masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

介護の使命

対人援助の使命と責任を果たす条件



介護をはじめとした対人援助を職業としている人だからと言って、聖人君子である必要はないし、天使のような優しさを求められる謂れもない。

ごく普通の人が職業選択の結果、何らかの理由で対人援助の仕事を選んだというだけの話だから、いろいろな性格の人、いろいろな価値観を持つ人がいて当然である。そして人間である以上、人に優れたスキルを持つ反面、欠点を持つことも当然である。

そもそも人間は、誰しもが良い面と悪い面の両面を持っているのだと思う。悪い面がある人が対人援助に向かないとなると、ほとんどその適性のある人は存在しなくなる。

悪い面があるとしても、仕事を行う中ではできるだけその面を自覚し、利用者対応にそうした部分を出さないようにすれば良いだけの話だ。

そういう意味では、すべての仕事において人は、良い自分演じ、良い面しか持たない人として自分を取り繕うことがあっても良いのだ・・・というか、そういうことがないと人は生きて行けないのではないだろうか。

対人援助のプロとして働いている人、これから働こうとしている人も、ごくごく普通に社会のルールを護り、礼儀をもって他者に接することができれば十分である。それができないというのであれば、すべての社会生活に向かないという意味であり、どんな仕事に就いても問題を引き起こしたり、長続きしなかったりするだろう。

そういう意味では、自らが選んで就いた仕事においては、職場の理念を理解し、ルールを護り、パフォーマンスを高めるという努力は欠かせないという理解は必要とされる。

仕事とは、生活の糧を得る手段でもあるのだから、仕事の目的を達するために自らを律する心構えも当然必要とされるのである。

自らを律するために、自らの身に鎖を課す必要もある。動機はともかく、他者の暮らしに介入する対人援助の仕事を選んだものとして、自分自身に鎖を課し、それに耐える義務があるのだと思う。

しかし自分が自分に課した鎖ほど、重たい鎖はないことを忘れてはならない。 

特に対人援助の仕事というものは、他者のプライベート空間に深く介入し、本来他人に知られたくない様々な情報を取捨選択しながら関わっていくという特殊な職業だ。それはまさに、『重き荷を負うて、遠き道を行くがごとき職業』である。

対人援助の仕事を職業として選んだ人は、知らず知らずのうちにそうした道を行くにふさわしい者として選ばれし者だと考えてほしい。私たちは、選ばれし者として自分自身に鎖を課し、それに耐える義務があるのだと思いたい。

そして対人援助の仕事の究極の方針は、シンプルに3つ考えるべきだ。

ひとつは顧客満足。対人援助サービス利用者の満足感を最大限に高め、ゆえに満足感を低下させるような要素は徹底的に排除し、予防措置を最大限に敷いておかねばならない・・・利用者の人権を侵害する、無礼な対応を予防するためのサービスマナー教育は、そういう意味でも重要となる。

いまひとつは、費用対効果。私たちの仕事のほぼすべては、税金と保険料という国民負担で賄われている。私たちの仕事が国民には見えにくいものである以上、私たち自身が常に費用対効果を意識し、いかにして活きた金を使うのかを意識しなければならない・・・対人援助に直接携わる従業員の業務改善の設備に使う費用や、利用者対応の正しい方法を伝え続ける教育に掛ける費用こそ活き金になることを理解せねばならない。

最後の一つは、結果責任・結果指向。一生懸命やることだけを目的にしない。利用者に対し結果を約束し、結局何ができたのかを常に検証しなければならない。

それが人の人生、人の暮らしに関りを持つ職業の最大の使命と責任ではないかと思うのである。
快筆乱麻・masaが読み解く介護の今
CBニュースの連載、「快筆乱麻・masaが読み解く介護の今」の最新記事が昨夕アップされました。是非参照ください。


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心掛けていることは実践論であること



今僕は福岡市・博多のホテルでこの記事を更新している。

今日は14:30〜博多駅近くの会場で講演を行う予定があり、その仕事に備えて前日に福岡入りした。新千歳空港と福岡空港は直行便で結ばれているが、僕の自宅がある登別からの移動を含めると、当日入りして間に合うのは夕方開始の講演くらいであり、どうしても前日移動になる。

だが前日入りにも良いことがあって、昨日は前夜祭ということで、福岡や山口の知り合いたちと呑み会で盛り上がった。その模様は「野球好きは、あっさりサッカー無視」を参照していただきたい。
2024/6/10博多オフ会
それにしても北海道に比べて九州の夜明けは遅い・・・だが今日は、午後からの仕事なので、空が明るくなって陽が高くなってから起きても余裕である。

