masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

メンタルヘルスケア

鉄板メンタルは存在しない



僕が9年前まで総合施設長を務めていた社会福祉法人は、母体が精神科医療機関であった。

大学を卒業して特養の生活指導員として採用された僕は、母体の医療相談室で相談援助職としての訓練を受けて、特養での利用者対応に臨んだ。

辞令を受けた後は、たった一人で特養の相談援助業務を担ったわけだが、新卒の時点で利用者対応がすべて完璧にこなせるわけがないので、折に触れ、機を見ながら医療相談室に足を運んで、先輩のPSWから指導を受けていた。(母体の医療法人相談室には当時、なぜかMSWがおらずPSWのみの配置だった。

当然そうなると医療機関での相談援助実務の場にも臨場することが多くなる。そこではアルコール中毒の方や、統合失調症の方などが多く入院していたわけであるが、うつ病患者の方とも数多く相対した。

それらの方々が、うつになった原因は仕事上の様々な問題であることが見てとれ、必然的に仕事盛りの壮年期の人が多かった。

40年以上前のことだからセクハラという言葉は存在していたが、今のようにパワハラとかモラハラという言葉は一般的ではなかった。それもあって職場で上司からパワハラを受けて、うつ病になる人は非常に多かった印象がある。

よく介護の仕事はストレスが多いと云われるが、精神科病棟でうつ病の人を見ると、介護関連の職種だった人は意外に少ない。むしろ売り上げノルマのあるセールスマン・・・特に中間管理職として、上からも下からもプレッシャーを受ける人が、うつ病の発症リスクが高かったように記憶している。
メンタルヘルス不調
うつ病は、真面目な人や責任感強い人が発症しやすいとか、メンタルが異常に強い人はうつ病とは無縁だとか言われることがある・・・しかしそれはすべて大間違いである。

うつ病はどのような性格の人でも発症するし、メンタルが強いと思われていた人でも、何かのきっかけでうつ病になるのである。うつ病にならない鉄板メンタルは存在しないのである。

うつ病の恐ろしさは、治う率の低さと再発率の高さである。うつ病をいったん発症した場合、2/3の患者が寛解完治はしていないが症状がなくなった状態)までもっていくことができる。しかしそのうち半分以上が再発するという怖い病気だ。

だからこそ、うつ病にならないようにメンタルヘルスケアを心掛ける必要がある。我が国では法改正されて、その責任は職場・経営者にあるとされているのだから、管理職はしっかりと部下のメンタルヘルス管理をしなければならない。

メンタルヘルス不調につながるストレスに対しては、自分の気持ちや感情を誰かに聞いてもらったり相談することで、気持ちの整理をすることが有効に作用する。

しかし日本人はどちらかというと、ネガティブな感情を誰にも言わず自分の中に溜め込んでしまう感情抑圧型の人が多いように思う。

だからこそ管理職・上司は、部下と日ごろから良好なコミュニケーションを交わせる関係性を築き、部下の表情が乏しくなる・ため息が多くなる・遅刻が増えるなどの状態変化に気づき、相談を受けるように積極的に話しかけてほしい。

業務上のミスが続いたときは既に入院が必要な赤信号だ。そうなる前に対処することで、深刻な状態に陥らずに済むかもしれないのだ。

うつ病の発症前には、本人は自分が少しおかしな状態である事に気が付いている。だからこそ、「大丈夫。問題ない」が口癖になる人が多い。そういう言葉を頻繁に口に出すようになった部下は、一旦休ませるなどの対応が必要であることを、管理職の方々は日ごろから理解しておいてほしい。

くれぐれも、うつ病は本人の気持ち次第だとか、性格上の問題だとか言う勘違いをしないでいただきたい。

メンタルヘルス不調に陥る要因は様々であり、それは本人ではどうしようもない問題であり、避けようとしても避けられないうちに深い沼にはまっているのが特徴なのだ。

それを救うのは、周囲の理解と深い愛情しかないのである。


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新人職員の元気がなくなってはいませんか?



株式会社マイナビのポータルサイト・メディカルサポネットの連載記事「菊地雅洋の波乱万丈!選ばれる介護経営」の第5回目配信記事が昨日アップされた。(※この連載は全12回の予定です。
菊地雅洋の波乱万丈!選ばれる介護経営
今回のテーマは、「従業員がメンタルヘルス不調に陥らない組織づくり

毎年GW明けのこの時期にメンタルヘルス不調に陥る従業員が多くなる。いわゆる「5月病」と呼ばれる症状である。

それはすべての介護事業者においても無縁ではない。

特に4月に入職した新人職員の中には、なかなか新しい仕事に慣れず、先輩職員のようにテキパキと業務をこなせないことから、自分の適性を疑い、仕事に対する希望が絶望に変わっていく人も少なくない。

同時に志高く、介護という職業が人の暮らしを護り、社会に役に立つ職業であるとして選んだ人が、先輩職員の機械的作業のように利用者を扱う姿に絶望し、心を折って介護業界から去ってしまう事例もある。

皆さんの職場では、そんな新人職員はいないだろうか・・・。希望に燃えていた新人職員が、この1月半の間に元気を失い、表情が乏しくなり、声が小さくなっていないだろうか。

そうしたちょっとした変化を見逃してしまうことは、将来ある若者の夢や希望を捨てさせることに繋がるし、強いては職場の貴重な財産であり戦力である人材を失うことに繋がりかねない。

そうしないために何が必要だろうか・・・是非その答えを探して、今回の連載記事を読んでいただきたい。
メンタルヘルス不調を防ごう
それに加えて今日は、このブログ読者にも伝えておきたいことがある。それは僕の介護という職業に対する思いと、その思いをつなげるべき若い人々につたてほしいことである・・・。

僕は介護という職業は、利用者の暮らしを護るために存在すると信じている。

少し大きなことを言うが、目の前にいる誰かの暮らしを確実に支える仕事を、何年も続けていくということは、とりもなおさずこの国と、この国の人々を護ることにつながっていると思う。

だから介護という職業を続ける人には、この国とこの国の人々を護りたいという動機づけを持ってほしいと思う。新人職員には、そうした動機付けを持つことができる教育をしたいと思い続けてきた。

