masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

ケアプラン

サービス計画内容を成長させるって考え方があってもよい


施設サービス計画書を作成していると、この計画内容を基にしてサービス提供される人がいるということに対して大きな責任を感じることがある。

特に施設サービス計画の場合は、施設の中で介護職員がどのような介護支援を具体的に行うかという、個別対応の具体的方法を定めるので、居宅サービス計画のように、利用者に直接提供される具体的サービスは、居宅サービス事業所の責任において適切な方法を立案してもらうというような2階建てプランになっていないために、施設ケアマネの力量が、個人の生活の質を左右することに直結するという責任感を抱かざるを得ない。

勿論、施設サービス計画の作成目的は、よい計画書を作ることではなく、利用者に一番適切なサービスを結びつけるということであり、提供されるサービスがなぜ必要なのかという根拠を文字と文章で表現して、そのために具体的に何をするのかということを、サービス提供する人や、サービス提供される利用者や家族に双方に理解してもらうための道具が施設サービス計画書であるに過ぎない。つまり計画書はサービスの意味や内容や、その必要性を明らかにすると同時に、生活課題を解決した先に、どのような暮らしが実現するのかを明らかにするものだ。

そうであるがゆえに、利用者や家族が、その内容を読んでわかる文章表現も求められるわけである。専門家しか解読できないサービス計画書ほど意味のないものはないと思っている。

しかし計画書を最初から完璧な内容で作成することは難しい。定時見直しの再作成時に、前回の計画内容のお粗末さに気が付いて、自分の能力の低さに愕然とすることも多い。アセスメントツールの欄をいくら埋めても、それを読み取る視点が間違っていれば、まったく方向の違う内容で、意味のないプランを立てていることになる。そこに気が付いて、サービス内容に修正を加えることの繰り返しである。

ときにその内容修正は、大幅なサービスの見直しにつながる場合もあるが、前回の計画内容に加えて新たなケア内容を追加するということも多い。

最初につたない計画を作成してしまったことは、申し訳ないと思うが、紙の上のアセスメントだけではわからないことはたくさんあって、直接介護する人々が、日常援助の中で気が付くことが、本当のアセスメントには必要になるのだ。我々は計画作成の段階で、できるだけその気付きを吸い上げて、ケアプランに落とす努力をしているし、利用者の暮らしの質を引き上げることに資する計画内容に随時変えていくつもりなので、少しだけ時間をいただきたいと心の中でお願いするのみである。

そういう意味では、人の暮らしに係る支援計画は、修正するという視点ではなく、計画内容も成長させるという考え方があってよいのではないかと思ったりする・・・というかこれは自己弁護かな。

そもそも自分に知識がないことで、利用者の本当の生活課題に気が付かないことも多い。「求められる座高への配慮」で書いているように、座高が低い人が、我々と同じ座高の人が日常的に使うような高さのテーブルで食事をする場合、そこに置いた食器の中のものは見えなくなってしまから手を伸ばさないということも、座位姿勢の大事さに係る研修を受ける前には気が付かなかったことだ。だから日々の学びは重要になる。

特に毎日三度三度の食事摂取には、よく観察しないと見えてこない「生活障がい」が様々に存在する。前述した座高や座位姿勢の問題だけではなく、高齢者特有の視力障害によって食事摂取に支障をきたす例も多々あるが、その場合でも普段の暮らしの中で、特段視力が弱いことが障害となっておらず、食事以外の日常生活に支障が生じていないケースでは、視力の低下が食事摂取の障害になっていることを見逃しがちになる。

特に認知症の症状が少しでもある方の場合、すべて認知症のせいにしてしまい、本当の生活障害の要因を見逃してしまうことがある。

食事を自力摂取できる人で、副食として提供された焼き魚を、いつも食べないわけではないが、ある種類の焼き魚に全く手を伸ばすことがなく、残してしまう人がいた。その方は、軽度の見当識障害はあるが、コミュニケーションには問題がない人なので、「隣の皿のお魚も食べてくださいね」と声掛けしたりするが、それでも手を伸ばしてくれない場合は、その魚は嫌いな魚で食べたくないのだろうと、勝手に思い込んでしまったりする。

ところがある日その方の娘さんから、「母は若いころから魚は好きで、嫌いな魚はないはずです。」なんて言われて、あらためて考えると、白身の焼き魚はいつも手をつけないことに気がついたりする。それに加えて最近、白内障が進行して点眼薬が変わったが、白い皿に白い魚の切り身は、見えづらいのではないかという意見が出されて、ためしに色つきのお皿に、白身の焼き魚の切り身を乗せて提供すると、見事に手を伸ばしてくれたりする。だからと言って、皿に色がついておればよいわけでもなく、濃すぎる色や、単色ではない絵皿などは見づらさが解消せず、やはり手を伸ばしてくれないということもある。

こういう生活障害は、なかなか気づきにくいが、こうした気づきや新たに得た知識を、施設サービス計画に落とし込んでいくと具体的サービスに書く内容が増えていく。本ケースでは、「配膳時に食器の中の副食が見えやすいように皿の色や模様の工夫をします」などという計画内容が加えられたりする。

それでサービス提供者が、自分がすべきことを確実に理解できるようになれば良いが、あまりに計画書の内容量が多すぎると、読むだけで苦労して頭に入らないということにもなりかねず、計画作成者は、計画書に書くべきことと、ルーチンワークとしているから書かなくともよいだろうと切り捨てることを両方考えて、毎回熟慮しながら計画作成作業を行っているわけである。

そこには計画書を読む人の視点も必要だから、アセスメントやモニタリング時には、この計画書を読んでサービス提供者が具体的にすべきことを理解できるかを考えたり、あるいは「しなければならないこと」を書いていないことで実施できていないのではないかなどの確認作業は不可欠になる。

このようにサービス計画書は、その内容を進化させていくもので、それが成長するサービス計画の意味であるが、それは単に計画書に書かれている内容が増える、計画書の枚数が増えるということではなく、場合によっては、わかりやすくするために必要ない部分をそぎ落とすことも求められるのである。

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二人対応の訪問介護が必要になるケースが増えてくる


一人では対応が難しい、体重が重い利用者に対して訪問介護を提供する場合や、エレベーターのない建物の2階以上の居室から歩行困難な利用者を外出させる場合など、利用者の状況等により、2人の訪問介護員によるサービス提供が必要となった場合は、サービス提供時間に応じた所定単位数の100分の200に相当する単位数である、「二人の介護員等の場合」のサービスコードにより請求することになっている。

しかし利用者の体重が二人で抱えるのにも不安があるほど重いなどの理由で、3人の訪問介護員によるサービス提供が必要になるという理由で、所定単位数の100分の300に相当する単位数を算定することはできず、介護保険制度上のルールとしては、「同時に二人を超える訪問介護員のサービスによる報酬の算定は認められない。」とされている。

2人の訪問介護員等によるサービス提供ができる対象となる事由とは、厚生労働大臣が定める者等(平成十二年二月十日 厚生省告示第二十三号)で規定されており、それは以下のように示されている。

二 指定居宅サービス介護給付費単位数表の訪問介護費の注7の厚生労働大臣が定める要件
 二人の訪問介護員等により訪問介護を行うことについて利用者又はその家族等の同意を得ている場合であって、次のいずれかに該当するとき
 イ 利用者の身体的理由により一人の訪問介護員等による介護が困難と認められる場合
 ロ 暴力行為、著しい迷惑行為、器物破損行為等が認められる場合
 ハ その他利用者の状況等から判断して、イ又はロに準ずると認められる場合


最近目立ってきているのは、告示二十三号のイより、ロの理由である。認知症の初期で、一人暮らしをしているが、とられ妄想からヘルパーに暴言・暴力がみられるケースや、セクハラ行為がみられるケースなどである。

しかし介護支援専門員の中で、告示第二十三号のこのロ及びハの規定を知らない人がいて、ヘルパー二人対応すれば支援ができると思われるのに、体重が重くない、二人で抱えるようなサービス内容ではないという理由で、一人対応しかできないと思いこんで、適切な訪問介護計画を立てていないケースがみられた。これはまずい。

特にハについては、適切なアセスメントを行えば、イ又はロに準ずるという判断は、担当介護支援専門員によって行われ、その記録がしっかり残されておれば問題ないのであるから、認知症の方へのサービスなどで、一人対応では支援困難だが、二人対応で課題解決に結びつかないかなどのアセスメントをしっかり行ってほしい。

認知症の人が増え続けている現状で、そのことはますます必要になってくるだろう。

ところでヘルパーを二人派遣する場合、必ずしも同一事業所のヘルパーを派遣しなければならないとは限らない。二人対応が必要と思われても、現在サービス提供している訪問介護事業所で、同じ時間に派遣できるヘルパーがいないなどの場合は、その時間に別事業所のヘルパーを派遣し、2事業所の訪問介護員が協力し合ってサービス提供を行うことも可能である。

この場合の費用算定は、それぞれの事業所で訪問介護費を別々に算定することはできず、どちらかの事業所が、「二人の介護員等の場合」のサービスコードにより請求することになる。そして請求しない事業所に対し、請求事業所が費用を後に支払う事となる。この場合の具体的な分配は、事業所相互の合議で決めておくとされている。(通常は半々だろう。)

なお同一時間帯に複数の訪問介護事業所のサービスを計画し、A事業所が身体介護、B事業所が生活援助のように計画することは、告示第二十三号に該当しないとされており、保険請求できない行為である。またQ&Aでは、「例えば、2人の訪問介護員等が入浴介助を行い、その後、一人の訪問介護員等が生活援助を行う場合は、2人の訪問介護員等によるサービス提供時間が全体のサービス提供時間に占める割合が小さく、該当するサービスコードが存在しないため、便宜上それぞれの訪問介護員等のサービス提供時間に応じて訪問介護員等ごとに所定単位数を算定することとする。」とされている点にも注意が必要だ。

これらは、あらためて解説するまでもなく、介護支援専門員なら当然知っておらねばならない基本中の基本知識であるが、その知識を活用していない計画が目についてきたので、あらためて復讐の意味で本記事を記すものである。

なおこのことについては解釈通知老企36号においても
10)2人の訪問介護員等による訪問介護の取扱い等
 [1] 2人の訪問介護員等による訪問介護
2人の訪問介護員等による訪問介護について、所定単位数の100分の200に相当する単位数が算定される場合のうち、厚生労働大臣が定める者等(平成12年厚生省告示第23号。以下「23号告示」という。)第2号イの場合としては、体重が重い利用者に入浴介助等の重介護を内容とする訪問介護を提供する場合等が該当し、同号ハの場合としては、例えば、エレベータのない建物の2階以上の居室から歩行困難な利用者を外出させる場合等が該当するものであること。したがって、単に安全確保のために深夜の時間帯に2人の訪問介護員等によるサービス提供を行った場合は、利用者側の希望により利用者や家族の同意を得て行った場合を除き、所定単位数の100分の200に相当する単位数は算定されない。
なお、通院・外出介助において、1人の訪問介護員等が車両に同乗して気分の確認など移送中の介護も含めた介護行為を行う場合には、当該車両を運転するもう1人の訪問介護員等は別に「通院等のための乗車又は降車の介助」を算定することはできない。


以上の通り定められているので、今一度確認願いたい。

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アセスメントは本当に行われているのか?

居宅サービス計画や、施設サービス計画を立案・作成している介護支援専門員であれば、利用者アセスメントを行っていないことはあり得ないことになっている。

当然、法令基準に沿ってアセスメントを行っているという介護支援専門員がほとんどだろう。

しかしアセスメントツールを使って、生活課題を抽出しているからといって、それが本当の意味のアセスメントになっているのか、僕は少々疑問を持って斜めに見てしまうことがある。

特に当施設併設の通所介護事業所に送られてくる居宅サービス計画の中には、なんでこんな計画内容になるのだろうかという疑問符がつく計画があり、アセスメントができていないのではないかと疑ってしまうものがある。

まず利用するサービスありきで、それにつなげるためのアリバイ作りにアセスメントツールを使っていると思われる計画内容が実に多い。本来それでは困るわけである。

今現在で言えば、多くの場合ケアマネジャーが行っているアセスメントとは、コンピューターソフトの操作でしかないという現状はないだろうか?

そこでは必要な情報をソフトに入力すれば生活課題が出てくるが、それはアセスメントツールを利用しながら生活課題を引き出しているということではなく、機械で自動的に出力された課題を鵜呑みにしている状態に過ぎない。それは本来の意味でのアセスメントとは言えない。

利用者の生活課題にもっと敏感にならないと、本当の意味で求められる暮らしの支援ができないのではないだろうか。そうあればアセスメントツールが生活課題を引き出すロジックをよく知り、どのような状態の、何が生活課題につながっているかということを意識しなければならないと思う。

この部分について言えば、アセスメントツールに対応したコンピューターソフトが存在しない時代から、MDSなどのツールを使っていた人は、紙ベースの作業で指定項目をすべて埋めた後に、定規などを使って手作業でアセスメント情報がどの生活課題につながっていくかを引き出していた経験を持っているはずである。そういう人は手作業の過程で、どの情報が生活課題のどの部分につながっているかをある程度理解できているはずだ。だから生活課題に繋がっているアセスメント情報の根本部分にアプローチする視点が自然にできていて、そこに対応できる社会資源をつなげることが行われている場合が多い。それらの人々が、優れた介護支援専門員と呼ばれていると思われる。

一方では、その生活課題がどうして引き出されたのかを、全く理解していないため、それを説明できない介護支援専門員が存在する。しかし生活課題が引き出されたロジックがわからない状態で、どうしてその課題を解決する社会資源の選択ができるのだろうか?大いに疑問である。

だからといって今から時間を過去に戻して、手作業でアセスメントを行いながら、そのロジックを理解するなんてことは、現実には不可能だろう。そうであれば、自分がコンピューターに入力した情報によって引き出された課題が、どのような過程で引き出されたのかを振り返り、それを解決することで本当に利用者の暮らしがよくなるかという別の思考回路を持つことが求められてくるのではないだろうか。

その時に役に立つ考え方の一つとして、「アローチャート」という思考の整理術があるのではないだろうか。

僕はこの考え方に、なかなか触れる機会がなく、勉強不足のまま何も知らずに来たのであるが、今年3月に、自著の出版記念シンポジウムを東京で行った際、オフ会に駆けつけてくれた横浜のケアマネジャーM氏と、その話題になり、「僕、その考え方がさっぱりわからないんだよね」といったところ、彼から「アローチャートでケアマネジメント〜相談援助者のための頭の整理術」(著者:吉島 豊録、環境新聞社)が送られてきた。

アローチャートこれを読んでなるほどと思ったことがある。

アローチャートという思考法は、アセスメントの中身を整理して、情報と課題がどうつながっているかを理解する方法であり、どうしてそのような課題となるのかを説明をできる手法であると思った。

非常に大雑把に説明するとすれば、アローチャートという図を描く意味は、客観的事実と主観的事実にわけて問題点等を整理し、その因果関係や相容れない関係をたどっていけば背景要因が明らかになり、それを阻害するものへのアプローチや、利用者の希望する状態にもっていくための資源というものが明らかになるというものだろう。この図を日常的に描けるようになれば、アセスメント情報と生活課題がどうつながっているかということが理解できるようになって、第3者への説明も可能になると思える。当然ここでは生活課題につながる背景要因が最も重要になってくるわけである。それを明らかにして背景要因をなくする、あるいは改善することでしか課題は解決しないからである。

悪書の典型である「四訂 居宅サービス計画書作成の手引き」(長寿社会開発センター)を読んで計画作成を勉強してしまうと、生活課題につながる背景要因が全く見えなくなるという弊害があるが、アローチャートは、この部分を論理的に明らかにして、課題に対応して結びつけるべき社会資源とは何かを考える上で、有効となる思考法であると理解した。

大事なことは、ケアプラン作成ソフトの使い方を知っている人が介護支援専門員ではないということだ。介護支援専門員がアセスメントと引き出された生活課題がどのようにつながっているのかを説明できない限り、その解決のために立てた目標や結びつけた社会資源等が有効なものであるのかという評価はできないといえ、どのような方法でも良いから、そのことを説明できる知識を得るべきである。

その一つの方法がアローチャートを使った思考法であるといえよう。

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参考にしてはいけない「四訂・居宅サービス計画書作成の手引」

介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する調査研究・ケアプラン詳細分析結果には、ケアマネジメントが十分行われていない原因要素の一つに、居宅サービス計画書の記載内容の齟齬が指摘されており、その中には『「〜したい」という表現を用いることに捉われてしまったためか、利用者及び家族の意向をそのまま生活全般の解決すべき課題(ニーズ)に記載しているケアプランも多く見られた。 』とされている部分がある。

まったくその通りで、生活課題に背景要因を書かずに「〜したい」になってしまえば、本当の生活全般の解決すべき課題(ニーズ)が浮かび上がってこなくなり、それに対応するサービスに適切につなげることなんてできなくなってしまう。結果的に「〜したい」という表現に捉われてしまうことは、まず使うサービスありきで、それに合わせた目標や課題(ニーズ)をひねり出すという逆転現象を生み、ケアマネジメントが結果的に機能していない状態を生み出すのである。

しかしその原因を紐解くと、そもそもそのような「〜したい」表現に捉われてしまうように、国が介護支援専門員を教育しているという実態がある。

介護支援専門員実務研修や資格更新研修等で教科書として使っている「四訂・居宅サービス計画書作成の手引」(財団法人・長寿社会開発センター)の内容がひどすぎるのだ。

ここでは、『背景要因を書くと「〇〇のため〇〇できない」のように、ネガティブな表現になりやすいので、「〇〇したい」とできるだけ簡潔に書く方がよい。』(同書15頁)としており、さらにいくつか示されている居宅サービス計画例は『利用者及び家族の意向をそのまま生活全般の解決すべき課題(ニーズ)に記載しているケアプラン』である。しかも目標もそこに書かれてものに対応していない、意味不明のものが多い。悪書と言ってよいこの本が、介護支援専門員の資質を向上させない元凶となっているのである。

例えば同書51頁に例示されている居宅サービス計画・第2表を見てみると、生活全般の解決すべき課題(ニーズ)と、それを解決するための長・短期目標が次のとおり示されている。
・生活全般の解決すべき課題(ニーズ)→穏やかに老いていきたい(長女代弁)
長期目標→新しい土地(長女宅)での生活に慣れて毎日笑顔で暮らす
短期目標→病態に応じた治療や適切なケアを受ける 、身体と頭を鍛えて現在の状態を維持する 、1日1回以上、外出し機敏転換する


この生活課題に対応するモニタリングは可能なのだろうか?穏やかに老いていきたいという長女の希望を生活課題にしてしまったら、それが解決しているのかをどう評価するのだろう?穏やかの意味も、感じ方も百万通り以上ありまるはずだ。本来これは第1表の「利用者及び家族の介護に対する意向」に書くべき内容で、2表のこの部分に書くべき内容ではない。

居宅サービス計画は、利用者同意が必要であるが、その際の説明に使う書式とは、老企第22号で、「当該説明及び同意を要する居宅サービス計画原案とは、いわゆる居宅サービス計画書の第1 表から第3表まで、第7表及び第8表(「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」(平成11年11月12日老企第29号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)に示す標準様式を指す。)に相当するものすべてを指すものである。」とされており、いちいちアセスメント表を示して説明しなくとも、利用者が生活課題に対応した具体的サービスが、その目標とともに理解できる内容でなければならないはずなのだ。勿論、この法令によって、説明同意にアセスメント表を使って説明ができないとされるものではないが、そもそも標準様式の内容を埋めれば、そんな必要もないものを、「四訂・居宅サービス計画書作成の手引」に書かれている、馬鹿げた解釈によって、説明に必要な書類を増やしてどうする?利用者がわかりにくくなるだけである。

同書の記載事例に戻ろう。

本ケースは、長期目標を読むと、どうやら長女宅に越してきたケースであるということがわかるが、この課題と目標に対応した具体的サービスは、定期的な受診と通所介護となっており、援助内容の中に認知症と認知症ケアを理解すると書かれている部分がある。つまり本ケースの本当の「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」は、認知症の進行により、一人暮らしが難しくなり、長女宅に居所を移したという背景要因があって、今後予測される認知症の進行により混乱が生ずる可能性があって、それによって在宅生活が困難となる危険性があるというものだろう。

そうであるがゆえに、認知症の進行を防いだり、混乱に繋がらないような具体的支援策が必要になるというものではないのか・・・。

それであるにもかかわらず、「穏やかに老いていきたい(長女代弁)」という一言で、生活全般の解決すべき課題(ニーズ)が書かれて終わっている。この課題からは、よほどたくましい想像力を働かせない限り、認知症に対する適切な対応というサービスは浮かんでこないはずだ。フィクションプランの典型例である。

さらに同頁の2番目の課題と目標を見てみよう。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)→トイレのことを解決し、気分よく過ごしたい(長女代弁)
長期目標→トイレのことを気にせずに、生活する
短期目標→排泄の様子がわかり、汚れたときは更衣する 、ご本人の意向に沿った排泄ケアを検討する 、便秘をしない


課題が「トイレのことを解決し」では、トイレのなんのことなのか評価のしようがない。

トイレの環境なのか、利用者の排泄行為に関する問題なのか意味不明である。

もし失禁が問題であるなら、認知症=失禁するということにならない以上、なぜ失禁するのかという背景要因を検討して、それに適切に対応する具体策が必要であり、それが書かれていないのは極めて不適切である。

短期目標も「本人の意向に沿った排泄ケアを検討する」で終わって良いのだろうか?アセスメントとサービス担当者会議で検討して、必要な排泄ケアの抱負を具体的にして欲しいと思うのは僕だけだろうか?そもそも長期目標が、「トイレのことを気にせずに、生活する」って、トイレの何のことなのかさっぱりわからない。

ひどい内容だが、このようなプラン例をあら探しの結果見つけたのではなく、無作為にページを開いて、そこに載っているプラン例を読むと、すべてのプランにこうしたひどい内容が、そこかしこに書かれているのである。よってこういう悪書で学んではいけないのである。

この本を教科書として使っている研修講師の資質も、疑ったほうが良いだろう。
四訂・居宅サービス計画書作成より

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ケアプラン作成文例なんて百害あって一利なし




チャゲ&飛鳥のヒット曲SAY YESの中に、「言葉は、心を超えない。とても伝えたがるけど、心に勝てない。」というフレーズがある。なかなか的を射た歌詞である。確かに言葉で自分の思いを伝えることは難しいし、それには限界がある。

しかし言葉は文章にすることで、より真意や思いが伝えやすくなる。そこに心とか、思いをすべて込めることはできないかもしれないが、言葉を文字にし、文章にすることで、読み手はしばしば文章には直接表現されていない筆者の真意をくみとることができたりする。

このことを「行間を読む」というが、そのもうひとつの意味は、書き手は意識的に、文字面(もじづら)だけでは伝わらない思いを行間に込めて、文章として伝えることができるということである。

つまり行間に込めた思いが伝わる文章を書くことができるということも、書き手としてのスキルなのである。

ところで我が国の介護保険制度では、介護サービス等を提供する場合に、その中心的役割を介護支援専門員に担わせている。そしてその際に展開される主要な援助技術であるケアマネジメントにおいては、介護サービス計画書(ケアプラン)を作成して、利用者の同意を得て、それを交付した上で、実際のサービスが提供されることになっている。

それは単に提供されるサービスの内容を示し、かかる費用を示すだけにとどまらず、解決すべき生活課題が何かを示しながら、それを解決する手段として段階的な目標を明示した上で、必要なサービス等を示し、介護支援専門員をはじめ各種のサービス担当者が、どのようなチームケアを行おうとするのかを明らかにするものだ。そのために総合的な援助の方針を記載することによって、生活課題を解決した先に、どのような暮らしの質が保たれるのかということも明らかにされるものと考えられる。

介護サービス計画書が、説明同意を得て始めて原案が本プランとなるという意味は、文字と言葉で、それらのことをわかりやすく伝えるという意味がある。そして全てを記憶にとどめておくことができない人間であるがゆえに、ここで文章化された計画書の交付を受けることによって、利用者は提供されるサービスの内容や意味を、その文章を読むことによって後に、記憶にとどまっていない内容や意味を確認するわけである。計画書はそういう意味でも重要で、そこに書かれている文章も、きちんとそのことが確認できる内容になっていなければならないのである。

そうであれば、介護支援専門員とは、それらのことが文章で伝えられるようなスキルを持たねばならないということになる。そのことは、文章力が介護支援専門員の大事なスキルであるということを意味し、それを鍛え磨いていく責任が介護支援専門員に求められるということになる。

このことについて、僕は「求められる文章力を得る手段」の中で、良い書き手は良い読み手から生まれ、作家は全て読者から生まれるという原理から考えて、文章力を鍛えるためには、書く練習をするだけではなく、むしろ文章を毎日読む習慣をつけて、主語と述語の置き方、文章の区切り方、句読点の使い方等がどうなっているかを意識して読む人になるべきだろうと指摘している。

今もこの考え方は変わっていない。

ところが、このスキルを重視しない介護支援専門員が多いことも事実である。そして文章力を鍛えることに興味を持たず、その努力をしない介護支援専門員が頼るのが、「ケアプラン作成文例」なるものである。

一定の課題を持った要介護者等のケアプランに書くべき内容を、いくつかの文例として示しているサイトなり、指南本がある。それを参考にして、実際に担当する利用者のサービス計画の中に、その参考文例の一部のみを変えて、計画書を作っている介護支援専門員が存在する。

その結果、アセスメントは違っているのに、1表と2表の内容が、どの利用者の計画も似たりよったりの内容となっている例がある。さほどひどくはなくとも、ひとりひとりの計画書内容は確かに違っているのだが、とってつけたような文章で、その利用者に求められる目標に対応していなかったり、生活課題を解決した先に、どのような暮らしの質が保たれるのかが見えない計画書も多い。

介護支援専門員が、文例に頼ってはダメなのだ。そんなものに頼ってしまえば、利用者が本当に求めているものを見つけることのできる視点を曇らせてしまう。介護支援専門員にとって最も重要なスキルとは、利用者の様々な状況変化に応じた、その時々の思いに気づくことができるスキルである。そのためには介護支援専門員に想像力が求められるわけであるが、文例に頼って、自分でその利用者にあった内容を、自分の文章で伝えようとしない人は、この想像力を鍛えられないのである。

そもそも自分の力で文章を書くということは、自分の言葉を持つことなのだ。文例に頼る人は、自分の言葉を持てなくなる。

マザーテレサがよく使っていた言葉に
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか人格になるから。
人格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

という名言がある。言葉はあなたの人格なのである。そんなものを文例に頼ってどうする。文例に頼る人も、文例を作って教える人も、自分の言葉を持つことの意味をもう少し重大に考えて欲しいと思う。

そういう意味でケアプラン作成文例など百害あって一利なしである。少なくとも利用者の個別ニーズに真剣に寄り添って、その人に真に必要なサービスをみつけようとするなら、そんなものに頼らず、自分の表現で、利用者に伝えるスキルを身につけないとならない。

介護支援専門員は、介護サービス計画作成においても、自分の方法で文章を書くことが大事だ。なぜならオリジナリティこそが、個別のニーズに対応できる支援方法を探り当てるスキルだからである。

個別化の原則とは、文例に頼らず、自分自身の文章で、自分が関わる利用者の計画書を作る姿勢にも通じるということも意識して欲しい。


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ショートステイの連続利用ルールについて


ショートステイは、区分支給限度額の範囲であっても連続利用等の給付制限ルールがある。

このことを知らないケアマネジャーはいないと思うが、制限に関する法令根拠を知らないケアマネがいるし、制限ルールをきちんと理解しておらず、間違った解釈をしているケアマネが存在する。法令に沿った理解をしていないために、行政担当者が間違った指導をしていることに反論できず、誤った制限ルールを受け入れてしまっている事例も見受けられる。それでは困るのである。

例えば、「認定の有効期間のおおむね半数を超えた短期入所は保険給付対象にならない。」と考えているとしたら、それは間違った考え方である。

そのルールは、介護支援専門員が居宅サービス計画を立案するに際して「特に必要と認められる場合を除き、短期入所生活介護及び短期入所療養介護を利用する日数が要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えないようにしなければならない。」だけなのである。そうであれば法令上、セルフプランの場合に、この期間制限は存在しておらず、区分支給限度額の範囲であれば、有効期間のおおむね半数を大幅に超えるショート利用も可能という解釈にしかならない。

セルフプランは、市町村が管理するのだから、その時にせいぜい介護支援専門員が作成する場合の制限ルールの意味を示して、セルフプラン作成者にも、それに沿うようにお願いするか、ローカルルールとして指導する以外ない。

このことは「ショート認定期間の概ね半数超えは保険給付対象外なのか?」で解説しているので参照して欲しい。

この時、介護支援専門員が居宅サービス計画にショートステイを位置づける場合に「要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えないようにしなければならない」のは、短期入所生活介護及び短期入所療養介護であるのだから、両者の計画延日数を合わせた日数が制限対象となる。

つまり認定期間の概ね半分については「生活」「療養」の通算日数という意味になる。

ところでショートの連続利用は30日までであり、例えば31日目を全額自己負担すれば、支給限度額が残っている場合、そこで連続利用カウントが一度リセットされて32日目からは連続利用の初日の扱いで支給限度額が切れるまで保険給付が可能である。

この連続利用がリセットされるのは31日目を自己負担するか、実際のサービス利用を行わない日を1日入れるか(例えば1/13に1度退所し14日はサービス利用せず1/15再利用というようなサービスを使わない空白の1日ができる場合)のどちらかしかリセットされない。つまりたまたま連続利用の29日目に支給限度額を超えて29日目を全額自己負担したとしても連続利用カウントはリセットされないため、この場合は再び利用の31日目に全額自己負担の日を入れなければならない。
※平成13年8月29日の事務連絡において「途中で施設を替わった場合(退所日の翌日入所した場合)でも30日を越えることは出来ません。なお施設間を同日に移動する場合は当該移動日において2日分の短期入所サービスを利用したこととなります。また、連続利用とみなされないのは、実質1日以上短期入所サービスを利用しない場合であり、継続入所している場合については30日には全額自己負担利用日数も含みます。」
「ただし、31日めについて全額自己負担した場合は連続利用のカウントはリセットされます。(平成14年1月よりの取扱、平成13年12月までは全額自己負担した場合は連続利用日数には含みません)」とリセットルールが定められている。


このとき、連続30日については「生活」と「療養」で別々にカウントすることになる。

なぜなら連続30日を超えた利用が保険給付の対象とならない法的根拠とは、厚生省告示第19号、「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」の規定であり、それは同通知で以下のように定められている。

短期入所生活介護
利用者が連続して30日を超えて指定短期入所生活介護を受けている場合においては、30日を超える日以降に受けた指定短期入所生活介護については、短期入所生活介護費は、算定しない。

短期入所療養介護
利用者が連続して30日を超えて指定短期入所療養介護を受けている場合においては、30日を超える日以降に受けた指定短期入所療養介護については、介護老人保健施設における短期入所療養介護費は、算定しない。

↑つまり利用者が連続して30日を超えて指定短期入所生活介護を受けている場合において、30日を超える日以降算定できないサービスとは、「指定短期入所生活介護」だけであり、「指定短期入所療養介護」はこの制限対象になっていないのである。

同じように、利用者が連続して30日を超えて指定短期入所療養介護を受けている場合において、30日を超える日以降算定できないサービスとは、「指定短期入所療養介護」だけであり、「指定短期入所生活介護」はこの制限対象になっていないのである。

この法的ルールを知らないために、行政担当者が特養⇒老健のショートステイ(またはその逆)の場合の連続利用カウントはリセットされないと、間違った指導をしても、それに反論できず、間違った指導に従ってしまうケースが見られるので、注意が必要だ。行政担当者が常に正しいとは限らないことを忘れてはならない。

なお短期入生活介護を退所した当日に、短期入所療養介護を利用する場合は、連続利用カウントはリセットされるが、認定期間の概ね半分についての日数計算では、入退所日の利用は1日で2日となる。

例えば、5/19に特養のショートから老健のショートに移ったとすると、介護給付費はどちらも1日分算定されるため、認定期間の半分の通算日数については、この19日1日分で2日分がカウントされ、連続利用については生活介護がこの日で終了となりリセットされる。療養介護がこの日が開始で連続利用カウント上は「短期入所療養介護」の初日という扱いになる。

理解している人にとっては当たり前のルールであろうが、理解の足りない人、ルールはわかっているが法的根拠まで理解していなかった人などは、あらためてこのことを確認していただきたい。

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介護・福祉情報掲示板(表板)

ケアプランの違いを知ろう


ある方から「某サイトコミュニティの掲示板で、次のようなやりとりが行われていますが、この考え方で良いでしょうか?という質問メールを頂いた。本来ならそのようなメールでの質問には答えないが、あまりにも解釈が違っていると思うので、僕の考え方を示しておく。

質問者から送ってもらったやりとりは、以下のような内容だ。回答者は2名とも居宅担当のケアマネジャーだそうである。(どこの、どういうサイトなのかは知らない。)

Q. デイサービスの行事への参加ですが、利用されている曜日は、かならずしも、その行事がある日の利用ではない場合、利用の追加や振替えが必要になってくると思いますが、そのような場合を想定して、居宅サービス計画書には、なんらかの記載をしておく必要がありますか?また、追加や振替えの際に帳票への記載も、どの帳票へどんな記載が必要ですか?

(回答1)「軽微な変更に当たると思います。特にケアプラン触らなくていいと思います。」
(回答2)「私も利用日時が基本的に変わらないなら現状でいいと思います。解釈として、軽微な変更に該当すると思います。(毎週、行事がある訳ではないですよね?)」


↑この回答で良いのか疑問というメールである。結論から言えば、この回答はデタラメと言って良い間違った回答であると言わざるを得ない。

それにしてもひどいなあ。こうした回答しかできないケアマネジャーが存在するから、ケアマネ不要論が無くならないのだと思った。いったい何を勉強しているんだろうか?

