masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

特定処遇改善加算

介護事業者の職員を護る視点を失ってはならない


11月19日に「UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)」が公表した、「就業意識実態調査」によると、月給で勤める介護職員の昨年の平均年収は359万8000円(基本給+各種手当+ボーナスなど。税金や保険料が引かれる前の額面)であるとされている。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、全産業の昨年の平均年収は463万4900円となっており、今回のNCCUの調査結果と比較すると、その格差は103万6900円にのぼる。いまだに介護職員の待遇は、全産業に比べて低いことが明らかになっていると言えよう。

ただしこの調査はNCCUの会員を対象としたもので、回答を寄せた月給制の対象者は2.151人である。2.151人というあまりに少ない数字は、介護業界全体の平均を現したものとは言い難く、一つの参考データとするしかないと思う。

しかし別角度から考えると、NCCUは介護職で組織する労働組合である。そうした労働組合に護られた会員の年収が359万8000円だとすると、小規模事業者に所属し、労働組合という組織に護られていない人の年収は、それよりはるかに低いかもしれない。

ある程度の組織規模を持つ社会福祉法人等に所属する人なら、それより高い年収の人もたくさんいると思うが、小規模事業者が多い介護業界全体の状況を鑑みると、全産業の平均年収より、介護職の平均年収が低い状態は変わっていないとみるべきであろう。

だからこそ介護事業経営者は、さらなる処遇改善に努めなければならない。そのために収益を挙げて、給与等を改善する不断の努力は不可欠であるが、その前に、国から職員に支給される費用をくまなく手渡していく必要がある。まじめに介護業務に取り組む人に対して、国が支給するという費用を、事業者の都合で支給されないようなことがあってはならないのだ。

ところが感染症対策の一環として介護事業者の職員に支給される慰労金が、受給する権利がある人の1/4にいまだに行き渡っていない実態が明らかになっている。それは従業員を大事に思わない事業経営者や管理職の怠慢によるものであり、搾取とも言われかねない。(参照:従業員を大切にしない事業者にとどまる理由はない

参照記事を読んでいただいたうえで、こうした状態をなくしていく経営努力が重要だということを理解していただきたい。

同時に処遇改善加算も、国が介護職員等に手渡せとしている費用なんだから、これを様々な理屈で算定せず、職員に手渡さない事業者があってはならないと思う。

このうち介護職員処遇改善加算(検傍擇咫吻后砲砲弔い討蓮⊂絨牟菠の算定が進んでいることを踏まえ、一定の経過措置期間を設けた上で、廃止することになっているが、今回の報酬改定では、その時期が明示される可能性が高まっている。

しかし僕は、この加算もきちんと、(機砲鮖残蠅垢戮だと思っている。算定要件のキャリアパス要件職場環境等要件をすべてクリアしないと気六残蠅任ないが、そのハードルはさほど高くない。事業経営者がやる気にさえなればクリアできる要件である。現に全体の約8割が気鮖残蠅靴討い襪里澄

そんな中で罰則減算に近い(検傍擇咫吻后砲靴算定できていない事業者では、事業経営者の資質が問われてくると言って過言ではないし、廃止は当然だと思う。さらに言えば(供砲了残衫┐7.2%であり、(掘砲了残衫┐5.4%にしか過ぎない。多くの事業者が気鮖残蠅靴討い訝罎如↓兇筬靴了残蠅亡鼎鵑犬董↓気陵弖錣鬟リアしようとしない事業者の経営姿勢も問題視されてよい。

介護労働という責任ある重労働を担っている人たちを、そのような低い待遇に甘んじさせている状態は事業経営者としての資質欠けるのではないかと言いたくなる。そうした職場で働く介護職員の方々には、そんな職場に長くとどまる必要はないと言いたい。

ところで今回の介護報酬改定議論では、昨年10月から支給できることになった、「介護職員等特定処遇改善加算(特定加算)」の支給要件も見直し案が示されている。

平均の賃金改善額が、 峽亳魁Φ伺修里△覯雜鄂Π」は、「その他の介護職員」の2倍以上とすること、◆屬修梁召凌種」は、「その他の介護職員(※賃金改善後の賃金が年額440万円を上回る場合は対象外)」の2分の1を上回らないこととする配分ルールについては、下記の改善案が示された。
・ 峽亳魁Φ伺修里△覯雜鄂Π」は、「その他の介護職員」の「2倍以上とすること」から「より高くすること」とする
・◆屬修梁召凌種」は、「その他の介護職員」の「2分の1を上回らないこと」から「より低くすること」とすることとしてはどうか。


特定加算の算定を行っていない事業者の、「算定しない理由」は、「経験・技能のある介護職員」と他の職員との待遇格差が広がるからとされているところが多い。そのため改正案には、その格差を縮小して算定率を高めたいという意図があるのだろう。

特定加算に関連しては、11/2に開催された財務省の財政制度分科会において、介護職員の更なる処遇改善について、特定加算を請求している事業所が6割にとどまっていることから、加算の適用を促すことを含め、まずは既存の処遇改善加算の財源の活用を図るべきであるとされたところだ。

そうした背景も改正案には影響しているのだろうと思う。

しかし僕はこのルール変更もどうかと思っている。そもそも既に特定加算を支給している事業者なら、新しい支給要件に合わせた支給方法に変えるときには、一部の介護職員の給与を現行より下げる必要が生ずる。そのような変更がスムースに受け入れられるだろうか。それは大きなトラブル要因になりかねない問題だ。

そもそも介護職員については、処遇改善加算と特定加算という、給与改善原資が存在するのだから、事業収益から給与改善原資を求めなくてよいとも考えられる。そうであれば他の職員の給与改善に回すことができる収益からの原資は、処遇改善加算ができる前より増えているのである。だからこそ事業収益から他の職員の給与改善に回す費用を捻出して、介護職員との給与格差をつけないように経営努力を行うべきだ。

そうすることで、事業収益を挙げる事業経営の大切さも職員は理解でき、利用者から選択される事業者となるために何が必要かと考えることができるのだ。その先には、お客様へのホスピタリティ精神とか、サービスの品質がいかに重要かということが理解できるようになるだろう。

前述したNCCUの調査結果も、調査を開始した2009年(166万3500円)からみると、全産業平均との格差は徐々に縮小してきている。それは処遇改善加算ができたことが大きな要因になっているが、処遇改善加算があることが当たり前になっている今日、それが処遇改善原資のすべてであるかのような勘違いをした経営者が増えているように思えてならない。しかしそれは大きな勘違いである。

職員の給与とは、事業収入の中から適切に手渡すべき労働対価であるという根本を忘れてはならないのである。
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算定できる特定加算を算定しないのは不誠実ではないのか


昨年10月に新設された「特定処遇改善加算」について、厚生労働省は25日に、介護予防サービスを除く本年1月審査分の各サービス種別別の取得率を公表した。

以下が公表された数字を表にまとめたものである。(※筆者講演スライドより)
特定処遇加算算定率
このように全体の加算率は57%で、6割を切る結果になっている。

最も取得率が高いのは特養で、逆に最も低いのは介護療養型医療施設となっている。

介護療養型医療施設の加算取得率が低い理由は、同施設が医療機関の病棟の一部として存在していることか原因ではないだろうか。医療機関の職員には特定加算は適用されないため同じ医療機関の中で、同加算による処遇改善できる職員とできない職員との差が生ずることから、介護療養病床の職員とそれ以外の職員との整合性がとれないとして算定しない施設が多かったのではないだろうか。

特養と老健の10ポイント近い差も、老健が医療機関に併設されていることが多いことから、療養型施設と同様の理由で老健の加算取得率が下がったことによるものと思われる。

こうした職員間の差・整合性がとれないという理由で、加算算定を見送っている施設・事業所は療養型医療施設や老健以外にも存在する。特に多角経営で医療機関と介護事業の両者を経営している主体で、このような傾向がみられている。

つまり特定処遇改善加算を算定していない事業者の中には、加算算定要件をクリアしながら、あえて加算を取得していない事業者が存在するという意味だ。

しかしそれはこの加算によって、給与等の処遇改善がされる権利のある職員にとって、あまりに不誠実な対応と言えるのではないのか。

この加算は経験・技能を有する介護人材の更なる処遇改善を目指して新設したものであるが、勤続10年以上の介護福祉士がいない場合であっても算定できることになっている。「経験・技能のある介護職員」についても、必ずしも経験10年を必要とせず、法人の裁量で広く認めて良いとされているのに加え、「経験・技能のある介護職員」に該当するグループを設定しない場合は、その理由を届け出て、月額8万以上もしくは年額440万以上の要件をクリアする職員がいなくても算定・支給できるものだ。

つまり従前の処遇改善加算を算定し、キャリアパス要件等をクリアしさえすれば算定できる加算で、決して加算率が6割にも満たない状態が当たり前と考えるような加算ではないのである。もっと多くの事業者が加算を算定できるはずなのである。

それを医療機関職員等との待遇差・差別感を理由に算定しないというのは、あまりにも情けない姿勢である。なぜならそれは事業経営努力を放棄して、低い待遇に職員全員を横並びさせる、「劣等処遇」といってよい状態だからである。

同じ事業者間の職員が、働くエリアが所管する法律の違いで、待遇に差ができるのは問題だと考えたい気持ちはわかるが、それは加算算定できない職場の人々に丁寧に説明を行ったうえで、加算分が支給される職員の待遇がよくなることは、将来的にそれ以外の職員の待遇アップにもつながるのだということを真摯に丁寧に説明すべきだ。

実際に加算以外の事業収益は、加算支給された職員を除いた他の職員に回せる可能性は確実に増えているわけだから、全体の待遇アップも夢幻ではなくなるのだ。しかし算定できる特定加算を算定しないとした時点で、その可能性は消滅するわけであり、それは加算支給されない職員の待遇改善の芽さえ摘む結果にしかならない。

地域密着型通所介護の算定率もあまりに低すぎる。何度も云うが、この加算は勤続10年以上の介護福祉士がいない場合であっても取得できる加算であり、職員数が少ない小規模事業であっても加算を取得し、ルールに基づいて全職員に加算分を支給できるのだから、給与アップがわずかな額だとて、算定支給するのが経営者の責務である。

全体の算定率が6割未満に留まっている要因としては、算定要件が多く複雑なこと、事務作業が負担となることなどが指摘されているが、何を馬鹿なことを言っているのだと言いたい。

加算算定しない理由が本当にそうだとすると、それは事務担当者の能力が問われる問題で、そんな事務員(あるいは施設長)はいらないっていう話である。

この程度の要件を複雑だと言っている人間は、事務処理の能力がないと言ってよい。加算算定事務処理が大変だと言っている職員以上に、介護サービスの場で直接介護に携わる職員は大変な労働を強いられているのだ。

この程度の要件をクリアせずに、頑張って仕事を続けている職員に、国が支給してよいと言っているお金を渡す努力をしない事業者に未来はない。算定支給努力を怠っている介護事業経営者は職員を捨て駒にしか思っていないのではないか。

ということで、この加算を算定していない事業者に勤めている方、特定加算金の支給という恩恵を受けていない方々は、経営者や管理者にその理由を確認することをお勧めしたい。

そして今後も加算算定する意志が無かったり、怪しかったりする場合は、早急に次の転職先を探しておくに越したことはない。

なぜならそれは経営者責任を果たしておらず、職員を大事にしていないという意味なのだから、そんな事業者に長く勤めても、自分にとって明るい未来はないという意味だからである。
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経営者の責任・従業員の矜持


昨日(6/1)開催された介護給付費分科会において、厚労省は全介護サービスの従業員に最低5万円を支給する「慰労金」について、事業所を経由して職員に配る方針を示した。

これに対して委員からは、「個々の職員に必ず行き渡るようにすべき」という声が挙がったが、そんな釘を刺すような発言をしなくとも、申請支給ルールが決められればそれに基づいて個人支給されるのは当たり前である。これだけ広く周知された慰労金が支給されなければ、もらえない職員が黙っているわけがなく、大問題になって事業経営に支障を来すだろう。

また「一刻も早く手元に届けて欲しい」と要望する委員もいたが、それは全く馬鹿げた要望だ。現に働いている人に配られる慰労金なのだから、失業して生活費に困っているような状況ではなく、そんなに急ぐ必要はない。逆に言えばわずか5万のお金を急いで受給しなければならない状況ならば、そんな職場はやばい。早々と転職先を探した方がよいだろう。

この慰労金の予算を含んだ2020年度第2次補正予算案について、政府は8日に国会提出し来週中の成立を目指すとしている。さして反対論もない予算案だから来週成立は間違いないだろう。

慰労金は感染者が発生したか、あるいは濃厚接触者に対応した事業所の職員には20万円、感染者、濃厚接触者がいない事業所の職員には5万円が支払われるもので、基本的に全介護サービスを対象とし、日頃から利用者と接する介護現場で働いていれば職種に制限はかけないし、勤務形態も問わないとされている。

よって派遣職員であっても、事業所から直接給与が支払われている人であれば対象となるだろう。問題は厨房委託などで、委託先から給与が支給されている人が対象となるかどうかであるが、それは予算成立後にしか確実なことは言えない。今後の流れに注目していただきたい。

どちらにしても通常国会は17日に閉幕することが確実になっているので、介護保険改正法案も参議院でさしたる審議なしに可決されることは確実だ。そのため今後の介護保険関連議論はいよいよ来春の介護報酬改定に軸足を移すことになる。

そこでは自立支援介護として、新たな成果型報酬の導入が確実視されているが、今後の感染予防対策費の上乗せ要望や、今回の慰労金も報酬改定に反映させてほしいという要望も挙がっている。しかしその足かせになる数字も示されている。それは特定加算の算定率だ。

昨年10月時点で特定処遇改善加算を算定した施設・事業所が全体に占める割合は53.8%しかない。これは従前の処遇改善加算より1割も低い算定率である。この加算は経験10年以上の介護福祉士がいない場合でも算定でき、その他の介護職員等にも支給できるものなのだから、算定率は少なくとも従前の処遇改善加算程度には上がってよいものだ。

それがこれだけ算定率が低いのは、算定開始直後の数字であるという影響があるのかもしれないが、恒常的にこの低い算定率が続けば大問題だ

例えば経験ある介護職員を優遇した支給方法に、事業所内の人事マネジメントがそぐわないという理由で、算定できる費用を算定せず、職員に渡していないとしたら、介護事業者には十分な報酬が行き渡っているので、加算算定をしないのだという理屈に結び付いてしまう。

新設費用をいくら作っても、自らの意思で算定しない事業所が多い現状は、介護報酬のアップは必要ないという結論にすり替えられていくのである。

そういう意味で、特定加算を算定できる環境にあるにもかかわらず、加算算定していない事業者の経営者は、怠慢であるという誹りは免れない。こんな状態で国に人材対策を求めたり、介護報酬のアップを叫んでも説得力がなくなることを理解すべきである。

またこの加算を算定せず、加算配分という恩恵を受けていない事業所の職員は、そこでそのまま働き続けてよいのかということを真剣に考えるべきである。

特定加算は賃金改善の方法等について職員に周知しなければならないことになっているので、加算算定され配分を受けている方で、配分額に不満を持っている方は、その周知内容を今一度確認するべきである。そのうえで配分方法が自分の納得できるものであるのかも熟慮してほしい。

もらえるお金の多寡だけで、自分が働く職場を考えるべきではないが、「金銭で出力するのがプロフェッショナル」でもあるというプライドも必要である。

自分の能力に自信がある人が、その能力に見合った職場を探すことを躊躇する必要はないのだ。そういう人たちが集まることのできる職場とは、即ち介護の品質も高い職場となるだろう。そうであればスキルの高い人が集まる職場が全体を引っ張ることで、介護業界の全体の品質アップにつながる効果もあるのだと期待している。

だからこそこのブログでは、信頼できる介護の転職支援サイトを紹介・推奨している。ここは厚生労働省許可で、登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで一切無料でサポートしてくれるサイトで、転職後の待遇も詳細に示したうえで、他サイトでは非公開の求人情報も豊富である。

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特定加算の経過措置期間が切れる対応はできているか


介護職員処遇改善加算及び介護職員等特定処遇改善加算の新年度算定に向けた届け出の通知が示されたことにより、届け出期限までに書式を整える仕事に追われている人も多いだろう。

しかしその前に忘れている仕事はないだろうか?

昨年10月に新設された、「介護職員等特定処遇改善加算」には、算定のための新要件が加わっているが、その要件の一部は新年度算定まで免除されている。

いわば2019年度は経過措置期間で、要件の一部がクリアできていなくとも加算算定できているという意味だ。そのため新年度からの加算に備えて、今年度中に新要件をすべてクリアしておく必要がある。

これをうっかりしていると、4月からの算定が出来なくなるだけではなく、算定要件に合致しなくなる以降の加算を算定してしまった場合、それを後にすべて返還しなければならなくなる。だからといって支給してしまった職員給与等への上乗せ分を、あとから返せと言ったら職員の反発は必至だ。だからこそ今現在特定加算を算定している事業者は、この要件を4/1までに満たすかどうかを今すぐ確認していただきたい。

具体的にいえば特定加算の新要件としては、「見える化要件」があり、次のよう規定されている。

「特定加算に基づく取組について、ホームページへの掲載等により公表していること。 具体的には、介護サービスの情報公表制度を活用し、特定加算の取得状況を報告し、 賃金以外の処遇改善に関する具体的な取組内容を記載すること。 当該制度における報告の対象となっていない場合等には、各事業者のホームページ を活用する等、外部から見える形で公表すること。 なお、当該要件については 2020 年度より算定要件とすること。」

そして2019 年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2) では2020年の算定について、次のように書かれている。

問6 見える化要件(特定加算に基づく取組についてホームページへの掲載等により公表す ることを求める要件。以下同じ。)について、通知に「2020 年度より算定要件とすること」と あるが、2019 年度においては特定加算に基づく取組を公表する必要はないのか。
(答) 当該要件については、特定加算も含めた処遇改善加算の算定状況や、賃金以外の処遇 改善に関する具体的な取組内容に関する公表を想定しているため、2019 年度においては要件としては求めず、2020 年度からの要件としている。

問7 情報公表制度の報告対象外でかつ事業所独自のホームページを有しない場合、見え る化要件を満たすことができず、特定加算を算定できないのか。
(答) ・ 見える化要件を満たすには、特定加算に基づく取組について、ホームページへの掲載等により公表していることを求めている。
・ 具体的には、介護サービスの情報公表制度を活用していることを原則求めているが、この制度の対象となっていない場合は、外部の者が閲覧可能な形で公表することが必要である。 その手法としては、ホームページの活用に限らず、事業所・施設の建物内の入口付近など 外部の者が閲覧可能な場所への掲示等の方法により公表することも可能である。


つまり今現在は、「特定加算に基づく取組について」の情報を公開せず、この要件に合致していなくても加算算定に問題なかったが、4月以降は2020年度の算定になるので、この要件に合致していなければならないということになる。

しかしそれは4月以降に公表すればよいという意味ではなく、4月1日からの加算算定分という意味になるので、3月末までに公表情報を整理して、少なくとも4/1時点でこの情報を公表していなければならないという意味だ。

特にホームページの管理を、外部業者任せにしている施設・事業所は、確実に月末までに情報をアップできるかということを確認しておかなければならない。

年度末とコロナウイルス対応が重なって間に合わないという呑気な業者があるかもしれないが、そんな業者とは縁を切らねばならない。

そもそもこの程度の情報を、自前で公式サイトにアップデートできないのでは、あまりに時代の潮流に乗り遅れているといえる。そうした介護事業者はこの機会にサイト管理システムを見直すべきである。何よりスピード感が求められるネットの世界で、公式サイトの管理を自前でできないという状態は、世間が求めていない古臭い情報管理を委託しているという意味であり、そこにかけているお金はすべてムダ金である。

公表の方法は、「建物内の入口付近など 外部の者が閲覧可能な場所への掲示等の方法」もあるが、そうしたアナログ対応は、求められる業務の省力化とは逆行するものだし見栄えも悪い。それはあまりに前時代的である。そういう事業者は顧客から見放されていくかもしれない。

なぜなら、これから介護事業者の顧客の中心層となる、「団塊の世代」の方は、普通にPCやスマホを操作してインターネットも活用する世代だからである。介護事業者の情報提供もネットを通じて求められることを理解して、早急にその体制を整える方がよいだろう。

特定加算の新要件へ適切に対応しようとする過程は、その良い機会でもあると考えるべきだ。

その前に必要なこともある。特定加算気鉢兇龍菠に関連した、「サービス提供強化加算」の算定届は、今年度分の割合等は3月を除いた2月末までの分を計算して、3/15までに届け出ている必要がある。お忘れの事業者はないと思うが今一度確認願いたい。

コロナウイルス対策であたふたしているという介護事業者が多いが、ワクチンができるまではこのウイルスはどうしようもなく増殖するだろう。

介護事業者にできることは、今国から発出されている介護事業者に向けた対応策をもれなく実施することのみだ。先走った対応をとる必要はないが、感染者が出た場合に備えて、最低限「国の言うとおりに対策していたけど防ぐことはできなかった」といえるだけの対応を行ったうえで、日々のこなさねばならない業務を粛々とこなしていくしかない。

なんでもコロナ対策のせいにしてもどうしようもないのである。事務手続きは経過措置がないし、誰も助けてはくれないことを忘れないでほしい。

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特定加算による昇給分を自分への投資に使えるか否か


今日も僕は長崎市滞在中である。

今日は長崎市の社会福祉法人さんの職員研修として、9:30〜15:00までの時間で、同じ内容の2時間講演を受講者を入れ替えて2回行う。こうした方法でできるだけ多くの職員に同じ内容を学んでいただき、職員間の温度差をなくしながら改革に取り組むことは良いことだと思う。

そのあと大村市に移動し、18:30〜20:30の予定で長崎県県央保健所主催・大村市、大村市医師会共催 の看取り介護講演を行なう予定である。つまり今日僕は長崎市と大村市で、3つの講演を行う予定になっているのである。

そんなわけで僕は今、稲佐山の中腹にある施設で、1講演目を11:30に終えてこの記事を書いている。これから長崎名物の一つ、茶碗蒸しのランチをいただくところだ。ここからは長崎港が見下ろすことが出来て、絶好の景観も味わっている。

さて本題。

一昨日書いた記事の中で、「働き方改革」によって、介護事業者はさらに人手確保が必要になる中、より少ない人数で業務を回さねばならない事業者が増えて、そういう事業者では職員研修にかける時間や費用が減っていくことを示唆した。しかしそれは事業経営を危うくするものでもあることも指摘した。

そうはいっても実際に職場内研修がほとんど行われず、外部研修に職員を派遣する機会もとれない介護事業者も既に存在している。

しかしそれは事業者にとっての損失につながるにとどまらず、そこで働いている職員自身の損失であることにも気が付いてほしい。

スキルは自らを救うのである。そのスキルを得る機会を持てないことは、将来自分に何かがあっても、自分自身はなす術を持たないということになるのだ。

例えば今現在、内部の職員研修も行うことができず、外部研修に職員派遣もできない事業者に、今後人材が集まってくることはなく、そんな事業者は近い将来消えてなくなるだろう。そうなればそこで働いている人は職を失うことになる。

そうなっても介護人材不足の中で、介護職員はほかの介護事業者に勤めることは難しいことではない。しかしスキルの乏しい職員は、転職で待遇が良くなる保証はなく、むしろ以前より安い対価で働く例が多いという事実がある。ましてや介護職員以外の職種の場合、特別なスキルがない場合、他の介護事業者で職を得ることも容易ではないのである。

しかし他の人と差別化できるスキルのある人は引く手あまたで、良い条件で再就職も可能である。そういう人は今いる事業所の経営が行き詰まらなくとも、ステップアップのために新たな場所を得て、より理想に近い形で働くことも可能だ。

介護実務に長けて、根拠に基づいた介護実践ができている人なら、その根拠をもとに他者に指導ができるので、教育担当者として新たなステージで活躍することも可能だ。そういう人なら講演講師として、技術を言葉で伝える機会も得られるだろう。人に伝わる文章力がある人なら業界紙に寄稿して、本業とは別に収入を得ることもできる。

厚労省が2017年に改正した「モデル就業規則」では、事前に届け出を行うことを前提に、副業ができると明記している。それ以前のモデル就業規則にある「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」を削除した上で、「労働者は勤務時間外において他の会社等の業務に従事することができる」とされているのである。働き方改革でも、副業・兼業の推進を掲げており、副業を禁止する事業者の規定は前時代的であるとされつつあるのだ。

そうなると本業に支障のない範囲でスキルを活かした副業も当たり前になるのが、これからの日本の就業形態だ。そのためには本業をベースに、そこで学んだ知識と技術を副業に活かすという考え方があってよい。

だからこそスキルを育む取り組みがされていない職場で働いていること自体が、「自分の損失」なのである。そういう職場で働いている人は、近い将来に備えて一日も早く、教育熱心な事業者、もしくは事業所内に教育機会のある事業者に転職したほうが良い。