それが自己満足と言われてもかまわない。むしろ自己満足で何が悪いかと言いたい。

介護という職業に従事して、つらい苦しい思いをしたって誰かが褒めてくれるわけじゃない。暦に関係なく世間の人々が休みの間も黙々と働き、誰かの暮らしを支えているからと言って、莫大な金がもらえるわけでもない・・・だから介護という職業を続けることに自己満足を感じて何が悪いんだと思う。

僕たちは機械ではないのだ。ひとり一人が人間で、迷いや不安を持っている。だからこそ、せめて自分で自分を肯定してやらなければ、いつか壊れてしまう。

そういう弱さや、弱さに向かい合う方法と考え方も新人職員に伝えてほしい。それが5月病を克服するための何よりの力になるのだ。

そんなふうにして5月病は、その段階で周囲の人が気づいて対策することにより回復する症状である。

だがこれを放置することでうつの入り口であると云われる6月病に陥る人が多いことを理解しなければならない。

介護の仕事は、「感情労働」とも呼ばれ、組織的にメンタルヘルスを管理する必要がある仕事であるという理解と配慮が求められるのである。

そしてその時に大切なことは、自分が選んだ介護という職業の使命を理解し、その仕事を続けられる自分に対して誇りを持つことができるということであることを、決して忘れてはならない。


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ストレスに強い性格は存在しません


僕が長年、理事と総合施設長を務めてきた社会福祉法人には母体法人がある。

それは特定医療法人であり、登別市では一番大きな病床数の精神科医療機関を経営する法人である。

僕は社会福祉法人の理事だけではなく、その特定医療法人の理事も兼ねていたことから、精神科医療機関の経営会議にも参加する立場であった。そのため医療機関の経営状態だけではなく、そこにどのような患者さんが入院されているかも知る立場にあった。

もともとソーシャルワーカーであった僕は、新人時代に母体医療機関の医療相談室で現場実習を受けていたこともあり、医療ケースワークの実態や歴史もよく知っている。

そのため特定医療法人の理事を務めていた頃には、PSW・MSWのスーパーバイザー的役割も担っていた。だから精神科病棟に入院されている患者さんの病歴等、フェイスシートやカルテの記載内容も知り得る立場であった。

そこには多くの、「うつ病」の患者さんが入院されていた。その中には仕事のストレスによってメンタルヘルス不調に陥り、長期間の入院を余儀なくされている人がたくさん居られた。

うつ病とは、いったん発症したら2/3が寛解(※完治はしていないが症状がなくなった状態)までたどり着くが、そのうち半分以上の人に症状の再発が見られるという怖い病気だ。

完治する人がそれだけ少ない病気という意味だ。よってうつ病対策として最も重要なことは、治療より先に予防なのである。

仕事のストレスによってうつ病を発症する人が多いのだから、日ごろからメンタルヘルスを護るのは職場の責任であるという意識をもって、メンタルヘルス不調に陥らないように取り組む職場環境が大事だ。それは企業責任なのである。

介護事業者でも職員のメンタルヘルスケアは最重要課題だ。
うつ
対人援助は感情労働でもあり、利用者の負の感情に巻き込まれてメンタルヘルス不調に陥るケースもあるのだから、それを防ぐための「自己覚知」・「統制された情緒関与の原則」については十分に教育されていなければならない。

しかし人によっては確たる根拠もなく、「自分のメンタルは強い」・「自分はメンタルヘルス不調に陥るタイプではない」と考えていたりする。それは大きな間違いである。そう言っている人が一番危ないのである。

一般的には、几帳面でまじめな人や完璧主義で責任感が強い人は、ストレスを感じやすいタイプといわれるが、それにも根拠はない。そうした考え方はすべて思い込みとしか言いようがなく、どんな人であっても、ストレスからメンタルヘルス不調に陥る可能性があると考えたほうが良い。

こんなふうに性格やタイプだけで判断することは危険なのである。だからこそ普段と違う状態には敏感になる必要があり、発汗、血圧変化、息苦しさ、理由もなく涙が出る、眠れない等の症状が出た際には、一刻も早く専門家に相談する必要があるのだ。

そしてストレスを感じる状況や特定の問題に対して、効果的な対処行動を取り、ストレスを適切にマネジメントする、「ストレスコーピング」という知識を得ることも大事だ。

ストレスの発散法として、ストレッサーに対する愚痴や悪口を言うことは、怒りや苛立ちといったネガティブな感情にとらわれてしまうことが多く、解決につながることは少ないため、コーピングには逆効果であることも知る必要がある。

相談しているつもりが、いつの間にか延々と愚痴を言い続けている状態は、新たなストレスにつながり、自分の心身を害するような行為となるのである。

また過度な飲酒、やけ食い、薬物の摂取なども、良くないストレス解消法であり、問題が解説しないばかりか、別な問題を引き起こすことにも注意が必要だ。ストレスを利用者への暴力・暴言という形で解消しようとするのは愚の骨頂で、自分の身を滅ぼすことにもつながりかねない。

こうしたストレスコーピングの正しい方法も含めた、「介護事業におけるメンタルヘルスケア」についての講演も引き受けている。そこでは自分が総合施設長として、ストレスから職員を護ってきた実践に基づいた話をしている。だから僕のメンタルヘルス講演も、介護の場で実践できる具体的方法論なのである。

つい先日も、「介護職員のメンタルヘルスケア〜ストレスから身を護る自己覚知と介護の誇り」というテーマで講演を行ってきたが、その講演を受講した方々の感想が届けられた。

講演「介護職のメンタルヘルスケア 〜ストレスから身を護る自己覚知と介護の誇り」を受講した方々の感想をクリックいただくと、その内容を見ることができるので、是非参照してほしい。

本気で職員を護るためのメンタルヘルスケア研修講師を希望される方は、北海道介護福祉道場あかい花の公式サイト上部に記されている連絡方法で、僕に直接連絡を入れてほしい。

相談はお気軽にお願いします。
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利用者はお客様ですけれど神様ではありません


マイナビさんが運営するオウンドメディア、「メディカルサポネット」で連載が始まったことを、「メディカルサポネットでの新連載が始まりました。」でお知らせしたが、それに加えて昨日から講演動画の無料配信が始まった。
選ばれる介護事業者の条件
10月15日(金)〜11月4日(木)までの期間限定で、「科学的介護の実践とサービスマナーの確立」というテーマの講演が配信されている。

