masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

介護支援専門員

逓減性緩和を利用した収益アップは運営基準違反につながる



居宅介護支援事業における逓減制とは、ケアマネジャー1人あたりの担当件数が一定数を超えると基本報酬を引き下げる仕組みである。

2021年度の介護報酬改定では、逓減される件数が40件目からとしていた従前の適用ルールを、ICTの活用や事務職員の配置などを要件として45件目からに緩和している。

さらに24年の報酬改定では、国のケアプランデータ連携システムの活用などを新たに要件として加えたうえで、この要件をさらに5件上乗せして、50件目から逓減とするように変更する案が示されている。(参照:居宅介護支援の逓減制の再緩和という鞭

逓減性を緩和する理由とは、より多く(5名)の利用者を担当するという前提で、その分収益アップを図れるのだから、それをケアマネの給与に反映させようという考え方だと理解されている。つまり処遇改善加算等の恩恵が受けられない居宅介護支援事業所の介護支援専門員の給与改善策として理解されているということだ。

現に主任ケアマネの有資格者の一人は、JOINTというニュースサイトで、「1人あたりの担当件数を適切に49件まで増やすことができれば、事業所の収入は増加します。ケアマネジャーの給与も上がるでしょう。これが、厚労省が想定しているケアマネジャーの処遇改善策の柱です。」などと評論している。

しかしその考えは間違っていると指摘する声がある。

そのようなことをすれば運営基準違反に問われるので、実際には逓減性緩和で収益アップを図ることは不可能であり、その収益を介護支援専門員の給与に暗影されることもできないことが、僕が管理する表の掲示板のスレッドで情報提供されている。
意味のない逓減性緩和
リンク先を貼り付けたスレッドの No.21〜 No.23を参照願いたいが、問題は逓減性緩和を行っているのに、それの関連する基準改正が行われていないという問題である。

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第三十八号)の第二条2項は、「前項に規定する員数の基準は、利用者の数が三十五又はその端数を増すごとに一とする。」と定めている。

「前項に規定する員数」とは、「指定居宅介護支援の提供に当たる介護支援専門員」を指しているので、逓減性緩和を利用して担当者数を35件より多く増やしてしまうと、「その端数を増すごとに一とする」という規定で言えば、その分だけ常勤加算で介護支援専門員の人数を増やさねばならないのである。

そうしないためには、逓減性緩和を利用して担当者数を増やした介護支援専門員がいるとしたら、同じ居宅介護支援事業所の他の介護支援専門員の担当人数をその分だけ減らさねばならないということになる。

そして一人しか介護支援専門員が配置されていない居宅介護支援事業所は、介護支援専門員の配置を増やさない限り、逓減性緩和は利用できないということにもなる。

そうすると居宅介護支援事業所自体の収益は、逓減性緩和を利用しようと・利用しまいと変わらないことになり、介護支援専門員の給与改善原資は生まれないということになってしまう。

現に文字リンクを貼った掲示板スレッドの No.27では、保険者の集団指導において、「標準担当件数はあくまでも35件である」と指導されており、逓減性緩和で収益が増えるものではないと指導されていることが情報提供されている。

基準省令の第二条2項規定に変更がない限り、この集団指導内容は正当な考え方と思え、昨年9月サービス提供分で逓減性を利用している事業所が全体の8%程度しかないという低調な理由も、案外このあたりにあるのではないかと考えることもできる。

国は基準省令・第二条2項規定と逓減性緩和の矛盾に気が付いていないのだろうか。

次の改正で逓減性を再緩和するのならば、基準省令・第二条2項規定は、「前項に規定する員数の基準は、利用者の数が五十又はその端数を増すごとに一とする。」と変更する必要があると思う。

その実現をぜひ図っていただきたい。






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ケアマネジメント難民大量発生の危惧



先々週から今週にかけて、居宅介護支援事業所の介護支援専門員(以下、居宅ケアマネと略する)の方々から憤りの声が多数聴こえてきている。

居宅ケアマネはいなくなって良いのか・・・あるいはもう居宅ケアマネは続けられないという悲痛な訴えがそこには含まれている。

ここにきてどうしてそんな声が沸き上がっているのか。その理由は人材確保が難しくなっている居宅ケアマネも待遇改善が必要だとされているのも関わらず、国の処遇改善策の蚊帳の外に置かれる状態がさらに顕著になっているからである。

例えば、経済対策として介護職員らの給与を月6千円アップする具体策は、来年2月から現行の介護職員等ベースアップ等支援加算以下、ベースアップ加算と略)に上乗せされて支給されることが決まった。

その為、現行の同加算の算定要件と配分ルールを引き継ぐことになるので、事業者の裁量で介護職員以外にも配分可能となり、施設ケアマネなどの給与も2月支給分から改善が可能となる。

ただし介護職員以外に配分する分は、介護職員に配分予定の部分から回されることになり、介護職員に対しては月のアップ分が6千円より少ない支給となる。これに対して話が違うと言って非難の声を挙げる介護職員も少なくないだろう。

しかしそれにも増して可哀そうな境遇に置かれるのが居宅ケアマネである。ベースアップ加算の支給対象ではない居宅介護支援事業所等はその恩恵が一切ないからである。

前述したように、施設ケアマネは来年2月支給分の給与から、ベースアップ加算の上乗せ分で、給与月額が挙げられる可能性があるのに対し、居宅ケアマネにはそうした恩恵が一切ないのだ。そうなると同じ法人内で、施設ケアマネと居宅ケアマネの間で給与格差が生まれかねない。

そうなったとき、居宅ケアマネを続ける動機付けは存在し続けるだろうか・・・。
秋の庭園
さらに来年度の介護報酬改定で統合・一本化される(現行では3種類の)処遇改善加算について、経済対策による6.000円アップ分からの更なる上積みも検討されるとされているものの、算定対象事業の拡大はされないために、居宅介護支援事業所にその運慶は一切ない。

このような状況に居宅ケアマネの方々は、憤っているというより、あきらめてしまって、既に退職を決められた方、退職届を出した方さえいる。(参照:怒りの声であふれている表の掲示板のスレッド

このような状況が生じていることを鑑みると、居宅ケアマネは減る一方で増えることはなく、居宅介護支援事業所の人材確保は益々難しくなるのではないか。逓減性の更なる緩和で、居宅ケアマネの担当者数を増やしたとしても、それに追いつかないほどの、居宅ケアマネの大量脱退が字始まるかもしれないのである。

そうなれば今後ケアマネジメント難民が生じるのではないかという懸念がぬぐえない。いやケアマネジメント難民は既に発生していて、特に介護予防支援は地域包括支援センターでさばききれずに、居宅介護支援センターに委託しようとしても、受託してくれるところが見つからずに、予防プラン作成が大幅に遅れているという状態も見られる。

そうであれば、5月に法案が成立した介護保険制度改正関連法の中で、「介護予防支援について、地域包括支援センターに加えて、居宅介護支援事業所も市町村からの指定を受けて実施できることとする」とされているが、この指定を受ける居宅介護支援事業所も少なくなると予測できる。

その結果、地域包括支援センターの予防プラン作成業務はほとんど減らないという結果に終わりかねない。地域包括支援センターの予防プラン作成以外の機能を強化しようとする目的は、それによって達成不能となるのである。

そんなことにならないようにする唯一の手段は、処遇改善の蚊帳の外に居宅ケアマネが置かれているという状況を変えることである。

国はこのことを理解しているのだろうか・・・居宅ケアマネに確実に行き渡る処遇改善の具体策を示さないと、介護支援専門員になろうとする動機づけも奪われ、この国の福祉の底辺を引き上げてきた大事な職種が消滅しかねないという危機感を抱いてほしいと思う。






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居宅介護支援の逓減制の再緩和という鞭


11/6に行われた介護給付費分科会では、新しい処遇改善加算の考え方が示されたが、そこでは算定対象事業の拡大方針は示されなかったため、相も変わらず居宅ケアマネは処遇改善の蚊帳の外に置かれることになる。
※ただし今後この方針が変更される可能性はゼロではない

そのため昨日は、「新処遇改善加算で笑う人・泣く人」という記事を更新アップし、経済対策として月6千円の給与改善対象にも含まれていない居宅介護支援事業所の介護支援専門員は、給与レベルでは介護事業における最下層になってしまうのではないかと論評した。

そしてそれによって居宅ケアマネの成り手がいなくなることも懸念している。

ただし同日の介護給付費分科会では、居宅介護支援費の資料の中で、「ケアマネジャーの人材不足が非常に厳しい状況にある。ケアマネジャーが魅力ある職種であり続けるとともに、今後の居宅介護支援事業を継続するためにも、全国的にケアマネジャーの育成確保、処遇改善、経営の安定の両立を図らなければならない」という考えも明記されている。

その実現のためにどんな提案があるのかと資料を読みこんだところ、どうやらそれは逓減性の更なる緩和しか該当しないように思える。

基本サービス費が上がるかどうかは、今後の介護経営実態調査における居宅介護支援事業所の昨年度の収支率が問題になるのだろうが、それとは別個に居宅ケアマネの待遇に直接影響する収益増の方法が、基本報酬の逓減制の更なる緩和であろう。

しかしこの提案は、居宅ケアマネにとって喜ばしいものだと言えるだろうか・・・僕はそうは思わない。

居宅介護支援の逓減制は、ケアマネジャー1人あたりの担当件数が一定数を超えると基本報酬を引き下げる仕組みで、2021年度の介護報酬改定では、逓減される件数が40件目からとしていた従前の適用ルールを45件目からに緩和している。その際にICTの活用や事務職員の配置などを要件として定めた経緯がある。

つまりより多く(5名)の利用者を担当するという前提で、その分収益アップを図れるのだから、それをケアマネの給与に反映させようという考え方だ。しかし業務を増やして給与が上がるのは当たり前であり、それをコストパフォーマンスという面で考察したときに、必ずしもそれは待遇改善とは言えないのではないのか?

今回国が提案しているのは、これをさらに緩和して、国のケアプランデータ連携システムの活用などを新たに要件として加えたうえで、逓減適用を50件目からとするというものだ。

この方法で収益を挙げるためには、居宅ケアマネは今よりさらに5件の担当ケースを増やす必要があり、2021年度以前と比較すると10ケースの増加ということになる。
疲弊する居宅ケアマネ
それはまるでケアマネの尻を叩いて、休む間もなく働かせて自分の給与アップ分を稼ぎ出せと言っているようなものでしかない。

他の介護職などが従前の業務と変わらぬ働き方の中で待遇が改善されているのに、居宅ケアマネはそれとは異なり、業務負担が大幅に増加する中でしか待遇が改善されないことになる。これでは居宅ケアマネ業務のコスパは低下の一途を辿ると言っても過言ではない。

そもそも前回の報酬改定で逓減性緩和が行われたにもかかわらず、昨年9月のサービス提供分で逓減制の緩和を「届け出済み」の事業所は16.3%でしかない。

その最大の理由は、「ICTを活用できる体制が整っていない(38.3%)」とされているが、これは回答の選択肢がそうした表現になっているだけで、本当はICT(スマホやタブレット)を活用しても、大した業務軽減に結びつかないという意味だ。

さらに、「ケアマネジメントの質の維持のために難しい」という理由が2番目に挙げられており、今後もこうした理由で担当件数を増やすことができない居宅ケアマネが多数に上ることが予測される。

つまり逓減性の再緩和による居宅ケアマネの待遇改善は、ほとんど効果が見込めないと言えるのである。

にもかかわらず6日の介護給付費分科会では、日本介護支援専門員協会の霤掴詑副会長は逓減制の更なる緩和について、「事業所によっては介護支援専門員の賃上げ、職場環境の改善などに活かせると期待できる。入退職時の一時的な担当件数の増加などにも一定対応できるようになる」と前向きに評価している。

まったくこの団体は、介護支援専門員実務者の意向を反映しない団体であるとしか言えない。こんな団体に会費を払ってる介護支援専門員が可愛そうである。

しかも逓減性の再緩和を利用して収益を上げようとしても、サ高住の同一建物減算新設などで、収益が現在より下がる居宅介護支援事業所もあり、ケアマネの待遇改善に結びつく収益増は簡単ではない。

その為、居宅ケアマネの成り手を確保するためには、処遇改善加算の配分事業所を拡大する方針に転換するか、居宅介護支援費の基本サービス費の大幅な引き上げが是非とも求められるところである。

ところで今回の提言性の再緩和は、ケアプランデータ連携システムの活用を要件としているが、その理由を国は、「請求業務やサービス事業者との情報連携などの大幅な効率化が期待できるため」と説明している。

しかし無料で使えるGoogleワークス等を使えば同じ効果は見込めるわけで、あえて有料のケアプランデータ連携システムなんて使う必要はないわけだ。

そんなシステムの使用を要件としている逓減性の再緩和とは、なかなか普及・浸透しないケアプランデータ連携システムの普及を図り、厚労省の懐がその使用料で潤うための新ルールでしかないように思う。

つまりこの再緩和は、国の手前勝手な都合が前面に出された改定案でしかないと言ってよいだろう。






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心を伝える言葉を持つ。


僕は複数の出版社から何冊かの著作本を上梓しており、定期的にいくばくかの印税を頂いている。

著作本以外にも、「文章を書く」という仕事を頂き、執筆料・原稿料として毎月収入を得てもいる。

そういう意味ではプロの物書きと名乗っても良いのではないかと思う。それは頭の中に思い浮かんだ言葉を文字にして表すプロであるとも言えるのではないだろうか。

飛鳥亮は、「SAY YES」という楽曲の中で、「言葉は心を超えない。とても伝えたがるけど、心に勝てない」というフレーズを書いているが、歌手ならそれでよいとして、プロの物書きはそういうわけにはいかない。

心を超えなくても良いとしても、少なくとも心を伝える言葉を書かなければならない。伝わらない言葉を書いても、読み手は迷惑でしかないからだ。

しかし思いを伝えようとして、説明が長々と書かれている文章は、読み手にとって苦痛でしかないことにも注意が必要だ。

そもそも文章を読むことをはじめから苦手としている人もいることを、書き手は知っておく必要がある。自分が読むことを苦にしない文章も、読むことが苦手な人・嫌いな人にとっては、読み終える前に投げ出してしまうのが落ちとなる代物に過ぎない。

しかも読むのが得意な人、苦にならない人というのは案外少数派なのだ。一般的には文章を読む行為はどちらかといえば苦手な人のほうが多いのである。特にネットが普及して、動画を簡単に視聴できる現代社会では、文章を読まずに生活できてしまう空間が簡単に創られているので、文字から遠い場所で暮らしている人が多い社会でもある。

そういう社会であるからこそ、書き手は自らの文章をできるだけ簡潔にまとめ、要点をかいつまんで伝える必要がある。それと同時に、そういう人たちの心の琴線に触れる言葉やエピソードを盛り込んで、その人達を引き込む文章を綴れれば、書き手としていうことはなくなる。

自分の言葉を持つ、数多くの言葉を知っているということは、そういう意味でも重要である。それと同時に、自分にしか書くことができない実例を経験するということは貴重なことであるといえるだろう。

どちらにしてもプロの書き手とは、自分自身の文章に酔う人ではなく、常に読み手の存在を意識して伝える人のことを指す。大多数の人が自分の文章を、「まずは読んでくれる」ことを目指し、そのうえで伝えたいこと・理解してほしいことを文字で示す玄人である必要があるのだ。
合掌造り集落
実はそのことは介護支援専門員にも求められることであろうと思う。

ケアプラン(施設サービス計画書及び居宅サービス計画書)は、作成者の意図が読み手に伝わらないとなんの意味もない書類にしか過ぎなくなる。

読み手が理解できない計画書を書いても、それはただのゴミである。介護職員が読んでくれない計画は、介護の場で実践できない戯言(たわごと)にしか過ぎなくなる。そこでは計画自体が意味のないものに成り下がる。

そうなれば介護支援専門員が行っている、アセスメントから計画書作成という一連のケアマネジメントが、すべて空しい意味のない作業と化してしまうのである。

計画書を作っておれば実地指導では叱られることはないが、その計画書が読まれていないのであれば、それは行政検査のためだけの書式に貶められているといって過言ではなくなる。

だからこそ、介護サービスの場で毎日忙しく利用者に接する人々が、業務の中で手に取って確認できる計画書を書く努力が介護支援専門員には求められるのだ。

読まれない計画書の存在を、読まない人の責任として放置せず、計画作成者自らの責任と考えて、何を改善すべきかを考えなければならない。自分の言葉や思いを、介護職員に伝える努力を惜しんではならないのである。

今後の介護事業では、科学的介護の推進が求められるが、それはLIFE(科学的介護情報システム)からのフィードバッグをPDCA活用することによって実現するとされている。

しかしPDCA活用の前提条件は、介護の場での実践、計画書に基づいて行われているということを忘れてはならない。

P(PLAN:計画)のD(DO:実行)がなければ、C(CHECK:評価)をA(ACTION:見直し実践)につなげられないことを理解して、実行につながるケアプラン作成のために何が必要かを考える必要がある。

そこで求められることは、伝えられる言葉を持つということだ。説得する言葉ではなく、納得される言葉を操るということである。

だからこそ介護支援専門員の方々には、数多くの文章を読みこなす人になってもらいたい。

作家はすべからく良い読み手から生まれることを理解して、文章を読むことを苦手とせずに、たくさんの文章を読みこなして、そこからたくさんの言葉・表現方法を拾い集める人になる必要があるのだ。

その手始めに読むものは何が良いかって?・・・「きみの介護に根拠はあるか〜本物の科学的介護とは」を薦めておこうか・・・。

少し手前みそ過ぎたかもしれないが・・・今日はこれから明石市の介護支援専門員の方々に向けた講演を行う予定が入っているので、この辺で失礼します。






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介護支援専門員は誇り高き職種です


僕は介護支援専門員の資格を持っているが、現在はケアマネ実務には携わってはいない。

しかしケアマネジメントリーダーの資格は持っているし、長年、施設ケアマネと居宅ケアマネの実務及び、それらの専門職に対するスーパービジョンを行ってきたという実績がある。

そういう意味では、ケアマネジメントは僕の専門分野と言っても良いのだ。

さらに僕自身は日ごろからケアマネ応援団・ケアマネサポーターを自称しているので、全国各地の介護支援専門員の職能団体からお招きを受けて、ケアマネジメント実務に関連する講演を依頼されることが多い。
※ただし、日本介護支援専門員協会からは嫌われているので、そこから招かれることはない。

先日もあるケアマネジャーの職能団体から、『知り合いから、菊地先生のケアマネの本来業務について考えることがテーマの研修を開催して大変好評だっだという話を聴いて、是非私たちの会も先生に講演をお願いしたいと思いました。』という趣旨の連絡をいただいた。

そこに添えられていた講演テーマに関する希望については、『ケアマネジャーは魅力のない職業になっている、ケアマネジャーは何でも屋と化しており、利用者だけではなく他職種からも行政からもアレヤレコレヤレと言われ、バーンアウトしてやめていく人もいる…そうならないように、ケアマネジャーの職業に誇りを持つことができる話をお願いしたい。』と連絡を受けた。

そうした依頼については、いつも二つ返事でお受けさせていただいている。介護支援専門員という資格は、日本の福祉の底辺を引き上げているとても重要な資格であり、その有資格者の皆様に勇気と元気を与えるために僕ができることがあるとすれば、それを躊躇する必要はないからである。

そういう機会を頂いた場では、ケアマネジャーは決して魅力のない仕事ではないことをしっかり伝えたい。ケアマネジメント実務は、この国で生きる誰かを支える使命と誇りある職業であることを明示したいと思う。

今、どこかで災害が起きたとき、要介護者の安否を確認し、できる限りの手を差し伸べてくれるのは家族とケアマネジャーである。行政の手が届かないところで、ケアマネジャーは懸命に動いてくれるのだ。

仮に被災地で、ケアマネ自身やその家族が被災したとしても、自身が動くことができる状態でありさえすれば、ケアマネジャーは自分の担当者を決して放ってはおかない。

そのことは介護保険制度創設により、この国に介護支援専門員という有資格者が誕生した以後に起こった大災害(※新潟地震や東日本大震災や北海道のブラックアウト等)で証明されている事実だ。

要介護者にとって、これほど頼れる存在はないのである。
すすき
そうした専門性を持つ人たちが、「何でも屋」と化し、便利遣いされることにバーンアウトしているという・・・。確かに適切なケアマネジメント手法の策定・普及推進(2016年〜10か年計画)においても、そうした感がないではない。

仕事と介護の両立支援」や「ヤングケアラーへのアプローチ」をケアマネジャーの新たな役割として求めていながら、それに対する正当な対価を与えようという動きは全くない。

国はケアマネジャーを、ただ働きさせて当たり前の職種だとでも思っているのだろうか・・・ケアマネジャーはプロの対人援助職であって、ボランティアではないぞと言いたい。

そういうと、お金がもらえなければ役割を持てないというのかと批判する向きもあるが、プロは金銭で出力するんだ。対価を伴うから、与えられた役割にふさわしい結果を出すために日々努力と研鑽を重ねるのだ。

ボランティア並みの素人仕事しか求めないなら別の話であるが、役割を担わせ、結果を求めるのであれば、きちんとそれに見合った対価を要求するのは当然のことである。

しかしこれだけ新たな役割を与えられる職種というのもほかにあまり存在しない。それだけ頼りになる、守備範囲の広い職種であると期待されているという意味だろう。

だからこそ介護支援専門員は、あらゆる相談に幅広く対応できる専門家として、そのための知識と援助技術をしっかり身に着けてほしい。そしてそうした対応のプロとしてふさわしい対価を求めてほしいと思う。

さて明日もそんなことを伝えるために、今日これから明石市まで移動予定だ。このブログ記事は、新千歳空港の伊丹空港行き便待ちの搭乗口で慌ただしくアップしている。

これから伊丹空港〜三ノ宮〜西明石と移動予定だ。(※神戸空港に飛んだ方が便利であることは間違いないが、新千歳からの便数が限られているため、ちょうど良い時間の便がなかった。)

明日は、13:30〜明石市医師会館で行われる明石市介護事業所連絡会居宅部会主催・ケアマネ対象研修会の講師を務める予定である。テーマは、「介護支援専門員の使命と誇り」である。

介護保険制度改正・介護報酬改定を前にして、改めて介護支援専門員に社会が求めている役割をしっかっり把握しながら、それに応える根拠あるケアマネジメント実務のあり方を伝えてくる予定だ。

今日はその前夜祭として西明石駅近くで懇親会が予定されている。今年に入って2度目の明石であるが、今回も明石の蛸をはじめとした美味しいものをたくさん食べてきたいと思う。
介護支援専門員の使命と誇り






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ケアマネのコミュニケーションスキル


宮城県では過去に数えきれないほど何度も講演を行っているが、そのほとんどは仙台市での講演である。

逆に言えば、僕が知っている宮城県とは仙台のことであって、宮城全体のことではないともいえる。

例えば僕が住む登別市は、宮城県白石市と姉妹都市になっているが、白石市が宮城県のどのあたりに位置して、どのような地域であるのかということは全く知らなかった。

しかしこの度、宮城県ケアマネジャー協会・仙南支部さんからの依頼で、角田市での講演を引き受けることになって、白石市をはじめとした宮城県仙南地域にはどのような市町村があって、どんな名所・名跡があるのかを少しだけ知ることができた。
宮城県仙南地域
8/24に角田市市民センターで行う講演は、「対人援助・コミュニケーションスキルについて」というテーマである。

介護支援専門員として利用者の方々に相対し、信頼を得られる関係性を創るためには、コミュニケーションスキルは非常に重要だと思う。また介護支援専門員はケアプランというツールを用いて、利用者の生活支援を具体化する仕事でもあるから、文章力というコミュニケーションスキルも軽視できない。

そもそも介護支援専門員の仕事は、第3者から見れば非常に不思議な仕事でもある。

なぜなら他人は知られたくない心身の状態や、家庭内環境などを細かく探ることがアセスメントであったりするからだ。

例えば初めて担当者となった利用者宅に伺う、「ご挨拶」のための初回の自宅訪問の場が、そのまま初回アセスメントの場になることは珍しくない。

そこでは、初対面で信頼関係もできていない状態であるにもかかわらず、深く利用者のプライバシーに踏み込んで質問することもある。

人生の先輩である初対面の異性に、「おトイレはどうしてますか」・「お漏らしすることはありませんか」etc・・・。このように排泄の状況などを質問することは、普通の生活場面ではあり得ない。

だからこそ、コミュニケーションの取り方には最大限の配慮が求められると思う。

相手に失礼のないように、最もプライベートな部分に踏み込んで質問する唯一の方法とは、相手の状況に合わせて言葉や態度を変えることではなく、いつでも・どこでも丁寧で真摯に対応することである。

その基盤にはサービスマナー精神が欠かせない。

このことをしっかりと伝えたいし、文章力を磨く方法や、自己覚知にも触れた内容で話をしてくる予定である。

大事なことは介護支援専門員とは、利用者の生活課題を解決する具体的目標を定め、目標達成に必要な生活支援の具体策を立て、実行するチームの中心を担うコーディネーターの役割を持つということだ。そのためのリーダーシップは欠かせない。しかしリーダーシップを発揮するためには、適切なケアマネジメント技術がなければならないということである。

ケアプランは生活援助の手立て、道具に過ぎない。つまり介護支援専門員はケアマネジメント技術をきちんと持ったソーシャルワーカーであって、単にケアプランを作る人(ケアプランナー)ではないという理解が必要だ。

さらにケアマネジメントは仲介・調整技術だという認識も欠かせない。

介護支援専門員の職業倫理の最たるものとは、この役割を果たし、利用者の暮らしの豊かさを向上又は維持することである。

そのためには自らがこの豊かさを削り取るようなマナーに欠ける対応をとっていないか?ということを振り返って自己覚知する必要があるのだ。

初めて訪問する角田市で、仙南地域の介護支援専門員の皆様にそれらのことを伝えるとともに、介護支援専門員の存在によって、日本の福祉の底辺は確実に底上げができていることと、介護支援専門員の存在が地域の高齢者の方々の安心につながっていることも紹介し、勇気を与えてきたいと思う。

宮城県ケアマネジャー協会・仙南支部の会員の皆様にエールを送る動画も作成したので、下記を参照願いたい。宮城県泉南地域の美しい風景が盛りだくさんなので、他の地域・他県の方も是非ご覧になっていただきたい。

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報酬改定に影響する二つの出来事


LIFE(科学的介護情報システム)について、6月30日から2023年4月分のデータ登録を集計時点とした下記の10加算について事業所フィードバック利用者フィードバックがダウンロードできるようになった。
・科学的介護推進体制加算
・栄養マネジメント強化加算・栄養アセスメント加算
・褥瘡マネジメント加算・褥瘡対策管理指導
・排せつ支援加算
・自立支援促進加算
・個別機能訓練加算(供
・リハビリテーション加算等
・口腔衛生管理加算(供
・口腔機能向上加算(供
・かかりつけ医連携薬剤調整加算・薬剤指導管理
・ADL維持等加算

LIFE事業所別フィードバック
おそらくこれが正式版のフィードバックということになるのだろう。(※違うと思う方は指摘してください

昨年5/30に2度目の暫定版フィードバックが行われた際には、「PDCAサイクル活用については、可能な限り活用する」ということにされており、実質可能なものがないとして、科学的介護推進体制加算についてもPDCAサイクル活用を行わなくとも加算算定に問題はなかった。

しかし正式版フィードバックとなると、PDCAサイクル活用要件のある加算は、それを行っていないと算定不可とされることになるので、その点に十分注意していただきたい。

同時に現在LIFE関連加算がない居宅介護支援事業所のケアマネジャーの皆さんは、このフィードバック内容に注目していただきたい。なぜなら来年の介護報酬改定では、居宅介護支援費にも科学的介護推進体制加算が新設される予定になっているからだ。

しかし居宅介護支援事業所の場合、LIFEに利用者情報を提出することにはならない。それは居宅サービス計画に位置付けたサービス事業所から送られているのが前提だから、2重に情報を送ってもしようがないからである。

居宅介護支援事業所の科学的介護推進体制加算とは、居宅サービス計画に位置付けている通所介護等の事業者のうち、同加算を算定している事業所の利用者フィードバックを、サービス担当者介護の際に検討して、それを居宅サービス計画書の再作成に何らかの形で反映させることで算定できるようにすることになろうと思う。現にそのような形でモデル事業が実施されている。

とすれば居宅ケアマネの方々は、現在LIFE関連加算がないから、あらたなフィードバックが行われても関係ないと思わず、その内容に注目しなければならない。

なぜなら来年度以降、居宅介護支援事業に新設されるLIFE関連加算を算定するためには、チームの誰よりもフィードバックのPDCA活用に精通しておかねばならないからだ。そのために通所介護・通所リハ・訪問リハの科学的介護推進体制加算の利用者フィードバックについて、いまからその内容を確認・精査しておく必要がある。併設事業所等の協力を仰ぎ確認を急いでほしい。

さて居宅ケアマネ関連で言えば、人材不足が指摘され待遇改善の必要性が叫ばれており、ポスト 2025 年の医療・介護提供体制の姿(案)の7頁に、「ケアマネジャーの待遇改善」が明記されている。