さらに言えば、「井の中の蛙」にならないように、職場で教育を受けるだけではなく、外部研修もしっかりと受けるべきだ。職場が派遣してくれるとか、派遣してくれないとか言っていないで、自分自身への投資として、自分の空き時間とお金を使って研修を受けることが重要だ。

特定加算によって給与が上がった人であれば、その上がった分を自己投資の費用と考えて、今まで参加できなかった研修に参加してみてはどうだろう。自分個人が研修を受けても、職場は変わるわけがないと嘆くよりも、自分自身のスキルアップと視野を広げるための勉強機会だと思えばよい。

そこで得た知識と技術で自分自身の価値が高まれば、それがきっと将来、投資した額以上のものとなって返ってくるだろう。誰から見ても、「人財」と思えるスキルを獲得すれば、そういう人は引く手あまただし、起業も夢ではない。そんなふうに周りの状況がどう変化しようとも、それに負けないだけの存在になれるのである。

だからこそスキルアップ機会を逃さないようにしてほしい。それが自分を救う道につながっていくのである。

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特定加算の配分をどうすべきか〜私論


昨日の記事から続く)
結論から先に書くが、特定加算の配分をcグループ(その他の職種)まで広げるメリットはほとんどない。

職場内格差を気にして、配分を全職種に広げたい気持ちはわからぬでもないが、cグループに配分したとしても、その平均額はaグループの1/4(25%)未満でしかないわけだから、どちらにしろ格差感は解消できない。そうであるならcグループまでに配分することで、a・b両グループに配分する費用が減って、介護職員の不満が高まることの方を事業リスクと捉えたほうが良い。

何しろ介護事業者で嘆かれている人材不足の根本は、「介護職員不足」なのである。その本質を忘れて事業所内の「和」を中心において考えてしまえば、根本対策の手当てが不十分になり、誰もが不満という状態がずっと継続することになりかねない。特にそれをきっかけにして、配分率の下がった介護職員は、cグループに配分しない介護事業者に流出する可能性を視野に入れるべきだ。

そもそも配分をcグループに広げて、法人単位で加算を支給する場合であっても、特定加算の算定事業に関わっている職員でなければその配分はできず、法人内に併設している訪問看護事業所や居宅介護支援事業所に専従する職員には加算配分はできないのである。そう考えると前日の記事で指摘したように、その他の職員は加算を原資とはせずに、その他の収益の中で加算による改善を行なった職員に渡さなくてよくなった原資をまとめて、その他の職種の昇給原資にして、別に給与改善を考えたほうが良いという結論になる。

そのうえで改めて加算配分をそうしたらよいかと考えた場合、aグループ(経験・技能のある介護職員)に限定配分するよりも、bグループ(その他の介護職員)にまで範囲を広げて配分するという方法をお勧めしたい。

そうしないと介護福祉士養成校の卒業生や、若い経験の浅い介護福祉士は、その事業者に就職しなくなるからだ。そこに就職すれば10年後にまとまった額の昇給が可能であると言っても、そのスパンはあまりに長く、現実的問題として受け入れられる人は少ない。若い女性ならそれまでに結婚退職してしまって、その恩恵を受けられないと考える人も多い。

そもそも10年後に特定加算が存在するという保障はない。今現在少しでも高い給与を得られる事業者に就職したいと思うのは、人情として理解できる。

さらに今現在働いている経験年数の浅い介護職員の立場を考えると、aグループになるまでに数年の経験をさらに経なければならないのであれば、経験が浅い介護職員にも加算配分する事業者に転職して、より高い給料をもらいながらそこで経験を積んだ方が良いと考える人も当然出てくる。aグループに限定配分する事業者からは、このように経験の浅い介護職員の流出可能性が高まるのである。

一方で、bグループまで配分範囲を広げた場合、今現在経験と技能のある介護職員に該当する人たちは、その分配分額が減らされて不満であろうという意見も当然出るだろう。しかしそうであっても即、経験と技能のある介護職員が退職・流出につながる可能性は極めて低い。

なぜなら周囲を見渡すと、この加算配分を法人単位で行う事業者が多いが、そうであっても事業種別単位での配分であっても、「経験と技能ある介護職員」の経験年数(就業年数)を他の法人にまで広げて計算しているところは非常に少なく、大多数は自法人内の経験年数で見ているからだ。

ということは現在の法人内ではaグループとして、一番高い加算配分がされる対象となっていたとしても、その法人を退職して他法人に就職した場合、同じくaグループとしてくれる就職先は極めて限定される状態と言えるのだ。むしろ転職した場合、今までの自分の経験年数がリセットされて、給与が下がるケースが多くなっているのだ。

ということはこの加算によって、実は「経験と技能のある介護職員」は固定化が促進される可能性を高めていると言えるのである。だからこそ流動化しやすいbグループの介護職員までは配分を広げる必要があると結論付けられるわけである。

この結論が今のところ僕が最も職員が流動化せず、必要な人材が張り付く方法だと考えるのである。

どちらにしても、この加算を算定しようとしない事業者には、人材は回っていかなくなり、ごく近い将来、介護事業経営から撤退せざるを得なくなるだろう。

様子見の事業者は、一日も早く加算配分して職員が張り付く流れに乗らないと、同じように波に乗り遅れて、経営危機に陥るだろう。

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今更の特定加算研修に集まる人の目的は何?


全国の介護事業者の今月の給与支給分から、特定加算が上乗せされて支給されることになる人が数多くなるにもかかわらず、あいかわらず全国の様々な場所で、テーマを特定加算に絞ったセミナー等が行われている。その中には来年予定されているセミナーもある。

特定加算に関して言えば、すでに算定要件が示されQ&Aも出揃っており、その解説も不要と思える。そういう意味では、研修テーマとしてはいかにも旬を過ぎた感があるが、それでも人が集まる理由はなんだろうか・・・。

例えばこの加算に関連して、事業者の持ち出しが大きくなると勘違いしている人がいたりするのは事実だ。そうした人は、「月8万円要件」については、法定福利費を含んでよいというルールさえ知らなかったりする。(※年収440万以上要件は、法定福利費を含めない。)

しかしそのような算定要件は、改めてセミナーで説明を受けるまでもなく、事業者内で複数の職員により算定要件の確認作業をすればよいだけの話だ。こうした部分に別にお金をかけて、時間を削ってセミナー参加するということはいかにも無駄に思える。

周囲の状況を見るとこの加算の算定を巡っていまだに、「様子見」という事業者があって、様子見の後日談を確認するためだけに、「セミナーにでも参加して情報収集するか・・・。」と言った姿勢の人がいたりする。それもいかがかと思う。そんな姿勢でセミナーに参加して得るものがあると考えるほうがどうかしている。

そもそもそうした様子見のために算定を見送っている事業者の経営者や管理職は、感覚がずれているとしか思えず、経営能力に疑問符を付けざるを得ない。

はっきり言ってこの加算を算定しないと判断している事業経営者は無能である。

特定加算は議論の余地なく加算算定すべきであり、それも加算単位が高い特定加算気了残蠅鯡椹悗気佑个覆蕕覆い里任△襦そうしない事業者からは、近い将来優秀な介護人材はいなくなるのである。

現に介護福祉士養成校の就職担当教員の多くは、「特定加算を算定していない事業者には学生を紹介しない。」と言い切っている。介護福祉士の資格を持つ就職希望者も、この加算については敏感に反応しており、今後の就職活動では加算算定の有無を重要な就業動機としていることが明らかになっている。

そうであるにもかかわらず、この加算を算定しない事業者の判断理由は、加算算定することで配分できない職種あるいは配分比率の低い職種との公平性を欠くことになり、職場の和を保つことができないというものである。

しかし収益とはまったく関係なく、国が支給して配分してよいという費用の受領努力をせず、配分可能な職員にそれを手渡さない事業経営者に、支給対象職員は信頼を寄せられるだろうか?その不信感こそが、職場の和を乱すもとにならないだろうか。

そもそも支給対象にできない職員や、支給配分率が低い職員がいたとしても、その人たちの給与が下がるわけではないのだ。他人の給与が大幅アップするからと言って、それが妬ましくて職場の和を乱すような言動に走る職員ならば、そういう人こそ辞めてもらってよいと思う。

その他の職種に配分がされないとか、配分金が低額であると言って、不満を抱えた職員が辞める不安を持っている経営者もいるが、その他の職種は、どこへ行っても配分率が高くなるということはないわけで、職場を変えて不満を解消できる問題でもないわけである。

そもそも他人の昇給を妬ましく思うような、「せこい考え方」はやめようと諭すのが経営者や管理職の務めである。

そのために経営者や管理職は、その他の職種には支給要件を丁寧に説明して理解を求めることである。そしてこの加算によって経験技能がある介護職員は、昇給原資が得られているのだから、その他の収益分をそこに回す必要がなくなることで、それ以外の職員への事業収益から得られる昇給原資は増えることになるのだから、きちんとした事業経営が続けられ、安定して収益を確保することで必然的にその他の職員の給与も増えることになると説明することが大事だ。

そのためにも収益をアップさせるために職員間の和を大切にして、チームでスクラムを組んで事業運営に当たることの大切さを示し、実際に経営者は収益をできるだけその他の職員に配分する努力を行うべきである。そうした体制を創るためにも、この加算を算定しないという選択肢はないと言い切れるわけである。よってそんな経営判断もできない事業者に将来はないので、加算算定しない事業所の介護職員は早く別の就職先を探した方が良いと思う。

では実際に算定した費用を、どのように配分するのがベストなのだろうか。そのことに関する僕の考え方は、今まで明確に示してこなかったが、(※講演では明らかにしていたが・・・。)明日の記事で考え方を示したいと思う。(明日に続く

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通所介護から通所リハへ人材が流れないか?


特定加算という大きな給与改善原資の算定がいよいよ来月から始まる。

それを前に給与等の改善計画書を市町村に提出済みの事業者においては、この加算の算定と配分について、職員間でひそひそと話題になっているのではないだろうか。経営者や管理職員の方々は、そのひそひそ話を丁寧に拾っておかないと、後々大変なことになるかもしれないと心得ておいてほしい。

配分に対する不満は、実際に配分が反映された給与を受け取った後から急に大きくなるものだ。今くすぶっている不満が、10月以降に大きな炎とならないようにしたいものである。

給与の不満が直接の引き金になって、能力のある職員が他事業所に移ってしまうことだけは避けたいものだ。そのあたりは配分方法を考える際に十分考慮しているのだろうが、配分を個別の能力に関係なく、グループごとの一律ルールとしてしまっているところが多いので、有能な人が不満を抱えて煮詰まってしまうケースは少なからず出てくるだろう。

そういう人を狙って声が掛かっている場合もないとは言えないのである。特にリーダーとなる人材を求めている事業者は、経験年数を他事業所の経験まで勘案するルールにして、広く人材を募っているので注意が必要だ。

ところで特定加算を巡っては、小規模の事業者が不利であることは間違いないところだが、その中でも通所介護事業に厳しい加算体系となっている。通所介護事業経営者にとって加算率の低さが、最大の悩みの種となっているように思う。

以前にも紹介したが、100人定員の特養なら月額加算が945.000円程度にはなるので、単純計算すると月8万円の給与改善ができる介護福祉士が11人以上という数字になる。GHでも月額155.000円の加算額が期待できる。

それに引き換え通所介護で、かつ地域密着型である場合、どう頑張っても月額24.000円程度しか加算算定できないのである。これだけ見ても通所介護は、この加算による給与改善が他のサービス種別より低いことは明らかである。

そのため地域密着型通所介護は、一人以上に必ず月額改善8万以上の給与改善をするか、もしくは年収440万以上の職員が必ず一人以上いなければならないという算定要件の例外が適用されることになる。

しかし例外対象だからと言って喜んでいられない。そのルールに喜んでいる経営者がいたとしたらずいぶん能天気だ。なぜなら職員には算定ルールの適用除外なんて何も関係なく、ただただ自分の職場では今後にわたって、他のサービスに比べて給与が上がりづらいという意味でしかなく、将来に対する不安が増幅するだけだからである。

すると今後通所介護には、今後人材が集まりづらくなるのではないかという不安もでてくる。

現在は介護施設と比較して、通所介護のほうが人材確保が容易であると言ってよい。その要因と理由は、通所介護には夜勤がなく、労務負担が少ないと考えられているからである。しかし給与格差が現在よりも広がり、介護施設の職員と比べて、通所介護の介護職員がかなり給与が低くなる場合に、今までのように通所介護に勤めたいと思う介護職員がどれだけいるかは不透明だ。確実に通所介護で働きたいという動機付けは少なくなることだろう。

しかももっと問題となるのは、この加算の格差は、通所介護と通所リハビリの間にもあるということだ。

加算率から言えることは、一人分8万円アップを確保できる月額収入を考えた場合、通所介護であれば700万以上の収入が必要であるが、通所リハビリの場合は400万以上ということになる。そうであれば両サービスで月額収入が同じである場合、介護職員の給与は確実に通所リハビリの方が高くなるわけである。

しかも通所リハビリは単独事業所ではなく、老健と併設している場合が多く、法人単位で特定加算の配分を行うケースが多いので、通所サービスの職員としての括りで言えば、単独事業所より加算配分の恩恵をより多く受けることができる。

通所介護と通所リハビリは確かにサービス種別は違うが、日中の通所サービスであるという点では同じであり、両サービスにおけるに介護職員の仕事内容を考えた場合、その違いはほとんどないといえ、今後、通所介護よりは通所リハビリに勤めたいと考える人が増えるのではないかと思われる。

しかも通所介護は夜勤がないといっても、「お泊りデイサービス」という形で、保険外宿泊サービスを行っている事業者が多く、介護職員も定期的に宿直勤務が必要になる場合もある。しかし通所リハで保険外宿泊サービスを行っているところはほとんどない。この点も夜間働けない人にとっては魅力的な職場の映る要素である。働く動機づけを通所サービスというカテゴリーに絞って考えた場合、どう考えても通所リハビリの方が有利と思える要素が高まっている。

少なくとも介護福祉士養成校の進路指導担当教員は、通所介護の単独事業所への就職を勧めなくなることは確実である。

そういう意味で通所介護の単独事業というのは、今後の事業展開に向けて岐路に立たされていると言えると思う。

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千葉県を応援しよう


一昨日、「特定加算を広く薄く配分して大丈夫だろうか?」という記事を書いて、この中で特定加算の配分は、bグループの「その他の介護職員」までにとどめたほうが良いのではないかと論評した。

勿論、このことに正解はないし、周囲の介護事業者の動向も見ながら、それぞれベストと思える方法を選ぶしかない問題ではあるから、こうしなければならないという意味ではない。

しかし誤解してほしくないことは、僕はその記事にも書いた通り、加算配分はbグループまでにとどめたほうが良いと書いているだけで、cグループの「その他の職種」の給与を改善しなくてよいなんて書いていない。そこでもはっきりと、「cその他の職種については、その他の収益から別に昇給原資を持ってきて改善という形が従業員の不満を最小化する方法かなと考えてアドバイスしてます。」と書いている。

つまり特定加算を配分する分は定期昇給の分も含めてよいのだから、加算がなかった場合に介護職員の定期昇給原資となっていた分は他の職員に回せるという考えも成り立つのだ。そうであればその他の職員の昇給原資は増えているという意味になり、その分を10月以降に臨時昇給としてその他の職種にも回したらどうだろうかという提案である。

特定加算のQ&A Vol2の問20では、「既に年度当初に今回の特定加算の配分ルール を満たすような賃金改善を行っている場合も想定される。こうした場合には、その年度当初から 10 月より前に行っていた賃金改善分について、介護 職員等特定処遇改善加算を充てることも差し支えない」とされているところで、場合によっては4月の定時昇給分にこれを充てたとして、その分を特定加算の配分とは関係ない原資に回す考え方もできるわけである。

この場合のメリットは、加算配分ルールに縛られないことだ。

事業者の持つ原資を配分するだけだから、加算配分できないとされる加算算定事業所ではない居宅介護支援事業所のケアマネにも昇給が可能になるし、cグループの昇給額はbグループの半額以下にしなければならないとか、cグループで現に年収440万円以上ある人には配分できないとかといったルールが適用されない。よって事業者の状況判断で多様な昇給方法がとれるわけである。勿論その方法としては、実績や能力に応じた考え方を取り入れて、信賞必罰を給与反映させるという考え方があっても良いのである。

そうした提案であるということを十分理解していただきたい。

さて話題は変わるが来週月曜は、「敬老の日」であり、暦の上では明日から3連休となっている。

介護施設等にとっては、「敬老の日」に合わせて年間最大のイベントを企画するところが多いので、3連休のいずれかの日に大きな行事を行うことが多いと思う。僕が総合施設長を務めていた施設も、明日お祭りを行うようである。

しかしそのようなイベントどころではないのが、台風被害の影響でブラックアウトが続いている千葉県の一部地域ではないのだろうか。

ちょうど一年前、僕が住む北海道もブラックアウトに見舞われ、その大変さは身をもって体験している。しかし僕が住む登別は、ブラックアウトの期間がほぼ1日半であったため、大きな被害はなかった。しかも北海道という土地柄、日中の最高気温が30度を超える地域も少なかったため、夜暑くて眠れないという状況も起きなかった。

ちなみに北海道の介護施設では、僕がいた特養をはじめとしてエアコンが設置されていない施設も数多い。暖房は必須でも、冷房は必要ない地域が多いのである。

しかし千葉県はそうはいかないだろう。今現在千葉県内では約26万家の停電が続いているとのことである。電源喪失から5日目になろうとしているのに、まだこの状況である。しかも連日30度を超す残暑が追い打ちをかけている。エアコンが使えなくなった特養の入居者が、熱中症で医療機関に搬送されるケースも増えているそうである。夜暑くて不眠に苦しんでいる人が多いことも容易に想像できる。

5日間以上冷蔵庫の電源が入っていないのだから、冷蔵・冷凍されていた食品もすべて廃棄せざるを得なくなっているだろう。

しかも一部地域では携帯電話や、ネット回線が使えない場所があり、情報が全く届かない状態が続いているそうである。

そんな中で、様々な介護事業者で要介護者等の方々の支援に奔走している仲間の姿が思い浮かぶ。居宅介護支援事業所の介護支援専門員の方々は、ガソリンの確保もままならない中で、連日自分の担当者の安否確認に地域を走り回っていることだろう。あなたたちのおかげで、暮らしが成り立っている方々がたくさんいます。どうかお体に気を付けながら、いましばらく頑張ってください。

僕たちは直接それらの方々を助けることはできませんが、今は無駄な連絡を控えて、後方支援として募金に応募することや、物資の調達の協力を惜しまないようにしたいと思います。

ガンバレ千葉県。みんなで千葉県を応援しましょう。

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特定加算を広く薄く配分して大丈夫だろうか?


10月から特定加算を算定する事業者は、市町村への届け出も終わり、職員への周知も終えていることだろう。

各職場に置ける職員の反応がどうなっているのか興味津々である。何度も言うように、この加算の配分に関して職員の不満がゼロとなる職場はないと思う。その中で職員の不満を最小化するために、丁寧な説明を繰り返し行う必要があるだろう。

ところで特定加算を10月から算定する事業者であっても、それが給与に反映されるのは10月からとは限らない。なぜならQ&A Vol3に次のような疑義解釈が示されているからだ。

問4 今般の介護職員等特定処遇改善加算は、10月から開始されるところであるが、賃金改善実施期間の設定については、10 月から3月までの期間にしなければならないのか。
(答) 「介護職員等特定処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式 例の提示について(平成31年4月12日老発0412第8号厚生労働省老健局長通知)」の様式例の「賃金改善実施期間」の欄に記載のとおり、原則10月〜翌年3月を想定してい るが、以下の条件を満たす場合は、事業者が任意に選択することも可能である。
月数は加算算定月数と同じでなければならない。
当該年度の加算算定の根拠となるサービス提供の期間の初月から、当該年度の介護職員等特定処遇改善加算支払終了月の翌月までの連続する期間でなければならない。
各年度において重複してはならない。


△肪輒椶任△襦つまり介護給付費は請求した月に支払われるのではなく、請求月の費用は2月遅れて支払われている。つまり「当該年度の介護職員等特定処遇改善加算支払終了月の翌月」なのだから、今年度末の来年3月に算定した加算は、5月に支払いを受けるわけで、その翌月の6月まで改善期間を見てよいということになる。

そうすると特定加算の10月算定分が事業者に支払われるのは12月になるわけである。その算定費用が事業者に支払われて実際に手元に配分原資がある状態になってから職員に配分しようと考える事業者がいて当然なわけで、今年度中の10月〜3月まで算定した6月分の特定加算について、賃金改善実施期間を来年1月〜6月とすることは許されているわけである。

だから10月から加算算定する事業者の職員であっても、それが実際に給与等に反映されるのは来年1月からになるというケースもあり得る。しかしそれで職員が不満を持つ可能性は非常に高いと言え、やはり賃金改善実施期間は、算定期間と同じく10月〜3月にするのが一番良い方法ではないだろうか。

ところで特定加算に関連して僕は、フェイスブックで下記のようにつぶやいたことがある。

介護職大移動が始まるかもしれません。特にリーダーとして人望がある介護福祉士に、それなりの昇給をしないと、他法人を含めた経験年数の介護福祉士を優遇した加算配分をする事業者に引き抜かれます。個人的には「その他の職種」まで加算配分する事業者からは介護職員が離脱する数が増えると思います。加算配分は、bグループまでにとどめ、cその他の職種については、その他の収益から別に昇給原資を持ってきて改善という形が従業員の不満を最小化する方法かなと考えてアドバイスしてます。

この方法でアドバイスした法人では、すでに3人の経験・技能のある職員が他事業者から転職してきた。その人たちがすんなりリーダーとして、新しい職場に入ることができるように、今その訓練のお手伝いをしている最中だ。

ところで僕が連載している新聞に、ある法人の特定加算配分例の紹介記事が掲載されている。

それによるとその法人は特養を複数経営しているそうだが、配分についてはa〜cすべてに配分するそうである。すでに年収440万円の職員がいることから、新たに月額8万以上のアップをさせる職員がいなくてよいということで、グループ内では均等配分しているようだ。そして勤続8年以上の介護福祉士をaグループとし、月額平均改善額は、aグループが18.000円、bグループが9.000円、cグループが4.000円だそうである。

この配分金額を見てどう思うだろうか?受け取り方はいろいろだろうが、僕はあまりにも改善額が少額であると感じる。しかしcグループまでも含めて広く改善しようとすれば、こんな風に全体に薄い改善しかできなくなる。

当初月額8万アップと言われていたaグループの職員は、月額18.000円しか給料が上がらないことにがっかりしているのではないかと心配になる。その不満が数カ月の間に顕在化する恐れがあると考える。

この法人のaグループの職員で、リーダーシップがある介護福祉士を狙って引き抜きがないのかも心配になるところだ。

どちらにしてもこの加算配分を巡って、しばらくの間、介護職員の心は揺れ動き、それが職場間の移動に結び付く動きが続くことだろう。新年度までその動きは落ち着かないのではないだろうか。

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この時期に特定加算Q&AVol.3って・・・。


10月から介護職員等特定処遇改善加算(以下、特定加算と略)を算定するためには、今日迄に処遇改善計画書を都道府県知事あてに届け出なければならない。そのため多くの事業者では、最終的な確認作業を行って本日中に届け出るものと思われる。

そういう時期に、昨日8/29日付で2019 年度介護報酬改定に関する Q&A(Vol.3)が発出された。

「おいおい今更、新しいルール解釈を示されたって間に合うのかよ。」と思いつつそのQ&Aを確認した関係者も多いはずだ。読んでみると、さほど重大な問題はなく、計画書の変更につながるような内容ではなかったとホッとしている人が多いだろう。少しその中身を確認してみよう。

問1は、法人単位で配分ルールを設定し処遇改善を行う場合であっても、「複数の介護サービス事業所等を有する介護サービス事業所等の特例に基づき、指定権者毎に申請が必要である」と念押しする内容だ。

法人単位での配分を考えていた事業者は、このことを確認しないまま計画書を作成するわけはなく、すでに多くの事業者が国又は都道府県に問い合わせ済みだろう。その問い合わせ件数が多かったことから、この時期に一応念押ししたものと思われる。

問2は、やや注目。介護職員等特定処遇改善加算を取得するため就業規則等の変更を行うための役員会が今月的までに間に合わない場合の取扱いであるが、その答えは、「8月末時点の提出期限 までに内容が確定していない場合には、その時点での暫定のものを添付することとしてよい。 ただし、その内容に変更が生じた場合、確定したものを本年12月13日までに指定権者に提出する」としている。

もしかしたら規則等の変更承認が間に合わないことを理由に、10月からの加算算定を早々とあきらめていた事業者があるかもしれない。このQ&Aを受けて、計画書を昨日と今日とで急遽作成し申請するということが起きるかもしれないが、その場合は、計画書作成担当者に特別手当でも支払ってやりたくなるかもしれない・・・。いずれにしてもこの時期のこの疑義解釈で、作成を強いられる担当者の方にはお気の毒というしかない。体を壊されないようにしてほしい。

