masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

介護事業経営

経営者に「制度が複雑」なんて嘆いている暇はない


介護保険制度は、改正を繰り返して複雑怪奇な制度になっていることは事実だ。

介護給付と予防給付・・・そして地域支援事業。その仕組みや違いなんか一般市民が理解できるわけがない。

報酬体系も改定の度に加算が新設され、その数が多すぎて算定要件もわかりづらさが増している。一部負担金を支払う利用者への説明に四苦八苦する加算も少なくない。

その為、次期改定のテーマの一つは、加算整理であることは間違いのないところだ。(参照:アウトカム評価と加算整理という矛盾にどう向きあうか

そういう意味では介護関係者が、制度や報酬体系をもっとわかりやすくするようにアクションを起こすことは必要だろう。

だからといって介護事業経営者が、そのことを嘆いて事業経営がうまくいかない理由を制度の複雑さが原因だとすることは違うだろうと言いたい。

事業経営者は、制度や報酬体系がいかに複雑だろうとも、その中でベストの経営を目指さねばならないのだ。制度の複雑さが経営の支障にならないように、誰よりも深く制度を勉強して、誰よりも詳しく制度や報酬体系を理解し、それに対策できる経営をしていく必要があるのだ。
幸せにする介護
介護事業経営者の中には、3種類に分かれている処遇改善加算について、最上位加算を算定して職員に最大限の配分をするという努力をしていない人がいる。

そのことについて、「加算要件や配分ルールが複雑すぎる」・「事務作業が煩雑過ぎて、作業が追いつかない」という理由を挙げる人がいる。

馬鹿を云うなといいたい。そんな理由で従業員に手渡す費用算定をあきらめるのは経営者失格である。仕組みが複雑でも、事務作業が煩雑でも、その内容を確実に把握し、作業も滞りなく行うための専門職が事務員であって、そうした従業員を雇用し、使いこなすのが経営責任である。

それができないなら経営者失格である。

いつまでも措置費時代の甘えと影を引きずって、経営ができず運営しかできない名ばかり経営者では、今現在の厳しい時代を乗り切れないのだ。

経営能力がないなら、その身を引くのが従業員にとって一番メリットになることだ。

事業収益をきちんと挙げて、従業員に最大限の還元を行うという経営ができない人は、トップの一に立ち続けては駄目だという自覚を持たないと、従業員を巻き込んだ形で事業廃止にまっしぐらである。

それだけ経営手腕が必要な時代になってることを理解してほしい。

介護事業経営者は評論家ではないのだから、経営実務に精を出して、理不尽な制度、複雑なルールにさえも対処できる経営能力を持たねばならないことを忘れてはならない。






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驚愕の介護施設殺人事件から学ぶ介護事業経営管理


先週の木曜日に北海道の自宅を経って、東京講演〜愛媛県八幡浜講演を終え、今日は明日の講演に備えて大分県日田市まで移動予定である。

東京と八幡浜の講演も、盛況利に終えることができた。何よりうれしいことは、そこで新しい出会いがあり、素晴らしい人との繋がりが新たに生まれたことである。会場での対面講演は、こうしたつながりができることが一番の財産だ・・・がしかし・・・僕自身は、名刺入れを自宅に置き忘れて、名刺をいただいた方に、自分の名刺を渡すことができないという大失態を演じた。

名刺をいただいた方には、この場を借りて深くお詫びしたい。帰宅後できるだけ速やかにお詫びの手紙に名刺を添えて送らせていただくので、どうぞよろしくお願いいたします。

さてそんな講演の旅の最中に、またぞろ介護事業に対する社会の信頼を揺るがす事件のニュースが入ってきた。介護施設を舞台にした事件は決して少なくはないが、それにしてもひどい事件が起こったものである。

事件概要を以下にまとめてみる。
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長野県塩尻市内の「ケアハウスえんれい」で同僚に向精神薬入りの飲料を飲ます傷害などの罪に問われ、逮捕後に保釈され公判中だった元介護職員の男が、塩尻署により入所者殺人疑いで先週11日に再逮捕された。

再逮捕されたのは望月大輔容疑者(40)。容疑は去年5月に入居者の前田裕子さん(当時77)に薬物を飲ませ殺害したというもの。

事件があった昨年5月28日は、前田さんから体調が悪いと申告があり、望月容疑者が対応。望月容疑者は「おなかの調子が悪いので夕飯は要らない」と言われたとの記録を残していた。

その翌朝前田さんが死亡しているのを他の職員が見つけて消防に通報したが、目立つ外傷はなかったという。

容疑者は、被害者が死亡した翌月の6月に自分から退職していた。しかしその後、前田さん名義の通帳を使って金融機関の現金自動受払機(ATM)から現金7万円を引き出した窃盗容疑や、同僚女性に薬物入りの飲料を飲ませた傷害容疑で5回逮捕され4回起訴されている。

裁判では現金を不正に引き出した理由について、検察が「女性との交際に金が必要だった」などと主張している。

このほか容疑者は、役場に偽の火事通報もしたことも明らかになっている。

知人らによると、望月容疑者は持病のため向精神薬を常用していたといい、処方されていた向精神薬と同様の成分が、死亡した入所者女性の体内から検出されているため、望月被告が自身の向精神薬を女性に服用させたとみて調べているが、被告は殺意を否認しているそうである。
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以上である。
介護事件
死亡した前田さんは穏やかな性格で礼儀正しく、他の入所者や職員とのトラブルなどはなく、鍵付きの個室に入所して通帳も自身で管理していたという。

容疑者は被害者の個室に入ってケアを行う立場を利用して、被害者が自己管理していた通帳を勝手に持ち出しATMから預金を引き出していたということになる。その発覚を恐れて殺害にまで及んだことだろうか・・・。そのような犯罪が、いとも簡単に行われているとしたら非常に恐ろしいことであり、介護保険施設や居住系施設に対しての世間の信頼を大きく損なわせる重大事件と言える。

容疑者に対する周囲の評価は、「おっとりとしていて物静かなタイプ。おとなしくて優しく、介護向きの性格だった」と言う。リーダーシップを取るタイプではなかったが、「利用者からの評判も良く、周囲の人に好かれていた」という声もあるそうだ。

そうであるがゆえに、経営陣・管理職などは、同容疑者が利用者の財産を搾取するなどの行為を行うような危険人物には見えなかったのだろうし、ましてや殺人や傷害という行為に及ぶ危険性のある人物などと考えもしなかったのだろう。

このようなサイコパス的人物は、採用面接やその後の人材評価などでも、真のパーソナリティを見抜くことは難しい。そういう人物が、従業員として混じっていないかということは、介護事業経営者が常に不安視している問題でもある。

しかし経営者や管理職の立場からは見えていないものが、同じ仕事をする同僚などには見えている場合がある。

例えば本件では、容疑者が向精神薬を処方され、服薬していたという事実を、管理職以上が把握していなかったという。しかし同僚はその事実を知っていたのである。

こうした個人のプライバシーにかかわる情報を、告げ口のように上申することには大きな抵抗があることは理解できる。

しかし利用者に心身をゆだねてもらい、そこに介入していく仕事をしている者自身が精神的不調を抱えながら業務に就いている状態を、管理職等が把握していないことは大問題であり、後々大きな問題に発展しかねないことは容易に想像がつくことである。

つまり精神的不調を抱えて介護業務に従事していることは、秘密にしてよいプライバシーではなく、少なくとも上司には報告すべき事柄なのだ。その状態を管理職が把握しておくことは労務管理上、必要不可欠である。

よってそのような情報を同僚等が知った場合、上司にその情報を伝えることも、労務管理上必要なことであり、プライバシーの侵害には当たらないのである。こうしたことを、きちんと従業員に伝える教育を行っておく必要があるのだ。

そのための報連相のシステム確立と、報連相の意味を伝える教育がしっかりできているかどうかが問題である。

管理職は、ただ単に年数を重ねてその地位に就かせるだけではなく、そうした教育を行って、教育内容を理解させたうえで、自らがそうした教育を部下に対して行うことができる能力を持つと判断したうえで、その地位に就かせる必要があるのだ。

そのことを介護事業経営者・管理職は、今一度確認・理解してほしいと思う。






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外国人介護人材は日本の介護を救うのか?


我が国では生産年齢人口が減少し続け、その改善が見込まれない中で、要介護高齢者は2042年くらいまで増え続けるとされている。

介護事業経営を考えるうえで、このことは大いなる悩みである。顧客が今後20年間は増え続けるにも関わらず、顧客対応するための人的資源の確保が困難となりかねないからだ。

ICTをいくら活用しようと、AI搭載ロボットが今以上に進化しようと、人の手をかけて他者の身体介護を行うという行為に、それらのテクノロジーが代替できる部分は限りがあると思える。

そのような中で世間は介護保険制度施行後初めてインフレに振れている。そうした傾向を受けて、今年の春闘では価格転嫁できる営利企業が軒並み大幅な賃上げを行った。

社会的に物価高であることで、それに慣れてしまった庶民は、物の価格が上がることにあきらめの気持ちを持つのみで、それに反発する気力を失っている。その為、商品を売る企業は人件費上昇分を、商品価格を上げることで賄うことが可能になっているのである。

しかし人件費上昇分を価格転嫁できず、3年間価格が変わらない公費運営の介護事業者は、そういうわけにはいかず、インフレに対応した賃上げが不可能である。その為、せっかく縮まりつつあった介護事業者の平均賃金と、全産業平均賃金はその差が広がっている。

このままでは介護事業に人が張り付かなくなりかねない。だからこそ次期介護報酬改定では、物価高・人材不足に対応した思い切ったプラス改定を望む声が多いのである。

財源はどうするという声が聴こえてきそうだが、インフレで企業収益も上がっているのだから、国の税収も増加が期待できる。インフレ対応の財源措置という考え方があって当然ではないのだろうか。

それと共に少子高齢化は止まっていないのだから、日本人だけで介護人材を確保する戦略は成り立たないことはわかりきっている。

外国人介護人材の活用は必然である。しかし外国人介護人材は、果たして介護人材不足を補うほど日本の介護事業者に張り付くことができるのだろうか・・・。

例えば外国人介護人材の就業バリアとなっている規制ルールは、今後どうなるだろう。

特定技能の外国人にも訪問系サービスへの従事を認めていない現行規制や、設立後3年を経過している施設・事業所のみを技能実習生の受け入れ対象としている規制、さらに技能実習生などが就労開始から6ヵ月経たないと人員配置基準上の職員として算定されないルールについては、撤廃の方向で検討されることは間違いないだろう。

それはかなりの時間がかかるとしても実現されていくと思われる。だからと言ってそれで介護事業者の人材不足が解決するかと言えば、それは違うと言いたい。

なぜなら介護職員に占める外国人材数はわずか2.1%に過ぎないからである。しかも日本政府が今後、量的・人的に受け入れの総量を増やすという議論はほとんどされていない。このままなら外国人介護人材は、今いる人の数が定量となって経過するだけの可能性が高い。

今後劇的な政策転換が行われ、「移民政策」の議論がない限り、介護分野での外国人材に対する数的な面での過度な期待はできないのである。

そうであれば仮に、特定技能の外国人にも訪問系サービスへの従事を認めて何の意味があるというのだろう・・・それは今いる外国人介護人材の一部を、施設サービス従事者から訪問サービス従事者に振り分けるだけに過ぎず、施設サービスはそれによって現在以上に人材不足が深刻化するだろう。

技能実習制度は、新たな制度に替わることが決まっているが、それは技能実習生の職場変更を容易にする制度でもある。すると新ルールを利用して、技能実習生は都会志向が増えるだろう。地方の市町村や、都市周辺地域からは技能実習生が消えていくかもしれない。

だからこそ法人内に人材確保・人材育成・人材定着システムをきちんと構築していかねばならない。人が張り付き長く務める環境を創り上げることが事業戦略として最も重要なこととなるのだ。

介護の生産性向上というが、生産性を向上させる一番の要素は、熟練した人によって適切な介護サービスが行われることで、時間や手間が最少化することではないかと思う。・・・それ以外の生産性向上策は、そのひずみを利用者の我慢・不利益と引き換えに勝ち取るしかないのではないか・・・。

それは社会福祉事業といてあってよいことなのだろうか。介護事業者として持つべき矜持を失わない事業経営が必要ではないのだろうか。
人を育てられる人材を育成するための組織作り
明日の午前中は、東北ブロック老人福祉施設協議会に向けて、「持続可能な法人・事業所の構築に向けて 〜人を育てられる人材を育成するための組織作りを考える〜」という講演をオンライン録画する予定だ。

そこでは今日のブログ記事に書いたことを具体化する方法論を伝える予定だ。

録画された講演は、9月26日(火)〜10月31日(火)の予定で、会員の皆様に向けてオンデマンド配信されるそうなので、是非そちらを参照いただきたい。






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介護事業の進む道を指し示すために行ってきたこと


先日とある法人の管理職・リーダー向けオンライン講演を行った。

そこでは管理職・リーダーの方々が部下に直接伝えなければならない、『介護事業に携わる者の使命と責任』とは何かについて、僕の実践をもとに話させていただいた。

つまりそこで語ったこととは、実際に僕が行ってきたこと、現在も僕の後輩が行っていることであり、フィクションは何一つ入り込んでいないのである。

そうした実践論を話した後に、当日は質疑応答の時間をとっていなかったため、後日事務局担当者より受講者の質問をまとめたメールが届き、それに対して回答した。

その質問内容は、このブログ読者の皆様も興味がわく内容ではないかと思ったので、今日は質疑応答形式にしてここで紹介しようと思う。

ということで下記を参照願いたい。

質問 伝えるスキルについて、どのように鍛えられたのか教えていただきたいです。(例えば参考の書籍など)
回答:特に鍛えたつもりはありません。自然と備わったということになるでしょうか。一つ言えることは、良い作家は良い読者からしか生まれません。そういう意味で、伝え方は「伝え方」を学んでもうまくなりません。よき聞き手となり、どのような語り口がわかりやすいかを、聞き手の立場で考えることが大事でしょう。同時に優れた伝達文を読む習慣を持つことが大事です。新聞は真実を伝えませんが、事実を解かりやすく伝える文章なので、毎日新聞の報道文を読む習慣を持つことで、伝え方も上達すると思います。

質問◆Ю萓犬了楡澆任詫諭垢平Πの方が、現場で工夫をされている。職員の方に対してどのような取り組みや研修をされておられるか知りたいです。
回答:僕が総合施設長として、全職員に伝えたい事柄については、僕自身が講師役になって、全職員が受講できるように、複数回同じ講演を行って周知に努めていました。また外部研修も、単に伝達研修を行うのではなく、外部研修参加者は、内部研修講師として、研修を受けた同じテーマで法人内で講義を行う形式で伝達していました。

質問:虐待でよくグレーゾーンという言葉を耳にすることがあるのですが、そもそも虐待行為にグレーゾーンはないと先生はおっしゃっていますが。言葉遣いであったり、そのあたりを詳しくお聞かせ願いたいと思います。
回答:例えばタメ口とは、年下の者が年長者に対等の話し方をすることを意味し、親しみを表現する言葉遣いではなく、顧客に対しては、「失礼な言葉遣い」です。そうした言葉遣いを放置して従業員が顧客に接していた場合、顧客側から、「失礼な言葉遣いをされて傷ついた」と言われてしまえば、それは心意的虐待行為そのものです。言い訳がききません。家族そのものではない介護サービス従事者が、家族と同様のタメ口で利用者に接することで失礼と思われてしまえば、それだけで過失責任は生ずるのです。ここにグレーゾーンは存在しません。そういう意味で相手がそこまで傷つかないとしても、傷つく可能性のある言葉遣いをしているというだけで虐待なのであり、ここは真っ黒です。

また悪気がないから虐待・不適切行為に当たらないということも間違った考えです。虐待当事者に悪気がなくとも、行っている行為が不適切だと認められた場合、その結果利用者が精神的あるいは身体的に傷を負った責任は問われることになるのです。だからこそ介護サービスの場では、顧客である利用者に対して、顧客対応としてふさわしい対応ができているかどうかが問題となり、必要最低限の顧客対応が取れるようにしておくことが最大のリスクマネージメントなのです。

質問ぁГ翰用者を中心として周りにいる支援者が一歩下がって対等に話し合う為の連携の取り方のポイントはありますか。また、職種と連携をとる為のポイントについても教えていただきたいです。
回答:利用者ではなく顧客意識を忘れずに、私たちはお客様あっての職業に就いており、それがたまたま対人援助という人の暮らしに深く介入させていただく職業であると意識することが大事です。そして利用者本位を建前ではなく本音にするプロが対人援助職なのだと、繰り返し伝えなければなりません。ケアプランはその宣言書です。

またや対人援助における多職種連携の基盤は、他職種の理解というより先に、自分以外の他人を理解しようとする姿勢が求められることを忘れてはなりません。他のメンバーの役割りや思いを理解しようとしない限り、チームのパフォーマンスは上がらないし、課題解決には結びつきません。それは自分自身が使命を果たせないという意味なのだから、チームケアが不可欠な領域において、チームメンバーを協力者として理解する態度がない限り、プロとしての責任は果たせなくなると理解すべきです。そして多職種連携とは、人に頼る前にチーム内で自分の役割を叱り果たすことだということを忘れないことが大事です。その役割を果たしたうえで、自分の力に余るところや専門外の事柄について、他職種にコンサルテーションを求めたり、力添えをしてもらうという意識が必要になります。

質問ァ毎日風呂が増える事で残業や、光熱水費等のコストは問題にならなく実施出来たのか。
釣りのレクリエーションで休みの日に出て来た職員の対応は時間外ですか。そういったものはコスト度返しで実施していくべきなのか。サービスの質を上げる事とコストについて管理的な立場としてどういう考え方をすべきか教えていただきたい。
入浴回数を変更したり、長時間の外出支援を実施するにあたり職員の反発はありましたか?その後全職員からの理解は得られたと感じますでしょうか。

回答:僕の法人は源泉かけ流しの天然温泉が売りの一つでしたので、毎日入浴支援していない時期も、お風呂は24時間365日使える状態でした。また入浴設備内のシャワーの源泉は、水道水ではなく飲料につかえる井戸水(自家水)でしたので、この面でコスト問題はあまり問題となりませんでした。勿論、入浴人数が増えることで電気代等はアップしますが、それは介護の品質アップと地域の高評価にもつながることであって、必要なコストと考えてよいと思います。

入浴回数の変更は職員から大反発がありました。その中には反対のための反対意見も少なくありませんでした。しかしそれは法人として必要としていることを説明し、それに納得できない方は辞めていただいて結構という態度で、トップダウン方式で実施しました。その後、反対意見を強く口にしていた職員も、地元の老施協の研究大会で、自分の施設は毎日利用者が入浴可能な施設であることを自慢するかのような研究発表をしていましたよ。

質問Α理念やビジョンに沿った、達成基準が明確な目標設定の方法について。
「施設の適切な目標」を文章化するための、具体的なプロセスや文章、数値等など参考にさせていただきたいです。

回答:自分の言葉を持つことが大事です。そのうえでやれること、できることを1段階ずつ踏まえて目標設定することが大事でしょう。理想とは達成可能な目標であり、今できなくとも、段階を踏んで絶対に達成するという強い意思と信念をもって、取り組むことが大事で、その取り組みを具体化する言葉が目標になります。例えば、毎日入浴支援ができた後には、夜間入浴も実施しましたが、まず週に何回夜間入浴の取り組みができて、その際に何人入浴支援ができるのかという数値も、いきなり希望者数全員ではなく、週に1回一人から始めてよいわけです。その取り組み過程で、工夫を凝らして回数や人数が増えていくことを目指せばよいだけの話です。

質問АЬ鐚韻世間の非常識となってしまう、そもそもなぜ介護従事者がそのような心理になる傾向があるのでしょうか。
回答:講義で話したように、神経はどんどん鈍い方向に流されていくので、小さな感覚麻痺がさらなる感覚麻痺を生み、小さな不適切ケアが大きな虐待に発展します。そこを防ぐために小さなほころびを繕う「介護サービスの割れ窓理論」が求められるのです。
特に介護事業者は、暮らしの支援をする中で、利用者の陰部に触れたり、人の一番恥ずかしい部分に介入する仕事ですから、それが当たり前にできるだけで、人前に陰部をさらけ出してケアを受けることも当たり前なのだという感覚麻痺にも陥る仕事であるという理解が大切です。でも本当は誰しもが、人前に自分の陰部をさらしたくはないし、排泄ケアなんて受けたくないのです。それを忘れないことが大事です。

質問─Щ愼蛙Δ箸靴董⊆分の価値観や考え方が強く指導や助言の受け入れが難しい職員に対してのかかわり方を教えていただきたいです。
回答:教育指導法としては、部下に対し説得するのではなく、納得できるように伝えること、認めながら逃げ道も作って、アフターフォローも欠かさないなどの指導法が求められます。

しかし法人の方針としてやるべきことを伝えているにもかかわらず、それが受け入れ難く実行できない方については、法人の方針を相いれないということで、命令違反の常習者となるという意味で、法人にふさわしくない人材として辞めていただくなどの厳しい態度も必要になります。

質問:施設の方針等について、全職員が理解して同一方向の介護意識を持っているような印象を受けたが、そこに至るまでの紆余曲折な意識改革や思案等があれば参考にしたい。
回答:一つの方針を打ち出した際に、その瞬間から全員が同じ方向を向いて、一致協力するなんてことはあり得ません。必ず抵抗勢力や反対勢力が跳梁跋扈すると想定しておく必要があります。その反対意見に耳を傾けながらも、必要なこと・すべきことを丁寧に、かつ根気よく経営者自身が伝えます。
その方針どうしても従えない人は、他の職場を探していただきます。それくらいの覚悟をもって、介護サービスの高品質化に取り組んできました。

質問:介護人財難でいろいろな人が入職し質の低下を感じています。職業人として、専門職としての意識付けの難しさをについてお聞きしたいです。
回答:採用段階で人手が足りないから、スキルに問題がある人であっても誰でも採用しては質の低下は否めません。人が足りなければ、事業の一部を一時的に休止してでも、良い人材をより求めて、高品質サービスができる介護事業者で働きたいという動機づけを持った人を探すことが大事です。7/19付で更新している、僕のブログ「他と同じ人材対策では効果は出ません。」を参照ください。

以上、参考になれば幸いです。
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情報に一喜一憂するのではなく・・・。


介護保険制度改正や介護報酬改定は、介護事業経営に大きく影響する問題である。その為いち早く最新情報を手に入れて、必要な対策を練ることは重要である。

よって介護事業経営戦略上、事業主体独自にいかに正確な情報をどう手に入れるか、それをどう分析するかというシステムとスキルを備えおく必要があることは間違いないところだ。それが今後の事業経営状況を左右すると言っても過言ではない。

ところがこの情報の取り扱いを間違って捉えている関係者も少なくない。

インターネット上に掲載されている情報を取得するだけで、最新情報を手に入れた気になり、その情報の分析もネット上で有識者と言われる連中が解説していることを鵜呑みにするだけで済ませている関係者が実に多い。

そういう人たちは、次期報酬改定が物価高も折り込んだプラス改定になるとか、いやいやそうではなく、厳しい財政事情に変わりはないのだから一時的な物価高の費用は折り込まないしプラス改定とは限らないという日々変化する情報内容に一喜一憂している。

それに何の意味があるのかを考えてほしい。揺れ動く情勢に心を惑わせていても、介護事業経営には何にも役立たないのである。

例えば、骨太の方針2023を読むと介護報酬の大幅アップは厳しという見方がある。

介護事業関係者は、そんなことを論評するだけでは何にもならないのだ。
実践の場に評論家はいらない
そもそも骨太の方針2023をよく読むと、報酬が上がるとも下がるともいえない内容でしかない。両論併記の玉虫色の文章でしかないのである。それは衆議院の解散含みの今後の政治状況と相まって、情勢が変化するという事情を鑑みて読んでおく必要があるものだ。

関係者が今すべきことは、そのような文章に心を惑わせることではない。

勿論、報酬アップは簡単に勝ち取ることはできないと考え、厳しい状況に備えた経営戦略を練っておくことも必要となるだろう。

しかし昨今の物価高と人手不足に伴う人件費の高騰は、一企業の経営努力だけでは補いきれない部分があることも事実だ。

介護保険制度誕生から前回の報酬改定までは、我が国はずっとデフレ基調で経過してきたわけである。しかし今現在はそこから脱して、インフレに振れた中での報酬改定となっていることを忘れてはならない。

脱コロナ・ウイズコロナ・アフターコロナの経済状況は好転しており、企業収益は増加し国の税収も増加しているのである。

さらに他産業では人材確保のために、人件費を大幅にアップしているのである。

そのような中で、国民の福祉と暮らしを護る介護事業に対する報酬が、そうした社会情勢を織り込まない価格設定に終わるとしたら、人材枯渇と事業廃止という流れが加速し、国民の福祉が護られなくなる。

そうであれば、介護事業関係者として今一番しなければならないことは何か。それは報酬アップの必要性と、どの部分に手当てが必要なのかというニーズをしっかり根拠に基づいて訴えていくことである。

介護事業者全体の力を結集して、このことを強く訴えその声を国に届けることである。

同時に、そうした声が正論であると国や国民の支持を得るための努力も不可欠だ。

それはとりもなおおさず、介護サービスが国民の暮らしをしっかり護っていることを証明することでしか実現しない。

利用者への配慮やマナーに欠けるタメ口対応が当たり前のサービスに、国費をかけてよいなんという指示は得られない。

きちんと利用者を護る介護サービスの品質を担保して、すべての国民が自分を護ってくれるのが介護サービスであると認識できる事業実態をアピールしていかねばならない。そうした実践と実績が伴わないと、要望は正論視されない。そこを真剣に考えてほしい。

どちらにしてもくだらない評論家の、くだらない論評などに耳を貸している暇はないのだ。実務者が評論家で終わってもならないのである。

まずは行動しようではないか。行動する場所はそれぞれのステージで構わないではないか。その代わりに僕は行動する人を後押ししながら、それらの人々の声を発信する役割を担うつもりだ。

今いる場所で、できる限りのことをしていきましょう。
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管理職の重要な役割を知ってください。


財源抑制・物価高・人手不足等の影響を受け、益々厳しさを増す介護事業経営であるが、介護給付費自体は右肩上がりである。

要介護者は今後20年程度は増え続けるため、介護給付費自体は毎年1兆円ほど増え続けるとみられている。保険内費用だけでこれだけのお金が落ちてくるのだから介護市場は巨大マーケットである。

この費用を効率的に拾って事業経営を安定化させるためには、介護事業者は事業規模の拡大と多角経営化を図る必要があるわけである。

しかし事業規模を拡大・多角経営化させるためには、それぞれの事業所を管理する有能な人材が必要となる。

組織を取りまとめるには指揮官が必要になるが、小さな組織であれば経営者自身が指揮官となって組織をまとめることも可能だろう。しかし組織が大きくなると経営者だけで組織内全ての指揮を取ることは不可能になる。

そのため経営者は組織を細分化し、それぞれの部門に管理責任を持つ指揮官を配置することになる。その際に配置される各部門(事業所)の指揮官が管理職(あるいは管理者)である。

管理職には任された組織を統括するために、経営者から必要な権限が与えられることになる。

しかし権限の行使には、同時に責任がともなうことを忘れてはならない。

その責任の最たるものが成果(収益)を挙げるということだ。経営者から与えられた権限の範囲内で判断をして、人や予算などを使いながら効率よく成果を出していくことが求められるのだ。管理職の評価は事業所の成果によってなされるのである。ここは介護事業経営の現実問題としてしっかり把握・理解せねばならない部分だ。

組織が小さなころは、経営者が管理職と共に現場で汗を流して働く姿があったかもしれない。そこで経営者と一体感をもって働くことにやりがいを感じていた人も多かったろう。介護サービスの場で、経営者が自分の働きぶりを見て評価してくれることをモチベーションとしていた人も少なくないと思う。

そういう人たちが、やがて組織が大きくなるにつれ一つの部門を任される管理職になっていく。

それにつれて、介護サービスの場から経営者の姿が消えていくことを嘆く管理職の人も居るかもしれない。

しかし組織がある程度大きくなったら、経営者がサービス現場で管理者や職員の動きを見つめる機会がなくなることは当然である。

世の中は正論だけでは動かない。世の中を動かす大きな力は人脈なのである。組織を大きくした後の経営者は、組織を護り、さらに発展させるために世間全般に働きかける必要がある。その為の人脈作りに奔走しなければならない。介護サービスの場に張り付いて仕事をしている暇はなくなるのだ。

それは経営者が様々なステージで様々な動きをしながら、組織の未来を創るために奔走しているという意味だ。

その時、各部門を束ねる管理職は、組織に今存在する課題を解決する役割を持つことを自覚してほしい。経営者と管理職の役割の違いをしっかり理解して、自らの役割を全うする必要があるのだ。
経営者と管理職の役割
だからこそ管理職は、経営者の目と耳の役割を果たし、経営者が本部で経営に専念できるようにすることが大事なのである。

