masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

社会福祉法人

社会福祉充実残額を何に使うべきか


施行期日が平成28年4月1日と平成29年4月1日に分けられて実施された社会福祉法の改正では、社会福祉法人のガバナンス強化と財政規律の確立等を目的とした改正が行われた。

そのうち財務規律の強化としては法第55条2項に、「社会福祉充実計画の承認」が規定され、社会福祉法人は毎会計年度において、社会福祉充実残額が生じたときは、厚生労働省令で定めるところにより、「社会福祉充実計画」を作成し、これを所轄庁に提出しその承認を受けなければならないとされた。(※当該会計年度前の会計年度において作成した、「承認社会福祉充実計画」の実施期間中は、この限りではない。)

つまり社会福祉充実残額が生じた社会福祉法人には、社会福祉充実計画に基づく社会福祉事業および公益事業もしくは地域貢献事業などの実施が義務付けられたという意味である。

これは社会福祉法人が個人商店的な法人運営に終始し、行政事務の受託的な業務だけを行って、公費や介護保険料を財源とした費用を受け取っているだけで大きな利益を得ているのも関わらず、収益を溜め込んで社会に還元しない姿勢が問題視されたという、いわゆる内部留保批判を受けて新設された法令ルールである。

しかしここで示された社会福祉充実残額の計算式により、全国の社会福祉法人で平均3億円あると言われた「内部留保」が、社会福祉法人の不当利益もしくは過剰利益ではなく、運営している事業に使っている土地や建物の資産額をも含んだ金額であることを明らかにした一面もあり、それはマスコミ等を通じて有識者なる連中が批判していた内部留保の実態とは、運用資金に使えず社会還元も不可能な実体のない金額であることが明らかになったという意味でもある。(参照:社会福祉充実残額の計算式から見える真実

これにより社会福祉法人の内部留保を批判していた急先鋒の一人でもある、鈴木亘学習院大学教授等は、マスコミの喧伝する偽の数字に踊らされて、その尻馬に乗り、実体のない数字を根拠にした批判しかしていなかった馬鹿者でしかなかったということも明らかになったというわけである。

ということで実際に社会福祉充実残額が生ずる社会福祉法人は、さほど多くはないだろうと推測できる。

しかし、土地や建物を含む資産額などを差し引いてなお社会福祉充実残額が生じた社会福祉法人については、この残額を資金としてそれがなくなるまで実施する事業の検討を行わねばならない。

実施事業はー匆駟〇禹業および公益事業 地域公益事業 ,鉢以外の公益事業というふうに順番に検討されるわけである。つまり社会福祉充実計画として行う事業とは、地域公益事業に限定されていないので、本体の社会福祉事業の中で行ってもよいわけである。

すると地域社会のニーズに対応して、施設の定員を増やす事業として実施することも可能なわけである。また職員処遇の向上(賃金上昇、処遇改善、キャリアパス制度の設置)にも使えるわけであるから、例えば介護職員の給与改善を介護職員処遇改善加算を算定して行っている事業者で、その他の職員の給与改善を社会福祉充実計画による社会福祉事業として行うことも可能となっているのだ。

ただしこのことで給与規定を変えて昇給などを行った場合に、社会福祉充実残額を使い切って事業が終了した場合、元の給与額に戻せるかといえば、それはなかなか難しく、そうした方向での社会福祉充実計画実施は難しいと考える法人も多いだろう。

そこで注目されるのは、この計画において本体事業のサービスの質向上のための取組も対象になるということだ。そこでは社会福祉充実残額を資金として、これを使い切るまでに定期的に外部講師を招聘した職員研修を行って、職員のスキルアップを図るという計画も可能になるのである。僕自身も、そうした研修の講師としてご招待をいただける機会が増えている。

これからの社会福祉事業は、顧客の中心が団塊の世代となる中で、サービスの質やホスピタリティといった目に見えないサービスを向上させていかないと、顧客に選択されない事業者となっていく。その時に職員の質の一層の向上は欠かせず、特にサービスの質を向上させる中で、ホスピタリティの精神を生む、「サービスマナー教育」は不可欠となってくる。この教育にお金をかけないといずれサービス競争から落ちこぼれ、事業廃止という形で負け組になる危険性が高まるのだ。

よって社会福祉充実計画として、事業所内職員を定期的に教育する「サービスマナー研修」の実施をぜひおすすめしたい。手前みそではあるが、その際の講師として実績のある僕にも声をかけていただければ、全国どこへでも飛んでいくので、ご検討をよろしくお願いしたい。

そんなことはどうでもよいとしても、社会福祉充実残額を原資にした事業として、職員のサービスマナー教育を行うことは、労務管理上も必要性が高いと思われる。

今後ますます職場環境を整える5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)が重要になってくる中で、職場全体で決めごとを決められた通り実行する習慣づけを行い、行動・言葉・考え方を美しくあるよう心掛けることが健全なる事業経営につながるからである。

