masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

ハラスメント

常識が通用しないクレーマーの存在を意識しなければならない時代


介護事業者側に非がなくとも、いわれなきクレームが利用者やその家族から挙がってくることがある。

その際にも真摯に対応し、説明責任をきちんと果たそうとする姿勢は必要だろう。

しかしそれにもおのずと限度というものがある。過度にへりくだって必要以上の対応になってしまえば、結果的に不当なクレームを挙げている当事者が勘違いをして、その要求がさらに過激なものに結びつく恐れがある。

そういう意味で、真摯さや丁寧さのさじ加減も必要になってくるのではないかと思う。

そこで思い出してほしい事件がある。それは、「介護事業者にとって他人ごとではない『たてこもり殺人事件』」でも論評した、今年2月に埼玉県ふじみ野市で起きた殺人事件である。

被害者が殺害された現場は亡くなった患者宅である。懸命に治療にあたっていたものの、その甲斐なく死亡した患者の息子が、対応が気にくわなかったとして、葬儀が行われていた自宅まで医師ら治療スタッフを呼び出し、医師を猟銃で撃ち殺したという事件である。

犯人は、母親がサービスを受けていた様々な事業者にクレームを挙げ続けていた人物だそうだ。

そのような人物の呼び出しに応じて、真摯に説明しようとした被害者には何の落ち度もない。地域では親切で腕が良いと評判だった医師が犠牲となったこの事件は、被害者やその関係者にとっては理不尽極まりないものである。

このようなことが二度と起きないように、事業者側も対策を練っておく必要がある。

仮に事業者側に非があって、顧客がそのことに正当なクレームを挙げたとしても、そのことに対する謝罪対応などの要求が、社会通念に照らして相当でない場合はカスタマーハラスメントに該当するのである。

ましてや前述した事件のように、事業者側に非がないケースについては、クレームそのものが、カスタマーハラスメントである。

よって利用者宅に呼び出された場合は、いかなる状況であっても、その要求には応じてはならない。

クレーム対応は密室化しない場所(事業者の応接室など)で受けるべきで、どうしてもそれに応じない顧客に対しては、しかるべき機関(※介護保険サービスの場合は、国保連や都道府県・市町村に苦情受付窓口が設置されている)に訴えるように通告すべきである。

これらの対応について、7/26(水)15:00〜16:00アクセス札幌で、「理不尽なクレームから施設と職員を守るカスタマーハラスメント対策」をテーマに講演を行う予定だ。(※参加申し込みはこちらから。事前登録で無料入場できます
CareTEX 札幌2023講演
ケアテック札幌2023
ケアテック札幌2023 - コピー
この講演は、北海道の介護業界においても最大級の商談型展示会となるCareTEX札幌2023の中で行われるセミナーである。

事前登録することで無料入場できるそうなので、是非お早めに登録して、当日会場で僕の講演を聴くほかに、最新の介護機器等の情報を仕入れていただきたい。

カスタマーハラスメント対策は、介護事業経営を行う上で最重要なリスクヘッジである。この対策をしっかり取ることで従業員が護られ、働きやすい職場環境も生まれる。そういう意味では人材マネジメント対策の一つともいえる。

その対策を充実させることが、介護事業経営主体の体力を強化することは間違いのないところで、当日の講演を聴いて、是非今後の介護事業経営に生かしていただきたい。

それでは当日7/26会場で愛ましょう。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。



※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

カスタマーハラスメントから護るべきものは何か


毎年全国6カ所の会場で開催される、「CareTEX」は、介護や福祉・医療に特化した大規模な展示会である。

ここでは様々な介護の専門家が集い、展示された最新機器の情報交換を含めた商談が行われるほか、各種セミナーも開催されて、最新知識の獲得にもつながっている。

このように北海道の介護業界においても最大級の商談型展示会となるCareTEX札幌2023が7/26(水)〜2日間の予定で開催される。
(※来場事前登録すると、入場料が無料となるので、是非登録したうえでおいでください。)

会場は去年に引き続き、札幌市白石区流通センター4丁目のアクセスサッポロである。
※同会場は云わずと知れた5000m2の大展示場を有する施設。各種イベント・見本市・展示会やコンサート・集会・会議等のコンベンション施設として最適な多目的スペースです。

僕はこの展示会の中で行われる専門セミナーの講師として招待を受けている。

この展示会で講演を行うのは、まだ会場が札幌コンベンションセンターであった2年前からのことであるが、ずっとコロナ禍の中での開催だったので、昨年までは大展示会としては来場者もそう多くはなかったと思う。

