masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

介護報酬

逓減性緩和を利用した収益アップは運営基準違反につながる



居宅介護支援事業における逓減制とは、ケアマネジャー1人あたりの担当件数が一定数を超えると基本報酬を引き下げる仕組みである。

2021年度の介護報酬改定では、逓減される件数が40件目からとしていた従前の適用ルールを、ICTの活用や事務職員の配置などを要件として45件目からに緩和している。

さらに24年の報酬改定では、国のケアプランデータ連携システムの活用などを新たに要件として加えたうえで、この要件をさらに5件上乗せして、50件目から逓減とするように変更する案が示されている。(参照:居宅介護支援の逓減制の再緩和という鞭

逓減性を緩和する理由とは、より多く(5名)の利用者を担当するという前提で、その分収益アップを図れるのだから、それをケアマネの給与に反映させようという考え方だと理解されている。つまり処遇改善加算等の恩恵が受けられない居宅介護支援事業所の介護支援専門員の給与改善策として理解されているということだ。

現に主任ケアマネの有資格者の一人は、JOINTというニュースサイトで、「1人あたりの担当件数を適切に49件まで増やすことができれば、事業所の収入は増加します。ケアマネジャーの給与も上がるでしょう。これが、厚労省が想定しているケアマネジャーの処遇改善策の柱です。」などと評論している。

しかしその考えは間違っていると指摘する声がある。

そのようなことをすれば運営基準違反に問われるので、実際には逓減性緩和で収益アップを図ることは不可能であり、その収益を介護支援専門員の給与に暗影されることもできないことが、僕が管理する表の掲示板のスレッドで情報提供されている。
意味のない逓減性緩和
リンク先を貼り付けたスレッドの No.21〜 No.23を参照願いたいが、問題は逓減性緩和を行っているのに、それの関連する基準改正が行われていないという問題である。

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第三十八号)の第二条2項は、「前項に規定する員数の基準は、利用者の数が三十五又はその端数を増すごとに一とする。」と定めている。

「前項に規定する員数」とは、「指定居宅介護支援の提供に当たる介護支援専門員」を指しているので、逓減性緩和を利用して担当者数を35件より多く増やしてしまうと、「その端数を増すごとに一とする」という規定で言えば、その分だけ常勤加算で介護支援専門員の人数を増やさねばならないのである。

そうしないためには、逓減性緩和を利用して担当者数を増やした介護支援専門員がいるとしたら、同じ居宅介護支援事業所の他の介護支援専門員の担当人数をその分だけ減らさねばならないということになる。

そして一人しか介護支援専門員が配置されていない居宅介護支援事業所は、介護支援専門員の配置を増やさない限り、逓減性緩和は利用できないということにもなる。

そうすると居宅介護支援事業所自体の収益は、逓減性緩和を利用しようと・利用しまいと変わらないことになり、介護支援専門員の給与改善原資は生まれないということになってしまう。

現に文字リンクを貼った掲示板スレッドの No.27では、保険者の集団指導において、「標準担当件数はあくまでも35件である」と指導されており、逓減性緩和で収益が増えるものではないと指導されていることが情報提供されている。

基準省令の第二条2項規定に変更がない限り、この集団指導内容は正当な考え方と思え、昨年9月サービス提供分で逓減性を利用している事業所が全体の8%程度しかないという低調な理由も、案外このあたりにあるのではないかと考えることもできる。

国は基準省令・第二条2項規定と逓減性緩和の矛盾に気が付いていないのだろうか。

次の改正で逓減性を再緩和するのならば、基準省令・第二条2項規定は、「前項に規定する員数の基準は、利用者の数が五十又はその端数を増すごとに一とする。」と変更する必要があると思う。

その実現をぜひ図っていただきたい。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

老健に対する国のメッセージを見誤ってはならない



厚労省の方と話をする際、老健に話題が及ぶときに、「特養化」という言葉がよく出てくる。

勿論それは悪い意味であり、在宅復帰機能を放棄したかのような長期滞在施設になってしまっている老健は、存在意義が薄いという意味で使われている言葉だ。

ご存じのように老健の報酬単価は、特養の単価より高額に設定されている。

それは老健の介護報酬には、入所者の処方薬代金も含まれた包括報酬=いわゆるマルメ報酬であることとに加え、医師や看護職員・リハ専門職などの有資格者を、特養より数多く配置しなければならないことによる差である。

しかしその根本は、老健は医療機関入院と在宅生活の中間に位置づけられる施設であり、急性期治療を終えた方が、在宅生活ができるように回復期リハビリテーションの中核機能を担って、できるだけ速やかに要介護者を在宅復帰させるための専門職配置であり、そのための報酬単価であることを忘れてはならない。

その為、厚労省の官僚の中には、「特養化した老健は、特養と同等の報酬単価でよい」と考える人も多いし、さらには「そうした老健は倒産・廃業したって良い」と考えている人も居る。

現在5区分(超強化型・在宅強化型・加算型・基本型・その他)に分かれている老健のうち、「その他老健」が経営困難なほどの報酬単価になっている意味は、「そんな老健はいらない」というメッセージなのである。

そして国は介護報酬改定の度に、在宅復帰・在宅療養支援機能を強化する仕組みを少しずつバージョンアップさせている。

その為、来年度の報酬改定では「基本型」についてもかなり厳しい改定となることは、「基本型老健にさらなる逆風」で解説したとおりである。

その具体的内容が11/16の介護給付費分科会で示されたので整理してみよう。
前途多難な船出
在宅復帰・在宅療養支援等指標については次の2点の評価を加える。
入所前後訪問指導割合及び退所前後訪問指導割合に係る指標の取得状況を踏まえ、基準を引き上げる
・支援相談員の配置割合に係る指標において、社会福祉士の配置を評価する。

そのうえで各類型間における基本報酬において更に評価の差をつける・・・つまり傾斜配分を今以上に強化し、基本型以下の老健の基本サービス費は下げて、加算型以上の老健の基本サービス費を引き上げる財源に回すことになる。

老健の中核加算ともいえる短期集中リハビリテーション実施加算については、原則として入所時及び月1回以上ADL等の評価を行った上で、必要に応じてリハビリテーション計画を見直すとともに、評価結果をLIFEに提出した場合の加算区分を新設する。

認知症リハビリについては、学習療法や記憶訓練等に比重が偏っており、廃用予防や活動・参加につながる訓練をすべきであるとの指摘がされていたことを踏まえ、認知症短期集中リハビリテーション実施加算について、利用者の居宅を訪問し生活環境を把握することを要件とし、居宅を訪問しない場合と区分して算定できるようにする。

認知症リハビリにも、もきちんと身体機能を改善できる方法を取り入れて、自宅復帰ができることを意識させる改定内容となっている。

また今回の報酬改定では、居宅サービス・施設サービス横断的に、リハ・口腔・栄養を一体的に推進するとしているため、リハビリテーションマネジメント計画書情報加算について、リハビリテーション・口腔・栄養を一体的に推進する観点から、下記の要件を満たす場合について評価する加算区分を新設し、要件を以下の通りとする。
・口腔衛生管理加算(供傍擇啀浜椒泪優献瓮鵐閥化加算を算定していること。
・実施計画等の内容について、リハ・口腔・栄養の情報を関係職種間で一体的に共有すること。その際、必要に応じてLIFE提出情報を活用すること。
・共有した情報を踏まえ、リハビリテーション計画について必要な見直しを行った上で、見直しの内容について関係職種に対しフィードバックを行うこと。
(※介護医療院の理学療法等(特別診療費)特養の個別機能訓練加算(供についても同様の見直しを行う)

また慢性心不全が増悪した場合について所定疾患施設療養費の対象として追加している。

ターミナルケア加算については、死亡日から期間が離れた区分における評価を引き下げ、死亡直前における評価をより一層行うよう重点化を図るとされた。

かかりつけ医連携薬剤調整加算(機の下位区分に、施設において薬剤を評価・調整した場合を追加し、下記の3要件を追加することとした。
・ 処方を変更する際の留意事項を医師、薬剤師及び看護師等の多職種で共有し、処方変更に伴う病状の悪化や新たな副作用の有無について、多職種で確認し、必要に応じて総合的に評価を行うこと
・ 入所前に6種類以上の内服薬が処方されている方を対象とすること
・ 入所者や家族に対して、処方変更に伴う注意事項の説明やポファーマシーに関する一般的な注意の啓発を行うこと。

このように減薬の取り組みも一層推進する方向が示されている。

なお地域連携診療計画情報提供加算及び認知症情報提供加算は算定率が低いため廃止とするとされた。

このように老健の主たる改定事項は、在宅復帰施設としての機能を強化する方向にシフトしていることが明らかである。

その為、現在基本型の報酬しか算定できていない老健は、一日も早く加算型に移行する手立てをとらないと、ごく近い将来、経営破綻に追い込まれることを覚悟しておかねばならない。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

協力医療機関指定義務化は特養には高いハードル



11/16の介護給付費分科会では、介護保険施設・特定施設・福祉用具・住宅改修の報酬改定議論第2ラウンドの議論が行われた。

僕がここで注目していたのは、老健と介護医療院の多床室室料の自己負担について論点として示されるかどうかであった。

というのも昨年末の制度改正議論で積み残された3つの課題のうち、〕用者自己負担割合2割・3割対象者(一定以上所得者と現役並み所得者)の対象見直し※2割負担者を現行20%から25%へ)と、65歳以上の介護保険料について、年間の合計所得が410万円以上などおよそ140万人の保険料を引き上げ、それを財源として低所得者は引き下げる案については、11/6の介護保険部会資料で示されており、もう一点だけ残されたO祁鬚伐雜邂緡撤,梁疹下室捨舛亮己負担について、論点提示されれば積み残し課題がすべて実現される運びになると思えたからだ。

昨日はそれが提示されなかった。しかし考えてみれば11/6に2つの論点が提示されたのは制度改正を議論する介護保険部会であり、今回は報酬改定を議論する介護給付費分科会だから、その違いなのか・・・それとも6日の介護保険部会の議題としても挙がらなかったことを考えると、それは見送られるのだろうか。

だが、改定率が公表された後の、「介護報酬改定の主な事項」によっていきなり提示される可能性もあるので、ここでは結論を示すことはできない。

それは介護施設の食費の標準費用も同じことで、昨日の資料では何の言及もないが、改定率が示された以後に急に考え方が示されることになるのではないだろうか。
紅葉の絨毯
さて昨日の議論では介護保険施設について、協力医療機関の指定を義務化することが提案され話題となっている。

そてによると1年間の経過措置を設けたうえで、下記の(1)から(3)の要件を満たす協力医療機関を定める義務を課すとしている。
(1)入所者の急変時などに、医師や看護職員が夜間休日を含めて相談対応する体制が確保されていること
(2)診療の求めを受け、夜間休日を含めて診療が可能な体制を確保していること
(3)緊急時に原則入院できる体制を確保していること

※ 複数の協力医療機関を定めることで(1)〜(3)を満たすことも可

特定施設・認知症グループホームについては、(1)と(2)を努力義務とすることも併せて提案された。

協力医療機関を定める規定は現在も存在しているが、これと今回の案はどう違うのだろう。

現在の規定は、どこそこが協力医療機関であると運営規定に定めればよいだけの話で、協力医療機関においてどのような利便が図られるかという点は特に定めがなく、施設と医療機関の間で決めおくだけでよいという規定だ。

極端に言えば、医療機関の承諾を得て、運営規定上に協力病院として名称を記載するだけでも良いわけであり、協力医療機関として特別な対応をとる体制がなくともよいわけである。

しかし今回提案された義務化によって、上記の(1)〜(3)の体制が必要になるわけである。

これは果たして可能だろうか・・・老健と介護医療院については、もともと母体が医療機関だろうから、この体制は比較的容易に構築できるであろう。

しかし特養はそういうわけにはいかない。僕が以前総合施設長を務めていた社福・特養の場合は、母体が医療機関であったので、老健等と同じようにその体制作りは難しくないだろう。

しかし母体がない社福単独型や医療機関以外の母体を持つ特養は、その体制構築は困難である。特に(3)のハードルが高すぎる。

どこの医療機関が、協力施設のためにベッドを空けておいてくれるというのだろう・・・関連施設でない限り、常識で考えてそのような対応はあり得ない。

また(1)と(2)も決して低いハードルではない。これらの体制を全て整えるならば、協力医療機関としての委託料が発生するとされるケースも出てくるだろう。しかし今回の義務化に対する加算報酬はないわけであるから、この義務化は今現在は発生しない経費支出を伴う可能性も否定できない。

今までほとんど議論がない中で、突然示された協力病院の指定義務化とは、これだけのハードルがあることを厚労省は理解しているのだろうか。

どちらにしても簡単に、「わかりました」と承諾できる提案ではないと思う。

全国老施協は、この提案に対してどのような考え方を示すだろうか・・・全国老施協がどちらを向いているのかが、その姿勢によって明らかになるのかもしれないので、ここには注目しておきたい。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。


masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

小規模区分から大規模区分への人材流出が促される通所サービス


11月26日の介護給付費分科会の通所リハビリの論点のひとつには、規模別報酬の見直しが挙げられている。

現行の通所リハビリテーションの報酬体系は「規模別」「時間区分別」を基本とし、スケールメリットに着目した評価の視点から、大規模ほど単位数が低くなる仕組みとなっている。

これについて厚労省から、「大規模型であっても、体制を整えて個々の利用者のニーズに応じたリハを行う事業所などは、必ずしもスケールメリットが働かない」という説明があり、「大規模型の中にも体制が厚いところと必ずしもそうでないところがある。例えば体制が厚い事業所、一定の要件を満たす事業所などの減算を軽くする」との案が示された。

つまり大規模区分の報酬の減算幅を小さくして、通常規模報酬単価に近づけるという意味だ。そのうえで、リハ専門職などの配置に手厚く加算するというのだから、大規模区分の方が収益が挙がりやすい報酬構造になっていく。

しかしそれは第1段階の考え方に過ぎず、近い将来には規模別報酬という考え方の根本を変えて、スケールメリットが働く一定規模以上の通所リハビリを基本サービス費の基準にしようというものだ。つまり規模が大きな事業所の方が高い報酬を算定できる時代に変えていこうという考え方である。
夕暮れ
この考え方は財務省が先行して示しており、昨年3月に行われた「財政制度等審議会」で、規模を大きくして効率的経営を行っている介護事業者をメルクマール指標)として介護報酬を定めることを提案している。(参照:経営規模拡大を図る財務省の暴論

社会全体で労働力が減る我が国では、より少ない人手によって成果を高めるという生産性の向上があらゆる分野で求められ、介護事業もその例外ではない。その為、スケールメリットが働く一定規模以上の事業展開が求められてくることは必然となってくる。

介護保険制度は、利用者の自立支援と福祉の向上を旗印にしており、その実現を図る方法の一つとして、サービス提供の規模を小さくして、利用者と職員の馴染みの関係を作りやすくして、利用者の細やかなニーズに応えてゆくというユニットケアの思想を広げる方向で制度構築されていたが、それは今は昔という話になるのだろう。

それが証拠に2ユニットが原則だったGHは、3ユニット+サテライト事業が認めらえるようになったが、これも橋頭保の一つに過ぎず、いずれは4ユニット〜5ユニットというGHの創設も現実化されていくことが想定される。

その第一歩が、通所リハビリの規模別報酬の見直しという形で表面化しているに過ぎない。

そして大規模型の基本サービス費の減算幅が縮小され、将来的には小規模より大規模型報酬が優遇される仕組みは、通所介護も同様にそのレールに乗せられていくことになるだろう。

そうなると大規模通所サービス事業が、経営モデルとしてはスタンダードになっていくことは確実だといえよう。地域密着型通所介護等の小規模通所サービスは、その波にのまれていくのではないだろうか。

そもそも今でさも地域密着型通所介護の経営は厳しい。利用者上限は1日18人でしかないのだから、開設当初はそれで経営できたとしても、職員が定着して給与の引き上げが必要になっても、顧客を増やして昇給原資を確保する手立てがなく、人件費が年々上がるたびに収益率が下がっていくというのが特徴である。

よって遅かれ早かれ、報酬体系がどうあっても、地域密着型通所介護は都道府県指定型の規模を目指していかねばならないのだ。新設時は立ち上げ資金が比較的安価で済む地域密着型通所介護としても、そこで経営努力を続け、顧客から信頼されるサービスを地域展開し、地域住民から選ばれる事業所として規模を拡大していく必要があるということだ。

ところで小規模通所サービスのメリットの一つは、人材不足の介護業界にあって、比較的従業員を集めやすいということが挙げられている。しかしそのことにもいずれ逆転現象が起こる。

なぜなら統合・一本化される処遇改善加算も、収益に対するサービス種別ごとの掛け率で支給されるからだ。

今現在は、小規模通所サービスの基本サービス費が高いことで、利用者数が少なくとも処遇改善加算への影響は限定的であるが、大規模区分と通常規模区分・小規模区分の報酬差額が小さくなることで、より利用者が多く通い収益が挙がる大規模区分の処遇改善加算の算定額が大きくなる。

つまり今後の通所サービスは、大規模区分で働く方が、小規模区分で働くよりも処遇改善加算による給与改善額が大きくなり、その差は年々広がっていくことになるのである。

そうなったとき、小規模区分の通所サービス事業所に今のように人材が集まるかと考えたとき、それは難しくなるだろう。

大規模区分の方が有給などの休みも取りやすく、給与体系も良いとなれば、小規模サービスの質の高い介護などという理屈は吹っ飛んで、そこに人材が張り付くことは困難となっていくのではないだろうか。

こうした展望と分析も、今後の通所サービス経営を考える上では必要になってくると思われる。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

野獣死すべしといいたくなった事件。


僕が社福法人の理事と総合施設長を務めていた頃、地域の社会資源として訪問リハビリがなかった時期がある。

その為、社福の母体である医療法人が経営する訪問看護ステーションからリハビリ専門職(以下:リハ職と略)の派遣を行って、実質訪問リハビリ資源を創ろうとしたことがあった。

幸い医療機関のリハ部門には、PT・OT・ST等のリハ職が複数のがいて、地域への訪問リハビリに興味をもってくれたので、話はトントン拍子に進んで、訪問看護サービスとしてリハ職を派遣し、利用者の自宅でのリハビリテーションが実現できた。

そのことは地域の方々に大変喜ばれたという記憶がある。

ところが今、診療報酬改定と介護報酬改定の両方の議論で、リハ職による訪問看護の提供に対して、「訪問看護の本来の役割に沿ったサービスではない」という議論が展開され、「評価の差別化」(※要するにリハ職の訪問看護の算定単位を低くしたり、看護師の訪問回数の一定割合に制限すること筆者注)が提案されている。

そうであれば同時に、訪問リハビリテーションがもっと地域展開できるようにルール改正すべきである。

訪問看護の指定事業所に比べて、訪問リハビリの指定事業所数が延びない理由は、リハ職の独立開業を阻むバリアが存在するからだ。それを撤廃して、リハ職が独立開業できれば、訪問リハビリが増えて、訪問看護からのリハ職派遣は必要無くなるのではないかと思う。
美瑛の蒼い湖
ところで訪問看護に限らず、訪問サービスには厄介な問題が存在する。それは利用者宅という密室で、異性介助が行われることに対する抵抗感である。

例えば、前述したように僕が関わって実現した訪問看護ステーションからのセラピスト派遣も、男性のセラピストしかいなかったという点で、利用拒否されるという問題が生じた。

自宅でのリハビリニーズがある要介護高齢者であっても、女性でひとり暮らし方は、男性のサービス提供者は受け入れてくれない人が多いのである。

女性が密室化する自宅で、専門職とは言え、男性に身体に触れられてリハを受けることに懸念があることついて当時の僕は、「サービス利用者である要介護高齢者に対し、サービス提供者が卑猥な行為に及ぶようなことはあり得ないだろう」と考えており、「心配し過ぎではないか」とも感じていた。

しかしそれは高をくくった安易な考え方であると気づかされた。下記のような事件が実際に起きているからである。

11/9、静岡県御殿場市の訪問介護員の男(53)が80歳代の訪問介護利用者の女性に、わいせつな行為をした疑いで準強制わいせつの疑いで逮捕された。女性は1人暮らしで、女性の息子が日常生活の見守りカメラを確認したところ、男の行為がおかしいと警察に相談したことで事件が発覚したとのことで、男は容疑を認めているという。

準強制わいせつ」とは、被害者が心神喪失または抗拒不能に乗じてわいせつな行為に及ぶ行為であるから、被害者の女性は認知症だった可能性が高い。そのような方に対して、1対1で身体介護を行うヘルパーは、誰よりも信頼できる人間でなければならないのに、わいせつな行為に及ぶとは卑劣極まりない。人でなしの行為である。

被害に遭われた80代の女性利用者の方は、本当にお気の毒だ。それまでどんなに幸せな人生を歩んできたとしても、最も安心して自らの身体を委ねることができるはずであった介護サービス提供者に、わいせつな行為で穢されたことによって、幸せな人生が不幸で哀しい人生に変わってしまったかもしれない・・・それほど汚らわしい犯罪である。

このような野獣がヘルパーという衣をかぶって、ひとり暮らしの利用者宅という密室の中で犯罪に及べば、利用者は逃げ場がない。全く救いようがない胸糞が悪くなる事件である。

本件の容疑者のような人間が従業員に交じっていたら・・・と考えると背筋が寒くなる。こういう手合いは、教育して良くなるものではないだろう。できるだけ実務に就かせる前に、その性癖に気づいて排除する以外ないと思う。

こうした人物は、改心したふりをしても同じことを繰り返す手合いと思え、訪問サービスに従事させてはならないのである。しかしその性癖を見抜くことは至難の業でもある・・・。

そういう意味では、訪問サービスで女性利用者に対応する場合は、できる限り同性派遣を心掛けることがだいじかもしれない。

特にサービス提供者と女性利用者しかいない場面での訪問サービスは、同性介護を行うことが最重要と考えることが、リスクマネジメントにつながるのではないだろうか。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

居宅介護支援は何気に大改定・・・。


先週金曜日に正式に閣議決定された介護職員らの月6千円の賃上げについては、来年2月からベースアップ加算に上乗せして支給されることとされた。

そのため現行の要件を踏襲し、交付額の3分の2以上をベースアップに充てるよう求めるほか、他職種への柔軟な配分も認めていくとされている。

しかし居宅介護支援事業所はその支給対象に含まれないので、居宅ケアマネには一切配分されないことも確定した。

また来年度の介護報酬改定で統合・一本化される処遇改善加算については、「介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある職員に重点的に配分することとするが、事業所内で柔軟な配分を認める」とされているために、施設ケアマネについては従前の特定加算の配分より額が増える可能性もある。

しかしこの加算の算定事業の拡大は見送られることから、居宅ケアマネにはその恩恵は一切ないことになる。

その為、「居宅介護支援の逓減制の再緩和という鞭」で指摘したように、逓減性の再緩和で収入を増やした分しか居宅ケアマネの待遇改善は難しいという状態になる可能性が高い。

本当にそれでよいのだろうか・・・これでは居宅ケアマネの成り手がなくなりかねない。それとも今後、居宅介護支援事業所の介護支援専門員の待遇改善策が別に示されるだろうか?だが僕の知る限り、そんな議論は水面下でも行われていないように思う。
紅葉
ところでそれほど厳しい居宅介護支援事業であるが、来年度の報酬・基準改定は大改定ともいえるのではないだろうか。

逓減性の再緩和のほかにも、いくつかの大きな変更が示されているので検証してみよう。

まずは毎月のモニタリングルールの変更である。月1回の利用者宅でのモニタリングについて、テレビ電話(ビデオ通話)などを活用した実施も認めることが提案されている。この場合、少なくとも2ヵ月に1回は利用者宅を訪問すること、他のサービス事業所と連携することなどを要件とすることも同時に提案されている。

これは言うまでもなく、逓減性の再緩和とリンクした改定である。モニタリングの訪問回数が現行より少なくて済むという業務軽減を行って、それによって担当利用者を5名増やすことができるようにすることで、逓減性の再緩和ルールを使いやすくしようというものだ。

それで本当に業務負担が軽減されて、逓減性の再緩和の恩恵を受けようとするケアマネが増えるかどうかはともかく、高齢者もスマホやタブレットを使い込なしてる現状を鑑みれば、モニタリング訪問をオンライン確認に代えて実施できるようにすることは良いことだと思う。

訪問するケアマネと訪問される利用者双方に、負担軽減というメリットがあるし、モニタリング訪問にそぐわない人は、従前通り訪問モニタリングすればよいだけの話で、その判断もケアマネジメント能力の一環なのだから、そこは居宅ケアマネの能力を信じれば良いのである。

それにしてもせっかく規制緩和を行おうとする際に、新たな規制を加えてどうするのかといいたい・・・2月に1回は訪問が必要という条件なんて必要ないだろう。これでは業務負担軽減の効果は著しく削がれる。自宅での状況確認がどうしても必要だとしても、その頻度は半年に1度程度でよいだろうと思う。思い切った規制緩和ができないのは、くそっ狭い役人根性そのものであるといえよう。

業務負担軽減に関連しては、過去半年に作ったケアプランの訪問介護、通所介護、福祉用具貸与の割合を利用者へ説明することなどが義務付けられているが、これを努力義務に改めるとしている。

義務努力義務はどの程度異なるかといえば、努力義務はあくまで努力でしかないのだから、やっていなくても運営指導の対象にはならず、少なくとも文書指導は行われないという意味だ。

つまり「しなくてよい」という意味で、2021年度の前回改正で新設したルールは、説明を受ける利用者からも必要ないと言われ、むしろ迷惑に思われているので、ほとんど意味がないことが明らかになったという意味だ。

しかしルールを廃止したいが、そうなるとルールを作った役人の責任問題となるために、努力義務化したというに過ぎない・・・ということで来年度以降は、この説明は遠慮なく居宅ケアマネ業務からはカットしよう。

また、「入院時情報連携加算」については、現行では入院後3日以内、または7日以内に病院などの職員へ利用者の情報を提供した事業所を評価しているが、これを入院当日、または3日以内の評価に改めるとしている。

これについては、「入院時の迅速な情報連携を更に促進する」との意味であり、そのことが早期治療・早期退院にむずびつくという理由だろう。現行でも入院・即情報提供を行っているケアマネが多いのだから、これは否定される変更ではない。ただしスピード感を求められるのだから、それに応じて加算単位も引き上げてもらわねばならない。ここは強く訴えておこう。