まず気付かねばならないことは、居宅サービス計画の「軽微の変更」はケアプランを触らなくて良いということではない、ということだ。

解釈通知、老企29号(居宅サービス計画書記載要領)では

 本様式は、当初の介護サービス計画原案を作成する際に記載し、その後、介護サービス計画の一部を変更する都度、別葉を使用して記載するものとする。但し、サービス内容への具体的な影響がほとんど認められないような軽微な変更については、当該変更記録の箇所の冒頭に変更時点を明記しつつ、同一用紙に継続して記載することができるものとする。

このように規定されており、さらに解釈通知・老企第22号 居宅サービス計画の変更(第15号)では

介護支援専門員は、居宅サービス計画を変更する際には、原則として、基準第13条第3号から第11号までに規定された居宅サービス計画作成に当たっての一連の業務を行うことが必要である。
なお、利用者の希望による軽微な変更(サービス提供日時の変更等)を行う場合には、この必要はないものとする。ただし、この場合においても、介護支援専門員が、利用者の解決すべき課題の変化に留意することが重要であることは、同条第12号(居宅サービス計画の実施状況等の把握及び評価等)に規定したとおりであるので念のため申し添える。


としているだけだ。つまり軽微の変更の場合は、ケアプランを新しい用紙として再作成する必要はなく、サービス担当者会議等の一連の手順も踏む必要はないが、軽微変更前からの居宅サービス計画書に「当該変更記録の箇所の冒頭に変更時点を明記」する必要はあるのだ。つまり軽微の変更の場合には、決して「現状でいい」「ケアプラン触らなくていい」ということではないということだ。

この点が間違っているということ。

しかしこの質問の答えには、それよりももっと重大な間違いがある。それは居宅サービス計画の軽微変更が必要であるという解釈自体が違っているということだ。

仮に通所介護事業所で行う行事によって、居宅サービス計画書の軽微な変更をしなければならないのであれば、行事内容が変わったり、行事をしたりしなかったりするたびに、そのことを当該変更記録の箇所の冒頭に変更時点を明記しつつ、同一用紙に継続して記載しなければならなくなるぞ。そんなことはありえないって。

しかし法令上、そんなルールにはなっていないので安心して欲しい。

居宅サービス計画に記載すべき内容とは、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十八号)に定められているが、それは

第十三条八(前半略)利用者及びその家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針、生活全般の解決すべき課題、提供されるサービスの目標及びその達成時期、サービスの種類、内容及び利用料並びにサービスを提供する上での留意事項等を記載した居宅サービス計画の原案を作成しなければならない。

↑このようにされており、さらに解釈通知・老企第29号では、このうち「サービス内容」については

「短期目標」の達成に必要であって最適なサービスの内容とその方針を明らかにし、適切・簡潔に記載する。
この際、できるだけ家族による援助も明記し、また、当該居宅サービス計画作成時において既に行われているサービスについても、そのサービスがニーズに反せず、利用者及びその家族に定着している場合には、これも記載する。


↑このように規定されている。

一方、通所介護計画については、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十七号)において

第九十九条  指定通所介護事業所の管理者は、利用者の心身の状況、希望及びその置かれている環境を踏まえて、機能訓練等の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した通所介護計画を作成しなければならない。

↑このようにされている。

居宅サービス計画に書くべきは「サービス内容」であるのに対し、通所介護計画では「具体的なサービスの内容」としているのである。

そうであれば前者の「サービス内容」とは、老企29号規定を解釈しても明らかなように、通所介護を利用することで、達成すべき短期目標を達成するためのサービスの内容なのだから、それは例えば、身体機能を維持するという目標を達成するための「機能訓練」がサービス内容であったり、心身を活性化する「アクティビティ活動」がサービス内容であったり、精神機能の低下を防ぐための「他者との交流」がサービス内容で良いわけであり、機能訓練やアクティビティや他者交流のために具体的にどのような活動や行為をするかまで、その内容が及ぶわけではない。

機能訓練やアクティビティや他者交流のために具体的にどのような活動や行為をするかという内容は、まさに「具体的なサービスの内容」なので、これは居宅サービス計画書に記載されるものではなく、通所介護計画書に記載されるべき内容なのである。

よって「デイサービスの行事」というのは、機能訓練のためやアクティビティ効果を求める目的であったり、他者との交流機会を持つために行う通所介護メニューであり、利用者が通所介護に通う日に、行事が実施されたり、されなかったりすることがあっても、行事内容が変更されたり、されなかったりしようが、それは居宅サービス計画の再作成に繋がるような問題ではなく、通所介護計画の具体的サービス内容によって、サービスメニューが違ってくるというだけである。

例えば、外出行事が行われる場合、それが保険給付される条件は、解釈通知老企25号の「運営に関する基準」で示されている条件が唯一の法令規定であり、それは

指定通所介護は、事業所内でサービスを提供することが原則であるが、次に掲げる条件を満たす場合においては、事業所の屋外でサービスを提供することができるものであること。
イ・あらかじめ通所介護計画に位置付けられていること
ロ・効果的な機能訓練等のサービスが提供できること


↑こうなっており、これを位置づける計画とは、居宅サービス計画ではなく、通所介護計画であるとはっきり書かれている。

よって、通所介護を利用する目的が、身体機能維持のためとされている居宅サービス計画が作られておれば、それ以上の内容を書く必要はない。

そして機能維持の具体的な内容として、時には施設内で個別もしくは集団的な機能維持メニューを提供することがあるだろうし、外出行事の中で機能活用に取り組むこともあるだろう。そのことは通所介護の「具体的なサービス内容」なのだから、それは「通所介護計画書」に落とし込めば良いだけの話である。

この際も、外出行事のたびに居宅サービス計画にそのことを載せてもらったり、計画を変更しなければならないものではないし、外出支援を機能訓練計画として位置づけておれば居宅サービス計画の内容に沿った計画となり得るのである。

もういい加減に居宅サービス計画書に書くべきサービス内容と、通所介護計画に書くべき具体的なサービス内容の違いくらい常識としてわかるというレベルにならないと、ケアマネ不要論はなくならないのである。

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介護・福祉情報掲示板(表板)

新たな地域ケア会議が生み出すもの


次の介護保険制度改正は、2017年度からの施行を目指している。

ケアマネジャーのあり方、ケアマネジメントに関連しては、それまでに地域ケア会議を法制化して、そこでケアプラン評価が行われる方向で作業が進められている。

具体的には、「地域ケア会議」の目的の順序を入れ替え、これまで2番目に位置付けられていた「地域の介護支援専門員の、法の理念に基づいた高齢者の自立支援に資するケアマネジメントの支援」を1番目とし、個別ケースの検討を第一の目的とすることを明確化した。

個別課題の解決については、「多職種が協働して個別ケースの支援内容を検討することによって、高齢者の課題解決を支援するとともに、介護支援専門員の自立支援に資するケアマネジメントの実践力を高める機能」としている。

「地域ケア会議の構成員」については、「介護支援専門員」「住民組織」を追記するとともに、「医療関係者」を「保健医療関係者」として幅広く規定し直し、さらに「必要に応じて出席者を調整する」としている。また、地域の実情に応じて、「個別課題の解決」「地域包括支援ネットワークの構築」「地域課題の発見」については実務者による開催、「地域づくり・資源開発」「政策の形成」についてはネットワークを支える職種・機関の代表者レベルによる開催が考えられるとしている。

会議の「留意点」としては、「個人で解決できない課題等を多職種で解決し、そのノウハウの蓄積や課題の共有によって、地域づくり・資源開発、政策形成等につなげ、さらにそれらの取組が個人の支援を充実させていくという一連のつながりで実施する」と指摘。「特に個別ケースの支援内容の検討は極めて重要」としてセンター(又は市町村)が主体となり取り組むことを求めている。

ここでいうセンター(又は市町村)とは、地域包括支援センター(又は市町村)という意味であり、地域ケア会議は地域包括支援センターが主体となって取り組むことが明示されているというわけである。

これはとりもなおさず、行政のケアプラン管理である。

そこで質の高いケアプランが評価され、不適切なケアプランをあぶり出し、ケアマネジメントの適正化が図ることができるなんていうことはありえない。なぜならケアマネジメントの根幹には、アセスメントが存在するのに、実際にアセスメントを行って、利用者の個別ニーズを見つめているケアマネジャーに対して、アセスメントを行っていない第3者が指導できる根拠は曖昧ならざるを得ず、それは担当職員の価値観や思い込みからの指導にならざるを得ないからだ。

そこでは単なる給付抑制しかされないだろう。訪問介護の生活援助も、単純に必要ないとターゲットにされる可能性が高い。

しかしケアマネジメントの援助技術の展開の目的が、生活の全体性や継続性、個別性に目を向ける生活支援であるとしたら、そこには身体機能レベルだけでは解決できない様々な問題に対する援助の方法があって当然である。そうであれば必ずしも軽介護者に身体介護以外の生活支援が必要ではないという考えにはならない。家事援助(生活援助)も立派な生活支援になり得るというのは、すでに終わっている議論ではないのか?

加齢という自然摂理を起因とした衰えによって生ずる足腰の衰え、視覚や聴覚、味覚の減退は、ADLより先に、IADLの障害になって現れてくるのだから、軽介護者に必要な家事支援を適切に結びつけることも、生活維持には重要な視点である。それを理解できる頭脳の持ち主が、地域包括支援センターの職員や、地域ケア会議のメンバーの中に何人いるだろう?

制度改正の方向は給付の重点化・効率化とされている。つまり財源がないから、不必要なサービスは保険給付から削って、その分を必要なサービスに回すという組み換え策が中心である。要支援者を給付対象から除外するという方針が示されているのも、その方策の一つである。しかし今の制度議論の論者に、本当に必要なサービスを理解している人がいったい何人存在しているのだろうか。

相変わらず在宅介護は医学的リハビリ中心で、しかもサービスの主要部分だけ保険給付し、周辺部分を出来るだけ自己負担化しようとしている人間の声が前面に出されて新制度が議論されている。地域包括ケアシステムも生活支援を地域で切れ目なく行うより先に、包括化された報酬内ですべてのサービスを完結しようとする論理が先に来ているだけではないか。

そもそも制度改正というが、過去の改正はちっとも制度を良くしていない。結果として失敗ばかりしている識者と呼ばれる連中が、ほとんどその顔ぶれを変えることなく、繰り返し制度改悪している。そうした評価もしないで同じような顔ぶれで制度改正議論を行う現状はどうかしている。失敗者の首をすげ替えるべきである。

そう考えると、地域ケア会議の見直しも失敗の歴史を繰り返すような気がしてならない。いや、地域ケア会議の変更によって何が起こるかということは既に明らかだ。

本来ケアマネジメントは、利用者の立場から生活課題を把握し、利用者の生活を支援するために展開されるべきものであるのに、今後は保険給付の限定化とともに、地域ケア会議によってケアプランを行政管理して、ケアマネジメントを財源抑制の手段として使うという『マネイジドケア』として展開させようという意図が明白である。

このことはもともとケアマネジメントの諸刃の剣として負の指摘を受けている点であり、本来それは「禁じ手」である。その禁じ手が、大手を振ってまかり通りかねないのが、地域ケア会議の見直し案の中に散りばめられていることに、現役のケアマネジャー諸氏は気がついているのだろうか。

でもその時に、それは違うと自分のケアプランの適切性を説明できる理論武装したケアマネが何人いるのだろうか?きちんと勉強しないと大変なことになることをわかっているのだろうか!!

少なくとも利用者や地域に対して、ケアマネジメントとは何ぞや、という意味を、自らの実践で語れる介護支援専門員でなければ、地域ケア会議の中で、まるで被告のように糾弾され続けるだけの存在に自らを貶めることになるであろう。

どちらにしても、自分の仕事の根拠を語ることができないケアマネジャーは、今後は実地指導を恐れると同じように、地域ケア会議を恐れ、そこで指導されることに汲々とする姿が目に浮かんでくるのである。

アセスメントに基づいたケアプランをきちんと理論づけて語ることができるケアマネジャーであれば、そのような惨めな姿にはならないだろうと思うのだが・・・。

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介護・福祉情報掲示板(表板)

変えなければならない法令ルール




法令遵守は大切であるが、すべての法令が正しくて、それを守ることが人の幸福につながると考えるのは間違いである。

法令とは言っても、それは所詮、人が考えた文章に過ぎないという一面もあるのだ。そうであるがゆえに、中には人の暮らしを窮屈にしたり、現実にそぐわなくなった法令もあることも事実だ。これを変えようとする行動を起こすことはあっても良い。しかしそれも合法的な手段で、ソーシャルアクションとして正論を行動化するという考え方が必要だろう。

介護保険の法令も同じで、ここで示されている法令がすべて正しく、制度を円滑に運用させ、人々の暮らしを良くするというわけではない。

ケアマネジメントの方法も、法令で定められているが、このルールに沿ってさえいれば、適切なケアマネジメントが出来るなんていう考え方はおかしい。法令に沿ったケアマネジメントルールをレクチャーする講師がいることは大事だが、法令の中に潜む瑕疵(かし)や齟齬(そご)に触れないのは片落ちであると思う。

現在のケアマネジメント作成ルールの中で、僕が一番変えなければならないと思っているのは、定期的な認定更新と状態区分変更時の、ケアプラン再作成におけるサービス担当者会議の開催ルールである。

このルールについては、居宅サービス計画については、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十八号)の第13条に次のように定められている。

十四  介護支援専門員は、次に掲げる場合においては、サービス担当者会議の開催により、居宅サービス計画の変更の必要性について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。ただし、やむを得ない理由がある場合については、担当者に対する照会等により意見を求めることができるものとする。
イ 要介護認定を受けている利用者が法第二十八条第二項 に規定する要介護更新認定を受けた場合
ロ 要介護認定を受けている利用者が法第二十九条第一項 に規定する要介護状態区分の変更の認定を受けた場合


施設サービス計画については、特養の場合で言えば、指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十九号)の12条に定められている。

11  計画担当介護支援専門員は、次に掲げる場合においては、サービス担当者会議の開催、担当者に対する照会等により、施設サービス計画の変更の必要性について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。
一  入所者が法第二十八条第二項 に規定する要介護更新認定を受けた場合
二  入所者が法第二十九条第一項 に規定する要介護状態区分の変更の認定を受けた場合


このようにサービス担当者会議と照会ルールは、居宅サービス計画作成の場合と、施設サービス計画作成の場合では大きく異なっており、居宅サービス計画作成の際のサービス担当者会議に参加できないメンバーへの照会は、「やむを得ない理由がある場合」のみ可能とされ、基本原則はサービス担当者会議に参加して話し合うこととしているが、施設サービス計画作成の場合のサービス担当者会議と照会は、両者が同列に規定されており、特段の理由がなくとも、サービス担当者会議を開催しないで、照会だけで計画作成を行うことを認めている。

この意味や理由については、「居宅と施設で微妙に異なるケアマネジメントルール」で解説しているので、そちらを参照してほしい。

それは良いとして、ここではどちらの場合も「法第二十八条第二項」に規定する要介護更新認定を受けた場合と「法第二十九条第一項」に規定する要介護状態区分の変更の認定を受けた場合は、サービス担当者会議(施設サービス計画の場合は、サービス担当者会議もしくは担当者への照会)を行わなければならないとしている。

これはルールとしては大きな瑕疵であると思う。

まずここで問題とされるのは、「変更の認定を受けた場合」の解釈であるが、これが「実際に認定審査会で2次判定結果が出された日」なのか、「新たな認定期間の初日」なのかが問題となるが、ここも統一されておらず、市町村で解釈が違っている現状も問題であろう。

特にこの解釈を「新たな認定期間の初日」とした場合は、その日までサービス担当者会議が開催できないということになるか、あるいはそれ以前に担当者会議を開催して新しいサービス計画書を作っていても、この規定に基づいて、新たな期間の最初の日以降に再度サービス担当者会議を行わねばならないということになってしまう。

そこで、「変更の認定を受けた場合」とは、「実際に認定審査会で2次判定結果が出された日」と解釈する自治体が多いのであるが、ところがこれでも解決しない問題がある。

例えば、更新期間のずっと以前に更新申請しているが、認定審査会が何らかの理由で遅れて、現在の認定有効期間内に認定結果が出ない場合の問題である。

この場合でもサービス担当者会銀規定は、『「法第二十八条第二項」に規定する要介護更新認定を受けた場合と「法第二十九条第一項」に規定する要介護状態区分の変更の認定を受けた場合』とされているのだから、現在の有効期間内に新しいサービス計画書作成のための担当者会議を行っても、認定結果が出されるか、あるいは新たな認定有効期間の初日以降にあらためて担当者会議を行わねばならないという規定になっているということだ。

こうした問題に対応するために当施設では、更新申請は有効期間満了日の60日前から可能とされていることから、できるだけ60日前に行い、現在の認定有効期間内に認定結果が出るようにし、その結果に基づいて担当者会議もしくは照会によって、新しい期間の施設サービス計画を、それまでの施設サービス計画の有効期間内に作成するようにしている。それでも期間内に認定結果が出ない場合は、理由を確かめ、上記の法令から生じてくる問題を説明し、強く抗議することになる。

介護認定の基本原則は、申請から30日以内にしなければならないとしているものの、特別な理由がある場合は延期することも可能としており(介護保険法第27条第11項)、介護認定者数が多い都市部では、認定有効期間を過ぎてから認定審査結果が出される例が多い。

サービス計画書は「認定更新時に、計画書も更新する」というルールが存在し、そうであるにもかかわらず、サービス担当者会議は、「認定を受けた場合」とされていることには大きな矛盾が存在すると言えるであろう。

具体的に例示すれば、認定有効期間が平成24年5月1日〜平成25年4月30日の場合、25年3月10日に更新申請書を提出したのにもかかわらず、医師意見者が遅れたために、実際の認定が25年5月10日になってしまった場合である。

この場合も、5月1日〜5月9日までの計画がないと困るので、5月1日以前に暫定プランを立てたとする。この時にいくらサービス担当者会議を行っていても、法令上の「変更の認定を受けた場合」は5月1日(新たな認定期間の初日と解釈した場合)もしくは5月10日(実際に認定審査会で2次判定結果が出された日と解釈した場合)ということになってしまい、それ以降にサービス担当者会議を行わねば法令違反となってしまう。

このことは24年4月の老企22号改正通知の「なお、利用者の課題分析(第六号)から居宅サービス計画の利用者への交付(第十一号)に掲げる一連の業務については、基準第一条に掲げる基本方針を達成するために必要となる業務を列記したものであり、基本的にはこのプロセスに応じて進めるべきものであるが、緊急的なサービス利用等やむを得ない場合や、効果的・効率的に行うことを前提とするものであれば、業務の順序について拘束するものではない。ただし、その場合にあっても、それぞれ位置付けられた個々の業務は、事後的に可及的速やかに実施し、その結果に基づいて必要に応じて居宅サービス計画を見直すなど、適切に対応しなければならない。」を提供しても問題解決にならない。

なぜならこの規定は、業務の順序をあべこべにしてもやむを得ないというだけで、期間の定めを無視して良いことにはなっていないからである。

おそらくこのルールは、あらたな認定結果を、現行の要介護認定期間内に出すことができないというケースを想定しないで定めたルールと思え、実態にそぐわないルールとなってしまっている。

サービス担当者会議の開催要件の「認定を受けた場合」を、実際の認定審査日もしく新有効期間の初日以前でも良いと解釈できるような、新しい解釈通知を出すなど、実情に合わせた早急なる改正を求めたい。



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デマンドよりニーズを引き出せと言われるが・・・。


大辞泉ではデマンドとニーズの意味を次のように解説している

デマンド【demand】需要。要求。請求。
ニーズ【needs】必要。要求。需要。


介護支援専門員が計画作成の際に「デマンドよりニーズを引き出せ」とか、「デマンドをプランに結びつけるのではなく、ニーズに対して適切なサービスを提供する必要がある」と言われることがあるが、この場合デマンドとニーズの意味は、全く違う意味として使われていることになる。

ここではデマンドという言葉は、ウォンツ(欲求)に近い意味で使われており、自己の欲求を満足させるための要求や請求という意味になるだろう。そしてそれを満たしたとしても、必ずしも暮らしの質は向上しないという意味を含んでいる。

このようにデマンドが、利用者の欲求を満たすだけの要求や請求であるとしたら、ニーズとは単なる欲求を満たすための要求ではないという意味になる。

心理学の用語としてニーズという言葉が使われる場合の意味は、「個人の行動を動機づけたり、ある対象に対する選択的な方向づけの誘引となるような内面的メカニズムであり、欲求または要求という」(日本大百科全書より)とされている。

介護サービスの場で使われるニーズという言葉の意味は、この心理学用語に近い意味で、対象者の内面も含めた問題として、その人の日常をよりよくするために、真に必要とされるものという意味で使われていると解釈できる。

そういう意味であれば、ケアプランに記される具体的サービスは、単にデマンドに対応するのではなく、きちんとニーズを引き出して、それに対応するものであるという考え方は正しいと言える。

しかしここで問題となるのは、デマンドとニーズの違いをどのように見分けるかということである。そして見分けが付いた場合であっても、欲求に基づいた要求をしている利用者に対し、それはニーズではないということをどのように説明して納得してもらうかという問題である。

アセスメントツールで自動的にニーズが引き出せるということはない。ここが難しいところだ。ニーズとは機械的作業で引き出すことはできないのだ。アセスメントツールを利用して引き出した生活課題に対して、何がニーズなのかという検証作業が欠かせないのがケアマネジメントの難しいところである。

時として適切なニーズ把握のバリアになるものが、介護支援専門員の思い込みや、その価値観であったりする。デマンドだと思い込んでいたものが、実は利用者自身から表出・顕在化されているニーズだったりする。

ここをきちんと検証・評価しないとケアマネジメントは機能しないということになる。

そのために介護支援専門員は次のことを自覚している必要がある。それはニーズに対応せよという意味が、「希望や要求が必要性とは違う」という意味に留まらないということである。介護支援専門員がデマンドと思い込んでいる利用者の要望の中にもニーズが含まれているかもしれないことに注意を払うべきである。

時として、デマンドもニーズの一部分と考える視点が必要となるのが生活支援であり、デマンドとは利用者が望む暮らしを探る羅針盤かもしれないという考え方が一方では必要とされるのだ。その上で、できることと、できないことを理解できるような支援関係を築くことが重要なのである。

ここをきちんと見極めた上で、利用者が自覚していないニーズ、自覚していても何らかの理由で顕在化(表出)されていないニーズといった、「隠されたニーズ」の発見が重要になってくる。それを発見するために高い専門性が求められているのである。

この際、ニーズを潜在化させないためには、相談をする利用者側の「心の重み・ハードル」を理解することが大切である。つまり誰しも他者に知られたくない・言いたくなということもあるということを理解する必要があるということだ。自分の困り事を、つつみ隠さず、事実をありのままに他人に告げるということはそれほど簡単なことではないのである。恥ずかしくて言えないという気持ちは、ケアプランを担当する介護支援専門員に対しても抱いてしまう感情であることを理解しなければならない。

そのために介護支援専門員は、相手がどんな気持ちで相談するに至ったかを思いやる気持ちを常に持っていなければならない。

そのうえで、「困っていることと、望んでいること」を区別し、さらに困っていることや望んでいることについては、それが人に対してか、それ以外かというふうに整理・検証していくことが大事である。

その際、利用者本人がニーズを認識できないのはなぜかと考える必要がある。時にそれは抑圧・孤立であったりする。あるいは複雑で複合的な課題が重なりニーズが認識(特定)できないという理由であったりする。場合によっては、介護支援専門員の関わり方で潜在化するニーズもある。

つまり「主訴は何か」「ニーズは何か」「必要なサービスは何か」を考えることは大事だが、その前に利用者が援助者を受け入れることができる信頼を築くためには、介護支援専門員の姿勢が大事であり、ニーズを顕在化させる前段階として、対人援助の最も重要な基本は「人と人との信頼関係」であるということを忘れてはならないわけである。

この姿勢がなければ的確なニーズは抽出できないし、逆に言えば、この姿勢に徹して利用者から信頼を得て初めて、欲求に基づいた要求をしている利用者に対し、それはニーズではないということを説明して納得してもらえるような関係となり得るのである。

そのためにはマナーも求められるわけで、顧客サービスとしてふさわしい言葉遣いや、服装への気遣いというものが求められるのは当然である。

これは説得術ではなく、介護支援専門員のソーシャルワーカーとしての交渉術の一つであるのだから、マナーに欠ける交渉では成功確率は著しく低下するという理解も求められるのである。

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介護・福祉情報掲示板(表板)

ケアプラン自己作成への妨害行為?


居宅サービス計画については、他者の計画を作成する場合は、指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員でなければならない。

つまり介護支援専門員という資格は当然必要だが、その資格を持っていても、「指定居宅介護支援事業所」に配属されていなければならないのである。

しかし居宅サービス計画は、自己作成することが認められている。自分自身の居宅サービス計画を立てる場合は、何の資格も必要ないし、指定事業所に配属されている必要もない。これは常識といっても良い問題であろうが、一応その法的根拠を示しておく。

まず介護保険法第41条6項で、居宅サービス費が現物給付化(利用者1割負担を介護サービス事業者に支払って利用できること)される条件について

居宅要介護被保険者が指定居宅サービス事業者から指定居宅サービスを受けたとき(当該居宅要介護被保険者が第四十六条第四項の規定により指定居宅介護支援を受けることにつきあらかじめ市町村に届け出ている場合であって、当該指定居宅サービスが当該指定居宅介護支援の対象となっている場合その他の厚生労働省令で定める場合に限る。)は、市町村は、当該居宅要介護被保険者が当該指定居宅サービス事業者に支払うべき当該指定居宅サービスに要した費用について、居宅介護サービス費として当該居宅要介護被保険者に対し支給すべき額の限度において、当該居宅要介護被保険者に代わり、当該指定居宅サービス事業者に支払うことができる。

↑このように定めている。つまり指定居宅介護支援を受けることにつきあらかじめ市町村に届け出て介護支援の対象となっている場合(つまり居宅介護支援事業所の介護支援専門員により居宅サービス計画が立案されている場合という意味)の他に、厚生労働省令で定める場合には保険給付対象である居宅サービスは現物給付化(利用する際に1割自己負担分を支払って利用できること)されるわけである。

この「厚生労働省令で定める場合」とは、介護保険法施行規則第64条において規定されており、その二には、「当該居宅要介護被保険者が当該指定居宅サービスを含む指定居宅サービスの利用に係る計画をあらかじめ市町村に届け出ているとき。」としている。

つまり当該居宅要介護被保険者(つまり利用者自身という意味)が居宅サービス計画を立案し、市町村に届け出ている場合も、居宅介護支援を受けるのと同様に、居宅サービスは現物給付化されるわけである。これがセルフプランの法的根拠である。

このように居宅ザービス計画を、介護サービスを利用する本人が立案することを、マイプランとかセルフプランとか言う。これは法令上の言葉ではなく、あくまで通称だ。

ところでセルフプランを立てることについて、僕自身はあまり推奨しない立場をとっている。それは制度があまりにも複雑になりすぎて、介護保険制度や介護報酬の構造に精通していない人が適切なサービス計画を立案することが難しくなっているからだ。

だからといってセルフプランを完全否定しているわけではない。自分自身の計画を立案したいという希望を持つ人が、それなりに勉強して、自身にふさわしい計画を立案できるということであれば、それは充分認められると思う。大賛成だ。

ところが先日、道内のとある地域の方から、セルフプランの届出をしようとしたら役所の窓口で担当者職員から、そのことについての数々の妨害を受けたという相談を受けた。セルフプランといえど、介護支援専門員が作成する居宅サービス計画と同様に、効果がある内容の指導もするということも言われたらしい。

セルフプランを作成する場合、本人が作成して届け出た居宅サービス計画の介護報酬コードや、指定事業所番号などの記載内容をチェックして国民健康保険連合会に給付管理表を送付する事務処理は、市町村の担当職員が行うことになる。それに対する報酬が別に発生するわけではなく、市町村の業務が増えるだけだから、地域によって担当職員がそのことを歓迎しない場合があることはよく聞こえてくる。しかし露骨な妨害行為は、利用者の権利侵害ではないだろうか。そもそもケアマネジメントの適切性を、行政担当課が指導する根拠は、居宅介護支援に関する法令に基づくものであり、それをそのまま被保険者に対する指導根拠にすることにも無理があるだろう。

細かい相談内容は記せないが、当該ケースでは、訪問看護の導入に際して、役所の窓口でその必要性はないと計画に組み入れることを妨害されているということであったので、そこまでの指導はできないだろうと回答した。

相談者は法的手段も辞さないということであったので、それは最終手段として、まず正式に市町村や道の苦情担当窓口に苦情申し立てをするようにアドバイスした。

どちらにしてもそこから得た印象としては、行政職員が自分の持つ職権というものを勘違いしているのではないかということである。そこには権力に酔う見識の低い行政職の醜い姿が浮かぶばかりであった。

介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後のあり方に関する検討会における議論の中間的な整理」の中では、保険者機能の強化によるケアマネ支援が盛り込まれており、居宅介護支援事業所の指定権限を市町村に与える案が示されている。

しかし本記事に登場する行政担当者のように、ケアマネジメントのなんたるかも知らない、権力に酔うお馬鹿な行政担当者が多い現状で、市町村に「指定権限」を与えることになれば、利用者本位のケアプランが作られるのではなく、今後は保険者本位の流れを生みかねないだろう。

そして市町村の担当者が変わるたびに、変なローカルルールによって、居宅介護支援事業所のケアマネジャーは右往左往することになることは確実だろう。困ったことである。

シリーズ第3弾・完結編。いよいよ今週金曜日発刊!!
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介護・福祉情報掲示板(表板)

ケアプランはサービス種別によって作成ルールが異なる


先日、僕が受講した介護支援専門員資格更新研修は、施設サービス計画を担当する介護支援専門員を対象としたグループであったが、サービス種別としては、特養、老健、介護療養型医療施設に加え、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)や特定施設の介護支援専門員も数多く参加していた。

グループホームや特定施設は、介護保険制度上は「居宅サービス」に分類されているとはいえ、そのサービスとは、自宅ではない別の「施設」に住み替えた要介護高齢者等が、その中で24時間、365日に渡りサービス提供を受けるもので、認知症対応型共同生活介護計画や特定施設サービス計画も、施設サービスと同じように、その「施設」の中で提供される「単品サービス」である。よってそこでのケアマネジメントとは、居宅介護支援の方法ではなく、施設ケアマネジメントの手法で行われるものであるから、施設ケアマネジャーの研修に参加したほうが、整合性が取れるわけである。
(参照:グループホームは在宅であるという誤解

しかしグループホームや特定施設の計画書については、居宅サービスに分類されているがゆえに、老企29号規定の対象とはならず、施設サービス計画書や居宅サービス計画書(居宅介護支援事業所)として定められている標準様式を使う必要はなく、どのような書式形態であっても、法令上に規定された内容が網羅されておれば良いわけである。

ただ今回の研修における事例検討で見た限りは、書式名称はさまざまであったが、様式自体は「施設サービス計画書」の1〜3表とほとんど同じものを使っているグループホームや特定施設が多かった。そのため、第2表の内容もほとんど特養の計画と同じ項目となっていた。

それ自体は、特に問題となるわけではないが、しかしグループホームと特定施設の介護支援専門員の方々は、機械的に施設サービス計画書と同じ様式を使って、そこに定められた項目をすべて埋めなければならないという「間違った」理解をしないように注意してほしいと思った。

施設サービス計画や居宅サービス計画と、グループホームや特定施設の計画に求められている法令上のルールは異なっているのである。以下にその内容を示すが、まずグループホームの法令との違いから、両者のケアプランに書くべき内容の違いを見てみよう。

まず特養のケアプランについては、指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十九号)において次のように示されている。(地域密着型介護老人福祉施設も同様である。)

(指定介護福祉施設サービスの取扱方針)
第十一条5  計画担当介護支援専門員は、入所者の希望及び入所者についてのアセスメントの結果に基づき、入所者の家族の希望を勘案して、入所者及びその家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針、生活全般の解決すべき課題、指定介護福祉施設サービスの目標及びその達成時期、指定介護福祉施設サービスの内容、指定介護福祉施設サービスを提供する上での留意事項等を記載した施設サービス計画の原案を作成しなければならない。

↑このようにされ、さらに老企43号解釈通知(5)施設サービス計画原案の作成(第5項)において

また、当該施設サービス計画原案には、入所者及びその家族の生活に対する意向及び総合的な援助の方針並びに生活全般の解決すべき課題に加え、各種サービス(機能訓練、看護、介護、食事等)に係る目標を具体的に設定し記載する必要がある。さらに提供される施設サービスについて、その長期的な目標及びそれを達成する為の短期的な目標並びにそれらの達成時期等を明確に盛り込み、当該達成時期には施設サービス計画及び提供したサービスの評価を行い得るようにすることが重要である

↑このように目標は達成時期を定め、かつその目標は長・短期目標に分けて両者の達成時期をそれぞれ定めることとされている。

一方、グループホームのケアプランについては、指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成十八年三月十四日厚生労働省令第三十四号)において

第九十八条  
3  計画作成担当者は、利用者の心身の状況、希望及びその置かれている環境を踏まえて、他の介護従業者と協議の上、援助の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した認知症対応型共同生活介護計画を作成しなければならない

↑このように目標については「目標と当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等」が書かれておれば良いとされているだけであり、「達成時期」を定める規定は存在していない。

さらに 指定地域密着型サービス及び指定地域密着型介護予防サービスに関する基準について(老計発第0331004号)の(5) 認知症対応型共同生活介護計画の作成、を読んでも達成時期の規定はないし、目標を長・短期目標に分ける規定も存在していない。

つまり、グループホームのケアプランでは、目標を定めておれば「達成時期」を示すための「期間」は記入する必要もなく、目標も長・短期に分けなくてもよいのである。だから両者の計画書には、単に「目標1」「目標2」などと記載し、それに対する当該目標を達成するための具体的なサービスの内容が書かれておればよいのである。

もちろんケアマネジメントのやり方として、目標を長短期に分けて、期間も定めるという方法が悪いわけではないが、そうしない方が職員や利用者がシンプルでわかりやすいという場合は、そうしない方法もありだ。これは決して法令違反にならない。

このことを理解しながら期間を定めているのならよいが、そうした理解がないまま「目標は長短期目標に分けなければならない」とか、「目標期間を記入しなければならない」と考えているのは問題だろう。なぜならそれは法令理解がされていないという意味だからである。

同じように特定施設入所者生活介護の省令を読んでみると、

指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十七号)

第百八十四条 3  計画作成担当者は、利用者又はその家族の希望、利用者について把握された解決すべき課題に基づき、他の特定施設従業者と協議の上、サービスの目標及びその達成時期、サービスの内容並びにサービスを提供する上での留意点等を盛り込んだ特定施設サービス計画の原案を作成しなければならない

このように達成時期が含まれるが、解釈通知にはグループホームと同様、目標を長期、短期に分ける規定はない。つまり目標達成時期としての期間を書かねばならないが、目標は長・短期に分ける必要がないということで、グループホームのプランとも、特養のプランとも異なっているというわけである。特養、グループホーム、特定施設を3つ並べると、法令上のケアプラン作成ルールはそれぞれ異なるということになる。

また施設サービスと居宅介護支援のプラン作成ルールにも大きな違いのある部分がある。しかし今回の研修で事例検討を行った僕のグループのメンバーで、この違いを明確に理解している人は皆無であったので、ここであらため両者の法令上の違いを示しておく。

それは「サービス担当者会議」に関する法令ルールの違いである。

まず居宅介護支援におけるサービス担当者会議のルールは、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十八号)において

(指定居宅介護支援の具体的取扱方針)
第十三条
九 介護支援専門員は、サービス担当者会議(介護支援専門員が居宅サービス計画の作成のために居宅サービス計画の原案に位置付けた指定居宅サービス等の担当者(以下この条において「担当者」という。)を召集して行う会議をいう。以下同じ。)の開催により、利用者の状況等に関する情報を担当者と共有するとともに、当該居宅サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。ただし、やむを得ない理由がある場合については、担当者に対する照会等により意見を求めることができるものとする。

↑このように必ずサービス担当者会議を行わねばならないという原則となっており、「やむを得ない理由がある場合については」担当者に対する照会を認めているに過ぎない。よって例えば「状況変化もほとんどないので、今回は会議を行わず照会と連絡だけで済ましましょう」ということはできないのである。

ところ介護老人福祉施設の法令で「施設サービス計画」の原案作成に伴うサービス担当者会議の規定を見てみると、ここに大きな違いがある。

指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十九号)の(指定介護福祉施設サービスの取扱方針)

第十一条6  計画担当介護支援専門員は、サービス担当者会議(入所者に対する指定介護福祉施設サービスの提供に当たる他の担当者(以下この条において「担当者」という。)を召集して行う会議をいう。以下同じ。)の開催、担当者に対する照会等により、当該施設サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする

わかりやすいように括弧を外して表記すると、「サービス担当者会議の開催、担当者に対する照会等により」となる。そして居宅介護支援の規定に書かれている「やむを得ない理由がある場合については」という規定はここには存在していない。

つまり施設サービス計画原案の作成に関する、「利用者の状況等に関する情報を担当者と共有」の方法は、サービス担当者会議と照会が同列に扱われており、最初から「会議を行う必要はないケースですから、照会だけで確認しあいましょう」という方法が認められているのである。

これは施設サービスという単品サービスについては、同じ職場で勤務している職員同士ということで、日常的にコミュニケーションを交わしながら情報共有が可能であり、あえて会議形式をとらずともケアマネを中心にして情報伝達を行うことでサービス計画の作成や、その内容の把握に問題はないと考えられるためであろう。

だから施設の介護支援専門員は、この法令上のルールを十分理解して、それを利用しない手はないということだ。機械的にサービス担当者会議(ケアカンファレンス)を開催して、施設サービス計画原案を作るということではなく、それが特に必要ではないケースについては、照会によって原案作成して、業務負担を減らしたり、職員が会議のために現場から離れる時間を削減するなどの配慮も必要だろう。

このルールの理解があるか、ないかで仕事に大きな差が出るかもしれない。

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介護・福祉情報掲示板(表板)

価値観を押しつけた僕の失敗


利用者ニーズをすべて正確に浮かび上がらせることができる「神業的アセスメントツール」は、この世に存在しない。

そこにはどうしてもアセスメントを行う人自身の価値観が介入せざるを得ないという問題がある。ここをきちんと意識していないと、主観的な価値判断に客観性があると思い込んで、間違った価値観の押しつけがケアマネジメントであると勘違いしてしまう場合がある。

利用者の過去と現在の暮らしを真剣に見つめて、ともに考えるという過程でしか客観的な価値判断は生まれないと思うべきだし、アセスメントで引き出したニーズが唯一絶対的なものではないという考え方が一方では必要だ。

かく言う僕も幾度か間違いを犯し、失敗を重ねてきた経験がある。

介護保険制度が始まるずっと以前、施設サービス計画の作成義務はなく、利用者個人に対する介護計画の作成は、施設ごとの判断で、存在していた施設もあり、全体計画しか存在しない施設もあった。

当施設も開設当初は、全体計画はあるが、個別の介護計画はなく、施設が作り上げたルーティンワークに利用者の暮らしをはめ込んでいた時代があった。そういう時代を経て、徐々に個別ケアの必要性に気がつくようになり、当時の言葉で「個別処遇計画」を作成する必要性を持つようになった。しかしそれを作成するためのアセスメントの具体的方法論は、当施設の中に関して言えば存在しておらず、(MDSなどのアセスメントツールがあることさえ知らなかった。)個別処遇計画は、ADL調査と、生活歴をもとに作るという形であった。だから根拠のある生活課題を引き出しているとは言えなかったし、課題解決に繋がるサービスになっているという状態ではなかったと評価できるだろう。

それでも、なんとか当時の50人施設で、50名分の「個別処遇計画」が作られていた。

そんなある時期、80代の女性利用者の方が、夜ベッドサイドにポータブルトイレを置いて欲しいという要望が出された。しかしその方の居室(2階の4人室)は、トイレのすぐ目の前で、当該利用者のベッドは廊下側であった。

つまり廊下をはさんで、すぐの場所にトイレがあり、その方自身は歩行器を使った自力歩行ができ、日中はエレベーターを利用して、1階の食堂にも自力で降りられてくる方なので、特段ポータブルトイレを使う必要性がないと考えられた。

だから僕は、その方にポータブルトイレを使う必要性がないことを自分の価値観として説明した。その中にはポータブルトイレを使うことによって、あたかも下肢筋力が劇的に低下するかのような脅迫に近い内容が含まれていた。そしてポータブルトイレを使わないでトイレで排泄するように説得し、その場で「渋々」その方にポータブルトイレを使わないことを納得させた。

僕はこの当時、そのことについて、専門家の立場から正しい説明をして、利用者がその説明を聞いて納得して、問題は解決したと思い込んでいた。そしてそれは利用者にとっての「良い暮らし」を守る結果であり、良い対応であると思い込んでいた。少なくとも悪い結果にはならないと確信していた。

しかしそれから数週間後、利用者の個人の買い物注文を担当している事務職員が、「○○さんからこの前、バケツを買って欲しいと言われて、部屋の台所の下に掃除用バケツが入れてありますって言ったんですけど、どうしても自分のバケツが欲しいというので、買ってきたんですけど、よく考えると変ですよね。何に使ってるんでしょうか?」と言われた。

なるほどと思い担当の介護職員に確認してみると、何に使っているかわからないけど、確かに部屋に置いてありますという。そこで何気なく本人に聞いてみると、はっきりした答えがなく、必要な時に使っているような話しかしてくれなかった。そこでその日からバケツの使い道を観察していると、どうやら夜間にそこに排泄し、職員に気づかれないように、朝方自分でそれを居室の台所に捨てていたようである。