しかし医療と介護の講師陣が揃う中で、昨年の札幌会場で受講者数が一番多かったのは僕の講演会場でもあった。

今年は、コロナウイルスの感染症分類が変更され、各地で会場講演が復活する中での講演なので、それ以上の来場者を期待している。お近くの方は是非会場までお越しいただきたい。
CareTEX 札幌2023講演
僕の今年の講演は、初日の7/26(水)15:00〜16:00の予定となっており、「理不尽なクレームから施設と職員を守るカスタマーハラスメント対策」というテーマである。

カスタマーハラスメント対策の重要性とは、これを放置しておくことで、従業員のモチベーションが低下し、事業全体の生産性が低下するおそれがあることと、カスハラによって精神的ダメージを負い、離職や休職に至ってしまう従業員が増える恐れがあることだ。

それは介護人材不足に拍車をかけるリスクと言ってよいものである。

だが難しいのは、利用者やその家族のクレームがすべてカスタマーハラスメントとは言えないことである。

カスハラ対策が正当なクレームまで排除することに繋がれば、企業倫理が問われかねず、顧客ニーズからかけ離れた事業運営に陥りかねなくなる。

そうならないように、僕が7/26にアクセス札幌で行う講演では、「正当なクレームとカスタマーハラスメントの区別」についてわかりやすく解説し、その対策を示す予定だ。

同時に、「カスタマーハラスメントから護るべきものは何か」をも明らかにする予定だ。

この本質を間違えてしまえば、カスハラ対策はいつの間にか不正や不適切サービスの隠ぺい体質に変質してしまい、別な意味で社会からの批判と糾弾を受けかねない。

そうならないために必要な知識を備えてほしい。

ということで、CareTEX札幌2023の文字リンクをクリックして詳細を確認いただいたうえで、特に初日26日(水)15:00〜の僕の講演を聴き逃しないようにお願いしたい。

それでは、皆様と会場でお愛できるのを楽しみにして待っています。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。



※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

適材適所を怠ると逆ハラスメントが生まれる


僕は今、新千歳空港の「JALさくらラウンジ」でこの記事を更新している。

今日は午後から大阪伊丹空港に飛んで、空港近くにある豊中市の、「アイテラス利倉」で講演を行う予定になっている。

アイテラス利倉さんは、小規模多機能型居宅介護を併設した地域密着型特養で、僕が大阪で仕事がある際に、伊丹空港の到着もしくは同空港からの発着前後の時間を割いて、何度も職員研修としての講演を行っている施設さんである。

今回も、明日の大阪市老連の講演に備えて、大阪に前日入りするため、フリーの時間がかなりできたために講演を行うこととなった。

過去に行った講演はサービスマナー・看取り介護・介護従事者の使命と誇り、施設サービス計画に基づいたケアのあり方など多様であるが、今回も新しいテーマで講演を行うことにしている。

今日午後4時から行う講演テーマは、「介護事業におけるハラスメント対策と従業員のメンタルヘルスケア」であり、これは施設長さんから直接依頼を受けたテーマである。

先日もハラスメント予防研修の重要性について記事にしたが(参照:ハラスメント対策=指導教育できない職場では困る)、今日は別な角度からこれに関して論じておきたい。

ハラスメントの中には、「パワーハラスメント」と称されるものがあるが、この一般的な定義は、「職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為」とされている。

パワハラは必ずしも上司が部下に対して行う行為とは限らない。部下が束になって上司の命令や指示を無視するという形で、「職場内の優位性」を得て、部下から上司へ向かう行為として現れる場合がある。このことに対する十分な配慮と注意も事業者責任として求められるのである。

例えば北海道小樽市の社会福祉法人では、2010年5月からうつ病を発症し休職と復職を繰り返していたことで、休職中の2012年7月に解雇された女性課長が、解雇無効と損害賠償を求めて裁判に訴えたケースがある。

女性は2009年4月から、「課長」に任命され勤務していたが、「部下から暴言などを受ける一方、法人が適切な対策を講じなかったため、うつ病を発症した。」と訴えたものである。

この裁判はすでに原告勝訴で結審している。被告である社会福祉法人には、7年5か月在籍分の給与支払いが命じられたのである。
暗中模索
この結果を僕はある意味恐ろしく感じる。

統率力がなくて部下をまとめることができないということが、自分のスキルの問題であったとしても、そのことが原因でうつ病を発症した責任は事業者が負わないとならないことになるからだ。

