masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

ケアプラン

手入力情報のデータが反映される計画書


昨日も書いたが、LIFEへの情報提出は介護記録ソフトが LIFE 未対応の場合などでもLIFE の画面からデータ入力を行うことでデータ提出を行うことができる。

しかもこの場合には、LIFE へのデータ提出を行うと同時に、加算の算定に必要な様式を作成することが可能になるので、この点は便利だ。

具体的にはデータ入録した後、「様式情報出力」というボタンをクリックすることで、「個別機能訓練計画書」・「リハビリテーション計画書」・「褥瘡ケア計画書」・「排せつ支援計画書」・「自立支援計画書」・「栄養ケア計画書」・「口腔衛生実施計画書」・「口腔機能向上計画書」に入力情報が反映して出力されるようになっている。

ところで先日この件に関して表の掲示板に、「科学的介護推進体制加算にはその機能がないのは何故か?」という質問が書き込まれた。

科学的介護体制加算の提出情報については、居宅サービス・施設サービスそれぞれについて、「科学的介護推進に関する評価」にある項目が下記の表になって示されている。(参考図は施設サービスの表)
科学的介護推進に関する評価(施設サービス)
科学的介護推進に関する評価(施設サービス)3
この様式の出力がないのは何故かという質問であるが、ここで示されている表は、提出情報の項目を示して表であり、「施設・事業所が加算において作成すべき様式」ではなく、「LIFE への登録項目を示すためのイメージとしての様式」なのである。居宅サービス及び施設サービスにおける実務の中で活用する書類ではないために、出力されないのである。

この点をよく理解していただきたい。どちらにしてもデータ反映されて出力される様式とは、情報提出に必要な様式ではなく、LIFEからのフィードバックを活用する様式であるという理解が必要だ。つまり様式が自動作成できるという意味は、PDCAサイクルの構築を促すという意味でもあるのだ。

なおLIFEへ提出する情報や頻度、その後LIFEからフィードバクを受けた際に、そのフィードバックを活用すべき計画書等については、「加算別 LIFE 情報提出等のまとめ」に整理してダウンロードできるようにしているので参照いただきたい。

フィードバックについては当初5月中に行うとされていたが、厚労省のクラスター感染による事務作業の遅れ道の影響で、それも7月以降に延期されている。そのことは介護事業者には特に問題はないだろうと思えるが、フィードバックをいつまでに、どのように反映するかなどについては、後日また解説記事を書こうと思っている。

今日もまだ少し書きたいことがあるが、これからオンライン会議が始まり、それが終わったら慌ただしく食事をして、そのままオンライン講義を行う予定になっている。終了予定は午後6時過ぎになる。

その為今日は記事更新の時間が取れないので、この短い記事を書いて終わりにしたい。

せめてもの読者プレゼントとして、今日も近所の桜の画像をお届けするので、それを観て心を癒していただきたい。
5/6登別の自宅付近の桜5/6登別の自宅付近の桜
5/7登別の自宅付近のエゾヤマザクラです。それではまた明日お愛しましょう。
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生活に対する意向を踏まえた課題分析


介護事業関係者は今の時期、新年度対応に加えて次々と発出される介護報酬改定・基準改正関連の通知の読み作業が求められて大変だろうと思う。

毎日のように新たな通知文が発出されているので、よほど気を付けていないと見逃してしまう通知文があったりする。しかし介護事業に関連した通知を見逃してしまうことは、報酬算定に影響したり、基準違反につながったりするので注意が必要だ。

居宅介護支援事業の関係者にとっては、介護保険最新情報Vol.958「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」の一部改正については、うっかり見逃せない通知である。
※リンクを張った資料は、改正点が赤文字で示されている資料なので、わかりやすいと思う

なぜなら居宅サービス計画書の標準様式・第1表等が変更されているからである。これをうっかり見逃して旧様式で居宅サービス計画を立案している場合、必要な記載事項が記されていないとして、「運営基準違反」に問われかねなくなる。

ただしこの通知は3/31付で発出されているので、4月のプラン作成時に新様式に切り替えことなんてできるわけがない。よって最速でも5月のプラン作成からこの新様式に切り替えればよいとされるのだろうと思われる。なお今回は、「施設サービス計画書」の様式変更はされていないようだ。

それにしても介護保険サービスの根幹をなすと言ってよい居宅サービス計画書の標準様式が、ほとんど何も前触れなくいきなり変更されるとは、厚労省もずいぶん不親切だと思う。居宅介護支援実務に携わる介護支援専門員の仕事をあまりに軽視しすぎているのではないかと思ってしまうのは僕だけだろうか・・・。
居宅サービス計画書
上記画像の通り第1表の、「利用者及び家族の生活に対する意向」の部分に、「を踏まえた課題分析の結果」という文言が加えられた。(※3・4.・5・7表も記載事項が加えられているし、記載要領も追加文章がかなり多くなっているので確認してほしい)

第1表の追加部分について記載要領は、「利用者及びその家族が、どのような内容の介護サービスをどの程度の頻度で利用しながら、どのような生活をしたいと考えているのかについて意向を踏まえた課題分析の結果を記載する。その際、課題分析の結果として、「自立支援」に資するために解決しなければならない課題が把握できているか確認する。そのために、利用者の主訴や相談内容等を踏まえた利用者が持っている力や生活環境等の評価を含め利用者が抱える問題点を明らかにしていくこと。〜以下省略」としている。

つまりこの部分は利用者や家族の、「生活に対する意向」を記すだけではなく、その意向を踏まえたうえで、自立支援に結び付く課題分析を行って、その内容(結果)を記すように介護支援専門員に求めているわけだ。

こうした国の考え方が示されると、受け取る側の介護支援専門員の中には勘違いする人も出てくるのではないかという懸念が生ずる。自立支援という言葉の呪縛を受けて、利用者や家族が言葉で表現する意向は、場合によっては単なる希望でしかなく、ニーズは別なところにあるので、そのニーズをしっかり課題分析しようと考え、利用者や家族が言葉で表現できる意向や希望を軽視する介護支援専門員が出てくることが一番まずいことだ。

利用者が口にする希望を、「それはニーズではなく単なるデマンドだ」と簡単に切り捨てるケアマネでいてははならないのだ。アセスメントツールは、すべての利用者ニーズを抽出できるほど完全なものではないし、人の価値観は様々で、その価値観に沿うこともニーズの一つと言えるのである。

様々な環境の違いに置かれ、感情という揺れ動くデリケートな神経を持つ人間に相対する場では、間違って希望を切り捨てるより、間違ってニーズではない希望に沿う方がよほどましなことだと思ってほしい。

利用者に希望をもってもらうためにあるはずのケアマネジメントやケアプランが、結果的に利用者の希望を奪い、絶望を与えるものになってしまうのであれば、ケアマネジャーは不幸を与える存在そのものであり、その存在意義自体が問われることになる。

そうならないように、ケアマネジメントは思いを希望につなげるものであり、ケアプランはその宣言文であることを肝に銘じてほしい。勇気は愛のようなもので、育むには希望が必要なことを忘れないでほしい。

ところで今日からちょうど1週間後の4月13日(火)の日に、道内のケアマネ会で講演を行う予定は入っており、当日は18:30〜20:00、恵庭市市民活動センターえにあすで開催される、「恵庭市ケアマネ連絡協議会研修」において、「2021年介護報酬改定について」をテーマで講演を行う。そこではケアマネジメントのあり方について解説する時間はないが、様式変更には触れておく必要があるだろうと思っている。

恵庭市は登別市から約100km離れた道央圏の市であり、自家用車で一般道を使って移動すると、片道2時間と少しかかる場所にあるが、僕にとっては今まで何度も講演を行っている馴染みの場所でもある。

そこでケアマネジメント業務に携わる皆さんにエールを送る動画も作成したが、当日は時間がなくてその動画も紹介できないと思う。恵庭市のケアマネジャーの皆さんは是非、下記動画を御覧になっていただきたい。

またこの動画は、すべての介護関係者の方にも勇気と希望を与えることができる内容になっていると思うので、道外の方・ケアマネジャー以外の関係者の方にも見ていただきたい。恵庭市の雄大な風景とともにお楽しみいただきたい。

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利用者本位が本音か建て前なのかが明らかになる新加算


通所サービスの入浴介助加算供平珪絨牟菠)を巡った混迷が各地で生じている。

この加算は利用者の居宅を訪問し、浴室アセスメントを行って、自宅で入浴できるように利用者の居宅の浴室の環境等を踏まえた個別の入浴計画を作成したうえで、個浴その他の利用者の居宅の状況に近い環境にて入浴介助を行うことで、従前の入浴介助加算より高い単位数を算定できるものだ。

従前の入浴介助加算としての新加算気浪式牟菠となり、単位数も10単位下がっていることから、通所サービス事業所としては、何とか新加算兇鮖残蠅靴董減収を防ぎたいと考えているところが多い。

しかし、「個浴その他の利用者の居宅の状況に近い環境」などの解釈に対する疑問がまだ残されているなどの問題があることに加えて、それよりもっと大きな問題として、この加算を算定する必要性はないと考える計画担当ケアマネジャーなどの理解を得られなかったり、露骨に新加算兇鮖残蠅靴覆い茲Δ飽砧呂かかっているという訴えが聴こえてくる。(参照:表の掲示板の関連スレッド

居宅サービス計画と、通所介護や通所リハビリの計画書の関連で言えば、入浴介助加算を気濃残蠅垢襪兇濃残蠅垢襪は、通所サービス事業所の計画書に位置付けるべき問題で、そのことについて計画担当ケアマネジャーに同意を得る必要はない。

居宅サービス計画には通所サービスを利用する必要性が書かれておればよいのであって、居宅サービス計画に位置付けられた通所サービスでどのような具体的サービスを行うかは、通所サービス事業所の計画書によることになっているので、居宅サービス計画書には、「通所サービス事業所で入浴支援を受ける」という記述さえも必要とされないからだ。

しかしこの新加算兇了残蠅鉾紳个垢襯吋▲泪佑旅佑┐盻淑理解できる。

そもそも通所サービスで入浴支援を受けている人で、自宅で何とか入浴したいのだという希望を持つ人は少ない。むしろ自宅で入浴するより、広くて温かい通所サービスの浴槽でゆったりと入浴したいという希望を持っている人の方が多い。

一人暮らしの人であれば、自宅で自分一人のためにお湯を張って狭くて寒い浴室で入浴し、浴室清掃も行わなければならないことを、非効率的で不経済で面倒くさいと思っている人が多い。ましてや浴室設備の改修や福祉用具をレンタルまでして、お金をさらにかけて自宅入浴にこだわる必要などないと考えるのである。

そうした理由で、1日おきとか2日おきに通う通所サービスで入浴できれば十分だと思っている人たちにとって、今回の入浴介助加算兇了残衢弖錣詫招廚覆世話でしかない。

そうした事情を十分汲み取れば、通所サービス事業所は、何が何でも新加算兇鮖残蠅垢襪里任呂覆、利用者の希望とニーズを十分汲み取ったうえで、本当に必要な人だけ新加算兇鮖残蠅垢襪茲Δ某欺鼎紡弍すべきだ。加算届は兇鮟个靴討けば気盪残蠅任るのだから、人によって加算区分が異なることは問題ないのである。

そもそもこの加算はケアマネの同意が必要ないとしても、利用者もしくは家族の同意は必須である。この同意を利用者の個別事情を考慮せずに強要することがあってはならない。

新加算兇詫用者宅の訪問アセスメントが必要で、その訪問は個別機能訓練加算等の訪問と同時に行うことが許されていると言っても、職員負担は重いものとなるのだから、その点でも何がなんでも兇鮖残蠅垢詆要はないと考えるべきだ。

入浴加算については、サービス担当者会議において、利用者も好きは家族と担当ケアマネを交えてじっくり話し合いの機会を持って、全員が納得する結論を得たうえで、慎重に算定区分決定をしてほしい。

単位が減らされた新加算気鮖残蠅垢兇襪鯑世覆なっても、単位数が10倍となったADL維持等加算や、新設された科学的介護体制加算を算定して、その分を補って余りあるようにすればよいわけである。さらに経費削減には、「介護事業経営は経費節減の視点がますます重要に」で示した方法もあるのだから、それらを大いに利用すればよい。

この問題は、利用者にとってどちらの入浴介助加算の算定要件が必要とされているのかという観点から考えないと、利用者不在・利用者ニーズ無視という、対人援助の精神にそぐわない問題を生じさせかねないことに十分注意が必要だ。

それは私たちが従事する介護サービス事業が、なんのために存在しているのかが問われる問題であり、利用者本位という言葉を建前に終わらせるのか、本音にできるのかが問われる問題と言えるのかもしれない。
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半年ごとのケアプラン説明同意はアナログでなければならないのか


常日頃、公平・中立なケアマネジメントを実践してきた介護支援専門員にとって、なんとも腹立たしい新ルールが居宅介護支援事業の新運営基準、「半年ごとの利用者へのケアプラン内容の説明」である。(参照:ストレスフルだけど意味がない6月毎のケアプラン説明

このことについて、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準についてでは次のように規定された。
------------------------------------------------
基準第1条の2の基本方針に基づき、指定居宅介護支援の提供にあたっては、利用者の意思及び人格を尊重し、常に利用者の立場に立って、利用者に提供される指定居宅サービス等が特定の種類又は特定の指定居宅サービス事業者等に不当に偏することのないよう、公正中立に行わなければならないこと等を踏まえ、前6月間に当該指定居宅介護支援事業所において作成された居宅サービス計画の総数のうちに訪問介護、通所介護、福祉用具貸与及び地域密着型通所介護(以下この項において「訪問介護等」という。)がそれぞれ位置付けられた居宅サービス計画の数が占める割合、前6月間に当該指定居宅介護支援事業所において作成された居宅サービス計画に位置付けられた訪問介護等ごとの回数のうちに同一の指定居宅サービス事業者又は指定地域密着型サービス事業者によって提供されたものが占める割合(上位3位まで)等につき十分説明を行わなければならない。
なお、この内容を利用者又はその家族に説明を行うに当たっては、理解が得られるよう、文書の交付に加えて口頭での説明を懇切丁寧に行うとともに、それを理解したことについて必ず利用者から署名を得なければならない。
また、前6月間については、毎年度2回、次の期間における当該事業所において作成された居宅サービス計画を対象とする。
前期(3月1日から8月末日)
後期(9月1日から2月末日)

なお、説明については、指定居宅介護支援の提供の開始に際し行うものとするが、その際に用いる当該割合等については、直近の,發靴は△隆間のものとする。
-----------------------------------------------------
前期と後期という期間は、特定事業所集中減算の計算期間に合わせたものだが、注意したいことは新規契約者に対しても、この説明が義務付けらえていることだ。契約時期に応じて,泙燭廊△隆間の状況を説明して同意を得る必要がある。

例えば4月契約の人には△隆間を、10月契約の人には,隆間の状況を説明しなければならない。このことに漏れがないようにしてほしい。

なぜならこの説明義務には運営基準減算が適用されることになるからだ。このことについては今後詳しく通知される予定である。

それにしても、「訪問介護等ごとの回数のうちに同一の指定居宅サービス事業者又は指定地域密着型サービス事業者によって提供されたものが占める割合」については、上位3位まで示さればならないことに、驚いたり憤ったりしているケアマネジャーは多いことだろう。何の意味があるんじゃと言いたくなるのはもっともだ。

ところでこの説明同意について、「文書の交付に加えて口頭での説明を懇切丁寧に行うとともに、それを理解したことについて必ず利用者から署名を得なければならない。」とされている点について、デジタル対応は認められないと勘違いしている人がいる。

僕が管理する表の掲示板でも、「印鑑がなくなっただけ。」というスレッドを立てて、アナログ対応を嘆いている人がいたが、その理解は誤りである。

今回の改定の目的の一つは、「文書負担軽減や手続きの効率化による介護現場の業務負担軽減の推進」である。そのため省令改正で次の3点が認められている。
・利用者等への説明・同意について、電磁的な対応を原則認める。
・署名・押印を求めないことが可能である。
・諸記録の保存・交付等について、電磁的な対応を原則認める。


そのため、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準をよく読んでいくと、18頁の5 雑則 ⑴ 電磁的記録についてに新しい規定が書かれており、そこでは次の一文がある。
---------------------------------------------------------
⑵ 電磁的方法について
基準第 31 条第2項は、利用者及びその家族等(以下「利用者等」という。)の利便性向上並びに事業者等の業務負担軽減等の観点から、事業者等は、書面で行うことが規定されている又は想定される交付等(交付、説明、同意、承諾、締結その他これに類するものをいう。)について、事前に利用者等の承諾を得た上で、次に掲げる電磁的方法によることができることとしたものである。
----------------------------------------------------------
つまり省令で、「文書の交付」と定められていることについても、それに変えて電磁的方法が可能なのである。そしてその際の同意の証明は同頁の△鉢に規定されている。

電磁的方法による同意は、例えば電子メールにより利用者等が同意の意思表示をした場合等が考えられること。なお、「押印についてのQ&A(令和2年6月 19 日内閣府・法務省・経済産業省)」を参考にすること。
電磁的方法による締結は、利用者等・事業者等の間の契約関係を明確にする観点から、書面における署名又は記名・押印に代えて、電子署名を活用することが望ましいこと。なお、「押印についてのQ&A(令和2年6月 19 日内閣府・法務省・経済産業省)」を参考にすること。

↑このように署名・押印に替えて、電子メールによる電子署名が同意として有効とされたのである。

居宅サービス計画の同意についても同様で、「文書の交付に加えて口頭での説明を懇切丁寧に行うとともに、それを理解したことについて必ず利用申込者から署名を得なければならない。」と規定されているが、これも電磁的方法・電子署名で事足りるというわけである。

この基準緩和には、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱のためのガイダンス」及び「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守することという条件が付けられており、それが高いハードルになるという意見もあるが、その解釈についてはQ&Aで示されることと思え、ガイダンスやガイドラインの遵守の考え方はそこで示されると思う。(※完全にその通り行うということにはならないと思う。)

来年度の居宅介護支援は、逓減性の緩和などの影響で、担当ケースが5件以上増やされるケアマネジャーが多いのではないかと思う。業務負担は増えるのだから、こうした手続きの効率化は活用していかないと業務が回らなくなる。だからこそ新規程に即応して自らの業務経験に自らが備えることが大切になる。

介護支援専門員という重要な役割を担っている方々には、くれぐれも丁寧すぎる業務に押しつぶされないようにして、利用者支援の扇の要役であり続けてほしいと思う。
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施設サービス計画の更新は3月毎が当然になる


施設の介護支援専門員の主要業務として、施設サービス計画の作成・更新作業が挙げられる。

当然この業務の中には利用者に対する個別のアセスメントやモニタリングを行なうことや、多職種合同でのケアカンファレンスを主管することのほか、作成したケアプランの周知連絡など様々な業務負担が伴うわけである。

施設ケアマネにとって施設サービス計画書の作成作業は、重要かつ負担が大きい業務と言え、定期的な更新作業が年に何回行わなければならないのかということは大きな問題でもある。

老健の場合、利用者ごとに3月に一度在宅復帰検討をしなければならないために、それに合わせて施設サービス計画書を更新しているところが多く、定期更新は年4回というのが普通だろう。

しかし特養の場合、施設サービス計画の短期目標期間を6月間、長期目標期間を12月間としたうえで、定期の計画見直しを短期目標の更新時期に合わせて、一人の利用者につき年2回という施設が多いのではないか。現に僕が総合施設長を務めていた特養は、その頻度で施設サービス計画を定期更新していた。

施設サービス計画書の目標期間を固定することは悪いことではなく、むしろ合理的方法と言える。そのことはケアプラン目標期間は一律機械的でなぜ悪いというブログ記事でも指摘・提言しているところでもあり、この方法や頻度に何の問題もなかった。

例えば特養の個別機能訓練加算については、3月ごとに訓練内容等を利用者に説明しなければならないという3月ルールがあるが、この際に個別機能訓練計画の見直し・更新が求められているわけではないので、短期目標を3月とする必要もなかったわけである。

しかし年2回の施設サービス計画の更新という頻度は、新年度からは非合理的になり、老健と同じく特養でも3月ごとの定期更新作成が必要になってくると思う。

なぜなら新設加算や現行加算の新上位区分などでは、計画の見直しが3月に一度必要とされる要件となっており、見直した計画書をLIFEに提出しなければならなくなるからだ。

例えば施設サービスに新設され、算定できれば大幅な収益増が見込まれる、「自立支援促進加算:300単位/月」については、必ず算定すべきであることを、「壁は高いが算定しなければならない自立支援促進加算」という記事を書いて指摘しているが、作成が必要とされる、「医学的評価に基づく自立支援計画」については、「少なくとも3月に1回、入所者ごとに支援計画を見直していること。」が算定要件になっている。

褥瘡マネジメント加算については、「少なくとも3月に1回、評価を行い、その評価結果等を厚生労働省に提出し、褥瘡管理の実施に当たって当該情報等を活用していること」というふうに、LIFEへの情報提出とフィードバック活用の要件が加えられたうえで、「評価に基づき、少なくとも3月に1回、入所者等ごとに褥瘡ケア計画を見直していること。」とされている。

排せつ支援加算についても、褥瘡マネジメント加算と全く同様の要件が加えられた。

栄養マネジメント加算は廃止されるが、その要件は基本サービス費の算定要件とされるため、3月に1回、栄養スクリーニングの実施と栄養ケア計画の見直しが求められることに変わりはない。

このように2021年度以降は各加算毎にそれぞれの目的に沿った支援計画が必要とされ、それを3月ごとに見直していく必要があるのだが、これらを施設サービス計画と別個に作成していては仕事が回らなくなる。よって施設サービス計画にすべての加算に必要な支援計画を項目別に盛り込んで、一括作成する方法が最も合理的となる。

その為、各項目ごとの短期目標期間は、支援計画の見直し時期に合わせて3月とする必要があり、全利用者の施設サービス計画は、それぞれの短期目標の終了期間に合わせて3月ごとに行うことが必然となってくるのである。このように全利用者の施設サービス計画は、年4回更新するのがスタンダードとなるだろう。

そうしておかないと、加算算定の要件漏れで返還請求されるケースが増えかねない。

施設サービス計画の定期見直しを年2回しか行っていない介護施設のケアマネジャーは、今から4月以降の施設ケアプラン更新時期の見直しに備えた準備を進める必要がある。

施設サービス計画の更新回数が増えるということは、そのための担当者会議も増えるという意味であり、他職種の業務負担も増すことにつながるのだから、他職種への周知と理解を求めることも不可欠である。

なお施設におけるサービス担当者会議(ケアカンファレンス)については、照会と同列とされ、居宅サービス計画のように、「やむを得ない事情がある場合に限って」照会できるということになっていない。よって最初から、「会議を行う必要はないケースですから、照会だけで更新します」という方法が認められているのだから、照会のみで施設サービス計画を作成・更新できるルールを大いに利用すべきである。(参照:ケアプランはサービス種別によって作成ルールが異なる

施設ケアマネジャーの業務とは、施設サービス計画を作成することではなく、計画を活用して利用者の暮らしの質を向上させることであることを忘れずに、計画作成作業の合理化に意を用いてほしい。
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ストレスフルだけど意味がない6月毎のケアプラン説明


2018年度の報酬改定では、報酬額の諮問・答申(介護給付費分科会における)が行われたのが1月26日であったが、今回はそれより1週間以上1月18日に報酬単価の諮問・答申が行われる予定だ。

前回はQ&Aの第一段発出が3/23までずれ込み、関係者をやきもきさせたが、今回はそれよろ早く、前々回迄の報酬改定時のように3/15前後にQ&Aも発出されることだろう。

それに先駆けて、13日の介護給付費分科会では基準改正の諮問・答申が行われて、新しい人員・設備等の基準が確定された。

その一つとして、4月からの居宅介護支援事業所の居宅サービス計画作成担当のケアマネジャーは、以下の2点を利用者へ説明することを新たに義務付けされることになっている。
・前6ヵ月間に作成したケアプランについて、訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与(販売)の各サービスの割合
・前6ヵ月間に作成したケアプランについて、訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与(販売)の各サービスごとの、同一事業者によって提供されたものの割合

(※13日の介護給付費分科会資料基準改正の主な内容の7頁を参照してください。)

このことは、「居宅ケアマネの業務負担は大幅に増えるんじゃないのか?」・「居宅介護支援事業所の基準変更に不満広がる」という2つの記事でも批判的な論評を行っているが、これはすでに決定事項であり、居宅介護支援事業所のケアマネの皆さんは、その業務が増えることを覚悟しておかねばならない。

ところでこの、「前6ヵ月間に作成したケアプランの説明」については、いつ行うことになるのかが大きな問題だった。利用者それぞれと契約した日が異なり、初回居宅サービス計画の作成月も異なるのだから、それに合わせるとなると、毎月誰かしらに説明を行わねばならないことになってしまう。それも大変な作業である。

しかしこのことは13日に行なわれた今年最初の介護給付費分科会で説明があり、「特定事業所集中減算の計算方法に準じて行う」とアナウンスされた。

準ずるとは同じという意味だから、特定事業所集中減算の計算時期に、前6ヵ月間に作成したケアプランの割合等を計算し、この計算期間中の状況を利用者に説明することになるのだろう。

この時期は前期が3月1日から8月末日、後期が 9月1日から2 月末日とされている。ということは居宅介護支援事業所のケアマネは、毎年9月(前期)と3月(後期)に集中減算に該当するかどうかの計算を行うのに加え、新しい説明基準の計算を行って、その結果について利用者全員に説明することが求められるわけである。

すると9月と3月は、この説明業務を利用者全員に行う業務が加わって大変な忙しさになる。特に3月は年度末業務と合わさるのだから大変である。

厚労省はこのことについて、集中減算の作業で慣れているケアマネにとって過度な業務負担ではないというが、単に計算する作業と、利用者全員への説明作業の業務負担は比較できないほど、後者の方が重いものになるだろうと懸念せざるを得ない。その業務負担と精神的なストレスでつぶれないように、居宅ケアマネの皆さんには今から覚悟を決め、頑張ってもらわねばならない。

この新基準に不満を持つ居宅ケアマネはかなり多いと思う。現に次のようなエピソードもあった。

介護給付費分科会が行われた日と同じ13日の17時から、これらの改正の要点について解説するオンライン講演を配信したが、500人を超える関係者が視聴してくださり、しかも開始から終了まで、その人数がほとんど減ることなく受講していただいた。

午後8時に講演終了後、10分ほど質疑応答の時間をとったが、そこであるケアマネジャーの方から、この説明基準について、「無意味ではないか。講師はどう思いますか?」という質問を受けた。それに対して僕は、「同感です。これはケアマネ虐めにしかなっていません」と回答した。

おそらく説明を受ける利用者も、「なんでそんなことをいちいち説明するの?」と首を傾げ、煩わしく思う人が大半だろう。

そんな風に、居宅ケアマネの仕事は増えるが、利用者の利益や福祉の向上には全くつながらない新基準だと思う。そんなものが基準改正としてルール化されたのは、ケアマネジメンの現状を知悉していな役人が、机上の論理だけで考えたからにほかならない。

そしてその暴走を止められなかった一番の責任は、日本介護支援専門員協会にある。

現場のケアマネジャーの声を代表するとして、報酬改定・基準改正を議論する介護給付費分科会という場に委員を送り出しながら、こんな意味がない基準改正に一言も異議を唱えていないのだから、国は介護支援専門員もその必要性を認めていると認識しているのである。

よって日本介護支援専門員協会の会員として会費を支払っている介護支援専門員は、この基準改正に手を貸している一員であり、文句を言う権利はないわけである・・・。
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ケアプランチェックまでAI活用するのはいかがなものか


居宅介護支援に関連して、2018年度の介護報酬改定において導入された、「生活援助の訪問回数が多い利用者のケアプランの検証」の仕組みについて、来年度から検証の仕方や届出頻度について見直されることになっている。

具体的には検証の仕方について、地域ケア会議のみならず、行政職員やリハビリテーション専門職を派遣する形で行うサービス担当者会議等での対応を可能とするとともに、届出頻度について、検証したケアプランの次回の届出は1年後とするとされている。

この検証がどのような効果をもたらしているかは定かでないが、少しだけルールを緩めて継続実施するということだ。しかし届け出頻度が減るのはともかく、サービス担当者会議に、「行政職員やリハビリテーション専門職」を招くというのは、調整の手間が増え、居宅ケアマネの業務負担増にしかならないように思う。それなら従前のように行政が主管する地域ケア会議で検証してよと思うケアマネが多いのではないだろうか。

個人的にはこの届出と検証は、まったく意味のない無駄なルールだと思うが、そのルールが踏襲されたかのような新たなルールもできる。

12/9の介護給付費分科会の、【資料8】令和3年度介護報酬改定に関する審議報告(案)の52頁に次のような方針が示されている。

より利用者の意向や状態像に合った訪問介護の提供につなげることのできるケアプランの作成に資するよう、検証方法として効率的で訪問介護サービスの利用制限にはつながらない仕組みが求められていることを踏まえ、区分支給限度基準額の利用割合が高く、かつ、訪問介護が利用サービスの大部分を占める等のケアプランを作成する居宅介護支援事業者を事業所単位で抽出するなどの点検・検証の仕組みを導入する。効率的な点検・検証の仕組みの周知期間の確保等のため、10 月から施行する。

このことは国保連に提出された給付管理の結果から、行政担当課が検証することになるのだろうと思う。当然検証の結果、指導は伴ってくるのだろう。ということはこれによって来年10月からは、居宅サービス計画に対する行政介入がさらに厳しくなることが予測される。

居宅介護支援事業所の介護支援専門員はこのことに備えて、自分が作成する居宅サービス計画書の内容を、根拠を持って説明できるように一層理論武装する必要がある。なぜそこに記載されているサービスが必要で、その回数が必要になっているのかという根拠を常に頭に入れておかねばならない。

同時にこのルールは、事業所単位でその数や割合が見られることになっているので、居宅介護支援事業所の管理者が、行政からの問い合わせ等に応えなければならない場面が増えてくると思え、事業所全体の訪問介護計画数を把握しておくとともに、その必要性をそれぞれの計画担当者から確認しておく必要性も生ずるのではないだろうか。

ところで12/4に開催された政府の経済財政諮問会議では、ケアプランチェックに関係した指摘が行われている。

そこでは1人あたり介護費の地域差が問題となり、その縮減に努めるためにケアプランの適正化を図る必要性が唱えられ、その方法としてAIの活用によるケアプラン点検等が提言されている。

しかし地域ごとに高齢者の割合や状態像・生活環境や社会資源の在り方が違う以上、介護給付費の凸凹は生じて当然ではないだろうか。

しかもこれを縮減するためにケアプランチェックを強化して、AIでそれを判断するとしたら、ケアプランの標準化の名のもとに、機械的プランへの誘導が行われてしまいかねない。例えば要介護2の人は、通所介護が週〇回というふうに、利用回数が個人の生活状況を無視して決められかねないことになる。それはおかしい。

僕はAIを利用したケアプランソフトの活用には賛成の立場である。その理由は、「ケアプラン作成支援AIに期待を寄せる理由」や「ウェルモのケアプランAIの提供開始情報に触れて」で解説しているように、それはケアプランを自動作成するソフトではなく、介護支援専門員がケアプランを作成することをアシストするソフトであるからだ。

そこで活用されているAIとは、ケアマネジャーに「代わる」AIではなく、ケアマネジャーを「支える」AIなのである。

つまりケアプランは、AIだけで自動作成できるものではないのである。利用者の個別性に向けたケアマネジャーの視点が入らねば適切なサービスに結び付かないのだ。

利用者のニーズに応えるためには、利用者の感情のあり様もしっかり把握しなければならない。例えば脳血管障害の後遺症が残っている利用者が、「映画館で〇〇〇〇を観たい」という希望があって、そのために映画館に行って長時間座位ができるように、体幹保持訓練や歩行訓練に励んでいるとしたら、映画を観たいという希望は、単なるデマンドではなく立派なニーズになる。それは機械的に切り捨てることができないものだ。