6/28の第218回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)でも、ケアマネの処遇改善を求める声相次いでいることから、統合一本化される予定の新処遇改善加算の支給対象に居宅ケアマネも加えられる等の、何らかの処遇改善が期待されるところだ。

しかしそれに水を差すかのようなニュースも伝えられている。例えば下記のような事件報道がされている。
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滋賀県警草津署は4日、窃盗の疑いで、滋賀県守山市の介護支援専門員の男(60)を逮捕した。逮捕容疑は、昨年5月〜7月にかけて自分が介護支援専門員として担当していたキャッシュカードを使って、7回にわたり現金計350万円を引き出して盗んだ疑い。(利用者は既に死亡。)

親族から今年4月、「預金口座からお金が引き出されている」と同署に相談があり、捜査していた。容疑者は容疑を認めているという。

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せっかく介護支援専門員の処遇改善が必要との機運が盛り上がってきたのに、居宅ケアマネという立場を利用して、利用者の財産を搾取するという事件が1件でも起きれば、介護支援専門員という資格への信頼性が大きく揺らいでしまう。

このような事件が相次ぐことになれば、そのような職種に公費を手厚く手渡す必要はないという理屈もまかり通ってしまう。

しかし本件のような事件は今回が初めてではない。2017年には神戸市の居宅ケアマネが、利用者の死亡後、預かっていた預金通帳からを勝手にお金をおろしたとして逮捕される事件も起きている。

しかも金銭管理能力が低下した利用者の支援と称して、生活費などの管理を行っている居宅ケアマネも少なからず存在するという話も聞く・・・。それが大問題であるという認識を持ってほしい。

ケアマネには預金を管理する権利も権限もないのである。利用者の金銭管理能力が低下した場合は、法律に照らして正しい方法で金銭管理ができるような社会資源と利用者を結びつけるマネジメントを行うのが居宅ケアマネの役割である。(※財産管理等委任契約や日常生活自立支援事業の活用など

それをしないで安易に利用者の金銭管理を行うだけで、窃盗罪とみられても仕方がないのである。

そのような状態が続けば、ケアマネの処遇改善どころか、不必要論にも結び付きかねないことを念頭に置いて、適切なケアマネジメントに努めてほしい。

次期介護報酬改定で、介護支援専門員の処遇改善を何としても勝ち取るためには、介護支援専門員という職種に対する国民全体の信頼度を、もっと高めていく必要があることを理解してほしい。
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ケアマネ受験資格の緩和論を斬る


全国社会福祉協議会が運営する「中央福祉人材センター」の調査結果によると、介護支援専門員の有効求人倍率は昨年12月の時点で4.04倍となっている。

これは5月30日に厚労省が公表した全産業の有効求人倍率の1.32倍よりかなり高い倍率といえる。

このように介護支援専門員も介護職員と同様、人材難となっている実態が数字で示されたわけである。

これを受けて様々なところから、「ケアマネ試験の受験資格緩和」を求める声が強くなっている。

そこで叫ばれている、「受験資格緩和」とは、2018年に行われたケアマネ試験の受験資格が厳格化によって、受験資格から外された要件を復活させて、元に戻せというものである。

受験資格の厳格化の時期からケアマネ受験者数が大幅に減ったことから、厳格化前に戻すことで、受験者数が増え、そのことによってケアマネ実務に就こうとする人も増えると考えての要望だと思う。

しかし2018年に受験資格を失ったのは法定資格のない、「実務経験のある介護福祉士以外の介護職員」だけである。

この除外資格に該当する人が受験しなくなったことによって、ケアマネ受験者数が大幅に減少し、ケアマネの人材不足が助長されたということではないと思う。

受験資格の厳格化も受験者減の要因の一部にはなったとは思うが、それより大きな理由が別にあるのだ。
円形の棚田
ちょうどそのころから度重なる介護職員処遇改善加算の増額で、介護職員の給与改善が実感とされてきたのである。

特に夜勤を行う介護職員の場合は、夜勤手当を含めると、同じ法人内の同経験の介護支援専門員と比較した場合、介護職員の方が手取り給与額が高いという逆転現象が見られてきた。

そのため将来的に見ても、処遇改善は介護職員を中心に行われることが確実だと考える人が増えたのである・・・つまり介護支援専門員より介護職員の方が将来性があると考えて、わざわざ勉強して試験を受けてまでケアマネ資格を取る必要はないと考える介護職員が多くなっているのである。

現にその時期から、介護支援専門員実務に就いていた介護福祉士等が、処遇改善加算の配分が得られる介護職員に配置転換を希望する人が増えてきている。この実情を理解する必要がある。

つまり介護支援専門員の受験資格を、厳格化前の状態に戻したからと言って、受験者数が大幅に増えて、ケアマネ不足が解消するなんてことはないのだ。

受験資格をどういじろうとも、現在ある3種類処遇改善加算がすべて、居宅ケアマネを蚊帳の外に置くような状況を改善しなければ、介護支援専門員の資格を得て実務に就こうとする人は増えない。

よって本当にケアマネの成り手を増やそうとするのであれば、介護支援専門員の処遇改善がなにより必要だ。次の報酬改定では、なんとしてでも介護支援専門員の処遇改善加算を実現せねばならないのである。

そもそも受験資格を厳格化前に戻し、「実務経験のある介護福祉士以外の介護職員」を受験資格として復活させた場合に、何が起きるのかを考えねばならない。

それらの人が介護支援専門員となったときに、その分だけ介護職員の数は減るのである・・・それでよいのかということを真剣に考えているのだろうか。

現状では介護支援専門員より介護職員のほうが不足しているのだ。それによって利用申し込みを断わざるを得ない介護事業も多いのである。

そのような状況で、経験が長いというだけで介護職員に試験を受けさせてケアマネにしてよいのかを考えてほしい。そして法定資格を持たない介護職員は、ソーシャルワークを専門的に学ぶということをしていない人たちであることも同時に考慮してほしい。

それらの人たちは、介護職員として頑張ってもらえばよいのである。

ケアマネの受験資格を見直すならば、長すぎる実務経験5年という期間を見直すべきである。

ケアマネ受験になぜ実務経験は5年も必要なのか(下)」で指摘しているように、ソーシャルワークの専門知識を持つ若い人たちが、実務経験がないとして介護支援専門員実務研修受講試験を受けられないことで、社会福祉士などの資格によって就ける業務を担っている。

しかしそこで5年働けば、その部署では頼りになる専門家となっており、今更介護支援専門員の資格を取って転職なり、部署変更しようとする動機づけを持つ人は少なくなるのである。

そういう人たちが、大学卒業前にケアマネ試験を受けることができるようになれば、専門知識を大学で社会福祉援助技術を学び、社会福祉士の資格を得た人が受験できるようにすれば、社会福祉援技術(ソーシャルワーク)の専門知識を持った受験者は増えるし、新卒でケアマネジャーとして配置できれば、その人たちがケアマネとしてキャリアを積んで、ケアマネジメントの質も向上していくのである。

本当に求められるケアマネ受験資格の見直しとは、こうした形でソーシャルワークの専門知識を持った人が、ケアマネジャーとして活躍できる方向性ではないかと思う。

介護支援専門員の確保のために、介護職員が今以上に減っていく方策など、誰からも求められない愚策である。それは日本の介護の闇を深めるだけの愚の骨頂ともいえる。
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担当者会議の弾力運用は廃止されたが。(15:04記事修正)


昨日(5/8)から新型コロナウイルスの感染法上の分類が5類に変更されたのに先立って、「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う人員基準等に関する臨時的な取扱いについて」が5/1付で発出され、過去に出された感染症特例の今後の取り扱いが示されている。

どの特例が継続され、あるいは一部変更され、はたまた終了されたのかは、感染特例第1報〜27報を再確認したうえで、別紙2として示された整理表と突合する必要がある。・・・とても分かりにくいが、どう突合するのか確認してみる。

そのためにはまず、第1報から27報までが一覧表として確認できるこちらのサイトを紹介しておく。

そのうえで別紙2を見ていただきたい。ここでは第1報-1の(1)(8)だけが終了されている。

そこでコロナ特例通知一覧サイトから第1報を確認してみる。すると1.各サービス共通事項(1) 新たに介護が必要になった場合の要介護認定の取扱いと、(8) 被災したことにより賃金改善実施期間内の処遇改善が困難な場合における処遇改善加算(介護予防・日常生活支援総合事業において介護職員処遇改善加算及び介護職員等特定処遇改善加算相当の事業を実施している場合を含む。)の取扱いについてが終了されていることがわかる。

このようにして各通知を追っていくわけであるが、第3報9が終了となっていることが気になった。

第3報9の内容は、居宅介護支援のサービス担当者介護の特例で、『利用者の自宅以外での開催や電話・メールなどを活用するなどにより、柔軟に対応することが可能である。』とされていたものである。
オンラインサービス担当者会議
オンライン会議が当たり前に行われるようになった今日、サービス担当者会議をメンバーを一堂に会して行う必要性が果たしてあるだろうか・・・。この取り扱いは、特例対応ではなく一般対応と変更しても良いのではないかとさえ思う。

所属事業所が異なり、それぞれが多くの仕事を抱えるチームメンバーが、日時を合わせて一堂に会する手間と労力は半端なものではない。オンライン活用することで、この手間と労力は大幅に削減でき、業務負担も大きく減っている。しかもオンラインでの話し合いは、一堂に会しての話し合いとほとんどコミュニケーションの質は変わらない。

一堂に会する会議を原則としている現状ルールでも、そこに参加できないメンバーは、「照会」という形の文書のやり取りだけで、話し合う内容等を情報提供しているが、その方法より遠隔からオンライン参加する方がよほど質の良いコミュニケーションが取れるというものだ。

そうであればわざわざ担当者会議まで利用者宅で行ったりする必要もないわけである。

そういう意味でも、今回のオンラインによるサービス担当者会議開催が認められなくなることは非常に残念であると思ったし、そもそも今後さらなるICTの活用などにより介護DXが必要とされる時代に、アナログ対応を原則とするこの逆行は納得できないと感じた。 

しかしその考え方は間違いであり、この特例終了はそういう意味ではないらしい。

サービス担当者会議については2021年度の介護報酬改定で、利用者らの同意を前提としてオンライン会議システムなどを活用して開催することが正式に認められていたことを失念していた。申し訳ない。

さすれば今回のコロナ特例の廃止は、オンライン会議をせずに、電話・メールだけで話し合いを済ませたり、そもそも開催しなかったりする対応を今後は認めないという趣旨だそうである。


ということで今後のサービス担当者会議も、オンラインを大いに活用してほしい。(※5/9・15:04記事修正
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求められるターミナルケアマネジメントの改正提言


僕は今自家用車で、札幌に向かっている途中だ。

今日午後1時30分から配信するオンライン講演の動画撮影会場である、札幌市西区発寒の「つなぐ手ケアマネセンター」を目指しているところだ。

家を出るのが遅くなり今日は高速道路で札幌に向かっている。ルートを示すと登別〜会場までは、白老〜苫小牧〜千歳〜恵庭〜北広島を通って札幌に着くことになる。

先ほど途中の輪厚インター少し早めのお昼として辛味噌ホルモンラーメンを食べた。

そのついでにこの記事を更新しているところだ。

今週初めの月曜日の更新記事、「終末期ケアマネジメントはケアマネ必見(無料配信)」でお知らせしたとおり、今日の講演タイトルは終末期ケアであり、ケアマネジャーに求められるターミナルケアマネジメントのあり方を主要なテーマとしている。
水車
終末期ケアターミナルケアマネジメントの問題は、我が国が既に多死社会に突入しているという側面からも考える必要がある。

我が国の2022年の死者数は158万2023人となり、前年比で12万9744人増えて戦後最多となっている。

こうした情勢の中で医療機関のベッド数は増えていないのだから、病院で死の瞬間を迎える人は減っているし、今後も減り続けるわけである。

昨年、死者数が増えている要因の一つには、新型コロナウイルス感染症による死亡者が増えていることが挙げられるが、同時に老衰死が増えていることを理解せねばならない。

老衰とは、言い換えれば寿命なのである。高齢者の自然死ともいえるものだ。後期高齢者の数は今後も20年程度は増え続けるのだから、老衰死も同じ期間は増え続ける考えられている。

コロナ禍が収まったとしても、それは変わらないわけである。

だからこそ、死ぬためだけに医療機関に入院しなくてよい地域社会を創ることは大事であり、最期に住んでいる場所を人生の最終ステージを生きる場所にすることが大事になる。

それ以前に、人生の最終段階でどのような場所で生き、どんな医療や介護を受けたいのかを確認する、「人生会議」がより重要になるのである。

そのため施設ケアマネであっても、居宅ケアマネであっても、両者とも判断能力のある利用者のケアプラン作成担当者となっているケアマネは、できるだけ早期に信頼関係を築いて、人生会議の開催支援を行いながら、利用者の終末期の希望を確認しておく必要がある。

判断能力が低下あるいは欠如している利用者については、家族を交えて人生会議を開催し、利用者の意思を推定する試みを早期に行う必要があるわけである。そこで確認した利用者の意志の代弁者となるのがケアマネジャーの役割であるともいえる。そのことは前2回のオープンセミナーでお話ししたところだ。

今回の講演では、その後に必要とされるケアマネの役割にも触れる予定だ。

施設サービスであれば、そこで確認した利用者意思に沿った支援ができるように、自らの所属施設のサービスの方法論を最適化するための旗振り役としての機能が、施設ケアマネに求められてくる。

一方で居宅ケアマネの場合は、自分の所属法人以外の外部のサービスも組み込んだプランを立てなければならない。

その為居宅ケアマネジャーが得ておきたい社会資源として、信頼して終末期を任せることができる居宅サービス事業所と利用者の終末期に対応可能なターミナル専門医(※在宅療養支援診療所)があるということにも触れる予定だ。

さてここで一つ指摘しておきたいことがある。

ターミナルケアマネジメントは、あらゆる状態像の人に必要とされるものである。特に前述したように、老衰死が増えてくる日本社会では、老衰死に対するターミナルケアマネジメントが必要になる。

施設サービスの場合、それは看取り介護加算として評価されることになるが、居宅介護支援の場合は、ターミナルケアマネジメントを評価するものはターミナルケアマネジメント加算しかない。

ところがこの加算は、末期がんの方に対するターミナルケアの場合しか対象になっていない。在宅看取り介護が増えてきて、それに対応するマネジメントも重要となっているのに、その加算評価が末期がん患者に限定されているのは大きな矛盾である。

この矛盾解消のソーシャルアクションが必要である。

居宅ケアマネをはじめとした関係者は、居宅介護支援におけるターミナルケアマネジメント加算について、すべてのターミナルケアの対象者に算定できるようにルール変更を求めるアクションを起こしてほしい。

老衰という自然死のターミナルケアマネジメントに対する対価を、きちんと得られるようにすることが、その仕事に報いることに繋がるというものである。

なお今日のオンライン講演は、事前申し込みなしに誰でも無料で視聴できるので、視聴希望者は下記のバーコードをカメラで読み取るか、IDとパスワードを入力するかして、13:30から入室してほしい。(講演は14時から90分です)
看取りケアセミナー
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ケアマネ受験になぜ実務経験は5年も必要なのか(下)


ケアマネ受験になぜ実務経験は5年も必要なのか(上)より続く
20歳代の介護支援専門員が全体の7%にも満たない理由の際たるものが、ケアマネ受験資格に必要な実務経験5年規定である。

大学で社会福祉援助技術を専攻し、社会福祉士の国家資格を取得した人も、その後5年間指定実務に就かないと介護支援専門員実務研修受講試験を受けられないのである。

大卒の新卒者が最短で介護支援専門員となることができるのは27歳前後といういうことになる。

こんなに長い実務経験が必要なのだろうか?

そもそも相談援助の専門資格としては、最も上位に位置すると考えられる社会福祉士でさえ、その国家試験を実務なしで受験できるルートは存在するのである。

介護保険法以外の法律や、社会福祉援助技術全般の広い知識が求められる社会福祉士の資格取得ルートがそうであるにもかかわらず、介護支援専門員という社会福祉士より試験問題の難易度が低い資格の取得ルートのハードルが高いのは何故だろう。

実はこの実務経験の設定には、介護保険制度開始時の混乱が関係している。
桜
ご存じのように、介護支援専門員の資格は、介護保険制度施行と同時に新設されたものである。

その際、介護支援専門員という資格を新たに創設することは決まったものの、どういう職種のどのような条件を受験資格または受験要件とするかはなかなか決まらなかった。

医療系サービスであれば、医師や看護師のほかにどの資格を受験要件とするか、福祉系サービスは相談援助職に限ってよいのかなど、侃々諤々の議論が水面下で行われた。

その際に国が一番心配したことは、「制度あってサービスなし」という状態に陥ることであった。

そのため、ケアプランに沿ったサービス提供という原則を担保する介護支援専門員という有資格者がいないのであれば、介護保険制度上のサービスが動かなくなることを懸念し、その有資格者の範囲を広げたのである。

もっと具体的に言えば、当初は介護支援専門員実務研修受講試験を受けることができる実務に、「介護職員」は入っていなかったのである。

しかしそれでは必要な介護支援専門員の数の確保が困難になると考えて、後付けで介護福祉士や介護職員の実務経験でも介護支援専門員実務研修受講試験を受けることができるようにしたわけである。(※この当時の議論では、介護事業者の事務員や調理員も実務経験として認めてよいのではという議論もされたが、それは見送られた

このように相談援助職ではない職種も広く介護支援専門員実務研修受講試験の実務経験として認めることにしたため、その質をできるだけ担保しようとして、実務経験期間は5年という長期にしたという意味がある。

しかし相談援助の専門家の実務まで、他の実務と同じにするのは意味がないと思う。大学を卒業したばかりの社会福祉士でも、ケアマネジメントが適切にできる能力ある人はたくさんいるのである。

その人たちが介護支援専門員実務研修受講試験を受けられないことで、社会福祉士や精神保健福祉士などの専門業務を担って、その後5年働けば、その部署では頼りになる専門家となっており、今更介護支援専門員の資格を取って転職なり、部署変更しようとする動機づけを持つ人は少なくなる。

これが若者が介護支援専門員になろうとしない一番の理由だ。

介護保険制度施行から23年も経過している今、この制度の実態を見なおして、介護支援専門員の数が増えるように、若者がもっと介護支援専門員となってくれるように、受験ルートの見直しが必要だと思う。

少なくとも相談援助業務を専攻した人、社会福祉士や精神保健福祉士等の有資格者は、実務経験なしで受験資格を得られるようにすべきだろう。

この見直しを早急に行ってもらいたいと切に願う。
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ケアマネ受験になぜ実務経験は5年も必要なのか(上)


介護人材不足という言葉は、介護職員が不足しており、募集に応募が少ないという意味で使われることが多い。

しかし昨今は介護職員だけではなく、介護支援専門員の募集に応募がなく、有資格者の確保に苦労する介護事業者が増えている。

昨年度の介護支援専門員実務研修受講試験の受験者数は5万4406人で、このうち1万328人が合格している。受験者数は前回比プラス116人と微増で、3年連続の増加となったものの、合格者数は4年ぶりに減少し、前回比マイナス2334人だった。

しかしこの数字はあくまで試験の合格者数に過ぎず、全員が介護支援専門員実務に就くとは限らない。一方で5年ごとの資格更新をしない有資格者も多いし、介護支援専門員実務から離れてしまう人も少なくない。つまり新たな有資格者が全国で1万人程度増えても、介護支援専門員実務者の数自体は、さほど増えていないか、むしろ減ってる可能性さえ否定できないのである。

現に、居宅介護支援事業所の数は2018年のピーク時からの減少し続けており、その原因として事業所の中規模化・大規模化だけではなく、介護支援専門員の確保が難しくなっていることが指摘されている。(※居宅ケアマネの実数は、国も把握していない
さくら
この原因の一つに挙げられるのが、介護職員と介護支援専門員の給与格差が縮小したということだ。

介護保険制度創設直後は、介護職員より介護支援専門員の給与の方が高く設定されている事業者がほとんどで、そのため多くの介護職員がキャリアアップとして介護支援専門員を目指し、試験を受けて合格した後、介護支援専門員実務に就く傾向にあった。

しかし介護職員の給与改善を目的にした処遇改善加算が創設されるなど、介護職員の給与が確実にアップする中、居宅ケアマネは処遇改善加算の配分を受けることができないなどで、介護職員ほど給与のアップがされていない状況があり、場合によっては介護職員のままでいる方が年収が高くなるなどの逆転現象もみられている。

そのため介護職から介護支援専門員を目指そうという動機づけが失われつつある。

こうした状況に、国もやっと危機感を持ったのか、重い腰を上げて、次期報酬改定時には介護支援専門員の給与改善策を盛り込む方針を決定している。(参照:ケアマネ待遇改善が明記された厚労省資料

しかしそれだけでは不十分だ。介護支援専門員の年齢構成は、40代が一番多く、40.9%を占めている。次いで30代の26.7%、50代の26.1%と続き、30代から50代で93.7%を占めている。つまり20代の介護支援専門員の数が極端に少ないのである。

これは何故か?言うまでもなくその原因は、受験資格に必要な実務経験の壁が最大原因である。

介護支援専門員になるためには、都道府県のが主管する介護支援専門員実務研修受講試験に合格しなければならない。(※試験が都道府県主管だからと言って、介護支援専門員資格は国家資格である。このことについては、介護支援専門員って国家資格だったのか・・・。を参照していただきたい。)

その受験資格のために、国が指定する実務の経験が5年必要とされているのである。

果たしてそのような要件がなぜ必要とされたのか。それは適切な要件と言えるのだろうか。現状にそれはマッチした要件なのか・・・。そのことについて考えてみたいが、少し長くなりすぎたので、それは明日の更新記事で詳しく論ずることにしたい。

ということでこの続きは、「ケアマネ受験になぜ実務経験は5年も必要なのか(下)」をご覧になってほしい。
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本物のケアマネジメントとは繋ぐこと


現役の介護支援専門員の方々の中に、将来ケアマネジメント業務は、「AIによるケアプラン自動作成」にとってかわられるのではないかと懸念する人がいる。

しかしそんな心配はないと言い切っておこう。

現行で国が推奨しているケアプラン作成ソフトは、実際にはケアプランを自動作成するものではなく、ケアプラン作成支援ソフトでしかない。作成担当者にヒントを与えるために第2表を例示するに過ぎないのである。

しかもその内容たるや首をかしげるものも多く、このソフト作成担当者と、それを推奨する国の担当者が、いかにケアマネジメント実務からかけ離れたところで、AIをいじくっているに過ぎないことがよくわかる。

所詮、官僚とかSEといった介護の専門家ではない素人がいじくりまわしているに過ぎないのだ。対人援助のプロたる者が恐れるに足る相手ではない。

それが改善されて、将来的にケアプランが本当に自動作成されたとしても、それだけではケアマネジメントは完結しない。

ケアプランは単に、利用者の暮らしの維持・改善に有効な社会資源をつなぐためのツールに過ぎないのだから、ケアプラン自動作成ソフトが介護支援専門員のケアマネジメントに替わることは不可能なのである。

ケアマネジメントの本質は利用者に社会資源をつなぐ過程で、揺れ動く利用者の感情に寄り添って、その時点で必要な精神的支援を図りつつ、感情の揺れや、その感情の根本となっている思いにしっかり対応することである。機械にはそれは不可能である。

逆に言えば、介護支援専門員がその資格に胡坐をかいて、単なるケアプランナーに陥り、利用者の感情に寄り添いながら、利用者と様々な社会資源をつなぐという仕事をさぼっていたとしたら、感情がなく不快な思いをさせない機会によるケアプラン作成の方がましだと言われかねなくなる。

そうならないように、利用者の暮らしぶりが良くなったと、利用者本人が自覚できるケアマネジメントに努めてほしい。

大事なことは、ケアプランを作成することをケアマネジメントと思い込まないことと、自分の抽出した生活課題の解決目標が達せられておりさえすれば、ケアマネジメントはうまくいっていると勘違いしないことだ。

感情ある人の暮らしに寄り添って支援する職業では、何より利用者本人の満足度が重要なのだ。ケアマネジャーが良かれと思う結果が出たとしても、それに利用者が満足できなければ成功とはいえないのである。

それが良い暮らしというのです。」なんていう価値観の押し付けほど、利用者にとって鬱陶しいものはないのである。

ケアマネジメントは、利用者に最もふさわしい社会資源をつなげる仕事である。

その過程では、私たちの思いを利用者につなげて、利用者の感情を私たちの感性につなげる必要がある必要がある仕事なのである。

この過程を怠けてはならない。この過程を大切にしなければならないのである。「繋げるが命」と呪文のように唱えて、日々の実務に当たるべき仕事がケアマネジメントなのである。
さくらそう
雪解けの大地に可憐な花を咲かせる、「さくらそう」のように、誰かのあかい花になるために、「繋げるケアマネジメント」を忘れないでほしい。

主役はあくまで利用者自身である。ケアマネジャーはわき役になる必要もない。わき役はケアマネジャーがつなげる誰かであっても良いのだ。

私たちは表舞台の陰で、黒子に徹する役割を果たすだけでよいのだ。

私たちの影さえ見えない状態で、利用者の笑顔が前面にあふれているケアマネジメントが、一番優れた方法論といえるのかもしれない。
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ケアマネの新しい役割と可能性


3日間の松山滞在を終え、今日いったん北海道に戻る予定です。

しかし今月23日にはまた松山に戻ってきます。24日の久万高原町講演に備えて松山に前日泊する予定が入っております。すっかり馴染みとなった大街道周辺は、再訪したい店も複数あり、次の楽しみにしておきたいと思っています。

今回松山でお愛した皆さん、ありがとうございました。

さて北海道に帰った後は、1日だけ自宅で休養して、4日(土)に札幌で行われる産業ケアマネフォーラムに備えて、3日(金)から札幌に滞在し、前夜祭〜フォーラム〜反省会とあわただしい日程が入っています。
※前夜祭も反省会も、ただの呑み会ではないかという突っ込みはご遠慮願います。・・・当たってるけど。
カイゴと働くを考える会
介護離職が大きな問題となってる我が国において、自分が所属する法人・事業所を超えて、介護支援専門員が一般企業の従業員の介護課題を解決する役割が重要となってくることは間違いのないところです。

この役割を果たすことはすなわち、介護支援専門員の仕事の領域を広げることにもつながっていくのです。

将来独立して介護支援事業所等を立ち上げようとする方々にとっては、本業を補完する副業としても有力な業務となり得るのが、「介護と働くの両立支援」です。

そのことを啓蒙する貴重なフォーラムの紹介動画として、僕のインタビューもユーチューブにアップされています。

このほか公式ホームページでは、現在、産業ケアマネジャーとして活躍している方々のインタビュー動画もアップされています。

産業ケアマネとはどんな資格なのか、どんな社会活動をしているのかを知りたい方は、ぜひそちらも注目していただきたいと思います。

このフォーラムは会場開催と、オンライン配信の両方をカバーするハイブリッドフォーラムです。フォーラムへの参加申し込みは、こちらの文字リンクをクリックしてください。

介護支援専門員をはじめとしたソーシャルワーカーの可能性を広げ、活躍の場を広げるためのフォーラムにぜひ参加してください。会場で、もしくはオンライン画面を通じてお愛しましょう。

そして今後につながる、「見えない絆」でつながり愛ましょう。
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ケアマネ待遇改善が明記された厚労省資料


2/1に公表された令和4年度介護事業経営概況調査結果では、居宅介護支援の利益率は2020年度が2.5%、昨年度が4.0%と、現在の調査方法に変わってから初のプラスとなったことが明らかになった。

これは喜ばしいことである反面、2024年の介護報酬改定では、この結果が足かせになりかねないという声もちらほら聴こえていた。収支改善したんだから、これ以上の居宅介護支援費のアップは必要ではないとして、居宅介護支援費の据え置きなどの負の影響があるのではないかということが懸念されたわけである。

しかしどうやらそう悲観する必要もなさそうである。
夜明け
16日に開催された『第19回医療介護総合確保促進会議』で厚労省は、介護支援専門員について、「人材確保の観点からも、働く環境の改善を進めていく必要がある」とし、具体策として待遇改善やテクノロジーを活かした業務の効率化などを明記した資料を提出したからである。

具体的には、ポスト 2025 年の医療・介護提供体制の姿(案)の7頁に以下のように記されている。
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ケアマネジメントの機能強化
○ 介護サービスの利用に当たっては、本人の自立を支援する適切なケアマネジメントが行われることが重要であることは言うまでもない。こうしたケアマネジメントが、個別ニーズに寄り添った柔軟かつ多様な介護を、医療はもとより、介護予防、住まい、生活支援などと連携して包括的に提供する地域包括ケアシステムの中で重要な役割を担うものである。
○ ケアマネジャーがこうした役割に即した適切なケアマネジメント機能を発揮できるよう、取り巻く課題について包括的な検討を行うことが重要である。その中で、適切なケアマネジメント手法の普及・定着、ケアプラン情報や LIFE(科学的介護情報システム)情報を含め介護情報の体系化、データベース化等によるケアマネジメントの質の向上等も進めていくほか、かかりつけ医機能を担う医療機関との連携、入退院から介護サービスの利用までを含めた総合的なケアマネジメントの推進を目指す必要がある。また、人材の確保の観点からも、ケアマネジャーの待遇改善、ICT 等を活用した業務効率化をはじめとした取組により、働く環境の改善を進めて行く必要がある。
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ここにはっきりと、「ケアマネジャーの待遇改善」が明記されている。