このときはたと気づくものがあった。僕の勝手な価値観による説得で、夜間ポータブルトイレを「使わせてもらえなかった」ために、その方はそういう方法で、職員に「見つからないように」夜間の排泄行為を行っていたのである。トイレに行かずに居室で排泄することは、この施設では「悪」とみなされてしまうと考え、隠れてバケツに排泄していたのである。

自分が何故そうまでしてトイレに行けないかを、口でうまく説明できないし、ここの職員は分かってくれないと考え、諦めてこういう方法をとったのである。

僕は勝手に、「歩行状態に問題はなく、トイレのすぐ近くの部屋で、ベッドサイドに便器を置かなくても夜間排泄に問題はない。」と判断したのであるが、この方にとって、夜間に排泄感を感じて目が覚めた時に、ベッドから降りて、歩行器を探して、それを使いながら、僅かな距離であってもトイレまで歩いて排泄するという行為が、「辛かった」のである。間に合わない恐れを抱いたり、トイレに行って帰ってくるだけの行為でしんどかったり、そのことで目が冴えて、そのあと眠れなくなったりという現実があったのである。

そもそも日中、歩行機会が十分あり、歩行器を使えば支障なく自力歩行できている80代の高齢者に対して、夜間の排泄まで「頑張ることを強制する」必要性は全くなかったのである。夜間ポータブルトイレを使うこと=下肢筋力の低下などという論法はいかにも乱暴で、暮らし全体の歩行機会というアセスメントがまるでできていなかったのである。

だからその方の「生活障害」とは、夜間トイレに行けないことではなく、「僕自身」であったのである。

この方が夜間ポータブルトイレを使ったからといって、生活の質は低下するということではなかったのである。むしろポータブルトイレをベッドサイドにおいて、排泄後の後始末を適切に支援するだけで、この方は毎日安心して眠ることができたのであり、そういう視点のない一方的な僕の価値観の押しつけで、毎晩「悪いことをしている」という気持ちにさせながら、隠れてバケツに排泄し、夜勤者が気づかないように、朝、不自由な体で頑張って台所に尿を捨てていたのである。

このケースは、僕にとって後後まで忘れることができない失敗として、常に自分の教訓にしている。

この方には、その時心から謝って、バケツのお金を支払わせていただき、ポータブルトイレを安心して使ってくださいとお願いした。その方は、その後7年以上当施設で暮らされ、その後お亡くなりになったが、ポータブルトイレを使ったからといって、下肢筋力はそのことで低下することはなかった。本当に申し訳のないことをしたと思っている。

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介護・福祉情報掲示板(表板)

ケアプラン標準様式の変更案を論評する


2012年05月09日、株式会社日本総合研究所より、「介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する調査研究〜ケアプラン詳細分析および基礎調査の結果を公表します〜」という資料が示されている。

この資料は、「介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後のあり方に関する検討会」の議論のための基礎資料という意味合いがある。

その82ページ以降に、介護サービス計画書の標準様式の変更様式(案)が示されている。

検討会ではこの標準様式変更案について、「必ず変更するというわけではない。」としているものの、この検討会を毎回傍聴して、shan noteに傍聴記を書き続けているshanさんは、「現在のあり方検討会の状況は、いろんな意見が出過ぎて方向性が見えなくなっているという感じなんですが、意見の強い委員の方向性は様式の変更案推進派ですから、このままいけば現在示されている様式が概ね採用されるのではないかって感じですかね。」と僕のFBにコメントしてくれている。

そしてshanさんは、「新様式案については、ある人からケアマネジャーは幼稚園児扱いされていると言われ、ごもっともだと思うくらい、作成側に対しての要求が反映されているものだと思います。」とも述べておられる。

僕はこの意見が至極的を射たものであると思う。

まさに国は、現場の介護支援専門員やケアマネジメントを見下して、幼稚園児扱いして、何も出来ないから手とり足とり誘導してあげましょうという態度なのだ。

例えば最初に紹介した報告書では、
「要介護となった主な原因疾患は把握できているが、生活全般の解決すべき課題(ニーズ)の原因と結び付けて記述する欄がない。そのため、課題の欄に原因を記述していたり、要因を記載していなかったりする事例が多く見られた。 」

「主治医意見書に医療ニーズに関する課題の記載があるにもかかわらず、ケアプランの第2表に整理された段階では医療に関わる課題が抜け落ちてしまっている事例が多く見られた 」

「短期目標が、期間終了後に評価できる程度まで具体化されていない」

「脳卒中以外の認知症と廃用症候群の事例において、状態像、ニーズ、目標、サービス内容の間に不整合が見られる事例が多かった。」


などと指摘し、これらの問題を標準様式変更で改善しようとするものだ。だから今回の新様式案では、第2表が大きく変更され、第5表としてモニタリング表が標準様式として加えられている。

これをありがたいと思うケアマネは、よっぽどスキルの低いケアマネだと思う。

僕が、この新標準様式案を読んで最初に感じたことは、「がんじがらめ」である。国の考える方向性に、ケアマネ業務を導くための書式であると思った。何よりくだらないのは、既に現場のスキルの高いケアマネジャーは、独自のモニタリング様式を使いこなしているというのに、それも標準様式にはめ込もうとしている。現業者は今までのやり方の変更を迫られるわけである。そしてそのことで、新ソフトを開発せねばならず、現場はそのための費用もかけないとならないわけである。

しかも新標準様式は、項目が細分化されてるのだから、まずます記録の複雑化という方向に向かっているといえ、記録にかけるケアマネ業務が増え、利用者に向かい合う時間はますます削られるだろう。そんなことでケアマネジメントの質が上がると思っているのか。

ところで、この様式案の一番の問題点は何だろうか?それは案を作った日本総合研究所の視点が、どのようにケアマネジメントを行なって、どういう方向性を持ってケアプランを作るかというより、どのようにケアプランを書かせるのかという視点になってしまっているために、新様式は「書かせる項目を網羅しよう」という意図が強く働いてしまった結果、書くためのケアプラン様式に陥ってしまっているということである。

「書くためのケアプラン様式」は駄目なのだ。なぜならケアプランとは、利用者や家族がそれを読んで、自分の暮らしを作るためのサービスがどのような目的で、具体的にどのように提供されるかが理解できないと困るし、居宅サービス計画を読んで、居宅サービス事業所の担当者がそれを理解でいなければ困るからだ。

つまり本来ケアプラ様式は、「いかにわかりやすく読めるか」という視点から、「読み易い書式」として考えられる必要があるのだ。

特に、利用者や家族は、介護サービスに精通している人が多いとはいっても、それは専門家として精通しているわけではないから、居宅サービス計画書や施設サービス計画書は、介護の専門家でもない一般市民が読んでわかる内容にしなければならない。それを最も必要とする利用者や家族が理解できない内容では意味がないのだ。

新様式はこの点でも不合格である。内容がますます複雑化、専門化して、利用者や家族が読んでもわからない内容になってしまっているからだ。

結論として言えば、読み手があるという視点が欠如した、困った新様式案であるといえよう。

このことは、明後日土曜日15:00〜の土岐・瑞浪ケアマネ連絡協議会研修会(ウエルフェア土岐:岐阜県土岐市)の中で行う講演、「法令を遵守した自立支援プランの作成方法」の中でもお話することになるだろう。

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介護・福祉情報掲示板(表板)

地域包括ケアシステムは目的ではなく手段だろう

3月27日、東京都が主催した「地域包括ケアシステムに向けたケアマネジメント講演会」で、講師役を務めた某大学教授は、介護保険内外のサービスが提供される地域包括ケアを実現するためには、利用者のニーズを把握する必要があると指摘し、ニーズを把握する上では、利用者に対するアセスメントやモニタリングを日常的に行っているケアマネジメントが重要な役割を果たすと訴えた。

しかし僕はこの考え方に異議がある。

居宅介護支援事業所のケアマネジメントは、何も地域包括ケアシステムを作るために行うものではないだろう。ましてや居宅サービス計画とは、地域包括ケアシステムを実現させるために計画するものではない。それは利用者の暮らしを守るために、あるいはより良いものにするために作成されるべきもので、地域包括ケアシステムというのは、居宅サービス計画の目的ではなく、地域における暮らしを守るためのシステムである。

そもそも地域包括ケアシステムというのは、身近な生活圏域において様々なサービス拠点が連携する「面の整備」や地域住民が様々なサービスの担い手としてコミュニティの再生等積極的な役割を果たすもので、それは日常生活圏域で、急性期入院を除く医療・介護・予防・住まい・生活支援サービスを一体的かつ適切に利用できる提供体制を全国につくるという考え方である。

それはつまり、高齢者等が住み慣れた地域で暮らし続けることを目的として、そのことが容易となるサービス提供体制のシステムであり、そのシステムを創りだすのは、国や地域行政の役割であって、それは政策としての目的であったしても、ケアマネジメントの目的ではないのである。

居宅介護支援事業所の介護支援専門員が、地域で展開するケアマネジメントとは、利用者の暮らしを地域の中で続けられる具体策を示したものだ。ケアマネジメントは、そこで豊かな暮らしを支援するという目的で行うものであり、居宅サービス計画はその方法を具体化した計画書である。

その作成や見直しの際に必要となるアセスメント(解決すべき課題の把握)やモニタリング(居宅サービス計画の実施状況の把握)とは、利用者の暮らしそのものに着目すべきものであり、地域包括ケアシステムを実現するためのものではないだろう。

逆説的に言うならば、地域包括ケアシステムが実現したからと言って、そのことが必ず利用者の暮らしの質確保に繋がるとは言えないのである。

つまりこの講師の発言の背景には、地域包括ケアシステムが、優れたシステムであり、これが機能すれば地域の要介護高齢者の暮らしは必ず良くなるという思い込みがあるために、居宅サービス計画におけるアセスメントやモニタリングも、地域包括ケアシステム実現のためのニーズ把握という側面があるという考え方なのだろう。

しかし地域包括ケアシステムという考え方そのものは、間違った考え方とはいえないだろうが、今年度からの介護保険制度改正でその形を目指す「地域包括ケアシステム」とは、新サービスである24時間巡回サービス等を基礎的サービスにするものであり、そのエビデンスはまだ存在しないと言ってよく、しかも他のサービスとの連携や調整の方法が不透明である部分が多く、概念としての地域包括ケアシステムはあっても、暮らしを守る仕組みとしてのシステムが存在し得るのかどうかはかなり疑わしい。

地域の中に新たに構築されたシステム(そんなものがまだ存在していない地域の方が実際には多いのであるが)に乗ることで、暮らしの支援がうまくいくケースは、そのシステムを有効に利用すればよいだろうが、実際には、概念あって仕組みなしというところで、他の方法で生活を支えねばならないケースは多いはずである。

よってこのシステムを実現するためのニーズ把握を前面に出して、居宅サービス計画作成のための、アセスメントやモニタリングの目的を考えてはいけないと思う。

地域包括ケアシステムという言葉に踊らされるのではなく、事実上そのシステムは、この新しい介護保険制度を含めた、高齢者支援システムとして実態があるものなのか、そのことをまず考えなければ、

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介護・福祉情報掲示板(表板)

法令遵守のケアプラン作成方法を学ぶ意味

いろいろな会場で講演を行う機会があるが、3/9(金)の会場となった東京品川の「キャノンSタワー」はすごかった。なにがすごいかといえば、そのセキュリティの徹底ぶりである。

基本的にビル内に入るのも、エレベータに乗ってフロア移動するのも勝手にはできない。すべてキャノンの社員の方に誘導してもらわねばならなかった。これは講師であろうと、受講者であろうと例外なしである。

そのため受講者の方々には、あらかじめ来場時間を指定し、担当社員の方が、玄関前で待機して誘導。これは昼休みに食事に出る際にも同様で、食後にビルに戻ってきた人を誘導する担当者の方がずっと貼りついていた。すごいなあ。

ところでその研修会は、内田洋行がキャノンと共催で行ったものであるが、当初定員100人を予定していたものの、申し込み者が殺到して、残念ながら先着順で受講者を決定したため、せっかく申し込んだのに受講をお断りした方もいるそうだ。僕は主催者ではないが、表の掲示板でセミナーの案内をした責任もあって大変恐縮している。申し訳ありませんでした。

当日の受講者は、数名の欠席があったが、総勢123名が来場された。会場の設備は立派だったが、なにせ狭いため、机をセットできず椅子のみとなり、午前120分・午後90分の講演を聞く体勢としては楽ではなかったと思う。それにも関わらず、熱心に僕の話を聞いてくださり、大変ありがたく思う。

今回は午前の120分講演が「法令遵守のケアプラン」というテーマだったので、(ちなみに午後は改正介護保険制度の検証をテーマにした)介護支援専門員の資格を持った方が受講者としては多かったのではないかと思うが、それ以外の職種の方も熱心に聞いて下さった。

法令遵守のケアプラン作成方法

ケアプランの具体的な作成方法を、法令ルールに基づいて説明するという意味は、法令が完璧で、それに沿ったケアプランを作成さえしておればよいという意味ではない。

法令が何をどのように規定しているかを知ることによって、ケアマネジメントに何が求められているかということが理解できる。さらに法令で定められたルールに沿って業務を行うことで、その中の様々な規定の瑕疵や矛盾を見つけ出せるという意味もある。それらを改善するためのアクションは、法令を無視して勝手な活動をしている人には不可能で、法令を遵守してはじめて「もの言える」権利を持てる。

さらにいえば、法令ルールとして定められた規定とは、求められる業務において最低限必要な質を担保するためのものであるという意味があり、事実それを無視して(あるいはルールを理解していないままで)業務を行っていることにより、適切なケアプラン作成に結びつかないケースも見られ、最低限求められている法令上のルール理解は不可欠だ。実地指導で指導されないために、法令理解が必要だという意味ではないのである。

つまり僕がこのテーマでお話しする内容とは、最低限法令上で求められているルールの内容と意味を説明理解していただいた上で、その過程をきちんとこなし、さらに求められるケアマネジメントの方向性を明らかにして、具体的にどのようなプラン作成を行えばよいのかを具体的に示すものだ。実際に現場で使っているケアプランも例示させていただいている。

課題解決型のケアプラン作成方法を具体的に示す内容が、そこには当然含まれてくる。だから単に法令解説ではないと考えてほしい。

4月からの法令の一部改正でもケアプラン作成に関連しているものがある。例えば老企22号解釈通知の改正では「課題分析における留意点(第七号) 」が追加され、「介護支援専門員は、解決すべき課題の把握(以下「アセス介護支援専門員は、解決すべき課題の把握(以下「アセスメント」という。)に当たっては、必ず利用者の居宅を訪問メント」という。)に当たっては、利用者が入院中であることなど物理的な理由がある場合を除き必ず利用者の居宅を訪問し利用者及びその家族に面接して行わなければならない。」という規定文が追加された。

今までも自宅での面接は13条17号「介護支援専門員は、介護保険施設等から退院又は退所しようとする要介護者から依頼があった場合には、居宅における生活へ円滑に移行できるよう、あらかじめ、居宅サービス計画の作成等の援助を行うものとする。 」 という規定で「入院中にあらかじめ居宅サービス計画の作成できる」と解釈できるものであったのに、このことを認めず、機械的に自宅訪問後の居宅サービス計画作成を指導している行政指導が見られたことから、そんな必要はないことを改めて示したものだろう。

さらに2号解釈通知の改定では「なお、利用者の課題分析(第六号)から居宅サービス計画の利用者への交付(第十一号)に掲げる一連の業務については、基準第一条に掲げる基本方針を達成するために必要となる業務を列記したものであり、基本的にはこのプロセスに応じて進めるべきものであるが、緊急的なサービス利用等やむを得ない場合や、効果的・効率的に行うことを前提とするものであれば、業務の順序について拘束するものではない。ただし、その場合にあっても、それぞれ位置付けられた個々の業務は、事後的に可及的速やかに実施し、その結果に基づいて必要に応じて居宅サービス計画を見直すなど、適切に対応しなければならない。」として暫定プランでは所定の手続きを「事後的に可及的速やかに実施」すれば緊急対応時のサービス担当者会議等を行えない場合があってもよいことを明らかにしている。

また地域密着型サービスとして位置づけられた新サービスについては、「訪問看護、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、居宅療養管理指導及び短期入所療養介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護(訪問看護サービスを利用する場合に限る。)及び複合型サービス(訪問看護サービスを利用する場合に限る。)については、主治の医師又は歯科医師(以下「主治の医師等」という。)等がその必要性を認めたものに限られるものであることから、介護支援専門員は、これらの医療サービスを居宅サービス計画に位置付ける場合にあっては主治の医師等の指示があることを確認しなければならない。」と医療系サービスの指示を受ける規定の変更がされている。

これらは居宅介護支援事業所の管理者や介護支援専門員なら確実に確認しておかねばならない規定変更である。

こうしたことも含めて、ケアプラン作成の実務と、利用者の豊かな暮らしに繋がるケアプラン作成方法をお話ししているわけである。

3/9の講演を受講された方には、この点良く伝わっただろうか?会場の皆さんの熱気や反応から考えると、概ねこれらの理解を促すことができたのではないかと考えている。

ということで、こうした形の「居宅サービス計画」あるいは「施設サービス計画」の作成業務に関する講演も行っているので、全国各地の関係者の皆さんで、ご要望のある方は、メールや電話で連絡をいただきたい。


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介護・福祉情報掲示板(表板)

居宅サービス計画と施設サービス計画の法的位置付けの違い

このブログに何度か書いてきたが、介護保険法において、「居宅サービス計画」と「施設サービス計画」は法的位置付けが異なっている。

今年、介護支援専門員の資格を得た人は、この違いについてしっかり把握しておいてほしい。なぜならこのことを理解していないと、ケアプランをなぜ作るのか?という根本的な理由が不明瞭になり、それは自分の仕事の意味を失うことになりかねないからだ。

だから今日の記事は重要である。当たり前のことを書いているだけだが、知らない人が実に多い。もしケアプランの法的位置付けを分かっていない人がいたら、この記事を読むように勧めていただきたい。特に今年、介護支援専門員の資格を取得した人は、実務に携わる前にこの理解をきちんと持っていただきたい。

介護保険法第41条は「市町村は、要介護認定を受けた被保険者(以下「要介護被保険者」という。)のうち居宅において介護を受けるもの(以下「居宅要介護被保険者」という。)が、都道府県知事が指定する者(以下「指定居宅サービス事業者」という。)から当該指定に係る居宅サービス事業を行う事業所により行われる居宅サービス(以下「指定居宅サービス」という。)を受けたときは、当該居宅要介護被保険者に対し、当該指定居宅サービスに要した費用(特定福祉用具の購入に要した費用を除き、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護及び特定施設入居者生活介護に要した費用については、食事の提供に要する費用、滞在に要する費用その他の日常生活に要する費用として厚生労働省令で定める費用を除く。以下この条において同じ。)について、居宅介護サービス費を支給する。ただし、当該居宅要介護被保険者が、第三十七条第一項の規定による指定を受けている場合において、当該指定に係る種類以外の居宅サービスを受けたときは、この限りでない。」

と規定している。つまり居宅介護サービス費(サービス利用料の保険給付分:通常はサービス料金の9割)は市町村から、利用者に直接支払われるものと規定している。よって介護保険制度のサービス利用料金算定の原則は、利用者はそのサービス費用全額をサービス事業所に支払って、当該事業所からサービス提供証明書を発行してもらい、それを添付して市町村に払い戻し請求をすることで、支払った利用料金の9割分を還付してもらうという「償還払い」である。

しかし同条6項では、「居宅要介護被保険者が指定居宅サービス事業者から指定居宅サービスを受けたとき(当該居宅要介護被保険者が第四十六条第四項の規定により指定居宅介護支援を受けることにつきあらかじめ市町村に届け出ている場合であって、当該指定居宅サービスが当該指定居宅介護支援の対象となっている場合その他の厚生労働省令で定める場合に限る。)は、市町村は、当該居宅要介護被保険者が当該指定居宅サービス事業者に支払うべき当該指定居宅サービスに要した費用について、居宅介護サービス費として当該居宅要介護被保険者に対し支給すべき額の限度において、当該居宅要介護被保険者に代わり、当該指定居宅サービス事業者に支払うことができる。」

としている。つまりこの規定は、指定居宅サービスが「当該指定居宅介護支援の対象となっている場合」に適用されるのであるから、その意味は居宅介護支援事業所により居宅サービス計画が立てられている場合は、市町村が直接利用者に支払うべき9割分を、居宅サービス事業者に支払うことができると定めたものだと解釈できる。

このように「居宅サービス計画」が立てられている場合に、利用者はサービス利用の際に1割の自己負担をするだけでよく、9割分はサービス事業者が直接請求して支払を受けるという「現物給付」が可能になるのだ。

よって「居宅サービス計画」とは、居宅サービス利用に必要となる計画ではなく、あくまで償還払いを現物給付化する手段であり、もし利用者が償還払いでサービス利用することを厭わない場合、居宅サービス計画を作らずにサービス利用することは可能であり、法的にみてもそれは問題ないと言える。

だから各サービス事業者の省令では「居宅サービス計画が作成されている場合は、当該計画に沿った指定訪問介護を提供しなければならない」として、居宅サービス計画がない場合もあり得ることを示しており、これは何も緊急利用に限っているわけでもないのである。

ところでこの場合、居宅サービスに位置づけられている「特定施設」は、居宅介護支援を受けることのないサービスである。そのため特定施設は、サービスを現物給付化する手段として、別に基準省令第百八十条 に「老人福祉法第二十九条第一項 に規定する有料老人ホームである指定特定施設において指定特定施設入居者生活介護を提供する指定特定施設入居者生活介護事業者は、当該指定特定施設入居者生活介護を法定代理受領サービスとして提供する場合は、利用者の同意がその条件であることを当該利用者に説明し、その意思を確認しなければならない。」として、利用者同意を現物給付化の条件にしているものである。

グループホームも同様に居宅サービスであり、かつ居宅介護支援を受けることのないサービスであるが、それは地域密着型サービスに位置づけられており、介護保険法第四十二条の二、6項で「要介護被保険者が指定地域密着型サービス事業者から指定地域密着型サービスを受けたとき(当該要介護被保険者が第四十六条第四項の規定により指定居宅介護支援を受けることにつきあらかじめ市町村に届け出ている場合であって、当該指定地域密着型サービスが当該指定居宅介護支援の対象となっている場合その他の厚生労働省令で定める場合に限る。)は、市町村は、当該要介護被保険者が当該指定地域密着型サービス事業者に支払うべき当該指定地域密着型サービスに要した費用について、地域密着型介護サービス費として当該要介護被保険者に対し支給すべき額の限度において、当該要介護被保険者に代わり、当該指定地域密着型サービス事業者に支払うことができる。」

としている。つまり地域密着型サービスについては、後述する施設サービスと同様に、地域密着型サービスを利用することそのものが現物給付の手段となっており、利用者同意や地域密着型サービス計画等を現物給付化の条件にしているわけではないのである。

施設サービス計画についても、介護保険法上に現物給付化する手段であるという規定は存在しない。

なぜなら介護保険法第四十八条では、居宅サービスと同様に、市町村は「当該要介護被保険者に対し、当該指定施設サービス等に要した費用(食事の提供に要する費用、滞在に要する費用その他の日常生活に要する費用として厚生労働省令で定める費用を除く。以下この条において同じ。)について、施設介護サービス費を支給する。」としているものの、これを現物給付化するために、市町村が介護保険施設に施設サービスの費用を、当該施設に直接支払うことを定めた同条第4項規定は「要介護被保険者が、介護保険施設から指定施設サービス等を受けたときは、市町村は、当該要介護被保険者が当該介護保険施設に支払うべき当該指定施設サービス等に要した費用について、施設介護サービス費として当該要介護被保険者に支給すべき額の限度において、当該要介護被保険者に代わり、当該介護保険施設に支払うことができる。」としている。

つまり施設サービス費は「要介護被保険者が、介護保険施設から指定施設サービス等を受けたとき」に現物給付化されるのである。地域密着型サービスの条件と同じである。

しかしこれらは、なんともおかしな規定条文で、それなら最初から償還払いの原則規定を作らなければよいようなものだ。だって施設サービス費の支給が必要になる状態とは、要介護者が施設サービスを利用している以外にあり得ないのだからである。しかし実際に法律がそうなっている以上は、素直にその条文に従う以外ない。この規定で分かるように、施設サービスは、施設サービス計画の作成有無に関わらず「要介護被保険者が、介護保険施設から指定施設サービス等を受けたとき」に現物給付化されるのである。

では居宅サービス計画が、サービス利用の際に利用者がサービス事業者に1割負担分を払うだけでよくなる「現物給付」の手段であるのに対して、施設サービス計画が「現物給付化」の手段でないとしたら、それはどういう意味があるのだろう。

ここで介護保険法を読んでみると、介護老人福祉施設を定めている第8条24項には、
「この法律において「介護老人福祉施設」とは、老人福祉法第二十条の五に規定する特別養護老人ホーム(入所定員が三十人以上であるものに限る。以下この項において同じ。)であって、当該特別養護老人ホームに入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことを目的とする施設をいい、「介護福祉施設サービス」とは、介護老人福祉施設に入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話をいう。」とされている。つまり介護老人福祉施設は施設サービス計画に基づいて行われるとされている。

基準省令でも、例えば特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)の場合は、厚生省令第三十九号第一条で、「指定介護老人福祉施設は、施設サービス計画に基づき、可能な限り、居宅における生活への復帰を念頭に置いて、入浴、排せつ、食事等の介護、相談及び援助、社会生活上の便宜の供与その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことにより、入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすることを目指すものでなければならない。」と定めている。

つまり施設サービスは「施設サービス計画に基づき」提供される必要があるという規定で、施設サービス計画のないサービス提供を認めていないということになる。
(このことは、居宅サービス計画に位置づけられ、サービス提供される居宅サービスについて、計画作成義務のあるサービス事業所の計画:訪問介護計画や通所介護計画、特定施設やグループホームの計画等:も同じ扱いである。)

よって結論としては、居宅サービス計画は、あくまで償還払いのサービスを現物給付化する手段であり、その計画がない場合も償還払いであればサービス提供は可能である。そしてその内容は、最も適切なサービスの組合せを検討し、サービススケジュールを組み立てることを主としている。

一方、施設サービス計画は、サービスの現物給付化とは関係はないが、サービス提供の必須条件とされているため、それがないサービス提供は認められていない。そしてその内容は、施設サービスとして提供する介護サービスの具体的内容を示したもので、個別支援計画と言い換えることができるものだ。(下図参照)

ケアプランの構造の違い

そうなると、施設入所初日から原則「施設サービス計画」がない状態でのサービス提供が許されないということになる。

しかしすべてのケースにおいてアセスメントを行い、サービス担当者会議または紹介により施設サービス計画書原案を作成し、利用者又は家族に説明し、同意を得てサービスを開始できるとは限らない。

緊急的な入所も含めて、充分にアセスメントができない状態での施設入所も考えられるためだ。

この場合でも施設サービス計画は必ず作成する必要があり、そのために「暫定ケアプラン」と言う方法がある。暫定ケアプランと言うのは、サービス担当者会議等の一連の手続を踏まずに作成して、後に必要な手順を踏むことで、それを本プランと変更するものである。

よって緊急入所も含めて、介護施設に入所する際は、施設サービス計画として、少なくとも暫定ケアプランは作っておく必要があるという理解が必要である。

暫定ケアプランもない状態で入所受け入れをしてしまえば、最悪、法令に沿わないサービス提供として、介護給付費の返還指導があり得るという注意が必要である。

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内容に沿うという意味を理解するために

居宅サービス計画(居宅介護支援事業所の介護支援船専門員が作成)は、利用者と社会資源を有効に結びつけることによって生活課題を解決するという目的を持っている。

そのため居宅サービス計画書では総合的援助方針を定め、課題解決に繋がる長・短期目標を設定した上で、目標期間を定め、その目標を達するために必要とされるサービスの種類を決め、そのサービスの利用方法と利用スケジュールを調整した内容を示すことになっている。

そして居宅サービス計画に位置づけられた各サービスによって、具体的にどのようなサービスが提供されるのかを定めた「個別支援計画」は、各サービス事業所が作成する計画(各居宅サービス事業所の計画担当者が作成)として作成される。(以下、各サービス事業所の計画と記す)ここではサービス提供の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記すことになっている。
(※この計画では目標の期間設定は必要とされておらず、かつ目標を長短期に分ける必要もない。)

このように居宅サービスの計画は、基になる「居宅サービス計画」と「各サービス事業所の計画」の2階建ての構造が基本となっている。このイメージ図は以下の通りである。

居宅サービスのプラン構造

ただし後者のプランについては必要とされていないサービスもある。
(参考:プランが必要ではないサービス)
「居宅療養管理指導」「住宅改修」「特定福祉用具販売」「福祉用具貸与」「訪問入浴」「ショートスティの四日未満利用」
※ただし住宅改修は厳密には介護保険法第8条に定める「居宅サービス」に入っていないので居宅サービスという分類上の定義ではない。

計画が必要とされている各サービス事業所の計画については「居宅サービス計画が作成されている場合は、当該計画に沿って作成されなければならない」とされている。

しかしだからと言って、各サービス事業所の計画が目標の内容や計画書の有効期間が居宅サービス計画と同じでなければならないということではない。ましてや居宅サービス計画が再作成される都度、変更作成されなければならないというものでもない。そのような規定は法的に存在しないのである。

ところが法令根拠に基づかない身勝手指導で全国的に有名な静岡県(参照:一連の静岡騒動)では、集団指導の資料「平成22年度 実地指導・営利法人監査における主な指摘・助言事項一覧」の中で、この各サービス事業所のプランへの指導事項として「居宅サービス計画の更新があったにもかかわらず、計画の見直しや更新がされていない。」という間違った指導内容を堂々と掲載している。

まったくこの県の介護保険指導担当課は馬鹿しかいないな。脳みその替りに黒はんぺんでも詰め込んでいる連中をわざわざ集めているのではないのか?

居宅サービス計画を見直した場合、居宅介護支援事業所の担当者は、基準省令13条11号規定に基づいて「当該居宅サービス計画を利用者及び担当者に交付しなければならない。」とされており、各居宅サービス事業者の担当者にも新しいプランを交付することになる。
(※サービス事業所の担当者に、居宅サービス計画書を交付していなければ居宅介護支援事業所が運営基準違反を指導される。ちなみに各サービス事業所のプランについては、利用者への交付義務はあるが、居宅介護支援事業所の担当介護支援専門員への交付義務はないので、担当ケアマネにプランを渡す必要性は必ずしもない。)

この際、新たに交付を受けた居宅サービス計画を確認して、その内容に沿っていることが確認できれば、各サービス事業所の計画は機械的に変更する必要はない。

新しく交付を受けた居宅サービス計画の内容が大幅に変わっていて、総合的援助方針のベクトルの向きが変わってしまっている場合など、現在のサービス事業所のプラン内容ではケアマネの方針に基づいて目標を達成するのが不十分であるなど、内容に沿わない部分が出てきて初めて変更の必要性が生ずるものである。

つまり内容に沿うとは、次の図のように解説できるものである。

計画に沿うという意味

このように「居宅サービス計画の内容に沿う」という意味は、介護支援専門員を中心としたチームとして理念を共有し、総合的援助方針を共有し、担当介護支援専門員が立案した長期目標が達せられ、生活課題が解決する方向に向かって、「各サービス事業の計画」の目標が設定され、その目標を実現するための具体的サービスが立てられることを意味する。

上の図でいえば、訪問介護や通所介護などのサービスとは、居宅サービス計画の総合的援助方針に沿って位置づけられたサービスである という意味であり、各居宅サービス事業所計画の目標等が「居宅サービス計画」の長・短期目標を実現するための手段となり得る内容であればよく、「総合的援助方針」に基づいて、その目標を達していくことが「居宅サービス計画」の内容に沿うことになる。つまりその意味は、それぞれの計画書の方向性が同じくなっている意味でしかなく、図の緑色で示した矢印の向きが、居宅サービス計画書の目標や総合的援助方針の向きと同じであれば良いだけで、居宅サービスの計画の更新時に、その内容を確認して、この矢印の向きが一致していると確認できれば、わざわざ各サービス事業所の計画を変更する必要性はない。

もっと具体的に言えば、居宅サービス計画において「活動機会が失われることで他者との交流機会がなくなり身体機能と精神機能の低下が懸念される」という生活課題をアセスメントして(※業界最大の悪書である「居宅サービス計画書作成の手引」(長寿社会開発センター)では、この場合の生活課題を「元気なころと同じように友人との付き合いをしたい」という課題がまったく見えなくなってしまう表現を推奨している。この悪書を見習ってはいけない。)、長期目標が「友人との付き合いを再開して楽しみのある生活をする」とし、短期目標を「他者との交流機会を定期的に持つ」として、サービス内容を「グループ活動に参加する」「アクティビティに参加する」「友人と交流」とし、サービス種別を「通所介護」としている場合、通所介護計画はそれに沿って、アクティビティサービスや、機能活用のサービスを組み込んでいるはずだ。

この場合、居宅サービス計画に、当初位置づけてられていなかった「福祉用具貸与」を新たに組み込んでプラン変更したとしても、通所介護の利用目的が決定的に変わらない限り、再作成された居宅サービス計画に沿わなくなるわけがなく、この場合、通所介護計画を変更作成する必要性はみじんもない。

よって静岡県の指導は「内容に沿う」という意味を理解していない、日本語の意味さえ理解していない素人のボンクラ指導であり、そんな指導に法的根拠はなく、従う必要性はないものである。

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ケアプラン作成のルールと具体的方法

11月5日に長崎県佐世保市で行った講演のアンケート結果が先週届いた。

その講演は午前中が「法令に沿った自立支援プランの作成方法」、午後からは「改正介護保険制度の検証」というまったく異なるテーマの120分講演を2つ行い、受講者も多少の入れ替わりがあったため、午前と午後に分けてアンケート結果が集計されている。

どちらも好意的な意見が多いが、午後の制度改正論については一部の方は「内容が難しい部分があった」「講義の進行が早くてついていけない部分があった」等の意見もいただいた。予定していた内容に、前日までに新たに得た最新の情報を積み上げてお話しした結果、本来は120分で消化できないボリュームのものを時間内に解説しようとしたため、説明不足の部分があったかもしれない。内容については「大変よかった」と「よかった」が合わせて88%であった。

一方、午前のケアプランの研修は内容について「大変よかった」と「よかった」が99%(残り1%は未記入)で、講師については「大変よかった」と「よかった」が100%であった。普段、僕のブログを読んでいない、この場で初めて知ってくれた人も多いのに、この数字には驚かされた。その評価に対してはありがたい思いと、恐縮する思いの両方を持っている。

今年度は時期的に「制度改正」をテーマにした講演が多く、これについても一定以上の評価をいただいているところであるが、「居宅サービス計画」や「施設サービス計画」、あるいは「通所介護計画」や「短期入所計画」等の各居宅サービス事業所の計画に関する講演・講義は僕の得意分野でもあり、特に法令に沿った作成ルールの説明は最も得意とするところである。

例えば居宅サービス計画と各サービス事業所の計画、施設サービス計画の法令上の位置づけの違いと、法令で定められた「記載する内容」の違い。

長短期目標が必要な計画と、目標期間さえ設定する必要のない計画の違いと、その法的根拠。

目標期間の設定の方法及び、その更新の際のルール。

計画目標は誰の目標とすべきか、その法的根拠と具体的目標の設定方法。

居宅サービス計画と、施設サービス計画では、サービス担当者会議と照会の扱いがまったく異なっており、それはどんな意味があって、どう運用すべきなのか。そして各居宅サービス計画(訪問介護計画などのほか、グループホームや特定施設の計画も含む)の計画立案の際には何が求められ、担当者会議は必要とされるのか。

担当者会議の構成メンバーや、実施方法は法令上どのように定められており、実務上それをどう解釈し運用すべきか。

計画書の交付義務は、どの事業者が誰に対して求められているのか。事業種類によるその違い。

アセスメントとモニタリングの違いを文章で説明できることによって、両者の違いと共通点を理解出来、それによってどの時点でそれらを実施すべきかが明らかになること。

計画書はいつ、どのような場合に作成(新規および変更時)が求められ、計画変更の必要がない軽微変更に該当する具体的状況は何か。

目標と具体的サービス内容はどのように連動させるべきか。

各事業別の実際のケアプランの具体例

そもそも介護支援専門員ってどのような存在で、ケアマネジメントの目的や具体的方法はなんなの? etc.

