masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

感染症

ワクチン接種狂騒曲


新型コロナワクチンの接種が全国各地で始まり、接種対象となった人たちが我先にと接種申し込みを行っている。

順調に摂取が進んでいる地域がある一方で、何らかのトラブルが生じて接種予定に大幅に狂いが生じている地域があるようだ。

温度管理に失敗したり、希釈方法を間違ったりして、ワクチンが廃棄されるケースが相次いで、その数は全国で7.000回分以上にのぼってるという報道もある。せっかく確保され、接種地域に届けられたワクチンが無駄になって勿体ないと思うが、終わったことをくよくよ考えたり、管理ミス等を批判したりしても何にもならないと思う。

それより深刻なのはワクチン接種の人材確保で、地域格差が生じていることだ。

大型会場での集団接種が行われるようになってきた途端に、ワクチン接種を行う人材不足が問題になっている地域が増えている。

そのため国は、「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて第 21 報)と(第22報)」によって、介護施設の医師や看護師等が、新型コロナワクチンの接種に協力する場合は、人員基準上の配置等に影響しない取扱いとなることを通知している。

さらに介護保険最新情報Vol.987では、各事業所における医師・看護師等の兼業の許可や届出等に関する柔軟な取扱い(例:ワクチン接種に従事する場合には、勤務先への事前許可手続を柔軟化する等)について配慮するように通知している。介護施設の関係者も大変な時期だろうが、国難を救うという大きな目的のために是非協力してほしい。

国の特例としては5/31に、集団接種に必要な医師などを確保できない場合などにかぎり、救急救命士と臨床検査技師が接種を行うことを特例で認める方針も示している。個人的にはここまで特例摂取できる職種の幅を広げてよいのかと首を傾げる。救急救命士や臨床検査技師が筋肉注射をすることに不安を感ずるからだ・・・。

そんな中で札幌市などでは、ワクチンの供給遅れから当初の予定がずれ込み、医療従事者や特養の入所者、75歳以上の高齢者の接種時期が重なり、さらにワクチン接種の人材不足が深刻化し、接種予約の電話がつながらない医療機関に苦情が殺到するなどのトラブルも報告されている。

このように各地で様々な混乱とミスが生じ、対策が追い付いていない事情はあるが、それはこれほどの大規模ワクチン接種が初めて行われることを考えればやむを得ないことである。

それでも日々、確実にワクチン接種する国民の数は増えていくことは間違いのないところだ。

3日の参院・厚労委員会では厚労省健康局長が、「高齢者の接種の見通しがついた自治体から、順次、広く一般にも接種を開始して頂く段階にきた。(在宅系の介護職への)接種が円滑に進むよう全力で取り組んでいく」と述べている。国も問題を認識しながら頑張っているのだと思う。
COVID-19
登別市でも高齢者介護施設の利用者や従業員の1回目のワクチン接種が終わり、一般高齢者のワクチン接種が始まっている。

僕は年を取って若くはないが、まだ65歳未満であり、しかも現在はフリーの立場で介護事業者に所属しているわけでもない。大きな持病もないために、ワクチン接種の優先順位は最下位である。だから今のところ、いつワクチン接種を受けることができるのか明らかではない。だからと言ってそのことに不満も不安も持っていない。

誰よりも早くワクチンを接種して、少しでも安心したいという気持ちはよく理解できる。高齢者であればなおさら、身の安全を考えてできるだけ早い時期にワクチン接種したいと思うのも当然だろう。

しかし周囲にワクチン接種を終えた人が増えることは、感染リスクが減じているという意味でもある。それも安心の一要素と思ってほしい。

自分がワクチンを打つ前に、周囲のいろいろな人がワクチン接種ができるのをうらやんだり、不公平だと思うのではなく、そうした人が周囲に一人でも多くいてくれることで、感染リスクは確実に減っているのだと喜んだ方がよい。

僕は順番が来るまでおとなしく呑みにも行かずに、巣ごもりしていたって良いと考え、接種券が送られてくるのをのんびり待つつもりだ。

ワクチンの効果が絶大なことは、一時ロックアウトを余儀なくされたイギリスで、感染者数と死亡者数がすごい勢いで減っていることを見ても証明されていることなので、今回のコロナ禍も確実に終息に向かうのだから、それを信じて今しばらくは多少の我慢は耐えようと思った方がポジティブだ。

ただ間違えてほしくないことがある。

ワクチン接種を終えたからと言って、必ずウイルス感染しないということではないということだ。ワクチン接種後に感染しても重篤化しないということについても、必ず例外があることは、季節性インフルエンザワクチンを接種した人で、その後感染死亡した人がいる例でもわかろうというものだ。

だからワクチン接種した後も、完全にフリーで何をしても良いとは考えずに、地域全体で感染者がゼロに近づくまでは、できる限り感染予防対策は続けたほうが良いと思う。特に手洗いの励行は習慣化してほしい。

来年の春は、普通に花見ができることを信じて、もうしばらくの辛抱である。
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歴史は介護業界の今をどう評価するのか


今週初めから始まった大阪〜東京の4泊5日の旅を終え、昨晩北海道の自宅に帰ってきた。

北海道を経った日の新千歳〜伊丹便は、これまで経験したことがないほど空席ばかりが目立つ機内状況で、乗客とCAが同じ数かと見紛うほどであった。

しかし大阪も東京も市中の混雑ぶりは相変わらずで、テイクアウト食品の売り場には長蛇の列ができているなど、「密」は至る所でみられた。

そのような状況ではあるが介護施設でのワクチン接種が始まり、僕が講演を行った事業者でも、講演前日に利用者全員の1回目の接種が終わっていた。心配された副作用もなく利用者の方に体調不良者も出ていないということで安心した。

ワクチンが社会全体に行き渡ることで、コロナ禍が終息に向かうことを期待したい。

しかし個々に感染状況を見れば深刻な状況は続いており、ある特養では3回目のクラスター感染が発生していた。最初のクラスター感染後に対策はさらに強化されているはずであり、面会制限を続けるなど外部からのウイルス侵入にも警戒しているにもかかわらず、なぜ繰り返しクラスター感染が発生するのか、関係者は頭を抱えている状態だろう。

一方で、利用者と家族の面会を拒むことは出来ないと考え、職員と同じように感染対策を行うことを条件にして、面会を許可している介護施設では、まだ一度も感染者が出ていないという例もある。

しかもクラスター感染が3度発生した施設と、面会を許可しているのに感染者が出ていない施設は、ほぼ同じ地域と言ってよい場所にある。

だからと言ってクラスター感染を繰り返している施設を批判するつもりは毛頭ない。

目に見えないウイルスを完全に防ぐことは出来ないのだから、何らかの理由でクラスター感染が繰り返されること自体はやむを得ないことである。むしろ感染予防の努力が報われない状態は気の毒であると言ってよく、決してその施設関係者に非があるわけでもないと思う。

僕がここで言いたいことは、生活施設での面会完全禁止なんて、感染予防策としては無意味であるということだ。職員が外から通ってきている以上、ウイルス侵入を完全に防ぐことは出来ないのだから、家族だけ面会禁止にしても、それは施設側の安心感にしかつながらない。

そもそも面会制限は、本当に利用者を護っていると胸を張って言える人はどれほどいるだろうか?むしろ施設経営者や管理職が、クラスター感染が発生した際にその責任を問われないように、法人や自分を護るために面会制限を漫然と続けてはいないだろうか。

その制限も1月や2月ならともかく、1年以上続けられているとすれば異常だ。この異常さを異常だと思えない今がおかしいのだ。

そもそも介護施設の経営者や管理職と言えど、これだけ長期間にわたって施設利用者が家族との面会を制限する権利は本当にあるのだろうか。

一方では利用者が家族と逢う権利と暮らしを護るために、職員と同様の感染予防対策をすることを条件に面会を続ける努力をしている施設があるのだ。そのような施設の経営者や管理職は、感染症が発生した場合には、面会を禁止していないことが批判されることを承知のうえだろう。

どちらが利用者を護っているのだろうか・・・。

このコロナ禍は間違いなく終息する。しかし新新型コロナあるいは新型コロナ第2弾などという新たな感染症は、数年おきに発生していくことが繰り返されるだろう。

そのたびに年単位の面会完全禁止が、介護施設で繰り返されるのが当たり前になっていくのだろうか。

利用者本位とか、利用者目線という言葉が、感染対策下では形骸化してしまっている・・・というかほとんどそのような視点は失われてしまっている。それはやむを得ないことなのだろうか。

歴史は、介護業界の現在の対応をどう評価するのだろうか。

介護施設では過去に、オムツいじりをする人に対してつなぎ服を着せ、その着脱のチャックにさえ手が届かぬように背中側につけ、さらに鍵を使わなければチャックが開けられなくすることを進化だと思っていた時代があった。

認知症の人を車いすに座らせたまま車いすテーブルを固定して、立ち上がりが出来ないようにして放置することや、立ち上がれないように角度をつけた車いすに座らせておくことが見守りだと言われていた時代があるのだ。

そうした話題に及ぶと介護関係者の誰しもが、「そんなひどい状態が介護だと思われていたんだよね」と回想したり、批評したりするのではないだろうか。

今行われている面会制限が、それらに行為と同じような批評される時がいつか来るのではないだろうか。その時私たちは、今自分が行っている行為を胸を張って正しいと言い切ることができるだろうか。

北海道の散りゆく桜を眺めながら、来年の桜の季節はどんな風に咲いて、世間がどのような状態となり、今この時がどう評価されているのだろうかと考えたりしている。

このブログ読者の皆様にも、「さくらびとmasa」の最新版を見ながら、そんな想像をしていただきたいと切に願う・・・。
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成年後見人のワクチン接種同意について


自宅の近くに咲く、「エゾヤマザクラ」の4/30朝の状態は下記画像の通りである。
4/30の自宅近くの桜
前日からの雨は上がったが、気温はまだ低く、なかなか花を咲かせる様子がない。今日はこの後晴れるので日中気温が上がると明日あたりに、少しずつ花が咲いてくるのではないかと期待している。

ということで本題に移ろう。

僕の生活圏である登別市と室蘭市の高齢者介護施設で、新型コロナウイルスの予防接種が始まった。

ワクチン接種には本人同意が必要であるが、認知症などで意思確認ができない人については、本人に代わって家族の同意を得て接種判断することになる。これは今まで行ってきた季節性インフルエンザなどの予防接種と同じ手続きである。

新年度が始まったばかりのこの時期に、同時にワクチン接種が始まっているので、接種同意作業にも時間を割かれて、担当職員は大変な忙しさであったろうと容易に想像がつく。お疲れさまでした。

ところで国は、新型コロナワクチンの接種に関する3/24発出通知で、「本人の接種の意思を確認することが難しい場合は、予防接種法令上、接種の対象者が法定後見制度の成年被後見人であれば成年後見人による同意の署名が可能だが、その場合は家族や医療・ケアチーム等、本人の周りの方と相談しながら判断いただく必要があること。」と通知している。

これは結構重大な通知ではないのだろうか。それともさほど気にする通知ではないのか・・・。

というのも成年後見人は、医的侵襲行為(手術やなどの身体への物理的侵襲を伴う行為)や一身専属的な行為に対する同意権は持っていないからである。医療を受けるか受けないか、受ける場合はどんな医療を受けるかについては、憲法13条により自己決定権として保障されているからだ。

その為、医療侵襲同意に関しては、 本人の同意が得られない場合は、実務的には親族の方の同意を得るという手続きを踏んで医療行為を行っているケースが多いと思う。

しかしそうした同意が法令上有効であるかどうかについて、疑念がまったくないわけではない。法学者によっては、そうした同意は法令上無効であるとする意見も存在するからだ。特に高齢者の場合、同意権者が子であると言っても、子は保護監督者とは言えないのだから、親の医療侵襲同意見が子供にあるわけではないとする考え方が根強い。

そのため認知症などで意思確認できない人で、本人同意が不可能な場合は、医師による専門的見地・医学的知見からの判断で医療侵襲行為を行うべきであり、それは現在の法理論上認められるという意見もある。

どちらにしてもワクチン接種の家族同意は、実務上のやむを得ない行為として黙認されているレベルであるというのが実状ではなかったのだろうか。

しかし上記通知では、予防接種に限っては法令上、成年後見人の同意署名を認めているとしか読めない。それは本当だろうか・・・。そしてこの通知内容は、医療侵襲同意のハードルを下げる判断が示されていることにならないだろうか・・・。

なぜなら医療侵襲同意について、家族だけではなく周囲の関係者と話し合って決めてよいことを国が示したともとれるからだ。これによって家族がいない場合は、関係者合意のうえで成年後見人が医療侵襲同意署名を行ってよいことにもなるということにもつながっていくように思うが・・・。それは考えすなのだろうか。

なお前記通知では、「被保佐人や被補助人、任意後見制度の被後見人の場合には、保佐人や補助人、任意後見人による署名はできないため、原則どおり接種の意思を本人に確認した上で、本人の自署又は本人の接種の意思を確認した者の代筆により接種の同意欄に署名すること。この場合、本人の接種の意思を確認した上での代筆であれば保佐人や補助人、任意後見人が行うことも可能であること。」と記されている。

成年後見人が同意署名を行うことができるのに対して、保佐人や補助人・任意後見人の場合は、本人の接種の意思を確認した上での代筆・・・。微妙な違いである。

しかし保佐人等が専任されている被保佐人等で、意思が確認できない場合はどうすればよいのか?そのようなケースの判断基準は全く見えてこない通知文になっていると言えるのではないだろうか・・・。

どちらにしても予防接種同意にまつわる微妙な法令解釈は、結局うやむやのままであることに変わりはないと言えるのかもしれない。
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Q&Aの発出が遅れた情けない理由


昨日やっと、令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.5)が発出された。

問5では最大の疑問とも言えた問題の答えが示されている。ADL維持等加算の検査を行う職員に求められていた、「一定の研修」については、バーセルインデックスに関して学ぶ研修であれば、内部のビデオ研修でもよいもので、理学療法士等のリハ専門職ならば、今までに必ず受けているであろうと想定されている研修といえるようである。

それ以外に目についたのは問4で、LIFEに提出すべき情報に関連した各加算の様式例については、同一のものを用いることを求めるものではないとしている一方で、「それぞれの加算で求められる項目(様式で定められた項目)についての評価等が必要である」と釘を刺していることだ。そうであれば間違いのないように提示された様式例を使うのが無難である。できるだけ早く新様式に切り替えたいものだ。

それにしても今回のQ&Aは、(Vol.4)との発出間隔が長くなっている割には疑義解釈は問7までしかなく、解けた疑問も少なく感じた。

入浴介助加算兇陵畫紊亮鑪爐大浴槽でもよいのかなどの疑問は解けないままである。疑問が残されたまま新加算を算定できない事業所は、とりあえず4月中は従前の入浴介助加算気蚤弍するしかなくなるかもしれない。

ところで今回のQ&Aは、当初予定では週初めの月曜日に発出されると言われていた。それが遅れたのは老健局職員のコロナ感染の影響であると思われる。その感染の背景には夜遅くまでの集団飲食という事実があって、それも感染拡大の一員と疑われているのだから、立場上その見識が問われると非難されても仕方ないと思われる。

今日までに報道されている経緯は以下である。
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政府の緊急事態宣言解除から3日後の3/24に、厚生労働省老健局の当時の老人保健課長が、4月からの異動を前にして職員の送別会を主催し、職員23人が銀座の飲食店で深夜11:50まで宴会を行なった。その後4/7までに6名の職員が新型コロナウイルスに感染したことが明らかとなり、その中には宴会に出席した3人も含まれていた。

4月1日付で省外に転出した1人を除く5人は、3〜6日に発熱などの症状を訴え、6〜7日に感染が確認された。このほかにも検査を受けて結果待ちの職員がいる。
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政府は歓送迎会や5人以上の会食を自粛するよう呼び掛けており、その呼びかけを無視した宴会を行い、その参加者から感染者を出しているのだから言い訳はできない。しかもそれが感染対策の担当省であるのだから、これは悲劇を通り越した喜劇である。

この件に関して厚労省側は当初、店側も時短要請に従っていなかったかのような説明をしていたが、それは全くの虚偽で、当日の予約時間は午後7〜9時だったが、コースの締めのラーメンが出る時間になっても、「まだ待った、待った、待った」とムチャを言ってダラダラ居座り、職員全員が店を後にしたのは、日付が変わる直前だったそうである。

このことについて一部の報道では、『監督官庁の役人が飲食店に「時短要請破り」の片棒を担がせ、おまけに「濡れ衣」まで着せたのだから、タチが悪い。』と論評されている。

宴会に参加しなかった職員は数人しかいなかったようで、職員の多くは自宅待機を余儀なくされ、今後も事務が滞ることになるのだろう。しかしそのことが前面に出て更なる批判を受けないようにQ&A vol5は出勤している職員だけで、何とか今週中の発出を実現させたものだろう。

だからホームページにアップされた時間も昨夜遅くになってからであったし、疑義解釈の件数も少なくなったのだろうと思う。

今の時期介護事業者では、毎日新報酬の解釈やLIFEへの情報提出に向けた対応に追われ残業が続いている職員も多いことだろう。歓送迎会も自粛して頑張っている介護事業者の職員から見ると、こうした厚労省職員の駄々洩れ対応は憤懣やり方ないものだろう。

だが、「人のふり見て我がふり直せ」という言葉もあるのだから、こうした姿を反面教師にして、「他人の失敗を生かす」・「人の経験から学ぶ」という謙虚な気持ちが求められるのだろうと考えよう。

そう思わないとやってられないしな・・・。

それにしても老健局職員ともなると送別会も銀座なんだな。さすがに高級官僚は違うと思ったりする。ちょっと羨ましかったりして・・・。
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人知れずエールを送ってくれる人達を裏切らないように・・・。


本日は、まず1枚の写真画像を紹介してから本題に入りたいと思う。
沖縄市の魚屋さん
この画像は沖縄県沖縄市(旧コザ市)の魚屋さんの店先の画像だ。先週の金曜日に沖縄市〜講演会場のある、「うるま市」に向かう途中の道すがら、ちょうど信号待ちで止まった横にあったお店である。

「沖縄産近海生マグロ」などの張り紙の横に、「医療従事者10%OFF」と書いた紙が張られている。

聴くところによればこの紙が張られたのは昨年11月頃のことらしい。コロナ禍で頑張っている医療従事者にエールを送るつもりで、このような張り紙がされたのではないのだろうか。

この張り紙を見て、「医療関係者ってどのように証明するの」とか、「介護関係者も入れてよ」って考えるのは野暮というものだ。なんの縁も所縁のない人でも、医療関係者というだけで利益を度外視して、応援してあげたいというその心意気を感じ取ってほしいと思う。

この張り紙を考え付いた人は、おそらく全くの善意から、このようなことを行なおうと思ったのではないだろうか。

昨年2月3日に横浜港に入港したダイヤモンド・プリンセス号の集団感染が確認されたのは2/5のことであったが、同船はその前に沖縄に寄港し、感染者が下船しタクシーに乗車していたことが後に明らかになっている。そんなこともあって沖縄では一時、新型コロナ感染が大流行して全島がロックアウト状態になり、医療機関も感染者対応でひっ迫する事態に陥っていた。

その状況を見て、何とか医療関係者にエールを送りたいと思った結果がこの張り紙ではないのだろうか。魚屋さんとしてできること・喜ばれることを考えて、行ったことだろうと思う。

そこでは医療従事者とそうでない人をどう見分けようとか、医療関係者ってどこまでの範囲なのかなどという些末な考え方は一切なく、お店を訪れ医療関係者だと名乗り出た人には割引販売しようという心意気だけがあるのだと思う。

その心意気に感謝しようではないか。大いに拍手を送ろうではないか。

このような沖縄の魚屋さんのほかにも、全国のいろいろな場所で、コロナ禍で頑張っている人たちにエールを送りたいと考えたり、行動したりしている人がたくさん居られると思う。

コロナ対応として国が、介護事業者やそこに勤めている職員を対象にして補助したお金の額も決して少ないものではないし、考え得る限り相当素早く対応されていたことも事実だ。

医療関係者や介護関係者は、今もコロナウイルス感染症に正面から向き合い、戦いを続けていることと思うが、それは決して孤独な戦いではないことを忘れないでほしい。全国のたくさんの人たちが、そこで医療・介護関係者が頑張っていることを認めているのだ。

そうであるからこそ、善意で応援してくれるたくさんの人々の期待に応えるためにも、制限一辺倒ではなく、人権に配慮した感染予防策に努める必要がある。

コロナ禍を理由にして、看取り介護・ターミナルケア対象者が、この世で縁を結んだ人と全く逢えなくなって、お別れの時間を過ごすことができないまま旅立っても仕方がないと考えてはならないのである。

お元気な高齢者の方であっても、これだけ長い期間の制限は、心身に重大なダメージを与えると考えて、できる限りの制限緩和策を取ろうと考えなければ、人としての姿勢が問われようというものである。

人類は今までも様々な困難や苦難に打ち勝ってきた。災害や感染症とは常に戦ってきた歴史がある。

しかしそこで苦難や苦境を乗り越える原動力になったものとは、人が人を支え合う力である。それは人間愛によって苦難を克服してきたという意味であり、愛のない力は存在しないのだと考えなければならないと思う。

今そこかしこに存在する脅威に対しても、私たちは知恵と愛情で向かい合って、コロナ禍という困難を克服しなければならない。

そんなふうにして、人が人を思いやるというその心を忘れない限り、人類は苦難を克服し続けることだろう。

下記の動画は、来週自宅からオンライン講演を配信する兵庫県但馬ブロックの方々に向けたエールを送る動画だ。しかしその内容はすべての介護関係者にエールを送ることにつながるものだと思うので、元気になりたい方はぜひご覧になっていただきたい。

ちなみに兵庫県但馬ブロックとは、豊岡市・養父市・朝来市・香美町・新温泉町の5市町を指す。兵庫県老人福祉事業協会但馬ブロックの皆様、来週月曜日はどうぞよろしくお願いします。

画面を通じてお愛できるのを楽しみにしています。
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時代の変化に対応するための情報検討


政府は今日、臨時閣議を開き、新型コロナウイルスの感染拡大防止・ポストコロナに向けた経済構造の転換・国土強じん化の3つを柱とした新たな経済対策を決定する。

この経済対策をもとに今年度の第3次補正予算案の編成作業をすすめることになるが、それは一般会計の総額で19兆円程度の規模とする方向で最終的な調整するという。

新型コロナ対策としては、医療機関向けの「緊急包括支援交付金」を増額し、病床確保などを支援すると言うが、介護事業者向けの交付金増額という情報は入ってきていない。

また一部の関係者から期待の声が挙がっていた、「慰労金」の追加支給も行われない見込みである。

5万円と20万円のどちらかが介護関係者に支払われる、「慰労金」については、6/30までの勤務状況によって支払われることになっており、それ以降に新たに介護事業者に勤務した人は対象外であるし、5万円の支給を受けた人が、6/30以降に感染者に対応したからと言って、その金額が20万円に増やされることもない。

しかし感染第3波の中で、各地の介護施設や医療機関でクラスター感染が発生しており、6/30以降に厳しい環境で過酷な対応を迫られている関係者が多い中で、慰労金の追加支給がされないのは残念なことである。

さて話は変わるが、今日午後から僕は、自宅から佐賀県の通所介護事業者の皆さんに向けてオンライン講演を行なう予定になっている。

内容は下記の4つの柱となっている。
・コロナ禍特例の確認と対応
・緊急包括支援金や持続化給付金・無利子無担保貸付の活用について
・Withコロナの通所介護のサービス提供の在り方を考える
・来年4月に迫った介護報酬改定の通所介護に関連する最新の情報提供

通所介護講演スライド2通所介護講演スライド
感染症については、下記の推移を振り返ったうえで、介護事業者に向けてどのような対策がとられたのかを時系列で確認することから始める予定だ。
1/15・神奈川県で国内1例目の感染者確認
1/28・奈良県で日本人初の感染者確認(国内6例目)
2/5・2月3日に横浜港に入港したダイヤモンド・プリンセス号の集団感染を確認
2/8・武漢で日本人初の死亡を確認
2/13・神奈川県で国内初の死者
2/21・国内感染者数が100人を突破


そのうえで現状、通所介護事業者がとり得る対策、今後のWithコロナの視点から考える通所介護事業展開などを明らかにしながら、来春の介護報酬改定情報をまとめて話を締めたいと思う。

報酬改定については、改定率は出されていないが(※明日9日の介護給付費分科会で示される可能性あり)、通所介護の報酬改定・基準改正内容はほぼ出そろっているので、最新情報を交えて解説したいと思っている。

入浴介助加算や個別機能訓練加算等の改定内容も論評を交えて解説したいと思うが、僕個人的に意外と大胆な改正だなと思う点としては、次の2点が挙げられる。

‖腟模型の報酬が適用される事業所を利用する者の区分支給限度基準額の管理については、通常規模型の単位数を用いることを検討

感染症や災害等の影響により、利用者の減少等がある場合に、その状況に即した安定的な運用を可能とする観点から、事業所規模別の報酬区分の決定にあたって、前年度の平均延べ利用者数ではなく、直近の一定期間における平均延べ利用者数の実績を基礎とすることができる等の対応を検討。


´△箸發妨住点では決定事項ではないが、変更されることになればその影響は決して小さくない。

,砲覆襪噺従のプランのままで区分支給限度額が超えてしまうために、サービス利用回数を減らさねばならない利用者も出てくるだろう。

△諒儿垢任蓮年度内で規模別報酬区分が変わるたびに利用者同意を得るなどの事業所の業務負担が増えることになる。

2点とも、検討されている方向にそのままルール変更される可能性が高いので、注目しておかねばならないと思う。

今日は2時間の講演に加えて、30分の質疑応答時間をとっているが、既に事前質問もいくつかいただいている。質問内容は感染予防策として通所介護事業所がとり得る対策としてふさわしいもの〜人材育成まで多岐にわたっている。

それらの事前質問に加えて、リアルタイムの質問にも回答したいと思う。オンラインだとチャット機能を使った質問もできるので、より気軽に尋ねられるのではないだろうか。

このようなオンライン講演も主催者や受講者の要望に応える形で、テーマや内容や時間配分等も多岐にわたって設定できるので、是非気軽にご相談いただきたい。

それでは佐賀県の皆様、午後からよろしくお願いします。
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感染予防のくだらない対策・実効性がない対策


スーパーコンピューター「富岳」で新型コロナウイルス対策を研究する神戸大や理化学研究所のチームは11月26日、「カラオケボックスでは換気口の下に立ち、マスクをして歌うと飛沫(ひまつ)の拡散が抑えられる」とのシミュレーション結果を発表した。

多くのカラオケボックスには換気機能が付いており、換気口の下に立ち、マスクやマウスガードを着けて歌うと室内に微小な飛沫が拡散するのを抑えられ、さらにエアコンで空気をかき回すと、飛沫が漂い続けるのが抑えられたとしている。

だからカラオケボックスに行く場合は、エアコンを回して換気口の下でマスクやマウスガードを着けて歌うのが良いとでもいうのだろうか・・・。

このニュースに触れて僕は決して、「なるほど」とは思わない。馬鹿馬鹿しいなと思う。感染第3波が拡大している今この時期に流すニュースかよと思ってしまうし、この時期に感染リスクがゼロにならない、カラオケの飛沫感染リスクを少なくする研究に時間を費やす人間も、相当暇でやることがない人間なんだろうと思ってしまう。

今そんな方法を探るより、カラオケは控えたほうが良いと思うからだ。そもそもカラオケをしなければ日常生活が立ち行かなくなるなんていう状況は想定できないのだから、この時期はカラオケボックスへ行くことを我慢したって罰は当たらない。

少なくともカラオケボックスに行って唄うのであれば、自分一人で行くことだ。複数の仲間とカラオケボックスで唄うのであれば、どのような対策をとっても、感染リスクはカラオケボックスに行かない日常を送るよりも高くなることは間違いないし、世の中にカラオケ以外の愉しみとか、ストレス発散方法がないわけではないのだから、他に楽しみを探せと言いたい。

コロナ禍では、いろいろな日常や普通の概念が変わらざるを得なくなっているのである。昼カラオケは、高齢者の愉しみとして浸透しているのだから、それを守ることも大事だという考え方もあるだろう。しかしそれ以外の安全な楽しみを見つける試みがあっても良い。スマホアプリがこれほど普及しているのだから、高齢者もそれを利用できるようにすれば新しい可能性も生まれようというものだ。

既にカラオケをサービスメニューから外している通所サービス事業所が多くなっている。(参照:通所介護に関するアンケートの集計結果について

カラオケに替わる新しいサービスメニューを創り出すヒントとして、通所サービスに通う高齢者の方々の新しいニーズに着目して、新サービスメニューを創り出す通所サービス事業所は、顧客から選ばれる事業所につながる可能性もある。

例えば通所サービスに通う高齢者で、ガラケイからスマホに変えたいと思っている高齢者は意外と多いし、スマホをもっと使いこなしたいと思っている高齢者も意外と多い。それらの方々にスマホを使いこなす教室をサービスメニューに加えてはどうだろう。またスマホを持っていても、電話機能しか使っていない高齢者に、アプリの使い方やSNSを使えいこなす方法を教えることは、脳若サービスとして人気が出るだろう。

それはすべて通所介護計画の中で、個別機能訓練計画として位置付けてよいものだ。

そうした新しいサービスメニューを開発する中で、大声を出して飛沫感染につながるカラオケは、コロナ禍が収まった後でもデイサービスのメニューから消えて行っても問題ないだろうと思う。

ところで先日も指摘したが、通所サービスの利用者の家族が感染拡大地域と往来した後に、利用者自身も最低2週間はサービス利用をさせないとしている事業所がある。

新型コロナは、ウイルスに感染後、発症まで5〜6日間(幅は2〜21日間)の潜伏期間があり、発症の2日前から感染力が強くなって10日間前後、他者へ感染させる状態が続くようである。そして発症前2日からの1週間が特に感染力の強い期間とされる。だから潜伏期間と感染リスクが高い期間を見込んで、2週間の自宅待機というルールを定めているようだが、それはどれほど感染予防に実効性があるのだろうか?

