masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

事件・ニュース

あまりに杜撰な利用者の通帳管理


岐阜市の養護老人ホーム「寿松苑」(岐阜市社会福祉事業団)で、出納責任者であった元職員の女が利用者の預金を横領していたという事件が発覚した。

元職員は入所者が日常生活で使用するために金庫で管理していた預かり金を所長決裁を経ずに持ち出したり、預かっていた通帳から現金を引き出したりして、33回にわたり不正に出金していたという。1人あたりの被害額は最高で95万円。

元職員は2015年度から同苑の出納責任者を務めており、所長が交代した2021年度から、異動する2022年3月末まで預かり金の管理をほぼ一任されていたという。元職員の退職後の今年5月、入所者の親族から使途不明の出金があると同苑に申し出があり、調査していた。
預金通帳
岐阜市社会福祉事業団は22日に記者会見を開き、この元職員を警察に刑事告発し受理されたということを明らかにしたうえで、入所者には全額返金することを表明している。

それは当然のこととして、この事業団の預かり金管理はあまりにも杜撰すぎる。

養護老人ホームは、特養利用者よりADLが高い方で、認知症ではない人が数多く入居している施設である。しかし多額の預金を自己管理するのは紛失等の問題も懸念されることから、ホームに預けて管理してもらう人は少なくない。

その為、預かり金管理に間違いがないように、旧厚生省の時代に、「預り金管理規定」のひな型が示され、それを参考にして厳重に不正の入り込む余地がないように、預かり金管理を行うように指導・通知されていた。

今回の盗難の疑いがある事案は、そのシステムが全く機能していなかったという問題で、厳しく管理責任が問われなければならない。

そもそも預かり金管理を不正が入り込まないようにするシステムなんて、さほど難しいシステムではない。要は特定の従業員一人に管理業務を担わせずに、相互監視のシステムを構築すればよいだけの話である。

仮に信頼が置ける人物で、その人に任せておけば大丈夫であろうという人物であったとしても、その人物だけに権限や責任が集中してしまえば、人には「魔が差す」という状態があり得るわけで、何千万円にも上る預り金を自分一人の考えで処理できるとすれば、その一部を懐に入れてしまえと考えないとは言い切れないのだ。

そうならないように複数の従業員が、預貯金管理、預金引き落とし業務に関り、お互いの業務に齟齬が生じていないかを確認し合うシステムは不可欠である。

僕が総合施設長を務めていた社福でも、措置費時代から僕が退職するまでずっと、100人の特養利用者の預かり金を管理していたが、一度も間違いを犯したことはなかった。システムがきちんと機能していたからである。

本件は、元職員が所長決済を得て預金を下ろすというルールを無視したことが原因と報道されているが、そのような行為が長期間発覚しなかったことがより大きな問題だと思う。

預り金管理規定では、毎月利用者預金の収支状況を確認するための、預金元帳や試算表の作成が求められている。

つまり月締めで預り金元帳を作成し、預金を預かっている利用者のそれぞれの預金通帳について、当該月にいくらの金額が、何のために引き出されているかを確認することが求められているのだ。

この際に預金元帳・試算表を作成する職員と、預金を金融機関から引き出す職員を別にしていることにより、決済を受けずに勝手に預金を引き出した行為は、元帳・試算表の作成段階で必ず明らかになるわけである。

岐阜市社会福祉事業団では、こんな簡単なシステムの運用さえできていなかったという意味ではないか。

それは管理責任のあるすべての人物が、責任をとらねばならないという問題でもある。






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ごく当たり前の優しさを失わない人でありたい



見ず知らずの人に、声を掛けるという行為は勇気がいる行為だと思う。

しかし道端に倒れている人が居たら、「大丈夫ですか?」と声を掛けるのは決して難しいことではないし、人として当たり前の行為ではないだろうか・・・。

ましてや自分の行動と関係して人が蹲っているとしたら、そこで声もかけずに我関せずと放っておき、その場を離れようとすることは、人として決して許される行為ではないと思う。

だが、人の優しさの欠片も感じ取れない事件が起きている。なんとも情けない世の中である・・・。
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ネット配信ニュースから抜粋した事件概要
9月6日午後3時50分ごろ、東京・池袋駅の脇・東口と西口をつなぐ最短通路となる歩道付近でレンタル電動キックボードを運転していた伊藤明理那(めいりな)容疑者(23歳)が、60代の女性と衝突後、救護活動もせずに逃走をはかった。
逮捕された伊藤明理那(めいりな)容疑者(23歳)
※画像は伊藤明理那(めいりな)容疑者(23歳)
しかしその場で同容疑者は、取り押さえようとした警察官の腕をペットボトルで叩いたとして、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕されている。その後9月9日、自動車運転死傷処罰法違反と道路交通法違反の疑いで再逮捕された。

事故現場は多くの歩行者が行き交うこともあって自転車通行は禁止の場所であるが、電動キックボードは最高速度を時速6キロ以下の設定に切り替えるなどしていれば、歩道や路側帯での走行も可能となっている。ただし伊藤容疑者が使用していた電動キックボードは最高速度20キロに設定されており、法律上は歩道を走行できない状態だったそうである。

目撃者によると容疑者は、「おばあさんが転倒しても悪びれる様子なく、謝りもせず、まるで『勝手に転んだだけでしょ?』って感じで逃げようとしたみたいです。すごく態度が悪くて警察に対して口答えしてるような口調でした」とされている。
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数多くの人が行き交う歩道上を、時速20キロものスピードが出る電動キックボードで走行するということ自体が非常識の誹りを免れないが、その行動の影響で誰かが倒れたとき、申し訳ありませんの一言も言わないどころか、黙って逃げるという行動がなぜとれるのだろうか。

それは若気の至りでは済まない行動であるし、人として許されない行動であると思う。

容疑者のような女性が、将来産んで育てる子供がいるとしたら、いったい親として何を教えることができるというのか・・・末恐ろしいとさえ思う。

勘違いしてほしくないことは、社会全体が優しさにあふれかえり、人が皆んな親切心を振りまくような世の中が当たり前だと言っているわけではないとうことだ。それは理想であっても現実としてはあり得ない。

世の中が善行に満ち溢れるなんていうフィクションを期待しているわけではないのである。

悪も無関心も存在し続けるのが人間社会である。善行を重ねる人間だとしても、ある場面だけを切り取ったら、別な一面を見せてしまうことがあるかもしれないのが人間である。僕自身もそんな一面を持っていることだろう・・・それは2面性とも揶揄されるが、そうではなく人は間違える生物であるという意味だと僕は思っている。

しかし人として生きることにおいて、最も必要とされる最低限の人間愛は失わないようにしたいと思う。人としてこのように生まれたからには、人として当然持つべき優しさというものはあるのだろうと思うのである。

特別に優しくなくても良い。特別な人でなくても良い。しかし人としてごく当たり前の優しさを持つ人でありたい。そうした人間性は失いたくない。

だから次の画像のフレーズを大切にしている。これからもずっと大切にしていこうとも思う。
明日へつなぐ言葉






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高齢者を送迎ドライバーとして雇用するリスク


昨日、介護事業所の敷地内で悲惨な事故が発生した。

さいたま市の通所介護事業所、「ビッグスマイルリハビリセンター」で9/14、駐車場で送迎車が3人をはね、利用者2人が死亡するという事故が起きたのである。(※そのほか職員1名が怪我

ネット上にアップされているニュース映像では、事故車両が通所介護事業所の玄関前スロープに前方から突っ込んでいる画像が映っている。
事故車両
※スロープに突っ込んでいる当該事故車両

ニュース映像の中では、この事業所の運営会社代表が、「玄関付近で送迎車両を(利用者が)待っていたところノンストップでスロープに突っ込み。ご遺族の方にも、本当に申し訳ありませんでした」と謝罪しているシーンを見ることができる。

運営会社や代表に直接過失があるわけではないが、2人の利用者の命が奪われたという結果を考えたときに、事故が起きた責任をとらねばならないことは当然だろう。

悔やんでも悔やみきれない事故が起きたということで、心中察するに余りある ・・・。

それにしてもこの事故の原因は何だろう。事故車両を運転していたのはアルバイトの運転手・窪島達郎容疑者(75)であり、昨日過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕されている。

画像のようにスロープに前から突っ込んでいる状態・・・ここが事業所の駐車場であるということ・・・運営会社代表が目撃証言として、「ノンストップでスロープに突っ込み」と語っている事実。

これらのことを総合的に考えると、単純な不注意とか、運転操作ミスで片づけられないのではないかと思う。ドライバー自身に運転に影響を及ぼす認知機能低下という状態があったのではないかと疑われても仕方がない。

それにしても当該ドライバーは、これまで敷地内で他の車にぶつけるなどの物損事故を2、3回起こしていたという・・・事業者側の管理責任が問われてもおかしくない状況が見て取れる。

今後、これらの点を含めて事故原因を検証してほしいと思うが、介護関係者のすべての人に送迎担当職のあり方を考えるきっかけにしてほしい。

このブログには、「カテゴリー高齢ドライバー問題」というカテゴリーも設けており、高齢ドライバーの認知機能低下が、いかに悲惨な事故を引きおこしているのか、それを防ぐために運転からの勇退という考え方も必要ではないかということを再三指摘してきた。

通所介護の業務がより専門性を帯びて、サービス提供時間以外に行わねばならない記録業務等が増えていることから、通所介護サービスを提供する専門職(機能訓練指導員や相談員や介護職員等)が送迎を担当しない事業所が増えている。

しかし運転専門職員を雇用するにも、社会全体の人手不足と、その業務に特化した職種の人件費負担を重くできない事情などを鑑みて、退職高齢者を運転業務担当者として雇用する事業所が多くなっている。これは通所介護や通所リハビリだけではなく、介護施設等のショートステイの送迎など、送迎サービスが伴う介護事業に共通してみられる特徴だろう。

しかし運転技術も様々な要因で老化することを理解しておかねばならない。加齢に伴う運動機能の低下のみならず、知らず知らずのうちに低下する認知機能によって運転機能は劣化するのだ。

そもそも現在65歳以上で7人に一人(※2025年には5人に一人と予測)が認知症であると言われている。軽度認知障害(MCI)であれば、65歳以上の4人に一人がそれに該当すると言われている。

65歳以上の高齢者をドライバーとして雇用するということは、そのリスクを背負っているということだ。

ましてや当該事故の加害者となったドライバーは75歳である。送迎という利用者の命を預ける行為を担当させる当事者として、適性年齢と言えるのだろうか・・・。

少なくともこうした高齢者をドライバーという職種で雇用する場合は、アルコールチェックと同様に、毎日の運転業務前の認知機能検査は必須ではないだろうか。

そうした議論が行われなければならないと思う。

9/16AM7:10追記
事故を起こした運転手の履歴書や運転免許証のコピーなどの生年月日が、実際より7歳若くなる昭和30年5月になっていたため、運営会社のビッグスマイルの代表取締役は、「事故が起きるまで運転手は68歳だと思い込んでいて、75歳と報道されて驚いた」と取材に答えています。しかしこれも余りに無責任。採用時に住民票もしくは戸籍謄本などをとらないのは何故でしょう。免許証も原本確認が原則です。労務管理の徹底的な見直しが必要と思います。






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送迎担当職員が居宅内介助中に起こした下劣極まりない事件


介護事業にまつわる事件は数あれど、まさか通所サービス送迎担当者が利用者宅で卑猥な行為を行って逮捕者が出るなんて事件を想像したことがある人はいるだろうか・・・。

昨日(9/12:火)15:51に中国放送がネット配信した記事をいかに転載する。
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転載ここから)「介護職員の動きがおかしい…」家族が自宅にカメラを設置 映っていたのは男の“下着擦りつけ” 介護職員の男(26)を住居侵入と器物損壊の疑いで逮捕

住居侵入と器物損壊の疑いで逮捕されたのは、広島県三原市本郷町の介護職員の男(26)です。

男はこの家に住む高齢男性の迎えのためにこの家を訪れていて、業務とは関係のない部屋に干してあった男性の孫(30代)の下着を手にとって股間に擦りつけたということです。

以前から男の動きを不審に思っていた同居する別の孫が、部屋に防犯カメラを設置したところ、男の姿が映っていたということです。(転載ここまで
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この報道がされた際に、加害者は被害者宅の90歳の男性を担当していたという記述もあったことから、訪問介護に訪れた自宅での犯行かと思った。しかしその後、複数の報道記事で、「介護サービスの送迎で訪れた住宅で・・・」という記述がみられる。

上に転載した中国放送のネット配信ニュースでも、「この家に住む高齢男性の迎えのためにこの家を訪れていて」というふうに書かれているので、おそらく通所サービス(通所介護もしくは通所リハビリ)の送迎担当職員が、送迎時に居室内介助を行っているケースと思われる。その際に利用者の居室とは関係のない場所に入り込み、卑猥な犯行に及んだということではないかと思う。
清流
このような犯罪が起こると、通所サービスの送迎職員全員が悪者のような目で見られかねないので、本当に迷惑に思う。

特に自宅での必要な介護を行う際に、疑いの目を向けられかねないと危惧している。送迎職員による自宅での介護は、利用者ニーズに応じた必要不可欠なサービスであるからだ。

2015年の介護報酬改定時、通所介護の送迎時に居宅内で介助した場合は 30 分以内であれば所要時間に参入してもよいとされ、それまで認められなかった送迎担当者の自宅での介助行為が報酬評価された。

それまでは自宅での介護については、通所サービスの送迎職員が行うのではなく、別に訪問介護を導入して対応する以外なかった。

しかしそれでは利用者負担も増えることになる。

さらに送迎時に居室内で着替え・移乗・移動・戸締りなどの介助を要する人がいるというニーズがあることに対して、訪問介護員の人材確保が難しい訪問介護事業所が、そのニーズにすべて対応しきれないという背景があった。そうしたケースでは、送迎担当者が無償で送迎準備行為を行わざるを得なかったケースも少なからず存在した。

その為にルール改正されたのである。

せっかくそのようなルールになって、その恩恵を受ける人が増えているのに、そのルールを悪用して卑劣極まりない犯罪に及ぶ人間がいることに強い憤りを感じる。

それにしても今回の犯行は下劣極まりないものだ。逮捕の罪状は、「住居侵入器物損壊」であるが、実際の行為は性犯罪というべき行為である。

利用者の孫の下着を股間に擦りつけて、性的興奮を覚えるということ自体が僕の想像範囲を超えるゲスの行為であるが、その下着を着用していた人にとってはたまったものではないだろう。今自宅にある下着が、変態男の股間が擦りつけられていたものだと考えたら気持ち悪くてしょうがないのではないだろうか・・・。場合によっては、全部買い替えが必要と感じるかもしれない。反吐が出るほど醜い行為である。

今回の犯罪は防犯カメラによって発覚した。そういう撮影が特殊技術ではなくなったこと自体は良いことだ。それによって犯行が発覚するだけではなく、未然に犯罪予防につながるかもしれないからだ。

しかし防犯カメラ・隠し撮りカメラがあるかどうかで、自らの行為のあり様が変わってしまうというのは本当に情けないことである。

プロとして自らの行動を律して仕事に携わるという、ごく当たり前の感覚を持ってほしいと強く思う。「心の中に自らを写すカメラを持っていよう」という記事もぜひ読んでいただきたい。






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コロナ禍がもたらす感覚麻痺はなかったかに気を配る時期


僕が住む登別市の東隣は白老町という小さな町である。

ここはアイヌ文化を伝える国立施設ウポポイがある町として知っている方も多いと思う。もともと大手製紙会社の企業城下町で、財政事情も良い町である。

その白老町の議会が開かれている最中であるが、先週の一般質問において町長は、町立の介護老人保健施設の収支改善が困難と判断し、休止および廃止を検討していることを表明した。

実はこの老健「きたこぶし」(定員29名)・・・昨年12月、複数の利用者が柵で囲まれたベッドに寝かせられたり、排せつ時に「汚い」「臭い」などと暴言を浴びせられたとして、道から改善指導を受けている。(※虐待事案自体は昨年10月に発覚している。

それをきっかけに新規入所者を受け入れず、在籍していた人も転所・在宅復帰を図るなどして現在入所者はゼロとなっている。さすれば道の指導を受けたことをきっかけに、確信犯的に事業廃止に向けて動いていたということではないのだろうか。

職員を教育しなおして経営立て直しを図る意欲もないということだろう。町立施設とはなんともお気楽である・・・。

民間経営母体なら、とてもではないがこのように簡単に休止や廃止に踏み切れない。何とか経営の立て直しに躍起となるところだろう・・・。
白川郷
しかしながら一度虐待事例が発生すると、このように事業経営危機に直結するのも事実だ。大きな法人の一部門でも、こうした事件が起きると法人全体のイメージに傷がつく。

だからこそ顧客対応を意識した、最低限のサービスマナーを身に着けるような従業員教育が不可欠である。これをおざなりにしている事業者は、いつそのしっぺ返しを食らうかわからない。そのような経営危機を孕んだままの介護事業経営は綱渡りと言える。そんな不安定な状態にしてはならない。

介護事業者の顧客の中心層はもう団塊の世代の人たちになってきている。その人たちはしっかり自己主張する人であり、介護事業に従事する職員のプロ意識に欠ける対応を許してくれない人たちも多いことに注意しなければならない。

なぜなら団塊の世代は日本の経済成長を支えてきた人々であり、従業員が顧客対応する際にサービスマナーを護るのは当たり前で、それに加えてホスピタリティ精神が求められることの指導・教育の先頭に立ってきた世代でもあるからだ。

その世代の方々は、自分が介護サービスを受ける身になった際に、適切な顧客対応されない状況に不満を持つだけではなく、自分自身がそういう対応を受ける身になったことを誰よりも嘆くことになる。

人の暮らしを豊かにするための介護事業が、人を嘆かせるために存在して良いのだろうかと考えたならば、人権を侵害する要素を排除するために、利用者から誤解されないための、「サービスマナー」を身に着ける必要があるということだ。

馴れしい対応で、利用者の尊厳や誇りを奪い、心を殺してしまうことを恐れる人でなければならず、よそよそしさを恐れるより、無礼で馴れ対人援助のプロとして、いつでもどこでも、マナーをもって接することができるように訓練する必要がある。

それは私たちに求められるコミュニケーション技術であり、それができないならプロ失格として別な職業を探さねばならない。

この問題に関して言えば、コロナ禍の3年間という特殊事情も大いに影響があると言える。

外出・面会制限が当たり前という風潮の中で密室化した介護事業者は、外部の目が行き届かない状況が生じた。その中で従業員に甘えと感覚麻痺はないかという検証をすべき時期に来ている。

面会者が誰もいない状況で、第3者の目が届かないことに緊張感を失い、従業員の利用者対応に乱れがなかったかということや、顧客意識の薄れた言動が目立っていないかということを確認し、必要なら修正・改善していかねばならない。

そうした意識の高い介護事業者からは、サービスマナー研修講師依頼が増えてきている。

先日も社福祉法人さんの職員研修として、「介護事業におけるサービスマナー」をテーマに講演を行ってきたが、 受講された方々から、「介護の基本的姿勢を再確認できました」・「なあなあになってた事を改めて感じることが出来た」・「様々な場面、具体的事例から思いやり、ホスピタリティーについて学び直すことができた」等の感想意見が挙がってきた。

気付きを得ていただき、講師としてありがたい気持ちである。それと共に、法人内の職員研修を行う時に気が付いたこともある。それはコロナ禍以後に初めて介護事業者に就職した人も決して少なくないということである。

それは何を意味するのか・・・そのことはまた明日続きを書くとしよう。






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身内が認知症になった場合の心構えはあるか。


今月15日、東京都世田谷区に住む71歳の男性が、自宅の寝室で68歳の妻の腹部などを殴ったり蹴ったりする暴行を加え、外傷性ショックで死亡させたとして逮捕される事件が起きた。

死亡した妻は、今年に入ってから認知症を患っていたとみられ、容疑者となった夫が介護していた。

事件当時、就寝しようとした容疑者に被害者が何回も話し掛けたといい、龍雄容疑者は調べに「煩わしくなり殴った」と供述しているそうである。被害者は暴行後に入浴したところ意識を失い、龍雄容疑者が119番通報して事件が発覚している。

腹が立ったにしろ、自分の妻を死ぬまで殴るけるする必要はないなどと、容疑者を批判することはたやすい。

しかしある日急に自分の家族が認知症になった備えをしている人などいないことを考えると、その状態に大きな戸惑いを感じて、その状態が積み重なることでストレスが生じて煮詰まってしまい、普段の自分からは考えられないような異常な行動をとってしまうことはあり得ることだろう。

そもそもこうした事件当時者は、認知症の専門家でもないし、介護の専門家でもない場合が多いのである。専門知識も介護技術も持たない人が、ある日急に認知症の家族を介護しなければならなくなる・・・。その人たちに、きちんと身内のケアをしろというだけでは、こうした問題は解決しないであろう。

この事件の報道などを目にしたり耳にしたりした人の中で、一度でも認知症の家族を介護した経験のある人は、自分もそういう負の感情を抱いたことがあり、容疑者の気持ちもわからないではないという人も多い。

認知症の人に対するケアの蘊蓄(うんちく)を持っている人でも、いざ自分の身内が認知症となり、毎日終わりの見えない介護を行わねばならない立場になると、その蘊蓄を生かすことができなくなってしまう場合もある。

だからこそ認知症に対する理解を今以上に進めねばならない。特に介護関係者ではない、一般市民の皆さんに、認知症とは老化現象の一つに過ぎず、社会的地位や日頃の行いや、本人の性格に関係なく発症するものであることを伝え続けなければならない。

誰しもが認知症になり得ること、誰しもが認知症の身内を介護する立場になり得ること、そしてその時の備えや心構え、具体的なケアの方法論、相談できたり支援の手を差し伸べてくれる機関や制度・・・そうしたことを広く伝え続ける必要がある。
葛飾認知症研修ポスター
9/23(土)の秋分の日に、東京都葛飾区のテクノプラザかつしかで、葛飾区介護サービス事業者協議会主催認知症研修会が行われるが、そこで僕は講師役を務めて「認知症を知り、地域で支え合おう〜愛を積みながら認知症の人とともに歩む介護 〜」というテーマで、13:30〜120分講演を行う予定になっている。

この研修会はコロナ前には毎年行われていたものであるが、コロナ禍以後中断しており、今年が4年ぶりに復活した会場研修である。

どなたでも無料参加できる研修で、申し込みも必要ない。

参加希望の方は、葛飾区介護サービス事業者協議会主催認知症研修会の文字リンクに張り付いたポスターを参照いただいて、当日直接会場までお越しいただきたい。

それでは秋分の日に会場で愛ましょう。






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仕事のストレスを虐待の言い訳にするほど卑怯なことはない


昨日(8/3)東京・小金井市の介護付き有料老人ホーム「アプリコ武蔵小金井」で、入居者の90代の女性を暴行しけがをさせたとして、介護職員・中川忠容疑者(41歳)が逮捕された。
アプリコ武蔵小金井
※画像は事件が起きたアプリコ武蔵小金井
事件が起きたのは先月20日。中川容疑者が夜勤巡回中、失禁した女性(90代)のベッドのシーツを交換しようとしたが拒否され、激高し女性(90代)が着ていた服の襟をつかんで引き倒すなどの暴行をして、けがをさせた疑いが持たれている。 被害女性は認知症の症状がある利用者だそうである。

女性は腕を打撲するなどしていて、中川容疑者は施設側に「暴れてけがをした」と説明していたが、それは真っ赤な嘘であった。

不審に思った親族が、設置していた部屋の防犯カメラを確認したところ、中川容疑者が暴行する様子が映っていたことにより事件が発覚したそうである。

ところでこの防犯カメラは、事前に親族が部屋に設置していたもので、施設の設備ではない点が注目される。ということは親族はかねてより、施設側に何らかの問題があるとか、施設職員が虐待などの行為に及んでいるなどという疑いを持っていたのではないかと思える。そうだとしたら施設側の労務管理の在り方も問われる問題である。

虐待がネット動画で拡散される時代の介護」でも指摘しているように、簡単に動画撮影ができ、その動画がネットを通じて拡散することが当たり前になっているのだ。そしてその動画の中には、当然のことながら利用者のプライベート空間に隠しカメラを置いて撮影した画像も含まれてくる。

だからこそ、いつ誰に見られても恥ずかしくない態度で利用者対応できるように、職員を教育指導しなければならないし、なおかつ撮影された動画の一部が切り取られて配信され時に、「ひどい対応だ」と誤解されるようなことがないように、マナーに欠けるタメ口対応などを早急に止めさせなければならない。

利用者と従業員の関係性とは、顧客とサービス提供者との関係性であって、家族や親しい友人の関係性とは異なるのだから、介護という職業を通じて生活の糧を得ているプロとしての態度や対応が求められることを日ごろからきちんと教育していかないと、本件の中川容疑者の予備軍のような人間を大量発生させてしまうことになる。くれぐれもご注意いただきたい。

それにしても容疑者が口にしている犯行動機はあきれたものである・・・取り調べに対し中川容疑者は「日頃の仕事に対するストレスがあった。女性が言うことを聞かず、かっとなって暴力を振るった」と容疑を認めているという。

どんな仕事にもストレスはつきものだ。ストレスのない仕事などないと言っても良い。

対人援助という仕事に就いていながら、利用者に対する暴力という行為でうっぷん晴らしをするような人間は、もともと対人援助には向かない人間でしかない。そもそも利用者を虐待して、介護の仕事のストレスなど解消できるわけがないことは、ストレスコーピングを少しでも学んだことのある人にはわかりきったことだ。

この施設はグループ企業の一部門であるが、多角経営している母体グループ法人は、従業員教育としてストレスコーピングや自己覚知・アンガーマネジメントなどを行っていないのだろうか。行っていないとしたらリスクマネジメントに欠けた法人という誹りは免れない。

本件のような事件が起き、犯行動機が仕事のストレスだと報道されると、介護という職業がいかにもストレスフルな職業であると誤解されがちである。しかし介護の仕事が、他の仕事に比べて特別ストレスが高い職業であるという科学的データはどこにも存在しない。

精神科医療機関に入院している患者を調べても、職業上の悩みが主因で「うつ病」などを発症している人の中で、介護職の割合が突出して多いなどという事実もない。むしろ職業うつの患者の多くは、金銭ノルマを過度に掛けられた人や、上司のパワハラを受けた人であって、介護の職業が原因となっているケースは少ない。

どちらにしてもストレスを利用者虐待の理由にしているのは、卑怯な犯罪者の言い訳にしか過ぎない。こんな卑劣な犯罪者の言い分を、そのまま報道するマスコミも見識に欠けるといって過言ではない。

