masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

介護報酬

生産性向上推進体制加算気悗琉楾圓鯡椹悗靴討ださい



介護報酬改定からすでに3月以上が過ぎて(※6月改定の訪問看護・訪問リハ・通所リハ・居宅療養管理指導を除く)、新報酬体系に応じた事業運営も軌道に乗ったところが多いだろう。

新報酬については厚労省サイトの「令和6年度介護報酬改定について」にまとめられているが、ここは新しい情報が随時アップされているので、注意して確認をしておく必要がある。
介護生産性向上
ところで新設された生産性向上推進体制加算については、(※従前から生産性向上の取り組みを行って、すでに成果が出ている事業者を除き)加算(供砲鮖残蠅掘加算(供砲陵弖錣亡陲鼎い深菫箸鮖扱邂幣綏兮海靴匿覆瓠∪果が上がっていると確認された場合に、加算(機砲飽楾圓垢襪海箸想定されている。

このため4月から加算兇鮖残蠅靴討い浸業者では、6月までの取り組みの成果を確認し、7月から加算気飽楾圓任る事業者もあるだろう。

成果については以下の3点の確認が必要だ。
(1) 利用者の満足度等の評価→維持又は向上
(2) 総業務時間及び当該時間に含まれる超過勤務時間の調査→短縮
(3) 年次有給休暇の取得状況の調査→維持又は増加
以上の3点について確認しなければならない。

その評価については
(1)は、WHO−5調査(利用者における満足度の変化)の実施及び生活・認知機能尺度の確認を行う必要がある。

(2) 総業務時間及び当該時間に含まれる超過勤務時間の調査 については、対象事業年度の10月(※ただし本加算を算定した初年度においては、算定を開始した月とすること)における介護職員の1月当たりの総業務時間及び超過勤務時間を調査(※総業務時間及び超過勤務時間は調査対象者全体の平均値(少数点第1位まで)を報告すること)することとされている。また、労働時間の把握については、原則として、タイムカード、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間(ログインからログアウトまでの時間)の記録等の客観的な記録(賃金台帳に記入した労働時間数も含む)により把握する必要がある。

(3) 年次有給休暇の取得状況の調査 については、対象事業年度の10月を起点として直近1年間の年次有給休暇の取得日数を調査(※年次有給休暇の取得日数は調査対象者全体の平均値(少数点第1位まで)するとされている。

また気鮖残蠅垢訃豺腓呂気蕕房,2点の調査も必要とされている。

(4) 介護職員の心理的負担等の評価 は、SRS-18調査(介護職員の心理的負担の変化)及び職員のモチベーションの変化に係る調査を実施する。

(5) 機器の導入等による業務時間(直接介護、間接業務、休憩等)の調査は、介護職員向け調査票により、5日間の自記式又は他記式によるタイムスタディ調査を実施するとされている。ただし調査実施に係る現場の負担も考慮し、日中の時間帯、夜間の時間帯それぞれについて、複数人の介護職員を調査の対象とすることで足りるものとする。

これらの調査に必要な帳票等については、生産性向上推進体制加算に関する通知(令和6年3月15日策定、令和6年3月29日一部改正)に別添として示されているので確認していただきたい。

また当初、「生活・認知機能尺度に関する調査票については別途通知する。」とされていたが、すでに改定通知でその調査票も示されているので確認漏れがないようにしていただきたい。

なお本加算の新設以前から生産性向上の取組に着手しており、加算(供砲陵弖錣箸覆覯雜邉ヾ錣瞭各前の6(1)の項目に関する調査のデータがない場合等については、当該介護機器の導入前から介護サービスを利用する利用者へのヒアリング調査等を行い、その結果に基づき、委員会において当該介護機器の導入による利用者の満足度等への影響がないことを確認することで足りるものとする、というルールがあるので、是非この特例を利用していただきたい。

この加算は気鮖残蠅任れば兇10倍の算定額となる。それは事業収入として大きなものとなるので、ぜひ上位加算の算定を目指してもらいたいところである。


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協力医療機関連携加算のハードルは意外と低かった



本年4月から、道内の某社会福祉法人とアドバイザー契約を結び、定期的に訪問し経営状況のチェックやアドバイスを行っている。

主な目的は改定介護報酬に即応して、できる限り算定し得る加算をとり逃さないことと、ベッドコントロールを適切に行ってベッド稼働率を向上させることである。

そのうち前者については新加算をできるだけ4月から算定できるように取り組んでいる。

例えば介護保険施設及び居住系施設(特定施設・GH)に新設された、「協力医療機関連携加算」については、できる限り上位加算を算定したいことは協力医療機関指定義務化と協力医療機関連携加算についてという記事で論評した。

今回アドバイザーとして関わっている法人の特養は、もともとの施設配置医師の所属医療機関が、「在宅療養支援病院」であるために、そこを協力医療機関と定め自治体にその名称を提出している。

その為、下記の3要件もクリアできている。
入所者等の病状が急変した場合等において、医師又は看護職員が相談対応を行う体制を常時確保していること。
高齢者施設等からの診療の求めがあった場合において、診療を行う体制を常時確保していること。
入所者等の病状が急変した場合等において、入院を要すると認められた入所者等の入院を原則として受け入れる体制を確保していること。

よってこの協力医療機関との間で、入所者の現病歴等の情報共有を行う会議を定期的に行えば、協力医療機関連携加算の上位区分加算が算定できるわけである。

その会議要件をどうクリアするかについては、協力医療機関連携加算の会議要件をどうクリアすべきかというブログ記事では、「毎月の会議をオンラインで行う方が容易である」と書いた。

しかし4月からこの加算を算定している特養の状況を振り返ると、この会議の考え方を少し改めた。

会議を年3回以上と少なくするためのハードルは高いので、毎月行う方がむしろハードルが低いという考え方に変更はないが、その方法はオンラインではなく、医師が施設利用者の診療に訪れる際に、月に1度だけ時間を余計に割いてもらって、現病歴等の情報共有を行うことで加算算定している。

入所者診療以外に、医師にわざわざ時間をとってもらってオンライン会議を行うより、診療後に少しだけ時間をとってもらって情報共有を行う方が合理的で、スケジュール管理もしやすいと考えたからだ。
※当該施設は、診察日が火・金のため、第3週の金曜日に会議設定している:本年4月のみ準備の都合で第4金曜日に実施。

その為には、会議時間をできるだけ短くする必要があると考え、下記のようなシートを作成し、看護職員が会議前の週に1度だけ情報確認と更新情報をアップし、医師にシートを印刷して渡して説明することとした。
入所者病歴等シート
解釈通知で、「毎回の会議において必ずしも入所者全員について詳細な病状等を共有しないこととしても差し支えない。」とされているので、説明と言っても入院の必要性が高い人がいる場合に、当該入所者の状態を簡単に説明すればよい。(※そもそもそういう人がいる場合は、診療前に看護職員から説明を受け、診療もしているはずである

処方やバイタル等はカルテに記載されているので、このシートに重複して記載する必要はない。病名は病状などと直結しているため重複記載はやむえないだろう。ただしそれはコロコロ変わるものではないので、一度記載すれば変更されたときのみ修正するのみであり、最初だけの手間だろう。

この方法だと、会議と言っても5分以内で終わることもあり(※というか4〜6月の会議は5分程度で終わっている)、議事録にシートの写しを添付して記録をきちんと残しておくだけでよい。

この方法は、どこからも文句はつけられないので、毎月の現病歴等の情報共有を行う会議要件は完全にクリアである。

当該加算は体制加算であるため、僕がアドバイザーとして関わっている社福の特養では、4月から100単位/月を利用者全員に算定できている。それだけで年間120万円の収益アップである。これは経営的には大きいと思う。

それにしてもこの加算・・・来年度(令和7年度)からは算定単位が50単位/月と一気に半額となってしまう。それはいったい何故だろう。やや意味が分からないところではある。


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加算算定の利用者同意要件には意味があるのか?



6/7付で発出された令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.7)では、【協力医療機関連携加算】について次のような疑義解釈が示されている。

問1: 協力医療機関連携加算について、「入所者の同意を得て、当該入所者の病歴等の情報を共有する会議を定期的に開催している場合」とあるが、病歴等の情報を協力医療機関と共有することに同意が得られない者に対して算定できるか。

(答)協力医療機関連携加算は、高齢者施設等と協力医療機関との実効性のある連携体制を構築することを目的とした体制加算であり、入所者全員について算定されるもの。なお、協力医療機関に対して病歴等の情報を共有することについて同意が得られない入所者であっても、当該入所者の急変時等において協力医療機関による診療等が受けられるよう取り組むことが必要。

これにより協力医療機関連携加算は体制加算で決着したわけであるが、それはとりもなおさず、この加算が個別加算であると誤解する関係者が多かったからに他ならない。

現に僕が管理する介護福祉情報掲示板の、「協力医療機関連携加算は個別加算?体制加算?」というスレッドのNo.3では、行政担当課が個別加算であるとして、利用者全員に算定することを否定するような回答をしていたという情報が提供されている。

その理由は当該加算の算定要件が、「協力医療機関との間で、入所者等の同意を得て、当該入所者等の病歴等の情報を共有する会議を定期的に開催していること。」とされていることから。同意の得られない利用者には算定できないと判断した回答だ。

しかもそれからさらに拡大解釈が行われ、「会議で情報共有されない利用者については算定しない」という考え方まで示された・・・これは解釈通知に「毎回の会議において必ずしも入所者全員について詳細な病状等を共有しないこととしても差し支えない。」と示されている内容と完全に矛盾する考え方である。
SCREAM
そうした間違った行政指導が、Q&Aによって是正されることになるわけであるが、そもそも混乱のもとになっている「入所者等の同意を得て」という算定要件が必要なのかと問いたい。

なぜなら加算については、利用者もしくは家族への説明同意が必須であり、同意なしで算定できる加算なんて存在しないからだ・・・そうした当たり前の規定を算定要件に書いてしまうから、書かれていない他の加算と見比べて、おかしな解釈が横行するのではないのか・・・。

それと同時にQ&Aでは、「同意が得られない入所者であっても、当該入所者の急変時等において協力医療機関による診療等が受けられるよう取り組むことが必要」としているが、この加算の同意を拒む利用者をそのままにし、なおかつ診療等が受けられるように配慮する必要があるのかという疑問も抱かざるを得ない。

体制加算はすべての利用者に対してメリットがある体制を整えているという意味だ。それに対して加算費用を支払うことに同意する人と、同意しない人がいる状態をやむを得ないとすれば、快く加算同意した人が費用負担面で不利益を被ることになりかねない・・・同意しない人は、同意した人と同じ利益を享受しながら、費用負担しないのでは、同意した利用者が馬鹿を見るということになりかねない。

そうであれば、体制加算に同意できない人は、そういう体制のある施設を必要としないという意味で、同意しないのであれば、そうした体制加算のない別の施設に転入所してくださいとしてよいのではないかと思う・・・それは正当な理由によるサービス提供拒否として認められるべきだろうと思う。

同意をできない利用者は退所支援はきちんとするので、別の行き先を探しましょうということはあってよいのだろうと思う。


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生産性向上推進体制加算気鮖残蠅垢襪燭瓩寮果とは



今年度から短期入所系サービス・居住系サービス・多機能系サービス・施設系サービスに横断的に新設された生産性向上推進体制加算は、100単位/月)と10単位/月)の2区分となっている。

言うまでもなく気上位区分であり、それも下位区分と10倍の開きがある単位となっている。

この加算は体制加算であり、利用者全員に算定できるため、100人定員の施設が上位区分である加算気鮖残蠅垢襪版間120万円の収益となる。しかし下位区分しか算定できなければ年間12万円にしかならない・・・そう考えると、この加算はなんとしても加算気鮖残蠅靴燭い箸海蹐任△襦

下位区分の兇了残衢弖錣楼焚爾猟未蠅任△襦
利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の開催や必要な安全対策を講じた上で、生産性向上ガイドラインに基づいた改善活動を継続的に行っていること。
見守り機器等のテクノロジーを1つ以上導入していること。
1年以内ごとに1回、業務改善の取組による効果を示すデータの提供(オンラインによる提出)を行うこと。

上位区分の気鮖残蠅垢訃豺腓蓮⊂綉兇陵弖錣鯔たしたうえで、さらに下記の要件をクリアする必要がある。
(供砲離如璽燭砲茲蟠般害善の取組による成果が確認されていること。
見守り機器等のテクノロジーを複数導入していること。
職員間の適切な役割分担(いわゆる介護助手の活用等)の取組等を行っていること。
1年以内ごとに1回、業務改善の取組による効果を示すデータの提供(オンラインによる提出)を行うこと。
注:生産性向上に資する取組を従来より進めている施設等においては、(供砲離如璽燭砲茲覿般害善の取組による成果と同等以上のデータを示す等の場合には、(供砲硫短擦鮗萋世擦此◆吻機砲硫短擦鮗萋世垢襪海箸皺椎修任△襦

このように加算(機傍擇啣短察吻供砲砲茲蝓∪源裟向上の取組を段階的に支援していくこととしており、原則として加算(供砲陵弖錣亡陲鼎い深菫箸鮨覆瓠3月以上の取り組みにおいて生産性が向上したという成果を出挙げることにより加算(機砲飽楾圓垢襪海箸鯀枋蠅靴討い襪發里任△襦しかし生産性向上の取組を本加算の新設以前より進めている介護サービス事業所においては、最初から加算(機砲鮖残蠅垢襪海箸皺椎修任△襦

このうちテクノロジー要件として求められる機器は、ア.見守り機器・イ.インカム等の職員間の連絡調整の迅速化に資するICT機器・ウ.介護記録ソフトウェアやスマートフォン等の介護記録の作成の効率化に資するICT機器(複数の機器の連携も含め、データの入力から記録・保存・活用までを一体的に支援するものに限る。)とされている。

加算の場合は、このうちどれか一つでも導入しておればよいが、加算の場合は、アからウまでに掲げる機器は全て使用することであり、その際、見守り機器は全ての居室に設置し、インカム等の機器は全ての介護職員が使用することが必要だ。
※見守り機器の運用については、事前に利用者の意向を確認することとし、当該利用者の意向に応じ、機器の使用を停止する等の運用は認められるものである。

業務改善の取組による効果を示すデータ等については、加算の場合は、1.利用者のQOL等の変化(WHO-5等)・2.総業務時間及び当該時間に含まれる超過勤務時間の変化・3.年次有給休暇の取得状況の変化・4.心理的負担等の変化(SRS-18等)・5.機器の導入による業務時間(直接介護、間接業務、休憩等)の変化(タイムスタディ調査)が必要で、1維持又は向上2短縮3維持又は向上が確認されなければならない。

加算兇砲弔い討蓮13のデータが提出できれば良く、成果は求められていない。

実績データの厚生労働省への報告については、「事業年度毎に1回」とされているだけで、提出時期は示されていない(※事業者都合で提出時期を決めて良いという意味だろう

ただし2.総業務時間及び当該時間に含まれる超過勤務時間の変化については、「対象事業年度の10月における介護職員の1月当たりの総業務時間及び超過勤務時間を調査すること。 」としたうえで、「本加算を算定した初年度においては、算定を開始した月とすること。」と特例規定も明記している。

また3.年次有給休暇の取得状況の変化については、対象事業年度の10月を起点として直近1年間の年次有給休暇の取得日数を調査【年次有給休暇の取得日数は調査対象者全体の平均値(少数点第1位まで)を報告すること。】とされている点に注意が必要だ。

また、生産性向上の取組を従来から進めている介護サービス事業所が最初から加算(機砲鮖残蠅垢訃豺隋加算(機砲了残螻始に当たっては、当該事業所における生産性向上の取組による成果として上記13に該当することを示すデータの提出が必要である。この場合において、データとは、当該事業所において生産性向上の取組を開始した際のデータを有している場合については、当該データと現在の状況を比較することが考えられる。しかしながら、加算(供砲陵弖錣箸覆覯雜邉ヾ錣瞭各前の1の項目に関する調査のデータがない場合等については、当該介護機器の導入前から介護サービスを利用する利用者へのヒアリング調査等を行い、その結果に基づき、委員会において当該介護機器の導入による利用者の満足度等への影響がないことを確認することで足りるものとするとされている。

加算(供砲鮖残蠅垢覯雜逎機璽咼校業所が加算の区分を変更し加算(機砲了残蠅魍始しようとする場合 は、加算(供砲陵弖錣箸覆覯雜邉ヾ錣瞭各後、生産性向上の取組を三月以上継続した上で、13の項目について、当該介護機器の導入前後の状況を比較することにより、成果が確認される必要がある。

加算新設時の4月に要件をクリアして気鮖残蠅靴茲Δ箸垢訃豺腓蓮加算(供砲陵弖錣箸覆覯雜邉ヾ錣瞭各後、生産性向上の取組を3月以上継続した上で、当該介護機器の導入前後における13の項目について、成果が確認されることを示すデータの提出が必要である。

こんなふうにまとめてみたが・・・いやはや複雑で面倒くさい加算である。


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単位は低くとも算定すべき加算



連合が傘下労働組合を対象にした調査の中間集計(5月2日時点)を公表した。

それによると初任給の増加率が最も大きかったのは、飲食店などを含む「サービス・ホテル」の10.34%。「製造業」は5.74%、百貨店やスーパーなどの「商業流通」が5.18%で続いている。

企業規模が大きいほど初任給の増加率が大きくなる結果も示されているが、「99人以下」でも増加率は4.43%である。

介護事業者の新介護職員等処遇改善加算の増加率は、令和6年度に 2.5%、令和7年度に 2.0%でしかないのと比べると、他産業の増加率はそれを大きく上回っていることとなる・・・しかも2.5%とか2.0%といった数字は、加算配分をすべて介護職員にだけ配分した場合の数字であり、事業者の裁量権を行使して他職種に配分の幅を広げれば、広げるほど増加率は下がることになる。
初任給
コロナ禍で一時飲食・宿泊業などから離れ、介護事業者に転職した人々は少なくないが、こうした賃上げ状況は、介護事業者に転職した人が元職に戻ってしまうなど、介護業界から人がさらに減る要因になるという懸念がぬぐえない。

だからこそ介護事業経営者は、加算だけに頼らない独自の給与改善に努めていかねばならない。最低でも介護職以外の昇給原資は収益を上げる中で別に確保して、介護職員等処遇改善加算は全額介護職員に配分するなどして、最大限の増加率を確保する必要があるのではないか・・・。

それでも他産業の昇給増加率に追いつかないが、どちらにしても最大限の経営努力で収益を確保して、従業員に最大限の還元をするという考え方がないと人材確保は困難となり、事業経営が継続できなくなりかねない。

そのため加算は最上位区分の算定を目指さねばならないし、単位数の低い加算でも拾えるものは拾っていかねばならない。

例えば短期入所系サービス・多機能系サービス・居住系サービス・施設系サービス共通に新設された生産性向上推進体制加算は、気鉢兇涼碓椋垢10倍である。

定員100人の特養で気鯀完に算定できれば年額120万円の収益になるが、兇世12万円にしかならない・・・この差を考えると、総業務時間及び当該時間に含まれる超過勤務時間を短縮させるなどのハードルは高いとしても、なんとしてでも上位加算を算定せねばならない。

だが単位が低くとも算定すべき加算がある。それは施設サービスと居住系サービスに新設された高齢者施設等感染対策向上加算(5単位/月)である。

この加算は気畔算残蠅任る加算であり、「感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関から、少なくとも3年に1回以上、施設内で感染者が発生した場合の感染制御等に係る実地指導を受けている場合」に算定できるとされている。

実地指導は、医療機関において設置された感染制御チームの専任の医師又は看護師等が行うこととされているが、その内容は下記である。
・施設等の感染対策の現状の把握、確認(施設等の建物内の巡回等)
・施設等の感染対策状況に関する助言・質疑応答
・個人防護具の着脱方法の実演、演習、指導等
・感染疑い等が発生した場合の施設等での対応方法(ゾーニング等)に関する説明、助言及び質疑応答
・その他、施設等のニーズに応じた内容

※単に、施設等において机上の研修のみを行う場合には算定できない。

実地指導内容は決して難しいものではなく、ハードルは高くない。しかも感染対策の重要性が増す中で、こうした指導はより重要となってくることを考えると、従業員教育としてこうした指導研修を受けることは、収入以外にもメリットがあると言える。さらに、「感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関」も増えているので、指導委託する医療機関を探すことにさほど苦労はしないだろう。

最も重要なことは、この加算は実地指導又は実地研修を受けた日から起算して3年間算定してよいとされていることだ。

つまり一度実地指導を受ければ、他に何もしなくとも3年間算定できる加算なのである。

今月この指導を受けた施設は、今月から2027年3月まで何もしなくとも5単位を利用者全員に加算算定できるのだ。

さすればこの加算は単位が低くとも、コスパは高いと言えるのではないだろうか・・・こうした加算は算定しておかねばならない。だから1月でも早く感染制御等に係る実地指導を受けてほしい。

担当者は早急に、「感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関」との連携を図らねばならないのである。


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いつもと違う6月



暦を見ればすでに6月・・・先週土曜日が1日だったため、今日・月曜日が月が替わって最初の出勤という人も少なくないだろう。

介護事業者にとって今年の6月は、例年のこの月とは少し違う月になった。この月からやっと全サービスの報酬改定が行われることになるからだ。

3年ごとの介護報酬改定は、4月に全サービスが一斉に行われるのが普通だが、今年度は訪問看護訪問リハ通所リハ居宅療養管理指導医療系居宅4サービスの報酬改定時期が6月にずれ込んでいる。

これは診療報酬改定時期にあわせたものだ・・・もともと診療報酬も4月改定が通常であったが、医療DXを進めていることに関連して、年度替わりに様々な医療システムの変更が行われる予定であったため、この時期に診療報酬改定が重なると、医療機関やシステムベンダーの負担が集中して、想定外の事故が起こることを懸念して、一昨年の段階で診療報酬は6月改定にずれこませることが決めれていた。

そのため介護サービス事業をおこなっている医療機関も多いことから、昨年10月の介護給付費分科会で、介護報酬も改定時期を6月にすることが国から提案された。

だがその時点では水面下で、今年度の介護報酬はプラス改定になるであろうという情報が流れていたので、プラス改定になる時期が2月も遅れることはまかりならんとして、全国老施協等が反対したのである・・・そのため妥協案として医療系居宅4サービスのみの改定時期がずれたのである。

この部分については、全国老施協が随分頑張ったと評価できるのではないだろうか。

それにしても改定時期がずれた4サービスを経営している医療機関は、本当にこの改定時期変更でメリットがあったのだろうか。老健等を経営している医療機関は、施設サービスと居宅サービスの改定施行時期がずれたことで、逆に混乱したのではないかと思ってしまう。
介護処遇改善
さてそれはともかく今月は、処遇改善加算の統合・一本化という大きな変更も行われる。

ただし加算の配分を事業者の裁量で自由設定できる変更については、4月から実施可能とされていたため、給与規定を改定して4月から配分が変更されて支給されている事業者も少なくないだろう。

6月からは加算率がアップされるので、更なる給与改善に期待している人も多いと思う・・・ただし今回の加算配分は複雑である。

新加算の加算率の引上げを行う際、介護現場で働く方々にとって、令和6年度に 2.5%、令和7年度に 2.0%のベースアップへとつながるよう、介護サービス事業者等の判断により、令和6年度に令和5年度と比較して増加した加算額の一部を令和7年度に繰り越した上で、令和7年度分の賃金改善に充てることを認めることとし、令和6年度分の加算の算定額の全額を令和6年度分の賃金改善に充てることは求めないとされているのだ。

その際、令和7年度の賃金改善の原資として繰り越す額(以下「繰越額」という。)の上限は、令和6年度に、仮に令和5年度末(令和6年3月)時点で算定していた旧3加算を継続して算定する場合に見込まれる加算額と、令和6年度の新加算等の加算額(処遇改善計画書においては加算の見込額をいう。)を比較して増加した額とするとしている。

その為、4月に定期昇給や加算配分変更などで、給与アップした事業者の一部は、6月以降に新加算に移行した分の昇給は行わずに、6月以降の加算算定で増加した収入分の配分をそっくり令和7年度に繰り越すというところがあるかもしれない。

そういう事業者の職員は、じっと来年度まで加算配分が増えることを待たなければならない・・・なんとも複雑怪奇な加算となったものである。

どちらにしても新しくなった処遇改善加算の取り扱い(配分等)については、従業員に周知しなければならないことになっているので、疑問が解消されていない方々は、上司や経営者に説明を求めて差し支えない。

経営者や管理職は、その説明責任があることを自覚・理解していただきたい。


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会議のためにケアができない



新年度に入って、会議に追い立てられて忙しい思いをしている人が多いのではないだろうか。

新設加算の算定要件としての会議や、あるいは基準改正において新たに義務付けられた会議が増えて、ケアサービスの場で利用者に相対するべき従業員が、勤務中に会議に出なければならない機会が増え、そのことが生産性を低下させるのではないかという危惧については、「増え続ける会議・委員会は生産性を低下させないのか」で論評したばかりだ。

だが今回の会議要件の乱発は、生産性を下げるという以前に、会議に時間がとられて介護ができないという本末転倒もここに至れりという状況を生んでいるように思う。
無駄な会議
例えば今回新設された、「認知症チームケア推進加算」は、対象者1人につき月1回以上の定期的なカンファレンスが必要とされている。

BPSDの改善のために統一した対応を心掛けるために、話し合いを行う重要性はわかるけど、カンファレンスを毎月繰り返さねばならないのだろうか・・・それも、「対象者1人につき」である。

認知症によるBPSDの症状がある人が複数いる場合(※複数いないケースの方が少ないが・・。)、全ケースに毎月カンファレンスの対象とせねばならない。いったい勤務時間は何時間あると思っているのかと言いたくなる。

そもそもこの加算は、複数人の介護職員から成るBPSDに対応するチームを組んでいることを要件にしている。各フロアでそのような少人数のチームが責任をもって対応しているのだ。そうであればBPSD対応のモニタリング等はカンファレンスという形ではなく、通常業務の連絡という形で十分共通認識をもって対応できるだろう。

よってカンファレンスという形の話し合いは半年程度の周期で行うだけで十分ではないのか。何より重要なのは、介護スタッフが介護の場にできるだけ張り付いて、利用者との対話を含めた対応時間をとることではないのだろうか・・・。

しかしながら実際には、認知症チームケア推進加算のために毎月カンファレンスを義務付けする要件や、そのほかに3月ごと、6月ごとなどの複数の会議要件が新設された今年度以降は、介護職員もそこに参加せねばならない機会が多く、ケアする時間が削られている。

介護は利用者に接してなんぼという本質を無視している要件としか思えない。事件は介護現場で起きており、介護現場でしか求められる介護はできないのだ。

そもそもこれだけ会議を重視するのは、頭脳としての役割を担い続けてきた官僚の発想でしかない。彼らは自分が頭脳役として考えることで、そこで決定されたことは誰もが従い、それによって世の中の仕組みがかあるという経験則を持っている。

介護の現場も同じように考え、頭脳の役割が発揮できさえすれば、その決め事に沿って何もかもが良い方向に動くのだと単純に考えているのだ。

そこにうごめく人間の感情など無視されている。そもそもこれほど多くの会議要件をクリアするために、介護の場から職員が大幅に削られることになるなんて考えていないのだ。官僚の現場はデスクであり、デスクの成果を会議でアピールする仕事しかしていないから、そんなことは想像外になるのだろう。

介護の場で、こうしたナンセンスな会議要件に対応するためには、認知症チームケア推進加算のための毎月の会議なんて必要なしと考えて、必要とされるケアの実施状況の確認程度で、できるだけ短時間に話し合いを済ませるように努めるべきだ。

同時に、スタッフが一堂に介して会議を行う必要もないと考え、スマートホンなどを用いて施設内の業務を行っている場所で、オンライン会議で済ませれば良いと思う・・・ここはICTを最大限活用するところだろう。

それにしても・・・このブログの読者の皆さんは、本当にこれだけの会議が必要だと思っているのだろうか?


