masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

介護生産性向上

生産性向上推進体制加算気鮖残蠅垢襪燭瓩寮果とは



今年度から短期入所系サービス・居住系サービス・多機能系サービス・施設系サービスに横断的に新設された生産性向上推進体制加算は、100単位/月)と10単位/月)の2区分となっている。

言うまでもなく気上位区分であり、それも下位区分と10倍の開きがある単位となっている。

この加算は体制加算であり、利用者全員に算定できるため、100人定員の施設が上位区分である加算気鮖残蠅垢襪版間120万円の収益となる。しかし下位区分しか算定できなければ年間12万円にしかならない・・・そう考えると、この加算はなんとしても加算気鮖残蠅靴燭い箸海蹐任△襦

下位区分の兇了残衢弖錣楼焚爾猟未蠅任△襦
利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の開催や必要な安全対策を講じた上で、生産性向上ガイドラインに基づいた改善活動を継続的に行っていること。
見守り機器等のテクノロジーを1つ以上導入していること。
1年以内ごとに1回、業務改善の取組による効果を示すデータの提供(オンラインによる提出)を行うこと。

上位区分の気鮖残蠅垢訃豺腓蓮⊂綉兇陵弖錣鯔たしたうえで、さらに下記の要件をクリアする必要がある。
(供砲離如璽燭砲茲蟠般害善の取組による成果が確認されていること。
見守り機器等のテクノロジーを複数導入していること。
職員間の適切な役割分担(いわゆる介護助手の活用等)の取組等を行っていること。
1年以内ごとに1回、業務改善の取組による効果を示すデータの提供(オンラインによる提出)を行うこと。
注:生産性向上に資する取組を従来より進めている施設等においては、(供砲離如璽燭砲茲覿般害善の取組による成果と同等以上のデータを示す等の場合には、(供砲硫短擦鮗萋世擦此◆吻機砲硫短擦鮗萋世垢襪海箸皺椎修任△襦

このように加算(機傍擇啣短察吻供砲砲茲蝓∪源裟向上の取組を段階的に支援していくこととしており、原則として加算(供砲陵弖錣亡陲鼎い深菫箸鮨覆瓠3月以上の取り組みにおいて生産性が向上したという成果を出挙げることにより加算(機砲飽楾圓垢襪海箸鯀枋蠅靴討い襪發里任△襦しかし生産性向上の取組を本加算の新設以前より進めている介護サービス事業所においては、最初から加算(機砲鮖残蠅垢襪海箸皺椎修任△襦

このうちテクノロジー要件として求められる機器は、ア.見守り機器・イ.インカム等の職員間の連絡調整の迅速化に資するICT機器・ウ.介護記録ソフトウェアやスマートフォン等の介護記録の作成の効率化に資するICT機器(複数の機器の連携も含め、データの入力から記録・保存・活用までを一体的に支援するものに限る。)とされている。

加算の場合は、このうちどれか一つでも導入しておればよいが、加算の場合は、アからウまでに掲げる機器は全て使用することであり、その際、見守り機器は全ての居室に設置し、インカム等の機器は全ての介護職員が使用することが必要だ。
※見守り機器の運用については、事前に利用者の意向を確認することとし、当該利用者の意向に応じ、機器の使用を停止する等の運用は認められるものである。

業務改善の取組による効果を示すデータ等については、加算の場合は、1.利用者のQOL等の変化(WHO-5等)・2.総業務時間及び当該時間に含まれる超過勤務時間の変化・3.年次有給休暇の取得状況の変化・4.心理的負担等の変化(SRS-18等)・5.機器の導入による業務時間(直接介護、間接業務、休憩等)の変化(タイムスタディ調査)が必要で、1維持又は向上2短縮3維持又は向上が確認されなければならない。

加算兇砲弔い討蓮13のデータが提出できれば良く、成果は求められていない。

実績データの厚生労働省への報告については、「事業年度毎に1回」とされているだけで、提出時期は示されていない(※事業者都合で提出時期を決めて良いという意味だろう

ただし2.総業務時間及び当該時間に含まれる超過勤務時間の変化については、「対象事業年度の10月における介護職員の1月当たりの総業務時間及び超過勤務時間を調査すること。 」としたうえで、「本加算を算定した初年度においては、算定を開始した月とすること。」と特例規定も明記している。

また3.年次有給休暇の取得状況の変化については、対象事業年度の10月を起点として直近1年間の年次有給休暇の取得日数を調査【年次有給休暇の取得日数は調査対象者全体の平均値(少数点第1位まで)を報告すること。】とされている点に注意が必要だ。

また、生産性向上の取組を従来から進めている介護サービス事業所が最初から加算(機砲鮖残蠅垢訃豺隋加算(機砲了残螻始に当たっては、当該事業所における生産性向上の取組による成果として上記13に該当することを示すデータの提出が必要である。この場合において、データとは、当該事業所において生産性向上の取組を開始した際のデータを有している場合については、当該データと現在の状況を比較することが考えられる。しかしながら、加算(供砲陵弖錣箸覆覯雜邉ヾ錣瞭各前の1の項目に関する調査のデータがない場合等については、当該介護機器の導入前から介護サービスを利用する利用者へのヒアリング調査等を行い、その結果に基づき、委員会において当該介護機器の導入による利用者の満足度等への影響がないことを確認することで足りるものとするとされている。