さすれば居宅サービス計画に載せられたサービス内容が、AIを利用したケアプランソフトを活用しながら、ケアマネジメントのプロとしてのケアマネの感覚を通して、取捨選択したサービスプランの結果なのである。そうであるにもかかわらず、そのプランのチェックをAIに委ねてしまえば、個別の利用者ニーズはすべて無駄なものだと切り捨てられかねないのである。

それはケアプランの適正化とは言えず、単なる給付制限でしかない。

だから僕は、AIを導入したケアプラン作成ソフトの導入には賛成するが、AIの活用によるケアプラン点検には賛成しかねる。

そのような機械的チェックが実現した先には、ますます介護保険制度が、血の通わないものになるだけの結果しか生み出さず、制度の光が届く場所を狭めるだけではなく、その傍らに深い闇を広げいくものになってしまうと思う。

持続することが何よりも大事だと言われる介護保険制度であるが、そのために人に対する優しさや、温かさが失われて良いというものではないと思う。

制度だからそこに血が通わないのは当然だという論理や、優しさや温かさが必要ではないという論理で、社会の片隅で弱者が切り捨てられる社会は恐ろしく冷酷な社会である。

それを欲する国民は果たしてどれだけいるというのだろうか・・・。
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絶望を希望に変えるケアプランであってほしいが・・・。


介護保険法におけるケアプランの位置づけは、施設サービス計画が施設サービスの絶対条件となっているものの、居宅サービス計画は償還払いを現物給付化する条件となっているだけで、絶対条件にはなっていない。(参照:居宅サービス計画と施設サービス計画の法的位置付けの違い

つまり居宅サービスに限って言えば、償還払いで良しとするなら、居宅サービス計画(ケアプラン)のないサービス利用は認められているわけである。

しかしながら法の主旨を読み取ると、ケアプランは自立支援という理念を達するための存在意義を持たされていることがわかる。利用者の生活課題を抽出して、それらを解決するための目標を段階的に設定し、一つ一つの目標をクリアして課題解決につながるように、サービスは計画に基づいて提供されることが推奨されているわけである。

いわばケアプランは、介護保険法にとってその精神を守り通すための根幹をなすツールと言ってよい。

だが自立支援という理念は、もともと国民の福祉の向上のために掲げられている理念であり、そのことも法文にしっかり明記されていることを忘れてはならない。国民の福祉の向上とは、その制度で各々の暮らしに光を届けるという意味であり、一人一人の暮らしぶりがよくなるために制度が利用されなければならないという意味である。

そうであればケアプランとは、利用者が幸福感を抱くことができる暮らしが実現するためのツールである必要があり、それは決してケアマネジャーの仕事をしやすくするために存在するわけではないのである。

だからこそケアプランは、心身の障害があっても「残された能力」があることに着目して、サービスを障害の穴埋めにするのではなく、残されている能力を最大限に発揮できる方法で具体化することを求めている。それがICFの考え方を取り入れたポジティブプランという考え方だ。(参照:ICFの考え方を取り入れたポジティブプランを図解する

そこで大事なことは、利用者にとって何が必要であるかという前に、利用者自身が何をどうしたいと考えているのかという、「思い」を引き出すことである。人が口にする言葉は、思いをすべて伝えられるほど豊富な語彙(ごい)を持っていない。誰かの唄のフレーズではないが、「とても伝えたがるけれど言葉は心を超えない」のである。

その伝え難い「思い」を汲み取るアセスメントに心がける必要がある。

さらに言えば、人はしばしば自分の本当の思いに気が付かない場合もある。そこを引き出すのが真のアセスメントである。「○○さん、それはどうしてですか」・「なぜそう思うのですか」・「そうだったんですね」・・・そうした共感の声かけは、相手の心を受容することにもつながり、アセスメント時に何よりも重要である。

だからこそケアマネジャーは、利用者の表出されたニーズ、表出されないニーズの両方に目を向けなければならない。

利用者が口にできる希望を、「それは単なるデマンドであって、本当のニーズではない」と切り捨てることができるほど、アセスメントツールは絶対的なものではないのだ。利用者が希望する声こそ、ケアマネも気が付かない真のニーズであり、課題解決につながる方法論かもしれない。利用者の希望をバッサリ切り捨てられるほど、人の価値観は単純でもない。ニーズとは我々が想像も及ばない多様性の中に存在するものであり、法に抵触しない限り利用者の希望は最大限に汲み取られて良いのである。

この際大事なことは、「できる方法を最大限に考えること」であり、決してやってはならないことは、「できること方法を探す前に、できない理由を一生懸命に探す」ことである。

できることを繰り返し探し続けることで、利用者を絶望から救うことができるかもしれない。人には希望が必要だ。希望がないと勇気さえわかないのである。絶望を希望に変えることで、生きる勇気も湧いて来ようというものだ。

利用者が、「こうなりたい」・「こうしたい」という思いを表したのであれば、それに向かってできる方法をまず考えねばならない。なぜならできない理由ばかり考える人によって、すべての希望は失われてしまうからだ。そして希望を失った人は絶望に陥るのである。

先週土曜日に書いた「全身まひの人がツイートした看護・介護職への本音」の中で、嘱託殺人によって亡くなられたALSの女性は、「猫を飼いたい」・「猫と一緒に暮らしたい」という思いを、担当ケアマネによってつぶされてしまったというエピソードを紹介している。

ケアマネが利用者の希望をつぶした唯一の理由は、自分が猫アレルギーであるということだ。自分の担当者が猫を飼ったときに、自分のアレルギー症状が出ることがないように、支援を続けられないかという可能性を一切考慮せず、自分にとってそれは受け入れがたいと考え、さらに自分のようなアレルギーを持つ人が、他の支援者の中にも存在するかもしれないという、実際にはそこに存在していないネガティブな状況を想定し、バリアとなる理由を探すことだけにエネルギーを使った結果、利用者は絶望してしまったのではないだろうか。

できない理由付けに躍起になることに、どれほどの意味があるのかを考えてほしい。そんなケアマネジメントなんて必要とされていないのである。

利用者に希望をもってもらうためにあるはずのケアマネジメントやケアプランが、結果的に利用者の希望を奪い、絶望を与えるものになってしまうのであれば、ケアマネジャーは不幸を与える存在そのものであり、その存在意義自体が問われることになる。

そうならないように、ケアマネジメントは利用者の勇気を涵養(かんよう:水が自然に染み込むように、無理をしないでゆっくりと養い育てること。)するための希望につなげるものであり、ケアプランはその宣言文であることを肝に銘じてほしいのである。
勇気には希望が必要だ
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ウェルモのケアプランAIの提供開始情報に触れて


今年3月、福岡市の僕の顧問先の会社が入っているビルの隣にオフィスを構える、「株式会社ウェルモ」を訪問し、同社が開発中のケアプランAIについて教えていただいた。

そのことは、『ケアプラン作成支援AIに期待を寄せる理由』という記事を3/17に書いて報告させていただいたが、いよいよ同社のケアプランAIが、今年の秋にも提供が開始されるそうである。

そのことはケアマネジャーにとって歓迎すべきことであり、同社の開発スタッフには、心より祝福とねぎらいと感謝の言葉を贈りたい。

3月の記事にも書いたが、同社の開発しているケアプランAIとは、ケアプラン作成ソフトではなく、ケアプランを作成するケアマネを支援するソフトであり、ケアマネジャーに「代わる」AIではなく、ケアマネジャーを「支える」AIである。(※是非リンクを貼りつけた3月の記事内容を確認いただきたい

同社のケアプランAIを使うことで、主にケアプランの第2表の作成に対応したサブスクリプションのクラウドサービスが利用できるそうである。

このようにAIが作成支援するのは、居宅サービス計画書の2表が基本となるが、単に第2表を素早く埋めるだけでなく、AIの提案の根拠や参考文献、他ケースの事例集などをあわせて確認できる点が大きな特徴となっている。

そのことによってソフトを活用するケアマネジャーは、自分に欠けている知見を補いながら仕事を進めていくことが可能となる。これはケアマネがカバーすべき領域の幅広さを考慮した機能だそうであるとのことで、そのことによって日々の業務負担だけでなく、継続的な情報収集や学習の負担も軽減できる設計となっているそうだ。

そうであればケアプランAIを利用してケアプランを作成するケアマネは、日々のケアプラン作成業務の中で、「学び」の機会を得られるわけである。ただしその効果は、学び取ろうとするかどうかという姿勢にもかかってくる。学び取る気持ちのない人は、単にケアプランAIの提案を都度受け入れて、取捨選択して終わりとなるだろうから、学びも成長も期待できなくなるので注意が必要だ。

ケアプランの内容については、AIに蓄積された過去のデータも活かして提案されることになるが、最終的にそれを選択するのはケアプラン作成支援を受けるケアマネジャー自身なのだから、このケアプランAIを使った人のケアプランが全部同じになるわけではない。

ケアプランAIの提案に、自分の気が付かなかった視点を見出すことで、ケアマネの気づきの幅は大きくなるので、このことはポジティブに考えられて良い。自分が知識豊富だと思っている人にとっても、それ以外に必要な知識を与えてくれるかもしれない。そもそも知識とは人類が短い歴史の中で知り得た、ささやかな情報に過ぎず、自分が持つ知識などそのごく一部に過ぎないと考えるべきで、AIがそれを補ってくれることは、大きな武器になり得るのである。

特に現役のケアマネジャーの中には、文章力に欠ける人が少なからず存在する。ケアプランの一番大事な機能は、『多職種協働のための共通言語』という機能なのだから、利用者とその家族やチームメンバーの誰しもがケアプランを読んで、その内容を理解できるように、「伝わる文章」を書く必要がある。

そのこともAIが示してくれるかもしれない。

何より忙しすぎるケアマネ業務の一部が自動化されて、少しでも業務負担の軽減に結び付くならば、それはケアマネジメントの質の向上にもつながる可能性につながっていくものであり、歓迎されるべきことである。(参照:AIによるケアプラン作成を否定する人は、何を恐れているのだろうか。

実用化後に改善点が見つかることもあるだろう。成長していくのがAIなのだから、今後大いに期待を寄せよう。

ただし現時点では、まだ月額料金は公表されていないのでご了承いただきたい。

どちらにしてもウェルモのケアプランAIの提供開始情報は朗報だ。開発スタッフには、この場でおめでとう・ありがとうと言っておこう。

欲を言えば僕自身がこのケアプランAIを使って、実際のケースのケアプランを作成してみたいと思うのである。ああ腕が鳴る・・・。
※介護事業経営者の方は、ランニングコスト削減のために、収益減に対する自己防衛策としてリスクとコストゼロで電気料金を賢くカットしましょうを是非参照してください。

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スタンダードにしてほしい感染予防特例ルール


4月10日付で発出された、「介護保険最新情報のVol.816」は、「新型コロナウイルス感染症に係る 介護サービス事業所の人員基準等の 臨時的な取扱いについて(第8報) 」とされており、問1では、通所サービスの感染予防対応で、サービス内奥が変わった場合の居宅サービス計画の変更について、特例ルールを示している。
ーーーーーーーーーーーーーー
問1. 今般の新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、通所介護事業所において訪問サービスの提供等を行った場合、居宅介護支援の業務や居宅サービス計画の変更については、どのような取扱いが可能か。
(答) 通所介護事業所が新型コロナウイルス感染症対策として、当該事業所の利用者に対して、当初の計画に位置付けられたサービス提供ではなく、時間を短縮しての通所サービスの提供や、訪問によるサービスの提供を行う場合、事前に利用者の同意を得た場合には、サービス担当者会議の実施は不要として差し支えない。 また、これらの変更を行った場合には、居宅サービス計画(標準様式第2表、 第3表、第5表等)に係るサービス内容の記載の見直しが必要となるが、これらについては、サービス提供後に行っても差し支えない。 なお、同意については、最終的には文書による必要があるが、サービス提供前に説明を行い、同意を得ていれば、文書はサービス提供後に得ることでよい。
ーーーーーーーーーーーーーー
通所サービス事業については、地域によって事業者に対して営業自粛を呼び掛けたり、利用者に対して利用自粛を呼び掛けたりしているほか、事業者独自の判断で営業を自粛しているケースも増えている。

その対応策として国は、休業となった事業所と異なる場所を使用して、当該事業所が指定を受けたサービスに相当するサービスを提供した場合に、通常提供しているサービス提供時間等に応じ介護報酬を算定できるとしている。

また通所利用を自粛して居宅で生活している利用者に対して、利用者からの連絡を受ける体制を整えた上で、居宅を訪問し個別サービス計画の内容を踏まえ、できる限りのサービスを提供した場合については、提供したサービス時間の区分に対応した報酬区分を算定できるとしたうえで、サービス提供時間が短時間の場合には、(通所介護であれば2時間未満、通所リハであれば1時間未満)の場合は、それぞれのサービスの最短時間の報酬区分(通 所介護であれば2時間以上3時間未満、通所リハであれば1時間以上2時間未満 の報酬区分)で算定するとしている。(2/24 新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等 の臨時的な取扱いについて(第2報)

さらに電話で安否確認するだけで、報酬算定ができるルールも特例化した。(参照:通所介護は電話の安否確認のみで報酬算定可能に〜感染予防対策特例〜

こうした特例対応のサービス内容変更については、サービス担当者会議を行わなくてよいとしたのが今回の通知である。ただしその前提はあくまで事前の利用者同意が必要とされているので、その記録は忘れないでいただきたい。

また居宅サービス計画書の第2表、第3表、第5表は書き換えが必要だが、その変更については「サービス提供後でも問題ない」とされているし、変更同意も事前に意思確認を行て、文書による同意については事後で構わないとされているので、急がず慌てずゆっくりと、しかしサービス事業所とケアマネの連絡は密にするということを基本にしていただきたい。

現在この特例以外で、サービス担当者会議を開催せずに居宅サービス計画の変更をできるのは、著しい状態の変化を伴う末期がんの利用者について、主治医などの助言を得ることを前提として認められている。

しかし今回の特例でそれ以外のケースで担当者会議を経ないサービス変更によって、その対応に支障がないことが分かったならば、今後は介護支援専門員の判断で、サービス担当者会議を開かなくてよいケースを広く認めてほしいものだ。

なぜならサービス担当者は、それぞれに忙しい仕事を抱えている中で、参加者の裁量と仕事の工夫で時間を割いているのが現状だ。そんなふうにやりくりして参加しているサービス事業所職員は担当者会議に参加義務があるだけで、そこに何時間拘束されようと対価は発生しない。交通費さえ支給されないタダ働きという状態は異常である。

しかも参加したサービス担当者会議の内容はどうかというと、自分が参加しなかったとしてもさして問題なかったのではないかと思えるケースや、自分にとっても後で結果を知らせてくれれば良いだけというケースがかなり多い。形式的・機械的に開催がされている会議も数ある中に含まれているのである。

しかも担当者会議が原則開催されない計画変更ができないために、プラン変更が機動的な対応ができないケースがあることを鑑みると、この部分の判断はケアマネジャーに任せて、もっと機動的に利用者ニーズとのタイムラグが生じないプラン作成の在り方が検討されてもよいのではないだろうか。

このケアマネジメントの特例をスタンダードにしていってほしいことが、まず一点。

次にサービス事業者の特例の中で、介護保険最新情報Vol.779の問7で示された、「訪問介護員の資格のない者であっても、他の事業所等で高齢者へのサービス提供に従事した事がある者であり、利用者へのサービス提供に支障がないと認められる者であれば、訪問介護員として従事することとして差し支えない。」という点も、今後は特例対応ではなくスタンダードにできないものかと要望したい。

訪問介護はすでに絶命危惧サービスである。(参照:絶滅危惧職種の懸念で基盤が揺らぐ地域包括ケアシステム

今回訪問介護の在り方に小さな風穴をあけた意味が、訪問介護員の資格のない介護職の訪問介護が認められたということにある。この対応が今回の特例で終わらせることなく、スタンダードになるとしたら、それは新たな訪問サービスの展開につながるのではないだろうか。

通所介護だとていつも定員いっぱいのサービス提供をしているわけではなく、休みが多く職員配置に余裕のある日は、臨機に職員が訪問サービスに係ることが出来るようにすれば、訪問サービスのありようは様変わりする可能性がある。そもそも小規模多機能居宅サービスで行う訪問サービスの担当者に資格は必要ないのに、訪問介護事業所のサービスのみ資格が必要なのは、理屈に合わなくなってきているのである。

今回の感染予防特例を機会に、是非こうした一連の見直し作業を実現してほしい。
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ケアプラン作成支援AIに期待を寄せる理由


僕の顧問先である福岡市博多区の、「ワーコン」が入っているビルの通りを挟んで隣には、「福岡県福岡東総合庁舎」がある。

このビルの4階には介護関連ベンチャーの、「株式会社ウェルモ」がオフィスを構えているが、そこは福岡市の協力でケアプラン作成支援AIの実証実験を行っていたそうである。(参照:介護関連ベンチャーのウェルモが、福岡市の協力でケアプラン作成支援AIの実証実験を開始

要するに同社では、ケアプランの作成支援ソフトの開発に取り組んでいるという訳である。

AIを導入したケアプラン自動作成ソフトに関して、否定的・批判的な介護支援専門員の方もいる。その理由はケアプランを画一的なものにして個別ニーズを見落とす元凶になりかねないなどというものだ。

しかし僕はAIを利用してケアプラン作成を支援するソフト開発の取り組みには大いに賛成する立場であり、一日も早くそうしたソフトを実用化してほしいと願っている。

そのことは4年も前に、「人工知能の活用によるケアプラン作成について」という記事を書いて、AIによるケアプラン作成ソフトを大いに利用すべきだと主張しているし、今年1月にも、「AIによるケアプラン作成を否定する人は、何を恐れているのだろうか。」という記事を書き、介護支援専門員の仕事を手助けしてくれ、業務を効率化してくれるのだから、そのことを否定する必要がないと主張していることでも証明済みだ。

ということで先日、機会がありウェルモさんを訪ねて、現在開発中のケアプラン作成ソフトの概要について説明を受けてきた。

厚労省の調査によると介護支援専門員の4割以上が、「自分の能力や資質に不安がある」と回答している。ウェルモさんが開発に取り組んでいるソフトは、こうしたケアマネジャーの悩みを解消するためにも役立つ可能性があるものだ。

介護支援専門員が持つべき知識を考えると、介護保険法全てを網羅して法令解釈ができているのは当然で、各事業の運営規定なども頭に入れておかねばならないし、介護保険制度以外の様々な社会資源に関する知識も必要になる。

このように身に着けるべき知識は、膨大な量と質であるにもかかわらず、利用者宅やサービス事業所を毎日のように訪問しなければならないのに加え、アセスメントを行いながらケアプランを作成し、かつそのモニタリングも行わなければならない。さらに毎月の給付管理や請求業務までこなさねばならない介護支援専門員の仕事は、あまりに忙しすぎるといえると思う。

そのため知識が必要なのに学ぶ時間が取れない、学ぶ機会に恵まれないという人も多い。さらに居宅介護支援事業所という事業所が大きな法人の一部門ではあっても、そこに配置されている介護支援専門員の人数は決して多くない。その中で介護支援専門員同士でしか情報交換ができず、教え合える機会が極端に少なかったりする。そもそも一人配置の居宅介護支援事業所では、ケアマネの仕事を誰からも学べないという悩みを抱えている人も多い。

だからこそ自らの能力や資質に自信が持てなくなる人が増え、その中にはバーンアウトしてしまう人もいるという訳である。

その問題の解消のためには、業務の省力化が不可欠で、自動化できる部分は自動化して、そこにエネルギーと時間を使わなくてよくなった分を、他の事業者との情報交換機会に回したり、研修受講機会を増やしたりしなければならない。そういう形で自らの能力と資質への不安が解消できるとしたら、その方向を目指さない手はない。

そういう意味で、AIソフトによるケアプラン作成支援は、介護支援専門員にとって求められるものであり、これを否定してはならないのだ。

ウェルモもその考え方に基づいてソフト開発に取り組んでいる企業だ。同社はケアプラン作成のソフトをはじめとして一連のシステムを、「ケアプランアシスタント(CPA)」と呼んでいるが、それはケアマネジャーに「代わる」AIではなく、ケアマネジャーを「支える」AIであるとしている。

ケアプランの自動作成というと、一定のアセスメント情報を入力すると、1表から3表が自動的に例示されるイメージを持っている人がいると思うが、実際にはそうではない。

基本的にAIが作成するのは2表であり、アセスメント情報を入力すると、2表の左端の、「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」に記入すべき、「候補文」が幾つか示される。そこから課題を選択することもできるし、自分で文章を打ち込むこともできるようになる。

それを選択もしくは入力したら、それに対し長期目標・短期目標・サービス内容・サービス種別という順で、表の左側から右側の順に、前の項目で選択した文章や内容に応じた候補文が選択できるという仕組みで、2表が完成されることになる。将来的にはプランに沿ってサービス事業所も提案する仕組みを目指しているとのことだ。

つまりこのソフトによる計画作成支援とは、人の手による部分、人の頭による部分が、大きなウエートを占めるもので、AIソフトだけでケアプランが完成されるわけではないということだ。

一部のケアマネジャーが、AIがケアプランを作成するようになれば、ケアマネの仕事が奪われるのではないかと考えているようだが、それは全くの杞憂である。そもそもケアプランが完全自動作成される未来が実現したとしても(実現しないだろうが)、街をロボットが歩いて利用者宅に面接に行く姿が常態化しない限り、ケアマネの仕事は誰にもとって代わることは出来ないのである。

そしてケアプランに関しても、現状で開発されているのは居宅サービス計画書の作成支援ソフトであって、各施設の固有のサービスと結び付けなければならない施設サービス計画書を自動作成するまでの目途まではついていないように見受けられた。

そうであっても居宅サービス計画書の自動作成から一歩目が踏み出されるということには大きな意味があるだろうし、ケアマネ個人個人をみれば様々なメリットがあるだろう。

例えば(情けないことではあるが)ケアマネの中には、文章能力に大きな課題がある人がいるが、そういう人にとっては、「AIが作成して提案される文章を選ぶだけ」でケアプランが作成できる点は、大いにメリットを感ずる可能性がある。それによって文章力が鍛えられるという副次的効果も出てくるかもしれない。

ただ現状では、課題や目標にも首をかしげる内容のものもあるし、サービス内容としても、「それで終わってよいのかよ。」と突っ込みを入れたくなるものもあり、改善余地が大いにあると言ったところだ。ここを一日も早くクリアして、ソフトの実用化を図ってもらいたいと思う。もう一歩だ。

今年の夏の販売を目指してソフト開発は続けられているが、その過程では現役のケアマネジャーがアドバイスやコンサルを行っているのだろうと想像する。そうであればその人たちが本当にケアマネジメントの現状を理解して、助言・指導できているかが課題であると言ってよいだろう。

ケアプランの作成過程について、アセスメントから課題を引き出し、それに沿った目標を適切に設定することで、必要なサービスに結び付くと考えているとしたら、それは理想であって現実ではないと言わざるを得ない。

現行では、利用者がケアマネにプランを依頼する動機づけとして一番大きなものは、「サービスを使いたい」という理由である。

「デイサービスに通いたいの」・「ヘルパーさんに来てもらいたいから」という理由で、居宅介護支援事業所のケアマネジャーに依頼が来るケースが多く、まずサービス利用ありきで、そのサービスを使うために理由付けをして、目標設定し、とりあえず希望するサービスを利用者に結び付ける形で計画が作成されることが多い。

そのうえで信頼関係が構築される過程で、ニーズに合致しないサービスを削り取ったり、新たなサービスを導入したりしながら、より良いサービス計画へと変更・成長させていくプラン作成ができるのが、良いケアマネジャーとされたりするわけだ。

この現状を理解しつつ、利用者の感情や希望を無視した、「良い計画」はあり得ないという面から、AIがそこにどこまで迫ることができるかが課題となるだろう。ここがソフト開発者に求められるもう一押しの現状理解ではないだろうか。

幻想の実態で、良いケアマネ・良いケアプランのイメージを抱いて、そこから一歩も踏み出せないでいるとしたら、AIのケアプラン作成支援は、理想論の押し付けに終わり、現場に根付かないものになりかねない。ここだけが心配なところである。

ちなみに冒頭で紹介した、福岡市の実証実験アンケート(ケアマネ40名に実施)では、CPAにより相談援助の質が上がると思うと答えた人が97.5%。プラン根拠が説明しやすくなりそうだと思う人が87.2%、ケアプランの作成時間が減りそうだと答えた人が82.1%と好感触を得られているとのことだ。前途は明るいと言ったところか。

どちらにしてもAIとケアマネは共存できるだけではなく、AIがケアマネのアシスタントとなり、より良い支援にもつながるし、データの蓄積によりエビデンスが生まれる可能性にもつながっていくだろう。

そういう意味も含めて、がんばれウェルモとエールを送っておきたい。

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廃止すべきケアマネジメントルール


ショートステイ(短期入所生活介護及び短期入所療養介護)について、「認定の有効期間のおおむね半数を超えた短期入所は保険給付対象にならない。」と考えている人がいるとしたら、それは間違った考え方である。

ショートステイの介護報酬告示や基準省令等の法令ルール上、認定期間の概ね半数を超えたショートステイ利用を制限するルールは存在していない。

唯一の制限ルールは、「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(厚生省令第三十八号)の第13条21項であり、そこでは「介護支援専門員は、居宅サービス計画に短期入所生活介護又は短期入所療養介護を位置付ける場合にあっては、利用者の居宅における自立した日常生活の維持に十分に留意するものとし、利用者の心身の状況等を勘案して特に必要と認められる場合を除き、短期入所生活介護及び短期入所療養介護を利用する日数が要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えないようにしなければならない。」とされているのである。

つまりこれは居宅介護支援事業所に課せられているケアマネジメントルールの範疇を超えるものではなく、制度全体の給付制限ルールとは言えないのである。よって法令原則から考えれば、セルフフランにこのルールは適用されないので、セルフプランでショートステイを計画する場合、認定期間の半数を大幅に超えたショートステイの利用に対し、保険給付を制限することは不可能であるため、理由の如何を問わず認められることになる。(参照:ショート認定期間の概ね半数超えは保険給付対象外なのか?

そもそも省令第三十八号第13条21項の定めは、ショートステイの長期利用という、入所サービスと区分のできない利用を制限していることと同時に、認定期間中、十分にアセスメントを行わずに、ショートステイという一つのサービスしか利用しない計画に対して、保険給付するということに一定の制限を加えたものであると解釈している。

ところでこのルールは今も、本当に必要なルールであると言えるだろうか。この制限ルールが作られた当時と、現在の状況を比べると大きく変わっているものに、「介護認定期間」があることを考えると、このルールはすでに機能不全であり、廃止しても良いルールと言えるのではないだろうか。

この制限ルールができた理由は、30日を超えるショートステイの連続利用制限について、利用31日目を全額自己負担利用すれば、一旦自宅に戻ってショートステイを利用しない日をつくらなくとも、連続利用カウントがリセットされるというルールができたという背景がある。連続利用のリセットルールを使って、入所と区分できないショートステイの利用を防いだものである。

その当時は、認定期間延長の最長期間は12か月であったため、概ね半数を超えない期間は、最長でも6カ月という期間が目安になっており、年単位のショートステイの連続利用を制限できたという意味がある。

しかし現在の認定期間の最長期間は36カ月である。これが来年の制度改正では、48カ月まで延長されることが検討されており、その実現可能性は極めて高まっている。

すると現在でもショートステイを18カ月連続利用するケースは、居宅介護支援のルールでも可能とされているわけだ。それが来年以降、24カ月まで可能となるかもしれないのである。そうであれば、「認定期間の概ね半数まで制限するルール」の意味や理由は、極めて薄いものとなっていると言わざるを得ない。そんなルールで何が担保できているのだろう。意味がないとしか言えない。

そもそもショートステイのルール自体が変化しており、短期入所生活介護については、リセットルールを使って連続利用する場合でも、連続して30日を超えて同一の指定短期入所生活介護事業所を利用する場合は、30単位/日を減算しなければならないために、相当の必要性がない限り連続利用は回避される傾向が強まっている。

よってこの部分は、規準省令第13条21項の制限ルールを廃止したとしても、適正なケアマネジメントの視点のみで十分対応可能なのではないのか?そもそも現在でも認定期間36カ月の人は、その期間に概ね18カ月ものショート利用を行なえるが、そのような利用を続けるメリットは、利用者・ショート事業所の双方とも薄く、そのような長い期間になる途中で、ショートステイから入所への切り替えが行われるのが一般的であり、そういう意味でも認定期間の半数ルールはいらないと言えるわけである。

まあこれだけ認定期間延長のケースが増えている現状から言えば、省令第13条21項の定めがあったとしても、居宅介護支援事業所のケアマネジャーの仕事に不便や制限が生ずるわけではなく、そのようなルールがあることに、さして目くじらを立てる必要はないと思っているケアマネの方が多いのかもしれない。

そうであれば、このルールの廃止のソーシャルアクションなんて言うことに、エネルギーを使う必要はないわけであるが、一応この制限ルールの意味と、すでに役割を終えたルールであるということだけは、ここで改めて指摘しておきたい。

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ケアプラン有料化は先送りへ


昨夜から今朝にかけて、「ケアプラン有料化先送り」というニュースが一斉配信されている。

共同通信社のネットニュースでは、以下のように報道されてる。(19日22:04配信)
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ケアプラン有料化、先送りへ 介護保険制度改正の焦点

政府は19日、高齢者が介護保険サービスを利用する際に必要な「ケアプラン」(介護計画)の有料化を介護保険制度の改正案に盛り込まず、先送りする方向で調整に入った。介護費の膨張を抑えるため議論している制度見直しの焦点となっていたが、一律に自己負担を求めることに与党内から慎重論が相次いだため判断した。
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これは先の、「居宅介護支援事業所の管理者要件を主任ケアマネとする経過措置延長」に引き続いて、居宅介護支援事業所関係者にとっては朗報と言えるのではないだろうか。

僕は有料化にはずっと反対意見をこのブログの中で書いてきた。(※関連記事

ケアプランが有料化されれば、居宅介護支援事業所の担当ケアマネは、自己負担分の請求とその費用徴収業務が新たに業務負担となってくる。当然滞納ケースも出てくるだろうから、その催促・滞納金の支払いに関わる支援業務も負担となってくるだろう。しかも滞納金は、すべて回収できるとは限らないので、居宅介護支援事業所の収益減にもつながりかねない。

そんな中で利用者が自分の懐から実際にお金を支払うことで、一部の利用者には過度な権利意識が生じ、不必要なサービスの利用プランを立てさせようとするプレッシャーが強まるだろう。それに迎合せざるを得ない、「御用聞きケアマネ」が多くなることも容易に想像できる。

そもそもケアプランを有料化しても財源抑制効果はほとんどない。「ケアプラン有料化にメリットはゼロどころか・・・。」の記事の中で有料化のデメリットを指摘しているが、その4で書いたように、無料でセルフプランを作成支援する事業者による、「囲い込み」が増え、不必要な過剰サービスが増えるからである。

そんなメリットのないケアプラン有料化が、ここまで引っ張られて議論された理由は、財務省がそのことを強く主張し、日経連等がその主張を強く後押ししたからである。

そのため関連部会で現場の関係者の多くが有料化に懸念・反対の声が挙げてもなお、次期報酬改定時には、この有料化の流れは既定路線のように論じられる傾向にあった。しかしここにきて政府与党内で慎重論が広がったことから、大逆転の流れとなったということであろう。
※なお10/28の社保審・介護保険部会の中で、全国老人福祉施設協議会の桝田和平経営委員長は、「1割負担、2割負担といった方法ではなく、例えば月額500円など定額制の方が望ましいのではないか」との考えを示し、有料化に賛成する意見を述べていたことを、関係者は記憶にとどめておく必要があるだろう。

