masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

介護事業経営

社会福祉連携推進法人が施行された際の影響


社福は経営規模拡充の波に乗ることができるか呑み込まれるのかより続く)
最初に私的なことだが、皆さんにも関係深いと思われる情報を一つ報じておく。昨日2回目のコロナワクチン接種を終え、特に副反応も感じられず普通に過ごしていたが、今朝起きると体がだるかった。

そのため検温してみたところ、37度8分迄発熱していた。頓服を呑んでも現時点でその状態は改善していない。ここ2年以上風邪もひかず、発熱もなかった僕は、昨日も特に風邪をひくような覚えはないので、これはワクチン接種の副反応だと思う。1回目のワクチン接種の際は、注射部の筋肉の痛みだけだったので(3日ほどで痛みは引いた)、やはり副反応は2回目に強い症状が出るというのは本当だった。接種の際は、頓服を処方してもらうことをお勧めする。

さて話は変わって今日の本題。

社会福祉法人は、事業規模の多角化・拡大化を図る必要があることや、地域に社会福祉法人が複数乱立していることは好ましい状態ではないと国が考えていることは、昨日の記事で解説した通りである。

日本の人口は減少して地域社会は縮小するのだから、現在のように各地域に事業規模零細な社会福祉法人が乱立していて良いのかという意味もそこにはある。

そのため場合によっては複数の社会福祉法人の合併を図る取り組みの支援を、地域行政が行うことが望ましいとも考えられている。

しかし設立理念や経緯の異なる法人が、合併することの困難さは想像以上である。

そのため昨年改正された社会福祉法には新たに、「社会福祉連携推進法人」というものを位置付けている。
社会福祉連携推進法人
ここで法制化された「社会福祉連携推進法人」の施行は2022年4月とされている。

社会福祉連携推進法人とは、複数の社会福祉法人等がグループ化して設立する法人であり、次の6点が可能となる。
1.地域共生社会の実現に資する業務の実施に向けた種別を超えた連携支援
2.災害対応に係る連携体制の整備
3.社会福祉事業の経営に関する支援
4.社員である社会福祉法人への資金の貸付
5.福祉人材不足への対応(福祉人材の確保や人材育成)
6.設備、物資の共同購入


この中で注目すべきは3である。社会福祉法人は、原則として法人外への資金融通が認められていないが、「社会福祉連携推進法人」としてグループ化された枠内であれば、資金を法人間で融通し合えるのである。それによって資金不足に陥っていた法人が息を吹き返し、新サービスを生み出す可能性も高まる。

6によって様々な物品の購入価格が下がることは必然で、運転資金にも余裕が生まれる可能性がある。

何より人材確保・育成面では大きなメリットが生ずる。全国すべての地域で介護人材不足は深刻で、外国人をいくら雇用しても、すべての介護事業者で数が充足することにはならない。国の施策でこの問題は解決不可能だ。

だから人材を独自に確保して、定着率を上げるための教育システムを構築・機能させることは不可欠であり、そのためには法人内に人材確保と育成に専念できる専門部署と担当者を創ることが重要である。しかし事業規模脆弱な社会福祉法人内に、そのような専門部署と担当者を配置することは非常に難しい問題であった。

しかし「社会福祉連携推進法人」とすれば、そのような専門部門をグループ内に配置して、職員募集と採用・教育をグループ内で一貫したシステムとして構築できる。これによって法人単独で経営していた際より、確実に人材確保は容易になる。

職員の一括採用先には、それぞれの採用法人の給与規定が異なる点がデメリットとして浮かんでくる可能性が高い。そうであればその先にはグループ内での給与規定をはじめとした就業規則の統一化ということが現実化するかもしれない。

それが実現すれば、労務管理もグループ内で一括して行うことができるし、それが非課税法人のメリットを生かした統一給与規定を定めることにつながれば、そのことは民間大手営利企業のブランド力とサービス展開力と対応し得る重要なアイテムとなるだろう。

勿論、こうした法人のグループ化や大規模化にはデメリットも懸念されている。

例えば経営判断の遅延が懸念されているが、グループ内の意思疎通システムをきちんと構築することで、そのデメリットは最小限に抑えられる・・・というか、そもそも事業規模の小さな社会福祉法人で同族経営の法人では、もともと経営能力のない理事長や管理者が少なくなく、グループ化によってこれらの無能な経営者は淘汰されるか、能力の高い経営者に引っ張られて発言力を失っていくかのどちらかであり、経営判断の問題はさしたるデメリットならない。

同族経営こだわって、後継者がいないため法人経営ができなくなるデメリットも、グループ内で経営者を含めた人材を手当てすることで防ぐことができる。それによってグルー内の法人職員を護ることにもつながるのだ。

法人規模が巨大化することで、地域性を鑑みた独自のサービスが喪失されるのではないか懸念する人もいるが、巨大化によって知恵が集まり資金が融通できるのだから、むしろ地域性に応じたサービスの工夫は容易になるだろう。

厚労省は、「社会福祉連携推進法人」を年間10件〜20件認可していく方針を示している。その方針どおり事が進む保証はないが、どちらにしても今後はこの法人が全国津々浦々に誕生していくことは間違いない。

施設・事業所運営しかしておらず、法人経営を行っていない事業規模零細の社会福祉法人は、地域に「社会福祉連携推進法人」が誕生したとき、グループ化された法人と競合できるのか?小規模の民間営利企業は、そうした法人がある地域で利用者や職員を確保していけるのだろうか。

その影響は避けられないし、逆に言えば「社会福祉連携推進法人」とは、それだけ大きな力を持ちうる法人であり、地域の介護事業者のパワーバランスを根底か覆す大きな変革の波となり得る存在である。

今後の福祉経営は、特養・障がい者施設・保育所等を含めた一体経営が求められ、スケールメリットを最大限に生かさないと生き残れない可能性が高い。

それらを総合的に考えたときに、「社会福祉連携推進法人」の設立とそこへの参入は、社会福祉法人の経営戦略として視野に入れておかねばならないことでもある。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

社福は経営規模拡充の波に乗ることができるか呑み込まれるのか


大企業の介護職給与改善の波はどう影響するのかより続く)
社会福祉法人は、給与を含めた職員待遇面での水準については介護業界のトップを走ってきた。

それは措置費時代の社会福祉法人の給与体系が、「国家公務員に準拠する」とされていたためである。準拠というのは一段下がるという意味ではなく、同じくするという意味である。

よって僕が特養に就職した当時は、給料表も国家公務員と同様のものを使っており、賞与も各種手当も同じ水準であった。人事院勧告でベースアップが行われると、その年の4月にさかのぼって昇給とされ、それまでの間の差額まで支給されていたのである。

さらに経験年数の長い職員を雇用している法人には、人件費比率が高くなることで赤字経営にならないように、「民間給与改善費」というものも支給され、経営困難とならない手当までされていたのである。当然退職金制度も公務員並みに整っていた。

このように社福は、非課税という優遇措置に護られてきただけではなく、手厚い措置費にも護られてきたわけで、親方日の丸的な立場でいられたわけである。

だから特養のトップは、経営能力がなくとも運営するだけで切り盛りできたために、役所の天下りが、ただ机に座っているだけで施設長であるとふんぞり返っていることもできたのである。

介護保険制度以後は、「国家公務員に準拠」する規定はなくなったが、それでも措置費時代の給与水準を維持してる社会福祉法人が多いために、社福全体の平均給与は現在でも高水準を保っている。

しかし相変わらず経営をせずに、運営だけで乗り切ろうとする施設長も多く、施設管理中心で法人経営が不在な社会福祉法人が多いことの批判が続いた。

それらの法人は事業規模も零細で、特養を1施設だけ運営し、そこにおざなりのように通所介護事業等を併設するだけの運営スタイルから脱却できず、再生産・拡大再生費用は補助金と寄付が前提で、画一的サービスと同族的経営に終始する法人が少なくなかった。

非課税で守られているにもかかわらず、社会福祉法人減免などの公益事業も行っていない法人も見られた。

社福の経営面では、2016年時点で赤字の特養が全体の32.8%に上り、それらの施設は繰越金を取り崩して運営しているという放漫経営状態も目立っている一方で、多額な内部留保も問題とされた。

そのため2016年の改正社会福祉法の施行では、公益的な取り組みを実施する責務が法律明記され、2017年には経営組織のガバナンス強化と、社会福祉法人の財務規律の強化の取り組みが法律に基づいて実施されるようになった。

そのような中で、社会福祉法人としての経営戦略の練り直しを図らねばならない状況が生じ、給与規定の見直しを図ってきた法人も多いだろう。それらの法人は、SOMPOケアの給与改善後の待遇と比較して、それに負けない待遇が維持できているだろうか。

仮に同程度の待遇であるとしても、SOMPOケアはSOMPOホールディングスという大企業を母体としていることを考えなければならない。特に介護人材確保という部分では、SOMPOケアは広く人材を他業種からも含めて、全国至る所から集めることができるのである。

社福ではない企業が本腰を入れて、社福並みの職員待遇を実現した先には、大企業というブランドと、全国展開するスケールメリットを生かして、社福に対抗しうる様々なアイテムを従業員に提供し得るのだ。

そのことを鑑みた新しい介護事業経営戦略が社会福祉法人には必要になるのである。

社福の経営者は、それらの企業と勝負できる戦略を持っているのだろうか。持たないとしたら数年以内に人材流出が顕著となり、人材確保が困難で事業経営に支障をきたす状態が現実のものとなる。

だからこそ社会福祉法人の事業規模の多角化・拡大化は差し迫った課題であると言える。そうして経営リスクの分散化を図る必要があるのだ。法人規模零細なままで経営が続けられる時代ではなくなっているのであって、一法人一事業は過去の遺物と考えねばならない。

場合によっては複数の社会福祉法人合併という選択肢も視野に入れなければならない。

どちらにしても、現在のように同じ市町村内の社会福祉法人の数が、地域包括支援センターの数より多く存在する状態は、経営効率が悪いとして否定される方向に向かうことは必然の流れだ。

社会福祉法人の経営者はそのことを理解できているだろうか?

そのために、昨年改正された社会福祉法により法制化された社会福祉連携推進法人が、いよいよ2022年4月から運用が開始されるのである。

このことについては明日改めて論ずることとしたい。(社会福祉連携推進法人の法制化についてへ続く)
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

大企業の介護職給与改善の波はどう影響するのか


SOMPOホールディングスといえば、かつては損害保険会社大手というイメージが強かったが、介護事業にも参入して業績を伸ばしていることは、今更言うまでもない。

しかし介護事業に参入した時期は、そう早い時期ではなく後発組と言っても良いと思う。しかしその勢いは目を見張るものがあり、Sアミーユ川崎幸町の殺人事件やアミーユ全体の虐待事件を受けて介護事業が立ち行かなくなった旧メッセージの介護事業を買い取った他、ワタミの介護も買い取るなど急激に事業を拡大してきた。

そのSOMPOホールディングスが、傘下にある介護事業会社SOMPOケアの中核職員約1.000人を対象として、2022年度に年収ベースで100万円程度引き上げる方針を固めたと報道されたのは、先月末のことである。これによってリーダー級の介護職員の給与は看護師と同水準である年収約491万8000円まで引き上げられることになる。

原資となるのは居住系サービスの展開など事業拡大で得た収益で、年間で約15億円を新たに投じていくとのことだ。

同社は2019年度にも一定のスキルを持つ介護職員の給与を最大で年80万円程度引き上げた経緯があり、来年度からはそれからさらに上乗せして介護職員の待遇改善が図られることになるのだろう。

同ホールディングスでは過去に、国内損保事業の従業員を介護の子会社などへ配置転換を進めてるので、配置転換で不利益を生じさせないようにするための対策という意味合いも今回の方針には含まれているのかもしれないが、収益を従業員に還元する一連の給与改善は、同社社員だけではなく、介護業界全体の従業員から拍手が送られてしかるべきである。

こうした大企業の方針が、介護業界全体での職員待遇改善の礎になるとしたら、それは大いに讃えられるべきことであると思うからだ。

そういう意味でSOMPOホールディングス経営陣には心より敬意を表したい。

しかしこうした大企業の経営方針は、経営体力の弱い小規模事業者にとっては脅威でもある。同じように給与改善ができる小規模事業者は決して多くはなく、そこから人材流出が起こる可能性があるからだ。

単純に考えても同じ介護という職業に就くなら、給料がよくて福利厚生も充実しているところで働きたいと思うのは当然のことである。

小規模対応でアットホームな雰囲気で利用者対応したいと考える人にとっても、事業規模が大きくとも、そこで展開するサービスの種別の中には、小規模対応のサービスがあり、そこを選んで就業できるとなれば、その点での問題もなくなる。

SOMPOホールディングスは、居宅サービス部門を中心に拡大路線を続けており、その流れは団塊の世代がすべて75歳となる2022年を前に、通所サービスや訪問サービス利用者の増加という潮流を受けてさらに加速されることが予測される。

その中で人材を集めているのだから、給与改善をしない介護事業者から同社への人材の流出が起きることは必然だろう。

そういう意味で他社は今、SOMPOホールディングスとの人材確保競争が激化すると考えなければならない。そこで勝ち残っていくために何が必要だろう。

小規模事業者の中にはいまだに給料表もなく、昇級規定も存在せず、給与アップは経営者の胸先三寸で決定されて、定期昇給があるかないかさえわからないところも少なくない。しかしそうしたところは、人材にそっぽを向かれて事業が立ち行かなくなることは目に見えている。だからこそ早急なる経営方針の大転換が必要だろう。

事業規模の拡大を図って、提供できるサービス種別も多角化していく必要があることは、このブログで再三指摘してきたところだ。そうしない介護事業者は消えてなくならざるを得ない。

そうであればその影響は、小規模事業者が大企業に吸収合併されていく流れもがきてくるという形で見えてくるかもしれない。小規模事業者同士の経営統合も視野に入れる必要もある。

どちらにしても定期昇給もままならない事業規模(例えば地域密着型通所介護のみの経営スタイル)の事業経営は成り立たなくなるだろう。

そうした危機意識を持たず、職員待遇も旧態依然の状態を放置する介護事業者に勤めている方は、そうしたところをできるだけ早く見放して、自分のスキルアップとステージアップのための積極的な転職を考えることはあって当然だ。

特に能力のある人は、引く手あまたなのだから、きちんと情報を集めて、自分のスキルに見合った転職先を探して罰は当たらないだろう。

SOMPOホールディングスが示した、平均給与モデルは、その際の参考になるのではないだろうか。

そんな新たな流れが生まれる中で、給与を含めた職員待遇面では介護業界の先頭を走ってきた社会福祉法人は、その影響をどんなふうに受けるだろうか。

これから何が起きるだろうか。そのことは明日詳しく論ずることにしたい。(社福は経営規模拡充の波に乗ることができるか呑み込まれるのかに続く)
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

通所介護に吹きはじめた風を掴むために


通所介護に新しい追い風が吹き始めている。

来年から団塊の世代が75歳に達するようになり、後期高齢者数が爆発的に増えていくが、それは在宅で生活する軽介護者の増加と一致する。

その人たちが必要する介護サービスは、身体機能を衰えさせないように、心身が活性化できるサービスである。

疾患後遺症の治療としてのリハビリテーションではなく、健康保持のための機能訓練ニーズも高まってくる。

そのためこのところ通所介護を利用する人が増えている。

それが証拠に、通所介護事業所数が増え続ける中で、過当競争となり顧客確保が困難となっていた地域でも、新規利用の顧客が増えて定員が埋まったという事業所が少なくない。待機者が増えて定員の増加を考慮している通所介護経営者の声も聴こえてくるようになった。

少なくとも今後3年間は、その上昇カーブが続くことは間違いない。定員規模を増やして、経営基盤を強化することも可能となるだろう。

しかしここからが通所介護事業の正念場である。

最速で次期制度改正の際には、軽介護者の通所介護の地域支援事業化という逆風が吹き荒れることを忘れてはならない。

国は2020年度から一般会計予算において、インセンティブ交付金を400億円と増やし(2019年度の倍)、この交付金を「一般介護予防事業」の「通いの場」の拡充とリンクさせて、その確保を図っている。

さらに本年4月から第1号事業(総合事業)の対象者について、「要支援」から「要介護」になっても、それまで受けていた総合事業の利用が継続できるように見直した。これによって要介護認定を受けても、市町村の総合事業である通所型サービス(第1号通所事業)を継続利用する人が増えることが予測される。

要介護1の認定を受けた人が、介護給付の通所介護を利用せず、通所型サービス(第1号通所事業)を利用し続けるということは、それが本人の希望の結果とはいっても、事実上要介護1の対象者の一部の人たちが、通所介護の介護給付除外を受けていることと同じと言える。

2024年の制度改正に向けて、このような準備が着々と進んでおり、市町村の通いの場が充足したと判断されれば、24年から要介護1と2の通所介護は市町村事業に移行させられていくのである。

勿論その際も経過措置期間はあるだろうし、現行のように通所介護事業所が市町村から通所型サービス(第1号通所事業)の委託を受けてサービスを継続することは可能だろう。しかし経過措置は最大で3年間だろうし、給付費単価は今よりずっと下げられることは間違いないところだ。

そうであればその時に、単価の安い市町村の委託偉業を受けながら経営を続けられるように、委託サービス利用者を今以上に数多く受け入れられるようにすることや、要介護3以上の方のサービスも充実を図って、事業が急に萎まないようにしなければならない。

顧客確保に困らないことに胡坐をかいて、経営努力を怠る先には荒野が待っている。利用者の急激な減少という荒波に呑まれ、一気に倒産という憂き目にあう通所介護事業所も少なくないだろう。

そうならないように今からしておくことは何だろう。まずは今通所介護に通っている人、これから新規に受け入れる人のハートをがっちりと掴んでおくことだ。

サービス利用者の中心層は、「団塊の世代」の人々に移っていることを自覚して、その人たちの特徴やニーズに沿ったサービス提供が必要だ。

団塊の世代の人たちは、日本の経済成長の中心にいた人たちであり、上下関係に厳しく、権利意識も強い人たちだ。しかもPCや携帯電話は当たり前に利用しているし、スマホやタブレットを使いこなしている人も少なくないという世代だ。

通所介護の評判もSNSで確認したり、ラインで情報交換することが当たり前になってくる。

顧客に対して、「タメ口」で接することを簡単に許してくれる世代ではないのである。

だからこそ、利用者が増えている今、しっかりと職員にサービスマナー意識を植え付けて、顧客の口コミで顧客が増えていくという流れをつくらねばならない。

サービスメニューも、スマホやタブレットを利用した新たな展開を図っていかねばならない。(参照:地域住民から選ばれる通所介護のサービスメニュー

近い将来には、通所介護の対象者が要介護3以上となることを見越して、重度の人たちを数多く受け入れられるように、職員の知識や技術も高めていかねばならない。

通所リハビリから通所介護への移行が促進されるという風も掴んでいく必要があり、それを見越して通所リハビリ事業所との連携も視野に入れておく必要がある。(参照:通所リハビリの新経営戦略

しなければならないことはたくさんあるが、まずは職員のサービスマナー意識を向上させて、接遇ができる事業所を創り、それを基盤に顧客に対するホスピタリティ意識を高めることである。

それは必ず団塊の世代の人々のハートをつかみ、地域での評判と結びつき、状況がどう変化しても顧客確保に困らず、事業経営に支障をきたさないことにつながっていくだろう。

逆に言えば、職員にサービスマナー意識を植え付けないままで、サービスメニューをいくら工夫し増やしたところで、それは底の浅い対策と言わざるを得ず、荒波の前には何の役にも立たないだろう。

まずは定期的なサービスマナー研修をしっかり実行することが大事だ。そこから始めよう。
追い風を掴め
どうかこの追い風をしっかりつかんで、明るい未来につなげてほしい。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

通所リハビリの新経営戦略


※UCHIDAビジネスITオンラインセミナー福祉版・解釈通知・Q&Aから読み取る令和3年度報酬改定の影響と課題 〜居宅介護支援と施設サービスの報酬改定の詳細分析〜は、本日午後7時からの配信が最終回です。どうぞお見逃しなく
今年度から、介護予防サービスのリハ職の訪問・通所サービスは、1年を超えてのサービス利用について報酬を減額算定するルールが設けられた。

予防訪問看護のセラピスト派遣と予防訪問リハビリでは、1年を超える利用の場合、基本サービス費が5単位減算される。

予防通所リハでは同じく1年超えの場合、要支援1で20単位減算・要支援2が40単位減算である。

予防通所リハビリは月額定額報酬で、要支援1は月平均4回利用、要支援2は月平均8回利用を想定して単価設定しているので、今回の減算は1回の利用について5単位の減算という意味となり、予防訪問看護と予防訪問リハと同レベルの減算単位であると言ってよい。

この取り扱いは解釈通知で、「令和3年4月から起算して 12 月を超える場合から適用される」とされているが、同時にQ&A・Vol3では、「法第 19 条第2項に規定する要支援認定の効力が生じた日以降で、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による当該サービスを利用開始した日が属する月をもって、利用が開始されたものとする」とされた。

そのため昨年度から利用している人は、昨年度の利用月から起算するのではないかという混乱を生じさせたが、上位法令である解釈通知が優先適用されるので、この意味は、「昨年中からサービス利用している場合は令和3年4月から起算し、令和3年度から利用開始した場合は、当該サービスを利用開始した日が属する月をもって、利用が開始されたものとする」という意味となる。

だがこの減算はこれで終わりではなく、始まりである。今回は1回につき5単位減算に留まっているが、24年の報酬改定ではその減算額がさらに増やされる可能性が高い。

そもそもこの減算の意味は、要支援者については医学的リハビリの必要性は高くないのだから、できるだけ早期に医療リハビリから、福祉系機能訓練へと移行せよという意味合いが強い。そうなると通所介護は予防給付がないので、市町村の地域支援事業である第 1 号通所事業に移行させるという意味だが、その単価は週 2 回程度(事業対象者、要支援 2)の場合で3,428 単位である。

予防通所リハビリの1年超え減額単位は、要支援2で3999単位−40単位=3959単位であるから、その差はまだ500単位以上あるわけである。

すると次の報酬改定では、減額単位を要支援1で40単位、要支援2で80単位としても、第 1 号通所事業よりまだ高い単位を算定できることになり、予防訪問看護と予防訪問リハは1回の利用について10単位減算ということが現実味を帯びてくる。

しかもこの減算は予防給付に限ったことではなくなる可能性が高い。

今回の基準改正で通所リハビリについては、「指定通所リハビリテーション事業所の医師が利用者に対して3月以上の指定通所リハビリテーションの継続利用が必要と判断する場合には、リハビリテーション計画書に指定通所リハビリテーションの継続利用が必要な理由、具体的な終了目安となる時期、その他指定居宅サービスの併用と移行の見通しを記載し、本人・家族に説明を行う。」とされた。

この規定は今回、努力義務規定でしかないが、介護給付の通所リハビリにもゴールを設定して、できるだけ通所介護に移行させるという流れがはっきりと示されていることは間違いのないところだ。

すると次期改定以降に、介護給付の通所リハビリにも1年以上の利用超え減算が新設されない保証はない。医療系リハビリテーションはできるだけ早期に、福祉系機能訓練へと移行させる圧力は強くなることはあっても、弱まることはないのである。

通所リハは、通所介護のように軽介護者の給付外し(要支援1と2の利用者の通所介護を総合事業化すること)は行われないと言われているが、軽介護者の通所介護が市町村事業に移行された以後は、通所リハの軽介護者の単価は減額が必至であるし、移行圧力も高まることは確実だ。

その流れを見ながら今後の通所リハ経営を考えたとき、ある戦略が見えてくる。それは通所リハの移行先を、自法人の中に組み込んで一体経営する戦略だ。

通所リハビリは老健が併設している事業形態が多いが、その中には通所リハ事業所を複数経営しているところもある。そういう一体経営に加えて、通所リハビリと通所介護とを同じ法人内で一体的に経営することで、法人内で利用者に対してスムースに移行支援が可能になる。

母体医療機関で急性期リハを終えた人が、法人内の老健で回復期リハを行い在宅復帰を支援し、在宅復帰した後は慢性期の一部の期間、併設の通所リハと訪問リハを利用しながら在宅生活を支え、一定期間を経て、同じく法人内の通所介護に移行していくという流れができれば、利用者の情報管理も法人内で一体的にできて、継続的な支援が可能になる。

加えてこうした医療系・福祉系サービスをミックスして経営することで、法人内で職員の適正に合わせた、様々な職場環境が提供されることにもつながり、人材確保面でもプラス作用が働くのではないだろうか。

今後の介護事業経営は、利用者単価の減額を見込みながら、介護サービス利用者は当面増えるのだから、顧客の数を確保することで収益はまだ上がっていくことを視野に入れなければならない。それに加えて解決策が見えない人材確保問題と向き合いながら戦略を立てるとなると、事業規模の拡大と事業種類を増やした多角経営の中で、顧客と人材をある程度囲い込んでいかないと埒が明かなくなることを見込んでいかねばならない。

囲い込みはという言葉は、ネガティブな意味として使われることが多いが、スケールメリットを十分働かせ、利用者の福祉の向上と、従業員の待遇の向上につながる囲い込みは事業戦略として正しい方向と言える。

だからこそネガティブなイメージに惑わされずに、ポジティブな囲い込みの戦略を立てていく必要がある。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

目に見える改革の成果


いくつかの介護事業者に顧問やコンサルタント・外部講師として関わっている。

関わり方は個々の契約事項なので様々な形だが、その中には既に5年以上にわたって関係を持ち、定期的に訪問している介護施設もある。

職員の虐待が明らかになったことがある介護施設では、それ以前から当時の施設長の独善的な方針と態度によって、やる気を失った職員に不平・不満が広がっていた経緯もあり、一時期職員の退職者が大幅に増え、それに対して欠員補充もままならずに、慢性的に職員不足・業務過多という状況が続いていた。そのため、ますます働くずらい職場・従業員が集まりにくい職場になっていた。

こういう職場は職員募集の方法を工夫して、応募者が増えるようになっても職員が充足することにはならない。採用する職員が増えたとしても、定着せず短期間に辞めてしまう人数が増えるだけの結果にしかならないからだ。

この施設の場合、経営者である理事長が覚悟を決めて、当時の施設長をはじめとした管理職等を大幅に刷新したうえで、僕をはじめとして幾人かの外部の専門家とアドバイザー契約をして、経営刷新・現場改革に取り組んだ。

この時点でお金と時間を掛けて改革に取り組む覚悟を持った理事長の英断がこの施設を大きく変えていくことになったのである。

人が少ないからそれ以上の人員減少がないように、辞めるのを恐れて十分な教育上の注意・指導ができなくなっていた風潮を改め、スタッフ教育も一からやり直して、法人としての方針を明確にしたうえで、それに従うことができない従業員は辞めていただいても良いという方針を取った。

加えて介護施設のケアサービスの本質は、利用者の暮らしを豊かにするものであるとの理念を実現するために、介護マニュアルの見直しから始まり、スタッフ間の業務分掌の明確化、コミュニケーションの改革、サービスマナーの確立などの課題解決に心を折ることなく取り組んできた。

その後紆余曲折があり、その途中では指定ベッド数の補充率が一時7割を切り、ショートステイも一時休止せざるを得ないという厳しい経営状態に陥る時期を経てきたが、改革をあきらめずに続けてきた。

その成果は職員の充足率の改善に直結している。

昨年度1年間で介護スタッフの退職者は、「寿退職1名」のみで、補充採用も既に終えており、出産育児休業者が数名いるものの、その人たちも復職意思が強くあり、新年度の求職者には、「次の募集があるまで応募をお待ちください」というアナウンスができるようになった。

勿論、ベッド稼働率は入院者を除いて100%である。何より異なるのは、職員のモチベーションである。今いる職員の半数以上は、虐待事件が起きた当時の施設を知らない人であるが、彼ら・彼女らの表情は豊かで、笑顔も多く見られている。

上司の呼びかけに返事も返すことなく、殺伐とした空気の中で、いくつもの小さな仲良し集団に分かれて、他のグループとはまともな会話も交わさずに、業務が流れ作業のように行われていた当時とは同じ施設とは思えない雰囲気である。

この施設では今でも年1回だけ、「サービスマナー研修」を担当させてもらっているが、それも確認するというレベルでしかなくなった。職員間にはマナー意識が確立され、新人職員も先輩の態度や言葉遣いを見て・聴いて、正しい対応方法を覚えている。20代の若い職員が利用者に対して、「かしこまりました」と普通に応えている姿は頼もしく見える。

毎月マナー研修を行って、それでもなかなか成果が出なかった時期を思い出すと、それは隔世の感がある。

しかしここまで来るのには、約5年間という月日を要しているのだ。良い方向に流れるようになったことを実感できるようになったのも、改革を実行して1年半を過ぎたころからであったように記憶している。

この間、僕は何人のスタッフに、「介護の仕事に向いていないんじゃないの」・「その考え方では、ここで働き続けるのは難しいのではないですか」と肩たたきをしたことだろう・・・それだけ一旦荒れた職場を元に戻し、それ以上に引き上げていくには時間とエネルギーが必要になるということだ。

だから今、健全な状態の職場であればあるほど、その状態を保つための検証とメンテナンスは欠かせないと考えなければならない。マンネリズムは転落の大きな落とし穴になるし、言葉や態度のちょっとした乱れが、大きな感覚麻痺を生むので、「介護サービスの割れ窓理論」は常に意識の内に置いておかねばならない。

健全な状態を保つことは、今のままに留まっていることでは実現しない。健全なる職場環境とは、改良を常に続けていくことでしか保持しえないことを思い知らねばならない。
5/22鷲別川沿いの八重桜
※画像は、今朝5/22午前7時頃の鷲別川沿い(自宅横)の八重桜です。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

署名・押印廃止は業務軽減になっていません


今日からいよいよ新年度である。改定された介護報酬も今日から適用される。

そのことに関連して表の掲示板のスレッドの一つには、「利用料金変更同意書の説明・同意が3月中に終わらなかったが問題ないか」という書き込みがある。

問題は大有りである。おそらくコメントの主は、4月分の報酬算定を行うのは5月にずれ込むのだから、4月中に同意を得られれば問題ないと考えているのだろうと思うが、新報酬体系に沿った費用発生は今日の時点から始まるのである。

