masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

高齢者虐待

利用者をおもちゃにする感覚麻痺

家庭的で親しみやすい雰囲気のホームです・・・この言葉が、どれほど介護事業に携わる人間たちを惑わし、勘違いさせているのだろうかと思うことがしばしばある。

顧客に対して家族でもない介護職員が、遠慮ないタメ口で話しかける態度は、親しみやすい態度ではなく、失礼な態度であることは中学生でも理解できることだ。

それが理解できなくなっている介護職員が多い実態は、知能と知性の低さ以前に、家庭的・親しみやすさを前面に出し過ぎて、一方で礼儀ある接客を教えていないことが大きな原因だ。

介護サービス利用者は単なるユーザーではなくお客様である。我々はそうした顧客が存在することにより、公費から給与を得るプロフェッショナルである。

家族という素人とは異なる介護支援のプロなのである・・・その矜持を忘れてはならない。

そんな矜持の欠片も感じられない利用者虐待がたびたび起こっている。

大阪府羽曳野市のグループホーム「みやび」で、職員4人が認知症の入所者4人に頭を腕で締め付けるなどの虐待行為をしていたとして、施設に行政指導したことが10/9公表された。市によると、虐待は約2年間にわたり常態化していたとみられる。

このGHでは、フロア責任者の男性職員が虐待を主導。別の職員と共に、70代の男性入所者の頭を腕で締め付けたり、80代の女性入所者にチアリーダーやピエロ風の衣装を着せたりした。職員の一人は市の聞き取りに「入所者とじゃれ合っていた認識だ」と話したという。

じゃれ合うというより、利用者をおもちゃにしているだけだろう云いたくなる。それが介護のプロとして正しい姿勢かどうかも分からなくなっていることは恥ずべきことであり、愚かさ極まりないことでもある。

医療機関でも患者をおもちゃにしている事案が報告されている。
SNSへの不適切投稿
千葉県松戸市の徳洲会病院で、夜勤中に看護師が動画撮影しSNSに配信した画面には《オムツ交換助け合った!》《デブすぎ臭すぎ》《嗚咽祭りバカ楽しかった!!》というキャプションが表示されていた。

さらにICU(集中治療室)と思われる病室のベッドで寝ている高齢の入院患者まで撮影しており、《おばあたーん》と綴られていた。まったく患者を何だと思っているのだろう。

一昨日当該看護師は懲戒免職になったと報道されているが、それも当然だろう。「人を呪わば穴二つ」という諺があるように、他人に害を与えるようなふるまいは、その報いが自分にも返ってくることを忘れないでほしい。

こうした行為は利用者虐待そのものであるということがなぜ理解できないのだろう。それとも利用者虐待をしている自分の醜い姿をさらしたいとでもいうのだろうか。

残念なことに、こうした報道が介護や医療に対する国民の信頼を削ぎ取っていく。報道される虐待が氷山の一角でしかないような印象を与え、大多数の虐待とは無縁の介護関係者や医療関係者も、同じレベルであると疑いの目を向けられる。

そんな職業は社会の底辺職業となっても良いのだと烙印付けもされてしまう。

そのことによって志の高い介護・医療関係者のモチベーションが低下することが何より恐ろしいことである。
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道内老健で入所者虐待報道

昨日10/6、介護関係17団体が木原稔官房長官に要望書を提出した。

その内容は来年度の介護報酬改定についてであり、基本報酬の十分な引き上げに加え、介護従事者の賃金を全産業の平均と遜色のない水準まで持っていくため、毎年の賃上げの実施などを要請するものである。

昨今の介護事業者を巡る社会情勢は大変厳しいものがあり、物価高で運営経費が増大して単年度赤字の介護事業者が増えている。かろうじて黒字経営の介護事業者も、高騰する経費増に収益が追いつかなくなりつつある。

さらに全産業で労働力不足が進行する中で、介護職の平均給与は2025年に31.4万円(賞与込み)で、全産業平均の39.6万円との差は8.2万円もあり、介護人材不足は解消どころか益々深刻化の一途をたどっており、介護関係17団体の今回の要望内容は極めて正当なものと言ってよい。

しかしそうした正論を吹き飛ばすのが、介護事業者内で発生する介護サービス利用者虐待事件である。

虐待とは無縁の介護事業者及び介護関係者が大多数であるとしても、毎月のように報道される、全国のどこかで起こっている虐待報道によって、多くの介護事業者が同じ穴の狢(むじな)とみられてしまう。

そして介護事業は必要悪ともレッテル張りされ、安かろう悪かろうで良いのではないかとみられ、国民の財産である税金と保険料をそこにかけるのはいかがなものかという議論につながりかねない。

介護報酬の引き上げの足枷となる虐待事件が今朝も報道されている。舞台となったのは北海道利尻富士町の介護老人保健施設、「利尻島老人保健施設」である。
利尻島老人保健施設
(※画像は虐待が行われた利尻島老人保健施設)
事件の報道記事は以下の通りである。
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(北海道新聞Web 2026年10月6日 21:06配信記事)
宗谷管内利尻富士町が運営する「利尻島老人保健施設」で3〜5月、職員が入所者に暴言を吐いたり、鼻をつまんだりする行為が4件あったとして、町が虐待と認定したことが6日、町への取材で分かった。70〜90代の3人が被害に遭い、看護師2人が関与した。町は同日、北海道に報告するとともに、施設側に改善計画書の提出を求めた。

町によると、女性看護師は3〜4月、寝たきりの90代女性が大きな声を上げた際「うるさい」と言って鼻をつまんだ。女性は「痛い」と訴えたという。5月にも70代女性の鼻をつまんだほか、夜勤時に数回、トイレに向かう90代女性に「ポータブルトイレにしろ」と声を荒らげ、引き戻した。

別の女性看護師は、会話が不自由な70代女性に「日本語でしゃべって」などと応対し、心理的虐待を加えていたという。

8月中旬に関係者から「虐待が疑われる行為が7件ある」と道に通報があり、町は施設長や職員への聞き取りなど調査を開始。うち4件を虐待に認定し、「ナースコールを手の届かない位置に置いた」など3件を証拠不十分で認定しなかった。

町は職場での人間関係のストレスなどが原因とみて、施設に口頭で指導。11月5日までに改善計画書を提出させ、改めて調査するほか、虐待に関わった職員や施設長の処分を検討する。町福祉課は「二度とあってはならない。虐待防止に向け方策を確認する」という。
 
利尻島老人保健施設は同島唯一の介護老人保健施設で定員40人。現在、同町と利尻町の27人が入所する。北海道新聞の取材に「施設長が不在で対応できない」としている。
(転載ここまで)
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利尻町は虐待の原因を、「人間関係のストレスなどが原因」としているが、安直すぎる見解だと思う。

仕事のストレスや、職場における人間関係の悩みなど、どこの職場でも誰しもが抱える問題である。それを乗り越えて職業人として仕事をこなし目標を達成するのは普通のことである。そもそも介護事業が特別にストレスが大きい仕事であるという考えは思い込みに過ぎない。

介護事業に勤める専門職は介護のプロといってよい。そうした存在の者がストレスを理由に、顧客であるサービス利用者の尊厳を奪うような汚い言葉を投げつける背景には、サービス利用者を顧客であると認識できない差別や偏見が存在するということだ。

サービス利用者=顧客であるという意識が欠如した場では、顧客に対しるサービスマナー意識など存在しなくなる。

そうした場所では、看護師という専門職がサービス利用者の上位に君臨する絶対権力者となって、自分の命じた方向に向かない利用者を罵って改めさせようとする間違った意識が生まれるのだ。

それはまさに暴君である。

そう考えたとき疑問となるのは、果たしてこの老健施設では看護師をはじめとした従業員に、どのような顧客対応を教育していたのかということだ・・・報道記事にある信じがたい暴言は、日常的なものであり、それは他の従業員や管理職の耳にも届いていたはずである。

それを放置してエスカレートさせた結果が、今回の虐待につながったと云えるのではないのか。

利尻富士町というのは云うまでもなく利尻島の町である。人口が2000人をわずかに超える離島の町で、看護師という専門職を確保するのは簡単ではないだろう。そうであるがゆえにそうした職種に対する遠慮があって、適切な指導ができなかったのかもしれないが、それは言訳にしか過ぎず、正当化できないだろう。

そういう意味でこの虐待事件の加害者は、当該老健の看護師のみならず、経営者や管理職も同類であるとして、処分や反省を求めるべきであると思う。
※メディカルサポネットの連載、「菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営」の最新記事が更新アップされました。
菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営
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暴力事件が起きた後に研修をしても遅い

シルバーウイークという言葉は、いつから使われるようになったのだろう。数年前まではそのような言葉を聴かなかったように思う・・・。

明日土曜日が休みの方々は、暦で言えば来週の水曜日まで5連休となる。この間、21日の月曜日は敬老の日の祝日なので、高齢者介護事業関係者は5連休のどこかでお祝いイベントを企画したりして忙しい思いをしているのかもしれない。
世間の暦に関係なく働く介護従事者
どちらにしても世間の暦とは関係なく、要介護高齢者の日常ケアに従事する方々には感謝の思いしかない。

同時に、世間が連休に浮かれている間も、けなげに介護業務にいそしむ人々が報われる社会であってほしいと心から願う。来年度の介護報酬改定も、そのような人々が報われる改定であることを祈っている。

しかしそのような願いをあざ笑うかのように、介護という職業に対する世間からの信頼を失墜させるような出来事が月単位でニュースとして流れてくる。

介護報酬のプラス改定の願いの足枷にさえなりかねないそんなニュースが、今回は北九州から流れてきた。
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【9/16(水) 14:15配信 九州朝日放送オンライン記事より】
北九州市の介護老人保健施設で、男性職員が入所者の頬を手で叩く虐待とみられる事案が起きていたことが分かりました。虐待とみられる事案が起きたのは、北九州市小倉北区の介護老人保健施設「伸寿苑」です。

施設によりますと、8月24日までの1〜2カ月の間に、30代の男性職員が3回にわたって、1人の入所者の頬を手で叩いたということです。入所者にけがはありませんでした。

男性職員は、施設の調査に対し、「ナースコールを頻繁に押すのでかっとなった」と話していて、9月10日に自主退職しました。施設は事実関係を確認したうえで、事案の報告書と改善計画書を北九州市に提出していて、市は11日に受理しています。

今後、市は現地確認などをする予定です。被害に遭った入所者はもともとの計画に沿ってすでに施設を退所しているということです。施設の担当者は、「職員の研修などを通して組織として再発防止に努めたい」としています。
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頻回にナースコールを押して従業員を呼びつける利用者は一定数存在する。そうした行動には、それぞれの理由があるが、どちらにしてもコールを鳴らす人はお客様である。腹を立てても殴るなどという行為が許されるはずもない。

昨今はカスタマーハラスメント対策が重要視され、顧客に対しても、理不尽な態度や要求等には毅然とした対応が求められるが、毅然とした態度と暴力は対極にあるもので、決して許されるものではない。

こうした暴力事件は、暦に関係なく健気にケアサービスに励む人々に対する背信行為でもある。

こうした事件を起こした施設では、どのような職員教育を行っていたのだろう。介護サービス利用者は顧客であり、従業員は家族と同じ存在ではないので、お客様との適切な心理的距離をとって、サービスマナーを意識した接客が必要であるという教育をしていたのだろうか・・・。

担当者は、「職員の研修などを通して組織として再発防止に努めたい」と述べているが、虐待・暴力事件が起きた後に教育しても始まらないという当たり前のことに気が付いているだろうか。

こうした介護事業者内での、利用者に対する暴力事件は、社会の信頼を損ない、「介護事業は必要悪でしかないから、そこに過大な国費をかけてはならない」という誤った認識を広げかねない。そのようなことがないように日ごろの従業員教育ではサービスマナー教育を最も重視して、定期的に行っていただきたい。

介護事業の規模拡大が政策的に誘導されていく今後を見据えて、新たな有料老人ホーム等を続々と新設している企業も少なくないが、それの伴って雇用するオープニングスタッフ等の新たな従業員に対する就業前及び終業時研修は特に重要だ。

ここで介護サービス利用者は顧客であり、家族のように馴れ馴れしい態度で接してはならないという意識づけを怠ると、後々今回報道された事件のようなことが起こる。

それが介護事業経営の危機に繋がっていくことを胸に刻んで、その芽を限りなく削り取るように、従業員教育に十分な時間と費用をかけていただきたい。
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了見の狭さは身を誤らせる

去る8月13日、埼玉県朝霞市の通所介護事業所に勤めていた65歳の介護職員の男が、お泊りデイを利用していた85歳の男性利用者に殴る蹴るの暴行を加え怪我を負わせたとの容疑で逮捕された。

容疑者は男性のトイレを介助する際に、「言うことを聞かない相手にむかついた」と犯行動機を述べているそうだ。

犯行のあった通所介護事業所は24時間365日対応が売りで、容疑者は夜勤専門で週1日程度勤務する介護職員だったそうで、同僚からは、「可もなく不可もない普通の職員といった印象。」とみられており、言葉遣いが乱暴だったり接し方が手荒だったことはなかったと云われている。

だがプライドの高さが目立っていたようで、自称・介護キャリア20年を自慢にして自らプロ介護士と名乗っていたらしい。さらに、「こうあるべき」という思い込みが強い様子がうかがわれていたという。
了見が狭い介護職員はゴミ
容疑者は認知症の人が日課で決められた行動をとらず、決まった時間に食事をとらないことも許せない様子であったそうだ。そのため他の従業員からは、「頭が固い」と評価されていたようである・・・それは介護という職業に不向きな性格と言えるのではないのか。

今後、同じような暴力事件を引き起こさないためには、通所介護事業所の教育・指導の在り方を検証しなおさねばならない。

キャリアの驕りともいえる感情を持つ者にどう対処・指導するのか、週1度の夜勤専門職という職種への教育は十分であったのか、そもそもそうした就業形態を認めてよいのかなどの検証が必要だと思う。

それにしても厄介なのは「人間のプライド」というものだ。年を重ねるごとに、そうしたプライドは頑迷固陋(※頑固で正しい判断ができない・かたくなで物の道理にくらい)に繋がり、多様な価値観や他者の行動原理を認め難いものとなってしまう。

それは対人援助という職業にとって、最も邪魔で必要ない考え方だ。

自分を律するために自分を縛るルールを持ち、それを頑なに護ろうとすることは認めるとしても、そのルールを他人に当てはめ、自分と同じようにそのルールに従わせようとする考え方はあってはならない。

ましてや介護という職業は、それぞれ違った感情・価値観を持つ人間に相対する職業であり、様々な感情と価値観を否定せずに受容するところからスタートする職業である。

そう考えると本件の容疑者は、介護の職業に就いてはならない性格の人であったと思われ、そういう人物を管理職等の眼が届きにくい週1回の夜勤業務のみという形で雇用したことが重大な結果に結びついたとも云えなくもない。

本件が起きた介護事業所は、そうした点を十分検証し、暴力事件を個人の責任として終わりにせず、組織で犯罪防止に努めることはできなかったことを反省しなければまらない。それは道義上の責任として必要不可欠だろう。

それと共に全ての介護関係者は、本件から教訓を得ておく必要がある。それは多様な感情と価値観に向かい合う対人援助のプロが了見が狭い状態に陥ったとき、それは対人援助のプロとして失格の烙印を押されるにとどまらず、人生を踏み外すという自身の身を誤らせる結果に繋がってしまうのであるという教訓だ。

「自分はこうありたい」「これだけは大切にしたい」という思いは大切にせねばならないが、くれぐれもその考えを他者に押し付けようとしてはならない。

そもそも介護サービス利用者は、教えられるために介護サービスを利用しているわけではない。それらの人々は、暮らしの豊かさを求めて介護サービスを利用する人々であり、我々にとってのお客様であることを忘れてはならないのである。
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知識不足で向精神薬投与?

介護事業者を舞台にした虐待事案がまたもや発生した。被害者は認知症高齢者の方である。

自らの身に起きた理不尽な出来事を他者に説明できなかったり、助けてほしいと声を挙げることができない認知症の人をターゲットにした虐待ほど許し難いものはない。

その加害者が介護事業関係者であっては、要介護者やその家族は誰を頼り、誰を信用したらよいのだろう・・・そういう意味で、介護事業者における虐待ほど、世の中の信頼を裏切るものはないと云いたい。そのようなことは起きてはならないのである。

まずは下記に転載させてもらったネットニュース配信記事を参照いただきたい。
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(2026/05/25 14:30 共同通信社配信ネットニュースより転載)
岩手県の一関地区広域行政組合は22日、同県一関市の高齢者施設「グループホームさくら花泉」が医師の処方箋なしに抗精神病薬を入居者に服用させたなどとして、介護保険法に基づき3カ月間のサービス停止処分を出したと発表した。15日付。施設は宮城県登米市の法人「さくら」が運営している。

組合によると2024~25年、職員の判断で抗精神病薬を飲ませたり、いすにベルトで拘束したりした。被害を受けた入居者はそれぞれ1人で計2人。他の施設への入居調整などが完了した後、8月からサービスを停止する。

法人の藤浦稔文福祉事業部長は取材に「職員らの知識不足でこのようなことが起き、入居者に申し訳ない。人格を尊重した支援を徹底するよう教育を見直したい」と話した。
(転載ここまで)
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今さら言うまでもなく高齢者グループホームは、「認知症」の方々が入所している居住系施設だ。
認知症の人の混乱と困惑
そこは、認知症で判断能力や見当識が衰えるなどした方々に、家庭的な環境において、それぞれの能力に応じた自立した日常生活を営むことができるようにする目的をもつ施設でもある。

そうした目的や理念を根こそぎ覆す行為が、今回明らかになった虐待行為である。

それにしても事業部長なる人物の、「職員らの知識不足」という言い訳は、なんと空々しいことだろうか・・・医師以外の者が勝手に利用者に抗精神病薬を飲ませたり、椅子にベルトで拘束したりすることが法の触れるということに特別な知識がいるとでもいうのだろうか。

薬の処方を医師以外の者がしてはならないことは常識中の常識だ。GHの従業員が勝手に抗精神病薬を利用者に飲ませれば、医師法や薬剤師法に触れるのは当たり前ではないか。

なおかつ身体拘束が原則禁止であることの知識もなかったというつもりなのか・・・。

度重なる法違反の薬の投与や身体拘束が行われていた事実からは、このGHの経営者・管理者・従業員全体に、利用者の人権を護るという意識が欠如していたと云わざるを得ない。

こうした虐待・不適切サービスを防ぐためには、虐待防止教育を行う以前に、人権教育を行わねば効果が出ないのだ。なぜなら虐待をしてはならない、虐待は悪であるということを理解できない人間はいないからだ。

それでもなおかつ様々な介護サービスの場で、虐待が繰り返し行われる背景には、人権意識が欠如した従業員の存在があり、そうした輩の不適切行為がエスカレートして虐待につながるからである。

介護事業における虐待行為をなくするためには、介護サービス利用者を、「要介護者」とか「認知症」などという冠をつけて見ずに、人としての存在そのものが尊いのであり、能力や属性など様々な違いがあったとしても、存在価値に変わりはないとみなす原則を知らしめることである。

同時に我々の職業とは、人に相対して介護等の眼に見えないサービスを提供するものであって、そうした行為で生活の糧を得ている以上、介護サービスを利用する人は、単なるユーザーではなく、「顧客=お客様」であるという意識づけを忘れずに、お客様に対して失礼ではないサービスマナーを身に着けさせることである。

そうした意識に欠けたサービス事業者は、今回報道された事件が決して、「対岸の火事」ではなかったことをいつか思い知ることだろう。

そうならないように日ごろから従業員のサービスマナー意識を向上させる教育・指導に努めなければならない。
※CBニュースの連載、「快筆乱麻・masaが読み解く介護の今」の最新記事がアップされました。
快筆乱麻masaが読み解く介護の今
今回のテーマは、「介護報酬改定サイクルの見直しへの期待」です。文字リンク先を参照ください。
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虐待防止の環境とは何か?

三重県内の福祉施設で虐待事案が相次いで発覚したことを受け、先週(4/15)三重県社会福祉士会が虐待の防止や支援環境の抜本的改善を求める声明を発表した。

同会によると、虐待に関して声明を発表するのは平成6年5月の設立以降で初めて。「施設への批判で終わらせず、再発させない環境の整備につなげよう」として発表を決めたという。

その声明では、「虐待が長期にわたり潜在化する背景には、福祉サービスを取り巻く極めて厳しい構造的課題がある」・「現場の職員は疲弊している。人が確保できない実情もある。社会全体で福祉への関心を高めてほしい」と強調。支援者が必要な時に交代・休息できる環境を整える必要性などを訴えた。

云いたいことはわかる・・・福祉・介護の人材不足が続く中で、月額平均給与額が他産業より低い状態が解消されずに、業務負担はさらに増えている現状では、福祉・介護事業者の従業員が身体的にも精神的にも疲弊していく様も実際に見ている。(※厚労省の最新の「賃金構造基本統計調査による介護職員の賃金について」によると、介護職員と全産業平均の賃金格差は8.2万円となっている。)

だからと言ってそれが虐待に繋がっていると云われても、一般市民の方々には理解できないだろうし、許す気持ちにもならないだろう。

そういう意味で、三重県社会福祉士会の声明とそこでの見解は、介護職員等が身体的・精神的に疲弊し、その環境に耐えられないストレスから虐待に及ぶことを許容するかのような誤解を与えかねないと危惧する。

そもそも福祉施設・介護施設での虐待の多くは、仕事のストレスによるものだとする考え方は間違っている。

虐待・不適切対応の多くは、利用者に対する顧客意識を持つことができない従業員が、日ごろから利用者に対して馴れ馴れしい対応に終始し、そのことに感覚が麻痺して、馴れ馴れしい対応が乱暴な対応に変化していく過程で起きているのである。

例えば、「アットホームな施設」とか「家庭的な対応」という福祉と介護のプロにあるまじき謳い文句を、経営理念に掲げるような素人経営が、従業員の虐待・不適切対応を生み出しているのである。

そうした虐待を防ぐ職場環境とは、サービス利用者を顧客を認識し、「利用者ファースト」・「お客様第一」の経営理念を、建前ではなく本音にする事業経営である。
介護サービス利用者は「顧客」である
つまり本当に実効性のある虐待・不適切サービスの防止環境とは、従業員に利用者に対するサービスマナー意識が浸透し、日常的に顧客である利用者に対するマナーある接客・接遇ができる職場環境なのである。

そうした環境の提言をせず、単に福祉人材の待遇を改善して人手を増やせと提言しても、失礼な対応をする人罪が放置されのさばるだけで、虐待・不適切サービスは減ることはない。

そしてそのような提言は、一般市民には受け入れがたいものでしかない。

僕は明日も社会福祉法人の管理職・リーダー職に向けたサービスマナー講演をオンライン配信する予定がある。そこではしっかりと介護のプロとしての接客・接遇の在り方を伝えたいと思う。

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虐待は個人の責任で終わらない問題



昨年末から今年年頭にかけて、介護業界では介護支援パッケージ補助金と来年度の介護報酬臨時改定が一番の話題であった。

処遇改善や物価高対応の補助金支給・臨時報酬改定が行われるのは歓迎であるが、その額は期待より少なく、他産業との給与差は埋まらないし、運営コストの上昇には対応できていないと考える関係者も少なくない。

確かにそのとおりであり、今後も継続的に社会のセーフティネットである介護事業を護るために、介護報酬の更なる引き上げを訴えることは必要である。

だがその財源は国民の血税と社会保険料が主であることを忘れてはならない。本当の意味で介護事業が社会のセーフティネットであり、必要不可欠なものであると国民全体が支持してくれないと、介護報酬のアップも望めなくなるのだ。

特に介護事業における虐待・不適切行為が月単位で報道される状況は、求められる介護報酬を勝ち取るための大きな足かせである。

だからこそ良い介護サービスを実現する以前に、当たり前の介護サービスを日々、粛々と提供する介護事業を実現させねばならない。介護サービス利用者が人としての尊厳を失わずに暮らしを送ることができるよう知恵を使い、手を差し伸べるのが介護という職業であることを、全ての従業員が自覚して利用者に関わる必要がある。

だが新年早々またもや介護保険施設での虐待報道が流れている。
雪山
先週1/18の報道によると、埼玉県宮代町の公設宮代福祉医療センターの介護老人保健施設「 六花(りっか) 」で、入所者11人に対する虐待が2019年から常態化していたことが明らかにされた。

虐待認定を受けたのは、30〜40歳代の男性職員4人。昨年4月以降、75歳以上の入所者11人への食事介助の際、指示通りに体を動かさなかったとして「もう食べなくていい」と強い口調で言って食事を制限したり、「気持ち悪いから(職員を)見ないで」と暴言を吐いたり、ベッドから車いすに移す時に、乱暴に扱ったことが虐待とされた。

この報道を受けて事件当事者である介護老人保健施設・六花が、公式サイトに謝罪文を掲載している。(※介護老人保健施設六花 の謝罪文)

事件が起きてからこうした謝罪文を公表してもほとんど意味はない。傷つけられた人々の心は元には戻せないのである。

だからこそ日ごろのサービスマナー教育が欠かせないのだ。いくら人権尊重をうたい文句にして、そのことを指導しても、タメ口対応が家庭的で親しみやすい関係性を築くなんていう馬鹿げた日常対応をしておればプロ意識は欠如する。その結果、感覚はどんどん麻痺して利用者への暴言さえ許されるべき指導であると勘違いする従業員が出てくるのだ。

介護老人保健施設・六花でも複数の従業員の日常的な暴言が常態化していた。そのような暴言を虐待当事者以外の従業員が耳にしないわけがない。さればその態度や暴言を周囲が見て見ぬふりをするか、許容していたという意味だ。そういう意味では、虐待認定を受けた男性介護職員以外の従業員も、同じように罪の意識を感じなければならない。

この施設の管理者責任も当然問われるだろう。施設全体が罪を負うべき問題だ。

せめてもの救いは、この虐待事案の発覚が内部通報によるものであるらしいことである。虐待発覚の経緯は昨年11月、町に通報があり、町が高齢者虐待防止法に基づき立ち入り調査などをした結果、職員4人について身体的・心理的・性的な虐待行為が確認されたとのことだ。

通報したのが従業員であれば、その人は常態化した虐待行為に心を痛めていたということだろう。

繰り返しになるが、利用者に対するタメ口対応を許している介護事業者では、このような虐待がいつ送手も不思議ではない。事件が起きてから慌てて対応するのではなく、日ごろから予防的教育と対応が不可欠である。

定期的なサービスマナー教育は、その中でも特に重要となることを忘れてはならない。
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きみの介護に根拠はあるか
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死神夜勤者が存在するという地獄



昨日配信したオンラインセミナーは、100人を超える方々に視聴いただき感謝である。質問等があれば、このブログのコメント欄に書き込んでいただければ回答する予定である。

講演配信後は、手稲に移動して顧問先の皆様とプチ忘年会を行った。その際のメニューはmasaの血と骨と肉、「マグロとマグロがツナがった」で紹介しているので、文字リンク先を参照いただきたい。