加算(供砲鮖残蠅垢覯雜逎機璽咼校業所が加算の区分を変更し加算(機砲了残蠅魍始しようとする場合 は、加算(供砲陵弖錣箸覆覯雜邉ヾ錣瞭各後、生産性向上の取組を三月以上継続した上で、13の項目について、当該介護機器の導入前後の状況を比較することにより、成果が確認される必要がある。

加算新設時の4月に要件をクリアして気鮖残蠅靴茲Δ箸垢訃豺腓蓮加算(供砲陵弖錣箸覆覯雜邉ヾ錣瞭各後、生産性向上の取組を3月以上継続した上で、当該介護機器の導入前後における13の項目について、成果が確認されることを示すデータの提出が必要である。

こんなふうにまとめてみたが・・・いやはや複雑で面倒くさい加算である。


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生産性向上対策とは相反するワンオペ増加



少子化に歯止めがかからない我が国では、労働力が現在より減り続けることが確実であり、介護事業の人材不足も解消の目途がない。

その為、介護事業人材を増やそうとする対策どころか、現在より人材を減らさないようにする対策も不可能となり、人材は減り、不足するということを前提にした対策が必要になっている。

その為に必要とされるのが介護DXデジタルトランスフォーメーション)=IT技術を人・組織・社会に活かす変革である。

だが勘違いしてほしくないことは、DXの主役はテクノロジーではなく、人間であるということだ。

つまり介護DXとは、介護職員等が中心になってITテクノロジーを使いこなし、それにより生じた効果を十分に活かせるように、介護ビジネスモデルや組織体制、働き方を良い方向に変えていこうとするものである。
介護DX
そしてその目的は、「介護事業における生産性の向上」である。

当然のことながら生産性の向上とは、効率よく結果を出すことであり、介護に生産性向上を求めるという意味は、ひとり一人の介護職員が効率よく介護の結果を出す今より少ない人数と時間で、要介護者のケアを完結するという意味に他ならない。

見守りセンサーやAI搭載ロボットを活用して、介護職員の仕事がやりやすいように変えて、今より少ない人員配置で、できる限り時間をかけずにケアを完結しようとしているのだ。

この具体策として行われているのが、見守りセンサーやインカム等を一定台数以上設置した介護保険施設や居住系施設において、夜勤職員の配置人数を緩和するというものである。緩和というと聞こえは良いが、要するに夜勤者の人数を減らすということだ・・・今後は、この配置人数緩和を日中を含めて全体に及ばせていこうというのが介護DXの目指すところである。

しかしこの具体策には大きな矛盾が生じることに気づいている人は何人いるだろうか・・・。

生産性を高めた結果、従前より少ない人数で同じ仕事を完結させようとすれば、場面場面を切り取るとワンオペ勤務が増えることになる。

施設サービスの場合、同時間に複数の介護職員が勤務していたとしても、それらの職員はフロアごとに分かれて仕事をすることが多いため、日中時間帯であってもフロア内ワンオペ状態になることが多い。生産性を高めるため、あるいは高くなったと判断した結果、配置人員を削るとこうしたフロア内ワンオペ勤務は増えることになる。

仮に個人の生産性が上がったとしても、ワンオペが増えることでそのノウハウは受け継がれることなく消滅し、結果的に組織としての生産性は下がると云われている・・・国はこうした矛盾にどう答えるのだろう。

さすれば介護という人に向かい合う仕事において、生産性向上は無理がある方向性ではないのだろうか。ないものねだりを目指しているのではないだろうか。

いくらテクノロジーを使いこなしても、そこで起きることは生産性の向上による新しい介護=科学的介護ではなく、利用者の不満も苦痛も無視した、サービス提供側の都合による機械的介護でしかないのではないだろうか。

そこでは利用者本位という言葉は、限りなく形骸化していくのではないか。

そして近い将来の日本の介護は、個別ニーズを顧みない集団ケアでしかなくなると云えるのではないだろうか。


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セル介護提供方式で生産性向上を



全産業で労働力が減る中で、必要とされる介護人材の数を確保することは不可能であることが明らかになっている。

その為に求められるのが介護DXであり、介護の生産性向上である。

そこでは従前からの介護の方法論を抜本的に見直して、180度視点を変えた介護の新方式を創り上げていくことによって、従前より効率的な介護ができるのではないかという考え方である。

ICTやAI搭載ロボットの活用もその一つの手であるが、それによって劇的に介護サービスの場における人手を減らす効果があったり、業務負担が大幅に減少することがあったりすると考えるのは大きな間違いである。

人の手に替わって、それらのテクノロジーが担ってくれる業務は非常にわずかだからである。

そのよい例が見守りセンサーだ。その性能は年々向上し、誤作動もなく利用者の危険行動を察知して知らせてくれるように進化している・・・しかし察知した状態に対応するロボットや他の機械は存在していない。そこでは人の対応が不可欠であり、センサーの機能が向上すればするほど、人による対応時間も増えるという矛盾さえ生まれている。