そうなると基本報酬などについては、「報酬の改定に合わせて算定される」という契約を交わして居れば、変更同意がなくとも算定に問題はないが、新設加算や新設上位区分加算等は、それらとは全く別の費用なので、同意がない時点で算定不可である。4月のある時点で同意を得た場合は、同意日以前の新設加算算定は不可であり、算定した場合は返還指導を受ける対象費用となるので注意が必要だ。

ところで利用料金の変更同意を含めて、書面同意が必要とされていた行為について、新年度から適用される運営基準では、それを電磁式方法に変えることができる規定が加えられている。

利用料金変更に伴う重要事項説明の同意のほか、各サービス計画書についても、利用者、家族から同意を得る際に、必ずしも紙の書類を用意する必要がなくなっているのである。

例えば指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準について(平成12年3月17日老企第43号)の当該部分は以下の通りである。
--------------------------------------------------------
2 電磁的方法について
基準省令第 50 条第2項は、入所者及びその家族等(以下「入所者等」という。)の利便性向上並びに施設等の業務負担軽減等の観点から、施設等は、書面で行うことが規定されている又は想定される交付等(交付、説明、同意、承諾、締結その他これに類するものをいう。)について、事前に入所者等の承諾を得た上で、次に掲げる電磁的方法によることができることとしたものである。
⑴ 電磁的方法による交付は、基準省令第4条第2項から第6項までの規定に準じた方法によること。
⑵ 電磁的方法による同意は、例えば電子メールにより入所者等が同意の意思表示をした場合等が考えられること。なお、「押印についてのQ&A(令和2年6月 19 日内閣府・法務省・経済産業省)」を参考にすること。
⑶ 電磁的方法による締結は、入所者等・施設等の間の契約関係を明確にする観点から、書面における署名又は記名・押印に代えて、電子署名を活用することが望ましいこと。なお、「押印についてのQ&A(令和2年6月19 日内閣府・法務省・経済産業省)」を参考にすること。
⑷ その他、基準省令第 50 条第2項において電磁的方法によることができるとされているものは、⑴から⑶までに準じた方法によること。ただし、基準省令又はこの通知の規定により電磁的方法の定めがあるものについては、当該定めに従うこと。
⑸ また、電磁的方法による場合は、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱のためのガイダンス」及び厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守すること。
-----------------------------------------------------------
ここには、「例えば電子メールにより入所者等が同意の意思表示をした場合等が考えられること。」と書かれているので、同意していただくべき内容の通知文をメール添付して送り、それに対しメールを受診した人が、「同意します」と返信するだけでよいではないかと思ってしまうが、規定全文を読むとどうやらそうではないらしい。

同意の証拠は、「電子署名」の活用が求められているが、これは費用が発生するものである。電子署名自体を無料で使えるようにしているベンダーもあるが、署名が無料でも、その署名を一定期間保存するための費用が発生したりするので、安易に活用できるものではない。

また遵守せよとされているガイダンスとガイドラインは、前者が70頁以上・後者に至っては150頁以上という読むのさえ容易ではないものである。そこで示されている様々な規定は、介護事業者にとってはあまりにも高い壁であると言える。

本来は署名・押印が廃止され、同意も電磁的方法で良いとなれば、介護事業者が利用者や家族が説明して同意を得た、「記録」があれば問題ないはずである。しかし運営基準ではそれを認めていないということになる。

よって今回、紙ベースの同意に変えて、電磁式方法を取ることは可能ではあるが、その方法は従前の紙ベースの同意書に署名していただく方法より、ずっと煩雑で面倒くさい方法となってしまっている。

そのため相変わらず料金の変更同意も、書面同意をいただく方法としている介護事業者が多いだろう。現時点ではそれもやむを得ないことである。

従前より便利になった点としては、せいぜいオンラインによる重要事項の録画配信が活用できることくらいであろうか。しかしそれは基準改正の手柄ではなく、コロナ禍でオンラインツール活用が進んだ結果でしかない。

このように厚労省が音頭を取って進める業務の省力化とは、官僚の頑なな思考回路に阻まれて、いつも介護現場には機能しない絵に描いた餅に終わっている。

コロナ禍で自粛を呼びかけながら、自分たちは夜の宴会を自粛しないという柔軟な思考回路も持っているのだから、それを運営基準改正にも生かしてほしいと思うのは僕だけだろうか・・・。

どちらにしても今回も、「使えねえ基準改正」に終わったことは間違いないところだ。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

小規模多機能居宅介護の経営戦略


国が訪問介護を見捨てる理由より続く)
プラス改定の恩恵が薄く、高騰する人件費に対応することが難しくなる訪問介護事業は、現役ヘルパーが高齢化し、リタイヤの時期を迎えても後継ヘルパーが見つからず、廃業に至る事業所が増えてくる。

このことは決して外れない予測であり、訪問介護事業自体が先細っていかざるを得ないのが、我が国の介護業界の今後の動向である。

サービス資源が少なくなる訪問介護に替わって、より必要性が増すサービスが小規模多機能型居宅介護(以下、小多機と表記)である。

国も小多機の事業所数がもっと増えて、そのサービスを利用する人の数も増えることを期待しており、平成18年度にこのサービスが制度に位置付けられた際には、登録定員が最大25人であったものを、平成27年度報酬改定時に29人まで引き上げ、登録定員18人のサテライト事業所を持つことも認めるなど、収益増につながる仕組みを作り上げてきた。

そのような中、今回の改定では月額定額報酬制の同サービスの基本部分引き上げ額は、要介護1が59単位、要介護2で86単位、要介護3は126単位、要介護4は138単位、要介護5は153単位とされている。短期利用も3単位/日〜5単位/日引き上げられている。

この引き上げ幅は意外と少ないと感じている関係者も多いのかもしれない。なぜなら小多機については、収益増につながる加算がそう多くはないからだ。僕個人的には、通いサービス部分については、通所介護と同様に個別機能訓練加算があっても良いと思うのだが、それもないわけである。

だからこそ新設された、「科学的介護推進体制加算」は是非とも算定しなければならない。4月から新加算を算定するために、今月15日までにCHASE登録が必要となるが、それはもうお済だろうか・・・。

さてそのような中、小多機の運営基準改正では、登録定員及び利用定員を超えてサービス提供ができないとされていた運営基準が、「過疎地域その他これに類する地域において、地域の実情により効率的であると市町村が認めた場合は、一定の期間登録定員及び利用定員を超えてサービス提供ができる」と変更され、この場合は3割減算ルールも適用されないこととなった。

またすべての地域に関わるルール変更としては、「短期利用居宅介護費」について、現行は空き室があっても登録者以外の利用を認めていなかったルールを変更し、空き室がある場合に登録者以外の利用も認めている。

これは大きなルール変更だと思う。なぜなら登録者は、既に当該小多機事業所を使っている人で、将来にわたりサービス利用する意思のある人であるが、登録者でない人というのは当該小多機事業所を利用する意思がまだない人である。

そのような人が何らかの事情で、小多機の短期利用サービスを利用することがきっかけで、小多機サービスそのものを使いたいと登録してくれる可能性があるのだ。つまり登録者以外の短期利用居宅介護の利用は、新規の顧客確保につながる可能性があるからである。

短期利用居宅介護を利用した人がすべて、その後に小多機の新たな顧客に結び付くわけではないのだからこそ、短期利用居宅介護を利用した人がいかにその後登録者となり、短期利用居宅介護が新規の顧客確保につながるかということが、小多機の事業戦略の一つとして大きなウエートを占めてくる。

そうであるがゆえに、短期利用居宅介護を初めて利用する登録者以外の方が、いかに満足して短期利用を終えて家に戻るのかが問題だ。この入り口で職員対応のまずさから顧客に不快感を与えてしまえば、新規顧客確保のための利用が小多機事業所の評判を落とす要因にさえなりかねないわけである。

だからこそ、どの顧客に対しても不快感を与えず、気持ちよくサービス利用していただくために、すべての職員が「サービスマナー」を身に着け、ホスピタリティ意識を高く持って、顧客に接することが必要とされるのである。無礼な馴れ馴れしいタメ口で接して、短期利用者に不快な思いをさせ、せっかくの顧客を失ってしまわないような職員教育が求められるのである。

小多機事業所の中には、そんなに躍起になって登録者を増やさなくても、自分のところは既に登録者定員に達しているとうそぶいている人がいるかもしれない。

しかしこのブログでは何度も指摘してきたが、小規模事業者は収益構造が脆弱なのである。職員が毎年定期昇給しながら経営の安定化を図ることができるようにするためには、経営規模を拡大していくことが必然となるのだ。

小規模事業者としての個性やメリットを生かすと言っても、小規模事業者の数は法人もしくは事業者内で増やしていかないと、従業員の給与を含めた待遇改善を図ることは難しくなる。そうなれば同業他事業者や異業種へ人材が流れてしまうのである。しかも有能な人材から流出は始まるので、それは即ち経営危機に直結する問題でもある。

だからこそ登録定員に達している小多機事業所は、さらに新規事業所を立ち上げる方向で事業戦略を立てる必要がある。

そもそも小多機事業所は登録定員18人までのサテライト事業所を二箇所持つことができるのだから、まずは29、18、18という最大で65名までの登録形態を目指すべきである。そのためには利用者の確保が重要になるのである。

その為には短期利用居宅介護を初めて利用する登録者以外の方が、その利用をきっかけにして登録者となってくれる確率を上げていくことが重要となってくるということを改めて肝に銘じ、初対面のお客様に丁寧に接し、気持ちよくサービス利用を終えていただくことができるサービスの質をつくっていく必要がある。

このことを肝に銘じて事業経営者・事業管理者は、職員を育てていく必要があるのだ。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

報酬改定内容を全職員が知らなければならない理由


介護関係者がネット掲示板やSNSを通じて、「現在、CHASEの活用を検討しています」といった内容の書き込みをしているのを目にする。

はっきり言って馬鹿かと思う。

CHASE(4月からはVISITと統一化されLIFEに名称変更されるため、以下LIFEと表記を統一する)は活用するかどうかを介護事業者が判断するというレベルでの問題ではないのだ。

介護報酬改定では、施設系サービス(介護療養型医療施設を除く)・通所系サービス・多機能系サービス・居住系サービスに渡って、「科学的介護推進体制加算」が新設され、その算定要件としてLIFEへの情報提供とフィードバック活用が要件とされているのだ。

そのほかの新設加算や、現行加算の上位区分に位置付けられる加算等にもLIFE要件が加えられているものが多数あり、それらの加算を算定するためにはLIFEに登録しなければならないのだ。加算を算定して収益を確保するためには、それは必然の行為なのだということを理解せねばならない。

このLIFE要件の加算を全く算定しなくてよい事業者ならそれは必要ないだろう。(※例えば居宅介護支援事業所訪問リハビリ以外の訪問サービスショート単独事業所はLIFE関連加算がないのだから必要ないと言える。)

しかしLIFEに関連する加算が一つでもある事業にとって、LIFE登録は必然であり、例えば基本報酬が実質マイナス改定となっているサービス(老健などはそうなっている)にとっては、LIFE関連加算を算定できるか否かは、事業経営が続けられるかどうかに関わってくる問題である。

今の時期はCHASE活用の検討なんかしている暇なんてなく、既にLIFEへのデータ提出に備えてその実用に備える段階なのだ。

だからこそできるだけ早くCHASE登録して(登録情報はそのままLIFEに引き継がれる)、データ送信作業に精通しておく必要もあるし、自分が所属する事業者で使っている請求ソフトが、LIFEと4月時点で連携できるかを確認しておく必要があるのだ。(参照:請求ソフトとLIFEの互換性

ところでいざLIFEに情報を提出する段階になった場合、その担当者はおそらく請求担当者となるだろう。なぜなら前述したようにLIFEと請求ソフトは互換性をもって連携できるようにシステム化しているのだから、請求事務に携わる者がデータ送信作業を行うのが最も合理的方法となるからだ。

しかしこの役割及び作業については請求担当者が一人で担って完結できるものではない。提出するデーターは介護の現場にあるデータであり、データを提出後にフィードバックを受けた内容をPDCA活用するのも、介護現場で業務に携わる者の役割だからだ。

しかもLIFEが求めるデーターは個人ごとの、給食・栄養・身体状況・疾病状況・リハビリ内容等生活全般に関連する情報だから、全職員が何らかの関与をしていかねばならなくなる。介護サービスに携わる職員の業務負担は確実に増えることになるのだ。

だからこそ新設加算の構造や算定要件・LIFEとは何かなどについて全職員に周知しておく必要がある。それをしないでおくと、職員は新たに求められる業務が何のために行わなければならないのかわからない状態になる。自分が日常的に求められる業務の意味や目的がわからない状態で、仕事に対するモチベーションが上がるわけがないのである。

何のために働いているのか、何の意味があってこの仕事をしなければならないのかがわからない状態は、バーンアウトにつながる最も危険な因子である。

自らの職場で働く従業員がそうした状態に陥らないように、全従業員が意思統一して目的を持って働き、仕事のパフォーマンスを向上させるためにも、自分が働く職場に関連する介護報酬改定内容や基準改正内容を知る必要があるということだ。

だから全職員を対象にして、所属事業の報酬改定・基準改正内容を説明する機会は必ず設ける必要がある。そこで変更点等をもれなくわかりやすく説明しなければならない。

僕自身は報酬改定の要点についてオンライン講演等も配信し、そこには毎回500名以上のアクセスがあり好評を博しているが、自分が知りたいサービス種別について、もっと深く知りたいなどの希望がある方もいたであろう。

その場合は是非自分が所属する事業者などを単位とした報酬改定研修会を企画して、僕に講師としての解説を依頼していただきたい。オンラインだと僕の自宅から配信できるので、交通費や宿泊費はかからない。是非メール等で気軽にご相談いただければと思う。(✉ masa@akai-hana.jp)
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

出だしが肝心になる新設事業所


新年早々の1月17日に、かつて僕を講師として高知に招いてくれた福の種合同会社の木村社長からメールが送られてきた。

早速メールを開くと、「2月6日に久万高原町で講演を行うのをHPで知ったので、是非その際に高知まで足を延ばして、弊社の新規事業所のオープンスタッフ研修もお願いしたい」という内容だった。

福の種合同会社は、高知市内にリハビリ専門のデイサービス「アルコデイトレセンター」や、それらの事業所に併設して経営する「ふくのたね保育園」などの事業を展開されているが、この3月から新たに小規模多機能居宅介護 ケセラ介良(けせらけら)をオープンさせる予定だという。(※高知市の介良:けらという地域にオープンする事業所のために、このネーミングにしたそうである。)

そのオープニングスタッフに、オープン当初からサービスマナーを護った利用者対応ができるように、教育係として僕にお声をかけていただいたわけで、責任重大だ。

昨日の日曜日は、久万高原から高知市に移動した足で、新規オープンスタッフさんだけではなく、近隣の事業所さんにも向けて介護報酬改定の要点についての講演を3時間半の時間で行ったが、今日はいよいよオープニングスタッフの教育本番である。

朝9時という早い時間から夕方5時までの長時間講演。午前3時間のあと休憩1時間をはさみ、午後からは4時間講演だ。

ということで今、その休憩の合間に記事更新している。午前中は、「介護の誇り〜職員のやる気を引き出す実践論」というテーマで、根拠に基づいた正しい介護実践法をレクチャーした。

立ったままで食事介助することがなぜダメなのかということや、高齢者に対し一律に1500ml/日という大量の水分補給がいかに生命の危険を招いているかをはじめとして、介護の場で当たり前のように行われている間違った方法論が、いかに利用者の心身を悪化させているか、事故や苦痛につながっているかを理解していただいたので、午後からは4時間みっちりマナー教育である。

このブログで何度も書いているように、サービスマナーは意識を変えて、意識を高めて、マナーのありようを替えようとしても無理で、職場のルールとして賞罰を伴って、厳格に実施を促す必要があるものだ。

今回、経営者の肝いりでそれを行い、職員に協力にその実践を推し進めるのだから、期待が高まる。

一旦マナーが身に着いた職場では、ことさらマナー教育を行わなくとも、ごく自然に先輩職員から後輩に日常のマナー教育がOJTの中で行われ、「利用者にタメ口なんで信じられない」とい口にする若者を生み出している。(参照:職場全体でサービスマナー向上に取り組んだ成果 ・ マナー意識が浸透する事業所と浸透しない事業所の違い

きっと数年後には、ケセラ介良(けせらけら)の職員の皆様が、高知市のサービスマナー実践の最高峰に立って。他の事業者の前を走る事業所になるように、僕もこれから長くかかわりを持ちたいと思う。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

職場改革は職員の意識改革からというのは大間違い


介護事業者の看板さえ掲げれば顧客確保に困ることはなく、経営戦略も立てられないような経営能力のないトップをいただいていても収益が挙がり、事業を継続することに困らなかった時代は過ぎている。

公費運営を中心としなければならない介護事業ではあるが、人員確保が常に困難な状態が続き、この人材難が解消される目途も経たない中で、介護給付費が人件費の伸びを下回る水準でしか上がっていない状況において、今後10年先〜20年先の介護事業経営を考えれば、事業を多角化・広域化・大規模化して、スケールメリットを最大限に発揮させて事業経営の安定化を図らねばならない。

そのために何より必要なことは顧客確保である。一人一人の顧客単価は下がり、収益率は下がると言っても、介護サービスを利用する人の数は今後も増え続け、毎年介護給付費だけで1兆円以上増加していくのだから、顧客確保の競争に勝ち残った先には大きな収益を挙げることが可能になる。それを職員にも還元することで、よりスキルの高い人材を確保することにもつながり、人材確保面でも優位な立場に立つことができるからである。

その為には、既に居宅サービスの利用者の中心層になってきている団塊の世代や、その次の中心層になる団塊ジュニア世代に選ばれる事業者になる必要があり、そのためにこそ家庭的な雰囲気と、無礼な馴れ馴れしい雰囲気を混同しない顧客対応が必要とされ、介護サービスにおけるサービスマナー意識を職場全体で高めることができる改革が必要とされているのである。

ひとりひとりの職員がサービスマナー意識に芽生えて、介護サービス利用者を単なるユーザーと見ずに、きちんと丁寧に顧客対応するためには、職場のルールとしてサービスマナーの徹底を図らねばならない。

ところが多くの介護事業経営者や管理者は、サービスマナーの向上とその徹底に取り組もうとしても、意識改革が先という誤解をしてしまい、このルール作りをしないまま、中途半端な改革に走って失敗している。

マナー教育に失敗している職場は、ほぼ100パーセント何が必要なのかという優先順位を間違って、意識改革を第1番目に挙げて取り組んでいる事業者である。

しかし信賞必罰を伴わない職場のルールを確立させない場所で、意識改革などできるわけがないのだ。職員の性善説を拠り所にするかのような改革は実現しないのである。

職員が意識改革するためには、厳粛な職場ルールが存在し、それを厳守しなければ組織の一員として認められないという前提がなければならない。介護事業経営者や管理職は、意識はルールの下に生まれるということを何よりも理解しなければならない。

巷には、「形から入る」という言葉があるが、それはしばしば本質的な意義を蔑(ないがし)ろにして体裁を繕えるといった意味合いを込めて用いられる場合も多い。しかしそうしたネガティブな意味合いだけではなく、物事に取り組む際に、その意義や内容よりも、外見や格好、活動自体を主眼において取り組み始めることによって、主目的が達せられるというポジティブな意味もあるのだ。

そのポジティブな意味合いに少し似ているが、職場改革では、その形を職場のルールとして求め、形を整えながら実質を求める先に、本質にたどり着けるというトップダウンの指揮命令が必要とされるのだ。それが職場という組織の本質である。

その本質をないがしろにしたところに意識改革は生まれない。

僕がマナー教育に関わり、その徹底が図られている職場では、利用者に対するサービスマナーを護り、仕事の中でその態度に徹底できる人材が賞され、それができない人間は罰を受け、最終的には職場を去らざるを得ないという過程を必ず経ている。

そうした厳しさのない場所で、意識なんて1000年経っても変わるわけがないのである。人材不足だから、職員に辞められては困るという考え方がまずありきの場所で、変化など起きるわけがないのだ。

だからこそこれから10年先やそのずっと先を見据えて、安定的に顧客を確保して、介護事業経営を続けていこうと考える経営者は、職員の意識を改革する前に、自分の意識を変えて、職員の意識が逢わるような職場環境につなげる厳粛な職場ルール作りをしなければならない。サービスマナーの徹底はその根幹に位置づけるべきものである。

自分自身がサービスマナーに満ちた顧客対応ができる職場で働きたいと思っている方々は、ルールを前面に出さずに、意識だけ改革しようとする職場には早く見切りをつけて、下記に紹介している転職支援サイトを利用して、良い職場を探す方が早道である。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

介護報酬新単価をざっと見渡して感じたこと


昨日公開された、「令和3年度介護報酬改定介護報酬の見直し案 」に掲載された介護報酬単価を見渡して、僕が漠然と感じたことを脈絡なく述べたい。雑感・雑文と思って読んでいただきたい。

改定率は平均0.7%のであるが、当然のことながらサービス種別によってその率は異なり、基本部分が1%を超えて上がっているサービスと、上げ幅が0.5%に満たないサービスがある。厚労省によるとこの違いは、報酬包括された加算があることや、感染対応の費用の違い等、個別状況を勘案した結果だという。介護事業経営実態調査の収支差率もこれに当然影響していると思えるが、その詳細はブラックボックスと言ってよい。

しかし基本部分の額面だけ見て、単位数が上がった分をそのままプラス改定率分とみるのは間違いである点についてはその通りだ。

例えば施設サービス費については、口腔衛生管理体制加算(30単位/月)が廃止されたうえで、その要件の一部が簡素化され基本報酬の算定要件になっている。栄養マネジメント加算(14単位/日)も廃止されて、算定要件がそのまま基本報酬の要件となり、3年間の経過措置後に、その要件を満たしていない場合の減算規定が設けられている。よって基本部分に、実質この二つの加算分が報酬包括されたとみるべきであり、現行の基本部分より15単位上がって初めて現行と同レベルとみるべきだ。

つまり特養の新報酬単価を見ると従来型個室で言えば、要介護1と2は実質1単位引き下げ、要介護3〜5は実質現行と同じということになる。とてもではないが、ここに新たに支出が増加した感染予防対策費が含まれているとは考えられない。だからこそ新設加算・上位区分加算の拾い残しのない算定が重要となってくる。

通所介護と通所リハビリの改定幅も大きく異なり、通所介護に比べると通所リハビリの基本サービス費の引き上げ額が大きいように見える。しかしこれも見かけの額で考えるのは間違いで、通所リハビリは現行のリハビリテーションマネジメント加算機330単位/月が廃止され、すべての要件が基本サービス費の算定要件なっているので、この分が包括化されている。通所リハビリは利用者ごとに月の利用回数が異なるために、月額加算を基本部分に包括していくらになるのかという計算は難しいが、仮に10回/月利用であれば、33単位が基本サービス費に包括され始めて、現行の基本部分と同じ額となると言えるのではないだろうか。

ほとんどのサービスの基本部分単価が上がる中で、セラピストによる訪問看護の基本部分は3単位減額された。国は訪問看護ステーションのサービス提供を担う職員に占める看護職の割合が6割以上であることを指定要件に加えようとしたが、関係者の反対でそれは見送りが決まった。その際に、「厚労省のしっぺ返しが懸念される訪問看護のリハ規制見送り」という記事に書いたが、その予測が的中したわけである。厚労省の、「ウラミハラサデオクベキカ」という声が聴こえてきそうである。

ヘルパー確保が難しく、絶滅危惧サービスとも揶揄される訪問介護は、基本サービス費が身体介護・生活援助でそれぞれ1単位しか引き上げられていない。こちらの方は訪問介護関係者から、「国は訪問介護を見捨てたのか」という恨み節が聴こえてきそうである。

通所介護の生活機能向上連携加算の算定率を高めるために、外部のセラピスト等との連携をICTなどを利用して事業所を訪問せずに済むようにした新加算(機100単位/月 (新設)については、3月に1回を限度として算定できるとされている。3月で1000円しかもらえない費用の中から、外部のセラピストと一体いくらで契約できるのだろう。この加算の算定率は向上しないだろう。

現代の貨幣価値を無視するかのように、人を馬鹿にした単位数だったADL維持等加算は、算定サービスを通所介護のみから、特養と特定施設も対象拡大したうえで、単位数が10倍の30単位と60単位になった。算定要件も引き下げられたことによって、無視できる加算ではなくなり、是非とも算定したい加算に変わったと言えよう。特に個浴設備がなく、新しい入浴介助加算の上位区分を算定できない通所介護事業所は、それだけで10単位減だから、その分をカバーしてさらに収益をアップするためにも、この加算を是非算定したいところだ。算定率は大きく向上すると思われる。

笑えたのは地域包括支援センターから居宅介護支援事業所への予防プランの委託が進むよう新設された、「委託連携加算 :300単位/月」である。その算定要件が、「利用者1人につき指定居宅介護支援事業所に委託する初回に限り、所定単位数を算定。」になっているが、これでは加算全額を委託費用にして委託額に上乗せしても初回のみ3.000円増えるだけだ。これで喜んで予防プランを今より多く受託しようという居宅介護支援事業所が幾つあるだろうか。

しかも予防支援費は7単位しか上がっておらず、平均20単位以上引き上げられている居宅介護支援費と比較して、さらに差がついているのだから、当然予防プランの受託は、「よりしづらくなった」と云えよう。子供だましかと言いたくなる。

居宅介護支援費の新加算でも笑えるものがある。それは、「通院時情報連携加算 :50単位/月」である。これはケアマネジャーが利用者の通院に同行して、医師から情報提供を受けることを評価した加算だが、実質担当ケアマネによるやむを得ない通院支援の評価ともいえる加算である。その評価が通院等乗降介助(99単位)よりはるかに低い単位数である。忙しいケアマネジャーが時間を割いて、通院同行する手間としてはあまりにも馬鹿にした評価である。月1回を上限とするという算定要件は、通院同行にケアマネを便利使いすることには、かろうじてブレーキとなり得ることのみ評価するとしよう。

なお食費の標準費用が、1,445円/日(+53円)と改定されたことは、施設サービス・短期入所サービスにとっては嬉しいニュースだろう。利用者の皆さまに対して、よりおいしい食事提供に努めていただきたい。

そのほかの気づいた点等は、表の掲示板で随時議論されているので、そちらにも注目していただきたい。

さて話は変わるが、今日の午後1時20分から、京都地域包括ケア推進機構、一般社団法人京都府老人福祉施設協議会、 一般社団法人京都市老人福祉施設協議会共催・「施設看取り介護導入研修」のオンライン講演配信が始まる。

今日を皮切りに2/2と2/9の計3回、それぞれ2時間・合計6時間をかけて看取り介護の基本を理解していただく。当然、今回の報酬改定で求められる新要件も解説することになるし、withコロナの視点もふんだんに盛り込んでいる。会員で視聴予定の皆様とは長時間の付き合いとなるが、最終回までよろしくお願いします。それでは午後1時過ぎにお愛しましょう。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

介護事業経営陣の搾取があるとすれば・・・。


改定率が0.7%と決まった2021年4月からの介護報酬。この数字は給付費を11兆円と仮定すると、年間でおよそ770億円が新たに介護現場へ投入されることを意味するそうである。

今回は処遇改善加算の部分では新加算単位が新設されることもなく、処遇改善加算の下位2区分の廃止が正式に決まった。

特定加算については支給ルールが変更された。経験ある介護職員への平均支給額については、その他の介護職員の2倍以上にしなければならないというルールを、その他の介護職員への平均支給額より、経験ある介護職員への平均支給額が上回ればよいことになった。

この支給ルール変更は、特定加算の算定率が今年6月時点で65.5%と低調で、その理由が介護職員間の給与差が開くことの不公平感が壁になっていると言われていたため、その差を少しでも減らせるように、その他の職種に配分する額を増やすルールに変更したものである。

そのうえで両加算の単位については変更されないと思われる。

このことに関連して、17日に行われた麻生太郎財務相と田村憲久厚生労働相の折衝でも、介護職員の処遇改善が取りあげられ、報酬改定後の動向を見て更なる処遇改善加算の追加や変更を検討するとしている。要するに、「加算単位は上げないけれど、介護給付費をアップしたんだから、その分から事業者努力で介護職員の更なる待遇改善を図りなさいね。私たちはその結果を見ているよ。」という意味だろう。

しかし今回の報酬改定で、さらに介護職員の給与のアップさせるなどの待遇改善を図るためには、事業収益を挙げてその中から各職員に手当てしていくしか方法はない。わずか0.7%の増額の中から
その費用をひねり出すためには相当の経営努力が必要だ。だがそうしないと事業に必要な職員を安定的に確保することは難しくなる。

介護事業者で最も不足しているのは介護職員である状況に変わりはなく、人材確保が困難な状況はさらに深刻化している。その中で人材確保を人材紹介会社に頼る事業者も増え続けているが、その紹介手数料も年々上がっている。

手数料高騰にもかかわらず、紹介された人材の質や定着率は高くないとして、介護事業者の人材紹介会社に対する満足度は、「とても不満」が30.0%、「やや不満」が48.6%。あわせて78.6%が不満を持っていると福祉医療機構(WAM)が報告している。そうであるのに、そうした不満一杯の人材紹介に頼らざるを得ないことが、介護事業者の深刻な人材不足の一端を表していると言えよう。

介護事業経営者にとって人材確保は引き続き、頭の痛い問題として存在し続けるわけである。

だからこそ、できるだけ給与の改善を図りながら、働く環境の改善を図って、従業員が気持ちよく、自分の仕事に誇りを持って働き続けられる環境を創っていくことが大事だ。経営者や管理職があらゆる場面で従業員を大切に思い、従業員の暮らしを少しでも豊かにする努力をしているのだという姿勢を示していくことも重要である。

そうした厳しい状況で、人材を集める必要があるのもかかわらず、一部の介護事業者で、特定加算を算定できるのに算定しなかったり、感染対策に関連した慰労金を申請せず、受け取る権利がある職員に届けなかったりしている実態があるのは、なんとも不思議である。

何が不思議かというと、そのように従業員を大切に思わない経営姿勢の事業者に、従業員がどうしておとなしくとどまっているのかという疑問がわくからだ。理不尽な経営者の搾取については、労働者として正当な抗議の声を挙げるべきだし、そうした権利はあるのだ。