昨日の講演では事業者や従業員に非がないにもかかわらず、顧客が怒鳴り散らしたり、恫喝してきたりするカスタマーハラスメントにも触れて、対策等を伝えた。

しかし顧客からのクレームがすべてカスタマーハラスメントではないという理解も同時に必要とされる。

顧客からの正当な要求やクレームに真摯に対応する姿勢があってはじめて、カスタマーハラスメントに対した毅然とした態度がとれるということを忘れてはならない。

そのためには顧客からクレームを受けかねないような安易な利用者画像のSNSへのアップなどを戒めなければならないことも説明した。

ましてや事業者側が利用者に対して恫喝するようなことが少しでもあれば、カスタマーハラスメント対策などと言っている場合ではなくなる。

カスタマーハラスメントに毅然として対応できる絶対条件とは、介護支援のプロとして、日ごろから利用者に対し真摯に、丁寧に、かつ専門職として恥じない態度で接していることである。ため口対応などの素人まがいの接客をしている人間が、カスタマーハラスメント対応などと訴えるのは、おこがましいにもほどがあるというものだ。

それどころか利用者の尊厳を無視するような行為を、第3者の目がないところで行っている輩は、自らがハラスメントそのものであり、何をか言わんやである。だがそのような輩が少なからず介護業界に存在しているという事実がある・・・。

例えば下記報道記事の容疑者は、どんな動機で介護職を志したのだろうか・・・。
特別養護老人ホーム「有楽苑」
(※画像は事件が起きた成田市の特別養護老人ホーム有楽苑)
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千葉県警成田署は9日、成田市の特別養護老人ホーム「有楽苑」の介護福祉士・鹿俣欽市容疑者(48)を逮捕した。容疑者は今月4日未明、施設の部屋で入居者の椿とみさん(90)の顔を複数回殴るなどの暴行を加え、左頬や左頭部に打撲の重傷を負わせた疑い。椿さんは事件の4日後に救急搬送され、その翌日に死亡が確認された。病院の関係者が、椿さんの体に複数の殴られたような痕を見つけた他、脳内出血を起こしていたことから不審に思い警察に通報し、事件が発覚した。
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介護保険施設における暴行傷害致死事件あるいは殺人事件といっても過言でないこのような事件の発生時間は、ほとんどの場合、「夜間勤務時間帯」である。

施設内に複数の職員が夜勤配置されていたとしても、特定時間帯の特定フロアはワンオペ勤務となることが多い夜勤帯・・・夜勤者はそこで神のごとく、王のごとく、なんでも自分で決めて思うがままにふるまうことが可能だろう。

そのような立場に置かれた一部の勘違いした輩が、このような信じがたい事件を起こしている。

しかし利用者からしてみれば、これほど悲惨な状況はない。人に頼らねばならない身であるにもかかわらず、頼るべき人間が、頼りにならないどころか暴君でしかない。介護職問う立場の者が、ちょっとしたことに腹を立て、死に至らしめるほどの殴るけるの暴力を振るうなどと想像もしていないだろう。ここは地獄である。

どうしたら90歳の要介護者にこのような暴行を加えることができるのか、その神経がわからない。

だがこうした問題は、容疑者個人の問題として処理してよい問題ではない。特別養護老人ホーム「有楽苑」という施設が、日ごろから従業員に対してどのような人権教育を行っていたのかが問われる問題であるし、介護のプロとしてサービスマナー意識をもって利用者対応をするような教育があり、その効果が出る職場環境であったのかということが問題視されてくる。

当然経営者や管理者の責任も問われてくるだろう。

そのような経営危機に直結する介護事業経営に陥らないようにするためにも、定期的に介護事業におけるサービスマナー教育を行っていく必要がある。そのことを決しておざなりにしてはならない。
※
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繰り返される虐待事件によって介護事業者が失うもの



僕は全国様々な場所で講演を行っている。コロナ禍以後は、オンライン講演も多くなったが、アフターコロナ・ウイズコロナの現在は、会場講演の方が多くなっている。

その理由は、会場講演の方が集中して講演を聴くことができて、その内容が理解出来たり共感できたりしやすいことが挙げられると思う。

さらに会場講演の場合は、そこで他事業者の方と出会い・交流が生まれることも少なくないため、人脈づくりができるという理由もあるだろう。

そのような会場講演で僕の話を聴いてくださる受講者の方で、講演中に居眠りをする人の姿はほとんど見られない。その理由は、僕の講演内容が受講者の方に響いているというよりも、そもそも会場まで講演を聴きに来る人の学習意欲が高いからだと思う。
講師masa
貴重な時間を削ってまでして講演を受講しようとする人は、講演内容から少しでも実務に取り入れられることを見つけて、自分の仕事内容の充実やスキルアップにつなげようとしている方々である。

そういう人たちは、利用者に対してもより良い対応をしたいと望んでいるだろうし、虐待とは無縁の介護を行っていることは間違いないと思う。

そして介護を職業としている多くの人々は、利用者虐待という行為とは無縁の実務に取り組んでいると思う・・・ところが月単位で見ると、全国の様々な介護事業者で虐待・不適切対応が行われ、逮捕にまで至るという報道が行われている。

毎月そのような報道があると、介護事業そのものが虐待の温床のように見られかねない。もしそうなれば国民の信用を損なう元凶となるし、そんな介護事業に多くの財源支出をすることに対する反対意見が大勢を占めることにつながりかねない。それは介護事業にとって死刑宣告と同じ意味になる。

ところが今朝もまた介護事業者における虐待事件が報道されている。
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岐阜県羽島市のグループホームで入所者に対して暴行を加えたとして、介護士の女が16日、逮捕されました。逮捕されたのは、羽島市小熊町の介護士、中尾厚代容疑者(57)です。

中尾容疑者は今年9月12日、勤務する市内のグループホームで71歳から88歳の入所者男女3人に対して、髪を引っ張る、顔を平手で殴打するなどの暴行を加えた疑いが持たれています。

14日に市役所から情報提供があったということで、中尾容疑者は調べに対し、暴行したことは認めているものの、詳細については「覚えていない」などと話しているということです。
(※11/16(日) 13:57配信の東海テレビ動画ニュースより抜粋)
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介護という行為を仕事として、介護支援のプロとして生活の糧を得ている人間が、顧客である利用者の髪を引っ張ったり、殴打するなどというのは言語道断であるが、そんなことは今更言うまでもないことだ。

そもそも介護職員が利用者を虐待しないことは、良い介護でも何でもなく、極めて当たり前のことであるのにそれができていないだけの話である。

このグループホームがどのような職員教育をしていたのかが問われると思う。グループホームは家庭の延長だからアットホームな対応をしますなんて理念を掲げている場所では、いつこのような虐待・不適切対応が起こっても不思議ではない。

介護のプロとして、お客様である介護サービス利用者に節度ある態度で接するというサービスマナー意識を常に失うことがない職員教育が求められるのである。それを行っていないとしたら、虐待は容疑者個人の責任にとどまらず、事業者責任が問われる問題となろうと思う。

それにしても・・・報道記事の多くが、「介護士」という言葉を乱用しているが、本来そのような職名は存在しない。介護福祉士・・・その資格がない場合は介護職員である。

報道機関としてもっと正しい日本語の使い方をするように注意してほしいものである。

日本のマスメディアは、国の知性を代表するものではなく、単に流行を代表するものに過ぎないのだから、言葉を間違って使うことも仕方ないことなのだろうか・・・。
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介護福祉士資格を持った鬼畜の所業



昨日(6/29)、東京・台東区のグループホームで入居する認知症の女性に性的暴行を加え、その様子をスマートフォンで撮影したとして、介護福祉士・鳥居高広容疑者(50歳)が逮捕された。

容疑者のスマホからこの女性を撮影した20本の動画が見つかり、逮捕に至ったそうだ。なんとも変態趣味である。

女性とはいえ、自分よりはるか年上の高齢者に・・・しかも職業として関わる介護サービス利用者に対して、性的欲求を向けること自体が理解できることではないが、人としてあるまじき行為であることは間違いがない。

介護支援の場で、しかも密室ともなり得る居住系施設で1対1で対応する介護職員が、このような暗い欲望を持ち、その欲望を行動に現すような下劣な人間であるとしたら、利用者やその家族は何を信じたらよいかわからなくなる。

大多数のまじめに仕事をしている介護職員にとっても迷惑極まりない事件であり、容疑者に対し許せないという感情を持つ人も少なくないだろう。

昨日からインターネット等に、同容疑者が手錠をはめられて移送される動画が出回り、その動画には顔もアップで写されているが、その容姿を見て50歳だとはとても思えないという声も多い。
認知症の入居女性(70代)に性的暴行未遂の鳥居高広容疑者(50)
悪行を重ねた結果が、悪相となり実年齢より年取った姿に変えているのだろうか・・・。

取り調べに対して鳥居容疑者は「ストレス解消のため性的嫌がらせをしたが一部違う部分がある」と供述しているそうである。一部否認と言っても、性的暴行自体は認めているわけである。

それにしてもストレスを犯行動機とするのは、あまりにも卑怯な言い訳だと思う。ストレスは誰もが抱える可能性があるが、そのはけ口を利用者虐待という形に求めることは、当然でもなければ、よくあることでもない。

ストレスを抱える多くの対人援助のプロは、ストレスのはけ口を利用者に向けることはないのである。

介護事業経営者や管理職の方々は、本件を対岸の火事として見ることなく、自分の経営・管理母体にこのような人物が混じっていたらどうなるだろうかと考えてほしい。こうした事件は犯人が逮捕されて終わりではなく、事業主体の管理責任も問われて、多額な賠償金支払いにもつながりかねなくなる。

だからこそ、対人援助のプロとして利用者に接する心得を徹底的に教え込む、実効性のあるサービスマナー教育が不可欠なのだ。

特に人材が不足している中で、要介護高齢者の数は増え続けている現在、介護事業はまだまだ成長産業だとして規模拡大を図っている介護事業者が少なくない。それは良いとして、そこにきちんと利用者の福祉を向上させる教育が伴っているかということが問題だ。

それがおなざりにされておれば、メッセージの轍を踏んで、この業界から退場しなければならなくなる恐れもあるのだ。

今、介護業界は物価高や人件費高騰に対応した介護報酬の期中改定を求めて盛んに運動している。そして骨太の改革2025にその方針が示されたことで、期中改定の期待が高まっている。(参照:期中改定について)

しかし介護事業者における虐待事件や不適切ケアが起こることによって、国民から介護事業に国費と保険料財源を支出することの反対意見が挙がり、それが期中改定の足枷にもなりかねないことを懸念して、先日CBニュースの連載記事・快筆乱麻masaが読み解く介護の今に、「信頼を失いかねない介護事業での人権侵害」という原稿を書いて入稿した。
快筆乱麻・masaが読み解く介護の今
その記事が今朝6/30にアップされている。

台東区のGHでの性的暴行事件が起きる前に書いた記事であるが、僕の懸念が現実化しないことを祈るばかりである。

ところで本件が起きたGHでは今月上旬、別の入居者が死亡していて、警視庁が捜査の過程で職員らにスマホの任意提出を求めているそうであるが、そちらも事件化されるのかどうか注目されることである・・・だがそんなことばかりが注目される介護事業であってはならないのである。

人を護り、暮らしの質を豊かにする介護の基盤は、対人援助のプロとして、顧客に対するサービスマナー意識をもって接する態度であることを忘れてはならない。
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介護崩壊の音が聴こえてきそうな卑劣な虐待。



自分の考え方が世の中のスタンダードとずれていることは、ままあるが・・・それにしても信じられないことが起こるものである。

例えば虐待問題・・・今さら言うまでもなく、虐待は大別すると4種類に分かれて、それぞれ以下のように定義づけされている。
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心理的虐待
言葉による脅し、本人以外の家族に対して暴力を振るう(ドメスティックバイオレンス:DV)
身体的虐待
殴る、蹴る、叩く、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞める、縄などにより一室に拘束するなど
ネグレクト(放棄・無視)
家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かないなど
性的虐待
性的行為、性的行為を見せる、性器をさわる、またはさわらせるなど
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高齢者虐待防止法が2006/4/1施行された以後、虐待通報と認定は増え続けているわけであるが、上記のうち身体的虐待が一番多いことには変わりはない。次に心理的虐待→ネグレクト→経済的虐待→性的虐待となっている。

高齢者介護の場ではここ数年、心理的虐待の件数が増加するとともにネグレクトの増加も目立っていることから、その対策が急がれていることも周知の事実だ。

だが性的虐待については、高齢者介護事業でははほとんどあり得ない行為ではないかと考えていた。

性的虐待の加害者は圧倒的に男性が多いのであるが、男性介護職員にとってみれば、自分より年上でしかもかなりお年を召された女性に対して、異性という感覚をもって、しかもその対象者に性欲を覚えながら対応するなんてことはあり得るだろうか?という疑問を持っていたからだ。

だがその信じ難いことが、しばしば起こっているという事実があり、愕然とする思いでそうした虐待報道を見聞きしている・・・今月もそんな報道に触れた。

今月3/3に逮捕された30歳の男性介護職員が犯した罪とは、宇和島市内にある老人ホームで去年、入居者の90代女性に対し性的な暴行を加えたうえ、その行為をスマートフォンで動画撮影したという信じがたい行為である。
鬼畜の所業
被害者は90歳を超えた方である・・・どうしてそのような行為に及ぶのか理解に苦しむが、どちらにしても身体介護を行う身分を利用しての鬼畜の修行は決して許されない。

罪を憎んで人を憎まずという言葉があるが、こうした破廉恥極まりない犯罪行為に及んだ加害者に対して、そのような言葉は通用しないと思う。ただただ厳罰を望む。

そういえば4年前にも南アルプス市の有料老人ホームで、夜勤をしていた42歳の男性介護職員が、入所する女性(80)の首を腕で絞め付けるなどして強制的に性交し、窒息死させたというレイプ殺人事件が起きている。(参照:介護ストレス殺人ではなく強姦致死だったという卑劣な事件)

30代・40代の壮年といってよい男性が、介護サービスを利用する高齢者であり、しかも自分の顧客である方を、自らの性欲の対象と見るという感覚は、僕自身にとっては信じ難いことである。

このような報道があるたびに、介護事業に対する世間の信頼感は大いに損なわれる。介護事業が必要悪と云われか寝ない問題である。

採用する側も人物の見極めと、採用後のチェックをより厳しくしないと重大な結果になりかねないと改めて考えてしまう。


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居室内カメラも必要かと思わせられる事件



2024年度の介護報酬改定では、高齢者虐待防止措置未実施減算が全サービス横断的に新設された。(※居宅療養管理指導と特定福祉用具販売を除く)

このことは介護事業者にとってはある意味恥ずべき減算規定の新設・強化と云えなくもない。

だが全国のどこかの介護事業者を舞台にした虐待報道が月単位で相次いで報道されていることを考えると、それは致し方ないことだと云えるのかもしれない。

虐待とは無縁の高品質介護サービスを提供してる事業者にとって、それは歯がゆいというより、何よりも悔しいことではないかと思うが、昨日も関西から下記のようなニュースが流れてきた。
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(3/5・12:00配信のMBSニュースより転載)
兵庫県尼崎市の介護老人保健施設で、入所者の男性(84)を殴るなどしてけがをさせたとして、警察は元職員の女を逮捕しました。
 
傷害の疑いで逮捕されたのは、尼崎市に住む、自称・元介護職員の山本理奈容疑者(35)です。

警察によりますと、山本容疑者は2月4日未明、勤務先であった兵庫県尼崎市の「介護老人保健施設はくほう」の個室で、入所者の男性(84)の身体を蹴ったり、顔を殴ったりする暴行を加え、顔面に打撲を負わせた疑いがもたれています。

翌朝、別の職員が男性のけがに気が付きましたが、山本容疑者は「柵にぶつけた」などと説明。施設側が個室に設置していたカメラを確認したところ、暴行の様子が記録されており、警察に通報したということです。

山本容疑者は警察の調べに対し、「1か月くらい前のことで、詳しく覚えていないが、カメラに映っている行為であれば全て私がしたことに間違いない」と容疑を認めているということです。

警察が動機などを調べています。
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こうした報道に触れて、一番不安になるのは自分の身内を介護保険施設や居住系施設に入所させている家族の方だろう。特にその身内が認知機能低下等によって、自らの置かれた状況を正しく言い表せないとしたら、その身内は果たしてそのような虐待被害を受けているようなことはないのか、そして日常的にきちんとケアを受けているのかと不安を持って当然ともいえる。

こうした虐待は、発覚した際にはすでに取り返しのつかない状態であることも多い。殴る蹴るという虐待行為によって死に至ったケースも多数報告されている。大けがを負った人も少なくないが、心に受ける傷は、身体上の怪我の程度で左右されるものではなく、身体以上に大きな傷を負うことも少なくない。

例えば、道内千歳市の老健施設で心を殺されたNさんのケースをマナー意識のない対人援助は誰かの心を殺すかもしれないという記事の中で紹介したが、彼女は心無い介護職員の「高いよ」というその一言だけで心を殺され、その職員が母体の精神科医療機関に移動して顔を合わせなくなった後も、夜中に悪夢を見てうなされるなどの症状が、退所するまでずっと続いていた。
クリアコート千歳
今は自宅で暮らしているであろうその方は、未だにその悪夢に苦しんでいるかもしれないのだ。

本来ならば、最も安心して安全に暮らすことができるはずの介護保険施設で、そのような事態が引き起こされていることを重大視し、何がその原因(※例えば日ごろから利用者に対するサービスマナー意識が欠如した対応を許しているなどといった原因)となっているのかを精査したうえで、自らが所属している介護事業者において、そのようなことがまかり間違っても起きないように、ひとり一人の介護関係者が襟を正して考えねばならない。

ところで今回報道された尼崎市の老健の虐待は、「個室に設置していたカメラを確認し確認された」とされている。おそらくこれはカメラ付き見守りセンサーの録画画像だろうと思う・・・一昔前ならば、居室内カメラはプライバシーの侵害につながるとして、設置してはならないと指導を受けたものだが、時代の変化に対応して考え方も大きく変わっている。

介護人材が益々足りなくなることが予測される今後のために、介護DXを推進して、介護生産性向上を実現せねばならないために、今年度の報酬改定では施設サービス等に生産性向上推進体制加算を新設し、その上位加算�気了残衢弖錣箸靴董�見守りセンサーを全ての居室に設置することを求めている。これらのセンサーのほとんどはカメラ付きだろう。

居室内にもカメラを設置し、見守る時代になったということだ・・・そのメリットとして、自らの危機状況を訴えられない人の個室内も密室化されず、どのようなケアを受けているかを録画画像で確認できるということが挙げられるかもしれない。

そんなふうにしか人権が護られないのは哀しいことではあるが、そのことが今後も増え続ける認知症の人などの安全と安心につながるならば、やむを得ないというところだろうか・・・。

すこしモヤモヤ感が否めないけれど、これも時代かもしれない。
※来週木曜(3/13)午後2時から無料視聴できるオンライン講演、「アセスメントに必要な考え方と方法論」を配信します。
つなぐ手ケアマネセンターオープンセミナー
チラシに書かれているIDとパスコードで、事前申し込みなしでどなたでも視聴できますので、是非入室してください。


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虐待防止研修に必要な視点



1月20日付で発出された介護保険最新情報Vol.1345は、「高齢者虐待防止措置未実施減算、身体拘束廃止未実施減算の取扱いに係るQ&Aの周知について」であった。

この中で高齢者虐待防止未実施減算の適用を受けないようにするための要件の一つである、「定期的な研修の実施」とは年に何回行う必要があるのかを問う疑義解釈が示されている。

定期研修実施回数については、施設サービス及び居住系サービスは年2回以上、その他の居宅サービスは年1回以上とされている。

そのことは既に解釈通知で示されている問題ではあるが、間違った回数把握で減算適用されてしまっている介護事業者が存在するために、今回改めて疑義解釈という形で回数確認を促したものだろうと思う。

そうした要件理解は不可欠ではあるが、それより大事なことは虐待防止の定期研修の内容だ。

虐待をしてはならないなんてことは誰しも理解している問題で、ことさらそのことを強調しても意味はない。年度ごとの虐待件数を知らせても、それは受講者にとっては、右の耳から入って左の耳から抜けていく無意味な情報でしかない。

それより必要なことは、誰しもが悪行だと考える虐待行為がなくならない原因を考えて、そこに有効な対策を示すことだ。机上の空論ではなく、介護の実践論・実務論としての虐待防止策が求められているのだ。

例えば、ネグレクトを含む心理的虐待の中には、虐待している当事者が、「そんなつもりはなかった」という無意識の虐待も含まれている。

それは何故かということを具体的なケースを示して説明する必要がある。
2024.2/21に発覚した函館市恵楽園の身体拘束
(※上の画像は2024.2/21に発覚した函館市恵楽園の身体拘束の状態画像だ。同年12月に函館市は、日常的に行われていた身体拘束を虐待と認定して運営指導を行った。)
横柄な態度や無礼な言葉遣いは、しばしば人権侵害につながる問題を引き起こしている実態を振り返って、介護従事者は、態度や言葉を丁寧に利用者対応することで利用者がよそよそしさを感じることを恐れるより、無礼で馴れ馴れしい対応で、利用者の尊厳や誇りを奪い、心を殺してしまうことを恐れる気持ちを持つように教育すべきである。

先日(1/17)名古屋市高齢者虐待防止講演会としてオンライン配信した、「高齢者虐待防止〜身体も心も護るケア」がテーマのアンケート結果が届けられた。文字リンクをクリックして参照いただきたい。

来週(2/21)にも愛知県蒲郡市主催・蒲郡市内介護事業関係者向け講演として、「高齢虐待防止〜不適切ケアを防ぐサービスマナー」というテーマでオンライン講演を配信する予定になっている。

ただし同じ虐待防止講演といっても、名古屋と蒲郡の講演内容は同じではない。それぞれの主催者の方から重点的に話してほしいことや、話題として入れてほしいことを事前に確認して講演プロットを立てているため、名古屋講演はカスタマーハラスメント対策も含めた内容にし、蒲郡講演では身体拘束が虐待認定を受ける事例と、それをしなくて済む対策を入れている。

このように主催者の希望に沿った実務論を伝えられるので、講演希望の方は是非メール等で連絡いただきたい。

ところで蒲郡市の講演の受講対象者は東三河地区の介護事業者だそうである。東三河は豊橋市(とよはし)・豊川市(とよかわ)・蒲郡市(がまごおり)・新進市(しんしろ)・田原市(たはら)・設楽町(したら)・東栄町(とうえい)・豊根村(とよね)の8市町村を指すそうであるが、それらの地域の介護関係者にエールを送る動画、「LOVE〜明日へつなぐ介護・東三河編」を作成したので下記参照願いたい。



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利用者権利擁護指針(コンプライアンスルール)を策定しよう



年が変わった元旦に記事更新したのを手始めにして、新年になってから昨日までに7本の記事を更新アップしています。

その内容を振り返って読むと、僕自身の意に反して、そのうち3本が介護事業者における不適切ケア・虐待に関する内容になってしまいました。

それだけ重大な虐待事案が、年末の介護事業者で起こっているということです。これは由々しき問題と言えます。

特に昨年11月に起きた熱湯味噌汁傷害事件(参照:倫理観と知識の両方が欠けて起きた特養での傷害事件)と、昨年大晦日の熱湯風呂殺人事件(参照:当たり前ができない怖さ〜熱湯風呂殺人事件)の舞台となった特養に対する社会の信頼は大きく揺らいでいます。

僕はそのことに大いなる危機感を抱かざるを得ません。

特養をはじめとした介護保険施設・・・それのみならず介護事業者すべてが、そのような不適切ケア及び虐待の温床となる体質を抱えている存在として、必要悪のように見られてしまいます。

今後、2027年度の介護保険制度改正及介護報酬改定に向けた議論が、制度改正を皮切りにして本格化しますが、こんな状態では介護事業者の経営を安定化させる制度体系には向かっていかなくなります。

国の財源を不適切体質を抱えた事業者により多く振り分けるということもできなくなり、人件費高騰や物価高に対応した給付費アップをという要求は、益々通りずらくならざるを得ません。

介護関係者はそのことに大いなる危機感を抱いて、自ら襟を正して、介護の基本を見直さななければならないのではないでしょうか。

さらに介護事業としてのコンプライアンスを見直していかねばなりません。それは単に法令遵守にとどまらず、企業倫理や社会規範に従うだけでもなく、社会的要請にも積極的に応えながら事業経営するというフルセットコンプライアンスが必要になるということなのです。

当然のことながら、そのためには介護サービスを利用するお客様に対するサービスマナー意識を向上させ、マナーのある対応を浸透させていかねばなりません。

それはわかってはいるが、従業員間にその意識がなかなか浸透しないという介護事業経営者も少なくありません。

しかしそのような悠長なことは言っていられないのです。顧客に対するサービスマナー意識を持つことができない従業員は、切り捨てもやむなしという強い気持ちをもって、職場内のルールを確立させていかなければ、顧客に見放されて事業経営が困難となる時代に変わっていることを理解してほしいと思います。

なぜなら、財政事情からより厳しくなると予測される次期介護報酬改定を見据えると、顧客単価が減らされた分を顧客数増で補う必要があり、今後顧客の中心層となる団塊世代をはじめとした、介護サービス利用者から選ばれない介護事業者は廃業に向かわざるを得ないからです。

下記の画像は僕が作成した「・利用者権利擁護指針(コンプライアンスルール) 」です。
コンプライアンスルール
原本の利用者権利擁護指針(コンプライアンスルール) は、こちらの文字リンク先からDLできます。

介護事業者において、従業員が利用者に対してサービスマナー意識をもって接することをルール化し、それを徹底させるためには、「利用者権利擁護指針(コンプライアンスルール) 」を策定して、事業者内に掲示することが重要になります。

方針を高々と掲げて、外部からの訪問者にその内容を示すことが必要になります。それを見て、「その看板に偽りあり」という感じた人からの声を集めることが大事です。

そうした声を、直接指摘された従業員にぶつけて反省を促し、意識向上につなげていく必要があります。こうした意識向上は内科処方だけで実現せず、外科的大手術が必要になると考えてください。

その為に外部の第3者から、大いに文句を言ってもらえるようにしましょう。「利用者権利擁護指針(コンプライアンスルール) 」の策定・掲示は、そのために必要不可欠な事なのです。
※1月15日(水)18:00〜19:30、メディケアホームかなう保木間オープン記念講演を行います。
メディケアホームかなう保木間オープン記念講演
どなた様も無料受講できる講演ですので、興味のある方は日本介護センター・メディケアホームかなう保木間・開設準備室:050-1782-3878までお申し込みください。


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虐待の発生要因とされる知識不足とはどういうことか?