特定事業所加算の4段階の全区分に求めている要件の変更も提案されている、
《現行要件》
地域包括支援センターなどが実施する事例検討会などに参加していること
《見直し案 》
ヤングケアラー、障害者、生活困窮者、難病患者など、他制度にも関する事例検討会、研修などに参加していること

以上のように単に事例検討会ではなく、他制度に関する学びの内容がなければならないとされいる。

国が進める、『適切なケアマネジメント手法の策定・普及推進事業』では、介護支援専門員に対して、「仕事と介護の両立支援」や「ヤングケアラー支援」などの役割も担うことが期待され、来年度から変更されるケアマネ法定研修でもそれに沿ったカリキュラムが組まれることになる。

本加算の要件も、それの沿った形で変更されるわけだが、居宅ケアマネにそれだけの役割を求めるならば、それなりの待遇も手渡せと言いたい。

居宅ケアマネはボランティアではなく、プロの相談援助職だぞ。待遇改善の優先順位を介護職員のはるか下層に置いている状態で、役割だけ増やしてどうるのだと言いたい。この部分は居宅ケアマネの皆さんは、もっと怒った方が良い。あまりにもおとなし過ぎる・・・。

また特定事業所加算については、現行の「運営基準減算、または特定事業所集中減算の適用を受けていないこと」という要件の見直しを提案し、運営基準減算が利用者ひとりひとりに適用され毎月の確認作業の負担が大きいとして、「特定事業所集中減算の適用」のみを減算要件とするとしている・・・個人的には、医療系サービスが対象となっておらず、ケアマネジメントの中立性確保にとって意味のない特定事業所集中減算そのものを廃止すべきだと思う。

さらに居宅介護支援費にも、同一建物減算を新たに導入する案が示されている。

これは明らかにサ高住の囲い込みサービスをターゲットにした制限だろう。サ高住の入居要件に、併設居宅介護支援事業所との契約を条件にして、担当ケアマネを替えさせ、さらに訪問介護等のサービスもサ高住併設事業所で囲い込むことの批判と受け止めてよいと思う。

居宅ケアマネは、事業経営者のプレッシャーに負けないで、適性プランの立案に向けた姿勢を崩さないことが求められている。

また制度改正では、予防プランを居宅介護支援事業所が利用者との直接契約で計画できる改正が行われた。そこでは予防支援の単価が問題となるが、その額が低くて予防プラン作成はできないと判断するなら、予防支援事業の指定を受けなければよいだけの話で、居宅介護支援事業の選択肢が広がるという意味で、その改正自体を否定的に捉える必要はない。

どちらにしても現時点で決まっていることだけでも、これだけ大きな変更がある。居宅介護支援事業所の介護支援専門員は、それに向けた心構えを持っておく必要があるだろう。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

介護報酬引き上げ確定しました


昨日(11/10)開催された第38回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会では、令和5年度介護事業経営実態調査結果の概要(案)資料1として示された。
令和5年度介護事業経営実態調査結果
それによると2022年度(令和4年度)決算の利益率が全体平均で過去最低の2.4%に悪化していたことが明らかになった。

特に施設系サービスで厳しい結果となり、特別養護老人ホームの利益率はマイナス1.0%、介護老人保健施設は同1.1%と、01年の調査開始以降で初めてマイナスに陥った。

この結果を受けて厚労省は、光熱水費や人件費の伸びが経営に影響を及ぼしていると分析。「他産業の利益率は約6%にあがっている中で、介護分野はかなり厳しい状況にある」と見解を示している。

今年の春闘では全産業平均で3.6%の賃上げだった一方、価格転嫁できない介護事業所は1.4%にとどまったことで、介護業界から小売業などへ人材流出も起きており、介護人材不足も深刻化の一途を辿っている。

こうした状況を受けて、政府は来年度の改定で引き上げる方針を固めたと各メディアが今朝、一斉に報道している。

ただし水面下でプラス改定になることは、それ以前から事務方を中心に決定事項として作業が進んでいたことは確かである。だからこそ報酬改定の施行時期を6月まで先延ばしすることに反対する声も根強かったのである。今後は、この施行時期を巡った綱引きが水面下で行われることになる。

さて問題は改定率である。

政府は、介護職員や看護補助者への賃上げを行った医療機関などを対象に、一人あたり月額6000円の賃上げに相当する額を補助金として支給する方針を固め、来年2月から支給を開始するとしているが、この補助金も当然、統合一本化される処遇改善加算に含まれてくると思え、さらに月額改善額が1万円以上になるように改善を要求する声に応えた上乗せも期待されているが、それのみをもってプラス改定とされてはかなわない。

職員の給与行き上げ原資となる処遇改善加算も大切だが、事業経営を脅かさないためにも基本サービス費の相応の引き上げが不可欠だ。

6日の介護給付費分科会では、介護保険料・利用者負担に関する各種取りまとめという資料が示され、この中で、介護サービス利用時の自己負担割合2割の対象者を、現行の20%〜25%に引き上げる案も示され、年末までにこの案も承認される見込みになっていることから、プラス改定の財源は存在することになる。

それに加えて、インフレ下で初めて行われる報酬改定という状況を鑑みて、政治的判断による財政出動を期待しつつ、介護事業経営の安定化を図ることができるようなプラス改定を期待したいところである。

それにしても特養の収支差率はひどい状況だ。10年前は収支差率が二桁レベルで、まおかつ多額な内部留保も問題とされ、社会福祉法が改正されて、2017年からは社会福祉法人の財務規律の強化の取り組みが法律に基づいて実施されるようになり、社会福祉法人は毎会計年度において、社会福祉充実残額が生じたときは、厚生労働省令で定めるところにより、「社会福祉充実計画」を作成し、これを所轄庁に提出しその承認を受けなければならないとされた。

しかしすでにそのような大きな利益が出る状況はなく、毎年内部留保を切り崩して何とか運営を続けているという特養が多いわけである。

しかし内部留保と呼ばれる繰越金は未来永劫存在するわけではない。この状況の改善を急がないと、社会福祉法人の倒産が全国各地で引き起ることになる。

それを防ぐためには、介護報酬の大幅なプラス改定が不可欠であるが、それと共に運営しかできない社福トップ・特養トップはその地位から退いて、きちんと経営ができるトップを据えることが重要になる。

今後の社会福祉法人の生き残り策とは、そうした改革に取り組めるかどうかにかかっていると言っても過言ではないだろう。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

こんな形の複合型サービスは浸透・普及しない


2024年度からの介護報酬改定に関連して、新たに創設が予定されている複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ)の概要が、11/6の介護給付費分科会で示された。

この複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ)については8/30の介護給付費分科会で、「必要性がない」・「制度をますます複雑にする」などという反対論が複数出され、厚労省はその創設について今後慎重に検討するとしていた。

しかし今回の資料によって、厚労省はいよいよ新サービス創設に舵を切ったことがわかる。

創設反対意見等を無視する形で創設に舵を切った理由は、昨年末の介護保険制度の見直しに関する意見で、その必要性を高らかに謳っていた以上、面子にかけてもこの新サービスの創設は見送ることはできなかったからだろう。

ただしこうなることは、僕が行う講演では予言していた。受講された方はその予測が当たったことに気がついているだろう。
紅葉
それはともかく、今回の資料では複合型サービスと呼ばれる新サービスの概要が示されているが、その内容を見て僕は少しがっかりしてしまった。

複合型サービスは、コロナ特例で通所サービスから職員を利用者宅に派遣していたサービスをモデルにし、既存の通所サービスが柔軟に職員を利用者宅に派遣できるスタイルになるのかと思ったら、どうやらそうではないようだ。

資料を読むと複合型サービスは、定員29人以下の地域密着型サービスとして、要介護度別の包括払い(月額定額報酬)とされている。

複合型サービスの利用者の計画担当者については、居宅介護支援事業所の介護支援専門員が担うこととされ、複合型サービスに内包しないことになった。

これは小規模多機能居宅介護がケアマネジメントを内包することで、居宅介護支援事業所の介護支援専門員が担当を外れることを嫌うケースが多いために、予想外に普及しないことを鑑み、その轍を踏まないようにしたものである。

指定条件については、複合型サービスとは(訪問介護と通所介護の組合せ)とされているように、まさに訪問介護と通所介護を一体的に同一建物の中で指定するスタイルのようである。

その考え方は、「既存サービスの組み合わせであるため、訪問介護、通所介護で必要とされている人員・設備・運営の基準と基本的に同様とする」というふうに示されており、例えば通所介護事業所が複合型サービスを行おうとすれば、現在の人員配置に加えて、訪問介護に必要な訪問介護員を常勤換算で2.5名以上を配置し、かつサービス提供責任者を利用者40名に対して1名以上配置する必要がある。

管理者は両方併せて一人配置でよいとされており、設備についても既存の訪問介護、通所介護で必要なものを全て共有して使用することはできるが、訪問介護員やサービス提供責任者を新たに雇用するのは大きなバリアになりそうである。

しかも問題は訪問サービスの担い手の資格要件である。資料では、「複合型サービスと訪問介護事業所の指定を併せて受け、一体的に運営している場合、複合型サービスの訪問介護員の基準を満たすこととする。」としていて、その意味が分かりづらい。

しかし厚労省の担当者は会合後、「引き続き議論していくが、初任者研修の修了などホームヘルパーの資格を要件として定める方向で検討していきたい、と現時点では考えている」と明らかにしている。

ということは今後、複合型サービスを経営しようとするの当たって、最大の課題は訪問介護員集めということになる。

何しろ2022年度の訪問介護職の有効求人倍率は15.53倍であり、今年度は既に16倍を超えていると予測されている。雇用する側から見ればこれは壊滅的数字といえるわけである。

募集しても応募がほとんどない訪問介護の有資格者を、今後は複合型サービスと訪問介護で奪い合わねばならなくなるということだ・・・その結果は、どちらかが勝利するのではなく共倒れが落ちだろう。

ということで、新設される複合型サービスは事業経営するにはあまりにもハードルが高く、人材も集まらずにサービス提供が困難であるというリスクの高い事業となる。

近い将来(早ければ2027年度にも)、軽介護者(要介護1と2の対象者)の通所介護が地域支援事業化されることを見越して、その人たちの受け皿として、介護給付として利用し続けることができる複合型サービスを経営したいと考える介護事業経営者も少なくなかったが、今回の資料を見て二の足を踏むことになるだろう。

さすれば複合型サービス事業に参入することができるとすれば、すでに通所介護と訪問介護を行っている法人が、その両者をくっつけて一体的に営業する形が主になるのではないかと思う。

よって僕個人としては、こんな形のサービスが浸透・普及するわけがないと思うのである。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

新処遇改善加算で笑う人・泣く人


昨日11/6に開催された社会保障審議会・介護給付費分科会では、処遇改善加算の新体系について国から新たな提案があった。

その提案とは、現行の「介護職員処遇改善加算」・「介護職員等特定処遇改善加算」・「介護職員等ベースアップ等支援加算」の3種類を一本化する際に、算定できる区分にも段階を設けるというものだ。
新処遇改善加算のイメージ図
※介護給付費分科会資料で示されたイメージ図
このように基本的な待遇改善やベースアップを土台にして、キャリアパスや職場環境要件・経験や技能のある介護職員の配置などの状況に応じて上位の加算を算定できる仕組みとしている。

この新加算は一本化による事務負担の軽減が期待されるほか、現行の3加算以上の金額の積み上げも期待されている。その為この案自体は介護事業関係者も歓迎できる内容ではないかと考える。

さらに現行の3つの処遇改善加算それぞれで異なっている職種間賃金配分ルールについては、「介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある職員に重点的に配分することとするが、事業所内で柔軟な配分を認める」と提案しており、事業者裁量で配分職種や金額を決定するすることが認められることから、職種間の不公平を理由に算定を躊躇う事業者も減少することが期待できる。

しかし問題は、その配分について対象を拡大する方針が盛り込まれなかった点である。

つまり現行の3加算の算定ができない事業については、新加算も算定不可となるということだ。その中には居宅介護支援事業所も含まれており、期待された居宅ケアマネの待遇改善は、処遇改善加算という形では実現しない可能性が高まったのである。

この点については、僕が管理する表の掲示板スレッドでも話題になっており、「居宅を退職して、施設ケアマネか介護職に戻ります。」という意見も書き込まれている。

それももっともだと思ってしまう。

居宅介護支援事業所の介護支援専門員の成り手が少なくなり、現業者の高齢化も進んでいる昨今、人材が居ないことで居宅介護支援事業所の経営が成り立たないリスクが増している。にもかかわらず居宅ケアマネの待遇改善がないまま、介護職員等の待遇だけが改善されている。

しかも経済対策として来年2月から実施される介護職員等の月6.000円の給与改善の対象からも、介護支援専門員は除外されている。

そうなると介護職員は、報酬改定(おそらく施行は2024年6月)より4カ月先駆けて、まずは6.000円の給与改善の後、一本化される処遇改善加算に更なる金額の上積みを図って、6月以降は実質賃金が1万円以上のアップを勝ち取ることも可能性としては有りだ。

ところがそのような給与改善の蚊帳の外に居宅ケアマネは置かれることになり、居宅ケアマネの給与レベルは介護関係者の最下層となる可能性も否定できないのである。

そのような職種の成り手が増えるわけがない。国は居宅ケアマネが、「そして誰もいなくなった」状態になっても良いというのだろうか・・・。

いやそうではなく同日の介護給付費分科会では、居宅介護支援事業所の介護支援専門員の給与改善策は、別案として示されていると指摘する人がいるだろう。

しかしその案とは、居宅ケアマネの尻を叩いて、馬車馬のように働かせて、過労死させるような案でしかないと思うが、そのことについては今日の記事が長くなったので明日解説したい。

明日昼頃に、「居宅介護支援の逓減制の再緩和という鞭」という記事をアップする予定なので、ぜひ参照してほしい。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

入浴介助加算の迷走


26日の介護給付費分科会では、通所介護の入浴介助加算の新たな論点が取り上げられた。

2021年の報酬改定時に新設された入浴介助加算は、自宅での入浴を可能とするために、自宅の浴室環境のアセスメントなどを要件にして、従前より単位が高い上位加算として新設された(55単位)。

これに伴って従前の入浴介助加算気蓮50単位から40単位に算定単位が引き下げられている。

しかし新設された加算兇了残衫┐歪禧飛行で、通所介護が12.2%、地域密着型通所介護が7.5%にとどまっている(昨年8月審査分)。

このため自宅の浴室アセスメントのために訪問する職種を医師、理学療法士、作業療法士、介護支援専門員、介護福祉士らに限っている今の要件の見直し、資格のない介護職員等も訪問アセスメントが実施できるように要件緩和を提案した。

これは同加算の算定率が低い理由として、「利用者宅を訪問する専門職の確保・連携が困難」という声が挙がっていることを受けたものだが、この理由は表面的な理由に過ぎず、加算兇算定できないのは、提案し計画同意を求める段階で、利用者から拒否されるケースが多いことに他ならない。

しかもその理由は、「自宅での入浴をどうするかは、自分の勝手で、家の浴室を調べるなんて余計なお世話」・「自分は家で入浴しなくても良いように、通所介護に通っているんだから、そんな調査は余計なお世話」という理由が主である。

つまり加算兇歪名痢◆余計なお世話加算」として拒まれているのであって、訪問職種を資格のない介護職員に拡大したところで、算定率が上がることはないのである。・・・それより必要性の薄い加算兇惑兒澆靴燭曚Δ要と思うのである。
入浴介助
また入浴介助加算についても要件を厳格化し、入浴介助の技術を高める研修の実施などを新たに求めることを提案している。

確かに入浴支援は、技術のいる行為であるが、それは介護実務そのものであることを忘れていないだろうか・・・。

通所介護に限らず、すべての介護事業においてADL支援は最も基本的な支援技術であり、その技術指導をしていない事業者なんてないだろう。

入浴介助にしても、特別な研修に出すまでもなく、介護マニュアルに沿う形で各事業者のOJTの中で技術指導されているはずだ。そういう技術が今現在ない事業所の職員に、改めて研修を課して劇的に技術が上がるとでもいうのか・・・・。

改めて、「入浴介助の技術を高める研修の実施」を求めたとしてもほとんど意味がないもので、加算算定ができなくならないように、アリバイ作りに実施される研修に陥るのが落ちで、介護技術がそれよって高まることはない。

しかるにこうした新算定要件を課そうとする意図は、算定要件に合致しな事業所の算定単位を少しでも下げるためとか、入浴技術支援の研修を行いたい特定団体の利権との絡みとしか思えない。

まったく意味のない、利用者利益に沿わない要件の厳格化である。

そもそも入浴介助という労務負担をもっと考慮すべきだ。外気温が30度を超える真夏に、何時間も外気温以上の高熱の浴室で、たくさんの利用者の入浴に手を貸すというだけで、この労務に対する対価はもっと評価されても良いのである。

入浴支援は、浴槽への移動や移譲支援も伴うが、それ以前に適切に声をかけ、やさしく背中を流すという誰にでもできる行為を、利用者が心に負担なく実施できることこそが重要になるのだ。

そこを考えるとわずか40単位ごときで、あらたな研修義務を課そうとする、その思い上がり根性をどうにかしろと言いたくなる・・・。こんな提案が実現されても介護の質が向上するわけがない。むしろこの制度は複雑怪奇になるばかりである・・・それは魑魅魍魎と妖怪変化がかき回す制度でしかない。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

報酬改定時期変更は重要だけど大問題ではない


僕は昨日から東京都内に滞在している。昨日は移動日だったのでホテルでゆっくり今日の仕事の準備をして、夜は近くのお店で一人のみした。食べ物に興味のある方は、「masaの治と骨と肉〜きみとの仲を、とりもつに、んげんはいないのか。」を参照いただきたい。

さて今日は午前中、神奈川県内の介護事業者の方と東京駅近くで打合せを行った。

今後、その事業者の職員研修を定期的に手掛けるための打合せである。首都圏に出向く機会が今以上に増えそうである。

その仕事を終えた後、先ほどビジョンセンター東京八重洲に到着した。
東京ミッドタウン八重洲
今日はこれからC-MAS 全国大会2023に参加して、全日程を終える17:30までここに滞在予定だ。

僕自身も13:30〜講演を行う予定であるが、内容は介護保険制度改正と介護報酬改定について短く50分にまとめて論評するというものだ。

そこでは11日の介護給付費分科会で突然のように示された、「介護報酬改定の施行時期について、介護現場の職員やベンダの負担、医療と介護の給付調整、利用者にとってのわかりやすさ、施行時期が変更された場合の事業所や介護保険事業(支援)計画への影響などを踏まえ、どのような対応が考えられるか。」という論点についても論評しなければならない。

この論点の意味は昨日の記事でも紹介したが、介護報酬改定の施行時期について2月先送りして6/1〜とするというものだ。

国があえてここでこの論点を示したということは、国としての方針は施行時期の先延ばしに舵を切っているという意味だろう。

これに対して、11日の介護給付費分科会では全国老施協が反対の声を挙げている。診療報酬の改定施行時期がずれたからと言って、それと直接関係ない介護報酬まで時期をずらす必要はないという意見であるが、その背景には当然プラス改定を織り込んで、その時期を少しでも遅らせたくないという意図が働いているのだと思う。

また全国市長会の代表委員も、「処遇改善加算など、年度単位での計画策定・運用が必要な仕組みは対応が難しくなる。6月実施に変えると、事業者や市町村の窓口などに混乱が生じ、かえって負担が重くなりかねない」と時期先延ばしに反対を唱えた。

これに対して医師会や老健協は、時期先延ばしに賛成の意見を述べている。「LIFEが導入されたこともあり、介護現場の負担は病院などと同様に非常に大きい。6月に遅らせて頂きたい」という意見があるように、医療DXの推進など準備作業に時間がかかるのが主な理由であるが、日本医師会の代表委員は、「6月実施以外あり得ない。」とまで言い切っている。

このように賛否両論が展開されたわけであるが、国会に議員を送り込んでいない全国老施協と、複数の議員を国会に送り込んでいる医師会では勝負にならないことは目に見えており、どうやら介護報酬の改定施行時期も2024/6/1〜ということになりそうである。

しかし時期先延ばしの反対論者の方々も、このことにあまり目くじらを立てる必要はないと思う。

そもそもプラス改定が決定しているわけではないのだから、2月の改定時期のずれが経営ダメージにつながるとは限らない。仮にプラス改定になったとしても、今後改定時期はずっと6月からとなるのだから、プラスされた報酬が36カ月継続されることには変わりないのだ。

仮に2027年の改定がマイナスになるとしても、その時期も2月引き延ばされるのだから、なが〜い目で見ると何も変わりがないことだ。

この2月に経営ダメージが生ずるとしたら、それはもうすでに経営が行き詰っているという意味だから、報酬改定でどうこうなるものではないと考えるべきである。

それに時期先延ばしには、わずかながらもメリットもある。現在3本建てになっている処遇改善加算は統合一本化される予定であるが、これについては現行の処遇改善関連加算が廃止され、新たな処遇改善加算が新設されると考えた方が良い。

すると現行加算より不利益を被る職種等が出てくる可能性が高いので、これらの職員に対する説明に時間を要する。さらに新加算の届け出書類は現行の3加算と異なるために、その事務作業に時間を要する。

それらの説明・事務作業時間が施行時期先延ばしにより、十分期間がある中で行うことができるようになるのである。

それらを考えて、時期先延ばしはやむを得ないこととして素直に受け入れたほうが良いのではないだろうか。このことで文句を言う暇があったら、確実にプラス改定を勝ち取る方向にエネルギーを使うほうが良いと考えよう。

この後、そんな話をしてくる予定だ。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

2024年度介護報酬改定議論の行方


2024年度の介護報酬改定については、今年5/24の第217回社会保障審議会介護給付費分科会から本格的議論が始められている。

その後介護給付費分科会では、各サービスごとの論点を明示する1ラウンド目の議論と、事業者団体等のヒヤリングが終了しており、今後は10月〜12月にかけて第2ラウンドとして各サービスごとの、「具体的な方向性議論」を行う予定となっている。

そして12 月中に報酬・基準に関する基本的な考え方の整理・とりまとめが行われ、来年1月中に介護報酬改定案の諮問・答申という手順を踏んでいく。
※ただし地方自治体における条例の制定・改正に要する期間を踏まえて、基準に関しては先行してとりまとめを行う。

どちらにしても次の介護給付費分科会の各論議論から、新設される加算などが具体的に示されることになると思われ、注目しておかねばならない。
エゾフクロウ
それに先駆けて、「関係団体ヒアリング」が2回に分けて行われ、それぞれの団体が組織利益に結ぶ着く要望を行ったわけである・・・しかし、これらの声が国に届いて実現するということはまずない。

例えば10/2のヒヤリングでは、「全国社会福祉法人経営者協議会」が生活相談員等によるソーシャルワーク業務の報酬での評価を要望し、下記の3点の報酬評価を求めた。
・入退院支援と医療機関との情報連携、地域生活相談 等
・配置基準以上の生活相談員の配置(加配)についての報酬での評価
・社会福祉士等の国家資格取得者の報酬での評価


元職が相談援助職だった僕としては、とても魅力的な提案であり、その必要性も理解できるが、これが実現することはまずあり得ないだろうと思う。

なぜならこの団体ヒヤリングは、「要望に耳を傾けた」というアリバイ作りでしかなく、勝手に国が何もかも決めることはないとことをアピールして、各団体の不満のガス抜きをしているだけだと考えた方が良いからだ。

このセレモニーが終わって、いよいよ第2ラウンドの各論審議の際は、どこの団体も要望していない案が、国から突然示されるのが常の事である。

それより国の他の審議会が介護報酬改定議論にも影響を与えることが多いそうである。特に基準改正では、管理者の複数兼務やテレワークを広く認める改正が行われるが、これは内閣府の規制改革推進会議の影響力の賜物ということのようだ。

介護関係者の中には、そちらに働きかけて、間接的に介護給付費分科会の流れを作ろうとしている人も居ないわけではない・・・。

どちらにしても次の報酬改定は介護事業者にとって正念場である。

令和3年度の収支差率全サービス平均は3%となっているが、しかし先ごろ公表された全国老施協会員施設経営状況調査によると、令和4年度は62%の特養が赤字となっており、収支差率はマイナス2.8%まで落ち込んでいる。この状態を放置すると、廃業せざるを得ない特養が、全国的に数多く出現しかねない。

物価や賃金が上がるインフレ局面下での介護報酬改定は初めてのことなのだから、その点を考慮して、日本の介護が制度あってサービスなしという状況に陥らないように、大幅なプラス改定を実現してほしい。

それは社会保障政策に留まらない、経済政策として必要な視点であると思う。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

仕事の魅力発信は他人任せにするものではありません


来年度からの介護報酬改定を議論する介護給付費分科会は、各種サービス別の議論の2ラウンド目を控え、各種業界団体のヒヤリングを2回に分けて行った。

先月27日の介護給付費分科会(資料)では、第1部ヒヤリングとして、全国ホームヘルパー協議会など8団体が要望・意見を挙げたが、その中で求人倍率が16倍を超えている訪問介護員の確保について、意見が述べられる場面があった。

そこでは、「初任者研修は施設・在宅を問わず、基本的な介護業務を担えることを目的としてカリキュラムが組まれているが、訪問介護の魅力に触れる機会がない状況」と問題を提起する意見があり、「ヘルパーの魅力に触れ、人材育成の強化につなげるために、研修講師の要件に在宅サービスの実務経験があることを追加して欲しい」という要望も示された。
介護人材不足
ヘルパー(訪問介護サービス)という仕事の魅力を世間にアピールして、ヘルパーの成り手を何とか増やしてほしいという気持ちは理解できる。

しかし仕事の魅力は、他者から発信して伝わるものではない。仕事をしている当事者自身が発信して伝えなければ、人々の心に届かないと僕は思う。

そもそもヘルパー不足は、初任者研修に人が集まらないことで拍車がかかっているのに、その初任者研修で魅力を伝えて何が変わるというのだ・・・。人気がない初任者研修を受講する人は、すでにヘルパーになろうという動機づけを持っている人であり、それなりにヘルパーという仕事の魅力を感じ取っている人である。

ヘルパーを増やすために、その仕事の魅力を伝えるべき人とは、そうした研修に見向きもしない人々ではないのか。よって初任者研修に訪問介護の魅力に触れる機会を設けても、ほとんど意味がないと思う。