問3は、計画書の賃金の総額欄の記載額を問う内容だ。それに対しての答えは、「10月から算定する場合においては、前年度の賃金の総額欄について は、前年度の賃金の6月分を記載することを想定している。 」とされている。疑義解釈の答えが、「想定している」ではあまりにも無責任に感ずるが、これも何も責任を取りたくないお役所仕事の典型と言えそうである。

問4は、僕が管理する表の掲示板でも何度か議論になっていた、「賃金改善実施の期間設定」の問題である。その答えは、「原則10月〜翌年3月を想定している」としているが、以下の条件を満たす場合は、事業者が任意に選択することも可能であるとされた。

月数は加算算定月数と同じでなければならない。
当該年度の加算算定の根拠となるサービス提供の期間の初月から、当該年度の介護職員等特定処遇改善加算支払終了月の翌月までの連続する期間でなければならない。
各年度において重複してはならない。


,砲茲蝓改善期間が11月〜3月とか、12月〜3月とかも認められるわけである。その場合は、配分機関も改善期間に応じて6ケ月より短く設定されることになる。

△琉嫐は、算定期間が10月〜3月であっても、改善期間は11月〜4月であっても良いことになる。この場合、10月に加算算定しても、配分は1月遅れの11月からということになる。ところで介護給付費は支払いが2月遅れだから、「当該年度の介護職員等特定処遇改善加算支払終了月の翌月までの連続する期間」とは、3月に加算算定した分が5月に支払われ、その翌月である6月まで期間を設定できるという意味になるのだろう。

は、△離院璽垢里茲Δ法⇒眷度の4月までの改善期間とした事業者においては、翌年度の改善期間は5月から開始する必要があるということだろう。

以上4つの疑義解釈が行われた。最終的に3回出されたQ&Aを再確認しながら、本日の提出前に計画書の最終チェックを行い、無事申請していただきたいものだ。

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特定処遇改善計画の提出期限が近づいています。


10月から、「介護職員等特定殊遇改善加算(以下、特定加算と略)」を算定しようとしている介護事業者は、今週中に特定処遇改善計画を所轄行政担当課に提出しなければならない。

そのため事務担当者は、今日あたりから最終確認と提出書類の作成の追い込みにかからねばならないだろう。その中には、自分が一銭もこの加算の恩恵を受けない事務員さんもいらっしゃるかもしれない。しかしそれでも文句ひとつ言わず黙々と申請準備をしているあなたの姿を見た施設長が、いつか加算以外であなたの給料を上げてくれると信じて頑張っていただきたい。

7月23日にこの加算に関連して、2019 年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2)が発出され、おおむね必要とされる疑義解釈が出揃った感がある。加算対象事業所はそのルールをしっかり確認して、算定漏れをせず、不適切請求とならないようにしなければならない。

加算算定ルールはさほど複雑ではないために、間違った算定は多くならないだろうが、配分ルールには注意が必要で、加算配分してはならない職員に配分した分は配分とみなされず、それによって支給要件(算定金額はすべて配分対象職の給与等改善原資として使い切る必要がある。)に達していないことが実地指導等で明らかになった場合は、達していない金額だけではなく、加算金額がすべて返還対象となるので、ここは慎重にも慎重を重ねて最終チェックが必要だ。

特定加算の配分については、経験技能のある介護職員の範囲や、配分対象職種をどこまで広げるかなどの判断について、「各事業所の裁量により柔軟に設定」するとされたために、支給に向けて何がベストの方法なのか悩んだ事業経営者が多いことと思う。しかしすべての職員に不満がない方法で配分支給することは不可能だ。

そこで求められることは新加算について、職員すべてに丁寧にわかりやすく説明して、できるだけ多くの職員からコンセンサスを得ることだ。その際にこの加算の配分が最終的にどのような形になろうとも、それは事業者や事業経営者の収益にはならず、あくまで職員の給与等の待遇改善の目的として全額が使われるということを理解してもらうことによってしか、不公平感や不満を最小化する方法はない。

・・・と書いたところではあるが、「事業者の利益にならず」という部分には疑問符をつける人がいるかもしれないと思ったりしている。

というのも、「賃金改善の見込み額」とは、a.特定加算を取得し実施される賃金の改善の見込み額を加えた賃金の総額)〜b.初めて特定加算を取得する月又は初めて特定加算を取得した月の属する年度の前年度の賃金の総額)を差し引いた額とされているからである。

aが、「特定加算を取得し賃金改善が実施された月の賃金額」であり、bが「初めて特定加算を取得する月又は初めて特定加算を取得した月の前の月の賃金額」であれば問題ないのであるが、そうではなく、加算算定前年度賃金総額と加算算定見込み額を加えた賃金総額の比較と言うルールであるのだから、実質この加算は、4月に昇給させた部分も含めて「改善額」とみることが可能になっている。さすれば加算を4月にさかのぼって支給したとみなしても良いような解釈になる。なぜなら4月に昇給させた部分も比較賃金上は、前年度賃金総額より改善した金額に計上できるからだ。

そのことに関連して、2019 年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2)では次のような疑義解釈が示されている。

問 20 :本来は 10 月から特定加算を算定し、これによる賃金改善を行うことになるが、法人・ 事業所の賃金制度が年度単位であることに合わせるため、年度当初から特定加算を織り 込んで賃金改善を行いたいと考えた場合、4〜10 月分の賃金改善に特定加算を充てるこ とは可能か。(例:10 月から月2万円の賃金改善を行うのではなく、4月から月1万円の賃 金改善を行う場合)

回答:今般の特定加算については、年度途中から開始するものであり、給与体系等の見直しの 時期が、年に1回である事業所等において、既に年度当初に今回の特定加算の配分ルール を満たすような賃金改善を行っている場合も想定される。

・ こうした場合には、その年度当初から 10 月より前に行っていた賃金改善分について、介護職員等特定処遇改善加算を充てることも差し支えない。

・ なお、当該取扱いを行う場合にあっても介護職員の賃金低下につながらないようするとともに、事業所内でよく検討し、計画等を用いて職員に対し周知することが必要である。


↑ここでは「こうした場合に」という条件付きで、「10 月より前に行っていた賃金改善分について、介護職員等特定処遇改善加算を充てることも差し支えない」としているが、「こうした場合」に該当しないケースであっても、比較賃金自体が4月昇給分を含むのだから、実質多くの事業者が、その額を見込んで改善計画とするのではないか。

そうなると消費税が上がることが確定しておらず、特定加算が支給されるかどうかわからない時期に、事業者の収益の中から支給した定期昇給分の財源にも、特定加算はなり得るということになり、実質「加算金額は事業者利益につながる」ということにもなりかねないような気がする。

加算の恩恵を最大限受けたいと考える職員の皆さんにとって、この部分は大いなる矛盾と感じるだろう。どちらにしても事業経営者は、この配分ルールをどう考えたかも含め、職員に懇切丁寧に説明し、不公平感や不満の最小化に努めねばならない。

また加算要件・配分ルールに疑問が残っており、もう少し熟慮したいということであれば、計画書の提出を1月遅らせて、算定支給月を11月からとするということも有りである。

ただしこの場合は、職員からクレームが殺到するかもしれない。そのことも含めて事業経営者として、様々な判断が求められているのが、今この時期である。

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加算配分の蚊帳の外に置かれた居宅ケアマネに愛の手を


10月から算定可能となる介護職員等特定処遇改善加算(以下、特定加算と略)の配分方法については、経験技能のある介護職員の範囲の判断や、配分方法などの判断について、「各事業所の裁量により柔軟に設定」することが可能とされ、法人単位の配分も認められている。

cグループに属する、「その他の職種」まで配分するとした事業者では、多くの職員が加算の恩恵を受けて給与改善が可能となる。この際、法人単位で配分する事業者においては、すべての職員が加算の恩恵を受けられると勘違いしている人がいるが、それは違う。

cグループの、「その他の職種」については、「賃金改善前の賃金がすでに年額 440 万円を上回る場合には、当該職員は特定加算による賃金改善の対象とならない」とされているので注意が必要だ。
※aグループ、bグループに属する介護職員については、年収が440万年以上であっても加算配分は可能であることにも注意が必要

しかしこの場合でも、Q&A(Vol.1)の問13に「賃金改善を行う職員に加え、賃金改善を行わない職員についても、平均改善額の計算を行うにあたり職員の範囲に含めることとなる。」とされている。平均改善額の計算式では、当該職員についてゼロ円が1名とすることとなるわけである。

このことについては厚労省の真鍋介護保険課長にも確認しており、同課長によるとこの規定は、「改善を行わない440万円以上の職員も母集団に加わることで平均改善額を低く計算できる」ためだそうである。つまりグループごとの配分は、a2:b1:c0.5の範囲に平均給与改善額を収めねばならないが、改善0円の職員も計算式に入れることで、給与改善される職員の改善額が少しでも上げられるという理由から規定されたようである。(※なおcグループの平均賃金額が他の介護職員の平均賃金額を上回らない場合は、cグループの給与改善額とbグループの改善額が同じになっても良いという例外規定がある。)

さらに問題なのは、Q&A(Vol.2) の下記である。
(問 13 )本部の人事、事業部等で働く者など、法人内で介護に従事していない職員について、 「その他職種」に区分し、特定加算による処遇改善の対象とすることは可能か。
(答) 特定加算の算定対象サービス事業所における業務を行っていると判断できる場合には、その他の職種に含めることができる。

ということは、「特定加算の算定対象サービス事業所における業務を行っていると判断できない場合」は、「その他の職種」に含めることができなくなり、加算を配分できないということになる。そうすると居宅介護支援事業所の介護支援専門員の専従者は、どう転がってもこの加算の配分対象にならないことになる。

例えば社会福祉法人が経営する特養に、短期入所と通所介護と訪問介護と居宅介護支援事業所(ケアマネ一人事業所)が併設されている場合で、このうち年収440万円以上は、施設長とそれぞれの事業管理者(介護職員とは兼務していない)だけと想定したとする。この場合、特定加算を法人単位で全職員に配分しようと考えたとき、年収440万円以上の施設長と事業管理者には配分できない。しかし、もう一人だけ配分できない職員が出てくる。それが加算算定事業所ではない居宅介護支援事業所の専任介護支援専門員である。

「特養」にも介護職員と兼務していない専任の介護支援専門員がいる場合が多いが、特養は加算算定対象事業であるため、特養の専任介護支援専門員は、「その他の職種」としての加算配分が可能である。そうであるにもかかわらず、居宅介護支援事業所の介護支援専門員には加算配分することは不可なのだ。

よってこのような法人では、年収440万を超える施設長及び事業管理者と居宅介護支援事業所の専任ケアマネ以外のすべての職員に、加算配分され給与改善されることになるため、年収が440万円未満である職員のうち、居宅介護支援事業所の専任ケアマネのみ、給与改善の蚊帳の外に置かれるという事態が生じかねない。

これは特定加算の配分ルール上はやむを得ないということになるが、それではあまりに理不尽である。ここは法人が救いの手を差し伸べなければならないところではないだろうか。

つまりこの場合、居宅介護支援事業所の専任ケアマネには加算配分はできないが、せめて法人内の、「その他の職種」と同額の給与改善は行うべきだと思う。勿論その場合の原資としては特定加算は使えないのだから、法人の持ち出しで行うということにならざるを得ないが、その程度の「愛の手」が差し伸ばせない事業者には将来はないと考え、ここは広い心で、加算配分できない従業員に対する手当を、加算算定とセットで考えていくべきではないかと思う。

繰り返しになるが、法人内で加算配分する際に、年収が440万に達していないのに、併設の居宅介護支援事業所の介護支援専門員であるという理由だけで、一人給与改善の蚊帳の外に置くのはあまりにも理不尽である。

この状態を放置していたら、介護支援専門員の成りてはなくなってしまうかもしれないし、どちらにしても介護支援専門員としてのモチベーションの低下は必至だろう。

それはとりもなおさず、サービスの品質の低下につながりかねない問題なので、そうならないための対策が、各法人ごとに求められると考えるべきである。

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特定処遇改善加算の算定をためらう事業者に予言しておきます


社会福祉法人が経営する施設の総合施設を退職して、独立するまでの1年間、医療系サービスの勉強を兼ねて老健に勤めた。

北海道の玄関口ともいえる主要空港のある地域に所在するその老健は、人員配置も少なく職員の定着率も低かった。その理由は何かと考えたときに、要因の一つとして当時の処遇改善加算気鮖残蠅靴討らず、兇鮖残蠅靴討い襪箸い事実があった。しかし給与規定や職場環境などを細かくチェックすると、加算気鮖残蠅垢詬弖錣魯リアできるものと思えた。

そこでなぜ加算気鮖残蠅靴覆い里と問うたところ、診療報酬に処遇改善加算がないために、気鮖残蠅靴毒枴すると、母体の病院の介護職員との給与格差が広がるからだという理由であることが分かった。しかしそれではいつまでも良い人材は集まらず、定着率も改善しないので、是非とも加算気鮖残蠅垢襪茲Δ某文世靴新覯漫∨佑入職した年の4月から加算気鮖残蠅垢襪茲Δ砲覆辰拭

結果的にその老健は看護職員の力が強く、介護施設としての機能に支障が生じていたり、職場の人間関係が悪かったり、ケアサービスの品質が低かったりしたことが定着率の低下と人員不足につながっていることが後に明らかとなり、加算気鮖残蠅靴討盞狹に人員不足が解消することはなかったが、そこに居る介護職員は自分に手渡される給与が増えた点について、加算気鮖残蠅任るようにした僕に感謝しても良いだろう。

ところで10月から算定できる、「介護職員等特定処遇改善加算(以下、特定処遇加算と略)」の支給を巡って、前述した老健と同じような問題が今起きようとしている。

母体もしくは併設施設に医療機関を抱えている介護事業者の場合、診療報酬には特定処遇改善加算と同様の加算は新設されない。よって医療機関の職員には給与改善が行なわれないことになる。すると今回の特定処遇改善加算によって、人によっては月8万円という大幅な給与改善がされることになるので、医療機関の職員との格差は非常に大きなものとなる。このことによって不平等意識が職場内に広がることを懸念して、加算を算定しないほうが良いのではないかと考える向きがある。

これは医療機関との併設法人だけの問題ではなく、民間企業が母体の介護事業者も同様で、介護とは全く関係のない業種も含めて多角経営している企業の場合も、この加算によって企業内で職員の給与格差が広がることを懸念し、あえて特定処遇加算を算定しない方針に傾いている動向も見え始めている。

そのほかにも、法人内で介護職員だけが大きな給与改善されることを不公平だと考えたり、この加算の算定ルールが複雑すぎるなどとして、あえて加算算定をしないと決定する事業者が現れ始めている。そしてそういう事業者の関係者から相談を受ける件数も増えている。

しかしそういう事業者の方針は、事業経営の危機に直結するものだと指摘しておきたい。

現に働いている介護職員は、この加算によって大きな給与改善が可能であることを知っている。特に経験10年以上の介護福祉士であれば、月8万の給与アップとはならないまでも、それに近い給与改善があると期待している人が多い。そういう人たちは、自分の所属する事業所が加算算定せず、自分自身がその恩恵を受けられないと知った時に、がっかりするだけではなく具体的に加算の配分を受けることができる職場に移ろうとするだろう。特に自分に経験だけではなく技能もあると思っている人はその傾向が強くなる。

こんな風にして加算算定しない事業者からは、有能な人材が流出することは避けられない。

さらに介護福祉士養成校は、引く手あまたの現状で就職先を選ぶことが可能であるため、特定処遇改善加算を算定しない事業者には学生を紹介しないと断言しているところも出始めた。そうなると加算算定しない事業者には、今後有能な人材も寄り付かなくなる可能性が高い。

そういう事業者は、人材不足から人員配置がままならなくなり事業経営が難しくなるだろう。よってこの加算を算定しないという選択肢はないし、加算算定する場合も、加算率の高い「特定加算(機法廚鮖残蠅垢襪海箸強く求められてくる。

人間関係を含めた職場環境が整っているから、加算を算定せず給与改善しなくとも職員が辞めることはないと自信を持っている介護事業経営者もいるが、そのように高をくくっても、いざ自分の周囲で、給与が月額8万円アップした人がいることがわかったならば、そんな職場環境の魅力など何の力も及ばないという事態になりかねない。

むしろこの加算をきちんと算定したうえで職員に手渡し、さらに職場環境をより良い状態に整えるという形でしか有能な人材が張り付いて定着する事業者にはなり得ないと考えるべきである。なぜならいくら外国人が介護事業者に就職しやすくしたとしても、すべての介護事業者が必要な人員配置ができる状態にはならないのが明らかであるからだ。

そのため人を集めるためには、他の事業者との差別化を図った魅力ある職場であることをアピールする必要があるが、その大前提は介護職員の給与改善につながる加算を算定しているのが当たり前であるという状態をつくることだ。それなくして、他の何かをアピールしても、人材となり得る人に魅力は伝わらない。

医療機関や他職業と一体的に運営している法人等の場合は、法人内の給与格差については、仕事の違いであると丁寧に説明し、給与の高い事業所への配転希望は能力勘案すればよいのである。そのシステムを同時に構築することで、給与格差の不満は最小化できると考えるべきである。

どちらにしてもこの加算を算定しない事業者は、介護事業からの撤退という危機に直面せざるを得ない状況に陥ることは間違いのないところであり、その予言は決して外れることはない。

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経験がある介護福祉士でもマナーがなければ加算配分をしないという判断はあり


10月以降に支給される、「介護職員等特定処遇改善加算」について、「言葉遣いという当たり前のことが出来ていない職員に対しても、特定処遇改善加算(加算1)が支払われることに納得がいきません。」という意見がある。

しかしそうした考えは誤解に基づくものだ。確かにこの加算は、経験・技能のある職員を中心に加算配分するルールになっており、スキルは二の次とされているが、配分をどうするかという裁量権は事業者が持つものであり、aグループに属する職員であっても、昇給に値する能力がないと事業者が見なして、昇給させないことは可能だからだ。

むしろ事業者の裁量権を最大限活かせば、従前以上に能力評価にこの加算は使える。職場内の職員のスキルアップの動機づけを高めることは、近い将来の事業経営の安定化につながるものと考えられ、積極的に加算をスキル評価に結び付けるように配分方法を工夫すべきだ。

例えばaグループの「経験・技能のある介護職員」の平均給与改善額は、bグループの、「その他の介護職員」の2倍以上としなければならないが、だからといってaグループ全員の給与を改善する必要はなく、aグループ内で個人差が生じてもよいものである。

一連の算定要件は、あくまでグループごとの平均給与改善額でみるだけで、その要件さえクリアできておれば、極端な話aグループの中で、月額8万円給与改善される人がいる一方で、給与改善額がゼロ円という人がいても問題ないのである。ゼロ円の人が、正しくグループ分けされ、その中で平均給与計算の対象になってさえいればよいだけの話だ。逆に言えば、その部分を間違えて区分してしまった場合は、加算返還となってしまうことには注意が必要だ。

ちょっとだけ配分ルールを振り返ってみると、「介護職員等特定処遇改善加算に関する基本的考え方並びに 事務処理手順及び様式例の提示について 」では、 配分対象と配分方法 一 賃金改善の対象となるグループ として次のように定めている。

a 経験・技能のある介護職員
介護福祉士であって、経験・技能を有する介護職員と認められる者をいう。 具体的には、介護福祉士の資格を有するとともに、所属する法人等における勤続年数 10 年以上の介護職員を基本としつつ、他の法人における経験や、当該職員の業務や技能等を踏まえ、各事業所の裁量で設定することとする。

b 他の介護職員 経験・技能のある介護職員を除く介護職員をいう。

c その他の職種 介護職員以外の職員をいう。

↑このように 「事業所の裁量」で認めているのは、aグループに引き上げるべき裁量だけで、bcグループに裁量要件は書かれていない。そうなると他法人の経験年数を含めて10年以上の経験がある介護福祉士をaグループとしたり、実際には他法人の経験も含めても10年の経験がないとしても技能があるとしてaグループとすることは認められるものの、実際に当該事業所で10年以上勤務している介護福祉士をbグループとすることまでは認めていないわけだ。

つまり「あなたはこの事業所で10年以上働いて、介護福祉士の資格もあるけれど、スキルが足りないからbグループとみなします」という扱いはできないと考えられるのだ。よってこうした職員はaグループとして、aグループの平均給与計算式に入れなければならない。

またaグループに入れられるのは、あくまで介護福祉士の有資格者であって、どんなに技能と経験がある介護職員でも、介護福祉士の資格がないとここには該当させられない。

そうしたルールを踏まえたうえで、わかりやすいように100名定員の特養のケースで、aグループにしか加算分を配分しないとして考えてみよう。

以前にも加算額シミュレーションを示したが、例えば100人定員特養で居住費と食費を除く年間収入が4億2千万円と仮定した場合、月額加算額は945.000円である。つまりこの特養では特定処遇改善加算分の配分として、10月からこの分の昇給額が945.000円を上回ればよいわけである。それは最低11人には8万円の給与アップが可能であるという数字でもある。

この時aグループに入る、「経験と技能のある介護職員」が17人いたとする。そのうち一人は介護リーダーとして現場で適切に職員の指導を行い、言葉遣いのルールも守っているとしよう。しかし残りの16人のうち13人はその指導に従っているが、3名の職員については、「言葉遣いという当たり前のことが出来ていない介護福祉士」であったとする。

この場合、指導者であるリーダー職員の昇給額を8万円とし算定要件の一つをクリアする。そして言葉使いが丁寧にできている13名の職員に一人66.600円の昇給を行えば、全体の昇給金額は、945.800円となり加算算定要件をクリアするので、「言葉遣いのルールを守ることができていない」3人については、昇給ゼロ円としてもよいということになるのだ。

勿論、このように極端な格差をつけた場合、aグループで昇給ゼロだった職員は退職する可能性が高くなるが、そうした職員が退職することは将来的にはその職場にとってマイナスにはならないと思う。むしろ今回の特定処遇加算については、こうした大改革に向けて大いに利用した方がよいのではないかとさえ思っている。

現行の労働法規上のルールで言えば、利用者に向けた言葉遣いをはじめとしたサービスマナーが徹底されていないという理由だけで、退職勧告を行うことは難しいだろう。しかし特定処遇改善加算の配分については、信賞必罰の原則を適用して、上記のように差をつけることは合理的な理由があるとされ、「正当」とされるだろう。そのことで自主的に「人罪」が職場から離脱してくれることは、職場にとって損失にならないと思う。

要は経営者の、「覚悟」の問題なのである。

本当に団塊の世代から選ばれるような高品質サービスを創り上げて、これからの厳しい競争の時代に生き残っていこうとするなら、一時的に利用者受け入れを制限することがあったとしても、職員を良い血に入れ替えて、ホスピタリティ精神がある職員を確保していく方が正解だと思う。

介護事業経営者の中には、加算配分による昇給についてはスキルは関係なく、各グループに分けた職員には均等に配分するようにして、サービスマナーのかけらもない職員に対しも加算配分による昇給を他の職員と同じように行い、とりあえず介護職員の数を減らさないという考えの方もいるだろう。

そうではなく、スキルの高い職員がそうでない職員より報われる形で、きちんとした「人材評価」につながる加算配分にしようと頭を悩ませている経営者もいる。

その差が事業経営上の勝敗として現れてくるのには、これから先10年もの歳月はかからないだろう。おそらくこの5年以内に差がついてくるのではないだろうか。

勿論その差は、人材確保と利用者確保という面から表面化してくるだろう。

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介護職員等特定処遇改善加算のQ&A(Vol.2)を読んで


7月23日に発出された「介護保険最新情報Vol.734」は、2019年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2)(令和元年7月23日)とされており、その内容は介護職員等特定処遇改善加算につてのQ&A第2弾となっている。その内容を確認しておきたい。

問1〜3については、特定加算(機砲函吻供砲了残蟠菠の考え方についてである。

介護職員等特定処遇改善加算(以下、特定加算と略す)については2区分の単位に分かれており、高い方の(機砲砲弔い討魯機璽咼梗鑛未瓦箸飽焚爾硫短擦鮖残蠅靴討い襪海箸要件となっている。
※ 訪問介護:特定事業所加算桔瑤廊
特定施設:サービス提供体制強化加算(最も高い区分)又は入居継続支援加算
特養:サービス提供体制強化加算(最も高い区分)又は日常生活継続支援加算
その他:サービス提供体制強化加算(最も高い区分)


問1では、年度途中で特定加算(機砲了残衢弖錣療合状況に変更があった場合は、変更の届出を行うこととしているが、「喀痰吸引を必要とする利用者の割合についての要件等を満たせないことにより、入居継続支援加算等を算定できない状況」については、直ちに変更することを求めるものではなく、当該状況が常態化し、3か月間を超えて継続した場合に変更の届出を行うこととしている(このような変更の届出を行った場合、4か月目より加算の算定できなくなる)としている。

それに対し問2では、訪問介護における特定事業所加算については、喀痰吸引を必要とする利用者の割合についての要件等を満たせず特定事業所加算(機砲算定できなくなったとしても、特定事業所加算(供砲鮖残蠅掘特定加算(機砲鮖残蠅垢襪海箸可能であるため、3ヶ月の経過措置 の対象とはならないと釘を刺し、特定事業所加算(供砲鮖残蠅任ない場合は、特定加算(供砲 算定することとなるため、変更の届出が必要であるとしている。

