僕は今、神楽坂に向かって移動している最中だ。

今日午後2時から、研究社英語センターで行われる「東京都社会福祉協議会主催・機能訓練指導員研修」で180分の講演を行うためである。講演テーマは、「介護報酬改定状況に見る機能訓練指導員の役割りについて」である。

過去に理学療法士会や作業療法士会から招かれて、セラピストの皆さんを対象にした講演を行った経験はあるが、考えてみれば受講対象者が「機能訓練指導員」に限定された講演を行うのは初めてだ。機能訓練指導員の方々だから、それらの人たちの所属先は、特養・特定施設・通所介護ということになろうと思う。

本日の講演では前半部で、介護保険施度改正や介護報酬改定の意味と目的、その方向性を論ずるとともに、特養と通所介護の報酬改定の詳細にも触れることになる。ただしこの時期だから、すでに算定ルール等の解釈はできていると思うので、全体にざっと触れる程度にとどめ置き、むしろ介護施設や居宅サービスの場で、機能訓練指導員に何が求められているのかを具体的に解説することに重きを置く予定だ。その中で、今後の機能訓練指導員としての活動のために必要な知識を示したいと思う。

そのためにこんなスライドも作ってみた。

機能訓練指導員研修スライド
機能訓練指導員の皆さんが、それぞれの所属場所で、機能訓練指導員として何ができるのか、何をしてほしいのかを、具体的に示させていただこうと思う。

この講演を受講した皆さんが、僕の講演を聴いた後、その活躍するステージの範囲が広がるようなステップアップのきっかけになるとともに、関わる利用者の皆様の暮らしぶりがより良いものになってほしいと願うものである。

ところで今回の報酬改定で、特養や通所介護にも生活機能向上連携加算が新設されたことについて、機能訓練指導員の皆さんの中には、自分たちの評価の低さの表れであると捉えている人もいるようだ。自立支援のためには、特養や通所介護の機能訓練指導員の関与だけでは不十分で、外部のリハビリテーションの専門家の介入を促している結果となっているからだ。

生活機能向上連携加算は、12年の改定で訪問介護にだけ位置付けられた加算だったが、その時は訪問リハビリ事業所のセラピストとの連携によって算定できる加算であった。15年改定では連携先に通所リハビリが加わったが、算定率は低いままの加算となっている。その理由が同じ介護保険サービス事業所の職員同士では、業務の関係で調整がつかずに共同アセスメントがしにくいという理由であった。

そのため今回の改定では、連携先に医療機関と介護老人保健施設・介護医療院・介護療養型医療施設を加え、連携職種もセラピストに加えて医師も可能とした。対象となるサービスも訪問介護に加え、定期巡回・随時対応型訪問介護看護と小規模多機能型居宅介護、通所介護・短期入所生活介護、特定施設・GH・特養が加わり、外部のリハ専門職の介入で、確実な機能訓練の実施を促し、自立支援の理念を達成しようとするものだ。

訪問介護・定期巡回随時対応型・小規模多機能居宅介護では、共同アセスメントを行わない場合の算定も可能とし、この場合、リハ職等がサービス提供の場もしくはICT動画等で利用者の状態を確認し、訪問介護事業等に助言することで加算気算定できるようになった。そしてリハ職等が利用者宅をサービス事業者職員と同行訪問し共同アセスメントを実施した場合は、単位の高い加算兇鮖残蠅任る。

なお通所介護・短期入所生活介護、特定施設・GH・特養の場合は、リハ職等がサービス事業者・施設等を訪問し、算定する事業者職員と共同でアセスメントを行うことが算定要件になっている。

だからといって外部のリハ職が介入することが、そのまま自立支援につながるかといえば、僕は首をかしげざるを得ない。要は資格ではなく人だろうと思うが、国は医学モデルのリハビリテーション効果を過大評価しており、その結果が、この加算の拡充に表れているだけだと思う。機能訓練指導員の方々は、この評価をあまり気にせず、助言を得たい場合は、この加算を利用できる程度に、あまり重くこのことを考えなくてよいのではないだろうか。そもそも機能訓練指導員として配置されている人のもともとの資格が、理学療法士等のリハ専門職であれば、この連携は必要ないと考えてもよいだろう。

ところで機能訓練指導員については、現行の資格要件である理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧に、一定の実務経験を有するはり師、きゅう師を追加する改正が行われた。

これは機能訓練指導員の大半が、看護職員との兼務で行われており、場合によってはその実態が機能訓練指導員という職種が名ばかりで、看護業務しか行わない兼務者がいるということから、看護職員以外の専任の機能訓練指導員の配置を誘導する改正ともいえる。

そういう意味で国は、機能訓練指導員の役割りには大いに期待していると言って良いだろう。

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