企業において管理職とは、一般職員と区分され、労働組合の会員資格を失うことは多くの方がご存じだろう。つまり管理職は、経営側の視点に立って組織運営を行う責任を持つ立場なのである。

経営者の視点は、「鳥の目」と表現される。経済状況や会社の方向性・日本だけでなく海外の情勢など、大きな船のかじを取るために、木ではなく森全体を見ることが求められるからだ。

一方で管理職は、経営者の「鳥の目」が何をとらえているかを意識しつつ、現場にフォーカスして「蟻の目」で実態を把握することが求められることになる。

森を構成している、木の一本一本の生育を観察し、少しの変化も見逃さない「蟻の目」で現場を把握し、必要に応じて提案を求められるのが管理職なのである。

そういう意味では、管理職は経営者の鳥の目でとらえた視点からの情報を部下に伝えるとともに、経営者に対しては、今の課題を解決するために何をすべきかという現状を伝える能力も求められてくる。

部下へ仕事の内容を教えたり、経営層へ自分の部署の成果を報告したりというコミュニケーション能力が常に求められるのが管理職である。

その為には自分の言葉を持たねばならない。自分の言葉とは、何事も根拠に基づいて説明する癖をつけることによって獲得できるものであることを決して忘れてはならないのである。
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特養の経営破綻が現実味を帯びてくる収支差率


厚労省は今月1日、令和4年度介護事業経営概況調査結果の概要を公表した。

そこで示された最新の収支差率とは、令和3年度(2021年度)決算の数字であり、以下の図のように報告されている。
令和4年度介護介護サービスにおける収支差率
この結果について、コロナ禍の利用控えの影響を受けた、「通所介護」の収支悪化が話題となっているが、逆に言えば収支悪化の原因がはっきりしているのだから、利用控えが収まれば収支の回復が期待できるともいえる。(※通所リハも同じことがいえるだろう。)

特に2023年はいわゆる「団塊の世代」のおよそ7割が75歳以上の後期高齢者になる見込みで、通所サービス利用ニーズはまだ増えると思われる。そのため通所介護は飽和状態で、自然淘汰される事業所が増えるのではないかとされる懸念の声は、一時的にはかき消されるのではないだろうか。

それにも増して心配なのは、コロナ禍でもベッド稼働率の極端な低下がなかったはずの特養の収支差率が下がっていることだ。

上記の表をみてわかるように、特養の収支差率は既に1.3%となっている。介護施設は簡単にベッド数を増やことはできないので、これは非常に心配な数字である。

2021年度からちょうど10年前の、2011年度の介護事業経営調査では、介護3施設の収支差率平均は9.3%で、特養は10%を超えていた。

これが多額の内部留保批判論へとつながり、介護報酬改定の度に報酬削減の大きな理由となって、基本サービス費は引き下げられてきたわけである。

それによってわずか10年で特養の収支差率は1/10となった。しかしこれは危険水域ではないのだろうか・・・。

特養は介護保険制度以前は措置費運営で、職員給与は国家公務員に準拠(※同じという意味)されていた。

その為職員の平均勤務年数も高く、平均給与額も国家公務員並みだった。おそらく当時の老健施設(老人保健法時代)より平均給与額は高かっただろう。

そのような中で、僕が勤めていた社会福祉法人は、介護保険制度が施行された当時、既に事業開始から18年を経ていた。

その法人は、介護経営実態調査の収支差率調査の対象になったことはなかった。つまり国が公表する平均収支差率のもとになるデータは、介護保険制度以後にできた職員の経験年数が浅く、給与が低い事業者がかなり多く含まれているという疑いがぬぐえないのだ。

そういうデータに基づく数値の収支差率が1%台であるということは、全国の至る所で単年度赤字の特養が出現しているという意味ではないのか・・・。そういったところは、繰越金を取り崩して施設経営を続けているのだろう。しかし繰越金はいつか尽きるのである。

しかも収益率が1.3%まで下がった2021年度より、2022年度は物価高の影響によってさらに収益率が下がる特養が多いはずだ。そのような低い平均収益率のなかで、数多くの単年度赤字施設が発生するとしたら、それによって特養経営が破綻することも現実的になってくるのではないか。

それは介護難民を大量発生させることに繋がりかねない。特にそのことは、補足給付を受けないと施設サービスを利用できない低所得者層には大きなダメージとなるだろう。

2024年度の介護報酬改定について厚生労働省は、今年5月から最新の介護事業経営実態調査を行い、結果を今年10月ごろにまとめたうえで、その数値を直近のデータとして報酬改定の判断に使う予定にしている。

ここで実態に近い厳しい収益状況が把握され、基本サービス費が上がらないことにはどうしようもない。

全国老施協等の関係者は、介護事業経営実態調査が実態を正しく反映される調査対象を選んで実施されるように提言と監視を強め、プラス改定に向けて強力な運動を推し進めていく必要があるのではないか・・・。

財源がないとう理屈で特養の経営破綻が続出してよいのかということを、より強く訴えるべきでではないだろうか・・・。
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安定経営につながる医療から信頼される連携


居宅介護支援事業の特定事業所医療介護連携加算とは、2021年報酬改定時に特定事業所加算から名称変更されたものだ。

もとになった特定事業所加算とは、2018年の報酬改定時に新設された加算(125単位/月)で、特定事業所加算機銑靴鮖残蠅靴討い襪海箸鮴簑仂魴錣箸掘△覆かつ前々年度の3月から前年度の2月までの間において、退院・退所加算の算定にかかわる医療機関などとの連携を年間35回以上行うとともに、ターミナルケアマネジメント加算を年間5回以上算定している事業所に適用される加算である。

この加算新設の背景には、2018年度〜居宅介護支援費に、介護支援専門員が末期の悪性腫瘍の患者に対して居宅介護支援を行うことで算定できる、「ターミナルケアマネジメント加算」が新設されたことが関連している。

末期がんの方々が、人生の最終ステージを自宅で過ごすことができるように、医療・介護関係者がタッグを組んで退院支援を行うとともに、介護支援専門員のターミナルケア支援の取り組みを一層進めるためである目的をもって新設された加算である。
ターミナルケアマネジメント
この加算が2021年報酬改定で、特定事業所医療介護連携加算と名称変更された理由は、他区分の特定事業所加算とは性質が異なるために、加算の性質に合致した名称に直したというものである。しかし算定単位や要件自体は変わっていない。

この加算は特定事業所加算機銑靴畔算残蠅任る特定事業所加算であるため、事業収益上大きな意味を持っている。利用者全員に毎月1.250円上乗せ算定できるのだから、利用者数が多ければ多いほど大きな収益に結びつく。

しかし算定要件は決してハードルが低いとは言えない。この加算を算定するためには、居宅介護支援事業所として医療機関との日ごろの関係性が重要になるし、ケアマネジャー個人には、医療機関の要請に応じられる連携スキルと、ターミナルケアマネジメント実践スキルが求められることになるからだ。

そこでは在宅で過ごす終末期支援対象者の、どのような体調に留意して、訪問診療や訪問看護の担当者に状況を正しく伝えらえるのかという伝達能力も問われてくる。

例えば在宅で終末期視線対象者が急変し、息苦しさを訴えるの状態を伝える際にも、「身の置き所のない苦しさ」・「安静にしていても苦しい」・「横になれないほどの苦しさ」などと形容詞を活用して状態を伝えることで、医師の対応スピードや対応方法も、より適切なものとなるやもしれない。

ターミナルケアマネジメントでは、こうした医師や看護職へのつなぎ方が問われるのである。

そういう意味で、介護支援専門員にはメディカル・コメディカルと対等に渡り合える知識と実践力も必要とされるといえよう。

しかしそうした諸々の条件がクリアでき、退院支援能力に長けていると医療機関側から信頼され、なおかつターミナルケアマネジメント能力もあるとされるなら、医療機関はそうした事業所に数多くの患者を紹介してくれることに繋がる。

なぜなら医療施策の流れは、入院治療はできるだけ短期間に納め、早期退院を促して暮らしの場で回復期や慢性期の医療支援を行うという、「医療と介護のハイブリット化」という流れになっており、そこに乗っかってくれる居宅サービス関係者が必要とされているからだ。

特定事業所医療介護連携加算を算定しようと努力する結果が、多数の紹介患者を居宅介護支援利用者として得る結果につながり、安定経営に繋がっていくのである。

そこで問題となるのが、年間35回以上とされる退院・退所加算の算定にかかわる医療機関などとの連携・年間5回以上とされるターミナルケアマネジメント加算算定というハードルが、高いのか、それほどでもないのかという点である。

これを介護支援専門員一人についての回数と考えると、そのハードルは高いものといえ、一人ケアマネ配置しかない居宅介護支援事業所では、なかなか算定が難しいだろう。

しかしこの数は、事業所単位で達することができれな良い数字であるため、介護支援専門員を多数抱える居宅介護支援事業所にとっては、決して高くはないハードルである。

現に16人の介護支援専門員がじゃ位置されている、昨日の記事で紹介した、「株式会社279(つなぐ)つなぐ手ケアマネセンター」は、年度の早い段階でその要件をクリアして、既に来年度もその加算を算定できることが決まっている。

その結果、医療機関からたくさんの紹介患者を受け入れることで、16人もの介護支援専門員が、それぞれ利用者を抱えて支援し収益を上げているのである。

ちなみに同事業所では、この加算による収益は事業所収益とはせず、プールしておいた算定金額全てを、半年ごとに所属ケアマネジャー全員に配分しているそうである。

つまり特定事業所医療介護連携加算算定額がすべて、介護支援専門員の臨時ボーナス原資となっているわけである。

処遇改善加算が一切算定・配分できない居宅ケアマネにとって、それは何より大きなモチベーションに繋がっていくのではないだろうか。
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介護事業経営を支える 看取り介護という視点


全国の介護事業者及び各種団体から講演依頼が舞い込むが、その中でもかなり長期間連続して途切れることなく講演依頼の多いテーマが、「看取り介護」である。

特にここ数年そのニーズが増えている理由は、多死社会に入った我が国において、看取り難民の大量発生が懸念されることから、介護施設だけではなく居住系施設・あるいは小規模多機能型居宅介護などのように、地域密着型サービスや居宅サービスの類型とされている場所でも看取り介護の実践が求められているからだ。

この講演テーマを話し始めた時期は、特養の介護報酬に看取り介護加算が新設された2006年頃からだから、かれこれ17年以上そのテーマで話し続けていることになる。

そんなふうに僕が看取り介護講演を依頼される最も大きな理由は、僕が総合施設長を務めていた特養で、全国に先駆けて先進的な看取り介護を行っていると思われたからに違いない。

そしてそう思われるきっかけになったのは、2006年に看取り介護加算が新設された際に要件とされた、「看取り介護指針」をどこの誰よりも先に僕が策定し、僕の所属施設でその指針をもとにした看取り介護を行い、その実践内容をブログ記事として発信していたからに他ならない。

そんなふうに介護業界全体から注目を集める施設実践を行っていたことから、看取り介護の品質には徹底的にこだわってきた。単に加算を算定できる方法論ではなく、一人の人間がその人生の最終ステージを安心して過ごし、この世に生まれてよかったと思うことができる支援を心掛けてきた。

そのような実践方法を学びたいという人が全国各地におり、そうした人々に介護の場で実践できるフィクションの存在しない看取り介護を伝え続けている。

そうした場には、当然のことながら介護実践者としての看護・介護職員をはじめ、看取り介護のPDCAサイクルづくりのリーダーであり、かつ利用者の代弁者として人生会議に欠かせないメンバーでもある相談援助職(ケアマネを含む)の方々が数多く受講してくださっている。

しかし看取り介護の実践の旗振り役で、その品質を保持するために一番高い木の上に立つ施設長や管理職の皆様が、本物の看取り介護とは何たるかを知らなければ、本当の意味での品質保持は困難となる。

さらに言えば、昨今の状況から考えると看取り介護の実践とは介護事業の経営を安定化させる重要アイテムとなっているのである。このことは介護事業経営を考えるうえで非常に重要なことだ。

それを理解してほしいと思い、このたび高齢者住宅新聞社さんから依頼された、「オンライン 介護経営サミット」の中で、「これからの介護事業経営を支える看取り介護の実践〜今 “看取り介護”に取り組むべき理由とは〜」というテーマの講演を配信することとした。
介護経営サミット (オンラインセミナー)
masa
このオンラインセミナーは事前申し込みすれば、どなたでも無料で参加できるセミナーだ。(申し込みは、こちら

2006年の特養介護報酬への看取り介護加算新設以来、特定施設やGHでも看取り介護加算は算定できるようになった。さらに在宅復帰施設(中間施設)である老健施設でもターミナルケア加算が算定できるようになり、居宅サービスにも看取り介護・ターミナルケアに関する加算は拡充され続けている。

この流れは今後も引き継がれ、看取り介護・ターミナルケアの評価は高まることはあっても、軽視されるようなことは考えにくい。

しかし看取り介護の介護事業経営に与える影響とは、介護報酬が手厚くされるという意味ではない。

看取り介護加算・ターミナルケア加算は、所詮、一人一回きりの算定しかできないものでしかない。それをくまなく算定したとしても、介護事業経営が安定するような大きな収益にはつながらない。

それよりも大きなことは、本物の看取り介護の実践は、地域住民だけではなく、有能な介護人材からも選ばれる介護事業者に繋がるということだ。

特に人材不足が事業経営危機に直結しかねない昨今の状況から言えば、志の高い介護人材からの募集応募が増え、定着率高まる効果に繋がるとなれば、看取り介護の実践は無視できないどころか、大いに実践すべきことと言える。

ただしそれは前述したように、「本物の看取り介護実践」である。

逆に言えば看取り介護と称する偽物の介護実践が行われている場からは、有能な人材がバーンアウトし、地域住民からもそっぽを向かれてしまうのである。

そのことをわかりやすく伝える予定なので、今から来週の木曜日(2/9)15:55〜予定を1時間あけておいて、申込フォームをクリックして事前申し込みをしていただきたい。

介護事業経営者や管理職の方々は、聞き逃しのないようにお願いしたい。
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使える機器導入促進は介護事業経営者と管理職の責務


介護職員の労務負担を軽減できる機器は、性能が年々向上しており、使える機器が多くなった印象がある。

例えば、見守りセンサーインカム・交換回数が少なくても快適に装着できる高性能おむつ・バイタルデータの計測機能を装備した寝具やベッド(スマートベッド)・自動で体位変換や体圧分散をしてくれる高性能エアマットレスなどは、使いこなすことで大幅に介護業務負担を軽減できる。

特に一人の職員で多数の利用者対応をしなければならない介護保険施設の夜勤では、おむつ交換の数と体位交換の回数が大幅に減るだけで、夜勤者の業務負担軽減効果はかなり高まる。

そのことは介護職員の身体・精神の両面でゆとりが生まれることにもつながり、ヒューマンエラーを減少させるだけではなく、働く意欲の向上にもつながっている。

だからこそこうした機器を活用しない手はないのだ。それが介護DXにもつながるし、生産性の向上にもつながっていく。

これらの機器導入については、それを推し進める国の政策が相まって、現在でも補助金が支給されているので、介護事業経営者や、現場の最高責任者である管理職は、今のうちに必要な数を備える努力をして、介護職員が働きやすい職場を目指すべきだ。
タイトルなし2
それをしようとしない介護事業経営者や管理職は、前時代的経営感覚しかない人間で、これからの介護事業経営のセンスはないといって過言ではない。

同時にこうした機器導入の目的を、人員削減に直結させようとする考え方も、いかがなものかと思う。

確かに日本社会の生産年齢人口の減少スピードは尋常ではなく、全産業に渡って労働者が足りない社会になっていく。そのために人に替わる機器の活用は待ったなしである。

しかしそうであるからと言って、せっかく機器を使いこなして業務負担軽減につながった途端に、実際にそこに張り付けることができる人材さえも削ってしまえば、従業員の意欲はしぼんでしまう。

もしもに備えて、人が少なくなっても機器を最大限に活用して業務を回せる体制作りをすることは必要だが、それによって実際に従業員が減らされて、業務負担感は軽減されないのであれば、そこで働く人はいずれパンクし、バーンアウトしてしまうだろう。

まずは働く環境を良くして、余裕を持って利用者対応できることで、介護の仕事を面白く感じさせることが重要だ。そのような介護事業を目指して介護DXを図り、相乗効果として人を少なくできるのであれば、それに越したことはない・・・。そんなふうに考えるべきではないのだろうか。

そこを間違えてはならないと思う。
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業務効率化に偏った生産性向上は人の心を壊します


昨日まで長い年末年始の休暇を取れていた人も居るのかもしれないが、松の内も過ぎ、成人の日を含めた3連休も終わり、そろそろ正月気分から抜け出して日常を取り戻さねばならない時期である。

僕は3日の午後から仕事を始めており、オンラインを通じた講演配信も、新年早々から始まっている。それに加えて最近は会場研修会も徐々に増えているので、受講者と対面して行う講演も新年早々から予定が入っている。

今年の最初の出張は1月23日(月)の神戸市。神戸メリケンパークオリエンタルホテルで行われる、「兵庫県老人福祉事業協会主催・令和4年度施設長研修会」において、「介護の質を落とさず生産性を向上させるには」というテーマで講演を行う予定である。

このテーマは事務局が設定したものだが、その実現は簡単ではなく、なかなか難しいテーマであるともいえる。

年明けすぐに厚労省が、介護生産性向上総合相談センター(仮称)という生産性向上に関するワンストップ相談窓口を、来年度から都道府県ごとに設置する方針を示した理由も、生産性向上に関して今のところ十分な成果が出ていない事実を表しているともいえる。

そもそも生産性とは、どれだけの資源(ヒト・モノ・カネ)を投入した結果、どれだけの成果が得られたかという意味である。人を減らしても、そのために過度に費用を支出してしまえば、生産性の向上にはならない。その匙加減が重要になる。

人によっては、業務効率化=生産性の向上というイメージを抱いている人もいるが、それは間違いである。業務効率化は、生産性向上に寄与する施策であると言っても、それは選択肢の1つに過ぎない。

ところが人手が足りない介護業界では、業務を効率化させて人手をかけない点に偏った生産性向上議論がなされており、これが介護サービスの品質劣化や、利用者の人権を無視した作業労働の繰り返しに繋がっている。

介護DXが、配置基準の緩和を目的に語られる状況は最悪かつ下劣の極みである。
生産性
例えば、「介護事業の生産性向上」を前面に出して、事業経営を行っていた人は誰だろうと考えてみたときに、その危険性が理解できるのではないか。

かつて岡山に本部を置いて、日本全国で介護事業を展開していたメッセージという介護事業者の橋本俊明会長は、いくつもの研究論文などを発表しているが、2007年に介護雑誌に寄稿した「介護の生産性向上に向けた工夫ー『非定時介護』に関する調査とその意義」では、そのことを詳しく解説し、メッセージがいかに先進的・積極的にその取り組みを行っているかが解説されていた。

その基盤となっていたのがメッセージが開発したアクシストシステムであり、その基礎とされたライン表という15分刻みの作業工程表によって、従業員は機械的作業を分刻みで強いられた。

しかしそのことで何が起こったのかを振り返ってほしい・・・。

2014年11月に救急救命士の国家資格を持つ今井死刑囚が、有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で3人の利用者を転落死させた、「川崎老人ホーム連続殺人事件」をはじめ、複数の職員が利用者に暴行・暴言を繰り返していたことが明らかになった。

しかも従業員の不適切対応は、全国のアミーユで行われていたことが明らかになり、メッセージは介護事業を損保会社に売り渡さざるを得なくなった。

その一連の事件の最中に、同社の労働組合がSアミーユ川崎幸町での転落死の逮捕報道に際しての声明/東京北部ユニオン・アミーユ支部 という声明文を出している。

そこでは生産性の向上の名のもとに行われた人員削減=合理化が、いかに過酷な状況を創り出して、従業員を精神的に追い詰めていたのかが赤裸々に示されている。

このように感情労働である介護労働を、オートメーション化して作業効率を上げようとすることは無理難題で、どこかにひずみが生じてしまうのである。しかもそのひずみとは、対人援助におけるサービス対象者に向かうものにならざるを得ず、利用者の身体や精神を著しく傷つけかねない問題となって表出する。

それは介護事業経営自体を危うくするのである。

恐ろしい事に、従業員の心を壊し、心を闇が創った刃が利用者に向けられた事件の元凶となったアクシストシステムとライン表を、そのまま使っている大手介護事業者があると聴く・・・。いつか来た道を、また繰り返さなければよいのだが・・・。

そもそも介護事業の生産性低下の最大要因は、数合わせの人員採用と適性教育なき配置であり、有能な人材を貼り付けて、適正教育によって人材人財に育っていくような介護事業者では、自ずと介護労働の生産性も高まるのである。

神戸ではこの点を強く意識した話をしようとして、講演プロットを立てたうえで、現在講演スライドを仕上げている最中である。この講演は会場とオンラインの両方で受講できるハイブリット講演講演となっており、両方の受講者の方にはその点を注目してほしいと思う。

それでは兵庫県老人福祉事業協会の皆さん、23日は神戸メリケンパークオリエンタルホテルでお愛しましょう。

※「弁護士 外岡 潤が教える介護トラブル解決チャンネル」に、僕のインタビュー第3弾動画がアップされています。インタビュー3は、『科学的介護・SNSを活用した情報発信・優れた人材確保の秘訣についてです。』となっています。約13分の動画となっていますので、是非ご覧になってください。

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財務諸表の公表義務付けに伴って経営者は何を考えるべきか


厚労省は2004年度からの制度改正に伴って、すべての介護事業所に財務諸表の公表を義務付ける方針を決めた。

このことは5日に示された介護保険制度の見直しに関する意見(案)の26頁に、(財務状況等の見える化)として記されており、案が削られた正式文書にも、この内容がそのまま掲載される予定だ。

国はこれにより、介護事業者の経営状況をより詳細に把握・分析できる環境の整備を図ることできると判断している。財務諸表の中身を精査して、必要なデータを国が介護事業者に求めることができるようになるからだ。

そうなると例えば介護職員の更なる処遇改善など、今後の重要施策の効果を高めるために活用していくこともできるというのが国の考え方だ。

どちらにしても今後、全介護事業者が財務諸表を公表する義務が課せられる。さらに介護サービス情報公表システムを通じての情報開示も求められていくことになる。

既に社会福祉法人等には財務諸表の公表義務が課せられており、各法人の公式サイト等でその内容を閲覧することができるが、それを見てわかるように、複数の拠点や併設サービスがある場合、その拠点ごと・サービスごとの損益計算書を、「会計の区分」に従って個別に作成して提出しなければならなくなる。

こうした会計処理に慣れていない事業者は、今からそれに備えて新しい方法で会計処理を行うように対策しなければならない。

しかしそうした事務処理は、専門の事務職員に任せておけば問題ないのだろう。

それにも増して必要なことは、介護事業経営者がそれらの財務諸表を正しく読めるようにしておくことだ・・・。と書いたら、「財務諸表を読めない介護事業経営者が居るのか?」という当然の疑問が呈されると思う。
北海道富良野市の雪原
しかし財務諸表が読めないお寒い介護事業経営者や、読めたとしても頓珍漢な読み方しかできない介護事業経営者は、世間の皆さんが考えている以上に多いのである。

なぜなら介護事業経営者という位置に立ちながら、経営を知らない運営者でしかないトップがまだたくさんいるからである。

特に社会福祉法人等で、代々家族経営が続いているような場合はその傾向が強い。財務諸表の中身を全く理解せず、単に年度ごとの収支差率がどうなっているかという結果しか見ることができない経営者は、その収支差率につながっている様々な要因を読み取ることができない。

そういう人は経営戦略なんて建てられないのであるが、残念ながらそういう介護事業経営者は決して少なくない。

そんなふうに措置費運営という温い時代の亡霊を引きずっているのが、介護事業の実情でもある。

しかしすべての介護事業所に財務諸表の公表が義務付けされる先には、いろいろな方々がその内容を自由に閲覧できるのだから、その中身についてあらゆる場所で介護事業経営者に様々に質問や問い合わせが行われると予測できる。

その際に頓珍漢な答えしかできない介護事業経営者は大恥をかくだけではなく、それが原因で就職希望者や顧客から三下り半を突き付けられる恐れがある。

そんな事態にならないように、基本諸表の読み方くらいはしっかり勉強しておく必要があるだろう。

というか・・・こういう指摘をしなければならないこと自体が、情けない話というわけではある・・・。
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人生会議
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masaの組織論


組織を取りまとめるには指揮官が必要だ。

小さな組織であれば、経営者自身が指揮官となって組織をまとめればよいだけの話だが、組織が大きくなると、経営者だけで組織内全ての指揮を取ることは不可能になる。

そのため経営者は組織を細分化し、それぞれの部門に管理責任を持つ指揮官を配置することになる。

管理責任とは労務管理全般の責任であり、自分が管理する部門の従業員が賃金を得るための業務(労働)を正確に行っているか否かを判断し、良い状態に保つことである。その中には人の心の管理も含まれてくる。

そのため指揮官は様々な責任を持つだけではなく、自分が管理する部門を動かす様々な権限をもつことになる。指揮命令権と人事権etc・・・。そうした諸々も権限と共に指揮官は崇高な存在となり、部門内の従業員がその指揮棒のもとに一致団結した行動をとり得るのである。

だが指揮官は孤独な存在でもある。経営者に替って経営理念を達するために、一般の従業員より高所で、従業員の目線とは次元の異なるレベルで判断することを強いられるからだ。この点では経営者に近い立ち位置と言える。
和の風景
勿論、経営者の孤独と背負うものの重さは、部門指揮官との比ではないほど重たい。

しかし経営者は組織内の部門内の細々した状況をすべて観て聴くことは困難なのだから、指揮官の目と耳を通した情報で経営判断を行うことになる。だからこそ経営者の目と耳となる指揮官を選べるかどうかが、経営者の能力として最も重要であると言って過言ではない。

当たり前のことではあるが、経営者の背負うものは重たい経営責任だ。それ自体は部門指揮官に背負わせられない。

しかも組織が大きくなればなるほど、経営者は指揮官を含めた多くの部下の立場や思いをも背負うことになる。そして介護事業者という組織においては、それに加えて利用者の命や暮らしの質も背負わねばならない。経営判断によって、それらが大きく左右されるという責任を背負っているのである。

組織とは個人が集まって成り立つものだ。それは即ち組織を構成するのは個人だという意味でもある。

だから個人が弱ければ、組織は強くならない。弱い個所から組織は崩壊するのである。経営者は時として、その弱い個人を切り捨てて、強い個人に役割を変える必要もあるのだ。これが組織を護るための人事権である。

そのことを突き詰めると、経営者の個人的な好き嫌いで、人事権を行使する組織ほど弱いものはないという意味にもなる。

そうした経営者の人事権を、各部門では指揮官が行使することになる。そこでは指揮官の好みではなく、部門を適切に動かすための適材適所の人事として、部門内の個人の能力を見極めた配置が必要になる。

しかし人事の駒として動かされる個人にも意思があり、思いがある。彼らは歯車ではなく一個の人間なのだ。だからこそ組織の論理に流されることなく、組織のために組織に忠誠を誓うことができる反面で、組織にたてつくことができる。そして場合によっては組織にたてつく人間がいることが、組織を救うこともあるという事実も歴史が証明している。

どういうことか・・・。

第2次大戦後にはじめて民主主義というものを手に入れた日本人の多くは、多数決による最大多数が、最大幸福と考える向きが強い。組織も多くの場合、民主主義の尊重という名のもとに、会議や合議で多数派が占めた意見に沿った経営と運営を行ったほうが楽である。

しかもボトムアップという言葉がトップダウンより聞こえが良く、その方向に走って自分の責任を放棄しようという指揮官さえ見られる今日である。

それは民主主義の原理には基づいているけれど、それは時には正しくないことを歴史が証明している。そもそも民意=個人の思いなどというものは、何かがきっかけで簡単に変わるものであって、決して普遍的なものではない。

組織運営上、そんなものに頼ることは危険極まりないとさえいえる。そんな時に組織をまとめて引っ張る指揮官が、民主主義の原理・多数決の論理を超えて組織を走らせることもあるだろう。それは必ずしも間違ったやり方ではない。

しかし一度どこかの方向へ動き出した組織は、急には方向転換できない。

そんな時、組織が間違った方向に進んでいるときにブレーキをかける役割の人材が居る必要がある。組織のために組織にたてつくという覚悟と意志が求められるのだ。

指揮官の補佐をする立場の者は、そうした覚悟と矜持を持った人物であってほしい。

いつも組織経営にたてつく人間は、障害でしかないが、時と場合を選んでたてついてくれる人材は貴重であり、経営者や指揮官は、周囲にイエスマンだけをはびこらせないようにしろというのは、そうした意味である。

