masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

サービスマナー

民法改正の主旨を介護実務にも浸透させてください

6月24日に公布された、「社会福祉法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第51号)の中には、民法改正も含まれている。

そこでは介護事業者に関連深い変更が行われており、特に重要な点として成年後見制度に関連して、「後見・補佐・補助」という従来の画一的区分が廃止され、「補助」に一元化されている。

これによって本人の能力の程度に関わらずに、必要な特定行為についてのみ代理権や同意権(取消権)を付与することができるようになった。そのため必要以上の権利制限が防止できることになる。

また事理弁識能力(※物事の道理・善悪・結果をわきまえて判断する能力)が回復していない場合でも、家庭裁判所が認めれば、制度利用を終了できることができる。

また支援者の選任時には、「本人の意見」が最優先の考慮要素とされ、かつ職務追考における、「意向把握義務」も明文化された。

この改正の背景には、現行制度は権利制限が強く利用が進まないとの批判があった。そのため本人の意思尊重・自己決定を重視し、必要最小限の支援にとどめる方向へ転換していることがわかり、成年後見を必要とする人の権利を、出来る限り護る方向に変えられているといってよいだろう。

また認知症高齢者の増加などを踏まえ、利用しやすく柔軟な制度にする狙いも感じ取ることができる。

なお成年後見制度に関する部分の施行日は「公布の日から2年6月以内の政令で定める日」とされ、現時点では具体日付は政令待ちである。
被成年後見人の介護サービス利用
このように判断能力の衰えが生じた人に対する権利擁護が推進されている。

しかし法律がいかに権利を護る方向に変えられようとも、それを運用する人間の意識が低いままでは何も変わらない。

一元化された「補助」の支援を受ける人が利用する介護サービス等を提供する側の権利擁護の意識が低ければ、直接介護場面等の様々な場面で、利用者の権利は侵害されていく。

利用者をまるで子ども扱いするかのような対応・対話しかできない介護職員は、利用者の権利侵害の最たるものだ。

顧客である利用者に対し、家族のような遠慮ない言葉遣いをすることが親しみの表現と勘違いする介護関係者は、介護サービスっ利用者に対する日々の会話や声掛けのたびに、無礼な言葉を投げつけ、心に深い傷を負わせている。

こうした状態をなくしていかない限り、制度改正で護られる人権は、絵に描いた餅にしか過ぎなくなる。

だからこそ介護事業経営者や管理職の皆様には介護サービスの割れ窓理論を理解して、従業員に対して介護事業におけるサービスマナー意識の向上を図ることに努めていただきたい。
※CBニュースの連載、「快筆乱麻masaが読み解く介護の今129〜ケアマネ資格更新制度廃止で研修受講ルール厳格化」がアップされました。
快筆乱麻masaが読み解く介護の今
資格更新制度を廃止したと言っても、研修受講義務が残され、しかもその義務がさらに厳格化されているのですから、更新制度廃止は意味のないものとなっています。こちらから記事参照ください。
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自分を護る利用者との適度な距離感

私たち対人援助のプロとは、利用者の家族とは異なる存在である。

そうであるがゆえに利用者と遠慮ない関係を築くのではなく、適度な距離感をもって対人援助のプロとして、正しい知識を伝え適切な援助技術を届ける存在である。

だからこそ「親しき仲にも礼儀あり」という諺のごとく、節度ある最低限のマナー意識をもって利用者対応しなければならない。そのことは先月更新した、「利用者との距離感をどうとるのかという悩み」でも詳しく解説したし、今週月曜日にも、「対人援助のプロとしての利用者との距離感」という記事をアップして解説している。

だがそのことがなかなか理解できずに、利用者と馴れ馴れしく接することが、支援者と利用者の壁を取り除くことだと勘違いしている輩も多い。

しかしそれは非常に危険な事でもある。なぜなら利用者との適切な距離感をとるということは、職業上のリスク管理にもつながるという側面をも併せ持つことにつながるからだ。

特に利用者宅に訪問するサービスの担当者は気をつけなければならない。

例えば居宅介護支援事業所の介護支援専門員(※以下、居宅ケアマネと略)は、利用者宅で利用者に面接してアセスメントやモニタリングを行う必要がある。

そこには利用者のみならず、その家族が同席する場合も多い。
ケアマネの馴れ馴れしい態度に腹を立てる息子
その際に、居宅ケアマネが利用者との距離感を意識せずに、あまりにも馴れ馴れしい態度をとることに不快感を覚える家族がいないとも限らない。

家族にもいろいろな人が居り、その中には様々な障害を抱えている人も混じっていることを理解せねばならない。利用者の子が、軽度の統合失調症や発達障害である場合は少なくないのである。

統合失調症の家族の場合、妄想を抱く危険性があることを理解しているだろうか・・・。

統合失調症による妄想とは、実際にはないことを強く確信する症状であるが、利用者とケアマネが必要以上に近い距離で馴れ馴れしい態度をとっていると、「自分の親がケアマネに取り込まれて、言われるがままになんでも受け入れてしまう」といった妄想に取りつかれる可能性もある。

そこに判断力低下が伴うと、自分の親に取り入っていうがままに親を動かしているケアマネは殺してしまおうと、危険行動に結びつける可能性も生まれてくるのである。

発達障害の家族がいる場合も、そうした危険性が生まれる。

発達障害がある人の特徴は、特定のことに強い関心をもつ・こだわりが強い・感覚が過敏であるというものである。

そうした特徴を持つ人の前で、他人であるはずのケアマネジャーが、あたかも自分の家族のように、馴れ馴れしく自分の親にタメ口対応している姿を見て、自分の親がケアマネジャーに洗脳されて、何でも言うことを聞き入れて大切な財産まで搾取されているのではないかという妄想を抱くケースは容易に想像できる。

そうした統合失調症による思い込みや、発達障害による妄想が講じた結果、ある日前ぶれもなく訪問先を訪ねた瞬間に、刃物で襲われるケアマネが居たとしても不思議ではないのである。

訪問先には、そうしたリスクがあることを考えると、利用者との心理的距離を家族以上に近くしないようにすることに注意するという考え方は必要不可欠になるのである。

だからこそ・・・どうぞ対人援助のプロとしての適性距離感覚を忘れない人でいてください。

今週金曜日8/21に呉市の新日本造機ホール(呉市民ホール)で行う講演では、そうした距離感の話もする予定だ。
介護事業のサービスマナー講演in呉市
どなたデミ無料で参加可能な講演会で、申し込みなしに入場できるので、お近くの方は今から予定を組んで、会場までお越しいただきたい。是非会場で愛ましょう。
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対人援助のプロとしての利用者との距離感

今月21日(金)の夕方、広島県呉市役所併設の新日本造機ホールで90分の講演を行う予定になっている。

この講演は、株式会社・西日本電工社さんが主催するサービスマナー研修として行うものであり、呉市の介護事業者の皆様にも広くアナウンスして、無料参加できるオープン講演となっている。

西日本電工社さんにお招きいただくのは、昨年に続いて2年連続となる。昨年の7月にも同じ会場で同じテーマで講演を行った。その際の話がとても良かったということで今年もお招きに預かったということになる。

そのため2年連続で同じテーマで、同じ持ち時間で講演を行うことになるのだが、内容は昨年とまったく同じではない。介護事業におけるサービスマナー意識を徹底するために必要なことの根幹部分は変わらなくとも、それが重要だとわかる過去の事例や、その考え方につながる引用ケースなどは僕の経験上多々持っている。

その為、重要部分は昨年と同じ内容として伝えるが、昨年伝えられなかった内容も多々含めた講演になる。

講演主催者の方が、事前に自社内部の従業員の方にサービスマナーに関するアンケートも取ってくださり、その内容も講演内容に反映させていただいた。特に「利用者との距離感の取り方がわからない」という意見があったので、その部分も含めた内容にしている。

下記ポスター画像の通り、参加申し込みは不要でどなたでも無料参加できるので、お近くの方は是非8/21に会場までお越しいただきたい。
介護事業のサービスマナー講演in呉市
そこで詳しく説明するが、対人援助のプロとして、利用者に近づきすぎないということが重要だ。

介護支援はフレンドリーであるべきで、家庭的なしつらえや、家族のように親しんでもらうことこそ重要であると感がえる向きがあるが、家族とは決して親しみやすいだけの存在ではない。

家族とは、遠慮ない関係であるがゆえに、この世で最も苛烈で容赦ない態度をとることがある存在でもある。

そのような家族と私たち対人援助のプロの立ち位置・距離感は同じであってはならないのである。

昨日(8/9)、大阪府岬町の民家で、同居する80歳の母親に踏みつけるなどの暴行を加えて死亡させたとして、58歳の息子が傷害致死の疑いで逮捕された。

逮捕された息子は、令和4年に仕事を辞め母親の介護に専念していたという・・・それ以来本件の逮捕の前に、暴行や傷害の疑いで2度逮捕されていたとのことだ。

いずれの事件でも息子は、「介護疲れで日常的に暴行してしまった」と供述しているという。親子といえども、そのような理由による虐待は許されないが、同時に親子であるという甘えが、そのような虐待の温床になっていると思える事件は数多い。

私たち対人援助のプロが、家族と同じように遠慮ない立場まで利用者との距離を近づけるということは、同じように甘えと、甘えによる間違いを犯す危険性を増すことなのだ。

そのようなことが決してないように、不適切ケアや虐待の可能性を限りなく最小化するためにも、対人援助のプロとして、利用者との適度な距離感を置くという考え方が必要になるのである。
※メディカルサポネットの連載、「菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営」の最新記事がアップされました。
菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営
今回のテーマは、「カスタマーハラスメント対策の基盤は誠実な顧客対応〜利用者との距離感をどう考えるべきか?サービスマナーから考える介護支援のあり方」です。文字リンク先を参照ください。
※9/4(金)13:30〜15:00、ビズアップ人事コンサルティング株式会社(株式会社吉岡経営センター)主催の福祉経営/無料Webセミナーで、次期介護報酬改定の方向性と介護事業戦略について解説します。
次期介護報酬改定の方向性と介護施設が取るべき経営戦略
講演テーマは、「次期介護報酬改定の方向性と介護施設が取るべき経営戦略」です。文字リンク先をクリックして詳細を確認の上、お申し込みください。申し込みいただくと無料視聴できます。
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サービスマナーは単なる儀礼にあらず

僕が全国各地で行う講演テーマは様々である。介護事業経営・介護保険制度改正・介護報酬改定・人材マネジメント・ケアマネジメント・介護実務etc・・・。

特養の相談援助職から福祉畑を歩き始めて、措置から介護保険制度への変換を経験し、介護保険制度創設時にはケアマネジャー実務も兼務し、やがて社会福祉法人全体の総合施設長として介護事業経営を行う立場に立ち、介護事業者に厳しい逆風が吹切れる中でも、介護事業と従業員、そしてなにより利用者の方々を護ってきた経験があるため、その実務に即した様々なテーマの講演を行っている。

その中でも長年複数の地域から繰り返し依頼がある講演テーマは、「介護事業のサービスマナー」である。

それだけ顧客である利用者に対するマナーに欠けた対応に問題意識を持っている関係者が多いのだと思え、そうした態度を改善して質の高いサービスを実現したいと考える人も多いのだろうと思う。

ただし僕が行う、「介護事業のサービスマナー講演」とは、お辞儀の仕方とか、電話の応対とか言ったビジネスマナー的なものではない。

人の心と暮らしを護る介護事業に所属する従業員が、どのような心構えと態度で顧客である介護サービス利用者に接するのか、それがどのような介護サービスの質に結びつくのかを理解し、実践できる内容にしている。

なぜなら介護サービス利用者に対してサービスマナーを護って対応することは、単に礼儀ではなく、介護を必要とする人々の心を護るためであるからであり、そのことが接客を接遇に高めるからである。

それは介護サービスの質に直結するものでもある。
介護事業のサービスマナー
特に今、介護事業の最大の顧客層とは団塊の世代の人々だ。それらの人々は日本の高度経済成長期を生きてきた人々で、大量生産・大量消費の時代に、製品にホスピタリティという付加価値を付け足して、他社の製品との差別化を図って物を売ってきた人が多い。

つまり顧客は、サービス提供者からおもてなしを受けるのが当たりまという価値観を持つ人々である。

ところがいざ自分が介護サービスの顧客になった瞬間に、そのようなもてなしが幻想だと思い知らされる人が多い。「タメ口」は年下の者が年上の者に対して対等の口の利き方をするという意味で、サービス提供者が顧客に対して使ってはならない言葉遣いであるにもかかわらず、「タメ口」の本来の意味さえ知らない若者が、顧客である自分に馴れ馴れしくタメ口で話しかけることに驚き・嘆き・哀しんでいるのだ。

だがそれらの人々は文句も言わずに黙々と介護サービスを利用している。不自由な身になった自分が不平・不満を口にするだけで、介護をしてくれる人がへそを曲げて、さらにぞんざいな態度になることを恐れているからだ。

そのように文句も不満も呑みこみながら介護を受けなければならない人が居ることを放置して良いのだろうか・・・それではまるで介護事業は必要悪に陥ってしまう。

そうならないように、本当の意味で利用者の暮らしも心も護る介護事業にするために、必要最低限の顧客マナーをもって対応しなければならないという気持ちになる講演が、僕のサービスマナー講演である。

実際に僕の講演を受講した方々が、どのような感想を持たれているのかを確認すれば、その講演内容や受講結果が理解できると思う。

7月14日に開催した大阪市老連大阪市老連デイサービス委員会主催・接遇研修会のアンケート結果がまとめられて送られてきており、文字リンクを貼っているのでクリックして参照願いたい。(※特に記述されている感想を読んでほしい。)

その結果をご覧になって、こうした講演を企画したいなどと希望する方は下記の方法で連絡していただきたい。
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利用者との距離感をどうとるのかという悩み

僕は今、大阪市天王寺のルシアスビル内の馴染みのお店で昼食を摂りながら、この記事を更新アップしている。

やっと日中の最高気温が25度に達するようになった登別から大阪に来た途端に、気温は30度超えである・・・アスファルトのて照りっ返しもあるので、先ほどまで歩いていた阿倍野橋周辺は35度近い体感気温となっているのではないだろうか。

今日はこのお店で涼んで時間をつぶした後にホテルにチェックインして、その後18:00〜20:00まで、大阪市平野区長吉川辺の特養で、大阪市老連デイサービス委員会主催・接遇研修会講師を務める予定だ。

講演テーマは、『激戦区で生き残るための「選ばれる」デイサービスの構築〜サービスマナーは経営戦略である!』としているが、このテーマは僕が考えたものではなく、大阪市老連事務局から指定されたテーマである。

だがこのテーマは非常に的を射たものだと思う。介護サービス利用者の中心層は今や、団塊の世代の方々が中心となっている。

それらの方々は日本の高度経済成長を支えてきた世代で、長幼の序をしっかり意識し、なおかつ顧客に対しては、『おもてなし精神』が必要だと説いてきた人たちだ。

当然のことながら、それらの方々は自分が介護サービスの利用者となった場合も、介護事業者の従業員から年上の人として敬われ、顧客としてもてなされることが当然と思っている人が少なくなく、介護サービスを利用する場合も、ネット情報等でそうした事業者を探し選ぶことができる。

そうであるからこそ介護事業におけるサービスマナーは職業倫理として求められるだけではなく、団塊の世代の方々から選ばれ、事業継続できるアイテムとしても必要となっており、今回のテーマはど真ん中のストライクと言えるものだと思う。

介護事業の種別に関わらず、それは必要な考え方であり、そのことを熱く伝える講演にしたいと思っている。
介護事業におけるサービスマナー意識が重要
ところで介護サービスに従事する人の中には、「利用者との距離感をどうとればよいのかわからない」・「距離を感じさせない敬語の使い方を知りたい」という考えを口にする人が少なくない。

そうした考えを持っている人は、家族のように遠慮ない態度でに利用者と接するのが最高のサービスであると勘違いしている人である。

しかしそれは間違った考え方だ。介護支援者は家族ではないのだから、家族と同じように利用者との距離を縮めてはならない。例えば家族であれば許される遠慮のない言葉かけや、家族であるからこそ許されるぞんざいなな言葉遣いも、家族ではない介護支援者の口から発せられれば、失礼であると感じられる懸念が生ずる。

そういうリスクを負うことがないように、丁寧な態度と言葉遣いで利用者対応せねばならない。

それではあまりに他人行儀ではないかと感じる人が居るかもしれないが、そもそも私たちは家族ではない。間違いなく他人なのだ。その距離感を間違えてはならない。

私たちは家族ではない支援者=介護支援のプロとして利用者対応するという基本を忘れてはならず、よそよそしさを恐れるより、無礼で馴れ馴れしい対応で、利用者の尊厳や誇りを奪い、心を殺してしまうことを恐れる存在でなければならないのである。

よって対人援助のプロとして信頼される距離感を保つ必要があり、家族のように態度や言葉を崩す必要はまったくない。それよりも日本語は世界一ボキャブラリーが豊富な言葉であるのだから、丁寧な言葉遣いで信頼を得て、親しみやすさも感じてもらえばよいのである。

それが対人援助のプロとしてのコミュニケーションスキルである。

そうしたスキルのない人は、対人援助の適性がないと言っても過言ではない。
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サービスマナー意識向上の足枷は例外を認めること

先週木曜日に書いた、「知識不足で向精神薬投与?」という記事でも論じたが、介護事業における虐待をゼロにするためには、介護サービスを利用する人は単なるユーザーではなく、「顧客=お客様」であるという意識づけを忘れないことが重要である。

お客様に対して、サービス提供者が失礼な態度をとってはならないということは、小学生でも理解できる社会常識である。

だからこそ介護事業に携わるすべての者には、お客様に対して失礼ではないサービスマナーを身に着けさせなければならないのである。それが出来なければ小学生以下と云われても仕方がない。

だからこそ介護事業者では定期的にサービスマナー研修を従業員研修の中に組み込んで、常にその意識が低下しないように注意する必要がある。

そこでは顧客に対するタメ口ほど失礼なものはなく、それを親しみやすい口調と勘違いしない意識作りが重要となる。

アットホームとか家庭的という言葉を冠している介護事業者では、えてしてその言葉を勘違いし、利用者に対してぞんざいな態度に終始し、だらしのない日常対応を許してしまう傾向が強まる。

その結果、介護事業者としての職場環境の乱れに気が付かない状態に陥っていたりする。
アットホームという言葉で堕落する介護
アットホームをうたい文句とする介護事業者で、従業員が横柄な態度で利用者対応することが日常化し、介護をはじめとしたサービス全般にゆるみが目に付く状態となり、いつも間にか目も当てられないほど、乱雑で不潔な環境に陥ったりする例も見受けられる。

介護事業者がそのような状態に陥らないためには、従業員に対して介護サービスのプロとして利用者に向かい合うのだということを徹底的に自覚させなければならない。プロフェッショナルの矜持を持って、専門知識と技術を援助に生かさねばならないことを徹底的に刷り込まねばならない。

利用者の家族ではない介護サービス提供者は、利用者に対して家族のように馴れ馴れしく、あるいはぶしつけな対応が許されるような勘違いはしないように、サービスマナー意識を徹底的に浸透させなければならないのである。

だがこうした意識を全従業員に理解させるのは、一度の研修受講だけでは無理である。従業員の数が多ければ多いほど、研修内容を理解できずに落ちこぼれる従業員も出てくる。それらの従業員に対して、管理職や直属の上司が根気よくマナー意識のある対応に終始するように指導し、なおかつサービスマナー研修も一定期間ごとに繰り返し行うことが必要になる。

例えば、一部の従業員は利用者に対して「くだけた」話し方をしているが、利用者から「面白い」等と言われたり、信頼関係は作れているので、「くだけた」話し方の中にも丁寧さや思いやる感じはあるからそれは認めても良いのではと考える上司がいたりする。

しかしそこで、「信頼関係は作れている」というその信頼は、「ガラスの信頼」でしかない。

「くだけた」話し方の中にも、丁寧さや思いやる感じはあるとして例外的に認めている場所でサービスマナーなど浸透するわけがない。

それらの人には、「よそよそしさを恐れるより、無礼で馴れ馴れしい対応で、利用者の尊厳や誇りを奪い、心を殺してしまうことを恐れる人でいてください」という言葉を投げかけたい。そもそも丁寧な言葉でもジョークは口にできる。そうしたコミュニケーションスキルを身に着けられない人は、介護に向かないと思う。

一人一人に寄り添った対応(ご利用者様との会話の時間をつくる、そのなかで生活や体調に関しての不安や悩みが話せる環境、関係づくり)を大切にして運営しているため、家庭的・アットホーム感は必要になるのではないかと考える上司もいたりする。

その言葉を勘違いする弊害によって、たくさんの利用者の尊厳が奪われてきた事実を観たときに、その言葉に変わる介護のプロとして利用者対応できる理念に置き換えるべきだと思う。

それができないという管理者は、介護事業の管理能力に欠けるといっても過言ではない。
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虐待防止の環境とは何か?

