masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

BCP

BCP策定過程を事業者財産に


令和3年度からすべての介護サービス事業者に、業務継続計画(以下BCPと略す)の策定義務が課せられている。

ただしこの義務化には3年間の経過措置が設けられており、令和6年3月 31日までの間は努力義務とされている。

だからと言ってこの経過措置に胡坐をかかずに、できるだけ早くBCPを策定しておくべきだと考えている介護事業経営者は多いと思う。

何故なら感染症や災害が非常に身近になってきて、他人ごとではなくなっているからだ。

コロナ禍はその最たる例である。この騒動が一旦落ち着いてたとしても、新たな感染症が数年を経ずして出現しても何も不思議ではなくなってきている。

気候変動の影響も年々深刻さが増しているように思える。台風や豪雨、それに伴う水害といった被害も日本中どこにいても避けられないと考えざるを得ない。

そのため経営戦略上BCPは必要不可欠なものとなっており、実効性のあるBCPをできるだけ早急に策定したいと考える介護事業者では、経営コンサルなどのBCP作成にたけた専門業者(それが実際に存在するかどうかは議論があるところだが)に、その策定業務を請け負ってもらうところも出てきている。

それも一策であるが、ちょっと待てよと言いたい。

専門業者に策定を請け負ってもらえば、それなりのBCPが早期に策定されることは間違いない。お金をかけても、きちんとした計画が策定され、将来的に事業者や利用者を護ることにつながるのなら、それはかけて価値あるお金であるとする考え方も理解できる。

でもそれでよいのだろうか・・・。専門業者に丸投げして計画を策定しても、それは本当の意味での法人・事業者の財産にはならないということを考えてほしい。

BCPは感染予防マニュアルのように、よそから持ってきたものをそのまま使うようなことはできない。有事に業務を継続するためには、個々の様々な状況に対応する必要があるため、事業者の立地環境・地域事情・設備状況・利用者属性等に大きく左右される要素が強いために、必然的に事業者独自の計画策定が求められてくるからだ。

つまりBCPは、策定事業者の個別事情や背景をあぶりだすところから始まるのだ。その過程では、介護事業者に対する地域住民の認識、介護事業者に対する地域住民の真のニーズなどが明らかになってくる。(※明らかにならないとすれば、そのような状態で策定されるBCPは役に立たない

その過程では、介護事業者の経営上の課題が明らかにされるとともに、将来にわたる経営戦略につながる方向性も見えてくる可能性が高い。

それは法人・事業者財産に直結するものだ。

そもそもBCPを策定できる専門家を事業者内にきちんと創っておくことそのものが財産だ。計画策定に携わる職員が、その過程で得る専門知識はすべて、法人・事業者の経営戦略につながる知識であると考えてよい。事業者内の人材が、そのような知識や見識を得る機会を、みすみす逃しても良いのかどうかを考えてほしい。

法人内に策定責任者・策定専門家がいることで、事情に応じた計画変更も柔軟に行うことが出来るようになるが、業者に丸投げ策定したBCPは、数年の間の変化に対応できずに硬直化・形骸化する恐れだってある。

そうした諸々のことを考えるならば、経過措置を最大限に利用して、法人・事業者内にBCP担当部門と責任者を設置すべきであると思う。

ただし経過措置の最大利用とは、3年後に計画を策定すればよいとして鷹揚に構えて、ゆっくり事を進めてよいという意味ではない。最大3年という期間があるのだから、それを最大限生かして実効性の高い計画を作成するため、専門部門や責任者を一日も早く決めて、早急に計画策定に向けた取り組みを行う必要があるという意味である。

ゆっくり作業を進めるのではなく、早急に作業を進める体制を整え、じっくり検討し実効性のある計画策定とする必要があることを理解してほしい。

BCP策定に関連するセミナー等は、今後全国各地で開催されることになるはずだ。そこに担当部門職員を参加させながら、職場内でBCP策定の戦略会議を定期的に開催して、独自の計画策定に向けた準備を進めてほしい。

その過程で外部のコンサルタントに指導・助言を求めることはあってもよいと思うが、外部業者に頼り切って、丸投げ策定することだけは避けてほしいと思う。

なおBCPに記載すべき項目や研修・訓練(シミュレーション)等についての解釈通知・Q&A等の分析などを含めた、「報酬改定と基準改正の全体像〜各サービス共通部分」を、6月10日(木)19時からUCHIDAビジネスIT オンラインセミナーNo2で配信する予定になっている。
無題
張り付いた文字リンク先から申し込めば、どなたでも無料で視聴できる。ちなみに27日(木)19時からの第1回配信は、LIFE(科学的介護情報システム)についての解説である。こちらもまだ申し込み可能である。