資金に余裕があるうちに、ぜひこうした職場環境を整える方向で社会福祉充実残額を活用いただきたい。

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施設管理から法人経営への転換を


3月29日に独立行政法人福祉医療機構(WAM)が、「特別養護老人ホームの入所状況に関する調査」公表した。

張り付けたリンク先からその結果を確認いただきたい。そこでは約2割の特別養護老人ホーム(以下特養と略)が、直近の1年間で「利用率が低下した」と回答している。

入所状況をみると、利用率95%以上の施設が6割しかない。ここ1年間で利用率が上昇したと答えた施設が17.6%あった一方で、利用率が低下したとする施設は21.0%となっており、低下が上昇を3ポイント以上上回っている。

利用率が低下した理由は、「他施設との競合が激化したため」が28.8%、「受け入れ体制が整わず、待機者の入所につながらなかったため」が17.3%となっている。つまり利用者確保が難しいという理由が、職員確保ができずに利用者を受け入れることができないという理由を10ポイントも上回っているということだ。待機者があふれ、買い手市場で顧客確保の営業などありえなかった一昔前とは雲泥の差である。時代は確実に変わっているのである。

当然この状況には地域差もあるだろう。他の特養やサ高住との競合が激しくなって利用者確保が難しい地域(都市部に多い)、競合相手となる他施設がないにも関わらず、そもそも特養入所希望者が激減している地域(地方の郡部地域に多い)、入所ニーズはあるものの、職員確保ができないために待機者を受け入れられない地域(都市部、郡部に関わらず全国的傾向)が混在している。

利用者確保困難な理由は、特養の入所要件が原則要介護3以上となった2015年の制度改正が影響していると思える。その影響で待機者が減っている地域が多い。しかし待機者数がゼロになっているわけではない地域で利用者確保ができない特養もあり、そのことは待機者がすべて特養に空きが出ればすぐに入所したいというニーズを持っている人たちではなく、とりあえず入所申し込みだけしておくという、「入所ニーズが低い待機者」の存在があることが浮き彫りになっている。

その中で他施設との競合に勝ち残っていかねばならない。他施設といってもそれは特養間の競合に限らず、施設のユニット化、小規模化が進んだ今日においては、有料老人ホームやサ高住、小規模多機能型居宅介護、グループホーム等との競合が起きており、それは安かろう悪かろうの施設入所ニーズは減ってきていることを意味している。お金が多少かかっても、住環境が良い施設に入ってケアを受けたいというニーズは確実に増えているのだ。

一方で福祉医療機構(WAM)が開設後2年以内の特養に対して、職員の定着状況に関するインターネット調査(昨年8月〜9月にかけて実施)を行った結果を3/23に公表している。(78施設が回答)

それによると採用しても開設1年後には新設法人(特養開設を契機に設立)で4割以上、既存法人で3割弱が退職していた。サンプル数が少なく、データ価値は決して高いとは言えない調査かも知れないが、この傾向は多くの地域でも見られることのように思われる。

このように相変わらず職員の確保や定着に苦戦している施設が多い実状もある。このことは職員採用に応ずる数を増やすだけでは意味がなく、いかに職員の定着率を高めることが重要な課題であるかということを示している。

そして利用者確保と職員確保という二つの課題は、国や都道府県あるいは市町村レベルで、全体的な課題解決を図ることを期待してはならない。そんな悠長な考えをしている事業者は生き残っていけないのだ。地域の中で介護事業を安定して経営し続けるためには、経営戦略として法人・事業者単位で創意と工夫が求められ、独自の利用者、職員確保策を図っていかねばならない。

現在のこうした状況で、利用者確保の義務と責任を特養の相談員に押し付けて、利用者確保ができないことを、個人的能力の問題として糾弾することに終わる法人に明日はない。

市場リサーチは必須であるし、営業地域の中で独自の利用者確保策も練っていく必要がある。

例えば特養の待機者減が進む中で、要介護1及び2の認知症の人の行き場所がなくなるという問題が指摘されている。そうであれば要介護2以下の人が特養に入所できる「特例入所」のルールをもっと活用できるように、保険者と積極的にコミュニケーションを交わして、そのシステムを簡素化して活用すべきである。

こう指摘すると、そのような軽度の利用者を受け入れては特養経営に必要な、「日常生活継続支援加算」を算定できないと指摘する向きがある。そんなことはない。日常生活継続支援加算は、新規利用者に占める要介護度4もしくは5の人の割合が70%以上であるだけではなく、認知症の自立度が薫幣の人の割合が65%以上でも要件該当する。そうであれば認知症が原因で行き場所を探している要介護2以下の人については、認知症自立度が薫幣紊箸覆覯椎柔が高いのだから、特例入所の判断の際に、当該施設の医師が認知症自立度の判定に積極的に介入して判定しなおして、要件該当するように努めるべきだ。