昨年12月27日に厚労省は、2023度の高齢者虐待の実態把握の調査最新結果を公表した。

それによると介護サービス事業所・施設の職員による虐待の相談・通報の件数は3441件あり、実際に虐待だと判断されたケースは1123件にのぼった。亡くなった方も5人いたという。

相談・通報の件数、虐待判断の件数はいずれも3年連続の増加で、これまでで最も多かった前年度を大幅に上回り過去最多を更新している・・・介護報酬改定で虐待防止未実施減算という恥ずべき減算が新設されるのもやむなしといえる状況だ。

職員による虐待の3大発生要因は以下の通り示されている。
1. 知識・意識の不足=77.2%
2. ストレスや感情コントロールの問題=67.9%
3. 倫理観・理念の欠如=66.8%
和歌山県海南市・南風園の虐待動画(隠し撮り)
本当にそれが虐待の理由かどうかという真偽はともかくとして、2と3の意味は分かる。(※虐待の理由がストレスであるなんて言うのは言訳でしかないと思う。虐待を行ってストレス解消ができるなんてことはないし、そもそもストレスのはけ口を利用者虐待に向ける輩は介護に向いていない人であり、人として未成熟な人間でしかない。)

しかし1の知識不足はどうだろう・・・虐待に至る理由が、「意識の欠如」ならわかりやすい。そうではなく知識不足とはどういう意味かと考えてみた。

僕が考える、「知識不足」の最たるものとは、そもそも介護サービスを利用する方々は、単なる利用者ではなく顧客であるという知識に欠けているのではないかということだ。

私たちは介護サービス利用者が存在することで、介護給付費等を収入として得ることができているわけであり、利用者の方々の存在によって生活の糧を得ているのだ・・・よって介護サービス利用者は、単なるユーザーではなく顧客そのものである。

そしてそれらの方々にタメ口で対応する介護関係者に欠けている知識とは、タメ口は親しみを表現する言葉遣いではなく、年下の者が年長者に対等の話し方をすることであり、顧客に対しては非常に失礼な言葉遣いであるという知識ではないのだろうか。

横柄な態度や無礼な言葉遣いは、しばしば人権侵害につながる問題を引き起こしている。人権侵害という結果をもたらした後その際に、「そんなつもりはなかった」という言い訳は、なんの免罪符にもならない。

だからこそ相手から誤解されない対応の基盤となる、「サービスマナー意識」が求められるのだ・・・そうした知識を身に着けなければ、介護事業者における虐待はなくならないのではないだろうか。

大事な事は、言葉遣いを丁寧にすることによって、お客様によそよそしさを感じさせることを恐れるより、お客様に対して無礼で馴れ馴れしい対応で、尊厳や誇りを奪い心を殺してしまうことを恐れるべきであるということだ。

今日も午後から顧問先の従業員に対してサービスマナー研修をオンラインで行う予定がある。

今月24日(金)に函館中央図書館で行う、「函館介護福祉道場 あかい花」の管理職・リーダー向け研修でも、「介護事業におけるサービスマナーを考える〜管理職・リーダーが目指すべき利用者から選択される介護の質」というテーマで講演を行う予定がある。

是非そうした機会に改めて、顧客対応として筆よな知識である、「介護事業に求められるサービスマナー」について学んでいただきたい・・・特に函館講演は、どなたでも無料参加できる講演なので、文字リンク先の案内文を読んで、添付されている申込用紙で受講申し込みをしていただきたい。

介護支援を必要とするお客様に対する丁寧な対応によって、介護関係者の方々が誰かのあかい花になることができるように、是非僕の話を聴いていただきたい。


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個室内モニターカメラが必要な時代なのか・・・。



特養は個室化が進んでいる。それはプライバシーに配慮した暮らしの場を提供するという意味で、歓迎すべきことである。

一方で特養は入所要件が厳格化され、原則要介護3以上の人が対象になっているため、重度化も進行している。

要介護2以下の人が入所できる特例入所を利用する人も認知症の人が多いため、見守りや声掛けが常に必要な人も増えている。

それらの方が個室で安全に暮らすことができるためのアイテムの一つとして、個室内を写すカメラを設置する施設も増えている。

しかし居室内をモニターすることは、一方で利用者のプライバシーを侵害する恐れにもつながりかねない。よって居室内モニターについては、賛否両論が存在することも事実だ。
見守りモニター
そうした問題に十分配慮しながら、自らナースコールを押すことができない認知症の人などを見守るカメラと、AIを搭載してバイタルチャックが自動でできるモニターを連動設置する施設も増えている・・・何事も使い方が重要なので、利用者のプライバシーを侵害しないように、かつ安全な暮らしを送ることができるように、最善の方法をとっていただきたい。

忘れてはならないことは、テクノロジーの使用目的はあくまで、利用者の暮らしの質向上にあるということだ。利用者の暮らしを無視した、業務省力化のためのテクノロジー導入になっては困るわけである。

ところで、こうしたモニター設置には、私たちが想定した効用以外の別の効用があるのかなと思える事件があった。

東京都江東区東砂の介護老人福祉施設(特養)で、入居者の90代女性を殴った暴行の疑いで、江東区の介護士・金城弘明容疑者(38)が7/24に逮捕された。

逮捕容疑は7/3朝、勤務先の特養個室で、容疑者が女性の顔を複数回殴ったとされる。

容疑者は、「女性がトイレを済ませたのにベッドに戻らずイライラした」と話し、「腕を強くつかみ力ずくでベッドに寝かせたが、殴っていない」と容疑を否認しているという。

しかし逮捕のきかっけは、施設職員が女性の顔や体のあざに気づき、個室のカメラ映像を確認して発覚したという経緯である。

動かぬ証拠のカメラ映像がある限り、容疑者の否認は通らないだろう。

逆に言えば、カメラ映像がなければ、言い逃れができるかもしれないということで、カメラ設置の効用として、こうした暴行を防いだり、不適切行為を暴く証拠となったりすることも考えるべきなのだろか・・・。
(※そのような必要性があること自体、恥ずべきことであるが)

しかし月単位どころか週単位で、日本のどこかの介護事業者内で虐待事件が起きたと報道される昨今の状況である。今年度の介護報酬改定で、虐待防止措置未実施減算が新設されなければならなかったという状況もある(参照:虐待防止措置未実施減算が新設されたという恥)

さすれば今後、特養をはじめとした介護施設は、空きベットを埋めるために地域住民の方々に対し、「私共の施設は、個室内で安全に過ごせるように見守り、かつ従業員が不適切な行為に及ぶことがないように、常に従業員の行動を監視するカメラを設置しています。」とでもアピールすべきなんだろうか・・・。

それはとても恥ずべき状態だと思うのは、僕だけなんだろうか・・・。
※メディカルサポネットの連載、「菊地雅洋の波乱万丈!選ばれる介護経営」の7/25更新記事は、「介護事業経営を左右する加算算定の考え方」です。
菊地雅洋の波乱万丈!選ばれる介護経営
目次
文字リンクをクリックしてご覧ください。


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函館の特養における虐待報道に触れて



今年度の介護報酬改定では、ほぼすべてのサービス横断的に高齢者虐待防止措置未実施減算が新設されており、それは我が国の介護事業者の民度の低さの象徴ではないかということを先月論じた記事を書いた。(参照:虐待防止措置未実施減算が新設されたという恥)

そんな折も折、残念なことに道内・函館市の特養で虐待が行われていたとの報道がされた。NHK 北海道 NEWS WEBに昨日配信された記事の内容を下記に転載する。
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(NHK 北海道 NEWS WEB 5月14日 19時48分配信記事)
ことし3月、函館市の特別養護老人ホームで、入所者の体に複数の不自然なあざが確認され、虐待が行われた可能性のあることがわかりました。市が関係者から聞き取りを行うなど詳しく調べています。

市が調べているのは、函館市釜谷町にある特別養護老人ホーム「潮寿荘」です。
関係者への取材や情報公開請求で入手した資料によりますと、ことし3月、この施設に入所する86歳の女性の胸や脇の近くに打撲の痕のような複数のあざが確認されていたことがわかりました。
施設側の聞き取りに女性は、特定の職員の名前を出し、「この人の介助はもう嫌だ」などと訴えたということです。

市は女性がみずからぶつけて出来るあざではないことなどから、特定の職員が夜間や早朝などに虐待を行った可能性があるとみて詳しく調べています。

また、この施設では去年10月、職員が夜勤中に酒を飲み、入所者に決められた量の薬を与えないなどずさんな介護を行った上、その事実を同僚と口裏合わせをして隠そうとしていたこともわかり、市は、十分なケアをしないネグレクトの疑いでも調べています。

特別養護老人ホーム「潮寿荘」の柏原美之施設長は、NHKの取材に対し、「関係者に謝罪を行うとともに、防犯カメラを導入するなど再発防止策を検討しています。市の調査には協力していきます」と話しています。(転載ここまで)
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虐待が行われた潮寿荘
※画像は虐待が起きた特別養護老人ホーム「潮寿荘」
本件の虐待の半年前には、夜勤者2名が飲酒していたという。これは普通の職場では考えられない大事件で、コンプライアンスに重大な欠陥のある職場と言われても仕方ないだろう。

事件を起こした特別養護老人ホーム「潮寿荘」の母体である社会福祉法人 戸井福祉会の公式Webを見ると、この特養は入所定員50人+ショート定員2人となっている。すると前年度の入所+ショートの利用者平均が50名以下であれば、夜勤者は2名でよいことになるが、その2名の夜勤者が酒を呑んで業務放棄していたということだ。

これはネグレクトというより、もはや職場放棄であり、懲戒免職とすべき由々しき問題である。そのような勤務実態があるということは信じがたいことで、法人内で由々しき事態として改善の取り組みを行っていることと思うが、いったいどうのような改善策がとられてきたのか・・・。

普通の職場ではあり得ないひどい勤務実態があったということは、この施設の職場風土が乱れに乱れていたと云わざるを得ない・・・これほどの重大事件が起きるような職場の意識と環境を改善するためには、相当の覚悟を持った大手術が必要である。

そのような中で今回さらに利用者の身体にあざを創るほどの虐待行為が繰り返されたということは、半年前の事件を踏まえた意識と環境の改善策が十分取られていなかったということになり、この法人の意識の低さは非難されてしかるべきだろう。

現時点で社会福祉法人 戸井福祉会の公式Webには、昨年10月の飲酒事案をはじめ、今回の虐待経緯や謝罪文を載せていないことも当事者意識の低さをあらわすものと言わざるを得ない。

取材に応えている施設長の口にする虐待再発防止策が「防犯カメラ導入」であるというのも情けない・・・監視体制の強化でしか虐待を防止できないというのか・・・このような対策が一番に口にされるという状態である法人は、社会福祉法人の体をなしていないと思う。

もう一度社会福祉法人 戸井福祉会の公式Webを読んでみると、ここには『人間愛』が一番の理念に掲げられている・・・空しい看板である。

昨年のネグレクト疑い事案から、今回の身体への暴力が疑われる虐待という経緯を考えた場合、法人理事長・施設長という両トップの責任は重たい。お詫びして終わりでは済まされないケースだろうと思う。

このような職場を正常な状態に戻すには多大なエネルギーを要する。何より入所者を顧客と意識して接するサービスマナー教育が必然である。それも実効性のある、実務に生かせるマナー教育でなければならない。

全ての介護事業関係者は、こうした事件を対岸の火事として眺めるのではなく、自らの職場をこうした劣悪な職場にしないために、日ごろから従業員に対してサービスマナー研修を行っておかねばならない。

そのことが利用者の人権と尊厳を護る対応に繋がっていくのである。少なくともサービスマナーが徹底された職場で、虐待が起こることはないのである。


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隠ぺいは事業者を護らない



今月11日に更新した、「虐待防止措置未実施減算が新設されたという恥」でも書いたが、介護サービスの場で高齢者が虐待されるケースが後を絶たない。

本来、人の暮らしを護るはずの介護事業者が、人の暮らしを壊し、人の心を殺している実態が「高齢者虐待防止措置未実施減算」という恥ずべき費用減算を新設させた背景にあるということだ。

残念ながら大型連休を前にして、そうした恥ずべき虐待行為が新たに明らかとなった。

今月22日滋賀県は、野洲市にある特別養護老人ホーム「野洲篠原すみれ園」の運営法人に対して5/1〜1年間新規利用者受け入れ停止の行政処分を言い渡した。

この施設では、2023年の10月までに施設の介護スタッフ3人が入居者12人に対して、叩いたり、押さえつけるなどの虐待が15件もあったことが確認されており、その行為とは下記のように報告されている。
・利用者の顔や腕をたたくなどの身体的虐待
・利用者が介護を求めても「あなたの体が悪いから」と暴言を吐いて介護をしない心理的虐待


それだけではなく施設長はこうした介護スタッフの虐待を認識していたにもかかわらず、市に報告をせず、虐待による内出血のあった入居者の家族に対して「事故が原因だった」と虚偽の説明をし、虐待を隠蔽していたそうである。

今日の情報社会で隠ぺいは通用しないし、悪をはびこらせる結果にしかならないことに、なぜ気が付かないのだろう。

報道によると隠ぺいの理由は、「市から指導を受けたあとも、連続で虐待が発生し言いづらくなって隠ぺいした」というものだ・・・まったくガキっぽいとしか言いようがない理由である。

こうした人物が特養のトップを担っているのだから、利用者の尊厳をも護るなんてことはできないだろう。

この施設の公式サイトには、「心のこもったおもてなしを〜ぬくもりのある空間で安心して暮らせる自分らしい暮らし」という理念が掲げられているが、それは皮肉にしか思えない・・・看板に偽りありといったところだ。

同サイトにはお詫びとお知らせ【不適切なケア及び法令遵守体制についての状況と改善策】が掲載されているが、ここでは隠ぺいの事実は載せられていない。当然そのことの反省や改善策も書かれていない。隠ぺい行為自体をなかったことにしたいのか・・・。

隠ぺい工作を行った施設長は、理事を解任されただけで、異動して終わりである。当該法人の別施設でトップを務めているのだろうか・・・本来なら解雇が最もふさわしい処分ではないのか?

虐待当事者は刑事責任も問われる可能性があるのだから、そうした行為を隠蔽した当事者には、もっと重たい処分を課すべきだと思う。

行政処分については、利用者の不利益を考慮して指定取り消しにはならなかったが、1年間の新規利用者の受付停止は経営に相当な打撃を与える。

特養の場合、年間退所者は平均2割程度だろう。この施設は100名定員だから20人強の退所者が出ることが予測されるが、そのベッドが埋められないということは収入的には大打撃である。物価高に対応したプラス改定がなかったことを考えるとかなり痛い・・・しかも処遇改善加算は、収入に対する加算だから、この施設ではその算定額も大幅に減ることになり、そのために従業員はもっと給料が高いところに転職してしまう可能性もある。

どちらにしても施設経営に大きな影響が出る問題だ。だからこそ経営者や管理職は、こうした虐待が起きないように、その予防策に真剣に取り組む必要があるのだ。

では、こうした虐待をなくすためにはどうすればよいのだろう。

高齢者虐待防止措置未実施減算が適用されないためには、 従業者に対し虐待の防止のための研修を定期的に実施することとされている。少なくとも年度ごとにこうした研修を行わねばならないわ毛であるが、「虐待をしてはならない」ということ自体は誰しもがわかっているわけである。

そうであればこうした研修で、虐待予防効果が期待できるようにするためには、その内容が問題になる。単に虐待行為を挙げて、そうした行為をしてはならないということに留まるような研修では意味がないということだ。

日常の介護の在り方や、その考え方が問題になることを強く意識し、どんな行為が不適切ケアに結びつき、それがどのようにして虐待行為に発展するのかということを、過去の具体例から示したうえで、そうした行為に繋がらないための考え方・職場環境の整備について具体的に示す必要がある。

しかもその具体策とは、「頑張らなくともできること」・「日常の業務の在り方をほんの少しだけ変えれば実現すること」でなければならない。

従業員全員が毎日必死に頑張らねばできないことなど実現しないからだ。

さらに一度虐待が起きてしまえば、どのような状態になるのかも、過去の例を紐解いて明らかにせねばならない。

僕は、そうした実効性のある「高齢者虐待防止講演」を全国各地で行っているので、是非講演希望の連絡を入れてほしい。

まずは問い合わせだけでも構わないので、あかい花公式サイトの右上の✉マークをクリックしてメール連絡してください。


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虐待防止措置未実施減算が新設されたという恥



今年度の介護報酬改定では、居宅療養管理指導と特定福祉用具販売を除く全サービス横断的に高齢者虐待防止措置未実施減算が新設された。

所定単位数の100分の1に相当する単位数の減算対象となるのは、虐待の発生または再発を防止するための委員会の開催・指針の整備・研修の実施・担当者を定めるという4点のいずれか一つでも実施できていない場合である。

介護事業者がサービス利用者を虐待しないということは極めて当たり前である。虐待しない事業者が良い事業者というわけではないのだ・・・だからこそ万が一にも虐待という行為に走る従業員がいないように、防止措置を多重化して取っておくということが求められているのだろう・・・。

だがなぜ今、多種類サービス横断的に高齢者虐待防止措置未実施減算が導入されたのかという意味を介護関係者は考えなければならない。

減算導入ということは罰則強化という意味なのだ。それをしなければならないほど、介護サービスの場で高齢者が虐待されるケースが後を絶たないと思われているからではないのだろうか・・・。

勿論、大多数の介護事業者や看護関係者は虐待とは無縁の対応を行っていると思う。しかし我が国全体の介護サービスの状況を見渡した時、月単位でどこかの介護事業者で虐待事件が起きていることが報道されている。そのことによって報道される介護サービスの場での虐待事件は氷山の一角であり、もっと多くの虐待事件がそこかしこの介護事業者で行われているのではないかというふうに思われている。

虐待とは無縁で、日々利用者の暮らしの質を向上させるために努力している介護事業者や関係者も、虐待を行う事業者や従業員と同様にみられているのである。
介護事業の闇
一昨日も高齢者介護施設における虐待事件が報道された。4/9勤務先の福祉施設の入所者に暴行を加え負傷させたとして、群馬県警高崎署は9日、傷害の疑いで、高崎市の介護福祉士・永瀬智也容疑者(45)を逮捕したというニュースだ。

逮捕容疑は8日午後4時半〜同5時半ごろ、容疑者が入所していた90代の女性をベッドに移す際、女性の髪をつかんで投げ飛ばしたり、足で蹴るなどしたりして、左手首骨折や右ろっ骨の損傷など全治4週間のけがを負わせた疑いである。犯行動機について容疑者は、「言うことを聞かないので、イライラした」と話し、容疑を認めているという。

言うことをきかないだけで、髪をつかんで投げ飛ばしたり、足で蹴るという行為に及ぶこと自体が理解できないが、こうした人間がなぜ介護福祉士という資格を取得し、高齢者介護施設(事業種別は不明)で働いていたのか。

そもそも利用者が従業員の言いなりになるわけがない。それぞれ個性が異なり、意思がある人がそれぞれの考えで何かをしようとするのだから、施設や従業員の都合に合わせて動いてくれるわけではないのだ。

それを集団生活だからとか言いながら、変なルールを押し付けようとするから従業員の意識が低くなるのだ。特養やGHなどの高齢者福祉施設は集団生活の場ではない。そこは強いられた共同生活の場にしか過ぎず、集団論を通用させてはならない場所である。

共同生活の中で、きちんと個別のニーズに対応した暮らしの支援をする専門家を育てるのが、高齢者福祉施設の経営者や管理職の責任である。

事件が起きた高崎市の高齢者福祉施設では、きちんとした従業員教育や適性判断ができていたのかが問われるが、これほどひどい犯罪が介護サービスの場で行われている事実が、虐待と無縁の介護事業者が大多数であるという訴えを霞ませて、それが事実ではないと世間一般に思わせてしまうのである。

人材が足りないから、本件の容疑者のような従業員が増えているのかもしれないが、人の暮らしを支え護る介護事業の本質を揺るがせないためにも、今一度人材採用と教育というマネジメント部分を強化する対策をとってほしい。

そうして改善していかないと、介護事業が社会の必要悪とされてしまう恐れがある。そうなれば誰もそこで誇りをもって働くことなんかできなくなる。そして人材は益々減り、事業経営もできなくなってしまう。

そうならないように高齢者虐待防止措置未実施減算なんて必要のないと云われる介護業界にしていかねばならない。心からそう思う。
masaの選ばれる介護経営
※株式会社マイナビの情報サイト・メディカルサポネットの菊地雅洋の波乱万丈!選ばれる介護経営〜Vol.4のテーマは、「処遇改善加算の恩恵がない居宅ケアマネジャーの待遇改善をどう考えるか」です。是非参照ください。


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虐待死亡事件の背景にあるもの



僕は複数の出版社から自著本を上梓しているために、プロの物書きとみなされることがある。

今現在も毎月、原稿料収入を得ていることから考えても、そうした見方は間違っていないし、場合によっては作家と名乗っても詐称ではないのだろうと思う。

そんなこともあってか、最近は介護業界誌のみならず、一般の週刊誌等から執筆依頼を受けることがある。週刊○○と聴いてピンとくるような雑誌に、ひそかに記事を書いていたりする。(※おそらく多くの介護関係者は、僕がそのような記事の執筆者であることに気が付いていないだろう)

それは当然介護に関連した記事であり、介護業界の内部事情を知る立場の物書きとして依頼を受けるわけである。
虐待介護という闇
例えば介護事業における虐待死亡事件・・・その背景に介護業界の古い体質や因習が存在するのではないかという問題。一見普通の人に見えたり、良い人と評価されている人が、密室化された介護事業所の中で、悪魔のように人を傷つけ命を奪う理由・・・そんなことに切り込んだ記事を数件書いている。

当然そうなると取材が必要になる。裏をとらなければ書けない問題も多いからだ。勿論その際は、原稿執筆料とは別に取材費もいただいて仕事を受けることになる。

そうした取材を行うと、新聞やネットニュースの虐待報道が、いかに表面をなぞった浅い報道でしかないことが見えてくる。そこには表面化した事実はあっても、事件の真相や真実はほとんど存在していない。

昨年、某地域の特養で、利用者の背中を車椅子の背もたれ越しに蹴り、内臓破裂で死に至らしめた介護職員がいた。

内臓を破裂させるほどの強い力で利用者を蹴り殺した男が口にする犯行動機は、「忙しいときにいろいろ頼まれて腹が立った」というものである。介護職員は利用者に頼んでもらってなんぼの仕事ではないか・・・それにいちいち腹を立てて、蹴るという野蛮な行為に及ぶ理由が、単純に利用者の言動に腹が立ったというだけなのだろうか・・・。

果たして被告はどのような人物だったのだろう。

事件直後、当該施設の事務長等は新聞社の取材に対し、「被告は勤務態度は良好で、仕事ぶりも評価されていた」と答えていた・・・そういう人物がなぜ、利用者を蹴り殺すほどの非常な行為に及んだのか・・・。

しかし取材して見えてきたものは、事務長が口にした評価とは異なる被告の姿である。被告の勤務態度が良好であったという評価とは、単に決められた仕事がそつなくこなせるという意味にしか過ぎないことが分かった。

上司や同僚に取材を積み重ねて見えてきたものは、被告の利用者に対する顧客マナーに欠けた日ごろの態度である。

利用者が手を差し伸べてほしいと訴える声を無視したり、ナースコールに応ずる際に荒々しく対応したりする行為もあったらしい。被告の利用者に対するタメ口や舌打ち、下品な声かけは周囲の従業員の耳にも入り、それをストレスと感ずる同僚も存在していた。

しかしルーチィンワークは滞りなくこなせる人物であったために、そのことを注意してへそを曲げて辞められたら困るという意識が上司をはじめ、周囲に広がっていたのである。

つまり本件は、タメ口や節度のない対応に対する注意や指導が行われないまま、業務をこなせることだけを評価した成れの果てに起こったものであると結論付けられる。

このように辞められることを恐れて注意ができないというケースは数多く耳にする。しかしその状態は、本件のような事業継続を危うくするような事件の原因にもなるし、そうした職員の態度を放置しておくことは、志の高い職員をバーンアウトさせることにもつながりかねない。

サービスの品質などそこには存在しなくなるだろう。

そもそも不適切な勤務態度に対して、注意も指導もしない結果、それで人材が充足した事業者がっ存在するのだろうか・・・そんな事業者があるということを、僕は一度も耳にしたことがない。

正当な指導に腹を立てて辞める人物は、そこに必要がない人物なのである。辞めてくれればラッキーなのだ。

そういう経緯を積み重ねて、志が高い人材が定着することによって、はじめて人材は充足するということを忘れてはならないのである。

そして顧客に対するサービスマナー意識のない従業員は、本件のような事件をいつ引き起こさないとも限らないし、そうした従業員の態度を放置し許しておく介護事業者は、そのしっぺ返しとして、社会的・道義的責任を負うということを理解せねばならない。

従業員にサービスマナーを浸透させない場所で、利用者の人権を護るという意識など生まれないのである。それはもう対人援助とは程遠い、人権蹂躙の密室と言わざるを得ない。


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身体拘束は虐待ではないと強弁する恵山恵愛会・理事長



昨日、「身体拘束廃止の取り組みが今更強化される意味」という記事をアップし、人にとって豊かな暮らし、生活の質とは何かという問題提起を行ったばかりだ。

しかしそのすぐ後に、北海道・函館市の特別養護老人ホーム「恵楽園」で、日常的に身体拘束が行われており、問題となっているというニュースが道内を駆け巡った。

身体拘束の状況は、入所者の同意を得ずにシーツで縛ったり、落下の恐れがあるとしてベッドを柵で囲うなどしていたというものだが、コロナ禍で面会制限が行われた以後は、特にその状態がひどくなり、日常的に拘束がおこなわれていたという。

下がその状況を撮影した画像である。
函館恵楽園の身体拘束
ズボンがずり下げられて、おむつ姿で下半身が丸出しの状態でベッドに寝かされている画像もある。身体拘束も問題だが、このような羞恥心に配慮のない状態も問題視されるべきではないのだろうか。

下記のような画像も撮影されている。
函館恵楽園の身体拘束2
認知症とされる入所者の方が、足をベッド柵に挟んで座っている。見た通り座位保持に全く問題はない。

このような方を4点柵で囲って、行動制限する理由がどこにあるのだろうか・・・。

しかしこの状況に対する経営法人の考え方は驚くべきものだ。

施設を運営する社会福祉法人恵山恵愛会の菅龍彦理事長は、「身体拘束があったことは事実で反省しているが、虐待を指摘されるようなことはしていない」と強弁しているのである・・・「職員が介護に必要だと考えて行ったもの」・「短時間であれば許されるという考えがあった」などとも述べている。

世間の常識からかけ離れた、この理事長の感覚はどうしようもない。そもそも問題となっている身体拘束は、切迫性・非代替性・一時性の3要素が備わって緊急やむを得ず行っている拘束ではない。介護職員の仕事が楽になるようにという理由で行っている破廉恥な行為である。

それを虐待といわずに、何をもって虐待というのだろうか・・・。

そもそも身体拘束は介護ではない。介護の介は、『心にかける』という意味であり、介護の護は、『まもる』という意味である。心にかけて護る行為と、身体拘束は対極にあるものだ。

