masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

ケアマネジメント

基本ケアと疾患別ケアで構成されるケアマネジメントの新手法


厚労省は2016年から10か年計画で自立支援・重度化防止の推進策の一つとして、「適切なケアマネジメント手法」の確立と推進に取り組んでいる。

なぜそれが必要とされているかと言えば、ケアマネジャーという資格を持っている人たちのケアマネジメント力の個人差が大きいことが問題となっているからだ。

もっと具体的にいえば国は、「基礎資格によってケアマネジメントのばらつきが大きい」・「支援内容を導き出した明確な根拠を示し説明できないケアマネが存在している」という問題が背景にあると指摘している。

以前からケアマネジャーに対しては、「メディカル、コメディカルと対等に渡り合える知識と実践力 があるのか?」という指摘もあったことから、「基礎資格によって〜」の意味は、メディカル(医師)やコメディカル(医師以外の医療関係者)と対等に意見交換ができない福祉系ケアマネジャーという意味ではないかと想像される。

そのため「適切なケアマネジメント手法の確立」の中には、福祉系のケアマネジャーにも最低限の医療知識を身に着けて、医療関係者と対等の議論ができるようになってほしいという意味が込められているのだろう。

それは高齢者には持病がつきものであり、持病管理が即ち自立支援につながる事例が多いからである。

よく言われるのが、持病として糖尿病を持つ高齢者のケアプランに血糖値管理の方策が書かれていない計画書があるということだ。血糖値を正しく管理しないことによって合併症が発症し、身体機能の低下が早まり、それがADLの低下につながる事例は少なくなく、その多くが福祉系ケアマネジャーが作成した計画書であると指摘されるているのである。

そのような無知による自立支援の失敗をなくしたいというのが国の意向でもある。

そのため今後は、基本ケア疾患別ケアで構成するケアマネジメントの実現を図るために、ケアマネジャー養成カリキュラム等を更新していくことになっている。

基本ケアとは、すべての利用者に共通する、「支援する際に重視すべき事項」を整理して示すことを指している。そのために、ADLや栄養・認知症等の状態像から導き出すエビデンスの確立を目指して、LIFE(科学的介護情報システム )が活用されることになる。

疾患別ケアは、利用者が抱える疾患の特徴を踏まえ、回復期〜安定期の期別に応じた想定すべき支援を整理することが求められている。

例えば「心不全」をモデルにした疾患別ケアを考えてみよう。
心不全の経緯
循環器病は心臓にダメージを与え続けた結果、ある時点で心不全を発症させる。これを「急性心不全」というが、心不全をいったん発症すると基本的に根治しないため、弱った心臓をいかにサポートし、できるだけ症状の悪化のスローダウンを図るケアが必要になる。

つまり心疾患は一旦病状安定後、「慢性心不全」として繰り返し発症するという予後をたどり(ステージC)、やがて心不全が重症化し治療効果が出にくい状態に陥る(ステージD)。介護支援専門員は、心不全がこうした段階を経ることを知っておく必要がある。

心不全を発症しても、発作が収まれば身体機能はほぼ正常に保たれているように見え、ADLの低下もほとんど見られない人は多い。目に見えていることだけのアセスメントで終われば、以前と同じことができて問題ないと思われてしまう。しかし心機能自体は低下し続けることを忘れてはならないのだ。慢性心不全の増悪の度に心機能低下は進行するのだ。

よって一旦心不全発作を起こした人は、元の健康状態には戻らないことを前提にケアプランを立てる必要がある。これが疾患別ケアの基本だ。

心不全発作が収まり症状が回復してADLに変化がなくても、元の暮らしを送ること自体が心臓に負担をかける要因となりかねず、自立支援が大事だと言っても、そのために無理をさせることが急性増悪の原因になるのである。場合によってその無理は、死期を早めるということにもなりかねない。

だからこそ元と同じ家事をこなすことを強いてはならないケースも多くなるという理解が必要だ。その場合は心臓に負荷をかけないように、適切に生活支援(家事援助)をプランに組み込む必要が当然生じてくるのである。

そのためには心不全の発作が収まり退院が決まった時点で、主治医師から適切に情報を受けとり、禁忌事項などを確認しておく必要がある。それらの注意事項や禁忌事項を日常生活の中にどうつなげていくかという視点で計画を立案しなければならない。

このような疾患別ケアの視点を正しくもって、幅広い視点で生活全体を捉え、生活の将来予測や各職種の視点・知見に基づいた根拠のある支援の組み立てを行うことができる知識や技術を修得させることを目的にしているのが、現在行われている「適切なケアマネジメント手法」の確立と推進事業である。

そこでの最大の課題は、「経験値の共有化」である。

福祉系ケアマネジャーであっても既に、基本ケア疾患別ケアで構成するケアマネジメントがしっかりできている人も居る。そうした介護支援専門員が努力して蓄積してきた知識や思考の方法は、介護支援専門員全体の大切な財産である。

それらの人の経験と知識を、いかに伝えていくのかが課題なのだ。

蓄積された知識を共有化するために、それらを言語化・体系化する必要があるが、僕個人としてはそのためにはアセスメントの結果を言語化することが必要不可欠ではないかと思っている。

自分が立案した計画書の内容を、アセスメントの結果に基づいて、根拠を正しく伝えることにより、「経験値の共有化」は実現するのではないかと考えている。

僕の介護支援専門員に向けた講演では、こうした視点もしっかり伝えているので、居宅ケアマネ・施設ケアマネ双方の研修を希望される方は、是非講師依頼の打診メールを気軽に送っていただきたいと思う。よろしくお願いします。
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ケアマネのあなたがいるから地域で暮らし続けられます


介護保険制度の最大の功績とは、介護支援専門員という有資格者を生み出したことだ。

介護が必要な人自身や、身内に介護が必要になった人がいる人たちにとって、最大の悩みは、日常のちょっとした出来事や変化を、誰に相談すればよいかわからないということである。

介護支援専門員という専門職が生まれる前は、行政に相談するしか手がなく、しかし相談してもそれはあくまで手続きの相談にとどまり、実際の心身の状態を相談できる担当者はどこにも存在しないというのが地域社会の実情だった。

しかし介護保険制度の創設によって、介護支援専門員という資格者がどの地域にも存在するようになった。そして介護保険サービスを利用している要介護者の大多数には、「自分の担当ケアマネジャー」がいて、いつでも・どんなことでも相談できるようになり、かつ支援の手を差し伸べてくれるようになっている。

これは何にも替え難い大きな安心感につながっていると思う。介護保険制度の創設と、介護支援専門員の誕生によって、日本の福祉の底辺は確実に上がっているのである。

ところでこの制度の改正議論・報酬改定議論が進行しているが、居宅介護支援費の動向に大きな影響を与える動きが今日までにあった。ちょっと整理してみよう。

かねてから議論の俎上に上がっていた、「福祉用具貸与のみの居宅サービス計画の作成費を下げろ」という意見については、事実上見送りが決まった。

これは5日に提示された、「介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会」(検討会)に中間とりまとめ案の中に盛り込まれないまま、その案が了承されたからである。

そもそも福祉用具貸与のみのサービスプランでも、ケアマネジメントの手間は同じなので、それをもって居宅介護支援費を下げろというのは乱暴であるし、それが実現してしまえば、無理に福祉用具貸与以外のサービスを組み込もうとする動きも懸念されるところだ。今回の見送りは適切な判断だったと言ってよいが、2027年度に向けて再びこの議論が蒸し返されないようにしてほしいと思う。

さらに重要な問題が12日の社会保障審議会介護保険部会で行われた。同部会では、「介護予防サービス計画に関し、地域包括支援センターが担うべき役割」を論点として示されたが、21年報酬改定で地域包括支援センターの業務範囲が拡大し続けていることを受け、予防プランに関連する業務は居宅介護支援事業所が担うべきとする声が上がるようになり、委託連携加算が新設されたものの、委託増加につながらず加算算定率も低くとどまっている。

そのため地域包括支援センターの業務負担を軽減するために、居宅介護支援事業所が介護予防支援を直接担えるようにすることを求める提案が寄せられた。

僕に言わせれば委託連携加算の算定率が低いのは当たり前だ。わずか300単位(3.000円)でしかない費用を、利用者1人につき1回を限度として委託を開始した日の属する月に限ってしか算定できない費用が餌になるわけがないのだ。

そこで以前のように予防プランも居宅介護支援事業所が直接利用者との契約で作成できるようにしようというわけだが、僕はこの案に大いに賛同する。

なぜならもともと介護保険制度によって、要支援もしくは要介護認定を受けて居宅介護支援を受けた利用者は、自分が希望する限り一つの居宅介護支援事業所によるサービスを受け続け、担当ケアマネジャーを窓口に、ほぼすべての社会資源の利用が可能となる、「ワンストップサービス」が実現されたわけである。

ところが予防プランは、「介護予防支援事業所(地域包括支援センター)」が主管することになったことによって、予防プランと介護プランの作成責任者が異なることになって、「ワンストップサービス」が崩壊した。これは利用者にとって、認定結果が違うだけで、コロコロと計画担当者が変わってしまう結果をもたらし、せっかく信頼していた介護支援専門員に担当してもらえなくなるケースが生まれるというデメリットが生じている。

そのため僕はかねてより、元のワンストップサービスに戻すように提言を続けてきたので、今回の案には賛成の立場をとる。(※制度をひねくり回すよりワンストップサービスの復活を望む

ただし、予防プランの作成が居宅介護支援事業所の収益減に直結して、その経営を危うくしないように、ケアマネジメントの対価としてふさわしい作成費を設定してもらいたいと思う。そうでなければ予防プランは積極的に受けられないと釘をさしておきたい。

また13日に介護保険最新情報vol.1098vol.1099が発出され、「居宅サービス計画作成依頼(変更)届出書」等について、性別の記載欄が削除されたほか、サービス開始(変更)の年月日と事業所番号の記載欄が新たに加わった。

これは「LGBTQ」と呼ばれる性的マイノリティーに配慮するための変更でもあり、こうした社会の風潮に、ケアマネジャーという資格を持つ人々は敏感になっておいてほしい。

さて最後は、僕のケアマネジャー向け講演に対する受講者の方の意見と感想の紹介である。

9/7に行った、「東京都港区施設ケアマネジャー向け研修」における、「アセスメントを考える〜その目的と実践に生かす方法論」に次のような声を頂いたので下記に示す。
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東京都港区の介護支援専門員の皆様から寄せられた意見
・しっかり根拠のあるアセスメントを行うことが利用者の本当のニーズになる。
・アセスメントの重要性を再確認した。
・「あなたがいるから地域で暮らし続けられる」という言葉に報われた思いがした。
・まず何より明るい気持ちになった。4ページの上段でウルっと来ました。そしてエールの動画を拝見し故郷港区で頑張るぞ!とウルウルとなりました。
(※ちなみに4ページの上段とは、下記のスライドのことを指します)
あなたがいるから地域で暮らし続けられる
・ケアマネジャーのばらつきをなくす。
・ケアプラン例をたくさん出してくださり参考になった。
・アセスメントを今一度考え改めるという面でとても学びになった。初心を取り戻せる研修会だった。
・ケアプランを見直したい。
・ケアプランは生きる意欲を支える。熱い思いが伝わった。気分があがる研修は良いものです。
・ケアマネジメントの能力の差はアセスメントが影響している。
・根拠を持ってアセスメントを行う。
・ケアマネをしていることに前向きになった。
・仕事に対する情熱を感じた。高い志と専門性を追求する姿勢は大いに刺激を受けた。
----------------------------------------------------
以上である。

ありがとうございます。皆様の温かい声が僕の力にもなります。そして今後も僕は、ケアマネサポーターとして、皆様の応援をし続けるとともに、皆様に情報発信を続け、皆様の真実の声を国に届けるように努めます。
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北海道からケアマネジメントイノベーションを・・・。


神奈川にお住まいで、医療・介護コンサルタントとして全国を駆け巡っている次田芳尚さんと僕は、アローチャート研究会などでもご一緒することが多く、様々な縁が重なるなどしていた。

そのため僕は、次田さんのコンサル先の介護事業者の職員研修に講師としてお招きを受ける機会もあった。

その次田さんが、コロナ禍真っ最中の昨年4月、札幌市西区発寒に居宅介護支援事業所「つなぐ手ケアマネセンター」を設立された。

同事業所は新北海道スタイルというサイトに、「コロナ禍を契機として完全テレワーク型居宅介護事業所を設立」として紹介されている。

文字リンクを貼っているので、記事をぜひ参照してほしい。

この記事では従業員11名と紹介されているが、既に介護支援専門員は16名雇用されているそうだ。介護支援専門員の募集に応募がないと嘆く事業所が多い中で、すごい人気ぶりである。

地域住民からも人気の事業所であるらしく、新規利用申し込みも多い時には月に50件を超えるそうである。

それだけ労働環境が整っており、そこにスキルの高いケアマネジャーが張り付き、質の高いケアマネジメントを展開していることによって、地域の皆様から信頼を得ているということだろう。さすがである。

その次田さんが、事業が軌道に乗った挨拶と、今後の仕事の打ち合わせを兼ねて室蘭を訪ねてくださった。(※僕の家の住所は登別市だが、札幌からの特急が停車する最寄り駅はJR東室蘭駅である。

東室蘭駅近くのホテルに宿泊するとのことで、昨晩は室蘭焼き鳥の、「一平」というお店で打ち合わせ兼懇親会を行った。その時に食べたメニューは僕のもう一つのブログ(食ブログ)で紹介しているので、「時、たま値切、って買うのがラッキーだ。」を参照願いたい。
室蘭オフ会9/13
画像左から、次田さん・筆者・(次田さんと共同経営者)小谷さん・(介護支援専門員)東さん。この4人で楽しく呑んだ。

2次会はイタリアンのお店。
室蘭オフ会9/13
かなり良い感じで酔っぱらっているのが見て取れると思う。

3次会は当然のことながら「室蘭カレーラーメン」で締め。
室蘭オフ会9/13
夜しか開いていない「富士」というお店のカレーラーメンだが、ラーメンの画像はボケてしまった。その分、小谷さんの頭が「華麗」にフォーカルされているので良いとしよう・・・。

昨晩は家に帰ったのが夜中0時を回って午前様になってしまったが、仕事の打ち合わせはきちんとした。

今後定期的に居宅介護支援事業所「つなぐ手ケアマネセンター」主催の研修講師を務めることになる。同事業所だけではなく、北海道のケアマネジャー全体のスキルアップの支援に努めていく予定だ。

ところで居宅介護支援事業所「つなぐ手ケアマネセンター」はテレワーク中心の業務だから、今後は札幌市のみならず、全道の様々な市町村にも支社を設立する構想がある。勿論、室蘭市にもいずれ「つなぐ手ケアマネセンター室蘭支社」が設立されるだろう。その際は、是非募集に応募していただきたい。

またケアマネジメントに役立つアプリも開発予定だ。忙しいケアマネ実務の経験者・現業者だからこそ、どんなアプリがケアマネジメントの場で求められているかが理解できるというものである。

今後、ケアマネ業務を省力化して、かつ質の高いケアマネジメントつながるアプリを開発して、全国のケアマネの皆さんに届けるべく、鋭利努力中だ。

是非期待していただきたい。
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自立支援という名の自立強制と脅迫になっていないか


居宅介護支援事業所の介護支援専門員が担当する利用者の方にも様々な方が居て、その中には何が何でも自分の思い通りにならないと気が済まない人がいる。

自分には○○サービスが必要なんだ」となんとしてもその我を通そうとする人がいる。それが必要性のあるサービスなら何も問題ないのだが、そうではない場合も少なくない。

例えば自分で動くことができる人が、ギャッジベッドやオーバーテーブルを望んでも、それニーズとは言えないどころか、自ら身体機能を衰えさせることに繋がりかねない。よってそうしたサービスは過剰サービスとして許されていないことを、やんわりとかつ丁寧に説明することに腐心している介護支援専門員の方々も多いことだろう。

しかしその一方で、利用者が口にする希望を単なるデマンドとして切り捨てることにより、利用者の生活支援が空回りして、生活課題の解決に結びつかないケースも生まれてくる。

そもそも希望とは、人が生きるうえで最も必要なものであり、意欲をわかせる拠り所になるものである。それをいとも簡単に切り捨てるのがケアマネジメントではないし、それをしてしまえばケアマネジメントは人の思いを切り捨て、人の暮らしに制約を与える罰則のような存在になってしまう。
中秋の名月・北海道美瑛
ケアマネジメントという手法を使う専門家には、夜空を優しく照らす月のように、利用者にとっても灯(ともしび)であってほしいと願う・・・。

人が生きることは、その人が持つ課題を解決することではなく、何らかの問題点があったとしても、それを抱えながら自分が望む暮らしを送ることである。

それなのに要介護者となって、居宅ケアマネジャーにサービス計画の作成を依頼した途端に、自分が望むことにあれこれといちゃもんをつけられるようになる。・・・これって介護保険制度上のルールだから仕方ないとバッサリ斬ってよい問題なのだろうか。

僕はそうは思わない。

利用者や家族が口にするニーズと、ケアマネジャーが考えるニーズが違うことはよくある。それををすり合わせるのがケアマネジメントの一つの目的である。だがその時に、ケアマネジメントの専門家であるケアマネジャーの考えるニーズが、利用者の真のニーズとは限らない。

なぜならケアマネジャーは対人援助のプロであり、ケアマネジメントの専門家であったとしても、利用者の暮らしという極めて個別性の強い部分の専門家ではないからだ。

個人の暮らしの専門家は、その暮らしを送る当事者でしかない。その人しかわからないことが多々あるのだ。利用者の暮らしの専門家は、利用者自身なのである。

しかもいくら信頼関係を築いたとしても、利用者がケアマネジャーに対し、すべてを本音でさらけ出すとは限らない。人には口にできない、隠しておきたいことがあるものなのだ。

ここをすべてアセスメントによってあぶりだすことなんてできるわけがない。

ケアマネジメントは、人と社会資源をつなげる手法であるが、感情を持つ人に合致する社会資源は、機械的に結びつけてもうまくいかないことが多いのである。そのため結びつける際の慎重なアプローチとアクセスは不可欠になるのだ。

ここはAIがとって替われないところではないだろうか。
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鱗雲とケアマネジメント


今朝の登別は雨になった。北海道のこの時期の雨は秋を連れてくる雨だ。

今日の最高気温は21度予報。日中の最高気温が20度に達しなくなる日ももうすぐだ。

登別市の夏と言えば毎年雨や曇りの日が多く、天気が良くないのが当たり前である。しかし今年は少し様子が違った。日中晴れる日が多くて、例年の夏より澄んだ青空を見る機会が多かったような気がする。

暑い日も多くて一日中エアコンのお世話になる日も多かった。ただし最高気温が30度に達する日は一日もなかったと思う。これも毎年のことだ。登別以内の最高気温が30度を超えたのは何年前だったろう・・・。

それでも今年は、全体的には暑くて天気の良い日が多い今年の夏だった。そんな夏が過ぎて、朝晩は涼しい風というより、肌寒い風が吹き始めている。雨になる前の早朝には、鱗雲が広がっており、空はすっかり秋景色である。
鱗雲
もともと登別は、この時期が一番良い季節で、秋晴れの日が多く、空気もさわやかで涼やかだ。食欲の秋という形容もぴったりで、海の幸・大地の恵み、おいしい食材が豊富に出回る時期だ。

しかし今年は食欲の秋も、読書の秋も吹き飛ばすほどの、「値上げの秋」である。

食材料や燃料など、様々なものが9/1を境に値上がりしている。そのため飲食店のメニューもいつの間にか値上げされており、外食も気軽にはいけない感じである。

僕個人の話で言えば、冬に履く車のスタッドレスタイヤが交換時期で、購入を予定していたが、全メーカーのタイヤも9月から値上げされるとのことで、8月中に慌ててネット購入した。

どちらにしても懐具合が気になる今日の物価高である。介護事業者の光熱費、食料費などの急激な高騰も、経営状況を直撃するレベルとなっており、国の何らかの対策が必要と思うが、具体的な動きはまだない状況だ。

よって個人レベルの物価高による生活苦保障は全くされていない。この状況で燃料費の値上がり・高止まりが続くと、北海道の高齢者世帯の冬の生活を直撃しないかと心配になる。

高齢者の方々が暖房費を節約して、体調を崩すことがないようにしてほしい。在宅要支援者・要介護者を担当する予防及び居宅介護支援事業所のケアマネなども、この点をアセスメントの視点に入れてアプローチしてほしい。いつもの居宅訪問の際に、「いつもと少しだけ違うこと」を感じ取る能力がケアマネジメントに求められている。

ケアマネジャーは、全国そこかしこに素晴らしい能力を持った達人と言ってよい人たちが数多くおられる。

その反面として、基礎資格によってケアマネジメントのばらつきが大きいことが指摘されたり、支援内容を導き出した明確な根拠を示し説明できないケアマネジャーの存在が問題となったりしている。

そのため2016年〜10か年計画で行われている「適切なケアマネジメント手法の策定・普及推進」については、ケアマネの質の差の解消が一番の目的とされている。介護支援専門員の法定研修のカリキュラムやガイドラインの改正もその一環として行われる予定になっている。

その際の最大の課題は経験値の共有化・・・。全国に多々存在する有能なケアマネの経験値を他のケアマネにいかに伝えるかという問題とされている。そのためにはアセスメントの結果を言語化することが必要不可欠でもある。

今週水曜日に東京港区のケアマネジャーの皆さんに向けて講演を行うが、そこではそうした課題を明らかにし、その解決を図る提言を含めて講義する予定となっている。その講演に向けてプロットを組み立てスライドを創る過程で僕は、「他の地域の方にも聞かせたいと内容になったな。」と思った。

そんなわけで、アセスメントを中心視点にしたケアマネジメント研修をお望みの方は、是非講師依頼してほしいとも思う。

僕は、施設ケアマネジャー居宅ケアマネジャーのどちらも実務経験があるので、それぞれのケアマネジメントに特化した研修講師も務めることができるので、そのことも頭の隅に置いて考えていただきい。
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アセスメントの目的・実践に生かす方法論


介護支援専門員にとって、「アセスメント」という言葉は日常的に使いこなす言葉であろう。そして日常業務として当たり前に行っていることでもある。

では、「アセスメント」って何と改めて聞かれた場合、介護支援専門員の方々は、その質問に躊躇することなくすらすらと答えられるだろうか。

単にアセスメントツールを使って、アセスメントシートを埋めているから、「アセスメントしている」と言う人は、アセスメントの意味を正しく利用者や家族に伝えられないかもしれない・・・。

なぜこんなことを考えたかというと、来月、東京都港区の介護支援専門員を対象にした講演を行うが、そのテーマについて講演事務局から、「アセスメントを考える〜その目的と実践に生かす方法論」と依頼を受けているからだ。

ケアマネジメントの中の、「アセスメント」に重点を置く講演は、僕自身初めての経験であり、アセスメントについてあれこれ考えている最中に、ふとすべての介護支援専門員が、その意味を正しく捉えて仕事をしているのだろうかということ疑問を抱いた。

その疑問は多くの介護支援専門員にとって失礼な疑問だとわかりつつ、質の差が問題になっている介護支援専門員であるからこそ、そうした疑問がわかなくてよいように、きちんとその意味を理解していただきたいと思うのである。

アセスメントとは評価や査定を指す英語の「Assessment」が語源である。そしてその意味は、「人やものごとを客観的に評価・分析すること」とされている。

ただし介護保険制度上、介護支援専門員が行う「アセスメント」とは、もっと具体的な意味として示されている。

居宅介護支援事業所と介護保険施設の基準省令では、居宅サービス計画及び施設サービス計画書の作成規定の中で、『解決すべき課題の把握(以下「アセスメント」という。)』とされている。そしてそれぞれの解釈通知(老企22号及び老企43号等)では、『課題分析とは〜(中略)解決すべき課題を把握することであり〜。』とされている。

つまり介護保険制度における居宅サービス計画と施設サービス計画の作成上のアセスメントとは、「入所者が自立した日常生活を営むことができるように支援する上で解決すべき課題を把握し、かつ分析すること」という意味になる。

9月7日(水)は、そのことを含めてアセスメントを語る講演になるが、その重要性を手っ取り早く伝えるためには、自分が行ったアセスメントと、それを根拠に作成したケアプランを見てもらうことが一番だと思う。

よって僕の作成した居宅サービス計画・施設サービス計画・短期入所生活介護計画・通所介護計画がたくさん例示される講演とする予定だ。少し恥ずかしい気もするが・・・。

また昨年3月には計画書標準様式第1表の「利用者及び家族の生活に対する意向」が「利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果」に変更されている。利用者や家族が口にするニーズとケアマネジャーが考えるニーズをすり合わせる方法がケアマネジメントの一つの目的であるという意味である。
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析
しかし介護支援専門員が考える利用者が表明していない潜在的ニーズが正しいニーズとは限らない。ケアプランは利用者の希望を削りとる目的ではないので、ここは注意が必要であり、利用者の生きる意欲を支えるケアプラン作成という視点も重要であることを示したい。

さらに現在ケアマネジメントの最大の課題は「経験値の共有化」である。介護支援専門員が努力して蓄積してきた知識や思考の方法は、介護支援専門員全体の大切な財産であることは間違いなく、これを言語化・体系化するには、アセスメントの結果を言語化することが必要不可欠ではないかと思っている。そうした切り口でプロットを立てているので、視聴される方はどうぞお楽しみに・・・。

どちらにしてもケアマネジャーはケアマネジメント技術をきちんと持ったソーシャルワーカーであり、単にケアプランを作る人(ケアプランナー)ではない。

そしてケアマネジメントは仲介・調整技術であることを忘れてはならず、他人が翻訳・通訳しなければならないケアプランはゴミでしかない。抽出された課題がいつまでも解決しない方法論は、求められていないやり方なのだ。

そのことを決して忘れないでほしい。

なお昨日CBニュースにアップされた、今月の快筆乱麻・masaが読み解く介護の今は、「居宅介護支援自己負担巡る財務省の横車と全国老施協の迷走」です。こちらも是非参照ください。
快筆乱麻・masaが読み解く介護の今
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実践知の言語化には大いに賛同します


日本介護支援専門員協会が、ケアマネが日々の活動の中で活かしている様々な知識、経験、技術、思考など(実践知)を集約・整理し、より体系的に見える化(言語化)するプロジェクトを立ち上げるそうだ。(関連記事はこちら

実践知の言語化は、コミュニケーション技術を酷使して調整の要役となるソーシャルワーカーにとって重要課題である。

その課題を克服するため、具体的なプロジェクトを組むことには大いに賛同したい。

熟練のケアマネジメントを展開している達人ケアマネは全国にたくさんいるので、その人たちの援助技術や思いを言葉で伝えることで、スーパービジョンにも結び付くのならば、それに越したことではない。

日ごろ的外れな提言と活動しかしていない日本介護支援専門員協会のプロジェクトとしては、初めてといってよいくらいまともな活動ではないかと思われる。

協力を得るという100名の熟練したケアマネの顔ぶれも気になるところではあるが、その成果に大いに期待したい。

介護支援専門員を含めたソーシャルワーカーにとって、思いを言葉として発することができることは重要なことだ。そのためには心に抱いている思いを、文章にして整理することが大事ではないかと思っている。

僕は作家としても生活の糧を得ているので、文章を書くのが仕事であり、毎日何らかの文章を書かねばならない生活を送っている。

文章を書くことを苦にしないからこそ、自著本も上梓できると言えるわけであるが、いつも喜んで文章を書いているわけではない。時には必死の思いで、たった1行の文章をひねり出していることもある。

だがどんなに苦しくても、そこで綴った文章は時間を超えて未来に残っていくものだ。それはある意味、この世で生きる自分の存在を刻む行為であるともいえるのではないだろうか。

そんなふうにして自分の思いを文章に綴ることは、とても重要な行為である。
思いを文章に綴る
日ごろ何気なく生きていると、深く考える機会は意外と少ない。ケアマネジメント業務をはじめとした仕事においても、常に深く物事を考えて業務にあたっているわけではない。人生も仕事も、流れのまま惰性で繰り返したり、通り過ぎたりすることがとても多い。

しかし文章は形で見えるものだから、自分が何気なく行っていること、自分が何らかの思いを抱いていることがわかりやすくなる。

そうすると自分の考えていることの本質が見えてくる。その本質はあくまで、自分自身の中での本質でしかなく、物事の本質は意味しない。なぜなら自分だけが常に正しい価値観や答えを手に入れることがで切るなんてあり得ないからだ。常に物事の本質を理解できる人間なんてこの世に存在するはずがない。

だからそれは真実とも正解ともいえない、自分だけの価値観かもしれないが、自分の考える本質を理解することは無駄なことではない。少なくとも自分が何を思い、その思いに基づいて何を具体的にしようとして言うかということが実感しやすくなる。それが文章を書くことで見えてくるのである。

それを言葉で伝えることによって、私たちの思いは第3者にしっかりと伝わるのではないだろうか。そのような魂のこもった言葉で伝えるからこそ、その思いに共感してくれる人が生まれるのではないだろうか。

どちらにしてもソーシャルワーカーは調整する人なんだから、伝えるスキルというのは最も重要になる。

そうしたスキルを磨くために、まずは自分の思いを文章にしてみるという作業を地道に続けていくことが大事だ。毎日日記のようにブログ記事を綴るというのも、案外そんな効果も生んでくれているかもしれない。

読み手を意識しないで自分が書くことができる場所・書くための場所を持っていることは、ソーシャルワーカーという職業に就くものには、とても恵まれたことであると思う。

僕のこのブログも、もしかしたらそんな場所なのかもしれない。だから読む人がいなくなろうと書き続けるだろうし、なにも苦にせず毎日記事を更新できるのである。
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ケアマネ法定研修カリキュラム変更に思うこと


厚労省は、介護支援専門員を対象にした法定研修のカリキュラムを改正する方針を明らかにし、介護保険最新情報Vol.1073「介護支援専門員の法定研修のカリキュラムやガイドライン等について(情報提供)」を発出した。

対象となる法定研修とは、介護支援専門員実務研修・介護支援専門員専門研修亀擇哭供主任介護支援専門員研修・主任介護支援専門員更新研修である。

カリキュラムを改正する理由とは、現行のカリキュラムは2016年に決められたもので、既に5年以上経過していることから、当時と現在では介護支援専門員に求められる知識、技術、役割も変化していることが一番の理由とされている。

例えば最近盛んに取り上げられているヤングケアラー問題などもその一つで、こうした問題の所在やそれに伴う知識も新たに求められていることが指摘されている。政府が唱える、「介護離職ゼロ」の実現に関する知識、「LIFE科学的介護情報システム)」の利活用についてや、科学的介護の実現に向けて必要とされる知識もそこに加えられる予定である。

