masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

介護人材確保

潜在介護福祉士は、いないのと同じ


厚生労働省の公式サイトに、「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」という分析結果が7月9日付で掲載されている。

それによると2025年度時点で介護職員の必要数は約243万人、2040年度では約280万人であるとし、2019年度時点ではその数が約211万人であることから、今後4年の間に約32万人、2040年度までに約69万人を確保しなければならないとしている。

しかし直近3年間の増員数は年平均3.7万人にとどまっており、仮にこのままのペースでいくと、2025年度の時点でおよそ10万人以上の不足が生じることになる。

だが介護職員を増員する手立てはほとんどないと言ってよい。

例えば、「特定技能」により日本で介護の仕事に就労する外国人の数が、今年3月時点で去年の30倍の1705人となっており、貴重な戦力となってはいるが、介護の特定技能は1号のみしか認められていない。

その意味は在留期間は5年限定されているということだ。繰り返し延長更新できる2号とは異なるので、特定技能で介護事業者に就業している人たちは就業後5年後以降も働き続けるためには、介護福祉士の資格を取るしかない。それはあまりに高いハードルであり、その人たちがいくら増えても、長期的な人材確保戦略を練るうえで、数字としてカウントできないのである。

そのため国は、介護福祉士の国家資格を持っている人の中で、介護・福祉など以外の分野で働いている7.0%(4万589人)の人々と、特に仕事をしていない13.8%(8万154人)の、「潜在介護福祉士」が介護事業に就業できるような支援策を講じようとしている。

例えば、引っ越しや研修、移動手段の確保などに充てるお金として最大40万円を貸し付け、介護職員として2年間従事した人の返済を全額免除する、「再就職準備金」の支給もその一つである。

しかし潜在介護福祉士と呼ばれる人のうち、「ぜひ働きたい」は数%程度に、「条件があえば働きたい」は30%強にとどまっているという数字もある。

介護福祉士の資格を持ちながら、介護の仕事に従事していない人は、それなりの理由で離職しており、「今後介護事業者で働く意思がある」と答える人も、そのハードルはかなり高く設定しており、ほとんどその意思がない人も多いのだ。

特に年齢が高くなればなるほど、夜勤を伴う介護業務はほとんどする気がない人が多い。また「すぐ働きたい」と回答している介護福祉士の中には、資格は持っているが能力が低いため、まともな仕事ができずに、人手不足の介護事業者も雇うことをためらうというスキルの人が含まれているのが実態だ。

国家試験を経ない養成校卒業生の中には、そういう有資格者も少なくないのだ。まさに、「失火右派仕事をしてくれない」ということの証明である。

どちらにしても潜在介護福祉士を掘り起こすこ徒自体が無理な話で、そのような対策で介護人材不足対策の一翼を担うことができるなんてことはないのである。

そのほかの国の介護人材対策も的外れだ。

今年度から他業種で働いていた者であって、介護職員初任者研修等を修了した者に対して、介護・障害福祉分野における介護職として就職する際に、就職支援金(20 万円)の貸付を行い、2年間、介護・障害福祉分野における介護職員として継続して従事した場合は全額返済免除となる事業も実施される。(参照:雇用と福祉の連携による離職者への就職支援の推進について

支給要件である初任者研修は、就職後に受講しても良いことになっていることも国は売りにしたいようだ。しかし20万円というお金を一時的に支給されて、返済免除になるからと言って、そのことを動機づけにして介護の仕事をしようとする人がどれだけいるかは疑問だ。転職の動機づけにするには金額の桁が一桁違うのではないかと思う。

国の施策で介護職員の数が充足することはないことは、この支援金を見てもわかろうというものである。

しかも介護保険制度がスタートした2.000年から既に20年以上経ち、今後は制度開始直後に他産業から介護職に転職した人で65歳に達する人が増えることを考えると、今以上に退職者数が増えてくる。よって介護人材の必要者数を確保することは絶望的である。

だからこそ介護事業を継続経営していくためには、国の施策に頼らずに独自で職員確保する対策を講じていかねばならないということになる。募集に応募する人を増やすだけではなく、採用した職員が定着し、成長する職場づくりが求められることは、今更云うまでもない。

その具体策はこのブログで何度も書いてきたので、カテゴリー介護人材確保人材育成を参照してもらいたい。

それとともに介護事業経営者や管理職の方々には、自分が人を引き付ける魅力を身に着けてもらいたいと思う。

自分がどんな事業者で働きたいかを、被雇用者の身になって考えてほしい。

仕事には厳しさが必要だけれども、人を気遣える優しさがない人がトップやリーダーの位置にある会社に、自分の大切な時間や将来を預けたいとは思わないのである。

逆に言えば介護人材不足が解決しないという意味は、今後ますます介護を職業とする人は職場を選ぶことができるのだから、自分の将来を託せない場所に我慢して勤め続ける必要はないということだ。

被雇用者が自分の能力に応じて、きちんと職場選びをすることで、良い経営者が労働者にとっても受け入れられる良い経営を行い、そこに良い人材が集まるという流れができる。そこに利用者も集まり、品質の高い介護サービスを利用できるというのが理想である。

どちらにしても介護人材不足が解消できない社会構造は、介護を職業としているスキルの高い人にとっては、自分の能力と希望に応じた職場選びがより可能になる社会であることも意識したうえで、賢い選択をしていただきたいと思う。

その一助に下記のサイトを推薦している。ここは相談から紹介まですべて無料で、しかも専任のアドバイザーが求職者の希望に沿って、随時相談にも応じてくれて、情報も豊富である。お金は一切かからないので、まずは登録から行っていただきたい。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

公式HPを放置する事後者に人が集まるのか?


慢性化する介護業界の人材・人員不足は、ハローワークに職員募集をかけただけでは、有能な人材を確保できない状況を生んでいる。

そのため様々な職員募集の工夫が盛んに行われている。

その方法の一つとして、インターネットを活用するのは当たり前のことであり、介護事業者の公式HPは、「あるのが当たり前」であるし、SNSも活用しなければ人は集まらない。

しかしインターネットを活用しさえすれば人が集まると考えるのは大きな間違いである。

求職者がネットサーフィンして、たまたま自社のHPやSNSにつながり、職員応募に募集してくるなていう確率は極めてゼロに近いのである。

求職者が自社の公式サイトに積極的かつ主体的につなげてもらえるようにするには、求職していない介護関係者が日ごろから求める情報を発信し続ける必要がある。そうした日常的な発信情報を求める人々が集う場所で、職員募集広告が出されると自然と募集に応募は増えるのである。

SNSはそのための必須アイテムであり、SNSでつながる介護関係者を増やし、その何割かの方が公式サイトにつなげて情報確認するという流れを作っておかねばならない。逆に言えばSNSを利用しても、長い期間放置状態で情報が更新されなければ誰もそのSNSにはつなげようとしなくなる。それは存在しないのと同じことである。

SNSの更新情報も、介護施設や事業所の行事・イベントを紹介するだけでは、人の興味は引かない。そんな場所はあっという間に人気を失って誰もつなげなくなる。そのような情報は巷にあふれているだけに、発信情報も差別化を図っていかねばならない。そのためには様々な情報を多角的に発信したうえで、どのような情報に反響が多いかを常に確認するという作業が不可欠になる。そうした地道な努力を続けて、つながる人を増やしていかねばならない。

そのような努力をしないで公式サイトも更新情報がほとんどなく、放置状態の介護事業者が実に多い。公式サイトが存在しても、ほとんど誰からも見られていないなら、それは存在しないのと同じである。
6月24日のオンライン講演
※画像は昨日のオンライン講演会場の準備中の画像。昨日視聴していただいた皆さん、ありがとうございました。
だが見られない方がマシというHPも存在する。情報がまったく更新されておらず、新着情報が掲載されていないHPを見るだけで応募意欲を失う人は多い。URLがいまだにhttpで、https対応していないところが、時代のニーズにマッチする形で今後の事業戦略を適切に立てられる事業者であるとは思えない。そんな公式サイトは閉鎖した方がましだ。

求職者が募集に応募する際や、面接を終えて実際に就職を打診された際には、公式サイトにつなげて、自分が働きやすい職場なのかを確認する傾向が強い。しかしその8割は、PCでアクセスするのではなく、スマホもしくはタブレットでアクセスするのだから、PCのインターフェースより、スマホのインターフェースにこだわってHPづくりをしないと意味がない。

そしてせっかく公式サイトにつなげた人ががっかりしないように、知りたい情報を得られるようにすべきである。理事長や経営者の顔や挨拶なんか誰も見たいと思っていない。そんなものを前面に出す公式サイトで人が集まると思う方がどうかしている。

職場の理念などHPで確認しても、本当かどうかわからないのだから、そんなものも多くの人は見ない。

求職者が求めるのは、自分がどんな待遇で、どのような環境で働くことが出来、教育訓練機会やキャリアパスは具体的にどうなっているかである。スマホで公式サイトにアクセスする人が、そのような情報に容易にたどり着いて、即ダウンロードできる公式サイトを作成しなければならないのだ。

僕は今60代であるが、スマホやタブレット・PCで情報を検索するのは毎日当たり前の作業である。僕と同じ世代の人も同じだろう。

かつて介護事業者の公式サイトが作成し始めたころは、ネット利用するのは30代以下の世代が主であり、ネット上に情報があっても40代以上の人にそれは伝わらないと言われていた時期がある。しかし時代はもう変わっているのだ。

職員募集に応募するすべての対象者は、ネット情報を利用している人だと考えて、人を集めることが出来るSNSと公式サイトを構築していかねば、介護事業経営を続けるための次世代を担う人材確保は難しくなることを自覚してほしい。

介護サービスを利用する団塊の世代の人々も、自分が利用する通所サービス事業所をネット検索して探す時代であるという変化に気が付かねばならない。

インターネットを通じた情報発信力を軽視する介護事業者に、明るい未来は存在しなくなるのである。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

働き手がさらに減る介護事業に求められる視点


北海道は6/1に2020年国勢調査の速報値を発表した。(※国の速報値は、コロナ禍の影響で公表が遅れているが、今月中に公表予定だとされている)

それによると昨年10/1現在の道内総人口は522万8885人で、2015年の前回調査の確定値より15万2848人(2.8%)減り、減少数・減少率ともに1920年(大正9年)の調査開始以来、最大となった。

札幌周辺と一部リゾート地などで人口が増える一方、残る多くの地域で減少が続いており、僕の生活圏域でも、室蘭市は6千人以上、登別市は3千人以上の人口減である。かつて鉄の街として栄えた室蘭市の人口は82.457人となり、いよいよ8万人割れが現実のものとなりつつある。

人口減の原因は死亡数が出生数を上回る「自然減」と、就職や進学で道外に出て行く人が転入者を超過する「社会減」が同時進行していることによるものだ。

自然減とは、死亡者数が出生者数を上回っていることだから、少子高齢化の波は変っていないことになる。しかも来年から団塊の世代(1947〜49生まれの人を指す)の人たちが75歳に達することになるため、後期高齢者の数はさらに増えることになる。つまり若者の減少数の方が高齢者の減少数をはるかに上回り、働き手となる生産年齢人口はさらに減っているのである。

ところで団塊の世代が来年から75歳に達していくということは、介護サービスの利用ニーズが高い後期高齢者の数が、来年から3年間は爆発的に増えていくことを意味する。そのため通所介護などの顧客は増え、顧客確保に困らず事業拡大のチャンスが到来する地域が全国各地にたくさんできるという意味だ。しかしそこで働き手となる人材がさらに不足するという意味でもある。

後期高齢者が増え、生産年齢人口がさらに減る中で、いかに介護事業者は人材を確保できるかが事業戦略としてより重要になってくる。今もそれは重要だが、今後はさらにそれが重要になり、今は何とかなっている事業者であっても、なんとも立ち行かなくなる事業者が増えることになる。

北海道の状況から言えば、郡部はますます人手が不足するが、札幌周辺の市町村も、札幌への人材流出がさらに進み、介護人材のドーナッツ現象(札幌だけに人材が集中し、札幌周辺の市町村の人材がスカスカとなる)がさらに進むだろう。

そのような中で小規模通所介護事業者等は、一時的に団塊の世代の方のサービス利用で懐が潤う事業所が多くなるだろうが、そこで事業戦略を練り直してほしい。人がいないから人手がかかる事業規模の拡大を図る必要はない考えるのは間違った事業戦略だと気が付いてほしい。人手が足りない社会では、事業者内で人手を臨機応変に手当てできる体制がないと、職員の疲弊は激しくなるのだ。それは職員の定着率が下がって、事業が立ち行かなくなる最大のリスクだ。

事業者規模を拡大して、事業者内で職員を育成しながら、足りない事業所に臨機に手当てできる規模とシステムの構築が緊急課題だ。

事業規模の拡大は、事業収益を確保して経営リスクを減らすことにもつながる。

2024年の介護報酬改定は、診療報酬とのダブル改定でもあり、それはアフターコロナの中で、社会保障より経済優先の中で行われる改定である。当然厳しいマイナス改定も視野に入れておかねばならない。

事業規模の拡大は、提供できるサービス種別を拡大することにもつながるので、少ない事業種別で、そこが削減された場合に収益減に直結するリスクを、他のサービスで補うという可能性を高める必要不可欠な戦略だ。

社会福祉法人が、いつまでも特養と通所介護を併設した1施設・1事業所だけで経営できる時代ではなくなるのである。広域型施設を1施設しか持たずに、収益性が見込めない地域密着型特養を併設している施設は特に危ない。

そのため今後は同地域の複数の社会福祉法人が、真剣に合併統合を考えざるを得ない時代に足を踏み入れていることを忘れてはならない。

介護人材を事業所内で育て、事業者内で回して必要な場所に手当てできる規模とシステムの構築。それができるかできないかで、10年後の立ち位置がまったく違うものになるのである。

そのノウハウをしっかり手に入れて、正しい事業戦略が立てられているのかを今一度法人・事業者全体で検証し直してほしい。問題があれば、知恵は何時でもお貸しします。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

介護という職業の魅力をどう伝えるべきか


僕は福祉系の大学に入って、福祉を4年間学んでいた。

だからと言って社会福祉の仕事が、自分に向いている仕事であると思っていたわけではなく、ましてや介護という分野の職業に就くなんて言うことは全く考えていなかった。

福祉系大学への入学動機も、僕の学力で入学できる文系の大学で自分が実家から通える場所に、たまたま福祉系大学があったに過ぎない。学生時代も福祉の勉強に熱心になっていたわけでもなく、単位を落とさないように勉強はしたが、専ら遊びで青春を謳歌していた。ちなみに老人福祉論は、可でギリギリ単位をとれた。

そのようなとき、たまたま僕が卒業する年に創設された社会福祉法人が特養を新設して、そこから大学に、「生活指導員」という職種の募集があり、そこを受験してみたらたまたま合格したので、就職してみるかと軽い気持ちで社会人のスタートを切ったというのが本当のところだ。

当時若かった僕は、自分にはいろいろな未来の選択肢があるのだから、一つの職業だけの履歴で一生を終えるつもりはなかったし、社会勉強という意味で社福の一員になって、特養という介護施設で働くことは、何らかの糧になるだろうと思っていたに過ぎない。

しかしいざ働いてみると、特養の相談援助業務は思った以上に面白かった。人生の大先輩であるお年寄りの方々が、みんな僕に頼って、色々なことを任せてくれた。人様の年金や預金と言った財産管理まで任せ来てくれる人たちの期待に応えなければと思った。

新設施設であったので、当時としては設備も最新で、綺麗な環境で働く喜びも感じたし、登別市内で唯一初めて設立した社会福祉法人で、市内初の特養といいこともあり、市民からの注目度も高く、新採用職員ばかりで知識や援助技術は拙かったが、何とか利用者や市民の期待に声えて、良い施設にしようとみんな一生懸命に業務に携わっていた。そのことが何より働き甲斐に通じた。

当時の老人病院にはできないことをしようとして、おむつの随時交換など、サービスの向上に努める日々が楽しかったから続けられたのだと思う。

相談援助業務専門職は、僕一人しかいなかったが、図々しく近隣市町村の特養の先輩にわからないことを訪ね歩くと、快くいろいろなことを教えてもらった。ネットも存在しない時代であったら、アナログの人間関係は頼もしかった。そういう意味で僕は決して孤独ではなかった。

今介護業界は人材不足に悩まされている。しかし介護事業者から離職する人の3人に一人は、就業1年未満の人なのである。その人たちが介護の魅力を感ずる以前に、なぜそのような短期間に辞めてしまうのかを考えていかねばならない。

未経験者歓迎と謳って職員募集しながら、介護未経験者に適切な知識を与え、段階に応じた介護技術の取得ができるシステムを持たない事業者によって、経験の浅いまま介護現場に放り出された新人が、不安と疑問で煮詰まって、介護の仕事の奥深さも、おもしろさも感じられないまま、仕事に誇りを持つこともできずに辞めていくのである。

介護という職業に就いていながら、人の不幸を創り出すかのような醜い仕事しかできない人がいるのも問題だ。人手不足だからそういう人に注意さえできないという場所に、志の高い人が集まるわけがなく、そこは人罪(じんざい)の掃きだめと化すしかない。汚いところに誰が居続けようとするだろうか・・・。

その状態を改善しない限り、人手不足〜募集〜採用〜離職という永遠ループから抜け出せない。

そして介護現場はもっと、介護という職業の魅力を伝えなければならない。「キラキラポエム」の魅力ではなく、どろどろした人間関係を含めた人の暮らしに深く介入して、誰かの救いの手となることの魅力や、人の死と向かい合って生まれる様々なエピソード・・・そうした喜怒哀楽の傍らでできることがある介護の魅力を発信していかなければならない。

今日も僕の住む地域には、満開の桜が咲いている。誰かの心の花内鳴るように、人の暮らしに優しく寄り添う介護サービスを創り挙げていく先に、介護人材は黙っていても生まれてくるのだということを信じて、日々新しいつながりを大切にしている。・・・誰かのあかい花になるために・・・。
5/14室蘭市高砂町の八重桜並木
画像は本日午前10時30分頃の5/14室蘭市高砂町の八重桜並木です。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

新人は健やかに育っていますか


GWも終わり、その喧噪も収まったこの時期、4月から入職した職員も基礎的な仕事を覚え、ワンランク上の業務にチャレンジしている人が多いだろう。

まだ覚えることはたくさんあるが、少しだけ心に余裕も持って全体を見渡せるようなった人も居るかもしれない。そういう人は日々業務を覚えるだけで精いっぱいであった状態の時より、職場の粗(あら)や問題点も見えるようになって、決してそこが理想の場所ではないという不満を抱えていたりする。

そうした不満や疑問を胸に抱えながら、誰にもその心情を発露できないままでいると、後々大きな問題につながりかねないので要注意である。

さらにこの時期には、新人職員をすでにシフト勤務に組み込む事業者が多くなってくる。(※本来ならこの時期に新人をシフト勤務に組み込むのはまだ早すぎると思う。そもそも論で言えば、この時期に新人をシフト勤務に入れているのが職員が定着しない最大の理由である

そうすると日中働くという体のリズムに強制的な変更を加えなければならなくなり、早出や遅出、夜勤という不規則な勤務に慣れるような身体リズムづくりが必要になってくる。

もともと5月病と言われる新入社員にみられる精神的症状を防ぐには、生活リズムを整え自律神経の乱れを防ぐことが大事だと言われている。しかし介護事業者に勤める人は、生活リズムを自ら乱して、不規則な勤務に慣れるという作業が必要になる点で、自律神経の失調につながりやすいともいえるわけであり、この点が大きな問題なのである。

この点に注意して、新人に寄り添ってくれる先輩が必要だが、その部分を個人のパーソナリティに任せて、職場という組織の中で、そうした寄り添いをシステムとして組み込んでいない介護事業者が多いのが一番の問題である。

介護事業からの離職者の3人に一人が、就業1年未満で仕事を辞めている最大の理由もここにある。

人材育成を念頭に置き、職員の定着率を高めようとする職場であるなら、新人職員の苦悩に気づいて対応すべき担当者を定めておくのは当然であるし、新人は悩みを抱えるものだという前提で対応する方法を組織内に作っておく必要がある。

職場全体で新人職員の変化に気づき、対応するシステムが求められるのである。

新人職員が口数が少なくなる・表情が乏しくなる・仕事上の失敗が増える・遅刻や忘れ物が目立つようになったら即座に対応せねばならない。

そのために日ごろから、「最近疲れてない?」「体調はどう?」といった言葉をかけているという介護事業者があるが、言葉をかけつだけでは不十分だ。そうした言葉かけに対しては、「何でもありません」と答えて終わってしまうケースが多いからだ。

何となく元気がない後輩に対しては、何か問題があることを前提にして対応すべきである。「何ともありません」という答えを信じてはならないし、そもそも新人職員は悩みなしで成長しないことを前提に、悩みや愚痴を吐き打せる時間と空間を積極的に創る必要があるのだ。

だからこそ何もなくても先輩職員と話し合う時間と空間が必要になる。就業1月間は、毎週新人職員と教育担当リーダーが話し合う時間を取らなければならないし、その頻度は就業2月〜半年、就業7月〜1年というふうに減らしていっても良いが、少なくとも就業1年未満の職員は、最低月1度はそうした機会を職場のシステムとしてとっておく必要がある。
オンライン面談
何も面と向かって顔を合わせなくとも、アイホンやタブレット・PCを使ったオンラインによる相談援助場面をつくっても良いわけである。

そこでは公私全般にわたる悩みを傾聴し、ともに考えるという姿勢が求められるだけで、真摯に人と向き合う姿勢があれば、特別なカウンセリングスキルなどが求められるわけではないのだ。

自らの職場で、貴重な人材を育み定着させるためには、そうした取り組みやシステムづくりが不可欠であることを理解しなければならない。

そういう意味では、職員教育のシステムがまったくなく、行き当たりばったりの作業指導しか行わず、新人職員に対するメンタルケアも行われていない職場にはいつまでもしがみついておく必要ないともいえる。自分の心と体を壊しかねないし、そんな場所で仕事の誇りを持てるわけがないからだ。(参照:桜咲く場所で思うこと〜咲けない花は場所を変えよう

自分が働く場所をそんなふうにしてよいわけがない。新人職員を育み、定着させられる職場づくりが、介護の仕事に誇りを持つことができるための第一歩であることを忘れないでほしい。そしてそうした職場づくりが介護サービスの品質を高め、利用者にとっても求められる事業者になることを信じてそこを目指してほしい。

就業から1月を経て、さらに頑張ってもらいたい新人職員の皆様には、「かっこうの森プレゼンツ〜介護を職業として選んだ君へ」をご覧いただきたい。

僕の話を聞いて、介護の仕事の使命と誇りを感じられる方が、一人でも多くなれば幸いです。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

介護を知らない人が介護を殺そうとしている。


特養の夜間配置基準は今年度から、見守り機器やインカムの活用・安全体制の確保などを前提として従前より緩和されている。つまり昨年度より少ない人数で夜勤業務を行うことができるようになったわけである。

このことについて昨年末に、「特養で夜勤する人がいなくなるかもしれない緩和策」という記事を書いて、この緩和策は夜勤を行う当事者にとっては決して歓迎できるものではなく、労働負担増というしわ寄せが来るだけの結果しか生まないことを指摘した。

ただし今年度早々からこの配置緩和を行なおうとする特養であっても、4月からいきなり配置人員を減らすことは出来ない。この緩和にはいくつかの条件が付けられており、その中の一つに3月の試行期間をつくらねばならないという条件があるからだ。

試行期間中は実際に配置人員を減らさずに、新基準に合わせた緩和された人員配置で業務を行うことを想定したうえで、夜勤業務を行う必要があるのだ。

しかしこの試行が始まったばかりで、緩和された人員で本当に充分なケアを行うことができるのかということや、職員の心身に過度な負担を与える結果にならないのかなどの検証作業が行われていないにもかかわらず、15日に行われた財政制度分科会で財務省は、その緩和の更なる拡充を求めている。

財務省の担当者は、現役世代の急減・介護ニーズの増大で人材確保がますます難しくなっていくことを念頭に、「より少ない労働力でサービスを提供できるように」と主張し、更なる配置基準緩和が、「今後、就業者の大幅な減少が見込まれる。介護サービスを安定的に提供していくために不可欠な取り組み」と決めつけた。

こうした主張をしている人たちは、おそらく肉体労働を一度もしたことはない人だろう。徹夜で事務仕事をこなした経験は数多くあっても、夜間にたった一人で、何人もの利用者に相対するという人間相手の感情労働を行なったことがない人だから、こんなに簡単に夜勤配置が緩和できると主張しているのだ。

しかし介護人材不足の原因は、1に低賃金、2に教育の機会が少ない、3に休みをとりにくいことだと言われている。配置基準緩和策は、この原因を解決する策にはなっておらず、むしろ教育機会の少なさや、休みが取れないという状況をさらに悪化・助長させる愚策である。

そもそも人手不足をテクノロジーで補えといわれても、人に変わってICTやインカムが介護をしてくれるわけでもない。

夜間たった一人で何人もの要介護者に向き合うとき、様々な判断が必要になるが、それは書類をどうするかという判断ではなく、命ある人の生命や暮らしの危機に向き合う判断かもしれない。そうしたことを無視して、夜間は多くの人が寝ているのだから、一人でも対応できる場面は多々あるなんて変な主張をする人がいたりする。

特養で夜間勤務中に、全員が寝ている時間帯などほとんどないに等しいことをそれらの人はわかっていない。しかもサービスの質が高いと言われる特養ほど、就寝中の人に対するケアもきちんと行っているのである。

夜勤配置を緩和して、一人で多数の利用者に対応する時間が増えれば、十分な排泄ケアや体位交換は出来なくなって当然だ。褥瘡は間違いなく増えるだろう。それとも褥瘡を直したり、予防したりする機器ができるとでもいうのだろうか・・・。

テクノロジーの進化や、その導入によって人の配置を減らすことができるという荒唐無稽な主張の尻馬に乗る輩の声が高まって、本当に夜間配置基準がさらに緩和されたとき、そこで行われる夜間ケアの質は、人が息を止めないように最低限の対応を行うしかなくなり、QOLなんか存在しなくなることは目に見えている。

そのような過酷な労働条件下で、夜勤者に介護の質など求められるわけがなくなる。

現状で存在するテクノロジーの水準で、さらなる人員配置緩和を主張する人間は、そこでは介護の質は問わないんだという本音を明らかにしなければならない。

人がいない状況下では、自立支援も暮らしの質も建前で良いのだと、正直に述べたうえで、本当にそれでよいのかという議論にならなければ、この議論は建前と嘘で固められた議論に終始せざるを得ず、そこで出される結論も荒唐無稽な、砂上の楼閣にならざるを得ない。

それは国を亡ぼす議論であり、この国の介護が殺されるということにしかならない。
亡国の配置基準緩和策
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

他産業・異職種からの人材を取り込む条件


昨日12日の衆院・決算行政監視委員会で菅首相は、コロナ禍で仕事を失った人などを介護業界へ招き入れる施策に言及した。

国は介護業界に人材を呼び込む施策として、未経験者が新たに介護職として勤める場合、1人あたり最大で20万円を貸し付ける制度を創設し、これを自治体の任意事業として今年度から開始することにしている。そしてこの制度を利用して貸し付けを受けた人が、介護現場に2年間従事すれば、貸し付けたお金の返済を全額免除することとした。

また介護現場を離れている有資格者が再就職するケースで、最大40万円を貸す制度も既にあり、同様に2年間介護の仕事に従事すれば返済は全額免除される。

昨日の行政監視委員会では、この制度の周知が足りない他、返済免除の条件である従事期間の2年が長すぎるので、これを1年にしたらどうかという議論が行われた。

その際質問を行った公明党の伊佐議員は、「1年間でも働けば、『やりがいのある仕事だな』と思ってもらえるのではないか。コロナ禍のピンチをチャンスに変えられないか」と進言している。

その通りであり、もっともな発言であると思うが、同時に異職種からの介護参入組に、『やりがいのある仕事だな』と思ってもらえる職場と、そうではない職場が存在する事実を指摘しておかねばならない。

他産業の異業種から、介護の仕事に転身した来た人の大多数が、介護の職業に就くだけで、「やりがいのある仕事だな」と思えるほど、介護という職業自体が成熟してはいないのである。

誰かの暮らしを支え、生活の質を高めることが介護の本来の目的であるのだから、その本来の目的が達せられる方法でサービスが提供されていれば、自ずと介護という仕事自体にやりがいが感じられるのだろう。

しかし経営者の資質も凸凹が激しく、そうした目的に沿わない介護事業経営が行われている実態もある。それに輪をかけるのが介護人材不足である。増え続ける要介護高齢者の数の急激な増加に、サービスを提供すべき介護人材の数の増加が追い付かず、介護事業経営の最大のリスクは、人員不足でサービス提供がままならなくなることである。

そのため人材の質を考慮することなく、人員集めに走り、さしたる教育も行わないまま、そうした人員を介護の場に放り出して、とにもかくにもサービス提供に結び付けようとする介護事業者も少なくない。そうした形で提供されるサービスの質など底が知れており、中には劣悪で不適切なサービスも含まれている。

そのような状態で、人の暮らしぶりを良くしないサービスを行っている場所で働く人が、「やりがいのある仕事だ」と感じられるわけがないのだ。

虐待まがいの不適切サービスを見て見ぬふりをするような職場で、仕事の誇りもやりがいも感じることができない職場で、その仕事をやり続けようとする動機づけがあるとしたら、それは「適当に働いていても職を失わずにお金がもらえて楽ちんな職業だ」という動機づけでしかない。そういう人だけが定着する職場は、サービスの質などあってなきようなものとなるだけだろう。

コロナ禍で外食産業などが多大な影響を受け、失業した人が介護の職業に転職するケースが増えている。それらの人々の中には、サービス業のプロとして熟練した接客技術を持っている人も多いはずだ。

そうした人が接客技術を生かしながら、対人援助という場面で、個人のニーズに寄り添う接遇ができるようになってこそ、その仕事に誇りを持つことができるのではないのか。そのことで利用者の暮らしぶりが良くなったり、表情が豊かになることに喜びを日々感じることができるのが、「真の介護という仕事のやりがい」ではないのか・・・。

他産業・異業種からの転職者が数多く張り付くことができる今だからこそ、本当の意味で対人援助という仕事のやりがいを感じられる職場づくりを目指して、転職してきた人々が、コロナ禍が収まった後も介護の仕事を続けたいと思えるようにしていかねば、介護人材不足は永遠に解決しないのだと思う。

人材確保という面ではチャンスのこの時期だからこそ、介護未経験の人のスキルをアップさせ、介護のやりがいを感じてもらい、定着して新たな介護の戦略となり続けてもらう介護事業経営戦略が必要とされていることを忘れてはならない。

人集めに困らない時期に油断して、人材育成と介護の品質アップの努力を怠る介護事業者からは、コロナ禍の終息とともに、大量の離職者が生まれかねないことを、介護事業経営者や管理職は大いに自覚すべきである。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