よって菅理事長の屁理屈と強弁には、一片の道理も見出すことはできない。

さすれば、この法人の従業員教育とはいかばかりのものであったかは容易に想像がつく。まともな倫理教育などしていないし、ましてや利用者に対する人権意識やサービスマナー意識を植え付ける教育など、まったく行われていないのだろう。

その結果、特養という終の棲家が、永遠なる人権侵害の場に化しているのである。

それにしても拘束することそのものが虐待であるという認識がない場所で暮らしている人は悲劇であるとしか言えない。

こういう理事長は、即刻介護業界から退場願いたいものだ・・・社会福祉法人恵山恵愛会の評議委員会は、理事長責任を徹底的に糾弾せねばならない。

介護関係者の皆様は、この酷い状況を対岸の火事と見ず、わが身に起こることかもしれないと考えて、そうならないように日ごろの人権教育・サービスマナー教育に努める必要があることを、改めて心に刻んでいただきたい。


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実効性のある虐待防止に取り組まない介護事業者の末路


介護保険施設での暴行死亡事件として、現在一審の審議が進行中で、11月27日に判決言い渡しが予定されている裁判がある。

2022年10月、福島県小野町の特別養護老人ホーム「つつじの里」で入所者の女性が死亡した事件をめぐり、当時94歳の女性に暴行を加え、死亡させたとして介護福祉士の冨澤伸一被告(42)が傷害致死の罪に問われている裁判である。

11月8日の初公判で冨澤被告は、「暴行などは行っていない」と起訴内容を否認した。

これに対して冒頭陳述で検察側は、冨澤被告が「故意に暴力をふるった」と指摘した上で、事件当時同僚に対して「警察に逮捕されるかもしれない」などと話していたと主張した。

一方、弁護側は「暴力は振るっていない。被害者が自ら転倒した可能性もある」などと無罪を主張し、双方の主張は真っ向から対立している。

判決は11月27日に言い渡されるが、被告の主張が認められて、無罪放免となる可能性は低いと予測されている。
癒し
というのも、判決に先駆けた2023年10月19日、小野町が本件が冨澤の犯行であることを認定するとともに、他の虐待行為も存在したと認定し、特別養護老人ホーム「つつじの里」に対し、介護保険法に基づき、事業者の指定の効力の一部を停止し、新規入所者の受け入れ停止6カ月の行政処分を行っているからだ。(※処分は同日付で、期間は来年4月18日まで。)

小野町の調査によると昨年10月8日深夜から翌朝にかけて入所者の女性1人が死亡した事件では、介護福祉士冨沢伸一被告(42)による身体的虐待が認められた。そのほか、事件後に町が7回にわたって行った監査で、別の職員1人が大声を上げるなどの心理的虐待をしていたことも判明。施設の虐待疑いに対する予防が一時的なもので、対応を放置しており、介護などの放棄が認められたとした。

こうした調査報告と処分内容も判決に影響してくると思われる。11/27にどういう判決が出されるか注目したいところだ。

この事件に関しては、被害者の親族らが損害賠償を求める訴えも起こされている。訴えによると親族らは、冨澤被告と施設を運営する「社会福祉法人・かがやき福祉会」に対し、女性の死亡による慰謝料などあわせて約4.975万円を求めている。

小野町の調査で、「施設の虐待疑いに対する予防が一時的なもので、対応を放置していた。」と結論付けられている以上、母体法人が損害賠償責任を負うこともほぼ間違いないところだろう。

このように一度このような事件が起きると、その法人及び施設の社会的信用度が一気に低下するにとどまらず、損害賠償という形の金銭補償が必要になる。場合によってそのことは、今後の事業経営に大きな支障となり、廃業に進む道につながりかねない。

虐待予防対策がアリバイ作り的な形式なもので、本当に人の暮らしを護ろうとする人材育成をしてこなかったつけであるとしても、その結果はあまりも代償が大きいものといえる。

そうならないための唯一の方法は、虐待などが起きてから対処するのではなく、日ごろから不適切対応が起きないように対策することだ。

その基盤になるのが、従業員に対して定期的にサービスマナー教育を行って、利用者はお客様であり、家族とは違う存在であるという理解を促し、顧客対応としてふさわしい対応の基本姿勢を身に着けたうえで、その上にさらにお客様におもてなしの精神をもって接することができる、「ホスピタリティ精神」を醸成することだ。

そうした精神はマニュアルで作ることは不可能である。精神とは自然と心の中に湧きあがってくる気思いなのだから、湧き上げろと言ってどうなるものでもないのである。

そうした精神は、日常的お客様に対するサービスマナー意識をもって接する先にしか生まれないのである。

そんな精神基盤のない場所で昨日も事件が明らかになっている。
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(道新Webより転載)
札幌中央署は9日、傷害の疑いで、札幌市中央区宮の森、介護職員・成田匡徳容疑者(30)を逮捕した。逮捕容疑は、10月29日午後5時ごろから同30日午前8時50分ごろにかけ、勤務する介護付有料老人ホームで、入所者の女性(73)をベッドに放り投げるなどし頭や腕などに軽傷を負わせた疑い。
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こんな哀しくて情けない事件が繰り返されることがないように、対人援助のプロとして、人として、ごく普通に人を護る介護支援に携わるようにしていかねばならない。

その為には利用者を人として敬い・人間愛を寄せて手を差し伸べる基盤を創り上げなければならない。

良い介護をする前に、当たり前の介護を毎日繰り返すことができる対人援助のプロを育てていく必要がある。

今日は19:00〜20:30の予定で、長崎県島原市に向けて島原市グループホーム連絡協議会主催研修として、「サービスマナー講演」をオンライン配信する予定だ。日勤を終えた方も受講できる時間帯ということで、遅い時間の配信となるが、受講者の皆様の心に響いて、ごく当たり前にマナーを忘れずに利用者対応できるように伝えたいと思う。

島原市の介護関係者に向けて、エールを送る動画も作成しているので、ぜひ下記参照願いたい。

島原市の皆さんと午後7時から、オンラインを通じてお愛できるのを楽しみにしています。どうぞよろしくお願いいたします。






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あなたが何度も言っていることでも、認知症の方は初めて聴くことです。


このところ連日、介護施設職員の利用者に対する暴力報道が繰り返されている。

滋賀県野洲市や大阪府枚方市では、複数の利用者に暴力を加えてけがをさせた介護職員が、それぞれ逮捕されている。

こんなにも次々と事件が続くと、介護施設はあたかも必要悪で、そこに一旦入所してしまったら、どのような扱いを受けても不思議ではなく、虐待を受けなければ幸運であるなんて言う偏見が広がりかねない。

虐待や不適切サービスとは無縁の、多くの介護施設関係者は、昨今の状況に大いに心を痛めている。なんとしてでもこうした状況をなくしていかねばならない。

だからこそ人材不足だからといって、闇雲に募集に応募してきた人間を採用しないでほしい。特に何種類もの介護事業者を渡り歩いている人は、それなりに定着できない理由があるのだから、採用はより慎重にすべきだ。

渡り鳥のように所属事業者を変える人の中には、就職先で利用者に腹を立てて、不適切な言動が問題になった過去を持つ人間が少なからず混じっている。そういう人は矯正不能と考えた方が良いのである。今後注意をし続ければ、そういう間違いは2度と起こさないだろうなどという、根拠のない期待が経営リスクに直結することを理解しなければならない。

ところで過去に介護事業者で起こった事件の原因を探っていくと、入所者の行動にイラついて腹を立てて暴力に及んでいるケースが少なくないことがわかる。特に認知症の人の行動にイライラして思わず手を挙げてしまうという虐待事案が介護事業者を舞台に繰り返されている。

しかし認知症の人に何度も同じ注意をしても、行動変容できないのは当たり前のことだ。怒るという感情はおいそれとコントロールできるものではなく、怒らないという状態に自分を持っていくのも極めて難しい。(※アンガーマネジメントも、怒りを鎮める技術ではなく、怒りをマネジメントして、怒りのありようを知ることで怒りという感情に流されないようにする技術でしかない)

認知症の人の行動にいちいち腹を立てても何の意味もなく、腹を立てるだけ無駄であるし、そのことで手荒な対応を行えば、認知症の人の行動はさらに理解不能なほどエスカレートして、介護従事者の仕事は増えるだけの結果にしかなならない。・・・認知症の人の行動に腹を立てるほど、無駄で非効率的な行動は他にないのである。

このことを全職員が把握・理解することが求められるのである。
記憶と回路の違い
上の図は、『認知症の理解』などをテーマに行う僕の講演のスライドの一部である。

アルツハイマー型認知症の人は、脳の後ろ側にある細長い器官『海馬』の周辺に血流障害が生じるという特徴がある。その為、アルツハイマー型認知症の初期から海馬が機能不全に陥ることがわかっている。

この『海馬』とは、見たり聞いたりした情報をいったんためて、記憶として脳に残す器官である。この器官が機能不全に陥るということは、新しい情報が記憶にならないということだ。

つまり、認知症の人に行動・心理症状(BPSD)が表れて、その行動が傍から見て危険であるからといって注意しても、認知症の人自身は、自分の行動には理由があるし、決して危険な行動をとっていると思っていないので、その行動をなじられる意味が分からない。

それだけでなく、自分に対して第3者が怒って注意しているということ自体が、記憶に留まらないのである。

つまり何度同じ注意をしても、云うことをきいてくれないと介護従事者が思っていたとしても、認知症の人は、注意されるその瞬間から記憶は脳にたまらないため、注意されたという経験そのものが消えてなくなるのである。

介護従事者が同じ注意を百回その場で行ったとしても、認知症の人にとっては、1回目の注意も、100回目の注意も、同じく初体験である。それが認知症という症状の特徴なので、そのことにイラついても始まらないのだ。

行動・心理症状が目立つ人に対しては、よりその人の目線に立って、何をしたいのかを探ると共に、笑顔で目を見て、丁寧な言葉で対応することが重要になる。(参照:カンフォータブルケアに注目が集まりましたね)

こうした対応を繰り返していくと、その介護従事者の対応によって認知症の人の行動が落ち着くスピードが速くなり、行動・心理症状の頻度が減ることがわかるようになる。

人の顔も名前も記憶できない人が、なぜ特定の介護従事者の対応に反応するのだろう。それは全景の図に関係がある。

アルツハイマー型認知症の人は、海馬の機能不全が起こるが、小脳の機能は正常に働くことが多いため、ここに残る記憶は比較的晩期まで残るのだ。するとここには手続き記憶が残ることがわかってるが、同時に、『感情の記憶』も小脳に残ることがわかっているのだ。

つまりこの人の顔も名前も知らないけど、この人の声を聴いたら何となく落ち着くという感情の記憶によって、いつも丁寧で優しく、笑顔で対応してくれる人は、認知症の人にとって信頼できる誰かであると認識されているのだ。

だからそうした信頼できる介護従事者の対応で、行動・心理症状は軽減されるのである。

腹を立てても解決しない問題は、こうして笑顔で優しい対応によって解決に結びつくのだ。そう慣れば仕事も減って、楽に業務をこなせることに繋がっていくのだ。

認知症ケアの達人と呼ばれている人たちは、このように楽ちんな状態を常に創り上げて、成果を挙げていることを理解せねばならない。・・・どちらが良いのかは一目瞭然の世界である。
CBブレイン連載記事
CBブレイン「快筆乱麻masaが読み解く介護の今」、今月号の連載は本日アップされています。経済対策として実施予定の、介護職員らの給与引き上げについてどう考えるべきかを論じています。こちら
参照ください。





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短期間で利用者への暴行・逮捕が繰り返された特養が問われる責任


要介護者にとって、自宅を離れて住み替えの居所として選ぶ介護施設は、終の棲家ともいえる場所である。

そこには自分の尊厳を護り、暮らしを支えてくれる信頼できる介護支援者がいるはずである。

利用者はそう信じて、不自由になった自らの身を介護施設に委ねるのである。

私たち介護関係者は、そうした利用者の信頼に応えるために、対人援助に必要な知識と技術を常日頃から磨く義務がある。介護という職業で生活の糧を得ている以上、そう考えるのは極めて当然のことである。

そうした考え方や覚悟を持つことができず、努力をしない人は人の暮らしに関わる職業に就いてはならない。

なぜなら対人援助に向かない人が無理にその職業を続けても、自分にとっても、サービスを受ける利用者にとっても、双方ともに不幸な結果にしかつながらないからだ・・・。そんな事件が巷では、繰り返し短い期間に起こっているという哀しい現実が存在する。

「安心でぬくもりのある家庭的雰囲気の中でサービスを提供します」・「彩り豊かで実りのある暮らしを」・・・介護事業者が掲げる理念としてはよくあるフレーズであるが、これは今年5月と今月6日に、利用者に対する暴行事件を起こして、2名の逮捕者を出した特養のパンフレットに掲載されている言葉である。

事件を繰り返し起こしている施設のこうした理念は、ただただ空しい・・・。今となっては、その文言をパンフレットに掲載していること自体が恥ずかしいことでしかなくなる。

その事件を振り返ってみよう。

社会福祉法人・湖星会が経営する札幌市中央区の特別養護老人ホーム、「ラスール苗穂リバーサイド」で、10/5:午前0時半ころ、介護職員の女が入所している女性(87)にけがをさせたとして逮捕された。

容疑者は施設の共用スペースで、被害女性を床に引き倒して右足の骨を折る重傷を負わせている。犯行動機については、「夜中に言うことを聞かず歩き回るのでイライラしてやった」と容疑を認めているとのことだ。
暗闇
しかしこの特養で、職員が介護者に暴行して逮捕された事件はこれだけではない。今年5月にも男の介護職員が、入所している男性の腹を蹴ってけがをさせる事件を起こしているのである。

利用者を引き倒して床を引きずる行為、そして利用者の腹を蹴るという行為・・・どちらもはずみであるとも言えないし、そんなつもりはなかったとも言えない、言い訳のきかない暴力そのものである。

このように利用者の身体に直接暴行を働くという卑劣な暴力行為が、なぜ短期間に繰り返されるのだろう。

どんなに採用条件を厳しくして、職員教育を熱心に行っても、その網をすり抜けて利用者に対し不適切行為に及ぶ人間を完全に排除できない。そのため介護事業経営者にとって、サイコパスのような人間が混じって、何か重大な問題を引き起こさないかという懸念は尽きない。

そういう意味では、ある日急に上司や同僚の目の届かない場所で不適切行為に及ぶ職員がいたことが発覚する可能性は、どの職場にもあると言えるだろう。・・・しかし一旦、そうした不適切行為が発覚した場合は、早急にその原因を探り、同じ行為が繰り返されないように徹底的に改善措置をとるのが経営者や管理職の務めである。

しかるにこの特養では、半年にも満たない極めて短期間に重大な虐待行為が繰り返されているという事実がある。これは加害者の責任にとどまらず、管理責任が厳しく問われなければならないケースである。

最初の事件が起きた後、徹底的に原因追求と再発防止措置が取られていたのかという再検証が必要だ。

アンガーマネジメントの基盤となる自己覚知の教育は行われていたのだろうか。利用者を単なるユーザーとみなさず、顧客であるという意識をもって、サービスマナーを護る意識教育がされていたのかが問われてくる。

本来なら、こんな短期間に暴力事件が起きる特養など廃止すべきであるが、利用者がいるという問題がある。その方々に不利益が生じないように、経営法人は襟を正して健全なる施設経営への再スタートを切らねばならない。虐待の芽を摘むために、徹底的にうみを出して改善しなければならない。






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私たちの手は何のためにあるのですか?


一昨日(9/27)茨城県日立市の介護施設で、入所中の85歳の女性の頭を殴り、全治1週間ほどの怪我をさせたとして、青木宥磨(あおき ゆうま)容疑者(25)が逮捕された。

事件は9/26に別の職員から「介護職員が入所者を虐待している」と110番通報があり発覚している。(※介護施設の種別は報道されていない。)

取り調べに対し、青木容疑者は容疑を認めているということで、警察が詳しい動機などを調べているそうである。・・・がどうせ介護のストレスとか、かっとなってつい手を出したとか、おざなりの動機が語られて終わりなのだろう。

しかし介護事業者における職員の暴力行為は、そのような単純なものではない。

そもそも採用時に、対人援助に適したスキルや考え方を持っているのかという評価ができていないまま採用し、やりたい放題やらせている事業者も多い。利用者を護るための職業という本質を理解しないまま、自分の機嫌や感情の赴くままに、我がままに仕事をこなしている結果が、ちょっとした行為に腹を立てて手を出すという馬鹿な行為に繋がっていくことが多いのである。
介護の闇
この事件の容疑者も、そんな環境に甘えた人物でなかったのかどうかをまず検証すべきだ。(※FBでこの容疑者ではないかと思われる石岡市在住の人物を発見したが、容姿で判断してはならないけれど、とても真面目そうな人物には見えない。)

同時に容疑者のパーソナリティが対人援助に向いているか・向いていないかという以前に、介護という職業を通じて生活の糧を得る、対人援助のプロとしての適正評価も教育もしていない中で、サービスマナー意識を植え付けることなく、数合わせで人を採用して、ろくな教育もせずに介護の場に放り出して、先輩職員のやり方を見て仕事を覚えさせるような職場では何でもありだ。

利用者に暴力をふるうことをなんとも思わない人間が混じって当然である。

こうした事件が起きないようにするために、採用時の人物チェック〜採用後の適正確認とふるい落とし〜OJTに入る前の基礎教育としての座学の徹底〜計画的で統一した方法で行うOJT〜入職1年間程度の地租期と技術取得のフォローアップという実効性のあるシステムを創り上げておかねばならない。

プロの対人援助者を育てるための、実効性のあるシステムのないところは、それ自体が経営リスクであることを理解すべきである。

本件だけではなく、今週は介護事業者の不適切対応が、続々と報道されている。

同じく9/27に和歌山市の認知症対応型共同生活介護での某両事件に対する処分が明らかになっている。

和歌山市は、同市内の認知症対応型共同生活介護施設「グループホームすずらん内原」を運営する、和歌山市内原の有限会社ライフパートナーに対し監査を行い、6ヵ月間の新規受け入れ停止と介護報酬の請求上限を7割とする処分を行ったと公表した。

その理由は、GHにおいて女性管理者(56)が、今年6月頃、70歳代の利用者の頬を手で叩く暴行を加えたほか、今年7月頃には男性職員(62)が別の利用者の額を手で叩く暴力を加え、身体的虐待を行ったことによるものだ。同グループホームは9月末で廃止になるという。

そもそも人を殴る、人の顔をはたくという行為を、いとも簡単に行う人は、いったいどういう思考回路なんだろう。果たして自分が働く職場の顧客に手を挙げることに、ためらいとか、後悔とかはないのだろうか・・・。

顧客である利用者に手を挙げるような管理者がいては、そこの従業員の人権意識なんて無きに等しくなるのは当然だ。こんなGHが廃止になるのは当然だが、加害者である管理者と従業員も、当然逮捕してしかるべき処分を受けるべきだと思う。逃げ得を許してはならない。

それにしても連日のように、介護事業者での虐待・暴力事件が報道されると、すべての介護関係者が同じ穴のムジナとみなされてしまう。

普通に人を護る対人援助サービスを行っている人にとって、これほど迷惑なことはない。

目の前に存在する介護サービス利用者の方、その一人一人を愛おしく見つめ、最大限の配慮を行いつつ、日々の日常支援に努めている介護関係者にとって、これほど腹立たしいことはないのである。

私たちの手は、利用者の顔を殴るためにあるのではなく、温もりを利用者に届けて、心安らかになってくれるように差し伸べるためにあることを忘れてはならない。






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完全テレワーク居宅介護支援事業所からのプレゼンツ


札幌西区発寒にある、「つなぐ手ケアマネセンター」は、テレワークのみで勤務できる居宅介護支援事業所である。

年間休日123日という魅力も見逃せないが、何より自由な社風で事業所に足を運ばなくても良い環境であるにもかかわらず、きちんと社員に対する教育・指導にも力が入れられていることは特筆すべきことだろう。

そのため在宅のみで仕事をしているケアマネジャーも、決して孤独感を覚えることなく安心して仕事や相談ができ、自信をもって利用者対応が可能となっている。そんなふうにケアマネジメント能力に長けた達人ケアマネを幾人も育てている素敵な事業所である。

現在つなぐ手ケアマネセンターには、ケアマネだけで16名・バックオフィス(事務専任)4名・システムエンジニア1名の合計21名が勤務している。そのスタッフの中には札幌から200キロ以上も離れた地域に住んでいる人や、道外の方まで居られるのだから半端ではない。

そういう意味では、つなぐ手ケアマネセンターの拠点事業所は札幌にあるとはいえ、日本中がオフィスであるともいえるわけである。

そうした環境を踏まえて、もっとここで働くケアマネジャーがもっと増えて、札幌市で最大規模の居宅介護支援事業所になってほしいと僕は思っている。そうなれば発言権も増すからだ。(求人はこちら)

完全テレワーク可能な居宅介護支援ケアマネジメントに興味がある方は、是非リンク先をクリックして採用条件を確認していただきたい。テレワークなの札幌西区で活動している人に限らないし、他市町村でも同社に所属して、他市町村で居宅ケアマネとして活動することも可能である。

ところで僕は同社の顧問ということになっており、定期的に同社が配信するオンラインセミナーの講師役も務めている。
虐待防止無料オンラインセミナー
次回の配信予定は、8/17(木)午後2時〜60分となっており、「虐待防止」をテーマにしている。勿論、無料で視聴できるオンラインセミナーである。

先日アップした、「仕事のストレスを虐待の言い訳にするほど卑怯なことはない」でも言及したが、介護事業への信頼感を揺るがす事件が次々と引き起こされている。

このような事件が続く限り、社会が介護事業に向ける眼はますます厳しくなり、公費を手厚くかけることへの疑問の声が挙がりかねない。それは次期介護報酬のプラス改定の足かせにもなりかねない問題である。

こうした社会の信頼を揺るがす事件に繋がらないように、高齢者虐待の芽を摘む事業経営が求められるのだということを強く意識せねばならない。

今回の講演は60分で、とても聴きやすい内容と時間だと思うので、是非職場内のいろいろな人に声を掛けて一緒にご視聴いただきたい。

各サービスでは虐待防止研修の実施が運営基準上の義務になっているが、このオンラインセミナーを職場内研修として視聴することで、その義務もクリアできるので是非ご利用いただきたい。

このオンラインセミナーは事前申し込みも必要なく、どなた様でも無料視聴できるセミナーです。

ID:846 1504 9714
パスコード:279279

↑こちらを使って8/17(木)午後1時45分から入室可能なので、是非時間を空けて視聴ください。それでは画面を通じて、お愛しましょう。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。



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信じがたい虐待死をなくすために何をすべきか・・・。


今年5/9、埼玉県飯能市の特養で、入居している90歳の男性の背中を車いすごと蹴ったとして40代の職員が暴行の疑いで逮捕された事件・・・男性入所者はその後、搬送先の医療機関で内臓破裂で死亡しており、本件は傷害致死事件となったわけである。

この事件報道に触れて、よくこんな非道なことを昼日中の職場でできるものだと唖然とした。同時になぜこんな卑劣な行為が、利用者に対して行えるのだろうと憤りを感じた。

そもそも48歳の元施設職員の男が口にしている犯行動機が理解できない。

被告は、「忙しいときにいろいろ頼まれて腹が立った」と供述しているそうである。しかし介護職員は利用者からものを頼まれてなんぼの商売である。

僕自身は人からものを頼まれることは嬉しく感ずることはあっても、煩わしく思ったことはない。特養の生活指導員として就業し始めた当時、経験もなく知識も足りない僕に、僕よりずっと年上の利用者の方々が物を頼んだり尋ねたりしてくれることが嬉しかった。

それに応えようと知らないことは調べたし、できないことは他の職員に手伝ってもらいながら、できるだけ希望に沿うように努力した。

物を頼まれる=信頼されているという意味だと僕は思うのだ。その期待に応えることが対人援助という職業を選んだ僕の生きがいやモチベーションにも通ずるのである。

そもそも利用者からものを頼まれて、いちいち腹を立てていては介護の仕事なんて成り立たない。ものを頼まれることがストレスならば、人と向き合って行う職業は不向きである。そういう人は、人に向かい合わずに黙々と機械的作業に終始できる仕事に就くしかない。

そういう意味では、この被告は選ぶ職業を間違えてしまたのだろうか・・・。しかし職場内のこの被告への評判は悪いものではなかったようだ。

被告はこの施設に1年ほど勤務し、勤務態度は良好という評価であり、上司からも期待されていたとの報道がされている。

某報道機関のインタビューに答えてる他の施設職員によると、被告は「寡黙だが淡々と業務をこなしていた」という。「過去にトラブルになったこともない。」との報道もされている。
心の闇
さすれば事件の際に魔がさしたというのだろうか・・・。しかし魔というのには、あまりにも酷い行為である。

犯行は5月9日13:50分頃、2階の食堂で行われている。つまり被害者のほかにも多くの利用者がいたであろう時刻と場所であり、他者に見られることも構わずに行われていることになる。そのような被告が、果たしてその時以外は利用者に真摯に接することができていたのであろうか。

もしかしたら他の職員が見ていない場所では、とても人に見せられない態度で利用者対応をしていたのかもしれない。そんなことを疑いたくなるほどひどい犯行である。

それにしても、内臓が破裂するほどの強さで車いすの背もたれを蹴るほどの怒りの感情・・・被害者は、お身体が不自由な要介護の方でありお客様である。そういう方に対して、単にものを頼まれただけでそのような行為に至るほどの怒りの感情が噴出するだろうか・・・。ここは今もって理解不能だ。

この事件から教訓を得るものがあるとすれば、従業員全てが自己覚知を得る機会を常に意識して作る必要があるということだろう。

介護従事者は自分の感情を自覚し、自分の感情をコントロールして援助する必要があることを忘れないでほしい。仮に利用者が負の感情を自分に抜つけたとしても、その感情に引きずられて冷静な判断力を失わないように訓練する必要がある。

その時に必要となるのが、「自己覚知」であることは、このブログで何度も指摘している。自分が今、どのような行動をとり、どのように感じているかを客観的に意識することが大事なのだ。

つまり自己覚知とは自分をあるがままに受け入れること。そしてその感情をコントロールすることであり、自己覚知のない人は、自分の怒りが深刻な問題にならないように上手く制御し管理することは不可能であることを理解すべきだ。

アンガーマネジメントをいくら学んでも、「自己覚知」のない状態のテクニックは付け焼刃でしかない。いざという時に使い物にならないのである。

だからこそ日常的に職員教育の場で、「自己覚知とは何か・なぜそれが必要か・どのようにしたら自己覚知につながるのか・自己覚知を常に意識できる研修スタイルはどうあるべきか」についてしっかり考えてほしい。

このあたりは希望に応じて、僕の講演内容に取り入れて話をしているので、是非講演希望の連絡を頂ければお手伝いしたいと思う。

今日のブログで論じた事件の現場でも、「自己覚知」について、もっと真剣に学び取る場があれば、状況は変わっていたのではないかと考えるのである。
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本物の虐待防止を語らないと効果はない


