masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

介護事故

原因探しは犯人探しではない


最初にお知らせを一つ。

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さて昨日までお盆休みが続いており、今日が休み明けの初日という羨ましい人も居るのではないだろうか。

介護事業者に勤める人は、なかなかそうもいかないだろうが、仕事の再スタートとなる人は、早めにエンジンをかけていつものペースを取り戻していただきたい。

お盆期間中もシフト勤務で出勤している皆様には、心よりお礼を言いたい。

僕の管理する表の掲示板も、お盆期間中途切れることなく情報交換が続けられており、世間との暦とは別にして、働き続けている人々の頑張りが垣間見えて思わず応援したくなる。

その中には、「新型コロナウイルス」に自分が感染したことにより、施設内でクラスター感染が発生したことに罪悪感をもって、どうしたらよいのかという相談スレッドも建てられている。

その問いかけに対して、「施設のルールに則り行動されていたうえで感染した場合は、不可抗力だから気にする必要はない」などのアドバイスが書き込まれている。

まったく同感である。とても真摯でよいアドバイスをしてくれているので、僕が改めてレスポンスをつけて付け加えることもないだろう。

オミクロン株とその亜種は、世界中で急速に感染拡大しており、不織布マスク・ソーシャルディスタンスの確保・ワクチン接種など、これまで頼りにしていた感染予防対策の多くでは、全ての感染を防ぐことができないのである。

感染リスクが蔓延している世界では、自分のベストを尽くすことしかできないのである。それでなおかつ感染したとても、自分を責める必要はない。

自分に近い接触のあった人が検査や予定調整するために連絡する責任はあるが、自分の過去の行動を擁護したり正当化しようとしたりする必要もないと言ってよい。やむを得ないことなのである。

だからスレッドを建てられた方も気にせずに、一日も早く健康を取り戻し、後遺症なく過ごしてくださることを願っている。

ただし感染源を探ったり、感染経路を探ることは極めて重要だ。しかしそれは個人の責任追及ではなく、何度もクラスター感染等を繰り返さないようにするための、根本原因への対処を目的として行うという意味である。

それは感染症に限ったことではなく、例えば介護事故の原因を探るために、事故報告書を作成することも、そうした意味なのである。

よってその報告書では誰が何をどうした結果、感染や介護事故につながったのかが明白にされなければならない。

例えば介護事故の場合は、そこにヒューマンエラーと言われる、個人の何らかのミスが原因となっている場合がある。しかしそ鵜であるからと言って、原因を個人の責任としてしまっては、真相が隠されてしまいかねない。

仕事上、自分が犯したミスであっても、故意でない限りそれは業務上の問題であって、それを正直に報告して原因に対処できるようにしなければならない。個人のミスも事業者責任として処理されることによって、真相は明らかになるのである。

そうしなければならないという意味は、労働災害における経験則の一つに、「1:29:300の法則」・「ハインリッヒの法則」とも呼ばれるものがあるからだ。
ハインリッヒの法則
即ち、「同じ人間が起こした330件の災害のうち、1件は重い災害(死亡や手足の切断等の大事故のみではない)があったとすると、29回の軽傷(応急手当だけですむかすり傷)、傷害のない事故(傷害や物損の可能性があるもの)を300回起こしている」という原則があり、この300回の「ヒヤリ」・「ハット」するような無傷害事故の背後には、数千の不安全行動や不安全状態があることも指摘されているのである。

だからこそ事故の程度が軽いものや、事故につながらない「ヒヤリハット」の原因を一つ一つ探り、その原因を潰していくことが大事なのである。

その過程の原因探しを、犯人探しと勘違いしないようにすることが重要である。感染症対策における感染源の把握も、そうした観点から行われる必要がある。

10日に厚労省が発表した介護施設におけるクラスター感染発生状況では、直近1週間で669件のクラスター感染が発生している。600件を超えるのは、厚労省が調査を開始してから初めてで、およそ1ヵ月前にあたる7月11日の週と比べると、件数は4.4倍となっているのである。

だから感染予防対策をいくら徹底しても、目に見えないウイルスで、かつ感染力が高くなっているウイルスを完全に防ぐ術はない考えて、感染したことを後悔するより、その後の対応に全力を尽くしていただきたいと思う。

クラスター感染も感染源になった個人が責任を負うような問題ではないので、確実に感染源をつかみ、今後の感染予防に向けた教訓を創ることが大事である。

くれぐれも真面目過ぎる考え方で、自分自身を追い込まないようにしていただきたい。
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転倒や誤嚥は事故なのか?という問題提起に拍手喝さいを


8/27の介護給付費分科会は、介護保険施設(特養・老健・介護医療院・介護療養型医療施設)のあり方が議題となった。(参照:第183回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料