三重県内の福祉施設で虐待事案が相次いで発覚したことを受け、先週(4/15)三重県社会福祉士会が虐待の防止や支援環境の抜本的改善を求める声明を発表した。

同会によると、虐待に関して声明を発表するのは平成6年5月の設立以降で初めて。「施設への批判で終わらせず、再発させない環境の整備につなげよう」として発表を決めたという。

その声明では、「虐待が長期にわたり潜在化する背景には、福祉サービスを取り巻く極めて厳しい構造的課題がある」・「現場の職員は疲弊している。人が確保できない実情もある。社会全体で福祉への関心を高めてほしい」と強調。支援者が必要な時に交代・休息できる環境を整える必要性などを訴えた。

云いたいことはわかる・・・福祉・介護の人材不足が続く中で、月額平均給与額が他産業より低い状態が解消されずに、業務負担はさらに増えている現状では、福祉・介護事業者の従業員が身体的にも精神的にも疲弊していく様も実際に見ている。(※厚労省の最新の「賃金構造基本統計調査による介護職員の賃金について」によると、介護職員と全産業平均の賃金格差は8.2万円となっている。)

だからと言ってそれが虐待に繋がっていると云われても、一般市民の方々には理解できないだろうし、許す気持ちにもならないだろう。

そういう意味で、三重県社会福祉士会の声明とそこでの見解は、介護職員等が身体的・精神的に疲弊し、その環境に耐えられないストレスから虐待に及ぶことを許容するかのような誤解を与えかねないと危惧する。

そもそも福祉施設・介護施設での虐待の多くは、仕事のストレスによるものだとする考え方は間違っている。

虐待・不適切対応の多くは、利用者に対する顧客意識を持つことができない従業員が、日ごろから利用者に対して馴れ馴れしい対応に終始し、そのことに感覚が麻痺して、馴れ馴れしい対応が乱暴な対応に変化していく過程で起きているのである。

例えば、「アットホームな施設」とか「家庭的な対応」という福祉と介護のプロにあるまじき謳い文句を、経営理念に掲げるような素人経営が、従業員の虐待・不適切対応を生み出しているのである。

そうした虐待を防ぐ職場環境とは、サービス利用者を顧客を認識し、「利用者ファースト」・「お客様第一」の経営理念を、建前ではなく本音にする事業経営である。
介護サービス利用者は「顧客」である
つまり本当に実効性のある虐待・不適切サービスの防止環境とは、従業員に利用者に対するサービスマナー意識が浸透し、日常的に顧客である利用者に対するマナーある接客・接遇ができる職場環境なのである。

そうした環境の提言をせず、単に福祉人材の待遇を改善して人手を増やせと提言しても、失礼な対応をする人罪が放置されのさばるだけで、虐待・不適切サービスは減ることはない。

そしてそのような提言は、一般市民には受け入れがたいものでしかない。

僕は明日も社会福祉法人の管理職・リーダー職に向けたサービスマナー講演をオンライン配信する予定がある。そこではしっかりと介護のプロとしての接客・接遇の在り方を伝えたいと思う。

介護事業のサービスマナーとは、精神論ではなく技術論であることを忘れてはならない。
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新人職員に胸を張れる姿で働いていますか

間もなく暦は4月に変わろうとしている。全国の介護事業者が新卒の新人従業員を迎え入れる日が間近に迫っているが、迎え入れられる側の人々の心境はいかがなものだろう。

その日を控えて、この春に高校や専門学校・短大や大学を卒業した人は今、社会人として新たに旅立つ瞬間に向けて希望に胸を膨らませているのではないだろうか。勿論、不安な思いを抱えている人も少なくはないだろう。新しい環境に慣れて、自分が社会人としてのスキルを発揮できるかどうかと考えてしまうのは至極当たり前のことである。

しかしそれ以上に新たな旅立ちに向けて希望と期待を胸に抱いているのではないだろうか。かつての自分を思い出すと、そんなふうに思えてならない。

そんな新人職員にとって、指導担当者がどのよう人物で、どんなふうに指導・教育を行うのかということが重要となる。それは新人の将来を左右する問題にもなりかねない。

右も左もわからない新人に色を付けていくのが指導者であり、その色が美しい花のような色になるのか、どす黒い闇の色になるのかも指導職員の人格と指導法にかかってくるのである。

介護という職業はキラキラ物語で語れるほど甘くはないし重労働であり、汚いものや臭いものにも触れて処理しなければならない仕事でもある。

何より手を差し伸べる全てのサービス利用者が、差し伸べた手に対してポジティブな反応を返してくれるとは限らない。嫌だ・やめて・触るな・来るなと拒否的にしか反応できない利用者も少なくない。

良かれと思った行為に対し、感謝という報いがあるとは限らないのだ。

そのため介護という職業に対し抱いている自分の熱い思いや、誇りといったものが報われないことも多々あることだろう。そんなふうに身体的にも精神的にも辛く苦しい思いを抱きやすいのが介護という職業の一面でもある。
新卒者の教育指導
だからと言って、そうしたネガティブな一面を強調するだけで、介護という職業の使命も誇りも否定し、人を救い人の役に立つ仕事であるという思いを、「理想と現実は異なる」という言葉でつぶしていく指導者であってはならない。

辛く苦しい一面を乗り越えながら、真摯に利用者に向かい合った時、無表情だった認知症の人の穏やかな笑顔に出会うことができる。他者に対し攻撃的な言動に終始していた暴力的な高齢者が、ふとしたはずみで、「ありがとう」と口にする瞬間に出会うこともできる。

表面上見えなかった利用者の様々な心情に出会うことができるのが介護という職業である。だがそれはそうした心情を引き出すために真摯に対応した人だけしか出会うことができないものでもある。

だからこそ我々は、介護サービス利用者が顧客であるという意識を失わず、お客様に失礼のない態度で接することに終始し、お客様のニーズに沿うことに努めて、笑顔や幸福感を引き出すプロであらねばならないと思う。

明後日入職する新人に先輩職員が伝えなければならないのは、そういう介護の本質である。

その見本となるのが先輩職員・指導職員であらねばならない・・・そういう姿を見せられる自分であるかどうか、4/1を前に今一度振り返ってほしい。

残念なことではあるが、毎年短期間で元気を失って介護の場を去っていく新人職員が少なくない。介護の仕事が人の役に立つ仕事だと思っていたのに、そうではなかったと言って去っていく人たちは、短期間にどんな介護のあり様に幻滅を抱いたのだろうか・・・。

その一端に触れるのが言葉遣いの乱れである。新規で採用した職員が当初は丁寧語を使っていたのが、慣れてきて数カ月後には入居者の皆様に対してタメ口になっている姿があるとしたら、その原因は指導する側の先輩職員の言葉が乱れているからに他ならない。

そうした言葉の乱れはやがて、乱れた言葉を使う人自身の心の乱れに直結していく問題である。人の役に立つことがない介護を創り出しているのが乱れた言葉、乱れた態度である。

逆に、きちんと丁寧な接遇を行い、職員に日常的に接遇指導をしている場所では、サービスマナーが浸透している。そういう職場では、特段新人に対してサービスマナー教育を行わなくとも、OJTの中で丁寧な言葉遣いの指導がされて、接客から接遇への昇華が自然と行われていくことになる。

そういう事業者に就職した新人職員は、丁寧語で顧客である利用者に接することが、ごく当たり前の態度に思えるようになっているだけではなく、介護という職業が人にとって役に立っているという実感を得、仕事の使命を感じ取り、その仕事に誇りを持つ結果を得ている。

そうした介護事業者に運よく就職した新人は、短期間で介護の仕事を辞めるようなことはなく、定着し立派な指導者として成長していく人が少なくない。

どうかそういう職場を作ってほしい。自らの仕事ぶりが、介護という職業の使命と誇りを伝えられるものであるように自分を律してスキルアップしてほしい。
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腐ったミカンをチェックし取り出す季節



暦は既に3月である。春間近のこの季節は心をリフレッシュできる時期でもある。

プロ野球や春の選抜高校野球も開幕する今月は球春とも称されており、今年はWBCも開催される。野球ファンは胸躍る季節だ。

我がファイターズファンクラブも、この時期に会員資格を更新したファンに対してプレゼントが送られてくる。
エスコンフィールド型デジタル時計
今年送られてきた会員プレゼントは、エスコンフィールド型デジタル時計であった。なかなかオシャレで気に入った。

今年はなんとしてもリーグ優勝〜日本一を実現してほしいものだ。

それはともかく多くの企業も今月が2025年度の最終月となり、年度末の様々な処理に追われていることだろう。

新年度の始まりを4月からとしている企業が多い理由は、国の年度にあわせているというより、日本の学校は3月卒業なので、それに合わせて新入職員が数多く入職する4月を年度初めとしていた方が都合が良いからかもしれない。

どちらにしても来月になれば介護事業者にも、新卒者をはじめとした新入社員が入職してくる。その備えは十分だろうか。

僕は社会福祉法人の総合施設長と勤めていた際、この時期に最も気を使ったことは新人教育への備えである。

介護サービスの品質を左右するのは、従業員の資質そのものであるのだから、入職して即、その心構えを与えるとともに、法人理念を理解させ、その理念を実現する原動力に育てていかねばならない。

その為に法人職員として身に着けなければならない態度をレクチャーしたとしても、その見本となる先輩職員の姿が、レクチャー内容と程遠い状態であれば、その教育は無駄以外の何ものでもない。

どんなに耳触りの良い話をしても、実践が伴わなければ意味が無いのである。

特に僕が重視していた利用者に対するサービスマナーの徹底。タメ口対応は全体禁止で、丁寧語で会話を行うルールについて、先輩職員に一人でもそれを護らない人間が混じっていればルールは崩壊する。低きに流れる人間が必ず現れてくるのである。

だからこの時期、法人内のすべての従業員が理念とルールに沿った利用者対応ができているかどうかをチェックしていた。それぞれの部署のリーダーがチャック役となり、漏れがある部分について報告させて、必要と考えたときは個人面談を行うなどの対策を取っていた。

必要な対策として、腐ったミカンを排除せざるを得ないこともあった。対利用者場面でのマナーある態度を保持できない人間、上司等がいる場所とそうでない場所で態度が違う人間・・・いくら注意しても態度が改められない人間は、この時期を境に部署変更・降格などで厳しく対応していた。

そうなると必然的に自主退職につながるケースも出てくる。それはそれで構わないと思っていた。それは自浄作用だろうと割り切っていた。

僕が総合施設長に就任した直後から、そのようにして大手術にも似た改革を行うことによって、法人内で新入職員に胸を張って指導できる人材が複数育っていった。その状態になるまでには数年の期間が掛けられていたのであって、一朝一夕でサービスマナーの確立ができたわけではないことも事実である。

だからこそ、今介護サービスの場で従業員のマナー教育に努めている方々も、その教育が全従業員にまで浸透するにはそれなりの時間と労力が要することを理解したうえで、あきらめずに取り組みを進めてほしい。

それと共に信賞必罰を厳格に適用して、法人等が定めた理念やルールを護る人を優遇し、護らない人に罰を与えることを徹底してほしい。

それなくして改革は実現しないことを肝に銘ずるべきである。
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サービスマナーは倫理上の課題にあらず



(枯渇する訪問介護人材に紛れ込む人罪より続く)
僕が社会福祉法人の総合施設長に就任した際に、最初に取り組んだことは従業員の、「言葉の改革」であった。

施設長就任前から介護職員の利用者対応は丁寧語で行うように指導していたが、全員にその意識が浸透せず、いつの間にかタメ口対応に戻ってしまう介護職員も少なくなかった。そういう従業員には都度注意することができても、罰則を伴う強制力がないことから、ところどころにその漏れが目立つ状態だった。

その状態を改善するために、まずは社会福祉法人の全従業員は介護事業のプロフェッショナルとしての自覚を持ち、プロとしてふさわしい顧客対応を徹底すべきであるとし、利用者に対してサービスマナー意識をもって丁寧語で対応することを基本原則とするということを、施設理念のトップに掲げて、その理念を遂行することを求めた。

そしてそれは法人内のルールであるとした。そのルールを護ることができない人は、法人職員としてふさわしくないとして罰則対象であるとした。

そのようにしてルールを護らない職員に、厳格に罰を課すことによって理念は浸透していった。
富士山
そうしないことには理念もルールも浸透しないと思ったからである。

どんなに介護業務に精通しているとしても、介護サービスを利用する人の感情を害しては意味が無いのである。

介護従事者の横柄な態度、無礼な言葉遣いはしばしば人権侵害につながる問題を引き起こしているという事実がある。親しみやすさを強調しようとして使ったタメ口で利用者の不快を買ったときに、「そんなつもりはなかった」という言い訳は、人権侵害という結果をもたらした後では、なんの免罪符にもならないのである。

だからこそ相手から誤解されない対応の基盤となるのが、「サービスマナー」であることを理解しなければならないし、介護従事者はよそよそしさを恐れるより、無礼で馴れ馴れしい対応で利用者の尊厳や誇りを奪い、心を殺してしまうことを恐れる人でいなければならないのである。

サービスマナーを身に着けられずに、丁寧語を使いこなせない従業員は、しばしば無礼対応〜不適切サービス〜虐待へと行動をエスカレートさせる傾向が強い。

例えば、先週2/19にも千葉県船橋市の介護付き有料老人ホーム「リアンレーヴ東船橋」で、入居者の90代の女性に対し、顔を殴るなどの暴行を加えけがをさせたとして、介護職員の男・永井元基容疑者(33)が逮捕されている。

容疑者は夜勤中にコールで何度も呼ばれることにイラついての犯行であると自供しているが、利用者にとって命綱ともいえるナースコールを否定するかのような考えを生むのも、利用者が顧客であるという意識の欠如に他ならない。

こういう事件が引き起こされることを防ぐためにも、介護事業におけるサービスマナー意識の確率は非常に重要になるのだ。それは介護事業経営を続けるための必須アイテムなのである。

来週から暦は3月に変わる。その月は卒業の月でもあり、その後の4月には介護事業者に数多くの新入社員が入社してくる。その人々が先輩職員の間違った感覚による、馴れ馴れしい失礼な対応や言葉遣いを真似することがないように、今から今いる従業員に対してサービスマナーを徹底する教育を行うことが重要である。

そのことに決して手を抜いてはならない。
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社会のセーフティーネットという自覚と誇り



年の瀬の空気に一年の早さをしみじみ感じる頃となったこの時期であるが、またしても介護事業者内での利用者に対する暴力事件が明らかとなった。

27日に福島県伊達市の介護職員の男(35歳)が暴行の疑いで逮捕されたが、容疑者は12月23日午後11時半ごろ、自分が働く施設の男性入所者(90代)の頭を手で叩く暴行をした疑いがもたれている。

男は容疑を認めているそうだ。その為年末・年始をブタ箱で過ごすことになろうが、それは当然だろう。

人の暮らしと心を護るべき介護保険施設で、利用者の尊厳を根こそぎ奪い取るような暴力をふるう輩に、どのような鉄槌を加えても奪われた心は取り戻せない。介護事業における従業員の暴力・暴言とはそのような重大な意味があることを忘れてはならない。

こうした暴力事件に関連したデータとして、厚生労働省は25日、介護職員による高齢者への虐待が2024年度に1220件あったとの調査結果を発表した。前年度から8.6%増え、4年連続で過去最多を更新している。職員に通報を促す環境整備が進んだことが要因の一因とみられてるが、被害者は1件で複数存在するケースもあり2248人にのぼり、うち5人が死亡している。

尊厳だけではなく命さえ奪う暴力が、要介護者の暮らしを支えるべき介護事業者内で起きていることは由々しき事態だ。
雪の足跡
こうした事件が起こる理由として「倫理観や理念の欠如」・「ストレスや感情のコントロールができない」ことが挙げられるが、そのようなこと言う前に、家庭的とか親しみやすさとかを理由にした、砕けた馴れ馴れしい態度で利用者対応することを良しとする風潮を何とかしろと言いたい。

介護人材不足が叫ばれる中で、募集に応募してきた人を闇雲に採用し、十分な教育も行わないまま介護サービスの場に放り出すかのように働かせ、そこで不適切な対応を行っている姿を見ても、注意にへそを曲げて叱れない上司が多くなっている状況が、こうした虐待事案の根本ではないかと思う。

いくら人員を揃えても、介護事業の本来の目的を理解せず、知識も技術も拙いままで、「家庭的」という言葉を誤解し、家族と同じようなぞんざいな態度で利用者対応しても問題ないという意味と勘違いして利用者対応を続ける介護事業者では、いつ利用者の権利侵害とか虐待が起きても不思議ではないのである。

介護事業者の従業員は、職種に関わらず介護サービスのプロなのだ。プロ都市お客様に接するという意識をもって、それにふさわしい知識と技術を身に着け、高めていかねばならない。その知識と技術の中には、お客様に接するうえでのサービスマナーというものの含まれるのである。だからこそ全ての従業員に対するサービスマナー教育はおざなりにできないし、繰り返し定期的に実施する必要があるのだ。

介護支援専門員の法定研修では、昨年度から介護離職防止への支援というカリキュラムが追加されている。その意味は、日本の経済を支える労働力をも介護サービスが支えて護るという意味だ。

つまり介護が支えているのは経済も含めた社会全体なのである。日本という社会全体のセーフティネットが介護事業であり、そこで働く関係者すべてがそのセーフティネットを構成する貴重な人材であるという自覚と誇りを持ってほしい。
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利用者によって態度を変える姿は恥ずかしい



相手を見て態度を変えてはならないと云われるが、それはまさに「言うは易く行うは難し」である。

自分自身を振り返っても、それができていないことは少なくない。例えば職場で自分より立場の上の人と、部下に対する言葉遣いや態度は、いつの間にか異なってしまう。部下に対し自分より上の立場の人に相対するような態度をとっているとは言い難い。

プライベートでも関係性の近さで態度は異なっている。自分より年下の人でも「○○さん」と呼ぶ人と、「○○くん」と呼び方が違っていたりする。

職場の上下関係やプライベートの親密度で、それらが異なってくることは許容範囲である場合も多いだろう。そこは許してほしいと思う。

だが対人援助という職業に就いている専門家の一人として、自分自身の職業に使命感と誇りを持ち身としては、利用者に対してそのような違った態度を取ることは許されないと自戒している。
多面性
利用者に対しては、いつでもどこでも、誰であっても分け隔てのない対応でありたいと考え、そこは曲げてはならないと思っている。

対人援助のプロとして利用者に向かい合う立場ではあるが、利用者との距離感は決して同じではないかもしれない。

利用者の中にも以前からの知り合いの人や、現在の知り合いの縁故者なども居たりする。男女の別や年齢によっても距離感は異なってくるかもしれない。

しかしそのような関係・距離感によって、自分の対応の仕方が異なってはならない。

まかり間違って、人を選んぶように異なった態度で接した場合、その姿は相手もしくは第3者には差別そのものにしか思えないのかもしれないからである。

一度でもそう思われてしまえば、対人援助は失敗に終わる。その失敗は取り返せず、関係性は修復不可能になりかねない。対人援助の専門家として、そのことを何よりも恐れる・・・。

だが人に寄ってあからさまに態度を変えて接する輩が介護事業者の中にも垣間見られる。

利用者にはタメ口対応なのに、利用者の家族には丁寧語で接する事務員・・・認知症の人に対してはタメ口で対応するのに、認知症のない人には丁寧語で接する介護職員。

それは対人援助のプロとしてふさわしい態度と云えないばかりではなく、恥ずべき姿であると思う。

自分は偏見の持ち主であり、人を差別することも平気だと喧伝しているようなものだ。そのことを恥ずかしく感じないのかと云いたい。

どの利用者に対しても分け隔てない態度で丁寧に接すること、それが対人援助のスタートラインであることを忘れてはならない。

それもサービスマナーの一つであると云えるのかもしれない。
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言葉は太陽にも北風にもなり得ます



日本全国に十万件を超えて存在する介護事業者はの多くは、虐待とは無縁のサービス提供に励んでいる。

そこで働く600万人を超える介護職員の大多数も虐待とは無縁の姿勢で介護サービス利用者と向かい合っている。

ところが決して少なくない数の人々が、介護事業者における虐待は日常茶飯事であり、報道される虐待はそのごく一部であり、「介護事業における虐待の氷山の一角でしかない」と考えている。

それは毎月のように全国のどこかの介護事業者を舞台に、従業員による暴力や不適切対応により、介護サービス利用者が心身を傷つけられているという報道が行われる影響が大きいのだろう。

それと共に、介護従事者の利用者に接する態度があまりに砕けすぎていて、プロの介護支援者とは思えないという状況が存在することも大きな要因だろう。

本来、対人援助のプロである私たちの役割とは、利用者の暮らしを支え、豊かにするために手を差し伸べるだけではなく、利用者の尊厳をきちんと護り、人としてこの世に生きることに意味を感じられるように、「あなたは誰かにとって唯一無二の存在なのです」ということを心に訴え、心を寄せる存在である。
見えない場所に咲く花
誰にも見られることのない場所に咲く花のように、第3者の目の届かない場所でも利用者を護り続ける存在だ。

そうした使命を奪うものが、対人援助のプロにあるまじき砕けた利用者対応だ。

敬老の日の昨日も、全国の老人ホームやグループホームに多くの面会者が訪れ、家族や知人と交流の機会をもっている。そうした面会者の決して少なくない数の人が、若い介護従事者が自分の身内である高齢者に、友達のようにタメ口で接する姿を見てため息をついている。

所詮、介護施設とはこの程度のものなのだとガッカリしながら、介護事業者を後にしている。その人たちにとって、介護事業者内で従業員が利用者に向けるタメ口は、北風そのものである。うすら寒い思いをしながら、時おり表面化する介護事業者の虐待が氷山の一角でしかないと改めて感じている。

しかしタメ口対応している人たちは、それが家庭的で親しみやすい態度だと思い込んで、自分自身の態度が介護事業の信頼を揺るがせたり、削いでいるとは考えられない。それらの輩はその程度の品性も知性もない連中だ。

しかしそうした輩を創り出しているものが、特養やGHが家庭的で温かい暮らしの場所とか、アットホームな雰囲気で暮らせますと宣伝してる経営者や管理職である。

私たちが利用者対応する場所は家庭的でなくともよいのだ。利用者の方々が帰る場所が家庭であり、その場所より良い場所はないという前提で、家庭にはなれないけれど、家族に替わって介護のプロが対応する専門機関ですよと示す必要があるのだ。

介護事業者が家庭や家族と勝負してはならないのだ。ましてやしてはいけない勝負をして、家庭や家族に勝つことなどあってはならないのだ。

それはとりもなおさず、介護事業そのものが利用者の心の故郷や、家族との心のつながりを奪う行為に他ならない。

だからこそ私たちは常に対人援助のプロとしての姿勢と矜持を示すために、態度と言葉遣いを丁寧に保ち続ける必要があるのだ。
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言葉を割れ窓にしないために



今日僕は先週に引き続いての大阪出張で、今は伊丹空港上空を飛行中だ。

この出張が1日ずれて昨日だったら大変だった。津波警報の影響で、JRや高速バスがほとんど欠航したため道内の陸の移動が困難だったので、大阪までたどり着けなかったかもしれない。幸い昨日の夜に警報が注意報に変わって、今日はほぼ平常運行に戻っていた。

現在は機内でこの記事を更新アップしている。

もうすぐ着陸し、その後リムジンバスに乗って天王寺まで移動して、阿倍野ハルカスにほど近いところにある社会福祉法人さんの職員研修としてサービスマナー講演を16:00〜17:30まで行う予定が入っている。

思えば全国の様々な場所でサービスマナーに関連した講演を行ってきた。虐待防止や身体拘束廃止の講演の中でも、その基盤となる顧客対応という意識づけのために、介護サービス利用者に対するサービスマナー意識の向上が重要であるという話をし続けている。

しかしサービスマナーという言葉を使う以前から、介護事業における利用者に対する言葉遣いが問題であるという意識を持っており、家族のような無遠慮な言葉遣い、必要以上に馴れ馴れしい言葉掛けがあってはならないことを主張し続けている。

それはもう40年近く前からの僕の考え方であり、僕自身の利用者に対する態度の在り方である。そしてその訴えの中で生まれた考え方が、介護サービスの割れ窓理論である。
割れ窓
割れ窓理論という言葉自体は、僕が創り出した言葉ではない。それは犯罪心理学で提唱されていた言葉である。

窓ガラスの小さなひび割れを放置することで窓が割れ、それがきっかけになって建物全体が荒廃する。よって窓ガラスの小さなひび割れを見つけたならば、即座にそのひび割れを修繕することが建物を長く健全に保つコツであるとし、このことを犯罪に当てはめると、軽犯罪を放置しておくことで重大犯罪が生まれるので、軽犯罪をいかに早急に発見して適切化していくかが問われているという理論だ。

これを介護サービスに置き換えたとき、従業員の利用者に対する口の利き方が割れ窓となると考えた。暴言とは言えないまでも、顧客対応としてふさわしくない馴れ馴れしい言葉遣いは、やがて利用者の人権を護るという意識を軽薄化し、尊厳を傷つけてもなんとも思わない不適切対応。不適切ケアに結びつくと考える必要がある。

介護従事者が利用者に対しタメ口対応することは、介護のプロとしてあるまじき行為であり、その態度はやがて不適切ケアや虐待の温床となるだろう。だからこそ日常の利用者への言葉遣いを正しく丁寧にする必要があるというのが、「介護サービスの割れ窓理論」である。

この考え方が浸透して、介護事業において利用者の尊厳と心を殺すような対応がなくなってくれることを望んでいる。

道はまだ半ばといえるが、決してあきらめずに今後も言葉の大切さを伝えていきたい。

嬉しいことにサービスマナー意識が向上したと報告してくれる事業者も増えている。そういう報告をしてくれる方からは、利用者対応が丁寧になった副次的効果として、職場の環境・雰囲気が良い方向に変わったという声も聴かされる。

何より利用者へ失礼な言葉遣い・乱暴な態度をとる従業員がいなくなることで、そういう姿や声を聴かされることで生ずるストレスがなくなったという話を聴く。それもとても大事な事だろうと思う。

