masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

介護保険制度

DNAを引き継いでくれる若い力


僕たちには、後進に引き継ぐべき財産がある。

それは介護保険制度以前から介護業界に関わり、介護保険制度創設という戦後初の抜本的社会保障構造改革・福祉制度改革の真っただ中で、介護事業に携わってきた経験を持つという財産だ。

経験だけが財産なのかと揶揄する向きもあるが、「走りながら考える」とされてきたこの制度の20年以上にわたる歴史の生き証人としての財産は、私たちの世代が確実に手にしているのである。

例えば、その真っただ中にいた者の責任として、制度創設の経緯については、「介護保険・夜明けの雷鳴1」・「介護保険・夜明けの雷鳴2」・「介護保険制度へと続く道」・「介護保険制度誕生前に吹き荒れた嵐」などで解説してきた。
※今後の経営戦略にもかかわるこの経緯を、介護関係者は十分理解しておくべきであるので、まだ読んでいない方は、リンクを張った4つの記事を是非読んでいただきたい。

そのほかにもこの制度の変換を身をもって体験した者にしかわからないことがある。

例えば介護保険制度創設時のショートステイは、区分支給限度額の別枠管理とされており、要介護状態区分ごとに利用日数上限が定められていたこと・・・。それが平成14年に、「区分支給限度額の一本化」という改正が行われ、ショートステイも他のサービスと同様の区分支給限度額管理は行われるようになったことで、連続利用カウントルール・31日目の全額自己負担利用によるリセットルールや、認定期間の概ね半数以下の利用ルールが定められたことについても、生き証人として伝えねばならないことがある。

それはルールが単に変わったということではなく、そこでどのような議論が沸騰し、どんな混乱が見られたのかということである。利用者や国民に対して真摯に福祉制度として対応しようとした人たちと、お金儲けだけのために議論に参加していた人たちとの軋轢を伝えることで、何を将来の財産として残すべきかが見えてくるのかもしれないし、私たちの次の世代が、この制度をどのように変えていこうとするのかを考えるための一助につながるかもしれないのだ。

それは国を良くすることにつながることだと思うから、後進に歴史を正しく伝えることは大事なことだ。特に高い志を持つ人ならば、その志を受け継ぐ後進を見つけ、己のDNAを継承していくことが大事だと思う。

そんな志を受け継いでくれる若者の一人が、奈良の若き介護事業経営者・片山海斗(かたやま かいと)クンで、22歳の青年である。
友遠方より来る
今週月曜(9/13)東室蘭駅前の「ふなや」で会食した際に撮影。勿論、向かって右が海斗である。(間違えようがないですね…汗!!)

彼との出会いは、かれこれ3〜4年前にさかのぼる。我がよき友であり、株式会社 グローバルウォークの代表取締役でもある幸地伸哉(こうち しんや)シャッチョーからの紹介で出会ったのがきっかけだ。

幸地クンから、「面白い若いもんがおる」と紹介されたとき、海斗はまだ18歳だった。

高校を中退した後、最初に就職した介護事業者で、海斗は先輩職員が利用者を虐待する様を目撃したそうである。

海斗の偉いところは、そのことで介護事業や介護職に幻滅するのではなく、こんなことを介護業界からなくさねばならないと思い、そのためには虐待を徹底的に排除する介護事業を自ら経営するしかないと考えたことだ。

最初に出会った頃の海斗は、まだ介護事業経営を行う前であったが、そのことを僕の前で高らかに宣言していた。ただその頃の海斗は、ずいぶんとがって危うい雰囲気も醸し出していた。

しかし幸地伸哉という優れた介護経営者が、応援団として傍らにいるのだから、何とかうまく成長してほしいと願っていた。

そんな海斗が訪問介護事業所を皮切りに、介護事業経営に携わるようになった。そして、「日本一働きやすい会社を創る」と宣言し、実績を挙げている。

訪問介護員の日本全体の平均年齢は55.5歳で、しかも50歳以上が全体の73.0%を占めており、20代は1.0%という現状から、訪問介護事業は絶滅危惧サービス種別と言われている。そのような情勢でも、海斗の事業所では人材確保に困っておらず30人以上のヘルパーを雇用し、かつ従業員の平均年齢が30代であるという。

勤務は基本フレックスタイム制で、在宅ワーク中心で、出社しなくとも仕事に支障がない体制をとり、職員の福祉を何よりも大事にする会社である。そこに海斗の理念に共感した人材は集まり、経営者として海斗はその人達を何より大事に思い、素晴らしい職場環境が生まれているのだと思う。

おそらく事業経営も山あり谷ありで、決して平たんな道のりではなかったと思うが、なんと今や海斗は、介護事業経営者としてだけではなく、IT関連事業を含めて8社の経営に携わっている。

その中には、厚労省関連の仕事も受注している事業もあるし、ベトナム等の海外にも業績を伸ばしているじぎょうもある。

その一つである、「介護経営ラボ」は、介護事業者のコンサルタントを行う会社で、既に国内全体で総合コンサル37社という実績も挙げている。今後の発展が益々期待できる会社だ。介護事業経営相談を求めている方は、リンク先のサイトを参照して、是非一度相談してほしい。

今週約4年ぶりに再会した海斗は、顔がすっかり大人になって、経営者としての人間の幅ができていた。18歳の頃のとがった雰囲気は、いまや全く感じさせなくなっている。人間として急速に、そして著しく成長した海斗を見て、とても嬉しくなった。

もともとであった時から、僕が推奨する、「介護サービスの割れ窓理論」にも、「サービスマナーを持った利用者対応」にも、「竹内理論という悪魔の所業を否定・排除する」ということにも共感していた海斗であるから、僕が今まで培ってきたノウハウや、様々な知識と経験を彼が継承して言ってくれればと願っている。

僕がこの業界で何かをし続けることができる年数も、そう長くはない。だからこそ海斗のような若い力が、僕たちのDNAを継承し、次の時代の新しい介護のステージを創ってもらいたい。

皆さんも、この若者を是非育てることに手を貸していただきたい。どこかで出会ったら、肩に手を当て応援してやってほしい。
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役人の制度を国民の制度にしていくために


介護保険以前の訪問介護は、市町村からのホームヘルパー派遣事業として実施されていた。

そこではサービス利用者に対する、「散歩」の付き添いは普通に行われていた。身体の障害を抱える高齢者にとって、散歩は心身をリフレッシュし、機能を維持するために当然必要な介護だと考えられていたためである。

しかし介護保険制度施行を機に、散歩は過剰なサービスで保険サービスとしてそぐわないとされるようになった。そのため訪問介護員は利用者に対して、「訪問介護で散歩の付き添いは出来ないのです。それはこの法律の決まりなので、どうしても散歩の介助が必要なら、保険外で全額自己負担になるのですが、それでも良いですか」と説明することが仕事として求められた。

今まで気持ちよく散歩に付き添っていたヘルパーからは、今更そんな酷なことを利用者の方々に言えないと訴えられるケースも相次いだ。散歩の付き添いが訪問介護として、保険給付の対象にならないというのはおかしいという声が全国から聴こえてきた。

この訪問介護の散歩問題が片付いたのは、介護保険制度がスタートして9年も経った後のことだ。

2009年1月の通常国会の参議院における審議で、首相に対する質問答弁書として公式見解があらためて示されたからである。

その内容は「訪問介護員による散歩の同行については、適切なケアマネジメントに基づき、自立支援、日常生活活動の向上の観点から、安全を確保しつつ常時介助できる状態で行うものについては、利用者の自立した生活の支援に資するものと考えられることから、現行制度においても、介護報酬の算定は可能である。」というものである。

これによって散歩は保険給付サービスの対象となることが確定したわけであるが、同じように自立支援や日常生活活動の向上の観点があるとしても、「趣味活動」の参加支援は現在も認められてはいない。

医学的・治療的リハビリテーションエクササイズは、それを嫌がる利用者に無理やりさせても保険給付対象になり、加算報酬さえ受けられるのに、生きるために行きたがっている趣味の場所への参加支援にお金を給付しないのが介護保険制度なのである。

しかし人間は機械ではないし、介護は身体のメンテナンスでもない。

単なる楽しみを得る機会を持つことは罪なのか・・・。それは何故保険給付対象ではないのか。人はパンのみで生きているにあらずである。

趣味や楽しみの機会に参加支援されることで、心が晴れやかになって、生きる喜びが得られるならば、それが自立支援や日常生活活動の向上につながるのだから、公費や保険料を使うのにはそぐわないという論理は破たんしている。

心がウキウキしてこそ、身体も元気になろうというものだ。

国や役人は、自立支援=医学的リハビリテーションと考えているようであるが、病気がないのに心がうつうつとして、心を病んで引きこもっている人に一番必要なものは、医学的・治療的リハビリテーションエクササイズではないという、ごく当たり前のことを理解してほしい。

もっと人の生きがいにつながる支援方法が模索されてよいと思う。アセスメントはその為に行われるものだと思うのである。

そういう意味で、介護保険制度は役人目線の駄目な制度である。

しかしそれがなくなっては、この国の高齢者介護は消滅してしまうという意味もあり、ないよりはあった方がマシな制度となっている。

今後の制度改正では、ここを少しでも改善していけるのか。単に制度を維持するだけで終わってしまうのか・・・。それは介護事業者や、そこで働く人々の情報発信力にかかってくる問題なのかもしれない。

もっと国民全体にアピールすべき問題がないだろうか・・・。

だからこそ介護の場で、私たちと利用者の間に刻まれる様々なエピソードをもっとたくさんの人が発信してほしいと思う。

人が人と関わる中で展開される喜怒哀楽の史劇が、この国の介護の在り方を考えるうえで一番大事な根拠になるのではないだろうか。そこにある真実だけが、人の暮らしを護るヒントになってくるのではないだろうか。

だから介護関係者は決して口を閉ざしてはならない。そして発信する情報とは、事実でなければならない。

感動や笑顔のエピソードに限らず、慟哭や哀しみがなぜそこで生まれているのかも発信してほしい。

介護支援で救われない人々の切実な声をも発信してほしい。介護という名の暴力が存在することも明らかにしてほしい。

そうした悲劇は決してマジョリティーではないし、多くの介護事業者は、利用者の暮らしを護ろうとしているのだけれど、その網からこぼれる人々が存在し、そこから零れ落ちる理由も制度の穴であったり、人の悪意であったり、あるいは悪意のない感覚麻痺であったり、様々な問題が存在することを明らかにしてほしい。

私たちが何を行っているかという事実、そこで利用者がどうなっているのかという事実・・・その中からしか真実は浮かんでこない。

SNSはその為に利用してほしと思う。
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介護保険制度の一面の真実