巧緻性動作と力のいる動作を、一瞬のうちに切り替えてつなげて行動できる人間のようなロボットは、AIの進化だけでは実現できないのである。

だからこそ介護サービスの場における、人の動きを抜本的に変えて、業務改善することも必要である・・・しかしこの部分の介護事業者の対応は遅れている。

例えば同じように担い手不足の看護の場では、新しい方法論が生まれ、既に成果を出している。

それが「セル看護提供方式」である。

同方式は、福岡県にある民間の飯塚病院が開発し、道内では砂川市立病院がいち早く導入したもので、看護師がナースステーションで待機せず、病室や廊下など患者の近くで仕事をするスタイルである。

この方式は、ナースステーションから病室に向かう従来方式よりも効率が良く、患者の安心感も高まるという。
セル看護提供方式
看護師は従来、問診や採血の際や、ナースコールを受けて病室に向かっていたが、新方式では病棟全体を管理する看護課長のみステーションに常駐し、他の看護師は上の画像のように、パソコンや看護用器具をワゴンで持ち運び、病室や病棟の廊下で業務する。

原則2人一組で、8人ほどの患者に対応するという。

この方式のメリットは、ステーションから病室までの距離を往復する時間や手間が省けることであり、患者のケアに時間も人数もかけられるようになるという。また以前はナースコールで呼んだ看護師が来る前に、患者がベッドから離れ、転倒するケースがあったが、そうした事故が減少しているともいう。

この方式を取り入れた後、患者さんから、「看護師がすぐ近くにいるのはありがたい」という声が挙がり、看護師からは「患者と十分に話ができる」との声も聴かれ、双方から歓迎の声が上がっているという。

介護事業者も、こうした看護の新しい方法論を参考にして、介護職員がサービスステーションで待機したり、事務作業をこなす方法をやめて、居室のすぐ近くでPCやタブレットを利用して、利用者のニーズや要求に即応できる、「セル介護提供方式」を取り入れたらどうだろう。

看護の場で成功しているという実績を参考に、介護の場で新しい方法論に取り組むことこそ介護DXと言えるし、生産性の向上につながるのではないのだろうか。

やってみないで、できない理由を探すのではなく、まずはやってみることだ。その結果が思わしくなかった場合は、元に戻せば良いだけの話である。

そこで忘れてはならないのは、『Let's begin!』の精神である。

ともかく何かを始めようとする精神を失った時、退廃・腐敗が始まることを忘れてはならない。


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生産性向上も必要ではあるが・・・。



今年のGWの北海道は天気に恵まれた。桜の開花もいつもより早く、前半3連休のうちにエゾヤマザクラは満開となり、後半4連休には葉桜に変わってしまった。

しかしそれに代わって遅咲きの八重桜が開花し、現在は満開の花を咲かせている。
5/6の八重桜
今週後半も花見は可能だろう。(※画像は5/6の僕の自宅前の八重桜

このGW期間中に、行楽地はたくさんの人出があったが、それに対応するサービス業の人材不足は深刻化していることは、人がいる場所・いない場所でも書き記した。

このように全産業で労働力不足に陥っている我が国では、ICTを活用するなどして仕事の仕方を変革し、生産性を向上させる取り組みが必要とされている。

介護DXと介護生産性向上の取り組みも必要不可欠であり、それを推進するための施策が介護保険制度改正や報酬改定に反映されている。

そうした取り組みは急務であるし、それを否定する気持ちは全くない。だが同時に抜本的対策を中・長期的に取っていかねばならないのではないのかとも思う・・・それは労働力不足の根源である少子化対策である。

子供の日を前に総務省は4日、4月1日時点の15歳未満の子どもの数が前年より33万人少ない1.401万人で、43年連続で減ったと発表している。

総人口に占める割合も前年比0.2ポイント減の11.3%で50年連続の減少した。いずれも比較可能な統計が残る1950年以降の過去最低を更新し、75年に2723万人で24.3%を占めていた子どもの数は、50年でほぼ半減したことになる。

しかも年齢層別では、中学生にあたる12〜14歳が317万人だが、年齢が下がるほど少なくなり、0〜2歳は235万人となっているのだから、労働人口の減少は、この数字が改善しない限り続くということだ。

すると介護サービスの生産性を向上し続けても、人が減る状況の方がそれを上回り、必要なサービス提供ができなくなることは確実ともいえる。

このように少子化問題が社会保障財源や労働人口減につながっており、ここの対策が一番求められるのに、国はなにもしていないのが現状ではないのだろうか。

もっとこの問題を国民的議論に引き上げて、出生率が向上する政策を強く打ち出すべきではないのか。

例えば、フランスの政策は参考にならないだろうか。フランスの社会制度とは簡単に言えば、「産めば産むほど有利なシステム」である。

家族手当は所得制限なしで、2子以上を養育する家庭に20歳になるまで給付される。しかもこの手当は1子だけの家庭には支給されない。我が国のように児童手当が第1子から支給されるのとは異っている。

3人以上の子どもを育てている世帯に対しては大幅な所得税減税も行われている。さらに子どもを3人養育すると年金が10%加算されることになる。老後保障が子供を産んだ数で変わってくるのである。