そもそもこの加算の要件に、認知症自立度判定を入れた意味、その判定が近直の介護認定の結果に限らず、最も新しい医師の判定に根拠を求めて良いとした意味を考えてほしい。この部分では全国老施協が頑張って、このルールを獲得したのである。すべての特養がこの加算を算定できるために加えたルールである。それを活用すべきだ。

これらのことを総合的に鑑みると、特養経営については、施設の管理体制をしっかり整備するという考えは時代遅れで、施設管理以前に法人経営の視点がより重要になる。法人に経営戦略室をきちんと置いて、利用者確保と職員確保の独自戦略を練り上げながら、各施設がどのように動くかを総合的に指揮する専門職を配置すべきである。

これは社会福祉法人に限らず、医療保人やNPOおよび民間営利企業が運営するすべての介護事業者に求められる視点だろうと思う。

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事業拡大は良いのだけれど・・・。


全国の特養では25%のベッドに空きがある。そんな状況下でも、新たな特養の建設は続いている。

その時に、特養を新設する社会福祉法人は、きちんとマーケティングを行い、経営シミュレーションを行っているのだろうか。サ高住との競合状況はどうなのか、特養入所のニーズは十分なのかということを、現状分析をして、きちんと状況把握できているのだろうか。

一部の法人の状況を見渡すと、そのことが全く行われておらず、幻想的なシミュレーションで、借入金の償還計画を立てているような実態も見受けられる。

既存施設の空きベッドがスムースに埋まらないのに、生活圏域が異なるとは言っても、同じ地域内に新設する施設のベッドがすぐ埋まるというのは、どういう根拠に基づいているのだろう。既存施設のショートステイの稼働率より、はるかに高い稼働率で収入を見込んでも、それは現実的なシミュレーションといえるだろうか?

職員雇用計画と人件費支出のシミュレーションを見ても、これで運営できるのかという幻想的な雇用計画の法人がみられる。人の配置が極端に少ないシミュレーションは、まだましな方で、数合わせとして半数以上の介護職員を非正規職員で見積もっているような配置が現実的だろうか?雇用情勢を見れば、全産業で人手が足りないのに、待遇が悪いというイメージがぬぐえない介護施設において、正規職員とほとんど同じ仕事をする非正規職員にどれほどの応募があるというのだろう。

そのそもそれだけ人件費の低い非正規職員に頼る経営で、果たしてサービスの質は担保できるのだろうか。非正規職員の教育・訓練体制は整っているのだろうか。

施設を建てれば、利用者が来てくれて、誰が運営しても特養は安泰という時代ではないのだ。広域型の特養を本体として、別の地域に小規模特養(地域密着型特養)を建てて、そこにショートステイを併設すれば収益を挙げられるだろうか。それは極めてのんきで胡散臭い計画である。それだけで借入金を返還しながら収益を出し続けることは不可能だ。小規模特養をメインに経営シミュレーションするなら、もっと多様なサービス提供を視野に入れて、経営スタイルを考えねばならない。

社会福祉法の改正等の動向から、法人規模を拡大して、多角経営にシフトしなければならないという経営戦略は当然あるべきだが、収益構造を無視した事業拡大は自らの首を絞める結果にしかならない。一つ一つの新規事業において、それぞれ収益が見込めるという現実的な経営シミュレーションを行って、そのための目的意識を全職員が持ちながら、それぞれの役割を分担し、専門性を発揮していく必要がある。

市町村の介護保険計画に乗るだけで、施設を建設しても、それがそのまま赤字部門になって、法人経営を危うくするというケースはすでに現実的な話である。

利用者が集まらず経営困難となったサ高住の転売が進んでいることは周知の事実であるが、同じことが社会福祉法人に起こらないという保証はない。社会福祉法人経営者は、このところの危機感を持って、法人経営に必要な手腕を磨いていかねばならない。

同時に介護給付費が増えない中で、営業専属の職員も増やせない状況において、利用者確保の方策を立てていかざるを得ないのだから、今いる職員・職種の中で営業に携わる業務にもシフトを置くという意識改革を全職員に求めていかなければならない。そのためには、全職員に様々な変革が迫られているという現状認識を求め、厳しい時代であるという意識を持ってもらわねばならない。しかしそこでは、きちんとした現状分析と現状説明が伴うものでなければ意識は浸透しない。なんの分析と説明もなしに、経営者が単に「厳しい」・「大変だ」と叫んだところで、その危機意識は現場に浸透するわけがない。