しかし役職に任命した人物が、上司としての務めを果たす能力に欠けることが分かっても、一旦任命してしまった役職なのだから、簡単にその任を解くわけにはいかない。本ケースのような職員の場合、そのことは不当降格だと訴えかねないからだ。つまり本人が望まない限り簡単に役職を解くことは難しいのである。

そのため、統率力が発揮できていないことを知りながら、だらだらと役職に縛り付けていた結果、部下の統率がうまくいかないことに悩んだ役職者が、精神的に病んでしまった責任は事業者がとらねばならないということになる。

こうした矛盾というか迷走に対して、どこで折り合いをつければよいのか非常に難しい問題といえる。

どちらにしても管理職に任命した当事者のスキル問題が、部下からのパワーハラスメントに置き換わってしまう恐れもないとは言えないことを念頭に置いておく必要がある。

つまりこの裁判ケースからの教訓とは、「上に立つ人材選びにも、相応の事業者責任があり、その任に堪えないものを、経験年数だけで選んでしまった場合に、想定外の問題を生じさせかねない」ということではないだろうか・・・。

今後の介護事業においては、今以上に適材適所の人材配置という考え方が、経営者や管理職に求められてくるように思う。

特にチームをまとめるリーダー役の配置は、介護事業者の明暗を決定づける重要な問題と考えて、より慎重に人材選びに努めねばならないだろう。

人手が足りないからと言って、わずか3〜4年の経験しかない職員を、いきなり管理職につける介護事業者も少なくない。しかし正しい人事評価を伴わない抜擢は、組織を崩壊させるもとになりかねないのだ。

このことを介護事業経営者は、強く肝に銘ずるべきである。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

ハラスメント対策=指導教育できない職場では困る


ここ最近、「介護事業におけるハラスメント対策」をテーマにした講演依頼が増えている。

その理由は、2021年の基準改正ですべての介護事業者に職場内のハラスメント対策が義務付けられたからだろうと思う。

そしてそのテーマの講演依頼が、僕に舞い込むという意味は、僕が社会福祉法人の総合施設長であった当時から、この問題に取り組んで実績を挙げていることを知る方が多いからだと思う。

もともと介護事業者の職場内ハラスメントが問題になってきたのは、介護保険制度が施行された2000年頃からである。

1999年に旧厚生省が、職場のストレスがメンタルヘルス不調の原因となることを認めたということに関連して、職場のストレスの一つに、「ハラスメント」が挙げられたことから、その予防対策が介護事業者でも大きな問題になった。

僕が社福・特養の相談室長から施設長に就任したのは2002年・42歳の時である。ちょうどその時期は、職場内セクハラは事業者責任として防止に努めなければならないという機運が大いに盛り上がってきた時期だった。

そこで問題となっていたことは、職場内でのハラスメントとは何ぞやという根本的な問題である。

パワハラモラハラの区別さえ十分な認識がなかった当時、上司が何か指導すればすなわちそれがハラスメントであると非難される傾向があった。
黄昏の海
男性上司が、女性部下に職務上必要な注意をするだけで、「セクハラ」と非難され、十分な教育指導ができかねる雰囲気も漂いつつあったように記憶している。

僕はその状況はおかしいと考えた。きちんと教育指導とセクハラの違いを従業員に理解してもらわないと、せっかく僕が舵を取ろうとしている特養のサービスの品質保持にも支障が来すと思った。

その為、知り合いの弁護士等の知恵と力を借りながら、自分自身でハラスメントの勉強をし、ハラスメントの定義をきちんと理解したうえで、ハラスメントにならない教育的指導の在り方を法人内に知らしめる努力をした。

その過程で、「教育指導という場面では、部下の成長を期待して、良い方向に導くための叱る行為は、必要不可欠な場合がある」・「感情的に怒ることしかできない人は指導者に向かないが、ハラスメントと非難されることを恐れて、部下を叱ることができない人も、指導者としての適性がない」と確信した。(参照:教育的指導とハラスメントはどう線引きすればよいのか

このようにして僕は法人内で、「職場内ハラスメントとは何ぞや」という定義づけを行い、正しい教育指導の在り方とハラスメントを区分したうえで、職員にそのことを周知した。

ハラスメント対策をしっかり取ったうえで、職員育成の教育システムも機能するような体制作りをしたのである。

このようにハラスメントの予防対策を取りながら、かつしっかりとした職員教育システムも創り上げた法人のトップとしての評価が、ハラスメント防止講演の講師依頼に結びついているのだろう。