国が介護保険制度の施行に踏み切った目的の一つは、「介護」をビジネスの舞台に引っ張り上げることにであったことは否めない。

人類が経験したことがない超高齢者社会が進行する日本で、毎年1兆円以上の社会保障費が膨らむ中で2015年には、「団塊の世代」と呼ばれるとんでもないボリュームの集団が高齢者世代に組み入れられることがわかりきっていた。

その状態を放置して従前のままの措置中心の高齢者福祉制度を続けていれば、高齢者福祉に掛けるお金が膨らんで財源不足となり、この国の福祉制度は機能しなくなるし、健康保険制度も崩壊するという危機感が当時の厚生官僚を中心として広がっていった。

その危機感が、「高齢者介護対策本部」の立ち上げにつながっていったものである。

そこに至る議論において、従前までごちゃまぜだった医学的治療を主とした「医療」と、生活の支援・身体の介助を主とした「介護」とを切り分け、ある一定年齢に達した場合、介護は誰しも必要になるものであり必要不可欠なものという大義名分を得て、国民を介護保険という公的保険制度に強制加入させ、新たな保険料を徴収する仕組みを整えたのだ。

そこで役人が描いた絵図とは、介護を市場原理によって自立させ、高齢者福祉をビジネスとして民間営利企業にアウトソーシングすることである。

つまり介護保険制度によって、介護はビジネスとなり、資本の論理の上に乗せられたという主張は、あながち間違った考え方とはいえないのである。

介護が資本論理の上に乗ったビジネスとなったのだから、助けられるためにはお金が必要だ。保険サービス利用における利用者負担とは、そういう意味で導入されたものである。

これによって介護保険制度は、お金のある人を救い、お金のない人は救えないという一面も持たざるを得なくなっている。区分支給限度額を超えたサービスを利用できるのは、お金持ちだけであるという事実がそれを証拠立てている。

民間営利企業は、お金持ちを積極的に救うことにより、制度外の収益までひっくるめて大きな利益を獲得することができるわけである。逆にいえばそのことは、保険制度内のごくわずかなサービスの対象にしかならない人が、制度からはじき出される理由や要素にもつながっているわけだ。

そんなことも含め、国はその裏の事情も熟知したうえで、介護を民間営利企業にアウトソーシングさせる際に、参入希望事業者の目の前においしそうな餌を撒いている。

この国で介護ビジネスは、最も安定した右上がりの成長産業となる」・「介護は最も有望なビジネスである」という言葉がこの国のありとあらゆる場所で陰に陽に語られていた時期がある。そんな言葉に踊らされて、介護業界に進出した民間営利組織も少なくない。

そんな介護事業者にとって確かに制度施行後数年間は旨味もあった。後に介護バブルと称される単価の高い介護報酬と、国が国民に対して介護サービス利用を盛んに促す政策によって、経営能力がなくとも介護事業さえ立ち上げれば、自然と介護事業経営者の懐が潤う状態が続いたからだ。

この時期に国は、サービス利用は国民の権利なのだから、認定を受けた方は遠慮なくサービスを利用してくださいと、国民に向けて盛んに呼び掛けていた。

しかし一旦介護保険制度が国民に認知され、サービス利用が促進されると、国は掛けた梯子を外しにかかった。

即ち介護サービスを介護給付と予防給付に分断し、サービス利用を抑制するシステムを導入するとともに、利用抑制の網は報酬改定ごとに引き絞ることができるようにした。

サービスの抑制は、ケアプランの適正化という名の下でも実行され、あたかも居宅介護支援事業所が作成するケアプランが、過剰サービスの温床になっているかのように印象操作し、利用者を囲い込むサービス事業者が制度を危うくしているという印象操作も行いながら、国民の権利として利用できるサービスの範囲を狭めていった。

そのため区分支給限度額上限までサービス利用しているプランは過剰サービスそのものであり、そうしたプランンによるサービス利用者まで白い目で見られるような、いわれのない批判や糾弾が相次いで行われた。

しかし要介護4とか5の人が、在宅で一人暮らしを続けるなら、区分支給限度額上限までサービスを使っても、まだ足りないことは当然であり、限度額を超えた全額自己負担ができないために施設入所を余儀なくされるという多くの人々の事情が世間の耳目にさらされることはあまりに少ない。

こうした歪んだサービス抑制論が横行するのに加えて、介護事業者が大きな利益を挙げているとして介護報酬の引き下げが断行されるようになった。

そこでは全国展開している大企業が、いかに先行投資して人員を集めていたとしても関係なく、投資を回収できないまま報酬は切り捨てられていく。

そのため介護事業者は、運営コストを削る企業努力を続け、事務経費や人件費を圧縮・効率化しようとした。しかしその結果、さらに利益が生じていれば容赦なく報酬は切り捨てられるのである。

介護従事者の平均給与の低さとは、国のこの姿勢に根本原因あるにもかかわらず、それがあたかも介護事業経営者の搾取のように論理のすり替えが行われ、その見返りに介護職員の処遇改善加算や特定加算が新設されていった。

しかしその結果、小規模事業者では経営者が無休で頑張って、介護職員と同等程度の給与水準で介護職員に手当てを支払い続けているという状態が起きたり、事業経営自体に支障をきたして、従業員の雇用を護れなくなるなどの事態も起きている。

介護保険制度はもはや存在しさえすればよく、国民の福祉の向上とは建前だけの目的となりつつあるのは、こうした一面が、制度運用の中で行われ続けていることが最大の原因なのである。このことに気づかねばならない。

それは役人の支配論理の結果というに等しい。だからこの国の唯一の高齢者介護制度は、決して高齢者の豊かな暮らしを保障する制度とは言えないわけである。

いつまでも制度に幻想を抱いていても始まらない。現実を見つめつつ、その中でよりましな方向に踏み出すために、できることを粛々と続けていきながら、必要なことはついては毅然と物申してゆく先に、少しだけ光は射すのではないだろうか。

そういう意味でも、サービスの場からの生の声としての情報発信は重要なのである。
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社会保障審議会は何故ろくなものではないのか


介護保険制度を審議する介護保険部会も、介護報酬改定を審議する介護給付費分科会も、社会保障審議会の1部会である。

しかしそこで何か重要な提言が行われ、国の将来を左右するような重要な決定がされたことはない。

そこはいつも厚労省の決定事項を承認するだけの部会に成り下がっている。第3者が加わって審議している体をとってはいるが、それはアリバイ作りに利用されているだけで、審議されているといっても、厚労省から一方的に示された改正・改定案について、ひととおり意見を述べているだけに過ぎない。

その意見が厚労省の最終決定に対して大きな影響を与えているというわけでもない。

厚労省はそれらの意見を、「ご高説は承って起きます」と鷹揚に受け流し、意見を述べた委員もその流れをいつの間にか受け入れているように、毎回粛々と議事が進行されるだけで、熱い議論が交わされることは全くない。

それは何故かといえば、その場が専門家が集って議論する部会にはなっておらず、その実態は利害関係者を含む、関係団体のガス抜きの意見交換会になっているに過ぎないことにある。

多くの委員の背後には、特定の利害団体がついているのだから、その利害に沿った意見しか出てこない。利害に沿った足の引っ張り合いだから、国にいいようにコントロールされ、特定事業所集中減算のように、特定事業所加算の範囲を広げるための取引材料として、福祉系サービスのみにターゲットを絞った減算という人質をとられたりしている。

少なくとも純粋な有識者というのは、この委員会メンバーには皆無であり、介護業界と関係のない学者が入っていても、それは国とべったりの御用聞き学者である。

市民代表の委員も入ってはいるが、あまりにも稚拙な知識しか持っていないので、その意見によって何かを動かすことなんてできない。的外れな愚痴を言う人が一人いるというだけの話だ。

だから大局高所から、この国のため国民のために正論を述べるという態度に欠けてしまっているのが現状だ。

その負の影響は至る所に生じている。

例えば今月に入って、介護施設の入所者の一部からは悲痛な声が挙がっている。それは補足給付の変更による負担増に対する悲鳴だ。(参照:補足給付と高額サービス費の変更実施が迫っています

この問題については、朝日新聞デジタルの8/1配信記事でも、「家族の悲痛な声」として取り挙げられているが、その記事は時期を読みながら今月初日にアップしたものと思える。しかし本当に悲痛な声が全国各地から挙がってくるのは、請求金額が増大する今月分の請求書が届く9/10前後になるだろう。その請求額を見て負担の大きさにショックを受ける人はもっと増えてくる。

補足給付の資産要件である預金額1千万円を、一気にその半額まで引き下げて給付を打ち切るルール変更や、食費負担額が月22.000円以上増となるルール変更など、あまりに乱暴と言える変更を、さしたる議論もなく通しているのがこの審議会である。

補足給付の変更は、法案改正ではなく省令改正なので、国会審議を経ていない。つまり政治家はこの変更内容に関わっていないのである。唯一、省令改正案を審議したのが介護給付費分科会だから、その責任は重たいと言わざるを得ない。

ということで介護保険部会や介護給付費分科会は、今後も続けられ、その議事進行はユーチューブでリアルタイムにオンライン配信されているが、自分の貴重な時間を削ってまで、その会議を視聴する必要はないし、視聴する場合も、事務仕事をしながら、聴き耳を立てる程度で良いだろう。

議事録を読んでもさして意味はないので、分科会に提出された資料を読み込むだけで、情報取得は十分である。

くれぐれも審議内容に期待するなどという勘違いをしないようにしていただきたい。
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2024年度からの介護保険制度改正に向けて


今年度からの介護保険制度改正は、昨年6月に国会通過した法律によって行われ、そのに伴う省令改正等によるルール変更がそこに加わっている。

その中には、一昨日の記事で指摘したように、低所得者と高額所得者がともに大きな負担増となる変更も含まれているが、当初の改正議論における国民負担増と利用者負担増に関するものは、主要なものがすべて先送りされている。

例えば2号被保険者の年齢引き下げ(最終的には20歳以上としたいと国は考えている)と、1号被保険者の年齢引き上げ(例えば70歳からしか1号被保険者としないなど)も睨んだ被保険者範囲・受給者範囲の拡大も先送りされた。

「現役並み所得(自己負担割合が3割の対象者)」と「一定以上所得(自己負担割合が2割の対象者)」の所得基準を引き下げて、その対象割合を増やそうとする案も先送りされている。

そのほか自己負担化されていない老健・介護医療院の多床室の室料負担や、居宅介護支援費の自己負担導入、軽度者の生活援助サービスや通所介護等の地域支援事業への移行も先送りされており、骨抜きの改正ともいわれている。