このような虐待事件が起こると、それが氷山の一角で、多くの介護事業者が虐待・不適切サービスという闇を抱えていると思われがちであるが、大部分の介護事業者は、虐待や不適切サービスとは無縁ンの、人の暮らしを豊かにするケアを行っているのだと声を大にして言いたい。

だがそのこと自体は何の自慢にもならず、対人援助に関わる事業を行っているのであれば、虐待とは無縁の高品質サービスを成し遂げることが、ごく当然のことであると言うべきである。
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恐ろしい見落としミスで悲惨な絶望死か・・・。


介護事業者のシステムエラーと、その際の確認ミスで人命が奪われるという恐ろしい事件が起こった。

大阪市生野区の特別養護老人ホーム・瑞光苑(ずいこうえん)(社会福祉法人・慶生会が経営母体)で、7/12に利用システムのトラブルが発生。復旧に伴うデータ確認作業で、同園のショートステイを利用予定だった被害者など、複数の予約情報が見落とされたという・・・。

その結果、7/15〜21までショート利用予定だった80歳代の独居男性宅に、利用開始日だった15日に、同園から迎えがなかった結果、この男性は6日後に自宅で亡くなった状態で発見されたことが分かった。

ショートステイ利用終了予定日であった21日は、男性が帰宅後、自宅でショート事業所とは別事業所のサービスを受ける予定になっていた。その為、サービスを提供するため男性宅を訪問した別事業所の職員が男性の遺体を発見したとのことである・・・。

この独居男性は要介護5のであったそうだ。さすれば身の回りのことは、すべて他者支援が必要な状況だったのだろうから、ヘルパーは毎日サービスに入っていたのではないだろうか。逆に言えば、毎日ヘルパーの訪問がない状態では、日常の暮らしが成り立たない方であったのではないのだろうか。

しかしショート利用後から終了までの間は、当然自宅でのサービスは必要ないのだから、他のサービスは計画されていなかったはずである。
見捨て死・放置死
ところがショートを利用していると思われてた男性は、この間、誰からの支援も受けらずに自宅という密室に放置されていたのである。

計画担当の居宅ケアマネは、まさかショート事業所が送迎することを失念して行っていないなどとは想像もつかないので、ショート計画期間中に何も連絡がないということは、無事に変調なくショート利用している証拠であると考えるのが普通だ。よって通常その間にショート事業所を訪問したり、連絡したりしないのも普通である。

つまり本件で「」があるのは、ショート事業所のみだろう。

この方は独居という暮らし方を選んでいるのだから、意思や判断力はかなりあった方ではないのだろうか。さすれば自分を迎えに来るはずのショート事業所から誰も迎えが来ず、何の連絡もない状況の理解もあったのではないのか・・・。訪問介護の職員もショート利用期間中は訪問してこないということも理解していたのではないか。

そうであれば、その恐怖と絶望は想像に難くない。恐ろしいことである。

食事や水分を口にすることもできず、排泄物も垂れ流しの状態で、「苦しい・辛い・助けて」という声はどこにも・誰にも届くことなく、絶望と悲嘆の中で死を迎えたとしか思えない。

死因は明らかになていないが、餓死・衰弱死の可能性もある。このような悲惨な死に方がほかにあるだろうか。

この結果を単に、「システムエラーの確認ミスで申しわけない」という謝罪だけで済ませられる問題なのか。道義上の責任として、この社会福祉法人は、地域社会に対してどのような姿勢を今後示すべきなのだろうか。

当該事件に関しては、社会福祉法人の理事長の責任は当然問われるものと思われるが、そうであったとしても無残に、見捨て死させられた男性の命は戻ってこない。

その無念は察するに余りある。ただただご冥福をお祈りするしかない。合掌。
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常識が通用しないクレーマーの存在を意識しなければならない時代


介護事業者側に非がなくとも、いわれなきクレームが利用者やその家族から挙がってくることがある。

その際にも真摯に対応し、説明責任をきちんと果たそうとする姿勢は必要だろう。

しかしそれにもおのずと限度というものがある。過度にへりくだって必要以上の対応になってしまえば、結果的に不当なクレームを挙げている当事者が勘違いをして、その要求がさらに過激なものに結びつく恐れがある。

そういう意味で、真摯さや丁寧さのさじ加減も必要になってくるのではないかと思う。

そこで思い出してほしい事件がある。それは、「介護事業者にとって他人ごとではない『たてこもり殺人事件』」でも論評した、今年2月に埼玉県ふじみ野市で起きた殺人事件である。

被害者が殺害された現場は亡くなった患者宅である。懸命に治療にあたっていたものの、その甲斐なく死亡した患者の息子が、対応が気にくわなかったとして、葬儀が行われていた自宅まで医師ら治療スタッフを呼び出し、医師を猟銃で撃ち殺したという事件である。

犯人は、母親がサービスを受けていた様々な事業者にクレームを挙げ続けていた人物だそうだ。

そのような人物の呼び出しに応じて、真摯に説明しようとした被害者には何の落ち度もない。地域では親切で腕が良いと評判だった医師が犠牲となったこの事件は、被害者やその関係者にとっては理不尽極まりないものである。

このようなことが二度と起きないように、事業者側も対策を練っておく必要がある。

仮に事業者側に非があって、顧客がそのことに正当なクレームを挙げたとしても、そのことに対する謝罪対応などの要求が、社会通念に照らして相当でない場合はカスタマーハラスメントに該当するのである。

ましてや前述した事件のように、事業者側に非がないケースについては、クレームそのものが、カスタマーハラスメントである。

よって利用者宅に呼び出された場合は、いかなる状況であっても、その要求には応じてはならない。

クレーム対応は密室化しない場所(事業者の応接室など)で受けるべきで、どうしてもそれに応じない顧客に対しては、しかるべき機関(※介護保険サービスの場合は、国保連や都道府県・市町村に苦情受付窓口が設置されている)に訴えるように通告すべきである。

これらの対応について、7/26(水)15:00〜16:00アクセス札幌で、「理不尽なクレームから施設と職員を守るカスタマーハラスメント対策」をテーマに講演を行う予定だ。(※参加申し込みはこちらから。事前登録で無料入場できます
CareTEX 札幌2023講演
ケアテック札幌2023
ケアテック札幌2023 - コピー
この講演は、北海道の介護業界においても最大級の商談型展示会となるCareTEX札幌2023の中で行われるセミナーである。

事前登録することで無料入場できるそうなので、是非お早めに登録して、当日会場で僕の講演を聴くほかに、最新の介護機器等の情報を仕入れていただきたい。

カスタマーハラスメント対策は、介護事業経営を行う上で最重要なリスクヘッジである。この対策をしっかり取ることで従業員が護られ、働きやすい職場環境も生まれる。そういう意味では人材マネジメント対策の一つともいえる。

その対策を充実させることが、介護事業経営主体の体力を強化することは間違いのないところで、当日の講演を聴いて、是非今後の介護事業経営に生かしていただきたい。

それでは当日7/26会場で愛ましょう。
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心情をすべてさらけ出すことの難しさを理解すべし


先週水曜日(7/5)に横浜地裁小田原支部で開かれた刑事裁判の初公判は、介護殺人と言われる事件の裁判である。

昨年11/2に、神奈川県大磯町の港で車イスに乗った79歳の妻を海に突き落とし、殺害した罪に問われている81歳の夫がその裁判の被告となり証言台に立った。

その事件が起きた際にも、関連記事を書いているので参照していただきたい。(参照:制度の影をアンタッチャブルにしないために・・・。
介護裁判初公判
被告は約3年前から体力の衰えを感じ、力が出なくなり介護が困難になっており、長男らが本件の被害者となった妻を施設に入所させるよう説得を続けていたそうである。

公判でこのことに関連し検察側は、「施設に入所させるくらいなら殺害してしまおうと決意した」と指摘し、犯行に及んだと主張した。

これに対して弁護側は、「被告は妻の面倒を一生みるという強い決意でおよそ40年にわたり介護をしていた」としたうえで、「妻の体調悪化で将来への不安が募り、自分が元気なうちに2人で死のうと考えるようになった」と主張した。

事件が起きた日までは、献身的に要介護である妻の介護をし続けてきた被告が、被害者を疎ましく思ったとか、憎くなって殺したとかいう状況ではないだろう。弁護側の主張のように一緒に死のうとして、発作的に妻を海に突き落としてしまったというのが真相に近いのではないかと個人的には思っている。

被告は起訴内容を認めているので、判決は早い時期に示されるだろう。温情ある判決が出されることを期待したい。

本件を巡っては周囲の関係者が、「なんでもっと、みんなに助けを求めなかったかな」という声を挙げている・・・。しかし介護を巡って事件が起きたときに、そういわれるケースは実に多い。つまり心の悩みを他人に明かせないまま、自分の中で煮詰まって取り返しのつかない事件を起こしてしまうケースは少なくないという意味だ。

人は困り切っていたとしても、その心情を素直に他人に明かすことが難しい生き物なのかもしれない。

プライドがあるがゆえに、困りごとをすべてさらけ出すことを躊躇っているうちに、どうしようもなく自分自身を追い詰めて、パニック反応を起こしてしまうことは珍しくはないのだろう。

本ケースの被害者もデイサービスを利用していたとのことなので、担当ケアマネジャーも関わっていたはずである。当然、担当ケアマネも在宅介護の限界点がどこかという視点を持ちながら、日常の支援計画を練り、モニタリングで確認していたことだろう。

そうしたケアマネジャーにも、被告は相談する姿勢を見せられなかった。その為、被告の心の闇に気が付く人は周囲に居なかったのである。

しかしそれは誰の責任でもなく、当事者や関係者が置かれた様々な環境要因が相まって生じた状況だろうと思う。

居宅ケアマネが、その被告の心情に気が付かなかったことを責めるのは、あまりにも酷だ。それほど人間の心は簡単に理解できる代物ではないからだ。

だからこそ私たち対人援助の関係者は、心を開いてなんでも相談してもらうことができる関係づくりの努力をし続けることが求められると共に、そうした努力をしても届かないものがあると考えながら、心情を吐露できない人に心の内側にアプローチするためのあらゆる努力をしなければならない。

感情ある人間に寄り添い、その心を推し量ることは、言葉でいうように、あるいは文字で表すようには簡単なものではない。

しかし100%の結果は出せなくとも、100%の努力をし続けなければならないのが対人援助の職業に就いている者の使命と責任である。

そういう難しい職業が対人援助であることを嚙みしめながら、ひとり一人の利用者と向かい合っていきたい。・・・ここは科学的ではなく、心情的に寄り添う部分であるとしかいようがない。
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人員確保の網を広げるリスク


5/30に新潟市中央区内の介護施設内で、入所中の60代女性にわいせつ行為をした疑いで71歳の男が逮捕された。

男は介助に乗じて女性の着衣に手を差し入れ、直接胸を揉むわいせつ行為をした疑いが持たれている。本件は被害者家族の通報により発覚した事件であった。

この介護施設はどうやら特養らしく、男はここで「介護補助者」として働いていたようである。(※容疑者は事件後依願退職している。

介護補助者」とは、「介護助手」と同じ意味だろう。主たる介護業務には当たらないが、配膳や移動介助などの介護職の補助的業務に携わっていたのだと考えられる。

71歳という年齢からすると、定年退職者を助手として再雇用したのではないかと思われる。それも介護と関係ない他業種の退職者の再雇用かもしれない。

そういう人たちが、すべて介護の仕事に向かないというつもりはないが、このような事件が起きると、人材不足対策として国が推奨する助手活用のリスクもあぶりだされてくるような気がする。
高齢者が介護助手を担うとどうなるのか
介護報酬改定議論が本格化する中で助手活用が議論の俎上に上り、場合によっては助手活用を介護職員配置基準緩和とリンクさせようとする向きもある。

しかし人手確保の網を広げるということは、本件のような事件のリスクも広げるという意味である。それを防ぐ手立てはあるのだろか・・・。

助手として再雇用される人は高齢者が多くなるのだから、介護保険施設の利用者で、要介護者が自分より若い異性であるというケースも多くなるだろう。

そうであっても普通の感覚なら、利用者に性的欲求を感ずるなんてことは信じられないが、数が増える高齢介護助手の中には、よこしまな欲求を胸深く抱え込んでいる人が含まれてしまう恐れがある。

こうした事件を防ぐ手立ての一つとして、同性介助を徹底するという方策が考えられる。しかし介護保険施設の状況を鑑みると、女性利用者が8割方を占める施設が多い中で、その比率に応じた職員の男女別配置ができるかと言えば、それは極めて難しいといえ現実的な対応策とはなり得ない。

教育訓練・再教育などというワードが頭に浮かぶが、何十年もの間、介護とは関連性のない職業を勤め上げた人がそこで培った価値観を、簡単に変えることができるとは思えない。

年齢を重ねた人ほど、教育効果というのは出にくくなるだろう。定年退職して再雇用された人であればなおさらだ。そもそも性格自体は変えられないし、雇用の網を広げれば広げるほど、性格むき出しで仕事に向かい合う人も多くなることだろう。

その中には、心身に障害を持つ人に対する偏見を持っている人も居るかもしれない。人として存在していることそのものに価値があるという人間尊重の価値前提など理解できない人がいて、要介護者に対して施し意識や上から目線が抜けない人がいるのかもしれない。

そのような人たちは、平気で要介護者の方々の尊厳を損なう対応に終始する恐れもある。

定年退職後もなおかつ働きたいと思う理由は様々で、中にはお金に困って働き続けなければならない人も居るのかもしれない。そういう人たちが密室化されやすい介護事業者の中で、認知症の人の財産などを搾取するケースも増えるのではないかという危惧もぬぐえない。

そうであれば介護事業での助手活用は、安易な採用をしないという前提条件が必要不可欠になる。採用前の人物評定を厳格に行い、採用後の人事考課も厳しくしていく必要があるだろう。

どちらにしても安易な助手活用・安易な他職種の定年退職者の再雇用は、介護事業経営リスクに直結しかねない問題を孕んでいることを理解して、リスクマネジメントに努めていかねばならない。

それにしても先が思いやられる・・・。
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信じがたい虐待死をなくすために何をすべきか・・・。


今年5/9、埼玉県飯能市の特養で、入居している90歳の男性の背中を車いすごと蹴ったとして40代の職員が暴行の疑いで逮捕された事件・・・男性入所者はその後、搬送先の医療機関で内臓破裂で死亡しており、本件は傷害致死事件となったわけである。

この事件報道に触れて、よくこんな非道なことを昼日中の職場でできるものだと唖然とした。同時になぜこんな卑劣な行為が、利用者に対して行えるのだろうと憤りを感じた。

そもそも48歳の元施設職員の男が口にしている犯行動機が理解できない。

被告は、「忙しいときにいろいろ頼まれて腹が立った」と供述しているそうである。しかし介護職員は利用者からものを頼まれてなんぼの商売である。

僕自身は人からものを頼まれることは嬉しく感ずることはあっても、煩わしく思ったことはない。特養の生活指導員として就業し始めた当時、経験もなく知識も足りない僕に、僕よりずっと年上の利用者の方々が物を頼んだり尋ねたりしてくれることが嬉しかった。

それに応えようと知らないことは調べたし、できないことは他の職員に手伝ってもらいながら、できるだけ希望に沿うように努力した。

物を頼まれる=信頼されているという意味だと僕は思うのだ。その期待に応えることが対人援助という職業を選んだ僕の生きがいやモチベーションにも通ずるのである。

そもそも利用者からものを頼まれて、いちいち腹を立てていては介護の仕事なんて成り立たない。ものを頼まれることがストレスならば、人と向き合って行う職業は不向きである。そういう人は、人に向かい合わずに黙々と機械的作業に終始できる仕事に就くしかない。

そういう意味では、この被告は選ぶ職業を間違えてしまたのだろうか・・・。しかし職場内のこの被告への評判は悪いものではなかったようだ。

被告はこの施設に1年ほど勤務し、勤務態度は良好という評価であり、上司からも期待されていたとの報道がされている。

某報道機関のインタビューに答えてる他の施設職員によると、被告は「寡黙だが淡々と業務をこなしていた」という。「過去にトラブルになったこともない。」との報道もされている。
心の闇
さすれば事件の際に魔がさしたというのだろうか・・・。しかしというのには、あまりにも酷い行為である。

犯行は5月9日13:50分頃、2階の食堂で行われている。つまり被害者のほかにも多くの利用者がいたであろう時刻と場所であり、他者に見られることも構わずに行われていることになる。そのような被告が、果たしてその時以外は利用者に真摯に接することができていたのであろうか。

もしかしたら他の職員が見ていない場所では、とても人に見せられない態度で利用者対応をしていたのかもしれない。そんなことを疑いたくなるほどひどい犯行である。

それにしても、内臓が破裂するほどの強さで車いすの背もたれを蹴るほどの怒りの感情・・・被害者は、お身体が不自由な要介護の方でありお客様である。そういう方に対して、単にものを頼まれただけでそのような行為に至るほどの怒りの感情が噴出するだろうか・・・。ここは今もって理解不能だ。

この事件から教訓を得るものがあるとすれば、従業員全てが自己覚知を得る機会を常に意識して作る必要があるということだろう。

介護従事者は自分の感情を自覚し、自分の感情をコントロールして援助する必要があることを忘れないでほしい。仮に利用者が負の感情を自分に抜つけたとしても、その感情に引きずられて冷静な判断力を失わないように訓練する必要がある。

その時に必要となるのが、「自己覚知」であることは、このブログで何度も指摘している。自分が今、どのような行動をとり、どのように感じているかを客観的に意識することが大事なのだ。

つまり自己覚知とは自分をあるがままに受け入れること。そしてその感情をコントロールすることであり、自己覚知のない人は、自分の怒りが深刻な問題にならないように上手く制御し管理することは不可能であることを理解すべきだ。

アンガーマネジメントをいくら学んでも、「自己覚知」のない状態のテクニックは付け焼刃でしかない。いざという時に使い物にならないのである。

だからこそ日常的に職員教育の場で、「自己覚知とは何か・なぜそれが必要か・どのようにしたら自己覚知につながるのか・自己覚知を常に意識できる研修スタイルはどうあるべきか」についてしっかり考えてほしい。

このあたりは希望に応じて、僕の講演内容に取り入れて話をしているので、是非講演希望の連絡を頂ければお手伝いしたいと思う。

今日のブログで論じた事件の現場でも、「自己覚知」について、もっと真剣に学び取る場があれば、状況は変わっていたのではないかと考えるのである。
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死刑囚の告白〜Sアミーユ川崎幸町3人殺害事件の真相


神奈川県川崎市の有料老人ホーム『Sアミーユ川崎幸町』で、入所者3名を3階のベランダから投げ殺した事件(2014年)について、昨日から今井死刑囚の犯行を認める告白文の内容を報道する記事がネットをにぎわせている。

死刑判決を受けていた今井隼人被告(30)が、最高裁への上告を取り下げた件については、「川崎老人ホーム連続殺人事件被告の上告取り上げ報道に触れて」で解説・論評している。

そこでは、上告取り下げの理由もただ疲れたというだけで具体的ではなく、なおかつ事件の真相にも触れずに被害者への謝罪もなく、さぞ遺族の方々は悔しい思いだろうという意味のことを書いた。

しかしその後、今井死刑囚の上告取り下げ理由と、犯罪動機・事件への後悔の念と謝罪の気持ちが綴られた告白文がネットで公開されていることが分かった。

死刑囚への取材を続けるノンフィクションライターの高木瑞穂さん(47)が5/31、自信の投稿サイトNoteに、川崎唐人ホーム殺人事件で死刑が確定している今井死刑囚が執筆した告白文を公開したものである。
今井死刑囚の手紙
そこには犯行動機として、「入居者がいなくなることによって、全体の入居者数と業務量が減ることは事実。そういった気持ちからやったのかもしれない」・「(専門学校で身に付けた心肺蘇生法の)技術を周りに見せつけたいとの気持ちが強くあった」と綴られている。

業務負担の軽減を目的にした殺害動機・・・それはあまりにも理解し難い動機である。救急救命士という資格を持つ今井死刑囚が、その技術を見せつけようとした自己顕示欲からの殺害動機というのも、転落死させては救急救命もままならないだろうと思え、これも理解しがたい。・・・そもそも身体に障害を持つ高齢者を、3階から転落させて、「死ぬとは思わなかった」という感覚自体が理解不能である。

おそらくこの犯行には、同死刑囚の発達障害とも思われる心的要因が関係しているのだろう。そこから発生した常人には理解できない、「心の闇」が深く事件と結びついており、その複雑な心情については、本人と言えど言葉で表すことができないものなのだろうと思う。

よってどのように考察を深めようと、同じ事件を防止できるような教訓を得ることなんて不可能だと思う。

介護事業経営者などの関係者は、自分の経営管理する職場に、このような人物が存在しないことをただ祈るしかないという思いではないのだろうか・・・。

告白文中には、「いまは転落させてしまったことについて、ただただ申し訳なく思っています。」という一文が見られる。

遺族の方々にとって、それはあまりにも軽い謝罪の言葉にしか思えないかもしれない。だが同死刑囚が上告審を争うことをずっと悩み、その悩みが限界に達して上告取り下げに至ったこと、そして告白文の中に謝罪の一言を遺していることを、怒りと苦悩を少しでも和らげる要素として受け入れていただければと願うばかりである。

もし重ねて願うことができるとすれば、今井死刑囚に対して、謝礼を伴う取材元への告白文だけで謝罪するのではなく、遺族の方々に直接お詫びの言葉を送る努力をしていただきたいと思う。

改めて本事件の被害者の方々のご冥福をお祈りし、このような事件が二度と起きないことを祈念したい。合掌。
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川崎老人ホーム連続殺人事件被告の上告取り上げ報道に触れて


2014年に川崎市の有料老人ホーム『Sアミーユ川崎幸町』で、入所者3名を3階のベランダから投げ殺した罪で、死刑判決を受けていた今井隼人被告(30)が、最高裁への上告を取り下げたと5/15に報じられた。
(※事件詳細は、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の川崎老人ホーム連続殺人事件を参照していただきたい。

これによって今井被告の死刑が確定し、あとは執行を待つだけになったわけである。

上告の取り上げ理由について、今井死刑囚から手紙を受け取ったテレビ朝日は、同社のニュース番組の中で、「ここまで長く戦ってきて気持ち的にも疲れがたまっていました。限界であると思い上告の取り下げをしようと考えています。」と、送られてきた手紙に書かれていた言葉を伝えている。

しかしこの言葉には合点がいかない。

一審や控訴審と異なり、上告審は被告自身が出廷して尋問を受ける機会はほぼない。最高裁による審議の結果を待つだけの期間に、気持ちの疲れを理由に、その期間さえなくしてしまう意味が果たしてあるのだろうか。

上告取り下げには別に真意があるのではないのか。例えば贖罪の気持ちはなかったのか。

もしそんな気持ちが一片もないとしたら、亡くなった被害者や遺族は救われない思いではないのか・・・。
テミスの剣
この被告は、裁判で一度も罪を認めていないわけである。逮捕直後はいったん犯行を自供しているが、それは「マスコミから母親を守ってやると捜査員に言われ、やってもいない犯行を自供してしまった」という理由だと後の裁判で述べている。

よって犯行動機も自供されていないし、被害者や遺族への謝罪の言葉も一切ない。

控訴審最中に書かれた今井被告の手記は、本件が「冤罪えんざい」であると強く主張する内容となっている。

しかし事件の被害者は3名とも自力ではベランダの柵を自らとび越えることは困難な状態であった。しかも事件があったすべての日に、夜勤に就いていた職員は今井被告ただ一人だった。さらに自供には事件の当事者でしか知りえない情報が含まれているとも言われており、本件が冤罪である可能性は極めて低い。
それにしても2件目の転落死が起こった際に、対策はできなかったのだろうか。同じような転落死が、同じ職員がワンオペ夜勤の日に発生しているのだから、この際に事件を疑って何らかの対策を講じておれば、少なくとも3人目の被害者は生まれなかったのではないかと、つくづく残念に思う。

そのような背景の中、気持ちの疲れという理由だけで上告が取り下げられ、犯行動機も不明のまま被告が死刑台の露と消えようとしている。・・・遺族は納得できない思いだろう。

介護を受けるために住み替える場所とは、本来ならば、人生の最終ステージを含めて安心して暮らしを送るための場所であったはずである。そこが安住の地ではなく、恐ろしい殺人鬼がひとり夜勤をして殺人を繰り広げる場所であったのである。

運悪くそのような場所に住み替え、被害に遭った方々は、なんと不幸で理不尽な出来事であろうか・・・。ただただご冥福をお祈りするしかない。

そして私たちが介護サービスを提供する場から、そのような要素をすべて排除して、安心して安楽に過ごせる場所にする努力を続けるしかないと思う。
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内部告発者の正義は護られたと言えるのか・・・。


もしあなたが組織内部で、他の従業員が利用者を虐待している事実を把握したらどうしますか?

利用者や家族が虐待を受けたという訴えをしているのに、それを組織内で握りつぶして、訴え自体をなかったことにしようとしていることを知ったらどうしますか?

普通の感覚ならそうした事実を知った場合、証拠となる記録等を添えてしかるべき機関なり、窓口なり、担当者なりに訴えると思います。

しかしそんなふうにして事実を告発して改善しようとし、証拠となる内部資料を持ち出して公益通報したのに、それが就業規則違反だとして懲戒処分を受けたとしたら・・・あなたはどう考えますか。

そのような懲戒処分は、単に事実を隠蔽して知られたくない事実を闇に葬ろうとする行為だと憤りませんか。臭いものにふたをして終わらせようとする卑劣な行為だと思いませんか?