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増え続ける会議・委員会は生産性を低下させないのか



介護保険制度改正・介護報酬改定・基準改正の度に、行わねばならない会議や委員会が増え続けている。

今年度から居宅療養管理指導と福祉用具販売を除いた全サービスに新設された高齢者虐待防止措置未実施減算が適用されないためには、高齢者虐待防止のための対策を検討する委員会を定期的に開催しなければならない。(※頻度は指定されていないため、年度ごとに1度以上の実施で可と解釈されている

施設サービスに適用されていた身体拘束廃止未実施減算は、短期入所と多機能系サービスに適用範囲が拡大されたうえで、これまで省令に身体拘束等の適正化対応の基準がなかった訪問・通所サービス・福祉用具貸与・販売・居宅介護支援の症例が改正され、適正化が求められたことで、これらの全サービスにおいて身体拘束等の適正化を検討する委員会を3月に1度以上開催する義務が生じた。

短期入所や多機能系サービス・居住系サービス・介護保険施設の基準改正では、3年間の経過措置期間を設けたうえで、生産性向上委員会の設置が義務付けられたが、本委員会は定期的に開催することが必要で、開催する頻度については本委員会の開催が形骸化することがないよう留意した上で、各事業所の状況を踏まえ、適切な開催頻度を決めることが望ましいとされている。

しかし生産性向上委員会を開催するのだから、同時に生産性向上推進体制加算を算定するのが合理的である。するとこの場合、生産性向上委員会は3月に1回以上開催しなければならない。(※生産性向上推進体制加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例等の提示についてにその根拠が示されている)

施設サービスに新設された協力医療機関連携加算を算定しようとすれば、基本原則として毎月医療機関との会議を行わねばならない。(参照:協力医療機関連携加算の会議要件をどうクリアすべきか

ざっと思いついた委員会・会議要件を挙げただけで上記のような状態である。

こんなふうに会議や委員会の開催義務が増え続けていることによって、従業員が勤務時間中に会議に参加する頻度や時間が増やされることになる。
増えるワンオペ介護
そこには看護・介護職といった直接処遇職員も参加する必要があり、それによって利用者対応の時間が減ることになる・・・そしてその状況は、必然的にワンオペ介護という時間帯も長く生み出されていくことにつながる。

しかも会議や委員会という場に参加する直接処遇職員は、介護職等を代表する声を挙げられるリーダー的立場の熟練職員であることが多い。

生産性向上の委員会のために、熟練職員が介護サービスの場に張り付く時間が削られれば、それだけで生産性は落ちるのではないだろうか・・・国はこうした矛盾にどう答えるのだろう。

そもそも介護は会議室ではできないという物事の本質をわきまえたうえで、このような会議・委員会の義務規定を次々に増やし続けているのだろうか・・・。

介護人材不足が制度改正・報酬改定の大きなテーマになる中で、それはあって当然と言える方向性なのだろうか・・・何か大きな間違いを犯してはいないだろうか。

エビデンスに結びつく多職種連携や医療介護連携が必要であり、その方策を共有するための話し合いの機会が必要なことはわかるが、そのために介護実践の場から人を削り取るような方策があってよいのだろうか・・・それも人材確保が困難で、その対策が(できるかどうかわからない)生産性の向上に頼らざるを得ない状況においてである。

最も重要な対策は何かということや、そのための優先順位を国はもっと現場の声を拾って考えてほしい・・・介護の事件も現場で起こっているのだから。


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協力医療機関連携加算の会議要件をどうクリアすべきか



今年度の介護報酬改定で新設され協力医療機関連携加算は、介護施設の入所者の病歴等の情報共有や急変時等における対応の確認等を行う会議を、医療機関との間で定期的に開催することを評価するものである。

そのことは、協力医療機関指定義務化と協力医療機関連携加算についてでも解説しているが、介護保険3施設はいずれも、この上位区分加算を算定したいはずである。

なぜなら一人につき100単位/月とか50単位/月という算定単位は、1年を通じて算定できれば、事業経営に利する収入に結びつくからだ。物価高に見合ったプラス改定になっていない介護事業にとって、それは決して見逃すべき加算ではない。
悩ましい会議要件
しかし問題は医療機関との定期会議である。この加算を算定するには、入所者の病歴等の情報共有を行う会議を定期的に開催しなければならない。

そこで問題となるのは、果たして忙しい医療機関の医師等が、この会議に定期的に参加できるかということだ。

勿論、医療機関側にも会議参加するメリットはある。

今年度の診療報酬改定で新設された、「協力対象施設入所者入院加算」は、介護施設の入所者の病状が急変した際に、当該施設に協力医療機関として定められている医療機関であって、定期的にカンファレンスを行うなど、当該施設と平時から連携体制を構築している医療機関の医師が、診療を実施したうえで入院の必要性を判断し、入院させた場合に算定できるもので、往診が行われた場合に600点、行われなかった場合は200点算定できるものだ。

その加算のために会議に参加するという動機付けは生まれるかもしれない。では会議でどれだけの時間をとられるのだろう。

解釈通知ではこの会議による入所者の病歴等の情報共有については、「協力医療機関に対して診療の求めを行うこととなる 可能性が高い入所者や新規入所者を中心に情報共有や対応の確認等を行うこととし、毎回の会議において必ずしも入所者全員について詳細 な病状等を共有しないこととしても差し支えない。」としているので、利用者を絞って時間を掛けずに実施することは可能だろう。

問題は頻度である。定期的の意味については、「概ね月1回以上開催。ただし、電子的システムにより当該協力医療機関において、当該施設の入所者の情報が随時確認できる体制が確保されている場合には、定期的に年3回以上開催する。」とされている。(※会議についてはオンラインでも可

この要件を読むと、電子的システムで入所者の情報が随時確認できる体制であれば、会議は4か月に1度しか開催しなくてよくなるのだから、是非そうしたいと思うだろう。

しかしこの体制作りのハードルはかなり高くなっており、Q&A・Vol.3では以下のように示されている。

問3. 協力医療機関連携加算について、「電子的システムにより当該協力医療機関において、当該施設の入居者の情報が随時確認できる体制が確保されている場合には、定期的に年3回以上開催することで差し支えない」とあるが、随時確認できる体制とは具体的にどのような場合が該当するか。

答え:例えば、都道府県が構築する地域医療介護総合確保基金の「ICTを活用した地域医療ネットワーク基盤の整備」事業を活用した、地域医療情報連携ネットワーク(以下「地連NW」という。)に参加し、当該介護保険施設等の医師等が記録した当該介護保険施設等の入所者の診療情報及び急変時の対応方針等の情報について当該地連NWにアクセスして確認可能な場合が該当する。
この場合、当該介護保険施設等の医師等が、介護保険施設等の入所者の診療情報及び急変時の対応方針等についてそれぞれの患者について1ヶ月に1回以上記録すること。 なお、入所者の状況等に変化がない場合は記録を省略しても差し支えないが、その旨を文書等により介護保険施設等から協力医療機関に、少なくとも月1回の頻度で提供すること。


地連NWに参加するのも高いハードルだが、それ以上に「当該介護保険施設等の医師等が、介護保険施設等の入所者の診療情報及び急変時の対応方針等についてそれぞれの患者について1ヶ月に1回以上記録する」という要件は、あまりにも高すぎるハードルと言えるのではないのか・・・忙しい医師が毎月そんな記録に精を出してくれるとは思えない・・・。

そう考えると、地連NWに参加して医師に記録を毎月とるようお願いして会議の数を年3回にするより、そんなハードルのない状態で毎月の会議をオンラインで行う方が容易であると思えてくる・・・そのうえでできるだけ短時間で実施するという方法をとる施設が多いのではないだろうか。

僕が担当者だったら、そちらの方法を選ぶだろう。

どちらにしても早急なる協力医療機関連携加算の上位区分算定に向けて縦鼻を進めている担当者は、あたまっを悩ませながら医療機関との協議を進めていることと思う。

心身の不調に陥らないように注意しながら頑張ってほしい。


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虐待防止措置未実施減算が新設されたという恥



今年度の介護報酬改定では、居宅療養管理指導と特定福祉用具販売を除く全サービス横断的に高齢者虐待防止措置未実施減算が新設された。

所定単位数の100分の1に相当する単位数の減算対象となるのは、虐待の発生または再発を防止するための委員会の開催・指針の整備・研修の実施・担当者を定めるという4点のいずれか一つでも実施できていない場合である。

介護事業者がサービス利用者を虐待しないということは極めて当たり前である。虐待しない事業者が良い事業者というわけではないのだ・・・だからこそ万が一にも虐待という行為に走る従業員がいないように、防止措置を多重化して取っておくということが求められているのだろう・・・。

だがなぜ今、多種類サービス横断的に高齢者虐待防止措置未実施減算が導入されたのかという意味を介護関係者は考えなければならない。

減算導入ということは罰則強化という意味なのだ。それをしなければならないほど、介護サービスの場で高齢者が虐待されるケースが後を絶たないと思われているからではないのだろうか・・・。

勿論、大多数の介護事業者や看護関係者は虐待とは無縁の対応を行っていると思う。しかし我が国全体の介護サービスの状況を見渡した時、月単位でどこかの介護事業者で虐待事件が起きていることが報道されている。そのことによって報道される介護サービスの場での虐待事件は氷山の一角であり、もっと多くの虐待事件がそこかしこの介護事業者で行われているのではないかというふうに思われている。

虐待とは無縁で、日々利用者の暮らしの質を向上させるために努力している介護事業者や関係者も、虐待を行う事業者や従業員と同様にみられているのである。
介護事業の闇
一昨日も高齢者介護施設における虐待事件が報道された。4/9勤務先の福祉施設の入所者に暴行を加え負傷させたとして、群馬県警高崎署は9日、傷害の疑いで、高崎市の介護福祉士・永瀬智也容疑者(45)を逮捕したというニュースだ。

逮捕容疑は8日午後4時半〜同5時半ごろ、容疑者が入所していた90代の女性をベッドに移す際、女性の髪をつかんで投げ飛ばしたり、足で蹴るなどしたりして、左手首骨折や右ろっ骨の損傷など全治4週間のけがを負わせた疑いである。犯行動機について容疑者は、「言うことを聞かないので、イライラした」と話し、容疑を認めているという。

言うことをきかないだけで、髪をつかんで投げ飛ばしたり、足で蹴るという行為に及ぶこと自体が理解できないが、こうした人間がなぜ介護福祉士という資格を取得し、高齢者介護施設(事業種別は不明)で働いていたのか。

そもそも利用者が従業員の言いなりになるわけがない。それぞれ個性が異なり、意思がある人がそれぞれの考えで何かをしようとするのだから、施設や従業員の都合に合わせて動いてくれるわけではないのだ。

それを集団生活だからとか言いながら、変なルールを押し付けようとするから従業員の意識が低くなるのだ。特養やGHなどの高齢者福祉施設は集団生活の場ではない。そこは強いられた共同生活の場にしか過ぎず、集団論を通用させてはならない場所である。

共同生活の中で、きちんと個別のニーズに対応した暮らしの支援をする専門家を育てるのが、高齢者福祉施設の経営者や管理職の責任である。

事件が起きた高崎市の高齢者福祉施設では、きちんとした従業員教育や適性判断ができていたのかが問われるが、これほどひどい犯罪が介護サービスの場で行われている事実が、虐待と無縁の介護事業者が大多数であるという訴えを霞ませて、それが事実ではないと世間一般に思わせてしまうのである。

人材が足りないから、本件の容疑者のような従業員が増えているのかもしれないが、人の暮らしを支え護る介護事業の本質を揺るがせないためにも、今一度人材採用と教育というマネジメント部分を強化する対策をとってほしい。

そうして改善していかないと、介護事業が社会の必要悪とされてしまう恐れがある。そうなれば誰もそこで誇りをもって働くことなんかできなくなる。そして人材は益々減り、事業経営もできなくなってしまう。

そうならないように高齢者虐待防止措置未実施減算なんて必要のないと云われる介護業界にしていかねばならない。心からそう思う。
masaの選ばれる介護経営
※株式会社マイナビの情報サイト・メディカルサポネットの菊地雅洋の波乱万丈!選ばれる介護経営〜Vol.4のテーマは、「処遇改善加算の恩恵がない居宅ケアマネジャーの待遇改善をどう考えるか」です。是非参照ください。


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新設された特養の退所時情報提供加算について



株式会社マイナビの情報サイト・メディカルサポネットの菊地雅洋の波乱万丈!選ばれる介護経営〜Vol.4が先ほどアップされました。
masaの選ばれる介護経営
今月のテーマは、「処遇改善加算の恩恵がない居宅ケアマネジャーの待遇改善をどう考えるか」です。

連載タイトル文字にリンクを貼り付けていますので、是非そちらもご覧くださいますようお願い申し上げます。

さて話は変わって本題。

特養は利用者が医療機関に入院した場合であっても、3月以内に退院した場合は、必ず再入所できるようにベッドを空けておく必要がある。

その為、入院=退所ではないとして、医療機関に入院する際に情報提供しても退所時情報提供加算の算定ができなかった。ここは老健との大きな差の一つになっていた。

しかし2024年度報酬改定において、特養についても退所時情報提供加算が算定できることになり、令和6年度介護報酬改定における改定事項についてでは、次のように算定要件が示された。

・医療機関に退所する入所者等について、退所後の医療機関に対して入所者等を紹介する際、入所者等の同意を得て、当該入所者等の心身の状況、生活歴等を示す情報を提供した場合に、入所者等一人につき1回限り算定する。(250単位/回
退所時情報提供加算
さらに解釈通知では52頁に次の要件が記されている。
退所時情報提供加算について
イ. 入所者が退所して医療機関に入院する場合、当該医療機関に対して、入所者を紹介するに当たっては、(別紙13)の文書に必要な事項を記載の上、当該医療機関に交付するとともに、交付した文書の写しを介護記録等に添付すること。
ロ .入所者が医療機関に入院後、当該医療機関を退院し、同一月に再度当該医療機関に入院する場合には、本加算は算定できない。

このことについて3月以内の再入所義務との関連はどうなっているのかという解釈については、令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3)の問2において、「退所時情報提供加算及び退居時情報提供加算について、医療機関の入院にあたり、退所または退居の手続きを行わない場合においても算定可能である」とされた。

つまり特養に籍があろうとなかろうと、医療機関に入院する際には退所扱いとして情報提供することによって退所時情報提供加算が算定できるわけである。

改定概要に「入所者等一人につき1回限り算定する。」と書かれている意味は、おそらく1入所1回ということで、退所扱いで情報提供するのだから、その後再入所時は新たな入所とみなされ、同じ人が再入所後に入院退所する場合も、情報提供することによって退所時情報提供加算が算定できると思われる。(※ただし当該医療機関を退院し、同一月に再度当該医療機関に入院する場合には、本加算は算定できない。

指定様式である(別紙13)もさほど手間のかかる書式ではない。

ここに記入する内容を見ると、相談員が情報提供を行うことになるのだろうが、この加算の有無に関係なく今までも、利用者が医療機関に入院する場合には、相談員は情報提供を行っていたはずである。よって入院時情報提供加算が新設されたからといって業務負担が増すわけではない。

つまり今まで普通に行っていた情報提供に対して、今年度から新たに加算が算定できるようになったのである。また老健の相談員が利用者入院時に情報を提供する行為に加算されていたのに、特養の相談員が同じことを行っても全く費用算定できなかったという格差も解消されることになる。

そういう意味でもこの加算の新設は、特養関係者にとっては喜ぶべきことである。
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制度改正や報酬改定は正確にわかりやすく伝えなきゃあ。



国や地方公共団体の会計年度や学校年度が、4月1日 〜 翌年3月31日とされていることから、我が国の多くの企業は事業年度をその期間に合わせている。

介護事業者も例外ではなく、4/1を新年度のスタートとしていることろが大多数である。

その為、今週いっぱいで令和5年度が終わり、いよいよ来週月曜日から令和6年度の始まりということになるため、会計の切り替えなど何かとその準備に忙しく立ち働いている人が多いと思う。新入職員の入社式の準備と併せて、あわただしい金曜日となっていると思うが、心身の不調に陥らないようできることを確実に行えばよいと考えてほしい。

フリーランスの僕は、ほとんど年度という意識はなく働いているが、介護事業者の多くが4月の年度スタートの時期は、新入職員研修以外の研修を行うことは少ないため、自然と講演講師の仕事もGW明けから始まることが多い。

その為、これからしばらくは外部コンサルと執筆活動に専念する時期となる。

それにしても今年1月〜3月にかけて講演依頼が多かった。介護報酬改定の時期だということで、そのことに関する講演のほか、人材マネジメントや看取り介護、ケアマネジメント実務の在り方、介護職員が元気になる実務論など多岐にわたる講演依頼が集中した・・・それが一段落する時期である。

今年度の最終講演は、今週水曜日(3/27)に上京して中央区新川町の内田洋行本社ビルから同社のシステムベンダーさんやエンドユーザーさんに向けてのオンライン講演配信であった。
介護報酬改定講演
特養・通所介護・居宅介護支援の基準改正・報酬改定について90分間の講演を配信した。

おかげさまでウェビナーを視聴したエンドユーザ(施設)さんから、とても分かりやすくて為になったので、内部の会議体メンバー向けに今回の録画を見せて勉強したいとの要望が複数寄せられた。

制度・基準改正や報酬改定は、わかりづらい行政用語をかみ砕いて、わかりやすく伝えるのがポイントである。ただしあまりかみ砕きすぎると正確な意味やルールが伝わらなくなるので、その匙加減が難しいところだ。そこのところは僕の得意分野でもある。

また情報を伝えるだけなら誰にでもできると言って過言ではないため、そこに付加価値をつける講演でなければならない。今回の改定から見えてくる介護事業の将来像を浮き上がらせて、経営者や管理職には事業戦略をイメージでき情報を伝える必要があるし、従業員の皆様にはそれぞれの職種の役割や、やらなければならないことを自覚できるように伝える必要がある。

下記は施設長や管理職向けに行った講演のアンケート結果の一部である。
講演アンケート
このように多くの会場での講演は好評を博して終えることができた。

報酬改定を巡っては、今後もQ&Aが随時発出されていく予定で、その都度確認すべき問題が出てくるので、その情報も伝えていく所存である。

またmasaの講演予定・履歴を参照していただくとわかると思うが、介護事業経営・人材マネジメント・介護実務・ケアマネジメント等幅広い分野の講演を行っており、どれも多くの方の支持を頂いている。

一度講演を主催してくださった団体等が、リピーターとなって何度も僕を講師として招いてくださっているという事実は、僕の講演が実務に役立つという評価に他ならないと考えている。

今後の予定はこれからぼちぼち入ってくるが、今なら余裕で皆さんの都合に合わせた日程の調整が可能なので、あかい花公式サイトトップページの右上の✉マークをクリックして、お気軽に問い合わせいただきたい。

問い合わせたうえで、条件等が合わない場合は、そのまま取り消しても何の不都合もないので、是非軽い気持ちでクリックしてメールを送っていただきたい。

よろしくお願いします。

なお昨日CBニュースの僕の連載記事・快筆乱麻masaが読み解く介護の今の最新記事がアップされたのでお知らせしておく。
CBニュースの連載記事
今回のテーマは、「ケアマネの対人援助に正当な対価を」である。こちらは有料記事であるが情報は買う時代である。是非参照願いたい。


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新たな感染症に備えた改定



2024年度の介護報酬改定では、感染症対策の加算がいくつか新設されている。

これはコロナ禍以後を見据えて、新たなパンデミックは今後また繰り返されることを前提として、それに備えた体制づくりをするという意味がある。

振り返ると我が国では、10年周期で感染症が流行している。例えば新型コロナ感染症の10年前は SARS(サーズ)が流行り、その10年前は新型インフルエンザが流行した。MRSA感染症疥癬が猛威を振るった時期もある。

それを考えると未知の感染症が6〜7年後に必ず流行するという前提に立って対策を急いだわけである。
冬の風景
居住系施設(特定施設及びGH)と介護保険3施設(特養・老健・介護医療院)に新設された高齢者施設等感染対策向上加算()については、月10単位加算できるもので算定要件が下記のように示されている。

高齢者施設等感染対策向上加算()は、高齢者施設等における平時からの感染対策の実施や、感染症発生時に感染者の対応を行う医療機関との連携体制を評価するものであること。

高齢者施設等において感染対策を担当する者が、医療機関等が行う院内感染対策に関する研修又は訓練に少なくとも1年に1回以上参加し、指導及び助言を受けること。院内感染対策に関する研修又は訓練については、診療報酬の算定方法(平成20年厚生労働省告示第59号)別表第1医科診療報酬点数表の区分番号A234−2に規定する感染対策向上加算(以下、感染対策向上加算という。)又は医科診療報酬点数表の区分番号A000に掲げる初診料の注11及び再診料の注15に規定する外来感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関が実施する院内感染対策に関するカンファレンス又は訓練や職員向けに実施する院内感染対策に関する研修、地域の医師会が定期的に主催する院内感染対策に関するカンファレンス又は訓練を対象とする。

居宅サービス基準第192条により準用する第104条第2項に基づき、介護職員その他の従業員に対して実施する感染症の予防及びまん延の防止のための研修及び訓練の内容について、上記の医療機関等における研修又は訓練の内容を含めたものとすること。

居宅サービス基準第191条第4項において、指定特定施設は、施設の入居者が新興感染症に感染した際に、感染者の診療等を行う第二種協定指定医療機関と連携し、新興感染症発生時等における対応を取り決めるよう努めることとしており、加算の算定に当たっては、第二種協定指定医療機関との間で、新興感染症の発生時等の対応を行う体制を確保していること。新興感染症発生時等の対応としては、感染発生時等における相談、感染者の診療、入院の要否の判断等が求められることから、本加算における連携の対象となる第二種協定指定医療機関は診療所、病院に限る。なお、第二種協定指定医療機関である薬局や訪問看護ステーションとの連携を行うことを妨げるものではない。