問3は特定加算(機砲了残衢弖錣箸覆襯機璽咼皇鷆‖寮強化加算等の介護福祉士の配置等要件については、計画届出時点で要件を満たしていなくとも、算定開始時点で、介護福祉士の配置等要件を満たしていれば算定 することが可能であるとして、原則とは異なる扱いを認めている。

問4は市町村の総合事業における訪問介護従前相当サービス(要支援者対象)について、特定事業所加算がないことから、対象事業所が、併設の指定訪問介護事業所において特定事業所加算(機砲泙燭蓮吻供 を算定していれば特定加算(機砲鮖残蠅任るとしている。

問5は、介護プロフェッショナルキャリア段位制度の取組を行っている場合、現行加算のキャリアパス要件(供砲鯔たし、また職場環境等要件の「資質の向上」の項目の一つである「研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動」の取組を行っているものとして取り扱うとしている。

問6と7は、「見える化要件」についてであり、問6では2019 年度においては要件としては求めず、2020 年度からの要件としていることを周知する内容となっている。

問7では、情報公表制度の報告対象外でかつ事業所独自のホームページを有しない事業者の見える化については、事業所・施設の建物内の入口付近など 外部の者が閲覧可能な場所への掲示等の方法により公表することも可能とした。(筆者注:アナログの見える化が認められているわけだと理解した。)

問8では、特定加算(供砲砲弔い討蓮介護福祉士の配置等要件を満たす必要はないが、これはあくまで算定要件であって、配分ルールである「経験・技能のある介護職員のグル ープ」の設定は必要であるとしている。ただし Q&A(Vol.1)問5で、介護福祉士の資格を有する者がいない場合や、比較的新たに開設した事業所で、 研修・実務経験の蓄積等に一定期間を要するなど、介護職員間における経験・技能に明 らかな差がない場合などは、この限りでない。なお、このような「経験・技能のある介護職員」 のグループを設定しない理由についても、処遇改善計画書及び実績報告書に具体的に記載する必要があると例外規定を示しているとしている。

問9は配分ルールの 月額 8万円の処遇改善を計算するに当たっては、現行の介護職員処遇改善加算による賃金改善分と分けて判断することが必要としているが、年収 440 万円規定については分ける必要はなく、現行の改善分を含めて考えてよいとしている。

問10は、すでに経験・技能のある介護職員のグループ内に、既に賃金が年額 440 万円以上である者がいる場合には、当該者が特定加算による賃金改善の対象となるかに関わらず、新たに月額8万円の改善又は年収 440 万円となる者を設定しなくても、特定加算の算定が可能であることを改めて周知してる。

問11は、その他の職種の平均改善額が、その他の介護職員の2/1以下とする配分ルールについて、その他の職種の平均賃金額が他の介護職員の平均賃金額を上回らない場合においては、両グループの平均賃金改善額が等しくなる(1:1)までの 改善を可能とするものとする例外規定を周知している。

問12は、介護給付サービスと介護予防・日常生活支援総合事業を一体的に運営している場合で、同一の就業規則等が適用される等労務管理が同一と考えられる場合は、法人単位の取扱いを適用するのではなく、同一事業所とみなして、月8万以上もしくは年収440万のルールは、両サービス合わせて1名で良いし、両サービスを同一事業所とみなして配分ルールを適用すればよいとし、これについては、介護給付のサービスと予防給付のサービス(通所リハビリテーションと予防通所リハビリテーションなど)、特別養護老人ホームと併設されている短期入所生活介護、介護老人保健施設と短期入所療養介護等についても同様としている。

つまり特養と併設ショートは1事業とみなしてよいわけであるし、ユニット型と非ユニット型が混在している特養も1施設とみなせると解釈できる。

問13は、法人本部職員などでも、特定加算の算定対象サービス事業所における業務を行っていると判断できる場合には、その他の職種に含めることができるとしている。逆に言えば特定加算の算定対象サービス事業所に関わっていない職員(居宅介護支援事業所の専任ケアマネ等)は、法人単位で加算を配分する場合にも、その他の職種に含めることができないことが明白になっている。

問14は、「他の介護職員」を設定せず、「経験・技能 のある介護職員」と「その他の職種」のみの設定については、あくまで当該事業所で働く介護職員全てが、「経験・技能のある介護職員」であると認められる場合に限って認められるとし、この場合、当該事業所における「経験・技能のある介護職 員」の平均賃金改善額が、「その他の職種」の平均賃金改善額の4倍以上であることが必要であるとしている。

問15は、特定加算による処遇改善に加え、事業所の持ち出しで処遇改善を行 うことは可能であるが、特定加算による賃金改善分について配分ルールを満たしていること を確認するため、実績報告書における賃金改善所要額、グループごとの平均賃金改善額等 においては、特定加算による賃金改善額を記載のうえ、持ち出しにより更なる賃金改善を行った旨付記すること(改善金額の記載までは不要)としている。

問16は、勤務時間の全てでなく部分的であっても、介護業務を行っている場合は、「経験・技能のある介護職員」、「他の介護職員」のどちらかに区分することは可能であり、勤務時間を案分して両者に0.5ずつ等に区分することまでは必要ないとしている。

問17は、年収計算については、実際にその介護職員が収入として得ている額で判断するので、総合事業、障害福祉サービス等において兼務していてそちらから収入を得ている部分も含めて判断できるとしている。

問18は、その他の職種に配分しない場合等においては、計画書の人数部分について、「0(ゼロ)」等と記載するとしている。

問19は、年額 440 万円の基準を満たしているかの判断は役職者も含めて判断して差し支えないとしている。

問20は、給与体系等の見直しの時期が、年1回である事業所等において、既に年度当初に今回の特定加算の配分ルールを満たすような賃金改善を行っている場合には、10 月より前に行っていた賃金改善分について、介護職員等特定処遇改善加算を充てることも差し支えない(例:10 月から月2万円の賃金改善を行うのではなく、4月から月1万円の賃金改善を行う場合)としている。

問21は、計画書における賃金改善計画、介護福祉士の配置等要件に変更が生じた場合は、必要な届出を行うと周知した内容となっている。

以上である。個人的には問12の解釈が待ち望んだものであったと言えそうである。

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特定処遇改善加算は職場の不公平を加速させるという意見について


日本教育会館で行われた連合の医療・介護フェス2019でパネラーを務めたときに、会場から、「特定処遇改善加算によって、不公平感が広がり、職場の団結が乱れるのではないか?」という意味の質問があり、それに僕が回答者として指名される場面があった。

当日回答した内容を含めて、それに関して改めてここで僕の意見をまとめてみたいと思う。

もともとこの加算は、経験10年以上の介護福祉士の待遇改善という目的で新設されたものであり、当初は、その他の介護職員や介護職員以外の職種の者に支給するという発想はなかったものである。しかし介護給付費分科会では各委員から、この加算を広く配分できるようにして、介護職員以外の待遇改善も図れるようにしてほしいという意見が出され、最終的にはその意見に賛同する声が多勢を占めたために、支給対象職種を介護職員以外のその他の職種まで広げたものである。

しかしもともとこの加算新設の意味とは、「経験・技能のある介護職員に重点化を図りながら、介護職員の更なる処遇改善を行う」というものであり、その本来の趣旨を失わないように配分額については、「経験・技能のある介護職員」・「その他の介護職員」・「介護職員以外のその他の職種」の順になるように金額に差をつけたものであるということは、昨日の記事でも解説したとおりである。

特に「その他の職種(介護職員以外の職種)」については、現在の年収が440万円以上の場合は、加算支給対象としてはならず、介護職員の場合はこのルールは適用されないことを考えても、職場内で介護職員の給与をできるだけ多く引き上げようとしているルールであることは明白なのである。

つまりこの加算については、全職員に平等に配分するということは、もともと想定されていないのである。

そもそも給与とは、働き手の能力に応じて差がつくものであり、さらに資格によっても差がつけられるのはある意味当然なのである。現に国家公務員の給料表では、一般職より看護職のほうが高い給与体系になっている。

しかし介護職員不足が叫ばれる中で、その仕事に従事する人の絶対数を増やそうとしたならば、給与をはじめとした待遇改善が不可欠であることは明確だし、将来への不安がなく、むしろ希望が見える職業にするための方策が、人材確保のためには不可欠であるとして対策が考えられたわけである。

そのために新加算は、経験と技能のある介護福祉士が、役職者を除く全産業平均 水準である年収440万円となるようにすることによって、リーダー級の介護職員について他産業と遜色ない賃金水準を実現することで、介護職員として働く人の将来への不安を減らし、希望を持って就業してくれる人を増やすことを狙っているのである。

その狙いは決して間違ったものではないのだから、経験・技能のある介護職員以外がこの加算の恩恵を受けないとしても、それは仕方のないことであるし、恩恵を受ける場合に支給額に大きな差があることは、算定要件であるので、そこに文句は言えないもので、むしろ少しでも恩恵を受けることに感謝しなければならない。

しかしこの場合、本来加算額全額が支給されても良い、「経験・技能のある介護職員」側に、もともと給与が高い職種・職員が、本来自分たちに支給されるべき加算の恩恵が及ぶことは納得できないという考え方も生まれかねない。

そのようなことを考えると、この加算配分による不満は様々であり、それらをすべて解消する方策というのはあり得ないような気がしてならない。

その時僕はすべての介護関係者に訴えたいことがある。この加算による恩恵を受ける人がいて、その一方で恩恵を受けない人や、恩恵を薄くしか受けられない人など様々な状況が存在したとしても、あなた自身の待遇は決して悪くなるわけではないということだ。誰かの給料が高くなることで、誰かの給料が削られるわけではないことを理解してほしいということだ。

他者のみが待遇改善されるのは妬ましいことかもしれないが、それは自分の待遇が低下する見返りということではなく、介護業界全体としては職員に配分されるパイが増えるということで、それは即ち自分が配分対象となる立場になった時には、その増えたパイの恩恵を受けられるとポジティブに評価してほしい。

そもそも新加算によって、経験・技能のある介護職員は確実に給与改善するが、それは即ちその対象職員の定期昇給としても考えてよいものなので、対象職員の定期昇給財源が新加算として存在するならば、他の職員の定期昇給財源は、新加算がない場合より増えるという意味で、それによって他職員・他職種の待遇改善を図れる可能性も出てくるのだ。

もともと従前からの介護職員処遇改善加算については、加算によって確実に介護職員の給与アップを図るとともに、他職種は企業努力で基本サービス費という収入の中で待遇改善を図るべしという意味があったもので、新加算もそれと基本的には同じく考えられているのだ。

どちらにしても特定処遇改善加算のベストな配分方法というのは存在しない。

配分方法は、地域の他の介護事業者の動向も当然関係してくるが、最も大事な視点とは、自分が経営・所属する事業所が現在から将来まで、どのような人材を必要とているのか、人材育成システムがどうなっているのかということである。そうした要素を複合的に見据えて、その事業者にとって一番良い方法を選択するしかない。この時に新加算の配分という視点だけで考えてはならず、新加算を利用しながら、全体の処遇改善という視点が経営者にないところからは、近い将来必ず人材が流出すると考えなければならない。

僕の中に具体的な考え方はすでにできているが、それについては、僕の講演等でお示しすることになるであろう。

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特定処遇改善加算のおさらい。


特定処遇改善加算は10月からの算定・支給となるが、消費税の10%への引き上げが見送られた場合は、この加算も見送りとなるわけである。

政府は、「リーマンショック級の出来事がない限り、予定通り消費税を引き上げる」としているが、何をもって「リーマンショック級」とするかは、どこにも基準がないわけで、このことは首相の腹積もり一つで実施も見送りも決定されるという意味に等しく、究極の政治判断ということになるのだろう。安倍総理は何としてでも引き上げを実施したいのだろうと推察する。

どちらにしても介護関係者は、この加算が10月から算定できるものという前提で事を運び、支給方法を決定しなければならない。

何度も書いているが、この加算の支給方法については、事業者の裁量権が大きく認められている。支給を法人単位で行うか、事業種別単位で行うか、経験・技能のある介護職員の対象者をどこまで見るか、支給対象職種をどの範囲まで広げるのかなど、重要な決定はすべて事業者裁量に委ねられているのである。

そのため事業者間で格差が生ずることは当然で、その格差によって人材の流出も流入もあり得ることになるので、少しでも有能な人材を獲得するためにはどういう方法が最善と言えるのかを、地域の事情を視野に入れながら考えねばならない。今後の介護事業経営を見据えた場合に、それは重要な経営戦略上の決断を迫られていることと同じ意味であるという理解が必要である。

そこで数点、この支給方法のおさらいをしておこう。

配分対象については、次の3グループに分けたうえで、どのグループまで支給するかを事業者判断で決めなければならない。

a.経験・技能のある介護職員(所属する法人等における勤務年数10年の介護福祉士を基本としつつ、他の法人における経験や、当該職員の経験や技能を踏まえ、各事業所の裁量で決定)
b.その他の介護職員(a以外の介護職員すべて)
c.介護職員以外の職員


このように支給グループをabcに分けたうえで、支給原則は、「aグループの賃金改善見込み額平均が、bグループの賃金改善見込み額の2倍以上であること」、「bグループの賃金改善見込み額平均が、cグループの賃金改善見込み額の2倍以上であること、ただしcグループの平均賃金額が、bグループの平均賃金額を上回らない場合は、この限りではない」とされている。

このルールを踏まえたうえで、aのみに支給、abのみに支給、abcすべてに支給かのいずれかを事業所の裁量で決定しなければならない。

この時、aグループの対象職員がいるにもかかわらず、aグループに支給せず、bcグループに支給することはできない。なぜならこの場合は、aグループへの支給額がゼロ円ということになるため、「支給額原則a:b:cは2:1:0.5以上の差ができる」というルールに照らすと、ゼロ円支給の1/2及び1/4は、ゼロ円にしかならないからである。

一方でaグループの対象職員が存在しない場合は、支給額がゼロ円ではないと解釈できるため、bcグループのみに支給することは可能である。そのことに関連してはQ&Aの問1と問5に解釈が書かれている。なおこの場合は、必ず一人以上の介護職員が月額8万円以上の賃金改善となるか、年収440万円以上とならなければならないというルールは適用除外とすることができる。(Q&A問5)

同じ理屈で、bグループの職員がいるにもかかわらず(いない事業所があるということは想定できない)、支給をaグループとcグループにすることはできないと解釈できる。

ところで支給ルールには、「その他の職員の賃金改善後の賃金の見込み額が年額440万円を上回らないこと(賃金改善前の賃金がすでに年額440万円を上回る場合には、当該職員は特定加算による賃金改善の対象とはならない)」という要件があるが、「賃金改善前の賃金がすでに年額440万円を上回る場合には、当該職員は特定加算による賃金改善の対象とはならない」というのはあくまでcグループに該当する介護職員以外の職員に限ったルールで、abに属する介護職員については、現に年収が440万円以上あったとしても、特定処遇改善加算による賃金改善の対象としてもかまわないので、この点は間違いのないようにしていただきたい。

このことに関連して、職場内に「不公平感」が生ずるのではないかと心配する声があるが、そのことについては明日論じたいと思う。

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特定処遇改善加算のいくつかの疑義についての整理


僕は今、松山市から高知市に向かう高速バスの中で、この記事を更新している。明日と明後日の2講演に備えて、今日は高知市までの移動日である。

揺れるバスの中でアイホンを操作しながら、記事を更新するのはなかなか骨の折れる作業だが、本を読むか、アイホンをいじるか、寝るかしかすることもないので、小さな画面を老眼の目を細めながらブログを更新するというのも、約2時間半の旅の暇つぶしにはなる。

さてそれでは本題。「介護職員等特定処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」及び 「2019年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(平成31年4月12日)」の送付についてが発出されて以来、その内容を読み込んで、加算の算定と支給に向けた準備作業を行っている人が多いと思う。

僕が管理する表の掲示板でも、その情報交換や議論が進められているが、いくつかの誤解した意見が書かれていたり、疑問点の質問に対する回答が示されたりしているので、こちらの裏板でもその整理と情報提供をしておきたい。

文字リンクを張った発出文書の、2特定加算の仕組みと賃金改善の実施等の(3)の二のdでは、「その他の職種の改善後の賃金は440万円を上回らないこと。上回る場合は賃金改善の対象外」とされていることに、一部誤解している人が見られた。

年収440万円を上回っている場合に、この加算が支給できないのは、cグループの「その他の職種」に該当する人のみであって、aグループの「経験・技能のある介護職員」と、bグループの「その他の介護職員」については、現に年収が440万円であっても加算を支給できるので、この点は誤解のないようにしてほしい。

このことに関連しては、介護職員だけを優遇する不公平なルールではないかという意見も見られたが、もともとこの加算は、介護職員のうち経験と技能のある職員に対して支給する趣旨で新設されたもので、それを事情に応じてその他の職員にも支給できるようしたものなのだから、両者の支給要件に「格差」が生ずることはやむを得ないと思う。

ただしこのルールは特定処遇改善加算の支給のルールに過ぎないので、事業経営者としてそれが不公平と考え、職員の不満を抑えられないという考えるならば、その他の職種であって、加算を支給できない人に対しては、この加算以外を原資として給与を上げればよいだけの話である。

月収8万円アップと年収440万円以上については、Q&Aの問7の回答の中で、『「月額8万円」の処遇改善については、法定福利費等の増加分も含めて判断し、処遇改善後の賃金「440万円」については、社会保険料等の事業主負担その他の法定福利費等は含まずに判断する。』という文言の解釈について、特に「440万円については、社会保険料等の事業主負担その他の法定福利費等は含まずに判断する。」という意味はどう解釈したらよいのかという疑問が出されたが、結論としては、「その他の法定福利費」は、労基法の休業補償等であり「賃金」ではないのだから、社会保険料等の事業主負担その他の法定福利費等は含まずに判断するということで、「月額8万円の賃金改善」のときには、法定福利費の増加分も含めてもよいけど、「賃金440万円」のときは、総支給額(年収)が440万円かどうかで判断するということになるようである。

というかこうしたQ&Aの回答しないで、年収440万円は、当該従業員への総支給額のみで判断するの方がわかりやすいと思うのだが、どうだろうか。

また「経験・技能のある介護職員のうち1人以上は、賃金改善に要する費用の見込み額が月平均8万円(賃金改善実施期間における平均とする。以下同じ)以上又は賃金改善後の賃金の見込み額が年額440万円以上であること(現に賃金が年額440万円以上の者がいる場合にはこの限りではない)」という要件に関して、「現に賃金が年額440万円以上の者がいる場合は、加算算定できない」と勘違いして理解している人がいたが、これは「現に賃金が年額440万円以上の者がいる場合は、新たにこの加算で月8万以上もしくは年収440万円以上になる条件に当てはまらなくてもよい」という意味である。

次にQ&A問15の回答の中で、「また法人単位で月額8万円の処遇改善となる者の設定・確保を行う場合、法人で一人ではなく、一括して申請する事業所の数に応じた設定が必要である。なお、事業所の中に、設定することが困難な事業所が含まれる場合は、実態把握に当たりその合理的理由を説明することにより、設定の人数から除くことが可能である」とされているので、一括して申請する事業所数が20あるのなら、基本原則は月額8万以上もしくは年額440万以上となるものは20人必要でとなる。ただしその中に加算額が8万に満たないなど、月額8万円を給与改善できない合理的理由がある事業所が含まれている場合には、その事業所を数に入れないことができるために、条件によっては20人未満になる場合もあるということになるので、この点に留意する必要がある。

この加算に関しては、疑義はほぼ解決したように思う。しかしここにきての最大の疑問は、消費税を本当に10%の上げられるのかということではないのだろうか。景気が冷え込みそうな状況の中で、消費税のアップはそれに拍車をかける。税アップのさらなる延期を本当に考慮しなければならない時期ではないのだろうか。

そうなるとこの加算の算定時期も延長されることになるが、それが現実味を帯びてくるかもしれない。

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特定処遇改善加算の基本的考え方(その2)


先週土曜日に書いた「特定処遇改善加算の基本的考え方とQ&A等について」という記事の中で、「もし疑問が残っているという方は、表の掲示板に質問スレッドを立てていただきたい。」と書いたところ、いくつかの質問をいただいているので、そのことに関連して今一度、この加算の算定ルールを確認しておきたい。

この加算は事業者の判断で支給対象を、a経験・技能のある介護職員だけではなく、bその他の介護職員、cその他の職種という3つのグループに分けて支給できる。(※勿論、aだけの支給、aとbだけの支給という判断もありだ。)

そしてaの「経験・技能のある介護職員」については、「介護福祉士の資格を有するとともに、所属する法人等における勤続年数10年以上の介護福祉士を基本としつつ、他の法人における経験や、当該職員の業務や技能等を踏まえ、各事業所の裁量で設定すること。」とされ、Q&Aの問4で、「10年以上の勤続年数を有しない者であっても業務や技能等を勘案して対象とするなど各事業所の裁量により柔軟に設定可能である。」としている。

この裁量に関連して、Q&Aの問5で、「経験・技能のある介護職員」に該当するグループを設定しない場合は、その理由を届け出て、月額8万以上もしくは年額440万以上の要件をクリアする職員がいなくても良いとされていることから、実際に10年以上の経験のある職員がいても、aグループを設定せずに、bとcだけをグループ設定し、「その他の職種の平均賃金額が、その他の介護職員の平均賃金額を上回らない場合は、bの給与改善見込み額の平均が、cの給与改善見込み額の平均の2倍以上とする必要はない」というルールを適用し、すべての職員に均等に加算を支給することは可能かという質問があった。

しかし僕はそれは不可だろうと回答した。なぜなら事業所に認められている裁量権とは、経験の中に加算算定事業者での勤務経験以外の他法人での経験を認めたり、経験年数が10年に達していなくとも、業務上の責任ある地位とか、特別な技能を広く認めてaグループに入れてよいということであり、実際に10年働いている職員をaグループとせず、bグループとすることまでは認めていないと思えるからだ。

そのことは今回発出された資料の3頁において、bについては、「他の介護職員」としているのみで、ここに実際に経験ある職員を事業所の裁量で含めてよいという注釈はなく、あくまで裁量を認めるという注釈が書かれているのは、aグループのみであるということが「法令根拠」となるのだと思う。

問5の規定は、あくまで問1の「勤続10年以上の介護福祉士がいない場合であっても取得できる。」を受けてのものだと思う。

ただし各グループの個別の支給額については差をつけてよいので、介護職員間の賃金改善額にできるだけ差をつけたくない場合には、次のような方法が考えられる。(※わかりやすいように金額と人数は少なめに設定した事例を示す)

例えば特定処遇改善加算を30万円算定した事業所の場合、a経験・技能のある職員が4人で、bその他の介護職員が5名いたとする。そしてその事業所では、cその他の職種については、この加算による給与改善は行わず、加算をaとbだけに支給し、その中でできるだけ介護職員間の差をつけたくないと考えたとする。

この場合、年間給与が440万円の職員が現におらず、改善後も440万円に達する職員がいないとした場合、必ず一人以上の職員に対しては月額8万円の給与改善が必要となる。

そうなるとa経験・技能のある職員の4人のうち、主任を月額8万円給与改善し、副主任を月額6万円給与改善したとする。すると残りの16万円を、aの残り2人とbの5人で均等割りすると22.857円(小数点以下切り捨て)となるため、この7人については月額2万3千円給与改善したとする

この場合aグループの平均給与改善額は46.500円となり、bグループの平均給与改善額は23.000円となる。これによってaグループの平均賃金改善額が、bの平均賃金改善額の2倍以上であることという要件もクリアできるので、この方法はありだ。

ところで「その他の介護職員の賃金改善見込み額の平均が、その他の職種の賃金改善見込み額の平均の2倍以上であること。ただしその他の職種の平均賃金額が、その他の介護職員の平均賃金額を上回らない場合は、この限りではない。」という部分の「ただし」以降の要件は、実際にはあり得ないと思う。

なぜならQ&A問13では「平均給与額の計算に当たっては、計算式の母集団に給与改善を行わない職員も含める」とされており、「その他の介護職員」は、経験10年以下の介護福祉士もしくは介護福祉士の資格を持たない介護職員全員が対象となる。だとしたらこのグループの平均賃金額は、aグループより低いことは確実である。

そしてcグループとは、今回の加算で給与改善をする・しないに関わらず、介護職員以外のすべての職種が含まれることになり、給与が高いであろうと思われる看護職員も含まれるし、法人役員ではない場合の施設長も含まれるし、そのほか事務長も事務員も介護支援専門員も相談員も管理栄養士も、すべて含まれてくる。その平均賃金額がbグループを上回らないなんてことはあまり想定できない。あるとすればよほど小規模な事業者で、管理者の賃金も高くなくて、看護職の配置義務がなくて、その他の職種に調理員や清掃員などを含む場合ではないだろうか・・・。