そのことはひとまずほっと息がつけたと言ってよいだろう。しかしこれは有料化案が廃案になったわけではなく、「先送り」されただけにしか過ぎないという点にも注意が必要だ。されば2021年の報酬改定では、有料化は見送られたとしても、2024年の報酬改定時にはまたぞろ有料化を求める意見が出され、それに対する議論が再燃するという意味でしかない。

そもそも今回の与党の懸念も、自己負担が増える中でケアプランも有料化されれば、国民の批判が強まるので、ソフトランディングのために、有料化案を先送りしてはどうかというニュアンスが強いように思える。

その背景には、11/19に経団連が公式サイトで2割負担の対象者を拡大するように提言するなど、介護給付費に対する国民負担を増やす圧力が強まっていることと関連している。

今回ケアプラン有料化が見送られたが、介護給付費分科会に示されている検討事項としては、「自己負担2割の対象者の拡大」・「高額サービス費の上限引き上げ」・「要介護1と2の生活援助の地域支援事業化」が残されているわけである。

そうするとケアプラン有料化を先延ばしした分、残りの3検討事項の実現性は高まったと言えなくもない。

さらにここにきて政府は、介護施設の食費・居住費の補足給付の資産要件について、預貯金が1.000万以上あれば支給対象としないという現行要件を見直して、預貯金が500万以上の対象者を除外する方向で調整に入っている。

どちらにしても国民にとっての痛みの伴う改正が行われることには変わりないという訳である。そしてそれは政治家や官僚の痛みとは無縁な場所で、堂々と行われようとしている訳である。

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ケアプラン有料化にメリットはゼロどころか・・・。


僕は今、福島県いわき市に向かう旅の途中である。

昨年10月にいわき市で行われた、『福島県介護支援専門員協会総会及び研修会』にお招きを受け、居宅介護支援費に新設されたターミナルケアマネジメント加算に関連して、「看取り介護」について講演をさせていただいたが、その席で今回の研修会のお招きを受けた。

そういう訳で2年連続となるいわき市講演である。そして今回は、「いわき市介護支援専門員連絡協議会」の創立20周年記念の祝賀会での記念講演という、おめでたい席へのご招待である。明日グランパルティいわきにて、「介護支援専門員に求められる役割〜医療 介護連携からターミナルケアまで」というテーマで講演を行なう予定になっており、そのための前日移動である。

今日はいわき駅の一駅手前の湯島駅で降り、そこからバスに乗って「スパリゾートハワイアン」に向かうことになっている。そこで前夜祭が予定されているためである。事前の連絡によるとそこの名物はポリネシアン料理だそうである。僕はそんな料理はまだ一度も食べたことがない。どんなものが食べられるのか楽しみにしている。今日食べる料理がどんなものかについては明日の朝更新する、「masaの血と骨と肉」に掲載する予定なので、読者の皆様には是非そちらもお楽しみにしていただきたい。

明日の講演は、介護支援専門員の皆様に対してお話しすることになるため、ケアマネジメントについていろいろな角度からお話しすることになる。そのケアマネジメントに関連しては、先月29日の社保審・介護保険部会で、日経連の委員からケアプラン有料化(居宅介護支援費の自己負担導入:以下ケアプラン有料化に統一する)を求める声が挙がったが、それに対して「経済的な理由から必要な介護サービスを利用できなくなる」(認知症の人と家族の会:花俣委員)などの反論が相次いで、反対派の方が多数を占めるという結果となった。

それにしても情けないのが日本介護支援専門員協会の濱田委員である。彼もケアプラン有料化には反対意見を述べているがその内容は、「ケアマネジメントは介護保険事業の基盤であるので有料化には反対」というものである。これではほとんど意味が通じず、反対理由にもなっていないので、説得力はほとんどない。大事なケアプランの作成業務にかかわっている人間が、語彙に乏しく表現力がないのは哀しい姿だ。花俣委員の爪の垢を煎じて飲みなさいと言いたくなる。この団体には人材がいないのか・・・。

2021年の報酬改定に向けては、ケアプラン有料化必至という流れができている。この流れを変えることはできるのだろうか?どちらにしても現場からの発信が何より大事だ。なぜなら有料化するメリットは何もないと言えるからだ。

僕はこの場所でケアプラン有料化が、いかに問題がある施策であるかということについて、様々な角度から論じてきた【参照:ケアプラン有料化に関するかこのブログ

ここで書いた有料化のデメリットについて、簡単にまとめてみようと思う。

1.有料化されることで、ケアマネにより強い責任感が生まれ、ケアマネジメントの質が上がるなんてことはない。そんなことでしか責任感を持てない人物は、そもそも対人援助に向いていない。むしろ自己負担金があるということで、過度な利用者の権利意識が前面に出て、生活課題とは関係のない過剰なサービス要求が増え、それに迎合するケアマネジメントが増える。いわゆる「御用聞きケアマネ」を増やす結果にしかならない。

2.自己負担があることで、経済的に困窮している人は、居宅介護支援を依頼しづらくなり、結果的に居宅サービス計画をがない状態で、居宅サービスを使えないまま放置されてしまうケースが出現する恐れがある。

3.ケアプラン作成の自己負担を援助するというサービス事業者の営業が増える。具体的には2のケースのような人などに、訪問介護事業者などのサービス事業者が、セルフプランならお金がかからないので、自己作成を無料で手伝いますという営業が増える。実際にはそうした事業者の職員が自己作成の手伝いと称して、利用者のプランを代行作成し、その代わりに自社のサービスに囲い込むなど、自社サービスの提供回数を増やして利益を上げようとする。それはニーズに基づかない過剰サービスが増えることをも意味している。しかも無料でセルフプランの作成を手伝うという行為は、保険給付とは関係のない行為で、そこに資格は必要とされないし、作成代行ではなく、作成を手伝うためのアドバイスの体裁を整えれば、代行業務ともならず違法性も問われることはない。

4.自己負担が導入されるということは、居宅介護支援事業所の業務に、利用者負担分の請求と、利用者負担金の徴収作業いう仕事が増えるということ。しかも自己負担部分については、かならず一定程度の未収金が発生することになるが、その督促業務も担当ケアマネの業務とされるだけではなく、事業者によっては回収不能となった分の補填責任をケアマネ個人に求めるようなトラブルも生じかねない。どちらにしても自己負担金発生に伴い、居宅介護支援事業所には新たな事務作業負担が確実に増えることになる。ただでさえ忙しいケアマネの仕事が増えるが、給料は増えないという現象が起こる可能性が高い。

このようにケアプランの有料化は、御用聞きケアマネや、囲い込み事業者を増やすだけで、自己負担化された費用より、過剰サービスの給付費が上回ることになる。よって給付費抑制効果はないだけではなく、マイナス効果につながる結果となるだろう。そういう意味では、制度の持続性を高めることを理由に、ケアプラン有料化を提言している日経連の委員は、素人で浅はかな考えしかない委員と言えると思う。

しかも居宅介護支援事業所の業務負担は一層増えるのだから、良い点は一つもないのである。よってこれに反対しない介護支援専門員は、頭のねじが一本足りていない人物と言ってよいだろう。

実は国としてはケアプランの有料化は既定路線であり、ほぼ決定事項とされている。このことを覆す事は非常に困難ではあるが、諦めてしまっては何も変わらないのだから、逆転を信じて現場発信し続けるしか道はないと考えて欲しい。

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文例を教えるな。文例を学ぶな。


介護業界には文例を教えようとする馬鹿講師がいる。

特に介護支援専門員に向けた研修講師で、ケアプランの文例を教えようとする大馬鹿者がいてどうしようもない。そんな輩が本でも出版したら目も当てられない。本の中に「文例集」を掲載する馬鹿っぷりである。ケアプラン作成のノウハウ本に文例を載せる人間は、どうしようもない勘違いした輩だなと思う。

文章の良否は、伝え方の良否とイコールだから、利用者や関係者に伝わるような文章の書き方を指導することは必要な場合がある。文章の書き方を指導できる能力がある人なら、それを行うことは悪いことではないだろう。そういう意味ではケアプランの書き方も、伝わる文章の指導という意味で、教えることはあってよいと思う。

しかし文例を教えてはならないのだ。それは文例を教えられる側の人が、それを頭の中でフォーマット化してしまうことにつながり、それは即ち想像力と応用力を削ぐ結果にしかならないからである。

そもそも相談援助職に求められているのは「答え」という名の「支援する側の価値観の押しつけ」ではない。相談する側がいかに自身の問題に気づいて、自身で解決の道筋を見出すことができるのかを「手伝う」ことである。そのためには想像力と応用力が何よりも必要なのに、安易に文例を使って、自分の言葉で文章を作成する機会を失わせて、個性のない定型文にはめ込むことによって、それらの能力を低下させてしまうのは、相談援助職としてのスキルを低下させる以外の何ものでもないのである。

答えを導き出す、「言葉」や「文章」を定型にはめ込むような押し付けは、おせっかいを通り越してバリアそのものである。

そもそも文章表現に、「決まり」などないのだ。故人となって久しい司馬遼太郎さんはかつて、「小説というものの表現形式の頼もしさは、マヨネーズを作るほどの厳密さもないことである。小説というものは一般的に、当人もしくは読み手にとって気に入らない作品がありえても、出来そこないというものはありえない。」というふうに小説の持つ形式や形態の無定義・非定型という本質を語っている。これは即ち文章表現の多様性と非定型性を表した言葉でもある。

ケアプランの生活課題や目標も同じことだ。千差万別の様々な暮らしを営む人をアセスメントして、引き出した課題や目標にも、個性ある表現があってよいのだ。そこに正解や不正解があるわけではなく、ケアマネジャーがどう評価して、どう伝えて、どうアプローチするかという問題なのだから、自分の手法に沿った表現方法であるべきだ。

要はその表現によって、利用者が自分にとって何が必要とされて、どのように社会資源と結び付けられようとしているのかが理解でき、結び付けられた結果がどうなっているのかを把握出来さえすればよいわけである。

文例・定型文の押し付けは、その入り口で支援者の思考回路の一部を閉ざすものでしかない。

そういう意味でも、司馬さんの千分の一の文章力もない馬鹿講師風情が、自分の書いたものによって、自分の作った文例を他人に押し付けるなど一万年早いと言いたい。

文例を紹介したり、本に掲載する馬鹿どもに言いたい。

自分の文章が一番などと勘違いはしていないだろうが、文例を紹介するという意味は、その勘違いと少しも変わらないということだ。そして自分の知識が一番だと思っているという意味だ。しかし知識がすべてとは思わないことだ。

知識とは人類が短い歴史の中で知り得た、ささやかな情報に過ぎない。我々はまだ真実に無知である。知識は大事だが真実とは限らない。真実はもっと先にあるかもしれない。

そういう意味では、介護の現場で問題に直面した専門家に求められるのは、最新の知識ではなく応用力であり、それを支えるのは信念である。そしてそれは書物では学べない。特に文例を安易に使うことは応用力をそぐことに他ならない。

そして文例に頼る限り、文例を教えた講師のコピーにはなり得ても、その人物を超えることはできない。そのことをしっかり理解してほしい。

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AIによるケアプラン作成を否定する人は、何を恐れているのだろうか。


AI(人工知能)を使ってケアプランを作成しようという試みが行われている。それは主に、「居宅サービス計画」の分野で先行して行われており、既にケアプラン作成ソフトとして実用化されつつあるものも存在する。

今後は、そうしたケアプラン作成ソフトの開発競争が急ピッチで進み、実用化されたソフトが販売されていくだろう。そしてそうしたソフトの導入を図る事業者や、それを使うことを前提に業務を行なおうとするケアマネジャーが確実に増えていくだろう。施設サービス計画の作成にもAIソフトが普通に導入されていくようになると思う。

そのことを否定的に捉える必要はないと思う。ケアプランの作成は、ケアマネジャーの仕事の中核をなすものであるが、それにつながるアセスメントはAIにはできないし、アセスメント情報をソフトに打ち込むのも人の手に寄る必要がある。

ケアプランをAIが作成するといっても、ケアプランの全部をAIソフトだけで作成できるわけではないので、例えば長・短期目標はケアアンネジャーが設定し、それに沿ったサービススケジュールの候補がAIソフトによって示されることになるだけで、ケアプランの最終決定を行うのはケアマネジャーという専門職の手に寄らねばならないのである。その過程でAIの作成したスケジュールに手を加える必要性も判断できるわけである。

要は忙しいケマネジャーの仕事の一部を、AIケアプラン作成ソフトが手助けしてくれ、業務を効率化してくれるだけである。そのことを否定するなにものもない。

医療の現場では既に、画像診断の部分でAIが不可欠になりつつある。人が見逃してしまう画像変化、人によって判断基準にずれが生じかねない微妙な画像判定を、人より正確にAIが行うことができるようになっているのだ。

だからと言ってAIが医者にとって代わることはあり得ない。AIが患者の治療を行うことはできないのである。あくまでそれは医師の医療技術の一部を手助けするものに過ぎず、しかしそれによって治療効果を高めることにつながっていくものだ。

AIを使いこなすというケアマネジャーの考え方一つで、ケアマネジメント技術は高まるし、業務も効率化できるということでしかない。よってAIを導入したケアプラン作成ソフトの開発に、現場のケアマネジャーは積極的に協力すべきであると思う。そうしたソフトを使ったモデル事業にも、ケアマネジャーの職能団体を挙げて協力したって良いと思う。

人工知能がケアプランを作成するのであれば、一定の状態像に対して画一的なプランになるのではないかという心配もされているが、画一的プランの家元は、機械や人工知能ではなく、ケアマネジメントスキルの低いケアマネジャーという人間その人なのだから、その批判は当たらない。

あんたのケアプランより、AIが作ったケアプランの方が、ずっと臨機応変になっていて、利用者にとって有効だよと言われないように、ケアマネ自身のスキルを高める必要があるというものだ。

そもそも画一的なプランといっても、それは一定の状態像に適するサービスの組み合わせが体系化されているのか、そうではなく機械的に画一的にプランニングされて、効果につながらないものになってしまっているのかのどちらかという問題がある。前者ならある一定の状態像に最も適したプランの組み合わせを、人口知能がスタンダード化したという意味にもつながる。

その時に、その体系化されたプランに沿ったサービスが提供できない理由は何かという、新たな課題が見えるかもしれない。それはもしかしたらソーシャルアクションとして、資源開発につなげなけらばならない地域課題といえる可能性もあるわけだ。

そのことを施設サービスに置き換えると、もっとわかりやすくなる。

施設ケアマネジャーが、週に2回しか利用者を入浴させないプランを永遠に作り続け、それに何の問題意識も持ない現状を打破するきっかけが、AIによるケアプランかもしれない。

排泄ケアが必要な人に対する排泄ケアの時間が、全員同じ時時間に画一的に設定されているというおかしさについて、AIがダメ出ししてくれるかもしれない。

チーチーパッパの幼児向けの運動を、リハビリテーションと勘違いしているケアマネジャーに警鐘を鳴らすものが、AIソフトかもしれない。

感覚麻痺はどこから始まるのだろうか(前編・特養編)」・「感覚麻痺はどこから始まるのだろうか(後編・老健編)」で指摘したような、人の尊厳を無視したケアに気づかせてくれるきっかけになるものが、AIによるケアプランであれば、それに越したことはないのである。

AIによるケアプラン作成を否定する人は、いったい何を否定の根拠にしているのだろうか。いったい何を恐れているのだろうか。

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AIによるケアプラン作成を否定すべきではない


AI(人口知能)を利用したケアプラン作成ソフトの開発が進んでいる。現在それは居宅サービス計画の作成という部分が先行し、施設サービス計画作成は、そちらが軌道に乗って以降となるものと思われる。

ただし居宅サービス計画の分野においても、AIによるケアプラン作成が実用化されているわけではなく、実用化に向けたモデル事業が一部地域で始められているに過ぎない。

このことに関する最新の報道としては、「欠けている知識を補完! 新たなケアプランAIが登場 福岡で実証実験へ」というものがある。

この記事で紹介されているのは第2表の作成支援ツールであり、利用者のアセスメント情報を入力すると、「解決すべき課題」・「長期目標、短期目標」・「サービス内容」・「サービス種別」などが順に選択肢が示され、ケアマネはそれを選択しながら、加筆・修正するだけで居宅サービス計画が作成できるというものだ。

このことに関して、一部のケアマネジャーの声として、AIによるケアプラン作成だけで、居宅サービス計画作成業務が完結するわけではなく、業務軽減につながらないのではないかとか、コストパフォーマンスを考えると意味がないという声も聞こえてくる。

しかしモデル事業が始まったばかりの段階で、AIによるプラン作成をネガティブに評価する必要はない。

そもそも居宅介護支援事業所の介護支援専門員の質の差が指摘される中で、一部の介護支援専門員による居宅サービス計画がアセスメントとまったくつながっていない例もみられる。利用者が居宅介護支援事業所を選択する際に、「デイサービスを週2回くらい使いたいので計画を立ててくれませんか。」という希望を短銃に受け入れて、アセスメントを行う以前に、「週2回のデイサービス利用ありき」で計画を立てている人もいる。そこには利用者ニーズも、解決すべき課題の視点もなく、目標も課題解決には程遠い内容となっているケースがたくさんある。

AIソフトによって介護支援専門員の気づきが麩あることで、そのような質の低い仕事が減るとすれば、それは大いに利用すべきである。

要はAIソフトい支配されるのではなく、それを使いこなすことである。AIソフトが示したプランを参考にして、それに手を入れてより良いプランに結び付ければよいだけだし、その過程で介護支援専門員の業務負担が少しでも軽減できるのであれば、それに越したことはない。コストの問題にしても、今後研究が進んで実用化できる段階になれば、居宅介護支援費や施設サービス費の額に照らして、現実的に購入が進むコスト設定がされるはずであるし、そのことは後々の問題としてよいことだ。

例えば医療の分野では、AIソフトによる診断において、医師が見逃した病気を発見できるという実例もある。だからと言って医師が要らなくなるわけではなく、医師が気づかない病気を発見できたとしても、医師にしか気が付かず、AIソフトには見つけることができない様々な患者の様態が存在する。そして患者にしてみれば、医師不在のAIソフト明けの診断で、決して満足して、それに頼り切るという人はいない。

居宅サービス計画にしても、施設サービス計画であっても同様で、利用者がその息遣いを感じ取ることができ、血の通ったコミュニケーションを交わすことができる介護支援専門員という専門職があってこそ初めて、自分の暮らしの計画を立案をゆだねることができるのであり、AIソフトによるケアプランが実用化しても、介護支援専門員が必要なくなるということはない。それを活用してより良い計画を立てればよいだけの話である。

介護支援専門員という専門職が、機械やソフトを使いこなして、利用者からより信頼を得るような存在になればよいだけの話である。

そう考えると、もしかしたら今現在AIソフトによるケアプランを否定的に捉えている介護支援専門員とは、潜在意識の中で、自分の仕事ぶりに自信のない人なのかもしれない。

きちんとした仕事をしていると自負する介護支援専門員ならば、AIソフトによるケアプランを大いに利用すべきと考えてよいと思う。

自分の見識と知識・援助技術を高める道具の一つとしてAIケアプラン作成ソフトを利用する介護支援専門員であってほしい。

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ケアプランの標準化は求められているのだろうか


ケアプランの標準化という言葉を耳にすることがある。

それはケアマネジメントの質の差をなくしていこうという意味なのだろうし、介護支援専門員の資質の差を小さくしていこうという意味であろうと思う。

確かに介護支援専門員ひとりひとりの資質の差は大きい。この人のおかげで多くの地域住民の暮らしの質が高められていると思えるような素晴らしい仕事をしている人がいる反面、平気で囲い込みプランを作成して、利用者の利益より自分の所属事業所の利益しか考えないような人も存在する。

知識や技術面での質の差も大きい。優れたソーシャルワーカーと評価できるケアマネジャーが数多くいる反面、ソーシャルワークの基礎知識や援助技術を全く持たないケアマネジャーも存在するのも事実だ。

しかしそうした個人の資質の差を、ケアプランの標準化という方向で改善することは不可能だろうし、個人の資質の差が存在する限り、ケアプランの標準化は単なる定型化した機械的ケアプランの大量作成にしかつながらないのではないだろうか。

ケアマネジャー全体の資質を高め、個人差を縮小していくためには、入り口の改善が不可欠だ。資格取得のための実務経験の見直しや、試験というハードルの引き上げが不可欠だろう。それはケアプラン作成という実務以前の問題である。

居宅サービスに限定してケアプランの標準化を考えると、問題はもっと大きい。居宅サービス計画は利用者に結び付ける社会資源を抽出し、その利用スケジュールを組み立てる構造になっているが、利用者に実際にサービス提供する事業所の考え方も、サービス提供方法も様々である。

サービス担当者会議で、介護支援専門員と居宅サービス事業所の担当者との、支援の方向性の統一を図ることはできたとしても、実際に利用者に提供されるサービスは、すべての事業者で統一されたものではないし、そのレベルにも差が生ずる。

例えば利用者に週2回の通所介護の利用が必要だとした場合でも、A事業所のサービス内容と、B事業所のサービス内容は全く同じではない。機能訓練の方法も、ADL支援の方法も異なってくる中で、通所介護を週2回利用するというスケジュールはあまり意味のあるものではなく、どの事業所のサービスを、どの程度利用者に結び付けるのかというマネジメントのほうが重要である。これは標準化できる問題ではないだろう。なぜならそれは個別化という問題だからである。

このように居宅サービスの各事業所ごとのサービスの質に差がある状態で、ケアプランの標準化を図ってどんな意味があるのかという疑問にも行き当たる。

そして現実を考えたとき、すべての介護サービス事業所のサービスの質など均等化できるわけがないことに気づく。そうであればケアプランの標準化など、ほとんど意味のないものであり、本当に求められるのはケアプランの個別化であり、その中で個々に利用者の暮らしぶりがよくなるように、支援の質を高めるということのように思う。

学者などが盛んに「標準化」を推奨するのには訳がある。彼らはケアマネジメント実務に携わって、利用者の暮らしの質を高めることを生活の糧にしているわけではないので、別な評価軸を作ってケアマネジメントを評価しなければ、「おまんまの食い上げ」につながりかねないのだ。そのため学者の物差しでケアマネジャーの仕事ぶりを測ることのできる標準という名の定型を構築しようとするわけである。

それらの考えは、利用者の暮らしの質とは必ずしもリンクしないことになる。このことはケアマネジメント実務に携わる介護支援専門員がしっかり理解しておかなければならないところである。

騙されてはならないのである。

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AI作成プランとケアマネ作成プランの比較について


茨城県ケアマネジャー協会が、県の委託事業として、居宅サービス計画作成を支援する人工知能(AI)を現場で実際に使ってもらう試行事業をスタートさせるそうである。(参照:この件を報じたネット配信ニュースはこちらをクリックしてご覧ください。)

茨城県内にある居宅介護支援事業所を対象とした事業で、自ら作ったプランとAIによるプランを比べたうえで、より良いプランの内容についてそれぞれ検討してもらうとしている。具体的には利用者・家族、サービス担当者などとの話し合いの際に、AIの将来予測を用いて適切な選択を支援してもらうそうである。

この報道に対して、現役の介護支援専門員の方々からは、「居宅サービス計画が機械的・画一的なものになる」、「居宅介護支援事業所の業務はそれほど信頼されていないのか」といった否定的な声もあるが、一方では、忙しい介護支援専門員の業務の軽減につながるのなら賛成とか、居宅サービス計画の標準化につながるので賛成だとかの声も聴かれる。

僕としては後者のようにポジティブに考えてよいように思う。

画一的なプランへの批判というは、何もAI作成プランに限って向けられる問題ではない。むしろ標準以下のスキルの持ち主により、その価値観から一歩もはみ出さない画一的プランというものは現在でも存在するわけだし、そちらの方が問題視されるべきだ。

AI作成プランは、それより高いレベルで複数のサービススケジュールを抽出する可能性が高いのだし、ケアマネジャーの立案したプランと比較して利用者が選択できるのであれば、そこは特段の問題にはならないだろう。むしろケアプランの標準化につながる可能性の方に注目すべきである。

ただし居宅サービスの標準化が図られていない状態で、居宅サービス計画だけ標準化しても、それは意味があることなのかという疑問は残っていることを付け加えておきたい。

ところでAIによる居宅サービス計画作成が実用化されたとしても、居宅介護支援事業所や介護支援専門員が要らなくなるわけではない。AIが作成できるのは、あくまで「サービスの種類や頻度、組み合わせ」のみであり、利用者のニーズ等に合致するサービス事業者はどこかという部分までは介入不可能だからだ。

人には言葉や文字だけでは表せない「好み」という部分での、「合う・合わない」という部分がある。それはまさに感情がサービス選択の重要な要素になるという意味であり、感情と感情が触れ合う中でしか抽出できないサービスの選択肢が存在するからである。ここは人工知能でも、人間に取って替わることのできない部分である。

加えて居宅サービス計画は、サービススケジュールを決定するに際して、「調整」が不可欠である。ショートステイという社会資源が必要とされる利用者に、そのサービスを結び付けるに際し、どこの事業所のサービスが利用者にマッチしているかというニーズのみに限らず、どの事業所が当該利用者を受け入れることができる体制にあるか等、利用につながるまでに様々な調整力が必要となる。場合によってそこには、居宅サービス計画作成担当者とサービス事業所担当者間の、日ごろの人間関係というコネクションが介在することもままある。AIと人とのコネクションはできないだろう。

そういう意味で、AIは居宅サービス計画のひな型を作ることはできても、サービス事業者を選択して明示する本プランは作成できないし、ましてや個別ケアの方法論を計画する施設サービス計画の作成は不可能であると思える。

ところでAIによるケアプラン作成を推進することが話題となった当時、日本介護支援専門員協会は、文書作成の効率化でタイムリーな支援につなげられると前向きに捉えつつ、「尊厳に通じる価値や文化、生活環境などは人でなければ分からない。全面ICT化は憂慮する」と慎重な姿勢を求めていた。この団体は国の付き団体で、現場のケアマネを代表しているとは言えないあんぽんたんなん意見書などを出している、「なんちゃって団体」ではあるが、この意見に関しては極めてまともである。日ごろ「とんでも発言」が多いので、たまの正論は際立つと言ったところであろうか。(褒めてるんですよ:筆者注

ただこの事業は、「ケアマネが専門的なアドバイスを受けられるよう、認定看護師などに同行してもらう取り組みもあわせて行う。」とされている点が問題である。なぜケアプランの評価につながるアドバイスにおいて、ソーシャルワークの専門家ではない認定看護師がのこのこ出派って来る必要があるんだ。そんな必要はないだろう。この部分ではケアマネは随分馬鹿にされていると言えよう。

茨城県も、ここのあっちむいてホイぶりに気が付かないとしたら、随分能天気であるし、そのような条件で事業受託した茨城県ケアマネジャー協会には、プライドがないのかといいたい。

どちらにしてもAIを利用した居宅サービス計画によって、居宅介護支援事業はあらたなステージに入る可能性があるのだから、茨城県ケアマネジャー協会の事業には大いに注目したいところである。

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基準回数を超える生活援助プランの届け出について


訪問介護の生活援助中心サービスについて、利用回数が統計的に見て通常の居宅サービス計画より多いとされる場合、居宅介護支援事業所は市町村に届け出なければならないというルールが本年10月から発効する。

このことに関して厚労省は、パブリックコメントを求めていたが、この度その結果が公表された。

パブリックコメントには165件の意見が寄せられたそうだ。

寄せられた意見としては、「市町村への届出の要否の基準となる生活援助の利用回数を示すことにより、ケアマネジャーが当該 回数に達しないよう生活援助の提供回数を抑制し、認知症や難病を持っている者や施設に入所できず やむを得ず在宅ケアを利用する者など、真に生活援助を必要とする利用者に対しても、生活援助の提供を躊躇することが懸念されるため、個々の利用者の生活実態を考慮したケアプランの作成を阻害す るものである。」・「ケアマネジャーのアセスメント・課題分析により作成したケアプランを市町村へ届出し、地域ケア会議で検証することは、関係者の負担が増えるだけでなく、ケアマネジャーの専門性の否定や裁量 権の侵害にあたると考える。」とされている。

これに対して厚労省側は、「今回の見直しは、利用者の自立支援・重度化防止や地域資源の有効活用等の観点から、より良いサービスに繋げていくため」とし、「あくまでも、より良いケアプランとするために内容の是正、再検討を促すものであり、利用回数を超えたことによって一律に利用制限を行うものではない。」とばっさりとそれらの意見を切り捨てている。

その結果、意見の大半は制度の中止を求めるものであるなか、利用回数は基準案通りとなり、それは以下の回数である。

・要介護1→ 27 回
・要介護2→ 34 回
・要介護3→ 43 回
・要介護4→ 38 回
・要介護5 →31 回


僕はかねてからパブリックコメントは、国が一応国民の意見を聞いたというアリバイ作りでしかなく、そこにどんな意見を寄せても何も変わらず、意味がないものと思っている。介護保険関連で言えば、居宅介護支援事業所の特定事業所注中減算が新設された際にもパブリックコメントが募集されたが、僕らがそこに意見を寄せた内容は結果にまったく反映されていなかった。

今回、反対意見の内容は示されたが、それに対して実質ゼロ回答で応じており、無視されたのと変りはない。意味がないパブリックコメントの募集で、それに応じた皆さんには「ご苦労様」というしかない。

ところで指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について(抄) (平成 11 年7月 29 日老企発第 22 号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)によると 、この届出は以下のように規定されている。

居宅サービス計画の届出(第 18 号の2) 訪問介護(指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成 12 年厚生省告示 第 19 号)別表指定居宅サービス介護給付費単位数表の1 訪問介護費の注3に規定する生活援助が中心である指定訪問介護に限る。以下この海砲いて同じ。)の利用回数が統計的に見て通常の居宅サービス計画よりかけ離れている場合には、利用者の自立支援・重度化防止 や地域資源の有効活用等の観点から、市町村が確認し、必要に応じて是正を促していくこと が適当である。このため、基準第 13 条第 18 号の2は、一定回数(基準第 13 条第 18 号の2 により厚生労働大臣が定める回数をいう。以下同じ。)以上の訪問介護を位置づける場合に その必要性を居宅サービス計画に記載するとともに、当該居宅サービス計画を市町村に届け出なければならないことを規定するものである。届出にあたっては、当該月において作成又 は変更(阿砲ける軽微な変更を除く。)した居宅サービス計画のうち一定回数以上の訪問 介護を位置づけたものについて、翌月の末日までに市町村に届け出ることとする。なお、こ こで言う当該月において作成又は変更した居宅サービス計画とは、当該月において利用者の 同意を得て交付をした居宅サービス計画を言う。 なお、基準第 13 条第 18 号の2については、平成 30 年 10 月1日より施行されるため、同 年 10 月以降に作成又は変更した居宅サービス計画について届出を行うこと。

ここで問題となるのは届け出が必要な「生活援助が中心である指定訪問介護」とは、身体介護に引き続き行われる生活援助が中心である訪問介護計画も含まれるのかということで、研修講師がそれも含まれると言い切っている地域もあるそうだ。

しかし解釈通知文をよく読むと、「別表指定居宅サービス介護給付費単位数表の1 訪問介護費の注3に規定する生活援助が中心である指定訪問介護に限る」とされている。

別表指定居宅サービス介護給付費単位数表の1 は訪問介護の種別についての説明がされており、以下の通りの内容となっている。
注2は、身体介護中心型サービスのみを提供するケース
注3は、生活援助中心型サービスのみを提供するケース
注4は、通院等乗降介助
注5は、身体介護が中心である指定訪問介護を行った後に引き続き所要時間30分以上の生活援助が中心である指定訪問介護を提供するケース

解釈通知文はこのうち、「注3に規定する生活援助が中心である指定訪問介護に限る」と書いているのだ。繰り返す「注3に規定する生活援助が中心である指定訪問介護」に限っているのである。よって注5に規定する「身体介護が中心である指定訪問介護を行った後に引き続き所要時間30分以上の生活援助が中心である指定訪問介護を提供するケース」は対象外としか読めない。