ましてや介護業界は、働き手の売り手市場であるのだから、経営者の理不尽な態度に怯えながら、そこで働き続けなくとも、転職先はどこでもたくさん見つかるはずだ。

例えば、「咲く場所を変えて大輪を咲かそうとしている花のその後」で紹介した若手の介護福祉士のように、職場を変えた結果、やりがいと生きがいを持って介護の場で働き続けることができた人もいる。

ブラックな職場でじっと我慢して、環境が変わるのを待つのは期待薄だ。ブラックな思考回路の経営者が簡単に考え方を変えられるわけがないんである。

介護職員の努力を無視して、経営陣が甘い蜜吸ってるような職場は、介護職員の方から見放すべきである。

ただ転職に際して、紹介・派遣会社に頼るのはリスクも大きい。紹介・派遣会社は、給与面での待遇からしか紹介先を見ないからである。もっと職場の環境とか、転職希望者が何をしたいかという、「働き甲斐」に目を向けた転職サポートが必要だ。

下記に文字リンクを貼っている転職支援サイトは、そういう意味で安心して推薦できるサイトである。(参照:置かれた場所で咲きなさい、というけれど・・・。

ブラックな介護事業者から飛び出したいと思っている人は、ぜひ下記サイトを利用してほしい。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

2021年度介護報酬改定は0.7%引き上げで調整


政府は14日、2021年度の介護報酬改定について、改定率をプラス0.7%とすることで最終調整に入った。(ほぼ決定だろう。※ただしこのうち新型コロナウイルス対策の0.05%分については、来年9月までの暫定的な措置とする方針。)

そうなると前回2018年度(0.54%)に続くプラス改定となるが、その理由については、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「利用控え」や、感染対策の備品購入にかかる支出増で事業者の収益は悪化しており、介護事業経営を安定化させるには前回の改定率を上回る報酬の引き上げが欠かせないと政府が判断したとされている。
介護報酬改定率の推移
僕はこのブログ等で、「小幅なプラス改定を予測している」と何度もアナウンスしてきたが、その予測は当たったと言ってよいのではないだろうか。

しかしプラス改定と言っても手放しで喜んではいられない。新設加算を算定したり、既存加算も新たに作られた上位加算を算定できないとなれば、減収となる事業者も多くなるからである。

わかりやすく言うと通所介護である。

個別機能訓練加算については気鉢兇統合されたうえで、常勤専従の機能訓練指導員が提供時間を通じて配置されている場合を上位区分とするとしている。(下位区分は、機能訓練指導員を専従配置とされているが、配置時間の定めなし。)

しかしそれだけではなく、「CHASEへ関連する情報を提出し、そこからのフィードバックをサービスの向上に活かす事業所を上乗せして評価する。」としているので、個別機能訓練加算は、実質3区分の加算となると思ってよい。

そうなるとCHASEへの情報とフィードバックの要件をクリアする加算は最上位だから、今までの個別機能訓練加算気梁寮だけでは算定単位が下がることが予測される。しかも従前は気鉢兇諒算残蠅できたが、それができなくなることも明らかだ。とうことは個別機能訓練加算の収益が下がる事業所が多くなるのではないだろうか。

また前日情報提供したように、入浴介助加算は医師やリハ職、ケアマネらが利用者宅を訪ねて浴室環境をチェックしたうえで、自宅で入浴が可能となる個別入浴計画を作成することを要件とした上位区分を新設することになっているが、新設加算の算定を促すために、従前の入浴介助加算については算定単位が現行より引き下げられるのだから、従前の加算しか算定できない事業所はこの部分で収益減である。

同じく前日情報提供したサービス提供強化加算も勝ち負けがわかれる。介護福祉士割合がより高い事業者を評価する上位区分が設けられるので、それを算定できるかどうかが問題だ。なぜなら上位区分ができるために現行の加算単位は引き下げられるだろうと予測されるからだ。新設の上位区分を算定できない事業所は、これだけでも収益が下がる。

さらに現行の加算要件については、勤続3年以上の職員が30%以上という要件が、勤続7年以上の職員が30%以上に引き上げられるので、新しい要件をクリアできずに、サービス提供強化加算そのものを算定できなくなる事業所もあるだろう。そうなると大幅な減収となる。

さらに大規模事業所の場合、区分支給限度額の計算方式の変更(大規模報酬ではなく通常規模の単位で計算:現在まで決定事項ではないが、そうなる確率が高い)により、利用回数を減らさねばならない利用者も出てくる。これも収益減に直結する問題である。

このように今回の報酬改定では、新設上位加算・新設加算を算定できない事業所は収益減となる可能性が高くなる。

その中で収益アップの重要な要素は、CHASEへの情報提出とフィードバックの要件をクリアすることではないかと思う。「CHASEへのデータ提出に関する報酬評価の整理」で解説しているが、施設系サービス、通所系サービス、居住系サービス、多機能系サービスについて、CHASE の収集項目の各領域(総論(ADL)、栄養、口腔・嚥下、認知症)について、施設・事業所の全ての利用者に係るデータを横断的に CHASEに提出してフィードバックを受けるなどを要件にした加算が新設される。これを算定する必要があるだろう。

また同記事で示しているように、従前の加算にもCHASEへの情報提出等の要件が加わることになるので、それを行わない事業者は、加算が軒並み算定できないか、下位区分の算定しかできなくなり、苦しい経営を強いられる考えられる。

なお食費の基準費用額が見直され増額見込みであることについては、施設サービス・滞在サービス等には明るい話題だろう。

ただし全サービスにおいて事務作業負担も増えることを忘れてはならない。

来年度から早急に求められるのは、利用者からのハラスメント対策の強化である。全事業者がその対応を求められる。

さらに全ての介護サービス事業者を対象に、研修の受講状況等、認知症に係る事業者の取組状況について、介護サービス情報公表制度において公表することが求められる。

3年間の経過措置期間の中で次の対策も求められていくことになる。
・感染症の発生及びまん延等に関する取組の徹底として、委員会の開催、指針の整備、研修の実施等に加え、訓練(シミュレーション)の実施
・感染症や災害が発生した場合であっても、必要な介護サービスが継続的に提供できる体制を構築するために、業務継続に向けた計画等の策定、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施
・虐待の発生又はその再発を防止するための委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者を定める
・医療・福祉関係の資格を有さない無資格の介護職員について、認知症基礎研修を受講させるために必要な措置を講じることを義務づける。


どちらにしても手放しで喜ぶべき改定率・改定内容ではなく、事業者間の勝ち負けがはっきりする改定と言えるのではないだろうか。

だからこそ勝つための戦略を練るためにも、改定内容を正しく理解する必要があるし、その戦略に向かって事業者が一丸となって進んでいくためには、全職員にその内容をわかりやすく伝える必要があるのだ。(参照:職員への情報伝達をおざなりにしていませんか
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

サービス残業が当たり前の職場にしてはならない


立ち食いそば店、「名代富士そば」の店舗運営会社の一部が、正社員が残業をしていないように見せかける勤務記録の改ざんを長年続けていたことが明らかになり、11/13までに社員らが、過去2年分の未払い額計約2億5千万円の支払いを求める労働審判を東京地裁に申し立てたことが報道されている。

その状態はまさに労働者から搾取するブラック企業の典型例であるが、しかし介護事業者でも同じような不正が行われている実態が明らかになった。

この報道がネット上に流れた翌日の11/14(土)、残業代の未払いで悩む人から、表の掲示板に相談のスレッドが立てられている。(参照:人員不足によるサービス残業

そこで書かれている内容は、ブラックとしてもあまりに腹黒すぎる内容で、人が足りないのに対策もとらず、介護人員不足は介護の場の問題だから管理職には関係ないとして、その対策も介護職自身で立てるべきであると問題を丸投げされているというのである。

その結果、サービス残業が常態化しているにもかかわらず、それも介護職員の責任だから残業代は支払わないというのである。

まったくこの施設の管理職は、管理職の役割をなんと心得ているのだろうか?

介護職員が集まらない原因をしっかり検証して、募集の仕方を工夫するとともに、介護職員が定着するように働きやすい職場環境を整えるのが、管理職の一番重要な役割である。

そうした労務管理をせずして、管理職として他にどんな責任や役割を担おうというのだろうか。勘違いも甚だしい。

しかも労働基準法等の労働法規を全く無視していることは大きな問題である。残業代の未払という不法行為を続け、それが問題にならないと思っている方がどうかしている。このような不法行為が明らかになれば、世間から大きな批判を招き、経営危機に直面せざるを得ない。そんな簡単な理屈を何故理解できないのだろう。

しかしこうした職場風土を許しておく従業員の姿勢も問題視されてよいと思う。会社側・管理職からの理不尽な要求には毅然と対応し、抗議すべきは抗議し、できないものはできないとはっきり言うべきである。そのためには、最低限の労働法規を知っておく努力も求められる。

リンクを貼りつけたスレッドのNo.6でコメントしている人のように、上司に対しても労働法規違反はきちんと警告して、それを無視するのなら出るところで出ようという態度で臨むべきである。

しかしこうした労働法規違反を繰り返す事業者や、従業員を護ろうとせず搾取するだけの事業者は決して少なくない。

紹介したスレッドが立てられた翌日の15日(日)には、「余裕がある人員配置」という別スレッドが立てられ、ここでは休みなく7連休を強要されている問題が指摘されている。

介護職が担っている仕事は重労働だ。身体も精神も疲労度の高い仕事だ。その仕事を1週間休みなく続けさせるということは、労働法規云々という以前に、介護職員の健康を無視した虐待と同じ行為とさえいえる。

介護サービス事業者は、介護保険制度が創設された2000年以降に、それまでの倍の数以上に増えている。その中には資本金が少なくても経営できる小規模事業者が多い。そういう事業を立ち上げた人の中には、経営者としての資質に欠け、労働法規を護る前にその内容を知らないという人さえいる。

そんなことも相まって、2012年の介護保険制度改正では、労基法違反を行う事業者に対して都道府県が介護保険法による処分を行える規定が組み込まれ、悪質な労働基準法違反に対しては、「指定取り消し」ができるようになっている。(参照:労基法違反は指定取り消しも。

このような改正が行われたのには、介護事業者の労働法規違反が目立つからだという恥ずべき背景要因があったわけである。

しかしこうした改正が行われた後も、労働法規違反を繰り返しながら、そのことが表面化しないことで高をくくっている事業者がなくならない。労働者の心身の健康を二の次に考えて、搾取的な経営をしている事業者の数はさほど減っていないように思える。

だからこそ介護事業者に勤める従業員の皆様にも、最低限の労働法規を知るとともに、それを守ろうとせず、従業員も護ろうとしない事業者からは、さっさと身を引いてきちんとした経営をしている事業者に移りなさいと言いたい。

その為に、このブログではお勧めできる転職サイトのリンクを貼っている。それは劣悪な組織運営の介護事業者をたくさん知っており、そうしたところは劇的に良い事業者に変わることもないことも知っているからだ。だからこそ従業員自身が自らを護るための、「転職」は必要だと思うのである。

現に転職してから見違えるように生き生きと働いている人たちもいるのだ。(参照:置かれた場所で咲きなさい、というけれど・・・。

職員を守ろうとせず搾取を繰り返す事業者は、利用者のケアの品質にも無頓着だろう。そのような事業者が、人の暮らしに寄り添うサービスができるわけがない。

しかしそのようなところであっても利用者がいるのだから、自分が辞めたらその人たちに迷惑が掛かるので辞められないと考える人もいるだろう。

しかし長期的・大局的に考えると、そのようなブラック事業者は、人手を確保できずに事業ができなくなった方が良いのである。利用者も従業員も、劣悪な環境の中に置かれ続けなければならないより、そういう問題が表面化することによって、ブラック事業者が事業を続けられなくなるというスパイラルの中で、クリーンでまっとうな経営を続ける介護事業者が生き残っていくことができる介護業界になっていく方が健全だ。

それが世のため人のためになると思う。

ブラック事業者で我慢して働き続けることは、不法行為や不健全な運営に、自分も手を貸しているという意味にしかならない。

だからこそ、無料で正しい情報を提供してくれて、専任のキャリアアドバイザーと相談しながら職場選びができ、就職後も無料でフォローアップしてくれる転職サイトを選ぶことも大事なことだと思う。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

報酬改定に影響する介護事業経営実態調査結果


昨日(10/30)、第31回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会がWeb会議で開かれ、そこに資料として、令和2年度介護事業経営実態調査結果の概要が提出された。(資料はこちら

これは令和2年に調査した結果であって、決算年度は令和元年であり、平成30年度決算の収支差率との比較が表で示されている。それは以下の通りである。
令和2年度介護事業経営実態調査結果
このように居宅介護支援事業以外は、すべて黒字決算となっている。しかし令和元年度の収支差率が平成30年度収支差率よりプラスとなっているのは、「訪問入浴」・「訪問看護」・「特定施設入居者生活介護」・「福祉用具貸与」・「小規模多機能居宅介護」の5サービスのみで、他のサービスは収支差率が下がっている。

全サービスの平均収支差率は2.4%で、一昨年度の3.1%から0.7ポイント下がった。特に訪問介護や居宅介護支援、グループホーム、看護小規模多機能などの下げ幅が大きい。

収支差率が下がっている一番の要因は人件費の高騰だろう。介護人材不足の解消見込みがない中で、人手の確保のために給与等の待遇を改善しなければならないことに加えて、人材募集の広告費、派遣職員の確保のための紹介料の高騰などが収支率の悪化につながっている。

報道によるとこの数字について厚労省の担当者は、「事業所の収支は総じて悪化した。経営環境はより厳しくなっている」と見解を述べたとのことだ。

そうすると来年4月の介護報酬改定にとって、このデータはプラス改定の追い風になる可能性がある。コロナ禍は、令和元年の決算時には影響しておらず、今年度の決算時の収支差率は、さらに下がることが確実なのだから、この状況でのマイナス改定はあり得ないだろう。

むしろ現在開かれている国会では、首長答弁として介護人材確保に取り組むとの発言や、感染予防対策はさらに充実を図る旨の発言もあったのだから、その分が介護給付費に上乗せされる期待感は高まっている。

プラス改定の抵抗勢力としては、財務省のほか保険料支出が増える経済団体などが挙げられるが、そうした反対の声と、財源が潤沢ではない中で、どれほどの改定率になるかが注目されるところだ。その数字はあと50日程度後に示される。

それにしても、この調査の対象事業者はどのように抽出されているのだろう。

この調査は介護保険の全サービスが対象。3万超の事業所に昨年度の経営状況を尋ね、1万4376事業所から有効な回答を得ているそうである。しかし僕が特養の総合施設長を務めていた間に限って思い出しても、この調査の対象になって経営状況を尋ねられたことはない。

僕が施設長になったのは、その社会福祉法人が設立されて20年以上経って以降のことであるから、経営年数もそれだけ長く、職員の就業年数も長く、人件費率は7割近くに達していた。特養の収支差率が10%を超えていると批判されていた時代に、僕の法人ではとてもではないが、そのような高い収支差率は考えられず、こうした法人を何故調査対象に含めてくれないのかと思ったことがある。

調査対象が介護保険制度以後に事業を立ち上げた若い経営主体ばかりなら、自ずと収支差率は高くなってくるわけで、事業年数の均等化は、調査対象を選ぶ際の視点としてあるのかが疑問として残される。

しかしいったん示された数字はそれが独り歩きして、根拠の一つであるとされていくので、この数字をもとに介護報酬の改定率や、各サービス別の報酬単価が決定されていくことになる。今後の改定議論の動向に同行につながっていく数字として注目していく必要がある。

なお介護事業の中で唯一赤字決算で、昨年度の収支差率がマイナス1.6%となり、前年度(マイナス0.1%)から大幅に収支差率が悪化し、経営環境の厳しさが増していることが浮き彫りになった居宅介護支援費については、改めて来週中にその対策を含めた解説記事を書く予定なので、その時は参照願いたい。
※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】


登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。




※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

顧客確保競争が激化する時代の介護事業戦略


北海道は朝晩、暖房が必要な季節になった。

この時期になると紅葉の季節の先を見越して、いつ冬になってもおかしくないように、厳しい寒さを乗り切る心の準備が大切になる。

同時に僕のルーチンとしては、おせち料理を取り寄せ予約する時期でもある。ちと気は早いと思われがちだが、僕の3つ目のブログmasaの徒然草の「おせち料理はどうしてますか?」も暇なときに読んでいただきたい。

それはともかく、話は変わって今日の本題。

8日に東京商工リサーチが公表した、『2020年1-9月「老人福祉・介護事業」の倒産状況』によると、今年1月から8月の介護事業者の休廃業・解散は313件となり、前年同期(263件)から19.0%増え、この時期としての過去最多を記録している。

1月から9月までの倒産件数も94件で、前年同期(85件)を10.5%上回っている。

事業別に見れば訪問介護が46件と一番倒産件数が多いが、これは訪問介護員の成り手がないことと関連して、人手がないことを理由に倒産件数も高止まりしている状態である。しかしここにきて倒産する事業所の増加が目立つのは、「通所・短期入所」の30件(前年同期比25.0%増)である。

当然これにはコロナ禍が影響していると思えるが、コロナ禍が過ぎれば状況が大幅に改善するとは言い切れない。なぜなら倒産理由に占める、「顧客確保競争に敗れた結果」による倒産は今後も増える可能性が高いからだ。

コロナ禍でサービス利用控えが増えることで、顧客が確保できなくなった事業者は多いが、コロナが終息しサービス利用者が増える段階では、後期高齢者に近づく団塊の世代の人たちのサービス利用が大幅に増えることが予想され、2018年には介護給付費の額が20兆円まで膨らむことが予測される。

これに保険外の費用や、今後増大が予測される感染予防対策費の上乗せ分を含めると、介護市場は100兆円を超える巨大市場となる。民間営利企業がこの市場を放っておくはずはなく、現在介護業界に進出していない民間営利企業の市場参入が相次ぐだろう。

ただしその市場は、「骨太改革」の影響で、顧客単価が減る市場でもある。顧客数は増えるが、一人に給付される単価は減るのだから、今以上により多くの顧客に選ばれなければ事業は成り立たない。

そこで既存事業者は、それらの企業と顧客と人材の獲得競争を行なっていくわけである。それに勝てないと廃業に向かうしかないわけであるが、倒産が相次いでいる従業員が10人未満などの小規模事業経営者は、それらの民間営利企業と対峙して、競争に勝ち残っていく戦略やノウハウを持っているだろうか。

企業に負けずに、顧客に選ばれるサービスの差別化は出来ているだろうか。

一昨日依頼を受けて、12/8に佐賀県老施協・デイサービス委員会主催のzoom講演を行なうことになったが、そこで依頼されたテーマも、「今後の時代の変化に対応するための情報収集と検討〜コロナ禍における通所介護事業の展開〜」である。厳しい時代の生き残り策となるヒントが求められていると思うので、僕が考える具体策を示したいと思う。

上記のセミナーは会員限定であるが、誰でも参加ができるオンラインセミナーで、今後の介護事業経営を考えるうえで不可欠なセミナーが来週行われる予定になっている。

介護経営支援の実績が豊富なC-MAS(介護事業経営研究会)が主催する、「C-MAS オンラインLIVE 全国大会 Ver.2020」は、10/16(金)より配信スタートする。全国どこにいる方でも受信可能で申込受付もまだ間に合う。詳細とお申し込みは、文字リンク先からダウンロードして確認していただきたい。

僕は来週月曜日の三重県鈴鹿市講演を皮切りに、鈴鹿市〜名古屋市〜大阪市〜東京と移動し、このC-MAS全国大会での2つの座談会に参加後、北海道に戻る予定だ。

その間6講演を行なう予定だが、介護保険制度改正や報酬改定、事業経営に触れてお話しする場面も随所に求められている。

しかしお客様に選ばれる介護事業者となるために、一番必要とされるのは、介護サービスの利用者は単なるユーザーではなく、顧客であるという意識と、顧客対応としてふさわしい対応の基本姿勢を身に着けることに他ならない。

今、団塊の世代の人たちは、スマホやタブレットを使いこなし、外食するときは、ネット上の口コミ情報を検索しながら店を選び、ほしいものをネットで取り寄せる人とたちなのである。

いつまでの介護事業者の従業員が、「利用者の立場に降りていく」という意識の低い姿勢や意識であっては、選ばれるわけがないのである。家族のような態度を、従業員に対して顧客が求めているという意識レベルの低さで、顧客に選ばれ生き残りができるわけがないのである。

顧客が最終的に求めるものは、事業者の飾り付けられた環境でも、耳障りの良いキャッチコピーでもなく、従業員のホスピタリティ精神であり、それにも基づく高品質サービスであることを自覚しない介護事業者に明日はないと言えるのである。

そしてホスピタリティ精神を生み出す基盤となるものが、サービスマナー教育であり、サービスマナー精神であることに、いち早く気が付いた介護事業経営者が、介護市場に落ちてくるビッグマネーを獲得できることになるのである。

それを狙わない手はないのである。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

リスクのない方法で固定費を削減して介護事業の安定経営につなげたい方は、電子ブレーカーで電力料金を賢くコストカットしませんか?をクリックしてください。
まずは無料見積もりでいくらコストダウンできるか確認しましょう。




※別ブログ
masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

介護事業者に吹く逆風に立ち向かう工夫と備え


9/4に開催された第184回社会保障審議会介護給付費分科会から、次期報酬改定に向けた議論はいよいよ第2ラウンドに突入した。(参照:第1ラウンドを終えた介護報酬改定議論

そこでは早速、居宅介護支援におけるコロナ対応のICT活用特例の恒久化等が議題となった。これだけリモート会議が普及したなかで、サービス担当者会議のリモート実施が否定される理由は何もない。これは恒久化されて当然だろうし、さして反論もないだろう。

問題は月1回のモニタリング訪問である。オンラインを通じて利用者の状況確認ができれば何も問題ないといえるが、そうではないという意見もある。オンラインでは家の中を確認できず、虐待等を見逃す恐れが指摘されるなどの反対意見が出されている。しかし訪問しても玄関口で対応するだけというケースも多いので、それと比してリモートモニタリングが著しい障害であるとは言い難い。是非モニタリングのリモート化も実施し、ケアマネジャーの業務負担軽減に結び付けてほしい。

ところで次期介護報酬改定を巡っては、関係者の間に感染予防費用などを上積みした基本報酬の引き上げの要望が強く、その実現可能性は高いとみる向きもあるようだ。

しかし4日の審議では、健保連や日経連の代表委員から報酬引き上げを強くけん制する意見が出されている。

基本報酬の引き上げは、40歳以上の保険料(2号被保険者の保険料)の引き上げに直結し、労使折半分の負担増を懸念した経済界からは、報酬をプラスする分はマイナスすべき分から補填する形で行うように要望が出されている。経済界としては何としても介護報酬アップを避けたいわけだ。

どちらにしても次期報酬改定では大幅な基本報酬の増加は期待できず、小幅な改定になると予測する向きが強くなっている。

そんな中で、「働き方改革」が、介護事業経営に大きな影響を与えている。

特に影響が大きいのは、「同一労働同一賃金」の義務化である。この義務化は大企業が2020年4月1日から、中小企業への適用は2021年4月1日からとなるが、介護事業者の場合、「常時使用の労働者数が100名を超える事業者」が大企業に該当し、すでにこの義務適用を受けている。規模は事業所単位ではなく法人単位で見るので、該当する介護事業者は結構多いだろう。

しかし大企業に該当し本年4月から、「同一労働同一賃金」にする義務がある事業者でなくとも、来年4月以降はこの義務を履行しなければならない。よって来年4月は、介護報酬が改定されると同時に、この義務適用が行われる事業者が多くなるのである。その備えは出来ているだろうか・・・。

この義務に違反しても法律上のペナルティはない。だからと言ってこの義務を果たさないと経営上の大きなリスクに結びつく。なぜなら法律上のペナルティと損害賠償義務は異なるからだ。

働き方改革で新たに生じた義務を履行しないことによって、非正規職員などに不合理な待遇を与え続けた場合、それを理由に労働者から訴えられたときには、事業者側の敗訴は間違いないだろう。その際は差額の支払いののみならず、差別された職員に対する精神的苦痛に対する賠償責任も生じ、高額な損害賠償金が発生するリスクが高いのである。

そうであるがゆえに、この義務をきちんと果たすために規定等を変更しておかねばならない。厚労省からこの取り組みに向けて、「パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書」が出されてるので参考にしてほしい。

正社員と同一の能力・経験を有する非正社員には能力・経験に応じた部分について同一の基本給を支給しなければならないが、それだけではこの義務は果たせない。

例えば正社員に退職金があるのに、長期間働いてきた非正社員には退職金が全くないことが「不合理な待遇差」とされた裁判例では、退職金のうちの少なくとも「功労報償」部分は支払わなくてはならないといった形で均衡待遇が求められた判例がある。平たく言えば、退職金を支払わなかった職員に対し、退職金を支払った職員に対する退職金の額から、掛け金を自己負担させた分を除いて事業者が負担して支払えと言う判例だ。これも今回の「同一労働同一賃金」義務において均等化することが求められるだろう。

賞与についても、会社の業績等への貢献に応じて支給するものについては、正社員と同一の貢献がある非正社員には貢献に応じた部分につき同一の支給をしなければならない。社員と準社員という身分差だけで賞与の支払い率などに差をつけてはならなくなる。この差の解消が必要になる。

福利厚生・教育訓練についても正規職員とそれ以外の職員に差を設けてはならなくなる。

僕が以前勤めていた社福では、正規職員だけ民間社会福祉事業職員共済会に加入していたが、そうした差別は許されなくなる。共済会に加入して会員としての福利厚生を受けるならば、非正規職員等もすべて加入させる義務が事業者側に生ずるわけだ。

このように少なくともフルタイムで働く非正規職員は、正規職員と同じ待遇への改善が必要とされるのである。

このあたりの規定の見直しもしなければならないが、どちらにしても一連の働き方改革による変更は、ほぼすべてにわたって事業者責任と支出の増加につながっている。介護報酬改定で基本報酬が多少引き上げられるとしても、働き方改革での支出が増える分を考えると事業収益は減る可能性が高いのである。

介護事業者は、正規労働者以外に非正規労働者を数多く抱えて、その待遇差で収益を挙げてきた小規模事業者が多いので、この問題は案外深刻である。

だからこそ経営努力はますます必要になると考えなければならず、特にランニングコストの削減努力は怠らないでほしい。(参照:介護事業のコスト削減は電気代とガス代の見直しから始まります

介護事業経営はこのような厳しい逆風にさらされているが、このブログで何度も指摘しているように、今後10年間を睨んでも介護市場には、介護サービスを利用する人の増加によって莫大な資金が流れ込むのである。そこで収益を挙げる方法はいくらでもあると言ってよい。要は時代の変化に合わせた柔軟な発想と、他の事業者とは差別化できる創意・工夫が求められているだけである。

そこで勝ち残る戦略をきちんと立て、経営基盤を強化することが、まさに今求められているということを忘れてはならない。少なくとも「働き方改革」に対応した規定変更もできない事業者であってはならないということを強く自覚する必要があるのだ。

なお6日(日)から、「介護施設等の人員配置基準緩和(削減)に関するアンケート」を行っている。その結果はこちらからも見ることができ、すでに多くの方々の協力を得ているが、引き続き介護実務に携わる人の生々しい声を集めたいと思っているので、投票がお済でない方は是非協力をお願いしたい。
リスクのない方法で固定費を削減して介護事業の安定経営につなげたい方は、電子ブレーカーで電力料金を賢くコストカットしませんか?をクリックしてください。
まずは無料見積もりでいくらコストダウンできるか確認しましょう。

登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。




※別ブログ
masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

コロナ禍ではがれる化けの皮をよく見ておかねば・・・。


長年収益を挙げながら事業を続けている経営者の方々は、人に秀でた才能をお持ちの方であると尊敬に値する。それは介護事業に限ったことではない。

優秀な経営者であればあるほど、社会貢献という視点をお持ちになっておられるような印象もある。商品を単に売るだけではなく、その商品によって社会のある部分のベクトルは、確実に人類の発展に向かうことを信じて商品提供している姿勢が垣間見える。

そうした経営者は、ただ単に収益を挙げて事業経営を続けるために躍起になっているだけではなく、そこで働く社員の暮らしの質の向上とか、暮らしを護るという責任を全うするという姿勢を常に持っている。その姿は凛々しいと思える。

介護事業経営者も、そうした矜持を持って経営にあたってほしいと思う。

介護サービスは対人援助であり、介護サービスという目に見えない商品は、まさに人類の幸福追求のために存在するということを忘れないでほしい。そして介護サービスそのものは、人間によってしかできないこと、機械が替わって提供できないサービスを提供する行為なのである。そうした職業にあt図触る従業員は、何よりも宝であるということを、建前ではなく本音で感じて経営にあたってほしいと思う。

なぜこんなことをわざわざ書くかというと、利用者の福祉にも、従業員の暮らしぶりにも全く関心がなく、自分の懐具合だけにしか興味がない介護事業経営者が実際には数多く存在するからだ。

それはもしかしたら措置制度の負の遺産かもしれない。

例えば措置時代の社会福祉法人経営なんて誰でもできたと言ってよい。事業経営しなくとも、運営だけをしておれば、措置費だけではなく各種補助費用等が潤沢に手当てされ、どんな運営をしようと単年度赤字の心配はなかった。むしろ剰余金(現在の繰越金)が一定額を超えると、「民間職員給与改善費」がカットされることになるので、それを恐れて年度末にいらない物品でも、ともかく何でも購入して収益を一定額以上に挙げないようにしたものである。

そんなエセ経営者がまだ残っていたり、そんなエセ経営者の姿勢しか学んでいない人が、介護事業経営者になったりしている中で、社会貢献にも従業員福祉にも目を向けない経営者がたくさん存在している。

当然そのような人による事業経営が行き詰まるのは当然だ。有能な職員がそうした事業者から離れていき、経営状況が目に見えて悪化していたりする。

例えばある特養では、数年間連続して単年度赤字会計となっているのに何ら手立てを講じていない。そこの経営者にその法人は危機的状況にあると指摘すると、「自分が経営している間は、繰越金を取り崩していけば全く問題ない」と堂々と主張したりする。繰越金を取り崩して繰越金がゼロになった先には、赤字倒産しかない。そうなれば利用者にも迷惑をかけることになるし、何よりその法人の従業員すべてが路頭に迷うことになる。そのような考え方で介護事業経営を続けていることが許されるのだろうか。その法人の評議委員会や理事会は機能していないのではないかと疑問に思うのである。