上に記したように潜伏期間は最大21日間とされているのだ。さすれば2週間の自宅待機で感染を完全に防ぐことは出来ないし、そもそもGoToトラベルを適用している地域と往来した家族がいるというだけで、利用者に利用制限をかける権限が通所介護事業所にあるのだろうか。それは極めて疑わしく、人権侵害とされる危険性も否定できない。

そもそも利用者には、家族が感染地域を往来したことを通所介護事業者に申告する義務なんかなくて、それをサービス利用条件とすることもできないはずだ。せいぜいそれはお願いレベルにとどまるだろう。さすれば家族状況を通所介護事業所が完全把握することなど不可能だと言えるわけで、そのような利用制限ルールによる感染予防対策とは、実効性が極めて低いと言わざるを得ない。

だからこのブログで何度も指摘しているように、まずは通所介護事業所の感染予防の対策を、環境面も含めて整えておくことが大事だ。(参照:コロナ禍第3波の備えと対策は出来ていますか?

利用者の検温は事業所についてからでは遅いと理解し、送迎者に乗り込む前の自宅玄関先で、非接触型体温計を用いて運転手による検温は当たり前にしなければならないし、そのためには運転手が事前に利用者の平熱を把握しておく必要もある。送迎もできる限り、「密」防ぐ運行計画を視野に入れることが必要だ。(※限界があることは理解できる)

利用者にはマスク着用を励行してもらい、病状等でマスク着用ができない人のために、フェイスシールドを事業所備品として通常装備するのが当たり前になる。

サービス提供時間中は、冬でも定期的に複数回の換気を行う必要もあるし、ウイルスは乾燥を好むのだから、常に湿度を50%〜60%に保つよう加湿対策を施すことも大事だ。エアロゾル感染対策として空間除菌も当たり前に行う必要がある。

おやつ作りなど、みんなの口に入るものづくりはサービスメニューからなくなっていかざるを得ないし、おやつとしてお菓子を提供する場合は個包装のものを個別に提供する必要がある。それらの対策をしっかり取ることが一番大事なことなのだ。

どちらにしても、感染地域で多人数と飲食やカラオケをした家族がいるならともかく、そうではない家族状況に対する制限ルールは、ほとんど実効性がないし、通所介護の権限が及ぶ問題ではないと言えるのではないだろうか・・・。
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制限はさほどの感染予防効果をもたらさない。


昨日の勤労感謝の日まで、暦の上では昨週末から3連休だった。そんな中でGo To Travel キャンペーンを利用して旅行や行楽に出かけた人も多かったのではないかと思う。

しかし新型コロナウイルス第3波に見舞われる地域が増えており、行楽を控え、家で過ごした人も多いかもしれない。そんななか北海道では、札幌市がGo To Travel キャンペーンの一時停止を検討している。

そんなこともあり今現在、北海道は新型コロナウイルス感染症が蔓延していると思われがちだが、北海道という括りは、関東や近畿、九州とかいう括りと変わりなく、それらの地域では都府県別で感染状況が見られているのに、北海道だけ地域に一切関係なく一括りにされて、ほとんど感染者が出ていない地域も汚染地域とみなされることに不公平感を感じてしまうのは僕だけだろうか・・・。

それはさておき、介護施設等の介護事業は連休に関係なく稼働しており、介護職の方々は、連休どころか連続勤務が6日も続くという人も決して少なくないのが現実である。

その中で感染拡大第3波に関するニュースが絶え間なく流れると、介護現場で働く職員の方々にも不安が広がり、感染予防のために更なる制限が必要ではないかと考えがちである。

介護施設の面会制限の緩和が呼びかけられた後に、再び感染が広がっている状況において、緩和した面会制限を、再び緩和前の状態に戻そうとする動きもある。

しかし北海道であれば、札幌市以外の各地域は、冷静に周囲の状況を見渡して、制限を強化すべき状況にあるのかなどを総合的に判断すべきだ。クラスター感染が発生している施設があったとしても、それが1施設のみの発生で、それ以外感染者が発生していないのなら、第3波に該当していないとみても良いのだと思う。家族等の面会についても、面会者に職員と同様の感染予防策を求めるだけで十分だろうと思っている。

そもそも制限を強化して、誰かが著しい不便や不利益を被ったとしても、そこに少しでも漏れがあれば、それはまったく無駄になるのだということも理解してほしい。制限はえてして制限をする側の安心や満足のためだけに行われ、効果は大したことがない場合が多いのである。そうであるからこそ制限だけが感染予防策ではないことを十分勘案しながら、対策を練ってほしい。

僕の住む地域では、今感染第3波が訪れている状況とは言えない。しかしこの地域の介護事業者の中で、この連休中に家族が札幌を往来したというだけで、今日からデイサービス利用予定であった人の利用を拒んでいるところがある。

札幌を往来した家族の健康状態に全く問題はないのに、向こう2週間は利用を休んでほしいと言われている利用者は、自分がサービス利用できないことに納得できていない。説明も足りないのだろう。

2週間という期間は、一般的な感染症の潜伏期間をもとにはじき出した期間だろうが、新型コロナウイルスの潜伏期間なんて正確にはわかっていないのだから、これも気休めレベルに過ぎなくなる。

しかも問題は、こうした制限には大きな矛盾が存在するということだ。

感染第3波が広がっているといわれる札幌市において今、多くの通所介護事業所が通常営業をしているのだ。札幌市で普通にデイサービス利用ができるのに、札幌市以外の感染拡大していない地域のデイサービス事業所を利用している人が、家族が札幌と往来したと言うだけで利用制限を受けることは矛盾していないのか。これは感染予防対策として正当な理由になるのだろうか・・・。

感染リスクは、感染拡大地域を往来したということだけで上昇するものではない。感染拡大地域で、どのような行動をしたのかがリスクが高まるか否かに深く関係しているのに、往来だけで制限するのは乱暴と言えば乱暴である。

そもそも利用者が家族の行動をすべて把握しているとは限らない。通所介護事業所に、利用者の家族というだけで自分の行動を申告しなければならない義務もないし、そうした申告を義務付けする利用契約も不当契約となる恐れがあるために結ぶことは出来ない。

感染拡大地域を往来する家族と同居しているよりも、たまたま感染した人と同じ場所で会食した家族と同居している方が感染リスクが高いことは、小学生でも理解できる倫理だろう。しかし同居家族が会食した場所に、ウイルス感染した人が絶対いないなんてことは言いきれないわけで、こうしたこともリスクと考えるなら、家で食事をしなかった家族との同居者もすべて利用制限しなければならない。

だから家族の往来行動に対する制限というのは、ずいぶん漏れがある感染予防策だと言えるわけで、感染防止対策としては大きな効果が期待できるものではないともいえるわけである。

それよりも利用者同士の間隔を広く取って、大きな声を出すサービスメニューは提供しないで、環境除菌と換気にも十分配慮したサービスに心がけたほうが、よほど感染予防に結び付く。(参照:コロナ禍第3波の備えと対策は出来ていますか?

冬場の換気は、寒さを嫌う高齢者にとってつらいという声もあるが、風呂やトイレの換気扇を回し、換気口を開けるなどするだけで空気は入れ替わるそうである。そうであれば24時間それらの換気扇を回し、その場所の仕切りのドアを開けておくなどで、換気の効果は高まる。

そうした感染予防策を先に考えるべきであり、制限対応は最終手段とすべきである。

何らかの制限をかけている場合でも、個別のケース検討を行うことを絶対条件にして、広く特例や例外を認めるべきである。そのための検討作業は、毎日行わねばならないと考えるべきだ。

その場合、3連休で事務職が休みの間に、直接処遇職員だけで判断しなければならない状況にストレスを感じる人も多くなるだろう。だからこそ事務日直性などを敷いて、直接処遇職員以外が土日・祝祭日も勤務している必要があるわけである。

だからと言って事務日直者に、重要な問題の決定権限があるとは限らないので、コロナ禍というこの特殊な状況会においては、介護現場での対応の在り方を決定できる権限を持つ人が誰かということが勤務職員に周知されたうえで、その人が休みの場合でも、常に緊急連絡ができる体制を敷き、いつでも相談ができるようにしておく必要があるのだ。

そういう体制がまったくない事業者は無責任極まりない。介護事業経営者や管理職は、そういう無責任体制を放置してはならないのである。

通常ではないときにいち早く有事のシステムを敷き、その中でルールの運用を常に考えることが、誰かの暮らしを護る介護事業の使命と責任である。
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通所サービス利用者の感染予防策をどこまで取るべきか


コロナ禍の影響で、毎年何度も訪問していた地域に、今年は一度もお邪魔できていなかったりする。

愛媛県も今年一度も行っていないが、来年2月に久万高原町で講演を行なうことになり、久しぶりで松山空港行きの航空チケットを手配した。・・・ところがである。コロナ禍の影響を受けて、航空会社も減便しているために、新千歳〜松山空港の直行便がなくなっていた。

仕方なく2月は行きが伊丹経由、帰りが羽田経由の乗継便で予約した。早く通常運行に戻ってほしいものである。

さて話は変わるが来月8日に、佐賀県老施協・デイサービス委員会主催のオンライン講演、「今後の時代の変化に対応するための情報収集と検討〜コロナ禍における通所介護事業の展開〜」を自宅から配信予定になっている。

この講演は、次の4つのテーマを主として情報提供する内容になっている。
・コロナ禍特例の確認と対応
・緊急包括支援金や持続化給付金、無担保・無利子の貸付事業の活用について
・Withコロナの通所介護のサービス提供の在り方を考える
・来年4月に迫った介護報酬改定の通所介護に関連する最新情報


講演時間は2時間であるが、その後に質疑応答の時間も30分とっており、事前質問も既に送られてきている。

その中には、「デイ利用者やその家族が○○県や感染者が多い地域へ行けれたりしたら、デイ利用を控えるような対策をしておりますが、 ご利用者や家族からしたら熱もなく、納得いかない家族もあるかなと思いますが、この対応をどのように思いますか?」・「濃厚接触者を洗い出し、過去2週間の体温、行動履歴を洗い出す対応は必要か」・「年末年始等に職員の実家等に感染流行地から帰省してきた家族と接触してしまった場合は14日間の出勤停止となるか。また、数日の自宅待機をしてもらうのか。」・「職員がコロナに感染した後の、職場復帰出来る時期はいつか。」などという内容の質問がある。

しかし医師でもなく、コロナウイルスの専門知識が世間一般の人以上にあるわけでもない僕が、この質問に答えるのは無理だ。感染予防策としてどう対応するのかは、国が示したガイドラインを参考に、個別のケースについては、保健所に問い合わせてくださいと答えるしかない。

また感染者が多い地域に、デイサービス利用者の家族が旅行や出張で出かけた場合の対応については、家族が帰宅後に利用者が何日自宅で待機すべきかは、国も保健所も明確に基準を示しておらず事業所が判断するしかない。

そもそも感染者が多い地域という基準はあいまいで、他地域からの往来を自粛するように行政機関が要請している地域でない限り、はっきりどこが対象とは言えなくなる。

また新型コロナの潜伏期間や、2次感染の可能性がある期間について、エビデンスがない以上、2週間とか14日間という期間にも根拠があるとは言えない。

他の感染症の潜伏期間は最大2週間を観ればよいという前例からそれを判断しているとしか思えない。

厚生労働省新型コロナウイルス感染症 対策推進本部 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第 18 条 に規定する就業制限の解除に関する取扱いについて (事務連絡 令和2年5月1日)によれば、新型コロナウイルス感染症と診断された患者さんはPCR検査をしなくても発症から14日経てば職場復帰が可能となるとしているが、デイの利用者の家族が、感染多発地域から帰ってきて、無症状であるけど、利用者と濃厚接触しているために、利用者は2週間自宅で待機しなければならないなんて基準はどこにもないのだ。

例えば次のような研究結果もある。
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台湾で、新型コロナウイルス感染の確定診断がついた100人に濃厚接触した2761人について、濃厚接触者が最初に患者に接触した時期と、感染の有無との関係について調べた。患者のうち9人は無症状であった。濃厚接触者の内訳は、家族が219人、病院関係者が697人、その他が1755人である。

2761人の濃厚接触者のうち、二次感染したのは22人(0.8%)であった。軽症患者よりも重症患者に接触した人の方が、感染するリスクが高かった。無症状の患者に接触した91人のうち、二次感染をおこした人はいなかった。

 二次感染した22人のうち、10人は患者に症状が出る前の接触歴があり、9人は症状が出た日から3日以内、3人は4日目あるいは5日目だった。すなわち、発熱やせきなどの症状が表れてから6日目以降に接触しても、感染することはなかったのだ。(2020/5/17配信 朝日新聞デジタルより抜粋
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この調査結果を信じれば、感染したとしても無症状者からの感染リスクは極めて低く、かつ感染し症状が出てから6日目以降の人と接触しても感染しないということが言えるわけであり、デイ利用者の家族が感染多発地域から帰ってきて無症状であれば問題ないともいえるわけであるから、最長1週間程度の待機で、感染症状がみられない場合はサービスを再開しても良いとも考えられる。

そもそも夏ころまでのように、PCR検査ができない状況ではなくなっているので、旅行から帰った家族が検査を行なって、陰性の判定が出た時点では利用者に制限をかける必要ななくなると思う。

それらを総合的に勘案して判断する以外ないのが現状だ。

現在、感染拡大第3波で対応を追加する動きが出ており、19日に厚労省は、介護施設の入所者・職員に熱が出たら、必ずコロナウイルス検査をするように通知を出すなど、動きが慌ただしくなっている。しかしあまりナーバスになりすぎると、にっちもさっちも行かなくなると思う。通常の感染予防策をしっかりとっておくことがまず大事だ。

ただし一つ言えることは、クラスター感染を防ぐためには、環境除菌・空間除菌が必須だということだ。次亜塩素酸水の噴霧は健康被害につながるというデマに惑わされて、いまだに空間除菌を行っていない施設・事業所が多過ぎる。しかしそれはクラスター感染の最大のリスクである。

また介護施設・事業所の職員の感染を防ぐためには、マスクだけでは不十分であることにも注意が必要だ。目の粘膜からの感染を防ぐための対策として、フェイスシールドやゴーグルを日常介護場面からきちんと着用すべきだ。

これらのことは、「コロナ禍第3波の備えと対策は出来ていますか?」・「次亜塩素酸水による空間除菌の必要性」・「介護事業者に通常装備が求められるフェイスシールドとマウスシールド」でも情報提供しているので、今一度確認して、一日でも1分でも早い対応を行っていただきたいと思う。

感染予防で重要なことは、空間の定員をできるだけ下げることだ。通所介護も単位分けしなくとも良いから、1単位の中でサービスメニューを複数に分けて、グループごとに空間も分けることができればベストだ。

それができない場合でも、機能訓練やレクリエーションなどの際は、利用者同士の間隔を広く取ることが大事だ。手を横に伸ばしたときに、隣の利用者の体に触れるような距離は適切ではなく、前後の間隔も同じくとるように心掛けてほしい。

加えて大声を出すサービスメニューも避けたい。カラオケは通所サービスメニューには必要ないと考えて、それがなくとも楽しめる大人のサービスメニュー開発が求められる。

12/8は、このあたりの具体策も示すことになるので、受講者の方には楽しみにしてもらいたい。
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通所介護に関するアンケートの集計結果について


週の初めの今日月曜は、僕にとって東京への移動日である。そのためこの記事は、「新千歳空港・さくらラウンジ」から更新アップしている。

明日は午前中に朝日新聞本社で取材を受け、午後7時からYouTubeでのオンライン講演を生配信する前に、夕方から11月分のオンライン講演の録画も行う予定になっている。

土曜の更新記事、「抜本的介護人材対策のない介護離職ゼロ社会は実現不可能。」でもアナウンスしたが、明日19:00〜UCHIDAビジネスITオンラインセミナー介護施設における人材育成のポイントは?」には、すでに200名を超える申し込みをいただいているが、駆け込みの申し込みはまだ可能なので、明日19時から1時間の時間がとれる方は、文字リンク先からお申込みいただきたい。

僕はその後明後日に一旦北海道に戻り北広島市で講演を行った後、11日から三重県鈴鹿市〜名古屋〜大阪〜東京と周る予定になっている。そんなふうに少しだけ僕の日常も戻りつつあるが、感染予防対策をしっかり施して体調を万全に整えておかねばと思う。

デザイナーの高田賢三さんが新型コロナウイルスに感染し亡くなったという訃報も入ってきており、まだ十分に注意をしなければならないと気を引き締めているところだ。

ところで先々週の土曜日から皆さんに投票をお願いしていたアンケートの結果を週末に集計し終えた。その内容は、アンケート「コロナ禍で通所介護のサービス提供方法は変わりましたか?」の結果発表で確認できるので参照願いたい。
通所介護のアンケート集計結果
参照リンク先では、皆さんから寄せられたすべてのコメントが、回答別に読むことが出来るようにした。

感染予防策として新たに行うようになったことについては、共通していることも多いが、なるほどと思える工夫も書かれているので、大いに参考になると思う。

このPDFファイルは、14日(水)大阪市社会福祉センター3階から配信する、大阪市老連・デイサービス連絡協議会主催オンライン講演、「withコロナ デイサービスの経営とサービス提供〜新型コロナからデイサービスを護るためにすべきこと」の資料としても使う予定にしている。回答にご協力いただいた方々には、この場を借りて深く御礼を申し上げたい。本当にありがとうございました。

なお大阪市老連のデイサービス連絡協議会主催オンライン研修は、すでに定員いっぱいとなり申し込みを締め切っているのでご了承願いたい。

コロナ禍以前と変わったことについて、サービスメニューの変更例が多数コメントされている。

外出行事をしなくなった・ボランティアによる行事をやめた・大きなイベントを行わなくなったというほか、カラオケをやめたというコメントが複数見られた。

大きな声を出すために感染リスクが高いと言われるカラオケは、通所介護メニューからほとんど消えているのが現状だ。緊急事態宣言が解除された後、全国の複数のカラオケカフェがクラスター感染源となったことも記憶に新しく、メニュー復活の目途は立っていない。

そもそもカラオケは、心身活性化効果や機能訓練効果を目的として行われているが、多分に時間つぶしの印象をぬぐえない感もある。

20人規模の比較的大きな集団でカラオケを行う場合、歌っている本人はともかく、聴かされているだけのだけの人は手持無沙汰で、暇そうに興味なさげにしていることも多い。

カラオケが本当に通所介護サービスメニューとしてふさわしい活動なのか、僕はかねてより疑問を持っていたので、これを機会にカラオケで唄わないデイサービスを目指すのも一つの手であると思っている。今後の通所介護の集客の売りの一つに、「感染予防策がどの程度とられているか」という要素が加わっていくことを考えても、それは経営戦術の一つとなり得る。(※戦略にはならないが・・。)

さすればカラオケに替わる新たな心身活性化・機能訓練効果の高いサービスメニューを取り入れていかない通所介護事業所は、利用者に選ばれない事業所として廃業へと向かわねばならないことになりかねない。

14日の大阪市老連講演では、そうした観点から新しいサービスメニューの提案も行う予定になっている。カラオケは個人の余暇活動としての保険外利用か、市町村の総合事業の通いサービスに任せておくことでも十分なような気がする。

しかしそうしてはならないサービスメニューも中断されている。

同じく声を出す、「口腔体操」・「口腔リハビリ」を中止しているというコメントも複数書かれている。しかしこれはカラオケ中止よりはるかにダメージが大きい重大な問題である。

高齢者にとって口腔機能の維持は、栄養状態と健康状態の維持につながる重要な問題である。自立支援としては欠かすことができないサービスメニューでもある。

介護報酬改定の論点の一つ、「自立支援・重度化防止の推進」の中でも、「リハビリテーション、口腔・栄養等を始め、各介護サービスの評価について、妥当性のある評価指標の在り方の検討」が主要テーマの一つとして挙げられていることを考えても、口腔機能維持の取り組みを行わない・行えない通所介護となってしまえば、それは即ち通所介護不要論につながりかねない問題になるからだ。

だからこそ口腔体操が、withコロナの中でもごく日常的に実践できるように工夫が必要となる。口腔体操を実施する際には、従業員も利用者も、マスクに加えてフェイスシールドをごく当たり前に使用する習慣づけが必要となる。よって今後の通所介護事業所には、フェイスシールドを通常装備品と考えて、事業所負担で備え置くべきだと考えている。(参照:介護事業者に通常装備が求められるフェイスシールドとマウスシールド

大阪市老連の講演会では、こうした新たらしい時代に合わせた、新たな通所介護サービスの具体像を、実践できる方法論として語るので期待してほしい。ただしこの講演は、会員限定であるのでご了承いただきたい。
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都道府県によって異なる慰労金申請期限を調べてみた


新型コロナ感染者や濃厚接触者に対応した職員には20万円、そうではない職員には5万円が支給される慰労金について、厚労省はその申請が行われていないケースが数多く報告されていたことから、8/26付で、「介護サービス事業所・施設等に勤務する職員に対する慰労金支給に係る協力の依頼について(令和2年度新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(介護分))」という文書を発出して、申請を促してていた。

そのことに関しては、「従業員を大切に思う姿勢が問われる慰労金申請問題」という記事で情報提供していたが、その後申請は進んだろうか・・・。

この慰労金の対象となる勤務期間は6/30迄とされていたので、慰労金の申請にも期限が切られている。申請できるのに、何らかの理由で申請ができていなかったケースの中には、そのまま申請期限が来て、もう請求できなくなっているケースもあるのではないだろうか。そのような事務手続きの遅れで、もらえる慰労金をもらえなくなった人がいたら可哀そうだ。

昨日、大阪市老人福祉施設連盟・デイサービス連絡協議会主催研修の講演主旨を示す下記のスライドを作成している最中に、そんな考えがふと浮かんだ。同時にもう一つ思い浮かんだことがある。
大阪市老人福祉施設連盟・デイサービス連絡協議会主催研修
それは、「そういえば今月いっぱいで、慰労金の申請締め切りとしている県があったが、大阪府はいつになっているだろう?」ということである。
(※本研修に関連して、通所介護に関するアンケートを実施しているので、投票協力をお願いします。
※この研修は会員のみ参加できます。一般参加は受け付けていません。

そこで早速HPでアクセスして調べているうちに、ついでだから全都道府県を調べてみようという気になった。暇人はこうしたこともできるのである。

各都道府県のHPで情報確認したところ、下記のように期限がきられていた。
※申請締め切り期限の最終的な確認は、各自でそれぞれの都道府県のHPなどで行っていただきたい。下記はあくまで参考として見ていただきたい。
--------------------------------
北海道 令和3年2月末
青森県 令和3年2月末
岩手県 令和3年2月末
宮城県 令和2年12月末
秋田県 令和3年2月末
山形県 令和3年2月末
福島県 令和2年11月末
茨城県 令和2年12月末
栃木県 【施設】令和3年3月5日 【退職者等】令和2年11月末
群馬県 令和3年2月末
埼玉県 令和2年11月末
千葉県 令和2年11月末
東京都 令和2年11月末
神奈川県 令和3年2月末
新潟県 令和3年2月末
富山県 令和2年9月末
石川県 令和2年12月末
福井県 未定
山梨県 未定
長野県 未定
岐阜県 令和3年3月末
静岡県 令和2年12月末
愛知県 令和2年9月10日
三重県 令和3年2月末
滋賀県 令和2年12月末
京都府 令和3年2月末日
大阪府 令和2年9月末
兵庫県 令和3年1月末日
奈良県 未定
和歌山県 令和2年10月末
鳥取県 令和3年2月末日
島根県 令和3年2月末日
岡山県 令和3年2月末日
広島県 令和3年2月末日
山口県 令和3年2月末日
徳島県 令和3年2月末日
香川県 令和3年2月末日
愛媛県 令和3年2月末日
高知県 令和3年2月末日
福岡県 令和3年2月末日
佐賀県 未定
長崎県 令和3年2月末日
熊本県 令和3年2月末日
大分県 令和2年9月末
宮崎県 令和2年10月末
鹿児島県 未定
沖縄県 令和2年11月末
----------------------------------
↑このように各地域でかなりばらつきがみられる。

愛知県のようにすでに締め切り期限が過ぎているところもあるし、9月末までの地域もある。申請事務担当者は自分の地域の申請期限を知らないわけはないから、すでにその締め切りを見込んで事務を進めていると思え、今更慌てる人もいないだろうと思う。

しかし退職者で、自ら申請を行わねばならない人で、この期限を知らずに呑気に構えている人がいないとも限らない。そういう人は締め切りに遅れて慰労金が支給されないという事態にならないように、申請を急いでもらいたいと思う。

前述したように、この慰労金は6/30までの勤務状況によって支給の有無や支給額が決まってくるもので、7/1以降の勤務状況は全く関係がないものだ。ということは7/1以降に、新たに介護施設等に勤務しても1円ももらえないことになる。

今札幌のグループホームでクラスター感染が発生しているが、そこの職員は支給額が5万円から20万円に変わるかと言えば、そうはならないということにもなる。

そうなると関係者の間から、7/1以降の対応に対しても新たな給付を求める声が挙がるのは当然であると考えるが、そのためには第3次補正予算が成立しなければならない。

現在補正予算を審議する国会は開かれていないわけで、そのことも期待薄という状況だが、菅内閣で入閣した田村憲久厚労相は25日の閣議後会見で、「新型コロナウイルスやインフルエンザの広がりが今後どうなるのか。それもみながら全体を考えないといけない。予算の積み上げをすべきものはしていく」と述べている。

この発言が今後の補正予算による介護現場への新たな給付や、来週の介護報酬への感染対策費の積み上げにつながっていくことを期待したいものである。
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通所介護の緊急アンケートにご協力ください


コロナ禍で、通所サービスは大きな打撃を受けた。

営業自粛する必要がなかった地域でも、感染を恐れた利用者が、しばらく外出を控えるので通所サービスも休むという利用自粛が相次いで、事業経営上大きな影響を受けた通所サービス事業者も少なくない。

現にほぼ2月間サービス提供ができずに、収益がゼロになった小規模事業者で、倒産・廃業に追い込まれたところもある。

一方で、全国に緊急事態宣言が出された後に、通所サービスは全国的にサービス提供を自粛する動きも広がる中で、認知症の利用者が社会参加する場所がなくなり認知機能の低下がみられたり、出かける場所がなくなった要介護高齢者の身体機能の低下事例も報告され、通所サービスの効用が改めて見直されることにもつながった。

通所介護利用による社会参加と他者交流による、心身活性化の効果も改めて認識されたのである。

そんな中で、今現在はほとんどの通所サービス事業所がサービスを再開している。

しかしコロナ禍が収まったわけではないし、クラスター感染が発生している状況も変わっていない。新型コロナウイルスの影響はまだ数年続くとみられており、この冬の感染の広がりが大きく懸念されている状況である。

通所サービス事業所は、コロナ以前とは異なる対応が求められていのである。しかしその対応については事業所ごとに判断している状況である。

そこで具体的にそれぞれの事業所で、どのような対応が行われているのか、通所介護事業所に向けたアンケートを、先週の土曜日から1週間限定で行っている。
通所介護関係者の皆様には、ぜひこのアンケートに協力していただきたい。その際にコメントに具体的対応を書いていただくことをお願いしたい。

この結果は、来週月曜日の更新記事で紹介するとともに、10/14(水)14:00〜16:00の予定で配信される、一般社団法人・大阪市老人福祉施設連盟・デイサービス連絡協議会主催研修(Zoom研修)、『Withコロナ・ デイサービスの経営とサービス提供〜新型コロナから事業所を守るためにすべきこと〜』でも報告したいと思っている。

この研修会では、コロナ禍における国が示した特例対応をまとめ、その解説を行うとともに、特例について事業所がどう対応すべきか、利用者にその内容をどのように伝えるべきなのか、特例対応について関係者(利用者の計画担当ケアマネ等)とそのように連携すべきかについて考え方を示す予定である。

感染症緊急包括支援事業におけるかかり増し経費の助成や慰労金等についても解説する必要があるだろうし、さらに持続化給付金の活用についても情報提供したい。

ほとんどの通所介護事業者は、4月もしくは5月の売り上げが前年同月比で50%以上減少したしていると思われ、多くのケースで上限200万円の給付を受けられるのに、まだ申請していない通所介護事業者がある。この給付金は売り上げが回復して、年ベースで事業収入が前年度を上回っても返す必要がない給付金だ。ぜひ活用してほしい。

コロナウイルス感染予防対応真っただ中で、研修会などの情報伝達機会が途絶える状況で特例対応通知等が出されたことで、誤った解釈をしている関係者も数多くみられた。そのことも懇切丁寧に説明して正したいと思うし、見逃している情報がないかも確認していただきたい。

そのうえでWithコロナのデーサービスの在り方を考える内容になっている。

3密(密閉・密集・密接)を避けて介護サービスを提供するなんてことは実際には不可能だし、集団対応が基本である通所サービスにおいて、完全に感染を防ぐ方法は存在しないと言ってよいのだから、そのうえで考え得る感染予防対策について、実効性の高い方法を示したい。

そしてこの時期だから、来春に迫った介護報酬改定について、通所介護では何が改定議論の俎上に上り、どういう方向で議論が進められ、実際の通所介護費はどうなっていくのかという予測も示したいと思う。

Zoom研修ではあるが、僕は前日の名古屋講演を終えた足で大阪入りして、当日は大阪市上本町の 市立社会福祉センターまで出向き、そこから配信する予定にしている。受講者数に限りがあるので、ご希望者は早めに研修名に張り付いたリンク先を参考にしてお申し込みいただきたい。ただしこの研修は、会員のみが参加できる研修で、一般参加は受け付けていないのでご了承ください。

ということでアンケートへのご協力を再度お願いしながら、本日の記事更新を締めたいと思う。
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コロナ禍の面会制限はwithコロナでどうなっていくのか


僕は新千歳空港発の機内にいる。これから羽田に向かう予定だ。

4月の福岡出張中に緊急事態宣言が発令され、航空各社が大幅な減便を行ったため、北海道に戻れなくなりそうになったことから急遽、福岡から地元に戻って以来、約4カ月ぶりの道外出張である。こんなに長く道内にとどまっていたのは何年ぶりだろう。記憶にないくらい長い雌伏の時だった。