周囲の状況を高所から見渡して自分で判断できる指揮官と、指揮官の決定が正しいときに忠誠を誓うことができ、なおかつ指揮官判断が間違った方向に組織を進ませたときに、組織にたてついてでも潮流を変えようとすることができる指揮官補佐・・・。そんな両者が揃った組織は、何よりも強い組織となることは間違いない。

しかしそのような人材を揃えることが、何より難しいことも間違いのないところだ。

経営者は、組織内の全従業員の顔と名前を一致させて覚えておく必要はない、それは部門指揮官に任せればよいことで、良い指揮官とそれを補佐する人材を見つけ出して配置することが一番重要なことである。

それができて、経営者が祭りの神輿のようになった方が強い組織ができるのである。

経営者がいちいち組織内の全職員の働きぶりを、職員が働く現場で確認するような組織に、ろくな組織はないのである。

従業員はそのことを理解しなければならない。
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理想と現実は違うと口にする人が居られる場所


介護の仕事に携わる人達の中で、「理想と現実は違う」と平気で口にする輩が多いように思う。

そんな当たり前のことを、よくも恥も外聞もなく口にできるものだなと思う。馬鹿じゃないかとも思う。

理想が現実と違うのは当然ではないか。だが理想を持たないと仕事は面白くもなんともないのである。だから現実以上の理想を頭に思い浮かべながら仕事をすることは、何にもおかしなことではないし、むしろ必要なことである場合が多い。

だから理想と現実は違うなんてことは、人前で口にするような問題ではないのである。

そんな言葉を実習生の前で口にして、あたかも自分が介護の現実をすべて知っているかのように見せようとする姿や言葉は、少しも格好良くない。それは醜く恥ずかしい姿でしかないことを本人が気づかないのだから救いようがない。
三日月
もっと滑稽なのは、「理想と現実は違う」と口にする輩は、理想と理念とを混同していることが多いということだ。

理念そのものを非現実的なものと捉えている状態は、あまりにも知識がないことの証明でしかない。

理念とは、組織の存在意義や使命などを普遍的な形式にて基本的な価値観を表すことである。そして経営理念とは、事業体が持つ「何のために経営をするのか、経営そのものに関する考え方、目標、手段」のことである。

つまり経営理念とは、事業活動を行う際には指針として用いるべき極めて現実的な考え方なのである。

よって介護事業者が社会において、成し遂げるべき役割は、この理念を達する方向で規定されるし、将来的に達成したい状態や、時期や売上など具体的な到達目標も、理念への達成という方向で考えられるのである。

理念を持つことによって、経営者は他の様々なものの影響を受けず、自信をもって広い視野で、かつ長期的な視点をもって経営に携わることができるのである。

それが現実とは異なるなんてことにはならず、理念を空論だと勘違いするものは、人の上に立って事業経営に参画することなんてできるはずがない。

そして優れた経営者であればあるほど、その理念は理想に近いものとなっていく。平気で理念を理想に置き換えられる達人もいたりする。

そんなふうに理想と理念の概念は異なれど、その実態は置き換えることができるのである。

しかし、「理想と現実は違う」と平気で口にする人間にそんなことはできない。だからそんな言葉を口にすればするほど、その人間は社会の底辺をさまよって生きるしかない存在で終わるしかないというわけである。

だから覚悟のある人間や、人の上に立って事業経営に携わろうという志を持つ人間は、「理想と現実は違う」なんて言葉を軽々しく口に出すなんてことはしない。

これから介護業界の明日を担う若い人たちは是非そのことを理解して、非建設的な言葉を軽々しく口にしてニヒルを気取るような大人になるなと言いたい。

理想は現実ではなくとも、若い人には現実を変える力があることを信じてほしい。

僕はそんな人々を応援したいと思う。
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労務管理できていない職員はいないか


労務管理とは、求人・採用から始まり、配置や異動、人材育成、人事評価、賃金および労働時間の管理といった、企業が社員に対して行うすべての管理の総称である。

通常この管理は人事部と呼ばれる部署で行うが、中小企業の多い介護事業者では事務管理部門が労務管理部門となっている場合が多い。

当然事務管理部門は、新規で雇用した職員に対する就業規則などの説明や、各種手続きも担っている場合が多いが、その際に人物の見極めや評価ども含んだ人事管理が必要であることを担当者が自覚しておく必要がある。

勿論、採用段階で面接担当者は、その見極めをある程度行う努力をしているだろうが、面接という限られた時間でその人物の見極めが正確にできると考える方がどうかしている。

それゆえ、その職場のルールに沿った適切な仕事ができる人物かどうかについては、労務管理を束ねる部門で一定期間を定めて評価を行う必要があるのだ。だからこそ労働基準法に定めのない「試用期間」を定めおいて、その期間で評価し、適性がないと判断した場合は使用期間内で退職してもらうということも必要になるのだ。

だからこそ、就業規則の説明や各種手続き代行を行う際に、新たに職場に加わった人物の態度や言葉遣いなど、あらゆる面から人物評価に努める役割が、労務管理部門には求められてくる。

ここをおざなりにすると、適性のない人が職場内に増殖して、スキルの高い職員の労働意欲をそぐだけではなく、事業経営を危うくしかねない事件を引き起こしたりする。
青い池
例えば今年9月に、東京都北区の特別養護老人ホーム「浮間こひつじ園」で夜勤中に92歳の女性入所者を殺害した犯人は、「顔をぼこぼこに殴り、枝を折るように両腕を折った。20分間くらい暴行した。」などと供述したそうだが、そのような残酷な犯行を行った職員は、夜勤専任者として週5回の勤務を行っていたそうである。(参照:夜勤専任者が指名手配された特養の評判とその教訓

この人物の労務管理はできていたのだろうか。対人援助に必要な人材としての見極めや、スキルについてどのように評定していたのだろう。

この職員は体格が良く(180儖幣紊△辰燭修Δ澄法態度や言葉遣いも荒い面があったことから、周囲には、「怖そうな人」という印象を持たれていたらしい。

そのような人がなぜ夜勤専門だったのか・・・。介護全般のスキルが十分で、なおかつ家庭の事情等で日勤勤務が難しいために、夜間専門の勤務形態としていたなどの理由であれば問題はない。・・・しかし何らかの事情で、日勤では他の職員との関連性などがうまく取れずに、フロア内ワンオペという形でしか勤務できないという理由で夜勤専門職としているとしたら、これほど恐ろしいことはない。

チームワークをとる仕事ができずに、ワンオペ対応なら可能というスキルの人物は、ワンオペの中で神のように何でもできると思い込み、利用者に対して権力者のようにふるまいかねないからだ。

夜勤専門職という勤務形態は、労務管理部門の職員の目が届かない状況も生みがちで、人物の評定もほとんどされていない状況に陥りやすい。労務管理が行き届かない勤務状態となりやすいのである。

そうした労務管理に穴がある職場に、利用者に対して絶対権力者のようにふるまう、勘違いした職員がいたとしたら、夜間の密室で何が起きるかわからない恐ろしい状況が生まれるだろう。

本来の労務管理とは、労働者自らが行うべきものである。しかし自分に対して常に厳しく目線を向けることは困難であり、専門部門が労務管理を司る役割を持つことは職場環境を良好に保つためには欠かせない機能と役割であるといってよい。

そうした機能が不全とならない対策を常に講ずる経営視点が重要であり、労務管理が困難な形態の勤務状況をなくしていくのも必要な改革といってよい。

少なくとも日勤の勤務が難しいけれど、夜間フロア内ワンオペ勤務ならこなせるという理由で、数合わせ的な勤務体制を認めることはあってはならない。

本来の夜勤業務とは、日勤業務にプラスしたスキルが必要な業務であるということを忘れてはならないのである。

だから僕は夜勤専門職という存在自体を懐疑的な目線で見てしまうし、そのような業務形態を自分が管理する場では認めることはない。
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介護事業って結局のところ・・・人だよな。


今週の10/8土曜日の13時〜通所介護と特養の今後の事業経営に関する講演を、それぞれ90分間オンライン配信する。(※通所介護のオンライン講演こちら特養のオンライン講演はこちら。)

この講演はトータルブレインケアが主催し、内田洋行が共催する講演で、どちらも申し込むだけで無料で視聴できるので、まだ申し込みがお済みでない方は、是非今からお急ぎ申し込みをお願いしたい。

90分の講演が両者同じ内容になっては分けて配信する意味がないので、それぞれ違った角度から話をさせていただく予定である。そのため通所介護の方は、「顧客確保と事業拡大に向けて」というサブテーマとし、特養の方は、「LIFE対応と人材マネジメント」をサブテーマとした。どうぞお楽しみに。

ところで今後の介護事業経営を考える際に、一番重要になる情報は制度改正や報酬改定の動向であることは間違いがない。

それはなぜかと言えば、制度改正と報酬改定は団塊の世代がすべて90歳に達する2039年以降を視野に入れて、制度の持続性保持のために行われているからであり、1980年代半ばのように、高齢者介護制度を抜本的に改革しようという動きはまったくないからだ。

ということは、仮に政権交代があったとしても今後20年以上は介護保険制度が継続されることは確実であり、公費中心に収益を得る介護事業にとって、介護保険制度と報酬単価の今後の動きが、事業戦略上、最も知っておかねばならない情報となるからである。

しかしどんなに正確な情報をつかんで、それに沿った的確な事業戦略を練ったとしても、足元で働いている従業員の管理をしっかりしていないことには、すべての事業戦略は根底から崩壊し、あって無きものになりかねない。
落陽
例えば、「夜勤専任者が指名手配された特養の評判とその教訓」で論評した職員のような人間が、一人でも存在するだけで、介護事業者は経営危機に陥るかもしれない。

当該事件が起きた特養は、過去に行政から虐待を指摘され改善指導を受けていたとのことで、それにもかかわらず当該事件の犯行現場となったということは、今後、被害者遺族等から事業者管理責任を問われ、損害賠償を請求される恐れがある。

社会や地域住民からは、虐待や犯罪が繰り返されている特養というレッテルが張られて、道義的責任も問う声が挙がってくるだろう。そのことによって今後は利用者確保・従業員確保の両面で困難さが増すと思え、そのことが事業経営上の大きなネックとなってくることは容易に想像がつく。

先の見える従業員なら、このような施設を退職して、もっと未来のある介護事業者で働こうとするのは当然で、退職者が続出する恐れもある。そうなると事件の背景にある人材不足を永遠に解消できない状態となることも必然ではないかと思う。

要するにお先真っ暗になるのだ・・・。

そうならないための人事管理・労務管理が絶対に必要だということを、関係者は肝に銘ずる必要がある。

さすれば介護事業経営者は、外に向けてアンテナを張る以上に、内側に向けたアンテナを張って、自らの足元の介護事業で働く人の姿を知らねばならない。

特に介護施設は、夜間一定のフロア内でワンオペ業務とならざるを得ない点が問題だ。それはワンオペ夜勤をする職員の心づもり一つで、何でもできてしまう状態であるという意味だ。

そこで利用者の尊厳に最大限配慮して介護業務を行うことができるのか、従業員自身の都合を優先し、機械的作業をこなすだけで利用者への配慮を欠いてしまうのかは、日ごろの人権教育によって左右されるのである。

職場全体で人間尊重という福祉援助の価値前提を理解できる人材育成システムを創り、その価値前提を護り抜いて仕事をするのが当然であるという職場環境を創らねばならない。

そのためには経営者や管理職がより高い人権意識をもって、尊厳を護りぬく理念を掲げ、その理念を実現するための職場のルールを創り上げ、それを遵守できない従業員は、自分の職場に必要のない人材と割り切って事業経営を行う覚悟が必要だ。

そうした経営を貫いて、人を護る介護事業を展開していけば、自ずと人を護りたいという動機づけを持つ良い人材が集まってくる。そういう人たちによって、介護の場から優れたサービスが生まれ、サービスの品質向上結果が顧客を呼ぶだろう。そういう経営を目指すことが、結局のところ介護事業経営で一番必要なことなのだろうと思う。

その基盤が人間尊重の価値前提であり、その価値を生むものが利用者=顧客に対するサービスマナー意識であることに気が付かねばならない。
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叱れない=教え導くことができない介護事業者の末路


特養で92歳の女性を暴行死させ、指名手配されていた犯人は、9/25(日)札幌市白石区のマンション非常階段で逮捕されたが、その後の取り調べで、「20分間くらい暴行を加えた」・「顔を殴り、両腕を折った。反応がなくなり、目を覚ますためにお湯をかけた」・「頭を2回叩いたら、『叩いたな、覚えておく』と言われて殴り殺した」と供述しているそうだ。(参照:夜勤専任者が指名手配された特養の評判とその教訓

余りにも酷い供述内容に、開いた口が塞がらないと感じた人も多いことだろう。

この事件は、9/15夜中から16未明にかけて東京都北区浮間の特別養護老人ホーム「浮間こひつじ園」で92歳の入所女性が殺害されたというものだが、犯人の菊池隆容疑者は、事件当日、被害女性から「痛いところがある」と相談されたのに異状を見つけられず、「馬鹿」と言われて暴行に至ったらしい。

その際に、過去に蹴られたり挑発されたことを思い出し怒りがエスカレートして残虐な殺人事件に発展したものだが、それはアンガーマネジメントがどうのこうのという問題をとうに通り越して、人間性そのものが疑われる残虐性が認められる。

こうした人物は、そもそも人に相対して、その人が他人に知られたくない・見られたくない恥部も全部さらけ出して援助を受けなければならない領域に踏み込んで、個人の尊厳に配慮して仕事をするという適正に欠けていた人ではないのだろうか。

果たして採用時の人材の見極めや、試用期間中の適性判断は行われていたのだろうか・・・。
怒りの感情を鎮めるスキル
被害女性の状況がどうだっかかわかっていないが、認知機能に障害のある利用者は、介護職員の善意の行動を理解できず、攻撃されていると思い込んで、抵抗することがよくある。そのことにいちいち腹を立てていたら介護の仕事は始まらないし、そういう行動が起きた場合、介護職員は自分が支援行為をするに際して説明が足りなかったのではないかと反省するのが普通だ。

僕も介護の場で、自分がかけていた眼鏡を割られた経験を持っているが、それを利用者のせいにしてもしょうがないと思う。自分の行動に、そうした暴力を受ける要素がなかったのかを考えなければ、対人援助のプロとしての成長はないのだ。(参照:介護現場で芽生えた?眼鏡趣味。

50歳で独身のこの犯人は、5年ほど前から介護の仕事を始めたという。浮間こひつじ園では、夜勤専任者として週5回の勤務を行っていたそうであるが、インタビューされた同僚は、「短気な人だった」と評している。

さすれば仕事中に短期な場面がしばしば見られたのだろうし、今回の犯行の詳細がわかるにつれ、その短気な性格は利用者対応にも現れていたのではないかと容易に想像がつく。

仕事中に短気さが見て取れる場面に出くわした時に、管理職なり上司が、その報告を受けてきちんと注意をしているだろうか。

夜勤専任者である犯人に対して、叱ったり注意をしたりすればへそを曲げてやめてしまうことがあったら、夜勤業務が回らなくなるのではないかと、そのことを恐れて必要な注意をしていなかったようなことはないのだろうか。

夜勤専門職ということで、何もかも本人に丸投げして、事務管理部門の人事評価や労務管理がおざなりになってはいなかったのではないだろうか・・・検証しなければならないことは多々ある。

それと同時に、「介護事業におけるサービスマナー意識の向上」ということが、やはり大切なテーマになることを改めて感じる。利用者を顧客として遇する気持ちがあれば、利用者からなじられても、簡単に怒ることにはならず、お客様からなじられるのは、従業員の対応の仕方に問題があるのではないかという意識に繋がって、怒りの感情を抑えるブレーキにもなるからだ。

そしてそうした感情を抑えられない職員がいた場合、職場全体でそうした職員をチェックし、注意するという習慣が生まれるのである。

事件があった特養浮間こひつじ園は、そうしたマナー意識に欠けて、職員同士の態度のチェックや注意が全く行われていない職場環境だったのではないだろうか。

この施設では2020年7月にも派遣スタッフが入所者を小突く事案があり、管轄する北区に虐待と認定されていた。それを受けた職員研修を行っていたというが、それが生きていない実態は、研修内容が職場環境の改善意識に繋がるものではなかったということと、実務に即したマナー研修が行われておらず、形式的なものにとどまっていたということを表している。

虐待防止の意識は、サービスマナー意識が基盤になってはじめて強固になるし、マナーは実務の場で繰り返し注意を行ってはじめて身に付くのだ。それができていなかったのではないか・・・。

というのも、昨今の介護施設では人材不足の施設に限って、今いる職員は辞めることを恐れて、「叱れない施設」・「叱ることを恐れる上司」が増えているからだ。

しかし叱らないことで、働き続ける職員とは、決してスキルが高いとは言えず、そこに有能な介護職員が張り付くことはない。有能な職員ほど、職場環境の悪さにあきれてやめてしまうことが多い。叱ることができない介護施設で、職員が充足したという話は聞いたことがないのである。

そもそも叱ることと、怒ることは違うのである。感情をぶつけるのが「怒る」、相手を良い方向に導くのが「叱る」である。

「叱る」のは、相手をより良い方向に導こうとするために注意やアドバイスをすることである。つまり「叱る」という行為は教育課程では避けて通れない行為なのである。

それができないということは適切な人材教育ができないという意味でしかなく、そうした事業者に良い人材が張り付いて定着することはなく、人材確保はますます難しくなり、人材の囲い込み競争の中で敗北し、廃業するしかないという道をまっしぐらに進んでいるとしか言えない。

そういう職場からは、賢い職員は一日も早く離れることが、自分を護る一番の方法である。

自分の職場はそうなってはいないかを確認したうえで、「処遇改善最上位加算を算定し手渡さない事業者には見切りをつけよう」も参照にしながら、自分の将来というものを真剣に考えてほしい。

それにしても、虐待認定とその改善指導を受けたにもかかわらず、その教訓が生かされず、施設内で勤務中の職員が残虐な暴行死事件を起こしたこの施設は、看板を掲げたまま出直しを図ることが許されるのだろうか・・・。

それはあまりにも甘い対応だろうと思えてならず、僕個人としては、看板を下ろして廃業を選ぶのが道義的責任を果たす唯一の道だろうと思うのである。
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通所介護と特養の事業経営に関するオンライン講演を無料配信します


2024年度からの介護保険制度改正に向けた議論が進行し、同年度の報酬改定議論も具体化していく中で、2021年度の報酬改定からちょうど1年半たったこの時期に、改めて通所介護と特養という2つのサービスにターゲットを絞って、それぞれの事業経営について考えてみるオンライン講演を配信します。

この講演は、株式会社・トータルブレインケアが主催し、株式会社・内田洋行が共催して、無料でオンライン配信するものです。

トータルブレインケアは、かねてより僕が推奨している認知症簡易診断と予防トレーニングのアプリコグエボを開発販売している会社ですから、今回の講演では通所介護と特養での、このアプリの活用についても解説します。

しかし同社が主催だからそのアプリを宣伝をするという意味ではなく、もともと同社が僕の講演を主催する以前から、僕はこのアプリが優れており、通所サービスや介護施設で活用できれば、顧客確保と科学的介護の実現に大きく貢献できるとしていました。そのことを改めて解説するだけです。

今回の講演では新たな使い方の提案もしますが、それは全体の中のわずかな時間となり、メインはあくまで通所介護と特養それぞれの今後の事業戦略に関する話をします。

特に通所介護につては、小規模事業者が多いこともあって、BCPの策定作業が遅れています。

しかしそのような中で感染症は終息せず、自然災害も相次いでいます。

近直の話題としては、台風14号の被害がありました。厚労省の20日5時30分現在の集計によると、高齢者施設の被害は少なくとも宮崎県と長崎県の計6ヵ所。床上浸水が2ヵ所、建物被害が1ヵ所、断水が1ヵ所、停電が2ヵ所となっています。

今のところ人的な被害は報告されていないものの、自然災害に対する備えとしてのBCPの策定は急務です。そのため今回は通所介護のBCPに欠落しがちな視点を含めて、その策定に向けた解説も行う予定です。既に策定が終わった事業所にも新しい気付きがあり、BCPを見直せる機会にもなるかもしれません。

特養については、入所基準の再見直しの背景や、それが事業経営にどんな影響となって現れるのか、その対策として何をすべきかなどを解説したいと思います。

当然、両サービスにおける科学的介護の取り組みも解説します。

両サービスとも、90分の講演時間を予定しており、申し込むだけで無料で視聴できますので、下記のポスターで詳細を確認したうえで、お申し込みをお願いいたします。

通所介護のオンライン配信は、10月8日(土)13:00-14:30を予定しています。
通所介護の今後の事業戦略オンライン講演
上記のポスターは、こちらからご覧いただけます。申し込みはポスターに記載されている二次元コードから行うか、こちらからお申し込みください。

特養のオンライン配信は、10月8日(土)15:00-16:30を予定しています。
特養の今後の事業戦略オンライン講演
上記のポスターは、こちらからご覧いただけます。申し込みはポスターに記載されている二次元コードから行うか、こちらからお申し込みください。

それでは画面を通じてお愛しましょう。
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心配が募る20年後の介護事業だからこそ・・・。


総務省が今月9日に発表した、「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(令和4年1月1日現在)」によると、昨年の日本人の出生数が前年より3万1285人少ない81万2036人だった。

この数字は1979年の調査開始以来の過去最少を更新するものである。そして過去最少更新はこれで6年連続となっている。

昨年生まれた子供の数が過去最低人数となったということは、その子供たちが成人に達する2041年は、過去最少の新成人数となることが確定したわけである。それも6年連続の最少更新となるわけだ。

だが今年、出生数が目に見えて増加しているわけではないので、今年以降も出生数が減ると2042年以降もさらに新成人数が減っていく可能性がある。当然、生産年齢人口や労働力人口も減っていくだろう。(※下記図参照)
日本の労働人口の推移
少子化に歯止めがかからないのだから、それはそのまま我が国の労働力不足に直結する問題であり、特に機械に代替できない労働部分が多い対人援助事業・介護事業にとっては深刻な影響を及ぼす可能性が高い問題となる。

しかも我が国では後期高齢者の数は2042年にピークを迎え、同時に要介護者の数もそれまで増え続けると想定されているのである。

後期高齢者や要介護者がピークに達する年に、労働力人口は今よりずっと減っているわけだ。

2042年以降は、後期高齢者や要介護者の数は減っていくと予測されているが、その減り方以上に生産年齢人口と労働力人口が減っていくことになり、介護業界は全体として今より深刻な人材不足・人員不足に直面することになる。

20年後に介護事業経営に携わっている人は、顧客確保に困らないとしても、顧客にサービスを提供できる従業員を確実に確保することができるだろうか・・・。今からその備えをしておかねばならない。

当然、国内労働者だけで十分な従業員を確保することは不可能だから、外国の方々が張り付く職場づくりも求めらえるだろうし、介護の仕事を志す人だけではなく、他の産業からも転職しやすい職場を目指していかねばならず、同時に一度就業した人が定着する職場づくりを何よりも目指していかねばならない。

この問題を国の施策で解決できるなんて甘い見込みを持たずに、地域の中で従業員の確保競争に勝っていくための環境を整えたり、アイテムを手に入れる必要がある。

勿論、給与等の待遇が良いということも必要だし、キャリアパスも充実させねばならないだろう。現に介護職員の離職率は、21.6%だった2007年度をピークとして低下傾向が続いているが、これは2008年度から介護職員の処遇改善が国レベルで議論の俎上に上り、2009年の介護報酬のプラス改定につながったことと、2009年10月〜介護職員処遇改善交付金(処遇改善加算の前身)の支給が始まったことと合致している。

具体的な処遇改善の動きが介護職員の定着に繋がっているのである。よって今後は、3階建てとなる処遇改善加算の最上位加算をすべて算定するのが常識となるし、「他の職員との均衡がとれない」などと呑気なことを宣って、この加算の算定を軽視する事業者には人が集まらず、廃業へ向かわねばならないことは明らかである。

しかしそんなことは誰もがわかっているし、くまなく加算を拾っていくなどということはどこでもやろうとしていることだ。皆が横に慣れの対策を立てているときに、それと同じことをしていても、人は集まらないと考えるべきである。

だからと言って公費経営・公的ルールで運営する介護事業者であるからこそ、青天井で給与を引き上げることはできないことも事実だ。

そうであれば、待遇にプラスしてモチベーションを高めるものは何かということに意識を向かわせなければならない。

介護という職業に志を高く持ち続ける人が、その仕事を続けていくことができ、そうした人がより多く集まる場所に、顧客も集まるのだというごく当たり前のことに気が付いて、そこの部分の充実を図ることが、今後20年後以降も介護事業経営を継続できる最大の武器になることだろう。

そのことを理解する経営者だけが生き残っていけるのである。
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経営規模拡大を図る財務省の暴論


13日に開催された「財政制度等審議会」で財務省は、小規模介護事業経営を批判する意見を堂々と述べている。次の3つの発言がそれである。

・「幅広い経営主体の参入こそ進んだものの、小規模法人が多く、事業者間の競争が必ずしもサービスの質の向上につながっているとも言い切れないうえ、業務の効率化も不十分と言わざるを得ない」

・「小規模な法人が他との連携を欠いたまま競争するということでは、介護の質の向上にも限界があり、新型コロナのような感染症発生時の業務継続もおぼつかない

・「規模の利益を生かす効率的な運営を行っている事業所などをメルクマールとして介護報酬を定めることも検討すべき。そうしてこそ大規模化・協働化を含む経営の効率化を促すことができる」

新型コロナも味方にするかのように論理展開して、大幅な制度改正・報酬改定を求めているのである。・・・それによって財務省の考える方向、すなわち給付抑制と利用者負担増という方向へ流れを創りたいというわけである。

その主張の中にある、メルクマールという言葉は、あまり聞きなれない言葉であるが、辞書検索するとそれは、『物事を判断する基準や、その指標のこと。一般的には、最終目的を達成するための一連の過程等における中間指標目印のことを意味する。』とされている。

要するに大規模事業を目印にして経営を進める・・・すなわち同じサービスであっても、小規模事業者の給付費は下げて、大規模事業者の給付費の方が高く設定し、収益を上げたいのであれば、大規模経営を目指して統合を図るなどしなさいというわけである。
傲慢な主張
こうした難しい言葉を使って、論ずることによって、『頭の良い人間が考えているんだから、下々の人間は、くだらない反論などせずに言うことを聴いて逆らうな!!』と脅しをかけているわけである。

財務省は、『小規模事業所の競合が必ずしもサービスの質向上につながっていない』というが、それは地域包括ケアシステムが深化せずに、多職種連携が機能していないという問題ではないか。そしてそれは事業規模の問題とは関係のないことである。

確かに小規模事業者質の高いサービスを提供する事業者ではないことは事実だ。

サービスマナー意識の低い事業者が、小規模事業者でもかなり多いことを含めて、サービスの質向上が思った以上に酢進んでいないという事実を介護事業関係者は、重く受け止める必要があると思う。

しかし大規模事業所で対応しきれなかった困難ケースを引き受けて、きめ細かく対応している小規模事業者は数多くあり、それらもこの政策によって切り捨てるのはやむを得ないとするのは、あまりに乱暴な論理である。

そもそも介護事業の大規模化が行き着く先は、特定事業者による一定地域の寡占化である。

寡占化を図る途中で、他事業者を蹴落とす過程で一時的なサービス向上が行われたとしても、寡占化が常態化された時期には、事業者論理による利用者ニーズの切り捨てということが必ず起こることは、過去の様々な歴史が示しており、小規模事業所の競合が必ずしもサービスの質向上につながっていない現状より、それは劣悪な状態を作り出す懸念を高める問題である。

しかもその過程では、まだ数が少ないかもしれないが、利用者ニーズに即したサービス提供を行い、利用者の暮らしの質を劇的に高めている優良な小規模事業者が、バタバタと頓死憤死していくのである。

つまり大規模事業者をサービスの担い手の中心とすることが、現在のサービスの質を向上させる手立てであるということにはならないのである。

財務省の主張は、『どうせサービスの品質は低いんだから、大規模事業者による寡占化が進んで、企業の論理で利用者ニーズが切り捨てられたって大した問題ではないだろう。介護サービスは使えさえすればよいのだ。』とでもいうような横暴な論理である。

これはあまりに国民を馬鹿にした論理である。それは国民の福祉の低下に直結する由々しき問題であり、国民にのみ痛みを求める改革はいい加減にしてくれという声が挙がって当然だろう。
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利用者の世代交代に対応しないと生き残れない


団塊の世代とは、1947年〜1949年の3年間に生まれた世代の人たちを現す言葉である。

それらの方々は今年2022年に、73歳〜76歳に達する。

2022年1月の段階で団塊の世代を含む70歳〜74歳の人口は964万人であり、総人口に占める割合は約7.6%と、人口構造上でも大規模な集団であるが、それらの人々が今、介護サービスを利用する人の中心層になっている。

だから過当競争で倒産事業者数が増えていた小規模通所介護事業所も、団塊の世代の方々がサービス利用してくれるようになったことで、再び息を吹き返しているのである。

だがそれに甘えて、サービスの品質をおざなりにすると、顧客から選ばれなくなり、あっという間に廃業に向かわねばならないことになる。

なぜなら団塊の世代の方々とは、様々な情報媒体を使いこなして、自分に合った介護サービスを利用しようとする傾向にあるからだ。人から勧められた事業所をおとなしく選ぶだけで収まらないし、気に入らないことがあればシビアに事業所を選びなおす傾向が強い。

そこで問題となるのが、その人たちはどのような時代背景を生きてきたのだろうかとうことだ。それを探ることが、その人たちのニーズを探ることになるからだ。

団塊の世代の最終年次である1949年生まれの人を例をとると、15歳(1964年)の時に最初の東京オリンピックが行われており、この時期は、「いざなぎ景気(〜1970年)」と重なっている。そして社会人となって以後、第1次及び第2次オイルショック円高不況・バブル景気を経て、リーマンショックに至るまで現役世代として社会の第一線で働いていた世代である。

そして2009年〜2014年に60歳〜65歳となっているので、おそらくこの時期に定年退職を迎えた方が多いのだろうと想像する。

しかし第一線の仕事から退いても、体が元気なうちは社会参加して、役割を失わないようにしようと、アルバイトを続けていた人も多いだろうし、ボランティアやシルバー人材として活躍されてきた人も多いと思う。

それらの人が70歳を迎えようとするあたりから、悠々自適の生活を考えていく段階で、「コロナ禍」という状況に遭遇したことをきっかけに、仕事や活動から身を引いて、介護サービス利用に至ったというケースも多いのかもしれない。

その人たちと通所介護事業所で交わす話題は、小学校唱歌の思い出ではなく、ビートルズやベンチャーズかもしれないし、思い出の中に戦時中のものはなく、バブル崩壊前後の浮かれた日本経済の話題を欲しているかもしれないわけだ。

印象に残って人に話したい事件も、学生運動時の騒擾や、あさま山荘事件と連合赤軍による総括と称した連続リンチ殺人であるのかもしれない。・・・いや、もしかしたらオウム真理教事件になるのか?