そういう環境も含めて、募集に応募が増え従業員が定着する職場になり得るのだろうと思う。そういう意味ではサービスマナー教育は、人材マネジメントとしても有効になるのかもしれない。

ということで今日も受講後、即実践できる実務論としてのサービスマナー講演を行いたいと思う。天王寺でお愛する皆様、どうぞよろしくお願いします。


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私の敵は私です。



社会全体のコンプライアンス意識が高まり、過去に許されていた行為がハラスメントとして糾弾される世の中になっている。

そのことをことを肌で感じている人も少なくないと思う。そして介護業界だけがそうした世間の流れの外に置かれ続けるということはあり得ないことも理解できると思う。

そうであれば過去に見逃され、あるいは見て見ぬふりをされてきた利用者に対するタメ口対応も、モラルハラスメントとして糾弾されることに繋がっていくというリスクを意識せざるえを得ない。

そうなる前に一日も早く、従業員に対してサービスマナー教育を徹底させ、介護サービス利用者は顧客であるという意識づけを行うとともに、顧客に対してサービス提供者として護るべきサービスマナー対応を徹底させることが必要になる・・・それは今後の介護事業経営の生命線ともいえるだろう。

僕はそうした教育・指導の一環として、全国各地で介護事業におけるサービスマナーをテーマにして講演を行っているが、そこで話すことは理想論でも空論でもなく、自分が社福の総合施設長として従業員に徹底して護らせてきた、マナーある利用者対応という実践論である。

それを徹底して行ってきたという事実がある限り、他者の空論・屁理屈に屈するものは何もない。

そんな僕のサービスマナー講演を聴いて、真剣にマナー改革に取り組もうとしている事業者の中で、なかなか利用者に対するタメ口対応が直せない従業員がいるという話を聴くことがある。介護の仕事に意欲をもって取り組み仕事も出来るのだが、利用者に対して馴れ馴れしい態度、傍から見て聞き苦しい言葉遣いを直せない従業員に対して、どのように指導をするのかと尋ねられることがある。

答えは簡単だ。信賞必罰・・・職場のルールを護り、サービスマナーを意識して利用者対応している職員と、そうしようとしない職員に待遇面での差をつけないと、ルールを護っている職員が馬鹿らしく感じて、ルールを護り続ける意欲をなくしてしまう。

そうしないためにもマナーに欠けるタメ口対応を直せない従業員は、昇進させない昇給させない、処遇改善加算の配分もしないという罰を与えて改善を促すべきだ。

サービスマナー向上の旗振り役のあなたが、そうした注意や罰を与えるということをしないなら、サービスマナーを向上させる敵はあなた自身であると云いたい。

職場のルールとして顧客である介護サービス利用者に対してサービスマナー精神をもって接するということを決めている以上、それは極めて当然のことと考えてほしい。

北海道出身の歌姫・中島みゆきさんが書いた「ファイト」という楽曲の一場面・・・電車の駅の階段から子供を突き落として薄ら笑いを浮かべる女と、転がり落ちる子供のシーンを目撃しながら、何もできなかった自分について、「私の敵は私です」と恥じる場面が書かれている。
私の敵は私です
介護事業におけるサービスマナーの向上にも同じことが言える。いくら自分が介護サービス利用者に対してサービスマナー意識をもって接していたとしても、同じ職場の従業員がお客様に対してマナーに欠けた対応をしている場面を見て見ぬふりをし、放置していたとすれば、サービスマナーが浸透しない一因は自分自身にもあると思い知るべきだ。

そこでは「あなたの敵はあなた自身」であるという状態が生まれているのだ。

そうならないように、自分に厳しい姿勢を貫きつつ、他者に対して毅然と物言う姿勢を貫く人であってほしい。

その時、自分にかける言葉は、「ファイト!!」である。
※中島みゆきさんがファイトを書くきっかけになったオールナイトニッポンの放送音声と唄は下記の動画を参照ください。

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事業規模拡大のリスクマネジメント



僕は今、広島県呉市に向かう途中、羽田空港で乗り継ぎ便待ちの真っ最中である。

今日午後6:30〜新日本造機ホールで行われる株式会社・西日本電工社主催のサービスマナー研修講師を務める予定になっているための移動である。

広島県では過去に、広島市で複数回・尾道市と三次市で各1回講演を行ったことがある。

しかし呉市にはまだ行ったことがなく、今日が初めての訪問となる。とはいっても今日は広島空港に到着後、リムジンバスで呉入りして講演を行い、一泊した後、明日は呉駅発午前8時台のバスに乗って広島空港に向かわねばならないので、呉市内を観光している暇はない・・・ほとんど素通りという状態なので、せめて今晩の懇親会(※講演主催者の方々との夕食会)を愉しんで来ようと思っている。

今日の講演テーマは「介護事業におけるサービスマナー」。僕が全国で何度も行っている講演テーマであるが、それは今非常に重要なテーマとなってきている。
ひまわりの約束
なぜなら今後の介護事業においては、従業員の介護サービス利用者に対するサービスマナー意識のある・なしによって、事業経営の命運が左右される度合いがさらに高まるからだ。

介護人材不足が解消しない中で、今後20年間に渡って要介護高齢者の数は増え続けるため、介護市場自体はまだまだ成長産業だ。

人手がさらに減る中で、増え続ける要介護者にサービスを提供し収益を挙げるために、人材を柔軟に配し、生産性を向上させ効率よく事業を回さねばならない。その為には事業の多角化を図って適材適所に人員を回していく必要がある。その為にも事業規模拡大は必須だ。

だがいくら生産性を向上させても、介護という仕事の性格上、人手をかけなければならない部分が多く、事業規模を拡大するに比例して従業員の数は増やさねばならない。その中に、「介護福祉士資格を持った鬼畜の所業」で解説した容疑者のような人物が紛れ込んでいたら大変なことになる。

今後の介護事業経営に必要不可欠とされる事業規模拡大には、こうしたリスクが伴うのだ。

事業経営者や管理職は、そのような従業員を決して雇わず、まぎれていた場合は早急に排除するという考えを持たねばならない。数合わせの人材確保だけは禁忌なのである。

そして雇用した従業員には徹底的に、「介護サービス利用者は顧客である」という意識づけを行い、顧客に対する礼儀を欠いてはならないとするサービスマナー教育を行い、その意識を浸透させなければならない。

そのことがより重要になってくるのである。

今巷では、弁護士資格を持っている方々が、ローンの過払い金対応が減っていることで、新たな収入源を探しているそうだ。

その際に医療訴訟は専門的過ぎて、時間も掛かりターゲットにはなりずらい・・・しかし介護事業における虐待・不適切ケアは容易に認定ができ、しかも数も少なくないと思われている。

それって介護事業にとって相当のリスクではないのだろうか・・・だからこそ不適切ケアから虐待、人権侵害事件に繋がらないリスクマネージメントが求められる。

虐待してはならないということは誰もがわかっていることだ。にもかかわらず事件につながるような虐待がなくならない理由は、そもそも顧客サービスとしての体裁を整えていない介護事業者が多いからだ。

そうならないように介護サービス利用者が顧客であるという意識を叩き込み、そこでは顧客に対するサービスマナーが求められるという意識を培い、さらに介護という職業の使命や誇りとは何かということを知らしめて、お客様に喜ばれる介護サービスの方法論を伝えなければならない。

つまり介護事業におけるサービスマナーを実効性あるものにするには、介護事業を知悉する対人援助の実践者が、その実績に基づいて具体例を伝える必要があるのだ。

今日はそういう実効性ある介護事業におけるサービスマナー講演を行う予定だ。どなたでも参加できるということなので、今から参加したいと思う方は、株式会社 西日本電工社さんに連絡してみてはいかがだろう。

呉市でお愛する介護関係者に向けた動画も作成してきたので、下記参照願いたい。

それでは呉市の皆様、夕方講演会場で愛ましょう。
※CBニュースの連載記事・快筆乱麻masaが読み解く介護の今(114)が6/30更新アップされました。
快筆乱麻・masaが読み解く介護の今
今月のテーマは、「信頼を失いかねない介護事業での人権侵害」です。文字リンク先を参照ください。
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サービスマナー意識向上の副次的効果



介護保険制度施行以前の社会福祉法人は、国家公務員準拠の給与体系とされていた。

介護保険制度以後それは徐々に見直され、給料表も新たにしている社福が多いが、賞与の支給日は依然と同じく国家公務員の賞与支給日と同様のままにしているところが少なくない。

国家公務員の賞与基準日は、夏が6/30・冬が12/10とされているが、僕が勤めていた社会福祉法人の賞与支給日について夏は6/15・冬は12/15としていた。(※そのほか8/31に寒冷地手当、3/15に年度末手当を支給していた。)

今年は6/15が昨日日曜日だったので、今日6/16に賞与支給となっていることだろう。

どちらにしてもこの6月という時期は、夏のボーナス支給を行っているところが多い。その際に起きる現象がある・・・それは退職者の増加である。特に新年度に入職したばかりの人が、この時期を待って退職してしまうケースが少なくない。

何らかの理由で退職を決意した人が、夏のボーナスを受け取るまでその意思を示さないまま、ボーナス支給を受けた時期に退職届を出すケースだ。

そのまま介護業界から去る人も少なくないが、他の介護事業者を探して転職しようとする人もいる。今時期がその分かれ道を探す時期でもある。
転職への分かれ道
介護福祉士養成校の特別授業を担当している僕にも、転職を決意した学生から連絡が来ることが多い。そうした卒業生の多くが、現在勤めている職場の悩みを打ち明け、今後どうしたらよいのかという相談を持ち掛けてくる。

その中でも一番多い相談が、就職した先の先輩介護職員が、利用者に対して乱暴な態度で接している姿を見て、「こんなところでは、これ以上働きたくない」・「利用者対応を流れ作業のように行い、利用者を物のように扱う人の姿を見る毎日に、ストレスしか感じられない」という訴えだ。

かつて生徒に関わった教員の一人として、そのような訴えを行う生徒に、「そこで我慢しろ」とは言えない。そうした悩みを訴える卒業生には、自分が知る限り、そのような心配がないと思える介護事業者を再就職先として紹介している。

こうした事実から考えても、介護事業における顧客対応としてサービスマナー教育は重要になる。

従業員に定期的にサービスマナー教育を行い、その意識が浸透している介護事業者に就職した学生から、周囲の他の従業員の態度の悪さがストレスとなって辞めたいという訴えは聴こえてこない。逆にそうしたストレスが原因で退職した卒業生の再就職先となっているのが、従業員間にサービスマナー意識が浸透している介護事業者である。

だがそうした介護事業者に限って、この介護人材不足の折でも人が介護職員が充足している。介護サービス利用者は顧客であるという意識を高くもって、丁寧な対応を実践している介護事業者で働きたいと思う人が多いし、実際にそうなっている介護事業者は介護職員の定着率も高いからである。

この事実は、介護事業者におけるサービスマナー教育とその意識浸透が、職場のコンプライアンスやガバナンスの基盤となるだけではなく、事業経営を支える人材確保の効果にも結び付くことを証明している。

夏のボーナス支給時期であるまさにこの時期に、介護事業経営者や管理職の方々には、そのことを自覚・理解して介護経営戦略を練ってほしいと願う。
※株式会社マイナビさんが運営するポータルサイト、「メディカルサポネット」の連載、「菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営」の第6回配信記事が6/9にアップされました。
菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営〜Vol.6
今回のテーマは、「2027年度介護保険制度改正の展望と課題」です。下記目次を参照してください。
2027年度介護保険制度改正の展望と課題目次
社保審・介護保険部会の改正議論も二回り目に入っています。今この時期に何が議論されているかを確認するうえでも、是非今回の配信記事を参照してください。
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顧客マナーを欠いても良い理由を探すことをやめよう



僕は現在の、朝・昼・晩と3回に分けて合計2時間弱の室内有酸素運動を行って体調管理をすることを日課にしている。

デスクワークが主となっている僕の暮らしでは、どうしても運動不足になりがちだ。そのため体重を必要以上に増やさないことを第一の目的にして、出張がない日はほぼ毎日その運動を行っている。

運動後の爽快感に勝るものはないが、しかし運動を始めることは決して容易ではない。思わず運動をしなくてよい理由を考えてしまいがちであるが、そうなるとさぼり癖がついてしまう・・・だから今は、運動をしない理由を考えないように自らを戒め、運動をする効用・その後の爽快感だけを考えるようにしている。

それによって毎日の運動が習慣化して、苦も無く自然に続けられている。

介護事業におけるサービスマナーの浸透も、同じようなことが云えるのではないだろうか・・・。
介護サービスの割れ窓理論
経営者や管理職が、顧客満足度を高めようとする目的をもって、従業員の接客態度を向上させようと組織改革にチャレンジする介護事業者が増えている。

スマホやタブレットを当たり前に使いこなし、ネットの口コミ情報で様々な選択肢を選んでいる団塊の世代が、サービス利用者の大部分を占めるようになりつつある現在、選ばれる介護事業者になるためには、その方針は正しいといえよう。

しかし従業員の意識が思うように変わらず、成果が挙がらないと嘆く声が聴こえてくる。介護サービス利用者に対してマナー意識を基盤として、ホスピタリティ精神を高めようと取り組んでも、従業員はタメ口対応が親しみやすさを現す表現であるという意識から脱せず、顧客に使ってはならない無礼な言葉遣いが直せないという話もよく聞く。

サービスマナーが浸透しない事業者のでは、丁寧な態度や言葉を使えない・使わない理屈をまず先に考えてしまう傾向が強い。そのため行動変容に繋がらないのである。

丁寧な態度や言葉は利用者に堅苦しさを感じさせるとか、よそよそしく思われるだとか、丁寧に接しない理由から先に考えてしまいがちだ。しかしその考えはあくまで介護を行う側の考えでしかなく、介護サービスを利用する人の考えではない。

しかもそのような考え方は、介護サービスを利用する人は顧客であるということを無視した考えでもある。

介護という職業を通じて生活の糧を得ている以上、そこでサービスを利用する人はお客様に他ならない・・・まずこの顧客意識を浸透さえなければならない。そうであれば顧客に対し、サービス提供者がタメ口で対応するのはもってのほかだということが理解できるはずだ。

そして顧客はただ単にサービスを提供してくれても満足はせず、接客する人におもてなしの気持ちが感じられる態度を望むのだ。

そのため丁寧な接客を行うべきだというのは、小学生でも解かる理屈であり、家族でもないサービス提供者が、家族と同じぞんざいな態度で利用者に接するなんて言うことが許されない行為であることも小学生の理解レベルだ。

丁寧な態度で接することができない理由も、「忙しい」・「腹が立つことを云われる」・「いうことを聴いてもらえない」などとあげつらう人がいるが、そんな理由で接客態度が低下することを介護以外の他の職業では許してもらえるとでも言うのだろうか。

どの職業でも、忙しい中でも顧客の態度や状態に我慢しながら接客に徹することが求められるのである。それも小学生に教えるレベルの事柄だろう。

利用者と仲良くなって、自分の祖父母のような関係になっているために態度が砕けるというのも介護のプロとしての態度に徹していないという甘えだ。家族ではない介護サービス提供者は、家族と同じ態度で利用者の接するのではなく、あくまで他人であり、かつ自分はプロの介護支援者であるという意識をもって節度のある態度が求められるのだ。

プロの介護支援者が利用者に対してサービスマナー精神を忘れずに接するという意味は、人権を侵害する要素を徹底的に排除するという意味だ。横柄な態度・無礼な言葉遣いは、しばしば人権侵害につながる問題を引き起こしている。「そんなつもりはなかった」という言い訳は、人権侵害という結果をもたらした後では、なんの免罪符にもならないのである。

顧客である介護サービス利用者から誤解されない対応の基盤となるのが、「サービスマナー」なのである。

だからこそ、どうぞよそよそしさを恐れるより、無礼で馴れ馴れしい対応で、利用者の尊厳や誇りを奪い、心を殺してしまうことを恐れる人でいてください。
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人権を護り事業を守るマナー教育



僕は今、羽田空港のJALさくらラウンジでこの記事を更新アップしている。

昨日の午後に上京し、都内の社会福祉法人の職員研修として夕方18:30〜90分間サービスマナー講演を行い、昨晩は馬喰横山の定宿に宿泊した。その宿を経ち、これから自宅に向かって北海道に帰るところだ。

昨日の講演先は社会福祉法人で、そこの従業員研修の講師役を務めた。そのためできるだけ多くの従業員さんが参加できるように時間設定されている。このように日勤者が勤務を終えた後の講演依頼も多い。もっと遅い時間でも対応は可能なので、希望がある方は是非連絡していただきたい。

ちなみに昨晩の夕食は、講演後一人呑み会と相成ったが、「masaの血と骨と肉〜石狩の学校出身ではなく僕は、胆振(いぶり)がっこう、です。」で紹介しているので参照願いたい。

昨日講演を行った社会福祉法人は、利用者を名字に様付けで呼ぶなどしてサービスマナー意識も浸透しているところだ。そうであってもそうした意識がなぜ必要かを全従業員が確認し、その意識をさらに向上させるために、定期定期にサービスマナー講演を受講することは大きな意義があるように思う。
介護の誇りと使命
介護支援を施しのように勘違いして、利用者に対しサービス提供者が上から目線で対応するところでは不適切ケアが横行し、それが虐待につながるだけではなく犯罪さえ誘発しかねない。

昨日の報道では、滋賀県甲賀市で訪問介護で訪れた高齢男性のキャッシュカードを盗み、ATMで47万円を引き出したとして、窃盗などの疑いで甲賀市に住む訪問介護士の39歳の訪問介護員の男が逮捕されている・・・さらに新潟県妙高市では、介護施設の入所者のキャッシュカードを盗み、ATMで40万円を引き出したとして41歳の介護職員の女が逮捕された。

このような事件によって介護事業に対する信頼は著しく失墜する。逮捕された二人の人生も終了しかねないが、これらの従業員に介護サービス利用者は顧客であり、介護支援者は介護技術を提供するプロとして家族とは一線を画すサービス提供が必要であるという教育ができていたのであろうか・・・。従業員に対してサービスマナー教育を行っていない介護事業者では、いつ何時このような事件が引き起こされないとも限らないのだ。それは即ち介護事業危機に直結するものだという危機感を介護事業経営者や管理職は持たねばならない。

利用者に対するサービスマナー意識の向上は、利用者自身の尊厳や権利を護るという意識を失わせないためにも求められるものであるが、本当に利用者の人権を護る教育指導が行われているだろうか。

それができていないところが多い証拠として、介護保険施設・居住系サービスでは、施設入所したとたん、本人より家族の希望や意見が優先されるケースがよく見受けられる。

例えば、判断能力に問題のない利用者自身が、「施設に管理を任せた自分の預貯金があることを子供に知らせないでほしい」とい希望した場合、その要求は当然かなえられてしかるべきである。

にもかかわらず、「身元引受人である家族に、そのような重大な事実は隠せません」と利用者の意志を無視する施設関係者が存在する。身元引受人は残置物引き取り契約を行っている人でしかなく保護者ではないのだ。そのような理屈は法的根拠も何もない屁理屈にしか過ぎない。

法律を護ることは当たり前だ。しかし法律は所詮文章であるため、人間生活のすべてを規定できない。よって法に規定されないことは、すべて許されるという意味ではな。だからこそ介護支援者にはより高い倫理意識が求められる。

そして倫理とは、人として何が大切かという本質を問い続けるものである。その問いの一つに、介護サービス利用者の人権を侵害する要素を排除するために何が必要かという教育訓練は欠かせない。

横柄な態度、無礼な言葉遣いは、しばしば人権侵害につながる問題を引き起こしている。「そんなつもりはなかった」という言い訳は、人権侵害という結果をもたらした後では、なんの免罪符にもならない。だからこそ相手から誤解されない対応の基盤となるのが、「サービスマナー」であることを理解せねばならない。

私たちは対人援助のプロとして、いつでもどこでもマナーをもって接することができるように訓練する必要があるのだ。

だからどうぞ、よそよそしさを恐れるより、無礼で馴れ馴れしい対応で、利用者の尊厳や誇りを奪い、心を殺してしまうことを恐れる人でいてください。
※メディカルサポネットの連載・菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営〜Vol.5の最新記事が5/14にアップされました。菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営

待ったなしの生産性向上
今回のテーマは、「待ったなしの生産性向上」です。文字リンクをクリックして参照ください。
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カスハラへの毅然とした対応の基盤とは何か



北海道内の小売業で、客が理不尽な要求をするカスハラへの対策が広がっています。

スーパーやドラッグストア、百貨店各社はカスハラを容認しない姿勢を示す指針をまとめ、実際に悪質な顧客に対して入店を断る企業も出てきました。

このように人手不足で従業員が働きやすい環境づくりは欠かせなくなっており、接客の現場は徐々に変わりつつあります。

介護事業も同様で、大切な従業員を護るために、顧客の理不尽な要求や暴力・暴言に対しては毅然とした対応が求められます。そして時には正当な理由によるサービス提供拒否も視野に入れなければなりません。

お客様だからと言って、理不尽なクレームや従業員攻撃に対してもサービス提供者が我慢せねばならないという考え方は間違っているのです。介護事業経営者や管理職もそのことをしっかり自覚して、従業員がとにもかくにも顧客にひれ伏さねばならないという考え方を改めなければなりません。

しかしカスタマーハラスメントに毅然と対応するという基盤は、日ごろから顧客に対しホスピタリティ精神を持って、マナーに欠けた対応をしないことだということを忘れないでください。

その理解がない事業者がカスハラ対策だけを超え高に叫ぶのは笑止千万であるだけではなく、社会の信頼さえ失いかねない状態を生みます。

例えばカスハラ対策と云いながら、実際には介護事業者が顧客に対してパワーハラスメントを行っている事例が見受けられます。

昨今の介護支援専門員不足の影響で、地域によっては要介護者の方が自分を担当する居宅介護支援事業所の介護支援専門員(※以下、居宅ケアマネと略)をなかなか見つけられないというケースが増えています。

それをよいことに、「自分の云う通りにしないと、あなたの担当はしません。別のケアマネを勝手に探してください」と高飛車で、恫喝的な対応に終始するケアマネもいるのです。

そのような態度はケアマネジャーによる利用者に対するパワハラそのもので、ケアマネジャーとしての資質以前に、人としての品性が疑われる問題とも言えます。

また利用者に対して、家族のように親しんでもらうために、顧客に対する対応とは程遠い馴れ馴れしく無礼な対応に終始する介護関係者も少なくありません。介護サービス利用者に対する、支援者のタメ口対応はその典型例です。
求められる真摯な顧客対応
しかしそれは間違った姿勢であり、介護のプロとしては恥ずかしい姿であると云えます。

私たちが介護実践の場で求められている姿勢とは、家族のように遠慮ない関係で、馴れ馴れしく接してサービス提供することではないのです・・・対人援助とは「人権」を護ることを何よりも重要であると考えるべき場であることを忘れないようにしなければなりません。

その基本原則を守り続けて人の暮らしを豊かにするのが介護なのです。

しかしタメ口とは、「年下の者が年長者に対等の話し方をする」という意味でしかなく、「年を取って介護が必要になった身では、客である身にもかかわらず、年下のサービス提供者からタメ口対応されるのか。」と嘆く人を生む結果に繋がってしまいます。