新規感染者が10人前後で推移している北海道から、三桁の新規感染者が出ている東京への移動だから、十分注意しなければならないことは自覚している。今日から3日間秋葉原に滞在するが、メイドカフェにも行かず(注:行ったことはありません)、夜の街にも出ないで仕事以外ではホテルに引きこもって執筆作業に専念するつもりだ。

新千歳空港も以前の賑わいとは異なり閑散としている感は否めない。快晴なのに欠航便が多いのは旅客が少ないからだろう。結構便に乗る予定だった乗客が運行便に乗り換えているので、飛行機内は決してスカスカで空いているわけではない。他者との距離は結構近いので心配ではある。

こんなふうにコロナウイルスの影響はまだ続いているが、介護施設の面会制限はいつまで続けられるのだろう。リモート面会が一般化して、それで良しとしている施設があるが、利用者が家族などの親しい人と、いつまでも直接面会ができない状態で良いわけがない。

介護施設の経営者や管理職は、一日でも早く条件付きであっても、外出や面会を認められるように対策を急ぐべきである。永遠に続く制限は人権侵害そのものだという理解が必要だ。そもそも自分たちは自由に外出し、外から施設に通ってきていることを忘れないでほしい。

同時にこれからの介護施設の面会の在り方も考えていかねばならない。

コロナ禍以前の介護施設の面会は、基本的に自由が当たり前であった。

面会時間に制限はあったとしても、面会可能時間であればどこから誰が何人施設を訪れようと自由で、玄関は面会記録さえ書けばフリーパスで通ることができ、施設内で面会者の導線が制限されることもないのが当たり前だった。

しかしコロナ禍が終息しても、その社会とはそれまでとは違う社会になるだろう。そこは常にwithコロナ・with感染症の視点が求められる新しい社会である。

介護施設の面会もフリーパスで基本自由という訳には行かなくなると思う。

面会記録簿をつければ、誰でも玄関を通って施設内に入ることができるということはなくなるだろう。非接触型体温計が入口受付に常備され、体温チェックと簡単な健康状態の聞き取りを行ったうえで面会が許可されることが当たり前になっていくだろう。

面会人数はできるだけ少人数で、時間もある程度制限される可能性も高くなる。

面会場所も居室以外の決められたスペースで行うことが望ましいが、この場合、その部屋が使えないと困るので、面会は事前予約性にせねばならない。しかし事前予約がないと面会を許さないというのは、感染症が広がっている最中以外はやりすぎで、人権問題に関わって問題になる可能性があるので注意が必要だ。

施設側としては、多床室のみ面会不可として、個室については面会を認めざるを得ないのではないかと思う。どちらにしても面会室を別に設けることは当たり前になるだろうし、それも複数スペースを設置することが求められていくだろう。

今後新設される施設については、家族等の面会者の導線を別に確保し、面会する利用者以外とできるだけ接触しないようにすることも設計思想として求められてくるだろう。

このように介護施設の面会方法は、大きく変わってくるだろう。そこで問題となるのは、「看取り介護対象者」の家族面会をどうするのかということである。そのことについては明日、改めて提案しようと思う。
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withコロナで変わる介護施設の面会事情


先週末、地元の地方新聞を読んでいると驚くべき記事を目にした。

その記事とは、とある医療でタブレットを利用したリモート面会を始めたという記事だ。

何が驚くことかと言えば、この時期までに面会制限を続けているのはともかく、面会制限を行う中でリモート面会に踏み切る時期が今であるということに驚くとともに、そんなニュースが新聞紙面に掲載されるということに二度驚いた。

医療機関や介護施設等で面会制限が行われるようになったのは、おそらく2月からだと思う。それからすでに半年近くが過ぎようとしているこの時期まで、漫然と面会制限だけを続けているというところはおそらく少数派で、多くの介護施設ではリモート面会の仕組みは整えているはずである。

僕の知る限りでは、早いところでは2月の面会制限と同時にシステムを整えていたし、4月中にはそのシステムがあるのが当たり前という風潮になっていたはずだ。

遅くとも緊急事態宣言が解除されたころには、多くの介護施設はリモート面会を行なえるようになっていた。医療機関はそうではないのだろうか・・・。

むしろ現在は、面会制限をいつまで続けるのかということや、リモート面会だけで良いのかという議論が、面会制限中の各機関で行われなければならない時期である。

特に、「看取り介護」の対象者については、面会制限をしている中でも、例外的に直接面会を認めるようなルール作りに取り組まねばならない。

施設内での家族の宿泊はできないことには理解を求めながら、面会は予約制として、人数や時間を限った面会は認めるべきだ。その際に、複数の利用者に複数の家族が同時に面会をする時間が出ないようにするなど、施設側が面会スケジュールを管理する必要はあるだろう。

同時に面会者の2週間以内の健康状態の聞き取りを行うとともに、面会当日の検温を必須として、平熱より少しでも体温が高い方には面会を遠慮していただくことに加え、感染症多発地帯からの訪問は避けていただくようにお願いする必要もあるだろう。

また面会者の導線を、施設利用者と区分することが大事であり、面会の際は非常口等から出入りして他の入居者と接触しないよう個室に入るなどの工夫をする必要もあるだろう。

ここで大切なことは、面会させないことが前提ではなく、できるだけ面会できる方向で考えることだ。「特例」をめったにないことと考えるのではなく、特例を適用できる条件をできるだけ柔軟に考え出すことである。そのためには機械的にルールを定めるのではなく、個別の事情に配慮した特例を、ケースごとに検討することも大事だ。

人生の最期の時間を過ごす人との、お別れに時間を持つことは、逝く人・残される人、双方にとても重要なエピソードなのだから、そうしたエピソードをつくる機会を奪わないという考え方が必要で、できる限り最大限の努力を行うべきであり、知恵を絞るべきである。

少なくとも、「規則ですから」という冷たいフレーズだけで、最期の別れの時間を奪ってはならないと考えるべきだ。そこは、職員が外から自由に通ってきている場所でもあるという一面も考慮すべきである。

ところでコロナ以前は、介護施設の面会といえばフリーが当たり前であった。特養の場合は、面会時間を制限することさえ、暮らしの場の論理に反するとさえ言われたものだ。

そのため日曜や祝日には、多くの家族が施設に訪れ、いつもより施設内がにぎやかになるのも当たり前であった。複数の家族が多人数で、同時間に施設に滞在する光景も当たり前に見られた。しかしコロナ禍が落ち着きを見せたとしても、この風景は復活しないかもしれない。

面会の場所制限や、時間・人数制限は、今後のwithコロナでは、当たり前のルールとなっていくのではないだろうか。面会者用のフェイスシールドも常備しておく必要があるだろう。


さすれば施設建設時にその対応に即したハードの工夫も必要になる。

多床室の新築・増築は難しくなるだろうし、施設基準にはない家族との面会室も設置する施設が多くなるだろう。看取り介護を行うことが前提の施設は、外から居室に直接入ることができる出入り口を設置しておく工夫も行われてよいはずだ。

介護施設が、家族や親族・知人や地域住民と切り離されたブラックボックスになってはならないが、利用者の命と暮らしを護るための、「安全と安心」が失われてはならないので、withコロナの新生活様式のルールやシステムづくりを急がねばならない。

そのためには今から知恵を絞って、何が必要で何が必要ないのかという議論が不可欠となるが、私たちが創り出すルールとは、人の暮らしに直結するものであり、人の暮らしと心を護るためのものであるという基本を忘れてはならない。

そのためにも、血の通った情(なさけ)のあるシステムを作り上げるという考え方が必要ではないだろうか。
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兵庫県知事を迷走させる感染対応慰労金騒動


このブログでは何度か、国が進める介護事業者の文書削減について、結局は国が取り組む事務書式の削減だけに終わっており、介護事業者が本当に必要とする、看護・介護職員等の直接処遇職員の記録文書の削減にはつながっていないと指摘してきた。(参照:厚労省の書類半減策は現場の意識と乖離

そして事務書類・事務書式は、それらを作成するために雇用されている事務員の本道の仕事であるのだから、そんな事務書式の削減を議論しても始まらないとも言ってきた。

しかし事務員だとて、決して仕事が暇なわけではないので、文書作業が増え続けていくのではかなわない。削減できる文書は削減したほうが良いに決まっている。

ところが事務文書の削減が進められる一方で、削減された文書以上に新しく作成しなければならない文書が増えているような気がしてならない。それはコロナウイルス禍という特別の状況があることによって、やむを得ない事情であるのかもしれないが、介護事業者の事務担当者にはこれから新たな事務作業が次々と強いられることになる。

一番近直に求められる事務作業は、コロナウイルス対応に関連した慰労金の支給申請事務である。

昨日、「介護サービス事業所・施設等における感染症対策支援事業等及び職員に対する慰労金の支給事業」についてが発出されたが、これがまた事務職員泣かせの煩雑な業務負担となっている。

慰労金の申請は、現に介護サービス事業所・施設等に従事している者(派遣職員や業務委託による者も含む。)については、原則として、介護従事者等が勤務先の介護サービス事業所・施設等に代理受領委任状(様式4)を提出して、一括申請することになっているので、事務担当者はこれから対象となる全職員に向けて、このアナウンスと委任状の取りまとめをしなければならない。

そのうえで慰労金受給職員表(様式3)を取りまとめ、都道府県に給付申請することになる。なお事業者の口座に慰労金を受け入れて、職員に給付を行うことが制度的に出来ない場合(公設の地域包括支援センターや特別養護老人ホーム等)には、当該介護サービス事業所・施設等が介護従事者等をとりまとめて給付申請を行い、当該介護従事者等への給付は、都道府県が直接行うこととなるそうである。

他の事業者から同一人物の申請がされていないかの確認も含めて、申請書類を作成するのだから、これから事務担当者はハードな仕事をこなさねばならない。申請期間は今年度末なので、それまでゆっくり事務作業を進めようと呑気に構えている人もいると思うが、支給対象期間は6/30までであり、今後中途退職者が出ることや、対象者にできるだけ速やかに支給する観点から言えば、事務作業の許す限り、早急の支給に努めるのが、管理者や管理職、事務担当者の務めだと思う。大変だろうが是非頑張ってほしい。

ちなみに社福の総合施設長を長年務めてきた僕ではあるが、恥ずかしながら特養が、「口座に慰労金を受け入れて、職員に給付を行うことが制度的に出来ない」ことは知らなかった。一体どの法令がこのことを規定しているのだろう・・・誰か教えてください(笑

この慰労金は、既に退職している支給対象になっているが、その対象者は都道府県に直接給付申請ができる。しかしこの場合も勤務していた介護サービス事業所・施設等から勤務期間の証明を取得することが原則とされており、何らかの理由で円満退職出来なかった人にとってはハードルとなっている。

例えばクラスター感染が発生した施設の職員の中には、感染を恐れて電話連絡をしたその日に施設を辞めて、十分な退職手続きや引継ぎができておらず、気まずい思いを持っている人もいると思う。そういう人は証明を取るのをためらってしまうケースもあるだろう。この場合は給与明細等でも確認ができれば差支えがないとされているので、明細書で勤務日数がわかるかどうかを確認してほしい。

できない場合は証明を得なければならないが、どちらにしてもここは双方大人の対応で、きちんと支給申請ができるように対応してほしい。なお退職した職員への介護事業者からの慰労金支給に関する告知義務はないので、退職者はあくまで自らの意思において支給申請をしなければならないことに注意が必要だ。

このことに関連して昨日、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(介護分)に関するQ&A(第1版)も発出されており、慰労金については11頁〜25頁に疑義が示されている。

それによると慰労金の支給対象となる利用者と接する職員とは、対象期間に利用者と接触する日が1日でもあれば対象となることが示されており、接触とは身体的接触に限られるものではなく、対面する、会話する、同じ空間で作業する場合も含まれ、事務職員、給食調理員、リネン業務員、運転手についても対象となるなど、広く認めてよいことが示されている。さすれば施設の外構営繕・芝刈りなどが主業務の職員も利用者との会話機械などがあるのだから対象にできると考えられる。

要するに利用者が存在する建物に、デスクなり休憩室がある職員は、職員であっても派遣職員であっても全員対象にできるのである。(※外部の業者やボランティアは対象外)なおその判断は最終的には都道府県で行うが、第一義的には各事業者で行うこととしているので、第一義的な窓はできるだけ広くして、支給できる理論武装をしておくべきだ。

また訪問介護事業所等において、感染症対策に配慮したサービス提供をヘルパー等と一体となって実現している場合には対象となり、対象期間に訪問サービスを提供していないサービス提供責任者やヘルパーについても同様の取扱とする旨も示されている。かなり細やかなQ&Aとなっているので、関係者は必ず確認をしておいてほしいと思う。

ところでこの慰労金を巡っては変な問題が起こっている。兵庫県の井戸敏三知事が6日の会見で、新型コロナウイルスの流行を受けて国が支払うことに決めた介護職への慰労金について、全員を対象とした一律の支給は行わない方針を表明している問題である。

国が全介護事業者の、利用者に接する可能性のある全職員に支給すると決めた慰労金にいちゃもんをつけて、自分の価値観に合わないからというだけの理由だけで、勝手に支払い範囲を狭めるというのである。このことは僕が管理する表の掲示板のスレッドでも問題になっているが、知事の主張と兵庫県議会の対応はあまりにも理不尽だ。

井戸知事は、「何にもしていないのになんで慰労金を出すのか。全く説明がつかないような税金の使い方は、兵庫県としてはやる気はない。慰労金だからなんでもいいやという話にはならない」と会見で述べているが、この発言に対して兵庫県の介護関係者は大いに怒り、抗議活動を行うべきではないかと考える。

この時期に介護のサービスの場で、何もしなかった人間がいるはずがない。目に見えないウイルスの脅威に日々怯えながら、利用者の生活の質が下がってはならないと戦ってきた人たちに、この発言はあまりに失礼だ。こんな理屈で慰労金が受給できなくなる兵庫県の介護関係者はあまりにも可哀想だ。

このじいさん、すでに老害でしかない。こんな知事はほおっておいてはならない。井戸知事に対するリコール運動こちらのサイトで行われているので、介護関係者は是非今すぐに賛同のクリックをお願いしたい。

それに加えて僕から井戸知事には、ゆずの「午前9時の独り言」という唄の、次のフレーズを贈っておこう。
政治家のおじいちゃん・・・大きな力を持った権力者諸君
自分の地位や名誉や金のためではなく
どうかこの国を考えてください


なおこの唄を聴きたい方は下記を視聴ください。曲の出だし迄、数秒のあきがあるので曲が流れるのを少しだけ待っていただければ幸いです。

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認知症の人と家族の会がコロナ対応特例算定の撤回を求める緊急要請


1日に発出された介護保険最新情報のVol.854は、2017年8月から実施されていた高額介護サービス費の激変緩和措置が、今月いっぱいで終了することを告知する内容となっている。

介護保険制度改正によって、2017年8月から所得区分「一般」の月額上限額は、3万7200円から4万4400円へ引き上げられているが、向こう3年間に限った激変緩和措置として、年間の上限額を44万6400円(3万7200円×12カ月)と定め、対象世帯の負担額が実質増えないようにしていたものであるが、この上限が今月末で廃止される。

これによって所得区分一般に属する、「住民税が課税されている世帯で、現役並み所得の層に該当しない世帯」も年間の負担上限額が532.800円(44.400円×12ケ月)となるわけである。

もともと激変緩和措置は、所得が増えていないのに負担上限額を引き上げられる対象者からの強い不満の声に応えたものだが、この措置がなくなることで、国民の負担はさらに重くなる。特に対象世帯は、決して裕福でお金が余っているような世帯ではないので、ある意味自己負担割合が2割に増やされた世帯より、生活の困窮感は深くなるやもしれない。

それが政治家や官僚の痛みとセットであれば納得もいくというものだが、国民の痛みだけが増やされる現状は大いに非難されるべきである。他の国なら国民の暴動が起こりかねないほどの問題だと考えるのは僕だけではないだろう。

そんな中、介護保険サービスの利用者負担に関連して、認知症の人と家族の会が7/1付で、「新型コロナウイルス感染症に係る介護報酬の特例措置による サービス利用者への負担押し付けの撤回を求める緊急要請 」を国に提出した。

これは通所サービス事業所が、毎月一定の回数に限り実際にサービスを提供した時間の報酬より2区分上位の報酬を算定できる特例算定について、その撤回を求めた要望書である。

要請書の内容は、6/25の介護給付費分科会で同会の鎌田松代理事が、「利用していないサービスの分まで自己負担を支払わなければいけないのか? 区分支給限度基準額の変更もなく、サービスの利用回数を減らさざるを得なくなる」・「事業所の支援と利用者の負担は別にすべき。通所介護を存続させるために必要なら、国が公費を投入して減収分を補うべきだ」と主張した内容に沿ったものであり、感染対策にかかる経費等については補正予算の予備費を使い、公費で補填するよう求める内容となっている。

同分科会で厚労省は、「特例算定については、感染リスクを下げる観点から平時より多くの手間、時間、衛生用品などを使っている現場を十分に評価するため」だとし、「ご納得を頂いた方に限り特例を適用できるルールにした」と説明したが、納得を得られなかったようである。

この問題を複雑にしているのは、この特例算定は、「感染対策費用の補填」が主ではないというところにあるのだ。この本質がわかっていないから議論がかみあっていない。

感染対策としての衛生材料費だけならば、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(介護分)(1) 介護サービス事業所・施設等における感染症対策支援事業 で補填できるわけである。

それに加えて特例算定を可能としているのは、この特例算定分は、通所介護事業者の自主的な休業や利用者減の収益減を補填するという意味合いが強いことになる。よって補助対象実態が数値にできにくいものなので経費計上が難しく、介護報酬を上位算定させて補填するという苦肉の策をとった結果である。

次期介護報酬改定が来春4月に迫っているが、コロナ禍が収まる見込みがない中で、報酬・基準上の特例措置のいくつかが、そこにも反映される期待が関係者の間に高まる中で、財政健全化の旗を降ろせない事情もあり、基本サービス費の引き上げは避けたいのが国の本音である。

そのような事情から言えば、一定の要件をクリアした場合に、既存の基本報酬の上位区分を算定する方式は、基本サービス費を上げなくて済むという意味でも、一定の条件下だけでしか報酬が上がらないという意味でも、国にとって都合がよい方法で、次の報酬改定に取り込みたい方法であると言える。だからそれを通所サービスにねじ込んでいるわけである。

しかしそれは利用者負担を伴う点が最大のネックで、今回の要望書に書かれているような利用者の不満の声が挙がるのは当然といえば当然である。また厚労省が、「ご納得を頂いた方に限り特例を適用できるルールにした」と説明している点は、だからこそ負担する人としない人に分かれることで不公平感がぬぐえないという批判と、負担増を納得させるような事業者による強制に近い恣意的誘導が疑われたりするわけである。

そうであればいっそのこと報酬区分の上位算定は良しとして、上位算定した部分と実際にサービス提供された区分の差額は区分支給限度額管理に含めず、利用者負担は実際にサービスを利用した区分に対してのみとすれば、利用者負担は増えず不満もなくなると思うのである。なぜそうしないのか大いに疑問である。

それにしても認知症の人と家族の会の鎌田松代理事の意見の一部に(25日の介護給付費分科会)、多くの利用者やケアマネジャーが特例算定に不満を持っているかのような部分があるが、それは事実と異なると言っておきたい。

表の掲示板の「通所サービス費の2区分上位報酬算定等の特例算定の是非議論は大歓迎」というスレッド議論にも書かれているが、きちんと説明責任を果たしているケースでは、利用者や担当ケアマネも十分理解を示して、積極的に負担増の同意をしてくれているのである。少なくともそうした合意の上で、この特例算定を行なった事業所が批判を受けることがあってはならない。

通所サービス事業所は、この特例算定を決して安易に算定しているわけではなく、思い悩みながら、しかし事業経営が危うくなることも利用者のデメリットであることを鑑み、利用者に真摯に説明責任を果たしたうえで、上位区分の算定に踏み切っているのである。

リンクを貼りつけたスレッドにコメントを寄せている方々は、決して利用者目線を忘れていないことが理解できると思う。そのことだけは間違って捉えてほしくない。
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政権政党の提言は介護報酬改定に影響するのか


現在の政権は、介護問題にほとんど興味のない政権のような気がしてならないが、唯一、「全世代型社会保障」というスローガンを掲げて取り組む問題については関心を寄せているように思う。

その問題を検討する会議の第2次中間報告が25日に示されている。

その資料の介護分野に関する提言内容を見ると、先週金曜日に書いた、「介護のデジタル化を加速させる波は何をもたらすのか」で指摘した通り、介護サービスにおけるテクノロジーの活用や文書の簡素化・標準化・ICT等の活用などという文字が躍っている。

介護事業の実情や、問題の本質を知ろうとしない有識者によって、こうした方針が勝手に決められて、具合策に結び付いていく先に何が起きるのか。人間に替わってをテクノロジーが介護業務を担い、人手がいらなくなるという幻想理論に基づいて、人員配置規準が下げられて困るのは利用者だけではない。より苦しめられるのは幻想の空間でより重労働を強いられる職員である。(参照:人員配置基準緩和で喜ぶ職員なんて存在しない

それにもまして心配なのは、「(3)介護サービスの効果を正確に測定するためのビッグデータの整備」という部分に示された内容である。

これは次の介護報酬改定で国が目指す、「自立支援介護」の根拠となるデータについて触れている部分だが、それが果たして科学的介護と言えるものかは大いに疑問だ。エビデンスがない問題に対して、国が集めるビックデータから答えを出すと言っても、わずかな期間で抽出したデータの根拠は実にあいまいである。しかもそのデータは国にしか集まらず、他の機関なり専門家なりの評価や検証が行われないところで、勝手に標準化されてしまうのである。

ということは『自立支援介護=アウトカム評価の加算の新設』がメインテーマとなる次期報酬改定では、国が求めるデータを出す事業者を評価するという方向にしかならず、国が示した方法論に乗った事業者だけが評価されるということになりかねない。

介護サービスの質は本来利用者が評価する問題であるはずなのに、そんなことは全く顧みられずに、国が決めた方向に向かう介護事業者だけが評価されることになる。それに乗れない利用者は自己責任という言葉で切り捨てられていくわけである。

それを懸念してか、この提言については介護給付費分科会委員などから、『自立偏重のサービスが広がったり、クリームスキミングが顕在化したりする結果を招かないように』というように釘をさす声が挙がっているという報道もある。

ちなみに、『クリームスキミング』とは経済用語で、「収益性の高い分野のみにサービスを集中させること。」であり、自立偏重のサービスに対する批判としてこの言葉を使っている意味は、「国民に耳当たりの良い言葉だけをピックアップして、その部分を評価することで適正さをアピールするだけで、本来求められる利用者の豊かな暮らしという実質を伴わない介護報酬であってはならない」という意味だと思うが、どちらにしても介護報酬の方向性議論の中で使う言葉としては適切な用語とは言えない。もっとわかりやすい日本語で議論することを望みたい。

専門用語や新しい言葉を使っていれば、崇高な議論をしていると勘違いしているような会議や委員会に、国民は冷笑しか与えないだろう。

さてそのような中で朗報といえそうなニュースもある。自民党の新型コロナウイルス対策本部が25日公表した提言において、介護サービス事業所の感染拡大を防ぐ対策を強化する観点から、介護報酬の評価も検討していくよう促し、7月にまとめる今年度の「骨太方針(経済財政運営と改革の基本方針)」に反映するよう政府に求めている。

政権与党の第1党がまとめた提言だから、それなりに影響力があることを期待したい。

感染予防対策費用は、結果が数値化できるものでもなく、目に見えない地道な取り組みに関わる費用であり、アウトカム評価の報酬体系にはなじまないものである。そうであるがゆえに基本報酬単価の引き上げが是非とも必要になるのだから、是非基本サービス費の引き上げを期待したいところだ。

仮に感染対策費が報酬評価されるとしたら、どの程度の額かが問題となるが、その場合今からデータを集めて評価する時間的余裕はないので、「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(介護分)の実施について 」の「別添  新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(介護分) 」で示されている、各事業別のかかり増し費用上限が一つの目安になるのではないだろうか。

しかし介護報酬の特徴の一つは、「中身がブラックボックス」であるということであり、費用明細は示されることはないので、「今回の改定報酬においては、各事業別に感染対策費を上積みして設定した」と言われればそれまでだ。だからこそまだまだ予断を許さないところでもある。

どちらにしても今後の介護事業では、マスクや消毒薬のストック量を増やす対策も含めて、感染予防対策費用は従前より増やしていかねばならない。利用者確保で競合しているサ高住や有料老人ホームにおいては、感染対策が顧客確保の売りになるだけではなく、逆にその取り組みに欠けているとみなされた事業者からは、顧客が離れ経営危機をもたらす要素になるだろう。

そういう意味でいえば、報酬改定の動向がどうなっても、対策費の全部を国が見てくれるという期待はできない。だからこそ感染予防対策費をかけてなお収益を確保するためには、事業者独自の経営努力が不可欠であり、何度もこのブログで指摘しているように、経営コスト・固定費の削減は介護事業経営にとって絶対必要になってくる。(参照:電気料金のコストカットの方法 ・ ガス料金のコストカットの方法

経営母体が大きければ大きいほど、固定経費の削減は大きな収益と結びついていくので、ここはおざなりにできないことを肝に銘じてほしい。
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感染症対策にかかり増しした費用の助成金について


先週末、このブログで新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(介護分)実施要綱 に関連した記事を書いたが、そこでは(2)の職員への慰労金支給についてと、(3)の_雜逎機璽咼杭導に向けた支援事業 を主に解説した。

しかしその後、(1)の「 介護サービス事業所・施設等における感染症対策支援事業」の〇業者支援と、(3)△痢◆在宅サービス事業所における環境整備への助成事業」に対する質問を数多く受けた。そこで今日の記事では改めてその事業の解説を試みたい。

新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(介護分)実施要綱 における、(1) 介護サービス事業所・施設等における感染症対策支援事業 感染症対策を徹底した上での介護サービス提供支援事業【事業者支援】 とは、感染を防ぐ対策をとりながら運営を続けている介護サービス事業所に助成金を出すというもので、全サービスを対象としている。

この助成金は、利用者又は職員に感染者が発生している否かは問われておらず、全介護サービス事業所が今回のコロナ禍で感染予防のために支出した、『かかり増し経費』について助成されるものだ。コロナウイルス対策費を一銭もかけていない介護事業者なんてあり得ないと思うので、この助成金を受給できない事業者はないと考えて良いと思う。(※コロナ禍で、まったく運営をしていなかった事業所は対象とならないが、そんな事業所はないと思う。)

実施要項の2頁に、その対象となる経費の例が示されているが、衛生用品の購入費、飛沫防止パネルの設置費、消毒・清掃費、追加的な人件費、面会室の改修費、ICT機器の導入費など幅広く助成の対象となっている。

この助成金は国が全額支給するので、当然のことながら利用者負担は生じない。

助成金額はサービス種別によって上限が異なっており、その額は同資料の、「別添  新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(介護分) 」に掲載されている。

ここを見ると、通所介護は通常規模型で1事業所892.000円が上限となっている。訪問看護は518.000円、訪問介護は534.000円、居宅介護支援は148.000円となっている。(※同じ訪問サービスで、訪問介護のほうが、訪問看護より少しだけ高く設定されている。理由はわからない。)

介護施設は定員に応じた上限額で、例えば特養であれば定員一人当たり38.000円なのだから、100人定員の特養であれば助成額は3.800.000円になる。かなり大きな額の助成金といえよう。(老健も同額。)

この上限額と実際に生じた、「かかり増し経費」を比較して、安い方の金額が助成金として支払われるわけであるが、そうであれば細かく経費を積み上げて計算し、上限額を超えた経費が掛かっているとして、上限額いっぱいの助成を受ける事業者が多くなるものと思える。

実際にそれだけの経費が掛かっているならば、上限額の助成を申請することに何も問題ないので、例示された費用をきちんと積み上げて計算するとともに、少しでも感染予防対策として認められてよいのではないかと考えられる費用があるならば、随時行政に確認することをお勧めする。

実施要項の2頁に書かれているのは、あくまで「経費の例」であり、これがすべてではなく、これ以外にも認められる経費があり得るという理解が必要だ。

なお介護施設・グループホーム等の、「入所施設・ 居住系サービス」を除く居宅サービス事業に関しては、(3) 介護サービス再開に向けた支援事業 の,世韻任呂覆、 在宅サービス事業所における環境整備への助成事業も併給可能となっている。「3つの密」 (「換気が悪い密閉空間」、 「多数が集まる密集場所」及び「間近で会話や発声をする密接場面」)を避けてサービス提供を行うために必要な環境整備に要する費用が(資料7頁〜8頁に例示)さらに20万円上乗せ助成されることになる。(別添資料最終ページの右部分)

例示されている物品以外にも該当するものがあると思うので、この助成金も受給できないかどうかという確認も怠れない。繰り返しになるが、この20万円は(1),僚成金と併給(上乗せ)できるのだということを理解していただきたい。

コロナ禍の影響で、介護事業経営に四苦八苦する事業者も多いことだろうから、ぜひこうした助成金はもれなく支給申請し、事業継続に支障がないようにしたいものだ。

が・・・しかしである。様々な助成金が出て嬉しいね。国もなかなか頼りになるね・・・と考えるだけだとしたら、それは極めて能天気であると言わざるを得ない。

おそらく財務省は、こうした助成金の財源は、後々私たち国民の懐から出させようと様々な方策を取ることになるだろう。3.11の支援金も、復興支援税等という形で国民負担となっているように、今は助成金を受け取れるけれど、後でその分は自分で支払うというカラクリに気づく必要があると思う。

そしてこの経費助成が、そっくりそのまま来年の介護報酬改定に反映されるものではないことも、念頭に置いておかないと大変なことになる。

御上のお恵みはいつまでも続かないのだから、助成金を受ける間に経営基盤をしっかり固めておくことだ。

何度か紹介しているように、介護事業の運営コストの中で大きな額を占める固定費の削減は最大の課題である。その具体策として電気料金のコストカットガス料金のコストカットは、リスクゼロで早急に取り組めるのだから、張り付いた文字リンク先から内容を確認して、そこから紹介サイトに飛んで無料見積もりを取るなど、早速コストダウンに取りかかっていただきたい。