正論がまかり通る職場づくり


介護事業にとって、「人材」は命である。

システムがどのように進歩しても、AIを搭載したロボットの開発がもっと進んだとしても、人の手を加えないとできないことがたくさんあるのが介護という職業である。

繊細な動作と、力を掛けなければならない動作を自然につなぐことができる人間だからこそできることがある。ここにロボットは手が届くのか・・・。感情のある人間だからこそ、感情ある人に向かい合うことができる。ここにAIは近づくことができるのだろうか・・・。

「人は石垣・人は城」という言葉は、現在社会では介護に最もマッチする言葉ではないかとさえ思う。だから人材を集め、育てることは最も重要になるのだ。

だからこそ新年度のスタートを切っているこの時期に、きちんとした新人教育をしなければならない。お客様に接する態度、おもてなしの精神の重要性、そうした介護技術の基盤となる事柄をきちんと教えたうえで、介護の場で技術をつなげる指導が求められているのだ。

今日の時点では、新年度に入職した職員に座学でそうした基礎教育をしているのが本来である。この時期にOJTなんて早すぎる。ましてやシフトに組み込んで仕事をさせているとすれば、それはすこぶる不適切な指導法と言わざるを得ない。

「そうはいっても人材不足だから、正論だけ通してもしょうがない。」という声が聴こえてきたりする。

しかし正論が堂々とまかり通る職場づくりをしていかないと、正論を脇に置いて何でもありの職場になってしまう。それは職場環境が荒れる最も大きな原因になり、結果的にそのようなところからは、良い人材から先に逃げ出してしまうので、人材不足の解消がままならない一番の原因にもつながっていく。

妥協を許さず規律を護る意識がないと、職場はずっと腐り続け、腐臭にまみれることを何とも思わないいなくてよい人員しかいられない場所になるのだ。

今朝僕は自分のフェイスブックに、次のような文章を綴った。
---------------------------------------------------------------
利用者に対するマナーを教育することを、「押し付け」と考える人が居たりする。職場のルールを押し付けと感じて護る必要がないと考えるなら、それは従業員として失格という意味だ。そもそもどんな職場にもルールは存在し、それを徹底遵守する労務管理はあって当然だ。それを理解できない人は社会人として未熟すぎるとしか言いようがない。

経営者や管理職は、従業員の心無い対応で利用者が哀しんでいたり、不平不満を持っているのがわかっていても、そうした不適切な対応をとる従業員に注意して辞められては困ると考え、数合わせだけのために職場の環境を良くする努力を怠っていたりする。それは介護事業経営を放棄しているという意味だ。

そんな事業者は経営ができなくなる方が世のため人のためである。
----------------------------------------------------------------
経営者や管理職には覚悟が必要だ。良い人材を育てる基盤は、悪い人材は排除するという覚悟なのである。

試用期間をきちんと職務規程に組み入れ、その期間に人物の見極めを行い、適性のない職員には別の道を選んでいただくということを厳格に行っていかねばならない。人員不足でそんなことはできないと言うが、そんなことをしないから人員不足がいつまでも解消しないことを理解しなければならない。

人員不足が原因で職員の不適切対応が問題になったある特養では、経営者が覚悟を決め、管理職などを刷新して職員の教育管理を徹底したところ、ある時期退職する職員が相次ぎ、業務が回らない事態に陥りかけた。そのため行政との協議によって一時的に一部のベッドを休止し、利用者を減らして対応し、その中で根気よく職員を教育して良い人材を護り育てていった。その結果、そこに良い人材が集まるようになって、今では人員不足どころか人材不足も解消し、職員募集に待機者がいるという状態になっている。

サービスの品質の高い職場、人間関係の良い職場に就職したいと思っている人材は、まだまだたくさんいるのである。そういう人たちがこぞって張り付く職場・・・そういう職場づくりを目指していかねばならない。

職員教育どころか、不適切な態度を叱ることもできず、マナーのない顧客対応に注意もできない職場では、正しい介護知識や技術を身に着けている職員より、不平・不満の声を高らかに挙げる職員の方が幅を利かせたりする。

そこは民度が極めて低い職場となり、人間関係上のトラブルが絶えない職場になる。

ある職場では、虐待事例を上司に報告した職員が、密告者としてやり玉にあがり、肩身の狭い思いをしているそうだ。

職場環境を良くしようとし、利用者に対する虐待を放置せず報告した職員が働きづらくなる職場が、健全なる労働環境と言えるだろうか。そこは違法が大手を振ってまかり通る無法地帯でしかない。そのような民度の低い職場に、今後も良い人材が集まるわけがないのである。

虐待を見て見ぬふりして放置する職員が正しく、虐待を報告する職員が悪だとされる介護事業者であるとすれば、その介護事業者では常に利用者の誰かが傷つけられ、それは深い闇の中に隠されていることになる。

そんな職場で自分の仕事に誇りを持つことができるだろうか。誇りを持てない仕事を、この先何年も続けられるだろうか・・・。

そんなふうにして人を傷つける、人の心を奪う介護であってはならないのだ。そういう職場にしないために、何が必要とされているのかということを、私たちは常に考えていく必要があるのではないだろうか。

なぜならそれはいつか私たち自身や、私たちの愛する誰かにはね返ってくる問題なのだから・・・。
あかい花
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

職員の定着率をアップさせるアイテムを手に入れよう


15日に閣議決定された第3次補正予算案に、介護分野の緊急包括支援交付金の積み増しが含まれている。

そこには介護・福祉分野への就職の後押しや介護ロボットの導入支援、介護施設の防災・減災対策に充てる経費が含まれているが、介護事業者の感染予防対策のかかり増し経費などを支援する補助金や、介護事業者に勤務する職員への慰労金の再支給は含まれていない。

慰労金の再支給が見送られたのは特に残念である。慰労金の支給対象は6月30日までに10日以上対象施設で働いた人だけに支給され、5万と20万の支給金額の違いも、この間の感染者への対応の有無などで分かれているので、7月以降に数多く発生しているクラスター感染に対応している新たな職員等には国からの給付が何も受けられないことになる。それはあまりに不公平で可哀そうなことだと思う。

野党は引き続き慰労金の再支給を求めていくと言うが、今年度中の再支給は非常に難しくなったと言えるのではないだろうか。

ところでこの慰労金が事業者都合で支払われていないという問題を取り挙げたことがあるが(参照:従業員を大切に思う姿勢が問われる慰労金申請問題)、まだ慰労金を従業員に手渡していない事業者の中には、冬の賞与に上乗せして、この慰労金を支給するというところもあるそうだ。

結果的に従業員に慰労金が渡るのだから、その方法も問題ないと言えば問題はないが、事業者が代理受領しているだけで、支給を受ける権利は従業員個人にある慰労金を、事業者が支払うべき労働対価と混同させるような支給方法はいかがかと思う。本来ならばこの慰労金は、給与・賞与とは分けて支給するのが筋ではないだろうか・・・。

本当に職員を大切にする介護事業者は、慰労金の申請や支給の仕方にも従業員に対する誠意を見せてほしい。そうしないと職員にとって長く安心して働くことができる職場にはならないと思う。

そういう意味では職員の皆様にとっては、コロナ禍における一連の事業者対応が、本当に従業員を護ってくれる経営姿勢なのかどうかを測るバロメーターになるかもしれない。従業員を大切に思ってくれない職場と感じたならば、別の職場を探すことも選択肢として持っておいた方が良いと思う。

ところで介護報酬改定では、サービス提供強化加算について、特養や老健、グループホーム、特定施設、通所介護、小多機などに設定されている共通の要件を、現行の勤続3年以上の職員が30%以上から、 勤続7年以上の職員が30%以上に変更し、より長い勤続年数の設定に見直すこととしている。

この加算を算定できなければ、苦しい経営を強いられる事業者も少なくない。それを考えると今後は、ますます職員の定着率を高めていく必要があると思える。

その為には様々なアイテムが必要だ。定着率に影響するのは待遇ばかりではなく、職場環境を良くすることに加え、仕事への誇りを抱くことができるアイテムを備えておく必要がある。

職場のイメージアップ戦略は実質を伴わないと幻滅要因にしかならないことも理解すべきだ。

誰もが安心して利用できるサービスを謳い文句にしている介護事業者で、職員がマナーのない態度で利用者に接し、荒々しく利用者に接する先輩職員の姿を見て、介護の仕事に思いを持って入職した新入職員のモチベーションは奪われていくのである。

介護職の自尊心を下げるような環境が離職を生むのだから、顧客に対して無礼な態度がまかり通る職場では定着率は高まらない。

真実の中でしか仕事の誇りは生まれない。だからこそサービスマナーの確立は、職員の定着率を向上させる最強アイテムとなり得るのだ。

今コロナ禍で介護業界以外の他業種から、介護職に転職してきた人が増えている。それらの人たちの中から顧客に対する従業員の、「タメ口」対応が異常だという指摘が相次いでいる。その姿は醜く汚らしいという人も多い。そのように感じる人たちが、コロナ禍が終息した後にも、介護事業者に残って介護職を続けてくれるだろうか・・・。甚だ疑問である。

先日、「民度が低い介護業界の現状」という記事を書いたが、そこには幾人かの方々がコメントを寄せてくれている。その中には、「タメ口が当たり前の人も介護を辞めて他の仕事をすれば接客言葉になる」という鋭い指摘もある。介護業界の異常さ、民度の低さを現す的を射た指摘であると思う。

こうした民度の低さを打破して、対人援助のプロとして顧客に適切に接するマナーが浸透した職場には、先輩職員の利用者に対する汚いタメ口や、馴れ馴れしいだけで乱暴にも見える態度に嫌気が差している、志の高い職員が転職してくる可能性も高まる。サービスマナーに徹した職場には、良い職員が定着し、良い職員が寄ってくるという好循環が生まれるのである。

専門職としてのあるべき姿を求める厳しい姿勢によってしか仕事の質は高まらないことを、介護事業経営者や管理職の方々はもっと強く自覚すべきだ。

そのうえで介護は底辺職業で、介護職は可哀そうな人というイメージを払しょくする経営努力が求められるだろう。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

叱ると辞めてしまう人は、いらない人


介護人材確保が経営課題となっている今日、今いる従業員が辞めてしまうことは、大きな痛手だと思っている経営者が多い。

勿論、事業者にとって誰にも替え難い人材が辞めてしまうのは人材流出でしかなく大問題であるし、人材不足の解決のためには、職員の定着率向上が大きな課題であることは今更言うまでもない。

だからと言って人物評価をおろそかにして、誰でもよいとして闇雲に採用すればよいということにはならないし、採用時の評価が完璧で間違いのない事業所なんかないのだから、採用後の振るい分けが必要ないということにはならない。

入社前に期待していた能力が入社後には全く発揮されず、担当業務をいくつか変えても勤務成績が上がらないという人は必ず出てくるのだ。

そういう人物については、試用期間に適格性を判断し、合理的理由による解約権を使用者が行使する必要がある。

対人援助サービスに向かない、スキルの低い人間を、ありもしない将来の教育効果を期待して残しておくと、結果的には他の職員に負担がかかるだけではなく、虐待・不適切事例がいつ起きるかもしれないような経営リスクに直結するからである。

よって試用期間中は、しっかり人物を見極めるために厳しい教育訓練が不可欠であり、根拠にも基づく援助技術指導に対する教育効果が十分に表れない場合には、「叱る」という教育的指導も必要になるのである。

そうした中で簡単にやめていく職員は、将来事業者にとって必要な人材にはならないのだから、やめてもらってよい人だという割り切りが必要だ。そうした早期離職を恐れて、叱ることができないのでは、教育はあってなきがごとき状態に陥ってしまう。そういう事業者に良い人材が集まることはないし、人材不足は永遠に解決しなくなる。

そもそも叱るとは、「良い方向へ導こうとする」という意味を持つもので、教育的指導を表す言葉である。それは腹を立てて感情的に怒りをぶつける行為とは根本的に異なったものである。

人を叱ることなんて、本当は誰もしたくはない。嫌われる行為は誰しも避けたいからだ。それでも叱る理由は、叱る相手の人間的成長を期待するからにほかならず、それは何より愛情ある行為と言えるのである。

そのことを理解できずに、叱られて簡単にやめてしまう人は、そもそも対人援助に向いていない。愛情を理解できない人に、愛情を持って人に接することなんてできるわけがないからである。

介護という行為は、科学的根拠が求められる行為であり、愛情なんて言う目に見えない非科学的なものに頼っては駄目だという人がいる。しかし愛情・人間愛というエッセンスに欠けた行為は、人を決して幸せにしないのである。目に見えない人間愛のない行為を繰り返すことで、感覚を麻痺させ、デリカシーに欠けた行為が行われるようになる。そこでは人が傷つく行為を悪気なく行ってしまう人間が出来上がってしまうのである。

介護業界ではいまだに虐待防止が研修テーマとなっているが、その理由の一つには、当事者が虐待とは思っていない行為で、利用者を傷つけているという事実が存在するからである。

しかし人に関わり、個人のプライバシーに深く介入する職業についている人にとって、そのような鈍感さは許されない。だからこそ人を傷つけることがないための基盤となる人間愛を伝えることは避けて通れない人間教育なのである。

管理職は教育場面でも、部下に思いを伝えるために丁寧に説明して、厳粛に実行する覚悟が求められる。その際に、「叱る」という行為を排除して、自分が嫌われないように逃避することは許されない。むしろ業務上必要な注意をして、それが理由で辞めていく人罪は辞めてもらった方が良いと考えて、愛情を持って叱るべきなのである。

職場環境を良い状態に保ち、職場内の人間関係を豊かに保つためには、決めごとを決められた通り実行する習慣づけが不可欠であり、すべての従業員が行動・言葉・考え方を美しくあるよう心掛けるようにしつけることが重要になってくるのである。

このことを理解せず、従業員がいつ辞めてしまうかを気にかけながら、間違った行動や、誤った姿勢を叱ることができる上司がいない職場に、明るい未来は決して訪れることはない。

さすれば自分の職場の上司が、仕事も満足に覚えず、丁寧に顧客である利用者に接することもできない部下を、叱りもせず、行動変容も促さない職場には、いつまでもとどまっている必要はないと言えるのである。

対人援助のスキルの高い人であればあるほど、自分のために、どうしようもない職場と上司に見切りをつけることがあっても良いのである。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

リスクのない方法で固定費を削減して介護事業の安定経営につなげたい方は、電子ブレーカーで電力料金を賢くコストカットしませんか?をクリックしてください。
まずは無料見積もりでいくらコストダウンできるか確認しましょう。




※別ブログ
masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

抜本的介護人材対策のない介護離職ゼロ社会は実現不可能。


政府は2日、第2次安倍政権が2015年から旗印に掲げていた「介護離職ゼロ」について、「引き続き、実現に向けた取り組みを進めていく」とする答弁書を閣議決定した。

しかしこの政策を実現するためには、「介護人材確保」が絶対条件である。しかも今行われている施策や、考えられている施策では不十分で、もっと抜本的で革命的な施策が必要である。

特に地域包括ケアシステムにおいて、「在宅ケアの限界点」を引き上げ、高齢者ができる限り住み慣れた地域で暮らすことができるためには訪問介護が不可欠だ。

ところがこの訪問介護はすでに枯渇状態だ。訪問介護員の全体の平均年齢は55.5歳である。しかも50歳以上が全体の73.0%を占めており、20代は1.0%という現状は、近い将来このサービスが消滅する危険性が高いことを意味している。

そもそも訪問介護員は、なぜこのよういびつな年齢分布になっているのか。その答えは簡単だ。その理由は、2000年にスタートした介護保険の創設時に、主婦層でヘルパー2級資格を取得する、「ブーム」が起きたことに起因しているのである。

2000年前後に、当時の30代・40代の主婦がヘルパー資格を得て、増え続けていた訪問介護事業所に雇用されるケースが目立っていたわけである。

その人たちが20年を経て、50代〜60代になってきているにもかかわらず、それに続く若い人たちが訪問介護員という資格に魅力を感じずに、ヘルパー2級講座に替わる現在の初任者研修は人気がなく、講座を開いても受講者が集まらない状態のところが多くなり、新たなヘルパーの成り手がないという状態が続いているから、訪問介護は絶滅危惧職種になっているのだ。

ここに手を入れない限り、地域包括ケアシステムは崩壊するし、介護離職はゼロにならない。対症療法的方法ではなく、大手術による改革が必要なのだ。

他のサービスと比べて、決して報酬が高いと言えず、むしろ低いとさえいえる訪問介護に限って、従事するために資格が必要だということがおかしいのである。本来唯一資格を求めるような職種・サービス種別であるなら、それは他の職種やサービス種別に比して、報酬が高くなければならない。そうなっていないといういびつな状態をなくさないとならない。

そもそも初任者研修受講条件の資格なんて、サービスの質を担保するほどのものではないのである。介護施設の介護職員は無資格でも構わないとされ、そのことで大問題が起きているわけではないのだから、訪問介護員にだけ資格が必要であるというルールなんて失くしてしまえばよいのである。

それができないのは、初任者研修を開催する主体の利権絡みかと疑いたくもなるというものだ。

訪問介護員に資格は不要とする改革からまず始めねばならない。コロナ禍特例で介護職の経験があれば資格のない者にも、訪問介護サービスを認めたことを橋頭保にして、ここの改革から取り急ぎ始める必要があろうというものだ。

ところでこの介護人材問題に関連しては、厚生労働省が来年度から、これまで他の業界で働いていた無資格の人が介護現場へ参入するのを後押しする施策として、新たに「就職支援金」を貸し付ける考え方を示している。

無料で受講できる研修を修了することを条件に、最大で20万円を支給し、介護職員として2年間従事すれば返済を全額免除するというものだ。

コロナ禍で失業者が増え、有効求人倍率が8カ月連続の減少で、2014年1月以来、6年7カ月ぶりの低水準となっている現在も、介護事業者の求人率は高いままなのだから、この支援金は一定の効果があり、他業種からの介護事業者への転職者を増やす効果はあると思う。

しかし20万円という金額は、介護の仕事に就くきっかけになっても、それを返さなくて済むように最低2年は働こうという動機づけになるほどの金額ではない。

だから問題はその後だ。未経験者が介護の知識や技術を獲得し、安心して働くことができ、永くその職場に定着できるかどうかは、ひとえにその職場に置ける教育システムの在り方にかかっている。(参照:間違いだらけの基礎学習&OJT

このことに関連して、来週の火曜日(10/6)19:00〜UCHIDAビジネスITオンラインセミナー介護施設における人材育成のポイントは?」をYouTubeで配信予定である。

申し込みはまだ受け付けており、申し込んだ場合は誰でも無料で受講できるセミナーなので、興味のある方は是非、張り付いた文字リンクからお申込みいただきたい。来週配信するのは、OJT指導のポイントであり、指導する人・指導される人、両者にとって有意義な内容になるように努めている。

このように介護事業者における職員確保のための工夫・募集の方法、介護職員の定着につながる教育などについても講演テーマとしているので、講演等を希望される方はメール等でお気軽に相談いただきたい。

直接出向いて行なうスタイルであっても、オンラインであっても、希望に沿った形で講演は受け付けているので、是非ご一報願いたい。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

リスクのない方法で固定費を削減して介護事業の安定経営につなげたい方は、電子ブレーカーで電力料金を賢くコストカットしませんか?をクリックしてください。
まずは無料見積もりでいくらコストダウンできるか確認しましょう。




※別ブログ
masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

他業種からの転職者が介護の仕事を続けたいと思う動機づけ


コロナ禍で職を失うなどして、他業種から介護事業者に職を変えた人の中には、介護の仕事を、「腰掛け」程度に考えている人も多い。

就職先を探す過程で、たくさんの介護事業者が職員募集をしていることが目について、そこは資格も経験も必要なく働くことができる場所だと知って応募し、面接を受けてみると、思ったより簡単にその場で採用が決まり、都合の良い日からすぐに出勤してほしいと言われたので、とりあえず就職することにしたと言う人も多いはずだ。

その人たちは、働いてみて自分に合わないと感じたり、自分が本当にしたい仕事ではないと感じた途端に辞める人かもしれない。そうではなくともコロナ禍で失われた元の職業に、コロナが終息した後に戻りたいと考えている人かもしれない。

そういう人たちの中にも、昨日書いた記事で指摘したように、きちんとした知識を与え、技術指導を行うことで、介護の職業にプロ意識を持って臨めるようになることが、介護の職業を続けようとする動機づけの第一歩となる。

きちんとした指導方針があって、時には厳しい指導を伴い、結果を求める学習過程で零れ落ちる人が出てくるのは、介護の職業に向かない人を振るい落とすという意味で意味があることだ。この過程をおざなりにして、「あまり厳しいことを言って、すぐにやめてしまっては困る」と教育・指導責任を放棄してしまう事業者には、「人材」より「人罪」がはびこる結果となり、介護の質が低下するだけではなく、人間関係をはじめとした職場環境が悪化し、別な意味で人員不足が生ずることになる。

だからこそ新人教育は、職場環境を良好な状態に保つためにも必要となるのだ。

しかしそれだけで職員は定着しない。対人援助の場では、自分が獲得した知識や技術によって、利用者が喜んでくれて、暮らしぶりがよくなることに多くの人は喜びを感じ、自分が就いている仕事の意義を見出し、仕事が面白いと感ずるのである。

他業種から転職して介護職に応募する多くの人たちは、その仕事がどんな仕事であるかという実情を正確に把握していない場合が多い。漠然としたイメージとして、介護の仕事は人のお世話をする仕事で、人の役に立つ仕事なんだろうと考えて募集に応募するのだ。

軽い気持ちであったとしても、資格も経験もない自分が人の役に立てるかもしれないという動機づけを持って募集に応募してくる人が多いのだ。

サイコパスのような特殊な例外ではない限り、最初から介護の場で、人を傷つけてやろうと思って就職しようとする人はいないし、一獲千金を狙って介護職の募集に応募する人もいないのである。

多かれ少なかれ人の役に立ちたいと考える人たちが、介護の仕事を自分の天職だと思えるようになるためには、介護サービスが人の幸福に寄与する仕事だと実感できることが重要だ。自分がそこで働くことによって、利用者の暮らしを支えているという実感を持てるかどうかが、介護職員の定着率の向上には重要な要素になるのである。

人の役に立つ仕事に就きたい思って就職した先で、職員が利用者に対しデリカシーのない言葉かけをしたり、乱暴な言葉と態度で接する姿を見て、「介護の仕事って人の役に立たない」と心を折る新人職員は多い。

丁寧な対応ができる職場で働きたいという動機づけを持っている人は、考えられている以上に多いにもかかわらず、将来「人財」となる素質を持つ若者が、先輩職員のタメ口にストレスを感じて辞めてしまうという例も多い。

例えば昨日の記事にコメントがつけられているのでリンク先を参照してほしいが、そのような施設に就職した人は、介護の仕事に面白みなど感ずることができないまま、惰性で働き続けるか、辞めてしまうかの2択しかなくなるだろう。そうなると、たとえ惰性で働き続けたとしても、その職場の介護サービスの品質など良くなろうはずがなく、永遠に職場環境は良くならない。そんな場所に人材が張り付くわけがないのである。

だからこそサービスマナー意識は必要不可欠なのである。マナーのある職員対応から介護サービスの品質は創られ、そこではマニュアルでは決して創ることができない、ホスピタリティの意識が芽生えるのである。

そうなると自然と介護サービスの品質も向上し、利用者に笑顔が生まれ、その笑顔を見て職員も気持ちよく働くことができるのだ。

そういう職場で働くのは、おもしろいし楽しいだろう。だからこそ介護サービスの品質を向上させ、職場環境を良好にする、「サービスマナー教育」は何よりも重要になるのである。

それが証拠に、利用者への接し方が丁寧で、傍から見ても気持ちよく、しかも介護技術が丁寧で、利用者からも信頼を寄せられている介護職員がいる介護事業者は、介護福祉士養成校の学生に人気がある。実習中に丁寧に利用者対応している介護職員の姿に触れて、「あの人に学びたい」という理由で募集に応募する学生は多いのである。

是非そのことを念頭に置いてほしい。職員募集に応募してきた人を闇雲に採用して人材確保ができたと思い込まず、募集に応募者が増えている今だからこそ、きちんとした採用基準を定めるとともに、対人援助としてのスキルを伸ばすことができる職員教育・指導のシステムを作り上げないと、介護事業を安定して続けられなくなるという危機感を持ってほしいと思う。

単なる人員のままで、指導も教育もおざなりにしていると、その人員は決して人材となることはなく、人罪として職場をかき回し、荒廃させるもとにしかならないことを心してほしい。
知恵
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

リスクのない方法で固定費を削減して介護事業の安定経営につなげたい方は、電子ブレーカーで電力料金を賢くコストカットしませんか?をクリックしてください。
まずは無料見積もりでいくらコストダウンできるか確認しましょう。




※別ブログ
masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

求人募集に応募者が増える介護事業者がすべきこと


コロナ禍の影響を受けて、仕事が減ったり解雇されるという憂き目に遭う人たちが増えている。

ホテルや飲食店の従業員の方々、タクシー運転手や運転代行の方々など、社会の広範囲にわたって職を失う人が増え、来春の新規採用を控える企業も続出している。

そのような中で、慢性的な人手不足が続いている介護事業者の求人応募者が増えているそうだ。地域によってはかつてないほどの応募者増加が見られ、人員が充足したと一安心している介護事業経営者の声を聴く機会が増えている。

しかし問題は新規採用した人たちが介護事業者の戦力となって、長く働き続けてくれるのかということだ。コロナ禍が終息し途端に、それらの人たちが介護業界から雲散霧消してしまうという結果になっては何の意味もないのである。

新たに募集に応募した人たちの多くは、介護事業とは異業種・異職種に勤めていた人達だろうと思う。コロナ禍という状況で職を失って、初めて介護職に就くという人が多いのではないかと思う。

そういう人たちがファーストキャリアとなる場所で、しっかりと介護の基礎技術を覚え、安心して働きながら介護職の魅力を感じ取れずに、短期間で辞めてしまう結果になれば、職員の充足は一時的なものになるだけではなく、仕事を覚えきれないうちに辞める人が多くなることによる別の弊害が生じてしまう。

職員の充足が一時的なものに終わって、退職する職員が増えるということは、今いる職員に新人教育という業務負担を増やすにもかかわらず、結果的にその教育が無駄となるという意味だ。それは今いる職員に徒労感を負わせるだけの結果にしかならず、場合によっては知識と技術のある職員のバーンアウトにつながりかねない問題である。

だからこそ基礎教育をしっかり行い、根拠ある方法としての介護技術を身に着けるように指導し、安心して働くことができるようにしなければならない。そのうえで介護の魅力を伝えていくことが大事になる。

ひどいところになると介護未経験者の新人職員に対し、食事介助技術の基礎を教えることもなく、就業初日からいきなり食事介助をさせるという蛮行にでるところがある。基礎指導もなく先輩の食事介助を見て覚えろというのは、あまりにも乱暴だ。食事を食べさせるくらい誰でもできる行為と思われているから、そのような蛮行が行われるのであろう。その結果介護の場では、ここ十数年間食事介助中の窒息死がゼロになった年はない・・・。
危険な食事介助
その一番の原因は、いまだに立ったまま食事介助を行っていることだ。食事介助は座って、利用者と目線を合わせて行なわねばならないという基本技術を教えていないのである。

OJTに入る前に、介護マニュアルによる指導を行う必要があるのに、そのマニュアルがないとか、あっても使われていないとかいう問題を解決せねばならない。使われる介護マニュアルを作って、OJTという現場指導に入る前に、マニュアルを使った座学による基礎技術学習機会を作らねばならない。
食事介助マニュアル
これは僕が作成している介護マニュアルの食事介助に関する部分であるが、このように食事介助一つとっても、単に食べさせるという行為のみならず、準備行為から後始末としての口腔ケアまで様々な注意点があるのだ。こうした基礎をしっかり学んだうえで、OJTはその座学で得た知識を、技術として生かすことができるような指導として行なわれるのが本来である。

内田洋行オンラインセミナー基礎座学やOJTをはじめとした職員教育については、明日もオンラインで情報配信する予定がある。

9/16(水)19:00〜20:00まで行われる、「UCHIDAビジネスITオンラインセミナー〜介護施設における人材育成のポイントは?」は、どなたでも無料で参加できるセミナーで、今からでも申し込み可能である。

明日の配信分は、すでに録画されたものであり、前後の紹介等を除くと、僕の講演自体は賞味45分程度の長さになっているので、あっという間に聴き終えることができると思う。
(※第1回の人材確保策の講演後のアンケート結果は文字リンクをクリックして参照ください。)

9/16の第2回と10/6(火)の第3回セミナーのテーマは、「人材育成」である。10/6は生配信なので、チャット形式の質問も受けつけることにしている。9/16が経営者や管理職向け、10/6は介護リーダー・一般職員向けとなっているが、できれば管理職も一般職の方も、両方のセミナーを続けて視聴していただきたい内容になっている。

配信ツールはユーチューブなので、多くの方が使い慣れ、操作に苦労することもないと思う。送られてくるURLにアクセスするだけで簡単に視聴できるので試していただきたい。

異業種・異職種から職員募集に応募し採用した人が、一日でも早く戦力となれるように、きちんと根拠に基づいた指導をしたいものだ。しかしそれができない介護事業者は、今後必要な人材を確保して事業を継続していくことが益々難しくなるので、早急にそうした体制を整えておく必要がある。

それと同時に、せっかく採用した人が、短期間で辞めないように介護という職業の魅力も伝えていく必要がある。介護の職業は他の仕事と比較して、決してお金持ちになることができるような職業ではない。しかし他の仕事にはない魅力が確かにある。

それは何か、それをどのように伝えていくのかについては、明日のブログ記事で語りたいと思う。乞うご期待。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

リスクのない方法で固定費を削減して介護事業の安定経営につなげたい方は、電子ブレーカーで電力料金を賢くコストカットしませんか?をクリックしてください。
まずは無料見積もりでいくらコストダウンできるか確認しましょう。




※別ブログ
masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

配置基準緩和案に対する緊急アンケートにご協力ください


厚労省は介護事業者の人手不足の対策として、「介護ロボット・ICTの活用や基準の緩和」が必要であるとして、介護機器等の導入を条件として、ユニット型施設の1ユニットあたりの入居定員を15名程度(現在は概ね10名)まで増やすことや、2ユニットで職員1人の体制を日中でも認めることなど、人員配置基準の緩和(削減)案を介護給付費分科会で委員に示しています。

そこですべての介護関係者の方に緊急のアンケート調査を実施したします。

あなたは介護機器等を最大限導入・活用されたと想定して、今より少ない人数で利用者対応することが可能だと考えますか?人員配置緩和(削減)に賛成か、反対かを教えてください。コメント欄に是非ご意見もお書きいただければ幸いです。

なお性別・年齢・地域は選択しなくても投票可能となっておりますので、選択肢のみ、あるいは選択肢とコメントだけ投票いただいてもかまいません。
このアンケートは、「結果を見る」という部分をクリックすると、リアルタイムにすべての人が結果も確認できます。