これにより、24年報酬改定でさらに居宅介護支援費のアップが図られる可能性が高まったと言えるのではないだろうか。

あるいは居宅ケアマネに対する処遇改善加算が新設されるのか・・・現行の3種類の処遇改善加算が統合・一本化されることになっているが、その際に居宅ケアマネも新処遇改善加算の対象となるなどの改革が行われる可能性もある。

どちらにしても、何らかの形で介護支援専門員の処遇改善が行われることは確実といえ、これは介護支援専門員として歓迎すべきことではないかと思う。

同時に介護支援専門員の方々には、今以上にケアマネジメントスキルのアップに努めることが求められることを指摘しておきたい。

厚労省内で、介護支援専門員の資格不要論なんて存在していない。それは紛れもない事実だ。

しかし必要不可欠である資格であるにもかかわらず、個人のスキル差が大きく、人の暮らしを支援するために最低限のケアマネジメントスキルが担保できていない介護支援専門員の存在がいつも問題視されるのも事実だ。

昨今はサ高住の囲い込みプランが特に問題視されている。サ高住に入居する条件として、サ高住併設の居宅介護支援事業所と契約することを強要し、そこの担当ケアマネが立案したプランでは、サ高住併設の訪問介護や通所介護のみを利用することを強いるなど、利用者不在の事業収益重視マネジメントが不適切の誹りを受けている。

そのためにケアプランチェックルールも厳しくなっていたりする。

そうしたことを踏まえたうえで、より適切なケアマネジメントを地域で展開し続けることが今まで以上に求めっらえることを肝に銘じてほしい。

そしてそのことが介護支援専門員という資格の社会的信頼を高め、処遇改善にもつながっていくことを理解してほしい。

そしてあらゆる機会を創って、自らのスキルアップに努めていただきたい。

ケアマネサポーターを自称する僕も、そのお手伝いをしたいと思う。とりあえず明後日は、静岡県介護支援専門員協会の皆さんに向けて、自宅からオンライン講演を配信するので、そこでエールを送りたい。
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ケアマネが個人で金銭を預かることの重大違法性


僕は今、神戸市内のホテルの一室で、この記事を更新している。12:45〜このホテル内で行われる、一般社団法人 兵庫県老人福祉事業協会主催・令和4年度施設長研修会で講演を行うための神戸滞在である。

これから会場に出かける予定になっているが、昨日僕が管理する表の掲示板に、「ケアマネが利用者の金銭管理をする件について」というスレッドが立ち上げられたので、その回答を補足するための解説記事を、今日のテーマとしてここに書いてみようと思う。

さてそこで本題。

居宅介護支援事業所の介護支援専門員は、利用者の暮らし全般に関わる相談援助業務を担っている。

そのためプライベートな問題にも踏み込んでアドバイスを求められることも多い。その延長線上に、居宅介護支援事業に求められるケアマネジメント業務の範囲を逸脱して、介護支援専門員の仕事とは言えないような役割もしくは仕事を求められて困る場合がある。

例としては、生活費の金銭管理を求められる場合があるという。利用者自身が自分の金銭管理能力に不安を持って金銭管理を要望されたり、利用者の家族から、利用者自身の浪費癖を懸念して金銭管理を依頼されるなどがケースとして報告されている。

しかし居宅介護支援事業所にも、介護支援専門員個人にも、利用者の金銭を預かって管理する権限も、法的根拠も持たされていない。よって決してそのような要請・要望があっても受けてはならない。

なぜなら善意の金銭管理であっても窃盗罪となり得るからである。

もともと利用者の金銭を管理する権限のない介護支援専門員が、光熱水費などの支払いのため、一定期間利用者のお金を預かっていた最中に、利用者が急死することを想定してほしい。

この場合、利用者の意思確認ができないため、遺族が担当ケアマネが金銭を預かっていた行為を、利用者の金銭をだまし取ったとみなすことは十分に考え得ることである。

そうなった場合、業務上の立場を利用した金銭搾取ではないという証明は困難となる。
神戸メリケンパーク
※画像は今僕が泊まっている部屋の窓から見えたメリケンパークの夕日。

そうならないように、利用者自身に紙ベースで金銭預かり委任状などを書いてもらっていたとしても、それは法的には無効でしかなく、なんの免罪符にならない。

なぜならお金などの財産の管理を他者に任せる場合は、口約束や簡単なメモでのやり取りではなく、「財産管理等委任契約」が必要になるからだ。これは公証役場公正証書を作成する必要があるのだ。

勿論、家族や親類等が善意で個人的に金銭管理を行う場合には、本人の委任状があればできることで、そのような契約が必要になることはない。

しかし居宅介護支援の利用者に対して、担当介護支援専門員が金銭管理を行うということは、居宅介護支援の一環もしくはその延長として、(金銭を徴収していなくとも)継続反復行為としての「業:なりわい」とみなされるために、契約行為が必要となるのである。

なお財産管理等委任契約で可能になることは以下の通りである。
財産の管理
・銀行でのお金の引き出し・支払い等
療養等の身上監護
・入院手続きや介護サービスの契約等

よって判断能力がある利用者から、金銭管理の要望がされた場合、ケアマネがしなければならないことは、利用者の判断力に照らして金銭管理をし得る社会資源を探して、それを利用者に結びつけることである。

例えば判断能力があり、契約内容が理解できる程度の軽度の認知症もしくは認知機能障害がある利用者の場合なら、市町村社協が窓口となっている「日常生活自立支援事業」が利用できる。

この事業を利用することで下記の行為が可能となる。
・福祉サービスの利用などの手続
・行政窓口などでの手続
・預貯金等の日常的金銭管理
・生活状況の観察
・書類等の預かりサービス


任意後見制度も利用できる可能性がある。任意後見制度は自分の判断能力が衰えた場合を想定して、自分が判断して信頼の受ける人に財産等の管理を任せる制度であり、判断力が低下した際に効果が発生する契約であるが、その制度の中には(即効型)というものがある。

即効型とは、判断力が少し低下したが、契約内容が理解できるうちに契約して、その時点から効果が発生するものであり、金銭管理能力が衰えた人の場合、有効に作用することも多い。これも公正証書で契約を行う必要がある。

このように居宅ケアマネには、利用者とどのような社会資源を結びつけるべきかという知識が必要になるが、それはれっきとしたケアマネジメントスキルといえる。その知識を備え置くための日々の勉強は、介護支援専門員のスキルを保つために必要不可欠であると考えるべきだ。
※特養等の場合は、「暮らしの場」として、ケアマネジメント業務以外に、利用者に対する直接的な身体介護や生活支援を行わねばならない場であり、認知症の方などの金銭管理が必要になるために、厚労省通知で施設という組織全体で(個人ではなく)金銭管理を行うことができると通知されている。そしてその場合は、金銭管理規定を作成して、それに基づく管理が求められ、運営指導ではその状態をチェックされることになっている。

なお病院予約や、ケアマネジメント業務の一環とは言えない安否確認等を求めらえるケースもあると聞く。この場合、法律に照らして介護支援専門員の業務ではなく、かつケアマネジメント上やむを得ず必要とする行為ではない場合で、ケアマネが行っても法律に触れないために、やろうと思えばできる行為があるとしたら、この場合は運営規定に「保険外サービス」として定め置き、別途料金を徴収することを検討するべきではないかと思う。
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ケアマネに新たな役割だけ求められても困るよな


2016年〜適切なケアマネジメント手法の検討が始まったが、それによって介護支援専門員の法定研修のカリキュラムガイドラインが新しく定められることになっている。

そこではケアマネジャーに対して、本人支援はもとより、世帯全体のバランスへの配慮も社会的要請となっているとして、「仕事と介護の両立支援」や「ヤングケアラー支援」なども役割として求められるとされており、それに基づいて法制度の理解、他制度と自らの制度的関係や責任、関係機関の特徴や連携方法などの知識を備えることが求められている。

社会のニーズ変化に対応して、介護支援専門員に求められてきた新たな社会的要請にきちんと応えた役割を果たす必要があるというわけだ。

それは良い。団塊の世代という日本の高度成長を支えた人々が、高齢者介護サービスの顧客層の中心を形成するようになって、ニーズも多様化し変化しているのだから、それに合わせた役割を担う必要はあることに異議はない。

そのための知識や技術も必要とされるんだろう。・・・しかしである。

役割だけ求められて、「ハイ。その通りですね」で終わってよいのだろうか。

介護支援専門員は、ケアマネジメントの専門知識と専門技術を持つソーシャルワーカーであり、その資格は都道府県知事から免状をもらっているとしても、国家資格であることが明らかにされている。(参照:介護支援専門員って国家資格だったのか・・・。

国家資格をもって働く対人援助のプロが、介護支援専門員であるということになる。

つまり我々はボランティアではなく、プロとして利用者に向かい合っているのだ。当然ながらプロフェッショナルとは、金銭で出力する者という意味である。

そうした立場である者に対し、役割だけを求めて対価を与えないことは許されることだろうか。
稲穂と夕日
僕はそんなことはあり得ないと思うし、許されないと思う。きちんと役割に応じた対価を支払えと言いたい。

にもかかわらずそうした声が介護支援専門員実務者から挙がってこないのはなぜだろう。役割を求められるだけで対価を与えられないことに対して、抗議もせず文句も言わない介護支援専門員とは、あまりにもお人よし過ぎると思う。

仕事と介護の両立支援」も、「ヤングケアラー支援」もその役割を担うことは大いに結構だ。そのために勉強しなければならないことはたくさんあるから、頑張ろうと思う。

しかしそうであるなら、それは現在の居宅介護支援におけるケアマネジメントに一環として行うのではなく、別途その支援に必要な資金を含んだ対価を得られるようにしなければならないのではないだろうか。

それがない中で、役割だけ増やされることは、結局、国のいいようにケアマネが小間使いされるだけの結果に終わると思う。

このことは僕のような個人が指摘する問題ではなく、もっと大きな声の塊になって国に届けないとならないと思う。介護支援専門員の職能団体は、いったい何をしているのかということだ。

ボランティアが腐っていく理由のほとんどは、金銭が介在しないからだ。仕事に正義感など持ち込むから成長もしない。

介護という職業に対し、声高らかに奉仕の精神と正義感を求め続ける限り、それが目指す目的や目標は限りなく幻想化させられていく。そこにおける理念や理想も、目指すべき近い将来の到達点ではなく、幻想の産物でしかなくなる。

それではダメなのだ。介護サービスの利用者に、高品質で適切なサービスを提供し、その暮らしを守るためには、プロ意識に基づいて、もらっている対価にふさわしい仕事をしなさいということに尽きるのだ。それが介護事業者と労働者と利用者の3者ともに、ウイン・ウイン・ウインになるための唯一無二の方法論である。

実績のある介護支援専門員の経験値の共有化が最大の課題とされており、その課題をクリアして介護支援専門員全体の質の向上・質の差の最少化が求められているが、そのためには仕事に見合った対価を同時に考えていかないとならないと思う。

ボランティア精神満載の技術なんて継承・共有化されるわけがないのである。
金銭で出力するのがプロ
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ケアマネが国家資格かどうかなんて国民は興味なし


日本介護支援専門員協会が、13日に開催された自民党の「日本ケアマネジメント推進議員連盟」で、介護支援専門員登録証の発行元を都道府県から国に変えることを要望した。

このきっかけになった出来事は、2003年に政府が閣議決定した答弁書で、介護支援専門員資格が、「国家資格」であるとされていたことによるものであり、その経緯については今年初めに、「介護支援専門員って国家資格だったのか・・・。」という記事を書いてお知らせしていたところである。

日本介護支援専門員協会の言い分は、そうであるなら登録証発行者も都道府県知事名ではなく、厚労大臣名にすべきというものだ。

介護支援専門員の地位向上につなげるという意味も含め、「国家資格にふさわしい形にお願いしたい」と求めているとのことである。

しかしである・・・。同協会の要望の意味もわからないではないが、仮に登録証の発行者が厚労大臣になったからと言って、介護支援専門員の地位が向上するのかと問いたい。

そもそも介護事業とは関係のない一般国民は、介護支援専門員が長いこと都道府県資格であると思われてきたことさえ知る人はほとんどいない。ましてや登録証の発行者が、大臣か都道府県知事かなど知る由もないし、興味もない人がほとんどだ。

仮に発行者が厚労大臣名となったとしても、それだけで世間の目が違ってくるなんてことはなく、介護支援専門員の価値があがるわけではないし、地位が向上するわけでもない。

そもそも今現在だって、利用者から信頼されている介護支援専門員は、全国の地域にたくさんおられる。「ケアマネのあなたがいるから地域で暮らし続けられます」で紹介したように、介護支援専門員の誕生と、その後の活躍によって暮らしを支えてもらっている人は、全国にたくさん居られ、その方々は介護支援専門員を頼り、あるいはリスペクトしているのである。

そうであるにもかかわらず、介護支援専門員の地位向上を叫ばねばならない理由は、介護支援専門員が専従でケアマネジメント業務に携わる居宅介護支援事業の給付費が、その仕事にふさわしいレベルになっておらず、介護職員と比べて処遇改善の必要性も認められていないからであろう。

日本介護支援専門員協会もジレンマもそこにあって、介護支援専門員が国家資格であることを広くアピールすることで、国民に「たいしたものだ」という印象を与え、地位を向上させたいということであり、その先には国家資格に見合う形で、「介護支援専門員の待遇向上」を見据えているのだろう。
美瑛の景色
しかし居宅介護支援費が思ったほど上がらないのは、ケアマネジャーの仕事ぶりのせいではなく、この事業が併設事業とセットで考えられ、併設事業の収益を増やすための顧客確保機能を見越した価格設定が行われてからだ。そこには介護支援専門員が国家資格か都道府県資格かということはあまり影響しない。

処遇改善に至っては、サービスの担い手の確保のために政策的に行っていることで、国家資格である介護福祉士の資格を持たない介護職も、処遇改善対象になっていることを鑑みると、介護支援専門員が、国家資格であろうと都道府県資格であろうと、処遇改善に関してはあまり意味がないともいえる。

このような制度設計や報酬構造、社会情勢を総合的に考えると、介護支援専門員登録証の発行元がどこであろうと、どうでもよいことのように思えてならない。

それより国が制度改正・報酬改定の度に指摘しているのは、達人ケアマネがいる反面で、囲い込みなどの不適切サービスのための計画作成しか行わないようなケアマネがいるという点であり、居宅介護支援サービス利用者の不満も、「ケアマネのスキル差・個人差」という問題である。

もっとこの問題に目を向けて、その解決に向けた提言を行うなど、そちらの方にエネルギーを費やしたほうが良いのではないかと考えるのは、僕だけではあるまい。

そうしないことには、あっち向いてホイの活動ばかり目立ってしょうもない団体であるとの誹りが免れなくなる・・・。
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基本ケアと疾患別ケアで構成されるケアマネジメントの新手法


厚労省は2016年から10か年計画で自立支援・重度化防止の推進策の一つとして、「適切なケアマネジメント手法」の確立と推進に取り組んでいる。

なぜそれが必要とされているかと言えば、ケアマネジャーという資格を持っている人たちのケアマネジメント力の個人差が大きいことが問題となっているからだ。

もっと具体的にいえば国は、「基礎資格によってケアマネジメントのばらつきが大きい」・「支援内容を導き出した明確な根拠を示し説明できないケアマネが存在している」という問題が背景にあると指摘している。

以前からケアマネジャーに対しては、「メディカル、コメディカルと対等に渡り合える知識と実践力 があるのか?」という指摘もあったことから、「基礎資格によって〜」の意味は、メディカル(医師)やコメディカル(医師以外の医療関係者)と対等に意見交換ができない福祉系ケアマネジャーという意味ではないかと想像される。

そのため「適切なケアマネジメント手法の確立」の中には、福祉系のケアマネジャーにも最低限の医療知識を身に着けて、医療関係者と対等の議論ができるようになってほしいという意味が込められているのだろう。

それは高齢者には持病がつきものであり、持病管理が即ち自立支援につながる事例が多いからである。

よく言われるのが、持病として糖尿病を持つ高齢者のケアプランに血糖値管理の方策が書かれていない計画書があるということだ。血糖値を正しく管理しないことによって合併症が発症し、身体機能の低下が早まり、それがADLの低下につながる事例は少なくなく、その多くが福祉系ケアマネジャーが作成した計画書であると指摘されるているのである。

そのような無知による自立支援の失敗をなくしたいというのが国の意向でもある。

そのため今後は、基本ケア疾患別ケアで構成するケアマネジメントの実現を図るために、ケアマネジャー養成カリキュラム等を更新していくことになっている。

基本ケアとは、すべての利用者に共通する、「支援する際に重視すべき事項」を整理して示すことを指している。そのために、ADLや栄養・認知症等の状態像から導き出すエビデンスの確立を目指して、LIFE(科学的介護情報システム )が活用されることになる。

疾患別ケアは、利用者が抱える疾患の特徴を踏まえ、回復期〜安定期の期別に応じた想定すべき支援を整理することが求められている。

例えば「心不全」をモデルにした疾患別ケアを考えてみよう。
心不全の経緯
循環器病は心臓にダメージを与え続けた結果、ある時点で心不全を発症させる。これを「急性心不全」というが、心不全をいったん発症すると基本的に根治しないため、弱った心臓をいかにサポートし、できるだけ症状の悪化のスローダウンを図るケアが必要になる。

つまり心疾患は一旦病状安定後、「慢性心不全」として繰り返し発症するという予後をたどり(ステージC)、やがて心不全が重症化し治療効果が出にくい状態に陥る(ステージD)。介護支援専門員は、心不全がこうした段階を経ることを知っておく必要がある。

心不全を発症しても、発作が収まれば身体機能はほぼ正常に保たれているように見え、ADLの低下もほとんど見られない人は多い。目に見えていることだけのアセスメントで終われば、以前と同じことができて問題ないと思われてしまう。しかし心機能自体は低下し続けることを忘れてはならないのだ。慢性心不全の増悪の度に心機能低下は進行するのだ。

よって一旦心不全発作を起こした人は、元の健康状態には戻らないことを前提にケアプランを立てる必要がある。これが疾患別ケアの基本だ。

心不全発作が収まり症状が回復してADLに変化がなくても、元の暮らしを送ること自体が心臓に負担をかける要因となりかねず、自立支援が大事だと言っても、そのために無理をさせることが急性増悪の原因になるのである。場合によってその無理は、死期を早めるということにもなりかねない。

だからこそ元と同じ家事をこなすことを強いてはならないケースも多くなるという理解が必要だ。その場合は心臓に負荷をかけないように、適切に生活支援(家事援助)をプランに組み込む必要が当然生じてくるのである。

そのためには心不全の発作が収まり退院が決まった時点で、主治医師から適切に情報を受けとり、禁忌事項などを確認しておく必要がある。それらの注意事項や禁忌事項を日常生活の中にどうつなげていくかという視点で計画を立案しなければならない。

このような疾患別ケアの視点を正しくもって、幅広い視点で生活全体を捉え、生活の将来予測や各職種の視点・知見に基づいた根拠のある支援の組み立てを行うことができる知識や技術を修得させることを目的にしているのが、現在行われている「適切なケアマネジメント手法」の確立と推進事業である。

そこでの最大の課題は、「経験値の共有化」である。

福祉系ケアマネジャーであっても既に、基本ケア疾患別ケアで構成するケアマネジメントがしっかりできている人も居る。そうした介護支援専門員が努力して蓄積してきた知識や思考の方法は、介護支援専門員全体の大切な財産である。

それらの人の経験と知識を、いかに伝えていくのかが課題なのだ。

蓄積された知識を共有化するために、それらを言語化・体系化する必要があるが、僕個人としてはそのためにはアセスメントの結果を言語化することが必要不可欠ではないかと思っている。

自分が立案した計画書の内容を、アセスメントの結果に基づいて、根拠を正しく伝えることにより、「経験値の共有化」は実現するのではないかと考えている。

僕の介護支援専門員に向けた講演では、こうした視点もしっかり伝えているので、居宅ケアマネ・施設ケアマネ双方の研修を希望される方は、是非講師依頼の打診メールを気軽に送っていただきたいと思う。よろしくお願いします。
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ケアマネのあなたがいるから地域で暮らし続けられます


介護保険制度の最大の功績とは、介護支援専門員という有資格者を生み出したことだ。

介護が必要な人自身や、身内に介護が必要になった人がいる人たちにとって、最大の悩みは、日常のちょっとした出来事や変化を、誰に相談すればよいかわからないということである。

介護支援専門員という専門職が生まれる前は、行政に相談するしか手がなく、しかし相談してもそれはあくまで手続きの相談にとどまり、実際の心身の状態を相談できる担当者はどこにも存在しないというのが地域社会の実情だった。

しかし介護保険制度の創設によって、介護支援専門員という資格者がどの地域にも存在するようになった。そして介護保険サービスを利用している要介護者の大多数には、「自分の担当ケアマネジャー」がいて、いつでも・どんなことでも相談できるようになり、かつ支援の手を差し伸べてくれるようになっている。

これは何にも替え難い大きな安心感につながっていると思う。介護保険制度の創設と、介護支援専門員の誕生によって、日本の福祉の底辺は確実に上がっているのである。

ところでこの制度の改正議論・報酬改定議論が進行しているが、居宅介護支援費の動向に大きな影響を与える動きが今日までにあった。ちょっと整理してみよう。

かねてから議論の俎上に上がっていた、「福祉用具貸与のみの居宅サービス計画の作成費を下げろ」という意見については、事実上見送りが決まった。

これは5日に提示された、「介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会」(検討会)に中間とりまとめ案の中に盛り込まれないまま、その案が了承されたからである。

そもそも福祉用具貸与のみのサービスプランでも、ケアマネジメントの手間は同じなので、それをもって居宅介護支援費を下げろというのは乱暴であるし、それが実現してしまえば、無理に福祉用具貸与以外のサービスを組み込もうとする動きも懸念されるところだ。今回の見送りは適切な判断だったと言ってよいが、2027年度に向けて再びこの議論が蒸し返されないようにしてほしいと思う。

さらに重要な問題が12日の社会保障審議会介護保険部会で行われた。同部会では、「介護予防サービス計画に関し、地域包括支援センターが担うべき役割」を論点として示されたが、21年報酬改定で地域包括支援センターの業務範囲が拡大し続けていることを受け、予防プランに関連する業務は居宅介護支援事業所が担うべきとする声が上がるようになり、委託連携加算が新設されたものの、委託増加につながらず加算算定率も低くとどまっている。

そのため地域包括支援センターの業務負担を軽減するために、居宅介護支援事業所が介護予防支援を直接担えるようにすることを求める提案が寄せられた。

僕に言わせれば委託連携加算の算定率が低いのは当たり前だ。わずか300単位(3.000円)でしかない費用を、利用者1人につき1回を限度として委託を開始した日の属する月に限ってしか算定できない費用が餌になるわけがないのだ。

そこで以前のように予防プランも居宅介護支援事業所が直接利用者との契約で作成できるようにしようというわけだが、僕はこの案に大いに賛同する。

なぜならもともと介護保険制度によって、要支援もしくは要介護認定を受けて居宅介護支援を受けた利用者は、自分が希望する限り一つの居宅介護支援事業所によるサービスを受け続け、担当ケアマネジャーを窓口に、ほぼすべての社会資源の利用が可能となる、「ワンストップサービス」が実現されたわけである。

ところが予防プランは、「介護予防支援事業所(地域包括支援センター)」が主管することになったことによって、予防プランと介護プランの作成責任者が異なることになって、「ワンストップサービス」が崩壊した。これは利用者にとって、認定結果が違うだけで、コロコロと計画担当者が変わってしまう結果をもたらし、せっかく信頼していた介護支援専門員に担当してもらえなくなるケースが生まれるというデメリットが生じている。

そのため僕はかねてより、元のワンストップサービスに戻すように提言を続けてきたので、今回の案には賛成の立場をとる。(※制度をひねくり回すよりワンストップサービスの復活を望む

ただし、予防プランの作成が居宅介護支援事業所の収益減に直結して、その経営を危うくしないように、ケアマネジメントの対価としてふさわしい作成費を設定してもらいたいと思う。そうでなければ予防プランは積極的に受けられないと釘をさしておきたい。

また13日に介護保険最新情報vol.1098vol.1099が発出され、「居宅サービス計画作成依頼(変更)届出書」等について、性別の記載欄が削除されたほか、サービス開始(変更)の年月日と事業所番号の記載欄が新たに加わった。

これは「LGBTQ」と呼ばれる性的マイノリティーに配慮するための変更でもあり、こうした社会の風潮に、ケアマネジャーという資格を持つ人々は敏感になっておいてほしい。

さて最後は、僕のケアマネジャー向け講演に対する受講者の方の意見と感想の紹介である。

9/7に行った、「東京都港区施設ケアマネジャー向け研修」における、「アセスメントを考える〜その目的と実践に生かす方法論」に次のような声を頂いたので下記に示す。
----------------------------------------------------
東京都港区の介護支援専門員の皆様から寄せられた意見
・しっかり根拠のあるアセスメントを行うことが利用者の本当のニーズになる。
・アセスメントの重要性を再確認した。
・「あなたがいるから地域で暮らし続けられる」という言葉に報われた思いがした。
・まず何より明るい気持ちになった。4ページの上段でウルっと来ました。そしてエールの動画を拝見し故郷港区で頑張るぞ!とウルウルとなりました。
(※ちなみに4ページの上段とは、下記のスライドのことを指します)
あなたがいるから地域で暮らし続けられる
・ケアマネジャーのばらつきをなくす。
・ケアプラン例をたくさん出してくださり参考になった。
・アセスメントを今一度考え改めるという面でとても学びになった。初心を取り戻せる研修会だった。
・ケアプランを見直したい。
・ケアプランは生きる意欲を支える。熱い思いが伝わった。気分があがる研修は良いものです。
・ケアマネジメントの能力の差はアセスメントが影響している。
・根拠を持ってアセスメントを行う。
・ケアマネをしていることに前向きになった。
・仕事に対する情熱を感じた。高い志と専門性を追求する姿勢は大いに刺激を受けた。
----------------------------------------------------
以上である。

ありがとうございます。皆様の温かい声が僕の力にもなります。そして今後も僕は、ケアマネサポーターとして、皆様の応援をし続けるとともに、皆様に情報発信を続け、皆様の真実の声を国に届けるように努めます。
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アセスメントの目的・実践に生かす方法論


介護支援専門員にとって、「アセスメント」という言葉は日常的に使いこなす言葉であろう。そして日常業務として当たり前に行っていることでもある。

では、「アセスメント」って何と改めて聞かれた場合、介護支援専門員の方々は、その質問に躊躇することなくすらすらと答えられるだろうか。

単にアセスメントツールを使って、アセスメントシートを埋めているから、「アセスメントしている」と言う人は、アセスメントの意味を正しく利用者や家族に伝えられないかもしれない・・・。

なぜこんなことを考えたかというと、来月、東京都港区の介護支援専門員を対象にした講演を行うが、そのテーマについて講演事務局から、「アセスメントを考える〜その目的と実践に生かす方法論」と依頼を受けているからだ。

ケアマネジメントの中の、「アセスメント」に重点を置く講演は、僕自身初めての経験であり、アセスメントについてあれこれ考えている最中に、ふとすべての介護支援専門員が、その意味を正しく捉えて仕事をしているのだろうかということ疑問を抱いた。

その疑問は多くの介護支援専門員にとって失礼な疑問だとわかりつつ、質の差が問題になっている介護支援専門員であるからこそ、そうした疑問がわかなくてよいように、きちんとその意味を理解していただきたいと思うのである。

アセスメントとは評価や査定を指す英語の「Assessment」が語源である。そしてその意味は、「人やものごとを客観的に評価・分析すること」とされている。

ただし介護保険制度上、介護支援専門員が行う「アセスメント」とは、もっと具体的な意味として示されている。

居宅介護支援事業所と介護保険施設の基準省令では、居宅サービス計画及び施設サービス計画書の作成規定の中で、『解決すべき課題の把握(以下「アセスメント」という。)』とされている。そしてそれぞれの解釈通知(老企22号及び老企43号等)では、『課題分析とは〜(中略)解決すべき課題を把握することであり〜。』とされている。

つまり介護保険制度における居宅サービス計画と施設サービス計画の作成上のアセスメントとは、「入所者が自立した日常生活を営むことができるように支援する上で解決すべき課題を把握し、かつ分析すること」という意味になる。

9月7日(水)は、そのことを含めてアセスメントを語る講演になるが、その重要性を手っ取り早く伝えるためには、自分が行ったアセスメントと、それを根拠に作成したケアプランを見てもらうことが一番だと思う。