ましてや数ある介護関連職種の中で、ヘルパーの仕事だけを取り上げて、その実務を研修講師の条件にする提案など他の実務者から反発を受けるだけで、ヘルパーの確保や魅力発信などにはつながらないと言いたい。

介護関係者に欠けているのは発信力だとよく言われる。ヘルパー実務に携わっている人が、本当にヘルパーが魅力がある職業であると思うのなら、自らがその魅力を発信する工夫をすべきである。

現在はSNSで簡単に情報発信できる時代なのだから、そうした媒体を使って、不特定多数の人々に、いかにヘルパーという職業の魅力を伝えられるのかを、ヘルパー団体自らが考えて工夫すべきである。ICTの活用とはそうした面で行うべきだ。

それにしてもヘルパー不足は深刻な問題である。募集に応募がないばかりではなく、従事者の平均年齢が高く、50代以上のヘルパーが全体の7割強に上っている。(※70歳代のヘルパーも全体の7%を超えている

この状況をみるといかに工夫を重ねても、いずれヘルパーという職業に就く人は枯渇する。少なくとも顧客ニーズに合致する訪問介護を提供できるだけの人的資源は充足しない。

この状況を抜本的に解決するためには、給与改善につながる訪問介護費のアップだけではなく、ヘルパー資格という既得権にとらわれることなく、他の介護職と同様に、無資格でも訪問介護が提供できるようにしなければならないのではないだろうか。

新複合型サービスの創設は不透明になっている状況ではあるが、そんなサービスを新設して制度を複雑化して、無資格者の訪問サービスを増やす手立てを講ずるのではなく、誰でも訪問介護に携わることができるようにした方が、よほどわかりやすくすっきりした形で、訪問サービス資源を護ることができるのではないだろうか。

それが国民ニーズでもあると思うのであるが、いかがだろう・・・。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

アウトカム評価と加算整理という矛盾にどう向きあうか


来年度の介護報酬改定はどうなるのか・・・このことが介護事業経営者や管理職の皆さんの一番の関心事であることは間違いないと思う。

日本ではデフレが長く続いてきたが、物価や賃金が上がるインフレの局面に変わっている。インフレ局面での介護報酬改定は初となるのだから、今までとは考え方を抜本的に変えて、報酬改定のあり方を新たに組み立てていくことを求める関係者の声は国に届くのだろうか・・・。

内閣改造で厚労大臣として入閣した武見敬三厚生労働相は、14日に初登庁して記者会見を行った際に、「賃上げや物価高騰への対応は重要な課題」と言明しており、関係者の大幅プラス改定への期待は増すばかりである。

新大臣の発言が、単なるリップサービスで終わらないことを祈るばかりである。
ヒガンバナ
ところで9/15の介護給付費分科会では、制度が複雑になりすぎているとして、加算などの整理が必要だとの声が挙がった。

現在、介護報酬のサービスコード数は2万1884となっており、その数は制度発足当初(1760)の12.4倍に膨らんでいるという事実がある。

特に加算コードが大幅に増えているが、2022年度に全く算定されていない加算は20種類もあることに加え、算定率が平均1%未満の加算( ひと月あたりの算定事業所数が平均9事業所以下のものに限る。)が更に41種類ある。 

こうしたほとんど算定されていない加算を整理することも含め、報酬体系の簡素化をめぐる議論を深めていく必要があることに異論はない。

ただそうなると科学的介護はどうなるのだという声も上がってくるだろう。科学的エビデンスに基づいた介護は、その結果を評価することとセットで考える必要がある。そのためアウトカム評価の視点は欠かせないともいえる。

アウトカム評価ということは、何らかの条件を付けて、それをクリアした事業者に対して高い報酬を手渡すという意味だから、そういう部分の加算はなくすことはできないということになる。

現に3/6に開催された規制改革推進会議のワーキンググループでは、「次期介護報酬はアウトカム評価を拡充する方向で検討する」という考え方も示されている。

15日の介護給付費分科会でも、「趣旨が重要な加算もある」としてアウトカム評価拡充に一定の理解を示す意見も出されている。

複雑化した報酬算定構造をシンプルに組みなおすために、加算の削減整理が叫ばれる一方で、高品質なサービスや、介護人材が減る中で求められる介護DXと生産性の向上につながる科学的介護の実現に向けた加算評価の必要性が叫ばれているのである。

この整合性をどのように取っていくのかは、かなり難しい問題になる。そもそも算定率が低い加算を簡単に廃止できない事情もある。

算定率がゼロでなければ、算定している事業者が存在するということだからだ。算定率が低いという理由で加算廃止してしまう場合は、加算分は報酬包括されることはない。そうなると従前まで頑張って国が求める要件をクリアして加算算定していた事業者が、その評価の梯子を外されて収益が下がることになる。それは多くの場合、納得しがたいことだろう。

一方で、加算要件の中には、サービスの品質評価としては疑問符がつくものがある。

例えば前回の報酬改定で新設された通所サービスの「入浴介助加算」・・・自宅で入浴できることを目的として入浴環境や動作を評価の上、個別入浴計画を作成して介助を行っていくことが評価された新加算の算定率は、今年4月時点で10%と低い状態が続いている。自宅の入浴評価なんて必要ない・余計なお世話だという利用者の拒否感が強いからである。

そうした利用者ニーズではない加算は廃止に向けて検討すべきではないか。

また居宅介護支援の特定事業所加算については、要介護3以上の利用者の割合が40%以上でないと算定できないことになっているが、これは重度者対応をしっかり行い、重度者支援スキルが十分あるという評価であると思うが、実際には軽度利用者の切り捨てという方向でしか算定不可能な加算となっている。

こうした加算は必要ないと切り捨てていくべきではないのだろうか。そのような形でしか加算の整理は不可能だと思う。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

介護給付費分科会の意味と今後の報酬改定動向について


次期介護報酬改定(2024年4月〜)について意見交換を行う介護給付分科会・・・ここは審議の場ではなく、井戸端会議の場でしかない。

国が勝手に何かを決めているとの批判を受けないように、一応審議しているふりをするアリバイ作りの場が社会保障審議会の各委員会であることは、このブログでは何度も指摘し続けてきたことだ。

それが証拠に介護給付費分科会で何かを決めたことはいまだかつて一度もないという事実がある。

そんなふうに介護給付費分科会は国が決めてきたことについて、委員が意見を述べているだけの場である。それも各委員のバックにある団体等の利益を代表する形で、各委員が勝手に意見を垂れ流して終わるのが常である。

その意見も随分偏見に満ちたものだと思うものも少なくないが、たまにはまともな意見に出会うこともある。

しかしそこでどんなに的を射た意見が示されたとしても、国にとって不都合な意見であれば馬の耳に念仏である。無視され終わるか、一応参考にしておきましょうといって忘れ去られるかが落ちである。

よって各委員の意見に注目するよりも、各委員に配布され公表されている国資料を読みこんだ方が、よほど必要な情報が得られるというものである。

さてそんな介護給付費分科会は、各サービスごとの論点を明示する1ラウンド目が終了した。

今後は9月にかけて、事業者団体等のヒヤリングを行ったうえで、10月〜12月にかけて第2ラウンドとして、「具体的な方向性議論」を行い、12月中に、「報酬・基準に関する基本的な整理・とりまとめ」が行われる。

それによって毎回クリスマスが近い時期に改定率が示されることは、既に関係者ならご存じだろう。

よく質問される介護保険施設の食費と居住費の標準費用の変更についても、介護給付費分科会での情報のやり取りがない状態で、報酬単価が示されるぎりぎりの時期に急に決定事項として示されるので、その時期になるまで不明と言わざるを得ない。・・・総務庁の家計調査では、世帯支出は確実に増加している結果が示されているのだから、食費の標準費用については、物価高支出増加という結果に応じて、確実にアップしてほしいものである。

それにも増して関係者が期待するのは、今回の介護報酬改定が価高等を反映する形で大幅なプラス改定となることである。

そのような期待に応える形で、改定報酬は関係者にとってクリスマスプレゼントになるのだろうか・・・。
介護報酬改定
しかしそれらの期待を大きく裏切る形で、マイナス改定という歓迎できない贈り物が届き、背筋が寒くなりながら年越しを見据えるブラッククリスマスになる可能性は決してないとはいえない。

特に今回の改定は不透明要素が多すぎる。

特にこの時期になってもまだ、昨年末の介護保険制度改正のまとめで先送りされた問題の結論が出ていないのは気がかりである。

一つには、高所得者の保険料を引き上げ、それを財源として低所得者の保険料を引き下げる改正。二つには自己負担割合が2割となる一定以上所得者の範囲拡大。三つには老健と介護医療院の多床室の室料負担である。

特に一定以上所得者の範囲拡大が実現しないと、プラス改定の財源が存在しないということにもなりかねず、その場合はマイナス改定となる懸念さえ生ずる。

しかし福島第2原発の汚染水処理問題に絡んで、中国による海産物の全面輸入禁止という事態を受けて、それに無策と批判される内閣の支持率はさらに低下傾向にある。もくろんでいた年内の解散もままならないこの状況で、果たして岸田内閣は国民の痛みにつながる自己負担増に踏み切れるかどうかが問題となっている。

こうした厳しい状況であることを踏まえたうえで、業界団体の連携協力で、強く報酬引き上げを求める声と力を結集せなばならない。

介護給付費分科会に提出する資料を作る前の段階に強く働きかける政治力等も当然必要となってくる。

少なくとも介護給付費分科会の委員発言で、何かが変わったり進んだりするという勘違いをしてはならないのである。

決して表に出ないところで事態は進行しているのだ。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

基本型老健にさらなる逆風


web会議で行われた8/7の第221回社会保障審議会介護給付費分科会(※資料)は、介護保険3施設と特定施設等の議論が中心となった。

そこで行われた議論では、すべての施設で、「看取りへの対応の充実」が重要な論点として挙がっている点が注目される。

居宅サービスの論点でもこのことは取り上げられており、多死社会に突入した我が国においては、全サービスで看取り介護・ターミナルケアの実践が重要とされていることがわかり、それに関する加算報酬は今後も優遇されていくだろう。

僕は我が国で最初の、「看取り介護指針」の作成者でもあり、その指針に基づく看取り介護実践を行ってきた経験から、全国各地で数多くの看取り介護講演を行っているので、是非機会があればそうした講演を聴きに来ていただきたい。
清流
それはともかく、今日は老健の論点が興味深かったので、そのことを取り上げて考察してみよう。

今更言うまでもなく、老健の最重要機能とは在宅復帰機能であり、この機能に関する議論が活発に行われた。

例えば、老健におけるリハビリテーションについて、老健入所直後は、集中的なリハビリテーションにより比較的大きく、ADLが改善することが示されているとして、在宅復帰に結びつく効果あるリハビリテーション実践への更なる評価が必要であることが示唆されている。

同時に、認知症リハビリテーションについては、「学習療法や記憶訓練等に比重が偏っている」と指摘され、もっと在宅復帰に結びつくための廃用予防や活動・参加につながる訓練をすべきであるとの指摘がされている。

このように老健の論点では、今まで以上に在宅復帰・在宅療養支援機能の促進に向けた報酬設定が最重要課題とされているのである。

さらに当日の議論では、「在宅復帰に向けた地域拠点としての役割、リハビリで心身機能を維持・改善する役割は引き続き重要。報酬のメリハリ付けも念頭に置きつつ、サービスを必要とする高齢者がしっかりと利用できるようにしていくことが必要」という指摘もされており、基本サービス費についても、より在宅復帰機能が高い老健の報酬が今まで以上に優遇される可能性が高まったと言える。

現在老健は、超強化型強化型加算型、・基本型その他の5類型に分かれている。当然超強化型の報酬単価が一番高く、その他に向かうほど低く設定されているわけであるが、この報酬単価の傾斜配分がより強化されるのではないかと予測する。

というのも今年2月のデータでみると、老健の類型は既に超強化型、強化型、加算型の3つで全体のおよそ7割を占めるに至っているのである。基本型とその他は少数派に落ち込んでおり、この2つの類型はなくなっても良いと国は考えている節がある。

さすれば加算型以上の老健の基本報酬が上げられると仮定した場合、その財源は基本型とその他の報酬をカットして回すということもあり得るわけである。

昨年書いた、「基本型老健には厳しい制度改正になります」の中で、特養の特例入所要件の緩和と、老健の多床室室料負担が実現した場合、基本型老健に長期入所している要介護1と2の利用者の、特養への流出現象が起きて、基本型老健の空きベッドが大量発生する可能性を指摘しているが、このことと併せて考えると、基本型老健は制度開始以来最大の逆風を受けることになりかねない。

どちらにしても長期的に考えると、基本型老健はいずれ経営困難なほど報酬カットが行われ、自然消滅へのシナリオが描かれることは間違いないだろう。

よって基本型の報酬しか算定できていない老健は、一日も早く加算型報酬を算定できる体制へと移行していく必要があることを指摘しておきたい。



※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

福祉用具貸与・販売の選択制議論に思うこと


7/20に開催された第7回介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会に関する資料を読むとわかるように、国は福祉用具を貸与で使うか、販売で使うかを利用者が選べる選択制の導入の是非などを、改めて論点として提示している。

福祉用具の選択性とは、例えば歩行補助つえや固定用スロープなど、比較的廉価である程度中長期の利用が見られる福祉用具については、レンタルのメリット・デメリットを利用者自身が考慮・判断してレンタルを受けるか、購入するかを選ぶことができるというスタイルである。

国が福祉用具の選択制導入を議論の俎上に上げている理由ははっきりしている。選択性が導入されれば今までレンタルの対象としかされていなかった福祉用具が購入されるケースも増えることになり、給付費の削減につながるのである。なぜなら福祉用具の販売単独サービスは、ケアマネジメント(居宅介護支援費)の費用がかからないからである。

ということでこの選択制の議論は、居宅介護支援費の自己負担導入が最短でも2007年4月まで先送りされたことによって、(※介護保険制度の見直しに関する意見(12/20)で、ケアマネジメントに関する給付の在り方については、利用者やケアマネジメントに与える影響、他のサービスとの均衡等も踏まえながら、包括的に検討を行い、第 10 期計画期間の開始までの間に結論を出すことが適当であるとされたため。)それに代わる財源抑制策として、ひねり出されたという経緯がある。

特に福祉用具販売のメニューを増やせという財務省の圧力は無視できないということだろう。
福祉用具
現行ではこうした福祉用具の貸与・購入の選択はできず、レンタル用品と購入用品は完全に区別されている。そして購入できる福祉用具は、他人が使用したものを再利用することに心理的抵抗があるのもの等(便器や尿器など)13品目のみが対象となっている。

貸与品のメリットは、購入より価格が抑えられることと、状態像の変化等に応じて貸与物品を変更できる点及び定期的にレンタル業者が点検・メンテナンスをしてくれる点にあろうと思う。

一方でデメリットは、レンタルする福祉用具のほとんどは新品ではないことから、(※消毒はされており、清潔度合いに問題はなくとも)神経質で見ず知らずの他人が使ったものに抵抗感を持つ人には向いていないという点だろう。

選択制が実現すると、それらのメリット・デメリットを利用者自身が考えて選択できるようになるのだから、僕はそのことに反対する必要はないと思っている。

ところが日本福祉用具供給協会などの関係団体が、選択制導入に異論を唱えている。それらの関係者は、「販売だと利用者の状態変化に対応できない」・「身体状態に合っていないものを使い続けると悪化を招く」・「貸与でないとメンテナンスや安全性の確保が難しい」・「買い替えが必要になるケースなどでは、販売の方が利用者負担が重くなる」といった理由で、福祉用具販売の対象品目が拡大することへの懸念を述べている。

しかしそれらの主張・意見に説得力があるとは思えない。これらの主張が説得力を帯びる条件は、一定の貸与品目が、強制的に購入品目に変えられた場合のみである。

前述したように選択制は、利用者が貸与と購入それぞれのメリット・デメリットを考えたうえで、自らの意思で選ぶことができるというものだから、負担が重くなったりすることもあることを視野に入れながら、それでもなおかつ購入したいという何らかの理由があっての選択という結果になる。

利用者の意思尊重という面では、それは大いに推奨されるべきだ。

それにしても福祉用具貸与の必要性を、利用者負担減という理由で論ずることは、ある意味大きな皮肉が込められているように思う。

前述したように今回の選択制議論は、居宅介護支援費の自己負担導入が先送りされた代替案ともいえるわけである。しかし介護保険制度の見直しに関する意見(12/20)を読むと、2007年4月からは自己負担購入を認めるという手形を厚労省が切っているように思えてならない。

すると2007年以降は、自己負担数百円の杖を借りるためだけに居宅介護支援を受けている人は、別に居宅サービス計画書作成業務等のために千円以上の自己負担が発生することになるかもしれないのである。

その可能性は極めて高まっていると思えるが、仮に居宅介護支援費の自己負担導入が実現された後にも、福祉用具単品貸与はあり得るのだろうか・・・。福祉用具貸与以外のサービスが必要ない人であれば、毎月、居宅介護支援費の自己負担が生ずる福祉用具貸与なかやめて、全額自己負担でもよいから同じ物品を購入しようと考える人が増えるのではないか。

さすれば居宅介護支援費の自己負担導入とは、居宅介護支援事業所よりも福祉用具貸与事業所に大きな影響を与える問題になってくるように思えてならない。

福祉用具貸与事業所関係者は、このことに気が付いているのだろうか・・・。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。



※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

情報に一喜一憂するのではなく・・・。


介護保険制度改正や介護報酬改定は、介護事業経営に大きく影響する問題である。その為いち早く最新情報を手に入れて、必要な対策を練ることは重要である。

よって介護事業経営戦略上、事業主体独自にいかに正確な情報をどう手に入れるか、それをどう分析するかというシステムとスキルを備えおく必要があることは間違いないところだ。それが今後の事業経営状況を左右すると言っても過言ではない。

ところがこの情報の取り扱いを間違って捉えている関係者も少なくない。

インターネット上に掲載されている情報を取得するだけで、最新情報を手に入れた気になり、その情報の分析もネット上で有識者と言われる連中が解説していることを鵜呑みにするだけで済ませている関係者が実に多い。

そういう人たちは、次期報酬改定が物価高も折り込んだプラス改定になるとか、いやいやそうではなく、厳しい財政事情に変わりはないのだから一時的な物価高の費用は折り込まないしプラス改定とは限らないという日々変化する情報内容に一喜一憂している。

それに何の意味があるのかを考えてほしい。揺れ動く情勢に心を惑わせていても、介護事業経営には何にも役立たないのである。

例えば、骨太の方針2023を読むと介護報酬の大幅アップは厳しという見方がある。

介護事業関係者は、そんなことを論評するだけでは何にもならないのだ。
実践の場に評論家はいらない
そもそも骨太の方針2023をよく読むと、報酬が上がるとも下がるともいえない内容でしかない。両論併記の玉虫色の文章でしかないのである。それは衆議院の解散含みの今後の政治状況と相まって、情勢が変化するという事情を鑑みて読んでおく必要があるものだ。

関係者が今すべきことは、そのような文章に心を惑わせることではない。

勿論、報酬アップは簡単に勝ち取ることはできないと考え、厳しい状況に備えた経営戦略を練っておくことも必要となるだろう。

しかし昨今の物価高と人手不足に伴う人件費の高騰は、一企業の経営努力だけでは補いきれない部分があることも事実だ。

介護保険制度誕生から前回の報酬改定までは、我が国はずっとデフレ基調で経過してきたわけである。しかし今現在はそこから脱して、インフレに振れた中での報酬改定となっていることを忘れてはならない。

脱コロナ・ウイズコロナ・アフターコロナの経済状況は好転しており、企業収益は増加し国の税収も増加しているのである。

さらに他産業では人材確保のために、人件費を大幅にアップしているのである。

そのような中で、国民の福祉と暮らしを護る介護事業に対する報酬が、そうした社会情勢を織り込まない価格設定に終わるとしたら、人材枯渇と事業廃止という流れが加速し、国民の福祉が護られなくなる。

そうであれば、介護事業関係者として今一番しなければならないことは何か。それは報酬アップの必要性と、どの部分に手当てが必要なのかというニーズをしっかり根拠に基づいて訴えていくことである。

介護事業者全体の力を結集して、このことを強く訴えその声を国に届けることである。

同時に、そうした声が正論であると国や国民の支持を得るための努力も不可欠だ。

それはとりもなおおさず、介護サービスが国民の暮らしをしっかり護っていることを証明することでしか実現しない。

利用者への配慮やマナーに欠けるタメ口対応が当たり前のサービスに、国費をかけてよいなんという指示は得られない。

きちんと利用者を護る介護サービスの品質を担保して、すべての国民が自分を護ってくれるのが介護サービスであると認識できる事業実態をアピールしていかねばならない。そうした実践と実績が伴わないと、要望は正論視されない。そこを真剣に考えてほしい。

どちらにしてもくだらない評論家の、くだらない論評などに耳を貸している暇はないのだ。実務者が評論家で終わってもならないのである。

まずは行動しようではないか。行動する場所はそれぞれのステージで構わないではないか。その代わりに僕は行動する人を後押ししながら、それらの人々の声を発信する役割を担うつもりだ。

今いる場所で、できる限りのことをしていきましょう。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。



※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

聞きなれない経済用語で煙に巻かれる報酬改定議論


制度改正・報酬改定議論の際に、国は時々難しい聞きなれない言葉を引っ張り出して、関係者や国民をけむに巻こうとする傾向がある。

この国の官僚どもは、「俺たちはこんなに難しい言葉も、日常的に使いこなしているんだぞ。お前多たちはその意味も、そんな言葉があることも知らないだろう。ザマアみろ!!」という気持ちを言外ににじませながら、自分たちは尊敬されるべき存在であり、一般庶民ごときがたてつくなと宣っているわけである。

つまり難解用語は、官僚の驕り高ぶった心の現れと言っても良い。

7日の経済財政諮問会議でもそんな言葉が飛び出した。

今年度の「骨太の方針」の原案を読むと、「医療・介護の不断の改革によりワイズスペンディングを徹底」という文章が目に入ってくる。

この意味がすぐに理解できた介護関係者はどれだけいるのだろう・・・。僕はわからなかった。

そこでネット検索でワイズスペンディングという言葉の意味を調べてみた。それでやっとこの文章の意味と、意図するところが見えてきた。

ワイズスペンディングとは経済用語であるらしく、『財政支出を行う際は、将来的に利益・利便性を生み出すことが見込まれる事業・分野に対して選択的に行うことが望ましい』という意味だそうである。

さすれば上記で紹介した文章の意味は、介護報酬の引き上げを求める声が強いことに対して、「それは将来的にこの国の利益につながるのか」ということを論じて結論を出すという意味である。

単に介護事業者の利益のためだけにしかならない報酬引き上げは行わないという意味にもなる。
財務省
しかしこれも随分と介護関係者を馬鹿にした話である。

介護報酬の大幅な引き上げが必要であると訴える人々は、何も自分の懐を温めるためにそう訴えているわけではない。

諸般の物価高による経営悪化は、従来型特養や通所介護事業所でいえば、実に4割を超える事業者が単年度赤字である。繰越金を取り崩して何とか運営しているのである。

しかし繰越金はいつまでも存在し続けるわけではない。それがなくなった際に、零細な介護事業者に貸し付けを行ってくれる金融機関は存在しない。

そんなふうに廃業が間近に迫っている介護事業者が少なくないが、それは経営努力が足りないとか、顧客確保の工夫がないという問題ではない。

公費運営の介護事業者が苦しい経営状況になっているのは、内部留保批判から始まった大幅な介護給付費の引き下げが最大原因である。従業員の処遇改善のみにスポットを当てて、運営費を削ってそこに回すような報酬改定が続いていることが今日の状況を生んでいるのである。

しかも世間を見渡せば、物価高であるという認識が国民に広く浸透しているため、世に出回る商品等の値段が高騰することに抵抗感が薄くなっている。つまり今現在、あらゆる商品は値上げしやすいという意味にもなる。

そうした中で物価高等に応じた費用を価格転嫁できる企業等は、利益を確保しながら、インフレ率を上回る従業員の給与アップが可能となっている。現に今年の春闘の賃上げ率は史上最高額となったとされている。

それが不可能な介護事業者は、収支率の悪化もあって、さほど従業員の給与アップもままならないのが現状だ。

このままでは、多くの介護事業者が廃業の憂き目にあい、制度あってサービスなしという状況になりかねない。

何とか経営を続けられたとしても、他産業との給与差が広がり、介護事業者の求人に応募する人材も益々減ることになるが、そのしわ寄せはサービスの品質劣化という形で、利用者=すなわち国民の不利益となって現れるのである。

つまり介護給付費引き上げの要望は、マクロ的には国民の福祉の向上を頓挫させないためなのである。それは官僚の言うところの、「ワイズスペンディングの徹底」と合致するものといってよいだろう。

よって国民の福祉を護るための介護報酬の大幅引き上げを、何もためらう必要はないのである。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。



※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

自民・介護福祉議連が財務相に決議書を提出した意味


諸物価と人件費の高騰が経営を直撃し、厳しさを増している介護事業者にとって、来年度の介護報酬改定で大幅なプラス改定がないと、今後の事業経営の先は真っ暗闇になりかねない。

そのような危機感が多方面に伝わっていることから、政治家も報酬アップに動き出している。

5/22に自民党の社会保障制度調査会・介護委員会が、次期改定時に介護報酬を大幅に引き上げるよう求める要望書をまとめ厚生労働省へ提出したのに引き続き、5/31には自民党の「介護福祉議員連盟麻生太郎会長)」と「地域の介護と福祉を考える参議院議員の会末松信介会長)」が連名で大幅な介護報酬アップを訴える決議文を鈴木俊一財務相へ提出した。

与党第一党の議員団が財務大臣に直接決議文を手渡し、介護報酬の大幅なアップが不可欠であると訴えている影響は小さくはないと言えるのではないだろうか・・・。これもまた介護事業者にとっては、大きな追い風といえそうだ。
骨太の方針2023に向けた決議文
ただしこの決議文では引き上げ財源について、「その財源について介護分野をはじめとする社会保障費の歳出削減により確保するとの案については、介護分野にその余地を見出すことが困難であることから、両議員連盟ではまずもって必要な介護施策推進のための財源確保を最優先とすべきであるとの見解で一致した」として、具体的な案を示していない点が気になるところではある。