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緊急包括支援交付金の実施要綱が示されました。


介護事業関係者が心待ちにしていた新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(介護分)実施要綱 が公表された。

新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(介護分)の実施について」では、4つの事業内容を表で示している。

事業内容
1. 感染症対策の徹底支援 (感染症対策にかかり増しした費用の事業者支援 及び 都道府県における消毒液・一般用マスク等の備蓄や緊急時の応援に係るコーディネート機能の確保等に必要な費用の都道府県支援)
2.介護施設・事業所に勤務する職員に対する慰労金の支給
3. サービス再開に向けた支援
4.都道府県の事務費

このうち2と3については、昨日の記事で解説したわけであるが、それぞれ重要な部分を補足解説してみよう。

2の慰労金については支給対象サービスに、「地域包括支援センター」という文言は入っていないものの、次の注釈がある。
注 各介護予防サービス及び介護予防・日常生活支援総合事業(指定サービス・ 介護予防ケアマネジメント)を含む。

つまり介護予防ケアマネジメントを行う介護予防支援事業所は地域包括支援センターなので、そこで対象になると読み取ることができるわけである。

問題は支給対象職員が、「利用者と接する職員」とされたことである。実地要綱においてそれは、『慰労金の目的に照らし、 「利用者との接触を伴い」かつ「継続して提供することが必要な業務」に合致する状況下で働いている職員(派遣労働者の他、 業務受託者の労働者として当該介護サービス事業所・施設等において働く従事者についても同趣旨に合致する場合には対象に含まれる。) 』とされている。しかし介護施設の事務職員は対象になるという事前情報があり、例えば法人本部が別にあって、そこで事務専従して利用者に接する環境にない事務員は対象にならないとされていた。だから、「利用者との接触を伴い」という言い回しは微妙で、判断が難しい。

さすれば介護施設の職員であっても、例えば施設周辺の営繕作業にしか携わらない職員は対象外となるのだろう。

委託事業者の職員も対象になるとのことだが、厨房委託されている介護施設が多いと思うが、調理員はどうだろうか?調理員は利用者との接触を伴なわない職員とされるのだろうか。例えば調理員が食札を確認しながら、食卓テーブルまで配膳している施設は少なくない。これは利用者との接触に該当しないのだろうか。該当するとしたら、配膳する調理員と配膳しない調理員がいる施設では、同じ職種でも支給される職員と、されない職員に分かれるのだろうか。疑問は尽きない。

このあたりは疑義解釈が必要で、この実施要項に関連したQ&Aが、介護保険最新情報として発出されることになるだろう。

対象期間に10日以上勤務した者であることという条件は、要綱を見れば十分解釈できると思う。

なお慰労金の支給は、『1人につき1回に限る。 』と明記されている。そのためダブルワークしてる人も、主たる勤務先1カ所からしか支給されない。さらに重複支給されないようにチェックもされるという情報が別にある。

今回の慰労金は、非課税所得に該当することも明記されている。いわゆる『130万円の壁』にも該当しないことになる。以上のように該当する職員の判断基準だけが、やや疑問が残されていると言えるのではないだろうか。

3のサービス再開に向けた支援については、支援の対象者や具体的方法が明らかにされている。

在宅サービスの利用休止中の利用者」とは、当該事業所を利用していた利用者で過去1ヶ月の間、当該在宅サービスを1回も利用していない利用者 (居宅介護支援事業所においては、過去1ヶ月の間、在宅サービス事業所のサ ービスを1回も利用していない利用者(ただし、利用終了者を除く))とされた。

支援金が支給されるための条件とされている、『健康状態・生活ぶりの確認、希望するサービスの確認を行った上で、利用者の要望を踏まえたサービス提供のための調整等(感染対策に配慮した形態での実施に向けた準備等)を行った場合』 の具体的内容は下記の通りである。
1.1回以上電話または訪問を行うとともに、記録を行って いること
2.1回以上電話等により連絡を行ったこと
3.希望に応じた所要の対応を行ったこと

この支援金は、住まいを訪ねた場合利用者1人につき3000円、電話での対応でも同1500円が支払われることになるが、利用者自己負担がないのだから、介護事業者は高い費用を算定するために、何はともあれ訪問して対応するようにすべきである。電話による確認は、利用者側の都合に対応したレアケースと考えるべきである。

このように1の事業も含めて、介護事業者にはありがたい交付金でありぜひ活用すべきである。こうしたお金が交付される状況から見れば、厚労省も介護事業者の経営を考えてくれているように思える。それが果たして次期介護報酬改定にも結び付いて、感染対策費用などが報酬に上乗せされて基本サービス費の引き上げが行われるだろうかということが、介護関係者にとっては大きな注目点である。

しかし社会保障費の自然増を抑える政策が続けられているのは自明の理であり、大幅な介護報酬のアップは期待できないのだから、介護事業経営は他との差別化を図りながら利用者確保に努めるとともに、独自の収益アップ戦略が必要不可欠であることも自明の理だ。

そのために固定費の削減策として、電気料金の引き下げの提案を行っているが(参照:リスクゼロで電気料金削減できるという朗報)、その第2弾としてガス料金の引き下げ情報も提供している。(参照:ガス自由化によって、毎月のガス料金を安くできる)是非参照していただきたい。

それと感染予防を巡っては、フェイクニュースが飛び交っているので注意してほしい。そのことは専門家が公的会議を通じてはっきり否定しているのである。

厚生労働省が3/6に、「社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について」という事務連絡を発出し、「次亜塩素酸を含む消毒薬の噴霧については、吸引すると有害であり、効果が不確実であることから行わないこと」としていた。これを受け、各メディアが「次亜塩素酸水は新型コロナに効かない。空間噴霧すると毒性がある」と情報を発信した。

これについて北海道大学(札幌市)などの組織の研究者らで構成された「次亜塩素酸水溶液普及促進会議」は11日に記者会見を行い、次亜塩素酸水の今後の普及と正しい使い方を発表し、空間噴霧は毒性なしとして、『政府は国民の命と健康を守るため医療機関、高齢者施設などを始めとする必要な個所への次亜塩素酸水の配布と備蓄を進めていただきたい』としている。(ネット配信ニュースはこちら

空間除菌は新型コロナウイルスの感染予防対策としては必要であり、次亜塩素酸水の空間噴霧はエアロゾル感染を防ぐ最大の防御手段なのである。『クラスター感染施設のその後の最新感染状況と今後の対応に向けての提言』で紹介した空間除菌方法は、有効かつ不可欠なクラスター感染防止策であることを改めて確認してほしい。

例えば国立感染症研究所がクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」の新型コロナウイルスのRNA(SARS-CoV-2RNA)に関する環境検査の報告をしているが、それによると廊下天井の排気口からSARS-CoV-2RNAが検出されていることも報告されている。これはおそらくエアロゾル感染が起こった証拠に結び付くものと思え、エアロゾル感染対策としての空間除菌の必要性にも結び付くデータとなり得ると思う。

今後の介護事業は、感染予防対策がとられているかどうかが集客力に影響してくる。空間除菌をはじめとした正しい感染予防対策は、顧客から選ばれるアイテムにもあり得ることを理解してほしいと思う。
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在宅介護サービス再開支援で事業所に助成金


月曜からこのブログを通じて、Webセミナーに参加しやすい時間帯を教えてくださいというアンケートをおこなっているが、すでに回答者数が150人を超えている。この場を借りてお礼を申し上げたい。

データ数としては決して少なくはない数字なので、次の日曜日までで回答を締め切り、来週の月曜日・午前中に集計を終えて、同日昼頃に更新するブログ記事の中で結果を報告したいと思う。

まだ回答されていない方は、是非ご協力いただきたい。貼りついた文字リンクをクリックすればアンケートフォームに飛ぶことができ、回答は数秒で終わると思うので、ぜひよろしくお願いします。

ところで今日は、第2次補正予算で支給が決定している介護事業者職員への慰労金の詳細通知が出される予定だ。表の掲示板の、「2次補正予算で成立した給付金(慰労金)の実施要綱の内容」で先行して情報提供している。

報道機関に送られてきた厚生労働省の実施要綱には、「地域包括支援センター」が支給対象サービスとして記載されていないが、全サービスの最後に、「※ 介護予防サービス、総合事業を含む。」と書かれている。すると指定介護予防支援事業所は地域包括支援センターなので、そこで支給対象となると思われる。(6/20:7:30追記

実施要綱には、給付金は「職員1人につき1回に限る」と記載されている。厚労省は複数の事業所で働いている人について、“主たる勤務先”から申請してもらう決まりとする方針。重複支給が生じないよう申請書の設計やチェックなどを行うとしている。

申請の受け付け開始は早いところでも7月からとなる見通し。職員の手元に届くのはその後で、地域によって時期は異なってくる。

さて本題に入ろう。6/15発出済みの介護保険最新情報Vol847問6は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、訪問介護事業所が保健師、看護師、准看護師の専門職の協力の下、同行訪問による支援を受ける場合、利用者又はその家族等からの事前の同意を得たときには、通常報酬の倍の額を算定してよいとしたものだ。

この場合、訪問介護事業所が介護報酬(訪問介護費)を算定することにな るが、看護師等に係る人件費や交通費については、訪問介護事業所が当該報酬を活用して支払うことが可能であるとされた。また、当該人件費や交通費の額については事業所と看護師等の相互の合議に委ねられるともしている。

しかしこれも利用者に同意を得にくい特例である。

そもそも、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点」と言っても、その必要性は具体的にどういう状態を想定しているのかがわかりにくい。利用者自身も訪問介護というサービスの中で、その必要性を感じ取ることは容易でないだろう。

利用者が訪問介護を利用する理由は、あくまで訪問介護員が行うサービスであって、別にそこで看護職員からの助言や看護行為を期待しているわけではない。無料でそれらの行為が提供されるならともかく、倍の自己負担金を支払ってまで、そのような対応を望む人はほとんどいないだろう。

そういう意味では、利用者が訪問介護というサービスを使う動機づけと、この特例はミスマッチであると言えるのではないだろうか。

それともこの特例が実際にウイルス感染している人に対する看護職員同行を想定しているのだろうか。そうであれば複数の訪問は、逆に感染リスクを倍増する対応となりかねない。実際の感染者には、より少ない人数で対応する方が、『よりマシ』だ。あらかじめ感染確認できているなら感染防止対策を十分とればヘルパーだけの対応で十分である。

そもそも倍の訪問介護費を算定したとしても、看護師同行の人件費と交通費をその中から支払う場合は、看護師の人件費だけで算定費用は吹っ飛ぶのではないのか。法人内の別の事業所に看護職員が地配置され、お金を支払うことなく同行できるケースなら別だが・・・。

ただし847と同日に発出された介護保険最新情報Vol848では、『看護師等の専門職への謝金等の支払いに当たり、都道府県においては、地域医療介護総合確保基金(介護人材確保分)の「23.地域包括ケ アシステム構築・推進に資する人材育成・資質向上事業」の活用が可能である。また、令和2年度2次補正予算において、外部専門家等による研修を 実施した事業所に対する都道府県による助成を盛り込んでいるところで あり、この予算を活用して訪問系サービス事業所を支援することも考え られる。 一方、市町村においては、在宅医療・介護連携推進事業の「医療・介護関係者の研修」に該当することから、地域支援事業の活用が可能である。 』とsされているので、こうした方法で謝金を支払うことができれば、倍の訪問介護費は、そのまま訪問介護事業所の収益となり得るわけである。

一連の特例通知からは、国が介護事業者のコロナ打撃を緩和しようという意志が伝わってきて、それなりの配慮は感じ取れる。しかし介護サービスの場で利用者とその家族と直接向き合い、コロナ禍で各家庭の家計にも打撃があることを知る介護事業者としては、利用者負担を伴う特例で収益を挙げることに、ある種の後ろめたさを感じざるを得ず、算定をためらう事業者も多くなっている。

その点、第2次補正予算で積み増した交付金(緊急包括支援交付金)の財源を使った全額国費の助成金として、高齢者の心身機能の低下や重度化を防ぐことや、事業所の経営を下支えする目的で支給される助成金は、利用者負担がないのでありがたい。

その助成金とは、在宅介護サービス再開支援を行う事業所に支払われるもので、訪問介護、訪問看護、通所介護、居宅介護支援、小規模多機能、ショートステイなど幅広い在宅サービスを対象としている。

支給要件として、過去1ヵ月まったく利用がない高齢者について、健康状態、生活ぶりを改めて詳しく把握したうえで、本人・家族が希望する感染防止策やサービスのあり方を確認し、必要な働きかけ、準備、環境整備などに取り組むこととしている。

住まいを訪ねてそれらを把握・確認すれば、利用者1人につき3000円、電話での把握・確認なら同1500円が支払われる。

助成は利用者1人につき1回までとされており、実際に利用再開までつながったか否かは問われないのがミソである。結果は問われずに算定できるのだから、取り組みを行わない手はない。

この取り組みの際に、サービス事業所ならケアマネジャーと、ケアマネジャーならサービス事業所と連携することを求めていくことが条件とされている。また居宅介護支援に限り、医師や看護師、管理栄養士などの協力を得た場合に額を上乗せするそうである。(利用者1人につき最大6000円)

この通知も今日発出される予定だが、これならば利用者負担がないので、介護事業者は何のためらいもなく算定できることだろう。
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特例算定の是非議論は大歓迎


新型コロナウイルス感染症に対応するために、6/1〜通所系サービスと短期入所系サービスについて、報酬上の特例(上乗せ)を臨時的に認める措置について喧々諤々の議論が続いている。

上乗せ特例算定とは、感染拡大を防止する事業所の対応を適切に評価する措置として、通所サービスでは実際にサービスを提供した時間の報酬より2区分上位の報酬を毎月一定の回数に限り算定でき、ショートステイの場合は緊急短期入所受入加算を一定回数上乗せして算定できるとするもので、介護保険最新情報Vol842で示されていたところであるが、昨日その疑義解釈として、介護保険最新情報Vol847が追加発出された。

今回の通知では最初に、特例算定できるのは全事業所であることが明記されている。

特例算定が自治体から休業要請を受けた事業所や感染者が発生した事業所、もしくは利用者を減らした事業所など一部に限定適用されるものではないことを改めて強調している背景には、リンクを貼りつけた僕が管理する表の掲示板スレッド議論のNo.32に情報提供されているように、福島県など一部の地域で、休業要請などを受けず、自粛営業も行わずに通常営業している事業所への適用を認めないとしている自治体があるためであり、それは間違った解釈であることをと明確しようとする意思が感じられる。

この部分は国費の算定なので、ローカルルールの適用はあり得ないことを、介護事業者としても理解し、今後においてもおかしな解釈を行う自治体が残っていたならば、強く抗議するべきである。

前述したようにこの特例算定は6月サービス提供分から適用されるが、適用の終了日については現時点で未定であるとともに、請求時効は通常請求と同様の2年であることも示されている。

もともと6/1に発出された(第12報)では特例算定の前提条件として、『 介護支援専門員と連携の上、利用者からの事前の同意が得られた場合』とされていたが、昨日の通知では利用者の事前同意について、次のように同意の解釈条件を示した。

・サービス提供前に説明して同意を得ることが望ましいが、難しい場合は報酬の請求前までに得られていれば差し支えない
・通所介護事業所、居宅介護支援事業所、どちらが同意を得ても差し支えない
・必ずしも書面(署名捺印)による同意を得る必要はないが、説明者の氏名、説明内容、同意を得た日時、同意した者の氏名を記録しておくこと


通所介護・リハビリや短期入所という介護サービス事業所の算定同意を、居宅介護支援事業所がとるなんて言うケースはないのではないかと思われるが、これはおそらくサービス事業所と同法人内の居宅介護支援事業所のケアマネジャーが、通所介護等の職員に替わって同意を得るケースを想定しているものと思える。このことに関連して、同意の記録には同意を得た日だけでなく時間も書かねばならないので注意が必要だ。ここは同意書を利用者からとる必要がない分だけ、詳細な記録が求められているという意味だろう。

担当ケアマネジャーにとっては、居宅サービス計画書標の第6表、第7表などに係るサービス内容やサービスコードなどの記載の見直しが必要になるが、その作業はサービス提供後に行っても差し支えないので確認しておいてほしい。

前述したようにこの特例は、コロナ禍でサービスの利用控え、縮小が広がっていることを踏まえたもので、感染リスクを避けるため、介護事業者が普段より多くの手間、時間、衛生用品などを投入せざるを得ない実情が考慮されたものだ。つまり介護事業者救済措置の性格が強いが、問題は利用者負担が増えることである。

例えば通常規模型通所介護で要介護2の人が、「6-7サービス」を利用していた場合で、月4回の上位区分を算定する場合は、月の負担増は404円となる。この負担額が大きいか小さいかということは、人によって感じ方は異なるだろう。しかし実際に利用していないサービスの費用を支払うという意味では、「無駄な支出である。」と感じる人が多いのは当然だと思う。

そのため表の掲示板でも、事業者の報酬減を補うための措置なのだから粛々と手順を踏んで算定すべきという意見もある反面、利用者に使っていないサービスの負担を強いるのは問題で、利用者同意と言ってもそれは、極めて強制に近い状態で得られる同意であるのだから、納得できないという意見もある。

このように意見は分かれているが、それはどちらも正論だ。完璧なルールというものはあり得ないのだから、考えの軸足をどちらに乗せるかで、それぞれの考え方や結論は違ってくるのは当然でもある。

それは皆がこの国が良い方向に進むためにはどうすればよいかを真剣に考えている表れであり、正解のない問題だと思う。そのことは今後の制度の行方や報酬改定の方向性を見据える上では、大変有意義であると言える。だからこそ大いに議論を続けていただきたいと思う。

それにしても特例算定の費用だけ、利用者自己負担なしにすれば何も問題ないのになと思うのは僕だけだろうか・・・。
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介護職員を派遣し合う「助け合い制度」創設について


北海道は、高齢者介護施設で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した場合に備え、施設事業者の間で介護職員を派遣し合う「助け合い制度」を導入する方針を固めた。

この「助け合い制度」とは、介護事業者間であらかじめ取り決めを交わし、感染などで施設職員が不足する際、必要な人員を直ちに送り込むものだ。

集団感染した施設に派遣された職員は、派遣終了後に2週間の経過観察が必要となるそうであるが、道は派遣元の事業者に対する休業補償のほか、施設内の感染対策の充実、施設職員に対する防護服の着脱方法の研修などの事業費等の関連事業費7.900万円を盛り込んだ、『2020年度一般会計補正予算案』を16日開会予定の定例道議会に提出する。

今回のコロナ禍で、4月〜5月にかけてクラスター感染が発生した札幌の老健施設では、感染症発生米前に介護職員40人・看護職員10人が勤務していたが、職員が感染したり、退職するなどで人員配置できる職員が激減し、看護師は配置ゼロとなり、札幌市から派遣された看護師ら計4人で対応し、介護士も通常の1/3を切る配置数となったそうである。

そのような状況の中で、医師や看護師に関しては広域に連携して派遣し合う仕組みがあるが、介護職員にはそうした制度がなかったために、新制度の導入が不可欠と判断したらしい。

助け合い制度」の具体的内容は、施設事業者による協議体を新たに組織し、事前に各事業者が派遣できる人数などを取りまとめておいたうえで、施設で集団感染が確認された際には、協議体や道が派遣の調整を行うというものである。このような制度の準備を進めている地域はあるが、運用している都府県はまだないらしい。

しかし本当にこのような制度が機能するのだろうか。

感染や退職で施設の介護職員などが不足した場合に備え、感染者が発生していない施設の介護職員を派遣することで、地域で必要な介護サービスを維持して、介護崩壊を防ごうとする狙いがあることは理解できる。そうした制度はあった方が良いことは間違いなく、制度自体にいちゃもんをつけるつもりはない。

しかし事は深刻である。ウイルスや菌という目に見えない敵との戦いであり、自分や家族にもリスクが生ずるという問題であるのだから、制度さえあればよいという問題ではない。人の心をどう動かすのかという問題を抜きにしては語れない問題なのである。

派遣と簡単に言うが、派遣命令は即ち、派遣される人の命の危険と同義語かもしれなくなるのである。派遣した職員が派遣先で感染し、命を落とした際に、派遣元の施設はどれだけ責任を負えるのだろうか。この部分を協定はどう定めるのかという大問題がある。

そもそも介護施設はどこも人手が足りていない。人材不足を通り越して人員不足に陥っている施設の職員を削って、他の施設に派遣する余裕があるのかと考えると、首をひねらざるを得ないという問題もある。

有事であるのだから、多少の人員不足は覚悟して職員を削ると判断したとしても、派遣される職員の人選をどうするのかという重大な問題が出てくる。

自分が働いている場に感染者が出た場合なら、自分の職場と利用者を護るために、頑張って業務を続けようと考える人は多いと思う。しかし自分が働いている場所に感染は発生していないにも関わらず、クラスター感染が発生して、感染者が毎日のように増えている場所に出かけて、自分の感染リスクが高まることを恐れない人がどれだけいるだろう。

自分はそこに派遣して人助けをすると考えても、家族がそのことに反対するケースは多くなるだろう。その反対を押し切ってまで自分の意志を通せるのだろうか。施設はそうした家族の反対の声にどう対応するのだろうか。

ましてや子供がまだ小さいとか、高齢の親と同居している人であれば、感染リスクが少しでもある場所では働きたくないと考えて当然だろう。

現にクラスター感染が発生した施設の職員の中には、自分の家庭に感染リスクを持ち込みたくないとして、通勤用の車中に泊まり込んで仕事に従事している人がたくさんいた。自分の職場での出来事なら、そうした不便も我慢ができたとしても、わざわざ他施設まで、そうした不便がかかることを承知して派遣されることを是とするだろうか・・・。

そのため、そのような場所に派遣されることを断る職員もいて当然だろうし、無理強いすれば退職してしまう人もいて当然いるだろう。

制度ができた際には、介護施設は協議体に参加し事前の取り決めを行って、有事の際の派遣人員等を登録することは施設経営者・管理者レベルでは危機管理上、参加登録は当然だと考えられるものと思える。

しかし参加する前に、職員に対し十分な説明が必要だ。クラスター感染発生時の、人員不足の際の助け合い制度ができたので、そこに参加登録し、いざという場合には職員派遣を行うこと。その際の人選はどうするかなど、具体的な説明を行わないと、制度あって実態なしということになりかねない。

いやそうした説明を行ったところで、この制度が機能するとは限らない。実際に自分の施設から職員を派遣しなければならない状態になった時に、それに応ずる職員がいないという状態も大いに考えられると思う。

だからこそ、こうした制度に頼る前に、感染症に対する知識をしっかり備え置く研修機会を定期的に持つことと、感染予防対策を日ごろから十分に行っていることがさらに重要になってくると思うのである。

マスクのみならず、介護用のゴーグルも通常装備しておくべきである。
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心を見える化される日も必要なのかな。


1日に発出された介護保険最新情報842で示された通所サービスとショートステイの算定特例が極めて評判悪い。

この特例は、「感染拡大を防止する事業所の対応を適切に評価する措置」であり、通所サービスでは実際にサービスを提供した時間の報酬より2区分上位の報酬を毎月一定の回数に限り算定でき、ショートの場合は緊急短期入所 受入加算を一定回数上乗せして算定できるというもの。

おそらく6月請求分からが対象となると思われるが、自動的・機械的に高い報酬を算定できるわけではなく、特例算定の前提如件として、『介護支援専門員と連携の上、利用者からの事前の同意が得られた場合には〜(以下略)』という風に釘をさす文章も明記されている。

そのため特例算定についてはすべて、後の実地指導において確認されることになろうと思え、その時に同意をいただいたという証拠になるのは同意書をおいて他になく、同意書の取り交わしは必須である。(※算定要件に同意の記録で良いという記載がある場合は、この限りではないが、今回の特例算定はそのような記載がない。)

さらに給付管理を行う担当ケアマネジャーにも十分理解を得ていなければならないが、関係者からは、同じサービスを受けていて、日によって額が異なる状況がおこり利用者の理解が得られないとか、同意を得られた人だけ高い報酬を算定するのは、同意を得られない人と比べて不公平が生ずるとか、計画担当ケアマネが必要性を認めず給付管理上の対応をしてくれないという苦情が続出している。

このように自己負担の伴う特例は問題が大きすぎる。いっそのこと特例算定の上乗せ分については、自己負担をなしにするなどのルールが必要ではないだろうか。

さて話は変わるが今日は6月最初の週末である。緊急事態宣言が解除され、街に人手が戻りつつあるが、東京の新規感染者が一時一桁数になったのに、昨日は20超えてきている。北九州でのクラスター感染も収まっていない。

これ以上感染が広がらないように、まだまだ警戒が必要で、この週末が休みの人もまだまだ不要不急の外出は控えたほうが良いのではないかと思う。家でゆっくりと疲れをとる週末も良いのではないだろうか。そんな方には、『実在する「ボロ宿」を巡りながらドラマは展開します』で紹介しているような無料動画を是非愉しんでいただきたい。

ところで6月と言えば、『父の日』がある。再来週の日曜日がその日になるが、僕は息子たちから何かもらえるだろうか・・・。お父さんがお元気な方は、是非ありがとうの言葉を添えて、気持ちを形にして贈ってほしい。

僕が父を失ってから14年、母を失ってから13年経っているので、自分の両親に物を贈る機会はない。物を贈ることさえできなくなる別れは、ある日突然やってくるのだということを身に染みて感じている。

生前父や母に逢うのは、正月とお盆くらいのもので、それが永遠に続くとは思ってはいなかったが、14年前と13年前のその日に、永遠の別れが来るとは思ってもみなかった。

仕事も一番忙しい時期だったので、孫の顔を見せに帰省することもほとんどないまま「孝行のしたい時分に親はなし」という言葉は、まさに僕のような薄情な息子のためにある言葉なのかもしれない。

今、ご両親か、そのどちらかがお元気な方は、それが当たり前ではなく、永遠に続くものではないということを思い出して、もしかしたらお別れのカウントダウンが始まっているかもしれないことを心にとめておいてほしい。

感謝の気持ちは、言葉にしないと伝わらないものではないかもしれないが、自分が思ったほど気持ちは相手に伝わらないことも多い。それが人の性でもあるのだから、せめて記念の日には、大切な人に照れずに言葉を贈りたい。その時には感謝の気持ちを形のあるものに込めても良いのではないだろうか。『言葉は心を超えないから、記念の日には心を形にして贈りたい』という記事も是非参照していただきたい。

今朝のニュースでは、高知県の小学校臨時教員が3.11でたくさんの犠牲者を出した宮城県石巻市立大川小学校の児童の遺族3人に殺害予告の手紙を送って逮捕されたと報道されていた。犯人は児童8人が殺害された大阪教育大付属池田小にも遺族殺害予告の手紙を送ってるらしい。

狂っていると思う。こんな仕打ちは心の傷がいえない遺族にとっては2重の苦しみにしかならない。なぜこんな人間がいるのか、しかも小学校の教員なのか理解に苦しむ。

どうぞ人を愛し、人に優しい世の中でありますようにと祈ることしか僕にはできない。短い人の一生で、傷つけあって生きていくのは無駄な過ごし方でしかないと思う。人に対する関心は、愛情のある方法で向けてほしいと思うのである。

どうぞ優しさが、人の心を癒すために、何より必要であることを忘れないでください。あなたは人を愛するために、この世に生まれ、生かされているのですよ・・・。
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医療の手が届かない場所にも手は届く介護


今日の参議院本会議で、改正介護保険法案等が可決成立する。今後は成立した改正介護保険法に準拠する形で、来春の介護報酬改定議論が本格化する。

そこでは介護事業者の感染防止策が、報酬に上乗せ評価されるかどうかが一つの焦点となってくる。普段介護報酬アップには辛口意見の全国知事会も、6/1の介護給付費分科会では、その評価に賛同する意見を述べているが、果たしてどうなるだろうか。すべての介護事業所の全職員に手渡される慰労金が、今後の介護報酬にも反映され、職員待遇の更なる改善につながるのかどうかということにも注目しなければならない。

どちらにしても今現在も今後も、感染予防の対策は介護サービスの全事業種別で続いていくことになるわけだ。

ところで新型コロナウイルスの感染が全国的な広がりを見せたのは、2月の終わりころだったと記憶している。そのとき対策が必要になった過程で心配された問題の一つとして、認知症の方々が環境変化に対応できるかということがあった。具体的には、感染予防対策を理解できないことにどう対応するかということや、外出制限等の対策により混乱して症状が悪化するのではないかという懸念があった。

特に重度の認知症の方が多く生活している特養や、グループホームなどではその懸念が大きかった。

現在進行形のケースを含めてそれぞれを検証すれば、そうした懸念が現実となったケースも多い。一方では今現在でも対策が続けられるなかで、思ったほど認知症の人が混乱せず、新しい環境等に適応して、落ち着いた暮らしを送っているケースが多々見られる。

感染予防対策として一番重要となるのは、「手洗い」であるが、その必要性を理解できない認知症の人について、トイレのたびに正しく手洗いができるように誘導・支援できるかということが大きな課題となった。手を濡らすだけで手を洗ったと思い込む人が多い中で、ウイルスを洗い流すことができるように30秒以上もかけて手洗いをすることができるかという問題に対応して、介護の場では様々な試みが行われた。

排せつの直接支援が必要な人や、トイレ誘導が必要な人だけではなく、自力でトイレに行く人についても、排泄後にしっかり手洗いの支援を心掛け、ケアプランにその内容を明記するとともに、手洗いチェック表を作って漏れのないように支援するように徹底したところもあった。

手洗いに集中できず、すぐにその場を離れようとする人には、興味を引く話題で会話しながら手洗いを同時に行ったり、手洗い場所に認知症の人が興味を持っている物品を置いて、そこの居心地を良くする工夫を行なったり、あの手この手を酷使して十分な手洗い行為を日常化することに努めている事業所もある。

コロナ禍以前は、ややもすると見逃されがちであったり軽視しがちであった、「手洗い支援」について、コロナウイルス対策の中で工夫され、その支援方法が確立しつつあることは良いことだろうと思う。一方でいまだに手洗い支援がおざなりにされている事業所には、大いなる反省と対策を求めたい。