よって僕の作成した居宅サービス計画・施設サービス計画・短期入所生活介護計画・通所介護計画がたくさん例示される講演とする予定だ。少し恥ずかしい気もするが・・・。

また昨年3月には計画書標準様式第1表の「利用者及び家族の生活に対する意向」が「利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果」に変更されている。利用者や家族が口にするニーズとケアマネジャーが考えるニーズをすり合わせる方法がケアマネジメントの一つの目的であるという意味である。
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析
しかし介護支援専門員が考える利用者が表明していない潜在的ニーズが正しいニーズとは限らない。ケアプランは利用者の希望を削りとる目的ではないので、ここは注意が必要であり、利用者の生きる意欲を支えるケアプラン作成という視点も重要であることを示したい。

さらに現在ケアマネジメントの最大の課題は「経験値の共有化」である。介護支援専門員が努力して蓄積してきた知識や思考の方法は、介護支援専門員全体の大切な財産であることは間違いなく、これを言語化・体系化するには、アセスメントの結果を言語化することが必要不可欠ではないかと思っている。そうした切り口でプロットを立てているので、視聴される方はどうぞお楽しみに・・・。

どちらにしてもケアマネジャーはケアマネジメント技術をきちんと持ったソーシャルワーカーであり、単にケアプランを作る人(ケアプランナー)ではない。

そしてケアマネジメントは仲介・調整技術であることを忘れてはならず、他人が翻訳・通訳しなければならないケアプランはゴミでしかない。抽出された課題がいつまでも解決しない方法論は、求められていないやり方なのだ。

そのことを決して忘れないでほしい。

なお昨日CBニュースにアップされた、今月の快筆乱麻・masaが読み解く介護の今は、「居宅介護支援自己負担巡る財務省の横車と全国老施協の迷走」です。こちらも是非参照ください。
快筆乱麻・masaが読み解く介護の今
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実践知の言語化には大いに賛同します


日本介護支援専門員協会が、ケアマネが日々の活動の中で活かしている様々な知識、経験、技術、思考など(実践知)を集約・整理し、より体系的に見える化(言語化)するプロジェクトを立ち上げるそうだ。(関連記事はこちら

実践知の言語化は、コミュニケーション技術を酷使して調整の要役となるソーシャルワーカーにとって重要課題である。

その課題を克服するため、具体的なプロジェクトを組むことには大いに賛同したい。

熟練のケアマネジメントを展開している達人ケアマネは全国にたくさんいるので、その人たちの援助技術や思いを言葉で伝えることで、スーパービジョンにも結び付くのならば、それに越したことではない。

日ごろ的外れな提言と活動しかしていない日本介護支援専門員協会のプロジェクトとしては、初めてといってよいくらいまともな活動ではないかと思われる。

協力を得るという100名の熟練したケアマネの顔ぶれも気になるところではあるが、その成果に大いに期待したい。

介護支援専門員を含めたソーシャルワーカーにとって、思いを言葉として発することができることは重要なことだ。そのためには心に抱いている思いを、文章にして整理することが大事ではないかと思っている。

僕は作家としても生活の糧を得ているので、文章を書くのが仕事であり、毎日何らかの文章を書かねばならない生活を送っている。

文章を書くことを苦にしないからこそ、自著本も上梓できると言えるわけであるが、いつも喜んで文章を書いているわけではない。時には必死の思いで、たった1行の文章をひねり出していることもある。

だがどんなに苦しくても、そこで綴った文章は時間を超えて未来に残っていくものだ。それはある意味、この世で生きる自分の存在を刻む行為であるともいえるのではないだろうか。

そんなふうにして自分の思いを文章に綴ることは、とても重要な行為である。
思いを文章に綴る
日ごろ何気なく生きていると、深く考える機会は意外と少ない。ケアマネジメント業務をはじめとした仕事においても、常に深く物事を考えて業務にあたっているわけではない。人生も仕事も、流れのまま惰性で繰り返したり、通り過ぎたりすることがとても多い。

しかし文章は形で見えるものだから、自分が何気なく行っていること、自分が何らかの思いを抱いていることがわかりやすくなる。

そうすると自分の考えていることの本質が見えてくる。その本質はあくまで、自分自身の中での本質でしかなく、物事の本質は意味しない。なぜなら自分だけが常に正しい価値観や答えを手に入れることがで切るなんてあり得ないからだ。常に物事の本質を理解できる人間なんてこの世に存在するはずがない。

だからそれは真実とも正解ともいえない、自分だけの価値観かもしれないが、自分の考える本質を理解することは無駄なことではない。少なくとも自分が何を思い、その思いに基づいて何を具体的にしようとして言うかということが実感しやすくなる。それが文章を書くことで見えてくるのである。

それを言葉で伝えることによって、私たちの思いは第3者にしっかりと伝わるのではないだろうか。そのような魂のこもった言葉で伝えるからこそ、その思いに共感してくれる人が生まれるのではないだろうか。

どちらにしてもソーシャルワーカーは調整する人なんだから、伝えるスキルというのは最も重要になる。

そうしたスキルを磨くために、まずは自分の思いを文章にしてみるという作業を地道に続けていくことが大事だ。毎日日記のようにブログ記事を綴るというのも、案外そんな効果も生んでくれているかもしれない。

読み手を意識しないで自分が書くことができる場所・書くための場所を持っていることは、ソーシャルワーカーという職業に就くものには、とても恵まれたことであると思う。

僕のこのブログも、もしかしたらそんな場所なのかもしれない。だから読む人がいなくなろうと書き続けるだろうし、なにも苦にせず毎日記事を更新できるのである。
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ケアマネ法定研修カリキュラム変更に思うこと


厚労省は、介護支援専門員を対象にした法定研修のカリキュラムを改正する方針を明らかにし、介護保険最新情報Vol.1073「介護支援専門員の法定研修のカリキュラムやガイドライン等について(情報提供)」を発出した。

対象となる法定研修とは、介護支援専門員実務研修・介護支援専門員専門研修亀擇哭供主任介護支援専門員研修・主任介護支援専門員更新研修である。

カリキュラムを改正する理由とは、現行のカリキュラムは2016年に決められたもので、既に5年以上経過していることから、当時と現在では介護支援専門員に求められる知識、技術、役割も変化していることが一番の理由とされている。

例えば最近盛んに取り上げられているヤングケアラー問題などもその一つで、こうした問題の所在やそれに伴う知識も新たに求められていることが指摘されている。政府が唱える、「介護離職ゼロ」の実現に関する知識、「LIFE科学的介護情報システム)」の利活用についてや、科学的介護の実現に向けて必要とされる知識もそこに加えられる予定である。

介護支援専門員としてスキルアップの機会があることは悪いことではないし、新たな知識も大いに獲得してほしい。くだらなくて意味のないグループワークをできるだけ行わずに、「幅広い知識の獲得に重きを置いた時間配分(=講義中心)に見直す。」という考え方も支持できる。

しかしこのカリキュラム変更によって、介護支援専門員のスキルアップを図ることができるなんて幻想は抱くべきではない。

数年おきにしか受講しない法定研修が、スキルに影響するなんてことにはならないからだ。それは単なる通過儀礼でしかない。

時代の変化に沿った情報の獲得を、そんな場所に頼っているとしたら、逆に最新情報を常に逃しているという状態になる。

そういう意味では、国が音頭を取って数年ごとにしかカリキュラム変更ができない法定研修なんて、現在の法令ルール変更に対応しきれない研修でしかないとさえいえる。ケアマネジメントに必要な法令知識とは、介護保険制度に限らず、労働法規等の様々なものが影響するものだからである。
ケアマネ研修カリキュラム変更
そうした最新情報を法定研修でしか得られないケアマネがいるとしたら、そのスキルの低さをもっと問題にして、この情報社会でどんなふうに情報を得て、必要な情報を整理して知識とするのか、捨て去るべきいらない情報をどう見分けるのかを教える方がよりましである。

そもそもカリキュラムが変更される研修会はすべて、主催者側の利権となっているものでしかなく、介護支援専門員の実務者にとっては、その研修に参加する必要性があるものとは言えない。ただ単に制度上の義務だから受講しているに過ぎないのだ。

そんな法定研修は、普段激務をこなして寝不足になっている介護支援専門員の休養の機会ととらえ、眠たい講義しかできない講師の前で安眠しておればよい場所だ。

なぜならそこでは、何訂になっているのか知らないが、天下の悪書である「居宅サービス計画書作成の手引(長寿社会開発センター)」を手にして、そこに出ている、「なんちゃってケアプラン」を教本としている馬鹿な講師も多いからである。

まともな介護支援専門員は、そんな研修に頼らずに、独自に情報をゲットする方法を持っており、自前で学習機会を作ってスキルアップを図っている。
情報はどこからでも取れる時代
やる気になりさえすれば、最新の情報と知識は、どこでも・いつでも獲得できる時代に、お上がマウントを取るように研修を主催したって意味がないのである。

優秀な介護支援専門員は、法定研修なんか頼りにしなくても、自分でスキルアップを図り、ケアマネジメント実務に携わっている。

そういう人たちが地域の中で、「達人ケアマネ」と呼ばれているのだ。

そうした人たちが数多く受講者に交じっていることを、法定研修を担当する講師は意識しなければならない。そしてそういう人たちに聴かれて、恥ずかしくない講義をしなければならないという自覚も持ってほしい。

僕たちは、あなたたちに教えを乞うているのではなく、壇上のあなたの講義内容を評価するためにそこに座っているのである。
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逓減性緩和を活用しない居宅介護支援を国は認めるのか・・・。


無料でオンライン配信する「(株)トータルブレインケア主催・認知症専門講座」・「認知症の理解〜認知症の人と共に生きる地域づくりのために」は、いよいよ明後日()午後2時〜に迫っています。

当日は13:50より入室可能となります。講演は15:30までの予定となっていますが、その後質疑応答の時間も設けており、チャットでの質問も受け付けます。

まだお申し込みがお済みでない方は、こちらからお申し込みください。皆さんの介護事業の経営と運営において、今後役立つ情報をわかりやすく伝えますので、この機会に是非ご視聴をお願いいたします。

さて話は替って、本日の本題に移ります。

昨年度から居宅介護支援費は逓減性が緩和されて、40件以上から減算対象となっていたものを、ICTを活用したり事務員を別に配置した場合には、45件以上から適用するようにしました。

この逓減性緩和を利用することによって、居宅介護支援事業所は月額で61.210円〜79.650円(僕個人の計算)の増収が可能となり、これを居宅ケアマネの給与改善に回して待遇改善につなげることも期待されていました。(参照:経費をかけずに逓減性緩和適用し給与アップを・・・。

しかし23日に公表された、厚労省がシンクタンクに委託調査した結果によると、居宅介護支援の逓減制緩和の適用は、わずか9.1%に留まっていることが分かりました。つまり9割を超える居宅介護支援事業所は、この緩和策を活用した収益増加策をとっていないという意味になります。

その主たる理由は下記の通りです。
※居宅介護支援費の低減性緩和を活用しない理由の上位5位。
逓減制の適用緩和の届出をしていない理由上位5番
ICTを活用できる体制が整っていないという理由で、逓減性緩和を活用できないという事業所が多いことに驚かされるとともに、それは極めて残念なことに思えます。なぜなら緩和要件はそれほど高いハードルではないと思うからです。

ICT活用については、老企第36号解釈通知が例示していますが、その内容は次の通りです。
・ 当該事業所内外や利用者の情報を共有できるチャット機能のアプリケーションを備えたスマートフォン
・ 訪問記録を随時記載できる機能(音声入力も可)のソフトウエアを組み込んだタブレット等とする。


ICT活用が、要介護高齢者である利用者との双方向のコミュニケーションを意味するならば、それは相手の事情も関係してくる問題で、高いハードルと言えましょう。しかし解釈通知が示している内容とは、居宅ケアマネ自身がスマホやタブレットを使いこなせばよいという内容でしかなく、体制を組むことが困難になるような問題ではないと思います。

しかも老企36号の例示した業務対応ができれば、複数の利用者宅を訪問する際に、すべての情報を紙ベースで持参する必要がなくなるし、移動中の車をどこかに駐車し、スマホやタブレットを利用して車内からの通信で、サービス担当者会議を実施することも可能となります。こうした形でケアマネ業務の効率化が図れるのです。

そのためより少ない時間で、現在と同様の業務がこなせることになるのは間違いありません。

そういう意味では、「ICTを活用する予算が確保できない」という理由も情けなく聞こえます。たかがタブレットやスマホを購入する費用をケチってどうするのだと言いたいです。そこに掛ける費用とは、ケアマネの業務負担を軽減しながら収益を増加するための、今後の投資と考えれば安いものです。せこいこと言ってるんじゃないと言いたくなります。

ケアマネジメントの質の低下を懸念して、担当利用者を増やすことをためらう理由には、やむを得ないとうなづく人も少なくはないと思います。

しかし施設ケアマネとして、一人で100人の施設サービス計画書を作成担当していた僕としては、それもどうかなと首をかしげます。

介護保険制度開始直後は、居宅介護支援事業所のケアマネ一人の標準件数は50人とされていましたので、多くの居宅ケアマネが、普通に50人の計画担当をしていた状態を知る身としても、随分のんきなことを言っているなという感想を持ってしまいました・・・。

そもそもそのような理屈で担当者を増やさない居宅ケアマネの現状を知って、厚労省が気の毒に思って、担当件数を増やさなくとも収益が上がってケアマネの給料が上がるように、次の報酬改定で優遇策を取ってくれるとでも思っているのでしょうか。

そんなことは絶対にあり得ません。

今回の調査結果を見て厚労省は、「居宅介護支援事業者は、せっかく国が収益増の道を創ってやっているのに、それを利用していない。すなわちそれは、増収しなくてもやっていけるから、増収努力を放棄しているという意味だろう。」としか考えません。

さらに、自ら増収努力をして給料を上げる努力もしていない状況は、介護支援専門員の処遇改善なんて必要ないのだと認識されることにもつながります。

よって逓減性緩和を活用しない居宅介護支援事業所の状況は、次の報酬改定での居宅介護支援費の単価に厳しい逆風になるとともに、介護支援専門員の処遇改善加算をもかき消す台風となることでしょう。

そうならないように、居宅介護支援事業所及び居宅ケアマネに対し、意識改革をするように呼びかけるべきなのが職能団体の役割だと思いますが、日本介護支援専門員協会にそんな頭脳はないからなあ・・・。残念!!
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言葉を大切にしないケアマネに期待は持てない


介護支援専門員(以下、ケアマネと略)の役割とは何かということを一言で表現するとすれば、「調整役」であると言えるのではないだろうか。

少なくとも僕は、その役割が一番大事だと思っている。人と人・人と社会資源など様々なものを調整してつなげるのがケアマネジメントだからである。

そして調整役にとって一番重要となるスキルは、「伝達力」である。

言葉による伝達力、文章による伝達力・・・それらすべての伝達力が問われる仕事である。

介護支援が必要な人に対して最も必要で、かつ欠けているものをつなげることが、課題解決のために必要とされるとはいっても、つなげ方を間違ってはどうにもならない。最も効果的に正しくつながることができるようにするため使いこなすものが、「言葉や文章」なのである。

そのため居宅サービス計画書や施設サービス計画書は、ケアマネ実務に就いている人にとって、業務上なくてはならないツールとなっている。それも全て文章で構成されている。つまり自分の言葉を文章化しなければならない仕事が、ケアマネ業務であるともいえるわけである。

にもかかわらず、言葉も文章も大事にしない人がいる。

例えば認知機能低下のない人のことを、「ニンチはない」と馬鹿げた表現しかできないケアマネが存在する。

おそらく言いたいことは、「認知能力の問題はない」ということか、もしくは、「認知症ではない」ということなんだろうと思う。しかしその状態を正しく表現しないと、すべての人にその意味が正確に伝わることはない。

ニンチはない」と言ってしまえば、それは認知能力がないという意味にしか取れないのだから、それならその人は認知症である。それなのにその言葉を発する本人は、全く逆の意味として使っているのだ。

そうした状態では、思いもよらぬ誤解や偏見が生まれかねない。その状態は、利用者にサービスを提供するにあたってのバリアを、ケアマネ自身が作っているといっても過言ではなくなる。それでは調整しているとは言えないのである。

略語を使うことにも注意したいものだ。そもそも世間一般に通用しない略語を勝手に作って、自分勝手に使っているケアマネが多すぎないか・・・。自分だけが意味を知っている略語は、伝わらない意味不明の言葉でしかないことを自覚してほしい。

他人に伝わらない言葉を使ってなんとも思わないケアマネは、調整できないケアマネでしかない。それは専門職としての能力に欠けた状態としか言えない。

言葉を大事にできない人は、仕事も、資格も大事にしていない人だと思う。それは調整役として恥ずべき姿である。

言葉とは自らの思いも表現する大切なものなのだ。そこには命が宿っているともいわれる。
言霊
僕の著書、「介護の詩〜明日へつなぐ言葉」の、「はじめに」という部分には次のような文章を載せている。
--------------------------------------
古来よりわが国には、「言霊:ことだま」という考え方があり、言葉には不思議な力が宿っていると言われています。それは言葉に込められた、「」であり、時に「言魂」と表現されることがあります。それは決して禍々しいものではなく、本来、善良なものとして使われる言葉です。(引用以上)
--------------------------------------
利用者と様々なものをつなげる調整役であるケアマネには、言葉の持つ不思議な力を意識して、その言葉をもっと大事にしてほしい。大事な言葉の意味を正確に相手に伝えるために、文字として表す言葉にも気を使って、正しく伝わる文章表現に心かけてほしい。

表の掲示板のとあるスレッドで、言葉を大事にしない質問に触れ、それがケアマネという職業に就いている人が書いた文章であると知ったときに、とても残念に思ったことが、このブログ記事を書いたきっかけである。

ただしこのブログ記事を書いた意味は、当該スレッドを建てた人の能力を揶揄するためではなく、叱咤激励して今後の活躍を期待するという意味だ。「なにくそ」と憤慨するエネルギーを糧にして、僕なんかをはるかにしのぐ素晴らしいケアマネに成長してほしいと思う。

僕は自称・ケアマネサポーターだから、そうあってほしいと思うのである。

どちらにしてもケアマネの一番の問題は、「人による質の差・個人差」であることは間違いのないところだ。コミュニケーションスキルの差の問題もここに深くかかわっていることをすべてのケアマネが自覚してほしい。

世界一美しく、豊富な語彙を持つと言われる日本語を、正しく使いこなすことで、伝える言葉や文章に不思議な力を宿してほしい。

だから表現する能力を鍛えることは、常に重要である。ケアマネのスキルアップは、伝える能力を伸ばす努力なくして語れないと思う。
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倫理観が問い直されるケアマネカリキュラム変更


GW直前の28日に発出された、介護保険最新情報のVol.1073は、介護支援専門員(以下ケアマネと表記)対象の法定研修のカリキュラムガイドラインの見直し案を示したものだ。

今更言うまでもないがガイドラインとは、ルールや法律・規程などの守るべきことについて、どう行動すればよいのかの指針を記したものである。

今回ケアマネの各種研修カリキュラム、ガイドラインが見直されたという意味は、今後ケアマネに対して求められる姿勢が新たに示されたという意味であり、その姿勢・視点形成に向かってケアマネに対して国が強く働きかけることも示唆している。

当然そのことは、今後の制度改正や報酬改定の各種要件として表立ってくるだろう。

よって今回の通知は、すべてのケアマネ現業者が読んでおかねばならないものである。ざっとその中身を見渡してみよう。

各研修共通の見直しのポイントとしては、介護保険制度以外の領域も含めて、制度・政策、社会資源などについての近年の動向を確認することにも重きを置いており、いま話題の「ヤングケアラー」問題が取り上げられているほか、介護離職を防ぐという意味で、「仕事と介護の両立」のための制度の動向確認などが挙げられている。

そのほか、地域共生社会認知症施策大綱科学的介護身寄りがない人への対応意思決定支援などという項目が目に付く。

介護保険制度の知識だけではなく、広く社会全体の問題にアプローチするための知識が求められているわけであるが、これはケアマネがソーシャルワーカーであり、利用者の生活課題の解決にあたるためには、暮らしに関係するあらゆる社会資源情報に精通していなければならないのだから、極めて当然のことであるといってよいだろう。

またカリキュラムの内容を幅広い知識の獲得に重きを置いた時間配分に見直すとして、講義中心に変える方針も示されている。

具体的には「居宅サービス計画等の作成」・「サービス担当者会議の意義及び進め方」・「モニタリング及び評価」の時間数を減らして、「人格の尊重及び権利擁護並びに介護支援専門員の倫理」と「地域包括ケアシステムの深化及び地域の社会資源」の時間数を増安とされている。

この方針によって演習の時間は削られることになる。

このことに僕は大賛成だ。時間つぶしのように意見を垂れ流して、そこから深く考察することもない演習・グループワークは、自己満足にしかならず、あまり意味がないと思っているからである。

しかしこのことは同時に、講師の質・講義の質が問われることになることを忘れてはならない。

天下の悪書である、「七訂 居宅サービス作成の手引き」(長寿社会開発センター)を読み上げるだけの講師や(参照:参考にしてはいけない「居宅サービス計画書作成の手引」)、生徒が眠ってしまう講義しかできない講師は、新しいカリキュラムからは排除対象とされなければならない。

そんな講師を残しているのであれば、研修カリキュラムやガイドラインが変わっても、結果が変わらないからである。この部分の結果責任を追及する視点で、研修事務局は講師選びをしてほしい。

せっかく広く知識を得ようとして、時間を割いて研修を受講しているのに、講師の見識が狭くてがっかりしたという研修を数多く経験してきた身としては、講師選びこそ研修の成否を決定する最も重要な事項だと思っているので、この点は法定研修を開催するものの責任としても深く考えてほしい。

その他のカリキュラム内容では、ケアマネの倫理について重点が置かれた内容となっている。ここには是非、利用者に対するサービスマナーという視点を入れてほしいところである。

倫理リンリと唱えても、その先で人生の先輩である顧客にタメ口対応がされていたら、その倫理観って何なのよとしか思えなくなるからである。

少し気になるのは、主任介護支援専門員研修の見直しのポイントとして、次の内容が挙げられていることだ。

「終末期ケア(エンドオブライフケア)を含めた生活の継続を支える基本的なマネジメント及び疾患別マネジメントの理解」の新設(現行の「ターミナルケア」は本科目に統合)

ターミナルケアの支援を、終末期ケア(エンドオブライフケア)を含めた生活の継続として考えるという意味は、リビングウイルの支援も含めたACP人生会議)の重要性をそこに組み入れてレクチャーするという意味だろう。

それは良いとして、「疾患別マネジメントの理解」をどこに含めるからと言って、その講義を医師や看護師に担わせはしないだろうな・・・と思ってします。ここはきちんとソーシャルワーカーが担うべきターミナルケアマネジメントを語ることができる講師を選んでくれないと、利用者不在の医療者の視点に偏った講義に陥ってしまうのではないかと危惧してしまう。

なんだったらこの部分の講義は、僕に依頼してくれればその内容に最もふさわしい講義ができるのになんて思うのである。
masaの講演
介護業界にも多彩な人材は数多くいるといっても、ソーシャルワーカーに求められるターミナルケアマネジメントについて、最も的確に伝えられるし講師は、日本広しといえど僕以外にはいないだろう。・・・それは少し手前味噌すぎるかもしれないが、医師や看護師の語るターミナルケア論ほど役に立たないものはないのも事実である。

どちらにしても今回の通知は、ケアマネに対する世間の期待と評価を表したものでもあるので、ケアマネの皆さんは決して見逃さないように、きちんと精読してほしいと思う。
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支援補助金の矛盾に泣く居宅ケアマネ


法令や制度に完全形がないように、補助金の支給要件も全ての人が不満なく納得できる完全形はないといえる。

そのため介護職員処遇改善支援補助金にも、いくつかの矛盾点が含まれている。

例えば、「給料が月額9千円上がると思っている人に伝えなければならないこと」で指摘しているように、補助金の交付率は、介護職員の配置基準を根拠の一つとして決められているために、配置基準を超えた介護職員を配置している事業者においては、一人の介護職員に配分される金額は減ってしまうことになり、配置実人員が多くなるほど、給与改善額は月額9,000円からどんどん遠ざかっていくことになる。

事業収益が減って補助金額が減ることは、経営努力が足りないという意味であるともいえ、ある程度納得できる部分もあるが、品質の高いサービスを提供するために、人員配置を手厚くしている施設や事業所の職員給与改善額が下がるのは、大いなる矛盾だろうと思っている。

それにも増して矛盾を感じるのは、この補助金の配分ルールである。

介護職員処遇改善支援補助金については、法人単位での支給が認められている。どういう意味かといえば、法人内の施設・事業所の補助金を一括管理して、補助総額を法人の裁量で各事業職員に配分することができるのである。

特養と通所介護事業所と訪問介護事業所と居宅介護支援事業所を運営している社会福祉法人であれば、特養と通所介護と訪問介護の職員に補助金の配分が可能で、法人裁量で介護職員だけではなく、1施設2事業所の全職員に補助金の配分が可能である。(※居宅介護支援事業所の専任職員だけが除外される

この場合に、特養で交付を受ける補助金全額を特養職員に配分する必要はなく、その一部を通所介護や訪問介護の職員に回しても良いことになっている。

そのようにして法人内の補助対象事業に従事する職員全員の給与改善額を同じ額とすることも可能となっているのだ。

だがこの場合でも、居宅介護支援事業所の専任ケアマネジャーは、補助金配分の対象職員には該当せず、そのため居宅ケアマネだけ給与改善が行われないというケースも十分想定できる。

この件に関連して、「介護職員処遇改善支援補助金に関するQ&A(令和4年1月31日)」の問12をご覧になってほしい。

ここでは補助金の介護職以外の配分について、「本部の人事、事業部等で働く者など、法人内で介護に従事していない職員の取扱いについては、2019 年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2)(令和元年7月 23 日)問 13を参照されたい。」としている。

つまりそのQ&Aに準拠して、「法人事務担当でも算定対象サービス事業所における業務を行っていると判断できる場合には、その他の職種に含めて補助金を配分できる。」という意味になるのだ。

しかし法人事務担当者にはこのように補助金を配分する一方で、同じ法人内の居宅介護支援事業所専任のケアマネは配分支給対象外となっている。法人内のデイサービス利用者のプランを何件も担当したとしても、デイサービス職員ではないので補助金による給与改善はされないのだ。これって大きな矛盾ではないだろうか・・・。

なぜ居宅ケアマネは、ここまで冷遇されなければならないのだろう。地域包括ケアシステムを担う人材として必要不可欠な居宅ケアマネが報われないのは納得できない。

法人内一括処理が可能なんだから、せめて補助対象外事業所も含めて配分を認めればよいのにと思うのは、僕だけなんだろうか・・・。

どちらにしても今回はそうしたルールになってしまっている。そのルール等を改めて確認するための講演を依頼されており、そのスライドも下記の画像のようにほぼ完成している。
処遇改善支援補助金講演スライド
そこでは表の掲示板で皆様から配分の方法をどうするかという情報をいただいており、その結果も示したうえで解説を行う予定である。

表の掲示板に寄せられた情報の中で、配分方法として意味が分かる22事業所の情報については、「介護職員処遇改善支援補助金の配分方法」としてグラフ化しているので張り付いた文字リンク先を参照いただきたい。

金額はそれぞれの事業収入で異なるので、それを除いた配分の考え方の骨子だけで区分しているグラフである。

残念ながら、補助対象事業の全職員の給与改善を行う事業者のうち、居宅ケアマネの給与を持ち出しで改善する事業者は、22事業者中3事業者しかなく、居宅ケアマネは給与改善の対象外とする8事業者よりその数が下回っている。

なおこの中には、「全職種の職員に配分し、介護職以外に多く配分」としている事業者がある。しかしこれは補助金資料等で、「その他の職員の給与改善等に充てる場合は、介護職員の給与改善を目的としたものであることを踏まえた配分をお願いします」とアナウンスされているので、そうした極端な配分は指導対象になると思う。

そうなれば補助金受給途中あるいは新加算に変更後に、配分額を変更せざるを得なくなるので、事業者内の混乱のもとになる。この点にくれぐれもご注意ねがいたい。
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期待通りに進まない居宅ケアマネの待遇改善


今月9日に公表された最新の「介護給付費等実態統計」によると、今年度の居宅介護支援費に新設された、「逓減制の緩和」が適用される区分の居宅介護支援費(II)の算定割合は、全体の9.7%にとどまっていることがわかりました。

今年度の介護報酬改定議論では、介護支援専門員の処遇改善がテーマの一つになり、特に特定加算の配分も受けられない居宅介護支援事業所の介護支援専門員については、介護施設の介護支援専門員より給与改善が難しい状況も指摘され、「介護支援専門員を対象とした処遇改善加算の新設」という訴えも挙がっていました。

しかし結局のところそれは実現せず、その代わりに居宅介護支援費の引き上げと、加算の新設によって、居宅介護支援事業所の収益アップを図り、その部分を居宅ケアマネに還元することで、給与アップを図るという結論になりました。