もし身体介護が中心である指定訪問介護を行った後に引き続き所要時間30分以上の生活援助が中心である指定訪問介護を提供するケースも該当するとしたら、老企22号の文章は、「別表指定居宅サービス介護給付費単位数表の1 訪問介護費の注3に規定する生活援助が中心である指定訪問介護及び注5に規定する生活援助が中心である指定訪問介護」となるはずである。

そうではないのだから届け出が必要な居宅サービス計画の生活援助が中心である訪問介護とは、身体介護が中心である指定訪問介護を行った後に引き続き行われる生活援助が中心である訪問介護は含まれないのである。

老施22号の通知文が変わらない限り、それ以外の解釈はあり得ないのである。

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次の改定の布石とされかねない市町村のケアプランチェック


指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)の改正により、基準第13条第18号の2において、『介護支援専門員は、居宅サービス計画に厚生労働大臣が定める回数以上の訪問介護(厚生労働大臣が定めるものに限る。)を位置付ける場合に、当該居宅サービス計画を市町村に届け出ることとされている。』とされたことで、本年10月以降、居宅サービス計画に位置付ける訪問介護における生活援助中心型サービスについては、一定回数を超えた場合に、市町村に届け出が必要とされることになった。

そのうえで市町村は、地域ケア会議等でその計画が適正なものであるかチェックを行い、過剰サービスと認定すれば当該計画の作成者に是正勧告等を行うことになる。

届け出が必要な生活援助中心型サービスの回数は、直近の1年間(平成28年10月〜平成29年9月分)の給付実績(全国)を基に、各月における要介護度別の「全国平均利用回数+2標準偏差(2SD)」の回数を算出した上で、要介護度別に最大値となる月の回数を用いることとし、要介護状態区分に応じてそれぞれ1月あたり以下の回数とする案が示されている。(出典:厚生労働大臣が定める回数及び訪問介護(仮称)に関する意見募集について
・要介護1 27回
・要介護2 34回
・要介護3 43回
・要介護4 38回
・要介護5 31回


僕は今、様々な地域からの招待を受けて、介護保険施度改正や報酬改定に関する講演を行っている。それらの中には、介護支援専門員の団体向けの研修も含まれている。その際に、この届出とケアプランチェックについては、届け出なければならない居宅サービス計画を作成することを躊躇(ちゅうちょ)しないでくださいと言っている。

国が言う基準回数を超える生活援助中心型サービスを、居宅サービス計画に組み入れることは少しも恥ずかしいことではない。その計画回数に根拠さえあれば良いのだから、きちんとアセスメントした結果として、その必要性を説明できれば何の問題にもならない。

むしろこうしたルールができたことで、その届け出を嫌って、生活援助中心型サービスの回数が基準回数に達しないようにするということありきで計画されることによって、利用者ニーズに対応できなくなることの方が問題だ。

要介護3の方で、生活援助中心型サービスが月43回を超える利用が必要な人はたくさんおられる。必要性を一つ一つ積み上げていけば、国の示す基準回数を超えてしまう人は数多くいるわけである。そのことを計画担当介護支援専門員が、地域ケア会議などに参加して、市町村の担当者等にちきちんと説明できれば良いだけの話だ。

勿論、市町村の担当者等にもいろいろな資質の人がいて、届け出られたプランはすべて過剰なサービスだと思い込んでいる人もいないとも限らないので、ここの部分では介護支援専門員のソーシャルワーカーとしての「説明能力」・「交渉力」が問われてくることは言うまでもない。

この届出ルールは、必然的に市町村のケアプランチェック機能の強化につながっていくわけであるが、きちんとしたアセスメントに基づいた、根拠のある居宅サービス計画を作成している介護支援専門員にとってそれは何ら業務に支障となるものではなく、むしろ自分の立案した居宅サービス計画の根拠や意味を説明できる機会を得るという意味で、行政職員とのコミュニケーション機会の場が増えるなかで、より密接な関係性を創りあげることができるとともに、自らのスキルアップにもつながるとして、ポジティブに考えてほしい。ルールができてしまったんだから、ここはネガティブに考え続けても仕方がないわけである。

しかし一方で、このルールを橋頭保にして、次の報酬改定時に、さらに居宅サービス計画の縛りをきつくしようという動きも垣間見える。

市町村によるケアプランチェックとサービスの標準化
この表は、財政制度分科会(平成30年4月11日開催)資料84頁のものである。

これを読み込んで理解できることは、財務省は今回、訪問介護の生活援助を多く位置付けたプランの市町村への届け出が新たに義務化されたことに言及しながら、基準回数について訪問介護の生活援助中心型サービスに限らず、他のサービスにも広げて設定し、市町村がチェックできる居宅サービス計画の範囲を広げようとしているということだ。

その考えを来月にもまとめる政府への提言(建議)に盛り込む方針も示している。

財務省がそこで主張していることは、介護サービスの過剰な提供を防ぐ観点から、ケアプランの標準的な内容を作成・設定すべきというもので、標準化した居宅サービス計画を具体的に示すべきであるというものでもある。AIを使った居宅サービス計画の自動作成も、これにより一段と現実化するかもしれない。

しかしひとりひとり異なる生活環境とパーソナリティのを持つ要介護者のプランが本当に標準化できるのだろうか。僕はその標準化が進む先に明るい未来は見いだせない。

金太郎飴のような画一的計画によって、過度に抑制されたサービスしか利用できない要介護者の方々が、社会保障の光の当たらない部分で、文化的とは程遠い最低限の暮らしに甘んじる社会にしないためにも、居宅介護支援事業所の介護支援専門員の皆さんは、次期報酬改定に向けて、自らの作成する居宅サービス計画の根拠を、誰に聞かれてもきちんと説明できるスキルを確立せねばならない。

自社の利益誘導に終始した画一的サービス計画は、いずれAIの作成した居宅サービス計画にとってかわられるという危機感をもって、本当の意味でのアセスメントに基づくケアマネジメントを展開していかねばならない。

自動作成できる居宅サービス計画では決して解決できない課題に向き合っていかねばならない。

利用者の生活課題にアプローチして、一人一人の利用者の暮らしの質を向上させるという結果を出していく必要があることを忘れてはならない。

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人を社会資源としか見ないケアマネによって何が生まれるのか


報酬改定議論の中で、訪問介護費について「一定の間隔を空ければ一日に複数回所定の報酬を算定可能な現行の報酬体系は、必要以上のサービ ス提供を招きやすい構造的な課題があるという指摘がある。 」という考えが示され、その方向から議論展開された。

このことは居宅介護支援事業所の介護支援専門員に対する、居宅サービス計画の在り方に関する疑念にも結び付いた。必要以上のサービスを計画しているのではないかという意味である。

特に訪問介護における生活援助中心型サービスは、通常のケアプランよりかけ離れた利用回数の居宅サービス計画が存在するとして、利用者の自立支援・重度化防止や地域資源の有効活用等の観点から、市町村が確認・是正を促していくことが適当であるとされた。そのためケアマネジャーが一定の回数を超える訪問介護を位置付ける場合には、市町村にケアプランを届け出ることとし、届け出られたケアプランについて、市町村が地域ケア会議の開催等により検証を行うことになった。

そんな中で来年度以降、保険者には自立支援・重度化防止に向けた目標設定等を義務付け、目標を達成した市町村に自由に使える交付金を増やすという財政インセンティブ制度(報酬金制度)ができる。それは端的に言えば、一定期間の給付費抑制を評価することにもなる。

その中で居宅介護支援事業所の指定権限が都道府県から市町村に変更され、市町村の権限が強化されていくのだから、訪問介護の生活援助の制限も強化されていくことが予測される。

もともと生活援助中心型サービスについては、同居家族がある場合の制限ルールが存在している。しかしこうした制限が過度に機械的に当てはめられた結果、生活に支障をきたす例に枚挙がないことから、平成21年12月25日に、厚労省老健局振興課長通知、「同居家族等がいる場合における訪問介護サービス等の生活援助の取扱いについて」が発出され、同居家族に障害や疾病等がない場合であっても、介護疲れで共倒れの危険性がある場合や、日中就労で家事が実質困難な場合は、生活援助中心型サービスを適切に組み込むように通知している。

ここで一番問題となったのは、都道府県等(政令指定都市の場合は、区や市など)の行政指導担当課が、「同居家族がいる場合は、昼ごはんも事前に作り置きすることができるので、原則生活援助中心型サービスで対応することは認めない」などと一律機械的に支給制限をすることであった、

しかるにいまだにこうした一律機械的な制限を行っているところがあるそうだ。こうしたローカルルールは、保険者の権限が強化される来年度以降増えることだろう。その時に、利用者の暮らしをコーディネートするケアマネジャーが、こうした制限はもっともであると無批判に受け入れることで何が起こるだろうか。

就労している息子に、同居しているという理由だけで一律機械的に家事を押し付けることは、どんな結果をもたらすのかという想像力が必要だ。就労で疲れた体を鞭打ちながら作る夕食や朝食のみならず、自分が不在の際の家族の昼食準備さえ、一律機械的に押し付けるという暮らしの中で、本当に人間らしい暮らしの営みを継続できるかという視点が必要だ。

「同居家族に障害や疾病等がない場合であっても、介護疲れで共倒れの危険性がある場合」という状況を、個別状況に当てはめて、狭く考えるのではなく、より広く考えるほうが、人の暮らしの支援では必要なことだろう。それはサービスありきの計画ではなくて、必要性をアセスメントすることによって導き出すという意味に他ならない。

原則制限が正しいと言い切るケアマネが担当者であってはかなわない。

そもそも家族は、インフォーマルな支援者とか社会資源とかいう前に、血の通った人間そのものである。血の通った人間は、いつも頑張れないし、くじけることがある弱い存在だ。

社会全体で支えあうために生まれたはずの介護保険制度とは、皆がぎりぎりまで頑張らなくてもよくなる仕組みを作るという意味があったのではないのか。「それは家族が行うべきことでしょ。」・「同居家族がいる方の調理は、家族支援が基本だ」と簡単に断じる介護支援専門員は、介護の社会化というコンセプトや、強制加入保険で生ずる国民の権利との整合性をきちんと語れるのであろうか。

そうしたケアマネジャーは、家族が頑張って限界点に達する瀬戸際で、心が壊れていく様をみたことがあるのだろうか。

それともそうしたケアマネは、「国民の健康で文化的な最低限度の生活」を奪うことを目的として居宅サービス計画を立てているとでもいうのだろうか。

一律機械的制限が危険であるという視点がないケアマネに、本当の意味の暮らしの支援なんてできるわけがない。ろくでもないローカル行政ルールに縛られて、制限をすることが適正プランであると思い込んでいるケアマネに、この国の行く末を任せることなんてできないのである。

そんなケアマネはいらない。さっさと退場してくれ。
2/24(土)は福岡で、2/25(日)は岡山で、介護の誇り出版記念セミナー介護施設・事業所で虐待を発生させない〜介護サービス質向上の具体策を行います。お近くの方は是非この機会にこちらをクリックしてお申し込みください。


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施設新規入所者の暫定プランは、ほぼあり得ない。


介護保険法第8条24号は、この法律において「介護老人福祉施設」とは〜施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことを目的とする施設と定めている。

この条文により、施設サービス計画はサービスの要件とされている。(老健・療養型医療施設も同様。)

この条文を盾に取れば、施設サービス計画のない状態で施設サービスを提供した場合、その間の介護報酬は算定できないと指導されても仕方がないのである。このことは居宅サービス計画が、居宅サービスを現物給付化する手段として定めている点(同法41条第6項)と著しく異なっている。(※よって居宅サービスの場合、居宅サービス計画のない状態での利用は、償還払いとなるだけで、報酬返還指導はあり得ない。)

このため介護施設に新規入所する人がいる場合に、入所日のその時点で施設サービス計画が必要になる。しかしその際、入所前に十分なアセスメントができないことから、入所時点で暫定プランを立てて、入所後に改めて正規のプランを立て直すと考えている人がいる。表の掲示板には、施設入所時の暫定プランを、正式なプランに変更する際に、計画作成日や同意日をいつの時点にすべきなのかという質問がたまに書き込まれることがある。

しかしそもそも入所時にアセスメント情報が不足している中で作成するプランは暫定プランとは言わない。

暫定プランとは、要介護・要支援の新規申請、区分変更申請など、認定申請後に要介護度(要支援度)が確定するま での間に作成する計画のことを指し、第1表の要介護状態く欄に記載できない状態で作成するサービス計画のことを言う。

しかし特養の場合は、原則要介護3以上でないと入所できないし、老健や療養型医療施設であっても、要介護1以上ではないと入所できない。そのため入所後でないと認定結果が出ない状態では、後に保険給付がされず全額自己負担となる恐れがあるため、認定結果が出る前の入所はほぼあり得ない。よって新規入所時に暫定プランによる対応を行うということも、ほぼあり得ないケースである。
(※入所後の更新認定及び区分変更の場合は、前認定期間とのタイムラグが生じて暫定プランの状態になることは考えられる)

よって施設の新規入所の場合でも、その時点から暫定ではない計画が求められるのが介護保険法第8条に定められている法令ルールである。

ただしこの場合アセスメント情報が不十分な場合も十分考えられるんだから、入所前のインテーク情報をもとに、老企29号で規定された課題分析標準項目を網羅したアセスメントを行い、サービス担当者会議等の一連の過程を経たうえで、とりあえず施設サービス計画を立案しておくという考え方があって良い。この場合入所後終週間後にアセスメント情報が十分整った段階で、計画の再作成をするという手順が正しい方法である。勿論この際には、省令第三十八号第十三条に定められた一連の過程を経た、施設サービス計画の再作成という意味になり、2回目の計画作成である。

入所時点で作成しなければならない計画も、本プアランであるから、本来は長・短期目標の期間を設定し、(著しい状態変化がない限り)短期目標の終了期間を目安に見直しを行うのが筋である。しかし入所直後のアセスメント情報は不十分であることを踏まえ、入所後○○日後を目安に、アセスメントを十分に行って、その時点で本格的な施設サービス計画を立案するという考え方があっても良い。(前述したように、この場合も2回目の計画書となるが)

この際は、入所時点の計画書の長・短期目標については、老企第29号の「原則として開始時期と終了時期を記入することとし、終了時期が特定できない場合等にあっては、開始時期のみ記載する等として取り扱って差し支えないものとする。」という規定を当てはめて、終了時期を記載せずに運用することも可能である。

どちらにしても入所直後のプランも暫定ではなく、本プランであり、当然のことながら施設サービス計画作成日は入所前か入所日である、計画の同意日も入所日より後になることはあり得ない。

ただし老企22号解釈通知には、以下の規定がある。

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について(平成11年老企第22号)<H24.4.1改正>
(7)指定居宅介護支援の基本取扱方針及び具体的取扱方針
(略)
 なお、利用者の課題分析(第六号)から居宅サービス計画の利用者への交付(第十一号)に掲げる一連の業務については、基準第一条に掲げる基本方針を達成するために必要となる業務を列記したものであり、基本的にはこのプロセスに応じて進めるべきものであるが、緊急的なサービス利用等やむを得ない場合や、効果的・効率的に行うことを前提とするものであれば、業務の順序について拘束するものではない。ただし、その場合にあっても、それぞれ位置付けられた個々の業務は、事後的に可及的速やかに実施し、その結果に基づいて必要に応じて居宅サービス計画を見直すなど、適切に対応しなければならない。

よって新規の入所が急に決まる場合などで(緊急入所や虐待原因の措置入所等)、効果的・効率的に行うことを前提とするものであれば、「業務の順序について拘束するものではない。」という規定を適用し、サービス担当者会議などの手順は前後しても構わないわけである。しかしそれも暫定プランではなく、本計画としての取り扱いとなるという理解をしていただきたい。
ケアマネ向け介護報酬改定大解剖
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ケアプランの目標の書き方を考える


介護支援専門員という有資格者が作成すべき、施設サービス計画書と居宅サービス計画書(以下ケアプランと略す)については、一定のルールだけを押さえておれば、それぞれの表現方法は自由である。

つまり「書き方」には特徴があって良いわけであり、定型文を当てはめて作成するようものではない。

しかし表現方法にも工夫が必要だ。ケアプランは自分が読んでわかればよいというものではなく、サービス提供する側と、提供を受ける側の双方が読んで理解できるものでなければならない。よって介護支援専門員には、介護の専門家にも非専門家にも、両者にわかりやすく伝えるための国語力・文章力が求められる。

「決めれる」・「起きれる」などのら抜き言葉でしか文章表現書できないケアマネがいたりして、物書きから見ればそれは表現力としてどうかとは思う。この部分はできるだけ丁寧な表現に注意をしてもらいたいと思ったりするが、これも時代なのかなと思ったりもする。ただそこはあまり重要視しなくても良いところかもしれない。要はいかに伝わるかである。

さらに伝わる言葉で文章を書くことができるというスキルに加えて、サービス計画書が何を目的にしているかということにも注意を払っていただきたい。

第1表の総合的援助方針は、支援チームが何のために行動するかという方向性を示すところであり、チームケアの目的を示す内容を書かなければならない。ここはある意味、「理想」が含まれてよい部分である。利用者の理想的な暮らしぶりに目を向けて、そこにたどり着く道しるべとなる行動方針が見えさえすればよく、場合によってそれは抽象的で長期にわたるものであっても良いし、どこまで行ってもたどり着かないと思える内容かもしれない。そうであっても目指すものである限り、それはかまわないわけである。

一方で第2表に記載する「長期目標・短期目標」については、総合的援助方針で示した目的を達成するために、定期的・定量的に測定できる具体的目標でなければならず、測定不能な具体性に欠ける内容であってはならないし、ある時期までに達成可能なものである必要がある。

長・短期目標の期間について、それぞれの目標の内容によって、その期間は異なるべきだと考える人がいるが、馬鹿を言うなと言いたい。忙しいケアマネが、一つの計画書について、それぞれの目標それぞれに期間を違えて設定し、その期間ごとにいちいちモニタリングを行うなんてことは現実的ではない。この期間はサービス計画書ごとに、長期目標は1年、短期目標は半年などと最初から期間を固定して定めても良いものだ。なぜなら目標期間とは、定期的に達成度を測定するという意味であり、その期間と考えてよいからだ。(参照:長・短期目標の期間について考える1 ・ 2 ・ ケアプラン目標期間は一律機械的でなぜ悪い

長短期目標について、さすがに以前のように、一つのケアプランの中で利用者目標と事業者目標が混在しているような計画書は少なくなったように思え、ポジティブプランの観点から、利用者目標に統一されるようになりつつあることは良いことだと思う。(参照:ケアプランの目標は誰の目標か?

しかしいまだに解決すべき課題に、「穏やかに過ごしたい」などと意味の分からない表現しかされていない場合がある。そこにはまったく課題要因が見えない。「したい」という表現にこだわるあまり、何が解決策につながるかわからない課題になってしまっているケアプランが多い。(参照:第2表・生活全般の解決すべき課題(ニーズ)に何を書くべきか? ・ 生活課題を「したいの山」にしない工夫。

ここで考えたいことは、「穏やかに過ごす」を解決すべき課題ではなく、目標とするのはどうだろうかということである。

これもいただけない。「穏やかに過ごしているかどうか」ということは、果たして定量的に測定できるのだろうか?仮に本人に「穏やかですか?」と尋ねても、穏やかの基準が質問者と回答者にずれがあり、それは本当の答えにはならない場合が多い。結果的にその評価は、あくまで評価する人の主観に過ぎず、客観的指標とはなり得ない。穏やかに過ごしている状態像を、もっと具体化して表現して、客観的に評価できる内容とする必要がある。

この場合、穏やかではなくなる具体的要因は何かを考え、その具体的な事象が起きないようにするための目標とすべきである。例えばそれは「排泄の失敗がない」かもしれないし、「定期的に家族と面会できる」であるのかもしれない。これなら定期的・定量的に客観的評価が可能になる。

また長期目標にしても、短期目標にしても、一つの目標に複数の評価が必要になる内容は避けるべきである。「健康状態を維持できる」なら、「健康が維持できているか」という評価で済むが、「健康を維持して、日課活動を継続できる」であれば、一つの目標なのに、「健康が維持できているか」ということと、「日課活動が継続できているか」という両方の評価が必要になる。仮に健康が維持できているのに日課活動が継続できていない場合、健康維持と日課活動を続けられることが必ずしもリンクしていないということになり、この二つの事柄は別々に評価しないと課題解決につながらない可能性が高まる。

長短期目標は複数設定可能なのだから、評価が複数必要な目標を立てるのではなく、1目標1評価を基本にして、複数の目標を設定するほうが、より適切な評価につながるという考え方も必要なのである。

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医療系サービスを計画する際に勘違いするケアマネのこと


指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十八号)の第13条は、指定居宅介護支援の具体的取扱方針を定めており、主に居宅サービス計画作成手順とモニタリングについて規定している。

そこでは19項、20項規定として次のルールを定めている。

十九、介護支援専門員は、利用者が訪問看護、通所リハビリテーション等の医療サービスの利用を希望している場合その他必要な場合には、利用者の同意を得て主治の医師又は歯科医師(以下「主治の医師等」という。)の意見を求めなければならない。

二十、介護支援専門員は、居宅サービス計画に訪問看護、通所リハビリテーション等の医療サービスを位置付ける場合にあっては、当該医療サービスに係る主治の医師等の指示がある場合に限りこれを行うものとし、医療サービス以外の指定居宅サービス等を位置付ける場合にあっては、当該指定居宅サービス等に係る主治の医師等の医学的観点からの留意事項が示されているときは、当該留意点を尊重してこれを行うものとする。


↑ここには別に難しいことが書かれているわけではなく、介護支援専門員の義務として、居宅サービス計画に医療サービスを位置付ける場合にあっては、「医師の意見を求める」、「医師の指示により計画する」と書かれている。このことに解説が必要となる部分もない。

ところがどこをどう読み間違えるのか、このルールが医師の指示書を必要としていると勘違いするケアマネがいなくならないのである。

求められているのは医師の指示であり、その指示内容を確認して、担当ケアマネが指示を受けた事実について、いつどこでどのような指示をされたのかということを記録しておればよいだけの話でしかない。

医療機関側や医師本人に対して、「指示書」などの文書発行を求める必要は無いのである。このことは今更の問題と思うが、僕が管理する介護福祉情報掲示板では、このことを勘違いした質問が再三繰り返されている。

つい最近も、居宅サービス計画に医療系サービスを位置づける際にも指示書が必要だと勘違いしている介護支援専門員が、訪問看護を計画するに際して、医師の指示の証明として訪問看護ステーション宛に発行された、「訪問看護指示書」の写しをもらって保管しているというケースが報告されている。しかしこの指示書はあくまで訪問看護ステーションに対する指示であって、居宅介護支援事業所がその写しをもらって保管したとしても、居宅サービス計画に訪問看護という医療系サービスを位置づけるに際して、居着介護支援事業所の計画担当介護支援専門員が、医師に意見を求めたことにも、指示を得たことにもならない。

よって指示書の写しを取る以外に、医師へのアプローチが全くされていないのであれば、居宅介護支援事業所の運営基準からみれば、基準省令13条の19項および20項違反となり、実地指導の際は運営指導対象となってしまう。そのことで、即居宅サービス計画が無効となったり、居宅介護支援費の返還指導になることはないと思われるが、だからたいした問題ではないとはいえない。

そもそも居宅サービス計画作成ルールという、居宅介護支援の根幹を成す部分の法令ルールの理解ができていないということは、介護支援専門員としての資質が問われかねない問題である。

法令を読み込むという意味は、文章をしっかり読むという意味である。

もともと介護支援専門員には、伝える力としての文章力が求められているが、書く力は、書いて学ぶだけではつかない。書く力は、読む力がついて始めて視につくのである。優れた文章家は、常に読者から生まれるのだ。

そういう意味では、介護支援専門員は日ごろから、文章を読むことを習慣にしなければならない。文章を読むことを厭わず、面倒くさがらずに、法令文も落ち着いて、しっかり読み込んでほしいと思う。
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千歳市で行われている根拠のない集団指導


僕が現在勤めている施設は、北海道の玄関口でもある新千歳空港のある、「千歳市」に所在している。

僕はこの4月から、この土地に通いはじめているに過ぎないため、まだ千歳市がどのようなところなのかを十分把握しているわけでもないし、千歳市の介護保険制度運営に関しても、よくわかっていないことが多い。

ところで先日、ある介護支援専門員の方から、千歳市の居宅介護支援事業所に対する道の集団指導内容を聞いて、おかしな指導をしているなと感じた事がある。

それは居宅サービス計画書の、軽微変更に関することである。

軽微変更ルールについては、老企22号と老企29号に次のような解釈が示されている。

(老企22号)利用者の希望による軽微な変更(サービス提供日時の変更等)を行う場合には、この必要はないものとする。ただし、この場合においても、介護支援専門員が、利用者の解決すべき課題の変化に留意することが重要であることは、同条第12号(居宅サービス計画の実施状況等の把握及び評価等)に規定したとおりであるので念のため申し添える

(老企29号)介護サービス計画の一部を変更する都度、別葉を使用して記載するものとする。但し、サービス内容への具体的な影響がほとんど認められないような軽微な変更については、当該変更記録の箇所の冒頭に変更時点を明記しつつ、同一用紙に継続して記載することができるものとする

つまり居宅サービス計画の変更に際して、それが軽微変更に該当する場合、あらたに居宅サービス計画書を作り直す必要はなく(※軽微変更に該当しない場合は、別葉を使用して記載する必要あり)、かつその変更が利用者の希望による場合、アセスメント〜サービス担当者会議などの一連の過程を経る必要もなく、担当ケアマネの判断のみで変更できるものである。

よって日ごろから忙しい居宅介護支援事業所の介護支援専門員にとって、居宅サービス計画書の変更が、軽微変更に該当するか否かということは、結構大きな問題でもある。

ところが千歳市の道の集団指導では、利用者の費用負担およびサービス事業所の請求単位の変更がある場合は、軽微変更とは認められないとされているらしい。

この指導は、根拠のないおかしな指導といわざるを得ない。

そもそも軽微変更に当たるか否かは、本来、行政が杓子行儀に線引きする問題ではなく、個々のケースごとに、「サービス内容への具体的な影響があるかないか」を判断すべきものである。これは計画作成者たる介護支援専門員自身が判断できるものとされている。しかしながら過去のケースでは、しばしば介護支援専門員による不適切な拡大解釈が見られたことから、ある程度、行政が関与して指導することは必要とされていた。

しかし軽微変更の基準は、都道府県もしくは市町村間で著しい判断格差があっては困るということで、前記の2つの解釈通知に加え、厚生労働省老健局介護保険計画課長通知(介護保険最新情報Vol.155)「介護保険制度に係る書類・事務手続の見直し」に関するご意見の対応について、が発出され、ここの3〜4ページに、軽微変更に該当する事例が示されている。(リンク先を参照願いたい。)

この事例の中で、「サービス利用回数の増減」や「福祉用具の用具変更」という形で、利用者負担額や事業者請求単位が変更となる事例も軽微変更となることが示されているところであり、こうした指導が事実だとしたら、それは全く根拠がないボンクラ指導であるということができる。

そもそも軽微変更とは何かという根本の部分を、行政職員は考えているのだろうか。

お金=重要課題、というのはあまりにお役人的発想である。

軽微変更の根本は、老企29号で示した考え方であり、それは「サービス内容への具体的な影響がほとんど認められない」というケースなのである。

請求単位が月10.000円変更になっても、自己負担額が月1.000円増えても、サービス内容に影響がないケースはたくさんあるだろう。

事の本質に目を向けないで、金銭にこだわるのは、お役人の性(さが)なのだろうか。
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利用者がケアプランに向ける関心って何さっていう問題


ケアマネジメントの利用者負担(居宅介護支援費の利用者負担)導入について、「利用者のケアプランへの関心が高まり、質の高いケアマネジメントが推進される」 という意見がある。

僕はこうした考え方については全くもって理解ができない。

ケアプランの関心が、自己負担のあるなしに左右されると考える根拠は何だろう。

利用者も家族も、ケアプランに関心のある人は、自己負担の有無に関係なく関心を持つし、ケアプランに関心の無い人は、お金がかかろうとかかるまいと、関心は持たない。それとこれとは全く別問題である。

仮にケアプランに関心がある人がいたとしても、その関心が向けられる先は、質の高いケアマネジメントとケアプランによって自立支援の理念を達成されることではなく、「自分が望むサービスを使えるのか、費用もそれなりに納まるか」ということである場合が多い。

ケアマネに対し「良い事業所を選択してほしい」と希望する際にも、良い事業所の意味が、自分にとって都合よく、自分の望むようになんでも言うことを聞いてくれる事業所と担当者という意味であることも多いのだ。

利用者のこうした希望は、一概に否定できるものではないが、同時に表明された希望とニーズが合致しない場合には、きちんとそのことを説明して、正しい方向性に利用者の視線をむけていくことが品質の高いケアマネジメントということになる。

このときに居宅介護支援費の利用者負担金のあるなしは、ほとんど影響がない。むしろ「そうは言っても、それは必要のないサービスですから、そんなものを使うよりは、こうしたほうが○○さんにとって、良い暮らしに結び付きますよ。」という助言が受け入れられやすくなる因子のひとつが、ケアマネジメントに自己負担金がないということなのである。

利用者の権利意識は、自分が望むサービスを使うという方向に向けられる傾向にあり、暮らしが良くなるという方向には向かないことが多い。ましてや介護保険制度の理念である自立支援に目を向ける人はほとんどいないといってよい。

利用者が介護サービスを使う際に、最初に考えることは、暮らしが良くなるということではなく、使えるサービスがあるなら利用したほうが得であるということなのだ。自立支援が暮らしの質を向上させると考える人など、まずいない。それより自分の経済事情や身体状況を考えて、自身の損にならないようにサービスを使いたいという意識が先行しがちである。

よって居宅介護支援費の自己負担が導入された場合は、こうした権利意識がより強まることが予測され、例えば不必要と思える家事代行も、お金さえ払えばそうしたサービスを使えるのに、自分が支払って雇っているケアマネジャーが、なぜ自分の言うことを聞いて、望むサービスをプランニングしないのかという不平・不満を生みやすくさせる。

しかも一連の給付制限は、居宅介護支援事業所の顧客が減るという状態を生むのだから、顧客確保に精力を傾けねばならない介護支援専門員は、ケアマネジメントの質より、顧客である利用者の要求をすべて受け入れようとする傾向が強まる可能性がある。

その結果、マネジメントに関係なく、利用者の希望のみを重視する、「御用聞きプラン」が増えることは目に見えており、その傾向を居宅介護支援費への自己負担導入が一層あおることになる。よって居宅介護支援費の利用者負担導入は、ケアマネジメントの質を上げることにはならない。

介護サービス関係者は、介護サービスの消費者たる利用者が、自分たちと同じ目線で制度や法令に通じていると勘違いしていないか?そして消費者としては、当然持ちうる、ある種の「わがまま」を無視しすぎているのではないだろうか。

そもそも利用者および家族の、ケアプランへの関心の高さによって左右されるケアマネジメントのあり方って、それ自体が問題だろう。そんな考え方に理解を示すケアマネもどうかしている。

むしろそのような考え方に関しては、「介護支援専門員を馬鹿にしているのか」と怒るべきだと思うのだが・・・。そうではないところに、この制度や有資格者の問題点があるのかもしれない。
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人工知能の活用によるケアプラン作成について


介護大手のセントケア・ホールディングが、人工知能(AI)技術を持つ米ベンチャー企業と組み、要介護者の体調や症状に合った介護サービス計画を自動で作成できるシステムを開発したと報道されている。

それによると質の高い計画をこれまでの半分の時間でできるようなるそうで、生産性を高め深刻な人手不足を緩和するとともに、要介護者に最適なプランを提案する体制を整えるそうである。

これが実現すれば利用者・介護支援専門員双方にとって朗報ではないのだろうか。

実際の介護支援として使えるロボットは、ほとんどないが(自助具ロボットは別であるけど)、人工知能は、こうした作業には向いていると思う。

アセスメントツールという道具があっても、それを使いこなす人の能力によって、ケアプランの質の差が生じているのは事実だし、人工知能の活用によって、一定程度の質の担保につながることも期待できるのではない。(反論もあるだろうけど)、これによって介護支援専門員は、利用者やサービス事業者に直接かかわって、調整する時間を増やすことができるというメリットがある。

介護支援専門員の仕事は、ケアプランを作ることではない。ケアプランはあくまで、介護保険制度という枠組みの中で、ソーシャルワークという業務を展開する過程で必要とされる道具であり、その作成をロボットが担ったからといって、ケアマネの仕事が必要なくなるわけではない。

むしろこの部分を人口知能が担ってくれることで、新たな可能性が生まれることを期待したい。

好不調の波や、感情の揺れがない人工知能が、膨大な量のデータを記憶し、それを処理して作成する計画内容から、介護支援専門員に新しい気づきが生まれるかもしれない。それを使いこなす調整力は、介護支援専門員個人の資質にかかってくるが、ケアプラン作成作業という事務作業が減ることで、業務の主眼をそちらにシフトさせることができ、調整力のアップも期待できるのではないだろうか。

だから人工知能を利用してケアプランを作成することに拒否反応を示す必要はないし、そのことでケアマネジャーの仕事が奪われるなんて考える必要もない。

ただこのことが、人手不足の緩和策として考えられているのは、いささか的外れだと思う。介護支援専門員は、深刻な人手不足ではないのである。むしろケアプランの必要とされない地域支援事業や、保険外事業が増えて、介護給付の範囲が狭まることが予測される介護保険制度においては、介護支援専門員にも余剰人員が出かねないのだ。

するとここで報道されている、「人手不足の解消策」とは、実は介護支援専門員の状況を表すものではなく、保険給付制限に加えて、人工知能によるプラン作成で、居宅介護支援業務をはじめとしたケアマネ業務の省力化の果てには、居宅介護支援業務の縮小が図られて、介護支援専門員の人員整理が進み、それらの人々が、元職である介護職員に復帰することを期待する向きがあるのではないかと勘ぐってしまう。

まあそれはうがった見方で、実際にはそんなことはないのだろう。

どちらにしても介護支援専門員は、人工知能というものに過度に反応して、それと勝負することを考えるのではなく、コンピューターと同じように、それをうまく利用して、新しい業務展開の方向性を開拓するという考え方が求められる。

時代は確実に変わり、進んでいくのだから、革新された技術を生かさない手はなく、革新技術を使いこなす人が、これからのリーダー役になるということを忘れてはならない。
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熊本から発信する意味がある


アローチャートという言葉を聞いたことがありますか?それは何かご存知ですか?