しかし実際にそのような行為が、京都市という公的機関を舞台に起こっていたのです。

事件の発端は8年前に遡ります。2015年に京都市の児童相談所に勤務していた男性職員が、京都市が性的虐待に関する相談を放置していることを把握し公益通報しました。

もっと具体的に書きます。通報した男性職員は当時40歳代で、児童相談所に勤務していました。そこに市内の児童養護施設の元施設長が入所者の少女に性的虐待をしようとしたという相談がもたらされたのです。ところがその相談が表ざたにされることなく、児童相談所内で放置されてしまっていました。そのことに気が付いたこの男性職員は市が設けた外部の窓口に通報したものです。

ところが京都市は、この職員が通報するにあたり相談記録を自宅に持ち出したことが就業規則違違反に当たるとして停職3日の懲戒処分としたのです。

これに対し懲戒処分を受けた職員が、「資料の持ち出しは『公益通報』を目的として行われたものだ」としたうえで、「処分は重すぎる」として訴訟を起こしたところ、2021年1月、最高裁判所で原告の訴えが認められ、当初の「停職3日の懲戒処分」という処分は取り消されました。
主文
その際の判決主文を参照してください。

ところがこの判決が出された後の京都市の更なる判断が物議を呼びます。

京都市は処分について改めて検討した結果、内部資料を自宅に持ち帰って保管し、その後、無断で廃棄したことは市の管理基準に違反するとして、2021年4月13日付けで男性職員を懲戒より軽いけん責の処分としました。

改めて処分を受けたことについて男性職員は「京都市からは停職の懲戒処分が誤りであったとの謝罪は一切なく、また苦しめられるのかと思い、納得がいきません。資料の持ち出しは隠蔽が行われるのではないかなどの不安を抱き、自宅以外に適切な保管場所を思いつかなかったためです。廃棄については、了解を得たものと理解していましたが、判決で軽率と指摘されている点については反省しています。犯罪行為を見逃すことはできなかったので、公益通報をしたことへの後悔は今もありません」とし、市から受けた懲戒処分は違法などとして、市に計約620万円の損害賠償を求めました。

その訴訟の判決が先週27日、京都地裁であったのです。

本裁判における判決で裁判長は、違法な懲戒処分で男性が精神的苦痛を受けたとして、市に約220万円の支払いを命じました。そのうえで改めて市の処分の違法性を認定しています。処分がなければ、男性職員が最高裁まで訴訟を続ける必要はなかったとして、処分取り消し訴訟にかかった弁護士費用と慰謝料の支払いも命じています。

このように裁判結果は、原告である告発者の勝訴という形で終わりました。それは京都市の懲戒処分が不当であると裁判所が断罪したという意味でもあります。

そのことはとても良かったと素直に思います。正義がまかり通った判決と評価もします。不正を公にするために書類を持ち出すことまで懲戒対象になるなら、不正は隠し放題になりますから・・・そうならなくて本当に良かった。

しかしこれですべて、「めでたし・めでたし」ということになるのでしょうか。終わりよければすべて良しという結果だと言えるのでしょうか。

僕にはどうもそう思えません。なぜなら原告は自ら所属する組織を訴えて、勝訴したことによって、組織自体にダメージを与えたとのレッテルを今後も貼られ続けられる恐れがあるからです。

内部告発者を護ろうとするどころか、懲戒処分にしようとした組織の中で、内部告発を行った人が健全に所属し続けられるでしょうか・・・。昇進などに影響はないでしょうか?

告発者が今後定年まで、京都市という組織の中で、いわれのない中傷を受けることなく勤め続けられるかと考えたとき、それは決して保障されていないし、場合によっては茨の道を歩まねばならないのではないかと危惧します。

そんな僕の危惧が、取り越し苦労に終わることを期待します。

それにしても内部告発者をつぶそうとするかのような、今回の京都市の対応には憤りしか感じられません。その民度の低さ、醜い隠ぺい体質をどうにかしろと言いたくなります。
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命綱を切る介護であってはならない


先月、道内旭川市の住宅型有料老人ホーム「グレイス神居」で虐待行為が発覚した。

虐待と認定された内容とは、下記の行為である。
・2021年5月から22年9月の夜間に複数回、職員が1フロアの入居者約10人の居室のナースコールを鳴らない設定にし、介護を放棄した。
・2021年の夜間に数回、職員が一部の居室でドアの取っ手の下に外側からテーブルを置き、ドアが開かず入居者が自由に出られないようにした。


虐待の発覚は市民情報だったそうだ。そのため旭川市は昨年9月から今年1月にかけて監査を行い、運営会社に2/3付で老人福祉法に基づく改善命令を出している。(参照:旭川市福祉保険部指導監査課の命令文

施設側は、「虐待などの意図からではなく、利用者が勝手に外に出てケガをしないようにと考えての事だったと思う」と苦しい言い訳をしているが、部屋に閉じ込めることがそのような理由で正当化できるわけもなく、ましてやナースコールを切った理由にはならない。

同社は今月3日に謝罪文書を入居者家族に送付し、3月中に説明会を開くとしている。
グレイス神居
虐待のあった有料老人ホームは住宅型であり、特定施設の指定を受けた介護型ではない。その為比較的介護の必要性が薄い人が入所しているのではないかと思われる。しかし利用者にとって、何かあった際のナースコールは、「命綱」であることは、どのような施設であろうと、どんな状況であったとしても変わらない。

そのコールを受けないようにすることは、介護を放棄したしたというだけにとどまらず、利用者の方々の身を護ることを放棄したということに等しい。場合によってはそのことは命の危険に及びかねない。

この有料老人ホームで虐待が起こった時期は、ちょうどコロナ禍から1年を経た時期である。このころ各地の介護施設・居住系施設では面会制限が長期化し、世間一般の目が届かない状況が当たり前になり、密室化することでなんでもありの状況が生まれかねないのではないかという懸念が生じていた時期でもある。

果たしてこのホームの運営会社、ホームの管理者・職員に世間の目が届かないことによる感覚麻痺が生まれてはいなかっただろうか。制限をできることを当たり前と考えることによって生じた不遜な考え方が、不適切な行為に結びついてはいなかったのか・・・。

虐待とは無縁と思える他の介護関係者も、コロナ禍による制限ありきの介護事業経営・運営の中で、「介護の常識は、世間の非常識」という状況が生まれていないかという検証作業が早急に求められるのではないか。そんなことを考えざるを得ない。

それにしても介護施設等の、「ナースコール」・・・。ほかに呼び名はないものだろうか。

医療機関と異なり、その通報は看護職を呼び出すものではなく、多くがケアを求めるコールだ。

その中には、「寂しいの、私のそばに誰か来て」という願いにも似た心の叫びが含まれている。だからこそ「ナースコール」という乾いた響きの呼称ではなく、利用者の心の叫びが伝わる言葉で表現した方が良いのではないかと思ったりする。

かといってケアコールでは芸がない。何か良い言葉はないものだろうか。

良い言葉・新呼称を思いついた方は、是非コメントをお願いしたい。
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悲劇の舞台に自らを立たせないためにできること


僕がケアマネ実務をしていたのは、介護保険制度開始直後の2000年からの数年間である。

その際は、社福の相談室長を兼務していたので、自分自身が施設サービス計画書の作成実務をはじめとしたケアマネジメント実務を行いながら、他の施設ケアマネと居宅ケアマネ両者のスーパーバイザー役も務めていた。

その時、僕が用いていたアセスメントツールは、現在のインターライ方式である。
※当時は施設版はMDS-LAPS、居宅版はMDS-CAPS-HCと呼ばれていたが、現在はインターライ方式として両者が統一されている。

インターライ方式は、要介護高齢者等にに起こりやすい問題領域を27領域に分けて設定して生活課題を引き出す方法を取っているが、この問題領域設定につながる「トリガー(引き金)」として、「利用者の身体の痛み」を重視している点に特徴がある。

その方式を使い始めた当時の僕は、40歳になったばかりだったから、慢性的な体の痛みというものを実感として感ずることはできなかった。ただ単にインターライ方式のロジックが痛みにトリガーするようにできているんだと感じただけである。

しかしそれから20年以上経って、慢性的・持続的な身体の痛みというものが実感としてわかるようになると、それがいかに暮らしに影響しているのかが理解できる。

膝や腰の痛みがあることが当たり前になると、無意識のうちにその痛みが軽減できる動作を取ろうとして、不自然で遅い動作に繋がっていくのだ。厭う動作も多くなっていく。この点の理解ができると、より深い課題解決の視点が見えてきたりする。ここは、「老いる」という経験をしないとわからない点かもしれない・・・。

どちらにしても自分も確実に老いている。過去に高齢者の特徴だと感じていた現象が、自分の身の上に起こってくるのだ・・・。そう考えると、認知症・認知機能低下も自分と縁遠いものではないと思うし、認知機能が正常なうちに自動車の運転免許は返上する必要があると思うようになった。・・・その時期は70歳を目安にすべきか、それ以上か・・・。

というのも、僕が長年所属していた社会福祉法人の母体は医療機関であったことに関係している。そこは精神科が中心でベッド数も550床あり、様々な人たちが入院していた。

その中には自分が運転する車で、自分の最愛の孫を自宅前でひき殺してしまった認知症の人が居る。

事故当時も認知症があるにもかかわらず、手続き記憶が残っているために運転動作ができてしまうために起こった悲劇だ。(参照:手続き記憶だけでは運転できない車を作ってください
徘徊の理由
その方は、自分が孫をひき殺すという事故を起こした記憶も失って、可愛い孫がいたという記憶だけが残り、終日認知症専門棟内を孫の姿を求めて徘徊している。

しかし愛する我が子をひき殺された両親(徘徊男性の長男夫妻)は、この方の面会に来ることはなく、一切の縁を切っているように連絡にも応じてくれない。

認知症が原因となった悲劇によって家族関係が絶たれてしまったわけである。

こうした悲劇の舞台に自分が立つようなことがことがないように、自分自身で運転からの勇退の時期をきちんと決めておく必要があると思う。

そういえば先週金曜日(2/17)にも、認知症が原因ではないかと疑われる交通事故が起きている。神奈川・横浜市で、乗用車が次々とバイクや車に追突し、4人が重軽傷を負った事故で警察は、現場から逃走し、乗用車を運転していた78歳の男を、ひき逃げなどの容疑で逮捕している。しかし容疑者は、「車を運転して散髪に行きましたが、事故を起こした記憶もなく、逃げたという認識もありません」と容疑を否認しているそうである。

容疑者が事故後に何食わぬ顔で散髪をしている事実と照らし合わせると、この供述はとぼけているのではなく、認知症で本当に事故の記憶を失っているためであることが考えられる。

そうであればまた別の意味で深刻な事故ということになる。

社会全体で高齢者の運転と、認知機能低下による悲劇という問題を議論する必要があると思うが、何よりもまず、60歳を超えたならば、自分の運転からの勇退時期をしっかり決めておくことが大事ではないのかと思う。

とりあえず僕は、今年の誕生日から毎年、二人の息子に自分の運転能力は大丈夫かを確認しながら、今年の誕生日以降も運転を続けるべきかを検討したいと思う。
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制度はすべての人を救えないが・・・。


昨日、北海道釧路地裁帯広支部で一つの判決公判が開かれた。

そこで判決が言い渡された被告とは、昨年11/4、十勝管内音更町で72歳の妻の腹部を包丁で刺すなどして失血死させた夫(72歳)であった。

下された判決は、懲役2年6カ月・執行猶予5年(求刑懲役3年)というものだった

実はこの殺人事件とは・・・妻に頼まれて殺害した嘱託殺人罪であり、「苦渋の決断に至った経緯や動機には同情する余地がある」として執行猶予のついた判決につながった。
裁判
事件要旨は下記の通りである。
------------------------------------------------------
夫婦は一軒家で2人暮らしであった。被害者である妻は1999年、抑うつ状態と診断されていたが、昨秋以降、症状が悪化し、包丁で自身を刺すよう促したり、ネクタイで首をつろうとしたりと自殺行為を繰り返した。

夫は2018年に脳卒中を発症し、右半身にまひがある中で妻の介護をしていた。夫は証言台で、「妻は優しいから、私が病気になりストレスをため込んでしまった」と述べており、妻は精神を病んでいる自分を、障害を持つ夫が介護しなければならない状態となったことが、さらに心の負担となって、自分さえいなければ夫も救われると思い込んで死を求めたものと思われる。
------------------------------------------------------
制度ですべての人を救うことは不可能である。そして制度の光をあまねく地域へ届くべく活動する地域包括支援センターなどの機能にも限界がある。地域のすべての介護問題を発見・解決することは不可能である。

だからと言って、「仕方ない」と言って、こうした事件から教訓を得ようとしなければ、何も変わらない。悲劇は繰り返されるだろう。

そうしないように、こうした事件の経緯を振り返って検討することは必要だと思う。それは誰かの責任を問うのではない。

例えば、周囲の人々が何かできる余地はなかったのか、あるいは必要な社会資源をつなげる方法はなかったのかを検討する必要はあるだろう。

本ケースでは被告となった夫が2018年に脳卒中を発症している。右麻痺になっている状況をみると、この時点で入退院が行われたと想像する。すると退院支援の最中に、二人暮らしの家庭に残されている妻に、抑うつ状態の既往があることがわからなかったものだろうか。

もしわかったとしたら、妻による夫の介護は難しいだろうと想像できる。夫には介護が必要ではないとしても、夫の状態変化で妻のストレスが増して、抑うつ状態が悪化することも容易に想像でき、何らかの介入が必要だと考えられたのではないだろうか。

そこで支援介入ができなかったとしても、その後、問題発見につながる可能性が高い大きな事象が起きている。

それは妻が自殺未遂をして病院に緊急搬送されたことである。この時点で夫婦二人世帯に隠れていた問題をあぶりだす機会はあったはずだ。

この自殺未遂という明確なSOSに気付き、自殺のリスクが極めて高い状態にあったことを問題視して、専門家が介入する余地はなかったのだろうか。そのことが今後検討される必要があるだろう。

そのようにして自らSOSを発することができない人に対する、「アウトリーチ」の方法もさらに検討されなければならない。発見できる福祉は、実現不可能ではないはずだ。

当事者が自ら救いの手を差し伸べてほしいと訴え出られるような方法・・・何か大変そうだと思われる人に気が付いた人が気軽に相談できる窓口。地域包括支援センターが、より発見できる機関になり得る方策。居宅介護支援事業所の介護支援専門員に、こうしたケースがつなげられる体制。・・・そうした事柄を地域ケア会議等で話し合うことも必要ではないか・・・。

どちらにしても、夫婦の最終的な愛の形が、「嘱託殺人罪」で幕を閉じる社会はあまりにも哀しい。

そうならない社会を目指して、私たちができることはないかを考え続ける必要があると思う。
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社会福祉法人理事長はなぜ責任を取らないのか?


非課税法人である社会福祉法人に対する批判として、最も多く指摘されている点が、「同族経営」と「事業零細」である。

どういうことかと言えば、一族で経営権を独裁する個人商店的な社会福祉法人が、行政事務の受託的な業務だけを行って、公費や介護保険料を財源とした費用を受け取っているだけで大きな利益を得ているのも関わらず、収益を溜め込んで社会に還元しない姿勢が問題視されているのである。

数ある社福法人の中に、そんな法人があることも事実であり、その批判をきちんと受け止める必要がある。そうならないように社会貢献にもきちんと努めていく意識を持たねばならない。

そういう意味で、「道内の社福が行っていた問題に関する嫌なニュース」で糾弾した社会福祉法人の理事長には、社会貢献とは何ぞやと問いたいと思う。

それにしても社会福祉法人の理事長に、器の小さい人間が多すぎると思う。

同族経営している2代目・3代目の理事長がぼんくらで、経営能力がないだけではなく、社会の公器を預かっているという責任感に乏しい人間があまりにも多いと思う。

例えば、「西興部村虐待特養施設長の言い訳に見る問題の本質」という記事で論評した事件を起こした社会福祉法人「にしおこっぺ福祉会」。

施設長という人物のスキルにも大いに疑問符が付くが、それにも増して疑問なのが、なぜこの法人の斎藤理事長が責任を取らないのかということだ。

村内の二つの施設で、複数の職員が悪質な虐待を繰り返していながら、虐待を行った職員をそのまま勤めされておくという鈍感さもひどいが、自らその責任を取って辞職する姿勢が見えないのはなぜだろうかと思う。

言うまでもなく社法人のトップは理事長である。その法人内で職員が事件を起こした管理責任を取らねばならない立場だ。しかも今回は利用者の尊厳を著しく気づつけるという虐待行為を、信じられないくらい多くの職員が日常的に行っており、理事長の責任は免れず、その罪は万死に値すると言っても過言ではない。

即刻辞職したうえで、後進に法人改革を任せるべきである。
波濤
ところで僕が7年前まで勤めていた社福法人も今年不祥事事件を引き起こしてる。

先の国政選挙の際に、施設長と事務員が不在者投票で不正を行い罰金刑に処されている。その件について同法人の公式サイトでは、「職員の不祥事に関するご報告とお詫び」という文章を掲載している。

しかしこれもとかげの尻尾切りとしか思えない。国政選挙の支持候補なんて、社福法人の雇われ施設長が勝手に決められる問題ではないからだ。それは母体法人を含めたグループ全体で取り仕切る問題で、そのグループのトップでもある、社会福祉法人・登別千寿会の千葉泰二理事長(特定医療法人・三愛病院、理事長・院長)が最高責任者である。

罰金刑に処され、法人からけん責処分を受けた施設長は、僕が同法人の総合施設長を務めていた当時、老健施設の事務長を務めていた人物である。その人は僕のように理事長に逆らったり、意見を言えたりする人物ではない。

むしろ究極のイエスマンとして、そこまでのし上がってきた人であるから、彼が単独判断で公選法違反に問われるような行為を行ったとはとても思えないのである。明確な指示がなかったとしても、何らかの忖度が働いたのではないかと想像している。

どちらにしても自法人の施設長と事務担当部門のトップが罰金刑に処されるような不祥事を起こしたのにもかかわらず、その法人トップである千葉理事長が、何も責任を取っていないのは、無責任にもほどがあると言いたい。

僕が退職した後、理事長は特養の一室を改装して理事長室を設けたそうである。そんな無駄金を使ってまで、自分の部屋を創ったのだから、特養の運営には目を光らせていたはずである。その責任を取れと言いたい。

非課税という恩恵を受けたうえで事業経営をさせてもらっているのだから、その事業において利用者を物のように扱って、人の心や身体を傷つけたとしたら誰よりもその責任を重く受け止めて、きちんとした責任を取らねばならない。利用者や家族の信頼を失うような行為も同様に責任を取る必要がある。

選挙権という個人の権利をないがしろにするような不正につても、もっと重大な問題と捉え、トップが率先して責任を負わねばならない。

しかしそうしない社会福祉法人のトップが多くて情けなくなる。口出しはするが、責任は取らないのでは、従業員を護ることなんて念頭に置いていないことは明白だ。そんな法人に勤めていても未来はないと思う。

このところ社会福祉法人の不祥事が相次いでいる元凶は、理事長が責任を取らずに逃げて許されるケースがあまりにも多すぎるからではないのだろうか。
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道内の社福が行っていた問題に関する嫌なニュース


社会福祉」の概念は様々に示されているが、わかりやすくその意味を紐解くとすれば、「みんな(社会)が幸せ(福祉)になるための取り組み」という意味ではないかと思う。

その社会福祉の担い手である社会福祉法人は、「みんな(社会)が幸せ(福祉)になるためには、何をすべきか」を問い続ける組織運営をしなければならない。それも時代に沿う形で、文化国家としての我が国における今・現代の福祉レベルを担保する主体であるという気概を持たねばならない組織だと思う。

そんな社会福祉法人の姿勢が問われるような問題が、今朝の北海道新聞朝刊一面トップで報道されている。
12/19北海道新聞朝刊
檜山管内江差町の社会福祉法人「あすなろ福祉会」(樋口英俊理事長)が運営するグループホームで、知的障害がある男女の同居や結婚を認める際、男性はパイプカット手術、女性は避妊リングを装着する不妊処置を20年以上前から条件としており、拒めば退去要求を行っていたとのことである。(参照:『江差の「あすなろ福祉会」、知的障害者の結婚に不妊処置 20年前から条件化、8組に実施 拒めば退去要求』 ・『江差の元入居者「不妊処置受けた人5、6人知ってる」 会話はご法度、当事者は「泣き寝入り」』)

いつの時代の記事かと思うほど時代錯誤な対応ではないかと思ったというのが正直な感想だ。

この社福法人の理事長のインタビュー記事も道新Webで配信されている。(参照:不妊処置「ルール守ってもらう」 江差「あすなろ福祉会」樋口理事長の一問一答

リンク記事は数日後に消されるため、理事長の主張の要点を転載しておく。
・授かる命の保証は、われわれはしかねる。子どもに障害があったり、養育不全と言われたりした場合や、成長した子どもが『なぜ生まれたんだ』と言った時に、誰が責任を取るんだという話だ
・『子どもが欲しい』と言った場合、うちのケアから外れてもらう。強制するわけではない。うちが関わる場合は一定のルールは守ってもらう
・生まれた子どもを育てるために職員を雇っているのではない。われわれは障害のある当事者のケアはするが、生まれてきた子どものケアまでしなければならないのか。その法人の考え方、支援の幅でいいんじゃないか


この発言を通じて感じるのは、不遜・おごり、そして器量の狭さ・・・でしかない。

本来、そのどれか一つでも私たちの中に潜んでいれば、知識や技術もいつか自分を裏切るものである。

社会福祉法人という組織のトップを担う者が、人の幸せを追求する姿勢がないのは何とも嘆かわしい。

障害がある方々であったとしても、結婚適齢期の男女が暮らす場であれば、当然恋愛や結婚、そして出産という事柄に結びつくのは当たり前だと思う。その過程を支援するのは、社会福祉という以前に、「人の道」ではないのか・・・。それができない人、理解しようといない輩が、社会福祉の実践者であって良いはずがない。そんな輩が社会福祉の担い手を標榜して良いわけがない。

子どもを産み・育てる権利を簡単に奪う人、奪って当然と思う人が社会福祉法人の理事長職に就いている。・・・そのことを同じ道内の関係者として恥ずかしく思う。
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西興部村虐待特養施設長の言い訳に見る問題の本質


今年5月から6月に職員が入所者を全裸で長時間放置したり、羽交い絞めにするなどの虐待をしていたことが明らかになった北海道西興部村の障がい者施設を運営する社会福祉法人「にしおこっぺ福祉会」。

その法人が同じ西興部村で運営する村唯一の特養でも虐待行為が行われていたことが明らかになった。
虐待が行われたにしおこっぺ興楽園
その内容をネット配信記事から一部転載させていただく。
--------------------------------------------------------
HTB北海道ニュース - 12/13・ 18:59ネット配信記事より
去年3月、西興部村にある『にしおこっぺ興楽園』で、職員が入所者80人全員の裸や下着姿の写真を撮影していた問題。その写真は少なくとも160枚以上ありました。いったいなぜ、裸の写真などを撮影していたのか。施設側が取材に応じました。

にしおこっぺ興楽園 松岡晃司施設長:「何かあった時に画像を引っ張り出して、前日はけががなかったとか、そういう画像を撮ろうということだったんですけれども。」

すでに退職した前の施設長らが、入所者のけがが見つかった際に、いつできたか確認するため、写真を撮ることを決めたということです。しかし、その指示が他の職員に正しく伝わっていなかったと、施設側は説明します。

にしおこっぺ興楽園 松岡晃司施設長:「打ち合わせの時にちゃんとしたミーティングをしなかったものですから、画像の撮り方も、手とか足ではなくて全身の画像を撮ってしまった。職員の中でこれはダメでしょうという意見もあったんですけれど、それが上に行かなかった。」

この虐待があった翌日、村に問題を指摘する情報提供があり、写真はすぐに消去されました。道はこの施設に対し今年5月に是正勧告をしています。(転載ここまで
--------------------------------------------------------
この特養の虐待については、様々なメディアから報道されているので、事実関係については既に把握している関係者が多いことだろう。

上に転載した記事については、当該虐待施設の施設長が、虐待行為についてコメントした内容が詳しく報道されている。そこに注目していただきたい。

本件の虐待事案となった写真撮影については、「直前に入所者が骨折する事案があり、毎日のボディーチェックでは気付かなかったため、現状確認の目的で記録に残した」とその理由が明らかにされている。

それに対して松岡晃司施設長は、「手とか足ではなくて全身の画像を撮ってしまった。」と言い訳している。

僕にはこのコメントは当事者意識に欠ける責任感のないコメントに思えてならない。

事件当時の施設長は、すでに退職しているそうであるが、現施設長としての責任感があまりにも薄いような気がする・・・この法人の危機管理意識の低さを垣間見る思いだ。

松岡施設長のコメントから垣間見えるのは、入所者のけがを見つけるためには、事前にけがのない体の状態の手足を撮影しておく必要があるのだということだ。そして全身ではなく、手足を撮影して、画像を保管しておく必要はあるし、それは不適切な行為ではないという意味だ・・・そんなことはあり得るのだろうか。

全国のどこの特養で、そんな撮影をしているというのだ?