しかし基本サービス費や新設加算のみでは、それをすべて介護支援専門員の給与に回したとしても、改善額は極めて低いものになるために、逓減性を緩和して担当利用者を増やすことで収益を上げ、その分を含めて介護支援専門員の給与に反映することで、期待に沿う額の給与改善を実現しようとしたものです。

実際に逓減性の緩和を利用し、居宅介護支援費(II)を算定できれば、一人の介護支援専門員につき、月額53.800円〜69.900円の収益増となり、さらに基本部分の増収分7.410円〜9.750円を含めると、月額で61.210円〜79.650円の増収が期待でき、その分を給与改善額とすることも可能となることは、「経費をかけずに逓減性緩和適用し給与アップを・・・。」で指摘したとおりです。

ところが今回の調査で、居宅介護支援費(II)の算定率が、全体の1割にも満たない実態が明らかにされています。

ということはこの低減制度を利用した、居宅ケアマネの給与改善が行われている居宅介護支援事業所も、全体の1割にも満たないという意味です。

処遇改善支援補助金の対象にもなっていない居宅ケアマネの給与改善は、非常に困難になっているといってよいでしょう。

今年度については、居宅介護支援費(II)を算定しなくても、基本サービス費等の引き上げ分を、給与改善原資にしたとしても、それで改善できる給与はわずか月額1万円にも満たない額です・・・。来年度以降はそうした原資もないということになり、ますます居宅ケアマネの給与改善は困難となります。

しかし居宅介護支援事業所の介護支援専門員は、介護保険制度における居宅サービスにおいては、利用者を支援するチームの要の役割を担います。

それはチーム内の上下の関係を表すものではありませんが、チームのまとめ役、人と人・人と社会資源等をつなげる調整役としての重たい責任を担う役割でもあります。

そうした重要な役割を担い、重たい責任を負うべき仕事の対価が、チーム内でも低い方に属するとしたら、そのような仕事に就きたいと思う人が益々減ってしまいます。

ここは改善のソーシャルアクションが必要な部分です。

同時に担当利用者を増やして、居宅介護支援費(II)を算定できるようにする努力も怠ってはならないと思います。

勿論、その算定が進んでいない理由は、ケアマネジメントの質を落としたくないとして、キャパを超える利用者増に二の足を踏んでいるからであるということも理解しています。

しかし居宅ケアマネの処遇改善策として、国が定めた方向性を多くの居宅介護支援事業所が無視するような状態を放置して、国が新たな居宅ケアマネの処遇改善対策に乗り出すことは考えにくいのです。

だからこそ居宅介護支援費(II)を算定する事業所が増える必要もあり、そのうえでさらなるケアマネの処遇改善策を求めていくという姿勢が必要です。

そのためには現行のケアマネ業務の見直しを図って、業務の効率化を実現する必要もあります。

例えばメディカルサポネットの僕の連載記事のなかに、『介護事業所で活用される ICT〜その期待と懸念〜』というものがありますが、そこの「使いこなしてほしいガジェット記録」で書いているように、無駄な移動時間を削減できれば担当利用者を増やすことも容易になるかもしれません。

業務の効率化ができ、事務員等を増やさずに収益を増やすことができれば、居宅ケアマネに配分される費用の額も大きくなります。是非そうした方向に目を向けてほしいと思います。

同時に介護支援専門員とは、ポロシャツとスラックスというカジュアルな服装で仕事をするような必要があるわけではないという意識をもって、きちんとスーツを着て利用者宅を訪問する介護支援専門員が増えないと、社会的な評価も上がらないという意識も持つべではないでしょうか。
ケアマネジャーの服装
案外社会全体の価値観というものは、そうした形の評価から創られることもあるのではないかと思います。このことは後日詳しく論じた記事を書く予定です。

スーツは利用者が堅苦しいと感じるから、対人援助者にはふさわしくないという誤解を、ビジネスマナー・サービスマナーという観点から論じてみたいと思います。

ちなみに僕は、施設長になる前は、ソーシャルワーカー兼ケアマネジャー(施設も居宅も両方の経験あり)でしたが、毎日スーツにネクタイで仕事をしていました。勿論、それが堅苦しいと、利用者から苦情を受けたことはありません。
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介護サービスを利用していても隠されてしまう在宅介護問題


今から約1年前となる2021年1月21日に、「老老介護」殺人事件が仙台市で発生している。

その事件の判決が下されたのは、昨年も押し詰まった12/2のことであった。仙台地裁は被告である妻に懲役3年・執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。判決言い渡しを、被告の妻は車いすに乗ったまま聞いていたそうである。

83歳の妻が、自ら介護していた要介護3の夫(85歳)を、自宅で首と腹を包丁で刺して殺害した事件は、妻が将来を悲観し、「一緒に死ぬつもり」で夫を刺殺したものである。

加害者となった妻自身も要支援1で、事件の3日前に腰の圧迫骨折と診断されていた。

夫婦は仙台市内の市営住宅で2人暮らしだった。夫の介護は2019年12月から始まったが、当初は身の回りのことを手を添えて手伝う程度のいわゆる、「軽介護」であったという。

そんな夫の様子が「天と地ほどに変わってしまった」のは2020年8月のことであったと被告は供述している。

病状が不安定なため、入退院を繰り返していた夫ではあったが、新型コロナのため面会できなかった3週間の入院を終え、2020年8月に退院した際に認知機能が低下し自力歩行も困難になっていた。そのため毎晩2回は起きて、おむつの交換をしなければならなかった。

夫の居宅サービス計画を立案していた担当のケアマネジャーも、その状態は把握しており、訪問介護サービスを利用することを妻に提案したが、「家のことくらい自分でできる」と被告は断っている。

その時の心境について被告は、「家の中のことは他人に話したくなかった。」と供述し、2人の子供に対しても助けを求めなかった。

そのため被害者となった夫が、事件当時利用していたサービスは、デイサービスショートステイのみだった。

事件当日、被告は腰が痛くてトイレにも這っていくほどだった。食事もとれず薬も飲めなかったそうである。

夕方、夫が2泊3日のショートステイから帰宅し、夕ごはんを食べさせなければと思ったが、被告は体を動かせなかったそうである。その時に、「これ以上介護を続けるのは難しい。夫とともに死のう」と思ったという。

判決の際裁判長は、「被告の辛抱強い性格とその置かれた境遇や立場からすると、介護保険制度の内容を十分理解できず、制度に大きく頼ろうとしなかったことはやむを得ず、子供たちが父親の介護のことをあまり気にかけていなかった状況からすると、被告が周囲に協力を求めなかったことを取り立てて非難することはできない」などと述べている。

この事件は、被害者の担当ケアマネジャーにとってもショックであったろう。被告の夫に対する介護負担が増えることを見据えて、サービスの変更(訪問サービスの導入)を視野に入れながらも、被告が拒否したことによって、それを見送ったことに悔いを残しているのではないだろうか。

しかし神ならざる私たちが、利用者や家族の心の奥底まで、すべからく真実を覗き見ることなんか不可能である。被告のサービス拒否の際の心理状態を正しく把握できなかったとしても、それはケアマネジャーの能力の問題ではないのだから、責任感を持ちすぎて、あまり悩まないでほしいと思う。

認知症のない主介護者の拒否は、「大丈夫」・「問題ない」という意思表示だと思ってしまうのは仕方がないことだ。しかし実際にはそこに、家庭内にまで他人が足を踏み入れることへの拒否感とか、そこまでサービスを受けることの抵抗感など、様々な思いがあるということだろう。

私たちは、本件から改めてその教訓を受け止める必要があるだろう。

判決の際裁判長が指摘した、「介護保険制度の内容を十分理解できず、制度に大きく頼ろうとしなかったことはやむを得ず〜」という問題も、真摯に受け止めなければならない。

利用者や家族は、私たちのように制度の深い知識はないのだという前提で、かみ砕いてわかりやすく、難しい制度を説明しなければならない。そうした能力もケアマネジャーには求められるのだと思う。

サービス利用がれっきとした権利であると考えられない人がまだ世の中には数多くいることを、私たちはこの事件から思い知らされた。

被告が寝ていた夫を包丁で2回刺した際には、「誰かに助けを求めることも思い浮かばなかった」と供述している。切羽詰まったときに、思考能力は正常ではなくなるのだろう。

そこまで追い込まれないうちに、どのように切迫した状態を発見したり、表面化させることができるのかが今後の大きな課題だ。地域ケア会議では、ぜひそのことを議論してほしい。

2019年度の国民生活基礎調査(厚労省)によると、要介護者と同居している介護者の年齢の組み合わせでは、65歳以上同士が59.7%に上っており、75歳以上同士の割合も33.1%に達している。
老々介護
そうした世帯の人々が抱える暮らしの問題は、今後もより深刻化の一途をたどるだろう。

介護サービスを利用しているからといって、そこに隠された介護問題など存在しないと思い込まないようにしなければならないというのが、本件の教訓だ。

常に何か問題が生じていないかとアンテナを張りながら、自宅訪問モニタリングなどの際に確認をしたいものである。そのように意識して、身近なケースから、「発見する福祉</span>」を実現していかねばならない。

それより何にも増して、利用者や家族の本音を引き出すラポール関係を形成することの重要性を改めて感じざるを得ない。
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負けるなケアマネ!めげるなケアマネ!


介護保険制度の誕生とともに介護支援専門員という資格ができ、その資格者がそれぞれの地域で活動するようになったことで、この国の福祉の底辺は確実に引き上げられている。

要介護高齢者にとって、自分の担当ケアマネジャーが近くにいるという状態は、考えられている以上に頼もしいことだ。特に高齢者夫婦世帯や独居の要介護者にとって、身近にいつでも相談できる担当者がいるという安心感は何にも代えがたいものである。

介護支援専門員という有資格者がいなかった当時、災害を含めて自分の身の回りに危機が迫っても、誰に助けを求めるべきかわからない高齢者が多かった。

しかし現在では介護サービスを利用している人であれば、ほとんどの方に担当ケアマネジャーがいて、災害が起きた場合は、自分の安否を黙っていても担当介護支援専門員が確認してくれるようになったのだ。それだけでも大きな違いであり、偉大なる安心感である。

実際に3.11の時の介護支援専門員の活躍はすさまじかった。自分や家族も被災者なのに、自分の担当者の安否確認のために、まともに睡眠もとらずに被災地を走り回っていた介護支援専門員がたくさんいて、それによって救われた要介護高齢者の方々もたくさんおられたのである。

そうであるにもかかわらず、国は介護支援専門員に冷たい。さすがにこの資格が不要だと思っている役人はおらず、介護支援専門員はなくてはならない資格だと思われてはいるが、介護職員の待遇を改善しようとする動きと比較すると、介護支援専門員の待遇改善・給与アップを実現しようとする動きは非常に鈍い。

そのためいつも処遇改善の対象から介護支援専門員は外されている。

2月からの給与9千円アップについても、介護支援専門員は蚊帳の外で、介護施設の介護支援専門員については、施設経営者の判断で介護職員処遇改善支援補助金を配分することが可能となっているものの、その施設に併設されている居宅介護支援事業所の介護支援専門員には配分できないというこルールになっている。

これは非常におかしなことで、同じ法人内の同じ有資格者が、配属されている事業の違いだけで待遇差が生ずることになる。これでは居宅介護支援事業所の介護支援専門員の成り手がいなくなってしまいかねない。

このことについては、12日の社会保障審議会・介護給付費分科会でも議論され、日本介護支援専門員協会副会長が、「同一法人の併設事業所なら、職員から見れば同じ1つの職場。円滑な職場環境の維持・継続に資するのではないか」としたうえで、「賃上げの対象となる施設・事業所と居宅介護支援が同一の敷地・建物に併設されている場合などは、そこの介護支援専門員らへの配分を認めることも検討して欲しい」と要請している。

その理屈と要請内容は極めて理にかなった正論であるといえ、多くの関係者もうなづく意見だろうと思う。

しかしそのようなまっとうな意見を受けて、国が改善に動くという姿勢は全く見られない。その一因には、意見を述べ要請している団体自体の問題が根底にあるといえよう。

日本介護支援専門員協会そのものが、国の補助金によってなんとか存続が可能になったという経緯があることが一番の問題だ。つまり日本介護支援専門員協会は、国の「ひも付き団体」であるという誹りを免れず、制度改正や報酬改定で意見を述べても、その影響力はほとんどないのである。(参照:国から日本介護支援専門員協会に渡される7.700万円

介護給付費分科会という国の審議会に委員を出しているといっても、それは関係者を交えて十分審議したという国のアリバイ作りの場に、ひな人形と同じようにお飾りとして参加しているという意味にしか過ぎないので、そこで意見を挙げたことによって、何かが変わるという問題でもないわけである。

全くむなしい職能団体である。そこに会費を払い続けている人も、その実情をわかっていない人が多いと思え、可哀そうなことだと思う。

そのような中、元気をなくしかねない介護支援専門員を鼓舞したいとして、十和田市居宅介護支援事業所連絡協議会の依頼を受けて、昨日オンライン講演を行った。
十和田市居宅介護支援事業所連絡協議会オンライン講演
介護支援専門員とはどのような存在なのかということを原点から考え直して、その使命と役割を再認識し、頑張ろうという気持ちを湧きあがらせたいという事務局の考え方で、「目指せ!介護支援専門員中の介護支援専門員!」というテーマをいただき、3時間という長時間の講演を行った。(※途中10分間の休憩あり)

前述したように、国の介護支援専門員に対する評価は決して悪いものではない。なくしてはならない資格とすべての官僚が考えている。

ただし問題点が全くないとは思っておらず、個人による資質の差が著しいというのが一番の問題で、達人といってよい介護支援専門員がいる一方で、国が期待するレベルに達しない介護支援専門員も多いことから、様々な縛り(ケアプランの届け出ルールやケアプランチェックの厳格化等)が増えている現状をわかりやすく解説したつもりだ。

そのうえで期待される介護支援専門員の仕事ぶりと、結果責任について実務に照らして解説した。

昨日はその講演を、十和田市の介護支援専門員の9割以上が受講していたとのことで、その3時間は利用者の方々が担当ケアマネの方と連絡が取りずらくなっていたかもしれない。

受講した方からは講演後、「3時間という時間を感じさせないくらい、アッという間に終わった内容の濃い講演だった」という評価もいただいている。後日、改めてアンケート結果等も届く予定であり、受講者の皆様の今日からの仕事の糧になってくれることを期待したいところである。

十和田市の介護支援専門員の皆さん、ありがとうございました。また愛ましょう。
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介護支援専門員って国家資格だったのか・・・。


年明け早々奇妙というべきか、それとも面白いというべきか、よくわからないニュースが飛び込んできた。

1/5に配信されたネットニュースで、介護支援専門員の資格が国家資格であったという報道がされているのである。

記事概要は、2003年に野党議員が国会へ出した「質問主意書」の中に、「この国に国家資格はどれくらいあるのか。その名前も含めて全て示して欲しい」という質問があり、これを受けた政府は、当時存在していた国家資格の名前を全て列挙した答弁書を閣議決定していが、その中に介護支援専門員も含まれていたというものだ。

なるほど・・・文字リンク先貼り付けた答弁本文情報別表第一1を見ると、介護支援専門員が確かに載せられている。

同時に、僕の認識では介護支援専門員と同様に「都道府県資格」だと思っていた、「准看護師」も国家資格であると、ここに掲載されている。

リンクを貼り付けた記事で解説されているように、国家資格かどうかを審査する試験を実施する団体は、国だけでなく地方自治体や法律で指定された団体でも可であるということが根拠になっているようである。

介護支援専門員の資格試験が都道府県ごとに行われ、資格認定者が都道府県知事であり、登録も都道府県に行うことになっているけれど、国の法律に基づいて個人の能力・知識が判定されているために国家資格であるというわけである。
介護支援専門員は国家資格
2015年ごろから、日本介護支援専門員協会が盛んに介護支援専門員資格を国家資格化してほしいと運動していたが、その前にすでにその資格は国家資格になっていたわけである。あの一連の要望活動は何だったんだと言いたくなる。

しかし厚労省も、介護支援専門員が国家資格であるという認識を持っていなかったという証拠がある。

2019年8月に徳島市で開催された日本介護支援専門員協会の全国大会での、大島老健局長(当時)が、会場との質疑応答の中で次のように述べている。
ケアマネの役割は非常に大切で、個人的には国家資格にふさわしいものと思っています。しかし国家資格がどんどん出来たこともあって、役所側からもう法案を出さないという国のルールがあります。そのため厚労省がその法案を国会に出すことは難しいのが現状です。

このように2019年という段階で、厚労省は介護支援専門員は国家資格ではないt路いう認識をしており、今後の国家資格化も難しいと述べていたのである。

それが一転して、2003年から介護支援専門員は国家資格となっていたというわけだから驚きだ。

だがこれによって介護支援専門員の待遇に影響があるとか、社会全体の認識が変わるのかと言えば、そうはならないだろう。

例えば准看護師の資格を持っている人で、看護ができない人はいない。しかし哀しかな介護支援専門員の資格を持っている人の中には、ケアマネジメントができない人がいるのである。

先日更新した、「制度知識が足りない関係者が多いという現実」という記事で指摘したように、介護保険制度とその関連法令さえ理解していない介護支援専門員もいる現状は、社会全体からリスペクトとされる資格になるための大きなバリアであると言える。

勿論、その一方で制度に精通し、高いケアマネジメント能力を持っている達人ケアマネと言ってよい方々もたくさん居られることも理解している。

この両者の差を、前者のレベルを引き上げることで、できるだけ高いレベルへと埋めていかねばならない。

つまりケアマネ個人レベルでのスキルアップが不可欠であるという意味だ。僕もそのお手伝いをしていきたいと思う。

ちょうど良いタイミングで、十和田市居宅介護支援事業所連絡協議会主催研修として、「目指せ!介護支援専門員中の介護支援専門員!」という講演を来週行う予定になっている。
無題
その講演スライドの仕上げを行っていた時に、この報道に触れたので、そのことも情報として加えるとともに、個人による質の差の大きさを解消するための熱いメッセージを届けようと思う。

講演時間は3時間とたっぷりとっているので、内容豊富に情報提供したいと思う。十和田市の介護支援専門員の皆さん、当日はよろしくお願いします。
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ソーシャルアクションを否定するケアマネは退場せよ


先週金曜日に、「トラブルの報復で給付管理を放棄するケアマネがいてよいのか」という記事を書いたところ、全国のたくさんの介護支援専門員の方がその記事を読んでくれたようである。

僕のSNSなどにたくさんのコメントをいただいたことで、そのことがよくわかる。

その記事内容とは、利用者の家族とトラブったケアマネが、月の途中でケアマネジメントを放棄して給付管理をしないという暴挙に出たために、費用請求ができないで困っている居宅サービス事業所に対して、ケアプランがない状態でも償還払いでサービス提供はできるので、そのようにすることをアドバイスした経緯について論評したものである。

それに対してあるケアマネジャー(本人は東京のケアマネと名乗っている)が、「セルフプラン扱いにすればよいだけの話」というコメントを書いてきた。

しかしそれはあまりにも乱暴な意見であるし、法令上そのような扱いは許されていない。

実際にセルフプランがない状態のサービス利用を、「セルフプラン扱い」にできる特例は存在する。

しかしその特定とは、要介護・要支援認定の新規更新・区分変更申請など、認定申請後に要介護度(要支援度)が確定するまでの間のいわゆる暫定ケアプランについて、居宅介護支援事業者において暫定プランを作成した被保険者が、認定の結果、要支援者となった場合については(その逆も含む)、当該事業者の作成した暫定プランについては当該被保険者が自ら作成したものとみなし、当該被保険者に対して給付がなされないことがないようにするというものである。

それ以外に実際にサービス利用前に作成されていないセルフプランを、あったようにみなす扱いは認められていない。よって金曜日に紹介したケースでのセルフプラン扱いなどできるはずはないのである。

そういう意味でこのような意見をあたかも、「当然」のようにコメントしてきた(くだらないので消去したが)ケアマネジャーの知識レベルは、かなり低いとわざるを得ないし、知ったかぶりと揶揄されても仕方ないと思える。

ところでそのコメントには、「どうせそのようなケアマネジャーは淘汰されるんだからほおっておけ」・「上司でもないのに文句を言っても始まらないから黙っておけ」というような意見も書かれていた。

これを読んでこのケアマネは、見識も乏しいと確信した。はっきり言うと資格を持った偽者で、単なる馬鹿である。

居宅介護支援の現状は、駄目なケアマネが自然淘汰される状況にない。団塊の世代というとんでもないボリュームの世代が、来年から後期高齢者の仲間入りをする状況のこの時期に、居宅サービスの利用者は大幅に増え、居宅介護支援を受けるニーズも高まっている。

その一方で、ケアマネ受験資格の厳格化の影響等によって2018年度試験から極端に受験生が減少し、それに伴い合格者も激減している。2020年度と2021年度はその数は増えているものの微増でしかなく、居宅介護支援を担うケアマネ不足が深刻化している地域も多い。

変なケアマネが利用者を放り出しても、淘汰されるどころか、顧客はほかにいくらでもいるという状態なのだ。だからこそ指摘したような事案が生ずるのである。

そもそも僕は金曜日の記事で、個人を特定して、その個人を非難中傷する記事を書いているわけではない。

ケアマネジャーの使命と責任という観点から、ケアマネジメントの放棄という事案が生じたケースの報告と論評をしているだけであり、そのようなケアマネジメントの放棄があってはならないと意見しているだけである。

個人による質の差が大きく、標準化が課題であるとされるケアマネジメントであるがゆえに、こうした問題は介護支援専門員の存在意義を危うくしかねないとして取り上げて批評しているのだ。それはソーシャルアクションである。

それに対して、こうしたくだらないコメントを書いてきた東京のケアマネを名乗る人物は、ソーシャルアクションとは何かということもわかっていない輩だろう。ケアマネジャーがソーシャルワーカーであるという理解もないのだろうと思う。

社会問題を解決するための世論の喚起につなげることはソーシャルワーカーの務めである。そうした言論に蓋をするかのようなコメントを書いてくる人間にケアマネジャーを名乗る資格はない。

そうした輩にはこの業界から、即刻退場願いたいものである。
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トラブルの報復で給付管理を放棄するケアマネがいてよいのか


今週・火曜日(26日)に表の掲示板に建てられたスレッドの一つに、非常に気になる内容が書かれていた。

そのスレッドとは、当月ケアマネジャー不在による全額自費でのサービス提供についてである。

居宅介護支援事業所のケアマネジャーが、利用者の家族とのトラブルが生じて、今月のサービス利用が、居宅サービス計画がない状態での利用となってしまったというケースの相談である。

質問内容そのものにも引っかかるものがある。居宅サービス計画がないのだから、全額自費利用(保険外利用)として問題ないのかと質問すること自体が残念なことだ。

介護保険制度からもう20年以上経っているのに、居宅サービス計画書が何のためにあるのかわかっていない人が多いということに愕然としてしまう。

居宅サービス計画書は保険給付の条件ではなく、あくまで償還払いを現物給付化する要件でしかない。

居宅サービス計画書を作成しない状態での保険サービス利用も十分認められており、その場合は利用者が利用している介護事業所に法定価格の全額を支払い、領収書の交付を受けて、それを市町村に提出することによって、自己負担割合に基づいて9割〜7割を払い戻してもらうことができるのだ。

保険給付分の払い戻しが数カ月遅れになるという一時的負担増はあるものの、それだけの話である。保険給付にまったく問題はなく、お金が手元に返ってくるまで多少のタイムラグがあことを問題ではないと感ずる人は、居宅サービス計画を作成しないままサービス利用して何も問題ないわけである。

にもかかわらずいまだに居宅サービス計画書が作成されていない=全額自己負担利用と思い込んでいる関係者がいるということ自体が問題なのである。計画がなくとも、保険サービスを法定割合の自己負担で利用できるという『権利』は失われないという常識を持っていただきたいと思う。

このことを知らずに居宅サービス事業者が、計画のない利用者と保険外利用契約を行い、全額自己負担させていた場合、その契約の前提が、「保険サービスは受けられません」という事業者側からの通告に基づいていたとすれば、虚偽のルールを押し付けた保険外サービス利用の強要として運営指導を受けるだけではなく、場合によっては詐欺事件に発展しかねないので注意が必要だ。

なお施設サービス計画書と、居宅サービス計画書に基づいて提供される居宅サービス事業所(訪問介護等)の計画書については、現物給付化の要件ではなく、サービス提供の要件となっており、それらの計画のない保険利用は認められていないので、その点も注意が必要だ。(参照:居宅サービス計画と施設サービス計画の法的位置付けの違い

参照記事をもう一度確認して、しっかり法令理解を深めていただきたい。

しかしこのスレッドで一番気になったことというのは、それ以外のことである。

それは、「ご家族と担当ケアマネジャーとのトラブルで給付管理をする居宅介護支援事業所が不在となりました。」という一文である。

つまり本ケースは、最初から計画のないサービス利用であったわけではなく、あらかじめ計画書は作成されていたにもかかわらず、家族とケアマネがもめて、その計画の給付管理をしてくれなくなったために、居宅サービス事業所が国保連に費用請求しても支払いがされないというケースと考えられる。

それは困るので、計画書のない償還払い扱いにして、給付管理を行わなくても良いようにアドバイスされているもので、その解決方法自体に問題はない。

しかしこんなことが許されるのだろうか・・・。

事前作成していた居宅サービス計画に基づいてサービス利用している当事者がいるのに、そこで家族とトラブルになったからと言って、たとえそれが家族に一方的に非がある問題だとしても、その計画の給付管理を放り出して、「あとは勝手にしてくれ」という態度を、介護支援専門員という対人援助のプロが取ってよいものだろうか・・・。

そんなことがあってはならない。「それはトラブルを起こした家族の責任でしょ」ということにもならない。

そのことで迷惑をこうむるのは利用者だけではない。それはサービス提供事業所にも影響を及ぼす問題であり、それは担当ケアマネが扇の要となるべきチームにも迷惑をかけているという意味になる。

どのようなトラブルがあろうとも、自分が立案した計画に基づいてサービス利用をしている人がいる以上、その給付管理業務は自らの責任として全うしなければならない。

仕事を完結させたうえで、このような状態では信頼関係を結んで支援を継続することは不可能なので、担当を下ろさせていただきますというふうに、「飛ぶ鳥跡を濁さず」の精神が必要だ。

その場合にも、次の担当ケアマネにケースを引き継ぐまで責任を持つというのが、ケアマネジャーという有資格者の責任だろう。

そのような常識さえ持てないと人間は、ケアマネジメント業務に携わってはならないというだけではなく、対人援助という職業から退場せねばならないと思う。

このように途中でケアマネジメントを放り出してしまうケアマネジャーがいては、ケアマネ不要論(厚労省内部でそんな論議はないが)を唱える輩は、いつまでもなくならないと思う。

それは介護支援専門員という資格を、介護支援専門員自らが貶めてしまう行為だということを自覚してほしい。
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厚顔無恥(こうがんむち)のケアマネと呼ばれないように・・・。


通所サービスに新設された入浴介助加算(II)(55単位/日)は、リハビリ専門職等が利用者の自宅を訪問して浴室環境を確認するとともに、それを踏まえた個別計画を多職種連携のもとで策定し、計画に沿った入浴介助を行うことで算定できる加算だ。

この加算は在宅での自立的生活をより重視する介護保険制度の主旨を踏まえたうえで創設された加算であり、入浴も自宅でできることを目指した加算であると厚労省は説明している。

つまり国が目指す、「科学的介護」の具体的な方向性を示した加算であると言っても良いのである。

そのため令和3年度介護報酬改定Q&AVol8 の問1では、通所サービスの入浴介助加算()は、自宅に風呂のない人も含めて、通所サービス事業所で入浴支援する人すべての利用者に算定可能であることが通知されている。

しかし通所サービスで入浴できれば、自宅であえて入浴する必要はないと考える利用者がいて、その方々は、より高い自己負担を強いられて、必要のないアセスメントや入浴支援を強いられるのは余計なお世話であるとして、「入浴介助加算供廚了残蠧碓佞鬚靴覆ぅ院璽垢ある。

そうした拒否権は利用者にあって当然なので、この場合、通所サービス事業所は加算兇諒法を強制することは出来ず、加算気蚤弍せざるを得ない。

だからこそ通所サービス事業者は、利用者ごとに加算区分が違ってこないように、この加算の主旨を利用者に丁寧に説明して、「余計なお世話かもしれませんが、国が目指す方向に沿った加算であり、こうした趣旨に沿って運営していくことが、将来的には当事業所の介護の質の向上につながり、利用している皆様にもより良いサービス提供ができることにつなげていくよう頑張りますので、算定に同意してください。」とお願いすることが重要だ。