制限対応にも事業者間で大きな対応の差異がみられている。

面会制限や外出制限でストレスがたまらないように、人と人の間隔をあけてのグループワークの充実に努めたグループホームでは、従前より認知症に人の表情が豊かになっている。今まで以上に認知症の人に寄り添おうとする職員の皆さんがの姿勢と思いが、認知症の人の心にも伝わっているのだろう。

家族が面会に来れないことが、逆に認知症の人にとっては新たな落ち着きの環境につながったケースもある。認知症の人の中で徘徊行動がある人や、ホームの外に出ようとしてしまう人の中には、他の利用者の家族が訪問した時に限って、そうした行動をとる人がいたりする。自分に家族の面会がないという寂しさからなのか、あるいは普段見慣れない人がそこに居るという不安なのか、いずれとも知れないが、施設外から人が訪ねてくるたびに落ち着きを失う人にとっては、訪問者がほとんどいない環境は、さほどストレスにはならないことも分かった。

そうした人が落ち着いて暮らすことができる環境づくりに、そのことは大きなヒントを与えてくれる結果になったことだろう。

認知症の人の、「行動・心理症状(BPSD)」とは、認知症そのものがもたらす不自由のために、日常生活のなかで困惑し、不安と混乱の果てにつくられた症状である。だからこそ行動心理症状は、暮らしのなかで良くなりもするし、悪くなりもする。つまり認知症そのものは、今現在、治療も予防もできないけれど、認知症がもたらす症状はケアによって必ず良くなるということを、感染拡大予防策の中で、私たちは改めて気が付いている最中ではないのだろうか。

認知症の人をごまかすのではなく、単に話を合わせるのでもなく、認知症の人の世界を理解して真剣に共鳴することが大事だということに、あらためて気が付いている最中ではないのだろうか。

そして何より大事なことは、私たち自身が認知症の人に関心を寄せることであり、私たちの知識と援助技術に、人間愛というエッセンスを加えることであるということに、あらためて気が付いたのではないだろうか。
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思いが知恵に、知恵が工夫に、工夫が品質に。


新型コロナウイルスの感染状況がいったん小康状態になったことを受け、介護施設等の制限対応の緩和が進んでいる。

そのような中で、居宅サービス事業所の受付窓口や介護施設の共用スペースなどをシートで覆って、飛沫感染予防策をとっているケースがみられる。しかしここで注意してほしいことはシートの素材である。不燃性シートを使うなど防火対策をしないと、火災事故のリスクが高まってしまうことをご存じだろうか。

ビニールシートの多くは発火リスクの高い素材で燃えやすくなっており、白熱電球など熱源となる物から距離を取らない場所に張り付けると燃え上がる。そのような失火事故が増えないように十分に対策してほしい。くれぐれもその辺にあるビニールシートを使おうという安易な発想で終わらないようにしてほしい。

十分な感染予防対策をしたうえで、面会制限も徐々に緩和しなければならない。

例えば今僕が住んでいる登別市は、隣の室蘭市と合わせた地域が生活圏域である。この地域における新型コロナウイルスの感染者は、室蘭市が1名・登別市が7名となっていたが、現在は全員回復し経過観察期間も過ぎている。4/28以降の新規感染者もおらず、1月以上新規感染者が出ていないのだから、介護施設等の面会・外出制限は当然緩和されなければならない。

遠方に住む家族のために、ネット回線等を利用したリモート面会のシステムは、今後もずっと続けるべきではあるが、直接会って面会する機会も作っていく必要がある。予防ワクチンができるまでは、従前のように何の対策もない面会は難しいだろうが、感染予防対策を施したうえでの面会は許されなければ人権問題である。

家族が制限なく居室に自由に出入りする面会は難しいだろうが、面会場所を居室から離れた場所に設置して、面会人数と時間を決めたうえで、入り口での検温と健康チェックを行いながら予約制で1組ずつ時間をずらして面会を行うことは、もうしなければならないと考えたほうが良い。

利用者と家族の人間関係を紡いだり、護ったりすることは、対人援助ではとても重要なことなのである。その原点を思い出しながら、今できることを探していかねばならない。

それにしても今回の制限対応において、サービスの品質の差が至る所で明らかになった。制限するという小権力が自分に備わっていると勘違いしている事業経営者や管理者は、何の工夫もせずにできないことのルールだけを勝手に決め、制限による利用者の不便や不都合には、完全に目や耳を閉ざしてしまったケースも見られた。そういう施設の利用者は可哀そうだった。

一方では制限される暮らしの中でも、できるだけ利用者のストレスがないように配慮して、例外対応などの工夫を様々な場面で行っている介護関係者もおられた。

面会制限が2月以上続いたある特養では、緊急事態宣言後に休業した街のカフェを、そっくりそのまま施設内の地域交流スペースで営業させるという取り組みを行って、利用者から大歓迎された。

カフェのオーナーは、介護とは全く関係のない地域住民であるが、そこの常連客であった施設長のアイディアで施設内カフェが実現した。当初はそれに反対する職員も多かったそうである。外部の人間が施設内でカフェを営業するなんてとんでもないという意見が多いなかで、職員が外部から施設に通って利用者と濃厚接触しているのに、それらの職員と同じように感染予防対策を行うカフェオーナーを、施設に入らせない理由はないとして、施設長の英断と責任においてカフェが開設された。

感染予防対策として、カフェのオーナーには施設内カフェの営業期間は、できるだけ不要不急の外出などを避けていただくようにする契約を結び、施設の出入りの際には、健康チェックや手洗いと消毒を徹底するなどの措置がとられた。

そのうえで街中でカフェ営業している際のメニューと、ほぼ同じものを施設内で提供し、施設利用者が自由にそこで飲食できるようにして、ストレス解消に一役買っている。

施設の設備を使い、光熱水費も施設負担なので、料金は街で営業している際の3割〜6割引きの値段である。コーヒーは1杯150円で提供されていた。カフェ利用できるのは利用者に限られ、飲食料金は利用者の自己負担であるが、ランチメニューもあるので、利用者の中にはあらかじめ施設の昼食提供を止めてもらって、その日はカフェでランチを摂る人もいた。

認知症の人で自分でカフェ利用できない人は、家族の承諾を得たうえで、職員の介添えでカフェ利用し、喜ばれている姿も見られた。

感染予防対策中に、感染リスクだけを考える場所では、このような対応は不可能だ。しかしそのような中でも、私たちの職業は対人援助であることを忘れない人によって、こうした工夫と対応が可能になるのだ。対人援助とは、人の暮らしに真正面から向かい合う仕事なのだから、何かを制限するために勝手にルールを創り、それに従わせるだけで良いと考える方が間違っているのだ。

そこでは人に対する細やかな愛情を持つ人の思いが存在している。その人たちの思いが、介護サービスの品質そのものにつながっているのだ。

だからこそ介護という職業は、知識と技術だけがあれば良いわけでは何のである。そこに人間愛というエッセンスが加わらない限り、介護は人を幸せにできないのである。

介護には科学性が必要だと唱える人たちは、果たしてそれだけで、人を幸せにする介護に手が届くだろうか。
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感染予防対策特例は何故算定率が低いか


今日はまず介護関係者の皆様への朗報から伝えたい。

昨日、「介護の最前線に新たな手当ては行き渡るのか」をアップしたが、その直後に安倍首相が記者会見を行い、「ウイルスとの戦いの最前線で奮闘してくださっている医療従事者、病院スタッフの皆さん、介護事業所の皆さんに、心からの感謝の気持ちとともに、最大20万円の給付を行う考えです」と述べた。

これは昨日の記事で紹介した103億円が計上される補正予算とは別物であり新たな給付である。

詳細は明日の閣議決定以降に示されることになるので、続報を注目していただきたい。みんながもらえると良いですよね。

さて本題に移ろう。

コロナ禍を巡っては、居宅サービスなどの介護報酬算定特例ルールが示されているが、その算定率が上がっていない。その理由を考えるとともに、今後の制度の在り方のヒントとなる考え方が、特例に潜んでいなかったかということを考えてみたい。

感染を恐れて利用者が利用控えしたり、自主休業を余儀なくされたりして、収益が激減した通所サービスについては、収益確保のためにいくつかの特例ルールが示されている。しかしそれらはほとんど機能せず、算定率は低いままに経過している。

指定事業所と異なる場所を使用して、当該事業所が指定を受けたサービスに相当するサービスを提供した場合に、通常提供しているサービス提供時間等に応じ介護報酬を算定できるとしたルールについては、休業要請の地域外での営業を想定したものだったであろうが、利用者が通って利用するサービスの拠点が、通常営業地域から遠く離れてしまっては、送迎が難しいという問題があった。

さらに目に見えないウイルスがどこに蔓延するか予測不能な中で、感染しない安全な場所など見つけられずに、指定場所以外での通所サービス実施は困難だった。そのため場所を変えて実施する意味はほとんどなく、これは一部のケースを除いて絵に描いた餅的な特例に終わっている。

また通所利用を自粛して居宅で生活している利用者に対して、居宅を訪問し個別サービス計画の内容を踏まえてサービスを提供した場合については、提供したサービス時間の区分に対応した報酬区分を算定できるとしたうえで、サービス提供時間が短時間の場合には、それぞれのサービスの最短時間の報酬区分で算定できるとしたルールについては、1軒1軒の利用者宅を訪問するのは効率が悪いことに加え、個人宅での相応サービスの提供は困難と判断して、その実施率は上がることはなかった。

電話による安否確認での報酬算定はほとんど行われていない。担当ケアマネジャーがそのような必要性はないと考えるケースが多かったことに加え、利用者自身が自宅で電話を受けて話をするだけで自己負担金が発生することに納得しないケースが多く、事業者自身も報酬の低さからあえて算定を求めず、この特例費用を算定するケースは非常に少なくなった。

このように通所サービスの特例算定はほとんど意味のないものとなっている。

訪問サービスの特例も機能不全に終わっている。

通所サービスの利用自粛に対応して、訪問介護のニーズは増加したが、それに対応できるサービスの量(人員確保)が問題となった。そのため国は、「訪問介護員の資格のない者であっても、他の事業所等で高齢者へのサービス提供に従事した事がある者であり、利用者へのサービス提供に支障がないと認められる者であれば、訪問介護員として従事することとして差し支えない。」という特例も示した。

これによって休業した通所介護の職員が、法人内の訪問介護事業に携わることも可能とされたわけであるが、利用者宅にて自分一人でサービス提供する訪問介護業務と、サービス事業所内で複数の利用者に、複数の職員が対応する通所介護の業務はサービス提供方法が大きく異なるために、適性の問題が生じた。

そもそも通所介護の仕事を選ぶ人は、利用者宅で1対1で利用者に接するストレスを避けたいという人も多いのである。特に若い女性は、過去に訪問介護の現場で利用者にセクハラまがいの行為を受けて職場を変えて通所サービスに携わっている人や、そういう経験談を聴いて訪問サービスに携わりたくないと考えている人も多く、そうしたトラウマや思い込みをなくす教育機会の時間が取れない状態でのサービス提供は現実的ではなかった。

そのため何の訓練もなくいきなり通所介護事業所の職員が、訪問介護サービスに従事することが困難で、この特例も機能したとは言い難い。

ただしこの特例が、少ないながらも一部地域で実施されたことによって、訪問介護員に必ずしも資格を求める必要がないことが証明されたことには大きな意味があった。他の介護保険サービスで介護職員を務めるにあたって資格は必要ないのに、訪問介護だけが資格が求められるという矛盾が改めてクローズアップされたと言える。

訪問介護は近い将来人的資源が枯渇することが確実なので、サービスの構造にメスを入れねばならない時期である。(参照:絶滅危惧職種の懸念で基盤が揺らぐ地域包括ケアシステム

そうであれば訪問介護員に資格が必要だという規定の見直しと、今回の特例を先例に、通所サービス事業所から随時、訪問サービスを提供できるようなルールに進化させていくべきではないかと考える。

そうした新ルールをもとにすれば、通所サービスの職員にも、訪問サービススキルを持つことができるように、あらかじめ教育訓練ができようというものである。

このように訪問介護を新たな形にしていかないと、訪問サービスは消滅する運命になってしまうのではないかと考えるのである。早急に検討してほしい問題である。

なお訪問介護に関連しては、その資源量が少ない地域においては、訪問介護の買い物支援に替わるサービスとして、「要介護者の買い物支援は連れて行くから来てもらうに」に記した方法も検討に値するのではないだろうか。
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通所介護はダメージから立ち直る知恵を持てばビッグチャンスに出会える


新型コロナウイルス感染症が拡大する状況下でも、介護という仕事は在宅ワークやテレワークでの対応が困難である。介護支援とは、ウイルス感染しているかどうかわからない利用者に濃厚接触する仕事でもあり、サービス提供担当者は感染リスクを抱えながら、日々の業務に当たらねばならない。

そうした対応が長期化する中で、介護関係者はウイルス感染とどう戦ってきたのかと問われることがある。しかしその実態は、戦いというにはあまりにそれと程遠いものである。介護事業者は新型コロナウイルス感染拡大の波に飲み込まれ、翻弄されている真っ最中であるというのが実態だろう。勝負を決する戦いを挑むほど、我々には新型コロナウイルスに対して準備もなければ、武器も持ち合わせていなかったのである。

そのため様々なダメージを介護事業者やその従業員は受けている。

介護サービス種別で言えば、一番ダメージを受けた事業は通所サービス事業ではなかったか。その中でも特に、地域密着型通所介護事業のみを展開している小規模事業主体は、回復不能のダメージを負ったところもある。

5/18に全国介護事業者連盟が公式サイトで公表した調査結果では、通所介護事業所の90.8%が新型コロナウイルスの流行により経営面で「影響を受けている」と答え、「影響はない」と答えたのはわずか2.1%でしかなかった。

これは通所介護を利用することで感染することを恐れた利用者の利用控えが全国的に広がったことに加え、利用者の感染を広げることを恐れた通所介護事業所が、休業要請がなくとも自主的に休業したり、サービス提供時間を短縮するなどの自粛営業を行なったりした影響が大きい。

全国的にみても3月と4月の通所介護利用者数は大幅に減少している。介護給付費の支払いは2月遅れなのだから、この影響は5月に表面化し、収益減で資金繰りが厳しくなった事業所は5月末までに事業廃止するケースもみられる。2月連続して収益が大幅に減となったことで、5月を乗り切っても、6月いっぱいは持たない事業者が、来月になると続出する懸念もぬぐえない。

前述したように通所介護事業所は、経営体力の弱い小規模事業者が多いのだからそのダメージは深刻だ。今後長期にわたってこの影響が影を落とし、倒産・廃業する事業者が続出する懸念もある。休業中に職員が他事業所に転職してしまい、資金が残っていても人員配置ができずに廃業する事業者もあるだろう。
(※その点、通所リハビリの場合は、医療法人が経営母体で経営規模が大きく経営体力も強いために、通所介護ほどのダメージは負わなかったのではないだろうか。)

国は利息のかからない特別融資制度も作っているので、まだ申請していない事業者は、早急に申請して運営資金に充てて、ピンチを乗り切っていただきたい。

緊急事態宣言が解除された地域も多く、休業していた事業所もサービス提供を再開していくことになるだろうが、利用者がすぐにサービスを再開するとは限らない。感染を恐れて集団で活動する通所サービスを利用自粛する空気は完全になくなってはいないだろうから、収益がコロナ禍以前まで回復するまではかなりの期間を要すことを覚悟して経営していく必要がある。

そのためには営業再開後のランニングコストの削減は必要不可欠な課題で、特に電気代を削減できれば大きな効果が期待できる。まずは計測調査をご依頼ください!【電力料金削減はプロにお任せ!】
は、現在契約している電機会社を変える必要がなく、電子ブレーカーを導入して契約内容を変えるだけなので、電気の品質は変わらずに経費だけが安くなる。

しかも電子ブレーカーを導入するといっても、その費用の顧客負担はゼロである。そのコストは新たな契約で得られるメリットの一部から支払うことになるため、コストは一切発生致しないのである。そのための調査費用も無料でる。つまりコストゼロで見積もりと導入ができて、その後の電気料金は確実に安くなるという超お得なプランなのである。介護事業者にとってリスクのまったくないコスト削減策と言えるわけで、利用しない方がどうかしている。なにはともあれ是非無料見積もりを申し込まれてはいかだだろう。まずは記事内の文字リンク先で詳細を確認していただきたい。これが皆さんの通所介護事業の経営の一助になればと思い、情報提供させていただく。

通所介護経営者の皆さまには、非常に厳しい逆風が吹いているが、だからと言って未来は決して暗くはない。大変厳しい状況を乗り越えて経営を続けていけば、近い将来確実にビッグチャンスが待っていることを忘れてはならない。

高齢者の数と要介護者の数は、まだまだ増え続けるのだ。通所介護の利用ニーズももっと増える。しかもコロナウイルス禍は、通所介護を利用できなくなったことによるデメリットも浮き彫りにした。

サービス利用でき亡くなった方々の体力・身体機能の低下や、認知機能の低下がクローズアップされたという意味は、通所介護は要介護高齢者にとって必要不可欠なサービスであるということを証明したことにもなるのである。

そのため経営を続ける先には、今以上の顧客確保によって大きな収益を得ることができるチャンスに出会えるのである。

介護給付費自体は2018年の10兆円から2028年には20兆円になる。この増加分を手に入れるためには、今頑張って経営を続けていくしかないのである。

そのためのコストダウンの努力などは、今すぐに行っておかねばならないことなのである。
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※4/4〜新しいブログmasaの徒然草を始めました。こちらも是非ご覧ください。


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クラスター感染発生施設の悲惨な現状に触れて


今朝付の北海道新聞朝刊・三面記事では、クラスター感染が発生している札幌市の老健施設、「茨戸アカシヤハイツ」の悲惨な現状を報道している。

定員100人の同施設での感染者は、昨日まで入所者64人・職員21人に達しており、施設での死亡者は11名に達している。このうち医療機関に入院できた人はわずかで、現在施設にいる利用者数は71人。このうち40人がウイルス検査で陽性となっている。

同施設の居室はすべて多床室(2人部屋8室・4人部屋21室)なのだから、感染が拡大しやすい環境にあるが、報道によると感染拡大防止策は、「カーテンを閉めるくらいしかできない」(施設関係者)とされている。

カーテンを閉めるだけで新型コロナウイルス感染防止になるわけがなく、なぜ空間除菌などの対応を早急にとらないのか疑問である。空間除菌については効果を疑問視する人がいるが、インフルエンザウイルスでの感染拡大防止効果は示されているし、コロナウイルスのエアロゾル感染の危険性を低下させる効果も実証されているのである。今からでも急いで対応すべきだ。

はっきり言って、ウイルス検査陽性の人をとどめおく施設としての体制が整っていないと思う。利用者や職員をウイルスから護る最大限の努力がないところで、利用者と職員が放り出されていると思う。その責任は札幌市にあるのか経営法人にあるのか、はたまた両者なのかは、後々十分に検証すべきだと思う。

感染拡大防止策がこれだけ不十分なのだから、当然職員の勤務状態も過酷になっている。道新の報道記事でその悲惨な状況が明らかにされているが、『これまで介護士40人、看護師10人ほどが勤務していたが、感染や退職で看護師は全員不在に。現在は、札幌市から派遣された看護師ら計4人で対応し、介護士も通常の3分の1だ。』と書かれている。

報道記事にはこのほかに、『感染を恐れ、車中で寝泊まりする介護士もいる。』とされているが、この意味は自分の感染を恐れてという意味ではなく、自分が施設からウイルスを自宅に持ち込んで家族に感染させることを恐れて、家に帰らないように車中泊しているという意味ではないだろうか。たいへんなことであり、体も十分休められないのではないかと心配になる。

これらの職員の方々も、そこから逃げ出したいと思っているのだろうが、『自分まで抜けたら誰が入所者のお世話をするのか(道新記事より)』という思いで頑張っているそうである。頭が下がるという言葉では言い表せないくらいすごいことをしていると思う。誰にでもできることではなく、その使命感と責任感は尊敬に値する。

しかし残念なことに、札幌市も経営法人もこうした職員の特攻精神に頼り切って、全く職員を護る対策を取っていない。だから感染拡大は防止できていないのだ。

こうした過酷な職員配置状況だから、利用者に対する日常支援も大変なことになっているようだ。報道記事によると、『人手不足から、入所者の食事は3回から昼夜2回に減らした。感染を広げないため、2週間以上風呂にも入れない状況が続く。』

これは予想をはるかに超えた状況である。入浴支援が満足にできなくなるのは想定範囲であるが、1日の食事回数が3食ではなく、2食の提供しかできなくなることを想定していた関係者はいただろうか。僕はかねてより、『食事だけは必ず1日3食提供されなければならないのだから〜』と言っていたので、この状況は想定できなかったし、そうした状況になっているというのは危機的状況をはるかに超えたものと思ってしまう。

僕は先月福岡市に2週間ほど滞在していて、その際は北海道の感染拡大は落ちつき、クラスターも発生していなかった。その際、福岡市の老健でクラスター感染が発生し、5月初めまで40人以上の利用者が感染したという報道に触れていたが、ここまでの危機的状況には陥らなかったように聞いている。しかも福岡市では今、新規感染発症者ゼロが2日間続いている。福岡市と札幌市のこの違いはどこから生じているのだろうか。後の検証が必要だと思う。

札幌市は、陰性の入所者を別の施設に移す検討に入ったと言うが、今陰性だからと言って、陽性反応する利用者が日に日に増えている施設の利用者を受け入れようとする他施設があるのだろうか?他の施設からすれば、その施設から受け入れた利用者に隠れていたウイルスが陽性化して、自施設にクラスター感染が発生するのではないかと疑心暗鬼になるのは当然だと思え、受け入れは容易ではない。

とすれば受け入れ可能なのは、法人内の他施設となるのであろうか?

どちらにしても1日も早く、このクラスター感染が収束することを望むとともに、同施設の職員の皆さんの身体と心が護られることを強く願う。

何もできないが、せめて心よりの尊敬の念を込めてエールを送り続けたいと思う。
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感染対策として命の選択が行われる社会であってはならない


新型コロナウイルス禍の緊急事態宣言解除が見送られた北海道では、昨日新たに6人の感染が確認され、2人が亡くなっている。

新規感染者のうち4名と死亡者のうち1名については、クラスター感染が発生している、札幌市の老健、「茨戸アカシアハイツ」の利用者である。

その数字を含めると昨日時点で同施設の感染者は合計81名(入所者の感染は62人)・死亡者は合計9名となった。

同施設の入所定員は100名だから、入所者の感染者はすでに6割を超えているわけである。しかも最初に感染者が報告された4/26〜昨日までのわずか20日に満たない間に、死亡者は1割に達しようとしている。また同施設の職員17名の感染も報告されている。これらはいずれもすごい数字である。
※5/16追記:15日にさらに死者が1人増えて、死亡者割合は20日間で1割となった。

しかしこの感染拡大について、札幌市の対応に大いに疑問を感じてしまう。

前述したように札幌市に同施設から最初の感染者が報告されたのは4月26日であった。その際に市は、「入所者は適切な介護を必要としている。入所者が感染しても無症状や軽症であれば、可能な限り施設内で生活環境を整えてほしい」と文書で伝え、感染した入所者を原則、病院には移さずに施設内にとどめて療養するよう求めている。

このため5/12までに病院に移されたのは、12日に入院した1人のみで、8名が同施設内で新型コロナウイルス感染症により死亡している。(※うち1名は最初の検査で陰性で、容体が急変して死亡後に感染が確認された。)

施設では感染者を2階に集めて隔離していたが、1階にいた入所者や職員からも感染が確認されるようになっていた。その状況が12日にNHKの道内ニュースで、『入所者の家族からは、感染した人を病院に移すことが治療や感染拡大を抑える上でも必要ではという声が複数寄せられていて、この対応のままでよいのか疑問の声が上がっています。』と大きく報道された。

これを受け札幌市保健所の山口亮感染症担当部長は12日の記者会見で、「重症の感染者を受け入れられる病床の確保に努めているのは事実だ。ただ入所者については、それぞれの事情に応じて入院の時期を待ってもらっている」と説明したが、批判的なニュースの論調が影響したのか、昨日は同施設から5名が医療機関に入院できたそうである。

つまるところ老健という介護施設に感染者をとどめたままの対応が間違いだったのではないだろうかという疑問が生ずる。

適切な医療対応が行われない状況で、感染が拡大することはクルーズ船の例で示されれていたところであり、なぜ札幌市は感染者を介護施設である老健にとどめたままにしたのだろう。

老健は医師が常勤配置されていると言ってもたった1名である。しかもそこは医療機関ではなく介護施設であるために、老健が診療報酬を算定することは出来ない。しかも老健の医療サービスについては介護報酬の包括報酬(いわゆるマルメ報酬)とされており、例外はあるものの治療にかかった費用は老健の持ち出しとされてる。つまり治療で薬剤等を使えば使うほどその持ち出しは多くなるため、提供できる医療にはおのずと限界が生ずるのである。

そもそも新型コロナウイルス感染症については、高齢者は重篤化しやすいのがわかっており、症状がなくとも、軽症であっても油断できない。急激な症状悪化は常に予測しなければならないが、老健という介護施設が医療機関と同様に即座に対応できるわけがない。

それにしてもこれだけ多くの感染者がとどまっている状態で、対応する職員の備えはあったのだろうか。マスクで鼻と口を護るだけではなく、ゴーグルで目を護る対応がきちんと行われているだろうか。少なくとも感染者を老健で引き続き対応しなければならないことが決まった後は、ゴーグルは通常装備とされなければならない。

感染が2階から1階へとフロアを超えて広がっている状態を考えると、飛沫感染だけではなく、エアロゾル感染が起こっている可能性が高いが、その対策としてきちんと空間除菌も行っていただろうか。

それらが行われない状態で職員を対応させていたのなら、それはなりふり構わない特攻介護と批判されても仕方ないし、職員が可哀そうだ。

もし感染予防の対策に少しでも不備があるとすれば、そこから職員が逃げ出そうとするのは当然で、そうした状況で退職者が出たとしても、敵前逃亡などという批判はできないと思う。果たしてこの施設では退職者は出ていないのだろうか。

放送されたNHKのニュースの中で、取材に応えている医療大学の塚本容子教授は、「高齢者にとっては住み慣れた施設から病院に行くということはかなりのストレスになり、認知症などの持病が悪化するケースもある」と呑気な解説をしているが、そんな場合ではないだろう。

そもそも老健は生活施設ではなく、リハビリを行って在宅復帰を支援する中間施設である。もともと別の場所に移ることを前提にしている施設の利用者について、こうした論評が通用するのかは甚だ疑問である。

結果的にこの老健では昨日までに9名もの人が、コロナウイルス感染症が原因で亡くなっている。この状況では、ターミナルケアも十分受けられない状態で亡くなっていることが予測される。

しかも症状に対応した十分な医療が提供されているとも思えない。つまるところ感染が明らかになりながら、医療機関に入院することなく、そのまま症状が悪化して亡くなった人についていえば、それはある意味、「見捨てられて死んだ人」と同じではないのか。

医療崩壊を招かないように、介護施設の高齢者は入院の優先順位を低くするということになれば、それはまさに、「命の選択」でしかなくなる。それが許される社会は恐ろしい社会であることを、私たちは今一度肝に銘じなければならない。
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通所介護に寄せられる期待に沿う使命


通所介護の歴史を振り返ると、そのルーツは1979 年老人福祉法に位置付けられた、「在宅の寝たきり等の人を対象とした通所サービス」であるとされている。

それ以前から在宅の方が特養で入浴支援を受けるという、「入浴サービス」を行っている自治体はあったが、そのサービスを発展させ全国的にサービスを展開したのが同事業であった。

このように入浴サービスから通所サービスに発展したと言っても、当時そのサービスを受ける人の多くが、「入浴」を目的としていたことに変わりはなかった。それだけ在宅の重介護者が入浴する手段・社会資源がなかったという意味でもある。

しかしサービス展開地域や利用者数が増えるにつれ、徐々にサービスメニューも増え、通所サービスは在宅高齢者の機能訓練の場になり、心身活性化に不可欠な場となっていき、在宅介護者のレスパイト目的にも定期利用されるケースが増えていった。

そのサービスが段階的に変化・発展して、2000年からは介護保険法を根拠にした通所介護(デイサービス)・通所リハビリ(デイケア)につながっていったことは今更言うまでもない。

なお通所介護と通所リハの一番の違いは、前者には家族のレスパイト目的の利用が認められているが、後者には基本的にその利用目的は認めていない点である。

ところで今、新型コロナウイルスの感染予防対策として、通所介護事業者で休業や自粛営業(短時間営業なども含む)を行っている事業者が多い。(通所リハビリも同様だろう)

通常営業している事業所においても、利用者自らの判断で(感染を恐れて)利用を休止しているケースも多くなっている。

そんな中で通所介護を使えないことによるデメリットとして、身体機能の低下がみられるケースや、認知症の方の症状の悪化・認知機能の低下などが挙げられている。

逆に言えばそれは、通所介護が高齢者の機能維持に必要不可欠であり、認知症高齢者にとって認知機能維持の効果と、行動・心理症状を抑制する混乱予防の活性化効果が高いサービスであることが証明されたという意味である。

介護保険制度創設間もない時期には、「いずれ通所介護はなくなり、通所リハビリに統一される」という声があちらこちらから聴こえてきたが、通所介護の利用者が増え、利用効果が認められるようになった今日では、そのような声は自然消滅したわけである。通所介護関係者は、そのことを誇るとともに、さらなる社会的ニーズに応えられるようにサービスの質向上に努めていただきたい。

そんな中で今日、39県の緊急事態宣言が解除されようとしている。宣言解除できなかった地域も、月末までの解除に向けて努力を行っている。

宣言解除地域では通所介護の営業再開や、サービス利用を中断していた利用者のサービス再開などが検討されていくだろう。

少しだけ通常に近い通所介護のサービス提供ができるようになるかもしれないが、引き続き感染予防対策は続けなければならないので、「削除すべき介護施設の食事提供規定」で指摘したように、食事座席の工夫も必要になるだろう。送迎もできるだけ少人数に分けて行うような工夫ができればそれに越したことはない。送迎担当者が、非接触型の体温計を持ち歩いて、送迎者に乗り込む前の利用者の玄関先で体温チェックする必要もあるだろう。