介護分野に引き上げ財源がないということになれば、他の分野にそれを求めると言っているわけであるが、場合によってそれは、国民の新たな負担を伴うことにもなりかねないという意味にもなる。

それは、「介護事業者のために自分たちが痛みを負うことはまかりならない」という反発にもつながりかねない。

だからこそ介護事業関係者は、そうならないように襟を正して、国民の福祉の向上に寄与していることを証明できる介護実践を行い続ける必要がある。

ところでこの決議文について僕が注目している点が別にある。

それは提出議員団のうち、「介護福祉議員連盟」の会長が、麻生太郎衆議院議員であるということだ。

今更言うまでもなく麻生氏は首相経験者であるだけではなく、現在も党副総裁として政権与党第一党の有力者であり続けている人である。

氏の出身は福岡県で選挙区も同県であるが、福岡には九州の帝王とも称される麻生グループという企業があり、このトップである麻生泰氏は、麻生太郎衆議院議員の実弟である。

麻生グループは医療関連や人材・教育、情報等のほか、介護事業も広く経営している。その為、僕も麻生グループの介護関連機関誌に連載を行っていた時期があり、同グループの関係者とも顔見知りである。

僕がその連載をしていた時期は、麻生太郎氏が安倍内閣の副首相兼財務大臣を務めていた時期であったと記憶しているが、弟が介護事業に携わっているわりに、介護業界には厳しい態度で臨んでいたという印象が強い。

報酬改定でも財務大臣という立場から、高い壁となって立ちはだかり、基本サービス費の引き上げを断固阻止する立場にいたような印象が強いのである。特に財政規律の面から、介護報酬の引き上げには、それに見合った別の部分から財源をきちんと確保せよという姿勢だった。

いわゆるプライマリーバラスゼロの立場を決して揺るがせることがなかったような印象を持っていた。

そに人が今回、財源を別に示すことなく大幅な介護報酬引きあげを求める決議文の、署名人トップにその名を記しているのである。与党有力者が180度立場を変えて、介護報酬の大幅引き上げを求めているという意味は決して小さくないだろう。

ということで2024年度の介護報酬改定は、今までであり得なかった変化が生ずる可能性があるのではないかと考えたくなる。

コロナ禍が新たな段階に移行し、経済活動も通常活動に戻りつつある中、企業の業績も急速に回復しており、国の税収は増えている。一時的にはそれらの税収増加分が新たな財源とみなすこともできるわけである。

そして介護保険制度が始まって以後、ずっとデフレ基調で行われてきた報酬改定が、初めてインフレ基調に振れた中で行われるという状況もあり、そうした社会情勢に合わせた形で、大幅な報酬引き上げが行われることを期待したい。

その為に、それぞれのステージで必要な声を挙げ、アクションを続けていこうではないか。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。



※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

プラス改定への追い風を止めないために必要なこと


来年度からの介護報酬改定に関連して、介護事業者にとって必要なプラス改定に向けた追い風が吹き始めていることについて昨日、「介護報酬アップへの追い風」という記事を書いて解説した。

しかしこのことが必ず大幅なプラス改定に結びつくとは限らない。昨日の記事でも指摘したように、問題は財源をどうするのかということである。

大臣や事務次官がインフレ基調に対応した思い切った報酬アップが必要だと主張していることに対し、今のところ国民の多くは関心を持っていない。

その発言の真意や、今後の議論の流れを注視しているのは、関係者にとどまっている。

しかし公費支出が伴う大幅な報酬引き上げには、国民の一定の理解が必要不可欠である。そのような理解が得られるのだろうか・・・。

特に今後改定議論が展開される中で、報酬アップの財源を確保するために国民の痛みが伴うとなった場合、果たしてどれだけの国民がそのことに理解を示し、痛みを受け入れてくれるだろうか・・・。

むしろ多くの国民が、保険料等の負担が増加することは認められないとして、報酬引き上げなど必要ないという声が挙がり、その声が大きなうねりとなって襲い掛かる可能性はないだろうか。

もしそうなれば、政治家もその声を無視できなくなるかもしれない。
夜景
そうならないために介護関係者が心しておかねばならないことがある。

それはとりもなおさず、介護事業が国民の暮らしにとってなくてはならないものであるということを、我々自身の実践で示すことに他ならない。

毎日、誰かを相手にサービスを提供する我々自身が、日々サービスの品質向上に努め、利用者の暮らし向きが良くなっているという結果を示すことで、介護事業が国民にとって必要なサービスであることを証明していかねばならない。

逆に介護サービスの場で、人の体や心を平気で傷つける虐待行為や不適切サービスが横行するとしたら、自分が痛みを負ってまでそのような事業にお金をかける必要はないと考える国民が増えるだろう。

毎月のように、日本のどこかで引き起っている介護事業を舞台にした虐待事例が、氷山の一角でしかないと思われるのであれば、国民の多くは介護事業に国費をこれ以上かけることを良しとしないという危機感を抱かねばならない。

そうならないようにするために、我々は自分の足元の介護サービスを見つめる目を失わず、私たちの提供するサービスが、「対人援助」としてふさわしい内容になっているのか、国民の福祉の向上に寄与しているのかを検証していかねばならない。

利用者の暮らしの質(QOL)向上のための視点と方法論をきちんと身につけなければならない。

それとともにそうしたサービスの質やアウトカムについて、広く国民にアピールしていく必要もある。

介護事業者の最大の弱点は、「情報発信力不足」だといわれることが多い。その弱点を克服して、我々の職場で虐待や不適切サービスが、氷山の一角に隠れるようにはびこっているという事実はないことを伝えなければならない。

大多数の介護事業者が虐待とは無縁の、「人の役に立ち、信頼されるサービス」を提供し続けていることをアピールする必要がある。

他人だよりでなく、自ら進んでその必要性を発信することで、多くの国民に声が届くのだということを信じて、各自がそれぞれのステージでそうした取り組みを行っていただきたい。

そのようにして介護報酬の引き上げの必要性を訴える声は、真に人を幸福に導く介護実践によってしか、人の心に響く言葉にならないことを忘れてはならない。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。



※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

介護報酬アップへの追い風


財政制度等審議会は29日、政府が来月にもまとめる今年度の「骨太の方針」に向けた提言(建議)をまとめた。

その中で来年度の介護報酬等の改定について、「給付費自体の抑制に取り組み、制度の持続可能性を確保する必要がある」と提言している。そのほかの箇所でも、物価高を背景にした大幅引き上げを望む声をけん制する言葉を並べ連ねている。

国の懐を預かる立場の財務省は財布のひもを固く結ぶ姿勢を崩さず、物価高に対応した報酬アップを求める介護事業者にとって、相変わらず高い壁となり続けているわけである。・・・だがそれはいつもの光景であり、今に始まったことではない。

一方で、26日に開催された政府の経済財政諮問会議で加藤勝信厚生労働相は、診療報酬や介護報酬の大幅な引き上げが必要との認識を示している。

大臣発言は、「足元で物価が大きく上昇しており、(医療機関や介護事業所などは)公的価格のもとで経営状況の悪化につながっている。賃上げも他分野に比べて進まず、人材確保の観点からも報酬の大幅な増額が必要」というものである。インフレ基調に対応した診療報酬と介護報酬のアップが必要不可欠としたものだ。

これは3/12日に行われた『日本介護経営学会主催シンポジウム』で、厚労省大島事務次官が、「これまでとは根本的な考え方を変えて臨む必要がある。日本ではデフレが長く続いてきたが、物価や賃金が上がるインフレの局面に変わる。これに応じた報酬改定のあり方を新たに組み立てていく」と発言した内容とリンクしているように思える。
夜明けの田園
報酬改定の各論審議前に、大臣と事務次官がそろって改定結果に影響を及ぼすような発言を行うことは極めて異例なことではないだろうか。

これらの動きと、5/22に自民党の社会保障制度調査会・介護委員会が、次期改定時に介護報酬を大幅に引き上げるよう求める要望書をまとめ厚生労働省へ提出した動きと合わせて考えると、介護業界関係者は思わず、次期報酬改定は収支差率が改善できる大幅な引き上げになるのではないかと期待してしまう。

しかし情勢はそう甘くはない。大幅な報酬アップには財源が必要になるからだ。

今後示される財源が、新たな国民負担を伴うものならば、国民の多くから反対の声が挙がりかねない。そう考えると喜んでばかりいられないのが現状で、取らぬ狸の皮算用にならないように、心を引き締めて必要な声を挙げ続けなければならない。

また報酬アップの目的が、「賃上げ」・「他産業の平均年収との格差解消」ばかりに目が行くと、新たに統合・一本化される処遇改善加算のみ引き上げられて、介護事業者の収支差率改善につながる基本サービス費等の引き上げは行われないか、わずかなものになりかねない。

そうなってしまえば、すでに単年度赤字の事業者は来年度からの3年間で事業廃止に追い込まれてしまう。

特養や通所介護事業所の4割以上が、昨年度決算で単年度赤字に陥っているといわれ、そうした危機に瀕しているのだ。そうであるからこそ制度あってサービスなしという状況を生まないように、インフレや物価高に対応した基本サービス費の引き上げを訴えていく必要があるだろう。

例えば処遇改善加算を引き上げて一時的に介護職員の給与改善ができたとしても、事業者自体が廃業の憂き目にあえば、職を失って路頭に迷う人が出かねない。それを避けることは経済対策としても介護事業者の収支差率改善につながる基本報酬の引き上げが必要ではないのだろうか。

そもそも介護事業者の収支差率が下がっている一番の要因は、社会福祉法人等の多額の内部留保批判等をきっかけにして、介護事業者は「もうけすぎ」であるとして、基本サービス費等を大幅に削減したり、抑制したりした結果によるものである。

まさに公費のコントロールによって、収支差率は下げられたのである。

その当時と正反対の状態が生まれているのだから、今回は公費手当てによって介護事業者の窮状を救ってほしいと、すべての介護関係者が強く要望しなければならない。

公費運営されている介護事業者の収支差率の低下は、経営努力で何とかなる問題ではない。根本的な経営問題は、公費による手当でしか改善できないのである。

そのことを介護事業関係者自らが訴え続けていくことが重要になってくる。介護報酬の改善努力を他人任せにしないで、自らできることを一人一人の関係者が探して実行していくことで、それは大きな力になっていくということを忘れてはならない。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。



※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

派遣紹介手数料上限設定は愚策


24日に開催された第217回社会保障審議会介護給付費分科会では、人材確保につなげる観点から介護職の追加的な処遇改善の必要性を指摘する声が相次いだ。

歴史的な物価高が続く中、賃上げを求める政府や世論の声が強いこともあって、今年の春闘は平均賃上げ率が30年ぶりの高水準となるなど、様々な企業が基本給を底上げするなどしている。そのことを考えると、介護事業者もそれに後れを取っていては、ますます人材難が拡大しかねないのだから、介護給付費分科会で挙がった声も理解できるというものだ。

しかしそれらの声が諸手を挙げて認められるわけではない。現に経団連委員などは、保険料負担増につながる給付費増は認められないという立場を崩しておらず、「更なる処遇改善の条件」は、「給付の適正化・重点化の徹底」であると指摘している。

つまりサービス種別によっては、報酬ダウンや切り捨てを行いながら、処遇改善の財源をひねり出し、全体としてはプラス改定にさせないことを示唆しているのである。

しかしこれをされると介護事業経営者は困ったことになる。昨今の状況は、物価高を超える給与改善ができないほど、介護事業収支が悪化しているからだ。

特養や通所介護などは、単年度赤字の事業者が5割近くなっている。繰越金を取り崩して経営を続けている事業者にとっては、次期報酬改定で事業収入につながる費用の増額がなければ数年内に事業廃止となりかねないという危機感を持っていることだろう。

それは従業員にとっても望まれない事態だ。処遇改善加算のみ引き上げられたって、一時的に給料が上がったとしても、それを支払ってくれる事業者自体が無くなれば元も子もないわけである。

何より利用者にとってそれは大きな不利益となる。制度あってサービスなしという事態が引き起るからだ・・・。

そうならないように、処遇改善加算だけではなく、事業収入となる費用も含めて大きなプラス改定にしてほしいと思わずにはいられない。

24日の分科会では、次期改正は診療報酬との同時改定となるため、看取りも含めて医療との連携を強化する施策を講じるよう促す意見も多かった。

そうなると看取り介護関連の加算がさらに手厚くされる可能性があるとを視野に入れなければならない。利用者の日常ケアの延長線上に、ごく当たり前に看取り介護があるという意識を強くもって、その実践と実践力の向上に努めてもらいたい。
※本物の看取り介護を実践したい方は、そのための講義を行うので、是非気軽に連絡を入れてほしい。
気になる木
さて介護事業経営に関連しては、「介護職の派遣規制は実現するのか」という記事を書いて、派遣手数料負担が介護事業経営を圧迫していることを指摘した。

これに関連して19日の衆議院・厚生労働委員会で立憲民主党の小川淳也議員が、「紹介手数料の上限規制が必要ではないか」という質問を行った。

派遣手数料に上限規制を求めることは、介護事業者の利益に沿った質問のように感じる人が多いのかもしれないが、僕はそうは思わない。

上限を設けたとしても、本来介護事業として支出されるべき介護給付費が、本来業務とは全く別の手数料として支出されることには変わりない。それは国民の税金と保険料が、派遣会社に中間搾取されているという意味だ。

そこに上限規制を設けるという意味は、上限までならそうした中間搾取を認めるという意味にもなる。それは本末転倒だ。

そもそも手数料の上限を国が設定するということになれば、自由な市場競争の確保と相反する民業価格への国権介入という事態になりかねない。それは避けなければならないことではないのか・・・。

派遣手数料の高騰による介護事業経営への圧迫という問題を解決しようとするなら、人の命や暮らしを護る医療や介護という事業に、果たして派遣という就業形態を認めている現行制度そのものが問題ではないかという観点から論じてもらいたい。

税金や保険料を使って、国民の命や暮らしを護る事業については、事業者が従業員を直接雇用する以外の配置は認めないということになれば、医療・介護に対する派遣業そのものが成立しなくなるので、直接雇用できる人材も増えるということになる。

手数料上限などという中途半端な解決策ではなく、根本的な問題解決につながる法改正を行ってほしいと切に願うものである。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。



※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

介護報酬改定を巡る様々な動き


介護事業者の会計年度は、国のそれに合わせて4月〜3月としているところが多い。

よって3月末までの収支を計算して決算報告書を作成することになる。その作業を4月中に終えて、GW明けから5月中旬ころまでに決算理事会を行うことになる。

ということで5/23となった今日までに決算理事会を終えている事業者が多いことだろう。報告は無事に済んだだろうか・・・。施設長などのトップは、年度末の決算報告書を見るまでもなく、毎月の収支状況を把握しているので、年度末になってから結果がどうなるかと気をもむことはないが、それを理事会に報告するとなると、また違った緊張感があるだろう。

ましてや単年度赤字決算にでもなろうものなら、経営責任が問われかねない。個人商店的な経営母体であっても、単年度赤字を黙って見過ごす理事ばかりではないだろうから、赤字の理由と、今後の黒字転換に向けた経営戦略が問われるところだ。

幸い僕が社会福祉法人の総合施設長を務めている頃に、赤字決算を出したことはない。
タイトルなし
しかし近年の介護報酬改定は、プラス改定であっても、それは従業員に全額手渡せばならない処遇改善加算等がプラスとなっているだけで、介護事業者の収支改善につながる基本サービス費はほとんど上がっていないのだから、事業経営は厳しいものになっていると言える。

特に介護人材不足の影響による人件費関連支出の増加と、この物価高による影響は、介護事業経営には大きなダメージを与えていることだろう。

現に福祉医療機構が4月公表した調査の結果では、昨年度の通所介護の46.5%が赤字経営であるとされている。全国老施協の調査でも特養(従来型)の4割強の施設が赤字であるなど介護事業者は厳しい経営状況に追い込まれているのである。

そうであるがゆえに介護報酬改定の動向に注目さえるところである。

このことに関しては、3/12日に行われた『日本介護経営学会主催シンポジウム』で、厚労省大島事務次官が、「これまでとは根本的な考え方を変えて臨む必要がある。日本ではデフレが長く続いてきたが、物価や賃金が上がるインフレの局面に変わる。これに応じた報酬改定のあり方を新たに組み立てていく」と大幅なプラス改定を示唆するような発言をしている。

介護報酬改定の各論審議の前に、事務次官がこのような積極的発言をした記憶は過去にはない。それだけ異例の発言であると思うが、その背景には岸田首相が企業に対し、物価高以上の賃上げを呼び掛けた際に、「政府としても、公的セクターで働く労働者や政府調達に参加する企業の労働者について、インフレ率を超える賃上げが確保されることを目指す」と公言していることが影響していると思う。

しかし財務省の態度はかたくなだ。

5/11に行われた財政制度分科会では、物価高に対応した報酬アップに難色を示し、財源がないとしてプラス改定に否定的態度を崩していない。

厚労省と財務省の力関係だけ見れば、財務省の圧力に屈しかねないと見通しが暗くなりそうであるが、昨日介護事業者にとっては順風と言える動きがあった。

自民党の社会保障制度調査会・介護委員会が、次期改定時に介護報酬を大幅に引き上げるよう求める要望書をまとめ、厚生労働省へ提出したという報道がされている。

要望書では、「公的価格部門が民間部門と比較して遜色ない賃上げを行うことができ、必要な人材が介護業界できちんと確保できるよう、処遇改善も含めた大幅な引き上げを図ること」と注文を付けている。

政権与党の議員団が出した要望書であるから、それなりの影響力は期待できるのではないだろうか。財務省も全く無視を決め込むわけにはいかないのではないかと思う。

財源をどうするのかという大きな問題を含めて、今後の動きに注目したいところだが、少しだけ希望があるのだから、関係者自身もそれぞれのステージで、報酬引き上げの必要性を訴えるなど、発信力を高めて、自らできることを行ってほしい。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。



※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

次期介護報酬を巡る攻防


5/16に全国老施協や全国老健協など介護関係の11団体()は、物価高に対応する2023年度中の緊急的な財政措置や24年度の介護報酬改定での対応を求める要望書を政府に提出した。
※全国老人福祉施設協議会・全国老人保健施設協会・日本認知症グループホーム協会・日本慢性期医療協会・日本介護福祉士会・日本介護支援専門員協会・日本福祉用具供給協会・全国介護事業者連盟・高齢者住まい事業者団体連合会・全国介護事業者協議会・日本在宅介護協会

要望書では、添えられた資料を根拠として、介護関係団体で緊急に調査したところ23年度の賃上げ率が春闘の賃上げ率を大きく下回っていることや、22年度の離職者は前の年度より増加し他の業種への人材流出が加速しており、『公定価格で経営する介護業界では一般企業と同程度の賃金引上げができず、異業種への人材流出を招いている』と訴えている。

このことは介護の場では切実な問題として実感されていることだ。

介護事業経営概況調査結果によると、物価高の影響を受けていないと思われる令和3年度(2021年度)決算でさえ収支差率は全サービス平均で3.0%しかない。すると令和4年度(2022年度)決算時の収支差率はこれよりかなり下がり、サービス種別によっては単年度赤字のサービスも出てくるだろう。(参照:特養の経営破綻が現実味を帯びてくる収支差率

岸田首相は企業に対し物価高以上の賃上げを呼び掛けているが、賃上げ分を価格転嫁できない介護事業者の収支差率がこの状況では、首相が求める賃上げは不可能だ。そうであれば賃上げを呼び掛けた際に同時に首相は、「政府としても、公的セクターで働く労働者や政府調達に参加する企業の労働者について、インフレ率を超える賃上げが確保されることを目指す」と述べているのだから、公費で経営している介護事業者もそれと同様の措置をとってもらいたい。

介護報酬のアップを求める介護事業者にとって、朗報と言えるニュースも聞こえてきている。3/12に行われた日本介護経営学会主催シンポジウムでは、厚労省の大島事務次官が次期介護報酬改定に触れて、「これまでとは根本的な考え方を変えて臨む必要がある。日本ではデフレが長く続いてきたが、物価や賃金が上がるインフレの局面に変わる。これに応じた報酬改定のあり方を新たに組み立てていく」と発言している。・・・物価高に対応した報酬アップが期待できるかのような発言内容であり、その実現に大いに期待する関係者は多いだろう。

こうした状況を見渡した時、今回の11団体の要望は是非実現してほしいと思う。

しかし財務省はそれらの要望に対して大きな壁となって立ちはだかっている。
財務省の壁
5/11に開催された財政審・財政制度分科会では、現役世代の税や保険料などの負担の軽減につなげるため、医療費・介護費をできるだけ抑制していくことが必要だと主張しており、物価高騰で苦しむ事業者らが求めている診療報酬・介護報酬の引き上げについても、否定的なスタンスを貫いた。

介護報酬のプラス改定などまかりならんという姿勢を強く打ち出しているのである。

介護報酬に関連する財務省の主な提言は以下である。
1.ICT機器の活用を通じた業務負担軽減とあわせて介護施設・通所介護などでの人員配置の効率化を図る
2.居宅介護支援費の同一建物減算新設
3.居宅介護支援費の要介護3〜5の報酬単価を引き下げ、アウトカム評価報酬体系への変更を
4.物価高騰に伴う介護報酬増に難色
5.2割負担の対象者の拡大を直ちに実施

このうち2.については、昨日の記事で論じているので参照いただきたい。

1.についても、報酬削減とリンクした提言だ。それは、『介護の新しい在り方を創造して人員配置を減らしなさい、そのうえで24年の報酬改定では配置人員を削った分の報酬を削減しなさい』という意味でしかない。

基本サービス費を削減したうえで、アウトカム評価を拡充して、国が期待する結果を出した事業所にしか手厚い報酬は渡さないという考えである。

このように財務省の姿勢は厳しい。

そうした姿勢や理不尽な提言に対して、介護事業者としてきちんと異議を唱える運動を起こさないと、厳しい報酬改定につながりかねない。関係者の皆さん、頑張ってください。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。



※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

居宅介護支援費にも同一建物減算という提言は乱暴すぎる


先週11日に開かれた財政制度等審議会・財政制度分科会において財務省は、次期介護報酬改定時に居宅介護支援費にも同一建物減算を適用するように提言した。

この提言の背景には、サービス付き高齢者向け住宅で暮らす利用者に対するサービスの適正化が必要であるとの認識がある。

サ高住の入居条件として、併設居宅ケアマネに担当を替ることを強制しているサ高住があり、併設サ高住以外の外部の利用者と居宅介護支援契約を結ばないことを原則としている悪質な居宅介護支援事業所もあることを問題視して、同一建物減算によってそのような扱いを防ごうとするものである。

しかしそれはあまりにも乱暴すぎる提言である。
沈む太陽
サ高住の利用者の計画担当居宅介護支援事業所が偏る理由の中には、対応の評判がよく、利用者の口コミで特定事業所が選ばれているケースもあるのだ。何もサ高住併設の関連事業所だけが選ばれているとは限らない。

また限度額いっぱいのプランの批判についても、本当にそれが不適切プランなのかを検証せねばならない。サ高住自体には介護機能はないのだから、中重度者がサ高住で暮らし続けようとすれば自ずと毎日の訪問介護利用等が必要になり、区分支給限度額を最大限使ったサービスプランが必要になるケースは少なくないからだ。

そもそも同一建物減算の主旨と、サ高住のプランの適正化問題をごっちゃにして考えてはならないと思う。

今さら言うまでもなく同一建物減算とは、訪問系サービスや通所系サービスに横断的に適用されている減算である。

訪問系サービスの場合は、同一建物に一定人数の利用者がいる場合、一度の訪問でサービス提供できるため、地域に点在している利用者の居宅を訪問する場合と比べて移動に係る労力や時間が軽減できるという理由があり、減算理由も理解できる。

通所系サービスの場合は、事業所と同一建物等に居住する利用者にサービスを提供した場合や、事業所と同一建物から事業所に通う者にサービスを提供した場合に適用される減算だから、送迎の手間や時間がかからないという意味で、その減算理由も理解できる。

つまりこの減算は、利用者が一定の建物に集中していたり、サービス提供場所と同じ空間に居住していることで、移動や集合の手間や時間が削減できることから、それに見合った費用とするという意味である。

しかし居宅介護支援はそれらのサービスとは異なり、減算される合理的理由は見当たらない。

なぜなら居宅介護支援は、利用者宅で完結されるサービスではないし、一定場所でサービス提供して終わるものでもないからだ。

居宅介護支援費とは、居宅サービス計画の作成を含めた一連のケアマネジメントに対する対価である。サ高住利用者全員に一度の訪問でモニタリングは可能となるが、その他のサービス調整やプラン作成などは、地域に点在している利用者と変わらない労力が必要とされるのだ。

そもそもサ高住の利用者に対するプラン適正化は、2021年10月から、市町村が定める基準を上回ったケアプランが検証される仕組みが導入されている。

それが機能していない点が一番の問題である。その理由は、「居宅介護支援事業所にフィードバック等を行っても、改善すべき課題のネックが住まい運営事務所との関係でもあるなどの理由から改善が進まない」というものなのだから、ケアプランの是正を義務付けたり、そこで不適切とされたプランを減算するルールを考えていくことがまず先だろう。

同一建物減算は本来、業務コストがかからないことを理由にしたコスパ減算である。それはケアプラン適正化とは異なる趣旨のものだという原点に還って考えるべきではないか。

ということで、財務省の居宅介護支援費への同一建物減算適用提言は、あまりに短絡的で乱暴すぎると思わずにいられないため、僕は反対の立場をとりたい。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。



※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

介護と医療の整合性を図る改定への要望


2024年の報酬改定は、介護・診療・障がいのトリプル改定です。そうであるがゆえに3者の整合性を取るためのルール変更が可能となります。

特に高齢化などで看取りも含む医療ニーズが一段と高まっている現状があり、令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会(第2回)資料では、特養や老健・介護付きホーム・グループホームといったタイプごとの特性の違いや、人員配置などの環境がそれぞれ異なることも考慮しつつ、現場の実情に合った有効な手を打つことが大きな課題であると指摘されています。

この課題を克服するために、介護施設の医療サービスを、介護施設の中だけで完結させなければならないという現行ルールを見直し、外部の医療機関の適切な介入ができるようにする見直しが検討されます。