これらは僕がケアプラン作成業務を担当していた際に、実務の中で習得した知識がベースになっているから、実際にプランを作成する担当者の立場から発言できる強みがある。

介護保険制度開始の1年以上前から施設の相談員として特養利用者全員の施設サービス計画を作成していたし、居宅介護支援事業所の立ち上げに関わって、当時の居宅ケアマネのスーパーバイザーとして、実質的には当初の居宅サービス計画の作成業務に携わっていた経験もある。通所介護や短期入所生活介護の計画も同様に実務として携わっていたので、それは決して机上の空論としての作成方法ではないのである。実務に即したケアプランン作成方法を明らかにできる。
(行政の実地指導でケアプラン作成方法を得意げに指導する人がいるが、所詮彼らは利用者の全生活に触れたアセスメントを行ったこともなく、自分で作った計画によって実際のサービス提供を行ったこともないので、理想を語ることができても、使えるプラン内容までは語ることができない。「現場で仕事をせずしてプランを語るな」、と言いたいところである。)

しかも介護保険の法令は、結構意地悪い表現をしているので、その本当のルールを見落としている人も多い。

最悪なのは実地指導担当者が正しい法令理解に欠けている場合もあるという事実だ。例えば市町村の職員が地域密着型サービスの実地指導を行う際に、グループホームの計画に目標期間や長短期目標を定めよと指導している事例があるが、法令上はグループホームの計画は、目標と具体的なサービス内容を定めておれば、目標の期間は定める必要はないし、ましてや目標を長短期に分ける必要もないのである。これも法令ルールの見落としの一つと言える。
(根拠:基準省令第98条3項では「計画作成担当者は、利用者の心身の状況、希望及びその置かれている環境を踏まえて、他の介護従業者と協議の上、援助の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した認知症対応型共同生活介護計画を作成しなければならない。」としているだけで目標期間を定める規定は存在しない。)

これらは事業者、しいては介護支援専門員自身が正しく法令を理解していないと、間違った行政指導に反論し、間違った指導を是正させる機会を失わせるものだ。自ら正しいケアマネジメントを行う専門職であるとすれば、それでは困るのだ。

こうした法令上の解釈と共に、介護保険法第1条(総則)で定められている「自立支援」という概念とはどう捉えるべきか、あるいは各省令でケアプランは「自立支援のために作成」するというルールに基づくとすれば、その内容はどのように考えるべきかということを、僕が作成した実際のプランを元に説明したりしている。

ただし一言断っておくが、僕が準拠するのはあくまで法令であって、介護支援専門員の実務研修のテキストとして使われている長寿社会開発センターの「居宅サービス計画作成の手引」には準拠しない。

なぜなら法令はいかなる理由があっても守らねばならず、そこに瑕疵がある場合はソーシャルアクションによって変える必要があるが、それはあくまで法令を遵守した上で可能となるアクションであるからだ。一方長寿社会開発センターの「居宅サービス計画作成の手引」はテキストとなっているとは言っても法令根拠になるものではなく、なによりあれは悪書であり【参照:第2表・生活全般の解決すべき課題(ニーズ)に何を書くべきか? ・ 生活課題を「したいの山」にしない工夫、創造力を育むもの、芽を摘むもの(前篇)・(後篇) 】、あの通りにケアプランを作ってしまうことで見えなくなってしまうものがあるため、あの教本をそのまま信じないで、もっとよい方法で生活課題に対応する方法を示しているからだ。

ケアプラン作成実務に関して言えば、間違いなく「なんとか協会」の代表者よりよい講義ができるだろう。

今年度は制度改正に関する講演や、著作本の「人を語らずして介護を語るな」というテーマをそのまま持ってきて、介護サービスの現場で必要な理念やスキルをお話しすることが多かった。後者については来年度もさらにグレードアップした内容でお話しする機会も増えるだろうし、看取り介護についても引き続きお話しする機会を得たいと思っている。
(※専門学校の授業で担当している認知症ケアは、今年度は少なかった。このテーマについては、既に数多く行われていて、お腹一杯という面もあるのだろう。)

それとともに、今日取り上げた居宅サービス計画や施設サービス計画、デイサービスやショートステイのケアプラン実務の研修講師も積極的に受けて行きたいと思うので、関係諸機関の方で要望のある方は、お気軽にご相談いただきたい。

来年度、この内容に関する講演を行う予定としては、6月3日(日)に和歌山県の介護支援専門員を対象にした研修会で150分程度の時間でお話しする予定で調整している。日程は既にキープしているので、近々正式にアナウンスできるだろう。

今年度は1月14日(土)、15日(日)の両日、福島と宮城で、それぞれ施設のケアプランに関連した講演を行う予定である。(参照:masaの講演予定。)

参考までに佐世保市介護支援専門員研修会のアンケート結果に寄せられた「感想」を転記しておく。
・内容もわかりやすく、説明の言葉もはっきりしていて聞きやすかった。
・現実を見たような気がしました。
・ケアマネジャーの研修会は、居宅寄りの話になりがちであるが、今回は施設の話も交えて下さったので大変参考になった。具体的な事例も聞くことができてよかった。
・自分に関係のある法令などの理解ができてよかった。
・参加して本当に良かったです。計画作成に関しての方向性が見えました。
・内容がわかりやすく2時間が短く思えるほど良い研修会でした。
・日々の仕事の中で不安に思っていることが理解できてよかったです。そう少し時間があればよかった。
・自分が作成してきたケアプランを思い浮かべ、自立支援に向けたプランでなかったことを反省しました。今日の研修を持ち帰り、また新たな気持ちで作成したいと思います。
・私達は利用者の生活を左右する仕事をしている立場として、もっと利用者を知ることが大切だと思いました。アセスメントをとる時、見た目だけではないか、思いこみで記入していないか反省しています。
・ショートステイ中の目標の期間を決めなくてよい事が分かってよかった。2〜3日の滞在で目標を決め達成することは無理だと思っていた。
・法に沿った説明であったので、とてもわかりやすかった。
・日ごろの行政や包括、介護保険のシステムに対する不満や疑問を講師に代弁してもらったように感じた。個人的には保険者に聞いてもらいたいと強く願う講義でした。
・ケアマネジャーとして自信がなく、申し訳なく思っています。しかし頑張れるような気がしました。頑張ります。
・今までのとは違った面での研修で良かったです。
・基本の部分をおろそかにしていることに気づかされました。きちんとしたサービスの流れを再確認して業務に努めたいと思います。
・再発見、新たな気づきを得られた久しぶりの良い研修会でした。QODの考え方、視点をもっと深く考えてみます。
・間違った認識をしていた部分が多々あり反省しました。基本は間違っていなかったことが分かり良かったです。
・とても分かりやすく、聞きやすかったです。来て良かったです。
・自律という言葉がとても印象的でした。
・根拠を持った話を聞くととても気持ち良かった。自分の不足している点が分かって良かった。
・前任の介護支援専門員がケアプランを作成できていないという現実に最近遭遇しました。今回の研修会で法律を説明していただき、とても勉強になりました。
・今までのケアマネジメントの考え方を、もう一度よく見直してみたいと思った。
・ケアマネの業務をする中で、法令に沿って利用者を支援していかなければならないと思った。
・時間が短く感じた。法令の理解が十分でなかったので、とても勉強になった。
・説得力がありました。
・すごいですね。ケアマネジャーの資格は持っていませんが、目からうろこでした。
・法律に関してや、介護支援専門員としての在り方等がたくさん聞けて良かったです。とても考えさせられる内容でした。今後の業務の中で活かして行きたいと思います。
・今日勉強したことを日々の業務に持ち帰り、ご利用者の支援に携わっていきたいと思います。
・制度で知りたい知識について多数聞けたので良かった。
・法令に沿ったプランを作成すれば、必要以上のことをせず本人に関わる時間を増やせると思いました。
・法令遵守での自立支援プラン作成という研修は初めて体験しました。大変良かったし、今後の仕事上でも役立つ研修となりました。
・大変勉強になりました。もう一度しっかり法令を読みこなす必要があることに気づかされました。
・自分では分かっていたつもりで、再認識できました。
・法令の部分が弱く良くわかりました。今までの業務が困難ケースが多く、一人ひとりにあったもの、適正なのかと自問自答しておりました。今日の学びを参考にしながらよりよいケアマネジメントができるようにしてまいりたいと思います。
・とてもわかりやすく、現在の業務と照らし合わせて話を聞くことができました。制度(法律)を理解してのケアプランの立案。責任が重い仕事だと改めて感じました。
・実際に役立つことが聞けて良かったです。項目ごとに詳しく説明もあり理解出来ました。もう少し勉強してまた聞いてみたいと思います。
・日ごろの業務の再確認ができたと思う。法律の位置づけをもっと知っておかなくてはと反省しました。
・法令を意識して業務に取り組むようにしたい。
・ケアプラン、担当者会議での「なぜ?」が解決できてよかった。
・法についての解釈や考え方が大変参考になりました。
・法令に沿ったケアプランを作成しなければならないことを、わかりやすく講演していただきありがとうございました。時間が足りないようにも思いました。これからの業務に大変参考になり、出席したかいがありました。
・自律、傍らにいることが許される者、の言葉がとても印象的で仕事に勇気が出ました。
・話の内容がわかりやすく、時間があっという間にすぎた感じでした。明日からの業務に役立てたいと思います。
・法令についてなかなか理解できない部分も多かったが、再度見直すことで、今後充実したプラン作成に取り組んでいきたいと思う。
・掲示板での硬派な印象とは違い、親切な語り口でわかりやすかった。法令をしっかり勉強した上で、今後のプランに役立てたいと思います。
・現状を顧みる機会になり、感謝しています。
・ケアマネジャーとして忘れていたことを思い出しました。もっと法律を勉強していこうと思う。
・法令を理解(読み込む)することの大切さがわかった。
・監査を受ける際、「あれ、こんなこと決まっていたかな」という疑問を解決でいるとともに、ケアマネとしての基本を再勉強できました。看取りについてもお話しを聞けたのは、今回の参加目的+αでした。
・今回のような研修を求めておりました。大変参考になりました。
・自律支援プランを作成するために、法令を勉強して根拠あるケアプランを作りたいと思った。
・県の監査などで指摘されていたことは法令ではなかった。知らないばかりに反論できなかった事をくやしく思う。
・緑風園のサイトで、仕事上の判断で迷った場合確認していたので、とても実務に活かせる研修会だった。
・最後の自律の意味を考えさせられました。GHの介護支援専門員ですけど、帰ってスタッフと考えたいことがたくさん増えました。
・一人一万円とって良い程の内容でした。GREAT!!コメント書き込みます。

以上である。皆さんありがとうございます。ご自分の感想はありましたか?ところで講演の中で印象に残ったキーワードとして、いくつかご意見をいただいた「自律」「QOD」「傍らにいることが許された者」については、僕の著作本「人を語らずして介護を語るな〜masaの介護福祉情報裏板」に詳しく書いている。まだお読みでない方は是非、読んでいただきたい。

なお続編の書き下ろしでは「傍らにいることが許される者になるために」と題した文章も書いている。是非続編もお楽しみに。

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介護・福祉情報掲示板(表板)

ICFの考え方を取り入れたポジティブプランを図解する

平成15年の介護支援専門員基本テキストなどの改訂時に、ICFの考え方を取り入れたポジティブプランの考え方が推奨され現在に至っている。

ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)は、2001年5月に開かれたWHOの総会で採択された機能障害と社会的不利に関する分類である。ICFでは、人間の生活機能と障害について、「心身機能」、「身体構造」、「活動と参加」、「環境因子」について、約1500項目に分類しているもので、日本語としては「国際生活機能分類」と訳されている。

この考え方をケアプランに取り入れることについて、厚生労働省ではその意味を
1. 障害や疾病を持った人やその家族、保健・医療・福祉等の幅広い分野の従事者が、ICFを用いることにより、障害や疾病の状態についての共通理解を持つことができる
2. 様々な障害者に向けたサービスを提供する施設や機関などで行われるサービスの計画や評価、記録などのために実際的な手段を提供することができる。

以上のように示している。・・・はっきり言って改めてこのよう書いても、その意味がさっぱりわからないというのが僕の本音である。

さらにそれをポジティブプランなるものに結びつけるのはどうしたらよいのか非常に難解に感じた。そのためICFに詳しいセラピストの方々(もともとこの理論はリハビリテーション領域で先進的な研究が進められていたので)の文献などを何冊か読んだが、わけがわからなかった。日本語の文章を読んだ気がしないほど、意味・解釈が難解なものが多かった。

そもそもICFそのものはアセスメントツールではない。これをケアプラン作成作業に考え方として取り入れるのは可能なのだろうかという疑問をある時期から持つに至った。ポジティブプランということを考えるなら、必ずしもICFという分類を意識せずとも可能な方法があると思う。特に国際基準であるMDSをアセスメントツールに用いている場合、考え方をある一定の方向に向ければ結果としてICFの考え方を取り入れたポジティブプランの考え方に沿ったプラン作成が可能だと思うし、その一定の方向に向けた考え方というのは、さして難解なものではない。

それは居宅サービス計画が、利用者と社会資源としての介護保険サービスを結びつける段階で、あるいは施設サービス計画が、利用者と施設サービスとしての、施設内の具体的サービス提供と結びつけるに際して、障害などで「できない部分」を補うという考え方ではなく、障害があっても「残された能力」があることに着目して、サービスを障害の穴埋めではなく、能力を最大限に発揮する方法論について環境整備を含めた方法で具体化することだと思う。つまり介護サービスを利用することで、現在の能力を維持できたり、本来残されているのに発揮されていない能力を引き出す方法論である。これが結果的にICFの考え方を取り入れたポジティブプランと同じことになるのではないだろうか。

これは図解する方が分かりやすい。

例えばアセスメント情報として「アルツハイマー型認知症による記憶障害と見当識障害があるため尿意を感じてもトイレの場所が分からない。 」という方が、「トイレの場所が分からず歩き回っているうちに失禁してしまう。トイレを探している間にトイレに行こうとしたことも忘れる。 」という状況があったとする。

この時、ICFの考え方を取り入れたポジティブプランが導入される以前の「従来型」のアセスメントでは、「失禁してしまう」ということにスポットをあてて、その失禁をいかに穴埋めするかという考え方で具体的なサービスが立てられた。それが下記の図である。

careplan

一方、ICFの考え方を取り入れたポジティブプランで、同様のケースを考えると次の図になる。

careplan2

ここでは「失禁する」という問題にスポットを当てるのではなく、「尿意を感じる」ことに着目し、尿意が感じられるのだから本来はトイレで排泄ができるはずであるというふうに考える。つまり本ケースでは、尿を感じてトイレに行けるはずなのに、実際には失禁してしまうのは、その能力が充分に発揮できない「阻害要因」があると考え、その阻害要因を取り除くことで能力が充分発揮され、失禁なくトイレで排泄ができると考える。

阻害要因を取り除く方法はケースによって様々で、場合によってそれは運動器向上トレーニングで筋力のアップを図ろうとするケースもあろうが、そうではなくとも本人の能力を最大限に発揮できる環境整備や、介護支援という方向から具体策を考えることもできる。

すると本ケースにおける「阻害要因」とは「トイレの場所が分からない」という記憶障害であり、記憶障害そのものは改善しなくとも、「トイレの場所が分からず歩き回っているうちに失禁してしまう」のであるから、トイレの場所が分かるようになれば失禁しないと考える。そうなると、トイレの場所が容易に分かるように目印をつけたり、尿意を感じてトイレに行こうとしている、という状態の何らかのサインを見つけることで、その時にトイレ誘導を行えば、トイレで排泄でき失禁しない、という方法を具体化したサービスプランとなる。その結果、後者の考え方に基づいた場合のケアプランにおける排泄ケアの目標や具体的サービスは下記の図である。

plan5

勿論最初に示した「障害の穴埋め」の考え方で、失禁するということに着目したとしても、ポジティブプランのように「尿意のサイン把握」とか「トイレへの誘導方法」というサービスに結びつかないというわけではない。

しかしここで一番大事なことは、下のポジティブプランの考え方であれば、決して「パット使用」「オムツ交換」で終わることにはならず、必ず「尿意を感じた際にトイレへ適切に誘導する方法」を考えることになる、ということである。

逆に言えば「失禁」に着目する従来の考え方であれば、本ケースも「おむつ使用、適時交換」で終わってしまう可能性が高いということになる。

両者を比べて、どちらが適切なプランかと考えた時、それは、どちらが利用者の暮らしとして質が高いのかという点から判断すべきであり、それは当然後者となろう。

このような考え方で利用者をサービスに結びつける方法を「ICFの考え方を取り入れたポジティブプラン」といってよいのではないだろうか。

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介護・福祉情報掲示板(表板)

アセスメントツールの法的位置付け

(8/4 17:26追記:重要なお知らせ
6月29日ブログ記事の間違いについて〜来年4月以降は老健でも認定特定行為業務従事者が痰吸引等を実施できる事になります 。詳しくは貼りついたリンク先(表の掲示板の当該スレッドです)をご覧ください。
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居宅サービス計画や施設サービス計画を作成する場合に、ごく当たり前のように「アセスメントツール」を用いて作業を行っているが、介護支援専門員の資格を持っている人々は「アセスメントツールは使わなくてもよいのか?使わなければならないのか?」ということに法的根拠を持って回答できる人でなければならない。
(ケアプランの適正作成という視点からの方法論とは別の次元の話という意味。)

この理解があやふやなケアマネジャーは、本日の記事内容をしっかり頭の中に叩き込んでほしい。

「居宅サービス計画」作成時にアセスメントツールを用いる根拠は、「省令13条6号:介護支援専門員は、居宅サービス計画の作成に当たっては、適切な方法により、利用者について〜」という部分である。ここで「適切な方法により」とされている。

「施設サービス計画」の場合も同様で、例えば特養の基準省令12条3号において同じ内容の記述があり、これは老健も療養型も同様である。

そしてこの「適切な方法により」の解釈については、居宅サービス計画の場合は、老企22号Α_歛衒析の実施(第6号)
〜課題分析は、介護支援専門員の個人的な考え方や手法のみによって行われてはならず、その者の課題を客観的に抽出するための手法として合理的なものと認められる適切な方法を用いなければならない〜別途通知するものとしている

そして施設サービス計画の解釈も老企43号〜45号で、
(3)課題分析の実施(第3項)
〜なお、課題分析は、計画担当介護支援専門員の個人的な考え方や手法のみによって行われてはならず、入所者の課題を客観的に抽出するための手法として合理的なものと認められる適切な方法を用いなければならないものである。

とされ、ここでいう「合理的なものと認められる適切な方法」が同じく別途通知される方法である。

この「別途通知するものとしている」に該当する通知が老企29号「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」のII.課題分析標準項目(別添)である。

ここでは課題分析標準項目としての 基本情報に関する項目(9項目)+課題分析(アセスメント)に関する項目(14項目) の計23項目が示されている。

基本的にはこの項目をすべて含んでおれば「合理的なものと認められる適切な方法」であり、一般的に用いられているアセスメントツールを使わず、自分のオリジナルツールをこの項目を全て網羅して作り、それを使うことは問題ない。

しかし一般的にアセスメントツールとして使われるものは、これらを含んで「支援する上で解決すべき課題」を抽出する方法となっているので、あえてオリジナルのツールを作らなくとも、それらを用いれば、法的なケアプラン作成ルールに合致することとなる。手間暇を考えれば、あえてオリジナルツールを作る必要もないように思える。なぜなら一般的に用いられているツールは、それなりの時間をかけて研究開発されている経緯があり、種類も豊富で、使い勝手の良いものを選択することが可能だからだ。忙しいケアマネが、あえてそれ以外のツール開発に力を入れる必要もないだろう。勿論既存ツールに満足せず余力が充分あればオリジナルツールを作ることは否定されるような問題ではない。

一方、居宅サービス計画に位置づけられた、居宅サービス事業所(訪問介護、訪問看護、通所サービス等)の計画については、この「合理的なものと認められる適切な方法」という規定が法令には見当たらない。

例えば訪問介護を例にとれば基準省令では作成に関して
第二十四条  サービス提供責任者(第五条第二項に規定するサービス提供責任者をいう。以下この条及び第二十八条において同じ。)は、利用者の日常生活全般の状況及び希望を踏まえて、指定訪問介護の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した訪問介護計画を作成しなければならない。
2  訪問介護計画は、既に居宅サービス計画が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成しなければならない。

以上のような規定しかない。さらにこの部分の解釈通知では、(13)訪問介護計画の作成
 ゝ鐶雋霆狢茖横款鯊茖厩爐蓮▲機璽咼皇鷆\嫻ぜ圓蓮∨問介護計画を作成しなければならないこととしたものである。訪問介護計画の作成に当たっては、利用者の状況を把握・分析し、訪問介護の提供によって解決すべき問題状況を明らかにし(アセスメント)、これに基づき、援助の方向性や目標を明確にし、担当する訪問介護員等が提供するサービスの具体的内容、所要時間、日程等を明らかにするものとする。なお、訪問介護計画の様式については、各事業所ごとに定めるもので差し支えない。

としているだけで「利用者の状況を把握・分析し、訪問介護の提供によって解決すべき問題状況を明らかにし(アセスメント)」すればよいというだけで、この部分について「合理的なものと認められる適切な方法を用いなければならない」という規定はなく、よって老企29号で示したような課題分析標準項目をすべて網羅する必要もない事が分かる。だから簡単な聞き取り調査票のようなものを独自に作ってアセスメントツールとして用いてもよいという意味になる。

居宅サービス計画及び施設サービス計画と、各サービス事業所の計画におけるアセスメントにはこのような法令上の違いがあることも理解しておく必要がある。

このことに関連して、居宅サービス計画及び施設サービス計画は何が使いやすいですか?どのアセスメントツールが優れていますか?という質問を受けることがあるが、この質問に対して適切な答えはない。

なぜならアセスメントツールは使いこなして初めて有効になるもので、使いこなすことができるツールは人それぞれであり、自分が「合う」「使いやすい」と感じるものが一番だからである。

自分が所属する事業所で使っているツールであれば、先輩が後輩にきちんとその使い方を教えて、皆で何か問題が起こった時に共通基盤を持って考えることができることになるので、そのツールが一番すぐれていると言えるかもしれない。現在そうした方法で機能しているなら、あえて「よりよいもの」を求めて変えようとしたり、ツールをいろいろ試してみる必要性はあまりない。どれも1長1短があり、使いこなすにはそれなりの慣れるための時間と訓練が必要になるからだ。

要は使い方である。
(参照:アセスメントツールは何のためにあるのか。)

ところで僕が原稿を執筆したある冊子に、僕が書いた同じテーマの部分に桜美林大学の白澤政和教授のインタビュー記事が掲載されていた。そこで同教授は自らが開発した「居宅サービス計画ガイドライン」(全社協)について「アセスメント方式はいろいろありますが、居宅サービス計画ガイドラインが圧倒的なシェアである。」と語っている。

居宅サービス計画ガイドラインとは、別名・全社協版とも呼ばれ、認定調査を一部転記できる部分があることが特徴になっている方式であろうが、この方式が「圧倒的なシェアである。」って本当なのだろうか?少なくとも僕の周囲でこのアセスメントツールを使っている人を知らない。いや、そういえば室蘭市地域包括支援センターの安田大先生がこれを使っていたように思うが記憶は定かではない。(大先生、違いましたか?)どちらにしても僕の周囲では、この方式を使っている人は少数派ではないのだろうか?

僕の印象では一番多く使われているのはMDSで、これこそが「圧倒的なシェア」であり、その次に「包括的自立支援プログラム」ではないかという印象だ。

居宅サービス計画ガイドラインが「圧倒的なシェアである。」である根拠データはどこにあるのか、知っている人がいたらぜひ教えていただきたい。
※このブログ記事を読んでいる方が現在使っているツール、あるいは将来、ケアマネや計画担当者になった場合に使いたいと思うツールは何か下記のアンケートに投票をお願いします。今後ケアマネの仕事をするにあたってアセスメントツールをそうしようかと考えている人の参考にもなると思いますのでご協力ください。
(この結果、居宅サービス計画ガイドラインの割合がどの程度になるかも注目されるところです。)

アンケートの結果はこちらをクリックしてご覧ください。私の予想以上に居宅サービス計画ガイドラインが使われていることが分かりましたが、同時にそれが「圧倒的なシェアである。」と言えるほどではないことも分かりン下。

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介護・福祉情報掲示板(表板)

「長・短期目標」が必要な計画、必要のない計画とその根拠。

施設サービスに関わっているケアマネジャーの方で、同時にショートステイの計画作成に携わっていたり、併設のデイサービスの計画担当者に移動したりする人がいる。

それらの人達に「ショートやデイなどの居宅サービス事業に関する計画書については、福祉系サービス、医療系サービスに関係なく目標を長・短期に分ける必要はないんですよ。」というと、そんなことを初めて聞くように驚く方が居られる。

そこで今日はタイトルの通りの記事を書くことにする。

結論から先に言えば、サービス計画書(ケアプラン)の目標を長・短期目標に分けて設定せねばならないのは、居宅介護支援事業所の介護支援専門員が立案する「居宅サービス計画」と、介護保険3施設の介護支援専門員が立案する「施設サービス計画」のみである。

訪問介護、訪問看護、通所サービス、ショートステイ等の「居宅サービス事業所」が個別に立案する計画(ケアプラン)の目標は長・短期に分ける必要はない。

その根拠は何かといえば、前者は目標を長・短期に分け、その達成期間を定めねばならないという法令上の規定があるが、後者については目標を立てておればよいという法令上の規定しかなく、なおかつ目標の達成期間も計画書に盛り込む必要もないとされているからである。

もちろん後者のケアプランに盛り込む目標を「長・短期に分けてはいけない」という意味ではなく、あくまで法令上は長・短期に分ける必要も、目標の達成期間も盛り込む必要はないという意味である。

ここで少し根拠となる法令を具体的に見てみよう。

まず居宅介護支援事業所の介護支援専門員(ケアマネジャー)が立案する「居宅サービス計画」は基準省令、「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十八号)では、

第十三条八  介護支援専門員は、利用者の希望及び利用者についてのアセスメントの結果に基づき、利用者の家族の希望及び当該地域における指定居宅サービス等が提供される体制を勘案して、当該アセスメントにより把握された解決すべき課題に対応するための最も適切なサービスの組合せについて検討し、利用者及びその家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針、生活全般の解決すべき課題、提供されるサービスの目標及びその達成時期、サービスの種類、内容及び利用料並びにサービスを提供する上での留意事項等を記載した居宅サービス計画の原案を作成しなければならない。

↑以上のように示されているだけで、ここでは「提供されるサービスの目標及びその達成時期」とされているだけで、達成時期を計画に盛り込む必要はあるものの、目標を長・短期に分ける規定はない。

しかし解釈通知を読むと
老企22号[8] 居宅サービス計画原案の作成(第八号)
当該居宅サービス計画原案には、利用者及びその家族の生活に対する意向及び総合的な援助の方針並びに生活全般の解決すべき課題を記載した上で、提供されるサービスについて、
その長期的な目標及びそれを達成するための短期的な目標並びにそれらの達成時期等を明確に盛り込み、当該達成時期には居宅サービス計画及び各指定居宅サービス等の評価を行い得るようにすることが重要である。

以上のように目標は長・短期目標に分けて両方の設定を行う義務を課していることが分かる。

同じように「施設サービス計画」については基準省令、「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十九号)では、

第十二条5  計画担当介護支援専門員は、入所者の希望及び入所者についてのアセスメントの結果に基づき、入所者の家族の希望を勘案して、入所者及びその家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針、生活全般の解決すべき課題、指定介護福祉施設サービスの目標及びその達成時期、指定介護福祉施設サービスの内容、指定介護福祉施設サービスを提供する上での留意事項等を記載した施設サービス計画の原案を作成しなければならない。

とされているだけだが、解釈通知老企43号
5)施設サービス計画原案の作成(第5項)
「〜当該施設サービス計画原案には、入所者及びその家族の生活に対する意向及び総合的な援助の方針並びに生活全般の解決すべき課題に加え、各種サービス(機能訓練、看護、介護、食事等)に係る目標を具体的に設定し記載する必要がある。さらに提供される施設サービスについて、
その長期的な目標及びそれを達成する為の短期的な目標並びにそれらの達成時期等を明確に盛り込み、当該達成時期には施設サービス計画及び提供したサービスの評価を行い得るようにすることが重要である。〜」

というふうに長・短期目標の両方が必要であることを規定している。

それに基づいて老企29号「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」において目標を長・短期に分けたケアプラン標準様式が示されている。

なお老企29号では「緊急対応が必要になった場合には、−時的にサービスは大きく変動するが、目標として確定しなければ短期目標を設定せず、緊急対応が落ち着いた段階で、再度、長期目標・短期目標の見直しを行い記載する。」というふうに一時的に短期目標がない計画は認めているところであるが、あくまでこれは一時的な特例であると解釈されるものである。

一方、居宅介護支援事業所の介護支援専門員(ケアマネジャー)が立案する「居宅サービス計画」に位置づけられた各サービス(訪問介護や訪問看護などの訪問サービス、通所サービスやショートステイなど)については基準省令にも解釈通知にも目標を長・短期に分ける規定は存在しない。

例えば指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十七号)の通所介護の箇所をみると

(通所介護計画の作成)
第九十九条  指定通所介護事業所の管理者は、利用者の心身の状況、希望及びその置かれている環境を踏まえて、機能訓練等の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した通所介護計画を作成しなければならない。


とされているだけで、解釈通知老企25号にも「目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容」を記した計画の同意に基づきサービス提供できるものとしている。

老企25号解釈通知の訪問介護と訪問看護を例に挙げれば
老企第25号
(13)訪問介護計画の作成
 ゝ鐶雋霆狢茖横款鯊茖厩爐蓮▲機璽咼皇鷆\嫻ぜ圓蓮∨問介護計画を作成しなければならないこととしたものである。訪問介護計画の作成に当たっては、利用者の状況を把握・分析し、訪問介護の提供によって解決すべき問題状況を明らかにし(アセスメント)、これに基づき、援助の方向性や目標を明確にし、担当する訪問介護員等が提供するサービスの具体的内容、所要時間、日程等を明らかにするものとする。なお、訪問介護計画の様式については、各事業所ごとに定めるもので差し支えない。

(6)訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成
◆嵋問看護計画書には、利用者の希望、主治医の指示及び看護目標、具体的なサービス内容等を記載する。」


↑このように目標が掲げられておれば良いだけで、目標の達成時期も示す必要がない事がわかる。そしてこれらの各サービス事業所の計画には老企29号で示されているような標準様式も存在しておらず、各事業者ごとに独自に計画書様式を作って良いものである。

そもそもショートステイは何らかの事情で1度限りの利用ということもあり得るサービスで、この場合でも4日以上の利用の場合は「短期入所(生活介護または療養介護)計画(ケアプラン)」が必要になるが、この場合目標を長・短期に分ける意味はない。

他の居宅サービスにしても、居宅介護支援事業所の居宅サービス計画が立案されている場合は、それに沿って立案することになっているので、利用者のよりよい暮らしを守る総合的援助方針を達成するために、「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」解決のための目標は、居宅サービス計画に於いて長・短期目標に分けて設定されているので、それに沿うとは、その総合的援助方針を達成するための課題解決のために各事業所サービスが位置づけられたという意味だから、居宅サービス計画の長・短期目標を達成するための各事業所計画は「目標1」「目標2」という形で問題ないわけである。いやむしろその方が利用者も家族も、サービス担当者も分かりやすい場合が多いのである。

よって各居宅サービス事業の計画担当者の方は、目標を長・短期に必ずしも分ける必要はないというこの規定を充分理解した上で、計画作成に当たってもらいたい。

最後に当施設併設のショートとデイサービスの計画書の目標について、居宅サービス計画書との観点で具体例を図で示してみたい。

(ショートステイの目標設定例)
ショート


(通所介護の目標設定と具体的サービス例)
通所2


以上である。是非参考にしていただきたい。なおこれらの内容については「居宅サービス計画」「施設サービス計画」「ショートステイ計画」「通所介護計画」に関連する講演なども行い、そこで詳しく解説しているので、興味のある方は是非講師として招いてくださればありがたい。

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計画担当ケアマネには権限も必要だ。

介護支援専門員はケアプランを作る人ではない。

ケアプランというツールを使いこなし、人の豊かな暮らしに繋がる援助活動に携わることができる専門家が介護支援専門員であるのだ。

だからその略称はケアプランナーではなく、ケアマネジャーというのである。

しかし適切なアセスメントを行い、生活課題からニーズを引き出して、それに基づいたケアプランを立案したとしても、チームとして連携すべき他のメンバーと意思疎通がうまくとれず、チームとして意思統一できず、ケアプランが機能しなければ、それはただの紙切れに過ぎなくなる。ただの紙切れを作るだけの職種ならば、ケアマネジャーではなく「書類作成人」に過ぎなくなる。

しかし実際には実地指導のために必要とされる書類でしかなく、現場のサービスに利用できない空虚なケアプランを作成しているケアマネが存在する。

特に施設サービスにこの傾向が強い。

居宅サービスの場合は、所属事業所が異なる様々な事業関係者がチームを作ることになるが、居宅介護支援事業所のケアマネジャーが利用者の居宅サービス計画を立案する場合、そのサービス計画に載せられてはじめてサービス提供できるということになるから、ケアマネとサービス事業所の担当者に職制上の上下関係はなくとも、ごく自然とチームの要にケアマネが位置することになるし、居宅サービス計画が立案されている場合は、各サービス事業所のプランも、それに沿った内容で立案されなければならないという法令上のルールがある。よってごく自然と居宅介護支援事業所のケアマネジャーがリーダーシップを得ることになる場合が多い。

しかし施設サービスの中で、ケアプランを立案するケアマネジャーの立場は様々で、ケアプランを作成するというだけでは職場でリーダーシップを発揮する立場に立つことには必ずしもならない。そこには施設という組織の中での歴全とした職制が立ちはだかる場合が多いからである。

そうなると例えば、ケアマネより上司に当たる現場の看護師や介護主任が、サービスプランを立案しようとして話しあう過程で、必要性があるサービスをケアマネジャーがアセスメントの結果として提案しても、「そんなことはできない」で終わってしまうことがある。ケアプランに必要性があるとして載せたサービスであっても、「プランはそうでも現場ではそんなことはできない」ということだって現実に起こっている。

これではサービスは永遠に向上しない。

ケアプランとは一連のケアマネジメントの結果から導き出される必要なサービスを具体化するツールであるのだから、場合によっては現状のルーティンワークを、その必要性に基づいて変える必要も示すものである。つまり施設サービス計画が、利用者の生活全般、まさに365日24時間の生活部分に提供すべきサービスや、その関わり方に焦点を当てるものであるとしたら、それは「どんなサービスを提供するか」「現在の施設サービスのどれと利用者を結ぶか」という視点に留まらず、そのサービス提供の改良や方法の転換まで考えが及ばざるを得ない。この時サービスのスタンダードを変えなくとも個別の方法を組み込む必要も出てくる。

つまり施設サービス計画とは、施設のシステムやサービス内容がこれで良いのか、という部分まで踏み込むものであるはずなのだ。

そうなるとサービス担当者会議で議論される内容も、こういう課題に対し、こういう対応を行なうことにより、こういう目標を達成することができる、という視点をベースに、ケアの展開過程を精査し、場合によってはサービス提供システム自体を変える必要性の検討にも及ばざるを得ない。

このときケアマネがアセスメントし、ケアプランを作成する上でのリーダーシップをとらねばならないのに、いざその計画を実践しようとする入り口で、ケアの現場のリーダーシップや権限がケアマネに持たされていないことにより、その内容が受け入れられない、という問題が出現するのであれば、この計画は意味のないものになり、サービス担当者会議は「しない理由」「できない理由」を確認するだけの機能不全会議となるだろう。

これでは施設サービスのケアマネジャーを配置している意味はない。人件費の無駄である。

よって施設管理者は、この無駄を生じさせないために、ケアマネジメントという多くの業務時間と手間をかける作業を現場のサービスに生かすシステムを創らねばならない。

計画担当ケアマネジャーがケアプランを作り人に終わらせず、ケアプランというツールを使って現場のサービスの品質の維持・向上を図り、利用者の暮らしをより良いものにするための配置職としなければならない。そうであればケアマネジャーは、その計画をチームの要として現場サービスに生かすための権限やリーダーシップを持たねばならないことになる。

相談援助などの前職経験を5年も経て初めて資格を取得させるという意味は、そういう立場に立てる経験者であるという意味でもあるのだ。

だからケアマネジャーはそうした権限を持つという意味でも、ソーシャルケースワーカーとして、相談援助業務を束ねる職制上の地位と、知識、技術を持ったものを任命すべきである。

看護職員や介護職員等と兼務しながら、数件のケアプランを立案する兼務者がケアマネと称しているだけでは意味がないのである。

※昨日のブログに貼り付けた投票アンケートに、たくさんの皆さんから介護福祉士を目指す学生に対するメッセージをいただき感謝します。このメッセージは必ず生徒全員に伝えます。投票は18日まで実施していますので、まだメッセージを送られていない方は、是非それまでに投票メッセージをお願いします。右サイドバーにも投票ツールを表示していますので、そちらもご利用ください。
なお投票は1PCから1回しかできず、同じPCから複数のメッセージを送った場合、前のメッセージが消えてしまいますのでご注意ください。)


※ケアマネジメントオンラインで僕の著作本が『話題の1冊』として紹介されました。是非この記事もご覧ください。


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15年改訂の呪縛から自らを解放せよ

5月16,17日に「第2表・生活全般の解決すべき課題(ニーズ)に何を書くべきか?」「生活課題を「したいの山」にしない工夫。」という2つのブログ記事を書いて指摘したように、15年の介護支援専門員テキスト改訂時に導入されたICFの考え方に基づくポジティブプランの導入で、生活課題について、なにかができない原因である背景要因を書いたり、「〜できない」というネガティブな文章で表現せず「〜したい」と表現することが介護支援専門員実務研修や更新研修などで求められ、多くのケアマネが「講師がそう言っていた」という理由のみで、その表現を疑いもなく取り入れている現状がある。

しかしその表現方法を指導する講師達も、その真の意味を分かっておらず、しかもそうした表現で生ずるデメリットがあることも理解していないから、チームケアを行う上で不可欠な共通言語となるべきケアプランが、画一的・機械的で使えないものになっている例は無数にある。

この表現方法にこだわるあまりに、実際の生活課題が見えなくなれば、目標も不明瞭であるか、的外れになるかしかなく、そういう目標に基づいて立案されたサービスの具体的方法もチームを構成するメンバーが何のために行っている行為か理解出来ないから、結果的に惰性的になる。そうなると元になる課題が不明瞭だから結果の検証も困難になり、生活が改善しない。つまりこの弊害はサービスの質が向上しないという結果として現われる。

こうした現状を見ていると、現在、各都道府県で介護支援専門員の更新研修などに携わっている講師達は「無能」と評価されても仕方ないだろう。だって講習を受けた後に、役に立つケアプランを作ることができる、という結果を出さない限り、その教えは意味がなと言わざるを得ないからだ。

それにしてもポジティブな表現が大事ではなく、使えるケアプランであることが大事だという本質が分かっていない講師に教えられるケアマネも災難である。

目標も「〜できる」という表現が多いが、それは利用者が「したい」と思ってる行為を「できる」と表現するのではなく、事業者が「こうなってほしい」と思う行為を利用者のあるべき姿として「〜できる」と押しつけているようなプランが多い。これでは誰のためのケアプランか分からなくなる。