皆さんが今働いている法人等の理事長や経営者は、本当に皆さんの暮らしを考えて事業経営にあたっているだろうか。そのことにも関心を持っておかないと、ある日急に職を失いかねない厳しい介護サービス競争の時代に入っているので、くれぐれもご注意いただきたい。

経営者や管理職の中には、従業員のことなどどうでもよいという本音を隠して、表面上は良い経営者を装っている人もいる。しかしその化けの皮がはがれたのが今回のコロナ禍である。

感染予防は大事だと言いながら、それは利用者が減って収益が減ることを恐れた結果でしかなく、一番大切な利用者や従業員を感染症から護るという視点がないから、感染対策は現場に丸投げで、知恵もお金も出さない経営者が、従業員を心身崩壊の瀬戸際まで追い込むケースが少なくなかった。

あのマスク不足の時期一つとっても、従業員を護ろうとする経営者とそうでない経営者の違いが目立った。従業員をウイルスから護るために、マスクの欠品を出せないとして日本中を駆け回ってマスク調達している経営者がいた一方で、就業中のマスク装着を義務付けしたにもかかわらず、事業者としてマスク不足の対策は全くとらずに、仕事中に装着するマスクの調達は従業員個人の責任とし、マスク購入費用も従業員に個人負担させるというひどい介護事業者もあった。

経営者は介護の最前線に立ってウイルスと戦う必要はない。しかし経営者は最前線で奮闘する従業員が安心して働くことができる環境を整えるための指揮を執るべきだし、そこに臨時の費用を集中投下する判断は経営者にしかできないのだから、その責任を放棄してどうすると言いたい。

従業員たる自分を護ってくれない会社や経営者は、自分を搾取するだけの存在にしか過ぎないことを、すべての従業員は知るべきである。

自分の気に食わないことが少しでもあったら職場を替えようとか、目先の給与だけで職場を選ぼうとか、自分のキャリアやスキルアップに結び付かない転職を繰り返すことは、決して得にはならないし、精神上の「徳」にも結び付かない。それはこらえ性がなく、適応力の弱い人間に自分を貶める結果にしか結びつかないので、くれぐれの安易な転職は戒めてほしい。

しかし搾取されるだけの職場を見限って、自分の能力に見合った評価をしてくれる場所を選ぶことができれば、自分のスキルはもっと高まり、それがよりパフォーマンスの高い社会貢献につながるかもしれない。

介護職員の方々は、従業員を護ろうとする意識が無い介護事業者や経営者を見限って、自分で職場と経営者を選ぶことができる環境にある。介護事業における転職は、そうしたポジティブな視点から考えるべきである。

人の本性はチャンスの時より、ピンチの時に現れやすいとも言われている。今回のコロナ禍でその本性がむき出しになって、周囲の人々を幻滅させた人がそこかしこに居るということがないように祈りたいものである。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※リスクのない方法で固定費を削減して介護事業の安定経営につなげたい方は、介護事業のコスト削減は電気代とガス代の見直しから始まりますを参照ください。まずは無料見積もりでいくらコストダウンできるか確認しましょう。




※別ブログ
masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

我、時に狂人にならんと欲す。


先に内閣が示した、「経済財政運営と改革の基本方針2020 について」(骨太の改革2020)を読むと、例年と異なって社会保障費の自然増を5.000億円程度に抑制するという数値目標が書かれていないように思う。

それが僕の見落としでないとしたら、コロナ禍の影響で感染対策費などの支出も増える中で、その数値の達成はますます困難であるという意志が働いたのかもしれないと思ったりしている。

だからと言って骨太方針が国の予算支出を必要不可欠な領域に重点化し、それ以外の予算支出をできるだけ抑制させるための方針であることに違いはないので、そのことで介護報酬のアップが期待できるというものではない。

しかし社会保障費の削減数値が消えたことをポジティブに捉えて、次期報酬改定のプラス改定に向けた関係者の期待値は、少しだけ増しているというところだろうか。

どちらにしても社会保障費自体は、まだまだ増え続けるのだ。介護給付費だけを見ても、2018年の10兆円から2028年には20兆円になる。そこに保険外の周辺費用を含めると、介護市場は2025年には100兆円と言われる巨大なマーケットとなるのである。感染対策費の上乗せ分を考え合わせると、この数字はさらに上方修正ができるものと思える。

そのため今後の介護サービス市場において、顧客のハートをつかんでサービスを利用してもらえるのであれば、介護事業者には今以上の大きな収益が期待できるのである。

だからこそ顧客のハートをつかむ知恵と工夫が必要だ。日本の高度経済成長を支えてきた段階の世代の方々に選ばれるサービスは何かを考えて、介護戦略は常に更新していく必要がある。

ホテルサービス並みの顧客対応を日常化できる事業者には、付加価値に対する保険外の収益を得るチャンスが広がり続けるだろう。お客様に対し日常的に、「○○様。かしこまりました。」という対応ができる事業者だけに、大きな収益は生まれるのである。サービス利用者に対して、「さん付け」で十分だろうと考える事業者であってはならないのだ。

ましてや、「ちゃん付け」や「ニックネーム」で顧客を呼ぶ事業者は、顧客が離れる前に、簡単に撮影される映像がネットに流出して、その言い訳と謝罪に多くの労力がとられていくだろう。

顧客に向かってタメ口対応を批判され続ける介護事業者が存在することは、それを踏み台として利用できるという意味になるかもしれない。サービスマナー意識に欠ける事業者のサービスの品質を批判しながら、その対岸に向かうことができれば、劣悪な事業者との対比を売りにして大きな「財」を獲得できるのだ。その財とは人財も含めての話である。それはサービスマナー教育にお金と時間を掛けない事業者には得ることができない財である。

そのような中で、感染予防への先進的取り組みは、顧客確保の売りになり得るものだろう。昨日の記事で指摘した、新生活様式に沿った面会対応ができるための設備も、顧客ニーズにマッチして選ばれる要素の一つにあり得る。他の施設で導入していない、新たな面会の導線確保という建築アイディアも捨てたものではないのである。地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金や感染症対策支援事業(感染対策かかり増し経費の補助)を活用して、いち早く設備改修に取り組む必要性はここにある。

同時に新しい時代の経営として、固定費の削減に取り組む必要性も経営戦略として欠かせない。電気というエネルギーが、介護経営に更なる比重を占める現状で、その経費削減に取り組むことも未来を見据えた経営だ。(※電力の見直し増えてます!【電力料金削減はプロにお任せ!】


愚者は過去を語り・賢者は今を語り・狂者は未来を語るという言葉があるが、それは未来を語る人間が狂っているという意味ではなく、未来を見据えて新しい道を切り拓こうとする者とは、常に時代の常識からは外れて見られ、時には狂者でしかないと思われるという意味でもある。

賢者と言われている人も、今を語るだけであれば、明日は昨日という過去を語る愚者に陥るかもしれないのである。今を語っているつもりの自分が、いつの間にか過去を語っている状態になっていないかを常に確認しなければならない。

未来を切り拓かんとするものは時に狂人にならんと欲すべし。その精神を忘れてはならない。
無題
※リスクのない方法で固定費を削減して介護事業の安定経営につなげたい方は、介護事業のコスト削減は電気代とガス代の見直しから始まりますを参照ください。まずは無料見積もりでいくらコストダウンできるか確認しましょう。

登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。




※別ブログ
masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

withコロナの介護事業


新型コロナウイルスの流行を踏まえた介護サービス事業所の報酬、運営基準などの特例について、厚生労働省は今後しばらく存続させていく方針を示している。

そうなると来年4月の報酬改定にもそのことは影響してくるだろう。基本サービス費をコロナ対策費を盛り込んで引き上げるという単純な報酬設定ではなく、感染が流行したときに報酬の算定区分を柔軟に変えるなどが、報酬の基本構造の考え方に盛りこまれていく可能性があり、そのことが通所サービスの提供時間上位区分の特例算定で実験的に行われていることは、昨日の記事で指摘したとおりである。

コロナ禍により社会は変わったのである。コロナウイルス流行前の社会に戻ることはなく、新しい社会構造が随所に求められていくのである。それが、「withコロナ」である。

そうであれば報酬、運営基準などの特例のルールの一部は恒久化を考えていく必要もあるだろう。

そうした観点から関係者の皆さんには、今回の様々な特例とはどのような内容であったかを振り返ってほしい。

そのような観点から言えば、厚労省のサイト内にある、『「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて」のまとめ』というページは、事業種別ごとに今回の特例がまとめられているので、頭の中を整理するために便利である。是非参照してほしい。

一連のルールの中には恒常化してほしいルールもいくつかある。例えば訪問介護の特例ルール、『訪問介護員の資格のない者であっても、他の事業所等で高齢者へのサービス提供に従事した事がある者であり、利用者へのサービス提供に支障がないと認められる者であれば、訪問介護員として従事することとして差し支えない』については、感染対策特例でで支障がなかったという前例を受けて、初任者研修を受けなくとも、他の実務でヘルパーとして認めて良いのではないか。

同時に通所サービスの、『利用者の希望に応じて、…冥螢機璽咼垢了業所におけるサービス提供と、当該通所サービスの事業所の職員による利用者の居宅への訪問によるサービス提供の両方を行うこととし、これら´△離機璽咼垢鯏宜組み合わせて実施する』というサービスは、「新複合サービス」として制度の中に組み込んでいく必要があるのではないか。

上記の2点は訪問介護資源の枯渇という懸念を拭い去るうえで、対策の一つとなり得ると思う。(参照:訪問介護員の絶滅を防ぐ手立てはあるのか?

またサービス担当者間の調整に関連して、『時間を短縮しての通所サービスの提供や、訪問によるサービスの提供を行う場合、事前に利用者の同意を得た場合には、サービス担当者会議の実施は不要として差し支えない。また、これらの変更を行った場合には、居宅サービス計画(標準様式第2表、第3表、第5表等)に係るサービス内容の記載の見直しが必要となるが、これらについては、サービス提供後に行っても差し支えない。』とされた特例も恒常化すべきだ。平時であっても緊急的に計画の変更になるケースはあるのだから、担当者会議や計画書への記載は、臨機に対応を柔軟にできるようにすることで、計画担当ケアマネ及びサービス事業所の双方の業務負担軽減に結び付くと思える。

さらに居宅介護支援においては、担当者会議やアセスメント訪問をビデオ通話などで代替できることを通常にすべきではないか。このことに関連して、第8回規制改革推進会議資料1では、56頁に、『介護支援専門員のモニタリング訪問、サービス担当者会議については、テレビ 会議、ビジネスチャット等のICT活用による訪問等の代替を含めた業務負担軽減について検討する』とされている点に注目したい。

なお同頁には、『介護施設におけるテクノロジーの導入の有無による比較対象を設定した効果検証を実施し、当該検証結果を踏まえながら、介護報酬等 への評価につなげる』として、介護ロボット導入加算の視点や、『今後の 介護報酬についても、かけた手間や体制等を評価するストラクチャー評価やプロセス評価に加えて、高齢者の自立支援効果に応じて報酬上のアウトカム評価がより行われるような見直しが不可欠となっている。』として自立支援介護に対する報酬評価の視点が明記されている。

どちらにしても、介護事業の経営やサービス提供にもwithコロナの観点から変化が求められていくことは間違いのないところであるし、介護報酬改定も決して甘い見込みは立てられないことも間違のないところだ。

そんななか先日書いた、「政権政党の提言は介護報酬改定に影響するのか」に次のようなコメントを書いてくれた方がいる。
-----------------------------------
当法人において教えていただいた電気ブレーカーの導入を見積もったところ、年間数百万円の経費削減が可能になることがわかり早速取り入れました。ガスについても現在交渉中です。貴重な情報ありがとうございましたよ 。
-----------------------------------
年間数百万とは大きな経費削減である。多分それだけ事業規模が大きな法人なのであろうと想像できるが、事業規模が小さくとも、経費削減効果はあるのだから、ぜひ固定費のコストダウンには乗り遅れることなく取り組んでほしい。その際には別ブログに更新した、「介護事業のコスト削減は電気代とガス代の見直しから始まります」という記事を参照にしていただきたいと思う。

新しい時代も介護には順風が吹く兆しは見えないが、私たち自身が前向きにアクションすれば、きっと私たちを後押しする風や、私たちを照らす光に出会うことができるだろう。

そのことを信じて、ともに知恵を絞り前に進んでいこうではないか。

登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログmasaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

介護のデジタル化を加速させる波は何をもたらすのか


22日の経済財政諮問会議で、安倍首相は医療・介護のデジタル化を加速させるよう関係閣僚に指示した。

これは新型コロナウイルスの感染拡大によって、以前より更にデジタル化の必要性が高まったことによる指示である。

同会議では介護の具体策にも踏み込み、リモート介護予防サービスの展開やペーパーワークの徹底した効率化、ケアプランAIの活用などが注文された。

これを受けて加藤厚労相も、「介護報酬・人員基準を逐次見直す」と言明すると同時に、現場へのセンサーやICTなどの普及に力を入れると説明している。

具体的には、事業所の指定・更新申請や報酬請求などの大部分をWeb入力、電子申請のみで済ませられる仕組みの構築を目指す。事業所に保管すべき書類のぺーパレス化も徹底し、基本的にオンラインで事足りる環境の整備を図るという構想を、早ければ来年度中にも具体化までこぎ着ける計画を打ち出した。

このことは当然のことなら、介護分野の文書に係る負担軽減にリンクしている。しかしこのブログで何度も指摘しているように、国が取り組む文書削減とは、結果的に事務書式の削減だけに終わっており、介護事業者が本当に必要とする書類の削減にはつながっていない。

介護関係者が最も望んでいることは、看護・介護職員等の直接処遇職員の記録にとられる労務負担が減って、利用者対応の時間が十分とれることに他ならない。このことが実現すれば、もしかしたら現状の体制で、利用者に対して必要なケアが、今以上に可能になるかもしれないし、場合によっては、人員不足の対策としても有効に働くかもしれないわけである。

しかし事務書類がいくら減っても、介護サービスの場には何も関係ないことで、人手が足りないことの対策としては全く無効であると言わざるを得ない。

特に介護報酬には改定の度ごとに新しい加算が創られて、報酬構造が複雑化している。加算算定のためには算定要件をクリアしておく必要があり、実地指導ではそのことが重点的に確認される。そのため介護事業者には、加算要件をクリアしているという証拠としての記録の整備が求められているわけだが、この記録は主に看護・介護職員の業務となってのしかかっているのだ。介護人材不足が叫ばれる中では、こうした看護・介護職員が担っている記録業務減らさねば、介護崩壊の恐れさえ現実化するのではないだろうか。

この危機意識を国や国の会議参加メンバーはわかっているのだろうか・・・。

そんな中で、現場へのセンサーやICTなどの普及が進むことは、夜間の定期巡回回数を減らすなどの一定の業務負担の軽減効果が見込まれる可能性があり、介護事業者は積極的に補助金等を活用して、実用できる機器導入に努める必要あるだろう。

だからと言って見守りセンサーやICTが、介護事業者の日常アイテムとして普及した先に、人員配置規準を下げて、人手を掛けなくて済む介護事業が実現するなどという幻想を抱いてはならない。(参照:人員配置基準緩和で喜ぶ職員なんて存在しない

所詮、センサーができることとは、何かあったという『知らせ』だけであり、そこで起きたことに対応すなければならないのは、センサーでもICT機器でもなく人間なのである。

ところで国のこうした方針は、次期報酬改定にも反映される可能性があり、前回の報酬改定で議論となった、「介護ロボット導入加算」も再度議論の俎上に上る可能性が高まった。

コロナウイルス禍で経済が低迷している現状の中で、介護ロボット産業は国にとって一縷の望みの綱である。介護ロボット技術は日本が世界一なのだから、日本の介護現場で介護ロボットが実用化され普及すれば、それは世界に輸出できる有力なベンチャー企業を生み出すことにつながるわけである。それは大きな経済効果をもたらし、景気の上昇につながるであろう。よって国は是非とも介護ロボットの導入を進めたいわけだ。

つまりこれは福祉・介護政策ではなく、経済政策の側面が強いことを理解しなければならない。

人に替わって介護ができるロボットができることに超したことはないので、ぜひその実現を図ってほしいが、現状ではそうなっていない。今実用化が期待されている介護ロボットとは、介護をする人を支援する効果はあっても、介護ロボットだけで介護を受ける人に必要なサービスを提供できるようなものではない。(参照:介護ロボット問題全般の記事

今後10年というスパンを睨んでも、その技術は我々の想像を超えて発達するとは思えない。人間の複雑な関節の動きや、感情表現に追いつくロボットなど想像できないのである。

どちらにしても22日の指示事項は、指示した人の面子を立てるためにも何らかの形で実現が図られていくだろう。介護現場のリモート化は間違いなく進んでいくが、その際に念頭においてほしいのは、電源喪失の際の備えである。

僕は2012年11月に、特養の施設長という身で登別大停電を経験した。【参照:登別大停電の影響と教訓その1)・(その2)】

その6年後の一昨年は、胆振東部地震にともなう北海道全域のブラックアウトも起こっている。

そのことを考えると、地域全体に影響が及ぶような停電は、決して稀なことではないと言えるのだ。当たり前のことであるが、停電の折には電気に頼り切った業務はすべて停まってしまう。事務処理が1日や2日滞ることは、後で十分とり戻すことが可能だろうが、人に対する介護という業務が、電源喪失の途端に滞るようなことがあってはならない。それは決して後に取り戻せるような問題ではなく、人の命にかかわる問題となりかねないのである。

デジタル化・機械化が進む中では、そのことの備えもより重要になってくる。自家発電機は通常装備品であると考えていかねばならない。

さらに言えば、こうした流れは電気の使用量の大幅な増加をも意味しており、事業経営を考えると、電気料金の削減は、収益上大きな要素となることも改めて意識しておく必要があるのだ。
リスクゼロで介護事業者のランニングコストを抑える、電力の見直し増えてます!【電力料金削減はプロにお任せ!】はこちら。まずは無料見積もりでいくらコストダウンできるか確認しましょう。

登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログmasaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

通常装備すべき消耗品が増える中での報酬改定と事業者の心構え


緊急事態宣言がすべての地域で解除されて以降、介護サービスも徐々に平常営業に向けた準備が進められていることと思う。

しかしワクチンが開発されるまでは、感染リスクは相変わらず高いままである。感染が広まる恐れは常にあるので、でき得る対策をすべて取っておく必要がある。

通所サービスでは、今まで行っていたサービスメニューの見直しが必要だろう。介護保険最新情報Vol.841は、「介護予防・日常生活支援総合事業等における新型コロナウイルスへの対応について」 であるが、ここで求められていることは、介護給付の通所介護等でも同様に求められてくる。

例えば、『 歌を控えるとともに、文字(紙)や録音した音源、マイク等を活用するなど、大きな声を出す機会を少なくすること。 』・『息が荒くなるような運動は避けること。 』といった点は通所介護の活動メニューの見直しとして具体化していかねばならないし、『 座席の配置について、対面ではなく、横並びで座るなどの工夫を行うこと。 』は食事の際の座席配置の見直しにもつなげていく必要があるだろう。

また日常的な備えも十分すぎるほど続けていく必要がある。職員がマスクをつけて対応することは習慣化されていくと思われるが、そのためにはマスクの『常備』は欠かせなくなる。巷のマスク不足はどうやら落ちついているが、万が一に備えてある程度の量を倉庫等にストックしておく必要があるだろう。消毒液等の消耗品も、従前以上の消毒が当たり前となった中で、ストック量を見直していかねばならない。

そのためには従前以上の費用が掛かるが、それはやむを得ないことだ。そうした対策をしなかったことが原因で、ひとたび感染症が事業所内に広がれば、その時にかかる費用と失われる収益は、感染予防対策にかける費用の比ではないので、決して削ることができない費用負担と考えざるを得ない。

コロナ禍による追加の補正予算では、自治体から休業要請を受けた事業所だけではなく、介護事業者に広く消毒・清掃費用 や、マスク、手袋、体温計等の衛生用品の購入費用等の補助が行われるとされているが、そうした特別な時期の補助だけで対応できる経費増加ではないので、当然のことながら次期介護報酬改定においてその費用を見てほしいと考えるのは、ごく自然な流れだと思える。

感染予防対策費は、今回の騒動が収まったとしても減る種類の問題ではなく、今後も引き続き対策を続け費用をかけていく必要があるものだ。つまり通常装備費用が増加しているという意味であり、次期報酬改定についてはこのことを盛り込んだ議論が必要不可欠である。

国は次の報酬改定のテーマとして、『自立支援介護』を高らかに唱え、アウトカム評価の加算報酬導入を、多くのサービスに導入しようと目論んでいる。しかし感染予防対策費用は、結果が数値化できるものでもなく、目に見えない地道な取り組みに関わる費用であり、アウトカム評価の報酬体系にはなじまないものである。そうであるがゆえに基本報酬単価の引き上げが是非とも必要になるのではないだろうか。

是非そうした方向からの報酬改定議論が展開されてほしいものである。

ただ感染対策費が報酬改定に盛り込まれたとしても、事業者の支出全てをカバーするような改定額になることはないだろう。介護事業者は一層の経営努力が求められることは間違いのないところだ。経費削減は、できるところから手を付けていかねばならない。

経営母体が大きければ大きいほど、固定経費の削減は大きな収益と結びついていくので、ここはおざなりにできない。

そうした視点で言えば、今後の介護事業経営に必要不可欠な、介護ロボットやインターネット関連機器の導入が、介護事業経営にどう影響するかということを、もう少し切実な問題として考えてほしいと思う。

例えば介護保険最新情報Vol.834では、介護施設等でのオンライン面会が推奨されているが、コロナウイルス騒動が一段落したとしても、オンライン面会の必要性はなくならないだろう。感染予防対策とは別にして、利用者が遠方の家族といつでもつなげられるツールとして、それは当たり前に使われるツールとして浸透していくだろう。

また、1日に行われた介護給付費分科会資料では、『介護ロボットの効果実証に 関する調査研究事業 (結果概要)(案)』が示されそこでは、「介護ロボットの活用内容の把握や評価指標を用いた具体的な効果の検証・把握を行うことを通じ、次期介護報酬改定等に向けた課題等の整理を行うこととする。」とされている。これは介護報酬に近い将来、「介護ロボット導入加算」が新設される布石につながっていくかもしれない。

出生率の低下が止まらない我が国では、国内人材だけで介護人材不足を補う手段はもはやなく、外国人や機械の力を借りて、それを補う施策がとられていく。その流れの中で、介護事業者の業務も機械化される範囲は確実に増えていく。それが人にとって便利であるかどうかは別にして、機械に替わるところは替えていかないと、業務が廻らない状態となるのだ。だから場合によっては、利用者の暮らしの質を顧みない機会化も現実のものとなる恐れさえあるということだ。

どちらにしても介護事業者全体の高テクノロジー機器化・リモート化は不可欠で、その対策も急がねばならない。しかし電気が止まって機械が動かず、リモート機器が使えなくなって、介護サービスに支障が出るようなおかしな世の中にしないことも必要な視点である。機械や技術は、人が使いこなすもので、それに操られてしまってはならないのである。

それとともにそうした高テクノロジー機器を動かす電気というエネルギーに着目しなければならない。電気を使う量は今以上に増えてくるのだから、固定費の中に占める電気料金は、今以上に大きな額となることを考えると、この費用を上手に削減することができることは、事業経営に大きな利益をもたらすと思う。

そのため僕は何度か介護事業経営の視点から、電気料金の削減を提案しているのである。(参照:固定費削減意識が無いと介護事業は生き残れない中で、リスクゼロで電気料金削減できるという朗報

リンク先を参照にして経費削減に努めてほしい。

こんなふうに今後の介護事業者には、介護報酬のアップを期待するだけではなく、自らの創意工夫で経費を削減し、収益を生み出し、安定した事業経営を続けていくという視点がに求められてくる。ぬるま湯に浸かりながら、経営をしなくても、運営さえすればよかった時代とは異なってきているのだ。

国が手を差し伸べてくれるのを待つだけの介護事業経営ではだめなのだ。国が手を差し伸べたくなる、健全な介護事業でなければならないし、その基盤は利用者の福祉の向上に寄与する良質なサービス提供であり、利用者の暮らしぶりがよくなっているという結果責任を常に意識したサービス提供に努めることである。

登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。





※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

介護保険制度20年の人間模様


介護保険制度創設から早20年という月日が流れた。

介護保険制度の誕生とは、戦後に創設された日本の社会福祉制度が初めて大改正され、全く違う制度に転換が図られたという意味である。それは社会全体に非常に大きな変化をもたらしたものでもある。

その誕生秘話・制度創設経緯等について詳しく知りたい方は、介護保険創設から10年目に書いた下記の参照記事を是非読み直してほしい。
参照記事
介護保険・夜明けの雷鳴1
介護保険・夜明けの雷鳴2
介護保険制度へと続く道
介護保険制度誕生前に吹き荒れた嵐

民間営利事業者が介護サービスに本格的に広く参入できるという改革も、この制度から本格的に始まっている。そのことによって介護事業が運営で済んだ時代から、経営をしなければならないに入ったともいえる。それだけ介護保険制度以前の介護事業経営は温(ぬる)かったともいえるわけだ。

その変革のなかで介護事業を起こした新しい経営者たちが、そろそろベテラン経営者となって、今ここに至るという意味が、介護保険制度誕生から20年の意味でもある。

そこでは様々な人間模様が繰り広げられており、それは明るくポジティブな人間模様だけではなく、裏切り・背信・欺瞞・不義・不実といったどろどろした人間模様や人間関係を数多く含んでいる。

制度開始間もないころ、別業種から転職して、初めて介護サービスに参入することになった経営者が、介護の専門家を片腕として現場の運営を任せ、顧客からも信頼される事業を展開し順調に経営を続けてきた。

介護事業経営を始めた頃、経営者の娘はまだ小学生であったが、時が流れ成長しやがて結婚した。その相手である夫が介護事業経営に興味を持ち、統括部長としてその事業所の経営陣に加わった。しかし創業からの片腕となってきた副社長と何かにつけ衝突するようになり、統括部長は副社長を疎ましく思うようになり、る出来事をきっかけにしてその功労者をまるでごみを捨てるように切り捨てて、自分で事業経営を取り仕切るようになった。その後その事業所からは顧客離れが顕著となり経営が傾いている。

そんな事業者が倒産しようとどうなろうと知ったことではない。しかし可哀そうなのは創業からその事業者に多大な貢献をしてきた副社長である。あまり大きな経営主体ではないから、退職金制度もなく裸一貫で放り出されるような状態になっている。そんなことで良いのだろうか。それが社会の厳しさだと割り切るべき問題なのだろうか。

事業経営はただ収益を挙げるだけに行うのではなく、社会に貢献するために行うものではないのか。そうであれば仕事を通して従業員を人として育てるという考え方があってよいし、その根底には従業員を護るという思想が必要ではないのか。従業員の暮らしを護り、人としての感性を育むということも経営者の責任として考えるべきではないのだろうか。

そういう意味では、功労者に対してあまりに冷酷な仕打ちは、経営者としての道義的責任を問われる問題ではないのだろうかと思ってしまう。従業員を駒のように切り捨てるのが経営能力ではないだろうと言いたい。

それにしても経営者の中にはいろいろな人がいる。尊敬できる優れた経営者も数多い。しかしそうではない、自分勝手なだけの経営者がいることは事実だ。そういう事業者に勤めている従業員は可哀そうを通り越して悲劇でさえある。

介護事業にとって人材は何よりも重要なのに、いくら有能な人材であっても、その才能は自分の懐を肥やすための才能であると勘違いしている経営者もいる。従業員をいかに安く長く使うかということしか考えていない経営者がいることも事実だ。

5本の赤い花たちとともに考えたこと」という記事の中でも指摘しているが、僕が育てている若者たちは、年齢も経験もスキルも似通ったレベルにあるが、所属事業者によって待遇差は非常に大きなものになっている。

そのスキルに見合った労働対価を得ていない者もいる。理想を掲げて事業経営に乗り出すのであれば、従業員の経験とスキルに見合った対価を得られるような事業戦略を同時に立ててほしい。少なくとも経営者だけが大きな対価を得るだけで、その対価が従業員の滅私奉公という状態で得られていることは許されない状態と思う。

僕は基本的に、職場を転々と変えることには反対の意見を持っている。介護職はどこでも仕事は見つかるが、ちょっとした不満で転々と職場を変えたとしても、決して理想に出会うとは限らないし、今いる場所で偉くなって、影響力を持って、職場を改革する方がポジティブだと思っている。

しかしそれも程度による。従業員を使い捨ての駒のように酷使するしか能のない経営者のいる場所に、いつまでも居座る必要はないし、対人援助としての誇りも使命感も持てない場所にも居続ける必要はないと思う。

例えば、福祉ジャーナリスト 田中 元氏がネット配信しているコラムの中で、『一部の施設等では不適切なケアが常態化しているケースもあります。そうした施設等で「面会中止」による閉鎖性が高まれば、さらに大きな問題が発覚することも想定されます。』と論評しているが、家族の面会が監視機能とならないと、ケアの品質を保つことができない介護施設などあってはならない。

そんなところで改革などできるわけもないのだから、志のある人は、一日も早くそうした職場には見切りをつけたほうが良い。そういう環境にいる人に対し僕は、信頼できる介護の転職支援サイトを紹介している。

このサイトは厚生労働省許可で、登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで一切無料でサポートしてくれるサイトである。

登録後、メールで情報だけ送ってくることに終始するサイトが多い中、こちらは担当のキャリアアドバイザーが直接電話連絡してくれて、丁寧に希望条件を確認したうえで、最適な職場を紹介してくれる。他では全く紹介されない未公開求人も多数紹介してくれるし、入職後の相談も無料で継続できるのだからさらに安心だ。

今すぐに転職を考えていない人も、まずはここに登録して、いろいろな介護事業者の情報を集めてみると良いのではないかと思う。そのことによって自分がいま働いている職場が、自分をどれだけ大事に護ってくれているのか、そうではないのかがわかろうというものだ。