アローチャートとは、収集された情報を、ケアプランに落とし込むまでのケアマネジャーの思考の足取りを、○(丸)や□(四角)、→(矢印)などの簡単な記号を使って図式化したものです。このチャートを使うことにより、利用者やケアチームのメンバーに分かりやすく説明ができ、ケアマネジャーが本来担うべき“専門性”が目に見える形になります。 様々な課題、絡み、原因、背景をたどり…そして課題の根っこ(本質)を明らかにする。アローチャートがあなたの思考の整理をサポートします。(アローチャート研究会公式ホームページより)

このブログでも、その優れた思考整理法については、何度か取り上げています。(アローチャート関連記事

その思考整理法を全国に広めている伝道師は、梅光学院大学の吉島 豊録先生です。見た目は強面の先生ではありますが、根はとても優しい素敵な先生です。そんな吉島先生や、アローチャート学会の会員の皆様から、直接お話を聞くことができるアローチャート学会第3回熊本大会が、H28年11月12日(土)、13日(日)に熊本県民交流会館パレアにて開催されます。

大会要項リーフレットは、こちらからご覧ください。

ご覧のように、僕は大会二日目の記念講演を行う予定です。介護支援専門員の皆様にエールを送る講演としたいと思います。

アローチャートのホームページには、次のような文章も書かれています。

『なぜケアマネジャーは疲れるのか。それは「膨大な書類」と「対人支援」の板挟みになっているからだ。人と向き合うのが本来なのに、パソコンに向かう業務だけが増え続ける・・・。』

まさにその通りと思います。アローチャートという思考整理法で、自分の思考を整理することによって、その悩みが少しでも解消するかもしれません。

それはこの学会の参加者が、毎回感じていることで、アローチャートを勉強しようと集う仲間が増え続けていることでも証明されているように思います。

皆様がご存知のように、アローチャート学会の第3回目の開催地域となる、「熊本県」は、この4月に大きな地震被害に見舞われました。その爪あとは深く、自宅に戻ることができない人もまだ数多くいます。

そのような中で、介護支援専門員の皆様は、被災地で暮らす人々の暮らし作りのために、昼夜走り回っています。その中には自ら被災したにもかかわらず、自分の担当者のために地域で頑張っている人もいます。そういう人たちが、この学会の準備をしてくれています。

そうであるからこそ、熊本という場所に集い、学び、発信する意味があるのではないでしょうか。今だからこそ、しなければならないことがあるのではないでしょうか。

僕自身は、たくさんの仲間が居て、何度か講演でお邪魔している熊本県ですが、地震災害の後に熊本に行くのは、この学会が初ということになります。まだ癒えぬであろう傷跡をしっかり見つめ、感じて、あらためて自分ができることを考えてこようと思います。

愛する仲間たちと、熊本でお会いできることを楽しみにしています。

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「断固反対」で署名活動-日本介護支援専門員協会というニュースに触れて


今月のCB newsの、快筆乱麻!masaが読み解く介護の今.3(2016/05/16)は、時期介護報酬改定時に導入が既成事実化しつつある、居宅介護支援費(ケアプラン作成)への、利用者自己負担導入について、反対の立場から書かせていただいた。

僕の連載は、有料サイトに掲載されているが、同じ時期の無料版のニュースには、ケアプラン有料化「断固反対」で署名活動-日本介護支援専門員協会 という記事が掲載されている。

それによると、日本介護支援専門員協会は、『ケアプランの有料化について、「この負担を強いることになれば、真にサービスを必要としている人が、必要な時に必要なサービスなどが利用できなくなる危険性がある」と指摘。その結果、介護保険制度の理念である、利用者の自立支援を著しく損ねることになると警鐘を鳴らし、有料化導入に強く反対している。』とされている。

どうもこの記事からは、ケアプランの有料化=利用者の自立支援を著しく損ねる、という論旨がつながってこない。これは担当記者の文章の問題なのか、日本海後支援専門員協会の理論展開の問題なのかは不明である。

おそらくこの論理の根幹には、僕が以前に「居宅介護支援費(ケアマネジメント)の利用者自己負担導入について」・「居宅介護支援費への自己負担導入は、介護支援専門員の職が奪われるという意味でもあるんだぜ」等で指摘しているように、利用者に媚を売って顧客確保しようとする居宅介護支援事業所が増えることと、お金のかからないセルフプランを無料で代理作成して、そのかわり利用者を囲い込むサービス事業者が増えることによる懸念したものとことを思われる。

そういう意味では、同協会の対応は、さもありなんといったところで、むしろ遅すぎる反応であると思う。

だってケアプラン有料化論は、前々回・平成24年の制度改正の頃から議論の遡上に上っていた問題で、いよいよ時期報酬改定では、その実現を図ろうとする勢力の、きな臭い動きが表面化してきたという情勢である。そうであればもっと早い段階で、反対の声で協会内部を統一し、「国民の不利益」という立場から反対の根拠を広くアピールすべきだった。

なぜならこの問題は、居宅介護支援事業の死活問題でもあり、強いては介護支援専門員という資格者の、おまんまの食い上げにつながりかねない問題だからである。

この自己負担化が実現すれば、お金を払ってケアプラン作成を依頼する人は確実に減るし、それに加えて、国は軽介護者のサービス利用を、介護給付からはずして、地域支援事業化して補助金方式に変えようとしているのだから、居宅介護支援の顧客は政策誘導で減っていくからである。居宅ケアマネの働く場が、どんどん失われていくのが、これから先の制度改正の目指す姿である。

しかしそのことは、介護支援専門員だけの問題ではなく、国民の福祉の低下でもある。介護保険制度以後、要介護高齢者は、すぐ身近に自分の担当と呼ぶことができる介護支援専門員がいるというだけで、安心感を持って暮らしていけるようになった。誰に相談するのかを考える必要がない状態=何かあったら、相談できる人がいるという安心感は大きい。

現に阪神・淡路大震災のときに存在していなかった介護支援専門員が、新潟地震以後、地域でどれだけ活躍したことか。行政が動く前にケアマネが状況把握して、助かったという要介護高齢者はたくさん居られる。そうしたケアマネジャーの中には、自らが被災者であるにもかかわらず、担当者の支援のために、被災地を駆けずり回っている人がいた。そういう人が少なくはないことにおいて、介護支援専門員の誕生は、この国の福祉の底辺を確実に上げているのである。

そういう人々が、支援活動を行う機械や場所をなくすことにつながるルール変更は、やはり改悪以外の何ものでもないのである。

そういう意味で、本来このことは、介護支援専門員だけではなく、国民全体が反対の声を上げるべき問題だと思うし、夏の参議院選挙の争点になってもよい問題である。

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実効性のある施設サービス計画とは。



このブログの読者の皆様にお伝えしたいことがある。それはこのブログの更新時間についてである。4月から職場を変え、勤務形態が変わったので、更新時間が少し遅い時間にずれているが、今現在新しい職場のルーティーンが見えてきた段階で、この状況を鑑みると、平日の記事更新は午後1時を超えた時間になることが多いだろうというお知らせである。

どちらにしても、基本的に平日は記事更新していく予定である。さて本題に移ろう。

毎月大阪で行っている社団法人みらい福祉研究所主催の、「介護ビジネスアカデミー大阪校研修・施設ケアマネ・相談員向け実務講座」では事前課題を示して、それぞれの参加者がその課題に沿ったレポートを提出することになっ平成十一年三月三十一日厚生省令第三十九号ている。

第1回目の課題レポートの中で、「施設サービス計画書」を作成しても、それが単なる書類だけの意味しかなく、それに沿ったサービス提供が行われていないので、そこを改善したいという内容のレポートがあった。

平成十一年三月三十一日厚生省令第三十九号の特養の部分を見ると、(基本方針) 第一条の二 において、「指定介護老人福祉施設は、施設サービス計画に基づき、可能な限り、居宅における生活への復帰を念頭に置いて、入浴、排せつ、食事等の介護、相談及び援助、社会生活上の便宜の供与その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことにより、入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすることを目指すものでなければならない」とされている。

この規定は介護保険3施設共通のものなので、もし施設サービス計画の内容が実行されていないとしたら、運営基準違反であるし、そもそも施設サービス計画は、利用者(もしくは家族)の同意を得て初めて本プランとなっており、その意味は、施設サービス計画の内容でサービス提供するという契約なので、それを実施できていない施設は、契約違反として損害賠償の請求をされても仕方ないともいえ、そのことは大問題である。

しかし実際には、施設サービス計画の内容さえ知らないという介護職員や、看護職員がいることも事実で、そのことを特段問題視していない施設も存在することも事実だろう。

本来このことは、施設管理者が危機意識をもって変えていかねばならないことなのだろうし、施設の介護支援専門員が、いくら頑張っても、施設管理者や他の職種の人々に問題意識がないと、変わっていかないのだろう。

しかし時間と労力をかけて作る施設サービス計画が、行政指導の為の紙切れに過ぎなくなるのでは多大な無駄で、それは大きな事業損失であるともいえるわけで、何とか生きた計画にしたいものである。

そのためには、まず施設の介護支援専門員としてできることは、施設サービス計画が現場の共通言語となり得るように、最低限の基本サービス(移動・食事・排せつ・入浴等)を読みとることができるケアプラン作成が求められサービス現場の専門家(看護職員、セラピスト、栄養士、相談員、介護職員等)の意見を踏まえ、実効性のある協働作業を行い、さらに読んでわかる施設サービス計画とする必要がある。

つまり介護支援専門員にとっては、第3者に分かりやすく伝える文章力も必要なスキルが需要になるということだ。

そのうえで基準省令では、第37条で、「第八条第二項に規定する提供した具体的なサービスの内容等の記録 」が義務として書かれており、当然そのことは、施設サービス計画に沿ったサービス提供が行われているという記録でなければならないことを、全職員に周知したうえで、支援記録には、かならず施設サービス計画が実施されているかどうか、されていないとすれば何が原因かを、必ず書くという施設内ルールを作る方法が考えられる。

最も重要なことは、サービス担当者会議(ケアカンファレンス)を伝達の場で済ますことなく、それぞれの専門家が情報を持ち寄り、サービスの具体的内容について触れた話し合いができ、かつ利用者との契約責任を果たすという意識を持ちうるものにすることが大事だと思う。

この点、僕が今働いている新しい職場のサービス担当者会議は、教材ビデオにできるほど優れた方法で行っているように感じた。僕が初めて参加した会議では、施設サービス計画を本プランにする過程で、すべての職種が、本当の意味で協働作業を行っていた。これなら計画の実施に、それぞれが責任感を持つはずだと感じた。

当施設のサービス担当者会議への家族の参加率は、実に7割を超えており、その場で利用者および家族の意思確認がしっかり行われていた。さらにそれをニーズに変換するがごとく、リハビリ・看護・介護・栄養の専門家が、施設サービス計画原案の担当部分の目標や予後の見込みなどを分かりやすく説明して、家族の意見を聴きながら、それに的確に答え、課題と目標とサービス内容を明らかにしている。

介護支援専門員は、司会進行役というだけではなく、認知症などの理由で会議参加が難しい利用者の代弁者となって、各セクションの意見と、ケアプラン内容をつなげて、全体の計画内容を説明し、同意を得ている。

この過程で、この施設サービス計画は、施設ケアマネが作成した計画ではなく、施設として作成した計画であり、自分たちが説明したことを実行する責任が生ずることを、ごスタッフ全員が無意識のうちの自覚するように思えた。

僕の目にそれは、単なるアリバイ作りの会議ではない、実効性の高いサービス担当者会議に映った。

施設サービス計画は、利用者及び家族にとっては、どのようなサービスを受けることができるかが明確になることによって、安心してサービス利用ができると共に、施設サービスを利用する目的や意味を認識できることに繋がる。

事業者(職員)にとっての意味は、施設サービス計画という共通言語としてのサービス指針を持つことによって、チームとして必要な具体的支援方法を確認理解することができ、 利用者の生活課題やサービスの目的を理解することで事後のサービス評価が可能となるのである。

施設サービス計画は、そういう意味でも重要なツールであり、決して書式だけで終わらせて良いわけがない。そして実効性のある計画とは、施設内での多職種協働が、計画作成の時点から行わる必要があるものだと思う。

ぜひそうした形で、実効性のある施設サービス計画を作成していただきたい。

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地域ケア会議はなんのためにあるんだ?


居宅介護支援費における、特定事業所集中減算というルールは、ケアマネジメントを真っ向から否定し、介護支援専門員という有資格者の資質を否定するような、極めておかしなルールとしか言いようがない。(参照:本末転倒の減算ルールは即刻廃止せよ

このルールは、厚労省のお役人の傲慢さを現したものとしか言いようがないが、なぜこのような理不尽なルールを居宅介護支援事業所の介護支援専門員に課しているのかということを考えると、一昨年行われた「第2回介護支援専門員の資質向上と今後のあり方の関する検討会」で、日本福祉大学の野中構成員が発言した内容に答えがあると思う。野中氏の発言要旨は以下の4点である。(※筆者の解釈なので、発言の本旨と異なっているとしたらお詫びしたい。

・医師や看護師は技術があって制度ができた
・介護支援専門員は技術の前に制度ができた
・厚労省は医師を指導できないけどケアマネは指導できる
・医師は技術が先にあるから医師同士の評価ができる〜厚労省がこの評価をやったら技術は荒廃するが、ケアマネは技術の前に制度があるため、厚労省の考えひとつで制度の中で、どうにでも評価・指導できるという節がある。

実際には優れた介護支援専門員が地域にたくさん存在していおり、そういう人々にとって制限ルールなど必要としないし、それはむしろ利用者と一番マッチする社会資源を結びつけることを阻害するものでしかない。

しかし国の言い分は、一部の不適切プランに着目することで、ケアアンネジメントが機能していないとし、介護支援専門員の質の差が激しいという結論に達してしまう。そしてこの質を引き上げるために、制度のルールの中で不適切事例に制限をかけようというのが、特定事業所集中減算の意図であり、まさにお上による専門技術指導ができるという傲慢さが、このルールを生んでいるわけである。しかし貼り付けたブログ記事に書いたように、そのルールは本末転倒でしかない。

ところで特定事業所集中減算については、特定事業所の紹介率が80%を越えても、正当な理由があれば減算されないというルールがあり、正当な理由については、解釈通知にて次の6点が示されている。

1.居宅介護支援事業者の通常の事業の実施地域に訪問介護サービス等が各サービスごとでみた場合に5事業所未満である場合などサービス事業所が少数である場合
2.特別地域居宅介護支援加算を受けている事業者である場合
3.判定期間の1月当たりの平均居宅サービス計画件数が20件以下であるなど事業所が小規模である場合
4.判定期間の1月当たりの居宅サービス計画のうち、それぞれのサービスが位置付けられた計画件数が1月当たり平均10件以下であるなど、サービスの利用が少数である場合
5.サービスの質が高いことによる利用者の希望を勘案した場合などにより特定の事業者に集中していると認められる場合
6.その他正当な理由と都道府県知事(指定都市及び中核市においては、指定都市又は中核市の市長)が認めた場合

以上である。そしてこのうち5の「サービスの質が高いことによる利用者の希望を勘案した場合」については、どう解釈通知に、「(例)利用者から質が高いことを理由に当該サービスを利用したい旨の理由書の提出を受けている場合であって、地域ケア会議等に当該利用者の居宅サービス計画を提出し、支援内容についての意見・助言を受けているもの。」という記載がある。

さらに、平成27年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2)の、【居宅介護支援】 特定事業所集中減算 では以下のような疑義解釈が示されている。

問26 訪問看護の場合、ケアプランに位置付けようとする時点で主治医と利用者との間で既に事業所が選択されていることが多く、これにより紹介率が80%を超えることについては正当な理由に該当すると考えてよいか。

(答)
特定事業所集中減算の正当な理由の範囲は「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成 12 年3月1日厚生省老人保健福祉局企画課長通知)(以下、「留意事項通知」という。)に示しているところであり、正当な理由の範囲として、サービスの質が高いことによる利用者の希望を勘案した場合などにより特定の事業者に集中していると認
められる場合(※)等が含まれている。
(※)利用者から質が高いことを理由に当該サービスを利用したい旨の理由書の提出を受けている場合であって、地域ケア会議等に当該利用者の居宅サービス計画を提出し、支援内容についての意見・助言を受けている場合等を想定している。なお、利用者から提出を受ける理由書は、当該利用者にとってサービスの質が高いことが確認できるものとし、その様式は任意のものとして差し支えない。


27年度からの新しい特定事業所集中減算は、判定期間が後期(9月1日から2月末日)からで、減算適用は来年度当初からになる。

そうすると今年度後期に、特定事業所の計画数が80%を超えたものについて、地域ケア会議で取り上げて欲しいという要望が寄せられ、その件数が多くなることが想定される。地域包括衣支援センターは、その要望に応えることがでいるのだろうか、というより、そのような要望に応える必要があるのだろうか?

地域ケア会議は、各事業所が抱える困難事例を、サービス担当者会議のメンバー以外の多方面の専門性を持つ構成員が、多職種協働で問題解決に向けた意見を出し合うことで、その解決を図ろうとするもので、困難事例等の検討を積み上げて、地域課題を掘り起こし、その延長線上に、地域住民の生活課題に対応すべく社会資源の開発や政策提言までつなげていくという、地域包括ケアシステムの基盤をなす会議であるはずだ。

それが特定事業所集中減算というルールに該当しない、正当な理由の検討に使われるというのはいかがなものだろう。検討に値するプランがその中にどれだけ存在するのだろうか?地域ケア会議以外で、この検討を行うとすれば、どこの何を活用するというのだろうか。

そう考えると僕は、「地域ケア会議等」、「支援内容についての意見・助言を受けている場合等」の「等」の解釈を狭めないで、等にはサービス担当者会議での検討を含めて考えるべきであると思っている。

減算を適用しないための事例提出など無意味だし、すべての正当理由プランを地域ケア会議で検討できるわけがないのである。

利用者に理由書を書かせて、さらに地域ケア会議等での検証作業を要するほど、介護支援専門員のケアマネジメントを疑う理由がどこにあるんだろう。介護支援専門員のアセスメントより、普段利用者を見たこともない他職種の意見を尊重するという理由がどこにあるんだろう。義務化しているサービス担当者会議をないがしろにするのもいい加減にしろと言いたい。

こうした一連のルールを検証すればするほど、特定事業所集中減算は、まったくもっておかしなルールとしか言いようがなく、早くなくさなければならないルールであると言って過言ではないだろう。

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ケアプラン目標期間は一律機械的でなぜ悪い


介護保険制度のルールでは、施設サービス計画と居宅サービス計画は、目標を定め、目標は長・短期に分け、さらにそれぞれの期間を定めなければならないことになっている。その根拠は、厚生省令第三十八号及び老企第22号、29号、43号、44号、45号等である。
(※なお訪問介護計画等の、各サービス事業所の個別計画については、その規定と異なることについては、長・短期目標が必要な計画、必要のない計画とその根拠。を参照いただきたい。)

ところで、この際の長短期目標の達成時期を示した「期間」について、例えば短期目標は半年、長期目標は1年などと機械的に設定することは許されるのかという疑問に対し、目標とはそれぞれの目標内容に沿って、それを解決するために必要な期間を示すものだから、一律機械的な設定は問題であると指摘する向きがある。そういう人々は次のように指摘する。

・目標期間が画一的なのは問題であり、個別に考えるべきだ。
・一律機械的な目標とは、アセスメントが行われていない証拠だ。
・目標内容によって達成期間は異なるから、当然内容により期間も違ってくるはずだ。


そうした主張は、一見正論に聞こえるが、はっきり言ってナンセンスだ。

例えば短期目標は『解決すべき課題及び長期目標に投階的に対応し、解決に結びつけるものである。』とされており、ひとつの長期目標に対し、複数の短期目標を設置する必要がある場合がある。長期目標についても、『解決すべき課題が短期的に解決される場合やいくつかの課題が解決されて初めて達成可能な場合には、複数の長期目標が設定されることもある。』とされている。

そうであれば一つの計画書の中に、10種類以上の長・短期目標が設定される場合も少なくないであろう。その時、一つ一つの長・短期目標について、その内容をすべて精査して、それぞれ目標期間を別に定めるなんてことが可能なのか?実際にそうしている介護支援専門員が何人いるのか?いるとしても、なんとナンセンスなことだろうか・・・。

目標期間がバラバラならば、その期間終了時点においてサービス計画書は見直しが必要である。その時に期間延長だけ行って軽微変更対応するとしても、見直しの手間は莫大なものになる。そんなに暇な介護支援専門員がいるとでもいうのだろうか?そもそも期間延長の軽微変更を前提にしているなら、初めからその期間にたいした意味はないということにもなる。

そう考えたとき、居宅サービス計画書及び施設サービス計画書の、「目標期間」については、長期目標と短期目標について、それぞれ相応の期間をあらかじめ定めて、サービス計画書の中で、統一しておいた方が良いという考え方が生まれるだろう。

それはおかしなことなのだろうか。全然おかしなことではないと言い切ろう。なぜなら、目標期間のとらえ方は法令上、次のように示されている。

・「長期目標」の「期間」は、「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」を、いつまでに、どのレベルまで解決するのかの期間を記載する。
・「短期目標」の「期間」は、「長期目標」の達成のために踏むべき段階として設定した「短期目標」の達成期限を記載する。

目標期間はそれぞれの生活課題ごとに検討して、それに応じたそれぞれの期間設定が必要だと主張する人々は、この期間を課題の内容に応じた目標の達成が可能な目安という意味の期間として設定すると考えているのだろう、そうであれば、それらの人は、「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)が、いつまでに解決するのか」という期間目安をどこに置いているのか?

アセスメントで、この期間が引き出せるというのだろうか?あり得ない・・・。

人の暮らしは様々であり、そこに解決すべき課題が存在したとしても、それを解決するための目標を達成できる期間など、本来それは人智の及ぶところではない。神の領域である。

目標を立てて、それに向かって本人が達成に向けて努力し、その頑張りを周囲の人々が手を貸したり、励ましたりしながら支えることで、その目標が達せられることがあるのだろうが、その期間を事前に推し量ることなど不可能だ。

そう考えると、「いつまでに、どのレベルまで解決するのかの期間」の考え方は、「達成目標期間として、あらかじめ定めた期間で、達成度を評価し見直す」という考え方ができる。そうであれば、目標の期間をあらかじめ固定し、それに応じた達成度の評価を行うという考えの方がわかりやすい。その方が、利用者目標の検証という意味では合理的で、方針も明確になる。

よって短期目標を半年、長期目標を1年と機械的に定めて評価することは、なんら問題はない。それは法令に違反することではないし、ケアマネジメントの手法として「あり」と言えるのである。

そのことを否定する介護支援専門員は、自分が神のごとくなんでも評価できる能力を持っていると、勘違いでもしているのではないだろうか。
(目標期間を固定して設定する場合の考え方の一例)
サービス開始が2015年2月7日であるとした場合で、認定有効期間が2014年12月1日から2016年11月30日だとする。この場合、2年後の2016年12月1日以降は、新たな認定になるのは確実なのだから、2016年11月30日までの計画書が、現在の認定期間における計画書の目標期間の一応の目安になる。

僕は基本的に、長期目標は1年、短期目標は半年と定めて、計画書自体は短期目標の半年に合わせ、半年ごとに評価と計画の見直しを行っているので、最初の計画書は長期目標を2015年2月7日〜2015年11月30日までの10ケ月とし、短期目標を2015年2月7日〜2015年5月31日までの4ケ月とする。

そうすると5/31までの短期目標期間内で、5月中に短期目標の達成度を評価して、新規計画を見直すことで、再作成した2回目の計画書の長期目標を2015年2月7日〜2015年11月30日までの10ケ月は変わらず、短期目標だけが2015年6月1日〜2015年11月30日までの6ケ月となる。

そして2015年11月30日に短期目標と長期目標の達成具合を再検証し、3回目の計画書は長期目標を2015年12月1日〜2016年11月30日までの12ケ月とし、短期目標は2015年12月1日〜2016年5月31日までの6ケ月となる。

さらに2016年5月中に短期目標の達成度を検証し、4回目の計画見直しで、次の計画書では長期目標の2015年12月1日〜2016年11月30日までの12ケ月は変わらず、短期目標が2016年6月1日〜2016年11月30日までの6ケ月となり、その次の計画書は必然的に、2016年12月1日からの認定更新に合わせた計画書と期間設定になるということである。

これは老企29号で「なお、期間の設定においては「認定の有効期間」も考慮するものとする。」と定めた規定とも整合性がとれる考え方である。

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居宅サービス計画は介護サービス事業所の処方を指示するものではない


介護保険サービスは、介護報酬という公費を算定して運営するサービスであるがゆえに、法令ルールに基づいたサービス提供が求められる。

しかし法律・法令は文章の解釈が必要とされる部分があり、この部分の理解不足によって、法令を逸脱した不適切な費用請求が行われてしまう場合がある。そしてそれが意図的な不正行為であるとみなされれば、指定取り消しなどの処分につながってしまう。

そうであるがゆえに事業管理者やサービス担当者は、常に自らのサービス内容や、費用算定方法が正しいルールのもとに行われているのかをチェックする必要がある。そしてその際に必要となるのは、法令根拠の確認と理解であり、「実地指導で行政担当者が、こんな指導をしていたよ。」という情報は何の根拠にもならないのである。ここを勘違いしてはいけない。

そもそも過去の例を紐解くと、間違った行政指導が後に訂正されたという例はたくさんあるのである。そこでは、指導を受ける側が、行政担当者の価値観や意見を鵜呑みにして、法令根拠の確認を怠っているという問題もあるのだ。

つい最近も表の掲示板で、通所介護の個別機能訓練加算についての質問があり、それに対して通所介護に携わっていると思われる職員が、「居宅サービス計画に機能訓練の実施等の旨を記載してもらわないと、デイが勝手に進めていることになり加算を取れないと実地指導で指導を受けましたよ。」・「デイで機能訓練をする(文言は適当です)等の一文がないといけないのでは?」という意見を書き込んでいる人がいた。

実地指導担当者がどのように指導しているか知らないが、居宅サービス計画の通所介護に関連する部分に、必ず「機能訓練」という文言がないと、個別機能訓練を行って加算算定することができないと考えるのは間違いである。

なぜなら厚生省令第三十七号第九十七条 は、「指定通所介護は、利用者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、その目標を設定し、計画的に行われなければならない。」とし、この計画的という意味については、同第九十八条「一  指定通所介護の提供に当たっては、次条第一項に規定する通所介護計画に基づき、利用者の機能訓練及びその者が日常生活を営むことができるよう必要な援助を行う。」と規定し、通所サービスで提供されるサービス内容は、通所介護計画で定めるとしているのである。この部分は「居宅サービス計画」によるものではないのである。

しかし同時に第九十九条2では、「通所介護計画は、既に居宅サービス計画が作成されている場合は、当該居宅サービス計画の内容に沿って作成しなければならない。」とされており、この規定をもって、通所介護で機能訓練を行って個別機能訓練加算を算定するのであれば、居宅サービス計画の、通所介護の利用目的等の部分に、「機能訓練が必要である」という文言が含まれている必要があると考える人がいるわけである。

しかしこの法令文をよく読んでほしい。求められているのはあくまで、「当該居宅サービス計画の内容に沿って」であり、居宅サービスに書かれているサービス内容だけを実施することではないのである。「当該居宅サービス計画の内容に沿って」という意味は、居宅サービス計画の通所介護の部分だけを見るということではなく、計画全体を見るという意味で、居宅サービス計画第1表の総合的援助方針の内容に沿ったサービス提供であれば、第九十九条2規定はクリアするということになるものだ。

そうなると居宅サービス計画は基本的に、「自立支援」を目的にしており、通所介護のサービスとして、自立支援を目的とした機能訓練・生活機能向上訓練を行うという計画が、「当該居宅サービス計画の内容に沿わない」とされること自体がおかしなことになる。

例えば居宅サービス計画において、通所介護の利用目的が、「家族のレスパイトケア」目的であり、利用者自身の機能訓練についての目標などが記載されていない場合はどうだろう。その場合も、「当該居宅サービス計画の内容に沿った」、通所介護計画への機能訓練の位置づけは可能である。なぜなら通所介護において家族のレスパイトケア目的の利用が必要であるということは、家族の介護疲れへの対策が必要であるという意味で、そうであれば通所介護利用は、単に家族が日中、自宅で介護する必要がない時間を作るだけではなく、通所介護を利用する中で、利用者自身の生活機能を高めて、利用者が暮らしの中でできることが増えたり、できる機能を維持することが、家族の休養・介護疲れの防止につながるからである。

具体例を示そう。生活課題として「家族に介護疲れがたまり、在宅生活が継続できない恐れがある」とされるケースで、通所介護の利用目的が家族のレスパイトケアであり、長短期目標が次のように定められている居宅サービス計画があるとする。