問題の本質はもっとほかのところにある。それは利用者の骨折という重大な事故に気が付かない従業員の鈍感さだ。

仮に意思疎通ができない人が骨折して自ら訴えられないとしても、骨折部位は腫れて、通常の状態とは思えないほどの著変が見られる。発熱もあるのが普通だ。何より意思疎通ができない人でも、痛みは感ずる・・・骨折の痛みとは、我慢できるような痛みではないので、表情やしぐさに必ず痛みの訴えは現れるはずだ。

そんな状態に気が付かない場所で、手足の状態を撮影して何の対処になるというのだろうか。骨折対策として、けがのない状態の身体状況を撮影しなければならないと思うその知識の拙さ、常識のなさ、感覚麻痺こそ改善しなければならない問題ではないのか。

そういう意味で、そうした考えに及ばない現施設長のもとで、この施設の状況が改善できるか甚だ疑問である。

この法人は、「辞められたら運営が回らない」という理由で、虐待が発生した2施設ともに、虐待に関与した職員を現在も働かせている。人手が足りないことを理由に、職員募集に応募してきた人を闇雲に採用しているという状態も見られるそうだ。

しかし障がい者施設で虐待を行った職員6人のうちの一人は、今月10日に入所者が夕食の時間になっても部屋から出てこなかったため、「早く部屋から出てこい」と怒鳴るなどの行為を続けていた。そのため12日から在宅勤務を命じられているそうで継続調査中という。

結局、そんな職員をやめさせられないことで、職場環境は改善しないし、虐待はより密室化し深い闇となって残ってしまう。

そんな場所で職員教育もまとめにできていないのが実情だ。

例えばこの特養では年に一度、権利擁護や虐待防止の研修を行ってきたというが、アリバイ作りのための形だけの研修を行っても意味がない。「こうしなければなりません」という掛け声だけでは誰も何も変わらない。実務に即して何が不適切なのか、その不適切行為が何を生むのかを具体的に示す実践論しか伝わらないのである。

こんな特養で、意識が低い施設長が旗を振っている状態を考えると、今後この特養で状態が改善する見込みは薄い。虐待とは言えなくとも、身体の小さな変化を見逃す品質の悪いケアが続けられ、不適切ケアもそこかしこに存在することになるだろう。本件のほとぼりが冷めたころに、また虐待事案が発生しないとも限らない。

少しでも志のある人は、このような法人に就職しようとは思わないことだ。そんなことをすれば自らの人としての生きる道を失い、品性を汚すだけに終わりかねないからだ。

はからずも本日午後2時より、「リブドゥコーポレーション主催オンラインセミナー心の通うケアを目指して 禅埖塰瓢澆里燭瓩傍瓩瓩蕕譴觴己覚知」というオンライン講演を配信する予定になっている。
リブドゥコーポレーション主催オンラインセミナー
こうした実務に即し、実務に即取り入れられる本物の虐待防止セミナーを受講してほしいと思う。

ただ話を聴くだけの講演では、受講者の行動を変えることはできない。心に響き、やってみようという意欲が湧き、介護の仕事ってきちんと行うだけで、こんなに素晴らしい結果をもたらすんだということが理解できる研修を受講しなければ何も変わらないのである。

ということで本日の講演では、ここに紹介した虐待事案も含めて考察しながら、介護の場から虐待という行為を完全になくすための、本物の介護の在り方を伝えたいと思う。受講予定のみなさま、画面を通じてお愛しましょう。
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信頼を失う介護には何が求められるか。


北海道のコロナ禍第8波はピークダウンの様相を呈しつつあるが、全国的にはまだピークに達していない地域が多いようだ。

そのような中で高齢者施設のクラスター感染は、12/5・0時までの直近1週間で723件となり、前週から48件増えた。増加はこれで7週連続となり第7波のピーク時に迫ってきている。

そのため面会制限が続けられている介護保険施設が多いが、社会の反応は必ずしも、「やむなし」というものだけではない。「家族を今施設にいれると、まともに会えなくなって可哀想」・「中に入れないだけに、どんな対応をしてもらっているのかわからなくて不安」という声も少なからず聴こえてくる。

このように外部の第3者の目が届きにくい介護施設でも、きちんと適切なケアサービスを提供できていることを証明しなければならない。サービスマナーの確立はそのための重要アイテムである。

そういう思いを込めて昨日、「陽だまり」という記事を書き、そこで道内西興部村の障害者支援施設における虐待事案も論評した。

しかしこの記事を書いている最中に、僕が住む登別市と隣接する白老町の老健施設での虐待報道が飛び込んできた。

白老町立介護老人保健施設「きたこぶし」で、複数の職員が入所者4人に対し、緊急性がないのに身動きしにくい介護衣を着せたり、四方を柵で囲んだベッドに寝かせたりする身体的虐待を加えた。さらに排せつ中の複数の入所者に「汚い」・「臭い」と暴言を浴びせたというニュースである。

さらにこの施設では、入所者2人の頭にたんこぶができているのを確認しており、「職員にたたかれた」と話しているという。おそらくこれも職員の暴力によるものだろう。
冬の一本松・美瑛町
続けざまに飛び込んでくる介護現場での虐待報道・・・世間はこのことを氷山の一角であり、隠された虐待がもっと多くあるのだと思うだろう。そして介護施設の多くが虐待と無縁ではないと思い込むのではないか・・・。

それは事実ではない。我々はそんな氷山ではないし、日常的に虐待を行っている施設が多数派ということでもない。しかしいくらそうはいっても、こうした虐待事案が月単位で見ると、必ずどこかで訪づされるという現実は、介護事業の信頼性を失わせることに繋がって仕方のない状態ともいえる。

この状態をどのようになくしていけばよいのだろう・・・。こうした虐待報道を受けて専門家と言われる人が、「原因は利用者軽視。もっと利用者に対する人権意識を高めて、尊厳を護るように意識改革せよ。」なんて評論しているが、言うは易し行うは難しである。

そんな評論などなんの役にも立たない。そもそも人権意識ばかり前面に出しても何も変わっていないことは歴史が証明している。人権意識を前面に出して、介護事業に携わる人間が人権を護る最前線に立っているような勘違いをさせるから、「施し」意識が抜けずに、上から目線で、「助けてやってる」的な対応がはびこるのである。

そうして介護支援者の心づもり一つで、何でもありの介護現場となり、簡単に利用者の行動制限を行う行為や、言葉による心理的虐待がなくならないのである。

人権意識も大事だが、その前にもっと意識させなければならないことがある。それは利用者はお客様であるという、「顧客意識」である。

我々の仕事は利用者がいることで成り立ち、利用者が居なくなれば運営費用も、我々の給与原資もどこからも入ってこないという、「ごく当たり前のこと」をしっかり意識し、お客様に対して失礼のない対応に終始するのが、対人援助のプロとして必要不可欠である。そういう意識をもっと強く意識させなければならない。

家族そのものにはなれない介護従事者が、介護支援の場で利用者に関わるときに求められる態度とは、家族と同じ遠慮ない態度ではなく、介護のプロとしての態度である。信頼のおける知識と技術に基づいた介護支援と接遇ができることである。

利用者によそよそしさを感じさせないように、タメ口を使い続けるような勘違いした職員がいなくなるように、よそよそしさを恐れるより、無礼で馴れ馴れしい対応で、利用者の尊厳や誇りを奪い、心を殺してしまうことを恐れる職員教育を徹底することである。その教育になじまない職員は、介護の仕事に向かない人と判断して、別の職業を探してもらう覚悟も必要だ。

虐待防止のためには、「専門家や他施設の職員など外部に現場をチェックしてもらう仕組みが必要だ。」という意見もあるが、外部のチェックに頼るサービスの質は、外部のチェックが届かない場所に深く沈んで、闇を創る結果にしかならないことを知るべきだ。

このことに関しては、けっして妥協しないことが、利用者を護り、職場を護ることに繋がることを忘れてはならないのである。
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陽だまり


人が生きるためには、その人にとって柔らかな日差しと温もりがある場所が、どこかに存在している必要がある。

暗闇をさまよい迷っているときも、寒さにこごえ震えているときも、そこに行きさえすれば陽だまりができていて、不安も恐怖も悲しみも慟哭も消し去ることができる。

人間が長い人生を歩んでいるときに、そんな場所を欲するときがある。そんな居場所が必要になるときがあるのだ。

大学生時代、社会福祉学を専攻していた関係で、様々な困難を抱えて暮らしを送る人と出会った僕は、そんな人達もホッとできる場所がどこかにできないかと思った。

せめて社会福祉援助の場をそんな場所にしたいと思って、介護施設を経営する社会福祉法人に勤める道に進んだ。

それは僕の中では理想ではなく、かといって実現可能なゴールでもなく、単なる「思い」でしかなかった。だが、その思いと反するものとは徹底的に戦ってきた。その思いを邪魔するものとは争うことを厭わなかった。

そのために若い頃の僕は、ずいぶんとんがった嫌な奴と多くの先輩方から思われていたろうと思うし。しかも年を取った今現在も、相変わらず戦い続けているので、アンチmasaがたくさんいることを知っている。

でもそんなことはどうでもよいことだ。

思いが実現するかどうかはともかく、実現できない前に妥協してしまうことが一番駄目なことだと思っている。思いを現実に近づける途中で前のめりに倒れることはあるかもしれないが、機会と方法がある限り、消えない思いを追いかけようと思う。

そのために今も信じた道を進んでいる。その思いに共感してくださる人たちとつながりあって、答えを探し続けている。
陽だまり
私たちは、自分自身が光輝く太陽になる必要はない。私たちの役割とは、何かが発した光や誰かの温もりを、利用者に届けるために工夫をすることだ。

光の届かない場所に光を届ける工夫、光の届かない場所に居る人を光の届く場所に連れていく工夫、光のある場所の温もりをできるだけ護る工夫・・・。それができる人が本物の社会福祉援助者だと思う。

介護保険制度にしても、その他の社会福祉制度にしても、所詮は人間が作り出したルールに過ぎない。そんなものがすべての人の救いになるわけがない。

だがその制度を運用する人々が知恵を働かせて、制度の光の部分をできるだけ周囲の人々に届けることはできるはずだ。対人援助のプロとして、私たちはそうした立場で制度を運用する役割を与えられているのだと思う。

この国には、介護サービスを利用する必要があるものの、実際にサービス利用したとたんに、心身の障害を持つというだけで、年端のいかない人生の後輩である若い介護職員にため口対応されて悔しがる介護サービス利用者が存在する。

よそよそしくならないようにという屁理屈で、無礼ななれなれしい言葉遣いを直さない介護職員によって、心を殺される要介護高齢者がなくならない。

そんな偏見やバリアを、一つ一つ壊していくのが僕の役割だと思う。

そのためには特定の介護事業所の民度の低さ・特定の介護職員の知性の低さを遠慮せずに指摘しなければならない時がある。それも厭わずに続けていこう。そのことで誰かに忌み嫌わたとしても本望だ。

今週も北海道の障碍者支援施設を舞台にした虐待が明らかになった。今朝、僕は自分のフェイスブックに下記のように書き込んだ。
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オホーツク管内西興部村の障害者支援施設「清流の里」での虐待が明らかになっています。男性職員6人が男性入所者13人に対し、全裸で長時間放置するほか、器から盆にこぼれた食事を食べさせたり、病気により身体を動かしづらくなっているのに無理やり動かしたりするなどの行為です。

なぜここまで人は人を傷つけることができるのでしょうか?自ら職業として選んだ職場で、他人に誇ることができない仕事を続けて、楽しいことがあるんでしょうか?

障害者支援施設では、職員が暮らしの伴奏者ではなく、生活指導の教官と勘違いしている人も居ます。障害を持つ方にとって、施設は暮らしの場=逃げ場のない場所です。もっとそのことを重く考えて、利用者対応の在り方を根本から考え直すべきです。
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こんなことをつぶやかなくてよい社会にならないものだろうか・・・。悪や不正、暴力や非正義をすべて排除する社会は非現実的なのだろう。しかし僕たちの目の前から、少しでもそのようなものがなくなるように、できることをコツコツと続けていくしかないと思う。

傷ついた誰かがその心を癒し、ホッとできる陽だまりをなくさないようにすること・・・その方法を探し続けること・・・それが唯一僕たちができることだ。

そんな知恵と力しか持たない僕ではあるが、その意思を曲げずにその思いを広げるために、志を同じくする仲間とつながり愛たい。
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虐待の改善意思がないと運営停止された老健


大阪市の老健施設が虐待認定を受け改善勧告を受けた後も、繰り返し虐待を行い改善意思がないとして、運営停止処分を受けた。

運営停止とは、一定期間の全指定事業の活動が停止されることだ。

介護保険施設で過去に事業の一部停止処分(新規入所者受け入れができない)が下された記憶はあるが、全部停止された事例はあっただろうか?どちらにしても前代未聞の重い処分だ。

このような重い処分が行われた経緯を報道記事から確認してみよう。以下に報道記事を転載する。
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2022/11/15 09:00 朝日新聞デジタル配信記事より
入所者を殴るなど職員による虐待があったとして大阪市は14日、同市城東区の医療法人史隆会(出口晃史理事長)が運営する介護老人保健施設「幸成(こうせい)園」に対し、介護保険法に基づき、来年3月1日から半年間の運営停止にあたる処分(許可・指定の全部効力の停止)にしたと発表した。

市によると、今年5月、施設職員や入所者家族からの通報を受けて調査を実施。今年働き始めた男性の介護職員1人が、80代以上の女性入所者計6人に対して殴ったり、胸を触ったりするなどしたという証言を確認した。職員はすでに退職している。市は大阪府警に相談したという。

施設では2020〜21年にも、入所者への身体拘束や別の職員による暴言などがあったとして、市は計3回の虐待を認定。21年11月には改善勧告を出していた。今回の虐待を受け、市は施設管理者に改善の意思がないと判断し、運営停止にあたる処分を決めた。

入所者62人(10月1日時点)は、来年2月末までに施設を出る必要がある。(転載ここまで
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虐待改善せず運営停止となる幸成園
前述したように指定の効力の全部の停止(介護保険法77条1項各号等)とは、一定期間の事業活動の全部が制限されるという意味で、老健施設としての運営ができなくなるということだ。

そのため今入所している利用者は、運営停止の効力が発効される来年4月までに退所しなければならない。当該老健は運営停止処分期間経過後は事業を再開できる(※再申請は不要)というものの、経営的には大きな痛手だろう。

このような重い処分が下された背景というものは必ず存在するはずだ。現に入所してる利用者が、ほかの行き先を探さねばならないような処分が、軽々しく行われるはずはないからだ。

それほど過去から現在に渡る虐待認定行為がひどいものであったということだろうし、それに対して改善に向けた真摯な態度が皆無だとみなされたのだろう。大阪市の怒りが処分に直接現れているかのようだ。

それにしても3度にわたる虐待認定と、それに伴う改善勧告を受けた後も、繰り返される非人道的行為・・・たまたま態度の悪い職員が潜んでいたという問題ではなく、この老健の構造的な問題がそこに潜んでいるのではないかという疑念がぬぐえない。

改善勧告後の職員指導が行われていなかった可能性も高いが、どちらにしても虐待とはっきり認定される行為が長期間繰り返されているということは異常事態であり、実効性のある職員教育がまともに行われていなかったであろうことは容易に想像がつく。

特にサービスマナー意識を向上させるための取り組みは皆無だったのではないだろうか。そうでなければ複数の利用者に対し、「殴ったり、胸を触ったりする」行為がいとも簡単に行われるわけがないからだ。

老健施設は医師が経営し施設長も務め、医療機関での看護経験の長い職員が数多く雇用している。そのため医療機関における患者見下し体質にどっぷりつかって、利用者へのタメ口対応が当たり前のところも少なくない。(※筆者が1年間務めた、北海道千歳市の精神科医療機関を母体とする老健もそうだった

そのような体質にメスが入らないまま、利用者がお客様であるという意識も持つことができず、上から目線でマナーのない対応に終始しているところも少なくない。

その意識を変えないと、運営停止という事業経営を左右しかねない処分につながることが、本事件で明らかになったわけである。

老健関係者のみならず、すべての介護関係者が本件を教訓として、改めて介護事業におけるサービスマナー教育の必要性を自覚し、マナーあふれる対応でホスピタリティ意識を全従業員に芽生えさせて、適切かつ高品質な介護サービスを提供する土壌を作っていただきたい。

勘違いしてはいけないのは、虐待のない介護事業が優れているわけではないということだ。虐待を行わないことは、当たり前のことでしかなく、対人援助サービスが社会に求められている役割とは、関わる利用者の暮らしの質を向上させることなのである。

そのためには、よそよそしさを恐れるより、無礼で馴れ馴れしい対応で、利用者の尊厳や誇りを奪い、心を殺してしまうことを恐れる考え方が必要である。

介護は、目の前の人を幸せにすることで、その背後にいる家族や親せきや知人が皆、どこかでそのことを喜んで幸せになてくれる仕事だ。介護はそんなふうに、「しあわせの樹形図」を描くことができる仕事であるが、タメ口対応をはじめとした、サービスマナー意識のない対応は、哀しみの樹形図を無限に広げる元凶になりかねないという一面もある。

大阪の老健では、「哀しみの樹形図」しか描けない人間が、暴力で利用者を支配していたのである。

その元凶となるものが、サービスマナー意識のない、日常の利用者対応であったということに、強い危機意識を持ってほしと思う。・・・すべての介護関係者が、そう感ずるべきだと思う。
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制度の影をアンタッチャブルにしないために・・・。


私たちが仕事をして報酬を得るサービスは介護保険法に則ったサービスです。よって法令ルールが適用されるのですから介護保険制度の詳細を知ることは必要不可欠なことです。

仮に保険外サービスで大きな収益を挙げているとしても、主たる業務は保険給付サービスに関する業務であり、法制度と切り離して保険外サービスを所管することはできません。そのため制度に精通することは保険外サービスを続ける上でも大事なことです。

当然、その制度は持続可能性を高めるために変えられていきますので、その議論内容や方向性を知る必要もあります。

しかしいくら制度に精通しても、自分以外の他者の暮らしに寄り添う対人援助サービスでは、「人間理解」という根底がなければ、私たちが寄り添う人を救うことはできません。

制度論を好む傾向のある人に対しては、それも良いのだけれど、もう一つ大事なことを忘れないでほしいと言っておきたいのです。

制度の光をあまねく人々に届けられるのは、制度に精通するだけではなく、人を理解しようする態度や、対人援助のプロとしての確かな援助技術が何よりも求められるのだということを、自分自身の戒めとして常に考えておく必要があります。

そのような思いを持たざるを得ない出来事が起きました。

介護事件ともいわれるその一報が届いています。
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11/3 (木) 13:29発ANNネットニュースより転載
2日夕方、神奈川県大磯町の漁港で79歳の妻を海に突き落として殺害したとして81歳の夫が逮捕されました。無職の藤原宏容疑者は、午後5時半ごろ、大磯町の漁港で妻の照子さんを海に突き落として殺害した疑いが持たれています。

警察によりますと、釣りをしていた人が人が浮いているのを見つけ、照子さんは病院で死亡が確認されました。照子さんの身元を確認していたところ、藤原容疑者の息子から「父が母を海に突き落としたと言っている」などと通報があり、夫である藤原容疑者が浮上しました。

取り調べに対し、藤原容疑者は容疑を認めていて「40年近く介護をしていて疲れた」「散歩に行こうと誘い、車いすごと突き落とした」などと話しているということです。照子さんは足が不自由で車いすを使っていました。
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制度の光が届かないところに影ができると言いますが、この事件の加害者と被害者となったご夫婦には、制度の光は届けられていたのではないでしょうか。
制度の光と影
40年もの長期間に渡って介護を続けていた夫が、22年前から存在する介護保険制度を知らなわけがないし、何らかのサービスを利用しながら介護を続けてきたと思うのです。

しかし制度の光が届かない真っ暗な闇とは別の場所にも、影は生まれてくるのだということを、この事件によって気づかされました。

光を浴びた影に、ほんの少しだけ存在する闇が、ふとしたはずみで感情のある人間の心理にしのび込む瞬間があるのでしょう。

この事件の加害者は、被害者となった妻を散歩に連れ出した時に、まさか海に妻を車いすごと突き落そうと考えていたわけではなかったのではないでしょうか。たまたま海の近くを散歩させていた時に、40年間の介護に疲れた思いと、これからそのことが何年先まで続くのか考えたときの絶望に似た思いが、心の隙に闇となってしのび込んだのではないでしょうか。

私たちソーシャルワーカーは、この闇に手が届くのでしょうか・・・。少なくとも制度サービスだけで、この闇を払うことはできないことを自覚しておく必要があるでしょう。

例えばケアマネジャーが、利用者に対して上から目線で自分が立案したサービス計画書の通りサービス利用して暮らして居ればよいと考え、その計画内容にいちゃもんをつける利用者や家族を排除しようとすれば、それは自らが闇になっているという意味であって、自分と同化して見えなくなる利用者の心の闇を見つけることはできなくなります。

だからこそソーシャルワーカーは、利用者と目線を合わせて、「ともに生きる姿勢」が求められるのだと思います。

他者からは決して伺うことができない利用者の思いを、いつも素直に吐露できる相手が、担当ケアマネジャーであるという関係性を築く必要があるのだと思います。だからこそ、「立派なケアマネになる前に、どうぞ感じの良いケアマネでいてください。」と思うのです。

そういうケアマネであれば、利用者の心にしのび込んだ闇を、利用者自身が素直に聞かせてくれるのではないでしょうか。

そのことによって、少しだけでも手が届く部分が増えていくのではないでしょうか。

私たちの仕事は、そういう小さな努力の積み重ねによって成り立つ仕事なのだと思います。
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特養でまた事件・人権教育をないがしろにする成れの果て


つい先日、東京都北区の特養職員が夜勤業務中に利用者の言動に腹を立て、殺害した後、逃亡先の札幌市で逮捕されるというショッキングな事件があり、「夜勤専任者が指名手配された特養の評判とその教訓」という記事で、人材の見極め人権教育をおざなりにするつけがいかに重たいかを指摘したばかりだ。

その記憶も新しいこの時期に、また都内の特養で、夜勤中の介護職員による利用者への暴行逮捕事件が起こった。

様々なネット報道から得られる情報により、明らかになった事件概要は以下の通り。
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事件の舞台となったのは、青梅市新町の特別養護老人ホーム「あゆみえん」。ここで9月13日午後7時10分ごろ、入所女性(93)に暴行を加えて重傷を負わせたとして、介護職員・森田航平容疑者(23)が傷害容疑で逮捕された。

容疑者は調べに「忙しい時に『トイレに行きたい』と介助の申し出があり、かっとなって5、6回殴ってしまった」と容疑を認めているという。

施設は取材に対し「被害にあわれた利用者とご家族に深くおわびいたします。このような重大な事件を起こしてしまい、誠に申し訳ございません。職員全員に権利擁護教育を実施して参ります」とコメントしているという。(※ここまでネット上の情報をつなぎ合わせてみた。
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この事件も夜勤時間帯に起こっている。おそらくフロア単位でみればワンオペ夜勤という状態だったのだろう。容疑者は、すべての行為を自分で判断し、自分の考えで実行できる状態だ。

一部の報道では、容疑者を介護福祉士としているものもあるが、正確な情報かどうかは不明。どちらにしても23歳という若者が、自分の職場である特養内で利用者に暴行するという、今後の人生を棒に振りかねないひどい事件を起こしたことになる。

しかもその動機が、「利用者がトイレに行きたいと言われたことに腹を立てた」というあきれた理由である。

介護職員の基本業務はADL支援である。その上にQOLの向上支援などを積み上げるのが介護という仕事であり、最も根底にある一番重要で、かつ当然しなければならないADL支援。その中でも排泄介護は、人の暮らしを護るために一番重要視されてよい業務である。その支援業務を差し置いて、何をしようとしていたのか・・・。「忙しいときに・・・」という理屈は、全く通用しないといえよう。

そもそもそのような理由で腹を立てる職員がいるという職場環境はどうなっているのか。(※参照:介護老人福祉施設 あゆみえんの口コミ・評判

排泄支援を差し置いて、忙しくて手が離せないとさせる何を指せていたのか。介護業務とは何たるかという教育がされていたのか・・・。人権教育はできていたのだろうか。

しかし実際に容疑者が行った犯行を鑑みると、そこには人権意識の欠片も感じられない。
枯れ花
彼は、誰かの心に咲く花になれない、枯れた花でしかない。そういう職員に夜勤を任せて起きた犯行であるともいえる。

被害者は車いす生活で、トイレに行く際には職員の介助が必要だったという。本人から被害の訴えはなく、事件翌日に別の職員が被害女性のあざに気づいて上司に報告し、上司が男から事情を聴いたところ、暴行したことを認めたため署に通報したという経緯から考えると、被害者は認知機能障害もあったと想像できる。

さすれば本人が被害を訴えらないことを容疑者が知っており、暴行がはかっくしないと高をくくっていた可能性も否定できない。そうであればなおさら悪質な事件である。

母体の社会福祉法人・徳心会の公式サイトでは、「特別養護老人ホームあゆみえん職員によるご入居者への虐待傷害事件について」という理事長のコメントが掲載されている。

しかし犯罪が起きてから謝罪しても、被害者にとって何の意味もない。被害者は今回事件で肋骨や左腕の骨が折れるなどの重傷を負ったとのことで、さらに身体機能が低下することが懸念される。それは一片の謝罪文で許されるような被害ではない。理事長や施設長は、経営責任や管理責任をきちんととるべきである。

そう考えると、こうした事件を起こさないような人権教育は、実効性の伴う内容でなければならないことが理解されると思う。表面上・形式上の教育では意味がないのが。

そうであれば人権教育とは、対人援助を行うにふさわしい適性を判断し、人間尊重の価値前提を理解できない人物を排除するということが伴う教育だということも理解してほしい。そうした覚悟がないと夜勤を伴う対人援助サービスなんて労務管理できない。

介護事業経営者や、管理職を務めている人たちには、どうかそういう覚悟をもって経営と管理に当たっていただきたい。サービスマナーの徹底を図る教育は、最も重要な基盤である。

実践的な、「サービスマナー研修」は、介護事業経営上、欠かすことのできない事業戦略上の必須事項であることを理解しなければならない。そうした研修定期的に実施するシステムを構築することを急がねばならない。

そうしないことには、いくら制度改正や報酬改定の内容を理解したとしても、介護事業はそれとは関係のないところで、足元から崩壊せざるを得ないのである。
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夜勤専任者が指名手配された特養の評判とその教訓


秋分の日を前にした昨日、特養の職員が利用者を殺害し、逃走している容疑で指名手配されたという驚くべきニュースが飛び込んできた。
指名手配犯
非常に残念で情けないことではあるが、介護施設を舞台にした殺人事件はこれが初めてではない。Sアミーユ川崎幸町事件を筆頭に、恥ずべき犯罪が過去にも起こっているが、仕事中に職場で入所者を殺害した犯人が事件後逃走し、全国に指名手配されたという点では前代未聞の犯行と言える。

介護事業者を舞台にした死亡・傷害事件は、虐待がエスカレートした結果の致死・致傷であることが多かったが、本件はそうした事件とは明らかに性格が異なり、特養という介護施設を舞台にした残虐な殺人事件であるといえる点でも特異性が伺われる。

どちらにしてもこの事件によって、介護業界全体が社会からの信用を失い、すべての介護施設が事件につながる何らかの病根を持っているように疑われ、事件が氷山の一角でしかないというような批判にさらされることは容易に想像がつく。まじめにかつ地道に高品質な介護サービスを提供している事業者や職員からすれば迷惑至極の犯罪でしかなく、怒りしかない感じない事件であるといえよう。

殺人容疑で指名手配されたのは、菊池隆容疑者(50歳)。事件の舞台となったのは、東京都北区浮間の特別養護老人ホーム「浮間こひつじ園」。こひつじに、とんだオオカミが潜んでいたものである・・・。

犯行が起きたのは9/15。菊池容疑者は15日午後10時に出勤し、同時刻〜16日午前1時ごろの間に、施設内で入所者の山野辺陽子さん(92歳)に暴行を加え、殺害した疑いが持たれている。

山野辺さんは16日午前7時25分ごろ、1人部屋のベッドの上で頭から血を流しているのを発見され、病院に運ばれたが死亡した。顔に複数の打撲の痕があったほか腕も脱臼しており、胸などに熱湯を掛けられたとみられる火傷も負っていた。隠しようもなく、隠す気振りもないような残虐な行為である。

菊池容疑者は事件後、宿直の勤務中だった施設を抜け出し、コンビニのATMで現金を引き出した後、都内や千葉県我孫子市・茨木県つくば市などを転々と移動していることがわかっているが、都内に戻った後の足取りはつかめていないとのことだ。現金を引き出した後、上野で悠々と入浴施設を利用しているなど、犯人のふてぶてしさも感じられる・・・。

同容疑者について、「気の短い人だと聞いています」と同僚が証言している報道も見られるが、職場のどういう場面で「短気」と感じたのかが気になるところだ・・・利用者に相対する場面で、そのように感じたのなら大きな問題である。

ところで同容疑者は、1週間に5回夜勤専任者として勤務していたそうである。つまり日中の勤務はなかったということで、業務の多くは特定フロアのワンオペという形だったのだろう。

そこではすべての決定権を一人で握る独裁者になれるかもしれない。しかも日中の勤務がないのだから、他の職員とチームで協力し合ってサービスを提供するという意識に欠ける懸念も生ずる勤務形態である。・・・こうした夜勤専任者を採用する際に、適切な選考と教育訓練はされていたのだろうか?