しかしそれらの案は消滅したわけではなく、先送りし今後2024年の制度改正案として再度検討されることになる。

その先駆け議論として今年4月から財政審での議論(というか財務省の一方的な指摘に近い)が行われ、その建議が5/21に公開されている。それを読むと給付抑制と自己負担増のオンパレードだ。ただ財務省がそうした方向で建議するのはいつものことではある。その内容を下記にまとめたので参照していただきたい。

・利用者負担を原則2割とすること、2割負担の対象範囲を拡大することを検討していくべき。
・居宅介護支援のケアマネジメントにも利用者負担を新たに導入すべき。
・福祉用具貸与のみを行うケースの報酬を引き下げるなど、サービス内容に応じた報酬体系へ改めるべき。
・老健、介護医療院、介護療養病床の多床室の室料相当額を、基本サービス費から除外する見直しを行うべき。
・様々な政策上の配慮を理由に、限度額の対象外に位置付けられる加算が増えてきていることから、こうした例外措置を2024年度の報酬改定で再考すべき。
・介護保険の居宅療養管理指導や訪問看護などは原則、「通院が困難な利用者」に対して給付を行うこととなっているが、実態としてそれ以外の利用者にもサービスが提供されていないか、速やかに把握して適正化すべき。
・定期巡回・随時対応サービスなどの普及を図る観点に留まらず、サービス見込み量を超えた場合に、市町村が都道府県への事前協議の申し入れや指定拒否ができるようにすることで、自治体が実際のニーズに合わせて地域のサービス供給量をコントロールできるようにすべき。
・市町村の総合事業の事業費の上限額の仕組みが機能せず形骸化していることから、速やかに上限超過を厳しく抑制すべき。
・サービスの質を確保しつつ、より少ない労働力でサービスを提供していけるよう、人員配置基準の緩和なども行いながら、テクノロジーを活かした業務の効率化を進めるべき。
・経営主体の統合・再編などによる事業所の運営の効率化を促す施策を講じるべき。
・事業所の財務諸表などの報告・公表を義務化し、その経営状況の"見える化"を速やかに推進すべき。

今、この制度改正議論は一段落しているが、年明けからは介護保険部会の改正議論が本格化することになり、それが終われば介護給付費分科会の報酬改定議論に移っていくことになる。

そうなるといつも介護事業者は、制度改正と報酬改定に振り回されているような印象になるが、保険給付費で運営している以上それは仕方のないことで、常にその情報にチャンネルを合わせていかねばならないのは介護事業者の宿命だ。

耳の痛い話、厳しい経営状況につながる話だからと言って、決して耳をふさいではならない。どのような状況にも対応策はあるのだから、常に新しい正しい情報をキャッチし、その対応を考えていく必要があるのだ。

報酬改定の部分で言えば、次の改定は診療報酬とのダブル改定になる。限りある財源を医療と介護で引っ張り合いをするわけであるが、消費税増加分の改定とあわせて3期連続のプラス改訂となっている介護報酬への風当たりが強くなることが予測される。診療報酬もその風当たりの強さは同様で、常識で考えると次の改正・改定時は、コロナ禍で疲弊した経済の立て直しが優先される中で行われるので、その風当たりは大幅なマイナス改定につながる可能性もある。

ただ社会情勢や政治情勢は流動的な部分が多い。今年度の介護報酬改定も、今回はプラス改定とすべき財源がないため、マイナス改定が必至と言われる中、コロナ禍という予想外の感染症や、首相交代という政治状況が報酬改定上は順風となるなどの状況が生まれている。

そのように流動的要素はたくさん存在するが、情報をいち早くキャッチし続けることが、そこに順応できる唯一の策につながることを忘れず、怠けずに対応していく必要がある。

そのことをしっかりと心していただきたい。
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制度改正により貧富格差は広がるばかり


200年4月に、「走りながら考える」としてスタートした介護保険制度にとって、制度改正は必要不可欠な整頓作業であると考えられている。

しかしそこでの主要なテーマは、「制度の持続可能性を高める」ことであり、制度を良くするとか、利用者にとってよりメリットの高い制度にするという視点からは、かけ離れた修正作業となっている。

改正とは、「不適当なところや、不備な点を改めること」という意味であるが、介護保険制度改正における改正の主語は、あくまで制度を維持する国なのである。

よって国民にとっての不適当な点は無視され考慮されないで制度は整えられていく。

お金の取れるところからはお金を取り、かけなくて良い部分にお金はかけずに、できるだけ国民の自助努力を促すという方向で制度はコントロールされているわけである。

受益者負担という冠をつけて、自己負担を強く求める先は、お金持ちばかりではない。むしろ経済的弱者をターゲットにしたルール改正が目立つのが介護保険制度改正であり、それはあたかも社会保障を受けることが、「悪」であるかのような印象操作にさえ映る。

たとえば施設入所者やショート利用者の食費と居住費の支払いが困難になる経済的弱者を救うために設けられている、世帯全員が非課税世帯などを対象にした補足給付は、利用者負担段階2段階と3段階を区分する80万以上の年間所得の計算式では、当初遺族年金等の非課税年金を計算式に入れていなかった。

しかし平成28年度のルール変更で、ここに非課税年金を加えたため、実際の所得が増えていないのに利用者負担段階が2段階から3段階に変更されて、自己負担が増えた人がかなりいる。

平成30年の改正では資産要件が設けられて、単身世帯で1.000万円以上の預金がある人は補足給付の対象外としたばかりなのに、令和3年8月からは利用者負担段階を細分化したうえで、資産要件の基準を利用者各段階ごとに引き下げ、2段階の人はその額が一気に1/2の500万円とされた。

さらに食費の基準費用の引き上げにより、4段階の施設利用者は1.643円/月(31日計算)の引き上げになるが、問題なのは世帯全員非課税で、年間所得が120万円以上の人の新区分3段階△乏催する方々の負担増だ。

施設入所者で3段階△乏催させられた人は、食費だけで22.010円/月(31日日計算)もの大幅な負担増である。この負担に耐えられず退所を検討せざるを得ないケースも出てくるだろうが、だからと言ってほかに行く場所があるのだろうか。その人たちは今後、どこでどのように生きていくことができるのだろうか・・・。(参照:補足給付と高額サービス費の変更実施が迫っています

恐ろしいことに補足給付の改正はこれが最終地点ではない。資産要件について国は、預貯金だけではなく、土地や建物と言った不動産資産を勘案すべきだと考えている。そのため今後は、評価額が一定以上の不動産を保有する対象者については、補足給付の対象外とするために、市町村がその不動産を担保とした貸し付けを介護保険の財源を用いた事業として行って、利用者の死後に回収する仕組みを導入する方法等が議論されていくことになる。

低所得者と言えども、墓場まで費用を取り立てに行って、資産を根こそぎ奪い取ろうという施策が堂々と議論されていくわけである。これが先進国ニッポンのもう一つの顔である。

介護保険制度は社会福祉構造改革の一環として設立された、「社会福祉制度」である。そして経済的弱者に対する給付制度は、「社会保障費」であることは議論の余地がないところだ。

社会保障制度とは本来、社会の「財」の再分配機能を有するものであり、現役時代に何らかの理由で経済力の差が生じ、貧富の差が生まれたとしても、そのハンデキャップを高齢期に引きずらないようにするための制度でもある。

しかし補足給付の対象となっている低所得者から、資産を奪い取るような施策がさらに進むと、社会の財の再分配という機能は消滅し、この国の国民は現役世代に生まれたハンデキャップを一生引きずって生きていかねばならなくなり、社会全体の貧富の差はさらに広がることだろう。

誰がそんな国にしたのだろうか・・・。少なくともその姿は、世界に向けて堂々と披露できる姿ではない。
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1.57ショックさえ懐かしく思える惨状


僕の大学時代の所属は文学部社会福祉学科である。

現在のカリュキュラムのように、そこから高齢者福祉専門課程とか、福祉計画専門課程とかのコースに分かれてはいなかったので、社会福祉全般について4年間の専門教育を受けたわけである。

ただしその中でも得意、不得意の科目があって、老人福祉論は不得意な学問で、「可」で何とか単位を取った。

僕の得意科目は、「児童福祉分野」であり、実習も児童相談所で行っている。だから卒業後に、特養で高齢者福祉に係るようになった以後も、自分の専門分野と言ってよい児童福祉の領域にはいつも興味を寄せていた。

1990年(平成)はそのような時期であったが、その年に児童福祉と高齢者福祉関係者に大きなインパクトを与えたのが、「1.57ショック」であった。

この年厚生省(当時)が、「平成元年人口動態統計」を公表したが、その中の合計特殊出生率が1966年(昭和41年)の丙午の年の1.58を下回り、統計史上最低の1.57になった。そのニュースが老人福祉法を改正する法案を審議する国会開催中に明らかになったことで、このままでは日本の高齢者福祉制度は崩壊するとして、そのショックが国会を駆け巡ることになった。

同時に児童福祉分野では、政府・全国団体・地方自治体などから次々と児童福祉施策に関する提言や計画が公表されるきっかけにもなった。

合計特殊出生率 (合計出生率)とは、1人の女性が一生の間に何人の子を産むかを表す数字で、1974年(昭和49年)から一貫して減少傾向をたどっていたが、まさかその数字が1.57まで落ち込むことは誰も予測していなかったわけである。

子供は一人では産めないわけで、合計特殊出生率が2を下回っているということは、一組二人の夫婦が一生の間に産む子供の数が2未満であるということになり、これは人口の減少が止まらないことを表す数字でもある。このままでは日本という国は、次第に社会の活力を失い、経済力も低下していくことがわかってはいたが、そのスピードがあまりにも早いことがわかり、日本中にショックをもたらしたわけである。

ところがその数字にショックを受けた過去など、終わりの始まりに過ぎないということが、今はわかってきた。それ以降も合計特殊出生率の低下が止まらない今日、それは高齢者介護問題の終わりの始まりでもある。

厚生労働省が昨日(6月4日)、昨年の人口動態統計を発表したが、合計特殊出生率が前年から0.02ポイント下がって1.34となっている。地域別で最も低いのは東京都の1.13。最も高いのは沖縄県で1.86だった。

このように1.57ショックどころの騒ぎではないわけだ。

2020年に国内で生まれた日本人の子どもは84万832人と、前年より2万4407人(2・8%)減って過去最少となり、90万人を初めて割り込んで「86万ショック」と呼ばれた19年の86万5239人から、さらに大きく減ったわけである。この数字は政府の推計よりも3年早い減り具合だ。

しかも婚姻数も前年より12・3%減の52万5490組と急減し戦後最少となっている。新型コロナウイルスの影響も重なり、日本の少子化が加速していることがわかるが、それはここ数年のうちに合計特殊出生率が回復する見込みがないことを示すものだ。