回答期限は9/19(土)24時としております。

介護現場の生の声を国や各種職能団体に正しく伝え届けるために、数多くの皆様にアンケートのご協力をお願いいたします。

しかし国に届けたいのは賛成・反対といった投票結果のみならず、介護サービスの場で汗を流している人たちのリアルな声です。真実の叫びなのです。そのため繰り返しになって恐縮ではありますが、是非コメント欄に皆さんのお気持ち・訴え・意見などをお書きくださいますようお願い申し上げます。

どちらにしても自分をしっかり護ってくれる環境で働きたいものですね。そんな職場探しのポジティブな転職は許されると思います。そのためには下記のような信頼できるサイトにまず登録して、自分の才能を生かすことができる場所でのびのびと働いてください。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※リスクのない方法で固定費を削減して介護事業の安定経営につなげたい方は、介護事業のコスト削減は電気代とガス代の見直しから始まりますを参照ください。まずは無料見積もりでいくらコストダウンできるか確認しましょう。




※別ブログ
masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

内定者辞退者が増える理由を探ろう


昨日は秋葉原のスタジオで、オンラインセミナー介護人材確保策全4回分のうち、第1回分の生配信と、9/16(水)19:00〜配信予定の2回目分の録画を行った。

今日は一旦北海道の自宅に帰るが、このあと10/6(火)に3回目の生配信と、11月に4回目の録画配信を行う予定になっている。このオンラインセミナーの案内は、こちらのサイトで随時更新掲載されていく予定なので注目していただきたい。(※今日現在は9月の配信予定分まで掲載されています。)

参加予定者は180名以上であったが、実際にオンラインにつなげてくださった人数は130人を少し超えた人数とのことであった。参加申し込みをされた方は、昨日聴き逃しても後日録画配信分を視聴できるため、都合がつかなかった50人以上の方々は、そちらを視聴されるのだろうと思う。

昨日のオンライン講演はユーチューブでの生配信であったので、僕の講演が終わった直後からリアルタイムでチャットを利用した質疑応答も行った。

その中で、「内定者が就職する前に断るケースが増えているが、どう思うか」という質問が出された。

内定辞退理由が、面接試験等で示された企業理念や条件等を再考して自分の考えや希望にマッチしないということであるなら、それは採用面接の目的の一つを達成しているという意味なので特に問題ないと思う。むしろ不満や疑問を抱えながら、とりあえず働いてみようと考える人が、一旦働いて仕事を教えている途中に、「やっぱ無理です」と辞められるよりずっとマシだと思う。やる気のない人に手をかける無駄が省けるからである。

しかし内定辞退者が以前にも増して増えているとしたら、その辞退理由は別にあって、そのことは職員募集している事業者にとって深刻な問題を示している可能性がある。

特に事業者側が面接で、その人材に手ごたえを感じて、是非就職してもらいたいと思うような人材が内定を辞退するケースが増えているのなら、理由は別にあると考えたほうが良いだろう。

仕事ができる有能な人材ほど就職や転職に際しては、自分が事業者に選んでもらえるかという視点のみならず、自分自身が就職先を選ぶという視点を持っているのである。

つまり有能な人材ほど、複数の介護事業者の募集に応募して、応募の受付の対応・採用試験の連絡に際の対応・面接等の試験での担当者の対応などを確認し、採用試験時にその職場の雰囲気や職員の対応の仕方などを観察したうえで、就職先を選ぼうとする傾向が強くなっているのである。

そういう意味では試験を受けているのは、募集に応募してきた人のみならず、募集事業者そのものが求職者から試験を受けているという側面があることを忘れてはならないのだ。この傾向は介護福祉士養成校の卒業生にも強まっていることは、「人材から選ばれる事業者という意識」という記事の中でも解説しているので、そちらも参照願いたい。

それは介護職員という職種が売り手市場であって、どこの介護事業者もその人材確保に悩みを持ちながら経営しているという事情が背景にあることによって生じている事態だが、その背景要因はおそらく今後もずっと解消しないだろう。

つまり求職者から選ばれない事業者は、永遠に人材不足を解消できないということになるのだから、内定辞退者が多い介護事業者は、内定者がその介護事業所を選ばない原因と理由がなんであるかという検証作業を急がねばならないのである。

若者が介護福祉士養成校に入学する人の動機のトップは毎年、「人の役に立ちたいから介護の仕事をしたいと考えた」であるように、人材から人財に成長しうるスキルの高い人ほど、理想とは程遠い劣悪な介護の現実を目の当たりにして、そうした職場では働きたくないと思う傾向が強まるのである。

サービスマナー教育はそうした意味でも重要となってきている。採用面接時に訪れた介護施設の職員の、利用者に対する荒々しい言葉遣いに幻滅して、そこで働く気がなくなったという人の声を放置しているような介護事業者は、人材不足が原因となる倒産予備軍である。まずは今いる職員にサービスマナーの必要性を理解してもらい、サービスの品質向上意識を植え付けなければ、必要な介護人材は確保できない。

受付職員の見下したような態度に不快を感じて、そこで働く気がなくなる人は思った以上に多いので、窓口対応する職員にも十分注意を促さねばならない。

内定辞退者が増えている介護事業者には、このように何らかの問題があることが多いのである。

各種調査によれば、介護職員の不足感を持つ介護事業者の割合は、毎年のように過去最高を更新し続けているのだから、人材獲得競争も激化するのは当たり前である。その競争に勝っていかないと、人材確保で負け組とならざるを得ないが、それはすなわち事業経営の危機に直結する問題なのである。

早急に人材確保に支障を来す問題点を組織の中に内包していないかを確認・是正するシステムを機能させる必要がある。そうしないことには今後の介護事業経営は益々困難となることを自覚してほしい。

なお内定辞退者が増えているのに、なんの対策もとろうとしていない事業者に勤めている職員は、次の働き先を今のうちに探しておいた方が良いといえるかもしれない。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※リスクのない方法で固定費を削減して介護事業の安定経営につなげたい方は、介護事業のコスト削減は電気代とガス代の見直しから始まりますを参照ください。まずは無料見積もりでいくらコストダウンできるか確認しましょう。




※別ブログ
masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

不足感が増す介護人材をどう確保するのか(後編)


不足感が増す介護人材をどう確保するのか(中編)より続く》
介護事業者内に教育役としての現場リーダーを置き、OJTツールを使いこなして実地教育を行うことの重要性を書き連ねてきたが、それだけで人材が育成できるわけではない。

そこでさらに必要となるのは、個人のスキル差に目を向けた、「人間指導」の視点である。

マニュアルを機械的に覚えても、感情ある人間に相対するときに、マニュアル通りに事が運ばないことも多い。そのような状況の中で、自分で考え悩み答えを出すことができるスキルを得るためには、わからないことをわからないまま放置せず、その場で一つ一つの答えを見つけて解決していく必要があるし、答えのない問題についても、誰かと疑問点を話し合って、自分の疑問の所在や問題の所在を探す場が必要になる。

サービスの場での実務指導は、振り返りの機会があってこそ血となり肉となるのであって、誰かに質問や相談ができる環境を意図的に作ってやらねば、人材育成は躓くのである。

だからこそ一定期間は指導者が固定化されて根拠あるOJTが行われ、振り返りの相談指導や座学指導が必要である。その頻度は時期によって変えてよいが、1年間程度は新人教育としての座学時間と相談時間勤務時間の中できちんととる必要がある。

同時に指導者は、そうした機会や時間があるからと言って、指導対象職員から自動的に質問や相談がされてくると考えてはならない。

わからないことがあれば質問してください」というのは、駄目な教育の典型例である。

指導者は、質問する知識がない状態が新人職員であることを理解しなければならない。ましてや入職初日に介護技術に関する質問などできる人間はいるはずがないのである。

そもそも質問するというのは勇気がいる行為であり、職場の場合は人間関係がないと質問ができずらくなる。他業種からの転職者は、簡単な業務用語さえわかっていないのだから、自分が何をわかっていないかがわからない状態と言え、そんな人が質問できるわけがないのである。

だからOJTは、質問できない人に対して実施する教育指導だと考えなければならない。そのために必要になるのは、FAQ(よくある質問)である。あらかじめFAQとして想定問答集を作成することを僕は推奨しており、僕の講演ではFAQの作成方法等を示しているので、機会があれば是非受講していただきたい。

相談についても同じようなことが言える。指導者から、「いつでも気軽に相談してね」と言われたとしても、指導されている側としては何をどう相談してよいかわからない。しかも相談の結果、「そんなことも理解していないの」と叱られて終わりではたまらないのである。

また質問に対しては、必ず答えが必要であるのに比べると、相談に対しては答えが必要ではない場合があることを理解せねばならない。相談とは答えを指導者が示すことではなく、相談者と指導者が相談内容をともに考えて、相談者自らが答えにたどり着くことができるように手伝う過程であることを自覚する必要がある。

そのうえで相談の仕方を教えなければならない。良いアドバイスをもらうためには、相談相手に伝える情報と、その伝え方に注意する必要がある。伝える情報が足りなかったり、伝え方が悪かったりすると、よいアドバイスがもらえないのだからこのことは重要である。
(※相談の仕方については、僕の講演を聴いていただきたい。)

一昨日から人材確保や育成に関連した記事を書き連ねてきたが、これらのテーマを含めた内田洋行主催のオンラインセミナーを8月から4月連続で行う予定にしている。貼りつけたリンク先には、現在8月と9月分の案内が掲載されている。8月の人材確保策に続いて、9月は経営者・管理職向けの人材育成についてがテーマである。職員向けの育成実務は10月に予定しているが、管理職も職員もできれば9月と10月の両方を受講してほしい。

誰でも無料で視聴できるオンラインセミナーなので、リンク先から申し込みいただきたい。
無題
内田洋行オンラインセミナー第2回目
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※リスクのない方法で固定費を削減して介護事業の安定経営につなげたい方は、介護事業のコスト削減は電気代とガス代の見直しから始まりますを参照ください。まずは無料見積もりでいくらコストダウンできるか確認しましょう。




※別ブログ
masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

不足感が増す介護人材をどう確保するのか(中編)


不足感が増す介護人材をどう確保するのか(前編)より続く》
人材不足を解消できている介護事業者は、おしなべて人を教えるのがうまいという特徴を持っている。自らの事業者内で戦略になるように人を育て、育った人がさらに後輩を育てるという仕組みができているのである。

介護職の魅力や、やりがいを伝えることができ、仕事を教えるのがうまく、後輩を引っ張っていく人望もあるリーダーがいる職場の定着率は高いということも云えるであろう。

逆に言えば、根拠のない指導に終始し、感情的に怒ることを指導と勘違いしている人が多い職場は、頼れる先輩がいないということになり、すぐに仕事が嫌になって辞めてしまう新卒者が多いというのが、介護福祉士養成校の卒業生を数多く送り出している経験から言えることである。

そうであれば人材が育成され定着する職場の条件とは、新人教育がうまい人が偶然そこに居るという職場ではなく、新人を育てることができるスキルを持った教育担当者を育てるというシステムが先に存在しなければならない。そのうえで、新人を育てる仕組みが言語化され根拠に基づいた育成教育がされていることが重要だ。

そもそも人を教えるにはスキルが求められるのだ。経験があれば誰でも新人教育ができると考えてはならない。感情的に怒りをぶつけるタイプの人間に教育役は向かないし、「見て覚えろ」は教育の質を担保しない。

人材を育てようとするなら、法人内に人材確保と育成を担当する部門を設け、教育役となり得るスキルがある人材を見極め、教育係をつくる担当者を置くことが重要である。その部門が教育係を育成することになるが、教育係が一人しかいなければ指導できない場面や日ができてしまうことを考えると、複数配置していつでも指導可能な状態にしておくことが大事だ。勿論、教育係だけで新人全員を毎日担当できるわけではないので、教育係は自らが新人教育に直接あたるのみならず、自らが担当できない新人を担当させた介護職員の指導役にもなるという役割も持つ。

だからこそ教育係には、役割に応じた待遇を与える必要もある。例えば特定加算は同じaグループで配分に個人差があっても良いので、教育係はより大きな配分にしたり、給与に手当を設けたりすることも大事だろう。ここにお金をかけることは法人の財産をつくることなので、決して無駄にはならない。コンサルタント会社や派遣会社に支払う無駄金を、そちらに回した方がよっぽど良い将来図が描けるだろう。

つまり法人として介護現場のリーダーになり得るスキルのある人材を見極めて、そうした人材を教育係として育て、その教育係が介護の場で新人等の教育に当たるという構図を描くことができるシステムを構築せねばならないのである。

教育係が中心となって行う実務指導はOJTが中心となる。OJTとは具体的な仕事を通じて仕事に必要な知識・技術・技能・態度などを意図的・計画的・継続的に指導することになのだから、人によって教え方が違ってはならず、「根拠ある指導」が行われなければならない。仕事の手順はどのような目的や意味があるのかを言葉で示すことも必要とされる。

そのためにOJTツールとして介護マニュアルが必要になるが、多くの事業者でマニュアルがあってもOJTに使っていないという現状がある。その理由は、書かれている内容が雑多で統一性がなく、わかりづらいという欠点を持ち、実用的なマニュアルになっていないからだ。

そこで僕は介護プロフェッショナルキャリア段位制度の(基本介護技術)を参考にした介護マニュアルを作成して、OJTツールとすることを推奨している。

例えばそれを利用して、食事介助のOJT指導ツールを具体的に作るとすると、「食事前の準備」・「食事介助」・「口腔ケア」の3項目に分けて指導ツールを以下のように作成できる。

1.「食事前の準備
声を掛けたり肩を叩いたりするなどして、利用者の覚醒状態を確認する。
嚥下障害のある利用者の食事にとろみをつけたか確認する。
禁忌食の確認をする。
飲み込むことができる食べ物の形態かどうかを確認する。
食べやすい座位の位置や体幹の傾きはないか等座位の安定を確認する。
顎が引けている状態で食事が取れるようにしたか確認する。

2.「食事介助
食事介助の際には、必ず椅子に座って利用者と同じ目線の高さで介助し、しっかり咀嚼して飲み込んだことを確認してから次の食事を口に運ぶ。
食事の献立や中身を利用者に説明する等食欲がわくように声かけを行う。
利用者の食べたいものを聞きながら介助する。
自力での摂食を促し、必要時に介助を行う。
食事の量や水分量の記録を行う。

3.「口腔ケア
出来る利用者には、義歯の着脱、自分で磨ける部分のブラッシング、その後のうがいを促す。
義歯の着脱の際、利用者に着脱を理解してもらい、口を大きく開けて口腔内に傷をつけないよう配慮しながら、無理なく行う。
スポンジブラシやガーゼ等を用いた清拭について、速やかに行い、利用者に不快感を与えないように注意する。
歯磨きや清拭の後、口腔内を確認し、磨き残し、歯茎の腫れ、出血等がないか確認する。

以上のように評価マニュアルの文言を少しだけ修正するだけで、介助項目ごとに指導すべき内容が明確になる。当然、教育係をはじめとした全職員が、このマニュアルに沿ったケアを実践できなければならないわけだから、介護の質もマニュアルレベルで担保できることになる。

食事介助は、食べさせるだけなら介護経験のない人でも誰でもできる。そのため一部の事業者では、就業初日から技術や注意点も教えることなく、いきなり食事時間に先輩職員の傍らに新人職員を置いて、先輩の姿を見なながら、わからないことを聴きながら、「ながら介助」させることをOJTだと勘違いしている。しかしそれでは正しい介護技術は身につかないし、新人職員は自分のやり方に自信を持てないまま、不安を抱えて介護を続けなければならない。やがてその状態は、我流の介護を良い介護技術だと思い込むか、何もうまくできないと放り出すかのどちらかにつながりかねないのである。

だからこそOJTツールに基づいた、言語化された方法で根拠ある指導を行う必要がある。そうすることで新人職員は安心して介護技術を覚えられ、仕事の手順はどのような目的や意味があるのかを言葉で伝えられる先輩職員に信頼感を持つことができ、仕事が面白くなって、仕事を続けようと思えるのである。

だがマニュアルに基づいたOJTだけで、新人職員が不安なくモチベーションを保ち続けることは出来ない。それ以外に人を育て、育った人が定着するためには何が必要なのだろう。(明日の後編に続く)
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※リスクのない方法で固定費を削減して介護事業の安定経営につなげたい方は、介護事業のコスト削減は電気代とガス代の見直しから始まりますを参照ください。まずは無料見積もりでいくらコストダウンできるか確認しましょう。




※別ブログ
masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

不足感が増す介護人材をどう確保するのか(前編)


介護職員の不足感が一段と強まっている。

介護労働安定センターが毎年実施している「介護労働実態調査」の昨年度の結果が8/7に公表されたが、全体の69.7%の事業所が介護職員不足であると回答しており、過去10年で最高の数字となっている。

不足感が最も高い職種は訪問介護員で、その数字は81.2%にものぼっている。訪問介護員は、高齢化してリタイヤする人が多い反面、若い人にとっては将来がなく魅力に欠けるために成り手がないという問題があり、そのサービス自体の存続が危ぶまれている。しかし解決の処方箋は見つかっていない。(参照:訪問介護員の絶滅を防ぐ手立てはあるのか?

本調査における不足感の数値を高めている最大の要因は、訪問介護員の成り手が急速に減っているということであることは間違いのないところだが、しかしその他の介護事業種別でも介護職員の充足は一番の課題で、それは介護事業経営を継続するための一番の戦略上の課題ともなっている。

この調査が10月に行われていることから、数字は特定処遇改善加算の算定前であるということで、新加算の影響で改善が期待できるかもしれないという声もある。しかし周囲の介護事業者の状況を見渡しても、新加算で劇的に職員募集の応募が増えたとか、待遇が改善されて将来の不安がなくなったというポジティブな声が全く聞こえてこないところを見ると、さほど期待ができないと思える。

介護職員が不足している原因では、90.0%が「採用が困難」と答えており、その理由を尋ねたところ、「同業他社との獲得競争が激しい(57.9%)」が最多となっている。つまりどこの事業所でも介護職員は足りておらず、人材確保の部分でも競合せざるを得ないという実情が表されていると言える。

職員の獲得競争に勝てない事業者は生き残ることができないのである。

我が国の昨年の死者数は137万8906人と過去最高となり高齢者の数も減っているが、それ以上に少子化で生産年齢人口の減少スピードの方が速くなっている。介護の絶対必要量も2040年あたりから減っていくと予測されるが、減ったサービスを支える人員さえも十分に確保できないほど生産年齢人口の減少は急である。そのため介護人材不足の解決の糸口さえ見えないというのが実状であり、日本全国すべての介護事業所の人材不足問題が解決する目途は立たない。

このように人材確保は国の施策に頼ってもどうにもならない問題であり、介護事業経営者や管理職が、「国や都道府県が何とかしてくれる」と思っている事業者は、早晩どうにもならなくなるのだ。介護事業を続けるための人材確保は他の事業者との差別化を図って、法人等単位で独自の解決策を図っていくしかない。

しかし介護事業は人に相対する職業であり、誰でもよいから雇ってできる職業でもない。人に相対するスキルのない人を雇って、まともな教育もしない状態で実務につかせるという、サービスの質を現場に丸投げしてしまう状態では、様々な不適切行為が生ずる可能性が高くなる。

例えば、感情のコントロールができない職員が増えて、暴言が飛び交う介護の場となったときに何が起こるだろう。介護サービスの場には様々な形で情報社会のコンテンツが入り込んでいる。それが人権意識の高まりと相まって、それまで見逃されていたかもしれない小さな不適切行為も、ネットを通じて表に出る社会となっていることを忘れてはならない。

年上の利用者に対して、荒い言葉で対応する職員の姿は、いつネット上にさらされることになってもおかしくないのである。そしてその姿が虐待だと糾弾されることになれば、そんな事業者にあえて就職しようとする人はいなくなるだろう。ますます職員募集に応募がなくなるのである。

介護事業経営者や管理職・指導担当者の中には、人がいないところに、やっと応募があって雇った職員に、あまり厳しいことを言っても辞められたら困ると言う人がいる。しかしまともな教育ができていない状態が、不適切行為をはびこばせる一番の要因なのだ。特にサービスマナー教育をしていない事業者が、虐待報道によって事業が続けられなくなっているケースが増えている。

そもそも対人援助の場で本当に必要とされる人材は、介護サービスを利用する人が邪険に扱われ、尊厳を奪われている職場になんか就職しないし、就職したとしてもそんなところに長くいようとはしない。介護スキルの高い人ほど人を傷つける扱いに対する嫌悪感は強いのだ。そういう人たちは、教育システムがしっかりしていて人権意識の高いサービス提供に努める事業者に集まる傾向にある。

人手不足だからサービスの質が落ちるのではなく、人手が不足すればサービスの質などどうでもよいと考える人しか集まらなくなり、そこからさらに有能な人材が逃げいく。そのような場所は永遠に人手不足が解消されずに、サービスの質はますます低下していき、やがて虐待が生まれ、そのいくつかが表に出て報道されているのである。

つまり不適切行為で事業継続の危機に陥ることを防ぐ対策と、有能な人材確保の対策はリンクするのである。利用者の尊厳を護る質の高いサービスを実現するための人材教育を行っている場所に、有能な人材は集まり定着するのである。そのことはいくつもの事業者で証明していることであり、新人教育としてOJTに入る前の基礎座学で一月を費やして、人材確保に困らなくなった社会福祉法人もある。こうした実効性のある教育システムを完成させる対策には、いくらお金をかけて良いのである。なぜならそのこと自体が法人の財産となるからだ。

一方で、募集広告費にお金をかけて採用人数を増やしても、まともな職員が定着しないのであれば、その広告費は無駄金・死に金である。嫌なことがあればほかの職場にすぐにでも変わってよいと考えがちな派遣職の採用にお金をかけるのも無駄金・死に金である。

お金の使い方を間違ったまま経営している法人は倒産予備軍である。

この違いをはっきり意識して、人材を確保し定着させるためにお金と知恵を使いたいものだ。では職員教育や定着の具体策とは何だろう。介護実務指導ができるOJTツールの内容は、どのような内容になっているかも具体的に示してみよう。(明日の中編に続く)
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※リスクのない方法で固定費を削減して介護事業の安定経営につなげたい方は、介護事業のコスト削減は電気代とガス代の見直しから始まりますを参照ください。まずは無料見積もりでいくらコストダウンできるか確認しましょう。




※別ブログ
masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

派遣という身分を見直すべき機会


介護施設等で働いている派遣職員の方々から、2次補正予算で支給が決定した介護施設等の職員に対する、「慰労金」は自分にも支給されるのかという質問が相次いでいる。

派遣先の介護事業者から、直接給与の支払いを受けている方については、この慰労金は問題なく支給を受けることができるので心配しないでいただきたい。慰労金という名目で支払われる今回の助成金は、身分や勤務時間・勤務形態に関係なく支給される種類のものなのである。
※6/13追記地域包括支援センター、福祉用具貸与、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅も対象になります。ケアマネジャー、リハ職、事務職など皆が受け取れます。職種にも制限はかけず、正規職員か非正規職員かも問われませんが、法人本部のオフィスに勤務する人など現場から遠く離れて業務を行い、利用者と全く接しない人は対象外となります。近く通知されるので注目してください。

それにしても今回のウイルス禍では、「派遣職員」の身分が不安定であることが改めて浮き彫りにされた。収益減で事業縮小を余儀なくされた事業者においては、「派遣切り」が真っ先に行われている。それによって派遣先の仕事を失った人も少なくはない。

そもそもこれだけたくさんの派遣会社が乱立できるほど、派遣という身分を選ぶ人が多い理由は何だろう。その理由はいくつか考えられる。

一つには、派遣職員の方が職場の人間関係のわずらわしさから逃れやすいということがある。過去に人間関係を理由に体調を崩したり、退職をした経験のある人は、組織にがっちりと身分を縛られずに、自分の希望によって派遣先を変えてもらえる派遣職という身分をあえて選ぶ人がいる。特に介護職という仕事は売り手市場なので、派遣先を探すのに困らないという事情がこの傾向を後押ししている。

単純に収入から派遣職を選ぶ人も多い。派遣会社は手数料(派遣料金)を取るだけではなく、派遣職員に直接雇用職員より高い給料を支払うことを紹介条件としてくるので、派遣職の方が月額給与が高くなり、しかも職場での責任は直接雇用職員より軽いということに魅力を感じている人も多い。

勿論、月給が高いと言っても、賞与その他の手当を含めた年収ベースでみれば、正規職員の方が待遇が良いというケースも多くなるが、直接雇用の正職員はその分責任や縛りが多くなるために、それを嫌って派遣職員としての身分から抜け出そうとしない人もいる。

このように一つの事業者に縛られない気楽さと責任の軽さが魅力として捉えられているのに加え、短期的には直接雇用職員より高いお金を稼ぐことができるという待遇が相まって、派遣職を選ぶ人が多いのだ。

しかし前述したように、「派遣切り」が行われかねない身分の不安定さや、福利厚生や退職金その他を勘案すると、決して派遣が直接雇用者より待遇面で恵まれているという現状ではないことを併せて考えると、派遣職員という身分のままで長期雇用されている状態は、決して恵まれた状態ではないと言える。

責任の軽さを魅力としている人は、自分が職場の中でただの人員にしか過ぎない存在で、決して人材とみられていないことを知るべきだ。それは自分の価値を社会から十分に認められていないという意味にも通じかねない。それでよいのだろうか・・・。

先日このブログに、派遣職員の方が次のようなコメントを書き込んでいる。「施設側に直接雇用を訴えたら、紹介料発生するから次回更新し無いと… 2年間務めてる施設なのに

派遣職員の方を派遣期間中もしくは更新時期に直接雇用職員とする場合は、派遣会社に紹介料などの名目で一定の費用を支払わなばならないのが一般的な派遣契約である。この紹介料は施設が直接雇用した後、その職員が一定期間内で退職した場合には返還されることになり、その期間は3月に定められている場合が多い。

しかし3月以上働いた場合は、その後いつその職員が退職しても紹介料は返還されることはない。そのまま派遣会社の収益になるわけであるが、派遣会社から紹介を受けて直接雇用した職員で、この返還金が生じなくなった期間を過ぎてすぐに退職する人はかなり多い。

うがった見方をすれば、派遣会社は派遣できる人間がいなくなれば事業が成立しないのだから、直接雇用される人に対して、裏でこっそりと紹介料を返還しなくてよい時期を教えたうえで、その時期を過ぎたら退職して派遣会社に再登録することを促しているのではないかと疑いたくなる。

だからこそ介護事業者にしてみれば、派遣会社に紹介料を支払わなければならない人を直接雇用することをためらう心理が生じてしまう。特にコロナ禍で、他業種から介護事業者への就職希望者が少しだけ増えている現在の状況では、派遣会社から紹介される人より、直接募集に応募してきた人を優先的に雇用する傾向が強まっていることは事実だ。

こうした状況を踏まえたうえで、今派遣職という身分で働いている方々には、自分の将来について今一度考えてみてほしいと思う。あなたはこれから先もずっと派遣職員という身分に甘んじていて良い人なのであろうかと、自身の胸に手を当てて熟慮していただきたい。

将来的に長い期間、介護業界で働こうと考えている人であれば特に、派遣職という不安定で思ったほど収入にも恵まれているとは言い難い身分から脱して、信頼できる介護事業者に直接雇用されることを考えたほうが良いのではないだろうか。

勿論、直接雇用してもらえさえすればよいということにはならない。数ある介護事業者の中には、従業員から搾取することしか考えていないような、待遇も環境も劣悪なるブラック事業者も存在する。

だからこそ、「今いる場所で咲けないならば、咲く場所を探して居場所を変えて咲きなさい」という記事で示したように、転職先を探さねばならない人も多い。

そういう意味では、派遣職という身分を脱して直接雇用されたいと願う人は、今登録している派遣会社にそのことを依頼するのではなく、上記の記事の中で紹介しているような、就職後のアフターフォローまで無料で支援してくれる信頼できる転職支援サイトに登録して、条件や職場環境の良い介護事業者を探していただきたい。(※下記にもリンク先を示しておくので参照されたい。)
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

介護保険制度20年の人間模様


介護保険制度創設から早20年という月日が流れた。

介護保険制度の誕生とは、戦後に創設された日本の社会福祉制度が初めて大改正され、全く違う制度に転換が図られたという意味である。それは社会全体に非常に大きな変化をもたらしたものでもある。

その誕生秘話・制度創設経緯等について詳しく知りたい方は、介護保険創設から10年目に書いた下記の参照記事を是非読み直してほしい。
参照記事
介護保険・夜明けの雷鳴1
介護保険・夜明けの雷鳴2
介護保険制度へと続く道
介護保険制度誕生前に吹き荒れた嵐

民間営利事業者が介護サービスに本格的に広く参入できるという改革も、この制度から本格的に始まっている。そのことによって介護事業が運営で済んだ時代から、経営をしなければならないに入ったともいえる。それだけ介護保険制度以前の介護事業経営は温(ぬる)かったともいえるわけだ。

その変革のなかで介護事業を起こした新しい経営者たちが、そろそろベテラン経営者となって、今ここに至るという意味が、介護保険制度誕生から20年の意味でもある。

そこでは様々な人間模様が繰り広げられており、それは明るくポジティブな人間模様だけではなく、裏切り・背信・欺瞞・不義・不実といったどろどろした人間模様や人間関係を数多く含んでいる。

制度開始間もないころ、別業種から転職して、初めて介護サービスに参入することになった経営者が、介護の専門家を片腕として現場の運営を任せ、顧客からも信頼される事業を展開し順調に経営を続けてきた。

介護事業経営を始めた頃、経営者の娘はまだ小学生であったが、時が流れ成長しやがて結婚した。その相手である夫が介護事業経営に興味を持ち、統括部長としてその事業所の経営陣に加わった。しかし創業からの片腕となってきた副社長と何かにつけ衝突するようになり、統括部長は副社長を疎ましく思うようになり、る出来事をきっかけにしてその功労者をまるでごみを捨てるように切り捨てて、自分で事業経営を取り仕切るようになった。その後その事業所からは顧客離れが顕著となり経営が傾いている。

そんな事業者が倒産しようとどうなろうと知ったことではない。しかし可哀そうなのは創業からその事業者に多大な貢献をしてきた副社長である。あまり大きな経営主体ではないから、退職金制度もなく裸一貫で放り出されるような状態になっている。そんなことで良いのだろうか。それが社会の厳しさだと割り切るべき問題なのだろうか。

事業経営はただ収益を挙げるだけに行うのではなく、社会に貢献するために行うものではないのか。そうであれば仕事を通して従業員を人として育てるという考え方があってよいし、その根底には従業員を護るという思想が必要ではないのか。従業員の暮らしを護り、人としての感性を育むということも経営者の責任として考えるべきではないのだろうか。

そういう意味では、功労者に対してあまりに冷酷な仕打ちは、経営者としての道義的責任を問われる問題ではないのだろうかと思ってしまう。従業員を駒のように切り捨てるのが経営能力ではないだろうと言いたい。