季節性インフルエンザやノロウイルス感染症、新型コロナウイルス感染症など特に高齢者施設等において流行を起こしやすい感染症について、協力医療機関等と連携し、感染した入居者に対して適切に医療が提供される体制が構築されていること。特に新型コロナウイルス感染症については、「高齢者施設等における医療機関との連携体制等にかかる調査の結果について(令和5年12月7日付事務連絡)」のとおり新型コロナウイルス感染症の対応を行う医療機関との連携状況等を調査しており、引き続き感染者の対応が可能な医療機関との連携体制を確保していること。

このうち△慮修等参加は、感染対策向上加算もしくは外来感染対策向上加算の届け出を行っている医療機関はどこかということから調べる必要があるが、その数は決して少なくないので探して協力を仰ぐことも可能だろう。

そうした医療機関の協力が得られない場合であっても、医師会に依頼して年に一度研修参加をすればよいのだから、そのハードルは決して高くはない。

しかし問題はい任△襦第二種協定指定医療機関は、都市部でもそう多くは存在していない。僕が住む登別市人口4.68万)とお隣の室蘭市人口8.16万)を併せて調べても、それに該当する医療機関は1か所のみしか探せない。こうした医療機関に、新興感染症の発生時等の対応を行う体制を確保するための依頼が殺到するのではないだろうか・・・。

上記加算に加えて月5単位算定できる高齢者施設等感染対策向上加算()については、感染対策向上加算の届け出を行った医療機関から、3年に1回以上、施設内で感染者が発生した場合の感染制御等に係る実地指導を受けている場合に毎月の算定が可能となる。

実地指導の内容は、施設内の体制を確認してもらい、ガウンテクニックやゾーニング指導をしてもらうだけなのだからハードルは高くない。

来月中にこれを実施すれば、その後3年間毎月加算算定できるのだから、早急に実地指導を受けられるように準備を進めるべきである。ここは急いで対応することに越したことはない。


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BCP未策定減算の見逃しがちな要件



2024年3月末をもってBCP策定義務の経過措置期間(策定猶予期間)が切れる。

それに伴い、業務継続計画未策定事業所に対する減算が導入され、施設・居住系サービスは、所定単位数の100分の3に相当する単位数を減算し、その他のサービスは、所定単位数の100分の1に相当する単位数を減算しなければならない。

減算対象となるのは以下の基準に適合していない場合である。
・感染症や非常災害の発生時において、利用者に対するサービスの提供を継続的に実施するための、及び非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画(業務継続計画)を策定すること
・当該業務継続計画に従い必要な措置を講ずること

令和7年3月31日までの間、感染症の予防及びまん延の防止のための指針の整備及び非常災害に関する具体的計画の策定を行っている場合には、減算を適用しない。訪問系サービス、福祉用具貸与、居宅介護支援については、令和7年3月31日までの間、減算を適用しない

つまりBCPを策定しているだけでは減算回避にはならず、当該業務継続計画に従い必要な措置を講じていなければならないわけである。その措置とは委員会の開催、指針の整備、研修の実施等に加え、訓練(シミュレーション)を指す。

そのため本来であれば、施設サービスの場合は今年度中に訓練(シミュレーション)を2回以上実施していなければならないことになる。

しかしBCP策定に手間取って、その策定が精いっぱいで、委員会の開催や訓練(シミュレーション)が実施ができなかった事業者も少なくない。その為経過措置として、来年度1年間に限りBCPさえ策定できておれば、委員会や訓練(シミュレーション)等については行われていなくとも減算されないとされているわけである。
(※令和6年度介護報酬改定における改定事項について)の48頁を参照してください。)

そのため経過措置が切れる2025年4月から減算を適用されないようにするためには、2024年度中には必ず必要とされる要件をすべてクリアしておく必要があることに注意しておく必要がある。
もうしわけない
ただし来年度いっぱいは減算が適用がされないからといって、今年度中に求められている委員会の開催、指針の整備、研修の実施、訓練(シミュレーション)のいずれかでも要件通りに実施されていなければ運営基準違反になり、文書指導は受けるのだ。

その際に、減算だけは適用猶予するという意味にしか過ぎない。このところを勘違いしないようにしてほしい。

そもそもBCPは策定義務があるから策定し、減算適用されないように要件をクリアしておくという考え方が間違っている。

新型コロナウイルスは感染症分類が変わったといっても、クラスター感染が完全になくなったわけではない。そもそも新たな感染症は10年サイクルで起きており、コロナ禍の10年前にはSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行したし、その10年前には新型インフルエンザが蔓延した。

これから先の10年以内に新たな感染症によるパンデミックが発生する確率は極めて高いのである。

さらに今年元日の能登半島地震を振り返ってもわかるように、日本列島は毎年過去には考えられない形と規模の自然災害に見舞われている。

これらのことを考えると感染症や自然災害発生時のBCPは介護事業者の命綱ともいえるのだ。

しかもBCPは策定するだけではなく、実際にその内容が現実に合致するのかという訓練(シミュレーション)によりバージョンアップしていかないとならない。最初に策定したものが、そのまま実地に使えて、修正の必要がないということは稀である・・・というか僕はそんな例を知らない。

やってみて初めて不都合が見えてくるのである。訓練でそうなのだから、実際の災害時等は、もっと現実に合致しない状況が生まれると思える。

だからこそ経過措置期間の有無にかかわらず、策定を急いで、なおかつ委員会での検討や訓練(シミュレーション)を繰り返して、実際の感染症や自然災害の発生時に使えるものにしていくという考え方が求められるのである。

そういう意味で、BCPの策定と訓練等の要件を、運営指導対策と勘違いしてはならないのである。


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通所介護は実質マイナス改定。



2024年度の介護報酬改定で、訪問介護の基本サービス費が下げられたことに批判的な声が挙がっている。

次の改定に備えて抗議の声を挙げておくことはやぶさかではないが、同時に不平・不満ばかり言っていても始まらないと思う。答申された報酬単価が変更されるわけではなく、決定した報酬単価の中で何ができるのかを考えなければならない。

訪問介護は加算新設がされておらず、特定事業所加算に新たに算定可能な区分ができただけなので、基本報酬の削減分をカバーする方策はほとんどない。そのため顧客をできるだけ多く確保し、重度化シフトして生活援助より身体介護をより多くサービス提供できるようにしていくしか手はない。

場合によっては、訪問介護単独経営は成り立たないとして、経営戦略自体を見直していく必要もあるのではないかと思う。

こうした厳しい状況は訪問介護に限った問題ではない。今回のプラス改定は、施設サービスにより手厚く財源が回された感があり、他の居住系サービスや居宅サービスは厳しい経営が迫られる事業が多いのではないか。

報酬全体を眺めてみると、実質マイナス改定ではないかと思えるサービスが垣間見られるのである。

例えば通所介護費である。通所介護費(7〜8時間)で見ると、基本サービス費は3単位〜6単位のわずかなプラス改定でしかない。

しかも今回、通所介護には新設加算が創設されなかった。そして既存加算の上位加算も新設されていない。

よって基本サービス費と従前加算の組み合わせで収益を上げていくしかない。ところが従前加算のうち、個別機能訓練加算気離は、85単位/日から76単位/日に減算されている。
通所介護の危機
その理由は、2人配置しなければならない理学療法士等のうち、現行基準ではそのうち1名については、サービス提供時間を通じて機能訓練指導員として専従しなければならなかった。今回この規定を配置時間の定めなしと変更したことが、加算算定額を減ずる理由としている。

しかしこれは乱暴だ。人がいない時代にあわせた人材活用のために、サービス提供時間を通じた専従ではなくても良いとしたといっても、今現在、サービス提供時間を通じて機能訓練指導員として勤務している人に、「算定単位が減ったから配置時間も減らすので、減らされた時間は別なところで機能訓練をしてくれ」と簡単には言えないし、できない事情があるというものだ。

しかしそうした理不尽な理由で、加算単位が9単位も減らされている。つまり現在、個別機能訓練加算気離を算定している事業所は、基本サービス費の引き上げ分が呑みこまれて、3単位〜6単位のマイナス改定という結果となるのである。

しかも科学的介護推進体制加算のデータ提出の頻度は、年2回から4回に増やされている。さらに入浴介助加算気砲蓮入浴実務研修の受講義務も課せられた。(※同じく介護職員が入浴介助を行っている通所リハビリの入浴介助加算気砲呂海竜遡海浪櫃擦蕕譴覆ったことも大きな矛盾である

このように業務負担は増加させられるのである。

それなのに物価高で経営コストが大幅に増えているにもかかわらず、介護報酬は実質削減されることになる。これは非常に規模しい状況を生み出すと言って過言ではない。

例えば、福祉医療機構が貸付先の5.744事業所の決算などを分析したレポートが2/28に公表されているが、それによると、昨年度の赤字事業所の割合は49.6%とされている。

この状況にさらに拍車がかかり、単年度赤字の事業所が増える可能性が高い。

だが一方で、わずかながら光が見える部分がある。それは団塊の世代の人々が、今年全員75歳以上に達するという社会状況である。

この大きな塊の世代の人が後期高齢者になり、通所介護の利用ニーズを持つ方も大幅に増えるということになる。

利用者ひとりひとりから得られる収益は減ったとしても、顧客数を増やすことで収益が挙がるかもしれない。コストパフォーマンスの高い事業規模に拡大することは、国の誘導策でもあり、先々の報酬改定では、そうした流れに乗った事業所が収益を上げられる報酬体系・構造に変わっていく可能性が高い。(参照:事業規模拡大誘導への布石

その為には、団塊の世代の人々のニーズに合致したサービスを提供し、その人たちの心を掴んで離さないサービスメニュに転換していくことも必要とされる。

具体的にそれは、どんなサービスメニューだろう・・・近日中にそのことを少し考えてみるようなブログ記事も書いてみようと思う。通所サービス関係者の方々には、是非その記事も参照してもらいたい。


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医療介護連携に関連する診療・介護報酬の改定



2/6にアップした、「諸手を上げて喜ぶことができないプラス改定の中で」は、介護保険施設に新設された協力医療機関連携加算についての解説した記事だ。

そこでも指摘したが、新加算の上位加算は算定単位が大きいため、施設経営を考えると是非とも算定したい加算である。

この加算は、介護施設等と医療機関の間で入所者等の病歴等の情報を共有する会議を定期的に行うことで算定できるが、上位加算を算定するためには、利用者の病状変化の相談体制や必要な際の診療体制・緊急の入院体制等が確保されている医療機関と会議を行う必要がある。(※詳細はリンクを貼った2/6の記事を参照願いたい

問題はそのような体制を確保してくれる医療機関があるかということである。

母体が医療機関である介護保険施設であるなら、この体制確保は比較的容易であろう。しかしそうでない介護保険施設が、外部の医療機関とこうした体制確保の契約を結ぶことは、医療機関側に相当のメリットがないと難しいと言える。
協力
そのため、この度の診療報酬改定(2024年6月施行)において、在宅療養支援病院、後方支援病院などの基準に、特養や老健の協力医療機関を担うことが望ましい旨を加筆することとされた。あわせて、介護施設の入所者が急変した際に、そこの協力医療機関となっている病院が入院で受け入れたり、往診したりするケースも診療報酬上で新たに評価することとしている。(※協力医療機関が入院で受け入れる際の加算

さらに介護施設の入所者の病状が急変した際に、当該施設に協力医療機関として定められている医療機関であって、定期的にカンファレンスを行うなど、当該施設と平時から連携体制を構築している医療機関の医師が、診療を実施したうえで入院の必要性を判断し、入院させた場合の評価が下記の通り新設される。

協力対象施設入所者入院加算
(1)往診が行われた場合 600点
(2)1以外の場合    200点

≪対象患者≫介護施設の入所者で、当該施設の協力医療機関に事前に受診したうえ、入院することになった患者

このように診療報酬でも加算が新設されたことで、協力医療機関連携加算の要件となる医療機関との協力・連携体制がとりやすくなっている。

診療報酬改定は施行時期が6月にずれているため、介護保険施設や居住系サービスの新加算との算定時期とも違いが生ずるが、体制を整えておくことに算定時期のずれは関係ないだろう。

よって是非とも介護・診療のそれぞれの新加算を算定できるように、連携できる医療機関と体制の整備を早急に進めてほしい。

医療・介護連携のための診療報酬改定ではこのほかに、かかりつけ医にケアマネジャーとの連携を更に深めるよう促す要件が加わっている。

医療機関のかかりつけ医機能を評価する、「地域包括診療料※参照)」の算定要件に、『通院する患者について、介護支援専門員・相談支援専門員からの相談に適切に対応するとともに、その対応が可能であることを見やすい場所に掲示すること』が加えられた。
※複数の慢性疾患《高血圧・糖尿病・脂質異常症・認知症・慢性心不全・慢性肝臓病のうち2つ以上》を有する患者に対し、継続的かつ全人的な医療を行うことの評価

さらに新たな施設基準として以下の3点を加えている。
以下の(1)〜(3)のいずれかを満たすこと
・担当医がサービス担当者会議に参加した実績がある
・担当医が地域ケア会議に参加した実績がある
・介護支援専門員と対面、あるいはICTを用いた相談の機会を設けている


サービス担当者会議や地域ケア会議への参加実績が、どの機関まで見られるものなのかという点と、過去に1回でも参加しておれば実績となるのかという点は、解釈通知等待ちであるが、どちらにしても介護支援専門員が、医師と直接コミュニケーションを交わしながら、利用者情報を共有する機会は増えることになる。

そうであるがゆえに、介護支援専門員には医師という医療の専門家と対面、あるいはオンラインであっても、向かい合って対等に話し合えるコミュニケーションスキルが求められてくる。

基礎的な医学知識も当然求められてくるだろう。介護支援専門員はそれに備えて、きちんとスキルアップに努めなければならない。


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介護生産性向上元年



生産年齢人口の減少に歯止めがかからない我が国では、全産業で労働力不足が深刻化する。

こうした社会情勢を冷静に見つめた場合、介護事業においても必要な人材数を確保することは困難といわざるを得ない。

国もそのことは当然わかっているので、人がいない時代の介護の在り方を制度改正・報酬改定において模索している。

その為、2042年頃まで増え続ける要介護者が介護難民とならないような対策として、介護事業における生産性を向上させる取り組みを様々な形で組み入れていくことになる。

ICTやIA搭載ロボットなどのテクノロジーを最大限利用して、それらが人に替わって行うことのできる範囲を広げていかねばならない。またそれらのテクノロジーを使いこなして、より効率的に業務をこなすための従業員の意識改革と、働き方改革も求められてくる。
介護DX
その為2024年度の報酬改定では、新処遇改善加算の全区分に求められる職場環境等要件生産性向上のための業務改善の取組について、新たな義務要件(※17もしくは18のどちらかは必ず実施しなければならない)等が設けられると共に、複数サービス横断的に「生産性向上委員会」の設置義務が課せられ、それに対応する加算も新設された。

先日アップした記事、「生産性向上推進体制の整備が必須の時代に」で解説した生産性向上推進体制加算(機100単位/月生産性向上推進体制加算(供10単位/月がその象徴だ。

そういう意味で、2024年度はまさに介護DXに向けた生産性向上元年といえるのではないだろうか。

だが何度もこのブログで指摘しているように、介護事業における生産性の向上を、業務時間の短縮や人員削減という目的を前面に出して、それを実現することだけを考えてしまえば、利用者の意向やニーズを無視した事業者側の作業優先対応に陥ってしまう。

そこでは何度も同じ訴えを繰り返す認知症の方の対応も、「無駄である」として切り捨て、小さな危機の訴えは見逃され、ニーズは闇に葬られていくだろう。

そこには介護の質も存在せず、豊かな暮らしを支えることとは程遠い、最低限の暮らしの中で生きながらえさせることが介護支援と勘違いする輩も生まれてくるかもしれない。

そうならないように、「介護の生産性向上とは、労働力が減って介護人材が十分確保できない時代であっても、働き方を改革して、できる限り利用者福祉の低下を招かないようにするために必要とされていることだ。」という意識を持たねばならない。

その為に、足りなかった対策を積極的に取り入れ、今までと働き方を模索し、業務改善・職場環境改善に努めていくという考え方が必要だ。

人に替わることができるテクノロジーは積極的に利用すべきであるし、そこにはお金をかけるべきだ。「使える機器導入促進は介護事業経営者と管理職の責務」で指摘したように、見守りセンサーインカム高性能おむつ自動体位交換器などは積極導入を図らねばならない。

看護職員の夜間オンコール体制をアウトソーシングすることも必然だろう。(参照:特養DXは夜間オンコールの外部発注から

その他にも、快適な職場環境につながる5S運動整理整頓清掃清潔しつけ)などはすぐにでも実践できる。こうしたことを早急に取り組む心構えと実践力があるか否かが、今後の介護事業経営の行方を左右すると言ってよいだろう。


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事業規模拡大誘導への布石



2024年度介護報酬改定のテーマの一つに、「良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり」がある。

しかしこれは飾られたテーマであり、本当の意味は、要介護者が増えることに対応する適切な人材確保が無理になった現状にできるだけ手当てするという意味だ。

そこで掲げられている下記の3つのテーマは以下の通りである。
・介護職員の処遇改善
・生産性の向上等を通じた働きやすい職場環境づくり
・効率的なサービス提供の推進


しかしこれらも課題解決に向けた抜本的な対策とは言えず、人材枯渇のスピードを多少なりとも緩めて、深刻な問題をできる限り先送りしようとする対策でしかない・・・つまりこうした対策を進めても、人材不足による介護崩壊は必ず訪れるのである。

それを防ぐ有効な手立ては今のところ見つかっていない。

例えば基準改正では介護事業の生産性向上の取り組みが基本サービスとして求められたり、新設加算では実際に超勤時間の削減や有給取得日数の増加等・機器の導入による業務時間(直接介護、間接業務、休憩等)の変化といった成果を挙げた場合に評価されるようになっている。

しかし介護という行為は介護ロボット等のテクノロジーが人に替わることができない行為が多いのだ。力のいる行為と、巧緻性のいる行為をつなげて対応することは、現在のテクノロジーでも難しい。

そういった人の手によるケアが不可欠な介護に、生産性向上を求める結果は、利用者の希望やニーズに目をつぶって無視することで、手をかけない部分を増やすという結果になりかねない。

その為、生産性向上の名のもとに、必ず介護サービスの質は低下するのである。それにいかに目をつぶるかという問題になってくる可能性が高い。

というより介護事業経営者の中には残念な人が少なからず含まれているので、そのような杞憂も持つことなく、サービスの質の低下による利用者の涙にも気が付かず、強引に国が推し進める「人手をかけないケア利用者ニーズを切り捨てるケア」に向かって走るのだろう。

さてそのような手立てと共に、人材不足が解消不可能な対策として今回国がとった対策が、通所リハビリにおける大規模事業誘導策である。
大規模減算
図のように現在2区分に分かれている大規模減算について、新報酬体系では減算率の少ない区分一つのみとしたうえで、「リハビリテーションマネジメント加算を算定している利用者が8割以上いる場合、かつリハビリテーション専門職の配置が10:1以上の場合」については、大規模減算を適用せず、通常規模報酬を算定できるようにしているのだ。

これは財務省の方針とも合致している。同省は2022/4/13の「財政制度等審議会」で、「小規模な法人が他との連携を欠いたまま競争するということでは、介護の質の向上にも限界があり、新型コロナのような感染症発生時の業務継続もおぼつかない。規模の利益を生かす効率的な運営を行っている事業所などをメルクマール(指標・目印という意味だろう:筆者注)として介護報酬を定めることも検討すべき」としているのだ。

よって今回は通所リハビリから、大規模事業への誘導策が打ち出されているが、次期報酬改定ではこの波が通所介護にも押し寄せ、大規模事業者ほど収益が出る仕組みに誘導されていくだろう。(※通所サービスのサービス提供時間区分が1時間単位になった際には、通所介護が先にそうなり、次の改定で通所リハビリにその波が及んだ

そう考えると、大規模事業所に報酬を手厚くする財源は、近い将来小規模事業所の報酬単価を削って確保するという考え方も容易に見えてくる。いずれ大規模減算という報酬区分はなくなり、大規模事業の方が小規模・通常規模事業所より報酬単価が高くなるという逆転現象に繋がっていくのだ。

だからこそ小規模の通所サービス事業所は、規模の小さな今、サービスの品質を向上させ、お客様に選んでもらえるような体制を作り、しっかり顧客を確保して事業規模拡大を目指すという事業戦略を立てていく必要があるということになる。

この部分に後れを取ると、事業経営は非常に厳しいものとなるだろう。


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諸手を上げて喜ぶことができないプラス改定の中で



本日13:30〜15:00ビズアップ人事コンサルティング(株)プレゼンツ介護報酬改定セミナーとしてオンライン講演「介護報酬改定を踏まえた介護事業経営の戦略」を配信する予定になっている。

無料配信セミナーなので、数多くの方が事前申し込みをしていただいている。

配信時間が90分なので、全サービスの報酬単価の解説ということは不可能であるが、多種類サービス横断的な加算算定の考え方など、全体を網羅して今後の経営戦略につながる話をさせていただく予定である。お申し込みの方は、忘れずにつないでほしい。

そこでも話をするが、来年度からの介護報酬単価は、サービス種別によってメリハリがつけられた。

サービス種別によって、かなりの差が生じているという意味だ。

全体を見渡すと、昨年公表された介護事業経営実態調査結果が改定率に影響しているように思う。

そこでは令和4年度決算の収支差率が特養で−1.0%、老健で−1.1%と施設サービスとして初めてマイナス決算となったことから、施設サービスの収支改善に財源が回された感があり、施設サービス費は収支差率マイナス分を超える1%以上のプラス改定となっている。

そのあおりを受ける形で、収支差率が+7.8%であった訪問介護は全区分でマイナス改定となった。国はその理由を処遇改善を優先させたと説明しているが、処遇改善加算を算定すべき事業者自体の経営が困難になったら、ヘルパーは働く場がなくなるというのに、本当に乱暴な屁理屈であるとしか思えない。

居住系サービスの中では、GHの基本サービス費はわずか1単位増とかなり厳しい改定なった。これに対し特定施設は4〜6単位増であった。

施設サービスでは、特養の従来型個室は16単位〜24単位増、老健は在宅強化型従来型個室で32〜39単位増となった。

しかし基本型老健従来型個室は3〜9単位増にとどまっている(加算型も同様)。同じく微増にとどまったその他老健と基本型・加算型老健は、令和4年度決算の赤字分も補填できない改定率となっており、物価高分を考慮した場合、仮に加算を細かく拾っても黒字転換は困難である。

そのため加算型以下の老健は、今後強化型以上の類型に移行していかねば経営困難となる。長期滞在を認めない老健経営に向かわざるを得ないのではないだろうか・・・。

このようにサービス種別により、かなりその差が生じているが、どちらにしても物価高分が基本報酬に反映されていない結果となったことは全サービス共通しての印象である。

その為、新設加算・新設上位加算をいかに算定できるかが経営上の最大課題となる。

例えば特養の場合、今回の改定によって実際に年収としてアップする額は、ベッド稼働率が90%程度を維持出来た場合700万円を下回ることはない。しかし前述したように、物価高による運営経費の増額分をカバーして、かつ介護職員以外の待遇も併せて改善し、さらに安定した経営を続けるためにはそれ以上の収益を上げる必要がある。

基本サービス費が1単位しか上がらなかったGHはなおさらである。

その時に「生産性向上推進体制の整備が必須の時代に」で指摘した生産性向上推進体制加算100単位/月)を算定したいところであるが、もう一つ算定したい100単位/月の新設加算がある。

それが協力医療機関連携加算である。
協力医療機関連携加算
この加算は協力医療機関との間で、利用者の同意を得て、当該入所者等の病歴等の情報を共有する会議を定期的に行うことで算定できるが、算定単位が2区分に分かれている。

高い方の単位を算定するには下記の 銑の協力病院との定期会議実施が要件となる。
‘所者の病状が急変した場合等において、医師または看護職員が相談対応を行う体制を常時確保していること。
高齢者施設等の診療の求めがあった場合において、診療を行う体制を常時確保していること。
F所者の病状が急変した場合等において、入院を要すると認められた入所者等の入院を原則受け入れる体制を確保していること。


特養の場合、上記の要件を満たす医療機関と定期会議ができれば、令和6年度に限って100単位/月が算定できる。仮に100人定員施設で、全員に毎月この加算が算定できれば年額120万円の収入増だ。その加算が令和7年以降は、算定単位が半分になってしまうのだから、何が何でも4月から算定できるようにしなければならない。

ましてや 銑M弖錣乏催しない医療機関と、定期会議を行っても、算定できる単位はわずか5単位でしかない・・・年額6万円にしかならない加算を拾ってもほとんど意味がない。

だからこそ 銑M弖錣鬟リアできる協定を急いで協力医療機関と結ぶべきである。

母体が医療機関である特養なら、そのハードルは高くはないだろう。それ以外の特養も、協力病院は既に定めているはずなので、来年度から3年間の経過措置が設けられたうえで協力医療機関指定義務化がお紺あわれるのだから、経過措置を待たずに義務要件をクリアすれば、自動的に協力医療機関連携加算の 銑M弖錣クリアできることになるので、早速その要件合致に向けて、協力医療機関と話し合いの場を設けるべきである。

基本サービス費が1単位しか上がらなかったGHも、是が非でも100単位/月(※GHの上位加算は令和7年度以降も100単位が維持される)算定を目指さねばならない。

このように新設加算を隈なく算定していかないと、物価高に対応してなおかつ収支差率を改善できるような事業経営にはならないので、油断と漏れなく新加算算定に向けた準備を進めなければならないのである。






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生産性向上推進体制の整備が必須の時代に



僕は今、羽田経由で松山空港に向かう途中の空の上からこの記事を更新アップしている。

今日は松山市に一泊し、明日朝、久万高原町に移動して、午前と午後を通じて合計5時間の講演を行う予定になっている。そのうち午後の3時間講演は、報酬改定について様々な角度から解説する予定にしている。今日のこのブログ記事も、報酬改定に関連した話題をアップすることにしようと思う。

令和6年度介護報酬改定の基本視点のひとつとして、「介護人材不足の中で、更なる介護サービスの質の向上を図るため、処遇改善や生産性向上による職場環境の改善に向けた先進的な取組を推進」することが挙げられている。

その具体策の一つが、短期入所系サービス・多機能系サービス・居住系サービス・施設系サービスに共通して、「生産性向上委員会」の設置義務を課すことである。(省令改正

同時に上記のサービス横断的に、生産性向上推進体制加算(機100単位/月生産性向上推進体制加算(供10単位/月が新設された。

算定要件は下記の通りである。
生産性向上推進体制加算(機】(新設)
○(供砲陵弖錣鯔たし、(供砲離如璽燭砲茲蟠般害善の取組による成果(※1)が確認されていること。
○見守り機器等のテクノロジー(※2)を複数導入していること。
○職員間の適切な役割分担(いわゆる介護助手の活用等)の取組等を行っていること。
○1年以内ごとに1回、業務改善の取組による効果を示すデータの提供(オンラインによる提出)を行うこと。
注:生産性向上に資する取組を従来より進めている施設等においては、(供砲離如璽燭砲茲覿般害善の取組による成果と同等以上のデータを示す等の場合には、(供砲硫短擦鮗萋世擦此◆吻機砲硫短擦鮗萋世垢襪海箸皺椎修任△襦

生産性向上推進体制加算(供】(新設)
○利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の開催や必要な安全対策を講じた上で、生産性向上ガイドラインに基づいた改善活動を継続的に行っていること。
○見守り機器等のテクノロジーを1つ以上導入していること。
○1年以内ごとに1回、業務改善の取組による効果を示すデータの提供(オンラインによる提出)を行うこと。

通常であれば、先にを算定し、業務改善の取組を進めて成果を出した後にが算定できるようになるという手順を踏むのだろう。しかし既に取り組みが進んで成果が上がっている事業者は、そうした手順を踏むことなくを新年度4月から算定できるとされた。

ではこの要件となる業務改善の取組による効果を示すデータ等見守り機器等のテクノロジーの要件とは何か?