テーマに文字リンクを貼り付けているので、そちらをクリックしてご覧いただきたい。講演配信時間は90分と比較的長いので、時間があるときに視聴していただければ幸いである。

ただし視聴には無料登録が必要である。簡単作業なので登録がまだお済でない方はお急ぎ同サイトで登録していただきたい。

ところで僕は今、北広島市に向かっている最中だ。

北広島市といっても、広島県ではなく北海道の北広島市である。

道外の方は、その名を知らない人が多いかもしれないが、ここは再来年には間違いなく全国区の知られた場所になる。なぜならここに日本ハム・ファイターズの本拠地となる、日本一のボールパークが創られており、2023年のシーズンからそこがメイン球場となるからである。
北海道ボールパーク
今日はその北広島市で行われる、「北海道ワーカーズ・コレクティブ連絡協議会・たすけあい部会 キャリアパス支援研修」の講師を務めるために、会場に向かっている最中だ。

この研修が企画・決定された当時、北海道はまだ緊急事態宣言下だったため、今回の研修もオンラインで企画されていた。ただ一部の方々は会場でも受講できるハイブリットな研修会としているために、その会場に向かっている途中である。

今日の講演テーマは、「介護職員のメンタルヘルスケア〜ストレスから身を護る自己覚知と介護の誇り」としている。

介護職員のメンタルヘルス不調の原因となる、「ストレス」とうまく向き合うために、ストレスコーピングという考え方を伝えるとともに、そもそも介護という職業のストレスとは何かということにも話を及ばせる予定である。

利用者はお客様である。その意識はしっかり持って、顧客に対するマナーある接し方をせねばならないが、顧客であるけれど神様ではないのだから、顧客という理由だけで理不尽な要求は許さないという態度を、事業主がきちんと身に着けることが一番重要である。

同時に対人援助は、人の暮らしに寄り添い、誰かの人生の幸福度に直接影響する仕事であることを忘れてはならない。

人の役に立ち、人の暮らしぶりを良くするという対人援助サービスに従事する者としての、その使命を全うすることでメンタルも護られるのではないだろうか。

自分が誰かの「あかい花」になっていることが実感できれば、メンタルヘルス不調に陥ることはないのではないだろうか・・・。

今日の講演も、「こうすべきである」ということが一切ない実務論。介護サービスの場で実際に働いている人が受講者なのだから、その人たちが話を聴いた時間が無駄にならないように、受講後に実践できる具体論を話さねば意味がない。

観念論を語る講師はその辺に転がっておるが、介護実務に即して、「実践できる方法論」を語ることができる講師は意外と少ない。それができるから僕は講師として呼ばれるのだと思うので、そのことに徹底的にこだわりたいと思っている。

メンタルヘルスケアは、実はハラスメント対策ともリンクしている。

今年度の基準改正では、介護事業者にハラスメント対策の義務が課せられているので、そのことも語ってこなければならない。

私たちは介護のプロとして、お客様に接する際には、いつでもどこでも、礼儀正しく笑顔で丁寧に接することは当たり前のことだ。だからと言って顧客からの理不尽な要求にまで応えなければならないことはないのである。

拒否すべきは法律違反の要求だけではない。倫理上問題のある行為要求を受け入れる必要はなく、カスタマーハラスメントは、放っておかない・我慢しないということがメンタルヘルスケアとしても求められてくる。

恐ろしいことに、顧客のカスタマーハラスメントは刑事事件に発展するものもある。

10/12に京都市の障害を持つ男性(59歳)が監禁致傷で逮捕された容疑は、7月にこの男性宅を訪れた介護福祉士(ヘルパー)に薬入りのお茶を飲ませて一時・意識喪失させて自宅に監禁したというものだった。幸いヘルパーは、その後回復し、性的暴行などの被害は受けていないとのことであるが、まかり間違えば命さえ奪われかねない恐れがあった事件である。

利用者宅で勧められたからと言って、絶対に食べ物や飲み物を口にしてはならない。たとえ相手が善意であっても、仕事であることを理由に毅然と断る態度に徹しないと、利用者宅という密室で何が起きるかわからない。

訪問サービスの関係者の方々には、今一度このことを確認してほしいし、ヘルパーが拒否する行為を何度も強いる利用者に対しては、経営者や管理職が毅然とした対応を行う覚悟を持ってほしい。

介護事業経営者や管理職が、従業員をしっかり護るという姿勢が、従業員の心も護るということを忘れないでほしい。

メンタルヘルスケアの基本は、経営者や管理職が従業員を大切に思い、護り育てようとするということだ。

その基本がない対策は、すべて効果につながらない対応に終わってしまうだろう。
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介護関係者のメンタルヘルスケアで重要なこと


10月に予定されている道内・石狩地域の訪問介護員さんを中心にした研修会で講師を依頼された。

そのこと自体は珍しくはないのだが、そのテーマが、「介護職員のメンタル・ヘルスケア」というものだった。

僕が依頼される講演テーマとして、メンタルヘルスケアに関する講演も決して珍しくはないが、それ場合たいていは経営者・管理職対象の講演の場合であって、介護実務に携わるヘルパーさん対象の講演で、このテーマは珍しいと思った。

なぜなら介護事業者に限らず、職場組織が従業員のメンタルヘルスケアに取り組む必要性については、1999年に旧厚生省が、職場のストレスがメンタルヘルス不調の原因となることを認めた以後、従業員のメンタルヘルス不調を防ぐ義務と責任は経営側にあることが明白になっている。

その責任を果たすために、メンタルヘルス管理の方法や、ストレスチェックについて知識を得なければならない経営者・管理職を対象にして、この手の研修は多くなったが、メンタルヘルス不調にならないように護られる側が、このテーマで研修を受けることは少ないからである。

ヘルパーとして実務に携わる皆様に、メンタルヘルスケアをレクチャーするとなると、経営者・管理職にレクチャーする内容とは少し異なって、ヘルパーさん自身が自らの身を護るためのストレス管理についてお話しする必要があると思い、新たに講演スライドを作成したところだ。

その内容は、現在働いている方に役に立つ本物のメンタルヘルスケアの方法論でなければならない。

そのためにまずは、メンタルヘルス不調の原因となるストレスとは何かということを知らなければならない。そのことを正しく理解していれば、ストレスは悪い面だけではなく、自分の身を護る警告の役割を果たすことも知ることができる。まずもってそのことを理解していただきたいと思う。