くれぐれも、「国が決めたことだから、こうしないといけません。」と強要するような態度をとらないようにしていただきたい。

ところでこの加算兇砲弔い討蓮計画担当ケアマネジャーが認めないために算定できないというケースが相次いでいる。

算定を認めないケアマネの言い分は、「自宅で入浴する必要はない。」・「通所サービスを利用する主旨と異なる」などである。

前述したように確かにこの加算は、人によっては、「余計なお世話加算」である。だからと言って利用者の意志に関係なく、ケアマネジャーの考え方を先行させて、居宅サービス事業所が算定可能な加算を拒否する権限は、居宅介護支援事業のケアマネと言えども持っていないはずだ。

国が新設した加算であるにもかかわらず、利用者に対し、「この加算は、通所サービス利用目的と逢わないので算定拒否してください」と頼むのも筋違いである。

通所サービスを利用する目的は、「自宅で入浴する」ということではなく、利用者の家族のレスパイトケア(通所介護のみに認められる)であったり、認知症の予防であったり、身体機能の維持であったりしたとしても、その目的に沿って、通所サービスで行う具体的サービス内容をどうすべきかということは、「通所サービス計画」によって決定されるものであり、計画担当ケアマネジャーは、この処方について、サービス担当者会議等で意見を述べることは出来ても、最終決定の段階で何かを決める権限はない。

以前書いた「加算区分はサービス事業所が決める問題です」で示したように、通所サービスの具体的サービス提供方法は、事業所単位で違うのが当然であり、各々の通所サービス事業所が決定できる問題なのである。

そもそも加算は国が推奨する方向でもあり、介護サービス事業所はそうした加算を算定することを国から求められているのである。その方向で通所サービス事業所が加算算定しようとすることに、ケアマネジャーという制度の中核に存在する有資格者がバリアになるなんて言うことがあってはならない。

それは制度に対してあまりにも理解が欠けている状態と言わざるを得ず、厚かましくて恥知らずな姿でしかない。

僕はケアマネサポーターを自任しているので、そのようなケアマネジャーがいることは非常に悔しいのである。そんな姿は見たくない。

ということで・・・ケアマネの皆さん、どうぞ勘違いしないでください。厚顔のケアマネの姿は醜いだけですよ。
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居宅介護支援に垣間見える布石


昨日配信した、『UCHIDAビジネスITオンラインセミナー福祉版・解釈通知・Q&Aから読み取る令和3年度報酬改定の影響と課題』は、たくさんの方々が視聴してくださって、盛況のうちに最終回を終えることができた。ありがとうございました。

質問や意見がある方は、配信サイトのアンケートに記入いただければ、後日、このブログで回答させていただくので、遠慮なく意見等を書き込んでいただきたい。

同セミナーはテーマを変えて、新シリーズの配信も視野に入れている。その際にも是非視聴してほしいと思う。次のテーマは、「科学的介護」をmasa的に分析するシリーズにしてはどうかとも思っている。

昨日は居宅介護支援と施設サービスについての解説だったが、居宅介護事業所の介護支援専門員の方々には、特定事業所加算がどのように変わったのかについて注目してほしいと訴えた。

まず最初に気づくのは、同加算のすべての区分に、「必要に応じて、多様な主体等が提供する生活支援のサービス(インフォーマルサービス含む)が包括的に提供されるような居宅サービス計画を作成していること」という要件が新設されていることである。

居宅サービス計画には、インフォーマルな支援や保険外サービスなどを必ずしも記載する義務は課せられていないが、利用者の自立を支援する観点とケアマネジメントの質の向上の視点から、利用者の暮らしを支えるサービスについては、保険内・保険外にかかわらず、できるだけ計画に組み入れるように勧められてきた経緯がある。

特定事業所加算全区分共通の新要件は、この考え方をさらに推し進めるとともに、単に現在利用している保険外サービスや、必要としているインフォーマル支援を居宅サービス計画に落とすだけではなく、もっと積極的に市町村の行政支援を含めた保険外サービスを利用することを促している意味があると思える。

Q&Aでは、多様な主体等が提供する生活支援として想定されるサービスとして以下が例示されているので参考にしていただきたい。
・市町村保健師等が居宅を訪問して行う指導等の保健サービス
・老人介護支援センターにおける相談援助及び市町村が一般施策として行う配食サービス
・寝具乾燥サービスや当該地域の住民による見守り、配食、会食などの自発的な活動によるサービス
・精神科訪問看護等の医療サービス、はり師・きゅう師による施術、保健師・看護師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師による機能訓練


このように保険外サービスを積極的に組み入れることを促している背景には、財源が厳しくなる今後は、保険給付から外れるサービスが増えることを示唆しているとも思え、軽介護者の生活援助や通所介護・福祉用具貸与などが保険外とされた場合に備えての対策とも言えなくもない。

また新設された特定事業所加算(a)については、主任ケアマネとケアマネの合計数が3未満で算定できることになっていることに注目していただきたい。

さらに、「24時間連絡体制を確保し、かつ、必要に応じて利用者等の相談に対応する体制を確保していること」等の4つの要件が、他事業所との連携で可とされている点も重要だ。

この特定事業所加算(a)の要件が、居宅介護支援の将来の在り方に関する布石ではないかと思われるからである。

このブログでは何度も指摘しているが、僕自身は、「ひとり親方の居宅介護支援事業所」(※介護支援専門員が独立型で、一人で経営している事業所という意味)についても、有能なケアアンネジャーが適切な居宅介護支援を行っているなら、特定事業所加算として評価されるようにしてほしいと提言している。

しかし厚労省は、「ある程度のケアマネ配置数がないと、ケアマネジャーが病気や怪我を負った場合に代替機能が発揮できない」として、この考え方に否定的である。むしろ将来的には、居宅介護支援事業所の配置基準を改めて、複数の介護支援専門員の配置を義務付けたいというのが国の考え方である。

すると前述した2つの新要件(定数3未満の事業所の加算と連携要件)については、これがうまくいけば、将来的に介護支援専門員の配置基準を増やした際に、現在のひとり親方事業所は他事業所との連携を認めて残すことを模索しているか、積極的に連携を促して、規模の大きな居宅介護支援事業所のサテライト事業所として位置付けることなどを模索しているのではないかと考える。

どちらにしてもこの要件は、新しい居宅介護支援事業所の形態を考える中で生まれた発想だと思う。

居宅介護支援事業所の関係者の方々は、頭の片隅にそのようなことも置いて、今後のソーシャルアクションや情報発信に努めてほしい。

地域で暮らす要介護者に、必要な支援の手が届かなくならないように、より積極的なケアマネジメント実務者の提言が必要とされていることを忘れないでほしい。
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課題分析の結果となっていないケアプランの例


年度末の3/31に、居宅サービス計画書標準様式及び記載要領の変更通知が突然発出され、居宅サービス計画書第1表の項目が、「利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果」に変更されたことは、何度かこのブログで解説している。(参照:計画書標準様式の変更内容とその目的 ・ 生活に対する意向を踏まえた課題分析

その意味は、この項目に記載すべき事柄は、単に利用者や家族のデマンドであってはならないことし、聴きとった意向をニーズに置き換える必要があることを示したものだ。

それは居宅サービス計画書の目的は、あくまで自立支援であることを忘れないように、「御用聞きケアマネになるな」と介護支援専門員に釘を刺したという意味であろう。

逆に言えばこの項目に書かれた内容が、利用者もしくは家族の意向そのものであったとしても、それを実現することが自立支援に結び付くという理論武装ができているのなら特段問題はないということになる。

よって今までの計画書を全部見直して、この項目の文章を修正しなければならないということでもない。

そしてアセスメントを実際に行っていない行政指導担当者が、居宅サービス計画書について、「その意向は、自立支援につながらない単なるデマンドでしょう。」などと指導できる筋合いのものでもないのである。アセスメントをきちんと行って、必要なサービスを計画書に組み入れていると自信を持っている介護支援専門員は、変な行政指導が行われたら毅然として反論してよいのである。

ただし明らかに利用者や家族におもねって、不適切なサービス内容となっている計画もあるので、そうしないように改めて注意をするという気持ちは忘れてはならない。

ではどのような計画内容は不適切と言えるのだろうか。そのことについて報酬改定Q&Aにヒントが隠されているように思う。

Q&A Vol10の問5は介護施設に新設された、「自立支援促進加算」についての疑義解釈であるが、排せつの自立支援について次のように示されている。

「個々の入所者の希望の確認にあたっては、改善の可能性等を詳細に説明する必要があり、例えば、入所者がおむつを使用している状態に慣れて、改善の可能性があるにも関わらず、おむつの使用継続を希望しているような場合は、本加算で求める入所者や家族の希望とはいえないことに留意が必要である。」

このように改善可能性を否定して、安易に現状維持を望むだけの意向を計画書に載せるだけでは駄目なことを示唆しているように思う。

こうした考え方は、居宅サービス計画の作成にも応用したほうが良いと思う。

今回の計画書様式変更は、居宅サービス計画書だけであり、施設サービス計画書は変更されていないが、自立支援に結び付く計画を作成するという考え方は施設サービスも同様であり、様式は変わらなくとも施設サービス計画書の第1表の「利用者及び家族の生活に対する意向」にも、利用者ニーズと言える意向を書くようにすべきだろう。

その際、Q&A Vol10の「自立支援促進加算」の疑義解釈は大いに参考になると思う。例えば問5のほかには以下のような考え方が示されている。
・治療のための安静保持が必要であることやターミナルケア等を行っていることなど医学的な理由等により、やむを得ずベッド離床や座位保持を行うべきではない場合を除き、原則として、全ての入所者がベッド離床や座位保持を行っていること
・経管栄養といった医学的な理由等により、ベッド離床を行うべきではない場合を除き、ベッド上で食事をとる入所者がいないようすること
・多床室でポータブルトイレを使用している利用者がいないこと
・夜間、定時に一斉に巡回してすべての入所者のおむつ交換を一律に実施するような対応が行われていないこと
・入浴時間を本人の希望を踏まえた時間に設定することや、本人の希望に応じて、流れ作業のような集団ケアとしないため、例えば、マンツーマン入浴ケアのように、同一の職員が居室から浴室までの利用者の移動や、脱衣、洗身、着衣等の一連の行為に携わること
・起床後着替えを行い、利用者や職員、家族や来訪者とコミュニケーションをとること


道内千歳市にある某老健施設では、利用者にとって寝るときに寝巻に着替え、朝起きたときに日中着に着かえることは負担であり、そうならないことを希望しているという理由で、日中と夜間にずっと着ていられるスポーツウエアを着させて、毎日行うべき着替えの支援を怠っていたが、そういう屁理屈での計画作成はまかりならんと改めて警告されたわけである。
意向を踏まえた課題分析の結果
それは極めてまっとうな指摘と言えるが、同時に課題分析が利用者の希望をつぶすものであってはならないという一面もあり、そのことは明日更新する記事で改めて論じてみたい。(課題分析が希望をつぶすものであってはならない、に続く)
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介護支援専門員研修の事前質問に回答します


今週金曜日(6/18)の午後、岐阜県中津川市と恵那市が共催する、介護支援専門員研修会としてオンライン講演を行う予定が入っている。

テーマは、「2021年度の介護保険制度改正と介護報酬改定の要点とその目的について」となっていて、制度改正を中心に解説を行うことにしているが、その研修に関連して2つの市の介護支援専門員の方々から事前質問が寄せられている。
制度改正講演スライド
その質問内容を含めて講演で解説すればよいと考えていたところだが、しかし質問内容を読むと報酬改定に関連したものも多く、僕が書いた過去のブログ記事を読んでいただいた方が理解しやすいと思う質問もあった。またこれらの質問に答える解説をするだけでかなりの時間を割かねばならなくなり、予定していた講演内容を一部削らねばならない事態も考えられた。

そのため今日のこのブログ記事で、18日講演の事前質問と回答を書こうと思う。この研修講演を聴くことができない他の地域の介護支援専門員の皆様にも参考になることもあると思えるので、以下Q&A方式で紹介するものを参考にしてほしい。
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Q1.(特定事業所医療介護連携加算の算定要件について)
別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして、市町村に届けた事業所は1月につき所定単位数を加算するとある:125単位
その基準に前々年度3月から前年度2月までの間において退院退所加算の算定に係る連携の回数が合計35回以上とある。連携とあるが、居宅介護支援事業所から情報提供は含まれず、病院等から情報を受けた回数のみがカウントされるという解釈でよろしいでしょうか。

A1.この加算は特定事業所加算犬汎韻犬覆里如∧神30年の同加算の解釈通知で、「情報提供を受けた回数」とされていますので、情報提供した回数は含まれないが正解ですね。ただし居宅介護支援事業所側から連絡して、情報提供を受けてもよいことになります。(6月19日AM9:38修正

Q2.(通院時情報連携加算について)
ケアプランに記載とありますが、押さえておくべき内容や記載に必須である内容があれば教えて頂きたい。また、日々の業務で効果的かつ効率的な記録の残し方があればアドバイスを頂きたいです。

A2.この加算は、ケアマネジャーの通院同行をただ働きにさせないという観点から新設されました。例えば利用者が急に通院する必要が生ずるなどしても、それに対し訪問介護サービスが対応することができず、やむを得ずに担当ケアマネジャーが通院支援(通院同行)を行わねばならないケースが多々あって、しかし昨年度まではそうした場合もケアマネジャーに対する報酬は一切発生せず、実質ボランティア精神で対応しなければならないことを問題視して新設されたのがこの加算です。
しかし居宅介護支援費は、実際の介護などの事実行為に報酬を支払うことにはなっていないために、居宅介護支援費の加算として何らかの整合性を取る必要がありました。そのためケアマネジャーが通院に同行して、利用者が診断を受ける際に医師と情報交換しながら連携を図るという要件をつけて、居宅介護支援費として支払うことができるようにしたわけです。よってケアプランに記載する内容については、細かな要件はありません。通院の必要な持病の管理などのアドバイスを医師からもらい、それを書いておくだけで良いです。半日以上かけてケアマネが行わねばならない支援行為なのに、通院等乗降介助の半分の単位数しか算定できない加算ですから、あまり悩まずに医師の言葉を拾うだけで良いです。

Q3.(通院時情報連携加算について)
利用者の同意の下、毎月受診に同席し、本人の健康状態を医師に伝え医師からの助言や指導など本人や在宅サービスの看護師に情報連携を行っています。毎月の加算の算定は可能でしょうか。

A3.一人の利用者につき月1回のみの算定が可能となっていますが、毎月算定することは可能です。ただしA2に書いたように、通院支援自体は介護支援専門員の本来業務ではないし、この加算は実にコスパの低い加算ですから、本当にケアマネ同行が必要なのかというアセスメントは欠かせません。「名称に惑わされず経緯を忘れないでほしい新加算」を参照してください。

Q4.(計画書の変更点について)
計画書の変更点が示されましたが、プランについて記載内容や表現方法について自分のやり方を変えていかなければいけないと思うが課題分析の結果とはどういった事を示されているのか教えて頂きたいです。

A4.単に利用者や家族の意向や希望を計画に反映するのではなく、その意向や希望を計画反映することが、利用者の生活課題の解決につながるのかを分析しなさいと言う意味で、デマンドではなくニーズをきちんと抽出して、それを記載しなさいという意味の変更です。

Q5.(ICTの活用について)
居宅介護支援における業務軽減のためのICT活用の具体的な例を教えて下さい。(例えばサービス担当者会議など)

A5.ICTやインカムとは具体的に何を活用することを指すのか、どのような会議や多職種連携でICTを活用できるのかは講演の中で説明します。

Q6.(書類の捺印廃止について)
書類の捺印廃止について現状の対応としては、ケアプラン、重要事項説明書、契約書でどこまでの取り扱いをしていけばいいのか教えて頂きたいです。
 
A6.すべての書類に押印は必要とされなくなりましたが、文書同意につては市町村によって、条例でそれを求めている地域もあり、この場合は最低限、署名は必要であると考えられています。また電磁的方法による同意が認められているものの、国のガイドラインに沿った対応が求められ、電子署名が推奨されるなど、そのハードルは決して低くないため、報酬改定時の変更同意も、文書同意で署名を求める事業者が多かったのが現状です。参照記事も読んでください。(参照:署名・押印廃止は業務軽減になっていません
 
Q7.居宅サービス計画の記載要領が改定されたことにより、例えば1表等の具体的なプランの作成方法について従来の記載方法と内容が異なってきています。記載の仕方や捉え方などについてご教示頂きたいです。
A7.A4の回答を参照してください。全般的には、簡潔でわかりやすい文章で書くこと、専門用語を使わないことなど、文章力の向上が求められる内容になっています。

Q8.今回の改正について、サービスの利用割合の説明し同意を得る事が必要になったが、特に福祉用具などの割合を説明した後、事業所を利用者に選択してもらおうとすると1番多い所の事業所を選ぶことが多くなり、少数の事業者は選ばれません。公正中立の確保を図る観点からの制度改正だとあるが上位の事業所に偏ってしまう可能性はないのでしょうか。 
A8.説明の仕方によると思います。なぜ割合説明が求められたのかということをわかりやすく説明するとともに(あまり意味のない説明ルールであると言っても良い)、自分の計画で事業者割合がどのような選択の結果で異なっているのかを正直に説明すればよいと思います。

Q9.(居宅介護支援費に関する事項)
サービス利用票を作成した月において利用実績がない場合の取り扱いについて(最新情報vol.952の問119について)回復の見込みがないと診断した利用者とあるが、どのように確認し記録を残せば良いですか。また、請求にあたっての必要な書類を整備とあるが、必要な書類は何になるでしょうか。

A9.「医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した利用者」については、医師の終末期判定が必要になります。診断書が必要になるわけではないし、医師から直接伝えてもらう必要もないので、医療機関入院中の利用者なら院内の地域連携室等(医療相談室)のSWに、施設入所者なら相談援助職に確認すると終末期判定の内容を伝えてもらうことができると思います。その内容を支援記録等に残しておけばよいものと考えます。

Q10.(入浴介助加算兇砲弔い董
デイサービスの入浴介助加算兇砲弔い董⊆宅のお風呂では入れない方も算定ができるのか。入浴介助加算兇了残衢弖錣魘気┐督困たいです。また、デイサービスから入浴介助加算兇鮖残蠅垢襪箸力⇒蹐あった場合、軽微な変更の扱いではなくアセスメント、担当者会議が必要なケアプランの変更となりますか。

A10.介護報酬改定Q&A・Vol8の 問1において、自宅に浴室がない場合等、具体的な入浴場面を想定していない利用者や、本人が希望する場所で入浴するには心身機能の大幅な改善が必要となるケースなどの算定要件が示されています。これに該当させることによって、すべての利用者が加算兇鮖残蠅垢襪海箸可能になります。
また居宅サービス計画は、各サービス事業所が行うサービスの具体的内容まで書く必要がないもので、通所サービス事業所の入浴支援の方法が、居宅サービス計画の通所サービス利用の目的に沿ったもの(機能維持や清潔支援が必要など)であればそれでよいわけで、居宅サービス計画書に入浴介助の区分を書く必要はありません。(参照:加算区分はサービス事業所が決める問題です

Q11.<特養 ケアマネより>
今回の改正では、科学的介護情報システムの活用が必須となりフィードバック機能を活用しながらエビデンスに基づいた自立支援・重度化防止を期待されています。インセンティブ的な加算ばかりにも思えます。しかしながら、現実の特養は要介護4〜5の方が中心であり、高度認知症の方が多いです。医療的ケアの必要な方が年々増え、介護職員にも医療行為が行えるように境界線を下げる政策をしてきています。慢性的な人材不足の中、外国人雇用を推奨し高度な教育を求められます。実際、命をお預かりする立場としていい加減な仕事をされては困りますので、教育の重要性も理解をしています。対人援助の最大の利点である、心と身体と寄り添う援助が重要と考えますが、AIを活用すると夜勤帯の人員配置基準のハードルを下げると言っています。AIに頼りすぎて訪室回数やコミュニケーションが減るのでは、と危惧する思いが正直な所あります。近い将来高齢者がますます増えます。その中でどのように質を保ち向上心を損なわずに行くか、正直な所不安でいっぱいです。システム入力と会議に多くの時間を奪われ、残業だけが増える事が想像できます。どのように現場力を高め維持していくのか、利用者様には何が一番なのか、理想と現実との差がますます大きくなっている気がします。

A11.慢性化する介護人材不足の中で、ICTや介護ロボットを活用して介護業務の省力化を図ることは必要ですが、それで人員配置を減らすことができるというエビデンスは存在せず、今回の特養における人員配置基準の緩和は少々乱暴で、(介護人材対策を十分行ってこなかった失政の責任を回避するかのような)国に都合の良い理屈でしかないと思います。この部分は介護サービスの場から問題提起していく必要があるのだと思います。

Q12看取り期など限定的な局面における暫定ケアプラン作成時のプロセスの取り扱いについてどのように解釈したら良いか、また具体的どのようなことが想定されるのか教えていただきたいです。
A12.何か勘違いされていると思います。今回そのような改定は行われていませんし、看取り期の計画は暫定プランではなく、本プランで対応する必要があります。ただし2018年改定では、末期がんの方で、日常生活上の障害が1ヶ月以内に出現すると主治の医師等が判断した場合については、居宅サービス計画書の変更の際に、サービス担当者会議の招集を不要としているだけです。

Q13口腔・栄養・入浴供科学的等の加算に対するケアプランへの位置づけについて、どの程度の対応が必要でしょうか。
A13.それらは居宅サービス計画書ではなく、各サービス事業所の計画に位置付けられるもので、それらの加算の目的が居宅サービス計画の内容に沿っていればよいものです。A10を参照してください。

Q14運営規定へ虐待防止についての文章を記載したが、感染症対策、業務継続対策、ハラスメント対策については、重要事項説明書へ記載をした。今後どんな文章で記載をしていくと良いでしょうか
A14.専門用語をなるべく使わず、わかりやすくかつ簡潔に、解釈通知等で示された要件を網羅した文章表現が求められています。

Q15今から取り組んでおくべき内容 次の改正では必須項目となってくると思われる項目を伺いたいです。
A15.次の改正は、前回積み残し・見送りされた利用者負担増・給付抑制が実行される厳しい改正になります。居宅介護支援費の利用者負担導入の実現可能性も高まっています。今回の講演で詳しく解説します。
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以上である。当日のオンライン講演では、改めて質疑応答の時間を取っているので、重ねての疑問や意見があれば、そちらで遠慮なく発言していただきたい。
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護るケアマネ・奪うケアマネ


僕は日ごろ、「ケアマネサポーター」を自称している。

介護保険制度の創設によって、介護支援専門員という資格や、その資格をもとにした業務が出来たことも喜んでいるし、全国の様々な場所でケアマネ専門職として活躍している人たちを尊敬している。

その中には僕が決して真似できないような、すごい仕事をしている人がいることも知っている。「達人ケアマネ」と言ってよい人は確かに存在しているのだ。

しかし一方では、ケアマネの力量を嘆く人にも出会うことが多い。

認定調査の際に自分の都合で、軽度(又は重度)誘導するような質問をするケアマネ、ケアプランに組み込むサービス事業所を自身が所属する法人のサービスに囲い込もうとするケアマネ・・・様々な不適切事例を具体的に指摘して、ケアマネジャーを疎む人も全国に存在することは事実だ。

それはケアマネジャー全体のスキルが低いという問題ではなく、個人間のスキルの差が大きいという意味だと思う。実務経験年数の壁は高くとも、実務経験の範囲を相談援助職以外に広げすぎたことと、試験自体の壁(難易度)が低いケアマネ資格は、介護保険制度という狭い領域の知識を浅く獲得しただけで取得できることから、ソーシャルワーカーとしての資質に欠けたケアマネも存在してしまうことになっている。

例えば今年度の報酬改定で市町村が、区分支給限度基準額の利用割合が高く、訪問介護が大部分を占める等のケアプランを作成する居宅介護支援事業者を点検・検証する仕組みが導入されたのも、不適切なケアマネジメントが存在するという意味である。

しかしこんな形で行政介入が厳しくなるのは、適切なケアマネジメントを行っている人にとっては迷惑でしかない。

だからこそケアマネサポーターを自称する僕は、時にケアマネに対して強い言葉でなじって奮起を促すことも多い。駄目なケアマネジャーは退場しろということさえある。

先日も表の掲示板で建てられたスレッド、退院退所加算の算定についてでもそうした言葉を投げかけている。

退院・退所加算は、カンファレンスなしでも算定できる区分があるので、「看護師と少し話しただけでも算定可能か」という問いかけに対して、「利用者に係る必要な情報の提供を受けないとならず、それがない世間話だけでは算定できない」というコメントしたが、それに対して「世間話なんて言ってません」とプチ切れしてくるケアマネジャー・・・。そもそも費用算定の質問なのだから、どんな情報のやり取りを看護師としたかを書かないで回答をもらおうとする態度もどうかしている。

ケアマネジャーは、ケアプランというツールを使って利用者に介護サービスについて説明して結び付ける人なのだから、文章と言葉で伝える能力は非常に重要だ。ネット掲示板で、上記のようなやり取りしかできない人のコミュニケーションスキルはあまりにも貧弱だ・・・。

それ以前に大切な退院支援について、加算算定できるかどうかという方向でしか考えようとしない姿勢がどうかしている。退院後のケアプランには、入院につながった病気等の予後の見込みや、その後の外来通院をはじめとした医療対応のあり方など、確認すべき情報がたくさんある。とてもではないが廊下で看護師とすれ違うついでに、少しだけ話をして情報を得られるという問題ではないのだ。

きちんとアポイントを取ったうえで時間をつくってもらって、第3者に情報が漏れない場所で適切に話し合うということが求められるのは基本中の基本ではないのか・・・。こうしたことを理解できないケアマネでは困るのである。そういうケアマネがいてはならないのだ。

下記は数年前に僕に届いた悲痛なメールの一部である。
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この10年間でいろいろな理由で担当のケアマネの方も変わり今は5人目です。中には自分の考えが絶対で、利用者の家族は文句を言うなという高圧的な方もいました。そこまでいかなくとも、母が使いたいサービスを無視して、自分が所属する法人のサービスだけをすすめる方もいましたが、とりあえず誰かに助けていただかねば暮らしが成り立たない身で、ほかにどうしたらよいのかわからなかった状態でしたから、そのケアマネに従うしかなかった時期もございます。

母の認知症はどんどん進んで、サービス担当者からはそれが私や母自身の問題のように言われ、ひどく傷ついた時期もありました。おかげさまでそんな時に、ひとりの心あるケアマネに出会うことができ、母にふさわしいサービスを提供してくれる事業者を初めて紹介していただき、それ以降あんなにぼけていた母の表情が豊かになり、今でも身の回りのことは全部介助が必要でも、日常会話はほぼできるまでになっています。あの時の母は、なんだったのでしょう?そしてあのままの担当者であったとしたら、母はその状態でずっと死ぬまで苦しい表情で生きていかねばならなかったのでしょうか。恐ろしいことだと思います。

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担当するケアマネによりスキルの違いがあって、提供されるサービスに差ができることがあっても仕方がないが、その差が不幸になるか幸福になるかの違いであっては困るのだ。

すべてのケアマネジャーの関わりが、関わる人の暮らしをより豊かなものとしなければならない。そうでなければケアマネジャーが何のために存在するのかがわからなくなってしまう。

どうか介護支援専門員という資格に誇りを持って、その使命を達成できるスキルを身に着け、担当利用者の豊かな暮らしを実現するという結果責任を負う専門職であってほしい。

その為に僕はお手伝いもするし、批判もすることになるだろう。

護るケアマネジャー・奪うケアマネジャー。あなたは一体どちらになっているだろう。そしてどちらになりたいと思っているのだろう・・・。
ケアマネジメント
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経費をかけずに逓減性緩和適用し給与アップを・・・。


居宅介護支援事業所の介護支援専門員の処遇改善のために取り入れられた逓減性の緩和策により、居宅介護支援費の算定額がアップし、収入増に結びつけられる可能性が高まっている。

逓減性が緩和される居宅介護支援費()の算定要件は、「情報通信機器(人工知能関連技術を活用したものを含む。)の活用又は事務職員の配置を行っている指定居宅介護支援事業者」とされている。

解釈通知および令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3)の問115〜117では、この2つの条件がより具体的に例示されており、その内容は以下の通りである。
情報通信機器(人工知能関連技術を含む)の活用
・当該事業所内外や利用者の情報を共有できるチャット機能のアプリケーションを備えたスマートフォン
・訪問記録を随時記載できる機能(音声入力も可)のソフトウエアを組み込んだタブレット
・利用者に係る情報共有を即時、かつ、同時に可能とする機能や関係者との日程調整の機能を有しているもの。
・ケアプラン等の情報をいつでも記録、閲覧できる機能を有しているもの。

これらの機器を使用する場合は、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守することという条件が付けられていることにも留意してほしいが、普段仕事でスマホやタブレット・PC等を使いこなしている人であれば、それだけで条件はクリアし、新たな機器を購入したりする経費はかからないものと思える。

次に事務職員の配置に関する規定を見てみよう。

事務職員の配置
・事務職員については、当該事業所の介護支援専門員が行う指定居宅介護支援等基準第 13 条に掲げる一連の業務等の負担軽減や効率化に資する職員とするが、その勤務形態は常勤の者でなくても差し支えない。なお、当該事業所内の配置に限らず、同一法人内の配置でも認められるが、常勤換算で介護支援専門員1人あたり、1月 24 時間以上の勤務を必要とする。