それと日本語を理解できていない人が、法令分を間違って解釈している例もみられる。

特定処遇改善加算の算定要件として、「経験・技能のある介護職員のうち1人以上は、賃金改善に要する費用の見込み額が月平均8万円(賃金改善実施期間における平均とする。以下同じ)以上又は賃金改善後の賃金の見込み額が年額440万円以上であること(現に賃金が年額440万円以上の者がいる場合にはこの限りではない)」という規定がある。

このことについて「現に賃金が年額440万円以上の者がいる場合は、適用外、対象外と解釈しました。 」として、年収440万円以上の者がいる事業所は加算算定できないと思っている人がいた。

これは大きな誤解である。確かに「この限りではない」という意味は、「適用外である」という意味である。しかしこの限りではないという言葉には、必ず前段となる文章があり、その文章の内容の適用外であるという意味である。例えば「AはBである。ただしCの場合にはこの限りでない」と記載されている場合には「AはBである。ただしCの場合には例外とする」と言った意味となる。

つまり上記の算定要件の意味は、年間賃金が440万円の者が現にいる場合は、この加算によって新たに月額8万円以上もしくは年収440万円以上となる者がいなくても算定可能という意味にしかならない。まあこれは小学生レベルの誤解なので、普通の人にとっては解説も指摘も必要としない内容である。

それにしても疑問というのは次から次へと限りなく出てくるものだとつくづく思わされた。その疑問の中には、考えすぎ、煮詰まりすぎの疑問が無きにしも非ずである。もっと落ち着いて、ゆっくりと通知文を読み込めばわかりそうなものであると思ってしまう。

だがこの加算の配分によって、職員間の人間関係が微妙に変化したり、退職者が出たりしないとも限らないことを考えると、考えすぎるのも仕方ないのかと思いなおした。

どちらにしても介護事業経営者は、この加算の支給方法について、「我が職場にとって最善の方法とは何か」ということについて、思い悩む日がしばらく続くのだと思う。正解のない答えを求めなければならないが、是非職場全体で話し合う機会を持って決断につなげてほしいと思う。

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特定処遇改善加算の基本的考え方とQ&A等について


4月12日付で発出された介護保険最新情報Vol719は、「介護職員等特定処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」となっており、この中には、2019年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)も掲載されている。

介護職員等特定処遇改善加算の基本的考え方を読んでみると、今まで出された情報以上の目新しい情報は特にないと言える。切れ切れに出されていた情報をまとめたものという理解で良いと思うが、確認のために通読しておく必要がある。(※なお僕が今までこのブログ記事で書いてきたものは、今日の更新記事を含めて「カテゴリー特定処遇改善加算」から見ることができるので参照してほしい。)

本日はその通知を読んで、改めて確認すべきことなどをまとめてみようと思う。

まず賃金改善については、基本給・手当・賞与のうち対象とする賃金項目を特定して行うとされ、特定された項目を含め、賃金水準を低下させてはならないとしたうえで、基本給による賃金改善が望ましいとしている。

特定処遇改善加算の取得前と取得後の賃金比較について、比較時点で勤務実態のない職員は、当該職員と同職であって、勤続年数等が同等の職員の賃金水準と比較するとしている。

賃金改善の対象グループは、a 経験・技能のある介護職員、b 他の介護職員、c その他の職種としたうえで、「a 経験・技能のある介護職員」については、「介護福祉士の資格を有するとともに、所属する法人等における勤続年数10年以上の介護福祉士を基本としつつ、他の法人における経験や、当該職員の業務や技能等を踏まえ、各事業所の裁量で設定すること。」としている。技能等についてはQ&Aでも解説されている。(後述

経験・技能のある介護職員のある職員のうち一人以上は、賃金改善に要する費用の見込み額が月額平均8万円以上又は改善後の賃金が年額440万以上であることとされているが、(現に賃金が年額440万円以上の者がいる場合は、この限りではない)とされているので、年収440万円以上の経験・技能のある介護職員が今現在いる場合は、それだけでこの規定を満たすことになる。(※この部分は、今までの僕の解釈が間違っていたのことが分かったので、訂正してお詫びしたい。

またこの規定の例外規定として「小規模事業所で加算全体が少額である場合」など3点が挙げられているので確認が必要だ。(Q&Aあり:後述

加算を経験・技能のある介護職員以外にも支給する場合の配分は、a2:b1:c0.5が以上の比率の開きがなければならないが、「その他の職種の賃金改善額が、他の介護職員の平均賃金額を上回らない場合」は、b1:c0.5とする必要はないとしている。

また「その他の職種」については改善後の賃金見込み額が年額440万円を超えてはならないし、現に超えている職員については、賃金改善の対象としてはならないとされているのにも注意が必要だ。

算定要件である「職場環境要件」については、別票1表3の「資質の向上」・「労働環境・処遇の改善」・「その他」の区分ごとに1以上の改善が求められているので、表を確認しておく必要がある。ただしこの要件あまり高いハードルではないので、確認さえしておけばクリアは簡単だろう。

また(4)では、加算の支給単位をサービス種別ごとではなく、法人単位で認めているほか、就業規則が同じであれば地域ごと介護サービスごとの支給も認めている。このことについてはQ&Aの問15で関連した疑義解釈がされているので確認しておいてほしいが、法人単位で月額8万円の処遇改善となる者等の設定・確保を行う場合、法人で一人ではなく、一括して申請する事業所の数に応じた設定が必要であるとしている。この場合、設定することが困難な事業所が含まれる場合、合理的理由を説明することにより、設定の人数から除くことが可能としている。

ここでQ&Aを確認してみたい。  個人的には問1の内容に驚かされた。

問1、介護職員等特定処遇改善加算は、勤続10年以上の介護福祉士がいなければ取得できないのか
回答、(前半部略)〜勤続10年以上の介護福祉士がいない場合であっても取得できる。

これに関連し、問5では、介護職員等特定処遇改善加算を取得しても、「経験・技能のある介護職員」に該当するグループを設定しない場合は、その理由を届け出て、月額8万以上もしくは年額440万以上の要件をクリアする職員がいなくても良いとされている。

問2では、「職場環境要件」について、現にこの要件をクリアしている場合は、それに加えて新たな取り組みを行う必要はなく、現行の状態で要件をクリアできるとしている。

問3では、情報の公表については、情報公表制度の活用に限るものではなく、各事業者のホームページでも構わないとしている。

問4では、経験10年に満たなくても「経験・技能のある介護職員」とする際の業務や技能等の勘案については、各事業所の裁量により柔軟に設定できるとされているので、「何でもあり」的な基準に思える。

問6は、この加算の要件である8万円以上の改善については、現行の処遇改善加算による賃金改善分は含まれず、あくまで新加算による改善分であるとされている。

問7は、賃金の範囲について、月額8万円の処遇改善については、法定福利費などの増加分も含めて判断し、処遇改善後の賃金440万円については、社会保険料等の事業主負担その他の福利厚生費等は含まずに判断するとしている。

問8は、この加算が10月からの取得であるため、今年度は最大半年の改善月しかないために、440万円規準については、12月加算算定していれば440万円になることが見込まれる場合も可としている。

問10は、非常勤職員については、常勤換算方法で給与計算することとしている。

問11は、8万円改善できない例外規定のうち、研修・実務経験の蓄積に「一定期間」かかる場合の期間については、特に定めはないし、それを一律に定めることや計画を定めて一定の期間で改善を求めることは適切でないと、行政指導に釘を刺している。

問12は、各グループの対象人数に関して、aとbについては、常勤換算方法による人数の算出を求めているが、cのその他の職種については、実人数による算出でもかまわないとしている。

問13は12に関連して、平均改善額の計算式の母集団には、賃金改善を行わない職員も含めるとしている。

こうして通読すると、今回の通知でほぼすべての疑問が解消されているように思えるが、もし疑問が残っているという方は、表の掲示板に質問スレッドを立てていただきたい。

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全国課長会議で特定処遇改善加算の新情報は無し


昨日(3/19)全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議が行われ、その資料が発出された。

その資料を読んでわかる通り、10月から算定・支給される「特定処遇改善加算」については、従前から示されていた情報しかなく、新たな情報や資料は示されなかった。この会議で解釈通知等が示されるのではないかと期待していた人も多かったのだろうから、その期待は見事に裏切られたことになる。ただし関係者には、この会議でそれらの資料は出されないことは、事前に知らされていたとのことである。

ということで今後の予定としては、解釈通知等は今年度末(おそらく来週中)に発出となり、Q&Aは4月以降になるそうである。

ただし特定処遇改善加算の算定要件や、事業所に裁量権がある支給方法は、明らかになっていることが多いので、それをもとに支給方法の検討・準備を進めておくことは可能だろう。

10月からの算定・支給なので、ここはあまり焦らないほうが良い。それより大事なことは、(前からここで主張しているが)示されている情報を丁寧に職員にも周知・説明に努め、この加算をどのように活用するかという視点から、その支給方法のルールを説明し、職場に最もふさわしい支給方法を職員全体で議論できる機会を創ることである。

最終的な支給決定は、トップの判断であるが、その過程で説明と意見交換という丁寧な手順を踏まないと、経営者や管理職への不信感が高まったり、職員間の関係が悪化するなど、職場が空中分解しかねない要素を内包してしまうことになるので、極めてデリケートな問題として、この加算対応を考えるべきである。

現時点でこの加算について明らかになっていない点で、気になる点は何だろう。

例えばこの加算は算定単位が事業種別ごととされているが(※例えば通所介護を併設している特養の場合、特養は加算気2.7%、通所介護で1.2%とそれぞれ別個に算定することになる。)、支給単位は事業種別を超えて法人単位とすることが認められた。

この場合、最低1人以上は昇給後に月8万円アップするか、年収が440万円を超える必要があるという要件について、これも法人単位でみてよいのか、それとも事業種別ごとに見るのかは現時点では不明である。

この問題は結構大きな問題で、それによって支給方法が異なってくる可能性があるため、事業経営者は早く情報が欲しいところだろう。
※僕個人の考え方で言えば、支給が法人単位としてよいのだから、その場合の算定要件も法人単位でみるのが筋だと思う。

またこの要件に関して、「設定することが困難な場合」の「職員全体の賃金水準が低い事業所などで、直ちに一人の賃金を引き上げることが困難な場合 」の賃金ベースをどの程度の金額に置くかなども疑問が残る点である。

算定要件の「職場環境等要件に関し、複数の取組を行っていること 」については、「資質の向上」、「労働環境・処遇の改善」、「その他」でそれぞれ一つ以上の取り組みを行っておかねばならないが、その具体的内容は、3/6発出資料の7ページを参照して、具体的対応を決定することになる。ここは特に問題なくクリアできる点である。

また、「ホームページへの掲載等を通じた見える」については、都道府県等が情報提供する仕組みとして『情報公表制度 』を活用するとしているが、そこに情報を掲載する方法しか認めないのか、事業者の公式サイトなどの活用も認めるのかが明らかではない。

さらに前者だとしたら、その情報の掲載について都道府県が掲載料金を徴収するのかどうかも問題となる点である。この加算によって、情報公表制度の有料化が復活するなんてことにはならないと思うが、役人の悪だくみは際限がないので注意が必要だ。もしこの部分で有料化が行われた場合は、早急なる抗議の声を挙げないとならないと思う。

さらに経験10年の判断に関する事業者の裁量権のうち、「10年以上の勤続年数を有しない者であっても、業務や技能等を勘案し対象とできる」という部分の、業務や技能等の具体例が示されるのかどうかも今後の注目点だろう。

ざっと考えてみた僕の疑問はこの程度であるが、細かくみればさらに疑問が湧いてくる部分はあると思う。関係者の皆様は、現時点の確定情報を確認しながら、何が疑問として残っているのかを整理すると、今後の発出情報の理解や整理に役立つと思う。

このブログの読者の皆様で、こんなことが疑問として残っていると思うことがあれば、コメント欄に書き込んでいただきたい。

ところで今回発出資料の中では、「次期介護保険制度改正について」や「生産性向上・業務負担軽減の取組について」(総務課)なども含まれているが、その内容を読むと、将来の光が見えなくなるような内容も含まれており、突っ込みどころも満載の内容となっている。

それらは明日以降、徐々にこのブログで指摘していきたいと思う。

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特定処遇改善加算の配分をどうするかについて・masaの私見として


昨日の介護給付費分科会資料で、特定処遇改善加算の支給・配分要件がほぼ明らかになった。解釈通知は全国課長会議のある19日に発出されることになると思うが、昨日審議された資料内容がほぼそのまま反映されるだろう。

ということで介護事業経営者は、いよいよこの加算の算定や配分の方針決定をしていかねばならない。10月まで間があると言っても、職場内の人間関係を壊さないように、丁寧に説明を行いコンセンサスを得るためには、方針をできるだけ早く明確にしておく必要があるからだ。

そこで今日は、この加算をどう配分するか考えてみたい。しかしそれはあくまで僕の私見の域を出ず、誰かにその方法を推奨したり、こうしたほうが良いとアドバイスするようなものではない。自分が介護経営者であるとすればこうするという考え方述べるに過ぎないことを了承願いたい。

昨日書いた「特定処遇改善加算の最新情報・小規模通所介護の単独経営は困難に。」で示したように、この加算の配分方法について新たに示された内容のうち、重要な点は次の3点である。

1.勤続年数を計算するに当たり、同一法人のみの経験でなく、他法人や医療機関等での経験等も通算できること
2.10年以上の勤続年数を有しない者であっても、業務や技能等を勘案し対象とできること等、事業所の裁量を認める
3.新加算の配分に当たっては、法人単位での対応を可能とする


まず新加算を算定するか否かという判断だが、算定しない事業者からは中・長期的には人がいなくなるとみて間違いない。多角経営している事業規模が大きな法人の経験ある介護福祉士だけを見ると、この加算で改善できる額はかなり大きな額になり得るからだ。そのために算定単位は新加算気旅發っ碓娘萋世鯡椹悗紘要がある。

これを踏まえたうえで配分を考えると、まず問題になるのが配分する単位を事業種類ごととするか、法人全体(会社単位)とするかという問題である。多角経営している規模の大きい法人は、通所介護などの加算率の低い事業の職員にも配分できる原資が大きくなることは有利性であると考えて間違いないので、規模の大きな法人はこの有利性を生かす配分方法を考えるべきで、法人単位で支給する方法を選ぶべきだろう。そうすることによって単独事業者で給与改善ができないか、額が低い事業所の職員の引き抜きをも視野に入れることができるからだ。

そのうえで配分については、他法人および医療機関等の経験も通算して10年以上の介護福祉士に絞って支給するという方法を選択したい。そうすることによって、現在他法人や医療機関で働いている職員が募集に応募してくれる可能性が高まるからだ。

この方法をとると、その他の介護職員については配分されなくなるが、その他の介護職員には、介護福祉士を取得したうえで、通算経験が10年になれば給与が大幅アップするということをモチベーションにしてもらい、それを目指してもらいたい。例えば今給料が上がらない介護職員が、別の事業所の自分と同じ経験の職員が給与アップしてうらやましいと思うのは当然だが、経験が10年になれば、今比較した他事業所の職員より給与は高くなることが確実で、その差はずっと続く可能性が高いのである。このようにして年数さえ経れば、自分の給与もアップされるのだから、それを目指すことによって定着率のアップにつながる可能性もある。

しかもこの方法をとることによって、経験ある介護福祉士については、新加算により考えられる最も高い給与アップがされるし、他事業所より給与改善額が低くなることはないので、やめにくくなる。それにより組織全体の介護職員の定着率が高まるだろう。

今回の資料で示された、「10年以上の勤続年数を有しない者であっても、業務や技能等を勘案」という方法は採用すべきではない。その評価は難しいし、それを行うと評価されない職員の不満が高まるデメリットの方が大きくなるからだ。尺度のわかりやすい「経験10年の介護福祉士」だけを配分対象とするのがベターではないかと思う。

そうすると看護職員や介護支援専門員をはじめとした相談援助職に配分はしなくてよいのかという議論になると思うが、この加算による配分からは、それらの職種は除外するしかないと思う。

他の職種まで配分を広げると、経験ある介護福祉士へ支給額が減ってしまうし、多職種へ配分するとしても、所詮その額は経験ある介護福祉士の平均改善額の4分の1以下でしかないのだから、全体でみる改善効果が極めて薄まることになる。それは兵力の逐次投入に似た愚策であると考える。

それに不満を持って他職種が他の職場へ流出する恐れがあると言っても、他の職場でいかほどの給与改善ができるかを考えれば答えは自ずと出てくる。しかも他職種が給与改善された職場の、経験ある介護福祉士の改善額は必然的に低くなることを考えれば、逆にそうした職場から経験ある介護福祉士が流入してくることを期待したほうが良い。募集に応募が少なく不足している職種は何かを考えたときに、どちらが優先されるかは一目瞭然だろう。

だからと言って他職種の給与はどうでもよいということではない。新加算は、経験ある介護福祉士に最大限手渡したうえで、同じ経験のある他職種は、事業収益を挙げる努力をしたうえで、その中で定期昇給額のアップや、成果報酬の改善に努め、そちらで最大限の手当てを考えるべきではないだろうか。

それと表の掲示板の、僕が立てたスレッドに「小規模デイでもやっていけるよ ( No.1 )」というレスポンスがつけられており、小規模デイで環境を整えているので職員は満足しているから、新加算を算定しなくても職員は辞めないし、これからも事業経営に問題はないとしている小規模通所介護の経営者がおられる。

それはそれでよいだろう。そういう経営をできていることは称賛されてよい思うし、今後も頑張ってほしい。しかし「処遇改善加算気鮗萋世靴討い泙垢、今回の特定処遇改善加算は取るつもりはありません。必要もないと思っています。」という意見に関して言えば、いかがかと思う。

今はとても良い環境で職員も不満はないのだろう。既存の処遇改善加算気鮗萋世靴討い襪里世ら、他の事業者との差も大きくはないと思う。しかしそれに甘えてよいのだろうか。職員の満足感に甘えて、さらなる給与改善をしなくてよいのだろうか。そうした環境の良い事業所であるからこそ、今回の新加算気盪残蠅靴董⊂しでも職員の給与アップを図るのが経営者の責任と義務と言えるのではないだろうか。

ただしこういう考え方の経営者がいる地域の、他法人はチャンスである。特に規模が大きく多角経営しているが、デイサービスの質がイマイチで単独経営の事業者に負けていると嘆いている介護経営者の方は、この新加算をきっかけに、事業所の血を入れ替えるチャンスである。

単独経営事業主が、良いサービスを実現して職員も満足して働いているから、特定処遇改善加算など算定せず、それに頼らないで事業継続していくと考えているのなら、そうした事業所で働いているリーダー的な職員をヘッドハンティングするチャンスなのだ。

今より月額5万円高い給料を支払うので、私の事業所の職員を教育して、今のあなたの事業所のようにしてくださいとヘッドハンティングできる可能性が出てくるからだ。その機会も逃してはならない。

前にも書いたが、この加算を経験ある介護福祉士に全額支給する事業者では、他の職員の不満が高まるだろうし、配分の幅を広げる事業者においては、改善額が低くなる経験ある介護福祉士の不満が高まるだろう。どちらが良いとか、どちらが有利だとか判断できる何ものもないのが現状で、答えのない判断が事業経営者に迫られてくるわけである。

そんな中で、今回僕の考え方を示したわけであるが、それがベストかどうかは判断できないし、それは地域事情によっても結果に違いが出るだろう。

しかしどういう方法をとるとしてもこの加算が、事業者や事業経営者の収益とは全く関係なく、あくまで職員の給与等の待遇改善の目的として全額が使われるということを丁寧に説明したうえで、最終決定に導いていくことが大事だろう。

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特定処遇改善加算の最新情報・小規模通所介護の単独経営は困難に。


本日午後2時から第169回社会保障審議会介護給付費分科会が行われる予定になっているが、その資料が既に発出されている。

議題1は、「介護人材の処遇改善について」とされており、新加算(特定処遇改善加算)についての論点が示されている。前回168回の資料と同じものも含まれているが、新たに加わった資料から、今回明らかになった点を抜粋してみたい。

論点1
○新加算の取得要件として、現行の処遇改善加算(機砲ら(掘砲泙任鮗萋世靴討い襪海箸鵬辰─
・処遇改善加算の職場環境等要件に関し、複数の取組を行っていること
・処遇改善加算に基づく取組について、ホームページへの掲載等を通じた見える化を行っていること とされているが、具体的にどのような取扱いとするか。

対応案
<処遇改善加算の職場環境等要件に関し、複数の取組を行っていること>
○現行の処遇改善加算においては、算定要件の一つとして、職場環境等要件を設けており、職場環境等の改善に関する取組について、「資質の向上」、「労働環境・処遇の改善」、「その他」に区分し、実施した項目について報告を求めることとしている。
○新加算の算定要件としては、「資質の向上」、「労働環境・処遇の改善」、「その他」それぞれの区分で、1つ以上の取組を行うこと等、実効性のある要件となるよう検討してはどうか。

対応案
処遇改善加算に基づく取組について、ホームページへの掲載等を通じた見える化を行っていること
○利用者が、適切に事業所等を比較・検討できるよう、都道府県等が情報提供する仕組みとして情報公表制度が設けられており、介護事業者は、年1回、直近の介護サービスの情報を都道府県に報告し、都道府県等は報告された内容についてインターネットに公表している。
○公表する情報には、「提供サービスの内容」や「従業者に関する情報」として、「介護職員処遇改善加算の取得状況」や「従業者の教育訓練のための制度、研修その他の従業者の資質向上に向けた取組の実施状況」も含まれている。
○新加算の要件として
・「提供サービスの内容」において、新加算の取得状況を報告すること
・「従業者に関する情報」において、賃金改善以外の処遇改善に関する具体的な取組内容の報告を求めることを検討してはどうか。
あわせて、
・情報公表制度においては、介護職員処遇改善加算に関する具体的な説明がないことから、処遇改善に取 組む事業所であることを明確化すること等を検討してはどうか。

論点1は以上のように示されている。今後の介護事業経営を考えたとき、職場環境等の改善については「人材確保」という観点からも必要不可欠であるのだから、その整備と報告が必要なことは、さして高いハードルとは言えないだろう。これをきっかけに今以上に人材となり得る人が働きたいと思える環境整備に努めればよいだけの話だ。「見える化」については、誰も見ていない情報公表制度のインターネットでの公表情報を活用することにしているのは滑稽であるが、これが役人の発想であり、アリバイ作りさえしておればよい人達の限界なんだろう。業務の手間としては送らねばならない情報が多少増えるからと言って、これもさしたるハードルではないだろう。両者全く問題なくクリアできると思う。

論点2
○経験・技能のある介護職員において「月額8万円」の改善又は「役職者を除く全産業平均水準(年収440万円)」 を設定・確保することとし、「小規模な事業所で開設したばかりである等、設定することが困難な場合は合理的な説明を求める」としているが、「設定することが困難な場合」の考え方を明確化してはどうか。

対応案
「小規模な事業所で開設したばかりである等、設定することが困難な場合は合理的な説明を求める」としてい るが、どのような場合がこの例外事由にあたるかについては、個々の実態を踏まえ個別に判断する必要があるが、
・小規模事業所等で加算額全体が少額である場合
・職員全体の賃金水準が低い事業所などで、直ちに一人の賃金を引き上げることが困難な場合
・8万円等の賃金改善を行うに当たり、これまで以上に事業所内の階層・役職やそのための能力・処遇を明確化することが必要になるため、規程の整備や研修・実務経験の蓄積などに一定期間を要する場合を基本とし判断することとする等、考え方の明確化を図ることを検討してはどうか。

あけてびっくりの新処遇改善加算」で指摘したように、小規模の通所介護では、全体の加算額が月額12.000円程度にしかならず、8万年の改善など夢のまた夢でしかないという問題があった。その場合に月額8万円給与改善される人、もしくは改善後に年収が440万円以上となる人が一人以上いなければならないという算定要件があるが、これに該当しなくてよい例外規定が論点2で示されたものだ。

しかし加算額が少額である場合は、給与改善額もその範囲に収めることができるという規定の意味は、「そういう事業者の介護福祉士は泣いて我慢しなさい」という意味でもある。これはそのうした職員がお気の毒であるというだけの問題にはとどまらない。つまり今後、小規模通所介護事業を単独運営している事業者からは、介護福祉士がいなくなることにつながる問題である。そのような事業所に長年勤めても、わずかな給与アップしかされないとしたら、それより大幅に給与改善が期待できる大きな法人への人材流出が始まり、小規模事業所の単独経営は不可能になっていくのではないかと危惧する。

それにしても「職員全体の賃金水準が低い事業所などで、直ちに一人の賃金を引き上げることが困難な場合 」まで例外規定として認めるとなると、賃金改善の努力を放棄してこの規定に甘んじる経営者が出てきそうで心配である。まあそういう事業者からは人材がいなくなって、経営ができなくなるので、そういう方向で国は、事業所淘汰を図っていると考えたほうが良いのかもしれない。

論点3
○「経験・技能のある介護職員」については、「勤続10年以上の介護福祉士を基本とし、介護福祉士の資格を有することを要件としつつ、勤続10年の考え方については、事業所の裁量で設定できることとする。」としているが、事業所の裁量についてどのように考えるか。

対応案
○経験・技能のある介護職員を設定するに当たり、「勤続10年以上の介護福祉士を基本」とするものの、「勤続10 年の考え方」については、
・勤続年数を計算するに当たり、同一法人のみの経験でなく、他法人や医療機関等での経験等も通算できること
・10年以上の勤続年数を有しない者であっても、業務や技能等を勘案し対象とできること等、事業所の裁量を認めることを検討してはどうか。

これには少し驚いた。業界10年の経験について、介護業界のみならず医療業界の経験も認めてよいことになっている。これは介護福祉士にとっては歓迎すべきことだろう。

さらに驚くのは、「経験10年」に満たない場合も、「業務や技能等を勘案し対象とできる」としている点である。これはあくまで事業所裁量で、「認めなければならない」という規定ではないことから、事業所間で判断に格差が生ずる部分であるが、場合によってはこの技能等を広く認めて、経験が浅くとも経験者と同様の給与改善をしてくれる事業者があるやもしれない。

逆に言えば、事業経営者はには、さらに難しい判断が迫られていくことになる。今後の事業経営に支障を来さないように、人材が集まり定着するために、この特定処遇改善加算の支給方法をどのように定めるかが、事業経営者の現在の最大の悩みであることは間違いのないところだ。

論点4
○事業所内における配分に当たり、法人単位での対応を可能とする等の配慮を求める意見があるが、どのように考えるか。

対応案
○現行の処遇改善加算においても、法人が複数の介護サービス事業所を有する場合等の特例として、一括した申請を認めることとしており、新加算においても同様に法人単位での対応を認めることを検討してはどうか。

月曜日に書いた、「特定処遇改善加算によってケアマネがいなくなる?」でも書いたが、法人内での格差・差別間を生まないためにも、支給については法人単位が認められて当然であり、その方向がはっきりと示されたことは、10月の支給に向けて準備を進める法人にとっては朗報だろう。まあこれは予想の範囲内といったところだろうか。

以上の点が新たに示され、この方向で介護給付費分科会は進行する。資料以上の結論が出ることはないだろうが、その結果は明日の関連サイトに朝一で掲載されるだろう。注目していただきたい。

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特定処遇改善加算によってケアマネがいなくなる?