今日はTKPガーデンシティ博多新幹線口 ・プレミアムホールで行われる福岡県老人福祉施設協議会・令和6年度第1回総会で、「介護報酬改定の状況から考える今後の介護事業経営」をテーマに講演を行う。

福岡県老人福祉施設協議会さんからは、今まで何度も講演依頼を頂いて、様々なテーマで話をさせていただいている。今回は特養と通所介護の報酬改定・基準改正の要点を解説したうえで、物価高対応されていない厳しい報酬単価という状況で、どのような事業経営をしていくべきかという視点で話をさせていただく。

その講演が終わった後、地下鉄博多駅から唐人町に移動し、合同会社えんどの職員研修として、「介護事業における専門職の使命と役割」という講演も行う予定だ。

合同会社えんどさんとは、今回初めてのお付き合いであるが、研修担当者の方が、数年前に僕が福岡市内の山王病院で行った講演を受講したという方であった。その話に感銘を受け、自分の社のスタッフにもその話を聴かせたいと思っていたところ、あかい花の公式サイトに掲載されている僕の講演予定を見て今回僕が福岡に滞在することを知ったということで、「一度、当社スタッフにも菊地様のお話しを聞かせてあげたいなぁ…と、ずっと考えておりましたところ、6月11日に福岡で講演される予定に気づき、その後のご予定が空いておられないだろうか…と思い勇気を出してメールを差し上げた次第です。」というメールが5/27に届いた。

こうまで云われると断ることはできないので、たまたま講演後に予定がなかったので受けさせていただいた。(※ただし、そのあと福岡県老施協事務局の方からオフ会の打診が来た・・・この時は、すでに唐人町講演の予定が入ってしまっていたので、泣く泣くお断りせざるを得なかった。福岡県老施協の皆様申し訳ありませんでした。

合同会社えんど職員研修では、介護事業に携わる者として、この仕事の使命とは何かということを理解していただくと共に、使命を果たすことによって仕事を続けることに誇りと喜びを持つことができることをあきらかにしたい・・・その基盤となるのがサービスマナーであることを理解できる話をするつもりだ。

そんなふうに14:30〜19:30にかけて2つの講演を行うが、2本目の講演後、座談会もあるため終了は20時過ぎになるだろう。そのあと、博多駅近くで一人呑み会を行って明日の帰道に備えたい。

今日の講演をはじめとして、僕は様々なテーマで講演を行っているが、そこで心掛けていることは、自分ができないこと・自分がやってこなかったことは話さないということだ。

僕が介護事業に携わった最初は、特養の生活指導員から始まっている。その後、相談室長〜業務課長を経て総合施設長を経験してきたわけだが、その間に措置制度から介護保険制度への切り替えという大改革を経験し、すべての福祉系サービス実務に精通する機会を持つことができた。

介護支援専門員の資格も取り、居宅・施設両者のケアマネジメント実務も行ってきた。

さらに母体の医療法人では、医療系サービスもすべて提供していたため、スーパーバイザーとしてそれらのサービスにも関わってきた。

社福法人の総合施設長としては、介護事業経営の先頭にも立って経営実務の経験も乏しくはない。

そうした豊富で多彩な経験を生かして実践可能な実務論を全国各地で語っている。おかげさまで評判も悪くなく、リピーターも多いことがそれを証明していると思う。この半年間で話をしているテーマは下記の通りである。

・介護事業における専門職の使命と役割
・介護という職業の使命と誇り〜従業員のやる気を引き出す実践論
・介護専門職としての社会的使命
・看取りを支える介護実践〜人生会議から命のバトンリレーまで
・介護報酬改定の状況から考える今後の介護事業経営
・介護人材マネジメント〜人材が成長し定着する職場づくり
・チームワークと組織運営
・介護事業における管理職の役割について
・目指せ!介護支援専門員中の介護支援専門員〜君のケアマネジメントに根拠はあるか〜
・ケアマネのあるべき姿とは〜ケアマネはどこまでやるの?本来業務を考える
・虐待を予防し、身体拘束をしないケア
・不適切ケアから虐待への過程と尊厳を守るケアについて
・認知症を知り、地域で支え合おう〜愛を積みながら認知症の人とともに歩む介護 〜
・デイサービスセンターについての加算取得方法
・福祉のプロを醸成する組織づくりとは


全国どこでもこうした話をしに出掛けるので、ご要望がある方はメールで打診いただきたい。条件などを確認したうえで最終決定するのが当然なので、メールで問い合わせたからといって、必ず依頼しなければならないわけではなく、調整の結果見送りでも全然かまわない。

まずは公式サイトの右上の✉マークをクリックして連絡いただければありがたい。よろしくお願いいたします。


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