介護事業における虐待防止をテーマにした講演依頼を受けることがある。

おかげさまで、こうした講演も実務に生かすことができるなどと高評価を頂いており、このテーマの講演依頼は何年も途切れることがない・・・。

しかしそれはある意味喜ぶべきことではなく、相も変わらず介護事業における虐待事案が無くなっていないという意味でもある。

できることなら一日も早く虐待とは無縁で、その防止のための研修がいらない業界になってくれることを切に願うものである。

虐待防止研修の難しいところは、虐待が罪であるとか、虐待をしてはならないということは、すべての人がわかっているという点である。わかりきったことを改めてレクチャーしても意味がない。

虐待は悪であり、罪であること自体を否定する人がいるわけではないのに、虐待がなくならないのは何故かという点に触れないと、問題の本質解決にはならないのだ。

感覚麻痺から虐待に至るケースは、本人が虐待をしていることに気が付かないケースがほとんどだ。そして虐待しているその己(おのれ)の醜い姿に気が付いていないのである。そうした感覚麻痺には必ず誘因が存在するのだ。そこを明らかにしないと虐待当事者に罪の意識のない虐待はなくならない。

それをわかっていない、「当たり前のことしか言わない」講師が存在することが、虐待防止の実効性が上がらない一つの要因ではないかと思ったりする。・・・そういう意味では、本当に虐待をなくして介護事業を経営するつもりがあるなら、きちんと実務に生かせる虐待防止講演ができる講師選びが重要であることを理解してほしい。
誰かのあかい花になるために
利用者虐待の加害者が、職場の中で要注意人物であるとも限らない。

例えば先週5/11に、埼玉県飯能市の特別養護老人ホーム「吾野園」の職員、加藤肇彦容疑者(48)が、食堂で利用者を蹴るという暴行の疑いで逮捕された事件もしかりだ。

食堂の防犯カメラには容疑者がテーブルの前にいた入所者を、背後から車いすごと前に蹴る様子が写っていたそうである。残念なことに被害者は暴行を受けたあと体調が悪化して意識を失い、およそ4時間後に死亡してしまった。(※その後の調べで、結果死因は強い衝撃を受けたことによる内臓からの出血だったことが明らかになっており、容疑もいずれ業務上過失致死に切り替わる可能性が高い)

警察の調べに対し容疑者は、「忙しいときにいろいろ頼まれて腹が立った」と、容疑を認めているそうである。

利用者からものを頼まれるのは本来業務である。よってそんな理由で暴力をふるうなんてあり得ないし、そんな理由で暴行に至る資質自体が介護に向いていないのではなかったかと思うのが普通だが、容疑者の勤務態度などについて理事長によると、『勤務態度は良好。一生懸命やっていた』と評価している。

虐待とは結びつかない勤務態度と思われていた職員が、テレビカメラに映る場所で、利用者を死に至らしめるほどの暴行に走っているのだ。

では何が虐待の原因に結びついていくのか・・・感情の問題だから、「アンガーマネジメント」の訓練によって怒りの感情をコントロールする教育をすべきなのか・・・。それも違うと思う。「価値観が変化する自分を覚知するために」で書いているように、自己覚知という基盤のないアンガーマネジメントは、技術論だけ頭でっかちになるだけで、実際のサービス場面では使えないものになって終わるのである。

実効性のある虐待防止の徹底した教育が求められるが、教育指導そのものの方向性を間違っている講師が多いのも問題なのである。

そうした憂うべき状況が存在する介護業界の深い闇は、どうしたらなくせるのだろう。・・・昨日も札幌の特養で利用者に対する暴行が発覚し、高橋渉(27歳)という男性介護職員が逮捕されている。

容疑者は9日3時半ごろ利用者の腹部をけるなどしてけがを負わせたとのことで、その後すぐ事件が起きた特養を退職している。本件は取り調べ中で、他にもこの容疑者による虐待暴行などがあった可能性が指摘されている・・・。

それにしてもこのような暴行事件が続くと、益々特養の信頼が揺らぐことになる。こうした虐待事件が相次ぐ状態で、介護職員の待遇改善をと訴えても説得力がなくなることも懸念材料だ。

こうした事件が繰り返される限り介護労働は、「そんな職業の対価は平均労働賃金より低くて当たり前。底辺労働として、存在さえしておればよい。」という評価を受けかねないのである。

介護を職業としている方々は、そうした側面からもこの問題を捉え、自分の足元から虐待がないサービスの場づくりをしていただきたい。
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虐待は増えているのか・その背景は何か・・・。


今年も残すところあと2日となった。明日の大晦日は土曜日ということもあり、このブログの記事更新は休もうと思う。だから今年のブログ記事としては、今日が最後の記事更新である。

なお毎年元旦は、読者へのご挨拶もかねて記事更新しているので、日曜日の元旦の昼に2023年最初の記事更新をする予定だ。元旦の昼過ぎにまたお越しになってほしい。

さて今日は先日厚労省が公表した調査結果について考察することにしようと思う。

23日に公表された、「高齢者虐待の状況を把握する調査の最新(2021年度)の結果」によると、昨年度に虐待と判断されたのは739件で過去最多を更新している。

この結果について厚労省は、「介護現場で虐待防止の意識が高まっていることが一因」として、虐待件数が増えているというよりも、虐待が隠されずに通報されて、表立つケースが増えているという認識を示している。

しかし毎月のようにネットにアップされている介護事業者での虐待報道を見ると、その件数も毎年増え続けているのではないかと感じざるを得ない。

しかも虐待の程度は悪質化の一途を辿っているように思える。例えば介護業務の最中に、自らの怒りや欲望にまかせて利用者を殺害するという凶悪事件も起きている。
年末の雪
今年9月に東京都北区浮間の特別養護老人ホーム「浮間こひつじ園」で起こった殺人事件は、夜勤中の介護職員による、92歳の利用者に対する暴行殺人事件だった。

その約1月後には、福島県小野町の特別養護老人ホーム「つつじの里」に入所していた女性(94)が、勤務中の介護福祉士からら執拗な暴行を受け、腹部や胸部の内出血によるショックによって死亡させられた事件も起きている。

それ以外にも介護事業者における職員による信じがたい虐待致死事件は、枚挙にいとまがないほどである。

そうした虐待数の増加、虐待の程度が悪質化している原因について、コロナ禍のなかでの感染防止対策などで介護職員等のストレスが増加していることを指摘する声が挙がっている。

馬鹿なことを云うなと言いたい。コロナ禍の制限でストレスを感じているのは、職員ではなく利用者である。面会も外出も制限さえ続けている利用者は、どこにも逃げ場がない状態で、ストレスを発散できないでいるのだ。

職員も感染リスクにさらされているとはいえ、プライベートな空間や時間は、自由を満喫できる。そういう逃げ場もあるのだ。

そもそも仕事のストレスなんて、どんな職業にも存在するものだ。そして対人援助という仕事の中でストレスを感じたとして、それを心身の障害を持つ人を虐待するという方法でしか解消できない人が居るとしたら、それはストレス云々という前に、人と相対する職業に就くスキルがないという問題でしかない。

介護人材不足の中で、人の見極めをしないまま、募集に応募した人を闇雲に採用して、教育もろくに行われていない介護事業経営主体が多いという問題であると思う。

同時に人材ともいえない人員合わせをせざるを得ない介護事業者が多いという社会問題に、もっと鋭く切り込んでいかねばならない問題でもある。

そんな状況の中で高齢者を幼児扱したり、礼儀のない態度や言葉遣いが家庭的と勘違いする職員が大量発生している。そのような介護事業者では志の高い職員を、「浮いた職員」のごとく排除して、無法地帯が創られているのである。

そうした形で虐待の数は増え、程度も悪質化しているのではないのだろうか。

私たちはそうした状況にどう向かい合っていくべきなのだろうか・・・。

世界の潮流から外れて、死刑制度を維持してもなおかつ凶悪犯罪がなくならないように、どんなに教育を尽くしても、この国の虐待事案も皆無となることはないのだろう。

せめて介護事業者という、介護を職業とするプロ集団だけは、虐待と無縁のものにしようとしても、それも決して実現しないのだろう。

だからと言ってそのことを無力と嘆くだけで終わってはならない。すべてをあきらめて放り出してしまってはならないのだ。

私たちのできることには限りがあるけれど、できることも少なくない。

自らの手が届く場所では虐待を絶対に発生させないように、虐待と無縁の誇りある介護実践を展開していくことも、私たちができることの一つだ。

そうした日々の実践を地道に積み重ねて、それに賛同する仲間とつながりあって、その輪を広げていくこと・・・そのことで、きっと何かが良い方向に変わっていくのではないかと信じている。

そんな活動を今まで続けてきたし、新しく訪れる2023年以降も続けていこうと思う。

その思いに賛同する方だけが、このブログにつなげてほしいと思っている。
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西興部村虐待特養施設長の言い訳に見る問題の本質


今年5月から6月に職員が入所者を全裸で長時間放置したり、羽交い絞めにするなどの虐待をしていたことが明らかになった北海道西興部村の障がい者施設を運営する社会福祉法人「にしおこっぺ福祉会」。

その法人が同じ西興部村で運営する村唯一の特養でも虐待行為が行われていたことが明らかになった。
虐待が行われたにしおこっぺ興楽園
その内容をネット配信記事から一部転載させていただく。
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(HTB北海道ニュース - 12/13・ 18:59ネット配信記事より)
去年3月、西興部村にある『にしおこっぺ興楽園』で、職員が入所者80人全員の裸や下着姿の写真を撮影していた問題。その写真は少なくとも160枚以上ありました。いったいなぜ、裸の写真などを撮影していたのか。施設側が取材に応じました。

にしおこっぺ興楽園 松岡晃司施設長:「何かあった時に画像を引っ張り出して、前日はけががなかったとか、そういう画像を撮ろうということだったんですけれども。」

すでに退職した前の施設長らが、入所者のけがが見つかった際に、いつできたか確認するため、写真を撮ることを決めたということです。しかし、その指示が他の職員に正しく伝わっていなかったと、施設側は説明します。

にしおこっぺ興楽園 松岡晃司施設長:「打ち合わせの時にちゃんとしたミーティングをしなかったものですから、画像の撮り方も、手とか足ではなくて全身の画像を撮ってしまった。職員の中でこれはダメでしょうという意見もあったんですけれど、それが上に行かなかった。」

この虐待があった翌日、村に問題を指摘する情報提供があり、写真はすぐに消去されました。道はこの施設に対し今年5月に是正勧告をしています。(転載ここまで)
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この特養の虐待については、様々なメディアから報道されているので、事実関係については既に把握している関係者が多いことだろう。

上に転載した記事については、当該虐待施設の施設長が、虐待行為についてコメントした内容が詳しく報道されている。そこに注目していただきたい。

本件の虐待事案となった写真撮影については、「直前に入所者が骨折する事案があり、毎日のボディーチェックでは気付かなかったため、現状確認の目的で記録に残した」とその理由が明らかにされている。

それに対して松岡晃司施設長は、「手とか足ではなくて全身の画像を撮ってしまった。」と言い訳している。

僕にはこのコメントは当事者意識に欠ける責任感のないコメントに思えてならない。

事件当時の施設長は、すでに退職しているそうであるが、現施設長としての責任感があまりにも薄いような気がする・・・この法人の危機管理意識の低さを垣間見る思いだ。

松岡施設長のコメントから垣間見えるのは、入所者のけがを見つけるためには、事前にけがのない体の状態の手足を撮影しておく必要があるのだということだ。そして全身ではなく、手足を撮影して、画像を保管しておく必要はあるし、それは不適切な行為ではないという意味だ・・・そんなことはあり得るのだろうか。

全国のどこの特養で、そんな撮影をしているというのだ?

問題の本質はもっとほかのところにある。それは利用者の骨折という重大な事故に気が付かない従業員の鈍感さだ。

仮に意思疎通ができない人が骨折して自ら訴えられないとしても、骨折部位は腫れて、通常の状態とは思えないほどの著変が見られる。発熱もあるのが普通だ。何より意思疎通ができない人でも、痛みは感ずる・・・骨折の痛みとは、我慢できるような痛みではないので、表情やしぐさに必ず痛みの訴えは現れるはずだ。

そんな状態に気が付かない場所で、手足の状態を撮影して何の対処になるというのだろうか。骨折対策として、けがのない状態の身体状況を撮影しなければならないと思うその知識の拙さ、常識のなさ、感覚麻痺こそ改善しなければならない問題ではないのか。

そういう意味で、そうした考えに及ばない現施設長のもとで、この施設の状況が改善できるか甚だ疑問である。

この法人は、「辞められたら運営が回らない」という理由で、虐待が発生した2施設ともに、虐待に関与した職員を現在も働かせている。人手が足りないことを理由に、職員募集に応募してきた人を闇雲に採用しているという状態も見られるそうだ。

しかし障がい者施設で虐待を行った職員6人のうちの一人は、今月10日に入所者が夕食の時間になっても部屋から出てこなかったため、「早く部屋から出てこい」と怒鳴るなどの行為を続けていた。そのため12日から在宅勤務を命じられているそうで継続調査中という。

結局、そんな職員をやめさせられないことで、職場環境は改善しないし、虐待はより密室化し深い闇となって残ってしまう。

そんな場所で職員教育もまとめにできていないのが実情だ。

例えばこの特養では年に一度、権利擁護や虐待防止の研修を行ってきたというが、アリバイ作りのための形だけの研修を行っても意味がない。「こうしなければなりません」という掛け声だけでは誰も何も変わらない。実務に即して何が不適切なのか、その不適切行為が何を生むのかを具体的に示す実践論しか伝わらないのである。

こんな特養で、意識が低い施設長が旗を振っている状態を考えると、今後この特養で状態が改善する見込みは薄い。虐待とは言えなくとも、身体の小さな変化を見逃す品質の悪いケアが続けられ、不適切ケアもそこかしこに存在することになるだろう。本件のほとぼりが冷めたころに、また虐待事案が発生しないとも限らない。

少しでも志のある人は、このような法人に就職しようとは思わないことだ。そんなことをすれば自らの人としての生きる道を失い、品性を汚すだけに終わりかねないからだ。

はからずも本日午後2時より、「リブドゥコーポレーション主催オンラインセミナー・心の通うケアを目指して� 禅埖塰瓢澆里燭瓩傍瓩瓩蕕譴觴�己覚知」というオンライン講演を配信する予定になっている。
リブドゥコーポレーション主催オンラインセミナー
こうした実務に即し、実務に即取り入れられる本物の虐待防止セミナーを受講してほしいと思う。

ただ話を聴くだけの講演では、受講者の行動を変えることはできない。心に響き、やってみようという意欲が湧き、介護の仕事ってきちんと行うだけで、こんなに素晴らしい結果をもたらすんだということが理解できる研修を受講しなければ何も変わらないのである。

ということで本日の講演では、ここに紹介した虐待事案も含めて考察しながら、介護の場から虐待という行為を完全になくすための、本物の介護の在り方を伝えたいと思う。受講予定のみなさま、画面を通じてお愛しましょう。
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労務管理できていない職員はいないか


労務管理とは、求人・採用から始まり、配置や異動、人材育成、人事評価、賃金および労働時間の管理といった、企業が社員に対して行うすべての管理の総称である。

通常この管理は人事部と呼ばれる部署で行うが、中小企業の多い介護事業者では事務管理部門が労務管理部門となっている場合が多い。

当然事務管理部門は、新規で雇用した職員に対する就業規則などの説明や、各種手続きも担っている場合が多いが、その際に人物の見極めや評価ども含んだ人事管理が必要であることを担当者が自覚しておく必要がある。

勿論、採用段階で面接担当者は、その見極めをある程度行う努力をしているだろうが、面接という限られた時間でその人物の見極めが正確にできると考える方がどうかしている。

それゆえ、その職場のルールに沿った適切な仕事ができる人物かどうかについては、労務管理を束ねる部門で一定期間を定めて評価を行う必要があるのだ。だからこそ労働基準法に定めのない「試用期間」を定めおいて、その期間で評価し、適性がないと判断した場合は使用期間内で退職してもらうということも必要になるのだ。

だからこそ、就業規則の説明や各種手続き代行を行う際に、新たに職場に加わった人物の態度や言葉遣いなど、あらゆる面から人物評価に努める役割が、労務管理部門には求められてくる。

ここをおざなりにすると、適性のない人が職場内に増殖して、スキルの高い職員の労働意欲をそぐだけではなく、事業経営を危うくしかねない事件を引き起こしたりする。
青い池
例えば今年9月に、東京都北区の特別養護老人ホーム「浮間こひつじ園」で夜勤中に92歳の女性入所者を殺害した犯人は、「顔をぼこぼこに殴り、枝を折るように両腕を折った。20分間くらい暴行した。」などと供述したそうだが、そのような残酷な犯行を行った職員は、夜勤専任者として週5回の勤務を行っていたそうである。(参照:夜勤専任者が指名手配された特養の評判とその教訓)

この人物の労務管理はできていたのだろうか。対人援助に必要な人材としての見極めや、スキルについてどのように評定していたのだろう。

この職員は体格が良く(180�儖幣紊△辰燭修Δ澄法�態度や言葉遣いも荒い面があったことから、周囲には、「怖そうな人」という印象を持たれていたらしい。

そのような人がなぜ夜勤専門だったのか・・・。介護全般のスキルが十分で、なおかつ家庭の事情等で日勤勤務が難しいために、夜間専門の勤務形態としていたなどの理由であれば問題はない。・・・しかし何らかの事情で、日勤では他の職員との関連性などがうまく取れずに、フロア内ワンオペという形でしか勤務できないという理由で夜勤専門職としているとしたら、これほど恐ろしいことはない。

チームワークをとる仕事ができずに、ワンオペ対応なら可能というスキルの人物は、ワンオペの中で神のように何でもできると思い込み、利用者に対して権力者のようにふるまいかねないからだ。

夜勤専門職という勤務形態は、労務管理部門の職員の目が届かない状況も生みがちで、人物の評定もほとんどされていない状況に陥りやすい。労務管理が行き届かない勤務状態となりやすいのである。

そうした労務管理に穴がある職場に、利用者に対して絶対権力者のようにふるまう、勘違いした職員がいたとしたら、夜間の密室で何が起きるかわからない恐ろしい状況が生まれるだろう。

本来の労務管理とは、労働者自らが行うべきものである。しかし自分に対して常に厳しく目線を向けることは困難であり、専門部門が労務管理を司る役割を持つことは職場環境を良好に保つためには欠かせない機能と役割であるといってよい。

そうした機能が不全とならない対策を常に講ずる経営視点が重要であり、労務管理が困難な形態の勤務状況をなくしていくのも必要な改革といってよい。

少なくとも日勤の勤務が難しいけれど、夜間フロア内ワンオペ勤務ならこなせるという理由で、数合わせ的な勤務体制を認めることはあってはならない。

本来の夜勤業務とは、日勤業務にプラスしたスキルが必要な業務であるということを忘れてはならないのである。

だから僕は夜勤専門職という存在自体を懐疑的な目線で見てしまうし、そのような業務形態を自分が管理する場では認めることはない。
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虐待の改善意思がないと運営停止された老健


大阪市の老健施設が虐待認定を受け改善勧告を受けた後も、繰り返し虐待を行い改善意思がないとして、運営停止処分を受けた。

運営停止とは、一定期間の全指定事業の活動が停止されることだ。

介護保険施設で過去に事業の一部停止処分(新規入所者受け入れができない)が下された記憶はあるが、全部停止された事例はあっただろうか?どちらにしても前代未聞の重い処分だ。

このような重い処分が行われた経緯を報道記事から確認してみよう。以下に報道記事を転載する。
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(2022/11/15 09:00 朝日新聞デジタル配信記事より)
入所者を殴るなど職員による虐待があったとして大阪市は14日、同市城東区の医療法人史隆会(出口晃史理事長)が運営する介護老人保健施設「幸成(こうせい)園」に対し、介護保険法に基づき、来年3月1日から半年間の運営停止にあたる処分(許可・指定の全部効力の停止)にしたと発表した。

市によると、今年5月、施設職員や入所者家族からの通報を受けて調査を実施。今年働き始めた男性の介護職員1人が、80代以上の女性入所者計6人に対して殴ったり、胸を触ったりするなどしたという証言を確認した。職員はすでに退職している。市は大阪府警に相談したという。

施設では2020〜21年にも、入所者への身体拘束や別の職員による暴言などがあったとして、市は計3回の虐待を認定。21年11月には改善勧告を出していた。今回の虐待を受け、市は施設管理者に改善の意思がないと判断し、運営停止にあたる処分を決めた。

入所者62人(10月1日時点)は、来年2月末までに施設を出る必要がある。(転載ここまで)
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虐待改善せず運営停止となる幸成園
前述したように指定の効力の全部の停止(介護保険法77条1項各号等)とは、一定期間の事業活動の全部が制限されるという意味で、老健施設としての運営ができなくなるということだ。

そのため今入所している利用者は、運営停止の効力が発効される来年4月までに退所しなければならない。当該老健は運営停止処分期間経過後は事業を再開できる(※再申請は不要)というものの、経営的には大きな痛手だろう。

このような重い処分が下された背景というものは必ず存在するはずだ。現に入所してる利用者が、ほかの行き先を探さねばならないような処分が、軽々しく行われるはずはないからだ。

それほど過去から現在に渡る虐待認定行為がひどいものであったということだろうし、それに対して改善に向けた真摯な態度が皆無だとみなされたのだろう。大阪市の怒りが処分に直接現れているかのようだ。

それにしても3度にわたる虐待認定と、それに伴う改善勧告を受けた後も、繰り返される非人道的行為・・・たまたま態度の悪い職員が潜んでいたという問題ではなく、この老健の構造的な問題がそこに潜んでいるのではないかという疑念がぬぐえない。

改善勧告後の職員指導が行われていなかった可能性も高いが、どちらにしても虐待とはっきり認定される行為が長期間繰り返されているということは異常事態であり、実効性のある職員教育がまともに行われていなかったであろうことは容易に想像がつく。

特にサービスマナー意識を向上させるための取り組みは皆無だったのではないだろうか。そうでなければ複数の利用者に対し、「殴ったり、胸を触ったりする」行為がいとも簡単に行われるわけがないからだ。

老健施設は医師が経営し施設長も務め、医療機関での看護経験の長い職員が数多く雇用している。そのため医療機関における患者見下し体質にどっぷりつかって、利用者へのタメ口対応が当たり前のところも少なくない。(※筆者が1年間務めた、北海道千歳市の精神科医療機関を母体とする老健もそうだった)

そのような体質にメスが入らないまま、利用者がお客様であるという意識も持つことができず、上から目線でマナーのない対応に終始しているところも少なくない。

その意識を変えないと、運営停止という事業経営を左右しかねない処分につながることが、本事件で明らかになったわけである。

老健関係者のみならず、すべての介護関係者が本件を教訓として、改めて介護事業におけるサービスマナー教育の必要性を自覚し、マナーあふれる対応でホスピタリティ意識を全従業員に芽生えさせて、適切かつ高品質な介護サービスを提供する土壌を作っていただきたい。

勘違いしてはいけないのは、虐待のない介護事業が優れているわけではないということだ。虐待を行わないことは、当たり前のことでしかなく、対人援助サービスが社会に求められている役割とは、関わる利用者の暮らしの質を向上させることなのである。

そのためには、よそよそしさを恐れるより、無礼で馴れ馴れしい対応で、利用者の尊厳や誇りを奪い、心を殺してしまうことを恐れる考え方が必要である。

介護は、目の前の人を幸せにすることで、その背後にいる家族や親せきや知人が皆、どこかでそのことを喜んで幸せになてくれる仕事だ。介護はそんなふうに、「しあわせの樹形図」を描くことができる仕事であるが、タメ口対応をはじめとした、サービスマナー意識のない対応は、哀しみの樹形図を無限に広げる元凶になりかねないという一面もある。

大阪の老健では、「哀しみの樹形図」しか描けない人間が、暴力で利用者を支配していたのである。

その元凶となるものが、サービスマナー意識のない、日常の利用者対応であったということに、強い危機意識を持ってほしと思う。・・・すべての介護関係者が、そう感ずるべきだと思う。
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虐待行為にグレーゾーンはありません


秋葉原UDX NEXTで行われる介護事業経営研究会、「C-MAS 全国大会2022」が、いよいよ来週金曜日(10/21)に迫っている。

僕も登壇し、「大胆予想・次期制度改正とこれからの介護事業」というテーマで講演を行う予定なので、まだ申し込みがお済みでない方は、是非文字リンク先からお申し込みいただきたい。

このブログの読者の皆様で東京の近くにお住いの皆様と、この機会に是非つながりあいたいものである。

さて、こんなふうにして全国様々な組織から講演依頼を頂くが、その際は当然のことながら講演テーマも依頼主からいただくとになる。

テーマの決定を手助けするツールとして、北海道介護福祉道場あかい花の公式サイトで公開しているmasaの講演履歴と予定を紹介して、それを参考にしていただくことも多い。

勿論、そんなものを参考にするまでもなく、依頼主の方が主体的にテーマを示してくれることも多いし、僕のこのブログ等から、僕の考え方を聴きたいとして、このブログに書いている内容を指定されることもある。

そんなふうにテーマが決まってくるわけであるが、例えばサービスマナーというテーマを複数の講演主催者から同じように依頼されることがある。その場合同じテーマだからと言って、いつも使いまわしの講演スライドを使って話すのは、依頼主に対してあまりに失礼だと思う。

そのため講演受講者の属性等、様々な要素を加味して話す内容を変えているために、同じ講演スライドを複数の講演会場で使いまわすことは、ほぼないと言ってよい。

その時加味する要素の一つとして、講演主催者や受講予定者の方々の希望=「聴きたいこと」というものがある。そのためそうした希望がないかをあらかじめ問い合わせ、できるだけ希望に沿った講演内容にするように心がけている。

勿論、決まった時間内ですべての希望に応えることはできない場合もあるし、講演テーマとまったく関係のない希望を出されても、話がまとまらなくなって得るものがない講演となることもあり、希望に添えない点もあることを理解してもらいながら、受講者にとって最善の内容となるように、日々プロットづくりに励んでいるところだ。

さてそのような講演内容の希望の中に、先日、虐待防止のためのサービスマナー意識の向上に関連して、「虐待につながる前のグレーゾーンケアを効果的に抽出する方法について」という質問があった。

この質問に答えを出すとすれば、「虐待に関して言えば、グレーゾーンケアなんて存在せず、虐待したか・虐待ではないか、という白黒のはっきりした状態しか存在しない。」ということだ。
すすき
お客様である介護サービス利用者に対して、従業員が顧客対応としてふさわしい態度であるかどうかが問われており、ここにはグレーゾーンは存在しないからだ。

例えば、「言葉遣い」について今一度真剣に考えてほしい。

お客様にタメ口で対応する人たちの理屈は、「介護は人と人が向き合って暮らしの支援をする職業なのだから、あまり丁寧な態度にこだわり過ぎると、利用者に堅苦しさを感じさせることになる。」とか、「家族のように親しみを持ってもらわねばならないのだから、くだけた言葉遣いも必要である」といったものである。