最低でも一人に5万円が支給される、『慰労金』は全サービスの全職種が対象となるわけだが、それだけ国費がかけられる介護事業に対する国民の目は、今後より厳しいものになるだろう。その視線に耐えられるだけの、きちんとした介護事業者で、皆さんの才能を発揮してほしいと思う。

登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。
※3つ目のブログmasaの徒然草を始めました。こちらも是非ご覧ください。


※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

福祉の精神を都合よく操ろうとする経営者は見限るべし


社会福祉は、生活していく上で困難な状況に陥っている人に対して行われる社会的な支援・援助のことを言い、生きる権利(生存権)を保障するために必要とされるものである。

介護保険制度が国費と強制加入の社会保険料という公費運営され、そこに位置付けられた各種サービスが、利用者の生活支援を目的としているという事実は、それが単なる営利事業ではなく、国民の生きる権利を支える社会福祉制度の一翼を担うものであることをも意味している。

よって介護事業者で勤めている人々は、自分が従事している仕事がこの国の社会福祉の一翼を担う仕事だと考えてよいと思う。そのことに使命感と誇りを持つことは悪いことではないし、むしろその責任をしっかり意識して、すべての関係者が利用者の生きる権利を保障しうるスキルを身に着けるという動機付けを持つべきだ。その部分では高邁(こうまい)な精神を持ってよいと思う。

だからと言って介護の職業を高邁な概念に祭り上げるだけで、そこで働く従業員がその名誉だけを感受するだけに終わって、適切な労働対価を求めることが、高邁な精神と相反するものだと非難を受けるようなことがあってはならない。

介護事業が、利用者の生きる権利を支える仕事だという理由で、支援者の権利や暮らしがおざなりにされてよいわけがないのである。

そもそも「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という考え方は、介護事業においても必要である。介護事業だから滅私奉公が当たり前という考えや、自分の暮らしを顧みずに献身的に奉仕することが社会福祉であるなんてことはあり得ないし、あってはならないのだ。

介護事業を利用する人の権利が護られ、暮らしの質が向上するために、従業員の暮らしの質が無視されてよいわけがなく、従業員の暮らしの質が上がるからこそ、健全な精神にもとに、プロフェショナルとしての自覚が芽生え・育ち、高品質なサービスにつながっていくのだと考えねばならない。

事業経営者も、「福祉事業なんだから」という理由で、従業員の待遇が無視されて、さしたる経営努力もせずに従業員の劣悪な待遇で介護事業が支えられているという状況はあってはならないのだ。経営者が、知恵も働かせず工夫もしないで、「経営が厳しい」といって、従業員の待遇改善をおざなりにするのは、経営者自身の無能を証明しているようなものだ。

そういう意味でも、安易に人件費を切り下げようとする事業者に明日はないと言える。従業員はそういう事業者と事業経営者を見放す必要があるのだ。

特に待遇を改善しない理由を、福祉の精神に求める介護事業経営者は最悪だと思ってよい。社会福祉の概念も精神も、本来そんなところ(事業経営というステージという意味)に存在するものではないからだ。

これからの介護事業は、単価が抑えられる中でサービス利用者は増えるのだから、いかに顧客を数多く獲得するかが事業経営にとって一番求められる戦略だ。それができれば介護事業は、まだまだメガビジネスチャンスだ。そうであれば効率的にサービスを提供し、顧客を増やし事業を拡大していく必要がある。

しかし事業規模を大きくするということは、それだけ人材が必要だということだ。どういう経営主体に人材が張り付いて、事業規模を拡大できるのかを考えていかねばならない。それに思いが及ばない経営者は、深い傷を負う前にささっとこの業界から退場したほうが良い。

だからと言って介護事業において事業経営者が事業収益を求めること自体が、福祉の精神に反するような考え方があってはならない。事業収益を求めるからこそ事業経営を継続でき、従業員にその労働に見合った対価を支払い続けることができるわけで、その戦略は必ず必要になる。収益を挙げて事業拡大を図る経営者が後ろ指を指される理由は全くないのである。

指弾されるべきは、経営能力がなく経営戦略も事業戦術も立てられず、事業廃止に追い込まれて従業員を路頭に迷わせる経営者である。

どちらにしても将来に備えて収益の一部を事業規模拡大に投資することなく、自らの懐を肥やすだけの経営者に明日はない。同じく自分の懐具合だけを気にして、人材を集めるために必要となる従業員の待遇を向上させる工夫をしないで、内部留保だけを膨らませ続ける経営者も、砂上の楼閣に立っていると言っても過言ではないだろう。

社会福祉の高邁な精神は、従業員がそのことに使命感と誇りを持って、サービスの本質向上につながる意識に向けるべきだろうし、そのために必要な対価は、考えうる最高のものを従業員に手渡していくという考え方がなければ人材は集まらないだろう。

※4/4〜新しいブログ、誰かのあかい花になるために始めました。こちらも是非ご覧ください。










※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せられます。

今日入職した職員は今何をしていますか?


今日4/1は新年度の初日であり、多くの介護事業者で新入職員が入職初日を迎えていると思う。

新型コロナウイルスの影響で、入社式を取りやめている事業者も多いが、式典は行われなくとも、新入職員は朝礼などで挨拶をし辞令を交付され、新しい職場で就業第一日目の業務に就いているわけである。

それらの職員は今、何をしていることだろう。

事業者によっては入社日を前に、事前に入職前研修として新入職員の基礎的研修を行っている場合もあるだろう。その場合は入職前に行われた基礎講座をベースに、就業初日からOJTに入っているのかもしれない。そうであればOJTも意味を成すだろう。

しかし就業前の事前研修であっても労働対価は発生するし、労働対価を渡していない事前の義務研修は労基法違反にも問われる。また新人職員の中には学卒者が多いことを考えると、その身分との絡みで3月中の事前研修はなかなか難しく、可能だとしても多くの日にちは割けないのが現状である。

よって多くの場合入職前研修は、基礎研修の体をなさないないような内容に終わることが多く、それを受講したからと言って、就業初日からいきなりOJTというのは厳しく難しいと言わざるを得ない。

そもそもOJTというのは、on-the-job trainingの略で、「職場での実務を通じて行う従業員の教育訓練」である。教育と訓練だから、当然その根拠となるOJTツールに基づいて行う教育でなければならない。単に先輩職員のあとに金魚の糞のようにくっついて、見よう見まねで先輩職員の行っている動作を真似するのがOJTではないのである。

OJTにおける指導者の禁句は、「見て覚えろ。」である。それを言ってはいけない。「これは〜だから、こうしているんですよ。」と説明できる教育・訓練法がOJTとして行われなければならないのである。

このOJTを根拠に基づいてしっかりできている事業者と、そうではない事業者では職員の定着率に大きな差が生まれてくる。当然、前者の定着率が高くなるのだ。

介護福祉士養成校の卒業生を対象に、新卒で就業した職場を1年以内に退職した理由を調査すると、次のような理由がワーストスリーである。

1.介護技術を教えてくれない。根拠のない指導に終始する先輩しかいない
2.経験則だけで仕事の手順を教えるだけの先輩しかいない
3.感情的に怒ることを指導と勘違いしている人が多い


しかしこれらはすべて退職理由としては、「人間関係」と括られてしまうので、教育・訓練の問題とは別問題と捉えられがちである。しかしこれは間違いなく、教育・訓練のシステムが存在していないか、システムがあってもその具体策が現場の職員に丸投げされて、労務管理されていないことに起因する問題なのである。

だから・・・今日、入社式や朝礼で紹介された新入職員を、一定期間現場と切り離した場所で実施されるべき座学による基礎研修を行わないまま、いきなりOJTと称した教育指導にもならない方法で、先輩職員と一緒に介護の真似事をさせている職場には明るい展望は開けない。

そこは近い将来、人材から見放され、顧客からも見放される運命をたどらざるを得ない。介護事業経営に直結する人材育成をおざなりにしている事業者には、人が集まらず定着せず、事業継続ができなくなるのは必然なのだ。それだけ職員教育が重要なのだ。(参照:ウイルス対策を理由に職場内研修をおざなりにできない理由

新型コロナウイルスで大変な状況である今日も、そのことをしっかりと自覚して、新入社員教育に取り組んでいるか、そうでないかで、その事業者の将来性が見えるわけである。

今この日・この時点で、しっかりとした新人教育を行っていない事業者の職員は、今日仕事を終えた瞬間に、きちんと職員教育を行っている事業者を探して、転職準備を進めたほうが賢いだろう。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せられます。

メガビジネスの介護事業を勝ち抜く接客センス


介護事業は対人援助であり、社会的弱者を支える社会の仕組みである、「社会福祉」の一部であることも間違いがないところだ。

しかしそれは、「介護サービス」という目に見えない商品を売って、利益を得るという事実がある以上、経済活動の側面を併せ持つもので、介護サービスを利用する人は、介護事業者にとって、「顧客」であることも厳然とした事実であり、そのことは誰も否定できない。

そうであるにもかかわらずいまだに、「介護サービスを利用する人が、顧客であるというのは少し違うような気がする。」といっている輩がいるのは何故かといえば、それは利用者が顧客であるという単純な事実を理解できない頭の悪い連中が、介護業界に数多くはびこっているということにしか過ぎない。

そうした低能者が存在するのも介護業界の一面であり、介護職の実態でもあるのだから、それを嘆いても仕方がない。自分が関わる介護事業においては、そうした低能者を雇用しないようにすればよいだけの話だ。

介護事業経営者には、顧客サービスとしての介護事業の在り方を追求しつつ、健全な事業経営に努める責任が課せられているのである。そのための従業員教育は必要不可欠な要素で、それがなければ事業として長く存在していくことはできないのである。

介護のプロと名乗ることが出来る人材を一人でも多く育て、サービスに従事させていくことが、生き残りの戦略には欠かせない。では介護のプロフェッショナルとはどういう人材だろう。

介護の専門性や、対人援助のスキルを持つことは当然として、顧客サービスに徹することが出来ることが、介護のプロといえる重要な要素となるのである。

介護のスキルをいくら持っていたとしても、接客業としてのセンスがない人はいらないのである。

介護従事者は、きちんと接客業として意識を持ち、接客が実践できなければならないのだ。そうでなければプロとして金銭対価を得てはならないということなのである。

そこで大事なことは頭で、「わかる」ことと、それを、「できる」ことは違うということだ。わかってもできない輩はどうしようもないのである。しかしできるからわかっていなくてよいというのも違う。

仕事でお金をもらう以上、我々はプロであり、だからこそ介護のプロフェッショナルとしての自覚を持てない輩は、別の仕事を探せと言いたい。そして金銭で出力するのがプロであるからこそ、わかっていても、できなければ存在価値はない。出来ていても、わかっていなければ、エビデンスが創れないのだから意味はない。

わかっていて、できているのがプロとして当たり前の姿である。

今求められてていることは、介護事業所の従業員に対して、「介護は接客業」であるという意識付けを徹底し、そのためのサービスマネーを身に着けさせるようとする教育を徹底することだ。同時に顧客意識のない従業員は、介護の仕事の向いていないと烙印付けて、他の仕事を探すように促す必要もある。

なぜなら骨太改革の中で、社会保障費の自然増を抑える政策の中では、介護給付費の顧客単価の減少は必然なので、その中で収益を挙げようとするなら顧客を数多く掴むしかない。そのために介護サービスと言えど顧客の心を掴み顧客の満足度を上げることは、最も求められることなのである。しかし顧客単価は減ったとしても、超高齢社会で要介護者の数は増え続けているので、介護給付費をはじめとして社会保障費は確実に、膨大に増え続けていくのだ。

つまり介護市場は、まだまだメガビジネスであるということなのだ。だからこそ顧客に信頼され、顧客から選ばれていけば、大きな収益が得られるわけである。そのためにも顧客満足度につながる接客意識を高め、顧客に選ばれて行かねばならない。

そのことを、「わかって、実践できる。」プロフェッショナルを育てていくのが、経営者や管理職の仕事である。それができた先に大きな収益が付いてくるのである。

これからの介護事業の顧客の中心層は、「団塊の世代」の人たちである。それらの人たちは、今現在、外食をする際にごく普通にネット情報を検索して店を選んでいる人たちだ。SNSも普通に使いこなしている人たちなのである。

それらの人たちは、介護サービスを使うことになっても、ネットで情報を検索して、自分にとってより良いサービスを提供してくれる事業者を探すだろう。その時、公式サイトに嘘八百並べて、さも立派なサービス事業であることを装った場合、そのサービスを利用して不満を持った人の反発は必至である。その不満は利用者のSNSを通じて、あっという間にネット上で拡散される。

ニセモノの情報と、偽物のサービスの質は徹底的に糾弾される時代になっていることを自覚せねばならない。

団塊の世代の人たちは、介護事業者にも自分たちが満足できるサービスの質を求めてくる。そこで働く従業員のホスピタリティ精神を求め、その意識が歩かないかということが介護サービスのネット情報として拡散するだろう。

介護のスキルがあっても、接客のセンスのない職員ばかりを抱える事業者は、「そこでは大きな収益を得られないのである。事業としての発展性も失うといってよいだろう。

介護という職業を通じて、「誰かのあかい花」になるということは、結果として大きな収益を得ることにもつながっていくのだ。

だから・・・。
無題

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せられます。

理念を形骸化する介護事業者に明るい未来は存在しない


要介護高齢者が増え続けている。そして心身の状態に合わせて住み替えを必要とする高齢者も増大している。

地域包括ケアシステムとは、こうした住み替えを推奨して、住み慣れた自宅とは限らずに、住み慣れた地域に新たな暮らしの場を得て、そこで暮らし続けることを目的としているので、そのための新たな居所づくりも大きな政策課題となっている。サ高住への巨額な補助金は、こうした背景で配られているのである。

そのため新規に居住系施設をオープンさせる事業者も多い。

そうした事業者は様々な経営理念を掲げ、利用者確保のためにそれを地域住民に向けて喧伝するとともに、新規オープンスタッフを集めるためにも、その理念を高らかに喧伝している。

しかしその理念を達することができるための具体策を持たない事業者の方が多いし、理念が掛け声だけに終わって形骸化することを何とも思わず、最初からその実現を図ろうとさえしない事業者もある。

オープニングスタッフ募集の際に、理念を喧伝するという意味は、その理念に共鳴し、その実現を図ろうとする動機づけを持つ人を集めようということであるはずだが、昨今の人手不足の折、職員募集に応募してきた人を闇雲に採用してしまう事業者が多くなっているように思える。

理念の達成などどこ吹く風というような採用をしている事業者が、理念を高らかに喧伝することになんの意味があるのかと思ってしまう。

理念を高く掲げてその実現を図ろうとするのなら、採用面接の際に、応募者にその理念を知って面接に来ているのか、その理念に触れてどう思うかということを確認しなければならない。

面接の際に理念を理解していない応募者に対しては、その場でその理念を示し、それに共鳴して働く気があるのか、その実現のために自分がどのような力を発揮できると思うのか等を確認するための質問事項を準備しておかねばならない。

オープニングスタッフの数をとりあえず集めなければならない中で、そんなにハードルを上げていられないと考える事業者は、最初から理念などどうでもよいから、とりあえず事業を開始できる人ならだれでも採用しますといっておればよい。高らかに理念を掲げること自体が詐欺行為だからだ。

しかしそんな介護事業経営に夢もなければ先もない。理念のない介護事業の行く末は、人を傷つけ人を哀しませるだけのブラックボックス化であり、そうした事業の経営者や管理職は、いずれ人の心だけではなく、体さえも傷つける職員によって社会から糾弾される立場に立たされるであろう。

その前に利用者からそっぽを向かれて、事業廃止に追い込まれて社会の片隅で野垂れ死にするかもしれない。しかし社会から強烈なバッシングを受けて、その姿を見た家族からも蔑まれるよりは、その方がまだましかもしれない。

理念を形骸化させて経営する事業は、目標や目的が常にあいまいで、方針も朝令暮改され続けることになりかねない。そのような事業者に職員が定着するわけがないし、求められる人材が育つこともない。

一昨日、病室で男性患者同士をキスさせたり、床に寝かせた男性患者に対して柵付きのベッドを逆さまに覆いかぶせて監禁し、トイレで別の患者にホースで水をかけたとして看護師ら6人が逮捕された神戸の神出病院の事務部長が謝罪会見を行っているが、理念を実現しようとしない介護事業者でも、それと同じようなことが起こりかねないのだ。

こうした状態に陥らせない唯一の方法は、理念を看板倒れに終わらせないことだ。理想を幻想化せず、達することが出来る目標と考え、徹底的に人間尊重の理解を従業員に促し、自己覚知を重ねる訓練を課し、理念の達成度の検証を定期的に行う以外ない。

利用者尊重・利用者の尊厳を護るなどと理念を掲げ、介護は接客業と考えることは間違っていない。しかしせっかくそういう考え方を持っているなら、その実現のための具体策も同時に職員に示すべきである。

その理念やミッションを達成するために必要なことは何か・・・。スタッフに利用者は顧客であると言う意識を徹底させるには何が求められるのか・・・。それはそのための教育である。オープン前にスタッフ全員にサービスマナー意識を植え付ける必要があるのだ。

立派な理念を掲げながら、スタッフが利用者に、「タメ口」で接するなんて言う珍風景を創らないようにしていただきたい。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せられます。

社会資源としてのボランティアに頼る経営の危うさ


日本全国のどこの介護事業者も人材不足が最大の経営リスクだ。

だからこそ人材が集まり、人材が定着し、やがてそれらの人たちが人財となり得る組織作りが求められている。この部分を他の事業者に先駆けてシステム化していかないと、やがて事業経営は行き詰まらざるを得ない。

しかし逆に言えば、他事業者との差別化を図ることのできる人材確保と定着率の向上につながるシステムをしっかり作り上げた事業者は、地域の中で勝ち組になっていくのである。

なぜなら全国のすべての介護事業者で、人材が充足される見込みはないからである。人材確保の勝ち負けが、事業経営に直結してくるからである。

今年は団塊の世代の人たちが、すべて70歳に達するが、それらの人たちは元気で、介護支援を要しない人が多数派である。しかし加齢という自然現象こそが、それらの世代の人々のマジョリティーが、要介護・要支援者となっていく最大の因子であり、団塊の世代の人々の多くが何らかの介護支援を要すことになることは必然の結果である。

しかもその数が途方もなく大きな数であることは間違いのないところで、それらの人々を支える介護支援の量的充実が最も必要となる。でも本当にその量は確保できるのだろうか・・・。

だって、それらの人々を支える塊は団塊ジュニア世代しかなく、その次の塊の世代はこの国には存在していないのである。

そして団塊の世代は2040年に全員90歳に達する。その時に団塊の世代を支えてきた団塊ジュニア世代は、すべて65歳以上となるのである。その時に団塊ジュニア世代が、介護支援のマンパワーとしていつまで頼ることができる存在なのかという問題が噴出してくる。

どちらにしても我が国では、団塊の世代が減る時期に、団塊世代で介護支援を要する人と団塊ジュニア世代で介護支援を要する人を、セットで支えていかねばならないのである。その時期がすぐそこに来ているのである。

だからこそ介護事業者には様々な対策が急がれている。外国人労働者を戦力に組み込んでいくということは極めて当然のことであり、それらの方に選んでいただき、それらの方々が定着できる職場環境づくりや、システム変更も必要不可欠である。

ただし外国の人たちが、将来何年にも渡って職場の戦力になり続けるかと言えば、それは不透明だ。EPAで受け入れた当初の外国人人材には、優秀な人材がたくさんいて、それらの方々にふさわしい賃金を支払っている事業者も多かったが、その方々の多くはもう日本に残っていない。母国に帰ってしまっている現状を見ると、外国人の方の多くは、永住より一定期間のスパンの中で出稼ぎをしたいと思っていることがわかる。

だからこそ、テクノロジーが人に替わることが出来る部分は、どんどんそれを取り入れていかねばならない。見守りはICTが人に替わることが出来る部分である。その部分の省力化を図らない職場からは、人材は逃げていくと覚悟しなければならない。(参照:居住系サービスの一部もアウトソーシングできる時代

この機械化を嫌って、人海戦術に頼ろうとする人が多すぎる。特に元気高齢者をはじめとしたボランティアという資源で人材不足や社会資源不足を補おうとする考え方は間違っている。ボランティアも資源不足が深刻化するのは目に見えているからだ。

そもそも年金等の社会保障不安は、高齢になってもリタイヤせず働き続ける人が増えることにつながっていくのであるし、定年の延長によって、リタイヤした後は自分のために時間を使いたいという人が増えるのだから、年金をもらいながら悠々自適にボランティアに生きがいを求める高齢者は、今後大幅に減ってくるのだ。

そもそも対人援助の仕事は、個人のプライベートな部分に深く介入し、誰かの人生の一部に踏み込んでいく責任がある仕事だ。ボランティアをここに介入させるとしても、ケアの質に直接影響を及ぼさない間接的な働きかけに限定すべきである。責任が強く求められる部分へのボランティアの介入は避けるべきだ。日本ではまだそこまで高度で豊かなボランティア精神は育っていないのである。

本人のやる気と善意に頼り切ったボランティアを主戦力にしてはならないのだ。ボランティアを充てにした事業戦略など成り立たないのである。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せられます。

業務用語を変えて意識改革を


介護施設にとってショートステイの稼働率は、収益率に直結する重要なファクターである。

特養が施設サービスと並行して行うショートステイサービス(短期入所生活介護)は2種類ある。空床利用ショートと併設ショートである。

前者はまさに空きベッドを利用するもので、一般入所者が入院した場合の空きベッドを利用してショートステイ利用者を受け入れたり、退所者が出た際に、新規入所者が入るまでの空白期間を埋めるためにショートステイ利用者を受け入れるものである。

特養の場合は老健と異なり、入所者が医療機関に入院しても即退所とはできない。概ね3月は入院した方の籍を特養に置き続け、その期間にいつでも退院を受け入れる体制を維持していなければならず、その期間のベッドを有効に使う意味でも、「空床利用ショート」は重要である。

また併設ショートは、一般入所定員の外枠としてショートステイの定員を別に定め置き、その定員内で利用者を受け入れるもので、老健のように一般入所の定員内でショートを受け入れる内枠ショートとは異なっている。つまり併設ショートは一般入所に上乗せした収益を得られるサービスだから、その稼働率が施設全体の収益に直結する重要な事業でもある。

老健にとってもショートステイは重要なサービスである。前述したように老健ショート(短期入所療養介護)は、一般入所定員の内枠であるが、それ故に何らかの事情で一般入所の稼働率が下がった場合に、そのベッドをショートステイで稼働することによって、施設全体の収益率を下げないようにできる。そのような調整弁の役割をショートが担うという意味でも重要なのである。

介護保険制当初は特養も老健もショートステイの需要が多くて、数カ月前から予約しないとベッドが取れないという売り手市場であった。しかし制度開始から20年経ってその状況は少しづつ変わってきている。

お泊りデイサービスのようにショートステイより使いやすい宿泊サービスができ、小規模多機能居宅介護という宿泊サービスを伴う新たなサービスも生まれ、特定施設入居者生活介護における空き部屋を活用したショート ステイの要件も大幅緩和されるようになった。こんなふうに介護施設のショートステイ以外の、宿泊・滞在サービスが増えている。

そのためショートステイの稼働率が低下し、収益率が下がっている施設も決して珍しくなくなった。地域によっては介護保険施設のショートステイと、他の宿泊サービスとの競合が生まれ、それらのサービスを利用する、「顧客」の奪い合いが行われているのだ。

このこと自体は利用者にとって良いことだ。過去にはショートステイという社会資源を使うために、何カ月も前からサービス提供側に頭を下げて予約申し込みし、いざサービスを使う際も事業者職員の尊大な態度に遭遇しながら、顧客が気を使い、そうであるにもかかわらず対応困難という理由で、簡単にサービス途中でショート中止を強要されるというケースも多々あった。

それは対人援助サービスとして健全な姿ではない。それは事業者側に「施し」・「利用させてやっている」という意識が蔓延している状態と言え、利用者を顧客と見ない横柄な対応に終始する事業者側の、「驕り」が垣間見えるような状態と言えた。

ショートステイが売り手市場ではなくなる過程で、そういう事業者が淘汰され、利用者をきちんと顧客と認識して、もてなす事業所が生き残っていくのは当然の帰結である。

そのためにもショートステイを利用する顧客に対する、従業員のサービスマナーはますます重要になる。団塊の世代の人々がこぞってショートステイを利用してくれることによって、収益は上がり経営は安定し、そのことが従業員の待遇アップにもつながっていくのだから、ここをおざなりにはできない。

そのためには従業員に、「利用者はお客様である」という教育を徹底し、顧客に対するサービスの在り方とは何かという意識づけを行いながら、従業員のホスピタリティ精神が生まれるような土壌作りをしなければならない。

その時に、ホスピタリティ精神につながる意識改革を促すものが業務で使う用語の改革である。

ショートステイは、「短期入所生活介護もしくは短期入所療養介護」が正式名称であるから、「入所・退所」という言葉を使うことが多い。

しかしその実態は滞在サービスであり、短期間で利用開始や終了が繰り返されるサービスでもある。この特性を鑑みて、「入所・退所」という言葉を少し変えてみるだけで、職員の意識改革につながることがある。利用者が顧客であるときちんと意識できる改革につながるのである。

例えば僕が経営指導に携わっている特養では、ショートステイの利用開始の際は、「入所」ではなく、「チェックイン」という言葉を使っている。同じく利用終了は、「退所」ではなく、「チェックアウト」である。「チェックイン」・「チェックアウト」という言葉を全従業員が統一して使うことにより、利用者が顧客であるという意識を高め、顧客に対するマナー意識を忘れさせないようにしている。

このことは言葉狩りではなく、意識改革上必要な業務用語の変更だと思っている。

こうした細かな改革を積み重ねることによってしか職員の意識改革は進まないし、サービスマナー意識が職場に浸透することはないのである。

しかしサービスマナー意識が浸透した事業者では、ごく自然に顧客に対する従業員のホスピタリティ精神が生まれ、そのことが顧客から選択される事業者へと繋がっていく。この部分の教育にいくらお金をかけたとしても、それ以上の収益につながってくことを知ってほしい。

このようにサービスマナー教育は、法人の人材を作り育て、大きな収益にもつながっていくのだから、それはとりもなおさず法人の財産になることを意味している。そのことを介護事業経営者の皆さんには是非理解していただきたいと思う。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

地域住民から選ばれる通所介護のサービスメニュー


昨日の記事から続く)
社会保障費の自然増を毎年5000億円程度に抑えるために、給付抑制策がとられ続けられる中でも介護保険サービス受給者が増え、給付費用は2018年の10兆円から2028年には20兆円に膨らむ。

その費用を得て収益を挙げようと考える企業等が、今後も介護事業に参入することになる。さすれば顧客確保の競争は、現在より厳しくなるわけだ。

しかも給付費の自然増を抑えようとすれば、顧客単価は下げなければならず、少なくとも上がる見込みはなくなる。そうであればサービス事業者は、顧客数を増やさなければ、今と同程度の収益さえ上げられないということになる。よって事業規模の拡大と多角経営が、介護サービス事業者の最大の課題となることは間違いのないところだ。

つまり介護サービス事業者には、サービス提供主体が増えるという競争が激化する状況下で、今いように顧客を確保して、事業規模を大きくしていかねばならないという試練が待っている問う意味である。

だからこそ僕はこのブログ記事の中で、地域密着型通所介護1事業所の経営のみで介護事業経営を続けていくという戦略は成り立たないと主張してきた。(参照:地域密着型通所介護に永続的な経営モデルは存在しない

地域密着型通所介護事業所は、顧客から選ばれる高品質サービスを提供できるようにして、地域住民から選ばれて顧客数を増やし、定員を増加して都道府県指定事業所に規模拡大を図っていかねばならない。

顧客に選ばれるためには、従業員がホスピタリティ精神を持って顧客対応ができるようにするために、最低限のサービスマナーを持って対応しなければならず、マナー教育は生き残りをかけた事業戦略の生命線となると言える。ここをおざなりにする事業所は消えてなくなることは明白だし、なくなっても良いと思う。

それと同時に、変化し続ける顧客ニーズに対応したサービスメニューの見直しも不可欠だ。顧客から選択されるためには、通いたくなる動機づけとしてのサービスメニュー開発が重要な要素となってくる。

通所介護を利用する人は要介護者であるが、同時にその人たちは立派な大人である。いつまでも小学生相手に行うようなチーチーパッパのサービスメニューであっては、顧客から逃げられて当然だ。

介護保険制度以後、通所介護事業所は格段に増えたが、その段階では通所介護というサービス自体が物珍しく、サービスメニューの工夫をしなくとも、半日そこで過ごして、昼ご飯も食べられ、お風呂にも入れるというだけで利用する人はいた。そこでは風船バレーやバケツリレーというサービスであっても、それをリハビリだと信じる顧客は寄ってきたのだ。

他人のへたくそなカラオケを聴くだけで時間が過ぎていく通所介護も、それなりに顧客確保できたが、現在は利用者のニーズが確実に変化しており、サービスメニューに工夫がなく、通って面白いと感じない通所介護からは顧客離れが起きている。そういう事業所は早晩廃業に向かわざるを得ない。

では実際に顧客の興味を引き、かつ通所介護の目的に合致するメニューとはどのようなサービスだろう。例えば僕が今関わっている通所介護事業所では、PCやタブレット・スマホを使ったサービスメニューが人気を博している。

今年70歳なる方は、ガラケーを普通に使える人が多いが、タブレットやスマホには腰が引ける人がも多い。そういう方々を対象に、心身活性化・認知症の予防効果を見込んでスマホとタブレットの使い方講座をサービスメニューにすると参加希望者が多い。スマホの基本操作が理解できた後は、様々なアプリをダウンロードし、そのアプリを使ったゲームなども行うことができる。

ゲームと言えば、麻雀・ルーレットなどのギャンブル的なゲームを取り入れた通所介護事業所が一時話題になったが、それらのゲームは疑似通貨などを獲得する目的と合わせて、射幸心をあおって盛り上がる傾向にあるため、神戸市の例ように、行政から一定の規制を課せられるなどのデメリットも伴う。それは社会的批判につながりかねない問題を含んでいると言え、リスク管理上は決して良いサービスメニューとは言えない。しかしスマホアプリのゲームは、射幸心をあおるものではないものがたくさんあるし、認知症予防の心身活性化メニューにつながるものも多いために、それらを大いに利用すればデメリットも生じない。