その為今回はオンライン診療の解禁がメインテーマとなってきます。
桜並木を走る列車
特養の利用者は、施設所属医師の診療を基本としています。そこで行った診療棟については、医師の所属する医療機関が外来扱いで診療報酬を算定できることになっていますが、施設所属医師の専門外に渡る行為以外は原則、外部の医師が診療できない規定があります。

しかし多くの特養では医師は嘱託配置であり、常駐しているわけではありません。その為、施設所属医師が駆けつけて診療できないケースも多々あります。

これらの問題を解決するために、オンライン診療を広く認めることが検討されます。その段階では当然のことながら、施設医師以外の外部の医師によるオンライン診療も広く認めることができないのかという検討もされるでしょう。僕は是非、外部医師のオンライン診療も認めてほしいと思います。

また在宅復帰支援施設である老健については、在宅復帰後、老健医師が継続して診療に関われるようなオンライン対応が検討される可能性があります。

マルメ報酬(介護報酬に老健での診療費などが含まれているという意味)の範囲も検討しなおされ、老健で処方して別に診療報酬を算定できる薬剤の見直しなどにも議論が及ぶかもしれません。ここは注目しておきたいところです。

どちらにしても医政局通知「特別養護老人ホーム等の療養の給付について」は、診療・介護・障がいの3種類のサービスにまたがる通知ですから、この内容も精査して、診療報酬と介護報酬等の算定ルールの整合性を取る良い機会です。

僕自身は是非この機会に見直してほしいと思うルールがあります。それは特養での診療報酬のルールです。

特養は施設サービスですから、居宅サービスに分類されている訪問診療と訪問看護は原則使えません。

しかし特例として訪問看護の場合は、「末期の悪性腫瘍であるもの」については医療訪問看護を利用し診療報酬を算定できることになっています。・・・これは良いのですが、問題は訪問診療です。

訪問診療の場合は、下記のいずれかが特例として診療報酬を算定できるとされています。
ア. 当該患者が末期の悪性腫瘍である場合
イ. 当該患者を当該特別養護老人ホーム(看取り介護加算の施設基準に適合しているものに限る。)において看取った場合(在宅療養支援診療所、在宅療養支援病院又は当該特別養護老人ホームの協力医療機関の医師により、死亡日から遡って30日間に行われたものに限る。)


このうちの「死亡日から遡って30日間に行われたものに限る。」がネックになって、末期がん以外の看取り介護対象者に訪問診療は実質利用できないのです。

なぜなら余命診断は完ぺきなものではないからです。例えば老衰で看取り介護対象となっている方が、余命2週間という診断であったとします。そこで訪問診療を導入した場合であっても、予想外に延命でき、訪問診療導入から40日後に死亡した場合は、死亡日から遡って30日間を超えて行った訪問診療は請求不可能になり、訪問医師はただ働きとなってしまうからです。

こうしたことがないようにするために、この30日規定については見直しをしてほしいと思います。その際には、看取り介護は余命6カ月以内の見込みの者に対する介護であるという、終末期診断を厳格にすることを条件にしても良いと思います。

そもそも看取り介護算定最長期間が既に30日から45日に変更になているのですから、少なくともこの規定も45日とすべきではないでしょうか・・・。

24年度のトリプル改定では、こうした議論が進められることを期待したいと思います。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。



※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

処遇改善加算はどう変わるのか


厚労省は1日、介護職員処遇改善加算特定処遇改善加算ベースアップ支援加算の計画書・実績報告書の新様式を公表した。

昨年10月にベースアップ支援補助金が加算に変更されたことによって、介護職員等の処遇改善に関わる加算は3種類となり、ますます複雑な構造になると同時に、その算定に関する申請・報告等の事務作業が煩雑すぎると介護事業者から悲鳴が上がっていた。

今回この事務作業の負担軽減・簡素化を狙って計画・実績報告の様式を変更したものだ。

新様式の計画書では、前年度との賃金額比較が省略されている。今年度の賃上げ見込み額が、3種類の加算それぞれの見込み額を上回ることを確認するのみでよくなっているため、この部分では事務作業の軽減が期待できる。

実績報告書についても、前年度との比較は加算ごとではなく、3種類の加算一体での計算とするように変えられている。具体的には、「今年度の賃金総額」から「3加算による賃上げ額の合計」を引いた額を前年度と比べ、加算以外の部分で賃金を下げていないことを確認するだけなので、ここでも事務作業は軽減される。

また複数の事業所を運営する法人の場合、計画書と実績報告書はともに、賃金総額や賃上げ額などの事業所ごとの記載を不要とし、法人単位での確認と変更されている。これも事務処理軽減につながるだろう。

このように計画書・実績報告書の作成事務自体は、従前より軽減されているように思え、介護事業者にとって歓迎すべき方向であるといえる。

この新様式に対応するため、来年度の計画書の提出期限は4月15日まで延長されている。
※実績報告書は各事業年度における最終の加算の支払いがあった月の翌々月の末日までで、従前と変更はない。

ところでこの3種類の処遇改善加算については、2024年度介護報酬改定時に統合・一本化が図られる予定である。
(※処遇改善加算等の取得要件である職場環境等の要件について、生産性の観点から見直しを検討するともされている。)

しかし配分ルールが異なる3種類の処遇改善加算を一つにまとめる作業は、決して簡単ではない。

現在、加算配分されている職種の中で、新加算になった後に配分される金額が上がったり、逆に下がったりということが起きて、利益を受ける人がいる反面、不利益を受ける人も出てくるだろう。
カイゴと働くを考えるフォーラムin北海道
※画像は4日に行われた、「カイゴと働くを考えるフォーラムin北海道」の会場に集まってくれた仲間との集合写真。地域で活躍されている達人ケアマネと呼んでよい方が多数含まれている。これらの人たちが新処遇改善加算の恩恵が受けられる改善であってほしい。

さすれば今後の変更は統合・一本化ではなく、現行の処遇改善関連加算が廃止され、新たな処遇改善加算が新設されると考えた方が良い。そのうえで新ルールに基づいて、従業員の皆様には配分を見直すことになるので、その恩恵を受ける人と、不利益を被る人に分かれることを今のうちから説明しておくことで、混乱と不満は最低限に収まるのではないだろうか・・・。

その時に一番恩恵を受けるのは誰だろうか・・・。その答えは、「介護保険制度の見直しに関する意見」(令和4年12月20日・社会保障審議会介護保険部会)の(1)総合的な介護人材確保対策の23頁にある。

そこでは、「他業種や外国人材といった多様な人材が参入する中、多様化・複雑化する介護ニーズに対応するためには、介護福祉士を介護職グループをマネジメントするリーダー的存在として育成するため、介護福祉士個人の専門性を評価する仕組みなど職場におけるキャリアアップや処遇の改善につながる仕組みを検討することが重要である。」と書かれており、介護福祉士有資格者に加算配分が手厚くされる可能性を示唆している。

また2/21にアップした、「ケアマネ待遇改善が明記された厚労省資料」で指摘したように、ポスト 2025 年の医療・介護提供体制の姿(案)の7頁に、「ケアマネジャーの待遇改善」が明記されていることから、今まで処遇改善加算配分の蚊帳の外に置かれていた居宅介護支援事業所の介護支援専門員への配分も可とされると予測する。

そして岸田政権の政策を考えたときに、新たな処遇改善加算は、現在の3本の加算を合計した加算率よりさらに高くなる可能性が高いと思う。

以上が現時点での僕の予測である。皆さんの予測はどうだろうか・・・。
※菊地雅洋にインタビュー!「これからの地域包括ケアシステム後編その2」(最終回)。地域包括ケアシステムを担う訪問介護から小規模多機能、福祉用具、新複合型サービスまで幅広く各事業について語りました。リスクマネジメントに有効にも拘わらず、まだ整備できていない施設が多いというマストアイテムとは?下記参照ください。

登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

新複合型サービスの姿を予測する


看護小規模多機能型サービスは、2012年から2015年まで「複合型サービス」と呼ばれていた。

それが看護小規模多機能型居宅介護と名称変更された以後は、複合型サービスと呼ばれるサービス種別は介護保険制度上にはなくなっているわけだが、2024年度からその名称のサービスが復活することになりそうだ。

そのことは、介護保険制度の見直しに関する意見(令和4年12月20日・社会保障審議会介護保険部会)の6頁に以下のように記されている。

○ 単身・独居や高齢者のみの世帯の増加、介護ニーズが急増する大都市部の状況等を踏まえ、柔軟なサービス提供によるケアの質の向上や、家族負担の軽減に資するよう、地域の実情に合わせて、既存資源等を活用した複合的な在宅サービスの整備を進めていくことが重要である。
○ その際、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、(看護)小規模多機能型居宅介護の更なる普及に加え、例えば、特に都市部における居宅要介護者の様々な介護ニーズに柔軟に対応できるよう、複数の在宅サービス(訪問や通所系サービスなど)を組み合わせて提供する
複合型サービスの類型などを設けることも検討することが適当である。

かつてあった別サービスの名称をそのまま新サービスに当てはめるのは、混乱を呼ぶものとしか思えず、正式にサービスが創設された際には、名称も別にするように工夫してほしい。本記事では混乱を防ぐために、新サービスを新複合型サービスと表記することにしたい。

昨年11月の介護保険部会に厚労省が唐突にこの案を示した際の説明を読むと、そのモデルは通所サービス事業所から訪問サービスを行ったコロナ特例であることは間違いのないところだ。

コロナ特例の場合は、通所サービス事業が休止されたケースで、自宅待機していた利用者に対する訪問サービスであったり、感染を恐れるなどの理由で自らの意思で通所サービス利用を休んでいる利用者に対し、自宅訪問してサービスを提供するというものであった。

新複合サービスも、通所サービスを利用している人について、随時訪問を組み合わせてサービス提供できるものである。

例えばリハビリテーションに特化した短時間デイサービスを利用している人は、通所介護事業所で昼食などの食事サービスや入浴サービスを受けることなく帰宅する人が多い。それらの人に対し、帰宅後の自宅で、食事提供や入浴支援といったサービスを、通所介護事業所職員が訪問して行うこともできるとされている。
福寿草
こうしたサービスを新設する理由は、訪問介護員の不足と高齢化が顕著で、近い将来、訪問介護サービスが提供できなくなる地域が出現することが確実になっているからだろう。そのため訪問介護に代わる新たなサービスの必要性が高まっているのだ。

そうであれば訪問介護員のなり手がなかなか見つからない理由の一つが、初任者研修等の受講によって訪問介護員となる資格を得なければならないというものなのだから、新複合型サービスの訪問担当者は、無資格で可とされるだろうと予測する。

また新複合型サービスと、小規模多機能型サービスの違いは何かということになると、小規模多機能型居宅介護が思ったように普及しない理由が、居宅介護支援事業所のケアマネジャーの担当から外れてしまうということなので、そうならないように差別化するという意味だと思う。

つまり新複合サービスは、居宅サービス計画書に位置付けるサービスとし、居宅介護支援事業所の所管から外れることなく利用できるサービスとするのではないかと思う。新複合型サービス事業所に、介護支援専門員配置は必要としないという意味だ。

ただしこれらはすべて予測でしかなく、新複合型サービスの全体像は、今年の年末に明らかにされるまで謎のままである部分が多い。

例えば新複合サービスは地域密着型サービスに分類されると書いたが、そうなると都道府県指定の通所介護事業所は、このサービスを提供できないのかという疑問がわく。それとも通所介護部分は都道府県指定事業のまま、訪問を組み合わせた部分のみ地域密着型の指定を受けるのだろうか・・・?疑問は尽きない。

どちらにしても国主導で創設される新複合型−ビスなのだから、このサービスの普及を図るため2024年〜の3年間の新複合型サービスの報酬単価は高めに設定されることが予測される。

そのためこのサービスの全体像をいち早くとらえるために、発信される情報に素早くアンテナを張り、できるだけ2024年当初から、新複合型サービスに参入することを目指したいものである。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

首相発言を実現するために求められる臨時報酬改定


昨日(1/4)、岸田文雄首相が年頭記者会見を行った。

その中で成長と分配の好循環を実現するため、今年の春闘で「ンフレ率を超える賃上げの実現をお願いしたい」と述べている。

物価高以上の賃金アップを企業に呼び掛けたわけである。

あわせて、「政府としても、公的セクターで働く労働者や政府調達に参加する企業の労働者について、インフレ率を超える賃上げが確保されることを目指す」と明言した。

政府が直接支払う給与を受け取っている人々には、責任もって物価高以上の水準の賃上げを図るということだ。

それは良いとして、公費運営されている介護事業者の職員賃金への配慮はないのだろうか?

昨今の物価高は、介護事業者の経営を直撃している。特に水道光熱費の値上がりが大きく、前年同期比で2割以上増加した法人が多いという調査結果も示されている。加えてガソリン代や保健衛生費の支出も大きくなっている。

これらの値上がりの影響で、給食委託業者への委託費も新年度から大幅にアップせざるを得ない法人も多いことだろう。

公費運営している介護事業者は、この値上がり分がどこからも手当されない現状で、その負担に耐えられるのだろうか?
タイトルなし
令和2年度の介護経営実態調査結果をみると、全サービス平均の収支差率2.4%しかないわけである。

かつてのように10%を超える収支差率を出している事業はない状況で、物価高が現在進行形である。すると諸費用支出の増加分が収益をすべて呑み込んで、収支差率マイナスという介護事業者が増えることが予測される。

そのような状況では定期昇給原資も確保できず、物価高以上の賃上げなどできるはずがない。

岸田首相は、「公的セクターで働く労働者も、物価高以上の賃金アップを行う」と言っているのだから、公費運営されている介護事業者の職員も、「公的セクターで働く労働者」に準ずる者であるとして、物価高以上の賃上げを実現するための臨時の報酬改定が必要ではないのだろうか。

この4月にそれが実現されるように、今から準備を進めてほしい。

介護関係の職能団体も、力を合わせてこのことを国に訴える必要があると思う。(※既に意見書を挙げている団体があることは承知のうえである。

臨時報酬改定が行われないのであれば、介護事業者において物価高以上の賃上げは、極めて難しい状況であると言えるだろう。

さて話は変わるが、「弁護士 外岡 潤が教える介護トラブル解決チャンネル」に、僕のインタビュー第2弾動画が昨日アップされた。

インタビュー2は、『建前化する「利用者本位」・ユニットケアの本来の意味・ACPの切り札となる○○』である。約20分の動画となっているので、是非ご覧になっていただきたい。

登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

加算算定状況から見えるもの


来週月曜日(7/4)に、佐賀県老施協・デイサービス委員会主催研修として、「選ばれる通所介護事業所の条件」をテーマにしたオンライン講演を配信する予定になっている。

そのため先週末は、この講演スライドを作成するために最後の追い込みにかかって、日曜までに仕上げた。

佐賀県の老施協会員の皆様に新たな気づきを与えることができ、今後の通所介護の運営に役立つ情報を伝えたいと思う。そして講演を聴いてくださる人に、人の暮らしを支える職業だと言える、「介護事業」に携わることの誇り、この職業の尊さや使命についても併せて伝えることもできればうれしいのだが・・・。それができるかどうかは、僕次第だから頑張ろう。
佐賀講演スライド
講演主催者からは、「BPCの策定や加算の取り方について、わかりやすく解説してほしい。」という要望を頂いているので、それに沿った内容にするように心がけた。

BPC(業務継続計画)については、通所サービスであるがゆえに策定しておくべきなのに、意外と策定漏れしている内容等についても触れ、どのように作成すべきかをイメージできるようにしたいと思う。

加算については、一番わかりにくいADL維持等加算の算定要件の解説について、かなり詳しく行おうと思う。この加算は2020年度より単位数が10倍になったことで、算定意欲がわく加算となり、事実算定率も1%台(2020年度)〜25%(本年4月)と増えているが、算定要件が複雑で算定をためらっている事業所もある。

しかし要件を整理して理解すれば、意外と難しくはない。評価期間の12カ月で対象者の平均ADL利得が1以上になれば、翌年1年間の利用者全員に算定できる加算であり、ハードルもさほど高くないので、もっと算定事業所は増えてよいと思う。今回の講義をきっかけにして、さらに算定事業所数が増えることを期待したい。

他の加算については、新要件となって1年以上経過しているので、今更詳しく算定要件を解説する必要がない加算も多いと思う。

例えば、個別機能訓練加算気鉢は、実施要件は統一され、機能訓練指導員の配置状況のみで区分が異なるなんてことは今更のことだろう。

しかし加算に必要な新しい個別機能訓練計画書には、新項目として何が何のために加わったのかなどの解説は、今後の通所介護の機能訓練の在り方を考えるうえでも必要だと思い、ここは組み入れるようにした。

入浴介助加算も、自宅を訪問して浴室環境をアセスメントしたうえで、自宅での入浴実施を目指す兇新設されたことも、解説が必要ない要件だと思う。

ところで入浴介助加算については、4月時点で算定率が10%程度とのことだ。「厚顔無恥(こうがんむち)のケアマネと呼ばれないように・・・。」で指摘したように、この加算に関しては、計画担当ケアマネジャーの拒否感も強いようだが、事業者と利用者間で算定同意が得られれば、ケアマネジャーの同意を得る必要がない加算である。

しかしその加算の算定率があまりにも低いという現状は、そもそもこの加算が利用者の立場から見れば、「余計なお世話加算」であるという意味だ。

介護状態区分が低い人は、自宅でも自力で入浴しているし、状態区分の高い人は、自宅で入浴しなくて済むように通所介護に通っている人が多いのである。ひとり暮らしの要介護者は、自分だけのために浴槽にお湯を張って入浴し、入浴後に浴室清掃を行うという手間を掛けたくないために、通所介護に通う日に入浴を済まそうとする人も多い。

そうした諸々の事情で、わざわざ自宅の浴室環境をアセスメントを行ってもらう必要性を感じていないし、それによって自己負担額もわずかとはいえ、増えるのを嫌う傾向が強いのだろう。

さすれば入浴介助加算の算定率は、1割前後の低空飛行が続くものと思われる。

この結果は国が考える、「自立支援介護」もしくは「科学的介護」がいかに利用者ニーズとかけ離れたものであるかを証明しているように思う。・・・それでもLIFEへの情報提供とフィードバックのPDCA活用という義務を介護事業者に与え、国が考える科学的介護への誘導という形は、今後ますます進められていくのだろう。

それにしても科学的介護体制推進加算の算定率が低すぎることを指摘しておきたい。

4月時点で全国の7割を超える通所介護事業所がLIFE登録を終えているのに、科学的介護体制推進加算の算定率は49.2%でしかない。

この加算は、6カ月に一度利用者情報をLIFEに送り、フィードバックのPDCA活用をしておれば算定できる、「算定しやすい加算」である。LIFEに登録しているのに、本加算を算定しない事業所が2割以上あるのはおかしいのだ。

このことは同加算がある他のサービス種別でも言えることである。

フィードバックのPDCA活用が難しと考えている人は、明日6/28更新記事で、それは決して難しくないことを解説するので、そちらを参照してほしい。

どちらにしても介護報酬加算の流れは、体制加算実施していることの評価アウトカム評価アウトカムの細分化に向かい、科学的介護の実現をより評価する流れになっていることを理解してほしい。

そうであれば科学的介護推進体制加算を算定しない事業所は経営危機に陥りかねない。ここを十分理解したうえで、この加算の算定に努めてもらいたいと思う。

また4日(月)の講演では、「介護職員等ベースアップ等支援加算」についての最新情報もお届けする予定だ。

補助金から加算に変更になる際の注意点などについても、しっかり伝えるのでよろしくお願いします。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

骨太の方針2022紛糾後の顛末と介護報酬への影響


今週初めに書いた、「骨太改革2022に盛られた毒と次期介護報酬の動向」でお知らせした、骨太の方針2022を巡る紛糾は、今週に入って何とか収まった。

月曜日の情報提供記事を書いただけで、その後の顛末を書かないのは、書きっぱなしの誹りを免れないと思うので、今日現在までの流れや、今後の情勢予測などについて簡単にお知らせしておこうと思う。

月曜日に、「骨太改革2022に盛られた毒と次期介護報酬の動向」という記事を書いたわけであるが、その直後に自民党の政務調査会が開催され、骨太の方針2022は、先週に示された文章の一部が修正されたうえで全体会の同意を得た。

その後、内閣に送られ7日夕刻に正式に閣議決定された。

決定された骨太の方針2022では、紛糾のもととなった、「〜骨太の方針2021に基づき〜」という文言はそのまま残されており、予算キャップははめられたままである。

しかし、「ただし重要な政策の選択肢を狭めるようなことがあってはならない」という文章が新たに加えられているのだ。

これによって予算キャップははめられているものの、そのキャップは臨機応変に外すことができるとされたわけで、財政積極派の意見が取り入れられたことになる。これによって紛糾は収まったのである。

ただし一言加えておくと、自民党の政務調査会で同意を得た骨太の方針2022には、脚注が付けられており、その内容は財政出動には増税が不可欠であると読める内容であった。

この脚注を巡って、財政積極派からけしからんとする意見が出て、財務省がこれに反発し、再度紛糾しかけたそうである。

最終的にその脚注の扱いは政調会長預かりとなり、その場を収めたのである。その後どうなったかというと、高市早苗政調会長の裁量で、最終的にこの脚注は骨太の方針2022から削除されている。

財政積極派からは英断という声が聴こえてくる決断である。

よって閣議決定された骨太の方針2022には、財務省の増税誘導文章は載せられていないのである。この攻防においては、財務省は惨敗したということになるだろう。・・・ただ財務省が敗者のまま、黙っておとなしく身を引くとは思えない。

怒り心頭の財務省の復讐戦がこれから始まって、その反撃の矛先は真っ先に高市早苗政調会長に向けられ、更迭せよという動きも出てくることが予測される。

高市会長は、言うまでもなく安部前首相の懐刀で、現在も前首相の影響力が強い理由の一つは、彼女の地位と存在にある。

参院選後に党三役の交代論が必ず出てくると思うが、その時に高市氏の処遇がどうなるかで、今後の内閣の姿勢が垣間見えるので注目の的だ。

そうした動きはともかくとして、財務省の今後のしっぺ返しが、介護・診療報酬改定に向かないとも限らないので、警戒が必要である。
イメージ5
加えられた文言を改めて見てみよう。「ただし重要な政策の選択肢を狭めるようなことがあってはならない」となっている。

おそらく、「重要な政策」とは防衛費が一番先に位置づけられると思われるが、岸田内閣が唱える新資本主義としての経済対策も、ここに含まれてくる可能性がある。

間違いなく介護は、ここに含まれてこない。というよりそもそも例外的な財政出動がされるのは、非社会保障費であって、社会保障費は、「高齢化の事前増分の増加にとどめる」というキャップがはまっていて、それを取り外す例外も認められていないのである。

そのような情勢の中で、骨太の方針2022には、「必要な人材が確保されることを目指し、現場で働く方々の更なる処遇改善に取り組んでいく」と明記されていることから、次期介護報酬改定での処遇改善加算の上積みは確実だと思われる。

一方政府の説明では、「給付は高齢者中心、負担は現役世代中心というこれまでの構造を見直し、能力に応じて皆が支え合うことを基本とする」としているので、利用者自己負担の2割・3割対象の拡大は確実視され、さらに給付抑制の観点から基本報酬はマイナス改定もあり得る状況である。月曜の記事に書いたように、後期高齢者医療制度の負担段階に合わせて変更する案が有力だ。

そうなると処遇改善加算を除いた改定率は、2015年度のマイナス2.27%並みかそれ以上の厳しい改定予測が成り立つ。処遇改善加算のアップ分を含めて、マイナス改定を最小限に抑えたというアリバイづくりが行われる懸念がぬぐえない。

そうならないように、介護業界は次の参院選で推薦候補を確実に当選させるとともに、政治的な勢力を拡大する取り込みにも力を入れていかねばならない。

経営面では、マイナス改定にも備えた準備が必要だ。

居宅サービスは、顧客確保を確実に行って事業規模の拡大を視野に入れねばならない。地域密着型通所介護の単独運営だけで、何年も続けて事業継続できるわけがないと考えるべきだ。

施設サービスはベッド稼働率をできるだけ100%に近づけていく努力が必要だ。特にショートステイは、午前退所・午後入所などという形で1ベッドで1日につき二人分の給付費を算定できるのだから、そうしたサイクルでサービス提供できるようにしていかねばならない。

厳しい情勢の中であるからこそ、知恵を酷使した事業戦略が必要になることを忘れてはならない。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

骨太改革2022に盛られた毒と次期介護報酬の動向


6/3(金)の午後に行われた自民党の政務調査会(会長は高市早苗衆議院議員)は、5/31に示された、「経済財政運営と改革の基本方針骨太の方針)」の原案を承認し、政府内閣に送るための通過儀礼ともいえる会合だった。

ところがその場が大荒れとなり、結局結論が出されないまま先送りされた。何が問題となったのだろう。そこを解説したい。

2018年以降の骨太の方針では、「2025年度のプライマリーバラン黒字」が最大の目標として掲げられ、そのために社会保障関係費を高齢化による増加分におさめ、さらに非社会保障関係費3年間で0.1兆円程度とするという、『予算キャップ制』が大方針として取られてきたわけである。

よって2019年度〜2021年度までは、このキャップがはめられて予算編成がされていた。そして実績ベースではその通りに予算出動されて、非社会保障費は年間3百数十億円ずつしか増加させてこなかった。つまり予算キャップは、決して外されることはなかったのだ。

ところが骨太の方針2022の原案作りの過程では、コロナ禍による経済停滞等の影響を受け、この予算キャップを外すべきだという意見が強く推し出された。

そして、「経済あっての財政」という財政積極派の意見が通り、財務省がその意見に屈した形で、「2025年度のプライマリーバラン黒字」という考え方が盛り込まれなかったのである。

つまり社会保障費は自然増分に納めるけれど、「非社会保障費は年間3百数十億円ベースの予算組み」という枠ははめないという意味である。

ところが財務省はこれに屈せず、骨太の方針2022の中に秘かに毒を盛っていたことが政調会の中で明らかになった。それが大紛糾の原因である。

その毒とは、骨太の方針2022・第5章、「当面の経済・財政運営と令和5年度予算編成に向けた考え方」の2-である。

ここでは、「令和5年度予算において本方針及び骨太方針2021に基づき、経済財政一体改革を着実に推進する」と書かれていたのである。

これについて若手議員から、「骨太方針2021に基づき、経済財政一体改革を着実に推進するということは、『予算キャップ制』という意味で、既に予算の上限をはめているという意味ではないか』という質問が出された。