この辺りの理解も、社会福祉経営者に求められるところだ。

僕は経営コンサルタントではないから、現在は直接的に施設の新設に携わってはないないが、あまりに荒唐無稽な計画書を見ると心配になるだけではなく、あきれてしまう。しかもそれが経営コンサルタントが関わって作成されているものだと聞いたら、開いた口が塞がらない。

経営コンサルタントも様々であり、インチキな業者が存在するということだろう。そもそもそういうインチキさを見抜けないで、今後の法人経営は大丈夫なのだろうか。他人ごととはいえ心配である。

どちらにしても、今後は社会福祉法人の倒産や吸収合併が当たり前になるだろう。


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新評議員の義務はかなり重たい


改正社会福祉法の規定により、すべての社会福祉法人は、評議員を29年3月31日までに新たな法規定に基づいて選任しなければならない。このことは、従前から評議員会を設置し、評議員の任期が来年4月以降となっている場合も同様であり、評議員を選任しなおす必要がある。(参照:社会福祉法人関係者は法改正に鈍感すぎないか?

このことに対する備えは進んでいますか?そのように問いかけると、今の時期すでに準備を終えているという社会福祉法人が多いが、しかしその準備は万全だろうか?

特にあらたな方法で選任する評議員候補に対し(現在の評議員で再任する予定の人も含めて)、評議員の権限と責任を負う義務について、十分に説明責任を果たしているのだろうか?

僕の知る範囲では、権限についての説明があっても、責任を負う義務について、ほとんど説明していない法人が多い。このことは後々大問題となりかねない。

新評議員会の権限は、従前のそれとは比較にならないほど大きく、評議員の選任を慎重かつ適切に行わないと、合法的な法人乗っ取りという事態も空論とはいえないことについて、貼り付けたリンク記事で紹介している。そこでは同時に、「評議員は役員等と連帯して社会福祉法人や第三者に対する損害賠償責任を負うこととなるため、その責任を負ってくれる評議員を必要定数確保できるかどうかが、大きな課題となるだろう。」と指摘しているところだ。

評議員が負うべき社会福祉法人や第三者に対する損害賠償責任とは、例えば理事長や法人役員が、法人の資金を横領して、法人に損失を与えた場合に、その人選責任を問われて、評議員も賠償金を支払わなければならないという事態が考えられる。

理事長が、理事会の議決も経ずして、多額な法人支出を伴う理事長室と称した私的な部屋を作る様な場合で、建築の随時契約も不透明な方法(例えば2社見積もりで、工事を受注した業者が、受注できなかった業者を下請けとして、事実上一体的に工事を行っているような場合)などは、人選責任とともに賠償責任が問われることも非現実的ではない。

しかも賠償責任は有限ではなく、無限責任を負うのだから、巨額な賠償請求をされることもありえないわけではない。しかしさらに大きな問題がある。それは何か・・・。

社会福祉法改正に詳しい、「介護・福祉系法律事務所 おかげさま」の外岡 潤弁護士は、シニア・コミュニティ2016年11・12月号(ヒューマン・ヘルスケア・システム)の氏の連載記事において、「その責任は評議員が死亡しても消滅せず、負債として遺族に相続されるのです。」と指摘している。

怖いことである。

さらに外岡氏は、この夏の台風被害で岩手県のグループホームで9人の利用者が亡くなった事案を例示して、今後はこうした災害で被害者を出した法人では、評議員が予防するための体制構築をしていたかという責任も問われる可能性があることも指摘している。

そのための備えについても解説されているので、外岡氏がシニア・コミュニティに書いている、「待ったなし!社会福祉法改正で生ずるリスクと採るべき方策」を参照していただきたい。

評議員会の権限強化とともに、評議員にはこうした厳しい責任が負わされていることを説明したうえで、新たな規定により評議員の選任を行う必要があることはいうまでもないことだが、それがされていない社会福祉法人は、評議員確保のために意図的にこのことを明らかにしていないのだろうか。そうではなく説明できるほどの知識がないのだろうか?

そもそもこうした権限と責任について知らない法人理事長や役員では困るわけである。これからも社会福祉法人は、逆風に向かって走り続け、非課税法人である立場を護っていく必要がある時期に、法令知識がないのでは、様々な圧力に立ち向かえない。

とはいっても、そういう困ったチャンがたくさん存在しているということも、社会福祉法人の同属経営・個人商店的運営の実態の一面でもある。

ある意味そうした困ったチャン法人は、なくなっても良いわけではある。罪がない職員は困るだろうという声が聞こえてきそうだが、有能な職員を求めている社会福祉法人は、たくさんあるのだから、それらの人は、適切な法人運営ができている社福に転職したほうが将来のためだろう。
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社会福祉法人批判の背景と誤解