介護支援専門員としてスキルアップの機会があることは悪いことではないし、新たな知識も大いに獲得してほしい。くだらなくて意味のないグループワークをできるだけ行わずに、「幅広い知識の獲得に重きを置いた時間配分(=講義中心)に見直す。」という考え方も支持できる。

しかしこのカリキュラム変更によって、介護支援専門員のスキルアップを図ることができるなんて幻想は抱くべきではない。

数年おきにしか受講しない法定研修が、スキルに影響するなんてことにはならないからだ。それは単なる通過儀礼でしかない。

時代の変化に沿った情報の獲得を、そんな場所に頼っているとしたら、逆に最新情報を常に逃しているという状態になる。

そういう意味では、国が音頭を取って数年ごとにしかカリキュラム変更ができない法定研修なんて、現在の法令ルール変更に対応しきれない研修でしかないとさえいえる。ケアマネジメントに必要な法令知識とは、介護保険制度に限らず、労働法規等の様々なものが影響するものだからである。
ケアマネ研修カリキュラム変更
そうした最新情報を法定研修でしか得られないケアマネがいるとしたら、そのスキルの低さをもっと問題にして、この情報社会でどんなふうに情報を得て、必要な情報を整理して知識とするのか、捨て去るべきいらない情報をどう見分けるのかを教える方がよりましである。

そもそもカリキュラムが変更される研修会はすべて、主催者側の利権となっているものでしかなく、介護支援専門員の実務者にとっては、その研修に参加する必要性があるものとは言えない。ただ単に制度上の義務だから受講しているに過ぎないのだ。

そんな法定研修は、普段激務をこなして寝不足になっている介護支援専門員の休養の機会ととらえ、眠たい講義しかできない講師の前で安眠しておればよい場所だ。

なぜならそこでは、何訂になっているのか知らないが、天下の悪書である「居宅サービス計画書作成の手引(長寿社会開発センター)」を手にして、そこに出ている、「なんちゃってケアプラン」を教本としている馬鹿な講師も多いからである。

まともな介護支援専門員は、そんな研修に頼らずに、独自に情報をゲットする方法を持っており、自前で学習機会を作ってスキルアップを図っている。
情報はどこからでも取れる時代
やる気になりさえすれば、最新の情報と知識は、どこでも・いつでも獲得できる時代に、お上がマウントを取るように研修を主催したって意味がないのである。

優秀な介護支援専門員は、法定研修なんか頼りにしなくても、自分でスキルアップを図り、ケアマネジメント実務に携わっている。

そういう人たちが地域の中で、「達人ケアマネ」と呼ばれているのだ。

そうした人たちが数多く受講者に交じっていることを、法定研修を担当する講師は意識しなければならない。そしてそういう人たちに聴かれて、恥ずかしくない講義をしなければならないという自覚も持ってほしい。

僕たちは、あなたたちに教えを乞うているのではなく、壇上のあなたの講義内容を評価するためにそこに座っているのである。
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アセスメントとは何ぞやということを原点に返って考える


介護支援専門員を対象にした研修会は、どこの地域でも数多く行われているが、その8割方は、居宅介護支援事業所の介護支援専門員を対象にした研修か、居宅サービス中心のケアマネジメント研修である。

施設の介護支援専門員のみを対象にした研修会や、施設ケアマネジメントに特化した研修会を開催しているところは意外と少ない。

それは施設のケアマネジメントは、介護保険制度ができる以前は相談員の業務となっており、介護施設対象の研修会のうち、相談援助職を対象にした研修の一部に、施設ケアマネジメントを組み入れていることも多いことが原因の一つになっているのだろうと思う。

そもそも施設の介護支援専門員に特化した講義を行うことができる講師も少ないという現状があるのかもしれない。そういう意味では僕は、その分野では貴重な講師の一人とされているのかもしれない。

僕自身は、介護保険制度以前から特養の相談員を務めており、介護保険制度以後は相談員兼任の施設介護支援専門員業務に携わりながら、相談室長として施設相談員と介護支援専門員の業務分掌や、施設ケアマネジメントのシステムと方法づくりの指揮を執ってきた。

それと共に居宅介護支援事業所を併設する準備段階からその立ち上げに関り、居宅介護支援事業所の指定を得るための業務をほぼ一人でこなし、指定を受けた後は、居宅ケアマネのスーパーバイザーとして指導・教育にもかかわってきた。

そのため介護保険制度上の施設サービス計画と居宅サービス計画の法的位置づけの違いや、共通事項等にも精通している。両者の法令上のルールの現状や、過去のルールの変更の流れも熟知している。

その実績を生かして介護保険制度が施行された後から今までの22年間、居宅ケアマネ・施設ケアマネの両方を対象とした研修会の講師を数限りなく務めている。

今年度も既にいくつかのケアマネ向け研修講師を務めているが、この度、介護労働安定センター東京支部主催・港区施設ケアマネジャー向け研修としてオンラインで講演を行うように依頼を受けた。

研修対象者は、都内港区の施設介護支援専門員ということだそうで、施設ケアマネジメントに関する内容で、「アセスメントの目的を理解し、個別に応じたアセスメントが実践できるように目指す」ことを目的とした講演を依頼された。

介護支援専門員の実務に就いてる人で、「アセスメント」ができないという人はいない。施設サービス計画の作成の際もそれは必須である。
アセスメント
しかしアセスメントを行っているという意味が、単に施設で使用しているアセスメントツールの穴埋めを行っているだけの状態に陥り、計画内容とアセスメントが連動していなかったり、アセスメント結果が反映されていない計画書は決して少なくない。

さらに言えば、施設サービス計画に沿った介護が行われているかどうかも問題である。計画に沿ったケア実践の前提は、介護職員が計画内容を知っていなければならない。そのためには計画書が読まれなければならず、読みやすく理解しやすい計画内容とすることも重要である。

そうであれば最も大事なこととは、アセスメントが形骸化されずに、真の利用者ニーズを引き出して、それをプランに落としているかどうかだということになる。阻止れその計画書は、十分に介護実務の場に伝わる内容になっているかも問題だ。

サービス計画書の標準様式が変更された際に発出された、「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」の一部改正について(令和3年3月31日)においても、『課題分析の結果として、「自立支援」に資するために解決しなければならない課題が把握できているか確認する。』・『課題分析の結果を踏まえた上で、第2表につなげていくことが必要です』などと、アセスメントの在り方に関連した指摘がされているところである。

さらに第2表の記載に関して、『具体的な方法や手段をわかりやすく記載する。』として、文章力が問題である点を噛んで含んで説明するように指摘している。

それらを踏まえたうえで、改めてアセスメントとは何ぞやという本質に触れる講演を行いたいと考え、『アセスメントを考える〜その目的と実践に生かす方法論』とテーマ設定した。

ということで介護労働安定センター東京支部主催・港区施設ケアマネジャー向け研修は、9月7日(水)18:00〜20:00・Zoom配信予定である。

それでは港区の施設ケアマネの皆さん、当日は画面を通じてお愛しましょう。よろしくお願いします。
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次期改正もケアマネジメントの在り方が論点となるという前兆


3/24に発出された介護保険最新情報のVol.1049は、(介護保険最新情報Vol.958等の再周知)と注釈がつけられ、昨年3/31に発出した居宅サービス計画書の様式改正と、それに関連した発出通知について、より詳しく解説したものとなっている。

解説されているのはVol.958Vol.959Vol.957Vol.977である。(※通知については、Vol.1049で解説されている順に並べた

958とそれぞれの元通知を確認して、介護支援専門員に対して何が求められているかという理解に努めていただきたい。

それにしても、この時期に1年も前に変更された様式の説明通知を改めて発出した意味は何だろうか。

もしかしたら厚労省老健局内部で、昨年の通知内容が、ケアマネジャーに浸透・理解されていないという認識なり議論があるのかもしれない。

同時にここに書かれている業務の進め方を、厳粛に実施させたいという考え方があるのかもしれない。

昨年度末の改正通知では、第1表の項目の一つ、「利用者及び家族の生活に対する意向」という文章に、「を踏まえた課題分析の結果」という文章が加えられ、第2表以下のそれに伴う変更がされている。(参照:計画書標準様式の変更内容とその目的生活に対する意向を踏まえた課題分析課題分析の結果となっていないケアプランの例課題分析が希望をつぶすものであってはならない

第2表以下の変更については、主として計画書の文章の記載方法について、以下の点の注意を促していた。
・ 文章における主語と述語を明確にする
・ 共通的でない略語や専門用語は用いない
・ 曖昧な抽象的な表現を避ける
・ 箇条書きを活用する


そのうえで家族の支援や利用者のセルフケアなどを含む生活全体の流れが見えるように記載するなど、第三者が読んでも内容を把握、理解できるように記載することがくどいほど何度も指摘されている。

介護支援専門員の文章力が問われていることを理解しなければならない。同時に適切なアセスメントにおける生活課題(ニーズ)の把握もうるさく説明されている。

このことはケアマネジメントの適正さを問われ続けられてきた一連の流れの延長線上にあるものだ。

2015年度には、ケアマネジメント書式として課題整理総括表評価表が新たに加えられている。これらは作成義務を課せられなかったが、地域包括支援センターや法定研修を中心に活用することが促された。

2018年 10 月からは、統計的に見て通常のケアプランよりかけ離れた回数の訪問介護(生活援助中心型)を位置付ける場合には、市町村にケアプランを届け出ることとする義務が課せられた。

2021年 10 月1日以降に作成又は変更したケアプランのうち、市町村から指定されたものを市町村に届け出る義務も課せられた。(参照:新たなケアプランチェックの詳細が明らかになりました

時期改正(2024年度)では、福祉用具貸与のケアマネジメントがやり玉に挙がっている。(参照:福祉用具適正化議論の本質はケアマネジメント適正化議論だ
チェック
どちらにしても、技術があってそのあとに制度ができた医師や看護師とは異なり、介護支援専門員は技術の前に制度ができ、制度によって資格が新設されたという側面がある。

そのため専門資格者同士の評価ができる状態でき厚労省が指導できない医師と異なり、ケアマネは厚労省が指導できるし、指導しなければならないと思い込んでいる。そのためケアマネジメント適正化の名のもとに、様々な制限が今後も加わる可能性が高いのである。

こうした適正化論とは、給付抑制そのものではないかという議論がある。給付抑制は個別の点検で労力をかけるより、介護支援専門員の心理に間接的にはたらきかける政策がはるかに効率的で効果的な策であることも事実だ。

しかし介護保険における給付の水準の考え方は「平等=当配分」ではなく、「公平=得られる結果が同程度になる」であるのだから、介護支援専門員はこのあたりをモニタリングの視点に入れることで、給付抑制に偏ったケアプラン評価に反論できることを忘れてはならないのである。

なお様式変更について、「施設サービス計画書」は変更しなくてよいのかという質問をよく受けるが、昨年の通知にも【VI 「施設サービス計画書」の記載項目について(「居宅サービス計画書」との相違点】という部分が巻末に書かれている。この相違部分ではないところは同じという意味なのだから、施設サービス計画書も様式変更されていることを理解してほしいと思う。
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福祉用具適正化議論の本質はケアマネジメント適正化議論だ


厚生労働省が福祉用具貸与・販売の見直しについて話し合う有識者会議を新たに立ち上げた。

このことは次の制度改正・報酬改定時に、福祉用具貸与が財源削減のターゲットになることを意味している。

事実17日に行われた初会合では、2024年の制度改正・報酬改定の議論の俎上に福祉用具貸与の在り方を載せ、給付費の抑制を図る方策などが示された。(資料

財務省が現在まで指摘していた福祉用具貸与の問題点を含めて考えると、今後議論される内容は次の方向が主になる。

・歩行補助杖、歩行器、手すりなど廉価な福祉用具を貸与から販売に切り替え、ケアマネジメントの費用がかからないようにすべき

・ケアプランの内容が福祉用具貸与のみの場合、居宅介護支援の介護報酬を引き下げるべき。

※財務省がこうした提言を行う裏には、将来これらの用具を保険給付外にしようとする意図があることは明白であることを書き添えておく

このように福祉用具貸与の問題は、ケアマネジメントと直結する問題であり、居宅介護支援費の算定にも直接影響を与える問題でもあるのだ。

そのため上記の問題点の指摘についても、ケアマネジメントの在り方という方向から反対意見が唱えられている。
福祉用具貸与
例えば、貸与から販売へ切り替えると、状態像の変化に応じて適時・適切に福祉用具を使ってもらう機能が弱まるという意見がある。それと関連して、 機能に応じた用具の切り替えができないことにより利用者の重度化が進み、それが給付費の膨張につながるという意見も見られる。

しかし杖を例に挙げると、市販で1.900円で購入できるものを、月190円でレンタルしているケースがある。(※利用者負担割合が1割の場合)

10か月使用すれば、購入と同様の金額がかかり、それ以上だと購入以上の費用が掛かる。2割負担者や3割負担者だと、もっと短い間隔で貸与費が購入価格を上回ってしまう。そんな短期間に杖の種類を変えたり、他の貸与用品に変えなければならないケースは多くはないだろう。

だから価格の安い福祉用具は、購入に切り替えた方が利用者は負担が少ないし、むしろ自費購入でも良いとさえ思える。

そもそも歩行補助杖、歩行器、手すりを随時状態像に応じて切り替えて、身体状況の維持・改善したケースの情報発信が、介護支援専門員からほとんどされていない現状は、その主張の正当性の根拠に欠けていると言わざるを得ない。

また福祉用具貸与のみの居宅サービス計画であっても、結果として福祉用具貸与のみのケアプランになるケースでも、ケアマネは他の様々な支援を実施しているという主張については、あまりに具体性に欠けていると思う。

もっと具体的に、「様々な支援を実施」と、その結果を明らかにしないと、この主張に素直にうなづくことができる人は多くならないだろう。

むしろ福祉用具貸与に関連しては、制度開始以来ずっと批判があることも事実だ。

例えば特定の利用者について、居宅ケアマネが延々と貸与プランのみを作成して、満足なモニタリングをしていないと指摘されることも少なくない。そうした長期間の福祉用具貸与単品サービスプランの根拠を、きちんと明らかにしていくことも必要だろう。

同時にそのような指摘を受けて仕方のない居宅ケアマネの存在事実もある。そうした存在が、まともなケアマネの足を引っ張っているともいえるが、その問題にどう対処していくかということを、居宅介護支援事業所の関係者自らが提言していく必要もあるだろう。

どちらにしても福祉用具貸与の改革の必要性は、ケアマネジメントへの不信感と同一線上に存在する問題であることを、居宅介護支援事業関係者が理解したうえで、その問題への反論や提言を行っていかなければならない。

この部分は、居宅ケアマネの情報は市引力がとされるところで、矜持の見せ所といえるかもしれない。

なお今日は久しぶりに3つ目のブログ、「masaの徒然草」を更新して、「従業員を愛し大切にする職場を選んでください」という記事を更新アップしているので、そちらも参照願いたい。
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ソーシャルアクションを否定するケアマネは退場せよ


先週金曜日に、「トラブルの報復で給付管理を放棄するケアマネがいてよいのか」という記事を書いたところ、全国のたくさんの介護支援専門員の方がその記事を読んでくれたようである。

僕のSNSなどにたくさんのコメントをいただいたことで、そのことがよくわかる。

その記事内容とは、利用者の家族とトラブったケアマネが、月の途中でケアマネジメントを放棄して給付管理をしないという暴挙に出たために、費用請求ができないで困っている居宅サービス事業所に対して、ケアプランがない状態でも償還払いでサービス提供はできるので、そのようにすることをアドバイスした経緯について論評したものである。

それに対してあるケアマネジャー(本人は東京のケアマネと名乗っている)が、「セルフプラン扱いにすればよいだけの話」というコメントを書いてきた。

しかしそれはあまりにも乱暴な意見であるし、法令上そのような扱いは許されていない。

実際にセルフプランがない状態のサービス利用を、「セルフプラン扱い」にできる特例は存在する。

しかしその特定とは、要介護・要支援認定の新規更新・区分変更申請など、認定申請後に要介護度(要支援度)が確定するまでの間のいわゆる暫定ケアプランについて、居宅介護支援事業者において暫定プランを作成した被保険者が、認定の結果、要支援者となった場合については(その逆も含む)、当該事業者の作成した暫定プランについては当該被保険者が自ら作成したものとみなし、当該被保険者に対して給付がなされないことがないようにするというものである。

それ以外に実際にサービス利用前に作成されていないセルフプランを、あったようにみなす扱いは認められていない。よって金曜日に紹介したケースでのセルフプラン扱いなどできるはずはないのである。

そういう意味でこのような意見をあたかも、「当然」のようにコメントしてきた(くだらないので消去したが)ケアマネジャーの知識レベルは、かなり低いとわざるを得ないし、知ったかぶりと揶揄されても仕方ないと思える。

ところでそのコメントには、「どうせそのようなケアマネジャーは淘汰されるんだからほおっておけ」・「上司でもないのに文句を言っても始まらないから黙っておけ」というような意見も書かれていた。

これを読んでこのケアマネは、見識も乏しいと確信した。はっきり言うと資格を持った偽者で、単なる馬鹿である。

居宅介護支援の現状は、駄目なケアマネが自然淘汰される状況にない。団塊の世代というとんでもないボリュームの世代が、来年から後期高齢者の仲間入りをする状況のこの時期に、居宅サービスの利用者は大幅に増え、居宅介護支援を受けるニーズも高まっている。

その一方で、ケアマネ受験資格の厳格化の影響等によって2018年度試験から極端に受験生が減少し、それに伴い合格者も激減している。2020年度と2021年度はその数は増えているものの微増でしかなく、居宅介護支援を担うケアマネ不足が深刻化している地域も多い。

変なケアマネが利用者を放り出しても、淘汰されるどころか、顧客はほかにいくらでもいるという状態なのだ。だからこそ指摘したような事案が生ずるのである。

そもそも僕は金曜日の記事で、個人を特定して、その個人を非難中傷する記事を書いているわけではない。

ケアマネジャーの使命と責任という観点から、ケアマネジメントの放棄という事案が生じたケースの報告と論評をしているだけであり、そのようなケアマネジメントの放棄があってはならないと意見しているだけである。

個人による質の差が大きく、標準化が課題であるとされるケアマネジメントであるがゆえに、こうした問題は介護支援専門員の存在意義を危うくしかねないとして取り上げて批評しているのだ。それはソーシャルアクションである。

それに対して、こうしたくだらないコメントを書いてきた東京のケアマネを名乗る人物は、ソーシャルアクションとは何かということもわかっていない輩だろう。ケアマネジャーがソーシャルワーカーであるという理解もないのだろうと思う。

社会問題を解決するための世論の喚起につなげることはソーシャルワーカーの務めである。そうした言論に蓋をするかのようなコメントを書いてくる人間にケアマネジャーを名乗る資格はない。

そうした輩にはこの業界から、即刻退場願いたいものである。
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軽い槍を捨てて「思いやり」を持とうじゃないか。


ネット検索しているときに偶然発見したが、「なかまぁる編集部」さんが、公式サイトで僕の新刊を推薦してくれている。

まず初めにそのことにお礼を述べたい。ありがとうございました。ブログ読者の皆様んは、貼り付けた文字リンク先から推薦文を読んでいただければ幸いである。

なお出版社にサイン本を注文された方で、入金が確認できない人が複数おられます。本の発送も止まっていますが、入金が確認でき次第送付いたしますので、今一度確認の上、ご入金をよろしくお願いします。

それはさておき本題に移りたい。

本年4月からの通所サービス(通所介護・通所リハ)の入浴介助加算には、新たに上位区分が加えられて従前の入浴介助加算は機⊃袈菠は兇箸気譴拭

従前からの加算気蓮通所サービス事業所で入浴支援することによって算定できたものであるが、新区分兇麓宅で入浴が可能となるように計画支援するものである。

新加算兇禄樵芦短擦茲蠅眞渦舛高く設定されて上位加算とされているが、介護報酬は財政的に増減を生じさせないようにすること(財政中立)を原則として運用してきている。そのため新加算を高く設定した分、従前加算は下げられている。

通所サービス事業者からすれば、それはとんでもないことで、従業員の労力が変わらず、従前と同じ方法で入浴支援しているのに、それに対する費用支払いが少なくなるわけである。それは仕事の賃金価値が下がるという意味で、従業員の賃金支払いに支障が生じかねない問題である。

そうした事態を生じさせないように、国の新方針・新基準に合わせる形で、入浴介助加算は、単価の高い新加算兇鮖残蠅垢襪茲Δ謀慘呂垢襪箸いΔ海箸蓮通所サービスの企業努力の一つであって、何ら批判されるべき問題ではない。

しかし これに対して計画担当ケアマネジャーからクレームが相次いでいる。「もともと自宅で入浴しないことを前提に、通所サービスで入浴することを利用目的の一つにしているんだから、従前の加算で十分だ」という主張である。

そこで両者の主張はぶつかり合うわけであるが、両者の主張はどちらも間違っていない。両者とも正しい主張であるとしか言いようがない。

通所サービス側は、事業経営を考えると国の定めた上位加算を算定する方向性を取らざるを得ないし、ケアマネジャー側は、利用者にとって必要性の薄いやり方で自己負担が高くなる上位加算を算定するなんてとんでもないと主張するのは極めて当然のことだ。

両者とも正論なのだ。ここに見識の低さや、悪質な論理のすり替えなんて存在しないのである。

強いて悪いのは誰かと考えるなら、こんな形で入浴介助加算の上位区分を創設した国なのである。

財政中立という理屈はわかるが、人件費の高騰の折に、体制要件ではない介護労働を伴う加算の単価を下げるなんてどうかしているのだ。

従前と同じ労力をかける行為を、別の行為による費用区分を新設したという理由で単価を下げることは、従前の行為の価値を低めることにつながり、それは即ち、介護労働の価値を低めて底辺労働化することにつながりかねない。

そうしないための通所サービス側の経営努力が、さして利用者が必要としていない、自宅での入浴支援につながる計画なのだ。

そんな必要性の薄い入浴支援を、「自立支援介護」だとして、上位加算に位置づけ、従前加算の単価を削り取るという乱暴な報酬設計が悪の元凶なのである。

介護の場で頑張っている通所サービス事業所も居宅ケアマネも、利用者さえもその被害者でしかない。そこで被害者同士がいがみ合っても仕方ないのだ。

だから、お互い手に持った槍を相手に突き刺すような議論はやめていただきたい。

ケアマネジャーはその根本をみつめて、通所サービス側の立場も理解してほしいし、通所サービス側も利用者やケアマネに、「新ルールだからこうします」ではなく、相手の立場を慮った真摯な説明をした上で、お願いするという態度をとってほしい。

『こんなルールになってしまったんだから、通所サービス事業者が上位区分を算定しようとすることもやむを得ないことだよね』・『利用者の立場に立つケアマネが、利用者目線で負担増の新ルールの介助の必要はないとするのも当たり前だよね』といった相互の主張を認め合う姿勢が必要だ。

そのうえで事業継続できなくなって困るのは利用者自身であるということも念頭に置きつつ、介護保険制度が続く限りそのルールの中で、「よりまし」な方向で、お互いを思いやってルールを運用していくという視点が不可欠である。

対人援助という仕事の中で、所属の異なる多業種の人々がチームを組む上では、お互いの心を少しだけ傷つけあう、「軽い槍」は必要ないのだ。「思いやり」の心でもって、それぞれが相手に受容的な姿勢で物事を決定すべきである。

本当はこうあるべきだけど、こうしたルールに置き換わったんだから、お互いに少しだけ歩みよろう。利用者にも説明責任をきちんと果たして、説得するのではなく納得していただこう・・・こんなふうに介護サービス事業所と担当ケアマネジャーが、優しさにあふれた手を取り合ったときに、利用者の暮らしにきっと温かい風を送ることができるようになるはずだ。

支援すべきチーム内に冷たい風が吹きすさんでおれば、その風がやがて利用者の身を震わすことになりかねないのである。

特にケアマネジャーの姿勢は重要だ。支援の要役としてタクトを振りながら、その時々の利用者の状況に合わせた支援方法を模索する頭脳の役割を果たさねばならない。だからと言ってその役割に酔って、自分を高みにおいて、指示命令を行う絶対権力者と勘違いしてはならない。

上に立って指揮棒を振るものほど、その指揮に従うべきチームメンバーへの思いやりの心を失ってはならないのだ。

例えば居宅ケアマネの中には、サービス担当者会議の調整に手を抜いて、複数のチームメンバー全員の都合を聴いている暇はないとして、一方的に会議の日時を定めて、参加できないメンバーは照会で済まして構わないと考えている人がいる。

しかし施設サービス計画と居宅サービス計画作成の際に必要なサービス担当者会議の法令上のルールには違いがあり、前者は会議と照会は同列で、最初から会議をせずに照会のみで済ますことも可能だが、後者の会議は、「やむを得ない理由がある場合のみ」照会を認めていて、会議開催と参加が原則である。(参照:ケアプランはサービス種別によって作成ルールが異なる

この法令をわかっていない居宅ケアマネが、会議の日程調整を行わず、日時を一方的に指定し、参加できない担当者は照会で対応しますとしている場合は、厳密に言えば法令違反で運営指導を受ける可能性が高い。

そんなこと以前に、そんな高圧的で機械的な対応は、対人援助のプロとして恥ずかしいと思うべきだ。

くれぐれもそのような高飛車マネジメントをしないようにしてほしい。それが、「調整役」としてのケアマネジャーの使命だということを忘れないでほしい。
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併設居宅介護支援事業所のケアプラン検証に欠けている視点


新しいケアプランチェックの仕組みについて昨日、「新たなケアプランチェックの詳細が明らかになりました」という記事を更新して解説したところである。

ここには書かなかったが、この仕組みが通知された、「介護保険最新情報Vol.1009」には、このほか(2)高齢者向け住まい等対策のケアプラン点検として、サ高住入居者などに併設されているなどの居宅介護支援事業所に限ったケアプラン点検の仕組みも示されている。

それによるとサ高住や住宅型有料老人ホームなどに併設されている居宅介護支援事業所(併設、隣接、近接のほか、同一法人、系列法人など、関係があるとみられる事業所を含む)について、10月以降分の計画で区分支給限度基準額の利用割合が高く、かつ特定の介護サービスの利用割合も高い事業所などにケアプランの提出を求め、その内容が適切かどうかチェックするという内容になっている。
※区分支給限度基準額管理対象サービスは全て選択可だが、組合せは2つまで。区分支給限度基準額の対象外である加算等や超過部分の自己負担分は計算の対象外

ケアプラン検証は市町村独自の方法で行い、地域ケア会議などを活用しても良いことになっており、昨日解説した全事業所対象のプラン検証が、地域ケア会議等の行政職やリハ専門職が参加する形で行う会議等と定められた検証方法より、市町村の裁量が広げられる方法となっている。

問題があるとされたプランは、同様・類似のプランを含めて居宅介護事業所が再検討する点については、全事業所対象のプランの検証後の対応と同様である。

全ての居宅介護支援事業所を対象にしたケアプラン検証は、サービス費の総額が限度額に占める割合が7割以上で、かつ6割以上が訪問介護を計画している事業所であったが、併設等の事業所のケアプラン検証については、訪問介護のみならず全てのサービスについて一定割合以上の場合で、かつ区分支給限度額の一定割合以上の計画が対象となる。

この二つの割合については、何割以上を対象とするのかを市町村が独自に定められるとしている。

市町村は、必要な数値・サービス種類の設定を行ったうえで国保連に依頼することで、対象となる事業所の一覧表が送られてくることになり、検証対象とするというものだ。

全事業所を対象にしたケアプラン検証に該当するのは全体のおよそ3%でしかないわけであるし、併設等居宅に限定したプラン検証の対象事業所は、それよりさらに少ないわけだから、居宅介護支援事業所にとって、このことはあまり負担とならないかもしれない。

しかし市町村は、今後3月ごとに2つの新たなケアプランチェックに関する業務が永遠と続くわけだから、相当の業務負担と思われる。

昨日の記事でプランチェック担当者について、小権力を振りかざして喜ぶ輩が出てくるのではないかと揶揄したが、業務負担増を考えるとそれ以上にねぎらいの言葉を掛ける必要があるかもしれないと反省したりしている。

ところで本日解説したケアプランチェックには、本当にケアマネジメント適正化の効果があるのか疑問に思う点が多い。

そもそもサ高住や住宅型有料老人ホームに入所する人は、最初から外部の介護保険サービスを利用することが前提となっている。サ高住の基本サービスは、「見守りと生活相談」のみであるし、住宅型有料老人ホームにはその義務さえないのだから、要介護認定で非該当とされるような状態像の方でない限り、介護サービス利用は必然だ。

現在、特養入所をしないでサ高住を選ぶ人の中には、「特養に入所すると週に2回しか入浴できなくなる」として、あえてサ高住を選んで、外部の訪問介護を利用しながら1日おきに入浴支援を受けている人もいる。

日中暇な時間は併設のデイサービスを利用したいとして、週5回以上通所介護利用している人もいる。

それらを積み重ねていけば、支給限度額に近い額のサービス利用は当然であるし、利用者のニーズと希望に対応することで、一定のサービスの比率が高まることも当然であり、それはすべてニーズに対応したサービス利用である。

そもそも支給限度額は、その介護度に応じたサービスを保険利用できる適正範囲を定めたもので、上限に近い利用割合が即ち平均値となっても不思議のないものである。

その範囲の中で適正なサービス利用を図るのは行政チェックではなく、居宅介護支援事業所のケアマネジメントそのものである。

そうであるにもかかわらず、基準改正の度に行政のケアプランチェックの網を広げていくのは、いかにケアマネジメントを信用していないかという意味でしかない。そうであるならいっそのこと、居宅介護支援事業を廃止して、要介護者のケアマネジメントは行政責任とすればよいのにと思ってしまう。・・・それは勿論、乱暴すぎる考え方だが、そうでもいいたくなるような腹立たしさである。

サ高住利用者等のケアマネジメントで一番の問題は、サ高住の入所条件として、サ高住併設の居宅介護支援事業所を利用することとして、そこで居宅サービス計画を立てることで、サ高併設のサービス事業所等の関連サービスの中に利用者を囲い込むことであるにもかかわらず、今回のケアプラン検証では、こうしたプランは適正化できない。

サ高住等の高齢者向け住まいに併設する居宅介護支援事業所には、併設施設以外に住む地域の利用者の居宅サービス計画を、一定割合義務付けたうえで、全プランに占める併設サービスの割合も一定割合以下とするルールを創る方が、囲い込みを防いだケアプランの適正化につながると思うのは僕だけだろうか。

利用者の生活課題をアセスメントする手法を中心にしたケアマネジメントを制度の中核に位置付けながら、役人がそれを定期的に監視チェックする仕組みの網を広げるというこの制度は、いったい誰のための、どんな目的の制度になっていくのだろう。