知らず知らずのうちに誰かを傷つけてしまっているのが、サービスマナー意識のない無礼な馴れ馴れし対応なのです。

介護という職業は本来、目の前の一人一人の利用者を幸せにすることができ、その利用者の笑顔や穏やかな暮らしぶりを見る家族の幸せにもつなげることができるのです。このように無限に広がる幸せ樹形図を描くことができる職業なのです。

しかしタメ口対応をはじめとした、サービスマナー意識のない対応は、幸せ樹形図ではなく哀しみの樹形図を無限に広げる元凶になりかねません。

介護の介とは、「心にかける」という意味です。そして介護の護とは、「まもる」という意味なのです・・・。

どうぞそのことを忘れずに、いつもあなたの前の利用者を心にかけて護る人でいてください。
※メディカルサポネットの連載、「一心精進・激動時代の介護経営」の最新記事が2/21アップされました。
一心精進・激動時代の介護経営
今回のテーマは、「離職防止〜従業員の定着率が向上する職場環境」です。文字リンクをクリックして参照ください。


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旅立ちを哀しくさせないサービスマナー



看取り介護で最も重要なことは、残された時間を意識したエピソードづくりである。

介護支援者の役割とは、看取り介護を通じてそうしたエピソードづくりの場を設けサポートすることに他ならない。

僕がかつて総合施設長を務めていた特養の看取り介護ケースを紹介したい。

92歳の女性が看取り介護に移行した際に、60代後半の長男から、「母には5歳離れた妹がいて、とても仲が良かったのですが、その妹が10年ほど前から難病を患って長期療養施設に入所しています。母は元気なころとてもその妹のことを気にしており、従弟(※かの妹の長男)からも、彼の母親がしきりに姉に逢いたいと訴えていると聴いているんですが、最期に逢わせてあげられないでしょうか。」という訴えがあった。

それを聴いた相談員が、早速妹さんが入院している施設の相談員に連絡を入れたところ、妹さんの病状は安定しており、「送り迎えがあれば、お姉さんが入所している施設まで出向くことは可能です。ただし車椅子移動の方なので、自動車の乗り降りにも介助が必要です。」という返事があった。

長男の方は運転免許を持っておらず、車いすからの乗降介助もできない状態である。その為、看取り介護対象者のエピソードづくり支援と考えて、特養側で送迎車(リフト付きワゴン車)と運転手を用意し、長男夫妻が付き添って妹が入所している施設と特養間の送迎支援を行うことにした。

そのことによって、姉妹の最期の面会に結びつけることができた。

看取り介護対象となった姉は、意識レベルが低下した状態にあって、妹が面会に来たことも十分に理解できない状態である。しかし妹の方は10年ぶりに姉の顔を見ることができて感激している様子が見て取れた。姉の手を握って、声をかける姿を見て、家族だけではなく特養の従業員も目に涙を浮かべて感動していた。

帰り際に妹は、特養の従業員に向かって、「皆さんが親身になって、優しい言葉をかけながら姉の世話をしてくれている姿を見て安心しました。これからもどうぞよろしくお願いします。」と頭を下げて特養の玄関を出ていく姿がそこにあった。

その姿を見て僕は、看取り介護対象者の方に無礼で馴れ馴れしいタメ口対応をする従業員が、ひとりも居なくてよかったなと思った。

もしそういう従業員が一人でも居たとしたら、10年ぶりに姉にあえた妹が、姉が過ごす最後の時間をこの特養で過ごすことに安心感は持つことができなくなったろうなとも想像した・・・だからこそサービスマナー教育は重要であるとあらためて思った。
オンライン看取り介護講演
先週の金曜日にオンライン配信した、「看取りを支える介護実践〜命と向き合う場に求められる本物の看取り介護」(一般社団法人山形県老人福祉施設協議会主催・看取り介護講演)でもこうしたエピソードを紹介したが、このように看取り介護とサービスマナーは密接な関係がある。

介護支援者は常に、「旅立つ人をどんな言葉で送りますか?」と自らの心に問いかけながら、看取り介護とは何かを考え続けねばならないのである。

なぜならタメ口を直せない人は、逝く人が旅立つときでもマナーのない言葉をかけてしまうかもしれないからだ。逝く人が寛大な心で、そのような無礼ななれなれしい言葉を許してくれるとしても、看取りの場にたくさん集まる親族すべてが、その言葉を許してくれるわけではないのである。

看取り介護を受けている父母の特養に面会に初めて訪れた人が、若い職員が看取り介護対象者にタメ口で接している姿を目の当たりにして、『あんなひどい態度の職員がいる場所で最期に過ごさねばならなかったのかと思うと、悔しくて・哀しくてならない』と嘆き悔やむ姿が生まれている・・・そんなつもりはなかったでは済まない問題である。

だからこそ看取りの場を哀しくさせないために、言葉遣いを含めたサービスマナーをきちんと確立なければならないのだ。


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言葉を変えるだけで意識が変わることもある



介護保険制度が創設された当時、特養は措置から契約に時代に変わると云われ、それまで被措置者とか入所者とか言われていた方々を、「利用者」と呼ぶように指導された。

それが大きな間違いだったと僕は思っている。

この時にきちんと、介護サービスを利用する方々は単なるユーザーではなく、「お客様」であると呼び、介護事業関係者のすべてにサービスを利用する方々は顧客であるという意識を植え付けるべきだったと思っている。

それをしなかったツケが今随所に現れており、顧客意識を持てない従業員による利用者に対する不適切なタメ口対応・横柄な態度で乱暴に行われるケアがいつまでたってもなくならない。
顧客対応
そもそも顧客(こきゃく)とは、自社の商品やサービスを買い求めに店を訪れる人、あるいはサービス提供を必要としている人(需要者)を指す言葉である。介護事業で言えば、介護サービスを利用する人、利用を必要としている人はすべて顧客である。

そしてそうした顧客が存在することによって、介護事業者は収入(介護給付費及び利用者自己負担金)を得て事業経営できるし、職員はその収入を原資にした給与を得ているわけである。

そうした状況を理解して、介護サービス利用者=顧客であるという意識を持つことができない輩は、相当のへそ曲がりか、脳みそが腐った人間としか言いようがない・・・しかしそうした輩がタメ口対応がフレンドリーな関係を生むとか、家庭的で親しみやすい関係につながると考得ているのだ。そうした知性の低いバカ者どもが利用者の心をあらゆる場面で傷つけている。

そしてその延長線上に毎月のように全国のどこかの介護事業者における虐待報道に繋がっている。そうならないようにするための方策の一つとして、介護事業者で日常的に使っている「用語」を変えてみるという手がある。

例えば入所施設や短期入所の「入退所」という言葉・・・これはいまだに収容などの負のイメージが付きまとう言葉に思える。この言葉を「チェックイン・チェックアウト」と変えるだけで、従業員の意識の変化が見られるようになった施設もある。

先日、僕がサービスマナー講演講師として訪れた社福でも、この言葉を推奨して実践したところ、朝礼等の引継ぎ時に、従業員がごく当たり前のように、「本日○○時に、○○様がショートチェックインします」・「ショートステイの○○様は、本日○○時にチェックアウト予定です」とアナウンスされ、それに伴って従業員の顧客対応のマナー意識が向上したとの報告があった。

さらに顧客である利用者や利用者に対しても、「本日○○時にチェックアウトしますので、ご自宅に○○様が到着する時間は○○時の予定です」というふうにアナウンスすることに繋がって、利用者や家族もまるでホテル利用しているような気分になり喜ばれているという報告もあった。

そんな小さなことから意識の変化が生まれる可能性があるので、試してみてはいかがだろう。


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マナー改革には正念場の時期



僕が大学卒業後に初めて特養に勤めた当時、介護福祉士という資格は存在していなかった。

その為、僕が就職した新設社会福祉法人の特養の介護職員(※当時の職名は寮母)のほとんどは、医療機関で「付添婦」をしていた人であった。それに加えて保育専門学校の新卒者が唯一の有資格者として寮母の発令を受けていた。

つまり高齢者介護について、まともな教育を受けてこなかった人々が、たまたま新設の特養の職員募集に応募して採用・勤務している状態であった。よって高齢者介護のプロを名乗るほどのスキルもなく、志も強く持たない人たちの集団が、高齢者介護にあたっていたと云われても仕方のない状態だった。

そこでは利用者対応の方法も、個人の価値観やスキルに任せて、個人に丸投げした形で行われていたた。そのため接客意識は皆無だったし、子供を扱うように高齢者対応する職員の姿も見られた。

人生の先輩である年長者に対し平気でタメ口対応が横行し、中には気分によって利用者対応が横柄になったり、乱暴な言葉を浴びせる職員も居た。それに対して誰からも指導や注意を受けることがない環境の中で、「ケアの品質」などという視点は存在せず、介護という名の作業が坦々と行われている場所に過ぎなかった。

僕はそのことがとても嫌だっだし、介護職員の利用者に対するタメ口対応が何よりもストレスであった。

その為にそれを改善しようと、「介護サービスの割れ窓理論」(※文字リンクをクリックした際に「送信しようとしている情報はセキュリティで保護されていません」という警告文が出たとしても、リンク先は僕の割れ窓理論記事の一覧で安全です。)を提唱し、利用者に対して丁寧語で接することを基本とするように提言し続けたが、若い生活指導員(※当時の職名)の言葉に耳を傾ける介護職員はひとりもいなかった。
介護事業におけるサービスマナー
しかし時を重ねながら、特養でただ一人のソーシャルワーカーとして、施設の頭脳役を担う役割を与えられるようになって、徐々に僕の考え方に共感・理解する職員が増えていった。

さらに地位が上がって、介護職に対する指揮・命令権を持つようになるなど、職場内の権力構造の変化の中で、僕の考える方向へと職員を導くことができるようにもなっていった。

それでもタメ口対応をやめられない職員は複数存在したが、僕が特養の施設長になった段階で、それらの職員は、どんなに経験を積んだとしてもリーダー職からは外し、口頭で再三注意を繰り返すようにした。結果的にタメ口対応をやめられない職員は、その職場からは去らざるを得なくなった・・・そのようにして利用者に対する従業員のタメ口対応のない、丁寧語で接することが当たり前の特養となっていったわけである。

それにともなってサービスマナー意識も向上していったように思える。

そうなるとしめたもので、そういう職場では、特段新人に対してサービスマナー教育を行わなくとも、OJTの中で丁寧な言葉遣いの指導がされて、接客から接遇への昇華が自然と行われていくことになる。そういう事業者に就職した新人職員は、丁寧語で顧客である利用者に接することが、ごく当たり前の態度に思えるようになっていくのである。

逆に言えば、今いる職員が利用者に対してタメ口で接しているとすれば、新規で採用した職員が当初は丁寧語を使っていたのが、慣れてきて数カ月後には入居者の皆様に対してタメ口になっているのも当然ということになる。

このブログ読者の中には、介護事業者における管理職やリーダー職の方も多いと思う。そして自分が所属する職場従業員の利用者対応を向上させようと考えている人も多いのではないだろうか。もしかすると僕の若い頃のように、先輩や同僚や部下の利用者に対するタメ口対応にストレスを感じて、それを改善したいと思っている人も居るのかもしれない。

本当にそう思っているなら今はその改革の正念場の時期でもある・・・4月になれば多くの職場に新卒者をはじめとした新人が多数入職してくる。その時、新人職員が先輩を見習って、利用者に丁寧な対応を行えるように成長していくことができるのか、はたまたタメ口対応をなんとも思わず、利用者の心を殺しても何の罪悪感も持たない鈍感な職員として居続けるようになってしまうのか、その分かれ道である。

タメ口対応を直せない従業員の心にも響く「介護サービスの割れ窓理論」を聴いてみたい方、介護実務に即生かすことができる「サービスマナー講演」を受講する場を創りたい方は、是非お手伝いさせていただくので、メールで連絡していただきたい。

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※メディカルサポネットの連載、「菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営」の第2回記事が本日アップされました。無料登録でどなたでも読むことができます。
一心精進・激動時代の介護経営
第2回は、「介護事業者のカスタマーハラスメント対策を考える」です。カスタマーハラスメントへの毅然とした対応は介護業界でも重要な課題です。ハラスメントにより心身が傷ついてしまった職員が休職や退職に追い込まれてしまうことは避けなければなりません。しかしそれと同時に、利用者の正当なクレームを見逃すことなく、丁寧に対応することも重要です。そのような職場を作るためにはどのような考えや行動が大切か解説します。文字リンクをクリックして参照ください。

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下劣な暴力事件報道にうんざり・・・。



先週水曜日(1/15)、兵庫県警尼崎北署が特養の元職員を逮捕したというニュース報道があった。

インターネットのMBSニュースでは以下のように伝えられている。
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特別養護老人ホームで、入所する女性の顔面を殴った疑い。元介護士の男を逮捕です。
傷害の疑いで逮捕されたのは、兵庫県尼崎市の特別養護老人ホーム「サンフォート武庫之荘」で介護士として働いていた谷口義之容疑者(68)です。
谷口容疑者は去年2月の未明、入所していた女性(89)の顔を素手で複数回殴るなどの暴行を加え、急性硬膜下血腫や左腕の骨折などの重傷を負わせた疑いがもたれています。
警察によりますと、女性には右半身のまひがあり、谷口容疑者は当時、排せつを介助していたということです。
女性の親族から警察に相談があり、事件が発覚。取り調べに対し谷口容疑者は「介助を拒否して抵抗したので振り払った。暴行していない」と容疑を否認しています。
施設の担当者は「警察の捜査の進捗を見守って対応したい」とコメントしています。
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暴力事件が起きたサンフォート武庫之荘
被害者は、『急性硬膜下血腫・左腕の骨折』という重傷を負っているのだから、『暴行していない』という言い訳は通用しないだろう・・・それにしても右半身まひの89歳の要介護高齢者に対し手を挙げ、それほどひどい怪我を負わせるという行為に至る心境が理解不能だ。

カッとしたでは済まされない問題であり、介護職としての適性云々の前に、人として許されない行為に至る人格として欠陥のある人間が特養職員として紛れ込んでいたとしか思えない。人として恥ずべき行為という以外、言いようがない。

こうした事件を起こす特養の、日ごろの職員教育はどうなっていたのだろうと思う。利用者に対するタメ口対応を許さないように、きちんとサービスマナー教育を行っている特養ならば、このような事件は起きないのではないかと思う・・・逆に言えば、タメ口対応は家庭的な雰囲気を醸すもので有りだとしている特養ならば、こうした事件が起きるのもなるほどだなとしか思えなくなる。

介護サービス利用者は、「お客様」であるという意識づけを行い、顧客に対する丁寧な対応が当たり前になるような介護事業を創っていかないと、いつこうした事件が起きて経営危機に陥るかわからないという危機意識を持ってほしい。

それにしてもこの事件を伝える報道記事に見られる介護士って言葉・・・これはいつから誰が使い始めたのだろう。

本来このような言葉はなかったはずだ。国家資格を持つ者は介護福祉士であり、それ以外は介護職員と表記すべきではないのか・・・。

事実を伝える報道機関が、勝手な職名を創り上げて喧伝しているように思えて不快になる・・・それは考え過ぎなのだろうか。


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利用者権利擁護指針(コンプライアンスルール)を策定しよう



年が変わった元旦に記事更新したのを手始めにして、新年になってから昨日までに7本の記事を更新アップしています。

その内容を振り返って読むと、僕自身の意に反して、そのうち3本が介護事業者における不適切ケア・虐待に関する内容になってしまいました。

それだけ重大な虐待事案が、年末の介護事業者で起こっているということです。これは由々しき問題と言えます。

特に昨年11月に起きた熱湯味噌汁傷害事件(参照:倫理観と知識の両方が欠けて起きた特養での傷害事件)と、昨年大晦日の熱湯風呂殺人事件(参照:当たり前ができない怖さ〜熱湯風呂殺人事件)の舞台となった特養に対する社会の信頼は大きく揺らいでいます。

僕はそのことに大いなる危機感を抱かざるを得ません。

特養をはじめとした介護保険施設・・・それのみならず介護事業者すべてが、そのような不適切ケア及び虐待の温床となる体質を抱えている存在として、必要悪のように見られてしまいます。

今後、2027年度の介護保険制度改正及介護報酬改定に向けた議論が、制度改正を皮切りにして本格化しますが、こんな状態では介護事業者の経営を安定化させる制度体系には向かっていかなくなります。

国の財源を不適切体質を抱えた事業者により多く振り分けるということもできなくなり、人件費高騰や物価高に対応した給付費アップをという要求は、益々通りずらくならざるを得ません。

介護関係者はそのことに大いなる危機感を抱いて、自ら襟を正して、介護の基本を見直さななければならないのではないでしょうか。

さらに介護事業としてのコンプライアンスを見直していかねばなりません。それは単に法令遵守にとどまらず、企業倫理や社会規範に従うだけでもなく、社会的要請にも積極的に応えながら事業経営するというフルセットコンプライアンスが必要になるということなのです。

当然のことながら、そのためには介護サービスを利用するお客様に対するサービスマナー意識を向上させ、マナーのある対応を浸透させていかねばなりません。

それはわかってはいるが、従業員間にその意識がなかなか浸透しないという介護事業経営者も少なくありません。

しかしそのような悠長なことは言っていられないのです。顧客に対するサービスマナー意識を持つことができない従業員は、切り捨てもやむなしという強い気持ちをもって、職場内のルールを確立させていかなければ、顧客に見放されて事業経営が困難となる時代に変わっていることを理解してほしいと思います。

なぜなら、財政事情からより厳しくなると予測される次期介護報酬改定を見据えると、顧客単価が減らされた分を顧客数増で補う必要があり、今後顧客の中心層となる団塊世代をはじめとした、介護サービス利用者から選ばれない介護事業者は廃業に向かわざるを得ないからです。

下記の画像は僕が作成した「・利用者権利擁護指針(コンプライアンスルール) 」です。
コンプライアンスルール
原本の利用者権利擁護指針(コンプライアンスルール) は、こちらの文字リンク先からDLできます。

介護事業者において、従業員が利用者に対してサービスマナー意識をもって接することをルール化し、それを徹底させるためには、「利用者権利擁護指針(コンプライアンスルール) 」を策定して、事業者内に掲示することが重要になります。

方針を高々と掲げて、外部からの訪問者にその内容を示すことが必要になります。それを見て、「その看板に偽りあり」という感じた人からの声を集めることが大事です。

そうした声を、直接指摘された従業員にぶつけて反省を促し、意識向上につなげていく必要があります。こうした意識向上は内科処方だけで実現せず、外科的大手術が必要になると考えてください。

その為に外部の第3者から、大いに文句を言ってもらえるようにしましょう。「利用者権利擁護指針(コンプライアンスルール) 」の策定・掲示は、そのために必要不可欠な事なのです。
※1月15日(水)18:00〜19:30、メディケアホームかなう保木間オープン記念講演を行います。
メディケアホームかなう保木間オープン記念講演
どなた様も無料受講できる講演ですので、興味のある方は日本介護センター・メディケアホームかなう保木間・開設準備室:050-1782-3878までお申し込みください。


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虐待の発生要因とされる知識不足とはどういうことか?



昨年12月27日に厚労省は、2023度の高齢者虐待の実態把握の調査最新結果を公表した。

それによると介護サービス事業所・施設の職員による虐待の相談・通報の件数は3441件あり、実際に虐待だと判断されたケースは1123件にのぼった。亡くなった方も5人いたという。

相談・通報の件数、虐待判断の件数はいずれも3年連続の増加で、これまでで最も多かった前年度を大幅に上回り過去最多を更新している・・・介護報酬改定で虐待防止未実施減算という恥ずべき減算が新設されるのもやむなしといえる状況だ。

職員による虐待の3大発生要因は以下の通り示されている。
1. 知識・意識の不足=77.2%
2. ストレスや感情コントロールの問題=67.9%
3. 倫理観・理念の欠如=66.8%
和歌山県海南市・南風園の虐待動画(隠し撮り)
本当にそれが虐待の理由かどうかという真偽はともかくとして、2と3の意味は分かる。(※虐待の理由がストレスであるなんて言うのは言訳でしかないと思う。虐待を行ってストレス解消ができるなんてことはないし、そもそもストレスのはけ口を利用者虐待に向ける輩は介護に向いていない人であり、人として未成熟な人間でしかない。)

しかし1の知識不足はどうだろう・・・虐待に至る理由が、「意識の欠如」ならわかりやすい。そうではなく知識不足とはどういう意味かと考えてみた。

僕が考える、「知識不足」の最たるものとは、そもそも介護サービスを利用する方々は、単なる利用者ではなく顧客であるという知識に欠けているのではないかということだ。

私たちは介護サービス利用者が存在することで、介護給付費等を収入として得ることができているわけであり、利用者の方々の存在によって生活の糧を得ているのだ・・・よって介護サービス利用者は、単なるユーザーではなく顧客そのものである。

そしてそれらの方々にタメ口で対応する介護関係者に欠けている知識とは、タメ口は親しみを表現する言葉遣いではなく、年下の者が年長者に対等の話し方をすることであり、顧客に対しては非常に失礼な言葉遣いであるという知識ではないのだろうか。

横柄な態度や無礼な言葉遣いは、しばしば人権侵害につながる問題を引き起こしている。人権侵害という結果をもたらした後その際に、「そんなつもりはなかった」という言い訳は、なんの免罪符にもならない。

だからこそ相手から誤解されない対応の基盤となる、「サービスマナー意識」が求められるのだ・・・そうした知識を身に着けなければ、介護事業者における虐待はなくならないのではないだろうか。

大事な事は、言葉遣いを丁寧にすることによって、お客様によそよそしさを感じさせることを恐れるより、お客様に対して無礼で馴れ馴れしい対応で、尊厳や誇りを奪い心を殺してしまうことを恐れるべきであるということだ。

今日も午後から顧問先の従業員に対してサービスマナー研修をオンラインで行う予定がある。

今月24日(金)に函館中央図書館で行う、「函館介護福祉道場 あかい花」の管理職・リーダー向け研修でも、「介護事業におけるサービスマナーを考える〜管理職・リーダーが目指すべき利用者から選択される介護の質」というテーマで講演を行う予定がある。

是非そうした機会に改めて、顧客対応として筆よな知識である、「介護事業に求められるサービスマナー」について学んでいただきたい・・・特に函館講演は、どなたでも無料参加できる講演なので、文字リンク先の案内文を読んで、添付されている申込用紙で受講申し込みをしていただきたい。

介護支援を必要とするお客様に対する丁寧な対応によって、介護関係者の方々が誰かのあかい花になることができるように、是非僕の話を聴いていただきたい。


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利用者の心を護ることは、自らの心を護ること



月曜から愛媛県松山市と四国中央市に滞在し、昨日夜8時過ぎに登別の自宅に帰ってきた。

4日ぶりに戻った北海道は、愛媛県より10度近く気温が低いのでさすがに寒く感じるが、今年はもう道外出張はないので、寒い北海道で年を越して寒さや雪が当たり前の感覚になっていく・・・これも毎年のことである。

道外出張がないといっても、年内における道内での出張講演はまだ複数予定している。

実は今日も朝早くに自宅を経ち、自家用車で約1時間走って苫小牧市に滞在している。苫小牧市市民会館で行われている令和6年度・日胆地区老人福祉施設職員研修会で、13:20〜120分講演を行う予定があるためだ。

この時間からの講演だと、昼少し前に自宅を経てばよいのであるが、午前中に北海道老人福祉施設協議会の瀬戸会長が、「令和6年度制度改正の検証」というテーマで講演を行う予定になっていた。

瀬戸会長はかねてからの知り合いで大変お世話になっている方である。その会長がどのような制度改正の検証を行ってくれるのかに興味があったし、ご挨拶もしたいと思い、その講演を聴くために早い時間から会場入りした。

