masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

補足給付

補足給付と高額サービス費の変更実施が迫っています


5/28に発出された介護保険最新情報のVol.985は、2月後に迫った補足給付の見直しと、高額介護サービス費の上限変更について、関係者や利用者に対する周知協力を呼びかける内容となっている。

補足給付については、現行の負担段階の3段階を、所得120万円以下(3段階 砲120万円超(3段階◆砲忘拱化したうえで、給付の対象となる資産要件(預貯金額)の基準を引き下げるとともに、新設された3段階△梁仂歇圓凌費の自己負担基準額を引き上げるというものだ。

資産要件変更で補足給付の対象となる預貯金額の基準が各段階で引き下げられているので、今現在は補足給付が支給されていても、いきなりその支給がされなくなる人も出てくる。最初に預貯金の資産要件を設けた際には、低所得者等の反発が起きないように単身者1.000万円という高い基準を設定し、それを徐々に引き下げて補足給付を受けることができる人を減らしていくというのは、国の常とう手段だ。2024年度の制度改正に向けては、この基準がさらに下られる可能性もある。

食費負担額の変更については、以前からこのブログでアナウンスしていたが、その際には、「ショートステイの食費についても段階区分ごとに上げる」と解説していた。今回はその具体額を表にしたリーフレットも国が作成している。
補足給付の変更点
このようにショートステイについては、3段階△梁仂歇圓世韻任呂覆、2段階と3段階,梁仂歇圓皸き上げられている。そのことは全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料(令和3年3月9日)で既にアナウンスされていたそうであるが、僕のようにこの部分をうっかり見逃していた人がいると思う。改めて確認願いたい。

この資料では、施設利用者の第2段階と第3段階,梁仂歇圓凌費負担が据え置かれているのに、ショート利用者だけ引き上げられる理由について、「食費が給付対象外となっているデイサービスとの均衡等の観点から」と説明されている。

同じ居宅サービスで、両者の著しい差は問題だという論調だが、ショートステイは滞在サービスで、通所サービスと異なるルールであっても良いし、滞在サービスの性格上からそれは施設サービスとの均衡でみるべきだと思うが・・・もう決まってしまったことだから今更それを言っても始まらない。

しかしこの理屈でショートの食費負担が、第2段階の対象者まで引き上げられた先にあるものは容易に想像がつく。

次の制度改正では、「食費が給付対象外となっているショートステイとの均衡等の観点から」というへ理屈で、施設入所者の2段階と3段階,梁仂歇圓亮己負担増につながっていくのではないのだろうか。つながらないとしても議論の俎上にこのテーマがのぼってくるのは確実だろう。

この変更は深刻な問題につながりかねない。特に第2段階の人は、年間所得が80万円以下の人なので、210円/日の食費負担増は軽い負担増ではないと思う。経済的理由でショート利用を抑制せざるを得ない人が増えてくるものと思える。

高額サービス費の変更は、国が作成したリーフレットの中で以下の図で示されている。
高額サービス費の見直し
負担上限額が増えるのはお金持ちだけだから、負担能力に問題なく、基準引き上げでトラブルが生ずることもないというのは、過去の例からして大きな間違いといえる。

月の負担上限額が8月以降、いきなり95.700円も増やされる人は、課税所得690万以上(年収約1.160万以上)の方々だから、それなりに負担能力はあると言える。そのため金銭管理を自分で行っている方であれば、さほどトラブルなく負担増に納得してくださるだろう。

問題は施設入所者の方などで、金銭管理を家族が行っているケースだ。中には子供が親の年金をそのまま生活費に充てているケースや、親の年金をあてにして住宅ローンを組んでいるようなケースもある。そうしたケースでは、年金を管理している家族から強く抗議を受けて、トラブルに発展するケースは決して少なくないことは、過去の費用変更の際に多くの関係者が経験してきていることだと思う。

こうしたケースで、「それはあなたのお金ではなく、親御さんのお金でしょう」という正論が通用しないことも、多くの関係者が経験していることだ。そして国が決めたことで介護事業者に責任がないことであっても、直接の怒りは介護事業者に向けられることも多くの方が経験済みだろう。

そうしたトラブルを防ぐ唯一の方法は、できるだけ早く、できるだけ丁寧に、関係介護事業者が利用者や家族に説明を行うことだ。

今から2月後の費用負担増の詳細を説明し、その対策をともに考える姿勢を介護事業者が示すことで、信頼を得ることができることも期待できる。是非そうした対策を急いでいただきたい。
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補足給付の見直しは低所得者層を狙い撃ちした改悪


先週の火曜日から始まった松山市〜久万高原町〜京都の旅を終え、今日は一旦北海道に帰ってきた。

昨日までの京都講演2日間は、看取り介護について基礎的な考え方から、実践論まで10時間に及ぶ研修であったが、90人を超える参加者の皆さんから、積極的な意見もいただき大変有意義な研修であったと思う。会場で販売した僕の著作本も、用意した冊数すべてが売り切れとなる盛況ぶりで、大変ありがたかった。この場を借りて改めてお礼を申し上げたい。