すると昨年生まれた子供が小学生に上がる2026年頃は、小学校の教室にさらに使われない空き教室が増えることになるばかりではなく、その子らが成人式を迎える2040年には、生産年齢人口の数が国の予測よりはるかに少ないことになる。

そこで次のグラフを見てほしい。
団塊の世代と団塊ジュニア世代の動向を見据えた改革
このように2040年になると、団塊の世代は90歳を超え、急激にその数を減らしていくが、その時に団塊ジュニア世代がすべて65歳以上になるわけである。

団塊の世代の介護を、団塊ジュニア世代が支えていたような次の塊が我が国には存在しないのだから、2040年になると高齢者の数は減って、要介護者の数も減って、特養も通所介護も今より数が減っていくことになるが、そこで働く生産年齢の人の数は今以上に少なくなり、その減少数とスピードも、いま国が予測している数とスピードを上回ることになる。

つまり国の施策はそこに追いつかないのである。

2021年度の制度改正と報酬改定は、2040年度を睨んだ施策を取っているものだが、それをさらに加速した制度改正と報酬改定が2024年度に向けて必要になるということだ。財源と人材がさらに減ることにどう対応するかというために、より厳しく強い施策がとられていくことになるということだ。

そんな中で今後20年以上、介護事業を続けていくつもりの事業者は、人材対策を国に頼ってはならないと覚悟すべきだ。国に頼るだけでは人材は確保できないことを前提にした人材確保と育成システム策を独自で構築しなければ事業が続けられなくなる。

今まではそんなものがなくてもなんとかなった事業者であっても、今後は何とかならないのだ。今ここから始めないと、少子化の進行過程で数年のうちに事業廃止に追い込まれることを覚悟しておかねばならない。

これは脅しではなく、現実である。
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介護認定申請や判定にも改正点があります


今年2月に発出された介護保険最新情報Vol.924は、老人福祉法施行規則等の一部を改正する省令の公布について告知する内容だった。

この通知が発出されたことも忘れている人がいるかもしれないが、この通知は4月からの介護認定の申請や判定に関係する内容が含まれている。

以下の新規定が4月からの申請や判定において適用されることを改めて確認しておいてほしい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
2 介護保険法施行規則(平成11 年厚生省令第36 号)の一部改正(改正省令第2条関係)
(1) 医療保険の個人単位被保険者番号の活用(第 35 条、第 37 条、第 40 条、第 42条、第49 条、第51 条、第54 条、第55 条の2及び第59 条関係)
・要介護認定申請等の申請書の記載事項に、医療保険被保険者番号等を追加すること。

(2) 要介護更新認定・要支援更新認定における有効期間の延長(第 41 条及び第 55条関係)
・認定審査会が判定した被保険者の要介護状態区分が、当該被保険者が現に受けている要介護認定に係る要介護状態区分と同一である場合等には、要介護更新認定における有効期間の上限を48 か月間とすること。要支援更新認定についても同様とすること。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
このように4月以降の介護認定審査委の際は、医療保険被保険者番号が必要になり、この確認のために申請時の確認書類として健康保険の被保険証の持参が必要であるとする保険者が多くなっている。被保険者証を持たないで窓口申請に出向いた場合、申請ができないというケースが数多く報告されているので、申請代行を行っている方はご注意いただきたい。

なお介護認定申請の代行ができる条件については、「申請代行について」を参照していただきたい。

登別市の認定審査委員を務めている僕にとっては、(2)についても忘れてはならない改正である。4月審査分から48カ月まで認定期間を延長する判断が求められてくるからだ。

ただし48カ月まで延長できるのは、更新申請で前回と介護度に変更がない場合のみで、かつ今後の状態の急激な変化が予測されないケースとされており、新ルールによる延長期間を表にすると下記のようになる。
要介護認定期間の延長について
なお、32分以上52分未満の状態(要支援2か要介護1)の維持・改善可能性にかかる審査判定を行った場合で、状態が不安定であるという理由で要介護1と判定したときは、概ね6カ月以内に介護の手間が増大する可能性がある状態であるため、認定期間も6カ月以内に設定するのが適当であるというルールに変更はない。

介護保険制度がスタートした2000年度は、要介護認定期間が原則6カ月で、期間延長もなかったところから始まり、延長期間は12カ月、24カ月、36カ月、48カ月と延びてきている。

また当初の延長可能ケースは、要介護4以上に限定されていたルールも現在は撤廃され、状態区分に関係なく延長できることになっている。

今後は前回認定結果と同じ結果の場合は、認定有効期間を48カ月に延長するケースが増えるだろう。

そうなると、「4年間も認定結果を更新しなくても良いのか?」・「状態像の変化に対応しない不適切な区分支給限度額につながりかねないのではないか?」などの疑問の声も挙がってこようが、それは期間延長されるたびに、いつも沸き起こってくる批判の声と同様だ。

しかし過去の認定期間延長が何か大きな問題につながったことがあるだろうか。そんなことはなかったと断言してよいのである。

そもそも認定期間なんでなくてよいというのが僕の持論である。(参照:介護認定期間の延長は是か非か ・ 要介護認定の新ルール等を受けて考えたこと

介護認定は原則申請によって行われることになっているのだから、新規申請以外は状態変化による区分変更申請を原則にすればよいだけだ。そうすれば認定審査数も大幅に減るのだから、判定にくその役にも立たない、「医師意見書」に掛かる経費や、認定調査・審査会にかける経費も削減できる。

国全体から見ると、その経費削減は大きい財源支出減につながると言えるのではないのか。

認定期間がなくなれば、認定審査の遅れによる暫定利用も大幅に減る。要介護認定結果の予測が外れて全額自己負担が生ずることを恐れて、サービスの暫定利用さえできないケースも減るのだから、有効認定期間の撤廃はデメリットを埋めて余りあるメリットが生まれるのだ。

次の報酬改定時に、認定期間の60カ月の延長案が出される前に、そのような漫才をやめて、有効認定期間の撤廃を図っていただきたいと思う。
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どうしようもないと思った介護支援専門員協会の会見


このブログには月曜から昨日まで、訪問介護の介護報酬に関連した記事を続けて書いてきたので、今週月曜日に行われた日本介護支援専門員協会のオンライン会見の話題には触れなかったが、それはとてもひどいものであった。

その会見を見た感想を、自分のフェイスブックでつぶやいたろころ、たくさんの仲間から賛同の声をいただいた。

その中にはこの会見を見て日本介護支援専門員協会に見切りをつけなければならないことがはっきり分かったという声や、現場のことをわかっていない人が上に立っている団体であることがはっきりしたという声もあり、居宅介護支援実務を行っている人の残念感は半端でないことが伝わってきた。

僕がフェイスブックでつぶやいた内容とは以下の通りである。
----------------------------------
来年度から居宅介護支援で6カ月ごとにケアプランに占める福祉系サービスの割合などの説明が義務化されることについて、日本介護支援専門員協会は1日に開いたオンライン記者会見で、ケアマネ負担増を懸念しこの義務を「1年に1回」とすることを国に求めていく考え方を表明しています。

本当にこの団体は現場の声を代表しないクソ団体です。執行部の頭の中身は、脳みそではなく南瓜でも詰まっているのでしょう。本来現場のケアマネジャーを代表する団体であれば、こんな説明義務はいらないと主張すべきなのです。年に2回を1回にするように主張したら、やっぱりその説明は必要なんだと認めるようなものです。必要ない説明なので、義務付け反対と強く主張して初めて、回数や頻度は見直されるというのに・・・。こんな団体に会費を払ってまで入会していてはなりません。
-----------------------------------
そもそも日本介護支援専門員協会は、介護給付費分科会に委員として協会副会長を送り出しているのに、この説明義務が課せられるという議論の最中に何の反論もすることなく、基準改正が答申され決定された今この時期に、そのルールの一部緩和を唱えるというのはどういうことなんだと思う。

それも介護給付費分科会で黙して、このルールを通した本人の口から言い訳がましく要望するとはどういうことだ。

この時期のそんな要望は何の意味を持たないし、単なるパフォーマンスとしか言いようがなく、会見を行った人は代表委員としての責務を全く果たしていないとしか思えない。

今回設けられた半年ごとに行う定期的な説明義務については、居宅介護支援実務に就いている人には、何の意味もない改悪ルールという認識が広がって、日に日に悪評が高まるばかりである。

このルールによって、なぜケアマネジメントの質が担保されるのかということを誰も理解することができない。

国は、福祉系サービスの計画割合が高いことは、即ち不必要な過剰サービスや囲い込みの根源だと思い込んでいるのだろう。しかし囲い込みの最たるものは、利用者のかかりつけ医師の所属する医療機関のサービス利用を、受診先で促されるという形の方がずっと多いのである。その結果、通所リハビリや訪問リハビリといった医療系サービスの方が囲い込み利用の割合が高くなっているはずだ。

福祉系サービスだけをやり玉に挙げて、利用者に説明させたからと言ってケアマネジメントの質は決して向上しないし、何も変化は期待できないと思う。(参照:ストレスフルだけど意味がない6月毎のケアプラン説明

説明を受ける利用者にしてみても、「その説明に何の意味があるのですか?」と戸惑うだけの結果にしか結びつかないのではないだろうか。説明を受けなければならないから聴くけど、そのような説明は受ける時間も無駄だし、自分にとって本当は必要のない説明だと思う人が大半だろう。

こんなルールを、さしたる議論もないまま成立させた介護給付費分科会もどうかしている。それはこの分科会が制度のあり方を決める場ではなく、単なるアリバイ作りの会合としか言いようがないことを証明しているようなものだが、それにも増して、すべてが決まった後に会員に後から言い訳をするためのパフォーマンスとしか思えない意見を会見で垂れ流す日本介護支援専門員協会の対応は、人としての真摯さを問われる姿であると言っても言い過ぎではないだろう。

今週月曜日の会見でルール緩和に触れた理由は、この説明義務に対して、居宅介護支援実務に携わる介護支援専門員から思った以上の反発の声が挙がっていることに危機感を抱き、自らの保身のためであろうと言われても仕方がない。

このような団体に会費を払い続けている会員の皆さんはある意味可哀想である。少なくとも、もっとケアマネ現業者の意見を尊重するような組織に変えなければ存続意義がないと思う。

しかしそのような改革は、執行部・役員の選出方法にメスを入れない限り、それは実現しないとも思うのである・・・。
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新介護報酬単価はどうなる〜加算上位区分には高い壁があります。