しかしタメ口とは、年下の者が年長者に対等の話し方をすることを意味し、親しみを表現する言葉遣いではなく、顧客に対しては、「失礼な言葉遣い」である。

そうした言葉遣いを放置して従業員が顧客に接していた場合、顧客側から、「失礼な言葉遣いをされて傷ついた」と言われてしまえば、それは心意的虐待行為と認定されてしまうのだ。

家族そのものではない介護サービス従事者が、家族と同様のタメ口で利用者に接することで失礼と思われてしまえば、それだけで過失責任は生ずるのだ。ここにグレーゾーンは存在しない。

悪気がないから虐待・不適切行為に当たらないということも間違った考えだ。

虐待当事者に悪気がなくとも、行っている行為が不適切だと認められた場合、その結果利用者が精神的あるいは身体的に傷を負った責任は問われることになる。

だからこそ介護サービスの場では、顧客である利用者に対して、顧客対応としてふさわしい対応ができているかどうかが問題となり、必要最低限の顧客対応が取れるようにしておくことが最大のリスクマネージメントである。

繰り返しになるが、社会常識から考えて道義上問題ある対応の末、利用者が虐待であると訴え出た場合、すべてクロなのだ。逆に、利用者が虐待を訴えても、社会常識から考えて道義上問題ない行為の末の訴えであればシロとされるのである。クレーはないのだ。

よってサービスマナー研修などを定期的に行って、従業員にサービスマナー意識を植え付けて、常にその維持・向上を図らせる務めが、経営者や管理職に求められるのである。

ここをおざなりにした介護事業運営をしておれば、いつ足をすくわれる事態になってもおかしくない。

従業員の顧客に対する不適切対応や虐待が問題視され、社会の批判を浴び、事業経営の危機に陥るという事態は現実のものとなるだろう。

さて今日は午前中から看護学生に、「ターミナルケア」をレクチャーしている。この後15時まで講義は続く。
市立室蘭看護専門学院
将来僕らを看取ってくれるかもしれない学生に、本物のターミナルケアの在り方を伝えようと思っている。

特に人生の最終ステージを過ごす方々に、今わの際にまでマナーに欠けるタメ口で対応して、嫌な思いを引きずったままで、この世から去らせることがないように、日常からマナーを持った看護が大事であるということを・・・眉の上に手をかざして見つめる看護とは、サービスマナー精神にあふれた日常の看護対応によって、はじめて本物になるということを伝えてこようと思う。

白衣の天使になんてならなくてよいから、自分の中の大きな愛を、小さな仕事の中であふれさせることができる、「かんごびと」になってくれることを期待して、魂を込めて話してこよう・・・。
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権限を持つ人間の責任の重大性


(株)マイナビが運営する、「メディカルサポネット」は、医療機関や保険薬局、介護施設向け経営・採用支援サイトである。

ここに、「菊地雅洋の激アツ!介護経営塾 〜選ばれる介護事業所であり続けよ」という連載枠をとってもらい、毎月僕の書いた記事を掲載してもらっているが、第8回目となる今月のテーマは、「高齢者施設で発生する虐待の背景〜求められる経営者の覚悟とスタッフへのマナー教育の徹底〜」である。

過去にテレビや新聞で報道された介護事業者における虐待について、どのような虐待が何を原因として起こったかを解説したうえで、未然にそうした虐待や不適切ケアを防ぐために何が必要なのかを論じている。

それは過去にこのブログ記事でも何度も論じてきたことであるが、今回はこの時期に改めてそれをまとめて、わかりやすく解説したつもりである。4月に入職した新人さんが、仕事を覚えてシフト勤務にも入るというこの時期に、改めて全職員でそのことを確認する意味で読んでいただきたい。

どなたでも無料登録するだけで全文を読むことができるサイトなので、登録がまだお済みではない方は、さっそく登録したうえで、連載記事を読んでいただきたく思います。よろしくお願いします。

その連載記事にも書いたが、虐待を防いだり、虐待につながる不適切サービスの芽を摘むためには、施設経営者や権限を持つ管理職の覚悟が必要である。

介護職員などの中に、意識が高い職員や、志を持つ職員がいくらいても、それらの人たちが不適切な対応の芽を摘もうという努力にはおのずと限界がある。上に立つ人間の覚悟のない場所では、一握りの腐った職員のよどんだ悪心がじわじわと職場に広がり、腐ったミカンの方程式がごとく、全体を腐らせることになるのである。

介護経営者や、権限を持つ管理職の協力がないところで、職場環境なんて良い状態に保つことは難しいし、ましてやいったん乱れた職場環境を変られるわけはないのだ。

不適切ケアの芽を摘んだり、不適切な状態を良い方向に直すときには、腐ったミカンを排除する必要もある。それだけが唯一の手段であることも多い。そのためには職務権限が必要となる。それがない下々の職員にできることには限界があるのだ。

だからこそ志のある人で、現状を変えなければならないと思っている人には、その場所で自分が偉くなることが必要だと言い続けてきた。権限を得る地位に就くためにどうしたらよいかを考えることを勧めてきたのである。

だがどの職場にも経営者や、権限を持つ管理職は、「今現在も」存在しているのだ。本当はその人たちが介護の本質に気が付いてもらい、断固とした対策をとってもらうことが手っ取り早い方法であることも事実だ。

自分は経営の専門家であって介護は知らないから、そんなことは現場に任せているというのは経営責任を放棄している考え方だ。

自分が経営する事業の本質を知り、その目的を達するために指揮を執ることも経営責任である。

介護事業という公費運営の経営を担っているのだから、公費を得るための公的責任を果たすのも経営責任である。

介護事業は対人援助であり、対人援助とは支援を受けなければならない人の暮らしに深く介入し、その人が暮らしを営むために必要な手を差し伸べる仕事である。そのとき手を差し伸べた相手が、人として豊かな暮らしを送ることができているのかを見極めるという責任も生じてくるのだ。
人を愛しむ介護
支援の手が届いているにもかかわらず、悲しみや苦しみから逃れられない人の肩を抱き、愛を届けるのが本当の意味の介護事業なのである。

介護事業経営者は、職員がそうした態度をとるべく指揮する責任を持っているのだ。

そんな必要ないし、そんな行動はお金にならないと切り捨てる先には、果てしない荒野しか生まれないのである。私たちが就いている職業とは、そうした使命と責任を帯びた職業であると思うのである。

それが介護事業を経営するもの、経営者にかっわって介護サービスの前線で指揮を執るものの使命である。

介護事業者とは誰に言われなくとも、そうした思いを忘れずに経営したり、運営したりする職場ではないのか。

そうした介護事業の責任、そこに携わるすべての人間に与えられている使命について語る研修会があと1週間後に迫っている。

5月17日(火)19:00〜21:00、甲東ホール(兵庫県西宮市)で行う講演、「介護職としての使命」((株)グローバルウォークグループ合同研修会)は、どなたでも参加可能なオープン講演である。

お近くの方で参加希望の方は、文字リンクをクリックして事前申し込みをしていただきたい。あなたの貴重な時間を無駄にしない、実務に生かすことができる話をします。介護職の方だけではなく、介護事業経営者の方や管理職の方にも是非聞いていただきたい講演である。

不適切サービスの芽を摘み虐待を防ぐというのは、介護事業経営において事業者が負う必要にある最も大きな責任だということも理解できると思う。

その責任を果たすために高い木の上から全体を見渡して支持する責任が経営者にあり、経営者の意を受けて現場で指揮棒を振る責任が管理職にあることを忘れてはならないのである。
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正論が通り正義が勝ったことを寿ぎたい。


コロナ禍以降、僕の講演もオンラインが主流となっているが、その合間を縫って会場講演も行っている。

そこではオンライン講演にはない、「人との出会い」がある。そんな出会いが貴重なつながりになっていくことも多い。それは僕と受講者の間のこととは限らず、受講者同士のつながりにも結びつていく。だからこそ、そうした機会は必要不可欠であると思う。

昨年もある会場で僕の講演を聴いてくれた方が、「〇〇日の講演の内容が、まさに我職場でのタイムリーな内容でした。うちの話し?と。。。」とコメントを送っていただき、それが縁で現在でもSNSで友達としてつながっている。

その方は介護施設に勤めている方であるが、ある日職場内で職員による利用者への虐待行為を目にしたため、そのことを上司に報告したことがきっかけで、部署内の上司や同僚などからバッシングを受けているとのことだった。

その方から送られてきたメッセージには、『虐待をしたスタッフは退職になりましたが、報告した私と事件に巻き込まれた新人が形見の狭い思いです。』という憤りが書き綴られていた。

そのことについて僕は、昨年4月にこのブログの中で少しだけ触れている。「正論がまかり通る職場づくり」という記事の中で、「ある職場では、虐待事例を上司に報告した職員が、密告者としてやり玉にあがり、肩身の狭い思いをしているそうだ。」と書いた部分がそれである。

その方は上記の記事を読んで、「本当にありがとうございます。毎日、これでよいのか?私は間違っているのか?と、不安でした。が、元気をいただきました。戦えます。ラスボス(悪)に、倒されないように頑張ります。」というメッセージを送ってくださった。

その記事を書いてから約1年を経た先日、その方から再びメッセージが送られてきた。

それによると、虐待者の肩をもち告発者を馬鹿と罵った上司は降格異動となったそうである。その後、虐待の中心人物だった女性職員を初めとした虐待当事者は、体制の変化に着いていけず相次ぎ自主退職し、最後に一人残った要注意人物も4/1付で移動し厳しい監視下に入っているそうである。
頑張り続ける結果
虐待を告発し改善を訴えた方があきらめずに改善に向けて頑張ってきた結果が、職場を変えたのである。

もともとこの施設では、スタッフが利用者を叩いたり、利用者を調教するかのような言動が目立っていたそうである。利用者への暴言は当たり前で、移乗介助の際、利用者を放り投げるような行為が行われたり、不穏となった利用者に対して薬の頻用も目立っていたそうである。

そうした状況を上司に話しても、指導も改善もされずにいたため、虐待発覚後も当事者は、その状況を反省したり改善したりするのではなく、『夜勤やらないくせになにいってるんだ』『他部署の協力体制がないからだ』などと告発者を罵ったり、話をすり替えたりすることに終始している状態だったそうである。

その声につぶされそうになっているときに僕の講演を聴いて、「普段からの言葉づかい、態度すべてが虐待につながった。」ということを改めて認識し、その改善の取り組みをあきらめずに続けた結果が今日の改善状況を生んだのである。

世の中では、正論がまかり通らないことはしばしばみられることだし、正義が必ず勝つとも限らない。正義が権力に屈して惨敗することもあるし、悪を倒しても自らも倒れてしまうことがある。

しかしそうであるからといって最初からあきらめてしまえば、結局何も変わらないのである。

虐待の原因が、日ごろから従業員のサービスマナー精神の欠落によってタメ口をはじめとした汚い言葉遣いが横行し、態度が横柄になっていることではないかと感じていたが、僕の講演を聴いたことでそれが確信に変わり、それを改善するためには僕が講演で示した方向に職場全体を変えることだと確信したのだと思う。

介護支援に際しても、きちんと顧客対応意識をもって、お客様に使ってよい言葉遣いに改めるなど、サービスマナーを向上させるということを訴え続けてきた結果が、今日の職場改善につながったのである。

是非今後も、職場全体のサービスマナー意識を維持向上させ、志の高い人たちが働きやすい職場環境を護っていただきたいと思う。今度は、その職場内研修として僕を講師に招いていただければありがたい・・・なんて妄想もしている。
丁寧な言葉
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おむつ外しを⽬的化した介護施設の⽀配構造


僕の連載記事、「菊地雅洋の激アツ!介護経営塾 〜選ばれる介護事業所であり続けよ〜」を毎月配信してくれている、「メディカルサポネット」の第6回配信記事が昨日アップされた。

今回のテーマは、「偏った理論の実践によって奪われた高齢者の尊厳〜非科学的介護実践を検証する〜」である。

ここで取り上げている、『ある団体が組織を挙げて推奨していた「おむつゼロ推進運動」』とは、全国老施協が行っていた介護力向上講習のことであり、そこで行われていた方法論とは、『竹内理論による強制水分補給』であることは今更言うまでもないだろう。

個別のアセスメントを行なわずに、有する能力に応じない自立支援一辺倒の価値観で決められた方法論の恐ろしさを考えてほしいと思って解説している。

この悲惨な強制水分補給により、自分を護ってくれると思い込んでいた特養で、いったい何人の要介護高齢者がひどい仕打ちを受けていたことか・・・。そしていったい何人の要介護高齢者が、この悲惨な洗脳介護により、心不全等で亡くなってしまったことか・・・。
竹内理論による水分の強制の補給の悲惨さ
画像のように自分の力で、ストロー等を使って水分を摂取することができる人はともかく、それができない人や水分を拒否する人は、無理やりひどい方法で水分を強制摂取させられていたのである。

そのことの実態や顛末については、メディカルサポネットのほうに、わかりやすく、かつソフトタッチで書いているので、今日はとにもかくにも、そちらの方をご覧になっていただきたい。

そのためこのブログ記事はいつもより短めに書き終えたい。

なおメディカルサポネットの記事全文を読むには登録が必要だが、どなた様も無料で登録できるので、まだ登録がお済みでない方は、お急ぎアクセスして登録していただきたい。

是非お見逃し無いように、文字リンクをクリックしてご覧いただきたい。そちらの記事を読んで、共感してくださった方は、是非星マークをクリックして評価いただきたい。
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犯罪気質がある職員はどうすれば見抜くことができるのか・・・。


介護保険施設等の居住系施設は、その種別に応じて目的と機能が多少異なるとはいえ、利用者が(限られたある一定時期であるとしても)暮らしを営む場所であることに変わりはない。

要介護者が暮らしを営む場所であるという意味は、心身に何らかの不便を抱えている人の暮らしを支えながら、その尊厳を守り安心して安全に暮らすことができる場所にしなければならないということだ。

これは理想とするような問題ではなく、経営者や従業員がごく当たり前に認識すべき意識であり、ごく普通に実現すべき責任でもある。

しかるにその安心と安全が脅かされる事件が数多く起こっている。

このブログの「事件・ニュース」というカテゴリーに昨年取り上げた事件だけでも、信じがたい卑劣で残虐ともいえる事件が介護施設で複数件引き起こされている。

昨年8月に書いた、「介護ストレス殺人ではなく強姦致死だったという卑劣な事件」という記事では、山梨県南アルプス市の有料老人ホーム「わたぼうし」で起こった強姦致死事件を取り上げているが、ここでは夜勤中の職員が、ご夫婦で入所していた妻をトイレ介助するとして、トイレ内で強姦に及び、抵抗しないように首を絞めて殺害に至るという、人として決して許されない卑劣な行為に及んでいる。

そのほかにも様々な犯罪行為が介護施設で起きている。

昨日(1/11)は、岐阜地裁で昨年12月に、「老健で5人が死傷した事件の初公判」という記事の中で紹介した被告の裁判が開かれた。

この事件は2017年7月末から8月中旬にかけて、岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」にて80〜90代の入所者3人が死亡、2人が負傷した事件だが、昨日の裁判で被告は、当時の状況確認の質問に、「覚えていない」と繰り返している。

被告は入所者に食事を出すときに、「この肉、動物を殺したものなんだよ」と言う場面もあり、その際に注意をしたことなどもあると同僚が語っており、そもそも対人援助に最も適していない人間ではなかったかと疑われるだけでなく、サイコパス気質も疑われている。

しかし被告は、これまでの裁判でも起訴内容を一貫して否認している。この事件では犯行の瞬間を目撃した職員やその様子を捉えた防犯カメラなどの直接証拠がなく、「被告が犯人であるか」が最大の争点となっている。そもそも立件されているのは傷害致死と傷害の2件のみであり、残りの3件の死亡・傷害については立件されていない。

一審の判決は明後日1/14に出される予定だが、果たしてその結果はどうなるだろう。

昨年12月に逮捕に至った事件としては、もう一つ恐ろしい殺人事件があった。

茨城県古河市の介護老人保健施設「けやきの舎」で、2020年7月に看護師資格元介護職員(36)が、入所者に注射筒(シリンジ)で空気を注入されて死亡したとされる事件は、大きな広がりを見せる様相を呈している。

最初の容疑による逮捕に続いて、昨年12/29にも別の利用者の殺人容疑で再逮捕されているからだ。しかし事件の被害者は、その逮捕による被害者2名にとどまらないかもしれない。

容疑者は2020年4月から「けやきの舎」に勤めていたそうだが、急死したのは殺人容疑で逮捕された2件の被害者だけではないそうであり、他にも不審な死をとげた方がいて、大量殺害の疑いも持たれている。

被害者と容疑者との間に大きなトラブルはなかったとされていることから、この事件もサイコパスによる快楽殺人ではないかという疑いがぬぐい切れない。

サイコパスといえば、Sアミーユ川崎幸町で起きた老人ホーム連続殺人事件も記憶に新しいところだ。

事件の容疑者や被告となった人物は、ある場面では犯行とは別な顔を持ち、中にはその能力や資格に期待を持たれていた人物もいたりする。
善と悪
どちらにしても採用面接で、応募者に犯罪気質があるかどうかなど判断できないし、教育でどうなるという問題でもない。

犯罪気質を持った人間であっても、採用後も目に付く場面で仕事を滞りなく行えているなら、陰で卑劣な行為に及んでいるのではないかなど想像の及ばない範囲である。

そもそもこんな事件が起きるたびに、事件は氷山の一角だといわれ、多くの介護施設が虐待を隠しているように見られてしまうが、介護施設や事業所で働く大多数の職員は事件や虐待とは無縁な健全な精神の持ち主である。

その中には、人に相対する仕事に就くために生まれてきたのではないかと思えるほど、人に対して優しく愛情をもって接する職員も少なくはない。

そういう人たちが、わずか数人のおかしな人間が介護事業者に交じって引き起こした事件によって、十把一絡げ(じっぱひとからげ)に見られてしまうのでは、あまりに可哀そうだ。

だからこそこうした事件をどう防ぐのか、犯罪気質のある職員をどう見抜くのかということを真剣に考える必要があるが、その答えはなかなか見つからない。

そうした犯罪を防ぐためには、利用者一人一人の介護場面をくまなく確認できるように、施設のいたるところにモニターカメラを設置するしかないのだろうか。

どちらにしても、介護施設での殺人事件が毎年複数起きているという事実に、大いなる危機感を感じざるを得ない。・・・こんな状態は、「仕方がない」とあきらめたり、放置したりすべき問題ではないと思うのである。

社会の信用を失わないためにも、健全で安心・安全な介護施設を作る不断の努力が介護事業経営者には求められるのである。

密室化して見えない部分であっても、介護のプロとしての矜持を失わない仕事ができる職場環境と、職員の資質を作り上げるために、経営者や管理職は何をすべきなのだろうか。

まずは自分を律して対人援助という仕事にかかわるにふさわしい姿を、従業員に示すことが重要だろう・・・。それは言うまでもないことだが、それだけで問題解決にはならないことが、この問題の根深さと深刻さを示しているといえる。
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GH虐待が発覚したむかわ町穂別の社会福祉法人の人権軽視


北海道胆振管内むかわ町は、シシャモで有名な町である。町内の寿司屋では他では食べられない、「シシャモ寿司」も旬の時期には食べられる。・・・ただし珍しいだけで、おいしいものではない。

同町は2006年に穂別町・鵡川町が合併し、「むかわ町」となった経緯があり、旧穂別町は新むかわ町穂別地区となっている。

そのむかわ町の役場内で昨日11/22(月)午後4時からむかわ町穂別のGHで起こった虐待の概要などを説明する町長会見が行われた。

虐待行為が確認されたのは、「穂別高齢者グループホームみのり」(定員9人)。町から指定管理を受けていた同町穂別の社会福祉法人・愛誠会が運営している。
虐待のあったGHみのり
虐待発覚のきっかけは今年8月上旬、胆振総合振興局に匿名で通報があったことによるものだ。8/13に同振興局から連絡を受けた町が、グループホーム職員や入居者に聞き取り調査を行ったところ、介護職員の1人が大声で高圧的な態度を取ったり、命令口調で接したりしていたことが分かった。

竹中町長によると、9人のGH利用者のうち5人が当該介護職員から大声で高圧的な態度や命令口調による精神的虐待を複数回受けていた。数人の入居者はこの職員の入浴介助などを嫌がるようになったという。

グループホームには施設長を含む職員9人が勤務。数人が暴言による虐待行為を行う職員を注意していたが、「指摘直後はおさまっても時間がたつと言葉遣いが再び荒くなった」という。

当該職員は精神的虐待をしていたことを認めており、反省しているという。現在は法人内の別の高齢者施設で入居者とかかわらない業務に就いているそうである。

しかしこのような対応で済ませて、本当に良いのだろうか・・・。

GHに入所している方々は認知症の人たちである。それらの人たちが怯えて、当該職員の介護を嫌がるということは、認知症で記憶や見当識に障害がある方が、暴言を繰り返した職員が誰かという認識を持っているということだ。それほど心に深い傷を負っていると追う意味だ。

そうであるにもかかわらず、加害職員に出勤停止などのペナルティを与えず、利用者と関わらないとはいえ、そのまま業務を続けさせているとはどういうことだ。重大な虐待事案であるという意識にかけていないか?

本来こうした問題は、身体を傷つけていなくとも刑事事件になってもおかしくない事件である。事故ではなく事件であるという認識を当該法人は持っているのだろうか。

加害職員は施設長や他の職員からの注意を受けてもなお、虐待行為をやめずに今回の問題となっているのだから、当然懲戒解雇の対象にならないかと検討されてしかるべきであり、処分が行われるまでの間は自宅待機が当たり前だろう。

そもそもそれ以前に、「指摘直後はおさまっても時間がたつと言葉遣いが再び荒くなった」というのであれば、再三の業務命令・指導を聞き入れていないのだから、その時点で利用者と接する業務から外すのが常識だろう。そんなことも行っていないという事実は、加害職員の責任だけではなく、管理責任が当然問われてくる。

この施設長は何度も注意をしても同じことを繰り返す職員に、口先だけで注意をして終わりにしていたという意味であり、管理能力ゼロである。施設長の地位から外れるべきだろう。

そもそも職員に対してサービスマナー教育を行っているのかと問いたい。それさえ行わずに、「タメ口介護」が家庭的で親しみやすい対応だとしているとしたら、それはもう救いようがない。

「少々お待ちください」・「お待たせいたしました」・「かしこまりました」・「申し訳ございません」という言葉は、コンビニではアルバイトの学生が使いこなしている言葉である。

対人援助の場で、言葉使いにも気を使ってサービスマナーを守るということは、他のサービス業で学生アルバイトができている程度のことはしましょうというレベルにしか過ぎない。そのことの徹底を図らねばならないとされる、保健・医療・介護・福祉業界の民度とレベルの低さと、その異常さに気が付くべきなのである。

そんな常識もないこの社会福祉法人は、いったいどんな法人何だろうと疑問になるが、その歴史は結構古く、昭和50年に設立されている。むかわ町は僕が総合施設長を務めていた社福と同じ地域だから、この法人のことも良く知っている。僕が若かりし頃は、そこの理事長等が、地域のリーダー的存在でもあった記憶がある。

その法人が代を重ねて腐ってしまったのかと思うと情けなくなる。

同法人の公式サイトには、「人間としての尊厳と社会連帯の思想を基本理念とし利用者に愛され誠実を旨とする」という理念が掲げられているが、それが建前となっている。このGHに尊厳を護るという姿勢は全く見えないからである。

介護事業経営者や管理職の方々に改めて考えてほしことがある。それは自分に管理責任のある場の従業員が、利用者に不適切対応をしたことによって、自分が報道関係者の前で、「お詫び」の会見を開き、頭を下げる姿を想像してほしいということだ。

昨日の竹中町長のように、会見場で糾弾されながら、質問に答える自分の姿を想像してほしい。あなたの家族がその会見報道を見て泣くことになるかもしれないことを、危機感をもって感じてほしい。

利用者は顧客であるという意識を徹底させ、顧客に対するサービスマナー教育を軽視してしまえば、今回のような言葉の暴力が必ず起こるのである。そのことに危機感を抱かねばならない。

だからこそ介護事業におけるサービスマナー教育をおざなりにしてはならないのである。今からその教育をやり直したいと思う方はメールで連絡いただきたい。必ずそのお手伝いをします。
言霊
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身体拘束に該当する行為・該当しない行為の判断


先週、「身体拘束を伴う看取り介護があってよいのか?」という記事を書いた。

そこでは、ホームホスピスに特化して高齢者を最期まで支える理念でサービス提供していると紹介された、「介護事業社アンビスホールディングス」という事業者の実態が、『看取り介護』と称する身体拘束を伴う不適切ケアを日常的に行っているのではないかと問題提起している。

新聞に掲載されている写真が、日本の介護の暗部がさらけ出される結果になっているのではないかと問う記事内容だ。

それにしてもいま改めて思うことは、身体拘束ゼロ作戦から20年以上経った今日でもなお、このようなお粗末なケア実態が存在することに愕然とする思いを持たざるを得ないといいことだ。そういう会社が堂々と新聞紙面を飾るという状態は、日本のマスメディアの見識の浅さもさらけ出している問題であると言わざるを得ない。

このようなケア実態を放置していることは、すなわち自分自身や自分の愛する誰かが将来、身体と精神の自由を奪われたまま、「哀しい・苦しい」という心の叫びを無視されて、人生の最終ステージを苦しみながら過ごし、その状態のままで死んでいくことにつながる問題である。

偽物の看取り介護・偽物のターミナルケアは、人の死の瞬間まで、人を不幸にさせる由々しき問題であることを自覚して、本物の看取り介護ができる場所を増やしてもらいたい。そのためには是非、『看取りを支える介護実践―命と向き合う現場から』を参照していただきたい。

それにしても身体拘束の定義を理解していない人が多いことは、大いに気になるところだ。

リンクを張り付けた先週の記事を読んだ人で、SNS等でこの問題について、「自分の施設ではこうした対応をしているのですが、身体拘束と言えるでしょうか?」という質問が相次いだ。

そのため改めてここで、「身体拘束に該当する行為・該当しない行為」について考えてみたいと思う。

身体拘束とは、「本人の意思では自由に動くことができないように、身体の一部を拘束すること、または運動を制限すること。」と定義づけられている。

厚労省「身体拘束ゼロ作戦推進会議」が作成した、「身体拘束ゼロへの手引き」では、身体拘束に当たる具体的行為の例を示しているが、人間の行為全てをピックアップすることは不可能なので、ここで示した例は、ごくわずかな具体例に過ぎないし、介護現場ではその例示を参考にできない様々な行為について判断が必要となる。

その時の判断については、行為そのものや道具から考えるのではなく、その目的から身体拘束かどうかを判断する必要がある。

例えばベッド柵にしても、4本柵が身体拘束に当たるから、3本柵にすれば問題ないということにはならない。行動を制限する目的で、ベッドの片側を壁に押し付けて設置し、ベッドから下りられる側に1本柵を付けたとしても、その1本の柵でベッドで寝かされている人が、自由にベッドから下りることが出来ない状態は身体拘束である。