夜勤専任者を雇用している施設の多くが、人員不足に悩んでいる施設である。人数が足りないから、日中行わねばならない業務のためのシフトを組んだ時に、夜勤者が足りなくなるので、日中必要な業務を行うことができるスキルがない人でも、夜勤時間帯にそこに配置できて、必要最低限の業務をこなしてくれれば良いという形で、安易に採用しているようなことはなかったのか・・・。

そこで事件のあった施設のネット口コミ情報を検索してみた。
浮間こひつじ園のネット口コミ情報
事件が起こる前からの評判も随分悪いと言える。

こうした状態は、職員教育もまともに行われていないことを示しているように思う。サービスマナー教育なんて行われていなかったんだろうなと容易に想像がつく。前代未聞の事件の根は、案外そんなところにあるのではないのか?

どちらにしても本件に触れたすべての介護事業経営者や管理者が肝に銘じてほしいことがある。こうした職員が一人でも混じって事件を起こせば、それは職員個人の問題ではなく、介護事業者全体の社会的責任・道義的責任が問われる問題に発展して、事業経営危機に陥りかねないということだ。

だからこそ職員採用は慎重に、職員教育は十分に行わねばならないし、数合わせの夜勤専任者の雇用は危険いっぱいだということを理解すべきだ。

さらに画像を貼り付けたように、「介護施設や介護サービス事業所の口コミ情報」が簡単にネット検索できるようになっているということを十分自覚すべきだ。

ここに口コミ情報を書き込んでいるのは、施設や事業所を訪れる、他事業所の職員であったり、家族であったり、業者であったり様々だ。来訪者すべての人が、スマホを持ち、動画を撮影でき、映像や意見をネット配信できるのである。

タメ口対応を直すことができない職員を放置しておく事業者は、人生の先輩であり、お客様でもある介護サービス利用者に対して、「なんという無礼な言葉かけをしているんだ」と動画を撮影され、SNSにアップされて批判され、それが口コミ情報として永遠にネット上に残ってしまうのである。

そうならないように介護サービス利用者に対するサービスマナー意識を向上させ、ワンオペ勤務であっても常に適切対応ができる組織風土と職場環境を創っていかねばならない。

それが職場を護り、従業員と利用者を護り、すべての関係者に最良の結果をもたらす唯一の方法であることを改めて認識しなおさねばならないと思う。

事件を対岸の火事として眺めて終わりでは、いつその火の粉が自分の身に降りかかるかしれないと考えてほしい。
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死の短期入所生活介護


昨日、「ひどい」としか言いようのない虐待事件(傷害致死事件)のニュースが全国を駆け巡った。

事件が発生したのは昨年3月。名古屋市緑区の特別養護老人ホーム「緑生苑」の短期入所生活介護(ショートステイ)を利用していた女性が、骨折して医療機関搬送後に死亡したという事案である。

この件について昨日(8/17)愛知県警は、元職員の福島栄行(ひでゆき)容疑者(34)(名古屋市緑区)を、傷害致死の疑いで逮捕した。
介護の闇
報道によると、亡くなったのはショート利用していた角谷三枝子さん(81歳)。両脚を骨折し、頭や首・胸などに内出血があったというのだから、尋常ではない大怪我である。

この件に関して被害者がショート利用していた特養からは、「緑生苑における死亡事故の報道について」という文書がネット配信されている。どうやら被害者が死亡した直後にネット配信した文書のようだ。SNSでも拡散されている文書画像が下記である。
緑生苑における死亡事故の報道について
この文書を最初に読んだときの僕の感想は、「まずい配信文書だな」だった。

ここでは、「職員や第三者が関与した可能性については、警察の方が事故と事件の両面で捜査しているため、全面的に協力をし、結果を待ちたい。」と事件化した後に備えた予防線を張っているものの、通知している趣旨とは、「夜間帯、ご自身で居室からトイレへ何度か往復している中で複数回、転倒をされ、内出血事故、骨折事故につながった可能性が高いと認識しております」である。つまり施設側の責任はないという言い訳文書でしかない。

ということはこの施設では被害者の死亡を、「転倒事故」として処理し終わっているということか?

しかし被害者の怪我の程度を見ると、転倒事故による怪我としてははあまりに不自然である。しかも「複数回の転倒の骨折」と分析しているのはどう考えても納得いかない。なぜならそうである場合、一度骨折した身でさらに独歩を行って転倒を繰り返し、別の部位を骨折したということになるからだ・・・そんなことはあり得ない。

しかも昨日の段階で、「被害者の両脚のすねの骨は、水平方向に折れていた」と報道されている。ということであれば受診後、施設はその状況をすぐ把握できているはずである。さすればそのような骨折は、通常転倒によって生ずることはなく、水平に骨が折れるように外部の圧力がかかったと考えるのが普通だ。

つまり事件当初から、暴力による怪我であると容易に想像できる状態ではないかと思われるのである。

そうであるにもかかわらず、ちょっとあり得ない「複数回、転倒をされ、内出血事故、骨折事故につながった」などという結論にもっていこうとしているのは、事件隠しと言われても仕方がない・・・この件をSNSでつぶやいた際には、「組織ぐるみではないか?」というコメントが付けられたほどである。

本件はその後の取り調べで、容疑者が被害者に対して脚や背中を蹴るなどの暴行を加え、外傷性ショックで死亡させた容疑を認めている。虐待による傷害致死事件であることがほぼ確定したわけである。

福島容疑者は、事件当日夜勤で女性の部屋があるフロアをほぼ一人で担当していたそうであるが、今後は虐待暴行に至った動機などが解明されていくことになるだろう。

同時に、本件を単なる事故として処理しようとし、転倒骨折の可能性が高いなどと言い訳分を公にした施設の責任も問われることになる。

施設長はその地位にとどまっていられないだろう。辞職は当然として、法人として今後の適正運営に向けた体制作りをどうするのかが問われてくる。

それにしても介護施設という、要介護者が護られなければならない場所で、短期入所利用している最中に、複数個所を骨折するほどの暴行を受けてお亡くなりになった方はお気の毒であり、不憫でならない。

人生の最期の終わり方が、このような哀しい終わり方であって良いはずがない。本当に理不尽としか言いようがない。

心よりご冥福をお祈りすることしか僕にはできないが、同時にこうしたことが繰り返されないように、介護サービスの割れ窓理論サービスマナーについて、介護事業にもっともっと浸透するような活動をしなければと強く思っている。

介護事業経営者や管理職の皆様には、こうしたことが起こらないようにサービスマナー教育に努めてもらいたいと思う。講師依頼はいつでも受けるので、「虐待を未然に防ぐサービスマナー研修」をご希望の方は、気軽にメール等で連絡していただきたい。

メールは、「北海道介護福祉道場あかい花」の右上のメールマークをクリックして送信してください。
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発見できる福祉は実現できないのか?


今月13日、札幌に住む81歳の主婦が85歳の夫を刺殺した。犯行動機について主婦は、「夫から一緒に死のうと持ちかけられた。夫は認知機能が低下しており、将来を悲観した」と供述している。容疑者も病気を患っており、夫を殺害後、心中を図って自らの腕などを刺している。

同じく今月9日朝、横浜市の集合住宅で72歳の妻の首を絞めて殺害した75歳の夫が逮捕された。容疑者となった夫は、「認知症の妻の介護に耐えられなくなった」と供述しているという。

先月7月30日には、東京・江戸川区のマンションで75歳の女性が首を絞められ殺害されている。犯行に走った46歳の長男は犯行動機も、「介護に疲れていた」ということのようだ。

同じく先月6日には長崎地裁で、昨年5月に島原市内の自宅で祖母を殴るなどして殺害した37歳の孫が、執行猶予付きの有罪判決を言い渡されたた。殺意事件では異例の執行猶予付き判決は、事件当時、孫の男が精神障害を発症していたことを考慮したものである。

孫の男が精神的に追い詰められていく経緯については、こちらの記事に詳しく書かれているので参照してほしいが、記事に書かれているように孫の男は、介護サービスの利用を勧められながら、それを拒んで精神的に追い込まれていった。

このような、「介護殺人」と呼ばれるケースは決して珍しくない。しかも犯人がすべて悪意を持ったとんでもない人間というわけではなく、多くの場合、自らの義務として介護を担い、介護を必要とする人を支えようと覚悟しているにもかかわらず、長期的な介護が、介護する側の身体や精神が不調に追い込まれて事件に結びついているのである。

その際に、利用できる介護サービスを使っていなかったケースが非常に多い。制度を知らないからではなく、制度を利用することに対する心理的ハードルが高く、利用に踏み切れない人が多いのである。

自分の体が元気なうちは、人様の世話にならずに自分が家族の面倒を見ないと、世間に顔向けできないと考えてしまうのである。

そうしたケースが相次いだ結果が、わずか2月間で全国的に報道された介護事件が4件もあることに繋がっている。僕が気づいていない報道はもっとあるかもしれない。

制度をどんなに整備しようと、制度をどんなに社会に浸透させようと、世の中のすべての人を制度で救うことはできない。そんなことはわかっている。

制度の光が届く場所の影には、常にその光の陰に埋もれてしまう場所や人が存在する・・・。だからといって、「それは仕方がないことだ」とあきらめてしまえば、闇はジワリと広がり続け、光の届かない場所でふるえ続けなければならない人の数を増やしてしまう。

特に介護保険制度は申請主義なので、自ら訴えのない人や訴えることができない人は、その制度から零れ落ちてしまう危険性が高くなる。

そうしないために制度の光をくまなく地域住民に届けるシステムとして、「地域包括ケアシステム」の構築と深化が急がれ、地域包括支援センターがその中心的役割を担うことになっているのだ。
こもれ陽
つまり地域包括支援センターは、制度の光が届かない部分に光を当てる、「こもれ陽」のような機関であらねばならないのだ。

自ら訴えることができない人や場所に存在する介護問題に光を当て発見する役割を持っているのである。

そうした「発見する福祉機関」であるはずの地域包括支援センターが、訴えを待つだけの機関に成り下がっていないのかを検証しなければならない。

福祉制度の対する地域住民の偏見は根強いのである。自分が元気な間は、親の面倒を見なければならず、お上に頼るなんて恥ずかしくて出いないと考えている人も決して少なくない。そういう人たちの、制度を利用する権利を伝える役割を、地域包括支援センターは果たしているのだろうか・・・。

事件が起きる前に、周辺の人たちは何らかの異常を感じ取っている。この記事の冒頭に挙げた4つの介護事件でも、後の取材で周囲の人々が異変を感じ取っていることが明らかになっている。

そういう地域住民の声を拾って、支援に結びつける地域包括支援センターの在り方を考えてほしい。

少なくとも地域包括支援センター職員が、呼ばれた場所だけに足を運んで、そのほかはセンター内のデスクにしがみついて仕事を完結させているようなことになってはならないのである。

事件は地域で起こっているのである・・・。
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あれやこれやの事件やニュースに触れて


今朝の北海道新聞朝刊には、「特養入所者の投票偽造 登別の施設長ら 容疑で書類送検」という記事が大きく報道されている。どうしん電子版(ネットニュース)にも同様の記事が配信されている。

特に朝刊紙面では、3面記事として大きく取り上げられて報道されている。
8/3の道新朝刊3面記事
先の参議院議員選挙の不在者投票で、認知症等で意思表示ができない入所者3人の道選挙区(改選数3)と比例代表の投票用紙を使い、施設長と事務員が不正投票を行ったという内容である。

記事によると、道警は、「事務員は勝手に自らが支持する自民党などと記載し、施設長は白票で投票した。」とみているとのことである。

当該施設は僕が7年前まで総合施設長を務めていた法人施設である。元の職場が世間をお騒がせして申し訳のない思いだ。

書類送検された施設長は僕から2代後の施設長で、僕が総合施設長を務めていた際は、母体医療法人の老健施設に勤めていた人だと思う。仕事を一緒にしたことはないが知り合いではある。

ご存じかと思うが、不在者投票を実施する施設への経費として、投票した有権者1人当たり1.073円が支払われる。これは投票用紙を請求した人数ではなく、実際に投票した人数に対して支払われるために、多くの事務作業を費やして不在者投票を行っているのだから、できるだけ多くの投票用紙を請求し、なおかつ投票行動に結び付けてほしいと思うのは人情である。しかし意思確認できない人の分まで投票用紙を請求し、なおかつ代理投票者の意思で投票するのはやりすぎである。

しかも請求できる経費があるといっても、わずか千円程度・・・。ゴミのような経費を請求するために、自分の経歴に汚点をつけるのは賢い選択とは言えない。

そもそも国政投票で、わずか3票増えたって何の意味もないだろうし、仮に入所者全員分の100票を不正操作したって、結果にはほとんど影響はない。なぜそんなことをしなければならないのか意味が分からない。

施設における不在者投票は、施設利用者の権利を護るためにあるものであるし、投票行動を通じて社会参加していることを実感してもらうためにこそ必要とされているもので、その目的をないがしろにする不正は許されることではない。

道警は2人について、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けて書類送検したそうであるが、今後は検察官の判断によって起訴するかどうかが決まる。起訴されてしまうと日本での有罪率は約99%となるので、執行猶予がついても前科がついてしまうことになる。

しかしこのような大それたことが、一施設の施設長判断で行われたのだろうか?どうもそうは思えない。もっと上からの指示や、上に対する忖度が働いたのではないかと疑ってしまう。

どちらにしても最高責任者は社福法人理事長であり、その責任は回避できない。これだけ大きな事件になっているのだから、その任を辞するのが筋だろう。今後の千葉泰二理事長(三愛病院院長)の身の処し方に注目する必要がある。

僕はもう7年間もその法人を離れているので、法人や施設の現状がどうなっているのかを知る身ではないが、投票管理において杜撰な状態になっていたことが今回明らかになったということになる。ケアの品質管理にも齟齬が生じていないかを心配しているところだ。大いに反省して、正常な状態に一日も早く戻してもらいたい。

さて話は変わるが、7/29の経済財政諮問会議は、来年度予算案の編成に向けた基本的な考え方をまとめ、次の2024年度の介護保険制度改正にも言及している。

当日の資料3-1の3頁目・3.歳出改革・ワイズスペンディングの推進(1)社会保障では、「セルフメディケーションの推進、ヘルスリテラシーの向上、インセンティブ付けなどを通じた、予防・重症化予防・健康づくりの推進」が挙げられている。

セルフメディケーションとは、「自分で病気を治すこと」であり、ヘルスリテラシーとは、「健康や医療に関する情報を探したり、活用したりする能力」という意味だから、この部分は介護予防の在り方を指しているのだろう。

軽介護者の生活援助や通所介護の地域支援事業化がこの目指すところに含まれてくる。

「利用者負担見直しを含む介護保険の持続性確保」・「給付と負担のバランスの確保」・「現役世代の負担上昇の抑制」・「後期高齢者医療制度の保険料賦課限度額の引上げを含む保険料負担の在り方等各種保険制度における能力に応じた負担の在り方等の総合的な検討」などは、2割負担・3割負担の対象者の拡大や、居宅介護支援費の自己負担導入などを視野に入れたものであることは誰もが気づくことだろう。

自己負担割合は将来的に2割がスタンダードになるレールが敷かれている。

そしてこの方針が令和5年度予算の編成の方針として示されている意味は、制度改正部分は、2024年度の報酬改定を待たずに、2023年度途中からの施行もあるということになる。2割負担と3割負担の範囲拡大は令和5年(2023年)10月1日からということもあり得るわけである。

どちらにしてもこれらは対象者だけではなく、介護事業者にも厳しい改正になりそうである。
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性善説では運営できない介護事業


介護施設に勤める人の大多数が、虐待や事件とは無縁の対人援助活動を行っていると思う。

そもそも介護事業者に所属し対人援助という職業に就いている人とは、他者の暮らしを護りために役に立ちたいという動機付けで就業する人たちである。

だからこそ利用者に対する理不尽な暴力や暴言・人の尊厳を傷つける不適切対応を何よりも憎む人が大多数を占めるはずだ。

しかし毎月のように介護施設を舞台にした不適切サービスや虐待・人権侵害に通ずる事件の報道が繰り返されることによって、社会の介護施設に寄せる信頼感はどんどん失われている。

そうした信頼感を欠く行為が繰り返し報道されることによって、介護施設で働く人すべてが何らかの表に出せない不適切行為を隠れて行っているように誤解されてしまう。

挙句の果てに報道される様々な虐待行為が、「氷山の一角でしかない」と言われ、あたかもすべての介護事業者が、利用者虐待という闇を抱えているかのように思われてしまうのだ。

虐待や不適切対応とは無縁で、利用者の傍らに寄り添い、介護を必要とする人の生きる杖になっている人も、そうした虐待者と一色単に思われてしまうのである。

それは違うと声を大にしていたいのであるが、人の所業とは思えない、信じがたい行為が時折表面化して、私たちの世間に向けた訴えの説得力が失われてしまったりする。

例えば今年2月には、横浜市内の介護施設で、認知症の80代女性に性的暴行を繰り返したとして、介護福祉士・北山肇郎(69)が準強制性交の疑いで逮捕されている。
準強制性交で逮捕された北山肇郎 
被害者は、「男が入ってくる」と訴えていたらしいが、認知症による妄想的訴えと無視されていたらしい。これも大きな問題である。認知症の人であっても、何もかもわからなくなるわけではないし、正しい訴えもできることがあるので、妄想的な訴えとして聞き流さず、まずは事実を確かめるという対応が必要だと思う。

逮捕容疑となった準強制性交とは、「心神喪失もしくは抗拒不能に乗じ、または心神を喪失させもしくは抗拒不能にさせて」わいせつな行為あるいは性交などを行った場合に成立する犯罪である。つまりの意味は準ずるという意味ではなく、たちの悪さは普通の強制性交罪と変わりないといえることに注意が必要だ。

容疑者は自分が夜勤のシフトに入っている日に、繰り返し被害者の認知症女性に性的暴行を行っていたらしい。夜勤中に業務そっちのけで己の欲望を満たす行為にふけっていたにもかかわらず、「抵抗や拒否はなかった」と供述していることにもあきれるしかないが、こういうとんでもない人間が、介護職として普通に勤務していたことが報道されることによって、介護の職業と介護職という職種への信頼感は失われてしまうわけである。

こういう輩がいては、我々がいかに介護の職業を選んでいる人々の動機づけが、「人の役に立ちたい」というものである人が多いと訴えても、それと同じくらい人を蔑み傷つけようとする人が混じっているんでしょうと思われてしまう。

一般市民の中には、「介護施設は怖いところだ」と思ってしまう人も居るかもしれない。そうなってしまっては、介護施設はいつしか大衆から、「必要悪」というレッテルされ張られてしまいかねない。

そうなってしまっては介護施設で働きたいと思う人はますます減り、介護人材不足に拍車がかかってしまう。

だからこそ採用は慎重にしたいものだ。人手が足りないことを理由に、募集に応募してきた人を闇雲に採用してしまうと、必ずこういう輩が混じってしまい、事業経営を危うくすることを肝に銘ずる必要がある。

そして人材育成・人材教育は終わりがないもので、実効性のあるシステムを事業者内で整備しておくという最も基本的な基盤を作り上げておく必要がある。

同時に応募者の人間性は採用時にすべて見抜くことができないことを前提にしなければならないし、教育した人間がすべて期待に応えて成長するという幻想を抱かないことも大事になる。

事業経営は性善説だけで成り立たないので、常に従業員の適正と成長度を評価する機能を、事業者内に整備しておかねばならない。

その際に取り入れたいのは、ケアワークの外部からのチェックと補完機能である。

施設サービスは、ルーチィンワークが確立されて日常性が増すことによって一定の品質が保たれるが、日常性は惰性にもつながるのである。そうした惰性によるサービスの品質劣化を防ぐためには、実践水準を内部的に更新するとともに、外部情報が取り入れられて更新されなければならないということを理解して、外部の専門家による定期的なチェック機能を取り入れておくことが、介護施設の危機管理にもなるのである。

僕の顧問活動やアドバイザー活動もその一環として行っていることである。その役割もきちんとこなしていこうと常日頃心掛けているところだ。
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暴虐の銃弾を許すな


悪逆無道・蛮行・卑劣・・・いかなる言葉を連ねても決して言い過ぎではない非道なる犯罪が行われた。

参議院議員選挙の応援演説のために奈良市を訪れていた安部元首相が、凶弾に倒れ命を奪われたニュースが世界中を駆け巡った昨日・・・私たち日本人は今、何を考え、どのような行動をとるべきなのだろうか。
卑劣な銃撃
現時点で犯行の動機は曖昧さが残されたままだが、いかなる理由があろうと、それは頭のおかしい人間の戯言(たわごと)である。

いや犯人を人間と呼ぶのもはばかられる思いである・・・。

どちらにしても思想や言論を暴力で封ずる行為ほど、卑劣で汚い行為はない。それは最も恥ずべき行為であり、人として許される行為ではない。この暴挙には一片の道理も見出すことはできない。

もしかしたら犯人は、精神的な疾患を患っている可能性も捨てきれない。しかし拳銃や爆弾まで製造していたのだから、犯意や善悪の判断力は失っていないのだろう。

この非常に理不尽な結果を招いた今回の襲撃事件について、銃所持の問題や、警備上の問題も盛んに取り上げられているが、どんなに銃規制を厳しくしても、警備に万全を期したとしても、所詮は人間の行うことであり抜け穴やほころびはなくならない。

そもそも選挙のたびに、すべての要人を完璧に守り抜くことなんて不可能だ。

それより言論を暴力で粉砕しようとすることの野蛮さをもっと世に訴えるべきだと思う。そうした罪を憎む気持ちが浸透せねばならない。

すべての人々が、このような凶行によりた人の命が奪われるという理不尽さを噛みしめ、再びそのような凶行が繰り返されないために、自分自身が何をしたらよいのかを真剣に考える必要があるのではないか。

建設的議論を交わし合い、意見の違う相手にも敬意をもってふるまえる社会にしていかなければ、日本人は民度が低いと、世界中から冷笑を受け続けることになるだろう。

同時に言論であっても、匿名で言葉の暴力が飛び交う社会の危うさを理解しなければならない。その危険性をもっと指摘し合いながら、他者への優しさを失わない社会を目指していくべきではないのだろうか。

どちらにしても今回のような暴挙が繰り返される日本にしてはならない。

だからこそ明日の参議院議員選挙の投票権は放棄せず、今後の日本社会を少しでも良い方向に導いてくれる人に向けてその権利を行使しなければならないとも思う。

亡くなられた安部元首相のご冥福を祈るとともに、元首相が安らかに眠りにつくためにも、私たちは平和を護る民であることを貫く覚悟を示す必要があると思う。・・・合掌。
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介護技術指導に必要な考え方


昨日の更新記事、「そこに春はやってきますか?」に関連して表の掲示板に、「皆さんの周囲の介護施設等の面会制限の情報を教えてください」というスレッドを建てて、情報提供を呼び掛けているので、是非ご協力をお願いしたい。

同時にそこに書き込まれた面会制限の継続もしくは、その解除に向けた取り組みを参考にして、それぞれの居住系施設で対応のあり方を、事業者内で議論していただきたいと思う。

さて話は変わって今日の本題に移ろう。もうすぐ新卒者が介護事業者に入職してくる時期になった。

そこでは介護実務に就く前に、様々な形で職場内研修が行われることになろうと思う。

その際に介護事業者の中で、新入職員等を指導・教育する立場の人に、指導者としての適性がなければ人は育たないし、優れた人材が定着することもなくなってしまう。

そういう意味で経営者や管理職には、従業員の中から指導・教育を行う人物としての適性のある人を見極め、有能な人材にその責を負わせることが重要な役割になってくる。

ではどのような人物が、「教育・指導役」として適性があるのだろうか。

勿論、介護実務に必要な介護技術を教える人には、技術指導ができるだけの介護の基礎知識と基礎技術が備わっていなければならないし、教えなければならないことを、根拠を持って言葉で伝えるコミュニケーションスキルも必要だ。

しかしそれ以前に、「教育とは何ぞや。教えるとはどういうことなのか。」という根本を理解し、その本質を貫くための、理念を持っていなければならないと思う。

例えばできないことを責めることが、「教育・指導」と勘違いしている人がいる。こうした人物は、「教育・指導役」としては不適格である。

往々にしてこうした人は、人を叱ることと、怒ることの違いを理解していない。そのため自分の感情の赴くままに、指導する相手に怒りをぶつけて終わってしまう人が多い。それでは指導・教育とは言えないわけである。

指導を受ける側が、教えたことができない原因は何かということを共に考え、できない原因にアプローチして、できるように導くことが本来の、「教育・指導」ではないかと思う。

当然できないことをできるように導く過程では、「叱る」という行為も必要になる。この部分で「叱ったら、すぐ辞めてしまっても困るし」と躊躇して叱れない人も、「教育・指導役」としては不適格である。

適切に叱ることができることも指導者・教育者のスキルのなのである。

その延長線上には、適性の欠如で「できない」というケースもあって、できない原因がそれであると結論づけた場合は、「対人援助という職業の適正に欠けますね。他の職業を探したほうがあなた自身のためです」という評価と導きがあっても良い。

いやむしろそのような指導が不可欠であるといっても良い。

適性のない人をダラダラと引っ張り続けていることによって、介護事業者の中で信じられない虐待行為が発生したりする。
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一昨年、神奈川県伊勢原市の介護施設で高齢女性が相次いで首を絞められ意識を失った事件は(被害者はその後回復)、今月に入って取り調べを受けていた当時49歳の元介護職員が自殺し、その後、この女を犯人と断定し書類送検されたことで幕が引かれた。

事件の原因は、犯人のストレスであると論評する声がネットにあふれているが、仕事のストレスで寝たきりの人の首を絞めて殺そうとするだろうか?