「長期目標」介護者に疲労感がたまらないことで適切な在宅介護が継続され○○さんが自宅で生活できる
「短期目標」介護者が日中定期的に休養でき在宅介護が継続できる

↑この場合、通所介護事業者は生活課題を解決するために必要な通所介護計画を立案すれば、「居宅サービス計画の内容に沿う」こととなり、そのために「家族の休養が必要な要因」を考える必要がある。具体的には、次の5点の考察が求められる。
・通所利用することで利用者が心身活性化でき精神的・身体的に安定して暮らす方法論
・通所介護事業所で身体機能等を活用して自分でできることが増える方法論
・介護の方法を工夫することで利用者自身や家族の負担が減る方法論
・通所介護を利用して、看護や介護の専門家が関わることで可能となる助言
・利用者自身の暮らしの質が向上するための方法論

その結果、次のような個別機能訓練計画を立案することとなる。
個別機能訓練計画
同じように「排泄行為」に支障を来たし、失禁があることが介護負担となり、レスパイトケアが必要なケースの場合、次のような通所介護計画になる。

個別機能訓練計画2
このように、居宅サービス計画では、通所介護利用がレスパイト目的しか書かれていない場合も、レスパイトケアが必要な理由をきちんとアセスメントし、それに対応するためには、機能訓練が必要だという理由付けができれば、通所介護計画において個別機能訓練計画を載せ、それに基づいたサービス提供を行うことで、居宅サービス計画に沿った内容であると結論付けることが可能で、加算算定することも可能である。勿論、この場合給付管理が必要になるわけであり、利用表・提供表にそのことを記載してもらわねばならない。しかしこれは事前にサービス担当者会議等で、その必要性を示して載せてもらうだけでよい問題である。

そもそも介護支援専門員が特定の事業所のサービスにすべて精通することは不可能で、各事業所のサービスの処方にまで介入することはできるわけがない。常識的に言っても他事業所の職員が、職場内の指揮命令権と関連する個別の具体的なサービス内容まで指示命令ことはあり得ない。もっとわかりやすく言えば、通所リハビリの個別リハビリテーションの内容にケアマネがくちばしをさしはさむことができるのかを考えたらよい。それは医師の処方によるもので、ケアマネの権限は及ばず、ケアマネには指示できる資格も権利もない。福祉系サービスであってもこれは同じことだ。ここを理解しないとどうしようもない。

何度も繰り返すが、行政指導担当者の口にした言葉が、そのまま根拠ではないのである。しかし「指導担当者がこう言ってた」ということを根拠にして、その見解の法的根拠を考えない人が多すぎる。それは介護サービスの専門職として一番恥ずかしい態度だ。変な指導は頑として異議を唱え改善してもらうことも、ソーシャルアクションであることを忘れてはならない。

同時に、議論は対立ではなく、お互いのスキルを尊重したコンサルティングでもあるという視点から、自己主張に固執・終始しない建設的態度と、相手の立場やスキルを尊重するという視点も必要だということも忘れないでほしい。

どうしようもない指導には毅然とした態度で臨む必要があるが、建設的議論には愛を沿えて対応してほしい。

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サービス計画内容を成長させるって考え方があってもよい


施設サービス計画書を作成していると、この計画内容を基にしてサービス提供される人がいるということに対して大きな責任を感じることがある。

特に施設サービス計画の場合は、施設の中で介護職員がどのような介護支援を具体的に行うかという、個別対応の具体的方法を定めるので、居宅サービス計画のように、利用者に直接提供される具体的サービスは、居宅サービス事業所の責任において適切な方法を立案してもらうというような2階建てプランになっていないために、施設ケアマネの力量が、個人の生活の質を左右することに直結するという責任感を抱かざるを得ない。

勿論、施設サービス計画の作成目的は、よい計画書を作ることではなく、利用者に一番適切なサービスを結びつけるということであり、提供されるサービスがなぜ必要なのかという根拠を文字と文章で表現して、そのために具体的に何をするのかということを、サービス提供する人や、サービス提供される利用者や家族に双方に理解してもらうための道具が施設サービス計画書であるに過ぎない。つまり計画書はサービスの意味や内容や、その必要性を明らかにすると同時に、生活課題を解決した先に、どのような暮らしが実現するのかを明らかにするものだ。

そうであるがゆえに、利用者や家族が、その内容を読んでわかる文章表現も求められるわけである。専門家しか解読できないサービス計画書ほど意味のないものはないと思っている。

しかし計画書を最初から完璧な内容で作成することは難しい。定時見直しの再作成時に、前回の計画内容のお粗末さに気が付いて、自分の能力の低さに愕然とすることも多い。アセスメントツールの欄をいくら埋めても、それを読み取る視点が間違っていれば、まったく方向の違う内容で、意味のないプランを立てていることになる。そこに気が付いて、サービス内容に修正を加えることの繰り返しである。

ときにその内容修正は、大幅なサービスの見直しにつながる場合もあるが、前回の計画内容に加えて新たなケア内容を追加するということも多い。

最初につたない計画を作成してしまったことは、申し訳ないと思うが、紙の上のアセスメントだけではわからないことはたくさんあって、直接介護する人々が、日常援助の中で気が付くことが、本当のアセスメントには必要になるのだ。我々は計画作成の段階で、できるだけその気付きを吸い上げて、ケアプランに落とす努力をしているし、利用者の暮らしの質を引き上げることに資する計画内容に随時変えていくつもりなので、少しだけ時間をいただきたいと心の中でお願いするのみである。

そういう意味では、人の暮らしに係る支援計画は、修正するという視点ではなく、計画内容も成長させるという考え方があってよいのではないかと思ったりする・・・というかこれは自己弁護かな。

そもそも自分に知識がないことで、利用者の本当の生活課題に気が付かないことも多い。「求められる座高への配慮」で書いているように、座高が低い人が、我々と同じ座高の人が日常的に使うような高さのテーブルで食事をする場合、そこに置いた食器の中のものは見えなくなってしまから手を伸ばさないということも、座位姿勢の大事さに係る研修を受ける前には気が付かなかったことだ。だから日々の学びは重要になる。

特に毎日三度三度の食事摂取には、よく観察しないと見えてこない「生活障がい」が様々に存在する。前述した座高や座位姿勢の問題だけではなく、高齢者特有の視力障害によって食事摂取に支障をきたす例も多々あるが、その場合でも普段の暮らしの中で、特段視力が弱いことが障害となっておらず、食事以外の日常生活に支障が生じていないケースでは、視力の低下が食事摂取の障害になっていることを見逃しがちになる。

特に認知症の症状が少しでもある方の場合、すべて認知症のせいにしてしまい、本当の生活障害の要因を見逃してしまうことがある。

食事を自力摂取できる人で、副食として提供された焼き魚を、いつも食べないわけではないが、ある種類の焼き魚に全く手を伸ばすことがなく、残してしまう人がいた。その方は、軽度の見当識障害はあるが、コミュニケーションには問題がない人なので、「隣の皿のお魚も食べてくださいね」と声掛けしたりするが、それでも手を伸ばしてくれない場合は、その魚は嫌いな魚で食べたくないのだろうと、勝手に思い込んでしまったりする。

ところがある日その方の娘さんから、「母は若いころから魚は好きで、嫌いな魚はないはずです。」なんて言われて、あらためて考えると、白身の焼き魚はいつも手をつけないことに気がついたりする。それに加えて最近、白内障が進行して点眼薬が変わったが、白い皿に白い魚の切り身は、見えづらいのではないかという意見が出されて、ためしに色つきのお皿に、白身の焼き魚の切り身を乗せて提供すると、見事に手を伸ばしてくれたりする。だからと言って、皿に色がついておればよいわけでもなく、濃すぎる色や、単色ではない絵皿などは見づらさが解消せず、やはり手を伸ばしてくれないということもある。

こういう生活障害は、なかなか気づきにくいが、こうした気づきや新たに得た知識を、施設サービス計画に落とし込んでいくと具体的サービスに書く内容が増えていく。本ケースでは、「配膳時に食器の中の副食が見えやすいように皿の色や模様の工夫をします」などという計画内容が加えられたりする。

それでサービス提供者が、自分がすべきことを確実に理解できるようになれば良いが、あまりに計画書の内容量が多すぎると、読むだけで苦労して頭に入らないということにもなりかねず、計画作成者は、計画書に書くべきことと、ルーチンワークとしているから書かなくともよいだろうと切り捨てることを両方考えて、毎回熟慮しながら計画作成作業を行っているわけである。

そこには計画書を読む人の視点も必要だから、アセスメントやモニタリング時には、この計画書を読んでサービス提供者が具体的にすべきことを理解できるかを考えたり、あるいは「しなければならないこと」を書いていないことで実施できていないのではないかなどの確認作業は不可欠になる。

このようにサービス計画書は、その内容を進化させていくもので、それが成長するサービス計画の意味であるが、それは単に計画書に書かれている内容が増える、計画書の枚数が増えるということではなく、場合によっては、わかりやすくするために必要ない部分をそぎ落とすことも求められるのである。

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二人対応の訪問介護が必要になるケースが増えてくる


一人では対応が難しい、体重が重い利用者に対して訪問介護を提供する場合や、エレベーターのない建物の2階以上の居室から歩行困難な利用者を外出させる場合など、利用者の状況等により、2人の訪問介護員によるサービス提供が必要となった場合は、サービス提供時間に応じた所定単位数の100分の200に相当する単位数である、「二人の介護員等の場合」のサービスコードにより請求することになっている。

しかし利用者の体重が二人で抱えるのにも不安があるほど重いなどの理由で、3人の訪問介護員によるサービス提供が必要になるという理由で、所定単位数の100分の300に相当する単位数を算定することはできず、介護保険制度上のルールとしては、「同時に二人を超える訪問介護員のサービスによる報酬の算定は認められない。」とされている。

2人の訪問介護員等によるサービス提供ができる対象となる事由とは、厚生労働大臣が定める者等(平成十二年二月十日 厚生省告示第二十三号)で規定されており、それは以下のように示されている。

二 指定居宅サービス介護給付費単位数表の訪問介護費の注7の厚生労働大臣が定める要件
 二人の訪問介護員等により訪問介護を行うことについて利用者又はその家族等の同意を得ている場合であって、次のいずれかに該当するとき
 イ 利用者の身体的理由により一人の訪問介護員等による介護が困難と認められる場合
 ロ 暴力行為、著しい迷惑行為、器物破損行為等が認められる場合
 ハ その他利用者の状況等から判断して、イ又はロに準ずると認められる場合


最近目立ってきているのは、告示二十三号のイより、ロの理由である。認知症の初期で、一人暮らしをしているが、とられ妄想からヘルパーに暴言・暴力がみられるケースや、セクハラ行為がみられるケースなどである。

しかし介護支援専門員の中で、告示第二十三号のこのロ及びハの規定を知らない人がいて、ヘルパー二人対応すれば支援ができると思われるのに、体重が重くない、二人で抱えるようなサービス内容ではないという理由で、一人対応しかできないと思いこんで、適切な訪問介護計画を立てていないケースがみられた。これはまずい。

特にハについては、適切なアセスメントを行えば、イ又はロに準ずるという判断は、担当介護支援専門員によって行われ、その記録がしっかり残されておれば問題ないのであるから、認知症の方へのサービスなどで、一人対応では支援困難だが、二人対応で課題解決に結びつかないかなどのアセスメントをしっかり行ってほしい。

認知症の人が増え続けている現状で、そのことはますます必要になってくるだろう。

ところでヘルパーを二人派遣する場合、必ずしも同一事業所のヘルパーを派遣しなければならないとは限らない。二人対応が必要と思われても、現在サービス提供している訪問介護事業所で、同じ時間に派遣できるヘルパーがいないなどの場合は、その時間に別事業所のヘルパーを派遣し、2事業所の訪問介護員が協力し合ってサービス提供を行うことも可能である。

この場合の費用算定は、それぞれの事業所で訪問介護費を別々に算定することはできず、どちらかの事業所が、「二人の介護員等の場合」のサービスコードにより請求することになる。そして請求しない事業所に対し、請求事業所が費用を後に支払う事となる。この場合の具体的な分配は、事業所相互の合議で決めておくとされている。(通常は半々だろう。)

なお同一時間帯に複数の訪問介護事業所のサービスを計画し、A事業所が身体介護、B事業所が生活援助のように計画することは、告示第二十三号に該当しないとされており、保険請求できない行為である。またQ&Aでは、「例えば、2人の訪問介護員等が入浴介助を行い、その後、一人の訪問介護員等が生活援助を行う場合は、2人の訪問介護員等によるサービス提供時間が全体のサービス提供時間に占める割合が小さく、該当するサービスコードが存在しないため、便宜上それぞれの訪問介護員等のサービス提供時間に応じて訪問介護員等ごとに所定単位数を算定することとする。」とされている点にも注意が必要だ。

これらは、あらためて解説するまでもなく、介護支援専門員なら当然知っておらねばならない基本中の基本知識であるが、その知識を活用していない計画が目についてきたので、あらためて復讐の意味で本記事を記すものである。

なおこのことについては解釈通知老企36号においても
10)2人の訪問介護員等による訪問介護の取扱い等
 [1] 2人の訪問介護員等による訪問介護
2人の訪問介護員等による訪問介護について、所定単位数の100分の200に相当する単位数が算定される場合のうち、厚生労働大臣が定める者等(平成12年厚生省告示第23号。以下「23号告示」という。)第2号イの場合としては、体重が重い利用者に入浴介助等の重介護を内容とする訪問介護を提供する場合等が該当し、同号ハの場合としては、例えば、エレベータのない建物の2階以上の居室から歩行困難な利用者を外出させる場合等が該当するものであること。したがって、単に安全確保のために深夜の時間帯に2人の訪問介護員等によるサービス提供を行った場合は、利用者側の希望により利用者や家族の同意を得て行った場合を除き、所定単位数の100分の200に相当する単位数は算定されない。
なお、通院・外出介助において、1人の訪問介護員等が車両に同乗して気分の確認など移送中の介護も含めた介護行為を行う場合には、当該車両を運転するもう1人の訪問介護員等は別に「通院等のための乗車又は降車の介助」を算定することはできない。


以上の通り定められているので、今一度確認願いたい。

介護・福祉情報掲示板(表板)

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アセスメントは本当に行われているのか?

居宅サービス計画や、施設サービス計画を立案・作成している介護支援専門員であれば、利用者アセスメントを行っていないことはあり得ないことになっている。

当然、法令基準に沿ってアセスメントを行っているという介護支援専門員がほとんどだろう。

しかしアセスメントツールを使って、生活課題を抽出しているからといって、それが本当の意味のアセスメントになっているのか、僕は少々疑問を持って斜めに見てしまうことがある。

特に当施設併設の通所介護事業所に送られてくる居宅サービス計画の中には、なんでこんな計画内容になるのだろうかという疑問符がつく計画があり、アセスメントができていないのではないかと疑ってしまうものがある。

まず利用するサービスありきで、それにつなげるためのアリバイ作りにアセスメントツールを使っていると思われる計画内容が実に多い。本来それでは困るわけである。

今現在で言えば、多くの場合ケアマネジャーが行っているアセスメントとは、コンピューターソフトの操作でしかないという現状はないだろうか?

そこでは必要な情報をソフトに入力すれば生活課題が出てくるが、それはアセスメントツールを利用しながら生活課題を引き出しているということではなく、機械で自動的に出力された課題を鵜呑みにしている状態に過ぎない。それは本来の意味でのアセスメントとは言えない。

利用者の生活課題にもっと敏感にならないと、本当の意味で求められる暮らしの支援ができないのではないだろうか。そうあればアセスメントツールが生活課題を引き出すロジックをよく知り、どのような状態の、何が生活課題につながっているかということを意識しなければならないと思う。

この部分について言えば、アセスメントツールに対応したコンピューターソフトが存在しない時代から、MDSなどのツールを使っていた人は、紙ベースの作業で指定項目をすべて埋めた後に、定規などを使って手作業でアセスメント情報がどの生活課題につながっていくかを引き出していた経験を持っているはずである。そういう人は手作業の過程で、どの情報が生活課題のどの部分につながっているかをある程度理解できているはずだ。だから生活課題に繋がっているアセスメント情報の根本部分にアプローチする視点が自然にできていて、そこに対応できる社会資源をつなげることが行われている場合が多い。それらの人々が、優れた介護支援専門員と呼ばれていると思われる。

一方では、その生活課題がどうして引き出されたのかを、全く理解していないため、それを説明できない介護支援専門員が存在する。しかし生活課題が引き出されたロジックがわからない状態で、どうしてその課題を解決する社会資源の選択ができるのだろうか?大いに疑問である。

だからといって今から時間を過去に戻して、手作業でアセスメントを行いながら、そのロジックを理解するなんてことは、現実には不可能だろう。そうであれば、自分がコンピューターに入力した情報によって引き出された課題が、どのような過程で引き出されたのかを振り返り、それを解決することで本当に利用者の暮らしがよくなるかという別の思考回路を持つことが求められてくるのではないだろうか。

その時に役に立つ考え方の一つとして、「アローチャート」という思考の整理術があるのではないだろうか。

僕はこの考え方に、なかなか触れる機会がなく、勉強不足のまま何も知らずに来たのであるが、今年3月に、自著の出版記念シンポジウムを東京で行った際、オフ会に駆けつけてくれた横浜のケアマネジャーM氏と、その話題になり、「僕、その考え方がさっぱりわからないんだよね」といったところ、彼から「アローチャートでケアマネジメント〜相談援助者のための頭の整理術」(著者:吉島 豊録、環境新聞社)が送られてきた。

アローチャートこれを読んでなるほどと思ったことがある。

アローチャートという思考法は、アセスメントの中身を整理して、情報と課題がどうつながっているかを理解する方法であり、どうしてそのような課題となるのかを説明をできる手法であると思った。

非常に大雑把に説明するとすれば、アローチャートという図を描く意味は、客観的事実と主観的事実にわけて問題点等を整理し、その因果関係や相容れない関係をたどっていけば背景要因が明らかになり、それを阻害するものへのアプローチや、利用者の希望する状態にもっていくための資源というものが明らかになるというものだろう。この図を日常的に描けるようになれば、アセスメント情報と生活課題がどうつながっているかということが理解できるようになって、第3者への説明も可能になると思える。当然ここでは生活課題につながる背景要因が最も重要になってくるわけである。それを明らかにして背景要因をなくする、あるいは改善することでしか課題は解決しないからである。

悪書の典型である「四訂 居宅サービス計画書作成の手引き」(長寿社会開発センター)を読んで計画作成を勉強してしまうと、生活課題につながる背景要因が全く見えなくなるという弊害があるが、アローチャートは、この部分を論理的に明らかにして、課題に対応して結びつけるべき社会資源とは何かを考える上で、有効となる思考法であると理解した。

大事なことは、ケアプラン作成ソフトの使い方を知っている人が介護支援専門員ではないということだ。介護支援専門員がアセスメントと引き出された生活課題がどのようにつながっているのかを説明できない限り、その解決のために立てた目標や結びつけた社会資源等が有効なものであるのかという評価はできないといえ、どのような方法でも良いから、そのことを説明できる知識を得るべきである。

その一つの方法がアローチャートを使った思考法であるといえよう。

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参考にしてはいけない「四訂・居宅サービス計画書作成の手引」

介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する調査研究・ケアプラン詳細分析結果には、ケアマネジメントが十分行われていない原因要素の一つに、居宅サービス計画書の記載内容の齟齬が指摘されており、その中には『「〜したい」という表現を用いることに捉われてしまったためか、利用者及び家族の意向をそのまま生活全般の解決すべき課題(ニーズ)に記載しているケアプランも多く見られた。 』とされている部分がある。

まったくその通りで、生活課題に背景要因を書かずに「〜したい」になってしまえば、本当の生活全般の解決すべき課題(ニーズ)が浮かび上がってこなくなり、それに対応するサービスに適切につなげることなんてできなくなってしまう。結果的に「〜したい」という表現に捉われてしまうことは、まず使うサービスありきで、それに合わせた目標や課題(ニーズ)をひねり出すという逆転現象を生み、ケアマネジメントが結果的に機能していない状態を生み出すのである。

しかしその原因を紐解くと、そもそもそのような「〜したい」表現に捉われてしまうように、国が介護支援専門員を教育しているという実態がある。

介護支援専門員実務研修や資格更新研修等で教科書として使っている「四訂・居宅サービス計画書作成の手引」(財団法人・長寿社会開発センター)の内容がひどすぎるのだ。

ここでは、『背景要因を書くと「〇〇のため〇〇できない」のように、ネガティブな表現になりやすいので、「〇〇したい」とできるだけ簡潔に書く方がよい。』(同書15頁)としており、さらにいくつか示されている居宅サービス計画例は『利用者及び家族の意向をそのまま生活全般の解決すべき課題(ニーズ)に記載しているケアプラン』である。しかも目標もそこに書かれてものに対応していない、意味不明のものが多い。悪書と言ってよいこの本が、介護支援専門員の資質を向上させない元凶となっているのである。

例えば同書51頁に例示されている居宅サービス計画・第2表を見てみると、生活全般の解決すべき課題(ニーズ)と、それを解決するための長・短期目標が次のとおり示されている。
・生活全般の解決すべき課題(ニーズ)→穏やかに老いていきたい(長女代弁)
長期目標→新しい土地(長女宅)での生活に慣れて毎日笑顔で暮らす
短期目標→病態に応じた治療や適切なケアを受ける 、身体と頭を鍛えて現在の状態を維持する 、1日1回以上、外出し機敏転換する


この生活課題に対応するモニタリングは可能なのだろうか?穏やかに老いていきたいという長女の希望を生活課題にしてしまったら、それが解決しているのかをどう評価するのだろう?穏やかの意味も、感じ方も百万通り以上ありまるはずだ。本来これは第1表の「利用者及び家族の介護に対する意向」に書くべき内容で、2表のこの部分に書くべき内容ではない。

居宅サービス計画は、利用者同意が必要であるが、その際の説明に使う書式とは、老企第22号で、「当該説明及び同意を要する居宅サービス計画原案とは、いわゆる居宅サービス計画書の第1 表から第3表まで、第7表及び第8表(「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」(平成11年11月12日老企第29号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)に示す標準様式を指す。)に相当するものすべてを指すものである。」とされており、いちいちアセスメント表を示して説明しなくとも、利用者が生活課題に対応した具体的サービスが、その目標とともに理解できる内容でなければならないはずなのだ。勿論、この法令によって、説明同意にアセスメント表を使って説明ができないとされるものではないが、そもそも標準様式の内容を埋めれば、そんな必要もないものを、「四訂・居宅サービス計画書作成の手引」に書かれている、馬鹿げた解釈によって、説明に必要な書類を増やしてどうする?利用者がわかりにくくなるだけである。

同書の記載事例に戻ろう。

本ケースは、長期目標を読むと、どうやら長女宅に越してきたケースであるということがわかるが、この課題と目標に対応した具体的サービスは、定期的な受診と通所介護となっており、援助内容の中に認知症と認知症ケアを理解すると書かれている部分がある。つまり本ケースの本当の「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」は、認知症の進行により、一人暮らしが難しくなり、長女宅に居所を移したという背景要因があって、今後予測される認知症の進行により混乱が生ずる可能性があって、それによって在宅生活が困難となる危険性があるというものだろう。

そうであるがゆえに、認知症の進行を防いだり、混乱に繋がらないような具体的支援策が必要になるというものではないのか・・・。

それであるにもかかわらず、「穏やかに老いていきたい(長女代弁)」という一言で、生活全般の解決すべき課題(ニーズ)が書かれて終わっている。この課題からは、よほどたくましい想像力を働かせない限り、認知症に対する適切な対応というサービスは浮かんでこないはずだ。フィクションプランの典型例である。

さらに同頁の2番目の課題と目標を見てみよう。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)→トイレのことを解決し、気分よく過ごしたい(長女代弁)
長期目標→トイレのことを気にせずに、生活する
短期目標→排泄の様子がわかり、汚れたときは更衣する 、ご本人の意向に沿った排泄ケアを検討する 、便秘をしない


課題が「トイレのことを解決し」では、トイレのなんのことなのか評価のしようがない。

トイレの環境なのか、利用者の排泄行為に関する問題なのか意味不明である。

もし失禁が問題であるなら、認知症=失禁するということにならない以上、なぜ失禁するのかという背景要因を検討して、それに適切に対応する具体策が必要であり、それが書かれていないのは極めて不適切である。

短期目標も「本人の意向に沿った排泄ケアを検討する」で終わって良いのだろうか?アセスメントとサービス担当者会議で検討して、必要な排泄ケアの抱負を具体的にして欲しいと思うのは僕だけだろうか?そもそも長期目標が、「トイレのことを気にせずに、生活する」って、トイレの何のことなのかさっぱりわからない。

ひどい内容だが、このようなプラン例をあら探しの結果見つけたのではなく、無作為にページを開いて、そこに載っているプラン例を読むと、すべてのプランにこうしたひどい内容が、そこかしこに書かれているのである。よってこういう悪書で学んではいけないのである。

この本を教科書として使っている研修講師の資質も、疑ったほうが良いだろう。
四訂・居宅サービス計画書作成より

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ケアプラン作成文例なんて百害あって一利なし




チャゲ&飛鳥のヒット曲SAY YESの中に、「言葉は、心を超えない。とても伝えたがるけど、心に勝てない。」というフレーズがある。なかなか的を射た歌詞である。確かに言葉で自分の思いを伝えることは難しいし、それには限界がある。

しかし言葉は文章にすることで、より真意や思いが伝えやすくなる。そこに心とか、思いをすべて込めることはできないかもしれないが、言葉を文字にし、文章にすることで、読み手はしばしば文章には直接表現されていない筆者の真意をくみとることができたりする。

このことを「行間を読む」というが、そのもうひとつの意味は、書き手は意識的に、文字面(もじづら)だけでは伝わらない思いを行間に込めて、文章として伝えることができるということである。

つまり行間に込めた思いが伝わる文章を書くことができるということも、書き手としてのスキルなのである。

ところで我が国の介護保険制度では、介護サービス等を提供する場合に、その中心的役割を介護支援専門員に担わせている。そしてその際に展開される主要な援助技術であるケアマネジメントにおいては、介護サービス計画書(ケアプラン)を作成して、利用者の同意を得て、それを交付した上で、実際のサービスが提供されることになっている。

それは単に提供されるサービスの内容を示し、かかる費用を示すだけにとどまらず、解決すべき生活課題が何かを示しながら、それを解決する手段として段階的な目標を明示した上で、必要なサービス等を示し、介護支援専門員をはじめ各種のサービス担当者が、どのようなチームケアを行おうとするのかを明らかにするものだ。そのために総合的な援助の方針を記載することによって、生活課題を解決した先に、どのような暮らしの質が保たれるのかということも明らかにされるものと考えられる。

介護サービス計画書が、説明同意を得て始めて原案が本プランとなるという意味は、文字と言葉で、それらのことをわかりやすく伝えるという意味がある。そして全てを記憶にとどめておくことができない人間であるがゆえに、ここで文章化された計画書の交付を受けることによって、利用者は提供されるサービスの内容や意味を、その文章を読むことによって後に、記憶にとどまっていない内容や意味を確認するわけである。計画書はそういう意味でも重要で、そこに書かれている文章も、きちんとそのことが確認できる内容になっていなければならないのである。

そうであれば、介護支援専門員とは、それらのことが文章で伝えられるようなスキルを持たねばならないということになる。そのことは、文章力が介護支援専門員の大事なスキルであるということを意味し、それを鍛え磨いていく責任が介護支援専門員に求められるということになる。

このことについて、僕は「求められる文章力を得る手段」の中で、良い書き手は良い読み手から生まれ、作家は全て読者から生まれるという原理から考えて、文章力を鍛えるためには、書く練習をするだけではなく、むしろ文章を毎日読む習慣をつけて、主語と述語の置き方、文章の区切り方、句読点の使い方等がどうなっているかを意識して読む人になるべきだろうと指摘している。

今もこの考え方は変わっていない。

ところが、このスキルを重視しない介護支援専門員が多いことも事実である。そして文章力を鍛えることに興味を持たず、その努力をしない介護支援専門員が頼るのが、「ケアプラン作成文例」なるものである。

一定の課題を持った要介護者等のケアプランに書くべき内容を、いくつかの文例として示しているサイトなり、指南本がある。それを参考にして、実際に担当する利用者のサービス計画の中に、その参考文例の一部のみを変えて、計画書を作っている介護支援専門員が存在する。

その結果、アセスメントは違っているのに、1表と2表の内容が、どの利用者の計画も似たりよったりの内容となっている例がある。さほどひどくはなくとも、ひとりひとりの計画書内容は確かに違っているのだが、とってつけたような文章で、その利用者に求められる目標に対応していなかったり、生活課題を解決した先に、どのような暮らしの質が保たれるのかが見えない計画書も多い。

介護支援専門員が、文例に頼ってはダメなのだ。そんなものに頼ってしまえば、利用者が本当に求めているものを見つけることのできる視点を曇らせてしまう。介護支援専門員にとって最も重要なスキルとは、利用者の様々な状況変化に応じた、その時々の思いに気づくことができるスキルである。そのためには介護支援専門員に想像力が求められるわけであるが、文例に頼って、自分でその利用者にあった内容を、自分の文章で伝えようとしない人は、この想像力を鍛えられないのである。

そもそも自分の力で文章を書くということは、自分の言葉を持つことなのだ。文例に頼る人は、自分の言葉を持てなくなる。

マザーテレサがよく使っていた言葉に
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか人格になるから。
人格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

という名言がある。言葉はあなたの人格なのである。そんなものを文例に頼ってどうする。文例に頼る人も、文例を作って教える人も、自分の言葉を持つことの意味をもう少し重大に考えて欲しいと思う。

そういう意味でケアプラン作成文例など百害あって一利なしである。少なくとも利用者の個別ニーズに真剣に寄り添って、その人に真に必要なサービスをみつけようとするなら、そんなものに頼らず、自分の表現で、利用者に伝えるスキルを身につけないとならない。

介護支援専門員は、介護サービス計画作成においても、自分の方法で文章を書くことが大事だ。なぜならオリジナリティこそが、個別のニーズに対応できる支援方法を探り当てるスキルだからである。

個別化の原則とは、文例に頼らず、自分自身の文章で、自分が関わる利用者の計画書を作る姿勢にも通じるということも意識して欲しい。


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ショートステイの連続利用ルールについて


ショートステイは、区分支給限度額の範囲であっても連続利用等の給付制限ルールがある。

このことを知らないケアマネジャーはいないと思うが、制限に関する法令根拠を知らないケアマネがいるし、制限ルールをきちんと理解しておらず、間違った解釈をしているケアマネが存在する。法令に沿った理解をしていないために、行政担当者が間違った指導をしていることに反論できず、誤った制限ルールを受け入れてしまっている事例も見受けられる。それでは困るのである。

例えば、「認定の有効期間のおおむね半数を超えた短期入所は保険給付対象にならない。」と考えているとしたら、それは間違った考え方である。

そのルールは、介護支援専門員が居宅サービス計画を立案するに際して「特に必要と認められる場合を除き、短期入所生活介護及び短期入所療養介護を利用する日数が要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えないようにしなければならない。」だけなのである。そうであれば法令上、セルフプランの場合に、この期間制限は存在しておらず、区分支給限度額の範囲であれば、有効期間のおおむね半数を大幅に超えるショート利用も可能という解釈にしかならない。

セルフプランは、市町村が管理するのだから、その時にせいぜい介護支援専門員が作成する場合の制限ルールの意味を示して、セルフプラン作成者にも、それに沿うようにお願いするか、ローカルルールとして指導する以外ない。

このことは「ショート認定期間の概ね半数超えは保険給付対象外なのか?」で解説しているので参照して欲しい。

この時、介護支援専門員が居宅サービス計画にショートステイを位置づける場合に「要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えないようにしなければならない」のは、短期入所生活介護及び短期入所療養介護であるのだから、両者の計画延日数を合わせた日数が制限対象となる。

つまり認定期間の概ね半分については「生活」「療養」の通算日数という意味になる。

ところでショートの連続利用は30日までであり、例えば31日目を全額自己負担すれば、支給限度額が残っている場合、そこで連続利用カウントが一度リセットされて32日目からは連続利用の初日の扱いで支給限度額が切れるまで保険給付が可能である。

この連続利用がリセットされるのは31日目を自己負担するか、実際のサービス利用を行わない日を1日入れるか(例えば1/13に1度退所し14日はサービス利用せず1/15再利用というようなサービスを使わない空白の1日ができる場合)のどちらかしかリセットされない。つまりたまたま連続利用の29日目に支給限度額を超えて29日目を全額自己負担したとしても連続利用カウントはリセットされないため、この場合は再び利用の31日目に全額自己負担の日を入れなければならない。
※平成13年8月29日の事務連絡において「途中で施設を替わった場合(退所日の翌日入所した場合)でも30日を越えることは出来ません。なお施設間を同日に移動する場合は当該移動日において2日分の短期入所サービスを利用したこととなります。また、連続利用とみなされないのは、実質1日以上短期入所サービスを利用しない場合であり、継続入所している場合については30日には全額自己負担利用日数も含みます。」
「ただし、31日めについて全額自己負担した場合は連続利用のカウントはリセットされます。(平成14年1月よりの取扱、平成13年12月までは全額自己負担した場合は連続利用日数には含みません)」とリセットルールが定められている。


このとき、連続30日については「生活」と「療養」で別々にカウントすることになる。

なぜなら連続30日を超えた利用が保険給付の対象とならない法的根拠とは、厚生省告示第19号、「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」の規定であり、それは同通知で以下のように定められている。

短期入所生活介護
利用者が連続して30日を超えて指定短期入所生活介護を受けている場合においては、30日を超える日以降に受けた指定短期入所生活介護については、短期入所生活介護費は、算定しない。

短期入所療養介護
利用者が連続して30日を超えて指定短期入所療養介護を受けている場合においては、30日を超える日以降に受けた指定短期入所療養介護については、介護老人保健施設における短期入所療養介護費は、算定しない。

↑つまり利用者が連続して30日を超えて指定短期入所生活介護を受けている場合において、30日を超える日以降算定できないサービスとは、「指定短期入所生活介護」だけであり、「指定短期入所療養介護」はこの制限対象になっていないのである。

同じように、利用者が連続して30日を超えて指定短期入所療養介護を受けている場合において、30日を超える日以降算定できないサービスとは、「指定短期入所療養介護」だけであり、「指定短期入所生活介護」はこの制限対象になっていないのである。

この法的ルールを知らないために、行政担当者が特養⇒老健のショートステイ(またはその逆)の場合の連続利用カウントはリセットされないと、間違った指導をしても、それに反論できず、間違った指導に従ってしまうケースが見られるので、注意が必要だ。行政担当者が常に正しいとは限らないことを忘れてはならない。

なお短期入生活介護を退所した当日に、短期入所療養介護を利用する場合は、連続利用カウントはリセットされるが、認定期間の概ね半分についての日数計算では、入退所日の利用は1日で2日となる。

例えば、5/19に特養のショートから老健のショートに移ったとすると、介護給付費はどちらも1日分算定されるため、認定期間の半分の通算日数については、この19日1日分で2日分がカウントされ、連続利用については生活介護がこの日で終了となりリセットされる。療養介護がこの日が開始で連続利用カウント上は「短期入所療養介護」の初日という扱いになる。

理解している人にとっては当たり前のルールであろうが、理解の足りない人、ルールはわかっているが法的根拠まで理解していなかった人などは、あらためてこのことを確認していただきたい。

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介護・福祉情報掲示板(表板)

ケアプランの違いを知ろう


ある方から「某サイトコミュニティの掲示板で、次のようなやりとりが行われていますが、この考え方で良いでしょうか?という質問メールを頂いた。本来ならそのようなメールでの質問には答えないが、あまりにも解釈が違っていると思うので、僕の考え方を示しておく。

質問者から送ってもらったやりとりは、以下のような内容だ。回答者は2名とも居宅担当のケアマネジャーだそうである。(どこの、どういうサイトなのかは知らない。)

Q. デイサービスの行事への参加ですが、利用されている曜日は、かならずしも、その行事がある日の利用ではない場合、利用の追加や振替えが必要になってくると思いますが、そのような場合を想定して、居宅サービス計画書には、なんらかの記載をしておく必要がありますか?また、追加や振替えの際に帳票への記載も、どの帳票へどんな記載が必要ですか?