またPCを使える高齢者の方は多いが、ネット検索はできても、自分から情報発信している人は意外と少ない。そのためブログを作成指導する講座もサービスメニューに組み入れている。ここでは自分でブログを作ってもらった後、通所介護を利用するたびにサービスメニューとしてブログ記事の更新の手伝いをしている。

〇〇爺さんの通所介護日記」などとタイトルも自分の好みでつけてもらったブログには、必ずアクセスカウンターを設置し、利用者同士でアクセス数を確認し合うと、競争心が芽生えて大いに盛り上がり、アクセス数を増やす工夫のアイディアがいろいろと出てくる。更新記事内容も面白いものに進化してくる。

もちろんそのためにPCをはじめとして、タブレットやスマホも、利用者が使う専用の機器として通所介護事業所に備え置いておく。これは必要な先行投資である。そういうお金の使い方ができない事業所も消えてなくなる予備軍である。

カラオケ・塗り絵・切り絵・クイズ・風船バレー・・・そんなサービスメニューしか選びようのない通所介護は、廃業に向かってまっしぐらである。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

通所介護事業に求められる新たな覚悟


今月末の福岡講演から北海道に帰ってくるのは30日(月)だが、自宅には2日間しか居られず、そのあとすぐ10/2からは、東京都世田谷区〜北海道小樽市〜長野県上田市〜佐賀県佐賀市〜福岡県北九州市〜長崎県長崎市で9講演を行なう予定になっている。

そのためのスライドづくりなどの準備にこのところ忙殺されていたが、昨日までに何とかその目途も立った。今日からはスライドの最終チェックを行って、徐々に講演事務局にファイルを送る作業に取り掛かろうと思っている。

さてその9講演のうち、2つの講演は通所介護事業に特化した講演である。(今月末の福岡講演の直前も札幌で通所介護事業者に向けた講演予定が入っている。)

10/5(土)の北海道小樽市講演は、小樽市デイサービスセンター連絡協議会と後志デイサービスセンター協議会という2つの団体の共催研修である。講演会場は小樽市内の、「特別養護老人ホームやすらぎ荘」で、講演テーマは、「介護事業におけるサービスマナー〜接客から接遇への脱皮を図るために」としている。貼りついたリンク先のチラシを参考に参加申し込みをいただきたい。

小樽市で介護事業に特化したサービスマナー研修が行われるのは、おそらくこれが初めての機会ではないだろうか。顧客確保が重要な課題になりつつある通所介護事業において、サービスマナーは、顧客から選ばれるための必須アイテムだ。是非多くの方々に、その重要性を認識してもらい、マナー精神が存在する状態での、高いレベルのサービス競争を行っていただきたい。

会場となる「やすらぎ荘」さんには以前何度かお邪魔したことがあるが、それはもう20年近く前のことだと記憶している。当時の記憶をたどるのも楽しみである。小樽市と後志地区の皆さん、どうぞよろしくお願いします。

もう一つの通所介護講演は、場所を北から南へ飛んで、福岡県北九州市小倉で行う予定になっている。

10/10(木)ステーションホテル小倉で行われる、「九社連老人福祉施設協議会 通所介護部会セミナー」は、午前10時に始まり、午後4時までの講演予定だ。昼休みの1時間を挟んでの5時間講演では、午前中の2時間は、「制度改正・報酬改定の動向から考える通所介護の位置づけと今後の方向性」というテーマを予定している。

通所介護に実験的に導入された、「自立支援介護」の今後の動向はどうなるのか。そして軽介護者の通所介護の地域支援事業化の動きはどうなるのか等、今後の通所介護経営に直結する内容となっている。

そして午後の3時間は、「生き残りをかけた通所介護事業経営〜人材確保と定着の基盤となるサービスマナー」をテーマとしている。小樽のサービスマナー講演と内容はかぶっているが、全く同じではない。しかしその主旨は同じであり、顧客確保戦略・人員確保戦略にとってそれがいかに重要かということを認識していただきたい。

ちなみに主催者の九社連老人福祉施設協議会さんには、いつもお世話になっており、たくさんの講演依頼をいただき感謝の気持ちでいっぱいである。この場を借りてお礼を申し上げたい。いつもありがとうございます。

ところで通所介護に関連しては、きな臭い動きが見て取れる。

昨年度から2000億円の財源を使って市町村に交付されているインセンティブ交付金は、来年度からさらに増額される方針が示されているが、この交付金を得るための指標に、「健康づくりの“通いの場”などのより効果的な展開を現場に促していく」ことを新たに加えることが検討されている。

その意味とは、市町村が先頭に立って、地域に要支援者等の「通いの場」を創らせるということに他ならない。そのため交付金を得るという強い動機づけを市町村に与え、その充実を図るというものだ。

その背景には市町村の総合事業化された要支援者の通所型サービスは、介護給付の通所介護に相当するサービスから、単価が低いという理由で通所介護事業所の撤退が相次ぎ、緩和された基準による通所サービスAをはじめ、通所サービスBもCも整備されていない地域が多く、制度あってサービスなしという状況になりかねないという危機感がある。

そのためインセンティブ交付金と、通いの場づくりをリンクさせて、その整備を図るという意味だ。

これによって要支援者等の通いの場が充実できた先には、いよいよ軽介護者の通所介護を地域支援事業に移行させるということが現実化する。通所介護の経営者の方々は、それを見越した事業戦略が求められるが、その危機感はあるだろうか。

次の報酬改定時に、通所介護の軽介護者の地域支援事業化は実現しないと思うが、その次の2024年はその実現が図られるかもしれない。その時、要介護1と2の人がいなくなって事業経営を継続するためにはどうしたらよいだろう。

例えば共生型サービスとして、障がい者の通所サービス(生活介護)に事業の幅を広げることも必要になるだろうが、その場合は障がい者の方々を受け入れるために、知的障害や発達障害の人に対応できる人材育成が急務になるだろう。

何よりも大切なことは、今のうちにたくさんの地域住民から選択される通所介護事業所になることだ。そのノウハウは要介護1と2の人が介護給付から外れた後も決して無駄にならない。そしてサービスの品質を高めながら、認知症の人に対するケアを確立するなどして、徐々に重度化にシフトしていかねばならない。

そのための基盤は職員の資質であり、そのためのサービスマナーである。

さらに言えばサービスメニューの見直しも必須だ。そのことは明日改めて論じてみたいと思う。(明日に続く)

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

小さなリスクという言葉が、大きな後悔につながらないように


介護保険制度の今後の運営に関連して、財務省は、「小さなリスクは自助努力で対応すべき」と言い始めた。

小さなリスクの概念は、いかようにも考えられ、いかようにも広げることができるが、当面は要介護1と2の対象者のサービスを制限するための方便に、この言葉が使われていくことになる。具体的には要介護2までの対象者の生活援助(訪問介護)と通所介護を、市町村の総合事業に移行させ、介護給付から外すことが狙いである。

そして「小さなリスク概念」を緩やかに広げて、地域支援事業化できるサービス種別を、福祉系サービスを中心に徐々に拡大するとともに、地域支援事業のサービス単価を下げる方向で、市町村の担当者を洗脳し、やがてそれらのサービスは、自己負担利用が原則であるという方向にもっていこうとする狙いがある。このたくらみに、介護業界関係者は気づく必要がある。

このようにして、訪問介護の生活援助や通所介護から計介護者を外す改正が、2021年度当初から実現されるかどうかはわからないが、内閣・財務省・厚労省等の様々な資料を読むと、「給付の重点化」という文言がしばしば見受けられるので、介護給付サービスは、より重度の人へ重点的に給付される仕組みに変わっていくことは明らかである。

そうであるがゆえに、介護事業経営の視点としては、保険給付サービスについて、重度化対応にシフトできる方向で、職員の意識転換を図る必要がある。そして利用者の重度化に対応する知識と技術を獲得するようにスキルアップの仕組みを取り入れていかねばならない。当然そこには、認知症の人に対するケアスキルとか、看取り介護スキルと言った、技術面の向上が含まれてくる。それが顧客確保の基盤となることを忘れてはならない。

さらに事業経営の視点で言えば、給付抑制された部分のサービスは、保険外サービスのターゲットにもなり得ると考えることが重要だ。和光市方式で、「介護保険から卒業させられた人」の1割が、卒業前と同じサービスを利用しているというデータが存在するように、給付が制限されたサービスを、自費で利用したいと思う人は一定割合おり、その人たちを顧客として掴んでおくことは、将来の保険給付サービスの顧客確保戦略とリンクしてくるので、より重要な視点となる。

保険外サービスは、そのような付加価値とともに考えるべきで、そこで莫大な収益が挙がらないとしても、安定的な顧客確保には欠かせないサービスと言えるのだ。

だからといって保険外サービスは全額自己負担のサービスであるからといって、事業者が赤字を出し続けて、「出血サービス」を続けるわけにはいかない。そんなことをすれば、その負の影響は従業員の待遇に直結し、介護労働が社会の底辺労働につながりかねないからだ。

だから保険外サービスと、保険給付サービスをうまく組み合わせて、保険外サービスを効率的に提供して収益を挙げるという、「混合介護」は事業経営にとって重要な要素になるのである。しかしサービスを混合して提供するにあたっては、サービスの提供時間は長くなり、労務負担は増えるわけである。しかし混合介護で収益があっがた分以上に、人件費をかけてしまって、収支が悪化しては本末転倒度頃の騒ぎではなく、それは事業経営を危うくしてしまう。そうであるがゆえに、混合介護は、保険給付サービス以上に、知恵が必要なサービスであるという理解が必要だ。

混合介護については昨年9月に、「介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについて 」が示され、グレーだった部分が明確にされるとともに、それまで認めてこなかった、保険給付サービスと連続する保険外サービスや、保険給付サービスを途中で中断して、再開するまでの間に行うことも認めており、こうしたルールを大いに利用して、保険給付サービスと同時一体的に収益を挙げられる工夫を、それぞれの事業者が考えていかねばならない。(参照:混合介護のルール明確化1・訪問介護編 ・ 混合介護のルール明確化2・通所介護編

さらに現在行われている混合介護のモデル事業の中から、より弾力的な組み合わせが示される可能性もあり、介護事業者はその情報を常にチェックしながら、事業所独自の工夫とアイディアを引き出して、顧客に選択されるサービスを提供していかねばならない。その覚悟と工夫がない事業経営者は、それそれ業界を去るべき時である。

小規模サービス事業所を立ち上げれば、自然と顧客が寄ってきて、事業経営の工夫をせずとも事業運営ができた時代はもう来ない。そんな夢を追うことなく、地域に根差した高品質サービスを作り上げていかないと、事業経営は続けられないのである。

それにしても国は、「小さなリスク」とレッテルを張った、軽度の要介護者をいとも簡単に切り捨てようとしている。しかしそのことは制度運営上は、大きなリスクであると言えないだろうか。軽介護者は、自分でできることもたくさんあるから、サービスの質と量はさほど増やさなくても自立支援ができるということだろうが、介護支援が必要な人に、軽度のうちから必要なサービスをマッチングさせることで、より大きな給付につながらないようにしてきた効果を、そのレッテル貼りによって消滅させてしまう恐れがある。

小さなリスクというレッテル貼りが、大きな後悔につながる危険性を内包していることは解っているとしても、責任を取る体質のない国の機関は、当座の給付抑制に走って、その暴走を止めようとはしないということだろう。

このことは、国民として、介護業界関係者として、しっかり歴史の証人ならねばならない。公文書に残されない真実を、しっかり記録として残し、後世に伝えなければならない。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

公定価格を価格上限と印象操作する財務省建議


こんな早い時間に記事更新するのには理由(わけ)がある。

昨日上京し、講演を終えた後、五反田のホテルで一泊し月曜日の朝を迎えたが、今朝はそのまま千葉県鎌ケ谷市に移動し、この後午前10:00〜講演を行う予定である。12時までお話しすることになっているが、昼以降も何かと予定が入る可能性が高く、いつ記事更新できるかわからないので、いっそのこと鎌ヶ谷に向かう移動の真っ最中のこの時間に記事更新を行おうと思い立って、電車内でこの記事を書きはじめ、講演前にアップしている。

今日の講演は、介護支援専門員の皆様に向けた講演である。そうであれば介護支援専門員には、財務省が無茶な要求を突き付けており、そのことの情報提供と解説もしなければならないと思っている。

今年4/23に行われた財政制度分科会資料では、ケアマネジメントの役割りについては、「介護サービスの価格の透明性を高めていくための取組等を通じて、サービスの質を確保しつつ、確実に価格競争が行われる仕組み(より良いサービスがより安価に提供される仕組み)を構築すべきである。」と提言されている。

それはあたかも介護支援専門員を価格割引の交渉窓口にせよという乱暴な指摘だ。こんな提言が正当化されてしまえば、高品質なサービスを提供して、様々な加算を算定している事業者が悪者扱いされてしまう。

そもそもケアマネジメントは、価格競争のためにあるのではなく、必要な社会資源と利用者を適切に結び付けるものである。そうであるにも関わらず、価格競争を促すという不純な要素がケアマネジメントの一部だとされてしまえば、安かろう悪かろうサービスも有りということになり、自立支援とかQOLの向上という介護保険制度の理念は、どこかへ吹っ飛んで行ってしまう。

しかし財務省は、その考え方を頑として変えようとしていない。

それが証拠に6/19にまとめられた、財政制度等審議会の「令和時代の財政の在り方に関する建議」では、「介護サービス事業者は介護報酬を下回る価格を設定でき、サービス面のみならず価格競争も可能。しかしながら現実には、サービス価格が介護報酬の上限に張り付いている」として、割引サービスを実施しない事業者や、割引を促さずに事業者を選んで、居宅サービス計画を立案する介護支援専門員を批判している。

介護支援専門員は、もっと公定価格を割り引くための社会活動をせよというわけだ。そのうえで価格を見比べて、より安い価格でサービス提供する事業者を、居宅サービス計画に組み入れなさいというのである。

馬鹿言ってんじゃない。割引ができる制度になっているからと言って、公定価格は価格上限と言えるほど高い価格設定ではない。報酬改定では、改定の前々年の経営実態調査での収支率をもとに、それが高い事業種別の給付費を削減してきた結果、収益を挙げるのに汲汲とするほど低い価格に抑えているのが介護給付費の現状である。

介護事業経営者が莫大な収益を懐に入れているわけではないし、小規模事業所では、従業員より低い年収で介護事業を経営している人がいる中で、サービスが提供されているわけである。3年ごとに給付費が削減されることで、処遇改善加算の支給対象となっていない職員の定期昇給財源確保に苦労している事業者も多い。

それななかでの割引推奨は、介護の職業を社会の底辺化に向かわせる改悪でしかない。

そもそも割引を強要するサービス・買いたたくサービスの品質をとやかく言うことはできなくなることは明白ではないか。「安くしとくから、多少、職員の資質に問題があっても文句は言わないでね」ということになっては困るわけだ。

ところが財務省は割引を促す布石として、居宅サービス計画を作成するプロセスで、複数の事業所のサービス内容や利用者負担について加減算の有無も含めて説明することを、居宅介護支援事業所の運営基準として義務付けるべきだという。そしてそれが適切に行われていなければ、運営基準減算を適用せよという。

このようにケアマネジャーを小馬鹿にするような、乱暴な提案が行われているのを知らない関係者はいないと思うが、それにしてもこの提案に対して、抗議の声があまり聞こえてこない。

介護支援専門員協会は、なぜ真っ先に反論と不満の声を挙げないのだろう。勿論、同協会が4月の財政制度分科会資料に対しては、「利用者による正当な事業所の評価を阻害する可能性が高い」という意見を挙げていることは知っている。しかしそれは協会の公式サイトやフェイスブックに意見書を掲載するという手段でしかない。それじゃあダメなのだ。国の政策とか、介護報酬とかに関連する議論は、真正面から反論をたたきつけないと誰も相手にしてくれない。介護給付費分科会に委員を出している団体が、なぜ強硬に反対の公式意見書を財政審に向かって提出しないのか?それをしないから6/19の建議書では、協会反対意見があることなど何も影響されず、全く無視して再び暴論が展開されているわけである。

反論が反論になっていない協会のこういう中途半端なところが、日本介護支援専門員協会が、国のひも付き団体と揶揄される所以である。この団体に何も期待できないことが、ここでも明らかになっている。

昨年の報酬改定で居宅介護支援費はプラス改定であった。しかしそれは雀の涙程度のアップでしかなく、運営基準改正で介護支援専門員の仕事量は増えており、決して労働に見合った対価とは言い難い。

そのような中で、さらに義務と責任と新たな仕事を押し付けるような提言がされ、それは減算という脅しがセットになっている。こんな横暴を許しておいてよいのだろうか。介護支援専門員はもっと国に対して声を挙げなければならないのではないだろうか。

そんなことも含めて、今日は2時間の講演を行なう予定だ。だからその予告編として、朝のこの時間に記事更新しているのである。

鎌ヶ谷はファイターズタウンだから、ファイターズファンの僕としては、気合と魂を込めて、闘志とともに、鎌ヶ谷の介護支援専門員の皆さんに檄を飛ばしてきたい。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

生き残りをかけた介護事業経営


昨日香川県高松市から3日ぶりに北海道に帰ってくると、札幌は気温18度と過ごしやすい気温だったが、登別に近づくにつれ、その気温は下がり続け、当地はひんやりとした寒さを感ずるような状態である。

昨日は夕方6時から、登別市役所で認定審査会の審議に加わる必要があったので、その真偽に遅れないように移動日程を組んで、高松から帰ってきたその足で、審査に駆けつけた。そして無事32件の審査を終え自宅に戻った。

香川県高松市で2度目となる講演も好評のうちに終えることができた。
高松講演3
今回は一般社団法人香川県福祉事業協会さんの主催講演であったが、会員数を超える受講者が駆けつけてくださり、満員御礼の状態で講演を行なったが、講演終了後にはたくさんの方に、「とても学びがあり、社員さんと聞けてほんと良かったです。」とか、「大変参考になるお話ばかりで、あっという間の2時間でした。」という声をいただいた。

会場で販売した僕の本も、売れ行き好調で、僕の著作7冊をすべて購入してくれる人や、社員にプレゼントして読んでもらうということで15冊まとめて買っていただいた方もいた。ありがたいことである。
サイン会4 (2)サイン会5サイン会2 (2)
最新刊の「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」は売り切れとなった。会場で購入できなかった方には、この場を借りてお詫びしたい。貼りついた文字リンク先からだと、送料無料で購入できるので、ぜひそちらで取り寄せていただくようお願い申し上げたい。
高松講演4
今回の高松講演の受講対象者は、介護事業経営者や管理職の方が多かったことから、講演テーマは、「介護保険制度の今後の方向性を読む〜生き残りをかけた介護事業経営」とした。

介護事業経営環境は、介護保険制度開始当初とは全く異なり、非常に厳しいものとなってきている。地域によっては顧客そのものが減少して、利用者確保に難渋する事業者も出始めている。その中で制度改正や報酬改定の状況を正しく理解し、近い将来どういう方向に制度が向かっているのかを読むことは、事業経営に必要な収益を得るためのお金の流れを読むことと同じことになる。そういう視点がないと経営を続けることが難しくなるのである。

しかし経営環境は厳しいと言っても、2018年と2028年を比べると、介護保険制度の市場には保険給付費だけで今より10兆円ものお金が多く流れてくるわけである。この莫大な費用を獲得しようとして競争が激化するが、その競争を勝ち残る先には、企業の規模を拡大して安定経営ができる未来も手に入れることができるのである。

だが対人援助の職業は、人の命と暮らしを護るのが主たる目的となっている。このことを忘れたときに、その企業は顧客から見放され、大きなしっぺ返しを食らうことになる。そしてその結果は事業の失敗・倒産という憂き目にあうことだろう。だからこそ介護事業経営者には、単なる事業運営から経営への脱皮を図る意識転換が求められる。とっくにそれができている人はいるが、いまだに経営意識が無い人も多い。特に社会福祉法人の理事長・施設長は、措置時代の法人運営意識から抜け出せずにいる人が多い。それはすでに事業危機である。

古い体質の組織は、もっと人が考え動くことができる新しい体制に変えていかねばならないのだ。

そんな意味を込めて、高品質な介護サービスを提供しながら、収益を確実に挙げていくために求められる視点とは何か。そのことを中心にお話しさせていただいた。貴重な時間を削って僕の講演を聴いてくれた人の時間を無駄にしないように、最新の情報と、それに対する僕の分析を織り交ぜてお話しさせていただいたつもりである。受講者の皆さんの今後の参考になれば幸いである。

讃岐うどん
僕自身はどうかと言えば、今回もうどん県の、おいしい讃岐うどんも堪能し、夜は連日、香川のおいしい食べ物と、ゆかいな仲間に囲まれ幸せな2泊3日の旅だった。オフ会の模様は、「君は、貝社員ですか?」・「地鶏の自撮り」を参照いただき、雰囲気を味わっていただきたい。

高松でお会いした皆さん、どうもありがとうございました。また愛ましょう。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

10連休は職員の5月病につながっていないか?


GWの10連休が終わって、今日から仕事という人が多いのかもしれない。そういう人にとっては、今朝の出勤はとても憂鬱なものであったのではないだろうか。いつまでも連休気分を引きずることなく、一日も早く日常を取り戻してほしいものだ。

しかし介護関連の職業についている人は、そのような世間の暦とは関係なく働いておられた人が多いだろう。特に介護職員でシフト勤務の人は、GWとか連休という言葉とは無縁だという人が多いはずだ。

シフト勤務のある職場で、暦通りに休みを取れた人たちは、その休み中に勤務をしてくれていた人に感謝の気持ちを忘れないでほしい。そういう気持ちがないと職場の環境は悪くなることはあっても、決して良くはならないからだ。

介護施設は24時間365日の営業なので、シフト勤務者が自分の休みの時に働いているのは当たり前だと思いがちだが、世間の多くの人が休んでいるときに働いている人の気持ちも様々である。

世間がGWの10連休という言葉に浮かれて遊んでいるときに、介護支援が必要な人を、自分が働いて支えているということに使命と誇りを感じている人ばかりではなく、そのことを当然とされる職場に疑問を持ち始めている人がいてもおかしくないわけである。

暦通りに休めないことに疑問を感じる人は、その職業に向いていないと短絡的に評価するのではなく、シフト勤務であるとわかって職業を選んでいる人が、なぜそのような疑問を持ち、やる気を失ってしまうのかということを考えてほしい。

その原因がシフト勤務者に対する労りと感謝の気持ちに欠ける職場の雰囲気であるとしたら、それは改善すべき重要課題と言えるのではないだろうか。

施設長や事務管理部門が暦通りに休むことは否定されるべきではないが、長い連休の間も滞りなく施設サービスが提供されるために働いてくれる、シフト勤務者に感謝の気持ちを持って、暦の上での連休が終わった後に、同じように休みが取れるようにシフトを工夫するという努力も忘れてはならないのだと思う。

職場のモチベーションとは、そうしたお互いの思いやりによって高まりもするし、低まりもするのだろう。特に介護施設などの経営者は、自分が休んでいるときに、シフト勤務者が働いているのは当然だと考え、そのことに何の労りの気持ちを持たないことは、後々重大な問題を引き起こしかねないと肝に銘じてほしい。

そもそもこの5月という時期はなかなか難しい時期である。昔から五月病という言葉がある。それは新人社員等が新しい環境に適応できないことに起因する精神的な症状の総称である。

入社1カ月は多くの新人にとって、「この職場で働き続けるべきなのか?」といった不安に揺れる時期だ。この時期に自信を失ったり、考えすぎたり、将来への不安を感じたりしてうつ病に似た症状が出る人が多い。精神科に受診する人も増え、「適応障害」あるいは「うつ病」と診断される人が出てくる。一旦うつ病と診断された人で、うつ病が完治するケースは少ない。うつ病とはいったん発症したら2/3が寛解(完治はしていないが症状がなくなった状態)となっても、そのうち半分以上が再発するという怖い病気だ。

五月病として「うつ病」になってしまうと、元の状態で職場復帰できる人は2割もいないという事実がある。それは貴重な人材を失う大きな要因ともいえるわけである。だからこそいかにうつ病にならないように対策することが一番大事なのであり、事業経営者にとって、この時期のストレスマネジメントは非常に重要な課題となっているのである。

今年のGWは、かつてない大型連休になっているのだから、我々の予測を超えた様々な症状を生んでいるかもしれない。休んで10日仕事を離れた人が、今日から日常業務に戻って感じるストレスにも配慮が欠かせないし、ましてや同じ時期に連休など関係なく日常業務を黙々とこなしていた人々のストレスに対する配慮にも欠かせないのである。

思い返せば2018年の連休後には、「新入社員の4割超がゴールデンウィーク中に転職サイトに登録した」といった報道もあった。今回それ以上の大型連休になったわけであるから、その数はもっと増えるのかもしれない。

そうした現状を認識したうえで、管理者や管理職は、部下である従業員と日々の対話を心がける必要がある。日ごろから従業員や部下との信頼関係を築いておき、もしも不調になった場合に、それに伴う課題と解消努力への共通理解が持てる素地を作っておくことが何よりも大事だ。

どちらにしても介護事業経営者や管理職は、従業員のストレスやメンタルヘルスに向き合い、常に改善を心がけていく必要があることを十分理解すべきである。その最大要因が10連休ということにならないように、職場の中でシフト勤務者と非シフト勤務者の、「意識の格差」が生じないように配慮すること最大の課題となる。

その時、「ありがとう」という言葉が職場を支える礎になるかもしれないということを忘れないでほしい。
10153152_487972827998604_1731639376574619247_n

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

介護事業経営を継続するための事業戦略


先週の水曜日から始まった松山〜高知の旅が終わろうとしている。

高知講演二日目はお昼に終了したため、無理をして昨日帰ることも可能だったが、新千歳空港からの直行便がない高知空港から、昼の講演を終えて乗り継ぎ便を利用して帰ろうとすれば、新千歳空港に到着する時間が夜8時近くになる便しかない。それから登別の自宅に帰るとなれば、到着時間が夜10時を過ぎてしまうので、もう一泊高知に泊まって今日ゆっくりと自宅に帰ることにした。

そのおかげで昨日の夜も、高知の皆様とご一緒して、高知のおいしいお酒と食べ物を堪能した。その模様は、masaの血と骨と肉〜これから要職につきますって、ようショックだねを参照いただきたい。

こうした余裕がある旅ができるのもフリーランスの特権である。特養の施設長をしていた当時なら、何が何でも昨日のうちに北海道に帰ろうとしただろう。ということで、この記事は高知空港から羽田空港に向かう機内で、空の上から更新アップしているところだ。

ところで昨日の高知講演は、この旅の4講演の中で、唯一のオープン講演であり、高知市内の関係者だけではなく、松山や岡山などからたくさんの介護関係者の皆さんが来場してくださり、受講者の数は180人を超える盛況ぶりであった。

昨日の講演では、(実施されるのかどうなのか不透明な状況となっているが)10月の消費税増税と合わせて行われる介護報酬改定の中で注目される、「特定処遇改善加算」の算定要件や、支給方法などを、最新の情報と合わせて解説するとともに、今後の制度改正や報酬改定の方向性について根拠に基づく予測を示してきた。

そんな中で介護事業者には何が求められるかということを僕なりに分析整理して伝えてきた。介護事業経営は、大規模経営へと誘導策がとられる中で、ますます知恵と工夫が必要になるが、どの方向にベクトルを向ける必要があるのかを詳しく解説したつもりである。

2018年と2028年を比較すると、介護給付費は10兆円増加し、関連費用を含めるとそこには100兆円の資金が存在することになり、他産業から新たに介護事業に参入する企業も増えることは確実だ。そんな中で勝ち残って事業を続けていくためには、「人財」となり得る貴重な人材を安定して確保し、人材教育をしていくことができるかどうかということが一番重要な課題である。

そのことにどう対応するのか・・・。貴重な人材である、「介護福祉士養成校」の学生は、有能であればあるほど、実習や施設見学を通じて、自分の目と耳で介護事業者を評価して選んでいるという事実がある。

ホームページの情報や建物は立派だけど、実際にそこで職員が利用者に対応している姿に幻滅して、その施設では働きたくないと評価する学生が多い。その姿とは、職員が日常的に利用者に対してため口で接していたり、荒々しい態度をとっていたりする姿である。特にきちんとしたサービスマナーが対人援助には不可欠であると教えられている学生は、日常的に利用者にタメ口で対応している事業者を敬遠する傾向にある。それを改善しない限り、そうした事業者は外国人労働者にしか頼ることはできなくなるだろう。

そういう意味を込めて3時間講演の後半90分は、介護サービス事業におけるサービスマナーの必要性と方法論をテーマにして講演を行った。その結果、たくさんの受講者の方から共感したという声をいただき、新たなサービスマナー研修講師の依頼もいただいている。ありがたいことである。

有能な人材は、サービスマナーに基づく顧客対応を行う事業者に張り付き、そうした事業者では次から次へと有能な人材が育つ。そこではサービスの高品質化が図られるとともに、ホスピタリティ精神を持った職員が生まれ、利用者からも選択されるという好循環が作り出される。

今、介護事業者に求められるサービスマナー教育とは、職業倫理を超えた事業戦略であるということに早く気が付いた経営者のみが、生き残っていくことができるのである。

利用者を確保し、安定経営につながるには、利用者から選ばれるサービスの基盤となる人材を確保せねばならない。

そうした人材が就職したくなり、ずっと働き続けたいと思える職場づくりのヒントを、僕の講演から得てくだされば幸いである。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

新入社員の教育訓練に関して思うこと。


僕は今、新千歳空港から沖縄に向かっている。

僕がいつも利用するJALの場合、沖縄へは乗継便しかない。しかしANAの場合は、沖縄直行便が数年ぶりに復活しているので、今日は慣れないANAに乗っている。この便は当初新千歳空港を10:40発に経ち、沖縄には14:35着の予定となっていたが、那覇空港の混雑のため40分遅れで運行中だ。那覇空港はいつも混んでいる。運行ダイヤの見直しが必要ではないのだろうか。どちらにしても約4時間の空の旅の途中でこの記事を更新しているところだ。