犯人が亡くなったことで、動機の解明が不可能になったが、こうした犯罪は単なるストレスではなく、異常性格などに起因しているように思えてならず、採用後の適正評価は不可欠であるといえる。

だからこそ介護事業経営者や管理職は、「介護という職業は、誰しもが教えさえすればできるようになる職業ではない。」と自覚しておかねばならない。

教育効果に過度な期待を寄せることなく、人材育成とは、人材の見極めを含めた問題であることを正しく理解したうえで、そうした視点を併せ持つ優れた指導・教育担当者を創り出していく努力が欠かせないのである。

そうした観点から、今一度自分が所属する事業者内の人材育成システムを認めなおしてほしいものである。
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断罪された二つの介護事件に思うこと


今週の火曜日(3/8)と水曜日(3/9)に連続して、介護事業者内で起こった事件の判決が出された。

高山市の介護老人保健施設「それいゆ」の元職員、小鳥剛被告(36)が、入所していた女性の首を絞めて骨を折るなどの暴行を加え死亡させたなどとして傷害致死などの罪に問われた裁判は(参照:老健で5人が死傷した事件の初公判)、犯行の直接的な証拠がない中で医師や元同僚など25人の証人尋問が行われた。

検察が「犯行が可能なのは被告人以外考えられない。被害者への行為は弱者へのうっぷん晴らしだと容易に想像でき短期間に連続して行われた悪質な犯行だ」など述べて懲役12年を求刑したのに対し、弁護側は「決定的な証拠もないのに同一犯であることに固執し、消去法的な推論をしている」などと述べ、一貫して無罪を主張していた。

しかし8日の判決公判で、岐阜地方裁判所の出口博章裁判長は、「複数の骨折は故意によるものであることは明らか」・「介護行為などでできた事故によるものではないという解剖医の証言は十分に信用できる」などとして、求刑通り懲役12年の判決を言い渡した。

状況証拠だけで、他にさしたる証拠がない中での難しい判決の結果である。罪状は殺人罪ではなく、傷害致死罪・・・。

今回の裁判では死傷した被害者2人の事件が対象になっているが、小鳥被告の在勤中のわずか半月の間に80代から90代の男女3人が亡くなり、2人が骨折などのけがをしている。事件の闇はまだ深いのではないかという声も聴かれる・・・。

この判決の翌日には、Sアミーユ川崎幸町事件の控訴審判決が示された。

8年前、神奈川県・川崎市の有料老人ホームで、入所者の男女3人が相次いで転落死した事件で、殺人の罪に問われた、元職員・今井隼人被告(29)に対する控訴審の判決公判で東京高裁は、死刑を言い渡した一審判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。

高裁判決は、一審と同様に自白の信用性を認定したもので、動機についても「日々の業務の鬱憤(うっぷん)を、入所者の言動を契機に高じさせた」と指摘した。そして「被害者は3人にものぼり、殺意は強固で、老人ホームの職員である立場を利用した犯行の悪質性は際立っている」と断罪。「極刑をもって臨むことはやむを得ない」として被告側の控訴を退けている。

この裁判も防犯カメラなどの直接証拠がない中、状況証拠を積み上げ、3人が転落した時間帯に勤務していた今井被告の犯行と断定したものである。

それいゆ事件」と「Sアミーユ川崎幸町事件」の唯一の違いは、前者の事件では小鳥被告が一貫して犯行を否認しているのに対し、後者の事件の今井被告は逮捕直後に犯行を認めて、のちに否認に転じている点である。

今井被告の1審裁判では、警察と検察による事情聴取際に、被告が犯行を自供している録音・録画の映像が証拠として採用されている。
心の闇
どちらにしてもこの2つの裁判の判決で注目すべき点とは、密室化している介護施設(※本件では老健と特定施設の指定を受けている有料老人ホーム)の中で、職員が犯行に及んだものと推定される犯罪について、介護現場での状況証拠だけで犯行が断定され、判決に至ったものだということだ。

物的証拠がないからといって、犯人の逃げ得は許さないということを肯定的にとらえる人は多いだろう。物的証拠がないからといって誰も裁かれないのでは、被害者やその家族にとって到底納得できないことであり、それらの人も今回の判決は肯定的にとらえられていると思う。

しかしそれはある意味、怖いことでもある。

状況証拠という、見る人によって結果が違ってくるものによって推論的に断罪されるとすれば、当然のことながら冤罪の心配が生じてくる。

今回断罪を受けた2つの犯行については、同じように被害を受けている人が短期間に複数いることで、間違いなく事故や偶然ではないという推論は成り立つが、仮に裁判の対象となる被害者が一人しかいない場合はどうだろう。

Sアミーユ川崎幸町事件は、3人もの要介護高齢者がベランダの柵を乗り越える形で、3階から転落していることから、そんな偶然はあり得ないと推察できるが、仮に事件の被害者が一人しかいなかった場合、そうした推論は成り立たなくなる。

そもそも我々の人知の及ばないところで、偶然発生する事故がないとも言えない。

そうであるからこそ介護事業者は、利用者の命と暮らしを守る観点と同時に、従業員を冤罪事件に巻き込まれないように護る努力もすべきである。

録画機能のあるカメラ付きの見守りセンサーは、利用者の監視目的ではなく、プライベート空間の安全を保障するために必要な機器であると考え、その設置を積極的に行って、介護施設等で密室化する空間をできるだけ作らない努力も行うべきではないのだろうか。

そうした録画映像は、犯行の決定的証拠となるにとどまらず、間違った行為を行っていないという証拠にもなり得るものである。

そういう意味でも、利用者と従業員の双方を護る環境づくりのために、ICTや介護ロボット等を活用する視点がより以上に求められると思うのである。
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顧客からのクレーム対処方法の確立が急務


今年の北海道は例年以上に気温が低く、かつ雪が多くなっている。3月を目前にした今日も道路わきにはうずたかく雪が積まれ道幅が狭くなっている。雪解けも例年より遅くなるのだろう。

そんな厳しい冬だからこその景色も見られる。
氷瀑(ひょうばく)
僕の家からほど近い場所に登山口がある名峰・鷲別岳(わしべつだけ)の麓にある「スダレの滝」の氷瀑(ひょうばく)が迫力ある姿を現している。沢水や伏流水がつららとなって幾重にも下がり、幻想的な雰囲気を醸し出している。一度見に来て損のない景色を、雪が降らない地域の方にもいつか見に来てほしいと思う。

さて話は変わって本題に移ろう。

埼玉県ふじみ野市で起きた立てこもり殺人事件については、「介護事業者にとって他人ごとではない『たてこもり殺人事件』」という記事を書いて、介護関係者も同じようなトラブルに巻き込まれかねず、十分注意すべきだと警鐘を鳴らした。

ところが本件は、実際に介護事業者がこのトラブルに巻き込まれかねなかった状況であることが明らかになっている。

渡辺宏容疑者(66)=殺人容疑で送検=が事件当日、在宅クリニック関係者のほかに、かつて利用していた介護保険事業者も自宅に呼び出そうとしていたことが分かったのである。

容疑者が、「集金のついでに線香をあげにこい。それが筋だろ」と要求して録音が残っており、朝日新聞デジタルがその録音をダウンロードできるようにネット配信している。(※録音は文字リンクをクリックして視聴いただきたい

この音声を録音しているのは間違いなく介護事業者であろう。

このように顧客からのクレームについて、きちんと録音しておくことがまず大事である。設備も含めてそうしたシステムを構築しておくことは、今後の介護事業には必然となる。

そういう意味では、この介護事業者のリスクマネジメントは優れていると思う。

またこのような理不尽な要求と、聞くに堪えない暴言を投げかける相手に対して、電話を受けている職員は実に冷静で適切な対応を行っていると思う。

毅然とした態度を崩さずに、言うべきことも言っている。さらにムッとする気持ちを抑えて落ち着いて応対しようとする気持ちも伝わってくる。敬服すべき態度だと思う。心より拍手を送りたい対応ぶりである。

こうした電話対応ができる職員がいてくれることは心強い。是非そう言う面での教育もしっかり行っておくべきだ。

当該事業者側は訪問を断っているが、仮に集金に訪問していたら被害にあった可能性もある。そういう意味では、クレーマーへの対策は今後急務になる。

いかなる理由であったも、「線香を上げにこい」と訪問要求を受けた場合、「当事業所は、すべてのお客様に、そのような個別対応はしておりません」などと冷静に応えることができるような対応の統一を図っておく必要があるだろう。

2021年度から介護事業者には、ハラスメント対策の強化が求められている。(※これは労働施策総合推進法において職場におけるセクシュアルハラスメントパワーハラスメントの防止のための雇管理上の措置を講じることが義務づけられていることを踏まえた基準改正として義務化されたものである。)

その中には介護事業者側や従業員側に非がないにもかかわらず、顧客が怒鳴り散らしたり恫喝してきたりするカスタマーハラスメント防止のための方針の明確化等の措置を講ずることも求められている。

よって介護事業者はハラスメント対策のガイドラインを作成して、そこに理不尽なクレームに対しては毅然とした対応を行うことを明記しておくとともに、相手側の要求に応じてはならない事柄(従業員が個別に居宅訪問して謝罪するなど)を具体的に記しておく必要があるだろう。

この点は早急に対策しなくてはならないと思う。なぜならそれは従業員を護るための対策であるのだから、スピード感をもって対策せねばならない問題であることを理解せねばならない。
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預金の引き下ろし代行は訪問介護では原則できません


大阪府門真市で、高齢女性のキャッシュカードを無断で持ち出し現金を盗んだとして、介護福祉士の資格を持つ訪問介護員が2月3日に逮捕された事件は、訪問介護で行ってよい行為と、そうではない行為の境界線を見誤っているのではないかと思える事件でもある。

窃盗の疑いで逮捕された栗栖翔吾容疑者(30)は、2021年6月からの約5ヵ月間、90代の女性のキャッシュカードを15回持ち出し、現金601万円を盗んだとされている。

女性は2021年12月に死亡しているが、警察が口座から不審な高額の出金を見つけ、事件が発覚したものだ。

栗栖容疑者は、7年前から被害女性の訪問介護を担当していたが、足腰が弱り外出が難しくなった女性から、2021年の春以降、現金の引き出しを任されており、カードの暗証番号を知らされていた模様である。

さすればキャッシュカードで預金を引き出すという行為を、訪問介護サービスとして行っていたということではないだろうか。

しかし本来そんなことは認められていない。そういう意味で、本件は訪問介護事業所の管理責任も問われる問題である。

預貯金の引き出しに関連して、訪問介護サービスとして行うことができる行為とは、本人が銀行を利用するために、ヘルパーが同行して銀行に出向くことを支援をする行為である。

預貯金の口座からの引き落としに関連して訪問介護として認められるのは、利用者にとって日常生活上で必要な支援と判断される、「外出介助」として認めらているだけなのである。

つまりヘルパーが行うことのできる支援は、銀行へ行くための支援であり、あくまでも外出時の見守りや介助のみという点である。よって、銀行でお金を引き出したり引き出したお金を管理することは、介護保険上のサービスでは、「することができない行為」なのである。

銀行に付き添った際に、見守りの途中でATMを利用する方法を口頭でアドバイスすることであれば、ぎりぎり認められる行為といえるかもしれない。ただしこの際も、暗証番号などを聞き出して、それをヘルパーが打ち込むなどという行為は避けなければならない。

勘違いしている事業所では、キャッシュカードでの預金引き出しは認められていないが、預金通帳と印鑑を預かり、預金を引き出す行為は、一定金額の範囲で訪問介護としても認められるとしている場合がある。
ヘルパーのATM代行は不可
しかしそれは大きな誤解である。預貯金の引き出しを本人以外が行う場合には、その都度委任状が必要になるが、それもなく他人の通帳と預金を使用して預金を引き出していることは、金融機関に対し本人を装って預金を引き出しているという犯罪とみなされても仕方がない行為である。(※例外として認められる振込行為については、後述するので確認してほしい

そもそも訪問介護員員には代理権はないし、訪問介護は代理申請を行うことができないサービスだ。そんなことをすれば社労士法違反にも問われてしまう。

繰り返しになるが、利用者の金銭に関する内容(引き落とし、振り込み、支払い等)は、トラブルの原因に繋がる可能性が考えられるため、原則は、訪問介護のサービスとして認められていないのである。

ただし例外として、日常生活上において最低限必要な行為にかかる振込みについては対象となるケースもある。しかしそれは、各市区町村の介護保険上の判断により異なるので、あらかじめ確認が必要である。

そしてこの例外規定を拡大解釈してはならないという理解も必要である。

金銭の管理や預金引き出し代行については、成年後見制度や各市町村の社会福祉協議会が日常的な金銭管理の支援を目的として実施している、「日常生活自立支援事業」を利用すべきであり、訪問介護として行うべきサービスではないことを肝に銘じなければならない。

このあたりの理解があいまいだと、訪問介護事業管理者も後ろに手が回りかねないことになるのである。
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介護事業者にとって他人ごとではない『たてこもり殺人事件』


今、すごく怖いなあと感じていることがある。

埼玉県ふじみ野市で起きた、『たてこもり殺人事件』の犯行動機や、実際の犯罪に至る経緯について、ネット記事を読んで感じる恐怖である。

この事件の容疑者の母親は、数年前から被害にあって亡くなられた鈴木医師の訪問診療を受けていたという。そして容疑者は納得がいかないことがあると鈴木医師に対して罵声を浴びせることもあったほか、胃瘻造設して在宅で経管栄養を行うのは『難しい』とされたことに不満を抱き、医師会にたびたび苦情を寄せていたそうだ。

容疑者は母親の診療方針をめぐって過去にほかの医療機関にも不満を訴え、治療や薬に対して自分の方針を貫こうとするなどしたため、病院側も対応に苦慮していたという報道もされていることから、いわゆるクレーマーと呼ばれる人ではなかったかと思われる。

それは母親に寄せる愛情が深かったためなのかもしれないが、利用者本人の状況に関係のないところに存在する家族の『思い』によって、医療や介護の在り方が左右されてはかなわないし、そんなことがあってはならない。

容疑者は、前日に母親の死亡確認を行った鈴木医師に対し、診療を担当していた医師を含む数人を名指ししたうえ翌日の午後9時ごろに自宅に来るよう求め、事件当日に自宅を訪れた鈴木医師などクリニックの関係者合わせて7人に対し、死後1日以上経過した母親に心臓マッサージをするよう求めるという、普通では考えられない要求をしている。
埼玉県ふじみ野市の立てこもり殺人事件
犯行は、鈴木医師から蘇生できないことを説明され、心臓マッサージを拒否された直後に行われたようである。

容疑者はまず最初に、鈴木医師を散弾銃で撃ち、次に理学療法士の男性を撃ったあと、医療相談員に催涙スプレーをかけた際に、持っていた散弾銃を奪い取られたため、もう1丁の散弾銃を発砲したという。そのため鈴木医師を除く6人が外に逃げると、容疑者は玄関にカギをかけて立てこもったようだ。

2丁の散弾銃をあらかじめ準備して行われた用意周到な殺人事件であるといえる。

利用者の家族がクレーマーだからといって、まさか銃を持っているなんて想像外である。何をどう気を付けるべきか、まったくわからなくなってしまう・・・。このような許しがたい犯罪で命を失われた鈴木医師が気の毒でならない。・・・報道によると、同医師は患者の立場に立って診療する評判の高い医師で、地域になくてはならない医療のプロであったとのこと。

大切な人の命が、こんな理不尽な理由と行為で失われたのは、なんとも悔しい限りである。合掌。

それにしても同じような恨みを介護事業者が買わないとも限らない・・・というよりも、実際に理不尽な理由で、利用者の家族から恨みを買ってしまうことがあるのではないだろうか・・・。

高齢者であるから、死に至るケースもたくさんあるだろう。その結果がいちいち気に食わないと言われてしまうのであれば、私たちは病状不安定な高齢者の方々に関りを持てなくなってしまう。

介護関係者は死亡した利用者の葬儀に参列することは普通に行っているし、ましてや家族に呼び出しを受けたら、きちんと説明責任を果たそうとして、その要求に応えるのも当たり前と思って駆けつける人が多いはずだ。

しかしこのような事件が起きると、そうした要求にも応えられなくなる。

僕も過去に、利用者の家族から理不尽なクレームをつけられて、対応に苦慮した覚えは少なからずある。

ショート利用中に体調が急変した責任をとれとか、病状の変化に対し、きちんと救急対応や受診対応を適切に行ったケースまで、文句を何時間も言われ続けられることは決して珍しいことではない。

こちらの説明に耳を貸さないケースについては、「どうぞしかるべき機関に訴えてください」として、市役所などの苦情窓口を紹介して、そこを介して後日改めて説明を行ったケースもある。

そんなふうに、介護事業を長年行っていれば、利用者の家族の中に幾人か含まれてくるおかしな人に対応しなければならないことは必ずあるのだ。それは仕方のないことだとも思っていた。

しかし本件のような事件が起これば話は別だ。

利用者本人の状況を判断して、専門家が最も適切と思われる対応をとっているにも関わらず、その方法が気にくわないとして、暴力に訴えられるとしたら、家族にクレーマーがいるとみなした時点で、対応を中止されてしまうサービス利用者が出てくる恐れもある。

そうなってしまうと、一番不利益を受けるのはクレーマーである家族ではなく、利用者自身になってしまう。そんなことになってはならないのである。

今年度の基準改正では、すべての介護事業者にハラスメント対策の強化が求められ、顧客やその家族からのカスタマーハラスメントへの対策も行わねばならないことになっている。

そのため顧客側の理不尽な要求に対しては、毅然とした対応が求められるわけであるが、それがまた顧客側の予測できない不平や不満につながりかねないことも念頭に置く必要があるだろう。

しかし真摯に対応し、真摯に説明することに努めても、それに対して全く聴く耳を持たない人に、私たちはどう対応したらよいのだろう・・・。

非常に悩ましい問題である。
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介護サービスを利用していても隠されてしまう在宅介護問題


今から約1年前となる2021年1月21日に、「老老介護」殺人事件が仙台市で発生している。

その事件の判決が下されたのは、昨年も押し詰まった12/2のことであった。仙台地裁は被告である妻に懲役3年・執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。判決言い渡しを、被告の妻は車いすに乗ったまま聞いていたそうである。

83歳の妻が、自ら介護していた要介護3の夫(85歳)を、自宅で首と腹を包丁で刺して殺害した事件は、妻が将来を悲観し、「一緒に死ぬつもり」で夫を刺殺したものである。

加害者となった妻自身も要支援1で、事件の3日前に腰の圧迫骨折と診断されていた。

夫婦は仙台市内の市営住宅で2人暮らしだった。夫の介護は2019年12月から始まったが、当初は身の回りのことを手を添えて手伝う程度のいわゆる、「軽介護」であったという。

そんな夫の様子が「天と地ほどに変わってしまった」のは2020年8月のことであったと被告は供述している。

病状が不安定なため、入退院を繰り返していた夫ではあったが、新型コロナのため面会できなかった3週間の入院を終え、2020年8月に退院した際に認知機能が低下し自力歩行も困難になっていた。そのため毎晩2回は起きて、おむつの交換をしなければならなかった。

夫の居宅サービス計画を立案していた担当のケアマネジャーも、その状態は把握しており、訪問介護サービスを利用することを妻に提案したが、「家のことくらい自分でできる」と被告は断っている。

その時の心境について被告は、「家の中のことは他人に話したくなかった。」と供述し、2人の子供に対しても助けを求めなかった。

そのため被害者となった夫が、事件当時利用していたサービスは、デイサービスショートステイのみだった。

事件当日、被告は腰が痛くてトイレにも這っていくほどだった。食事もとれず薬も飲めなかったそうである。

夕方、夫が2泊3日のショートステイから帰宅し、夕ごはんを食べさせなければと思ったが、被告は体を動かせなかったそうである。その時に、「これ以上介護を続けるのは難しい。夫とともに死のう」と思ったという。

判決の際裁判長は、「被告の辛抱強い性格とその置かれた境遇や立場からすると、介護保険制度の内容を十分理解できず、制度に大きく頼ろうとしなかったことはやむを得ず、子供たちが父親の介護のことをあまり気にかけていなかった状況からすると、被告が周囲に協力を求めなかったことを取り立てて非難することはできない」などと述べている。

この事件は、被害者の担当ケアマネジャーにとってもショックであったろう。被告の夫に対する介護負担が増えることを見据えて、サービスの変更(訪問サービスの導入)を視野に入れながらも、被告が拒否したことによって、それを見送ったことに悔いを残しているのではないだろうか。

しかし神ならざる私たちが、利用者や家族の心の奥底まで、すべからく真実を覗き見ることなんか不可能である。被告のサービス拒否の際の心理状態を正しく把握できなかったとしても、それはケアマネジャーの能力の問題ではないのだから、責任感を持ちすぎて、あまり悩まないでほしいと思う。

認知症のない主介護者の拒否は、「大丈夫」・「問題ない」という意思表示だと思ってしまうのは仕方がないことだ。しかし実際にはそこに、家庭内にまで他人が足を踏み入れることへの拒否感とか、そこまでサービスを受けることの抵抗感など、様々な思いがあるということだろう。

私たちは、本件から改めてその教訓を受け止める必要があるだろう。

判決の際裁判長が指摘した、「介護保険制度の内容を十分理解できず、制度に大きく頼ろうとしなかったことはやむを得ず〜」という問題も、真摯に受け止めなければならない。

利用者や家族は、私たちのように制度の深い知識はないのだという前提で、かみ砕いてわかりやすく、難しい制度を説明しなければならない。そうした能力もケアマネジャーには求められるのだと思う。

サービス利用がれっきとした権利であると考えられない人がまだ世の中には数多くいることを、私たちはこの事件から思い知らされた。

被告が寝ていた夫を包丁で2回刺した際には、「誰かに助けを求めることも思い浮かばなかった」と供述している。切羽詰まったときに、思考能力は正常ではなくなるのだろう。

そこまで追い込まれないうちに、どのように切迫した状態を発見したり、表面化させることができるのかが今後の大きな課題だ。地域ケア会議では、ぜひそのことを議論してほしい。

2019年度の国民生活基礎調査(厚労省)によると、要介護者と同居している介護者の年齢の組み合わせでは、65歳以上同士が59.7%に上っており、75歳以上同士の割合も33.1%に達している。
老々介護
そうした世帯の人々が抱える暮らしの問題は、今後もより深刻化の一途をたどるだろう。

介護サービスを利用しているからといって、そこに隠された介護問題など存在しないと思い込まないようにしなければならないというのが、本件の教訓だ。

常に何か問題が生じていないかとアンテナを張りながら、自宅訪問モニタリングなどの際に確認をしたいものである。そのように意識して、身近なケースから、「発見する福祉</span>」を実現していかねばならない。

それより何にも増して、利用者や家族の本音を引き出すラポール関係を形成することの重要性を改めて感じざるを得ない。
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職場にサイコキラーが混じっていたらどうする?


このブログに以前、介護人材確保問題に関連して、「面接で人物の見極めをすることは難しく、採用後の試用期間を有効に活用して適性を含めた人物の見極めが重要である。」と書いたことがある。

その時に、「サイコパス」が応募者に交じっていても見分けることは不可能で、こうした人物は知能が高いために、一見優秀な人物と見紛うことも多く、試用期間での見極めも難しい。そうした人物によって事業者内で犯罪が引き起こされてしまうことを防ぐための確実・有効な手当てがないのが難題だと論評したことがある。

しかしこの評論には少し誤解を生じさせる部分が混じっているようだ。なぜならサイコパスが必ず犯罪を引き起こすわけではないからである。

サイコパスとは境界性人格障害者のことを指し、どこにでもいるちょっと変わった困った人や、一部の芸術家にも多いタイプと言われている。例えば憎めない詐欺犯や、足を洗えない売春婦にも多いタイプである。病的虚言癖もこれに入る。

彼らは精神異常者ではない。その分治療を受けることもないから、社会に氾濫しつつある。

こうしたサイコパスの中から確信的に殺人を犯す人間が出てくる。それがサイコキラーである。

サイコキラーとは、猟奇殺人もしくは快楽殺人を繰り返す殺人犯のことであり、理知的なやり方や独自の理由で殺人を行う犯罪者もそう呼ばれている。

こうした人間が職場に交じっておれば大問題である。特に密室化しやすい場所で、利用者と1対1で対応する介護職員などに、サイコキラーが混じっていればとんでもないことになりかねない。

そのようなサイコキラーによって引き起こされたのではないかと疑われる事件も実際に介護施設で起きている。「3月しか勤務していない老健で何があったのか?〜空気注入殺人事件」という記事で紹介した、茨城県古河市の介護老人保健施設「けやきの舎」で、入所中の高齢男性2人が相次いで殺害された事件がそれであり、この事件で逮捕された容疑者がサイコキラーではないかと思える節がある。

水戸地検は1月12日、殺人容疑で逮捕された施設の元介護職員・赤間恵美容疑者(36)の鑑定留置を開始したそうである。検察当局は鑑定留置の終わる4月22日以降、赤間容疑者を2件の殺人罪で起訴できるか判断するという。

赤間恵美容疑者は中学卒業後、看護学科のある県立の高校に進学し、5年間通って看護師の資格を取得したそうである。

高校の同級生は赤間容疑者について、「成績が優秀なだけでなく、良く冗談を言ってみんなを明るくするムードメーカー。」と評しており、その時期にサイコパスの片りんは覗かせていない。
赤間容疑者のFBのプロフィール画像
※画像は今もネット上にある容疑者本人のFBのプロフィール画像。
高校卒業後、計3年余り埼玉県と栃木県の病院で看護師をしていたそうであるが、その後、2020年に事件を起こした老健施設に就職するまでの経歴はいまだに明らかになっていない。同容疑者がその間の経歴を意図的に隠しているとしか思えない。

警察はそのことをすでに掴んでいるのかもしれないが、事件のあった職場でもその間の経歴を正確につかんでいないという事実は、何を現わしているのだろう・・・。その間に起こった何かが、本件につながりがあるのかもしれない。

前述したように赤間容疑者は看護師の資格を持っている。そのため事件の現場となった「けやきの舎」でも、当初は介護職員ではなく、看護師として勤務していたという。

ところが就職からわずか2カ月後の2020年6月に、なぜか介護職に配置換えになっている。

ちょうど赤間容疑者が看護師から介護士に配置換えになる直前の20年5月に、2度目の逮捕容疑となった入所者の鈴木喜作さん(当時84歳)が死亡していることを考えると、鈴木さんの死に関連して、赤間容疑者に何かしら後ろめたい行動か、疑わしい行為があったのかもしれない。

それによって施設命令で看護師から介護職に配置替えしたとしたら、労務管理としてはいささか問題があるような気がする。利用者の「死」という事象に関連した配置換えの場合であれば、同じように密室化する場所で、直接利用者に接する職種にとどめておくのは問題なしとは言えないからだ。

鈴木さんは亡くなった際に司法解剖がされておらず、県警は搬送先の病院が実施したCT検査の画像を解析し、最初に逮捕した事件の被害者である吉田節次さん(当時76歳)と同じように体内に空気が注入されていたことが突き止められている。

そして二人目の犠牲者となった吉田さんが2020年7月6日に死亡する直前、赤間容疑者は吉田さんのベッド周辺で不審な行動をしているのを同僚に問い詰められ、その日のうちに「けやきの舎」を退職している。(※殺人容疑での最初の逮捕は、本件となっている。