(回答1)「軽微な変更に当たると思います。特にケアプラン触らなくていいと思います。」
(回答2)「私も利用日時が基本的に変わらないなら現状でいいと思います。解釈として、軽微な変更に該当すると思います。(毎週、行事がある訳ではないですよね?)」


↑この回答で良いのか疑問というメールである。結論から言えば、この回答はデタラメと言って良い間違った回答であると言わざるを得ない。

それにしてもひどいなあ。こうした回答しかできないケアマネジャーが存在するから、ケアマネ不要論が無くならないのだと思った。いったい何を勉強しているんだろうか?

まず気付かねばならないことは、居宅サービス計画の「軽微の変更」はケアプランを触らなくて良いということではない、ということだ。

解釈通知、老企29号(居宅サービス計画書記載要領)では

 本様式は、当初の介護サービス計画原案を作成する際に記載し、その後、介護サービス計画の一部を変更する都度、別葉を使用して記載するものとする。但し、サービス内容への具体的な影響がほとんど認められないような軽微な変更については、当該変更記録の箇所の冒頭に変更時点を明記しつつ、同一用紙に継続して記載することができるものとする。

このように規定されており、さらに解釈通知・老企第22号 居宅サービス計画の変更(第15号)では

介護支援専門員は、居宅サービス計画を変更する際には、原則として、基準第13条第3号から第11号までに規定された居宅サービス計画作成に当たっての一連の業務を行うことが必要である。
なお、利用者の希望による軽微な変更(サービス提供日時の変更等)を行う場合には、この必要はないものとする。ただし、この場合においても、介護支援専門員が、利用者の解決すべき課題の変化に留意することが重要であることは、同条第12号(居宅サービス計画の実施状況等の把握及び評価等)に規定したとおりであるので念のため申し添える。


としているだけだ。つまり軽微の変更の場合は、ケアプランを新しい用紙として再作成する必要はなく、サービス担当者会議等の一連の手順も踏む必要はないが、軽微変更前からの居宅サービス計画書に「当該変更記録の箇所の冒頭に変更時点を明記」する必要はあるのだ。つまり軽微の変更の場合には、決して「現状でいい」「ケアプラン触らなくていい」ということではないということだ。

この点が間違っているということ。

しかしこの質問の答えには、それよりももっと重大な間違いがある。それは居宅サービス計画の軽微変更が必要であるという解釈自体が違っているということだ。

仮に通所介護事業所で行う行事によって、居宅サービス計画書の軽微な変更をしなければならないのであれば、行事内容が変わったり、行事をしたりしなかったりするたびに、そのことを当該変更記録の箇所の冒頭に変更時点を明記しつつ、同一用紙に継続して記載しなければならなくなるぞ。そんなことはありえないって。

しかし法令上、そんなルールにはなっていないので安心して欲しい。

居宅サービス計画に記載すべき内容とは、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十八号)に定められているが、それは

第十三条八(前半略)利用者及びその家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針、生活全般の解決すべき課題、提供されるサービスの目標及びその達成時期、サービスの種類、内容及び利用料並びにサービスを提供する上での留意事項等を記載した居宅サービス計画の原案を作成しなければならない。

↑このようにされており、さらに解釈通知・老企第29号では、このうち「サービス内容」については

「短期目標」の達成に必要であって最適なサービスの内容とその方針を明らかにし、適切・簡潔に記載する。
この際、できるだけ家族による援助も明記し、また、当該居宅サービス計画作成時において既に行われているサービスについても、そのサービスがニーズに反せず、利用者及びその家族に定着している場合には、これも記載する。


↑このように規定されている。

一方、通所介護計画については、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十七号)において

第九十九条  指定通所介護事業所の管理者は、利用者の心身の状況、希望及びその置かれている環境を踏まえて、機能訓練等の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した通所介護計画を作成しなければならない。

↑このようにされている。

居宅サービス計画に書くべきは「サービス内容」であるのに対し、通所介護計画では「具体的なサービスの内容」としているのである。

そうであれば前者の「サービス内容」とは、老企29号規定を解釈しても明らかなように、通所介護を利用することで、達成すべき短期目標を達成するためのサービスの内容なのだから、それは例えば、身体機能を維持するという目標を達成するための「機能訓練」がサービス内容であったり、心身を活性化する「アクティビティ活動」がサービス内容であったり、精神機能の低下を防ぐための「他者との交流」がサービス内容で良いわけであり、機能訓練やアクティビティや他者交流のために具体的にどのような活動や行為をするかまで、その内容が及ぶわけではない。

機能訓練やアクティビティや他者交流のために具体的にどのような活動や行為をするかという内容は、まさに「具体的なサービスの内容」なので、これは居宅サービス計画書に記載されるものではなく、通所介護計画書に記載されるべき内容なのである。

よって「デイサービスの行事」というのは、機能訓練のためやアクティビティ効果を求める目的であったり、他者との交流機会を持つために行う通所介護メニューであり、利用者が通所介護に通う日に、行事が実施されたり、されなかったりすることがあっても、行事内容が変更されたり、されなかったりしようが、それは居宅サービス計画の再作成に繋がるような問題ではなく、通所介護計画の具体的サービス内容によって、サービスメニューが違ってくるというだけである。

例えば、外出行事が行われる場合、それが保険給付される条件は、解釈通知老企25号の「運営に関する基準」で示されている条件が唯一の法令規定であり、それは

指定通所介護は、事業所内でサービスを提供することが原則であるが、次に掲げる条件を満たす場合においては、事業所の屋外でサービスを提供することができるものであること。
イ・あらかじめ通所介護計画に位置付けられていること
ロ・効果的な機能訓練等のサービスが提供できること


↑こうなっており、これを位置づける計画とは、居宅サービス計画ではなく、通所介護計画であるとはっきり書かれている。

よって、通所介護を利用する目的が、身体機能維持のためとされている居宅サービス計画が作られておれば、それ以上の内容を書く必要はない。

そして機能維持の具体的な内容として、時には施設内で個別もしくは集団的な機能維持メニューを提供することがあるだろうし、外出行事の中で機能活用に取り組むこともあるだろう。そのことは通所介護の「具体的なサービス内容」なのだから、それは「通所介護計画書」に落とし込めば良いだけの話である。

この際も、外出行事のたびに居宅サービス計画にそのことを載せてもらったり、計画を変更しなければならないものではないし、外出支援を機能訓練計画として位置づけておれば居宅サービス計画の内容に沿った計画となり得るのである。

もういい加減に居宅サービス計画書に書くべきサービス内容と、通所介護計画に書くべき具体的なサービス内容の違いくらい常識としてわかるというレベルにならないと、ケアマネ不要論はなくならないのである。

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介護・福祉情報掲示板(表板)

新たな地域ケア会議が生み出すもの


次の介護保険制度改正は、2017年度からの施行を目指している。

ケアマネジャーのあり方、ケアマネジメントに関連しては、それまでに地域ケア会議を法制化して、そこでケアプラン評価が行われる方向で作業が進められている。

具体的には、「地域ケア会議」の目的の順序を入れ替え、これまで2番目に位置付けられていた「地域の介護支援専門員の、法の理念に基づいた高齢者の自立支援に資するケアマネジメントの支援」を1番目とし、個別ケースの検討を第一の目的とすることを明確化した。

個別課題の解決については、「多職種が協働して個別ケースの支援内容を検討することによって、高齢者の課題解決を支援するとともに、介護支援専門員の自立支援に資するケアマネジメントの実践力を高める機能」としている。

「地域ケア会議の構成員」については、「介護支援専門員」「住民組織」を追記するとともに、「医療関係者」を「保健医療関係者」として幅広く規定し直し、さらに「必要に応じて出席者を調整する」としている。また、地域の実情に応じて、「個別課題の解決」「地域包括支援ネットワークの構築」「地域課題の発見」については実務者による開催、「地域づくり・資源開発」「政策の形成」についてはネットワークを支える職種・機関の代表者レベルによる開催が考えられるとしている。

会議の「留意点」としては、「個人で解決できない課題等を多職種で解決し、そのノウハウの蓄積や課題の共有によって、地域づくり・資源開発、政策形成等につなげ、さらにそれらの取組が個人の支援を充実させていくという一連のつながりで実施する」と指摘。「特に個別ケースの支援内容の検討は極めて重要」としてセンター(又は市町村)が主体となり取り組むことを求めている。

ここでいうセンター(又は市町村)とは、地域包括支援センター(又は市町村)という意味であり、地域ケア会議は地域包括支援センターが主体となって取り組むことが明示されているというわけである。

これはとりもなおさず、行政のケアプラン管理である。

そこで質の高いケアプランが評価され、不適切なケアプランをあぶり出し、ケアマネジメントの適正化が図ることができるなんていうことはありえない。なぜならケアマネジメントの根幹には、アセスメントが存在するのに、実際にアセスメントを行って、利用者の個別ニーズを見つめているケアマネジャーに対して、アセスメントを行っていない第3者が指導できる根拠は曖昧ならざるを得ず、それは担当職員の価値観や思い込みからの指導にならざるを得ないからだ。

そこでは単なる給付抑制しかされないだろう。訪問介護の生活援助も、単純に必要ないとターゲットにされる可能性が高い。

しかしケアマネジメントの援助技術の展開の目的が、生活の全体性や継続性、個別性に目を向ける生活支援であるとしたら、そこには身体機能レベルだけでは解決できない様々な問題に対する援助の方法があって当然である。そうであれば必ずしも軽介護者に身体介護以外の生活支援が必要ではないという考えにはならない。家事援助(生活援助)も立派な生活支援になり得るというのは、すでに終わっている議論ではないのか?

加齢という自然摂理を起因とした衰えによって生ずる足腰の衰え、視覚や聴覚、味覚の減退は、ADLより先に、IADLの障害になって現れてくるのだから、軽介護者に必要な家事支援を適切に結びつけることも、生活維持には重要な視点である。それを理解できる頭脳の持ち主が、地域包括支援センターの職員や、地域ケア会議のメンバーの中に何人いるだろう?

制度改正の方向は給付の重点化・効率化とされている。つまり財源がないから、不必要なサービスは保険給付から削って、その分を必要なサービスに回すという組み換え策が中心である。要支援者を給付対象から除外するという方針が示されているのも、その方策の一つである。しかし今の制度議論の論者に、本当に必要なサービスを理解している人がいったい何人存在しているのだろうか。

相変わらず在宅介護は医学的リハビリ中心で、しかもサービスの主要部分だけ保険給付し、周辺部分を出来るだけ自己負担化しようとしている人間の声が前面に出されて新制度が議論されている。地域包括ケアシステムも生活支援を地域で切れ目なく行うより先に、包括化された報酬内ですべてのサービスを完結しようとする論理が先に来ているだけではないか。

そもそも制度改正というが、過去の改正はちっとも制度を良くしていない。結果として失敗ばかりしている識者と呼ばれる連中が、ほとんどその顔ぶれを変えることなく、繰り返し制度改悪している。そうした評価もしないで同じような顔ぶれで制度改正議論を行う現状はどうかしている。失敗者の首をすげ替えるべきである。

そう考えると、地域ケア会議の見直しも失敗の歴史を繰り返すような気がしてならない。いや、地域ケア会議の変更によって何が起こるかということは既に明らかだ。

本来ケアマネジメントは、利用者の立場から生活課題を把握し、利用者の生活を支援するために展開されるべきものであるのに、今後は保険給付の限定化とともに、地域ケア会議によってケアプランを行政管理して、ケアマネジメントを財源抑制の手段として使うという『マネイジドケア』として展開させようという意図が明白である。

このことはもともとケアマネジメントの諸刃の剣として負の指摘を受けている点であり、本来それは「禁じ手」である。その禁じ手が、大手を振ってまかり通りかねないのが、地域ケア会議の見直し案の中に散りばめられていることに、現役のケアマネジャー諸氏は気がついているのだろうか。

でもその時に、それは違うと自分のケアプランの適切性を説明できる理論武装したケアマネが何人いるのだろうか?きちんと勉強しないと大変なことになることをわかっているのだろうか!!

少なくとも利用者や地域に対して、ケアマネジメントとは何ぞや、という意味を、自らの実践で語れる介護支援専門員でなければ、地域ケア会議の中で、まるで被告のように糾弾され続けるだけの存在に自らを貶めることになるであろう。

どちらにしても、自分の仕事の根拠を語ることができないケアマネジャーは、今後は実地指導を恐れると同じように、地域ケア会議を恐れ、そこで指導されることに汲々とする姿が目に浮かんでくるのである。

アセスメントに基づいたケアプランをきちんと理論づけて語ることができるケアマネジャーであれば、そのような惨めな姿にはならないだろうと思うのだが・・・。

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介護・福祉情報掲示板(表板)

変えなければならない法令ルール




法令遵守は大切であるが、すべての法令が正しくて、それを守ることが人の幸福につながると考えるのは間違いである。

法令とは言っても、それは所詮、人が考えた文章に過ぎないという一面もあるのだ。そうであるがゆえに、中には人の暮らしを窮屈にしたり、現実にそぐわなくなった法令もあることも事実だ。これを変えようとする行動を起こすことはあっても良い。しかしそれも合法的な手段で、ソーシャルアクションとして正論を行動化するという考え方が必要だろう。

介護保険の法令も同じで、ここで示されている法令がすべて正しく、制度を円滑に運用させ、人々の暮らしを良くするというわけではない。

ケアマネジメントの方法も、法令で定められているが、このルールに沿ってさえいれば、適切なケアマネジメントが出来るなんていう考え方はおかしい。法令に沿ったケアマネジメントルールをレクチャーする講師がいることは大事だが、法令の中に潜む瑕疵(かし)や齟齬(そご)に触れないのは片落ちであると思う。

現在のケアマネジメント作成ルールの中で、僕が一番変えなければならないと思っているのは、定期的な認定更新と状態区分変更時の、ケアプラン再作成におけるサービス担当者会議の開催ルールである。

このルールについては、居宅サービス計画については、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十八号)の第13条に次のように定められている。

十四  介護支援専門員は、次に掲げる場合においては、サービス担当者会議の開催により、居宅サービス計画の変更の必要性について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。ただし、やむを得ない理由がある場合については、担当者に対する照会等により意見を求めることができるものとする。
イ 要介護認定を受けている利用者が法第二十八条第二項 に規定する要介護更新認定を受けた場合
ロ 要介護認定を受けている利用者が法第二十九条第一項 に規定する要介護状態区分の変更の認定を受けた場合


施設サービス計画については、特養の場合で言えば、指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十九号)の12条に定められている。

11  計画担当介護支援専門員は、次に掲げる場合においては、サービス担当者会議の開催、担当者に対する照会等により、施設サービス計画の変更の必要性について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。
一  入所者が法第二十八条第二項 に規定する要介護更新認定を受けた場合
二  入所者が法第二十九条第一項 に規定する要介護状態区分の変更の認定を受けた場合


このようにサービス担当者会議と照会ルールは、居宅サービス計画作成の場合と、施設サービス計画作成の場合では大きく異なっており、居宅サービス計画作成の際のサービス担当者会議に参加できないメンバーへの照会は、「やむを得ない理由がある場合」のみ可能とされ、基本原則はサービス担当者会議に参加して話し合うこととしているが、施設サービス計画作成の場合のサービス担当者会議と照会は、両者が同列に規定されており、特段の理由がなくとも、サービス担当者会議を開催しないで、照会だけで計画作成を行うことを認めている。

この意味や理由については、「居宅と施設で微妙に異なるケアマネジメントルール」で解説しているので、そちらを参照してほしい。

それは良いとして、ここではどちらの場合も「法第二十八条第二項」に規定する要介護更新認定を受けた場合と「法第二十九条第一項」に規定する要介護状態区分の変更の認定を受けた場合は、サービス担当者会議(施設サービス計画の場合は、サービス担当者会議もしくは担当者への照会)を行わなければならないとしている。

これはルールとしては大きな瑕疵であると思う。

まずここで問題とされるのは、「変更の認定を受けた場合」の解釈であるが、これが「実際に認定審査会で2次判定結果が出された日」なのか、「新たな認定期間の初日」なのかが問題となるが、ここも統一されておらず、市町村で解釈が違っている現状も問題であろう。

特にこの解釈を「新たな認定期間の初日」とした場合は、その日までサービス担当者会議が開催できないということになるか、あるいはそれ以前に担当者会議を開催して新しいサービス計画書を作っていても、この規定に基づいて、新たな期間の最初の日以降に再度サービス担当者会議を行わねばならないということになってしまう。

そこで、「変更の認定を受けた場合」とは、「実際に認定審査会で2次判定結果が出された日」と解釈する自治体が多いのであるが、ところがこれでも解決しない問題がある。

例えば、更新期間のずっと以前に更新申請しているが、認定審査会が何らかの理由で遅れて、現在の認定有効期間内に認定結果が出ない場合の問題である。

この場合でもサービス担当者会銀規定は、『「法第二十八条第二項」に規定する要介護更新認定を受けた場合と「法第二十九条第一項」に規定する要介護状態区分の変更の認定を受けた場合』とされているのだから、現在の有効期間内に新しいサービス計画書作成のための担当者会議を行っても、認定結果が出されるか、あるいは新たな認定有効期間の初日以降にあらためて担当者会議を行わねばならないという規定になっているということだ。

こうした問題に対応するために当施設では、更新申請は有効期間満了日の60日前から可能とされていることから、できるだけ60日前に行い、現在の認定有効期間内に認定結果が出るようにし、その結果に基づいて担当者会議もしくは照会によって、新しい期間の施設サービス計画を、それまでの施設サービス計画の有効期間内に作成するようにしている。それでも期間内に認定結果が出ない場合は、理由を確かめ、上記の法令から生じてくる問題を説明し、強く抗議することになる。

介護認定の基本原則は、申請から30日以内にしなければならないとしているものの、特別な理由がある場合は延期することも可能としており(介護保険法第27条第11項)、介護認定者数が多い都市部では、認定有効期間を過ぎてから認定審査結果が出される例が多い。

サービス計画書は「認定更新時に、計画書も更新する」というルールが存在し、そうであるにもかかわらず、サービス担当者会議は、「認定を受けた場合」とされていることには大きな矛盾が存在すると言えるであろう。

具体的に例示すれば、認定有効期間が平成24年5月1日〜平成25年4月30日の場合、25年3月10日に更新申請書を提出したのにもかかわらず、医師意見者が遅れたために、実際の認定が25年5月10日になってしまった場合である。

この場合も、5月1日〜5月9日までの計画がないと困るので、5月1日以前に暫定プランを立てたとする。この時にいくらサービス担当者会議を行っていても、法令上の「変更の認定を受けた場合」は5月1日(新たな認定期間の初日と解釈した場合)もしくは5月10日(実際に認定審査会で2次判定結果が出された日と解釈した場合)ということになってしまい、それ以降にサービス担当者会議を行わねば法令違反となってしまう。

このことは24年4月の老企22号改正通知の「なお、利用者の課題分析(第六号)から居宅サービス計画の利用者への交付(第十一号)に掲げる一連の業務については、基準第一条に掲げる基本方針を達成するために必要となる業務を列記したものであり、基本的にはこのプロセスに応じて進めるべきものであるが、緊急的なサービス利用等やむを得ない場合や、効果的・効率的に行うことを前提とするものであれば、業務の順序について拘束するものではない。ただし、その場合にあっても、それぞれ位置付けられた個々の業務は、事後的に可及的速やかに実施し、その結果に基づいて必要に応じて居宅サービス計画を見直すなど、適切に対応しなければならない。」を提供しても問題解決にならない。

なぜならこの規定は、業務の順序をあべこべにしてもやむを得ないというだけで、期間の定めを無視して良いことにはなっていないからである。

おそらくこのルールは、あらたな認定結果を、現行の要介護認定期間内に出すことができないというケースを想定しないで定めたルールと思え、実態にそぐわないルールとなってしまっている。

サービス担当者会議の開催要件の「認定を受けた場合」を、実際の認定審査日もしく新有効期間の初日以前でも良いと解釈できるような、新しい解釈通知を出すなど、実情に合わせた早急なる改正を求めたい。



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デマンドよりニーズを引き出せと言われるが・・・。


大辞泉ではデマンドとニーズの意味を次のように解説している

デマンド【demand】需要。要求。請求。
ニーズ【needs】必要。要求。需要。


介護支援専門員が計画作成の際に「デマンドよりニーズを引き出せ」とか、「デマンドをプランに結びつけるのではなく、ニーズに対して適切なサービスを提供する必要がある」と言われることがあるが、この場合デマンドとニーズの意味は、全く違う意味として使われていることになる。

ここではデマンドという言葉は、ウォンツ(欲求)に近い意味で使われており、自己の欲求を満足させるための要求や請求という意味になるだろう。そしてそれを満たしたとしても、必ずしも暮らしの質は向上しないという意味を含んでいる。

このようにデマンドが、利用者の欲求を満たすだけの要求や請求であるとしたら、ニーズとは単なる欲求を満たすための要求ではないという意味になる。

心理学の用語としてニーズという言葉が使われる場合の意味は、「個人の行動を動機づけたり、ある対象に対する選択的な方向づけの誘引となるような内面的メカニズムであり、欲求または要求という」(日本大百科全書より)とされている。

介護サービスの場で使われるニーズという言葉の意味は、この心理学用語に近い意味で、対象者の内面も含めた問題として、その人の日常をよりよくするために、真に必要とされるものという意味で使われていると解釈できる。

そういう意味であれば、ケアプランに記される具体的サービスは、単にデマンドに対応するのではなく、きちんとニーズを引き出して、それに対応するものであるという考え方は正しいと言える。

しかしここで問題となるのは、デマンドとニーズの違いをどのように見分けるかということである。そして見分けが付いた場合であっても、欲求に基づいた要求をしている利用者に対し、それはニーズではないということをどのように説明して納得してもらうかという問題である。

アセスメントツールで自動的にニーズが引き出せるということはない。ここが難しいところだ。ニーズとは機械的作業で引き出すことはできないのだ。アセスメントツールを利用して引き出した生活課題に対して、何がニーズなのかという検証作業が欠かせないのがケアマネジメントの難しいところである。

時として適切なニーズ把握のバリアになるものが、介護支援専門員の思い込みや、その価値観であったりする。デマンドだと思い込んでいたものが、実は利用者自身から表出・顕在化されているニーズだったりする。

ここをきちんと検証・評価しないとケアマネジメントは機能しないということになる。

そのために介護支援専門員は次のことを自覚している必要がある。それはニーズに対応せよという意味が、「希望や要求が必要性とは違う」という意味に留まらないということである。介護支援専門員がデマンドと思い込んでいる利用者の要望の中にもニーズが含まれているかもしれないことに注意を払うべきである。

時として、デマンドもニーズの一部分と考える視点が必要となるのが生活支援であり、デマンドとは利用者が望む暮らしを探る羅針盤かもしれないという考え方が一方では必要とされるのだ。その上で、できることと、できないことを理解できるような支援関係を築くことが重要なのである。

ここをきちんと見極めた上で、利用者が自覚していないニーズ、自覚していても何らかの理由で顕在化(表出)されていないニーズといった、「隠されたニーズ」の発見が重要になってくる。それを発見するために高い専門性が求められているのである。

この際、ニーズを潜在化させないためには、相談をする利用者側の「心の重み・ハードル」を理解することが大切である。つまり誰しも他者に知られたくない・言いたくなということもあるということを理解する必要があるということだ。自分の困り事を、つつみ隠さず、事実をありのままに他人に告げるということはそれほど簡単なことではないのである。恥ずかしくて言えないという気持ちは、ケアプランを担当する介護支援専門員に対しても抱いてしまう感情であることを理解しなければならない。

そのために介護支援専門員は、相手がどんな気持ちで相談するに至ったかを思いやる気持ちを常に持っていなければならない。

そのうえで、「困っていることと、望んでいること」を区別し、さらに困っていることや望んでいることについては、それが人に対してか、それ以外かというふうに整理・検証していくことが大事である。

その際、利用者本人がニーズを認識できないのはなぜかと考える必要がある。時にそれは抑圧・孤立であったりする。あるいは複雑で複合的な課題が重なりニーズが認識(特定)できないという理由であったりする。場合によっては、介護支援専門員の関わり方で潜在化するニーズもある。

つまり「主訴は何か」「ニーズは何か」「必要なサービスは何か」を考えることは大事だが、その前に利用者が援助者を受け入れることができる信頼を築くためには、介護支援専門員の姿勢が大事であり、ニーズを顕在化させる前段階として、対人援助の最も重要な基本は「人と人との信頼関係」であるということを忘れてはならないわけである。

この姿勢がなければ的確なニーズは抽出できないし、逆に言えば、この姿勢に徹して利用者から信頼を得て初めて、欲求に基づいた要求をしている利用者に対し、それはニーズではないということを説明して納得してもらえるような関係となり得るのである。

そのためにはマナーも求められるわけで、顧客サービスとしてふさわしい言葉遣いや、服装への気遣いというものが求められるのは当然である。

これは説得術ではなく、介護支援専門員のソーシャルワーカーとしての交渉術の一つであるのだから、マナーに欠ける交渉では成功確率は著しく低下するという理解も求められるのである。

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介護・福祉情報掲示板(表板)

ケアプラン自己作成への妨害行為?