今朝の新千歳空港周辺は小雪交じりの天候で、気温も氷点下まで下がって寒かった。日中も3度くらいまでしか気温が上がらないというのに、これから向かう沖縄は那覇の最高気温が26度とのこと・・・沖縄ではコートは邪魔になるので家に置いてきたが、JRのホームではさすがに凍えていた。この時期はこのギャップに悩む時期でもある。

さて、今回の沖縄講演では、今日と明日で二つの講演を行なう予定になっている。

今日の講演会場は豊見城市の「デイサービス華々2号館」である。そこではデイサービス華々と琉球介護コミュニティ協会が共同開催する「サービスマナー研修」を行う予定で、時間は18:30-20:00となっている。

明日はうるま市の「うるマルシェ」で、13:30〜16:15で行われる琉球介護コミュニティ協会主催セミナーの中で、14:15〜「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」をテーマに120分の講演を行う。

年度末もギリギリに押し詰まったこの時期に、しっかりサービスマナーを身に着けて、すぐ来週に迫っている新年度初日から、そのことを新入職員に伝えなければならない。最初にしっかりマナー教育をしなければ、マナーのないぞんざいな態度で、利用者に相対する方法論が新入職員の身に沁みついてしまう。そうなっては修正することが非常に困難になる。だからこの時期に、新人指導担当者がサービスマナー研修を受けて、新入職員に伝えなければならないことを確認しておくことは非常に重要である。

加えて、今後すべての介護関係者が携わる必要性が高まる「看取り介護」のスキルを高めておくことも必要不可欠である。自宅で看取り介護を受けながら最期の時間を過ごそうという人が増える過程では、看取り介護の真っ最中の方が、デイサービスを利用するというケースも増えてくる。だからデイサービスの職員が終末期支援の意味や方法論を学んでおくことも必要不可欠なのだ。

僕自身がそのことをしっかり自覚して、すべての関係者に看取り介護とは何かということをわかりやす伝えてきたいと思う。

ところで今年は4/1が月曜日である。月初めで週初めの日が新年度のスタートという区切りの良い年だ。同時にその日が新入職員の入職する日であり、新人教育のスタートであるという職場も多いだろう。

新年度に入る前に既に新人教育に入っている職場もあるかもしれないが、本来新人研修は採用日からが原則である。特に新社会人となる学卒者は、社会人となる準備期間として新年度という区切りの日まで時間を与えてやりたい。卒業から入職の日まで心構えと自覚を持つため、そして学生生活の名残をかみしめる期間として、3月いっぱいまでは自由に時間を使わせてあげたいと思う。だから個人的には教育期間を3月中に前倒しすることには感心しない。

さて新人教育であるが、まさか就業初日から介護職員を現場に放り出して、現場リーダーに任せてOJTと称する作業の丸暗記を行わせている事業者はないだろうな・・・。そんな方法では人材は育たない。人財にはならないのである。

基礎教育は座学で、ある程度の期間を費やして行う必要がある。座学と言っても、年金や健康保険がどうのこうのという事務連絡はそれとは別ものであり、きちんと基礎的な介護の知識と技術を吸収できる内容にせねばならない。

とある社会福祉法人は、この期間を2月に設定し、新入職員は研修所でみっちり教育を受けて、実際の現場に配置されるのは6月からというところもある。さすがにそこはきちんとした技術を持って、品質の高いサービス提供をしており、職員の定着率も高くなっている。

しかし多くの職場では2月もの基礎研修時間は取れないだろう。しかしせめて2週間程度は、耳学問でみっちり鍛えて現場に送り出すという準備期間の考え方が必要だ。そこでマナー教育をはじめとした基礎研修をしっかりと行い、新人職員を鍛えておくことが、後々事業者にとっての「財産」である 「人財」を作る基盤となるのである。ここを大事にしている事業者は、職員の定着率が高くなっており、人材確保の苦労が大幅に減っていることも事実だ。

人が少ないからと言って焦って採用し、教育期間もほとんどとらずに、素人と変わらない知識の職員を現場に放り出す職場では、「こうしていた」という経験に寄りかかるだけで根拠のない技術指導が行われ、場合によってはそれは人によって方法がバラバラで統一されていなかったりする。そのような根拠のない方法論で現場は混乱し、疲弊し、バラバラに空中分解するのである。

そういう場所では職員の定着率は上がらず、いつも人が足りず、いつも人を募集し続け、応募する人が来るたびに一から仕事を教えることになるが、そのうちの幾人かは、完全に仕事を覚える前に辞めてしまうことの繰り返しになる。そうなると仕事を教える職員も疲弊していく。そもそもその状態では、仕事を教えると言っても、それは作業を覚えさせるにとどまり、技術を伝えられない。そうした職場で職員は充足することはないし、仕事も順調に回らない。サービスの質も上がらないから、有能な人財は集まらない。このように永遠の悪循環が続くことになるのである。

そのような職場に放り出させる新人も可哀そうである。僕が手塩にかけて育てた若者たちには、そのような職場を決して紹介しないようにしている。

そういう悪循環に陥っている場合には、どこかで覚悟を決めて、根本の問題解決に向けて舵を取り直す必要があるのだ。今がその時期であるという事業者も多いのではないだろうか。まさに「今でしょう」という死語に近い言葉が必要になるのである。

僕も北海道に帰ってきた後は、いくつかの法人の新入職員研修の教育のお手伝いの予定が入っている。今からでも遅くはないので、そうした教育・訓練の場に呼んでいただければ、少しでもお手伝いができるだろう。

どうぞ気軽に声をかけていただきたい。いつでも連絡をお待ちしています。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

新処遇改善加算について事業者が持つべきもう一つの視点


現行の介護職員処遇改善加算は、介護職員すべてが算定対象であり、かつ支給対象となっているので、各サービス種別ごとに加算率が決められて、それに基づいて算定されている。

加算1の場合、最高は13.1%の訪問介護であり、最低は2.6%の介護療養型医療施設である。

算定・支給対象となる介護職員の配置規準数は、各サービスごとに規定されており、事業規模(利用者数に応じる規模という意味になる)が大きくなれば算定・支給対象職員の数は増えるし、加算の基礎となる基本サービス費は事業種別により異なるのだから、全サービスで均等に介護職員に手渡す給与額を増やすという意味では、事業種別ごとに加算率を異なる率で設定するのは合理性があるわけである。

よって、基本サービス費の単価が施設サービス費のそれより低く、利用者に対するサービス提供者がすべて資格を持つ介護職員である訪問介護の算定割合が高くて、それよりも基本サービス費が高く、かつ利用者に対するサービスが介護職員のほか看護職員等も行うことができ、両者の合算数で配置規準が決められている介護療養型医療施設の算定割合が低いのも整合性がある。

しかし消費増税が行われる10月から支給される予定になっている「新処遇改善加算」については、事業種別に応じて一定数の加算対象職員が存在することにはならないし、事業規模が大きくなればその数が比例して増えるということでもない。

なぜならこの加算の算定対象職員とは、「業界10年以上の経験のある介護福祉士」とされているため、100人定員の特養であっても、一方が事業年数30年で、一方が事業年数2年であれば、そこで加算算定対象者の数も違って当然であるといえるわけである。

この場合、「事業年数30年」の特養の方が、「事業年数2年」の特養よりも、算定対象となる経験10年の介護福祉士が多くなる傾向にはあるだろう。しかしそれも絶対的なものとは言えない。ベテランを数多く引き抜いている新設施設もあるし、古い施設より新しいユニット型の施設で働きたいとして転職するベテラン有資格者もいるのだから、個別事情で算定対象人数は大きく異なるわけである。

そのため新加算の算定については、現行の介護職員処遇改善加算と同様に、「サービス種別ごとに加算率を設定」するのではなく、「サービス種類ごとの加算率は、それぞれのサービス種類ごとの勤続10 年以上の介護福祉士の数に応じて設定。」とされている。

ここで問題となるのは、どこまで細かく「勤続10 年以上の介護福祉士の数に応じた割合設定」ができるのかという問題である。例えば対象となる介護福祉士が1人の場合は何パーセント・二人なら何パーセント〜と細かく設定されるのだろうか。しかしそうであったとしたら請求コードは大幅に増えてしまうことになるし、非常に複雑な算定構造とならざるを得ない。

そうであれば加算対象者が「何人以上何人未満は何パーセント」という、ざっくりとした割合設定になるのだろうか?しかしこれでは事業者ごとの不公平感が助長されるだけになるような気がしてならない。

まあこれは今月にも示されるといわれている算定方式が明らかになってから考えればよい問題でもある。

業界10年の経験をどのように把握して、算定の際にそれについてどれほど証明責任があるのかも、今後考えなければならない問題だ。

新加算は、現行の介護職員処遇改善加算(機砲ら(掘砲泙任鮗萋世靴討い觧業所を対象とし、職場環境等要件に関し、複数の取組を行っていることに対して加算されるのだが、現行の加算と新加算の算定対象者は異なるので、それは現行加算に上乗せされる形で、新加算と従前加算が併算定できると考えるのが自然であるが、そうであれば月額8万円の改善額とは、従前加算の分も含めたものでしかないのかという疑問も生ずる。

どちらにしても今後の情報待ちである。

ただし、事業経営者の方々は今から考えなければならないことがある。それは今所属している事業所より、高い給与を支払ってくれる事業者を求めて、人材の流動化が加速される可能性が高くなるが、良い人材は給与の多寡だけで職場を選ばないということである。

そのため人材を増やすための最も効果的な配分方法を考えることは、人材となり得る有能な介護職員が働きたいと思える職場環境とセットで考える必要があるのだ。

果たしてそうした有能な職員とは、給料は高いけれど、利用者の福祉の向上がないがしろにされ、利用者の不満や悲しみの上に成り立っいる事業者の中で、働き続けたいと思うのだろうか。

利用者の尊厳が奪われ、日常汚い言葉遣いで利用者を知らず知らずのうちに傷つける職員が幅を利かせている職場の中で、有能な職員は、給料が高いという理由だけで働き続けたいと思うのだろうか。

介護福祉士養成校に入学する多くの学生の入学動機が、「人の役に立ちたい」という事実がある中で、利用者不在の待遇改善のみの視点で人は張り付くのだろうか。

勿論、今以上の給与改善・待遇改善は必要不可欠ではある。しかしそれと同時に、それに見合ったサービスの品質の向上の視点がないがしろにされる場所には、人材とは言えない人員だけが張り付く結果に終わってしまうだろう。

介護事業経営者の方々には是非、そうした視点も持っていただきたい。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・masaの最新著作本「介護の誇り」は、こちらから購入できます。


新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行予定)の先行予約はこちらからお入りください。

会議を整理する意味


職場にはいろいろな性格や思考の人がいるが、その中にはやたらと会議が好きな人がいたりする。

介護事業者の中にも、会議をしているという事実だけで意味のない安心感を持っている人もいる。それが経営者であるとすれば、そういう事業者の行く末はあまり明るいものではないだろう。

会議がつつがなく行えること自体にあまり意味はないと思う。そもそも会議は仕事そのものではないのではないだろうか。

会議とは仕事の準備であって、会議自体は何も生み出さないのである。経営者と社員が顔つき合わせて話したって一文も生み出さないし、一銭ももらえないのだ。

勿論会議をすることによって、混迷していた問題について文殊の知恵を寄せ合って解決の糸口をつかむというケースもあるのだろう。会議によって意思統一が図れて仕事がスムースに運んだり、仕事をする意味や方法を従業員が理解できるメリットを否定しない。経営者の意思伝達の手段として必要不可欠な会議もあるだろう。

だからと言ってすべての問題処理に会議が有効だとか、絶対に必要だと言えるものでもない。

少なくとも、「会議こそが仕事である」という勘違いをしないようにすべきであると思う。会議に固執する人は会社ごっこをしたいだけの人だろう。会議などしないで問題がなく経営できれば、それに越したことはないのである。

そういう意味では、会議さえしておれば、問題があっても解決できると信じている経営者には明日はないのと思うのである。

特に結論が出ていること、明らかに結論が見えていることを、ぐじぐじと蒸し返して振り返ったり、悔やんだりする会議には全く意味を見出せない。あってもなくてもよいようなアリバイ作りのための会議はもうやめた方がよいのではないか。

事業経営者は、無駄な会議は事業損失だと考えて整理する必要もあるのだ。

僕は40歳になったばかりのころに、特養と通所介護を併設する施設のトップに立った。その時に、最初に行ったことが「会議の整理」である。

介護事業者には法令で定められ、「しなければならない義務会議」がたくさんある。例えば「身体拘束廃止委員会」・「褥瘡予防委員会」・「リスク管理委員会」・「感染予防対策委員会」etc.

そのほかにも業務連絡のための「全体会議」とか「給食会議」とか様々な会議に時間を取られている。人員配置が十分ではなく、いつも忙しいというわりに、いくつもの会議が慣例的に開かれて、そこではさして重要とも思えない業務連絡がだらだらと行われ、それを聴くためだけに利用者対応から外れて会議に参加しなければならない職員もいるわけである。

利用者に接する時間がないほど忙しいとされている介護の現場で、そこから介護職員等が一定時間離れて会議に出席しているのだから、その会議が意味のあるもので、介護実践に活かすことができなければならないはずだが、必ずしもそうではなく、無駄な時間を費やすだけの会議というものも存在するように思った。

特に法令で定められているから「しなければならない会議」については、してさえおればよい=集まって意味のない連絡で終わっている、という雰囲気があった。わかりきった連絡事項にだらだらと時間を費やし、メモを取る必要もない報告がぐだふだと続く状態はまったく理解できなかったので、やらなければならない会議においては、仕事に役立つ連絡と建設的な話し合いを徹底的に求めた。会議以外の業務の中で済ませられることができる連絡事項を、会議で繰り返し報告する状態を、「いらないもの」としてなくしていった。

その過程でいくつかの会議を統合し、同じ時間帯にまとめて話し合うなどの整理を行い、会議のために介護職員などが現場から離れる時間をできるだけ減らすことに努めた。その結果、会議に費やす時間はずいぶん減ったが、そのことで業務に支障が生ずることはなかったし、業務連絡が滞ることもなかった。その分、介護職員等が利用者にかかわる時間は増えたのである。

介護サービスの現場からは、介護保険制度が誕生して以来、増え続ける必要書類の削減が叫ばれ、国も書類の簡素化に取り組んでいるが、介護事業者自身の業務見直しによっても、介護職員が利用者にかかわる時間をひねり出すことができるという視点も重要ではないだろうか。

経営会議などの重要かつなくせない会議はともかくとして、介護が本来業務である職員が会議やその準備に振り回されて、介護業務に支障がきたしたり、ストレスがたまったりしないように、常に状況に合わせた会議の整理などに努めていくのも、事務管理部門の大事な役割ではないだろうか。

特に「自分の仕事のために必要だ」というだけで、職場全体の必要性と一致しない会議は、単なるパフォーマンスでしかないという理解が、事業経営者には強く求められるのである。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・masaの最新著作本「介護の誇り」は、こちらから購入できます。

過去の経営状況に取りつかれている通所介護は必ずつぶれる


介護保険制度が施行された2000年から3年間は、「介護バブル」と言われるほど報酬単価は高く設定されていた。

その理由の一つとして、制度あってサービスなしという状況を生まないために、民間営利企業などをたくさんこの制度事業に参入させようという意図があったからである。そのため民間営利企業が参入できる居宅サービスは報酬単価が高く設定される傾向にあった。(※ただし単体経営で収益を出すモデルではない居宅介護支援事業を除いての話である。)

そうした事情もあって、通所介護の報酬単価も今よりずっと高く設定されていた。その単価は1時間単位で見た場合、特養の報酬単価より高いものであった。

通所介護の事業者数も今より少なかったことから、立ち上げれば顧客確保に困らないのが通所介護であった。さらに夜勤のない事業ということで、就職希望者も多く、人材確保も比較的容易であった。

だから多くの新規事業者が立ち上がった。特に小規模な通所介護事業であれば、立ち上げの資金も少なくて済み、立ち上げれば職員も利用者も苦労することなく確保できた。そこではサービスの質は問題とされず、他の事業者との差別化を図る必要もなく、利用者が確保でき収益が出たのである。

高い報酬単価であったからこそ、フランチャイズ展開も可能な事業であった。経営や介護の知識に欠けている経営者であっても、事業立ち上げノウハウや経営ノウハウを教えてもらうためにフランチャイズ加盟して、経営や運営はおんぶに抱っこしている状態で、毎月フランチャイズ料を支払っても、なおかつ利用者確保には困らず、営業収益は上がっていったわけである。

お泊りデイというアイディアも、夜間の保険外宿泊料を収益と考えて生まれたのではなく、利用者に宿泊してもらうことで、宿泊する日、宿泊している日、宿泊して帰る日のすべての日に、保険給付額が高い通所介護を受けてもらい収益が上がることを見越して誕生したサービスである。

しかし今の通所介護事業を巡る状況は、その当時と全く異なっている。

報酬単価は特養の1時間当たりの単価より低くなっているし、事業者数は当時と比べ物にならないほど増えているために、顧客確保に苦労して、顧客が集まらずに営業ができなくなる事業者も増えている。事業者数の増加と業界全体の人材・人員不足の常態化は、通所介護の人材確保にも影響し、人員確保に苦労する事業者も多くなり、人件費支出も増えている。

そんな中で10年前の栄光を忘れられずに、その時と同じ営業戦略で、再び自分の立ち上げた事業が右肩上がりに復活するなどという、根拠のない希望を抱いている経営者に待っているのは、挫折という二文字しかないだろう。

フランチャイズ料金を支払ってなおかつ収益が上がる事業ではないから、経営支援を誰かに受けないとならない経営者には、この事業は続けられなくなっている。

顧客確保のためには、他事業者とのサービスの差別化を図らねばならない。そもそも顧客層は昭和生まれで、戦後生まれの人に移りつつあるのだから、いつまでも明治・大正生まれの人をターゲットにしていた当時のサービスメニューでは、顧客からそっぽを向かれるのは当たり前である。

今どき風船バレーがリハビリメニューの中心であるという事業者もないだろうが、携帯電話を普通に使いこなす世代の、心身活性化メニューとは何ぞやという視点が必要だ。

小学校唱歌を唄わせている事業者は倒産して無くなっているのだろうが、カラオケが中心サービスである事業者の命脈も短いだろう。

そもそも顧客意識に欠けるサービスマナーのない職員に頼り切った経営では、もう持たない。

親しみやすさを表現するために、ため口で話しかけなければならないという必然性はないという、至極当たり前のことに気が付いて、サービスマナーを基盤としたホスピタリティ意識を持った職員を配置し、サービスの質を高めていかないと、他事業者に飲み込まれて営業困難な事業者にとして葬り去られていくだけの結果にしかならない。

この部分では、「何とかならない」のである。

地域密着型事業所として単独で、10年後に生き残っていくことができるようなこともない。地域密着型から一日も早く都道府県指定の事業者に事業拡大できるように顧客を確保していかないと、生き残りの道はないのである。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・masaの最新著作本「介護の誇り」は、こちらから購入できます。

介護事業者にさらなる逆風


介護事業関係者は、4月の報酬改定で小幅ではあるが0.54%というプラス改定となりホッとしたのもつかの間、新たな逆風が吹きつけられて戸惑うどころか、今頃ひっくり返っているのではないだろうか。

28日に政府が2019年度予算の編成方針を固めたと報道されているが、そこでは高齢化に伴う社会保障費の伸び(自然増)を5000億円未満に抑えることが示されている。

この方針の何が逆風かというと、先に示されていた厚労省の概算要求が6000億円であり、それが認められなかったということではない。それが認められないのは予測されていたことだからである。

それよりも厳しいのが、社会保障費の自然増の抑制方針が、従来の「5000億円に抑える」ではなく、「5000億円未満に抑える」と、「未満」という文言が入れられたことである。

もともと社会保障費の自然増は、本来の増加分1兆円を半減させるという「骨太方針」によって、2016〜2018年度は毎年5000億円に抑制する目標を掲げて、これを達成してきたものだ。逆に言えば5000億円までの増加は認められていたのだ。

ところが今回この目標額に、かねてよりの財務省の主張に沿う形で、「未満」という文言が加えられたということは、これによって社会保障費の抑制額は本来の自然増の半減という目標も事実上なくなり、財源論により際限なく抑制される道が開かれたという意味になる。

政府は、抑制分は薬価の臨時引き下げなどで対応する方針としているが、介護報酬の次回改定は2021年4月からであり、それは今回と異なり、介護報酬の単独改定となる。今年度のように診療報酬とのダブル改定で、薬価引き下げのおこぼれにあずかることはできないわけである。(※今年度は薬価−1.45%分が、介護報酬引き上げの財源となった。)

よって時期報酬改定となる2021年4月以降の介護報酬は、多くのサービス種別で基本サービス費が引き下げられることが確実になった。

それを踏まえてうえで、あらためて10/22に行われた未来投資会議での、安倍首相発言を振り返ってほしい。

安倍首相は、自立支援・重度化防止の観点から介護事業者に積極的な取り組みを促すインセンティブ措置を大幅に強化する方針を表明したうえで、「ずいぶん前から議論されてきたこと。今日までそのままになったが、やっとこれを実現できる時を迎えている。また、そうしなければならない」と発言している。

これに関連して内閣府の担当者は、「要介護度が軽くなると収入が減る構造はやはり良くない、という認識がある」と説明したうえで、「インセンティブ措置を強化する方向性は早ければ年内にも明確に決定する。必ずしもデイサービスだけに対象を限定する話ではない」と発言している。

このように時期報酬改定は、サービス提供の結果を問う、アウトカム報酬を広げる方針が示されているのである。従前のようにサービス提供するだけでは収益は挙げられず、国が求める数値目標を達成するという結果を出さない事業者は、経営が難しくなるといえる。

しかも来年10月には消費税が10%に引き上げられることが確実視されている。4年前に消費税が5%〜8%に引き上げられた際は、その措置として介護報酬も+0.63%(342億円)とされた。その先例からすると来年10月にも介護報酬は引き上げられることは確実である。そうなれば今年度の+改定に続き2年連続の報酬増になる。しかしそれは消費税という必要経費に対応する報酬増額でしかなく、事業収益には反映されない。

しかし消費税の増加に対応して引き上げられた分も、社会保障費の増額分には含まれるのだ。つまり来年の消費税に対応した介護報酬増は、2021年の介護報酬改定には足かせの意味にしかならず、その分、厳しい報酬改定につながることは確実なのである。

その中で「年次有給休暇の改正対応はできていますか」という記事の中でも指摘した、「働き方改革」が行われ、すべての介護事業者にも、年10日以上の年休が与えられている働き手が自主的に5日以上を消化しない場合、事業者が本人の希望をふまえて日程を決め、最低5日は有給休暇を消化させることが義務づけられるわけである。

小規模の事業者では、これに対応して人を増やさねばならない場合もある。先に示された混合介護のルールの明確化・柔軟化方針に沿ってサービス展開しようとしている事業者は、それに備えた人員配置も必要になる。人件費支出は社会保障費の自然増以上に増加せざるを得ない状況なのだ。

そんな中での社会保障費抑制という逆風が吹きつけられているわけである。

ということで今後の介護事業経営は、ますます難しいものとなり、事業体質の強化は、事業規模の拡大という方向に向かわざるを得ない中で、その工夫とともに、そのための有能な人材確保という課題がのしかかってくるわけだ。

そう考えると介護事業経営者の方々が、メンタルヘルス不調に陥らないか益々心配になるところである。くれぐれもご注意いただきたい。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・masaの最新著作本「介護の誇り」は、こちらから購入できます。

毎日営業する通所サービスは時代遅れ?(後編)


毎日営業する通所サービスは時代遅れ?(前編)より続く。)
通所サービスの顧客の中心層は、いよいよ団塊の世代に移行していく。

その世代の人々は日本経済を支えてきた世代であると同時に、大きな塊であるからこそ、あらゆる場面でそのニーズに最大限の配慮をされてきた世代ともいえる。

企業の側からすれば、団塊の世代に売れる商品を開発すれば、ほかの世代に売れなくとも儲けることができたため、顧客として手厚く遇されてきた世代なのである。

そういう世代の人々から、どうやって選ばれるのかということは、介護事業者に最も求められる視点となってくる。そうであれば介護の質は勿論のこと、サービスマナーをはじめとしたお客様を迎える側の職員の資質というものがより重要となってくる。

全日通所サービスを営業するために職員を確保する過程において、その人材の質に目をつぶって従業員を確保している事業者はないだろうか。人材とは言い難い、「人員」を集めることだけに躍起になっている事業者はないのだろうか。教育の手が届かない職員を配置して、365日の営業を続けている事業者はないだろうか。

もしそのような事業者があるとすれば経営戦略の練り直しが必要となる。人材と言える従業員が常にサービス提供できる形へと、サービスの形態を変える考え方があってよい。

これからの通所サービスは、従業員の質を検証し直しながら、何人程度の従業員を抱えることが事業者の教育の力量としてふさわしいのかを精査しつつ、営業日ごとの収益率を再計算して、費用対効果の面から営業日・営業日数の見直しにも着手しなければならない。

少なくとも従前からの営業日を「慣例」として漫然とそれを続け、営業日を見直そうとする視点に欠ける事業者は、「時代のニーズや社会情勢に合わせて変化できる事業者」とはなり得ず、負け組予備軍となっていかざるを得ない。

少数精鋭の人材配置で、その範囲で営業するほうが効率的に収益を挙げられる可能性は高まるのだ。

ホテル・旅館業でも毎日営業をやめて、人材を配置できる日の営業に特化し、収益を上げて従業員の年収を上げているところがある。

人材が少ない時代に合わせた方向に事業展開を変えていく必要もあるのだ。

そのように主張すると、介護事業は社会福祉事業でもあるのだから、収益第一の考え方で、営業日を減らすことは、地域住民への裏切りで、介護サービスという社会資源を減らすことに他ならないと指摘する人がいる。

そのようにして軋る輩は、顧客に対するマナーも守れない人員を配置して、営業日を増やすことが社会福祉の精神に沿う営業形態だとでもいうのだろうか。もっと現実を見ろと言いたい。教育の手の届かない従業員を抱えて、身の丈以上のサービス展開を行うことで、介護事業という名のもとに、ひどい人権侵害を放置しているこの国の介護事業の実態を見ているのかと言いたい。

そもそも地域住民の福祉の向上とは、質の高い介護サービスを提供することであり、サービスの質はともかく、その量させ確保しておればよいという考え方は、介護事業を「施し」レベルに後退させ、支援とうう名の支配の構造を広げるだけである。

制度あってサービスなしという状況を生まないためには、営業日を増やして逆に収益率を悪化させ、事業困難に陥る事業者がないように、きちんと収益をあげながら事業経営を継続できる事業体質改善を図ることができる事業者を増やすことなのである。

本末転倒の、事業経営視点のない、「幻の社会福祉論」など求められていないのである。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・masaの最新著作本「介護の誇り」は、こちらから購入できます。

毎日営業する通所サービスは時代遅れ?(前編)


よく言われることであるが、生き残ることができる種(しゅ)とは、最も強い種ではなく、最も賢い種でもない。変化できる種だけが生き残っていけるのである。

介護事業も同じである。走りながら考えるとしてスタートした介護保険制度によって、日本の高齢者介護サービスは劇的に変化をせざるを得なかったが、介護保険制度もこの18年間でマイナーチェンジ・メジャーチェンジを繰り返し、社会情勢の変化と相まって、介護事業者の置かれる状況も大きく変わってきた。

それについていける事業者だけが生き残っていけるのであり、介護保険制度開始当初の事業経営ノウハウにこだわっている事業者は先細りの一途をたどり、事業廃止に追い込まれざるを得ない。

通所介護事業などはその典型サービスだろう。介護バブルと言われた高い報酬単価の中でも、通所介護費の報酬は、1時間当たりの報酬単価が特養の単価より高く設定されていた時代からスタートして、小規模事業者が乱立する時代に入っていった。

当初は事業を立ち上げるだけで利用者確保に困ることはなかったし、職員確保という面でも、日中のサービスということで、「夜勤をしなくてよい介護労働」を求める従業員ニーズとマッチして、人材確保にも苦労せずに営業ができた。

つまり小規模通所介護事業については比較的安い資金で事業を立ち上げ、収益を上げることができたのである。

しかし小規模通所護事業者の数が、3大コンビニエンスストアの数の合計を超えるまでに急速に増える中で、地域の中で競合する事業者が増えて、その中でサービス競争を余儀なくされていった。その当然の帰結として通所介護事業経営者には経営能力が問われることになっていった。サービスの質の向上のみならず、他事業者とのサービスの差別化という工夫が求められることにもなった。

そうした背景が365日休みなく営業するという通所介護事業者の誕生につながった。

まだ土日・祝祭日を休みとしている通所介護事業者が多かった中で、「本来の介護には休みはない」という常識を地域に広報する戦略と、土日祝祭日にレスパイトサービスが必要とする人のニーズが合致する形で、休業日のない365日営業の通所介護事業者が増えていったわけである。

当然のことながら、それによって看護・介護職員や相談員の数は増やさねばならず、人件費は増えるわけであるが、それ以上に休日営業の収益は大きかったわけである。

仮に土日祝祭日にサービス利用したいという人が少なくて、その営業日にペイしないとしても、土日祝祭日にも営業していることによって、そのことが平日の利用者の掘り起こしにもつながって、全体の収益増につながっている場合も多く、土日祝祭日も営業するということは、それなりに意味があったのである。

しかし365日営業のデイサービス事業者が誕生したころと比較すると、通所介護の保険給付額は大幅に下がっている。その中で人材不足・人員不足が深刻化して人件費は高騰している。

そうした中で、小規模通所介護の定員が1日18人以下と規定される法改正も行われ、小規模のままで長期的に従業員の定期昇給を行いながら収益を上げ続ける通所介護の営業モデルは存在しなくなった。

そんな状況を鑑みたとき、果たして休業日のない365日営業の通所介護事業は、さらなる未来を見つめたときに、経営戦略として成立するのだろうか。全日営業を売りにして生き残って行けるのだろうか。通所リハビリにも同じ考察が必要だろう。

そんなことを考えてみたいが、何しろ今日は時間がない。今、明治記念館での講演を行い、「地域共生社会に向けた地域包括ケアシステムの方向性」をテーマにして話し終えたばかりであるが、これから浅草の新設サ高住のプチコンサルに入らねばならない。

そのためこの続きは、明日のブログに回したいと思う。明日更新記事の続きを待ってほしい。(※後編へ続く)

