masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

要介護認定

要介護認定モデル事業の審査判定(2)

審査会を終えての感想を少し書く。

審査会の裁量範囲が狭すぎるのではないかと書いた昨日の印象は変わらなかった。

(参照)新しい審査判定の流れ−(認知症自立度評価ロジック樹形図含む)

2次判定で要介護1相当に該当するとした場合、特記事項や主治医意見書、新たな項目である「認知機能・廃用の程度の評価結果」などを見て審議を行なうが、最終的には今回新たに加わった、コンピュータの1次判定による予防給付相当か介護給付相当かのチェックを確認し、それが正しいものか否かを審議する。

しかし基本的に国が決めているルールは、予防給付相当とされているものを要介護1にするためには、状態の安定性がないか、認知などの状況が予防介護の理解に不適であるか、大きく分けるとこの2点しか変更理由を認めておらず、それ以外の理由による変更は認めていない。

しかも介護給付相当とされているものについては、廃用の程度を吟味して、予防給付が適当ではないかという可能性を審議しなければならない。

つまり要介護1のハードルは、要支援2と比べて極めて高いといわざるを得ないのだ。

だが人の生活や状態像は様々である。健康状態が安定しており認知がある程度保たれている高齢者でも、年齢や身体機能の状態で、予防より介護が必要だと想像できる状態もあるのだ。それらは、すべて端数処理のごとく無視しなければならない。

人が審議するデメリットだけをみた方法論である。血の通った人間、特に有識者とされている構成メンバーの審議の方法がこういう形で良いのだろうか。

おそらく、1次判定ソフトは国が当初目指した「要介護1の7〜8割を予防給付に」という目標が達せられるロジックで組まれているんだろう。

ところが要介護認定1次モデル事業において、要介護1のうち予防給付対象がコンピュータによる1次判定で78%であったのに、2次審査会の判断で24%が重度に変更された結果、最終的に予防給付の対象となる「要支援2」に認定された人は6割に下がった。

このことについて国は「2次審査会で客観的な判断ができるよう修正することで当初の目標の7から8割まで予防給付対象の割合は引き上げられる」としている。ここが2次モデル事業で試したいところなのだろう。

しかし実際に審査会に求められているのは「客観的な判断」ではなく「国が決めたルールから外れない」ことなのである。

状態が安定しており認知機能が保たれているけど、何とか頑張って身の回りのことを行っている後期高齢者。特に90代の在宅高齢者が、ちょっと家事や身の回りの世話を手伝ってもらって生活の質を保とうとしても、まず予防ありき、でマネジメントされてしまうとき、制度とのミスマッチが生ずる。そのことで様々な問題が起きてくるだろう。

その責任を全て負うのが新予防給付のマネジメントの担当者であってはたまらない。

介護・福祉情報掲示板(表板)

要介護認定モデル事業の審査判定(1)

介護認定審査会の日である。

午後6時から認定審査委員として審査判定を行なうのであるが、今日はいつもと趣を異にする。

通常の判定ではなく、新判定基準によるモデル事業だからだ。

つまり2次判定で「要介護1相当」と判定したケースについては、引き続いて「要支援2」か「要介護1」か、という振り分け作業が加わるわけである。

新しい審査判定の流れ−(認知症自立度評価ロジック樹形図含む)
を参照してほしいが、今度の新しい一時判定ソフトにおいては「要介護1相当」に該当する場合は、予防給付か現行の介護給付か、という推定が示されることになる。
この推定については、介護審査会資料の中に「予防給付相当」か「介護給付相当」のどちらかにチェックが入ってくる。そして2次判定で「要介護1相当」とした場合、このソフトによる推定が正しいか、という議論を行なうわけである。

しかし、その判定ルールを見ると、審査会の裁量の及ぶ範囲は非常に少ない。

つまり「要介護1相当」を「要介護1」と判定するためには、次の2つの条件に該当することが確認されなければならない。

1.疾病や外傷等により心身の状態が安定していない状態。
(1)脳卒中や心疾患、外傷等の急性期や慢性疾患の急性増悪期で、心身の状態が不安定であり、医療系サービス等の利用を優先すべきもの。
(2)末期の悪性腫瘍や進行性疾患(神経難病等)により、急速に状態像の不可逆的な悪化が見込まれるもの 等

2.認知機能や思考・感情等の障害により十分な説明を行なってもなお、新予防給付の利用に係る適切な理解が困難である状態。
(1)「認知症高齢者の日常生活自立度」が概ね彊幣紊任△觴圓任△辰董一定の介護が必要な程度の認知症があるもの。
(2)その他の精神神経疾患の症状の程度や病態により、新介護予防給付の利用に適切な理解が困難であると認められるもの。

この条件に合うかどうかを、特記事項と主治医意見書から総合的に判定しなければならず、上記の条件に合致しなければ予防給付相当となり「要支援2」としなければならない。

従って、例えば個別の状況を介護審査会資料から読み取り、判定対象者が運動器の機能向上のためのサービスは適さない、ということを理由に「介護給付が適当」という判断ができないのだ。

このような判断について「手引き」では「個別のサービスの適否の判断及び具体的なサービス計画の作成は介護認定審査会で行なうものではなく、対象者の心身の状況等の周辺環境を踏まえ、対象者の希望に基づきケアマネジメントで実施する」とバッサリ切り捨てている。

これじゃあ認定審査委員は手も足も出せない。「対象者の希望に基づき」が本当に実現することを願うのみである。

明日また今晩の結果を踏まえて、感想を書いてみるつもりだ。

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