(機砲砲いて提供を求めるデータは、以下の項目とされている。
ア利用者のQOL等の変化(WHO-5等)
イ総業務時間及び当該時間に含まれる超過勤務時間の変化
ウ年次有給休暇の取得状況の変化
エ心理的負担等の変化(SRS-18等)
オ機器の導入による業務時間(直接介護、間接業務、休憩等)の変化(タイムスタディ調査)


(供砲砲いて求めるデータは、(機砲乃瓩瓩襯如璽燭里Δ繊▲△らウの項目とする。
(機砲砲ける業務改善の取組による成果が確認されていることとは、ケアの質が確保(アが維持又は向上)された上で、職員の業務負担の軽減(イが短縮、ウが維持又は向上)が確認されることをいう。
見守りセンサー
見守り機器等のテクノロジーとは、以下のアからウに掲げる機器をいう。
ア見守り機器
イインカム等の職員間の連絡調整の迅速化に資するICT機器
ウ介護記録ソフトウェアやスマートフォン等の介護記録の作成の効率化に資するICT機器(複数の機器の連携も含め、データの入力から記録・保存・活用までを一体的に支援するものに限る。)


見守り機器等のテクノロジーを複数導入するとは、少なくともアからウまでに掲げる機器は全て使用することであり、その際、アの機器は全ての居室に設置し、イの機器は全ての介護職員が使用すること。なお、アの機器の運用については、事前に利用者の意向を確認することとし、当該利用者の意向に応じ、機器の使用を停止する等の運用は認められるものであること。

この加算は気鉢兇任蓮∋残蠱碓未10倍の開きがある。10単位のを算定したとしても、100人定員の施設でわずか12万円/年の収入増にしかならない。しかし100単位のを算定できれば120万円/年の収入増になる・・・この違いは大きいし、年100万を超える加算はそう多くはないので、どうせならを算定したいところだ・・・いいや算定しなければならない。

特に基本サービス費が1単位しか上がらなかったGHや、上げ幅が小さかった基本型老健・その他老健等は、この加算気算定できるか否かが生命線になるやもしれない。

見守り機器やインカムは、備えれば便利この上ないことはこのブログで何度か指摘しており、使える機器なので全室・全員に設置・装備を進めるべきである。(参照:使える機器導入促進は介護事業経営者と管理職の責務

介護記録の作成の効率化に資するICT機器も、生産年齢人口が減り続けて人材がさらに減り続ける中では活用しなければならないものであり、導入を進めるべきだ。

このことに関連しては、介護福祉士養成校の就職担当教員も、見守り機器等のテクノロジー導入に消極的な事業者には、卒業生を送らないと明言している。逆に言えば、早めにそうした環境整備を行った事業者に、人材は張り付く可能性が高まるのだ。

だからこそそうした環境を整えて、人材を集め定着させ介護熟練者を増やこと・・・その結果、利用者のQOLを向上させることができるという好循環を創り出すことが重要だ。さらに従業員の有給取得率なども向上させ、職場環境の改善につなげることができれば、今後の介護事業経営を安定的に続けるための最強アイテムとなっていく。

介護事業経営者や管理職は、ここは腹をくくって見守り機器等のテクノロジー導入に予算をかけて、生産性向上推進体制加算気算定できる体制作りにスピード感をもって取り組んでほしい。
CBニュース
CBニュースの連載記事が1/30更新アップされました。「差額30単位に意欲欠く居宅介護支援事業所の予防支援」は文字リンクをクリックしてご覧ください。






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通所介護の入浴介助加算の要件変更ほど下らない改定はない



次年度(2024年度)からの介護報酬改定では、既存の加算の要件変更が数多く行われている。その一つに通所サービスの入浴介助加算の要件変更がある。

通所介護と通所リハビリの入浴介助加算(供(55単位)については、算定率が低いことからその改善を目指して、利用者宅の浴室の環境の評価を行うことができる専門職の要件を緩和し、「医師等による利用者の居宅への訪問が困難な場合には、医師等の指示の下、介護職員が利用者の居宅を訪問し、情報通信機器等を活用して把握した浴室における当該利用者の動作及び浴室の環境を踏まえ、医師等が当該評価・助言を行っても差し支えないものとする。」として、介護職員の介入を認めている。

しかしこの変更によって算定率が上がることはないと予言しておく。入浴介助加算(供の算定率が低い理由は、浴室評価を行う職種がどうこうという問題ではなく、そもそもそのような評価を利用者は必要としていないというものだ。

多くの利用者は、通所介護で入浴する理由は、『そこに入浴支援があるかだ』という理由に過ぎず、自宅では普通に入浴している人も多いし、浴室環境の改善なんて望んでいないのだ。

そもそも通所サービスを利用する人は、訪問サービスを煩わしいと考える人も少なくなく、自宅訪問されることを心良く思わない人も居る。そういう人にとって入浴介助加算(供は、「余計なお世話加算」にしか過ぎないのである。

よってこの変更によって算定率が上がることはないわけである。

もう一つの入浴介助加算の変更は、通所介護のみに課せられた新要件である。通所介護の入浴介助加算(40単位)について、「入浴介助を行う職員に対し、入浴介助に関する研修等を行うこと。」という要件が加えられた。
入浴介助研修
これも馬鹿馬鹿しい変更である。研修を受講義務をあえて定めなければならないほどの問題が具体的にどこにどのように生じているかも明らかにされずに、単に研修義務だけが加えられた。

そもそも何の知識も技術もなく、利用者の体に直接触れる入浴介助ができるわけもなく、それぞれの事業所で入職後のOJTなどで入浴介助の実地研修は行われているはずである。それを今更なぜ加算要件として義務付けなければならないのだろう・・・。

しかも通所リハビリの入浴介助加算気砲蓮△修里茲Δ瞥弖錣浪辰┐蕕譴覆った。同じく介護職員が入浴介助を行うサービスで、両者に違いはないのに一方だけ研修要件が加えられたのである・・・それもおかしな話だ。

ただこの要件はさほどハードルは高くないようである。研修といっても一人が一度受講すればよいという基準にとどまりそうだ。

このことは今月中旬に示される解釈通知や、来月中旬に示されるQ&Aによって明らかにされるだろうが、どうやら厚労省のサイトに掲載される「入浴介助の方法」をレクチャーするユーチューブ動画を視聴するだけで要件をクリアするようだ。

馬鹿馬鹿しいことではあるが、ちょうど良い睡眠休養時間として、寝ながら動画を観て研修を受けたと記録しておけばよいだろう。

現場を知らない頭でっかちが、妄想の果てに創り上げた新要件など、その程度の扱いで十分である。
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予防支援事業の指定を受ける気になる単価ですか?



昨年5月に成立した介護保険制度改正関連法案の中には、「介護予防支援について、地域包括支援センターに加えて、居宅介護支援事業所も市町村からの指定を受けて実施できることとする」という内容が含まれている。

この改正は、地域包括支援センターの予防プラン作成業務を減らして、その他の地域支援事業にシフトしていくという意味でもあり、市町村としてはできるだけ指定介護予防支援事業所の指定を受ける居宅介護支援事業所が増えてほしいと考えているだろう。

居宅介護支援費の逓減性の緩和も、モニタリング訪問の2回に1回はテレビ電話等で可能とする改正も、すべて予防支援も直轄してほしいという願いがこもった改正と思える。

しかしそれが2021年度改定時の委託連携加算300単位)の新設が空振りに終わったように、国や市町村の意図とはかけ離れた実態とならないかが問題であり、そうなるかならないかのキィーは予防支援費の額であろう。

このことは、「介護予防支援の指定対象拡大議論の中身のなさ」でも論評しているので参照願いたい。

ということで問題となる予防支援費であるが、下記のように改定された。
<改定前>
介護予防支援費438単位
<改定後>
介護予防支援費(機法442単位※地域包括支援センターのみ
介護予防支援費(供472単位(新設)※指定居宅介護支援事業者のみ

また介護予防支援費(供を算定する場合に限り、次の加算を算定できる。
特別地域介護予防支援加算所定単位数の15%を加算(新設)※別に厚生労働大臣が定める地域に所在
中山間地域等における小規模事業所加算所定単位数の10%を加算(新設)※別に厚生労働大臣が定める地域に所在し、かつ別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合
中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算所定単位数の5%を加算(新設)※別に厚生労働大臣が定める地域に居住している利用者に対して、通常の事業の実施地域を越えて、指定介護予防支援を行った場合
介護予防支援
居宅介護支援事業所が予防プランを作成する場合、地域包括支援センターの作成費より30単位高い理由は、「市町村において管内の要支援者の状況を適切に把握する観点から、居宅介護支援事業者が指定を受けて行う場合については、市町村長に対し、介護予防サービス計画の実施状況等に関して情報提供することの手間と経費を上乗せした」とう意味がある。

この単位(金額)は果たして居宅介護支援事業所が大喜びで予防支援事業所の指定を受けたがる単位だろうか・・・。

居宅介護支援費の逓減されない金額は、要介護1〜21.086単位要介護3〜51.411単位である。

それを考えると、居宅介護支援費より1人当たり月額で6.140円9.390円も安い予防支援費を積極的に算定するという動機づけは生まれるだろうか。(※15%の加算を算定してもこの差は、700円程度しか埋まらない

そもそも居宅支援事業所のケアマネジャーが足りない地域が増えているのだ。北海道の郡部では町内で居宅ケアマネが確保できず、近隣市の居宅ケアマネを探して担当をお願いせねばならない地域が増えている。そういう地域の居宅介護支援事業所は予防支援の指定など受けることはできないし、そうした地域の利用者を担当している近隣市の居宅介護支援事業所も、とてもではないが予防支援まで直轄で行う余裕はないだろう。

逆に、下手に予防支援事業の指定を受けてしまえば、予防給付対象者が申し込みに来た際に、担当人数に余裕がある際には申し込みを受け付けなければ、「正当な理由のないサービス提供拒否」になってしまい、コスパの悪い支援を無理にでも行わねばならないとい事態も想定される。

さすれば指定予防支援事業所の看板を欲しがるのは、よほど介護給付の利用者確保に困っている居宅介護支援事業所だけになり、実際には地域包括支援事業所の予防プラン作成業務負担の解消にはつながらないのではないかと懸念するのである。

居宅介護支援事業所の関係者の方は、予防支援事業の指定について、今どのように考えているのだろうか・・・その動向が気になるところである。






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特養は安堵、基本型老健は苦境の報酬改定



2024年度の介護報酬改定で、特養(介護老人福祉施設)の基本サービス費の改定状況を従来型個室とユニット型個室で比較した場合、16単位〜26単位の引き上げとなっている。(※下記図参照
特養の基本サービス費の改定状況
この改定率が高いのか低いのかは、個人によって感じ方に差が生ずるかもしれない。

しかし前回2021年度の改定状況と比較して考えると、わかりやすくなるのではないだろうか・・・ということで下記図が2021年度の改定状況である。
2021年度の特養の報酬改定
これをみて解かるように、前回は従来型個室とユニット型個室で比較した場合、14単位〜16単位の引き上げでしかなかった・・・しかもこの引き上げの中には栄養マネジメント加算14単位/日口腔衛生管理体制加算30単位/月が報酬包括されていたために、15単位上乗せされて初めて同レベルの報酬になるというカラクリがあった。

つまり2021年度の特養の報酬改定は、実質マイナス1単位〜プラス1単位でしかなかったのである。

それを考えると今回の16単位〜26単位の引き上げは実質的な引き上げ額であり、8月〜居住費(光熱水費相当分)の基準費用が1日60円引き上げられることと併せて考えると、平均でマイナスとなっている特養の収支差率の改善につながる改定ではないかと思う。

イヤそうではない・・・物価高を考えると、これでも引き上げ額は足りないと言われる関係者も居られるだろう。

しかし今回の報酬改定率は、本体部分では2021年度の0.7%を下回る0.61%でしかないわけである。そのため他のサービス種別では、基本サービス費が引き下げられたり、引き上げ額が一桁単位で終わっている事業も少なくない。

それを考えると今回の特養の単位増はそれなりの成果といってよく、全国老施協がよく頑張ったと評価されても良いのではないだろうか。

一方で老健の改定状況をみると、区分によって大きな差があることがわかる。

今回の改定では、老健の在宅復帰・在宅療養支援機能をさらに評価するため、在宅復帰率の高い区分へ高い報酬が支払われるという傾斜配分の強化が予測されていた。その為、基本型とその他については、かなり厳しい改定報酬になるのではないかと思われていたが、結果は予測通りとなった。

その他型は、その数自体がかなり少ないが、基本型は全国に数多く存在しており、その影響はかなり大きなものになると思われる。

実際に改定された単価について、従来型個室と多床室の単位数で比べてみると、基本型老健は、従来型個室3〜9単位増ユニット型個室6〜12単位増となった。これは特養よりかなり低い増加単位である。

一方で在宅強化型老健は、従来型個室32〜39単位増ユニット型個室35〜42単位増となっており、特養以上に優遇されたと言えるかもしれないが、それは基本型とその他型にかける財源を削り取って得た額とも言えなくもない。

このように諸物価高騰・運営経費の増加という状況下で、基本型はかなり厳しい対応が迫られる。特に要介護1と2の利用者が多い基本型老健は、プラス単位が最低レベルなので、より厳しい経営状況に陥いざるを得ない。

その為、単年度赤字に陥る施設も少なくないだろう。

また介護職員以外の昇給財源を確保できず、介護職員等処遇改善加算を、介護職員以外の昇給財源に回すという施設も増えるかもしれない。しかしその場合は、介護職員の給与改善額が減ることになるので、介護職員が他施設へ転職するケースも増えるかもしれない。

どちらにしても基本型老健は大ピンチである。しかも傾斜配分は、今後の報酬改定でもさらに差が広げられていくことは間違いなく、基本型老健の経営状況を改善させる方策は見えてこない。

ということは基本型老健は、在宅復帰率とベッド回転率を引き上げる努力を行い、在宅強化型老健へと転換を図っていくしかないように思える。

老健の経営は、基本型の区分にとどまったまま続けられるという幻想を持つべきではないのである。






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国に見放された?訪問介護



昨日公開された介護報酬の諮問書をみて、一番驚いたのは訪問介護費のマイナス改定である。

ヘルパーの高齢化と人材不足により、絶滅危惧職業とも言われている訪問介護員を増やすには、給与をはじめとした待遇改善が求められるが、同時に安心して働くためには、訪問介護事業の安定経営が不可欠だ。

よって訪問介護関係者からは、強く基本サービス費の引き上げが求められていた。

前回2021年度の報酬改定では、身体介護生活援助通院等乗降介助のすべての単位が1単位しか引き上げられず、他のサービスと比べても冷遇された感がぬぐえなかった訪問介護費であるが、今回は物価高対応という観点からも、前回のような小幅な引き上げではないだろうという期待もあった。

そうであるにもかかわらず蓋を開けて見れば、全体がプラス改定の中で、訪問介護の基本サービス費は減額されていたのである。
訪問介護費
昨日の第239回社会保障審議会介護給付費分科会、web会議で行われ一般公開もされていたが、複数の委員からこの減額改定に憤りを表す意見が出されていた。

減額の理由を問いただす委員からの質問に対して、国は、「介護報酬はサービスごとにメリハリをつけている」「訪問介護の支出の7割は人件費であるという状況を鑑みて、まず訪問介護員の処遇改善を優先し、一番高い加算率にして処遇改善を最優先にしている。」と繰り返すのみで、訪問介護費が下げられなければならない理由は明確にしなかった。

おそらくは令和5年度介護事業経営実態調査における訪問介護の収支差率が 7.8%(前年比2.0%増)と他のサービスと比較しても高かったことから、もうけ過ぎていると決めつけられたのだろう。

小規模で零細事業所からすれば、収支差率7.8%といっても大した額にはならない。何千万も儲けが出ているわけではないのだ。せいぜいが経営者がやっと人並みの給与を得られる程度だろう。場合によっては、経営者がまともな額の給与を得ず収支差率をプラスに保っている事業所も存在している。

よって訪問介護事業経営者からすれば収支状況を見るのであれば、率で見るのではなく額で見てほしいと言いたいところだ・・・。

しかしそのような意見は全く無視されてしまう・・・。

昨日昼のNHKのニュースでは、「介護報酬の単価が決まったが、人手不足が深刻な訪問介護については、特に人件費に充てられる加算の割合が他のサービスより高く設定された」と報道されており、あたかも訪問介護にたくさんのお金が回っているように伝えられた。そこでは基本サービス費が下がったことには一言も触れられなかった。

このことにより国民の多くは、ヘルパー確保のため訪問介護は優遇されていると勘違いするだろう。

しかし実際にはヘルパーの給与は、全産業平均給与にはるかに及ばない。処遇改善加算の加算率が高く設定されているとしても、加算のベースは収入である。その収入となる基本サービス費が減らされているのだから、大きな処遇改善にはつながらないし、そもそも事業の安定経営が懸念される報酬設定をみて、ヘルパーになろうとする動機づけは低下の一途を辿るだろう。

よって訪問介護というサービス事業も、訪問介護員も絶滅危惧から脱する方向にはなっていないと言い切れる。

国はこれをよしとするのだろうか。訪問介護がなくなっても小規模多機能居宅介護等でサービスの隙間を埋められるとでも思っているのだろうか。それは少し考え違いではないかと思わざるを得ない。

このことについて、西宮市で訪問介護事業所を経営する幸地社長(グローバルウォーク)は次のように述べている。

・「処遇改善が高い加算率で14.5%〜24.5%まで取得できるからって・・・結果、経営は今まで以上に厳しくなるて事やん。人材育成やすでに雇用している人への報酬改善しか見ず、そもそも雇用にかかる先行投資は、これでは出来ん・・・。
・「会社てのは売上があがろうが、賃金が増えようが、利益があって納税して、内部余剰を積んで、初めて成長、規模が大きくなったと言われるもんです。こんなシステムで会社がでかくなる事はない。処遇改善など、いちいち国に言われんでも『やらなアカン』事です、我々経営者は、貰った小遣いを散財する子供ではないし、すでに経営者は労働者から選ばれる立場にある・・・にも関わらず『処遇改善』て言葉で、俺ら信用されてないねんな…て改めて思う中で、サービスの質をあげろ、と言われても…そりゃ無茶苦茶ですわ、と言いたい。

まったくもってその通りである。だがこうした現場の声を国に届けても、無視を決め込んで何も変わっていかないのが我が国の介護行政の実態でもある。

だからといって私たちがあきらめて貝のように口をつぐんだ途端、もっと介護現場の現状は悪い方向に誘導されかねない・・・だから私たちの声は、きちんと届け続ける努力をし続けなければならない。

違うものは違うと言い続け、その一念が小さな針の穴を通ったときに、そこから明るい光が漏れてくることを信じて、正論を捨て去らず、知恵を絞りながら、介護の品質を我が手で上げる努力を続けていくしかない。

そこに我々の支援の手を必要としてくれている人々がいる限り・・・。






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経過措置の終了を見逃さないように



今日午前中に行われた第239回社会保障審議会介護給付費分科会の議題は「令和6年度介護報酬改定に向けて(介護報酬改定案について)」であった。

今頃、公表された資料1の報酬改定の主な事項諮問書の報酬単価を懸命に読み込んでいる人が多いことだろう。
第239回社会保障審議会介護給付費分科会
午前中に終了したWeb会議では、案の定訪問介護の基本サービス費の引き下げについて、強い不満と説明を求める声が相次いだが、国は処遇改善を優先させてメリハリをつけッというだけで、基本サービス費の引き下げ理由は明確にしなかった。相も変らぬノラリクラリ答弁に終始する姿勢だけが目立った。

これらことについては、このブログでも追々考察することとして(※明日は訪問介護について書こう・・・。

ところで介護事業者の皆さんには、前回(2021年度)の報酬改定・基準改正で設けられた経過措置が終了することに対応した運営ができているかを確認してほしい。

例えば義務化されたBCPの策定については、経過措置の終了にあわせて未実施減算が新設されることになるので、この確認を行っていないところはないだろう。

この際同時に、『2026年度末までの概ね3年間に限り、「感染症の予防・まん延防止の指針」と「非常災害対策計画」を整備していれば減算を免除する。』という経過措置が設けられたが、注意してほしいのは減免は免除されるが、運営指導では基準違反に問われるということだ・・・あくまで減算という罰則に該当しないだけで、適切な運営ではない状態には変わりがないのである。

また2021年度の改定で義務化した虐待防止措置(虐待の防止に向けた委員会の設置、指針の整備、研修の実施、担当者の選任など)を実施していない施設・事業所に対し、基本報酬の減算を新たに導入する(福祉用具貸与・販売は対象外)ということになっているので、こちらも確認・注意してほしい。

こちらも、訪問系サービス居宅介護支援福祉用具貸与などは、「感染症の予防・まん延防止の指針」の策定が義務化されて間もないこと、「非常災害対策計画」の整備が義務付けられていないことを考慮し、少なくとも2026年度末まで対象から外す。とされているが、この場合も減算はなくとも運営基準違反であるという理解を持ってほしい。

問題は減算規定が設けられないが、基準改正の経過措置が切れるため、その基準に合致させねばならないという規定である・・・これを見逃していないかの注意が必要だ。

施設系サービスについて、栄養マネジメント加算を廃止し、基本サービスとして、状態に応じた栄養管理の計画的な実施を求めるという3年間の経過措置が終了する。

そのため運営基準(省令)に規定された以下の基準を4月以降クリアしておかねばならない。

イ 入所者の栄養状態を施設入所時に把握し、医師、管理栄養士、歯科医師、看護師、介護支援専門員その他の職種の者が共同して、入所者ごとの摂食・嚥下機能及び食形態にも配慮した栄養ケア計画を作成すること。栄養ケア計画の作成に当たっては、施設サービス計画との整合性を図ること。なお、栄養ケア計画に相当する内容を施設サービス計画の中に記載する場合は、その記載をもって栄養ケア計画の作成に代えることができるものとすること。