さらに下記の記事も参照しながら、できる限りの感染予防策を取ることで、利用者の方々の安心感を高める努力は不可欠である。そのうえでサービスの利用再開に向けては、担当ケアマネとも十分コミュニケーションをとって、通所介護事業者・利用者及び家族との3者間の利用再開へのコンセンサスを十分に形成していただきたいと思う。
(※参照記事:「新型コロナウイルスに打ち勝つにはアイテムが必要〜介護従事者を一人も感染させてはならない」・「新型コロナウイルスの感染の不安を抱えたまま、介護職員をサービスの場に放り出してはならない」・「新型コロナウイルスは空気感染しないから空間除菌は必要ないという誤解〜エアロゾル感染との違いは何か?」)

特に担当ケアマネジャーには、利用者からサービス利用を再開してよいのか、再開時期はいつにするかという相談が増えると思うが、ケアマネジャーが感染リスクを予測することは出来ないことをきちんと説明したうえで、緊急事態宣言が解除されたことが、感染リスクが消滅したという意味ではないことを説明したうえで、サービス利用の再開の必要性が高い理由等の説明が求められると思う。

営業している事業所のサービスを使う際の感染予防の一番の責任は事業者自身にあることと、その対策を行っているから営業しているのだということをきちんと説明しておく必要もあるだろう。

万一感染する方がいた場合に、居宅サービスを作成する担当ケアマネジャーに責任転嫁されることがないように、この辺りはサービス事業所も含めて話し合うなど、十分なコミュニケーションが必要だろう。

こうした部分でこそ多職種連携が求められるし、こうした状況であるからこそ、より安全性を高める工夫も求められるのだということを意識していただきたい。
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頭を垂れる稲穂のように


僕は決して度量の広い人間ではないし、謙虚な人間でもない。

むしろネット上ではかなり生意気な人間と思われているようだが、本当の自分はそれほど生意気な奴ではないと思う。だからと言って決して人格者とは言えないことも事実だろう。

だが自分がプロとして対人援助に関わる場所で、利用者や家族に対して、傲慢にみられることがあってはならないと思っている。同時に仕事で関わる関係者との関係も、勝手に上下関係を作って、人を見て態度を変えることはしてはならないと思っている。

その理由は、若いころに小人物が権力を持ったと勘違いして偉そうにふるまう醜さを、嫌というほど知ったからである。

今のようにネット情報がある時代ではない当時、国からの通知はすべて市町村の行政担当課から介護事業者に流されていた。そうした時代の介護事業者に対する行政担当課の影響力は、今では想像ができないほど強いもので、社会福祉法人の若い一職員からすればそれはまさに、「御上様」であった。

その時代に、何かにつけ偉そうにふるまう役人がいる一方で、それとは反対に、若造ともいえる当時の僕に対しても、丁寧に接してくれるずっと年上の行政職の方がいた。そうした姿に触れて、後者のような人にならなければならないという思いを心に刻んだものである。
実るほど頭を垂れる稲穂かな
実るほど頭を垂れる稲穂かな」という諺は、対人援助という場でこそ実践しなければならない態度だと思ったものだ。

今、世間はコロナ渦に見舞われ、普通ではないことに満ち溢れているが、その中で介護関係者が今まで見せたことがない裏の顔をのぞかせたりしている。誰にでも嫌な面や異常な面があるのだろうが、その顔をどの場面で出すのかで、その人間の品性と度量が知れるというものだ。

算定特例をあたかも自分の権力のように、一方的に通告して実施するだけの介護事業所が存在したりする。計画変更をするのが当たり前のごとく、変更結果を通告するだけのケアマネジャーがいたりする。多職種連携や協働という言葉は単なるお題目に過ぎないのかと言いたくなる。そんなふうな勝手な振る舞いがこの業界に蔓延している。

介護施設は今、制限のオンパレードだ。面会制限・外出制限。それが当たり前だと思う人と、申し訳ないがやむを得ないと思う人の対応は自ずと異なる。その対応の仕方によって、利用者や家族の心の持ちようは変わってくるのだ。

利用者や家族にあたかも制限が施設の権限であるかのように横柄に命ずる人がいる。それによって利用者や家族は憤ったり、哀しんだり、あきらめたりしてしまう。そんなことは許されるのだろうか。

逆にこちらが恐縮するほど頭を下げて、申し訳なさそうに制限をする理由を説明してくれて、同意を求める人がいる。

同じ制限でも、伝え方で制限を受ける人々の心持は変わろうというものだ。対人援助に携わる関係者は、人の心を慮って伝えるという心配りを忘れないでほしいと思う。

特に制限を受けているのは高齢者の方であることを忘れないでほしい。その人たちは来年の桜を確実にみることができるのだろうか?その人たちは、あと何回自分の愛する家族と会うことができるのだろう?

職員は堂々と外から通ってきている場所で、なんの配慮もなくだらだらと面会制限と外出制限を続け、桜を見る機会も、愛する家族と会う機会も失わせる権利が誰にあるのだろうか。PCやスマホやタブレットを利用して、画面を通じたコミュニケーションをとれば十分だと言ってよいのだろうか。

そのような制限を続ける権限を持つ資格があなたにあるというのだろうか。

知性とは、生業(なりわい)や人にひけらかすために身に着けるものではない。困難に直面したときに、どう立ち向かうべきかを教えてくれるのが知性だ。普通ではない様々な特別なことをしなければならない今こそ、その知性を生かして人に優しい介護事業であることを望む。

勤勉真摯謙虚そして器の大きさ、それらのどれ一つが欠けても人の暮らしに寄り添う資格は無い。売名不遜おごり。どれか一つでも潜んでいれば、知識や技術も人を裏切る。
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いまわの際(きわ)の別れを阻害する権利は誰にもない


新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が続く中で、介護施設の多くは、「面会制限」・「外出制限」を継続している。

その期間は1月以上になっている施設が多く、少なくとも緊急事態制限が解除されるまでは制限を続けると考えている施設管理者が多い。

入所利用者を感染から護るために、そうした措置を続けることはやむを得ないことだと思う。ただし同時に長期間の制限ストレス対策を同時に取るべきであると、このブログでは再三指摘しているところだ。

面会制限が哀しい無理心中につながったケースもあるのだから(参照:面会制限している施設から退所させた母親と無理心中というニュースに触れて)、そうした悲劇が2度と起きないように、スマホやタブレットを利用した外部の人とのコミュニケーションを取れるようにすることは当然であるし、施設内の活動性の低下に注意する必要もある。外出支援も工夫してできることはないかと考えるべきであり、北海道ならこの時期、桜を見ることができるように少人数でのドライブなどをできるように工夫すべきだ。

国の宣言に基づいて、何でも禁止にすることは素人でもできる。しかし制限の必要な暮らしの中で、できることを見つけ実現する仕事こそプロの仕事である。

そもそも介護施設の面会制限や外出制限自体を、国が命じているわけではない。それらの制限は施設経営者や管理者の判断で行っていることであり、その状態が過度になれば権利侵害の問題につながることを常に意識すべきである。

何とかできませんかという声に耳をふさぐ介護施設は、冷たいブラックボックスだ。そうならないように管理者や職員すべてが、利用者にとって今何が必要なのかを、リアルタイムで考え続ける必要がある。

何度も云う。できないことに甘えるのではなく、できる工夫を続けるのがプロの仕事なのである。

このような状況の中で、いま問題となっているのが、「いまわの際の別れ」を邪魔しても良いのかという問題である。

特養をはじめとした居住系施設では、面会制限の真っ最中にも、「看取り介護」の対象者が居られる。その方が今まさに最期の時を迎えようとしているときに、感染予防のために面会制限中であるという理由で、家族の面会を断ることに何の疑問も感じていない施設関係者は対人援助者としての適性に欠けると言ってよいだろう。そんな冷酷な人が介護に関わってよいわけがないのだ。

看取り介護の意味の一つは、残された時間・お別れの時間を意識したエピソードづくりである。その機会を奪うような面会制限があってはならない。ネット画像を通じてのコミュニケーションだけで、今わの際のお別れが十分にできるわけがないのだ。

息を止める最期の瞬間に、手を握って看取ることができる愛する家族がそこに居るにもかかわらず、面会制限中だからそれは駄目だと断る鬼にような心を持つ人は、介護の仕事を続けるべきではない。

施設の中で看取り介護を受けるケースの大半は個室対応なのだから、遺族となる方々と他の利用者が接触せずに面会することなんて簡単にできる。面会する方には、ガウンやマスク・ゴーグルなどを装着して施設内を移動していただけばよいだけの話だ。

そもそも職員は普通に外から通ってきているのに、看取り介護対象で、今まさに息を止めようとしている方の家族まで、頑なに施設の中に入らせないという考え方がどうかしている。そんな考えは浅はかすぎる。

国は面会制限を指示していないのだから、その特例も示すことはない。だからこそその特例は、施設自身が考えるしかないのだ。面会制限中も常に特例を考えて、面会できる方法を考えるのは施設の務めだ。

面会制限をこれだけ長期間続ける権利が、施設自体にあるのかという議論も存在していることも忘れてはならない。

どちらにしても人の権利を制限する側に、何の配慮も工夫もなくなれば、そこでは必ず誰かが不幸になるのだということを思い知るべきである。
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責任の線引き・己に課すべき責任


雨上がりの連休明けは、雲一つない青空が広がっており、気温も上がって桜がとうとう開花した。
登別市鷲別町の桜
登別市鷲別町の桜
新型コロナウイルス対策で、お花見気分ではないか、桜を愛でる心の余裕だけは持っておきたいと思う。さて本題・・・。

感染拡大予防対策がこれだけ長期化するのは初めての経験なので、様々なサービスの場で、介護関係者は前例のない判断を強いられる。

こうした緊急事態であるから、暦に関係なく国から必要な情報も出されてくる。そうした情報を分析判断して都度、前例のない対応判断が必要となる場面が多くなることは容易に予測できる。

厚労省サイトに、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」が掲載されたのは5/4のことである。そうであれば現に営業中の通所介護事業所などが、この提言に沿った対応措置を取らなくてよいのかという判断が、少なくとも5日の時点では求められたはずである。

だからこそ休業していない介護事業者においては、サービス提供の場で即時判断と対応ができる体制を整えておらねばならない。昨日までの大型連休に、施設長や管理職が休みを取る場合でも、判断できる権限と責任を持った立場の者をきちんと配置しておくことは当然求められたであろうし、それができない場合は、トップがリアルタイムで判断できるように、オンラインでいつでも連絡が取れる体制を整えておくのが、この非常時の当たり前の対応である。そうした備えは出来ていたのだろうか。

それができていない経営者や管理職は、自分の適性を疑った方が良い。少なくともできていない状態を放置して、長期間休んでいるのは責任の放棄であるという誹りは免れないだろう。

ところで連休中に示された新しい国の方針や基準に関連して、表の掲示板では『国から介護現場における対応をきちっと示してもらわなければ、地域の足並みもそろわない。』という意見も書き込まれている。

しかし僕はそうは思わない。そのような意見はあまりにも甘えた考え方だと思う。国は感染予防のガイドラインも示し、特例の算定要件も示している。しかし介護施設や通所介護などの各事業者のサービス提供体制は個々で異なるのだから、国がすべての事業者に共通して示すことのできる感染予防策には限界があるし、個々の事情で対応の具体策は変えなければならないのは当たり前のことである。

そもそも自分が管理する場で、サービスを利用する人々を護る責任は、その事業管理者にあるのは当たり前のことだ。今そこに居る人の事情が分からない国に、責任の下駄を預けてどうするというのだ。

普段、民主主義を声高に唱える人が、いざ問題が起きて自分が決断しなければならない立場になった途端に、「国がすることを決めろ」・「自分は国が言うとおりにするだけだ」と謂うのはお門違いも甚だしい。それは民主主義を自ら崩壊させる行為につながりかねない。自分が責任を負わなくてよいことだけ、自分が主体となって決めるというのは独善主義そのものであり、単なるわがままである。

国がすべきことと、事業者や事業主のすべきことの判断基準が明確にされているわけではなく、そこは個々の状況に基づいて、事業主自らが判断しなければならないところだ。その時に、自分の責任を軽くするために、国に責任を強く求めたとしても、その責任逃れに国が即応するわけがないのだから、そこで生ずるのは利用者の不利益だけである。

対人援助事業においては、そうした不利益が利用者の暮らしの質と直結するのだから、そうしないために必要なことは、事業主責任の範囲を広く考えて、まず自らが利用者を護ろうとすることである。結果的にその部分にも国が責任を持って手を差し伸べてくれるのであれば、それは幸運と思えばよいことだ。

国に寄り掛かり過ぎれば、利用者を無責任放置するしかなくなるかもしれない。そのことを何より恐れるべきである。例えば、示された情報の解釈を国が明白にするにはどうしてもタイムラグが生ずる。そうであればとりあえずサービス提供に即応しなければならない問題は、現場判断でできる限り取り得る対策を講じておくという考えが求められるのだ。

そのためには事業者自身が、適切に情報を集めて判断するしかないことも多い。「新型コロナウイルスは空気感染しないから空間除菌は必要ないという誤解〜エアロゾル感染との違いは何か?」で示した考え方についても、国が何か指示したり、考えを示すことを待っていてもしょうがないので、自分で情報を集め判断したうえで、必要な対策を講じようというものだ。

このように個々の事業者判断で対策を取ることは当たり前のことで、こうした具体策まで国が指し示すことなんかできるわけがないのである。

私たち自身はちっぽけな存在であろう。世界の情勢にちっぽけな我々の存在や言動なんて少しも関係しないだろう。しかし何もできないという事実を何もしないことの言い訳にするのは卑怯だ。自分の責任を自覚することで、判断できるものは格段に増えるはずだ。

判断に迷ったら、人が少しでもましになる方向に考えればよい。事業経営者であれば、サービス利用者や従業員にとって、今よりましになる方向はどちらかという視点で物事を考えるべきではないのだろうか。

その結果はいずれ自らの身にもふりかかってくるのではないだろうか。
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削除すべき介護施設の食事提供規定


1983年に封切りされた映画、「家族ゲーム」(森田芳光監督作品)は、故・松田優作扮する三流大学の7年生という風変わりな家庭教師が、高校受験生を鍛え上げる様をコミカルに描いた傑作で、この年のキネマ旬報ベスト・テン第57回、日本映画ベストワンなどを受賞している。

この作品を見ると、やはり松田優作という役者はすごいと思うし、まだこれからという時期に夭折したことは、返す返すも残念でならない。(関連参照:若者よ。君たちは松田優作を知っていますか?

この映画は当時として画期的な演出が随所に取り入れられていた。例えば音楽なしの誇張された効果音もその一つであるが、僕にとって最も印象に残っているシーンは、家族が向かい合わせではなく、テーブルに横一列に並び食事をする演出である。下記画像がその場面である。
家族ゲーム
当時としてはコミカルにも感じたこのような食事風景であるが、もしかしたら私たちのこれからの食事風景は、このような形が当たり前になるかもしれない。

というのも、先日開催された政府の新型コロナウイルスの専門家会議において、今後、国民が実践すべき「新しい生活様式」として提言する内容が話し合われたが、その内容は以下のようなものである。
・人との間隔を極力2メートルあける
・手洗いや換気を小まめに行う
・毎朝、家族で体温を測定する
・公園はすいている時間を選ぶ
・食事では横並びに座る
・帰省や旅行を控えめにする
・誰とどこで会ったかをメモする」


このように、「食事では横並びに座る」と提言されるのである。すると家庭の食事場面よりむしろ、医療・介護における食事提供シーンで、このような方法が推奨されていくようになるのではないだろうか。

介護施設をはじめとした居住系施設(GHやサ高住等)だけではなく、通所サービスにおける食事など、複数の利用者が同時に食事を摂る際に、利用者同士が向かい合わせで食事をするという形は徐々に少なくなり、家族ゲームのような横並びの形で食事を摂ることが当たり前になってくるのかもしれない。

特に通所介護は、利用者の個別の居室があるわけではなく、食堂で一斉に食事をするのが当たり前なのだから、こうした場面は早々と生まれるだろうし、クラスター感染を恐れてとり得る対策を最大限に取ろうとして、もうすでに実施している事業所もあるかもしれない。それは決して悪いことではなく、できるならばそうしたほうが良いだろう。

ところで介護施設ではどうしたらよいだろう。勿論、食事を食堂で一斉に摂るのであれば、通所サービス同様に、向かい合わせのシーンをなくして、横並びに食事できる配置に切り替えるべきだが、そもそ自分の部屋がある施設なら、そこで個々に食事を摂っても良いと思う。

特に現在の居住系施設は、介護保険施設も含めて個室が増えているのだから、それぞれのお部屋で食事を摂るのがスタンダードになって良いように思う。感染リスクを考えると、そうした方法の方が予防効果は高いし、自分の空間で他の人の食事シーンを見ながらではない状態で食事を摂りたいというニーズは、考えられている以上に多いはずだ。そして各居室に配膳するなんて業務は、ルーチンワーク化すればさほど難しくもないし、手間ではない。それが証拠に有料老人ホームの一部は、それが当たり前になっている。

僕自身が介護施設に入所したらと考えると、せめて食事くらいは、自分の好きな場所で、ゆっくりお酒を呑んでテレビでも見ながら摂りたいと思うだろう。

しかし介護施設でそのことがほとんどそのような方法が浸透していない理由は、運営基準そのものに原因がある。

特養の運営基準(平成十一年厚生省令第三十九号)を例に挙げると、次のような規定があるのだ。(これは老健等も同じである)
(食事)
(一般型特養)第十四条2 指定介護老人福祉施設は、入所者が可能な限り離床して、食堂で食事を摂ることを支援しなければならない
(ユニット型特養)第四十四条4 ユニット型指定介護老人福祉施設は、入居者が相互に社会的関係を築くことができるよう、その意思を尊重しつつ、入居者が共同生活室で食事を摂ることを支援しなければならない


↑このように運営基準として、食堂(ユニット型の場合は共同生活室)で食事を摂ることを規定しているので、利用者の部屋に食事を提供する方法は、実地指導で、「不適切だ」と運営指導を受けることになり、「やりたくてもできない」のが現状なのである。

そもそもこのような規定がなぜ存在するのかと言えば、それは役人が食事を、離床機会と考えており、食事も居室で摂るような状態では、引きこもりが助長され自立支援を阻害するという偏見があるからに他ならない。

昭和40年代に、寝たきり老人の問題がクローズアップされ、特養でも離床が最大の目標にされた時期があるため、このような規定が生まれたものと思う。

しかし現在は、離床は食事時間だけに行うという時代ではなくなっているし、居室における食事であっても、ベッド上で食事をするような誤嚥の危険性が高い食事方法を否定するだけで、自分の部屋で離床して、自分のペースで好きなテレビでも見ながら食事を愉しむというライフスタイルが実現できるわけだ。

それは引きこもりにはつながらないし、自立支援を阻害する問題ともまらない。むしろQOLの向上につながる、多様なラーフスタイルを認めるということに他ならない。

よって利用者ニーズの変化に合わせて、食事提供に関する運営規定は変えられるべきであるし、それは感染予防という、新たに必要な対策にも合致することだと言えるわけである。

早急に規定改正を行い、第十四条2と第四十四条4を削除してほしいと思うのである。
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金銭で出力するのがプロであるが、お金は命と健康に替えられないことも真実の一つ


新型コロナウイルスによる感染対策の一環として、感染リスクの高い介護の場で働く介護職員に特別給付金の支給をいち早く決めたのは福岡市であった。

4月15日に公式サイトを更新して、市内の施設、通所介護、訪問介護、居宅介護支援、障害児者にサービスに対し、その規模に応じて施設単位・事業所単位で15万円から150万円を、「早ければ5月中旬から給付したい」とした。

その目的は、自らが感染するリスクもある中で最前線で頑張っている人を支援するというもので、支給は事業者単位であっても、それは事業者を通じて介護従事者に支払われるという趣旨のものである。

この方針が公表された当時、僕は福岡市に滞在して仕事をしていたので、同市の素早い方針表明に心から拍手を送ったものだ。

その後、訪問介護を運営する複数のNPO法人などが連名で政府に、ヘルパーに臨時の危険手当を支給する要望書を提出したり、日本介護福祉士会が介護従事者への特別手当の給付を求める内容を含んだ要望書を提出するなどの動きが相次いだ。

そのためコロナウイルス関連補正予算には、介護サービス事業者の経営を下支えする施策が含まれ、福祉医療機構による無利子・無担保の融資が拡充されるほか、感染を防ぐ対策の強化、あるいは施設の消毒などに一定の補助が出ることになったことに加え、介護職員の一部に危険手当を出せるようにする措置がとられるそうだ。対象は感染者をケアする施設・事業所など一部に限る方向であるが、今後対象が拡大される可能性もある。

感染リスクにおびえながら不安につぶされることなく介護業務に従事している人に、金銭面で支援を行う施策をとることは大いに結構なことだ。プロフェッショナルは金銭で出力するのだから、そのことはとても重要だと思うし、そういう形で頑張っている人が報われる社会であってほしいと思うからである。

だからと言って、介護職には高いお金を支払っているんだから、危険に身をさらすのは当然だと思われても困る。そもそも手当より優先されるべきことは、介護従事者の感染リスクを少しでも減らす施策にお金をかけることであり、それと手当の支給は並行的に考えられるべきだと僕は思っている。

手当をもらって特攻精神で、感染リスクのある場所で頑張った結果、健康を奪われ、命が危険にさらされてはどうしようもない。介護従事者にも、暮らしがあり家族があるのだから、本人を含めた周囲の人の感染リスクが高い状態を放置したままで、手当という餌によって現場に放り鍋る状態は、感染予防にはならないし、それは介護崩壊に直結しかねない状態であると言える。

このような指摘をしなければならない背景は、あまりにも介護の現場がウイルスに対して無防備だからだ。このブログで何度も指摘しているが、現在の状態は、介護従事者が目を護らないで、介護業務にあたってよい状態ではない。それなのにゴーグルを標準装備していない介護事業者が多すぎる。

エアロゾル感染対策も全くとられていない。介護施設等の決められた空間で働く人にとっての恐怖とは、手洗いやうがいをいくら行ってもエアロゾル感染リスクが高ければ感染してしまうということである。逆に言えばエアゾル感染リスクを低下させれば、利用者の感染リスクは大幅に下がり、それは介護従事者の感染リスクの減少にもつながる大きな要因になる。

この二つの部分にもっとお金と知恵を使うべきである。昨日僕の別ブログで、「新型コロナウイルスの感染の不安を抱えたまま、介護職員をサービスの場に放り出してはならない」という記事も書いて、その具体的対応方法例も示している。

是非それらの記事を参考にして、今、このGW期間中も、介護の場で奮闘している介護従事者の皆さんの命と健康を守り、介護崩壊を防ぐ取り組みを進めていただきたいと心から思う。

感染予防という課題全般をも渡すならば、すでに莫大な費用がその取り組みにかかり、休業事業者では大きな損失が出ているが、ゴーグル装着とエアロゾル対策は、それに比べるとわずかな費用で、感染リスクを大幅に低減できるという効果があるのだから、コスパは高いと言える。

そういう取り組みをしていかない手はないのである。
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非常時こそ指揮官先頭・指揮棒は最前線で振るべし


暦通りに休みを取れる人にとっては、明日からが5連休でまさにGWの真っただ中に入るということになる。

介護施設でもシフト勤務以外の職員は、暦通りに休めるのが普通だし、施設長や管理職も何もなければ休暇を愉しんでよい時期だ。

しかし新型コロナウイルス対策に追われる今年は様相が異なる。シフト勤務の職員も、感染症の拡大に伴う諸事情の影響で、いつものようにシフトに入れない人が多い。そんな中でシフト勤務の職員だけにその負担を負わせてよいのかと考えたとき、全職員協働でこの危機を乗り越えるという心構えが求められると思う。そのため事業者独自の暦を作って、連休時期を秋以降にずらすという考え方も必要だ。

特に休業せざるを得ない事業者を除いた介護施設等の施設長や管理職にとって、今年のGWはないものとあきらめたほうが良い。

感染者がいつ出て、クラスター感染につながるかもわからない介護の最前線で、従業員が不安を抱えながら利用者対応しているこの非常時に、介護施設のトップ等が暦通りに休んでいては、施設全体の士気にかかわる。

特に居住系施設では、利用者に対しても様々な行動制限を強いている場合が多いのだから、その例外を認める即時判断を行うためにも、指揮官は前線で先頭に立って指揮する姿勢を見せておかねばならない。

そうしないと従業員が不安でパニックになったり、前線から撤退してしまうということが起こりかねないのが現在の状況だからである。

介護施設で働く従業員の方々に言っておきたいことがある。あなたの施設のトップが今年のGWを、休む権利があるとして例年通りに休んでいるとしたら、あなた自身は転職先を真剣に探した方が良い。なぜならそういう施設では、あなたの命や暮らしを軽視した事業経営をしているにほかならず、今後感染症の発症者が出て対応が必要になっても、あなた自身の命や暮らしは、2の次3の次にされてしまう可能性が高いからだ。

表の掲示板の、「感染拡大防止のために、介護従事者は目を護る日常業務習慣をつけてください」というスレッドのNo.6・No.8・No.9のコメントを読んでいただきたい。

その声は介護施設で不安を抱えながら頑張っている人々の悲痛な訴えだ。介護職員だけを感染源のある場所に徒手空拳で突入させるようなことがあってはならないし、そういう特攻精神でしか事業が成立しない経営方法はとるべきではない。介護従事者をしっかり護っているよという姿勢を示すうえでも、介護施設のトップは従業員の見える場所で指揮を執り続けるべきである。

仮に施設内の1フロアで感染者が出た場合には、時間をおかずにリアルタイムで必要な対応をしなければならないということを理解・覚悟して、施設長をはじめとした管理職が即応できる体制を取らねばならない。

感染者が出ないように日ごろから、介護職員等がゴーグルを標準装備して利用者対応しておくことは常識だし、いざ感染者が出たときのために、エアロゾル感染を防ぐための消毒機器を事前準備しておかねばならない。

感染者が出た後で、それを準備しようとしてもかに合わないのだから、『新型コロナウイルスに打ち勝つにはアイテムが必要〜介護従事者を一人も感染させてはならない』で紹介している薬剤等を事前準備して、いつでも使用できるように備えるべきだ。

北海道でも介護崩壊が現実味を帯びている。入居者と職員ら10人が感染した千歳市のサ高住は、配置できる職員が1/4以下になる中、陽性患者8人が医療機関に入院できずに、住宅内で対応する期間が長期化している。

今日の時点でそれらの患者がすべて入院できたのかは不明だが、感染が広がって少なくとも29日時点では入院ができない人をサ高住で対応していたわけである。するとそこには感染フロアが存在していることになる。そのサ高住は日ごろから感染区域と非感染区域を分ける備えができていただろうか。職員はきちんとゴーグルをつけて対応していたのだろうか。そして施設内のエアロゾル感染を防ぐために、消毒殺菌薬の噴霧をしていたのだろうか。

サ高住で陰圧室を作れるわけがないのだから、それらは必要最低限の対応と言えるが、行政がそんな指導も手伝いもしてくれるわけがなく、介護事業者は自分の身を自分で守らねばならないのである。そのために指揮官は最前線で指揮棒を振る必要があるのだ。

介護事業経営者や施設長・管理職は外部に必要な支援を求めることとともに、自衛手段をきちんと考えて、手段を持たねばその責任は果たせないのである。外部に何とかしてくれと訴えるだけでは、利用者も従業員も守れるわけがない。そうした非常時であるということを理解しない経営者は暢気すぎるのだ。平時の宰相はいらないのだ。

リンクを貼りつけた別ブログで紹介した空間除菌ができる、除菌水ジーアも行政対応が間に合わない今は、自衛手段として持っておくべきアイテムだと思う。

こうした備えを幾重にも重ねて感染予防対策を強化しておくことをしないと、従業員の不安は増すばかりだ。恐怖と不安で押しつぶされた従業員が、介護の職業から離れていく恐れもなくはないのだから、今この時に取り得る対策をすべて取っておく必要があるのである。

どちらにしても施設長は仕事を休んでいる暇はなく、介護の最前線で指揮を執る必要があるのだ。
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桜咲く場所でできること


北海道はそろそろ各地域で桜が咲き始める時期だ。

函館は例年より4日早く、今週初めにすでに開花宣言が出されているので、これから徐々に桜前線が北上してくる。登別の満開はこのGWの真っただ中になるだろうか・・・。

しかし今年のGWは例年と全く異なる様相を呈している。

登別市のホームページでは、小笠原市長名でGW期間中の登別温泉やカルルス温泉といった観光外への訪問自粛を呼び掛けている。テーマパークや旅館も休業しているところが多く、観光客もほとんどいない。

このため国道36号線から延びる登別温泉までの街道を彩る、「桜のトンネル」を愛でる人の数もめっきり少なくなると思え、今年は地元の人だけになるかもしれない。

北海道のお花見と言えば、桜の周りで『ジンギスカン鍋』がを囲む光景が定番だが、そうした花見も今年は難しいだろう。それも仕方のないことだと思う。来年の桜の時期に、世の中が平安になっていることを祈って、今年は遠くから桜の姿を愛でるだけにしよう。

ただし考えてほしいことがある。今、高齢者の方々は感染に怯え、様々な活動を控えていることだろう。そのような中でも在宅でお元気な方であれば、自分の動ける範囲で、安全な場所でストレスを発散する活動ができるかもしれない。

しかし介護施設などの居住系施設で、面会制限・活動制限を受けている人は、施設の方針が絶対命令になって、がんじがらめに日常生活を縛られてしまっているかもしれない。そういう状態が長く続けば続くほど予期しない問題の噴出が懸念される。感染予防は大事だが、そこに住む人々のストレス管理という側面を是非忘れないでほしい。