10月に消費税が10%に引き上げられる際に、増税分を財源として政府パッケージとして新設される「特定処遇改善加算」については、3/19(火)に行われる、「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議」の中で解釈通知が示されることになる。(※張り付いた文字リンクは、このブログの新加算についてのカテゴリー記事一覧である。)

そこでの最大の注目点は、この加算の支給を法人単位としてよいのか、事業所単位にとどまるのかという問題である。

仮に後者であれば、特養と通所介護を併設している事業者では、両者の職員給与格差が問題となり、人材流出の元凶となりかねないという問題がある。よって支給については法人単位に落ち着くだろうというのが僕の予想である。なぜなら国も法人内の格差は問題であることを理解しており、そうさせないために対策を行うと考えるからである。

ところで現在まで示されている新加算の算定及び支給要件によって明らかになっていることは、この加算の支給方法は、事業者にある程度裁量権を持たせているため、特定処遇改善加算の算定事業者においては、介護支援専門員も加算による給与改善が行われる可能性があるということだ。しかしその平均改善額とは、経験ある介護福祉士の平均改善額の1/4以下であることが条件であり、仮に経験ある介護福祉士の平均月額改善額が4万円の場合、その事業者における介護支援専門員の月額平均改善額は1万円以下となる。

それほどの格差が存在するとしても、現在より給与が少しでも改善するのであれば良いのだが、事業経営者の考え方一つで、介護支援専門員の給与改善は行わないという判断もありなので、新加算のおこぼれが回ってこない介護支援専門員も多いことだろう。

そもそもこの加算は居宅介護支援事業所では算定できないのだから、居宅介護支援事業所の介護支援専門員にとって、この加算による給与改善はないことが確定している。

今年度の介護支援専門員実務研修受講試験を受けた人の数が、昨年度より一気に6割強も少なくなり37.5%にとどまる中で、合格率が過去最低の10.5%となり、新たに介護支援専門員として業務ができる人の数が全国で3.177人しかいないというのが今現在の状況である。そうであれば現役の介護支援専門員の数が減少する地域が各地で数多く出てくるだろう。そうした中で、新加算により経験ある介護福祉士や、その他の介護職員の給与が上がり、介護職員の平均年収が介護支援専門員より高くなることは確実で、その年収は介護支援専門員より上回る可能性が高い。

それによって近い将来、介護支援専門員のなり手がいなくなるのではなかと懸念する声が挙がっている。しかしそれは一部の介護関係者からの声にとどまっており、国がそのことに問題意識を持っているという現状にはない。

それは「国の隠された思惑とはケアマネの政策的削減(後編)」で指摘したように、介護支援専門員の活動領域を今後狭めていこうという意図を国が持っているからにほかならず、同時に介護職員から介護支援専門員に転身しようとする人の数が減ってもかまわないと考えているからに他ならない。なぜなら介護職員の平均年収が改善されて、介護支援専門員に転身しようとする介護職員が減ること自体は、国の思惑と合致することだからである。数が圧倒的に不足しているのは介護職員に他ならないからだ。

介護支援専門員になろうという動機づけを失う介護職員が多くなったとしても、給料の多寡だけで相談援助職を目指す人ばかりであるということはなく、例えば夜勤などのシフト勤務ではない職業を求める人や、相談援助を仕事にしたいと考える介護職員はいなくならないし、そもそも介護職員以外の相談援助の専門職は、実務経験を経たのちに介護支援専門員の資格を得ようとするだろう。

例えば措置制度の時代、特養は公務員準拠の給与とされ、特殊業務手当というものがあり、それは寮母(現在の介護職員)が16%であり、生活指導員(現在の相談員)はその半分の8%でしかなかった。学歴が同じであれば両者の給与はほぼ同じであったため、この手当てにより給与は寮母の方が高く、かつ夜勤を行う分さらにその給与差は広がっていた。

それでも寮母ではなく、相談援助職という専門職になりたいとして大学などで専門にその勉強をする生活指導員のなり手の確保に困ることはなかったわけである。だから介護支援専門員になろうとする介護職員が減るとしても、もともと相談援助職を目指そうとする人が、将来介護支援専門員になることによって、介護支援専門員の必要数は確保できるとみているわけである。

相談援助職と介護職は、本来違う専門性を持つ職種であり、介護職の経験を根拠に、介護支援専門員という相談援助職になる道を作ったことは、専門職の確保がままならなかった制度創設時の特定的措置であった。もともと介護職の5年実務によって介護支援専門員実務研修受講試験受験資格を与えるということは、当初案にはなく制度施行直前に滑り込みで決定されたものである。

よってある程度介護支援専門員の数が充足した今日、受験資格資格の既得権をはく奪することは難しくとも、介護職員の確保を優先する待遇改善施策の中で、徐々に介護支援専門員となる職種のターゲットを絞っていこうというのが国の意図としてあることを理解しなければならないだろう。

介護支援専門員など、その他の職種に加算の恩恵がないからと言って、加算そのものを否定しる考え方はいただけない。この加算によって、経験のある介護福祉士の給与は確実に改善されるのだから、加算以外の収益でその他の職種の給与も改善される可能性が高くなっているとポジティブに考え、さらに新加算の支給範囲や要件を拡充する橋頭保と考えればよいだけの話だ。

それにしてもこの加算を介護支援専門員にも支給すべきだという声を挙げているのが、介護支援専門員の職能団体である、「日本介護支援専門員協会」ではなく、介護業界の労働組合「UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)」であったというのが何とも不思議に思えてならない。

日本介護支援専門員協会という団体が、現場のケアマネジャーの声を代表せず、その利益代表ではないということが、このことでも証明されているように思う。

そのような団体に毎月せっせと会費という名の上納金を収めている介護支援専門員の方々は、本当にお気の毒である。その無駄と滑稽さに一日も早く気が付いてほしいものだ。

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介護事業者で「パートテロ」が起きないかという懸念


大手回転ずしのチェーン店で、アルバイト従業員が調理中の魚をゴミ箱に捨てる様子や、同じく大手コンビニエンスチェーンに勤めるアルバイト従業員が、商品のおでんを口にして吐き出したりする不適切動画をSNSに投稿する、「バイトテロ」が社会問題化しつつある。

雇用主側は、不適切画像を撮影したり投稿したりしたアルバイト従業員を、「解雇した」と発表しているが、不適切画像を撮影・投稿している当人は、はなから仕事を辞めようと思いながら不適切な状況を作り出しているので、「クビになる」ことは懲戒や罰則の意味にはならない。だから「クビになる」ことを恐れて、不適切行為がなくなることはない。

そもそも大手チェーン店にとっては、バイト店員の存在は不可欠であり、こうした行為でバイト店員を信用できなくなって、その雇用者数を減らすことは、人手不足を助長させるだけで、それはチェーン展開の根幹を揺るがす結果にしかならない。不適切行為も困るが、解雇するパート職員が増えて人がいなくなるのも困るというのジレンマを抱えているのが現状での本音ではないだろうか。どちらにしても解雇が、不適切行為の抑止力にはならないのだから困ったものである。

この問題に「伝家の宝刀」は存在せず、どんなに罰則を強化しても不適切行為を根絶することは不可能だが、せめてこうした行為を少しでも減らすためには、雇用主側がきちんと損害賠償請求を行って、不適切行為を行った従業員に多額な賠償責任を負わせるしかないのではないだろうか。

こうしたバイトテロの状況を考えると、介護業界がそのことと全く無縁であるとは思えなくなってくる。今後、介護事業者を舞台にして似たような不適切行為を行う従業員がいて、その行為を動画撮影してSNSに投稿して大問題になることが懸念されるのではないだろうか。

現在でも介護事業者における不適切行為が、ユーチューブ等にアップされて配信されるケースはある。しかしそれらはすべて介護職員等の不適切行為を疑った家族等が、動画を隠し撮りしてインターネット上に流しているものだ。

介護事業者で働く職員が、自らの不適切行為を自分で撮影してネット配信している画像にお目にかかったことはない。

しかしこれだけバイトテロがメディアで取り上げられると、それを真似しようとするお馬鹿さんが出てこないとも限らない。特に介護の仕事に見切りをつけて、ほかの職業に転職しようとする人間が、「後ろ足で砂をかける」かのように、所属事業者の評判を落とす目的で、利用者への虐待・不適切行為を自ら撮影し、ネット配信しないとも限らない。

その恐れを増す要素の一つが、「特定処遇改善加算」ということにならないだろうか?

この加算によって給料がアップするのは、すべての介護職員とは限らない。一番給料が高くなるのは勤続10年以上の介護福祉士であるが、だからと言って非常勤の勤続10年以上の介護福祉士も、常勤者と同じく給与アップすることにはならない。

勤続10年の考え方も事業者の裁量によるのだから、非常勤職員の勤続年数も勤務時間によって差をつけられるかもしれないし、そもそも勤続10年以上の介護福祉士の給与改善額は、全体の平均でみるので、個別には差がついて問題がないとされている。そうであれば当然勤務時間の短いパート職員は、時給が上がったとしても、その幅は全体から比べて小さなものになるだろう。場合によっては、パートの時給は据え置いて、常勤者の給与のみを上げるという事業者もあるかもしれない。

つまり特定処遇改善加算は、職場全体の平均給与は確実に引き上げるが、それによって職場内での給与格差も確実に広げるものであるという理解が必要である。

このことを職員に対して丁寧に説明・周知し、パート職員には、この差が決してパート職を低くみているとか、その地位を貶める意識の結果ではないことを理解してもらわねばならないのではないだろうか。そうしないとパート職員に余計なストレスを与え、「パートテロ」のような不適切動画のネット配信につながりかねないという意識も必要ではないか。

どちらにしても、今後の介護事業においても、不謹慎な職員による職場への背信行為は、「絶対にない」とは言えないのである。だからこそ日ごろの職員教育に努めることは勿論であるが、いざというときのために、不適切行為に対しては毅然と対応し、必要な賠償を求めていくという姿勢の表明も求められるのではないだろうか。

そんなことをも考えねばならないほど今般の状況は複雑怪奇で、本当に難しい時代になってきたと思う。介護事業経営者にとって頭の痛いことだらけであるが、そもそも経営とは頭の痛いものであり、楽なものではないのである。

社会福祉法人等のトップは、長い間、経営をせずとも、運営するだけでトップとして君臨できていたという温い時代がつい最近まであった。自分が経営者として優れた資質を持っていると錯覚の時代を過ごして経営者には、このことの理解ができていない人が多いが、そういうぬるま湯経営の時代は過去のものでしかないのである。いつまでも旧措置の頃を懐かしくような経営意識であってはならないのである。

しかしいつの時代においても、経営者として求められる姿勢というのは存在する。

職員を財産と考えて真摯に対応する姿勢と、不適切な行為や就業態度の乱れに対しては毅然と対応するという、経営者の揺るぎのない姿勢だけが、問題の本質を解決するのだということを忘れないでほしい。

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新加算(特定処遇改善加算)の取得要件の整理と残された疑問


新介護職員処遇改善加算は、正式名称を介護職員等特定処遇改善加算とされたので、以後このブログでは「特定処遇改善加算」で統一したいと思う。

特定処遇改善加算の取得要件は、
仝醜圓硫短鮫機銑靴鮖残蠅靴討い觧業者であること、
既存の処遇改善加算の職場環境等要件に関し、複数の取り組みを行っていること
処遇改善の内容等について、インターネットの利用その他の適切な方法により公表していること。

以上の3つの要件にすべて該当したうえで、賃金改善に要する費用の見込額が介護職員等特定処遇改善加算の算定見込額を上回る賃金改善に関する計画を策定し、当該計画に基づき適切な措置を講じている必要がある。また平成二十年十月から介護職員等特定処遇改善計画書の届出の日の属する月の前月までに実施した職員の処遇改善の内容(賃金改善に関るものを除く。)及び当該職員の処遇改善に要した費用を全ての職員に周知している必要もある。

特定処遇改善加算気鉢兇龍菠は、サービス提供体制強化加算の高い方の区分、特定事業所加算の従業員要件のある区分、日常生活継続支援加算、入居継続支援加算を算定している事業者が単位数の高い(機砲鮖残蠅任るというものだ。

そして勤続10年以上の介護福祉士のうち一人は、賃金改善に要する費用の見込額が月額八万円以上又は賃金改善後の賃金の見込額が年額四百四十万円以上であることとされている。ただしこれには例外規定があり、「介護職員等特定処遇改善加算の算定見込額が少額であることその他の理由により、当該賃金改善が困難である場合はこの限りでないこと。」とされているため、「あけてびっくりの新処遇改善加算」で指摘している小規模通所介護事業所の例のように、月額加算額が2万円強にしかならない事業者においては、この例外規定が適用されることになろう。

ただし「他の理由により」という部分が問題で、その他の理由がなし崩し的に広げられれば、この要件が意味にないものになる恐れがあり、今後発出される解釈通知又はQ&Aなどで、このことがどう定められるか注目したいところである。

加算した費用の配分に当たっては、事業者の裁量が広く認められている。
〃亳魁Φ伺修里△覯雜鄂Π
△修梁召硫雜鄂Π
その他の職種
このように区分したうえで、,里澆忙抖襦↓,鉢△忙抖襦↓´↓すべてに支給の、いずれを選択しても良いとされた。
註※その他の職員には年収440万円以上の職員を含むことはできない。この規定により、例えば看護職員で年収440万円以上の場合、今回の加算で給与改善を行うことはできないということになる。

´↓すべてに配分する際には、,諒振儔善額は△2倍以上としなければならない。そしては△2分の1を上回らないこととされているが、介護職員以外の職員の平均賃金額が介護職員(経験・技能のある介護職員を除く。)の平均賃金額を上回らない場合はこの限りでないことという特例も示されている。そうであれば、「この限りでない」規定に該当すれば、△鮟いて,鉢だけの賃金アップという組み合わせも可能なのだろうか?ここは今回の答申では解釈が不能な部分で、これもQ&A待ちとなる。

またこの区分において勤務時間の短い非常勤職員などをどう考えるのかも大きな問題であるが、これもQ&Aを待たねばならないことになろう。

なお介護職員以外の職員の賃金改善後の賃金の見込額が年額四百四十万円を上回らないこと、とされている点にも注意が必要だ。

ただし、これはあくまで各区分の平均賃金額であり、一人ひとりの処遇改善額は柔軟に設定可能とされているので、各区分内でも地位や能力に応じた格差が生ずる可能性があるものだ。

また経験のある介護福祉士については、「勤続10年以上の介護福祉士」とされているが、勤続10年の考え方は事業者の裁量を認めるとしている。つまり算定事業所のみでの勤続10年を,陵弖錣箸垢襪里、算定事業のみならず、業界(他の事業所)での勤続年数を合算しての勤続10年も,箸垢襪里は、事業者ごとの判断で定めてよいという意味であり、業界の勤続年数が10年以上でも、算定事業所の勤続年数が10年に満たないとして△剖菠されるケースもあり得るということになる。

加算算定事業者においては、賃金改善に関する計画、当該計画に係る実施期間及び実施方法その他の当該事業所の職員の処遇改善の計画等を記載した介護職員等特定処遇改善計画書を作成し、全ての職員に周知し、都道府県知事に届け出ている必要がある。

そして介護職員等特定処遇改善加算の算定額に相当する賃金改善を実施しなければならない。ただし、経営の悪化等により 事業の継続が困難な場合、当該事業の継続を図るため に当該事業所の職員の賃金水準(本加算による賃金改善分を除く。)を見直すことはやむを得ないが、その内容について都道府県知事に届け出ること、とされている。

取得要件は概ね整理できたが、問題は加算費用の配分に関して、事業種類単位ではなく法人単位での配分が認められるのかどうかという問題がある。これは実は大きな問題である。

特定処遇改善加算の取得は事業種類単位であるが、例えば特養の場合、通所介護を併設している施設がほとんどだから、法人単位の配分が認められなければ、特養と通所介護の職員給与格差が大幅に広がってしまうことになる。そうならないためにも法人単位での配分が求められるところだが、これは解釈通知もしくはQ&Aで考え方が示されるのを待つしかない。

そうであれば今から配分方法を考え、事業戦略の中にその考え方を組み入れたいと考えている経営者も、そのことがはっきりするまで配分方法を具体的に決められないということになる。その考え方が明らかになる時期が、年度末ギリギリであっては、翌年度の計画も不透明な状況のまま立案しなければならなくなるので、せめて配分を法人単位で認めるか否かの考え方は、先に示してもらいたいところである。

どちらにしても事業経営者、事務担当職員等は、この問題でしばらく頭を悩まし続けなければならないだろう。

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あけてびっくりの新処遇改善加算


今朝は10時30分からホテルクラウンパレス神戸で行われている、「兵庫県老人福祉事業協会・施設長研修」の最終プログラム講演として、「介護保険制度の今後の状況〜制度改正と報酬改定を先読みする」というテーマでお話しさせていただいた。その講演は、先ほど12時に終了したばかりである。

当然このテーマだから、昨夕行われた「第168回社会保障審議会介護給付費分科会 」の審議内容とその資料に触れないわけにはいかないと、昨日から資料の読み込みを行い、今朝は4時起きして講演資料の差し替え作業を行っていた。

新処遇改善加算は、正式には特定処遇改善加算とされている。2段階の加算については、高い方の加算の算定要件が昨日の発出資料で新たに示されており、それはサービス提供体制強化加算(最も⾼い区分)、特定事業所加算(従事者要件のある区分)、⽇常⽣活継続⽀援加算、⼊居継続⽀援加算を算定していることが要件となっている。

ということは特養でショート併設施設の場合、特養のみ高い加算を算定し、ショートは低い加算となるなど、同一施設内で事業区分ごとに算定区分が分かれるケースも生ずるということだ。

どちらにしても加算算定は、事業種類ごとであり法人単位とはなっていないが、支給については法人で認めるのか、事業種類単位とするのかについては今回の資料では読み取れない。この部分は3月中下旬頃に関連する告示の公布、通知の発出が行われる予定になっているので、そこまで待たねば解釈不能だろう。

問題は加算率だ。
特定処遇改善加算3
この資料を見て驚いた人は多いだろう。経験のある介護福祉士に月額8万円の給与改善は、小規模事業者にとっては夢のまた夢といった加算率である。

加算額シミュレーションを行ってみると、例えば100人定員特養で、居住費と食費を除く年間収入が4億2千万円と仮定した場合、月額加算額は945.000円である。この数字を8万円で割ると、8万円を手渡すことができる人数が算出できるが、その数字は、11.8125となる。つまりこの特養では最低11人には8万円の給与アップが可能であるということになる。おそらく地域密着型特養の場合は、その人数が3.4人くらいになるものと思える。

一方小規模施設として、グループホーム2ユニットで年収6千万円の場合を想定して計算すると、月額加算は155.000円にしかならない。つまりこのグループホームでは、8万円給与アップできるのは一人しかいないというわけである。ホーム長のポケットマネーを少し足せばなんとか2人に8万円アップが可能となるという数値だ。

通所介護は加算率が低いため、小規模事業者は加算そのものができない状況が想定される。

例えば地域密着型通所介護は、年収がせいぜい2千400万円程度だから、月額加算は24.000円しか算定できない。8万円を誰にも渡せないわけである。だからと言って24.000円を配分できるかといえば、そうならない。なぜならこの加算には、「月8万円の賃上げとなる人・あるいは賃上げ後に年収が440万円を超える人を一人以上確保しなければ加算を認めない」という要件があるからだ。

月額24.000円しか算定できないのに、月8万円の賃上げとなる人を新たに確保することなんてできない。そうであれば24.000円の範囲で賃上げした人が、たまたまそれによって年収が440万円を超える場合のみが加算できるということだろうか。この部分は、今後の解釈通知やQ&Aで確認しなければならない。

どちらにしてもこの加算の算定構造を見ると、あきらかに大規模事業者が有利になっている。給与を上げて人集めするためには、事業規模が大きくなければ難しくなり、今後、小規模事業者からの人材流出は間違いなく進むと思える。その先には人材不足・人員不足が今より一層深刻化する小規模事業者の経営撤退という絵図も見えてくる。小規模つぶし、小規模いじめの特定処遇加算といってよいだろう。

以前にも指摘したが、この加算の配分については事業者の裁量の範囲だから、事業経営者は今から人材を増やすための最も効果的な配分方法とは何かということに頭を悩ませるのだろう。配分方法に不満を持つ職員が増えると、逆にこの加算退職動機となるというおかしな現象も起きるのだから、これは深刻な問題である。

しかしどのような配分方法にしたとしても職員の不満はゼロにならないのではないかと思う。加算対象職員に全額支給する事業者では、他の職員の不満が噴出するだろうし、配分の幅を広げる事業者においては、支給対象職員の不満が高まるだろう。どちらが良いとか、どちらが有利だとか判断できる何ものもないのが現状である。

つまり正解のない判断が事業経営者に迫られてくるわけである。

だからこそ、この加算の配分を巡って職場が空中分解しないように、事業経営者には職員に対して丁寧な説明が求められる。すべての職員に新加算について、丁寧にわかりやすく説明して、職場全体で議論し、その配分をどうすべきかを事業者の総意で決定するように導いていく手腕が必要だ。

この加算の配分が最終的にどのような形になろうとも、それは事業者や事業経営者の収益とは全く関係なく、あくまで職員の給与等の待遇改善の目的として全額が使われるということを理解してもらう必要があるだろう。

さて話は変わるが、僕はこれから大阪市内の寺田町に向かう予定である。

今日はこの後、16:00〜大阪市老連主催・デイサービス連絡協議会 サービスマナー研修が控えており、そこでは「介護事業所・施設におけるサービスマナー〜ホスピタリティを極める!感動をもたらすサービスへの挑戦〜 」というテーマで講演を行なう予定がある。

先ほどまで行っていた講演とは、まったく異なるテーマの話をすることにあるが、あと2月もすれば新入職員が入職してくる職場で、教育係をつとめるリーダーたちに、しっかりマナー教育をしてもらうべく、頭を切り替えて臨もうと思う。

こんなふうに1日2本の講演を行なうことは珍しいことではないが、講演地や主催者が全く違う場所で1日2本の講演をすることは、そう多くはない。

しかし振り返ってみると、過去には大阪で午前中に講演を行なった足で、伊丹空港〜新千歳空港〜札幌市手稲区に移動して、そこで夕方から講演を行なったこともあるので、今日の移動距離での2講演は、それと比べると何ともない移動距離である。

今日も一日頑張って、夜は大阪市老連の方々とオフ会で盛り上がる予定だ。連日の飲み会であるが、これも僕の活力の源である。

そして明日一旦北海道に帰るが、来週再び神戸にお邪魔する予定になっている。22日(金)17:00〜神戸チキンジョージでいよいよ「生きるために必要な10のこと」が開催される。

