胆振地方中東部を震源とするM6.7(厚真町で震度7、安平町で震度6強)の地震が発生してから、今日で8日目を迎えた。
余震は毎日のように続き、今朝7時前に胆振東部では震度4の地震があった。こうした余震は地震後1月は警戒せねばならない。3.11(東日本大震災)の時の最大余震(震度6強)は4月7日に記憶され、4月12日にも震度6弱の余震があったことを忘れてはならない。
今回の地震の震源地となった厚真町や鵡川町、安平町などでは電気や水道が復旧していない地域が多く、避難所で生活を続けている人も多い。その数は今日現在でも1.500人を超えているという。
今回は地震と同時にブラックアウトという電源喪失が全道規模で起きたので、道民全員が被災者となった。
僕の住む地域も地震と同時に電気が消え、まる1日以上電気のない暮らしを余儀なくされたが、幸いなことに復旧も早く、翌日7日の朝には電気が通った。その翌日から3日間、僕は沖縄に出張していたが、その間はスーパーなどに食材が並ばず、食事に苦労したようである。しかし僕が帰道した10日以降は、そのような不便も解消し、僕の住む地域に限って言えば、ライフラインは復旧し、生活物資の調達にも苦労しなくなった。そんなふうに不便な状態はすべて解消している。
しかし登別温泉は宿泊予約のキャンセルで、観光客の姿が消えている状態だ。
温泉街のライフラインも問題はないが、節電のために特急列車の一部が運休していることもあって、アクセスが不自由になっていることと、いつ計画停電が実施されるかわからないことなどの不安要素があるために、北海道への旅行計画を安易には立てられないのは理解できる。今週末からの3連休もその影響がありそうで、観光業界としては大打撃である。
今北海道全体で通常より2割の節電が呼びかけられている。これは平日だけに呼びかけられているものではない。流通の復旧のため、土日も製造ラインを止めないで動いている工場等が稼働している今の時期は、すべての日に必要不可欠ではない電量の節約を求められているところで、次の連休中もそれは変わらない。
電力事情が切迫しているのは、道内最大の電力供給地である火力発電所が震源地近くであったため被災し、そこの機能が停止状態で、完全復旧は11月にずれ込む見込みのためである。昨日は休止していた水力発電所が動くなどして、電力の供給量も増えてはいるが、まだまだ油断できない状態である。
今週末は敬老の日を含んだ3連休となっている。高齢者介護事業者はこの時期、敬老の日のイベントを行うことが多いだろう。僕が施設長を務めていた特養でも、この時期に合わせて施設最大のイベントである「お祭り」を実施していた。
しかし今年はそういうわけにはいかないだろう。全道の節電状況が目標の2割に届かず、15%にさえ届かない低い水準で推移し、そのためJRも特急列車の間引き運転を行っている状態で、場合によっては道内の経済に大きな影響を及ぼす計画停電が実施されかねない。そうした事情を無視してまで電力をたくさん使うイベントを開催することは、反社会的行為とみなされても仕方のないことである。今後節電目標が緩和されたとて同じことだ。平時とは異なるのだから、イベントの自粛は当然である。
敬老会を行うにしても簡単な食事会等にして、電力を使うアトラクションは自粛するなどの配慮が必要だろう。そもそも高齢者を敬う行事は、敬老の日にしなければならないということもないはずであり、未曽有の災害という事情を考慮すれば、今年に限ってはそうしたイベントも電力事情が回復した後までずらしても罰は当たるまい。
まさかこの3連休にそうしたイベントを実施予定にしている道内の施設はないと思うが、自分の住む地域の事情がどうあれ、電力に限って言えば全道規模で考えなければならない問題だということを忘れないでほしい。
そういう視点もなく、安易に大規模なイベントを開催するような事業者は、軽率のそしりは免れないし、道民全体から顰蹙を買い、批判されることを覚悟してほしいと思う。
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