会場で本を買えなかった方は、このブログをPC画面で見ると、右サイドバーに取り寄せ購入先がリンクできるようにしているので、そちらで購入いただきたい。購入した本を僕が講演を行っている会場に持ち込んでいただくと、いつでもサインをさせていただくので、よろしくお願いします。

それはさておき本題に移るとしよう。

介護業界を取り巻く状況はますます厳しくなっているが、次期制度改正議論が佳境に入り、12/16に開催された社保審・介護保険部会では次期改正等の全容が明らかにされた。(参照:第88回社会保障審議会介護保険部会資料

介護保険制度制度改正を巡っては、「これまでの検討と議論の整理の方向性」が示されている。

そこでは、「被保険者範囲・受給者範囲の拡大 」・「室料の自己負担化がされていない老健等の多床室の室料負担 」・「ケアプラン(居宅介護支援費)の自己負担導入」・「軽度者の生活援助サービス等の地域支援事業への移行」・「3割負担及び2割負担の対象者の拡大」については見送られることが示されている。

おそらくこれは、先の消費税引き上げに伴う国民の痛みが増大されている情勢下での政治的判断だろう。社会保障費財源でもある消費税を引き上げたのに、なおかつ社会保障の国民負担増となる一連の利用者負担の増加は、国民から理解を得られる可能性が低く、逆に反発が起きることを懸念し、ソフトランディングを目論んで先送りしただけであり、次のまた次の制度改正では、それらが実現されていくことは間違いのないところだ。

一方で、高額サービス費の上限引き上げと、補足給付の見直しが提案されている。それはあたかも国民全部をカバーしない層の負担増を目論んだもので、痛みを感じる当事者を絞って、批判をできるだけ抑えようとする策に思えてならない。

このうち補足給付の見直しについて考えてみよう。

介護保険施設の食費と居住費は、保険外費用で全額利用者負担とされている。ただし所得の低い方については負担額を所得に応じて減額し、減額した不足分が「特定入所者介護サービス費(補足給付)」として施設側に支給される。補足給付が支給されるのは、1段階から3段階に該当する非課税世帯等で、第4段階は食費・居住費ともに全額自己負担とされている。

今回の改正案では、この給付段階の第3段階を 80万円超120万円以下)と、◆120万円超155万円以下)に細分化し、第3段階△凌費を22,000円上げて、補足給付が適用されない第4段階と同じ水準とするというものだ。

なおかつショートステイの食費についても段階区分ごとに上げる案が示されている。

加えて2015年8月以降、一定額超の預貯金等(単身者1000万円超、夫婦世帯2000万円超)がある場合は補足給付が支給されなくなっているが、このうち単身者の預金額基準を第2段階「650万円以下」、第3段階「550万円以下」、第3段階◆500万円以下」として、それ以上の預金がある人について補足給付の対象外とする案も示されている。

いずれも利用者にとっては厳しい負担増となっているが、ここで思い出してほしいことがある。

6/3に金融庁が、「老後に年金収入以外に2000万円の資金が必要」とした報告書について、年金の信頼性を揺らがせるなどとして金融担当大臣が受け取らないという事態に発展したことは記憶に新しい。だがその報告書については、「老後の生活は年金収入だけでは成り立たない」ということを示した正直な内容だったという意見も根強い。

その影響もあって、高齢者の預貯金は暮らしの破綻を防ぐための命綱であると考える人はますます増えているわけである。

そんな中で一定額以上の預金がある第3段階と第2段階の方々は、その預金を切り崩して介護保険施設における食費と居住費を支払わなければならないのである。預金が一定額以下になれば、補足給付は再支給されると言っても、それらの人々は実質、補足給付の支給基準以下の預金しかできなくなるという意味だ。

その支給対象となる預金の基準額をさらに引き下げるという意味は、低所得者が補足給付を受けるために、さらに預金を削り取られるという意味だ。しかもその額は金融庁が老後に必要だとした2000万円よりはるかに低い500 万以下(第3段階△両豺隋砲泙撚爾欧茲Δ箸靴討い襪錣韻任△襦

この提案は、そのまま次期介護保険制度改正案として1月の通常国会に法案として提出され、そのまま新ルールとして制度に位置付けられることになりそうだ。

しかしその対象となる人は、市町村民税が非課税の所得の低い人たちであり、将来の生活により強い不安を持つ人である。その人たちが生活費を削って貯めた預貯金を根こそぎ持っていくような改悪がされようとしている。

それはまるで所得の低い人が預貯金をたくさん抱えるのはけしからんとでも言うかのようなものだ。所得の低い人は生活水準が低レベルで我慢しろとでもいうのだろうか。

これでは現役世代の間に貯金をして老後に備えようという意欲は益々減退するだろうし、預金などせずに老後は生活保護に頼ろうと考える人が増えて、社会保障費は逆に増えてしまう恐れさえある。

どちらにしても補足給付の見直しとは、低所得者層を狙い撃ちして、その痛みをさらに増すものとしか思えず、到底納得できるものではない。

社会保障とは本来、「社会の財」の再分配機能があるはずなのに、介護保険制度改正はその機能をどんどん失う方向で行われている。制度維持のための、「痛み」はすべて国民が負わされて、政治家や官僚は無傷のまま何もしないという制度改正はいったいつまで続くのだろうか。それを国民はいつまで許し続けるのだろうか。

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