その質問に対しての回答は、予算キャップ制は外されていないということを認めるものだった。

これに対し積極財政派の議員から猛反発の声が挙がったのである。特に財政再建派との調整を重ね、譲歩を重ねてきた調整役ともいえる西田昌司政調会長代理(参議院議員)の怒りはすさまじいものだったと言われている。

今年度予算組では、『予算キャップ』をはめないということで事前調整でいったん着地させたのに、財務官僚が原案文章作りの段階で、「仕掛け」を組み入れてきたという怒りであり、なおかつそれに迎合する財政再建派の一部議員(※多分、稲田朋美議員を指していると推察する)の度重なる財務省寄りの発言に対しての怒りである。

ということで3日は結論が出されなかった。そういう意味で今週の自民党・政調会が大注目だ。財政民主主義の立場で言えば、政治家がその責任においてしっかりその内容を決めておくのが本来だから、財務省の仕掛けを外して、予算キャップをはめない予算組の方針が示されるのか・・・。

ただしそうなったとしても、非社会保障関係費の予算出動を拡大するという意味でしかなく、社会保障費は、「高齢化の自然増分におさめる」という方針はそのまま引き継がれる。よって介護報酬改定は厳しい予測にならざるを得ない。

5/25にまとめられた財政審の提言では、「介護保険の利用者負担を原則2割とすること、2割負担の対象範囲の拡大を図ること、現役並み所得(3割負担)の判断基準を見直すこと」を要請している。居宅介護支援のケアマネジメントの10割給付をやめることも求め、「利用者負担の導入は当然」と踏み込んでいるので、これらが議論の俎上にのぼることは間違いない。

利用者自己負担については、いきなり2割負担が原則とされることはないが、後期高齢者医療制度並みの所得割合とする議論が行われるだろう。(※下記図参照
介護保険と後期高齢者医療制度の負担段階の所得
このように、後期高齢者医療制度の2割負担対象者は、介護保険の2割対象者より年間所得が80万円低い層で区切られているのだ。

そのためこの基準を介護保険も後期高齢者医療制度並みに均すことで、3割負担の基準も同じように変更する議論が行われるのではないだろうか。この場合、介護保険の3割負担の対象者は、現行より43万円所得の高い人が対象とされるために、3割負担の一部の対象者が2割負担と負担軽減されることになるが、2割負担者をその分増やすことで財政的な問題はクリアできるとされるのである。

このように2割負担の対象拡大を2024年度から行ったうえで、将来的に2割負担をスタンダードにすることが模索されるだろう。

どちらにしても国民の痛みはさらに増すことは間違いないところだ。・・・ということで、政治家の痛みが全く検討されない場所で、このように改正議論が進むわけである。

だからこの議論は、参議院議員選挙前には出てこないのだろう。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

逓減性緩和を活用しない居宅介護支援を国は認めるのか・・・。


無料でオンライン配信する「(株)トータルブレインケア主催・認知症専門講座」・「認知症の理解〜認知症の人と共に生きる地域づくりのために」は、いよいよ明後日()午後2時〜に迫っています。

当日は13:50より入室可能となります。講演は15:30までの予定となっていますが、その後質疑応答の時間も設けており、チャットでの質問も受け付けます。

まだお申し込みがお済みでない方は、こちらからお申し込みください。皆さんの介護事業の経営と運営において、今後役立つ情報をわかりやすく伝えますので、この機会に是非ご視聴をお願いいたします。

さて話は替って、本日の本題に移ります。

昨年度から居宅介護支援費は逓減性が緩和されて、40件以上から減算対象となっていたものを、ICTを活用したり事務員を別に配置した場合には、45件以上から適用するようにしました。

この逓減性緩和を利用することによって、居宅介護支援事業所は月額で61.210円〜79.650円(僕個人の計算)の増収が可能となり、これを居宅ケアマネの給与改善に回して待遇改善につなげることも期待されていました。(参照:経費をかけずに逓減性緩和適用し給与アップを・・・。

しかし23日に公表された、厚労省がシンクタンクに委託調査した結果によると、居宅介護支援の逓減制緩和の適用は、わずか9.1%に留まっていることが分かりました。つまり9割を超える居宅介護支援事業所は、この緩和策を活用した収益増加策をとっていないという意味になります。

その主たる理由は下記の通りです。
※居宅介護支援費の低減性緩和を活用しない理由の上位5位。
逓減制の適用緩和の届出をしていない理由上位5番
ICTを活用できる体制が整っていないという理由で、逓減性緩和を活用できないという事業所が多いことに驚かされるとともに、それは極めて残念なことに思えます。なぜなら緩和要件はそれほど高いハードルではないと思うからです。

ICT活用については、老企第36号解釈通知が例示していますが、その内容は次の通りです。
・ 当該事業所内外や利用者の情報を共有できるチャット機能のアプリケーションを備えたスマートフォン
・ 訪問記録を随時記載できる機能(音声入力も可)のソフトウエアを組み込んだタブレット等とする。


ICT活用が、要介護高齢者である利用者との双方向のコミュニケーションを意味するならば、それは相手の事情も関係してくる問題で、高いハードルと言えましょう。しかし解釈通知が示している内容とは、居宅ケアマネ自身がスマホやタブレットを使いこなせばよいという内容でしかなく、体制を組むことが困難になるような問題ではないと思います。

しかも老企36号の例示した業務対応ができれば、複数の利用者宅を訪問する際に、すべての情報を紙ベースで持参する必要がなくなるし、移動中の車をどこかに駐車し、スマホやタブレットを利用して車内からの通信で、サービス担当者会議を実施することも可能となります。こうした形でケアマネ業務の効率化が図れるのです。

そのためより少ない時間で、現在と同様の業務がこなせることになるのは間違いありません。

そういう意味では、「ICTを活用する予算が確保できない」という理由も情けなく聞こえます。たかがタブレットやスマホを購入する費用をケチってどうするのだと言いたいです。そこに掛ける費用とは、ケアマネの業務負担を軽減しながら収益を増加するための、今後の投資と考えれば安いものです。せこいこと言ってるんじゃないと言いたくなります。

ケアマネジメントの質の低下を懸念して、担当利用者を増やすことをためらう理由には、やむを得ないとうなづく人も少なくはないと思います。

しかし施設ケアマネとして、一人で100人の施設サービス計画書を作成担当していた僕としては、それもどうかなと首をかしげます。

介護保険制度開始直後は、居宅介護支援事業所のケアマネ一人の標準件数は50人とされていましたので、多くの居宅ケアマネが、普通に50人の計画担当をしていた状態を知る身としても、随分のんきなことを言っているなという感想を持ってしまいました・・・。

そもそもそのような理屈で担当者を増やさない居宅ケアマネの現状を知って、厚労省が気の毒に思って、担当件数を増やさなくとも収益が上がってケアマネの給料が上がるように、次の報酬改定で優遇策を取ってくれるとでも思っているのでしょうか。

そんなことは絶対にあり得ません。

今回の調査結果を見て厚労省は、「居宅介護支援事業者は、せっかく国が収益増の道を創ってやっているのに、それを利用していない。すなわちそれは、増収しなくてもやっていけるから、増収努力を放棄しているという意味だろう。」としか考えません。

さらに、自ら増収努力をして給料を上げる努力もしていない状況は、介護支援専門員の処遇改善なんて必要ないのだと認識されることにもつながります。

よって逓減性緩和を活用しない居宅介護支援事業所の状況は、次の報酬改定での居宅介護支援費の単価に厳しい逆風になるとともに、介護支援専門員の処遇改善加算をもかき消す台風となることでしょう。

そうならないように、居宅介護支援事業所及び居宅ケアマネに対し、意識改革をするように呼びかけるべきなのが職能団体の役割だと思いますが、日本介護支援専門員協会にそんな頭脳はないからなあ・・・。残念!!
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

介護職員の更なる処遇改善の見込みについて


先週19日、都内の通所介護事業所を視察した岸田首相は、視察後に記者団に対し介護職の更なる処遇改善に向けた施策を検討していく意向を明らかにした。

首相は記者団に、「人材の確保をめぐる厳しい状況を伺った。介護を必要とする人の増加が見込まれるなかで、質の高い介護サービスを提供していくためには、介護現場で働く皆さんにいきいきと不安なく働いて頂くことが重要」と述べたうえで、「今後も人材の職場への定着、更には経験・技能の高度化につながる処遇改善のあり方を引き続き検討し続けていきたい」と表明。「他の分野と比較しても遜色ないようなところまで引き上げるべく今後とも努力をしていく、ということが大事なのではないか」と言明した。

次期介護報酬改定の論点一つとして、「対象外となった職種の検証も含む処遇改善の検証」が挙げられており(3/24・社会保障審議会介護保険部会)、この発言はその議論に影響を与えることは必至と思われる。
介護職の更なる処遇改善
そのため更なる介護職員の処遇改善・賃金引き上げに期待を高める関係者は多いことだろう。

しかし介護事業経営者は、このことに諸手を挙げて喜んではいられない。

コロナ禍という状況に終息が見られない情勢であるが、今後の我が国の予算編成は、ウイズコロナの視点から、新しいステージで行われることになる。アフターコロナと言える状態にならなくとも次のステージに進むことを理解せねばならない。

次期介護報酬改定は、そのような財政措置が取られる中で、診療報酬とのダブル改定として行われるのだ。

つまりコロナ禍による財政悪化と経済停滞の復興を目的とした予算組の中で議論される制度改正報酬改定という意味になる。

このようにウイズコロナの最大のテーマは経済復興なのだから、社会保障関連費用は2の次、3の次とされる可能性もあって、2015年度のマイナス2.27%並みかそれ以上の厳しい改定予測が成り立つのである。

その中での、「介護職員の更なる処遇改善」である。このことは社会保障政策ではなく、岸田内閣が掲げる、「成長と分配の新しい資本主義」という政策の中で実行されるから、骨太の改革の治外法権なのである。

さすればその財源はどこから手当てするのか・・・。一番考えられるのは、度重なるプラス改定とコロナ補助金で潤ったとされる介護事業者から取ればよいという話になるのではないのか・・・。

つまり基本サービス費は大幅に下げて、その分を新たな処遇改善に回すという意味である。

そういう意味では、介護事業経営者にとって、その手腕が問われる厳しい報酬改定となることを視野に入れることになる。

そこで考えなければならないことは、どの部分の報酬が手厚く護られるかということだ。そこを確実に算定できる準備をしておかねばならない。

当然のことながら、昨年度の報酬改定で新設されたLIFE関連加算については、今後も拡充・重視された報酬体系になることは間違いのないところであり、現行のLIFE関連加算・LIFE関連上位区分加算を確実に算定しておく必要がある。

この加算について、事務処理が大変なわりに算定単位はあまり高くないとして無視している事業者は、次の報酬改定で泣きを見ることになる。そうならない準備が今から求められるのである。

またここ数回の報酬改定を見ると、利用者のADL口腔機能栄養状態などの改善を図る、「アウトカム評価」の拡大傾向が見られるので、この部分も確実に算定していきたい。

施設・居住系サービスについては、多死社会に備えて看取り介護・ターミナルケアが今後も確実に重要視されていくので、看取り介護加算・ターミナルケア加算をとるために、職員全員の看取り介護スキルを向上させていかねばならない。

なぜならそうしたスキルを与えないまま、加算算定だけを目的化している施設・居住系サービスでは、知識と技術のつたない状態での看取り介護の実施によって、職員の混乱と疲弊が見られ、退職者が相次ぐという事態になりかねないからだ。(参照:看取り介護教育が不十分な事業者が多い現状(後編)

逆に、看取り介護のスキルを充実させて、本物の看取り介護ができる場所では、職員の定着率が上がることが実証されている。(参照:職員の意欲と定着率を向上させる看取り介護・ターミナルケア

どちらにしても厳しい制度改正・報酬改定となることを想定しながら、その逆風にも負けない経営体力をつけておくことが重要である。

結果的に予想に反してプラス改定になったならば、それに越したことはないのであるのだから・・・。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

加算返還する羽目になる意外な落とし穴


雪がすっかり溶けた登別市であるが、「」と呼んでよいのかどうか・・・寒い日が時々あったりして朝晩は暖房が必要な日も多い。

来週はもっと春らしさを感じることができそうな気温になるようではある。何しろ既に4月も折り返しを過ぎたところだ。年度代わりの喧騒もそろそろ落ち着く頃である・・・。

皆さんの職場でも、新人職員がぼちぼち仕事にも慣れてきて、新年度の慌ただしさも収まりつつある時期ではないのだろうか・・・。

そのような中で今週は久しぶりに、masaの徒然草を更新して、「人によって合う職場は異なります」という記事をアップしている。

新しい職場でスタートを切ったばかりの人と転職は一番遠い場所に位置するものだと思うが、今いる場所がブラックであったり、自分が思い描いた職場環境でない場合は、「咲く場所を変える」という選択肢もありかなと思うので、その際の参考にしていただきたい。
春はもうすぐ
利用者の方々に真摯に寄り添う姿勢がない介護事業者で、「幸せの樹形図・笑顔の樹形図」を描くことができないのであれば、介護という職業を続ける意味が見つからなくなる。(参照:しあわせ樹形図を描く介護

そのことは介護に携わるすべての人の胸の中に、しっかりとどめておいてほしいことである。

ところで表の掲示板では、先月末から管理運営費に資する目的で、有料バナー広告を募集していた。(参照:介護福祉情報掲示板(表板)の運営に関するお知らせ

おかげさまでその募集も好評を博しており、新たに5件の広告主がバナー掲載してくださっている。この場を借りてお礼を申し上げたい。

広告のラインアップも豊富で、自主出版の介護関連著書・僕が通所介護などでの利用を推奨している認知機能診断とトレーニングのアプリ・僕もたまに登場する日本最大の介護オンライン展示会・クラウド対応の高齢者介護ソフトなど介護関係者にとって貴重な情報サイトが並んでいる。

そんな中で昨日バナー広告を設置した、「弁護士 外岡 潤が教える介護トラブル解決チャンネル」は、介護関係者必見のユーチューブチャンネルである。

僕も早速チャンネル登録したが、勉強になる情報が目白押しだ。

例えばこのチャンネルの中の、「身体拘束廃止未実施減算の落とし穴」という動画では、「定期的に研修を実施しなければならない」という要件をクリアしなければ身体拘束廃止未実施減算の対象となってしまうが、定期的な研修とは、「年2回以上及び新規採用時」とされていることについて触れ、年2回の定期研修のみ実施していて、新規採用者に対して採用時の研修を実施していないとして減算指導を受けるケースがあることを指摘している。

僕も同様の指導ケースを複数知っており、これは結構大きな問題であると言える。

人材不足が叫ばれて久しい介護事業者では、新規採用は新年度採用ばかりでなく、年度途中にいつでも入職者があるという状態の事業者が多い。その際、ひとりであっても新規採用時に身体拘束廃止の研修を実施し忘れた場合、その時点に遡って減算とされてしまうのである。これは痛い収入減である。

そんなことがないように新規採用者に対して、採用月に必ず研修を実施しようと思っても、忙しくて講義ができないという事業者も多いのかもしれない。しかしその問題もばっちりこのチャンネルで解決できる。

なぜなら外岡弁護士は、「施設新規職向け虐待・身体拘束研修」という動画もアップしてくれているからである。

研修の時間や形態は定められていないので、新規採用者の採用時にこの動画を見せて、その記録をとるだけで身体拘束廃止未実施減算されないための研修要件をクリアすることになる。あとは年2回の定期研修をルーティン化しておくだけでよいのである。

そんな必見情報満載の外岡弁護士のユーチューブチャンネルは、表の掲示板のバナー広告からアクセスできる。一度ご覧になって是非チャンネル登録していただきたい。

ということで春の足音に耳を澄ませながら、思いついたことを綴らせていただいた。

こんなたわいのないことを書いている僕のブログを訪れていただいたことに感謝しつつ、今日の記事を締めたいと思うが、春を待つ気分を表す意味で、懐かしい昭和のフォークソングを下に張り付けておくとしよう。

僕と同世代の人は、ひと時あの頃に変えれると思うので、お聞きいただきたいと思う。

登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

介護職員等ベースアップ等支援加算が新設されます


介護職員の月額給与を約9千円アップする目的で2月給与支給分から交付される、「介護職員処遇改善支援補助金」は、9月までの時限措置となっている。

そのため10月以降も給与改善を恒久化するために、介護職員処遇改善加算の新区分を新設することが決まっており、そのために介護報酬を10月から1.13%引き上げるという臨時改定が行われる。

第208回社会保障審議会介護給付費分科会(持ち回り)資料は、そのことを示したものだが、介護報酬の算定構造介護報酬の見直し案に記されているように新加算の正式名称は、「介護職員等ベースアップ等支援加算」とされている。
介護職員等ベースアップ等支援加算
相も変わらずセンスのない命名である。(上の図は、訪問介護の新加算要件)

巷ではこの加算の略称を、「ベースアップ加算」とか「ベア加算」とか言っている人も居るが、僕自身はこの加算の略称を、「等等加算」と呼ぶことにした。

これは僕が管理する表の掲示板のスレッドの中で、pokoさんという方が命名した略称である。それがとても気に入ったというか、言い得て妙と思ったので、そのまま使わせてもらうことにした。

等等加算」は、「などなど加算」とも読めるが、あえて僕は、「とうとう加算」と読むことにしている。

それは、「補助金は、とうとう加算にされたか」という意味であり、「全額国庫負担で国家の財を庶民に回すと言っていたのに、利用者自己負担など庶民の痛みにとうとう置き換えるのか」という意味を服持つ略称である。

補助金が介護報酬の加算に置き換わった瞬間に、利用者自己負担が発生するのはもちろんのこと、介護保険料もアップし、その額は単純計算で1月約70円になるが、このように国民負担増によって、介護職員等の給与改善原資が維持されていくことは、大きな矛盾にもつながるのではないだろうか。

もともと介護職等の給与改善は、「成長と分配の好循環」を生み出すための経済政策として行われるものだ。岸田内閣はこのことを、「新しい資本主義」と名付けている。

この政策における、「分配」とは、社会の財の再分配を意味し、富める者の資産や資金を国が集めて財政支出するという形で国民全体に回すことを指すものだ。そのようにして経済活動を活性化させるとともに、貧富格差の解消にもつなげようという政策である。

しかしその財源が介護給付費に変えられた瞬間から、40歳以上の国民が平等に負担する介護保険料や、利用者の自己負担金が財源となるわけであり、結果的に富裕層ではない人の負担増につながることになる。

それだけではなく介護保険財源の確保という名目で、自己負担割合2割・3割負担者の増加や、給付制限の拡大につながることにもなりかねない。これでは財の分配効果は薄くなってしまう。

そういう意味では、10月以降の給与改善分が保険給付化されることは、政策主旨と矛盾するといえるだろう。

岸田内閣の看板政策も、とうとう加算に置き換わって、痛みを負うのはいつも国民ばかりとなってしまう。その痛みに一番苦しむのは格差社会の助長でその数が増えている所得の低い人たちである。

そんなふうにして社会の底辺で暮らす貧しき庶民が、一番苦しむことになるのである。

日本は、とうとうそんな社会になってしまったという意味である。

ただし補助金が報酬加算に変わることで、介護事業者には一つだけメリットが生ずる。

介護職員処遇改善支援補助金は、2月分の給与改善のために補助を受けない場合、途中から補助を受けることはできないが(新設事業者を除く)、新加算に変更後は算定要件をクリアすれば、その時点から加算算定が可能となるからである。

例えば本年2月時点で、処遇改善加算()〜()のいずれかを取得できていない介護事業者は、補助金の交付が受けられず、3月以降に同加算のいずれかを算定できるようになっても、補助金の中途交付は受けられなかった。

しかし加算に変更後はこの要件がクリアできていることで、「等等加算」は算定できるようになるのである。

その点は介護事業者にとってのメリットといえるであろう。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

通所サービスにあらたに求められた感染予防対策


高齢者の方々の身体機能及び精神機能が低下する原因は様々で、病気や怪我だけがその原因ではない。

健康な高齢者も機能低下がみられるが、それは加齢に伴う廃用によって引き起こされるものだ。

しかし廃用のペースは人様々で、ある日を境に一気に廃用が進む人がいる反面、お亡くなりになるまでさしたる廃用が見られないという人もいる。

それはなぜか・・・。その要因も様々としか言いようがないが、一つだけ言えることは、廃用が急激に進行する要因の一つとして、「引きこもり」が挙げられるということだ。

奇しくもコロナ禍がそれを証明したとも言え、緊急事態宣言下で通所介護事業所の休業が相次いだ時期に、通所介護に通えなくなったことにより、家に引きこもった高齢者の身体機能低下や、認知症の症状悪化が一気に進んだというケースが、全国各地から相次いで報告されている。
通所介護
それだけ通所介護は大事なサービスであるという意味にもなる。

今、世間では新型コロナウイルス・オミクロン株の蔓延がみられている。そうした中、介護施設でのクラスター感染が増えており、厚労省が9日公表した数字を見ると、2月7日0時までの直近1週間で316件のクラスター感染が発生している。

週単位では初の300件超えとなり、前週に引き続き過去最多を更新している。

しかしクラスター感染は介護施設だけの問題ではなく、通所サービス等でもその発生が懸念されるし、再び休業が相次いだ場合に、廃用が進む人が増えても困る。

そのため国は、介護保険最新情報のVol.1034として、「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて(第27報)」を発出した。

これは通所サービスにおけるコロナ特例の新通知で、「まん延防止等重点措置」がとられている都道府県の通所系サービス事業所については、訪問による代替サービスへの切り替えやサービス提供時間の短縮を行った場合、一定の条件を満たしていれば、ケアプランに位置付けられていた提供時間の区分で報酬を算定できるようにするというものだ。

例えば蜜を避けるために、一度に受け入れる利用者を午前と午後に完全区分してサービス提供し、その際に当初予定のサービス提供時間より短くサービスプログラムを組みなおすというケース等が7これに該当する。

通所サービスの時間を短くして、削った時間分を訪問サービスに切り替えるなども対象だ。

適用期間は今月サービス提供分から、まん延防止等重点措置の最終日が含まれる月のサービス提供分までとなっている。

特例の適用要件は、1日単位もしくは1週間単位のどちらかを見て、ケアプランに位置付けられていた提供時間の半分以上のサービスを実施することとされており、利用者への説明及び同意が必要であるとしている。

ただし同意については、他の特例算定と同様に、サービス提供前に同意を得ていない場合であっても、報酬請求前までに同意を得られれば当該取扱いを適用して差し支えないとしている。

そして通所系サービス事業所は、必ず居宅介護支援事業所と連携することとする(本取扱いにより算定を行うことの事前連絡等)としている。

くれぐれも、「ルールだから」と高飛車に、通所サービス事業所が勝手に特例運用しないように釘を刺しているので、心してほしい。

この特例によって、通所サービスの提供時間が短くなっても、居宅介護支援事業所のケアマネは、当該居宅サービス計画書を後日見直し修正する必要がないともされている。

ただし標準様式第5表等を活用して、今般の取扱いに係る経過を記録する必要がある(サービス提供後で可)とされている点に注意が必要だ。

また通所サービスのクラスター感染防止対策としては、尾身 茂・新型コロナウイルス感染症対策分科会長が、「飛沫や換気の悪い場所でのエアロゾルによる感染が多い」として、通所介護の送迎時、車内循環の暖房をいれて換気のための窓開けが不十分な状態が感染拡大につながるとの見解を示し、送迎中に複数の窓を開けるなどの対応をとるよう呼びかけた・・・。

北海道等の雪国の通所サービス事業者からは、「そんなの無理だ」という声が聴こえてきそうであるが、車内でも利用者の方には暖かい服装をしていただき、伊定時間ごとに窓開け換気を行う必要はあると思う。是非工夫して実行してほしい。

これらの特例や提言は、通所サービスの重要性を鑑みたものであることを、十分に理解する必要があるだろう。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

現場が求めているのは書類の統一ではなく加算の統一


介護現場のペーパーワークを減らす方策を話し合う国の専門委員会が、1月20日に今年初の会合を開いた。

そこで厚生労働省は、各サービスの介護報酬の加算について、必要書類の標準化・簡素化に向けた取り組みを更に進めていく方針を打ち出した。

具体的には、自治体が独自に届け出書を作っている加算をピックアップし、国として新たに統一的な様式例を定めるとした。さらに処遇改善加算・特定処遇改善加算の変更届けの様式例も作成すると説明。人員配置の要件をチェックするための添付書類の標準化・簡素化を図る意向も示している。

しかしそれで削減できる事務負担はわずかでしかない。

しかも自治体ごとに申請等の書類が異なっているのは非合理的ではあるとはいっても、介護保険制度ができてから20年以上経過している現在、長年自治体独自の書類作成を行ってきた担当者は、その書式に慣れてしまっている。その慣れた作成書類を、国の統一様式に変更して作成する方が手間だと感じる人も多くいる。「どうせなら選択できるようにしてくれよ」という声があちらこちらから聞こえてくるのである。

どちらにしても、相も変わらず厚労省の事務処理削減策はあっち向いてホイである。

厚労省のご立派な椅子に座って書類仕事に明け暮れている人にとって、介護事業者で、「事務職員も座っている暇なんてないぞ」といわれながら、介護の付帯業務もこなし、なおかつ担当事務は漏れのないようにこなすのが当たり前とされる介護事業事務職員の苦労なんて分かりっこないのである。
介護の書類削減はあっち向いてホイ
ましてや介護職員が介護の合間に、各種加算に必要な記録をとる手間なんか、まったくわかっていないとしか言えない。厚労省という狭い空間の、さらに狭い担当者デスクの上に並べられた机上の空論もしくは仮想現実が、お役人の仕事の成果として介護現場に挙がってくる。

この国の介護サービスにはそんなふうにして、お役人の・お役人による・お役人のためのルールがあふれかえっており、それが介護業務負担を増やしているのだ。この現実をもっと目を開けて見ろ!!