国民の福祉は、そんな方法では向上しないと思うのだが・・・。
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新たなケアプランチェックの詳細が明らかになりました


市町村による新たなケアプラン検証については7/29に、「ケアプラン検証の新基準が明らかにされました」という記事を書いて解説しているが、厚労省は9/22付で、「介護保険最新情報Vol.1009」を発出して、その詳細を明らかにしている。

この目的は、「区分支給限度基準額の利用割合が高く、サービスの大部分を訪問介護が占めるケアプランを策定している居宅介護支援を、事業所単位で抽出していく」というものである。

ただしそれはあくまで事業所単位でみられることに注意が必要だ。10/1以降、事業所単位でみて、サービス費の総額が限度額に占める割合が7割以上で、その6割以上が訪問介護である場合に検証対象になるのである。

対象事業所の抽出は、国保連のシステムにより自動で行われるとされており、居宅介護支援事業者が何かを計算して届け出る必要はないわけである。

国保連が抽出して対象となるとされた事業所の一覧表は、サービス提供月ごとにまとめられ、少なくとも3ヵ月に1度の頻度で市町村へ送付される。

今年10月から12月の3ヵ月のデータに基づく一覧表が作成されるのは来年2月頃となる見通しが示され、この一覧表が市町村に送られて初めて検証作業ができることになる。

つまり対象プランは10/1より抽出されるが、実際の検証作業のスタートは来年2月以降になるのである。・・・だが仮に2月の初めに市町村が一覧表を受け取ったとして、検証を行う居宅介護支援事業所の個別のケアプランの抽出などには時間がかかるだろうから、2月中の検証作業は困難だ。すると3月にずれ込めば、もう年度末で何かと忙しく、ケアプラン検証など後回しにされるだろう。

ということで実際の検証作業は、来年度から行う自治体が多くなるのではないかと推察する。

ここで改めて対象となる要件を示しておこう。それは以下の通りである。
区分支給限度基準額の利用割合が7割以上
かつ
その利用サービスの6割以上が「訪問介護サービス」

検証対象となった居宅介護支援事業所に対して市町村は、個々に見て上記の要件ゝ擇哭△乏催するケアプランについて、介護度別に1件ずつ以上を指定し提出を求める。

提出させるプランは、例えば最も訪問介護サービスの利用割合が高いものなど、市町村が一定の考え方のもとで指定して構わないとされた。

この際、・特定の介護度に該当する利用者がいない場合は、その介護度は届出不要。必要があれば、他の介護度で2件以上の届出を依頼することができるとしている。

提出するのは、第1表(居宅サービス計画書(1):基本的な事項)、第2表(居宅サービス計画書(2):長期目標・短期目標、サービス内容等)及び第3表(週間サービス計画表)とされている。

なおすでに、生活援助の訪問回数の多い利用者のケアプラン検証の対象となっているケアプランは届出の対象外であるほか、他市町村の住民である利用者のケアプランは届出の対象外とされている。(市町村が必要に応じて、当該市町村と連携)

検証のためのプラン提出依頼を受けた事業所は、指定されたケアプランの妥当性を改めて検討し、そのケアプランに訪問介護が必要な理由などを記載したうえで、市町村へ届け出なければならない。この際、訪問介護が必要な理由は、第2表の「サービス内容」に記載しても差し支えない。

届け出を受けた市町村は、地域ケア会議などを活用し、多職種の視点でケアプランの内容を議論し、見直しが必要と指摘された事業所は、検証結果を踏まえて内容の再検討を行う必要がある。さらに事業所内の同様・類似のケアプランについても再検討することが求められている。

だからこそ提出を求められるプランに記載する、「訪問介護が必要な理由」は、第3者が納得できる説得力ある内容にしなければならない。ここは担当ケアマネの理論武装と文章力が求められるところだ。

なおケアプランの変更には利用者の同意が不可欠で、変更を強制することはできないため、この検証作業後にケアプランの内容の見直しを行う場合に、担当ケアマネや市町村は本人へ十分に説明しなければいけないとされていることにも注意が必要だ。

ここで注目すべきは、説明責任をケアマネだけに押し付けないで、市町村にmpその責任があることを明確にしている点である。ここは評価しよう。

本通知では、この仕組みはサービスの利用制限を目的とするものではないとしているが、その検証の結果、「ケアプランの内容の再検討を促す」としているので、それがどういう基準で何をもって促すのかは不明瞭である。

それが担当者の主観ということになれば、この検証の標準は事実上存在しないと言わざるを得ない。

指導権限があるという小権力者の立場に酔って、変な勘違いをしてその権力を振りかざして、ケアマネ虐めに走るおかしな行政担当者が出てこないことを願うばかりだ。
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ケアプラン検証の新基準が明らかにされました


今年度の介護報酬改定の目的の一つである、「制度の安定性・持続可能性の確保」に関連して、居宅介護支援事業の基準改正が以下の通り行われた。

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)
指定居宅介護支援の具体的取扱方針
第十三条十八の三 介護支援専門員は、その勤務する指定居宅介護支援事業所において作成された居宅サービス計画に位置付けられた指定居宅サービス等に係る居宅介護サービス費、特例居宅介護サービス費、地域密着型介護サービス費及び特例地域密着型介護サービス費(以下この号において「サービス費」という。)の総額が法第四十三条第二項に規定する居宅介護サービス費等区分支給限度基準額に占める割合及び訪問介護に係る居宅介護サービス費がサービス費の総額に占める割合厚生労働大臣が定める基準に該当する場合であって、かつ、市町村からの求めがあった場合には、当該指定居宅介護支援事業所の居宅サービス計画の利用の妥当性を検討し、当該居宅サービス計画に訪問介護が必要な理由等を記載するとともに、当該居宅サービス計画を市町村に届け出なければならない。

このことに関連して僕が行う講演でも、「総額が基準額に占める利用割合とはどの程度までか」・「訪問介護が区分支給限度額に占める割合とは何割で、それは生活援助だけではなく身体介護も含まれるのか」などという質問が出されていた。

その際に僕は、「具体的割合は今後示されることになるが、訪問介護については身体介護も含めて割合の高いプランが検証対象になる」と回答していた。

そのことについて28日に厚生労働省は、社会保障審議会・介護給付費分科会資料で、その具体的内容を示した。

それによると検証の対象となる居宅サービス計画とは、以下の2点の両方に該当する場合である。
ゞ菠支給限度基準額の利用割合が7割以上
△修陵用サービスの6割以上が訪問介護サービス


該当する居宅介護支援事業所は、約3%の見込みで、新基準による検証については10月から導入されることになっている。

居宅介護支援業務に携わっている多くの介護支援専門員が実感しているだろうが、区分支給限度額上限に近いサービスが必要な人はたくさんいるし、その中で訪問介護が中心サービスになるケースは多いことを知っている。

一人暮らしの人で、認知症の症状が出てきた人に、必要なサービスを積み上げていけば、自ずと支給限度額に近い額のサービス利用が必要で、そのうちの8割がたが訪問介護であるというケースは多い。それは決して御用聞きプランでもなければ、不適切プランでもない。

そもそも必要なサービスを保険利用できる上限を定めているのが区分支給限度額なのだから、その範囲内の何パーセント以上の利用プランを立てようと、それをとやかく言われる筋合いはないはずだ。

それを区分支給限度額上限まで利用させることを前提にした一部の不適切プランを取り挙げて、全プランについて検証対象にすること自体が、給付制限のプレッシャーであると言っても良いのだが、決まってしまったものはどうしようもない。

ただし検証対象の基準に書かれているように、この検証は該当する割合の計画がすべて自動的に対象となるわけではなく、「ケアマネ事業所ごとに見て」「市町村からの求めがあった場合」が検証対象となるので、準備が遅れている市町村では実施時期も大きくずれ込むことが考えられる。

しかしいずれにしても該当する居宅介護支援事業所については、どこかの時点で一度検証作業が行われることになるので、対象となるプランを抱える介護支援専門員は、今一度計画内容を見直して、それが必要なサービスであるときちんと理論武装に心がけていただきたい。

告示案は、7月20日から8月18日までパブリックコメント実施中とのことであるが、そのことに何の意味もなく、どんなに意見を挙げても、この基準が変更になることはないし、国にとって不都合な意見は無視され、公開もされないことは過去の例を挙げるまでもない。

パブリックコメントなんて、広く関係者の意見を聴く機会を設けたという、国のアリバイ作りに過ぎないのだから、そのようなものに意見投稿するような無駄な時間をつくらないようにしてほしい。

ところで某ネットニュースでは、この基準について、日本介護支援専門員協会の濱田和則副会長が、「事業所と市町村、双方の事務負担が可能な限り軽くなるようにして欲しい。例えば認知症など、限度額の利用割合が高まりやすいケースもある。利用者の状態像を十分に考慮した検証として欲しい」などと釘を刺したと報道している。

釘をさす場所と時を間違えているんではないか。この基準案はもともと今年度の報酬改定議論の中で示されたもので、その時にきちんと反対意見を述べるなどしないと、既に改正基準が決まっている段階で何を言っても、「糠に釘」にさえならない。影響力はゼロである。

そう意味で、日本介護支援専門員協会とは、本当に間の抜けた、頭のねじも一本足りない団体だと思う。
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居宅介護支援に垣間見える布石


昨日配信した、『UCHIDAビジネスITオンラインセミナー福祉版・解釈通知・Q&Aから読み取る令和3年度報酬改定の影響と課題』は、たくさんの方々が視聴してくださって、盛況のうちに最終回を終えることができた。ありがとうございました。

質問や意見がある方は、配信サイトのアンケートに記入いただければ、後日、このブログで回答させていただくので、遠慮なく意見等を書き込んでいただきたい。

同セミナーはテーマを変えて、新シリーズの配信も視野に入れている。その際にも是非視聴してほしいと思う。次のテーマは、「科学的介護」をmasa的に分析するシリーズにしてはどうかとも思っている。

昨日は居宅介護支援と施設サービスについての解説だったが、居宅介護事業所の介護支援専門員の方々には、特定事業所加算がどのように変わったのかについて注目してほしいと訴えた。

まず最初に気づくのは、同加算のすべての区分に、「必要に応じて、多様な主体等が提供する生活支援のサービス(インフォーマルサービス含む)が包括的に提供されるような居宅サービス計画を作成していること」という要件が新設されていることである。

居宅サービス計画には、インフォーマルな支援や保険外サービスなどを必ずしも記載する義務は課せられていないが、利用者の自立を支援する観点とケアマネジメントの質の向上の視点から、利用者の暮らしを支えるサービスについては、保険内・保険外にかかわらず、できるだけ計画に組み入れるように勧められてきた経緯がある。

特定事業所加算全区分共通の新要件は、この考え方をさらに推し進めるとともに、単に現在利用している保険外サービスや、必要としているインフォーマル支援を居宅サービス計画に落とすだけではなく、もっと積極的に市町村の行政支援を含めた保険外サービスを利用することを促している意味があると思える。

Q&Aでは、多様な主体等が提供する生活支援として想定されるサービスとして以下が例示されているので参考にしていただきたい。
・市町村保健師等が居宅を訪問して行う指導等の保健サービス
・老人介護支援センターにおける相談援助及び市町村が一般施策として行う配食サービス
・寝具乾燥サービスや当該地域の住民による見守り、配食、会食などの自発的な活動によるサービス
・精神科訪問看護等の医療サービス、はり師・きゅう師による施術、保健師・看護師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師による機能訓練


このように保険外サービスを積極的に組み入れることを促している背景には、財源が厳しくなる今後は、保険給付から外れるサービスが増えることを示唆しているとも思え、軽介護者の生活援助や通所介護・福祉用具貸与などが保険外とされた場合に備えての対策とも言えなくもない。

また新設された特定事業所加算(a)については、主任ケアマネとケアマネの合計数が3未満で算定できることになっていることに注目していただきたい。

さらに、「24時間連絡体制を確保し、かつ、必要に応じて利用者等の相談に対応する体制を確保していること」等の4つの要件が、他事業所との連携で可とされている点も重要だ。

この特定事業所加算(a)の要件が、居宅介護支援の将来の在り方に関する布石ではないかと思われるからである。

このブログでは何度も指摘しているが、僕自身は、「ひとり親方の居宅介護支援事業所」(※介護支援専門員が独立型で、一人で経営している事業所という意味)についても、有能なケアアンネジャーが適切な居宅介護支援を行っているなら、特定事業所加算として評価されるようにしてほしいと提言している。

しかし厚労省は、「ある程度のケアマネ配置数がないと、ケアマネジャーが病気や怪我を負った場合に代替機能が発揮できない」として、この考え方に否定的である。むしろ将来的には、居宅介護支援事業所の配置基準を改めて、複数の介護支援専門員の配置を義務付けたいというのが国の考え方である。

すると前述した2つの新要件(定数3未満の事業所の加算と連携要件)については、これがうまくいけば、将来的に介護支援専門員の配置基準を増やした際に、現在のひとり親方事業所は他事業所との連携を認めて残すことを模索しているか、積極的に連携を促して、規模の大きな居宅介護支援事業所のサテライト事業所として位置付けることなどを模索しているのではないかと考える。

どちらにしてもこの要件は、新しい居宅介護支援事業所の形態を考える中で生まれた発想だと思う。

居宅介護支援事業所の関係者の方々は、頭の片隅にそのようなことも置いて、今後のソーシャルアクションや情報発信に努めてほしい。

地域で暮らす要介護者に、必要な支援の手が届かなくならないように、より積極的なケアマネジメント実務者の提言が必要とされていることを忘れないでほしい。
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課題分析が希望をつぶすものであってはならない


課題分析の結果となっていないケアプランの例より続く)
利用者や家族の意向を、そのままプランニングするのではなく、その意向をきちんと課題分析して、自立支援に資する課題を把握しなければならないとは言っても、アセスメントツールは自動的に自立支援に資する課題や、利用者ニーズを抽出するほど絶対的なものではない。

仮にAIを搭載したケアプラン作成支援ソフトを使ったとしても、それらは自動抽出できるものではないのである。

「自立支援に資する課題」の把握や、「デマンドよりニーズを引き出す」という作業自体は、最終的に計画担当者の主観によっても左右されるものであり、それが正解かどうかは誰にもわからない。

だからこそ自立に資する課題を把握しているかを確認すると同時に、ケアマネジメントは利用者の希望を削り取ったり、思いを奪ったりするものではないという考え方が一方で求められるのだ。

デマンドに過ぎないと思われていた利用者の希望そのものが、真のニーズであったと後からわかることがある。人間の感情が結果に影響する、「暮らしの支援」とは、そこが一番難しいところなのである。

僕は若いころ、利用者の希望を単なるデマンドであると思い込み、それを安易に切り捨てて大失敗につながった苦い思い出がある。

特養で暮らしていた80代の女性が、夜ベッドサイドにポータブルトイレを置いて欲しいと要望した。しかしその方の居室はトイレのすぐ目の前で、当該利用者のベッドは廊下側であった。つまり廊下をはさんですぐの場所にトイレがあり、その方自身は歩行器を使った自力歩行ができ移動能力に問題はないとされていた。

だから僕は、その方はポータブルトイレを使う必要性がないと考え、ポータブルトイレを使わないでトイレで排泄するように説得し、その方にポータブルトイレを使わないことを、「渋々」ながら納得させた。

その方がなぜ歩行できるにもかかわらず、夜ベッドサイドにポータブルトイレを置きたいと思ったのかという気持ちを推量することもなく、その思いを受容することもなく、説得に走ったのである。

その結果、その方はポータブルトイレを使用しないで過ごしていたが、実は夜こっそりバケツに排尿して、朝方職員に見つからないように居室のキッチンシンクに尿を捨てていることが分かった。

その方は、夜間におしっこがしたくなって目が覚めた時に、僅かな距離であっても、ベッドから降りて歩行器を使いながらトイレまで歩いて排泄するという行為が、「しんどかった」のだろう。僕はそのことを理解できなかったのである・・・というか理解しようとする態度に欠けていたとしか言えない。

その方にとっては、トイレに行って帰ってくるだけの行為がしんどくて、目が冴えてそのあと眠れなくなったりという現実があったのである。

このケースでの夜間のポータブル利用が、自立を阻害するかという観点から言っても、そんなことはなかった。日中、歩行機会が十分あり、排せつも自立している80代の高齢者に対して、夜間の排泄まで「頑張ることを強制する」必要性は全くなかったのである。むしろ夜間のトイレの不安を解消することが、精神的な健康を保ち、自立性を担保すると考えても良かったのである。

こうした間違いや見当違いは、人であれば常にあるのだから、自分がケアマネジャーでアセスメントをしているからと言って、自分の考えるニーズだけが本当のニーズであると考えたり、自分の価値判断における自立支援に資する課題が絶対的なものであると考えるのは危険すぎると思う。

だからこそ利用者が自ら口にできる、「表出された意向」は、疑うのではなく最大限に尊重することを第一に考えたほうが良いのではないかと思う。その意向をニーズであると理屈づけるマネジメントが必要だと思う。

なぜなら意向とは希望であり、それは願いとか欲求であるだけではなく、人によっては、「救い」になるからである。

希望というものは、時に自分を救う唯一のものになり得るものだ。それは他人が与えようとしても簡単に与えられないものなのだ。

自分の中でゆっくりと養い育てるのが希望である。その希望は支援者一人一人が、真綿にくるむように大切にし、壊れないようにする必要があるのだ。「それは単なる希望で、ニーズじゃない」と切り捨ててよいものではないはずのものなのである。
希望は新たな意志である
希望は生きていくうえで必要な杖である。その時胸に抱える希望は、たった一本しかない生きる杖なのかもしれない。

「課題分析の結果、それはあなたの望みでしかなく、真のニーズではありません」として、たった1本しかない杖を奪われる結果になって、生きる希望を失う人がいるとすれば、それは人を絶望の淵に追い込む悪魔の言葉でしかない。

ケアマネジャーが悪魔であれば、介護は悲劇でしかなくなる・・・。
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介護支援専門員研修の事前質問に回答します


今週金曜日(6/18)の午後、岐阜県中津川市と恵那市が共催する、介護支援専門員研修会としてオンライン講演を行う予定が入っている。

テーマは、「2021年度の介護保険制度改正と介護報酬改定の要点とその目的について」となっていて、制度改正を中心に解説を行うことにしているが、その研修に関連して2つの市の介護支援専門員の方々から事前質問が寄せられている。
制度改正講演スライド
その質問内容を含めて講演で解説すればよいと考えていたところだが、しかし質問内容を読むと報酬改定に関連したものも多く、僕が書いた過去のブログ記事を読んでいただいた方が理解しやすいと思う質問もあった。またこれらの質問に答える解説をするだけでかなりの時間を割かねばならなくなり、予定していた講演内容を一部削らねばならない事態も考えられた。

そのため今日のこのブログ記事で、18日講演の事前質問と回答を書こうと思う。この研修講演を聴くことができない他の地域の介護支援専門員の皆様にも参考になることもあると思えるので、以下Q&A方式で紹介するものを参考にしてほしい。
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Q1.(特定事業所医療介護連携加算の算定要件について)
別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして、市町村に届けた事業所は1月につき所定単位数を加算するとある:125単位
その基準に前々年度3月から前年度2月までの間において退院退所加算の算定に係る連携の回数が合計35回以上とある。連携とあるが、居宅介護支援事業所から情報提供は含まれず、病院等から情報を受けた回数のみがカウントされるという解釈でよろしいでしょうか。

A1.この加算は特定事業所加算犬汎韻犬覆里如∧神30年の同加算の解釈通知で、「情報提供を受けた回数」とされていますので、情報提供した回数は含まれないが正解ですね。ただし居宅介護支援事業所側から連絡して、情報提供を受けてもよいことになります。(6月19日AM9:38修正

Q2.(通院時情報連携加算について)
ケアプランに記載とありますが、押さえておくべき内容や記載に必須である内容があれば教えて頂きたい。また、日々の業務で効果的かつ効率的な記録の残し方があればアドバイスを頂きたいです。

A2.この加算は、ケアマネジャーの通院同行をただ働きにさせないという観点から新設されました。例えば利用者が急に通院する必要が生ずるなどしても、それに対し訪問介護サービスが対応することができず、やむを得ずに担当ケアマネジャーが通院支援(通院同行)を行わねばならないケースが多々あって、しかし昨年度まではそうした場合もケアマネジャーに対する報酬は一切発生せず、実質ボランティア精神で対応しなければならないことを問題視して新設されたのがこの加算です。
しかし居宅介護支援費は、実際の介護などの事実行為に報酬を支払うことにはなっていないために、居宅介護支援費の加算として何らかの整合性を取る必要がありました。そのためケアマネジャーが通院に同行して、利用者が診断を受ける際に医師と情報交換しながら連携を図るという要件をつけて、居宅介護支援費として支払うことができるようにしたわけです。よってケアプランに記載する内容については、細かな要件はありません。通院の必要な持病の管理などのアドバイスを医師からもらい、それを書いておくだけで良いです。半日以上かけてケアマネが行わねばならない支援行為なのに、通院等乗降介助の半分の単位数しか算定できない加算ですから、あまり悩まずに医師の言葉を拾うだけで良いです。

Q3.(通院時情報連携加算について)
利用者の同意の下、毎月受診に同席し、本人の健康状態を医師に伝え医師からの助言や指導など本人や在宅サービスの看護師に情報連携を行っています。毎月の加算の算定は可能でしょうか。

A3.一人の利用者につき月1回のみの算定が可能となっていますが、毎月算定することは可能です。ただしA2に書いたように、通院支援自体は介護支援専門員の本来業務ではないし、この加算は実にコスパの低い加算ですから、本当にケアマネ同行が必要なのかというアセスメントは欠かせません。「名称に惑わされず経緯を忘れないでほしい新加算」を参照してください。

Q4.(計画書の変更点について)
計画書の変更点が示されましたが、プランについて記載内容や表現方法について自分のやり方を変えていかなければいけないと思うが課題分析の結果とはどういった事を示されているのか教えて頂きたいです。

A4.単に利用者や家族の意向や希望を計画に反映するのではなく、その意向や希望を計画反映することが、利用者の生活課題の解決につながるのかを分析しなさいと言う意味で、デマンドではなくニーズをきちんと抽出して、それを記載しなさいという意味の変更です。

Q5.(ICTの活用について)
居宅介護支援における業務軽減のためのICT活用の具体的な例を教えて下さい。(例えばサービス担当者会議など)

A5.ICTやインカムとは具体的に何を活用することを指すのか、どのような会議や多職種連携でICTを活用できるのかは講演の中で説明します。

Q6.(書類の捺印廃止について)
書類の捺印廃止について現状の対応としては、ケアプラン、重要事項説明書、契約書でどこまでの取り扱いをしていけばいいのか教えて頂きたいです。
 
A6.すべての書類に押印は必要とされなくなりましたが、文書同意につては市町村によって、条例でそれを求めている地域もあり、この場合は最低限、署名は必要であると考えられています。また電磁的方法による同意が認められているものの、国のガイドラインに沿った対応が求められ、電子署名が推奨されるなど、そのハードルは決して低くないため、報酬改定時の変更同意も、文書同意で署名を求める事業者が多かったのが現状です。参照記事も読んでください。(参照:署名・押印廃止は業務軽減になっていません
 
Q7.居宅サービス計画の記載要領が改定されたことにより、例えば1表等の具体的なプランの作成方法について従来の記載方法と内容が異なってきています。記載の仕方や捉え方などについてご教示頂きたいです。
A7.A4の回答を参照してください。全般的には、簡潔でわかりやすい文章で書くこと、専門用語を使わないことなど、文章力の向上が求められる内容になっています。

Q8.今回の改正について、サービスの利用割合の説明し同意を得る事が必要になったが、特に福祉用具などの割合を説明した後、事業所を利用者に選択してもらおうとすると1番多い所の事業所を選ぶことが多くなり、少数の事業者は選ばれません。公正中立の確保を図る観点からの制度改正だとあるが上位の事業所に偏ってしまう可能性はないのでしょうか。 
A8.説明の仕方によると思います。なぜ割合説明が求められたのかということをわかりやすく説明するとともに(あまり意味のない説明ルールであると言っても良い)、自分の計画で事業者割合がどのような選択の結果で異なっているのかを正直に説明すればよいと思います。

Q9.(居宅介護支援費に関する事項)
サービス利用票を作成した月において利用実績がない場合の取り扱いについて(最新情報vol.952の問119について)回復の見込みがないと診断した利用者とあるが、どのように確認し記録を残せば良いですか。また、請求にあたっての必要な書類を整備とあるが、必要な書類は何になるでしょうか。

A9.「医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した利用者」については、医師の終末期判定が必要になります。診断書が必要になるわけではないし、医師から直接伝えてもらう必要もないので、医療機関入院中の利用者なら院内の地域連携室等(医療相談室)のSWに、施設入所者なら相談援助職に確認すると終末期判定の内容を伝えてもらうことができると思います。その内容を支援記録等に残しておけばよいものと考えます。

Q10.(入浴介助加算兇砲弔い董
デイサービスの入浴介助加算兇砲弔い董⊆宅のお風呂では入れない方も算定ができるのか。入浴介助加算兇了残衢弖錣魘気┐督困たいです。また、デイサービスから入浴介助加算兇鮖残蠅垢襪箸力⇒蹐あった場合、軽微な変更の扱いではなくアセスメント、担当者会議が必要なケアプランの変更となりますか。

A10.介護報酬改定Q&A・Vol8の 問1において、自宅に浴室がない場合等、具体的な入浴場面を想定していない利用者や、本人が希望する場所で入浴するには心身機能の大幅な改善が必要となるケースなどの算定要件が示されています。これに該当させることによって、すべての利用者が加算兇鮖残蠅垢襪海箸可能になります。
また居宅サービス計画は、各サービス事業所が行うサービスの具体的内容まで書く必要がないもので、通所サービス事業所の入浴支援の方法が、居宅サービス計画の通所サービス利用の目的に沿ったもの(機能維持や清潔支援が必要など)であればそれでよいわけで、居宅サービス計画書に入浴介助の区分を書く必要はありません。(参照:加算区分はサービス事業所が決める問題です

Q11.<特養 ケアマネより>
今回の改正では、科学的介護情報システムの活用が必須となりフィードバック機能を活用しながらエビデンスに基づいた自立支援・重度化防止を期待されています。インセンティブ的な加算ばかりにも思えます。しかしながら、現実の特養は要介護4〜5の方が中心であり、高度認知症の方が多いです。医療的ケアの必要な方が年々増え、介護職員にも医療行為が行えるように境界線を下げる政策をしてきています。慢性的な人材不足の中、外国人雇用を推奨し高度な教育を求められます。実際、命をお預かりする立場としていい加減な仕事をされては困りますので、教育の重要性も理解をしています。対人援助の最大の利点である、心と身体と寄り添う援助が重要と考えますが、AIを活用すると夜勤帯の人員配置基準のハードルを下げると言っています。AIに頼りすぎて訪室回数やコミュニケーションが減るのでは、と危惧する思いが正直な所あります。近い将来高齢者がますます増えます。その中でどのように質を保ち向上心を損なわずに行くか、正直な所不安でいっぱいです。システム入力と会議に多くの時間を奪われ、残業だけが増える事が想像できます。どのように現場力を高め維持していくのか、利用者様には何が一番なのか、理想と現実との差がますます大きくなっている気がします。

A11.慢性化する介護人材不足の中で、ICTや介護ロボットを活用して介護業務の省力化を図ることは必要ですが、それで人員配置を減らすことができるというエビデンスは存在せず、今回の特養における人員配置基準の緩和は少々乱暴で、(介護人材対策を十分行ってこなかった失政の責任を回避するかのような)国に都合の良い理屈でしかないと思います。この部分は介護サービスの場から問題提起していく必要があるのだと思います。

Q12看取り期など限定的な局面における暫定ケアプラン作成時のプロセスの取り扱いについてどのように解釈したら良いか、また具体的どのようなことが想定されるのか教えていただきたいです。
A12.何か勘違いされていると思います。今回そのような改定は行われていませんし、看取り期の計画は暫定プランではなく、本プランで対応する必要があります。ただし2018年改定では、末期がんの方で、日常生活上の障害が1ヶ月以内に出現すると主治の医師等が判断した場合については、居宅サービス計画書の変更の際に、サービス担当者会議の招集を不要としているだけです。

Q13口腔・栄養・入浴供科学的等の加算に対するケアプランへの位置づけについて、どの程度の対応が必要でしょうか。
A13.それらは居宅サービス計画書ではなく、各サービス事業所の計画に位置付けられるもので、それらの加算の目的が居宅サービス計画の内容に沿っていればよいものです。A10を参照してください。

Q14運営規定へ虐待防止についての文章を記載したが、感染症対策、業務継続対策、ハラスメント対策については、重要事項説明書へ記載をした。今後どんな文章で記載をしていくと良いでしょうか
A14.専門用語をなるべく使わず、わかりやすくかつ簡潔に、解釈通知等で示された要件を網羅した文章表現が求められています。

Q15今から取り組んでおくべき内容 次の改正では必須項目となってくると思われる項目を伺いたいです。
A15.次の改正は、前回積み残し・見送りされた利用者負担増・給付抑制が実行される厳しい改正になります。居宅介護支援費の利用者負担導入の実現可能性も高まっています。今回の講演で詳しく解説します。
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以上である。当日のオンライン講演では、改めて質疑応答の時間を取っているので、重ねての疑問や意見があれば、そちらで遠慮なく発言していただきたい。
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加算区分はサービス事業所が決める問題です


通所サービス(通所介護・通所リハビリ)の入浴加算が2区分になったことから、同じ事業所に通っている利用者が、人によって算定区分が違ったり、人によってはある時期に、加算機漸短鮫供覆△襪い呂修竜奸砲吠僂錣覯椎柔も考えられる。
通所サービスの入浴介助加算
このことについて居宅介護支援事業所の介護支援専門員が、通所サービス事業所に対して、サービス担当者会議に区分変更を図らないと算定区分を変えられないので、勝手に気鬮兇吠僂┐討盖詆婀浜はできないと主張するケースが出てきている。

それは大きな誤解である。居宅介護支援事業所若しくは介護支援専門員にそのような権限はないのだ。

僕の講演でも、居宅介護支援事業所の方が、加算区分変更は軽微変更で良いのか、通常の計画変更として担当者会議などの一連の手続きが必要なのかという質問を受けることが多くなった。

しかし通所サービスの入浴加算について、居宅サービス計画に区分を記載する必要はなく、区分決定に際して担当者会議も、計画担当ケアマネジャーの許可や指示も必要とされていない。軽微変更にさえ該当しない問題である。

なぜなら居宅介護支援事業所は、利用するサービス種別と事業所を決定し、サービススケジュールを組むことは出来るが、利用者が利用するとしたサービス事業所で提供される具体的サービス内容については、担当者会議で確認したり、意見を述べたりすることはできても、その最終決定の指示を行う権限なんてないからだ。