どちらにしてもその人たちは、つい最近まで社会の第一線で活動してきた人である。そういう人たちが介護サービスの顧客の中心層になっているということは、その人たちのニーズに対応しないと、介護事業経営は成り立たなくなるということだ。

例えば今年70歳になる人(昭和27年:1952年生まれ)は、どのような時代背景を生きてきたのだろうか。

そのことを理解するために、その人たちの生きてきた時代を年表にして表すことで理解してほしい。
今年70歳になる人の年表
このように今年70歳に達する人は、携帯電話やインターネットは当たり前に利用していたし、PCのみならずスマホやタブレットも使える人たちであると想像できるのだ。
※団塊の世代の人は、70歳の人に3年〜5年プラスした年表を書けばよい

その人たちが介護サービスを利用するようになった途端に、「チーチーッパッパ」の活動を強いられたらどう思うだろうか?そんな介護事業にはそっぽを向くだろう。

だからこそ、「認知機能トレーニングをスタンダードメニューに」や「地域住民から選ばれる通所介護のサービスメニュー」で示したような工夫が必要になるのである。

時代の変化のスピードは、20年前より確実に早くなり、変化の波も大きくなっているのだ。いつまでも高齢者が最新テクノロジーに対応できないなんて思い込んでいてはならない。ネットおたくの高齢者だって介護サービスを利用してくるのである。

介護事業関係者は、こうした利用者の世代交代に伴うニーズ変動に敏感になっていかねばならない。

そうしたニーズに対応することは顧客確保だけではなく、新たな要介護高齢者が望む高品質サービスにつながるのだから・・・。
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人材確保が益々難しくなる時代の介護事業戦略


福祉医療機構(WAM)が1月28日、2020年度の特別養護老人ホームの経営状況をまとめたリサーチレポートを新たに公表した。

それによると、「短期入所の利用率の低下や人件費率の上昇により赤字施設の割合は若干増加」と報告している。

短期入所の利用率低下はコロナ禍の影響であろうと思え、コロナ禍が終息すれば回復することは間違いのないところで、この点についてはあまり心配する必要はないのかもしれない。

詳細分析はリサーチレポートを読んで確認してほしいが、やはり気になるのは、「人件費の高騰」である。

レポートでも、「赤字化した施設は収益が伸び悩む中で人件費が増加している」としており、これは処遇改善加算等の介護給付費で手当てできる支出以上の人件費支出も増えていることを意味している。

現行3段階になっている処遇改善加算は、体系が変わったとしてもその分の給付は削られることはないだろうから、しっかりと最上位区分を算定し、職員に配分していく必要がある。しかしそれ以上に収益の中から人件費に回さなければならない支出も増えていくことも想定しておかねばならない。

だから収益を上げなければならないが、人が集まらずに顧客がいるのにサービスができないという状況になれば、それも不可能となり、ベッドの一部を休止して経営せざるを得ない介護施設は、満足な人件費手当てがさらに難しくなり、そこからは人材が流出し続けるという悪循環に陥りかねない。

だが今後の日本社会は、後期高齢者が2042年頃まで増え続ける中で、社会全体の人口は減少し続ける社会である。しかも少子化の影響で、生産年齢人口の割合は今より大幅に減ることもわかりきっている。

それは社会全体の労働力が減るなかで、介護サービスの顧客は2042年頃まで増え続けることを意味している。

よってすべての介護事業者が、すべからく人材を確保できることにはならず、この部分を国の政策に頼っても無駄であるという結論にしかならない。

そうした状況に対応するために、外国人介護労働者を雇用する必要性も増すが、それで補える部分にも限りがあり、日本で生まれ住んでいる若者が働きたいと思うことができ、なおかつ定着できる職場環境を創っていかねばならない。

事業者独自で人材を確保する術を持っていなければならないのだ。それを持たない事業者は、派遣会社によりかかる比重を増やし、それで何とか人員を確保し当座をしのごうとするが、当座常時になってしまっている現状を変えなければ大変なことになる。

人材派遣会社へ支払うコストは、年々上昇しているが、そこまで介護給付費は見込んでいない。

しかも派遣職員はいかに有能であっても、職場の戦力とはみなせない。派遣職員が忠誠心を持つ先は、働いている事業者ではなく派遣会社かもしれないのである。

しかも派遣職員は仕事に責任を持たされるのを嫌う傾向にあり、後進を育てる姿勢に欠ける人も多い。自分にとって嫌なことがあれば、派遣先を変えてもらえばよいと考えている人もいて、結果的に短期間で辞めていく人も多くなる。

果たしてそういう職場の、「働く環境」が良くなることはあるのだろうか・・・。

このブログで何度も書いているが、介護福祉士養成校に入学する学生の動機は、「人の役に立つ仕事をしたい」というものが常にトップである。

派遣職員の比率が年々高まる職場が、そういう人たちにとって、「人に役立つ仕事ができる」と思いながら働くことができる職場環境といえるだろうか。現在、職場環境は良い職場といえても、派遣社員の比率が増し続ける中で、その環境をいつまで維持できるだろうか。

介護職員の入れ替わりが激しく、提供している介護サービスの質やレベルが低いとみなされる職場は、「人の役に立っていない職場である」として若い介護人材が働きたいと思える職場ではなくなり、ますます採用募集に応募がなくなる。

この悪循環を断ち切る唯一の方法は、介護事業の本質に立ち返って考えることだ。
介護事業者
人の役に立つ介護・利用者の暮らしぶりをよくする介護を目指し、その理念に共感する人材を集め、そうした人材がやりがいを感じて、働き続けられる介護事業を確立することだ。

職員給与を引き上げることも大事だが、それには自ずと限界がある。給料や手当以外の付加価値を感じてもらって、働きたい職場・働き続けたい職場としていくことが大事だ。

サービスマナー意識の浸透は、その基盤となるものだから、繰り返しそれが守られているかというチェックが必要だ。利用者に対するマナーが低下しない継続的な教育は最も重要である。

そうした地道な取り組みを続ける介護事業が、有能な介護人材にとって魅力のある職場となり、人材から選ばれる職場になる。それによって介護の品質がさらにアップし、ますます有能な人材があこがれる職場になっていく。それは結果的に顧客からも選ばれていくことにつながるだろう。

そういう介護事業者が実際にあることを教訓として、新しい介護事業経営戦略を練っていくことが何よりも重要である。

この理屈は簡単なのだ。難しいのは実行・実践である。だがそれは経営者の覚悟という、腹積もり一つで現実化できるものであることを理解してほしいと思う。

そのお手伝いが必要であれば、いつでも声をかけていただきたい。力になれると思う。
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処遇改善支援補助金配分方法の情報交換をしています


介護事業関係者にとって今一番の話題といえば、「介護職員処遇改善支援補助金」による給与改善がどうなるかということではないだろうか。

自分の給料が本当に月額9千円上がるのかと期待と不安をもって、どうなるかという情報を待っている人がたくさんおられると思う。しかし「給料が月額9千円上がると思っている人に伝えなければならないこと」で指摘したように、実際に給与改善額が9千円となる人はさほど多くならないと思う。

そしてそれは経営者が搾取しているという意味ではないことを理解していただきたい。

どちらにしても介護事業経営者にとって補助金については、「配分をどうするのか」ということが大きな悩みでもある。せっかく給料を上げても、上げ方に不満があるとしてしこりが残ってはたまらないのである。落としどころをどこにするのかは難しい判断である。

今の時期は、すでに配分方法を決めている事業者が多いだろうが、これから最終決定するという事業者もあるだろう。

2月と3月分は全額一時金で支給してよいことになっているため、支給時期を遅らせて4月以降に支払う事業者も多いと思う。そのため配分額もその時に知らせればよいのだから、年度内に配分方法を決定すればよいだろうと考えているとしたら、それはあまりにも無責任だ。

自分の労働対価が月額いくらであるのかということは労働条件でもあるのだから、労働者は事前に知る権利があるのだ。そういう意味で、2月に入る前に従業員にきちんと補助金の配分方法と金額を知らしめる責任が、介護事業経営者にはあると考えるべきではないだろうか。

だからこそ配分方法及び給与改善額を全職員(改善されない職員がいた場合でも、その職員を含めて全員)に示して、その決定過程・理由について丁寧に説明しなければならない。

この問題について僕が管理する表の掲示板に、「処遇改善支援補助金の配分方法について、皆さんの職場ではどうする方針か情報をください。」というスレッドを立てて、情報を集めている最中だ。

すでに複数の方々が決定された配分方法をお知らせくださっている。

様々な考え方が示されており、介護職員のみに配分する事業者がある一方で、全職員まで支給範囲を広げるとしているところもある。

今のところ職種を広げて配分するという事業者が多いようだ。その中には支給対象ではない在宅ケアマネ等にも、事業者負担で配分するとしているところもある。

この配分方法に正解は存在しない。全職員が不満を持たない配分方法も存在しないだろう。
職場説明
それぞれの介護事業者の組織風土なども、職員のとらえ方に関係してくるものと思える。どちらにしても前述したように、より良い方向を目指して、経営者が真剣に考えた結果が、今回決定された配分方法であることを説明し、職員に理解を求める姿勢が不満を最小限にとどめる方法だろうと思う。

ここは覚悟を決めて経営判断として決断しなければならないところだ。そして一度決断して説明を行った後は、その決定をベストと信じて、配分方法の不満を職場で基地にしないというルールを設け、そのことが後々まで尾が引かないように切り替えるように促し、職員一丸となるように日々の仕事に邁進することしかできない。

なお表の掲示板では、まだしばらく情報を集めたいと思う。

皆さんの職場で決定した配分方法を是非教えていただきたい。それを多くの方が参考にして、自分の職場にとって参考になる考え方を見つけていただきたいと思う。

どうぞご協力をお願いいたします。
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夜間オンコールのアウトソーシングを考える


介護保険施設の夜間配置基準は、「看護職または介護職」の配置人数を定めたもので、それ以外の職種が夜勤を行っても配置人数としてカウントすることは出来ない。

職員が不足しているからといって、相談員や事務員を夜勤シフトに入れても、配置人数とされないわけである。そのために配置規定数以上の看護職員もしくは介護職員を毎日配置する必要があるのだ。

ところで特養の場合は、看護職員が毎日夜勤シフトに入っている施設はほとんどない。

なぜなら特養の看護職員の配置基準は、入所者数(前年平均)130人未満の場合で常勤換算3人以上でしかないのだから、その3人で毎日夜勤シフトを組むと、3日に一度の夜勤ということになり、日中は最高で2人しか看護職員配置がなくなってしまう。(※前年平均入所者数50人以下の場合の看護職員配置数は常勤換算2以上

配置規定人数より看護職員の実配置人数を二人や三人増やしたとしても、その事情は大きく変わらないのだから、実質的に特養では看護職員が毎日夜勤業務に入ることは困難であると言ってよい。

そのためほとんどの特養は、看護職員の夜間オンコール体制を敷いているわけである。例えば1週間ごとの当番制で夜間オンコール担当者及び副担当者などを定めて、その期間は当番に当たる看護職員に夜間いつでも緊急連絡をしてよいということになっている。

ところがこの緊急連絡の定義を巡って、看護職員と介護職員の間でトラブルになることも少なくはない。

介護職員からしてみれば、利用者のちょっとした変化でも心配になって、看護職員と連絡を取って対応の指示を受けたいと思う。看取り介護対象者の場合なら、特に少しの変化でも対応を指示してもらいたいと考えるのは、ある意味当然である。

しかしそのことを当然であると理解してくれる看護職員ばかりではない。「その程度のことも自分で判断できないの?」・「そんなことまでイチイチ連絡しないでよ。」という対応で、看護職員・介護職員の双方にわだかまりができて、職場の人間関係に重大な支障を与えることもないとは言えない。

特に「そんな程度のこと」というあいまいな基準で叱責を受ける介護職員は、夜勤中のオンコールすべき状態判断に迷い、そのことが大きなストレスとなって、燃え尽き退職に至るケースもしばしばある。

それは労務管理上の大問題であり、事業経営危機に直結しかねない問題でもある。

だからこそ夜間のオンコール体制を敷く際には、どのような些事でもオンコールしてよいというルールを定めて、コール待機する看護職員に十分な理解を得ておくとともに、そのことの徹底を図るという意味で、夜勤中の看護職員と介護職員の連携と連絡がスムースにされているのかという確認と仲介を行う役割の職員も定めおく必要がある。

だが夜間オンコールがあまりにも些事に渡り頻回である状態は、待機する看護職員のストレスにもつながっていくわけである。その中には第3者から見ても、「そんなことまで連絡しなくても良いだろう」と思う問題もあるが、夜勤当事者からすればそんなことはないという話になる。

特養の看護職員の中には、医療機関の看護職員を長く務めた後、夜勤をしなくてよい状態に魅力を感じて特養に務める人もいる。そういう人が、さして必要性がないと感じる夜間の頻回なオンコールに嫌気がさして退職してしまうとケースも問題視されるべきだ。

しかし連絡する方、される方の両者に言い分がある問題の線引きは事実上困難である。どちらも正しいのだ。

そこで考えたいのは夜間オンコールのアウトソーシングである。

指定介護老人福祉施設の運営基準では、「指定介護老人福祉施設は、当該指定介護老人福祉施設の従業者によって指定介護福祉施設サービスを提供しなければならない。ただし、入所者の処遇に直接影響を及ぼさない業務については、この限りでない。」と規定されている。

逆に言えば、「この限りでない」部分はアウトソーシング可能なのである。
夜間オンコール
夜間の看護職員のオンコール対応はこの例外規定に当たるために、アウトソーシングできるのだ。

そもそもオンコールの8割は看護師が駆けつけなくとも解決する問題なので、オンコール対応の負担で看護職員の募集に応募がなかったり、それを理由に看護職員が辞めてしまう施設にとっては、こうしたアウトソーシングは大いに魅力的であると言える。

しかもアウトソーシングの場合、連絡を受ける外部業者は夜間に連絡を受けることそのものが本体業務であるから、どのような小さな問題であっても、第3者から見て下らないと思える連絡であっても、徹底的にウエルカムである。そこで連絡した介護職員が叱責を受けたり、不満をぶつけられたりすることは一切ないわけだ。

コールセンターで夜間連絡を受ける職員も看護職員であるから、連絡を受けた上で、どう対応すべきかアドバイスするとともに、実際に看護職員の直接介入が必要であると判断した場合には、コールセンターから施設の夜間待機看護職員に連絡をして、対応を促すことになる。

すると待機している施設看護職は、オンコール対応の際より、連絡を受ける頻度が8割程度減ることにつながり、待機の負担やストレスも大幅に減ることになるのだ。

人材確保に益々困難性が増す介護施設経営を考えるのであれば、こうしたアウトソーシングを進めることで、看護職員・介護職員双方の業務負担軽減とストレス軽減を図っていくことは大事な視点ではないかと思う。

僕が施設経営に携わっているときに、そうしたアウトソーシングできる社会資源があってくれればよかったのにと思っているところだ。

現在はそれがあるのだから、活用を考慮しない手はないと思う。
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介護事業における無駄な支出の最たるもの


11月11日の介護の日に更新した、「経営視点のない人材マネジメントは無駄で成果なし」という記事の中で、介護事業者の無駄な支出に触れたが、それ以上に無駄で無意味な支出がある。

それは定期的に行われる行政による実地指導に備える支出である。

介護事業経営相談に応じて、P/L(損益計算書)をチェックする際に、それに関する支出を見つけた場合は、なぜそんな支出が必要になるのかを徹底的に検証することにしている。

実地指導に備える支出といっても、資料をコピーしたりする際の支出や、必要な記録を整理するために職員が残業をする際に支出する時間外手当等が無駄だと言っているわけではない。

実地指導のために必要な最低限の業務支出というものは当然あり得るわけで、それは必要経費である。

問題となるのは、実地指導を過度に恐れて何か指摘されたら大変なことになると思い込んでいる事業者が、実地指導対策として経営コンサルタントに対策研修を行ってもらう際の支出や、事前の実地指導対策として模擬訓練を行なったり、必要書式の調査してもらったり助言を受けたりするために支出していることである。

それこそまったく無駄な支出である。

そもそも介護事業者の中で、定期的な実地指導に対して誤った認識を抱いている人があまりに多いような気がしてならない。

実地指導とは不正を暴き出すために行われるものではないのだ。不適切運営や人員配置基準違反、虐待などがあるという前提で行われるのは、「監査」であり、「GH虐待が発覚したむかわ町穂別の社会福祉法人の人権軽視」という記事で紹介した、8/13に胆振振興局からの連絡を受けて、むかわ町が急遽行った調査は、「監査」である。

監査は、このように抜き打ち的に行われるが、実地指導は行政側と事業者側が日時調整したうえで、その際に備え置くべき書類等も事前に示された中で行われるものである。

このように事前に日時やチェック書類が示されたうえで定期的に行われる、「実地指導」とは、そうした監査とは異なるということを理解せねばならない。

実地指導は介護事業者の適正運営を手助けする行政指導であって、法令解釈の誤解を正すなどの、「助言」を主たる目的にしている。それは介護事業者が不適切運営を行っているという前提で行われるものではないのである。

まともに経営されている介護事業者であれば、多少の指摘事項があるからと言って、それが問題視されるわけではないのである。運営基準等の解釈に誤解や見落としがあるだけで、即指定取り消しという事態にはならないのだから、どういうアドバイスを受けられるかと楽しみながら実地指導を受ければよい。

費用返還指導があっては困るという人がいたりするが、それは算定基準を理解していないで間違った請求をしているか、不正請求をしていない限りあり得ないことで、日ごろから事務担当者等が算定要件をチェックして、正しい請求を行っておればおればよいだけの話だ。

仮に間違った請求をしていた場合は、実地指導で書類を整えても、間違った請求分は返還する必要があるのだ。それを隠した場合、そのこと自体が指定取り消し事由になってしまうので、実地指導で慌てふためくのは無駄でしかない。

僕が社福の総合施設長を務めている間は、実地指導の際に担当職員等に伝えていたことは、『指導担当者は介護事業者に行政指導をすることが仕事なんだから、何にも指摘事項がないとがっかりするべさ』・『口頭指導レベルでは、少しは指摘できる事柄も残しておいてやった方がいいっしょ。』ということである。

そしていざ実地指導の当日は、僕が管理するネット掲示板に、「実況中継」と称するスレッドを立ち上げ、現在進行形で指導担当者がどんな書類をチェックして、どのような質問をしているのかということを含めて、その結果まですべてリアルタイムで情報提供していた。

指導担当者によっては、そのことを知っており、「これは書かないでくださいね」なんてよく言われたものである。

実地指導なんてその程度のものであり、むしろ行政職員と忌憚のない意見交換をできる貴重な機会であると考えるべきである。

そのな場に、実地指導をアドバイスするコンサルなんて必要なく、実地指導対策をアウトソーシングして、そこにお金をかけるほど無駄なことはないのである。

そういう意味では、実地指導対策の研修に参加することも、時間と金の無駄でしかない。

運営基準と介護報酬の算定基準を読み込んで、それに沿った経営と運営を普通にしておれば、そのような無駄な支出や、時間の使い方はいらなくなるのである。

実地指導対策をアウトソーシングしなければならないような事業者は、経営者を変えるか、担当職員を変えるかせねばならないということだ。

くれぐれも実地指導対策などというくだらないお金の使い方をしないようにしてほしい。

いつまでも実地指導対策として、外部の人間のアドバイスに頼っている介護事業者は、将来的に経営に行き詰まる可能性が高い。そういう職場に勤めている人は、一刻も早く転職先を探した方がよいだろう。
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確定的な介護未来予想図に基づく事業戦略(後編)


確定的な介護未来予想図に基づく事業戦略(前編)より続く》
今後の介護事業経営を考えたとき、事業経営規模の拡大と多角化が必要不可欠であるということは昨日書いた前編で論じた通りだ。

そのためには顧客確保が重要になることは今更言うまでもない。しかし顧客の数が増えると言っても、今のように簡単に通所サービス等に利用者が集まるという状況ではなくなる。

介護市場に落ちる多額のお金を狙って、現在介護事業未参入の異業種営利企業が参入してくることは間違いないからだ。

民間営利企業が介護事業に参入した途端に、この業界で大きなシェアを占める可能性があることは、SOMPOケアの例を見ても明らかであり、そうした民間大手営利企業が今後も介護事業に参入するケースは増えるだろう。

仮に、「結果にコミットする」フィットネス事業者がデイサービスに参入して、そこでも結果にコミットしたとき、結果にコミットする方法を知らない既存の通所介護事業者は生き残っていけるのだろうか?

今現在の通所サービスは、団塊の世代の人々が数多く利用し始めて、顧客数が増加傾向にある。だからこそ、それの顧客のハートをがっちりつかんで、口コミで将来にわたって顧客が増えるように、他の事業所とのサービスの差別化と高品質化は必須である。

団塊の世代は外食する店もネットで検索して選んでいる世代だ。いつまでもカラオケで長々と時間をつぶすデーサービスや、チィーチィパッパの幼稚なゲームに終始する場所には集まらなくなるのだ。

通所サービスの備品として、「タブレット」は必需品となり、それを使ってスマホやアプリの使い方を楽しみながら学ぶことができる通所介護にしていく必要がある。(参照:地域住民から選ばれる通所介護のサービスメニュー

また顧客確保のためには、女性より趣味の幅が狭くて、社交性の足りない男性に、いかに選んで利用してもらえるかということが重要になる。

そんな中で、「外出しないで家に引っ込んでいると認知症になっちゃうから」などと言いながら通所サービスに通ってくる人が増えている。そのことを考えると、認知症予防の取り組みとして、認知症の簡易判定と、それに基づく予防プログラムを利用できるというサービスメニューは、顧客に選ばれるための重要なアイテムになる。「新たな認知機能評価と認知症リハビリの可能性」で紹介しているアプリの利用などは、最適な方法と言ってよいだろう。

定員が決まっていて、顧客を増やすことができない施設サービスは、空きベッドを確実に埋めながら、ベッド稼働率を一定以下にしないことが重要だ。

以前のように待機者が100人を超える状態ではなく、待機者ゼロの施設も多くなっているのだから、ここでも認知症リハビリなどの売りを創って、顧客から選ばれる要素を複数ちりばめておかねばならない。

団塊の世代で、重介護者(要介護4以上)の人の中には、「特養に入所したら、週2回しか風呂に入れなくなる」と言って、それを嫌ってサ高住に入居し、外部サービスを利用しながら1日おきに入浴支援をけている人もいる。それらの人のニーズにも応える改革が必要な施設は多い。

しかし・・・事業規模の拡大と事業種類の多角化は、それを支える人材なしでは不可能だ。とはいっても数合わせの人集めは、「介護ストレス殺人ではなく強姦致死だったという卑劣な事件」などの事件につながりかねない劣悪な人材によって、事業経営を危機に堕とす重大な問題を引き起こす恐れがある。

そのために法人全体で募集・採用・教育を司る専門部署を創り、そこが機能発揮できる組織改革がまず必要だろう。
介護事業経営講演スライド
この画像は僕が行う、「介護事業経営」に関連した講演スライドの1枚である。

このスライドには、今後の介護事業経営のポイントとなる様々な問題と対策が詰まっている。が、それは僕の講演を受講して確認していただきたいと思う。

近直では、「介護事業経営研究会C-MAS全国大会オンライン配信」で、このことに触れるかもしれない。ただ現在は講演内容を組み立て中で、確定はもう2〜3日先ということになるだろう。
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確定的な介護未来予想図に基づく事業戦略(前編)


2024年度の介護報酬改定は、経済復興策最優先の政策も相まって、非常に厳しい改定になると予測する人が多い。

消費税アップ分の報酬改定を含めると、3期連続してプラス改定となっている介護報酬であるだけに、2024年度改定時は、2015年度のマイナス2.27%並みかそれ以上の厳しい改定予測も成り立つ。

しかし改定時の社会情勢にってはどうなるかわからない部分もある。今年度の改定も、その議論が始まった当初はマイナス改定が必至だと言われていたが、コロナ禍という状況が報酬改定にとっては追い風となり、財源が厳しい中でもプラス改定となったわけである。

だから3年ごとの報酬改定のプラス・マイナスや、その率をあらかじめ予測してもしょうがないという面がある。特に介護報酬はサービス種別ごとに差が出るのだから、それらをすべて予測することは不可能である。

だからと言って報酬改定の動向を全く無視して、今後の介護事業戦略を立てることは困難だ。

そう考えたとき必要になるのは、近直の報酬改定状況を後追いしたり、次の改定予測を立てて、それに基づいて経営戦略を考えるのではなく、もう少しマクロな視点から中・長期的な流れを読んで戦略立てすることだ。

日本の高齢者人口の現状や今後の推移を考えたとき、「団塊の世代」という他の世代とはボリュームの大きさがまったく異なる世代が、来年から75歳に達し始めることをまずは念頭に置かねばならない。

その世代の人々は2029年に全員80歳に達し、2039年に90歳に達することになり数を減らしていくが、その世代を追うように、今度は団塊ジュニア世代という次の塊が、2039年にすべて65歳以上となっていくのである。

この状況を踏まえたうえで介護事業戦略を考えねばならない。

例えば、『令和2年版度高齢社会白書』によれば、日本は長期の人口減少過程に入っているが、65歳以上の人口は増加傾向にあり、その数は2042年にピークを迎え、その後は減少に転じると推計してている。この予測はほぼ正確だろうと思える。

つまり介護サービス利用者は、少なくとも2042年までは増え続けるのである。

現在介護給付費の総額は、年間11兆円を超え12兆円に達していると推計されているが、その額は自然増分だけで年間1兆円ずつ増えていくとされている。

しかし税金を国に納める企業の収益は、コロナ禍によって減っているし、所得税を納め年金保険料を負担する生産年齢人口は減り続けているのだから、国の財政は厳しさの一途を辿るのである。

だからこそ国は、社会保障費の自然増を極力抑える政策をとらざるを得ず、一人にかける介護給付費単価は減らされていくことは必然だ。その政策の先には、現在介護給付されているサービスのうち、軽度者の訪問介護や通所介護を、単価の低い地域支援事業に振り替えていくというものがある。

つまり介護サービスの顧客数は増えるが、顧客一人あたりから得られる事業収益は減るということだ。

だからいつまでも地域密着型通所介護を1事業所経営しているだけで、従業員の定期昇給を行いながら事業経営を続けられるなんてことはあり得ないわけである。そういう事業所は根本的な経営体質の改善を図っていかなければ、近い将来廃業せざるを得なくなるのである。