本気で事務負担を削減する気があるなら、複雑化した介護報酬の体系を抜本的に見直せと言いたい。

特に加算項目の大幅な削減に努めるべきである。介護職員処遇改善加算・特定加算・新処遇改善加算(本年10月より)という処遇改善加算の3層構造など、「愚の骨頂」といってよい報酬体系だ。

こんなものは新算定要件を創って、一つの加算に統一すべきだし、他の加算も大幅に削減して、基本サービス費で経営できる報酬体系にすればよいのだ。

それではアウトカム評価の加算がなくなって、介護事業者の質を担保する術がなくなるという人がいるが、現在の加算が本当にアウトカム評価になっているか考えてほしい。

現在の加算は、サービスの質に関係なく、記録が備わっておれば算定できるものがほとんどだ。体制加算は重要なサービスの質につながるという人もいるが、その体制を維持するための有資格者なり人員なりが、どうしようもない人罪である場合だってあるのだ。

そんな意味不明の加算をたくさん創るより、その代わりに『介護サービスの品質指標』を作って、標準的な質より低い事業所の減算幅を大きくすればサービスの質は保つことが可能だ。

市町村に支払う、「保険者機能強化推進交付金」の支払額に影響する評価指標が策定されているんだから、介護事業に対する評価指標ができないということはないだろう。

なんなら、報酬体系見直し委員会の座長は僕が努め、指標も策定するので、どなたか推薦してください・・・。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

降雪地帯の通所サービス送迎事情


日本は小さな島国ではあるが、南北に長いので地域によって様々な風習や文化の違いがある。

食文化の違いは旅の愉しみの一つとも言え、その地域でしか食べることができない料理に出会うとき、僕は至福の喜びを感じたりする。そしてそういう食べ物が全国にはたくさんあるので、早くコロナ禍が終息して、旅に出たいと切に願うのだ・・・。

南北の寒暖差や気候の違いも大きい。そうした気候の違いが介護サービスに影響することもある。・・・ということで今日は、北国であり雪国である地域の声を勝手に代表して意見を述べたい。

1/14付で日本デイサービス協会が公式サイトに、《中山間地域等に居住する者へのサービス提供の見直しについて》という声明文を掲載した。

その声明文は、降雪地帯のデイサービス事業所への報酬評価を求める内容となっている。

そこでは、送迎担当者(運転手や介護職員等)が送迎時に雪かき支援を行わねばならないという事情を考慮して、介護報酬面での支援を呼び掛けている。

具体的には、「中山間地域等サービス提供加算」について、【通常の事業の実施地域を越えてサービスを提供していること】とされている要件を見直し、通常実施地域も対象に加えて対象地域を拡大することと、加算率を引き上げることを要望している。

さらに積雪時の送迎対応時間を、「サービス提供時間」に含めることも検討して欲しいと呼びかけている。

声明文では、冬季間(12 月〜3 月)の水光熱費及び除排雪費について、年間平均コストと比べおよそ32%の費用負担増となっていることもグラフで示されている。

これは極めてまっとうな要望であると思う。声明文にも書かれているが、降雪地域では毎年のように雪による送迎時間の大幅増という現象が起きている。しかもそれは事業所努力で何とかなるという問題ではなく、不可抗力なのである。

送迎時間の延伸と通所サービスの運営コストの高騰は、利用者宅の除雪や、雪による交通障害によってノロノロ運転が発生して起こる問題であると同時に、送迎前からの準備にも時間を要して起こる問題でもあるのだ。
通所介護事業所での送迎前の除雪
画像は、僕が総合施設長を務めていた社会福祉法人の特養併設通所介護事業所の玄関前を撮影したもので、冬の朝の一場面である。

雪の多い日はこのように、通所サービス利用者を迎えに行く前に、送迎車両を駐車場から出せるように雪かきを行い、さらに送迎車両が玄関前についたときに、車いす利用者の方などがスムースに玄関に入ることができるように、送迎車両の駐車スペースや玄関前のスロープなども除雪しておく必要がある。

そのため始業前に早朝出勤して除雪対応する職員が必要になる。当然この際はサービス出勤というわけにはいかず、必要な業務として超過勤務手当を支給することになる。この点でも事業所の出費は増えるわけだが、冬期間はそんな日が何日も生ずるのである。

利用者宅に着いた際には、玄関を出て送迎車までの経路の雪かきも必然である。

朝忙しい時間に、利用者宅の家族が雪を書いてくれているのならそれは必要ないが、多くの場合そうなってはおらず、ましてや高齢者夫婦世帯や独居のように、雪かきをしてくれる人がいない場合も多い。

しかし積もった雪の上を車いすで移動するのは困難だから、どうしても送迎車に除雪用のスコップを積み込んで、送迎担当者が除雪を行うことになる。そのために送迎にかかる時間も大幅に延びることになる。

このような状況で送迎時間が延びて、サービス提供時間が短縮された場合でも、「所要時間による区分は現に要した時間ではなく、通所サービス計画に位置づけられた通所サービスを行うための標準的な時間によることとされており、例えば通所介護計画に位置づけられた通所介護の内容が8時間以上9時間未満であり、当該通所介護計画書どおりのサービスが提供されたのであれば、8時間以上9時間未満の通所介護費を請求することになる。」というルールに基づいて、必ずしも請求単位が変更されるわけではない。

しかし同時に、「こうした取扱いは、サービスのプログラムが個々の利用者に応じて作成され、当該プログラムに従って、単位ごとに効果的に実施されている事業所において行われることを想定しており、限定的に適用されるものである。」ともされており、送迎時間が延びたことによって、計画されたサービスの一部が提供できなかった場合などは、良心的に請求区分を短縮された時間区分で請求するケースも多いため、冬期間は相対的に請求単価が減る傾向がある。

そのため、「送迎対応時間をサービス提供時間に含めることの検討」も求められているのだろうと思う。

このような冬期間の送迎事情を考慮して、報酬反映を求める声明を出して善処を求めることは職能団体として極めて健全な活動だ。

それは会員が求めるソーシャルアクションともいえ、僕もエールを送りたいと思う。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

暮らしの質が求められた介護報酬改定より10年先を走っています


今更言うまでもないが、介護保険法・第一章・総則には、介護保険制度の【目的】が次のように定められている。
----------------------------------------------------
第一条 この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。
----------------------------------------------------
↑つまり介護保険制度は国民の、「保健医療の向上」と「福祉の増進」を目的としているのだ。

その目的を達成するために、保健医療サービス及び福祉サービスは要介護状態となり支援を必要とする人の、「尊厳を護ること」及び「その人の能力に応じた自立を支援すること」という二つの理念を掲げてサービス提供する必要があると定められているのだ。

しかし介護保険制度創設以来、この理念は「自立支援」一辺倒に偏り、「尊厳を護る」という部分の視点に欠ける傾向が強かった。

しかも自立支援も、「有する能力に応じる」という視点が欠落して、一つの目標を定めたゴールを、能力に関係なく全員一律に求める傾向もみられた。

その典型例が竹内理論であり、全国老施協の「おむつゼロ推進運動」である。

それは、個別の能力に関係なく日中のおむつゼロを目指して、全員一律に1.500ml/日もの大量の強制水分摂取と、引きずり歩かせる強制歩行訓練を行う方法論であり、洗脳と虐待と言われても仕方のない方法論である。

しかし悪は必ず滅びる。全国老施協はその間違いに気づき、竹内孝仁及び竹内理論と袂を分かち、2014年度をもって介護力向上講習という洗脳講習の開催を取りやめている。現在竹内理論を実践している施設は、竹内教の洗脳から抜け出せない、妄信信者がトップを務めている施設のみである。

そして介護報酬の体系も、そのようなエセ自立支援を完全否定して(参照:全否定されたおむつゼロ運動と罪悪の歴史)、介護サービス利用者の尊厳を護る方向に舵取りを行っている。

例えば介護施設等のサービス提供強化加算の最上位加算に、「質の向上に資する取組を実施していること」という要件を設け、その具体例の一つとして、「居室の定員が2以上である場合、原則としてポータブルトイレを使用しない方針を立てて取組を行っていること」を挙げている。

また介護施設に新設された、「自立支援促進加算」については、自立支援よりもむしろ生活の質の向上を目指した要件が義務化されている。

前述したポータブルトイレの要件も、この加算に設けられている。

そのほかにも、「食事は、本人の希望に応じ、居室外で、車椅子ではなく普通の椅子を用いる等、施設においても、本人の希望を尊重し、自宅等におけるこれまでの暮らしを維持できるようにする。食事の時間や嗜好等への対応について、画一的ではなく個人の習慣や希望を尊重する。」とか、「経管栄養といった医学的な理由等により、ベッド離床を行うべきではない場合を除き、ベッド上で食事をとる入所者がいないようすること」・「本人の希望に応じて、流れ作業のような集団ケアとしないため、例えば、マンツーマン入浴ケアのように、同一の職員が居室から浴室までの利用者の移動や、脱衣、洗身、着衣等の一連の行為に携わること」という要件がつけられている。

こうした要件を読んで気がついた人もいたと思う。それらは僕が全国各地で行う講演のうち、「介護実務」(介護の誇りというテーマで行う講演など)の講演で紹介している方法であるということを・・・。

車椅子から家具椅子に移乗しての食事摂取がなぜ必要なのか、足を体の前に投げ出したまま、ギャッジベッドの背もたれだけを上げた状態で食事介助をしたり、フルリクライニング車椅子の背を倒して食事介助を行うことが、いかに危険な状態であるのか・・・。

入浴介助を分業しないでマンツウマンで行うことで、どのような暮らしの質を創り上げることができるのかについては、10年以上も前から全国各地で僕が訴え、なおかつ正しい方法論を伝えていたことである。

それはとりもなおさず、僕が総合施設長として勤めていた施設で実践していた方法論でもある。

つまりそのこととは単に、「言っていた」ことではなく、「やっていた」ことなのである。

だからこそ僕は今、自信を持って言いたい。「介護報酬の体系が、やっと10年前の僕に追いついてきつつある。」・・・と。

これから先は、そうした方法論をさらに普及させるために、その意味を言葉と文章で、さらにわかりやすく伝えていくのが僕の仕事であり、役割でもある。

そのためには、是非多くの皆様に、僕の講演会場に足をお運びいただきたい。皆様にお愛できる日が来ることを願っています。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

アウトカム評価は何故機能しないのか


介護報酬の加算は、国が定めた要件に合致した場合に算定できるものだ。

その要件については単なる体制要件から、アウトカム評価へと軸足を移していきたいというのが国の考え方である。

アウトカム(Outcome)とは今更云うまでもなく、『結果・成果』という意味である。介護報酬の場合のアウトカム評価とは、ケアによってお客様がどうなったかということであり、利用者負担を伴う加算を算定する以上、それは利用者にとってメリットのある結果・成果でなければならない。

介護のアウトカムをどのように評価するかということは、かねてからの課題で、国はその客観的評価として数値データによる評価ができないかと考え続けている。

その一つの現われが、2018年度の報酬改定で通所介護に新設された、「ADL維持等加算」である。
ADL評価
この加算は、通所介護における機能訓練の成果を『バーセルインデックス』という数値結果に求めたもので、一定の数値をクリアしないと算定できない加算であり、2021年度報酬改定では、この加算を特定施設と特養にも適用拡大している。

国はこうした数値データによるアウトカム評価をさらに拡大するために、科学的介護情報システム(LIFE) に日本全国の介護事業者のADL値等のデータを収集している最中である。

しかし本当にそれで客観的かつ正確なアウトカム評価ができるだろうか。アウトカム評価ができたとされたときに、その評価から利用者の満足度という視点が欠落してしまわないだろうか・・・。

そんな疑問を抱きながら自分のフェイスブックに、「医学的・治療的リハビリテーションエクササイズは、それを嫌がる利用者に無理やりさせても保険給付対象になり、加算報酬さえ受けられるのに、生きるために行きたがっている趣味の場所への参加支援にお金を給付しないのが介護保険制度である。単なる楽しみを得る機会を持つことは罪なのか・・・。それは何故保険給付対象ではないのか。人はパンのみで生きているにあらずである。趣味や楽しみの機会に参加支援されることで、心が晴れやかになって、生きる喜びが得られるならば、それが自立支援や日常生活活動の向上につながるのだから、公費や保険料を使うのにはそぐわないという論理は破たんしている。人間は機械ではなく、介護は単なる体のメンテナンスではない。」とつぶやいたところ、友達としてつながっている人から次のようなコメントをいただいた。
-------------------------------------------------------------------
オーストラリアの施設を数件見学に行きました。実地指導は3日間。利用者の生活満足度の聞き取りもあり、不満があると減算になるそうです。他にもいわゆるレクリエーション的な余暇活動が一日に複数無いと減算。ダイニングテーブルにテーブルクロスが無いと指導対象になります。
-------------------------------------------------------------------
日本では、「利用者の生活満足度の聞き取り」を加算評価に取り入れようとしても、満足度は極めて主観的なもので、人によって差があるのだから加算評価にはそぐわないとされて、絶対に取り入れられない評価軸である。

しかし感情のある人間が受ける介護支援というサービスに、利用者満足度という視点がないのはおかしと思う。満足度は個人差があると切り捨てるのではなく、個人差があったとしても、その声を拾い上げる方法論を探すべきではないのか・・・。

その点オーストラリアは、利用者の満足度を何よりも有効な評価軸と考えているのである。そこでは利用者の不満の声も、個人の感性で差がある問題だと切り捨てることなく、減算という形で負の評価が与えられるのだ。

だからこそオーストラリアの介護事業者は、一人ひとり感性の異なる利用者のすべての方々に、満足感を持っていただこうと、サービスに個別性を求めて工夫するのではないのだろうか。

こうした評価がされることで、集団的処遇とは無縁の介護サービスが実現するのではないだろうか。

日本の評価は数値一辺倒で、利用者がどう思っているかなど初めから気にかけない方法である。

加算のみならず実地指導もそれは同様だ。部屋から一歩も出ないで、利用者の顔を見たり、声を聴くことなく、利用者の息遣いを感じ取れない場所で完結している。それが科学的評価だと言われる。

人の暮らしを支援する評価軸が、そのような状態のままで良いのだろうか。科学的介護という言葉のみが先行して、そこから人の感情がどんどん無視される介護の成れの果てが、介護という荒野にならなければ良いのだが・・・。

オーストラリアは利用者の息遣いを感じ取れる場所で評価を行い、ダイニングテーブルのテーブルクロスまでも評価基準に加えている。

そんなことに人の温かさを感じるのは僕だけなのだろうか・・・。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

自立支援促進加算の算定要件はクリアできているか


全国老人福祉施設協議会(老施協)・全国老人保健施設協会(全老健)・日本介護医療院協会の施設3団体の会員施設調査によると、今年度から新設された科学的介護推進体制加算の算定率は、特養50%・老健70%弱・介護医療院37%、また自立支援促進加算特養12%・老健30%割弱・介護医療院17%であるという結果が公表された。

科学的介護推進体制加算は、ADLや口腔・栄養状態、認知症のBPSD情報等を情報提出し、LIFEからのフィードバックを各事業者でPDCA活用することで算定できる加算であるが、今現在フィードバックは暫定的に行われているだけで、それは提出された情報の全国平均値の月別データでしかなく、実質フィードバック活用を行わずとも、情報を提出するだけで算定可能である。(参照:認知症の人の対応方法を科学する難しさ

よってこの算定率が5割にとどまっている特養は、経営上の危機意識が乏しいと思う。情報をLIFEに送るだけの作業がどうしてできないのか理解に苦しむ。LIFEに登録している特養の割合は、7月時点で81.2%に上っているのだから、老健と同割合の算定率があっておかしくないのだ。

特養の施設長は、一日も早くこの事務作業を促して、同加算を算定しなければならない。そうしないと経営は困難となると理解してほしい。

一方で自立支援促進加算については、1割を超える程度の低い算定率であると言っても、これは僕の予測を超えた算定率だ。なぜならこの加算の算定要件は、非常に高いハードルとなっているからだ。

特養にとって高いハードルとなっているのは、入所者ごとに医師による医学的評価を6月ごとに行わねばならないことだ。老健と異なって、常勤医師の配置が必要なく、週1〜2回程度の定期回診のみで対応している特養では、医師の相当な理解と協力がない限りこの要件がクリアできない。よって老健より算定率が下がるのはやむを得ないだろう。

しかもこの加算には、「暮らしの質を高める」ための高いハードルが複数存在する。現在この加算を算定している施設は、この要件を本当にクリアしているのか今一度確認願いたい。要件をクリアしていないとして加算返還指導が数多く行われるのではないかと懸念するほど、そのハードルは高いと思うからである。

介護報酬改定Q&A Vol10で示されている算定要件を改めて確認してみたい。

例えば食事は、「本人の希望に応じ居室外で、車椅子ではなく普通の椅子を用いる等、施設においても、本人の希望を尊重し、自宅等におけるこれまでの暮らしを維持できるようにする。食事の時間や嗜好等への対応について、画一的ではなく個人の習慣や希望を尊重する。」となっている。

家具椅子への移乗促進だけではなく、個人個人の食事時間の希望を確認することなく、全員一律の食事時間を設定してる状態であれば算定不可とされているのだ。この要件をクリアできているという理論武装は出来ているのか・・・。

「経管栄養といった医学的な理由等により、ベッド離床を行うべきではない場合を除き、ベッド上で食事をとる入所者がいないようすること」もできていなければならない。『寝たきりだからベッドで食事をしています。』は通用しない理屈なのである。

さらに高いハードルが入浴支援に設定されている。「入浴は、特別浴槽ではなく、一般浴槽での入浴とし(※感染症対応等やむを得ない場合は例外)、回数やケアの方法についても、個人の習慣や希望を尊重すること。」とされている。

最低基準である週2回の入浴支援を繰り返して、利用者の希望を取り入れていなければ算定基準違反となるし、特浴では不可なのである。ここもクリアできているのだろうか。重複を恐れずに書くが、利用者全員を週2回しか入浴支援していないと、この加算は算定できないことを本当に理解しているだろうか?

入浴支援については、『分業による機械的ケア』も禁じられている。「流れ作業のような集団ケアとしないため、例えば、マンツーマン入浴ケアのように、同一の職員が居室から浴室までの利用者の移動や、脱衣、洗身、着衣等の一連の行為に携わること」という要件がクリアできていないと加算返還である。

着たきり雀を創っている施設も加算不可だ。「起床後着替えを行い、利用者や職員、家族や来訪者とコミュニケーションをとること」とされているからだ。

最大のハードルは、夜間であっても、おむつ交換は定時交換のみでは算定できないというハードルだ。「おむつ交換にあたって、排せつリズムや、本人の QOL、本人が希望する時間等に沿って実施するものであり、こうした入所者の希望等を踏まえず、夜間、定時に一斉に巡回してすべての入所者のおむつ交換を一律に実施するような対応が行われていないことを想定している」

見守り機器などの利用を条件に、一人の夜勤者で60人もの利用者対応する時間を増やす「夜勤配置基準緩和」を適用している施設で、夜間のおむつ交換を一人ひとり個別の時間で行うことなど不可能だと思うが、全員一律のおむつ定時交換では算定不可というルールなのである。

上記の算定要件がすべて利用者にとって求められる要件なのかと問われれば、首を傾げなければならないものもある。

例えば機械浴の方が、身体に負担がかからずに、望まれる入浴方法である人もいると思うが、感染症対策を除いてそれを否定している意味は、在宅復帰を鑑みると、機械浴を設置している家庭などないという意味だろうと思える。ちなみにこの規定は、日本医師会が強力にプッシュしてねじ込んだ規定であるそうだ。(何故かはわからない。)

夜間のおむつ交換にしても、紙おむつの素材が非常によくなっている今の状況では、安眠を妨害せずにきちんと定時交換できていれば、それで十分ではないかと思ったりもするが、それは駄目という要件なのである。

果たして自立支援促進加算を算定している12%の特養・30%割弱の老健・17%の介護医療院が、これらの要件を、本当にすべてクリアできているのだろうか。

僕の印象では、この算定要件のハードルは極めて高く思えるので、実際には要件クリアできておらずに、加算算定して、後に返還請求を受ける施設が多くなるのではないかと思ってしまう。

それほど3団体の調査結果の自立支援促進加算の算定率は、僕の予測よりはるかに高い結果であった。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの看取り介護指南本看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)Amazonから取り寄せる方は、こちらをクリックしてください。

高まる介護職員賃上げの期待値


今日はプロ野球ドラフト会議の日である。

毎年多くのドラマが生まれる会議を前に、自分の働き場所を選ぶことができず、職場から選ばれるのを待つ選手の気分はいかがなものだろうと想像してしまう。

もともとこの会議は、金満球団に有力選手が集中して戦力が他の球団と大きく開かないようにするために行われるようになったものだ。勢力バランスを均等化してペナントレースを戦った方が面白く、強いてはプロ野球というスポーツが長く国民やファンの支持を得られるという意味だ。

介護事業もサービスの品質の凸凹が問題となり、最低限の質の担保が叫ばれているのだから、国民に広く支持を得て介護保険制度が長く続くことを目的に、介護職員ドラフト会議を開催して、介護事業者が職員を選ぶようにしたらどうなるだろう。

良い職員を探して、全国の介護福祉士養成校をスカウトが巡回し、金の卵を発掘しつつ、介護職を目指す人は、希望の事業者に選ばれようとして切磋琢磨しながら自らをアピールする。ドラフトにかからなかった人は、「育成契約」を介護事業者と交わし、3年後までにものにならなかったらそのまま退職しなければならない・・・。そんなあり得ない妄想をしてみたが、介護事業者や介護職員の方々には、朗報と言えるニュースが先週にかけて伝えられている。

先週金曜日(10月8日)、岸田文雄首相が衆院本会議で就任後初の所信表明演説を行い、「新型コロナウイルス、そして、少子高齢化への対応の最前線にいる皆さんの収入を増やしていく。そのために、公的価格評価検討委員会を設置し、公的価格のあり方を抜本的に見直す」と述べた。

先の自民党総裁就任演説に引き続き、社会の財の分配政策の柱の1つとして介護職らの賃上げを行うと重ねて明言し、介護報酬の見直しなどを議論していく方針を打ち出したのである。(参照:介護業界は新首相に期待を寄せて良いのか・・・。

矢野財務次官がこうした政策について、「バラマキ的な政策論議」と批判しているように、今後財務省が強く抵抗することも予想される。

それに対して自民党の高市早苗政務調査会長は10日のNHK「日曜討論」で、財務次官の寄稿について、「大変失礼な言い方」と不快感を示したうえで、「基礎的財政収支にこだわって本当に困っている方を助けない、未来を担う子供たちに投資しない、これほどばかげた話はないと思っている」と批判した。

さらに プライマリーバランス(基礎的財政収支:PB)の黒字化目標について、「一時的に凍結に近い状況が出てくる」との見方を示した。

もともと彼女の政策は、物価安定目標のインフレ率2%を達成するまで国と地方のPBを巡る規律を凍結するというものであり、国の借金問題については、「名目成長率が名目金利を上回っていたら財政は改善していく」・「自国通貨建ての国債なのでデフォルト(債務不履行)も起こらない」という立場である。

内閣を支える与党の有力役員が首相とタッグを組んで、財務省という伏魔殿と戦う姿勢を示したわけである。

介護職員等の賃上げ方針についてはこのほか、後藤厚労相や山際全世代型社会保障改革担当相なども協力・推進の立場で発言しており、今後の新たな財政出動が現実的になってきたように思う。

その具体策は示されていないが、介護職等の収入を増やすために、「公的価格のあり方を抜本的に見直す」としているのだから、来年4月に控えている診療報酬改定や、2024年度の介護・診療ダブル改定における報酬引き上げが見据えられていると思う。

しかしそれは果たして基本報酬の見直しにつながるのか、それとも処遇改善加算の積み上げだけにとどまるのかということが、介護事業経営者にとっては気になることだろう。

後者であれば、直接的な事業収益にはつながらないのだから、いかに収益を確保して、事業を継続させていくのかという戦略を練っていく必要がある。

ただ一つ言えることは、介護サービス利用者の数は、今後最低でも20年以上増え続けるということだ。顧客は今よりもっと増えるのだから、事業を続けていくことによって、介護市場に落ちる巨額なお金を得ることができるのである。

しかし生産年齢人口は減り続けている。そのため外国人労働者の雇用のハードルが下げられ、雇用しやすくなってはいるが、生産年齢人口の減少を補うほどの数の確保は困難である。

よって介護事業経営の最大の課題は、事業を継続・拡大するための労働力の確保であることに何ら変わりはない。だからこそ新しい国の政策の中で、どのような形で介護職員等の収入増加が図られるのかという情報をいち早くキャッチする必要がある。

というのもその方向性や具体策が決まったならば、体力のある介護事業者は、その対策がとられる前に、その対策がとられることを前提に、同じ方向で先行して職員の収入増加策を図る戦略が成り立つからだ。

全サービス事業者に、均等に人材が回るということはあり得ないのだから、そうした事業戦略の下で、人材を囲い込んだ事業者が勝ち組となり、拡大し続ける介護市場で大きな収益を挙げることができることを理解しているだろうか。

ここに対策をいち早く取ることができる事業経営者の下に、有能な人材と巨額な資金が集まっていくことに気づかねばならない。

だからこそ情報は金を支払ってでも、いち早く正確にキャッチする必要があるのだ。

同時に偽物の情報を見抜く力が、介護事業経営戦略部門には求められていることも忘れてはならない。
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)著者サイン入り本の送料無料キャンペーン(特別延長)をお申し込みの方は、こちらをクリックしてください。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。






※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

暮らしの質に関する新たな示唆


あらためて求められたQOLを職員に知らせているかより続く)
自立支援促進加算では、おむつ交換について下記のような指摘も行われている。
・ おむつ交換にあたって、排せつリズムや、本人の QOL、本人が希望する時間等に沿って実施するものであり、こうした入所者の希望等を踏まえず、夜間、定時に一斉に巡回してすべての入所者のおむつ交換を一律に実施するような対応が行われていないことを想定している

このように排せつパターンに即さないおむつの定時交換・一斉交換は、「暮らしの質の向上ではない」と否定されているのである。

見守り機器などの利用を条件に、一人の夜勤者で60人もの利用者対応する時間を増やす「夜勤配置基準緩和」を実現させておいて、この対応を求めるのは理不尽だとは思う。しかし、「夜間だからと言って、個々の排せつ時間に配慮せず、おむつ交換を一斉定時に行うのは暮らしの質の豊かさとは言えない」という考え方は正論と言わざるを得ない。

排せつについての新たな示唆は、介護施設の排せつ支援加算でも行われている。
・リハビリパンツや尿失禁パッド等の使用は、おむつの使用に該当する
・おむつの使用が終日から夜間のみになったとしても、算定要件を満たすものではない。