情報通信機器(人工知能関連技術を含む)の活用や事務職員の配置にあたっての当該事業所の介護支援専門員が行う基準第 13 条に掲げる一連の業務等について具体例
要介護認定調査関連書類関連業務
・書類の受領、打ち込み、複写、ファイリングなど
ケアプラン作成関連業務
・ 関連書類の打ち込み、複写、ファイリングなど
給付管理関連業務
・ 関連書類の打ち込み、複写、ファイリングなど
利用者や家族との連絡調整に関する業務
事業所との連絡調整、書類発送等業務
保険者との連絡調整、手続きに関する業務
給与計算に関する業務等

同一法人内の事務員配置で認められる場合についての具体例
※ 当該事業所の介護支援専門員が行う基準第 13 条に掲げる一連の業務等の負担軽減や効率化に資することが前提
・ 法人内に総務部門の部署があり、事務職員を配置
・ 併設の訪問介護事業所に事務職員を配置等

以上である。逓減性を緩和するために、新たに居宅介護支援事業所に事務職員を配置するのであれば、増加する収入以上に人件費支出が増えてしまうため、そのようなことは出来ないことは誰でも理解できることだ。

そのため今回の一連の通知では、非常勤職員も雇用しなくて済む要件が示されていると考えてよい。法人内の別事業所の事務員(例えば併設特養の事務員など)や法人本部の事務の担当者が居宅介護支援事業所の事務を行っていて、その時間が1月あたり介護支援専門員1人に対して24時間以上であればよいわけである。

しかしこの事務は、居宅介護支援事業所で行うことまで求められていないので、法人本部などの専用デスクで行うことができる業務と考えてよく、今までと業務形態や方法を変えることなくこの要件に合致する法人も多いはずだ。

介護支援専門員の給与計算や各種手続きなどの人事管理は、多くの場合法人本部や併設施設の事務部門で行っていると思われ、その事務処理時間が月ごとに介護支援専門員の人数×24時間あるという理論武装さえできれば、事務員配置要件はクリアされるのである。

よってほとんどの居宅介護支援事業所で、上記の2条件のどちらかをクリアし、逓減性が緩和される居宅介護支援費()が算定できると思われる。その場合、計画担当件数が5件増えるという業務負担増加は生ずるが、逓減性の緩和を適用するだけで一人の介護支援専門員につき、月額53.800円〜69.900円の収益増となる。

これに基本部分の増収分7.410円〜9.750円を含めると、月額で61.210円〜79.650円の増収が期待できるわけである。ランニングコストが変わっていないならば、この増収分は介護支援専門員の人件費にすべて回すことも可能なわけである。

よって居宅介護支援事業所の経営者や管理者の皆さんにお願いしたいことは、逓減性の緩和を適用して頑張ってくれる介護支援専門員には、できるだけそれによる増収分を給与反映してほしいということだ。

例えば賞与に反映しない特別手当を創って、月額5万円を上乗せ支給しても、収益増はそれ以上の額なのだから、事業収益も増えるのである。

このように居宅介護支援事業所の介護支援専門員の月額給与を、5万円以上改善することは非現実的ではないことを理解してほしい。
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どうしようもないと思った介護支援専門員協会の会見


このブログには月曜から昨日まで、訪問介護の介護報酬に関連した記事を続けて書いてきたので、今週月曜日に行われた日本介護支援専門員協会のオンライン会見の話題には触れなかったが、それはとてもひどいものであった。

その会見を見た感想を、自分のフェイスブックでつぶやいたろころ、たくさんの仲間から賛同の声をいただいた。

その中にはこの会見を見て日本介護支援専門員協会に見切りをつけなければならないことがはっきり分かったという声や、現場のことをわかっていない人が上に立っている団体であることがはっきりしたという声もあり、居宅介護支援実務を行っている人の残念感は半端でないことが伝わってきた。

僕がフェイスブックでつぶやいた内容とは以下の通りである。
----------------------------------
来年度から居宅介護支援で6カ月ごとにケアプランに占める福祉系サービスの割合などの説明が義務化されることについて、日本介護支援専門員協会は1日に開いたオンライン記者会見で、ケアマネ負担増を懸念しこの義務を「1年に1回」とすることを国に求めていく考え方を表明しています。

本当にこの団体は現場の声を代表しないクソ団体です。執行部の頭の中身は、脳みそではなく南瓜でも詰まっているのでしょう。本来現場のケアマネジャーを代表する団体であれば、こんな説明義務はいらないと主張すべきなのです。年に2回を1回にするように主張したら、やっぱりその説明は必要なんだと認めるようなものです。必要ない説明なので、義務付け反対と強く主張して初めて、回数や頻度は見直されるというのに・・・。こんな団体に会費を払ってまで入会していてはなりません。
-----------------------------------
そもそも日本介護支援専門員協会は、介護給付費分科会に委員として協会副会長を送り出しているのに、この説明義務が課せられるという議論の最中に何の反論もすることなく、基準改正が答申され決定された今この時期に、そのルールの一部緩和を唱えるというのはどういうことなんだと思う。

それも介護給付費分科会で黙して、このルールを通した本人の口から言い訳がましく要望するとはどういうことだ。

この時期のそんな要望は何の意味を持たないし、単なるパフォーマンスとしか言いようがなく、会見を行った人は代表委員としての責務を全く果たしていないとしか思えない。

今回設けられた半年ごとに行う定期的な説明義務については、居宅介護支援実務に就いている人には、何の意味もない改悪ルールという認識が広がって、日に日に悪評が高まるばかりである。

このルールによって、なぜケアマネジメントの質が担保されるのかということを誰も理解することができない。

国は、福祉系サービスの計画割合が高いことは、即ち不必要な過剰サービスや囲い込みの根源だと思い込んでいるのだろう。しかし囲い込みの最たるものは、利用者のかかりつけ医師の所属する医療機関のサービス利用を、受診先で促されるという形の方がずっと多いのである。その結果、通所リハビリや訪問リハビリといった医療系サービスの方が囲い込み利用の割合が高くなっているはずだ。

福祉系サービスだけをやり玉に挙げて、利用者に説明させたからと言ってケアマネジメントの質は決して向上しないし、何も変化は期待できないと思う。(参照:ストレスフルだけど意味がない6月毎のケアプラン説明

説明を受ける利用者にしてみても、「その説明に何の意味があるのですか?」と戸惑うだけの結果にしか結びつかないのではないだろうか。説明を受けなければならないから聴くけど、そのような説明は受ける時間も無駄だし、自分にとって本当は必要のない説明だと思う人が大半だろう。

こんなルールを、さしたる議論もないまま成立させた介護給付費分科会もどうかしている。それはこの分科会が制度のあり方を決める場ではなく、単なるアリバイ作りの会合としか言いようがないことを証明しているようなものだが、それにも増して、すべてが決まった後に会員に後から言い訳をするためのパフォーマンスとしか思えない意見を会見で垂れ流す日本介護支援専門員協会の対応は、人としての真摯さを問われる姿であると言っても言い過ぎではないだろう。

今週月曜日の会見でルール緩和に触れた理由は、この説明義務に対して、居宅介護支援実務に携わる介護支援専門員から思った以上の反発の声が挙がっていることに危機感を抱き、自らの保身のためであろうと言われても仕方がない。

このような団体に会費を払い続けている会員の皆さんはある意味可哀想である。少なくとも、もっとケアマネ現業者の意見を尊重するような組織に変えなければ存続意義がないと思う。

しかしそのような改革は、執行部・役員の選出方法にメスを入れない限り、それは実現しないとも思うのである・・・。
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名称に惑わされず経緯を忘れないでほしい新加算


2021年度の報酬改定のテーマの一つは、介護支援専門員の処遇改善だった。

特に居宅介護支援事所に専任するケアマネは、特定加算の配分もされることはないので、「その他の職種」として配分対象にできる施設ケアマネより給与月額が低くなっている実態も見られた。

その為4月からの居宅介護支援費は、要介護1と2が19単位増、要介護3以上が25単位増とされ、この増収分で居宅ケアマネの処遇改善を図ることが期待されている。

具体的に言えば、40人担当で計算すると基本報酬部分で月額7.600円〜10.000円の増収となる。さらにICT等を活用する事業所では逓減性が45件以上から適用することに緩和されたことにより、介護支援専門員の担当件数をその分増やすことにとって、月額53.800円〜69.900円の増収が期待できることになる。

これらを居宅ケアマネの給与改善の原資に回すことができるわけで、その主旨を十分理解して、居宅介護支援事業所の経営者や管理者は、所属する介護支援専門員の給与改善に努めてほしいと思う。

きわめて思考を単純化するのならば、他の職種が務めていない居宅介護支援事業所であれば、ケアマネの給与を月額5万円以上アップすることも可能であるという収入増加なのであるから、是非できるかぎり頑張っている介護支援専門員の皆様に、増収分を還元してほしい。

当然基本報酬以外にも増収の方策は測られている。特定加算の額が引き上げられたり、今までケアマネの人数が足りずに特定加算を算定できなかった事業所の救済策として、他の事業所とのケアマネジャーと連携することで算定できる下位区分を新設するなどの対策もとられた。

また新加算としては、「通院時情報連携加算 50単位/月」(※利用者ひとりにつき、1月に1回の算定を限度とする)というものがある。この加算について少し考えてみたい。

算定要件は、「利用者が医師の診察を受ける際に同席し、医師等に利用者の心身の状況や生活環境等の必要な情報提供を行い、医師等から利用者に関する必要な情報提供を受けた上で、居宅サービス計画に記録した場合」となっている。

この要件だけを見て、ケアマネジャーと医師との連携促進の加算が設けられたのだと単純に考えてはならない。この加算が新設された経緯を考えてほしいのである。

この加算は、ケアマネジャーの通院同行をただ働きにさせないという観点から生まれたことをすべてのケアマネジャーはしっかり覚えておかねばならない。つまり現行においては、利用者が急に通院する必要が生ずるなどしても、それに対し訪問介護サービスが対応することができず、やむを得ずに担当ケアマネジャーが通院支援(通院同行)を行わねばならないケースが多々あって、しかしその場合もケアマネジャーに対する報酬は一切発生せず、実質ボランティア精神で対応しなければならないことを問題視して、その対策が議論されたことがきっかっけで新設されたのがこの加算である。

しかし居宅介護支援費は、実際の介護などの事実行為に報酬を支払うことにはなっていないために、居宅介護支援費の加算として何らかの整合性を取る必要があった。そのためケアマネジャーが通院に同行して、利用者が診断を受ける際に医師と情報交換しながら連携を図るという要件をつけて、居宅介護支援費として支払うことができるようにしたわけである。

だからケアマネジャーの単なる通院支援が日常化しないように、「利用者ひとりにつき1月に1回の算定を限度」という縛りもつけているものである。

このように通院時情報連携加算については、必要性が要件化したわけではないということを頭の隅に入れておかねばならない。そうしないとこの加算の単位数について疑問や不満が生じてしまうからだ。

なぜならこの加算を算定するためには利用者の通院に同行し、診察室まで入って(※診察を受ける際に同席しなければならないのだから、診察室外にいては同席したことにならない)、診断結果等も聴く必要があるということだ。つまりこの行為は半日がかりの行為とならざるを得ず、通院同行した日は、ケアマネジャーの日常業務の半分が奪われるのである・・・。

そうした行為に対する報酬評価がわずか50単位/回である。この単位数は、医療機関まで送り迎えするだけで、片道99単位を算定できる、「通院等乗降介助」と比較して、その半分でしかなく、ケアマネが半日かけて発生する対価としてはあまりにも低い単位数と言えるのではないだろうか・・・。コスパが異常に低い単位数で、ケアマネの業務対価としてはあまりにも馬鹿にしたような低い単位数なのである。

しかしこの加算が新設された経緯を知っておれば、今まで費用算定できなかった行為に、要件をクリアすることで費用が発生し、ただ働きの場面が減ったと考えれば、腹も立たないということになる。

何より、通院支援自体ケアマネの本来業務ではないことを肝に銘じ、やむを得ない場合の通院同行に、この加算を利用するという考え方が必要だろう。

くれぐれもこの加算で、居宅介護支援事業所の収益増を図ろうなていう馬鹿な考え方をしないでいただきたい。コスパが劣悪なこの加算にそんな期待をすれば、ケアマネはみんな過労死してしまうのである。

経営者や管理職にも、このことの理解を求める必要があるだろう・・・。
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居宅ケアマネの業務負担は大幅に増えるんじゃないのか?


次期介護報酬改定の大きなテーマの一つに、居宅介護支援事業所の介護支援専門員の処遇改善が挙げられていた。

その必要性は多くの関係者が認めるところで、居宅ケアマネを対象とする処遇改善加算は実現しなかったが、担当ケアマネ件数を増やすために逓減性を見直したり、予防プランを受託した際の加算を新設するなどして、居宅介護支援事業所の収益が今以上に挙げられる対策がとられることになった。

おそらく居宅介護支援費も現行よりアップされることだろう。そのようにして居宅介護支援事業所の収支差率を改善して、その収益を介護支援専門員の給与を含めた処遇改善に回すことができる方向に舵が切られているのである。【参照介護給付費分科会速報(11/26開催) ・ 居宅介護支援費はケアマネの待遇改善につながる改定になるのか(前編)・(後編)】

しかし逓減性の見直しにより、多くの居宅ケアマネジャーが、居宅サービス計画作成件数を、最低でも逓減性のかからない44件までは受け持つように強いられるだろう。居宅ケアマネの仕事は、それだけでも増えることになる。

しかも居宅ケアマネに課せられる義務も増えることになり、その内容を見ると大幅な業務負担となるのではないかと懸念せざるを得ないものとなっている。

その内容とは、居宅介護支援の事業所の運営基準が見直され、以下の2点を利用者へ説明することを新たに義務付けることになることだ。
前6ヵ月間に作成したケアプランについて、訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与(販売)の各サービスの割合
前6ヵ月間に作成したケアプランについて、訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与(販売)の各サービスごとの、同一事業者によって提供されたものの割合


この新規程は、契約時に利用者に対して説明して終わりということにはならず、繰り返し6カ月ごとに説明する義務が生ずるという意味だと思う。それは大きな業務負担と言えるのではないだろうか・・・。

2日の介護給付費分科会でもこの基準見直しについては、居宅介護支援事業所のケアマネジャーの業務負担となることを懸念する意見が挙がっている。しかし厚労省の担当者は、「既に特定事業所集中減算の仕組みがあるので、基本的にデータは取りやすい。ただ事業所の負担には十分配慮していく」と述べている。

厚労省担当者の見解は、自分で仕事をしないで義務だけ課す傍観者のふざけた論理と言わざるを得ない。

なるほど福祉系サービスの、「同一事業者によって提供されたものの割合」については、特定事業所集中減算との関係で、担当ケアマネは常にその数値を計算して把握していることは間違いない。しかしその割合について、全利用者に6カ月ごとに説明するということの業務負担は、計算するという業務負担とは別物である。データが取りやすいから、過度な業務負担にはつながらないという論理は成り立たないわけである。

しかも現在は、「ケアプランに占めるプランニングした福祉系の各サービスの割合」などという数値はデータ化されておらず、それも今後は机上計算の上でデータ化し、定期的に全利用者に説明する業務負担が増えるわけである。(※割合の算出方法は、今後示されることになると思われる)

よって間違いなくこの基準見直しは、大きな業務負担となると言ってよいだろう。

しかしこの説明によって利用者にとってどんな利益があるのだろうか?そもそも利用者は、こんな説明を望んでいるのだろうか。

利用者の声として、自分が担当するケアマネジャーの全プランに占める各福祉系サービスの割合や、福祉系サービスの提供事業所割合を知りたいという声が挙がっているという話は聴いたことがない。

利用者の興味とは、自分のサービス計画の内容であって、他人の計画内容に興味を持っている人はほとんどいない。ましてや自分の担当ケアマネジャーのプランニングの傾向と実態なんかつゆほどの興味もないはずだ。だから今回の基準見直しで説明を受け、その内容を把握したとしても、自分にとって何の得にもならないし、必要な情報であると実感できない利用者がほとんどではないだろうか。

つまり今回の居宅介護支援事業所の運営基準改正は、誰も望んでおらず・何の効果も期待できない義務をケアマネに課して、仕事を増やしているだけではないのだろうか。わずかなプラス改定の収益をケアマネに手渡す代償としては、あまりに負担が大き過ぎると思うのは僕だけだろうか・・・。

サービス担当者会議のリモート化は実現しても、モニタリング面接のリモート化は見送られ、ケアマネの業務負担は重いままなのに、さして意味があるとは思えない業務を増やす基準見直しは改悪としか言えないものである。

現場を知らない官僚が、制度を益々複雑怪奇にしているとしか思えない・・・。そこで居宅介護支援事業所のケアマネジャーはどんどん疲弊していく。

その実態を知れば知るほど、介護支援専門員の資格を取ろうという動機づけを持つ人が減るのも当然と言えば当然であるとしか思えなくなる。
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介護給付費分科会速報(11/26開催)


第194回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)は、本日午前9時より開催され、先ほど終了したばかりである。

今日の議題は、居宅介護介護支援事業や施設サービスのほか、資料の通りとなっているので参照してほしいが、それを斜め読みして注目点を羅列してみる。
(※施設サービスは、明日検討することとして、今日は居宅介護支援と居宅サービス関連を抽出してみる。)

居宅介護支援では、特定事業所加算機銑靴茲蝓∋残衢弖錣緩い下位区分、「特定事業所加算a」が新設され、犬砲弔い討蓮◆医療介護連携体制強化加算【仮称】」に名称変更する案が示されている。

ICTの活用を図ったり、事務員を配置している場合の逓減性の適用は、45件目からにする案も示されている。

ケアマネジャーが、担当利用者の通院時に同行して医療との連携を図る報酬評価も認める方向が示されたほか、ケアマネジャーがケアマネジメントの本来業務以外にも、利用者や家族の依頼で様々な対応を行った場合に、それにかかわる費用の実費徴収が可能になる参考事例の周知を行うことも示された。

これによって保険外の実費徴収という例が増えるかもしれない。

利用者の死亡によりサービス利用につながらなかった場合等に限り、モニタリングやサービス担当者会議における検討等の必要なケアマネジメント業務や給付管理のための準備が行われた場合は、サービス利用がなくとも報酬算定できることも示されている。

地域包括支援センターの本来業務の充実を図るために、予防プランを委託しやすいようにする方策については、予防プランの作成費を引き上げるのではなく、委託時における居宅介護支援事業所との連携を評価する加算(委託連携加算【仮称】)を創設する案が示されている。なるほどこれだと、包括支援センターが作成する予防プランの単価は据え置いたうえで、委託プランだけ今より単価を高くして委託できるのだから合理的と言えば合理的である。・・・しかしその加算単位は、居宅介護支援事業所が積極的に予防プランを受託できるレベルの高い加算になるのだろうか・・・。わずか数十単位(つまり数百円)では、受託は進まないと思う。

なお算定率が低く、加算の意味をなしていない(介護予防)(看護)小規模多機能型居宅介護事業所連携加算について、報酬体系の簡素化の観点から廃止することが示されている。

次に感染症や災害への対応力強化という資料に目を移すと、その中に通所サービスの大きな改正が示されている。

通所介護及び通所リハビリテーションの基本報酬について、感染症や災害等の影響により利用者の減少等がある場合に、その状況に即した安定的な運用を可能とする観点から、事業所規模別の報酬区分の決定にあたって、前年度の平均延べ利用者数ではなく、直近の一定期間における平均延べ利用者数の実績を基礎とすることができる等の対応を検討するとしている。

どうやら来年度以降の規模別報酬は、「直近の一定期間における平均延べ利用者数」でみることになりそうである。

このほかこの資料では、感染症や災害の対策整備が全サービスに求められることが示されており、委員会の開催や指針の整備、研修の定期的な実施、訓練などをする義務が課せられることになりそうだ。業務負担はかなり増えると思われる。

介護人材の確保・介護現場の革新の中では、サービス提供体制強化加算について、より介護福祉士割合が高い事業所や職員の勤続年数が⻑い事業所を高く評価する見直しを行うことが示されている。また算定率の高い介護職員処遇改善加算で求められる項目と同趣旨の要件等については廃止したうえで、最上位の区分については、サービスの質の向上につながる取組の1つ以上の実施を算定に当たっての要件とすることが示されている。

この資料の中で、医療・介護の関係者間で実施する会議については、「テレビ電話等を活用し、実施することを認める」としているので、サービス担当者会議は認められるだろう。

一方で、「居宅への訪問を要件としているものについては、居宅への訪問の重要性を十分に考慮した上で、ICTの活用について引き続き検討」ということで、毎月のモニタリング訪問等のICT利用は見送られて、検討課題とされている。しかしモニタリング訪問の将来的なリモート化に含みを残した内容となっているので、2024年改定時に、見直されることを期待したい。

そのほかざっと見たところ、今まで示された考え方のおさらいという内容が多かったように思う。

何か気になる点があったら、コメント欄もしくは、表の掲示板の関連スレッドなどにご意見をいただきたい。
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居宅介護支援費はケアマネの待遇改善につながる改定になるのか(後編)


居宅介護支援費はケアマネの待遇改善につながる改定になるのか(前編)より続く】
ケアマネの処遇改善を実現するために、その原資となる収益確保が不可欠である。

その為次期報酬改定では、居宅介護支援費の基本サービス費が引き上げられるのではないかと予想するが、それと併せて収益を増やすルール改正が行われようとしている。

既に決定されたこと、現在検討されていることを項目別に検証してみよう。

まずは居宅介護支援費の逓減制の緩和である。居宅介護支援費は現在、常勤換算でケアマネ1人あたり40件以上になると半減する仕組みとされている。このルールについて例えば逓減する人数を40より多く設定したり(50人までは通常算定できるようにし、逓減は51人目からなど)、逓減する場合の算定単位を現在より増やすことを検討している。

ただしこの場合、担当件数が増えることでサービスの質が低下しないように、ICTの活用事務職の配置などで業務の効率化を図ることを要件とする方向で詰めることにしている。

ICTの活用については、サービス担当者会議や毎月のモニタリングなどをリモートで行うことを認める運営基準改正とセットで進めるという意味だろうが、それはもともとケアマネの業務負担軽減という方向から議論されていたことである。しかしこのルール改正を逓減性の緩和とリンクさせることになると、ICT利用で会議や面接業務が削減されても、それによって担当件数が増えることでケアマネ業務自体は増えることになる。そうであればケアマネ業務の軽減という当初の目的はどこかに吹っ飛んでしまうことなる。

事務職の配置については、そんなことをすれば人件費がかかるのだから、逓減性の緩和による収益増はそちらに回ってしまい、ケアマネの処遇改善原資にはならないと思う。それではほとんど意味がない緩和になりかねない。おそらくこれは併設施設・事業所の事務員が居宅介護支援事業所の事務を兼務することを想定しているのだろ。そうであれば収益増部分をケアマネの処遇改善の原資に回すことは可能になるだろうが、兼務する事務員は業務負担が増える分、手当などが増えるという保障はなく、どちらにしても誰かが業務負担を負うことになる。

担当件数に関連する問題としては、介護予防支援事業所(地域包括支援センター)が作成する予防プランの作成費の引き上げもほぼ決定されている。これにより居宅介護支援事業所に対する予防プランの委託費も引き上げられることによって、地域包括支援センターの予防プラン作成業務負担を軽減することで、地域包括支援センターの本来業務を充実させるのが目的であるが、この部分でも居宅介護支援事業所の収益を増やそうという訳である。

しかしこのことは逓減性がどこまで緩和されるのか、緩和されても予防プランに回せる余力があるのかという問題がある。そもそも予防プランの額を高くしても、介護プランより安いことに変わらなければ、予防プランより介護プランを作成したほうが良いと思うのは人情だ。介護プランを立てなければならない人が増えている現在、国の思惑通りに予防プランの受託が進むかは不透明な部分があると言ってよいだろう。

どちらにしてもこの2つの変更は、居宅介護支援事業所の収益増につながったとしても、ケアマネが今より多くの業務負担を担って、馬車馬のように働くことを前提にしており、責任と業務負担の増加に疲弊し、押しつぶされてバーンアウトする危険性を伴うものである。ケアマネとしてはそれが自らの処遇改善につながったとしても、手放しで喜ぶことができる状態とは言えない。

次に考えたいことは費用算定のルール変更である。

大きな変更点は、担当ケアマネが利用者の通院に同行する場合に報酬を算定できることになることだ。現在何らかの事情で利用者の通院に同行しても一切の費用算定は出来ず、その部分は奉仕の状態となっているの。それを費用算定できることは収益増加につながると言ってよい。しかしそのことで、通院同行がケアマネ業務と勘違いされて、通院に同行するのが当たり前に思われ、ケアマネの業務負担が増えることになればやぶ蛇だ。

通院同行が医療・介護連携の強化につながるという意見もあるが、こんなことでしか連携強化できないケアマネはろくなものではない。まともなケアマネは、こんなことがなくともキチンと医療機関等と連携しているはずだ。そもそもケアマネは頻回に通院同行できるほど暇な仕事ではないのであるのだから、通院同行しないケアマネがきちんとした仕事をしないケアマネと勘違いされないように、通院同行についてはくれぐれも必要性を勘案して慎重に対応してほしいものだ。

このように必ずしも諸手を挙げて歓迎できないルール変更が多い中で、唯一全面的に賛同したいのが、一定のプロセスを踏んだ場合に、実際のサービス利用につながらなくても居宅介護支援費を算定できるようにするルール変更である。

現在居宅介護支援費は、アセスメントを行いケアプランを作成しても、何らかの理由で利用者がサービスを利用しなかった際には算定できない。つまり利用者が急病などでサービス利用ができなくなった月は、ケアプラン作成に費やした仕事がただ働きになるのである。このルールを変更して、アセスメントに基づく計画作成などの一定のプロセスを踏んだ場合は、サービス利用がなくとも報酬を算定できることにすることが、10/30の介護給付費部会で検討課題に挙がっている。

実際に業務負担を強いられているケアマネが、利用者都合でサービス利用をしなかったという理由で、その業務が奉仕とされてしまうのは理不尽だ。適切な業務負担に対する対価を得ることができるように、是非このことの実現を図ってほしい。

また退院・退所加算の見直し議論に対しては、注文したいことがある。

居宅介護支援の退院・退所加算は、利用者の在宅生活への移行にあたってケアプランの作成や居宅サービスの調整を進めるプロセスで、病院・施設の職員と面談して本人の状態を把握することなどが要件とされてるが、10/15の介護給付費分科会では、ここに福祉用具専門相談員らの関与を明示することが検討された。(※特養などの「退所前連携加算」も同様。)

しかし福祉用具専門相談員との連携が必要ではないケースもあるのだから、この要件を加算算定の絶対要件として、それがないと加算算定ができないというふうにするのはおかしい。

むしろ退院・退所加算等に、福祉用具専門相談員の関与があった場合の上記区分を新設して、より高い加算を算定できるようにすべきではないかと思う。その実現を強く要望するのである。

さて前述したように、厚労省が描く居宅介護支援事業所の経営モデルは、ある程度の規模を持って、特定事業所加算を算定できるようにケアマを複数人数配置しておくモデルである。それは一人の担当ケアマネが病気等で利用者の担当を外れても、事業所内で担当の振り替えができることで利用者支援に支障を来さなくて済むという理由からである。そして特定事業所加算を算定することで、安定した経営ができるというもので、できれば特定事業所加算気鮖残蠅靴董安定経営を図るように促している。

しかし加算気蓮⇒弉雜3以上の利用者の割合が全体の40%以上であることが要件となっており、このハードルが高いために算定率1.05%と加算の意味をなさないほど低い水準になっているという問題があった。さらにこの要件をクリアするには、居宅介護支援事業所が利用者を選別しなければならないという問題もある。

次期報酬改定ではこの要件にもメスが入り、要介護3以上の利用者の割合を下げることが検討されている。具体的な数字は今後示されるが、このことは居宅介護支援事業所にとって朗報と言えるのではないかと思う。

以上、ざっと今現在決まっている居宅介護支援事業の改正点、検討点を検証した。参考になれば幸いである。
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居宅介護支援費はケアマネの待遇改善につながる改定になるのか(前編)


2021年度の介護報酬改定の検討課題の一つに、「介護支援専門員の処遇改善」という問題がある。(※介護支援専門員は、以下ではケアマネと表記統一する)

その必要性が議論される背景には、介護職員が処遇改善加算により給与等がアップされ、ケアマネとの待遇差がなくなり、一部の事業者では介護職員の年収がケアマネの年収より高くなっていることなどから、ケアマネの成り手不足が懸念されるからである。

そうした懸念に対しては反対意見も存在する。それはもともとケアマネは介護職より上位職種だというヒエラレキーは存在しないのだから、ケアマネの給与を介護職員より高くする必要性があるのか疑問だという意見である。

しかしケアマネは介護福祉士等の国定資格を持つ者が、その資格に基づく5年間の実務経験を経たうえで受験できる資格であり、その有資格者が、実務勘案される前歴に劣る待遇では成り手がなくなることは当たり前と言えば、当たり前である。