ロ 入所者ごとの栄養ケア計画に従い、管理栄養士が栄養管理を行うとともに、入所者の栄養状態を定期的に記録すること。

ハ 入所者ごとの栄養ケア計画の進捗状況を定期的に評価し、必要に応じて当該計画を見直すこと。

↑これらについては(管理)栄養士が把握している問題なので、クリアできている施設がほとんどで、さほどの心配はいらないかもしれない。

問題は施設系サービスについて、基本サービスとして、口腔衛生の管理体制を整備し、状態に応じた口腔衛生の管理の実施を求めることの3年間の経過措置終了についてである。

運営基準(省令)に規定された以下の基準を4月以降クリアしておかねばならない。

(1)当該施設において、歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、当該施設の介護職員に対する口腔衛生の管理に係る技術的助言及び指導を年2回以上行うこと
(2)1)の技術的助言及び指導に基づき、以下の事項を記載した、入所者の口腔衛生の管理体制に係る計画を作成するとともに、必要に応じて、定期的に当該計画を見直すこと。なお、口腔衛生の管理体制に係る計画に相当する内容を施設サービス計画の中に記載する場合はその記載をもって口腔衛生の管理体制に係る計画の作成に代えることができるものとすること。
助言を行った歯科医師
歯科医師からの助言の要点
具体的方策
当該施設における実施目標
留意事項・特記事項
(3)医療保険において歯科訪問診療料が算定された日に、介護職員に対する口腔清掃等に係る技術的助言及び指導又は⑵の計画に関する技術的助言及び指導を行うにあたっては、歯科訪問診療又は訪問歯科衛生指導の実施時間以外の時間帯に行うこと。

↑このように歯科衛生士の介入が基本サービスとして必要となる。

介護保険施設に配置のない職種が年2回以上定期介入する方法について、外部委託するなどの方策をとらねばならない。

例えば特養なら協力歯科医療機関を定めて、そこに利用者の歯科診療を優先的に委ねる見返りに、歯科衛生士を無償で定期派遣してもらうなどのバーター契約も考えられると思う。

そうしたことができない場合は、外部委託費がかかることになるが、この部分に対する報酬対価がない状態で、そのような費用負担が生ずることは非常に痛いし、納得できない部分でもある。






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新職場環境等要件は猶予期間中に達成しよう



6月に新設される介護職員等処遇改善加算※現行の処遇改善3加算を統合・一本化したもの)は4区分に分かれているが、すべての区分共通で職場環境等要件を整える必要がある。

しかし職場環境等要件は見直されており、従前よりハードルが上がっている。その内容については以下の図表で示されているので確認願いたい。
職場環境等要件
新加算掘Ν検塀莇改善加算に相当)では区分ごとにそれぞれ1つ以上(生産性向上は2つ以上)取り組まなければならないし、新加算機Ν供米団蟒莇改善加算に相当)では、区分ごとにそれぞれ2つ以上(生産性向上は3つ以上うち泳瑤廊欧鷲須)の取り組みが求められている。

このように生産性向上のための業務改善の取組に新設された要件には、新加算機Ν兇良須項目(泳瑤廊押砲發△蝓△海陵弖錣帽臙廚垢襪燭瓩暴猗を進めなければならない。

ただし経過措置が設けられているので6月時点で即、この要件に合致する必要はない。

第233回介護給付費分科会資料・介護人材の処遇改善等(改定の方向性)の26頁「論点新加算への移行・経過措置」には、職場環境等要件の見直し及び新設する「月額賃金改善(新加算犬1/2以上)」要件については、令和6年度中は適用を猶予することとし〜(以下略)と書かれている。

その為、職場環境等要件も基準に達しなくとも、その他の要件さえ合致すれば新設の介護職員等処遇改善加算機銑のいずれかの区分を算定できることになる。そうしたうえで令和6年中に職場環境等要件を整えればよいわけである。

新加算気鉢兇任廊泳瑤廊欧里匹舛蕕を達成しなければならないが、韻諒が容易である。

その内容とは、『厚生労働省が示している「生産性向上ガイドライン」に基づき、業務改善活動の体制構築(委員会やプロジェクトチームの立ち上げ、外部の研修会の活用等)を行っている』なのだから、委員会もしくはプロジェクトチームを立ち上げる必要がある。

しかし昨日諮問・答申された基準改正では、短期入所系サービス・多機能系サービス・居住系サービス・施設系サービス共通項目として 介護現場の生産性の向上 の新しい基準が設けられている。

その内容は、『利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会設置の義務付け 介護現場の生産性向上の取組を推進する観点から、現場における課題を抽出及び分析した上で、事業所の状況に応じた必要な対応を検討し、利用者の尊厳や安全性を確保しながら事業所全体で継続的に業務改善に取り組む環境を整備するため、利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の設置を義務付ける』としている。

つまり韻陵弖錣帽臙廚垢覦儖会の設置義務が3年間の経過措置期間内に課せられたのだから、この委員会を令和6年度末までに立ち上げ、機能させることで韻陵弖錣魯リアできることになる。

その他の要件も、5S活動(業務管理の手法の1つ。整理・整頓・清掃・清潔・躾)やICT活用見守りセンサー等の機器導入など、さほどハードルの高いものはないので、令和6年中にクリアすればよいと考えれば容易に可能となるだろう。

ということで是非、令和6年中に職場環境等要件の新しい基準に対応した職場内システムを整えてほしいと思う。

なお介護職員等処遇改善加算は4区分となっているが、令和6年度中に限っては加算(1)〜(14)という請求コードがある。これは経過措置加算区分であり、次の経過措置に対応したものである。

もう一つの経過措置「ベア加算相当の2/3以上の新たな月額賃金改善」(現行のベア加算の要件)・「昇給の仕組みの整備」(現行の処遇加算気陵弖錙法Α崢其眤侶呂寮鞍等および研修の実施等」(現行の処遇加算兇陵弖錙砲蓮⊃卦に達成するには、賃金規程等の改定等一定の手間が必要となることから、令和6年度中は、準備期間としてこれらの要件の適用を猶予し、従前の加算率を維持できる

つまり加算(1)〜(14)は、従前の加算率を維持して算定するもので、新加算の加算率ではないという意味だ。

新加算に対応した事務処理や職場内への周知・システム構築など大変な作業となるが、新加算に対応して最上位加算を算定しないと、益々人材確保が厳しくなることを踏まえて、その作業に当たってもらいたい。

そういう意味では、新加算は気了残蠅必然だと考えるべきだと思う。






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事務担当者に負わされる過酷な業務



昨日1/11付けで発出された介護保険最新情報のVol.1195は、処遇改善3加算の2024年度の計画書の提出期限を4月15日まで後ろ倒しにする通知である。

しかし4/15までに提出しなければならない計画書は5月までの加算算定分でしかない。

なぜなら今年6月から、既存の3加算を一本化した新たな処遇改善加算(介護職員等処遇改善加算)が創設されるからである。

そして新加算の計画書は別に6月算定に向けて作成する必要があるということになり、処遇改善加算の計画書は新・旧併せて2度提出しなければならないのである。

当然実績報告も新・旧両方必要になってくる。つまり事務作業は2倍になるという意味である。
過労死を防げ
そのことと、介護報酬改定に関連した届け出や利用者同意の取り直しなどを考え合わせると、事務担当者の業務負担は膨大な量になりそうだ。果たしてそのような業務を担う担当者の処遇改善も適正に行われるだろうか・・・。

介護報酬改定率のうち、直接事業収入につながる部分は+0.61%しかないわけだから、物価上昇分にも満たない。そこから人件費アップ分をひねり出すのは容易ではなく、この部分では介護事業経営者の手腕が問われてくることになるだろう。

6月から算定できる介護職員等処遇改善加算については、その配分を事業者裁量によって決定できるため、この加算を全職種に均等配分しようと考えている経営者も居られると思う。

しかしそうすれば既存の加算配分ルールの中で優遇されていた介護職員の給与ベースが下がることになる。そのようなことになれば退職する介護職員が出ないとも限らない。その為、経営者や管理職の皆さんは現在、この配分をどうするかで頭を悩ませていることと推察する。

どのような方法が公平なのか、何が正しいのかという答えについて、すべての事業者で共通する正解は存在しない。各々の事業者ごとに、職場風土や環境・歴史等を鑑みて答えを探すしかない。

ただ一つ言えることは、職員の処遇改善を加算のみで対策しようとしないことの一点に尽きるのではないだろうか・・・。

ところで2月からの6.000円/月改善の補助金について、介護職員の中には誤解している人が少なからずいる。自分の給料が2月から6.000円アップすると考えている人がいるのだ。

しかしこの補助金も、事業者の裁量で配分ができるため、配分職種を広げた場合、介護職員の給与改善額は6.000円/月に満たない。その半額も改善されない職場も少なくないだろう。

しかもこの補助金は2月に請求するのだから、事業者に支給されるのは2月遅れの4月になって、給与に反映されるのも4月からになるのではないのだろうか?このあたりは、今月中にも通知が発出されるので、それを読み込んで各事業者内で職員に周知してほしい。

なお2月〜5月までの補助金改善分は、介護給付費ではないので利用者負担は生じない。その為、この補助金分については利用者同意を得る必要がないことは、ご存じだろうと思う。

ただし4月に改訂される報酬によって利用者負担が変更になり、さらに6月の介護職員等処遇改善加算への切り替えによって、この部分の利用者負担額も変更になる。さらに8月には、居住費の基準費用が光熱水費のアップ分上乗せされて変更され、かつその他老健などの多床室の室料の利用者負担も課せられる。

それらに対応して4月・6月・8月と最大3回の利用者説明・同意手続きが必要になることを忘れてはならない・・・やっぱ、担当事務員さんは過労死寸前になるかもしれんな・・・。






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居宅介護支援費兇了残衢弖鑛儿垢鮓逃すな



2021年度の報酬改定で新設された居宅介護支援費は、逓減性を緩和するための算定区分である。

この区分を算定するためには、情報通信機器(人工知能関連技術を活用したものを含む。)の活用又は事務職員の配置を行う必要があるが、その要件をクリアすることにより逓減制の適用を従前の40件以上から45件以上とすることができるようになった。

しかし居宅介護支援事業所の人員配置基準は従前のまま、「利用者の数が三十五又はその端数を増すごとに一とする。」と定めているため、居宅介護支援費を算定して逓減性緩和の適用を受けようとしても、その場合は介護支援専門員数を増やさねばならないという行政指導を受け、実質この緩和が利用できない地域が存在していた。(参照:逓減性緩和を利用した収益アップは運営基準違反につながる

2024年度の報酬改定においては、この逓減性がさらに見直され、居宅介護支援費については逓減性適用を40件以上から45件以上とし、居宅介護支援費については、その適用を45件以上から50件以上とするとされた。

この際にの算定要件も、「ケアプランデータ連携システムを活用し、かつ、事務職員を配置している場合」に改められている。

そして人員配置基準との整合性を図るために、その見直しも同時に行い、以下の通り修正されることになった。
ア. 原則 、要介護者の数に要支援者の数に3分の1を乗じた数を加えた数が 44又はその端数を増すごとに1とする 。
イ .指定居宅介護支援事業者と指定居宅サービス事業者等との間において、居宅サービス計画に係るデータを電子的に送受信するための公益社団法人国民健康保険中央会のシステムを活用し、かつ、事務職員を配置している場合においては、要介護者の数に要支援者の数に 3分の1 を乗じた数を加えた数が 49又はその端数を増すごとに1とする 。

これで配置基準との矛盾も無くなり、大手を振って逓減性の緩和適用を受けられるわけである。
ケアマネの闇
この改定は処遇改善加算の恩恵を一切受けられない居宅介護支援事業所の介護支援専門員が、担当者を増やして収益を上げることによって、給与アップが実現できるようにしたものであることは言うまでもない。

ただしそれが本当に居宅ケアマネの処遇改善といえるのかは疑問があるところだ。(参照:居宅介護支援の逓減制の再緩和という鞭

ところで居宅介護支援費兇凌靴靴せ残衢弖錣蓮⊇樵阿陵弖錣任△訃霾鹹命機器の活用について、「ケアプランデータ連携システム」を活用することとしている。

2023年4月から本格稼働させたこのシステムは、1事業所あたり年間使用量が2万1000円かかることもあって、全国的に利用率は低い。(※システム利用状況はこちらをクリックして参照ください。

しかし厚労省は、現時点でこの低調ぶりは想定内であるとしている。その利用率については、今回の加算要件にするなどして利用率を上げていこうというのだろう・・・なんともあくどいというか、せこい対応であるとしか言いようがない。

ところで算定要件には、もう一つ注目すべきことがある。

それは従前では、「情報通信機器(人工知能関連技術を活用したものを含む。)の活用又は事務職員の配置」として、どちらか一方で良かったものが、「ケアプランデータ連携システムを活用し、かつ、事務職員を配置している場合」として、システム活用と事務員配置の両方が必要になっているという点である。

つまり事務員配置のない状態での算定はできなくなるのである。この点に十分注意が必要だ。なお事務員配置についてはQ&Aで以下の考え方が示されている。
・常勤・非常勤の別を問わない
・介護支援専門員1人(常勤換算)あたり、1月24時間以上の勤務が必要
・同一法人内の併設事業所等の事務職員との兼務も可能
・事業所の介護支援専門員が行う一連の業務等の負担軽減や効率化に資する職員とされているため、同事業所内の介護支援専門員との兼務は認められない。


まだ事務員配置のない事業所で居宅介護支援費を算定予定のところは、上記の要件を踏まえたうえで早急に対策をとる必要がある。

なお僕が顧問を務めている、札幌市の完全リモートワークが可能な居宅介護支援事業所つなぐ手ケアマネセンターでは、事務職員のアウトソーシング事業も行っているので、興味がある方はそちらに繋ぐこともできることを一応書き添えておく。






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日本介護支援専門員協会の無能・無力ぶりが際立った報酬改定



今年もいよいよ押し詰まってきました。

このブログ読者の方は、シフト勤務で世間の暦とは無縁だという方も少なくないでしょう。しかしそうではない方は、昨日もしくは今日が年内の仕事納めという方も多いのではないでしょうか。

年末・年始に休みをとれる方は、是非体と心の疲れをとってリフレッシュできるように休みを満喫してください。同時にシフト勤務で暦に関係なく働いてくれている仲間に感謝しましょう。

僕のこのブログも、年内は今日が最後の記事更新となる予定です。でも3日後の来週月曜日の元旦から記事更新しますので、来年もよろしくお願いいたします。

さて昨日の昼頃にCBニュース連載記事がアップされました。
masaが読み解く介護の今
月に1回記事配信されるこの連載は7年以上も続いています。今年の最終記事は、「居宅介護支援事業所の介護支援専門員(以下、居宅ケアマネと略)」が処遇改善でいかに冷遇されているかを解説し、このままでは居宅ケアマネの成り手がいなくなるのではないかと警鐘を鳴らす内容にしています。

ご存じのように、今年度の補正予算で2月から介護職員等の月額給与を6千円アップする補助金が計上されました。

この補助金についてはベースアップ支援加算に上乗せされる形で支給されますので、支給対象となる介護事業者内のすべての職種に配分することは可能です。しかし支給対象事業者は拡大されず、かつ支給対象外事業者職員への配分は認められていないことから、居宅ケアマネはその恩恵(配分)を受けることはできません。

また来年6月から現行の処遇改善3加算が統合・一本化され、「介護職員等処遇改善加算」となりますが、これも居宅ケアマネは配分を受けることができません。

よって居宅ケアマネは、事業所の収益を上げる努力の中で収支差率が上がった分を昇給原資にするしかありません。その為に、逓減性の更なる緩和というルールの中で、担当利用者数を増やして、命を削るように馬車馬のように働いてしか給与アップを図ることができないのです。

しかしそのように居宅ケアマネが心身を消耗させて給料が上がるとしても、それを待遇改善といってよいのでしょうか?

そんな状態は、待遇が改善されているとは言えないと思います。むしろわずかな給料アップのためにプライベートの時間も削らねばならないような基準緩和は、居宅ケアマネという重要な役割と仕事を担う人々の意欲と健康を損なうものだと思います。
居宅ケアマネの悲劇
これに対して日本介護支援専門員協会は、待遇改善が不十分であると声を挙げていることは確かです。今回の報酬改定に際しても、ケアマネの待遇改善につながる対策を行うように意見書を提出したり、マスメディアを利用してアナウンスをしたりしていました。

しかしそれらの声は完全に無視されています。それは何故でしょう・・・当たり前です。日本介護支援専門員協会は国に対する圧力団体にはなり得ないのです。

なぜならこの協会は、国が補助金名目で国費をあてがって存続できた国のひも付き団体に成り下がっているからです。

過去記事、「国から日本介護支援専門員協会に渡される7.700万円」で示したように、一度でも国から援助を受けてしまえば、物申して正論を通すという力は持つ事ができなくなるのです。

こういう団体に所属して会費を払い続けて、国に働き掛ける力の一翼を担っているという気になっている介護支援専門員が多いのは、業界全体にとっては不幸なことです。

この協会に支払う会費は、垂れ流されるだけのムダ金でにしか過ぎなくなっており、そんなものにお金をかけるくらいなら、自らで言論媒体を創り上げる資金に回した方が有意義だと思います。

こんな協会に頼るより、正論を言語化できる人々が1人でも多くSNSやユーチューブ等で登録者を増やした方が、国に対してプレッシャーとなります。

僕もその一人として、来年も情報発信と提言を続けていきたいと思います。志を同じくする方との繋がりも広げ・深めていきたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

新年がこのブログ読者の皆様にとって幸多い一年になることを心よりお祈りして、今年一年の感謝と共に、今年最後の更新記事を締めたいと思います。

それでは皆さん良いお年を迎えてください。






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介護報酬改定率の評価と施行時期を巡る混乱



2024年度からの介護報酬改定率は+1.59%とされた。(※光熱水費0.45%増分を含めると+2.04%

インフレという状況下で初めて行われる介護報酬改定であったため、過去最高の改定率であった2009年度の3%を上回る改定率を期待していた関係者にとって、プラス改定とは言えこの数字は諸手を上げて喜べる結果ではない。

特に事業収益に直結する本体報酬は0.61%増に過ぎず、2021年度の改定率(+0.7%)にも満たないと言うことで、今後の事業経営戦略に頭を悩ませている関係者は少なくないだろう。

改定率が期待より低かった理由は、言うまでもなく財源がないからだろう。

特に今回の制度改正では、サービス利用時の2割負担者を、全体の20%から25%まで拡大するという案が見送られた。これが実現すればプラス財源となり得たが、それが見送られたことは改定率に大きな影響を与えたと思われる。

厳しい介護事業経営に向かい合う立場の方々は、とにもかくにも算定できる加算を取りこぼさないように、算定要件に合致する体制を整えるしかないだろう。

だからこそ今後示される、報酬告示・解釈通知・Q&Aは発出後速やかに読み込んで、その内容の理解に努めなければならない。

僕もその内容を解説する講演を全国各地で行う予定が入っているので、是非そうした機会に参加して、疑問点の解消に努めていただきたい。(参照:masaの講演予定
介護報酬改定の事務処理
ところで今回の報改定施行時期は、医療分野との関わりが特に深い訪問看護、訪問リハ、通所リハ、居宅療養管理指導の4サービスに限り、改定施行時期を診療報酬施行時期に合わせて6月とすることとされているが、その他のサービスは4月施行となっている。

それだけで混乱しそうになるが、さらに現在3種類に分かれている処遇改善関連加算が、「介護職員等処遇改善加算」に統合・一本化される0.98%増分については、全サービスが6月施行となる。

これは令和5年度補正予算における福祉・介護職員の処遇改善の措置が令和6年5月まで講じられているためである。

事務担当者は、新しい加算の申請手続きが2月遅くずれるため、業務に余裕が出るだろうか。それとも4月施行の介護報酬改定に合わせて、介護職員等処遇改善加算の算定に向けた事務作業が進められないことは、逆に手間になるのだろうか。

これは事務担当者の仕事の進め方によって、感覚的に違ってくるだろう。

どちらにしても、人材不足が介護事業者の最大の経営リスクとなっているのだから、この加算を最大限に活用する努力も必要であり、4区分に分かれている新加算の最上位加算の気鮖残蠅任るように、職場環境等要件などを整えていく必要がある。

下位区分しか算定できなくなると、従業員が他事業者に流れてしまう恐れが現実的になることを理解しながら準備を進める必要があるだろう。

同時に事業所の裁量権が拡大された配分方法を早急に決めておく必要がある。

配分については、「介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある職員に重点的に配分することとするが、事業所内で柔軟な配分を認める」とされているが。その意味は、ほとんど規制なく自由に配分方法を決定できるという意味である。

その為、公平性を鑑みて介護職員とその他の職種の配分を同じ額にすることも可能である。しかしそうなると現行加算を優遇配分されていた介護職員は、現行の配分額より下がった金額の配分しか受けられなくなる。そうしないように現行通り差をつけるのかどうかは、事業者の考え方ひとつである。

どちらにしても全職員が不満がない配分方法はあり得ないと思え、今のうちから職員に対して丁寧な説明と意見交換を行って、職場全体で最も不満のない形のコンセンサスを形成するように努める必要があるだろう。

難しい作業であるが、それは避けて通れない作業でもある。






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歓迎すべきターミナルケアマネジメント加算要件変更



多死社会に突入している我が国では、死に場所が定まらない看取り難民を生み出さないことが大きなテーマの一つになっている。

そのため2024年度の報酬改定でも、「看取りへの対応強化」が大きなテーマとして掲げられており、下記画像のとおり、各サービスごとに新たな対応策が掲げられている。
看取り対応の強化
その主たる内容を見ると、訪問介護では特定事業所加算の重度者対応要件として、「看取り期にある者」に関する要件を新たに追加することや、訪問看護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、看護小規模多機能型居宅介護のターミナルケア加算については、診療報酬における評価を踏まえ単位数を見直すとしている。

さらに訪問看護と看護小規模多機能型居宅介護では、ターミナルケア加算を算定し、看護師が情報通信機器を用いて医師の死亡診断の補助を行った場合の評価を新たに設けるとしている。

訪問入浴介護と短期入所生活介護では、看取り介護を実施する体制に対する新加算を創設するとしている。

老健のターミナルケア加算は、死亡日や死亡日に近い日の算定単位を従前より高く設定しなおすことが示されている。

しかしここで一番僕が注目しているのは、居宅介護支援ターミナルケアマネジメント加算の見直しである。

今回の改定で、末期がんの利用者のみが対象となっていたターミナルケアマネジメント加算は、対象疾患を限定しないように変更された。

これはまさに僕が望んでいたことだ。実はこのブログでも今から5年以上前の2018年6月に、「診療報酬と介護報酬のすり合わせは不十分ではないか?」という記事を書いて、この加算が末期がんの方のターミナルケアのみを算定対象としていることに疑問を呈していた。

同じ疑問は厚労省の関係者の方とお会いする度に投げかけてきた。しかし5年前に「高齢社会が進行して老衰死が増えている中で、ターミナルケアマネジメント加算の対象が末期がんの人だけを対象としているのはおかしい」という僕の意見に耳を貸す人は少なく、「そんなことを言っているのは菊地さんだけですよ」・「そんな疑問を口にする人は他いにませんよ」といわれたものだ。

しかしそれから5年経って、この加算が対象疾患を末期がんに限定しなくなったことで、在宅で老衰死する人の支援においても加算できるようになった。

誰もそのことが必要だと言っていなかったのだから。それが変わったというのは僕の手柄といっても良いのではないのかと秘かに考えている・・・勿論、実際にはそんなことはないことは分かったうえでのことである。

どちらにしてもこのことは求められる方向への改正である。

在宅で老衰死する人に、居宅ケアマネが関わることは非常に重要なのである。なぜなら老衰死とは自然死であるからだ。

その自然死を最も安楽な状態で、安心しながら迎えることができるための支援、その際に必要な代弁、そこでしかできない最期のエピソードづくり・・・どれもソーシャルワーカーとしてのケアマネジャーの援助知識と援助技術を酷使して行う、ケアマネジメントの醍醐味ともいえるのである。

それは死の支援ではなく、人生の最終ステージを生きる人が、最期まで人としての尊厳をもって生き続けるための支援である。

居宅ケアマネの方々は、是非その意味を理解して、旅立つ人の傍らに寄り添い、尊厳ある存在として生きるを支えるターミナルケアマネジメントに努めてほしい。

そこで必要となる方法論は、僕の看取り介護講演などでも伝えているので、是非その内容などを参考にしてほしい。






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2024年度介護報酬改定議論が終了



昨日(12/18)行われた介護給付費分科会では、介護報酬改定の施行時期について、医療分野との関わりが特に深い訪問看護訪問リハ通所リハ居宅療養管理指導の4サービスに限り、改定を6月に施行することが明らかにされた。

