masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

アンガーマネジメント

アンガーマネジメントの基盤はソーシャルワークの原則



アンガーマネジメントが求められる理由より続く

怒りやすいと云われる人が、怒りの感情がなるべく湧き上がらないようにするためには、自分の考え方を変える必要がある。

介護支援の場で利用者と相対した際に、相手の言動が間違っていると思った時に怒りの感情が湧き上がる。その際に、自分が正しいという判断をし続けると、自分の価値観に沿ったものしか受け入れられなくなり了見が狭くなる。

了見が狭まると周りの状況に気づけず、自分の意見に固執した結果、人の気持ちを無視してしまい、自らの信頼を失う結果にもつながる。

そうならないように他者の行動や考えを一旦受け入れることが必要とされる。

このように「自分が正しい」というこだわりを捨て、他者の考え方にも一理あると考えることによって了見が広がりを持つ。そして自分の思うようにならないことに対しても怒りの感情を持たずに済むようになる。

それは即ち、他者の考え方を共感的に理解することであり、共感的理解の姿勢がアンガーマネジメントを容易にするのである。

そうであれば、そこで必要とされる態度とは、バイスティックの7原則の一つである「受容の原則」を貫くことであると気づくであろう。

そこでは、どのような観点からでも利用者を裁いてはならないという、「非審判的態度」も求められることにも気づかされる。

さらに支援者は自分の感情を自覚し、自分の感情をコントロールして援助することによって、利用者の感情に引きずられて冷静な判断力を失わないことにもつながる。それは、「統制された情緒関与の原則」そのものである。

このようにケースワークの基本原則として1957年にバイスティックがその著書の中で述べた7つの原則のうち、受容の原則非審判的態度の原則共感的理解につながり、統制された情緒関与の原則自分の感情をコントロールすることにつながるのである。

これらの原則を貫く態度がアンガーマネジメントの基盤となるといってよいだろう。
視野を広く持つ
そして他人の感情に巻き込まれやすい対人援助の場では、自分がどのような感情や意見を持ちやすいか自覚することが必要不可欠となる。それは自己覚知と呼ばれるものであるが、それは専門職としての立場に個人的価値観が影響しないようにするために求められるものだ。

例えば、「自分は忙しいときにものを頼まれるとイライラしやすい傾向になるので気をつけよう」などと自分を戒める考え方を持つことである。

対人援助の専門家とは、このように自分の感情を否定するのではなく、素直に正確に認識することが常に求められているのだ。つまり自己覚知とは自分をあるがままに受け入れることであり、その感情をコントロールすることなのである。

場合によっては、対人援助の専門家と言えども対応する相手に対し否定的な感情を抱くこと自体はあり得ることだ。それを悪い感情だと否定するのではなく、受け入れて、だからこそ悪感情を表に出さないように気をつけようと自らを律することができれば良いだけの話だ。

対人援助の専門家は、ソーシャルワークの原則や自己覚知という基盤を揺るがさずに、自己感情をコントロールできる己を築き上げてほしと思う。

それが人の暮らしに寄り添うプロの使命感と誇りに繋がっていくであろう。

どちらにしても利用者の感情に向き合う対人援助という職業は、常日頃からの精神作業が求められる仕事であり、アンガーマネジメントの知識と共に、自分の心を護るためのストレスコーピングの知識も持ってほしい。

先日顧問先の職員研修としてアンガーマネジメント講演を行ったばかりであるが、来月3日はテーマを券たるヘルス不調を防ぐストレスコーピングとしてしているのは、アンガーマネジメントとストレスコーピングはセットで学んだ方が効果が出るという意味でもある。(参照:masaの講演予定・履歴

読者の皆様におかれましても、是非こうしたテーマの研修を実施して、従業員が怒りのはけ口として不適切な利用者対応に繋がらないようにするとともに、そうした心がけに注意するあまり、メンタルが低下しないような予防策を講じてほしい。

講師のご用命がある方は、いつでもお気軽に連絡していただきたい。
筆者の講演予定はこちらからご覧ください。講演依頼はあかい花公式Web右上のをクリックしてお気軽に相談・お申し込みください。