医療保険制度も子供を産みやすい制度になっており、産科の受診料・検診費・出生前診断・出産費用など妊娠出産から産後のリハビリテーションを含め無料としている。

このように重層的に子供を産み育てる環境が整えられているのだ。

我が国でも、こうした他国の制度を見習って、少子化対策に知恵とお金をかけるべきではないのだろうか。現に介護保険制度はドイツを見習って創設したのだから、出生率を向上・回復させる制度はフランスを見習ったって良いだろう。

その効果は僕らの世代が生きている間には出ず、20年以上先にしか現れないのだろうが、日本というこの国の未来が少しでも明るくなるように、今から対策を急ぐべき問題ではないだろうか。

出生率の向上対策がない状態で、各産業に生産性の向上だけを求めても、それは国の滅亡にしか向かわない対策のように思えてならない。


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介護職がやるべきことを整理せずして生産性向上はあり得ない



僕とSNSでつながっている「友達」は介護業界関係者が多い。当然のことながら、その中には介護職員の方も数多くおられる。

そんな友達の一人が夜勤明けの日に、帰宅する前にシーツ交換を命じられたそうであり、「こんなのありっ?」ていう感じでSNSにつぶやいておられた。

もしこのことがサービス残業の強要という意味なら、もってのほかであり、時間外にシーツ交換をさせるなら、当然その分は残業手当を支給しなければならないとは思う。

しかしこの問題の本質はそんなところにはないと思う。

僕自身が考えるこの問題の本質とは、今どきシーツ交換や包布交換といった誰にでもできる仕事を、介護職員の業務としているという点である。

シーツ交換や包布交換を「誰にでもできる仕事」と言うと、そうした仕事を適切に行うためには知識や技術が必要だろうという声も聞こえてきそうだが、そんな昭和の正論を振りかざす時期は過ぎている。
介護人員枯渇
人材不足ではなく人員枯渇の介護業界においては、介護職という貴重な人材がやるべきことと、介護職でなくともできることを整理して、介護職しかできない業務に介護職を貼り付ける努力をしないと、介護サービスそのものが成り立たなくなる。

それほど利用者に直接的対応を行う介護職員の数は減っているのだ。

シーツ交換や包布交換は、利用者を離床させるところから始めなければならないと考えてはどうしようもない。人が足りない介護の場では、そのような非効率的業務をしていては、介護業務は回らないのだ。

シーツ交換や包布交換をするために、ベッドを利用している人を離床させるなんて非効率的なことをしなくて済むように、利用者が必ず離床する時間帯に寝具交換をすればよいのである。

時間を区切って利用者全員のシーツ・包布交換を一斉に行う必要なんてないのだから、最低1回/週の定期交換が全員行われるように、利用者の日課・生活習慣にあわせた交換のタイミングを決めておけばよいだけの話だ。看取り介護対象者でない限り、特養で定時離床を行っていない人はいないはずなんだから・・・。

しかもこうした仕事を助手活用と絡めて考える必要もない。誰にでもできる仕事は、その仕事の担い手を介護助手に限定する必要さえない。

僕が以前働いていた法人では、法人全体の運転業務・設備管理(営繕)の担当者を複数配置していた。スタッフはすべて男性職員で、他の職業を定年リタイヤした人も含まれていたが、通所サービスやショートステイ・利用者の通院などの運転業務を担当するほか、複数の事業所の設備管理(切れた電球交換・設備修理・草刈りなど)を通常業務とした。それに加えてシーツ・包布交換業務も同じく通常業務として組み込まれていた。

作業着がユニホームである男性職員が、ごく当たり前に定時のシーツ・包布交換を行っていたのである。それで何の支障も生じていなかったし、そのおかげで彼らがシーツ・包布交換を行っている最中に、介護職員は利用した利用者の対応ができていたわけである。

こんなふうにして、利用者に直接接することがない業務については、積極的に介護職員以外の従業員が担当するようにしていかないと、利用者に対する基本サービスの人手が足りなくなってしまう。そうなると生産性など向上しない。

利用者に対する介護サービスという業務が、専門知識と専門技術を持った熟練者によって効率的に行われることこそ、介護業務の生産性向上という結果をもたらす最たる方法なのだ。このことを理解しなければならない。

介護施設や通所サービスでは、運転手を雇用してところが多いのだから、運転手の他業務への活用ということも大いに視野に入れるべきである。

もはやそれが必然の時代に変わってきているのであり、昭和や平成は昔々に相成ったのである。


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生産性向上推進体制の整備が必須の時代に



僕は今、羽田経由で松山空港に向かう途中の空の上からこの記事を更新アップしている。

今日は松山市に一泊し、明日朝、久万高原町に移動して、午前と午後を通じて合計5時間の講演を行う予定になっている。そのうち午後の3時間講演は、報酬改定について様々な角度から解説する予定にしている。今日のこのブログ記事も、報酬改定に関連した話題をアップすることにしようと思う。

令和6年度介護報酬改定の基本視点のひとつとして、「介護人材不足の中で、更なる介護サービスの質の向上を図るため、処遇改善や生産性向上による職場環境の改善に向けた先進的な取組を推進」することが挙げられている。