この件に関しては、既に診療報酬の改定施行時期が6月1日施行(※薬価改定の施行は4月1日)とされていることから、10/11の介護給付費分科会で国が、介護報酬改定時期もそれと合わせる必要があるのではないかと提案していたものである。

これに対して全国老施協と全国市長会の代表委員が反対の意見を述べ、医師会と老健協の代表委員が賛成の意見を述べていた。

それらの意見を聞いた際に、僕自身は老施協と医師会との力関係・政治力などを鑑みると、医師会の方が当然強いので、6/1施行となるのだろうなと予測していた。

しかし水面下で老施協が頑張った結果なのかもしれないが、前記した4サービス以外は従前どおり4/1施行ということで落ち着いた。これによってプラス改定が2月遅れにならないことにホッとしている関係者も多いのだろうと思う。

一方で、老健施設の場合、訪問リハと通所リハを併設している施設が多いだろうから、本体老健と併設訪問サービスの報酬改定施行時期が2月ずれて、その両者に対応しなければならなくなる。

時期がずれることで、事務作業が集中しないことをメリットと考えるのか、作業を同時進行できないことをデメリットと考えるのかは微妙なところだ。事務担当者の方々は、今現在そのことをどう考えているのだろう・・・興味のあるところで、是非意見を聞かせてほしいと思う。
雪の大地
さて昨日の分科会では令和6年度介護報酬改定に関する審議報告(案)示された。これによって次期報酬改定に関わる介護給付費分科会は一旦終了と相成る。

今後審議報告(案)の内容が厚労省内で確認され、ほぼこの内容で報告されるのだろうと思う。

前日の記事(参照:介護報酬は2.04%のプラス改定へ)でお知らせしたように、改定率もほぼ確定しているので、クリスマス前後にその確定値も明らかにされることになる。

その後は、年明けに各サービスの基本報酬や加算の新たな単位数が公表され、2月には解釈通知が出され、それに関するQ&Aが3月中旬ころから随時発出されていくこととなる。

改定率から考えて、来年度以降の3年間も厳しい事業経営を迫られると覚悟している経営者や管理職の方が多いだろうが、だからこそ報酬改定の大枠と目指す先を読み込んで、取りこぼしなく加算を算定できるように体制を整えていく必要がある。

そのためにはまず、令和6年度介護報酬改定に関する審議報告(案)をしっかり読み込んで、その内容を十分咀嚼するようにしておかねばならない。

今からその作業を進めてほしい。






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介護報酬は2.04%のプラス改定へ



先週末に政府は、介護報酬改定について概ねその方針を決定した。

改定率については+1.59%とされている報道もあるが、これは光熱水費の上乗せ分を除いた数値である。

実際には、本体0.61%増賃上げ対応分0.98%増光熱水費0.45%増で合計2.04%のプラス改定の方針を示している。

この数字を見て関係者の方々はどう感じただろう。

僕の周囲を見渡すと、「プラス改定になってホッとした」という人はほとんどいない。

むしろ「初めてインフレの中で行われる改定なので、過去最高の改定率だった2009年の+3%をどれだけ上回るのかを期待したのに、残念な結果だった」といっている人もいる・・・そして、「これでは人件費や諸物価の高騰分を賄えない」といっている人が多い。
介護事業者にとって厳しい風
サラリーマンの給与が上がっても、物価高に追いつかずに実質所得が下がっているのと同様に、介護報酬が上がっても、支出増加分を下回る改定額で、介護事業者の実質収入も下がってしまうと感じている経営者や管理職が多いように思える。

介護給付費は今年度の予算ベースで13.8兆円となっており、これをもとに計算すると1%のプラスの場合、年間ベースで約1.400億円の費用が介護給付費として支出が増えることになる。

今回の改定率で言えば約2.800億円超が介護事業者に振り分けられるという意味になるが、前述したようにそこには賃上げ対応分光熱水費増加分が含まれており、これは事業者の収益にはならない費用である。

それを除いた0.61%=約854億円が介護事業者の収益増につながってくるわけだが、当然のことながらそれは均等配分されるわけではなく、国の加算要件にしっかり対応した事業者がより多くの収入を得られる構造となっている。

例えば、同一建物減算身体拘束廃止未実施減算などは、現行より拡大・強化されているため、これに該当する事業者は逆に減収・減益という憂き目にあうかもしれない。

老健に対する国のメッセージを見誤ってはならないで書いたように、加算型以上の老健をさらに評価するための傾斜配分の強化で、基本型老健とその他老健は基本サービス費が現行より下がる可能性が高い。そのため加算を算定してもなお、現行より厳しい経営が迫られる恐れもある。

このように全体がプラス改定でも、それはメリハリがつけられた厳しいものであると言える。

介護事業経営者にとって厳しい状況が続いていくことを覚悟して、加算をもれなく算定するだけではなく、それ以外に収益を確保できる事業体質を目指す経営戦略が必要になる。

スケールメリットが働く規模に事業を拡大していくことは必然となるだろう。一法人一事業では厳しい逆風の中で前に進めなくなるのだ。

その為には顧客確保できるサービスの在り方を考えていかねばならないし、それ以前に顧客が増えるのに対応してサービス提供できる人員を確保する環境を備えておかねばならない。

そうであるからこそ、職員が疲弊せずに定着し、なおかつ求職者から選ばれる形に職場環境を整える方向で介護DXの実現を図っていくことは差し迫った課題といえる。その課題を解決する方向にかじ取りしない事業経営は行き詰まるだろう。

介護事業経営者にとって、ここが腹の括りどころである。






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介護職員等処遇改善加算の留意点



次期介護報酬改定の施行は来年4月からではなく、6月にずれ込みそうである。

これは11/10の介護給付費分科会で厚労省が提案したもので、その理由は令和6年度以降における医療機関・薬局等やベンダの集中的な業務負荷を平準化するため、診療報酬時期が6/1〜と決定しているために介護報酬改定もそれに合わせて実施するというものだ。(※障がい者福祉サービス報酬も同じ提案がされている

さらに施行が6月になる可能性が高いことについては別な視点からも見て取れる。

2月から国費によって介護職員等への6千円/月の賃上げが実施されることになり、ベースアップ支援加算に上乗せされるが、それは現行の処遇改善3加算が統合・一本化する際にそこに組み込まれて恒久化されることになっている・・・その補正予算が5月分まで組み込まれているのだ。

つまり6月から補正予算の賃上げが介護報酬に変わるという意味である。よって国は水面下では既に報酬改定時期を6月と決定しているとみてよいと思う。

さて、その際に統合・一本化されて新設される介護職員等処遇改善加算については、12/1に(新加算)介護職員等処遇改善加算の概要という記事を書いて4段階の加算区分であると書いた。

しかし令和6年度に限って言えば加算という請求コードもあることに気付いている人は多いだろう。しかも加算は、(1)〜(14)に分かれている。
介護職員等処遇改善加算のイメージ
ただしこれは新設された介護職員等処遇改善加算の請求コードではなく、新設加算のすべての区分の要件となっている「職場環境等要件」の構築に時間を要する事業者があることを見越して、従前からの加算率を維持して算定するための1年限りの算定区分である・・・つまり加算垢禄樵芦短擦寮禅瓮魁璽匹如3加算のうちどの加算を算定していたかの組み合わせのコードだから14種類にも分かれているという意味だ・・・複雑で分かりづらいが、切り替え時期の経過措置ということでやむを得ない。

どちらにしても事務作業は大変となるが、新加算にできるだけ早く対応しようとする場合も、施行が6月からになることから、通常より2月長い準備期間があると共に、早急にそれに間に合わなくとも令和6年度中に新加算に対応する準備・事務作業を進めればよいということになるとしてポジティブにとらえていただきたい。

ところで準備の中には、職員に対する説明も含まれてくるだろう。

その説明の際には、『処遇改善加算は統合・一本化されるというよりも、今現在の加算が一旦なくなって、新しい考え方の加算になる』と説明しておく方が良いと思う・・・なぜなら新加算に移行した後に、すべての職員にメリットが生ずるわけではなく、場合によっては加算配分による昇給金額が減るというケースが考えられるからだ。

なぜなら、「職場環境等要件」の配分は算定事業者の裁量の範囲とされているからだ。

配分ルールについては、「介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある職員に重点的に配分することとするが、事業所内で柔軟な配分を認める」とされている。事業所内で柔軟な配分が可能であるということは、介護職員より他職種への配分が上回ってはならないとはされていないという意味と捉えることができるからだ。

この文言は実質的に、「介護職員への配分を基本とし」という意味を形骸化し、「事業所内で柔軟な配分を認める」ことを明確化したという意味でしかない・・・事業者の裁量で配分は決めてよいのである。

つまり加算配分を介護職員に限るとか、多職種の2倍以上に配分するとかいった従前加算のルールは撤廃あされるのである。これに伴って職種による不平等を解消するために、全職員に均等配分するような事業者も出てくるかもしれない。

そうなるとそれまで優遇配分を受けていた介護職員の昇給額が減らされる可能性もないとは言えないわけである。(新加算も、居宅介護支援事業所等で介護職員の配置がない事業者への拡大支給はないので、支給対象事業所の職員ではない居宅ケアマネなどには配分できないというルールは従前どおりである。

どちらにしても全職員が新加算で優遇されることにはならないため、職場内で配分ルールを早急に確定させたうえで、丁寧な説明とコンセンサス形成が求められることを忘れてはならない。

こうした部分の丁寧さがないという些細なことから、職員離れと職場環境悪化は始まったりするので、ここに時間と労力を惜しんではならないのである。






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介護事業者に投げ与えられた新たな責務



介護保険制度見直しで積み残された課題の取り扱いも先が見えてきた・・・まずは積み残した3課題について、どうなったか確認してみよう。

1点目は利用者負担割合2割負担者の拡大である。5日の「経済財政諮問会議」で、政府は少子化対策の財源確保へ工程案を示しているが、その中で「介護保険サービス利用時の自己負担率2割負担者を現行20%から25%まで増やす案」について来年度からの実施を求めている。

このことについては与党内で現在調整中であるが、来年度からの実施がかなり可能性が高くなったといえよう・・・結論は今月中に示される予定であるが、これが実現するとプラス改定の財源にもなるので、改定率に大きく影響する問題として注視する必要がある。逆に言えば、これが見送られるとプラス改定は、処遇改善加算の上乗せだけでお茶を濁される可能性もないわけではなくなるのだ。

2点目は1号保険料負担問題だ。1号保険料は制度創設時の2.911円〜6.014円(第8期)と増加しており、将来的に9.000円に達する見込みとなっており、低所得者が負担に耐え切れなくなる懸念が生じている。このことを防ぐために、「年間の合計所得が410万円以上などおよそ140万人の保険料を引き上げそれを財源として低所得者は引き下げる」ことについては、11/6の介護給付費分科会で来年度からの適用が大筋合意されている。これは実施が確実である。

3点目は介護老人保健施設と介護医療院の多床室室料負担についてである。(※特養は2015年度〜自己負担化されている)これについて12/4の介護給付費分科会で対応策が示され、療養型老健及びその他老健の2種類の老健及び介護医療院は室料自己負担化が実現されることとなった。
夜景
次にいよいよ佳境に入った介護給付費分科会での議論(※というより、国の一方的な提案でしかないが・・・)であるが、新しい介護報酬の全容が徐々に明らかになりつつある。

その中で注目したい点は、「生産性向上委員会設置の義務付け」である。

短期入所系・多機能系・居住系・施設系サービスについて、介護現場の生産性向上の取組を推進する観点から、利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の設置を義務付けているのである。(※3年の経過措置期間を設ける。

これは、社会全体の労働力不足という状況を鑑み、介護人材が今後も充足する見込みはないと考えられるところから、介護サービスの場で生産性向上の取り組みを前進・深化させて、今より少ない人手でより多くの結果を出すことを求めているという意味である。しかもその方策を介護事業者自身が検討して導き出す必要があるとして、新たな責務を定めているということになる。

自分たちで新しい働き方を考えて、介護DXを図りなさいと言っているようなものだが、このことは統合・一本化される、「介護職員等処遇改善加算」の全区分の算定要件にも表れている。

新要件は、「介護ソフトやスマートデバイス、インカムの活用、介護ロボットの導入、介護助手の配置、5S活動の実践、記録・報告の工夫、事務部門の集約などのうち、複数に取り組むことを必須とする」(※小規模事業者向けの例外措置も導入される。)というものだから、必然的に介護事業者はICT活用などを図り、新しい働き方を模索していかねばならない。

そういう意味で、今回の介護報酬改定・基準改正は、介護DX元年といえるものになるのだろうと考える。






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逓減性緩和を利用した収益アップは運営基準違反につながる



居宅介護支援事業における逓減制とは、ケアマネジャー1人あたりの担当件数が一定数を超えると基本報酬を引き下げる仕組みである。

2021年度の介護報酬改定では、逓減される件数が40件目からとしていた従前の適用ルールを、ICTの活用や事務職員の配置などを要件として45件目からに緩和している。

さらに24年の報酬改定では、国のケアプランデータ連携システムの活用などを新たに要件として加えたうえで、この要件をさらに5件上乗せして、50件目から逓減とするように変更する案が示されている。(参照:居宅介護支援の逓減制の再緩和という鞭

逓減性を緩和する理由とは、より多く(5名)の利用者を担当するという前提で、その分収益アップを図れるのだから、それをケアマネの給与に反映させようという考え方だと理解されている。つまり処遇改善加算等の恩恵が受けられない居宅介護支援事業所の介護支援専門員の給与改善策として理解されているということだ。

現に主任ケアマネの有資格者の一人は、JOINTというニュースサイトで、「1人あたりの担当件数を適切に49件まで増やすことができれば、事業所の収入は増加します。ケアマネジャーの給与も上がるでしょう。これが、厚労省が想定しているケアマネジャーの処遇改善策の柱です。」などと評論している。

しかしその考えは間違っていると指摘する声がある。

そのようなことをすれば運営基準違反に問われるので、実際には逓減性緩和で収益アップを図ることは不可能であり、その収益を介護支援専門員の給与に暗影されることもできないことが、僕が管理する表の掲示板のスレッドで情報提供されている。
意味のない逓減性緩和
リンク先を貼り付けたスレッドの No.21〜 No.23を参照願いたいが、問題は逓減性緩和を行っているのに、それの関連する基準改正が行われていないという問題である。

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第三十八号)の第二条2項は、「前項に規定する員数の基準は、利用者の数が三十五又はその端数を増すごとに一とする。」と定めている。

「前項に規定する員数」とは、「指定居宅介護支援の提供に当たる介護支援専門員」を指しているので、逓減性緩和を利用して担当者数を35件より多く増やしてしまうと、「その端数を増すごとに一とする」という規定で言えば、その分だけ常勤加算で介護支援専門員の人数を増やさねばならないのである。

そうしないためには、逓減性緩和を利用して担当者数を増やした介護支援専門員がいるとしたら、同じ居宅介護支援事業所の他の介護支援専門員の担当人数をその分だけ減らさねばならないということになる。

そして一人しか介護支援専門員が配置されていない居宅介護支援事業所は、介護支援専門員の配置を増やさない限り、逓減性緩和は利用できないということにもなる。

そうすると居宅介護支援事業所自体の収益は、逓減性緩和を利用しようと・利用しまいと変わらないことになり、介護支援専門員の給与改善原資は生まれないということになってしまう。

現に文字リンクを貼った掲示板スレッドの No.27では、保険者の集団指導において、「標準担当件数はあくまでも35件である」と指導されており、逓減性緩和で収益が増えるものではないと指導されていることが情報提供されている。

基準省令の第二条2項規定に変更がない限り、この集団指導内容は正当な考え方と思え、昨年9月サービス提供分で逓減性を利用している事業所が全体の8%程度しかないという低調な理由も、案外このあたりにあるのではないかと考えることもできる。

国は基準省令・第二条2項規定と逓減性緩和の矛盾に気が付いていないのだろうか。

次の改正で逓減性を再緩和するのならば、基準省令・第二条2項規定は、「前項に規定する員数の基準は、利用者の数が五十又はその端数を増すごとに一とする。」と変更する必要があると思う。

その実現をぜひ図っていただきたい。






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老健に対する国のメッセージを見誤ってはならない



厚労省の方と話をする際、老健に話題が及ぶときに、「特養化」という言葉がよく出てくる。

勿論それは悪い意味であり、在宅復帰機能を放棄したかのような長期滞在施設になってしまっている老健は、存在意義が薄いという意味で使われている言葉だ。

ご存じのように老健の報酬単価は、特養の単価より高額に設定されている。

それは老健の介護報酬には、入所者の処方薬代金も含まれた包括報酬=いわゆるマルメ報酬であることとに加え、医師や看護職員・リハ専門職などの有資格者を、特養より数多く配置しなければならないことによる差である。

しかしその根本は、老健は医療機関入院と在宅生活の中間に位置づけられる施設であり、急性期治療を終えた方が、在宅生活ができるように回復期リハビリテーションの中核機能を担って、できるだけ速やかに要介護者を在宅復帰させるための専門職配置であり、そのための報酬単価であることを忘れてはならない。

その為、厚労省の官僚の中には、「特養化した老健は、特養と同等の報酬単価でよい」と考える人も多いし、さらには「そうした老健は倒産・廃業したって良い」と考えている人も居る。

現在5区分(超強化型・在宅強化型・加算型・基本型・その他)に分かれている老健のうち、「その他老健」が経営困難なほどの報酬単価になっている意味は、「そんな老健はいらない」というメッセージなのである。

そして国は介護報酬改定の度に、在宅復帰・在宅療養支援機能を強化する仕組みを少しずつバージョンアップさせている。

その為、来年度の報酬改定では「基本型」についてもかなり厳しい改定となることは、「基本型老健にさらなる逆風」で解説したとおりである。

その具体的内容が11/16の介護給付費分科会で示されたので整理してみよう。
前途多難な船出
在宅復帰・在宅療養支援等指標については次の2点の評価を加える。
入所前後訪問指導割合及び退所前後訪問指導割合に係る指標の取得状況を踏まえ、基準を引き上げる
・支援相談員の配置割合に係る指標において、社会福祉士の配置を評価する。

そのうえで各類型間における基本報酬において更に評価の差をつける・・・つまり傾斜配分を今以上に強化し、基本型以下の老健の基本サービス費は下げて、加算型以上の老健の基本サービス費を引き上げる財源に回すことになる。

老健の中核加算ともいえる短期集中リハビリテーション実施加算については、原則として入所時及び月1回以上ADL等の評価を行った上で、必要に応じてリハビリテーション計画を見直すとともに、評価結果をLIFEに提出した場合の加算区分を新設する。

認知症リハビリについては、学習療法や記憶訓練等に比重が偏っており、廃用予防や活動・参加につながる訓練をすべきであるとの指摘がされていたことを踏まえ、認知症短期集中リハビリテーション実施加算について、利用者の居宅を訪問し生活環境を把握することを要件とし、居宅を訪問しない場合と区分して算定できるようにする。

認知症リハビリにも、もきちんと身体機能を改善できる方法を取り入れて、自宅復帰ができることを意識させる改定内容となっている。

また今回の報酬改定では、居宅サービス・施設サービス横断的に、リハ・口腔・栄養を一体的に推進するとしているため、リハビリテーションマネジメント計画書情報加算について、リハビリテーション・口腔・栄養を一体的に推進する観点から、下記の要件を満たす場合について評価する加算区分を新設し、要件を以下の通りとする。
・口腔衛生管理加算(供傍擇啀浜椒泪優献瓮鵐閥化加算を算定していること。
・実施計画等の内容について、リハ・口腔・栄養の情報を関係職種間で一体的に共有すること。その際、必要に応じてLIFE提出情報を活用すること。
・共有した情報を踏まえ、リハビリテーション計画について必要な見直しを行った上で、見直しの内容について関係職種に対しフィードバックを行うこと。
(※介護医療院の理学療法等(特別診療費)特養の個別機能訓練加算(供についても同様の見直しを行う)

また慢性心不全が増悪した場合について所定疾患施設療養費の対象として追加している。

ターミナルケア加算については、死亡日から期間が離れた区分における評価を引き下げ、死亡直前における評価をより一層行うよう重点化を図るとされた。

かかりつけ医連携薬剤調整加算(機の下位区分に、施設において薬剤を評価・調整した場合を追加し、下記の3要件を追加することとした。
・ 処方を変更する際の留意事項を医師、薬剤師及び看護師等の多職種で共有し、処方変更に伴う病状の悪化や新たな副作用の有無について、多職種で確認し、必要に応じて総合的に評価を行うこと
・ 入所前に6種類以上の内服薬が処方されている方を対象とすること
・ 入所者や家族に対して、処方変更に伴う注意事項の説明やポファーマシーに関する一般的な注意の啓発を行うこと。

このように減薬の取り組みも一層推進する方向が示されている。

なお地域連携診療計画情報提供加算及び認知症情報提供加算は算定率が低いため廃止とするとされた。

このように老健の主たる改定事項は、在宅復帰施設としての機能を強化する方向にシフトしていることが明らかである。

その為、現在基本型の報酬しか算定できていない老健は、一日も早く加算型に移行する手立てをとらないと、ごく近い将来、経営破綻に追い込まれることを覚悟しておかねばならない。






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協力医療機関指定義務化は特養には高いハードル



11/16の介護給付費分科会では、介護保険施設・特定施設・福祉用具・住宅改修の報酬改定議論第2ラウンドの議論が行われた。

僕がここで注目していたのは、老健と介護医療院の多床室室料の自己負担について論点として示されるかどうかであった。

というのも昨年末の制度改正議論で積み残された3つの課題のうち、〕用者自己負担割合2割・3割対象者(一定以上所得者と現役並み所得者)の対象見直し※2割負担者を現行20%から25%へ)と、65歳以上の介護保険料について、年間の合計所得が410万円以上などおよそ140万人の保険料を引き上げ、それを財源として低所得者は引き下げる案については、11/6の介護保険部会資料で示されており、もう一点だけ残されたO祁鬚伐雜邂緡撤,梁疹下室捨舛亮己負担について、論点提示されれば積み残し課題がすべて実現される運びになると思えたからだ。

昨日はそれが提示されなかった。しかし考えてみれば11/6に2つの論点が提示されたのは制度改正を議論する介護保険部会であり、今回は報酬改定を議論する介護給付費分科会だから、その違いなのか・・・それとも6日の介護保険部会の議題としても挙がらなかったことを考えると、それは見送られるのだろうか。

だが、改定率が公表された後の、「介護報酬改定の主な事項」によっていきなり提示される可能性もあるので、ここでは結論を示すことはできない。

それは介護施設の食費の標準費用も同じことで、昨日の資料では何の言及もないが、改定率が示された以後に急に考え方が示されることになるのではないだろうか。
紅葉の絨毯
さて昨日の議論では介護保険施設について、協力医療機関の指定を義務化することが提案され話題となっている。

そてによると1年間の経過措置を設けたうえで、下記の(1)から(3)の要件を満たす協力医療機関を定める義務を課すとしている。
(1)入所者の急変時などに、医師や看護職員が夜間休日を含めて相談対応する体制が確保されていること
(2)診療の求めを受け、夜間休日を含めて診療が可能な体制を確保していること
(3)緊急時に原則入院できる体制を確保していること

※ 複数の協力医療機関を定めることで(1)〜(3)を満たすことも可

特定施設・認知症グループホームについては、(1)と(2)を努力義務とすることも併せて提案された。

協力医療機関を定める規定は現在も存在しているが、これと今回の案はどう違うのだろう。

現在の規定は、どこそこが協力医療機関であると運営規定に定めればよいだけの話で、協力医療機関においてどのような利便が図られるかという点は特に定めがなく、施設と医療機関の間で決めおくだけでよいという規定だ。

極端に言えば、医療機関の承諾を得て、運営規定上に協力病院として名称を記載するだけでも良いわけであり、協力医療機関として特別な対応をとる体制がなくともよいわけである。

しかし今回提案された義務化によって、上記の(1)〜(3)の体制が必要になるわけである。

これは果たして可能だろうか・・・老健と介護医療院については、もともと母体が医療機関だろうから、この体制は比較的容易に構築できるであろう。

しかし特養はそういうわけにはいかない。僕が以前総合施設長を務めていた社福・特養の場合は、母体が医療機関であったので、老健等と同じようにその体制作りは難しくないだろう。

しかし母体がない社福単独型や医療機関以外の母体を持つ特養は、その体制構築は困難である。特に(3)のハードルが高すぎる。

どこの医療機関が、協力施設のためにベッドを空けておいてくれるというのだろう・・・関連施設でない限り、常識で考えてそのような対応はあり得ない。

また(1)と(2)も決して低いハードルではない。これらの体制を全て整えるならば、協力医療機関としての委託料が発生するとされるケースも出てくるだろう。しかし今回の義務化に対する加算報酬はないわけであるから、この義務化は今現在は発生しない経費支出を伴う可能性も否定できない。