改正社会福祉法では、社会福祉法人の経営組織のガバナンス強化が求められている。

しかしその意味を取り違えてはならず、ガバナンス強化そのものが目的であるといことではなく、ガバナンスを強化することで、より地域社会に貢献する社会福祉法人となることが期待されているわけであり、その先に強固なコンプライアンス意識が不可欠になるものである。

昨今の社会福祉法人批判とは何かということを考えると、理事長一族の身勝手経営に代表されるような個人商店的な経営で、事業規模零細な社会福祉法人が過剰利益を得ているというバッシングであるということを念頭に置くべきである。

いわゆる「内部留保批判」にしても、それは社会福祉法人が行政事務の受託的な業務だけを行って、公費や介護保険料を財源とする費用を受け取っているだけで大きな利益を挙げているにもかかわらず、収益を溜め込んで社会に還元していないという論理展開の結果である。

つまり社会福祉法人といっても、介護施設運営をするだけで、法人経営をしていないじゃないか=社会貢献していないじゃないかという批判なのである。

そうした批判傾向は、社会福祉法人が過度な利益を得ているかのような偏向報道によっても助長されているが、何度か指摘しているように、それらの偏向報道が指摘する、一法人平均3億円とされている内部留保金には、本体事業に使っている建物や土地の資産額や、介護給付費が2月遅れで支払われるために、あらかじめ2月分の運営費としてプールしている法人の自己資金も含んでの金額なのである。

つまり内部留保とされる額は、決して余剰資金でもなく、過剰利益でもなく、本体事業の運営費そのものであるという実態があるのだ。このことを知らずして批判している馬鹿学者が、幅を利かせているというのが内部留保批判の実態である。

報道機関にしても、この金額が何を意味するかきちんと理解しないまま、財務省の示した数字だけを報道しているだけだ。それは情報の垂れ流しで、悪意のある報道といっても過言ではない。

ではなぜ財務省は、こうした実態とかけ離れた数字を垂れ流し、あたかも社会福祉法人が過剰利益を得ているような印象を世間に与えようとしているのだろう。

それはとりもなおさず、社会福祉法人が非課税法人であり、収益事業以外から生じた所得を除いて法人税も非課税であり、そこから財源を得ることができないという「非課税憎し」に他ならない。

よって社会福祉法人への課税議論は、いったん休止しても、またぞろ復活することは間違いなく、非課税である限り内部留保批判は繰り返されることも間違いない。

内部留保金に限って言えば、社会福祉法人より医療法人のほうが多額に抱えていることは明らかなのに、医療法人の内部留保金が批判対象にならない理由は、医療法人が法人税を負担しているからに他ならない。

そうであるがゆえに社会福祉法人関係者の方々は、世間一般的に言われている一法人平均3億円という内部留保金とは、本体事業に使用している土地や建物や運営資金を含んだものであって、それらを含めるとそのような金額になることは当たり前であることを広くアピールした上で、組織ガバナンスの強化に努め、改正社会福祉法で定められた、「社会福祉充実残額」がある場合には、社会福祉充実計画に基づいた社会貢献に努めていく必要があるだろう。

そういう意味では、この改正法ルールは、社会福祉法人の内部留保金が、世間で言われているほど多くないとアピールするチャンスでもある。なぜならば、「社会福祉充実残額」とは、下記の画像に示した計算式によって算出される額なのだから、一法人平均3億円などという額には到底及ばない。

実際には「社会福祉充実残額」に該当する残額が無い法人もあるだろう。「社会福祉充実残額」がある場合でも、それは医療機関のように、経営者や管理者が年俸数千万円を得ているという状況とは異なり、特養の施設長の平均年収が700万円程度の年俸レベルの中で生じている残額であることもアピールすべきである。

この残額は決して世間から批判を受けるような筋のものではないのである。

逆に言えば、本体事業の中で品質の高いサービスを実現し、社会貢献をしている社会福祉法人が、特養の施設長を始めとした管理者の給与水準を低く抑えながら生み出した利益が、一定額を超えた場合には、それを地域貢献事業等で吐き出すまでは、一般企業と同じ土俵で保険外の事業を展開できないというのが、社会福祉充実計画の実施ルールでもある。

社会福祉法人関係者は、非課税法人であるからといって、ここまでがんじがらめのルールで縛られて良いものかどうか、十分検証した上で、ソーシャルアクションにつなげていく必要があるのではないだろうか。

どちらにしても社会福祉法人の母屋ともいえる、非課税法人を守るためにも、ガバナンスを強化し、フルセットコンプライアンスを確立して、地域社会へアピールする意味も含んだソーシャルアクションは、三位一体的に確立していくべきものである。

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利用者確保に困り始めた特養


インターネットを酷使して情報を得ることのできる社会では、最新の情報をリアルタイムで得ることが難しくなくなっている。

そういう意味では、情報を得ることに関する「地域差」は存在しなくなったといってよく、中央官庁の情報も、地方に住む一個人が素早く手に入れることができる時代になったといえるだろう。

