介護保険制度の内容・改正の方向性・介護報酬構造と体型の変化の把握・・・介護事業に携わる者にとって、それはとても重要なことだ。
常に最新情報を取り込んで、その情報を読み込み分析し、表面で現れている変化のみならず、そこに隠されている意味や布石を読み取る能力は、今後の介護事業経営のために重要な要素となる。
介護事業経営者のみならず、管理職レベルまでは、その能力と努力が求められるし、情報感知能力と分析力が、管理職としての評価にもなるだろう。
制度を知るということは、制度に精通することに通ずる。しかしそのことによって制度に取り込まれて、制度の中でしか身動きが取れなくなるようなことがあってはならない。
制度を知るという意味は、制度の中でしか動けなくなるのではなく、制度の瑕疵や矛盾もしっかりと把握して、そのデメリットを受けないように最大限の努力をすることに他ならない。
時には制度に潜む問題をあぶり出して、物申して改善につなげるというソーシャルアクションも必要になるのである。制度に精通するということは、そういう意味や姿勢をも含めてのものである。

そこで忘れてはならないことは、私たちの携わる事業とは、対人援助という種類の事業であり、それは社会福祉制度の中で生まれ、存在してきた事業であるということだ。
その本質は介護保険制度が、利用者と事業者との契約によるサービスという仕組みとされた後も、変わらないものである。
そうであるかこそ、私たちは決して揺るがしてはならない姿勢を保たねばならない。
制度や報酬体系がどのようになろうとも、私たちが護るべきは利用者の暮らしなのである。その為の介護実践方法を常に模索していく必要があるのだ。
利用者が今いる場所で、できる限り自立支援の視点を含めた豊かな暮らしを送る日常介護が行われ、そこで安心して、安楽な状態で人生の最終ステージを過ごすことができる介護支援が必要とされているという本質を忘れないことが重要となるのだ。
その目的を果たすべく制度に向き合い、その目的を果たすことができるスキルを持つ人材を育み、そうした人材が力を合わせてその目的を達しようと日々努力するチーム作りをしていくことが私たちの使命である。その目的を達したとき、私たちは自分の職業に誇りを持つことができるであろう。
そうした使命と誇りを胸にして、制度改正など様々な世の中の変化に対応していく、柔軟で思慮深い対応が求められているのである。
そのことを忘れてはならない。




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