だいたい生活課題に「病気になりたくない」とか「転びたくない」とか書いているのはどうなんだろう?よく考えてごらん。誰か病気になりたいとか、転んで怪我したいとか思っている人がいるとでもいうのか?そんなことを思う人がいないのであれば、これは生活課題にも希望にもならない。

この場合は、病気や怪我がなく、どのような「暮らし」を実現するのかという具体像を示さないと意味がないと思う。

制度改正議論でケアマネジメント能力に対する疑問や批判が行われる一つの要因として、ケアマネジメントに不可欠なツールであるはずのケアプランが役に立たないツールで終わっているという一面があるのだ。

ここを変えるためには、現在ケアプラン作成実務を教えている介護支援専門員研修に携わっている講師陣の頭の中身を大改造する必要があるが、既に固定観念に凝り固まったそれらの企画運営者は「頑迷なわからずや」として老害化している。

特に、長寿社会開発センターから発刊されている「四訂居宅サービス計画書作成の手引」を金科玉条のように思っている講師は最悪だ。あれは僕に言わせればケアプランを形骸化、画一化する悪書である。そもそもあの本に書かれているケアプランの実例などひどいものばかりだ。この生活課題で、どうしてこういう目標になるの?という疑問を紐解いていけば、あそこに例示されているプランのすべては、最初からサービスと目標ありきで、生活課題はそれからのこじつけである。

そういう意味で、あの手引内には、よいケアプラン事例が皆無だ。こんな例を見せられて実務の中で困難ケースの支援方法が明確となるようなケアプランなど作ることはできない。だからこの手引は参考にならないし、使えない。

ただしケースによってはネガティブな表現をしないで計画書を作成する場合があり、その際には考え方の一部を適用させてもよいだろう。しかしそれはうまく応用するという意味で、あの本の考え方だけでケアプラン作成のなんたるかが分かると勘違いしてはならない。

前にも別の記事で書いたが、専門家とは人の考えをコピーする人ではない 。

人から教えられたことだけしか理解していない専門家は、専門家といっても外部知識の翻訳者にしか過ぎず、それは追随者の哀しさで、意外な着想を思いつくというところまで知識と精神のゆとりを持っていないことになる。現在の介護支援専門員実務研修の講師の多くはこの状態から脱却していない人であり、15年改訂の際に誰かが作った教科書の呪縛から解放されていない人である。

誰かの教えを真摯に受け止めても、そのことを自分の中で充分に咀嚼して、他者からの教えを自分の言葉に置き換えて表現することができる人が本当の意味での専門家だ。

もうそろそろ15年改訂の呪縛から解放されて、チームメンバーがそれを読めば明確に生活課題を理解出来、自分がチームの中で負うべき役割が明確化し、何を行うことが利用者の幸福な暮らしに繋がるかが分かるケアプランを書くように考え直すべき時期だ。

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居宅と施設で微妙に異なるケアマネジメントルール

居宅介護支援事業所には運営基準減算という罰則があり、「サービス担当者会議未開催」等、ケアプラン作成作業を法令で示したルールに基づいて行っていない場合、居宅介護支援費を通常の7割しか算定できなくなる。

ところが施設サービスの場合、職員未配置減算や定員超過減算はあるが、施設サービス計画の作成ルールに関連した未実施減算というものはない。例えば「サービス担当者会議」を実施せずに施設サービス計画を作成していたとしても、それは運営指導対象にはなるが、そのことで介護給付費を減算しなければならないとか、即、算定できなくなるということはない。

このことを「不公平」だと考える関係者がいるとしたら、それは大きな間違いである。

なぜなら居宅介護支援費とは、まさにケアマネジメントを行うための報酬で、それはケアプラン作成作業から給付管理を通じての一連の作業に対する対価であり、その作業に瑕疵があれば、その対価を削るということはごく当たり前だからである。

一方、施設サービスの介護給付費とは、基本的には身体介護を中心にしたサービス提供の対価及びそれに伴う物品費等であり、施設サービス計画の作成費用は含まれていない。なぜならそれはサービス提供する前提条件であり、それがないサービスは認められていないからである。ここは居宅サービス計画が保険給付を現物給付化するための手段である点と大きく異なっているのだ。そのため措置制度から、介護保険制度に変わった際に、施設サービスの介護給付費にケアプラン作成料が上乗せされたという事実はないのだ。

だから施設サービスについては、ケアプラン作成に対する費用支給がされていないため、減算する対象対価がないということなのである。

ただし居宅サービス計画がサービスを現物給付化する手段であり、この計画がなくても償還払いでサービスを受けることは認められているのと異なり、施設サービスについては、施設サービス計画に基づくサービス提供とされているため、それがないサービスは認められていない。つまり暫定プランなど、何らかの形で施設サービス計画がないと、それは保険給付の対象サービスとはならないという意味だから、悪質なルール無視のケアプラン作成作業については運営指導上厳しくみられ、場合によっては減算どころか給付費そのものが支給されないという判断があり得ることを理解しておくべきである。

また居宅サービス計画と、施設サービス計画の両者に共通して必要とされている「サービス担当者会議」について、その中の「担当者への照会」というルールについては、大きな違いがある。このことに気が付いているケアマネは以外と少ない。どういうことかというと、まず居宅介護支援と介護老人福祉施設の運営基準で、その部分を比べるとよくわかる。

まず居宅介護支援については、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十八号)、第13条9項「介護支援専門員は、サービス担当者会議(介護支援専門員が居宅サービス計画の作成のために居宅サービス計画の原案に位置付けた指定居宅サービス等の担当者(以下この条において「担当者」という。)を召集して行う会議をいう。以下同じ。)の開催により、利用者の状況等に関する情報を担当者と共有するとともに、当該居宅サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。ただし、やむを得ない理由がある場合については、担当者に対する照会等により意見を求めることができるものとする。」

↑とされている。つまり「担当者に対する照会」は、あくまで「やむを得ない理由がある場合について」という条件付きで、これはサービス担当者会議を開くために日程調整を行ったが、所属の違う担当者が一同に会する日時の調整が難しく、指定日時に会議にどうしても参加できない担当者については「照会」により会議参加に替えるというもので、最初から「照会ありき」で、サービス担当者会議を開催しないということは認められていないのである。

一方、施設サービス計画におけるサービス担当者会議と照会の位置づけを、指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十九号)から読みとると、12条6項「計画担当介護支援専門員は、サービス担当者会議(入所者に対する指定介護福祉施設サービスの提供に当たる他の担当者(以下この条において「担当者」という。)を召集して行う会議をいう。以下同じ。)の開催、担当者に対する照会等により、当該施設サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。」

↑以上のようにされており、施設サービス計画を決定すべきサービス転倒者会議に就いては、別段「やむを得ない理由がある場合について」のみ照会で会議参加に替えるというルールにはなっておらず、むしろ「サービス担当者会議の開催、担当者に対する照会等により」という表現から、サービス担当者会議と照会は同列に扱われていると読みとることが可能である。これは老健や介護療養型医療施設の計画作成ルール上も同様である。

つまり施設サービス計画については、特別な事情がなくとも、あえてサービス担当者会議を開催せず、担当職員の照会で済ます場合があってよいのである。

居宅介護支援と施設サービスにおけるサービス担当者会議の「照会」について、この違いは何か?

おそらく居宅サービスにおいては、各担当者は所属が違う別事業の職員が多いということで、それぞれの担当者の状況確認や意思統一のためには、基本として一定の期間ごとに全メンバーが一堂に会して情報交換を行う必要があるのに対し、施設サービスという単品サービスについては、同じ職場で勤務している職員同士ということで、日常的にコミュニケーションを交わしながら情夫共有が可能であり、あえて会議形式をとらずともケアマネを中心にして情報伝達を行うことでサービス計画の作成や、その内容の把握に問題はないということだろと想像する。

どちらにしても「照会」の取り扱いは、居宅サービスと施設サービスで大きく異なっているという事実を知るべきであり、施設サービスでは、サービス担当者会議の重要性を否定する必要はないが、臨機に「照会」を有効に活用して施設サービス計画を立案するという手法を取り入れたってよいということも知っておくべきである。

こうしたルールなど、法令で認められている部分は有効に利用しない手はないのである。あまり頭を固くして杓子行儀に考えすぎると、プランも硬直的、形式的になってしまうぞ。

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施設サービス計画作成の要点

少し先の話であるが、来月6/21と6/22の2日間、鹿児島県鹿児島市のサンロイヤルホテルで行われる「鹿児島県老人福祉施設協議会研修」において講義を行うことになっている。しかも両日2日間に渡って1日4時間、合計8時間の講義を受け持つ。

主催者からこの講義を依頼された際に、次のような要望があった。
『初日(一部)「個別ケアとターミナルケア」2日目(2部)「施設のケアプラン」仮称
理念ならいっぱい聞いており、施設ケアプランはこうあるべきだという講演では、過去同様の評価となります。対象は、従来型・ユニット半々の介護職・ケアマネが約200名の研修となる見込みです。一概には言えないものの大多数の施設で病気だけを管理するプランが多く生活全体の姿・暮らしを創るプランができていない。
原因として―電找修砲茲蠑霾鵑取れない現場の介護とケアプランか乖離している。
利用者のための真のアセスメント・モニタリングの仕方から真のケアプランへ、個別ケアはこういうものだ、そのために自分たちの施設にはケアプランがある。介護職がどう生きたケアプランとし活用するか、ケアマネはそのようにプランを作成するか、個別ケアを定義付けることからプランに繋げる研修をお願いたします。』


↑という内容だ。なるほど居宅サービス計画の作成方法は様々な研修が行われているが、施設サービス計画については、その具体的中身に触れたり、法令ルールに沿った形の手順を踏む方法などを含めて教わる機会が確かに少ない。特に「理念ならいっぱい聞いており」ということは重要で、具体的にどういう表現で、どのような内容のケアサービスをアセスメントから導き出すのか、ということを勉強したいのではないかと感じた。これはケアプラン作成実務を経験した者でないと出来ない講義だ。これは難しいけれど僕が手掛けてみようと思った。

それにしても、特養は慢性疾患を持つ利用者が多いとはいえ、治療施設ではなく疾患と上手に付き合いながら、それをできるだけ悪化させずにより幸福な暮らしを営む場所であり「大多数の施設で病気だけを管理するプランが多く」となっている現状があるのは問題である。

それは施設サービス計画作成担当者の発想力の貧困さを現わしているといって過言ではない。病気に対する治療処置など、暮らしの中のごく一部で、人間として、その生命がある限り、その人らしく生きるという意味は、病気に対してどんな治療処置を費やすかという以外に、眠っている時間以外の暮らしをいかにその人らしく営むかということであり、必然的に病気への対応はサービス計画の一部をなしても、その中核をなすものではないことに気づくはずである。それはターミナルケアの対象者も同様である。

基準省令12条第2項では施設サービス計画に位置付けるサービスについて「〜入所者の日常生活全般を支援する観点から、当該地域の住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて施設サービス計画上に位置付けるよう努めなければならない。」としており、「病気の管理プラン」ではこの規定に反してしまうとも解釈できる。ここは是非病状管理プランという発想を転換してもらわねばならない。

そこで僕は同研修内容について次のような提案を行った。
1日目の「個別ケアとターミナルケア」については概念論や理想論を出来るだけ排除して、私どもの実践報告という形で我々が目指す介護サービスのあり方、そこで実際に行っているサービスから個別ケアや看取り介護を具体的に話しましょう。看取り介護計画についても、この中で当施設が実際に作成している計画を例示して必要な視点を伝えます。この点はお任せください。「介護施設の割れ窓理論」についてもここで触れたいと思います。

2日目の施設ケアプランについては、前段で法令上の施設サービス計画はどのように規定され、どのようなルールで作成しなければならないかを紐解きましょう。そうでないとこれは机上の空論となってしまいます。例えば法令ではアセスメントとモニタリングはきちんと区別してルールが定められています。また多職種連携と言っても、法令上の施設サービス計画作成作業においては、ケアマネしか出来ないこと、他の職員が替って出来ることも区分されています。その上で、いつケアプランをどのように見直すのか、その際のサービス担当者会議(ケアカンファレンス)はいつどのタイミングで、どのような方法で行わねばならないかを法令に沿って解説して理解を深めてはいかがでしょう。

それを理解した上で、看取り介護計画の立て方や個別機能訓練計画の立て方、など具体的に話します。看取り介護対象者の個別機能訓練の内容も興味がありませんか?それと、その際には総合的援助方針に何をかくべきか、2表で求められている記載内容は何かを解説して具体的内容に触れます。

同時に後半部ではショートのプランについても、居宅サービス計画との関連や、施設サービス計画との違い、レスパイトケアを利用者自身の目標に置き換える方法にも触れたいです。


↑以上である。担当者の方からは、その提案を承諾する旨、連絡をいただいた。それに基づいて講義内容を考えてファイル作りを行ってきた。

そして昨晩遅くまでに講義内容はあらかた組み立て終わった。パワーポイントのファイルもほぼ完成した。特に2日目の講義は、今まで僕自身が行ったことがない内容の講義となるだろうから、僕自身もある種の期待をしながら楽しんで内容を組み立てた。しかしそれは、僕自身が施設サービス計画を立てていた視点や、現時点で当施設の現職の介護支援専門員が立案している施設サービス計画の視点から外れるものではない。あくまで実践の結果として、計画例を具体的に示すものになっている。
(現職の施設ケアマネの作成プランも例示内容として勝手に拝借しているので、これは内緒にしておかないと、あとから高くつくので注意が必要だ・・・。皆さんも秘密保持にご協力いただきたい。)

同時に、第2表の生活全般の解決すべき課題を「〜したい」と表現したり、目標を「〜できる」という表現にさせて、画一定型的なケアプラン作成を行わせている介護支援専門員実務研修や更新研修の講師陣の考え方に真っ向反して、法令上問題のない範囲で、もっと自由な表現による個性的な施設サービス計画の作成方法の提言も盛り込んでいる。

そしてそれは15年のICFの視点を盛り込んだポジティブプラン導入の際に、その根本的な意味を理解しないまま、ケアプランの表現方法だけを変えればよいと考えたり、指導したりするアンポンタンな講師陣やケアマネに対する「15年改訂の呪縛からの解放運動」であると思っている。特定の指導者にとっては極めて挑戦的な態度と受け取られかねないだろうとも覚悟している。

鹿児島は10年以上前に「全国老施協研修」でお邪魔したことがあり、その際には市内観光バスにも乗って、歴史ある街を見て歩いた記憶がある。夜は天文館まで飲みに行ったよな。10数年ぶりの鹿児島はあのときと同じだろうか。

それでは鹿児島の皆さん、6月にはよろしくお願いします。

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生活課題を「したいの山」にしない工夫。

昨日の記事の続編になる。

第2表の「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」に「〇〇したい」と書かれることが多い理由は、法令上そう書かねばならないとされているものではなく、財団法人・長寿社会開発センターから発行されている「四訂・居宅サービス計画書作成の手引」の記載要綱を根拠にして、介護支援専門員の実務研修等でそうした表現で記載することが推奨されているためである。

この背景には15年の介護支援専門員テキスト等の改訂の際に取り入れたICFの考え方に基づくポジティブプランの導入がある。

そしてその際に取り入れた「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」の解釈は
1. 困りごとを発生させている原因や背景要因そのものにとらわれてしまうと、ネガティブなとらえ方になりやすく、とりわけ、この欄で問題点を取り上げると、そこから直ちに具体的なサービスを想起してしまい、問題とサービスを結びつけてしまいがちで、「困った状況を改善して望む生活をしたい」というポジティブな生活意欲に転換できないことが多い。

2. できないことばかりでなく、自分でできることなどプラスの面を利用者が自覚できるようにした方がよく、そのためには、「〇〇できるようになりたい」「〇〇したい」というとうに、利用者が主体的・意欲的に取り組めるような書き方の方がよい。

3. 背景要因を書くと「〇〇のため〇〇できない」のように、ネガティブな表現になりやすいので、「〇〇したい」とできるだけ簡潔に書く方がよい。

としたものである。

しかし僕はこのことに諸手を挙げて賛同しない。例えば「背景要因を書くとネガティブになり、できないことに対する問題点だけにサービスを結びつけてしまう」という点に関して言えば必ずしもそうではないと思う。

例えば「認知症による記憶障害と見当識障害があるため尿意を感じてもトイレの場所が分からない。 」と生活課題に背景要因を書くことで、「認知症による記憶障害があることで失禁してしまうので」=紙パットを使う、というふうにネガティブな視点(できないこと)のケアになりがちだという理屈は、あまりに一方的過ぎる見方だ。

この場合であっても「尿意を感じてもトイレの場所が分からない。」というアセスメントに着目すれば、尿意はあるというポジティブな面を捉えて、尿意はあるがトイレの場所が分からないことで失禁するのだから、「尿意のサインを見つけてトイレ誘導を行う」というポジティブなプランになり得るのである。

逆に、この場合の生活課題を単に「失禁せずトイレで排泄したい」としてしまった場合、そのプランを読んで、なぜこの利用者が失禁するのかという背景が見えてこず、認知症の記憶障害に対する配慮が欠けてしまうというリスクもあるのだ。だから背景要因を書かない方がよいという考え方はすべてのケースでプラス要素にはならない。

看取り介護計画における皮膚障害リスク対応も同じような問題がある。看取り介護期に褥創を創らないことは安心・安楽には一番大事なことである。しかし看取り介護期の皮膚障害リスクは個人ごとに様々である。

特に経口から食事摂取ができなくなる時期により、そのリスクは単に自力で体動困難であるということにとどまらず、低アルブミン、低タンパクなどの要因が深く関わってくるため、「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」を単純に「褥創ができずに快適に生活を続けたい」で書いて終わってしまえば、単に体位交換を行えばよいということだけが前面に出され、この時に重要となる「食事が摂れないことで痣(あざ)ができやすくなる」という背景要因を抜きにして考えることができない「介護上の注意点」「よりきめ細かな介助方法」が抜けおちてしまうリスクがある。むしろ看取り介護期には特に全職員が「低アルブミン、低タンパクであるがゆえに、普段より皮膚障害リスクがある」ということを強く意識する必要があり、計画書の中にこの背景要因を書いておくことが重要である。

このことについて、僕の友人でもある山形のスーパーケアマネ成澤正則氏は、「居宅サービス計画書・作成と手続のルール」の中で、『課題分析の結果から導き出された解決すべき課題(ニーズ)を記載する項目です。〜むしろ「〇〇できない」と表現する場合があってもよいでしょう〜』と指摘している。

また静岡県浜松市で独立・中立型居宅介護支援事業所を経営する粟倉敏貴氏は、「ケアマネジャー・介護・福祉職員のための作文教室」の中で、「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」に「〇〇したい」という表現が多くされていることに関して、『「〇〇したい」という具合に「したいの山」を築いてしまうという珍現象』と指摘し、『ひどい場合は事業者の都合をニーズの欄に「〇〇したい」と記入しているケアマネジャーもいる。ここまでくればもはや「利用者が周囲とうまくやっていくために、本当はこうしたいんだと望んでいるはずだ」と勝手に思い込んだ「仮想プラン」としか言いようがないのだが、当の作成者は「こう書けと研修で習ったんです」と堂々と主張する。これはどう考えてもナンセンス。』とズバッと斬り捨てている。

そもそも老企29号の「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」とは「利用者の自立を阻害する要因等であって、個々の解決すべき課題(ニーズ)についてその相互関係をも含めて明らかにし」ということと、「〇〇したい」という表現は必ずしもイコールにならず、この規定の解釈の結果、書き方は「〇〇したい」と簡潔に書くべきとした「四訂・居宅サービス計画書作成の手引」の考え方はICFの考え方に基づくポジティブプランの考え方を導入するための強引なこじつけという感が無きにしも非ずである。

よってこの部分は「〇〇したい」という表現によって視野が広がり、よりポジティブなプランに結びつくと考えられる場合は、そう表現した方がよいが、必ずしもその表現にこだわる必要はなく、「〇〇したい」という表現では明確なケアの方向性が見えてこない、あるいはその方向性が曇る恐れがある場合には、背景要因も含めて書きながら「〇〇したい」という表現以外の書き方があってもよいだろう。

例えば「〇〇が行われることで〇〇が期待できる」「〇〇の懸念があり〇〇が求められる」という表現であってもよい。僕個人は「生活全般の解決すべき課題(ニーズ」については、そのような表現方法を使うことがよくある。

これは決して間違った表現方法ではないし、全国各地で介護支援専門員の実務研修や更新研修などを担当する講師の人々も、このことを画一的に考えずにきちんと整理して伝えてほしい。

少なくとも壇上から「生活全般の解決すべき課題(ニーズ」については「〇〇したい」とすべきであるということのみを強調する講師の言葉は信じてはいけない。

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第2表・生活全般の解決すべき課題(ニーズ)に何を書くべきか?

居宅サービス計画及び施設サービス計画書の標準様式・第2表には「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」という項目がある。

ここにどのような内容を書くべきかについては「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」(平成11年11月12日・老企第29号)で次のように規定している。

(1)「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」
利用者の自立を阻害する要因等であって、個々の解決すべき課題(ニーズ)についてその相互関係をも含めて明らかにし、それを解決するための要点がどこにあるかを分析し、その波及する効果を予測して原則として優先度合いが高いものから順に記載する。

これは居宅サービス計画及と施設サービス計画書共通の規定であり、これに沿って第2表に記載することになる。そしてこの規定を素直に解釈するとしたら、例えば脳血管障害があり半身麻痺と下肢筋力低下があり寝返りが自力で行えない人の「個々の解決すべき課題(ニーズ)」は、老企29号規定の「自立を阻害する要因等」から考えるなら「自力で寝返りがでいないことで褥創ができるリスクがある」というものになる。

しかし多くの計画書を読むと「個々の解決すべき課題(ニーズ)」は、そのように書かれておらず「〇〇したい」という表現がされている。つまり上記の例なら「自力で寝返りができないことで褥創ができるリスクがある」と書かずに、「褥創ができずに暮らしたい」とか「皮膚障害を発生させず快適に暮らしたい」などと表記される場合が多い。

これはなぜか?そのことの根拠をきちんと考えてこの項目に「〇〇したい」と書いている人と、その根拠を考えずに単に機械的に、ここはポジティブ表現として書かなければならないと指導されたからという理由だけで「〇〇したい」と書いている人では計画内容に大きな差ができる可能性が高い。

特に後者の場合、第1表の「利用者及び家族の介護に対する意向」とどこが違うのかが不明瞭になってしまう。つまり第2表の「個々の解決すべき課題(ニーズ)」とは、第1表に書くべき「利用者及びその家族が、どのような内容の介護サービスをどの程度の頻度で利用しながら、どのような生活をしたいと考えているのか」ということにとどまらず、潜在的ニーズも含めて課題(ニーズ)を引き出すものであることを忘れてはならないからである。

では「個々の解決すべき課題(ニーズ)」を「〇〇したい」と記載する理由と根拠はどこになるのか?関連法令や解釈通知ではこのことを解説したものはない。

そこで財団法人・長寿社会開発センターから発行されている「四訂・居宅サービス計画書作成の手引」を読むと、その理由と根拠に行きあたる。

この中では「個々の解決すべき課題(ニーズ)」について老企29号規定を示した上で、その解釈について次のように述べている。

・アセスメントから得られるニーズとは、困りごとを発生させている原因や背景要因そのものではありません。ニーズに背景要因を含めると、例えば「〇〇のため〇〇できない」というように身体、精神、心理、家族関係などの問題点や原因を指摘し、かつ、ネガティブなとらえ方になりやすく、とりわけ、この欄で問題点を取り上げると、そこから直ちに具体的なサービスを想起してしまい、問題とサービスを結びつけてしまいがちです。この欄が、「生活全般のニーズ」とされているのは、単に困った問題状況を明らかにするというレベルにとどまらず、目の前の「困った状況を改善して望む生活をしたい」というポジティブな生活意欲に転換する意図があるからです。

・要介護状態にある利用者は、極端に自信を失っている場合があります。できないことばかりでなく、自分でできることなどプラスの面を利用者が自覚できるようにしましょう。


とした上で、書き方として

ー立支援を目指す計画ですから、ニーズ欄には、「〇〇できるようになりたい」「〇〇したい」というとうに、利用者が主体的・意欲的に取り組めるような書き方の方がよいでしょう。
背景要因を書くと「〇〇のため〇〇できない」のように、ネガティブな表現になりやすいので、「〇〇したい」とできるだけ簡潔に書く方がよいでしょう。


以上にように解説されている。これは平成15年にICFの考え方を用いたポジティブプランという考え方が導入され、介護支援専門員実務研修カリュキラムの変更 と介護支援専門員テキストの変更及びケアプラン記入の手引きの変更 が行われた際に導入された考え方で、それ以降の介護支援専門員(ケアマネジャー)実務研修や資格更新研修で、この部分の記載方法を同様に指導している結果、多くのケアマネがこの項目に「〇〇したい」と書いているのだと推測できる。

だからそうした表現は、15年以降、国が推奨する方法で、それは正しい表現であると言える。

ただし、そこから本当の意味の「暮らしの課題(ニーズ)」が見えてこなければ、適切な目標や具体的サービスが見えてこないのだから、表現方法を「〇〇したい」とすることのみにこだわって、真のニーズが隠され、デマンドだけが前面に出される計画書にしないことが重要だ。だから、そこでは単純な利用者の意向のみに終わっていないかという考察が不可欠になるし、それをしないと第1表に書かれるべき利用者の意向を、切れ切れに切り取ってこの部分に書くことになってしまうので注意が必要だ。

例えば当施設の「看取り介護計画書」から、この部分を例示すれば「最期まで住み慣れた場所で寂しさや不安感を持たず、充実した時間を過ごしたい」と表記されている。この方は自分で意思決定ができるわけではなかったので「最期まで住み慣れた場所で暮らしたい」というのは、家族と職員が日ごろの利用者の希望などから推察した気持ちで、それは社会福祉援助者としてのアドボケーション(代弁)機能と密接に関連したものであると同時に、職員や家族が連携してかかわらねば「寂しい、不安のある看取り介護期になるリスクがある」という意味も含まれており、この課題を正しく理解しない限り、「最期まで住み慣れた場所で寂しさや不安感を持たず、充実した時間を過ごすことができる」ための具体的サービスは見えてこないし、その結果には結びつかない。

よってポジティブな希望表現を強調するあまりに、的確な課題把握がおざなりにされては本末転倒で、課題を意識した上で、ポジティブな課題表現と、それに対する目標設定やサービスとの結合が求められていることを忘れてはならないのである。

だから場合によっては、この部分には生活障害の原因となっている課題を明記した上で「〇〇したい」というニーズを記載するという方法があってよいだろうと考えるものである。

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ケアプラン作成義務が新たに課されるサービス

介護保険の給付対象サービスのうち、主な居宅サービスは、居宅介護支援事業所の居宅サービス計画とは別に、「居宅サービス事業所」がそれぞれのサービス計画を立てるという構造になっている。これは個別援助計画と言えるものである。
(参照:施設系ケアマネジメントの構造

例外として「居宅療養管理指導」「特定福祉用具販売」「福祉用具貸与」「訪問入浴」「四日未満利用のショートステイ」については各事業所のサービス計画は必要とされていない。
※住宅改修もケアプランは必要ではないが、介護保険法第8条に「居宅サービス」の定義があり、ここに「住宅改修」は含まれていないため上記に入れていない。

しかし来年4月からの改正制度の中では、この中の「福祉用具貸与」について新たに「個別援助計画」(福祉用具貸与計画)の作成を義務付ける方向で議論が進められている。

これは貸与される福祉用具の選定について、その理由の整理や関係者の情報共有ツールとして活用するための義務化であるが、同時に現在貸与品目となっている比較的安価な福祉用具を「特定福祉用具販売」に移行する、あるいは貸与と販売については、品目を定めず選択性にする、という議論が背景にあるものだ。

つまりメンテナンスの必要性が低い福祉用具については、必要以上の貸与期間の長期化を招き、その結果、一定の期間を超える場合に、当該福祉用具の一般小売価格を上回る貸与費を支払っている事例があるためである。

そうした問題に直結する品目例としては、歩行補助つえ・歩行器・手すり・スロープなどが挙げられている。

福祉用具貸与事業者の個別援助計画の義務化により、こうした品目のメンテナンスのない長期使用によって販売価格を上回るような利用をなくそうという意図である。

福祉用具貸与事業者のケアプラン作成義務を課すことにつては決して反対ではない。それによって貸与業者が、より積極的にチームケアの中に組み込まれ、ケアプランというツールを通して貸与事業者としての視点をチームに伝えることが容易になるかもしれないし、商品としてではない、福祉用具としての視点から貸与品目が意識されやすくなるというメリットも考えられるからである。

しかしこれが福祉用具貸与事業者へのケアプラン義務化でしか実現できないという現実があるとしたら、それは同時に担当介護支援専門員のケアマネジメントは今まで機能していたのか?という別の角度から検証が必要になる問題である。

居宅療養管理指導のように、居宅サービス計画に位置づけられる必要がなく、給付管理が必要ではないサービスであるならともかく、福祉用具貸与は、担当ケアマネジャーが立案する居宅サービス計画に位置づけられ、給付管理が行われないと、現物給付化され、事業者に直接保険給付費が支払われないサービスである。

つまり多気のケースで、福祉用具貸与の場合は、貸与事業者独自の計画がなくとも、その必要性は介護支援専門員の居宅サービス計画に位置づけられ、給付管理も行われているはずである。給付管理を行うということは毎月ごとに費用計算されているはずだから、安価な貸与品目の長期間の貸与によるコスト計算も行われているはずだ。当然、介護支援専門員であるならば介護用品の一般小売価格を全く知らないということでは困るわけで、貸与を継続するより、自己負担で購入した方が安上がりではないかという視点が居宅サービス計画作成時点からあってしかるべきである。

そうした視点を持ち合わせていないと、無駄な保険給付を増やすだけの「御用聞きケアマネ」という批判に反論できなくなる。

次期改正議論では、このことに関連してケアマネジャーの実務研修や現任研修に「福祉用具関連講習」の必修化なども検討されている。

もっと知識を与えねば使えない職種がケアマネジャーだと思われているわけである。ここでもケアマネは馬鹿にされているわけである。誰にって?国や介護給付費分科会等の各委員にである。

そのため福祉用具貸与計画のある利用者のサービス担当者会議におけるルールも追加される可能性が高い(福祉用具導入時の会議への福祉用具専門相談員等の専門職参加の義務付けや、医師意見書等による確認義務など)。

ケアマネジメント能力を信頼されていないことで、また備えねばならない記録、書式類が増え、意味のない研修受講義務が増え、仕事が増え、ストレスが増えるが、報酬は減らされる。

業務の省力化など絵に書いた餅で、省かれるのは人件費支出だけである。責任と義務だけ重くして、報酬を減らすという理屈は一体誰が正当化するのだろうか。

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介護・福祉情報掲示板(表板)

長・短期目標の期間について考える(その2)

(昨日からの続き)
この考え方を表の掲示板で質問された事例に当てはめると。2/1から居宅介護支援を開始した利用者で現在の認定期間が2/28までの場合は、次の認定期間が3/1〜24年2/28までか、25年2/28までになるであろうという予測ができ、この場合の最初のケアプランの目標期間と以後の目標期間の考え方は以下のように考えることができる。

新規サービス開始する場合、その計画作成に際しては基準省令13条第9号規定によるサービス担当者会議を開催せねばならず、それは当然行われていると仮定しても、基準省令13条14号規定では、
イ 要介護認定を受けている利用者が法第二十八条第二項 に規定する要介護更新認定を受けた場合
↑この場合にはサービス担当者会議を開催して居宅サービス計画の変更の必要性について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めなければならないものである。つまり新規サービス計画作成時に13条9号規定の担当者会議を開催していても、同じ月内に更新認定が行われる場合、今度は13条14号規定のサービス担当者会議が必要になる。このようにどちらにしても次の認定審査会以後にもサービス担当者会議を開催しなければならないことを考えると計画書もこれに合わせた期間設定を行う方が合理的で、次のように考えることが可能となる。

新規計画:短期2/1〜2/28日まで(1ケ月) 長期2/1〜24年2/28まで(13ケ月)として、2/28以降の認定審査が終わった後にサービス担当者会議を実施して、サービス計画の見直しで新期間を設定しなおす。その結果
2回目:短期3/1〜8/31(6ケ月) 長期2/1〜24年2/28まで(13ケ月)
3回目:短期9/1〜24年2/28(6ケ月) 長期2/1〜24年2/28まで(13ケ月)
この時点で長期目標も見直し。
4回目:短期24年3/1〜24年8/31(6ケ月) 長期24年3/1〜25年2/28まで(12ケ月)
5回目:短期24年9/1〜25年2/28(6ケ月) 長期24年3/1〜25年2/28まで(12ケ月)

↑このように考えれば認定期間と合致して短期目標の期間に合わせて見直しが可能になる。

ところで昨日のブログの長短期目標の期間について(今日の前段の考え方も同じだが)、例えば現在の計画書において、長期目標を23年12月1日〜24年11月30日までの12ケ月とし、短期目標は23年12月1日〜24年5月31日までの6ケ月とした場合、短期目標の期間でその達成度を評価し、期間の再設定を行う際に、長期目標は23年12月1日〜24年11月30日までの12ケ月は変わらず、短期目標が24年6月1日〜24年11月30日までの6ケ月とするという考え方に関して異論を述べる方がおられる。

つまり計画更新の際に、長期目標の設定期間も新たに設定すべきであるという考え方だ。

何を隠そう、そういう考え方を示しているのは、当地域における道の実地指導担当者その人であり、前回の当施設の実施指導では、現在の計画書において、長期目標を23年12月1日〜24年11月30日までの12ケ月とし、短期目標は23年12月1日〜24年5月31日までの6ケ月とした場合、短期目標の期間でその達成度を評価し、期間の再設定を行う際に、長期目標も24年6月1日〜24年5月30日までの設定に直すなどした上で、短期目標が24年6月1日〜24年11月30日までの6ケ月とするというふうに変えたほうがよいとケアマネに指導していた。

しかしこれは不適切な期間設定である。

なぜならこの考え方では、長期目標の終期がエンドレスで先延ばされ、その終わりの期間に達成度を評価していないという状態になるからだ。

このことに関して、居宅サービス計画の取り扱を例に取れば、基準省令第13条8号では「提供されるサービスの目標及びその達成時期」を定めなければならないとした上で、12号で「居宅サービス計画の実施状況の把握(利用者についての継続的なアセスメントを含む。)を行い、必要に応じて居宅サービス計画の変更を行う」と定めているんだから、長期目標の終期に、その達成度を「実施状況の把握」として評価することは必須であり、終期を常に短期目標の評価の際に先送るのは不適切であることが明らかである。

老企29号解釈通知でも、「長期目標」の「期間」は、「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」を、いつまでに、どのレベルまで解決するのかの期間を記載する。「短期目標」の「期間」は、「長期目標」の達成のために踏むべき段階として設定した「短期目標」の達成期限を記載する。としており、短期目標は「長期目標の達成のために踏むべき段階」としての評価であるし、長期目標は「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)を、いつまでに、どのレベルまで解決するのかの期間」なのだから、長期目標とは何度か(複数)の短期目標の評価という段階を経た上で、ニーズに対応しているかを評価すべきものであり、あらかじめ定めた期間の途中であるにもかかわらず、短期目標期間を変えるということにおいて機械的に連動して先送りものではないのである。

よって現在の、この地域の実地指導担当者の期間設定の考え方は「間違った指導」を行っている場合があるので注意が必要だ。少なくとも今現在、胆振総合振興局主催のケアプラン関連研修に参加して、その内容を鵜呑みにするのは危険である。参加しない方がよいだろう。

繰り返しになるが、長期目標の終期でもない、短期目標の終期に評価をするのは、あくまで「長期目標」の達成のために踏むべき段階として設定した「短期目標」の達成度を評価するもので、この時点で長期目標は完全に達せられていなくてもよいもので、長期目標の達成度の評価は、その終期に行わねばならないのに、長期目標の終期を、短期目標の終期の変動のたびに変えることは、長期目標の終期における達成度評価ができなくなってしまうということを理解してほしい。

ケアプランの目標期間は以上のような考え方が原則になる。しかしケアプランの作成については、目標期間のみならず目標そのものにも書き方の理解が必要な部分が別にある。

最も大事なことは、この目標について老企29号に「抽象的な言葉ではなく誰にもわかりやすい具体的な内容で記載することとし、かつ目標は、実際に解決が可能と見込まれるものでなくてはならない。」と定めている点である。

しかしこの「誰にもわかりやすい具体的な内容」ではなく、かつ「実際に解決が可能と見込まれる」計画目標ではないケアプランが多すぎる。

そういう意味では、ケアマネにまず必要なのは、ケアマネジメント技術以前の、文章表現力であり、国語の文法理解であるとも言えないことはない。

とにもかくにも、読んでわからない計画目標を書くことはやめてほしいものだ。

参考図
目標期間


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介護・福祉情報掲示板(表板)

長・短期目標の期間について考える(その1)

国が標準様式を定めている「居宅サービス計画」と「施設サービス計画」については、利用者の個々の生活課題を解決するために設定する「長期目標」と、解決すべき課題及び長期目標に投階的に対応し、解決に結びつけるための「短期目標」を設定することになっている。

ただし老企29号では、このことについて『緊急対応が必要になった場合には、−時的にサービスは大きく変動するが、目標として確定しなければ「短期目標」を設定せず、緊急対応が落ち着いた段階で、再度、「長期目標」・「短期目標」の見直しを行い記載する。』とされており、このことも覚えておかねばならない。
(訪問介護等の居宅サービスの計画は、目標を長・短期に分ける必要のないことは「介護支援専門員に送る言葉」に詳しく書いているので参照してほしい。)