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アンガーマネジメントが求められる理由



介護の職業は、感情労働であるとも言われる。

感情労働とは、自分の感情や気持ちをコントロールして、状況や相手にあわせた言動が必要となる仕事のことである。

介護の仕事は利用者に直接相対する仕事であり、そこで利用者とサービス提供者双方の感情のやり取りが行われる職業であるのだから、介護従事者は対人援助のプロとして自分の感情をコントロールして利用者対応する必要がある。

当然のことながら怒りの感情もコントロールしなければならない。

だがここで勘違いしてはならないことは、怒りではないということだ。人は喜怒哀楽の感情を持つ存在であり、怒りを覚えることも人として当然の感情である。

だが「怒り」は報われることの少ない感情である。仕事中に怒りを覚えて、その感情を抱えたまま業務をこなそうとしても、怒りによってエネルギーが奪われることになりかねない。その為生産性は低下することはあっても向上しないのである。
心が鎮まる風景
その他にも怒りの感情は次のようなデメリットを引き起こす。
「怒り」にとらわれてほかのことができなくなり、時間を無駄にする
「怒り」によって理解者が減り、職場での居心地が悪くなる
「怒り」で自分の顔が険しくなり、周囲から敬遠される
「怒り」で、今まで愉しめたことが愉しめなくなる
「怒り」は自分の視野を狭める

だからこそ怒りの感情が湧き上がっても、それをぐっとこらえて怒りを鎮めて業務対応する姿勢が求められるわけである。

だが果たして怒りの感情は、コントロール可能なものなのであろうか・・・それは可能である。

そもそも怒りとは何にって引き起こされるのだろうか。よくある間違いは、怒りとは、その時の出来事が原因となるという考え方である。

そうではなく、出来事を起こったときに、それを自分がどう考えるかによって、怒ったり何も感じなかったりするのだ。つまり自分の考えが怒りを生み出すのである。だからこそ考え方次第で怒りに繋がらなく出来るわけである。

「自分が正しい」というこだわりが強まると、怒りを感じさせる考えを裏付けることばかりに目が向く・・・怒りを強める考え方の癖として、「すべき思考」がある。「○○すべき」と思い過ぎると、その通りにならないこと全てに怒りを持つことになる。

このように怒りは自分で創り出しているのだ。だから考え方を変えるだけで、ある程度その感情はコントロールできる。自分の価値観だけが正しいと思いこまず、他者の考え方を受け入れようとすれば、怒る度合いも少なくなるだろう。

それでも湧き上がる怒りをなくすることはできない。どうしても湧き上がってくる怒りの感情をコントロールするテクニックがアンガーマネジメントである。

それは次のような方法を知っておき、怒りを感じたときに実践することである。
怒りのピークは初めの6秒間・その間ゆっくりと数を数える
その場から離れる〜トイレに行く、缶コーヒーを買いに行くなど
今後自分の評価がどうなるか考える〜冷静に叱ることができるのならば評価が上がる〜自分の評価向上の場面に転換しようとすることで、怒りを鎮めることができる
過去の成功体験やうれしかった経験を思い出すことで、感情をリセットする
怒りがわいたときに言うセリフを決めておく〜「大丈夫」「わかってたこと」など
怒りを点数化する〜「今回の怒りは3点」「この前は5点」「これは思ったよりも高く8点」など
深呼吸をする〜何度か繰り返すことで、副交感神経の働きが高まり、リラックスすることができる
こうした対応によって怒りを抑えて冷静な対応に結びつくと云われる。昨日アップした記事で論評した有料老人ホームでの暴行致死事件の容疑者も、こうしたテクニックを知っておれば、違った結果となったのではないかと思えてならない。

だがこうした方法論を覚えても、自分の怒りの感情がどのような理由で、どのような方向に向かう傾向があるのかを理解しないと、その場しのぎの継続性がないものに終わってしまう。

ということで、明日はこの記事の続きとして「アンガーマネジメントの基盤はソーシャルワークの原則」を書く予定だ。
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