それにしても経営者の中にはいろいろな人がいる。尊敬できる優れた経営者も数多い。しかしそうではない、自分勝手なだけの経営者がいることは事実だ。そういう事業者に勤めている従業員は可哀そうを通り越して悲劇でさえある。

介護事業にとって人材は何よりも重要なのに、いくら有能な人材であっても、その才能は自分の懐を肥やすための才能であると勘違いしている経営者もいる。従業員をいかに安く長く使うかということしか考えていない経営者がいることも事実だ。

5本の赤い花たちとともに考えたこと」という記事の中でも指摘しているが、僕が育てている若者たちは、年齢も経験もスキルも似通ったレベルにあるが、所属事業者によって待遇差は非常に大きなものになっている。

そのスキルに見合った労働対価を得ていない者もいる。理想を掲げて事業経営に乗り出すのであれば、従業員の経験とスキルに見合った対価を得られるような事業戦略を同時に立ててほしい。少なくとも経営者だけが大きな対価を得るだけで、その対価が従業員の滅私奉公という状態で得られていることは許されない状態と思う。

僕は基本的に、職場を転々と変えることには反対の意見を持っている。介護職はどこでも仕事は見つかるが、ちょっとした不満で転々と職場を変えたとしても、決して理想に出会うとは限らないし、今いる場所で偉くなって、影響力を持って、職場を改革する方がポジティブだと思っている。

しかしそれも程度による。従業員を使い捨ての駒のように酷使するしか能のない経営者のいる場所に、いつまでも居座る必要はないし、対人援助としての誇りも使命感も持てない場所にも居続ける必要はないと思う。

例えば、福祉ジャーナリスト 田中 元氏がネット配信しているコラムの中で、『一部の施設等では不適切なケアが常態化しているケースもあります。そうした施設等で「面会中止」による閉鎖性が高まれば、さらに大きな問題が発覚することも想定されます。』と論評しているが、家族の面会が監視機能とならないと、ケアの品質を保つことができない介護施設などあってはならない。

そんなところで改革などできるわけもないのだから、志のある人は、一日も早くそうした職場には見切りをつけたほうが良い。そういう環境にいる人に対し僕は、信頼できる介護の転職支援サイトを紹介している。

このサイトは厚生労働省許可で、登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで一切無料でサポートしてくれるサイトである。

登録後、メールで情報だけ送ってくることに終始するサイトが多い中、こちらは担当のキャリアアドバイザーが直接電話連絡してくれて、丁寧に希望条件を確認したうえで、最適な職場を紹介してくれる。他では全く紹介されない未公開求人も多数紹介してくれるし、入職後の相談も無料で継続できるのだからさらに安心だ。

今すぐに転職を考えていない人も、まずはここに登録して、いろいろな介護事業者の情報を集めてみると良いのではないかと思う。そのことによって自分がいま働いている職場が、自分をどれだけ大事に護ってくれているのか、そうではないのかがわかろうというものだ。

最低でも一人に5万円が支給される、『慰労金』は全サービスの全職種が対象となるわけだが、それだけ国費がかけられる介護事業に対する国民の目は、今後より厳しいものになるだろう。その視線に耐えられるだけの、きちんとした介護事業者で、皆さんの才能を発揮してほしいと思う。

登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。
※3つ目のブログmasaの徒然草を始めました。こちらも是非ご覧ください。


※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

新型コロナウイルス禍で介護業界の人員は増えるだろうが・・・。


北海道の自宅を経ち、博多の顧問先での4月の業務のために来福してちょうど1週間過ぎた。今回の来福の直後に福岡市が緊急事態宣言の対象地域になったために、その前後で街の様子は大きく変わった。

緊急事態宣言前に通常営業していた飲食店で、自主休業するお店の数が日に日に増えている。休業して改修工事などを行うホテル等も目につく。劇的に変化しているのが博多駅構内である。駅直結の商業ビルがすべて臨時休業して、駅の様相が全く変わってしまった。

昨日は日曜日ということで、僕も顧問先に出社せず、ホテルに籠って1日PC作業をしたが、お昼ご飯を食べるときだけ駅の近くで飲食店を探したが、街は閑散としており博多駅構内もこんな様子だ。
臨時休業の張り紙
博多駅構内
いつもの日曜日なら人でごった返すはずの博多駅の姿がこれである。一番人通りが多いはずの博多口から筑紫口への連絡通路を歩く人の姿が少ない。駅周辺で営業している飲食店も数が少ないのだから、お昼時はそこに人が集中して混むのではないかと心配したが、そのような気配もない。

このような状況は日本経済に大きな影響を与えるのは間違いのないところだが、飲食店やホテルで働いている労働者にとっても深刻な問題だ。仕事がなくなる人もいる。

そんなふうに新型コロナウイルスの影響で失業する人は確実に増えている。そんな人達にとっては介護業界はとりあえず仕事先として選ぶことのできる職業の一つになっている。こんな状況でも仕事が減らず、むしろ対応のための人員をさらに必要とする介護業界に転職する人が間違いなく増えてくるのである。実際にすでに他業種から介護業界に転職した人もいる。

しかしこの状況が介護人材不足を補い、介護業界にとって追い風になると短絡的に考えることはできない。

今まで介護の経験が全くなかった人が職場を失って、新たな仕事を探しているときに、たまたまたどり着いた職業が介護の仕事であっても、そこで隠れた適性が発揮されて、そのまま介護業界に定着して貴重な人材に育っていく例は過去にもたくさんあるのだから、そのことに期待を寄せることはあって良いと思う。

しかし我々が過去から学んだことは、そうしたケースは決してマジョリティになったことはないということだ。

社会の不景気で失業者が増える際に、介護の職業への転職者が増えるとしても、その中に良い人材がいる以上に、介護の職業への適性に欠けて、教育効果も上がらない人物の方がいつも多いというのが過去に見られた現象であり教訓だ。このことを十分理解し、覚悟しておく必要がある。

応募に人が集まってくることを喜んで、闇雲に採用してはいけないことを、このブログでは繰り返し警告している。仕事がないから介護でもしておけと考えている人が、そこにはかなりの数交っているし、その中にはとりあえず介護事業者に就職して、給料をもらいながら、状況が変化したら元の職業に戻ろうとか、さらに別の仕事を見つけようと考えて、介護の仕事を、「腰掛け」程度にしか思っていない人が一定数いるのだ。

そうであってもその人たちが、介護の仕事に就いている間だけでも、介護事業者の戦力になってくれれば良いのだが、なかなかそううまくはいかない。

その人たちのなかには、真面目に仕事を覚えようとも、介護の職業を通じて自分のスキルアップを図ろうとも思っていない人が混じっておりことを覚悟したほうが良い。そういう人たちを採用してしまうことで職場全体が混乱し、職場の秩序や人間関係といった職場環境全体がぎくしゃくし、元に戻せなく例はたくさんある。職場環境はあっという間に悪化するが、元の状態に戻すのには、その数倍のエネルギーと期間が必要になるのである。

特に仲間同士が複数で募集に応募してきて、それらの人を一斉採用する際には注意が必要だ。「一斉退職者をまとめて雇用なんて、あり得んだろうという話」のような状況に陥らないように、経営者や採用担当者は、慎重に職員選考を行わなければならない。

またせっかくこの機会に、介護の職業への隠れた適性を持った人が転職してくれたとしても、その人達が、自らのスキルを発揮する機会やスキルアップの機会がないと、適性を持ったことに気づかぬうちに辞めてしまったり、介護の現実に幻滅して他の職業に転職してしまうというケースも多々ある。

そうしないための唯一の方法は、未経験者・他業種からの転職組を中心とした新人教育の徹底しかない。未経験者が安心して介護の仕事を続けられることが出来る基礎教育と、基礎教育を実践の場で確認できるOJTが何より求められるのだ。

感染予防対策に集中しなければならないから、職員教育は後回しだと考える職場に、人材は定着していかない。それはコロナウイルス禍が治まりを見せた後、深い爪痕・後遺症として介護事業者に禍根を残す結果となるのである。

他産業での失業者から適性のある人材を取り込み、そうした人材を定着させ職場の戦略に変えるための戦略が求められるわけで、各事業者の人事管理部門の力の見せ所が今である。

こんな時だからこそ人材を見極め選ぶ目と、選んだ人を育てる視点が不可欠だ。
理想の介護事業者をお探しの方は、こちらに無料登録ください。

※4/4〜新しいブログmasaの徒然草を始めました。こちらも是非ご覧ください。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せられます。at=3BBAM6+EU1WQ2+50+2HK0TD" alt="">

一斉退職者をまとめて雇用なんて、あり得んだろうという話


人材難が叫ばれる介護事業では、事業を安定的に継続するためにいかに人を集められるのかという課題があることは当然だが、だからと言って頭数さえ集めればよいという問題でもない。

数合わせの採用では戦略になるどころか、今いる職員のストレスにしかならない人物も混じっている場合があり、教えても仕事を覚えず、手より口ばかりが先に動き、不平不満ばかりいって仕事ができない新人の教育に疲れ切って、ベテランで仕事ができる良い職員が辞めて行ったりするので、人手が足りないからこそ採用は慎重に行いたいものだ。

多くの介護事業経営者や関係者は、そんなことは言うまでもないことだとおっしゃるだろうが、「ずいぶんだな〜。」と首をかしげたくなるケースが実際にあるのだ。

今年に入って某県の有料老人ホームで発覚した虐待事件の加害者は、複数の男性介護職員だった。彼らは一人一人が別々に虐待を繰り返したにとどまらず、複数の職員が集団で被害者を虐待していたこともわかっている。

何ともひどい話であるが、だからといってそのホームの職員すべてが虐待に加わっていたわけではない。虐待を行っていたのは特定の人物集団で、そのグループのみが他の職員の見ていない場所で、利用者に向かって暴言を吐いたり、体にあざができるような乱暴な行為を繰り返し行ったりしていたのである。ただしそのグループ以外の職員も、どこかそのグループがおかしいと違和感を覚えていた節はあるそうだ。しかし具体的なことは何もわかっていなかったようである。

ではそのようなイジメグループがなぜできたのかということが問題だが、実はこのグループは、虐待行為が始まる直前に、他の介護事業者を集団で退職したグループであったそうだ。そのグループがまとまって職員募集に応募してきたので、人手が足りなくて困っていた有料老人ホームでは、経験者がまとまって就職してくると喜んで応募してきた人を全員採用したらしい。

しかしそんな採用があって良いのだろうか。僕は社福の総合施設長として、職員採用の最終決定権を持ち採用面接も行っていたが、そのような職員採用は危険性が高すぎて容易に行えないと思う。(※実際にそのようなケースを経験したことはなく、あくまで考え方としてはそうなるだろうという意味である。)

勿論この有料老人ホームも、採用段階では面接を行って、前の事業者を一斉退職した原因や理由を聞き取ったうえで、問題はないとして採用したのだろう。しかし集団で職員募集に応募してくる人たちが口裏を合わせて、退職理由を自分たちの都合の良いように脚色するなんてことは容易に想像がつく。そもそも面接の際に、前職の退職理由を正直に話す人はほとんどいないと考えたほうが良い。

むしろそのように一斉退職した人を、他の事業者が一斉に採用することの危険性に考えが及ばなかったことを不思議に思う。そのように退職したグループが円満退社したとは思えないし、同じように何かあれば一斉に辞めるかもしれないのだから、個々の応募者の印象が悪くなくても、一斉採用は行えないと考えるのが、ある意味の常識ではないだろうか。

これは結果論ではなく、経営者としての正常な判断力といってよいほどの問題ではないかと思う。

結果的にこのホームは、虐待が発覚したことで利用者をはじめとした地域の方々の信頼を失ってしまうかもしれない。事件にかかわりイジメグループに入ってた職員以外は、まっとうで良い職員だったのかもしれないが、それらの職員にも事件の負の影響が及ぶことになるかもしれない。どちらにしても今まで重ねてきた良い実績があるとしても、それらもすべて水の泡だ。

この事件をきっかけにして、このホームは経営難に陥る恐れさえある。それはとりもなおさず、他の事業者を一斉退職した職員グループを、そっくり引き継ぐ形で一斉採用するという安易で危険性の高い採用方法にあったといってよいだろう。

後悔先に立たずとは、まさしくこうしたことをいうのかもしれない。
理想の介護事業者をお探しの方は、こちらに無料登録ください。

※4/4〜新しいブログmasaの徒然草を始めました。こちらも是非ご覧ください。








※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せられます。

介護業界から人材が離れていく本当の理由


介護事業者で働く職員の一部からは、サービスの品質の向上が必要だと言うけれど、人材が不足している介護現場で、そんな余裕はないという声が聴こえてきます。

とりあえず人を増やしてほしいという切実な訴えもあります。しかし介護の質をわきに置いて、人集めに躍起になっている場所に仕事ができる優秀な人材が張り付くとでも思っているのでしょうか。仮に人が張り付けたとしても定着するとでも思っているのでしょうか。

そもそもあなたの職場の人手がいつも足りない原因は何でしょうか。人が張り付かない、人が定着しないという原因の検証作業をきちんとしているでしょうか。

あなたの仕事に余裕が生まれるためには、人手がもっと必要だと言いますが、あなた自身はあなたに続く職員をきちんと育てているのでしょうか。あなた自身が新人職員のバリアになって、入職してきた職員が次から次へと辞めていく原因になってはいないでしょうか。

今一度とあなたと、あなたの職場の本当の姿を見つめなおしてほしと思います。

新卒者が今、あなたの職場に入職して新人教育を受けているかもしれません。例えば4/1に初出勤した職員は昨日でまだ1週間しか働いていません。そんな新人さんが、日に日に元気を失っていないでしょうか。日に日に無表情になってはいないでしょうか。

先週末僕の家に、僕の生徒が訪ねてきました。彼女は介護福祉士養成校で僕が教えて卒業させ、4/1にある社会福祉法人に入社した生徒です。しかし入職わずか3日間でかなり介護の仕事に幻滅している様子で、悩みを聴いてもらいたいと切羽詰まった表情でやってきました。

彼女の悩みとは、人の役に立つ仕事だと思った介護の仕事が、ちっとも人に役に立っていないという悩みでした。社会福祉法人という公益性の高い法人が、何のために存在しているのかわからなくなったという悩みでした。

彼女が訴える、彼女の元気を奪う状況とは以下のようなものです。

・利用者に乱暴な言葉遣いをして、介護の仕方も荒々しい先輩職員の姿。
・認知症の人の訴えにまったく耳を傾けようとせず、「助けて」・「どうしたらいいの」と叫んでいる人の声を聞こえないふりをして声もかけずに側を通り過ぎていく職員の姿。
・気分で後輩指導の態度を変える先輩職員。
・利用者の坐位姿勢に全く配慮せず、職員は立ったままで食事を詰め込み、むせこむ人を放置する食事介助
・根拠ある方法とは全く異なる介護が行われている日常


彼女ら新人職員は4/1の入社式前に、「入社前研修」と称する座学研修を先週の月曜日(3/30 )と火曜日(3/31)に受けたそうです。しかしその内容は事務系職員と同じ場で、法人組織の説明や事業内容、健康保険や年金等の手続、就業規則等の説明にとどまり、介護職員に対する実務につながる内容は皆無だったと訴えていました。

こうして介護実務に関する基礎研修もきちんと行われない中で、入職初日から先輩職員が新人に張り付いてOJTの中で仕事を覚えるように指導されているのですが、毎日変わる指導担当者によって、指導内容も介護のやり方も違う中で、感情的に怒ることを指導と勘違いしている先輩職員におびえている姿がそこには垣間見られました。

入職したばかりの緊張感の中で不安が増殖したということもあるでしょうから、励まして引き続き悩みがあるなら相談に来るように助言し、あまりに状況が切迫したら僕自身がその社福の管理職の人と話し合う機会を持とうと思いますが、彼女は果たしてこの法人で働き続けられるでしょうか・・・。

だって相談しに来たのは金曜日の夕方5時少し前。なぜこんな時間に仕事をしていないのか聞くと、就業3日目で早出勤務の実習だって言います。しかも修業したばかりのその週の土・日も勤務だと言います。介護職がシフト勤務だからといって、それはないんじゃないでしょうか。シフト勤務に組み込むのは、ある程度基礎実務研修を終えた後でしょう。僕の施設長経験ではあり得ないことです。

介護人材不足が叫ばれていますが、人材を失わせているのは少子高齢化だけではなく、本当の介護をしない介護サービスの場そのものなのです。人の育て方・教え方を知らない介護事業者そのものなのです。

介護事業者のシステムや、そに居る職員が人材をつぶしているのです。これを変えなけりゃあ介護人材不足は永遠に続きます。

新入職員への教育のあり方は、サービスの品質につながるにとどまらず、定着率にも直結します。人材不足が最大の課題となっている介護事業にとって、最も重要となるのが、人材が張り付き定着する教育システムです。そうした介護人材マネジメントの一環として新人教育・指導のあり方を考えてほしいと思います。

見方を少し変えます。

介護福祉士養成校の国家試験義務化の経過措置がさらに5年延長されたことは、読者の皆さんもご存知だと思いますが、勘違いしてはいけないのは、延長されたのは経過措置だけです。つまり経過措置期間中に国家試験を受けずに介護福祉士と名乗っている人は、経過措置期間の中でしか介護福祉士として認められないので、その間に国試に合格するか、5年以上続けて現場で働くかしないと経過措置が切れたら資格は無くなります。

そんなわけで今年度の卒業生も国試を受けているわけですが、僕が非常勤講師を務める室蘭の介護福祉士養成校卒業生は今回合格率が100%で、全員合格でした。・・・しかし全員と言っても、卒業生はわずかに18人です。北海道の胆振・日高地域という広大な地域に1校しかない介護福祉士養成校の新卒者がわずか18人という実態が、介護人材不足の現状を表しています。

それだけ貴重な人材を、介護事業やそこの従業員が育てずに、その前につぶしてどうするのでしょう。一度介護事業者の中でつぶされた若者は、介護の業界から離れてしまうことだって多いのです。相違ないために、その原因を離職する人間の自己責任にして放置することなく、介護業界全体の財産喪失だとして検証しなおす必要があると思います。

ただでさえ人材は足りないのに、それに拍車をかけるような人材をつぶす要素を、介護業界ではびこらせて放置している状態に、もっと危機意識を抱いてほしいと思います。

※4/4〜新しいブログの名称を変更しました、masaの徒然草始めました。こちらも是非ご覧ください。










※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せられます。

福祉の精神を都合よく操ろうとする経営者は見限るべし


社会福祉は、生活していく上で困難な状況に陥っている人に対して行われる社会的な支援・援助のことを言い、生きる権利(生存権)を保障するために必要とされるものである。

介護保険制度が国費と強制加入の社会保険料という公費運営され、そこに位置付けられた各種サービスが、利用者の生活支援を目的としているという事実は、それが単なる営利事業ではなく、国民の生きる権利を支える社会福祉制度の一翼を担うものであることをも意味している。

よって介護事業者で勤めている人々は、自分が従事している仕事がこの国の社会福祉の一翼を担う仕事だと考えてよいと思う。そのことに使命感と誇りを持つことは悪いことではないし、むしろその責任をしっかり意識して、すべての関係者が利用者の生きる権利を保障しうるスキルを身に着けるという動機付けを持つべきだ。その部分では高邁(こうまい)な精神を持ってよいと思う。

だからと言って介護の職業を高邁な概念に祭り上げるだけで、そこで働く従業員がその名誉だけを感受するだけに終わって、適切な労働対価を求めることが、高邁な精神と相反するものだと非難を受けるようなことがあってはならない。

介護事業が、利用者の生きる権利を支える仕事だという理由で、支援者の権利や暮らしがおざなりにされてよいわけがないのである。

そもそも「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という考え方は、介護事業においても必要である。介護事業だから滅私奉公が当たり前という考えや、自分の暮らしを顧みずに献身的に奉仕することが社会福祉であるなんてことはあり得ないし、あってはならないのだ。

介護事業を利用する人の権利が護られ、暮らしの質が向上するために、従業員の暮らしの質が無視されてよいわけがなく、従業員の暮らしの質が上がるからこそ、健全な精神にもとに、プロフェショナルとしての自覚が芽生え・育ち、高品質なサービスにつながっていくのだと考えねばならない。

事業経営者も、「福祉事業なんだから」という理由で、従業員の待遇が無視されて、さしたる経営努力もせずに従業員の劣悪な待遇で介護事業が支えられているという状況はあってはならないのだ。経営者が、知恵も働かせず工夫もしないで、「経営が厳しい」といって、従業員の待遇改善をおざなりにするのは、経営者自身の無能を証明しているようなものだ。

そういう意味でも、安易に人件費を切り下げようとする事業者に明日はないと言える。従業員はそういう事業者と事業経営者を見放す必要があるのだ。

特に待遇を改善しない理由を、福祉の精神に求める介護事業経営者は最悪だと思ってよい。社会福祉の概念も精神も、本来そんなところ(事業経営というステージという意味)に存在するものではないからだ。

これからの介護事業は、単価が抑えられる中でサービス利用者は増えるのだから、いかに顧客を数多く獲得するかが事業経営にとって一番求められる戦略だ。それができれば介護事業は、まだまだメガビジネスチャンスだ。そうであれば効率的にサービスを提供し、顧客を増やし事業を拡大していく必要がある。

しかし事業規模を大きくするということは、それだけ人材が必要だということだ。どういう経営主体に人材が張り付いて、事業規模を拡大できるのかを考えていかねばならない。それに思いが及ばない経営者は、深い傷を負う前にささっとこの業界から退場したほうが良い。

だからと言って介護事業において事業経営者が事業収益を求めること自体が、福祉の精神に反するような考え方があってはならない。事業収益を求めるからこそ事業経営を継続でき、従業員にその労働に見合った対価を支払い続けることができるわけで、その戦略は必ず必要になる。収益を挙げて事業拡大を図る経営者が後ろ指を指される理由は全くないのである。

指弾されるべきは、経営能力がなく経営戦略も事業戦術も立てられず、事業廃止に追い込まれて従業員を路頭に迷わせる経営者である。

どちらにしても将来に備えて収益の一部を事業規模拡大に投資することなく、自らの懐を肥やすだけの経営者に明日はない。同じく自分の懐具合だけを気にして、人材を集めるために必要となる従業員の待遇を向上させる工夫をしないで、内部留保だけを膨らませ続ける経営者も、砂上の楼閣に立っていると言っても過言ではないだろう。

社会福祉の高邁な精神は、従業員がそのことに使命感と誇りを持って、サービスの本質向上につながる意識に向けるべきだろうし、そのために必要な対価は、考えうる最高のものを従業員に手渡していくという考え方がなければ人材は集まらないだろう。

※4/4〜新しいブログ、誰かのあかい花になるために始めました。こちらも是非ご覧ください。










※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せられます。

介護職員はどんな職場を就職先として選ぶべきか


介護職を目指す人にとって、就職先を見つけること自体はさほど難しいことではない。

というより介護職は、どこの介護事業者でも不足しているので、引く手あまただ。だからと言ってどこにでも就職できると高を括っていると、将来後悔することになる。

ある調査によると、介護福祉士養成校の新卒者で10年同じ職場に勤務している人と、10年間で4カ所以上職場を変えている人との年収を調査すると、平均で年額25万以上の差が生じていて、同一事業者で継続勤務している人の方が年収が高くなっているという結果が出ている。

この傾向は、昨年10月から算定できるようになった特定加算によってさらに強まると予測できる。なぜなら特定加算が一番多く配分される、「経験のある介護福祉士」については、その経験10年以上を法人単位でみて決定している事業者が多いからだ。経験については、事業者判断で他事業者の勤務年数と通算できるルールになっているとはいっても、実際に他事業所の経験を通算している事業者は少ないのである。

このことによって、職場を転々とする介護職員は、介護福祉士の資格を持っていても、いつまでもaグループに入れずに、bグループの「その他の介護職員」のままになる可能性が高まっている。そうなると月収ベースで、aグループの人と数万円の差が生ずるのだから、年収差はさらに広がることになる。

勿論転職組の中には、引き抜き・キャリアアップの人もいて、それらの人は前の職場より好条件で雇用され、特定加算も前職場の経験を通算してみてくれるという条件で再就職している例もあり、それらの方々は年収がアップしており、前述した調査結果には該当しないと言える。

しかし平均値で見る限り、キャリアアップ・収入アップの転職組は、そうでない転職組より圧倒的に数が少ないし、転職回数が多くなれば多くなるほど、キャリアアップと程遠い理由による転職になっているという実態が見て取れる。

つまり高い年収を得たいのならば、できるだけ同じ事業所で働き続けて、そこで偉くなるのが一番てっとり早い方法であると言えるだろう。しかし事業者もいろいろで、能力や経験に見合った対価を手渡してくれないことには、長く働いてもどうしようもないのだから、給与規定はどうなっているのかということも当然大事な選択要素になる。

しかしそれよりも何よりも、その事業者が安定して経営が続けられなければ意味がないのだから、将来性があるかどうかも睨んでほしい。介護事業であれば、顧客に選ばれて将来事業規模が拡大できるような経営戦略を持っているのかということが一つのポイントとなる。今現在、顧客に選ばれている事業者なのかについても注目すべきだ。そしてサービスの質に対するこだわりがあり、質の管理、向上に向けた方針なりシステムなりがあるかどうかも見極めるべきである。

そもそも生産年齢人口が今後も減り続けるのだから、労働対価を適切に支払わない事業者には人材が集まらず事業ができなくなる。介護事業経営者が収益を抱え込んで従業員に還元しない事業者もなくなっていく。そんな事業者に就職しても、短期間で次の就職先を探さねばならなくなるのだから、そんなことがないように職場を選ばねばならない。

そんな中で長く安定的に雇用と対価が確保される事業者とは、どんな事業者かを考えて選ぶべきだ。

職員募集の際に、年齢や経験・資格などを全く指定せず、誰でもよいかのような募集広告を出している事業者は選ばないほうが良い。そこは常に人手が足りない状態で、とりあえず誰でもよいから採用したいという意味なので、そんなところの職場環境が良いわけがないからだ。

少なくとも、「経験不問」・「未経験者歓迎」などと募集している事業者においては、それらの人をきちんと教育できるシステムがなければならないはずなのだから、「未経験の人をどのように育てているんですか?」と面接時に質問して、そのシステムを明確に答えられずに、「先輩職員が現場できちんと教えますから」などでお茶を濁す答えしかできない事業者に就職しないことである。

そんな介護事業者では、根拠の無い経験だけが頼りの間違った介護が日常化しており、職員も疲弊し、利用者の暮らしの質もおざなりにされてしまうからだ。職場環境として最悪だ。

人材不足が叫ばれている今日でも、年齢や経験・資格などをきちんと示して、条件を示したうえで職員募集をしている事業者は、そういう人しか求めていないという意味で、経営理念が募集に現れているとみてよい。

人材をしっかり見極めて職員を採用しよとする事業者は、サービスの品質もそれなりに担保されているだろうし、職場の人間関係をはじめとして環境の整備にも力を注いでいる可能性が高い。そこは長く働くことができる可能性が高い。

そういう意味では、職員の定着率が高いかどうかにも注目すべきではないかと思う。働きやすく、コスパに見合った対価を得られる事業者ほど、職員の定着率は高まる傾向にあるからだ。

少なくとも職場理念や就業規則の定めを理解していない人が、面接担当者である職場や、給料表もなく、給与規定のない職場は最初から選ばないほうが良い。そこは労務管理ができていない職場であると言ってよく、経営者の能力も知れてくるので、廃業予備軍と見てよいだろう。

どちらにしても、就職先がたくさん選べるからと、とりあえず就職してみる的な考えを持っている人は、社会の底辺予備軍である。選べるからこそ、数多い選択肢の中から最良の選択をして、そこで経験を長く積み、偉くなる出来である。

職場の中でそれなりの地位に就くことで、自分の理想も実現可能性が高まるわけだから、この国の介護の質を少しでも高めようという動機づけを持っている人が、職場を転々と変えて、いつまでも職場を動かす地位に就けないことは、その動機づけや意思に反した行為だと自覚すべきである。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せられます。

みまもり看護システムは安心介護を支えるためにあります(居住系施設編)


24時間見守り看護サービスを行ってる博多の株式会社ワーコンの顧問業務を一旦終了し、今日僕は北海道の自宅へ戻ろうとしています。

今月はすでに博多で2週間近く顧問業務に従事し、近直の3連休も関係なく仕事をしていました。明日、登別市の認定審査会に臨むために北海道に帰りますが、3月6日に博多に戻ってきます。勿論、ワーコンの顧問業務のためです。この会社の事業展開が、日本の介護問題の解決に必要不可欠であると確信しているので、しばらくここに力を入れようと思っているからです。それは人材対策の面で特に求められることだと思っています。

人材不足が叫ばれる中、介護職員の身体的・精神的業務負担の軽減は、人材対策として最も求められることです。特に夜間帯に医師や看護師のいない特養や有料老人ホーム、グループホームなどでは、夜勤業務の不安から職員募集に応募がないところが多いです。

そんな時、24時間看護師が利用者の状態観察を行い、夜勤中も必要な連絡をしてくれるとしたら、職員の業務負担は大幅に減ります。しかも遠隔であっても看護師と直接コミュニケーションを交わして、必要な情報をもらえるという安心感に変えられるものはありません。

つまりワーコンのシステムを施設業務等に導入すると、看護職員を一人雇用した効果が生まれるといって過言ではないのです。しかもその価格は驚くほど安価です。一度ご相談ください。

ワーコンの見守り看護システムは、利用者の体に直接触れない生体センサーとコミュニケーションロボットを使うものですが、それは監視システムではなく、プライバシーに配慮しながら、必要な情報をコールセンターの看護師が読み取り、ご家族や訪問診療医師、訪問看護師等に情報を伝えるシステムです。(参照:施設サービスの一部もアウトソーシングできる時代

機械を設置することで、居室を病院化するようなイメージを持つ方もいると思いますが、それはあくまでコールセンターと居室をつなぐ通信システムであって、利用者の方の身体に影響を及ぼすものではなく、あくまで利用者の住まい(施設も含む)で最大限できる医療・看護や介護を支えるものです。機器を設置する際は、居室の環境に配慮して日常生活の支障にならないように最大限の配慮に努めます。

このシステムは利用者の方の急変時に救急対応を行うことを目的としたものではなく、住み慣れた場所で最期まで過ごすことが出来るように、急変時でも居室で医療や看護を適切に利用するためのものです。医療機関に入院していた方が、終末期と診断された後、このシステムを利用することで住み慣れた場所に戻って最期の時間を過ごすお手伝いも可能になります。

見守りが必要な人は、コミュニケーションロボットを通じて常時の見守りを行うことも可能ですが、見守りが精神的に負担になる方はその機能を使わずに、居室で利用者や介護する方等が必要な時に呼びかけた際のみ、コールセンターとつながることもできます。