その議論の中で、全国老人保健施設協会の東憲太郎会長が、介護保険施設のリスクマネジメントに関連して、今までにない新たな観点から非常に示唆に富んだ発言をしている。

その発言とは、「転倒や転落、誤嚥を事故と認定することについて少し意見を言いたい。例えば、認知症で危険の意識がなく歩行能力も衰えている方などが転倒されるということは、もう事故ではなく老年症候群の1つの症状ではないかと思う。」というもので、この手の専門家会議での発言としては非常に大胆な内容である。

なぜ大胆かと言えば、まかり間違えばこの手の発言は介護事故防止の責任の放棄ともとられかねないものだからである。言葉を切り取られて報じられれば自己責任を放棄したとして批判を受けかねないし、立場上許されざる無責任発言とバッシングを受ける恐れもないとは言えない発言だった。

しかし僕はこの発言に関して言えば大喝采だ。よく言ってくれたとエールを送りたい。

なぜならこの発言と同じ、「本音」を胸に抱えている介護施設経営者はたくさんいると思うからだ。まさにこの発言内容は、介護事業経営者や介護従事者たちの代弁であると言ってよいと思う。

転倒に関しては、僕自身がトップを務めていた施設の現状を報告しながら次のような記事も過去に発信している。

転倒〜リスクマネジメントが届かないケース」・「転ぶ人のいない特養にしたいが・・。

ここで僕は、『転倒をまったく「なくする」ことなどできない』と指摘したうえで、『転ばない施設を目指すあまり「歩けない施設」・「歩かせない施設」になってしまってはいけないし、車椅子を安易に使うことが当然としてしまってもいけない』と書いたが、その気持ちは今も同じである。

27日の介護給付費分科会で東会長が、「転倒などを事故とすることで訴訟が頻発している。しかも敗訴が多く大変問題となっている」・「転倒や転落、誤嚥は本当に事故なのか、ということも検討して頂きたい」と呼びかけたことは、まさに私たちが長年介護の場で訴え続けてきたことと同じ内容なのである。

質の高いリスクマネジメントや、ICTなどの先端機器を利用した見守り強化策を含めた事故防止対策の強化も大事だが、すべて完璧で満点しか得点のない事故対応を介護事業者に求め続けても、それはないものねだりでしかない。ヒューマンエラーはできるだけ減らす努力が必要だが、高齢者の誤嚥や転倒は不可抗力による場合もあるという視点は、介護現場で提供するサービスメニューが、誤嚥や転倒を防ぐあまり委縮して、本来の目的から大きく外れてしまうことを防ぐためにも必要な視点である。

現に特養のショートステイで一番問題になるのは、歩行状態が不安定な人がサービス利用したケースで、短期間で機能低下するという問題である。転倒の恐れがある人の場合、ショート期間中の最大目標が、安全に事故なく過ごすこととされてしまって、安全という名の下で過度な歩行抑制が行われ、車椅子で移動することを強いられるケースが数多くある。それがショート利用中に下肢機能をさらに低下させているのである。

こうした現状は、高齢者がサービス利用中に転倒して骨折するケースのすべてが介護事故とは言えないという視点を持つことでしか改善されない。「事情は十分理解できるけど、責任と賠償の問題は別だよね。」とされれば、どんなに善意の介護事業経営者だとて委縮してしまって、最も必要とされるサービスの在り方を見失うのも当然である。

誤嚥については、正しい食事介助の方法が教育されていないという問題もある。(参照:食事介助で大切なこと ・ 本当の実務論でしか介護サービスは変えられない

しかし食事姿勢を取りながら、適切に食事摂取の介助を行っても誤嚥は完全に防ぐことは出来ないし、ましてや自力摂取している人の誤嚥まで介護事故とされ、事業者責任にされてしまっては、事故を恐れて不必要な禁食・経管栄養がとめどなく増え続けるだけである。このように過度な責任の押し付けは、食事の経口摂取を阻害する要素が増大するだけの結果にしかつながらない。

そのような風潮に一石を投じたのが、「あずみの里裁判」であり、介護施設での誤嚥事故をめぐって業務上過失致死罪に問われていた准看護師の高裁逆転無罪の判決が、7月に確定したことは画期的な出来事であったと言える。(参照:あずみの里裁判・逆転無罪の高裁判決が示したもの

この判決確定が、介護事業者のサービス提供方法が過度の管理に傾くことの防波堤になり、本当の意味でサービスの在り方が利用者本位となる流れを生み出すことを期待しているが、その流れをさらに確実なものにするためには、介護事業における誤嚥や転倒の事故認定の在り方を議論する中で、誤嚥や転倒が、すべて事業者責任であるという意識を変えていくことが絶対に必要である。

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