しかしそのような時代であっても、手に入れることができるのは、ネット上の文字や数値であって、その文字や数値の周辺に存在している、「空気」までは手に入れることはできない。

それは直接、その場面に存在する誰かが感じるもので、その感じたものを得るためには、人と直接やり取りしないとならない。それが極めて重要であったりする。特養を巡るこのところの変化も、担当者が現場で肌で感じているが、表立ってはいない情報である。

このところ僕は、北海道を本拠にしながら、週末は大阪を中心に、東京・仙台・福岡・岡山等を回りながら、そこで全国各地の介護関係者の方々とお会いしているが、その中に特養の入所担当業務を行っている人がいる場合、直接尋ねることがある。

それは、「利用者確保に困っていませんか?」ということだ。

それはつい最近までありえない質問だった。特養はどこであっても満床であることに加え、数多くの待機者を抱えているのが当たり前であったからだ。しかし「既に存在している空き箱(その1)」でも指摘しているように、特養の「実質待機者」が居なくなり、空きベッドが埋まらないという状況は、一地域・一施設の問題ではなく、全国的な問題へと広がりを見せているのである。

その実態を数値としてではなく、入所担当者の実感として知りたいというのが、僕の質問の意味である。そこでわかることは、特養待機者は地域を問わずに確実に減少しており、利用者の新規確保は、思った以上に困難になっていると感じている相談援助職員が多いということだ。しかもその状況は、この1年〜半年の間に、急激に変化しているといってよいものだ。

それは特養の入所要件が厳格化されて、原則要介護状態区分3以上の人を対象としたルール変更の影響だけではなく、要介護高齢者の自宅以外の場所への「住み替え」の選択肢が多様化し、年金で支払える額であれば住む場所の種類は問わないという人が増え、それに対応して、介護サービスをセットで考えても、特養の費用とそう変わらない額で暮らすことができる居所が増えているという意味である。新設サ高住の空き部屋が埋まらないために、ダンピングするサ高住があることも影響している。

同時にその中には、介護が必要な状態になっても、自分が望む暮らしをしたいと考え、そのためにはお金がかかっても自分の希望が聞き入れられる場所を望んだ結果、特養以外の居所を選択する人もいることを意味している。場合によっては、より暮らしやすい場所を求めて、特養から別の特養への住み替えというケースも見られている。それはまさに待機者がいないから可能になる選択方法ともいえる。

どちらにしても、特養が何もしなくとも利用者確保に困らない時代ではなくなっているのである。そのために入所担当の相談員のルーチンワークに、地域への営業周りが当たり前に考えられるようになっている地域がある。(※ただしこういう業務を相談員に押し付けている法人は、生き残っていけない法人になると思う。これからの法人経営を考えると利用者確保は、事業所単位ではなく、法人単位で行う必要があるからだ。そのことは別の機会に論じよう。)

しかし僕はこのことを否定的に考える必要は無いと思う。少なくとも高齢期の居所の選択肢が広がるということは、国民にとって、地域住民にとって悪いことではない。

勿論、介護施設サービスを主力に、事業経営する法人とって、そのことは重大な問題であり、利用者確保ができなければ即、経営困難に繋がるものだ。そうであるならば、利用者に選択される特養にしていく努力が求められる。良い施設サービスだけ残って、サービス水準の低い施設がなくなることは、むしろ健全といえるのである。

利用者本位という言葉が建前でしかなく、サービスの品質意識も無く、顧客に対するホスピタリティなどどこ吹く風で、職員対応は個人の資質任せで、顧客に対してタメ口で接することが当たり前という特養は、つぶれて当然である。なくなってよい施設である。

サービスの質の関係なく、何をしても、何をしなくても一緒で、開設さえできれば利用者確保に困らないという状況の方がどうかしているのである。利用者の生活の質というものに対する意識の無い特養は、暮らしの場としての存在意義が無いのである。暮らしの場であれば、看取り介護ができないなんていっている特養も、そろそろ業界から退場してもらっても良いのである。

よって今後の特養経営には、本当の意味でのサービスの品質管理が不可欠になる。

ホームページやパンフレットで、いくら美辞麗句を並べて宣伝しても、実質が伴わない特養は消滅していくだろう。

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社会福祉充実残額の計算式から見える真実


社会福祉法人に対する批判の最大のものは、いわゆる内部留保に関するものである。

社会福祉法人が、行政事務の受託的な業務だけを行って、公費や介護保険料を財源とした費用を受け取っているだけで、大きな利益を得ているにも関わらず、1法人平均3億円とも言われる巨額な内部留保金を抱えているということは、収益を溜め込んで、社会に還元していないという意味であり、それは非課税の公益法人としての責務を果たしていないことになるとして批判されているのである。