それとともに、ストレスから自分の身を護るためには、ストレスを適切にマネジメントする、「ストレスコーピング」が必要となるので、その方法を具体的に伝えなければならない。

ストレス発散の具体的方法もレクチャーするが、発散の方法を間違えるとそれは逆効果になるだけではなく、自らの身を亡ぼすことにつながることも具体的に説明する予定だ。

自らの身を護るうえでは、「お客様は神様ではない」という考え方も必要となる。

介護のプロとしてお客様に接する際には、いつでもどこでも、礼儀正しく、笑顔で、丁寧に接することは当たり前のことである。だからと言って、お客様からの理不尽な要求にまで応えなければならないことはないのだ。

法律違反の要求だけではなく、倫理上問題のある行為要求を受け入れる必要はなく、顧客からのカスタマーハラスメントは、「放っておかない・我慢しない。」という考え方が、経営者側・従業員双方に求められてくるのである。

それとともにストレスへの耐性を高めるために、自己覚知に努めることは大事になるし、自分の仕事に使命感を持ち、誇りを持って仕事に臨む姿勢が何より大切になると思う。

誇りを持って働くことができない職場では、様々な事件が起きているが、職員のメンタルヘルス不調も多くなることは過去から現在までの例を見ても明らかだ。

例えば札幌市の某特養では、毎月一人以上の退職者が出る状態で、経営に支障が出ているそうだが、そこは例の、「竹内理論」実践施設である。

根拠と個別アセスメントのない1.500ml/日もの大量水分強制補給を行っている施設で、退職者が相次いでいるという意味は、利用者の人格を否定するかのような方法が、いかに仕事の誇りを奪っているかの証明のような気がする。

そんな施設で働いていると、メンタルヘルス不調になるのは当たり前で、それが退職者が多い一因でもあろうと思え、そのような轍を踏まないように伝えなければならないこともある。
メンタルヘルスケア講演スライド
そうならないために、従業員が日々の介護労働の中で、自らの仕事ぶりに誇りを持つことができる介護実践の在り方もレクチャーしたいと思い、今回の講演テーマは上記画像のテーマにした。

現在この研修が、会場を使用した集合研修になるか、オンラインのみになるかは検討中とのことであるが、石狩地域の訪問介護員さんが受講者の大半を占めるということで、その方々が講演受講後すぐに実務に取り入れて、実践できる方法論を伝えたいと思う。

介護実務に携わる職員の皆様のメンタルヘルスを護るためには、観念論で終わってはならないと思うので、「できることを伝える」にこだわってお話ししたいと思う。
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五月病は四月に原因が生まれます


五月病とは、新しい環境に適応できないことに起因して、新人社員などに見られる精神的な症状の総称をいう。

人によってはうつ病に似た症状が出現することがあるが、その出現時期は5月のゴールデンウィーク明けであることが多いことから、「五月病」と呼ばれている。

介護事業者においてもそれは例外ではなく、毎年五月病でリタイヤしてしまう職員が出てくる。

この状態を個人のパーソナリティに起因する問題として放置してはならない。職場環境の改善によって五月病は発生リスクが減ることを理解し、できるだけ五月病で苦しんだり、仕事を辞めなければならない人が出たりすることを防ぐ手立てを考える必要がある。

新人職員が環境に適応できない理由や原因は様々であり、その処方は一つではないことをまずは理解しなければならない。そして五月病を防ぐためには、新人職員が不適応の悩みを抱える状態に陥る兆候がないのかを察知することがまずは重要になることを理解してほしい。

この時、「悩みがあったらいつでも、なんでも相談してくださいね」と新人に告げるだけでは、それは単なるアリバイ作りにしかならず、何の対策にもならないという理解が必要だ。

悩んだり苦しんだりしたときに、先輩や同僚に気軽に相談できる人は五月病になりづらい人なのである。

五月病は誰もが陥る可能性がある症状ではあるが、特に自分の内面がどうなっているのかを他者に表現できない人が陥りやすい症状である。他人に何を相談してよいかわからない人が、相談できないうちに陥るのが五月病である。だからこそ、「あの人が突然辞めるなんて思わなかった」という事態が生ずるのである。

そうしないための唯一の方法は、新人職員が自ら進んで上司や先輩に相談できないことを前提にして対策することだ。

具体的に言えば新人職員は最低半年間は、週に1度必ずリーダー職員と面談する時間を就業時間中に作らなければならない。その時間は10分程度で良いのだ。その中でリーダーは、新人が今現在何をどう感じて働いているかを聞き取り、内面に悩みや問題を抱えていないかをともに考えなければならない。

本人が何も問題ないと感じているケースでも、定期的な話し合いを続けている中で、思わぬ問題や不満・悩みが表出できることがある。それに対して支持・共感することによって、新人は自分が気付かなかった問題や悩みから解放されて、少しづつ専門職として成長していくのである。

その為のリーダー研修は常に職場内で必要とされることも理解しなければならない。「相談をしてくださいね。」と言える唯一無二の条件は、相談を受ける側が相談に応ずるスキルを持っているということだ。相談を受ける側に受容的態度がなく、傾聴の重要性の理解がなければ、相談した人は悩みを解消するどころか、相談したのに説教されて、さらにつらい状態となり、5月病が芽吹くことにつながるのである。

今この時期は、新しい職場で働き始めていろいろなことを吸収したり、壁にぶつかったりしている時期だ。こうした時期に既にシフト勤務に新人が入っているような職場は要注意だ。シフトに組み込まれると知識の乏しい状態であっても、一人前の仕事ぶりを求められることになる。この時期にそのような責任を求められてプレッシャーにつぶれない方がどうかしている。

シフト勤務に組み込むのは、少なくとも基礎教育〜OJTという過程を経ることを踏まえたうえで、最低でも就業から3月程度の期間が必要だ。人員不足だからそこまで新人教育を行っていられないという職場は、一生人員不足は解消されないことを理解せねばならない。こうした過程を大事にする職場ほど、職員の定着率は高くなり、良い人材が職員募集に応募してくることにもつながっている。これはそこに存在する事実なのである。

介護の仕事に就きたいと就職した人の中には、介護の仕事を通じて人の役に立ちたいと思っている人が多い。そこまで深く考えていなくとも、介護は人のためになる仕事だと思っている人が多い。