目標期間についても老企29号で定めているが、その内容は
・「長期目標」の「期間」は、「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」を、いつまでに、どのレベルまで解決するのかの期間を記載する。
・「短期目標」の「期間」は、「長期目標」の達成のために踏むべき段階として設定した「短期目標」の達成期限を記載する。
・原則として開始時期と終了時期を記入することとし、終了時期が特定できない場合等にあっては、開始時期のみ記載する等として取り扱って差し支えないものとする。

以上の通りである。

このことについて目標期間は生活課題の内容によって項目別に違うのが基本で、一つの計画書の中に複数の目標期間が存在するのが「当然」であるという考え方があるが、僕は同一計画書の中で定める目標設定期間は原則「同一」と考えて、特殊な課題のみ別の期間として定める、という考え方でよいと思っている。

なぜなら目標期間といっても『ある生活課題がどの程度の期間で目標を達することができるか』などというエビデンスは存在せず、それは極めて主観的で、あいまいな基準なんだから、逆に言えば、課題に対応する期間という視点ではなく、目標の期間をあらかじめ固定し、それに応じた達成度の評価を行うという考えの方が、利用者目標の検証という意味では合理的で方針も明確になるからだ。

そもそも目標期間がバラバラで、その期間の都度、達成度を評価するのでは、計画担当者の時間がいくらあっても足りないだろう。物ごとを合理的に考えるというのは、業務の省力化という面では非常に重要な視点なのである。

だから居宅サービス計画や、施設サービス計画の目標期間を、最終ゴールを更新認定の時期に合わせて、長期目標を原則1年、短期目標を原則半年などと固定する考え方は、一概に不適切とは言えず、むしろ合理的であると考える。

例えば(居宅サービス計画でも、施設サービス計画でも、どちらでも同じであるが)新規利用者の計画を立案する際に、サービス開始が2月7日であるとした場合で認定有効期間が22年12月1日から24年11月30日だとする。

この場合、2年後の24年12月1日以降は、新たな認定になるのは確実なんだから、24年11月30日までの計画書が、現在の認定期間における計画書の目標期間の一応の目安になる。

この場合、僕は基本原則、長期目標は1年、短期目標は半年と定めて、計画書自体は短期目標の半年に合わせ、半年ごとに評価と計画の見直しを行っているので、最初の計画書は長期目標を23年2月7日〜23年11月30日までの10ケ月とし、短期目標を23年2月7日〜23年5月31日までの4ケ月とする。

そうすると5/31までの短期目標期間内で、5月中に短期目標の達成度を評価して、新規計画を見直すことで、再作成した2回目の計画書の長期目標を23年2月7日〜23年11月30日までの10ケ月は変わらず、短期目標だけが23年6月1日〜23年11月30日までの6ケ月となる。

そして11月30日に短期目標と長期目標の達成具合を再検証し、3回目の計画書は長期目標を23年12月1日〜24年11月30日までの12ケ月とし、短期目標は23年12月1日〜24年5月31日までの6ケ月となる。

そして24年5月中に短期目標の達成度を検証し、4回目の計画見直しで、次の計画書では長期目標の23年12月1日〜24年11月30日までの12ケ月は変わらず、短期目標が24年6月1日〜24年11月30日までの6ケ月となり、その次の計画書は必然的に、24年12月1日からの認定更新に合わせた計画書と期間設定になるということである。

これは老企29号で「なお、期間の設定においては「認定の有効期間」も考慮するものとする。」と定めた規定とも整合性がとれる考え方である。
(明日に続く)

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介護・福祉情報掲示板(表板)

サービス担当者会議のルールは難解だ。

僕は今、横浜で記事を更新している。

講演先に向かう途中でブログ記事を更新する必要もないのではとも思うが、羽田空港で電車待ちの時間が少しあった事と、ボーっと電車に乗っているだけではつまらないし、時間つぶしに記事更新でもしておこうというわけで電車の舞っている時間から書き始めて電車の中で書きあげ送信しているというわけである。それにせっかくIpadというタブレット型PCを持ち歩いているんだから、使わないと購入費の無駄のような気がするしな・・・。

当然、脳裏に浮かんでいるもう一つの動機づけは、平日ならほとんど更新しているブログ記事を読みに来てくださる読者の存在である。結構、律義なのである。誉めてください。

さて今日の講演は法令に沿った居宅介護支援がテーマである。法令に沿うという意味は、何も国が決めたことを絶対視して、それが最善と思いこむという意味ではない。

このことに関して、今日の講演ファイルでは「制度の問題点や瑕疵を知っていることでより適切な援助に結びつくと同時に、社会福祉援助者としてソーシャルアクションが求められているという責任。」ということを書いている。このことは講演中に詳しく説明するが、ソーシャルアクションとは法令を遵守した上で、その瑕疵を実感して、そのことの改善の提言を行うものにしか許されないものなのであるという理解が必要だ。

それから居宅サービス計画の作成ルールを考察していくと、このルールは調べれば調べるほど難解で解釈に困る問題がたくさんあることがわかる。特にサービス担当者会議の開催ルールが非常に難解である。

例えば居宅サービス計画を変更については基準省令13条12号に示されているが、15号ではこのことについて「第三号から第十一号までの規定は、第十二号に規定する居宅サービス計画の変更について準用する。」としている。つまり新規計画作成と同様、生活課題を把握するためのアセスメントを、利用者に面接した上で実施し、原案を作成し、サービス担当者会議を経て、同意交付しなければならないというものである。

しかし居宅サービス計画の目標は長短期に分かれており、短期目標の期間を過ぎては困るので、短期目標の期間だけを変更し目標内容が変わらない場合でも、第三号から第十一号までの一連の手続を踏んだ上でこの変更を行わねばならないのか?という疑問については、解釈通知「老企29号」において「介護サービス計画の一部を変更する都度、別葉を使用して記載するものとする。但し、サービス内容への具体的な影響がほとんど認められないような軽微な変更については、当該変更記録の箇所の冒頭に変更時点を明記しつつ、同一用紙に継続して記載することができるものとする。」と規定している。

つまり軽微変更の場合は「同一用紙に継続して記載」でよいとしているんだから、新しい計画書を作って同意してもらい交付する必要がないという意味で、そうであれば、このような軽微変更は基準省令13条12号の「計画変更」には該当せず、短期目標期間だけを変えるためにわざわざサービス担当者会議を開催する必要はないという意味になる。

そして軽微変更とは、基準省令では具体的に示されていないが、介護保険最新情報Vol.155(2010年7/30)「介護保険制度に係る書類・事務手続き見直し」に関するご意見への対応について 、において「一連の業務が行う必要性が高いかどうかによって軽微か否かを判断すべきものである」という条件付きではあるが、次の9項目が具体例として示されている。

1.サービス提供の曜日変更
2.サービス提供の回数変更
3.利用者の住所変更
4.事業所の名称変更
5.目標期間の延長
6.福祉用具で同等の用具に変更するに際して単位数のみが変更になる場合
7.目標もサービスも変わらない(利用者の状況以外の原因による)単なる事業所変更
8.目標を達成するためのサービス内容が変わるだけの内容
9.担当介護支援専門員の変更

である。

またサービス担当者会議を開催する場合であっても、担当者を全員招集する必要はなく、やむを得ない理由があれば「照会」でもよいとされるが、このやむを得ない理由というのは「開催の日程調整を行ったが、サービス担当者の事由により、サービス担当者会議への参加が得られなかった場合」に限られるものではなく、「居宅サービス計画の変更であって、利用者の状態に大きな変化が見られない等における軽微な変更の場合等が想定される。」(老企25号)とされている。つまり後者の場合は、最初から日程調整の必要がないという意味である。

しかもこの軽微変更とは、老企29号で示した軽微変更とは意味が違うと解釈できる。なぜなら老企29号はサービス担当者会議を開く必要もない「軽微変更(つまり基準省令13条12号の計画変更ではない場合)」であるのに対し、日程調整の必要のない軽微変更とは基準省令13条12号の計画変更そのもので、サービス担当者会議は必要だが参加調整をせず照会だけで済ますことができる「軽微変更」であるからだ。

例えばこれは、訪問介護と通所介護だけを利用していた方の主介護者が突発的な要件で一時的に不在になる間、一時的にショートを数日使うという場合、これは新しいサービス導入で計画の変更が必要で担当者会議は必要だが、介護者が不在の数日ショートを使うというためだけの計画変更で「利用者の状態に大きな変化が見られない」場合は、他の訪問介護と通所介護については「軽微変更」として「照会」で済ますことが可能という解釈になる。

また省令13条21号は「介護支援専門員は、居宅サービス計画に福祉用具貸与を位置付ける場合にあっては、その利用の妥当性を検討し、当該計画に福祉用具貸与が必要な理由を記載するとともに、必要に応じて随時サービス担当者会議を開催し、継続して福祉用具貸与を受ける必要性について検証をした上で、継続して福祉用具貸与を受ける必要がある場合にはその理由を居宅サービス計画に記載しなければならない。」として、ここでは「照会」でよいという文言がなく、サービス担当者会議を照会に替えることはできないが、それはあくまで「必要に応じて随時サービス担当者会議を開催」する場合の規定であって、福祉用具貸与を新規でサービスに位置づける場合や、福祉用具に関連しない計画変更の規定は、それぞれ前者は13条9号、後者は13条12号及び15号規定であるので、この場合は福祉用具貸与担当者に対しても「照会」が認められていると解釈できる。

さらに省令13条22号規定は「介護支援専門員は、居宅サービス計画に特定福祉用具販売を位置付ける場合にあっては、その利用の妥当性を検討し、当該計画に特定福祉用具販売が必要な理由を記載しなければならない。」としており、これを持って特定福祉用具販売担当者はサービス担当者会議のメンバーとして参加しなくてよいと考えている人が多いが、ここで規定されているのは福祉用具貸与のように「必要に応じて随時サービス担当者会議を開催」する必要はないということを示しているだけであり、新規で福祉用具販売をサービスに位置づける場合や、福祉用具販売に関連しない計画変更の規定は、それぞれ前者は13条9号、後者は13条12号及び15号規定であるので、サービス担当者会議の構成メンバーになるのが原則という解釈になる。

加えて13条9号で担当者について『介護支援専門員が居宅サービス計画の作成のために居宅サービス計画の原案に位置付けた指定居宅サービス等の担当者(以下この条において「担当者」という。)を召集して行う会議をいう。以下同じ。』としており、「指定居宅サービス等」とされている意味は相当広く考えざるを得ず、指定居宅サービスの担当者に限らず「居宅サービス計画の原案に位置付けたサービス担当者全員」と解釈するのが妥当である。

特に給付管理外のサービスは担当者会議のメンバーに含める必要はないと考えている人がいるが、例えば給付管理の対象外である「居宅療養管理指導」においては省令89条5号において「居宅介護支援事業者又は居宅サービス事業者に対する情報提供又は助言については、原則として、サービス担当者会議に参加することにより行わなければならない。」と、給付管理外サービスでるにも関わらず、サービス担当者会議の構成メンバーであることが示されているのである。

んん〜考えれば、考えるほど複雑である。

古来、複雑すぎる法律にろくなものはないが、介護保険制度はそのろくなものではない法制度の典型と言ってよいのかもしれない。

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介護・福祉情報掲示板(表板)

アセスメントとモニタリングの違い

介護保険制度の居宅サービスに関連する「ケアプラン」は、居宅サービス費用について「現物給付化」するための「居宅サービス計画」(居宅介護支援事業所の介護支援専門員が作成する)と、居宅サービスにおける保険給付の要件である「各サービス事業所のサービス計画」がある。

一方、施設サービスにおいては「施設サービス計画」の1種類のみがケアプランであり、これは実は居宅サービスにおけるケアプランの考え方から言えば、上で示した内容の後者部分である「各サービス事業所のサービス計画」と同様で、保険給付の要件となっている。

つまり居宅介護支援事業所が立案する「居宅サービス計画」とはあくまで、介護給付費が原則、要介護者(または要支援者)に支給されるとされているものを(介護保険法第41条)、事業者に支給できるようにするための手段であり(つまり償還払いを現物給付化する手段)、償還払いでサービスを受けるならば居宅サービス計画はなくて良いことになる。つまり保険給付の要件ではないと言えるのだ。

一方、施設サービス計画と居宅サービス事業所の計画は、基準省令で、サービス利用の条件(つまり保険給付の要件)としているため、施設サービス計画と居宅サービス事業所の計画のない保険内サービス利用は認められないということになる。

一概にケアプランと総称しても、それぞれの計画の意味は、このように異なっているのである。

しかし共通する部分も多々ある。特にそれぞれの計画については、アセスメントに基づいて計画され、計画された内容については定期的にモニタリングを行うという点は同じである。

だから介護保険制度の中で、サービスに関わっている関係者で「アセスメント」と「モニタリング」という言葉を知らない人はまずいないだろう。しかし同時に、その意味を正しく理解している人は一体何人いるだろう。両者の違いも明確に理解しているだろうか。このことを考えてみたい。

辞書でアセスメントを引くと「査定、事前影響評価」とか単に「評価」とその意味が示される。一方モニタリングについては「監視すること。観察し、記録すること」とされている。しかし介護保険制度のそれはもっと単純に考えてよいと思う。

介護保険制度におけるアセスメントとモニタリングの意味については、基準省令で明示されているので、基本に帰って、素直に基準省令に書かれている意味として捉えたほうが分かりやすいであろう。特にこのことは居宅介護支援を定めた「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(省令第三十八号)と、その解釈通知「老企22号」及び「老企29号」が参考になるだろう。

まず省令38号13条6号では、ケアプランについて「適切な方法により」「環境等の評価を通じて利用者が現に抱える問題点を明らかにし、利用者が自立した日常生活を営むことができるように支援する上で解決すべき課題を把握しなければならない。」としている。そして同条7号で、アセスメントとは「解決すべき課題の把握」であると明記している。

さらに老企22号においては「適切な方法により」という具体的内容について「~課題分析は、介護支援専門員の個人的な考え方や手法のみによって行われてはならず、その者の課題を客観的に抽出するための手法として合理的なものと認められる適切な方法を用いなければならない」とし、さらに「この課題分析の方法については、別途通知するところによるものである」とし、その別途通知しているものが老企29号の課題分析標準項目としての 基本情報に関する項目(9項目)+課題分析(アセスメント)に関する項目(14項目) の計23項目である。

よってこの23項目の内容が網羅されているアセスメントツールであれば、オリジナルのものであっても課題分析の手法として用いてよいという意味になる。

一方モニタリングについては省令38号13条13号において「前号に規定する実施状況の把握」としており「前号に規定」であるから、それは12号の「居宅サービス計画の実施状況の把握(利用者についての継続的なアセスメントを含む。) 」である。

重複を恐れずまとめると、アセスメントは「利用者が自立した日常生活を営むことができるように支援する上で解決すべき課題」(解決すべき課題の把握) であり、モニタリングは「居宅サービス計画の実施状況の把握(利用者についての継続的なアセスメントを含む。) 」となり、その目的が異なっていることが分かる。

さらにいえばモニタリングの具体的内容は老企29号において、「居宅介護支援経過」に「いわゆるモニタリングを通じて把握した、利用者やその家族の意向・満足度等、目標の達成度、事業者との調整内容、居宅サービス計画の変更の必要性等について記載する。」とされている。

居宅介護支援において毎月の義務とされるモニタリングの記録は、月1度以上行う訪問時に、ここに書かれている項目を(すべてでなくても可)含めて、その状況を支援記録に記録しておくことで足り、毎月モニタリング表を作る必要はない。

そしてアセスメントとモニタリングは、それぞれ目的が違っているが、結果的に計画作成後に、その計画の再作成または変更を行うに際して再アセスメントを行うことによりモニタリング目的を達しておれば両者を同月に別々に実施する必要はない、という意味でもある。

例えば僕の施設で使用しているMDS(HC-CAPS)及び(LAPS2.1)というアセスメントツールでいえば、2回目以降のケアプラン作成の場合「サービスの実施状況の把握」を行いながら、現時点での「解決すべき課題の把握」が抽出できる方式であり、再アセスメントを行う際に、アセスメント表とモニタリング表が同時進行的に別途記録できる仕組みになっている。このことは他の多くのアセスメントツールも同じであろうと思える。

ということはアセスメントのための作業と、モニタリングのための作業は、実は「アセスメントツール」を使って調査することで同時に行うことができるもので、両者の目的は明確に区分されているけど、作業自体は区分せずに行い、結果的にその作業で導き出された「サービスの実施状況の把握」を「モニタリング表」などに記載し、「解決すべき課題」は第2表に落として記載しておればよいということで、何もモニタリングとアセスメントを別作業として行う必要はないということである。だから計画再作成する月については、この際に「居宅サービス計画の実施状況の把握 」としてモニタリング表を記録しているなら、支援記録に同じくその記録を重複して書く必要はない。

このあたりを関係者の方々はよく理解しておいてほしいと思う。

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居宅サービス事業所の計画担当者の悩み

今年2月に全国老施協主催の「地域ケアセミナー」が行われ、その2日目の分科会で「短期入所生活介護計画の立て方」という講演を行った。

この講演(講義という方が的を射ているかもしれない)依頼を受けたのは、昨年のことであったが、その時に考えたことは「短期入所生活介護計画」に特化した分科会など、果たして何人の受講者があるのだろう?ということである。

しかし蓋を開けたところびっくりで、当初から受講申込者が予想外に集まり、結果的に当日100人近い方が、僕の分科会講演を受講してくれた。これは少々驚きであった。

考えてみれば、介護保険制度施行以後、居宅介護支援事業所が行うケアマネジメントや、同事業所の介護支援専門員が立案する「居宅サービス計画」に関する研修会は盛んに行われてきたが、同じケアマネでも施設のケアマネジメントや「施設サービス計画」に関する研修はやや少なく、最近やっと定期的にそれらの研修も行われるようになってきた。しかし居宅サービス事業所のケアプランについては、それがサービス提供の必須条件であるにもかかわらず、その内容やケアマネとの連携について勉強する機会はほとんどなかったと言ってよい。

しかも各サービス事業所の計画担当者は、必ずしも介護支援専門員であることを求められているわけではなく、資格のない担当者も多い。しかも居宅サービス計画や施設サービス計画と異なり、これらの各サービス事業所の計画書は、国の指定様式もなく事業所それぞれで独自の様式を使う必要がある。

これを「標準指定様式を使わなくてもよい」と考えるか、「独自の計画書様式を作らねばならない」と考えるかは、各サービス事業計画に対する担当者の理解度に左右される問題であろう。

つまり各サービス事業所においては、ケアプランというものを基本から勉強した者ではない職員が、計画書を一(いち)から作成せねばならないという状況が実際にはあり得るのである。

それなのに各サービス事業所の計画作成に関する勉強機会がほとんど与えられていない現状があり、多くの計画担当者が自分の計画の根拠や評価基準、ケアマネとの連携方法に悩みを持っていることが考えられる。だから「短期入所生活介護計画」に焦点を絞った分科会にも多くの関係者が集まったのであろう。受講ニーズはかなりあるという意味である。

居宅サービスの計画担当者が頭を悩ます問題の一つに「居宅サービス計画が立てられている場合は、その内容に沿ってサービス事業所の計画を立案しなければならない」という規定がある。この意味について明確に理解できていないため、各サービス事業所の計画目標に、居宅サービス計画の目標をそっくりそのまま転記している例も見られる。

これは大きな間違いで、居宅サービス計画の内容に沿うとは、担当ケアマネが居宅サービス計画書で示した「総合的援助の方針」を達する為に、生活課題を解決する手段として、長短期目標を掲げて、その目標を達成するために組み込んだ各サービス種類の「介護計画」が、ケアマネの示した目標を達する方向に向かい、結果的に総合的援助方針の実現に繋がる各サービス事業所計画になっているということを意味している。

つまり計画書の文言が同じになることを求めているわけではなく、向かうべき方向への支援者側の視点が同じであることが求められているわけである。逆にサービス種類とスケジュールを決める「居宅サービス計画」の中で、特定の事業種類と事後所を選定した結果、総合的援助方針を達成するための居宅介護支援における長短期目標が、その事業者が提供する具体的な個別サービスの目標と全く同じ内容であるのは不自然である。ケアマネの立案した目標を達成するために、サービス事業者は何を具体的にクリアすべきかという固有の目標がそこには書かれる必要があるからである。このあたりをしっかり理解してサービス事業所ごとの介護計画を立てる必要がある。

このことについては今年度も、各事業所のサービス計画について、担当介護支援専門員との連携や、居宅サービス計画との関連を考えながら、どのように立案すべきか、具体的な計画内容の例示も含めて講演や講義で伝える機会を設けていただいている。

現在決まっているものとしては、大阪市老人福祉連盟デイサービス連絡会が主催して7/23(金)大阪市社会福祉センターで行う研修で「通所介護の役割と求められるサービス〜ケアマネジャーとの連携によるサービス計画〜」というテーマでお話しすることになっている。その後、全国老施協在宅研修委員会主催で9/9(木)東京都(場所未定)で行う研修内で「(仮題)法令を遵守した通所介護計画の立て方」というテーマでお話しすることになっている。

大阪市の講演はいよいよ来週に迫った。当日お逢いする皆さん、そうぞよろしくお願いします。

居宅サービスについては、たまたまテーマとして通所介護が重なったが、基本的にショートステイなど、その他のサービス計画における「担当介護支援専門員と連携した支援体制の構築」や「居宅サービス計画の内容に沿ったサービス計画の具体的内容」については同様の考え方ができるものと思える。よって2月に東武ホテルレバント東京で行った全国老施協主催の地域ケアセミナーの中で講義した「短期入所生活介護計画の立て方〜居宅サービス計画との関連とケアマネジャーとの連携」という内容とかぶっている部分が多いことに気がついた。

居宅サービスの目的が、利用者の生活課題を解決するために位置づけられたもので、複数の種類のサービスを組み合わせて、総合的援助方針の実現のため、各サービス担当者がスクラムを組むんだから、この連携方法が共通しているのは当然だし、ケアプランが単に事業者のルーチンワークを利用者に結びつけるものではないことから、ケアプラン作成の考え方も共通する部分が出てくることは当然だろう。

老施協研修では、これに加えて支援記録の書き方についても触れてほしいとリクエストされている。問題は90分以内でこれらを全て網羅できるかである。

ということで今後も居宅サービス事業者の皆さんに、居宅サービスのケアプラン作成についてお話しする機会があろうと思うので、機会があれば是非「masaの講演予定」を参照しながら参加していただきたい。

その際は是非声をかけていただき、僕とあなたの「繋がり」ができることを心より期待している。

※本日新たなアンケートを右サイドバーに掲示しています。来週の情報提供に関する内容を結果により決めたいと思いますので、どうぞ投票にご協力ください。

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続・ショートステイプラン目標の考え方。

(昨日からの続き)
僕がショートステイの計画作成方法の講義などで主張している内容の続編である。

ショートステイサービスとは単に短期入所生活介護事業所のルーチンワークと利用者を結びつけることにとどまらず、何が求められる支援なのかという視点が必要であり、計画立案時に着目したいこととして

1. 単に家族が行っている生活支援を事業者が代替して行うのではない。
2. 休養が必要な家族にフィードバックできる事柄がないか、という視点。
3. 例えばショートを利用することにより利用者が他者と交流できることで心身活性化効果による精神的安定や、コミュニケーション能力の維持、日課の中で機能活用して身体機能を維持して居宅において「できること」を維持向上する効果などに着目すべきである。
4. 結果的にそのことが「居宅サービス計画」に位置づけられた長期目標の達成の目的に沿ったサービスとなる。

以上の4点が重要であると僕の講義では指摘している。

そしてショートを利用する人々に提供するサービスの方法論は

1. ショート利用することで利用者が心身活性化でき精神的・身体的に安定して暮らす方法論
2. ショート事業所で身体機能等を活用して自分でできることが増える方法論
3. 介護の方法を工夫することで利用者自身や家族の負担が減る方法論
4. ショートを利用して、看護や介護の専門家が関わることで可能となる助言
5. 利用者自身の暮らしの質が向上するための方法論

以上の5点であると考えている。

つまりショート利用とは、利用者の暮らしを良くするためのサービス利用であるという意味があるもので、そうであればショートを利用することで実現する暮らしとは何なのかということを考えるべきであり、そこからショート計画の目標を考えるならば「利用者自身の豊かなくらしづくり」に向かう内容である必要があるという結論となる。それゆえショート利用計画の目標が「家族が休養できる」で終わるはずがないし、そうであってはならないと指摘している。

そして標準様式がある「居約サービス計画」においては総合的援助の方針に繋がる目標は長・短期目標に分けて設定することが求められるが、標準様式のない居宅サービス事業の計画であるショートステイの計画は目標を必ずしも長・短期に分ける必要はないし、むしろ利用ごとの目標として設定することが合理的である。

その方向からショートプランの目標の具体例を挙げるとすれば、仮に生活課題として「認知症があり昼夜逆転がみられ介護者の睡眠時間が不十分で在宅介護崩壊の危険性がある。 」とされている利用者の居宅サービス計画が
「短期目標:介護者が休養を取り睡眠時間を確保する。」 →「長期目標:介護者が身体的、精神的に安定することで在宅生活が継続でき○○さんが家族と共に生活できる。」とされ、そのためにショートを利用するとされているとする。

この場合、考えられるショートプランの目標例は
(目標1)昼夜逆転する原因を探り支援者にアドバイスできることで○○さんが在宅で安心して暮らせる。
(目標2)ショート利用期間中、日中楽しんで活動できることで、夜間に安眠できる。

と設定することができ、この目標に沿った具体的サービス内容を計画するということが考えられる。このように考えると、それは決して安全に、事故なく、ただ一定期間滞在すればよいというサービスにはならないということが理解できるのではないだろうか。

当然そこには、介護サービスとしての専門的視点、ソーシャルワーカーや医師・看護職員・介護職員の専門技術による支援によって実現する「暮らし」という視点が不可欠で、その結果を家族にフィードバックすることで在宅支援を支援できる、という視点が出てくるだろうし、そういう意味ではショートステイというサービスの役割は考えられている以上に、重要で広い守備範囲をカバーすべきものなのである。

よってサービス終了後に、その結果を評価することは必然なわけであり、評価するのであれば、目標が達せられているか、という視点がさらに重要になり、評価できる具体的目標である、という必要性も見えてくるわけである。

このように居宅サービス計画の長短期目標に合わせて、ショートプランにおいても同様の長短期目標を設定しなければならないかという問題の答えとしては、それは決してそうはならず、特に単発的に終了するショート利用の場合、居宅サービス計画全体としては総合的援助方針が達成すべき長短期目標に沿ったものである必要があるが、ショート自体の目標はそれとは異なり、居宅サービス計画の中の総合的援助方針の中で位置づけられたサービスとしての、その時々の達成目標が立案していればよいもので、それを一律「長短期目標をそれぞれ示す」ということにこだわらなくてもよいものである。よって目標例に示したように「目標1」「目標2」というように、ショートを利用する際に提供するサービスの目指す目標が明示され、それが居宅サービス計画の長短期目標達成に資するものであればよいものであり、形や期間を「居宅サービス計画」に合わせることに重点を置かないで、それぞれの計画が有機的に結びつくものであるかという実際の効果面から考えるべき問題である。

基準省令でも必ずしも長短期目標を設定する定めはなく、ただし居宅介護支援における居宅サービス計画は国が指定様式を示しており、ここで目標については長期目標と短期目標に分けて定めることを示しているだけで、その他の各居宅サービス計画は基準省令で「サービスの目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等」が定められておれば良いものと規定されているものである。

特にショートプランの場合は、1回の利用ごとに利用者の満足度を測定しながら、居宅サービスにおける長短期目標の実現に向けてショートステイが機能しているかが問われてくることになるもので、利用ごとに利用者の意向や状況に応じた臨機の目標設定を行うことが合理的で、そうであれば長短期目標という考え方より、利用ごとにショートステイとしてのいくつかの目標を設定する、という考え方の方が利用者にとっても家族にとっても分かりやすいし、居宅サービス計画に沿ったプラン目標としても十分機能するものであるから、目標を長短期に分けて設定することにこだわる必要はないものである。

繰り返しになるが、ショートのケアプランンは居宅サービス計画の目標達成のために必要な目標を定め、それが居宅サービス計画の内容に沿う、という意味であるが、期間を同じくするか否かは問題ではなく、ショート利用ごとの目標として設定されるので、長期目標・短期目標を別に立案する必要はない、というのが昨日最初に書いた質問に対する答えになる。

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ショートステイプラン目標の考え方。

最近、居宅サービス計画やショートステイ計画作成の講義をする機会が増えている。その中で受講者から「居宅介護支援事業所の長短期目標に合わせて、ショートの計画も長短期目標を設定しなければならないのか?」という質問をしばしばうける。

そこで今日はあらためてショートステイプランの目標について、過去の記事に書いたことをおさらいしながら考えてみたい。

ショートステイの利用目的で一番多い理由は「介護者の休養目的」である。

こうした利用目的を「利用者自身の為になっていない利用ではないか!」と批判する人がいるが、それは二つの意味で大きな間違いである。

まず一つには、もともとショートステイは生活介護、療養介護の両者とも、基準省令においてその目的として家族の休養を認めているからである。例えば短期入所生活介護であれば、厚生省令37号第120条において「指定居宅サービスに該当する短期入所生活介護(以下「指定短期入所生活介護」という。)の事業は、要介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者の心身の機能の維持並びに利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図るものでなければならない。」としている。ここで明確に「利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図るもの」という目的が書かれており、このことを否定できないのである。

もう一つには、家族(介護者)の休養は、単に休養することにとどまらず、それは長期的には在宅で要介護者を支援するために必要な「スゥイッチオフ」であり、利用者が在宅での生活が継続できるという利用者自身の目的にも繋がるものなのである。

だから利用目的としての「介護者である家族の休養」は決して否定されるべきではない。

しかしショートプランの目標を「介護者の休養ができる」ということにするのは問題である。なぜなら利用目的がそうであっても、介護サービス計画は事業者と利用者の契約上の約束事で、介護者である家族とは言え、契約当事者ではない第3者の目標を「利用計画」上の目標とするのは契約概念にそぐわないからである。

ところで計画目標については、介護保険施行規則第18条において「提供する指定居宅サービスの目標」という文言となっており、このことは法律上「提供する居宅サービスの利用者目標」でも「提供する居宅サービスの事業者目標」でも、どちらでも良いという意味になる。

しかしケアプランの中で両者の目標が混在していては混乱のもとになり、目標の意味が不明になるため、少なくともどちらかに統一した目標設定が必要になる。しかもこの目標については、平成15年の介護支援専門員テキストやケアプラン記入の手引きの変更の際に、ICF方に基づいたポジティブプランの考え方が導入されたことにより、長・短期目標が「事業者の目標(行動計画目標)」から「利用者の目標」という形へと視点変更されている。
(※そうしなければ不適切という意味ではない。)

よって多くの介護支援専門員が利用者目標として計画を作成していると考えられ、それに沿ったサービス計画立案が求められる居宅サービス事業者の計画目標も同様に「利用者目標」とすることが必要と考えられる。

だからショートの利用目的が「介護者の休養」である場合でも、居宅サービス計画やショート計画の目標は「介護者が休養できることにより、今後利用者の生活上、どのようなプラス効果を期待するものか」あるいは「介護者の休養目的にショート利用することにより、利用者のどのような生活づくりを目指すのか」ということを具体化した目標でなければならない。

つまり単にショートの利用目的が「介護者の休養目的」であれば、ショート事業者は、利用する一定期間事故なく安全に利用者を「滞在させておけばよい」ということで終わってしまう。そこでは利用者の「豊かな暮らし」という視点など二の次となってしまうであろう。そんな介護サービスはあり得ない。

ただし居宅サービス計画については、目標全体が利用者のためにショート利用目的が明らかにされる必要があるもので、長期目標がショート利用することによって生活課題のどの部分に手当がされ、利用者の暮らしがどう変わるか、という観点から、家族が在宅支援を続けてそこに手を差し伸べ続けることができるようにされておれば、そこに繋がる短期目標が「家族が休養できる」ということはあり得るであろう。ただしそれは長期目標がきちんと「利用者の暮らしがこのようになる」という前段の目標という意味で、短期目標がそうでも、目標全体としてはきちんと利用者目標となっている必要があるものである。

こうした居宅サービス計画の目標に沿うショートステイ事業所の計画も、単純にショートステイを利用させて家族が休養できるという目標にはなり得ない。

特にショート利用の際に多い苦情の中に「ショートを利用したことで利用者の機能が衰えた。」という家族の声が良く聞かれる。家の中では転びながらも、なんとか伝い歩きをしていたのに、ショート利用時に安全性だけに焦点を当てられて歩行機会が奪われ車椅子に頼った生活を送っていたために、下肢筋力が衰えてしまった、あるいは歩行意欲が無くなった、というケースである。

この場合、家族が休養目的で利用したショートから、利用者が帰宅した後、ショート利用前より、家族の介護負担は、利用者が「歩けなくなった」ことにより増えてしまうことになる。休養が介護負担を増やしてしまっては意味がないだろう。

つまり利用者の休養が必要であれば、それは在宅介護に関わる家族には、何らかの身体的・精神的負担がかかっているという意味で、家族が在宅介護を継続して利用者が在宅生活を続けられることを阻害する何らかのリスクを持っているという意味でもあるから、そのリスクをできるだけ軽減して、今より在宅介護が楽に続けられるようなショートステイ事業所としての専門的見地からのサービス提供の視点があって当然で、そのことをショート利用計画の目標にすべきであろうと僕は主張している。

(明日に続く)
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ケアマネとサービス事業所の連携について

2月25・26日に「地域包括ケアの課題と在宅サービスの進むべき道とは 〜高齢者の地域生活を支える在宅サービスのあり方を探る」をテーマに東武ホテルレバント東京(錦糸町)で行われる全国老施協主催の『地域ケアセミナー』の分科会で「短期入所生活介護計画の立て方〜居宅介護計画との関連とケアマネジャーとの連携」と題した90分間の講義を行うことになっている。

現場のショートステイ計画担当者が受講対象になっている研修なので、内容としては、ショートケアプランが必要な法的根拠とルール → 法的義務とは異なるプランの必要性 → 居宅サービス計画とショート計画の関係(役割分担など) → ショートプラン作成の基本的な考え方(ICFやポジティブプランの考え方を含む) → 居宅サービス計画に沿ったプランの作成の視点 → ケアマネジャーとの連携の方法(サービス担当者会議の内容等) → ショートステイサービスに期待されている機能と責務から考えるケアプラン → 具体的な目標設定やサービス計画例、という流れで講義内容をファイル構成してみた。

その過程で気づいた点というか、あらためて考えたことが2点ある。

一つは我が施設自体の問題で、僕が講演する内容の考え方を十分理解してショートプランを立てているかということである。考えてみれば自施設の職員には、こうしたファイルの内容について集中的に話をしておらず、日々の業務指導の中で伝えているに過ぎないので、今度一度じっくり話をせねばならないと感じた。

もう一つは実際の現場での「連携」の問題である。居宅サービスが実際に利用者の生活課題の解決方法となるためには、それぞれの担当者が役割分担して共通の理念や目標を持ってサービスに携わらねばならず、ケアマネジメントはその支援方法の中心となる援助技術で、ケアプランは具体的なサービス提供のためのツールである。そのことが介護支援専門員とサービス提供担当者の双方において理解が必要である。

当研修は短期入所生活介護事業所のサービス担当者(計画担当者)を担対象にしたものであるが、居宅介護支援事業所の立案する「居宅サービス計画」と「短期入所生活介護計画」の関連や違い、双方の役割分担、サービス担当者会議で話し合うべき事柄を説明するにあたって、その前提になるのは、介護支援専門員も、その意味や目的を「正しく理解できている」ということである。

つまり現場のサービス担当者が、きちんと基本法令やルールを理解して、チームとして連携するための知識を持っていたとしても、支援チームの要となる介護支援専門員自身にそのことの理解がない場合、あるいは勘違いしている場合、それは実際の現場で機能しないということになる。

有資格者だから、そのあたりは最低限のレベルで理解できているのであれば良いが、どうもそうではないという声が聞こえる。

資格は取ったが正しいマネジメントが行えないケアマネ。資格を権威と勘違いして指示命令がチームの中での役割と勘違いしているケアマネ。居宅サービス計画と介護サービス事業所の計画の関係や相違点を理解していないケアマネ。そういうケアマネが担当である場合には、サービス事業者が適切な方法をいくら学んでも仕方がないという結果にならざるを得ない。

よって短期入所の適切な連携支援を確立するためには、どこかで介護支援専門員と、短期入所サービス担当者の両者が合同で研修を受ける場面を作る必要があるのではないかと考えたりしている。

それができない場合は、介護支援専門員がきちんと基本的な知識を身につけて、現場で「サービス担当者会議」などを通じてサービス担当者にそのことを伝えていかねばならないと思う。しかしそもそもが、実務研修等で居宅サービス計画と、各サービス事業者の計画の役割などをきちんと教えていないという状況が問題で、ケアマネジメントという援助技術の研修も実質的に行われておらず、現場の介護支援専門員は自らの基礎資格における必要性でそれを学ぶか、何らかの必要性から独学で学習するしかないという現状がある。

介護支援専門員という資格が資格試験の範囲内の知識で取得されてしまうということが「実践力」のない有資格者を生んでいる元凶だろう。

そういう意味では、資格取得後に専門知識を得るための修練を積まないと適切な支援はできないということを肝に銘じながら、ショートステイにおける正しいサービス連携体制を作るために、あるいは適切なショートステイ事業者のプランを作成するためには、介護支援専門員自身が両者の計画の意味と関連性と役割分担を日ごろからきちんと意識して、理解する必要があると感じた。

このことができているんだろうか。多少不安を感じている。

どちらにしても今回はショート担当者が、そのプランの立て方について理解できるように、基本視点だけではなく、具体的プランの記載方法まで詳しく解説する内容にしているので、是非担当者の方々にご参加いただきたい。

なお26日、同分科会にお越しの方で、このブログを読まれている方は是非、気軽に声をかけていただきたい。それでは当日お逢いしましょう。

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解答編:法令から読みとるケアプランルール

(昨日からの続き、とクイズの答え)