今までほとんど議論がない中で、突然示された協力病院の指定義務化とは、これだけのハードルがあることを厚労省は理解しているのだろうか。

どちらにしても簡単に、「わかりました」と承諾できる提案ではないと思う。

全国老施協は、この提案に対してどのような考え方を示すだろうか・・・全国老施協がどちらを向いているのかが、その姿勢によって明らかになるのかもしれないので、ここには注目しておきたい。






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小規模区分から大規模区分への人材流出が促される通所サービス


11月26日の介護給付費分科会の通所リハビリの論点のひとつには、規模別報酬の見直しが挙げられている。

現行の通所リハビリテーションの報酬体系は「規模別」「時間区分別」を基本とし、スケールメリットに着目した評価の視点から、大規模ほど単位数が低くなる仕組みとなっている。

これについて厚労省から、「大規模型であっても、体制を整えて個々の利用者のニーズに応じたリハを行う事業所などは、必ずしもスケールメリットが働かない」という説明があり、「大規模型の中にも体制が厚いところと必ずしもそうでないところがある。例えば体制が厚い事業所、一定の要件を満たす事業所などの減算を軽くする」との案が示された。

つまり大規模区分の報酬の減算幅を小さくして、通常規模報酬単価に近づけるという意味だ。そのうえで、リハ専門職などの配置に手厚く加算するというのだから、大規模区分の方が収益が挙がりやすい報酬構造になっていく。

しかしそれは第1段階の考え方に過ぎず、近い将来には規模別報酬という考え方の根本を変えて、スケールメリットが働く一定規模以上の通所リハビリを基本サービス費の基準にしようというものだ。つまり規模が大きな事業所の方が高い報酬を算定できる時代に変えていこうという考え方である。
夕暮れ
この考え方は財務省が先行して示しており、昨年3月に行われた「財政制度等審議会」で、規模を大きくして効率的経営を行っている介護事業者をメルクマール指標)として介護報酬を定めることを提案している。(参照:経営規模拡大を図る財務省の暴論

社会全体で労働力が減る我が国では、より少ない人手によって成果を高めるという生産性の向上があらゆる分野で求められ、介護事業もその例外ではない。その為、スケールメリットが働く一定規模以上の事業展開が求められてくることは必然となってくる。

介護保険制度は、利用者の自立支援と福祉の向上を旗印にしており、その実現を図る方法の一つとして、サービス提供の規模を小さくして、利用者と職員の馴染みの関係を作りやすくして、利用者の細やかなニーズに応えてゆくというユニットケアの思想を広げる方向で制度構築されていたが、それは今は昔という話になるのだろう。

それが証拠に2ユニットが原則だったGHは、3ユニット+サテライト事業が認めらえるようになったが、これも橋頭保の一つに過ぎず、いずれは4ユニット〜5ユニットというGHの創設も現実化されていくことが想定される。

その第一歩が、通所リハビリの規模別報酬の見直しという形で表面化しているに過ぎない。

そして大規模型の基本サービス費の減算幅が縮小され、将来的には小規模より大規模型報酬が優遇される仕組みは、通所介護も同様にそのレールに乗せられていくことになるだろう。

そうなると大規模通所サービス事業が、経営モデルとしてはスタンダードになっていくことは確実だといえよう。地域密着型通所介護等の小規模通所サービスは、その波にのまれていくのではないだろうか。

そもそも今でさも地域密着型通所介護の経営は厳しい。利用者上限は1日18人でしかないのだから、開設当初はそれで経営できたとしても、職員が定着して給与の引き上げが必要になっても、顧客を増やして昇給原資を確保する手立てがなく、人件費が年々上がるたびに収益率が下がっていくというのが特徴である。

よって遅かれ早かれ、報酬体系がどうあっても、地域密着型通所介護は都道府県指定型の規模を目指していかねばならないのだ。新設時は立ち上げ資金が比較的安価で済む地域密着型通所介護としても、そこで経営努力を続け、顧客から信頼されるサービスを地域展開し、地域住民から選ばれる事業所として規模を拡大していく必要があるということだ。

ところで小規模通所サービスのメリットの一つは、人材不足の介護業界にあって、比較的従業員を集めやすいということが挙げられている。しかしそのことにもいずれ逆転現象が起こる。

なぜなら統合・一本化される処遇改善加算も、収益に対するサービス種別ごとの掛け率で支給されるからだ。

今現在は、小規模通所サービスの基本サービス費が高いことで、利用者数が少なくとも処遇改善加算への影響は限定的であるが、大規模区分と通常規模区分・小規模区分の報酬差額が小さくなることで、より利用者が多く通い収益が挙がる大規模区分の処遇改善加算の算定額が大きくなる。

つまり今後の通所サービスは、大規模区分で働く方が、小規模区分で働くよりも処遇改善加算による給与改善額が大きくなり、その差は年々広がっていくことになるのである。

そうなったとき、小規模区分の通所サービス事業所に今のように人材が集まるかと考えたとき、それは難しくなるだろう。

大規模区分の方が有給などの休みも取りやすく、給与体系も良いとなれば、小規模サービスの質の高い介護などという理屈は吹っ飛んで、そこに人材が張り付くことは困難となっていくのではないだろうか。

こうした展望と分析も、今後の通所サービス経営を考える上では必要になってくると思われる。






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野獣死すべしといいたくなった事件。


僕が社福法人の理事と総合施設長を務めていた頃、地域の社会資源として訪問リハビリがなかった時期がある。

その為、社福の母体である医療法人が経営する訪問看護ステーションからリハビリ専門職(以下:リハ職と略)の派遣を行って、実質訪問リハビリ資源を創ろうとしたことがあった。

幸い医療機関のリハ部門には、PT・OT・ST等のリハ職が複数のがいて、地域への訪問リハビリに興味をもってくれたので、話はトントン拍子に進んで、訪問看護サービスとしてリハ職を派遣し、利用者の自宅でのリハビリテーションが実現できた。

そのことは地域の方々に大変喜ばれたという記憶がある。

ところが今、診療報酬改定と介護報酬改定の両方の議論で、リハ職による訪問看護の提供に対して、「訪問看護の本来の役割に沿ったサービスではない」という議論が展開され、「評価の差別化」(※要するにリハ職の訪問看護の算定単位を低くしたり、看護師の訪問回数の一定割合に制限すること筆者注)が提案されている。

そうであれば同時に、訪問リハビリテーションがもっと地域展開できるようにルール改正すべきである。

訪問看護の指定事業所に比べて、訪問リハビリの指定事業所数が延びない理由は、リハ職の独立開業を阻むバリアが存在するからだ。それを撤廃して、リハ職が独立開業できれば、訪問リハビリが増えて、訪問看護からのリハ職派遣は必要無くなるのではないかと思う。
美瑛の蒼い湖
ところで訪問看護に限らず、訪問サービスには厄介な問題が存在する。それは利用者宅という密室で、異性介助が行われることに対する抵抗感である。

例えば、前述したように僕が関わって実現した訪問看護ステーションからのセラピスト派遣も、男性のセラピストしかいなかったという点で、利用拒否されるという問題が生じた。

自宅でのリハビリニーズがある要介護高齢者であっても、女性でひとり暮らし方は、男性のサービス提供者は受け入れてくれない人が多いのである。

女性が密室化する自宅で、専門職とは言え、男性に身体に触れられてリハを受けることに懸念があることついて当時の僕は、「サービス利用者である要介護高齢者に対し、サービス提供者が卑猥な行為に及ぶようなことはあり得ないだろう」と考えており、「心配し過ぎではないか」とも感じていた。

しかしそれは高をくくった安易な考え方であると気づかされた。下記のような事件が実際に起きているからである。

11/9、静岡県御殿場市の訪問介護員の男(53)が80歳代の訪問介護利用者の女性に、わいせつな行為をした疑いで準強制わいせつの疑いで逮捕された。女性は1人暮らしで、女性の息子が日常生活の見守りカメラを確認したところ、男の行為がおかしいと警察に相談したことで事件が発覚したとのことで、男は容疑を認めているという。

準強制わいせつ」とは、被害者が心神喪失または抗拒不能に乗じてわいせつな行為に及ぶ行為であるから、被害者の女性は認知症だった可能性が高い。そのような方に対して、1対1で身体介護を行うヘルパーは、誰よりも信頼できる人間でなければならないのに、わいせつな行為に及ぶとは卑劣極まりない。人でなしの行為である。

被害に遭われた80代の女性利用者の方は、本当にお気の毒だ。それまでどんなに幸せな人生を歩んできたとしても、最も安心して自らの身体を委ねることができるはずであった介護サービス提供者に、わいせつな行為で穢されたことによって、幸せな人生が不幸で哀しい人生に変わってしまったかもしれない・・・それほど汚らわしい犯罪である。

このような野獣がヘルパーという衣をかぶって、ひとり暮らしの利用者宅という密室の中で犯罪に及べば、利用者は逃げ場がない。全く救いようがない胸糞が悪くなる事件である。

本件の容疑者のような人間が従業員に交じっていたら・・・と考えると背筋が寒くなる。こういう手合いは、教育して良くなるものではないだろう。できるだけ実務に就かせる前に、その性癖に気づいて排除する以外ないと思う。

こうした人物は、改心したふりをしても同じことを繰り返す手合いと思え、訪問サービスに従事させてはならないのである。しかしその性癖を見抜くことは至難の業でもある・・・。

そういう意味では、訪問サービスで女性利用者に対応する場合は、できる限り同性派遣を心掛けることがだいじかもしれない。

特にサービス提供者と女性利用者しかいない場面での訪問サービスは、同性介護を行うことが最重要と考えることが、リスクマネジメントにつながるのではないだろうか。






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居宅介護支援は何気に大改定・・・。


先週金曜日に正式に閣議決定された介護職員らの月6千円の賃上げについては、来年2月からベースアップ加算に上乗せして支給されることとされた。

そのため現行の要件を踏襲し、交付額の3分の2以上をベースアップに充てるよう求めるほか、他職種への柔軟な配分も認めていくとされている。

しかし居宅介護支援事業所はその支給対象に含まれないので、居宅ケアマネには一切配分されないことも確定した。

また来年度の介護報酬改定で統合・一本化される処遇改善加算については、「介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある職員に重点的に配分することとするが、事業所内で柔軟な配分を認める」とされているために、施設ケアマネについては従前の特定加算の配分より額が増える可能性もある。

しかしこの加算の算定事業の拡大は見送られることから、居宅ケアマネにはその恩恵は一切ないことになる。

その為、「居宅介護支援の逓減制の再緩和という鞭」で指摘したように、逓減性の再緩和で収入を増やした分しか居宅ケアマネの待遇改善は難しいという状態になる可能性が高い。

本当にそれでよいのだろうか・・・これでは居宅ケアマネの成り手がなくなりかねない。それとも今後、居宅介護支援事業所の介護支援専門員の待遇改善策が別に示されるだろうか?だが僕の知る限り、そんな議論は水面下でも行われていないように思う。
紅葉
ところでそれほど厳しい居宅介護支援事業であるが、来年度の報酬・基準改定は大改定ともいえるのではないだろうか。

逓減性の再緩和のほかにも、いくつかの大きな変更が示されているので検証してみよう。

まずは毎月のモニタリングルールの変更である。月1回の利用者宅でのモニタリングについて、テレビ電話(ビデオ通話)などを活用した実施も認めることが提案されている。この場合、少なくとも2ヵ月に1回は利用者宅を訪問すること、他のサービス事業所と連携することなどを要件とすることも同時に提案されている。

これは言うまでもなく、逓減性の再緩和とリンクした改定である。モニタリングの訪問回数が現行より少なくて済むという業務軽減を行って、それによって担当利用者を5名増やすことができるようにすることで、逓減性の再緩和ルールを使いやすくしようというものだ。

それで本当に業務負担が軽減されて、逓減性の再緩和の恩恵を受けようとするケアマネが増えるかどうかはともかく、高齢者もスマホやタブレットを使い込なしてる現状を鑑みれば、モニタリング訪問をオンライン確認に代えて実施できるようにすることは良いことだと思う。

訪問するケアマネと訪問される利用者双方に、負担軽減というメリットがあるし、モニタリング訪問にそぐわない人は、従前通り訪問モニタリングすればよいだけの話で、その判断もケアマネジメント能力の一環なのだから、そこは居宅ケアマネの能力を信じれば良いのである。

それにしてもせっかく規制緩和を行おうとする際に、新たな規制を加えてどうするのかといいたい・・・2月に1回は訪問が必要という条件なんて必要ないだろう。これでは業務負担軽減の効果は著しく削がれる。自宅での状況確認がどうしても必要だとしても、その頻度は半年に1度程度でよいだろうと思う。思い切った規制緩和ができないのは、くそっ狭い役人根性そのものであるといえよう。

業務負担軽減に関連しては、過去半年に作ったケアプランの訪問介護、通所介護、福祉用具貸与の割合を利用者へ説明することなどが義務付けられているが、これを努力義務に改めるとしている。

義務努力義務はどの程度異なるかといえば、努力義務はあくまで努力でしかないのだから、やっていなくても運営指導の対象にはならず、少なくとも文書指導は行われないという意味だ。

つまり「しなくてよい」という意味で、2021年度の前回改正で新設したルールは、説明を受ける利用者からも必要ないと言われ、むしろ迷惑に思われているので、ほとんど意味がないことが明らかになったという意味だ。

しかしルールを廃止したいが、そうなるとルールを作った役人の責任問題となるために、努力義務化したというに過ぎない・・・ということで来年度以降は、この説明は遠慮なく居宅ケアマネ業務からはカットしよう。

また、「入院時情報連携加算」については、現行では入院後3日以内、または7日以内に病院などの職員へ利用者の情報を提供した事業所を評価しているが、これを入院当日、または3日以内の評価に改めるとしている。

これについては、「入院時の迅速な情報連携を更に促進する」との意味であり、そのことが早期治療・早期退院にむずびつくという理由だろう。現行でも入院・即情報提供を行っているケアマネが多いのだから、これは否定される変更ではない。ただしスピード感を求められるのだから、それに応じて加算単位も引き上げてもらわねばならない。ここは強く訴えておこう。

特定事業所加算の4段階の全区分に求めている要件の変更も提案されている、
《現行要件》
地域包括支援センターなどが実施する事例検討会などに参加していること
《見直し案 》
ヤングケアラー、障害者、生活困窮者、難病患者など、他制度にも関する事例検討会、研修などに参加していること

以上のように単に事例検討会ではなく、他制度に関する学びの内容がなければならないとされいる。

国が進める、『適切なケアマネジメント手法の策定・普及推進事業』では、介護支援専門員に対して、「仕事と介護の両立支援」や「ヤングケアラー支援」などの役割も担うことが期待され、来年度から変更されるケアマネ法定研修でもそれに沿ったカリキュラムが組まれることになる。

本加算の要件も、それの沿った形で変更されるわけだが、居宅ケアマネにそれだけの役割を求めるならば、それなりの待遇も手渡せと言いたい。

居宅ケアマネはボランティアではなく、プロの相談援助職だぞ。待遇改善の優先順位を介護職員のはるか下層に置いている状態で、役割だけ増やしてどうるのだと言いたい。この部分は居宅ケアマネの皆さんは、もっと怒った方が良い。あまりにもおとなし過ぎる・・・。

また特定事業所加算については、現行の「運営基準減算、または特定事業所集中減算の適用を受けていないこと」という要件の見直しを提案し、運営基準減算が利用者ひとりひとりに適用され毎月の確認作業の負担が大きいとして、「特定事業所集中減算の適用」のみを減算要件とするとしている・・・個人的には、医療系サービスが対象となっておらず、ケアマネジメントの中立性確保にとって意味のない特定事業所集中減算そのものを廃止すべきだと思う。

さらに居宅介護支援費にも、同一建物減算を新たに導入する案が示されている。

これは明らかにサ高住の囲い込みサービスをターゲットにした制限だろう。サ高住の入居要件に、併設居宅介護支援事業所との契約を条件にして、担当ケアマネを替えさせ、さらに訪問介護等のサービスもサ高住併設事業所で囲い込むことの批判と受け止めてよいと思う。

居宅ケアマネは、事業経営者のプレッシャーに負けないで、適性プランの立案に向けた姿勢を崩さないことが求められている。

また制度改正では、予防プランを居宅介護支援事業所が利用者との直接契約で計画できる改正が行われた。そこでは予防支援の単価が問題となるが、その額が低くて予防プラン作成はできないと判断するなら、予防支援事業の指定を受けなければよいだけの話で、居宅介護支援事業の選択肢が広がるという意味で、その改正自体を否定的に捉える必要はない。

どちらにしても現時点で決まっていることだけでも、これだけ大きな変更がある。居宅介護支援事業所の介護支援専門員は、それに向けた心構えを持っておく必要があるだろう。






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介護報酬引き上げ確定しました


昨日(11/10)開催された第38回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会では、令和5年度介護事業経営実態調査結果の概要(案)資料1として示された。
令和5年度介護事業経営実態調査結果
それによると2022年度(令和4年度)決算の利益率が全体平均で過去最低の2.4%に悪化していたことが明らかになった。

特に施設系サービスで厳しい結果となり、特別養護老人ホームの利益率はマイナス1.0%、介護老人保健施設は同1.1%と、01年の調査開始以降で初めてマイナスに陥った。

この結果を受けて厚労省は、光熱水費や人件費の伸びが経営に影響を及ぼしていると分析。「他産業の利益率は約6%にあがっている中で、介護分野はかなり厳しい状況にある」と見解を示している。

今年の春闘では全産業平均で3.6%の賃上げだった一方、価格転嫁できない介護事業所は1.4%にとどまったことで、介護業界から小売業などへ人材流出も起きており、介護人材不足も深刻化の一途を辿っている。

こうした状況を受けて、政府は来年度の改定で引き上げる方針を固めたと各メディアが今朝、一斉に報道している。

ただし水面下でプラス改定になることは、それ以前から事務方を中心に決定事項として作業が進んでいたことは確かである。だからこそ報酬改定の施行時期を6月まで先延ばしすることに反対する声も根強かったのである。今後は、この施行時期を巡った綱引きが水面下で行われることになる。

さて問題は改定率である。

政府は、介護職員や看護補助者への賃上げを行った医療機関などを対象に、一人あたり月額6000円の賃上げに相当する額を補助金として支給する方針を固め、来年2月から支給を開始するとしているが、この補助金も当然、統合一本化される処遇改善加算に含まれてくると思え、さらに月額改善額が1万円以上になるように改善を要求する声に応えた上乗せも期待されているが、それのみをもってプラス改定とされてはかなわない。

職員の給与行き上げ原資となる処遇改善加算も大切だが、事業経営を脅かさないためにも基本サービス費の相応の引き上げが不可欠だ。

6日の介護給付費分科会では、介護保険料・利用者負担に関する各種取りまとめという資料が示され、この中で、介護サービス利用時の自己負担割合2割の対象者を、現行の20%〜25%に引き上げる案も示され、年末までにこの案も承認される見込みになっていることから、プラス改定の財源は存在することになる。

それに加えて、インフレ下で初めて行われる報酬改定という状況を鑑みて、政治的判断による財政出動を期待しつつ、介護事業経営の安定化を図ることができるようなプラス改定を期待したいところである。

それにしても特養の収支差率はひどい状況だ。10年前は収支差率が二桁レベルで、まおかつ多額な内部留保も問題とされ、社会福祉法が改正されて、2017年からは社会福祉法人の財務規律の強化の取り組みが法律に基づいて実施されるようになり、社会福祉法人は毎会計年度において、社会福祉充実残額が生じたときは、厚生労働省令で定めるところにより、「社会福祉充実計画」を作成し、これを所轄庁に提出しその承認を受けなければならないとされた。

しかしすでにそのような大きな利益が出る状況はなく、毎年内部留保を切り崩して何とか運営を続けているという特養が多いわけである。

しかし内部留保と呼ばれる繰越金は未来永劫存在するわけではない。この状況の改善を急がないと、社会福祉法人の倒産が全国各地で引き起ることになる。

それを防ぐためには、介護報酬の大幅なプラス改定が不可欠であるが、それと共に運営しかできない社福トップ・特養トップはその地位から退いて、きちんと経営ができるトップを据えることが重要になる。

今後の社会福祉法人の生き残り策とは、そうした改革に取り組めるかどうかにかかっていると言っても過言ではないだろう。






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こんな形の複合型サービスは浸透・普及しない


2024年度からの介護報酬改定に関連して、新たに創設が予定されている複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ)の概要が、11/6の介護給付費分科会で示された。

この複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ)については8/30の介護給付費分科会で、「必要性がない」・「制度をますます複雑にする」などという反対論が複数出され、厚労省はその創設について今後慎重に検討するとしていた。

しかし今回の資料によって、厚労省はいよいよ新サービス創設に舵を切ったことがわかる。

創設反対意見等を無視する形で創設に舵を切った理由は、昨年末の介護保険制度の見直しに関する意見で、その必要性を高らかに謳っていた以上、面子にかけてもこの新サービスの創設は見送ることはできなかったからだろう。

ただしこうなることは、僕が行う講演では予言していた。受講された方はその予測が当たったことに気がついているだろう。
紅葉
それはともかく、今回の資料では複合型サービスと呼ばれる新サービスの概要が示されているが、その内容を見て僕は少しがっかりしてしまった。

複合型サービスは、コロナ特例で通所サービスから職員を利用者宅に派遣していたサービスをモデルにし、既存の通所サービスが柔軟に職員を利用者宅に派遣できるスタイルになるのかと思ったら、どうやらそうではないようだ。

資料を読むと複合型サービスは、定員29人以下の地域密着型サービスとして、要介護度別の包括払い(月額定額報酬)とされている。

複合型サービスの利用者の計画担当者については、居宅介護支援事業所の介護支援専門員が担うこととされ、複合型サービスに内包しないことになった。

これは小規模多機能居宅介護がケアマネジメントを内包することで、居宅介護支援事業所の介護支援専門員が担当を外れることを嫌うケースが多いために、予想外に普及しないことを鑑み、その轍を踏まないようにしたものである。

指定条件については、複合型サービスとは(訪問介護と通所介護の組合せ)とされているように、まさに訪問介護と通所介護を一体的に同一建物の中で指定するスタイルのようである。

その考え方は、「既存サービスの組み合わせであるため、訪問介護、通所介護で必要とされている人員・設備・運営の基準と基本的に同様とする」というふうに示されており、例えば通所介護事業所が複合型サービスを行おうとすれば、現在の人員配置に加えて、訪問介護に必要な訪問介護員を常勤換算で2.5名以上を配置し、かつサービス提供責任者を利用者40名に対して1名以上配置する必要がある。

管理者は両方併せて一人配置でよいとされており、設備についても既存の訪問介護、通所介護で必要なものを全て共有して使用することはできるが、訪問介護員やサービス提供責任者を新たに雇用するのは大きなバリアになりそうである。

しかも問題は訪問サービスの担い手の資格要件である。資料では、「複合型サービスと訪問介護事業所の指定を併せて受け、一体的に運営している場合、複合型サービスの訪問介護員の基準を満たすこととする。」としていて、その意味が分かりづらい。

しかし厚労省の担当者は会合後、「引き続き議論していくが、初任者研修の修了などホームヘルパーの資格を要件として定める方向で検討していきたい、と現時点では考えている」と明らかにしている。

ということは今後、複合型サービスを経営しようとするの当たって、最大の課題は訪問介護員集めということになる。

何しろ2022年度の訪問介護職の有効求人倍率は15.53倍であり、今年度は既に16倍を超えていると予測されている。雇用する側から見ればこれは壊滅的数字といえるわけである。

募集しても応募がほとんどない訪問介護の有資格者を、今後は複合型サービスと訪問介護で奪い合わねばならなくなるということだ・・・その結果は、どちらかが勝利するのではなく共倒れが落ちだろう。

ということで、新設される複合型サービスは事業経営するにはあまりにもハードルが高く、人材も集まらずにサービス提供が困難であるというリスクの高い事業となる。

近い将来(早ければ2027年度にも)、軽介護者(要介護1と2の対象者)の通所介護が地域支援事業化されることを見越して、その人たちの受け皿として、介護給付として利用し続けることができる複合型サービスを経営したいと考える介護事業経営者も少なくなかったが、今回の資料を見て二の足を踏むことになるだろう。

さすれば複合型サービス事業に参入することができるとすれば、すでに通所介護と訪問介護を行っている法人が、その両者をくっつけて一体的に営業する形が主になるのではないかと思う。

よって僕個人としては、こんな形のサービスが浸透・普及するわけがないと思うのである。






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新処遇改善加算で笑う人・泣く人


昨日11/6に開催された社会保障審議会・介護給付費分科会では、処遇改善加算の新体系について国から新たな提案があった。

その提案とは、現行の「介護職員処遇改善加算」・「介護職員等特定処遇改善加算」・「介護職員等ベースアップ等支援加算」の3種類を一本化する際に、算定できる区分にも段階を設けるというものだ。
新処遇改善加算のイメージ図
※介護給付費分科会資料で示されたイメージ図
このように基本的な待遇改善やベースアップを土台にして、キャリアパスや職場環境要件・経験や技能のある介護職員の配置などの状況に応じて上位の加算を算定できる仕組みとしている。