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感染症や災害時のBCPは実効性を求めてほしい


先週末は、愛車の車検のついでに夏タイヤに交換してもらったが、ディーラーの人が今シーズン一番最初のタイヤ交換だと笑っていた。登別の春はまだ先だが、雪がもし降ったら相方の車を借りるので何とかなるだろう。

今週末は沖縄への出張予定があるが、帰ってきたら雪がなくなっているのを期待しよう。

昨日の日曜日は、執筆作業や講演スライドづくりも一旦休みにして、そのほか特に仕事に追われることもなかったので、もう一つのブログ・masaの徒然草に、「食事が最大の愉しみであることを護るケア食」という記事も書いているので参照してほしい。

さて来年度に向けた基準改正では、感染症や災害への対応力強化求められて省令改正が行われている。

感染症対策としては、すべての事業者に感染対策委員会の設置が求められ、施設・居住系サービスはおおむね3月に1回以上、居宅サービスはおおむね6月に1回以上定期的に開催するとともに、感染症が流行する時期等を勘案して必要に応じ随時開催する必要があるとされた

そのほか感染症対策指針を策定するほか、感染症予防に関する研修や訓練(シミュレーション)については、施設・居住系サービスはおおむね年2回以上、居宅サービスは年1回以上の実施が求められている。

災害や感染症に備えた業務継続計画(BCP)の策定も求められ、感染症対策と同様に、研修や訓練(シミュレーション)についても施設・居住系サービスはおおむね年2回以上、居宅サービスは年1回以上の実施が求められた。

また施設・居住系サービスと居宅サービスの規定については、以下の部分について若干異なっているので注意が必要だ。

・居宅サービスの感染対策委員会は、他の会議体を設置している場合、これと一体的に設置・運営することとして差し支えない。また、事業所に実施が求められるものであるが、他のサービス事業者との連携等により行うことも差し支えない

・施設・居住系サービスの感染対策委員会は、運営委員会など施設内の他の委員会と独立して設置・運営することが必要であるが、関係する職種、取り扱う事項等が相互に関係が深いと認められる他の会議体を設置している場合、これと一体的に設置・運営することとして差し支えない。感染対策担当者は看護師であることが望ましい

・居宅サービスの業務継続訓練(シミュレーション)は、他のサービス事業者との連携等により行うことも差し支えない。また全ての従業者が参加できるようにすることが望ましい。

・施設・居住系サービスの業務継続訓練(シミュレーション)は、感染症の業務継続計画に係る訓練については、感染症の予防及びまん延の防止のための訓練と一体的に実施することも差し支えない。また、災害の業務継続計画に係る訓練については、非常災害対策に係る訓練と一体的に実施することも差し支えない。

さらに感染症及び災害の業務継続計画を一体的に策定することは可能とされ、次の表に記した内容を入れる必要があるとされた。
業務継続計画
BCPは単なる防災計画や感染予防マニュアルとは異なり、その事業所の立地条件などによって異なる対策を立てねばならない個別性の高い計画であり、どこかにひな形を求めてそれをコピペして終わりにできるようなものではない。

災害は日本のどこであっても見舞われる可能性が高いのだから、義務作成のBCPであるのだからこそ、机上の空論にならないようにきちんと実効性のあるものにしたい。

特に防災対策はBCPの一要素であり、それは経営戦略として必要不可欠なリスクマネジメントでもあることを理解して、事業者の地理的条件・環境・地域住民の協力等、個別の状況を十分勘案した独自のものを策定する必要がある。

非常時対応マニュアルは災害などが発生した際に用いる一番重要なものなのだから、それも実効性がある内容にこだわって作成する必要がある。必要不可欠となる安否確認、緊急連絡、情報収集、被害状況の確認、対策本部設置判断などを行うための手順も、状況変化に応じて見直していかねばならないし、職員が欠勤せざるを得なくなった際の、職員出勤率毎の介護の優先順位を決めておいたり、業者との取引ができなくなることも想定した内容を入れておく必要がある。

コロナウイルスのクラスター感染症が発生した札幌市の老健では、職員の出勤率が1割まで落ち込んで、2週間以上入浴介助ができなくなっただけではなく、長期にわたって食事提供が2回/日になってしまったという教訓もある。

人命を護るために優先しなければならない時期には、運営基準に沿わない対応も必要になる場合があることを想定しておかねばならないのである。

そうした観点も含めて介護事業者ごとに、使える業務継続計画を策定しなければならない。

この策定には3年間の経過措置期間が設けられ、令和6年3月末までに完全な計画を策定すればよいのだから、今のうちに担当部署と担当責任者を定め、厚労省サイトに掲載されているガイドラインを精読するとともに、今後都道府県単位で数多く行われるであろう、業務継続計画作成研修などを担当責任者に受講させるようにしてほしい。

介護事業経営者は、専門知識を備えた職員による、実効性の高い計画策定が今後の事業経営の重要な要素になることを肝に銘じなければならない。
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