サービスの、「具体的内容」は各サービス事業所が決定し、各サービス事業所の計画書に記載すべき問題である。

このことは基準省令で下記のように記されているので確認してほしい。
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(指定居宅介護支援の具体的取扱方針)
第十三条 八 介護支援専門員は、利用者の希望及び利用者についてのアセスメントの結果に基づき、利用者の家族の希望及び当該地域における指定居宅サービス等が提供される体制を勘案して、当該アセスメントにより把握された解決すべき課題に対応するための最も適切なサービスの組合せについて検討し、利用者及びその家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針、生活全般の解決すべき課題、提供されるサービスの目標及びその達成時期、サービスの種類、内容及び利用料並びにサービスを提供する上での留意事項等を記載した居宅サービス計画の原案を作成しなければならない。

(通所介護計画の作成)
第九十九条 指定通所介護事業所の管理者は、利用者の心身の状況、希望及びその置かれている環境を踏まえて、機能訓練等の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した通所介護計画を作成しなければならない。
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入浴支援について、具体的内容をどうするかということは、居宅サービス計画の内容に沿うことは必要だが、最終的にそれはサービス事業所が決定する問題である。

居宅サービス計画には、「通所介護で入浴支援を行う」とさえ書かなくても良いのだ。事実、通所サービスで入浴支援を行なっているケースで、居宅サービス計画書に、入浴に関する内容に全く触れていない計画書も多々存在する。

例えば通所介護は、家族のレスパイトケアを利用目的とすることは認められているため通所介護利用目的が、「家族の休養」としか書かれていない居宅サービス計画書もある。それでも通所介護の基本サービスとして入浴介助が行われている場合に、通所介護計画にその具体的内容を位置付けて、入浴介助加算を算定できる。それは通所介護で入浴支援を行うことで、自宅で入浴支援を行う家族負担が減ることを考えると、そのことがレスパイトケア目的にかなっていて、「居宅サービス計画書の内容に沿っている」と言えるからである。

同じように、通所サービスでリハビリテーションや機能訓練を行って身体機能を維持するという目標があれば、その目標に沿って、自宅で自分で入浴できるという身体機能の維持や向上を目的として入浴介助加算兇坊劼欧討睥匹い錣韻任△蝓居宅サービス計画にこまごまと、自宅で入浴できるなどという目標も入れる必要はないのである。

通所介護の個別機能訓練加算気砲弔い討癲▲い鮖残蠅垢襪ロを算定するのかは、通所介護の機能訓練指導員の配置状況で決まる問題であり、事前にその配置を決めることができる通所介護計画にしか位置付けられないのである。

新設された加算等をすべて居宅サービス計画書に位置付ける必要があるとすれば、科学的介護推進体制加算も居宅サービス計画書に記載する必要があることになるが、そんなことはあり得ないのである。

居宅サービス計画は、そのサービスを利用することで生活課題をどのように解決につながるのかという視点から、マクロ的なサービス内容を記入すればよいだけである。「自宅での生活が継続できるように機能を維持する」という目的で通所サービスを計画しておれば、機能維持の具体的内容・具体的方法論は通所サービス事業所が計画書に落として実施するのである。

その原則を忘れなければ、報酬改定のたびに新設される加算をいちいち居宅サービス計画書に反映させなければならないなんていう誤解をしなくて済むのである。

介護保険制度やケアマネジメントの知識に欠け、過去の報酬改定の経緯も知らない保険者の担当者が、この部分を誤解しておかしな行政指導をするとしても、そんなのは無視してよいのである。

各種加算の算定要件は、それぞれの事業所の計画にその内容を位置付けることになっているのだから、変な行政指導を行う輩には、すべての加算を居宅サービス計画書にこまごまと記載する根拠はどこになるのかと問いただせばよいのである。
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計画書標準様式の変更内容とその目的


計画書標準様式の変更に関する質問を受けてより続く)
居宅サービス計画書標準様式及び記載要領の変更によって、どの部分の何が変わったのかを1表から順に確認していきたい。

第1表の項目の一つ、「利用者及び家族の生活に対する意向」という文章に、「を踏まえた課題分析の結果」という文章が加えられた理由について記載要領では冒頭部分で、「介護サービス計画は、利用者の生活を総合的かつ効果的に支援するために重要な計画であり、利用者が地域の中で尊厳ある自立した生活を続けるための利用者本人の計画であることを踏まえ、わかりやすく記載するものとする。」と念押ししたうえで、『課題分析の結果として、「自立支援」に資するために解決しなければならない課題が把握できているか確認する。そのために、利用者の主訴や相談内容等を踏まえた利用者が持っている力や生活環境等の評価を含め利用者が抱える問題点を明らかにしていくこと。』としている。

つまり変更前の様式では単に、「利用者及び家族の生活に対する意向」とされているために、利用者や家族が言うがままに、ニーズではないデマンドに対応する計画作成も目立っていたという意味だろう。そうした計画を作成するケアマネを戒め、御用聞きケアマネジャーになるなと言いたいのだろう。

さらに認知症の高齢者などの場合、本人の意思推定もせず、本人の希望を無視して家族の意志だけでサービス内容が決定されることがないように、「ケアプランは誰のためのものだ」という命題を投げかけているのではないかと想像する。

さらに第1表の「総合的な援助の方針」にできるだけ緊急時を想定した対応の方法等を記載しておくようにとしているのは、昨日の記事で示した通りだ。

また第1表の記載要領では、同居家族がいる人に対して生活援助を計画する場合の、事情の内容の記載例が新たに示されているので参考にしていただきたい。

第2表の変更はされていないが、記載要領は左端の「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」について、課題の優先順位を見立てて、きちんと優先度の高い課題から順番に記すことを促している。そのうえで目標達成のために
・ 利用者自身の力で取り組めること
・ 家族や地域の協力でできること
・ ケアチームが支援すること

等をわかりやすく示すことを促している。まるで小学生の教科書のようだ・・・。
第3表週間サービス計画書
第第3表は左端の時間の部分が0時を起点に24時まで表記される変更が行われた。何やら、「おせっかい」とも言いたくなる変更であるが、わかりやすく統一したということだろう。
第4表サービス担当者会議の要点
第4表のサービス担当者会議の要点は、本人や家族が出席した場合の氏名や続柄が書く欄が追加されている。

これは2013年の老企22号改正通知で、『介護支援専門員は、効果的かつ実現可能な質の高い居宅サービス計画とするため、各サービスが共通の目標を達成するために具体的なサービスの内容として何ができるかなどについて、利用者やその家族、居宅サービス計画原案に位置付けた指定居宅サービス等の担当者からなるサービス担当者会議の開催又は当該担当者等への照会等により、専門的な見地からの意見を求め調整を図ることが重要である。なお、利用者やその家族の参加が望ましくない場合(家庭内暴力等)には、必ずしも参加を求めるものではないことを留意されたい。』というふうに、緑色部分の文章が追加され、利用者や家族が原則として会議に参加することになっていることに対応したものだろう。(※なお施設サービスは緑色の部分は追加されていない。)…今更の感がないわけではない。
第5表居宅介護支援経過
第5表の居宅介護支援経過には新たに、「項目」という部分が追加されている。ここには例えば、「判断した内容」とか「把握した事実」・「○○事業所からの情報」・「利用者希望による相談」などと書けばよいのだろうか。この点は記載要領にも明確には示されていないので、ケアマネ判断で良いのだろう。

そのほか記載要領には
・ 文章における主語と述語を明確にする、
・ 共通的でない略語や専門用語は用いない、
・ 曖昧な抽象的な表現を避ける、
・ 箇条書きを活用する、

というふうに、ここでも小学生に文章の書き方を教えるような内容が追加されている。
第7表サービス利用表別表
第7表のサービス利用表別表では、「サービス単位/金額」と「種類支給限度基準を超える単位数」の間に、「給付単位管理数」と項目が付け加えるなど、内訳が一部変更されている。ただ7表の記載要領については何も変更されていないので、加えられた項目に数字を入れるのを忘れなければ良いだけだろうと思う。

それにしても介護給付費分科会等で何の議論も経ないまま、3/31という時期に突然示された居宅サービス計画書の新様式の意味は何なのだろう。

冒頭で示したように、利用者や家族の単なる希望・口に出して示された意見だけをプランニングするのではなく、自立支援に結び付けて利用者本人の生活課題に対応する計画内容とすることを目的としたものだろうが、要領に記された内容は、細かすぎて子供に諭すようなくどい内容である。くどすぎて胸糞悪くなる文章とも言えなくもない。

よほど国はケアマネを、「もっと鍛えねば」と思っているんだろう。国の掌の中でケアマネジャーを動かせると思い込んでいるために、いきなりケアプラン標準様式の変更を通知してきたのだろうと思う。

噛んで含んだ説明をしないと理解できないケアマネが存在するとして、くどくどと書き方を説明しているんだろう。

厚労省老健局の一室である日、「居宅介護支援事業所も、逓減性緩和で収益増が見込まれるんだから、ケアマネにももうひと頑張りしてもらわねばなりませんから、もう少し法理念に沿動きを促すように、ケアプラン作成要領も変えて通知しなければなりませんね」なんて会話が交わされて、その考え方に沿って作業を進めるように指示を受けた誰かが、子供を諭すような文章をちりばめた要領案を書いている姿が目に浮かぶようである。

御上のお達しが急遽作り上げられ、下々の者どもに下げ渡されたというのが、今回の標準様式変更ではないかと思う。

今月19日には、岐阜県中津川市と恵那市の介護支援専門員研修会としてオンライン講演を行う予定があり、現在講演スライド作成中であるが、そこではこの標準様式の変更内容も含めて解説を行う予定だ。

両市の介護支援専門員の皆様に向けてエールを送る動画を作成したので是非ご覧いただきたい。両市の関係者でない方も、岐阜県中津川市と恵那市の風景を楽しみながら、介護の心を感じていただける動画なので、是非ご覧になってください。

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計画書標準様式の変更に関する質問を受けて


昨年度末の3/31付で、「介護保険最新情報Vol.958」が発出されその内容が、『介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」の一部改正について(通知)』であったことについては、「生活に対する意向を踏まえた課題分析」という記事を書いて解説している。

このことについて講演の質疑応答でよく質問を受けることがある。

その中で、「この様式を使わなかったり、変更内容に沿っていない場合、減算指導を受けるのか」というものがあった。

もともと居宅サービス計画書や施設サービス計画書は、「標準様式」であって、この様式内容に沿っておれば、必ずしもそれと同様のものを使わなくても問題はないが、法令に沿った記載事項が漏れては法令違反を問われるので、別様式を使わない方が無難である。
居宅サービス計画書
今回も標準様式に新たに付け加えられた、「〜を踏まえた課題分析の結果」については、必ず対応しなければならない部分なのだろうと解釈できるので、できるだけ早くこの様式の変更すべきである。

しかしこの通知が年度末ギリギリの3/31に発出されているのだから、4月から即、対応できないことは明らかである。よってリンクを張った記事にも書いているように、5月から対応しておれば問題ないだろうと思う。

そもそも第1表の、「利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果」に記すべき内容が、単に利用者及び家族の生活に対する意向に終わっているのか、利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果になっているのかについては、記された内容だけで判断できる問題ではなく、文章を書いたケアマネ自身が、「その意向は、課題分析した結果、きちんとニーズとして認められる」と説明できれば良いだけの話である。

ケアマネジメントの専門家でもなく、利用者のアセスメントを行ってもいない行政職員がこの部分に、「違うだろう」という、『いちゃもん』を付けられる余地なんてないわけである。

居宅介護支援事業所の介護支援専門員の方々は、この点もっと自信を持って、胸を張って臨んでほしいと思う。

だが新しい記載要綱で、「総合的な援助の方針」には、「あらかじめケアチームにおいて、どのような場合を緊急事態と考えているかや、緊急時を想定した対応の方法等について記載することが望ましい。」とされているので、この点にも注意が必要だ。

例えば、利用者の状態が急変した場合の連携等や、将来の予測やその際の多職種との連携を含む対応方法について記載する。」とされているので、すべての計画書にこれに類した記載がされていないとなれば、この努力義務を果たしていないとして突っ込まれることはあり得る。そのため今後の計画変更の際には、こうした記載要綱の注意書きを反映した計画作成に努めたほうが良いだろう。

どちらにしても居宅サービス計画書の内容が不備であるからと言って、それは運営基準減算の対象になっていないので、罰則があるとすれば、「居宅サービス計画書として成り立っていないから、計画書がないとして全額報酬返還」ということになろうと思う。

しかし計画書そのものが存在する以上、そのような乱暴な指導はできるわけがないし、指導されるとしても、「もう少し居宅サービス計画書記載要領に沿った内容になるように注意してください」という口頭指導しか考えられないだろう。

その際には相手の顔も立てて、「かしこまりました。今後注意いたします」と頭を下げておけば、何かの時に指導担当者の協力も得られようというものである。

くれぐれもこの点で意固地になって、変なトラブルを引き起こして、行政指導担当課との協力連携に支障が出ないようにしてほしい。

ところで「居宅サービス計画書標準様式及び記載要領の変更」については、居宅介護支援事業所の介護支援専門員だけが内容を把握しておけば良いという問題ではない。

計画書の記載内容は即ち、サービス提供のあり方やチーム連携のあり方に関わってくる問題でもあり、居宅サービス事業所のスタッフもこの変更通知を読んで、何がどのように変えられているのかを確認してほしい。

ということで変更内容と、変更の目的も大事な情報になるので、明日そのことを詳しく解説してみたいと思う。(明日に続く)
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護るケアマネ・奪うケアマネ


僕は日ごろ、「ケアマネサポーター」を自称している。

介護保険制度の創設によって、介護支援専門員という資格や、その資格をもとにした業務が出来たことも喜んでいるし、全国の様々な場所でケアマネ専門職として活躍している人たちを尊敬している。

その中には僕が決して真似できないような、すごい仕事をしている人がいることも知っている。「達人ケアマネ」と言ってよい人は確かに存在しているのだ。

しかし一方では、ケアマネの力量を嘆く人にも出会うことが多い。

認定調査の際に自分の都合で、軽度(又は重度)誘導するような質問をするケアマネ、ケアプランに組み込むサービス事業所を自身が所属する法人のサービスに囲い込もうとするケアマネ・・・様々な不適切事例を具体的に指摘して、ケアマネジャーを疎む人も全国に存在することは事実だ。

それはケアマネジャー全体のスキルが低いという問題ではなく、個人間のスキルの差が大きいという意味だと思う。実務経験年数の壁は高くとも、実務経験の範囲を相談援助職以外に広げすぎたことと、試験自体の壁(難易度)が低いケアマネ資格は、介護保険制度という狭い領域の知識を浅く獲得しただけで取得できることから、ソーシャルワーカーとしての資質に欠けたケアマネも存在してしまうことになっている。

例えば今年度の報酬改定で市町村が、区分支給限度基準額の利用割合が高く、訪問介護が大部分を占める等のケアプランを作成する居宅介護支援事業者を点検・検証する仕組みが導入されたのも、不適切なケアマネジメントが存在するという意味である。

しかしこんな形で行政介入が厳しくなるのは、適切なケアマネジメントを行っている人にとっては迷惑でしかない。

だからこそケアマネサポーターを自称する僕は、時にケアマネに対して強い言葉でなじって奮起を促すことも多い。駄目なケアマネジャーは退場しろということさえある。

先日も表の掲示板で建てられたスレッド、退院退所加算の算定についてでもそうした言葉を投げかけている。

退院・退所加算は、カンファレンスなしでも算定できる区分があるので、「看護師と少し話しただけでも算定可能か」という問いかけに対して、「利用者に係る必要な情報の提供を受けないとならず、それがない世間話だけでは算定できない」というコメントしたが、それに対して「世間話なんて言ってません」とプチ切れしてくるケアマネジャー・・・。そもそも費用算定の質問なのだから、どんな情報のやり取りを看護師としたかを書かないで回答をもらおうとする態度もどうかしている。

ケアマネジャーは、ケアプランというツールを使って利用者に介護サービスについて説明して結び付ける人なのだから、文章と言葉で伝える能力は非常に重要だ。ネット掲示板で、上記のようなやり取りしかできない人のコミュニケーションスキルはあまりにも貧弱だ・・・。

それ以前に大切な退院支援について、加算算定できるかどうかという方向でしか考えようとしない姿勢がどうかしている。退院後のケアプランには、入院につながった病気等の予後の見込みや、その後の外来通院をはじめとした医療対応のあり方など、確認すべき情報がたくさんある。とてもではないが廊下で看護師とすれ違うついでに、少しだけ話をして情報を得られるという問題ではないのだ。

きちんとアポイントを取ったうえで時間をつくってもらって、第3者に情報が漏れない場所で適切に話し合うということが求められるのは基本中の基本ではないのか・・・。こうしたことを理解できないケアマネでは困るのである。そういうケアマネがいてはならないのだ。

下記は数年前に僕に届いた悲痛なメールの一部である。
----------------------------------------------------------
この10年間でいろいろな理由で担当のケアマネの方も変わり今は5人目です。中には自分の考えが絶対で、利用者の家族は文句を言うなという高圧的な方もいました。そこまでいかなくとも、母が使いたいサービスを無視して、自分が所属する法人のサービスだけをすすめる方もいましたが、とりあえず誰かに助けていただかねば暮らしが成り立たない身で、ほかにどうしたらよいのかわからなかった状態でしたから、そのケアマネに従うしかなかった時期もございます。

母の認知症はどんどん進んで、サービス担当者からはそれが私や母自身の問題のように言われ、ひどく傷ついた時期もありました。おかげさまでそんな時に、ひとりの心あるケアマネに出会うことができ、母にふさわしいサービスを提供してくれる事業者を初めて紹介していただき、それ以降あんなにぼけていた母の表情が豊かになり、今でも身の回りのことは全部介助が必要でも、日常会話はほぼできるまでになっています。あの時の母は、なんだったのでしょう?そしてあのままの担当者であったとしたら、母はその状態でずっと死ぬまで苦しい表情で生きていかねばならなかったのでしょうか。恐ろしいことだと思います。

--------------------------------------------------------------
担当するケアマネによりスキルの違いがあって、提供されるサービスに差ができることがあっても仕方がないが、その差が不幸になるか幸福になるかの違いであっては困るのだ。

すべてのケアマネジャーの関わりが、関わる人の暮らしをより豊かなものとしなければならない。そうでなければケアマネジャーが何のために存在するのかがわからなくなってしまう。

どうか介護支援専門員という資格に誇りを持って、その使命を達成できるスキルを身に着け、担当利用者の豊かな暮らしを実現するという結果責任を負う専門職であってほしい。

その為に僕はお手伝いもするし、批判もすることになるだろう。

護るケアマネジャー・奪うケアマネジャー。あなたは一体どちらになっているだろう。そしてどちらになりたいと思っているのだろう・・・。
ケアマネジメント
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経費をかけずに逓減性緩和適用し給与アップを・・・。


居宅介護支援事業所の介護支援専門員の処遇改善のために取り入れられた逓減性の緩和策により、居宅介護支援費の算定額がアップし、収入増に結びつけられる可能性が高まっている。

逓減性が緩和される居宅介護支援費()の算定要件は、「情報通信機器(人工知能関連技術を活用したものを含む。)の活用又は事務職員の配置を行っている指定居宅介護支援事業者」とされている。

解釈通知および令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3)の問115〜117では、この2つの条件がより具体的に例示されており、その内容は以下の通りである。
情報通信機器(人工知能関連技術を含む)の活用
・当該事業所内外や利用者の情報を共有できるチャット機能のアプリケーションを備えたスマートフォン
・訪問記録を随時記載できる機能(音声入力も可)のソフトウエアを組み込んだタブレット
・利用者に係る情報共有を即時、かつ、同時に可能とする機能や関係者との日程調整の機能を有しているもの。
・ケアプラン等の情報をいつでも記録、閲覧できる機能を有しているもの。

これらの機器を使用する場合は、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守することという条件が付けられていることにも留意してほしいが、普段仕事でスマホやタブレット・PC等を使いこなしている人であれば、それだけで条件はクリアし、新たな機器を購入したりする経費はかからないものと思える。

次に事務職員の配置に関する規定を見てみよう。

事務職員の配置
・事務職員については、当該事業所の介護支援専門員が行う指定居宅介護支援等基準第 13 条に掲げる一連の業務等の負担軽減や効率化に資する職員とするが、その勤務形態は常勤の者でなくても差し支えない。なお、当該事業所内の配置に限らず、同一法人内の配置でも認められるが、常勤換算で介護支援専門員1人あたり、1月 24 時間以上の勤務を必要とする。

情報通信機器(人工知能関連技術を含む)の活用や事務職員の配置にあたっての当該事業所の介護支援専門員が行う基準第 13 条に掲げる一連の業務等について具体例
要介護認定調査関連書類関連業務
・書類の受領、打ち込み、複写、ファイリングなど
ケアプラン作成関連業務
・ 関連書類の打ち込み、複写、ファイリングなど
給付管理関連業務
・ 関連書類の打ち込み、複写、ファイリングなど
利用者や家族との連絡調整に関する業務
事業所との連絡調整、書類発送等業務
保険者との連絡調整、手続きに関する業務
給与計算に関する業務等

同一法人内の事務員配置で認められる場合についての具体例
※ 当該事業所の介護支援専門員が行う基準第 13 条に掲げる一連の業務等の負担軽減や効率化に資することが前提
・ 法人内に総務部門の部署があり、事務職員を配置
・ 併設の訪問介護事業所に事務職員を配置等

以上である。逓減性を緩和するために、新たに居宅介護支援事業所に事務職員を配置するのであれば、増加する収入以上に人件費支出が増えてしまうため、そのようなことは出来ないことは誰でも理解できることだ。

そのため今回の一連の通知では、非常勤職員も雇用しなくて済む要件が示されていると考えてよい。法人内の別事業所の事務員(例えば併設特養の事務員など)や法人本部の事務の担当者が居宅介護支援事業所の事務を行っていて、その時間が1月あたり介護支援専門員1人に対して24時間以上であればよいわけである。

しかしこの事務は、居宅介護支援事業所で行うことまで求められていないので、法人本部などの専用デスクで行うことができる業務と考えてよく、今までと業務形態や方法を変えることなくこの要件に合致する法人も多いはずだ。

介護支援専門員の給与計算や各種手続きなどの人事管理は、多くの場合法人本部や併設施設の事務部門で行っていると思われ、その事務処理時間が月ごとに介護支援専門員の人数×24時間あるという理論武装さえできれば、事務員配置要件はクリアされるのである。

よってほとんどの居宅介護支援事業所で、上記の2条件のどちらかをクリアし、逓減性が緩和される居宅介護支援費()が算定できると思われる。その場合、計画担当件数が5件増えるという業務負担増加は生ずるが、逓減性の緩和を適用するだけで一人の介護支援専門員につき、月額53.800円〜69.900円の収益増となる。

これに基本部分の増収分7.410円〜9.750円を含めると、月額で61.210円〜79.650円の増収が期待できるわけである。ランニングコストが変わっていないならば、この増収分は介護支援専門員の人件費にすべて回すことも可能なわけである。

よって居宅介護支援事業所の経営者や管理者の皆さんにお願いしたいことは、逓減性の緩和を適用して頑張ってくれる介護支援専門員には、できるだけそれによる増収分を給与反映してほしいということだ。

例えば賞与に反映しない特別手当を創って、月額5万円を上乗せ支給しても、収益増はそれ以上の額なのだから、事業収益も増えるのである。

このように居宅介護支援事業所の介護支援専門員の月額給与を、5万円以上改善することは非現実的ではないことを理解してほしい。
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生活に対する意向を踏まえた課題分析


介護事業関係者は今の時期、新年度対応に加えて次々と発出される介護報酬改定・基準改正関連の通知の読み作業が求められて大変だろうと思う。

毎日のように新たな通知文が発出されているので、よほど気を付けていないと見逃してしまう通知文があったりする。しかし介護事業に関連した通知を見逃してしまうことは、報酬算定に影響したり、基準違反につながったりするので注意が必要だ。

居宅介護支援事業の関係者にとっては、介護保険最新情報Vol.958「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」の一部改正については、うっかり見逃せない通知である。
※リンクを張った資料は、改正点が赤文字で示されている資料なので、わかりやすいと思う

なぜなら居宅サービス計画書の標準様式・第1表等が変更されているからである。これをうっかり見逃して旧様式で居宅サービス計画を立案している場合、必要な記載事項が記されていないとして、「運営基準違反」に問われかねなくなる。

ただしこの通知は3/31付で発出されているので、4月のプラン作成時に新様式に切り替えことなんてできるわけがない。よって最速でも5月のプラン作成からこの新様式に切り替えればよいとされるのだろうと思われる。なお今回は、「施設サービス計画書」の様式変更はされていないようだ。

それにしても介護保険サービスの根幹をなすと言ってよい居宅サービス計画書の標準様式が、ほとんど何も前触れなくいきなり変更されるとは、厚労省もずいぶん不親切だと思う。居宅介護支援実務に携わる介護支援専門員の仕事をあまりに軽視しすぎているのではないかと思ってしまうのは僕だけだろうか・・・。
居宅サービス計画書
上記画像の通り第1表の、「利用者及び家族の生活に対する意向」の部分に、「を踏まえた課題分析の結果」という文言が加えられた。(※3・4.・5・7表も記載事項が加えられているし、記載要領も追加文章がかなり多くなっているので確認してほしい)

第1表の追加部分について記載要領は、「利用者及びその家族が、どのような内容の介護サービスをどの程度の頻度で利用しながら、どのような生活をしたいと考えているのかについて意向を踏まえた課題分析の結果を記載する。その際、課題分析の結果として、「自立支援」に資するために解決しなければならない課題が把握できているか確認する。そのために、利用者の主訴や相談内容等を踏まえた利用者が持っている力や生活環境等の評価を含め利用者が抱える問題点を明らかにしていくこと。〜以下省略」としている。

つまりこの部分は利用者や家族の、「生活に対する意向」を記すだけではなく、その意向を踏まえたうえで、自立支援に結び付く課題分析を行って、その内容(結果)を記すように介護支援専門員に求めているわけだ。

こうした国の考え方が示されると、受け取る側の介護支援専門員の中には勘違いする人も出てくるのではないかという懸念が生ずる。自立支援という言葉の呪縛を受けて、利用者や家族が言葉で表現する意向は、場合によっては単なる希望でしかなく、ニーズは別なところにあるので、そのニーズをしっかり課題分析しようと考え、利用者や家族が言葉で表現できる意向や希望を軽視する介護支援専門員が出てくることが一番まずいことだ。

利用者が口にする希望を、「それはニーズではなく単なるデマンドだ」と簡単に切り捨てるケアマネでいてははならないのだ。アセスメントツールは、すべての利用者ニーズを抽出できるほど完全なものではないし、人の価値観は様々で、その価値観に沿うこともニーズの一つと言えるのである。

様々な環境の違いに置かれ、感情という揺れ動くデリケートな神経を持つ人間に相対する場では、間違って希望を切り捨てるより、間違ってニーズではない希望に沿う方がよほどましなことだと思ってほしい。

利用者に希望をもってもらうためにあるはずのケアマネジメントやケアプランが、結果的に利用者の希望を奪い、絶望を与えるものになってしまうのであれば、ケアマネジャーは不幸を与える存在そのものであり、その存在意義自体が問われることになる。

そうならないように、ケアマネジメントは思いを希望につなげるものであり、ケアプランはその宣言文であることを肝に銘じてほしい。勇気は愛のようなもので、育むには希望が必要なことを忘れないでほしい。

ところで今日からちょうど1週間後の4月13日(火)の日に、道内のケアマネ会で講演を行う予定は入っており、当日は18:30〜20:00、恵庭市市民活動センターえにあすで開催される、「恵庭市ケアマネ連絡協議会研修」において、「2021年介護報酬改定について」をテーマで講演を行う。そこではケアマネジメントのあり方について解説する時間はないが、様式変更には触れておく必要があるだろうと思っている。

恵庭市は登別市から約100km離れた道央圏の市であり、自家用車で一般道を使って移動すると、片道2時間と少しかかる場所にあるが、僕にとっては今まで何度も講演を行っている馴染みの場所でもある。

そこでケアマネジメント業務に携わる皆さんにエールを送る動画も作成したが、当日は時間がなくてその動画も紹介できないと思う。恵庭市のケアマネジャーの皆さんは是非、下記動画を御覧になっていただきたい。

またこの動画は、すべての介護関係者の方にも勇気と希望を与えることができる内容になっていると思うので、道外の方・ケアマネジャー以外の関係者の方にも見ていただきたい。恵庭市の雄大な風景とともにお楽しみいただきたい。

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前6月のケアプラン割合説明同意はアナログでなければならないのか


常日頃、公平・中立なケアマネジメントを実践してきた介護支援専門員にとって、なんとも腹立たしい新ルールが居宅介護支援事業の新運営基準、「前6月間に当該指定居宅介護支援事業所において作成された居宅サービス計画の総数のうちに訪問介護、通所介護、福祉用具貸与及び地域密着型通所介護の割合説明」である。

このことについて、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準についてでは次のように規定された。
------------------------------------------------
基準第1条の2の基本方針に基づき、指定居宅介護支援の提供にあたっては、利用者の意思及び人格を尊重し、常に利用者の立場に立って、利用者に提供される指定居宅サービス等が特定の種類又は特定の指定居宅サービス事業者等に不当に偏することのないよう、公正中立に行わなければならないこと等を踏まえ、前6月間に当該指定居宅介護支援事業所において作成された居宅サービス計画の総数のうちに訪問介護、通所介護、福祉用具貸与及び地域密着型通所介護(以下この項において「訪問介護等」という。)がそれぞれ位置付けられた居宅サービス計画の数が占める割合、前6月間に当該指定居宅介護支援事業所において作成された居宅サービス計画に位置付けられた訪問介護等ごとの回数のうちに同一の指定居宅サービス事業者又は指定地域密着型サービス事業者によって提供されたものが占める割合(上位3位まで)等につき十分説明を行わなければならない。
なお、この内容を利用者又はその家族に説明を行うに当たっては、理解が得られるよう、文書の交付に加えて口頭での説明を懇切丁寧に行うとともに、それを理解したことについて必ず利用者から署名を得なければならない。
また、前6月間については、毎年度2回、次の期間における当該事業所において作成された居宅サービス計画を対象とする。
前期(3月1日から8月末日)
後期(9月1日から2月末日)

なお、説明については、指定居宅介護支援の提供の開始に際し行うものとするが、その際に用いる当該割合等については、直近の,發靴は△隆間のものとする。
-----------------------------------------------------
前期と後期という期間は、特定事業所集中減算の計算期間に合わせたものだが、注意したいことは新規契約者に対しても、この説明が義務付けらえていることだ。契約時期に応じて,泙燭廊△隆間の状況を説明して同意を得る必要がある。