だからその経験をわかりやすく伝え、実務に生かすことができる講演を行うように努めている。

同時に2021年基準改正では、ハラスメント対策の中に、「カスタマーハラスメント対策」を含めることも義務付けられているので、僕が今まで顧客からの理不尽なクレームから、自法人の従業員を護るために、防波堤役として行ってきたことも紹介している。

ハラスメント対策が機能する環境で、職員の育成につながる教育システムも機能している場所では、サービスの品質が担保されるし職場環境も良くなる。そのため職員の定着率も高くなるのである。

そういう意味で、ハラスメント予防に関する研修は重要になるのである。

近直では3月16日(木)に大阪市で、「介護事業におけるハラスメント対策と従業員のメンタルヘルスケア」というテーマの講演を予定している。

こうしたテーマで、なおかつ介護事業者の実務に生かせる講演講師をお探しの方は、是非一度相談していただければ幸いである。連絡方法は、「北海道介護福祉道場あかい花」の公式サイト上の方に記載してあるので、確認していただきたい。

まずはお気軽に相談メールを送ってくださればと思う。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

カスタマーハラスメント対策が欠かせない介護事業者のハラスメント研修


2020年6月に、「労働施策総合推進法」が施行され、大中小企業という規模を問わず、事業主の責務としてハラスメント対策が義務付けれられた。

このことは、精神障害で労災支給が決定される人の数が増え続け、その多くがパワハラに起因したメンタルヘルス不調であるとが背景となっているし、「労働施策総合推進法」が、通称パワハラ防止法と呼ばれている所以でもある。

そうした社会情勢もあって、2021年度の介護報酬改定時に介護事業者においても、ハラスメント対策を強化することが求められた。そして全ての介護サービス事業者に適切なハラスメント対策を求めるための省令改正が行われた。

改正内容について当初は、パワハラ・セクハラなど介護事業者内のハラスメント対策を講ずる方向で考えられていた。

しかし介護事業の場合、特に訪問系サービスで、従業員側や事業者側に非がないにもかかわらず、利用者やその家族から怒鳴り散らされたり、恫喝されるなどの被害が目立っており、実際に利用者が刑事責任を問われる事件も起きている。

2019年1月には大阪市で、集合住宅の一室にひとり暮らしをしていた53歳の男性宅を訪れた70歳の訪問介護員を、利用者である男性が殴ってわいせつ行為をした後、何度も踏みつけるなどして死亡させたという事件が起こっている。

本件はカスタマーハラスメントを通り越した凶悪事件であり、カスタマーハラスメント問題とは別問題と捉える向きもあるが、日ごろの利用者の理不尽な要求に耐えたり、ヘルパーに我慢を強いるだけで対策を講じていないと、行為がエスカレートして考えられない事件につながることもあるという意味で例示させていただいたものである。

訪問介護事業所は、介護保険サービスのみならず障害者福祉サービスの居宅介護(介護保険の訪問介護に該当するサービス)も行っている事業所が多いので、これは深刻な問題である。

また先日は、飼い猫2匹を2019年に入院中に無断で保健所へ引き渡されたとして、山口市の80代女性が同市と当時のケアマネジャーに1匹当たり月5万5千円の損害賠償を求めて訴訟を起こしたというケースもある。幸いその訴訟は請求棄却され被告勝訴となったが、利用者の理不尽な要求が放置できないレベルに達することが増えているように思える。

事件となったケース以外にも、訪問介護員の被害感情は少なくなく、介護関連労働組合のアンケート調査では、回答者の7割以上のヘルパーが、利用者もしくは家族からの暴言や暴行などのパワハラを受けた経験があるという数値も過去に示されている。

そのためこうしたカスタマーハラスメントへの対策も急務だという声が高まった。

そして2021年の省令改正では、『併せて、留意事項通知において、カスタマーハラスメント防止のための方針の明確化等の必要な措置を講じることも推奨する。』という文言が加えられたという経緯があるのだ。
北海道美瑛町
しかし前述したような事件や被害を考慮すれば、介護事業者においては、「カスタマーハラスメント対策」は推奨しているような悠長な問題ではなく、早急なる対策を講じておく必要がある問題と言えそうである。

ところでハラスメント対策について、社労士などの専門家に講演依頼した場合、多くは職場内のパワハラ・セクハラ対策に終始する内容で終わることが多い。カスタマーハラスメントに触れる人は少ないのだ。