そういう人たちにとって、先輩職員の利用者への対応が乱暴で、まるで子供を扱うように横柄な口の利き方をしている様子を見ると、それだけで介護という職業に幻滅してしまう人が出てくる。それも5月病につながる大きな要因の一つである。

介護という職業を通じて、自分が自分以外の誰かの暮らしを支えるという実感を得て、それによって手を指し述べている人の表情が豊かになり、暮らしぶりが良くなっていると思える人が五月病になることはほとんどない。

介護事業者においては、介護のプロと言える仕事をしていることが実感できることが五月病の最大の予防策である。品質の高い介護サービスを提供し、利用者や家族から感謝の声が絶えない介護事業者で、五月病で辞めてしまう職員が多いという声は聴こえて来ないことがそれを証明している。

五月病の芽は四月に芽生えるのだから、その芽を摘む対策が今この時に求められていることを忘れてはならない。

誰かのあかい花になる可能性を持つ若い芽が、五月病で積まれてしまわないように対策を講じてほしい。それはとりもなおさず、あなた自身が働きやすい職場環境につながるのだから・・・。
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管理職がストレッサーそのものになる1事例


介護事業経営者や管理職、リーダー職員等に向けたメンタルヘルスケア・ストレス管理等の講演機会が増えている。

明日、大阪に当日入りして大阪市立社会福祉センターで行う講演(大阪市老連主催・管理職研修)でもそのことは大きなテーマとして話させていただくが、介護事業経営の最大のリスクが、人材確保が困難となることであるのだから、職場において大事な人材の健康を守り、職員の定着率を上げるためにも、すべての介護事業管理者、現場リーダーには、メンタルヘルスケアの重要性を学んで、日ごろからそのことを意識して取り組んでいかねばならない。

特に介護事業者の管理者については、労務管理の一環としてメンタルヘルスケアを日常的に取り扱うことが求められるし、問題の芽が生まれた場合にそれを放置せず、当事者意識を持ち、問題を先送りしない意識が求められる。

そのために管理者は職員との日々の対話を心がけ、日ごろから従業員や部下との信頼関係を築いておき、もしも職員がメンタルヘルス不調に陥った場合に、それに伴う課題と解消努力への共通理解が持てる素地を作っておくことが重要になる。

しかし実際には、職員のメンタルヘルス不調の原因になっている管理者や上司が多いことも事実だ。

僕は自分が長く、しかも若いころから特養・通所介護・居宅介護支援事業所の総合施設長という立場で、労務管理を行う立場であったため、そのことを強く意識したつもりではあるが、なかなかうまくいかないこともあり、そのことを反省しながら現在の講演に生かしている。

さらに言えば反面教師といえる人も多く介護現場で見てきているので、そのことも実例として取り上げて、そうならない実務の方法論について語るようにしている。

前にも書いたが、ストレスはマイナス面だけではなく、仕事の効率を上げる側面をも併せ持っている。(参照:メンタルヘルス不調とストレスについて考える

しかしストレスが最適なレベルを越えて、強い情動が喚起されるような状態になると、パフォーマンスは逆に低下する。それが続くとストレスを受けた側は、自律神経やホルモンバランスが乱れ、免疫の働きが落ちて、肉体的にも元気がなくなる状態に陥る。場合によってそれは、うつ状態や、不安といった精神症状などを引き起こすことが知られている。

そのストレス要因(ストレッサー)が、事業管理者など職場での絶対権力者である場合、ストレスを受ける職員に逃げ場はなく、メンタルヘルス不調は悪化するばかりで、回復不可能な状態になるので、事業管理者等、権力と権限を持つ人物ほど、そのマイナス面を意識して、自らを戒め、ストレッサーにならないような努力をすべきである。

一般棟と認知症専門棟がそれぞれ50床ずつに分かれている、とある老健施設の実例を挙げて問題点を抽出したい。

そこの管理者は医師ではあるが、ころころ変わる医師はお飾りの管理職となっていて、実際の権力者は事務長と呼ばれる人物であった。

老健は在宅復帰施設でもあるから、常に退所者が出て、その補充として新規および再利用者の入所をいかにスムースに行い、空きベッドを作らないかが収益を挙げるための最重要課題である。この入退所業務は、相談員が担当しているが、そこの事務長は相談員が入退所の窓口であり、担当者であるということから、ベッド稼働率の低下はすべて相談員の責任として押し付ける人物であった。

しかし実際のベッド稼働率は、入退所の窓口である相談員の仕事ぶりだけで決まるような性質のものではない。入退所担当者が入所希望者をいくら探し出しても、現場が受け入れを拒めばベッド稼働率は上がらないのは自明の理ではあるが、その受け入れ拒否の実態がとんでもない老健では、入所担当者がいくら頑張ってもそうしようもない状態が生まれている。

その老健では、介護職員のリーダー的役割の職員に異常な権限が発生しており、その職員の心づもり一つで入退所が決まるという悪習がはびこっていた。入所相談はひっきりなしにあり、実際に入所判定にかけることができる入所希望者がいるにもかかわらず、現場の手が回らない、人手が足りないという理由で、入所判定で「手のかかる利用者」はことごとく入所拒否される。恐ろしいことにその老健の受け入れ拒否理由(実際には現場リーダーの入所拒否理由といってよいが)は、「一般棟では食事摂取自立していて、見守りが必要ではなく、転倒の恐れがない自力歩行者しか受け入れられない」というものであった。およそ介護施設とは言えない入所判定基準が、現場の論理としてまかり通っているのである。

こんな最低な判定基準がある老健で、そのような老健の機能と役割とは言えないルールを押し付ける現場リーダーの低い意識を放置して、その中で入所担当者に、空きベッドの補充の「責任をすべて押し付けるような管理者のストレスは、まさにパフォーマンスを上げる良いストレス(ユーストレス)を超えた、良くないストレス(ディストレス)そのものであり、そのような施設に有能な人材は育たないだろう。

利用者確保は職員任せ、人材雇用は法人任せで、ストレッサーでしかない気楽な管理職というものは実際に存在している。そういう管理職では、どうにもならない厳しい時代になりつつあるが、歴史の遺物のような人に苦しめられている職員が、いまだに存在することも事実で、このことをなくしていくためにも、まだまだ僕がしなければならないことはあると考えている。