生体情報はコールセンターに常時送られてきて、身体状況の変化t等の情報は必要な関係者に送ることが出来ますので、介護する方が常時利用者を見守る必要もなくなり、必要な場合のみ介護をすることにつながります。
生体情報モニター画面
上記画像は生体情報画面です。この情報が24時間コールセンターに送られてきて、リアルタイムにモニターされています。寝ている間、表面上は全く変化がなくても、狭心症発作を起こしていることなども読み取れます。画像の下の方に示されているのはワーコン独自の活力指数で、看取り介護の時期なども予測することが可能になります。つまりこのシステムは、自宅に療養の場として機能を組み込むシステムと言えます。決して自宅を病院化するシステムではないのです。

こういったセンサーを利用し見守りの業務をアウトソーシングすることで、施設の業務負担の軽減につながります。このシステムの導入により、施設職員は夜間にすべてのフロアを巡回する必要はなくなります。生体センサーや、見守りロボットが設置されている部屋は、基本的に何かある時だけ駆けつければよいのです。しかもその対応の仕方については、24時間み見守っているコールセンターの看護師にアドバイスを求められるのです。看護の専門家の視点から必要なアドバイスもしてもらえることになり、医療・看護職が配置されていない時間の勤務に不安を抱えている介護職員の心の支えになることもできます。

しかもこの体制を組めば、夜間オンコール待機している施設看護師の負担が大幅に減ります。

ここが警備会社の単なる見守りシステムとの違いです。そのことが他施設との差別化となり、職員募集に応募も増えるという可能性にもつながります。

つまりこの、「みまもり」は単なる見守りや監視ではなく、「看護もり:みまもり」なのです。

看取り介護の方の部屋にそうした設備を導入すれば、看取り介護と称した、「施設内孤独死」も防ぐことが出来ます。生体情報を見守る看護師から、最期の瞬間が訪れるという情報が送られてくるので、その情報に基づいて対応すればよいからです。生体情報は24時間前くらいから変化が見とれるので、家族も最期の瞬間に間に合わずに悔いを残す可能性も限りなく低くなります。

昨年6月、兵庫県明石市の介護付き有料老人ホームで、入居者の男性(91)が自分の部屋で死亡したまま、死後約2週間発見されず、腐敗が進んだ状態で見つかったという痛ましいニュースが日本中を駆け巡りましたが、そのような信じられない死に方が日本中で起こってくるのが、超高齢社会・多死社会の現実です。ワーコンのシステムは、そのような孤独死を確実に減らすことができるシステムです。

特養や有料老人ホームの部屋に、見守り看護システムを設置する場合は、あくまで施設の備品としての導入ですから、ワーコンと導入施設の契約事項になります。システムをいつ稼働し、どう使用するかも施設とワーコンとの契約内容によります。

その部屋とシステムを利用者がどのように利用するかは、導入施設と利用者の契約事項になります。その際にワーコンは、システム管理業務を担う立場で、契約の際の説明の支援などができます。

なおそれ以外の利用方法として、有料老人ホームが提案して、有料老人ホームの部屋にシステム機器を設置し、利用者とワーコンが直接契約するという方法もあり得ると思われます。

なお介護保険サービスにおける各事業運営規定では、見守りをアウトソーシングすることまでは禁じていません。それは、「入所者の処遇に直接影響を及ぼさない業務」と解釈でき、見守りの結果、その報告を受けて対応するのが指定事業の従業員等であれば全く問題ないわけです。

ですから外部サービスとして、訪問看護や訪問介護を利用している方の、緊急対応にこのシステムを利用しても問題とはなりません。

在宅の方の場合もいろいろな使い方ができます。さらに言えば今問題となっている新型コロナウイルス等の感染症の方への対応にも威力を発揮します。それについては明日と明後日で詳しく紹介・解説します。(在宅編に続く)

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せられます。

社会資源としてのボランティアに頼る経営の危うさ


日本全国のどこの介護事業者も人材不足が最大の経営リスクだ。

だからこそ人材が集まり、人材が定着し、やがてそれらの人たちが人財となり得る組織作りが求められている。この部分を他の事業者に先駆けてシステム化していかないと、やがて事業経営は行き詰まらざるを得ない。

しかし逆に言えば、他事業者との差別化を図ることのできる人材確保と定着率の向上につながるシステムをしっかり作り上げた事業者は、地域の中で勝ち組になっていくのである。

なぜなら全国のすべての介護事業者で、人材が充足される見込みはないからである。人材確保の勝ち負けが、事業経営に直結してくるからである。

今年は団塊の世代の人たちが、すべて70歳に達するが、それらの人たちは元気で、介護支援を要しない人が多数派である。しかし加齢という自然現象こそが、それらの世代の人々のマジョリティーが、要介護・要支援者となっていく最大の因子であり、団塊の世代の人々の多くが何らかの介護支援を要すことになることは必然の結果である。

しかもその数が途方もなく大きな数であることは間違いのないところで、それらの人々を支える介護支援の量的充実が最も必要となる。でも本当にその量は確保できるのだろうか・・・。

だって、それらの人々を支える塊は団塊ジュニア世代しかなく、その次の塊の世代はこの国には存在していないのである。

そして団塊の世代は2040年に全員90歳に達する。その時に団塊の世代を支えてきた団塊ジュニア世代は、すべて65歳以上となるのである。その時に団塊ジュニア世代が、介護支援のマンパワーとしていつまで頼ることができる存在なのかという問題が噴出してくる。

どちらにしても我が国では、団塊の世代が減る時期に、団塊世代で介護支援を要する人と団塊ジュニア世代で介護支援を要する人を、セットで支えていかねばならないのである。その時期がすぐそこに来ているのである。

だからこそ介護事業者には様々な対策が急がれている。外国人労働者を戦力に組み込んでいくということは極めて当然のことであり、それらの方に選んでいただき、それらの方々が定着できる職場環境づくりや、システム変更も必要不可欠である。

ただし外国の人たちが、将来何年にも渡って職場の戦力になり続けるかと言えば、それは不透明だ。EPAで受け入れた当初の外国人人材には、優秀な人材がたくさんいて、それらの方々にふさわしい賃金を支払っている事業者も多かったが、その方々の多くはもう日本に残っていない。母国に帰ってしまっている現状を見ると、外国人の方の多くは、永住より一定期間のスパンの中で出稼ぎをしたいと思っていることがわかる。

だからこそ、テクノロジーが人に替わることが出来る部分は、どんどんそれを取り入れていかねばならない。見守りはICTが人に替わることが出来る部分である。その部分の省力化を図らない職場からは、人材は逃げていくと覚悟しなければならない。(参照:居住系サービスの一部もアウトソーシングできる時代

この機械化を嫌って、人海戦術に頼ろうとする人が多すぎる。特に元気高齢者をはじめとしたボランティアという資源で人材不足や社会資源不足を補おうとする考え方は間違っている。ボランティアも資源不足が深刻化するのは目に見えているからだ。

そもそも年金等の社会保障不安は、高齢になってもリタイヤせず働き続ける人が増えることにつながっていくのであるし、定年の延長によって、リタイヤした後は自分のために時間を使いたいという人が増えるのだから、年金をもらいながら悠々自適にボランティアに生きがいを求める高齢者は、今後大幅に減ってくるのだ。

そもそも対人援助の仕事は、個人のプライベートな部分に深く介入し、誰かの人生の一部に踏み込んでいく責任がある仕事だ。ボランティアをここに介入させるとしても、ケアの質に直接影響を及ぼさない間接的な働きかけに限定すべきである。責任が強く求められる部分へのボランティアの介入は避けるべきだ。日本ではまだそこまで高度で豊かなボランティア精神は育っていないのである。

本人のやる気と善意に頼り切ったボランティアを主戦力にしてはならないのだ。ボランティアを充てにした事業戦略など成り立たないのである。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せられます。

人が育ち定着する職場のマストアイテム


人を育てるために職場内での教育は絶対に欠かせないが、正しい教育を行ったからといって必ず人が育つと考えるのは間違った考え方だ。

介護事業経営者や管理職にこの両方の理解がなければ、人が育ち定着する職場は創れない。誰でも採用して、採用した後はどんなスキルの人間であっても、闇雲に働き続けるようにするだけの介護事業経営ではいかんということだ。

一定期間を経ても教育効果があらわれない人の能力を見極めて、介護の仕事に向かない人は途中で辞めてもらうという、「試用期間」の規定をきちんと定めているだろうか。

試用期間中であっても、雇用者側の都合で勝手な解雇はできないが、試用期間中の解雇については通常の解雇よりも広い範囲で解雇の自由が認められており、「求められる能力に達していないとして」ということも合理的理由とされ、使用者が解約権を行使できることは、過去の判例でも示されているわけである。(参照:人材不足だからこそ採用は慎重に

だからこそ経営者や管理職には、試用期間という中で被雇用者の能力を見極めるという考え方が必要だ。それは採用時に、応募者の人となりをすべて見極められないという、ごく当たり前のことが前提になっている。

人を採用したのだから、あとは現場任せの経営では、人材不足が解決することはない。

今の日本の状況を考えると、介護事業者にとって初めから戦力になる人が何人も職員募集に応募して採用でできるなどという奇跡を信じても始まらない。

介護福祉士養成校は、年々日本人学生の入学者数が減っており、卒業生もごくわずかの数で、地域の介護事業者が職員として雇用できる人の数としてみても不十分なのだから、そんなところに人材供給を頼ってもしょうがない。

介護事業者が人材確保するためには広く職員採用の網を広げて、基礎知識や介護技術のない人を含めて採用しないと、介護事業は廻っていかないことを理解すべきだ。

だからこそ職員は自前で教育する覚悟が必要になる。経験と技術のない人を採用して、それらの人たちの個別の能力をしっかり見極めながら育てていくという考え方とシステムがない場所からは、人が枯渇して当たり前だ。

全国のどこへ行っても介護事業の人材不足は深刻で、人材確保が大きな課題であることに変わりがないが、それを嘆くだけではどうしようもない。

そうであるからこそ、自前の人材対策が求められるのだ。国が何とかしてくれるとか、待っていれば状況が変わるなんて考えている介護事業経営者は、即刻引退したほうが良い。そんな人はまもなく自分の甘い見込みが、自分や自分が経営する事業を追い込み、経営が続けられなくなるだけならまだましで、やがてそのことにより絶望して精神や身体を病む結果になりかねないからだ。

経験や技能のない職員を育てるためには、現場でコーチィングができるリーダーが必要であり、経営者や管理者は、まずそうしたリーダーを育てなければならないことは、このブログで何度も指摘してきた。

だからと言ってコーチィングできるリーダーを育てれば、それだけで職員が全員育って、人材確保に困らない事業者にあるという単純な問題ではない。採用時点で人物を見極めないと、いくら優秀なリーダーでも育てられないスキルの低い人によって、職場はかき回され人間関係も悪くなり、良い人材から辞めていくのだ。

採用時点でスキルの低さを見極められなかった人間が、「腐ったミカン」のように周囲の職員を毒していき、良い人材がバーンアウトして行く。そういう職場には手を動かすより先に、愚痴を言う口を動かすだけの職員だけが残る頃になり、不適切サービスがそこかしこにはびこるだろう。

そういう職場に限って、人がこれ以上いなくなれば業務が回らなくなるからと、就業態度が悪くて、スキルの低い職員に注意ができなくなって、何でもありの荒れた職場環境になりがちだ。

悪い態度や間違った行動を叱ると、それを嫌がって辞める人は、これ幸いと辞めてもらえばよいのである。辞めることを恐れて、スキルのない人間に注意ができない職場が、どんな職場になるのかは、さほど深く考察しなくてもわかりきった問題である。そういう職場の経営陣は、職員の不適切行為や虐待がやり玉に挙がって、マスメディアの糾弾を受ける危険性が高まっていることを自覚すべきだ。

人を育てるために厳しく指導する人を慕う職員が増えることによって職場環境は良くなるし、人材は育つことを忘れてはならないのである。

だからこそ人を育てる職場では、育つ気持ちとスキルがない職員を、試用期間中に見極めて解約権を行使するという、「経営者の覚悟」が必要だ。人を育てる能力がないリーダーをその立場から降ろすという、「経営者の覚悟」も求められる。

向かない職員を採用しないという過程では、一時的に業務が廻らなくなるほど人手が足りなくなるかもしれない。その時は一時的にショートステイを休止したり、受け入れ定員数を下げたりする覚悟も必要だ。身の丈に合った事業規模に縮小する時期を経ながら、人材を育て人財を定着させた暁には、元の事業規模に戻して、かつ高品質なサービス提供ができ、顧客から選ばれるのである。

そういう意味では、介護サービスの品質をアップさせるための、「雌伏の時期」を耐える「経営者の覚悟」が必要で、一時的に収益が下がることもやむを得ないと考える、「経営者の覚悟」も必要なのだ。

よって、人が育ち定着し勝ち残る職場のマストアイテムとは、「経営者の覚悟」なのだと言えるのではないだろうか。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

人がいない時代に人が集まり勝ち残る介護事業とは。


今年の新成人の数は122万人で、前年より3万人の減少となり、10年連続で総人口に占める新成人の割合が1%を割り込むことも確認されている。

それだけ生産年齢人口の数も、全人口に占める割合も減っているという意味で、我が国全体の労働力不足はますます悪化の一途をたどると思われる。

僕の住む登別市を含む西胆振の6市町でも事情は同じだ。昨年より新成人の数は121人も減っているのだから、この地域の労働力も不足の一途をたどり、全産業で人材確保が課題となり続ける。

そんな中で介護労働は、一段と深刻な事態に対処せねばならない。

介護職員に対する処遇改善加算によって、介護職員の賃金は確実に上昇しており、データの抽出方法によっては、女性だけを取り上げればその額はすでに全産業平均給与を上回っているという見方もある。にもかかわらず介護の仕事は相変わらず若者に人気がない。

特に過去のネガティブキャンペーンの影響が残り、相変わらず3Kあるいは5Kというイメージが根強い介護の仕事に対して、高校の進路指導の担当教員の拒否感は依然強いものがある。介護福祉士養成校に進学しようとする生徒を職員室まで呼び出して、その考え方を変えるように進路指導する教員が全国にたくさん存在している。

だからこそ介護事業関係者は、もっと発信力を持って、介護の職業は決して低賃金の重労働ではいことをアナウンスしていかねばならない。きちんと資格や技術を得ながら、信頼される仕事を重ねて経験を重ねていけば、それに見合った労働対価は得られるし、何より人の幸せや豊かな暮らしに寄与できるという、誇りを持つことができるということを世の中に伝えていかねばならない。

同時に介護事業経営者は、本当に胸を張ってそう言えるように、収益をきちんと挙げる経営を続け、従業員に仕事に見合った労働対価を渡していく必要がある。

昨年夏にSOMPOケア株式会社が、リーダー級の活躍をして現場を支えている介護職員の社員の賃金を、2022年までに看護師と同等の水準まで引き上げると発表しているが、そうした改革と改善に取り組んでいかない介護事業者に未来はない。

だがそんな中で、またもやショックな報道に触れることになった。

10日 21時08分に配信されたNHK NEWS WEBによると、訪問介護職の有効求人倍率が昨年度13.1倍まで上昇し、すべての職種の平均と比べておよそ9倍になっているという。そしてこのように訪問介護の担い手が不足する背景には、非正規雇用が多く、仕事の大変さのわりに収入が低いことなどが指摘されている。

ヘルパーは介護施設の職員が定年退職した後に再雇用されることも多く、高齢化も進んでおり、それらの人が退職時期を迎えた後に、あらたな求人応募がなかなかないという事情もある。しかしヘルパーが減れば、地域で暮らす高齢者の訪問サービスがなくなることになってしまうのである。それは実質、地域包括ケアシステムの崩壊を意味する。だからこそこの対策は事業者レベルで対処するにとどまらず、市町村責任で取り組みを行う必要があるということだ。

しかし介護市場には今後も莫大なお金が落ち続けていくのだ。社会保障費の自然増を半減する政策が続けられたとしても、高齢化の進行は高齢者の数の増加と、介護支援を必要とする人の数の増加をにつながっていくのだからそこにかけなければならないお金は増え続けるのだ。介護給付費だけを考えても、その額は2028年には20兆円になるとされている。これ2018年より10兆円も介護給付費が増えるという意味だ。その周辺に存在する保険外サービスの費用を含めると介護は100兆円を超える市場規模になる。

つまり介護事業者は、サービスを提供する人が集まりさえすれば、顧客が確保でき収益を挙げられるのである。介護市場にはまだまだビッグビジネスチャンスが存在しているのだ。それは決して幻ではない。

ヘルパーが足りないために事業拡大ができない事業者が多く、事業撤退する事業者が増える中で、顧客は増え続けるのだ。だからこそ経営者の能力が問われてくる。ここ独自の人材確保戦略を盛り込んで、他社との人材確保競争に勝ちることで、大きな収益が挙げられるのである。

外国人労働者をきちんと戦力にしないと介護サービス事業は成り立たなくなるが、それだけでは成功しない。同時にそこに人材が定着してくためには本当に人の役に立ち、人を幸せにする実践を積み重ねていかねばならない。

介護の仕事をしたいという動機づけを持つ人は、事業者にとって役に立つ人材となる可能性が高いのだから、そういう人が定着する職場とはどういう職場なのかを考えてほしい。

そういう人たちは、人の役に立つ仕事であるとして、介護という職業に使命感を持ち、誇りを持っている。その使命と誇りが汚されたとして辞めていくわけだ。そういう人たちの使命と誇りを護る介護事業とは、ひとえに人の暮らしを護る高品質なサービスを提供できる職場である。

顧客に対するサービスマナーはその基本であり、そこからホスピタリティ精神が生まれ、さらに高いサービスの品質が生まれるわけである。そうした職場にする教育システムにお金をかけない事業者は、今後人が集まらずに、顧客がそこに居てビジネスチャンスがあるのに、指をくわえてそれを見ているだけの存在になるだろう。

そうしないための経営者や管理職の意識も変わっていかねばならない。覚悟を決めて採用や労務管理の在り方を変えていく必要がある。職員教育の充実は急務だ。単に仕事を覚えさせるだけではなく、仕事上の悩みを受け止め、専門職として成長動機を持つことができるスーパビジョンができる人材も社内で育成していく必要がある。

人材確保に苦しみ、職員の定着率が上がらない事業者は、今のままのやり方では永遠にその課題は解決しないことに気づくべきだ。それは廃業への一本道である。そうしないための経営戦略の練り直しが、今一番求められることなのである。
※お知らせ
顧問先で仕事をするために、2/4〜2/6、2/10〜2/16の間、福岡市に滞在しております。この日程の間でしたら、夕方6時以降で職員研修などの講師をお受けすることができます。交通費や宿泊費が一切かからず、講演料のみでお受けでします。サービスマナーや、介護実務、ケアマネジメント、看取り介護、人材マネジメント、スーパービジョン、制度改正・報酬改定など、すべて実務に即してお伝え出来ます。講師希望の方は、ぜひ気軽にメール等でご連絡ください。連絡先は「北海道介護福祉道場 あかい花」の公式Webに掲載しております。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

介護事業者は職員のスキルアップを自己責任に転嫁できない。


政府が勧める、「働き方改革」が、本当に日本の将来のためになるもので、求められる改革なのかは議論のあるところであるが、確実にそれは日本の様々な職場に影響を与えていくだろう。

大手企業ではすでに年功序列賃金を廃止しているところもあるが、その流れはこの改革で広がる可能性が高いと思う。それだけではなく日本型の終身雇用制度も徐々に失われていくのではないだろうか。

そんな中で企業は、採用した職員をじっくり育てて将来の戦力にしていこうという動機づけを失っていくかもしれない。最初から戦略となる職員を採用して、使えなければやめてもらうという企業体質が強くなっていくのではないかと懸念している。

そうなるとこれからの企業は、職員のスキルアップを会社を挙げて取り組むより、スキルアップは従業員の自己責任として、会社はそれに見合った対価しか与えないという風に流れていくと予測できる。

雇用される側は、自分の価値を上げるために自分自身でスキルを高めて、自分個人を企業に売るというふうに意識変化が求められるかもしれない。

介護事業にとっても、「働き方改革」の影響は決して小さくはない。

有給休暇の新規定は、大きな事業者ならばすでにクリアしているところも多いだろうが、小規模事業所はその対応のために人を増やさねばならないかもしれない。(参照:年次有給休暇の改正対応はできていますか

どちらにしても人材がさらに求められる中で、職員に与えなければならない休日規定によって、さらに少ない人数で業務を回さなければならないという介護事業者も増えることが予測される。

そうなると職員教育の必要性は理解していても、研修のためにとれる時間は減るので、就業時間中に職員教育の時間が取れないという事業者も多くなるし、外部研修にも職員を派遣できなくなったり、派遣人数を減らしたりという事業者も多くなるかもしれない。

だからと言って大手営利企業のように、スキルアップは自己責任・他人任せにして、スキルのある人材だけを雇用し、それに見合った対価を支払うことで、スキルのない従業員が淘汰されていくなんて現象は、経営体力の弱い介護事業者で起きるはずがない。

そもそも介護事業は、機械に変わることができない人の力で成り立つ部分が多く、人材集めが何よりの課題であるが、収益は介護給付費という国定費用が中心である。よって大手営利企業のように、求められる人物には莫大な費用をかけて雇用するということは不可能だ。これは規模が大きな法人でも同じことで、物が売れれば青天井で利益が出る企業と、国定費用という天井のある事業を中心に主益を得る事業との大きな違いである。

むしろ介護事業にとっては、教育システムを従業員の自己責任にしたり、人任せにすることは、長期的にみれば事業損失であるし、事業経営危機にもつながりかねない。

このブログで何度も指摘しているように、人材は国の政策で何とかなる問題ではないので、事業者独自で人を集め、定着させないと事業継続ができなくなるのである。そのアイテムとなる重要なパーツが、「魅力ある教育システム」である。

そもそも対人援助の仕事は、人の暮らしに深く介入していくもので、その品質を左右する職員の質の担保を、職員自身の責任に転嫁したり、他者に委ねるなんてことになれば、それは責任放棄と言われかねない問題だ。

介護の仕事とは単純労働ではなく、決まった作業対象に対して同じ手順で結果の分かった作業を行うものではない。対人援助においては、マニュアルや手順に沿った業務を行っていても、人によって結果が変わってくるという特徴がある。正しい手順で業務が行えるようになったからといって、必ず目標が達せられ、利用者の課題が解決できるとは限らないのである。

だからこそ実際の仕事は、一人一人の授業員が自分の頭で考え、自分の判断で行動しなければならない場面が多々生ずる。経験の浅い職員は、そこで迷い悩むことが多いために、適切な助言・指導・支持を受ける必要があるのだ。それがなければバーンアウトしてしまう確率が高まるので、介護事業者は、その教育や指導をおざなりにはできないのである。この部分は従業員の自己責任とか、人任せにしてはならないのである。

そのためには職場内教育システムの確立が急がれる。

一例を挙げれば、新任教育としての基礎教育(基本的に座学)をプログラム化し、それを終えた後期間を定めたOJTを行う必要がある。その際に計画的に根拠ある指導を行うためのOJTツールの作成は不可欠である。さらにOJTを終えた後の継続的指導としてのスーパービジョン(以下:SV)を業務に組み入れる必要がある。

そしてSV終結後にも、職員はスーパーバイザー(以下:SVR)にいつでも相談できる体制を維持し、必要に応じてSVを受けられるようにする仕組みも重要となる。

そうであればSVRが誰であるのかを定め置き、各セクションごとにそのことを周知しておくことが大事になる。

このときSVRは職種によって決まるものではなく(※例えば主任ケアマネが必ずSVRとなるということにはならない)、職能と職制によって決められるものであるという理解が必要である。基本的にはその役割を担うべきは各職種のリーダーであり、直属の上司であることが望ましい。

よって介護施設等の介護職員のSVRは介護主任などのリーダーになるだろうし、居宅介護支援事業所の場合は、管理者がその任に当たるのが最善である。

今月17日(金)の福井県介護支援専門員協会主催・介護支援専門員資質向上研修研修、「スーパービジョンとOJTでは、このあたりのことを詳しく伝える予定である。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

人材マネジメントには腐ったミカンの方程式の視点が欠かせない


介護保険制度改正や介護報酬改定の1丁目1番地は、「自立支援」と、その評価だという人がいるが、僕はのその意見には反対だ。

自立支援は理念の一つとして重視されることにいちゃもんを付ける気はないが(結構いちゃもんつけているっしょ、という声は無視する)、それが最も重要だという価値観にはついていけない。

高齢者はいつまで尻を叩かれ頑張り続けなければならないのだ。むしろ頑張り続けて自立を強要されている人より、必要な支援を受けることによって幸せな暮らしを送ることができ、人生を全うしている人もいることに目を向けて考えなければならない。共立という視点があるからこそ、多様な幸福が存在するのだ。そういう意味でも、自立支援にだけに価値観を見出してはならない。

そもそも我々が向き合っているのは物ではなく人なのだ。

感情のある心を持った人間と向き合う仕事であるという本質を考えれば、「自立支援」というただ一つの価値観を1丁目1番地に置くなんていう冷酷な考えにはならないはずだ。むしろそうした考えは、暮らしの多様性を否定してしまうものであり、自立支援よりも大切なのは、「生活の質」であり、それを担保するには、誰か手を借りるシーンがあったって良いのである。
(※参照:「洗脳された人たちの脅迫介護」・「給付制限ありきの自立支援は地獄支援でしかない」)

じゃあお前は1丁目1番地に何を置くかと聞かれれば迷うことなく、「人材確保・人材育成」であると答える。

制度をどう整えても、それを動かず人材がいないと、制度あってサービスなしという状態に陥る。

サービスをなくしては困るからと言って、人材が見つからない場所で誰でもよいから採用してしまえば、サービスあって品性なしという状態に陥る。

人員にしかならない職員によってサービスの質は劣化していくしかない。その結果、サービスの質が低下するだけではなく、不適切サービスや虐待が生まれる。そうした場所では利用者の尊厳など護られるわけがなく、サービスを受けることによって、豊かな暮らしが実現するのではなく、逆に傷つけられてしまう利用者が生まれてしまう。それは介護サービスの本来の在り方とは対極に位置すべき状態であり、あってはならない状態である。

そのような劣悪なサービスの原因となるものとは、働く従業員そのものであり、それは人員とも言えず、「人罪」としか言いようのない存在である。そういう人間を対人援助の場に居させてはダメなのだ。だからこそ介護事業経営者や、介護事業者の管理職の方々には、人員配置だけに目を奪われずに、人材確保と人材育成に目を向けてほしいと思う。そこを1丁目1番地に置いてほしいのである。

しかし採用時点で人物を完全に見極めるのは至難の業だ。だからこそ試用期間を設けることができるのであり(試用期間は労働基準法等の労働法規で、設けなければならないとはされていない。)、就業規則にきちんと試用期間を定め置いて、その期間中に人物の見極めを行うべきである。

勿論、試用期間と言えども労働契約自体はすでに成立しているために、理由なく事業者都合だけで従業員を解雇することはできない。しかし試用期間中の解雇については、通常の解雇よりも広い範囲で裁量が認められており、過去にも「能力の大幅な不足」や「入社前に期待していた能力が入社後には全く発揮されず、担当業務をいくつか変えても勤務成績が上がらない」、「入社後の勤務態度が極めて悪く、協調性もなく、周囲の業務にも悪い影響を与える」などの理由により使用者が解約権を行使できるものとして、いくつかの判例が示されている。

対人援助としてのスキルに欠ける従業員を、試用期間中に選別して労働契約を解約することはできるわけである。その時に、「人の役に立つ職業」であるはずの対人援助において、人を傷つけるような対応しかできない職員についても、「対人援助のスキルに大幅に欠ける」として選別して、労働契約を解約することが求められるのだ。

試用期間中にサービスマナーを身に着けることができない従業員もしかりである。それは人の心と暮らしを護るべき対人援助の場では、致命的なスキルダウンであるとして排除されるべき従業員である。

職場全体でサービスの品質をアップさえようとして、サービスマナーを身につけようとしているときに、一向にそうしたマナーを身につけない従業員も同様に排除されていかないと、職場全体のマナーは向上しないし、サービスの品質もアップしない。

ミカン箱の中に、腐ったミカンが一つでも存在すれば、箱の中のミカンはすべて腐っていくのである。箱の中全体を腐らせないためには、腐りかけたミカンをできるだけ早く箱から取り出して捨てなければならない。たった一つであっても腐ったミカンを残しておいてはならないのである。

介護サービスの場でも、腐ったミカンを取り出しもせずに、そこに存在するままで放置してしまえば、職場全体が腐っていくことを肝に銘ずるべきである。だからこそ、人材マネジメントは、人を探し、職場に張り付け、育てるという一方で、ミカンが腐らないように環境を整えることが重要になるし、間違って腐ったミカンを発見して、取り除くシステムも同時に求められるのである。

腐ったミカンによって、フレッシュで未来が期待できるミカンも腐らせられるのだ。そんな腐ったミカンがある場所で、いくら新人教育に力を入れても、新人が職場を変えられるわけではないし、腐ったミカンに侵食されて、当初の志も腐っていく。

将来人材から人財となる素質を持つ若者が、腐ったミカンタメ口にストレスを感じて、マナー意識の低い職場から辞めていくという現状も見受けられる。

一方で、丁寧な対応ができる職場で働きたいという動機づけを持っている人は、考えられている以上に多いという現状がある。その人たちは、今きっとどこかで、腐ったミカンを取り除いて、浄化作用が働く職場を探している。

そういう意味では、腐ったミカンを取り除く先に、人員不足に陥るなんて言う心配はいらないのだ。フレッシュなミカンが、取り除いた腐ったミカンの数以上に集まってくるからだ。

そうした覚悟を持って介護事業経営にあたっていただきたい。そうした事業者としての理念やビジョンに共感できない職員は、組織の秩序は壊す要素にしかならないのだから、寄ってこなくてよいと割り切って考えるべきである。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

外国からの介護人材を戦力として固定化するために


日本介護福祉士養成施設協会の調査によると、2019年4月に介護福祉士養成施設へ入学した外国人留学生(介護留学生)は2,037人で、18年度の1,142人の約1.8倍に増加したそうである。

この傾向は、入学者減少が続いて経営にも支障を来している介護福祉士養成校にも吉報であるが、何よりも介護人材不足に四苦八苦する介護事業者にとっても喜ぶべき傾向であると言える。

これは入管法改正が行われ(平成29年9月1日施行)、在留資格に「介護」が加えられたことによって、外国人が介護福祉士として在留資格を得られるようになり、かつ在留期間の5年が回数制限なく更新できるようになったことで、実質永住できることになった影響が大きいのだろう。

勿論、すべての外国人留学生が日本への永住を望んでいるわけではなく、どれだけの外国人が固定化できるのかという課題は残されてはいるが、生産年齢人口が益々減少する我が国において、日本人だけで介護人材が充足することはあり得ないということははっきりしているので、それらの外国人留学生をはじめとした人材が、介護サービスの場に張り付いていかないと、制度あってサービスなしという状態が、社会の闇として広がることは間違いのないところで、大量の介護難民を生み出すことも間違いのないところだ。