というのも介護実務を行った経験のない人は、カスタマーハラスメントを受けた経験や、カスタマーハラスメント対策を行った経験がほとんどないからである。

でもそれは介護事業者のニーズを充足させる講演とは言えない。ハラスメント対策を学ぶ際には、必ず講師に、「カスタマーハラスメント対策」を盛り込むように依頼すべきである。

この点、僕のハラスメント関連講演は、そのこともしっかり盛り込んで話すことができるので安心して講演依頼してほしい。僕自身が過去に受けたカスタマーハラスメントや、僕の経営する社福法人内で従業員が受けたカスタマーハラスメントに対応してきた経験から、その対策についてお話しすることができる。
※クレーム対応の例としては、「クレームは頭を垂れるだけで解決しないこともある。」を参照願いたい。

先日は岩手県いわきケアマネ協会に向けたオンライン講演でもその話をしたし、来年2月には大分県大分市地域包括支援センター職員向け研修として、「介護事業におけるハラスメント対策を考える」という講演をオンライン配信する。

そこではしっかりとカスタマーハラスメント対策に触れる予定であるが、単に利用者や家族に毅然と対応することを強調するのではなく、我々の事業が人の暮らしを護るための対人援助であるという本質を忘れない対策が必要だという視点も盛り込んでいる。

ハラスメント対策は毅然とした対応が必要で、理不尽な要求が続けられた場合には、「契約解除」という手段も必要になることがある。

しかし毅然とした顧客対応が、介護難民を生み出しては本末転倒であるという考え方を持っていないと、毅然とした対応がいつの間にか、利用者や家族にとって、『上から目線の無礼な押しつけ』になってしまう恐れがある。

それは私たち福祉のプロたる者の取るべき態度とは言えないのである。毅然と横暴は紙一重であることを忘れてはならないと思う。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

カスタマーハラスメント対策は顧客救済策とセットで考えてほしい


今日午後6時から8時まで、福島県のいわきケアマネ協会主催のオンラインセミナー講師を務める予定となっている。

講演テーマは、「きみのケアマネジメントに根拠はあるか〜カスタマーハラスメント・虐待・自己覚知・科学的介護という課題に向き合う」としているが、これは講演主催事務局の要望で決定されたテーマである。

カスタマーハラスメント・虐待・自己覚知・科学的介護という4つのテーマは、それぞれ独立した一つのテーマとしても120分の講演ができるものであるが、今回はどうしてもそれを1回の講演の中にまとめてほしいという要望だった。

こうした要望にも快く応えて、受講者の方々にも満足いただける講演を行うのは、プロ講師としての責任と義務である。そのためそれらを関連付けながら、浅い内容に終わらないように、新たな講演プロットを作成し、それに沿って講演スライドも完成させて事務局に送っている。

講演プロットを作成しながら考えたことがある。それは今年度の介護報酬改定時の基準改正で、介護事業者にカスタマーハラスメント対策を講ずる義務を課したことについてである。

その背景を振り返ってみたい。

2020年6月1日より改正労働施策総合推進法が施行され、パワハラの防止対策が企業の義務として定められた。(※中小企業については、努力義務期間が2022年3月31日まで設定されており、2022年4月1日から義務化)

併せて、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法においても、セクシュアルハラスメントや妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントに係る規定が一部改正され、今までの職場でのハラスメント防止対策の措置に加えて、相談したこと等を理由とする不利益取扱いの禁止や国、事業主及び労働者の責務が明確化されるなど、防止対策の強化が図られた。

この流れを受けて今年度の介護報酬改定と併せて行われた基準改正において、令和3年度からすべての介護事業者にハラスメント対策を講ずることを義務付けることにした。

当初その対策とは、パワーハラスメントとセクシュアルハラスメントを防ぐものとして議論されていたが、その中で訪問介護等では、ヘルパーや事業者に非がないにもかかわらず、密室化されやすい利用者宅で、顧客(利用者及びその家族)から怒鳴り散らされたり、恫喝されりするカスタマーハラスメントが問題視され、それも含めた対策を講ずることが事業主の責任において行われるように規定されたという経緯がある。

その背景には、顧客から理不尽な暴言を浴びたり、脅すような態度をとられたとしても、「相手はお客様なんだから、多少のわがままは仕方ない」・「顧客を失わないために、あまり気にせず何とかやり過ごせ」などというように、従業員に過度の我慢を強いて何も対策しない事業主が多かったという事実がある。