本日13時より行われる介護給付費分科会の資料が、先ほど午前10時に厚労省の公式サイトにアップされた。

しかし資料1・資料2はともに既出の資料でしかなく、期待された新報酬単価が載せられた資料は今の時間までにはアップされていない。

会議は午後1時から開始されるので、それまでに示されるのだろうか?やきもきさせられるところである。

今回の改定率は、新型コロナウイルス感染症に対応するための 特例的な評価 +0.05%(令和3年9月末までの間に限定支給)を含めて全体(平均)で+0.7%とされている。この数字は年間の給付費を11兆円と仮定するとすれば、およそ770億円/年が新たに介護現場へ投入されることを表している。 

しかし個々のサービスの算定構造を見ていくと、黙っていて収益が挙がる構造にはなっておらず、新設加算や従来加算に上乗せされている上位区分を算定しなければ大きな減収となる事業者も多いことがわかる。

例えば多くの介護事業者が算定しているサービス提供体制強化加算は、新しい上位区分として介護福祉士の割合等を従前以上に拡大した加算気設けられている。新加算気禄樵阿劉汽い茲蠱碓未上がるが、その財源は新加算供塀樵芦短鮫汽ぁ砲魏爾欧導諒櫃垢襪發里如介護福祉士等の割合が新気陵弖錣肪しない場合減収となる。

さらに従前の加算汽蹐鉢供Ν形蠹の加算は、新加算靴砲覆襪、この要件のうち勤続年数要件が3年から7年に引き上げられている。すると開業7年未満の事業者は、勤続年数要件ではこの加算を算定できなくなり、加算自体を算定できない事業所が出てくることは間違いがないところだ。

だからこそ、「CHASEのフィードバックとPDCAサイクル推進のイメージ」で情報提供したように、施設系サービス、通所系サービス、居住系サービス、多機能系サービスについて、全領域でVISIT・CHASEによるPDCAサイクルの推進を要件にした加算、「科学的介護推進体制加算」は必ず算定できるようにしなければならないし、介護施設に新設される、「自立支援推進体制加算」(寝たきり予防・重度化防止に対する取り組みへの評価として新設)等も算定する必要があるし、現行の加算についてもCHASEへの情報提出等を要件にした上位区分を算定せねばならない。

しかし簡単に上位区分と言っても、実際の算定はそうハードルは低くない。

例えば通所リハと通所介護の入浴介助加算も、自宅訪問アセスメント等を要件にした新しい上位区分は、現行の加算単位より10単位高く設定されるようだが、その分現行加算は10単位減額されるという情報がある。

そうすると従前のままでは大きな減収だ。しかし自宅への訪問アセスメントは介護福祉士でも可能とされた上位区分を確実に算定できるだろうか。この上位区分は集団で入浴ケアを行っていれば算定できず、個別対応が必要なので、入浴支援の在り方を変えなければ、算定不可となる事業所があることを忘れてはならない。

また通所介護はさらに規模しい。従前の個別機能訓練加算気鮖残蠅靴討い疹豺隋訓練の人数制限もなかったし、実際の訓練を行う職種は、機能訓練指導員の指示を受けておれば相談員でも介護職員でもよかったわけである。しかし新しい個別機能訓練加算は気皚兇盞盈内容が統合されており、訓練の対象を5人程度以下の小集団又は個別とせねばならないし、機能訓練は機能訓練指導員が直接実施しなければならない。相談員や介護職員の訓練対応では加算できないのである。

この要件がクリアできずに、従前の加算算定対象者の加算ができなくなるケースも考えられる。

こんなふうに今回の報酬改定では、新要件に対応できない事業者は、確実に減収減益となっていかざるを得ず、勝ち負けがはっきり分かれる結果を生むと言って過言ではないだろう。

ということで、13時からユーチューブ配信される介護給付費分科会を視聴する前に、報酬単価が載せられた資料のアップを今か今かと待ちながらの時間がもうしばらく続くことになる。
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介護給付費分科会委員も勉強してくれ


介護保険制度や介護報酬について審議をする場として、介護給付費分科会という会議の場がある。

昨年まではその会議を実際に傍聴する機会がある人は、都内に住む一部の関係者のみだったと思う。そのため会議の内容は、厚労省サイトに公開される議事録によって知るだけの人が多かったのではないだろうか。

しかしコロナ禍以降、会議がオンラインで行われるようになり、リアルタイムでその様子がユーチューブで配信され、多くの関係者が視聴できるようになったことで、実際の審議の様子を知る人が増えたように思う。そしてその会議の実態を知る人が増えたと思う。

そうした方々が集う場で指摘されることは、国の審議会と言っても大したことを話し合っているわけではないし、委員の知識も決して深くないね・・・ということである。

介護の様子を視聴していると、委員の中には国民の福祉の向上など一顧だにせず、所属団体の利益誘導のみを目的としてしか発言しないような輩もいることも見て取ることもできる。その良識の無さ、見識の狭さに壁壁することも多い。

現在その委員会のメンバーは、張り付いたリンク先の名簿の通りとなっている。介護事業の専門家ではない市民代表も含まれているので、専門性に欠ける帰来があることはやむを得ないことかもしれないが、国民すべてに関係ある制度や、それに関連する報酬体系構造を審議するのだから、もっと勉強して深い議論をしてほしいと思うのは僕だけではないようだ。

ところで今回の報酬改定は、自立支援介護の具体化の第一歩として、国の介護データベースCHASEへの情報提出が多角的に求められている。膨大なデータを収集する中で、自立したというアウトカムを数値化する第一歩が踏み出されているわけで、このデータをもとに2024年度の介護報酬改定時には、アウトカム評価の加算を多数新設しようとしているのだ。

その為国は、CHASE提出情報を分析し、事業者に自立支援につながる分析情報をフィードバックし、介護事業者はそれを踏まえて計画の見直し・再作成につなげていくという PDCA サイクルの推進が求められている。

13日に行われた分科会では、某委員がこのPDCAサイクルの推進について評価する声を挙げた。しかしその際にPDCAのAをアセスメントであると言っていた・・・。

PDCAとは、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)であり、AはAssessmentではない。それは改善と表記されるように、計画見直しなどの自立支援に向けた上方向へのベクトルにつなげる行動そのものであり、評価・評定ではないのだ。こうした理解もないのに、その推進を良いことだと論評できるのかと大いに首を傾げざるを得ない。もっと勉強しろよと言いたくなる・・・。

また複数の委員から、法定資格を持たない介護職員に対して、認知症基礎研修の受講義務を課したことに対して、介護の品質向上につながる良い方策だという評価の声が挙がっていたが、このことにも首を傾げる。

認知症基礎研修は、認知症の人の理解や対応の基本、ケアの留意点など、基本中の基本を学ぶものに過ぎない。研修時間はわずか6時間であるが、厚労省はカリキュラムを再整理し、これを更に短縮する方針を示してる。そして研修を全てeラーニングで完結できるようにするとしている。

そうであれば、3年の経過措置の中で資格を持たない介護職員が、全員この研修を受講することは難しくはないが、だからと言ってそのことで資質がアップすると考えるのもどうかしている。受講者の中には、業務に疲れた体にムチ打って受講する人も多いだろう。そういう人にとっては、eラーニング画面は催眠術だ。ほとんど研修内容は頭に入らないかもしれないし、そもそも現在の認知症基礎研修は、現場で実務に就いている人にとって、さほど役立つ内容になっていない。

介護業務の経験のない人が入口として入る研修としてはともかく、実務に5年・10年と従事している人は、職場の中で認知症の基礎を学んでいるだろうし、経験の中で培ったノウハウも持っていることも多い。

そういう人たちが改めて受講する研修なのだから、認知症の基礎知識として自分が持っている知識の何が正しく、何が間違っているのかを分かりやすく説明できる講義が必要だ。経験的に何となくわかっていたことを、きちんと言語化して、本当の知識に変えることができる講義内容が必要だ。

そもそも認知症は治療も予防もできないのだから、介護現場での認知症の人に対する対応は、行動・心理症状が起きないようにするにはどうしたらよいか、行動・心理症状が起きている人の、症状緩和のための対応はどういうものかを具体的・実務的に伝えなければ意味がない。

そういう研修内容をプログラミングして、それをきちんと伝えられる講師がいて初めて、認知症基礎研修の義務受講は、受講者のスキルアップに結び付くと言えるだろう。

国がそうしたシステムをつくり、講師を選ぶということについて関心の高くない現状では、今回の研修義務化は、寝て聞き流す人を大量に排出するだけの結果にしか結びつかないと断言しておこう。

僕が行う認知症講演は、誰も眠らない・誰も退出しない講演だが、そっちを聴きに来た方がよほど良いと思う。
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署名・押印はいらなくなっても説明・同意は必要です


25日に発出された介護保険最新情報Vol900は、【「押印を求める手続の見直し等のための厚生労働省関係省令の一部を改正する省令」の公布等について】であり、法令又は慣行により国民や事業者等に対して紙の書面の作成・提出等を求めているもの、押印を求めているもの又は対面での手続を求めているものについて、今後は押印を求めないこととするとしている。

介護施設・事業所が自治体へ提出する申請書等も新たな様式とするとしたうえで、押印欄がある旧様式については、手書きによる打ち消し線を引くなど、これを修正して使用することができる。

このことに関連しては、介護報酬改定の5つの柱のうち、「4.介護人材の確保・介護現場の革新」の、「文書負担軽減や手続きの効率化による介護現場の業務負担軽減の推進」の中で、次の3点が示されている。
○ 利用者等への説明・同意について、電磁的な対応を原則認める。署名・押印を求めないことが可能であることや代替手段を明示する。
○ 諸記録の保存・交付等について、電磁的な対応を原則認める。
○ 運営規程等の重要事項の掲示について、事業所の掲示だけでなく、閲覧可能な形でファイル等で備え置くこと等を可能とする。


このため今後国は、ケアプランや各サービスの計画書、重要事項説明書などの同意を利用者から得る際の押印についても、必ずしも必要ないことをルール上明確にする考えを示している。

これらの効率化がいつから有効になるか現時点で定かではないが、少なくとも来年4月からの介護報酬改定の際には、利用料金等の説明・同意について、いちいち全利用者から同意書を取る必要もなくなるし、ケアプラン等の署名・同意もいらなくなる。

とはいっても利用者や家族に、メールで料金変更のお知らせ文書を送りつけて済むという問題ではない。いらなくなるのは署名や押印であって、説明と同意は必要であることを忘れてはならない。

すると来年4月の報酬改定に伴う料金変更等の説明は、各事業者ごとに行わねばならないことに変わりはない。しかしその際の同意については口頭で構わないので、同意書を作成する必要はなく、業務日誌等でだれがいつ同意したのかという記録で良いことになる。また説明についてもいちいち対面して行う必要はなく、メールで変更内容のお知らせ文を送り、電話でその内容を説明し同意を得た記録を残しておけばよい。

