材マネジメント〜人材が成長し定着する職場づくり
・チームワークと組織運営
・介護事業における管理職の役割について
・目指せ!介護支援専門員中の介護支援専門員〜君のケアマネジメントに根拠はあるか〜
・ケアマネのあるべき姿とは〜ケアマネはどこまでやるの?本来業務を考える
・虐待を予防し、身体拘束をしないケア
・不適切ケアから虐待への過程と尊厳を守るケアについて
・認知症を知り、地域で支え合おう〜愛を積みながら認知症の人とともに歩む介護 〜
・デイサービスセンターについての加算取得方法
・福祉のプロを醸成する組織づくりとは


全国どこでもこうした話をしに出掛けるので、ご要望がある方はメールで打診いただきたい。条件などを確認したうえで最終決定するのが当然なので、メールで問い合わせたからといって、必ず依頼しなければならないわけではなく、調整の結果見送りでも全然かまわない。

まずは公式サイトの右上の✉マークをクリックして連絡いただければありがたい。よろしくお願いいたします。


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