例えば4月契約の人には△隆間を、10月契約の人には,隆間の状況を説明しなければならない。このことに漏れがないようにしてほしい。

なぜならこの説明義務には運営基準減算が適用されることになるからだ。このことについては今後詳しく通知される予定である。

それにしても、「訪問介護等ごとの回数のうちに同一の指定居宅サービス事業者又は指定地域密着型サービス事業者によって提供されたものが占める割合」については、上位3位まで示さればならないことに、驚いたり憤ったりしているケアマネジャーは多いことだろう。何の意味があるんじゃと言いたくなるのはもっともだ。

ところでこの説明同意について、「文書の交付に加えて口頭での説明を懇切丁寧に行うとともに、それを理解したことについて必ず利用者から署名を得なければならない。」とされている点について、デジタル対応は認められないと勘違いしている人がいる。

僕が管理する表の掲示板でも、「印鑑がなくなっただけ。」というスレッドを立てて、アナログ対応を嘆いている人がいたが、その理解は誤りである。

今回の改定の目的の一つは、「文書負担軽減や手続きの効率化による介護現場の業務負担軽減の推進」である。そのため省令改正で次の3点が認められている。
・利用者等への説明・同意について、電磁的な対応を原則認める。
・署名・押印を求めないことが可能である。
・諸記録の保存・交付等について、電磁的な対応を原則認める。


そのため、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準をよく読んでいくと、18頁の5 雑則 ⑴ 電磁的記録についてに新しい規定が書かれており、そこでは次の一文がある。
---------------------------------------------------------
⑵ 電磁的方法について
基準第 31 条第2項は、利用者及びその家族等(以下「利用者等」という。)の利便性向上並びに事業者等の業務負担軽減等の観点から、事業者等は、書面で行うことが規定されている又は想定される交付等(交付、説明、同意、承諾、締結その他これに類するものをいう。)について、事前に利用者等の承諾を得た上で、次に掲げる電磁的方法によることができることとしたものである。
----------------------------------------------------------
つまり省令で、「文書の交付」と定められていることについても、それに変えて電磁的方法が可能なのである。そしてその際の同意の証明は同頁の△鉢に規定されている。

電磁的方法による同意は、例えば電子メールにより利用者等が同意の意思表示をした場合等が考えられること。なお、「押印についてのQ&A(令和2年6月 19 日内閣府・法務省・経済産業省)」を参考にすること。
電磁的方法による締結は、利用者等・事業者等の間の契約関係を明確にする観点から、書面における署名又は記名・押印に代えて、電子署名を活用することが望ましいこと。なお、「押印についてのQ&A(令和2年6月 19 日内閣府・法務省・経済産業省)」を参考にすること。

↑このように署名・押印に替えて、電子メールによる電子署名が同意として有効とされたのである。

居宅サービス計画の同意についても同様で、「文書の交付に加えて口頭での説明を懇切丁寧に行うとともに、それを理解したことについて必ず利用申込者から署名を得なければならない。」と規定されているが、これも電磁的方法・電子署名で事足りるというわけである。

この基準緩和には、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱のためのガイダンス」及び「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守することという条件が付けられており、それが高いハードルになるという意見もあるが、その解釈についてはQ&Aで示されることと思え、ガイダンスやガイドラインの遵守の考え方はそこで示されると思う。(※完全にその通り行うということにはならないと思う。)

来年度の居宅介護支援は、逓減性の緩和などの影響で、担当ケースが5件以上増やされるケアマネジャーが多いのではないかと思う。業務負担は増えるのだから、こうした手続きの効率化は活用していかないと業務が回らなくなる。だからこそ新規程に即応して自らの業務経験に自らが備えることが大切になる。

介護支援専門員という重要な役割を担っている方々には、くれぐれも丁寧すぎる業務に押しつぶされないようにして、利用者支援の扇の要役であり続けてほしいと思う。
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名称に惑わされず経緯を忘れないでほしい新加算


2021年度の報酬改定のテーマの一つは、介護支援専門員の処遇改善だった。

特に居宅介護支援事所に専任するケアマネは、特定加算の配分もされることはないので、「その他の職種」として配分対象にできる施設ケアマネより給与月額が低くなっている実態も見られた。

その為4月からの居宅介護支援費は、要介護1と2が19単位増、要介護3以上が25単位増とされ、この増収分で居宅ケアマネの処遇改善を図ることが期待されている。

具体的に言えば、40人担当で計算すると基本報酬部分で月額7.600円〜10.000円の増収となる。さらにICT等を活用する事業所では逓減性が45件以上から適用することに緩和されたことにより、介護支援専門員の担当件数をその分増やすことにとって、月額53.800円〜69.900円の増収が期待できることになる。

これらを居宅ケアマネの給与改善の原資に回すことができるわけで、その主旨を十分理解して、居宅介護支援事業所の経営者や管理者は、所属する介護支援専門員の給与改善に努めてほしいと思う。

きわめて思考を単純化するのならば、他の職種が務めていない居宅介護支援事業所であれば、ケアマネの給与を月額5万円以上アップすることも可能であるという収入増加なのであるから、是非できるかぎり頑張っている介護支援専門員の皆様に、増収分を還元してほしい。

当然基本報酬以外にも増収の方策は測られている。特定加算の額が引き上げられたり、今までケアマネの人数が足りずに特定加算を算定できなかった事業所の救済策として、他の事業所とのケアマネジャーと連携することで算定できる下位区分を新設するなどの対策もとられた。

また新加算としては、「通院時情報連携加算 50単位/月」(※利用者ひとりにつき、1月に1回の算定を限度とする)というものがある。この加算について少し考えてみたい。

算定要件は、「利用者が医師の診察を受ける際に同席し、医師等に利用者の心身の状況や生活環境等の必要な情報提供を行い、医師等から利用者に関する必要な情報提供を受けた上で、居宅サービス計画に記録した場合」となっている。

この要件だけを見て、ケアマネジャーと医師との連携促進の加算が設けられたのだと単純に考えてはならない。この加算が新設された経緯を考えてほしいのである。

この加算は、ケアマネジャーの通院同行をただ働きにさせないという観点から生まれたことをすべてのケアマネジャーはしっかり覚えておかねばならない。つまり現行においては、利用者が急に通院する必要が生ずるなどしても、それに対し訪問介護サービスが対応することができず、やむを得ずに担当ケアマネジャーが通院支援(通院同行)を行わねばならないケースが多々あって、しかしその場合もケアマネジャーに対する報酬は一切発生せず、実質ボランティア精神で対応しなければならないことを問題視して、その対策が議論されたことがきっかっけで新設されたのがこの加算である。

しかし居宅介護支援費は、実際の介護などの事実行為に報酬を支払うことにはなっていないために、居宅介護支援費の加算として何らかの整合性を取る必要があった。そのためケアマネジャーが通院に同行して、利用者が診断を受ける際に医師と情報交換しながら連携を図るという要件をつけて、居宅介護支援費として支払うことができるようにしたわけである。

だからケアマネジャーの単なる通院支援が日常化しないように、「利用者ひとりにつき1月に1回の算定を限度」という縛りもつけているものである。

このように通院時情報連携加算については、必要性が要件化したわけではないということを頭の隅に入れておかねばならない。そうしないとこの加算の単位数について疑問や不満が生じてしまうからだ。

なぜならこの加算を算定するためには利用者の通院に同行し、診察室まで入って(※診察を受ける際に同席しなければならないのだから、診察室外にいては同席したことにならない)、診断結果等も聴く必要があるということだ。つまりこの行為は半日がかりの行為とならざるを得ず、通院同行した日は、ケアマネジャーの日常業務の半分が奪われるのである・・・。

そうした行為に対する報酬評価がわずか50単位/回である。この単位数は、医療機関まで送り迎えするだけで、片道99単位を算定できる、「通院等乗降介助」と比較して、その半分でしかなく、ケアマネが半日かけて発生する対価としてはあまりにも低い単位数と言えるのではないだろうか・・・。コスパが異常に低い単位数で、ケアマネの業務対価としてはあまりにも馬鹿にしたような低い単位数なのである。

しかしこの加算が新設された経緯を知っておれば、今まで費用算定できなかった行為に、要件をクリアすることで費用が発生し、ただ働きの場面が減ったと考えれば、腹も立たないということになる。

何より、通院支援自体ケアマネの本来業務ではないことを肝に銘じ、やむを得ない場合の通院同行に、この加算を利用するという考え方が必要だろう。

くれぐれもこの加算で、居宅介護支援事業所の収益増を図ろうなていう馬鹿な考え方をしないでいただきたい。コスパが劣悪なこの加算にそんな期待をすれば、ケアマネはみんな過労死してしまうのである。

経営者や管理職にも、このことの理解を求める必要があるだろう・・・。
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ケアプランチェックまでAI活用するのはいかがなものか


居宅介護支援に関連して、2018年度の介護報酬改定において導入された、「生活援助の訪問回数が多い利用者のケアプランの検証」の仕組みについて、来年度から検証の仕方や届出頻度について見直されることになっている。

具体的には検証の仕方について、地域ケア会議のみならず、行政職員やリハビリテーション専門職を派遣する形で行うサービス担当者会議等での対応を可能とするとともに、届出頻度について、検証したケアプランの次回の届出は1年後とするとされている。

この検証がどのような効果をもたらしているかは定かでないが、少しだけルールを緩めて継続実施するということだ。しかし届け出頻度が減るのはともかく、サービス担当者会議に、「行政職員やリハビリテーション専門職」を招くというのは、調整の手間が増え、居宅ケアマネの業務負担増にしかならないように思う。それなら従前のように行政が主管する地域ケア会議で検証してよと思うケアマネが多いのではないだろうか。

個人的にはこの届出と検証は、まったく意味のない無駄なルールだと思うが、そのルールが踏襲されたかのような新たなルールもできる。

12/9の介護給付費分科会の、【資料8】令和3年度介護報酬改定に関する審議報告(案)の52頁に次のような方針が示されている。

より利用者の意向や状態像に合った訪問介護の提供につなげることのできるケアプランの作成に資するよう、検証方法として効率的で訪問介護サービスの利用制限にはつながらない仕組みが求められていることを踏まえ、区分支給限度基準額の利用割合が高く、かつ、訪問介護が利用サービスの大部分を占める等のケアプランを作成する居宅介護支援事業者を事業所単位で抽出するなどの点検・検証の仕組みを導入する。効率的な点検・検証の仕組みの周知期間の確保等のため、10 月から施行する。

このことは国保連に提出された給付管理の結果から、行政担当課が検証することになるのだろうと思う。当然検証の結果、指導は伴ってくるのだろう。ということはこれによって来年10月からは、居宅サービス計画に対する行政介入がさらに厳しくなることが予測される。

居宅介護支援事業所の介護支援専門員はこのことに備えて、自分が作成する居宅サービス計画書の内容を、根拠を持って説明できるように一層理論武装する必要がある。なぜそこに記載されているサービスが必要で、その回数が必要になっているのかという根拠を常に頭に入れておかねばならない。

同時にこのルールは、事業所単位でその数や割合が見られることになっているので、居宅介護支援事業所の管理者が、行政からの問い合わせ等に応えなければならない場面が増えてくると思え、事業所全体の訪問介護計画数を把握しておくとともに、その必要性をそれぞれの計画担当者から確認しておく必要性も生ずるのではないだろうか。

ところで12/4に開催された政府の経済財政諮問会議では、ケアプランチェックに関係した指摘が行われている。

そこでは1人あたり介護費の地域差が問題となり、その縮減に努めるためにケアプランの適正化を図る必要性が唱えられ、その方法としてAIの活用によるケアプラン点検等が提言されている。

しかし地域ごとに高齢者の割合や状態像・生活環境や社会資源の在り方が違う以上、介護給付費の凸凹は生じて当然ではないだろうか。

しかもこれを縮減するためにケアプランチェックを強化して、AIでそれを判断するとしたら、ケアプランの標準化の名のもとに、機械的プランへの誘導が行われてしまいかねない。例えば要介護2の人は、通所介護が週〇回というふうに、利用回数が個人の生活状況を無視して決められかねないことになる。それはおかしい。

僕はAIを利用したケアプランソフトの活用には賛成の立場である。その理由は、「ケアプラン作成支援AIに期待を寄せる理由」や「ウェルモのケアプランAIの提供開始情報に触れて」で解説しているように、それはケアプランを自動作成するソフトではなく、介護支援専門員がケアプランを作成することをアシストするソフトであるからだ。

そこで活用されているAIとは、ケアマネジャーに「代わる」AIではなく、ケアマネジャーを「支える」AIなのである。

つまりケアプランは、AIだけで自動作成できるものではないのである。利用者の個別性に向けたケアマネジャーの視点が入らねば適切なサービスに結び付かないのだ。

利用者のニーズに応えるためには、利用者の感情のあり様もしっかり把握しなければならない。例えば脳血管障害の後遺症が残っている利用者が、「映画館で〇〇〇〇を観たい」という希望があって、そのために映画館に行って長時間座位ができるように、体幹保持訓練や歩行訓練に励んでいるとしたら、映画を観たいという希望は、単なるデマンドではなく立派なニーズになる。それは機械的に切り捨てることができないものだ。

さすれば居宅サービス計画に載せられたサービス内容が、AIを利用したケアプランソフトを活用しながら、ケアマネジメントのプロとしてのケアマネの感覚を通して、取捨選択したサービスプランの結果なのである。そうであるにもかかわらず、そのプランのチェックをAIに委ねてしまえば、個別の利用者ニーズはすべて無駄なものだと切り捨てられかねないのである。

それはケアプランの適正化とは言えず、単なる給付制限でしかない。

だから僕は、AIを導入したケアプラン作成ソフトの導入には賛成するが、AIの活用によるケアプラン点検には賛成しかねる。

そのような機械的チェックが実現した先には、ますます介護保険制度が、血の通わないものになるだけの結果しか生み出さず、制度の光が届く場所を狭めるだけではなく、その傍らに深い闇を広げいくものになってしまうと思う。

持続することが何よりも大事だと言われる介護保険制度であるが、そのために人に対する優しさや、温かさが失われて良いというものではないと思う。

制度だからそこに血が通わないのは当然だという論理や、優しさや温かさが必要ではないという論理で、社会の片隅で弱者が切り捨てられる社会は恐ろしく冷酷な社会である。

それを欲する国民は果たしてどれだけいるというのだろうか・・・。
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居宅介護支援事業所の基準変更に不満広がる


今日は最初に昨日僕が講師を務めた、通所介護に関するオンライン講演を受講した方々に、お礼とお知らせを申し上げたい。

質疑応答も含めて150分という長い時間をお付き合いいただきありがとうございました。講演後に受講された方々から、「コロナ特例について、どのような状況でどんな対応がされたのかよくわかった」・「今後の通所介護の在り方のヒントになる考え方をたくさんいただいた」・「介護報酬改定の内容がよく分かった」・「目から鱗の内容だった」・「勇気をもらった」などと意見をいただき感謝しています。

ところで質疑応答の中で、クラスター感染を防ぐために有効だと言われる空間除菌の方法として、次亜塩素酸水の空間噴霧の方法を教えてほしいという質問があり、それに回答しましたが、改めて今朝、「クラスター感染を防ぐ決め手は空間除菌」という紹介記事を、masaの徒然草に書きましたので参照してください。

さてそれはさておき今日の本題に移ろう・・・。先週アップした、「居宅ケアマネの業務負担は大幅に増えるんじゃないのか?」という記事の中で、居宅介護支援事業所の運営基準が見直され、以下の2点を利用者へ説明することを新たに義務付けることになることについて論評した。
・前6ヵ月間に作成したケアプランについて、訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与(販売)の各サービスの割合
・前6ヵ月間に作成したケアプランについて、訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与(販売)の各サービスごとの、同一事業者によって提供されたものの割合


文字リンクを貼りつけた記事の中では、この基準変更によって、利用者にメリットはないし、そもそも利用者もそのような説明を望んでいないだろうと指摘した。

その意見に賛同してくれるケアマネジャーがたくさんおられて、僕のSNSには、「誰の得になるのかと疑問ばかり」・「福祉系サービスの利用の割合を明らかにする事で、誰に都合が良くなるのだろうか?」・「国は面倒なわりには意味のないことばかり考えてくれるので、ご利用者や現場の実務者がいつも振り回されます。」等のコメントをいただいている。

そもそもこの基準がなぜ必要とされるのかという素朴な疑問を寄せられる方も多かった。

この基準改正の目的は、「質の高いケアマネジメントを実現するため」とされているので、特定事業所集中減算の目的と同様、所属法人の囲い込みプランをできるだけ防ぐという目的があるのだろうと想像する。

しかし特定事業所集中減算もしかりだが、なぜそれが福祉系サービスに限って考えられ、医療系サービスが除外されているのかという疑問がぬぐえない。

医療系サービスは医師の指示や意見に基づいて、サービス事業所が決まるという意味があったとしても、それが医療機関によるサービス利用者の囲い込みであれば、それを防ぐことこそが大事なのでああって、医療ケーサービスを除外して、福祉系サービスだけの事業者選択割合を問題にしても、ケアマネジメントの質がそれによって担保されることにはならないのである。

このことに関して表の掲示板でも、「そもそもケアマネは各利用者の状況に合わせてサービス事業所を選んでいるのであって、その結果ある程度偏りがあるとしてもそれはそのサービス事業所が優秀だからなのであって、この資料提示で目指されるのは数字の上だけの均等ではないでしょうか。」という意見も書き込まれている。至極もっともな意見である。

スキルが高いケアマネが、サービス事業者に対しても高品質なサービスを求めた結果、その求めに応じられる事業所を利用者と結び付ける計画となるのは必然であり、その結果サービス事業所の選択に偏りが見られたとしても、それはまさに質の高いケアマネジメントの結果と言えるわけである。

だから事業者の選択割合が特定事業所に偏っていることを問題視する視点そのものが間違っていると言えるし、それを福祉系サービスに限って問題視するのは稚拙で支離滅裂な思考レベルと言っても過言ではない。

この基準改正は利用者にとっても、「そんな説明は名の意味があるんですか?」と首をひねって混乱させるものでしかなく、ケアマネジャーに過度な業務負担を負わせるだけのイジメにしかなっていないといえるだろう。

基準変更後に実際にこの説明業務が増えた時点で、居宅介護支援事業所のケアマネジャーの不満の声は、各地域で高まることだろう・・・。そもそも日本介護支援専門員協会は、こんな改悪に何も抗議せず、何のアクションも起こしていない。

やっぱかの協会は、現場のケアマネの声を代表している組織ではないことがここでも証明されている。
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絶望を希望に変えるケアプランであってほしいが・・・。


介護保険法におけるケアプランの位置づけは、施設サービス計画が施設サービスの絶対条件となっているものの、居宅サービス計画は償還払いを現物給付化する条件となっているだけで、絶対条件にはなっていない。(参照:居宅サービス計画と施設サービス計画の法的位置付けの違い

つまり居宅サービスに限って言えば、償還払いで良しとするなら、居宅サービス計画(ケアプラン)のないサービス利用は認められているわけである。

しかしながら法の主旨を読み取ると、ケアプランは自立支援という理念を達するための存在意義を持たされていることがわかる。利用者の生活課題を抽出して、それらを解決するための目標を段階的に設定し、一つ一つの目標をクリアして課題解決につながるように、サービスは計画に基づいて提供されることが推奨されているわけである。

いわばケアプランは、介護保険法にとってその精神を守り通すための根幹をなすツールと言ってよい。

だが自立支援という理念は、もともと国民の福祉の向上のために掲げられている理念であり、そのことも法文にしっかり明記されていることを忘れてはならない。国民の福祉の向上とは、その制度で各々の暮らしに光を届けるという意味であり、一人一人の暮らしぶりがよくなるために制度が利用されなければならないという意味である。

そうであればケアプランとは、利用者が幸福感を抱くことができる暮らしが実現するためのツールである必要があり、それは決してケアマネジャーの仕事をしやすくするために存在するわけではないのである。

だからこそケアプランは、心身の障害があっても「残された能力」があることに着目して、サービスを障害の穴埋めにするのではなく、残されている能力を最大限に発揮できる方法で具体化することを求めている。それがICFの考え方を取り入れたポジティブプランという考え方だ。(参照:ICFの考え方を取り入れたポジティブプランを図解する

そこで大事なことは、利用者にとって何が必要であるかという前に、利用者自身が何をどうしたいと考えているのかという、「思い」を引き出すことである。人が口にする言葉は、思いをすべて伝えられるほど豊富な語彙(ごい)を持っていない。誰かの唄のフレーズではないが、「とても伝えたがるけれど言葉は心を超えない」のである。

その伝え難い「思い」を汲み取るアセスメントに心がける必要がある。

さらに言えば、人はしばしば自分の本当の思いに気が付かない場合もある。そこを引き出すのが真のアセスメントである。「○○さん、それはどうしてですか」・「なぜそう思うのですか」・「そうだったんですね」・・・そうした共感の声かけは、相手の心を受容することにもつながり、アセスメント時に何よりも重要である。

だからこそケアマネジャーは、利用者の表出されたニーズ、表出されないニーズの両方に目を向けなければならない。

利用者が口にできる希望を、「それは単なるデマンドであって、本当のニーズではない」と切り捨てることができるほど、アセスメントツールは絶対的なものではないのだ。利用者が希望する声こそ、ケアマネも気が付かない真のニーズであり、課題解決につながる方法論かもしれない。利用者の希望をバッサリ切り捨てられるほど、人の価値観は単純でもない。ニーズとは我々が想像も及ばない多様性の中に存在するものであり、法に抵触しない限り利用者の希望は最大限に汲み取られて良いのである。

この際大事なことは、「できる方法を最大限に考えること」であり、決してやってはならないことは、「できること方法を探す前に、できない理由を一生懸命に探す」ことである。

できることを繰り返し探し続けることで、利用者を絶望から救うことができるかもしれない。人には希望が必要だ。希望がないと勇気さえわかないのである。絶望を希望に変えることで、生きる勇気も湧いて来ようというものだ。

利用者が、「こうなりたい」・「こうしたい」という思いを表したのであれば、それに向かってできる方法をまず考えねばならない。なぜならできない理由ばかり考える人によって、すべての希望は失われてしまうからだ。そして希望を失った人は絶望に陥るのである。

先週土曜日に書いた「全身まひの人がツイートした看護・介護職への本音」の中で、嘱託殺人によって亡くなられたALSの女性は、「猫を飼いたい」・「猫と一緒に暮らしたい」という思いを、担当ケアマネによってつぶされてしまったというエピソードを紹介している。

ケアマネが利用者の希望をつぶした唯一の理由は、自分が猫アレルギーであるということだ。自分の担当者が猫を飼ったときに、自分のアレルギー症状が出ることがないように、支援を続けられないかという可能性を一切考慮せず、自分にとってそれは受け入れがたいと考え、さらに自分のようなアレルギーを持つ人が、他の支援者の中にも存在するかもしれないという、実際にはそこに存在していないネガティブな状況を想定し、バリアとなる理由を探すことだけにエネルギーを使った結果、利用者は絶望してしまったのではないだろうか。

できない理由付けに躍起になることに、どれほどの意味があるのかを考えてほしい。そんなケアマネジメントなんて必要とされていないのである。

利用者に希望をもってもらうためにあるはずのケアマネジメントやケアプランが、結果的に利用者の希望を奪い、絶望を与えるものになってしまうのであれば、ケアマネジャーは不幸を与える存在そのものであり、その存在意義自体が問われることになる。

そうならないように、ケアマネジメントは利用者の勇気を涵養(かんよう:水が自然に染み込むように、無理をしないでゆっくりと養い育てること。)するための希望につなげるものであり、ケアプランはその宣言文であることを肝に銘じてほしいのである。
勇気には希望が必要だ
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アナログでしか得られない専門知識


ネット検索という便利なツールを手にした私たちは、日常のいろいろな情報をそこから得られるようになった。

そこには、「知識」に関する情報も含まれており、わからないこと、知りたいこともネット検索することで、簡単にその答えにたどり着ける。

目にしたり、耳にしたりする言葉の意味がわからない時も、ネット検索でその答えが得られるのだから、紙ベースの辞書を引いて言葉の意味を調べる人は著しく減っている。そもそも国語辞典等の辞書を持っていない人が多くなっており、生まれてから一度も辞書に類する本を持ったことがないという人さえいる。・・・それは僕らの世代では考えられないことであるが、そのことはいずれ、「辞書を引く」という言葉の意味も、調べないとわからなくなる人が増えることにつながっていくのかもしれない。

しかしデジタルで知識を得ることは便利である反面、アナログで調べることで得られる情報を見逃して、知識の欠如につながるという側面を持つ面もある。

何故ならネット検索は、調べた情報しか入ってこないからだ。検索窓に書き込んだキーワードの言葉の意味や、その類義語はヒットして理解できるが、それ以外の情報は入ってこないことが多い。

しかし私たちが知らないことは実に多く存在し、私たちは自分が何を知らないのかを意外と知っていないのである。

その点辞書を引くというアナログ行為は、私たちが知らなかったことに気づかせてくれることがままある。調べた言葉を見つけるためにページを繰るという作業の中で、調べる必要がないと思っていた言葉が目について、思わずそこに目を奪われて新しい発見をするなんてことがある。

辞書を引いて面白いのは、自分が正しいと思っていた言葉の意味が意外と間違っていることに気づかされることである。

例えば、「憮然とする」の本来の意味は、「失望してぼんやりする様子」や「驚いて呆然とする様子」であり、憮然とした表情とは、「無表情」というのが正しい理解だ。

しかし近年それは、「腹を立てている様子」を意味していると考える人が多くなって、憮然とした表情も、「怒っている顔」を意味すると思っている人が多い。それは間違いなのだ。

だが自分が、「憮然とする」という言葉の意味を誤って捉えているのではないかと考えてネット検索する人はそう多くない。だからネット検索だけに頼る人は、その間違いに気が付きにくい。ところが辞書を引くというアナログ行為の中で、たまたま開いたページで、そこに、「憮然とする」という言葉があり、意味が書いてあるのを見つけた人は、その間違いに気がつくのである。

勿論、何万語も掲載されている辞書の言葉の中から、「憮然とする」という言葉をたまたま見つける確率なんて、ネット検索でたまたま何かにヒットする確率よりも低いのではないかと指摘されれば、その通りである。だがここで言いたいのは、アナログの方法にはアナログなりのメリットがあるということだ。アナログでしかたどり着かない答えもあるということだ。

デジタルのすべてがアナログより優れているという訳ではないということなのである。

特にケアマネジャーが持つべき知識に関して言えば、アナログで調べたほうがより適切な情報が得られる場合がある。

例えば表の掲示板の「医療サービス併用について」というスレッドを参照していただきたい。このスレッドの流れは、専門知識を得ることができるネット掲示板ではよくあるパターンであり、それは自分の知りたいことを質問して、それに対して返ってきた回答の中にもさらに疑問が生じて、それに対して次々と質問してくるパターンだ。

これはネット掲示板で誰かに答えを出してもらって、それだけで安易に知識を得ようとする人の典型である。

しかしそれでは自分が何を知らないのかが見えてこない。こうした場合は根拠になる法令等をきちんと確認することが大事だ。一つの答えの周辺に存在する様々な疑問の答えがそこには書かれているからだ。その根拠法令は紙ベースでなくとも、ネットから引き出しても良いが、ともかくベースの法令通知等はすべて通読すべきである。

ネット検索で自分の疑問解決につながるQ&Aも簡単に見つかるが、一つのQ&Aには、複数の関連疑義解釈があることを考えると、ネット検索でヒットしたQ&A疑問を解決しただけでで、求められる知識を得たと考えるのは間違いであることに気が付くだろう。

できればQ&Aは一覧表にして、どの時期に何が問われて、どんなふうに解釈されてきたかを比較検討することで、その疑義解釈に伴ってさらに必要とされる知識も得られるのである。

特に介護支援専門員という利用者と社会資源をつなぐ役割を持つ職種は、介護保険制度の知識を知るだけでは不十分で、医療制度の知識も求められる。介護報酬と関連する診療報酬の知識も持っていなければ仕事に支障を来す場合がある。

そういう知識はネット検索より、紙ベースの通知を読み込んでいく方が取得しやすい場合がある。勿論、そこには得手・不得手の問題とか、その人の性格に絡む問題も関連してくるが、たまには古(いにしえ)の方法で勉強するのも良いのではないか考えてはいかがだろう。

少なくとも僕らの世代にとっては、アナログは永遠に不滅なのである。
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国定費用の支払いルールが地域によって異なるのは問題


一昨日閣議決定された本年度の第2次補正予算案の中で、介護保険、障害福祉の全てのサービス及び医療機関を対象として、一人最低5万円の慰労金が支払われることが明らかにされた。

支給については職種にも制限はなく、現場で働く人ならケアマネジャー・看護職・リハ職・事務職など皆が一律で、正規職員でも非正規職員でも受け取れる。介護分野では地域包括支援センターの3職種なども対象に含まれる見通しで、感染者らを受け入れている場合等は20万円を、それ以外の場合は5万円が支給されることになる。

全国各地でそのことについて話題になっている。例えば、介護施設の屋外清掃に従事しているパート高齢者や、週1回しか勤務していない介護職員は対象となるのかという疑問が示されたりしているが、対象施設の従業員ならどんな職種でも、どんな仕事内容であろうとも、どんなに短い勤務時間であっても対象となると考えて良いだろう。

行政事務が煩雑にならないように、支給は個人申請ではなく、事業所単位での申請・支払いとなると思えるが、厨房委託業者の職員なども対象になるかどうかは、今後の通知待ちである。どちらにしても詳細は、2次補正予算案が国会審議を通過・可決された後になるので、それまでしばし待ってほしい。

あんまり急いでもらう必要もないし、介護事業者の職員であるならば確実にもらえるお金なのだから何も心配する必要はないと思う。使い道を楽しみに想像しておくだけで良いのではないだろうか。

ちなみに僕はもらえないお金なので、支給される皆さんをうらやましいと思う。誰かおごってください(笑。

さてここからが今日の本題だ。25日に発出された、「介護保険最新情報VOL836」で示された居宅介護支援費の取扱いで、地域によって支給ルールが異なっている実態が明らかとなり、混乱が生じている。

当初の居宅サービス計画で予定されていたサービス利用が、コロナの影響で無くなった場合にも、居宅介護支援費が算定できるとされたことに関して、東京都の情報では、当初計画した給付管理票とサービス費の請求書を合わせて提出することとしているが、この場合実績がないので、縦覧で引っかかる為郵便物が届くそうである。それに対して最新情報Vol836のコロナ対応と記載して返信することで請求行為が完結するそうである。