そのため改正社会福祉法の29年4月1日施行部分には、「社会福祉充実計画の承認」(改正社会福祉法第五十五条二)が規定された。

これは内部留保金を社会に還元させようとする規定で、純資産の額が事業の継続に必要な額を超える社会福祉法人に対し、既存事業の充実または新規事業の実施に関する計画の作成等の義務付けを行うこととしたものである。

社会福祉法人は、その事業を行うに当たり、日常生活及び社会生活上の支援を必要とする者に対し、無料または低額な料金で福祉サービスを積極的に提供することに努めなければならないとされており、社会福祉充実計画に基づいて内部留保金を財源として、地域住民の福祉の向上に資する事業を行うことが規定されたというわけである。

具体的には、社会福祉法人は毎会計年度において、下記図の,粒曚△粒曚鯆兇┐董社会福祉充実残額が生じたときは、厚生労働省令で定めるところにより、「社会福祉充実計画」を作成し、これを所轄庁に提出し、その承認を受けなければならない。(※当該会計年度前の会計年度において作成した、「承認社会福祉充実計画」の実施期間中は、この限りではない。)

社会福祉充実残額
これは任意の計画ではなく、社会福祉充実残額が生じた社会福祉法人に課せられた義務ということになる。同時に計画さえ立てればよいというわけではなく、所轄庁の承認を得るということは、当然その実施を求められるということになる。

社会福祉充実計画により実施する事業は、第1種社会福祉事業および第2種社会福祉事業、公益事業、地域公益事業であり、計画の変更も所轄庁の承認が必要で(軽微変更を除く)、やむをえない事由により、社会福祉充実計画に従って事業を行うことが困難であるときは、所轄庁の承認があれば、同計画を終了することができるとされている。

この計画の内容については、後日別に論ずるとして、「社会福祉充実残額」について注目していただきたい。

前述したように、この規定は社会福祉法人の内部留保金批判に端を発して作られた規定である。しかし社会に還元するとして事業投下する資金は、内部留保といわれるもののすべてではない。それはなぜか?今まで批判対象となってきた内部留保金とは、留保しないと事業運営できない資産が含まれているという意味だ。

言い換えるとすれば、収益を溜め込んで社会還元していないとされ、その額は一法人平均3億円といわれた内部留保金の実態とは、社会還元できない資産や事業運営費が含まれていたということだ。

社会福祉法人の内部留保を批判している者どもは、この会計処理構造を理解したうえで、批判をしているのだろうか。知らないで批判していた輩は、的外れな批判を繰り返していた連中であり、知っていてなおかつ批判していた輩は、よっぽどの馬鹿ということになる。

先に示した図表を見ても分かるとおり、内部留保金には、僕が再三指摘してきた事業再生産に必要な建物の修繕、設備の更新費用や、支払いのタイムラグのため、会計処理上、繰越金に計上されてしまう運営費用などのほか(参照:内部留保批判に関する記事一覧)、僕がこれまで指摘してこなかった、事業運営に必須の活用不動産等が含まれているわけだ。

つまり特養を運営している法人であれば、その特養が建てられている土地や、実際に利用者が暮らしている特養本体の建物まで内部留保金といわれる金額に含まれて、それが一法人平均3億円といわれていたわけであるという。そんなもの社福の過剰利益であるわけがないし、市場に再投下できる資金であるわけが無いのである。

この不動産資産を差し引いてしまえば、実際の運営資金しか残らない社会福祉法人もたくさんあるだろう。つまり「社会福祉充実残額」がなく、「社会福祉充実計画」の作成義務を課されない法人がたくさんあるということだ。

減額された厳しい介護報酬のもとでは、単年度赤字の事業を抱えて、将来の設備更新費用も、建物の更新費用も捻出できない法人もあるといいうことを理解してほしいし、それらの法人が、施設の建て替えを計画しても、かつてのように建設費用の2/3もの補助がつくわけでもないという状況理解も必要だ。

実体の無い幻の3億という数字が先走りして、社会福祉法人は儲けすぎているというイメージだけが先行して繰り広げられている社福批判は正しい情勢判断とはほど遠いところにある。このことだけで社福法人の課税論を唱える人も、的を射た指摘とはほど遠いと言わざるを得ない。

会計年度ごとに、「社会福祉充実残額」を算出するルールが、その誤解を解くことに繋がることを期待したい。

ただ懸念されるのは、「社会福祉充実残額」のある法人は、この費用を使い切らねば、保険外の収益事業の展開に制限が加えられるという意味があることだ。社福法人以外の事業主体が、いくら大きな収益を挙げても、事業経営上の縛りが無いことと比較すると、今後介護保険外のサービスで収益事業を作っていく必要があることを考えると、社会福祉法人が存続していくために、事業経営規模を拡大するに当たって、この規定は大きな壁になる可能性もある。

社会福祉法人への課税議論は、無くなったわけではなく、今後も繰り返される間違いないが、このことと併せて議論していかないと、社福は2重の高くて重い壁に囲われてしまい、身動きが取れなくなるやも知れない。

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社会福祉法人関係者は法改正に鈍感すぎないか?