つまり介護事業経営は、必然的に規模拡大と多角経営を目指し、スケールメリットを働かせて収益を確保しながら、どのサービス種別の単価が減られされても、他のサービスでそれを補えるというリスクヘッジを念頭に置く必要があるのだ。

しかし前述したように、介護給付費だけを考えてもサービス利用者が増えるために、その額は年間1兆円増えていくのが確実なのだ。介護給付費だけでも2028年にはその額は20兆円に達する。

コロナ禍の影響で感染対策費などとして、介護市場にはさらに国費等が投入されているのだから、保険外の周辺費用を含めると、介護市場は2025年には100兆円を超える巨大なマーケットとなる。

だからこそ事業規模の大型化と多角経営に成功した事業者は、拡大し続ける介護市場の中で、大きな収益を獲得し、巨額な資産を持つことが可能になるわけである。

さて長くなったので、この続きは次回(明日)更新の記事に書きたいと思うので、「確定的な介護未来予想図に基づく事業戦略(後編)」を引き続き読んでいただきたい。
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社会福祉連携推進法人が施行された際の影響


社福は経営規模拡充の波に乗ることができるか呑み込まれるのかより続く)
最初に私的なことだが、皆さんにも関係深いと思われる情報を一つ報じておく。昨日2回目のコロナワクチン接種を終え、特に副反応も感じられず普通に過ごしていたが、今朝起きると体がだるかった。

そのため検温してみたところ、37度8分迄発熱していた。頓服を呑んでも現時点でその状態は改善していない。ここ2年以上風邪もひかず、発熱もなかった僕は、昨日も特に風邪をひくような覚えはないので、これはワクチン接種の副反応だと思う。1回目のワクチン接種の際は、注射部の筋肉の痛みだけだったので(3日ほどで痛みは引いた)、やはり副反応は2回目に強い症状が出るというのは本当だった。接種の際は、頓服を処方してもらうことをお勧めする。

さて話は変わって今日の本題。

社会福祉法人は、事業規模の多角化・拡大化を図る必要があることや、地域に社会福祉法人が複数乱立していることは好ましい状態ではないと国が考えていることは、昨日の記事で解説した通りである。

日本の人口は減少して地域社会は縮小するのだから、現在のように各地域に事業規模零細な社会福祉法人が乱立していて良いのかという意味もそこにはある。

そのため場合によっては複数の社会福祉法人の合併を図る取り組みの支援を、地域行政が行うことが望ましいとも考えられている。

しかし設立理念や経緯の異なる法人が、合併することの困難さは想像以上である。

そのため昨年改正された社会福祉法には新たに、「社会福祉連携推進法人」というものを位置付けている。
社会福祉連携推進法人
ここで法制化された「社会福祉連携推進法人」の施行は2022年4月とされている。

社会福祉連携推進法人とは、複数の社会福祉法人等がグループ化して設立する法人であり、次の6点が可能となる。
1.地域共生社会の実現に資する業務の実施に向けた種別を超えた連携支援
2.災害対応に係る連携体制の整備
3.社会福祉事業の経営に関する支援
4.社員である社会福祉法人への資金の貸付
5.福祉人材不足への対応(福祉人材の確保や人材育成)
6.設備、物資の共同購入


この中で注目すべきは3である。社会福祉法人は、原則として法人外への資金融通が認められていないが、「社会福祉連携推進法人」としてグループ化された枠内であれば、資金を法人間で融通し合えるのである。それによって資金不足に陥っていた法人が息を吹き返し、新サービスを生み出す可能性も高まる。

6によって様々な物品の購入価格が下がることは必然で、運転資金にも余裕が生まれる可能性がある。

何より人材確保・育成面では大きなメリットが生ずる。全国すべての地域で介護人材不足は深刻で、外国人をいくら雇用しても、すべての介護事業者で数が充足することにはならない。国の施策でこの問題は解決不可能だ。

だから人材を独自に確保して、定着率を上げるための教育システムを構築・機能させることは不可欠であり、そのためには法人内に人材確保と育成に専念できる専門部署と担当者を創ることが重要である。しかし事業規模脆弱な社会福祉法人内に、そのような専門部署と担当者を配置することは非常に難しい問題であった。

しかし「社会福祉連携推進法人」とすれば、そのような専門部門をグループ内に配置して、職員募集と採用・教育をグループ内で一貫したシステムとして構築できる。これによって法人単独で経営していた際より、確実に人材確保は容易になる。

職員の一括採用先には、それぞれの採用法人の給与規定が異なる点がデメリットとして浮かんでくる可能性が高い。そうであればその先にはグループ内での給与規定をはじめとした就業規則の統一化ということが現実化するかもしれない。

それが実現すれば、労務管理もグループ内で一括して行うことができるし、それが非課税法人のメリットを生かした統一給与規定を定めることにつながれば、そのことは民間大手営利企業のブランド力とサービス展開力と対応し得る重要なアイテムとなるだろう。

勿論、こうした法人のグループ化や大規模化にはデメリットも懸念されている。

例えば経営判断の遅延が懸念されているが、グループ内の意思疎通システムをきちんと構築することで、そのデメリットは最小限に抑えられる・・・というか、そもそも事業規模の小さな社会福祉法人で同族経営の法人では、もともと経営能力のない理事長や管理者が少なくなく、グループ化によってこれらの無能な経営者は淘汰されるか、能力の高い経営者に引っ張られて発言力を失っていくかのどちらかであり、経営判断の問題はさしたるデメリットならない。

同族経営こだわって、後継者がいないため法人経営ができなくなるデメリットも、グループ内で経営者を含めた人材を手当てすることで防ぐことができる。それによってグルー内の法人職員を護ることにもつながるのだ。

法人規模が巨大化することで、地域性を鑑みた独自のサービスが喪失されるのではないか懸念する人もいるが、巨大化によって知恵が集まり資金が融通できるのだから、むしろ地域性に応じたサービスの工夫は容易になるだろう。

厚労省は、「社会福祉連携推進法人」を年間10件〜20件認可していく方針を示している。その方針どおり事が進む保証はないが、どちらにしても今後はこの法人が全国津々浦々に誕生していくことは間違いない。

施設・事業所運営しかしておらず、法人経営を行っていない事業規模零細の社会福祉法人は、地域に「社会福祉連携推進法人」が誕生したとき、グループ化された法人と競合できるのか?小規模の民間営利企業は、そうした法人がある地域で利用者や職員を確保していけるのだろうか。

その影響は避けられないし、逆に言えば「社会福祉連携推進法人」とは、それだけ大きな力を持ちうる法人であり、地域の介護事業者のパワーバランスを根底か覆す大きな変革の波となり得る存在である。

今後の福祉経営は、特養・障がい者施設・保育所等を含めた一体経営が求められ、スケールメリットを最大限に生かさないと生き残れない可能性が高い。

それらを総合的に考えたときに、「社会福祉連携推進法人」の設立とそこへの参入は、社会福祉法人の経営戦略として視野に入れておかねばならないことでもある。
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社福は経営規模拡充の波に乗ることができるか呑み込まれるのか


大企業の介護職給与改善の波はどう影響するのかより続く)
社会福祉法人は、給与を含めた職員待遇面での水準については介護業界のトップを走ってきた。

それは措置費時代の社会福祉法人の給与体系が、「国家公務員に準拠する」とされていたためである。準拠というのは一段下がるという意味ではなく、同じくするという意味である。

よって僕が特養に就職した当時は、給料表も国家公務員と同様のものを使っており、賞与も各種手当も同じ水準であった。人事院勧告でベースアップが行われると、その年の4月にさかのぼって昇給とされ、それまでの間の差額まで支給されていたのである。

さらに経験年数の長い職員を雇用している法人には、人件費比率が高くなることで赤字経営にならないように、「民間給与改善費」というものも支給され、経営困難とならない手当までされていたのである。当然退職金制度も公務員並みに整っていた。

このように社福は、非課税という優遇措置に護られてきただけではなく、手厚い措置費にも護られてきたわけで、親方日の丸的な立場でいられたわけである。

だから特養のトップは、経営能力がなくとも運営するだけで切り盛りできたために、役所の天下りが、ただ机に座っているだけで施設長であるとふんぞり返っていることもできたのである。

介護保険制度以後は、「国家公務員に準拠」する規定はなくなったが、それでも措置費時代の給与水準を維持してる社会福祉法人が多いために、社福全体の平均給与は現在でも高水準を保っている。

しかし相変わらず経営をせずに、運営だけで乗り切ろうとする施設長も多く、施設管理中心で法人経営が不在な社会福祉法人が多いことの批判が続いた。

それらの法人は事業規模も零細で、特養を1施設だけ運営し、そこにおざなりのように通所介護事業等を併設するだけの運営スタイルから脱却できず、再生産・拡大再生費用は補助金と寄付が前提で、画一的サービスと同族的経営に終始する法人が少なくなかった。

非課税で守られているにもかかわらず、社会福祉法人減免などの公益事業も行っていない法人も見られた。

社福の経営面では、2016年時点で赤字の特養が全体の32.8%に上り、それらの施設は繰越金を取り崩して運営しているという放漫経営状態も目立っている一方で、多額な内部留保も問題とされた。

そのため2016年の改正社会福祉法の施行では、公益的な取り組みを実施する責務が法律明記され、2017年には経営組織のガバナンス強化と、社会福祉法人の財務規律の強化の取り組みが法律に基づいて実施されるようになった。

そのような中で、社会福祉法人としての経営戦略の練り直しを図らねばならない状況が生じ、給与規定の見直しを図ってきた法人も多いだろう。それらの法人は、SOMPOケアの給与改善後の待遇と比較して、それに負けない待遇が維持できているだろうか。

仮に同程度の待遇であるとしても、SOMPOケアはSOMPOホールディングスという大企業を母体としていることを考えなければならない。特に介護人材確保という部分では、SOMPOケアは広く人材を他業種からも含めて、全国至る所から集めることができるのである。

社福ではない企業が本腰を入れて、社福並みの職員待遇を実現した先には、大企業というブランドと、全国展開するスケールメリットを生かして、社福に対抗しうる様々なアイテムを従業員に提供し得るのだ。

そのことを鑑みた新しい介護事業経営戦略が社会福祉法人には必要になるのである。

社福の経営者は、それらの企業と勝負できる戦略を持っているのだろうか。持たないとしたら数年以内に人材流出が顕著となり、人材確保が困難で事業経営に支障をきたす状態が現実のものとなる。

だからこそ社会福祉法人の事業規模の多角化・拡大化は差し迫った課題であると言える。そうして経営リスクの分散化を図る必要があるのだ。法人規模零細なままで経営が続けられる時代ではなくなっているのであって、一法人一事業は過去の遺物と考えねばならない。

場合によっては複数の社会福祉法人合併という選択肢も視野に入れなければならない。

どちらにしても、現在のように同じ市町村内の社会福祉法人の数が、地域包括支援センターの数より多く存在する状態は、経営効率が悪いとして否定される方向に向かうことは必然の流れだ。

社会福祉法人の経営者はそのことを理解できているだろうか?

そのために、昨年改正された社会福祉法により法制化された社会福祉連携推進法人が、いよいよ2022年4月から運用が開始されるのである。

このことについては明日改めて論ずることとしたい。(社会福祉連携推進法人の法制化についてへ続く)
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大企業の介護職給与改善の波はどう影響するのか


SOMPOホールディングスといえば、かつては損害保険会社大手というイメージが強かったが、介護事業にも参入して業績を伸ばしていることは、今更言うまでもない。

しかし介護事業に参入した時期は、そう早い時期ではなく後発組と言っても良いと思う。しかしその勢いは目を見張るものがあり、Sアミーユ川崎幸町の殺人事件やアミーユ全体の虐待事件を受けて介護事業が立ち行かなくなった旧メッセージの介護事業を買い取った他、ワタミの介護も買い取るなど急激に事業を拡大してきた。

そのSOMPOホールディングスが、傘下にある介護事業会社SOMPOケアの中核職員約1.000人を対象として、2022年度に年収ベースで100万円程度引き上げる方針を固めたと報道されたのは、先月末のことである。これによってリーダー級の介護職員の給与は看護師と同水準である年収約491万8000円まで引き上げられることになる。

原資となるのは居住系サービスの展開など事業拡大で得た収益で、年間で約15億円を新たに投じていくとのことだ。

同社は2019年度にも一定のスキルを持つ介護職員の給与を最大で年80万円程度引き上げた経緯があり、来年度からはそれからさらに上乗せして介護職員の待遇改善が図られることになるのだろう。

同ホールディングスでは過去に、国内損保事業の従業員を介護の子会社などへ配置転換を進めてるので、配置転換で不利益を生じさせないようにするための対策という意味合いも今回の方針には含まれているのかもしれないが、収益を従業員に還元する一連の給与改善は、同社社員だけではなく、介護業界全体の従業員から拍手が送られてしかるべきである。

こうした大企業の方針が、介護業界全体での職員待遇改善の礎になるとしたら、それは大いに讃えられるべきことであると思うからだ。

そういう意味でSOMPOホールディングス経営陣には心より敬意を表したい。

しかしこうした大企業の経営方針は、経営体力の弱い小規模事業者にとっては脅威でもある。同じように給与改善ができる小規模事業者は決して多くはなく、そこから人材流出が起こる可能性があるからだ。

単純に考えても同じ介護という職業に就くなら、給料がよくて福利厚生も充実しているところで働きたいと思うのは当然のことである。

小規模対応でアットホームな雰囲気で利用者対応したいと考える人にとっても、事業規模が大きくとも、そこで展開するサービスの種別の中には、小規模対応のサービスがあり、そこを選んで就業できるとなれば、その点での問題もなくなる。

SOMPOホールディングスは、居宅サービス部門を中心に拡大路線を続けており、その流れは団塊の世代がすべて75歳となる2022年を前に、通所サービスや訪問サービス利用者の増加という潮流を受けてさらに加速されることが予測される。

その中で人材を集めているのだから、給与改善をしない介護事業者から同社への人材の流出が起きることは必然だろう。

そういう意味で他社は今、SOMPOホールディングスとの人材確保競争が激化すると考えなければならない。そこで勝ち残っていくために何が必要だろう。

小規模事業者の中にはいまだに給料表もなく、昇級規定も存在せず、給与アップは経営者の胸先三寸で決定されて、定期昇給があるかないかさえわからないところも少なくない。しかしそうしたところは、人材にそっぽを向かれて事業が立ち行かなくなることは目に見えている。だからこそ早急なる経営方針の大転換が必要だろう。

事業規模の拡大を図って、提供できるサービス種別も多角化していく必要があることは、このブログで再三指摘してきたところだ。そうしない介護事業者は消えてなくならざるを得ない。

そうであればその影響は、小規模事業者が大企業に吸収合併されていく流れもがきてくるという形で見えてくるかもしれない。小規模事業者同士の経営統合も視野に入れる必要もある。

どちらにしても定期昇給もままならない事業規模(例えば地域密着型通所介護のみの経営スタイル)の事業経営は成り立たなくなるだろう。

そうした危機意識を持たず、職員待遇も旧態依然の状態を放置する介護事業者に勤めている方は、そうしたところをできるだけ早く見放して、自分のスキルアップとステージアップのための積極的な転職を考えることはあって当然だ。

特に能力のある人は、引く手あまたなのだから、きちんと情報を集めて、自分のスキルに見合った転職先を探して罰は当たらないだろう。

SOMPOホールディングスが示した、平均給与モデルは、その際の参考になるのではないだろうか。

そんな新たな流れが生まれる中で、給与を含めた職員待遇面では介護業界の先頭を走ってきた社会福祉法人は、その影響をどんなふうに受けるだろうか。

これから何が起きるだろうか。そのことは明日詳しく論ずることにしたい。(社福は経営規模拡充の波に乗ることができるか呑み込まれるのかに続く)
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通所介護に吹きはじめた風を掴むために


通所介護に新しい追い風が吹き始めている。

来年から団塊の世代が75歳に達するようになり、後期高齢者数が爆発的に増えていくが、それは在宅で生活する軽介護者の増加と一致する。

その人たちが必要する介護サービスは、身体機能を衰えさせないように、心身が活性化できるサービスである。

疾患後遺症の治療としてのリハビリテーションではなく、健康保持のための機能訓練ニーズも高まってくる。

そのためこのところ通所介護を利用する人が増えている。

それが証拠に、通所介護事業所数が増え続ける中で、過当競争となり顧客確保が困難となっていた地域でも、新規利用の顧客が増えて定員が埋まったという事業所が少なくない。待機者が増えて定員の増加を考慮している通所介護経営者の声も聴こえてくるようになった。

少なくとも今後3年間は、その上昇カーブが続くことは間違いない。定員規模を増やして、経営基盤を強化することも可能となるだろう。

しかしここからが通所介護事業の正念場である。

最速で次期制度改正の際には、軽介護者の通所介護の地域支援事業化という逆風が吹き荒れることを忘れてはならない。

国は2020年度から一般会計予算において、インセンティブ交付金を400億円と増やし(2019年度の倍)、この交付金を「一般介護予防事業」の「通いの場」の拡充とリンクさせて、その確保を図っている。

さらに本年4月から第1号事業(総合事業)の対象者について、「要支援」から「要介護」になっても、それまで受けていた総合事業の利用が継続できるように見直した。これによって要介護認定を受けても、市町村の総合事業である通所型サービス(第1号通所事業)を継続利用する人が増えることが予測される。

要介護1の認定を受けた人が、介護給付の通所介護を利用せず、通所型サービス(第1号通所事業)を利用し続けるということは、それが本人の希望の結果とはいっても、事実上要介護1の対象者の一部の人たちが、通所介護の介護給付除外を受けていることと同じと言える。

2024年の制度改正に向けて、このような準備が着々と進んでおり、市町村の通いの場が充足したと判断されれば、24年から要介護1と2の通所介護は市町村事業に移行させられていくのである。

勿論その際も経過措置期間はあるだろうし、現行のように通所介護事業所が市町村から通所型サービス(第1号通所事業)の委託を受けてサービスを継続することは可能だろう。しかし経過措置は最大で3年間だろうし、給付費単価は今よりずっと下げられることは間違いないところだ。

そうであればその時に、単価の安い市町村の委託偉業を受けながら経営を続けられるように、委託サービス利用者を今以上に数多く受け入れられるようにすることや、要介護3以上の方のサービスも充実を図って、事業が急に萎まないようにしなければならない。

顧客確保に困らないことに胡坐をかいて、経営努力を怠る先には荒野が待っている。利用者の急激な減少という荒波に呑まれ、一気に倒産という憂き目にあう通所介護事業所も少なくないだろう。

そうならないように今からしておくことは何だろう。まずは今通所介護に通っている人、これから新規に受け入れる人のハートをがっちりと掴んでおくことだ。

サービス利用者の中心層は、「団塊の世代」の人々に移っていることを自覚して、その人たちの特徴やニーズに沿ったサービス提供が必要だ。

団塊の世代の人たちは、日本の経済成長の中心にいた人たちであり、上下関係に厳しく、権利意識も強い人たちだ。しかもPCや携帯電話は当たり前に利用しているし、スマホやタブレットを使いこなしている人も少なくないという世代だ。

通所介護の評判もSNSで確認したり、ラインで情報交換することが当たり前になってくる。

顧客に対して、「タメ口」で接することを簡単に許してくれる世代ではないのである。

だからこそ、利用者が増えている今、しっかりと職員にサービスマナー意識を植え付けて、顧客の口コミで顧客が増えていくという流れをつくらねばならない。

サービスメニューも、スマホやタブレットを利用した新たな展開を図っていかねばならない。(参照:地域住民から選ばれる通所介護のサービスメニュー

近い将来には、通所介護の対象者が要介護3以上となることを見越して、重度の人たちを数多く受け入れられるように、職員の知識や技術も高めていかねばならない。

通所リハビリから通所介護への移行が促進されるという風も掴んでいく必要があり、それを見越して通所リハビリ事業所との連携も視野に入れておく必要がある。(参照:通所リハビリの新経営戦略

しなければならないことはたくさんあるが、まずは職員のサービスマナー意識を向上させて、接遇ができる事業所を創り、それを基盤に顧客に対するホスピタリティ意識を高めることである。

それは必ず団塊の世代の人々のハートをつかみ、地域での評判と結びつき、状況がどう変化しても顧客確保に困らず、事業経営に支障をきたさないことにつながっていくだろう。

逆に言えば、職員にサービスマナー意識を植え付けないままで、サービスメニューをいくら工夫し増やしたところで、それは底の浅い対策と言わざるを得ず、荒波の前には何の役にも立たないだろう。

まずは定期的なサービスマナー研修をしっかり実行することが大事だ。そこから始めよう。
追い風を掴め
どうかこの追い風をしっかりつかんで、明るい未来につなげてほしい。
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通所リハビリの新経営戦略


※UCHIDAビジネスITオンラインセミナー福祉版・解釈通知・Q&Aから読み取る令和3年度報酬改定の影響と課題 〜居宅介護支援と施設サービスの報酬改定の詳細分析〜は、本日午後7時からの配信が最終回です。どうぞお見逃しなく
今年度から、介護予防サービスのリハ職の訪問・通所サービスは、1年を超えてのサービス利用について報酬を減額算定するルールが設けられた。

予防訪問看護のセラピスト派遣と予防訪問リハビリでは、1年を超える利用の場合、基本サービス費が5単位減算される。

予防通所リハでは同じく1年超えの場合、要支援1で20単位減算・要支援2が40単位減算である。

予防通所リハビリは月額定額報酬で、要支援1は月平均4回利用、要支援2は月平均8回利用を想定して単価設定しているので、今回の減算は1回の利用について5単位の減算という意味となり、予防訪問看護と予防訪問リハと同レベルの減算単位であると言ってよい。

この取り扱いは解釈通知で、「令和3年4月から起算して 12 月を超える場合から適用される」とされているが、同時にQ&A・Vol3では、「法第 19 条第2項に規定する要支援認定の効力が生じた日以降で、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による当該サービスを利用開始した日が属する月をもって、利用が開始されたものとする」とされた。

そのため昨年度から利用している人は、昨年度の利用月から起算するのではないかという混乱を生じさせたが、上位法令である解釈通知が優先適用されるので、この意味は、「昨年中からサービス利用している場合は令和3年4月から起算し、令和3年度から利用開始した場合は、当該サービスを利用開始した日が属する月をもって、利用が開始されたものとする」という意味となる。

だがこの減算はこれで終わりではなく、始まりである。今回は1回につき5単位減算に留まっているが、24年の報酬改定ではその減算額がさらに増やされる可能性が高い。

そもそもこの減算の意味は、要支援者については医学的リハビリの必要性は高くないのだから、できるだけ早期に医療リハビリから、福祉系機能訓練へと移行せよという意味合いが強い。そうなると通所介護は予防給付がないので、市町村の地域支援事業である第 1 号通所事業に移行させるという意味だが、その単価は週 2 回程度(事業対象者、要支援 2)の場合で3,428 単位である。

予防通所リハビリの1年超え減額単位は、要支援2で3999単位−40単位=3959単位であるから、その差はまだ500単位以上あるわけである。

すると次の報酬改定では、減額単位を要支援1で40単位、要支援2で80単位としても、第 1 号通所事業よりまだ高い単位を算定できることになり、予防訪問看護と予防訪問リハは1回の利用について10単位減算ということが現実味を帯びてくる。

しかもこの減算は予防給付に限ったことではなくなる可能性が高い。

今回の基準改正で通所リハビリについては、「指定通所リハビリテーション事業所の医師が利用者に対して3月以上の指定通所リハビリテーションの継続利用が必要と判断する場合には、リハビリテーション計画書に指定通所リハビリテーションの継続利用が必要な理由、具体的な終了目安となる時期、その他指定居宅サービスの併用と移行の見通しを記載し、本人・家族に説明を行う。」とされた。

この規定は今回、努力義務規定でしかないが、介護給付の通所リハビリにもゴールを設定して、できるだけ通所介護に移行させるという流れがはっきりと示されていることは間違いのないところだ。

すると次期改定以降に、介護給付の通所リハビリにも1年以上の利用超え減算が新設されない保証はない。医療系リハビリテーションはできるだけ早期に、福祉系機能訓練へと移行させる圧力は強くなることはあっても、弱まることはないのである。

通所リハは、通所介護のように軽介護者の給付外し(要支援1と2の利用者の通所介護を総合事業化すること)は行われないと言われているが、軽介護者の通所介護が市町村事業に移行された以後は、通所リハの軽介護者の単価は減額が必至であるし、移行圧力も高まることは確実だ。

その流れを見ながら今後の通所リハ経営を考えたとき、ある戦略が見えてくる。それは通所リハの移行先を、自法人の中に組み込んで一体経営する戦略だ。

通所リハビリは老健が併設している事業形態が多いが、その中には通所リハ事業所を複数経営しているところもある。そういう一体経営に加えて、通所リハビリと通所介護とを同じ法人内で一体的に経営することで、法人内で利用者に対してスムースに移行支援が可能になる。

母体医療機関で急性期リハを終えた人が、法人内の老健で回復期リハを行い在宅復帰を支援し、在宅復帰した後は慢性期の一部の期間、併設の通所リハと訪問リハを利用しながら在宅生活を支え、一定期間を経て、同じく法人内の通所介護に移行していくという流れができれば、利用者の情報管理も法人内で一体的にできて、継続的な支援が可能になる。

加えてこうした医療系・福祉系サービスをミックスして経営することで、法人内で職員の適正に合わせた、様々な職場環境が提供されることにもつながり、人材確保面でもプラス作用が働くのではないだろうか。

今後の介護事業経営は、利用者単価の減額を見込みながら、介護サービス利用者は当面増えるのだから、顧客の数を確保することで収益はまだ上がっていくことを視野に入れなければならない。それに加えて解決策が見えない人材確保問題と向き合いながら戦略を立てるとなると、事業規模の拡大と事業種類を増やした多角経営の中で、顧客と人材をある程度囲い込んでいかないと埒が明かなくなることを見込んでいかねばならない。

囲い込みはという言葉は、ネガティブな意味として使われることが多いが、スケールメリットを十分働かせ、利用者の福祉の向上と、従業員の待遇の向上につながる囲い込みは事業戦略として正しい方向と言える。

だからこそネガティブなイメージに惑わされずに、ポジティブな囲い込みの戦略を立てていく必要がある。
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目に見える改革の成果


いくつかの介護事業者に顧問やコンサルタント・外部講師として関わっている。

関わり方は個々の契約事項なので様々な形だが、その中には既に5年以上にわたって関係を持ち、定期的に訪問している介護施設もある。

職員の虐待が明らかになったことがある介護施設では、それ以前から当時の施設長の独善的な方針と態度によって、やる気を失った職員に不平・不満が広がっていた経緯もあり、一時期職員の退職者が大幅に増え、それに対して欠員補充もままならずに、慢性的に職員不足・業務過多という状況が続いていた。そのため、ますます働くずらい職場・従業員が集まりにくい職場になっていた。

こういう職場は職員募集の方法を工夫して、応募者が増えるようになっても職員が充足することにはならない。採用する職員が増えたとしても、定着せず短期間に辞めてしまう人数が増えるだけの結果にしかならないからだ。

この施設の場合、経営者である理事長が覚悟を決めて、当時の施設長をはじめとした管理職等を大幅に刷新したうえで、僕をはじめとして幾人かの外部の専門家とアドバイザー契約をして、経営刷新・現場改革に取り組んだ。

この時点でお金と時間を掛けて改革に取り組む覚悟を持った理事長の英断がこの施設を大きく変えていくことになったのである。

人が少ないからそれ以上の人員減少がないように、辞めるのを恐れて十分な教育上の注意・指導ができなくなっていた風潮を改め、スタッフ教育も一からやり直して、法人としての方針を明確にしたうえで、それに従うことができない従業員は辞めていただいても良いという方針を取った。

加えて介護施設のケアサービスの本質は、利用者の暮らしを豊かにするものであるとの理念を実現するために、介護マニュアルの見直しから始まり、スタッフ間の業務分掌の明確化、コミュニケーションの改革、サービスマナーの確立などの課題解決に心を折ることなく取り組んできた。

その後紆余曲折があり、その途中では指定ベッド数の補充率が一時7割を切り、ショートステイも一時休止せざるを得ないという厳しい経営状態に陥る時期を経てきたが、改革をあきらめずに続けてきた。

その成果は職員の充足率の改善に直結している。

昨年度1年間で介護スタッフの退職者は、「寿退職1名」のみで、補充採用も既に終えており、出産育児休業者が数名いるものの、その人たちも復職意思が強くあり、新年度の求職者には、「次の募集があるまで応募をお待ちください」というアナウンスができるようになった。