それともう一つは「ショートステイにおける相当期間未満の利用」である。

(※これが答えです。皆さんの答えはあっていましたか。簡単すぎました?それともひねくれた出題過ぎました?:笑:昨日のコメント欄に回答を寄せてくださった方については、本日そのコメントへの回答も昨日の記事のコメント欄に書き込みましたのでご覧ください。)

この期間については解釈通知老企25号で「相当期間以上とは、概ね四日以上連続して利用する場合を指すこととするが、四日未満の利用者にあっても、利用者を担当する居宅介護支援事業者等と連携をとること等により、利用者の心身の状況等を踏まえて、他の短期入所生活介護計画を作成した利用者に準じて、必要な介護及び機能訓練等の援助を行うものとする。」と定められている。

この場合の「概ね四日以上連続して」の解釈であるが、これは概ねだから「4日に満たない3日連続でも必要性があれば作成が求められる場合がある」とか「月数回の利用であれば、2回目以降は2日や3日利用でも計画を立てる必要性がある」とする考え方があるが、それは法令的には間違いである。

なぜなら解釈通知では後半部に「四日未満の利用者にあっても〜短期入所生活介護計画を作成した利用者に準じて」という文言となっている。つまり概ね四日未満ではなく、四日未満としている点に注意が必要であり「概ね四日以上連続して」という表現とは明らかに違っており、明確に四日未満の利用者については、計画作成した利用者に準ずる必要はあるものの、計画については必要ではないと定めているのである。

では「概ね四日以上」という文章の「概ね」の意味は何か?これは仮に4日連続利用であっても状態が不安定などでアセスメントがその期間で確定できない場合は、計画を立てられないことを考慮した文言で、4日以上連続することをもって必ずショートの計画が必要という意味ではなく、相応の理由があれば作成できなかった場合も「概ね」の範囲の中で認めるという意味である。

指導担当者等の法令理解が不十分なまま、一律機械的に4日連続利用のショート計画がない場合の指導が行われる際は、こうした理論武装をして事業者側の反論する必要がある。4日未満については明確に「作成義務はない」と書かれている以上、「概ね」の意味は4日以上の場合にしか適用されないという意味にしかならないのが明白であるからである。それは現実のサービスにおいて、想定外の計画困難ケースがあり得るから、こうした「概ね」というファジーな文言になっているという意味でしかないのである。

ただしこれは、あくまで法令解釈上の問題であり、プランの必要性を利用者と事業者それぞれの立場で、法令以外の意味(例えば利用目的の理解のため、どういうサービスが提供されるかのコンセンサス形成のためなど)から鑑みれば、できるだけ短期間の利用であっても計画作成するメリットがあると考えることも大事な視点である。つまり、それとこれは別問題で、法令さえ守れば良いサービスとなるわけではないという視点が一方では必要なのである。

介護計画とは何も指導担当者を満足させるためにあるわけではなく、実際のサービス提供に必要なツールとして活用することに意味があるのであり、活用されず、サービス事業所にも利用者にも意味がない計画であれば、それは作成するたびに「無駄」を生みだし、貴重な時間を「無駄に使う」ということに過ぎなくなってしまうからである。

どうせ作らねばならないものであれば、無駄にしないで有効なツールにする必要があるのだ。そうしないと計画作成のたびに無駄な作業時間が生ずることになって、介護サービスの現場で、多大な事業損失が繰り返し生まれてしまうことになる。

だとしたら逆に考えると「活用できる計画」を立案している事業所においては、こうした無駄が生じないだけではなく、プランを作成して活用することで、より個別処遇方針が明確になり、現場の意思統一が図れ、サービス提供はスムースになり、従業者にとってもそのことは便利であるし、サービスの品質も担保できる、というメリットと考えられ、法令で定められた作成義務がある期間でない利用でも「計画を作ったほうが良い」という結論となる。そこで作られるプランは、まさに事業者にとって必要なツールとしての意味が生まれるわけである。

また、ケアプランの交付については、居宅介護支援事業所が作成する「居宅サービス計画」については基準省令において「介護支援専門員は、居宅サービス計画を作成した際には、当該居宅サービス計画を利用者及び担当者に交付しなければならない。」とし、利用者だけではなく「担当者」(計画に位置づけた各サービス事業所の担当者という意味)に対する交付義務も定めている。よって通所介護などを計画に位置付けている場合、通所介護事業所から求められなくとも、計画担当介護支援専門員は自らが立案した「居宅サービス計画」を通所介護担当者に交付しなければならないもので、これを行っておらねば運営基準違反である。

一方、施設サービス計画書については「計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画を作成した際には、当該施設サービス計画を入所者に交付しなければならない。」であり、各居宅サービス事業所の計画も「サービス提供責任者は、訪問介護計画を作成した際には、当該訪問介護計画を利用者に交付しなければならない。」(訪問介護計画)・「看護師等は、訪問看護計画書を作成した際には、当該訪問看護計画書を利用者に交付しなければならない。」(訪問看護計画)などのように、あくまで利用者に対する交付義務があるだけで、かならず居宅介護支援事業所の担当介護支援専門員に対して交付が必要と定めているわけではないことに注意が必要である。

よって介護支援専門員は、それらの情報提供を法令義務として居宅サービス事業者に求めるのではなく、サービスチームとしての総合的援助方針を理解する上で必要な情報として、あるいはサービス担当者会議等で必要な情報を収集する機能と役割として「各サービス事業の計画交付」を求める、という理解が必要であり、情報として適切であれば計画書そのものを出させる根拠も必要性もないという理解が一方で必要である。

このことを考えた場合、法令根拠は大事であるが、チームワークを形成するためには、何もかも法令に根拠を求めるのではなく、チームとしての在り方という「自律的規範」や「メンバー双方の思いやり」という目に見えないものが要素として必要だという意味になる。法令を杓子行儀に解釈して「法令に書いていること以外はしない」という態度では、チームケアはできないが、その前提は法令を正しく解釈したうえで、チームケアに必要な方法論を法令の上に積み上げて考えるという態度が必要である。

よって、この部分でリーダーシップをとるためには、支援チームの要としての枠割を持つ介護支援専門員が、チームの中で誰よりも法令を理解している必要があるということにもなる。

このように日ごろ理解していると思えていた点でも、基準省令や解釈通知をあらためて確認することで、その根拠が明確になったり、法令理解に誤解があった点などが見えてくるかもしれない。

是非、基準省令等を一度読み返してみよう。

※なお昨日から本日のこのブログのクイズは、かのnarisawa師匠のアドバイスがなければ成立しなかったであろうということを最後に申し添えておきたい。僕にはこうした「法令の読み方の達人」が力を貸してくれているのであり、大変心強い限りである。皆さん、表のサイトのリンク集からnarisawa師匠のサイトにとんで、彼の著書も是非購入してください。

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クイズ編:法令から読みとるケアプランルール

介護保険制度の各種サービスは計画利用が基本原則となっており、この制度によって「ケアプラン」という言葉が業界の標準語になっている。

しかしケアプランといっても、大きく区分すると3種類ある。それは

1.居宅サービス計画(居宅介護支援事業所の介護支援専門員が作成)
2.施設サービス計画(介護保険3施設の介護支援専門員が作成)
3.各居宅サービス事業所によるサービス計画(例えば訪問介護計画・通所リハビリテーション計画など:各サービス事業所の計画担当者が作成)

1と2は国が標準様式を規定しており、3にはそれがなく自由な書式で計画を定めることができる。

しかしだからといって1と2の内容が類似しているかといえば決してそうではない。むしろプラン作成方式は2と3が類似の関係にある。それはなぜか?基準省令等からそのことを読みとってみよう。

1は基準省令38号第12条8に「アセスメントにより把握された解決すべき課題に対応するための最も適切なサービスの組合せについて検討し、利用者及びその家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針、生活全般の解決すべき課題、提供されるサービスの目標及びその達成時期、サービスの種類、内容及び利用料並びにサービスを提供する上での留意事項等を記載した居宅サービス計画の原案を作成しなければならない。」とされ、基本的には「最も適切なサービスの組合せ」のサービススケジュールを決める内容が主となる。つまりこれは『介護の全体計画』であり、どのような支援が必要かを明らかにするものである。

一方、2は基準省令39号第12条5で「入所者の家族の希望を勘案して、入所者及びその家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針、生活全般の解決すべき課題、指定介護福祉施設サービスの目標及びその達成時期、指定介護福祉施設サービスの内容、指定介護福祉施設サービスを提供する上での留意事項等を記載した施設サービス計画の原案を作成しなければならない。」であり、つまりは施設サービスにおける『個別処遇計画』を主たる内容にするものである。

3について考えてみると、例えば訪問介護計画は基準省令37号第24条1で「利用者の日常生活全般の状況及び希望を踏まえて、指定訪問介護の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した訪問介護計画を作成しなければならない。」と定めているように、他の居宅サービス計画でも同様に「具体的なサービスの内容」という形の『個別処遇計画』が中心になるものである。

つまり内容としては、1は利用する介護サービスの種別と事業者を選択して組み合わせ、利用スケジュールを計画する「全体計画」であり、2と3は、それぞれのサービスの機能を利用者に直接結び付ける「個別処遇計画」であるという点で、1と2及び3は異なり、2と3は同様である、といえるものである。

しかし前述したように1と2は標準書式が定められており、3には標準書式が定められていないという点では違いがある。1と2の標準書式では生活課題を解決するための長短期目標を立てて、総合的援助の方針を明示する必要がある。しかし3は標準様式がないからそれらの内容の記載は必要ないかと言えばそうではなく上記のように基準省令で「目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容」を記すべしとして、目標の記載は必須で、これが記載されていない場合は実地指導の際に是正指導が行われる。

また特定施設やグループホームは介護保険制度上は「居宅サービス」に位置づけられており、その計画は3に該当するものであるため、施設サービス計画のような標準書式は指定がないが、その計画は特定施設やグループホームの中で「営む生活」という中で展開されるサービスであるから、その計画内容は施設サービス計画と同様である。
(参照:グループホームは在宅であるという誤解

また具体的サービス内容も例えば短期入所生活介護であれば省令37号130条において
1.一週間に二回以上、適切な方法により、利用者を入浴させ、又は清しきしなければならない。
2.利用者の心身の状況に応じ、適切な方法により、排せつの自立について必要な援助を行わなければならない。
3.おむつを使用せざるを得ない利用者のおむつを適切に取り替えなければならない。
4.離床、着替え、整容その他日常生活上の世話を適切に行わなければならない。
5.滞在中の生活の継続性に配慮した生活全般の具体的支援方法(行事や日課等を含む)

と定められており、3については、それぞれのサービスごとに定められた運営基準上で定められているこれらの内容が「具体的なサービスの内容」として網羅されている必要があると言え、基準省令の各サービス事業所に求められている最低基準を確認しておく必要がある。

また居宅サービスの場合は、居宅介護支援事業所の「居宅サービス計画」と各サービス事業所の「サービス計画」がセットで利用者にそれぞれ合意を得てサービス提供する仕組みとなっているが、後者の各サービス事業の計画については、作成義務がないサービスがある。
(介護支援専門員の有資格者なら、このサービスが何か全問正解でなくとも、1つや2つはパッと頭に浮かべなければならない!!)

計画を作成しなくてよいサービスとは「居宅療養管理指導」「住宅改修」「特定福祉用具販売」「福祉用具貸与」と「訪問入浴」である。サービスが一定行為に特化しているために「具体的なサービスの内容計画」が求められていないものであろう。

※正確に言えば介護保険法第8条に「居宅サービス」の定義があり、「住宅改修」は含まれておりませんが(narisawa氏にご指摘ただきました)、今回のクイズでは介護保険の給付対象サービスのうち、ケアプランが必要ではない、という意味で含めて書いています。

それともう一つは・・・。
(※明日に続く。さて、ちょっとしたクイズです。「それともう一つは」に続く文章を考えてください。答えが分かった方はコメント欄に記載してください。答えは明日の記事更新で、お楽しみに!!)

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居宅サービス計画の正しい書き方。

先週金曜日に当地域における今年最初の「のぼりべつケアマネ連絡会・定例会」が行われた。

そこでは先日書いた記事「ケアプランの基本をケアマネ会で再検証。」の中でお知らせしたように、代表である僕自身の講演を約100分間行った。

受講した会員ケアマネは60名強であった。各事業所で実務に携わっている人々が対象であるということを十分意識したうえで、講演内容を考えたが、あえて「ケアマネジメントとは何ぞや」という「基本中の基本」の理解を促すとともに、そのうえで我が国の介護保険制度における居宅介護支援を中心にした「日本型ケアマネジメントモデル」の構造に触れながら、居宅介護支援事業所の「居宅サービス計画」と、各サービス事業所の「介護計画」の役割分担と、書くべき内容の違いなどを説明して、実効性あるケアプランの立て方の視点として、居宅介護支援と各サービス事業や施設サービス、それぞれの立場からどのように考えるかを説明させてもらった。具体的なサービス提供方法についても例示させてもらった。

受講された方が、その内容をどのように評価してくれるか、あるいは理解してくれるのかは今のところ定かではないが、ケアプランに最低限盛り込むべき内容や、逆にそこに書かなくてもよいこと、書くべきではないことなど、「あいまい」に理解していた部分が、わずかではあっても鮮明になったのではないかと思う。(※このあたりは本来しっかり理解してもらう必要がある事柄である。)

特に居宅介護支援に関して言えば「居宅サービス計画」という指定書式があるが、この指定書式の中に書くべき「総合的援助の方針」と「長・短期目標」の記載内容が、担当介護支援専門員によって様々で、著しい内容格差が見られる。目標と援助方針のマッチングが見えない計画書も多かった。

さらにいえば、同じ介護支援専門員の作成計画書であっても、ある計画書は総合的援助の方針として適切な内容が書かれているのに、別の計画書では援助方針が見えず、単なるアセスメント情報の羅列であったり、目標に書くべき内容を書いていたりする場合がある。つまり正しく何を書くべきかという理解が不十分であり、そのことを明確に意識できていないから、たまたま適切な表現で計画書が作成できることがあっても、全部の計画書がそうならないというレベルで終わっている介護支援専門員が多いという現状があるのだ。

僕が関与した地域の介護支援専門員の計画の中にも、居宅サービス計画のそれぞれの項目に記載されるべき内容とは何か、という基本部分が理解されていないと思われる計画書が多かったので、そのことを今回は「講演」という形の勉強会で具体的に明らかにしてみた。

以前の記事との重複ともなることを恐れず書くと、総合的援助の方針に書くべきこと、そのために必要な視点は

1.総合的援助の方針に記載されるべき内容とは、課題を解決するために目標達成をしていく先に、どのような「暮らし」が実現するのかという「ゴール」を明らかにしたうえで、そこに行くための「道」を示すもの。

2.介護サービスを提供するチームメンバー全員が共有すべき全体の方向性を決める基本方針や、対応方針を示す内容である必要がある。

3. 総合的援助の方針は、アセスメントの内容を書く項目ではない。そこに課題やニーズを羅列しても意味がない。それは居宅サービス計画書2の (課題分析) 居宅介護サービスを使う理由となる生活全般の解決すべき課題 に書くべき内容である。

4. 総合的援助の方針は利用者や家族が読んで分かる内容である必要がある。 そうでないと本当の意味で計画同意に結びつかない。(利用者に説明して理解できる内容かが重要。)


ということについて具体例を示してお話しした。そのほか、各サービスとはこの総合的援助方針の達成のための具体的サービスとして位置づけられるものである以上、各サービス事業所はその援助方針の中で自らの事業所のサービスがゴールにたどり着く「道」となるような具体的サービスを各サービス事業所のケアプランに落とすという理解が必要であるし、サービス担当者の会議では、このため総合的援助方針における各サービス事業所に求められている役割が何であるかをケアマネを中心としてコンセンサスを形成するという目的があり、各サービス事業所は、ケアマネからその役割理解を求められ、それを実施するための方向性を示されるにとどまらず、自らの事業所の機能をアピールして、積極的に負うことができる役割としての具体的サービスを明示して、各サービス事業所間でその情報をも共有すべきであるという点にも説明を及ばせた。

当然、総合的援助方針を達するためには生活課題が何であって、その課題を解決するために長・短期目標を立て、その目標をクリアするという方法を積み上げて最終的にゴールに達するという意味があるのだから、その内容については「課題例」を示したうえで具体的に説明した。

介護支援専門員や各サービス事業所担当者にとって、居宅サービス計画や各サービス事業所の計画の「記載すべき内容」など、今更と思っている人も多いのだろうが、あらためてこれを考えるとその意味や書くべき内容の理解ができていなかったことが「わかった」という人も多いのではないかと思う。(※実際に分かっていない計画書が数多いのが現状である。)

介護支援専門員の資格取得後の実務研修でも、この内容に詳しく触れる時間はなく、基本的な学習機会がないまま現場に放り出されて基礎理解がないまま困惑している有資格者も多いのではないだろうか。

そうであれば各地域ケアマネ会の役割の一つとして「スキルアップ」は重要なのだから、基本に帰って『ケアマネジメント』や『居宅サービス計画の立て方』『書くべき内容』を勉強する機会を作る必要があると思う。

各地域会は、是非そのような機会を積極的に作ってほしい。場合によっては声をかけていただければ僕もお手伝いができる部分は協力できるかもしれない。

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ケアプランの基本をケアマネ会で再検証。

僕が代表を務めている「のぼりべつケアマネ連絡会」は年間計画に位置付けた定例会を年10回開催している。この定例会の主たる目的は、介護保険制度や地域や各事業者間の情報交換と勉強会である。

その内容については、年度初めにグループ分けを行って、各グループで何をするかを決定している。講演会やグループワークetc、なんでもありである。

ところで昨年12/24のクリスマスイブの日に、1月の定例会担当グループから、介護報酬の改定後の状況について僕の講演という形で情報提供してほしいと相談があった。しかし介護報酬の改定内容そのものは、改定時に情報提供したり、道からも担当者を招いて説明会を行ったりしている問題で、その後の結果は加算算定割合がどうなっているのかということしかなく、あまりテーマとしてふさわしいものとは思えなかった。

しかも1月定例会は1/15に予定されているので、依頼のあった日から準備期間はわずか20日しかない。適当に話だけするのであれば、その期間でも十分だろうが、忙しい現場の介護支援専門員が夕方〜夜の時間を割いて集まるんだから、それなりに内容のある話をしなければならず、そのためには本来なら資料なども作った上で分かりやすい話をしなければならない。そうであれば説明用のファイルを作るにもこの期間はあまりに短く感じた。しかしこの時期に定例会の内容を再考するのも大変だろうから、何らかの協力をする必要もあるだろうということで、講演そのものは受けることとして(僕が講師を務めれば講師謝礼も必要ないから、費用がかからないという利点もある)短期間で資料を作れる内容であるという意味も含めて「ケアマネジメント」に関する内容として、具体的には「よりよいケアプランを作るために」というテーマにしてもらった。

介護支援専門員の地域組織に加入して、実務に携わっている有資格者に対して、今更ケアプランの作り方のレクチャーもないだろう、という意見が当然出されることと思う。しかし僕の事業所で受けている、ショートスティやデイサービスの利用者に対する「居宅サービス計画」の内容を読むと、どうもケアプランの基本がわかっていない介護支援専門員が多いように思う。本来、地域のケアマネに対するケアプランの指導は、地域包括支援センターの主任ケアマネの役割と思うが、地域包括支援センターが作る予防プランを読んでも同じような疑問を感ずるケースが多いので、今回は一度基本に帰って「ケアマネジメントとは何ぞや?」「ケアプランの目的とその具体的作成方法とは?」「目標や課題の設定の意味。」「総合的援助方針の記入方法。」等々、あらためて現場の介護支援専門員の皆さんに考えてもらおうと思った。

例えば通所介護の利用者に対する居宅介護支援事業所の「居宅サービス計画」における長期目標が「通所介護を利用する」となっているプランがある。これは居宅サービス計画としての「長期目標」としてふさわしいのだろうか?ふさわしくないとしたらどのような支障や問題があるんだろうか?ここを基本原則に立ち返ってもう一度考えてもらいたい。

このことに関して新たに作った僕のファイルでは
1.長・短期目標は課題を解決するための目標 。
2.課題とは利用者の生活課題。
3.目標が達せられることで課題解決が可能なのかということを考えるべき 。

と記してみた。そして「通所介護を利用する」ということは目標を達成すべき手段であって、目標にはなり得ない。→なぜなら通所介護を利用しただけでは課題解決にならないからである。→通所介護を利用することでどういう効用が期待できるのか、どういう生活上の変化が期待され良い暮らしに結びつくのかという予測に立った内容が長・短期目標として設定されなければならない。

と書いてみた。1/15は、こうした事柄を中心に、長短期目標の立て方、総合的援助方針に書くべき事柄、その際に目指すケアマネジメントのアウトカム、というものを総合的に検証する内容にする予定である。

この定例会における講演の15日後・1/30と31日には埼玉で別の2つのテーマでの講演(介護者の資質に関するものと、認知症ケアに関する講演)を予定しているし(既にファイルは作って送っているが)、その20日後には室蘭で「看取り介護」に関するシンポジウムでの情報提供、さらにその6日後は東京で「ショートスティのプラン」に関する講師を務めなければならず、こちらはファイルもこれから作らねばならない。

講師としてしゃべる時間は、わずか90分とか、120分という場合が多いが、その準備のためにかける時間というのはその何十倍もの時間であるということが現実なのだ。そのことを少しだけ理解してほしい。

それにしても違ったテーマの研修が、こういう短い時期に立てこむと、頭の切り替えが難しいと感じている今日この頃である・・。

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ケアプランの記載方法

僕の施設で作成している「施設サービス計画」は、完全とは言えないまでも、かなりその作成方法や表現方法の理解や工夫が進んで改善してきている。1年前の計画書と現在のものを比べると、その内容も表現方法も進歩していると思う。

施設サービス計画は、施設の担当ケアマネが中心になって立案するものだが、昨年の実地指導で一部の計画書の目標のあり方などに対しアドバイスを受けたことをきっかけにして、施設の中で、その目的や作成方法を理解するための話し合いや協議が続けられてきた。

そのためケアマネ自身の意識改革もあったと思えるし、目標設定や総合的援助の方針の内容についても、施設長が随時チェックして積極的に介入するようになったこともある。何より施設内のサービス担当者会議(ケアカンファレンス)に施設長が参加して、うるさく計画書の内容に口出しするから、ケアマネジャーにも求められていることが理解されてきていると思う。

そのため、とんでもない間違った視点で表現される計画書はほとんどなくなっているといってよい。

しかし併設ショートスティの利用者のショート計画を作成する場合に、その根拠になる、居宅介護支援事業所の担当ケアマネから送られてくる「居宅サービス計画」の内容を読むと、本当に担当者がケアプラン作成の意味や目的、作成方法を理解しているのだろうかと疑問になることが多々ある。

全てのサービス事業所(訪問サービスや通所サービス、滞在サービスを提供する事業所)は「居宅サービス計画が作成されている場合は、当該計画に沿ったサービスを提供しなければならない」ものであり、サービス事業所が立案する計画についても、例外なく「居宅サービス計画が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成しなければならない。」とされているもので(厚生省令37号)、居宅介護支援事業所の担当ケアマネジャーが立案する「居宅サービス計画」は重要なものであるはずだ。

それなのに大本になる、それらの計画の内容がお粗末では、現場のサービスにも影響しかねない。

もっと介護支援専門員は居宅サービス計画の書き方を勉強しなければならないと思う。

特に一番多い例は、課題と目標が結びついていない例である。これはアセスメントそのものが十分に行われていないことが原因だろう。そしてその背景には、まず利用者の希望等から使うサービスを先に決めて、その理由を後づけで考えることによるものと思える。

つまり本来は

アセスメント→課題抽出→目標設定→目標達成の具体的方法→サービス決定

という過程があるべきなのに、そうではなく。

利用者の希望によるサービス決定→アセスメントという名目の理由付け

ということが日常的に行われているということだろう。利用者の希望もアセスメント項目に含まれるのは当然だが、デマンドとニーズの乖離がないのか、言葉として表出したニーズの影に隠されている、表現されていないニーズはないのかを、しっかり検証するのがアセスメントの意味であり、そのことが行われていないと思われるプランが実に多い。

また長期目標、短期目標のつながりも見えない計画がある。どうしてこの短期目標が長期目標の達成に必要な要素なのか疑問になる場合がある。

さらに問題なのは、同じケアプランの中に、あるサービス利用に関する目標が利用者目標であるのに、別のサービスの目標が事業者目標になっていたり、長期目標が事業者目標であるのに、短期目標が利用者目標になっていたりと、目標の主体が混在する計画書もある。これでは何を意図した計画なのかさっぱり理解できない。
(※これらの問題、誰の目標にすべきか、ということを含めての問題は、カテゴリー:ケアプラン の記事を参考にしてほしい。)

また第1表の「総合的援助の方針」の記載内容がお粗末である計画書も多い。ここには担当ケアマネが目指す、利用者の実現すべき生活の実現に関する大方針が書かれなければならないはずなのに、その方針が曖昧で、むしろ長々と利用者がどのような状態であるかを書いている計画書がある。

例えば脳卒中後遺症で片麻痺があるとか、歩行困難とか、入浴が自宅でできないとかいう利用者の状態像が欄内の大部分を占めている計画書である。

しかしそれは総合的援助の方針に書かれるべき内容ではなく、解決すべき課題である。その課題解決のために実現すべき目標に対応する、総合的な援助方針を記載するのが第1表のこの部分であり、第2表などに表現すべき課題を繰り返し書いても意味がない。第2表に書かれるべき内容は2表で表現すればよいことであり、利用者やその家族、サービス事業所の担当者が読んでわかる「総合的援助方針」を書くべきである。

そうでなければサービス事業所は、方針の理解が不十分で、「当該計画の内容に沿った」計画とサービス実施は不可能である。

空欄を埋めさえすれば計画書になると考えるとしたら、それは専門職として恥ずべきことであろう。

居宅介護支援事業所の担当者が立案する「居宅サービス計画」は利用者や家族が読むだけではなく、様々な関係者、保健・医療・福祉のプロの目にも触れていることを忘れてはならない。

文章の苦手なケアマネジャーでは困るのである。

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モニタリングは自己評価でもある。

介護保険制度の各サービスは、基本的に「計画」に基づいて提供されるサービスであり、その計画については一定期間ごとに評価見直しが行われる必要がある。これをモニタリングと称している。

(※居宅介護支援事業所が立案する計画は介護保険の各サービスを現物給付化する手段とされているが、施設サービス計画や各サービス事業所(訪問介護や通所介護など)の計画は基準省令で必ずなければならないものと規定され、これがないままのサービス利用は原則不適切とされる。居宅介護計画(居宅介護支援事業所の計画)と施設サービス計画及び居宅サービス計画(各サービス事業所の計画)の、この違いをしっかり理解しておく必要がある。)

モニタリング(monitoring)という言葉の意味を辞書で引くと「予め設定しておいた計画や目標、指示について、その進捗状況を随時チェックすることをいう。」あるいは「観察し、記録すること。」などと書かれている。

介護サービスにおけるモニタリングは、作成された計画に基づくサービスの評価を中心にして展開され、実際に計画されているサービスが行われているのか、行われていると確認できれば、その状況や方法は計画に合致した適切なものであるのか、行われた結果として課題に対する目標は達成されているのか、いないのかなどを評価し、その結果から具体的サービス提供の方法を見直したり、終了したり、一時中断したり、継続したりということを決定するものである。

「モニタリング」と「評価」がどう違うのかと質問されることがあるが、基本的にそれはある意味同じであるともいう関係者もいるが、マクロな視点からいえば介護サービスのモニタリングというものは、評価するだけではなくその結果を記録して、サービス計画の見直しを検討する一連の過程全てを指すものであり、評価という行為をも包括したもっと広い作業過程と考えて良いと思う。介護保険制度ではこの点を「モニタリングの一連の過程の中に評価がある」と分けて考えているものである。

モニタリングでは、利用者の「満足度」を評価する視点が欠かせない。それは介護サービスというものが、事前に試して使ったり、後から使ったサービスをもとに戻すことが不可能な再現性のない「目に見えない」サービスであるからだ。それは常に使ってみないとわからないという特性を持っているため、サービスを利用した結果の満足度や不満、特に利用者の「いやだ」という感情がなかったかということは評価の視点としては重要にならざるを得ない。

どんなに素晴らしい計画であっても、利用者が使った結果が不満であれば、それはサービスとして不適切な何らかの要因(問題)があるということだからである。

このときモニタリングを行う計画担当者が陥りやすい「間違い」は、課題を解決できない要因をサービス提供方法そのものとしか見ず、場合によってはそれがサービス提供者の問題として限定的に考えてしまうことである。勿論そのことも理由としてあり得るが、もともとのサービス提供計画内容が適切なものであったのかを検証することが先であろうし、もっと言うなら、サービス計画に書かれている内容や意味について、利用者や全ての担当者が読んで理解できる表現方法となっているのか、という問題がある。

計画書の意味、課題に対する目標に具体性があってチームとして関わる人々が共通理解を持てる内容であったのか、それに対応するサービス内容となっていたのか、サービス提供方法が誰が見ても理解できて、いつ誰が行う際にも「ほぼ同じ行為」を行える具体性がある内容であるのかが問題である。

サービス計画としての書式は備わっているが、実際にはそれは現場で読んでわかるものではなく、使えない書式で、実際のサービスは計画書を拠り所にしているのではなく、事業所のルーチンワークや支援者の経験と勘に委ねられている、という状況になっていないかという検証がモニタリングの際には最初に考えられるべき問題である。

そういう意味で計画作成者は、現場でサービス提供する職員に「計画書を読んで何が書いてあるかわかるか」「計画書を読んでどのようなサービスが何のために必要とされているかわかるか」という問いかけを行うべきである。

読んでわかる計画書ではないと「使えない」のである。当然読んでわかるためにはそこで掲げられた目標が誰の目標であるのか(利用者目標か事業者目標か)統一されている必要があり、そのことがひとつの計画書にバラバラに設定されていては困るし、長期目標や短期目標の違いも明確で、それが連動し、かつ目標が具体的でなければならないという意味を持つ。

とにもかくにも、まず自分が作った計画書をじっくり読み直して、その内容がわかりやすいか、何をすべきかが具体的にわかるのかを確認したうえで、サービスチーム全員がその内容を理解できるように伝える必要がある。これがサービス担当者会議のひとつの重要な機能である。

そういう意味ではモニタリングの要点のひとつは、計画担当者が自分の計画がわかりやすく現場で活用できるものであったのか、という自己評価なのである。

何も他人のことばかりを評価するのがモニタリングではないのである。

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使えないケアプランは事業損失だ。

今日は始めに記事内容とは直接関係ないことを一言だけ書いておく。

WBC侍ニッポン、キューバ戦勝利ばんざい。朝早くから起きて見ていた甲斐があった。今日は寝不足の人が多いことだろう。でも次も、その次も、ずっと勝たなきゃあならんことが大変だなあ。優勝に対する国民の期待が高いものねえ。でも何となく、良い結果になりそうな気がしますね。少なくともキューバに勝ったということは大きなことです。・・さて本題。

グループホームの外部評価に携わっているが、今年度はまったく活動していなかった。しかし年度末に近づいて、調査機関から今年度中に調査を終えねばならないケースをいくつか依頼され、ごく短い期間に3件の調査を行った。(この時期に受けたことを多少は後悔している。おかげで大変忙しい状況を自ら作り出してしまった。)

グループホームの外部調査は、あの評判の悪い「介護サービス情報の公表制度」における調査とはまったく異なる。つまり単に提出された書類の内容が正しいかを確認するだけではなく、その記載内容や、実際のサービス提供状況を現場で確認して、きちんと「評価する」ことを目的としている。

しかし評価といっても、上から目線の指導的評価でもないし、あら捜しになってもいけない。

あくまで外部調査員はグループホームの「サポーター・応援団」であり、調査対象グループホームの運営自体は、法令に沿って正しく行われていることを前提に、利用者に対するサービス向上が図ることができる「可能性」を外部の視線から見つけ出すのが目的で、介護の専門家だけが評価するような偏った見方にならないように、介護の専門家ではない評価員と2名のコンビで実施される。つまり「世間の常識」をきちんと担保しながら「介護の常識は世間の非常識」である点にも目配りしてサービスの質の向上を実現する目的がある。

この評価を毎年受けていて、評価を真摯に受け止めているグループホームの場合、その評価に沿った改善を繰り返してきており、もう指摘事項が見つけ出せないこともある。こういう事業所は安心である。

しかし外部評価の本来の意味と目的を考えると「指摘事項がない」ということが、当該グループホームにとって必ずしも良いこととはいえないというジレンマがある。つまり事業所側は高い調査料金を自ら支払い、調査日には、ほぼ半日以上、通常業務外の調査協力に時間を費やしているのだから、具体的成果に繋がる助言が何もないというのは外部評価員の「気付き」が足りないという意味で、事業所にとって損失なのだ。

なぜなら、この評価は「悪い点を改善する」という目的以外に、「現在行われているサービスは適切だが、工夫すればもっと良くなるのではないか」というヒントも評価から見つけ出す意味があるからだ。

介護サービスに頂点があるかどうかは知らないが、利用者のニーズは常に変化しているし、良いグループホームであればあるほど「より高い頂上」を目指すことが可能になるので、本来指摘事項が何もなくなるということはあり得ないのである。

そういう意味で、僕は調査に当たる際には、できるだけ多くの「気付き」を事業者に伝える役割を持っていると考えてアドバイスできることを見つけ出そうとしている。(ただし前述したように、この部分があら捜しにならないことが大事で、ここを間違ってはいけないと思っている。)そのため良いサービスを実践し、ある程度の年数を積み重ねている事業所における「評価の質」自体も変化がある。例えばその際たるものが「ケアプラン」である。

グループホームは居宅サービスに分類されてはいるが、実際には単品サービスで、施設サービスと同様、そこで暮らす利用者へのサービスであるから、ケアプランもグループホーム内の計画担当者が立案し、施設サービス計画とほぼ同様の内容となる。

外部評価を始めた当初は、このケアプランについての外部評価における確認、評価内容は、まず「ケアプランがあるか」ということであった。5年ほど前のグループホームでは、ケアプランも全員分作られていない事業者は少なくなかったのである。(今はもうそんなことはないだろう。)

その後ケアプランに関する確認、評価は「ケアプランが適切なアセスメントに基づいているか」が問われた時期がある。アセスメントのないただの文章としてのケアプランであったり、アセスメントで出された課題と計画書の中身が一致していないプランもあった。さらに定期的な見直しがまったく行なわれておらず、入所後数年間同じ内容で計画書が変えられていないものもあった。

現在でも一部のグループホームでは似たような状況が存在するが、外部評価に基づく「改善」を繰り返し行っている事業所はそのようなことはない。

よってそれらの事業所ではプランの中身を見る。課題に対する目標設定の方法、モニタリング時の評価方法などをアドバイスすることがある。

中には形式としては介護計画になっているのであるが、長期目標と短期目標の意味がわかっておらず、ひとつの計画書の中の目標が利用者目標と事業者目標が混在していたり、本来は短期目標にしかならない目標を長期目標としていたり、サービスの評価、特にそのサービスを継続したり、中止したり、変更したりする根拠がまったく不明であったりする場合がある。こうした点について、改善の方法をアドバイスしている。
(※ケアプランの目標についての考え方は「ケアプランの目標は誰の目標か?」「続・ケアプランの目標は誰の目標か?」「終章・ケアプランの目標は誰の目標か?」を参照してほしい。)

なぜこのような指摘をするかと言えば、それは各事業所の無駄をなくするために必要な助言だと考えるからである。

ケアプランを作成する作業は、非常に時間と労力を要すもので、そうした手間をかけた計画書が単に実地指導に必要な書類という意味でしかないのは勿体ないのである。介護サービスの現場でサービス提供に必要なツールになっていないのでは無駄としかいいようがないのである。

ケアプランという共通言語を通して、それがあることで事業所内の職員の共通認識が生まれたり、サービスの意味を理解できたり、利用者のニーズをその意味から確認できたりする効果がなければ、使わない書式であり、それは本来必要がない書式で労力の無駄でしかない。流した汗の量と同様に「活用できるツール」にすることが無駄をなくして、事業所の利益に繋がる唯一無二の方法なのだ。

多くの時間や労力を要して「現場で使えない書式」を作っても時間とエネルギーの無駄でしかなく、それは事業所にとっては大きな「損失」であるという認識を持ってほしい。

そういう意味では、課題に対する適切な目標設定や、評価の基準の明確化は避けて通れない理解すべき知識なのだということを知ってもらいたいのである。

このことは今回取り上げたグループホームだけの問題ではなく、すべての施設サービス、いや居宅サービスをも含めた介護サービス事業所全部に言えることである。

実地指導だけの書式でしかない計画であっては「もったいない」という感覚が全ての介護サービス従事者に求められるのである。

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ポジティブプランとは何か。

12/5に行われた老施協主催の「施設ケアマネジャー研修会」のシンポジウムでは、シンポジストの方々から様々な角度から内容の濃い発表があった。外交辞令ではなく心からそう思った。

僕はコーディネーターという立場ではあったが、発表を聞きながら個人的にも非常に勉強になった。頑張っている仲間達がたくさん全国にいることもあらためて感じさせられた。

看取り介護の実践では、看取り介護期の統一的な関わりを行うための職員の意識向上の方法として、まず各自の死生観を全員にアンケートで確認してBC法によって「こんな死に方は嫌だ」というテーマで研修を行い、施設の看取り介護の方法に対する職員の意識改革を進めサービス方法を変えていった事例が報告された。

また他職種との兼務を行っている複数のケアマネジャーが配置されている施設では、兼務業務をまったく行わない日を作ったり(これは看護・介護業務との兼務だからできることで相談員との業務区分は施設システムとして業務分掌をしっかりしていないと難しい)、施設内でケアマネの連絡会を作って連携と情報共有を図っているというユニークな報告もなされた。