先ほどその講演を拝聴し終えたが、さすがに格調高い講演で大変ためになった。今後の参考になるお話で、早く来た甲斐があるというものだ。

さて午後からは僕の講演が控えている。テーマは、「虐待・不適切ケアを防ぐサービスマナー」である。

瀬戸会長のような格調の高い話はできないが、実務に役立つ話をしようと思う。
新しい介護ストーリー
このブログで何度か指摘しているように、虐待を行わないサービス事業者が良い事業者という訳ではないのである。利用者を虐待しない介護事業者というのは極めて当たり前のことであって、非常識で普通でない状態をなくすというのが虐待防止の本当の意味である。

そのことをしっかりと伝えながら、非常識であり得ない虐待行為として、どのようなことが行われているのかという具体例を示したい。そしてその根本原因と予防対策を具体的に伝えたいと思う。

人の心は案外簡単に殺される・・・しかし他者の心を殺した人間もどこかが壊れていく。そして自身が犯した行為のしっぺ返しを受けるかのように、不幸な末路をたどる例は枚挙にいとまがないほどである。

そうならないための当たり前の介護実践方法を伝える予定だ。それは決して特別な方法論ではなく、難しい方法でもないことを理解してもらいたい。

私たちが携わる対人援助という仕事は、利用者の暮らしを豊かにする仕事である。その本来の目的を忘れずに、利用者の暮らしの質を高めるために手を差し伸べよう日々努力することにやりがいを感ずるような健全な心を持ち続ける原動力は、利用者の心からの笑顔ではないだろうか。

そういう意味で言えば、利用者の心を護り、幸福な暮らしを創造することとは、私たち支援者自身の心を護るということではないかと思ったりする・・・。

その為には何が必要かを考えてほしい。

私たちが介護実践の場で求められている姿勢とは、家族のように遠慮ない関係で、馴れ馴れしく接してサービス提供することではないのだ・・・介護支援のプロとして、適切な知識と確かな技術をもって、利用者に向かい合う場の理念を達成する方法論を持つことで、介護サービスの場は利用者にとって、どこよりも安全で安心した暮らしの場となるのである。

対人援助とは「人権」を護ることを何よりも重要であると考えるべき場であることを忘れないようにしなければならない。その基本原則を守り続ける限り、目の前の一人一人の利用者を幸せにすることができ、その利用者の笑顔や穏やかな暮らしぶりを見る家族の幸せにもつなげることができるのだ。

そのように介護という職業は無限に広がる幸せ樹形図を描くことができる職業だと思う。

しかしタメ口対応をはじめとした、サービスマナー意識のない対応は、幸せ樹形図ではなく哀しみの樹形図を無限に広げる元凶になりかねない。

介護の介とは、「心にかける」という意味である。そして介護の護とは、「まもる」という意味だ・・・心にかけて護るためには、自らの心無い言葉で人を傷つけてしまうことを誰よりも恐れる必要があることをしっかりと伝えたいと思う。

さて、そろそろ準備を始めようか・・・それでは受講者の皆様、あらためて会場で愛ましょう。
快筆乱麻・masaが読み解く介護の今
※CBニュースの連載、「快筆乱麻masaが読み解く介護の今107・協力医療機関指定義務化で変化が求められる施設対応」がアップされています。文字リンク先を参照ください。


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虐待・不適切ケアを防ぐサービスマナー



僕が総合施設長を務めていた社会福祉法人は、北海道の登別市に本部がある法人で全国老施協の会員施設となっていた。

全国老施協の会員施設は、北海道老施協の各地区支部が基礎となり、その上に北海道老施協〜全国老施協と繋がっていくシステムになっている。

登別市は北海道胆振(いぶり)振興局管内であるが、北海道老施協は、胆振地域と日高地域を一つの支部にまとめて日胆(にったん)地区支部という単位にしていた。その為、ぼくの所属法人の最も身近にあるのは北海道老施協日胆地区支部であり、職員研修会なども支部主催のものに数多くの従業員を参加させていた。

日胆地区支部主催の研修会として、一番メインとなっているのは一般職員から管理職まで幅広い層の職員を対象にしている、「日胆地区老人福祉施設職員研修会」である。

僕は同研修会の講師役を過去に2度ほど務めさせていただいた経験があるが、コロナ禍以後、日胆地区支部では対面・集合する会場研修はずっと自粛され続けており、研修会の数自体も減っていたそうである。

しかし今年度の日胆地区老人福祉施設職員研修会から会場研修を復活することとし、その最初の研修会が11月29日(金):苫小牧市民会館(北海道苫小牧市)で行われることとなっている。

その講師役として僕もお招きを受けた。というわけで実に9年ぶりの同研修会講師役として登壇する予定である。
菊地雅洋の講演
当日の日程は令和6年度 日胆地区老人福祉施設職員研修会案内の文字リンクをクリックしてご覧いただきたい。

僕の講演は当初予定の午前から午後に変更され、13:20〜120分の予定となっているので確認願いたい。

このブログに何度も書いているように、介護事業における利用者対応について、顧客意識を忘れずにサービスマナー意識を持った対応を行うこと自体が決して難しいことではない。そこには特別な知識や技術は必要ないからだ。

しかし、その動機づけがないと実践に繋がらないし、施設長等が声掛けして実践しても長続きしなくなる。だからこそ動機づけと、実践をし続ける必要性を理解することが大事になる。当日はそうした内容について、虐待防止の観点や、本物の介護実践の先に存在する、やる気につながる実践論を伝えたいと思う。

前述したように日胆地区支部主催研修としては久しぶり(※おそらく4年ぶり)の会場研修であり、しばし交流が途絶えていた他地域・他施設のお仲間と逢える機会でもあると思う。またコロナ禍以後に入職した人にとっては、初めて他の介護事業者の方と交流できる機会でもある・・・そういう意味でも非常に貴重な機会であり、是非会場までお越しいただきたい。

ちなみに僕は愛媛県松山市と四国中央市での講演のため、前日の28日に高松空港から北海道に帰ってくる予定であり、雪などのため飛行機が飛べないようなことになることだけが心配である。そうならないように祈るばかりだ。

申し込みは11月22日(金曜日)までとなっている。問い合わせ先は、TEL0142−38−3001(喜楽園内日胆事務局 �睫遒気鵝�浅木さん宛)である。

ちなみに会場のある苫小牧市と言えば海鮮丼のメッカである。ということで僕が先日食べたばかりの海鮮丼を紹介しているショート動画道の駅・ウトナイ湖の彩り海鮮丼のリンクを貼り付けておくので是非参照してほしい・・・ご飯時に見るとよだれが出ますよ!!

それでは11/29(金)苫小牧市民会館で愛ましょう。
※メディカルサポネットの連載、「波乱万丈!菊地雅洋の選ばれる介護経営」の最新記事、「(第11回)多職種連携を機能させるチームワークの在り方を考える」が11/7アップされています。
波乱万丈!菊地雅洋の選ばれる介護経営
文字リンク先をぜひ参照ください。


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実行するのは簡単でも実行し続けには仕組みが必要〜接遇マナー



先週、沖縄の介護事業者職員研修として120分間サービスマナー講演をオンライン配信しました。

利用者を顧客・お客様と意識して、サービスマナー意識をもって適切な顧客対応を行う先に、ひとり一人の職員の心の中にホスピタリティ精神が生まれるということが理解していただけたと思います。

講演後、質疑応答の時間に受講者の皆様から様々なご意見を頂きましたが、その際に音声マイクのトラブルで直接意見を云えなかった方から、感想を書いたメモ画像が送られてきました。
サービスマナー講演受講者の感想
このように僕の伝えたいことを素直に受け取っていただけると、話をした甲斐があったと嬉しく思います。

当日抱いた思いを今後のサービスに生かして、地域の利用者の方々から選択される介護事業者であり続けてほしいと思います。

サービスマナーを意識した利用者対応自体は、決して難しいことではありません。そこに特別な技術は必要なく、やる気になりさえすれば誰もができることです。なぜならいっぱしの社会人で、丁寧語を使えない人はいないからです。

僕が解くサービスマナーとは、お客様である介護サービス利用者に対して、失礼のないように最低限の礼儀を護りましょうというものに過ぎません。

言葉遣いにしても、尊敬語や謙譲語を使いこなせと言っているわけではなく、「です」「ます」「ございます」をつけることで、相手に対して丁寧に接することができる、「丁寧語」を相手に対して感じよく使いなさいと言っているだけなのです。。

そうすることによって、お客様が気持ちよく介護サービスを利用できることに繋がり、やがてそれはお客様の暮らしの質の向上にもつながっていくのだと思います。

その為に、まずはサービスマナー意識を忘れずに接するという動機づけを持つことが重要です。

僕が行うサービスマナー講演は、必ずそのきっかけになり得るものと思います。

しかしやり続けることは決して簡単ではありません。継続する動機づけとエネルギーが必要になるのです。

その為に、サービスマナー意識を持った顧客対応をし続けるかどうかという問題を、個人レベルの意識の問題とせず、職場全体の問題と考えて対策することが必要不可欠になります。

当然のことながら、介護事業経営者が強くその意識をもって、管理職が現場職員の教育係であるリーダー職に、サービスマナーを護り続けるように働きかけることが必要になります。

「介護サービスの場のことは、利用者対応する職員の問題だから、それらの職員で意識を高くもってやり続けてください」などとして、この問題を現場に丸投げ・放置してしまっては、サービスマナーを護った利用者対応などやり続けることは困難となります。

経営者・管理職が労務管理の一環として、利用者ん対するサービスマナーが護られているのか、しっかり確認・対応する姿勢がないと、サービスマナーは雲散霧消してしまいます。

当然のことながら、そこには信賞必罰のルールが加えられなければなりませ。職場の規律ルールを護る人と、護らない人が同じ待遇を受けてはならないのです。

サービスマナー精神をもって顧客対応を行うという規律をつくり、職場内のルール・システムとしていくことが大事です。

経営者もしくは管理職の誰かが、そうしたシステム管理の役割を担う必要があるのです。それが機能して初めて、マナー精神はその職場の伝統として後世に繋がっていくのです。

そのようにして一旦、システムが整えられれば、自動的に従業員は規律に則って、マナーのある対応に終始するようになります・・・サービスマナー意識を持つことが規律を超えて、「職場の当たり前」になるからです。

例えばホテルで働いている接客のプロたちの態度を思い起こしてください。彼らはプライベート空間で日常的に、あのような丁寧な対応に終始しているとは限りません・・・むしろそんな人は少ないでしょう。

しかし一歩職場であるホテルフロアに立った時、意識せずとも日常の言葉遣いではない、ホテルマンとしてお客様に接する際に、恥ずかしくない言葉と態度になっているのです。

介護サービス従事者も同じように、プライベート空間とは異なる介護のプロとしての自分を、介護サービス実践の場で創り上げていく必要があるのです。

プライベート空間で友達や知人に接する際の、遠慮ない態度が、親しみやすい態度であると勘違いしてはならないのです。それはお客様に対しては失礼で、無礼な態度でしかないのですから・・・。

介護事業経営者や管理職は、介護サービス利用者に対して丁寧な態度と言葉遣いで接するという態度が、職場内で当たり前になるような職場環境を目指して、そのシステムとルールを厳格に作っていかねばなりません。

それができれば、介護サービス利用者の中心層となる団塊世代に選ばれる介護事業者になり、勝ち組に入れるのです。

そういう意味で、介護事業経営者や管理職の皆さんには、サービスマナーに徹する従業員教育とは、職業倫理の問題ではなく、介護事業経営を左右する問題でもあることを理解してほしいと思うのです。


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良い介護より普通の介護を



多種多様な価値観を持つ人間が、様々な形で介護の仕事に携わっている。

携わり方も様々で、介護職員は利用者に直接手を触れ、身体介護や生活援助といった直接的な支援に関わる仕事をしており、利用者のプライベートな空間に深く介入し、利用者にとって他人に見せたくない恥ずかしい部分にも踏み込んでいく必要がある。

一方で、介護サービス利用者とは間接的な関りしか持たない職種もある。例えば利用者と直接触れ合う機会が少ない経営者や事務職員もそうした職種であるが、介護関係者であることに変わりはない。

だがどのような職種であっても、利用者に介護という目に見えないサービスを売る仕事であることに変わりはないわけで、素人がボランティアで介護をしているのとは異なり、プロとしてお客様に対して適切に関わるという姿勢は不可欠である。

介護職員を縁の下で支える事務職員も、お客様に対して誰よりも丁寧に接し、介護職員の手本となるような接客に努めてほしい。

介護職員は接客の最前線に立つ者としての自覚をもって、介護支援を受けている人は、単なるユーザー(利用者)ではなく、お客様であることを忘れないでほしい。

価値観は人さまざまだからと言って、その価値観を唯一の拠り所にして、各自が勝手に利用者に関わって良いわけがない。介護=対人援助サービスであるという職業倫理をしっかり持って、道義上の責任を果たすこと、所属事業者の労務規定をはじめとしたルールを遵守することは当たり前である。

何よりも、他者のプライベートな空間に踏み込んで、利用者の羞恥心に触れる介入をせざるを得ない介護という仕事では、何より人として、人の道に外れるような対応をしないという心構えが必要になる。
就実の丘
介護を職業にしている人のすべてが、もともと介護に関連した仕事をしたいという動機づけを持っていたわけではない。たまたま自分が配属された部署が介護関連であったという方も少なくないし、介護と関係のない仕事を辞め、たまたま転職して就いた仕事が介護職であったという人もいるのだ。

だからと言って、それが問題だとか、悪いということはない。介護の職業に就こうとする動機なんて何でも良いのである。

問題はどのような動機づけで介護という職業を選んだとしても、その職業に就いた以上、その職業でお金を稼ぐプロとして道義的責任を帯びるということをしっかり理解して、介護のプロとしての知識や技術、対応姿勢を身に着けなければならないだけの話である。

プロとして利用者に接する以上、家族と同じ姿勢で介護を行うのでは困るということを知らねばならない。介護を受ける人に対して、家族のように遠慮ない=配慮に欠ける対応を行って問題がないなどという誤解をしてはならない・・・それはフレンドリーな良い介護ではなく、お客様に対しては無礼極まりない態度であることを理解せねばならない。

丁寧に接客できる介護とは、決して良い介護ではなく、極めて当たり前の介護なのだ。それさえできていない介護事業者が多いという恥ずべき文化を持っているのが日本の介護の実情でもある。

学生であっても、コンビニエンスストアでアルバイトをする人は、雇用主や先輩に教わらなくとも、顧客に対し丁寧な言葉で対応するのが当たり前と思っている。そうであるにもかかわらず、介護や医療サービスに限って、顧客であるサービス利用者や患者に対して丁寧な言葉で接することを否定し、タメ口対応が許される(あるいは、それが好ましい対応だ)と思っている勘違いをなくさねばならない。

介護サービスを利用する人に対するタメ口対応が直せない人は、コンビニでアルバイトしている学生以下のスキルであると考えてほしい。

お客様にタメ口対応しかできないその姿は、社会人として巣立っていない学生アルバイトより民度も低く、恥ずかしい姿であると自覚してほしい。

そう思えない人は、人と接することがない他の仕事を探すべきである。
ケアテック札幌
アクセス札幌で開催されるCareTEX札幌’24の会場で、9月18日(木)15:30〜「現場に丸投げしていませんか?生き残る介護事業者の人材育成システム」というテーマで60分講演を行います。こちらからダウンロードできる招待券を印刷して会場にお持ちいただければ、入場料無料となりますので、どうぞ会場にお越しください。


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ヒューマンエラーを防ぐサービスマナー意識



人間の行動は無意識に支配される部分が多い。

意識していないけれど、日ごろもっている価値観に支配されて、行動がその考えに基づいた方向に流れてしまうということが多いのだ。

対人援助という職業では、このことを踏まえて無意識に良心が働き、その良心に基づいた行動をとることができるような教育・訓練が不可欠だ。

何も考えなくとも、利用者に対して良心的な関りを持つことができる従業員が多くなれば、それだけサービスの品質は向上するし、不適切な対応を少なくする効果も見込むことができる。

そうした無意識の領域を適切介護に結びつける最強アイテムがサービスマナー教育である。介護サービス利用者は顧客であるという意識をもって、サービスマナーに欠けた対応をしないという意識作りが求められるのである。
すずらん
そうした意識作りは、単にコンプライアンスとして求められるというだけではない。介護事業者の道義的責任を果たす意味に留まらず、介護事業経営のリスクマネジメントを高めて、介護事業そのものを護る効果も期待できる。

そういう意味では、経営上も大きな利点も生み出すことができることを理解しなければならない。

サービスマナー意識が向上すれば、ヒューマンエラーによる介護事故に対する抑止効果も格段に上がるのである。

先日8/16に更新アップした記事で伝えた通り、入浴介助の際、浴槽内温度を確認せずに熱湯風呂に利用者を入れ、死亡させるという信じられない事故が起こってる。

しかも熱湯風呂に入浴させる事故は、過去にも同じように起こっていることも指摘した。

利用者を熱湯風呂で死傷させるいう事故は、介護職員として基本中の基本である湯温の確認を怠るという信じがたい理由で引き起こされたものである。こうした基本介護ができないそもそもの原因は、利用者が顧客であるという意識づけをせず、お客様に対してマナーをもって接し、そのことがホスピタリティ精神のあるサービスにつながるという教育をしていないからではないだろうか。

なぜなら、こうした事故が1度きりのみならず、(明らかになっただけで)2度も起こっているということは、基本介護を徹底せよという注意のみでは防ぎ難いということが云えるからである。

今後再びこのような事故を起こさないためには、基本介護の徹底教育・注意喚起に加えて、無意識に湯温確認を実施できる価値観を植え付ける必要があるのではないだろうか。

利用者はお客様であるという意識は、お客様に接する際に、サービス提供者として当然護るべき態度があるという意識を生み出す。サービスマナーをもってお客様に接する習慣がついたならば、そこからさらに向上心が生まれる。その向上心とは、お客様にもっと喜んでサービス利用していただきたいという気持ちである。そこから生まれるものは、おもてなしの心=ホスピタリティ意識である。

サービス利用者に対するホスピタリティ意識を持つ介護職員であれば、入浴介助に際して、お客様を湯船に入れようとしたとき、その方にとって心地よい湯温となっているかの確認を怠るということはなくなる。むしろ無意識に湯船に手を伸ばして、湯温を確認したうえで、お客様を湯船に誘導するだろう。

このようにサービスマナー教育は、ヒューマンエラーを防ぐためにも必要とされるのである。

ただしその為の教育は簡単ではない。世にサービスマナー講師は数いれど、タメ口を親しみやすい言葉遣いと勘違いしている介護事業におけるサービスマナーを語れる講師は非常に少ないからである。

そういう意味では僕は、介護事業の実態を知悉しながら、その欠陥を指摘し変えなければならない要点を伝えることができる。介護事業におけるサービスマナーというテーマで、講演を行うことができる数少ない講師の一人である。

ご用命がある方は、あかい花の公式サイト・右上の✉マークをクリックして連絡を頂きたい。問い合わせだけで終わっても問題ないので、気軽に連絡してほしい。

※メディカルサポネットの連載〜菊地雅洋の波乱万丈!選ばれる介護経営〜の最新記事Vol.8の最新記事は、「介護職員の離職防止対策について」がテーマで、8/22更新アップされています。どうぞご参照ください。
菊地雅洋の波乱万丈!選ばれる介護経営


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サービスマナーのある顧客対応に技術はいらない



高齢者介護サービスの顧客の中心層が団塊の世代の方々となってきています。

それらの方々は、日本の高度経済成長期に現役世代としてたくさんの物づくりを行い、作ったものを売ってきた人たちが多いのです。景気が良い時代にサービス業に従事していた人も数多くおられます。

その方々は、できるだけ多くの顧客を確保するためのノウハウを身に着け、そのノウハウを後進に伝えてきた人達でもあります。いわゆるホスピタリティ精神=おもてなしの心をもって接客するという教育を後輩にしてきた世代なのです。

そうした世代の人たちは、自分がサービスを受けるときも、もてなされて当然と考える傾向が強いのです・・・ところがそのような人たちが介護サービスを利用する身になって驚くことがあります。

それはホスピタリティ精神の欠片もない介護サービス従事者の姿です。その中には顧客に対して対等な口調=タメ口で接する輩も少なくなく、顧客対応としてあり得ないと驚くのです。

そんなふうに驚くだけなら良いのですが、その中には失礼な対応に終始する介護従事者にショックを受け、機械的流れ作業の中で乱暴に介護される自分の境遇に嘆き悲しむ人がいます・・・そしてその嘆きのままに生を終え、旅立ってしまう人がいるのです。

横柄な態度・無礼な言葉遣いは、しばしば人の心を殺します。高齢者の方々にそのような事態が起こった場合は、心が殺されたまま肉体死に繋がってしまうことも少なくないのです。

そのとき、「そんなつもりはなかった」という言葉を発しても、それはなんの意味もありません。言い訳にもならないし、免罪符にもならないのです。

そのような事態に陥らないように、日ごろから誠意をもって介護サービスを利用する方々に丁寧に対応するための基盤となるのが、「サービスマナー」です。

接客はマニュアル化できても、ホスピタリティのあるサービスはマニュアル化できないのです。なぜならホスピタリティ精神とは、サービス提供者一人一人の気持ちの中に湧きあがってくる感情が根になるものだからです。感情はマニュアルでどうこうできるものではないのです。
ホスピタリティ
お客様に対しておもてなしをしたいという感情を湧き上がらせるものとは何でしょう。それはサービスマナーに徹した仕事ぶりに、お客様が満足してくれているという結果によってもたらされるのです。

つまりホスピタリティ精神とは、日ごろのサービスマナー意識からしか生まれないものなのです。

でもお客様に対するサービスマナーを忘れず、それに徹したサービスを行うことは、技術的には決して難しいことではありません。

むしろこれほど実践するのが簡単なことはないとも言えます。なぜならマナーをもって利用者に接するのには特別な知識や技術がいらないからです。そこで必要とされるのはごく常識的な顧客対応なのです。

そもそもお客様に対して、タメ口をはじめとして失礼な言葉遣いをしないというのは、学卒の新人職員であっても、特別にそのことを教えなくとも理解されていることです。

介護や医療以外のサービスではそれは常識でしかありません・・・介護や医療サービスの中で、お客様であり、なおかつ年齢も自分より上の人々にタメ口対応するという状態こそがいかれているのです。

そしてサービスマナーのある顧客対応が実践できないのは、その必要性を理解せず、やろうとしないからです。

だからこそサービスマナーの基本を教える方法論を見直さねばなりません。

サービスマナー研修とは、お辞儀の仕方とか、電話の応対を教えるのではなく、マナーをもって介護サービス利用者に接する必要性を理解させることが第一なのです。いかに介護の常識が世間の常識とずれているのかを理解させるところから始めなければならないのです。

タメ口対応がなぜお客様に対して失礼なのかを教えてくれるマナー講師はいません・・・それはあまりに常識過ぎるから、介護と医療以外の職業に就いている人にそんな講義をしたら、当たり前だろうと馬鹿にされます。

しかし介護と医療の職業に就いている人には、それが必要なのです。そしてマナー意識のない対応が、家庭的な対応ではないことを伝えなければなりません。さらにマナーのない対応を放置した末路ケースをたくさん事実として伝える必要があります。