勿論、ベッド稼働率は入院者を除いて100%である。何より異なるのは、職員のモチベーションである。今いる職員の半数以上は、虐待事件が起きた当時の施設を知らない人であるが、彼ら・彼女らの表情は豊かで、笑顔も多く見られている。

上司の呼びかけに返事も返すことなく、殺伐とした空気の中で、いくつもの小さな仲良し集団に分かれて、他のグループとはまともな会話も交わさずに、業務が流れ作業のように行われていた当時とは同じ施設とは思えない雰囲気である。

この施設では今でも年1回だけ、「サービスマナー研修」を担当させてもらっているが、それも確認するというレベルでしかなくなった。職員間にはマナー意識が確立され、新人職員も先輩の態度や言葉遣いを見て・聴いて、正しい対応方法を覚えている。20代の若い職員が利用者に対して、「かしこまりました」と普通に応えている姿は頼もしく見える。

毎月マナー研修を行って、それでもなかなか成果が出なかった時期を思い出すと、それは隔世の感がある。

しかしここまで来るのには、約5年間という月日を要しているのだ。良い方向に流れるようになったことを実感できるようになったのも、改革を実行して1年半を過ぎたころからであったように記憶している。

この間、僕は何人のスタッフに、「介護の仕事に向いていないんじゃないの」・「その考え方では、ここで働き続けるのは難しいのではないですか」と肩たたきをしたことだろう・・・それだけ一旦荒れた職場を元に戻し、それ以上に引き上げていくには時間とエネルギーが必要になるということだ。

だから今、健全な状態の職場であればあるほど、その状態を保つための検証とメンテナンスは欠かせないと考えなければならない。マンネリズムは転落の大きな落とし穴になるし、言葉や態度のちょっとした乱れが、大きな感覚麻痺を生むので、「介護サービスの割れ窓理論」は常に意識の内に置いておかねばならない。

健全な状態を保つことは、今のままに留まっていることでは実現しない。健全なる職場環境とは、改良を常に続けていくことでしか保持しえないことを思い知らねばならない。
5/22鷲別川沿いの八重桜
※画像は、今朝5/22午前7時頃の鷲別川沿い(自宅横)の八重桜です。
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署名・押印廃止は業務軽減になっていません


今日からいよいよ新年度である。改定された介護報酬も今日から適用される。

そのことに関連して表の掲示板のスレッドの一つには、「利用料金変更同意書の説明・同意が3月中に終わらなかったが問題ないか」という書き込みがある。

問題は大有りである。おそらくコメントの主は、4月分の報酬算定を行うのは5月にずれ込むのだから、4月中に同意を得られれば問題ないと考えているのだろうと思うが、新報酬体系に沿った費用発生は今日の時点から始まるのである。

そうなると基本報酬などについては、「報酬の改定に合わせて算定される」という契約を交わして居れば、変更同意がなくとも算定に問題はないが、新設加算や新設上位区分加算等は、それらとは全く別の費用なので、同意がない時点で算定不可である。4月のある時点で同意を得た場合は、同意日以前の新設加算算定は不可であり、算定した場合は返還指導を受ける対象費用となるので注意が必要だ。

ところで利用料金の変更同意を含めて、書面同意が必要とされていた行為について、新年度から適用される運営基準では、それを電磁式方法に変えることができる規定が加えられている。

利用料金変更に伴う重要事項説明の同意のほか、各サービス計画書についても、利用者、家族から同意を得る際に、必ずしも紙の書類を用意する必要がなくなっているのである。

例えば指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準について(平成12年3月17日老企第43号)の当該部分は以下の通りである。
--------------------------------------------------------
2 電磁的方法について
基準省令第 50 条第2項は、入所者及びその家族等(以下「入所者等」という。)の利便性向上並びに施設等の業務負担軽減等の観点から、施設等は、書面で行うことが規定されている又は想定される交付等(交付、説明、同意、承諾、締結その他これに類するものをいう。)について、事前に入所者等の承諾を得た上で、次に掲げる電磁的方法によることができることとしたものである。
⑴ 電磁的方法による交付は、基準省令第4条第2項から第6項までの規定に準じた方法によること。
⑵ 電磁的方法による同意は、例えば電子メールにより入所者等が同意の意思表示をした場合等が考えられること。なお、「押印についてのQ&A(令和2年6月 19 日内閣府・法務省・経済産業省)」を参考にすること。
⑶ 電磁的方法による締結は、入所者等・施設等の間の契約関係を明確にする観点から、書面における署名又は記名・押印に代えて、電子署名を活用することが望ましいこと。なお、「押印についてのQ&A(令和2年6月19 日内閣府・法務省・経済産業省)」を参考にすること。
⑷ その他、基準省令第 50 条第2項において電磁的方法によることができるとされているものは、⑴から⑶までに準じた方法によること。ただし、基準省令又はこの通知の規定により電磁的方法の定めがあるものについては、当該定めに従うこと。
⑸ また、電磁的方法による場合は、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱のためのガイダンス」及び厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守すること。
-----------------------------------------------------------
ここには、「例えば電子メールにより入所者等が同意の意思表示をした場合等が考えられること。」と書かれているので、同意していただくべき内容の通知文をメール添付して送り、それに対しメールを受診した人が、「同意します」と返信するだけでよいではないかと思ってしまうが、規定全文を読むとどうやらそうではないらしい。

同意の証拠は、「電子署名」の活用が求められているが、これは費用が発生するものである。電子署名自体を無料で使えるようにしているベンダーもあるが、署名が無料でも、その署名を一定期間保存するための費用が発生したりするので、安易に活用できるものではない。

また遵守せよとされているガイダンスとガイドラインは、前者が70頁以上・後者に至っては150頁以上という読むのさえ容易ではないものである。そこで示されている様々な規定は、介護事業者にとってはあまりにも高い壁であると言える。

本来は署名・押印が廃止され、同意も電磁的方法で良いとなれば、介護事業者が利用者や家族が説明して同意を得た、「記録」があれば問題ないはずである。しかし運営基準ではそれを認めていないということになる。

よって今回、紙ベースの同意に変えて、電磁式方法を取ることは可能ではあるが、その方法は従前の紙ベースの同意書に署名していただく方法より、ずっと煩雑で面倒くさい方法となってしまっている。

そのため相変わらず料金の変更同意も、書面同意をいただく方法としている介護事業者が多いだろう。現時点ではそれもやむを得ないことである。

従前より便利になった点としては、せいぜいオンラインによる重要事項の録画配信が活用できることくらいであろうか。しかしそれは基準改正の手柄ではなく、コロナ禍でオンラインツール活用が進んだ結果でしかない。

このように厚労省が音頭を取って進める業務の省力化とは、官僚の頑なな思考回路に阻まれて、いつも介護現場には機能しない絵に描いた餅に終わっている。

コロナ禍で自粛を呼びかけながら、自分たちは夜の宴会を自粛しないという柔軟な思考回路も持っているのだから、それを運営基準改正にも生かしてほしいと思うのは僕だけだろうか・・・。

どちらにしても今回も、「使えねえ基準改正」に終わったことは間違いないところだ。
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小規模多機能居宅介護の経営戦略


国が訪問介護を見捨てる理由より続く)
プラス改定の恩恵が薄く、高騰する人件費に対応することが難しくなる訪問介護事業は、現役ヘルパーが高齢化し、リタイヤの時期を迎えても後継ヘルパーが見つからず、廃業に至る事業所が増えてくる。

このことは決して外れない予測であり、訪問介護事業自体が先細っていかざるを得ないのが、我が国の介護業界の今後の動向である。

サービス資源が少なくなる訪問介護に替わって、より必要性が増すサービスが小規模多機能型居宅介護(以下、小多機と表記)である。

国も小多機の事業所数がもっと増えて、そのサービスを利用する人の数も増えることを期待しており、平成18年度にこのサービスが制度に位置付けられた際には、登録定員が最大25人であったものを、平成27年度報酬改定時に29人まで引き上げ、登録定員18人のサテライト事業所を持つことも認めるなど、収益増につながる仕組みを作り上げてきた。

そのような中、今回の改定では月額定額報酬制の同サービスの基本部分引き上げ額は、要介護1が59単位、要介護2で86単位、要介護3は126単位、要介護4は138単位、要介護5は153単位とされている。短期利用も3単位/日〜5単位/日引き上げられている。

この引き上げ幅は意外と少ないと感じている関係者も多いのかもしれない。なぜなら小多機については、収益増につながる加算がそう多くはないからだ。僕個人的には、通いサービス部分については、通所介護と同様に個別機能訓練加算があっても良いと思うのだが、それもないわけである。

だからこそ新設された、「科学的介護推進体制加算」は是非とも算定しなければならない。4月から新加算を算定するために、今月15日までにCHASE登録が必要となるが、それはもうお済だろうか・・・。

さてそのような中、小多機の運営基準改正では、登録定員及び利用定員を超えてサービス提供ができないとされていた運営基準が、「過疎地域その他これに類する地域において、地域の実情により効率的であると市町村が認めた場合は、一定の期間登録定員及び利用定員を超えてサービス提供ができる」と変更され、この場合は3割減算ルールも適用されないこととなった。

またすべての地域に関わるルール変更としては、「短期利用居宅介護費」について、現行は空き室があっても登録者以外の利用を認めていなかったルールを変更し、空き室がある場合に登録者以外の利用も認めている。

これは大きなルール変更だと思う。なぜなら登録者は、既に当該小多機事業所を使っている人で、将来にわたりサービス利用する意思のある人であるが、登録者でない人というのは当該小多機事業所を利用する意思がまだない人である。

そのような人が何らかの事情で、小多機の短期利用サービスを利用することがきっかけで、小多機サービスそのものを使いたいと登録してくれる可能性があるのだ。つまり登録者以外の短期利用居宅介護の利用は、新規の顧客確保につながる可能性があるからである。

短期利用居宅介護を利用した人がすべて、その後に小多機の新たな顧客に結び付くわけではないのだからこそ、短期利用居宅介護を利用した人がいかにその後登録者となり、短期利用居宅介護が新規の顧客確保につながるかということが、小多機の事業戦略の一つとして大きなウエートを占めてくる。

そうであるがゆえに、短期利用居宅介護を初めて利用する登録者以外の方が、いかに満足して短期利用を終えて家に戻るのかが問題だ。この入り口で職員対応のまずさから顧客に不快感を与えてしまえば、新規顧客確保のための利用が小多機事業所の評判を落とす要因にさえなりかねないわけである。

だからこそ、どの顧客に対しても不快感を与えず、気持ちよくサービス利用していただくために、すべての職員が「サービスマナー」を身に着け、ホスピタリティ意識を高く持って、顧客に接することが必要とされるのである。無礼な馴れ馴れしいタメ口で接して、短期利用者に不快な思いをさせ、せっかくの顧客を失ってしまわないような職員教育が求められるのである。

小多機事業所の中には、そんなに躍起になって登録者を増やさなくても、自分のところは既に登録者定員に達しているとうそぶいている人がいるかもしれない。

しかしこのブログでは何度も指摘してきたが、小規模事業者は収益構造が脆弱なのである。職員が毎年定期昇給しながら経営の安定化を図ることができるようにするためには、経営規模を拡大していくことが必然となるのだ。

小規模事業者としての個性やメリットを生かすと言っても、小規模事業者の数は法人もしくは事業者内で増やしていかないと、従業員の給与を含めた待遇改善を図ることは難しくなる。そうなれば同業他事業者や異業種へ人材が流れてしまうのである。しかも有能な人材から流出は始まるので、それは即ち経営危機に直結する問題でもある。

だからこそ登録定員に達している小多機事業所は、さらに新規事業所を立ち上げる方向で事業戦略を立てる必要がある。

そもそも小多機事業所は登録定員18人までのサテライト事業所を二箇所持つことができるのだから、まずは29、18、18という最大で65名までの登録形態を目指すべきである。そのためには利用者の確保が重要になるのである。

その為には短期利用居宅介護を初めて利用する登録者以外の方が、その利用をきっかけにして登録者となってくれる確率を上げていくことが重要となってくるということを改めて肝に銘じ、初対面のお客様に丁寧に接し、気持ちよくサービス利用を終えていただくことができるサービスの質をつくっていく必要がある。

このことを肝に銘じて事業経営者・事業管理者は、職員を育てていく必要があるのだ。
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報酬改定内容を全職員が知らなければならない理由


介護関係者がネット掲示板やSNSを通じて、「現在、CHASEの活用を検討しています」といった内容の書き込みをしているのを目にする。

はっきり言って馬鹿かと思う。

CHASE(4月からはVISITと統一化されLIFEに名称変更されるため、以下LIFEと表記を統一する)は活用するかどうかを介護事業者が判断するというレベルでの問題ではないのだ。

介護報酬改定では、施設系サービス(介護療養型医療施設を除く)・通所系サービス・多機能系サービス・居住系サービスに渡って、「科学的介護推進体制加算」が新設され、その算定要件としてLIFEへの情報提供とフィードバック活用が要件とされているのだ。

そのほかの新設加算や、現行加算の上位区分に位置付けられる加算等にもLIFE要件が加えられているものが多数あり、それらの加算を算定するためにはLIFEに登録しなければならないのだ。加算を算定して収益を確保するためには、それは必然の行為なのだということを理解せねばならない。

このLIFE要件の加算を全く算定しなくてよい事業者ならそれは必要ないだろう。(※例えば居宅介護支援事業所訪問リハビリ以外の訪問サービスショート単独事業所はLIFE関連加算がないのだから必要ないと言える。)

しかしLIFEに関連する加算が一つでもある事業にとって、LIFE登録は必然であり、例えば基本報酬が実質マイナス改定となっているサービス(老健などはそうなっている)にとっては、LIFE関連加算を算定できるか否かは、事業経営が続けられるかどうかに関わってくる問題である。

今の時期はCHASE活用の検討なんかしている暇なんてなく、既にLIFEへのデータ提出に備えてその実用に備える段階なのだ。

だからこそできるだけ早くCHASE登録して(登録情報はそのままLIFEに引き継がれる)、データ送信作業に精通しておく必要もあるし、自分が所属する事業者で使っている請求ソフトが、LIFEと4月時点で連携できるかを確認しておく必要があるのだ。(参照:請求ソフトとLIFEの互換性

ところでいざLIFEに情報を提出する段階になった場合、その担当者はおそらく請求担当者となるだろう。なぜなら前述したようにLIFEと請求ソフトは互換性をもって連携できるようにシステム化しているのだから、請求事務に携わる者がデータ送信作業を行うのが最も合理的方法となるからだ。

しかしこの役割及び作業については請求担当者が一人で担って完結できるものではない。提出するデーターは介護の現場にあるデータであり、データを提出後にフィードバックを受けた内容をPDCA活用するのも、介護現場で業務に携わる者の役割だからだ。

しかもLIFEが求めるデーターは個人ごとの、給食・栄養・身体状況・疾病状況・リハビリ内容等生活全般に関連する情報だから、全職員が何らかの関与をしていかねばならなくなる。介護サービスに携わる職員の業務負担は確実に増えることになるのだ。

だからこそ新設加算の構造や算定要件・LIFEとは何かなどについて全職員に周知しておく必要がある。それをしないでおくと、職員は新たに求められる業務が何のために行わなければならないのかわからない状態になる。自分が日常的に求められる業務の意味や目的がわからない状態で、仕事に対するモチベーションが上がるわけがないのである。

何のために働いているのか、何の意味があってこの仕事をしなければならないのかがわからない状態は、バーンアウトにつながる最も危険な因子である。

自らの職場で働く従業員がそうした状態に陥らないように、全従業員が意思統一して目的を持って働き、仕事のパフォーマンスを向上させるためにも、自分が働く職場に関連する介護報酬改定内容や基準改正内容を知る必要があるということだ。

だから全職員を対象にして、所属事業の報酬改定・基準改正内容を説明する機会は必ず設ける必要がある。そこで変更点等をもれなくわかりやすく説明しなければならない。

僕自身は報酬改定の要点についてオンライン講演等も配信し、そこには毎回500名以上のアクセスがあり好評を博しているが、自分が知りたいサービス種別について、もっと深く知りたいなどの希望がある方もいたであろう。

その場合は是非自分が所属する事業者などを単位とした報酬改定研修会を企画して、僕に講師としての解説を依頼していただきたい。オンラインだと僕の自宅から配信できるので、交通費や宿泊費はかからない。是非メール等で気軽にご相談いただければと思う。(✉ masa@akai-hana.jp)
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出だしが肝心になる新設事業所


新年早々の1月17日に、かつて僕を講師として高知に招いてくれた福の種合同会社の木村社長からメールが送られてきた。

早速メールを開くと、「2月6日に久万高原町で講演を行うのをHPで知ったので、是非その際に高知まで足を延ばして、弊社の新規事業所のオープンスタッフ研修もお願いしたい」という内容だった。

福の種合同会社は、高知市内にリハビリ専門のデイサービス「アルコデイトレセンター」や、それらの事業所に併設して経営する「ふくのたね保育園」などの事業を展開されているが、この3月から新たに小規模多機能居宅介護 ケセラ介良(けせらけら)をオープンさせる予定だという。(※高知市の介良:けらという地域にオープンする事業所のために、このネーミングにしたそうである。)

そのオープニングスタッフに、オープン当初からサービスマナーを護った利用者対応ができるように、教育係として僕にお声をかけていただいたわけで、責任重大だ。

昨日の日曜日は、久万高原から高知市に移動した足で、新規オープンスタッフさんだけではなく、近隣の事業所さんにも向けて介護報酬改定の要点についての講演を3時間半の時間で行ったが、今日はいよいよオープニングスタッフの教育本番である。

朝9時という早い時間から夕方5時までの長時間講演。午前3時間のあと休憩1時間をはさみ、午後からは4時間講演だ。

ということで今、その休憩の合間に記事更新している。午前中は、「介護の誇り〜職員のやる気を引き出す実践論」というテーマで、根拠に基づいた正しい介護実践法をレクチャーした。

立ったままで食事介助することがなぜダメなのかということや、高齢者に対し一律に1500ml/日という大量の水分補給がいかに生命の危険を招いているかをはじめとして、介護の場で当たり前のように行われている間違った方法論が、いかに利用者の心身を悪化させているか、事故や苦痛につながっているかを理解していただいたので、午後からは4時間みっちりマナー教育である。

このブログで何度も書いているように、サービスマナーは意識を変えて、意識を高めて、マナーのありようを替えようとしても無理で、職場のルールとして賞罰を伴って、厳格に実施を促す必要があるものだ。

今回、経営者の肝いりでそれを行い、職員に協力にその実践を推し進めるのだから、期待が高まる。

一旦マナーが身に着いた職場では、ことさらマナー教育を行わなくとも、ごく自然に先輩職員から後輩に日常のマナー教育がOJTの中で行われ、「利用者にタメ口なんで信じられない」とい口にする若者を生み出している。(参照:職場全体でサービスマナー向上に取り組んだ成果 ・ マナー意識が浸透する事業所と浸透しない事業所の違い

きっと数年後には、ケセラ介良(けせらけら)の職員の皆様が、高知市のサービスマナー実践の最高峰に立って。他の事業者の前を走る事業所になるように、僕もこれから長くかかわりを持ちたいと思う。
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職場改革は職員の意識改革からというのは大間違い


介護事業者の看板さえ掲げれば顧客確保に困ることはなく、経営戦略も立てられないような経営能力のないトップをいただいていても収益が挙がり、事業を継続することに困らなかった時代は過ぎている。

公費運営を中心としなければならない介護事業ではあるが、人員確保が常に困難な状態が続き、この人材難が解消される目途も経たない中で、介護給付費が人件費の伸びを下回る水準でしか上がっていない状況において、今後10年先〜20年先の介護事業経営を考えれば、事業を多角化・広域化・大規模化して、スケールメリットを最大限に発揮させて事業経営の安定化を図らねばならない。

そのために何より必要なことは顧客確保である。一人一人の顧客単価は下がり、収益率は下がると言っても、介護サービスを利用する人の数は今後も増え続け、毎年介護給付費だけで1兆円以上増加していくのだから、顧客確保の競争に勝ち残った先には大きな収益を挙げることが可能になる。それを職員にも還元することで、よりスキルの高い人材を確保することにもつながり、人材確保面でも優位な立場に立つことができるからである。

その為には、既に居宅サービスの利用者の中心層になってきている団塊の世代や、その次の中心層になる団塊ジュニア世代に選ばれる事業者になる必要があり、そのためにこそ家庭的な雰囲気と、無礼な馴れ馴れしい雰囲気を混同しない顧客対応が必要とされ、介護サービスにおけるサービスマナー意識を職場全体で高めることができる改革が必要とされているのである。

ひとりひとりの職員がサービスマナー意識に芽生えて、介護サービス利用者を単なるユーザーと見ずに、きちんと丁寧に顧客対応するためには、職場のルールとしてサービスマナーの徹底を図らねばならない。

ところが多くの介護事業経営者や管理者は、サービスマナーの向上とその徹底に取り組もうとしても、意識改革が先という誤解をしてしまい、このルール作りをしないまま、中途半端な改革に走って失敗している。

マナー教育に失敗している職場は、ほぼ100パーセント何が必要なのかという優先順位を間違って、意識改革を第1番目に挙げて取り組んでいる事業者である。

しかし信賞必罰を伴わない職場のルールを確立させない場所で、意識改革などできるわけがないのだ。職員の性善説を拠り所にするかのような改革は実現しないのである。

職員が意識改革するためには、厳粛な職場ルールが存在し、それを厳守しなければ組織の一員として認められないという前提がなければならない。介護事業経営者や管理職は、意識はルールの下に生まれるということを何よりも理解しなければならない。

巷には、「形から入る」という言葉があるが、それはしばしば本質的な意義を蔑(ないがし)ろにして体裁を繕えるといった意味合いを込めて用いられる場合も多い。しかしそうしたネガティブな意味合いだけではなく、物事に取り組む際に、その意義や内容よりも、外見や格好、活動自体を主眼において取り組み始めることによって、主目的が達せられるというポジティブな意味もあるのだ。

そのポジティブな意味合いに少し似ているが、職場改革では、その形を職場のルールとして求め、形を整えながら実質を求める先に、本質にたどり着けるというトップダウンの指揮命令が必要とされるのだ。それが職場という組織の本質である。

その本質をないがしろにしたところに意識改革は生まれない。

僕がマナー教育に関わり、その徹底が図られている職場では、利用者に対するサービスマナーを護り、仕事の中でその態度に徹底できる人材が賞され、それができない人間は罰を受け、最終的には職場を去らざるを得ないという過程を必ず経ている。

そうした厳しさのない場所で、意識なんて1000年経っても変わるわけがないのである。人材不足だから、職員に辞められては困るという考え方がまずありきの場所で、変化など起きるわけがないのだ。

だからこそこれから10年先やそのずっと先を見据えて、安定的に顧客を確保して、介護事業経営を続けていこうと考える経営者は、職員の意識を改革する前に、自分の意識を変えて、職員の意識が逢わるような職場環境につなげる厳粛な職場ルール作りをしなければならない。サービスマナーの徹底はその根幹に位置づけるべきものである。

自分自身がサービスマナーに満ちた顧客対応ができる職場で働きたいと思っている方々は、ルールを前面に出さずに、意識だけ改革しようとする職場には早く見切りをつけて、下記に紹介している転職支援サイトを利用して、良い職場を探す方が早道である。
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介護報酬新単価をざっと見渡して感じたこと


昨日公開された、「令和3年度介護報酬改定介護報酬の見直し案 」に掲載された介護報酬単価を見渡して、僕が漠然と感じたことを脈絡なく述べたい。雑感・雑文と思って読んでいただきたい。

改定率は平均0.7%のであるが、当然のことながらサービス種別によってその率は異なり、基本部分が1%を超えて上がっているサービスと、上げ幅が0.5%に満たないサービスがある。厚労省によるとこの違いは、報酬包括された加算があることや、感染対応の費用の違い等、個別状況を勘案した結果だという。介護事業経営実態調査の収支差率もこれに当然影響していると思えるが、その詳細はブラックボックスと言ってよい。

しかし基本部分の額面だけ見て、単位数が上がった分をそのままプラス改定率分とみるのは間違いである点についてはその通りだ。

例えば施設サービス費については、口腔衛生管理体制加算(30単位/月)が廃止されたうえで、その要件の一部が簡素化され基本報酬の算定要件になっている。栄養マネジメント加算(14単位/日)も廃止されて、算定要件がそのまま基本報酬の要件となり、3年間の経過措置後に、その要件を満たしていない場合の減算規定が設けられている。よって基本部分に、実質この二つの加算分が報酬包括されたとみるべきであり、現行の基本部分より15単位上がって初めて現行と同レベルとみるべきだ。

つまり特養の新報酬単価を見ると従来型個室で言えば、要介護1と2は実質1単位引き下げ、要介護3〜5は実質現行と同じということになる。とてもではないが、ここに新たに支出が増加した感染予防対策費が含まれているとは考えられない。だからこそ新設加算・上位区分加算の拾い残しのない算定が重要となってくる。

通所介護と通所リハビリの改定幅も大きく異なり、通所介護に比べると通所リハビリの基本サービス費の引き上げ額が大きいように見える。しかしこれも見かけの額で考えるのは間違いで、通所リハビリは現行のリハビリテーションマネジメント加算機330単位/月が廃止され、すべての要件が基本サービス費の算定要件なっているので、この分が包括化されている。通所リハビリは利用者ごとに月の利用回数が異なるために、月額加算を基本部分に包括していくらになるのかという計算は難しいが、仮に10回/月利用であれば、33単位が基本サービス費に包括され始めて、現行の基本部分と同じ額となると言えるのではないだろうか。

ほとんどのサービスの基本部分単価が上がる中で、セラピストによる訪問看護の基本部分は3単位減額された。国は訪問看護ステーションのサービス提供を担う職員に占める看護職の割合が6割以上であることを指定要件に加えようとしたが、関係者の反対でそれは見送りが決まった。その際に、「厚労省のしっぺ返しが懸念される訪問看護のリハ規制見送り」という記事に書いたが、その予測が的中したわけである。厚労省の、「ウラミハラサデオクベキカ」という声が聴こえてきそうである。

ヘルパー確保が難しく、絶滅危惧サービスとも揶揄される訪問介護は、基本サービス費が身体介護・生活援助でそれぞれ1単位しか引き上げられていない。こちらの方は訪問介護関係者から、「国は訪問介護を見捨てたのか」という恨み節が聴こえてきそうである。

通所介護の生活機能向上連携加算の算定率を高めるために、外部のセラピスト等との連携をICTなどを利用して事業所を訪問せずに済むようにした新加算(機100単位/月 (新設)については、3月に1回を限度として算定できるとされている。3月で1000円しかもらえない費用の中から、外部のセラピストと一体いくらで契約できるのだろう。この加算の算定率は向上しないだろう。

現代の貨幣価値を無視するかのように、人を馬鹿にした単位数だったADL維持等加算は、算定サービスを通所介護のみから、特養と特定施設も対象拡大したうえで、単位数が10倍の30単位と60単位になった。算定要件も引き下げられたことによって、無視できる加算ではなくなり、是非とも算定したい加算に変わったと言えよう。特に個浴設備がなく、新しい入浴介助加算の上位区分を算定できない通所介護事業所は、それだけで10単位減だから、その分をカバーしてさらに収益をアップするためにも、この加算を是非算定したいところだ。算定率は大きく向上すると思われる。

笑えたのは地域包括支援センターから居宅介護支援事業所への予防プランの委託が進むよう新設された、「委託連携加算 :300単位/月」である。その算定要件が、「利用者1人につき指定居宅介護支援事業所に委託する初回に限り、所定単位数を算定。」になっているが、これでは加算全額を委託費用にして委託額に上乗せしても初回のみ3.000円増えるだけだ。これで喜んで予防プランを今より多く受託しようという居宅介護支援事業所が幾つあるだろうか。

しかも予防支援費は7単位しか上がっておらず、平均20単位以上引き上げられている居宅介護支援費と比較して、さらに差がついているのだから、当然予防プランの受託は、「よりしづらくなった」と云えよう。子供だましかと言いたくなる。

居宅介護支援費の新加算でも笑えるものがある。それは、「通院時情報連携加算 :50単位/月」である。これはケアマネジャーが利用者の通院に同行して、医師から情報提供を受けることを評価した加算だが、実質担当ケアマネによるやむを得ない通院支援の評価ともいえる加算である。その評価が通院等乗降介助(99単位)よりはるかに低い単位数である。忙しいケアマネジャーが時間を割いて、通院同行する手間としてはあまりにも馬鹿にした評価である。月1回を上限とするという算定要件は、通院同行にケアマネを便利使いすることには、かろうじてブレーキとなり得ることのみ評価するとしよう。

なお食費の標準費用が、1,445円/日(+53円)と改定されたことは、施設サービス・短期入所サービスにとっては嬉しいニュースだろう。利用者の皆さまに対して、よりおいしい食事提供に努めていただきたい。