僕の経験に基づいていえば、特養の年間平均退所者割合は2割以上である。そのうち9割近くが死亡退所である。

そうであれば今年の桜を見逃したら、来年の桜を見ることができない人が特養には確実に2割程度いることになる。誰がその2割に当たるのかはわからないとしても、そういう人が確実にいるとわかっている場所で、今年の桜を愛でる支援努力をしないことは罪以外の何ものでもない。

制限の掛け声をかけるだけなら素人でもそれはできる。制限のある暮らしの中で、その制限の中で、できることを増やすこと、知恵と工夫によっていかに制限を緩やかにできるのかは、暮らしを支援する専門家の手腕にかかっている。制限やむなしという中で、制限さえしておれば自分の責任は果たせるという考え方だけはやめてほしい。

感染予防対策に厳しく臨むのはよいが、厳しさだけで愛情をなくしてしまったときに、人の心は邪気を持つ。そこで生まれるものは差別と哀しみでしかなくなる。それはやがて他者に対する無関心につながっていき、自分さえよければ他人はどうでもよいという意識につながりかねない。

巷では、保育所などが医療従事者の子どもの預かりを拒否する事例が報告されている。それはあまりに理不尽である。感染症対応の第一線で働く人が差別を受けるなら、感染対応者はいなくなる。実際にはウイルス感染者がいない医療機関の従業員も同じ差別を受けている現実を見ると、この風潮が広がる先には介護従事者やその家族も同じ扱いを受けかねない。そうすればこの国の医療も介護も崩壊だ。いやそれは単なる医療・介護の崩壊ではなく、人間社会の崩壊であり国の滅びである。

サザエさん一家がアニメの中で行楽に出かけて何が悪いのだろう?私たち自身が行動に気を付けなければならないからといって、架空アニメの世界まで自粛と規律を求める世界は息が詰まる。世の中あまりにもギスギスしすぎていないだろうか。

こんな時期だからこそ、人に優しくする方法論を考えたい。いつもなら気が付かなかった人の心の動きをわかるようになりたい。その心に寄り添う方法を探していきたい。

私たちの専門性とは、そんなところにあるのではないだろうか。さくらびとのように、今この時期にも、「右上がりの介護」を目指したい。

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ゴーグルは感染エリアで使用するだけで良いという考えの呑気さを笑う


先週の土曜日に、「介護従事者は目を護る日常業務習慣をつけてください」という記事を書いて、介護サービス利用者と濃厚接触せざるを得ない介護従事者については、日常介護においてもゴーグルを装備すべきだと提言した。

それに対して、『早速ゴーグル対応を日常装備化した。』・『手間もかからず職員の安心感が増している』という連絡もいただいている。素早い対応に拍手を送りたい。

しかしそうした意見の反面、『そこまでする必要はなく、ゴーグルは感染エリアでの対応時のみで十分だ。』という意見がある。『全国老施協のパンフレットも、ゴーグル使用は感染エリアでの使用を前提にしたアナウンスなのだから、日常介護までゴーグル装備は必要ない。』と論評する輩がいる。

まったく呑気である。というかこういう馬鹿がクラスター感染を発生させているのだ。全国老施協のパンフレットの対応では、感染拡大が止まっていない現状を打破しえないので、それ以上の対応に変えようというのが僕の考え方であり、土曜日に書いた記事での提言である。

僕は老施協のパンフを解説する立場にないし、そんな義務もない。パンフの紹介は、資料の一つとしてこんな提案もされているよという情報の一つにしか過ぎない。そんなことも読み取れず、理解もできない馬鹿が、いちいち偉そうなコメントを書くなと言いたい。ここは僕の個人的な場所で、そのような馬鹿と付き合うスペースではないのだ。

土曜日の記事でも指摘したが、コロナウイルスは口と鼻と目から侵入し感染・発症することがわかっている。皮膚から体内にウイルスが侵入することはないわけだから、口と鼻と目をしっかり護れば、ウイルスの侵入を防ぐ確率はかなり高くなる。そうであるにもかかわらずマスクで口と鼻だけ護って、目を護る対応を行っていない方がどうかしているのだ。

そもそも感染拡大の一番の要因は、本人も自覚せずにいる無症状の感染者に濃厚接触する『紛れ込み感染』が増えていることであり、感染エリアで感染が広がっているわけではないのだ。だからこそ一般の日常生活のエリアこそ感染予防対策の充実が求められるのだ。

道内千歳市でクラスター感染が発生したきっかけは、グループホームで利用者と職員の双方に感染が広がり、利用者が受診していた医療機関にそれが拡大し、関連の訪問看護ステーションや通所介護にも広がっていったことによるものだ。最初に感染拡大したグループホームで、予防対応ができていればそれほど感染が広がらなかった可能性がある。

同市のサ高住では、入居者と職員計10人の陽性が判明し、入居者43人がPCR検査の結果を待っている状態だが、感染不安からパート職員が次々退職し、出勤できる職員が現時点で5名に減って介護崩壊が現実味を帯びている。こうした感染拡大も新型コロナウイルス騒動の初期から、従業員が口と鼻と目を護るという介護対応を行っていれば防ぐことができたかもしれないのだ。

昨日新規発症者が1日最多の26人に並んだ札幌市では、複数の医療機関のクラスター感染が、感染者数増加の一番の原因となっている。それらの医療機関で日常的に、口と鼻と目を同時に護る看護・介護対応が行われていたら、感染者の数は今より減ったかもしれないのだ。

そうした予防対応をこれでもかと十分すぎるほどしておかねばならないのが今の時期だ。わかっていること・できることの対応をしないというのが一番まずい。

特にゴーグルをかけて目を護るなんていう対応は、まったく難しくない方法で、やろうと思うだけで誰もができる方法だ。しかもゴーグルは、マスクや消毒液と異なり使い捨てではなく、一度備え置けば何度も使えるのである。そういう意味で品薄になる可能性も低い製品だ。

ゴーグルを装着する意味を利用者に丁寧にわかりやすく説明すれば、そのことが不快だとも思われないだろうし、仕事の邪魔にもならない。装着に手間がかかるということもない。

そのように簡単に対応できることに対し、どこどこの誰それはそんな必要はないと言っているとか、感染エリアの対応で十分だとか、根拠のない無責任発言を繰り返して反論する輩など無視してほおっておけばよいだけの話だ。やれることはやっておくに越したことはないのである。

決して間違ってほしくないことは、「今は平時ではない」ということだ。平時対応の常識は通用しない非常時・緊急時であるということだ。この時期であるからこその対応を念頭に置いて、感染予防リスクを1%でも減らせる方法で、できることをまず行うというのが、私たちに求められていることだ。

4/18に厚労省クラスター対策班のメンバーでもある東北大の押谷仁教授が、日本感染症学会で、『高齢者の方が他人に新型コロナウイルスをうつしやすい』・『喉から排出するウイルスの量は重症度ではなく、年齢に関連する傾向があり、年齢が高いほど他人に感染させる可能性が高い』と発表していることもあり、高齢者介護に携わる人は、一層の注意が必要なのだ。

だから感染しているかどうかわからない人と、濃厚接触せざるを得ない介護従事者は、すべての場所で、すべての業務において、利用者対応の際にはゴーグルを標準装着して対応すべきなのである。

リスクがわずかであったとしても、少しでも感染リスクのある場所で介護を行う人が、口と鼻と目を無防備にむき出したままで対応してはならないのである。無防備にむき出した目の粘膜からウイルスが侵入してしまうのだ。

今はそう考え、しっかり対応する時期なのだ。ゴーグルを外して対応するのは、平時に戻った後の話である。
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介護従事者は目を護る日常業務習慣をつけてください


北海道の新型コロナウイルス感染症は、一旦落ち着き減少傾向に向かうかに見えたが、道央圏を中心にして再び感染が拡大している。

特に問題なのはクラスター感染で、医療機関や介護施設内で、患者・利用者・従業員に感染が広がっており、医療崩壊や介護崩壊の懸念も生じている。

北海道の空の玄関口である千歳市では、市内のグループホームで感染者が見つかったのをきっかけにして、そのグループホームの入居者が入院していた2つの病院でクラスター感染が発生。さらに系列の訪問看護ステーションや、通所介護事業所などにも感染が広がっており、さらに多数の医療機関や介護事業者への感染拡大が懸念されている。

こうした感染拡大も最初は、医療・介護従事者がウイルスを持っていると気が付かずに感染者に対応したことがきっかけになっている。だからこそ感染者に気づかずに濃厚接触してしまうかもしれない介護業務においては、コロナウイルス感染が収束するまでは日常の介護業務から感染予防策を万全にしておかねばならない。

今わかっていることは、新型コロナウイルスは皮膚からの吸収感染はされないということだ。よって素手で感染者に対応したとしても、介護行為を終えた後に素早く適切に手洗いすることで感染は防ぐことができる。逆説的に言えば、素手で介助を行ったあと手洗いの前に顔を触るのは、口や鼻からウイルスが体内に取り込まれるという感染リスクが生じて非常に危険だということになる。くれぐれも手を洗う前に顔を触らないでほしい。

新型コロナウイルス感染を防ぐためには、口と鼻からウイルスを吸い込むことを防ぐ必要があるし、目の粘膜からのウイルスの吸収感染もあるとされているので、口と鼻と目を保護する必要がある。

そうであるにも関わらず、マスクは日常ケアの際に必ず装着し、口と鼻を保護しているのに、目が無防備状態で職員に利用者対応させている介護事業者がまだたくさんある。それはダメだ。

僕は先週土曜日に福岡から地元に帰ってきたが、僕が関わっている介護事業者の職員も目を保護せずに利用者対応していたので、早速注意して介護業務に従事する際には必ず医療用のゴーグルを装着させるようにしている。

医療用ゴーグルと言っても、安いものは1.000円以下で売られている。できれば目にぴったり装着して隙間のできないゴーグルを選べばよいし、医療用でなくとも花粉症用のゴーグルを装着し、サランラップ等で皮膚との隙間を埋めて対応しても問題ない。どちらにしてもコロナウイルス感染症が収束するまでは、介護施設、訪問・通所サービスでも、介護従事者のゴーグル着用を常態化してほしい。

また介護施設では面会・外出制限が長期間に及んでいる。その負の影響として、「面会制限している施設から退所させた母親と無理心中というニュースに触れて」という記事で紹介した事件も起きている。

そんな思いを利用者・家族双方にさせないように、顔の見える非接触型コミュニケーションを取る対応は必ずしていただきたい。(参照:施設を強制収容所に化す工夫のない面会制限

外出制限も緩和して、施設職員が利用者を少人数ごとに外に連れ出してドライブをするなどの対応も行ってもらいたい。北海道であればちょうどお花見の季節が近づいている。車から外に出なくとも、ドライブついでに桜を鑑賞できるだけで、ストレス解消になるのではないだろうか。

また施設行事も集団対応をなるべきしないために控えていると思う。その対応としては、「面会制限・行動制限中の介護施設等では利用者のストレス対応に注意が必要。その時動画視聴サイトは威力を発揮します。」という記事で紹介している方法も試していただきたい。

どちらにしても利用者の暮らしの質を下げないためには、介護に従事する人の健全な肉体と精神が守られなければならないのだから、情報をしっかり確認しながら、正しく適切に介護の仕事に従事していただきたい。

介護事業者の経理者や管理職は、自分の管理する職場の職員が、考え得る限り万全にウイルスから護られる対応がされているかを毎日チェックするのが現在の責務だ。

それができない経営者や管理職はいらない人ということになる。
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面会制限している施設から退所させた母親と無理心中というニュースに触れて


大変ショックを受けるニュースが飛び込んできた。

4/18大阪市西淀川区の駐車場で男性(57)が倒れているのが発見され(自室のベランダから飛び降りたとみられる)、自室では母親(91)がベッドで布団をかぶった状態で亡くなっており、顔にはタオルがかけられていたという。亡くなった男性のポケットからは遺書が発見されており、その内容から本件は男性が母親を殺害後、自殺した無理心中であるとされた。・・・この情報だけでも十分ショックであるが、その背景がよりショックである。

母親は数年前に市内の特別養護老人ホームに入所しており、男性は孝行息子として知られ、毎日のように見舞いに訪れ、朝から晩まで母親に付き添っていたそうである。

しかし4/3〜その施設では新型コロナウイルス感染予防対策を取り、面会制限が行われ、男性も母親に面会ができなくなったそうである。

母親に会えない日が続いた男性は、施設に対して、「一時的に家に連れて帰りたい」と外泊の希望を出したそうであるが、感染予防対策中であり外泊も禁止されているとして断られたとのことである。

そのため男性は、母親を施設から退所させることを決断し、4/17の夕方自宅に母親を連れ帰り、翌18日朝には息子が大量の紙おむつを購入して家に運んでいる姿が近所の住民に目撃されていた。しかしその夜に無理心中という悲劇が起こっている。

大阪府警によると、遺書には「母に『死にたい』と言われ、糸が切れた」と書かれており、男性の死後の葬儀や部屋の片付けについても記されていたという。

何とも痛ましい事件である。だからと言って面会を制限していた施設が悪いわけではない。施設としてはこの時期に面会を制限したり、外泊を禁止するのはやむを得ざる措置である。大阪の感染拡大状況を考えれば、この部分はより厳格に行わねばならないだろう。そのことに対して非難を受ける謂れはない。この部分については声を大にして言っておきたい。

第3者からすれば、退所を申し出たときに翻意を促す働きかけがあっても良かったのではないかと言いたくなるのかもしれないが、たぶんそういう働きかけは行われていると思う。施設側からすれば、母親の状態をよく知っているし、男性一人でずっと在宅介護することの困難性も理解していたであろうから、そうならないように説得をしたはずである。少なくとも、「ああそうですか」・「それなら勝手に退所してください」なんていう状態で、利用者を放り出すようなことはなかったと信じている。

おそらく面会できないことに対する、男性のストレスが予想以上に高く、退所させるという意思も、周囲の説得で翻意できる状態でないほど固かったのだろう。だからと言って施設側は面会制限を解除するわけにもいかない。そういう意味では施設・男性双方が思い悩んだ末の退所の決断だったのではないだろうか。

そしてその時点では、当事者本人も含めて誰もこんな悲劇の結末につながるとは思っていなかったはずである。そんな恐れや予測は不可能だ。

おそらく被害女性が退所したとされる施設の関係者もショックを受けていることだろう。担当者は特に悔しい思いをしているだろうが、過度な責任感を追わないようにしてほしいと願わざるを得ない。

ひとつだけ検証してほしいことは、面会制限に対するストレス対応がきちんと行われていたかどうかということである。(参照:施設を強制収容所に化す工夫のない面会制限

参照記事にも書いているように、面会制限と非接触型の顔の見えるコミュニケーション対策はセットで行われるのが当然であると考えてほしい。これだけ長期間の制限にもかかわらず、その出口さえも見えないのだから、そうした対策を全くとっていない制限の継続は、虐待と同じレベルの人権軽視であるとさえいえるのである。

そして本件のような事件の教訓として、私たちは精神的なケアの対象とは、利用者のみならずその家族も含まれると考えるべきだ。面会を制限される家族にも、施設側が主体的かつ積極的にアプローチするべきである。

特に面会できない家族のうち、キーパーソンに対する定期的な施設からの情報発信・情報提供は必要不可欠である。それは個別情報として、広報誌などではなく、個別の非接触型コミュニケーションとして行われるべきであると考える。

どちらにしてもこんな悲劇が繰り返されてはいけない。しかし悲劇が繰り返されない決定的な処方箋などあろうはずがないのも事実だ。だからこそ私たちはできることを確実にしていく以外ない。

現時点で言えば、面会制限にともなうストレスチェックを早急に行うことだ。そのうえでその緩和策を考え得る限りとることだ。特に面会できない家族とのコミュニケーション機会を失わないように、不平や不満を施設側が積極的に受け入れる機会を創るように対策すべきではないだろうか。

それを行っていない施設の関係者は、この記事を読んだ後できるだけ早くその対策を講じていただきたい。

末尾になるが、亡くなられたお二人のご冥福を心より祈る。合掌。
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差別はウイルスを駆逐しない。人を救うのは憎しみではなく愛である。


新型コロナウイルス感染症のために、世界中が大変な状況になっているのはわかるが、『自分さえよければ良い的な思考回路』によって、差別的言動を正当化するような風潮に傾いているのが少し気になる。

自分がウイルスに感染しているのを知りながら、悪意を持ってそのウイルスを拡散しようとするような輩は糾弾されてしかるべきである。ウイルス感染リスクが高い場所に、何の対策もなく出入りして感染するような軽率な行動があるとすれば、そのことは非難されてよい場合もあるだろう。

しかし不運にしてウイルスに感染した人が、すべて悪人のようにレッテルが貼られ、感染していない自分こそが正義で、正しい人間だと思い込むのはどうかしている。

ましてや感染者が多い地域や感染した人や家族を、蔑視するような言動が許されてよいわけがない。

感染に注意しながら通常の日常生活を送っていたにもかかわらず、どこで感染したかも不明な状態で、感染症を発症してしまった人もいる。テレワークのできない職業では、混みあう電車で通勤を続けなければならない人も多いはずだ。そういう意味では今感染していない人も、それは偶然と幸運の結果でしかないのかもしれない。

そんな状況の中で、感染者数が多い地域の人が、自分の生活圏に入り込むことを許されないことのような表現で罵倒するのは行き過ぎであると思う。

感染予防のための行動自粛要請に応えることは国民の義務ではあるが、よんどころなく移動しなければならない事情は存在するのだから、その際は感染予防対策に十分配慮するように一人一人が注意して、自分が感染源にならないように促すだけで十分じゃないのだろうかと思う。

少なくとも、「〇〇の人間は来るな」的な表現が日常化して、あたかもそれが正論化される社会は危険である。それが許される風潮があるとすれば、それはどこかが狂っている。何かが壊れかけているとしか言いようがない。

そうした危惧や、危機感を抱くことは間違っているのだろうか?

ウイルス感染に関するあらゆる差別の延長線上には、感染者に寄り添って対応する医師や看護職員、介護職員等とその家族に対する差別と偏見が必ず生まれてくるのは明らかだ。それが正当化される社会は怖い社会だ。

感染者や、その人たちに対応する人に対する差別的表現を許しておくことは、この国の根を腐らせることにしかつながらない。そうであってはならないと思う。

感染予防対策は大事だ。私たち一人一人が自覚を持って、自らを護り他者に迷惑を及ばせないように行動自粛することも大事である。だからと言って感染者に対して、過度の自己責任を求めたり、糾弾したりする必要はない。もっと優しい社会であってほしい。

今こういう時だからこそ、人に優しくする心を失わないでほしい。人が人を思いやるところから、感染予防は始まるのではないかということに、常に思いを至らせてほしい。

人類は様々な困難に打ち勝ってきた歴史を持っている。その時、困難を克服した一番の要素とは、決して憎しみではなかったはずである。人類が困難を乗り越える根底につめにあったものは、人間愛であったのではないだろうか。

人を蹴落とす競争だけで人は豊かになれないのである。人が豊かに反映する根底には、必ず人間愛と、それに基づく知恵があったということを忘れないでほしい。

愛は地球を救うという言葉は、どこかのテレビ番組の謳い文句を超えて、唯一無二の真実を表現しているかもしれないのである。
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医療崩壊を防ぐためには特攻医療や特攻看護をやめなきゃ。


先週ついに僕が住む登別市でも、新型コロナウイルス感染症の初の感染者が出た。感染したのは海外渡航歴のない80代男性で、昨日になってその濃厚接触者である70代女性も感染していることがわかり感染者は合計2名になった。

感染者情報を巡ってはネット上では不確定情報も含めていろいろな情報が広がっているが、そのような情報に振り回されることなく、自分の身の回りの感染予防対策に意識を集中したほうが良いだろう。どちらにしても国内でも有名な観光地である登別温泉がある地域なので、このダメージは大きなものになるだろう。

こうした状況が続く中で全国の医療機関がピンチだ。新型コロナウイルスに対応できる病床が感染者で埋まり、8都府県で空きベッドが20%未満になっているそうだ。この状況で医療機関内でクラスター感染が起きて、医者や看護職員が感染したら医療崩壊は現実になる。

新型コロナウイルス患者を受け入れていない医療機関でも、感染者が出ないとは限らないのだから、この対策はいくら万全にとったとしても完璧ということにはならない。

しかしこんな深刻な状況なのに、なぜ医療・看護関係者は徒手空拳の状態で、ウイルスが漂っているかもしれない空間に突撃していくような行動をとるのか大いに疑問だ。この状態で検温のために、数時間ごとに患者に接触するなんてことも危険すぎるとしか言いようがない。

現在新型コロナウイルスのワクチンは存在していないし、治療法も確立されていない。一旦感染したら命の保証はないにもかかわらず、薄い防護服とマスクに頼って、ゴーグルさえ装着せずに患者との濃厚接触を1日複数回行っている状態は危険を通り越して、特攻精神の強要としか思えない。

せめてゴーグルも必ず装着して患者対応すべきだと思う。そして濃厚接触する機会はできるだけ減らした方が良いと思う。特に今後は、軽症者はホテルで隔離されるケースが増えていくが、換気の悪い狭い空間で隔離される状態は、3密を防ぐ対応とはかけ離れた対応を余儀なくされ、そこで患者と接触する医療関係者の感染リスクは、さらに大きなものになりかねない。

そういう意味でも非接触型の医療・看護対応をあらゆるシーンで取り入れるべきだ。特に検温なんかは今使える機器を利用するだけで、非接触で行えるのに、その対応もしていない医療機関が多いのは何故だろうと思う。

例えば僕が何度か紹介している、「ウォッチコンシェルジュ」という遠隔見守り看護システムは、こういう時期の感染症発症者の隔離空間で大いに利用すべきだ。このシステムは、ワーコンという会社で実用化しているものだ。
ワーコンのみまもり看護システム
この画像はベッドの下部に生体センサーを設置して、画面左側のピンク色の医療用看護ロボットanco(アンコ)を設置している部屋である。

アンコにアプリを入れておけば、アンコが利用者に話しかけそのまま検温や脈を図ることができるのだから、1日複数回の検温のためだけに看護師が病室やホテルの部屋を訪ねる必要もない。ベッド用のセンサー以外に、フロア用の生体センサーを設置することで、隔離室にいる人の生体情報が24時間もれなくモニターでき状態確認できるわけだから、医師の訪室も最低限に抑えることができる。在宅医療用対話ロボット「anco」
こうした機器を利用しながら、危機管理することが今一番求められているのではないかと思う。実際に九州の医療機関では、ワーコンの生体センサーとみまもりロボットを使って、隔離室の患者対応しているとことがある。

前述したように、ホテルで軽症の感染者を隔離する場合には、ぜひこうした機器を設置して、テクノロジーの力を借りながらウイルスと対峙していってほしいものだ。そうしないと感染拡大の期間はさらに長期化してしまう。

どちらにしても医療・看護・介護支援者を護る戦略に欠ける状態で、人海戦術に頼ったウイルス対応を行うことは特攻戦術そのものであり、決して望ましい結果につながるものではないと指摘しておきたい。
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新型コロナウイルスの相談窓口業務の多職種協働はできないものか


各都道府県ごとに新型コロナウイルスの電話相談窓口が設けられている。そこでは主に看護師が電話口で対応して、様々な問い合わせに応答している。

しかし多くの地域では電話での問い合わせが増え、新型コロナウイルスに関する相談窓口はパンク状態だそうである。電話の相談数が増えるにつれ何時間も電話が繋がらないというクレームも増え、さらに自分の体調の不安から電話口で、相談に乗る看護師の対応に感情的に怒る人も増えているという。

相談を受ける看護師にとっては、自分が悪いわけでもないのに、コロナウイルスの感染蔓延に対する責任を問われ、国の対応の不満をぶつけられるのだからたまったものではないだろうと思う。そのような状況でも電話で相談に乗る看護師たちが、すべての相談に真摯に丁寧に答えている姿は、とても素晴らしいことだと頭が下がる思いである。

そこで電話対応している看護師は、電話相談業務に専従している人ばかりではなく、医療機関の看護師として働きながらダブルワークで相談対応している人も多いと聞くが、そういう人たちがそうした精神的に厳しい電話対応を続けていては、体力が限界に達するのではないかと不安になる。そのことが医療機関での看護業務の支障につながれば、医療崩壊は現実的な問題になるからだ。

しかし相談件数が増えるにつれ、相談内容は専門的なアドバイスがいらない内容も増え、人生相談のようにただ話に耳を傾けるだけで長い時間を要するケースも増えているそうだ。

そうであれば相談内容によっては、看護師の資格がない別の領域の専門家がそこを担った方が良いのではないかと思ったりする。特に我々のように社会福祉士や精神保健福祉士などの国家資格を持った相談援助職が、そこの一部業務をお手伝いできれば看護師の方々の負担が軽減され、電話相談窓口のパンクもある程度まで防ぐことができるのではないのだろろうか。

電話相談窓口の対応職員を看護師に限定せず、様々な職種で相談チームを結成するという対応をすでに行っている地域もあると聞くが、全国の電話相談窓口がそういう方向にシフトしていくべきではないかと思う。

そのチームに参加するためには、事前に新型コロナウイルス相談に対する研修は必要だろうが、それは短時間の非接触研修で可能だろう。ある程度の基礎知識を持った相談援助の専門家などを指揮するチームのリーダーに、より高い専門知識を持った看護師を置けばよい。

そういう形で相談電話の受け付けは、看護師がリーダーとなった相談援助職なども入れた多職種のチームで受け、窓口のパンクも防ぐことができるし、多様な相談にも丁寧に応えることが可能になるのではないのだろうか。

むしろウイルスの相談センターに、優秀な看護師さんたちを縛り付けているのはどうなのだろうという議論があっても良いように思う。医療崩壊・看護師不足の不安が叫ばれている状況で、医療の現場で活躍できる看護師の数を一人でも増やすためにも、電話相談窓口の体制を見直すことは必要ではないだろうか。

声を掛けていただければ、僕自身はいつでも協力したいと思っている。ちなみに僕自身は、社会福祉士・介護支援専門員・家庭生活総合カウンセラーなどの資格を持っているので、連絡さえいただければ、どんな形でも要請に応ずる心の準備はあるし、自由に動ける身分なので、時間や場所に制約を受けずに柔軟に対応可能だ。

いつでも相談してください。
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通所サービスの安否確認による報酬算定に伴ういくつかの問題点


感染拡大防止に関連して、通所サービス事業所がサービス利用ができない利用者に対して、利用日に電話による安否確認を行った場合に報酬算定できる通知が出されたことと、そのルールについて、「通所介護は電話の安否確認のみで報酬算定可能に〜感染予防対策特例〜」・「通所介護と通所リハのコロナウイルス対応特例通知はなぜ発出日がずれたのか」という二つの記事を書いて解説したところだ。

この二つ目の記事の中で、『第6報の問2と第7報の問3はともに「休業の要請を受けていない場合においても、感染拡大防止の観点から、利用者等の意向を確認した上で行う電話による安否確認」とされているだけなので、事業所が休業しているという条件が書かれていない。すると通常営業しながら、新型コロナウイルス対策で休まれている方に電話による対応も可能という解釈が成り立つかもしれないので、ここは保険者等に確認した方がよいのではないだろうか』と指摘したところだ。

しかしその後いくつかの市町村の情報を確認したところ、「営業しながら利用者が自主的に感染予防の為に休まれた場合は、電話で安否確認しても報酬算定出来ない」としている地域がほとんどだ。というか通所サービス事業所が営業を続けながら、感染予防対策として休んでいる人がいた場合に、その方に電話で安否確認して(第6報)のルールを適用して介護報酬を算定することが出来るとしている地域は今のところ確認できていない。

残念ながら電話での安否確認による報酬算定は、休業中の通所サービス事業所に限った特例であると考えたほうが良いようだ。それも致し方ないと思う。なぜなら営業中の通所サービス事業所の利用予定者が、サービス利用予定日に休む理由は様々であり、感染予防を念頭に休んでいるのか、体調不良で休んでいるのか、はたまた個人の用件で休んでいるのかは、自己申告に任せるしかないわけで、確実にその理由を確認する手立てがないわけだから、要件該当を確認できない中での報酬算定は難しいと言わざるを得ないからだ。

ところで通所サービスの特例報酬については、安否確認の報酬算定ができる前の特例は、2/24の『新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等 の臨時的な取扱いについて(第2報) 』で通知され、そこでは休業となった事業所と異なる場所を使用して、当該事業所が指定を受けたサービスに相当するサービスを提供した場合や、居宅で生活している利用者に対して利用者からの連絡を受ける体制を整えた上で、居宅を訪問しサービスを提供した場合について報酬算定できることが示されていた。

それに加えてだ6報では、電話による安否確認のみで報酬算定できることが示されたわけであるが、この通知は4/7に発出されている。

すると第2報と第6報の通知の間には1月以上のタイムラグが生じているわけである。

そのため安否確認による報酬算定が可能であるとされる前には、実際に利用者宅で短時間でもサービス提供していた通所介護事業所が、6報通知が発出された後に、利用者に対して一方的な連絡を行うのみで、ケアマネジャーと対応変更の可否を話し合うこともなく、訪問をやめて安否確認に切り替えて報酬を算定するケースがみられている。

そのことに関して担当ケアマネジャーからは、それは本当に利用者のためになっているのかという疑問の声も挙げられているケースもある。それはもっともな疑問である。

少なくともこうした変更については、通所サービス事業者から計画担当ケアマネジャーに、対応変更をしたい旨を事前連絡するとともに、利用者に対して十分な説明をしていただきたい。

多職種協働の精神はこういう時こそ必要だ。

特に私たちが一番考えなければならないことは、介護サービス利用者の生活がどうなるのかということなのだから、利用者中心の視点を忘れることなく、そのために関係者が制約のある不便な環境の中でも何ができるのかを考える必要がある。

感染予防対策がいつまで必要かという目途は全く立てられないが、終わりのない始まりはないし、感染予防対策が終わった後も利用者支援は続くのだから、今こそ多職種連携・協働の強化を図りながら、地域包括ケアシステムの実効性を高めていただきたい。
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新型コロナウイルス禍で介護業界の人員は増えるだろうが・・・。


北海道の自宅を経ち、博多の顧問先での4月の業務のために来福してちょうど1週間過ぎた。今回の来福の直後に福岡市が緊急事態宣言の対象地域になったために、その前後で街の様子は大きく変わった。