このように介護の実務に即生かすことができ、やる気にさえなれば実践できる方法論を講義ができるマナー講師はそう多くはありません。僕はその一人であると自負しています。

そこで必ず伝えていることがあります。それは・・・どうぞよそよそしさを恐れるより、無礼で馴れ馴れしい対応で、利用者の尊厳や誇りを奪い、心を殺してしまうことを恐れる人でいてくださいということです。

どうぞあなたもそのような人になってほしいと思います。


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繰り返される介護施設の虐待報道



介護事業者に対する社会の信頼を失わせる元凶となっているのが虐待事案である。

だからと言って大多数の介護事業者が虐待を行っているわけではないし、ほとんどの介護事業者は高齢者の暮らしを支える支援に努めていることは間違いない。

しかし虐待とは無縁であると思っていたその場所で、ある日一人の特定職員が信じられない虐待行為に及ぶこともある。だがそれは、利用者の尊厳を奪い、時には命さえ失わせるという、取り返しのつかない結果に結びつく。

そしてそのことは介護事業全体に対する世間の信頼を損ない、介護事業=必要悪といった世論に結びつく・・・それは事業経営の危機に直結するだけではなく、介護給付に財源を支出することの足かせになりかねない問題でもある。

そうした社会的影響や、重大なる事案の結果や責任を考えると、虐待に結びつく要素を限りなく少なくするための対策にやりすぎはないと考えなければならない。

勘違いしてはならないことは、虐待しないのは良いことではなく当たり前であるということだ。

だからこそ虐待をしてはならないという教育ではなく、どんなふうに意識が低下し、虐待に結びつくのかということをもっと伝えなければならない・・・集団生活であるなどというサービス提供側の勝手なルールの押しつけが、不適切サービスに繋がり虐待を生む温床にもなることを強く従業員に意識させ、介護事業も歴としたお客様に対するサービスであるとして、その際に必要なマナー教育を徹底すべきである。

そのことは「虐待防止措置未実施減算が新設されたという恥」でも指摘している。
虐待という介護の闇
しかし道内の特養でまたもや恥ずべき虐待事件が発生した。

昨日事件概要がネット配信されたので、それを転載する。
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(HBC NEWS 6/6 19:33ネット配信記事より)
北海道函館市の高齢者施設で、元職員の男が、97歳の女性入所者の顔をひざ蹴りし、鼻を骨折させた疑いで逮捕されました。

傷害の疑いで逮捕されたのは、函館市日吉町の無職、石垣寛和容疑者27歳です。

警察によりますと、6月3日、石垣容疑者は勤務していた函館の特別養護老人ホームで、97歳の女性入所者の顔をひざ蹴りした疑いが持たれています。

女性入所者は、鼻の骨を折る重傷です。

施設によりますと、女性入所者は、重度の認知症で歩行が困難ですが、深夜、ベットから降りて這いずって、ホールに移動していました。

そこへ石垣容疑者が来て、ひざ蹴りをしたということです。警察の調べに石垣容疑者は「故意でやったことではない」と容疑を否認しています。(転載ここまで)
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事件が起きたのは社会福祉法人函館鴻寿会・ケアステーションこうじゅの地域密着型 特別養護老人ホームこうじゅである。

文字リンクを張り付けた公式サイトには、今現在まで事件概要や謝罪文が掲載されていない。本来なら事件報道が出る前に、取材を受けた段階で経緯と謝罪を掲載すべきである・・・公式サイトが何のためにあるのかということも考えてほしい。

容疑者は故意の暴行ではないと供述しているようだが、施設側が防犯カメラの映像を確認したところ、同容疑者が居室を出ようとする女性を蹴る様子が写っていたとのことで、言い逃れはできないだろう。

認知症の人が深夜に這って徘徊することにイラついたのだろうか・・・しかしそれは利用者を膝蹴りして怪我をさせるという非道な行為に及ぶ理由にはならない。

密室化した夜間にこのような行為に及ぶ兆候は、この容疑者にはなかったのか、何を見逃していたのかという検証作業が不可欠だ。

そもそもこの法人・施設における、従業員の利用者対応はどうなっているのだろう。

日ごろからしっかり顧客に対するサービスマナーが徹底され、タメ口対応が行われていなければ、このような状態になるはずがないと思う。

そういう意味で、事件後にどういう対策がとられ、今現在、利用者対応がどのような状態になっているのかを確認したいところである。

介護事業経営者や管理職の方々には、この事件を対岸の火事と見ずに、自分の経営・管理する施設や事業所に、不適切対応と虐待につながる要素が見逃されていないかを考えるきっかけにしてほしい。

繰り返しになるが、虐待防止対策にはサービスマナー教育は不可欠であるし、そうした教育にやり過ぎはないのである。


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カスハラ対策の基盤



顧客による迷惑行為「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が、様々な場面で問題視されているが、その対策強化のために厚生労働省は法改正を調整する作業に入っている。

対策強化に当たっては、正当なクレームと線引きするためにカスハラに該当する範囲が明確になるよう定義することが必要とされる。

そのうえで就業環境が害されないよう雇用管理上の必要な措置(相談体制の整備等)を義務付ける法整備なども念頭に労働者保護対策を強化することが検討される。

またカスハラを予防するための顧客対応に関する従業員研修の強化や、消費者の権利と責任について理解を促す教育の必要性にも言及されている。
毅然
介護事業においては、2021年度から全ての介護サービス事業者に適切なハラスメント対策を求める基準改正が行われた際に、併せて留意事項通知において、カスタマーハラスメント防止のための方針の明確化等の必要な措置を講じることが推奨されたことから、その対策をとっていることと思う。

カスタマーハラスメント対策とは、顧客の理不尽な迷惑行為に対して、介護事業者側が毅然と対応するという意味だ。

しかしそこには前提条件が存在することを忘れてはならない。

それは顧客対して毅然と対応するということは、日ごろお客様に対するサービスに失礼がないという前提によって成り立つ姿勢であるということだ。

このブログでは何度か指摘しているが、私たちはボランティアではなく、対人援助のプロとして利用者と相対しているのである。そうであれば私たちは、利用者に介護サービスを提供するのではなく、介護サービスを売っていることになる。

よって私たちが仕事として相対している人々とは、単なるサービス利用者ではなく、顧客=お客様なのである。それは疑いようのない事実だ。

よって私たちは、お客様に対して失礼のない態度を貫き、常に真摯に接することができていなければならない。そういう前提があってはじめて、顧客による迷惑行為(カスタマーハラスメント)に毅然と対応できるのである。

そうした真摯な態度に欠け、マナーの欠片もない態度に終始しているのであれば、顧客から失礼で理不尽な態度をとられたとしてもお互い様としかいいようがなくなる。そこでは毅然とした態度なんてとりようもない。

つまりサービスマナーの徹底こそ、カスハラ対策の第一歩なのである。

顧客による迷惑行為(カスタマーハラスメント)から従業員を護るために、毅然とした態度で接すると胸を張っていうためにも、日ごろの従業員に対するサービスマナー教育は不可欠であり、その教育を介護実務の場で生かした接遇ができる職場環境を創ることが、介護事業経営者や管理職・リーダーに求められているのである。

そのことを決して忘れてはならない。
カスハラ対策の基盤はサービスマナーの浸透


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利用者や家族に毅然と対応できる条件



客が理不尽な要求をするカスタマーハラスメントについて、防止に向けた条例の制定を検討する都道府県が増えている。

このことは介護業界でも問題になっており、訪問系サービスでは利用者宅でサービス提供者が理不尽な要求をされたり、暴言を受けたりするケースの対策が急がれた。

そのため2021年の介護報酬改定時に、全ての介護サービス事業者に、適切なハラスメント対策を求める基準改正が行われた際に、併せて留意事項通知において、カスタマーハラスメント防止のための方針の明確化等の必要な措置を講じることが推奨された。

これは非常に重要なことで、「相手はお客様なんだから、多少の理不尽なことは我慢しろ」という安易な考えが、大きな事件につながりかねない。
カスタマーハラスメント
実際に過去には、利用者宅で訪問介護員が暴行殺人の被害者になっているケースも複数あるのだから、顧客だからといって過度な要求、理不尽な態度は許さないという態度は必要である。

僕自身も何度も従業員を護るために、毅然と利用者の家族に対応したこともある。(参照:クレームは頭を垂れるだけで解決しないこともある。)

介護事業経営者や管理職のそのような毅然とした態度が従業員を護るために求められている。

ただし毅然と対応するためには、それなりの前提条件があることを忘れてはならない。

それは常日頃の顧客対応に粗相があってはならないということだ。

私たちはボランティアではなく、対人援助のプロとして利用者と相対している。そうであれば私たちは、利用者に介護サービスを提供するのではなく、介護サービスを売っているのだ。

よって私たちがサービスを売る相手は、利用者ではなく顧客である。

そのように顧客意識を正しくもって、お客様に対して失礼のない態度を貫き、常に真摯に接することができているという前提があってはじめて、顧客による理不尽な対応に対して毅然と対応できるのである。

そうした真摯な態度に欠け、マナーの欠片もない態度に終始しているのであれば、顧客に常日頃し連れに接しているのであるから、顧客から失礼で理不尽な態度をとられたとしてもお互い様である。

そこでは毅然と対応するなんてことはできないのである。

サービスマナー意識のない従業員が、常日頃から馴れ馴れしい無礼なタメ口で接している中で、顧客の態度が悪いとか、問題だとか指摘しても何の説得力もない・・・どの口がいっているのだと云われて終わりである。

だからこそ従業員に対するサービスマナー教育は最重要になるのである。

お客様に失礼な接し方をしないことで、カスタマーハラスメントを受ける可能性も低下するだろう。それでもなおかつカスハラ被害に遭った時は、毅然と対応して、場合によっては損害賠償を求めることも可能になるのである。

何よりも、顧客に対するサービスマナー意識を持ち、利用者のの家族とは異なって、介護のプロとしての対応に終始することにより、自らの仕事に対する誇りを持つことができるのである。

それが定着率のアップにもつながり、なおかつ顧客から選ばれる事業にもつながることを理解してほしい。


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マナー意識向上に利用したい処遇改善加算



僕は今、羽田空港の搭乗口でこの記事を更新している。

今朝7時に自宅を経ってJR東室蘭駅から特急列車で新千歳空港まで移動し、午前10時発の便で北海道を経って羽田経由で松山空港に向かう旅の途中である。

北海道は雪のため滑走路の除雪待ちで離陸が少し遅れ、松山には予定より少しだけ遅れて14時過ぎに到着予定であるが、今日は夕方18:30〜「えひめ医療福祉従事者連絡会つどい」という会の皆様に対し、介護報酬改定をテーマにした講演を行う予定である。

つどいは、保健・医療・福祉・介護・行政関係者の方が横断的に参加している勉強会である。僕は同会を主催している方との繋がりで、コロナ禍以前から松山で仕事がある際には、しばしば時間をとって講演を行う機会を頂いている。

勉強会の後はいつもオフ会も予定されており、幅広い情報交換ができるので、毎回楽しみにしている集まりである。

しかし明日も仕事が入っているので、今晩はほどほどに呑もうと思う。明日は午後からの仕事だから多少呑み過ぎても大丈夫かな・・・。
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どちらにしても今回の松山の仕事のメインは明日午後からである。

愛媛県老施協主催の、「愛媛県老人福祉施設協議会・リーダーを担う中堅職員対象」がその研修会である。

この研修は今年度と来年度に渡って合計5回行う予定になっており、今回はシリーズ2回目の研修となり、「虐待・不適切サービスを防ぐサービスマナー」をテーマに3時間の講演を行った後、GWを1時間行う予定となっている。

先週書いた、「顧客意識を持てない職員の成れの果て」で指摘した通り、介護事業においてサービスマナーという視点をもって利用者に接するためには、サービス利用者=お客様であるという意識をきちん持たなければならない。

お客様にマナーをもって接し、お客様に喜んでいただくことによって従業員が介護という仕事のやりがいを感じ、お客様にもっと喜ばれるサービスを提供したいという動機づけが生まれるのである。そのことによって、おもてなしの心(ホスピタリティ精神)を持つことに繋がれば、そこに顧客はさらに集まってくるだろう。

人件費を含めた経営コストが上がる中で、限りある財源の中で支払われる介護報酬を主たる収入とする介護事業は、大規模多角経営を実現して、スケールメリットを最大限に生かした事業経営が求められていく。その為には、顧客確保が重要な経営戦略となってくるのだ。

つまり顧客から選ばれる事業者となるためのサービスマナー意識の向上は、介護事業者の倫理上の問題とか道義的責任という範疇にとどまらず、事業経営上不可欠な要素になっているのである。

今回の松山研修では、そうしたサービスマナーを意識してお客様に接する場の先頭に立って模範となるリーダー職の皆様に、その意義や具体的姿勢について伝えることになる。

その為には、介護サービス利用者がお客様であることをしっかり意識していただく必要があるが、その際に処遇改善加算の構造・計算式を例にして伝える方法もあることを指摘しておきたい。

処遇改善加算の算定単位の計算式とは、1月あたりの総単位数(基本サービス単位数に各種加算・減算を加えた単位数)×加算率であることは今更言うまでもないことだ。

例えばこれを通所介護に当てはめるとしたら、加算率を乗ずるもとになる総単位数は、1人の利用者単位でみるとすれば、利用回数が増えることで多くなるという意味であり、全体からみるとすれば、利用者数が増えれば増えるほど多くなるという意味だ。

各事業者は、その単位数に加算率を掛けて算定した合計単位を金額計算した額を算定するわけであるが、算定した額はすべて従業員に支給しなければならず、1円でも支給漏れがあって事業者収入に組み入れれば報酬返還指導を受けるという性格のお金になっているのである。

つまり従業員にとっては、自分が所属する事業サービスを利用してくれる人が増えること、1人の利用者がサービス利用する回数が増えることが即ち、自分の給与アップに直接つながってくるという意味だ。

介護事業経営者は、しっかりこのことをリーダーに伝え、リーダーは部下にそれを伝達しなければならない。

1人でも多くのお客様を確保し、1人の客様がより多くのサービスを使ってくださることが、即ち自分の給与アップにもつながることも意識し、そのためにサービスマナー意識の向上が求められるという方向から、マナー改善の必要性を理解したって良いだろう。

モチベーションの源とか理由なんて何でも良いのだ。それが金銭であっても全く下品ではない。そもそもプロとは金銭で出力する者を指すのだから、それは極めて当たり前のことである。






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顧客意識を持てない職員の成れの果て



介護サービスの利用者は単なるユーザーではなくお客様である。

この極めて当たり前の意識が介護事業従事者に浸透しないのは何故だろう。

介護関係者の中には、介護サービス利用者を顧客というのは違うのではないかと口に出して云う人も居る・・・利用者が顧客でないと云うなら、ボランティアで介護を行い、家族同様にケアを行う対価を求めるなといいたい。

介護サービス利用者が間違いなく顧客であるという意識を持てない人は、そもそも顧客という意味を分かっていない知識のない人間でしかない・・・その知性も疑われても仕方がない。

顧客とは一般的に、「自社の商品やサービスを購入してくれている、または購入したいと考えている人」のことを指すものであり、介護サービスは一般的な商品とは異なり目に見えない形のサービスではあるが、そうした目に見えない介護サービスであっても、お金を支払って利用する人は間違いなく顧客そのものであり、今後自社の介護サービスを利用したいと考えている地域住民もまた顧客なのである。

そうであるからこそ介護サービスの提供主体(事業者及び従業員)は、「顧客サービス」の在り方を常に考え、そのニーズに合わせていく必要がある。

そこで必要となることが、介護サービス利用者の方々に対するサービスマナー意識であり、サービス提供者は、顧客である利用者に対して礼儀をもって接する必要があることを30年近く前から訴えてきた。
雪景色
僕が唱える、「介護サービスの割れ窓理論」は、その理解を促すために僕が提唱している理論である。(※文字リンク先は安全な場所なので、警告文字が出ても安心してつなげて問題ありません)

全国各地で行ってきた、「介護事業におけるサービスマナー講演」でもそのことは詳しく説明してきた。そのことを多くの関係者に理解してほしい。

このことをおざなりにしている事業者において、利用者対応が適切に行われない先には、事業経営を危うくする問題が起こるだけではなく、対応を誤った従業員自身の人生終了という事態にもつながりかねない。

そのような問題が続々と明るみにされている。今月はまだ8日しか経っていないのに、介護事業者における利用者への暴行致死事件で、従業員が逮捕されたという事件報道が相次いだ。下記に2件の暴行逮捕事件の概要をまとめているので参照してほしい。
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(事件1)
大阪府警は5日、大阪府泉大津市の特別養護老人ホーム「オズだいすき倶楽部」(泉大津市池浦町3)で入居者の高齢男性を暴行して死なせたとして、元職員白井宏次朗容疑者(31)=大阪府吹田市=を傷害致死の疑いで逮捕した。白井容疑者から暴行を受けたと訴える入居者が他にもおり、府警が捜査している。

逮捕容疑は2020年12月20日夜〜21日早朝に起きた。容疑者は入居していた福田功さん(死亡時90歳)の胸を何らかの方法で圧迫。胸骨や肋骨(ろっこつ)計9本を折り、翌21年3月に呼吸器不全で死亡させたとしている。

(事件2)
奈良市の住宅型有料老人ホーム、「かさね奈良六条」の職員・西山弘樹容疑者(33)が、11月19日夜から翌日の午前にかけて施設内の部屋で入所する90代の女性に暴行を加え顔にけがをさせた疑いが持たれ逮捕された。防犯カメラには西山容疑者が被害者の女性(90代)の部屋に入った後、女性が「痛い、痛い」と叫んでいる音声が残っていた。西山容疑者は警察の調べに「夜中に何度も呼び出されて腹が立った。」と供述している。

この施設では別の入所者の高齢女性にも不審なケガが確認されている。
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上記のように2件の加害者共に、他の利用者への暴行が疑われている。

利用者が顧客であるという意識を持っていたら、ものを頼まれるのは当たり前だと思うはずで、「夜中に何度も呼び出されて腹が立った。」などということにはならないはずだ。

利用者に対して、自分が施しを行う上から目線しか持てないから、このような事件が相次ぐ。しかも本件のみではなく、他に複数の利用者に被害を及ぼさせていたということは、常習的犯行が当該施設内で日常的に行われていたということだ。

当然、経営法人や経営者・管理職の責任も問われてくるだろうし、地域の信頼を失い利用者確保に苦労することになって、場合によっては事業経営に多大な影響が出るかもしれない。

加害者は罪を償った後も、卑劣な犯行を行った者として、周囲から蔑視されて生きなければならなくなるかもしれない。

利用者=顧客であるという意識をもって、適切なマナーを護ったサービス提供をお行うという教育を怠った先には、このような末路が待っているのである。

それは対岸の火事ではなく、自らの問題であるという当事者意識を持つ必要がある。

利用者に対するタメ口対応が日常化している介護事業者は、そのことで明日事件を引き起こすかもしれないと覚悟するべきである。






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家庭的・アットホームという理念は昭和の遺物



介護保険施設や居住系施設は、何らかの理由で自宅での暮らしが不自由となった方が、住み替えの場所として選択する新たな居所である。

しかしそのような住み替えは、決して軽い気持ちでできるものではない。

人生の晩年期を迎えた人が住み慣れた自宅を離れ、住み替えようとするには相当の覚悟と決意が必要だろうと想像できるのである。

住み替えようと決意する人には、それだけ切羽詰まった事情があると同時に、住み替えによってそれまでより良い暮らしを手にすることができると期待しているのではないだろうか。

だからこそ住み替え場所として選択される場所で働く関係者は、その期待に沿うことができるスキルを備えてサービスを提供しなければならない。それがプロとして他者に関わる者の矜持(きょうじ)ではないかと思う。

そうしたプロの矜持をもって仕事に従事することが、私たちの社会的使命といえるし、その使命を果たすことが自分の職業に誇りを持つことができることに繋がるのではないだろうか。
水の光
私たち人間は、人生を過ごす大部分の時間を仕事をする時間に費やすのだから、自分の就く職業に対しそうした使命と誇りを抱くことができることこそ、人生を豊かにすることではないかと思う。

だからこそ自分が働く職場が、どのような理念を掲げているのかは重要なことである。

理念とは、「このようにあるべき」という根本となる考えを意味するものであり、介護事業者の理念は、何のために介護事業者が存在しているのかという根本を司るものである。

その理念が、「家庭的〜」とか「アットホーム」であるとしたら情けないと思う。それは素人の発想であり、昭和の遺物でしかない古く拙(つたな)い考え方といってよい。

介護施設は、家族のように遠慮ない関係で馴れ馴れしく接してサービス提供する場所ではないのである。そこでは介護支援のプロとして、適切な知識と確かな技術をもって利用者に向かい合うことが求められているのだから、それにふさわしいパフォーマンスにつながる理念を掲げてほしい。

そうした理念を達成する方法論を持つことで、介護保険施設や居住系施設は利用者にとって、どこよりも安全で安心した暮らしの場となるのである。

家庭的とか、アットホームなんてくだらない理念を掲げているから、理念は形骸化するし、家庭的という言葉に胡坐をかいて、無礼で馴れ馴れしい利用者対応が横行するのだ。

そしてその先には、利用者の人権を無視した不適切対応〜虐待に繋がっていくのである。その結果、利用者への暴力行為で職員が逮捕というニュースが、11月だけで何件も報道されている。

さらに表の掲示板では介護施設の職員がスレ建てして、「家族が職員への差し入れ品をSNSに画像アップしているが、あまり豪華な品物だと他の家族も豪華なものを差し入れないとならないと思うのではないか」という意見が書き込まれている。

これもひどく拙い発想だ。差し入れ物品をSNSで投稿するか否かとか、品物が高価なものであるか否かではなく、誰かひとりであっても家族から差し入れ品を受け取ってしまえば、他の人も差し入れしなければならないと思うのではないかと考えるのが普通であり、差し入れ品を安易に受け取ってしまうことを疑問視する意識がなければならない。

こんな書き込みを見て、日本の介護事業とはなんと民度が低いのだろうと思う人も出てくるだろう。

対人援助のプロとして求められる理念を掲げて、その理念の達成に向かう目標を持たない限り、そうした見方に反論できなくなってしまう。

そうであってはならないのだ。なぜならそんな職業であるとしたら、有能な人材がますます介護という職業を見放して、人材不足に拍車をかけかねないからである。

そうならないようにするためには、対人援助とは「人権」を護ることを何よりも重要であると考えるべき場であることを忘れないように、そのことを実現できる、形骸化しない理念を掲げてほしいと思う。

例えば、「対人援助のプロとしての知識と技術を備えた支援者により、お客様一人一人に安心で豊かな暮らしを提供します」といった理念はどうだろう・・・どちらにしても対人援助のプロとしての矜持を持つことができる理念づくりをしていかないと、理念という名のお飾りができて終わりということになりかねないのではないだろうか。