しかし利用者全員に電話で説明を行うのは、かえって手間である。そこで考えられる方法は、例えば介護施設なら、一度は利用者や家族を集めて説明会を行う機会を持ってよいと思う。そこで説明を受けた人については、口頭で同意をいただき記録に残しておけばよい。そしてその説明会を動画録画しておき(スマホでの録画でも十分だ)、それをユーチューブ等にアップしたうえで、当日説明会に来ることができなかった人については、メールで料金変更のお知らせ文を送り、そこに説明会の動画をダウンロードできるURLを書いて知らせ、その説明を見たうえで同意する旨をメールの返信もしくは、電話で返答いただくようにお願いしても有効となるだろう。

居宅サービス事業所も、あらかじめ説明動画を録画して、それを見ていただいて口頭同意をいただくだけで良いだろう。同じ説明を何回もしないように、動画録画は推奨される方法だ。

ケアプラン同意等についても、利用者本人ではなく家族から同意を得る場合には、メールと電話を使った同意が主流になってくるかもしれない。

おそらく利用料金の請求書・領収書等の押印もいらなくなり、電磁的方法で請求書・領収書の発行も可能とされるだろう。(※ちなみに確定申告などで必要な領収書は、既に押印がなくても有効とされている。)

これらをいちいち郵送する必要がなくなれば、事務処理業務は大幅に削減されることになる。喜ばしいことだ。

そうなると問題は、内部決裁文書の扱いになる。

行政への申請文書をはじめ、請求書や領収書も押印が必要なくなるのに、内部文書だけ押印が必要で、判子を常に職場に備え置く必要があるというのはおかしい。内部決裁の押印文化もやがて消えゆき、確認も署名のみということになっていくだろう。もしかしたら署名さえ必要ない確認方法が各事業者ごとに発案されていくかもしれない。それも大いに結構だ。

どちらにしても文書をよく確認もしないで、判子を押すことだけに時間をとられるということがなくなることは良いことだ。押印が必要なくなることで、逆に文書内容を確かめる習慣がつくかもしれないし、そのことはポジティブに捉えたら良いのではないかと思う。
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厚労省のしっぺ返しが懸念される訪問看護のリハ規制見送り


厚労省は訪問看護ステーションから理学療法士等が派遣される回数が、看護師の派遣回数を上回ることを問題視して、その規制のために報酬改定の度に、訪問看護ステーションの介護報酬算定について様々なルールを課してきた経緯がある。

それはリハ職の訪問サービスを不必要とみているという意味ではなく、訪問看護は本来は看護師が訪問するサービスで、リハ職はあくまで看護師に替わって派遣されるに過ぎず、自宅でリハビリテーションを受ける必要性があるなら、本来は訪問リハビリを利用すべきであるという考え方が根底にある。

しかし訪問リハビリは訪問看護ステーションのように、母体から独立してセラピストが配置され、訪問専門の業務に専従する形は不可とされている。訪問リハビリとして認められるのは、病院、診療所、介護老人保健施設が母体となっているケースだけだからだ。

よって訪問リハビリというサービス種別の絶対数が不足しているため、それに替わって訪問看護のセラピスト派遣が増えているという経緯がある。それがまかりならんというのが厚労省の立場である。

だったらその問題を解決するのであれば、リハ職の訪問リハビリの独立経営を認めればよいと思うのだが、事はそう簡単ではないという。

そもそも理学療法士等のセラピストの資格は、業務独占の資格ではなく名称独占の資格である。リハビリテーションも、医師の指示に基づいて指示された内容を実施しなければならず、医師配置のない場所で、名称独占でしかないセラピストが独立経営してよいのかという議論がある。さらに日本看護協会が、セラピストの独立経営に反対の立場をとっているという経緯もある。

その為、この問題はなかなか解決が図れない問題であるのだが、今回の介護報酬改定議論の中で厚労省は、訪問看護ステーションの運営基準を見直し、サービス提供を担う職員に占める看護職の割合が6割以上であることを指定要件とすることを提案していた。これが実現すれば、その基準を満たすためには、訪問看護師の数を増やすか、セラピストの数を減らすしかない事業所が出てくるわけだ。

そうなると看護人材も不足してる現況においては、訪問看護師を増やして基準を満たすことは難しく、必然的に訪問看護ステーションの職を失うセラピストが増えることはめにみえている。

この提案が行われた11/16の介護給付費分科会では、日本慢性期医療協会の代表委員から、「訪問看護ステーションのリハは利用者の依頼に基づいて行われる。訪問看護の中でリハが大きなウェイトを占めることにクレームが出る理由が分からない。」などの反対意見も挙がった。

さらに日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会は共同で声明を出し、「利用者のニーズを排除した改正」・「約5000人のリハ職が雇用を失う」などと異論が噴出し、署名運動も行われるなどの騒ぎになった。

その中で厚労省にとって一番プレッシャーになったのは政治の動きである。

11/27の衆院・厚労委員会で公明党の桝屋敬悟議員がこの話題を取り上げ、リハ職が仕事を失ってしまうことや、サービスを受けている利用者にも支障が出ることの懸念を表明し、「毎年輩出される多くのリハ職を、介護現場で有効に活用するという視点も重要。地域支援事業で活躍してもらうのもなかなか難しい。地域の中でリハ職が活きる新しいスキームを抜本的に考えるべき」と提言した。

その結果12/9の介護給付費分科会で厚労省は、先に提案していた訪問看護の運営基準の厳格化は見送ることを表明した。

しかし同時に返す刀で、リハ職によるサービスは単位数の引き下げ、提供回数の適正化などを行うとした。

厚労省が目指した基準改正を、政治家等の圧力でつぶされた恨みつらみは、報酬単価の引き下げで晴らそうというわけだ。

現在セラピストの訪問は、1回に時間に関係なく296単位である。これは看護師の20分未満の訪問単位より低い単価で、1日に2回を超える訪問の際は、この単価がさらに1割減算されることになっている。

この単価がさらに下げられ、回数制限のルールも組み入れられる可能性が高い。セラピストの方々にとっては、規準厳格化が見送られてホッとするという状況にはないわけである。

くれぐれも油断なきように、声を挙げ続けていただきたいと思う。
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報酬改定と制度改正をしっかり分けて情報整理してください


来年4月からの介護報酬改定議論が佳境を迎えている。あと2月もしないうちに改定率が公表され、諮問・答申案が示されることになる。

しかしその見込みは決して甘くはないことと、そうであるからこそ経営努力として、コスト削減に引き続き取り組むことの重要性を、「(新情報)介護・医療事業に実績のある新電力でコスト削減を」で情報提供しているので参照願いたい。

新型コロナウイルスの影響が長期化する見込みの中、一般企業は固定費の削減を大きな課題としている。例えばANAは、3.500人にも上る人員削減で固定費カットを図っている。そんな中、介護事業者の経営者には危機感がない人がいる。感染予防対策費は介護給付費に上乗せしてくれるだろうと呑気に構えていて良いのか。上乗せはされたとしても、全部の経費増を賄えるほど、国はその積み上げ額を見積もってくれるという保障はない。

介護事業は人が人にサービスを提供するのだから、人員削減は難しいのだ。だからこそ人員以外の固定費のカットは緊急課題である。あらゆる面でのコスト削減に取り組む努力をしないところからは、人材も逃げ事業経営も難しくなるだろう。この危機感を是非忘れないで、可能な対策は今のうちに講じてほしい。北国の介護事業者は、電気・ガス料金は、これからが需要のピークを迎えるのだから、今のうちの対策が求められることを忘れないでいただきたい。

ところで介護保険制度に関しては、介護報酬改定議論に軸足が移った後、6月に国会を通過・成立した介護保険制度改正関連法案のことは、すっかり忘れ去られているような向きがあるが、これも来年度に大きく影響してくる問題である。

特に来年8月からの施行になるとみられている、高額サービス費と補足給付の改正の影響は、前者は現役並み所得者を直撃し、後者は第3段階△乏催する非課税所得者を直撃する問題である。(参照:価値ある情報は待つだけでは入ってこない。

この変更に対する同意書の作成も必要になってくるし、何よりその負担に耐えて、サービスを継続利用できるための支援を、経済面・精神面の両方向から行っていく必要も生じてくる。だからこそ、制度改正も振り返って、報酬改定と並行して何がどのように変わっているのか、変わろうとしているのかを、介護事業者全体で確認してほしい。少なくとも管理職やリーダーについては、その情報をくまなく伝え、新しい時代の備えという意識を職場全体に植え付けることが大事である。

そのような情勢の中で、かねてからこのブログで情報提供していた、「介護保険の総合事業の施行規則の一部を改正する省令」が公布された。そのことについて厚労省は22日に介護保険最新情報Vol.885を発出し、関係団体への周知に努めている。

これにより来年4/1〜市町村の総合事業の訪問型・通所型のサービスについて、要介護になっても引き続き利用できるようになるが、国はこのことについて、もともと総合事業のサービスを利用していた高齢者が要介護の認定を受けた場合に、そのまま継続させることを認めるもので、サービスの継続性を保証するものとしている。

しかしその真の目的は要介護1と2の対象者の訪問介護・通所介護を市町村事業化する布石であることは明らかであることは、過去にも示している通りである。(参照:事実だけを伝える報道には、「真実」が存在しないこともある

いま国は市町村へのインセンティブ交付金と、地域の高齢者の通いの場を市町村の責任で拡充させることをリンクさせている最中だ。(参照:市町村の「通いの場」の拡充と充実が促されている意味

これにより確実に市町村独自の、「高齢者が通って使えるサービスの場」が増えていくこととなる。そして今回の省令改正で、要介護者が市町村の総合事業を利用するという実績ができたら、それが前例となっていくのだから、2025年度からを目途に、要支援1と2の訪問介護と通所介護が市町村の総合事業に移行させられ、介護給付サービスから外れることは確実と言えるだろう。

その時、訪問介護と通所介護の経営者は、要介護1と2の利用者がいなくなっても、現在のように事業経営が続けられるのだろうか。その答えを探しながら、新たな事業戦略を練っていく必要があるわけである。

そういう意味ではこれからの時代、カリスマ経営者の個性だけでは生き残ることは出来ないと思う。一人の能力だけで対応できる時代ではなくなるのである。だからこそ組織力の強化が緊急課題だ。

今起きている変化とは何か、それは将来のどのような姿に結び付いていくのかを、事業所内で分析する力をつけていく必要がある。そのためには組織内で情報を共有化する普段の努力が求められてくるのである。

介護保険制度は持続する。2040年以降も高齢者の介護制度は今の制度を持続させ対応していくことは間違いない。しかし制度はその為に変化していく。このことも間違いのないところである。その中で生き残っていくことができる介護事業者とは、力がある強い事業者ではなく、その変化に対応できる事業者である。だからこそ少しの変化も見逃さないために、情報を常に更新して分析していく必要があるのだ。介護事業経営者はそのことを忘れてはならない。