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介護サービスの場で利用者が虐待被害を受ける原因


介護サービス事業者による、利用者に対する虐待行為が事件として報道されることがある。その中には、人として許されないような非道で卑劣な行為も含まれている。

多くの介護事業者や介護に携わる人は、そのような虐待行為とは無縁であるし、虐待行為を許されざる行為だと非難する立場の介護関係者が大部分であろうとも、決して少なくない数の虐待事件が報道されることによって、それは介護サービス事業の氷山の一角であるという見方をされている。一般市民のそうした認識自体は、事実として存在している。

そのことに目をつぶり、耳をふさいではならず、事実を事実として認識したうえで、そうした行為をなくすために何をすべきかを考えなければならない。汚いものを見ないように、聞かないようにするだけでは、汚らしい行為が皆無になることはないからである。

そのために僕の新刊本、「介護の誇り」の第1章PRIDE1は、「介護の誇りを穢す闇」として、介護事業者で行われた虐待行為を描き出し、そのことを論評した。

昨日の記事で紹介した、介護の誇り出版記念セミナーのテーマも、『感覚麻痺・不適切ケアの芽を摘む 介護施設・事業所で虐待を発生させない、介護サービス質向上の具体策〜ホスピタリティーファーストの考え方。』としているが、ここでも虐待と言う言葉をあえて使っており、セミナーでも信じがたい虐待事例のいくつかを紹介し、その行為に結びつく原因がどこにあったのかを抉り出したうえで、そうした行為を防ぐ方策を提示したい。

そもそも介護サービスの場で利用者が虐待被害を受ける原因は一つではなく様々である。虐待につながる要因をいくつか挙げるとすれば下記のようなものが考えられる。

1.もともと対人援助に向いていない人によって行われる悪意がある行為
2.感覚が麻痺して、不適切な状態に気づかないか、大した問題ではないと思い込む状態
3.知識がないことによって不適切な状態に気づかない
4.権威のある人に指導されることによって、根拠のない方法を正しいという思い込む状態(洗脳介護)
5.利用者の暮らしの豊かさより、支援者の定めた目的が達せられたかどうかしか評価しない状態
サービス提供側の価値観の押しつけを正しいと思い込む状態


4と5については、その典型例が竹内理論による強制水分摂取によって引き起こされている悲劇だろう。これは関係者が、一日も早く洗脳を解いて、普通の思考回路に戻って、まっとうなエビデンスに基づいた介護サービスの提供に努めなければなくならない悲劇だ。逆に言えば、常に根拠に基づいた介護技術の習得に努め、世間の常識感覚を失わなければ陥らないことなのに、知識と技術のない施設管理者による旗振りによって、日本中の特養で、入所者がたくさん苦しめられているという実態は恥ずかしい限りである。

残念ながら1による虐待も数多く発生している。この要因は教育では防げないことが多いのが問題である。そうであるがゆえに、職員募集の応募者選考は、人材・人員不足ではあっても慎重に、厳しく行うべきであり、試用期間中の適性の見極めにも労力を使うべきである。どうしても介護に不向きな人というのは必ずいるわけであり、そういう人には、適正ではないことをきちんと説明し、他の職業を選んでもらうように導くことも必要である。

ところで前述した虐待要因を見て、介護ストレスが入っていないのはおかしいのではないかと考える人がいるかもしれない。しかし僕は、あえて虐待要因に介護ストレスを入れてはいない。しかしながら介護の誇り出版記念セミナーでは、介護に携わる職員のメンタルヘルスケア・ストレスケアにも触れてお話しする部分がある。それはなぜで、どんな意味があるのか・・・。そのことは明日の記事で触れたい。

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職場のストレス管理とハラスメントに関する一考察


厚生労働省は7/27、労働者の心理的な負担の程度などを把握する検査を企業などに義務付ける「ストレスチェック制度」の実施状況を初めて公表した。それによるとストレスの状態を調べる検査(ストレスチェック)を既に実施している事業所は8割超で、このうち、医師による面接指導をした事業所は3割超あった。

しかし一方では民間サイトの調査で、医師の6割が労働者のメンタルヘルス不調の一次予防に効果がないと考えているなどの結果も示されており、この制度の運用自体にまだ様々な課題があることが明らかになりつつある。

そうはいっても、2014年6月に労働安全衛生法が改正され、2015年12月以降は従業員が50名を超える企業には、1年に1回ストレスチェックを行うことが義務化されており、介護事業者も例外ではないのだから、その実施に努めていかねばならない。

この背景には、1999年に旧厚生省が、職場のストレスがメンタルヘルス不調の原因となることを認めたということがあり、過労による自殺などの、企業の賠償責任を問う裁判が増え、企業側が賠償命令を受ける判例が増えているという社会情勢もある。

そんな中で、自殺やメンタルヘルス不調の責任は会社側=経営層と管理者にあるというコンセンサスが出来上がっているといえ、人の命や暮らしを護る介護事業者が、このことをおざなりにすることは許されないのである。

そもそも労働安全衛生法改正の主旨とは、ストレスチェックを実施することではなく、ストレスチェックによって、メンタルヘルス不調を未然に予防することにある。よって、ストレスチェックで高リスク者がスクリーニングされた際には、その原因は何かということが十分検証され、その要因を取り除く努力をしなければならない。

その原因の一つとして「職場のハラスメント」が挙げられる。その代表例であるパワーハラスメントについて、厚労省は次のように定義している。

同じ職場に働く者に対し、職務上の地位や人間関係等の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える、又は職場環境を悪化させる行為

典型例として上司の部下への「ひどいいじめ」が挙げられるが、「ひどい」という程度に明確な尺度があるわけではなく、部下がひどいと感じてメンタルヘルス不調に陥った場合は、その責任を問われるという考え方が必要だ。特に上司が部下に対して、雇用不安を与えるような言動を行うこともパワーハラスメントとされるので、注意が必要である。

例えばそれは暴力・暴言に限らず、隔離・仲間はずし・無視などの人間関係の切り離しや、追行不可能な仕事の課題なる要求などもそれにあたる。逆に仕事を与えないなども該当するし、私的なことに過度に立ち入ることもハラスメントとされている。

もともと経営に深く携わる管理職は、自らがストレスを受けて、その発散として部下へのハラスメントに及ぶということがあるかもしれないが、自身の置かれた状況はともかくとして、人を管理する人間の責務として、「ハラスメントの被害者の心身のダメージは深刻であり、ハラスメントは有害である。」という徹底的な戒めが必要である。