この新加算は一本化による事務負担の軽減が期待されるほか、現行の3加算以上の金額の積み上げも期待されている。その為この案自体は介護事業関係者も歓迎できる内容ではないかと考える。

さらに現行の3つの処遇改善加算それぞれで異なっている職種間賃金配分ルールについては、「介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある職員に重点的に配分することとするが、事業所内で柔軟な配分を認める」と提案しており、事業者裁量で配分職種や金額を決定するすることが認められることから、職種間の不公平を理由に算定を躊躇う事業者も減少することが期待できる。

しかし問題は、その配分について対象を拡大する方針が盛り込まれなかった点である。

つまり現行の3加算の算定ができない事業については、新加算も算定不可となるということだ。その中には居宅介護支援事業所も含まれており、期待された居宅ケアマネの待遇改善は、処遇改善加算という形では実現しない可能性が高まったのである。

この点については、僕が管理する表の掲示板スレッドでも話題になっており、「居宅を退職して、施設ケアマネか介護職に戻ります。」という意見も書き込まれている。

それももっともだと思ってしまう。

居宅介護支援事業所の介護支援専門員の成り手が少なくなり、現業者の高齢化も進んでいる昨今、人材が居ないことで居宅介護支援事業所の経営が成り立たないリスクが増している。にもかかわらず居宅ケアマネの待遇改善がないまま、介護職員等の待遇だけが改善されている。

しかも経済対策として来年2月から実施される介護職員等の月6.000円の給与改善の対象からも、介護支援専門員は除外されている。

そうなると介護職員は、報酬改定(おそらく施行は2024年6月)より4カ月先駆けて、まずは6.000円の給与改善の後、一本化される処遇改善加算に更なる金額の上積みを図って、6月以降は実質賃金が1万円以上のアップを勝ち取ることも可能性としては有りだ。

ところがそのような給与改善の蚊帳の外に居宅ケアマネは置かれることになり、居宅ケアマネの給与レベルは介護関係者の最下層となる可能性も否定できないのである。

そのような職種の成り手が増えるわけがない。国は居宅ケアマネが、「そして誰もいなくなった」状態になっても良いというのだろうか・・・。

いやそうではなく同日の介護給付費分科会では、居宅介護支援事業所の介護支援専門員の給与改善策は、別案として示されていると指摘する人がいるだろう。

しかしその案とは、居宅ケアマネの尻を叩いて、馬車馬のように働かせて、過労死させるような案でしかないと思うが、そのことについては今日の記事が長くなったので明日解説したい。

明日昼頃に、「居宅介護支援の逓減制の再緩和という鞭」という記事をアップする予定なので、ぜひ参照してほしい。






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入浴介助加算の迷走


26日の介護給付費分科会では、通所介護の入浴介助加算の新たな論点が取り上げられた。

2021年の報酬改定時に新設された入浴介助加算は、自宅での入浴を可能とするために、自宅の浴室環境のアセスメントなどを要件にして、従前より単位が高い上位加算として新設された(55単位)。

これに伴って従前の入浴介助加算気蓮50単位から40単位に算定単位が引き下げられている。

しかし新設された加算兇了残衫┐歪禧飛行で、通所介護が12.2%、地域密着型通所介護が7.5%にとどまっている(昨年8月審査分)。

このため自宅の浴室アセスメントのために訪問する職種を医師、理学療法士、作業療法士、介護支援専門員、介護福祉士らに限っている今の要件の見直し、資格のない介護職員等も訪問アセスメントが実施できるように要件緩和を提案した。

これは同加算の算定率が低い理由として、「利用者宅を訪問する専門職の確保・連携が困難」という声が挙がっていることを受けたものだが、この理由は表面的な理由に過ぎず、加算兇算定できないのは、提案し計画同意を求める段階で、利用者から拒否されるケースが多いことに他ならない。

しかもその理由は、「自宅での入浴をどうするかは、自分の勝手で、家の浴室を調べるなんて余計なお世話」・「自分は家で入浴しなくても良いように、通所介護に通っているんだから、そんな調査は余計なお世話」という理由が主である。

つまり加算兇歪名痢◆余計なお世話加算」として拒まれているのであって、訪問職種を資格のない介護職員に拡大したところで、算定率が上がることはないのである。・・・それより必要性の薄い加算兇惑兒澆靴燭曚Δ要と思うのである。
入浴介助
また入浴介助加算についても要件を厳格化し、入浴介助の技術を高める研修の実施などを新たに求めることを提案している。

確かに入浴支援は、技術のいる行為であるが、それは介護実務そのものであることを忘れていないだろうか・・・。

通所介護に限らず、すべての介護事業においてADL支援は最も基本的な支援技術であり、その技術指導をしていない事業者なんてないだろう。

入浴介助にしても、特別な研修に出すまでもなく、介護マニュアルに沿う形で各事業者のOJTの中で技術指導されているはずだ。そういう技術が今現在ない事業所の職員に、改めて研修を課して劇的に技術が上がるとでもいうのか・・・・。

改めて、「入浴介助の技術を高める研修の実施」を求めたとしてもほとんど意味がないもので、加算算定ができなくならないように、アリバイ作りに実施される研修に陥るのが落ちで、介護技術がそれよって高まることはない。

しかるにこうした新算定要件を課そうとする意図は、算定要件に合致しな事業所の算定単位を少しでも下げるためとか、入浴技術支援の研修を行いたい特定団体の利権との絡みとしか思えない。

まったく意味のない、利用者利益に沿わない要件の厳格化である。

そもそも入浴介助という労務負担をもっと考慮すべきだ。外気温が30度を超える真夏に、何時間も外気温以上の高熱の浴室で、たくさんの利用者の入浴に手を貸すというだけで、この労務に対する対価はもっと評価されても良いのである。

入浴支援は、浴槽への移動や移譲支援も伴うが、それ以前に適切に声をかけ、やさしく背中を流すという誰にでもできる行為を、利用者が心に負担なく実施できることこそが重要になるのだ。

そこを考えるとわずか40単位ごときで、あらたな研修義務を課そうとする、その思い上がり根性をどうにかしろと言いたくなる・・・。こんな提案が実現されても介護の質が向上するわけがない。むしろこの制度は複雑怪奇になるばかりである・・・それは魑魅魍魎と妖怪変化がかき回す制度でしかない。






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報酬改定時期変更は重要だけど大問題ではない


僕は昨日から東京都内に滞在している。昨日は移動日だったのでホテルでゆっくり今日の仕事の準備をして、夜は近くのお店で一人のみした。食べ物に興味のある方は、「masaの治と骨と肉〜きみとの仲を、とりもつに、んげんはいないのか。」を参照いただきたい。

さて今日は午前中、神奈川県内の介護事業者の方と東京駅近くで打合せを行った。

今後、その事業者の職員研修を定期的に手掛けるための打合せである。首都圏に出向く機会が今以上に増えそうである。

その仕事を終えた後、先ほどビジョンセンター東京八重洲に到着した。
東京ミッドタウン八重洲
今日はこれからC-MAS 全国大会2023に参加して、全日程を終える17:30までここに滞在予定だ。

僕自身も13:30〜講演を行う予定であるが、内容は介護保険制度改正と介護報酬改定について短く50分にまとめて論評するというものだ。

そこでは11日の介護給付費分科会で突然のように示された、「介護報酬改定の施行時期について、介護現場の職員やベンダの負担、医療と介護の給付調整、利用者にとってのわかりやすさ、施行時期が変更された場合の事業所や介護保険事業(支援)計画への影響などを踏まえ、どのような対応が考えられるか。」という論点についても論評しなければならない。

この論点の意味は昨日の記事でも紹介したが、介護報酬改定の施行時期について2月先送りして6/1〜とするというものだ。

国があえてここでこの論点を示したということは、国としての方針は施行時期の先延ばしに舵を切っているという意味だろう。

これに対して、11日の介護給付費分科会では全国老施協が反対の声を挙げている。診療報酬の改定施行時期がずれたからと言って、それと直接関係ない介護報酬まで時期をずらす必要はないという意見であるが、その背景には当然プラス改定を織り込んで、その時期を少しでも遅らせたくないという意図が働いているのだと思う。

また全国市長会の代表委員も、「処遇改善加算など、年度単位での計画策定・運用が必要な仕組みは対応が難しくなる。6月実施に変えると、事業者や市町村の窓口などに混乱が生じ、かえって負担が重くなりかねない」と時期先延ばしに反対を唱えた。

これに対して医師会や老健協は、時期先延ばしに賛成の意見を述べている。「LIFEが導入されたこともあり、介護現場の負担は病院などと同様に非常に大きい。6月に遅らせて頂きたい」という意見があるように、医療DXの推進など準備作業に時間がかかるのが主な理由であるが、日本医師会の代表委員は、「6月実施以外あり得ない。」とまで言い切っている。

このように賛否両論が展開されたわけであるが、国会に議員を送り込んでいない全国老施協と、複数の議員を国会に送り込んでいる医師会では勝負にならないことは目に見えており、どうやら介護報酬の改定施行時期も2024/6/1〜ということになりそうである。

しかし時期先延ばしの反対論者の方々も、このことにあまり目くじらを立てる必要はないと思う。

そもそもプラス改定が決定しているわけではないのだから、2月の改定時期のずれが経営ダメージにつながるとは限らない。仮にプラス改定になったとしても、今後改定時期はずっと6月からとなるのだから、プラスされた報酬が36カ月継続されることには変わりないのだ。

仮に2027年の改定がマイナスになるとしても、その時期も2月引き延ばされるのだから、なが〜い目で見ると何も変わりがないことだ。

この2月に経営ダメージが生ずるとしたら、それはもうすでに経営が行き詰っているという意味だから、報酬改定でどうこうなるものではないと考えるべきである。

それに時期先延ばしには、わずかながらもメリットもある。現在3本建てになっている処遇改善加算は統合一本化される予定であるが、これについては現行の処遇改善関連加算が廃止され、新たな処遇改善加算が新設されると考えた方が良い。

すると現行加算より不利益を被る職種等が出てくる可能性が高いので、これらの職員に対する説明に時間を要する。さらに新加算の届け出書類は現行の3加算と異なるために、その事務作業に時間を要する。

それらの説明・事務作業時間が施行時期先延ばしにより、十分期間がある中で行うことができるようになるのである。

それらを考えて、時期先延ばしはやむを得ないこととして素直に受け入れたほうが良いのではないだろうか。このことで文句を言う暇があったら、確実にプラス改定を勝ち取る方向にエネルギーを使うほうが良いと考えよう。

この後、そんな話をしてくる予定だ。






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2024年度介護報酬改定議論の行方


2024年度の介護報酬改定については、今年5/24の第217回社会保障審議会介護給付費分科会から本格的議論が始められている。

その後介護給付費分科会では、各サービスごとの論点を明示する1ラウンド目の議論と、事業者団体等のヒヤリングが終了しており、今後は10月〜12月にかけて第2ラウンドとして各サービスごとの、「具体的な方向性議論」を行う予定となっている。

そして12 月中に報酬・基準に関する基本的な考え方の整理・とりまとめが行われ、来年1月中に介護報酬改定案の諮問・答申という手順を踏んでいく。
※ただし地方自治体における条例の制定・改正に要する期間を踏まえて、基準に関しては先行してとりまとめを行う。

どちらにしても次の介護給付費分科会の各論議論から、新設される加算などが具体的に示されることになると思われ、注目しておかねばならない。
エゾフクロウ
それに先駆けて、「関係団体ヒアリング」が2回に分けて行われ、それぞれの団体が組織利益に結ぶ着く要望を行ったわけである・・・しかし、これらの声が国に届いて実現するということはまずない。

例えば10/2のヒヤリングでは、「全国社会福祉法人経営者協議会」が生活相談員等によるソーシャルワーク業務の報酬での評価を要望し、下記の3点の報酬評価を求めた。
・入退院支援と医療機関との情報連携、地域生活相談 等
・配置基準以上の生活相談員の配置(加配)についての報酬での評価
・社会福祉士等の国家資格取得者の報酬での評価


元職が相談援助職だった僕としては、とても魅力的な提案であり、その必要性も理解できるが、これが実現することはまずあり得ないだろうと思う。

なぜならこの団体ヒヤリングは、「要望に耳を傾けた」というアリバイ作りでしかなく、勝手に国が何もかも決めることはないとことをアピールして、各団体の不満のガス抜きをしているだけだと考えた方が良いからだ。

このセレモニーが終わって、いよいよ第2ラウンドの各論審議の際は、どこの団体も要望していない案が、国から突然示されるのが常の事である。

それより国の他の審議会が介護報酬改定議論にも影響を与えることが多いそうである。特に基準改正では、管理者の複数兼務やテレワークを広く認める改正が行われるが、これは内閣府の規制改革推進会議の影響力の賜物ということのようだ。

介護関係者の中には、そちらに働きかけて、間接的に介護給付費分科会の流れを作ろうとしている人も居ないわけではない・・・。

どちらにしても次の報酬改定は介護事業者にとって正念場である。

令和3年度の収支差率全サービス平均は3%となっているが、しかし先ごろ公表された全国老施協会員施設経営状況調査によると、令和4年度は62%の特養が赤字となっており、収支差率はマイナス2.8%まで落ち込んでいる。この状態を放置すると、廃業せざるを得ない特養が、全国的に数多く出現しかねない。

物価や賃金が上がるインフレ局面下での介護報酬改定は初めてのことなのだから、その点を考慮して、日本の介護が制度あってサービスなしという状況に陥らないように、大幅なプラス改定を実現してほしい。

それは社会保障政策に留まらない、経済政策として必要な視点であると思う。






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仕事の魅力発信は他人任せにするものではありません


来年度からの介護報酬改定を議論する介護給付費分科会は、各種サービス別の議論の2ラウンド目を控え、各種業界団体のヒヤリングを2回に分けて行った。

先月27日の介護給付費分科会(資料)では、第1部ヒヤリングとして、全国ホームヘルパー協議会など8団体が要望・意見を挙げたが、その中で求人倍率が16倍を超えている訪問介護員の確保について、意見が述べられる場面があった。

そこでは、「初任者研修は施設・在宅を問わず、基本的な介護業務を担えることを目的としてカリキュラムが組まれているが、訪問介護の魅力に触れる機会がない状況」と問題を提起する意見があり、「ヘルパーの魅力に触れ、人材育成の強化につなげるために、研修講師の要件に在宅サービスの実務経験があることを追加して欲しい」という要望も示された。
介護人材不足
ヘルパー(訪問介護サービス)という仕事の魅力を世間にアピールして、ヘルパーの成り手を何とか増やしてほしいという気持ちは理解できる。

しかし仕事の魅力は、他者から発信して伝わるものではない。仕事をしている当事者自身が発信して伝えなければ、人々の心に届かないと僕は思う。

そもそもヘルパー不足は、初任者研修に人が集まらないことで拍車がかかっているのに、その初任者研修で魅力を伝えて何が変わるというのだ・・・。人気がない初任者研修を受講する人は、すでにヘルパーになろうという動機づけを持っている人であり、それなりにヘルパーという仕事の魅力を感じ取っている人である。

ヘルパーを増やすために、その仕事の魅力を伝えるべき人とは、そうした研修に見向きもしない人々ではないのか。よって初任者研修に訪問介護の魅力に触れる機会を設けても、ほとんど意味がないと思う。

ましてや数ある介護関連職種の中で、ヘルパーの仕事だけを取り上げて、その実務を研修講師の条件にする提案など他の実務者から反発を受けるだけで、ヘルパーの確保や魅力発信などにはつながらないと言いたい。

介護関係者に欠けているのは発信力だとよく言われる。ヘルパー実務に携わっている人が、本当にヘルパーが魅力がある職業であると思うのなら、自らがその魅力を発信する工夫をすべきである。

現在はSNSで簡単に情報発信できる時代なのだから、そうした媒体を使って、不特定多数の人々に、いかにヘルパーという職業の魅力を伝えられるのかを、ヘルパー団体自らが考えて工夫すべきである。ICTの活用とはそうした面で行うべきだ。

それにしてもヘルパー不足は深刻な問題である。募集に応募がないばかりではなく、従事者の平均年齢が高く、50代以上のヘルパーが全体の7割強に上っている。(※70歳代のヘルパーも全体の7%を超えている

この状況をみるといかに工夫を重ねても、いずれヘルパーという職業に就く人は枯渇する。少なくとも顧客ニーズに合致する訪問介護を提供できるだけの人的資源は充足しない。

この状況を抜本的に解決するためには、給与改善につながる訪問介護費のアップだけではなく、ヘルパー資格という既得権にとらわれることなく、他の介護職と同様に、無資格でも訪問介護が提供できるようにしなければならないのではないだろうか。

新複合型サービスの創設は不透明になっている状況ではあるが、そんなサービスを新設して制度を複雑化して、無資格者の訪問サービスを増やす手立てを講ずるのではなく、誰でも訪問介護に携わることができるようにした方が、よほどわかりやすくすっきりした形で、訪問サービス資源を護ることができるのではないだろうか。

それが国民ニーズでもあると思うのであるが、いかがだろう・・・。






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アウトカム評価と加算整理という矛盾にどう向きあうか


来年度の介護報酬改定はどうなるのか・・・このことが介護事業経営者や管理職の皆さんの一番の関心事であることは間違いないと思う。

日本ではデフレが長く続いてきたが、物価や賃金が上がるインフレの局面に変わっている。インフレ局面での介護報酬改定は初となるのだから、今までとは考え方を抜本的に変えて、報酬改定のあり方を新たに組み立てていくことを求める関係者の声は国に届くのだろうか・・・。

内閣改造で厚労大臣として入閣した武見敬三厚生労働相は、14日に初登庁して記者会見を行った際に、「賃上げや物価高騰への対応は重要な課題」と言明しており、関係者の大幅プラス改定への期待は増すばかりである。

新大臣の発言が、単なるリップサービスで終わらないことを祈るばかりである。
ヒガンバナ
ところで9/15の介護給付費分科会では、制度が複雑になりすぎているとして、加算などの整理が必要だとの声が挙がった。

現在、介護報酬のサービスコード数は2万1884となっており、その数は制度発足当初(1760)の12.4倍に膨らんでいるという事実がある。

特に加算コードが大幅に増えているが、2022年度に全く算定されていない加算は20種類もあることに加え、算定率が平均1%未満の加算( ひと月あたりの算定事業所数が平均9事業所以下のものに限る。)が更に41種類ある。 

こうしたほとんど算定されていない加算を整理することも含め、報酬体系の簡素化をめぐる議論を深めていく必要があることに異論はない。

ただそうなると科学的介護はどうなるのだという声も上がってくるだろう。科学的エビデンスに基づいた介護は、その結果を評価することとセットで考える必要がある。そのためアウトカム評価の視点は欠かせないともいえる。

アウトカム評価ということは、何らかの条件を付けて、それをクリアした事業者に対して高い報酬を手渡すという意味だから、そういう部分の加算はなくすことはできないということになる。

現に3/6に開催された規制改革推進会議のワーキンググループでは、「次期介護報酬はアウトカム評価を拡充する方向で検討する」という考え方も示されている。

15日の介護給付費分科会でも、「趣旨が重要な加算もある」としてアウトカム評価拡充に一定の理解を示す意見も出されている。

複雑化した報酬算定構造をシンプルに組みなおすために、加算の削減整理が叫ばれる一方で、高品質なサービスや、介護人材が減る中で求められる介護DXと生産性の向上につながる科学的介護の実現に向けた加算評価の必要性が叫ばれているのである。

この整合性をどのように取っていくのかは、かなり難しい問題になる。そもそも算定率が低い加算を簡単に廃止できない事情もある。

算定率がゼロでなければ、算定している事業者が存在するということだからだ。算定率が低いという理由で加算廃止してしまう場合は、加算分は報酬包括されることはない。そうなると従前まで頑張って国が求める要件をクリアして加算算定していた事業者が、その評価の梯子を外されて収益が下がることになる。それは多くの場合、納得しがたいことだろう。

一方で、加算要件の中には、サービスの品質評価としては疑問符がつくものがある。

例えば前回の報酬改定で新設された通所サービスの「入浴介助加算」・・・自宅で入浴できることを目的として入浴環境や動作を評価の上、個別入浴計画を作成して介助を行っていくことが評価された新加算の算定率は、今年4月時点で10%と低い状態が続いている。自宅の入浴評価なんて必要ない・余計なお世話だという利用者の拒否感が強いからである。

そうした利用者ニーズではない加算は廃止に向けて検討すべきではないか。

また居宅介護支援の特定事業所加算については、要介護3以上の利用者の割合が40%以上でないと算定できないことになっているが、これは重度者対応をしっかり行い、重度者支援スキルが十分あるという評価であると思うが、実際には軽度利用者の切り捨てという方向でしか算定不可能な加算となっている。

こうした加算は必要ないと切り捨てていくべきではないのだろうか。そのような形でしか加算の整理は不可能だと思う。






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介護給付費分科会の意味と今後の報酬改定動向について


次期介護報酬改定(2024年4月〜)について意見交換を行う介護給付分科会・・・ここは審議の場ではなく、井戸端会議の場でしかない。

国が勝手に何かを決めているとの批判を受けないように、一応審議しているふりをするアリバイ作りの場が社会保障審議会の各委員会であることは、このブログでは何度も指摘し続けてきたことだ。

それが証拠に介護給付費分科会で何かを決めたことはいまだかつて一度もないという事実がある。

そんなふうに介護給付費分科会は国が決めてきたことについて、委員が意見を述べているだけの場である。それも各委員のバックにある団体等の利益を代表する形で、各委員が勝手に意見を垂れ流して終わるのが常である。

その意見も随分偏見に満ちたものだと思うものも少なくないが、たまにはまともな意見に出会うこともある。

しかしそこでどんなに的を射た意見が示されたとしても、国にとって不都合な意見であれば馬の耳に念仏である。無視され終わるか、一応参考にしておきましょうといって忘れ去られるかが落ちである。

よって各委員の意見に注目するよりも、各委員に配布され公表されている国資料を読みこんだ方が、よほど必要な情報が得られるというものである。

さてそんな介護給付費分科会は、各サービスごとの論点を明示する1ラウンド目が終了した。

今後は9月にかけて、事業者団体等のヒヤリングを行ったうえで、10月〜12月にかけて第2ラウンドとして、「具体的な方向性議論」を行い、12月中に、「報酬・基準に関する基本的な整理・とりまとめ」が行われる。

それによって毎回クリスマスが近い時期に改定率が示されることは、既に関係者ならご存じだろう。

よく質問される介護保険施設の食費と居住費の標準費用の変更についても、介護給付費分科会での情報のやり取りがない状態で、報酬単価が示されるぎりぎりの時期に急に決定事項として示されるので、その時期になるまで不明と言わざるを得ない。・・・総務庁の家計調査では、世帯支出は確実に増加している結果が示されているのだから、食費の標準費用については、物価高支出増加という結果に応じて、確実にアップしてほしいものである。

それにも増して関係者が期待するのは、今回の介護報酬改定が価高等を反映する形で大幅なプラス改定となることである。

そのような期待に応える形で、改定報酬は関係者にとってクリスマスプレゼントになるのだろうか・・・。
介護報酬改定
しかしそれらの期待を大きく裏切る形で、マイナス改定という歓迎できない贈り物が届き、背筋が寒くなりながら年越しを見据えるブラッククリスマスになる可能性は決してないとはいえない。

特に今回の改定は不透明要素が多すぎる。

特にこの時期になってもまだ、昨年末の介護保険制度改正のまとめで先送りされた問題の結論が出ていないのは気がかりである。

一つには、高所得者の保険料を引き上げ、それを財源として低所得者の保険料を引き下げる改正。二つには自己負担割合が2割となる一定以上所得者の範囲拡大。三つには老健と介護医療院の多床室の室料負担である。

特に一定以上所得者の範囲拡大が実現しないと、プラス改定の財源が存在しないということにもなりかねず、その場合はマイナス改定となる懸念さえ生ずる。

しかし福島第2原発の汚染水処理問題に絡んで、中国による海産物の全面輸入禁止という事態を受けて、それに無策と批判される内閣の支持率はさらに低下傾向にある。もくろんでいた年内の解散もままならないこの状況で、果たして岸田内閣は国民の痛みにつながる自己負担増に踏み切れるかどうかが問題となっている。

こうした厳しい状況であることを踏まえたうえで、業界団体の連携協力で、強く報酬引き上げを求める声と力を結集せなばならない。

介護給付費分科会に提出する資料を作る前の段階に強く働きかける政治力等も当然必要となってくる。

少なくとも介護給付費分科会の委員発言で、何かが変わったり進んだりするという勘違いをしてはならないのである。

決して表に出ないところで事態は進行しているのだ。






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