介護事業者全体で今回の介護報酬改定と、先に決定されている介護保険制度改正をセットで学ぼうとする場合、僕は講演という形で協力できると思う。90分から120分の講演で全体像を明らかにできるだろう。それは会場での集合講演でも可能だし、オンライン講演という形でも可能である。

そういう機会をお求めの方は、masaの講演予定の文字に張り付いたリンク先に書かれている連絡先まで、お気軽に相談していただきたい。

まずは相談から始めていただきたい。
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価値ある情報は待つだけでは入ってこない。


ネット上には様々な情報があふれている。それを誰もが無料で手に入れることができる時代と社会になっている。

しかしネット上にあふれる情報の中には価値のない情報や、むしろ有害でさえある情報もあふれている。コロナ禍の最中にも、フェイクニュースによって被害が拡大した事例もある。(参照:次亜塩素酸水による空間除菌の必要性

介護事業経営者はこの厳しい時代を乗り切るために、必要でかつ正確な情報の取得する力も、経営能力の重要な要素だと考えていかねばならない。情報は取りに行くもので、座して入ってくるものではないし、最新で正確な情報を得るために使うお金とエネルギーは無駄ではないと考えねばならない。

今どき、単なる情報確保にお金をかけるのは無駄だと考える前時代的な経営者や管理者は、表舞台から降りていかねばならなくなるのである。

コロナ禍は、そのような情報の窓口を一時的に閉ざす問題でもあった。コロナ禍であるからこそ、それに対応するための国の通知文等が毎日のように発出され、その対応に追われた介護事業者では、コロナ関連以外の情報に対する目をふさぎ、耳を閉ざす姿勢が無きにしもあらずであった。コロナ関連以外の情報を仕入れたり、分析したりする余裕がなかった事業者も多かったのだろう・・・。

例えばコロナ禍と同時並行的に進められた介護報酬改定議論は、一応目を通して確認している関係者が多かったが、6月に介護保険制度改正関連法案が成立したことを知らずに、「補足給付の変更はいつ決まるのですか?」という質問が表の掲示板に書き込まれたりした。法案提出の段階では、何が決まっていたかを何となく理解していたが、審議・可決までに間があったことから、理解していた部分もうる覚えになってしまっている人もいた。

そんな諸々の事情が絡み合って、制度改正法案が成立したのは知っていたけれど、今回の審議で何が見送られ、何が決定したのかという正確な情報を持っている人は意外と少なかった。

それは感染予防対策から、集団となる集合研修の機会が奪われ、情報獲得手段が個人の能力に委ねられる結果となったことが一番の原因だろう。現在のようにオンライン研修もまだ十分に行われていない時期に、素早く正しい情報を手に入れることができなかった人は考えられている以上に多かったのかもしれない。

このブログで何度も指摘しているように、制度改正と報酬改定は、団塊の世代が全て65歳以上の高齢者となる2015年問題と、団塊の世代がすべて後期高齢者となる2025年問題の手当てを終え、来年度の制度改正と報酬改定からは、団塊の世代がすべて90歳以上となり減少していく中で、団塊ジュニア世代がすべて65歳以上となる2040年問題を見据えた視点へと移っているのだ。

それは時間的余裕があることをも意味しており、改革に対する国民の反発や抵抗感ををより少なくするために、変更は時間を掛けてゆっくり行うことを視野に入れている。そのため今回の改正法案では、将来必ず実現されるであろう被保険者範囲・受給者範囲の拡大や、「現役並み所得」と「一定以上所得」の判断基準の変更など、重要な課題はすべて先送りされている。

だからといって今回の制度改正がプチ改正であったかと言えば決してそのようなことはなく、低所得者も高額所得者も、両方の層が痛みを負う大きな改正が行われている。

補足給付の改正では、前回導入されたばかりの金融資産要件が引き下げられ、給付対象とならない預金額が単身で1.000万円超から、新設された第3段階△任500万円超と、一気に1/2の金額に引き下げられているのだ。金融資産要件を新設する際には、それに該当する層が少なくて済むように高いハードルを掲げながら、一旦ルールとして金融資産要件が存在するようになった途端に、ハードルは簡単に下げられていくのである。

しかも第3段階△乏催する所得が120万円超155万円以下の対象者については、食費の給付がなくなり、月22.000円もの自己負担増になる。この負担はショートステイ利用者にも適用されるのだから、施設利用者だけの負担増ではない。この負担ができずに施設を退所せざるを得ない人や、ショートの利用回数を減らす人も出てくるのではないだろうか。それだけ大きな改革である。

高額所得者にも大きな負担増が強いられている。高額サービス費の上限が44.400円/月〜年収約1.160万円以上の人は140.100円に、年収770万円〜1.160万円未満の人は93.000円/月まで引き上げられている。

前回の改正で2割負担から3割負担になった人であっても、高額サービス費の適用により、自己負担が増加しなかった人も多い。しかしこの改正でそれらの人は大幅負担増となる。いくら現役並みの高額所得者であっても、いきなり月の負担が96.600円も増えるのは、大きな痛みと言えるのではないだろうか。

このような法案が国会を通って成立したことや、その実施時期がいつになるのかということを、施設の担当者や居宅サービス計画担当者は利用者に伝えているのだろうか。このような大事な情報を、きちんと手に入れて対策を練っているのだろうか。

こうした情報を手にする時期に、早すぎる時期というものは存在せず、正確な情報の獲得は早ければ早いほど対策を急ぐことができるので、好ましいわけである。

どちらにしてもこうした情報を手にすると、国のハードル下げは急に大幅に行われることが理解でき、「現役並み所得」と「一定以上所得」の判断基準の変更とは、その負担層を拡大するだけではなく、真の目的は1割負担をなくして、スタンダードを2割負担とすることだということも理解できるはずである。

こうした分析情報も含めて、正しい情報を手に入れるための研修機会を失ったままの業界であってはならない。適切な時期に、オンラインも併用した密にならない研修機会を確保しなければならないし、今の時期は、法人・事業者単独でも、正しい情報を仕入れるための講演機会などを設ける必要がある。

今日16:30〜僕は、福岡県太宰府の介護事業者の職員研修のための講演を、北海道登別市の自宅から配信する予定になっている。

実はこの講演は、4月に大宰府に出かけて実施する予定になっていたものであるが、国が最初に発令した緊急事態宣言地域に福岡県が含まれていたため、その時期の実施をいったん見送ったものである。

今回Zoomでのオンライン講演が普及してきたこともあり、約半年ぶりに当初企画していたテーマ、「人を語らずして介護を語るな〜介護従事者に求められるサービスマナー意識」で話をさせていただくことができるようになった。

コロナ禍が終息していないこの時期に、事業所内での研修機会をきちんと設け、将来に備えた職員のスキルアップを図る事業者に未来は輝いていくのだろう。そうした事業者には、自然と良い人材も集まってくるだろう。

最新の正しい情報を得ることと、たゆまない職員の成長を図る努力が無駄になることは決してないのである。
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結論が近づく配置基準緩和はどうなるのか


介護報酬改定の論点の一つは、「介護人材の確保・介護現場の革新」である。

人材を確保するといっても、介護事業者で働く人の数を飛躍的に伸ばすことが出来る魔法はない。むしろ減り続ける生産年齢人口を考えると、今後も介護人材を確保することが難しい状況は続いていくと予測される。

そのため外国人が介護福祉士の資格を取ることによって、その人たちが実質的に日本に永住して、介護事業者で働き続けることができるような対策を講じたり、外国人実習生が介護事業者で働くことが出来る期間を延ばしたりして、日本人以外の労働力をより多く介護の場に張り付けようとしている。だがそれでも介護事業を支える働き手は充足しないというのが大方の見方だ。

そこで登場するのが、「介護現場の革新」である。何が革新なのかというと、人に替わるテクノロジーの導入がその意味であろうと思われる。

ロボットやセンサー、ICTなどの活用により、人手をかけずにできることを増やすことで、人手不足の解消を図ろうというものだ。それらの機器を導入することを条件に、配置基準を緩和(人員を減らす)という考え方も、その延長線上にあるものだ。

この考え方は国が示しているだけではなく、一部の介護事業経営者や職能団体も要望しているという経緯がある。

例えば介護報酬改定のために8月に行った関係団体ヒヤリングでは、日本グループホーム協会が、「見守り機器の導入やオンコールの緊急対応要員の確保などにより、入居者に支障がなく、安全が図られる場合には、事業所の状況に応じて柔軟に対応できるよう、2ユニットで1人の夜勤も認めて頂きたい」と要望している。

GHの夜勤配置基準は、ユニットごとに夜勤者1名の配置を求めているが、介護保険創設時には2ユニットの場合、「夜勤者1名+宿直者1名」で可とされていた。しかし長崎や札幌で相次いだGH火災で、夜勤時間帯に数多くの利用者が避難が出来ずに死亡した事故を受け、配置基準が今のように改正されたのである。

ところが昨今の人手不足を受けて、夜勤者の確保が難しくなり、事業を継続できないGHが増えていたり、夜勤配置のために日中の勤務人員が減り、その業務負担の増加がさらに募集に応募をかけても人が集まらない状況に拍車をかける結果になっていることに危機感を持つGH経営者が増えているのも事実だ。

そもそもGHのユニット利用者の上限は9名だから、一人の夜勤者で2ユニットを兼務しても、対応する人数は18名が最多人数である。それに比べて広域型の特養や老健施設の場合、夜勤者一人当たりの担当件数は20名程度が平均である。基準を緩和しても、夜勤者は特養等より少ない人数を担当するだけであり、その業務負担は介護施設と比べても過酷とは言えず、火災などの事故対応も、宿直者を加えることで複数職員での避難誘導が可能になるという点では、ユニットごとに夜勤配置を求めている現行基準と変わりないといえる。

よって日本グループホーム協会の要望は、決して検討に値しない要望とは言えないものだ。大いに議論される価値はあるだろう。

しかしながら、現実にGHで夜勤業務を行っている職員の考え方はまた別である。すべての利用者が、認知症という症状を持つ人であり、行動・心理症状のある人も多いGHを、他の介護施設と比較してもらっては困るという意見を持つ人もいるし、何より夜間時間帯に自分が担当してケアを行う利用者数が、現行の9人から一気に18人になることに不安を持つのは当然である。

そういう意味では、日本グループホーム協会は国に要望する前に、足元の会員施設の職員の意思統一を図る広報を行ったり、経営者側と職員の意見交換の場を作る必要があったのではないのだろうか。