そのほかの気づいた点等は、表の掲示板で随時議論されているので、そちらにも注目していただきたい。

さて話は変わるが、今日の午後1時20分から、京都地域包括ケア推進機構、一般社団法人京都府老人福祉施設協議会、 一般社団法人京都市老人福祉施設協議会共催・「施設看取り介護導入研修」のオンライン講演配信が始まる。

今日を皮切りに2/2と2/9の計3回、それぞれ2時間・合計6時間をかけて看取り介護の基本を理解していただく。当然、今回の報酬改定で求められる新要件も解説することになるし、withコロナの視点もふんだんに盛り込んでいる。会員で視聴予定の皆様とは長時間の付き合いとなるが、最終回までよろしくお願いします。それでは午後1時過ぎにお愛しましょう。
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介護事業経営陣の搾取があるとすれば・・・。


改定率が0.7%と決まった2021年4月からの介護報酬。この数字は給付費を11兆円と仮定すると、年間でおよそ770億円が新たに介護現場へ投入されることを意味するそうである。

今回は処遇改善加算の部分では新加算単位が新設されることもなく、処遇改善加算の下位2区分の廃止が正式に決まった。

特定加算については支給ルールが変更された。経験ある介護職員への平均支給額については、その他の介護職員の2倍以上にしなければならないというルールを、その他の介護職員への平均支給額より、経験ある介護職員への平均支給額が上回ればよいことになった。

この支給ルール変更は、特定加算の算定率が今年6月時点で65.5%と低調で、その理由が介護職員間の給与差が開くことの不公平感が壁になっていると言われていたため、その差を少しでも減らせるように、その他の職種に配分する額を増やすルールに変更したものである。

そのうえで両加算の単位については変更されないと思われる。

このことに関連して、17日に行われた麻生太郎財務相と田村憲久厚生労働相の折衝でも、介護職員の処遇改善が取りあげられ、報酬改定後の動向を見て更なる処遇改善加算の追加や変更を検討するとしている。要するに、「加算単位は上げないけれど、介護給付費をアップしたんだから、その分から事業者努力で介護職員の更なる待遇改善を図りなさいね。私たちはその結果を見ているよ。」という意味だろう。

しかし今回の報酬改定で、さらに介護職員の給与のアップさせるなどの待遇改善を図るためには、事業収益を挙げてその中から各職員に手当てしていくしか方法はない。わずか0.7%の増額の中から
その費用をひねり出すためには相当の経営努力が必要だ。だがそうしないと事業に必要な職員を安定的に確保することは難しくなる。

介護事業者で最も不足しているのは介護職員である状況に変わりはなく、人材確保が困難な状況はさらに深刻化している。その中で人材確保を人材紹介会社に頼る事業者も増え続けているが、その紹介手数料も年々上がっている。

手数料高騰にもかかわらず、紹介された人材の質や定着率は高くないとして、介護事業者の人材紹介会社に対する満足度は、「とても不満」が30.0%、「やや不満」が48.6%。あわせて78.6%が不満を持っていると福祉医療機構(WAM)が報告している。そうであるのに、そうした不満一杯の人材紹介に頼らざるを得ないことが、介護事業者の深刻な人材不足の一端を表していると言えよう。

介護事業経営者にとって人材確保は引き続き、頭の痛い問題として存在し続けるわけである。

だからこそ、できるだけ給与の改善を図りながら、働く環境の改善を図って、従業員が気持ちよく、自分の仕事に誇りを持って働き続けられる環境を創っていくことが大事だ。経営者や管理職があらゆる場面で従業員を大切に思い、従業員の暮らしを少しでも豊かにする努力をしているのだという姿勢を示していくことも重要である。

そうした厳しい状況で、人材を集める必要があるのもかかわらず、一部の介護事業者で、特定加算を算定できるのに算定しなかったり、感染対策に関連した慰労金を申請せず、受け取る権利がある職員に届けなかったりしている実態があるのは、なんとも不思議である。

何が不思議かというと、そのように従業員を大切に思わない経営姿勢の事業者に、従業員がどうしておとなしくとどまっているのかという疑問がわくからだ。理不尽な経営者の搾取については、労働者として正当な抗議の声を挙げるべきだし、そうした権利はあるのだ。

ましてや介護業界は、働き手の売り手市場であるのだから、経営者の理不尽な態度に怯えながら、そこで働き続けなくとも、転職先はどこでもたくさん見つかるはずだ。

例えば、「咲く場所を変えて大輪を咲かそうとしている花のその後」で紹介した若手の介護福祉士のように、職場を変えた結果、やりがいと生きがいを持って介護の場で働き続けることができた人もいる。

ブラックな職場でじっと我慢して、環境が変わるのを待つのは期待薄だ。ブラックな思考回路の経営者が簡単に考え方を変えられるわけがないんである。

介護職員の努力を無視して、経営陣が甘い蜜吸ってるような職場は、介護職員の方から見放すべきである。

ただ転職に際して、紹介・派遣会社に頼るのはリスクも大きい。紹介・派遣会社は、給与面での待遇からしか紹介先を見ないからである。もっと職場の環境とか、転職希望者が何をしたいかという、「働き甲斐」に目を向けた転職サポートが必要だ。

下記に文字リンクを貼っている転職支援サイトは、そういう意味で安心して推薦できるサイトである。(参照:置かれた場所で咲きなさい、というけれど・・・。

ブラックな介護事業者から飛び出したいと思っている人は、ぜひ下記サイトを利用してほしい。
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2021年度介護報酬改定は0.7%引き上げで調整


政府は14日、2021年度の介護報酬改定について、改定率をプラス0.7%とすることで最終調整に入った。(ほぼ決定だろう。※ただしこのうち新型コロナウイルス対策の0.05%分については、来年9月までの暫定的な措置とする方針。)

そうなると前回2018年度(0.54%)に続くプラス改定となるが、その理由については、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「利用控え」や、感染対策の備品購入にかかる支出増で事業者の収益は悪化しており、介護事業経営を安定化させるには前回の改定率を上回る報酬の引き上げが欠かせないと政府が判断したとされている。
介護報酬改定率の推移
僕はこのブログ等で、「小幅なプラス改定を予測している」と何度もアナウンスしてきたが、その予測は当たったと言ってよいのではないだろうか。

しかしプラス改定と言っても手放しで喜んではいられない。新設加算を算定したり、既存加算も新たに作られた上位加算を算定できないとなれば、減収となる事業者も多くなるからである。

わかりやすく言うと通所介護である。

個別機能訓練加算については気鉢兇統合されたうえで、常勤専従の機能訓練指導員が提供時間を通じて配置されている場合を上位区分とするとしている。(下位区分は、機能訓練指導員を専従配置とされているが、配置時間の定めなし。)

しかしそれだけではなく、「CHASEへ関連する情報を提出し、そこからのフィードバックをサービスの向上に活かす事業所を上乗せして評価する。」としているので、個別機能訓練加算は、実質3区分の加算となると思ってよい。

そうなるとCHASEへの情報とフィードバックの要件をクリアする加算は最上位だから、今までの個別機能訓練加算気梁寮だけでは算定単位が下がることが予測される。しかも従前は気鉢兇諒算残蠅できたが、それができなくなることも明らかだ。とうことは個別機能訓練加算の収益が下がる事業所が多くなるのではないだろうか。

また前日情報提供したように、入浴介助加算は医師やリハ職、ケアマネらが利用者宅を訪ねて浴室環境をチェックしたうえで、自宅で入浴が可能となる個別入浴計画を作成することを要件とした上位区分を新設することになっているが、新設加算の算定を促すために、従前の入浴介助加算については算定単位が現行より引き下げられるのだから、従前の加算しか算定できない事業所はこの部分で収益減である。

同じく前日情報提供したサービス提供強化加算も勝ち負けがわかれる。介護福祉士割合がより高い事業者を評価する上位区分が設けられるので、それを算定できるかどうかが問題だ。なぜなら上位区分ができるために現行の加算単位は引き下げられるだろうと予測されるからだ。新設の上位区分を算定できない事業所は、これだけでも収益が下がる。

さらに現行の加算要件については、勤続3年以上の職員が30%以上という要件が、勤続7年以上の職員が30%以上に引き上げられるので、新しい要件をクリアできずに、サービス提供強化加算そのものを算定できなくなる事業所もあるだろう。そうなると大幅な減収となる。

さらに大規模事業所の場合、区分支給限度額の計算方式の変更(大規模報酬ではなく通常規模の単位で計算:現在まで決定事項ではないが、そうなる確率が高い)により、利用回数を減らさねばならない利用者も出てくる。これも収益減に直結する問題である。

このように今回の報酬改定では、新設上位加算・新設加算を算定できない事業所は収益減となる可能性が高くなる。

その中で収益アップの重要な要素は、CHASEへの情報提出とフィードバックの要件をクリアすることではないかと思う。「CHASEへのデータ提出に関する報酬評価の整理」で解説しているが、施設系サービス、通所系サービス、居住系サービス、多機能系サービスについて、CHASE の収集項目の各領域(総論(ADL)、栄養、口腔・嚥下、認知症)について、施設・事業所の全ての利用者に係るデータを横断的に CHASEに提出してフィードバックを受けるなどを要件にした加算が新設される。これを算定する必要があるだろう。

また同記事で示しているように、従前の加算にもCHASEへの情報提出等の要件が加わることになるので、それを行わない事業者は、加算が軒並み算定できないか、下位区分の算定しかできなくなり、苦しい経営を強いられる考えられる。

なお食費の基準費用額が見直され増額見込みであることについては、施設サービス・滞在サービス等には明るい話題だろう。

ただし全サービスにおいて事務作業負担も増えることを忘れてはならない。

来年度から早急に求められるのは、利用者からのハラスメント対策の強化である。全事業者がその対応を求められる。

さらに全ての介護サービス事業者を対象に、研修の受講状況等、認知症に係る事業者の取組状況について、介護サービス情報公表制度において公表することが求められる。

3年間の経過措置期間の中で次の対策も求められていくことになる。
・感染症の発生及びまん延等に関する取組の徹底として、委員会の開催、指針の整備、研修の実施等に加え、訓練(シミュレーション)の実施
・感染症や災害が発生した場合であっても、必要な介護サービスが継続的に提供できる体制を構築するために、業務継続に向けた計画等の策定、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施
・虐待の発生又はその再発を防止するための委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者を定める
・医療・福祉関係の資格を有さない無資格の介護職員について、認知症基礎研修を受講させるために必要な措置を講じることを義務づける。


どちらにしても手放しで喜ぶべき改定率・改定内容ではなく、事業者間の勝ち負けがはっきりする改定と言えるのではないだろうか。

だからこそ勝つための戦略を練るためにも、改定内容を正しく理解する必要があるし、その戦略に向かって事業者が一丸となって進んでいくためには、全職員にその内容をわかりやすく伝える必要があるのだ。(参照:職員への情報伝達をおざなりにしていませんか
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サービス残業が当たり前の職場にしてはならない


立ち食いそば店、「名代富士そば」の店舗運営会社の一部が、正社員が残業をしていないように見せかける勤務記録の改ざんを長年続けていたことが明らかになり、11/13までに社員らが、過去2年分の未払い額計約2億5千万円の支払いを求める労働審判を東京地裁に申し立てたことが報道されている。

その状態はまさに労働者から搾取するブラック企業の典型例であるが、しかし介護事業者でも同じような不正が行われている実態が明らかになった。

この報道がネット上に流れた翌日の11/14(土)、残業代の未払いで悩む人から、表の掲示板に相談のスレッドが立てられている。(参照:人員不足によるサービス残業

そこで書かれている内容は、ブラックとしてもあまりに腹黒すぎる内容で、人が足りないのに対策もとらず、介護人員不足は介護の場の問題だから管理職には関係ないとして、その対策も介護職自身で立てるべきであると問題を丸投げされているというのである。

その結果、サービス残業が常態化しているにもかかわらず、それも介護職員の責任だから残業代は支払わないというのである。

まったくこの施設の管理職は、管理職の役割をなんと心得ているのだろうか?

介護職員が集まらない原因をしっかり検証して、募集の仕方を工夫するとともに、介護職員が定着するように働きやすい職場環境を整えるのが、管理職の一番重要な役割である。

そうした労務管理をせずして、管理職として他にどんな責任や役割を担おうというのだろうか。勘違いも甚だしい。

しかも労働基準法等の労働法規を全く無視していることは大きな問題である。残業代の未払という不法行為を続け、それが問題にならないと思っている方がどうかしている。このような不法行為が明らかになれば、世間から大きな批判を招き、経営危機に直面せざるを得ない。そんな簡単な理屈を何故理解できないのだろう。

しかしこうした職場風土を許しておく従業員の姿勢も問題視されてよいと思う。会社側・管理職からの理不尽な要求には毅然と対応し、抗議すべきは抗議し、できないものはできないとはっきり言うべきである。そのためには、最低限の労働法規を知っておく努力も求められる。

リンクを貼りつけたスレッドのNo.6でコメントしている人のように、上司に対しても労働法規違反はきちんと警告して、それを無視するのなら出るところで出ようという態度で臨むべきである。

しかしこうした労働法規違反を繰り返す事業者や、従業員を護ろうとせず搾取するだけの事業者は決して少なくない。

紹介したスレッドが立てられた翌日の15日(日)には、「余裕がある人員配置」という別スレッドが立てられ、ここでは休みなく7連休を強要されている問題が指摘されている。

介護職が担っている仕事は重労働だ。身体も精神も疲労度の高い仕事だ。その仕事を1週間休みなく続けさせるということは、労働法規云々という以前に、介護職員の健康を無視した虐待と同じ行為とさえいえる。

介護サービス事業者は、介護保険制度が創設された2000年以降に、それまでの倍の数以上に増えている。その中には資本金が少なくても経営できる小規模事業者が多い。そういう事業を立ち上げた人の中には、経営者としての資質に欠け、労働法規を護る前にその内容を知らないという人さえいる。

そんなことも相まって、2012年の介護保険制度改正では、労基法違反を行う事業者に対して都道府県が介護保険法による処分を行える規定が組み込まれ、悪質な労働基準法違反に対しては、「指定取り消し」ができるようになっている。(参照:労基法違反は指定取り消しも。

このような改正が行われたのには、介護事業者の労働法規違反が目立つからだという恥ずべき背景要因があったわけである。

しかしこうした改正が行われた後も、労働法規違反を繰り返しながら、そのことが表面化しないことで高をくくっている事業者がなくならない。労働者の心身の健康を二の次に考えて、搾取的な経営をしている事業者の数はさほど減っていないように思える。

だからこそ介護事業者に勤める従業員の皆様にも、最低限の労働法規を知るとともに、それを守ろうとせず、従業員も護ろうとしない事業者からは、さっさと身を引いてきちんとした経営をしている事業者に移りなさいと言いたい。

その為に、このブログではお勧めできる転職サイトのリンクを貼っている。それは劣悪な組織運営の介護事業者をたくさん知っており、そうしたところは劇的に良い事業者に変わることもないことも知っているからだ。だからこそ従業員自身が自らを護るための、「転職」は必要だと思うのである。

現に転職してから見違えるように生き生きと働いている人たちもいるのだ。(参照:置かれた場所で咲きなさい、というけれど・・・。

職員を守ろうとせず搾取を繰り返す事業者は、利用者のケアの品質にも無頓着だろう。そのような事業者が、人の暮らしに寄り添うサービスができるわけがない。

しかしそのようなところであっても利用者がいるのだから、自分が辞めたらその人たちに迷惑が掛かるので辞められないと考える人もいるだろう。

しかし長期的・大局的に考えると、そのようなブラック事業者は、人手を確保できずに事業ができなくなった方が良いのである。利用者も従業員も、劣悪な環境の中に置かれ続けなければならないより、そういう問題が表面化することによって、ブラック事業者が事業を続けられなくなるというスパイラルの中で、クリーンでまっとうな経営を続ける介護事業者が生き残っていくことができる介護業界になっていく方が健全だ。

それが世のため人のためになると思う。

ブラック事業者で我慢して働き続けることは、不法行為や不健全な運営に、自分も手を貸しているという意味にしかならない。

だからこそ、無料で正しい情報を提供してくれて、専任のキャリアアドバイザーと相談しながら職場選びができ、就職後も無料でフォローアップしてくれる転職サイトを選ぶことも大事なことだと思う。
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報酬改定に影響する介護事業経営実態調査結果


昨日(10/30)、第31回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会がWeb会議で開かれ、そこに資料として、令和2年度介護事業経営実態調査結果の概要が提出された。(資料はこちら

これは令和2年に調査した結果であって、決算年度は令和元年であり、平成30年度決算の収支差率との比較が表で示されている。それは以下の通りである。
令和2年度介護事業経営実態調査結果
このように居宅介護支援事業以外は、すべて黒字決算となっている。しかし令和元年度の収支差率が平成30年度収支差率よりプラスとなっているのは、「訪問入浴」・「訪問看護」・「特定施設入居者生活介護」・「福祉用具貸与」・「小規模多機能居宅介護」の5サービスのみで、他のサービスは収支差率が下がっている。

全サービスの平均収支差率は2.4%で、一昨年度の3.1%から0.7ポイント下がった。特に訪問介護や居宅介護支援、グループホーム、看護小規模多機能などの下げ幅が大きい。

収支差率が下がっている一番の要因は人件費の高騰だろう。介護人材不足の解消見込みがない中で、人手の確保のために給与等の待遇を改善しなければならないことに加えて、人材募集の広告費、派遣職員の確保のための紹介料の高騰などが収支率の悪化につながっている。

報道によるとこの数字について厚労省の担当者は、「事業所の収支は総じて悪化した。経営環境はより厳しくなっている」と見解を述べたとのことだ。

そうすると来年4月の介護報酬改定にとって、このデータはプラス改定の追い風になる可能性がある。コロナ禍は、令和元年の決算時には影響しておらず、今年度の決算時の収支差率は、さらに下がることが確実なのだから、この状況でのマイナス改定はあり得ないだろう。

むしろ現在開かれている国会では、首長答弁として介護人材確保に取り組むとの発言や、感染予防対策はさらに充実を図る旨の発言もあったのだから、その分が介護給付費に上乗せされる期待感は高まっている。

プラス改定の抵抗勢力としては、財務省のほか保険料支出が増える経済団体などが挙げられるが、そうした反対の声と、財源が潤沢ではない中で、どれほどの改定率になるかが注目されるところだ。その数字はあと50日程度後に示される。

それにしても、この調査の対象事業者はどのように抽出されているのだろう。

この調査は介護保険の全サービスが対象。3万超の事業所に昨年度の経営状況を尋ね、1万4376事業所から有効な回答を得ているそうである。しかし僕が特養の総合施設長を務めていた間に限って思い出しても、この調査の対象になって経営状況を尋ねられたことはない。

僕が施設長になったのは、その社会福祉法人が設立されて20年以上経って以降のことであるから、経営年数もそれだけ長く、職員の就業年数も長く、人件費率は7割近くに達していた。特養の収支差率が10%を超えていると批判されていた時代に、僕の法人ではとてもではないが、そのような高い収支差率は考えられず、こうした法人を何故調査対象に含めてくれないのかと思ったことがある。

調査対象が介護保険制度以後に事業を立ち上げた若い経営主体ばかりなら、自ずと収支差率は高くなってくるわけで、事業年数の均等化は、調査対象を選ぶ際の視点としてあるのかが疑問として残される。

しかしいったん示された数字はそれが独り歩きして、根拠の一つであるとされていくので、この数字をもとに介護報酬の改定率や、各サービス別の報酬単価が決定されていくことになる。今後の改定議論の動向に同行につながっていく数字として注目していく必要がある。

なお介護事業の中で唯一赤字決算で、昨年度の収支差率がマイナス1.6%となり、前年度(マイナス0.1%)から大幅に収支差率が悪化し、経営環境の厳しさが増していることが浮き彫りになった居宅介護支援費については、改めて来週中にその対策を含めた解説記事を書く予定なので、その時は参照願いたい。
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顧客確保競争が激化する時代の介護事業戦略


北海道は朝晩、暖房が必要な季節になった。

この時期になると紅葉の季節の先を見越して、いつ冬になってもおかしくないように、厳しい寒さを乗り切る心の準備が大切になる。

同時に僕のルーチンとしては、おせち料理を取り寄せ予約する時期でもある。ちと気は早いと思われがちだが、僕の3つ目のブログmasaの徒然草の「おせち料理はどうしてますか?」も暇なときに読んでいただきたい。

それはともかく、話は変わって今日の本題。

8日に東京商工リサーチが公表した、『2020年1-9月「老人福祉・介護事業」の倒産状況』によると、今年1月から8月の介護事業者の休廃業・解散は313件となり、前年同期(263件)から19.0%増え、この時期としての過去最多を記録している。

1月から9月までの倒産件数も94件で、前年同期(85件)を10.5%上回っている。

事業別に見れば訪問介護が46件と一番倒産件数が多いが、これは訪問介護員の成り手がないことと関連して、人手がないことを理由に倒産件数も高止まりしている状態である。しかしここにきて倒産する事業所の増加が目立つのは、「通所・短期入所」の30件(前年同期比25.0%増)である。

当然これにはコロナ禍が影響していると思えるが、コロナ禍が過ぎれば状況が大幅に改善するとは言い切れない。なぜなら倒産理由に占める、「顧客確保競争に敗れた結果」による倒産は今後も増える可能性が高いからだ。

コロナ禍でサービス利用控えが増えることで、顧客が確保できなくなった事業者は多いが、コロナが終息しサービス利用者が増える段階では、後期高齢者に近づく団塊の世代の人たちのサービス利用が大幅に増えることが予想され、2018年には介護給付費の額が20兆円まで膨らむことが予測される。

これに保険外の費用や、今後増大が予測される感染予防対策費の上乗せ分を含めると、介護市場は100兆円を超える巨大市場となる。民間営利企業がこの市場を放っておくはずはなく、現在介護業界に進出していない民間営利企業の市場参入が相次ぐだろう。

ただしその市場は、「骨太改革」の影響で、顧客単価が減る市場でもある。顧客数は増えるが、一人に給付される単価は減るのだから、今以上により多くの顧客に選ばれなければ事業は成り立たない。

そこで既存事業者は、それらの企業と顧客と人材の獲得競争を行なっていくわけである。それに勝てないと廃業に向かうしかないわけであるが、倒産が相次いでいる従業員が10人未満などの小規模事業経営者は、それらの民間営利企業と対峙して、競争に勝ち残っていく戦略やノウハウを持っているだろうか。

企業に負けずに、顧客に選ばれるサービスの差別化は出来ているだろうか。

一昨日依頼を受けて、12/8に佐賀県老施協・デイサービス委員会主催のzoom講演を行なうことになったが、そこで依頼されたテーマも、「今後の時代の変化に対応するための情報収集と検討〜コロナ禍における通所介護事業の展開〜」である。厳しい時代の生き残り策となるヒントが求められていると思うので、僕が考える具体策を示したいと思う。

上記のセミナーは会員限定であるが、誰でも参加ができるオンラインセミナーで、今後の介護事業経営を考えるうえで不可欠なセミナーが来週行われる予定になっている。

介護経営支援の実績が豊富なC-MAS(介護事業経営研究会)が主催する、「C-MAS オンラインLIVE 全国大会 Ver.2020」は、10/16(金)より配信スタートする。全国どこにいる方でも受信可能で申込受付もまだ間に合う。詳細とお申し込みは、文字リンク先からダウンロードして確認していただきたい。

僕は来週月曜日の三重県鈴鹿市講演を皮切りに、鈴鹿市〜名古屋市〜大阪市〜東京と移動し、このC-MAS全国大会での2つの座談会に参加後、北海道に戻る予定だ。

その間6講演を行なう予定だが、介護保険制度改正や報酬改定、事業経営に触れてお話しする場面も随所に求められている。

しかしお客様に選ばれる介護事業者となるために、一番必要とされるのは、介護サービスの利用者は単なるユーザーではなく、顧客であるという意識と、顧客対応としてふさわしい対応の基本姿勢を身に着けることに他ならない。

今、団塊の世代の人たちは、スマホやタブレットを使いこなし、外食するときは、ネット上の口コミ情報を検索しながら店を選び、ほしいものをネットで取り寄せる人とたちなのである。

いつまでの介護事業者の従業員が、「利用者の立場に降りていく」という意識の低い姿勢や意識であっては、選ばれるわけがないのである。家族のような態度を、従業員に対して顧客が求めているという意識レベルの低さで、顧客に選ばれ生き残りができるわけがないのである。

顧客が最終的に求めるものは、事業者の飾り付けられた環境でも、耳障りの良いキャッチコピーでもなく、従業員のホスピタリティ精神であり、それにも基づく高品質サービスであることを自覚しない介護事業者に明日はないと言えるのである。

そしてホスピタリティ精神を生み出す基盤となるものが、サービスマナー教育であり、サービスマナー精神であることに、いち早く気が付いた介護事業経営者が、介護市場に落ちてくるビッグマネーを獲得できることになるのである。

それを狙わない手はないのである。
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介護事業者に吹く逆風に立ち向かう工夫と備え


9/4に開催された第184回社会保障審議会介護給付費分科会から、次期報酬改定に向けた議論はいよいよ第2ラウンドに突入した。(参照:第1ラウンドを終えた介護報酬改定議論

そこでは早速、居宅介護支援におけるコロナ対応のICT活用特例の恒久化等が議題となった。これだけリモート会議が普及したなかで、サービス担当者会議のリモート実施が否定される理由は何もない。これは恒久化されて当然だろうし、さして反論もないだろう。

問題は月1回のモニタリング訪問である。オンラインを通じて利用者の状況確認ができれば何も問題ないといえるが、そうではないという意見もある。オンラインでは家の中を確認できず、虐待等を見逃す恐れが指摘されるなどの反対意見が出されている。しかし訪問しても玄関口で対応するだけというケースも多いので、それと比してリモートモニタリングが著しい障害であるとは言い難い。是非モニタリングのリモート化も実施し、ケアマネジャーの業務負担軽減に結び付けてほしい。

ところで次期介護報酬改定を巡っては、関係者の間に感染予防費用などを上積みした基本報酬の引き上げの要望が強く、その実現可能性は高いとみる向きもあるようだ。

しかし4日の審議では、健保連や日経連の代表委員から報酬引き上げを強くけん制する意見が出されている。

基本報酬の引き上げは、40歳以上の保険料(2号被保険者の保険料)の引き上げに直結し、労使折半分の負担増を懸念した経済界からは、報酬をプラスする分はマイナスすべき分から補填する形で行うように要望が出されている。経済界としては何としても介護報酬アップを避けたいわけだ。

どちらにしても次期報酬改定では大幅な基本報酬の増加は期待できず、小幅な改定になると予測する向きが強くなっている。

そんな中で、「働き方改革」が、介護事業経営に大きな影響を与えている。

特に影響が大きいのは、「同一労働同一賃金」の義務化である。この義務化は大企業が2020年4月1日から、中小企業への適用は2021年4月1日からとなるが、介護事業者の場合、「常時使用の労働者数が100名を超える事業者」が大企業に該当し、すでにこの義務適用を受けている。規模は事業所単位ではなく法人単位で見るので、該当する介護事業者は結構多いだろう。

しかし大企業に該当し本年4月から、「同一労働同一賃金」にする義務がある事業者でなくとも、来年4月以降はこの義務を履行しなければならない。よって来年4月は、介護報酬が改定されると同時に、この義務適用が行われる事業者が多くなるのである。その備えは出来ているだろうか・・・。

この義務に違反しても法律上のペナルティはない。だからと言ってこの義務を果たさないと経営上の大きなリスクに結びつく。なぜなら法律上のペナルティと損害賠償義務は異なるからだ。

働き方改革で新たに生じた義務を履行しないことによって、非正規職員などに不合理な待遇を与え続けた場合、それを理由に労働者から訴えられたときには、事業者側の敗訴は間違いないだろう。その際は差額の支払いののみならず、差別された職員に対する精神的苦痛に対する賠償責任も生じ、高額な損害賠償金が発生するリスクが高いのである。

そうであるがゆえに、この義務をきちんと果たすために規定等を変更しておかねばならない。厚労省からこの取り組みに向けて、「パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書」が出されてるので参考にしてほしい。

正社員と同一の能力・経験を有する非正社員には能力・経験に応じた部分について同一の基本給を支給しなければならないが、それだけではこの義務は果たせない。

例えば正社員に退職金があるのに、長期間働いてきた非正社員には退職金が全くないことが「不合理な待遇差」とされた裁判例では、退職金のうちの少なくとも「功労報償」部分は支払わなくてはならないといった形で均衡待遇が求められた判例がある。平たく言えば、退職金を支払わなかった職員に対し、退職金を支払った職員に対する退職金の額から、掛け金を自己負担させた分を除いて事業者が負担して支払えと言う判例だ。これも今回の「同一労働同一賃金」義務において均等化することが求められるだろう。