その具体策の一つが、短期入所系サービス・多機能系サービス・居住系サービス・施設系サービスに共通して、「生産性向上委員会」の設置義務を課すことである。(省令改正

同時に上記のサービス横断的に、生産性向上推進体制加算(機100単位/月生産性向上推進体制加算(供10単位/月が新設された。

算定要件は下記の通りである。
生産性向上推進体制加算(機】(新設)
○(供砲陵弖錣鯔たし、(供砲離如璽燭砲茲蟠般害善の取組による成果(※1)が確認されていること。
○見守り機器等のテクノロジー(※2)を複数導入していること。
○職員間の適切な役割分担(いわゆる介護助手の活用等)の取組等を行っていること。
○1年以内ごとに1回、業務改善の取組による効果を示すデータの提供(オンラインによる提出)を行うこと。
注:生産性向上に資する取組を従来より進めている施設等においては、(供砲離如璽燭砲茲覿般害善の取組による成果と同等以上のデータを示す等の場合には、(供砲硫短擦鮗萋世擦此◆吻機砲硫短擦鮗萋世垢襪海箸皺椎修任△襦

生産性向上推進体制加算(供】(新設)
○利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の開催や必要な安全対策を講じた上で、生産性向上ガイドラインに基づいた改善活動を継続的に行っていること。
○見守り機器等のテクノロジーを1つ以上導入していること。
○1年以内ごとに1回、業務改善の取組による効果を示すデータの提供(オンラインによる提出)を行うこと。

通常であれば、先にを算定し、業務改善の取組を進めて成果を出した後にが算定できるようになるという手順を踏むのだろう。しかし既に取り組みが進んで成果が上がっている事業者は、そうした手順を踏むことなくを新年度4月から算定できるとされた。

ではこの要件となる業務改善の取組による効果を示すデータ等見守り機器等のテクノロジーの要件とは何か?

(機砲砲いて提供を求めるデータは、以下の項目とされている。
ア利用者のQOL等の変化(WHO-5等)
イ総業務時間及び当該時間に含まれる超過勤務時間の変化
ウ年次有給休暇の取得状況の変化
エ心理的負担等の変化(SRS-18等)
オ機器の導入による業務時間(直接介護、間接業務、休憩等)の変化(タイムスタディ調査)


(供砲砲いて求めるデータは、(機砲乃瓩瓩襯如璽燭里Δ繊▲△らウの項目とする。
(機砲砲ける業務改善の取組による成果が確認されていることとは、ケアの質が確保(アが維持又は向上)された上で、職員の業務負担の軽減(イが短縮、ウが維持又は向上)が確認されることをいう。
見守りセンサー
見守り機器等のテクノロジーとは、以下のアからウに掲げる機器をいう。
ア見守り機器
イインカム等の職員間の連絡調整の迅速化に資するICT機器
ウ介護記録ソフトウェアやスマートフォン等の介護記録の作成の効率化に資するICT機器(複数の機器の連携も含め、データの入力から記録・保存・活用までを一体的に支援するものに限る。)


見守り機器等のテクノロジーを複数導入するとは、少なくともアからウまでに掲げる機器は全て使用することであり、その際、アの機器は全ての居室に設置し、イの機器は全ての介護職員が使用すること。なお、アの機器の運用については、事前に利用者の意向を確認することとし、当該利用者の意向に応じ、機器の使用を停止する等の運用は認められるものであること。

この加算は気鉢兇任蓮∋残蠱碓未10倍の開きがある。10単位のを算定したとしても、100人定員の施設でわずか12万円/年の収入増にしかならない。しかし100単位のを算定できれば120万円/年の収入増になる・・・この違いは大きいし、年100万を超える加算はそう多くはないので、どうせならを算定したいところだ・・・いいや算定しなければならない。

特に基本サービス費が1単位しか上がらなかったGHや、上げ幅が小さかった基本型老健・その他老健等は、この加算気算定できるか否かが生命線になるやもしれない。

見守り機器やインカムは、備えれば便利この上ないことはこのブログで何度か指摘しており、使える機器なので全室・全員に設置・装備を進めるべきである。(参照:使える機器導入促進は介護事業経営者と管理職の責務

介護記録の作成の効率化に資するICT機器も、生産年齢人口が減り続けて人材がさらに減り続ける中では活用しなければならないものであり、導入を進めるべきだ。

このことに関連しては、介護福祉士養成校の就職担当教員も、見守り機器等のテクノロジー導入に消極的な事業者には、卒業生を送らないと明言している。逆に言えば、早めにそうした環境整備を行った事業者に、人材は張り付く可能性が高まるのだ。

だからこそそうした環境を整えて、人材を集め定着させ介護熟練者を増やこと・・・その結果、利用者のQOLを向上させることができるという好循環を創り出すことが重要だ。さらに従業員の有給取得率なども向上させ、職場環境の改善につなげることができれば、今後の介護事業経営を安定的に続けるための最強アイテムとなっていく。

介護事業経営者や管理職は、ここは腹をくくって見守り機器等のテクノロジー導入に予算をかけて、生産性向上推進体制加算気算定できる体制作りにスピード感をもって取り組んでほしい。
CBニュース
CBニュースの連載記事が1/30更新アップされました。「差額30単位に意欲欠く居宅介護支援事業所の予防支援」は文字リンクをクリックしてご覧ください。