またケアプランの評価について、アウトカムの評価をするためにはゴールの設定が不可欠なのだから、必然的にその目標はきちんと評価しうる具体的なゴールがわかるものでなければならない。それはADLの改善に限るものではなく、QOLの向上というゴールであっても良いが、きちんと評価しうるゴールの設定がなされているかということが多職種がチームとして連携する要点のひとつとなるという発表もあり、QOLの評価の具体例なども示され大変興味深く聞かせていただいた。

まったくその通りである。

ただその中で、ポジティブプランの定義が不明瞭であり、本来具体的な定義に基づいて理由をアセスメントするんだから、ポジティブプランの定義自体があいあまいなままでは、逆にそういう概念(ポジティブプランという概念)を持ち出すことにより、チームがプランの意味を理解する上で障害となる場合があり適切なアセスメントに結びつかないケースがあるという指摘があった。

アセスメントについては、その通りだろうとは思うが、ここにはある誤解も含まれていると思ったので、僕は「落としどころ」と表現して、ひとつの意見を述べた。ただその際に時間もなかったので表現上の誤解があるといけないのでポジティブプランとは何かと言うことについて、ここであらためてまとめておきたいと思う。

発表者から、ポジティブプランの定義を調べたが明瞭なものはなかったという発言はあったが、これはある意味当然で、社会通念として、あるいは世界の福祉関連業界で共通した概念として存在する「ポジティブプラン」という概念はない。

なぜなら、これは和製造語で、それも現在の介護サービスに限っていえば、それはこの国の介護保険におけるケアプラン作成という狭い領域に特定された概念であり、それは平成15年の介護支援専門員実務研修カリキュラムとテキスト及びケアプラン記入の手引きの変更の中で示された考え方であるに過ぎないもので、全世界、全業界に共通する定義や概念ではないからである。

しかしだからといってポジティブプランは、定義が曖昧で実体のないものだということではない。

介護保険制度における介護サービス計画(ケアプラン)に限った中でいえば、その定義は明確なのだ。

それは支援目標を設定する生活課題を、利用者の障害という個人の問題としてマイナス面から考え、単にできないことを支援者が替わって行うという目標と方法論ではなく、個人の問題だけではない環境因子も含めた生活課題という側面を重視して、様々な障害があっても実現できる暮らしを能動的に実現する目標とそのための具体的支援方法を考える、という意味である。

これは先に示した「介護支援専門員のテキストとケアプラン記入の手引き」に明記されている。

まあ逆に言えば、今現場で求められているポジティブプランの定義とは、その程度の単純な理解で良いということだ。何度かこのブログで繰り返し書いているが我々の仕事はポジティブプランを作ることではなく、利用者の当たり前の生活を守ることであって、そのためにポジティブプランとは使いこなす道具としてのケアプラン作成のひとつの考え方に過ぎないんだから。

ところでここで考えてほしいことは、ポジティブプランに限らず、現行の介護サービスの計画作成において重視されているのは、利用者本人や家族の意向の確認ということである。

この際に注意しなければならないことは「デマンドとニーズは異なる」として利用者の希望や意向が歪められることである。確かに真のニーズ把握は必要だが、利用者の意向や希望を単にデマンドと解釈するだけではいけない。

なぜなら個人の生活とはもっとも個別的、非専門的な領域であるからだ。

介護支援専門員であっても理解が及ばない個別性が含まれているのが個人の生活である。本人が一番よくわかっている、ということは時に真実ではないときもあるが、時には正しい場合もあるのだ。少なくとも生活の意向に含まれる真のニーズに介護支援専門員という専門家がすべて気付くということは不可能である。

つまり、ここで必要なのはデマンドとニーズとう区分ではなく、主観的ニーズと客観的ニーズの違いという理解であるし、それはある意味、顕在的ニーズと潜在的ニーズと捉える必要性もあるだろう。

そういう意味では、生活の個別性というものの理解の方が、ポジティブプランの定義より大切なことだろうと思う。

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施設ケアマネジャー研修会の発言要旨

昨日のブログ記事に書いたとおり、今日はこれから千歳空港に向かわねばならないので、いつもより早い時間にブログを更新している。

今日の記事は、明日の老施協研修会シンポジウムで、僕が発言する要旨を簡単にまとめたものをご紹介したい。内容は過去にこのブログで書いたいくつかの記事と重複する部分もある。

なお、明日から週末の休日は記事更新をお休みするので、今日はいつもより長い記事となる。

(施設ケアプランと居宅ケアプランの相違点)

施設のケアプランのあり方を考えるとき、介護保険制度における居宅サービスのケアプランと、施設サービスのケアプランの構造上の相違点を理解せねばならない。

つまり居宅サービスのケアプランとは、利用者の生活課題を解決するための目標を達成する手段として複数の種類の異なるサービスを利用者に結びつけることがまず必要とされ、そのため介護サービスの種類決定とスケジュール管理を主な内容とした「居宅サービス計画」(居宅介護支援事業所の介護支援専門員によるもの)と、それに位置づけられた各サービス事業所で実際に利用者にどのようなサービスを提供するかという個別処遇計画としての「各事業サービス計画」(各サービス事業者の計画担当者によるもの)の二重構造である。

一方、施設サービスの場合は、単品サービスであるがゆえに施設サービス計画の主な内容は施設内で行う施設サービス計画=個別処遇計画となる。これは居宅サービスにおける二重構造のケアプランと比較したとき、居宅介護支援事業所のプランよりむしろ各サービス事業者のプランに近い概念となるであろう。

そう考えたとき、施設ケアプランとは単に利用者と施設のルーチンワークを結びつける役割を担うだけではなく、利用者にとって必要なサービス内容をあらたに作り出す視点など、時には現在のサービスのあり方を変えていく役割も持つものであるといえる。

(介護支援専門員の位置づけ〜ソーシャルワーカーとして)

介護支援専門員は、利用者が抱える生活課題を解決するための具体的支援方法を立案するチームの中心である。

例えば施設におけるサービスのスタンダードを変えなくとも個別の方法を組み込む必要も出てくる。つまりケアプランは、何をする、ということだけでなく、個別の利用者に対する施設のサービス内容が利用者ニーズに照らして「これで良いのか」という部分まで踏み込まざるを得ない。

そうなるとサービス担当者会議で議論される内容も、こういう課題に対し、こういう対応を行なうことにより目標を達成することができる、という視点をベースに、ケアの展開過程を精査することになる。このとき必然的にその視点はケアサービスの品質向上に繋がる業務の見直しにまで及ぶ場合があり「これしかできない」という前提でのケアカンファレンスは、ケアプランを施設の都合に合わせて文言化する形骸化したものにしてしまう恐れがある。

つまり介護支援専門員とはケアマネジャーと言う以前に、ケアマネジメント技術をしっかり持つソーシャルワーカーであり、ケアプランは使いこなす道具の一つであり、その役割は施設サービス全体のコーディネート役と言うことができ、単にケアプランを作る人に終わらない。時には施設サービスそのものの見直しを行う必要があり、ケアプラン作成責任者には、それだけの責任とともに新たなサービスを提言できる権限が必要とされる。

そういう意味では施設のケアマネジャーの役割やケアマネジメントとは何ぞや、という部分は介護支援専門員だけではなく、施設のトップもしっかり理解しておく必要があるものだ。

(ポジティブプランの考えた方の導入により何が変わったか。)

ケアプランの考え方にポジティブプランの考え方が導入されたのは平成15年がひとつの分岐点であろう。このときICFの考え方を導入した介護支援専門員実務研修カリキュラムの変更やテキストの変更、ケアプラン記入の手引きの変更等でケアプランの長短期目標の設定が「利用者の目標」という考え方に変わっている。

介護保険創設の際に目標に関しては各種の論議があり特に施設における目標に関しては、1枚のケアプランの中に、利用者の目標と、ケア提供者(職員)の目標が混在しているケースが多数あることがわかった。そこで、その整理をする必要があり、その当時の目標は「援助目標」「ケア目標」という言葉を用い、ケア提供者の目標と整理したという経緯がある。

つまり、ケアプランとはケア提供者の「行動計画書」「ケア計画書」と位置づけ、利用者の目標を実現するためのケア提供者の長短期目標であると考えた。介護保険制度がスタートした際にも、ケアプランが「契約」ということで、「目標」が「利用者の目標」であればそれを「約束」するというのは馴染まないことで、ケア提供者が、利用者に対する約束(契約)の方が責任の所在も明確であると考えた。

このことは例えば、「三団体ケアプラン策定研究会方式」の開発の際に「ケア目標は要介護者等の目標でなければならないという考え方もあるが、三団体では、ケアを提供する側の目標をケア目標と設定している。決して要介護者等の目標を無視しているわけではなく、要介護者等の目標を達成するためにも、提供するべきケア内容をケア目標にすることにより、より現実的な評価が可能になってくる。」と結論付けていることでも証明できる。

つまり当初、施設サービス計画の長短期目標は「事業者の目標」であったものが、15年のICFの考え方を取り入れたポジティブプランの考え方への変更により、それは「利用者の目標」という考え方に変わったことがわかる。

なお介護保険法施行規則では
 (法第八条第二十三項の厚生労働省令で定める事項)
 第十九条 法第八条第二十三項の厚生労働省令で定める事項は、
  当該要介護者及びその家族の生活に対する意向、
  当該要介護者の総合的な援助の方針
  並びに健康上及び生活上の問題点及び解決すべき課題
  並びに提供する施設サービスの目標及びその達成時期
  並びに施設サービスを提供する上での留意事項

として「提供する施設サービスの目標」という文言となっているが、このことは法律上「提供する施設サービスの利用者目標」でも「提供する施設サービスの事業者目標」でもどちらでも可と読める。

この考え方が15年を境に前者から後者に変わっていった、と考えられるのである。そうした視点から施設サービス計画を考えた場合、例えば下肢筋力の低下でバランス障害がある方のケアプランを立てとしたなら、課題として下肢筋力低下とバランス障害で移動の際に転倒の危険がある、というリスクが挙げられるであろう。

非常に極端な例で説明するとしたら、この際に、この課題に対する目標を事業者の目標にし、具体的サービスを施設のルーチンワークや介護サービス機能に特化した形で結びつけようとすれば、その目標は単に「転倒しないで移動できる」「転倒事故を起こさずに生活できる」というものになってしまう恐れがある。そしてサービス計画書(2)に記載される具体的サービス内容は「歩行時の見守り、付き添い」という計画になってしまわないだろうか。場合によってはサービス内容が「転倒に注意する」という短期目標と変わらないものになってしまう恐れさえある。

これでは歩行障害とバランス障害のある人の介護計画は金太郎飴のように、すべて似通った計画書にならざるを得ず、内容だけを読むと利用者の顔が見えてこない、というプランになる。

しかし利用者本人の目標であると視点を変えれば、当然それは「転ばない」で終わる問題ではなく、長期目標は転ばないで移動する生活そのものに着目しなければならない。転ばないことにより何ができるのか、どういう生活を目標にするのかということが具体的に示されねばならない。そうなると「転倒しない」という目標は短期目標としてはあり得るが、長期目標としては不適切であるということである。

つまり介護サービスにおいては、転ばないことはそれ自体が目的ではなく、転ばないことでどういう生活ができるかということが目標になるものなのである。そうなれば「自力で移動してトイレで排泄する。」「歩行による移動が継続できることで自信を失わず日課活動を継続する。」 「移動能力が衰えず他者と交流しコミュニケーション能力を保つ」など具体的な生活の中身を長期目標に定める必要があるということだ。

それによってサービス計画書(2)の援助内容における「サービス内容」は単に歩行を見守るのではなく、歩くことができる補助具の使用や生活環境の整備、歩行能力の維持向上のために機能活用の具体的方法までプラン内容が及ぶ結果となる。

よって、そうした考え方に基づくプランは結果的に個別の生活が見えやすくなり、プランを読めば、その利用者の顔が浮かぶものとなるだろう。

ただしポジティブプランを教える講師の中には、この目標を「〜できる」とか「〜したい」という表現でなければならないかのように教える者があるが、それは間違いである。目標を利用者目標とすることによって、結果的に表現がそのようになる可能性が高い、ということはあってもポジティブプランだからといって、全ての目標をそのように表現しなければならないというのは、目的を取り違えた誤った理解である。

要は内容が利用者の視点を重視して「生活の質」を守るための目標であればよいだけの話しである。

(終わりに〜施設ケアマネジメントとは何か)

わが国では介護保険制度とケアマネジメントの導入が同時に提唱された結果、両者が一心同体のように捉えられがちである。

しかし本来それは別なものである。その誤解による混乱がどう影響したかを考えたとき、介護保険制度上、居宅サービスはケアプランによって現物給付化でき、給付管理によって各サービス事業所はサービス費を算定できることで、その役割を担う介護支援専門員の業務や役割を、ケアプラン作成と給付管理の一連の介護保険制度ルールに特化して考え、それがケアマネジメントであると誤解してしまう結果に繋がっているのではないかと思える。そしてその概念を施設の介護支援専門員の役割に求めたとき様々なミスマッチによる混乱が生じてしまうのである。

しかし本来のケアマネジメントは、こうした介護保険制度における居宅サービスのルールとは別に存在し、それは生活障害を持つ人々に対する支援において、要援護者の人権や尊厳を尊重し、自立や生活の質を高める志向や援助技術を持ったソーシャルワーカーが、生活障害のファクター相互の関連性を捉え、そこからニーズを抽出して利用者を側面から支援するという意味があり、これは介護保険制度以前から施設の相談員が担っていた役割と替わるものではないはずである。

施設の介護支援専門員の業務や位置づけは、居宅介護支援のルールから考えるのではなく、こうしたケアマネジメントの基本原則に立って考えられるべきで、そこから初めてソーシャルワーカーとしての介護支援専門員の役割や位置づけが見えてくるのではないだろうか。

くれぐれも勘違いしてはいけないことは施設介護計画も大切なのはICFの考え方を導入したり、ポジティブプランを作るということではなく、利用者の「当たり前の生活」を世間の常識の中から考える視点であるということだ。

ポジティブプランはそういった利用者本位の視点で考えることが容易となるひとつの方法に過ぎず唯一無二のものではないという理解も一方では必要である。

我々の支援の目的は「良いケアプランを作る」ことではなく「利用者の当たり前の暮らしを守る」ことにあるのだということを忘れてはいけない。

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静岡騒動の根源は県担当者の無理解。

理解力に欠陥のある頑固な人間が権力を握るとどうしようもない。

とくに都道府県、市町村レベルで、小権力を握った頑固頑迷・不勉強の輩により市民福祉はぐちゃぐちゃにされている。

もちろん大多数の行政職員は有能で見識の高い人が多い。市町村職員も尊敬すべき優秀な人が多いのは事実だ。しかし一握りの頑迷で見識のない職員により市民生活は多大な迷惑をこうむる。

我々介護事業者に関連深い指導担当者の中にも、そういう馬鹿が少なからず存在している。僕ら福祉や介護の専門家の前で、指導担当職員という立場だけで間違った理屈を振りかざすのは笑止千万であるが、いかんせん介護事業者の中にも「お代官様」とその周辺を怖れる気持ちを持つ者が多数存在するので、馬鹿が増長して「裸の王様」に気付かない事例が多々ある。

特に介護保険制度の中では昨年度から都道府県が行う集団指導というものが大きな意味を占めるようになっているが、この集団指導の一番問題である点は、事業者に一方的に説明して終わり、質疑応答は一切なし、集団指導でアナウンスしたことは絶対的なルールであるとしている県があることだ。

これはもう「県」ではなく「権」である。

特に問題として挙げられるのは、静岡県の集団指導で実際に示されている考え方である。(参照:静岡県の集団指導にて〜体制加算以外は2表へ〜)。

居宅サービス計画について、各サービス事業所の加算算定(例えば通所介護の個別機能訓練等)が居宅介護支援事業所のプランの第2表に、その必要性とともに具体的内容が記載されていないと、各サービス事業所の加算費用などの算定を認めず返還指導があり得ると言っている。(福岡県・久留米市でも同様の指導がされているらしい。わかっていない行政担当者が多い証拠である。)

まったく根拠のない、制度やルールの理解のないおかしな指導である。

静岡県といえば2003年のルール改正の際にも、各事業者を集めた説明会で「第1・2・3表も毎月利用者に交付しなければならない。」という馬鹿馬鹿しい解釈で現場を混乱させ、後にその解釈が間違いであったと取り消した前科を持つ「根拠のない指導」で有名な県である。(参照:静岡騒動。

以前の失敗から教訓を学ばず、また同じ間違いを繰り返している。静岡県の介護保険担当課は頑固・頑迷・無理解の巣窟なのか?

今回の指導における問題点としてまず一つには、ケアプランの構造を理解していない、ということが挙げられる。

例えば施設サービスは単品サービスであり、施設サービスを提供するうえで必ず作らねばならない「施設サービス計画」とは施設内で行うサービス計画=個別処遇計画である。

しかし居宅サービスの場合、これは二重構造である。

つまり単品サービスではない居宅サービスにおいては、複数のサービスを利用者に結びつける介護サービスの種類決定とスケジュール管理を主な内容とした「居宅サービス計画」と、それに位置づけられた各サービス事業所で実際に利用者にどのようなサービスを提供するかという個別処遇計画としての「各事業サービス計画」の二重構造という意味である。

つまり施設サービス計画と同様の「個別処遇計画」に当たるものは各事業者が作る「各事業サービス計画」の中で立案されるもので、各種実施加算に該当するものはここで必要性が計画に載せられるべきものである。

居宅介護支援事業所の「居宅サービス計画」はあくまで、どのサービスが利用者に必要で、どこの事業者を選ぶか、という部分を生活全体の課題から導き出すもので、サービス計画書2は、利用者の課題に対する長短期目標の達成として「どのようなサービスが必要か」という観点から「このサービスでは基本的にこうした援助ができる」という基本情報に基づくサービス内容を示した上でサービス種類と事業所の選択するためにあるものだ。

そこで具体的にどのようなサービスが必要かということは基本的な部分は居宅サービス計画で示すことができるとしても、事業者固有の専門サービスについては各サービス事業所の個別処遇計画として決定されるもので、例えば通所リハビリで短期集中リハビリを行うという決定権は担当ケアマネにあるはずがない。なぜならその決定には医師という専門職の指示処方が不可欠であり、同時に事業所の個別ケアの内容を熟知している者しか判断できないからである。

つまり通所リハビリで下肢筋力低下を防ぐ機能訓練を行う、というところまでは居宅介護支援事業所の居宅サービス計画(2表)に記載できるとしても、その訓練の具体的内容を短期集中リハビリとして必要な個別リハビリの提供時間で実施するか、短期集中に該当しない個別リハビリを行うか、あるいは集団的リハビリで実施するかは、サービス事業所における医師の処方によるものであり、担当ケアマネに決定権も指導権限もなく、あくまで通所リハビリ事業者が決定して、通所リハビリ計画の2表に掲載されることが根拠になるものである。

これは通所介護の個別機能訓練等でも同様であり、通所介護の個別機能訓練指導員等の各専門職が利用者の状況と自サービスの特性から必要性を判断する「個別処遇計画」に他ならないのである。

このように算定ルール上の手順や、その意味から考えても明らかなように、各サービス事業所で提供する具体的サービスは、報酬加算されるサービスを含め、その決定過程の根拠となるものは居宅介護支援事業所のアセスメントによるものではなく、各サービス事業者のアセスメントの結果によるものなのである。

サービス計画はアセスメントの結果を書くものだということを考えても、どちらの計画書に具体的内容が載せられるべきかは一目瞭然ではないか。

このことが居宅介護支援事業所のサービス計画書第2表に加算サービス内容が載せられることが算定の前提条件であるという考えが完全に間違いであるといえる根拠である。こんな理解もできない指導担当者は中学校レベルの勉強をしなおしてくるべきだ。

よって、各種加算サービスの必要性は各サービス事業者の判断が優先され、課題解決・目標達成のための具体的サービス内容として記載されるのは各サービス事業者の「計画書」であり、居宅介護支援事業所の「居宅サービス計画書」の2表にこれが載せられてはじめて実施できるサービスであるという考えは介護保険制度における計画作成ルールやケアマネジメント、アセスメントの何たるかを理解していない素人の考えである。

そういう意味では静岡県の介護保険担当課の職員は素人で権力だけを振りかざす「裸の王様」に他ならない。

居宅介護支援事業所の担当ケアマネが立案する「居宅サービス計画」のサービス計画書2にこの必要性が記載され、それを条件に各事業者の計画に乗せられるというのは完全に誤った考えで、「居宅サービス計画」の第2表に、このことが載せられていなくとも、サービス事業所のケアプランにその必要性と内容が掲載され、サービス担当者会議で各事業者の計画を担当ケアマネが確認し、その必要性を認め、給付管理することで費用算定は認められるべきものである。

二重構造となっている居宅サービスの計画の、各計画の役割分担と言うことをさっぱり理解していない県レベルの担当者が間違った指導をしているということが大問題である。

さらにもうひとつの点で、制度を理解していない証明は、静岡県担当者が「第2表に、その必要性とともに具体的内容が記載されていないと、各サービス事業所の加算費用などの算定を認めず返還指導があり得る」と言っている点である。

百歩も千歩も譲って、仮にその居宅サービス計画が無効だとしても、事業者の費用を返還する指導などできるんだろうか。

居宅介護支援事業所のケアプランは費用を算定する為の条件ではなく、費用算定の方法を「償還払い」から「現物給付化」するための方法ではないか。大元のケアプランがなくても費用算定自体は「償還払い」で可能である。あくまで各事業者のケアプランがあれば不正請求ではないのである。

こんな簡単な基本理解もできていない担当者が集団指導に「のこのこ出てくる」こと自体が問題である。恥を知って勉強しなさい。

認知症と病的症状ではない「物忘れ」の違いは、忘れることを自覚しているか、いないかが一つの判断基準になるが、静岡のような指導担当者には、その考え方がケアマネジメントの構造や介護報酬算定ルールに照らして誤っているという自覚がない。よってこれはかなり重症である。

判断力の適格性に重大な障害を持つ者に指導を受けているようなものである。

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ショートステイのケアプランのあり方。

僕の施設のショート担当者からの訴えである。
※ちなみに彼女は昨日紹介した成澤氏の「ショートステイケアプランの作り方」を読んだ感想を問うと「けっこう参考になりますね。」と宣ったツワモノである。(大変参考になりましたと言いなさい!!笑。)

ショートのプランは居宅介護支援事業所の担当ケアマネのプランの目標に沿ったものである必要がある。ところがいざ計画を立てようとして担当ケアマネのプラン内容を読んだり、担当者会議で示されたりすると戸惑ってしまうことが多々あるという。

それは当施設におけるショートステイ(短期入所生活介護)における「短期入所サービス計画」の長短期目標は、基本的に利用者の目標として設定するようにしている。ところが大元の居宅介護支援事業所のケアマネが立案するショートの計画目標が「介護者の休養」など、利用者の目標ではなく、介護者の目的と目標になっている計画が多いということである。

これもやはり原則から考えると適切な目標設定とはいえない。

なるほどショート利用することで、介護者が休養をとれ、それによって心身がリフレッシュし、在宅生活における支援を継続できるという意味自体や、その目的自体はよく理解できるし否定しない。

しかし大事なことは、その目的をそのままケアプラン目標として終わらせないで、家族の心身ケアが利用者の居宅生活の継続支援にどう繋がって、利用者にとってどのような効果があるのか、というところまで考えが及ばねばいけないということである。

さらにいえば、実はそれでさえ不十分で、利用者がショートを利用することによって介護者の休養が定期的に可能となり、利用者が継続して居宅で支援を受けることができる、ということにとどまらず、利用者自身に対してショートステイ利用中にどのような支援が必要かという視点から目的や目標を考えなければならないはずだ。

例えばショートを利用することにより利用者が他者と交流できることで心身活性化効果による精神的安定や、コミュニケーション能力の維持、日課の中で機能活用して身体機能を維持して居宅において「できること」を維持向上する効果などに着目すべきだろう。

認知症で帰宅願望がある方なら、利用者の帰宅欲求の原因となるストレスが何かを探って、そのストレスが解消できて安心して暮らせる目標とされることだってあり得るわけである。

当然、そこにはデマンドからニーズへの視点変換が必要になる。

つまり現在立案されているショートステイに関する居宅のプランも、ショート事業者のプランも、どちらも単にショートステイというサービスを利用する滞在目標しか視野に入れていない計画が実に多いという意味である。

ショートスティと言ったって、そこに「黙って滞在しておればよい」サービスではない。そこで滞在中にどのようなサービスが行われるのかを目的と結び付けて考えてほしい。ショートステイを利用して滞在するのが目的ではなく、ショート利用期間中にその事業所内でどのようなサービスが受けることができて、それが居宅生活にどのように影響するのかを、個別のサービスごとに考えるべきである。

特にショートステイ事業者のケアプラン(短期入所サービス計画)とは、サービススケジュールの調整プランではなく、個別援助計画でなければならないものであり、食事・移動・入浴の3大介護にとどまらない様々な支援方法を組み合わせて生活援助に繋げるわけであり、それが単に滞在目的で、そこに「一定期間滞在して事故なく過ごせれば良い」ということで終わってはいけない。

滞在してできる支援を、課題に対する目標から考えるのだから、休養が介護者に与える効果を考える以前に、利用者がショートステイを利用して受けることができるサービス内容の効果を、利用者のQOL向上と結びつけて考えるべきである。

そのためにはショート事業所でどのようなサービスが実施できるかという「個別処遇の方法」もサービス担当者会議で話し合わせるべきだし、ショート担当者はより積極的に、ショート事業所でできることをアピールするべきだ。そして居宅介護支援事業所の担当ケアマネジャーは、各事業者毎のサービスを特徴を知るべきである。それは余計な仕事ではなくケアマネジメントの範疇だろう。

家族の目的が休養であっても利用者の目標や利用目的をそれに合わせる必要はないのである。もっとショートステイというサービスの積極的な機能を、利用者ニーズに結びつける視点が必要である。

単に家族の目標で終わってしまえば、それは家族のプランという意味でしかなく、それは利用者の意思を無視した介護計画であるという批判に反証できないことになる。

利用者の目標とそのサービスを合致させることにより、利用者を含めたコンセンサスが始めて形成されることになるし、利用者とっても必要な計画であるという論証も始めて可能になるものである点を居宅介護支援事業所の介護支援専門員も、ショート事業所の計画担当者も考える必要があるだろう。

ショートスティの目標はショートステイに滞在する目標ではなく、滞在して受けるサービスの目標として考えないと、それは永遠に家族のためだけのサービスで終わり、利用者にとって望まないサービスであるという論理に結びついてしまう。

いつまでもショートステイの利用目的が「家族の休養」であってはお寒い。

もっとショートステイの積極的側面から利用者の居宅におけるあらたな支援方法の発見を意図したものであったり、機能活用維持や心身活性化効果を期待する利用目的があってよい。これは居宅介護支援事業者、短期入所事業者、両者の求められる視点だろうと思う。

そうなったとき始めて、このサービスは「利用者自身の支援」となり得るであろう。

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終章・ケアプランの目標は誰の目標か?

ケアプランの目標が誰のものかということを書き始めて3日目になる。今日でこの話題は一旦区切りをつけたいと思う。

昨日の記事で、ケアプランの目標が制度開始当初は事業者側の目標として考えられ、15年のICFの考え方を取り入れた「ケアプラン記入の手引き」の変更からそれが「利用者目標」に変わったという経緯はご理解いただけたと思う。

ところで、このことについて介護保険法施行規則
 (法第八条第二十三項の厚生労働省令で定める事項)
 第十九条 法第八条第二十三項の厚生労働省令で定める事項は、
  当該要介護者及びその家族の生活に対する意向、
  当該要介護者の総合的な援助の方針
  並びに健康上及び生活上の問題点及び解決すべき課題
  並びに提供する施設サービスの目標
  及びその達成時期
  並びに施設サービスを提供する上での留意事項

とされており「提供するサービスの目標」(居宅サービス部分)「提供する施設サービスの目標」(施設サービス部分)とされている。

15年の実務研修カリキュラムの変更やテキストの変更では明らかにケアプランの長短期目標は利用者の視点で書かれているし、新予防給付が制度に位置づけられが後の予防プランの作成研修(地域包括支援センターの職員や委託先が対象)などで使われている、国が作った資料のモデルプラン等では「自分で手紙を書いて友人に送る」とか「自力で歩行ができ友人宅を訪問する」とか、明らかに利用者側の目標になっている。

これと介護保険施行規則の文言を解釈すると、例えば施行規則の改正の際に、わざわざ、「当該要介護者及びその家族の生活に対する意向」と、この部分の文言が変更になっているが「提供する施設サービスの目標」部分の変更だけが忘れられた、とは考えにくいのである。しかし15年以降の国がテキスト等で示した資料等でケアプランの長短期目標が利用者のそれとなっていること、そして実地指導の要領等では目標の主体に対する指導項目も存在しないことを考えると、最初からこの施行規則では長短期目標を事業者側の目標とするのか、利用者側の目標とするのかは定め置いていないと考えられるのではないかと言うことである。

つまり「提供する施設サービスの目標」は「提供する施設サービス」と「目標」で区切られているという理解で、その意味は「施提供する設サービスの利用者目標」でも「提供する施設サービスの事業者目標」でも作成者が決められるようにしているという意味である。

よって法令上はどちらでも良いわけである。それが15年のICFの考え方を導入したポジティブプランの考え方では「施提供する設サービスの利用者目標」に強くシフトされたと見るべきであろう。

さて、このように考えると少なくとも施行規則の「提供する施設サービスの目標」という文章だけで長短期目標が事業者の目標でなければならないと法的に定められているというふうにならないであろう。ここを落としどころに理論展開してみようと思う。

実際に利用者目標であることと、事業者目標であることの違いはどのような形で表面化するんだろうか。

例えば下肢筋力の低下でバランス障害がある方のケアプランを立てるとする。

当然、課題として下肢筋力低下とバランス障害で移動の際に転倒の危険がある、というリスクが挙げられるであろう。

非常に極端な例で説明するとしたら、この際に、この課題に対する目標を事業者の目標にし、具体的サービスを施設のルーチンワークや介護サービス機能に特化した形で結びつけようとすれば、その目標は単に「転倒しないで移動できる」「転倒事故を起こさずに生活できる」というものになってしまう恐れがある。そしてサービス計画書(2)に記載される具体的サービス内容は「歩行時の見守り、付き添い」という計画になってしまわないだろうか。場合によってはサービス内容が「転倒に注意する」という短期目標と変わらないものになってしまう恐れさえある。

これでは歩行障害とバランス障害のある人の介護計画は金太郎飴のように、すべて似通った計画書にならざるを得ず、内容だけを読むと利用者の顔が見えてこない、というプランになる。

しかし利用者本人の目標であると視点を変えれば、当然それは「転ばない」で終わる問題ではなく、長期目標は転ばないで移動する生活そのものに着目しなければならない。転ばないことにより何ができるのか、継続できる生活と、それからもっと進めて利用者が目標にすべき生活改善も見えてくるかもしれない。そうなると「転倒しない」という目標は短期目標としてはあり得るが、長期目標としては不適切であるということである。

つまり介護サービスにおいては、転ばないことはそれ自体が目的ではなく、転ばないことでどういう生活ができるかということが目標になるものなのである。そうなれば「自力で移動してトイレで排泄する。」「移動能力を維持して自立的な生活を送る。」 「歩行による移動が継続できることで自信を失わず日課活動を継続する。」 「移動能力が衰えず他者と交流しコミュニケーション能力を保つ」など具体的な生活の中身を長期目標に定める必要があるということだ。

それによってサービス計画書(2)の援助内容における「サービス内容」は単に歩行を見守るのではなく、歩くことができる補助具の使用や生活環境の整備、歩行能力の維持向上のために機能活用の具体的方法までプラン内容が及ぶ結果となる。

よって、そうした考え方に基づくプランは結果的に個別の生活が見えやすくなり、プランを読めば、その利用者の顔が浮かぶものとなるだろう。

転ばないで事故が起きない、という視点だけなら極端な話「歩かなければ良い」、危険が大きいのだから(歩けるにもかかわらず)車椅子を使う、ということになりかねない。

しかしこれは大きな矛盾で、転ばないで怪我をしないという意味は「転んで骨折でもして歩けなくなったら困る」ということであるはずだ。であれば転ばずに怪我をさせないという生活のありようは、移動能力を維持して何を実現できるのかという根本部分をニーズとして抽出する必要があるということである。

どんな生活を目指し、どのような生活実現が可能であるかという視点を徹底的にアセスメントしていただきたい。

さて、施設サービスの計画目標という問題については、ここで一区切りをつけたい。

ただ終章ではショートスティのケアプランを家族の目標としてはいけない点も具体的に挙げようと考えたが、それに触れる前に長くなった。ショートのケアプランについては明日、別立ての記事として新たに書こうと思う。

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続・ケアプランの目標は誰の目標か?

ケアプランの目標が、あるケースは利用者の目標であるのに、あるケースは事業者の目標になっていたり、一つのケアプランの中に項目によって両者が混在している例があることは昨日指摘した通りである。

白状するが、それは僕の施設でも見られた例である。どちらの目標かという議論が施設内で行われてこなかったために統一されてこなかった。

ただポジティブプランという視点から、利用者のニーズを「出来ること」「したいこと」(単にデマンドを指すものではないことをお断りしておく)に繋げて考える過程で、それまで事業者の目標が主であったものが利用者目標に変わっていったという経緯があり、現在の施設サービスプランは「利用者の目標」で統一する、という施設内ルールを作っている。

ところで介護保険制度上のルールで、これについて何か決められたルールがあるのか、あらためて考えてみた。しかしケアマネジメントの一連の過程については、その方法や使うツールも含めてケアマネジャー本人に任せられていることで、目標設定についても誰の目標とするのかという規定や縛りが見つけられない。

しかし居宅介護支援事業者のプランにおける目標が本人でも事業者でもなく、家族の目標になってしまっておれば、これは利用者と事業者の契約におけるサービスの原則からいっても、誰の為のサービス利用かというケアマネジメントの方法論の問題としても不適切であろう。このことは後述する。

誰の目標かということについて制度開始当初の議論で、それは事業者、つまりサービス提供側の目標とすべきではないかという考え方が示されていたように記憶している。だから僕の担当していた施設サービス計画も、当初のものは全て事業者目標で計画していた。

その根拠は何であったか、あらためて探してみたが明確なものは見つからなかった。

ところがヒントとしてケアプラン作成ツールの代表的なもののひとつである「三団体ケアプラン策定研究会方式」の解説の中に「ケア目標は要介護者等の目標でなければならないという考え方もあるが、三団体では、ケアを提供する側の目標をケア目標と設定している。決して要介護者等の目標を無視しているわけではなく、要介護者等の目標を達成するためにも、提供するべきケア内容をケア目標にすることにより、より現実的な評価が可能になってくる。」という記述を見つけた。

あれ、するとやはり目標はサービス提供側の目標が基本なのかと考え込んだ。

そこで、このことは是非確認せねばならないと思った。幸い「三団体ケアプラン策定研究会方式」を作り上げた中心人物は、僕のかねてからの知り合いで、僕の施設の公式サイトとも相互リンクしている「ケアプランの広場」の管理人、松本氏である。(氏には制度開始当初、当施設内で講演をしていただいたこともある。)

松本さんは行政職員を中心にした研修会の講師として毎日全国を日本の端から端まで走り回っていて、大変お忙しいのはわかっているのであるが、ずうずうしく連絡した。

するとご丁寧で明確な回答を頂くことができた。松本さんはその際も札幌に滞在中で、翌日には富良野に移動し、その夜に東京に帰るという。相変わらずの忙しさで、個人の疑問をわざわざ問い合わせたことを多少は後悔したが、知らないで素通りしなくて良かったとも思った。

結論から言えば、誰の目標であるかは、制度開始当初は「事業者=サービス提供側」の目標とされていたものが、平成15年から「利用者目標」という考え方に変わったということである。なるほどだから僕の施設も当初は事業者目標で立てていたんだと思い出した。

そしてポジティブプランの視点に重心を移していく過程で、それが利用者の目標に変わっていったことは間違いではなく必然であるという確認も出来た。

以下が松本さんから頂いたケアプラン目標に関する考え方である。

介護保険制度創設を目指し、ケアプラン策定を進めた頃から目標に関しては各種の論議がありました。特に施設における目標に関しては、1枚のケアプランの中に、利用者の目標と、ケア提供者(職員)の目標が混在しているケースが多数あることが分かりました。

そこで、その整理をする必要があり、その当時の目標は「援助目標」「ケア目標」という言葉を用い、ケア提供者の目標と整理しました。

つまり、ケアプランとはケア提供者の「行動計画書」「ケア計画書」と位置づけました。言い換えれば、利用者の目標を実現するためのケア提供者の「行動計画書」「ケア計画書」であると考えたということです。

介護保険制度がスタートした際にも、ケアプランが「契約」ということで、「目標」が「利用者の目標」であればそれを「約束」するというのは馴染まないことですし、ケア提供者が、利用者に対する約束(契約)の方が責任の所在も明確であるこということです。

そこで、ケアプランは様式全てをもってケアプランなので、その最初の第1表の、しかも最初に書かれている「利用者及び家族の意向」が最優先の内容であり、これを「利用者の目標」として最優先に考え、その目標を実現するためのケア提供者の「行動計画書」「ケア計画書」であると考えたということです。

しかし、平成15年度のICFの考え方を導入した実務研修カリキュラムの変更やテキストの変更、ケアプラン記入の手引きの変更等で「利用者本人の目標」ということが原則になったと理解しています。

(以上、引用終わり。)

そこで実際のケアプランがどう変わってくるかと言うことであるが、残念ながら今日も、ここまでで随分と長い文章になってしまって、時間もなくなってしまった。

この続きは明日、最終稿として結論を書きたいと思う。
(明日に続く)

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