賞与についても、会社の業績等への貢献に応じて支給するものについては、正社員と同一の貢献がある非正社員には貢献に応じた部分につき同一の支給をしなければならない。社員と準社員という身分差だけで賞与の支払い率などに差をつけてはならなくなる。この差の解消が必要になる。

福利厚生・教育訓練についても正規職員とそれ以外の職員に差を設けてはならなくなる。

僕が以前勤めていた社福では、正規職員だけ民間社会福祉事業職員共済会に加入していたが、そうした差別は許されなくなる。共済会に加入して会員としての福利厚生を受けるならば、非正規職員等もすべて加入させる義務が事業者側に生ずるわけだ。

このように少なくともフルタイムで働く非正規職員は、正規職員と同じ待遇への改善が必要とされるのである。

このあたりの規定の見直しもしなければならないが、どちらにしても一連の働き方改革による変更は、ほぼすべてにわたって事業者責任と支出の増加につながっている。介護報酬改定で基本報酬が多少引き上げられるとしても、働き方改革での支出が増える分を考えると事業収益は減る可能性が高いのである。

介護事業者は、正規労働者以外に非正規労働者を数多く抱えて、その待遇差で収益を挙げてきた小規模事業者が多いので、この問題は案外深刻である。

だからこそ経営努力はますます必要になると考えなければならず、特にランニングコストの削減努力は怠らないでほしい。(参照:介護事業のコスト削減は電気代とガス代の見直しから始まります

介護事業経営はこのような厳しい逆風にさらされているが、このブログで何度も指摘しているように、今後10年間を睨んでも介護市場には、介護サービスを利用する人の増加によって莫大な資金が流れ込むのである。そこで収益を挙げる方法はいくらでもあると言ってよい。要は時代の変化に合わせた柔軟な発想と、他の事業者とは差別化できる創意・工夫が求められているだけである。

そこで勝ち残る戦略をきちんと立て、経営基盤を強化することが、まさに今求められているということを忘れてはならない。少なくとも「働き方改革」に対応した規定変更もできない事業者であってはならないということを強く自覚する必要があるのだ。

なお6日(日)から、「介護施設等の人員配置基準緩和(削減)に関するアンケート」を行っている。その結果はこちらからも見ることができ、すでに多くの方々の協力を得ているが、引き続き介護実務に携わる人の生々しい声を集めたいと思っているので、投票がお済でない方は是非協力をお願いしたい。
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コロナ禍ではがれる化けの皮をよく見ておかねば・・・。


長年収益を挙げながら事業を続けている経営者の方々は、人に秀でた才能をお持ちの方であると尊敬に値する。それは介護事業に限ったことではない。

優秀な経営者であればあるほど、社会貢献という視点をお持ちになっておられるような印象もある。商品を単に売るだけではなく、その商品によって社会のある部分のベクトルは、確実に人類の発展に向かうことを信じて商品提供している姿勢が垣間見える。

そうした経営者は、ただ単に収益を挙げて事業経営を続けるために躍起になっているだけではなく、そこで働く社員の暮らしの質の向上とか、暮らしを護るという責任を全うするという姿勢を常に持っている。その姿は凛々しいと思える。

介護事業経営者も、そうした矜持を持って経営にあたってほしいと思う。

介護サービスは対人援助であり、介護サービスという目に見えない商品は、まさに人類の幸福追求のために存在するということを忘れないでほしい。そして介護サービスそのものは、人間によってしかできないこと、機械が替わって提供できないサービスを提供する行為なのである。そうした職業にあt図触る従業員は、何よりも宝であるということを、建前ではなく本音で感じて経営にあたってほしいと思う。

なぜこんなことをわざわざ書くかというと、利用者の福祉にも、従業員の暮らしぶりにも全く関心がなく、自分の懐具合だけにしか興味がない介護事業経営者が実際には数多く存在するからだ。

それはもしかしたら措置制度の負の遺産かもしれない。

例えば措置時代の社会福祉法人経営なんて誰でもできたと言ってよい。事業経営しなくとも、運営だけをしておれば、措置費だけではなく各種補助費用等が潤沢に手当てされ、どんな運営をしようと単年度赤字の心配はなかった。むしろ剰余金(現在の繰越金)が一定額を超えると、「民間職員給与改善費」がカットされることになるので、それを恐れて年度末にいらない物品でも、ともかく何でも購入して収益を一定額以上に挙げないようにしたものである。

そんなエセ経営者がまだ残っていたり、そんなエセ経営者の姿勢しか学んでいない人が、介護事業経営者になったりしている中で、社会貢献にも従業員福祉にも目を向けない経営者がたくさん存在している。

当然そのような人による事業経営が行き詰まるのは当然だ。有能な職員がそうした事業者から離れていき、経営状況が目に見えて悪化していたりする。

例えばある特養では、数年間連続して単年度赤字会計となっているのに何ら手立てを講じていない。そこの経営者にその法人は危機的状況にあると指摘すると、「自分が経営している間は、繰越金を取り崩していけば全く問題ない」と堂々と主張したりする。繰越金を取り崩して繰越金がゼロになった先には、赤字倒産しかない。そうなれば利用者にも迷惑をかけることになるし、何よりその法人の従業員すべてが路頭に迷うことになる。そのような考え方で介護事業経営を続けていることが許されるのだろうか。その法人の評議委員会や理事会は機能していないのではないかと疑問に思うのである。

皆さんが今働いている法人等の理事長や経営者は、本当に皆さんの暮らしを考えて事業経営にあたっているだろうか。そのことにも関心を持っておかないと、ある日急に職を失いかねない厳しい介護サービス競争の時代に入っているので、くれぐれもご注意いただきたい。

経営者や管理職の中には、従業員のことなどどうでもよいという本音を隠して、表面上は良い経営者を装っている人もいる。しかしその化けの皮がはがれたのが今回のコロナ禍である。

感染予防は大事だと言いながら、それは利用者が減って収益が減ることを恐れた結果でしかなく、一番大切な利用者や従業員を感染症から護るという視点がないから、感染対策は現場に丸投げで、知恵もお金も出さない経営者が、従業員を心身崩壊の瀬戸際まで追い込むケースが少なくなかった。

あのマスク不足の時期一つとっても、従業員を護ろうとする経営者とそうでない経営者の違いが目立った。従業員をウイルスから護るために、マスクの欠品を出せないとして日本中を駆け回ってマスク調達している経営者がいた一方で、就業中のマスク装着を義務付けしたにもかかわらず、事業者としてマスク不足の対策は全くとらずに、仕事中に装着するマスクの調達は従業員個人の責任とし、マスク購入費用も従業員に個人負担させるというひどい介護事業者もあった。

経営者は介護の最前線に立ってウイルスと戦う必要はない。しかし経営者は最前線で奮闘する従業員が安心して働くことができる環境を整えるための指揮を執るべきだし、そこに臨時の費用を集中投下する判断は経営者にしかできないのだから、その責任を放棄してどうすると言いたい。

従業員たる自分を護ってくれない会社や経営者は、自分を搾取するだけの存在にしか過ぎないことを、すべての従業員は知るべきである。

自分の気に食わないことが少しでもあったら職場を替えようとか、目先の給与だけで職場を選ぼうとか、自分のキャリアやスキルアップに結び付かない転職を繰り返すことは、決して得にはならないし、精神上の「徳」にも結び付かない。それはこらえ性がなく、適応力の弱い人間に自分を貶める結果にしか結びつかないので、くれぐれの安易な転職は戒めてほしい。

しかし搾取されるだけの職場を見限って、自分の能力に見合った評価をしてくれる場所を選ぶことができれば、自分のスキルはもっと高まり、それがよりパフォーマンスの高い社会貢献につながるかもしれない。

介護職員の方々は、従業員を護ろうとする意識が無い介護事業者や経営者を見限って、自分で職場と経営者を選ぶことができる環境にある。介護事業における転職は、そうしたポジティブな視点から考えるべきである。

人の本性はチャンスの時より、ピンチの時に現れやすいとも言われている。今回のコロナ禍でその本性がむき出しになって、周囲の人々を幻滅させた人がそこかしこに居るということがないように祈りたいものである。
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我、時に狂人にならんと欲す。


先に内閣が示した、「経済財政運営と改革の基本方針2020 について」(骨太の改革2020)を読むと、例年と異なって社会保障費の自然増を5.000億円程度に抑制するという数値目標が書かれていないように思う。

それが僕の見落としでないとしたら、コロナ禍の影響で感染対策費などの支出も増える中で、その数値の達成はますます困難であるという意志が働いたのかもしれないと思ったりしている。

だからと言って骨太方針が国の予算支出を必要不可欠な領域に重点化し、それ以外の予算支出をできるだけ抑制させるための方針であることに違いはないので、そのことで介護報酬のアップが期待できるというものではない。

しかし社会保障費の削減数値が消えたことをポジティブに捉えて、次期報酬改定のプラス改定に向けた関係者の期待値は、少しだけ増しているというところだろうか。

どちらにしても社会保障費自体は、まだまだ増え続けるのだ。介護給付費だけを見ても、2018年の10兆円から2028年には20兆円になる。そこに保険外の周辺費用を含めると、介護市場は2025年には100兆円と言われる巨大なマーケットとなるのである。感染対策費の上乗せ分を考え合わせると、この数字はさらに上方修正ができるものと思える。

そのため今後の介護サービス市場において、顧客のハートをつかんでサービスを利用してもらえるのであれば、介護事業者には今以上の大きな収益が期待できるのである。

だからこそ顧客のハートをつかむ知恵と工夫が必要だ。日本の高度経済成長を支えてきた段階の世代の方々に選ばれるサービスは何かを考えて、介護戦略は常に更新していく必要がある。

ホテルサービス並みの顧客対応を日常化できる事業者には、付加価値に対する保険外の収益を得るチャンスが広がり続けるだろう。お客様に対し日常的に、「○○様。かしこまりました。」という対応ができる事業者だけに、大きな収益は生まれるのである。サービス利用者に対して、「さん付け」で十分だろうと考える事業者であってはならないのだ。

ましてや、「ちゃん付け」や「ニックネーム」で顧客を呼ぶ事業者は、顧客が離れる前に、簡単に撮影される映像がネットに流出して、その言い訳と謝罪に多くの労力がとられていくだろう。

顧客に向かってタメ口対応を批判され続ける介護事業者が存在することは、それを踏み台として利用できるという意味になるかもしれない。サービスマナー意識に欠ける事業者のサービスの品質を批判しながら、その対岸に向かうことができれば、劣悪な事業者との対比を売りにして大きな「財」を獲得できるのだ。その財とは人財も含めての話である。それはサービスマナー教育にお金と時間を掛けない事業者には得ることができない財である。

そのような中で、感染予防への先進的取り組みは、顧客確保の売りになり得るものだろう。昨日の記事で指摘した、新生活様式に沿った面会対応ができるための設備も、顧客ニーズにマッチして選ばれる要素の一つにあり得る。他の施設で導入していない、新たな面会の導線確保という建築アイディアも捨てたものではないのである。地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金や感染症対策支援事業(感染対策かかり増し経費の補助)を活用して、いち早く設備改修に取り組む必要性はここにある。

同時に新しい時代の経営として、固定費の削減に取り組む必要性も経営戦略として欠かせない。電気というエネルギーが、介護経営に更なる比重を占める現状で、その経費削減に取り組むことも未来を見据えた経営だ。(※電力の見直し増えてます!【電力料金削減はプロにお任せ!】


愚者は過去を語り・賢者は今を語り・狂者は未来を語るという言葉があるが、それは未来を語る人間が狂っているという意味ではなく、未来を見据えて新しい道を切り拓こうとする者とは、常に時代の常識からは外れて見られ、時には狂者でしかないと思われるという意味でもある。

賢者と言われている人も、今を語るだけであれば、明日は昨日という過去を語る愚者に陥るかもしれないのである。今を語っているつもりの自分が、いつの間にか過去を語っている状態になっていないかを常に確認しなければならない。

未来を切り拓かんとするものは時に狂人にならんと欲すべし。その精神を忘れてはならない。
無題
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withコロナの介護事業


新型コロナウイルスの流行を踏まえた介護サービス事業所の報酬、運営基準などの特例について、厚生労働省は今後しばらく存続させていく方針を示している。

そうなると来年4月の報酬改定にもそのことは影響してくるだろう。基本サービス費をコロナ対策費を盛り込んで引き上げるという単純な報酬設定ではなく、感染が流行したときに報酬の算定区分を柔軟に変えるなどが、報酬の基本構造の考え方に盛りこまれていく可能性があり、そのことが通所サービスの提供時間上位区分の特例算定で実験的に行われていることは、昨日の記事で指摘したとおりである。

コロナ禍により社会は変わったのである。コロナウイルス流行前の社会に戻ることはなく、新しい社会構造が随所に求められていくのである。それが、「withコロナ」である。

そうであれば報酬、運営基準などの特例のルールの一部は恒久化を考えていく必要もあるだろう。

そうした観点から関係者の皆さんには、今回の様々な特例とはどのような内容であったかを振り返ってほしい。

そのような観点から言えば、厚労省のサイト内にある、『「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて」のまとめ』というページは、事業種別ごとに今回の特例がまとめられているので、頭の中を整理するために便利である。是非参照してほしい。

一連のルールの中には恒常化してほしいルールもいくつかある。例えば訪問介護の特例ルール、『訪問介護員の資格のない者であっても、他の事業所等で高齢者へのサービス提供に従事した事がある者であり、利用者へのサービス提供に支障がないと認められる者であれば、訪問介護員として従事することとして差し支えない』については、感染対策特例でで支障がなかったという前例を受けて、初任者研修を受けなくとも、他の実務でヘルパーとして認めて良いのではないか。

同時に通所サービスの、『利用者の希望に応じて、…冥螢機璽咼垢了業所におけるサービス提供と、当該通所サービスの事業所の職員による利用者の居宅への訪問によるサービス提供の両方を行うこととし、これら´△離機璽咼垢鯏宜組み合わせて実施する』というサービスは、「新複合サービス」として制度の中に組み込んでいく必要があるのではないか。

上記の2点は訪問介護資源の枯渇という懸念を拭い去るうえで、対策の一つとなり得ると思う。(参照:訪問介護員の絶滅を防ぐ手立てはあるのか?

またサービス担当者間の調整に関連して、『時間を短縮しての通所サービスの提供や、訪問によるサービスの提供を行う場合、事前に利用者の同意を得た場合には、サービス担当者会議の実施は不要として差し支えない。また、これらの変更を行った場合には、居宅サービス計画(標準様式第2表、第3表、第5表等)に係るサービス内容の記載の見直しが必要となるが、これらについては、サービス提供後に行っても差し支えない。』とされた特例も恒常化すべきだ。平時であっても緊急的に計画の変更になるケースはあるのだから、担当者会議や計画書への記載は、臨機に対応を柔軟にできるようにすることで、計画担当ケアマネ及びサービス事業所の双方の業務負担軽減に結び付くと思える。

さらに居宅介護支援においては、担当者会議やアセスメント訪問をビデオ通話などで代替できることを通常にすべきではないか。このことに関連して、第8回規制改革推進会議資料1では、56頁に、『介護支援専門員のモニタリング訪問、サービス担当者会議については、テレビ 会議、ビジネスチャット等のICT活用による訪問等の代替を含めた業務負担軽減について検討する』とされている点に注目したい。

なお同頁には、『介護施設におけるテクノロジーの導入の有無による比較対象を設定した効果検証を実施し、当該検証結果を踏まえながら、介護報酬等 への評価につなげる』として、介護ロボット導入加算の視点や、『今後の 介護報酬についても、かけた手間や体制等を評価するストラクチャー評価やプロセス評価に加えて、高齢者の自立支援効果に応じて報酬上のアウトカム評価がより行われるような見直しが不可欠となっている。』として自立支援介護に対する報酬評価の視点が明記されている。

どちらにしても、介護事業の経営やサービス提供にもwithコロナの観点から変化が求められていくことは間違いのないところであるし、介護報酬改定も決して甘い見込みは立てられないことも間違のないところだ。

そんななか先日書いた、「政権政党の提言は介護報酬改定に影響するのか」に次のようなコメントを書いてくれた方がいる。
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当法人において教えていただいた電気ブレーカーの導入を見積もったところ、年間数百万円の経費削減が可能になることがわかり早速取り入れました。ガスについても現在交渉中です。貴重な情報ありがとうございましたよ 。
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年間数百万とは大きな経費削減である。多分それだけ事業規模が大きな法人なのであろうと想像できるが、事業規模が小さくとも、経費削減効果はあるのだから、ぜひ固定費のコストダウンには乗り遅れることなく取り組んでほしい。その際には別ブログに更新した、「介護事業のコスト削減は電気代とガス代の見直しから始まります」という記事を参照にしていただきたいと思う。

新しい時代も介護には順風が吹く兆しは見えないが、私たち自身が前向きにアクションすれば、きっと私たちを後押しする風や、私たちを照らす光に出会うことができるだろう。

そのことを信じて、ともに知恵を絞り前に進んでいこうではないか。

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介護のデジタル化を加速させる波は何をもたらすのか


22日の経済財政諮問会議で、安倍首相は医療・介護のデジタル化を加速させるよう関係閣僚に指示した。

これは新型コロナウイルスの感染拡大によって、以前より更にデジタル化の必要性が高まったことによる指示である。

同会議では介護の具体策にも踏み込み、リモート介護予防サービスの展開やペーパーワークの徹底した効率化、ケアプランAIの活用などが注文された。

これを受けて加藤厚労相も、「介護報酬・人員基準を逐次見直す」と言明すると同時に、現場へのセンサーやICTなどの普及に力を入れると説明している。

具体的には、事業所の指定・更新申請や報酬請求などの大部分をWeb入力、電子申請のみで済ませられる仕組みの構築を目指す。事業所に保管すべき書類のぺーパレス化も徹底し、基本的にオンラインで事足りる環境の整備を図るという構想を、早ければ来年度中にも具体化までこぎ着ける計画を打ち出した。

このことは当然のことなら、介護分野の文書に係る負担軽減にリンクしている。しかしこのブログで何度も指摘しているように、国が取り組む文書削減とは、結果的に事務書式の削減だけに終わっており、介護事業者が本当に必要とする書類の削減にはつながっていない。

介護関係者が最も望んでいることは、看護・介護職員等の直接処遇職員の記録にとられる労務負担が減って、利用者対応の時間が十分とれることに他ならない。このことが実現すれば、もしかしたら現状の体制で、利用者に対して必要なケアが、今以上に可能になるかもしれないし、場合によっては、人員不足の対策としても有効に働くかもしれないわけである。

しかし事務書類がいくら減っても、介護サービスの場には何も関係ないことで、人手が足りないことの対策としては全く無効であると言わざるを得ない。

特に介護報酬には改定の度ごとに新しい加算が創られて、報酬構造が複雑化している。加算算定のためには算定要件をクリアしておく必要があり、実地指導ではそのことが重点的に確認される。そのため介護事業者には、加算要件をクリアしているという証拠としての記録の整備が求められているわけだが、この記録は主に看護・介護職員の業務となってのしかかっているのだ。介護人材不足が叫ばれる中では、こうした看護・介護職員が担っている記録業務減らさねば、介護崩壊の恐れさえ現実化するのではないだろうか。

この危機意識を国や国の会議参加メンバーはわかっているのだろうか・・・。

そんな中で、現場へのセンサーやICTなどの普及が進むことは、夜間の定期巡回回数を減らすなどの一定の業務負担の軽減効果が見込まれる可能性があり、介護事業者は積極的に補助金等を活用して、実用できる機器導入に努める必要あるだろう。

だからと言って見守りセンサーやICTが、介護事業者の日常アイテムとして普及した先に、人員配置規準を下げて、人手を掛けなくて済む介護事業が実現するなどという幻想を抱いてはならない。(参照:人員配置基準緩和で喜ぶ職員なんて存在しない

所詮、センサーができることとは、何かあったという『知らせ』だけであり、そこで起きたことに対応すなければならないのは、センサーでもICT機器でもなく人間なのである。

ところで国のこうした方針は、次期報酬改定にも反映される可能性があり、前回の報酬改定で議論となった、「介護ロボット導入加算」も再度議論の俎上に上る可能性が高まった。

コロナウイルス禍で経済が低迷している現状の中で、介護ロボット産業は国にとって一縷の望みの綱である。介護ロボット技術は日本が世界一なのだから、日本の介護現場で介護ロボットが実用化され普及すれば、それは世界に輸出できる有力なベンチャー企業を生み出すことにつながるわけである。それは大きな経済効果をもたらし、景気の上昇につながるであろう。よって国は是非とも介護ロボットの導入を進めたいわけだ。

つまりこれは福祉・介護政策ではなく、経済政策の側面が強いことを理解しなければならない。

人に替わって介護ができるロボットができることに超したことはないので、ぜひその実現を図ってほしいが、現状ではそうなっていない。今実用化が期待されている介護ロボットとは、介護をする人を支援する効果はあっても、介護ロボットだけで介護を受ける人に必要なサービスを提供できるようなものではない。(参照:介護ロボット問題全般の記事

今後10年というスパンを睨んでも、その技術は我々の想像を超えて発達するとは思えない。人間の複雑な関節の動きや、感情表現に追いつくロボットなど想像できないのである。

どちらにしても22日の指示事項は、指示した人の面子を立てるためにも何らかの形で実現が図られていくだろう。介護現場のリモート化は間違いなく進んでいくが、その際に念頭においてほしいのは、電源喪失の際の備えである。

僕は2012年11月に、特養の施設長という身で登別大停電を経験した。【参照:登別大停電の影響と教訓その1)・(その2)】

その6年後の一昨年は、胆振東部地震にともなう北海道全域のブラックアウトも起こっている。

そのことを考えると、地域全体に影響が及ぶような停電は、決して稀なことではないと言えるのだ。当たり前のことであるが、停電の折には電気に頼り切った業務はすべて停まってしまう。事務処理が1日や2日滞ることは、後で十分とり戻すことが可能だろうが、人に対する介護という業務が、電源喪失の途端に滞るようなことがあってはならない。それは決して後に取り戻せるような問題ではなく、人の命にかかわる問題となりかねないのである。

デジタル化・機械化が進む中では、そのことの備えもより重要になってくる。自家発電機は通常装備品であると考えていかねばならない。

さらに言えば、こうした流れは電気の使用量の大幅な増加をも意味しており、事業経営を考えると、電気料金の削減は、収益上大きな要素となることも改めて意識しておく必要があるのだ。
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通常装備すべき消耗品が増える中での報酬改定と事業者の心構え


緊急事態宣言がすべての地域で解除されて以降、介護サービスも徐々に平常営業に向けた準備が進められていることと思う。

しかしワクチンが開発されるまでは、感染リスクは相変わらず高いままである。感染が広まる恐れは常にあるので、でき得る対策をすべて取っておく必要がある。

通所サービスでは、今まで行っていたサービスメニューの見直しが必要だろう。介護保険最新情報Vol.841は、「介護予防・日常生活支援総合事業等における新型コロナウイルスへの対応について」 であるが、ここで求められていることは、介護給付の通所介護等でも同様に求められてくる。

例えば、『 歌を控えるとともに、文字(紙)や録音した音源、マイク等を活用するなど、大きな声を出す機会を少なくすること。 』・『息が荒くなるような運動は避けること。 』といった点は通所介護の活動メニューの見直しとして具体化していかねばならないし、『 座席の配置について、対面ではなく、横並びで座るなどの工夫を行うこと。 』は食事の際の座席配置の見直しにもつなげていく必要があるだろう。

また日常的な備えも十分すぎるほど続けていく必要がある。職員がマスクをつけて対応することは習慣化されていくと思われるが、そのためにはマスクの『常備』は欠かせなくなる。巷のマスク不足はどうやら落ちついているが、万が一に備えてある程度の量を倉庫等にストックしておく必要があるだろう。消毒液等の消耗品も、従前以上の消毒が当たり前となった中で、ストック量を見直していかねばならない。

そのためには従前以上の費用が掛かるが、それはやむを得ないことだ。そうした対策をしなかったことが原因で、ひとたび感染症が事業所内に広がれば、その時にかかる費用と失われる収益は、感染予防対策にかける費用の比ではないので、決して削ることができない費用負担と考えざるを得ない。

コロナ禍による追加の補正予算では、自治体から休業要請を受けた事業所だけではなく、介護事業者に広く消毒・清掃費用 や、マスク、手袋、体温計等の衛生用品の購入費用等の補助が行われるとされているが、そうした特別な時期の補助だけで対応できる経費増加ではないので、当然のことながら次期介護報酬改定においてその費用を見てほしいと考えるのは、ごく自然な流れだと思える。

感染予防対策費は、今回の騒動が収まったとしても減る種類の問題ではなく、今後も引き続き対策を続け費用をかけていく必要があるものだ。つまり通常装備費用が増加しているという意味であり、次期報酬改定についてはこのことを盛り込んだ議論が必要不可欠である。

国は次の報酬改定のテーマとして、『自立支援介護』を高らかに唱え、アウトカム評価の加算報酬導入を、多くのサービスに導入しようと目論んでいる。しかし感染予防対策費用は、結果が数値化できるものでもなく、目に見えない地道な取り組みに関わる費用であり、アウトカム評価の報酬体系にはなじまないものである。そうであるがゆえに基本報酬単価の引き上げが是非とも必要になるのではないだろうか。

是非そうした方向からの報酬改定議論が展開されてほしいものである。

ただ感染対策費が報酬改定に盛り込まれたとしても、事業者の支出全てをカバーするような改定額になることはないだろう。介護事業者は一層の経営努力が求められることは間違いのないところだ。経費削減は、できるところから手を付けていかねばならない。

経営母体が大きければ大きいほど、固定経費の削減は大きな収益と結びついていくので、ここはおざなりにできない。

そうした視点で言えば、今後の介護事業経営に必要不可欠な、介護ロボットやインターネット関連機器の導入が、介護事業経営にどう影響するかということを、もう少し切実な問題として考えてほしいと思う。

例えば介護保険最新情報Vol.834では、介護施設等でのオンライン面会が推奨されているが、コロナウイルス騒動が一段落したとしても、オンライン面会の必要性はなくならないだろう。感染予防対策とは別にして、利用者が遠方の家族といつでもつなげられるツールとして、それは当たり前に使われるツールとして浸透していくだろう。

また、1日に行われた介護給付費分科会資料では、『介護ロボットの効果実証に 関する調査研究事業 (結果概要)(案)』が示されそこでは、「介護ロボットの活用内容の把握や評価指標を用いた具体的な効果の検証・把握を行うことを通じ、次期介護報酬改定等に向けた課題等の整理を行うこととする。」とされている。これは介護報酬に近い将来、「介護ロボット導入加算」が新設される布石につながっていくかもしれない。

出生率の低下が止まらない我が国では、国内人材だけで介護人材不足を補う手段はもはやなく、外国人や機械の力を借りて、それを補う施策がとられていく。その流れの中で、介護事業者の業務も機械化される範囲は確実に増えていく。それが人にとって便利であるかどうかは別にして、機械に替わるところは替えていかないと、業務が廻らない状態となるのだ。だから場合によっては、利用者の暮らしの質を顧みない機会化も現実のものとなる恐れさえあるということだ。

どちらにしても介護事業者全体の高テクノロジー機器化・リモート化は不可欠で、その対策も急がねばならない。しかし電気が止まって機械が動かず、リモート機器が使えなくなって、介護サービスに支障が出るようなおかしな世の中にしないことも必要な視点である。機械や技術は、人が使いこなすもので、それに操られてしまってはならないのである。

それとともにそうした高テクノロジー機器を動かす電気というエネルギーに着目しなければならない。電気を使う量は今以上に増えてくるのだから、固定費の中に占める電気料金は、今以上に大きな額となることを考えると、この費用を上手に削減することができることは、事業経営に大きな利益をもたらすと思う。

そのため僕は何度か介護事業経営の視点から、電気料金の削減を提案しているのである。(参照:固定費削減意識が無いと介護事業は生き残れない中で、リスクゼロで電気料金削減できるという朗報

リンク先を参照にして経費削減に努めてほしい。

こんなふうに今後の介護事業者には、介護報酬のアップを期待するだけではなく、自らの創意工夫で経費を削減し、収益を生み出し、安定した事業経営を続けていくという視点がに求められてくる。ぬるま湯に浸かりながら、経営をしなくても、運営さえすればよかった時代とは異なってきているのだ。

国が手を差し伸べてくれるのを待つだけの介護事業経営ではだめなのだ。国が手を差し伸べたくなる、健全な介護事業でなければならないし、その基盤は利用者の福祉の向上に寄与する良質なサービス提供であり、利用者の暮らしぶりがよくなっているという結果責任を常に意識したサービス提供に努めることである。

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