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配置基準緩和はどのように取り入れられたか



18日の介護給付費分科会でまとめられた、「令和6年度介護報酬改定に関する審議報告(案)」の総論では、「生産年齢人口の減少が顕著となり、介護を含む各分野における人材不足が更に大きな課題となることが見込まれる」とし、「介護人材の確保と介護事業所の健全な経営環境を確保することが重要な課題である。これに相まってDX等の事業環境の変化が生じ、生産性の向上も課題となっている。」と課題と対策が明記された。

このように社会全体で労働力不足が深刻化する中、介護人材についても必要数を充足できないことは確実になっており、介護DXを進めてより少ない人数でサービス現場を回す方法論が求められている。

その為、2024年度の報酬改定に向けて、ICTや助手活用を図り人員配置基準を緩和できないかという議論が行われ、三重県津市の老健施設では、利用者対看護・介護職員の配置を、現行の3:1〜4:1まで削るためのモデル事業を行っていた。

その事業はうまく行き、配置基準緩和も不可能ではないとする結論が示されたと言われているが、そんな配置であっては、有給休暇が満足に取れず、職員が疲弊しバーンアウトしてしまうことについて警告する意味で、「看護・介護職員配置基準緩和の危うさ」・「介護助手議論がなぜ馬鹿馬鹿しいか」という二つの記事を書いている。

幸いにも今回の報酬改定・基準改正では、3:1の施設配置基準をいきなり4:1に変えるような乱暴な基準改悪は行われなかった。

ではいったいどのような形で配置基準緩和が行われたのだろう。
雪が積もった柿木
報告書の41頁に、「生産性の向上等を通じた働きやすい職場環境づくり 」が記されているが、そこでは見守り機器等のテクノロジーの複数活用及び職員間の適切な役割分担の取組等により、介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減が行われていると認められる特定施設については、看護・介護職員の配置基準が要介護者に対して3:1(要支援者に対しては10:1)であった基準を、要介護者に対して3:0.9(要支援者に対しては10:0.9)に緩和している。

0.1の緩和効果がどれほどのものになるか、それをどのように活用するのかについては、特定施設がそれぞれ創意工夫する問題であろう。

また2021年度基準改正で、特養の夜間配置が見守り機器とインカムの活用を条件に緩和されたが、今回はこれと同様の緩和が短期入所療養介護介護老人保健施設にも適用されることになる。(参照:特養で夜勤する人がいなくなるかもしれない緩和策

また生産性の向上に向けては、短期入所系・多機能系・居住系・施設系サービスについて、「生産性向上委員会」の設置が義務付けられた。(※3年間の経過措置期間を設けている

さらに上記のサービスについては、業務改善の取組による効果を示すデータの提供を行うこと等の要件を定めた新加算が創設されることになる。

新しくなる介護職員等処遇改善加算の全区分に求められる職場環境等要件でも、生産性向上に向けた複数の取り組みが要件とされていることを考えても、今回の報酬改定・基準改正の注目点は、介護DXの実現による生産性向上に向けて大きく舵を切っているという点である。

この流れに乗っていかないと、介護事業者は生き残ることができないと考えて、事業戦略としてそれらの取り組みを早急に行っていく必要があろうと思う。

この部分で方向性を読み違えてはならない。






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介護事業者に投げ与えられた新たな責務



介護保険制度見直しで積み残された課題の取り扱いも先が見えてきた・・・まずは積み残した3課題について、どうなったか確認してみよう。

1点目は利用者負担割合2割負担者の拡大である。5日の「経済財政諮問会議」で、政府は少子化対策の財源確保へ工程案を示しているが、その中で「介護保険サービス利用時の自己負担率2割負担者を現行20%から25%まで増やす案」について来年度からの実施を求めている。

このことについては与党内で現在調整中であるが、来年度からの実施がかなり可能性が高くなったといえよう・・・結論は今月中に示される予定であるが、これが実現するとプラス改定の財源にもなるので、改定率に大きく影響する問題として注視する必要がある。逆に言えば、これが見送られるとプラス改定は、処遇改善加算の上乗せだけでお茶を濁される可能性もないわけではなくなるのだ。

2点目は1号保険料負担問題だ。1号保険料は制度創設時の2.911円〜6.014円(第8期)と増加しており、将来的に9.000円に達する見込みとなっており、低所得者が負担に耐え切れなくなる懸念が生じている。このことを防ぐために、「年間の合計所得が410万円以上などおよそ140万人の保険料を引き上げそれを財源として低所得者は引き下げる」ことについては、11/6の介護給付費分科会で来年度からの適用が大筋合意されている。これは実施が確実である。

3点目は介護老人保健施設と介護医療院の多床室室料負担についてである。(※特養は2015年度〜自己負担化されている)これについて12/4の介護給付費分科会で対応策が示され、療養型老健及びその他老健の2種類の老健及び介護医療院は室料自己負担化が実現されることとなった。
夜景
次にいよいよ佳境に入った介護給付費分科会での議論(※というより、国の一方的な提案でしかないが・・・)であるが、新しい介護報酬の全容が徐々に明らかになりつつある。