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・masaの最新著作本「介護の誇り」は、こちらから購入できます。

混合介護のルール明確化4・今後の事業経営に及ぼす影響


混合介護のルール明確化3・道路運送法上の取扱い、より続く)
介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供できる事例とルールが新たに示されたことで、いわゆる混合介護が従前より広く多様に展開できることになった。

訪問介護では保険給付サービス前後及びサービスを途中で中断して、保険外サービスを別に提供することが可とされ、その中では家族に対する保険外サービスも実施できるようになった。

従前の通所介護では、サービスを一旦中断して行える行為が理美容と併設医療機関への急病による受診だけであったものが、今回の通知以後、通所介護を中断して行うことができる保険外サービスが、健康診断、予防接種若しくは採血などに拡大されたほか、通所介護の途中で中向けして、個人の希望による外出サービスを行なったり、物販・移動販売やレンタルサービス行うこともできるようになった。サービス提供と同時進行で、通所介護の職員が買い物等代行サービスをすることも可能となった。

これらは訪問介護と通所介護に限定された取り扱いではなく、他の訪問サービス事業と通所サービス事業にも適用される。それは事業者にとってどのような意味があるのだろうか。保険外収入を得る方法が増えたということは、そのまま事業者の利益につながり、事業経営にプラスとなるのだろうか。

・・・僕はどうもそうは思えないのである。

例えば訪問介護について、「利用者本人分の料理と同居家族分の料理を同時に調理するといった、訪問介護と保険外サービスを同時一体的に提供することは認めない。」と釘を刺されている。しかしこれは訪問介護事業者が一番求めていた混合介護の形ではなかったのではないだろうか。

なぜなら利用者の食事と家族の食事を同時に作るという行為は、料理を作る量が増えるだけで、手間がさほど増えるわけではないのである。いつもの料理作りの量を増やすだけで、保険給付と一体的に保険外収入を得られるのであれば、訪問介護員の就業時間も長くならず、それはそのまま事業者の収入増加につながるだろう。しかし今回これは認められなかった。

認められた保険外サービスとは、あくまで訪問介護の前後の時間や、訪問介護をいったん中断する時間帯において、保険給付としては認められていないサービスを別に行うことである。

そうであれば訪問介護員が行わねばならない業務は確実に増えるわけであり、保険給付としてのサービス提供時間は変わらなくとも(※保険外サービスを提供している時間は、保険給付のサービス提供時間から除かれる)、保険外サービスに携わる分の就業時間は確実に増えるわけだから、保険サービスと保険外サービスを組み合わせてサービス提供する場合、一人でこのサービスに関わる従業員の勤務時間は長くならざるを得ない。

さらにサービスが多様化する分、様々なサービスに対応できるようなスキルが求められるかもしれない。そうすると人件費や教育費は確実に増加するわけである。

通所介護についても、保険外サービスに携わる職員は、保険給付である通所介護の配置規準から外れるために、保険外サービスが提供するためには、それなりの人員配置が必要になる。

例えば受診同行については、「個別に行うものであり、利用者個人のニーズにかかわらず、複数の利用者を一律 にまとめて同行支援をするようなサービスを提供することは、適当ではない。」として、職員は利用者にマンツーマンで対応せねばならないのだから、複数の受診対応者を一人の職員で対応して保険外費用を得るという効率化は図れないわけである。

送迎のための運転専門の職員がいる場合に、サービス提供時間の配置職員ではないその職員が、買い物等代行サービスを行って保険外収入を別途得ることができるのはプラスと考えられるが、そもそも今までその運転専門職員がサービス提供時間中に何をしていたかということが問題となる。まさか遊ばせていたわけではないのだろうから、併設施設等の別の仕事に携わっていたのかもしれない。その業務はしなくてよいのかということも考えねばならない。

また通所サービスの場合、道路運送法に基づく許可又は登録を行っているところはほとんどないと思うが、通所介護と組み合わせることができる保険外サービスの運送部分を有償化した場合は、この許可又は登録が求められ、登録車両による対応が必須になる。それも手間といえば手間である。

保険外サービスを実施するために、会計や運営基準を別にすることや、保険外サービスの説明をしたり、請求を別にしたりすることは事務処理上の問題だから、サービス現場の職員の業務負担増にはならないと思われるが、保険外サービスの記録も必要とされているのだから、この部分の手間は確実に増える。

訪問・通所サービス事業者が保険外収入を得る方法は多様化し、保険給付事業と連続してそれを行なえるという意味での効率化は図られたといってよい。しかしそのための運営コストは従前以上にかかってくるということになる。少なくとも従前までと同様の運営コストで混合介護が可能になることはない。まかり間違って、運営コストの方が収益を上回ることがないようにしなければならないことは当然であるが、それにもまして心配されることがある。

それは混合介護の弾力化によって、介護事業者が保険外収入を得やすくなったことを理由に、今後の報酬改定で保険給付額が引き下げられるのではないかという懸念がぬぐえないことである。

さらに言えば今回示された混合介護は、「行わない」という選択肢がほとんどないということだ。なぜならそれをしない事業者を、利用者や計画担当者である介護支援専門員が選択しなくなるのは必然だからである。何かあれば保険外サービスも利用できるという事業者が選ばれていくのは、ごく自然な流れなので、事業経営のためには混合介護を提供できる事業者にならねばならず、ほとんどの事業者がそれを行うことにならざるを得なくなる。

その結果、多くの介護事業者が混合介護を実施するようになれば、混合介護が提供できる事業者であるという差別化は不可能となり、それは看板にはならないという意味でもある。

どちらにしても訪問サービス事業者及び通所サービス事業者は、混合介護を提供できるように体制整備が求められ、その体制の中で保険外収入を得るための営業努力が求められるということになる。なぜなら混合介護を提供できない事業者は、事業経営に必要な収益を挙げられずに倒産の危機に直面する可能性が高いと言えるからである。

しかし人手不足が深刻な問題となっている今日、保険給付の前後及び途中で保険外サービスを提供できる人員配置はできるのか、そうした人員配置をしないまま、保険外サービスを提供する方向に舵を切った時、訪問介護員や通所介護の職員は疲弊して辞めてしまう恐れもある。

そしてそうした人材を確保・配置するためのコストが収入以上の負担とならないのかが大きな課題となる。

しかも保険外サービスは、全額自己負担なのだから、さほど高い費用を設定できないということにもなる。ほとんどの訪問・通所サービス事業者が、このサービスを行い、保険外費用を設定するのだから、顧客確保競争を勝ち抜くためには、この費用設定も他の事業者より高くならないように設定する必要があり、場合によっては顧客確保のための値引き競争が行われる地域が出てくるかもしれない。介護事業者間で、「牛丼戦争」と同じ様態が生ずる可能性があるのだ。

従前より多くの保険外収入を確保する方策を得ることができたわけであるからといって、それは事業経営を大きく支える財源とはなりえず、保険給付の単価が削られた分を補う程度しか期待できないのかもしれない。だからと言ってそれをしないでいては、利用者確保はままならず、事業撤退しなければならなくなるのだ。

ということで弾力化された混合介護は、事業者にとって決しておいしいサービスではないが、取り組まなければならないサービスとなり、事業経営者の手腕が益々問われるという結果をもたらすだろう。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・masaの最新著作本「介護の誇り」は、こちらから購入できます。

サービスマナーが命綱となる介護事業


生産労働人口が減り続けるわが国では、全産業において労働力の確保が最大の課題となる。

その中で若者が選ぶ仕事として決して人気があるとは言えない介護事業は、人材確保面ではさらに厳しい状況を迎えざるを得ない。

そのため介護事業経営は、顧客確保戦略を盛り込んだうえで、人員確保・育成システムを織り込んだ経営戦略を立てていかないと破綻するのは必然である。

だからといって人をかき集めさえすれば、その質は二の次かといえば決してそうではない。対人援助である介事業は、人の感情と向かい合う職業であり、その感情を害する質のサービスは、常に破綻の危機を抱えることになる。

特に昨今のスマートホンの普及は、誰でもどこでも簡単に動画撮影を行うことができる状況を生み出し、頻繁に報道される介護事業者による虐待・不適切サービスを耳にする人が、自分の親が受けている介護サービスの実態を知ろうとして、隠し撮りを行うことはごく自然な成り行きといってよい。

その時介護事業に従事する人々は、隠し撮りされることに憤りを感ずるのではなく、いつでもどこでも隠し撮りされた自分の姿を見られて恥ずかしくない仕事をすることに努めるべきである。隠し撮りのカメラに注意するのではなく、隠し撮りされても堂々とその姿を見てもらって恥ずかしくない介護サービスを実現することが、介護のプロといえる姿勢であり、矜持である。

また昨今の介護経営事情を見ると、顧客を確保できず事業経営が成り立たない事業者が増えつつある。介護給付費の単価アップが期待できない情勢では、顧客を増やして定員を増やしたり、ベットの稼働率を上げていかない限り、人材を定着させながら事業経営を続けることができる収益を挙げることはできないからだ。

虐待報道などの影響で、世間からより厳しい視線を受けざるを得ない社会情勢の中で、顧客確保につながるのは、施設設備などの表面上の豪華さではなく、実際の暮らしの質=高品質な介護サービスである。

そうであれば管理職のみならず、介護事業従事者のすべてが法令を正しく理解したうえで、それを遵守することはは当たり前であり、そんなものは顧客確保の要素にさえならないということ理解したうえで、その先のホスピタリティ意識を従業員全員が持つことが安定経営には不可欠となる。

そのためには、顧客満足を軸にした教育訓練の実施は不可欠である。介護サービス技術、福祉用具の利用方法、高齢者疾患に対する医学的知識、衛生管理、緊急時の対応、介護事故防止といった教育も重要であるが、それ以外に接客マナー、利用者の秘密保持、利用者とのコミュニケーションなどについての教育訓練が、介護事業経営の上では非常に重要となる

このようにホスピタリティの基礎となるサービスマナー研修を定期的に行っていない事業者は、それだけでも経営危機を内包しているといえるのだ。

各事業者は内部研修の中で定期的に「サービスマナー研修」を実施すべきである。

こうした研修を定期的に行っているのが、東京都社会福祉協議会である。同会では武蔵野大学の岩本先生の「高齢者福祉施設におけるサービスマナー研修会」を毎年定期的に行っているが、僕が唱える「介護サービスの割れ窓理論」もサービスマナーの基礎をなす理論であるとして、今年から僕も同会のサービスマナー研修の先駆けとなる研修講師を務めることになっている。

平成30年10月5日(金)13:00〜17:00、飯田橋レインボービル 7階で行われる、「介護施設のサービスマナー」という講演では、自身の体験例や理論、思いなどを含めてサービスマナーの重要性をお話しさせていただく予定である。

対象者は経験の浅い職員ということであるが、若いうち、経験の浅いうちにしっかりとしたマナーを身に着けないと、古いさび付いた無礼さで、人を傷つけることに鈍感になってしまうので、この研修は非常に重要となるだろう。

認知症の人に対する「タメ口」によって、行動・心理症状につながる事例も含めて、サービスマナーが意識されないサービスの貧困さを改めて理解していただけるようにしたいと思う。

こうしたサービスマナー研修は、本来であれば事業所職員全体で受講したほうが効果が上がるので、ぜひ各事業所でそうした研修を企画してほしい。その時に外部講師が必要なら、いつでも気軽に声をかけて相談してほしい。予算が限られている場合も、その予算に応じて日程調整するので、メール等でご連絡いただければ幸いである。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・masaの最新著作本「介護の誇り」は、こちらから購入できます。

役割分担があいまいな組織は目的を達成できない


僕は今、松山市で介護事業者における「労務管理」のお話をしているところだ。

こうした労務管理論が建前論ではなく、実効性のある方法論とするためには、組織というものをどうとらえるかが大きな問題になり、この部分では実際に介護事業者の組織管理を行ったことのない人の空論では終わらない講義に努めている。それらの人には負けない理論を持っていると自負しているところである。特に介護施設の中で中心的な頭脳の役割を担う相談援助職を、どう有効に機能させるかという部分については、介護事業経営を行った経験がない、単なる介護経営コンサルタントには理解が及ばない部分があるように感じている。そのことを含めて、本日は管理職に向けた講義を行っているところである。

そもそも組織とは、共通目的・役割・調整機能を持つ人々の集まりのことを言い、組織の中で共同作業を行う人々の集まりをチームという。

「組織」は目標を達成する為にあり、色々な人が居てそれぞれの意見を出し合い、当てはめていくものであるが、そのためには組織の中にいくつかのチームを作り、チームそれぞれで共同作業を行いながら組織全体の目的を達していくことが組織の成長には有効とになる。そうであれるがゆえに、それぞれのチームを引っ張るリーダーの役割が非常に重要になることは言うまでもない。

なぜならば組織とは「役割分担」や「ルール」に従って動き、その組織の共通目的をすべての人が分業し合い、達成していくものであり、この役割分担があいまいな組織は目的を達成できないし、ルールを守ることができない組織は、秩序を保つことができず、内部から崩壊せざるを得ないからだ

そうであれば組織の中で役割分担を明確にする人が最重要人物とならざるを得ない。そういう意味では、職場としてのルールを計画にして、それを遵守させるリーダーの役割が重要になってくるし、業務分掌等で分担された役割を果たすことができるように、現場リーダーが個人個人を導くことは不可欠なリーダーの資質といえるのである。

ところで介護事業者の中で、医師や看護職員、介護職員というのは比較的、この役割が明確である。病気の診断や治療は医師の役割であるし、診療補助行為として医師の指示に基づいて看護を含めた医行為を実施するのは看護職員の役割である。利用者の暮らしを支える身体介護という役割を主に担うのは介護職員である。ここはほとんど疑問のさしはさむ余地がないところである。

ところが相談援助職というのは、それに比べて業務が不明瞭になりがちだ。相談援助といっても、介護事業所の中で四六時中利用者が相談を求めてくるわけではない。そうであれば、ずっと相談されるのを待っているのが相談援助職の役割ではないことは明白だし、そもそも相談という行為も、面接室で1対1で行う場面ばかりではなく、日常の何気ない場面で、何気ない会話の中で行われることもすべて含めての行為であるから、日常ケアに関する行為との区分が難しいということも言える。

それ以前に相談援助職には、直接的に利用者の相談に乗るという行為以外に、ソーシャルワーカーとして社会福祉援助が求められるが、どこまでがソーシャルワークで、どこからがケアワークであるかという境目は明確にされているわけではなく、そこにはグレーゾーンが存在するだけではなく、そもそもソーシャルワークとケアワークを、ごっちゃにして両者の区分が付かない形で、業務対応を求めている事業者も多いからだ。(参照:多職種連携とは何か。

ましてや介護保険制度以後、相談援助職として介護支援専門員という新たな職種が加わったことで、相談援助職の中で介護支援専門員と相談員の役割分担が不明瞭になっている職場が多くなっている。

両者を兼務させて、相談援助職というひとくくりの職種として、ソーシャルワーク全般を担う役割を求めていくことには、それなりに意味があるのだが、両者を兼務させずに、それぞれ専従配置させている介護施設も増えているが、その中で介護支援専門員と相談員の仕事の区分をする際の根拠は、法律に求めことはできない。

指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準 では、「第十二条 指定介護老人福祉施設の管理者は、介護支援専門員に施設サービス計画の作成に関する業務を担当させるものとする。」・「4 計画担当介護支援専門員は、前項に規定する解決すべき課題の把握(以下「アセスメント」という。)に当たっては、入所者及びその家族に面接して行わなければならない。」と、介護支援専門員にしかできない業務を一部定めているが、相談員がしなければならない仕事で、相談員しか担うことができない仕事の定めなど、法律の規定には存在しないからだ。

ここをどう考えればよいだろうか。

僕はかつて、「施設ケアマネジャーは、相談援助職でありソーシャルワーカーですよ」という記事や、そのほかの記事のなかで、両者の兼務はきわめて合理的だと説明してきたが、相談援助の重要な役割が増えている今日、両者を兼務させて少ない人数で相談援助の仕事を回すことが不可能になりつつある現場で、両者配置を別にしてそれぞれ専従させたうえで、両者の業務分掌を明確化しようとすることは否定されるべきではない。

その時、介護支援専門員は、厚生省令第三十九号等で専任業務と定めている業務を中心に、ケアプランというツールで介護の品質を管理する役割を担うという重要な役割がある。看護師という資格のほかに専門看護師という資格が生まれたように、相談援助職の中でケアマネジメント技術をさらに高めた専門相談援助職員として、介護支援専門員を位置付ければよいだけの話だ。

では相談員が専従配置された場合、そこで担うべき一番重要な役割とは何だろうか。介護支援専門員との業務分掌は、どのように考えるべきであろうか。(明日に続く

介護福祉業界の人材ケアマネジメントセミナー
※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・masaの最新著作本「介護の誇り」は、こちらから購入できます。

兵(つわもの)どもが夢の跡


曇り空の登別を経ち、僕は今、四国は愛媛県の松山市に向かっている最中である。奄美地方に近づいている台風の影響が出ないか心配であるが、今日のところはフライトに影響はないようである。

今日の移動は、明日行われる愛媛県老人福祉施設協議会主催・第2回管理職員研修会の講師を務めるための前日入りのためのものである。よって今日は松山市にたどり着くことだけが目的で、明日の4時間半講演に備えて、ゆっくりと英気を養いながらの移動である。

明日の研修は、7月に行われた第1回の研修内容と全く同じ内容で行う研修である。タイムスケジュール路しては10:00〜12:00人事・労務管理(離職予防、面談、内部異動、管理職の育て方等)、13:00〜15:30将来を見据えた事業運営(組織改革、地域貢献、アプローチ方法等)となっている。

愛媛県老施協の会員施設等の方々は、どちらか都合の良い方の日程に参加できるのであるが、前回の研修は7月17日(火)であり、その日は愛媛県も被害を受けた洪水の直後で、被害を受けた地域の方の中には、急遽参加できなくなった人もいたため、それらの人が今回参加してくれるかもしれない。しかし一部地域では、まだ水道設備が完全復旧していないなど、不便が続いていると思え、一日も早い復旧をお祈りしたいところである。

今年の4月以降、ANA便の新千歳〜松山直行便が復活したそうであるが、普段JALがホームである僕は、そのことを知らないで7月までに2度お邪魔した愛媛県講演の際(松山市と宇和島市の講演)では、松山空港まで羽田乗継便を利用した。今回は直行便を利用することになっているため、乗り継ぐより1時間以上移動時間が短くなり便利である。来週から冬の移動便も先行予約が始まるが、愛媛講演は引き続き予定が入っているため、直行便が冬時間でも継続運行されていることを期待したい。

さて話は変わるが、普段僕は雨が降らない限りウオーキングを日課としている。何も予定がなければ2時間ほどかけて、家の周囲を歩いている。家の周囲といっても、2時間かけて歩く範囲だから、それは決して狭い範囲ではなく、かなりの距離を歩いていることになる。住宅街や商店街もそこに含まれてくるが、ウオーキングルートの中で、介護事業所もかなりの数が見受けられる。残念ではあるが、その中にはすでに営業していない事業所もある。

僕が施設長を務めていた特養の関連法人に勤めていた後輩が、独立して経営していた小規模通所介護事業所も閉鎖されている事業所の一つである。そこは登別市ではおそらく最初の「お泊りデーサービス」事業所でもあったはずだ。独立直後には顧客も順調に確保され頑張って営業していた。後輩である彼も独立した後、事業経営者として頑張っており、一時は他事業所の立ち上げコンサルみたいな仕事もしていた。

tだ当初から僕は通所介護事業をその規模で営業するには、限界があると指摘していた。仮に10年事業経営を続けた際に、定着した従業員にいくらの報酬を支払えるかを考えたとき、その事業規模のままでは人が張り付いて長く働くことができる給与モデルは確立できないので、事業規模を拡大するか、事業種類を増やして経営規模を大きくするしかないと指摘していた。案の定、数年後にその経営モデルには行き詰まりが見られ、手を広げた多種別の事業や保険外事業も黒字化する事業にはならず、経営撤退を余儀なくされた。

その後、その事業所は他の会社に売却され、名称を変えて同じ規模で通所介護事業を行っていたが、数カ月前にそこの経営も行き詰ったのか、今その事業所は営業しておらず、事業所は無人のまま放置され、すでに廃墟感が漂っている。

介護事業を支える従業員は、霞を食って生きているわけではないのだから、介護事業経営者には、人材として長く働き、事業貢献してくれる職員に、適切な報酬を手渡すという考え方が不可欠だ。それがないところに有能な職員は寄り付かないし、有能な職員のいない事業所に、いつまでも顧客が寄り付くわけがないというしごく当たり前の経営常識を持たねばならない。

そうであれば1日18人程度の定員も埋まらない経営手腕ではどうしようもないが、いつまでも地域密着型の小規模通所介護単独経営という事業形態で、定期昇給を続けて職員に適切な報酬を手渡すことは不可能だということにも気づくべきなのである。

ここにどう手当てしていくかという事業戦略を持たない経営者であっては、それはもう倒産予備軍であるといって過言ではない。従業員もそこのところを見極めて、自分の将来を考えなけれなばならない。

夢が続く時代は過ぎて、夢の清算が行われている時代に入っているのである。

9.25・尾張一宮講演
※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・masaの最新著作本「介護の誇り」は、こちらから購入できます。

ヘルパー2級免許を偽造した母娘を雇った事業者の経営責任


青森市で、ホームヘルパー2級修了証明書を偽造した母娘が、偽造有印私文書行使容疑で逮捕された事件に関連して、その母娘を雇用していた施設側に、1,500万円の返還請求を青森市が行ったとというニュースがネット配信されている。

概要は下記の通りである。

7月9日に青森市内に住む母娘、一戸遥容疑者(27)と則子容疑者(60)がホームヘルパー2級の研修修了証明書を偽造した偽造有印私文書行使容疑で逮捕された。

これに関連して両容疑者を雇用していた青森市内の介護施設が、2年前の2015年1月までさかのぼって、無資格である両容疑者がサービス提供を行って得た介護報酬の返還を求められているという。

事件の発端は2015年1月。青森市内で老人介護施設がハローワーク等に求人を出し、それに応募した一戸遥容疑者を面接の上採用。その際一戸遥容疑者は、ヘルパー資格を取得済みだとして施設に「ホームヘルパー2級の研修修了証明書のコピー」を提出していた。

その後雇用から5カ月後、「母親もホームヘルパーの資格を持っている」と遥容疑者から母親を紹介され、母親の則子容疑者も採用した。母娘は男性が経営する老人介護施設で2年ほど勤務したが、一戸遥容疑者と母親の則子容疑者が退社して半年ほど経過した2017年9月、施設側が青森市福祉部の担当者に呼び出され、母娘の研修修了証明書が偽造であることが告げられたというものである。

青森市は、ホームヘルパー2級研修修了証明書が偽物であることを見抜けなかった施設側にも責任があるものの、不正の意図はなかったとして「不正請求」ではなく「請求ミス」として処理を行っているとのことである。

ネット配信記事では母娘が介護施設で働いていたかのように書かれており、加えて「母娘が勤務した事業所は全部で4カ所。」とされている。しかし介護施設であれば介護職員の資格は必要とされないために、母娘が提供していたサービスは訪問介護サービスであると思われる。

そうであれば介護施設に併設されていた訪問介護事業所か、関連事業としての訪問介護事業所の訪問介護員として、サービスを行っていたものと思える。記事を書く記者が、介護保険制度の知識に欠けていることが原因で、この点があいまいなのが歯がゆいところであるが、どちらにしてヘルパー資格がないとして市側が報酬返還を求めているのだから、それは訪問介護事業以外は考えられないということになる。

報道記事に書かれているが、今回の返還指導が不正請求ではないということで、雇用者側の資格確認がずさんであるという理由によって請求ミスとして過誤調整することになり、事業者側のミスも認めて返還する以上、母娘に賠償を求める資格が失われる可能性があるということである。

まあ仮に賠償請求が認められるとしても、この母娘に賠償能力があるとは考えられないので、どちらにしても約1,500万円とされている返還額は、事業所側が泣いて支払うしかあるまい。

僕は長年社会福祉法人の経営する特養等の総合施設長を務め、職員採用にもかかわってきたが、そもそも資格証をコピーだけで確認することはあり得ないと思う。原本を確認し、そのコピーを事業者側がとって保管するというのが当たり前のことで、それ以外の資格確認方法をとったことがない。

そういう意味では、この事件においては事業経営者の経営姿勢という問題も問われてくるのではないかと思う。

こういう杜撰な経営体質の事業者で働く、他のまじめな職員が一番迷惑であろうし、一番の被害者といえるのかもしれない。

どちらにしてもこの施設の経営者は、自らの経営手腕と法人の経営体質を、今一度見直さねば、今後の厳しい時代に生き残っていくことはできないだろう。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・masaの最新著作本「介護の誇り」は、こちらから購入できます。

国民の福祉の増進という目的を達成するための介護事業経営


介護保険法第1章・総則、第1条は、この法律の目的を定めている。

そこではこの法律が、「国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。」としている。

よってこの法律に基づいて介護サービス事業を行う者は、その目的を達成するための目標を定め、その達成に向けて努力しなければならないことは言うまでもない。

かつて、とある大学教授(故人)は、『介護保険は社会保険であって、社会福祉ではない。』と言ったが、この法律の目的が、「国民の福祉の増進」である以上、その法律を拠り所にして事業展開する介護事業者が、社会福祉の視点を無視して、営利にだけ走ることは許されないのである。

同時にその目的が「国民の福祉の増進」であるとしても、それを実現するための社会資源として介護サービス事業が存在する限り、経営的な視点を無視して事業継続ができるわけもなく、介護事業経営者には、国民の福祉増進と事業経営が成り立つ収益確保という、二つの視点を常に意識した事業経営が求められてくるわけである。

介護保険制度以前の措置制度では、措置費というぬるま湯に胡坐をかいているだけでも、事業運営が成り立った。そのため経営能力のないトップが、社会福祉という言葉をお題目のような唱えているだけで介護施設等の運営もできたわけだが、今の時代はそうではなく、経営能力のないトップの運営だけで、事業継続はままならない状態になっている。そんな中で、利用者の福祉はどのように護っていくべきなのだろうか。

その時に考えなければならないことは、介護事業者の様々な活動場所で働く人々の中に、社会福祉の視点を護り、それを部下に学ばせる現場リーダーの存在が不可欠になるということだ。

収益を挙げながら従業員にそれを適切に分配しつつ、安定した事業を続けていくという経営視点は、経営者が最優先して考えるべきことである。

勿論、従業員にも経営視点は必要で、介護事業の収益構造を知り、運営実態を把握することは求められることであるが、最優先して考えるべきことは、「私たちの支援の手が、利用者の福祉の増進につながているのか」ということである。利益を挙げるために利用者の福祉の増進が無視されることがあってはならないのである。

介護事業の経営者と従業者は、「利用者の福祉の増進が収益に結びつく方法論」を常に模索し行く必要があるが、それを経営者は経営視点から、従業者はお客様目線から考えていく必要があるだろう。

そのために現場で職員を指導し、それらの職員の先頭に立って引っ張るリーダーは、経営視点以上に介護の本質にかかわる視点を大事にしなければならず、利用者の福祉増進のための目標設定を行う存在である必要がある。

そもそも福祉とは「しあわせ」や「ゆたかさ」という意味なのだから、介護事業の本質とは、人の暮らしぶりをよくして、人が心豊かに幸せでいられることを目指して支援することだと考えるべきである。

そうであればリーダーとは、人を幸福にするための理念と、その理念を実現するための方法論を持つ人のことを言い、かつそれらを部下に的確に伝えるスキルが求められてくる。それは自分の仕事ぶりを見て覚えろ的な職人技を部下に求める人材ではなく、きちんとした実践理論と基礎技術を身に付けたうえで、言葉で知識と技術を伝えられる能力を持つ人材である。

そして知識や技術を伝える相手が、現場レベルで抱いた不安や疑問に対して、常に真摯に的確に答えられるのが真の現場リーダーといえるのである。つまり単にティーチング(指導する)する人材ではなく、コーチング(相手に考えさせる・気づかせる)ができる人材が現場リーダーとして求められているのである。

高齢者に対する介護事業であれば、リーダーには、誰かの人生の最晩年期に関わる使命を部下に伝え、その実現を図るためのコーチングも求められる。誰かの人生の幸福度に、決定的な影響を及ぼしかねないという責任感を使命感に替えて、提供するサービスが誰に対しても、一定以上のレベルが担保された適正な状態であることを、常に検証し、保証する役割りも求められるであろう。

介護の職業を選ぶ人達は、「人の役に立ち、やりがいのある仕事だから」という動機づけを持っている。そうした動機づけを持つ人たちのやる気を失わせることがないように、自らの介護実践の結果、誰かが心豊かに、幸せになるという結果を示し、そのことに誇りを抱くことができる人を育むのがリーダーの資質であり、役割りでもある。

その思いを決して忘れないでほしい。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・masaの最新著作本「介護の誇り」は、こちらから購入できます。
新刊出版のご案内
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)の特典付き注文はこちらをクリックしてください。送料無料です。
masaの講演案内
当ブログ管理人masaの講演予定は、こちらからご覧下さい。講演依頼もこのページからできます。
Weekuly Access

    記事検索
    Blog Search
    Google
    WWW を検索
    このブログ内を検索
    ↑こちらにキーワードを入れて過去のブログ内記事を検索できます。
    masa's book 6
    表紙画像(小)
    新刊「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から(2019年1月20日発売)のネットからの購入はこちらをクリックしてください。送料無料です。
    masa's book 5
    新刊介護の誇り
    「介護の誇り」はこちらから購入できます。
    masa's book 4
    介護の詩(うた)  「介護の詩(うた)」はこちらから購入できます。
    masa's book 3
    人を語らずして介護を語るなTHE FINAL 誰かの赤い花になるために  感動の完結編。 「人を語らずして介護を語るな THE FINAL 誰かの赤い花になるために」。 はこちらから購入できます。
    masa's book 1
    表紙カバー、帯付き
    書籍化第1弾「人を語らずして介護を語るな〜書籍masaの介護福祉情報裏板」 はこちらから購入できます。
    Facebook
    masaのフェイスブックはこちらからアクセスしてください。
    Recent Comments
    Archives
    Categories
    Access Counter
    • 今日:
    • 昨日:
    • 累計:

    QRコード
    QRコード