どうやら給付管理票の提出は、各地域共通に必要とされているようだ。問題は支払い対象月である。

本来この特例は、コロナウイルス対応のために作られているのだから、コロナウイルスの影響でサービス利用ができなくなったケースについてはすべて対象とすべきであり、少なくともコロナウイルス感染症の拡大が全国的な問題となった3月までは遡って請求することは許されるべきである。

東京は3月まで遡って請求でき、京都は2月まで遡ることができるという情報がある反面、5月分からの請求しか認めないという地域もある。

このようなローカルルールは許されるのだろうか?介護給付費という国定費用の支払いなのだから、特例が及ぶ対象月は全国共通でなければならず、ローカルな判断は許されないだろうと僕は思う。保険者の業務の都合で、地域差が生まれることは不公平であるばかりではなく、正当性が著しく欠落してしまう。

この部分は改めて国からQ&Aなどを発出して、遡って支払いを求めることができる時期などを示していただきたいと思う。
15:57追記
koukaさんという方がコメントとして、『これは厚労省に確認したので間違いないのですが、通達の出た月から適応で、自治体判断で遡ることも許されないとのことでした。』とされていることをお知らせしておく。
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新しい「慰労金」を介護事業所の職員へ支給決定


このブログの最近の記事は、新型コロナウイルス感染症に関連する内容が多くなっているが、介護事業における感染症に対応する話題や通知が、毎日のように更新されているので、それもやむを得ないことなのかなと思う。

逆に言えば一日も早くウイルス対策の話題が減っていき、そうした記事が稀になるような、平穏な日が来ることを願うばかりである。

さて昨日の記事でお知らせした給付金の続報からお知らせしよう。きょう閣議決定される今年度の第2次補正予算案の中に、新しい給付金を1次補正で新設された交付金(緊急包括支援交付金)に積み増す形で実行される見通しだ。つまり上乗せである。

給付対象と額については、感染者が発生あるいは濃厚接触者に対応した介護・障害福祉事業所の職員に20万円を支給し、感染者、濃厚接触者がいない介護・障害福祉事業所で働く職員には5万円を支払うことになった。いずれも「慰労金」という名目で、事務職員も対象に含めるそうである。(※医療分野についても同様に支給される)

事務職員も対象に含めるという意味は、看護・介護職員以外のすべての職員という意味だろう。(ただし厨房委託業者などが含まれるかどうかは不明:多分対象外)

これによって直接介護サービスを提供しているすべての介護事業者の職員が、最低5万年の慰労金を受給できることになった。とても良いニュースと言えるのだと思う。
(5/28AM7:58追記)
※慰労金は介護保険、障害福祉の全てのサービスが対象となる。職種にも制限はない。現場で働く人ならケアマネジャー、看護職、リハ職、事務職など皆が一律で、正規職員でも非正規職員でも受け取れる。介護分野では地域包括支援センターの3職種なども対象に含まれる見通し。今年度の1次補正で新設された交付金(緊急包括支援交付金)を積み増す形で実行される。

厚労省は2次補正が国会で成立した後で、詳細なルールを定める通知を発出する予定としているので、事務担当職員は通知を確認して申請手続きに取り掛かっていただきたい。申請事業者数は非常に多くの数にのぼるものと予測されるので、受給には多少の時間を要すものと思えるが、焦って支給を受けなければならないものでもないと思う。もらえればありがたいという支給金なので、焦る必要はないと思うのである。

さてコロナウイルス関連では昨日、「介護保険最新情報VOL836」が発出されているので、そちらも確認しておいてほしい。

問1ではまず、訪問介護の2時間間隔ルールについて、「新型コロナウイルス感染症による影響により、利用者からの要望内容が多岐に渡るケースの増加や、通所系サービス事業所の休業又は利用者 の通所系サービス等の利用控えなどから、訪問の頻度を増やす必要がある ことを理由に、サービスとサービスとの間隔がおおむね2時間未満となる場合であっても、それぞれの所要時間を合算せず、報酬を個々に算定する取扱いが可能」とされた。

問2では、身体介護の所要時間についても、利用者や訪問介護員等への感染リスクを下げるため、入浴の介助を清拭で行うなど、身体介護を可能な限り短くする工夫を行った結果、サ ービス提供時間が訪問介護計画に位置づけられた標準的な時間を下回った場合でも、標準的な時間で報酬を算定することとして差し支えないとした。

この場合は、「新型コロナウイルス感染症の影響によるもので、 事前に利用者に説明し、請求前に同意が得られ(同意は、訪問介護事業者が直接取得することも、介護支援専門員経由で取得することも可)た場合、訪問介護計画の見直しを要しない。(訪問介護の生活援助も同様) 」とされている。

一方で、サービス提供時間が訪問介護計画に位置づけられた標準的な時間よりも長くなった場合(例:外出介助で買い物に店に行ったが、混雑により時間を要する場合等)については、実際にサービス提供を行った時間に応じた単位数の 算定が可能である。ただし、この場合、当該サービス提供時間の変更について、事前に利用者に説明し、請求前に同意が得られ(同意は、訪問介護事業者が直接 取得することも、介護支援専門員経由で取得することも可)、かつ介護支援専門員が必要と認めるときには可能である。なお、訪問介護計画及び居宅サービス 計画は、保険者からの求めに応じて、必要な変更を行うこと、とされており、サービスの短縮とは取扱いが異なっている。

特にサービス事業所が勝手な判断で、サービス提供時間を長くすることがないように、利用者への説明同意に加え、「介護支援専門員が必要と認めるとき」 と釘を刺しているので注意が必要だ。またこの場合の居宅サービス計画は、保険者の求めに応じて変更する必要があるとしているのだから、担当ケアマネジャーは、必ず保険者に確認しておく必要があることになる。

問3は通所サービスについて、利用者の自主的な利用控えがあった場合に、定員を超過しない範囲で、他の休業している同一サービス事業所の利用者を受け入れることは可能としているが、以前の通知で新型コロナウイルス感染 症の影響によりやむを得ないと認められるときは、定員超過や看護・介護職員減の場合も減算適用しないとしており、それがそのまま適用されるので、他の事業者利用の方を受け入れて、定員超過しても減算しなくてよいとされていることに注目してほしい。

変更に係る同意については、最終的には文書による必要があるが、サービス提供までに説明を行い、同意を得ていれば、文書はサービス 提供後に得ることとしても差し支えないとしているので、このルールも利用してほしい。

問4は居宅介護支援事業所の特定事業所加算(機砲砲弔い董▲灰蹈並弍で重度者割合が下回った場合の特例算定を認める内容なので、関係事業所は確認しておく必要がある。

問5も居宅介護支援費関連で、当初の居宅サービス計画で予定されていたサービス利用が、コロナの影響で無くなった場合にも、居宅介護支援費が算定できるとしている。ただし要件は、モニタリングなどのケアマネジメント業務を行っていること給付管理票の作成など請求にあたって必要な書類の整備を行っていることに加え、「コロナの影響があったことを適切に説明できるよう、個々のケアプランなどに記録で残しつつ、それらの書類を管理しておくこと」が必要とされているので記録をしっかり残していただきたい。

もともと居宅介護支援は、居宅サービス計画作成に関する一連の業務を行っても、実際にサービス利用がないと対価が発生しないという、「ただ働きリスク」のある業務である。これは実際にはサービス利用する必要のないケースまで、不必要な計画作成を行って、不正に居宅介護支援費を受給することを防ぐためのルールであるが、さすがにコロナウイルス感染予防という目一家うな理由があるのであれば、そうした不正とは線引きができるだろうという意味でもある。

どちらにしても記録の手間も大した労務負担ではないので、良い特例だと思う。ケアマネの皆さんは胸を張って費用算定していただきたい。

なおコロナウイルス関連では、masaの徒然草に、「接触感染を防ぐために道具を持ち歩く習慣ができるだろうか?」という内容もアップしているので、参照いただきたい。

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※3つ目のブログmasaの徒然草を始めました。こちらも是非ご覧ください。


※もう一つのブログ「masaの血と骨と肉」、毎朝就業前に更新しています。お暇なときに覗きに来て下さい。※グルメブログランキングの文字を「プチ」っと押していただければありがたいです。

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今だからしておきたい課題分析


昨年度の介護支援専門員実務研修受講試験は、一部地域で台風の影響により今年3月まで延期されたが、その結果を含めた合格率は19.5%(前年10.1%)、合格者数は、8.018人(前年4.990人)であることがわかった。

前々年度の大幅な合格率低下と合格者数減と比べると改善がみられるとは言え、合格者数が1万人を切っているという数字は、人材確保面では大きな不安要素であることに変わりはない。特に受験者数は41.049人と、前々年度の49.332人よりさらに減っているのだから問題は深刻だ。

特定加算の影響で、経験のある介護職員の方が介護支援専門員より年収が高くなっている事業主体も増えていくので、今後もその影響が懸念される。介護支援専門員に対する処遇改善の必要性を訴える声は、こうした背景によってさらに高まっていくだろう。

そうした状況であるからこそ、今回新たに資格を得た方には大いに活躍を期待したい。「やはりケアマネジャーがいないとだめだ」という声が大きくならない限り、処遇改善の実現性は高まらないからだ。

逆に「ケアマネジャーがいても何の役にも立たない」という声が大きくなれば、処遇改善どころか、ケアマネジャーの存在意義が問われて、ケアマネが行うことができる仕事がどんどん減らされていく結果になりかねない。具体的には軽介護者のケアマネジメントをなくする方向に進むという意味だ。

ところで昨年度試験に合格した方は、すでにケアマネ実務に就いているかもしれないが、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中で、ケアマネ業務に就いた矢先から大変困難な状況に直面していることと思う。

特に感染予防対策として、訪問介護事業所や通所介護事業所等の休業が相次いでいる状況下では、利用者に必要なサービスを結び付けることが困難となっているとケースが続出していることだろう。そのために新任のみならず、経験のある介護支援専門員の方も苦労が多いのではないだろうか。

4/20時点で全国の通所・短期入所系で858ヵ所、訪問系で51ヵ所が休業しているそうである。しかし都道府県の休業要請を受けて休止している事業所は6件だけだそうであるのだから、それ以外は自主休業しているということになる。

感染者が増えている地域では、通所サービスやショートステイが、クラスター感染の温床になりかねないので、自主休業や営業自粛(自粛の場合は休むとは限らず、サービスの一部を停止したり、短縮したりするという意味)という判断もやむを得ないことと思われるが、それらのサービスが休止されたとしても、利用者にサービスが必要なくなるわけではない。しかし代替サービスを探すことは非常に難しいと言われている。

ショートステイに替わるサービスは特に見つけるのが難しく、結果的に家族等のインフォーマルな支援者に頼る以外方法がないというケースもある。だがインフォーマルな支援者がいない人には、どのような支援がされているのだろう。ここが心配だ。新任のケアマネの方は、一人でケースの責任を背負い込まずに、先輩や管理者の適切な助言を受けていただきたい。経験のある先輩たちは、新人ケアマネに困難ケースを丸投げせずに、真摯に相談に乗って、新人を支えて育ててほしいと思う。

ところで介護サービス事業者の立場からこの問題を考えると、デイサービスも特例として訪問によるサービスができると言っても、そのような訪問サービスを行った経験がない職員がほとんどだから、実際に訪問ができている事業所の方が少ない。というか代替訪問サービスができている事業者はごくわずかである。

多くの通所サービス事業所は電話による安否確認のみで報酬を算定してしのごうと考えている様子だが、ケアマネジャーからすれば、そんな安否確認は何の意味もないと感じていることだろう。利用者からしても、一本の電話を受けるだけで自己負担費用が発生するというのは、その額が少額でも納得できないと思う人が多いのが実情だ。そのため電話での安否確認による報酬算定をあきらめる事業所も多いと聞く。

しかしこの特例は、通所サービス事業が感染症対策の休業で廃業してしまわないための方策の一つなので、そこは理解して、ケアマネジャーは通所サービス事業者の安否確認情報を、自らのケアマネジメントに生かす努力をして、利用者に必要なサービスであると説明するような協力があっても良いのではないかと思ったりする。是非ご一考願いたい。

ただし表の掲示板にも書いたが(貼り付けたリンク先のスレッドのNo.12 )、訪問による報酬算定や電話による安否確認による報酬算定を、「ローカルルール」で認めていない自治体が数多くあるようなので、報酬算定に先駆けて、担当行政課への確認は忘れないようにしていただきたい。

それにしても今全国から、通所介護利用ができないことのデメリットの声が聴こえてくる。身体機能の低下、認知症の方の認知機能の低下、家族の休養ができないetc.・・・こうしたデメリットについて、担当ケアマネジャーは細かく検証していただきたい。

なぜなら計画されたサービスが使えなくなったことによって生じたデメリットとは、サービス利用で生活課題が解決されていた証拠にもなるわけだからである。この部分検証作業をきちんと行い、サービス利用が制限されている間に生じた、利用者の身体的・精神的変化の記録が、生活課題を解決するケアマネジメントのエビデンスにつながる可能性があるし、ケアマネジメントの有効性を世間にアピールできる根拠にもあり得るからだ。

通所介護の場合は、制度開始当初は通所リハビリがあればいらないサービスではないかとか、レスパイトケアに保険給付してよいのかとかいう疑問声が数多くあった。今でこそそうした声は聞こえなくなってはいるが、この機会に改めてその存在意義を問い直す評価がされる必要もあるように思う。

2040年に向けた介護保険制度の在り方が、この状況でしか行えない課題分析の中で見えてくるかもしれないのである。
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スタンダードにしてほしい感染予防特例ルール


4月10日付で発出された、「介護保険最新情報のVol.816」は、「新型コロナウイルス感染症に係る 介護サービス事業所の人員基準等の 臨時的な取扱いについて(第8報) 」とされており、問1では、通所サービスの感染予防対応で、サービス内奥が変わった場合の居宅サービス計画の変更について、特例ルールを示している。
ーーーーーーーーーーーーーー
問1. 今般の新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、通所介護事業所において訪問サービスの提供等を行った場合、居宅介護支援の業務や居宅サービス計画の変更については、どのような取扱いが可能か。
(答) 通所介護事業所が新型コロナウイルス感染症対策として、当該事業所の利用者に対して、当初の計画に位置付けられたサービス提供ではなく、時間を短縮しての通所サービスの提供や、訪問によるサービスの提供を行う場合、事前に利用者の同意を得た場合には、サービス担当者会議の実施は不要として差し支えない。 また、これらの変更を行った場合には、居宅サービス計画(標準様式第2表、 第3表、第5表等)に係るサービス内容の記載の見直しが必要となるが、これらについては、サービス提供後に行っても差し支えない。 なお、同意については、最終的には文書による必要があるが、サービス提供前に説明を行い、同意を得ていれば、文書はサービス提供後に得ることでよい。
ーーーーーーーーーーーーーー
通所サービス事業については、地域によって事業者に対して営業自粛を呼び掛けたり、利用者に対して利用自粛を呼び掛けたりしているほか、事業者独自の判断で営業を自粛しているケースも増えている。

その対応策として国は、休業となった事業所と異なる場所を使用して、当該事業所が指定を受けたサービスに相当するサービスを提供した場合に、通常提供しているサービス提供時間等に応じ介護報酬を算定できるとしている。

また通所利用を自粛して居宅で生活している利用者に対して、利用者からの連絡を受ける体制を整えた上で、居宅を訪問し個別サービス計画の内容を踏まえ、できる限りのサービスを提供した場合については、提供したサービス時間の区分に対応した報酬区分を算定できるとしたうえで、サービス提供時間が短時間の場合には、(通所介護であれば2時間未満、通所リハであれば1時間未満)の場合は、それぞれのサービスの最短時間の報酬区分(通 所介護であれば2時間以上3時間未満、通所リハであれば1時間以上2時間未満 の報酬区分)で算定するとしている。(2/24 新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等 の臨時的な取扱いについて(第2報)

さらに電話で安否確認するだけで、報酬算定ができるルールも特例化した。(参照:通所介護は電話の安否確認のみで報酬算定可能に〜感染予防対策特例〜

こうした特例対応のサービス内容変更については、サービス担当者会議を行わなくてよいとしたのが今回の通知である。ただしその前提はあくまで事前の利用者同意が必要とされているので、その記録は忘れないでいただきたい。

また居宅サービス計画書の第2表、第3表、第5表は書き換えが必要だが、その変更については「サービス提供後でも問題ない」とされているし、変更同意も事前に意思確認を行て、文書による同意については事後で構わないとされているので、急がず慌てずゆっくりと、しかしサービス事業所とケアマネの連絡は密にするということを基本にしていただきたい。

現在この特例以外で、サービス担当者会議を開催せずに居宅サービス計画の変更をできるのは、著しい状態の変化を伴う末期がんの利用者について、主治医などの助言を得ることを前提として認められている。

しかし今回の特例でそれ以外のケースで担当者会議を経ないサービス変更によって、その対応に支障がないことが分かったならば、今後は介護支援専門員の判断で、サービス担当者会議を開かなくてよいケースを広く認めてほしいものだ。

なぜならサービス担当者は、それぞれに忙しい仕事を抱えている中で、参加者の裁量と仕事の工夫で時間を割いているのが現状だ。そんなふうにやりくりして参加しているサービス事業所職員は担当者会議に参加義務があるだけで、そこに何時間拘束されようと対価は発生しない。交通費さえ支給されないタダ働きという状態は異常である。

しかも参加したサービス担当者会議の内容はどうかというと、自分が参加しなかったとしてもさして問題なかったのではないかと思えるケースや、自分にとっても後で結果を知らせてくれれば良いだけというケースがかなり多い。形式的・機械的に開催がされている会議も数ある中に含まれているのである。

しかも担当者会議が原則開催されない計画変更ができないために、プラン変更が機動的な対応ができないケースがあることを鑑みると、この部分の判断はケアマネジャーに任せて、もっと機動的に利用者ニーズとのタイムラグが生じないプラン作成の在り方が検討されてもよいのではないだろうか。

このケアマネジメントの特例をスタンダードにしていってほしいことが、まず一点。

次にサービス事業者の特例の中で、介護保険最新情報Vol.779の問7で示された、「訪問介護員の資格のない者であっても、他の事業所等で高齢者へのサービス提供に従事した事がある者であり、利用者へのサービス提供に支障がないと認められる者であれば、訪問介護員として従事することとして差し支えない。」という点も、今後は特例対応ではなくスタンダードにできないものかと要望したい。

訪問介護はすでに絶命危惧サービスである。(参照:絶滅危惧職種の懸念で基盤が揺らぐ地域包括ケアシステム

今回訪問介護の在り方に小さな風穴をあけた意味が、訪問介護員の資格のない介護職の訪問介護が認められたということにある。この対応が今回の特例で終わらせることなく、スタンダードになるとしたら、それは新たな訪問サービスの展開につながるのではないだろうか。

通所介護だとていつも定員いっぱいのサービス提供をしているわけではなく、休みが多く職員配置に余裕のある日は、臨機に職員が訪問サービスに係ることが出来るようにすれば、訪問サービスのありようは様変わりする可能性がある。そもそも小規模多機能居宅サービスで行う訪問サービスの担当者に資格は必要ないのに、訪問介護事業所のサービスのみ資格が必要なのは、理屈に合わなくなってきているのである。

今回の感染予防特例を機会に、是非こうした一連の見直し作業を実現してほしい。
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孤独なケアマネジャーの支援が重要


我が国の社会福祉援助の領域で、ケアマネジメントが一般的な技法と認知され浸透してきたのは、なんだかんだ言っても介護保険制度以降だろう。

それ以前は、ケースマネジメントとケアマネジメントは違うのか、同じものなのかという変な議論さえあったのだから、ケアマネジメントの認識度はかなり低かったと言わざるを得ない。
※ちなみにケースマネジメントとケアマネジメントは同じものだ。ケースマネジメントという言葉と手法はアメリカ合衆国で誕生したが、イギリスでコミュニティケア法を制定する際に、ケースマネジメントという言葉は冷たい語感があるとして、ケアマネジメントという言葉に置き換えられ、それが浸透していったに過ぎない。

しかしケアマネジメントが理解され浸透してきたと言っても、それは介護保険制度のルールの中の、「日本型ケアマネジメント」に過ぎないともいえなくもない。マクロ的概念としてのケアマネジメントとは、介護保険制度の規定と関連しない場所でも、社会資源と利用者を最も適切に、かつ効率的につなぐ手法として存在することを理解せねばならない。

とはいっても介護支援専門員という資格については、まさに介護保険制度が生んだものなので、そこで仕事をする以上は、介護保険制度上のケアマネジメント実務を理解し、法令に沿った仕事の方法論を知らなければどうしようもないのも事実だ。だからこそまずそこからケアマネジメントを理解する必要もあるだろう。

特に介護保険制度以後に創設された居宅介護支援事業というサービスについては、行うべきルーチンワークも制度規定と連動しているし、お金の計算と国保連への報告も、「給付管理」と名付けられ、その業務もケアマネジメント実務の中に取り込むという独特の方法をとっているので、居宅介護支援事業としての一連業務を法令に沿って理解することがまず求められる。

そのため制度施行直前から、居宅介護支援におけるケアマネジメントについては、全国各地でそのことに関連する研修会が開催され、今でもそれは続いている。職場の中でケアマネジャーの数が少なく、学びの機会も少ないと言われるケアマネジャーではあるが、居宅介護支援業務については、外部研修の機会が比較的多いのである。

それに比較すると、施設ケアマネジメントに特化された研修会は制度開始当初から今に至っても少ないままである。

その理由は、施設ケアマネジメント自体は、制度施行以前から相談援助職が行っていた業務と大きく変わることはなく、それを介護保険制度上の法令に沿った方法と時期に行うことで事足りるので、改めてその実務を伝える研修の必要性が、居宅介護支援よりも高くなかったという理由だろう。

だがその弊害は、施設ケアマネジメントの法令ルールは、居宅マネジメントのそれとは異なっていることなどの理解が浸透せず、施設ケアマネジメントの効率化が図れなくなっていることなどにみられる。例えば施設ケアマネジメントにおける、「サービス担当者会議」の開催は、照会と同列であり、初めから担当者会議を開かないことを前提にプランニングしてよいケースがあることを利用していない施設ケアマネが多かったりしている。(参照:ケアプランはサービス種別によって作成ルールが異なる

しかも施設ケアマネの業務内容は、施設の事情によって異なってくるという実態がある。なぜなら横断援助職と介護支援専門員の業務分掌は事実上困難なので、その分掌は施設ごとに異なるからだ。(参照:施設ケアマネジャーは、相談援助職でありソーシャルワーカーですよ

特に施設の介護支援専門員は他の職種と兼務しても常勤1とされるために専従しているとは限らない。よって兼務しているのか、専従しているのかでも業務内容が異なってくる。

どちらにしても施設ケアマネ業務については、各施設の事情に左右される部分が多く、一般化が難しいことから、その講師を務める人材も限られてくるために、施設ケアマネを対象にした外部研修機会が少ないという事情もある。

ちなみに施設ケアマネジメントを講義できる人材の一人が僕である。施設ケアマネジャー向け研修講師を探している方は、是非声を掛けていただきたい。・・・おっと話が逸れた。

そんな事情もあって、施設の介護支援専門員の中には、いきなり任命されて業務内容も誰からも教えられることなく、自分でルーチンワークを作らざるを得ない人も多い。それらの人は今行っている業務が、法令に即しているのか不安を持ちながら日々の業務をこなしていたりする。そこで自分の能力と資質に自信を持てなくなってしまう人も多い。

しかも施設ケアマネの配置規準は、利用者100人に対して1名で良いことになっている。そこでは誰にも相談できないで悩む、孤独な施設ケアマネが生まれかねない。そんな中で介護業務まで担うことも求められているケースさえある。それはもってのほかだ。(参照:頭脳が手足となる弊害

居宅介護支援事業所のケアマネの場合は、一人ケアマネ事業所であっても、OJTの機会が十分でない介護支援専門員に対して、地域の主任介護支援専門員が同行して指導・支援を行う研修(地域同行型実地研修)を受けることもできる。(参照:問われる主任介護支援専門員の資質と力量

しかしこれは施設ケアマネジャーを対象にした研修ではない。そのため自分のスキルアップや知識獲得のために、どこに相談すればよいのかさえ分からない施設ケアマネが存在する。

そんな悩みを持つ孤独なケアマネが集い、話し合える場所は必要不可欠だ。地域のケアマネ会なども、施設ケアマネに特化した研修や話し合いの場を、もっと数多く創ってほしいと願うばかりである。

なお僕は、施設ケアマネ実務について、数週間単位でマンツーマンで教育指導する依頼も受けている。その施設の業務実態に合わせて、施設ケアマネ業務を見直しながら、法令に沿った業務を行なえるように指導できるので、希望のある施設関係者は是非ご相談願いたい。

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ケアマネジャーの本当の力。


このブログで何度か書いているように、日本の福祉の質は介護支援専門員という有資格者が誕生したことによって確実に底上げされている。福祉の底辺の引き上げに、介護支援専門員が寄与していることは間違いのない事実だ。(参照:介護支援専門員という資格に誇りを持ってください

地域で居住する要介護高齢者にとって、自分の身の回りのことを相談できる担当者がすぐ近くにいるということほど、安心感につながるものはないし、ケアマネジャーが窓口になって、介護サービスが利用できるという便利さも、暮らしの質につながっていると言えるはずだ。

それは施設サービスでも同様で、何でも相談事があれば問いかけてくれてよいという担当者が、定期的に面接してアセスメントを行う中で、自分の不満や心配事を聴いてくれるだけでなく、自分に対するサービスプランを多職種で検討して立案してくれる。そしてその内容を説明してくれることに安心できる人が多い。

それは介護保険制度が創設される以前にはなかったか、不十分だったものである。

そんな介護支援専門員も、個人の資質差がまだまだ存在することは事実で、適切な支援を行なえない一部の介護支援専門員によって様々な問題が引き起こされていることも事実としてある。だからと言ってそのことでもって介護支援専門員という資格の存在価値が問われてくることにはならない。

マジョリティは地域の高齢者の人たちにとって、頼りになる・なくてはならない介護支援専門員である。その事実をもってして介護支援専門員という資格はなくならないし、なくしてはならないのだ。

そもそも国の中で、介護支援専門員という資格が必要かどうかが議論の俎上に上ったことなどない。その資格と資格者の必要性はすべての官僚が認めているところだ。

そうであるにもかかわらず一部の関係者が介護支援専門員を対象にした研修会などで、「このままならこの資格は無くなってしまいますよ」などと訳の分からないことを言っている。それは知識も情報もない馬鹿者の恫喝に過ぎない。介護支援専門員の皆さんは、そういう輩の戯言を信じてはならないし、そういうことを言う輩に対しては、誰がいつどういう形でそういうメッセージを出しているのかという根拠を問いただすべきだ。それに答えられる人などいないはずだからである。

そういう連中の言っていることが嘘だという証拠の一つとして、介護保険制度の見直しに関する意見(2019年12/16介護保険部会)のケアマネジメントに関する記述を見てほしい。そこには以下のように介護支援専門員を評価する記述がある。
----------------------------------------------------------------
※高齢化の進展に伴い、居宅介護支援事業所の数、ケアマネジメントの利用者数は年々増加してきている。ケアマネジメントが国民の間に普及・浸透してきている状況もある中で、介護支援専門員(以下「ケアマネジャー」という。)には、医療と介護の連携や地域における多様な資源の活用等の役割をより一層果たすこと も期待されている。

※公正中立なケアマネジメントの確保や、ケアマネジメントの質の向上に向けた 取組を一層進めることが必要である。適切な修了評価や ICT 等を活用した受講環境の整備など、研修の充実や受講者の負担軽減等が重要である。

※適切なケアマネジメントを実現するため、ケアマネジャーの処遇の改善等を通じた質の高いケアマネジャーの安定的な確保や、事務負担軽減等を通じたケアマネジャーが力を発揮できる環境の整備を図ることが必要である。ケアマネジャー を取り巻く環境や業務の変化を踏まえ、ケアマネジャーに求められる役割を明確化していくことも重要である。

介護保険制度の見直しに関する意見(12/16介護保険部会)のケアマネジメントから抜粋)
-------------------------------------------------------------------
このように介護支援専門員とケアマネジメントは評価され、2021年の介護報酬改定議論の中では、「介護支援専門員の処遇改善」に向けた具体的議論が行われることになっている。

しかし介護支援専門員は、施設や事業所の中で数が少なく孤独な状態で、仕事を黙々とこなさねばならない人も多い。先輩にアドバイスを受けられずに、自分の仕事ぶりに不安を抱えている人もおられる。そんな人たちに対して僕は応援団である。

先日も福井県の2地域(福井市・坂井市)で介護支援専門員を対象にした2つの講演(それぞれ5時間という長時間の講演)を行ってきた。そのうち坂井支部の講演事務局から写真とアンケート結果が届いた。

福井県介護支援専門員協会さかい支部主催研修アンケート結果
福井県介護支援専門員協会坂井支部講演集合写真
アンケート結果は、貼りついた文字リンク先からPDFファイルをダウンロードできるので、ぜひ参照いただきたい。

その内容を見ていただくとわかると思うが、ケアマネジャーとして必要な情報を伝え、正しい知識を持っていただけるだけではなく、日ごろの仕事に対する自信と糧になるような話をさせていただいている。そのことで介護の場で活躍する介護支援専門員の皆さんが勇気と元気を持つことができるという結果につながってもいるので、是非介護支援専門員の方々を対象にした研修講師としてもお声がけをいただきたい。

連絡は、「北海道介護福祉道場 あかい花」の公式サイトの上部のグレーの帯に記しているので、お気軽に連絡してください。

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施設ケアマネジメントの疑問に触れて


新千歳空港の滑走路には相変わらず雪がない。

昨晩少し降った雪も、すでに解けてしまっている。この時期にこんなに雪が少ない空港の景色は初めてだ。これが今期だけの特徴なのか、地球温暖化の影響なのかはとても気になるところだ。

とはいっても雪が少ないことで不便とか問題を感じることは今のところはない。除雪のために飛行予定が遅れたり、雪のために欠航する便がないのだから、空港利用して仕事に行く機会が多い僕には歓迎すべき状態ではある。今日もおそらく定時運航で、予定通りに目的地に到着できるだろう。

ということで僕はこれから松山空港に飛ぶために、搭乗待ちをしている。この記事は搭乗口に入って更新しているところだ。

北海道から松山空港には、1日1往復だけ直行便が出ている。航空チケットはANAで購入しているが、実際にはIBEX運航で、機体も同社のものである。四国行きの便としてはそれが唯一の定期運航の直行便である。

今日は移動日であるが、夜は松山でいつも懇意にしていただいている仲間とオフ会が予定されている。慣れ親しんだ松山市の中心街である大街道で、松山新年会と言ったところだ。

明日は午前10時から午後3時までの研修講師を務めることになる。その研修は、愛媛県老人福祉施設協議会主催・施設ケアマネ研修としておこなわれるものであり、講演テーマは、「施設ケアマネの役割り〜PDCAサイクルを意識した施設ケアマネジメント」としている。