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逮捕者が続出の介護事業に未来はあるのか・・・。


先月から今月にかけて、わずか一月に満たない期間の中で、介護事業者で起きた利用者虐待によって、加害職員が逮捕されるという報道が相次いでいる。

記憶に新しいそれらの事件を数件羅列してみよう。
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(11/4報道された事件)
神奈川県厚木市愛名の県立知的障害者施設「愛名やまゆり園」で入所者に暴行し重傷を負わせたとして、厚木署は3日、施設職員で介護士の有泉祐斗容疑者(37)=同市=を傷害の疑いで緊急逮捕逮捕した。容疑は2日午後2時15分ごろ、男性入所者(29)の右足を引っかけながら背中を押すなどの暴行を加え、右脚骨折の重傷を負わせたとしている。容疑を認めているという。
(11/3報道された事件)
東京都八王子市の高齢者グループホームで、入所女性に「殺してもいいんだぞ」と暴言を吐き、胸を蹴るなどしてけがをさせたとして、警視庁八王子署は2日までに、傷害と脅迫の疑いで介護職員の兼城優斗容疑者(29)を逮捕した。逮捕容疑は10月2日夜、施設の2階個室内で、入所する90代の女性に「殺してもいいんだぞ」「死んじまえ」などと暴言を浴びせ、頭をたたいたり、胸を蹴ったりして胸部打撲など1週間のけがをさせた疑い。被害者は今年1月ごろから深夜に徘徊(はいかい)するようになっていた。
(11/3報道された事件)
勝浦市の特別養護老人ホーム「名木緑風苑」で、91歳の女性の入所者の顔面を複数回にわたり平手打ちをするなどしてけがをさせた疑いで、介護職員の関谷拓海(25歳)が逮捕された。
(10/28報道された事件)
北海道北斗市の障害者支援施設「ねお・はろう」に入居している男性(41)を蹴り、顔にけがを負わせたとして、施設に勤務する介護士、冨原健龍(けんりゅう)容疑者(34)=北斗市追分=が逮捕された。容疑者は7月26日午前11時ごろ、入居する男性を蹴って突き飛ばし、顔を切るけがを負わせたとしている。男性はドアに顔を打ち付けたという。
(10/25報道された事件)
東京都足立区の介護老人福祉施設「ケアホーム花畑」で8月19日正午ごろ、利用者の久保栄治さん(81)の顔を右手で殴り、翌20日に搬送先の病院で急性硬膜下血腫などで死亡させたとして、介護福祉士の福沢薫容疑者(54)=足立区=を逮捕した。容疑者は、「昼食の介助中に右太ももをつねられて腹が立ち、左目付近を強く殴った」と容疑を認めている。
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10/25〜11/4までに全国的にニュース報道された介護事業者における逮捕事案だけで、上記のように5件の虐待事件が挙げられる。あまりに異常な多さであると共に、虐待内容も悪質だ。

犯行動機については、「腹が立った」などいろいろな動機が語られているが、介護という職業を生活の糧にしているプロである以上、仕事の最中に利用者がとる態度にいちいち腹を立てていては、その職務を果たせないだろうという問題である。

すなわち容疑者はすべて、まともな基礎知識・援助技術を持たない状態で、対人援助のプロとしてふさわしい態度を身につけないまま、介護の場で我流で気ままな作業を行うだけの状態であったと言える・・・それは果たして仕事といえるのだろうか。
岩手県介護福祉士会現任者研修
(※画像は11/4に岩手県釜石市で行った筆者の講演)
特に家庭的であることと、無礼で馴れ馴れしいことを混同し、マナーのないタメ口で利用者対応するような状態を放置している介護の場では、こうした何でもありの、素人同然の利用者対応が起こり得ることを、介護事業経営者や管理職の皆さんは理解すべきである。

介護サービス利用者の方々は、顧客であるという意識を強く従業員に求め、顧客に対するサービスマナーに徹する態度を身につけさせないと、いつ上記のような事件を引き起こす従業員が生まれかねないという危機意識をもって介護事業を経営しなければならない。

特にサービスマナー意識を喪失させる、利用者に対する「タメ口対応」を放置している介護事業者は、犯罪者発生予備軍であるという意識を持たねばならない。

ここを理解できない経営者や管理職しかいない介護事業者は、上記の事件は明日は我が身であり、その時になってはじめて、事業継続の機器に陥り慌てふためくこと間違いなしである。






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入所者に「うるせえばばあ」と罵声を浴びせる背景


千葉県袖ケ浦市野里の「袖ケ浦瑞穂特別養護老人ホーム」で、職員が入所者に罵声を浴びせるなどしたことが発覚し、市が心理的虐待と認定したそうである。

本件は虐待情報が市高齢者支援課に寄せられ、同施設で職員12人に話を聞き、全職員35人にアンケート調査も行ったうえで虐待認定したものだ。それによると1人の職員が80代女性の入所者に対し「うるせえばばあ」や「たたくぞ」、「水あげないぞ」などと発言したことが判明している。

それだけでも許しがたいことであるが、さらに問題なのは、同施設での虐待認定が今回が初めてではないということだ。
終焉介護
同施設では昨年も職員の暴言が発覚し虐待と認定されており、改善計画及び結果報告を市に提出していたにも関わらず、まったく実効性がなかったという意味だ。

運営する社会福祉法人「瑞光会」は「1度目の対応が不十分だった懸念がある」と説明しているが、非課税法人として社会的に大きな責任を負うべき社福の姿勢が、このような暢気なものでよいのだろうか。

暴言による虐待認定を受けながら、それからわずか1年も経ない時期に同じような行為が繰り返されているということをもっと重大事と考える必要がある。「対応が不十分だった懸念がある」ではなく、「対応ができておらず、社福としての責任を果たしていない」と認識すべきだ。

そもそもこの法人は、最初の虐待認定をどう捉えていたのだろうか。社会福祉法人の公益性と鑑みて、あってはならない事件を引き越してしまったという認識があったものかどうか・・・ただ単に改善報告を提出し、アリバイ作りのように虐待防止の学習会を行えば虐待がなくなるなんてことはないのだ。

虐待につながる問題の根はどういうところにあったのかを、法人全体で深刻に検証する必要がある。

多くの場合それは親しみやすい対応と、無礼で馴れ馴れしい対応を勘違いして、後者の利用者対応がエスカレートして、虐待へと発展するのだ。

だからこそ対人援助における顧客対応として、利用者の方々に対するサービスマナー精神を忘れないように、しっかりその視点を備えて信頼を寄せられる顧客対応に終始できる介護事業を創り上げる必要がある。

毎日繰り返される日常の介護における声掛けにも。顧客対応としてふさわしい言葉を選択して使い分けるコミュニケーションスキルを身に着けさせる必要がある。

介護に必要な日常の会話の中であっても、お客様に対して使ってよい言葉と、使ってはならない言葉を取捨選択し、最もふさわしい言葉を使いこなすスキルを磨く訓練も、介護事業者として必要不可欠な内部訓練だ。

同施設は、昨年虐待認定を受けているのだから、徹底的に職員の再教育を行い、利用者が単なるユーザーではなく、大切なお客様であるという教育を行いなおして、職員全体にサービスマナーの徹底を図る必要があったのだ。その過程では信賞必罰の原則を取り入れて、その流れについていけない職員は、役職などから外れたり、昇給ベースをカットするなど、流れに乗れ事ができる職員との差別化も図る必要があったはずである。

ところが同じ暴言虐待が繰り返されているという事実は、こうした教育が行われておらず、意識向上の徹底が図れていなかったということになる。職員教育もおざなりだった可能性が高い。

虐待防止の研修は、ユーチューブ等で配信されている動画を職員全員に一度視聴させて効果があるというものではない。

虐待とは何を意味し、それがどのように人の心を殺してしまう行為であるのか、そうした虐待と無縁の介護事業の在り方について、介護という職業の使命と誇りという面と絡ませて考える学習機会を創る必要があるのだ。

今回問題となった職員は、おそらく本件以外にも日常的に利用者に罵声を浴びせていたのではないか・・・それがあまりにひどいために、通報されたということだろう。それが外部通報ではなく、内部通報であったならば、少しは救いがあるのかもしれない。

こうした罵声は、他の職員の耳に届かないわけがないのだから、そうした状況が少しでも見られたときに、職員間で「それはないでしょ」と云い合って、その場で改善を図ることができる職場環境を創ることが本来である。

「魂」という言葉は、云うという文字がついているから、人の健全なる心を表す意味になるのだ。「魂」という文字から、云うを取り去ってしまえば、魂は「鬼」に変わってしまうのだ。

私たちが携わる対人援助・介護サービス事業を、鬼の心持ちを持つ人間が取り仕切ることがないように、魂を持つ私たち自身が、不健全なるものは徹底的に排除するための「云う」を忘れてはならない。






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特殊事情が通常感覚と思っている人が増えた介護業界


(コロナ禍がもたらす感覚麻痺はなかったかに気を配る時期)より続く。
新型コロナウイルスの分類変更以降、会場で人を集めて行われる研修会が増えた。

僕もそうした研修講師としてお招きいただく機会も増えているわけであるが、その中には社会福祉法人等の自社職員を対象とする職場内研修も含まれている。

介護事業を広域展開している大規模な法人さんであれば、できるだけ多くの職員に講演を聴いていただくためにはオンラインの方が便利だろうと思う。しかし直接会場で話を聴き、そこで講師と受講者が直接意見交換して学ぶという機会は貴重であるということで、会場講演とオンラインを併せたハイブリット講演を行う事業者も多くなっている。

どちらにしてもコロナ禍ではなかなか実現が難しかった、会場で対面しながら話をできる機会が増えてとても嬉しい。そこでは様々な繋がりが新たに生まれたりするからだ。オンラインだけでは生まれない人脈というものが、そこでは生まれたりするのである。

会場でお会いする受講者の皆さんとは、質疑応答以外にもコミュニケーションを交わす機会が多くなる。

そこでいろいろな話を聴くことができるわけであるが、そこで気が付いたことがある。それはコロナ禍をきっかけにして、他業種から介護事業者へ転職した人が思った以上に多いということである。

さすれば、その人たちが介護事業者に就職した当時、すでに面会制限や外出制限などが行われてたということになる。それは制限が行われる以前の介護事業者の状況を知らない人が増えているという意味でもある。
介護事業のサービスマナー講演スライド
上の画像は、「介護事業におけるサービスマナー」をテーマにした僕の講演のスライドである。

制限なんて平時にはしていなかったことを思い出して、平時の感覚を呼び戻してほしいと呼び掛ける内容のスライドである。しかしコロナ禍以後に介護事業者に就職した人は、この意味がぴんと来ないかもしれない。なぜならその人たちは、平時を知らない人たちでもあるからだ。

するとその人たちの中には、介護事業者が面会や外出を制限するのは当たり前のことという感覚を持つ人がいるのかもしれない。いや、むしろコロナ禍以前から介護事業に携わっていた人でも、コロナ禍をきっかけにして、利用者に制限を強いることが当たり前という感覚に陥ってしまった人がいるのではないか・・・。

しかしそれは違うと言いたい。人の権利や自由を簡単に制限することは、誰であってもできないというのが普通なのである。それができてしまうのは普通ではない状態のときに限るのである。

利用者本位という言葉がある・・・その意味は、サービス提供側の主観や都合で物事を考えるのではなく、利用者本人が主体的に判断し選択・決定することが本来であるということだ。

対人援助サービスは、この言葉を建前に終わらせてはならない。私たち対人援助のプロとは、利用者本位を本音とする支援者であり、ケアプランはその宣言書であることを忘れてはならない。

コロナ禍で行われた制限は、あくまで非常時の特例であって、平時にそれを繰り返すことは、人の正当な権利さえ奪い取りかねない忌むべき行為になりかねないことを、平時を知る者から、平時を知らない人たちに伝える必要もあるのだ。

本来制限とは、しないに越したことはないものなのである。






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コロナ禍がもたらす感覚麻痺はなかったかに気を配る時期


僕が住む登別市の東隣は白老町という小さな町である。

ここはアイヌ文化を伝える国立施設ウポポイがある町として知っている方も多いと思う。もともと大手製紙会社の企業城下町で、財政事情も良い町である。

その白老町の議会が開かれている最中であるが、先週の一般質問において町長は、町立の介護老人保健施設の収支改善が困難と判断し、休止および廃止を検討していることを表明した。

実はこの老健「きたこぶし」(定員29名)・・・昨年12月、複数の利用者が柵で囲まれたベッドに寝かせられたり、排せつ時に「汚い」「臭い」などと暴言を浴びせられたとして、道から改善指導を受けている。(※虐待事案自体は昨年10月に発覚している。)

それをきっかけに新規入所者を受け入れず、在籍していた人も転所・在宅復帰を図るなどして現在入所者はゼロとなっている。さすれば道の指導を受けたことをきっかけに、確信犯的に事業廃止に向けて動いていたということではないのだろうか。

職員を教育しなおして経営立て直しを図る意欲もないということだろう。町立施設とはなんともお気楽である・・・。

民間経営母体なら、とてもではないがこのように簡単に休止や廃止に踏み切れない。何とか経営の立て直しに躍起となるところだろう・・・。
白川郷
しかしながら一度虐待事例が発生すると、このように事業経営危機に直結するのも事実だ。大きな法人の一部門でも、こうした事件が起きると法人全体のイメージに傷がつく。

だからこそ顧客対応を意識した、最低限のサービスマナーを身に着けるような従業員教育が不可欠である。これをおざなりにしている事業者は、いつそのしっぺ返しを食らうかわからない。そのような経営危機を孕んだままの介護事業経営は綱渡りと言える。そんな不安定な状態にしてはならない。

介護事業者の顧客の中心層はもう団塊の世代の人たちになってきている。その人たちはしっかり自己主張する人であり、介護事業に従事する職員のプロ意識に欠ける対応を許してくれない人たちも多いことに注意しなければならない。

なぜなら団塊の世代は日本の経済成長を支えてきた人々であり、従業員が顧客対応する際にサービスマナーを護るのは当たり前で、それに加えてホスピタリティ精神が求められることの指導・教育の先頭に立ってきた世代でもあるからだ。

その世代の方々は、自分が介護サービスを受ける身になった際に、適切な顧客対応されない状況に不満を持つだけではなく、自分自身がそういう対応を受ける身になったことを誰よりも嘆くことになる。

人の暮らしを豊かにするための介護事業が、人を嘆かせるために存在して良いのだろうかと考えたならば、人権を侵害する要素を排除するために、利用者から誤解されないための、「サービスマナー」を身に着ける必要があるということだ。

馴れしい対応で、利用者の尊厳や誇りを奪い、心を殺してしまうことを恐れる人でなければならず、よそよそしさを恐れるより、無礼で馴れ対人援助のプロとして、いつでもどこでも、マナーをもって接することができるように訓練する必要がある。

それは私たちに求められるコミュニケーション技術であり、それができないならプロ失格として別な職業を探さねばならない。

この問題に関して言えば、コロナ禍の3年間という特殊事情も大いに影響があると言える。

外出・面会制限が当たり前という風潮の中で密室化した介護事業者は、外部の目が行き届かない状況が生じた。その中で従業員に甘えと感覚麻痺はないかという検証をすべき時期に来ている。

面会者が誰もいない状況で、第3者の目が届かないことに緊張感を失い、従業員の利用者対応に乱れがなかったかということや、顧客意識の薄れた言動が目立っていないかということを確認し、必要なら修正・改善していかねばならない。

そうした意識の高い介護事業者からは、サービスマナー研修講師依頼が増えてきている。

先日も社福祉法人さんの職員研修として、「介護事業におけるサービスマナー」をテーマに講演を行ってきたが、 受講された方々から、「介護の基本的姿勢を再確認できました」・「なあなあになってた事を改めて感じることが出来た」・「様々な場面、具体的事例から思いやり、ホスピタリティーについて学び直すことができた」等の感想意見が挙がってきた。

気付きを得ていただき、講師としてありがたい気持ちである。それと共に、法人内の職員研修を行う時に気が付いたこともある。それはコロナ禍以後に初めて介護事業者に就職した人も決して少なくないということである。

それは何を意味するのか・・・そのことはまた明日続きを書くとしよう。






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ケアマネのコミュニケーションスキル


宮城県では過去に数えきれないほど何度も講演を行っているが、そのほとんどは仙台市での講演である。

逆に言えば、僕が知っている宮城県とは仙台のことであって、宮城全体のことではないともいえる。

例えば僕が住む登別市は、宮城県白石市と姉妹都市になっているが、白石市が宮城県のどのあたりに位置して、どのような地域であるのかということは全く知らなかった。

しかしこの度、宮城県ケアマネジャー協会・仙南支部さんからの依頼で、角田市での講演を引き受けることになって、白石市をはじめとした宮城県仙南地域にはどのような市町村があって、どんな名所・名跡があるのかを少しだけ知ることができた。
宮城県仙南地域
8/24に角田市市民センターで行う講演は、「対人援助・コミュニケーションスキルについて」というテーマである。

介護支援専門員として利用者の方々に相対し、信頼を得られる関係性を創るためには、コミュニケーションスキルは非常に重要だと思う。また介護支援専門員はケアプランというツールを用いて、利用者の生活支援を具体化する仕事でもあるから、文章力というコミュニケーションスキルも軽視できない。

そもそも介護支援専門員の仕事は、第3者から見れば非常に不思議な仕事でもある。

なぜなら他人は知られたくない心身の状態や、家庭内環境などを細かく探ることがアセスメントであったりするからだ。

例えば初めて担当者となった利用者宅に伺う、「ご挨拶」のための初回の自宅訪問の場が、そのまま初回アセスメントの場になることは珍しくない。

そこでは、初対面で信頼関係もできていない状態であるにもかかわらず、深く利用者のプライバシーに踏み込んで質問することもある。

人生の先輩である初対面の異性に、「おトイレはどうしてますか」・「お漏らしすることはありませんか」etc・・・。このように排泄の状況などを質問することは、普通の生活場面ではあり得ない。

だからこそ、コミュニケーションの取り方には最大限の配慮が求められると思う。

相手に失礼のないように、最もプライベートな部分に踏み込んで質問する唯一の方法とは、相手の状況に合わせて言葉や態度を変えることではなく、いつでも・どこでも丁寧で真摯に対応することである。

その基盤にはサービスマナー精神が欠かせない。

このことをしっかりと伝えたいし、文章力を磨く方法や、自己覚知にも触れた内容で話をしてくる予定である。

大事なことは介護支援専門員とは、利用者の生活課題を解決する具体的目標を定め、目標達成に必要な生活支援の具体策を立て、実行するチームの中心を担うコーディネーターの役割を持つということだ。そのためのリーダーシップは欠かせない。しかしリーダーシップを発揮するためには、適切なケアマネジメント技術がなければならないということである。

ケアプランは生活援助の手立て、道具に過ぎない。つまり介護支援専門員はケアマネジメント技術をきちんと持ったソーシャルワーカーであって、単にケアプランを作る人(ケアプランナー)ではないという理解が必要だ。

さらにケアマネジメントは仲介・調整技術だという認識も欠かせない。

介護支援専門員の職業倫理の最たるものとは、この役割を果たし、利用者の暮らしの豊かさを向上又は維持することである。

そのためには自らがこの豊かさを削り取るようなマナーに欠ける対応をとっていないか?ということを振り返って自己覚知する必要があるのだ。

初めて訪問する角田市で、仙南地域の介護支援専門員の皆様にそれらのことを伝えるとともに、介護支援専門員の存在によって、日本の福祉の底辺は確実に底上げができていることと、介護支援専門員の存在が地域の高齢者の方々の安心につながっていることも紹介し、勇気を与えてきたいと思う。

宮城県ケアマネジャー協会・仙南支部の会員の皆様にエールを送る動画も作成したので、下記を参照願いたい。宮城県泉南地域の美しい風景が盛りだくさんなので、他の地域・他県の方も是非ご覧になっていただきたい。

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他と同じ人材対策では効果は出ません。


生産年齢人口が減少し続け、その解決策が見いだせない我が国では、全産業において深刻な人材不足が経営危機に直結していく。

人の暮らしを人の手によって支える介護事業では、この状況はより深刻な事態を生み出すことになる。

支え手がいなくなることで事業経営が困難になるだけではなく、そこで介護難民が生まれ、悲惨な暮らしに耐えながら、誰からも手を差し伸べられずに野垂れ死にする人が増えていくからである。

それは国民の福祉の低下そのものであり、より深く広い闇が社会全体を覆っていくことに他ならない。そうなればもはや福祉国家という言葉は死語に近いと言ってよい。

そうならないように国は重い腰を上げて、介護分野で外国人材の就労しやすい対策などをとってはいるが、それも焼け石に水の感があり、国内人材の枯渇の手当には程遠い。しかも円安や物価高なども影響して、外国人材は他国へ流れつつあり、少ない外国人材の取り合いという状況も生まれている。

どちらにしても介護人材不足は日ごと(※年単位・月単位ではない)に深刻化しているのである。

これに対して国が行っていることは、制度改正や報酬・基準改定等で人員基準をできるだけ緩和して、人が対応しなくてよい部分はテクノロジー対応に代えていくというものでしかなく、効果は極めて限定的なものでしかない。

なぜなら介護労働の大部分は、実際には人の手によらざるを得ないことに変化はないからだ。そして介護ロボットを言われるものが人にとって替われる部分が、今後劇的に増えない限りこの状況は変わらないのである。

しかしいくらテクノロジーが進化・発達しても、人に代わるロボットができる可能性は低い。力をかける動作と巧緻性の必要な動作を、絶妙の加減でつなぐことができる人の動作にかなうロボットが生まれるとは思えないのである。

人に替わる介護ロボットが現に存在するというのは事実ではないが、将来的にそうした便利な機器が誕生するということも幻想と言えるのかもしれない。
朝日を浴びるひまわり
よって介護事業者は独自の人材マネジメントで人材不足を乗り切っていくしかない。しかしどのような人材マネジメントが必要なのだろう。

勿論、思い切った給与改善が求められるし、そのための介護報酬のアップが求められる。しかし介護業界全体の対策だけに頼っていてはどうしようもない。地域の介護人材の必要絶対数を確保することは不可能であるからだ。

地域の中で、全介護事業者があまねく人材を十分確保して事業継続できることはあり得ない。人材確保競争に勝利した事業者だけが生き残るのである。そのため少なくなる介護人材から選ばれる要素は何かについて考えを及ばせなければならない。

その要素の一つがサービスマナーが充実した職場環境づくりである。

僕が介護福祉士養成校で育てた卒業生のうち、就職先から短期間にバーンアウトしてしまう卒業生は、「職員が利用者をまるで物のように扱っている」・「聴くに堪えないひどい言葉で、利用者を蔑んでいる」といって退職している。

こんなふうにして、将来人材〜人財となる素質を持つ若者が、先輩職員の乱暴な介護の仕方やタメ口にストレスを感じて職場を辞めているという実態がある。

さらに卒業生以外であっても、優れた人材であるほど上司や同僚の、マナーのない言葉遣いにストレスを感じてるのである。

そういう人たちは、丁寧な対応ができる職場で働きたいという動機づけを持っている。

だからこそ僕は、そういう人が自然と集まり定着する職場づくりを目指そうと考えた。その為に僕が管理していた社福では、サービスマナーを徹底して、マナーのない利用者対応しかできない人は排除して、マナーをもって対応できる人をリーダーに就けて教育役を任せた。

マナー意識を持てない職員を排除する過程で、一時的に職員数が減る時期はあっても、マナー意識のある職場で働きたいという動機づけを持つ職員が集まってくる過程で、その問題は自然と解決し、マナー意識を徹底することで職員が辞めない、定着率の高い職場となって、人材確保に日々汲々とするようなこともなくなった。

某介護事業者の指導的立場にいる人は、『丁寧語を使って会話するのは良いが、それでは利用者に対して親密になれない。普通に会話した方が良い。』として、職員にタメ口対応を敷いているような現状もある。

こうした民度が低く、コミュニケーションスキルが低い職場は、人材の草刈り場でもある。そうした職場でも志を高くもって、利用者対応をもっと丁寧に行いたいという動機づけを持った人材はいるからだ。そういう人たちを見つけ、声を掛けて働いてもらえるような職場づくりをしていけば、自然と人材不足問題は解消するだろう。