吉田さんはその後、容態が急変し、「けやきの舎」の系列の栃木県内の病院に救急搬送された後に死亡しており、病院側が死因を不審に思い警察に通報し、司法解剖の結果、体内から大量の空気が見つかったものである。

報道では赤間容疑者が「けやきの舎」に就職して以降、退職するまでの間に、そのほかにも複数の人が急死しているそうである。その人たちは病死や自然死とされていたため、鈴木さんの死因が体内に空気を大量に注入されたという証拠となったCT検査の画像のような、不審死を疑う証拠もないために立件することは不可能だろう。

となると赤間容疑者が起こした事件は、2件の殺人容疑として起訴される可能性が高い。

しかし亡くなった吉田さん、鈴木さんと赤間容疑者の間でトラブルは確認されておらず、動機は今も不明のままだ。

その事実は、本件の殺人は恨みによるものではなく、盗みなどを目的とするものでもなく、体内に空気を注入することは命を奪うことだと知る看護師免許を持った容疑者が、それを試してみたかったとか、人を殺す経験をしたかったという動機で行われたのではないかという疑いがぬぐい切れない・・・。

なんとも恐ろしい事件であり、介護事業経営者にとって、このような性質の職員が混じっていたらどうしようもないと思うしかない事件でもある。
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犯罪気質がある職員はどうすれば見抜くことができるのか・・・。


介護保険施設等の居住系施設は、その種別に応じて目的と機能が多少異なるとはいえ、利用者が(限られたある一定時期であるとしても)暮らしを営む場所であることに変わりはない。

要介護者が暮らしを営む場所であるという意味は、心身に何らかの不便を抱えている人の暮らしを支えながら、その尊厳を守り安心して安全に暮らすことができる場所にしなければならないということだ。

これは理想とするような問題ではなく、経営者や従業員がごく当たり前に認識すべき意識であり、ごく普通に実現すべき責任でもある。

しかるにその安心と安全が脅かされる事件が数多く起こっている。

このブログの「事件・ニュース」というカテゴリーに昨年取り上げた事件だけでも、信じがたい卑劣で残虐ともいえる事件が介護施設で複数件引き起こされている。

昨年8月に書いた、「介護ストレス殺人ではなく強姦致死だったという卑劣な事件」という記事では、山梨県南アルプス市の有料老人ホーム「わたぼうし」で起こった強姦致死事件を取り上げているが、ここでは夜勤中の職員が、ご夫婦で入所していた妻をトイレ介助するとして、トイレ内で強姦に及び、抵抗しないように首を絞めて殺害に至るという、人として決して許されない卑劣な行為に及んでいる。

そのほかにも様々な犯罪行為が介護施設で起きている。

昨日(1/11)は、岐阜地裁で昨年12月に、「老健で5人が死傷した事件の初公判」という記事の中で紹介した被告の裁判が開かれた。

この事件は2017年7月末から8月中旬にかけて、岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」にて80〜90代の入所者3人が死亡、2人が負傷した事件だが、昨日の裁判で被告は、当時の状況確認の質問に、「覚えていない」と繰り返している。

被告は入所者に食事を出すときに、「この肉、動物を殺したものなんだよ」と言う場面もあり、その際に注意をしたことなどもあると同僚が語っており、そもそも対人援助に最も適していない人間ではなかったかと疑われるだけでなく、サイコパス気質も疑われている。

しかし被告は、これまでの裁判でも起訴内容を一貫して否認している。この事件では犯行の瞬間を目撃した職員やその様子を捉えた防犯カメラなどの直接証拠がなく、「被告が犯人であるか」が最大の争点となっている。そもそも立件されているのは傷害致死と傷害の2件のみであり、残りの3件の死亡・傷害については立件されていない。

一審の判決は明後日1/14に出される予定だが、果たしてその結果はどうなるだろう。

昨年12月に逮捕に至った事件としては、もう一つ恐ろしい殺人事件があった。

茨城県古河市の介護老人保健施設「けやきの舎」で、2020年7月に看護師資格元介護職員(36)が、入所者に注射筒(シリンジ)で空気を注入されて死亡したとされる事件は、大きな広がりを見せる様相を呈している。

最初の容疑による逮捕に続いて、昨年12/29にも別の利用者の殺人容疑で再逮捕されているからだ。しかし事件の被害者は、その逮捕による被害者2名にとどまらないかもしれない。

容疑者は2020年4月から「けやきの舎」に勤めていたそうだが、急死したのは殺人容疑で逮捕された2件の被害者だけではないそうであり、他にも不審な死をとげた方がいて、大量殺害の疑いも持たれている。

被害者と容疑者との間に大きなトラブルはなかったとされていることから、この事件もサイコパスによる快楽殺人ではないかという疑いがぬぐい切れない。

サイコパスといえば、Sアミーユ川崎幸町で起きた老人ホーム連続殺人事件も記憶に新しいところだ。

事件の容疑者や被告となった人物は、ある場面では犯行とは別な顔を持ち、中にはその能力や資格に期待を持たれていた人物もいたりする。
善と悪
どちらにしても採用面接で、応募者に犯罪気質があるかどうかなど判断できないし、教育でどうなるという問題でもない。

犯罪気質を持った人間であっても、採用後も目に付く場面で仕事を滞りなく行えているなら、陰で卑劣な行為に及んでいるのではないかなど想像の及ばない範囲である。

そもそもこんな事件が起きるたびに、事件は氷山の一角だといわれ、多くの介護施設が虐待を隠しているように見られてしまうが、介護施設や事業所で働く大多数の職員は事件や虐待とは無縁な健全な精神の持ち主である。

その中には、人に相対する仕事に就くために生まれてきたのではないかと思えるほど、人に対して優しく愛情をもって接する職員も少なくはない。

そういう人たちが、わずか数人のおかしな人間が介護事業者に交じって引き起こした事件によって、十把一絡げ(じっぱひとからげ)に見られてしまうのでは、あまりに可哀そうだ。

だからこそこうした事件をどう防ぐのか、犯罪気質のある職員をどう見抜くのかということを真剣に考える必要があるが、その答えはなかなか見つからない。

そうした犯罪を防ぐためには、利用者一人一人の介護場面をくまなく確認できるように、施設のいたるところにモニターカメラを設置するしかないのだろうか。

どちらにしても、介護施設での殺人事件が毎年複数起きているという事実に、大いなる危機感を感じざるを得ない。・・・こんな状態は、「仕方がない」とあきらめたり、放置したりすべき問題ではないと思うのである。

社会の信用を失わないためにも、健全で安心・安全な介護施設を作る不断の努力が介護事業経営者には求められるのである。

密室化して見えない部分であっても、介護のプロとしての矜持を失わない仕事ができる職場環境と、職員の資質を作り上げるために、経営者や管理職は何をすべきなのだろうか。

まずは自分を律して対人援助という仕事にかかわるにふさわしい姿を、従業員に示すことが重要だろう・・・。それは言うまでもないことだが、それだけで問題解決にはならないことが、この問題の根深さと深刻さを示しているといえる。
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地域崩壊の足音


すでに人口減少社会となっているわ我が国では、生産年齢人口の数が急速に減り続けていますが、それに反比例するように後期高齢者を中心にした高齢者の数は増え続けています。

その上昇曲線は2042年頃まで続く推定されていますが、それは要介護者もその時期まで増え続けるのに、その支え手の数は今以上に少なくなるという意味です。

そうした深刻な問題については、「潜在介護福祉士は、いないのと同じ」などで再三指摘しているところです。

しかしその問題の深刻さにも地域差は歴然と存在します。

例えば総務省が公表した2020年国勢調査の確定値によると、北海道内の総人口に占める65歳以上の割合は初めて30%に達し、歌志内市や夕張市など道内5市町村では50%を超えており、これらは限界自治体と呼ばれています。
道内の高齢化率
一方で道内の生産年齢人口は1955年の調査以来、初めて300万人を割っており、北海道の介護人材確保は全国平均より厳しい状況であることが数字で示されています。

しかも北海道の中でも地域差はあって、郡部はより厳しい状況にあるのです。介護サービスを利用したい人はいても、サービスを提供できる職員が集まらないという現象は、札幌などの一部の市を除いて、さらに加速して起こってくるのです。

介護職員の給料が月額9.000円上がっても、人がいないのだからどうしようもありません。道内の介護事業関係者は、この現実をしっかり見つめなければなりません。

それは介護事業者が経営を続けていくうえで必要不可欠となる人材対策について、国の施策に頼っても意味がないということを現わしているのです。そこで何をすべきか・・・。

私たちに今求められているのは、「どうにかなる」という思考回路ではなく、「どうにかするのだ」という主体的な思考回路での人材対策なのです。各事業所に求められるのは、職員の定着化を向上させたうえで、その介護事業者で働きたいという動機づけを与えることです。それが介護事業経営として最も重要な課題となります。

本来、介護事業経営に勝ち負けがあってはならず、自分の所属事業者だけが勝ち残っても、地域全体から見てそれが福祉の後退を意味すれば問題になるのですが、事業経営を続けるための人材の確保面では、厳然と事業者間格差が生じ、その部分での勝ち負けは存在することになってしまうのです。この部分で負け組は、事業経営ができなくなるという意味になります。

どうぞ介護事業経営を続けるための確かな知恵を得てください。職員が安心して働けるように事業者内で人材教育がきちんと行われていますか?おざなりで機械的な教育に陥っていませんか?その成果として職員が定着していますか?

そんなふうに自分の職場が、安定して人材確保ができる事業体質を創りあげているかということを、今一度検証し直してほしいと思います。

国の政治に訴えることも必要でしょう。しかしその期待に必ず応えてくれるという幻想は持たないでください。まず自分自身でできることを最大限に行っていきましょう。「夜間オンコールのアウトソーシングを考える」・「注目に値する通所サービスの共同送迎」で紹介した業務の一部をアウトソーシングする方法や、ICTやAI搭載ロボットを使った業務の省力化といった工夫も、場合によっては必要になるのです。

そうした工夫や努力を全くしないで、「なんとかなる」という甘えた考え方はやめましょう。

どんな方法が自分の職場に合った方法で、業務の省力化につながり人が集まる方法になるのかを真剣に考えて、積極的に取り得る方法を取り入れていかねばなりません。ここはお金を掛けるべきところなのです。

介護人材が十分集まらないところでは、地域包括ケアシステムが成り立たなくなり、それは即ち地域が崩壊することを意味します。そうしてはならないのです。

この問題については、1/28(金)に日本橋教育会館(東京日本橋人形町)で行う、「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは」の出版記念セミナー、「今こそ介護の行方を問う」でもテーマとして取り上げます。「介護ヘルパーが消える日〜介護サービス崩壊に立ち向かう〜」として小島美里氏が特別講演を行うとともに、僕を交えたトークセッションでも議論します。

当日は是非会場までお越しいただき、生の議論を聴いていただければと思います。読者の皆様と会場でお愛できることを楽しみにしております。
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命の儚さに触れて思うこと


年の瀬という声が聴こえてくるようになった押し詰まったこの時期に、やりきれない悲惨な事件が起こった。

大阪北新地の精神科クリニックの放火殺人事件は、重体となっている犯人が事前に予行演習として自宅にも放火するなどして、念入りに計画して無差別大量殺人を狙った犯行だったと推察されている。

大阪の繁華街で夜遅くまで、働く人の鬱病やパニック障害・発達障害などをサポートし、患者の希望と呼ばれた49歳の院長をはじめ、尊い24人の命が犠牲となった事件は、犯行動機が何であろうと決してあってはならないし、許すことができない事件である。

このような悲劇に遭遇しても、僕たちにできることは犠牲者の方々に深く哀悼の意を示すことくらいしかない。そしてこのような事件が二度と繰り返されないように祈ることしかできない。しかし過去を振り返ると、こうした悲惨な事件が無くなったためしがないことも事実だ。

そうであれば私たちは、ただ空しく自分の無力を知るだけで、あきらめてしまうことしかできないのだろうか。

決してなくならない悲劇・・・許されない事件の繰り返しに対して、私たちができることは何もないのだろうか。

おそらく直接的に世の中を良くしたり、事件を防いだりする力は、僕たち個人にはないのだろう。

しかし人としてこの社会に生き、様々な社会活動をしている責任ある存在としての自分を考えたとき、私たちが自分の身の回りの中でできることはあるのではないかと思う。そう信じたい・・・。

僕たちは自分以外の誰かの暮らしに深く介入して関わる対人援助の仕事に就いている。それは自分以外の誰かの暮らしに直接かかわりを持つという意味である。時にその仕事は、向かい合う誰かの暮らしを支えるだけではなく、命を支えることにもかかわる仕事である。命が燃え尽きる瞬間まで関わりを持ちながら、最期の瞬間まで尊厳ある人としての暮らしを支える役割をも持っているのだ。

そういう自分が、命の儚さを誰よりも理解し、だからこそ命は尊いのだということを意識して、日々の仕事に向き合うことが大事だと思う。

自分が支援者として関わる利用者に対し、その人が置かれた環境や身体機能の違いに関係なく、人として敬う態度を失わないことが必要だと思う。能力の違いで知らず知らずのうちに人を差別視するようなことがなく、向かい合うすべての利用者を人として愛おしく思い、真摯に寄り添うことができてこそ、人の暮らしと命に向かい合う意味が第3者にも伝わるのではないだろうか。

当たり前のことだが、失われた命は二度と戻ってはこない。命を失った人に対して、そのあとにできることはないのである。だから今日できることは明日まで引き延ばさない心がけが必要だ。日々の営み、日々の関わりに悔いが残らないようにしたいと思う。

そのことをたくさんの仲間と伝え合い、同じ思いを持つ人の輪の中で、幸せや笑顔の樹形図を描く方法論をたくさん見つけていきたいと願うのである。

僕たちに今できることは、尊い命が理不尽に奪われたという現実を直視し、あらためて儚い命の尊さをかみしめて、命は護られなければならないものだということを伝えていくことだろうと思う。

だからこそ僕たち自身が、誰よりも命の尊さを想い抱きながら日々の職務に携わっていかねばならない。

そのことで、誰かに伝わるものがあるとしたら、世の中は0.1ミリでしかないかもしれないけれど、良い方向に進められると信じて、今いる場所で誰かのあかい花として咲き続けたいと思う。
儚い命の尊さ
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発見する福祉を実現するために


介護保険制度は2005年以降、地域包括ケアシステムの構築と深化を目的として制度改正等が行われてきた。

地域包括ケアシステムは、高齢者が住み慣れた地域で生活できるように、保健・福祉・医療等のサービスが一体的に提供できる仕組みが整えられ、虐待防止や介護予防マネジメントなどが総合的に行われる状態を指しているが、それは決して住民からの通報のみによって専門機関が動くという性格のものではない。
介護問題
介護問題とは見えないところに隠されていて、表面化したときには既に対応しきれないほど深刻化する性格を持つものである。

だからこそ地域包括ケアシステムの肝は、「発見する福祉」なのである。

地域包括支援センターはその機能を十分に持つ必要がある。地域に埋もれ、制度の光が射さない影の部分に光を届ける機関が地域包括支援センターだからである。

そこに所属する職員は地域をくまなく回り、その実態を知悉し、地域の隠された介護問題をあぶり出す必要があるのだ。地域包括支援センターのデスクに腰かけているだけで、できる仕事ではないのである。

このように地域包括支援センターとは、地域包括ケアシステムの要の役割を果たすわけであるが、地域包括支援センターに勤務する職員に、「地域包括ケアシステムって何ですか?」・「地域包括ケアシステムは、この地域ではどんなふうに機能しているんですか?」と質問して、それに対して全員が明確に答えを示すことができるかどうかが問題である。

それに対する答えを明確に示すことができない人たちによって、地域包括ケアシステムが限りなく形骸化する場所では、悲惨な介護問題が今以上に数多く発生するであろう。

介護問題に関連しては、先日下記のような報道があった。
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12/13に兵庫県上郡町の民家で要介護2の88歳女性が、49歳の次男に殺害されるという事件が起きたが、それは介護疲れが原因であることが明らかになった。
歩行に支障がある64歳の次女も含めて3人暮らしのこの家庭で、主介護者であった次男は、最近腰を痛め、『もうくたびれてもうた』と親しい人にこぼしていたそうである。
しかし要介護認定を受けていた母親は、介護サービスを全く使っていなかった。
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本事件のような問題が起きたからと言って、その地域の地域包括支援センターをはじめとした福祉行政に問題があるということにはならない。

誰が悪いわけではないけれど、何らかの事情で利用できるサービスも使わずに、介護問題を自分一人で抱えて煮詰まり、取り返しのつかない状況に陥るケースは存在し続けるわけである。

しかしこうしたケースを、「仕方がない」と放置するだけでは、地域の介護問題は深刻化するだけである。こうしたケースを一件でも多くあぶり出すためにしなければならないことがある。

少なくともこの地域では、本件のような事件が起きたという事実を受け止めて、この事件の起こった家庭のケースを、「地域ケア会議」で検討すべきである。

発見できなかった介護問題を検討することによって、介護問題が地域に埋もれて表面化せずに済むケースが増えるかもしれないのだ。

本件では介護疲れで親を殺めてしまった二男について、なぜ制度の助けを求めることができなかったのかを徹底的に検証すべきである。

地域ケア会議とは、そうした目的のためにあるのだ。現在進行形のケース検討だけが、その対象となるなんて間違った理解をしないでほしい。
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いろいろあった今週の介護業界


今週月曜日にマイナビが運営する、「メディカルサポネット」の「菊地雅洋の激アツ介護経営塾〜選ばれる介護事業者であり続けよ」の連載記事で、介護職員等の給与改善交付金について論評した。

そこでは、「介護職員がいない事業所(居宅介護支援や福祉用具貸与など)は対象外とする方針が示されていることに不満の声も挙がっていますが、この問題の決着も先送りされています。」と書いた。

しかし8日に行われた介護給付費分科会資料では、介護職員の月額平均9.000円の賃上げ交付金については、既存の「処遇改善加算(I)から(III)」のいずれかを取得していることを要件とし、介護職員の配置義務のない訪問看護・訪問リハビリテーション・福祉用具貸与・特定福祉用具販売・居宅療養管理指導・居宅介護支援は対象外と明記されている。(※介護予防も含めて対象外

これによって日本介護支援専門員協会等の要望はまったく無視される形で、居宅ケアマネの交付金支給による給与改善は実現不可能となった。

ただし資料では対象となる職種を、「介護職員」としているものの、但し書きとして、「※事業所の判断により、他の職員の処遇改善にこの処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認める。」としているため、交付金が支給される介護施設等については他職種への配分は可能となった。

このため施設併設の居宅介護支援事業所の場合は、施設のケアマネには配分があって給与が上がるのに、居宅ケアマネは配分がなく給与も据え置きということになり、特定加算の時と同様の不公平が生ずることになる。僕個人としては非常に残念な決定だと思う。

国の論理は、今回の交付金は人材不足に対応するという意味もあり、足りていないのは介護職員なのだし、居宅ケアマネについては介護報酬を給与引き上げができる方向で改定したのだから、それでカバーしてほしいということである。

報酬改定で引き上げられた分と言っても、それは主に担当者を従前より多く抱えて逓減性緩和を適用されたことによる分だから、仕事量が大幅に増えた上での給与増である。それは労働対価として当然のことなのだから、それを理由に今回の交付金から除外されるのは納得いかないと思う人も多いだろう。その考えは正論であると思う。

また今回の交付金から居宅ケアマネが外されたことは、逆に24年の報酬改定には順風で、そこで居宅介護支援費の更なる引き上げが期待できるとする向きもあるが、そんなに先の不確定要素に期待しても始まらないと思う。そうした見方はまったく意味がないと指摘しておく。

交付金の配分ルールは今後示されることになるが、10日の参議院本会議で岸田首相は、事業者が交付金原資を全て賃上げに充てたかどうかを、自治体において確認する仕組みとすることを表明している。

これは自治体の仕事が増えることを意味すると同時に、自治体に実績報告する事務担当者の業務増をも意味している。そういう人たちにも報いる形で、配分をしていただきたいと思う。

介護給付費分科会では交付金の財源について、保険料・利用者負担の増加を牽制する声が相次いで上がったが、このことについては、メディカルサポネットの連載記事で評論しているので、そちらを参照してほしい。

さてそのほか今週介護業界を賑わせたニュースと言えば、「3月しか勤務していない老健で何があったのか?〜空気注入殺人事件」で評論した事件である。

その記事に追記しているが、事件があった老健施設では他に複数の入所者の不審死が確認されているそうだ。それも当該職員が手に掛けたとすれば、今後過去に例のない利用者連続殺人事件に発展するかもしれない。続報に注目する必要がある。

他にも介護事業者の世間の信頼を揺るがすニュースが続いた。

東京都立川市の有料老人ホームで介護職員として働いていた松本昌伸容疑者(42)=東京都東久留米市弥生1丁目=が窃盗容疑で逮捕され、容疑を認めているという。
松本容疑者逮捕
事件は、松本容疑者が8月2日〜9月8日の間、自ら勤務する有料老人ホームの入居男性のキャッシュカードを使い、計23回にわたって現金計850万2千円を引き出したというものだ。

事件が発覚したきっかけは、9月に被害男性が亡くなったことだ。被害者は生前、預金残高は何百万円もあると言っていたにもかかわらず、死亡月の利用料が残高不足になり11月に自動引き落としされなかったため、それを不審に思った別の職員からの通報ということになっている。

しかし死亡者の口座を放置して、2月も後にそこから引き落とされた利用料が支払われるのを待っているということにも問題があるのではないだろうか。

容疑者がキャッシュカードと暗証番号をどう手に入れたのかを明らかにすることも必要であるし、この施設全体の利用者金銭の管理がずさんだったのではないかという検証が必要だと思う。

どちらにしても利用者の暮らしを護り、生活の質を向上させるべき場所で、命や財産が奪われることは大問題だ。そんなことがあっては利用者は安心してサービス利用ができなくなってしまう。

そんな業界に国民の血税を使って、給与改善のための交付金を支給してよいのかという議論にもつながりかねない。

そうならないように、介護事業経営者はより一層の、ガバナンスとコンプライアンスの確立に努めなければならない。

できることは自らの組織を律することであり、そのためには自らが介護事業経営者として職員に範を示すことができるように、己を律することである。

日大前理事長のように、汚れた裸の王様にならないように気を付けたいものだ。

今週はmasaの徒然草も久しぶりに更新した。職場改革につながる示唆も含んでいるので、「街を飾るイルミネーションのように輝くために」も参照いただきたい。
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3月しか勤務していない老健で何があったのか?〜空気注入殺人事件


昨夕、恐ろしい事件のニュースが飛び込んできた。

茨城県警が昨日8日に会見を開き、老健施設入所者の体内に空気を注入して殺害したとして、元介護職員・赤間恵美(旧姓木村)容疑者(35)=同市大和田=を殺人容疑で逮捕したことを明らかにした。

事件は、茨城県古河市の介護老人保健施設「けやきの舎」で、2020年7月に発生したもの。
介護老人保健施設けやきの舎
各メディアの報道をつなぎ合わせると、事件概要は以下の通りとなる。
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事件概要
2020年7月6日午後0時半ごろ赤間容疑者は、勤務していた老健の入所者の吉田節次さん(当時76歳)の脚につながれた点滴用チューブに、空のシリンジ(注射筒)を接続して静脈に多量の空気を注入し死亡させた疑い。

吉田さんは寝たきりの状態ではなかったとのことだが、約1時間後に病院で亡くなった。その後に司法解剖されているが、不審な点が多かったことから捜査本部は医師や施設職員から話を聞くなどして捜査を進めていた。

吉田さんの死因は空気塞栓症による急性循環不全。空気は少量であれば血液内に入っても溶け込み死亡しないことなどから、既に針が刺されている点滴を使い、シリンジから多量の空気が注入されたとみられる。そのため捜査本部は、容疑者に明確な殺意があったとみて取り調べを行っている。
赤間容疑者
赤間容疑者は同施設に昨年4月下旬ごろから介護職員として勤務していたが、吉田さんが亡くなった7月6日の勤務を最後に自主退職していたという。

その後、容疑者は無職の状態であったそうだが、今年11月21日に牛肉など11点を万引したとして窃盗容疑で現行犯逮捕され起訴されていた。

14:00追記
なおこの施設では複数の入所者の不審死が確認されているそうだ。そのため県警は古河署に捜査本部を設置し関連を調べている。過去に例のない利用者連続殺人事件の様相を呈してきた。
事件概要はここまで。
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看護・介護関係者なら周知の事実であるが、看護師の資格を持っていたとしても、看護師としての発令を受けていない状態では、医師の指示があったとしても医療行為は出来ない。看護師資格をもとにして訪問介護事業所でヘルパー業務を行っている人が、医療行為ができないことと同じである。

赤間容疑者は看護師資格を持っていたが、介護職員として働いており、当然のことながらシリンジを扱うことができない立場だった。

施設側は取材に対し、シリンジは「ある程度適切に管理していた」と説明しているそうであるが、「ある程度しか管理されていない」ということが問題であり、介護職員である容疑者が、シリンジを使って点滴に空気注入できたという事実がある限り、その管理責任は当然追及されるだろうし、過失も認めざるを得ないだろう。

それにしても利用者の点滴に死に至らしめるような多量の空気を注入し、殺人行為に及ぶということは尋常な行為ではない。

犯行は容疑者が入職してから、わずか3月後の犯行だったわけである。そんな短い期間に、被害者を死に至らしめようと考えるほどの深い恨みを持ったというのか。その間にいったいどんな出来事があったというのであろうか・・・今後の動機の解明が待たれるところである。

たまたま昨日更新した記事でも、老健の連続死傷事件を取り挙げているが、介護を受ける場所で殺人という事件が起こることの恐ろしさを改めて感じざるを得ない。

本来その場は、要介護高齢者が護られる場所である。そこで事件に巻き込まれるなんて想像する人もいない場所だ。

そこで直接介護を行う職員の中に、狂気がある人間がいるなんて言うことを考える人なんていないのが普通だ。

しかしSアミーユ川崎幸町事件(※1審で死刑判決を受けている今井被告が、3人の入所者を3階のベランダから転落死させたとされる事件)や昨日論評した事件、そしてこの事件などの報道を目にすると、介護施設に安心して入所させられないと思う人が増えることを懸念せざるを得ない。

それは即ち介護事業者への不信感につながる問題であり、介護職の待遇改善を訴える際のバリアになりかねない問題でもある。

介護人材不足の折、職員募集に応募した人を適性判断が甘い状態で採用し、採用後の人物評価と見極めも行わない場所では、こうした事件がいつ起こっても不思議ではなくなってしまっているのではないか。それは最大の経営リスクであるともいえる。