昼休み休憩をはさんで合計4時間の研修で、午前と午後2時間ずつの講演を行なう予定になっているが、すべて座学であり、グループワークの予定は入れていない。それというのも、施設ケアマネジメントに特化した研修機会は少ないために、そのことについてじっくりと深く伝えたいので、4時間でも足りないくらいのボリュームがあるためである。

施設サービス計画の作成ルールについて、居宅サービス計画の作成ルールと共通している部分、違っている部分について、その意味も含めてしっかり理解してもらわねばならないし、施設ケアマネジメントとは何かということや、計画書に書くべきことも例示しながら施設ケアマネジメントを総合的に理解してもらう予定だ。

施設のケアマネジャーの位置づけについても、相談員との関係性を含めて考えてもらいたいと思っており内容は豊富だ。本当ならあと2時間ほど時間をいただきたいところであるが、そうもいっていられないので、4時間という時間内で、内容を凝縮して伝えてきたいと思う。

講演スライドは2週間以上前に事務局に送っていたが、その後先週末になって事前質問が送られてきた。その質問内容に対応する内容を追加して、今週月曜日までにスライドを修正して差し替えた。その方が、単に質問に答えるだけより親切だろうと思うためである。

事前質問は以下の7点である。

・ サービス計画書のサービス内容の詳細の程度。入居者1人ひとりの生きがいや楽しみを感じて頂くために実施する事。
・ 施設ケアマネとしての経験がないため不安な事も多く、迷ったりした事など、 どのように解決されているのか教えていただきたいです。
・看取りプランについて
・施設に入所している方が、その人らしく過ごせること、また、できることのプランの立て方を伺いたい。
・ケアプラン実施記録表の評価の仕方やモニタリングをどのように書いているか教えてもらいたい。
・目標が現状維持でサービス内容や短期目標に変更がないときどのように書けば良いでしょうか。
・達成できないときの理由が「人手不足」のときに困っています。


以上の質問に一つ一つ回答ができる講演内容にしている。施設ケアマネジメントと施設サービス計画書の作成方法について、法令根拠も含めて解説する研修やセミナーはあまり多くない。そうした施設ケアマネジャー対象の研修講義も、僕の得意分野の一つである。

何しろその内容は、僕が介護保険制度開始当初から、施設ケアマネジャーとして実務に携わっていた経験と、その後施設長として、ケアマネジャーのスーパーバイザーとして関わってきた経験と、療法の視点から組み立てているものであり、他の誰にもまねできない実践論である。

施設ケアマネジャーを対象にした研修やセミナーを企画している方は、是非研修講師として僕にも声を掛けていただきたい。よろしくお願いします。

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制度をひねくり回すよりワンストップサービスの復活を望む


僕は今、福井県自治会館(福井県福井市)で行われている、「福井県介護支援専門員協会主催・介護支援専門員資質向上研修研修、スーパービジョンとOJT」で講師を務めている最中だ。

今日の講演は10時から始まり午後4時30分まで続く予定だ。途中で短い時間のグループワークを挟んで、正味5時間の講演である。講演テーマは、『すべての「人財力」を活かす魅力ある職場つくりのために』であり、人を育てるOJTやスーパービジョンの在り方を中心に話を展開させている。

そんなわけ昼休みの時間を使ってこの記事を更新している。ということで本題に入ろう。

12月27日の社保審・介護保険部会でまとめられた意見書には、地域包括支援センターが居宅介護支援事業所に委託しやすい環境を作り出す観点から、具体策を構想すべきという内容が盛り込まれ、「介護報酬上の対応についても検討が必要」と明記された。(※リンク先の意見書の7頁

要するに予防支援費の単価をもっと高くすることで、居宅介護支援事業所が予防プランを受託しやすい環境を作り、予防支援計画を居宅介護支援事業所へ委託するケースをもっと増やしたいという訳である。

それはなぜかというと、地域包括支援センターが予防プランマネジメントに業務の時間をとられ、地域支援に力を発揮できないという状況がある。ここにメスを入れて地域包括支援センターの機能強化を図ろうという対策である。

その背景には高齢化で相談支援のニーズが増大しているほか、地域全体を見据えた連携・調整のコーディネート、地域ケア会議の運営などの重要性が高まっていることが挙げられる。それに加え、今後政府が推奨する、「全世代型社会保障」の推進のために、地域包括支援センターが高齢者のみならず、育児支援や児童支援、障害児者支援にも関わっていくことが予測され、その準備や教育にも時間が取られていくことを見据えた対策ともいえる。

が・・・しかしである。

だからと言ってその対策として予防プランの委託を進めるのはいかがなものか。それよりもっとマシな方法があると思わないだろうか?そんな対策より、予防と介護でマネジメント主体が違うという制度の複雑さをなくす議論を行うのが筋ではないかと思う。

介護保険制度が誕生した際には、高齢者の介護サービスについて、居宅介護支援事業所の担当ケアマネジャーを窓口にさえすれば、総合的に調整が行われ支援が受けられるという、「ワンストップサービス」が実現したのである。そのことに一番の意義と成果を感じた人が多いはずだ。

しかしそれを崩壊させたのが制度改正であった。介護保険サービスを予防サービスと介護サービスに分断し、予防プランを地域包括支援センターが担当することにしたことによって、予防プランと介護プランと、それに付随する各種サービスは寸断され、ワンストップサービスはそこで崩壊したのである。

そんなふうに予防プランと介護プランが寸断・分断されてしまった過去を反省して、予防プランも居宅介護支援事業所の主管に戻せばよいだけの話である。その方が制度はスッキリわかりやすくなるし、利用者にとって予防と介護の時期で計画担当者が変わるというデメリットがなくなる。

そもそも予防プランを、介護予防に精通した地域包括支援センターの保健師が担わなければ、自立支援ができないという理屈はすでに崩壊しているのである。そのことは、そんな成果は挙がっていないという事実が証明している。

それにしても介護保険部会の委員はなんとお馬鹿な議論を繰り返しているのだろうか。脳みそが機能不全の連中が寄り集まって、いったいどんなふうに制度が改正されるというのだろうか。

ワンストップサービスの再生。それが一番良い結論なのである。

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施設ケアマネジャーの実務の在り方


介護支援専門員を対象としたセミナーは数あれど、介護保険施設の介護支援専門員を対象にした、「施設ケアマネジメント」に特化したセミナーは意外と少ない。

仮にそうしたセミナーが開催されたとしても、受講者が期待する内容とは全く異なり、施設ケアマネジメントの実務に応用できない、「あっち向いてホイ」的な内容であることもしばしばである。そうであっては施設の介護支援専門員の皆さんはあまりにも可哀想だ。

施設内のケアマネの数は多くて二人程度であり、一人ケアマネジャーも多い。そうなると施設内でスーパービジョンを受ける機会がないどころか、OJTもされないままで現場に放り出されて手探りでケアマネ実務に携わっている人も多い。そういう人たちは、施設のケアマネジメント実務を指導してくれる人もおらず、日々このやり方でよいのかという悩みを抱えながら、その疑問を解決する手段を持たずに業務にあたっている。

そんな施設ケアマネも多いはずである。それらの人たちの羅針盤となる、「施設ケアマネジメントセミナー」を多くの施設ケアマネジャーが求めているのに、適切な指導者が見つからないという理由で開催できない地域も多いと聞く。

その点、僕は自分が施設ケアマネとして実践してきたこと、施設長として施設ケアマネに求めてきたことを話すことができる。介護保険法をはじめとした制度や関連法令を解説するセミナーも行っているので、ケアマネジメント実務に関連する法令根拠なども示すことができる。そんなわけで施設ケアマネジャーを対象にした、「施設ケアマネジメントセミナー」を全国の様々な場所で実施してきた実績がある。

来る1月24日(金)10:00〜15:00に愛媛県総合社会福祉会館2階「多目的ホール」 (愛媛県松山市)で行われる、愛媛県老施協主催のセミナーも、対象は施設の介護支援専門員である。

当日は、「施設ケアマネの役割り〜PDCAサイクルを意識した施設ケアマネジメント」をテーマに、午前と午後にそれぞれ2時間、合計4時間の講演を行なうことになっている。その講演スライドを昨日までに作成し終え、今日最終校正を行って、さきほど講演事務局に送ったところだ。

当日のセミナーでは、最初にタイムリーな話題として、2020年度控えている介護保険制度改正の動向を示したうえで、そのことが2021年度の介護報酬改定と、2023年度の次期介護保険制度改正にどのようにつながっていくのかを解説する。

そのうえで施設ケアマネジャーとはどのような存在で、施設ケアマネンジメントの展開過程はどのように考えればよいのかを明らかにする。生活相談員と施設ケアマネの関係性、他職種との連携の在り方もしっかり示す予定だ。

そして施設サービス計画の作成の要点を、法令根拠に沿ってお知らせする。そこでは僕が過去に作成した施設サービス計画から、様々なケースを取り上げて、具体的なプラン内容を例示する予定としている。第1表の総合的援助方針も、新規入所・認知症高齢者・重度の身体障害者・看取り介護対象者に分けて明示したうえで、そこに書くべき要点整理を行う。

さらに今後より強く求められる施設ケアマネジャーとしての役割という観点から、何をすべきかという具体例を示すことにしている。

一番に強調したいことは、施設ケアマネジメントの本質は、様々に存在する施設のサービス資源を利用者に有機的に結びつける手法であるということである。

利用者のニーズを考えると、当然備わっていなければならない施設の機能があるはずなのに、それがない場合もある。そうであれば施設介護支援専門員は、ケアプランというツールを使ってトータルにケアサービスの品質を管理する役割を持つのであるのだから、施設サービス計画を作って終わりではなく、現場でプランを実践状況のチェックを行い、必要なサービスがない場合は、それを創り出す役割をもたねばならない。サービスの品質管理の役割だ。

そうであれば利用者ニーズに即した必要なサービスの方法論が存在していないならば、それ実現するために様々なシステムを変更できる「職務権限」が施設ケアマネに与えられていなければならないということだ。そうでなければサービスの品質向上はないし、施設サービス計画書は単なるお飾りで実効性のないものになる。

施設サービス計画書が、そんなふうに貶められるとしたら、時間と労力をかけて作るケアプランが単なる行政指導の為の紙切れに過ぎなくなる。そうなればケアマネジメントという労力は多大な無駄でしかなくなる。

使われないケアプランは事業損失だという観点からも、施設ケアマネジメントを見直してもらいたい。

どちらにしても他では聞くことができない、「本物の施設ケアマネジメント実践論」を伝えてきたい。愛媛県老施協の会員施設の介護支援専門員の皆さん、当日は会場でお愛しましょう。愉しみにしておいてください。
無題

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廃止すべきケアマネジメントルール


ショートステイ(短期入所生活介護及び短期入所療養介護)について、「認定の有効期間のおおむね半数を超えた短期入所は保険給付対象にならない。」と考えている人がいるとしたら、それは間違った考え方である。

ショートステイの介護報酬告示や基準省令等の法令ルール上、認定期間の概ね半数を超えたショートステイ利用を制限するルールは存在していない。

唯一の制限ルールは、「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(厚生省令第三十八号)の第13条21項であり、そこでは「介護支援専門員は、居宅サービス計画に短期入所生活介護又は短期入所療養介護を位置付ける場合にあっては、利用者の居宅における自立した日常生活の維持に十分に留意するものとし、利用者の心身の状況等を勘案して特に必要と認められる場合を除き、短期入所生活介護及び短期入所療養介護を利用する日数が要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えないようにしなければならない。」とされているのである。

つまりこれは居宅介護支援事業所に課せられているケアマネジメントルールの範疇を超えるものではなく、制度全体の給付制限ルールとは言えないのである。よって法令原則から考えれば、セルフフランにこのルールは適用されないので、セルフプランでショートステイを計画する場合、認定期間の半数を大幅に超えたショートステイの利用に対し、保険給付を制限することは不可能であるため、理由の如何を問わず認められることになる。(参照:ショート認定期間の概ね半数超えは保険給付対象外なのか?

そもそも省令第三十八号第13条21項の定めは、ショートステイの長期利用という、入所サービスと区分のできない利用を制限していることと同時に、認定期間中、十分にアセスメントを行わずに、ショートステイという一つのサービスしか利用しない計画に対して、保険給付するということに一定の制限を加えたものであると解釈している。

ところでこのルールは今も、本当に必要なルールであると言えるだろうか。この制限ルールが作られた当時と、現在の状況を比べると大きく変わっているものに、「介護認定期間」があることを考えると、このルールはすでに機能不全であり、廃止しても良いルールと言えるのではないだろうか。

この制限ルールができた理由は、30日を超えるショートステイの連続利用制限について、利用31日目を全額自己負担利用すれば、一旦自宅に戻ってショートステイを利用しない日をつくらなくとも、連続利用カウントがリセットされるというルールができたという背景がある。連続利用のリセットルールを使って、入所と区分できないショートステイの利用を防いだものである。

その当時は、認定期間延長の最長期間は12か月であったため、概ね半数を超えない期間は、最長でも6カ月という期間が目安になっており、年単位のショートステイの連続利用を制限できたという意味がある。

しかし現在の認定期間の最長期間は36カ月である。これが来年の制度改正では、48カ月まで延長されることが検討されており、その実現可能性は極めて高まっている。

すると現在でもショートステイを18カ月連続利用するケースは、居宅介護支援のルールでも可能とされているわけだ。それが来年以降、24カ月まで可能となるかもしれないのである。そうであれば、「認定期間の概ね半数まで制限するルール」の意味や理由は、極めて薄いものとなっていると言わざるを得ない。そんなルールで何が担保できているのだろう。意味がないとしか言えない。

そもそもショートステイのルール自体が変化しており、短期入所生活介護については、リセットルールを使って連続利用する場合でも、連続して30日を超えて同一の指定短期入所生活介護事業所を利用する場合は、30単位/日を減算しなければならないために、相当の必要性がない限り連続利用は回避される傾向が強まっている。

よってこの部分は、規準省令第13条21項の制限ルールを廃止したとしても、適正なケアマネジメントの視点のみで十分対応可能なのではないのか?そもそも現在でも認定期間36カ月の人は、その期間に概ね18カ月ものショート利用を行なえるが、そのような利用を続けるメリットは、利用者・ショート事業所の双方とも薄く、そのような長い期間になる途中で、ショートステイから入所への切り替えが行われるのが一般的であり、そういう意味でも認定期間の半数ルールはいらないと言えるわけである。

まあこれだけ認定期間延長のケースが増えている現状から言えば、省令第13条21項の定めがあったとしても、居宅介護支援事業所のケアマネジャーの仕事に不便や制限が生ずるわけではなく、そのようなルールがあることに、さして目くじらを立てる必要はないと思っているケアマネの方が多いのかもしれない。

そうであれば、このルールの廃止のソーシャルアクションなんて言うことに、エネルギーを使う必要はないわけであるが、一応この制限ルールの意味と、すでに役割を終えたルールであるということだけは、ここで改めて指摘しておきたい。

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福井県敦賀市の一家三人殺人事件は介護殺人の様相か


先週15日に行われた社保審・介護給付費分科会では、居宅介護支援の管理者要件に係る経過措置についての延長議論が行われた。(資料

居宅介護支援事業所の管理者は、主任ケアマネジャーでなければならないとされたが、その経過措置は令和3年3月31日とされている。しかしそれまでに実務5年の要件が満たせないなどで、主任ケアマネの資格を取得できない事業所が多数にのぼることが明らかになり、その見直しが必要とされた。

そのため経過措置を令和9年3月31日まで延長するとともに(ただし令和3年4月1日以降に新たに管理者となる者は、いずれの事業所で あっても主任ケアマネジャーであることが求められることとなる。)、次の2点を新たなルールとして加える案が示されている。

・特別地域居宅介護支援加算又は中山間地域等における小規模事業所加算を取得している事業所については、管理者を主任ケアマネジャーとしない取扱いも可能とし てはどうか。

・令和3年4月1日以降、不測の事態により、主任ケアマネジャーを管理者とできなくなってしまった事業所については、当該事業所がその理由と「改善計画書」(仮称)を保険者に届出た場合は、管理者が主任ケアマネジャーとする要件の適用を1年間猶予することとしてはどうか。

以上の案については、当日の分科会で賛同を得たため、そのまますんなりとその通りになる予定だ。

このことを巡っては、日本介護支援専門員協会の迷走が目立ったが(参照:管理者要件厳格化の経過措置延長を要望した協会の今更)、本来このような管理者要件の厳格化など不必要なことであり、いっそのこと主任ケアマネに管理者を限定する要件自体を失くしてほしいものだが、これについては一旦決まったということで引っ込めることはできないのだろう。

しかしこのことによって居宅介護支援の質が上がるなんて言うのは幻想だ。主任ケアマネジャーの資格を得る必要がある人が増えることによって、その資格を与える一連の過程における、「利権」が増えるだけである。本当に意味のない要件だと思う。このことに加担した秋田あけぼの会の小原クンの罪は決して消えない。

さて話題は変わるが、週末起きた事件で気になるニュースが飛び込んできた。

17日の午後、福井県敦賀市の住宅で住人の親子3人の遺体が見つかった事件では、95歳と93歳の夫婦と、その息子である70歳の会社役員が殺害されたが、70歳の被害者の妻71歳が殺人容疑で逮捕された。

容疑者の夫は、脳梗塞の後遺症で足が不自由であったのに加え、95歳の母親は要介護1の認定を受けていたそうである。さらに93歳の父親も介護が必要で、容疑者が3人の介護を担っていたと報道されている。

容疑者は3人の首を絞めて殺害したと供述しているそうであるが、動機については、「介護疲れ」の可能性が指摘されている。

本当にこの事件が介護疲れによる殺人だったのかという検証が求められるし、こうした悲劇を繰り返さないためには、この一家に対する介護サービスの提供状況等はどうなっていたのか検証が急がれる。

それは誰かの責任を追及するためではなく、何がどう足りなかったのか、何をどうすればこの一家を救えたのかという視点から、今後の介護支援の方向性を考える一つの教訓とすべきことがあるのではないだろうか。

地域ケア会議は、本来このようなケースを取り上げて検討され、個々のこうしたケースの検討から地域課題をあぶり出すために行われるものだが、当該地域でそうした地域ケア会議が機能していたのかも検証しなければならない。

この事件を単なる刑事事件として捉えて終わらずに、地域の介護問題という側面はなかったのかという検証が不可欠だと思うのである。

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介護支援専門員の処遇改善は何故急に表に出たのか


介護保険制度の改正や介護報酬改定は、この制度の持続可能性を高めるために行われている。そのため財源に限りがある中での改正・改定に際しては、給付抑制や国民負担の増加などが求められてくる。

そうした痛みを国民や関係者に求めるためには、本来制度を設計する政治家や官僚も痛みを受けなければならないはずだが、この国の政治家や官僚は、自分たちの痛みは大嫌いである。

だから一方的に国民に痛みを求めることになるので、その痛みはできるだけ静かに気づかぬうちに負ってもらおうとすることになる。それがソフトランディングの意味であり、いずれ介護保険制度の1割自己負担を失くして、2割負担をスタンダードにするというレールが敷かれていることを隠しながら、次の改正では2割負担と3割負担の対象者を静かに増やして、1割負担の対象者も知らないうちに減っているという状態を創ることにしている。

そんな痛みだけでは国民は納得しないので、時には甘い、「」を与えるのも常套手段である。飴を与える代わりに痛みはしっかり受け止めてほしいというように、飴と鞭の政策を随所にちりばめるわけである。

10/9の介護保険部会でケアマネジャーの処遇改善が突然のように浮上した理由も飴の政策の一つだ。

これが単純に介護支援専門員の待遇改善だけを目的としたものであると考えている関係者がいるとしたら、それはずいぶん能天気な話である。

勿論その背景要因の一つとしては、2年連続で介護支援専門員の資格取得試験の受講者が大幅に減っていることが挙げられる。加えて特定加算により、介護職員の待遇が大幅に改善した後には、介護支援専門員の年収を上回る介護職員も数多く生まれることが予測され、そのことで一層、介護支援専門員の成り手がなくなる可能性も無きにしも非ずという状況があることを否定しない。

しかし国は長期的にみれば、介護支援専門員の数は充足していて、足りない状態にはならないと踏んでいる。それは居宅介護支援の対象者を長期的には減らしていく政策を見込んでいるからだ。(参照:国の隠された思惑とはケアマネの政策的削減(前編) ・ (後編)

だからこそケアマネの処遇改善を行う一番の理由は、別にあるということだ。それは居宅介護支援費の利用者自己負担導入の人質としての意味の方が大きいということである。

財務省の強い意向を受けて、次の報酬改定(2021年4月〜)の居宅介護支援費は、利用者自己負担を導入するというのが既定路線になりつつある。しかし8月29日に開催された「第80回社会保障審議会介護保険部会」では、日経連の委員がそれに賛成したものの、それ以外の委員からは、利用者負担の増で必要なサービスが使えなくなることや、有料化することで利用者の要望が高まり、業務範囲を超えた過度な相談が増えるといった懸念の声が挙がり、反対意見が多数派を占めた。

このため国は、委員会の流れを自己負担導入に変えなければならなくなった。そこでケアマネジャーの待遇を改善するという飴を与えたうえで、ケアマネジメントを有料化することを実現する方向に舵を切ったというのが本当のところだ。つまりケアマネの処遇改善はケアマネジメントの利用者自己負担導入の人質なのである。

8/29の介護保険部会で自己負担導入に反対の意見を述べた日本介護支援専門員協会の代表委員は、この人質を取られた中で、なおかつ反対意見を述べ続けることができるかどうかが問われている。今後に注目してほしい。

それにしてもこの流れを読むと、居宅介護支援費に導入される自己負担は定額負担ではなく定率負担となるという意味であることも垣間見える。近い将来は2割負担を原則とするという流れの中にケアマネジメントの有料化も置かれていくからである。

しかし2021年の介護報酬改定は介護の単独改定である。2019年のように診療報酬のダブル改定の中で、薬価の引き下げという恩恵にあずかれる状態ではない中で介護報酬の改定が行われるのだ。そうであればケアマネジャーの処遇改善の財源はどこからひねり出すのだろう?

そう考えるとケアマネジャーの処遇改善のために、介護報酬の中から削られる報酬が必ず出てくることに気が付くはずだ。それがどのサービス種別の、どの報酬をターゲットにするのかは今後の検討課題になるだろうが、だからこそケアマネ専用の処遇改善加算が新設されるとは限らないのではないかと考えざるを得ない。

例えば現行の介護職員処遇改善加算の対象に介護支援専門員を入れるだけに終わるかもしれない。あるいは特定加算のaグループもしくはbグループの対象に介護支援専門員も加えてよいという方法だってあり得る。この場合は介護支援専門員の待遇が改善される分、介護職員の給与は現行より下がることになりかねない。

また施設のケアマネジャーは特定加算のcグループで待遇改善が図られている人が多いことから、処遇改善の対象は居宅介護支援事業所のケアマネジャーに限定される可能性もある。この場合は処遇改善加算という形ではなく、特定事業所加算の上乗せという形も考えられる。場合によっては居宅介護支援費の基本サービス費を上げるので、それで処遇改善を図ってくださいという形で、お茶を濁される可能性だってなくはない。

どちらにしても今後、この処遇改善がどういう形になるのか、その財源はどこからひねり出されるのかを注目する必要があるし、これによって居宅介護支援費の自己負担化はさらに避けられない状況になっているという理解が必要である。

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完全なるワンストップサービスを復活させる良い機会


介護支援を必要とする人が、多種類の介護保険サービスを利用する際に、利用者本人が多種類のサービス窓口に直接出向いて利用申し込みを行わずとも、居宅介護支援事業所というひとつの窓口にその機能を集約させて、すべてのサービスが利用できるように支援することをワンストップサービスと呼ぶことができる。

介護保険制度誕生から2006年3月までは、一度介護認定を受けて更新認定を受け続ける限り、利用者が希望するのであれば、ずっと一人のケアマネジャーが担当者であり続けることができた。信頼でき任せられるケアマネジャーを窓口として、ケアサービスが継続的・連続的に展開できるという「完全なるワンストップサービス」が機能していたわけである。

しかし2006年4月から新予防給付が導入され、介護認定と予防認定が区別され、要支援1と2という区分ができたことで、予防居宅介護支援の事業指定は地域包括支援センターしか受けられなくなった。

このため予防プランを主管するのは地域包括支援センターとなり、居宅介護支援事業所が要支援者の予防計画を立てるためには、予防居宅介護支援事業所である地域包括支援センターの委託を受け、下請けにならない限り継続的に担当窓口であり続けることはできなくなった。

そのため短い期間で状態変化が生じやすい人で、更新認定のたびに要支援2と要介護1の間を行ったり来たりという揺れ動く人は、そのたびに予防計画担当者と介護計画担当者が変わるという現実に直面して、その中には計画担当者との信頼関係や人間関係がなかなか構築できないというケースも発生した。

それはまさにワンストップサービスの完全形の崩壊による弊害といえる現象といえた。

ところがこの問題の関連して、10月9日に行われた介護保険部会の議論の中で厚労省は、求められる役割が増えている地域包括支援センターの負担を軽減し、地域全体を見据えた連携・調整や相談対応などの機能の強化につなげるためには、「予防プラン」について、居宅介護支援事業所により多くの業務を担ってもらう方向で検討を進めていく方針を示した。

厚労省の考え方はあくまで、「要支援者の予防プランは引き続き包括が担うことが重要で、居宅介護支援事業所への外部委託を行いやすい環境の整備を進めることが重要」としているものである。

しかし、「外部委託を行いやすい環境」とは即ち、委託料の改善が不可欠であると言うことだ。

そもそも予防プランだからといって、介護プランよりプラン作成業務が軽減できるわけではない。毎月の訪問義務はないといっても、実際には月単位のサービスプランの適性を評価するために、義務以外に毎月自宅訪問して確認しなければならないケースも多い。

よって予防マネジメントにかかわる費用が、介護マネジメントにかかわる費用と比較して、著しく低額である現状では、委託料もその範囲でしかないのだから委託環境も改善しない。

厚労省は、「要支援者などに対する適切なケアマネジメントを実現する観点からは、引き続き包括が担うことが重要」としているが、その内容は、なぜ適切な予防マネジメントは包括支援センターが主管する必要があるのかという問いかけに対しては、説得力には欠ける論理でしかないというしかない。

委託の予防プランをいちいち包括支援センターの担当者が隅々までチェック検証して、常に必要なアドバイスをしているという事実はない。委託プランは丸投げプランそのものである。そうであっても委託プラン自体に支障があって自立支援を阻害していると問題になることもないのが現状だ。

そもそも地域包括支援センターの予防プランとは、すべて適切なマネジメントであると言い切れるほど立派なものなのだろうか。怪しい予防計画など、そこかしこに存在しているのではないだろうか。

ということでいっそのこと、予防プランも利用者の希望に応じて、居宅介護支援事業所に、直接作成依頼できるようにすればよい。作成単価も介護給付と区分せず、同じ単価設定とすればよい。

そうした思い切った改革によって、失われたワンストップサービスの完全形を取り戻すことが、一番求められていることだ。

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ケアマネジメントをマネイジドケアに貶める政策に異議を唱えよう


ケアマネジメントで一番重要な視点は、高齢者の課題やニーズを、単に身体的な機能障害(インペアメント)という面のみで捉えるのではないという点である。

従来の医学モデルでは、脳卒中による片麻痺を身体的欠損としてのインペアメントとして捉え、それによる歩行障害を能力障害(ディスアビリティイ)であるとして、それに対するニーズは何かという観点から、治療的方法(リハビリ等)をとる立場にあった。

しかしケアマネジメントの手法は生活モデルであり、高齢者のニーズを単なるインペアメントとADLに関わるニーズとして捉えるのではなく、利用者がもつ社会的不利(ハンデキャップ)という観点からもアプローチすることによって、生活障害としてその問題を捉えることに特徴がある。

つまり要介護者が、どのような家族環境や地域環境の中で生活し、障害が不利な状況になっていないのかという部分も生活課題の一つとして捉え、インペアメントやディスアビリティに改善がなくとも、家族や地域の環境を調整することで生活課題が改善できる可能性があるという視点を加えたものである。

つまり要介護高齢者の課題や障害は、あくまで生活課題であり、生活障害であるという視点が重要なのだ。だからこそケアマネジメントには生活の全体性や継続性、個別性に目を向ける視点が不可欠である。

このことを理解しているか、理解していないかでケアマネジメントの質は大きく左右されてしまう。ケアマネジメントの援助技術の展開の目的が生活の全体性や継続性、個別性に目を向ける生活支援であるとしたら、そこには身体機能レベルだけでは解決できない様々な問題に対する援助の方法があってしかるべきで、必ずしも軽介護者に身体介護以外の生活支援が必要ではないという考えにはならないからである。

特に加齢による廃用という自然摂理を起因とした生活課題の解決のためには、生活援助を適切に結びつけることが大事だ。足腰の衰え、視覚や聴覚、味覚の減退は、ADLより、IADLの障害になって現れてくることが多く、軽介護者に必要な家事支援を適切に結びつけることも、生活維持には重要な視点である。

ところがこの家事援助が過剰支援であるとして問題になっており、その原因をケアマネジメントの質に求める向きがある。しかしそれは違う。

そもそも不必要な過剰サービスのケアプランが本当に存在するとすれば、その根本原因はサービス提供主体とそれを計画するケアマネジャーをパックで運用することが「利益を挙げ、生産性が高まる」ことに繋がっていることに起因する問題で、介護保険制度そのものの設計上の問題に原因があるのだ。

ケアマネジャーが自社と併設する居宅サービス事業の利益を考える必要がないように、ケアマネジメントだけで飯が食えるようにするだけで、問題解決の方向に大きく動くはずなのだが、そのことで利権を手にした連中は、根本問題に手を加えず、問題解決を一定回数を超えた生活援助を組み込んだ居宅サービス計画の届け出ということで解決を図っている。届け出て検証されるという心理的負担を介護支援専門員に与え、生活援助を計画する回数を制限しようとしているわけである。

つまりこの意味は、ケアマネジメントを財源抑制の手段として使うというマネイジドケアに使われているという意味だ。それは本来のケアマネジメントが、サービスの利用者の立場からの生活を支援するために形成されてきたものであるという目的に反したものだ。

このことはもともとケアマネジメントの諸刃の剣として、負の側面があるというし指摘を受けていた点であり、非常に危惧される問題だ。それがケアマネジメントの標準化という方向性でさらに強化されつつある。(参照:ケアマネジメントの標準化を企む学者の黒い腹