現に今この時点でも人材不足で、指定サービスの休止に追い込まれている事業者が全国にたくさん存在している。

例えば、福祉医療機構(WAM)が貸付先の特別養護老人ホーム(特養)を対象に実施した「介護人材に関するアンケート調査」によると、2018年3月時点の状況について72.9%の施設が「要員不足」と回答し、全体の4.1%が特養本体での利用者の受け入れを制限していた。併設する施設で利用者の受け入れ制限を実施している割合は8.8%だったことが公表されている。そこではサービス利用者がいるにもかかわらず、ショートステイなどの指定サービスの提供が制限されているのである。

そうした地域でショートステイを利用できなくなった人が、代替サービスとして宿泊サービスを自費利用する、「お泊りデイ」等を使えるならまだよいが、全くサービスを使えない人や、サービスがないことで社会的入院を強いられている人がいたとすれば、それらの人はすでに介護難民ともいえるわけである。

来年は団塊の世代の人がすべて70歳に到達し、介護サービス利用者がさらに増えることになる。それらの人達に、適切なサービスの量を確保するための人材確保は、なかなか進んでいない。

介護労働安定センターの介護労働実態調査結果を見ても、2018年10月時点でEPA(経済連携協定)介護福祉士候補者、技能実習生、日系人、留学生のいずれかが働いている事業所の割合は2.6%に過ぎない。

今後は人材確保のために、この数字はどんどん上がっていくだろうし、そうしなければ介護事業そのものに支障を来す事業主体が増えるだろう。

そうであるからこそ、それぞれの事業者で外国人労働者を受け入れるためのシステム、それらの人たちが働きやすい環境整備に努めていかねばならない。今そのことに全く興味を示しておらず、対策もまったく考えられていない事業者に未来はないかもしれない。

外国の人たちが実際に働いてくれるかどうかは別にして、近い将来外国人人材も戦力として固定化されるための対策は、すべての事業者で急いで構築していく必要がある。それもリスクマネージメントである。

その時考えなければならないことは、外国から来る人達が日本の労働の場にマッチングせず、トラブルが生ずる大きな要因は、言葉や文化の違いだけはないということだ。むしろトラブル要因となるのは、外国人労働者に対する、雇用主や日本人従業員の偏見にも似た、「思い込み」である場合が多い。

外国から日本へくる人たちは、労働力としてやってくるわけではなく、人間としてやってくるのである。そのプライドを無視してはならない。

同時に外国の人達はしっかりと、「出稼ぎ」意識は持っているという両面を理解せねばならない。単に日本に滞在して自分の暮らしが成り立つだけではなく、母国で暮らす家族に送金する目的で、遠く日本まで来ている人たちが、その目的を達せられないと、戦略として固定化はされないのである。雇用するに際して、給与などの待遇について、しっかり隅々まで丁寧に説明して納得したうえで雇用契約を交わさないと、後々のトラブルにつながるという理解も不可欠だ。

就業規則等の労務管理規定も、紙を渡して、「就業前にすべて読んでおいて」では済まない。しっかり説明しないと外国人の方は、職場の基本ルールさえ理解しないまま就業して、そのことに関連した問題が生ずるケースも多い。事業者側の説明責任は、より重要になってくる。

外国人の人たちのプライドやポリシーにも気を配り、働く喜びを持ちながらスキルを向上させる意識付けをできるかどうかが、今後の介護事業の安定経営に直結してくるということを理解する必要がある。

そういう意味では、外国人の受け入れに関しては法人の中で、専任の担当者を作って対策を立てる必要性も高まると思う。ある程度規模が大きな法人は、専任ではなくとも外国人材受け入れ担当部署及び担当者を任命しておくべきである。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

認知症新薬に何を期待すればよいのだろうか


僕は今、大阪に滞在中だ。

昨日は大分県日田市から移動し、16:30〜18:30まで天王寺の海外産業人材育成協会で講演を行なった後、今日は午前と午後に2本の講演予定が入っている。

そんなわけで先ほど大阪グランフロントで行われていた、「内田洋行主催 IT-Fair2019 in osaka」で、「介護施設の人手不足に打ち勝つ! 〜定着率向上とより良い介護への挑戦!」というテーマで講演を終えたばかりである。

介護事業における最大の経営リスクは、人がいないということであることは間違いなく、それに対して僕なりの提言をしてきた。

職員の募集に応募がある具体策なども話させていただいたが、しかし募集に応募が増えても、退職者が増えれば人材確保にはならないわけである。むしろ長く働いてくれる人をできるだけ多くすることが大事だ。そのための職場環境やシステムというものも存在している。その点もできるだけ具体的にお話ししたつもりだが、その点の理解はしていただけただろうか。

今日話した内容とは、実際に人員が充足する状態になったという事実に基づいてお話ししているので、決して架空の方法論ではない。あとはその取り組みを真剣に行うかどうかという覚悟の問題になる。そい言う意味で、僕の今日に話が人材確保に悩む介護事業者の方々に少しでもヒントを与えるきっかけになってくれることを期待している。

その講演を終えた足で、これから大阪介護福祉事業者協同組合主催・管理者、中間管理職向け接遇セミナーの講演の会場である、「クレオ大阪中央」に向かおうと思っているところだ。地下鉄谷町線に乗っていけばよいのだろうと思うが、今はまだグランフロントの控室にいて、この記事を更新しているところだ。

ということで本題。

製薬会社エーザイの株価が、先週23日にストップ高まで高騰した。その理由は、同社が医薬品メーカーのバイオジェンと共同で開発しているアルツハイマー病の新薬、「アデュカヌマブ」について、2020年に米国で承認を申請すると22日に発表したためである。

実は同社の株価がストップ高となったのは、2018年7月以来のことである。その時は「アデュカヌマブ」を早期のアルツハイマー病患者856人を対象とする治験で、18カ月間投与を続けた段階で、アルツハイマー病発症の原因とされる物質「アミロイドベータ(以下、Aβと略す)」が患者の脳内から減少しているとの結果を得たとして、同社がアルツハイマー型認知症の症状の進行を抑える効果が確認できたと発表したことをことを受けた株価の上昇だった。

このようにアデュカヌマブは前述のAβで最も毒性が高いとされる脳内のプラークを標的にしている新薬で、アデュカヌマブを投与した患者の脳内ではAβ量が徐々に減少することが明らかになったのである。

しかしその後、同社は「アデュカヌマブ」の臨床試験の中止を発表していた。当然株価はそのあと下がることになったわけであり、そんな経緯の後で突然のように発表された今回の新薬承認申請方針は関係者に驚きを持って迎えられている。

認知症の新薬については、このブログ記事でも再三その話題を取り上げており、「認知症治療薬開発の悲惨な現状から思うこと」でも、なかなか有効な新薬ができないという問題を指摘していた。

今回の新薬申請が、「永遠の10年」打破するきっかっけになることを期待する人も多いと思う。

しかし治験の効果は、「わずか」でしかないという評価もある。一度臨床試験を中止した後に、突然の承認申請という経緯もあって、その効果を疑問視する向きもある。そもそも「アデュカヌマブ」の効果とは、認知症の予防や治療にはつながらず、症状の進行を抑える効果しかないという評価もある。

しかし新薬によって少しでも症状を抑えられたとしたら、その先には寿命まで症状が重篤化しないという可能性も生まれる。つまり新薬の効果によって、認知症の症状が現在見られている一般的な重篤症状になる前に生涯を終える人が出てくるかもしれないのだ。

それは認知症の人をケアする家族等にとっては、介護負担が重くならないという効果にもつながるかんぉう性があり、その効果に期待しないというのはおかしなことだ。

そういう意味でも、新薬が今後どのように臨床場面で活用されるのかを注目していきたいと思う。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

派遣が介護事業をつぶす危険性はないのか?


僕が社福の経営者だった頃、派遣職員を使うという発想はなかった。

派遣会社からの営業も受けたことはあるが、一度も派遣職員を使おうと思ったことはない。周囲の介護施設・介護事業者を見ても派遣職員を採用している事業者はあまりなかった。

だからこそ僕が勤めていた地域で、派遣業が商売として成り立つほど盛況になって、派遣会社が数多く設立されるような状況もなく、介護事業における派遣職員が一定の塊として存在感がある状態になったことは今まで一度もない。それは現時点でも同じである。

しかし都市部はそれとはまったく異なる状態である。

特に東京は毎年派遣職員の比率が上昇しており、派遣職員なしでは介護事業が成り立たないと考える経営者も増えている。職員募集をしても応募がないから、派遣に頼らざるを得ない介護事業者が増えているのである。

しかしなぜ直接雇用に応募が少ないのに、派遣だと人がいるのだろうか。それは簡単な理由で、直接雇用されるよりも、派遣職員となって働く方が月額給与が高いからである。短絡的に高い月給を求める人にとっては、直接雇用されるより派遣職員として働いた方が、とりあえず高い給料をもらえて、しかも責任は重たくないというメリットがあるわけだ。

勿論、月給が高いと言っても、賞与その他の手当を含めた年収ベースでみれば、正規職員の方が待遇が良いというケースも多くなるが、その分責任や縛りが多くなって、それを嫌って派遣職員としての身分から抜け出そうとしない人も多い。

それに派遣職員ならば、人間関係が煩わしくなれば、すぐ派遣会社に派遣先を変えてもらえるというメリットもある。一つの事業者に縛られない気楽さと責任の無さがセットになって、とりあえず食うに困らないだけ稼ぐことができるという待遇が相まって、派遣職を選ぶ人が多いのだ。

しかしこの状況は経営者にとっては危機的である。派遣の職員は、正規職員より高い時給で人を雇うために、人件費が高騰する結果をもたらすだけではなく、派遣会社に支払う紹介料等の経費が上乗せされるのだから支出は大幅に増えることになる。

しかし介護給付費は、派遣紹介料など見込んで設定はされておらず、派遣比率が高まれば高まるほど収益が挙がらない構造にならざるを得ず、それはそのまま経営危機に直結することになる。

しかも派遣会社も人材が枯渇してきており、経験と技能のある介護職員を派遣してくれるケースは月単位で減少している。現在では派遣職員として紹介してくれる人も、「未経験者」が多くなって、介護事業者では派遣された職員を教育するところから始めなければならない。しかし教育して仕事を覚えた途端に、その事業者から別の事業者に移ってしまう派遣職員も多いのだ。

そもそも派遣職員は仕事ができても人財にはならない。いくらお金と時間をかけて教育・訓練しても、それは介護事業者の財産に結び付かず、派遣職員本人だけの財産となるだけなのである。この点が直接雇用している職員との大きな差なのだ。

だからこそ派遣職員がいないと経営が成り立たない事業の危うさに考えが及ばない事業者は、自らの事業リスクに気づいていない状態ともいえるわけで、それは綱渡りの事業経営でもある。

派遣職員の高コストにどれだけ事業経営が耐え得るのかを考えて、思い切って派遣職員を切って、直接雇用職員の定着率を上げた実績を持つ介護事業者もある。そうした介護事業者が行っていることとは、介護事業者として何をしたいかという理念を共有できる職員だけを採用することによって、その理念に共感する職員が集まってくるという方法論だ。本物の介護を実現することで人材が集まり、人財として育つ環境を創ることで、派遣会社に頼らない新たな経営モデルが見えてくるのである。

しかしそうした方向に舵を取るためには、経営者に相応の覚悟が必要である。まずは高品質なサービスを提供できるためのノウハウを持たねばならないことも事実で、決して簡単なことではない。しかし今後の事業経営を考えるとそうしていかねばならない。

経営コンサルにお金をかけ、求人費用も高騰する中で、さらに派遣経費をひねり出すほど、介護給付費は高く設定されていないのだから、この3つの経費のどれかを削らねば、早晩介護事業経営は成り立たなくなるのではないだろうか。

ぞれにしても派遣会社に頼らないと人員配置ができないという状況は、派遣会社に求人が多いことによって成り立つ環境でもある。北海道の僕が住む地域のように、派遣会社に求人を求めない環境であれば、派遣業自体が成立しないんで、こうした環境は生まれない。

募集に応募がないことで、派遣会社に寄りかかってしまうという体質の事業者が増えた結果が、こうした派遣に頼る〜派遣に求人が多いから、高い給与設定の派遣会社に人が集まる〜直接雇用の募集に人が集まらないという悪循環を生み出すのだ。

現在の東京都をはじめとした、都市部のこうした状況は、地域の事業者が協定を結んで派遣を雇わないとでもしない限り変わらないだろう。しかしそうした協定は、独占禁止法違反などが疑われる闇カルテルとして取り締まり対象になる可能性が高い。

そう考えると介護事業にも派遣を認めている現行法こそ、見直しの必要があるのではないかと言いたい。

人の命や暮らしを護るべき、保健・医療・福祉・介護事業は、直接雇用して管理できる人間によってサービス提供しない限り、最低限の品質の管理・担保は難しくなる。そうした問題さえも、事業者の自己責任という言葉で片づけてよいのだろうか。

この部分は一度、法律の見直しという方向で議論される必要があるのでないだろうか。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

リーダーに資質がないと逆パワハラが起こる


骨太の改革で社会保障費の自然増を抑える政策が続く中でも、高齢化はますます進行し、要介護者の数は増え続ける。そのため2018年に比べ、2028年には介護給付費が10兆円増えることになる。

この数字は介護給付費だけの数字なので、それに付随する費用(例えば、介護に必要な給付費に含まれない費用など)を含めると、その金額は100兆円を超えることになる。それだけ大きな伸びしろがある経済市場であるというのが、介護業界の一面である。

だからこそこの市場を狙って、大手営利企業の介護サービスへの参入が続いていくことになる。

つまり骨太の政策で顧客単価が減る中で参入企業が増えるのだから、顧客確保のための競争はより激化するということになる。

この競争は顧客から選ばれる競争の前に、顧客から選ばれるために一番大事なサービスの質を左右する、「人材確保の競争」でもある。

特定加算という大きな財源をうまく使って、質の高い介護職員をより多く集めた事業者が、加熱する競争社会を勝ち抜くことになる。だからこそ特定加算の配分範囲を「その他の職種」まで広げた介護事業者は、それだけで経営リスクが高くなっていることに気が付かねばならない。

あの加算を最も活かす方法は、配分はaグループのみに絞ることだと僕は感じている。それはまた別の機会で、詳しく論ずることとしよう。

前述したように、人材確保が介護事業経営の肝になることは言うまでもないが、人材は自然発生しないし、育てるという観点が何よりも必要だ。そして育った人材が定着する事業者にしなければならない。

このことを経営者がいくら自覚して頑張っても、経営者だけではどうにもならない問題でもある。経営者が着雪的に職員を育て定着させられるわけではない。経営者はもっと高い木の上から、戦略を練らなければならないので、現場のリーダーがそれぞれの部署の人材を育てなければならないのだ。

つまり経営者は、信頼できる管理職を育て、管理職は、人材を育成しまとめるリーダーを育てるという役割分担が必要になる。

どちらにしても介護事業者において、人材が育ち職員が定着する職場環境に欠かせないのが、介護職員を束ねるリーダーの存在なのである。だからこそ、このリーダー役にどういう人を選ぶかということが、経営者や管理職が一番考え抜かねばならないことだ。

資質のない人をリーダーに据えた事業者では、人材が育たず定着しないだけではなく、人間関係を含めた職場環境が劣悪な状態に陥る例がみられる。

例えば現在の人材不足を憂いて、職員が退職することを何よりも恐れる雰囲気のある職場では、リーダーが職員を叱って指導できない状態になっていたりする。

しかし人材が育ち定着する職場には、必ず部下を適切に指導できるリーダーが存在するのだ。上司や先輩がきちんと仕事のやり方を教えてくれないという不満や不安で多くの職員が辞めていく現状を考えると、部下をきちんと指導できるリーダーの存在が必要なのである。つまり従業員が気持ちよく働くことができる職場のために、上司が部下に媚を売るような職場環境が求められているわけではないのである。

リーダーに求められている指導力とは、技術指導と人間指導の両面持つものだ。だからこそ指導するためには愛情を持って叱る態度は不可欠なのである。その一方で、ただ単に感情的に怒るリーダーであっては、職場環境を悪化させるだけだという認識も必要だ。

時には厳しく指導しながらチームをまとめるリーダーがいれば鬼に金棒だ。

ところが技術指導が十分できず、チームをまとめる資質もないリーダーであっては、部下の心は離れていくだけではなく、リーダーの指示が行き届かなくなる。そうした職場では得てしてリーダーの命令に背く部下が結束して、リーダーを無視してそれぞれ勝手に仕事をこなす状態に陥る。

こうしてリーダーが孤立して、無視され逆パワハラの状態に陥っている職場は決して少なくない。

こうなってしまっては、職場内のチームをいったん解体しないことにはどうしようもなくなり、場合によっては職場崩壊となりかねない。そうならないためにも、年功序列ではなく、資質によってリーダーは選ばれるべきなのである。

だからこそ介護経営者や管理職にはリーダーの資質を見出す・見抜く能力が求められるのである。

リーダーの資質が、その事業者の命運を握ると言っても過言ではないことを肝に銘じて、リーダー探し・リーダー選びに尽力してもらいたい。

なお僕は講演等で、介護事業者における、「求められるリーダーの資質」や、「部下を伸ばす教え方」についてもレクチャーしているので、ぜひ一度お聴き願いたい。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

通所介護から通所リハへ人材が流れないか?


特定加算という大きな給与改善原資の算定がいよいよ来月から始まる。

それを前に給与等の改善計画書を市町村に提出済みの事業者においては、この加算の算定と配分について、職員間でひそひそと話題になっているのではないだろうか。経営者や管理職員の方々は、そのひそひそ話を丁寧に拾っておかないと、後々大変なことになるかもしれないと心得ておいてほしい。

配分に対する不満は、実際に配分が反映された給与を受け取った後から急に大きくなるものだ。今くすぶっている不満が、10月以降に大きな炎とならないようにしたいものである。

給与の不満が直接の引き金になって、能力のある職員が他事業所に移ってしまうことだけは避けたいものだ。そのあたりは配分方法を考える際に十分考慮しているのだろうが、配分を個別の能力に関係なく、グループごとの一律ルールとしてしまっているところが多いので、有能な人が不満を抱えて煮詰まってしまうケースは少なからず出てくるだろう。

そういう人を狙って声が掛かっている場合もないとは言えないのである。特にリーダーとなる人材を求めている事業者は、経験年数を他事業所の経験まで勘案するルールにして、広く人材を募っているので注意が必要だ。

ところで特定加算を巡っては、小規模の事業者が不利であることは間違いないところだが、その中でも通所介護事業に厳しい加算体系となっている。通所介護事業経営者にとって加算率の低さが、最大の悩みの種となっているように思う。

以前にも紹介したが、100人定員の特養なら月額加算が945.000円程度にはなるので、単純計算すると月8万円の給与改善ができる介護福祉士が11人以上という数字になる。GHでも月額155.000円の加算額が期待できる。

それに引き換え通所介護で、かつ地域密着型である場合、どう頑張っても月額24.000円程度しか加算算定できないのである。これだけ見ても通所介護は、この加算による給与改善が他のサービス種別より低いことは明らかである。

そのため地域密着型通所介護は、一人以上に必ず月額改善8万以上の給与改善をするか、もしくは年収440万以上の職員が必ず一人以上いなければならないという算定要件の例外が適用されることになる。

しかし例外対象だからと言って喜んでいられない。そのルールに喜んでいる経営者がいたとしたらずいぶん能天気だ。なぜなら職員には算定ルールの適用除外なんて何も関係なく、ただただ自分の職場では今後にわたって、他のサービスに比べて給与が上がりづらいという意味でしかなく、将来に対する不安が増幅するだけだからである。

すると今後通所介護には、今後人材が集まりづらくなるのではないかという不安もでてくる。

現在は介護施設と比較して、通所介護のほうが人材確保が容易であると言ってよい。その要因と理由は、通所介護には夜勤がなく、労務負担が少ないと考えられているからである。しかし給与格差が現在よりも広がり、介護施設の職員と比べて、通所介護の介護職員がかなり給与が低くなる場合に、今までのように通所介護に勤めたいと思う介護職員がどれだけいるかは不透明だ。確実に通所介護で働きたいという動機付けは少なくなることだろう。

しかももっと問題となるのは、この加算の格差は、通所介護と通所リハビリの間にもあるということだ。

加算率から言えることは、一人分8万円アップを確保できる月額収入を考えた場合、通所介護であれば700万以上の収入が必要であるが、通所リハビリの場合は400万以上ということになる。そうであれば両サービスで月額収入が同じである場合、介護職員の給与は確実に通所リハビリの方が高くなるわけである。

しかも通所リハビリは単独事業所ではなく、老健と併設している場合が多く、法人単位で特定加算の配分を行うケースが多いので、通所サービスの職員としての括りで言えば、単独事業所より加算配分の恩恵をより多く受けることができる。

通所介護と通所リハビリは確かにサービス種別は違うが、日中の通所サービスであるという点では同じであり、両サービスにおけるに介護職員の仕事内容を考えた場合、その違いはほとんどないといえ、今後、通所介護よりは通所リハビリに勤めたいと考える人が増えるのではないかと思われる。

しかも通所介護は夜勤がないといっても、「お泊りデイサービス」という形で、保険外宿泊サービスを行っている事業者が多く、介護職員も定期的に宿直勤務が必要になる場合もある。しかし通所リハで保険外宿泊サービスを行っているところはほとんどない。この点も夜間働けない人にとっては魅力的な職場の映る要素である。働く動機づけを通所サービスというカテゴリーに絞って考えた場合、どう考えても通所リハビリの方が有利と思える要素が高まっている。

少なくとも介護福祉士養成校の進路指導担当教員は、通所介護の単独事業所への就職を勧めなくなることは確実である。

そういう意味で通所介護の単独事業というのは、今後の事業展開に向けて岐路に立たされていると言えると思う。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

なぜ実習生に作業しか教えず、愛を失くせと説教するのか。


介護人材不足の問題は解決の糸口さえ見えず、全国どこへ行っても、人がいないと愚痴をこぼす人が多い。そして介護事業経営の最大のリスクも、「人がいなくなって事業が継続できなくなること」であり、そのことに危機感を持つ介護事業経営者の方も多い。

介護サービスの場で働く人にとっても、それは自分の職場がなくなるかもしれないという危機感につながっていくと思うが、それ以前に、今現実に行っている仕事が回っていかないという深刻な状態に向かい合っている人が多い。

だから多くの介護事業経営者及び介護従事者は、介護の仕事に就こうとする人が、もっと増えてほしいと願っているはずだ。そのためには介護福祉士の養成校に入学する学生も増えてほしいと思っているはずだ。

そうした介護関係者に自覚してほしいことがある。知ってほしい実態がある。

それは介護福祉士養成校に入学する学生は減り続けているが、その中で養成校に入学する学生は、それなりの高い動機づけを持つ人たちだ。ところがそうした学生の動機づけをつぶし、介護の仕事に就こうとする意欲を失くさせる元凶が、今介護現場で働いている人の姿勢や考え方そのものであるということである。

例えば現役高校生が進路希望として、「将来介護の仕事をしたいので、介護福祉士の資格を得るために専門学校に入学したい」と表明した途端、その学生は職員室に呼び出され進路指導を受けるという実態をご存知の方はどれだけいるだろうか?

学生はそこで、担任教師と進路指導の担当教師に、「将来を考えて、その進路を見直しなさい」と説得されるのだ。介護の職業に就こうとする学生が減っているのは、こうした実態が全国各地に存在しているからである。

そのように説得されてもなおかつ介護福祉士養成専門学校に入学してくる生徒とは、他に行き場のない能力の低い学生ではない。多くの入学希望者は、「人の役に立つ仕事をしたい」・「体の不自由な人の支えになりたい」等という高い動機づけを持っている若者なのである。

そうした動機づけを持つ若者たちは、そうした考えに至る経験と理由を持っている場合が多い。

例えば、「自分が大好きだった祖母が特養で亡くなったのだけれど、そこにはとても尊敬できる介護職員がいて、祖母がなくなる瞬間までとてもお世話になった。私もそんな介護職員になりたい」とか、「自分の母親がヘルパーをしているのだけれど、いつも生き生きとしてお年寄りの暮らしを支えている姿を見て、私もそんな母親と同じ仕事をしたい」とか、「ボランティアで初めて訪れた特養で、若い介護福祉士の方が働く姿が格好良くて、利用者の方々もとても幸せそうだったから」とかいう理由である。

それはまだ幼い考え方の中で生まれた理由かもしれないが、同時にそれはとても尊い考え方であり、大人はその考え方を大切にしなさいと教える人であるはずだ。ところが介護事業で生活の糧を得ている先輩たちが、そうした若者の尊い考え方を、「理想と現実は違う」という言葉でつぶしにかかるケースが実に多い。そうしたスキルの低い職員が数多く存在するこの国の介護の場の実態である。そんな国で介護の仕事に就きたいという若者が増えるわけがない。

介護実習もあまりにも現場の意識レベルが低すぎる。学生は実習の場で、知識と技術を学ぼうとしているのだ。そんな学生になぜ、その職場の作業を教えなければならないのか・・・。ルーチンワークを学生に教え込んで、何の勉強になるというのだ。

職場の動きに合わせて何時何分に何をしたり、物品の置き場所はどこであったりというのは、その職場で働いている労働者が覚えればよい作業であり、学生が実習中にそのことをしっかり覚えたとして何の意味もないことだ。それは社会人として実際に仕事に就いた後で覚えればよいことである。

教えなければならなことは、対人援助のプロとして介護支援を必要とする人にどのように向かい合う方法論である。身体の不自由を抱える人に対して配慮すべき点や、そこで使うべき介護技術とは何かを、その根拠とともに指導するのが実習先に求められていることだ。

実習中に学生が利用者とコミュニケーションを交わしている姿を見て、職員が注意するような職場も多い。「そんな風話ばかりしていると、実習がいつまでたっても終わらないわよ。もっと決められた仕事をしなさい」なんて注意する職員は、実習指導者としてのスキルはゼロである。そういう方法で人材となる卵をつぶしているから、現場の作業が回らなくなるほど人材が枯渇しているのだということに、なぜ気が付かないのだろうか。

どんな状態に置かれた人に対しても、人間愛を忘れずに接しようとしている若者に、そんな青臭いことを言っていると仕事は終わらないと説教する実習に何の意味があるのか。愛なんて介護にいらないというのは指導になるのか。科学的根拠に愛情というエッセンスを添えて初めて、介護が人の暮らしを造る行為につながるのではないのだろうか。

仕事を教えるのが実習ではない。あなたが行っている仕事を覚えるために学生を実習させているわけではなく、教室で学んだ知識や技術が、介護支援の現場でどのように生かされているかを確認するのが実習である。・・・しかし現状では、そんな知識や援助技術なんて持っていない職員ばかりだという認識しか持つことができずに、介護の仕事に夢も希望も失って学校さえ去っていく学生が生まれている。

正しい介護技術を使うことで、暮らしぶりが良くなる人がいて、丁寧なコミュニケーション技術で接することで心豊かになる人がいることを確認できるのが本当の実習だ。コミュニケーション技術を高めることにより、認知症の人でも落ち着いて暮らすことができるという事実と、その方法を伝えることが本来の介護実習である。そうした対人援助のすばらしさを伝えるのが実習指導者の務めである。

それをしないで作業労働しか教えず、忙しい現場のルーチンワークをこなす手助けに、猫の手よりはましな学生を駒として遣おうとする介護実習先で、学生は「介護の仕事は人の役に立つ仕事だと思ったけれど、そうではなかった」と動機づけを失っていく。

実習後の報告会で、学生は実習先で教えられた方法を振り返って、「利用者への対応が流れ作業になってしまっている」と報告してくる。同時にそんな方法に胡坐をかいている多くの職員の姿を見て、「あんな鈍感な人たちの中で働くのは不安だ」・「こんなやり方が、人のためになっているとは思えない」として介護福祉士養成校を中途退学してしまう人もいる。

つまり実習先が介護現場の金の卵である若者をつぶしているという実態があるのだ。そのことを変えない限り、この国の介護人材不足は永遠に解消しないだろう。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

訪問介護員の絶滅を防ぐ手立てはあるのか?


居宅サービスの支え手として、「訪問介護員(以下、ヘルパーと略す)」が重要であることは間違いない。

7/26の社保審・介護保険部会でも厚労省は、訪問介護員の確保の重要性に触れ、「初任者研修の受講料の助成を広く活用すること」などを対策として挙げている。

が・・・この考え方はあまりにもずれてないか?ヘルパーの不足は、初任者研修の問題なのか?