お近くの方は、そちらにもぜひご来場いただきたい。来週も神戸で愛ましょう。

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新処遇改善加算による8万円改善は幻想になりましたね


1月末に予定されていた、消費税アップ分の介護報酬改定の諮問・答申がなぜか突然先送りされ、いつ答申されるのかという時期さえ示されていない。
(※6日16:00更新情報:平成31年2月13日(水)17:00〜19:00に第168回社会保障審議会介護給付費分科会が開催され、議題1として2019年度介護報酬改定に係る諮問についてが行われることになった。)

統計不正の疑いで批判の矢面に立っている厚労省にとっては、介護報酬の改定など構っている場合ではないと言ったところなのだろうか。改定時期が4月ではなく、10月だから急ぐ必要もないということかもしれないが、介護事業関係者にとっては、答申時期がいつになって、各サービス種別ごとの加算率がどうなるのかというやきもきが消えない状態で、焦燥感が漂っていることだろう。

僕は来週、神戸で行われる兵庫県老施協の施設長研修での講演が予定がある。そこでは当然時期的にも新処遇改善加算の情報は欠かせないと思い、ずっと答申を待っていた。

その答申内容を確認してから確定情報に基づいて講演スライドを仕上げようと考えていたが、近日中にそれが行われる気配もなく、配布資料作りのためのデータ送信期限となってしまい、答申を待たずに新処遇改善加算についての内容も含めた講演スライドを作成して昨日送信した。

ただ新処遇改善加算については、サービス種別ごとの加算率が明らかになっていないほかは、あらかたその内容については理解できた。だから講演のなかで、新処遇改善加算について解説すること自体にはさほど問題は感じていない。

現時点ではっきりと言えることは、この加算によって勤続10年以上の介護福祉士に一律8万円賃金アップされるとうことにはならないということが明らかになったということである。

月給ベースで8万円賃金がアップされる人は皆無ではないだろう。この加算の算定要件には、賃上げ後に「月8万円の賃上げとなる人・あるいは賃上げ後に年収が440万円を超える人を一人以上確保しなければならない」というルールがあるのだから、どちらかの要件に該当する職員が、最低一人はいるはずで、後者でなく前者該当の事業者も少なくないはずだからである。

しかし職場ベースでみれば、リーダーの役割を担う経験ある職員のうち、一人だけが8万円アップして、ほかの多くの経験ある介護福祉士は、その額に届かない事業者が多くなるのが確実な状況である。

できるだけ多くの職員に広く加算の恩恵を反映しようとすれば、経験のある介護福祉士の平均賃上げ額をできるだけ削ったうえで、削った分を他の職員の加算原資にするしかない。経験ある介護福祉士2:その他の介護職員1:その他の職種0.5の配分割合のルールの中で、最も効率的な配分額を視野に入れて、経験ある介護福祉士の支給ベースを抑える事業者も多くなるだろう。

新処遇改善加算の算定については、算定事業所に経験ある介護福祉士が何人いるかということは一切関係なく、サービス種別ごとに決められた2段階の加算率により計算された額が算定できる。高い方の加算率は、質の高い人材の確保・育成に努めていたり、職場環境の改善に力を入れていたりする事業所が高い区分の加算を算定できるようになっており、サービス提供体制強化加算等の取得状況を加味して設定される。

例えば50床の特養の場合、勤続10年以上の介護福祉士が一人しかいない施設でも、10人以上いる施設でも、算定できる加算額は同じということになる。そしてその配分は各事業者の裁量と判断によって、一定のルールの中で自由に決めてよいのである。ただし加算した額すべてを、職員の給与改善に回さねばならないのは、現行の処遇改善加算と同様で、加算額を上回る改善額の報告義務も課せられるだろう。

例示した特養のケースでは、前者は主任クラスの経験ある職員一人に月額ベースで8万円の給与改善を行い、それ以外の算定費用を、他の介護福祉士や他の職種に広く薄く回すという選択肢がある。この時多職種にもその費用を渡して薄く広くするのか、あくまで介護職員のみに回して、介護職員の給与をできるだけ高くするのかは事業者の裁量権の範囲だ。

問題は後者の場合である。先に示したように、この加算の算定要件は、賃上げ後に「月8万円の賃上げとなる人・あるいは賃上げ後に年収が440万円を超える人を一人以上確保しなければならない」というルールがある。逆に言えば、この条件が一人でもクリアされておればよいのであるから、新加算算定事業所においては、経験のある介護福祉士のうち、主任などの役職についている1名をピックアップして、その人だけ月額8万円アップさせ、そのほかの経験ある介護福祉士の平均改善額はそれよりかなり低いベースにとどめて、他の介護福祉士や他職種に広く配分するということも可能なのである。

よって後者の事業所では、10人以上いる経験ある介護福祉士のうち、8万円上がるのは一人だけで、その他の介護福祉士は、算定費用の中の配分方法を決める中で、事業所の裁量で支給される額が上下されるため、事業所間でかなりの格差が生ずるだろう。

440万円要件で算定する事業者なら、リーダー格の介護福祉士が改善後に年収440万円を超えるために必要な月額ベースの改善額が、8万円よりかなり低い額で良いという可能性もあるので、月額ベースで8万円の給与改善者がゼロというケースも想定される。そうした事業者ではリーダー以上の給与アップを行わない可能性が高く、その昇給額はかなり低くなり、その分を薄く広く他の職種の職員まで回すことになるかもしれない。

この加算を期待している皆さんにとって肝に銘じておきたいことは、「自動的に自分に入ってくるお金は一銭もない」ということである。極端な話、気に入らない職員であれば、どんなに経験年数が長い有資格者であっても、事業者の裁量で昇給ゼロにすることもできるのだ。

1月28日には、衆参両院の本会議で安倍晋三首相が施政方針演説を行ったが、その中で新処遇改善加算にふれ、「リーダー級職員の方々に月額最大8万円の処遇改善を行う」と述べ、経験ある介護福祉士全員が8万円給与改善されることではないという含みを持たせた。この発言は「8万円相当の給与増を行えるような処遇改善を実現することで、他産業との賃金格差をなくす」としていた昨年の通常国会時からトーンダウンした発言であることは間違いなく、どうやらこの加算は上げられたアドバルーンほど大きなものではなくなったようである。

要するに他産業に比較して給与が低いというイメージを改善するために、せめてリーダー格の役職のある介護職員の給与額を、年収440万円程度にしようというのが、この加算の最大目的に転嫁されたようである。

国からすれば、それでも給料を上げるには上げるんだし、そのための財源をきちんと手渡しているのだから文句を言われる筋合いはないと言ったところだろう。

しかし・・・しかし…そもそも論でいうと、この能力に関係しない経験年数を前面に押し出しての新加算は、処遇改善のためには、キャリアパスが大事だという今まで構築した論理が、いい加減な取り繕いに過ぎなかったという結論に達する恐れさえあり、何か大きな禍根を残したような気がしてならないのは僕だけだろうか。

どちらにしても事業経営者は、この加算の配分を巡って職員から恨みを買わないように(笑)、慎重に冷静に最も受け入れられる配分方法を考えていかねばならない。ここは心身をすり減らして、悩まねばならないところである。

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新処遇改善加算は経験ある介護福祉士の実配置数が何人でも加算単位は同じ


1月18日(金)に行われた全国厚生労働関係部局長会議の資料が先週公開され、新処遇改善加算の概要が示された。これによって僕が算定方法について誤解していた点も明らかになった。そのことも含めて改めて算定ルールをまとめてみたい。

本年10月の改定は、_雜鄂雄爐僚莇改善、 ⊂暖饑任琉上げ(10%)への対応 のための基本単位数等の引き上げ 及び区分支給限度基準額の引上げ 、J簑給付に係る基準費用額の引上げという3点に分けることができる。

全体の改定率は2.13% で、その内訳は,僚莇改善に 1.67%、△ 消費税対応 に0.39% 、の補足給付の見直しに 0.06% となっている。
(※四捨五入の関係で、合計しても2.13%とはならない。)

改定率が最も高い新処遇改善加算のイメージ図は以下の通り示されている。
新介護職員処遇改善加算2
現行の処遇改善加算機銑靴棒僂濔紊欧蕕譴觀舛如⊃群短鮫気鉢兇算定されるイメージである。

このように新処遇改善加算は2段階で、この区分は経験ある介護福祉士の数の違いではなく、あくまで サービス提供体制強化加算等の取得状況を加味して設定されるものである。つまり質の高い人材の確保・育成に努めていたり、職場環境の改善に力を入れていたりする事業所が高い区分の加算を算定できるようになっている。繰り返しになるがそれは実際に配置されている経験10年以上の介護福祉士の数とはリンクしないものである。

勤続10年以上の介護福祉士の数」で決まるサービスごとの加算率は、サービス種別ごとに設定されるが、それぞれの具体的なパーセンテージは、「そのサービスに勤続10年以上の介護福祉士がどれくらいいるか」で決められる。つまりその事業所に「勤続10年以上の介護福祉士がどれくらいいるか」ということはまったく関係なく、サービス種別ごとの経験10年以上の介護福祉士の平均数で設定される。

そうなると例えば50人定員の特養で、開設したばかりの施設のため、「勤続10年以上の介護福祉士」が1名しかいない施設も、事業年数が長く「勤続10年以上の介護福祉士」が10名いる施設も、同じ額の算定ということになる。(※この部分が僕が誤解していた点。当初僕は、経験ある介護福祉士の配置数が多い事業者ほど算定割合が高くなると誤解していたので、ここで訂正してお詫びしておきたい

すると前者の方が、「勤続10年以上の介護福祉士」に配分する額も多くなるし、その他の介護職員や、その他の職種に配分する額も多くなるということになる。しかし今回の資料には書かれていないが、この加算については「経験・技能のある介護職員において、月額8万円の処遇改善となる者又は処遇改善後の賃金が役職者を除く全産業平均賃金(年収 440 万円)以上となる者を設定・確保すること。」という算定要件が加えられることになっており、それに該当する給与改善者が一人以上いなければならないということであり、それは即ちその対象者である、「勤続10年以上の介護福祉士」が一人以上いなければならないということなのだから、「勤続10年以上の介護福祉士」が一人も配置されていない場合は、この加算は算定できないことになる。

またこの加算は、基本サービス費に加算割合を掛けて算出するのだから、掛けることができる基本サービス費の総額が大きい方が、より多い額を算定できることになる。それは即ち事業規模が大きな方がより多くの額を算定できることになり、小規模事業所はこの点でも不利になる。

配分方法等については下記の図で具体的に示されている。
新介護職員処遇改善加算
ここでは、「勤続10年の考え方は、事業所の裁量で設定 」と書かれており、この経験者が業界10年でもよいとされているが、それはあくまで事業所の裁量で決めるものなので、一番配分額が多い「経験10年以上の介護福祉士」の経験を、当該事業所における経験年数だけでみるという事業所判断もあり得るということになる。必ず「業界10年」の経験が認められることにはならないわけだ。

また配分方法は右下に示された3つの方法があり、どれを選択しても良いわけであるが、その他の職種まで配分する場合の原則は、経験ある介護福祉士2:その他の介護職員1:その他の職種0.5を上回らないという配分ルールを守らねばならない。

またその他の職種については、(役職者を除く全産業平均水準(年収440万円)以上の者は対象外)とされている。そうであれば介護施設の場合、看護職員の平均年収は、役職者を除いても440万円以上である場合が多いため、多くの施設で看護職員は、この配分のおこぼれにはありつけないということになる。

サービスごとの加算率については、1月下旬以降に社会保障審議会介護給付費分科会において介護報酬改定案の諮問が行われる際に明らかにされる。

最初に示した画像のイメージ図を見ると、「月額8万円の給与改善」とは、現行の加算気3.7万円に、新加算気鮴僂濔紊欧峠蕕瓩特する額ではないかと読める節もある。そうなれば実際の改善額は4.3万円がマックスということに過ぎないのかという疑問も生ずる。予算総額を見るとそうではないと思うが、ここも今月加算割合が示されて初めて確定するということになる。

そして3月中下旬に、関連する告示の公布、通知の発出が予定されている。昨年末には、厚生労働省が、この加算を法人単位での対応も一部で可能とするルールを検討していくとされていたので、このあたりの結論は3月の通知文を見るまで何とも言えないのではないだろうか。

ただ心配なのは、今現在この加算による給与改善を誤解している介護福祉士がいるということだ。

経験10年以上の介護福祉士はすべて今より8万円給料が上がるというのは間違いである。給与の配分はあくまで事業者の裁量で、他の介護職員や他職種にまで配分するなら、その分経験ある介護福祉士への配分金額は減ることになる。そもそも常勤勤務していない介護福祉士は、どんなに経験年数が長かろうと、満額の給与アップなどあり得ないという理解も必要である。

今から誤解を解いておかないと、いざ支給となった際に、がっかり感が職場の不満につながり、転職者続出という恐れがあるのではないだろうか。そうであるがゆえに事業経営者の方は、この加算の趣旨等を今から職員に説明して理解を得ることが求められるのである。

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新処遇改善加算について事業者が持つべきもう一つの視点


現行の介護職員処遇改善加算は、介護職員すべてが算定対象であり、かつ支給対象となっているので、各サービス種別ごとに加算率が決められて、それに基づいて算定されている。

加算1の場合、最高は13.1%の訪問介護であり、最低は2.6%の介護療養型医療施設である。

算定・支給対象となる介護職員の配置規準数は、各サービスごとに規定されており、事業規模(利用者数に応じる規模という意味になる)が大きくなれば算定・支給対象職員の数は増えるし、加算の基礎となる基本サービス費は事業種別により異なるのだから、全サービスで均等に介護職員に手渡す給与額を増やすという意味では、事業種別ごとに加算率を異なる率で設定するのは合理性があるわけである。

よって、基本サービス費の単価が施設サービス費のそれより低く、利用者に対するサービス提供者がすべて資格を持つ介護職員である訪問介護の算定割合が高くて、それよりも基本サービス費が高く、かつ利用者に対するサービスが介護職員のほか看護職員等も行うことができ、両者の合算数で配置規準が決められている介護療養型医療施設の算定割合が低いのも整合性がある。

しかし消費増税が行われる10月から支給される予定になっている「新処遇改善加算」については、事業種別に応じて一定数の加算対象職員が存在することにはならないし、事業規模が大きくなればその数が比例して増えるということでもない。

なぜならこの加算の算定対象職員とは、「業界10年以上の経験のある介護福祉士」とされているため、100人定員の特養であっても、一方が事業年数30年で、一方が事業年数2年であれば、そこで加算算定対象者の数も違って当然であるといえるわけである。

この場合、「事業年数30年」の特養の方が、「事業年数2年」の特養よりも、算定対象となる経験10年の介護福祉士が多くなる傾向にはあるだろう。しかしそれも絶対的なものとは言えない。ベテランを数多く引き抜いている新設施設もあるし、古い施設より新しいユニット型の施設で働きたいとして転職するベテラン有資格者もいるのだから、個別事情で算定対象人数は大きく異なるわけである。

そのため新加算の算定については、現行の介護職員処遇改善加算と同様に、「サービス種別ごとに加算率を設定」するのではなく、「サービス種類ごとの加算率は、それぞれのサービス種類ごとの勤続10 年以上の介護福祉士の数に応じて設定。」とされている。

ここで問題となるのは、どこまで細かく「勤続10 年以上の介護福祉士の数に応じた割合設定」ができるのかという問題である。例えば対象となる介護福祉士が1人の場合は何パーセント・二人なら何パーセント〜と細かく設定されるのだろうか。しかしそうであったとしたら請求コードは大幅に増えてしまうことになるし、非常に複雑な算定構造とならざるを得ない。

そうであれば加算対象者が「何人以上何人未満は何パーセント」という、ざっくりとした割合設定になるのだろうか?しかしこれでは事業者ごとの不公平感が助長されるだけになるような気がしてならない。

まあこれは今月にも示されるといわれている算定方式が明らかになってから考えればよい問題でもある。

業界10年の経験をどのように把握して、算定の際にそれについてどれほど証明責任があるのかも、今後考えなければならない問題だ。

新加算は、現行の介護職員処遇改善加算(機砲ら(掘砲泙任鮗萋世靴討い觧業所を対象とし、職場環境等要件に関し、複数の取組を行っていることに対して加算されるのだが、現行の加算と新加算の算定対象者は異なるので、それは現行加算に上乗せされる形で、新加算と従前加算が併算定できると考えるのが自然であるが、そうであれば月額8万円の改善額とは、従前加算の分も含めたものでしかないのかという疑問も生ずる。

どちらにしても今後の情報待ちである。

ただし、事業経営者の方々は今から考えなければならないことがある。それは今所属している事業所より、高い給与を支払ってくれる事業者を求めて、人材の流動化が加速される可能性が高くなるが、良い人材は給与の多寡だけで職場を選ばないということである。

そのため人材を増やすための最も効果的な配分方法を考えることは、人材となり得る有能な介護職員が働きたいと思える職場環境とセットで考える必要があるのだ。

果たしてそうした有能な職員とは、給料は高いけれど、利用者の福祉の向上がないがしろにされ、利用者の不満や悲しみの上に成り立っいる事業者の中で、働き続けたいと思うのだろうか。

利用者の尊厳が奪われ、日常汚い言葉遣いで利用者を知らず知らずのうちに傷つける職員が幅を利かせている職場の中で、有能な職員は、給料が高いという理由だけで働き続けたいと思うのだろうか。

介護福祉士養成校に入学する多くの学生の入学動機が、「人の役に立ちたい」という事実がある中で、利用者不在の待遇改善のみの視点で人は張り付くのだろうか。

勿論、今以上の給与改善・待遇改善は必要不可欠ではある。しかしそれと同時に、それに見合ったサービスの品質の向上の視点がないがしろにされる場所には、人材とは言えない人員だけが張り付く結果に終わってしまうだろう。

介護事業経営者の方々には是非、そうした視点も持っていただきたい。

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新処遇改善加算で人材流出しないために求められる対策とは何か


新処遇改善加算の職場での配分をシミュレーションしてみたより続く)
この加算は加算対象職員である「業界経験年10年の介護福祉士」が何人いるかによって加算算定総額が異なってくると考えられる。(※計算式としては、各サービス種別に応じた加算率に対象人数を掛けて算定することになる案が有力と思われるが、確定するのは1月であることを了承願いたい。なお加算要件は「サービス種類ごとの加算率は、それぞれのサービス種類ごとの勤続 10 年以上の介護福祉士の数に応じて設定することが適当である。 」とされているため、サービス種別ごとに人数ごとに区切って設定されるのかもしれず、×対象人員ではない可能性もある。

よって昨日の記事で単純化して計算した24万円という金額も、加算対象の介護福祉士の数が増えれば総額がそれに応じて増えていくと想定される。(※実際には加算率によって一人に対し加算される金額は8万円より上下すると思われる。

この場合でも、加算額すべてを加算対象職員のみに支払うとすれば、それはそれで何の問題も生じないし、配分される金額も8万円で個人差はできないわけである。(※繰り返しになるが、実際には掛け率により8万円にはならない場合があるが、この数字はあくまで説明が分かりやすいように単純化した数字で、実際の金額は来年1月に各サービスごとの加算率が出されて明らかになる。

しかしこの加算を、経験年数が10年に満たない介護福祉士や、介護福祉士の資格を持たない介護職員などに拡大して配布しようとすれば、全体に配分する金額は、加算額総額がいくらになるかによって大きく異なってくるので、加算対象職員の数が多い事業者=事業規模の大きな事業者のほうが、より多くの職員に、より高い金額を配分しやすい構造になっている。そのことは昨日の記事でのシミュレーションにより明らかであろう。

しかし大規模事業者には、より多くの加算対象以外の職員もいるわけで、配分対象をあまりに広げすぎると、加算対象職員が数多くいたとしても、配分金額が小規模事業者より低くなるという逆転現象が生ずる可能性があり、単純に大規模事業者の方が恵まれているという構造でもない。

例えば介護職員が100人以上いて、その7割近くが加算対象職員であったとしても、加算対象になっていない3割の介護職員のほか、他職種にも配分しようとした場合、看護師や介護支援専門員以外にも、栄養士やセラピスト、事務専任職員や運転手、営繕職員など様々な職種の職員が多数に支給することになり、支給計算式の分母がかなり大きくなってしまう。

そうなると満額支給される職員以外の職員の、この加算で給与改善される額が低額となって、改善実感が得られないという事態が予測される。このため大規模事業者であっても、配分職種は全職種にはならず、加算対象以外の介護職員のほかのその他の職種は、介護支援専門員などに絞られ、事務職員まで配分される可能性は低いのではないかと思われる。ましてや運転手や営繕職員などに配分されることは期待薄だろう。栄養士も除外する事業者が多いのではないだろうか。

さらに昨日の記事コメントに書かれている方のように、「加算対象者に満額支給するということを売りにして、経験年数の長い介護福祉士を集める」と考える事業経営者も当然出てくるだろう。

職種による不公平感が生じないように、できるだけ多くの職員に配分するという事業者と、加算対象者に絞って給与改善するという事業者のどちらに、求められる人材が張り付くのかを、事業経営者は今から考えて、経営戦略の中でその方針を決定せねばならない。

ところでこの加算を介護職員以外の職種にまで広げて配布しようとしている事業者の方は、算定要件の中で注意しておきたいことがある。それは、この加算を配分できる「その他の職種」については、改善後の年収 440 万円を超えない場合に改善を可能とすることとされるルールがあるということだ。

つまり現行で平均年収が440万円を支給されている職種、および改善後に440万円を超える職種については、この加算を配分することができないのである。

すると特養等の介護施設の看護職員は、平均年収が440万円を超えている場合が多いので、配分対象外となる可能性が高いと言えるわけである。

それと一番悩ましいのは医療法人が経営母体の介護事業者である。それらの介護事業者は、医療機関に併設されているか、併設されていない場合も人事管理は医療機関と一体となっている場合がほとんどである。

この時問題になることは、新処遇改善加算は介護報酬加算であって、診療報酬に同じ加算が新設されることにはなっていないことである。

そんな中で、人事管理を母体である医療法人と一体的に行っている介護施設では、経験10年の介護福祉士が月額給与8万円増える中で、業務命令で同じ法人内の医療機関に配置されている同じ経験年数の介護福祉士は給与が増えないことになる。それでは医療機関で働く意欲はなくなるだろう。そうした医療法人では、介護事業者に配置転換を求める介護福祉士が続出するかもしれない。

さらに前述したように介護施設の中であっても、介護職員の給与が増えても、看護職員にはその配分がされない可能性が高い。そのような制限のある配布条件の中で、職種間の不公平感は広がる可能性もある。

どちらにしても加算要件に合致した事業者において、この加算を算定しないという判断はあり得ないが、その配分をどうするかについて、事業者ごとに大きく判断が分かれることが予測される。

加算対象職員に全額支給する事業者では、他の職員の不満が噴出するだろうし、配分の幅を広げる事業者においては、支給対象職員の不満が高まるだろう。どちらが良いとか、どちらが有利だとか判断できる何ものもないのが現状だ。その答えのない判断が事業経営者に迫られてくるわけである。

その結果、今所属している事業所より高い給与を支払ってくれる事業者を求めて、人材の流動化が加速される可能性が高くなることだけは確実に言えることだろう。

このことは介護事業経営者にとって、非常に悩ましい問題であるが、その解決方法はたった一つしかない。

それは現時点から、ここで取り上げた問題について、すべての職員に丁寧にわかりやすく説明して、職場全体で議論し、その配分をどうすべきかを事業者の総意で決定するように導いていくことである。

そしてこの加算の配分が最終的にどのような形になろうとも、それは事業者や事業経営者の収益とは全く関係なく、あくまで職員の給与等の待遇改善の目的として全額が使われるということを理解していただくことだろう。

それでも不満は解消できないかもしれないが、よりましな方法としてはそれしかない。

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新処遇改善加算の職場での配分をシミュレーションしてみた


来年10月に消費税が増税される分を財源として支給される予定になっている新介護職員処遇改善加算については、文字に張り付けたリンク先に、新たにカテゴリーを追加しているので参照していただきたい。

さて今日は、その新処遇改善加算を算定する事業者が、どのように事業所内で配分できるのかを小規模の事業所を例にシミュレーションしてみようと思う。なお算定要件は「新介護職員処遇改善加算の要件・ルールのまとめ」で確認願いたいが、シミュレーションするのは、当該加算のうち高い方の加算(2段階とされる加算のうち、サービス提供体制強化加算等を算定している場合)を算定できるという前提である。

この加算はサービス種別に応じた加算率で計算するが、ここではわかりやすいように加算対象職員に月額8万円が加算されるという前提で考えることにする。よって実際の加算金の計算式は8万円×加算人数ではないことに注意が必要だ。

例えば管理者1名、介護支援専門員(計画担当者)2名、介護職員12名(すべて常勤)の2ユニットの単独経営のグループホームであるとする。(外部の医療機関の看護師との連携で医療連携加算を算定している事業所のため、看護師の配置はないという前提)