しかし一定以上の回数の生活援助計画の届け出が必要とされたきっかけとなった、最多で月101回の生活援助の利用例がある、北海道標茶町の直営の居宅介護支援事業所の主任ケアマネジャーの居宅サービス計画は、幻視・幻聴、物忘れなどがある精神疾患を抱える高齢者が、体調を崩して精神状態が不安定になった状態の居宅での生活を支えるための必要な援助を積み上げた結果で、同町の後の検証作業の結果、糾弾すべきプランではなく、模範とすべきプランであると判明している。

このように本来のケアマネジメントは、給付抑制に利用されるものではなく、一人一人の要介護者の生活課題を解説するために、本当に必要な社会資源と利用者を、より適切な状態で結び付けるものである。

それなのに介護支援専門員の職能団体であるはずの日本介護支援専門員協会は、本当のケアマネジメントを護る提言を全く行わずに、居宅介護支援事業所の管理者を主任ケアマネに限定することに手を貸したり、消費増税分の使い道がすべて決まってしまったこの時期に、処遇改善加算をケアマネにも渡せと言う実現不可能な提言しかしていない。そんな団体に頼って会費を納め続けてよいのだろうか・・・。

地域で本当にまじめに、そして懸命に援助技術を展開している多くのケアマネジャーの皆さんは、こんなわかっていない国の議論に異議を唱えるべきだ。日本介護支援専門員協会が声を挙げないのだから、自分たちで声を挙げるしかない。

少なくともケアマネジメント実務に関わっている人であるならば、利用者や地域に対して、ケアマネジメントとは何ぞやという意味を、自らの実践で語れるケアマネであってほしいと思う。

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ケアマネジメントの標準化を企む学者の黒い腹


ケアマネジメントの標準化が何よりも大事だという人がいるが、僕はそれは危険な発想だと思う。

特に居宅介護支援事業所のケアマネジメントは、社会資源を利用者と結び付けてスケジュール調整することが主になっており、個々のサービスの内容はサービス事業所のプランで決まるんだから、居宅ケアマネジメントを標準化させようとすると、サービスの品質の標準化にはつながらず、標準ではないとされたサービスを排除させるだけの給付抑制プランが増えることになるだけだ。そうした画一的なケアプランがスタンダードとされる可能性が高くなる。

そもそも介護支援専門員の価値観だけでは測ることができない個々の暮らしの個別性にアプローチすべきケアマネジメントに、本当に標準化が必要なのか?ここの議論が足りない。

官僚と学者の標準化必要論を闇雲に受け入れるケアマネばかりなのはどうかと思う。特に役人はシステムと基準づくりに躍起となる傾向が強い。それに乗っかっておれば責任を取らなくて済むからだ。人の暮らしには何が重要なのかわからない無能な役人、そのことを考えようとしない無責任な役人は、法の条文や通達の文面だけをなぞって、それを闇雲に実行しようとする。そして前例だけを重視するようになる。いわゆるお役所仕事だ。それは疲弊した役所のシステムだ。

本当に有能な人材は、そのような疲弊したシステムを必要としない。有効なシステムというのは、原則を大切にした即応性のある柔軟なものである。特に人の暮らしに関わるケアマネジメントに、通達の文面も無効だし、前例など何の役にも立たない。それが「標準化」という発想で、限りなくお役所仕事に近づかされることに誰も気が付かないのは何故だろう。

それにもまして悪質なのは、この標準化の推進者の中に、大学の教授・准教授という肩書を持つ学者が加わっていることだ。奴らの本音は、標準化という名の基準を作り上げる先に、標準化に当てはめるための「伝導役」という利権を得ようとしていることだ。それはケアマネジメントを人質にして、自分の懐を温めようとする腹黒い企みに他ならない。そんな腹黒い考えではないとして、この標準化論に乗っている学者は、無能で無責任な役人に踊らされているだけの存在でしかない。どちらにしても恥を知るべき存在である。

日本介護支援専門員協会は、シンクタンクとしては、くその役割も果たしていないのだから、このあたりの議論の展開に影響力を持ってほしいなどという期待はしていない。現にこうした議論の最中にあっても、「ケアマネにも処遇改善を」と、自分の財布の中身を増やしたいというような能天気な主張しかしていない。こんな団体に物事の本質を見極めてソーシャルアクションにつなげるという能力はないだろう。

せめてケアマネ実務に携わっている諸君は、この問題点に気が付いて議論に何らかの一石を投じてほしいものだ。

そもそもケアマネジメントの標準化議論の背景にあるものとは、ケアマネジメントの質議論である。確かに現行のケアマネジメントが批判される大きな理由は、「質の差」であることは間違いのないところだ。

居宅介護支援を例にするならば、利用者支援の達人と言えるような素晴らしい仕事をしている介護支援専門員が存在する一方で、自分が計画したサービスが絶対で、それに異を唱える利用者は排除して、言いなりになる利用者だけを選んでいる介護支援専門員さえいる。そしてそういう人に限って、支援効果としての、「利用者の生活の質」はほとんど上がらず、自社のサービスに利用者を囲い込むだけの結果しか残さない人がいる。そういう結果しか求めない人さえいる。

しかしこの「質の差」とは、ケアマネジメントの質の差以前に、介護支援専門員という有資格者のスキルの差ではないかと思う。それは人間力の差であると言い換えることができるかもしれない。介護支援専門員間の能力差が問題となっているのだから、この部分はケアマネジメントの手法でどうにかできる問題ではなく、介護支援専門員の資格取得過程の見直しをする以外の処方はあり得ない。

個人の大きなスキル差を放置したままで、ケアマネジメントという手法だけを標準化した先に起こることとは、標準化された方法なりツールなりが絶対視され、その方法でケアプランを立てておりさえすればよいという考えに偏る介護支援専門員をたくさん生み出す結果でしかない。

そこでは利用者がサービスを使った後の、「感想」や「評価」は、ニーズではなくデマンドであるとか、我がままだとかいう理由で無視されてしまう恐れがある。しかしそれが真のニーズで、利用者の希望に寄り添ったときに、課題解決の糸口が見えて来るなんて言う例は、枚挙にいとまがない。

そういう意味では、ケアマネジメントの標準化の果ての格差縮小とは、質の低いケアマネジメントに合わせて、達人ケアマネジメントが淘汰されてしまう結果につながりかねない。仕事のできる介護支援専門員が、ケアマネジメントの標準化というお題目の犠牲となって、そんなに頑張ってはだめだと烙印づけされるようなものだ。

それは市町村のインセンティブ交付金の見直し論と絡めて、ケアプランチェック強化による給付抑制と巧妙にリンクして行われることになる。ここに気が付いている人が何人いるだろう。

ケアマネジメントの標準化を勧める腹黒の学者連中は、当然このことをわかっていながら、悪意に手を貸しているとしか思えない。こんな連中の悪だくみに乗せられて、介護支援専門員の立場や役割が規定されてよいというのだろうか。

そんな悪だくみの標準化論によって、ケアマネジメントの質が一定以上に担保されるわけがないし、介護保険制度が良くなるわけがない。現にケアマネ業務に従事している人たちは、そのことをしっかり理解して、官僚と学者の悪謀をつぶすためのアクションを、それぞれのステージで展開していかねばならないと思う。

そうしないと時々の国の都合で、ケアマネジメントの在り方が、どうにでも都合よく変えられることになることをしっかり自覚してほしい。

介護支援専門員は、国のために都合よく制度を運用する人ではなく、制度の光を一人一人の地域住民に届ける役割を持つ専門家であることを忘れてはならない。

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日本介護支援専門員協会の遅すぎるアリバイ作り


日本介護支援専門員協会が3月18日付で、「介護保険制度改正及び介護報酬改定に関する調査への周知協力について(お願い) 」という文書を、会長名で都道府県支部長 宛てに送っている。

そこでは『当協会では、社会保障審議会介護保険部会等における制度改正等の議論を 行う上で参考資料となるデータを収集することを目的として、「介護保険制度改正及 び介護報酬改定に関する調査」(平成 31 年3月 15 日、日介支専協第 30-0350 号)を 実施しております。 この調査は、居宅介護支援事業所に所属する介護支援専門員の会員から無作為に 抽出した 1,000 名の会員が対象となっておりますので、回収率を上げるためにも、 貴支部におかれましては、アンケートが届いている会員の皆様への周知等のご協力 を賜りたくお願い申し上げます。』としてアンケートの回答を求めている。

3月15日付のアンケートとは、「介護保険制度改正及び介護報酬改定に関する調査票」 というものだ。その中で居宅介護支援事業所の管理者の要件が主任介護支援専門員になったことについて賛成か反対かという意見を求めている。
日本介護支援専門員協会のアンケート
今更こんな意見を聞いてどうするんだ?管理者要件は既に変更されており、居宅介護支援事業所の管理者が主任介護支援専門員に限定される配置規準については、2021年度から完全実施されることになっている。既に経過措置期間なのだから、今更誰かが文句を言って変更されるものではない。このアンケートでは、「見直しが行われる予定です。」とされているが、見直されているのである。ここでもインチキを通そうとするのだろうか。

そもそも管理者要件の変更については、日本介護支援専門員協会として賛成だという意見書を小原副会長が書いて、国に挙げているではないか。その意見書を書くときには、会員に全く意見を求めずに、もう決まったことをここで意見を求めてどうするんだ。

というかこれは明らかに、現場に意見を聞かずに、小原副会長が賛同の意見書を書いた誤りを糊塗するための、後付けのアリバイ作りである。ひどい態度と言うしかない。それはこの会がいかに「現場の声を代表していない」かということの証明である。同時に、同会が「全員参加型のチー ム」であると喧伝していることはまやかしでしかないことの証明でもある。

今会員に尋ねなければならない一番の設問とは、「2018年の介護報酬改定時にとった協会役員の一連の行動を、あなたは支持しますか?」でなければならない。

そして「日本介護支援専門員協会は、特定事業所集中減算の廃止に反対しましたが、あなたはこれを支持しますか?」・「特定事業所集中減算は、ケアマネジメントの質の担保につながっていますか?」という問いかけを行わねばならない。

そのように大事な問いかけを削っておいて、自分たちの地位を護るためのアリバイ作りのアンケートに時間を使わなければならない会員は可哀そうである。こんなアンケートにも会員の貴重な会費が使われていることを考えると、まったく無駄な会費支出をしているとしか思えない。

そもそも日本介護支援専門員協会ほど非民主的な組織はなく、一部の支部では支部会員となる条件として、日本介護支援専門員協会の会員になることを強要している。日本介護支援専門員協会に加入しなければ、支部会員にしてやらないという強権発動を行って、それは当然だと思っている支部役員が幅を利かせているわけである。その結果、僕のフェイスブックには次のようなコメントが寄せられることになる。

うちの県は県協会に入ったら自動的に日本協会に強制加入です。毎年協会費用が引き落とされてます。県協会には入ってるメリットはありますが、日本協会は定期的に来る協会誌は情報古いし、いろんな雑誌者の広告ばかり入っていて、正直紙と郵便費用の無駄。いつも開封することなくゴミ箱行きです。更新更新って、主任は取るときはそんなこと言ってなかったのに、後からそんなんつけてサギです。時間とお金かけてますから捨てるわけにもいきませんしね。悩ましいです。

こんな風に思っている会員が全国にたくさんいるのだろう。これが協会役員が言う「全員参加型チーム」の実態であり、それって「全員が役員の奴隷チーム」でしかない。まったくどうしようもない組織である。

それにしても、加入したくもない日本介護支援専門員協会にも入らないと、地元である支部組織に加入させないというやり口は、やくざの上納金とさして変わらないものである。こんなひどいルールを定めている支部役員は、自分がやっていることの意味を理解できているのだろうか。

小権力に酔う器の小さい支部役員が牛耳る組織というのが日本介護支援専門員協会である。現場の声の代表という偽物の看板を背負った役員によって運営されている非民主的組織によって、介護支援専門員という資格者の社会的地位や評判は、地に落ちていくのである。

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利権化した主任ケアマネ研修の実態


今日は祝日である。そのため仕事が休みの日とも多いと思う。

週末を前にした木曜日の休みで、ほっと一息ついている関係者も多い反面、暦と関係なく働いている人によって、介護の現場は支えられている。祝日とはその人たちに思いを寄せて、感謝の念を新たにする日ではないかと思ったりしている。

現在自由業で暦に縛られていない僕は、毎日休みなのか仕事なのか、よくわからない日を送っている。しかし自由業とは自由に遊んでいては、一銭も稼げないという意味でもある。そうであるがゆえに月曜の夜に岡山から帰ってきた後、来週の金曜日に沖縄に飛ぶまでの間、講演がない時間を利用して自宅で事務仕事をこなす日々であるが、締め切りが迫っている連載原稿が複数あったり、講演スライドづくりに追われて遊んでいる暇がないことに感謝しなければならないだろう。

ところで今日の祝日は春分の日である。1年のうち昼と夜の時間がほぼ同じになって、今日から夏至迄、徐々に昼の時間が長くなるという日である。まさに春を感じる日と言えそうだが、皆さんの周りに春の足音は感じられるだろうか。そういえば長崎からは桜の開花のニュースが聴こえてきた。

登別も今年は春がいつもより早くやってきそうな気がする。既に氷点下となる日はなく、積雪ははるか前からゼロである。今年は桜の開花も早くなるかもしれない。ただし同じ道内でもオホーツクの方は大雪の予報が出ている。札幌も週末から寒の戻りがあり真冬日と雪の予報だ。やはり北海道は広いということだろう。

さて本題。一昨日19日(火)に行われた全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議で厚生労働省は、主任ケアマネジャー法定研修の受講費データを公表している。

それによると2017年度の全国平均額は4万3690円で、前年度(4万2840円)より850円高くなっている。最高は6万2000円の広島県、最低は2万996円の秋田県で、その格差は4万1004円となっている。

この費用とは何だろうか?会場費は公共の建物をほぼお金を掛けないで借りることができるし、資料代だってコピーを取って製本するだけで、印刷代がかかるわけではないからたかが知れている。そんな中で地域によってこれほどの費用負担の差が出るということは、講師に支払う費用に大きく左右されるということではないのだろうか。

しかしこの資格更新研修ほど意味がないものは他にない。ケアマネジメントの質の担保にも全くつながっていない無駄な研修である。(参照:ケアマネ更新研修の時間増加をどう見るか

そんな研修に参加して資格を取ったり資格を更新するために、介護支援専門員は毎回、忙しい仕事を調整して、お金をかけなければならない。費用負担は事業者が負担してくれるとしても、事業者にとってそれはまったく無駄な支出と言える。しかしこんな研修がなくならないのは何故だろう。そもそも日本介護支援専門員協会は、この研修の馬鹿さ加減を全く指摘せず、研修存続に躍起になっている。それは何故か?

主任ケアマネジャー法定研修の講師として、その地域の日本介護支援専門員協会役員が召集されている。つまり主任ケアマネ研修は、同協会の大きな利権になっているということではないのだろうか。

だから主任ケアマネの更新制度に反対の声を挙げなかったし、居宅介護支援事業所の管理者資格を主任ケアマネにするルール変更には、積極的に賛同・協力している。それは会員の利権を守るという意味と、協会役員連中が自らの小遣い稼ぎの場を守るという、極めてせこい意味合いがあるのではないかと疑いたくなる。

そして居宅介護支援事業所の管理者が、「主任ケアマネ」でなければならなくなったことで、今後その資格を取ったり、資格を更新したりする人の数は確実に増える。勉強にもならないから参加を望みもしないのに受講しなければならないケアマネが増えるのである。それは協会員の小遣い稼ぎの額が増えるということをも意味するものだ。それも協会が管理者要件を主任ケアマネとすることに賛同・支持した理由の一つではないかと、うがった見方をしてしまう。

それほど居宅介護支援事業所の管理者資格を主任ケアマネとすることは、現場の意見と異なっているのだ。

しかし協会役員・支部役員等の小遣い稼ぎのために、現場のケアマネジャーは忙しい業務の合間を縫って仕事を調整しながら、自分の小遣いの一部を削って参加費として支払ったり、自分の事業所の収益の一部を削って研修参加費を捻出しているわけである。馬鹿らしいと言ったらありゃしない。

だからそのことを積極的に賛同・指示した張本人である、日本介護支援専門員協会の小原副会長には大きな責任があるということになる。ところが小原副会長は、協会とずぶずぶの関係のマスコミに向けては、インタビューに答えてわけの分からない賛同理由を語ってはいるが、このルール変更に憤っている現場の介護事業経営者やケアマネに向けて、直接説明することを全くしていない。いつまでそのことから逃げ続けるのだろう。

どちらにしてもこんな協会に会費を支払い続けて、理不尽なルールを押し付けられる現場のケアマネジャーはあまりにも可哀そうだ。その馬鹿さ加減に気づいたほうがよい。

日本介護支援専門員協会が推し進める国のひも付き行動に対し、具体的に反対の声を挙げる方法は、日本介護支援専門員協会員にはならない、会員からは脱するという道しかない。

支部会員に加入しても、日本協会に加入する必要性はないんだから、少なくとも日本協会からは脱したほうが賢明な選択だろうと思う。そうしたうえで本当の意味で、「現場の介護支援専門員の声を代表する」新たな組織化に努めればよいと思う。

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憂い怒る介護支援専門員たち


僕の手元に、ある組織の公式文書の写しが届いた。

それは日本介護支援専門員協会の会長名で、各都道府県支部長あてに2月26日付で発出された文書の写しで、「居宅介護支援費の利用者負担導入阻止に向けた活動について 」というタイトルがつけられている。

その冒頭には次のようなお願いが書かれている。
『2018 年5月に都道府県支部長様宛に「居宅介護支援費の利用者負担導入」についてご意見を伺いました。何度か繰り返しのお願いをさせていただきましたが、10 支部より未だ回答がございませんので、再度各支部のお考えを伺いたいと思います。』

10もの支部が10カ月を過ぎようとしているこの時期までに回答を送っていないという現状は、日本介護支援専門員協会に対する信頼性と期待感の低さの表れではないのだろうか。支部がどのような意見を挙げても、日本協会という上部組織は聞く耳持たないし、何も期待できないから、意見募集に応えても意味がないと思われているように想像してしまう。

現状から言えば、居宅介護支援費の自己負担導入の流れは、かなり確実になる方向で進められている。これに日本介護支援専門員協会が反対するのは当然だろう。なぜならこのことは国民のメリットにならないだけではなく、保険給付費の抑制策にもならないし、居宅介護支援事業所にとっては利用者負担費用の徴収業務が増え、滞納金も発生するという2重苦・3重苦が予測される問題だからである。
(参照:居宅介護支援費の自己負担導入にメリットはなにもない

この問題に関して今どき、居宅介護支援費だけが自己負担なしであるということの意味がわからんとか、その理由を説明しろとか言っている馬鹿が多いが、それは単に勉強不足である。

もともと居宅介護支援費が全額保険給付されている理由は、「利用者個々の解決すべき課題、その心身の状況や置かれている環境等に応じて保健・医療・福祉にわたる指定居宅サービス等が、多様なサービス提供主体により総合的かつ効率的に提供されるよう、居宅介護支援を保険給付の対象として位置づけたものであり、その重要性に鑑みたものであり、その計画を現物給付の条件としている以上、利用者にその費用の一部を利用者負担とするのはそぐわないとしていたものである。」と国は説明していた。理由についてははっきりしており、全額給付を推奨していたのは国なのである。それをひっくり返しているだけに過ぎないのが、2021年度に居宅介護支援費に自己負担を導入しようという考え方である。

しかしこの流れは止まりそうにない。水面下では2021年からの自己負担導入が決まってものとしてレールが敷かれ、その方向で進められている。今更、国に対して発言力のないひも付き団体である日本介護支援専門員協会が何を言っても、この流れは変わらないだろう。変わるとしたら夏の参議院選挙で、「事件」といえるほどの予想外の結果がもたらされた場合のみだろう。

ところで今回の文書の末尾には、次のような文言が書かれている。

『日本介護支援専門員協会は、いつも皆様にお伝えしている全員参加型のチー ムとして活動したいと考えております。そのために現時点の状況についてご理解いただければ幸いです。』

何故このようなアナウンス文章をわざわざ入れたのかと考えると、その理由とは、昨年度の報酬改定議論の途中で、日本介護支援専門員協会の小原副会長が国に提出した意見書の内容が、現場の声を全く反映していないとして、会員にすこぶる不評を買っているからではないのだろうか。 事実、全国を旅する僕の耳には、「協会の役員の考え方は理解できない。」とする支部会員の声を数多く聞かされる。なぜその声を現執行部は拾おうとしないのだろうか?

今年1月に書いた「日本介護支援専門員協会はきちんと検証・説明責任を果たしてください」の中でも指摘しているが、小原副会長が中心となって国に挙げた意見書の中で、特定集中事業所減算を存続させる意見や、居宅介護支援事業所の管理者を主任介護支援専門員に限定することに賛成する意見を挙げている。それは現場の介護支援専門員の声とは言えず、少なくとも現執行部が今までとってきた態度は、「全員参加型のチー ム」とはいえず、現場を無視した役員中心のトップダウンのチームでしかない。

そのおかげで特定事業所集中減算は、27年以前のルールに戻した形で、福祉系3サービスに限定して残されるという意味の分からない形になった。このことはケアマネジメントの質を担保するものであると小原会長が存続要望の中で主張しているんだから、もう1年近くたっている時点であるのだから、1日も早く会員に対して、この減算を残したことに対する検証結果を明らかにすべきだ。

小原君、いつまでも逃げているのは卑怯だぞ。

ところで協会の賛同も得て実施された、居宅介護支援事業所の管理者要件を、主任介護支援専門員に限定する配置規準については、2021年度から完全実施されることになる。

日本介護支援専門員協会がこの管理者要件に賛同した過程で、今回の自己負担反対の意見を求めたような支部会員への確認作業は行われたのだろうか。行われたとして多くの会員が、そのことに賛成したという事実はあるのだろうか。僕が聴く限り、現場のケアマネジャーの多くは、この管理者要件の変更に、反対か懐疑的な人が多い。それなのになぜ「全員参加型のチー ム」と自称する協会が、組織を挙げて賛同するかのような意見を公言しているのだろう。

その看板に偽りありということではないのだろうか。そういう意味でこの組織を「悪の組織」と呼ぶのは言い過ぎかもしれないが、少なくとも現役員は2枚舌であるとの誹りは免れない。

それにしても全国で約4万件ある居宅介護支援事業所のうち半数以上の管理者が主任ケアマネ資格がない状態であることを考えると、3年で全事業所の管理者が資格取得することは困難と思われ、廃業もしくは吸収合併を余儀なくされる事業所も出てくるだろう。

そのことは「ひとり親方」の居宅介護支援事業所を嫌う国の意向と一致し、やがてこの基準を橋頭保に、居宅介護支援事業所の大規模化へもっていこうとする国の思惑に沿っており、国にとってそうした形で廃止事業所が出ることは痛くもかゆくもなく、むしろ歓迎されることではある。それに組した日本介護支援専門員協会という組織は、果たしてそれが現場の声と一致し、現場のケアマネを代表した姿勢だということができるだろうか。

つまり日本介護支援専門員協会並びに現役員は、現場の声とか、全員参加のチームとかいうスローガンを掲げながら、実際には会員の声を聴こうともせず、声なき声を拾おうともせず、ただ役員個人の価値観に偏った方向に突っ走ってきただけではないのか。

よってこの組織に寄りかかって何かを変えようとか、何かを実現しようとか考えても、それは無理というものだ。そんな幻想に寄りかかって収めている会費とは、無駄金・死に金でしかない。

そんなことに気づき始めている人がいる。組織を変えようと頑張ったけど、その努力が無駄と分かった人は、新しい道を探している。その過程でこの組織に会費を支払い続けることは、無駄であるだけではなく有害であることに気が付いた人もいる。

国の補助金でかろうじて死を免れた組織は、一生国のひも付き組織の域をせず、しかしその組織が一定の規模の会員を組織している限り、介護給付費分科会には組織の役員を、「介護支援専門員の利益代表」という形で参加させ、そこで国の出した文書なり意見なりに従わせれば、日本の大多数の介護支援専門員の賛同を得られたというアリバイ作りになるわけである。国が勝手に決めたことにはならないという理屈がそこで作られるわけである。

それは本当にこの国や、この国の社会福祉制度の向かうべき方向といえるのだろうか。実際にはケアマネジメントの方向も、真の国民福祉の向上とは異なるものかもしれないが、会費を支払う会員が多い限り、それは是とされるわけである。そうならないような行動をとろうとしている人が出始めた。

その行動に是非期待したいものだ。その行動を支援したいと思う。

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自立支援介護という名の欺瞞


今週末は大分市での講演予定が入っている。大分県内では今までも大分市や日田市で講演を行なっているが、大分空港を利用したことはいまだかつてない。

その理由は新千歳空港から大分空港までの直行便がないためである。そのため大分県内で講演を行なう場合は、直行便がある福岡空港に飛んで、そこから講演場所への移動手段を考えることになる。大分市へ移動する場合は、博多駅に移動しそこからソニックで現地入りする。そうすると新千歳空港を11時に経って、大分駅には16時30分頃に到着できる。だがこの時間では講演当日の移動では間に合わないために、金曜日に大分市に入り土曜日に講演を行ない、日曜日に北海道に戻るという2泊3日の旅となる。

このように3日間の滞在の中日だけに講演がある旅というのは、講演以外の時間帯にも余裕があるので、体にも心にも優しい旅である。だがその旅とは、あくまで講演という仕事がメインの旅であることをしっかり心して気を引き締めなければならない。特に受講者の方々は週末の土曜日という貴重な時間を使って講演を聴いてくださるので、その時間を無駄にしないように、有益な情報を伝えられるようにしっかりと準備したいと思っている。

今回の大分市での講演主催者は、「個別ケア研究会」という組織であり、そこは介護事業者が複数集まって県の補助金を委託されて自己学習する組織だそうである。今週末の講演はオープンなので、個別ケア研究会さんが呼び掛けて、大分市内の介護支援専門員や介護従事者の方々が集まる予定と聞いている。

その研修のために依頼を受けた講演テーマは、『揺らぐ介護理念〜介護とは何か?』である。

事務局担当者の方からは、『大分県は、自立支援型という言葉で介護現場へ指導が行われて数年が経ちます。また今回の介護保険改正においても、要介護度の改善に重きを置かれその期待に応えようとする介護現場も増えつつあります。福祉実践の積み上げである私たちの仕事と、今行政から求められるコトのズレは介護職と介護支援専門員の専門性を揺らすものでもあります。大分モデルの中心だからこそ、今一度「介護とは何か?」という問いを参加者と共に見つめ直す場にしたいと企画しました。』とコメントをいただいてる。

そうした考えを受けて僕が考えたこととは、「自立支援とは何ぞや」ということを改めて問題提起する必要があるだろうということである。そのうえで介護支援専門員に求められる役割を論ずる必要がある。

そのためには現在までの制度改正や報酬改定がどういう方向性を持って行われているのかを確認しながら、今後の介護保険の流れを読む必要がある。それにより被保険者や介護現場にどんな影響があるのかを考察しなければならない。

具体的に言えば、今年度の報酬改定と近直の制度改正の意味を解説しながら、次期改正で導入が見込まれている自立支援介護とは何かということとともに、それをどう考えるかを、人の暮らしの支援という方向と並べて論じ、ケアプランやケアマネジメントの在り方について問題提起したいと思っている。そこでは本来求められる介護支援の在り方をも同時に示す予定である。

厚労省は2021年の報酬改定に向けて、自立支援介護を推進するために、食事や排せつの状況、就寝や起床の介助など200項目以上にわたるデータを収集する予定である。それは介護事業者が実施したサービスの種類や頻度、どのような効果が得られたかなどのデータであるとしている。

そしてそのデータに基づいて効果を分析したうえで、2021年の報酬改定では、裏付けが取れたサービスの報酬を手厚くするという。それに先駆けて、効果が高い介護サービスについては、厚労省がガイドライン(指針)にまとめ、手法や手順などを具体的に紹介し、全国の介護サービス事業者にも採用を促す予定であるとしている。

しかしそれはある意味、介護の手法を厚労省の掌の中に取り込もうとするものである。厚労省が決めた方法論からはみ出してサービス提供して、余計なお金を掛けることを許さない手法である。

それは「自立支援介護」という耳障りの良い言葉で、国民や介護事業者の反発をできるだけ抑えて、国民の気づかないところで給付抑制を進める手法ともいえる。

それは介護事業者が実際に行っているサービスデータに基づいて、科学的根拠を持って導き出す手法だというが、「統計操作」・「不正統計」がお家芸であることが明らかになった厚労省のデータ分析に、どれほどの信頼性が持てるというのだろう。

介護支援専門員をはじめとした関係者の皆様に考えてほしいことは、自立支援という言葉に踊らされて、本当に必要な「自律支援」を失っていないだろうかということだ。

もともと介護支援とは、「共立」の考えに基づいて存在するものだ。そこでは自立の概念が問題とされなければならず、自立とはなんでも自力でできることではなく、自分で決めて人に頼ることも含まれる概念であるはずだ。そのことは介護保険法にもしっかりと、「その有する能力に応じた」という一文を冠づける形で示されている。そしてその能力とは、まさにケアマネジメントによってしか導き出すことができないものだ。

しかし国や県や市町村が主導する自立支援とは、その能力を無視し、それを測るアセスメントもすっ飛ばして、一定の型枠に人間の暮らしをはめ込むものでしかない。自立支援を唯一の価値とする人は、人の助力を余計なもの・悪と考えるのだろうか?

そこでは「介護保険からの卒業」などという馬鹿げたスローガンが高らかに叫ばれている。そのスローガンを何の疑問もなく受け入れる介護支援専門員には、ソーシャルワーカーとしての矜持は存在するのだろうか。行政の腐れスローガンに踊らされて、介護保険サービスを使わなくさせることが自立だと思っている輩には、「恥を知れ」と言いたくなる。

他からの支配・制約などを受けずに、自分自身で立てた規範に従って行動することを自律という。それは人に頼る、委ねるという選択権を持つことを意味し、人間が支えあう社会とは、共立する社会であることをも意味する。

人の暮らしを考えたときに、自立支援より自律支援が求められる時期が確かにあるのだ。

そもそも介護保険制度とは、介護を社会化し、障害を持つ人やその家族だけが頑張り続けなくてよい社会を創ろうという趣旨で創設されたものではないか。そのことを理解しない介護支援専門員や、行政のデータに踊らされる関係者によって、自立の概念は大きく歪められていくのである。

それによってまさに介護理念は揺らいでいくのである。そうならないために何が求められるかを、週末の大分市で議論する機会を得たいと思う。3月9日(土)は、コンパルホール(大分県大分市)で13:30〜3時間にわたってそのような話をする予定だ。参加希望者でまだお申し込みをされていない方は、是非お問い合わせいただきたい。

それでは大分市でお会いする皆さん、当日はよろしくお願いします。会場で愛ましょう。

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