厚労省の調べによると、2015年度の時点でヘルパーは50代以上が全体の61.6%にのぼっている。60代以上が36.4%を占め、30代以下は15.5%しかいない。このように担い手の高齢化はかなり進んでおり、このままだと状況は悪化の一途を辿ってしまうという現状認識もされている。

そうであれば、なぜ訪問介護員の年齢層が高いかという理由に触れて対策を考えなければ、どのような対策も的を射たものにならない。こうした点を介護業界側の委員もどうしてきちんと指摘しないんだろう?ただ給付費を上げろっていうだけじゃ問題は解決しないし、国も動かんだろうに。

先日の介護保険部会の議論を見る限り、ヘルパー不足に対する具体的な解決策には結びつかないと思わずにはいられない。

そもそも訪問介護費が安いから、正職員をそう多くは雇えず、登録ヘルパーが中心になるから、若い人が将来性がないとして働いてくれないというだけの問題ではないという認識が必要だ。ヘルパーの年齢層が高いという理由は、若い人がヘルパーの職を選びづらいことと同時に、年をとってもヘルパー業務ならできるという2つの理由があることを忘れてはならない。

訪問介護は身体介護だけではなく、「生活援助」という家事の支援が含まれているが、訪問介護サービスのうち要介護1で6割以上、要介護2で5割以上がこの生活援助サービスで占められている。つまり軽介護者については、身体介護のスキル以上に家事支援のスキルが求められてくるのである。よって家事能力の低い若者が訪問介護の仕事を選択しない傾向がある。男性ヘルパーが少ないのも、この理由によるところが大きい。

また訪問介護は利用者の自宅等の居所で、1対1の関係で支援を行う業務であるから、若い女性が男性高齢者にセクハラを受けるというケースも少なくなく、それを避ける傾向にあるために若い女性が少ないということも言える。

現在訪問介護サービスを利用する男性利用者は、現役世代にセクハラが大きな問題にならなかった時代を長く生きており、「女性蔑視」の考え方を持っている人も多く、本人にそのつもりがなくとも、ヘルパーを召使いのように扱ったりする人もいる。その中には日常的にセクハラと言える言動をとる人もいるが、人生経験を積んだ女性であれば、そうした言動をうまくかわしてうまく対応できる人が多くなる。(言葉は悪いが、「適当にあしらうことができる」と表現しても良いかもしれない)

若い女性にはそれはなかなか難しいと言えるかもしれない。

しかしこうした密室での1対1の対応がうまくできる人であれば、他の介護サービスに比べて、訪問介護の方が年齢を重ねても長くできる仕事でもある。

介護施設の業務に比べると、同じ場所で同時刻に複数の重介護者に対応する必要はないし、夜勤など体力が必要となる業務負担も少ない。自分の体力や生活スタイルに応じて、働くことができる時間だけの登録業務とすることもできる。

現に僕が総合施設長を務めていた社福では、定年退職した介護職員が登録ヘルパーなら続けられるとして働き続けているだけではなく、清掃員として特養に勤務したことがきっかけで介護業務に興味を持った人が、清掃員の業務を行いながら資格を取って、定年退職後にヘルパーに転身した例もある。

このようにヘルパー業には、高齢になっても働くことができるという側面もあるのだ。初任者研修が受けられないからヘルパーになれない人などほとんど存在しないと言ってよく、仮にヘルパー不足が初任者研修の問題だとしたら、そんな研修の受講義務などなくしてしまえばよいだけの話である。

なぜなら施設介護や通所サービスの介護職員に何の資格もいらないし、小規模多機能居宅介護の訪問サービスは資格がなくともできる。特に小多機の訪問サービスって、訪問介護とほとんど同じことをしているではないか。それでなにも問題がないとされているのだから、初任者研修がないとヘルパー業務が立ち行かないとか、スキルが担保できないというのは整合性のない論理としかいいようがない。

ヘルパーとしての仕事ができるかどうかのスキルは、雇用事業者がその責任を負えばよい。それは現状の介護施設等で普通に行っていることだ。

訪問介護の主役であるヘルパーがいなくならないように、訪問介護費を上げるという論理も危険性がいっぱいである。その財源確保のために他の介護サービスを削ったとしたら、それは他のサービスの介護職員がヘルパーに流れて、介護施設等の介護職員不足がますます深刻化する結果にしかならないからだ。

むしろヘルパーの高齢化を問題視するのではなく、ヘルパーは高齢になっても就業可能な業務であることを活用すべきである。

介護業界全体の就業者数を増やすことで、介護施設等で働いていた人が、高齢になってその業務が負担になった以後、訪問介護員として再度活躍できるという循環をつくることのほうが、初任者研修をどうのこうのすることより、より現実的な対応と言えるのではないだろうか。

そもそも日本の現状は介護人材不足ではない。生産年齢人口が減り続ける中で全産業で人手が足りないという状況なのだから、その中で介護業界に張り付く人材を増やさなければ、同じ財布の中身をシャッフルして、今現在お札が財布のどこにあるのかという対応にしかならない。

・・・しかし世の少子高齢化と、生産年齢人口の減少の先を考えながら、介護業界だけに国費が莫大にかけられない状況を考えると、介護保険は制度あってサービスなしという状況にまっしぐらに向かう可能性が高いのではないかと思ってしまう。

そうしないための唯一の方策は、介護サービス提供の責務を市町村に義務付ける以外になくなるかもしれない。特に訪問介護については、市町村事業化する以外に根本的な対策はないと言えるのかもしれない・・・。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

部下を叱って指導できない職場環境であってはならない


介護事業者の最大の課題は、人材確保であることは言うまでもない。

しかしその方法論が間違っていると思われる事業者が思った以上に多い。人材確保のためには、どういう人材を採用するかということも重要になり、数合わせの採用がいかに職場をダメにするかについては、「妥協のない人材選びと育成が未来を切り拓く」で問題提起を行っているが、しかしこの記事を読んで勘違いしてほしくないことは、大事なことは良い人材を選ぶだけではなく、良い人材となり得る人を見抜いて採用し、そうした金の卵を育てる必要もあるということだ。

その卵は、介護の専門的な教育をまだ受けたことがない人かもしれないのだ。

だからこそ募集に人材が集まってくれる職場を創る以前に、職場で人材が育ち定着させることが最重要課題なのだ。しかしそこの順序を間違っている職場が多い。底割れの人材対策など、何の意味もないことに気が付かなければならない。

人材となり得る人を育てるためには、管理職だけが頑張ってもどうしようもない。現場で本当の意味のOJTができる、リーダー職員が存在しなければならない。そういう意味ではリーダーの養成と教育から先に始めなければならないわけである。

介護事業者の最重要課題は、OJTを任せることができるリーダー職員の育成に他ならない。そしてそのリーダーが常に介護の品質をチェックし、お客様に提供するにふさわしいサービス提供ができていない職員に対して指導する必要がある。

いくら新入職員教育に力を入れて、実務に入る前にサービスマナーを教え、根拠に基づいた基本的な介護技術を教えたとしても、実務に入った場所で、それを実践している先輩がいない限りそのようなマナーや技術が浸透するわけがない。そのために現場レベルでマナーや技術を指導するだけではなく、チェックできるリーダーの存在は不可欠になるのだから、新人を教育する前に、リーダーを養成し、徹底的に鍛えることが大事なのだ。

このことに関連して、来月8月20日(火)〜22日(木)まで、愛媛県で中堅リーダーを対象にした研修を実施する予定になっている。その研修は、「中堅リーダーの役割」をテーマに愛媛県老施協と地区老施協が共催するものであるが、それぞれの地域のリーダーの方がくまなく参加できるように、3日間で松山市・今治市・伊方町の4地域を廻り、それぞれ同じ内容で3時間の講義を行うことになっている。

そこではリーダーとして知っておくべき情報と知識として、介護施策・制度に関連する社会情勢や社会保障制度改革の中での介護保険制度の方向性を伝えるとともに、リーダーとして求められる資質として次の3点を重点的に伝える予定にして、現在講演スライドを作成しているところだ。
・人を育てる資質
・根拠のある介護を指導する資質
・対人援助の本質を護り・伝える資質


ところで最近は部下を叱れないリーダーが増えており、そのことは大問題だと思っている。叱ったらやめてしまうと、叱れないのでは人は伸びない。部下の成長のために愛と誠意をもって叱ることを憤って辞めていくのであれば、そんな職員は、「人材」にはなり得ないのだから、やめさせれば良いのだ。だからこそ叱ることをためらうリーダーであってはならない。

そもそも叱ることと、怒ることは違うのである。叱って育てることは、上司の感情のままに怒りを部下にぶつけるようなパワハラとは異なるわけである。叱られることで、はじめて問題を認識できる部下も多い中で、叱ることができずに、部下のプロ意識が育たずに腐敗していく職場を数多く見てきている。

職員が定着するための条件として、上司が部下に媚を売るような職場環境が求められているわけではないのである。媚を売るようなリーダーは、結局部下に馬鹿にされて、笛吹けど踊らずという職場環境に陥るのだ。

求められていることは部下をきちんと指導できる職場環境である。そのために指導できるスキルがリーダーには求められるが、指導とは技術指導と人間指導の両面持つ必要があるから、指導する際に叱ることも必要となる場合があるのだ。愛情を持って部下を叱る態度は、リーダーには不可欠なのだ。

勿論その対極に、感情的に怒る上司が職場環境を悪化させるという理解も求められることは言うまでもない。

愛媛の中堅リーダーの皆さんには、このことを3時間という時間の中で伝えてくる予定なので、是非日程調整をして、数多くの方にこの研修を受講していただきたい。そして職場で若手を育てる方向性を見出していただきたい。

質問があったら何でも会場でお応えしますので、よろしくお願いします。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

地域密着型通所介護に永続的な経営モデルは存在しない


福祉医療機構が6月28日、2017年度の通所介護の経営実態を分析した最新のレポートを公表している。

そこには地域密着型通所介護の45%が赤字というデータが出ている。このことは昨年4月の報酬改定で、地域密着型通所介護費は単価がアップしたが、それでもなおかつ経営が厳しいという実態を表しており、そのことに相当のショックを受け、今後の地域密着型通所介護の経営に不安を抱く関係者も多いことと思える。

しかし地域密着型通所介護のままでずっと経営できるなんてあり得ないことである。

わずか18人定員の事業サービスでは、保険内収入も18人の利用者によってもたらされる給付費が上限なのだから、職員の定期昇給をきちんと年次ごとに行っていく過程で、収益が頭打ちになるのは当然ではないか。しかも18人という利用定員の上限はすぐそこにある。

介護保険制度開始当初は、地域密着型通所介護という分類はなかったが、小規模型通所介護という形で事業を立ち上げても経営が成り立った。その理由は、通所介護の単価が今よりずっと高かったからである。その単価は特養の1時間単価より高く設定され、かつ夜勤業務を伴わない通所介護には、人材が集まり、人件費コストも今よりずっと低かったことから、運営コストは特養よりはるかに安く済んだので、小規模通所介護の保険給付だけでかなり長い期間保険収入のみで収益を挙げることが可能だった。収益が頭打ちになる上限もずっと先にあった。

しかし単価がどんどん下げられていく過程で、そうした状況ではなくなってきているのである。しかも財務省は、先の小規模通所介護費のプラス改定には相当お冠である。そして財源が厳しい状況でコストパフォーマンスが低い事業は、なくなってもよいとして、介護事業の大規模化を誘導している。(参照:施策として進められる介護サービスの経営主体の⼤規模化

こうした諸々の事情を鑑みると、今後の通所介護の経営モデルで言えば、地域密着型サービスは経営の第一段階となっても、最終経営モデルにはなり得ない。よって通所介護事業所を建設コストが安い地域密着型で立ち上げて、そこでしっかりサービスの品質管理をして、お客様に選んでいただける事業所として成長する過程で、定員の増加を図り都道府県指定事業所に拡大していかないと、経営に行き詰まることは目に見えている。

少なくとも地域密着型通所介護単独では、職員の定期昇給もままならなくなる。それに加えて10月からの特定処遇改善加算は、通所介護には辛い加算率となっており、小規模の事業所単独では大幅な待遇改善はままならず、規模の大きな事業者等に人材が流出する恐れがある。間違いなく今後の地域密着型単独経営の事業所には人材が集まりづらくなるだろう。

そのような中で事業規模の拡大が必至の状況となるのが、通所介護事業の立ち位置だ。しかし事業規模を拡大するには、顧客を確保していかねばならない。

他事業所との競合の中で、お客様に選んでもらうためには、ホスピタリティ精神を生む職員のサービスマナー教育を徹底し、サービスの品質管理を行い、顧客ニーズにマッチしたサービスの質向上に努めていかねばならない。顧客層の中心となる、団塊の世代の方々に選ばれるサービスメニューも開発していく必要がある。

いつまでも風船バレーとカラオケがメインサービスの通所介護なんて、廃れて無くなるのは身に見えているのである。ちいちいぱっぱのサービスが選ばれないのは当然なのである。

加えて事業規模の拡大の種を、様々なところに蒔いていかねばならない。事業者の財政基盤の強化も必要で、保険収入以外にも収益確保の構造改革が不可欠だ。

とすれば、いわゆる混合介護として通所介護事業と同時一体的に保険外サービスを提供することも必然となる。(参照:混合介護のルール明確化2・通所介護編

混合介護として、利用者が通所介護を利用中に、通所介護業務に直接携わらない運転手などが買い物代行サービスをして、保険外費用を得ることも認められているのだから、できる範囲でそれらのサービスを提供することで、利用者の多様なニーズに応えていくべきである。

本来混合介護は保険内収入と保険外収入のセットで、事業収入の拡大を図るものであるが、保険外サービスの収益が微々たるものであったとしても、このように利用者ニーズへ広く対応することによって、顧客増加につながるという視点も必要不可欠である。そういう意味で、混合介護をやらないという選択肢はない。

さらに事業規模の拡大は、高齢者の通所介護という形だけで考えていてはリスクが大きすぎる。要介護1と2の通所介護が、市町村の総合事業化されるという懸念がぬぐい切れないのであるから、そうなることがあるかもしれないという想定の下に、高齢者以外に顧客を求めていかねばならず、「共生型サービス」として、障がい者の方々にも選ばれていく事業にしていかなければならないのは当然の帰結である。

僕は通所介護事業所で、共生型サービスを行わないという選択肢はないと思っている。なぜその準備を進めて、一日も早く共生型サービスの指定を受けないのか疑問である。

共生型サービスに無関心な通所介護関係者の方々は、もう一度このあたりの視点で、経営戦略の見直しを図る必要があるのではないだろうか。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

損保ジャパンの介護事業への配転計画の裏を読む


損害保険会社大手の「損保ジャパン日本興亜ホールディングス」といえば、「ワタミの介護」や「メッセージ」を買収し、介護事業部門においても大手と言ってよい企業である。

同社が、西日本で最大の介護事業者だったメッセージを買収したきっかけは、「Sアミーユ川崎幸町事件」であったと記憶している。

3階のベランダから利用者3人を投げ殺したとされ、1審で死刑判決を受け控訴中の今井被告事件のほか、複数の介護職員が利用者に罵声を浴びせ、乱暴に利用者をベッドに放り投げているなどの隠し撮り映像がユーチューブにアップされ、その後の調査で全国の有料老人ホーム「アミーユ」で同じような虐待行為が発覚したことで、親会社である「メッセージ」が介護事業経営を続けることが不可能となり、損保ジャパン日本興亜に事業譲渡した経緯について鮮明に記憶している関係者は多いことだろう。

ところで月曜日の夜にネット配信されたニュースでは、損害保険ジャパン日本興亜が、ITを活用することで業務の効率化を進め、2020年度末までに従業員数を17年度比で4000人程度減らす方針であることが報道されている。それは同社の全体の約15%に相当する数ということであるが、希望退職者の募集は行わず、余った従業員は介護などを手掛けるグループ企業に配置転換し、新卒採用も抑えるとしている。

要するに本業の合理化で余った従業員を、後発事業として抱え込んだ人手の足りない介護事業に配転するというものだ。

これによって同社は、本業の生産性がアップし、さらに生産性の低いと言われる介護事業に、本業で鍛え上げた人材を貼りつけることで、そちらの生産性も向上させるとともに、介護事業の人材不足も一気に解決し、介護業界のトップランナーとして走り続ける条件を備えるということになるだろうか。

そして一つの企業だけで、新たに4000人もの介護人材を生み出すことが、介護業界全体の人材不足を少しでも補う効果につながるのだろうか。

しかしそうは問屋が卸さないだろう。

配転される人たちは、介護の仕事に就くことを望んでいるわけではあるまい。そして介護の仕事に対する興味も知識もあるわけでもあるまい。損害保険を扱う業務をしていた人が、いきなり介護の業務に臨んでも、事務作業くらいしかできる仕事はないかもしれない。しかしは配転先の介護事業者が求めているのは事務作業を行う人ではなく、介護業務を行う人材である。

そうであれば企業グループ内の配転だからと言って、「ああそうですか」とすんなり配転に従うとは限らない。配転を拒んで辞めてしまう人もいるだろう。

望まぬ形で配転された人も、時とともに介護業務に慣れて、そこで新たな人材として張り付くなんて言う期待はできない。覚悟を決めて配転に従ったとしても、いざ介護の仕事に就いてみると、やはり自分の適性ではないと気が付いて、短期間で辞めていくのが落ちではないだろうか。

しかし大手企業がそんなことを理解できないわけではないだろう。ということはこの配転の方針には裏があるということではないのか。

つまり合理化=首切りというイメージは、企業にとってマイナスにしかならないために、そう思われないように、世間に対しては希望退職も募集せずに、内部の移動だけで合理化を進めるという印象操作を行って、その実態とは、余剰人員をまったく畑の違う異業種へ配転させることで、相当数の職員が自分の望まない仕事に嫌気が差して、辞めていくことを見越したものではないのかとうがった見方をしてしまう。

このような形で介護事業者に配転させられる人が、すべて介護事業者の戦略となるわけがない。その一部の人達には介護の仕事の適性がなく、あらたな職場で何かをしでかす恐れだってないとは言えない。適正も希望も鑑みない配転は、「介護うつ」の予備軍を大量に作り出すかもしれない。

配転から1年後に、その人たちが何人介護業界に残っているのか、3年後には何人になっているのかを調べることは、こうした配転の効果と実情を考えるうえで、興味深い統計データになるのではないだろうか。しかしその数字は、決して表には出ることはないのだろうと想像する。

どちらにしても、余剰人員として無理やり専門外の業界に配転させられる人々には、お気の毒としか言いようがない。無理をして精神と身体を病まないようにしていただきたい。

ただし断っておくが、介護とは本来、人の暮らしを支え、誰かの心に咲く赤い花になることができる、誇りある職業である。転職動機に利用されるような職業ではないのだ。適性のない人や、介護の仕事に興味がない人にとっては、「辛い」ものになるだけの話である。

その時、「辛い」という文字に「一」を足して、「幸福」に換える動機づけが持てる人は、介護の仕事に変わっても幸せでいられるだろう。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

虐待の元凶は介護ストレスにあらず


介護事業者における虐待をストレスが原因と論調する向きがあるが、それは少し違うのではないかと考えている。

仕事にはストレスがつきもので、介護の職業が他の職業に比して特別にストレスが大きいという根拠はない。人と向かい合う仕事だから、ストレスが利用者への暴言や暴力に直接結び付くと考えるのも短絡的すぎる。

現に虐待と無縁の介護従事者の方が圧倒的な多数派なのである。

虐待と無縁の人が、ストレスとは無縁かといえば、決してそうではなく、多かれ少なかれ仕事上の様々なストレスを抱えながら、仕事を続けている。それらの人にとっては、ストレスがあるから、そのはけ口を、利用者に対する虐待行為に求めるなんて言うことは信じがたいことである。

むしろストレスを利用者への虐待行為に結び付ける考え自体が、介護の仕事を行う人間としての適格性が疑われると考えるべきではないだろうか。

介護サービスの現場で、職員の虐待に結び付く一番の原因とは、人の暮らしに深く介入する職業に向いているのかどうかという人選がきちんと行われておらず、入職後の教育が適切に行われていないのではないかというところから考えられなければならない。

対人援助の職業は、第3者の暮らしに介入する職業であるがゆえに、バイスティックの7原則の一つである、「統制された情緒関与の原則」等を貫ける知識と資質を持つ人を選んで、育てなければならない。求められるのは、常に「自己覚知」に努め、スキルを磨く動機づけのある人材なのである。そういう選択と教育が行われているのだろうか。

介護事業経営者は、責任を持って自己覚知やバイスティックの7原則を伝える努力をしているのだろうか。

本来対人援助の仕事は誰にでもできるものではない。よって採用という入り口の段階で、きちんと人材として適性があるのかが厳しくチェックされなければならないし、採用後も段階に応じて定期的にスキルアップの教育を施していかねばならないのである。特にリーダーとなる職員に対する人権教育を徹底し、リーダーが部下に対して日常的に利用者へのサービスマナーの徹底を図る指導が行われるようにしなければならない。だからマナー教育は重要だ。

しかし介護人材の不足が叫ばれ、それに対する決定的な処方が見つからない今日、介護事業経営の最大の課題は人材確保であることを理由に、職員募集に応募してきた人の適性検査をおざなりにして、闇雲に職員採用をしてしまう事業者も多い。

しかしそのこと自体が、経営リスクに直結すると言ってよい。昨今、介護事業者の職員による様々な虐待が明らかになっているが、その根は適性を鑑みない採用と、教育システムを整えていない事業者が、知識と技術のない人間を、十分な教育を行わないまま介護現場に放り出すように勤務させる状態にあると言えるのではないだろうか。

しかしそれは負のスパイダルを生む状態だ。職員採用をそのような考えで行っている限り、悪貨が良貨を駆逐する状態が続き、人材不足の常態が永遠に続くという悪循環に陥る。

例えば介護施設で、とりあえず夜勤職員の数を確保しようとして数合わせの人集めを行なった結果、質の低い職員の指導に業務時間がとられ、疲弊して辞めていく職員が多くなる。教育してもさっぱり人権意識が備わらない職員の、利用者対応の横柄さや、乱暴な言動にストレスを抱えるのは、人材として財産になる職員だ。そうした人財が、適性のない職員の存在によって辞めていく結果になるとしたら、プラスマイナスで考えると、あきらかにマイナスである。

このように適性を問わずに募集に応募してくる人間をすべて採用する施設では、数合わせの結果が、職員減少を招くという悪循環が起こっている。その結果、夜勤職員の配置ができずに休止に追い込まれる介護施設もぼつぼつ出現してきた。地域によっては高齢化のピークが過ぎて、介護施設の需要が満たされ、供給過多となりつつある地域があり、そこでは当然、利用者もこうした施設を選ばなくなり、経営に行き詰まる施設も現れつつある。

そうしないための唯一の方法とは、妥協のない人材採用であり、内容の伴う職員教育である。

妥協をしない結果、一時的に職員数が減って仕事が回らないときは、一部の事業を縮小して、身の丈の範囲でしっかり事業をまわし、その間に徹底的に職員を育てるという考え方と覚悟が必要だ。きちんとした職員採用と教育を行っている事業者には、長期的にみれば必ず求められる人材が集まってくるのだ。

つまるところ介護事業者は人なのだ。介護施設にいくら最新の介護ロボットを導入したとしても、人に恵まれなければ、その介護施設は資材置き場と化すだけである。だからこそ人材確保と育成のためにこそ労力とお金を使うべきなのである。

虐待事件がひとたび職場内で起こったならば、多額な損害賠償責任が生じるだけではなく、社会の批判の的にもなる。そうした事業者は、健全な社会活動にも支障を来すようになり、事業継続の危機にもつながるのだから、職員採用は慎重に行わねばならないし、採用した後の適性の見極めや、教育もおざなりにはできないのである。
介護という職業

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

介護離職を減らすためにケアマネが負う新たな役割


政府の規制改革推進会議の答申がまとめられ、6日安倍首相に提出された。

それを読むと介護関連では、昨年9月28日に発出された、「介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについて」によって介護保険内・外サービスの柔軟な組合せが適切に行われるルールの明確化を中心に、フォローアップしたことを評価するとともに、今後も豊島区で行われているモデル事業を踏まえたうえで、さらなるフォローアップを行うとしている。(※32頁)つまり、「混合介護」をより一層推進するという意味だろう。
(参照:混合介護のルール明確化1・訪問介護編 ・ 混合介護のルール明確化2・通所介護編 ・ 混合介護のルール明確化3・道路運送法上の取扱い

このことは介護サービス事業者が保険外収入の手段を手に入れるということことにもつながるが、同時に保険外サービスと一体に保険給付サービスを提供するケースが増えるという意味は、その方法が適切かどうかについて、計画担当者である介護支援専門員のチェックの視点がより重要になるという意味でもあり、ケアマネの業務負担は確実に増加することを覚悟せねばならない。

しかしそのこと以上に、ケアマネの業務負担が増加する内容が、規制改革推進会議の答申には書かれている。それは「介護離職ゼロに向けた対策の強化 」という部分である。(※34頁〜35頁

そこには、「働きながら介護をする労働者の支援策」が提言されている。

そこでは、近年認知症介護のケースが増えているが、BPSD(行動・心理症状)が要因となり、家族介護者が突発的な対応を余儀なくされることが多く、かつ認知症は症状が徐々に進行する特徴があるため、変化に応じてケアプラン の見直しを行う等、家族介護者が介護専門職と相談できる機会の確保が不可欠であるとし、こうした相談は短時間で済む場合が多いが、現行の介護休暇は取得単位が 「半日」であるため、所要時間に応じた小刻みの取得ができない点を問題点としている。

そのため介護休暇について、時間単位の取得が可能になるよう、必要な法令の見直しに向けた措置を講ずることを提言している。それは良いとしても次の提言はどうだろう?

こうした介護と仕事の両立のための支援制度があるにもかかわらず、家族介護者の うち9割以上が介護休暇と介護休業のいずれも利用したことがなく、同制度の認識がある者は家族介護者の 42.2%にとどまることを問題点として挙げている。

そして勤務先に介護休業制度があることを認識していた労働者の介護離職率は、認識がなかった者の約半分に低下するとした労働政策研究・研修機構の報告データを示し、この結果を援用して、現在の制度の認知度が仮に 100%になった場合の離職率を試算すると、現状の離職率 15.0%から4割程度低下することになるとし、このことは介護離職者の約 75%を占める女性のキャリア継続に効果が大きいと結論付けている。

そのため「厚生労働省は、 ケアマネジャーが、就労している家族の勤務実態も踏まえてケアプランを作成できるよう、セミナーの開催やその受講を評価する仕組みを通じて、ケアマネジャーへの情報提供や支援を行う。 」と提言している。

勿論、そうした制度があることをケアマネジャーが十分理解し、利用者の家族支援の意識を持つことも必要だろうが、そのことを介護支援専門員の義務のように押し付けるのはいかがなものか。これは本来、行政責任で企業等の担当者に制度を活用するように指導し、労務管理担当部署の担当者から雇用する職員に対して周知すべき問題ではないだろうか。

そもそも介護休暇・介護休業の制度が普及しないのは、そのような制度があることを知らないからという理由よりも、そのような制度があっても、人手不足などの職場環境などの状況から、そのような制度を活用できないという意識や職場の雰囲気があるからではないのだろうか。そうであるがゆえに制度を周知しても、それが活用できない様々な要因を排除しない限り、離職率が4割も低下するなんてことにはならないだろう。

しかし今回の提言では、まず周知が必要で、それも直接ケアプランに介護休暇を活用した家族介護の視点を持ち込むことによって、労働制度の啓発と普及を介護支援専門員に担わせるとうわけである・・・。

しかし介護保険制度創設の目的の一つは、介護の社会化であり、家族介護に頼らずに、社会的に要介護者を支えるというものではなかったのか。介護休暇や介護休業の活用をケアプランに盛り込んでいくという方向性は、介護の社会化の縮小や否定につながりかねない問題ではないだろうか。

しかもそのための知識を得るためにセミナーを受ければ、「ケアマネジャーが評価される」とされている。それはセミナーを受ければ何らかの形で介護報酬に反映されるという意味だろう。しかしそれはいずれ、当該セミナーを受けなければ介護報酬は全額算定できないという風に、加算ではなく減算化されていく可能性が高い。

つまり極めて義務化に近いセミナーの新設となりかねないものだ。

日ごろ地域を忙しく走り回っている介護支援専門員は、報酬改定の度に複雑化する加算ルールについては、計画に関連するすべてのサービス種別の知識が求められるため、日々の勉強が欠かせない。そんな中で利用者は、毎日のように介護支援専門員を頼りにして様々な支援を求めてくる。しかしこの資格には更新制度があり、5年に一度は、利用者支援を他の誰かに任せて、研修のためだけに何日も時間を使わねばならない。ただでさえも忙しいし、勉強もし続けているわけである。

そんな中で、介護離職を減らすという国の政策責任で行うべきことのために、介護支援専門員は目的外使用を余儀なくされるわけである。そのために介護支援専門員に新しいセミナーを受けさせるというわけである。いい加減にしろと言いたい。

百歩譲ってそのような勉強が介護支援専門員に求められるのであれば、更新研修にそのカリュキュラムを組み入れれば済む問題である。

そうしないで新たな独立したセミナーを新設しようとする意味は何だろうか?このセミナーの受講対象者は、少なくとも全国の居宅介護支援事業所の介護支援専門員すべてを対象と考えられていることは想像に難くない。するとこのセミナーを開催するということだけで動くお金はかなりのものとなるだろう。

つまり極めて受講義務化に近いセミナーを全国で開催するという意味は、間違いなく利権と繋がっているという意味だ。

そんな利権のために、誰かを設けさせるために、介護支援専門員は新たな役割を求められ、安い報酬でこき使われるわけである。まったくたまったものではない。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

妥協のない人材選びと育成が未来を切り拓く


骨太改革で社会保障費の自然増を年間5.000億円に抑え込んだとしても、介護給付費は2028年には、2018年と比較して10兆円増大する。

今後の10年間に関して言えば、介護給付費だけで確実に100兆円増えるという市場の中で、保険サービスの顧客を増やすという戦略を、介護事業経営者が練ることができさえすれば、確実に事業は成長させられるわけである。

しかしもっと長期的な事業戦略を見据えて、将来長く介護事業経営を続けようとした場合、高齢者の数の減少社会に入っていることを考え、いずれかの時期には介護給付費に頼り切った事業経営に見切りをつけて、保険外事業でも収益を挙げていく構造へと転換を図らなければ、事業経営は頭打ちとなることは明白である。

その時、どのような保険外事業を選択できるのかは、時代の流れを見据えて見つけ出していくしかない。しかし保険外事業が簡単ではないことは、「保険外事業で誰もが稼げるわけではない」という記事においても問題提起しているところだ。

だからこそ保険内外両事業を支える基盤は、人材であることを忘れてはならず、保険給付サービスより厳しい競争を強いられる保険外サービス競争で勝ち残るために、そこを担う能力がある人材を確保していかねばならない。

そのためには座して人材が来るのを待っていても始まらない。どういう人材が必要かを明確に意識し、そうした人材を確保するために、他の介護事業者との差別化を図って、独自の方法で人材確保という面でも勝ち残っていく必要があるし、職場の中で人材を確実に育て伸ばしていかないと、必要な人材確保はできなくなる。

そのためには人材がどういう場所に集まり、どういう場所で育っていくのかをきちんと見据えて、人材が集まり育つ具体策を取っていくしかない。

職員募集に応募してきた人を、とりあえず全員採用してしまおうと考える事業者であっては、人材は育つことはない。そのような事業者に居座る、「能力のない職員」の存在によって、職場環境は悪化し荒廃する。そこからは人材が流出するだけでなく、人員さえも逃げていくため常に職員募集をし続けなければならず、人員が足りない分、さらに誰でもよいから採用しようということになり、益々職場環境が悪化するという悪循環が永遠と続くことになる。そんな事業者は消えてなくなる運命の途上であると言ってよいだろう。

そもそも事業経営に理念は大事だが、理念を念仏化しても何にもならない。理念を標語のようにして職員のネームプレートに記入して、首からぶら下げさせても、犬の首輪の役目さえ果たさないのである。

「未来につながる介護」・「尽力・誠意」・「心配りの介護」・「地域住民の福祉の向上」。どれも大事だが、それを標語にするだけで実質が伴っていなければ介護事業者の発展は見込まれない。

介護事業の経営理念を高く掲げて、他の介護事業者の追随を許さない高品質なサービスの提供を目指さねばならないのはいうまでもないが、それが標語で終わってはならないのだ。高い理念を掲げるならば、それを実現するために妥協のない職員教育が必要になる。それによって重度障がい者への高品質ケアや認知症ケアや看取り介護も、他の追随を許さないレベルで提供できる高品質な介護サービスの技術力を持つ結果につなげていくという結果を出さねばならない。

それができたとき必然的に地域住民から選択されるだけではなく、職員のサービスも洗練されていくのだ。

そうした職場には、「高品質なサービスを実践したい」・「自分の技能を高めたい」と考える有能な人材が集まってくるのだ。そうした職場であるからこそ人材は自然に集まり、定着率は格段に上昇するのである。

技術力・サービスマナー意識の低い職員がいても、人手がなくなることを恐れて、そうした職員を排除できない介護事業者に、洗練された介護技術など持てようはずがない。そうしたところは顧客から選ばれずに、人員にもなり切れない無能な労働者しか寄ってこないだろう。そしてそうした職場環境は、何事も怠惰と退廃に傾くだけに陥る。

要するに凡庸な介護に終始する介護事業者ほど、理念を空想化し標語にこだわる傾向に陥り、職場環境も良くならず、人員確保にさえ汲汲としてまともな介護事業経営などできなくなるということだ。