その中で注目したい点は、「生産性向上委員会設置の義務付け」である。

短期入所系・多機能系・居住系・施設系サービスについて、介護現場の生産性向上の取組を推進する観点から、利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の設置を義務付けているのである。(※3年の経過措置期間を設ける。

これは、社会全体の労働力不足という状況を鑑み、介護人材が今後も充足する見込みはないと考えられるところから、介護サービスの場で生産性向上の取り組みを前進・深化させて、今より少ない人手でより多くの結果を出すことを求めているという意味である。しかもその方策を介護事業者自身が検討して導き出す必要があるとして、新たな責務を定めているということになる。

自分たちで新しい働き方を考えて、介護DXを図りなさいと言っているようなものだが、このことは統合・一本化される、「介護職員等処遇改善加算」の全区分の算定要件にも表れている。

新要件は、「介護ソフトやスマートデバイス、インカムの活用、介護ロボットの導入、介護助手の配置、5S活動の実践、記録・報告の工夫、事務部門の集約などのうち、複数に取り組むことを必須とする」(※小規模事業者向けの例外措置も導入される。)というものだから、必然的に介護事業者はICT活用などを図り、新しい働き方を模索していかねばならない。

そういう意味で、今回の介護報酬改定・基準改正は、介護DX元年といえるものになるのだろうと考える。






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介護業界の生産性向上論議の本音と建て前


生産性向上とは、より少ない資源(ヒト・モノ・カネ)の投入で、より多くの成果を得ることができるようにすることを意味します。

社会全体で生産年齢人口が減少し続ける我が国では、特に人的資源をかけないで成果を出すことが求められています。

そのためDX(デジタルトランスフォーメーション)も求められていますが、その意味は、デジタル技術や機器を導入し、働き方や業務内容などを時代に合わせて進化させることなのです。

介護事業におけて生産性を向上させるには、介護業務全般の負担軽減や効率化が必要になります。

そのためには介護業務の負担軽減を実現できるデジタル技術や機器を導入する必要もあるでしょう。

見守り業務の負担を軽減するセンサーや、おむつ交換や体位交換の回数を減らす、高性能おむつや自動体位交換機器を導入することは、そのために必要でしょうから、その導入をためらっている暇はありません。

そのようにして介護職員の負担が減ることで、利用者に向かい合ってコミュニケーションを充実させるという形で、ケアの質を向上させることができるでしょう。

そうした形でのケア品質の向上は実現できれば、「他者の役に立ちたい」という動機づけを持って、介護職を目指した若者たちが心身ともに働きやすくなり、職員の定着率を上げる効果も期待できるはずです。
花の道
ところが現実の介護事業では、そのような形での生産性向上は図られていません。仮に間接介護業務が削減できたとしても、介護職員がその削られた時間で利用者とコミュニケーションをより多くとれるようにはなっていません。

そもそも現在のように、報酬算定のための厳しい要件や、その証明となる記録作成のために、介護職員の業務は過重すぎるくらい過重になっているので、それが多少改善できたとしても、利用者と対話に時間をとれるほどの余裕は生まれません。まともな直接介護業務ができるようになる程度の効果しかないのです。

仮に利用者と向かい合わって対話しようとしても、「利用者としゃべってばかりいないで、体を動かして他の人を手助けして」と言われてしまうのが落ちです。

その主な理由は、介護事業経営者も管理職や、リーダーとなる介護職員の多くが、介護の生産性向上とは、今までより人手をかけないで、介護業務が完結するというふうに勘違いしているからにほかなりません。

大手介護企業がグループを挙げて、介護職の一日のスケジュールをコンピューターによって割り出し、分単位で介護労働を徹底する管理システムを採用しているのも、その現れの一つでしょう。

しかしそれは介護職個人の裁量を認めず、機械的な作業だけをこなすよう指示するシステムであり、利用者の感情や希望を一切無視するシステムでしかありません。そこでは、「利用者に向かい合ってコミュニケーションを充実させる」なんてことは、一番無駄な時間として排除されるのです。

このような誤解がなぜ生まれるのでしょうか。それは国が生産性の向上という言葉を、本音と建前に使い分けているからに他ならないと思うのです。

なるほど、厚労省のYouTubeチャンネルでは生産性の向上について、埼玉県立大学の田中滋理事長に、「介護の生産性向上とは介護の価値を高めること。間接業務を減らし、利用者と触れ合う時間を増やすこと」と言わしめています。

しかしその言葉はあくまで建て前なんだろうと思わざるを得ません。

なぜなら実際の基準改正等では、見守りセンサーやインカム装備を条件に、夜間の人員配置基準を緩和するなどして、業務にあたる職員を減じる方向にシフトとしているからです。・・・このように人手を減らして、そのことを理由に、将来的には給付費もそれに応じて減らしたいというのが国の本音ではないのでしょうか。

その結果、介護職員の業務はちっとも軽減できていませんし、ましてや利用者とのコミュニケーションなどとる時間は益々削られているのです。

24日に行われた第217回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)では、このことに関連して、「介護の場では生産性向上という言葉への拒否感が強い」・「より分かりやすい『業務改善』という言葉を使えば、介護現場の方々もストンと納得して頂けるのではないか」という意見が出されました・・・。

