昨日はお盆の帰省ラッシュということで、新千歳空港発着便もほとんど満席だったそうである。

今日はそんな帰省ラッシュが見られた翌日の月曜日ではあるが、世間ではまだお盆休みが続いているという人も多いだろう。休みを取れる人は、ゆっくりと体と心を癒していただきたい。

世間を見渡すと夏休みのイベントも各地で開催され、人がたくさん集まっている。そんなふうに3年ぶりのにぎやかなお盆ということになったが、コロナ禍は終息しておらず、むしろこの3年間で最も感染者数が多い中でこうした状況に変わっている。ということは感染予防策としての行動制限の在り方が今一度問い直さされているという意味ではないのだろうか・・・。

そうであれば介護施設のあまりにも長期に渡る面会制限も、その是非が議論されてよい頃だ。

このことは介護・居住系施設やそこに入所している人の問題ではなく、日本人の終末期の過ごし方、つまりは全国民の「生き方」の問題に関わってくるのだということを理解しなければならない。

ところで今日は8月15日。77回目の終戦記念日である。

とはいっても戦争を知らない世代の僕らは、終戦の日の対象になっている太平洋戦争が、どれだけ悲惨な暮らしを日本国民に与えたのかを実感をもって知っているわけではない。人づてに知った知識や情報から、その悲惨さを感じ取るしかないのだから、戦争体験者のそれとは大きな乖離があるのだろう。

だからこそ僕たちにはしなければならないことがある。戦争体験者の方々も年ごとに高齢化が進み、戦時中の記憶が消され始めている。だからこそ今残されている貴重な体験談に耳を澄ます機会を大切にしなければならない。

例えば、「トシさんの戦争体験」で紹介したエピソードなどを数多く集めて後世に伝えていく責任が私たち一人一人にあるのだと思う。

哀しい体験を持つ人ほど、その体験談については黙して語らない人が多いが、終戦記念日にだけは、その重たい口を開いてくれたりする。思い起こすと、「今日は終戦の日じゃねえ。敗戦の日だ。」と漏らしたOさんの面影が脳裏に浮かんでくる・・・。

北海道は終戦の日のわずか1月前に、米軍からの空襲を受けた地域である。「北海道大空襲」と伝えられているその空襲は、北海道のいくつかの地域に残っていた軍需工場を標的にしたものであった。・・・だから北海道の最大都市・札幌は被害を受けていない。

その時、北海道で一番死者数が多かったのが、僕の住む登別市と同じ生活圏域の室蘭市である。国内で唯一、B29というアメリカ軍の戦闘機をう撃ち落とすことができる高射砲を製造していた軍需工場があったために、室蘭市が米軍の最大の攻撃目標になったのである。

しかし空襲2日目は、工場など存在しない市街地に向かって海の上から艦砲射撃が行われた。そこでは軍人はほとんど死んでおらず、女・子供を含めた一般市民が数多く死んでいった。その正確な数は今もってわかっていない。
北海道の田園風景
北海道の広く青い空が、砲煙によって真っ黒に染まり、広くおおらかな大地が無数の砲弾によって火の海となった。

そこで数多くの無辜の民が血を流して死んでいった戦争・・・。そこからまだ77年しか経っていない今、日本人全体が平和ボケして良いはずがないのである。

今日はそういう国で、今平和に暮らしていることに心から感謝し、あの戦争で亡くなられたすべての人々を悼み、繰り返してはならないものがあることを強く心に刻み付ける日である。

縁あって私たちは、対人援助という職業に携わり、人の暮らしと向かい合っている。そこはたくさんの生き様があり、死に様も同様に垣間見る場所だ。だからこそ人の命・心の平安・生きる喜び、そうしたものを深く考える日があっても良いと思う。

今日はそんな日である。
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