高品質な介護技術によるサービス提供と、五つ星ホテル並みの職員教育をうまく融合させていくところがあるとすれば、それは日本の介護の先頭に立って、安定した事業経営が続けられる介護事業者として成長を続けられるだろう。

生き残りをかけた事業戦略を真剣に考えるならば、事務職員の電話対応から、看護・介護職員の言葉遣いや所作まで、厳しい躾(しつけ)を行き渡らせる必要があることを、事業経営者は心するべきである。この部分に妥協が多すぎるから、いつまでも経営者の目指す職場は実現できないのだ。できない人員は辞めさせるしかないことを事業経営者は肝に銘ずるべきである。

つまるところ介護事業者は人なのだ。介護施設にいくら最新の介護ロボットを導入したとしても、人に恵まれなければ、その介護施設は資材置き場と化すだけである。

だからこそ人材確保と育成のためにこそ労力とお金を使うべきなのである。

ただし実効性が見込めない方法、実際に効果が出ないで漫然と続いている方法に労力とお金をかけても死に金になり無駄になるだけだからその見極めは必要だ。経営コンサルに丸投げして、資金だけかけてもさっぱり人材問題が解決していないというのは最悪である。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

絶滅危惧職種の懸念で基盤が揺らぐ地域包括ケアシステム


地域包括ケアシステムとは、地域住民が心身の状態に応じた住み替えを促進しながら、地域で暮らし続けることができるための体制を言う。

住み替え場所は個々の状態に合わせて、バリアフリーに改築した自宅であったり、サ高住であったり、有料老人ホームであったり、グループホームであったり、特養であっても良いわけである。

つまり地域包括ケアシステムにおいては、介護保険制度上の居宅サービスとか施設サービスとかの枠を超えて、居住系施設という枠組みを含めて、「住まい」と考える必要があり、そのうえでその人に最もふさわしい住まいとはどこかという視点から、「高齢期の生き方」を考えることが求められているのだ。

その住まいのうち、特養やGHや特定施設ならば、住まいに介護がセットで提供されることになるが、自宅やサ高住、住宅型有料老人ホームであれば、介護が必要になった場合、外部のサービスを利用することになる。その際に訪問介護は非常に重要なサービスとなることは言うまでもない。しかしその訪問介護が提供できなくなるのではないかという大問題が生じている。

全国労働組合総連合(全労連)が4月24日に公式サイトで公表した調査結果では、訪問介護を支える介護職員のうち20代は1.0%しかいないと報告されているのである。(参照:介護労働実態調査報告書

その報告書の数値を下記のように図表化してみた。

訪問介護員の年代別分布図:出典は介護労働実態調査報告書
訪問介護員の年代別分布
この調査は1897人の抽出データとのことであるが、訪問介護員の全体の平均年齢は55.5歳である。しかも50歳以上が全体の73.0%を占めており、20代は1.0%という現状は、近い将来訪問介護サービスを提供できなくなる地域が出てくることを表しているように思う。

訪問介護というサービスの難しさは、それぞれ個性の異なる利用者の、「家庭」という最もプライベートな空間に入ってサービスを提供しなければならないことである。その環境に馴染んで、利用者と密室で1対1の関係で向かい合う能力も求められる。

施設サービスならば、OJTを終えた後であっても、同じサービスの現場に先輩職員が複数いて、疑問点を聴いたり見たりして解決できるが、訪問介護の場では、OJT等の研修期間を終えた後は、まさに「ひとり立ち」が求められ、誰にも頼ることのできない難しさがある。また身体介護と生活援助をセットで提供できなければならないために、家事能力のない人には向かないという問題もある。

そのためある程度の経験があり、家事能力も高い、一定の年齢以上の人がこの仕事に就く傾向にあることは事実だが、50代以上の年齢層が7割も占める仕事というのは異常である。これはすでに絶滅危惧職種というしかない。

そうすると近い将来(というか数年後:10年以内)に訪問介護サービスが足りなくて、サービス提供できない地域が出てくる。そのことで地域包括ケアシステムは崩壊するかもしれない。

そうしないために、59時間の新研修を受けることで生活援助に特化したサービス提要ができる新たな資格を創設したり、地域によっては元気高齢者のボランティア機会を増やすなどの施策を取ろうとしていたりするが、これは訪問介護サービスを益々低賃金化させ、訪問介護の職業そのものを底辺化するという側面を持っている。そうなると若い男性は、訪問介護という職業をますます選ばなくなる。

しかも元気高齢者というボランティアに頼らねばならない地域包括ケアシステムとは、その基盤は脆弱そのものであるとしか言いようがない。それはいつ崩壊してもおかしくないという意味だ。

そもそも個人の家庭で、身体介護と家事の両方を提供する職業は、もっとも専門的な職業と考えるべきで、それが絶滅危惧職種になっている原因は、安易な訪問介護費の引き下げによって、将来の不安と相まって、訪問介護では食っていけないと考える労働者の不安が増大しているからに他ならない。

その不安を解消しない限り、訪問介護という職業に就く人はいずれいなくなるだろう。いたとしても、訪問介護に就こうかと思う人の多くは、現役をリタイヤした元気高齢者が占めることになって、重度の要介護者の身体介護ができない訪問介護員が大半になる。

この構造を変えて、訪問介護サービスが安定的に提供されて、地域包括ケアシステムが安定できるためには何をしたら良いのだろう。

本来国民の命と暮らしを護るべき責任と義務は国家そのものにあり、この部分に掛けるべき費用に無駄金や死に金は存在しないはずなのに、財源論が幅を利かせて、介護給付費の増加が悪の権化であるかのような印象操作がされ続けている現状で、この問題を解決できる方策は生まれないと思う。

そうであればこのサービスを失くさないようにする唯一の方策とは、訪問介護サービスを民間営利事業として存続させていくのではなく、市町村の公益事業とし、市町村に実施義務を課すしかないのではないだろうか。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

人員配置基準緩和で喜ぶ職員なんて存在しない


介護施設の人材不足に対する解決策の糸口さえ見えない今日、人材は充足しないのだから介護ロボットを活用して人間の労力の省力化を図り、人の労力がいらなくなった分、配置基準を緩和して一度に働く職員の数を減らし、職員を分散配置することで介護人材の絶対数不足に対応しようという考え方が生まれている。

このことは「次期制度改正に向けた財務省の資料を読んで」の中でも少しだけ触れているが、この中で僕は、「介護ロボットの導入で、本当に人の配置を少なく出来るのかという、介護現場の不安など一切無視しないと、人手不足には対応できないとしているわけである。」と論評した。

しかしこの論評は、少し言葉足らずの感があり、意味がわからなくなくもない。読者にその真意が伝わっていないかもしれないと思うので、このことについて詳しく解説したい。

23日に公表された、財政制度分科会(平成31年4月23日開催)資料の中で、このことに触れている部分は85頁である。

介護事業所・施設の経営の効率化について」というタイトルがつけられたこのページでは、「介護施設の設備・運営基準については、長らく変更されておらず、近年の介護ロボットやICT等の普及効果が反映されていない。 」として、「介護ロボット等の設備に応じて設備・運営基準や報酬に差を設けるなど、生産性向上に向けたインセンティブを強化し、底上げを図るべき。」としている。

この提言には、新たなテクノロジのフル活用とセットで人員配置基準を緩和することが念頭にあると言われており、自民党の厚生労働部会が4月18日にまとめた提言の中でも、タブレットやウェアラブル、センサーなどを使って安全性を確保することを前提として、「人員基準を緩和すべき」と打ち出している。さらに根本匠厚労相も「より少ない人手でも回る現場を実現する」と語っており、実用化されているセンサーロボットなどを導入した介護施設などの夜勤配置職員などを定めた人員配置規準の見直しを視野に入れている。

人間の手足に少しでも替わることができる介護ロボットができるのならそれに越したことはないし、そうした介護ロボットをぜひ開発してほしいと思う。そうしたロボットが本当に誕生したならば、人に替わってロボットを導入して、人員配置は少なくしても良いだろう。しかし現実には人に替わる介護ロボットは存在していないし、人の動作を一部援助する装着ロボット等も、使い勝手が悪いために実際の介護の場で実用化しているとは言えない状況がある。

そんな中で見守りセンサーなどは、巡回しなくてもよいスペースや時間を作り出すことができる点では、すでに夜勤を行う介護職員等の業務の一部を省力化することに貢献しているといってよいだろう。

だからといって、そのことで人手を減らせるのかといえば、それは全く別問題である。

見守りセンサーは、見守っている対象者の異常を感知・通報できるだけで、その対応はできないのだという、ごく単純な問題を考えなければならない。

見守りセンサーの活用で、夜勤時間帯の見回り回数が減ったからと言って、即夜勤者の数を減らしてしまえば大変なことが起こる。見守りセンサーが人に替わってカバーできることとは、「見守り」そのものに過ぎず、夜勤者が定期巡回せずにセンサーが常時見守ってくれた結果、何事もない場合はそれでよいのだが、見守りセンサーが反応した場合、そこに駆けつけて対応しなければならないのは夜勤者なのである。

つまり見守り対応を夜勤者に変わってセンサーロボットがしてくれるので、夜勤時間帯の定時巡回の必要がなくなって、その分夜勤労働の省力化は図られるのは事実だが、そこで夜勤配置職員そのものを削ってしまえば、いざセンサー反応があった時の対応に支障を来し、配置職員数を削られた分、配置されている職員の労働負担が増えることになる。

労働負担が一時的に増えるだけならよいが、配置職員数が削られてしまうことで、対応そのものが困難になるケースも出てくるだろう。それは即ち利用者のサービスの質の低下につながるだけではなく、対応が必要な人の命の危険となり得る問題で、それは劣悪な介護環境につながりかねない問題ともいえる。

タブレットやウェアラブルなど、ICTをいくら活用しても同様の問題が生じ、要介護者等に人間と同様に対応できるロボットでない限り、配置人員を減らしたら対応困難になる場面は増え、そこで働いている人間はさらに疲弊していくのである。

そもそもリンクを貼りつけた資料の85頁の表の中で「人員を基準より多く配置する状況が常態化」という記述があるように、現在でも人員配置基準以上の職員配置をしている介護施設が多いのは何故かということを考えてほしい。

従来型特養は看護・介護職員:利用者の配置比率は、配置基準上では3:1とされているが、多くの特養ではそのような配置では業務が回せないために、2:1に近い配置をしている。

配置規準をさらに緩めたところで、業務が回らない以上実際の配置職員を削ることは困難である。

ところが配置規準が下がれば、それを根拠として、何が何でも職員数を削ろうとするブラック経営者が必ず現れる。夜勤業務が回らないなんてことは無視して、緩和された基準人数だけを配置しておればよいだろうと考える施設経営者も出てくるだろう。

そうなるとそこで働く職員は最悪の労働環境の中で最低限の仕事しかしない工夫をするか、バーンアウトするしかなくなる。どちらにしても人員基準緩和は、実際に働く職員に対するメリットは何もない。そのことを歓迎する介護職員は存在しないだろう。

実際には人に替わることができる介護ロボットがない現状であるにもかかわらず、政治家や官僚が、「センサーやタブレットによって人手がいらなくなる」という幻想を抱くことにより緩和される最低配置基準によって、介護労働は益々重労働となり、職員は益々疲弊していくのである。

それが介護人材不足の処方箋であるという考えは大きな間違いなのである。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

10連休は職員の5月病につながっていないか?


GWの10連休が終わって、今日から仕事という人が多いのかもしれない。そういう人にとっては、今朝の出勤はとても憂鬱なものであったのではないだろうか。いつまでも連休気分を引きずることなく、一日も早く日常を取り戻してほしいものだ。

しかし介護関連の職業についている人は、そのような世間の暦とは関係なく働いておられた人が多いだろう。特に介護職員でシフト勤務の人は、GWとか連休という言葉とは無縁だという人が多いはずだ。

シフト勤務のある職場で、暦通りに休みを取れた人たちは、その休み中に勤務をしてくれていた人に感謝の気持ちを忘れないでほしい。そういう気持ちがないと職場の環境は悪くなることはあっても、決して良くはならないからだ。

介護施設は24時間365日の営業なので、シフト勤務者が自分の休みの時に働いているのは当たり前だと思いがちだが、世間の多くの人が休んでいるときに働いている人の気持ちも様々である。

世間がGWの10連休という言葉に浮かれて遊んでいるときに、介護支援が必要な人を、自分が働いて支えているということに使命と誇りを感じている人ばかりではなく、そのことを当然とされる職場に疑問を持ち始めている人がいてもおかしくないわけである。

暦通りに休めないことに疑問を感じる人は、その職業に向いていないと短絡的に評価するのではなく、シフト勤務であるとわかって職業を選んでいる人が、なぜそのような疑問を持ち、やる気を失ってしまうのかということを考えてほしい。

その原因がシフト勤務者に対する労りと感謝の気持ちに欠ける職場の雰囲気であるとしたら、それは改善すべき重要課題と言えるのではないだろうか。

施設長や事務管理部門が暦通りに休むことは否定されるべきではないが、長い連休の間も滞りなく施設サービスが提供されるために働いてくれる、シフト勤務者に感謝の気持ちを持って、暦の上での連休が終わった後に、同じように休みが取れるようにシフトを工夫するという努力も忘れてはならないのだと思う。

職場のモチベーションとは、そうしたお互いの思いやりによって高まりもするし、低まりもするのだろう。特に介護施設などの経営者は、自分が休んでいるときに、シフト勤務者が働いているのは当然だと考え、そのことに何の労りの気持ちを持たないことは、後々重大な問題を引き起こしかねないと肝に銘じてほしい。

そもそもこの5月という時期はなかなか難しい時期である。昔から五月病という言葉がある。それは新人社員等が新しい環境に適応できないことに起因する精神的な症状の総称である。

入社1カ月は多くの新人にとって、「この職場で働き続けるべきなのか?」といった不安に揺れる時期だ。この時期に自信を失ったり、考えすぎたり、将来への不安を感じたりしてうつ病に似た症状が出る人が多い。精神科に受診する人も増え、「適応障害」あるいは「うつ病」と診断される人が出てくる。一旦うつ病と診断された人で、うつ病が完治するケースは少ない。うつ病とはいったん発症したら2/3が寛解(完治はしていないが症状がなくなった状態)となっても、そのうち半分以上が再発するという怖い病気だ。

五月病として「うつ病」になってしまうと、元の状態で職場復帰できる人は2割もいないという事実がある。それは貴重な人材を失う大きな要因ともいえるわけである。だからこそいかにうつ病にならないように対策することが一番大事なのであり、事業経営者にとって、この時期のストレスマネジメントは非常に重要な課題となっているのである。

今年のGWは、かつてない大型連休になっているのだから、我々の予測を超えた様々な症状を生んでいるかもしれない。休んで10日仕事を離れた人が、今日から日常業務に戻って感じるストレスにも配慮が欠かせないし、ましてや同じ時期に連休など関係なく日常業務を黙々とこなしていた人々のストレスに対する配慮にも欠かせないのである。

思い返せば2018年の連休後には、「新入社員の4割超がゴールデンウィーク中に転職サイトに登録した」といった報道もあった。今回それ以上の大型連休になったわけであるから、その数はもっと増えるのかもしれない。

そうした現状を認識したうえで、管理者や管理職は、部下である従業員と日々の対話を心がける必要がある。日ごろから従業員や部下との信頼関係を築いておき、もしも不調になった場合に、それに伴う課題と解消努力への共通理解が持てる素地を作っておくことが何よりも大事だ。

どちらにしても介護事業経営者や管理職は、従業員のストレスやメンタルヘルスに向き合い、常に改善を心がけていく必要があることを十分理解すべきである。その最大要因が10連休ということにならないように、職場の中でシフト勤務者と非シフト勤務者の、「意識の格差」が生じないように配慮すること最大の課題となる。

その時、「ありがとう」という言葉が職場を支える礎になるかもしれないということを忘れないでほしい。
10153152_487972827998604_1731639376574619247_n

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

介護事業経営を継続するための事業戦略


先週の水曜日から始まった松山〜高知の旅が終わろうとしている。

高知講演二日目はお昼に終了したため、無理をして昨日帰ることも可能だったが、新千歳空港からの直行便がない高知空港から、昼の講演を終えて乗り継ぎ便を利用して帰ろうとすれば、新千歳空港に到着する時間が夜8時近くになる便しかない。それから登別の自宅に帰るとなれば、到着時間が夜10時を過ぎてしまうので、もう一泊高知に泊まって今日ゆっくりと自宅に帰ることにした。

そのおかげで昨日の夜も、高知の皆様とご一緒して、高知のおいしいお酒と食べ物を堪能した。その模様は、masaの血と骨と肉〜これから要職につきますって、ようショックだねを参照いただきたい。

こうした余裕がある旅ができるのもフリーランスの特権である。特養の施設長をしていた当時なら、何が何でも昨日のうちに北海道に帰ろうとしただろう。ということで、この記事は高知空港から羽田空港に向かう機内で、空の上から更新アップしているところだ。

ところで昨日の高知講演は、この旅の4講演の中で、唯一のオープン講演であり、高知市内の関係者だけではなく、松山や岡山などからたくさんの介護関係者の皆さんが来場してくださり、受講者の数は180人を超える盛況ぶりであった。

昨日の講演では、(実施されるのかどうなのか不透明な状況となっているが)10月の消費税増税と合わせて行われる介護報酬改定の中で注目される、「特定処遇改善加算」の算定要件や、支給方法などを、最新の情報と合わせて解説するとともに、今後の制度改正や報酬改定の方向性について根拠に基づく予測を示してきた。

そんな中で介護事業者には何が求められるかということを僕なりに分析整理して伝えてきた。介護事業経営は、大規模経営へと誘導策がとられる中で、ますます知恵と工夫が必要になるが、どの方向にベクトルを向ける必要があるのかを詳しく解説したつもりである。

2018年と2028年を比較すると、介護給付費は10兆円増加し、関連費用を含めるとそこには100兆円の資金が存在することになり、他産業から新たに介護事業に参入する企業も増えることは確実だ。そんな中で勝ち残って事業を続けていくためには、「人財」となり得る貴重な人材を安定して確保し、人材教育をしていくことができるかどうかということが一番重要な課題である。

そのことにどう対応するのか・・・。貴重な人材である、「介護福祉士養成校」の学生は、有能であればあるほど、実習や施設見学を通じて、自分の目と耳で介護事業者を評価して選んでいるという事実がある。

ホームページの情報や建物は立派だけど、実際にそこで職員が利用者に対応している姿に幻滅して、その施設では働きたくないと評価する学生が多い。その姿とは、職員が日常的に利用者に対してため口で接していたり、荒々しい態度をとっていたりする姿である。特にきちんとしたサービスマナーが対人援助には不可欠であると教えられている学生は、日常的に利用者にタメ口で対応している事業者を敬遠する傾向にある。それを改善しない限り、そうした事業者は外国人労働者にしか頼ることはできなくなるだろう。

そういう意味を込めて3時間講演の後半90分は、介護サービス事業におけるサービスマナーの必要性と方法論をテーマにして講演を行った。その結果、たくさんの受講者の方から共感したという声をいただき、新たなサービスマナー研修講師の依頼もいただいている。ありがたいことである。

有能な人材は、サービスマナーに基づく顧客対応を行う事業者に張り付き、そうした事業者では次から次へと有能な人材が育つ。そこではサービスの高品質化が図られるとともに、ホスピタリティ精神を持った職員が生まれ、利用者からも選択されるという好循環が作り出される。

今、介護事業者に求められるサービスマナー教育とは、職業倫理を超えた事業戦略であるということに早く気が付いた経営者のみが、生き残っていくことができるのである。

利用者を確保し、安定経営につながるには、利用者から選ばれるサービスの基盤となる人材を確保せねばならない。

そうした人材が就職したくなり、ずっと働き続けたいと思える職場づくりのヒントを、僕の講演から得てくだされば幸いである。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

人材から選ばれる事業者という意識


全国各地、どこへ行っても介護事業者の人材が充足しているという地域はない。

多くの事業者で人材確保に悩みと不安を持っているのが現状だ。しかしそのことに具体的に対策をしていない事業者も多い。介護事業者がなくなっては困るのだから、国が何とかするだろうと甘えた考え方を持っている事業経営者もいる。

しかしこのブログのカテゴリー「介護人材確保」で何度も指摘しているように、日本の人口構造と、外国人労働者の特性を鑑みたときに、国の政策によって介護人材が充足することはあり得ず、人材確保ができずに事業経営が続けられなくなる事業者は相当数出てくるだろうという予測は、決して外れない予測と言ってよい。

しかし人材不足が叫ばれる現在であっても、しっかり人材を確保し、職員が充足しているという事業者もある。そこでは他事業者との差別化を図り、求職者にそのことが認められて選ばれ、そうした人材が定着しているという意味である。

つまり介護人材確保という面で言えば、既に勝ち組と負け組の差が付き始めているということだ。

ではその差別化とは何だろう。勿論そこには給与やキャリアパスを含めた待遇面の差という要素も含まれてくる。そしてその差は事業規模によって開きが出てくるために、大規模事業者の方が有利となるという側面がある。しかし大規模事業者の中でも、人材確保に苦労しているところと、そうではないところがあるという差が生じていることを考えると、待遇面以外の差というものが確実に存在するはずだ。

そもそも介護給付費を主な運営費としている以上、サービス種別と事業規模が同じであれば、給与という部分で大きな差はつかないはずなのに、事業種別と事業規模別に細かく人材確保の状況を見ていくと、そこでも差が生じていることが明らかになってくる。この差は何だろう。

ちょっと角度を変えて、若い人で介護の職業に就こうとしている人の視点から、このことを考えてみたい。

高校生が介護の仕事を進路として希望すると、担任から職員室に呼び出され、「そのような将来性のない仕事に就いてはならない。考え直しなさい。」と指導する学校がまだ全国にたくさんある。そんな中で、なおかつ介護の職業を目指そうとする高校生には、高い動機づけがある。それだけを考えても、高校卒の新人は「金の卵」であり、「宝」だと言ってよい。

そんな中で介護福祉を専門に学ぶコースを設けている高校もある。その数も減りつつあるのだが、そうしたコースにのある高校を選んで進学する学生もいるのである。そうした学生は明確に、介護の職業に就きたいという動機づけを持った人たちである。

その動機付けを得た理由が、祖父母の介護経験であったり、介護施設を訪ねて見聞きした経験であったり様々ではあるが、介護の職業にある種の「憧れ」を持って、希望を胸にして進路を定めているのである。

そういう人たちは、介護の知識や技術を学び取ろうと熱心に勉強している。若く経験がない中でも、懸命に介護とは何たるかを学び取ろうとして勉強しているのだ。その知識や技術は拙いとしても、その人たちが貴重な人材であることは間違いない。そういう人たちが介護職員の募集に応募してくれる事業者とならねば、金の卵を獲得できないのである。

しかしその金の卵たちは、漠然と募集を待っているわけではない。職業安定所の募集内容だけを見て、応募するかどうかを決めるわけではないのである。

介護福祉コースで学ぶ学生にインタビューを行ってわかることは、彼ら・彼女らは、職員募集に応募する前に、ほとんど現地を訪ねているという事実が浮かび上がる。職員を募集している職場で、実際にどういう人が働いていて、どういうふうに利用者対応をしているのかをしっかり見定めたうえで、「あんなふうに介護ができるなら、そこで働きたい」と応募先を決めているのだ。

だから多くの学生が、複数の介護事業者を訪問見学している。その時に訪問先の職員の利用者への対応が、「なんとなくぞんざいな感じがする」・「乱暴に利用者に対応している職員がいる」という評価を学生が下していることを、当の介護事業者の職員は意識しているのだろうか?

少なくとも「接遇」を学んでいる学生は、顧客である利用者に、日常的に「タメ口」で接する職員のいる事業者を、入職したい事業者であるとは希望しないのである。

実習という場面でも同じである。実習先がそのまま就職希望先になる場合と、絶対に就職したくない場所に分かれてくる理由は、前者はマナーの優れた職員が多い事業者であり、後者はマナーに欠けている事業者であることが多い。

現在の介護職を目指す学生は、介護という職業に理想を持っているのだ。介護という仕事が「人に役立つ職業である」ことを信じて介護職を目指しているので、人に役立たないサービスの実態が見える事業者には就職したくないと思うのだ。

東京の高校で介護福祉を学んで、去年の春に特養に就職した19歳の女性は、その施設を選んだ理由を、「見学したときに、職員さんの言葉遣いが一番丁寧だったから」と言った。その若者を「宝」と公言している施設長さんのいる特養で、彼女は今も活躍している。

そんな風に将来「人財」となり得る「人材」は、事業者から選ばれる前に、事業者を選択しているのである。単なる人員を集めて、将来そうした職員が、「人罪」となってしまうような事業者に、そういう人材は集まらないわけである。

だから良い人材を集めて、定着率が高く、サービスの質が高い事業者にはさらに良い人材が集まる。逆に人員確保に汲々として、いつも職員を募集し、職員教育もほとんど行われずにサービスの質も低いような事業者は、人材から振り向きもされず、ずっと人手不足は解消されないことになる。

後者のような負のスパイラルに陥らないためには、サービスマナー教育と徹底するとともに、教育の手の及ばない職員は排除するという強い考えが必要である。そして一時的な人員不足を耐え忍んで、誰でもよいから採用する体質から抜け出し、人材から選ばれ、人材を採用して教育し、高品質なサービスを提供できる事業者へ脱皮することが求められる。

そうしないと事業経営ができない時代になってきているのである。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。

介護労働の底辺化を進める愚策に協力する愚かな関係者


3月19日に行われた全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議の資料のうち、総務課資料の32頁には、「介護人材のすそ野を広げる取り組み」の事例として、三重県の老人保健施設で、地域の元気な高齢者を、「介護助手」として導入する取り組みが行われていることを紹介している。

ベッドメイキングや食事の配膳などを行う「介護助手」を10施設が取り入れ、47名がパート職として継続雇用されている状況について、現場の介護職員からは、「これまで以上に業務に集中できる」・「時間的余裕ができる」・「利用者の満足度が上がった」という声が挙がっていることも紹介されている。

この資料のこの部分を読む限り、配膳やベッドメイキングができる高齢者を、「介護助手」として雇用できれば、現場は大いに助かるという印象が持たれるだろう。

しかしこれは本当に現場の声を代表している意見なのだろうか?

僕が特養の総合施設長を務めていた経験で言えば、日中短時間しか働けないパート職員をいくら増やしたところで、常勤の介護職員からはあまり歓迎されなかった。特定の時間帯にいくら職員を手厚くしても業務軽減にはならないので、そんな人を増やすのではなく、私たちと同じ勤務体制でシフトできる人を一人でも多くしてくださいと言われた。ましてや一部の特定の仕事しかできない人は、なおさら「いらない」と言われた。

介護業務とは、単純作業と技術が必要な作業が複雑につながっているもので、それを単純化して切り分けるのは、利用者の暮らしを分断させて、暮らしの質の低下につながりかねなくなる問題であるという問題もそこには存在していた。そのことは、「施設業務の切り分けを考えるお寒い頭脳」でも指摘しているところである。

それなのに三重県の老健では、ボランティアとあまり変わらないような、ごく一部の行為しかできない高齢労働者を歓迎する声が多い。それは何故だろう?

そう考えると、この資料に載せさられている職員の声とは、一部の肯定的な意見を拾って取り上げているだけではないのかという疑いがでてくる。しかもそれらの肯定的な声は、必ずしも多数派の意見ではないのではないかという疑いも捨てきれない。

国が施設業務を切り分けて、「介護助手」の導入を進めるという方針に沿った都合の良い声だけを載せている、「印象操作」ではないかと思えるのである。

何しろ資料を作っているのが、不正統計・統計操作がお上手な厚労省なのである。そういう疑いがもたれて当然だし、僕の過去の施設長経験のみならず、今現在の現場の介護職員の声を聴いても、この資料の肯定的な意見は、決して納得できるものではないのである。

そもそもこのように業務を切り分けて、一部の業務を現役を引退した高齢者に手渡すことを広げた先には、何があるかを考えてほしい。介護助手の業務内容を考えると、その仕事に手厚い対価は支払われないことは確実だ。それは最低賃金と同額にしかならないだろう。しかしそうであっても現役を引退した後の、老後のアルバイトとしては問題ないとでもいうのだろうか?介護助手として雇用される人は、現役を引退した高齢者に限らない。そこには数は多くはならないとはいえ、単純作業しかできない・したくないという若年労働者も含まれてくるだろう。

そしてこの方法が一般化する先には、配置規準に「介護助手」も含めてよいという基準改正が待っている。

3:1の基準を改正しないまま、介護助手を含めた配置規準とすることで、介護給付費の単価を下げようとする考え方があるということを理解しなければならない。しかしそれは介護の職業のうち、介護助手という単純作業に特化して就労する人々を大量に生み出して、それらの人々の暮らしを底辺化させるものだ。つまり介護助手の導入促進は、介護労働の低賃金化を促進する結果とならざるを得ないのである。

いうなれば介護助手とは、生活援助に特化してホームヘルプサービスを提供できる資格者の仕事と同じように、ワーキングプアに直結する新たな仕事と言ってよく、そのような業種に支えられる介護労働としてよいのかという問題が根底にあるということだ。

介護助手のモデル事業に参加している三重県の老健関係者は、そのことを理解して、この事業に協力しているのだろうか。介護労働の底辺化を懸念したうえで、なおかつ介護助手を肯定的にみる現場の意見を挙げているのだろうか。

三重県の老健の経営者や管理者は、この問題が将来的には自らの首を絞める結果につながっていくことをわかっているのだろうか。

※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
TSUTAYAのサイトからは、お店受け取りで送料無料で購入できます。
キャラアニのサイトからも送料無料になります。
医学書専門メテオMBCからも送料無料で取り寄せ可能です。
アマゾンでも送料無料で取り寄せができるようになりました。
masaの講演案内
当ブログ管理人masaの講演予定は、こちらからご覧下さい。講演依頼もこのページからできます。
新刊のご案内
表紙画像(小)
新刊「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から(2019年1月20日発売)のネットからの購入はこちらをクリックしてください。送料無料です。
Weekuly Access

    記事検索
    Blog Search
    Google
    WWW を検索
    このブログ内を検索
    ↑こちらにキーワードを入れて過去のブログ内記事を検索できます。
    masa's book 5
    新刊介護の誇り
    「介護の誇り」はこちらから購入できます。
    masa's book 4
    介護の詩(うた)  「介護の詩(うた)」はこちらから購入できます。
    masa's book 3
    人を語らずして介護を語るなTHE FINAL 誰かの赤い花になるために  感動の完結編。 「人を語らずして介護を語るな THE FINAL 誰かの赤い花になるために」。 はこちらから購入できます。
    masa's book 1
    表紙カバー、帯付き
    書籍化第1弾「人を語らずして介護を語るな〜書籍masaの介護福祉情報裏板」 はこちらから購入できます。
    Facebook
    masaのフェイスブックはこちらからアクセスしてください。
    Recent Comments
    Archives
    Categories
    Access Counter
    • 今日:
    • 昨日:
    • 累計:

    QRコード
    QRコード