昨日(10/27)行われた社保審・介護保険部会で厚労省は、ケアマネ資格更新制廃止を提言し、大筋で了承を得た。
この方針は来年の通常国会に提出する介護保険法などの改正案に盛り込むため、国会の審議を通過すれば2027年度からの実施となる。(※関連資料:こちらの14頁〜16頁参照)
この報に触れて、全国のケアマネジャーから様々な反響があり、某報道機関のネットニュースの見出しには、「激震」などと大げさな文字が踊っている。
僕が管理する表の掲示板にもスレッドが建てられている。
それだけケアマネ実務者にとって更新制度の廃止は大きなニュースで、かつ朗報と受け取られているということである。それは裏を返せば、更新制度はもともと意味のなく不要なものだと考えているケアマネが多いということでもある。
そうしたケアマネ諸氏が今回の廃止提言に喜びの声を挙げているのだろう。
だが紹介スレッドにも書いたが、僕個人としてはこの提言はほとんど意味がないと思っており、ケアマネの皆さんの現在の喜びも、やがてぬか喜びで終わり、それが失望の声に変わるのではないかと懸念している。
かねてより僕はこのブログで資格更新制度はいらないと提言している。(参照:ケアマネ資格更新研修廃止論〜何が乱暴なのか?)
その僕が今回の厚労省の提言については不満を持っているのだ。なぜなら資格更新制度が廃止されても、研修受講義務が残されているからである。
考えてみてほしい。現在のケアマネ資格更新制度というのは、別に試験があるわけではない。研修受講義務があるだけで、この研修に時間と費用をかけることの無駄が、資格更新制度廃止論に繋がっているわけである。

現行の研修は居眠りしていても受講とみなされるだけではなく、居眠りして聴き逃しても支障のない講義内容であることも少なくなく、ケアマネ実務者には全く意味のない講義が多いという実態がある。
更新制度がなくなっても、研修受講義務が残っておれば、この状態に変わりはないのだ。結局お金と時間をかけて、従前と同じ無駄と思える講義を聴かされるのである。
しかも資料15頁では、「更新制と研修受講の紐付けがなくなることで、研修を受講しないことで直ちに資格を失い、ケアマネジャーの業務ができなくなるといった取扱いがなくなる。」とする一方で、16頁では、「現行制度上、都道府県知事は、適切にケアマネジャーとしての業務を遂行していないと認められる者に対して、研修受講命令を行うことができることとされており、こうした命令に従わない場合に、本人に対して業務禁止命令を行うこともできるとされている。(介護保険法第69条の38)」として、暗に研修受講しない場合は、ケアマネ実務ができなくなる罰則を課すことを示しているのである・・・これでは資格更新制度とほとんど変わりがないと云える。
更新制廃止後の研修については、可能な限り縮減を検討するとして、例として一定期間(例えば5年間)に分割して受講するなど柔軟に受講できる案を示している。今後はこれに加えてオンライン受講などの検討もされるのだろうが、どちらにしても実務時間を奪われてお金がかかることには変わりなく、ケアマネの負担は減らない。
研修受講義務を残す理由は、「専門職として、新たな知識と技能の修得に継続的に取り組んでいくことの重要性は変わるものではない」としているが、同じような専門職で、人の命に深く関わる医師や看護師に、このような定期研修受講義務はない。それでも質は担保されている。
医師や看護師は技術があって、そのあとに制度ができたために、厚労省はこうした専門職にスキルアップ研修の強制はできないということだろう。
一方でケアマネは介護保険制度共に、厚労省が創ってやった職種だと思っているから、その強制ができると思い込んでいるのだ。
この情報社会で、必要な最新情報や知識を手に入れる手段は法定研修に限らないのだから、そのようなものだけにスキル担保価値を見出すことは間違っている。スキルを得て顧客に選ばれようとするケアマネジャーは、自ら研修も選んで必要な知識を獲得できるのである。
根拠と知識に欠ける講師を並べた法定研修などクソくらえだ。
そもそもそんなに研修が重要だというなら、厚労省官僚のスキル担保のために研修受講義務を課したらどうだ。介護保険部会委員のスキル担保の定期研修義務も課せと云いたくなる。
硬直脳の持ち主だらけの議論の場(社保審)では、抜本的な改革など出来ないということが、今回のケアマネ資格更新廃止論議論でもよく分かった。
こんなことでは社会や制度が良くなるわけがないと思う。中途半端で意味のない改革という名のルール変更にはうんざりである。
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感動の完結編。