居宅サービス計画については、他者の計画を作成する場合は、指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員でなければならない。

つまり介護支援専門員という資格は当然必要だが、その資格を持っていても、「指定居宅介護支援事業所」に配属されていなければならないのである。

しかし居宅サービス計画は、自己作成することが認められている。自分自身の居宅サービス計画を立てる場合は、何の資格も必要ないし、指定事業所に配属されている必要もない。これは常識といっても良い問題であろうが、一応その法的根拠を示しておく。

まず介護保険法第41条6項で、居宅サービス費が現物給付化(利用者1割負担を介護サービス事業者に支払って利用できること)される条件について

居宅要介護被保険者が指定居宅サービス事業者から指定居宅サービスを受けたとき(当該居宅要介護被保険者が第四十六条第四項の規定により指定居宅介護支援を受けることにつきあらかじめ市町村に届け出ている場合であって、当該指定居宅サービスが当該指定居宅介護支援の対象となっている場合その他の厚生労働省令で定める場合に限る。)は、市町村は、当該居宅要介護被保険者が当該指定居宅サービス事業者に支払うべき当該指定居宅サービスに要した費用について、居宅介護サービス費として当該居宅要介護被保険者に対し支給すべき額の限度において、当該居宅要介護被保険者に代わり、当該指定居宅サービス事業者に支払うことができる。

↑このように定めている。つまり指定居宅介護支援を受けることにつきあらかじめ市町村に届け出て介護支援の対象となっている場合(つまり居宅介護支援事業所の介護支援専門員により居宅サービス計画が立案されている場合という意味)の他に、厚生労働省令で定める場合には保険給付対象である居宅サービスは現物給付化(利用する際に1割自己負担分を支払って利用できること)されるわけである。

この「厚生労働省令で定める場合」とは、介護保険法施行規則第64条において規定されており、その二には、「当該居宅要介護被保険者が当該指定居宅サービスを含む指定居宅サービスの利用に係る計画をあらかじめ市町村に届け出ているとき。」としている。

つまり当該居宅要介護被保険者(つまり利用者自身という意味)が居宅サービス計画を立案し、市町村に届け出ている場合も、居宅介護支援を受けるのと同様に、居宅サービスは現物給付化されるわけである。これがセルフプランの法的根拠である。

このように居宅ザービス計画を、介護サービスを利用する本人が立案することを、マイプランとかセルフプランとか言う。これは法令上の言葉ではなく、あくまで通称だ。

ところでセルフプランを立てることについて、僕自身はあまり推奨しない立場をとっている。それは制度があまりにも複雑になりすぎて、介護保険制度や介護報酬の構造に精通していない人が適切なサービス計画を立案することが難しくなっているからだ。

だからといってセルフプランを完全否定しているわけではない。自分自身の計画を立案したいという希望を持つ人が、それなりに勉強して、自身にふさわしい計画を立案できるということであれば、それは充分認められると思う。大賛成だ。

ところが先日、道内のとある地域の方から、セルフプランの届出をしようとしたら役所の窓口で担当者職員から、そのことについての数々の妨害を受けたという相談を受けた。セルフプランといえど、介護支援専門員が作成する居宅サービス計画と同様に、効果がある内容の指導もするということも言われたらしい。

セルフプランを作成する場合、本人が作成して届け出た居宅サービス計画の介護報酬コードや、指定事業所番号などの記載内容をチェックして国民健康保険連合会に給付管理表を送付する事務処理は、市町村の担当職員が行うことになる。それに対する報酬が別に発生するわけではなく、市町村の業務が増えるだけだから、地域によって担当職員がそのことを歓迎しない場合があることはよく聞こえてくる。しかし露骨な妨害行為は、利用者の権利侵害ではないだろうか。そもそもケアマネジメントの適切性を、行政担当課が指導する根拠は、居宅介護支援に関する法令に基づくものであり、それをそのまま被保険者に対する指導根拠にすることにも無理があるだろう。

細かい相談内容は記せないが、当該ケースでは、訪問看護の導入に際して、役所の窓口でその必要性はないと計画に組み入れることを妨害されているということであったので、そこまでの指導はできないだろうと回答した。

相談者は法的手段も辞さないということであったので、それは最終手段として、まず正式に市町村や道の苦情担当窓口に苦情申し立てをするようにアドバイスした。

どちらにしてもそこから得た印象としては、行政職員が自分の持つ職権というものを勘違いしているのではないかということである。そこには権力に酔う見識の低い行政職の醜い姿が浮かぶばかりであった。

介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後のあり方に関する検討会における議論の中間的な整理」の中では、保険者機能の強化によるケアマネ支援が盛り込まれており、居宅介護支援事業所の指定権限を市町村に与える案が示されている。

しかし本記事に登場する行政担当者のように、ケアマネジメントのなんたるかも知らない、権力に酔うお馬鹿な行政担当者が多い現状で、市町村に「指定権限」を与えることになれば、利用者本位のケアプランが作られるのではなく、今後は保険者本位の流れを生みかねないだろう。

そして市町村の担当者が変わるたびに、変なローカルルールによって、居宅介護支援事業所のケアマネジャーは右往左往することになることは確実だろう。困ったことである。

シリーズ第3弾・完結編。いよいよ今週金曜日発刊!!
カバー帯付き3

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ケアプランはサービス種別によって作成ルールが異なる


先日、僕が受講した介護支援専門員資格更新研修は、施設サービス計画を担当する介護支援専門員を対象としたグループであったが、サービス種別としては、特養、老健、介護療養型医療施設に加え、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)や特定施設の介護支援専門員も数多く参加していた。

グループホームや特定施設は、介護保険制度上は「居宅サービス」に分類されているとはいえ、そのサービスとは、自宅ではない別の「施設」に住み替えた要介護高齢者等が、その中で24時間、365日に渡りサービス提供を受けるもので、認知症対応型共同生活介護計画や特定施設サービス計画も、施設サービスと同じように、その「施設」の中で提供される「単品サービス」である。よってそこでのケアマネジメントとは、居宅介護支援の方法ではなく、施設ケアマネジメントの手法で行われるものであるから、施設ケアマネジャーの研修に参加したほうが、整合性が取れるわけである。
(参照:グループホームは在宅であるという誤解

しかしグループホームや特定施設の計画書については、居宅サービスに分類されているがゆえに、老企29号規定の対象とはならず、施設サービス計画書や居宅サービス計画書(居宅介護支援事業所)として定められている標準様式を使う必要はなく、どのような書式形態であっても、法令上に規定された内容が網羅されておれば良いわけである。

ただ今回の研修における事例検討で見た限りは、書式名称はさまざまであったが、様式自体は「施設サービス計画書」の1〜3表とほとんど同じものを使っているグループホームや特定施設が多かった。そのため、第2表の内容もほとんど特養の計画と同じ項目となっていた。

それ自体は、特に問題となるわけではないが、しかしグループホームと特定施設の介護支援専門員の方々は、機械的に施設サービス計画書と同じ様式を使って、そこに定められた項目をすべて埋めなければならないという「間違った」理解をしないように注意してほしいと思った。

施設サービス計画や居宅サービス計画と、グループホームや特定施設の計画に求められている法令上のルールは異なっているのである。以下にその内容を示すが、まずグループホームの法令との違いから、両者のケアプランに書くべき内容の違いを見てみよう。

まず特養のケアプランについては、指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十九号)において次のように示されている。(地域密着型介護老人福祉施設も同様である。)

(指定介護福祉施設サービスの取扱方針)
第十一条5  計画担当介護支援専門員は、入所者の希望及び入所者についてのアセスメントの結果に基づき、入所者の家族の希望を勘案して、入所者及びその家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針、生活全般の解決すべき課題、指定介護福祉施設サービスの目標及びその達成時期、指定介護福祉施設サービスの内容、指定介護福祉施設サービスを提供する上での留意事項等を記載した施設サービス計画の原案を作成しなければならない。

↑このようにされ、さらに老企43号解釈通知(5)施設サービス計画原案の作成(第5項)において

また、当該施設サービス計画原案には、入所者及びその家族の生活に対する意向及び総合的な援助の方針並びに生活全般の解決すべき課題に加え、各種サービス(機能訓練、看護、介護、食事等)に係る目標を具体的に設定し記載する必要がある。さらに提供される施設サービスについて、その長期的な目標及びそれを達成する為の短期的な目標並びにそれらの達成時期等を明確に盛り込み、当該達成時期には施設サービス計画及び提供したサービスの評価を行い得るようにすることが重要である

↑このように目標は達成時期を定め、かつその目標は長・短期目標に分けて両者の達成時期をそれぞれ定めることとされている。

一方、グループホームのケアプランについては、指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成十八年三月十四日厚生労働省令第三十四号)において

第九十八条  
3  計画作成担当者は、利用者の心身の状況、希望及びその置かれている環境を踏まえて、他の介護従業者と協議の上、援助の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した認知症対応型共同生活介護計画を作成しなければならない

↑このように目標については「目標と当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等」が書かれておれば良いとされているだけであり、「達成時期」を定める規定は存在していない。

さらに 指定地域密着型サービス及び指定地域密着型介護予防サービスに関する基準について(老計発第0331004号)の(5) 認知症対応型共同生活介護計画の作成、を読んでも達成時期の規定はないし、目標を長・短期目標に分ける規定も存在していない。

つまり、グループホームのケアプランでは、目標を定めておれば「達成時期」を示すための「期間」は記入する必要もなく、目標も長・短期に分けなくてもよいのである。だから両者の計画書には、単に「目標1」「目標2」などと記載し、それに対する当該目標を達成するための具体的なサービスの内容が書かれておればよいのである。

もちろんケアマネジメントのやり方として、目標を長短期に分けて、期間も定めるという方法が悪いわけではないが、そうしない方が職員や利用者がシンプルでわかりやすいという場合は、そうしない方法もありだ。これは決して法令違反にならない。

このことを理解しながら期間を定めているのならよいが、そうした理解がないまま「目標は長短期目標に分けなければならない」とか、「目標期間を記入しなければならない」と考えているのは問題だろう。なぜならそれは法令理解がされていないという意味だからである。

同じように特定施設入所者生活介護の省令を読んでみると、

指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十七号)

第百八十四条 3  計画作成担当者は、利用者又はその家族の希望、利用者について把握された解決すべき課題に基づき、他の特定施設従業者と協議の上、サービスの目標及びその達成時期、サービスの内容並びにサービスを提供する上での留意点等を盛り込んだ特定施設サービス計画の原案を作成しなければならない

このように達成時期が含まれるが、解釈通知にはグループホームと同様、目標を長期、短期に分ける規定はない。つまり目標達成時期としての期間を書かねばならないが、目標は長・短期に分ける必要がないということで、グループホームのプランとも、特養のプランとも異なっているというわけである。特養、グループホーム、特定施設を3つ並べると、法令上のケアプラン作成ルールはそれぞれ異なるということになる。

また施設サービスと居宅介護支援のプラン作成ルールにも大きな違いのある部分がある。しかし今回の研修で事例検討を行った僕のグループのメンバーで、この違いを明確に理解している人は皆無であったので、ここであらため両者の法令上の違いを示しておく。

それは「サービス担当者会議」に関する法令ルールの違いである。

まず居宅介護支援におけるサービス担当者会議のルールは、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十八号)において

(指定居宅介護支援の具体的取扱方針)
第十三条
九 介護支援専門員は、サービス担当者会議(介護支援専門員が居宅サービス計画の作成のために居宅サービス計画の原案に位置付けた指定居宅サービス等の担当者(以下この条において「担当者」という。)を召集して行う会議をいう。以下同じ。)の開催により、利用者の状況等に関する情報を担当者と共有するとともに、当該居宅サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。ただし、やむを得ない理由がある場合については、担当者に対する照会等により意見を求めることができるものとする。

↑このように必ずサービス担当者会議を行わねばならないという原則となっており、「やむを得ない理由がある場合については」担当者に対する照会を認めているに過ぎない。よって例えば「状況変化もほとんどないので、今回は会議を行わず照会と連絡だけで済ましましょう」ということはできないのである。

ところ介護老人福祉施設の法令で「施設サービス計画」の原案作成に伴うサービス担当者会議の規定を見てみると、ここに大きな違いがある。

指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十九号)の(指定介護福祉施設サービスの取扱方針)

第十一条6  計画担当介護支援専門員は、サービス担当者会議(入所者に対する指定介護福祉施設サービスの提供に当たる他の担当者(以下この条において「担当者」という。)を召集して行う会議をいう。以下同じ。)の開催、担当者に対する照会等により、当該施設サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする

わかりやすいように括弧を外して表記すると、「サービス担当者会議の開催、担当者に対する照会等により」となる。そして居宅介護支援の規定に書かれている「やむを得ない理由がある場合については」という規定はここには存在していない。

つまり施設サービス計画原案の作成に関する、「利用者の状況等に関する情報を担当者と共有」の方法は、サービス担当者会議と照会が同列に扱われており、最初から「会議を行う必要はないケースですから、照会だけで確認しあいましょう」という方法が認められているのである。

これは施設サービスという単品サービスについては、同じ職場で勤務している職員同士ということで、日常的にコミュニケーションを交わしながら情報共有が可能であり、あえて会議形式をとらずともケアマネを中心にして情報伝達を行うことでサービス計画の作成や、その内容の把握に問題はないと考えられるためであろう。

だから施設の介護支援専門員は、この法令上のルールを十分理解して、それを利用しない手はないということだ。機械的にサービス担当者会議(ケアカンファレンス)を開催して、施設サービス計画原案を作るということではなく、それが特に必要ではないケースについては、照会によって原案作成して、業務負担を減らしたり、職員が会議のために現場から離れる時間を削減するなどの配慮も必要だろう。

このルールの理解があるか、ないかで仕事に大きな差が出るかもしれない。

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介護・福祉情報掲示板(表板)

価値観を押しつけた僕の失敗


利用者ニーズをすべて正確に浮かび上がらせることができる「神業的アセスメントツール」は、この世に存在しない。

そこにはどうしてもアセスメントを行う人自身の価値観が介入せざるを得ないという問題がある。ここをきちんと意識していないと、主観的な価値判断に客観性があると思い込んで、間違った価値観の押しつけがケアマネジメントであると勘違いしてしまう場合がある。

利用者の過去と現在の暮らしを真剣に見つめて、ともに考えるという過程でしか客観的な価値判断は生まれないと思うべきだし、アセスメントで引き出したニーズが唯一絶対的なものではないという考え方が一方では必要だ。

かく言う僕も幾度か間違いを犯し、失敗を重ねてきた経験がある。

介護保険制度が始まるずっと以前、施設サービス計画の作成義務はなく、利用者個人に対する介護計画の作成は、施設ごとの判断で、存在していた施設もあり、全体計画しか存在しない施設もあった。

当施設も開設当初は、全体計画はあるが、個別の介護計画はなく、施設が作り上げたルーティンワークに利用者の暮らしをはめ込んでいた時代があった。そういう時代を経て、徐々に個別ケアの必要性に気がつくようになり、当時の言葉で「個別処遇計画」を作成する必要性を持つようになった。しかしそれを作成するためのアセスメントの具体的方法論は、当施設の中に関して言えば存在しておらず、(MDSなどのアセスメントツールがあることさえ知らなかった。)個別処遇計画は、ADL調査と、生活歴をもとに作るという形であった。だから根拠のある生活課題を引き出しているとは言えなかったし、課題解決に繋がるサービスになっているという状態ではなかったと評価できるだろう。

それでも、なんとか当時の50人施設で、50名分の「個別処遇計画」が作られていた。

そんなある時期、80代の女性利用者の方が、夜ベッドサイドにポータブルトイレを置いて欲しいという要望が出された。しかしその方の居室(2階の4人室)は、トイレのすぐ目の前で、当該利用者のベッドは廊下側であった。

つまり廊下をはさんで、すぐの場所にトイレがあり、その方自身は歩行器を使った自力歩行ができ、日中はエレベーターを利用して、1階の食堂にも自力で降りられてくる方なので、特段ポータブルトイレを使う必要性がないと考えられた。

だから僕は、その方にポータブルトイレを使う必要性がないことを自分の価値観として説明した。その中にはポータブルトイレを使うことによって、あたかも下肢筋力が劇的に低下するかのような脅迫に近い内容が含まれていた。そしてポータブルトイレを使わないでトイレで排泄するように説得し、その場で「渋々」その方にポータブルトイレを使わないことを納得させた。

僕はこの当時、そのことについて、専門家の立場から正しい説明をして、利用者がその説明を聞いて納得して、問題は解決したと思い込んでいた。そしてそれは利用者にとっての「良い暮らし」を守る結果であり、良い対応であると思い込んでいた。少なくとも悪い結果にはならないと確信していた。

しかしそれから数週間後、利用者の個人の買い物注文を担当している事務職員が、「○○さんからこの前、バケツを買って欲しいと言われて、部屋の台所の下に掃除用バケツが入れてありますって言ったんですけど、どうしても自分のバケツが欲しいというので、買ってきたんですけど、よく考えると変ですよね。何に使ってるんでしょうか?」と言われた。

なるほどと思い担当の介護職員に確認してみると、何に使っているかわからないけど、確かに部屋に置いてありますという。そこで何気なく本人に聞いてみると、はっきりした答えがなく、必要な時に使っているような話しかしてくれなかった。そこでその日からバケツの使い道を観察していると、どうやら夜間にそこに排泄し、職員に気づかれないように、朝方自分でそれを居室の台所に捨てていたようである。

このときはたと気づくものがあった。僕の勝手な価値観による説得で、夜間ポータブルトイレを「使わせてもらえなかった」ために、その方はそういう方法で、職員に「見つからないように」夜間の排泄行為を行っていたのである。トイレに行かずに居室で排泄することは、この施設では「悪」とみなされてしまうと考え、隠れてバケツに排泄していたのである。

自分が何故そうまでしてトイレに行けないかを、口でうまく説明できないし、ここの職員は分かってくれないと考え、諦めてこういう方法をとったのである。

僕は勝手に、「歩行状態に問題はなく、トイレのすぐ近くの部屋で、ベッドサイドに便器を置かなくても夜間排泄に問題はない。」と判断したのであるが、この方にとって、夜間に排泄感を感じて目が覚めた時に、ベッドから降りて、歩行器を探して、それを使いながら、僅かな距離であってもトイレまで歩いて排泄するという行為が、「辛かった」のである。間に合わない恐れを抱いたり、トイレに行って帰ってくるだけの行為でしんどかったり、そのことで目が冴えて、そのあと眠れなくなったりという現実があったのである。

そもそも日中、歩行機会が十分あり、歩行器を使えば支障なく自力歩行できている80代の高齢者に対して、夜間の排泄まで「頑張ることを強制する」必要性は全くなかったのである。夜間ポータブルトイレを使うこと=下肢筋力の低下などという論法はいかにも乱暴で、暮らし全体の歩行機会というアセスメントがまるでできていなかったのである。

だからその方の「生活障害」とは、夜間トイレに行けないことではなく、「僕自身」であったのである。

この方が夜間ポータブルトイレを使ったからといって、生活の質は低下するということではなかったのである。むしろポータブルトイレをベッドサイドにおいて、排泄後の後始末を適切に支援するだけで、この方は毎日安心して眠ることができたのであり、そういう視点のない一方的な僕の価値観の押しつけで、毎晩「悪いことをしている」という気持ちにさせながら、隠れてバケツに排泄し、夜勤者が気づかないように、朝、不自由な体で頑張って台所に尿を捨てていたのである。

このケースは、僕にとって後後まで忘れることができない失敗として、常に自分の教訓にしている。

この方には、その時心から謝って、バケツのお金を支払わせていただき、ポータブルトイレを安心して使ってくださいとお願いした。その方は、その後7年以上当施設で暮らされ、その後お亡くなりになったが、ポータブルトイレを使ったからといって、下肢筋力はそのことで低下することはなかった。本当に申し訳のないことをしたと思っている。

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介護・福祉情報掲示板(表板)

ケアプラン標準様式の変更案を論評する


2012年05月09日、株式会社日本総合研究所より、「介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する調査研究〜ケアプラン詳細分析および基礎調査の結果を公表します〜」という資料が示されている。

この資料は、「介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後のあり方に関する検討会」の議論のための基礎資料という意味合いがある。

その82ページ以降に、介護サービス計画書の標準様式の変更様式(案)が示されている。

検討会ではこの標準様式変更案について、「必ず変更するというわけではない。」としているものの、この検討会を毎回傍聴して、shan noteに傍聴記を書き続けているshanさんは、「現在のあり方検討会の状況は、いろんな意見が出過ぎて方向性が見えなくなっているという感じなんですが、意見の強い委員の方向性は様式の変更案推進派ですから、このままいけば現在示されている様式が概ね採用されるのではないかって感じですかね。」と僕のFBにコメントしてくれている。

そしてshanさんは、「新様式案については、ある人からケアマネジャーは幼稚園児扱いされていると言われ、ごもっともだと思うくらい、作成側に対しての要求が反映されているものだと思います。」とも述べておられる。

僕はこの意見が至極的を射たものであると思う。

まさに国は、現場の介護支援専門員やケアマネジメントを見下して、幼稚園児扱いして、何も出来ないから手とり足とり誘導してあげましょうという態度なのだ。

例えば最初に紹介した報告書では、
「要介護となった主な原因疾患は把握できているが、生活全般の解決すべき課題(ニーズ)の原因と結び付けて記述する欄がない。そのため、課題の欄に原因を記述していたり、要因を記載していなかったりする事例が多く見られた。 」

「主治医意見書に医療ニーズに関する課題の記載があるにもかかわらず、ケアプランの第2表に整理された段階では医療に関わる課題が抜け落ちてしまっている事例が多く見られた 」

「短期目標が、期間終了後に評価できる程度まで具体化されていない」

「脳卒中以外の認知症と廃用症候群の事例において、状態像、ニーズ、目標、サービス内容の間に不整合が見られる事例が多かった。」


などと指摘し、これらの問題を標準様式変更で改善しようとするものだ。だから今回の新様式案では、第2表が大きく変更され、第5表としてモニタリング表が標準様式として加えられている。

これをありがたいと思うケアマネは、よっぽどスキルの低いケアマネだと思う。

僕が、この新標準様式案を読んで最初に感じたことは、「がんじがらめ」である。国の考える方向性に、ケアマネ業務を導くための書式であると思った。何よりくだらないのは、既に現場のスキルの高いケアマネジャーは、独自のモニタリング様式を使いこなしているというのに、それも標準様式にはめ込もうとしている。現業者は今までのやり方の変更を迫られるわけである。そしてそのことで、新ソフトを開発せねばならず、現場はそのための費用もかけないとならないわけである。

しかも新標準様式は、項目が細分化されてるのだから、まずます記録の複雑化という方向に向かっているといえ、記録にかけるケアマネ業務が増え、利用者に向かい合う時間はますます削られるだろう。そんなことでケアマネジメントの質が上がると思っているのか。

ところで、この様式案の一番の問題点は何だろうか?それは案を作った日本総合研究所の視点が、どのようにケアマネジメントを行なって、どういう方向性を持ってケアプランを作るかというより、どのようにケアプランを書かせるのかという視点になってしまっているために、新様式は「書かせる項目を網羅しよう」という意図が強く働いてしまった結果、書くためのケアプラン様式に陥ってしまっているということである。

「書くためのケアプラン様式」は駄目なのだ。なぜならケアプランとは、利用者や家族がそれを読んで、自分の暮らしを作るためのサービスがどのような目的で、具体的にどのように提供されるかが理解できないと困るし、居宅サービス計画を読んで、居宅サービス事業所の担当者がそれを理解でいなければ困るからだ。

つまり本来ケアプラ様式は、「いかにわかりやすく読めるか」という視点から、「読み易い書式」として考えられる必要があるのだ。

特に、利用者や家族は、介護サービスに精通している人が多いとはいっても、それは専門家として精通しているわけではないから、居宅サービス計画書や施設サービス計画書は、介護の専門家でもない一般市民が読んでわかる内容にしなければならない。それを最も必要とする利用者や家族が理解できない内容では意味がないのだ。

新様式はこの点でも不合格である。内容がますます複雑化、専門化して、利用者や家族が読んでもわからない内容になってしまっているからだ。

結論として言えば、読み手があるという視点が欠如した、困った新様式案であるといえよう。

このことは、明後日土曜日15:00〜の土岐・瑞浪ケアマネ連絡協議会研修会(ウエルフェア土岐:岐阜県土岐市)の中で行う講演、「法令を遵守した自立支援プランの作成方法」の中でもお話することになるだろう。

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地域包括ケアシステムは目的ではなく手段だろう

3月27日、東京都が主催した「地域包括ケアシステムに向けたケアマネジメント講演会」で、講師役を務めた某大学教授は、介護保険内外のサービスが提供される地域包括ケアを実現するためには、利用者のニーズを把握する必要があると指摘し、ニーズを把握する上では、利用者に対するアセスメントやモニタリングを日常的に行っているケアマネジメントが重要な役割を果たすと訴えた。

しかし僕はこの考え方に異議がある。

居宅介護支援事業所のケアマネジメントは、何も地域包括ケアシステムを作るために行うものではないだろう。ましてや居宅サービス計画とは、地域包括ケアシステムを実現させるために計画するものではない。それは利用者の暮らしを守るために、あるいはより良いものにするために作成されるべきもので、地域包括ケアシステムというのは、居宅サービス計画の目的ではなく、地域における暮らしを守るためのシステムである。

そもそも地域包括ケアシステムというのは、身近な生活圏域において様々なサービス拠点が連携する「面の整備」や地域住民が様々なサービスの担い手としてコミュニティの再生等積極的な役割を果たすもので、それは日常生活圏域で、急性期入院を除く医療・介護・予防・住まい・生活支援サービスを一体的かつ適切に利用できる提供体制を全国につくるという考え方である。

それはつまり、高齢者等が住み慣れた地域で暮らし続けることを目的として、そのことが容易となるサービス提供体制のシステムであり、そのシステムを創りだすのは、国や地域行政の役割であって、それは政策としての目的であったしても、ケアマネジメントの目的ではないのである。

居宅介護支援事業所の介護支援専門員が、地域で展開するケアマネジメントとは、利用者の暮らしを地域の中で続けられる具体策を示したものだ。ケアマネジメントは、そこで豊かな暮らしを支援するという目的で行うものであり、居宅サービス計画はその方法を具体化した計画書である。

その作成や見直しの際に必要となるアセスメント(解決すべき課題の把握)やモニタリング(居宅サービス計画の実施状況の把握)とは、利用者の暮らしそのものに着目すべきものであり、地域包括ケアシステムを実現するためのものではないだろう。

逆説的に言うならば、地域包括ケアシステムが実現したからと言って、そのことが必ず利用者の暮らしの質確保に繋がるとは言えないのである。

つまりこの講師の発言の背景には、地域包括ケアシステムが、優れたシステムであり、これが機能すれば地域の要介護高齢者の暮らしは必ず良くなるという思い込みがあるために、居宅サービス計画におけるアセスメントやモニタリングも、地域包括ケアシステム実現のためのニーズ把握という側面があるという考え方なのだろう。

しかし地域包括ケアシステムという考え方そのものは、間違った考え方とはいえないだろうが、今年度からの介護保険制度改正でその形を目指す「地域包括ケアシステム」とは、新サービスである24時間巡回サービス等を基礎的サービスにするものであり、そのエビデンスはまだ存在しないと言ってよく、しかも他のサービスとの連携や調整の方法が不透明である部分が多く、概念としての地域包括ケアシステムはあっても、暮らしを守る仕組みとしてのシステムが存在し得るのかどうかはかなり疑わしい。

地域の中に新たに構築されたシステム(そんなものがまだ存在していない地域の方が実際には多いのであるが)に乗ることで、暮らしの支援がうまくいくケースは、そのシステムを有効に利用すればよいだろうが、実際には、概念あって仕組みなしというところで、他の方法で生活を支えねばならないケースは多いはずである。

よってこのシステムを実現するためのニーズ把握を前面に出して、居宅サービス計画作成のための、アセスメントやモニタリングの目的を考えてはいけないと思う。

地域包括ケアシステムという言葉に踊らされるのではなく、事実上そのシステムは、この新しい介護保険制度を含めた、高齢者支援システムとして実態があるものなのか、そのことをまず考えなければ、

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法令遵守のケアプラン作成方法を学ぶ意味

いろいろな会場で講演を行う機会があるが、3/9(金)の会場となった東京品川の「キャノンSタワー」はすごかった。なにがすごいかといえば、そのセキュリティの徹底ぶりである。

基本的にビル内に入るのも、エレベータに乗ってフロア移動するのも勝手にはできない。すべてキャノンの社員の方に誘導してもらわねばならなかった。これは講師であろうと、受講者であろうと例外なしである。

そのため受講者の方々には、あらかじめ来場時間を指定し、担当社員の方が、玄関前で待機して誘導。これは昼休みに食事に出る際にも同様で、食後にビルに戻ってきた人を誘導する担当者の方がずっと貼りついていた。すごいなあ。

ところでその研修会は、内田洋行がキャノンと共催で行ったものであるが、当初定員100人を予定していたものの、申し込み者が殺到して、残念ながら先着順で受講者を決定したため、せっかく申し込んだのに受講をお断りした方もいるそうだ。僕は主催者ではないが、表の掲示板でセミナーの案内をした責任もあって大変恐縮している。申し訳ありませんでした。

当日の受講者は、数名の欠席があったが、総勢123名が来場された。会場の設備は立派だったが、なにせ狭いため、机をセットできず椅子のみとなり、午前120分・午後90分の講演を聞く体勢としては楽ではなかったと思う。それにも関わらず、熱心に僕の話を聞いてくださり、大変ありがたく思う。

今回は午前の120分講演が「法令遵守のケアプラン」というテーマだったので、(ちなみに午後は改正介護保険制度の検証をテーマにした)介護支援専門員の資格を持った方が受講者としては多かったのではないかと思うが、それ以外の職種の方も熱心に聞いて下さった。

法令遵守のケアプラン作成方法

ケアプランの具体的な作成方法を、法令ルールに基づいて説明するという意味は、法令が完璧で、それに沿ったケアプランを作成さえしておればよいという意味ではない。

法令が何をどのように規定しているかを知ることによって、ケアマネジメントに何が求められているかということが理解できる。さらに法令で定められたルールに沿って業務を行うことで、その中の様々な規定の瑕疵や矛盾を見つけ出せるという意味もある。それらを改善するためのアクションは、法令を無視して勝手な活動をしている人には不可能で、法令を遵守してはじめて「もの言える」権利を持てる。

さらにいえば、法令ルールとして定められた規定とは、求められる業務において最低限必要な質を担保するためのものであるという意味があり、事実それを無視して(あるいはルールを理解していないままで)業務を行っていることにより、適切なケアプラン作成に結びつかないケースも見られ、最低限求められている法令上のルール理解は不可欠だ。実地指導で指導されないために、法令理解が必要だという意味ではないのである。

つまり僕がこのテーマでお話しする内容とは、最低限法令上で求められているルールの内容と意味を説明理解していただいた上で、その過程をきちんとこなし、さらに求められるケアマネジメントの方向性を明らかにして、具体的にどのようなプラン作成を行えばよいのかを具体的に示すものだ。実際に現場で使っているケアプランも例示させていただいている。

課題解決型のケアプラン作成方法を具体的に示す内容が、そこには当然含まれてくる。だから単に法令解説ではないと考えてほしい。

4月からの法令の一部改正でもケアプラン作成に関連しているものがある。例えば老企22号解釈通知の改正では「課題分析における留意点(第七号) 」が追加され、「介護支援専門員は、解決すべき課題の把握(以下「アセス介護支援専門員は、解決すべき課題の把握(以下「アセスメント」という。)に当たっては、必ず利用者の居宅を訪問メント」という。)に当たっては、利用者が入院中であることなど物理的な理由がある場合を除き必ず利用者の居宅を訪問し利用者及びその家族に面接して行わなければならない。」という規定文が追加された。

今までも自宅での面接は13条17号「介護支援専門員は、介護保険施設等から退院又は退所しようとする要介護者から依頼があった場合には、居宅における生活へ円滑に移行できるよう、あらかじめ、居宅サービス計画の作成等の援助を行うものとする。 」 という規定で「入院中にあらかじめ居宅サービス計画の作成できる」と解釈できるものであったのに、このことを認めず、機械的に自宅訪問後の居宅サービス計画作成を指導している行政指導が見られたことから、そんな必要はないことを改めて示したものだろう。

さらに2号解釈通知の改定では「なお、利用者の課題分析(第六号)から居宅サービス計画の利用者への交付(第十一号)に掲げる一連の業務については、基準第一条に掲げる基本方針を達成するために必要となる業務を列記したものであり、基本的にはこのプロセスに応じて進めるべきものであるが、緊急的なサービス利用等やむを得ない場合や、効果的・効率的に行うことを前提とするものであれば、業務の順序について拘束するものではない。ただし、その場合にあっても、それぞれ位置付けられた個々の業務は、事後的に可及的速やかに実施し、その結果に基づいて必要に応じて居宅サービス計画を見直すなど、適切に対応しなければならない。」として暫定プランでは所定の手続きを「事後的に可及的速やかに実施」すれば緊急対応時のサービス担当者会議等を行えない場合があってもよいことを明らかにしている。

また地域密着型サービスとして位置づけられた新サービスについては、「訪問看護、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、居宅療養管理指導及び短期入所療養介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護(訪問看護サービスを利用する場合に限る。)及び複合型サービス(訪問看護サービスを利用する場合に限る。)については、主治の医師又は歯科医師(以下「主治の医師等」という。)等がその必要性を認めたものに限られるものであることから、介護支援専門員は、これらの医療サービスを居宅サービス計画に位置付ける場合にあっては主治の医師等の指示があることを確認しなければならない。」と医療系サービスの指示を受ける規定の変更がされている。

これらは居宅介護支援事業所の管理者や介護支援専門員なら確実に確認しておかねばならない規定変更である。

こうしたことも含めて、ケアプラン作成の実務と、利用者の豊かな暮らしに繋がるケアプラン作成方法をお話ししているわけである。

3/9の講演を受講された方には、この点良く伝わっただろうか?会場の皆さんの熱気や反応から考えると、概ねこれらの理解を促すことができたのではないかと考えている。

ということで、こうした形の「居宅サービス計画」あるいは「施設サービス計画」の作成業務に関する講演も行っているので、全国各地の関係者の皆さんで、ご要望のある方は、メールや電話で連絡をいただきたい。


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