特にハラスメントは、職場に間接的な負の影響も与えストレスに対する職場の緩衝作用を劣化させる恐れがある。例えばハラスメントを受けている同僚を気の毒に思ったとしても、自分がそのターゲットになりたくないために勇気ある行動がとれず、職場の雰囲気が悪くなり、ハラスメントのたーげんとになる人のみならず、その同僚たちにも心身不調を引き起こす場合が合ったり、パワーハラスメントの常態化している職場では、同僚間のモラルハラスメントが日常化するなどして、離職率が高まったりする。

そういう意味でも、パワーハラスメントだけではなく、同僚のハラスメント、異性からのハラスメントなど、様々なハラスメントをなくしていかねばならばい。

ただし道徳を説いてもいじめがなくならないように、ハラスメントも道徳を説くだけではなくならないから厄介だ。そもそも自分がハラスメントの元凶であることに気が付いていないような上司が実に多い。

そういう意味では職場の経営者や上司は、ハラスメントが「あるかもしれない」という前提で、それは特別な性格の人が行うのではなく、自分も加害者になるかもしれないという考えに立ち、「自分が正しい」という考え方も謙虚に見直す機会を、常に持つことから始めなければならないのではないだろうか。

愛のムチというが、そこに本当に愛情が込められているかを問い直す必要がある。


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企業のストレスチェックについて(その2)


企業のストレスチェックについて(その1)より続く
メンタルヘルス不調になりやすい性格というものはあるのかという質問を受けることがあるが、その場合、『あるともいえるし、ないともいえる』と答えるしかないように思う。

一般的には、一人で頑張りすぎる人にも注意が必要であるし、几帳面でまじめな人、完璧主義で責任感が強い人は、ストレスを感じやすいタイプといわれるが、それにしてもストレスに耐えられる量の個人差は大きいといえ、性格やタイプだけで判断することは危険である。

よって事業管理者は、従業員の普段と違う状態には敏感になる必要があるし、ストレスチェックを活用して、メンタルヘルス不調を未然に防ぐという視点が必要になってくる。

過去の流れを見ると、1999年に旧厚生省が職場のストレスがメンタルヘルス不調の原因となることを認めている。さらに近年の状況をみると、過労による自殺などの企業の賠償責任を問う裁判が増えるのと同時に、企業側が賠償命令を受ける判例が増えている。つまり自殺やメンタルヘルス不調の責任は会社側=経営層と管理者にあるというコンセンサスが出来上がっているといえるのである。

よってメンタルヘルス不調に対処する3つの意義があると言える。

1.リスク管理→労災申請や訴訟のような事態を生じさせない

2.コンプライアンス遵守→不調者対応のガイドラインに沿った対応を行う

3.損失の最小化→不調者個人と同僚、職場への影響を少なくする


ストレスチェックの義務化は、この意義を具体化する方法論であると感がえるべきである。

さてストレスチェックで高リスク状態と判断された場合は、次のような流れで対策することになる。

(医師・保健師等から)医師による面接指導を勧める→(受検した従業員から)面接指導を受けたいと申し出る→(会社から)医師に面接指導を依頼する→(医師が)対象者に面接指導を実施する→(会社が)面接した医師から意見を聴取する→(会社が)意見に基づいて、就業に関する措置を行う

しかし上記の各段階で、従業員には会社から不利益を受けるリスクが生ずるわけである。例えば医師の意見も出ていないのに、高リスク状態と判定されただけで、降格や配置転換を余儀なくされるようなケースも考えられるわけである。

受検者がそうした不利益を受けることがないように、1.ストレスチェックを受けるかどうか、2.面接指導を申し出るかどうか、3.ストレスチェックの結果を会社に知らせるかどうか、4.ストレスチェックに関する相談をどこで受けるかの4点については、ストレスチェックを受ける人の自由な判断が認められているわけである。

一方このことは、経営者・管理職にとって従業員のストレスチェックの結果がブラックボックスになってしまうという側面があることも事実で、ある日突然、従業員が医師の意見をもとに、休業を申し出るようなケースもあり得ることになるのである。

そうしたことも含めて、ストレスチェックは課題が山積ではあるが、ストレスチェック制度の義務化によって、経営者や管理者には、一部の不調者だけではなく、すべての従業員のストレスの状況やメンタルヘルスに心配りする必要があるという新しい時代に入ったという事実を受け止める必要がある。

そうであるがゆえに、これからの経営者や管理職は、従業員のストレスやメンタルヘルスに向き合い、常に改善を心がけていく必要があることを十分理解すべきである。

その際、経営層や管理者が、不調者対応で心がけることは次の4点である。

(1.ルールを守る→個人判断・個人対応ではなく職場のルールに従う
2.感情的にならない→善悪の判断に偏らず、終始、客観的で冷静であり続ける
3.労務管理の一環として取り扱う→放置せず、当事者意識を持ち、問題を先送りしない
4.日々の対話を心がける→日ごろから従業員や部下との信頼関係を築いておき、もしも不調になった場合に、それに伴う課題と解消努力への共通理解が持てる素地を作っておく


特に2に関していえば、経営層・管理者自身がパワーハラスメントの元凶になって、ストレス要因になってしまうことがあるので注意が必要だ。

7月と8月に、愛媛県老人福祉施設協議会・管理職研修で、『管理職のストレスマネジメント』をテーマにした講演を予定しているが、このことも具体的に話してきたいと思っている。
看取り介護セミナー
看取り介護セミナー2

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企業のストレスチェックについて(その1)


2009年に民主党政権が誕生した際に、厚労大臣に任命されたのは、年金問題で名をはせた長妻昭であった。

その長妻厚労相が、2010年4月に『職場でのうつ病のスクリーニング』の導入に言及し、労働安全衛生法の改正法案の国会審議が行われた。この法案は諸々の政治情勢下で、いったんは廃案となったが、政権交代を経た自公政権下で、2014年6月に可決され、2015年12月から50人以上の従業者がいる事業所では、1年に1回、定期健康診断とは別にストレスチェックを行うことが義務化された。