逆に、ベッド環境を上述した状態と同じくしたとしても、それは「部屋の真ん中にあるベッドで寝るのは落ち着かない」などという、ベッドを使っている人の希望であり、柵もつかまって起き上がるために必要なものである場合は身体拘束とは言えない。

あくまで行動を制限しているのか否か、その目的があるのかという総合判断が必要なのである。

それとともに、本人・家族や成年後見人等の同意のみによる行動制限も身体的拘束に該当することも忘れてはならない。

したがって本人が認知症の場合においても、「切迫性・非代替性・一時性」という3要件を満たし、かつ手続き上の手順が適正に取られていない限り身体拘束とされ、それは許されない行為となっているのである。

身体拘束とはどのような行為なのかを議論する場では、「離床センサーは身体拘束に該当するのか」ということが問われてくることがある。

離床センサーは直接的に身体を拘束しているわけではないが、自分が動こうとしたらすぐに誰かが来るような状況が精神的なプレッシャーになり、行動を制限されているという精神的抑圧となり得るという意見である。

しかしそれを言ったら、見守り行為自体が不適切ということになってしまう。それはあり得ないことだ。

離床センサーは、あくまで行動制限しないように安全を担保するための機器であり、その使用が身体拘束とされることはないだろう。

ただし身体拘束廃止の目的は、利用者の暮らしの質の向上なのだから、離床センサーが利用者自身のストレスにならない配慮は当然必要であり、それは認知症の方々の、見守りにも共通して言えることである。

このように個々の問題について、個別に判断しながら、利用者の方々の身体拘束をなくしていくことが大事なのである。

それは将来自分自身の自由が奪われるかどうかという問題と深く関わってくるかもしれない問題なのだから・・・。
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奈良講演(10/21)は、どなたでも無料参加できます


文書作成ソフト等で、「ならこうえん」と打ち込んで変換すると、ほとんどの場合、「奈良公園」と変換表記される。

そりゃそうだ。日本人なら誰もが知っている奈良公園と鹿は、奈良県のシンボルである。

僕も高校生の時の修学旅行で、初めて奈良公園を訪ねて以来、何度かお邪魔させてもらっており、奈良公園内の芝生で鹿の糞を踏んだ経験は数知れない。

それとともに奈良公園内の能楽ホールなどで講演を何度か行っている。

ということで今回変換して表記したかったのは、奈良公園ではなく奈良講演なのである。

コロナ禍で、集合研修がなかなか難しくなっている中で、どうやらコロナ第5波は終息に向かっており、緊急事態宣言発令地域も、今月末でほぼその発令が解除されるそうだ。

オンライン講演は、受講者がどこにいても受講できるというメリットがある反面、「ながら視聴」になることが多く集中できないというデメリットもある。例えば職場内でオンライン講演受講しているときに、それを知らない第3者から話しかけられて、肝心な話を聴き逃すということもあったりする。

講師が直接語り掛ける会場講演では、話の内容だけではなく、その熱と感情が伝わり、より深く理解が進むということもあり、今回奈良県内で人を会場に入れて講演を行うことになった。

日時は10/21(木)14:00〜16:00で、会場は「ふたかみ文化センター(奈良県香芝市)」である。
奈良虐待防止セミナー
講演テーマは、「介護事業におけるサービスマナーの向上と高齢者虐待防止の取り組みについて」である。(参加申し込みは、こちらをクリックしてください。)

この講演は、合同会社NARBREと、Professional Care Japan及び訪問介護ものがたりが主催する研修会であるが、この3つの会社はいずれも、「DNAを引き継いでくれる若い力」で紹介した、片山 海斗氏が経営している会社だ。

リンク先の記事に書いたように、最初に就職した介護事業所において、先輩職員が利用者虐待をしている姿を見て、「そのような介護であってはならない」と決意し、自ら介護事業を立ち上げた海斗社長にとって、「虐待防止」は永遠のテーマである。

今回、他事業所の方であっても無料参加としている理由について海斗社長は、「自分の事業所のみならず、地域全体が虐待とは無縁の介護サービス事業所になってほしいから」と述べている。

よって奈良県香芝市や橿原市(海斗の事業所の所在地)の介護関係者には是非参加していただきたいし、大阪や京都、和歌山などからの参加も期待したい。

この講演会については、フェイスブックにも案内を載せているので、そちらも参照願いたい。

会場は密にならないように、先着150様に限って参加受付を行っているのでご了承願いたい。

来月に迫っている講演会なので、ぜひ勤務調整して会場までお越しいただきたい。

繰り返しになるが、参加希望される方は、こちらをクリックして申し込んでいただけるとありがたい。

なお奈良県の志を高く持つ介護関係者に向けて、エールを贈るユーチューブ動画を作成しているので、下記から視聴いただきたい。

きみの介護に根拠はあるか
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身体拘束が治外法権だった頃の介護事業


来月講演依頼を受けたテーマの中に、「身体拘束廃止」がある。

介護保険法によって、介護事業者における身体拘束が原則廃止になって久しいので、このテーマの講演は最近少なくなっている。

しかし2018年の報酬改定時に、身体拘束廃止未実施減算が介護保険施設のみから特定施設とグループホームにも対象範囲に広げられたうえで、要件規定も厳しくされ、減算単位も増額されるという変更が行われている。

それはとりもなおさず、身体拘束がいまだに行われている実態に対して、罰則が強化されたという意味であり、介護事業者の更なる拘束廃止への取り組みが求められているという意味でもある。

よって身体拘束廃止の意識をより高くする研修会はまだ必要であり、改めて身体拘束とはどのような状態を指すのか、それを廃止する意味とは何か、身体拘束という行動制限をしなくて済ますためには、具体的にどんな方法があるのかなどを示すことは大切だ。そう思いながら先週末から講演スライドを作成しているところだ。
身体拘束廃止講演スライド
ところで介護事業者における身体拘束廃止規定とは具体的にないかと言えば、介護保険指定基準ということになり、そこでは以下のようにルールが定められている。

「サービスの提供にあたっては、当該入所者(利用者)又は他の入所者(利用者)等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者(利用者)の行動を制限する行為を行ってはならない」

この規定ができたのは2000年4月からの介護保険法施行によってであるが、それ以前の介護事業者では、「身体拘束」が普通に行われていたという事実が、この規定創設につながったことは今更言うまでもない。

例えば介護保険創設前の介護施設では、高齢者の転倒、転落防止といった安全面への配慮を理由に、当たり前のように身体拘束がされてきた。

立ち上がりを防止するためのシートベルトは当たり前で、椅子から自力で立ち上がり歩き回る人は、座乗時は常にベルトで椅子に縛り付けられていた。

シートベルトを外してしまう人は、それに加えて車椅子テーブルをつけられて、2重に行動を制限されていた。

ベルトもテーブルも外してしまう人は、角度調整できるスゥイング式車椅子なるもので、角度をつけて起き上がれないように椅子に寝かされていた。フルリクライニング車椅子も、同じ目的で使われていた。

本来座るべき椅子に、そのように寝かされてしまうから、座乗時にできるはずのない仙骨部の褥瘡が簡単にできてしまったりもした。

おむつ外しや弄便(ろうべん)を防ぐために、つなぎ服は普通に介護用品として使われていたし、そのつなぎ服も、チャックを利用者が開けられないように、鍵付きにしたりする行動制限の強化が、「工夫」だと思われていたりした。

このように様々な行動制限が、安全管理の方法として実施されていたのである。

同時にそれは権利侵害・QOLの低下をもたらしてきたという事実は否定できない。それが間違いであると気づかせてくれたものが上記の規定につながる一連の身体拘束廃止議論であり、高齢者の自立した生活を支えることを目的とした介護保険制度が始まるに伴って、介護現場において身体拘束をなくす「身体拘束ゼロ作戦」という取り組みが進められるようになったのである。

そのため現在では、介護施設等でシートベルトを装着したまま車椅子に座らせて放置されている高齢者の姿は見られなくなってきたし、つなぎ服が備品庫からなくなり、介護保険制度以後に就職した職員で、その存在を知らない人も多くなった。

しかし目に見える、「身体拘束・行動制限」は見られなくなっているが、認知症高齢者ん対して、「〜しちゃだめ」というスピーチロックは、様々な場所や場面で見られるし、眠剤や向精神薬を使った行動制限は完全になくなったとは言えない。

点滴や胃婁のチューブを引き抜く人に、ミトン手袋を緊急時の例外規定として使用している時御者もあるが、それは本当に、「緊急性・非代替性・一時性」という3条件に合致しているのか、そもそもその行為につながっている点滴や経管栄養は、本当に必要性があるものなのか。

介護施設で、毎日行列に並ばないと必要な介護が受けられない人は、構想制限されている状態ではないのか。

介護事業者のケアサービスを利用している人の暮らしと、その支援方法を幅広く見つめて、これらの問題を考えなければならないと思う。

手足を縛るだけではなく、心をがんじがらめにすることも「なくすべき行動制限」である。

将来、自分や自分の愛する誰かが、介護サービスの場で泣かずに済むように、身体拘束をしなくて済む方法論を伝えたいと思う。
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介護ストレス殺人ではなく強姦致死だったという卑劣な事件


まず最初にお知らせを・・・。介護施設をはじめとした高齢者福祉施設・居住系施設のクラスター感染が増加傾向に転じ、前週から倍に増えていることから、某機関より注意を促すよう依頼されました。手洗い・うがいのほか、安全な方法による空間除菌は不可欠です。「使用後95.5%の医師が継続使用を希望する空間除菌法」を参照して、感染予防対策を練り直してください。

さて話題を変えて本題に入ります。

先週22日の日に僕は、自分フェイスブックに次のような意見を投稿した。
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8/6に南アルプス市の有料老人ホーム「わたぼうし」に勤めていた丹沢一貴容疑者(42歳)が、ご夫婦で入居していた利用者の妻(80歳)の首を絞めて殺した事件で、容疑者は「夫婦の介護にストレスを感じていた」と供述しているそうです。

仕事のストレスなど、介護以外の職業でも必ずあるし、介護の仕事をしている人でストレスのない人もいません。それを利用者の殺害という形に向けると言うのは普通ではありません。本当の殺害理由は、もっと別の深い闇の部分にあります。人材採用の問題ももっと検証されるべきです。こうした報道で、介護が特段他の職業に比べてストレスが多くて、それが利用者への暴言や暴力という形になってしまうのだなと思われることが一番問題です。
--------------------------------------
僕がここで、「本当の殺害理由は、もっと別の深い闇の部分にある」と述べていたことが当たってしまった。

昨日報道機関が一斉に報道しているが、この事件の真相はストレスによる虐待致死事件ではなくではなく、性暴力による致死事件であることが明らかになった。
tanzawakazuki
甲府地検が昨日26日、逮捕された丹沢一貴容疑者(42)=同県市川三郷町=を、強制性交等致死の罪で起訴したが、起訴内容は、8月5日午後9時50分ごろから午後11時半ごろの間、同市の有料老人ホームのトイレで、入所する女性(80)の首を腕で絞め付けるなどして強制的に性交し、窒息死させたとしているのである。

「強制性交等致死」・「強制性交等罪」とは、聴きなれない罪名であると感じる人も多いと思うが、これはいわゆるレイプそのものを指す強姦罪である。2017年7月13日に施行された改正刑法から強姦罪の名称および内容が変更となったものである。旧強姦罪では3年以上の有期懲役刑だったところ、強制性交等罪では5年以上の有期懲役刑に引き上げられ、原則的には執行猶予のつかない罪となり、厳罰化されていると言える。

本件はトイレ介助するために利用者をトイレの個室に誘導した後、容疑者は性欲を満たすために性行為を行い、その最中被害者が暴れないように首を絞めていたが、それによって被害者は死に至ったということで、「強制性交等致死罪」が適用されるものだ。

事件があったのは、山梨県南アルプス市の老人ホーム「わたぼうし」。

被害女性は一人で歩くことができず、殺害当日丹沢容疑者は一人で夜勤を行っており、殺害理由について容疑者は当初、「排泄介助の際に言うことを聞いてもらえずかっとなりトイレで首を絞めた。日頃からストレスがたまっていた」と供述していたことが報道されていた。

そんな理由で人を殺めることも許せないが、それは真っ赤な嘘で、自分の性衝動を抵抗できない高齢要介護者に向けるという卑劣極まりない事件だった。しかも勤務中の犯行である・・・。

被害者は加害者に恥ずかしい部分を含めて、身を委ねて日常支援を受けなければならない立場の人である。そこでは、「信頼」という絆が何より必要とされるのに、その絆を断ち切って、介護のプロとして個人空間に深く介入するという立場を利用しての犯行は許しがたい罪である。

それはまさに鬼畜の所業でしかない。

こんな犯罪が起きると、施設職員が利用者から信用されなくて、特に異性介助を拒否するケースが続出しかねない。困った問題である。

当初、介護ストレスを理由にしていた容疑者を擁護するかのような発言が、ネット上では飛び交っていた。殺人は許せないが、ストレスから暴力に及んでしまうことは仕方がないという意見も少なくなかった。しかしストレスを利用者に対する暴力という方向に向ける人間は、介護を職業とすべきスキルのない人間である。

そもそも介護のストレス=利用者虐待というのはあまりに短絡的動機で、介護ストレスを理由にした虐待事件の多くに、人に言えない恥ずかしい犯行動機が隠されていることが多いのだ。今回はその闇の部分が明らかになったに過ぎない。

FBに書いたように、殺害された80歳の女性は、ご夫婦でこのホームに入居していたとのこと。遺されたご主人は犯行現場となったホームで、今どんなお気持ちで過ごされているのだろうか。その方自身の心身の状態にも影響を与えていると考えられ、非常に心配である。

それにしても、40代の男性が80代の高齢者に性欲を感じることも、自分が仕事として介護支援に係るべき利用者に、職場の仕事の最中に性欲を感じることも、僕には全く理解不能だ。

こうした性癖の犯罪者を、教育で何とかしようということは難しいだろう。こうした性癖を持つ人間であるということを、採用面接で見抜くことは不可能だし、試用期間で見極めることも極めて困難だ。

介護事業者では多かれ少なかれ密室化する介護の場で、自らの危機的状況を訴えることができない認知症の人も含めて1対1で長時間係るのだから、そうした性癖の人間が一人でも混じっていれば、そこで犯罪が行われることはあり得ることになってしまう。

介護事業経営者にとってそれは恐ろしいことで、対岸の火事とばかり言っていられないと言っても、有効な対策を取ることが難しい問題でもある。とにもかくにも職員採用と、教育の専門部署を整備して、就業後も職員個人の介護という職業への適性を見極める働きかけを、常時怠らないことくらいしか問題解決にはつながらないだろう。

どちらにしても採用段階から慎重な人物の見極めが必要なことを、改めて自覚しておきたい。
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アンガーマネジメントの前に適正評価と自己覚知を


今日は僕の○○回目の誕生日。だからと言って、誕生日を迎えてもうれしい年ではないが、FBでつながっている人がお祝いメッセージを届けてくださると頬が緩む。やはり人間にとって一番の財産は、人とのつながりだと思う。ありがたいことである。

ところで今年の誕生日を僕は大阪で迎えている。

昨日北海道を経ったが、飛行機内は予想以上に混雑していた。最近は空席が目立つ便が多いのだが、昨日はほぼ満席便。なぜかというと今日甲子園に登場する北海高校の生徒さんが搭乗していたようだ。一般客は観戦できないが、学校関係者の応援は許可されているのだろう。選手も応援団も頑張ってほしいものだ。

大阪に来ている理由は、当然のことながら仕事である。昨日の夕方、豊中市の施設で職員研修のための講演を行い、今日は午後から大阪市老連で、「介護事業所の高齢者虐待最多から考える〜高齢者虐待の要因と虐待防止の視点〜」という講演を行う予定が入っている。

そもそも虐待を行わないサービス事業者が良い事業者という訳ではないし、利用者を虐待しないサービス事業というのは極めて当たり前のことである。

そうであるにもかかわらず高齢者介護事業者の研修として、虐待防止が研修テーマとなる意味の一つは、当事者が虐待とは思っていない行為で、利用者を傷つけているという事実が存在するからである。

人に関わり個人のプライバシーに深く介入する職業についている人にとって、そのような鈍感さは許されない。そうしたことをなくするためには何が必要かをきちんと示してくる予定だ。

一方では、資質に問題がある人物による、あり得ない虐待が繰り返し報道されるという事実もある。そうした虐待は、なんとしてもなくしていかねばならない。

例えば8/6にネット配信された報道によると、岐阜県多治見市にある介護施設(施設種別は明らかにされていない)で、入所する90歳の女性に顔の骨を折る大けがを負わせたとして、この施設に勤務する介護職員(41)が傷害の疑いで逮捕されたそうである。

事件の発生は2021年6月22日。容疑者は入所している90歳の女性の顔を殴り、ほお骨や上あごの骨を折る大けがを負わせたとして傷害の疑いが持たれている。

被害者の90歳女性は、一部介助が必要な状態(ほぼ自立に近い状態と報道されている)であったが、血圧が高目で短時間入浴とされていたとのこと。事件当日は容疑者が一人で入浴対応していたが、なかなか浴室(脱衣室か?)から出てこないので、別の職員が確認に行ったところ怪我が発覚したものである。

当初、容疑者は自分の手が当たった事故であると暴行を否認。しかしその後、故意にたたいたことを認め逮捕に至ったとのことである。

被害者は容疑者から衣類を手渡され、自分で着衣を行っていたが時間がかかり、そのことに容疑者がイラついた可能性が取りざたされている。しかし90歳の利用者に対して、「ほお骨や上あごの骨を折る」ほど殴るという怒りはどこから来るのだろう・・・。かッとして一度殴ったくらいでは、そのような傷は負わないだろうから、強い力で複数回殴りつけたとしか考えられない。

よく言われることとして、介護という仕事のストレスが虐待の原因だとされたりする。しかしストレスは誰もが抱える可能性があるが、そのはけ口を利用者虐待という形に求めることは、「当然」でもなければ、「よくあること」でもない。

ストレスを抱える多くの対人援助のプロは、ストレスのはけ口を利用者に向けることはないのである。ここを勘違いしてはならない。

着衣が遅いことにイラついただけで、ほお骨や上あごの骨を折るほどの暴行に及ぶ人物は、いかなる教育を行っても対人援助の仕事には向かないだろう。こういう人物は、その資質を見抜いて排除するよりほかに方法はないように思えてならない。

昨日(8月11日)も、北海道函館市の医療法人が経営するGH秋桜で、利用者の飲み物に下剤を複数回混入させる身体虐待が明らかになり、利用者の新規受け入れが3月禁止される行政処分が下されている。

一番の問題は誰が考えても人として許されざる行為を平気で行う人間が、密室化しやすい居住系サービスにおいて、介護職員として利用者対応しているという事実だ。そのような行為に走った職員(5月に依願退職)は、人を傷つける目的で介護の職業を選んだとしか思えない。

教育訓練の手が届かない人物による虐待行為が少なからず存在することを関係者はよく理解し、人物の見極めと、適切な処分という視点も同時に持っておかねばならない。人員不足がその視点を曇らせているとしたら、それは最大の経営リスクである。

その一方で教育の視点として、介護の場で虐待を防ぐために、「アンガーマネジメント(怒りの管理)」を学ぶべきだという主張がある。しかしアンガーマネジメントを学んでも、利用者のちょっとした言動にイラついたり、怒りを覚えたりすること自体が、どのような感情や考え方から生じているのかを理解しない限り、アンガーマネジメントで怒りを鎮め虐待を完全に防ぐことはできない。

まずはその感情のありようを理解する、「自己覚知」を学び、そのうえでアンガーマネジメントを活用する必要があると思う。

そのため今日の講演でも、「自己覚知」・「快適な職場環境」という面にもスポットを当てて話を展開したいと思う。

なお僕の著書、『人を語らずして介護を語るな THE FINAL 誰かの赤い花になるために』の第5章 介護力を豊かにする方法(154頁)では、「自己覚知を促す方法を模索して―masa式演習授業」という方法を紹介しているので、興味のある方は是非一読していただきたい。

今日はオンラインを通じた講演となるが、心を込めて伝えたいと思う。それでは受講者の皆様、どうぞよろしくお願します。

蛇足になるが、我が北海道日本ハムファイターズも暴力事件で揺れている。4人も子供がいる30代男にも今更アンガーマネジメントを教えなければならないのだろうかと考えたとき、なんともむなしい思いを感じるのは僕だけではないだろう。・・・我がファイターズの今シーズンは、もう終了したと同じである。
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虐待をなくそうとしないで隠そうとする人々


すべての職場に自浄能力があるとは限らない。

そのため内部告発という形の情報発信は、時として唯一の問題解決策となる場合がある。

介護施設を密室化して、虐待行為が深い闇の中に沈んでいる状態をあぶり出す際の唯一の方法が、介護施設職員による内部告発であるという事例も過去にたくさん見られたことだ。それによって救われた人・命・暮らしがある。

だからこそ内部告発者の勇気は讃えられるべきであるし、その立場は護られるべきである。

このことに関連して表の掲示板では、北海道の某町立特養での虐待が話題になっている。内部告発者がツイッターやユーチューブに虐待の実態をアップしているが、告発された虐待行為について、町は振興局に報告を挙げたものの、その後具体的な虐待防止策を取ってはいないとのことだ。

関係者の処分は後回しで良いと思うし、そもそも事実関係が確定するまでそれはできないだろう。

しかし、虐待が本当に行われていたとしたら、そこには虐待を受けた被害者が存在するという意味なのだから、その人たちの保護、心のケア、虐待の再発防止策は早急に行わねばならない。

それは振興局の指導を待つという問題ではない。人の暮らしを護るために存在する特養の使命として、どんなことより先駆けて行うべきことだ。

それが人の道である。この部分で、呑気に事実関係を確認している暇なんてないわけである。

ところが当該施設では、被害者を護ったり、再発防止策を取ることなく、何より先に行われているのは、「内部告発者」探しだそうである。内部告発者を守秘義務違反の、「犯人」と決めつけ、訴えると脅したり、施設のトップを含む管理職数名で職員を呼び出して自白を迫っているそうである。

この施設のトップは勘違いも甚だしい。守秘義務とは、職務上知った秘密を守るべきことや、個人情報を開示しないといった義務のことを指すが、公益に反する法律違反や不正・不適切行為を公にすることはその義務には当たらない。

虐待という事実が存在するなら、その実態を明らかにすることは国民の義務である。管理者・管理職にその事実を通報しても、何の対策もとられないとしたら、その実態をネットを通じて公にすることは手段としては有りだ。

それをさせないように隠蔽を守秘義務という言葉で覆い隠すような行為は極めて卑劣である。こういう形で内部告発者がつぶされるのは見過ごせない。こういう管理者がいる限り、この施設の改革はできないだろう。

虐待があったということだけで施設トップの解任事由には該当しないとしても、虐待を隠蔽し、内部告発者に対する嫌がらせ行為に走るということは、十分解雇事由に当たるのではないだろうか。
北竜町のひまわり
内部告発者のSNSを見た人によると、問題になっている特養は、「ひまわり」で有名な町にあるそうだ。そこに町によって経営されている特養が、ひまわりさ咲くことのできない闇を創り出し、その闇の中に事実を隠蔽する行為がずっと続けられているとすれば、これは悲劇ではなく喜劇だ。

それにしても虐待告発を守秘義務違反と罵る人間が、介護施設の管理をしていて良いのだろうか。人として許されない行為をしていることに、その人間は気が付いているのだろうか。この施設には虐待と無縁の職員もたくさんいると思うが、こういう馬鹿なトップの下で働いていること自体が恥ずかしいことだろう。お気の毒である。

介護とはその字の意味が表す如く、「かばいまもる」行為である。しかし護るべきは第一義的に利用者であり、利用者の暮らしである。

しかるに、告発された虐待を隠そうと、内部告白者探しに躍起になって、内部告発者を犯人扱いすることで護っているのは、自らの地位のみである。それは人として許されない行為であり、傍から見てきわめて醜い行為でもある。

そういう人が同業者であることを恥じる。
虐待防止の意味
上のスライドは、僕が行う「虐待防止講演」のスライドの中の1枚である。虐待を隠蔽しようと躍起になている人たちは、このスライドを見て何を思うだろう。自分が管理する施設の実態を、どう考えているのだろう。

仕事に対する誇りや矜持をどう考えているのだろうか・・・。そういう矜持を持てない人は、一日も早く介護業界から退場していただきたい。
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虐待を見ぬふりすることも虐待と同罪


毎月のように、日本の介護事業者のどこかで虐待事件が起こり、その度にその虐待が、「氷山の一角」と言われたりするが、僕はそんな氷山に乗って介護の仕事をしているわけではないし、日本の大多数の介護事業者は、虐待とは無縁のサービス提供をしていると言い続けている。

しかし少数派と言えども、密室化しやすい介護サービスの場で、虐待・不適切サービスが行われているという事実は否定できないし、そこでは本来尊ばれるべき人々が、身体や心に傷を負わされているという事実がある。

しかも虐待の当事者は、そのような非人間的な仕打ちをしながら、生活の糧を得ているという大きな矛盾も生み出されている。こうした状況をなくしていかなければならないことは至極当然のことである。

そのためには虐待の原因や理由を精査して、きちんと検証したうえで再発防止策を講じなければならないが、そうした検証作業の前に、虐待の事実を隠蔽したり、なかったかのように見て見ぬふりをする状況が報告されている。

先日も表の掲示板で、虐待を通報しても何も対応されず、隠蔽に走っているというスレッドが建てられた。

これが事実とするなら由々しきことであり、町行政は厳しく糾弾されなければならないが、スレッドの書き込み内容だけでそれをすべて事実と判断することも危険である。虐待を糾弾するならば、きちんとした証拠を提示しなければならないと思う。

なぜならば虐待と認定されれば、それは刑事事件ともなり得るし、損害賠償の対象行為にもなり得るので、事実と確認できる以前に、特定の人物を虐待当事者と糾弾することは人権侵害にもつながりかねないからだ。

今では誰しもスマホを持っているのだから、虐待行為の証拠として撮影・録音することはそう難しいことではない。そうした部分にもICTは活用されるべきだ。

例えば2012年に書いた、「介護の闇をなくさなければ・・・。」では、和歌山県海南市の特養で、隠し撮りされた内部告発映像が、JNNに送られてテレビで報道されたことがきっかけで、海南市の議会で問題が取り挙げられて、改善命令等につながっていったことを情報提供している。

この時は今ほどスマホが普及していなかったから、隠し撮りも技術的にかなり難しかったであろうし、たぶんビデオカメラを隠して撮影したのだろう。

今はもっと簡単に虐待場面を証拠として撮影録画できるのだし、報道機関に頼らなくとも明らかな虐待に対処してくれないならば、ユーチューブ等にアップしてネットで拡散することもできちゃうのだから、虐待事業者がそれを隠蔽するなんてことは出来にくい世の中になっているのである。