このことについては、「全否定されたおむつゼロ運動と罪悪の歴史」で指摘した通り、尿取りパットをおむつの代用として使うことや、日中のみのトイレ排せつだけでは、暮らしの質の向上につながらないことを指摘したものである。

常軌の指摘事項について実現できるか・できないかにかかわらず、介護事業者の全職員が排泄ケアのあり方を考え直すためにも、これらの指摘事項をきちんと事業者責任として、職員に伝えておく必要がある。

そのほか自立支援促進加算では、暮らしの質の向上と関連して様々な考え方が示されている。

食事についての指摘事項は以下の通りである。
・食事は、本人の希望に応じ居室外で、車椅子ではなく普通の椅子を用いる等、施設においても、本人の希望を尊重し、自宅等におけるこれまでの暮らしを維持できるようにする。食事の時間や嗜好等への対応について、画一的ではなく個人の習慣や希望を尊重する。
・経管栄養といった医学的な理由等により、ベッド離床を行うべきではない場合を除き、ベッド上で食事をとる入所者がいないようすること


普通の椅子とは家具椅子を指すものと思えるが、家具椅子に座っての食事は、誤嚥しない食事姿勢として求められるものであり、是非そうした視点とともに実現を図ってほしい。

なおこのことは僕の介護実務講演を聞いている事業者や個人は、僕の指摘と同様と気が付いていると思う。(※すでに僕の講演を聴いて、取り組みを行っている介護事業者も多い。)

入浴については、「すべての入所者が、特別浴槽でなく、個人浴槽等の一般浴槽で入浴していることが原則である。」としているが、これは在宅復帰を睨んで、自宅で入浴できる方法を促しているものであろう。通所サービスの「入浴介助加算供廚箸皀螢鵐した考え方と言えるかもしれない。

また次の点も注目すべき指摘である。
・本人の希望に応じて、流れ作業のような集団ケアとしないため、例えば、マンツーマン入浴ケアのように、同一の職員が居室から浴室までの利用者の移動や、脱衣、洗身、着衣等の一連の行為に携わること

僕の講演を聞いたことがある人ならわかると思うが、この方法も僕が勧めている、「業務分担しない生活支援型ケア」である。一人の職員がマンツウマン対応することで、職員が一人いれば、利用者ひとりに対応できるようになる。そして業務分担するよりしない方が、分担作業の繋がりロスがなくなる分、ケアがスムースになるという利点が出てくるのでぜひ実行してほしい。

また同加算では、「中重度の要介護者においても、離床時間や座位保持時間が長い程、ADLが改善すること」として、「離床、座位保持又は立ち上がりを計画的に支援する」「計画的に行う離床等の支援を一定時間実施する」ことを求めているが、その目的はあくまで、「日中の過ごし方を充実したものとすること」であり、座ったきり老人を創っても始まらないという理解も必要だ。

「本人の生きがいを支援し、生活の質を高めていく観点から、離床中行う内容を具体的に検討して取り組むことも重要である」と指摘されていることを、全職員に正確に伝えてほしいと思う。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

あらためて求められたQOLを職員に知らせているか


改定報酬体系・加算要件は職員全員に伝えるべきですより続く)
最初にお知らせです。東京の感染拡大が予測以上です。このため10/5(火)に予定して会場も抑えていた出版記念シンポジウムを行うことは難しい状態と判断しました。現在10月のシンポジウムを延期して、年内に実施できないか検討中です。予定に組み入れていた方には申し訳ありませんが、こうした事情ですので、ご容赦くださいますようお願い申し上げます。

なお本の出版は予定通り、9月中に発売予定です。

お知らせは以上です。ということで本題に移ります。

介護保険制度の理念の一つが、「自立支援」であることは今更言うまでもない。

しかし介護保険法総則においてこの法律の目的は、「国民の保健医療の向上及福祉の増進」であるとされているのだから、自立支援もその目的を達成するための理念の一つであると言える。

福祉とは、「しあわせ」や「ゆたかさ」を表す言葉なのだから、国民の幸せが増して進まない自立支援は求められていないということになり、介護を要する人に対して、「自立して暮らさないと悲惨な暮らしになってもしょうがないよ」と脅しながら、自己責任を強いることを意味しているわけではないのである。

そのため介護保険制度には、「自立支援」と並んでもう一つの理念が存在する。それが「生活の質(QOL)の向上」である。

しかし過去の制度改正や報酬改定では、「自立支援」を重視した方策に偏った議論が見られ、そのために「生活の質の向上」はおざなりに扱われる感も否めなかった。

しかし今年度の報酬改定においては、「暮らしの質」に着目した、新たな視点が数多く示唆されている。

例えば、排せつについて多床室のポータブルトイレ利用を戒める指摘が行われている。

特定施設と介護保険施設の、「サービス提供強化加算」の新要件として以下の考え方が示された。
・ケアに当たり、居室の定員が2以上である場合、原則としてポータブルトイレを使用しない方針を立てて取組を行っていること

介護施設の「自立支援促進加算」でも次のような考え方が示されている。
・排せつは、入所者ごとの排せつリズムを考慮しつつ、プライバシーに配慮したトイレを使用することとし、特に多床室においては、ポータブルトイレの使用を前提とした支援計画を策定してはならない。

このことに関連してQ&Aでは、多床室でポータブルトイレを使用してよい特例を、「在宅復帰の際にポータブルトイレを使用するため、可能な限り多床室以外での訓練を実施した上で、本人や家族等も同意の上で、やむを得ず、プライバシー等にも十分に配慮して一時的にポータブルトイレを使用した訓練を実施する場合」としており、一時的な使用にとどめ、恒常的に多床室でポータブルトイレ利用することを認めていないのである。

そのうえで、「原則として排せつは、入所者ごとの排せつリズムを考慮しつつ、プライバシーに配慮したトイレを使用すること」とされているのである。

オムツをはずしさえすればよくて、おむつ交換しなくて済むなら、それ以外の排泄方法の質は問われなかった従前の考え方から、大きく一歩を踏み出した考え方だと言えよう。

僕は以前グループホームの外部評価を行っていたが、GHでもポータブルトイレの不適切な使い方を何度か指摘したことがある。例えば(家具調ではない)便器そのもののポータブルトイレが無造作にホールに置かれ、便器が丸見えの状態で利用者が食事している姿を見て、食事場所から見えるところにポータブルトイレを置かないように指摘したこともある。

ケアとは何かという本質を忘れて、排泄動作だけを支援すればよいと考える先には、利用者が便器を見ながら食事をさせられていても、何も問題を感じないという感覚麻痺が生まれ、それがやがて様々な場面で、プライバシーと羞恥心に配慮のない不適切ケアを生み出すのではないか。

他人が自分のベッドのすぐ横で、日常的に排泄する姿を見せられるというのは、暮らしの質としては最低である。いくらトイレスクリーンで、ポータブルトイレを隠しても、音やにおい、排せつの気配までは消せない。そういう意味で、多床室のポータブルトイレ使用の戒めは非常に良い示唆だと思う。

排泄自立とは、他人の目の前で、ポータブルトイレに座って排せつすることではないことを、今回の新規程は示しているように思える、このことは全職員に伝えておかねばならない示唆であろう。

今回の改定では、排せつに関する示唆はさらにあるし、日中の過ごし方や、食事介助の方法に関する新たな視点も示されている。字数が長くなったので、そのことは明日の更新記事で改めて示すことにしよう。(暮らしの質に関する新たな示唆に続く)
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

改定報酬体系・加算要件は職員全員に伝えるべきです


報酬改定から5月目を迎え、新体系への疑問もほぼ解決したのではないかと察する。

この間、解釈通知やQ&Aの読み込みをはじめ、僕の講演も含めて、様々な改定報酬に関する講演などを受講して、その解読に努めた関係者は数知れないだろう。

事業管理者やリーダー・請求担当者等は加算算定要件等、報酬構造に精通しておく必要があることは当然だが、事業者によっては、その他の職員にそうした情報をほとんど伝えていないところがある。

実際に介護業務等に従事している職員が、何となく新しい加算名を耳にして、何となくどうしたらよいかを指導されて終わりという事業者が少なからずある。

しかしそれではダメだ。報酬改定の説明会は、職員全員に向けてきちんと行わねばならない。

加算要件等を経営者や管理職だけが知っておればよいということにはならないのだ。介護事業者としてどこを目指していくのかを全職員が理解するためには、そのことに関連する報酬体系情報は全職員に、「知っておくべき情報」として伝えられなければならない。

そうすることによって職員は、「そのことは知っておかねばならない知識である」という意識を持つようになる。そのことは事業経営上不可欠だ。

それをしないでいると、職員は新たに加算要件として求められる数値報告や記録、介護実践の方法の変更の意味が理解できず、仕事に仕方に対する疑問を抱くかもしれない。それは仕事に対するモチベーションとパフォーマンスの低下へと直結する問題である。

そもそも自分が行っていることの意味を知らねば、仕事のやりがいが感じられなくなるのは誰しも同じだろう。

報酬構造や算定要件の説明をしない状態で、何となく仕事のやり方を新報酬体系に向かうように流そうというのは、職員のやる気をそぐ結果をもたらしかねないのだ。

例えば数回前の報酬改定から全事業に求められている方向性の一つに、利用者の口腔機能の維持・向上と栄養状態の維持・向上が挙げられる。

食物の口腔摂取維持の取り組みを評価し、そのことで栄養状態を良好に保つことが、自立支援につながると評価して、様々な加算につながっている。

この部分は管理栄養士の活躍が期待される部分だが、管理栄養士がいくら旗を振って掛け声をかけても、介護の場で実際に食事摂取の支援をする職員が、その方向性や意味を知らないと、適切な支援行為につながらない場面がしばしばみられる。

そこでは口腔機能維持や口腔摂取・栄養状態の検証に取り組み管理栄養士に対して、自分の存在感を示すためにパフォーマンスにはしているとか、自分の評価につながる問題にしか興味がない仕事ぶりであるとかいった、的外れな批判が噴出して、成果が挙がらないだけではなく、職場全体の雰囲気が悪くなる。

そのような状態に陥らないように、職員全員が同じ方向を目指して仕事のパフォーマンスが高められるように、何が必要とされて、そのためには何をどうしなければならないのかという説明が不可欠である。

自分が働いている事業において、国は何を求めているのかを直接知ることにつながるのが、報酬構造・加算算定要件の説明である。全職員がその方向性や具体的方法を知ることによって、目指すものが見えてきて、職場の理念を形骸化させず、目標がはっきりしてくるかもしれない。

そういう学習機会をきちんと設けて事業展開していくことが、安定した介護事業経営にもつながっていくのだ。

そうであれば特に施設サービス経営者及び管理職の方には、今年度の報酬改定で新たに求められた、「生活の質の向上」の具体的内容を、職員全員にきちんと説明しているのかと問いたい。そのことは明日更新する記事の中で詳しく説明するとしよう。

なおそうした内容も含めて、各事業者に関する報酬改定の要点・職員の皆さんに伝えておかねばならないことに関する講演は、随時受け付けているので、お気軽にメール等で問い合わせいただきたい。

メールの連絡は、「北海道介護福祉道場 あかい花」の右上のメール画像をクリックするか、グレーの帯にあるヤフーメールに送っていただければ返信させていただく。
制度改・報酬改定の目的
是非お気軽に連絡してください。(あらためて求められたQOLを職員に知らせているかに続く)
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

厚顔無恥(こうがんむち)のケアマネと呼ばれないように・・・。


通所サービスに新設された入浴介助加算(II)(55単位/日)は、リハビリ専門職等が利用者の自宅を訪問して浴室環境を確認するとともに、それを踏まえた個別計画を多職種連携のもとで策定し、計画に沿った入浴介助を行うことで算定できる加算だ。

この加算は在宅での自立的生活をより重視する介護保険制度の主旨を踏まえたうえで創設された加算であり、入浴も自宅でできることを目指した加算であると厚労省は説明している。

つまり国が目指す、「科学的介護」の具体的な方向性を示した加算であると言っても良いのである。

そのため令和3年度介護報酬改定Q&AVol8 の問1では、通所サービスの入浴介助加算()は、自宅に風呂のない人も含めて、通所サービス事業所で入浴支援する人すべての利用者に算定可能であることが通知されている。

しかし通所サービスで入浴できれば、自宅であえて入浴する必要はないと考える利用者がいて、その方々は、より高い自己負担を強いられて、必要のないアセスメントや入浴支援を強いられるのは余計なお世話であるとして、「入浴介助加算供廚了残蠧碓佞鬚靴覆ぅ院璽垢ある。

そうした拒否権は利用者にあって当然なので、この場合、通所サービス事業所は加算兇諒法を強制することは出来ず、加算気蚤弍せざるを得ない。

だからこそ通所サービス事業者は、利用者ごとに加算区分が違ってこないように、この加算の主旨を利用者に丁寧に説明して、「余計なお世話かもしれませんが、国が目指す方向に沿った加算であり、こうした趣旨に沿って運営していくことが、将来的には当事業所の介護の質の向上につながり、利用している皆様にもより良いサービス提供ができることにつなげていくよう頑張りますので、算定に同意してください。」とお願いすることが重要だ。

くれぐれも、「国が決めたことだから、こうしないといけません。」と強要するような態度をとらないようにしていただきたい。

ところでこの加算兇砲弔い討蓮計画担当ケアマネジャーが認めないために算定できないというケースが相次いでいる。

算定を認めないケアマネの言い分は、「自宅で入浴する必要はない。」・「通所サービスを利用する主旨と異なる」などである。

前述したように確かにこの加算は、人によっては、「余計なお世話加算」である。だからと言って利用者の意志に関係なく、ケアマネジャーの考え方を先行させて、居宅サービス事業所が算定可能な加算を拒否する権限は、居宅介護支援事業のケアマネと言えども持っていないはずだ。

国が新設した加算であるにもかかわらず、利用者に対し、「この加算は、通所サービス利用目的と逢わないので算定拒否してください」と頼むのも筋違いである。

通所サービスを利用する目的は、「自宅で入浴する」ということではなく、利用者の家族のレスパイトケア(通所介護のみに認められる)であったり、認知症の予防であったり、身体機能の維持であったりしたとしても、その目的に沿って、通所サービスで行う具体的サービス内容をどうすべきかということは、「通所サービス計画」によって決定されるものであり、計画担当ケアマネジャーは、この処方について、サービス担当者会議等で意見を述べることは出来ても、最終決定の段階で何かを決める権限はない。

以前書いた「加算区分はサービス事業所が決める問題です」で示したように、通所サービスの具体的サービス提供方法は、事業所単位で違うのが当然であり、各々の通所サービス事業所が決定できる問題なのである。

そもそも加算は国が推奨する方向でもあり、介護サービス事業所はそうした加算を算定することを国から求められているのである。その方向で通所サービス事業所が加算算定しようとすることに、ケアマネジャーという制度の中核に存在する有資格者がバリアになるなんて言うことがあってはならない。

それは制度に対してあまりにも理解が欠けている状態と言わざるを得ず、厚かましくて恥知らずな姿でしかない。

僕はケアマネサポーターを自任しているので、そのようなケアマネジャーがいることは非常に悔しいのである。そんな姿は見たくない。

ということで・・・ケアマネの皆さん、どうぞ勘違いしないでください。厚顔のケアマネの姿は醜いだけですよ。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

加算区分はサービス事業所が決める問題です


通所サービス(通所介護・通所リハビリ)の入浴加算が2区分になったことから、同じ事業所に通っている利用者が、人によって算定区分が違ったり、人によってはある時期に、加算機漸短鮫供覆△襪い呂修竜奸砲吠僂錣覯椎柔も考えられる。
通所サービスの入浴介助加算
このことについて居宅介護支援事業所の介護支援専門員が、通所サービス事業所に対して、サービス担当者会議に区分変更を図らないと算定区分を変えられないので、勝手に気鬮兇吠僂┐討盖詆婀浜はできないと主張するケースが出てきている。

それは大きな誤解である。居宅介護支援事業所若しくは介護支援専門員にそのような権限はないのだ。

僕の講演でも、居宅介護支援事業所の方が、加算区分変更は軽微変更で良いのか、通常の計画変更として担当者会議などの一連の手続きが必要なのかという質問を受けることが多くなった。

しかし通所サービスの入浴加算について、居宅サービス計画に区分を記載する必要はなく、区分決定に際して担当者会議も、計画担当ケアマネジャーの許可や指示も必要とされていない。軽微変更にさえ該当しない問題である。

なぜなら居宅介護支援事業所は、利用するサービス種別と事業所を決定し、サービススケジュールを組むことは出来るが、利用者が利用するとしたサービス事業所で提供される具体的サービス内容については、担当者会議で確認したり、意見を述べたりすることはできても、その最終決定の指示を行う権限なんてないからだ。

サービスの、「具体的内容」は各サービス事業所が決定し、各サービス事業所の計画書に記載すべき問題である。

このことは基準省令で下記のように記されているので確認してほしい。
---------------------------------------------------------
(指定居宅介護支援の具体的取扱方針)
第十三条 八 介護支援専門員は、利用者の希望及び利用者についてのアセスメントの結果に基づき、利用者の家族の希望及び当該地域における指定居宅サービス等が提供される体制を勘案して、当該アセスメントにより把握された解決すべき課題に対応するための最も適切なサービスの組合せについて検討し、利用者及びその家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針、生活全般の解決すべき課題、提供されるサービスの目標及びその達成時期、サービスの種類、内容及び利用料並びにサービスを提供する上での留意事項等を記載した居宅サービス計画の原案を作成しなければならない。

(通所介護計画の作成)
第九十九条 指定通所介護事業所の管理者は、利用者の心身の状況、希望及びその置かれている環境を踏まえて、機能訓練等の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した通所介護計画を作成しなければならない。
---------------------------------------------------------
入浴支援について、具体的内容をどうするかということは、居宅サービス計画の内容に沿うことは必要だが、最終的にそれはサービス事業所が決定する問題である。

居宅サービス計画には、「通所介護で入浴支援を行う」とさえ書かなくても良いのだ。事実、通所サービスで入浴支援を行なっているケースで、居宅サービス計画書に、入浴に関する内容に全く触れていない計画書も多々存在する。

例えば通所介護は、家族のレスパイトケアを利用目的とすることは認められているため通所介護利用目的が、「家族の休養」としか書かれていない居宅サービス計画書もある。それでも通所介護の基本サービスとして入浴介助が行われている場合に、通所介護計画にその具体的内容を位置付けて、入浴介助加算を算定できる。それは通所介護で入浴支援を行うことで、自宅で入浴支援を行う家族負担が減ることを考えると、そのことがレスパイトケア目的にかなっていて、「居宅サービス計画書の内容に沿っている」と言えるからである。

同じように、通所サービスでリハビリテーションや機能訓練を行って身体機能を維持するという目標があれば、その目標に沿って、自宅で自分で入浴できるという身体機能の維持や向上を目的として入浴介助加算兇坊劼欧討睥匹い錣韻任△蝓居宅サービス計画にこまごまと、自宅で入浴できるなどという目標も入れる必要はないのである。

通所介護の個別機能訓練加算気砲弔い討癲▲い鮖残蠅垢襪ロを算定するのかは、通所介護の機能訓練指導員の配置状況で決まる問題であり、事前にその配置を決めることができる通所介護計画にしか位置付けられないのである。

新設された加算等をすべて居宅サービス計画書に位置付ける必要があるとすれば、科学的介護推進体制加算も居宅サービス計画書に記載する必要があることになるが、そんなことはあり得ないのである。

居宅サービス計画は、そのサービスを利用することで生活課題をどのように解決につながるのかという視点から、マクロ的なサービス内容を記入すればよいだけである。「自宅での生活が継続できるように機能を維持する」という目的で通所サービスを計画しておれば、機能維持の具体的内容・具体的方法論は通所サービス事業所が計画書に落として実施するのである。

その原則を忘れなければ、報酬改定のたびに新設される加算をいちいち居宅サービス計画書に反映させなければならないなんていう誤解をしなくて済むのである。

介護保険制度やケアマネジメントの知識に欠け、過去の報酬改定の経緯も知らない保険者の担当者が、この部分を誤解しておかしな行政指導をするとしても、そんなのは無視してよいのである。

各種加算の算定要件は、それぞれの事業所の計画にその内容を位置付けることになっているのだから、変な行政指導を行う輩には、すべての加算を居宅サービス計画書にこまごまと記載する根拠はどこになるのかと問いただせばよいのである。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。

新年度対応も着々と進んでいるようですね


僕は昨日、大阪から東京に移動して、夜7時からLIFE対応を中心にしたオンライン講演を生配信した。

昨夜も600人近い人が視聴してくれたが、皆さんの知りたかった情報提供ができ、疑問解決等につながっていることを願っている。貴重な時間を使って、視聴していただいた方々にはこの場を借りてお礼を述べたい。心より感謝しています。

LIFEについては、(国が公表していない)システムエラーがまだ一部残っているものの、介護事業者の使用ソフトからのCSV出力のLIFEへの取り込み機能については、多くのベンダーがすでにその機能に対応しており、当初手入力で大変な作業を強いられていた担当者の業務負担も軽減したようである。

逆に言えば、この時期に自分の所属事業者が使っている請求ソフト等が、LIFEへのCSV出力に対応していないのであれば、そのベンダーを使い続けてよいか真剣に検討しなければならないと思う。

今後の介護事業者は、LIFEへの情報提出とフィードバック活用をしなければ、事業継続が出来なくなるといってもよいので、そこにスムースに対応していないソフトベンダーは、いくら費用が安くとも事業経営上は好ましいものではないという考え方も必要だ。

まだLIFE対応が必要ではない居宅介護支援事業所や訪問介護事業所も、次期報酬改定(2024年度の診療報酬とのダブル改定)では必ずLIFE対応が必要となるので、その準備は視野の片隅に入れておいたほうが良いだろう。

このブログや表の掲示板に再三書いているが、LIFEはまだその機能が十分に発揮できるほど、きちんとした体制が整っているとは言えない。しかしそこに送るデータについて、真面目過ぎるほど悩んで、正確なデータを送らねば大問題が生ずるとでも思っている人が多いのには閉口してしまう。

何が正確な提出情報といえるのか、どのデータを指して情報を送れと言っているのかがあいまいなまま、正確な情報発信を国が行っていない中での情報提出なのだから、そこで誤ったデータを送る介護事業者が出てくるのは、当然といえば当然の結果である。

科学的介護推進体制加算等は、やむを得ない事情がある場合を除いて、情報提出を一部でも行わなければ、すべての利用者について加算算定が不可となるが、提出情報の一部に間違いがあったからといって、加算算定ができなくなるということはない。

提出情報が間違っておればあとから修正をすればよいのだから、100%正確なデータを送ろうとしなくてよい時期が、今の時期であると考えるべきである。馬鹿正直・くそ真面目は、本当の馬鹿の一歩手前でしかない。

情報提出の猶予期間も最大限利用すべきだ。

科学的介護推進体制加算・褥瘡マネジメント加算・排せつ支援加算・栄養マネジメント加算の4加算のついては、4/23通知の4〜6月加算分の8/10までの猶予期間とは別に、「科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」で示されている通り、今年度算定分のすべての月の情報提出猶予期間が別に設けられており、理由によってどちらかの猶予期間を使ってよいことを理解すべきである。

このオンラインセミナーは、この後6/10 (木)基準改正など全体共通ルールの解釈・6/24 (木)居宅サービスの改定解釈の詳細・7/8(木)居宅介護支援と施設サービスの改定解釈の詳細と残り3回配信予定となっているので、引き続き視聴いただきたい。

施設サービス部分では、先行して情報提供しておきたい部分がある。

表の掲示板では施設サービスに新設された、「安全対策体制加算」については、「入所初日に限り所定単位数を加算する。」とされているが、「同一敷地内等の医療保険適用病床を退院したその日に介護保険施設等に入所等する場合(同一医療機関内の転棟の場合を含む。)は、介護保険施設等においては入所等の日は算定されないとしているので、併設病院から介護老人保健施設に入所した場合の施設サービス費については、入所日は算定できない」という老企40号規定によって、「入所初日に費用算定できないケースは、同加算が算定できないのか?」という疑問に関しては、「併設医療機関からの入所なら2日目に算定でOK」という解釈が、厚生労働省確認事項として保険者より通知されたという情報提供がされている。

同じく「安全対策体制加算」については、1入所につき1回算定というルールしか存在しないため、同月内に再入所した場合もそれぞれ算定可能とアナウンスされている。これも一部の保険者によって、厚労省に確認されていると情報提供されている。

参考にしていただければ幸いである。
登録から仕事の紹介、入職後のアフターフォローまで無料でサポート・厚労省許可の安心転職支援はこちらから。

※介護事業経営に不可欠なランニングコストをリスクゼロで削減できる新情報を紹介しています。まずは無料診断から始めましょう。電気代でお困りの法人・個人事業主様へ、電気コスト削減!【ライトでんき】





※別ブログ「masaの血と骨と肉」と「masaの徒然草」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。

北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。

・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。

masaの最新刊看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
新刊出版のご案内
きみの介護に根拠はあるか
新刊「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは(2021年10月10日発売)のamazonからの取り寄せはこちらをクリックしてください。
masaの講演案内
当ブログ管理人masaの講演予定は、こちらからご覧下さい。講演依頼もこのページからできます。
Weekuly Access

    記事検索
    Blog Search
    Google
    WWW を検索
    このブログ内を検索
    ↑こちらにキーワードを入れて過去のブログ内記事を検索できます。
    masa's book 6
    表紙画像(小)
    新刊「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から(2019年1月20日発売)のネットからの購入はこちらをクリックしてください。送料無料です。
    masa's book 5
    新刊介護の誇り
    「介護の誇り」はこちらから購入できます。
    masa's book 4
    介護の詩(うた)  「介護の詩(うた)」はこちらから購入できます。
    masa's book 3
    人を語らずして介護を語るなTHE FINAL 誰かの赤い花になるために  感動の完結編。 「人を語らずして介護を語るな THE FINAL 誰かの赤い花になるために」。 はこちらから購入できます。
    masa's book 1
    表紙カバー、帯付き
    書籍化第1弾「人を語らずして介護を語るな〜書籍masaの介護福祉情報裏板」 はこちらから購入できます。
    Facebook
    masaのフェイスブックはこちらからアクセスしてください。
    Recent Comments
    Archives
    Categories
    Access Counter
    • 今日:
    • 昨日:
    • 累計:

    QRコード
    QRコード