緊急事態宣言前に通常営業していた飲食店で、自主休業するお店の数が日に日に増えている。休業して改修工事などを行うホテル等も目につく。劇的に変化しているのが博多駅構内である。駅直結の商業ビルがすべて臨時休業して、駅の様相が全く変わってしまった。

昨日は日曜日ということで、僕も顧問先に出社せず、ホテルに籠って1日PC作業をしたが、お昼ご飯を食べるときだけ駅の近くで飲食店を探したが、街は閑散としており博多駅構内もこんな様子だ。
臨時休業の張り紙
博多駅構内
いつもの日曜日なら人でごった返すはずの博多駅の姿がこれである。一番人通りが多いはずの博多口から筑紫口への連絡通路を歩く人の姿が少ない。駅周辺で営業している飲食店も数が少ないのだから、お昼時はそこに人が集中して混むのではないかと心配したが、そのような気配もない。

このような状況は日本経済に大きな影響を与えるのは間違いのないところだが、飲食店やホテルで働いている労働者にとっても深刻な問題だ。仕事がなくなる人もいる。

そんなふうに新型コロナウイルスの影響で失業する人は確実に増えている。そんな人達にとっては介護業界はとりあえず仕事先として選ぶことのできる職業の一つになっている。こんな状況でも仕事が減らず、むしろ対応のための人員をさらに必要とする介護業界に転職する人が間違いなく増えてくるのである。実際にすでに他業種から介護業界に転職した人もいる。

しかしこの状況が介護人材不足を補い、介護業界にとって追い風になると短絡的に考えることはできない。

今まで介護の経験が全くなかった人が職場を失って、新たな仕事を探しているときに、たまたまたどり着いた職業が介護の仕事であっても、そこで隠れた適性が発揮されて、そのまま介護業界に定着して貴重な人材に育っていく例は過去にもたくさんあるのだから、そのことに期待を寄せることはあって良いと思う。

しかし我々が過去から学んだことは、そうしたケースは決してマジョリティになったことはないということだ。

社会の不景気で失業者が増える際に、介護の職業への転職者が増えるとしても、その中に良い人材がいる以上に、介護の職業への適性に欠けて、教育効果も上がらない人物の方がいつも多いというのが過去に見られた現象であり教訓だ。このことを十分理解し、覚悟しておく必要がある。

応募に人が集まってくることを喜んで、闇雲に採用してはいけないことを、このブログでは繰り返し警告している。仕事がないから介護でもしておけと考えている人が、そこにはかなりの数交っているし、その中にはとりあえず介護事業者に就職して、給料をもらいながら、状況が変化したら元の職業に戻ろうとか、さらに別の仕事を見つけようと考えて、介護の仕事を、「腰掛け」程度にしか思っていない人が一定数いるのだ。

そうであってもその人たちが、介護の仕事に就いている間だけでも、介護事業者の戦力になってくれれば良いのだが、なかなかそううまくはいかない。

その人たちのなかには、真面目に仕事を覚えようとも、介護の職業を通じて自分のスキルアップを図ろうとも思っていない人が混じっておりことを覚悟したほうが良い。そういう人たちを採用してしまうことで職場全体が混乱し、職場の秩序や人間関係といった職場環境全体がぎくしゃくし、元に戻せなく例はたくさんある。職場環境はあっという間に悪化するが、元の状態に戻すのには、その数倍のエネルギーと期間が必要になるのである。

特に仲間同士が複数で募集に応募してきて、それらの人を一斉採用する際には注意が必要だ。「一斉退職者をまとめて雇用なんて、あり得んだろうという話」のような状況に陥らないように、経営者や採用担当者は、慎重に職員選考を行わなければならない。

またせっかくこの機会に、介護の職業への隠れた適性を持った人が転職してくれたとしても、その人達が、自らのスキルを発揮する機会やスキルアップの機会がないと、適性を持ったことに気づかぬうちに辞めてしまったり、介護の現実に幻滅して他の職業に転職してしまうというケースも多々ある。

そうしないための唯一の方法は、未経験者・他業種からの転職組を中心とした新人教育の徹底しかない。未経験者が安心して介護の仕事を続けられることが出来る基礎教育と、基礎教育を実践の場で確認できるOJTが何より求められるのだ。

感染予防対策に集中しなければならないから、職員教育は後回しだと考える職場に、人材は定着していかない。それはコロナウイルス禍が治まりを見せた後、深い爪痕・後遺症として介護事業者に禍根を残す結果となるのである。

他産業での失業者から適性のある人材を取り込み、そうした人材を定着させ職場の戦略に変えるための戦略が求められるわけで、各事業者の人事管理部門の力の見せ所が今である。

こんな時だからこそ人材を見極め選ぶ目と、選んだ人を育てる視点が不可欠だ。
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通所介護と通所リハのコロナウイルス対応特例通知はなぜ発出日がずれたのか


新型コロナウイルスの感染予防対策特例に関する通知が出されて、通所サービスについては休業中に、利用予定者に対して電話の安否確認するのみで報酬算定可能になったことには昨日の記事、「通所介護は電話の安否確認のみで報酬算定可能に〜感染予防対策特例」でお知らせしたところだ。

ところで7日の通知では特例対象が、「通所系サービス事業所(通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護に限る)」とされていて、通所リハビリが除外されていた。それはなぜかと疑問に思っていたところ、通所介護の特例通知が出された2日後の一昨日(4/9)付けで通所リハビリ等に関する通知が発出された。(新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて(第7報)

それによると通所介護は休業要請に応じた場合に、休業中の利用予定日の利用者に対して、電話で健康状態等の確認するのみで1日2回まで報酬算定が可能であり、自主休業の場合でも1日1回は報酬算定が可能であるとされているのに、通所リハビリの場合、『1時間以上2時間未満の報酬区分』の算定は初回のみで、しかも1日1回に限るとされている。

通所介護と通所リハのこの違いは何だろう。そしてなぜ両者の特例通知に2日間のタイムラグが生じたのだろうか。

僕が管理する表の掲示板のスレッドでは、この特例は利用者のためではなくサービス事業者のためにしかならないのではないかという疑問が示されているが、そういう側面は否定できないだろう。ただそれも中・長期的に見た場合、決して利用者の不利益とは言えないことは、当該スレッドのNo4で示しているところだ。

そんな中で7日に通所介護の特例を示した時点で、通所リハも同じで良いのかという疑問が国の内部で示されて、意見がまとまるのに2日間を要したというのが裏事情ではないのかとうがった想像をしている。

つまり通所介護は機能訓練を行う目的の他に、日常生活上の世話のほかレスパイト目的の利用が認められているサービスであるが、通所リハビリについては、「生活機能の維持又は向上を目指し、理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションを行うことにより、利用者の心身の機能の維持回復を図るものでなければならない。」として、あくまでリハビリテーションを行うサービスである。

そのため主目的のリハビリを行わずに安否確認だけで報酬を算定してよいのかという疑問が呈されて、この調整に2日という時間を要し、妥協の産物として、「社会に限り1日1回」というふうに、通所介護より算定報酬を少なくしたのではないかと思う。ただしこれはあくまで想像に過ぎない。

13:14追記)この記事をアップした後コメント欄に、菅谷真吾さんがご意見をコメントしてくださっているが、第6報の問2と第7報の問3はともに「休業の要請を受けていない場合においても、感染拡大防止の観点から、利用者等の意向を確認した上で行う電話による安否確認」とされているだけなので、事業所が休業しているという条件が書かれていない。すると菅谷氏の言うとおり
>通常営業しながら(休まない利用者様の対応をしながら)新型コロナウイルス対策で休まれている方に電話による対応も可能
⇑この解釈が成り立つと思われる。ここは保険者等に確認した方がよいのではないだろうか。(追記ここまで

なお10日付で、「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて(第8報)」も発出され、ここでは通所介護事業所が新型コロナウイルス感染症対策として、当該事業所の利用 者に対して、当初の計画に位置付けられたサービス提供ではなく、時間を短縮し ての通所サービスの提供や、訪問によるサービスの提供を行う場合、事前に利用 者の同意を得た場合には、サービス担当者会議の実施は不要であることや、居宅サービス計画(標準様式第2表、 第3表、第5表等)に係るサービス内容の記載の見直しについては、サービス提供後に行っても差し支えないとされた。また同意については、最終的には文書による必要があるが、サービス提供前 に説明を行い、同意を得ていれば文書はサービス提供後に得ることでよいとされている。

そのほか福祉用具貸与や小規模多機能居宅介護の確認事項も含まれているので、リンク先から通知を確認いただきたい。

ところで僕は今、顧問先での仕事のため今週月曜日から福岡市に滞在している。しかし滞在直後に福岡県には緊急事態宣言が出された。その影響で顧問先近くの外食店は軒並み休業となり、昼食を摂る場所の選択肢が極端に狭まってきた。夜は帰り道にそこそこ居酒屋さんなどが空いるのだが、感染予防のためどこにも寄らずにまっすぐにホテルに帰って連日、部屋に籠って一人飯です。コンビニとスーパーの弁当と総菜を交互に食べている。「masaの血と骨と肉」で寂しいホテル飯を見たひとは、是非励ましてほしいものだ。

それにしても仕事をしている時間はともかく、ホテルに籠っている時間は何もすることがなく時間が経たずに困っている。テレビでも見るしかないが、そのテレビがまた面白くない。困っていたら国内最大級の動画視聴サイトを31日間無料トライアルできることを知った。部屋からクリックするだけで申し込めて、すぐに視聴開始できるようになって助かっている。

この土日、外出を控えてできるるだけ家で過ごしている人にもおすすめかもしれない。見逃した気になる映画や、昔懐かしいドラマをじっくり自宅で見て過ごすしたいという人は、「新型コロナ対策で暇している方、映画・アニメなど充実の動画サイトで見放題作品が無料視聴できます」で紹介しているサイトを一度お試しになってはいかがだろう。

無料トライアル期間だけの利用でも問題ないので、試す価値はあると思う。
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通所介護は電話の安否確認のみで報酬算定可能に〜感染予防対策特例〜


厚労省は7日、「厚労省通知vol.809〜新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等 の臨時的な取扱いについて(第6報) 」を発出している。

問1では、休業要請を受けた通所介護事業所の介護報酬算定特例を次のように定めている。

通所系サービス事業所(通所介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護に限る)が、休業の要請を受けて、健康状態、直近の食事の内容 や時間、直近の入浴の有無や時間、当日の外出の有無と外出先、希望するサービ スの提供内容や頻度等について、電話により確認した場合、あらかじめケアプラ ンに位置付けた利用日については、1日2回まで、相応の介護報酬の算定が可能である。具体的な算定方法については、 「新型コロナウイルス感染症に係る介護 サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて(第2報)」 (令和2年2月 24 日付厚生労働省老健局総務課認知症施策推進室ほか連名事務連絡)別紙1 を参考にされたい。なお、対応にあたっては、職員が自宅等から電話を行う等、 柔軟に検討されたい。その際には、電話により確認した事項について、記録を残 しておくこと。

このように休業中であっても、利用予定日の利用者に対して、電話で健康状態等の確認するのみで報酬算定が可能とするという特例が示された。しかもこの場合は、「1日2回まで報酬算定可能」とし、「具体的には(第2報)の取り扱いに基づく」とされている。

第2報の取り扱いとは、「サービス提供時間が短時間(通所介護であれば2時間未満、通所リハ であれば1時間未満)の場合は、それぞれのサービスの最短時間の報酬区分(通所介護であれば2時間以上3時間未満)で算定する。 」という部分を指していると思われる。

つまり電話での状態確認は極めて短時間で終わり、少なくともそれは1時間以上もかからないので、この場合の介護報酬について、通所介護事業所が算定できる単位は、「2時間以上3時間未満」の単位である。これを例えば午前と午後に電話で状態確認することで、「2時間以上3時間未満」を2回まで算定できるということになる。

(10日夜追記)※なお厚労省から4/9付で第7報が発出され、通所リハビリについては、1時間以上2時間未満の報酬区分の算定は初回のみで、しかも1日1回に限るとされたので注意が必要だ。

しかし緊急事態宣言が出されている地域でも、東京以外の6地域では、通所介護事業所への休業要請は出されていないため、この問1に該当する事業所は今のところ極めて少ない。

そこで重要になってくるのは問2である。

問2、問1の取扱について、通所系サービス事業所が都道府県等からの休業の要請を受けていない場合においても、感染拡大防止の観点から、利用者等の意向を確認した上で行う電話による安否確認について、介護報酬の算定が可能か。
『(答)通所系サービス事業所が、健康状態、直近の食事の内容や時間、直近の入浴の 有無や時間、当日の外出の有無と外出先、希望するサービスの提供内容や頻度等 について、電話により確認した場合、あらかじめケアプランに位置付けた利用日については、1日1回まで、相応の介護報酬の算定が可能である。具体的な算定方法等は問1の取扱いと同様である。 』

このように自主休業の場合も、同様の報酬算定が可能とされた。しかしこの場合は1日1回のみの算定となる。なおここでは健康状態等の確認について、「安否確認」という表現となっているので、この言葉をタイトルに入れたことを断っておく。

ただしこうした形で報酬算定する場合に注意してほしいことがある。それは利用者は誰もこんな通知を読んでいないので、電話で安否確認されて自己負担金が発生するなんて思っていないということだ。そしてこれは機械的に電話すれば算定できるというものではなく、こうした形で報酬算定し、自己負担金が生ずるということを丁寧に利用者に対し説明し、同意を得ることが必要だと思う。

この場合に同意書が必要なのかという疑問が生ずるが、そもそも今回の特例は、人と人の接触をできるだけ抑制するのが目的なのだから、同意書を書いてもらいに利用者宅を職員が訪ねる必要があることになっては、何のための休業だかわからなくなる。それは休業目的に反するので、そこまでは求められないだろう。最初の電話での安否確認の際に丁寧に説明して、その内容を記録しておけばよいものと思われる。

問3は訪問介護の生活援助について、「外出自粛要請等の影響により、例えば週末前の買い物において混雑により時間を要し、実際の生活援助の時間 が45 分を大きく超えた場合」については、『算定単位は、実際に行われた指定訪問介護の時間ではなく、訪問介護計画において位置付けられた内容の指定訪問介護を行うの に要する標準的な時間』という原則から外れて、「実際にサービス提供した時間」の算定が可能としている。

ただしその場合は、45 分以上の単位数を算定する旨を利用者に説明し、請求前に同意が得られ(同意は、訪問介護事業者が直接取得することも、介護支援専門員経由で取得することも可)、かつ介護支援専門員が必要と認めることを条件としている。

問4は居宅介護支援におけるサービス担当者会議の特例についてである。「利用者の自宅以外での開催や電話・メールなどを活用する 」ことについては、感染者が発生していない場合でも 同様の取扱が可能であるとしている。感染者の発生の有無にかかわらず、社会全体で感染拡大の予防策を取ろうという意味だろう。これは正しい方向だと思う。

問5も同じ趣旨で、(地域密着型)特定施設入居者生活介護における退院・退所時連携加算 のについても、できるだけ人の接触を避ける方法で行うことを周知するものだ。

問6はグループホーム等の代表者・管理者・介護支援専門員の義務研修が開催されずに受講できない場合の取り扱いについて、人員基準違反・欠如減算としない取扱いとしてよいと周知している。この場合は原則として、延期後直近に開催される研修を受講する必要があるとし、新たに指定を受け開設する事業所については、利用者に対して適切なサービスが提供されると指定権者である市町村が認めた場合に限られるとしている。

問7は、介護施設等の消毒・洗浄経費支援につ いて、外部の事業者に消毒業務を委託して実施する場合も、介護施設等の消毒・洗浄経費の支援対象となることが通知されたので、積極的に利用してほしい。

それにしてもこの新型コロナウイルス感染は、いったいどこまで広がり、いつ終息の兆しが見えるのだろうか。先が見えないだけに不安は尽きない。本当に心配である。
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緊急宣言下に求められる多職種連携


改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が今日発令される。

対象は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡で、一定の私権制限が可能となる。

今回の新型コロナウイルス関連では、一番最初に感染症の蔓延が懸念された北海道が一度、緊急事態宣言を発令して、それはすでに解除されているわけだが、それは法的根拠のない宣言だった。しかし今回は改正法に、新型コロナウイルスを位置付けて発令されることになり、法的根拠に基づいた宣言になる。
※ちなみに北海道は、現在感染症の拡大が収まっており、早期対応した鈴木知事の評価が高まっているところだ。ただこれによって感染症が終息に向かうという保証はない。

発令の目的について首相は6日の会見で、「人と人との接触を極力減らすため、国民にこれまで以上の協力をいただき、医療体制を整えるためだ。」と説明した。

そこで介護事業者はどうなるのかという問題がある。特に外から人が集まってきて、集団活動を行うことも多い通所介護は営業してよいのかという疑問が出てくるのは当然だ。

この宣言に基く具体的要請や指示は、都道府県知事が決定して行うことになるため、宣言対象地域によっては取り扱いが異なってくる可能性もあるため、その内容の確認がまず重要になる。

改正法で、介護事業に関連する規定としては次の2点が一番大きく関連してくると思われる。

外出自粛の要請
都道府県知事は、「生活の維持に必要な場合を除きみだりに当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないこと」を期間と区域を決めて住民に要請できる。
学校、社会福祉施設、イベント会場の使用制限
都道府県知事は学校、社会福祉施設、興行場(映画、演劇、音楽、スポーツ、演芸などの施設)の管理者に対し、施設の使用制限もしくは停止を要請できる。また、イベントの主催者にイベント開催の制限もしくは停止を要請できる。施設管理者等が正当な理由がないの要請に応じないときは、施設管理者等に対し指示することができる。

このように要請だけではなく指示も行われるわけであり、より強制力が強い印象が与えられている。

その中で、介護施設には感染防止対策をとるよう求め、利用者や家族などの生活維持に必要ないサービスについては使用制限などを求める場合があるとされている。

介護施設等の居住系施設は休止ができないので、感染予防対策として面会制限と外出制限の強化が求められるだろう。ショートステイや通所サービスについては、休止を要請指示される場合があるだろう。

通所介護や通所リハビリは、仮に休止が求められなくとも、宣言対象地域の事業者は万全を期して、宣言期間中の営業自粛をすることもあるだろう。今の状況から言えばそれは仕方のないことだろうと思う。仮に休止要請が行われない場合も、営業中にそこでクラスター感染が疑われる事態になっただけで、日本中から非難を受け、二度と立ち直れなくなる危険性さえあるのだから、営業を自粛するという判断に傾くのはやむを得ないと思う。通常営業を行う壁はあまりに高いと言えるだろう。

ただし宣言が出された場合であっても、自主的に営業自粛する場合であっても、利用者や関係者に対して一方的な休止宣言で終わらないでほしい。

多職種協働の精神は、こういう時こそ必要だ。今まで発出されている通知等で、今回のウイルス対策の特例として、通所介護事業所職員が利用者宅で通所介護と同じサービスを行う場合は、通所介護費を算定出来たり、ヘルパー資格のない通所介護職員が、併設ヘルパー事業所のサービスとして訪問介護サービスを行って、訪問介護費を算定できるというルールが出来ているので、その必要性はないか、そういう対策が講じられないか等々を、担当のケアマネジャーを中心にして十分検討してほしい。

政府は、外出自粛期間中も「健康維持のための散歩と運動は認める」などと記す方向で調整しているとのことであり、特に高齢要介護者の宣言期間中の体力・機能低下には最新の注意を払ってほしいものだ。

ちなみに外出自粛要請に従わない住民への罰則はなく、都市封鎖のような措置はできないことも知っておく必要があるだろう。ただし要請・指示に際して事業者名を公表するため、それに従わない事業者等には社会の視線という実質的な強制の色彩を帯びることを覚悟しなければならない。

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感染予防を理由にした制限はどこまで許されるのか


新型コロナウイルスの感染予防対策は、時として様々な迷走を生んでいる。

例えば某地域では次のようなケースがあった。

住宅型有料老人ホームで生活している要支援者の方に、面会に訪れた家族が玄関先で面会を止められたというのだ。この利用者には外部からヘルパー支援が入っており、担当のケアマネジャーも施設内で面接しているのに、いきなり家族だけが面会を断られたわけである。しかも面会制限は事前連絡なしだ。

その利用者の方は90歳を超えた女性で、重度の心不全を持病に持っており、無理できないためにヘルパー支援で足りない部分や、ヘルパーの支援対象となっていない部分を、家族が替わって行うことで日常生活が成り立っているそうである。それなのにその大切な家族支援を拒否されているのだ。

ヘルパーとケアマネが入れるのに、実質日常支援を行う家族が施設に入れない理由は、前者は仕事できているので、何かあれば事業所が責任を取ってくれるが、家族の場合は、責任を取る主体がないからだという・・・。こう書いても意味が全く分からない人が多いだろう。そんなふうに筋が通らない理由で面会拒否されたそうである。

憤慨した家族が施設長に講義を申し出たところ、翌日から家族支援を受けている家族は、細心の注意を払い面会できる様になったということである。

面会制限自体は、この時期だから仕方がないだろうが、「施設を強制収容所に化す工夫のない面会制限」という記事でも指摘した通り、制限には一定の配慮と工夫が伴わねばならない。ましてや事前連絡なしで、玄関口で一方的に入館を禁ずるのは配慮不足と言われても仕方がない。外部ヘルパーの訪問を許して、ヘルパーでは足りない支援を行う家族の訪室を許さないことの根拠も乏しい。

こうした状況が起きる問題の本質とは、感染予防という名のもとに、施設側の責任を誰かに転嫁するような根拠のない対策が取られているということだろう。まったく情けない話である。

ここで一つ考えておかねばならないことがある。面会を禁止にした場合、それではということで、家族が居住系施設に入所利用している方を、気分転換のために外出に連れ出したいと申し出た場合、それを拒否できるかという問題である。

勿論、不要不急の外出はなるべく控えるようにお願いしている最中であるから、人混みが想定される場所に利用者を連れ出さないようにお願いすることはできるだろう。しかしそれはあくまで要請レベルにとどまるし、外出そのものを禁ずることは出来ない。

そもそも職員は施設以外の場所から通ってきており、その際には満員電車に揺られる中、周囲の人たちと濃厚接触しているわけであるし、自由に外出しているわけでもある。利用者だけを外出禁止にするわけにはいかないのである。

家族から利用者を気分転換のために、外食に連れ出したいと求められたら、それを認めるしかない。その際にできれば感染予防の観点から、お店で外食するのではなく、家で食事してくれませんかと頼むのがせいぜいだろう。

施設側の依頼や要請に対して、家族がどう応えるのかは日ごろからのコミュニケーションと関係性がベースになって決まってくる問題だろう。感染予防に関して施設側、家族側双方がベターな選択をするためには、施設と家族の信頼関係が大切だという一言に尽きるのである。

面会に来た家族を玄関口でいきなり面会禁止を宣言するような施設が、家族との信頼関係を築くことができるかを考えてほしい。大変な時期をそれぞれの立場の人が、様々な対策を取って乗り切らないとならないのであるから、お互いがそれぞれの立場を慮るということが何よりも大切だということを忘れてはならないのである。

そもそも面会を制限している今だからこそ、居住系施設の責任で利用者の外出機会は確保してほしい。

面会制限と外出制限はセットではないのだ。面会を制限する分、安全な外出支援に力を入れるべきである。

東京都の小池知事は3/27の定例記者会見で、「来年も桜はきっと咲きます。お花見はまた来年も咲きますので、楽しみにとっておいて、ここはみんなで難局を乗り越えることでご協力をいただきたい。」と語ったが、介護施設の高齢者の事情は異なる。

特養だと1年間で最低1割、多い年で3割程度の人が死亡しているのだ。今年の桜がこの世で最期に見ることができる桜なのかもしれないのだ。そういう人たちから、今年の桜を見る機会を奪ってはならない。弁当を持参してお花見を行うのは適切ではないが、桜を見る機会を創ること自体は行ってよいことだと思う。

面会制限をしているならなおさら、気分転換が必要だ。桜の周りで飲み食いするお花見は自粛するのは当然だが、例えばドライブがてらに車内から桜を眺めても感染リスクが高まることはないだろう。面会制限をしている施設であっても、利用者を少人数のグループに分けて、桜がみられる時期と場所を選んで、ドライブがてらに車内からでも桜を愛でる機会を創ろうと努力するのが、今この時期だからこそ求められることではないのだろうか。

知恵と愛のない感染予防対策ほど、人の権利を侵害するものはないことを自覚して、利用者の方々の健康と暮らしを同時に護る介護サービスを実現することを願ってやまない。
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施設を強制収容所に化す工夫のない面会制限


北海道の中でも新型コロナウイルス感染者がゼロだった胆振中部・西部地域で昨日、感染者が1名出た。患者はハワイから帰国したばかりの20代女性で、室蘭市内の医療機関の受付事務をしていたとのこと。

室蘭市長が発症者が出たことを報告する記者会見では、「公共性がある機関であり、医院名を公表すべきではないか」という記者からの質問が相次いだが、「医療機関のご意向」として、市長はこれを拒否した。

しかし市民の間では当該医療機関名は既に、「情報」として広がっており、室蘭市内の小児科医療機関であることが特定されている。それにしても当該医療機関が医院名を公表しないという態度は全く納得できない。市民に対していたずらに不安与える無責任な態度であると批判されて当然だろう。秘密にするという危機管理はあり得ないことを自覚しているのか疑問である。おそらく数日中に、ネット上では当該医療機関名が広く流布されると思えるが、その時この医療機関が、どう対応するのかが注目されるところである。市民に対して真摯に説明しなかったつけは、どこかで必ず支払わねばならないだろう。

このような状況だから、登別・室蘭地域の介護事業者も一層の警戒が必要だ。

特に介護施設やサ高住・GH等の居住系施設住む高齢者は、新型コロナウイルスに感染すると重篤化するリスクが高いだけではなく、場合によってそれは死に直結しかねないのだから、そうしないために面会制限をするのは、この時期であれば至極当然のことである。

しかし制限だけして終わりではあまりに無責任である。本来介護施設をクローズして、家族と会わせない権利は誰にもないはずであり、例外的に医学的見地から一時的な制限が認められているに過ぎない。

感染予防は施設を社会から隔離した密室と化すために行うものではなく、感染を予防して安全な環境を保つために行うものであるのだということを忘れないでほしい。居住系施設を外部の家族とのコミュニケーションさえ取れない場所にしてしまえば、それは冷たいブラックボックスでしかなくなる。

特に特養は介護施設であると同時に、利用者のとっては暮らしの場であることを標榜しているのだから、制限と配慮はセットで考えられねばならない。

今の時代はICT技術で、対面しなくてもコミュニケーションをとる方法はいくらでもあるのだから、そうした工夫をしないで面会制限だけを行うのは、いかにも知恵と配慮のない施設運営だというべきだろう。

例えばネット環境さえあれば、Google等でビデオ会議・チャットサービスの無料アプリが提供されているので、簡単に画面を通じて相手と対面しながらコミュニケーションが取れるのである。そうした技術はすでに特殊技術ではなく、スマホやタブレットを日ごろから使い慣れている人にとっては一般的なアプリ利用に過ぎない。誰でも使える方法なのである。そうしたアプリを活用しないで、面会制限だけをダラダラと続けている施設は、強制収容所と同じである。

施設の利用者の姿かたちが見えない状態で、情報だけ送っても家族にとっては不安が大きい。それは幻の音信にしか過ぎず、真実とは異なるものだ。面会を制限している密室で自分の親がどのように暮らしているかを見て、本当の姿を確認したいと思う家族は多いだろうし、その気持ちはあって当然である。そうした思いにも寄り添うのが対人援助として求められるサービスの品質である。

各サービスステーションに、PCもしくはタブレットやスマートホンを置いておくだけで、それを通じて自宅にいる家族と簡単にコミュニケーションをとれるのだから、面会制限中は施設側から積極的に家族の持っている末端と施設をつないで、画面を通じて姿が見える形のコミュニケーションをとれるようにすべきだ。

しかしこうした方法を、わざわざ施設に訪ねてとらせるのもどうかしている。

チャットサービスは、距離が離れていても可能なのに、施設の受付に末端を置いて、そこに訪ねてきた家族が、館内に入らない状態で、施設内の利用者とコミュニケーションを取らせているような馬鹿げた使い方をしている施設がある。デジタル機器をアナログ化しているような使い方だ。

勿論、たまたま面会制限を知らずに訪ねてきた家族にそういう方法を取ることはあってよいだろうし、ITやICT利用が苦手である人にサービスとして、施設の玄関口でそういう対応をしていただくことはありだろう。しかしそれで終わってどうするのかと言いたい。

それはごく限られた人に対するサービスにすべきで、それを広げて利用者家族が自宅から施設利用者とコミュニケーションを取れるように支援するのが本当の意味での行き届いたサービスではないのか。なぜなら施設利用者の家族の大半が、スマホもしくはPCを使いこなしているからである。

施設利用している人自身は、それらの機器を使い慣れておらず、画面の前で緊張するかもしれない。そんな方には、僕の顧問先である、「ワーコン」が見守りシステムでも活躍している、「在宅医療用対話ロボットanco:アンコ」を利用してはいかがだろう。
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見守り看護師に緊急通報もできるアンコを通じてのコミュニケーションなら、愛らしいスタイルに緊張も覚えることなく、自然に家族との会話が可能になるかもしれない。

各サービスステーションに備品としてアンコを1台置いておくだけで、複数の家族とつなげてコミュニケーションが可能になるというものだ。

なお面会制限に関して注意してほしいことは、制限を行う場合は、必ず医師の指示もしくは意見をきちんと記録にとって、面会制限を行う理由や時期などを明らかにしておくべきだ。

これを行っていない場合、制限に不満を持つ家族とトラブルから訴訟になった場合、施設側は根拠のない権利侵害もしくは逮捕・監禁罪の疑いを問われて損害賠償を命じられるリスクがある。それを防ぐために、医師の判断を明確に記録しておく必要がある。

特に問題なのは、老健施設等では看護師の指示命令において面会制限を行っているケースがあるが、看護職員にはそのような指示・命令ができるという報的根拠はないので、それは大問題であるし、やってはいけないことだということを肝に銘じてほしい。
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