隠蔽できないように、厳しく糾弾するという覚悟も持って告発に踏み切っていただきたい。

それにしても虐待の事実が明らかなになっても当事者を処分せず、場合によっては虐待行為そのものをなかったかのように装う行為は卑劣極まりない。そこでは利用者を虐待から護ろうとすることより、自分の所属する事業者を護ろうとすることが優先されているということで、それは自分自身の保身としか言えないからだ。

しかしそれによって虐待行為が隠されてしまえば、虐待当事者は罪の意識を持つこともなく、さらに行為をエスカレートさせ被害者も増えるかもしれない。

それは虐待行為を隠蔽した人が、虐待被害を広げていることと同じ意味になる。人として決して許されることではないのである。

介護という職業が何のために存在しているのかということを、ごく当たり前に考えてほしい。この職業は特別な崇高な行為を求められているわけではなく、心身に不自由のある人も、人として当たり前の日常を過ごすことができるように支援する職業だ。人を傷つけたり、放置したりする行為はその対極にあるものだ。

虐待を行わないということは、良い介護でも何でもなく極めて当然のことである。そんな簡単なことを理解できない人は、介護という職業に関わってほしくない。

こうした問題に関連して、8/12に大阪市老連主催のオンライン講演、Zoom『高齢者虐待対応研修会』開催〜介護事業所の高齢者虐待最多から考える〜を配信する予定になっている。
高齢者虐待対応研修会
既にたくさんの方が申し込みをされているようだが、今から参加したい方は是非主催者に問い合わせていただきたい。

当日は、大阪市老連の事務局があるビルから配信するが、その日は僕の誕生日でもある。ただこの年になればそれもあまり関係ないとはいえる。大阪は蔓延防止対策期間中なので、呑みにも行けないのが少し残念ではある・・・。
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介護事業所の虐待最多という報道を受けて


今朝12/23付の北海道新聞朝刊には、「介護事業所の高齢者虐待最多」という見出しで、次のような報道記事が掲載されている。
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厚生労働省は22日、介護事業所の職員による高齢者への虐待が2019年度に前年度比3.7%増の644件となり、過去最多を更新したと発表した。厚労省は虐待防止への意識が高まり、通報が増えたことなどが背景にあるとみている。自治体への通報件数も3.7%増の2.267件。亡くなったのは4人だった。

虐待の理由は複数回答で、虐待との認識が乏しかったことや、職員のストレスや感情コントロールの問題などがあった。一つの事業所で複数の高齢者が虐待を受けているケースもあり、不特定多数に暴言を吐くなど被害者を特定できなかった件数を除くと虐待を受けた人は計1.060人。このうち認知症の人が約8割を占めたほか、症状が重い要介護3以上の高齢者が75.8%に上った。

虐待の種類(複数回答)は暴力や拘束といった身体的虐待が60.1%。暴言などの心理的虐待が29.2%、放置などの介護放棄が20.2%。(以下略:12/23北海道新聞朝刊より転載)
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この記事では虐待の理由を、「職員のストレスや感情コントロールの問題などがあった」と報道しているが、こんな理由の括りはやめてほしい。それは両方とも対人援助のスキルのない人であったという意味でしかない。

そもそもストレスで虐待してしまうという理由を認めてしまえば、「介護の仕事でストレスが生じた場合は、利用者を虐待することも仕方ない。」という意味にも捉えられかねない。そんなことがあってよわけがないのだ。

さらに言えば、介護事業における従業員の虐待理由を、「仕事のストレス」と括ってしまえば、介護の仕事が介護以外の仕事に比べてストレスが生じやすい仕事であるという誤解も生じてしまう。決してそんなことはない。他の職業は、毎日数字で結果を求められたり、利用者から直接苦情を投げかけられたり、介護の仕事とは異なる種類のストレスがたくさんあって、どの職業が一番ストレスが高いかという比較は困難である。

現に仕事のストレスでうつ病になり、精神科に通院や入院をしている人で、介護の職業に就いている人の割合が、他の職業の人より高い確率であるという言う事実はない。

仕事には多かれ少なかれストレスは存在するもので、良いストレス(ユーストレス)だって存在する。(参照:メンタルヘルス不調とストレスについて考える)

良くないストレス(ディストレス)であったとしても、それを直接利用者への暴言や暴力に結び付けるということは、対人援助者としての資質に著しく欠けているということに他ならないのだ。

確かに介護の仕事は人に向かい合う感情労働だから、利用者の感情に巻き込まれてしまうリスクの高い仕事でもある。だからこそ感情のコントロールを行う教育訓練が必要で、特にアンガーマネジメントの基盤となる、「自己覚知」の教育は欠かせないのであるが、それはきちんと行われているのだろうか。そのことをもっと問題にすべきだ。(参照:価値観が変化する自分を覚知するために)

新聞記事では、「虐待との認識が乏しかったこと」も理由に挙げられている。僕がこのブログで再三取り上げている、「感覚麻痺」がその一番の原因だろう。(参照:知らぬ間に・悪気なく、介護の場にはびこる感覚麻痺による虐待)

「不特定多数に暴言を吐く」行為も取り挙げられているが、その多くは職員が顧客である介護サービス利用者に、「タメ口」を使うなどの不適切な態度を許してしまうという、「割れ窓」を放置していることに他ならない。

例えば上司に部下が、「タメ口」で話しかけることは失礼な態度であると感じる人が多い。場合によっては、「その口の利き方はなんだ!!」と怒る上司もいる。それなのに介護サービスの場で、従業員が顧客に対し、馴れ馴れしい失礼なタメ口で対応することをなぜ許しておくのだろうか。

しかしタメ口で接することが親しみを持ってもらい、家庭的雰囲気につながると主張している人も、心のどこかでは、それは顧客対応としてはふさわしくないと感じたりしている。それが証拠に、認知症の人にタメ口で接している人が、相手が認知症ではなく、物事をはっきり主張できる人であれば、自然と丁寧語で接する態度に替わるという、「人を見て言葉を使い分ける」という態度になっている場合も多い。

その結果が今朝の報道の、「虐待を受けた人の8割が認知症の人」という結果につながっているのではないだろうか・・・。

どちらにしてもサービスマナー教育をおざなりにしていると、いつかそれが大きな虐待問題につながり、社会全体から糾弾を受けるだけではなく、事業廃止の危機に直面することを経営者や管理職は改めて心するべきである。

今のうちに、利用者に対するくだけた態度は、顧客に対して失礼な態度であるという理解を促し、サービスマナーに徹した介護事業者に変化できるように、教育訓練をしっかり行わねばならない。

そうしないと団塊の世代の人から選ばれる介護事業者にはならないのである。
介護事業におけるサービスマナー研修
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真実は闇の中・・・にしないために。


昨日の夜TBSで放映された、「爆報THEフライデー」の、「カリスマ監察医事件簿・1枚の写真で完全犯罪を見破れ」を見た方がいると思う。

そこで取り上げられた事件の一つに、老人ホームの暴行死事件があった。その老人ホームで複数の利用者が病死とされていた事件は、実は一人の介護職員の暴行による殺人事件であったというものだ。

その事件は6年前に起き、次の記事に取り挙げた、「フラワーヒル入居者死亡事件」ではないかと思う。【参照:「もっと褒められたかった」と利用者を殴り殺した事件の背後に潜むもの】(※確信はないので、間違っているかもしれない。)

その事件は、犯人が被害者の胸をこぶしで数回にわたって殴打し、胸骨骨折などの傷害を負わせ、心不全または出血性ショックにより死亡させたとされるものだ。

検察側が地裁裁判の冒頭で陳述した犯行動機は、事件の数日前に別の入居者の容態が急変して死亡したのを発見したところ、犯人が当時の施設長に大いに誉められ、この経験からさらに異変が起きてまた発見者となれば、犯人の介護職員としての評価がさらに上がるものと考えて入居者を殴ったというものである。

一方で弁護側は、暴行の原因は犯人の適応障害によるものとして情状酌量を求めたが、1審では求刑10年に対して懲役8年の刑が言い渡されている。

その際の判決で裁判長は、「事件の前、入居者の容体の異変にいち早く気がついて褒められた経験があり、職場での自分の評価を上げるため、異変の発見者となろうと無抵抗の被害者に一方的な暴力を加えた。本来介護士として被害者を守る立場にありながら動機は身勝手で強い非難に値する」と指摘した。検察側の動機説明を是認した形になっている。

しかしこの事件の本当の恐ろしさとは、裁かれた罪以外の罪悪がまだ闇に潜んでいるのではないかという疑いがぬぐえないことだ。

事件が起きた特養では、犯人が勤務を始めた直後の2010年2月15〜18日の4日間で、入居者3人が相次いで亡くなり、そのほか別の1人がけがをしている。埼玉県警は判決が言い渡された事件のほか、84歳の女性への傷害容疑と、78歳の女性への傷害致死容疑でも立件したが、さいたま地検はいずれも不起訴処分(嫌疑不十分)とした。また死亡したもう1人については事件化されていない。証拠が不十分だったからであろう。

このことについて、遺族として法廷に立てなかった死亡利用者の家族が無念の思いを訴えたりしているが、その思いはどこにも届かない・・・。

この事件は感覚麻痺とかいうレベルではなく、自己顕示欲のためだけに人として許されない行為を行うという悪行でしかない。その事件に更なる被害者が隠されているとしたら、それはとても恐ろしいことであるし、決して許されることではない。

もし犯人が裁かれた容疑以外にも犯行及んでいるとしたら、その罪は一生自分が背負って、その贖罪のために生きていかねばならないということを知るときが来るだろう。それもとても悲惨な人生と言えるのではないだろうか。

昨日番組を観ながらこの事件のことを思い出したときに、昨今の介護事業者における職員採用の状況と、職員教育の問題点が改めて頭に浮かんできた。

本件のように、本来対人援助の仕事に就いてはならない人が、人材不足の中でますます低くなっている採用のハードルを潜り抜けて、介護の仕事に就いてしまうケースは多い。だからこそ採用時の人物評価は最も重要になるし、採用基準のハードルは下げてはならないのである。そして採用時に見抜けない適性の無さについては、試用期間中にしっかり見抜くようにOJTを活用すべきである。

さらにこうした人物に影響を受ける輩を創り出さないように、介護事業経営者や管理職の方々には、採用後の計画的で定期的な教育システムは最重要であることを自覚してほしい。そしてその教育とは、「人間性の向上」につながるものでなければならず、単に知識や技術を教えるだけのものであってはならないことも忘れないでほしい。

そうした人間教育を介護事業者内のシステムとして組み込む不断の努力が求められるのである。

そしてそれは実効性があるものではないと意味がないので、常に研修・教育システムが形骸化していないか、アリバイ作りの無意味な研修になっていないかという検証作業をし続けなければならない。

それは経営者や管理職に求められる最も重要な役割である。

昨日の番組で取り上げられた事件が本件であるか否かは別にして、その番組を観ながら改めて、人材選びと人材教育をおざなりにしてしまうと、大変な社会悪を生んでしまいかねないのが介護事業であると考えたりした。

そうしないためにも、介護の使命は何かということを伝えること、誇りを持って介護の仕事を続けられる実践論を伝え続けることは、今後も求められるのだと思った。

そうした学びの場を求めている方は、是非一度メール等で連絡していただければと思う。全国どこでも駆けつけるし、オンラインでの講演も受け付けている。まず気軽に相談の連絡をいただきたい。
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虐待防止が研修テーマとなる意味


北海道は今日、初雪が降った地域が数カ所あるなど、冷えた朝を迎えた。本格的な冬ももうすぐそこである。

ところで今朝のCBニュースのトップ画面は、僕のアップ画像がでかでかと張り付いているので、アクセスした方々は、どうかびっくり仰天しないでほしい。

リンク先を文字に貼り付けてはいるが、このトップ画像は明日には消えているだろうから、記念にこのブログ記事にも張り付けておこうと思う。CBニュースさん、画像借りますのでよろしくお願いします。
快筆乱麻・masaが読み解く介護の今
ちなみに、昨日の続編となる後編記事はこちらなので参照いただきたい。

ところで今日は、この後13:30〜京都府京丹後市の社会福祉法人さん職員研修として講演を行なう予定になっている。

とはいっても僕は今、京都にいるわけではなく、北海道登別市の自宅でこの記事を更新している。これからZoomを使ってオンライン講演を自宅から配信する予定になっているのである。

コロナ禍でリモートワークは10年先に進んだと言われるが、本当にそうだと実感している。講演を北海道の自宅から全国に向かって配信するという行為を、専門的な知識のある人に頼ることなく、特別な機器も備えることなく自分一人で準備し、自分のPCのみを使ってできるようになるなんてことは、昨年までならほとんど想像できなかった。

それが今では当たり前になってきている。京丹後市という魅力あふれる場所に行くことができないことは残念であるが、講演主催者の方に移動費や宿泊費という費用負担をかけることなく、講演を受講していただけることは大いにメリットであろうと思う。オンライン講演も是非お気軽にお申込みいただきたい。

今日の講演テーマは、「利用者虐待の要因と虐待防止の視点〜人権はどのように奪われるのか、どうしたら護ることができるのか」としている。

これは講演主催者側からの要望で設定したテーマであるが、こうしたテーマが望まれるという意味は、必ずしもそれを望む主体が、虐待が起きるような体質があって悩んでいるからではない。

むしろ講演主催者は、介護という職業の使命と責任という観点から、気づかぬうちに利用者の心を気づつけてしまうことがないような、細心の注意を払った介護サービスの提供に心がけたいというポジティブな思いから、虐待防止というテーマを希望されることが多い。

そもそも虐待を行わないサービス事業者が良い事業者という訳ではない。対人援助を職業としている事業者なり従業員は、利用者を虐待しないというのは極めて当然のことである。「利用者虐待を行わない事業者」なんていうキャッチコピーはあり得ないし、そんなことは売りにならないわけである。

だからこそ、介護サービスという職業を通じて顧客と向かい合う事業者やその職員は、虐待とは無縁の就業態度を身に着けておかねばならないということになる。

つまり虐待防止の本当の意味とは、介護サービスの場から、世間一般からみた場合に、「非常識で普通でない状態」をなくすということになるのかもしれない。

自分の所属する法人・事業所は、虐待と無縁だから虐待防止研修は必要ないということにはならず、虐待と無縁の状態を護り続けるためにも、虐待防止研修は定期的に行っていく必要があるのだ。

虐待は大きく分けると、心理的虐待・身体的虐待・ネグレクト(放棄・無視)・性的虐待に分けることができるが、高齢者介護の場ではかつて身体的虐待の比率が高かったが、近年は心理的虐待とネグレクトの比率が高くなってきているという問題がある。

そのことは、虐待している当事者が、「そんなつもりはなかった」という無意識の虐待が増えているという意味でもある。

しかし虐待する側にその意識があるかどうかに関係なく、虐待される側が受けるダメージは大きい。悪意はなくても人は傷つくということを忘れてはならないのである。

そうした無意識の虐待は、サービスマナー意識に欠ける従業員の言動によってもたらされるもので、虐待防止研修には、必ずサービスマナー研修と被る内容が含まれてくる。「介護サービスの割れ窓理論」もそこに加わってくることになるのも必然だ。

繰り返しになることを恐れずに書くとすれば、虐待防止が研修テーマとなる意味の一つは、当事者が虐待とは思っていない行為で、利用者を傷つけているという事実が存在するからである。しかし人に関わり、個人のプライバシーに深く介入する職業に就いている者にとって、そのような鈍感さは決して許されないのである。

そうならないために何が必要か。どんな考え方が求められるのか。私たちは何をすべきかを具体的に語るのが、僕の虐待防止講演である。

それは虐待防止という一つのテーマだけに収まる内容ではなく、介護支援とは何か、対人援助では何が求められるのかというメッセージを含んだ講演であり、できるだけ多くの方々に聴いていただきたい講演でもある。

介護という職業は、介護支援を必要とする人たちを、心にかけて護るために存在する職業である。だからこそ自らの心無い言葉で人を傷つけてしまうことを誰よりも恐れる必要があるということを、すべての介護従事者に理解してほしい。

特に高齢者介護とは、人生の最晩年期に関わるという責任があることを自覚し、心無い態度や言葉で、利用者の心を傷つけてしまったときに、その失敗を取り戻す術(すべ)を失う可能性が高い仕事であることを自覚してほしいと思うのである。

心が殺されたまま、人生が終わってしまう・・・。介護事業をそのような哀しい職業にしてはならないのである。
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人手不足を法令違反の言い訳にするな


北海道では大手の電力会社とガス会社の全面戦争が始まりつつある。二男は北電勤務なので、親としてはそちらを応援せねばならないだろうか・・・。

介護事業者にとってもランニングコストとしての比重が大きい電気・ガスの料金が下がるのは、事業収益上大きなことである。「電気・ガスの料金比較はお済ですか〜コストカットは毎日使うものから」も参照してほしい。

話は変わるが、またぞろ介護施設の不適切運営がお菊報道されている。その不適切レベルも半端ではない・・・。

神戸市灘区の特別養護老人ホーム「きしろ荘」で、長期間にわたって不適切ケアと法令違反の疑いのあるサービス提供体制がとられていたことが明らかになり、市が調査していることが明らかになった。

問題となっているのは以下のような行為及びサービス体制である。

�〇餝覆里覆たΠ�が胃婁の利用者に濃厚流動食や薬剤を補給させていた。各痰吸引も資格のない職員に行わせていた。

��一人の利用者に対して最低週2回は実施しなければならない入浴支援を、数年前から週1回しか行っていなかったことに加え、今年7月ごろまでの1年は2週間に1回程度のこともあった。

��昨年1年間、全入所者約50人分の施設サービス計画書が作成されていなかったことに加え、今年5月に同じ法人内で他施設に勤務する職員に指示し作成させたが、介護支援専門員でない人もその作成にあたっていた。
(※仮に作成した人が介護支援専門員の資格を持っていたとしても、施設の介護支援専門員でない限り、そのような行為は許されていない)

「悪いと思っていたが人手不足で改善できなかった」と言い訳をしている施設長は、この数年間、休みが取れない状況で、兵庫県内に新型コロナウイルスの感染が拡大した3月以降は、自宅に帰っていないそうであるが、コロナ禍以前から長期にわたってこのような不適切な状態を続け、法人に善処を求められなかったことに同情の余地はない。

自分が誰よりも働かなければならないという状態が、運営基準を護れなくともやむを得ない状態であるとの言い訳にしてしまうことも一種の感覚麻痺だ。このような状態の改善を、法人に強く訴え出ることができなかったこと自体が大問題であり、そもそも施設長としての器にかけていたのではないかと言われても仕方がない。

一部の報道では、「入所者は要介護度が高く、家族を含めて苦情などの指摘はない」という情報が書かれているが、馬鹿を言うなと言いたい。劣悪な処遇で被害を受けるのは家族ではなく、利用者本人だ。要介護度が高く、認知症の人も多い利用者本人が被害を訴えられないことをよいことに、そんな状態を何年も続けていたということは虐待そのものである。

そんな状態に家族の不平不満があったかどうかは関係のないことだ。自分自身が、週1回しか入浴できない状態を数年間続けていたらどう思うかを考えてほしい。しかもそうされているのは、排泄をオムツにしていたり、失禁があるかもしれない要介護者なのである。

人手不足で対応困難ならば、ショートの休止・入所の受け入れの一時停止を市に訴えなければならない。そのうえで人手不足を解消するための対策を法人全体で練る必要がある。法人自体は多角経営をしているようだから、これらの対策を早く講じていれば、このような不適切サービスが長期間続くことはなかったはずだ。人事は1施設において行うものではなく、法人全体で行うという原則が護られていなかったのではないか。

そもそもこの法人の理事会や評議委員会は全くこのことを察知していなかったとしたら完全な機能不全だ。知っていて放置していたとしたら、その役職の適格性に欠けるだけではなく、人としての品性が疑われるというべき問題だ。

理事長の責任は免れないが、全理事も責任を取る必要がある。評議員会の全委員も入れ替えが必要だ。

こうした状態を知れば知るほど、この施設にはまだ隠された問題が多く存在するように思えてならない。週1回しか入浴介助を行っていないのなら、そこで体調が悪かった人は、2週間入浴支援を受けられていないだけではなく、もっと長期間にわたって入浴支援を受けられなかった人もいたのではないか?排泄ケアはきちんとされていたのか?体位交換や清拭といった支援も不十分だったのではないか?夜間のケアは十分できていたのか?

市の調査(監査にしてしまえばよいと思うが・・・。)では、この施設利用者の皮膚状態をきちんとチェックしてもらいたい。そのことで新たな不適切ケアが明らかになる可能性があるからだ。

不適切行為が一つでも明らかになれば、きちんとできていた部分もこのように疑われて仕方がないのである。だからこそ法令基準は最低限護らねばならないのだ。

というのも、法令基準を遵守していたとしてもケアサービスは高品質と言えないからだ。週2回の入浴支援を行っていれば法令基準は護っていることになるが、世間一般的な常識から言えば、週2回しか入浴できないこと自体が、QOLの低い暮らしぶりである。

老人福祉法の制定直後からできた運営基準が、そのまま介護保険制度創設以後も引き継がれている低いレベルの基準さえ守ることができない施設は、廃止届を出すのが本来である。

一方で、介護の方法を工夫して、人員配置がさほど多くなくとも入浴支援を毎日行っているところもあるのだ。(参照:介護の質を上げる工夫の具体例:入浴支援1)

そもそも人手が少ないからと言って、法令を無視し、利用者の暮らしを劣悪にしているところに、人の役に立つ仕事をしたいという人が集まってくるわけがない。対策を短絡的に考えれば考えるほど、墓穴を掘る例は枚挙にいとまがないのだから、問題や課題解決は、長期的視点に立った根本対策が必要なのだ。

そのことに意を用いることができなかったこの施設のトップは、やはりその器にかけるのだと言わざるを得ない。

このような施設に勤めている職員は我慢して勤め続けないで、厚労省も許可している信頼できる就職サイトなどに登録して、別事業所に転職することを模索すべきだ。


だらだらと法令違反を続け、劣悪な環境に利用者を置き続けるより、そんな事業者の経営ができなくなるくらいに人がいなくなった方がよい。そういう状態になれば、行政が素早く動いて利用者の行き場も確保してくれる可能性が高い。その方がよっぽどましだ。

こんな施設が出てくると、またぞろこうした状態が、「氷山の一角」などと思われ、高品質のケアサービスを実現している特養まで、斜め目線で見られてしまうことが悔しくてならない。

豊かな暮らしの実現を図る視点がない人は、介護の職業に携わるべきではないのである。そのことを声を大にして言いたい。
【下記アンケートにご協力ください。】

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虐待を防ぐものは精神論にあらず


先週末の僕のミッションは、今週木曜日に北海道の自宅から、長崎県五島市に向けて配信するオンラインセミナーのPPTスライドを完成させることだった。

90分間の講演スライドは9割方できていたが、その最終チェックとまとめを行い、何とか昨日までに最新の虐待防止セミナー用PPTスライドを無事完成させることができた。
虐待防止セミナーのPPTスライド
この講演は、2018年の7月に、五島市の社会福祉法人・明和会さんの法人発足20周年式典の記念講演講師としてご招待いただいたご縁からつながっている。(参照:五島の天の川 ・ 五島の青い海)

その際にお世話になった特養・ゆうゆうの郷の門原施設長さんから、「他法人の保育園長から介護系の先生でも良いので、虐待関係の講師を紹介してくれないかと依頼された」という連絡をいただき、仲介いただいた結果、実現に至ったオンライン講演である。

ということで木曜日のセミナーは『みどり丘保育園』の保育士さんが受講するオンラインセミナーであるが、明和会さんとの合同セミナーという形なので、結果的には幼児保育の専門家と高齢者介護の専門家の両方の方々に向けた虐待防止セミナーということになった。

みどり丘の園長先生には、門原施設長が僕の著作を紹介してくださり、それを読んでもらったうえでの講演依頼なので、取り上げる事例は高齢者が中心となることを承知していただいている。しかし僕自身は人間の尊厳を護るという意味では、幼児・児童・大人に関係なく伝えなければならないものもあると思っているし、保育士さんに向けたセミナーも過去に経験しているので、内容を組み立てるにあたって戸惑うことはほとんどなかった。

虐待防止の勉強を行う意味は、そこに発生している虐待事例をなくすという意味合いではなく、保育や介護という対人援助においてあってはならない虐待を、未然に防ぐための知識を得て、体制を整えおくという意味合いが強い。

それは対人援助に関わる全ての人が、必ず一度は受講しておかねばならないセミナーだ。なぜなら虐待は、虐待しようという意志や意識が無い人によって行われることが多いからだ。虐待と無縁だと思っている人にも受講してもらい、もしかしてあのような行動や行為が虐待につながるかもしれないということに気がついてもらう必要があるのだ。

虐待は、「心理的虐待」・「身体的虐待」・「ネグレクト(放棄・無視)」・「性的虐待」に区分されるが、かつては児童・高齢者ともに身体的虐待の件数が最も多かったものの、ここ5年ほどは心理的虐待の件数が増加し、児童では全体の約半数を占めている。高齢者の場合は、ネグレクト(放棄・無視)の増加も目立っている。

身体に被害は及ばないものの、人の心を傷つける虐待行為の中には、虐待している当事者が、「そんなつもりはなかった」という無意識の虐待も数多く含まれてくることになる。

しかし虐待される側が受けるダメージは、意識・無意識に関係なく大きなものであることに変わりなく、虐待を完全になくすためには、何が虐待行為なのかということを根本から理解するとともに、悪意がなくとも、デリカシーのない対応で傷つけられる人が生まれないようにすることが非常に重要となるのである。

その為には幼児であっても、「ひとりの人間」として認めて接する態度が欠かせないし、対応する職員は必要なことをする前にその人に伝えたり、承認を得るプロセスを踏まなければならない。プライバシーに介入する場合、その人の尊厳を損なわないように関わることに最も注意が必要となる。

このように虐待防止の根源的考え方については、幼児虐待も高齢者虐待も変わりないわけである。

そして援助者は自分の感情を自覚し、自分の感情をコントロールして援助する必要性も、両者とも変わらないわけである。

感情をコントロールするために、アンガーマネジメントなどの訓練も必要と言われるが、その前提は自己覚知であり、統制された情緒関与の原則であることにも変わりなく、こうした知識や援助技術を伝えるのが虐待防止セミナーである。

それは、「虐待はあってはならない」という精神論ではなく、自らの行動が虐待につながることがないように、どのような知識を基盤として、どういうふうに援助を行うのかという技術論・実践論でなければならない。

虐待を行わないサービス事業者が良い事業者という訳ではなく、利用者を虐待しないサービス事業というのは極めて当たり前であると言った意識、ストレスは誰もが抱える可能性があるものだが、そのはけ口を利用者虐待という形に求めることは、「当然」でもなければ、「よくあること」でもないことを意識したうえで、職場の組織環境と実践法が虐待を未然に防ぐのだということを理解していただくセミナーとしたいと思っている。

なお昨日から、「介護施設等の人員配置基準緩和(削減)に関するアンケート」を行っている。その結果はこちらからも見ることができ、すでに多くの方々の協力を得ているが、引き続き介護実務に携わる人の生々しい声を集めたいと思っているので、投票がお済でない方は是非協力をお願いしたい。
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