資格を取らないでずっと介護職員を続けていれば、ケアマネ資格を取って専任ケアマネになるより高い給与をもらえるようになるのであれば、好き好んで試験勉強に時間を費やしてまで、資格を取得する気にならない人が増えるのは当然の帰結だろう。

現にケアマネ実務研修受講試験の受験者は、2017年度に131.560人であったものが、今年度は昨年度より5.407人受験者数が増えたと言っても、その数は43.456人まで落ち込んでいる。この数字は、2018年度から2級ヘルパーなどを除外した受験資格の厳格化が要因の1つと言われているが、それだけでは説明がつかない数字の落ち込みようである。


ケアマネの仕事をしていた人で、元職である介護職に戻る人もいるが、その理由はケアマネの仕事が業務負担に見合った待遇ではなく、介護職に戻った方が責任が軽い中で、ケアマネと同等か、それ以上の給与をもらえるからという理由である場合が多いのである。これは大問題である。

このため国もケアマネの処遇改善は必要との認識ではあるが、それは主に居宅介護支援事業所のケアマネの待遇改善という認識であることは、「介護支援専門員の処遇改善はどうなる?」という記事でも指摘しているところである。

その為、今回の介護報酬改定議論が始まった当初は、ケアマネに特化した処遇改善加算の新設という考え方も示された。しかし具体的議論の進展は見られずに、そのような加算は設けられないことが既に決まっている。

そのような中で、先週土曜日(10/31)に書いた記事、「報酬改定に影響する介護事業経営実態調査結果」で示したように、令和元年度の各サービス別収支差率が示され、そこでは居宅介護支援費が唯一収支差率がマイナスとなっている。

その数字を見ると昨年度の収支差率はマイナス1.6%であり、前年度の平成30年度のマイナス0.1%から大幅に収支差率が悪化していることも見て取れる。しかも令和2年度は、コロナ禍で利用者のサービス利用控えが進んだ影響で、居宅介護支援費の算定ができないケースも増えているので、収支差率はさらに悪化することが予測される。

もともと国は居宅介護支援事業所の規模について、将来的には配置ケアマネ3以上をスタンダードとする方向にシフトしようとしており、収益モデルも特定事業所加算を算定することによって事業経営が成り立つモデルを想定している。そのため小規模の事業所を含めた平均収支差率が赤字となっても、そのこと自体は問題ではないと考えていた。

しかしケアマネの成り手が減ろうとしている現在、居宅介護支援事業の収支差率の改善は必要との認識が生まれており、ケアマネ処遇改善加算を設けない以上は、居宅介護支援費のプラス改定による増収分を、ケアマネの処遇改善原資に充てるという考え方となっており、その方向で改定作業が進められていることは間違いのないところだ。

そんななかで居宅介護支援費も2ラウンド目の議論が終了して、新報酬体系の概要が見えてきた。

前述したように居宅介護支援費は基本サービス費が今より高く設定されるだろう。しかし全体の収支差率が赤字決算の事業なのだから、それだけでケアマネの処遇改善に回る原資は十分とは言えない。だから国は基本サービス費の引き上げによる収益増という方法以外にも、様々な形でケアマネの働きかけによって報酬が増加する仕組みを作り上げようとしている。

その詳細・具体的内容と評価については、明日の後編で解説してみたいと思う。(後編に続く)
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日本介護支援専門員協会の要望書について


日本介護支援専門員協会が来春の介護報酬改定に対する要望書を国に提出した。(参照:令和3年度介護報酬改定にあたっての要望

この時期の要望は遅すぎて、時期を失しているのではないかという意見もあって当然だが、具体的な要望を示すことは、その内容が会員の声を代表しているかどうかということを確認できるという意味でも重要だ。そもそも介護報酬改定は、今後何度も行われるので、要望は一気に実現しなくとも、段階的に実現されていけばよいわけだから、要望しておくということに意味があると言えよう。

その内容を読むと、多くの要望項目は目新しいものではなく、むしろずっと以前からの要望を整理して示したという意味合いを強く感じる。

次の報酬改定では要望の1と6の実現可能性は高いと、かねてよりこのブログで論評してきた。居宅介護支援費と予防プランの作成費(これが上がると自動的に予防プランの委託作成費も上がる)の引き上げによって、居宅介護支援事業所の介護支援専門員の処遇改善につなげようという形に落ち着くのが2021年介護報酬改定でのケアマネジメント評価ではないか。よって2の処遇改善は、ケアマネ対象の処遇改善加算という形にはならないと思う。

3と4の、担当者上限数の引き上げと、上限を超えた際の逓減性の緩和も、ずっと続けられている要望だ。

そもそもこの問題は、か日本介護支援専門員協会の創設時の戦略ミスが影響している問題である。当時、居宅介護支援事業所の介護支援専門員の担当利用者上限は50人であった。それが35人に引き下げられたきっかけと理由は、介護支援専門員の業務負担が大きいので、担当上限を35人に削減してくれと日本介護支援専門員協会が国に要望したからである。

その時、当時の初代会長と執行部は、上限数削減だけを要求しただけに終わったという大失態を演じている。普通に考えれば上限数が減れば収入も減ってしまうのだから、そうならないように居宅介護支援費の単価を同時に引き上げて、居宅介護支援事業所の収益が下がらないように要望すべきであった。

それをなぜしなかったのか・・・。その理由は、当時の会長と執行部が、上限削減の要望をすれば、当然単価は自動的に上がると安易に考えていた節がある。しかし国はそのような甘ちゃんではない。要望してくることには応えるけど、具体的に要望のないものには応える必要がないとして、報酬単価の引き上げは行わないまま、上限を35人に引き下げて、「協会の要望に応えた」としたのである。

要するに国と、「あうんの呼吸」があると信じていた、当時の執行部が無能だったという話である。現執行部はそのつけを払いながら、負の遺産を解消しようとしているわけである。

その結果はどうなるか・・・。地域包括支援センターの機能強化と絡んで、予防プランの居宅介護支援事業所への委託数を増やそうというのが国の考え方だから、少なくとも委託プランを今より多く受けて、その部分は逓減対象としないようにする方向に導かれることは間違いないので、要望に沿った改定になることが予測される。

さて今回の要望書で一番注目すべき点は、なんといっても5である。
5.医療介護情報連携等を目的とした利用者との同伴受診(通院同行)の評価

本来、通院同行は介護支援専門員の仕事ではないとされている。しかし実際には訪問介護による通院支援を依頼できないケースも多いことは事実だ。

認知症で身寄りのない人が急に通院しなければならなくなって、訪問介護の依頼が間に合わず、付き添ってくれる知人がいない場合、やむを得ず担当ケアマネ自らが車を出して、急な通院に対応し、医師からの病状説明も受けて、その後に備えるというケースは多い。

また本人のみの受診や、家族が付き添って受診するだけでは、本人の日ごろの状態が医療機関に正確に伝わらないケースがあり、ケアマネとして、「こうした状態を伝えたうえで、治療方針を決定してほしい」と思うケースもあるはずだ。

そういう積極的な意味での、医療と介護の連携のための受診同行はあって良いと思う。

現在はケアマネの受診同行がどのような理由で行われようとも、それはすべて奉仕で行われており、中にはそうした奉仕を前提に、ケアマネに何もかも丸投げしようという風潮もないといったら嘘になる。

今回の通院同行への保険給付の要望は、こうした問題に警鐘を鳴らしたという意味があると思う。

ケアマネの通院支援に保険給付を行ってほしいという要望が通ることによって、逆に通院同行がケアマネの通常業務と勘違いされて、安易な通院同行依頼が担当ケアマネに対して要求されるようになってしまうのではないかと懸念する声も当然出てくるだろう。

しかしこの要望では、通院同行への保険給付の要件に、「医療介護情報連携等を目的」が入れられている。この要件によって、ケアマネジメントに照らして必要不可欠な目的を持った通院支援だけを介護支援専門員が担うという方向性が見えやすくなる。訪問介護員の通院支援と差別化を図ることが出来る要件がつけられているという意味で、賢い要望であるといえるのではないだろうか。

普段、介護支援専門員の声を府代表しているのか否か、首をかしげることの多い協会ではあるが、今回の要望書は極めてまともに、多くの介護支援専門員の声をまとめているという意味で評価したいと思う。

通院同行の保険給付の要望は、そういう意味で僕も大いに賛同したいと思う。
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建前の連携・アリバイ作りの担当者会議はチームを機能させない


いくら優秀な人間であっても、能力が高い人であっても、一人で問題を抱え込んで考え込むと、煮詰まってしまって身動きがとれなくなってしまうことがある。迷路に迷い込んだようににっちもさっちもいかなくなる時があるのだ。

簡単な答えがそこにあるのに、それに気が付かない状態に陥ることは誰しも経験していることと思う。

そんな時に第3者が何気なくつぶやいた言葉がきっかけになって、霧を払うように前途を明るくしてくれることがある。

三人寄れば文殊の知恵というが、凡人であっても三人集まって考えれば、すばらしい知恵が出ることは現実にあるわけである。

だからこそチームを組んで、いつでも誰かに相談出来たり、意見を交わし合ったりする仲間と繋がっていることは大切なのである。

ところで介護保険サービスでは、多職種連携のチームケアが重要とされている。しかし居宅サービスにおけるその連携とは、多くの場合お互いが違う職場に所属する人たちの連携である。

指揮命令系統が違う職場で働く人たちが、居宅サービス計画担当者である介護支援専門員の号令でチームを組み、目標を共有し同じ方向を向いて仕事をしなければならないのだから、同じ職場でルーチンワークをこなしておれば自然と情報が共有される流れや仕組みとは異なっているのだという意識を持って、大事な情報漏れがないように伝える努力が求められる。

これで良いだろうと勝手に決めつけるのではなく、これで良いですかという問いかけがより重要になるのである。そうした日ごろのコミュニケーションが、実効性のある連携につながり、それが利用者に対するサービスの質向上に結び付くのである。

ところがこのコミュニケーションがうまく取れずに、必要な情報が伝わらずに終わってしまうケースも多い。

先日僕とFBでつながっている奈良県の介護事業経営者のJさんが、次のように書き込みされていた。
--------------------------------------------
デイで急変して、救急車を呼んで、入院されました。
それから半年。家族からも、ケアマネからも、
なんの連絡もありません。
入院中なのか。施設に入所されたのか。亡くなったのか。
最終的な顛末が知りたいなぁ。

今月末に1人、住宅型有料老人ホームに入所される方がいます。
昨日の夜ケアマネから電話がありました。
青天の霹靂でした。
入所に向けて動いていることを僕たちデイは知りもしませんでした。

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これはチームケアができていないというより、担当ケアマネにチームを組んで利用者支援を行っているという意識が無いというべきケースだろう。

こうした状態は、利用者の総合支援の視点から居宅サービス事業所の担当者を蚊帳の外に置くことにほかならない。サービス担当者は、お金をもらえないサービス担当者会議に参加して、せっせとサービス情報を送っているのだから、それはあまりにも理不尽だ。

デイサービス利用中に急変した人について、入院後の支援をどうするのかということは最も重要な情報だ。退院・自宅復帰向けて動いているのか、その見込みがないのか、はたまた死亡してケース終了となったのかを支援チームに伝えないということはあってはならないことだ。

また現在支援している利用者の今後の方針として、在宅生活の継続を目指しているのか、施設入所を視野に入れているのかは、支援チームの全員が共有していなければならない情報である。

通常デイサービスを利用している人について、通所介護事業所の担当者は、ケアマネから施設入所を視野に入れているという情報が伝えられない限り、在宅生活を継続するために頑張って通所介護を利用しているのだと考える。そのため機能訓練を効果的に行ったり、家族のレスパイト機能を充実させ、在宅生活継続を目標に効果を高めようと努めているはずだ。その努力に水を掛けるような、情報の途絶はいただけない。

勿論、施設入所の準備を進めているという情報が伝達された場合と、伝達がなかった場合で、デイサービスで行うことに変わりはないかもしれない。しかしチームで大事な方針を共有できていないということは、意思疎通が不十分=信頼し合える関係性になっていない、ということも云えるわけで、そこから水か漏れるように、暮らしの支援に支障が来す危険性を高めるというものだ。

居宅介護支援のために組むチームメンバーに上下関係はないが、その扇の要は担当ケアマネジャーとされており、サービス担当者会議も、ケアマネジャーが招集するのだから、ケアマネにはリーダーシップを発揮する役割も担う必要があるのだ。そのケアマネジャーにチームメンバーと情報共有するという意識が無いと致命的だ。チームケアが機能しなくなるのだ。

サービス担当者会議は、単に法令上開催が義務付けられているから開くという意識ではなく、貴重な時間をひねり出して開催している会議の場で、ケアマネジメントの方向性としての今後の方針なり、共有すべき情報なりをきちんと伝えることが肝になると考えなければならない。

次期介護報酬改定における居宅介護支援事業の論点としては、ケアマネの処遇改善と業務省力化のほか、ケアアンネジャー自身に医療と介護の連携の役割をより一層果たすことが挙げられている。

そでは入院治療は本当に必要な人のみとして、医療から介護への付け替えを進めるからである。療養の場は暮らしの場へ移行し、療養の場で暮らしを支援することにより、介護サービスに医療が深く食い込んでくる。そのために介護・医療連携が必然となるし、多様な利用者ニーズに長く応えていくためには、様々な領域の専門家が関わって、お互いにコンサルティングをしあいながら、チーム力を高め、在宅生活の限界点を引き上げていくことが求められる。

つまり居宅介護支援は、よりハイブリット化することが求められるわけで、そこではケアマネジャーの連携意識や、伝える能力の向上が求められてくるのである。

さらに、所属する母体が違うメンバーとの協働には、より細やかな配慮と気遣いが必要で、細やかな情報伝達というのは、なくてはならない要素であることを常に意識する必要があるのだ。

居宅ケアマネジメントはますます重要になるのだから、ケアマネジャーの皆様には、どうかそういう意識を強く持ってほしい。伝えられるケアマネジャーは、信頼される存在につながることを忘れないでほしい。

多職種連携に命を吹き込むのも、その命の炎を消し去るのも、ケアマネの姿勢一つにかかっていると言って過言ではないのだから・・・。
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介護支援専門員の処遇改善はどうなる?


介護報酬改定議論の中で、介護支援専門員の処遇改善が必要だとして、何らかの形で給与等の待遇改善につながる報酬への反映が求められている。

介護職員処遇改善加算や特定加算の支給により、介護職員の給与改善が進んだことで、介護支援専門員の給与より介護職員の給与が高くなっているケースも多くなり、このままでは介護支援専門員の成り手がなくなることも懸念され、介護支援専門員に対する処遇改善加算の新設の要望も出されている。

この件に関して、筆者も関係者からどうなっているんだと問いかけられる機会があるが、筆者自身は介護給付費分科会等と何も関係していないので、正確で確実な情報を提供する立場にはない。

そのことを踏まえたうえで、あくまで私見として、現在の空気はどうなっているかという印象として、関係者とのやり取りで感じたことを書いてみる。

コロナ禍の中でも、色々な場所で厚労省の関係者や、職能団体等の関係者とお会いする機会がある。その際に話題になるのは議論が進行中の、「介護報酬改定」についてである。また複数の知人とは、定期的にメールやFBのメッセンジャーで情報交換を続けている。

そこでは介護支援専門員の処遇改善が話題になることがよくある。その場合ほとんどの方が、「介護支援専門員の処遇改善は必要である。」との意見をお持ちになっていることがわかる。

しかしその際に話題に上る介護支援専門員とは、多くの場合、「居宅介護支援事業所の介護支援専門員」であり、介護施設の介護支援専門員が、その話題から蚊帳の外に置かれていたりする。

つまり多くの人は介護支援専門員の処遇改善の必要性は、居宅介護支援事業所のケアマネをイメージして考えているようだ。

その理由は介護施設の収支差率は、居宅介護支援事業所より圧倒的にプラスであることから、その収益から施設ケアマネの給与に反映される部分があることや、特定加算の支給においても施設ケアマネはcグループ「その他の職員」として支給されていたり、介護職との兼務の場合は、aグループ「経験・技能のある介護職員」やbグループの「その他の介護職員」として支給されていたりして、必ずしも給与レベルが介護職より低くはなっていないと思われていることも一因としてあるのだろう。

一方で居宅介護支援費は、平均収支差率が介護サービスの中で唯一マイナスとなっている状況がずっと続いており、特定加算の支給もゼロとなってることから、施設ケアマネより待遇が悪いという印象があるようだ。

その為、居宅介護支援事業所のケアマネの処遇改善は是非とも必要だという意見を持つ方が多いし、介護報酬改定議論もそのことに関しては肯定的な議論が続けられてる。それは介護給付費分科会の議事録からも読み取れるのではないだろうか。

しかし導入が期待されている介護支援専門員に特化した「処遇改善加算」については、その実現性は極めて低いというのが僕の印象だ。

今回の報酬改定では、居宅介護支援費の基本報酬は引き上げられるだろう。またケアマネジメントに関連しては、介護予防支援事業所でもある地域包括支援センターが、予防プラン作成に関する業務負担が過重となっており、地域包括支援センターの本来業務に支障を来しているという理由で、予防プランを委託しやすいように、介護予防支援費(予防プラン作成費)を引き上げるという考え方が示されている。

つまり今回の報酬改定では、居宅介護支援費と居宅介護支援事業所への予防プラン委託費を引き上げて、収益増加を図り、その分で介護支援専門員の処遇改善を図るという方向に舵がとられつつあるよに思える。それが今のところの僕の見込みである。

そのほかの関連では、介護支援専門員の業務負担の軽減も大きな課題とされている。これに関しては新型コロナ対策として、居宅介護支援事業所のサービス担当者会議をリモートで認める特例が認められているが、この方式を通常化する議論が行われている。

コロナ禍で介護事業全体のICT化が10年進んだと言われており、リモート会議は一般化したと言えるし、リモート会議を行うことで、担当者会議に参加できないサービス担当者も減るなどのメリットの方が大きい。

他サービスではすでにリモート会議が通常の会議として認められており、例えば老健では、医師がリハマネ会議にリモート参加して、リハ計画の内容について利用者や家族に説明した場合でも、リハマネ加算(掘傍擇咫吻検砲了残衢弖錣鯔たすとされている。訪問介護の生活機能向上連携加算でも、外部の理学療法士等が利用者のADL及びIADLの状況をリモートで把握することが認められている。

それらのことを考えるとサービス担当者介護のリモート実施は、会議そのものと考えて良いだろう。

それに加えて月1回の利用者宅への訪問モニタリングも、スマホやPCなどでリモート確認するだけで良いとすれば、居宅ケアマネジャーの業務負担は大幅に軽減できる。リモートモニタリングでは家の中を十分に確認できず、虐待等を見逃す恐れが指摘されているが、訪問しても玄関口で対応するだけというケースも多い中で、それと比して著しい障害があるなんてことにはならない。是非このことは実現してほしいと思う。

ということで結論としては(繰り返しになるが)、ケアマネジャーの処遇改善加算は新設されず、ケアマネの処遇改善は、居宅介護支援事業所のケアマネを対象にして、居宅介護支援費と予防プラン委託費の引き上げで終わるのではないかというのが、今現在僕が持っている印象と予測である。

ちなみに今日は、「masaの徒然草」も更新して、「オンラインセミナーでスキルアップを」という記事も書いているので、そちらも是非参照していただきたい。
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役割が重いわりに対価が軽んぜられるケアマネ業務


ケアマネジャーは、様々な関係者から便利使いされやすい職種である。

独居の高齢者が通所介護利用中に急病で受診が必要になった際に、ごく当たり前のように担当ケアマネジャーに連絡が来て、病院受診させるように言われたりする。サービス利用中の急病対応は、第一義的には利用最中のサービス事業所の責任であるという常識さえ吹っ飛ばして、ケアマネに対応を強要する人は少なくない。

家族が受診同行できない認知症の人の病状説明を、ケアマネジャーが受けるように求めてくる医療機関もある。代理権のないケアマネジャーに、そのような個人情報を伝達されても戸惑うしかない。

ましてや成年後見人さえ同意する権利がない医療侵襲行為について、ケアマネにどうするべきかを尋ねられたって答えられるわけがないのである。身寄りのない人の手術同意を、それがないと手術はできないからとケアマネを脅迫するようなケースさえ報告されているのだからどうしようもない。

だからと言ってそれほどケアマネという職種が信頼されているかと言えばそうでもない。むしろ面倒くさい責任や義務だけをケアマネに押し付けて、肝心なチーム支援が必要な場面では、ケアマネを蚊帳の外に置くというケースもみられる。

その状況に拍車をかけるかのような国の対応もみられる。

例えば、たびたび問題になっているアベノマスクの配布でもケアマネジャーは便利使いされている。訪問系、通所系など居宅サービスの利用者については、居宅介護支援事業所のケアマネがその配布責任を負わされているのである。

その配布第3弾については、マスク不足が解消されている状況で一律配布するのは国費の無駄遣いであるという批判を受け、希望者だけに配布することになった。

ケアマネの中には、「希望者に配ると言っているが、希望していないのに届いている。」という人もいるが、今届けられているのは一律全員に配られている第2弾の配布遅れが生じている分である。第3弾は希望を受け付けて、これから配布手続きに入るもので、今現在手元に届いている分はないのでお間違いの無いようにしていただきたい。

この第3弾の配布希望申請について、訪問系、通所系サービスの事業所には原則として職員の分だけ申請するように求め、訪問系、通所系など居宅サービス利用者が配布を希望している場合は、居宅介護支援事業所から一括して申請することになっている。

マスクの発送先も居宅介護支援事業所にするとし、引き続き担当ケアマネジャーが利用者の手元に届ける役割も担うよう求められているのである。

これによって居宅介護支援事業所のケアマネは、自分の担当利用者全員のマスク希望の意思確認と、希望者の申請代行という業務負担が強いられるわけだ。そのうえで送られてきたマスクを希望者を確認して配ることになるのである。

だがこの業務に対する費用は一切発生せず、無償の奉仕行為とされるわけである。毎月の利用者宅への訪問義務があるからと言って、ついでに行うことができる業務量とは言えない仕事を強いられながら、それに対する対価はもらえないのである。ケアマネはただ働きで良いのだろうか?いや良いはずがない。国は何らかの対価を居宅介護支援事業所に支払うべきだと思うが、そんな動きは一切ない。

こんなふうにケアマネは誰かにとって都合の良いように、便利使いされているとしか言えない状態がそこかしこで見られているのだ。「ケアマネはつらいよ」と言いたくなるのももっともだ。

だからこそ次の報酬改定では、ケアマネジャーの処遇改善が議論の俎上に上っている。先日の介護給付費分科会では、処遇改善加算、特定処遇改善加算のリソースの配分をめぐり、事業者でつくる団体から経営サイドの裁量を拡大するよう求める声が複数団体から挙がってきた。事業者裁量を拡大して、処遇改善加算の配分をケアマネをはじめとした他職種へ広げる要望が出されたのである。

これとは別に、ケアマネだけを対象にした処遇改善加算を新設すべきとの意見も公の場で検討されることになっている。

しかしそうしたケアマネの処遇改善を求める声の中には、特定加算等で給与改善された介護職員より、介護支援専門員という専門職の給与が低くなることには問題があるという意見を述べる人がいる。

そのような主張は百害あって一利なしだ。ケアマネの給与・処遇改善の必要性をそういう理屈で正論化しようとしてはならない。それはケアマネジャー自らがヒエラルキー意識を創り出すことにほかならず、介護職員をはじめとした他の職種の反感を買うだけの結果にしかつながらない。

無差別平等の精神を、誰よりも護るべきケアマネジャーが、階層意識に縛られた主張をしてはならないのだ。

そうではなく、自分たちの社会から求められている役割や、その仕事ぶりに見合った対価が支払われていないということを根拠にして、処遇改善の必要性を訴えるべきではないだろうか。

利用者中心のサービスをお題目にせずに、実践しているケアマネジャーであるなら、その主張は正論とみなされて行くだろう。是非そうしてほしい。

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曖昧模糊となりつつある資格価値


15日に開催された社会保障審議会・福祉部会では、介護人材の確保に関連して、国が介護福祉士を目指す外国人留学生の支援に力を入れていく方針が示されているが、これは介護福祉士の養成校ルートへの国試義務化策送り策とリンクした方針である。

介護福祉士については、2022年度から介護福祉士養成校ルートにも国試を義務化することになっていたが、先の通常国会では国試義務化を5年間先送りすることが正式に決定されている。

これは養成校に通う留学生が大幅に増加している現状を考慮したもので、この流れを止めたくないという国の思惑が強く働いたために、関係団体の反対の声を押し切る形で決められた先送り策である。

昨年度の介護福祉士養成校の入学者全体に占める留学生の割合は約3割に至っているが、一方で留学生にとって国試はハードルが高く、合格率は昨年1月実施分で27.4%にとどまっている。この状態で国試を義務化すれば、養成校への留学生の入学の動機づけが著しく削がれ、増加傾向に水をかける結果につながることが懸念されたものである。それは即ち、我が国の介護人材確保をより一層厳しくするものだからだ。

例えば「特定技能」を持つ外国人が日本の介護事業者で働ける期間は5年で、基本的にはその間に家族の帯同は認められない。しかし介護福祉士の資格を取れば永住への道が開け、配偶者や子を呼ぶこともできるようになる。だからこそ国試義務化されていない状態の現在の養成校ルートは、外国人には魅力的なルートなのである。

そのため国は、国試義務化が先送りされた期間で、国試対策の教材を作成する経費への補助など、必要な財政措置も行いながら教育現場を後押ししていく考えを示したのが15日の方針の意味だ。

つまり介護人材は日本人だけで必要な数を確保できないのだから、より一層外国人労働者が働きやすくするために、国は質より量を選択する道を選んだということになる。先送りした5年間で、教育効果が著しく高まって、外国人の国試合格率が高まる見込みなんてないのだから、この間に実際に行なわれることは、再度の先送り策か国試のハードル下げである。

もともと国試義務化の意味は、介護福祉士の資格の価値や社会的評価の向上を目指したものだが、今、国試義務化を実現したとしても、介護福祉士の数が減るだけで、質は変わらないだろうというのが国の本音だ。それはとりもなおさず、今現在介護福祉士の資格を持って仕事をしている有資格者に対する評価でもある。

このことについては僕も国と同じような意見を持っており、「何が介護福祉士の資格価値を貶めているのか」で指摘しているところであるが、試験を受けて合格した介護福祉士が顧客マナーのない態度で、「してやっている」的な、素人まがいの介護レベルである限り、国の評価は変わらない。

そもそも国試義務化で介護福祉士の社会的評価を高めようと唱えている本人が、介護のプロとしてお客様に対応するにふさわしい仕事ができているのかという問題なのだ。あなたの仕事ぶりは、国家資格にふさわしいスキルが伴ったものなのですかと問われていることを、すべての介護福祉士が自覚しなければならない。

ところで国家資格とえば、現在、都道府県の資格でしかない介護支援専門員の資格は、国家資格化されないのかという議論が根強くある。国家資格化されるべきだと主張する人も多い。

しかしその可能性はゼロだ。

そのことは昨年8月に徳島市で開催された日本介護支援専門員協会の全国大会での、大島老健局長との質疑応答で明確な答えが出されている。

介護支援専門員を国家資格にすべきではないか?」という参加者からの質問に対し、局長は、「ケアマネの役割は非常に大切で、個人的には国家資格にふさわしいものと思っている」というリップサービスを行ったうえで、「国家資格がどんどん出来たこともあって、役所側からもう法案を出さないという国のルールがあります。」・「厚労省がその法案を国会に出すことは難しい」と述べている。

介護支援専門員の全国大会という資格者が集まる大会で、「その資格を国家資格化する法案提出は難しい」と述べている意味は、「厚労省には全くその気はない」という意味でしかない。

そうなると介護支援専門員資格が国家資格化される道は、「議員立法」以外なくなるわけだが、資格者団体の全国組織の組織率が2割程度の資格を国家資格化しよう思う議員がいるはずもなく、政治的に国家資格化へのいかなる流れも造られることはないだろう。

国家試験を受けずに資格が取れる介護福祉士・・・その介護福祉士という国家資格を持っただけでは資格試験が受けられず、実務5年を経てやっと試験が受けられて、その試験に合格して初めて名乗れる介護支援専門員という資格・・・。その資格が介護福祉士の下位資格にあることには大きな矛盾を感じざるを得ないが、現状は介護支援専門員の資格は、永遠に都道府県資格として据え置かれるという見込みなのである。

資格は仕事をしてくれないが、だからと言って国家資格というものの質や重みがあいまいになってよいはずはない。しかし資格取得のハードルの高さや、アウトカム評価が資格の段階を表しているわけではない現状において、私たちは何にその価値を求めればよいのだろうか。

すべての価値観が覚束無く、不確実な社会で誰かの信頼を得るためには、資格というものだけに頼るのではなく、己自身のスキルを鍛え、情報発信能力を鍛えていくしか方法はないのではなかろうか。
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