そうした態度は、事業者責任を放棄した態度であるとして、運営基準の中でカスタマーハラスメントからも従業員を護る責任が事業者及び事業主にあることを明記したのである。

その際、事業者が雇用管理上の配慮として行うことが望ましい取組の例として以下の3例が示されている。
〜蠱未鳳じ、適切に対応するために必要な体制の整備
被害者への配慮のための取組(メンタルヘルス不調への相談対応、行為者に対して1人で対応させない等)
H鏗暇瓢澆里燭瓩亮菫函淵泪縫絅▲觝鄒や研修の実施等、業種・業態等の状況に応じた取組)


法律違反の要求だけではなく、倫理上問題のある行為要求を受け入れる必要はないことをしっかりと確認するとともに、事業者・事業主の責任としてカスタマーハラスメントは放っておかないこと、従業員はカスタマーハラスメントを我慢しないということを運営基準に明記したのである。

そのため全ての介護事業者が、利用者からの理不尽な要求や態度には、事業者側が毅然とした態度で応ずるべきであることを念頭に置くことは当然である。

しかし毅然とした顧客対応が、『介護難民』を生み出しては本末転倒であるということも考えておかねばならない。

カスタマーハラスメント対策として、どうしても暴言や威嚇行為をやめない利用者に対しては、契約破棄も手段の一つだが、私たちの仕事は社会福祉援助であり、人の暮らしを護るために存在するのだから、契約を破棄してあとは知らないという態度であってよいわけがない。

利用者側の問題で契約を終了せざるを得ない場合も、後は勝手にしてくれというのではあまりに無責任と考えるべきであり、契約を終了せざるを得ないケースであっても地域包括支援センターとの連携によるアフターフォローは不可欠と考えてほしい。

カスターハラスメントを繰り返す利用者や家族は、そのような問題を起こす病理的原因が家庭の中に隠されているのではないかという観点も含めて、地域ケア会議の検討対象とする必要があるのだと思う。

地域ケア会議の第1の目的は、法の理念に基づいた高齢者の自立支援に資する地域の介護支援専門員のケアマネジメント支援なのだから、その機能が発揮できないカスターマーハラスメントを繰り返す利用者や家族の問題について、その原因を明らかにして対策を取ることは、地域ケア会議の目的に沿ったものであることを忘れてはならないのである。

介護サービス利用者は、単なるユーザーではなくお客様である。しかしお客様は神様ではない。だから毅然とした態度は時に必要になるが、だからといって介護支援を必要としている人に問題があるからと言って、その人たちが切り捨てられ介護難民となっても仕方がないということではないのである。

私たちは捨てる人ではなく、救う人・寄り添う人であることを忘れてはならない。今日オンライン講演でも、そうしたバランスを考えられる職種、考えるべき職種が介護支援専門員であることを強調したいと思う。
いわきケアマネ協会オンライン講演
それでは、いわき市のケアマネジャーの皆さん、本日18時から画面を通じてお愛しましょう。よろしくお願いします。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。
新刊出版のご案内
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)のamazonからの取り寄せはこちらをクリックしてください。
masaの講演案内
当ブログ管理人masaの講演予定は、こちらからご覧下さい。講演依頼もこのページからできます。
Weekuly Access

    記事検索
    Blog Search
    Google
    WWW を検索
    このブログ内を検索
    ↑こちらにキーワードを入れて過去のブログ内記事を検索できます。
    masa's book 6
    表紙画像(小)
    新刊「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から(2019年1月20日発売)のネットからの購入はこちらをクリックしてください。送料無料です。
    masa's book 5
    新刊介護の誇り
    「介護の誇り」はこちらから購入できます。
    masa's book 4
    介護の詩(うた)  「介護の詩(うた)」はこちらから購入できます。
    masa's book 3
    人を語らずして介護を語るなTHE FINAL 誰かの赤い花になるために  感動の完結編。 「人を語らずして介護を語るな THE FINAL 誰かの赤い花になるために」。 はこちらから購入できます。
    masa's book 1
    表紙カバー、帯付き
    書籍化第1弾「人を語らずして介護を語るな〜書籍masaの介護福祉情報裏板」 はこちらから購入できます。
    Facebook
    masaのフェイスブックはこちらからアクセスしてください。
    Recent Comments
    Archives
    Categories
    Access Counter
    • 今日:
    • 昨日:
    • 累計:

    QRコード
    QRコード