なぜなら介護業界全体では、未だにサービスマナー意識が浸透していないと言ってよいからだ。

ここの部分に着目して、サービスマナー意識のない職場と差別化を図るだけで、有能で志の高い介護人材は確保できるのだ。現に僕が現在、コンサルタントとしてアドバイスしている介護事業者でも、僕が社福で行ったのと同じ方法で、人材を増やし定着率が向上している。

こうした現状把握と対策に遅れをとって、事業廃止に至らななければよいのだが・・・。

どちらにしても人材確保に困っている介護事業経営者は、サービスマナーを重視した新たな経営視点を持つように発想転換が必要であることを理解してほしい。
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マナー欠如減算・・・。


今週14日の参院本会議で、認知症基本法が全会一致により可決・成立した。

この法律は、「認知症の人が尊厳を保持し、希望を持って暮らすことができるよう、施策を総合的に推進する」としている。

しかしこれは自慢できる法律ではないと思う。

平等主義や基本的人権の根拠ともなる、「尊厳」について、認知症の状態の人もそれを保持しているとして、立法化して保護する必要があるということは、この国の実態として、いかに認知症の人の尊厳が無視され、人として尊重されていない場面が垣間見られているという実態を表わしているともいえる。

しかもこの法律の目的の一つが、「認知症の人との共生社会を目指す」ことであるという。

人はどのような状態であっても社会の中で他者と共生するのが当然であるにもかかわらず、あえて認知症の人との共生社会の実現を目指す法律が必要だということは、我が国のどこかで、認知症の人が、認知症ではない人と共生できていない状態が存在するということだ。

しかもそのことが、必ずしも世情に精通していない政治家の目にも見える形で存在しているという意味である。

そういう意味では、この法律は我が国の恥の象徴ともいえるのかもしれない。
恥を知れ
そうした恥の文化を創り上げているのが、対人援助の場で顧客である利用者に対し、「タメ口」で接することを恥と思っていない頭の弱い連中の存在である。

そいつらは、顧客に対し失礼極まりない「タメ口対応」を恥と思わないばかりではなく、その言葉が「親しみ」を表わす言葉だと誤解している。

そんなふうに、「タメ口」という日本語の意味と使い方を知らない、頭の不自由な輩が、介護業界には数多く存在しているのだ。

お客様に丁寧に接しつつ、なおかつ親しみを持ってもらえる接客という行為ができない輩が、家族と同じように遠慮なく、ぞんざいな態度で接することを、「家庭的で親しみやすい態度」と勘違いしてふるまう・・・そのような介護のプロにあるまじき、失礼で素人としか言えない対応に終始する頭の弱い連中が、認知症の人の尊厳を無視して、認知症でない人と差別して接する風潮を生んでいるのではないか・・・。

本来、認知症の人たちが社会の中で共生するなんてことは、法律で定められて実現するような問題ではない。

私たちが人に冠をつけて、曇った目で見ようとしなければよいだけの話だ。認知症の誰々さん、重度障害のそれこれさん、要介護のへのへのもへじさん・・・そうした冠をつけずに、ひとり一人が個性ある人間であるという目で見つめ、個性ある一人一人の人間に、人としての愛情を注いで触れ合うという基本を崩さなければよいだけの話である。

それができないのだから、法律でがんじがらめに人を縛らねばならなくなる。

さすればマナーに欠ける対応に終始する介護事業関係者を変えるためには、倫理や道義と言った観念論ではなく、罰則を伴うルールが必要になるのだろうか。

例えば身体拘束を廃止すために、それを実現できない事業者に課した、「身体拘束廃止未実施減算」を手本にして、「マナー欠如減算」が介護報酬に新設される必要があるのだろうか・・・。

しかしそれこそ恥の上塗りである。顧客に対してマナーをもって接することができない恥と、それを減算ルールでしか正すことができない恥である。

そのような恥ずべき事業に対して、税金と保険料という公費を投入しつづけることに、果たして国民が嫌気をさすことはないのだろうか。そこが一番懸念されることである。

認知症の人を、法律を定めてしか護れない国であるという実態を、私たち介護関係者は自分の日ごろの仕事ぶりを振り返って考えていく必要があるのではないか。

法律や法令ルールは、所詮人が創る文章でしかない。そこから漏れたものは、すべて許されることではないはずだ。だからこそ法律や法令ルール以上の戒めが、私たち自身が他者を思いやる心から発せられなければならない。

それは法律を超えたものであり、人としての生きる道であるはずだ。それを忘れてはならないと強く思う。
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密室化慣れからの脱却


新型コロナの感染症分類が5類に変更されたことに伴い、やっと面会制限を解除する方向に向かっている介護施設・居住系施設が多い。

それにしてもコロナ禍のこの3年間は、様々な場面での異常な状態が、「当たり前」と考えられるようになってしまった。
(※ちなみにコロナ禍とは、「新型コロナウイルスが招いた災難や危機的状況」を指す。その時期の明確な定義は存在しないが、2020年3月半ば頃から、新聞やネット上でコロナ禍という言葉がよく見かけられるようになっている。)

例えばこの3年間、対面による面会制限を一度も解除せず、オンライン面会しか認めていな介護施設も存在する。コロナ禍以後にそこに就職した人は、それが当たり前と思っており、利用者をケアする場は、職員以外の外部の門が立ち入ってはならない場所と思い込んでいる職員もいたりする。

しかし利用者の居住空間を、管理者側の都合で密室化することは許されていない。本来防犯以外の目的で施錠は許されていないので、24時間施錠や外出禁止、面会制限も身体拘束廃止規定に違反する問題である。

コロナ禍という特別な時期だけに許されていた制限を、感染症分類が変更になった今も、ダラダラとt継続していることは、法令上も罰則対象となる恐れがあることを理解せねばならない。

そのような指摘に対しては、「感染症分類が変わったと言っても、新型コロナウイルスが無くなったわけではないので、引き続き注意が必要だ。」と反論したりする人がいたりするが、そんなことを言っていたら未来永劫感染予防対策にがんじがらめになって、社会活動は正常に戻らない。

新型コロナウイルスの感染力や致死率も、季節性インフルエンザと変わらないレベルになっているのだから、コロナ禍以前の正常な社会活動を取り戻すことを第一に考えるべきである。

クラスター感染を恐れて、感染者がいない状況で制限を続けるなんてことであってはならないのだ。
誰かのあかい花になるために
ところで、面会制限を解除した介護施設等の関係者からは、長期間の面会制限中に外部の目が届かなかったことの負の遺産を心配する声も出されている。

面会制限中に接遇意識が緩んで、言葉遣いをはじめとした顧客対応に劣化が生じて、改めてサービスマナー意識の向上が必要とされるという声が挙がっているのである。

本来それは情けのないことである。サービスマナーは、お客様自身に対する意識で、第3者の目があろうとなかろうと護らねばならない意識だからだ。

しかし人間はいつも己を律し続けて生きられる強い存在でもない。心が緩むことがあるのも人間である。面会制限期間中に利用者と職員以外しか存在しない場所で、外部の目が届かず、外部からの声も聞こえなくなったことによって、甘えが生じてしまうということもあるのだろう。

それによってサービスマナー意識の低下による利用者対応の劣化が生じたことを反省しなければならない介護事業者は少なくないのではないかと思う。

その反省に立って、改めてサービスマナー意識の向上に努めることは必要なことであるし、それを行おうとする介護事業者には未来があると言える。

今後は、外部の目の届かない時期や場所であっても、サービスマナー意識を低下させないための根本を、しっかり教育してほしいと思う。

僕もそのお手伝いはできるので、介護事業に通用する本物のサービスマナー教育を求めている方は、是非講師依頼の連絡をしてほしい。

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介護サービス利用者の生の声から考えてほしいこと


僕は今日、愛媛県久万高原町で午前と午後に渡って2本の講演を行う予定だ。

そのため講演前の、この時間に記事更新している。

午後からは制度改正を見据えた介護事業経営について話をするが、午前中は介護事業におけるサービスマナーを含めた介護実務の方法論をあり方を、介護という職業の使命という観点から話す予定だ。

この講演の中でサービスマナーに関連した話もする予定であるが、このことに関連しては職員の利用者対応の中心となる口の利き方について、いかに間違った考え方をしている職員が多いかという具体例を、「99人の馬鹿と対峙する一人の正義」という記事で紹介している。

その記事にコメントを書いてくれた人がいるので、参照していただきたい。そのコメントを下記に転載する。
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80代の婆さんです。
デイサービスで週1回お世話になっています。
この度の文章を読ませていただき思わず涙しました。
若い方のタメグチに辟易してましたので、本当に救われました。
ありがとうございます。ご活躍ください
。
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勇気をもってコメントを書いてくれた方には、心からお礼を申し上げたい。

介護関係者には、このコメントをしっかりと受け止めてほしい。

高齢者の方々は、介護サービス従事者が何気なく使っている「ため口」、あるいは堅苦しく感じさせないように意識して使っている「ため口」に癖癖している人、傷ついている人が少なくないのだ。
茶屋風景
今後の高齢者介護サービスの利用者の中心は、団塊の世代の人々になる。その方々は、日本の高度経済成長期を支えた企業戦士やその妻、それらの人々を相手に商売をしていた人々であり、上下関係には厳しい感覚を持った人々である。

それらの人々は顧客に対してサービス提供者がため口で接することを決して許さない感覚を持った世代の方々である。

しかし、そういう方々がいざ自分が介護支援を受ける身になって、自分よりずっと年下で、自分を敬うべきサービス提供者が、日常的にため口で接してきた際に、文句を言えるかといえばそんなことはない。

介護支援を受ける身で下手な抗議をすれば、適切な介護をしてくれないのではないかという恐れもあるし、こんなことで口うるさいといわれても大人げないと考えて、必要な要求ができない人が多いのである。

しかしその人たちは、抗議せず文句を言わないけれども、そのような失礼な態度を受け入れなければならなくなった自分の身を哀れに思い、心の奥底で悲しんでいるのである。

だからこそ私たちは、利用者に堅苦しいと思われることや、よそよそしいと思われることを恐れるより、無礼で馴れ馴れしい対応で、利用者の尊厳や誇りを奪い心を殺してしまうことを恐れる人でいなければならないのである。

誰に対しても不快な印象を与えず、使い分ける必要がない丁寧語を、使いこなすことができるコミュニケーションスキルを獲得しなければならないのである。

それができない人は、いっそのこと人に語り掛ける必要のない別な仕事を探すべきである。そのほうが世のため人のためになるだろう・・・。
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99人の馬鹿と対峙する一人の正義


慢性的な人材不足が叫ばれる介護業界であるが、介護職員数は毎年増え続ける右上がりのグラフ上の中にある。

現在も毎年わずかではあるがその数は増えているのだ。しかし要介護者の数の増加スピードに、介護職員の増加スピードが追い付かないために、介護職員の数はいつも足りず、将来的に必要とされる推定人数の確保も難しい状況になっている。

具体的に言えば、介護保険給付の対象となる介護サービス事業に従事する職員数介護職員の数は、介護保険制度が始まった2000年に54万9千人であったものが、2017年は195万1千人までその数を増やしている。

これだけたくさんの介護職員が増えているのだから、玉石混淆(ぎょくせきこんこう)となってしまっており、介護職員と一口に言っても優れたものと、つまらない者が入り混じってしまっているのが介護業界の特徴だ。

そのことが介護業界全体の民度が向上できない大きな原因ともなっている。
心に残る風景
その中でも特に問題なのは、介護サービスを利用されている方々が、「顧客」であるということが理解できず、自分たちが介護のプロとして、介護という行為で生活の糧を得ていることを意識できない馬鹿者どもの存在である。

その者たちは顧客に対して平気で、「ため口」で会話したりする。

そのことを注意しても、まったく修正しようとしない輩どもの理屈とは、『介護は人と人が向き合って暮らしの支援をする職業なのだから、あまり丁寧な態度にこだわり過ぎると、利用者に堅苦しさを感じさせることになる。』というものだ。

おいおい世界一ボキャブラリーが豊富な日本語は、丁寧な言葉であっても相手に心地よく緊張感を感じさせることなく伝達ができるんだぞ。丁寧語を使って堅苦しさを感じさせるのは、伝え方が貧しいからではないのか。丁寧語を使いこなせず、ぎこちない口調になるから、相手に堅苦しいと思われるんだろう。その低すぎるコミュニケションスキルを何とかしろよ。

すると、『関係性ができていれば、表面的な言葉遣いに注意する必要はない』と開き直る馬鹿もいる。

僕たちと利用者の関係性って何よ。家族でもなければ友達でもないぞ。あくまでサービス提供者とお客様の関係性でしかない。それは家族や友人のように、遠慮ない対応やぞんざいな言い回しでも許される関係性ではない。だからこそ介護のプロとしてお客様に接した際に、お客様に少しでも不快な思いをさせないような心遣いが求められるのであって、そのために最低限、「丁寧な言葉遣い」で相対することが求められているのだ。

そんなこともわからない輩は、『家族のように親しみを持ってもらわねばならないのだから、くだけた言葉遣いも必要である。』とも言う。

何度も言うように、僕たちは介護のプロとしてお客様に接しているんだ。そこでは家族のように親身になって相対することは求められても、家族そのものになることは求められていないし、疑似家族化することも許されない。介護のプロとして節度のある対応が求められているのだ。そもそも言葉を崩してしか親しみを表せないボキャブラリーの貧困さを恥じろよ。

ため口を直そうとしない輩は、ため口を親しみを感じさせる表現だと勘違いしているが、ため口とは、「敬語を使わず、なれなれしく話すことで、相手と対等な立場であることを表す口調」である。

タメ口は親しみを表現する言葉遣いではなく、なれなれしいだけなのである。その言葉を年下の者が年長者に使ったり、サービス提供者が顧客に使うことは、「失礼な言葉遣い」ということになるのだ。このことの理解がない輩が多すぎる。

家族そのものにはなれない介護従事者が、介護支援の場で利用者に関わるときに求められる態度とは、家族と同じ遠慮ない態度ではなく、介護のプロとしての態度である。信頼のおける知識と技術に基づいた介護支援と接遇ができることなのに、知識も援助技術も拙い輩が、口の利き方だけ一丁前(いっちょうまえ)に装っておるのは、滑稽を通り越してみじめでさえある。

そしてそのような無礼な言葉遣いは、しばしば人権侵害につながる問題を引き起こしている。そのときに、「そんなつもりはなかった」という言い訳は、人権侵害という結果をもたらした後ではなんの免罪符にもならないことを忘れてはならない。

だからこそ相手から誤解されない対応の基盤となる、「サービスマナー」の視点と姿勢を持ってお客様に相対する必要がある。対人援助のプロとして、いつでもどこでもマナーをもって接することができるように訓練する必要がある。コミュニケーション技術は特に重要なのである。

対人援助のプロとは、よそよそしさを恐れるより、無礼で馴れ馴れしい対応で利用者の尊厳や誇りを奪い、心を殺してしまうことを恐れる人でいなければならない。

対人援助が真の意味で利用者の方々の暮らしを豊かにするために、サービスマナーに注意して顧客対応を行う必要がある。そのことを常日頃から実践できている人は、たとえ自らが少数派で、多数派のいわれなき非難や弾圧に見舞われても心を折らないでほしい。
  
例え99人の馬鹿がいても、正義を貫く人間が一人いれば決して間違った世の中にはならない。そういう人間が一人もいなくなった時、日本の介護は終わる。

そのことを忘れず、誰かのあかい花として咲き続けてほしい。
※菊地雅洋にインタビュー!「これからの地域包括ケアシステム後編その2」(最終回)。地域包括ケアシステムを担う訪問介護から小規模多機能、福祉用具、新複合型サービスまで幅広く各事業について語りました。リスクマネジメントに有効にも拘わらず、まだ整備できていない施設が多いというマストアイテムとは?下記参照ください。

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介護という職業の誇りを奪い取るもの


3月は巣立ちの時期である。様々な場所からこの国の明日を担う人々が巣立っていく。

僕が介護福祉士養成校で教えた若者たちも、希望を胸にして社会人として、今まさに巣立とうとしている。

そんな彼らの姿をみながら、彼らの夢や希望がかなえられると同時に、この国の未来の介護を支える人材として育ってくれることを願っている。
福寿草
雪解けの道に、美しく力強く咲く福寿草のように、彼らが誰かのあかい花になることを祈るような気持ちで眺めている。

しかし残念なことに、卒業生が全員、就職した職場で美しく咲き続けてくれたことはいまだかつてない。

志半ばで夢をあきらめて職場を去り、介護業界からも去ってしまう人がいる。

介護という職業が、人の役に立つ誇りの持てる職業だと思っていたのに、就職したその場所で、先輩職員の仕事ぶりを見て、そうではなかったと幻滅して辞めていく若者が少なからず存在するのだ。

そうしてリタイヤしていった卒業生が、僕のもとを訪ねて嘆く言葉とは、「利用者をまるで物のように扱って、仕事も全部流れ作業のようになっている」・「人生の先輩に対する口の利き方を知らない〜赤ん坊や幼児に対する言葉かけをする人がいるのに、誰も注意しない」というものだ。

将来、人材〜人財となり得る素質を持つ若者が、先輩職員のタメ口にストレスを感じて介護業界を去ってしまうのだ。

この悪しき状況を何とかしたいと思い、サービスマナーについて様々な場所で講演を行っている。テーマがサービスマナーではなくとも、正しい言葉遣いで介護サービスを利用するお客様に接するように訴えている。

例えば先日も、「看取り介護講演」の中で、「旅立つ人をどんな言葉で送りますか?」と問いかけた。

今特養で問題になっているのがこの問題だからだ。看取り介護対象者は、死期が迫っていることを周囲の人が認識しているのだから、普段面会に来たことがない遠い親戚もお別れに面会に来るのだ。その時、若い介護職員のあまりに失礼な言葉遣いに憤慨して、「どうしてこんなところで、ばあちゃんの最期の時間を削り取るの!!」と憤慨してトラブルとなるケースが多いのだ。

普段職員の馴れ馴れしい無礼な言葉に憤慨しても、それに慣れてしまって、文句も言わないキーパーソンとは異なり、お別れのために初めて施設を訪れる親戚は、年下の従業員のあまりに失礼な言葉遣いに憤慨することが多いのである。

ところがこうした指摘をしておなおかつ、その講演を受講した人がアンケートで、「私自身は、利用者と関係性を構築するうえで、方言やフランクな言葉遣いも必要だと考えている」と記している人も居る。

こういう底辺クンが居なくならないからこそ、介護という職業の誇りを感じ取れなくなる若者がなくならないのだ。

フランクな言葉遣いと言うが、自分がそう思っていても相手にとって失礼な言葉遣いと感じられてしまうのが崩し言葉だ。その点、マナーがある丁寧な言葉は、だれしも不快に思わないし、相手や状況によって使い分ける必要もない言葉である。

私たちと利用者の関係性とは、あくまでサービス提供者と顧客の関係性であり、言葉を崩してフランクに話しかけて構築する関係性ではない。そもそも世界一ボキャブラリーが豊富な日本語は、丁寧語を使っても、親しみやすさを伝えることができるし、方言だって丁寧語は存在するのだ。

例えば熊本のある特養で働く職員は、利用者に対して、「〜よかですか?」と丁寧は方言を使いこなし、利用者に目線を合わせて真摯に対応していた。

こうした人たちと比較して、いつまでも崩し言葉でしか、親しみやすさを伝えることができないコミュニケーションスキルの低い底辺クンの存在が、介護を底辺職業に貶めているのだ。

そうならないように、相手から誤解されない対応の基盤となる、「サービスマナー」を身に着けてほしい。

そしての記事の締めとして、次の言葉をすべての介護関係者に送りたい。

どうぞ、よそよそしさを恐れるより、無礼で馴れ馴れしい対応で、利用者の尊厳や誇りを奪い、心を殺してしまうことを恐れる人でいてください。
旅立つ人をどんな言葉で送りますか
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人材が定着できる職場づくりは待ったなし


年度末の3月に入り、何かとあわただしい日々を送っている人が多いだろう。

介護事業の決算処理はまだ先になるが、この時期は何より新年度に向けた準備に忙しく立ち回る時期である。

その準備になかには、新たな事業計画作りも含まれてくるし、何より大事なのは新年度に入職してくる職員の受け入れ体制づくりである。

教育訓練を含めた受け入れ体制が整備されていない事業者では、職員の定着率は低下することが証明されている。介護人材不足が叫ばれる折、縁あって募集に応募して採用まで結びついた人材が、短期間で離職してしまうことは大損失である。そうしないための対策はされているだろうか・・・。

特に毎年せっかく入職した人材が、短期間で辞めてしまうことが繰り返されている介護事業者は、その根本原因を探って改革を急がねばならない。そうしないことには、いつまでも介護職員の定着率は向上せず、そのことがいずれ事業を継続することを困難にする最大のバリアになりかねないからだ。
冬の支笏湖
介護福祉士養成校の卒業生も4月に大勢介護事業者に入職してくるが、養成校で学んでいる学生は、「介護の仕事は、人に役立つ仕事だ」という思いで入学し、学んでいた学生である。

そのような卒業生は2年間の学生生活で、いろいろな悩みを抱き、壁にぶつあたりながら、介護福祉士として人の役に立ちたいという思いを捨てずに頑張り続けた人たちである。

そうして巣立っていった卒業生が、入職して間もない時期に、「介護の仕事が人の役に立つなんて言うのは嘘だった」と言ってやめてしまうケースがある。しかも毎年、決して少ないとは言えない人数の卒業生が、同じような理由で短期間で介護業界から去っていく。

それはなぜか・・・。OJTと称された、先輩の尻に金魚の糞のようについて歩かされる業務指導の中で、指導者たる先輩職員が、介護サービス利用者を教材のように扱い、人として接している様子が見えないだとか、機械的対応に終始して温かみが感じられないだとか、利用者を物のように扱って冷たい態度で傷つけているといった理由で、毎年数多くの介護福祉士が辞めているのである。

このことは介護業界全体の大損失だと僕は思うのである。

しかしその一方で、定着率が高く、学生にも人気がある介護事業者がある。そうした職場は、介護職のリーダーがきちんと利用者に対して丁寧な接遇を行い、部下である介護職員に日常的に接遇指導をしている。

そのような職場に運よく就職できた卒業生は、生き生きとした表情で働き続けている。介護という職業を通じて、人の役に立つ人間になろうという熱い思いを捨てずに、自分がもっと人に役立つ介護職になりたいとスキルアップの動機づけも持ち続けている。

そういう意味では、サービスマナー意識の浸透度合いが、人を育て人を定着させる職場環境につながると言っても過言ではない。利用者に対する接遇の向上と、介護職員の定着率の向上はリンクしてくるのだ。

だからこそ今この時期に、サービスマナー研修を徹底したい。利用者の尊厳を護ることを建前にせず本音にする職員教育を行うことが不可欠だ。

対人援助のプロとして求められる人権意識を確立するためには、「家庭的で親しみやすい介護」などと言いながら、マナーのない無礼なタメ口対応を許すような体質を残さないようにすることは最も重要である。

人事評価には、そうした視点を入れなければならない。それが真に求められる労務管理だ。

介護事業者におけるサービスマナー意識を浸透させ、接客から接遇への意識改革ができるサービスマナー講演を希望される方は、是非メール等でご一報願いたい。

連絡先は、あかい花公式サイトの上部・グレーの帯部分に記載しているので、まずはお気軽に相談の連絡を入れていただきたい。
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