改正社会福法を読むと、社会福祉法人にも、公益財団法人と同等以上の公益性の確保が求められていることがわかる。

そのことはガバナンスの強化策として示されており、従前まで介護保険事業のみしか行っていない法人に設置義務がなかった評議員会は、全ての社会福祉法人に議決機関として設置することが義務付けられた。

現在まで評議員会が設置されていない法人は、評議員を29年3月31日までに選任しなければならない。現在評議員会があって、任期が29年4月1日以降も残っている場合でも、改正社会福祉法附則第9条第3項の規定によって、従前からの評議員の任期は、平成29年3月31日において満了するとされているので、新たに規定された方法で選任しなおさねばならない。なお法人役員(理事・監事)や法人職員は評議員として選任できない。(※評議員の資格等は、改正法第40条に規定されおり、定数は理事の定数を超える必要があるとされている)

来年度以降は、定款の変更や理事などの役員の選任・解任、役員の報酬決定、決裁書類の承認はすべて評議員会の議決が必要になる。それに加えて法人の解散や吸収合併の承認も評議員会で行われることになり、これらの事項を仮に理事会の議決事項として定款で定めている場合も、改正社会福祉第45条8項規定によって、「その効力を有しない」とされ、無効な定めとされるため、理事会だけで議決することは不可能になる。

評議員の選任方法は定款に委ねられるが、改正法第31条第5項「評議員に関する事項として、理事又は理事会が評議員を選任し、又は解任する旨の定款の定めは、その効力を有しない。」としているために、現状の定款がそのような規定を入れていても無効となる。つまり理事会で評議員を任命できないことになり、個人商店的な運営の社会福祉法人の理事長の独断だけで、評議員を選ぶことが難しくされているのだ。(法律上は不可能ということだが、それでもワンマン経営の法人は存在するだろう・・・。)

ではどうやって評議員を選ぶのか。定款で評議員会で選任することを定めれば、評議員会で評議員を選ぶことは可能だが、改正法に即した最初の評議員は、この方法では選任できない。そのため厚労省が例示している方法は、「一般財団法人・公益法人の運用」である。ここでは、中立の立場の者が参加する「選定委員会」を設置し、理事会は評議員候補をここに推薦し、選任議決をしてもらう方法が示されているので参考にしてほしい。

ここで、あることに気が付く。

理事や監事は評議員会の議決なしでは選任できず、かつ評議員は理事会で議決できないという規定や議決事項をみると、評議員会の権限は非常に大きいことがわかる。

すると最初の評議員として、特定の団体の関係者が一定割合以上の勢力を持つ場合、定款で「評議員を選任する」という議決を評議員会で行うこととした場合に、その団体の勢力が悪意をもって、同じ勢力の評議員を増やし、法人役員を解任し、自分らの息のかかった役員を選任するという事態が想定される。つまり事実上の法人乗っ取りが、合法的に行われかねないのである。

よって評議員の選任は、厚労省の進める方式で行うとともに、「選定委員会」が適切かつ中立性を損なわない方法で機能する必要がある。

この方法が厳密化されることは、理事長ファミリーの個人経営的法人運営を防ぐ効果にもつながるかもしれず、社会福祉法人の私物化を防ぐ切り札が、新評議員会であるのかもしれない。

なお改正法第45条の20、第45条の21規定により、評議員は役員等と連帯して社会福祉法人や第三者に対する損害賠償責任を負うこととなるため、その責任を負ってくれる評議員を必要定数確保できるかどうかが、大きな課題となるだろう。

このことについては、所轄庁や社会福祉協議会などから、地域における人材情報を提供する仕組みが検討されているところである。

どちらにしても社会福祉法人は、、このことの準備を早急に進める必要があり、この改正内容を知らない管理者・事務担当者であっては、今後の厳しい社会情勢の中で、社会福祉法人運営は厳しいものとなるだろう。

なおこのことに関連して、大阪(8/25)仙台(9/15)、『改正社会福祉法から見た介護業界の将来像〜制度や現場を知らずして介護を語るな』と題したセミナーを行う。

このセミナーは、11月から始まる「介護経営戦略塾」のプレセミナーでもあり、どなたでも無料で参加できるセミナーなので、下記のリンク先のチラシから申し込みいただきたい。

8月25日(木)14:00〜大阪セミナー

9/15(木)13:30〜仙台セミナー

なお席に限りがあるために、定員を超えた場合、申し込みが終了となることをご了承いただきたい。

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