ただし、法案審議過程でも専門家団体から様々な反対意見が出されており、例えば2015年11月21日に、日本精神神経学会 ・ 精神保健に関する委員会が、『職場におけるストレスチェック制度実施に関する見解 』を出しているが、ここで示された課題が全て解決されたわけではなく、その懸念は今も存在している。

そもそも従業者が50人に満たない事業者へのストレスチェック義務化が見送られた理由は、職場の負担を考慮したわけではなく、『全事業所に対応できる専門家がいない』という課題と懸念を払拭できなかったことが最大の理由である。そうした問題が山積した中での、ストレスチェック義務化であることを、まず理解しておくべきであり、この改正法も介護保険制度同様、『走りながら考える』という一面があることを理解しておかないとならない。

さてこの制度はすでに実施されているため、その細かな内容を解説するのが、この記事の目的ではなく、ストレスチェックの意味を考えて、経営陣や管理者職の責任と義務という観点から、介護事業者がこの制度に、どう向き合うかということを考えるのが目的である。

ストレスチェックの目的は、一義的にはメンタルヘルス不調の未然予防であって、うつ病などのスクリーニングではない。厚労省は、結果としてメンタルチェックがうつ病を発見する可能性を否定してはいないが、あくまでそれはこの制度の副次的作用というものである。

それというのも、うつ病などの精神科疾患の場合は、治療を受け、療養さえすれば元気になるとは限らないために、その前段階で対策をすることが企業に求められているからである。

精神科医療では、疾病の経過を次の4つの段階で表すこととしている。

反応(はんのう)→治療によって症状が改善すること
寛解(かんかい)→治療が継続しているものの、症状が概ねなくなったこと
回復(かいふく)→寛解の状態が半年以上續いていること
治癒(ちゆ)→治療を受けなくとも安定し、すっかり回復していること


うつ病の場合、治癒につながるケースは少なく、2/3が寛解となり、そのうち半分以上が再発するのが現状であり、そうならないようにするのが、ストレスチェックの最大の目的である。

つまりストレスを感じるという状態は、アラーム(警報機)としての意味があるということで、本人や周囲の人が、アラーム(ネガティブ感情)に気づいて、対処することで身を護ることができるのである。ストレスチェックは、そのために必要な手段として義務化されたと考えるべきである。

とここまで書いたところで、今日も時間が無くなった。昨日同様、今日も1日介護福祉士養成校での集中講義を行っており、まだ昼ごはんも食べていない。これ以上記事更新に時間を費やすと、ご飯を食べる時間が無くなるので、この続きはまた明日ということで、本日はこれにて終了させていただく。(明日に続く)
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メンタルヘルス不調とストレスについて考える


メンタルヘルス不調の原因として、様々なストレスが考えられる。

ただしストレスは、すべて否定されるわけではなく、ストレスが適度にある時に、仕事のパフォーマンスは最も高くなる。例えば売り上げ目標などが仕事のパフォーマンスを高める場合があるが、これも目標を達成せねばならないという適度のストレスが存在する結果であると言えるわけである。

学生時代を振り返って、試験日が近づかないと勉強しないというのも、別な角度から考えると、試験日が近づいてくるというストレスによって、勉強するというパフォーマンスにつながるのだと言えるのかもしれない。

僕は今、専門誌などに6本の連載を抱えているが、締め切り日が迫るというストレスによって、筆が進むという効果も感じながら執筆作業を続けている。

しかし適度なストレスを過ぎて、過剰なストレス状態では、パフォーマンスの低下であったり、イライラなどの精神不安、体調不良などを引き起こすのである。達成不可能な売り上げ目標に毎日苦しめられるような状態がこれにあたるだろう。

このように罰やストレスなどの不快なものが一定量あったほうが、効率が上昇するが、しかし罰やストレスなどの不快なものが最適なレベルを越えて、強い情動が喚起されるような状態になると、パフォーマンスは逆に低下する。すなわち、ストレスとパフォーマンスには逆U字型の関数関係が成立することを『ヤーキース・ドットソンの法則』と呼ぶ。

僕は学生時代軟式庭球部に所属していたので、軟式のテニスボールに例えて、この状態を説明してみる。

軟式テニスボールに人差し指を当てて押し付けるとする。この時にテニスボールは外からかけられた指の圧力によって内側にへこむことになる。

この時の人差し指で押し付けられている状態が『ストレス要因(ストレッサー)』と呼ばれ、ボールが内側にへこんだ状態が、『ストレス反応』である。

このとき、指で押される力がさほど強くない場合、ボールはへこんだ状態であっても、元に戻ろうとして内圧が高くなる。この状態は元のボールの形に戻ろうとするパフォーマンスが高まっているという意味で、良いストレス(ユーストレス)といってよいだろう。

しかしこの圧力が過度にかかるとボールそのものが破裂してしまう。それは良くないストレス(ディストレス)であり、人にこの状態が続けば、深刻な健康被害が生ずる危険性が高まる。

もっと具体的に言えば、人に対して職場などでディストレスがかけられると、生体反応としては、自律神経やホルモンバランスが乱れ、免疫の働きが落ちて、肉体的にも元気がなくなる状態に陥る。場合によってそれは、うつ状態や、不安といった精神症状などを引き起こすことが知られている。

メンタルヘルスケアは、これに対応する対策を総じて指すものである。

ところでわが国では、年間ベースでみると、精神的不調で休職することによる損失が約460億円あり、自ら命を落とすことによる損失も7.000億円、出社していても精神的不調により苦しんでいる損失に至っては4兆円以上といわれている。

この状況を鑑みると、企業によるストレス対策は、コストではなく投資であると言える。そのために2014年6月に労働安全衛生法が改正され、2015年12月〜従業員が50名を超える企業には、1年に1回ストレスチェックを行うことが義務化されたわけである。

そのことについて書くつもりだったが、今日はもう時間がない。

実は今日から、室蘭市の介護福祉士養成校の集中講義に入っている。本来それは10月以降の予定授業であったが、前の職場を退職して次の仕事に備えている僕は、その時期に北海道にはいない可能性があるため、講義を6月と7月に前倒ししてもらったのである。

このため今日も午前9時10分から、午後4時20分まで、1コマ90分の授業を4コマ担当しているのである。

昼休みも45分しかなく、これから昼ご飯を食べてすぐに午後からの講義の準備をしなければならない。そのため記事更新もこの時間までが限界である。この続きは明日の昼休みの書くこととしたい。(明日に続く)
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