サービス提供体制強化加算汽い鮖残蠅任ているのだから、介護職員のうち8人が介護福祉士であるとする。しかし介護保険制度以後に数多くつくられたグループホームで、定着率も高くはないサービス種別であるため、新処遇改善加算の算定対象となる、「業界10年以上の経験がある介護福祉士」はそう多く配置できていることは考えにくいため、その人数を3人と仮定する。

そうであれば加算額は、8万円×3人=24万円(月額)となる。これをそのまま当該加算算定対象職員3名に支払うこともできる。そうなるとその他の9名の介護職員と、2名の介護支援専門員はこの加算による給与アップがないということになる。そうであればこれらの職員は、少しでも給与に上乗せされる別な職場に転職したいと思うかもしれない。

そこで加算対象職員以外にも加算分を配分しようとする。ただし職員を優遇するために管理者には加算分を配分しないシミュレーションとしてみよう。

この場合、月8万円の賃上げとなる人・あるいは賃上げ後に年収が440万円を超える人を一人以上確保しなければ加算を認めないというルールがある。しかし単独経営のグループホームで働いていて、年収が440万円目前の職員がいる確率はあまり高くないだろう。

すると加算対象の3人のうち、一人に対しては満額の8万円の給与改善をしなければならない。A・B・Cの職員のうち、誰か一人をこの対象にするのは非常に難しく、いざ決定しても3人のうち満額配分されなかった2人は不平・不満をもって、他の職場に転職しようと考えるかもしれない。されど他職員に配分するために、リーダー格で一番経験年数の長いA職員に満額支給し、BとCの加算分を全体に配分するとする。

すると配分できるのは、16万円(月額)ということになるが、配分の際には、〃亳海△覯雜鄂Π・△修梁召硫雜鄂Π・その他の職種に対する賃上げ幅を2:1:0.5(あるいは1:0.5:0.25)とするというルールがある。この場合、´↓の各グループの「平均」を指標とすることになったため、個々の賃上げ額をどうするかは事業者が判断できるが、ここではわかりやすいように´↓の各グループ内の支給額は全員同じとする。

するとこのホームでは満額支給したAを除いた,蓮BとCの2名、△9名(その他の介護職員)、は2名(介護支援専門員)となる。このグループに16万円を1:0.5:0.25以内の比率で配分するわけである。

とすれば,魄貎4万円とした場合、そこで8万円が必要になる。そうなれば残りの8万円を△鉢に配分するということになるが。△梁仂櫃9名もいるため、一人1万円も給与改善する原資は存在しないことになる。そうすると△魄貎唯言蕷澆箸靴董合計で7万2千円が必要になる。そうすると残りは8千円で、は一人4千円支給ということになる。

これによって加算分はすべて職員に手渡すことになり、かつ算定要件をすべてクリアすることになる。
(※,4万円とする根拠は特にないが、満額支給される職員が1名いるため、その半額未満になるのを納得させるのは難しいという意味で、ぎりぎりの額を設定した。この額をさらに満額支給される職員との差を縮めるために高くすると、△鉢のグループに支払う原資がさらに低額となり、給与改善額もさらに低額となる。それでは配分する意味がほとんどなくなると考えた。)

ということで当該グループホームでは、管理者は昇給なし、加算算定対象となった経験ある介護福祉士のうち1名は月額8万円の給与増、2名は4万円増、それ以外の介護職員は資格の有無にかかわらず全員8千円の給与増、その他の職種である2名の介護支援専門員は、4千円の給与増という結果となる。

この場合、加算分の8万円を満額支給されたA介護福祉士に不満は生じないだろうが、それ以外のすべての職員が何らかの不平・不満を持つ可能性が高く、より給与が高く支給される別の事業者に転職しようと考えるのではないだろうか。

果たしてそれはどこの、どのような介護事業者だろうか?(明日へ続く)

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新介護職員処遇改善加算の要件・ルールのまとめ


昨日 19日(水)の社保審・介護給付費分科会では、来年10月の消費税増に伴う介護報酬改定の概要が以下の通り決定された。

1.介護報酬改定 +0.39% ※ 補足給付に係る基準費用額の引き上げ分の対応として、別途国費7億円程度

2.新しい経済政策パッケージに基づく介護人材の処遇改善 国費 210 億円程度

第167回社会保障審議会介護給付費分科会資料の、資料2019年度介護報酬改定に関する審議報告(案)部分を抜粋してみる。

加算の対象(取得要件)
・ 現行の介護職員処遇改善加算(機砲ら(掘砲泙任鮗萋世靴討い觧業所を対象とすることとし、加えて、
・ 介護職員処遇改善加算の職場環境等要件に関し、複数の取組を行っていること
・ 介護職員処遇改善加算に基づく取組について、HPへの掲載等を通じた見える化を行っていること。

加算率の設定
サービス種類ごとの加算率
・ 介護職員確保に向けた処遇改善を一層進めるとともに、人材定着にもつながるよう、経験・技能のある介護職員が多いサービス種類を高く評価することとし、サービス種類ごとの加算率は、それぞれのサービス種類ごとの勤続10 年以上の介護福祉士の数に応じて設定することが適当である。

このように新加算もサービスの類型ごとに異なる加算率が設定される仕組みであり、訪問介護が○○%、通所介護が○○%、特養が○○%というふうに設定されるが、各サービスの加算率は来年1月に公表される予定だ。その加算率も2段階に設定し、具体的にはサービス提供体制強化加算、特定事業所加算、日常生活継続支援加算のいずれかを算定していることを、高い方の加算率を使える要件として設定した。(※今年度の報酬改定で特定施設に新設された「入居継続支援加算」も対象となる可能性があるので今後に注意願いたい。)

このことは加算対象となる介護福祉士等からすれば、自分の資質に関係のない事業者の体制で、自分に対する対価と深く関係する加算額に差がつくことは納得のいかないところだろう。


∋業所内における配分方法
基本的な考え方を踏まえ、経験・技能のある介護職員、その他の介護職員、その他の職種の順に配分されるよう、事業所内の配分方法は以下のとおりとすることが適当である。なお、配分に当たっては、経験・技能のある介護職員、その他の介護職員、その他の職種について、こうした区分ごとの平均の処遇改善額を比較することとし、それぞれの区分内での一人ひとりの処遇改善額は柔軟に設定できることとする。

経験・技能のある介護職員、その他の介護職員、その他の職種の設定の考え方
・ 経験・技能のある介護職員は、勤続 10 年以上の介護福祉士を基本とし、 介護福祉士の資格を有することを要件としつつ、勤続 10 年の考え方については、事業所の裁量で設定できることとする。
・その他の介護職員は、経験・技能のある介護職員以外の介護職員とする。
・その他の職種は、介護職員以外の全ての職種の職員とする。

具体的な配分の方法
・ 経験・技能のある介護職員において、月額8万円の処遇改善となる者又は 処遇改善後の賃金が役職者を除く全産業平均賃金(年収 440 万円)以上となる者を設定・確保すること。これにより、リーダー級の介護職員について他産業と遜色ない賃金水準を実現。
月8万円の賃上げとなる人、あるいは賃上げ後に年収が440万円を超える人を設定・確保しなければ加算を認めないというのも既報の通りである。440万円の年収はあくまで「賃上げ後に年収が440万円を超える人」なので、今現在超えている人がいることが条件ではないことに注意が必要だ。

※ 小規模な事業所で開設したばかりである等、設定することが困難な場合は合理的な説明を求める。
小規模で開設して間もないなど、やむを得ない事情でどうしても実現が難しい事業所には合理的な説明を求めていく、という部分などは、今後のQ&Aによって具体的な対応が明らかになるので、現時点で解説不明な部分も残っていることは事実である。通知とQ&Aは、年度末の3月に発出が予定されている。

・ 経験・技能のある介護職員は、平均の処遇改善額がその他の介護職員の2倍以上とすること。
・ その他の職種は、平均の処遇改善額がその他の介護職員の2分の1を上回らないこと(※)。また、更なる処遇改善において、リーダー級の介護職員について他産業と遜色のない賃金水準を目指す中で、改善後の賃金額が役職者を除く全産業平均賃金(年収 440 万円)を超えない場合に改善を可能とすること。
※ 平均賃金額について、その他の職種がその他の介護職員と比べて低い場合は、柔軟な取扱いを可能とする。
このように〃亳海△覯雜鄂Π・△修梁召硫雜鄂Π・その他の職種に対する賃上げ幅を2:1:0.5とする配分については、´↓の各グループの「平均」を指標とすることになったため、個々の賃上げ額をどうするかは事業者が判断できる。つまり個人差ができてよいということである。例えば改善額の8万円を、経験ある介護福祉士を5万円とし、その他の介護職員は2.5万円、その他の職種を0.5万円とした際にも、その他の介護職員のAには5万円アップし、BとCには2.5万円アップ、退職間近いDには0円とする取り扱いも可能である。このルールの範囲内であれば、有望な若手などを高く評価することも可能であるが、それは一面職場内での不公平感を助長させ、不満分子を大量排出しかねない問題にも直結する。

また「その他の職種」の賃上げは年収440万円を超えない範囲でしか認められないことにも注意が必要だ。


この件に関しては、「新処遇改善加算(19年10月)によって笑う人、泣く人」・「事業者にとっては悩ましい新処遇改善加算」・「医療機関から介護福祉士がいなくならないか?」で解説してきたところで、そこで書いていること以外に新しい情報があるわけではないように思える。

なお厚労省が重視しているのは、現場を牽引する「リーダー級の介護職員の処遇改善」であり、これに該当すると認められれば、「業界10年の介護福祉士」も等しく高い評価を受けられるというものである。

この加算は居宅介護支援や福祉用具貸与、訪問看護は対象外となることも周知のとおりである。

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医療機関から介護福祉士がいなくならないか?


来年10月から支給予定の新処遇改善加算について、昨日(17日)麻生太郎財務相と根本匠厚生労働相が折衝し合意したそうである。

それによると、加算対象となる「経験・技能のある介護職員」とは、現場を牽引する「リーダー級の介護職員」を主な対象とする方針としており、1つの法人に10年以上勤めている人だけでなく、「業界10年」の介護福祉士なども「リーダー級の介護職員」と認められれば同様の恩恵を受けられる仕組みにすることが正式に決められた。

また月8万円の賃上げとなる人、あるいは賃上げ後に年収が440万円(全産業の平均賃金)を超える人が事業所内に1人はいなければいけないとのルールを組み込むことも正式に決定した。よって440万円という年収については、従前からそれを超えている人が何人いようとも関係なく、賃上げによって440万円を超える人が一人以上いなくてはならないということも正式に決定したことになる。

これらの細部については19日の介護給付費分科会で明らかになる。

新処遇加算については、「新処遇改善加算(19年10月)によって笑う人、泣く人」・「事業者にとっては悩ましい新処遇改善加算」などで解説してきたが、これらの記事の中の解釈が間違っていないかどうかについても、明日の審議会後にあらかた明らかになるだろう。そういう意味でも明日の審議は注目されるところである。

前掲のリンク先の記事でも論じたように、この加算は事業者・事業経営者の立場からすれば、その配分に悩ましい問題があって、すべての職員に納得・満足される配分方法は存在しないような厄介さがある。

例えば、加算対象職員には加算金額をすべて手渡し、その他の職員には事業収益の中から、加算対象職員と同等の給与改善ができれば、それが一番公平な方法であるが、とてもではないがそれほど体力と余裕のある事業主体は少ないだろう。

そのため来年10月の加算支給に向けて、事業経営者は周囲の介護事業者の状況を見ながら、配分割合などを考えなければならないわけで、この方針を間違えると、職員が大量に退職してしまうことにもなりかねないので慎重の上にも、慎重な決定にならざるを得ない。

だからと言って厄介な問題を生じさせないように、この加算を算定しないなんて言う乱暴な決断はできない。そういう事業者に介護福祉士がとどまるわけがないからである。

この加算は来年の時点で経験が10年以上あり、リーダー格となる介護福祉士が支給対象となるが、それ以後は、随時経験年数がそれに達した介護福祉士が対象となっていくのだろう。そういう意味では、今は経験年数が満たないけれど、介護業界で介護福祉士を続けておれば、やがてその支給対象になるという将来の希望と目途にもつながるもので、業界全体の介護福祉士と、その資格を目指す人材が増えるという効果は期待できるだろう。

一方で、こうした処遇改善が図られるのは、介護保険制度と障害者福祉制度のみとされており、医療機関の介護福祉士にこうした恩恵は一切ない。

そうであれば今現在医療機関で看護助手として働いている介護福祉士も、介護施設等へ転職しようと考えるかもしれない。ただし新処遇改善加算の対象になる経験年数は、「業界10年」であり、これは介護業界という意味だと思えるから、医療機関での経験は認められないと考えられる。そのため介護業界での経験がない介護福祉士は、転職した後に10年先まで加算対象となるのを待たねばならないというハードルがあるので、それらの人が医療機関から大量に介護事業者に転職することは考えにくい。

よって過去に介護業界で10年経験があり、今現在医療機関で看護助手をしている介護福祉士が、介護業界に復帰しようとする動きがあるだけにとどまるのかもしれない。

しかし確実に言えることは、今後、介護福祉士の資格を取得した新卒者が、医療機関で働く動機付けは著しく削がれることになるということだ。医療機関と介護事業者における介護福祉士の初任給が同等であっても、介護事業者に就職した場合には、10年先には確実に処遇改善加算対象になり、大幅な給与アップが図られる見込みがあるとなると、最初から介護事業者で働いておく方が将来に不安はないと考える人が多くなるだろう。

勿論、この加算が10年先まで続くかどうかは不透明で、社会情勢自体がどうなるかもわからないという考えはあるが、今現在敷かれてるレール上のことを考えると、医療機関で介護業務に携わるという選択肢は、ほとんどメリットを見いだせなくなるのではないだろうか。

ということで医療機関の介護職員人材の確保は、今以上に難しくなると思えるが、看護職が足りておれば、それは問題ないと考える医療関係者が多いのだろうか・・・。

医療関係者は、このことをどう考えているのだろう。こうした状況に危機意識はもっていないのだろうか。このことに関して問題視する声が医療関係者から聞こえてこないのはなぜなんだろう。

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事業者にとっては悩ましい新処遇改善加算


12日のお昼に、「新処遇改善加算(19年10月)によって笑う人、泣く人」というブログ記事を更新したが、ちょどその日に、社保審・介護給付費分科会が行われており、その中で厚労省は、給与改善対象として最も重視すべき人材の対象である、「経験・技能のある介護職員」については、同一法人で勤続10年の介護福祉士に限定せず、「業界10年の介護福祉士」も加えられるようにする方針を決めた。

これによって他事業所の経験年数を含めてキャリア10年の介護福祉士の経験がある職員が加算の支給対象になることが明らかになった。そして加算算定した部分を支給する際に、各事業者の判断で「他の介護職員」・「他の職種」への加算原資の配分を認めることとしている。

ということは多くの職員に加算原資を配分しようとすれば、原資となる「業界10年の介護福祉士」が数多くいなければ、配分の額は少額になってしまうのだから、この加算をより多く算定しようとして、今から業界10年の介護福祉士の引き抜き競争が始まる可能性もある。そういう意味でも、介護事業者にとってこの加算は悩ましい加算である。

また当日の介護給付費分科会では、経験・技能のある介護職員を最も重視するためのルールとして、「月8万円の賃上げとなる人、あるいは賃上げ後に年収が440万円を上回る人が事業所内に必ず1人以上いなければならない」ことを他の職員への配分の条件とした。これを無視し、幅広いスタッフに薄く広く配る運用は認めないというのである。

しかし「月8万円の賃上げとなる人」という条件と、「賃上げ後に年収が440万円を上回る人」の条件の壁は、高さにかなりの差がある。

仮に年収が440万円を上回る職員現在何人いようとも、その人たちは「賃上げ後に年収が440万円を上回る人」には該当しないが、現在年収が420万円の人がいたとすれば、その人に年間20万円以上の賃金改善ができれば、この条件はクリアすることになるわけである。後者の条件に該当する場合は、他の介護職員や他の職種に広く加算原資を配分することは可能になるだろう。

一方、「月8万円の賃上げとなる人が必ず一人以上いる」という条件を加算原資の配分要件とする事業者は、ずいぶん悩ましい問題を抱えざるを得ない。加算原資を他職員にも広く配分するためには、加算対象となる職員の8万円の原資から他の職員に回すために、当該加算対象職員の賃上げ額を8万円未満に削り取らねばならず、その削り取る額が多いほど、他の職員の給与改善額は高くなるわけである。

そんな中で一人の職員だけ加算原資を全額手渡して、月額8万円の給与改善をすることが可能なのか?それは公平性の観点から極まて難しいと思え、実際誰か一人だけに加算額全額の8万円の給与アップを行い、それ以外の加算対象職員の給与の改善額は、他の職員へ振り向ける分を削った額にしかならないとしたら、そのことだけで加算原資を削られた職員の退職動機に結び付いてしまうかもしれない。それは現実には不可能ではないかと思える。

そうするとこの加算を算定して配分する事業者は、「賃上げ後に年収が440万円を上回る人が一人以上いる」という条件を算定要件とし、他の職員に振り分けるしかないのではないだろうか。するとそれができる事業者は、規模の大きい事業年数も長くなっている事業者に限られてくるように思う。

一方で、「月8万円の賃上げとなる人が必ず一人以上いる」という要件において加算算定する事業者については、それができたとしても、月8万以上きゅよ改善しない加算対象職員の給与は8万に限りなく近くする必要があり、実際に加算対象外の職員に回される原資は雀の涙にも満たないかもしれない。しかしこうした事業者については、介護福祉士がそこに転職したいと応募が多くなる可能性はある。

ところで加算原資の配分については、さらに細かなルールが定められており、配分割合の優先順位は、下記の通り定められている。
1. 経験・技能のある介護職員
2. その他の介護職員
3. その他の職種

そのうえで 次の要件を加えている。
・「経験・技能のある介護職員」の賃上げ額の平均は、「その他の介護職員」の賃上げ額の平均の2倍以上に保つ
・「その他の職種」の賃上げ額の平均は、「その他の介護職員」の賃上げ額の平均の2分の1を超えてはならない。

ということで、3グループの賃上げ幅は2:1:0.5ということになる。これはあくまでも各グループの「平均」を指標とし、個々の賃上げ額をどうするかは事業者が判断できる。またこのルールの範囲内であれば、有望な若手などを高く評価することも可能だが、「その他の職種”の賃上げ」は、年収440万円を超えない範囲でしか認められない。ということで「業界10年の介護福祉士」に該当しない職員には、あまりにも恩恵が薄いルールといえるだろう。

また同じサービス種類の中であっても、経験・技能のある介護職員の数が多い事業所や、職場環境が良い事業所について、更なる評価をするということで、加算率は2段階に設定されることが示されている。

これらに内容については「表の掲示板」の、「新処遇改善加算に新方針〜これって結構難題ではないでしょうか? 」でも意見交換され、様々な意見が述べられている。

その中でthetkさんという方が、「もう処遇改善加算とか止めにして、会社を経由せずに直接本人の口座に入金するシステムとか、税率軽減やら社会保険料軽減とかに欲しい。マイナンバー活用しましょうや。」というボヤキにも似た意見を述べられているが、ついついそのように考えてしまうのも仕方のない、事業者にとって厄介で、複雑で、面倒くさい加算算定ルールになっている気がしてならない。

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新処遇改善加算(19年10月)によって笑う人、泣く人


来年10月の消費税引き上げに伴って支給されることが確実視されている「新処遇改善加算」は、現行の「介護職員処遇改善加算」と大きな違いがあり、それによって現行加算の状況とは全く次元が異なる問題が生ずる可能性がある。加算を巡って影響を受ける人たちに泣き笑いが生ずることもあるだろう。

このブログで何度かその支給要件議論を書いているが、今日まで示されている方向性は以下の通りである。

・新加算の増収分は「経験・技能のある介護職員」の給与に充当することを基本的なルールとする。
・「経験・技能のある介護職員」の範囲については事業者に一定の裁量を与え、基本は勤続10年以上の介護福祉士とするが、業界10年の介護福祉士も対象として扱えるようにする。
・同じサービスの中でも2段階の加算率を設定する方向で検討を進め、介護福祉士の手厚い配置が要件の加算を取得しているなど、人材の確保・育成に力を入れている事業所を相対的に高く評価。
・介護福祉士の資格はないが有能なベテランも含めるなど、より柔軟な運用を認めることも検討。
・勤続10年以上の介護福祉士に最も多くのリソースを割く(例えば増収分の○○%など)
・勤続10年に満たない一般の介護職員を2番目に位置付けてリソースを割く
・他職種などに渡すリソースを一部にとどめる
・現行の処遇改善加算と同様に、サービスごとの加算率でリソースを分配する仕組みとする。
・既存の処遇改善加算の「加算I」から「加算III」のいずれかを取っていることを算定要件とする。
・新加算の財源は、消費税で1000億円、40歳以上の保険料と高齢者の自己負担で1000億円の合計2000億円。

勿論、今後の議論の中でこの方向性が変わることがあることは否定しないが、今現在は上に書いている方針に沿って、支給議論が進んでいるのは事実である。

この加算は対象となる、「経験・技能のある介護職員」が自ら申請して受け取るわけではない。そのことを知らない人はいないだろう。

しかし現在の処遇改善加算と大きく異なる点は、所属事業者が加算を算定した分を支給するに際して、事業者の裁量で加算支給対象職員以外の職員にもこの加算で得た収入分を配分できるということだ。

現行の処遇改善加算は、介護職員に対して支給された額を下回ることなく、すべて加算支給対象となっている介護職員に支払わねばならない。つまり介護職員に対して支払われた加算額は、すべて介護職員に対して支給されるのである。

しかし新加算の場合は、加算対象職員に対する給与等の支給割合は一定程度以上(リソースを設定)とされるが、事業者がその他の職員にもその一部を支払うと決めた場合は、加算額のすべてが加算対象職員に支給されないということになる。

しかも従前の処遇改善加算の支給対象者が「介護職員すべて」であったのに対して、新加算は、「業界10年勤続の介護福祉士」が基本である。この際、業界勤続9年の介護福祉士は、9/10が支給されるとか、業界5年の介護福祉士に1/2が支給されるとかいうことはなく、どちらも支給ゼロとされる可能性が高いのだ。この場合、業界10年以上の介護福祉士資格のない介護職員もゼロ支給である。

そしてこの加算は、単純に「経験・技能のある介護職員」×○○単位ではなく、「経験・技能のある介護職員」が多くいるほど加算率を高くするのだから、決められたリソースの範囲で他の職種にも加算分を手渡すためには、加算対象者ができるだけ多くいてほしいわけである。

つまり特養や老健であって介護福祉士がいても、施設がオープンして間もないために、ベテラン職員がいない場合は、新加算の算定ができないということもあり得るわけである。この場合は、他職種の分配さえできないということになる。

事業者の裁量で、支給対象となっていない介護職員や、その他の職種の職員にも、加算分の何割かを給与等に上乗せしたいと考えても、加算の支給対象となる10年以上の経験のある介護福祉士が数多くいない限り、分母となる加算額が少なすぎて、分配できないという事態も考えられるのである。

そのため事業者によっては、この加算を多く得て様々な職種の職員に分配しようとして、経験年数のある介護福祉士の引き抜きを図る動きが出てくるかもしれない。しかしその際に、「うちの施設に来てください。ただし加算算定しても全額はあなたに行きません。どうか他の職種の処遇も改善するのに協力してください。」と言っても誰も来てくれないだろう。

加算された分を加算対象職員以外にも分配するということは、加算対象となるベテラン介護福祉士に支給される額は、分配される分削られていくという意味だ。そうなら、「うちの施設では、加算分は他の職員に振り分けないで、あなたにすべて支給します」という事業者に、「経験・技能のある介護職員」はなびいていくのではないだろうか。

そう考えると、介護職員の人員不足の改善を最大の課題と考える事業者においては、「経験・技能のある介護職員」以外への加算分配は行わずに、対象職員へすべて支払い、他の事業者へ引き抜かれないようにするとともに、そのことを餌にして、他の事業者から「経験・技能のある介護職員」引き抜こうと考える事業者も多くなるのではないだろうか。

事業者からすれば経験10年に満たない介護職員や、そのほかの職種の職員に加算分を分配するのは、従業員の公平性を図るという目的に沿った方針であろうが、経験10年以上の介護福祉士からすれば、本来自分の経験に対する加算が削られて満額支給されないとううことは、「中間搾取」としか思えなくなるのは当然で、不満を全く抱かない人はいないだろう。そういう時に、支給対象が法人10年の経験ではなく、業界10年の介護福祉士も対象として扱えるようにするのであれば、退職して別な組織に所属することで満額支給されるなら、そちらのほうが良いと考えるのも当然のことだろう。

このように新加算は様々な問題を生じさせる要素をたっぷり含んでおり、支給対象者以外の職員への分配も、経営戦略の中でその可否を考えていかないと、後々禍根を残しかねないことになる。

そういう意味で事業経営者は、この加算の算定要件が今後どのように確定していくかを常に意識しながら、事業所内でその支給方法をどうするのかということを、戦略的視点から考えていく必要があるだろう。

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