そもそも殺人を犯すような気質を持つ人物が、採用後の教育訓練でどうにかなると思うのは間違いである。だからこそ採用時の人物評定と採用後一定期間での見極めが必要になるのだ。

採用時の完全なる人物評価は困難であるが、スキル・マインドなどの評価項目を定めて採用するとともに、試用期間をきちんと設けて、その間に人材の見極めを行わなければならない。

そうしたシステムを創り上げないと、短期間で利用者に対して害となる行為に及ぶ人材がいてもおかしくない職場環境に陥り、経営上の大きなリスクを抱えざるを得ないのである。

この部分の危機意識を、介護事業経営者や管理職の皆さんは強く持つべきだ。本事件を対岸の火事のように、悠長に眺めているだけであってはならないと思う。
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老健で5人が死傷した事件の初公判


最も安全で、安心できる暮らしの場でなければならない介護施設・・・。

しかし岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」では、2017年7月末〜8月中旬までのわずか半月で5人が死傷するという、安全と安心が脅かされる状況が生じていた。

この状況は後に事故ではなく事件となっていったわけだが、そのことを覚えている関係者は多いのではないだろうか。

事件は同施設の認知症専門棟のある2階で起きたもので、入所者の女性=当時(87)=が折れた肋骨(ろっこつ)が肺に刺さるなどした外傷性血気胸で死亡するなど、80〜93歳の男女3人が死亡。他に当時90代の女性2人が肋骨骨折などで入院したというものだ。

本件については当初、施設を運営する医療法人同仁会の折茂(おりしげ)謙一理事長が記者会見で、死傷した5人について「当時80歳だった男性は病死か自然死、残り4人は事故」との見解を示していた。

しかし死亡状況に不審な点があるとして警察による捜査は継続され、その後2019年2月に捜査本部は、5人に異変が起きた全ての日にただ一人勤務していたとされ、既に退職していた小鳥剛被告(36)を逮捕した。

逮捕までの期間が長かった理由について捜査関係者は、「目撃者などの直接証拠が乏しく、事件か事故かの判断が難しかった」と述べているが、その困難性を裏付けるように事件性が疑われた5人のうち、立件されたのは2人にとどまっている。

しかも被告は逮捕から一貫して事件への関与を否定している。そのため証拠固めなどにも時間がかかたためか、起訴から2年以上という異例の長期に及んだ公判前整理手続きを経て最初の起訴から3年近く経った今月2日に、やっと岐阜地裁での初公判を迎えたのである。
それいゆ事件初公判
しかし今後の裁判も予断を許さないものである。

検察側は、被告が傷害致死の罪に問われている女性(87)の死因について、胸部を前から少なくとも3回、強く圧迫したことで折れたろっ骨が肺に刺さり、右肺には直径約3センチもの穴が開いていたことを詳述。「拳やボールのような鈍体が骨折部位に作用した。損傷は病気では生じない」。何者かが殴った可能性があると指摘した。

そのうえで暴行したのが被告だったとする「犯人性」については、施設の建物構造や立地から第三者が侵入して犯行に及んだ可能性を打ち消し、複数の職員の証言などから犯行可能な時間帯を特定した。さらに防犯カメラの映像解析や職員の勤務シフトから、居室で被害者と二人きりになれた人物を絞り込む中で、犯人を被告と断定する主張を組み立てた。

司法解剖を担当した男性解剖医は、検察側の証人として出廷し、「胸部に相当強い圧迫があった。体重を掛けるくらいの大きな力が必要」とし、事件性があると検察側の主張を裏付ける証言を行っている。

これに対して弁護側は、被害者2人の死傷について「決して暴行によるものではない」と事件性を否定。「2人は骨粗しょう症だった」とすることを根拠に、食堂や浴場への行き来が繰り返されることにより、もろくなった上半身の骨に負荷が掛かり続けて起きた不幸な事故だと主張した。

確かに骨粗しょう症の人の骨はもろく、ちょっとした圧迫で骨折に至ることは多いし、移乗介助の際に利用者の後ろ側から脇の下に手を入れて、肋骨部分を押さえて利用者を持ち上げると骨折に至ることは多い。

だからこそそうした移乗援助方法を取らないように、利用者の脇の下から手をまわした場合は、介助者は自身の腕を組んで、決して利用者の肋骨部分を押さえ付けないように注意をするわけである。

この施設ではそのような基本介護ができていなかったのであろうか・・・。そうであったとしても折れた肋骨が肺に刺さるなどの圧迫は、誤った移乗方法だけでは起きないように思える。そもそもわずか半月の間に、肋骨骨折する人が相次ぐなどは、単なる事故であって、そんな事故が偶然続いたとは考えにくい。

いったい真実はどこになるのだろうか・・・。

被告が全面否認している中で行われる、確たる証拠がない裁判の今後の行方を、介護関係者の多くの方が注目していると思われる。

それにしても・・・本件の状況の中で立件できなかったケースが3件もある。死亡した人ひとりと、けがを負ったふたりについては、いまだにその原因が特定されていないことになる。被害者及びその家族にとって、それは納得しがたいことのように思えてならない。

裁判の対象になっている2人の死亡者を含めて、被害にあった5名の方々は、まさか介護施設という場所で、そのような事件に自分がまきこまれるとは思っていなかっただろうし、被害者の家族の方々にとってもそれは、「青天の霹靂」であったろう。

虐待や暴行事件のない介護施設は良い施設ではなく、当たり前の施設である。少なくとも私たちは、介護の場で虐待や暴行事件が起きることは完全に防いでいかなければならないし、安全な介護の場にしようとするなら、正しい介護方法を貫いて、「もろくなった上半身の骨に負荷が掛かり続けて起きた不幸な事故」さえ起きない安全な介護施設を創っていかねばならない。

本事件の被告については、逮捕前から激昂性があるとか、利用者に不適切な言動が見られていたとの報道もされている。

それが事実かどうかは不明だが、本件のような事件が起こった場合、その場所で利用者に対して、「タメ口」で接している人間は、すべからく、「利用者対応がなってなかった」・「態度の悪さが目についた」と報道されることになる。

その点を踏まえたうえで、あらためて介護事業における職員のサービスマナー教育というものを考え直すべきではないかと思う。そのためには、「街を飾るイルミネーションのように輝くために」も参照いただきたい。

本件の関連報道として以下にユーチューブにアップされている報道動画を貼り付けておく。

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GH虐待が発覚したむかわ町穂別の社会福祉法人の人権軽視


北海道胆振管内むかわ町は、シシャモで有名な町である。町内の寿司屋では他では食べられない、「シシャモ寿司」も旬の時期には食べられる。・・・ただし珍しいだけで、おいしいものではない。

同町は2006年に穂別町・鵡川町が合併し、「むかわ町」となった経緯があり、旧穂別町は新むかわ町穂別地区となっている。

そのむかわ町の役場内で昨日11/22(月)午後4時からむかわ町穂別のGHで起こった虐待の概要などを説明する町長会見が行われた。

虐待行為が確認されたのは、「穂別高齢者グループホームみのり」(定員9人)。町から指定管理を受けていた同町穂別の社会福祉法人・愛誠会が運営している。
虐待のあったGHみのり
虐待発覚のきっかけは今年8月上旬、胆振総合振興局に匿名で通報があったことによるものだ。8/13に同振興局から連絡を受けた町が、グループホーム職員や入居者に聞き取り調査を行ったところ、介護職員の1人が大声で高圧的な態度を取ったり、命令口調で接したりしていたことが分かった。

竹中町長によると、9人のGH利用者のうち5人が当該介護職員から大声で高圧的な態度や命令口調による精神的虐待を複数回受けていた。数人の入居者はこの職員の入浴介助などを嫌がるようになったという。

グループホームには施設長を含む職員9人が勤務。数人が暴言による虐待行為を行う職員を注意していたが、「指摘直後はおさまっても時間がたつと言葉遣いが再び荒くなった」という。

当該職員は精神的虐待をしていたことを認めており、反省しているという。現在は法人内の別の高齢者施設で入居者とかかわらない業務に就いているそうである。

しかしこのような対応で済ませて、本当に良いのだろうか・・・。

GHに入所している方々は認知症の人たちである。それらの人たちが怯えて、当該職員の介護を嫌がるということは、認知症で記憶や見当識に障害がある方が、暴言を繰り返した職員が誰かという認識を持っているということだ。それほど心に深い傷を負っていると追う意味だ。

そうであるにもかかわらず、加害職員に出勤停止などのペナルティを与えず、利用者と関わらないとはいえ、そのまま業務を続けさせているとはどういうことだ。重大な虐待事案であるという意識にかけていないか?

本来こうした問題は、身体を傷つけていなくとも刑事事件になってもおかしくない事件である。事故ではなく事件であるという認識を当該法人は持っているのだろうか。

加害職員は施設長や他の職員からの注意を受けてもなお、虐待行為をやめずに今回の問題となっているのだから、当然懲戒解雇の対象にならないかと検討されてしかるべきであり、処分が行われるまでの間は自宅待機が当たり前だろう。

そもそもそれ以前に、「指摘直後はおさまっても時間がたつと言葉遣いが再び荒くなった」というのであれば、再三の業務命令・指導を聞き入れていないのだから、その時点で利用者と接する業務から外すのが常識だろう。そんなことも行っていないという事実は、加害職員の責任だけではなく、管理責任が当然問われてくる。

この施設長は何度も注意をしても同じことを繰り返す職員に、口先だけで注意をして終わりにしていたという意味であり、管理能力ゼロである。施設長の地位から外れるべきだろう。

そもそも職員に対してサービスマナー教育を行っているのかと問いたい。それさえ行わずに、「タメ口介護」が家庭的で親しみやすい対応だとしているとしたら、それはもう救いようがない。

「少々お待ちください」・「お待たせいたしました」・「かしこまりました」・「申し訳ございません」という言葉は、コンビニではアルバイトの学生が使いこなしている言葉である。

対人援助の場で、言葉使いにも気を使ってサービスマナーを守るということは、他のサービス業で学生アルバイトができている程度のことはしましょうというレベルにしか過ぎない。そのことの徹底を図らねばならないとされる、保健・医療・介護・福祉業界の民度とレベルの低さと、その異常さに気が付くべきなのである。

そんな常識もないこの社会福祉法人は、いったいどんな法人何だろうと疑問になるが、その歴史は結構古く、昭和50年に設立されている。むかわ町は僕が総合施設長を務めていた社福と同じ地域だから、この法人のことも良く知っている。僕が若かりし頃は、そこの理事長等が、地域のリーダー的存在でもあった記憶がある。

その法人が代を重ねて腐ってしまったのかと思うと情けなくなる。

同法人の公式サイトには、「人間としての尊厳と社会連帯の思想を基本理念とし利用者に愛され誠実を旨とする」という理念が掲げられているが、それが建前となっている。このGHに尊厳を護るという姿勢は全く見えないからである。

介護事業経営者や管理職の方々に改めて考えてほしことがある。それは自分に管理責任のある場の従業員が、利用者に不適切対応をしたことによって、自分が報道関係者の前で、「お詫び」の会見を開き、頭を下げる姿を想像してほしいということだ。

昨日の竹中町長のように、会見場で糾弾されながら、質問に答える自分の姿を想像してほしい。あなたの家族がその会見報道を見て泣くことになるかもしれないことを、危機感をもって感じてほしい。

利用者は顧客であるという意識を徹底させ、顧客に対するサービスマナー教育を軽視してしまえば、今回のような言葉の暴力が必ず起こるのである。そのことに危機感を抱かねばならない。

だからこそ介護事業におけるサービスマナー教育をおざなりにしてはならないのである。今からその教育をやり直したいと思う方はメールで連絡いただきたい。必ずそのお手伝いをします。
言霊
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入所者を凶行に走らせた動機は何か


まず最初にお知らせを一つ。明日(11/19:木)15時〜16時までの予定で、沖縄限定 Livedoオンラインセミナー 「看取り介護実践の視点〜基本から応用まで」(講師:北海道介護福祉道場あかい花 代表・菊地雅洋)が無料配信される。

沖縄にお住まいの方は、文字に張り付いたリンク先から申し込みいただくと、どなたでも無料視聴できるので参照してほしい。なおこのセミナーは、12/3配信の第2回分の前半という内容になっているので、ご了承いただきたい。

さて話は変わって本題に移ろう。

昨日(11/17)昼頃に、飛び込んできた殺人事件のニュース。いったい何が原因でこんなことが起きてしまたんだろう。今日になって犯行の動機めいたものが少し見えてきているが、それは人一人が殺されなければならないほどのトラブルだったのかと疑問を持たざるを得ない・・・。

事件概要は以下の通りである。
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11/17(水) 朝日デジタル11:51配信ネットニュースより転載
17日午前6時35分ごろ、大阪市平野区長吉川辺3の住宅型有料老人ホーム「ヴェルジェ平野南」で、出勤してきた職員から「駐車場で人が倒れている」と119番があった。高齢男性が敷地内の駐車場で倒れていたほか、1階の事務室で60代の職員とみられる女性が血を流して横たわっているのが見つかり、2人とも死亡が確認された。大阪府警平野署は2人が死亡した詳しい経緯を調べている。

平野署によると、男性は70代の入居者とみられ、7階自室から血の付いたハンマーが見つかった。部屋の真下に当たる駐車場内で死亡しており、ベランダには脚立が置かれていた。女性は施錠された事務室であおむけに倒れ、頭付近から血を流していた。2人の間に目立ったトラブルはこれまでに確認されていないが、男性が女性をハンマーで殴った後に自室から飛び降りた可能性もあるとみて調べている。

現場は大阪メトロ八尾南駅の西約600メートルの住宅街。ホームページによると、この施設は7階建てで個室60室を備えている。
転載ここまで
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報道にあるように、駐車場で亡くなっていた70代の入所者の部屋からは、血がついた鉄製のハンマーが見つかり、ベランダには脚立が置かれていた。その入所者は、ベランダの真下の位置で倒れていたことから大阪府警平野署は、この入所者が1階の事務室で職員をハンマーで殴り殺した後、自室に戻って飛び降り自殺をしたとみている。
住宅型有料老人ホーム「ヴェルジェ平野南」
(画像は事件の起きた住宅型有料老人ホーム)
有料老人ホームで殺人事件が起こったケースは過去にも複数ある。しかしそれらの事件は職員による卑劣な犯行であったり、入所者同士のトラブルで一方が加害者になるなどの事件で、利用者が加害者となって、職員を殺害したという事件の記憶はない。(※高齢者施設以外の成人施設なら、利用者が加害者となって職員が殺害された事件は、いくつか記憶している)

ハンマーで撲殺されたとみられる被害者の女性は、前夜から当直業務に就いていたとのこと。まさか自分が入所者から襲われるなんて想像もしていなかったろう。

事件が起こった有料老人ホームは、「住宅型」であるから、介護の必要がない人も数多く入所されている施設だと思う。

勿論、住宅型であっても外部の介護サービスを利用することは出来るのだから、要介護者も入所していると思うが、犯行はハンマーを手にした入所者が、1階の事務所で職員を撲殺した後に鍵をかけて現場から離れていることや、7階の自室から脚立に乗って窓を飛び越えていることを考えると、その入所者は身体的な自立度は高いと想像できる。

この犯行の凶器はハンマーと報道されているが、普通に考えると有料老人ホームの生活空間にそのようなものは置かれていなし、ホーム内全体を見渡しても、そのようなものが存在する可能性は低い。

とすれば犯人は、わざわざハンマーをどこからか手に入れて凶行に及んだのではないかと想像される。最初から人を殺すことを目的としてハンマーを用意していた可能性が高い。それほど深い恨みを抱いて犯行に及んだということではないのか・・・。

捜査関係者によると、加害者の入所者は騒音などで施設側から注意を受けていたといい、施設内で周囲とトラブルを起こし、退去手続きの途中だったとの情報もある。

騒音の内容や、注意がどのように行われていたのかはまだ分からない。そのほかのトラブルもあったのかもしれない。

加害者とみられる入所者の施設に対する怒りの矛先が、たまたま事務所にいた人に向けられたのか、それとも被害者個人を狙った犯行であるのかも不明である。

それらは今後徐々に明らかになるかもしれないし、その中から今後に向けた教訓めいたものが見えてくる可能性もないとは言えない。

しかしどのようなトラブルがあったとしても、ハンマーで撲殺されるような理由にはならない。それはあまりにも理不尽な犯行である。

入所者はお客様であるが神様ではないので、顧客サービスの域を超える奉仕の必要はなく、共同生活のルールを護るように注意を促すことはあり得るし、契約上の約義を護れないのであれば、退去勧告を行うこともあって当然である。

入所者と施設のトラブル=施設側の問題・落ち度、ではないのだ。ここは間違って捉えてはならない。

被害にあった職員の方は、本当にお気の毒である。心より冥福をお祈りしたい。

このような惨事が二度と起きないことを願ってやまない。そのためにも犯行の動機を含めた、「事件の真相」が明らかにされることを願う。
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対人援助の仕事に就いてはいけない人間の見極めをどうするのか


介護事業者にとって人材育成は最も重要な課題であり、そのための教育訓練は大切な経営基盤であるとさえ言ってよい。

だがこの国における社会全体の働き手の減少は、介護事業者における深刻な人材不足をもたらし、多くの介護事業者が、「介護実務を担う働き手」が足りないとして、人材教育に時間を掛けることができずにいる。

法人内に教育部門を持ちながら、その担当者が現場から、「人手が足りないのだから、募集に応募があり、採用した職員は一日も早く実務に就かせてほしい。」と突き上げられる悩みを聴くことも多い。
介護人材不足
その結果、促成栽培のように時間と手間をかけない作業指導を終えた人間を介護実務の場に放り出して、後は先輩職員の仕事を見よう見まねで仕事を覚えて実務をこなせるようにするというのが、介護事業者のケアの品質を低下させる一因にもなっている。

必要とされる教育が十分行われずに、仕事の手順を一日も早く覚えさせる作業指導に終わっているのだから、それも当然である。

本来、職場内の教育とは、正しい知識を与えたうえで、OJT訓練によって頭の中の知識を実際に試してみて、正しい方法やコツを掴み取らせるものである。基盤となるのは座学で得た知識なのだ。

それが不十分な中で、OJTと称して先輩職員のお尻のあとを金魚の糞のようについて回ったって、正しい技術もコツも掴めるわけがない。しかも指導する先輩職員にも教えるスキルがないどころか、正しい介護技術も身に着けていない場合があるのだから、根拠ある指導も計画的教育もできない。それはOJTとは言えない。

ここを根本的に変える必要があるが、さらにもう一つ重要な問題がある。それは人物の見極めができていないという問題である。

本来OJTでは知識を実務に生かす過程で、人物の適性評価を行うことも必要になる。教えを受けている人間の長所や短所を見極めて、短所をカバーする方法を教えるだけではなく、場合によっては利用者と向かい合う職業に向かない職員を見極めて、排除するということも必要になるのだ。

促成栽培の過程では、そのようなことは言っていられなくなり、一定の基礎作業ができるようになれば、すぐに独り立ちさせて、自分で成長しなさいと現場に放り出される。

育つも八卦・育たぬも八卦という世界が介護の一面として、そこかしこに広がっている。

そうして適正評価が行われることなく、人物の見極めも不十分な状態で現場に放り出された人間の中には、対人援助の適性のない人間も多数含まれることになる。

そうした人間が、密室化されやすい利用者のプライベート空間で勝手気ままにふるまって、利用者の尊厳を奪い、身体さえも傷つける行為を行ってしまうのである。

そのような行為の結果が下記で報道されている事件につながるのだ。
----------------------------------------------------------------
朝日新聞11/12・14:18ネット配信記事より
愛知県東浦町の知的障害者施設「なないろの家」で入所者が相次いでけがをした事件で、県警は12日、入所者2人に対する傷害罪で実刑判決を受けた元非常勤職員の水野有幸容疑者(46)を、別の入所者に対する傷害致死の疑いで逮捕した。

 逮捕容疑は、2019年3月6日夕から7日朝、入所者の男性(当時49)の腹を蹴り、腸に穴が開くけがを負わせ、同月8日に搬送先の病院で死亡させたというもの。死因はこのけがによる「急性汎発(はんぱつ)性腹膜炎」だったという。

 この施設では、他に50代男性2人と80代男性の計3人が腹にけがをし、うち50代の1人が約3カ月後に死亡した。水野容疑者は80代男性と死亡した男性に対する傷害罪で起訴され、名古屋地裁は9月30日、懲役2年4カ月の実刑判決を言い渡し、確定。水野容疑者は3月、起訴分に含まれなかった、もう1人の50代男性への傷害容疑で逮捕され、名古屋地検が捜査している。

 地裁判決などによると、水野容疑者は空手の有段者で、知的障害のある入所者の生活支援をしていた。

 愛知県は10月、施設の運営法人に対して新規利用者の受け入れを3カ月間停止する行政処分を出した。法人側は第三者検証委員会を設置して、運営体制や、事故や苦情への対応のあり方について検証している。
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果たしてこのような人物が、「教育」によって虐待とは無縁な人になって、利用者に対して不適切対応をしない人間になることができるだろうか。

子供に対する教育課程であれば、人間性が大きく変わるような成長も期待できるかもしれない。しかし49歳にもなって、無抵抗でなんの悪意もない障害者を蹴り殺すような人間の、その根底となる性質を変えるなんて不可能だ。

さすればこうした職員はOJTの最中に、「この人物は、人の尊厳を傷つけても何とも思わない資質を持つ人で、対人援助に向かないのではないか」ということを察知して排除するしかないのである。

介護事業経営者は、採用した職員が全員、その事業者内で戦力になるという幻想を抱かずに、育成と見極めの教育課程をしっかり構築して、機能させていくという強い意志が必要だ。

それがない事業経営者が、テレビカメラの前で頭を下げて、なおかつ刑事責任さえ問われ、経営危機に見舞われている現実に気づくべきである。

コロナ禍で、他産業からの転職組が多くなっている今だからこそ、今一度そのことを肝に銘じなければならない。自分自身の首を絞めないためにも・・・。
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車椅子固定車両の誤った使い方が死を招いている


北海道は日中の気温が10度に達する日が少なくなって、終日暖房が必要な日が多くなった。

先週は中山峠や旭川などで初雪が見られ、全道各地でいつ雪が降り積もってもおかしくない季節になってきた。

この時期になると、通所サービスやショートスティ事業の送迎に一層の注意が必要になる。

路面が凍って滑りやすいのでスリップ事故に注意が必要になるのは勿論だが、気を付けるべきは事故が起きないようにすることだけではなく、事故が起きた際に事故車内の利用者ができるだけ怪我を負わないようにすることである。

特に安全に配慮した正しい車椅子の固定やシートベルトの装着などは、決して忘れてはならないことである。

ところがこの車椅子の固定方法とシートベルトの装着方法が誤って伝えられているケースで、負わなくても良いけがを負った事故ケースが数多く伝えられている。

勿論、車椅子を車内に固定できる車両を購入した際には、メーカーや販売店などの職員が出向いて、車いすの固定方法や、シートベルトの装着方法を説明するのであるが、その説明を受けた職員はともかく、説明を受けた職員からその方法を伝えられる職員が、伝言ゲームのように増えていく過程で、正しい固定と装着方法が誤って伝えられることが多い。

そもそもメーカーや販売店から正しい方法の説明を受けた職員自身が、誤ってその方法を受け止めてしまう場合もある。

そうであっても一般席のシートベルトの装着方法を間違えることはまずないが、車椅子に乗ったまま乗車できるリフトワゴン等で、車内の車椅子シートベルトの装着方法が間違っているケースは非常に多いのである。
誤った車椅子のシートベルト固定方法
一番多い間違ったシートベルトの装着方法とは、上記画像のようにベルトを体に直接巻き付けずに、車いすのサイドガードやアームガード(アームレスト)越しに装着してしまうやり方である。

これではシートベルトの効果は発揮できなくなる。事故のショックで、身体が前に倒れそうになった際に、シートベルトがその体重と推進力を支える効果は発揮されずに、シートベルトを着けていない状態と同様に、身体は前に投げ出されてしまうのである。

先月、岩手県奥州市水沢真城で起こった事故も同様である。

9月29日午後3時45分ごろ奥州市水沢真城の国道4号で、介護施設の送迎用ワゴン車が急ブレーキをかけ、乗車していた94歳の女性利用者が車椅子から車内に投げ出され右太ももの骨を折る重傷を負い、10月1日に容体が急変し死亡するという事故があった。

この事故の一報を僕のFBで情報提供したところ、そこに次のようなコメントが記された。

福祉車両のシートベルトは装着しても効果が低く、グレーゾーンになってるみたいですね。

↑しかしこの認識は少し違っていると思う。リフト付きワゴン車等の福祉車両であっても、車いす固定を正しく行えば、一般シートと同じ効果があることは実証されている。

奥州市の事故ケースにしても、正しい車椅子の固定方法が職員に伝わっておらず、間違った方法でシートベルトを装着していたことが原因である可能性が高いのである。

ただし法令上の問題が皆無ではないことは事実だ。車の一般席についてはシートベルトの装備・装着・強度まで法律により定められているが、車椅子にはそのような法的義務付けはない。「車いすは利用者の身体機能等により形状が多種多様で、一律の基準や義務適用ができない」というのがその理由である。

このように法整備の不備が、車いすを車両に固定して移動することが特別ではなくなっている社会情勢に追いついていないという問題があるものの、車椅子をしっかり固定して正しくシートベルトを装着することによって防ぐことができる致傷・死亡は数多いのだから、法整備の不備を訴える前に、個々の特殊車両で定められている正しい車椅子の固定方法と、シートベルトの装着方法を確実に守ることを励行すべきである。

そのことができずに死亡事故が起きている現状を憂いて、「福祉車両安全研究会」(東京都杉並区荻窪5-11-17 03-3220-3030)という団体が全国各地で、「車両安全講習会」を開催している。

各地に出向いて開催する講習会は、座学や実技を含めるとフルメニュー3時間半ということだ。

そうした講習会を、講師として出向く職員の交通費実費分のみで開催してくれているとのことなので、通所サービスなどの複数事業所が協力して開催してみてはいかがだろうか。

詳しくば文字リンク先の同団体HPを参照願いた抱いたうえで、問い合わせていただきたい。

安全送迎は、送迎業務を伴う介護事業にとっては最大の課題である。それは運転技術だけでは担保できない問題であるという認識を持ってほしい。

送迎サービスが伴う介護事業者では、送迎車両の運行に係るすべての職員が、安全に最大限配慮した車両運行知識と車いすの安全固定・シートベルトの正しい装着のための知識を、完璧に身に着けておく必要があることを再認識してほしい。
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