しかし言葉だけを変えても意味はないと思います。それは単なる言葉遊びではないでしょうか。

もっと実質的に介護の場の労働環境が良くなるように、生産性向上という名の人減らし、介護DXという名の利用者感情の無視が横行しないような、基準改悪がないようにしなければなりません。

そもそも介護職の間接業務は、厚労省が義務付けた介護職が記録しなければならない業務負担によって増えているんだろうと言いたくなります。

それを削るだけで、介護職員が利用者に直接向かい合う時間は増えるのです。

事務員が担当する書式の削減ばかり図り、それが実現したことで介護の場の記録業務削減が達成したという馬鹿げたアリバイ作りに躍起になっているつけが、介護職員の業務負担がいつまでも減らないところに回ってきているのです。

厚労省の官僚や介護保険審議会委員は、もっとこの現実を理解してほしいと思います。
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スマートベッドが求められる時代


日本看護協会は9日、2021年度に病院で働き始めた新卒看護職員について、同年度内に退職した割合(離職率)が10.3%に上ったとの調査結果を発表した。

現在の調査方法になった05年度以降で、初めて離職率が1割を超えたことになるが、この理由について同協会は、「新型コロナウイルスの感染拡大により、医療現場で不安や混乱が生じた影響と考えられる」と分析している。

ウイルス感染症の患者でベッドが埋まり、その中の幾人かが毎日のように死亡していく現実を目の当たりにしながら、日々の業務に取り組む医療関係者の方々には頭が下がる思いしかない。

そんな過酷ともいえる業務を行う中で、バーンアウトしてしまう看護職員が増えていることは仕方のないことだと思う。

看護職員と言えども、自分が感染して家族にその感染が広がることを恐れて、感染リスクの少ない場所で仕事をしたいと考えるのも当然のことだ。

しかしそういう形で人材を失ってしまうことは非常に残念であるし、勿体ないことのようにも思う。そうならないために少しでも何か対策はできないだろうか。

新型コロナウイルスの感染症分類が変わっても、感染予防対策は取らねばならないし、感染症によってなくなる方もゼロにはならない。そして今後も新しい感染症が流行しないとも限らない。

そんな中で生産年齢人口は減っているのだから、医療人材の数も減っていくことは確実である。

そのことを考えると、人に替わるテクノロジーの導入は不可欠であり、ここにお金をかけることはやむを得ないと言えるのではないか。そしてそのことで感染リスクが少しでも減るとしたら、感染を恐れて離職する看護職員の数も少しだけ減らすことができるのではないだろうか。

そんなふうに看護業務の省力化と感染症対応をセットで考えた場合には、スマートベッドの導入推進が不可欠であると思う。これは医療現場でも介護現場でも共通して考えられてよい対策だとも思う。
夜
スマートベッドとは、睡眠状態や呼吸数・心拍数といったバイタルサインをリアルタイムで計測できる寝台だ。ケア中のときであればベッドサイドのタブレット端末から、ベッドサイドにスタッフがいないときならばスタッフステーションの端末から、すべての病床の患者の状態をデータとして端末に送ることができる。

バイタルチェックのために、患者や利用者のベッドサイドに近寄る必要もなく、感染リスクは大幅に減るし、看護業務の大幅な軽減につながる最先端機器である。

しかし現在のスマートベッドの値段から考えると、そんなものを導入できるのは、相当規模の大きな医療機関だけで、しかもごく限られた台数のみではないかと考える人も多いと思う。

ましてや介護施設等では、そのようなベッドは導入不可能だろうと考える人も多いだろう。

しかし昭和50年代の特養を思い出していただきたい。当時の特養で電動ベッドを導入しているところはっほとんどなかった。僕が最初に勤めた特養は、昭和58年(1983年)に新設した特養であったが、ショートを含めた52ベッドのすべてが手動のギャッジベッドだった。

当時は、電動ベッドなんて高額過ぎて介護施設には手の届かないもので、必要のないものと思われていたのである。

ところが今はどうだろう。このブログ読者の皆さんが所属する介護事業者で、いまだに手動式のギャッジベッドを使っているところはあるだろうか。そんな問いかけをしたくなるほど、手動式ギャッジベッドは見かけなくなり、介護施設では電動ベッドがスタンダードになっている。

スマートベッドもいつの日か、そのような存在になるのではないだろうか・・・というかそうなってほしいものである。スマートベッドが一般普及すれば、価格も現状より大幅に下がっていくだろう。

そうなると使い勝手にも多様性が生まれる。

例えば通所介護でもスマートベッドを一台置いておけば、利用者が到着順にそこに横たわってバイタルチェックを済ますことができる。そうなると看護職員がバイタルチェックだけのためにそこに居る必要もなくなり、通所介護の基本サービスは、看護職員配置がない状態で行うことができるというふうに配置基準も変えられるかもしれない。

看護職員の数も減っていく我が国では、こんなふうにして配置基準を大幅緩和して、看護職が多種類の事業所を掛け持ちで業務を行う形態に変えていく必要があるのではないだろうか。

どちらにしてもスマートベッドというハイテク機器が存在しており、それは極めて高性能で使い勝手が良いのだから、これを生かして医療・看護・介護DXを実現しない手はないと思う。
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