なぜなら9日の介護給付費分科会では、多くの委員がGHの夜勤配置基準の緩和に対し、「既存の職員の負担が増す」・「サービスの質の低下につながる」・「利用者の安全を守る観点から緩和すべきでない」という反対意見が出され、それを知った現場職員の間からも、「その通りである」という意見が多数聴こえてくるからである。

GHの各論審議の場はこれで終了となると思われ、こうなるとGHの夜勤配置基準緩和は見送りの公算が高くなった。ただしケアマネ配置基準の緩和は実現しそうだ。

グループホームの計画作成担当者は、認知症介護実践者研修を修了したケアマネ配置が条件で、ユニットごとに計画担当者を置かねばならないが、複数ユニットの場合、ケアマネ資格のない計画担当者を、ケアマネ資格を持つ者が監督することで可としている。この基準を緩和し、ケアマネがすべてのユニットの計画担当者となり、ほかに計画担当者を置かなくて可とする緩和である。

少なくとも2ユニットのGHには、その緩和基準が適用されることになるだろう。基準が緩和されても、一人のケアマネが担当する計画者数は18人だから、これも施設や居宅介護支援事業所のケアマネジャーの担当件数と比較しても少ない件数で、過重負担とは言えないので、この改正は多くのGH関係者に歓迎されるものとなるのではないだろうか。

また全サービスに渡って適用される改正案としては、常勤配置を求められている職種の配置基準緩和も実現可能性が出てきた。

各サービスの管理者・介護施設のケアマネジャーや生活相談員、訪問介護のサービス提供責任者などは常勤配置が求められる職種だ。

これらに該当する職員が産休、育休を取る場合に、同じ資格を持つ複数の非常勤職員を常勤換算することにより、運営基準を満たしたと見なす特例の導入を俎上に載せられた。

果たしてそうした専門職等の休みに対応して、資格や能力を持つ非常勤職員を臨時に雇用できるかどうかは別問題として、現に働いている人に今以上の業務負担を背負わせることなく、配置基準を満たして運営する方法が多様化することは歓迎されることだろう。

一方で、今後議論されるであろう介護施設等の配置基準緩和は、介護職員に今以上の業務負担を強いる結果になる懸念が高い問題である。

一番実現に近い方向で議論されているのは、ユニット型施設の1ユニットの人数制限緩和である。現行10人程度とされている基準を、15人とする案が示されている。

さらに昼間については、ユニットごとに常時一人以上の介護職員又は看護職員を配置することとされている配置規定を緩和し、常時一人以上の介護職員又は看護職員を配置することを求めるユニット数を2ユニットまでにしようとしている。

そのことが認められると、職員の業務負担は大幅に増すことが予測され、現場で働く人たちの不安の声が高まっている。(参照:配置基準緩和に対するアンケート結果

この影響で、介護施設で働こうとする人がますます減ってしまうのではないかという懸念の声も高まっている。そうなればその改正は、革新にも人材対策にもなるどころか、それに反した結果を生み出すだけの愚策になってしまう。

次の特養の報酬改定議論の最大の注目点は、そこになるのではないだろうか。
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自己負担割合決定に金融資産勘案を財務省が主張


我が国の高齢者介護問題においては、団塊の世代と団塊ジュニア世代という2つの大きな塊の動向が、財源や人材の両面で大きく影響してくる。

少子化で生産年齢人口が減り続ける中で、最も大きな塊である団塊の世代が高齢者になるにつれて増大する社会保障費用をどうするのかということに続き、団塊の世代が徐々にいなくなる時期には、団塊の世代の介護財源や人材を支えてきたもう一つの塊である団塊ジュニア世代が高齢期に達することになるが、その人たちに続く次の塊が、わが国には存在しないことが大問題となっている。

団塊の世代は2029年に全員80歳に達し、2039年に90歳に達するのである。

そして団塊の世代を支えてきた団塊ジュニアは、2039年にすべて65歳以上となるのだ。

だからこそ2040年以降の高齢者介護問題が大きなテーマになってきているのである。

そのため2012年度までの介護保険制度改正と報酬改定(介護・医療)は、団塊の世代が全て65歳以上の高齢者となる2015年問題に向けられたものであった。

2013年度以降の介護保険制度改正と報酬改定(介護・医療)は、団塊の世代がすべて後期高齢者となる2025年問題と、それ以降の問題に向けられ、そのため地域包括ケアシステムの基礎作りから深化が求められた。

そして2021年の制度改正と報酬改定からは、いよいよ2040年以降を見据えた改革に取り掛かっているのである。

今年6月に国会通過して成立した介護保険制度改正関連法については、補足給付の段階区分と資産基準の見直しや、高額サービス費の見直し等、それなりに大きな改正が含まれているものの、被保険者範囲と受給者範囲の拡大や、現役並み所得と一定以上所得の判断基準の見直し等の重要な改正課題の多くは先送りされる結果となった。

その理由は、前述したようにすでに制度改正と報酬改定は、2040年度を睨んだものに変わっており、それまでに主要な改正テーマを解決すればよいとしているからである。つまり時間的余裕があるので、改革を急ぐあまり国民の大反発を招いて、政権運営ができなくなるような事態を避けつつ、ソフトランニングで改革・改正を行って、2040年度に間に合えばよいという意味だ。

だからこそ2021年度の制度改正で、議論の俎上に上りながら先送りされた課題については、徐々に実現されていくことになることは間違いなく、国民負担は徐々に増やされていくことになるのである。その結果、介護保険サービス利用の際の自己負担については、いずれ1割負担はなくなり、2割負担が最低限求められ行くことになるだろう。

そんな中で、8日に開かれた財政制度等審議会・財政制度分科会では、2021年度の介護保険制度改正議論では議論されることがなかった、新たな国民負担増加案を財務省が主張した。

それは介護保険利用の際の自己負担割合について、所得のみを勘案して負担率を決める現行制度は不公平だとするもので、負担率決定には金融資産を勘案せよという主張である。

財務省の主張をまとめると以下の通りとなる。

・高齢者は現役と比べて、平均的に所得は少ないが貯蓄は多い

・低所得の高齢者が相当の金融資産を持つケースもある」とし、所得のみを勘案して自己負担を決める制度は不公平

・医療保険・介護保険で高齢者に支払ってもらう自己負担の設定の際に、金融資産の保有状況を十分に反映させるべきである


この主張は今春の介護報酬改定が行われた直後から始まる、「次期介護保険制度改正議論」の中で、間違いなく議論の俎上に載せられ主要なテーマの一つとなっていくだろう。

そしてそのことは少なくとも2040年までには実現される可能性が高いと言える。なぜなら金融資産の勘案は、すでに補足給付の負担段階の決定においては実現されていることであり、それを前例にすることができるという意味で、決してハードルが高くはないからである。

このように国民の痛みは、静かに確実に増大させられているのである。少子高齢化という時代背景を受けて、それは「やむを得ないことである」という声も聴こえるが、少なくとも政治家や官僚には痛みがまったくない改革や改正は、あまりにも無慈悲で無責任である。

そのような改革がいつまでも許されると思っていると、必ず大きなしっぺ返しがされるであろうことを予言しておきたい。
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勤務形態一覧表の様式統一は誰のために行うのか?


厚労省が9/30付で発出した介護保険最新情報のVol.876は、介護事業者に活用を促す勤務形態一覧表の新テンプレートを公開・意見募集するものである。

この新テンプレートは、今年3月に先行して公表した訪問介護・通所介護・小規模多機能・特養のテンプレートに対して寄せられた意見を踏まえて改良したもので、今後11/30までに意見をさらに求め、今年度末までに国の推奨テンプレートとして介護事業者や自治体の担当部局に活用するよう促すとしている。

このことに関連しては、次期報酬改定の論点でもある(介護人材の確保・介護現場の革新)の中で、<文書量の削減>として次のような考え方が示されている。
事務負担の軽減の点からも、総合事業も含め国が標準的な様式等を作成することで、文書の簡素化・標準化・ICT化を推し進めていくということも必要ではないか。

今回の通知は、この実現の一環としてペーパーワークを削減するためのものと思われる。

しかしこのブログで何度も指摘しているように、文書量の削減・ペーパーワークの削減の方向性は、当初の目的から大きくずれてしまっているのではないかと思う。

ペーパーワークの削減の必要性が指摘された当初は、介護保険制度の創設以来、介護現場の看護・介護職のペーパーワークが大幅に増えていることが問題だったはずだ。行政指導の際の証明のための記録が大幅に増えて、本来の介護業務等に支障が来すほどペーパーワークが増え、介護職員等の疲弊が広がり、それが介護サービスの品質低下につながるとしたら、それは本末転倒になってしまうので、できるだけ直接介護職員のペーパーワークを減らして、利用者に接してケアする時間を十分に確保しようというのが本来の目的であったはずだ。

ところがペーパーワーク削減議論が進むにつれ、それが事務書類の削減に転嫁され、減らされる書類とは、申請事務に関する書類が中心となり、看護・介護記録の削減はほとんど手つかずの状態で放置され、介護の場で直接利用者に接する職員のペーパーワークはまったくと言ってよいほど減らない結果に終わっている。(参照:文書負担軽減委員会のあっち向いてホイっぷり

今回の新プレート活用で、介護事業者等の勤務形態一覧表書式を統一したとしても、少なくとも介護現場で利用者と相対する職員には何も関係のないことで、業務負担の軽減にはつながらない。

このことで仕事が楽になるのは、勤務体制を確認する役所の実地指導担当者だけではないか。すでに勤務表をソフトに組み込んでいる事業者にとっては迷惑でしかない。使い勝手の良い勤務表作成PCソフトを使い慣れた事業者にとって、今回公表されたエクセルファイルなんて、不便で不便で仕方ない。

そもそも国は、「改善すべき点を指摘して欲しいと広く呼びかけていた」というが、その呼びかけに応じて、意見を出した人とはいったい誰なんだ?介護事業者の事務担当職員が意見を出したかもしれないが、介護職員からの意見は挙がってきているのだろうか?

そんな疑問を持つ理由は、公開されたテンプレートは、「見づらい」からである。勤務表は事務担当者のためにあるのではなく、実際にそれでシフトを確認する介護職員のためにあるといってよい。

申請様式をそのまま業務の勤務表に置き換えられたらかなわないわけである。

勤務表に対して、現場の介護職員から挙がってくる要望は、「もっと見やすくして」・「文字が大きくないと見づらい」である。

シフト勤務者にとって勤務表とは、単に自分のシフトを確認するという意味ではなく、出勤者が誰と誰であるかを確認するためにあるもので、「自分はその日に誰と組むのだろうか」ということを確認するものである。そのため全体の勤務状況が一目で見やすくなっていないテンプレートを、介護職員が支持するわけがないのである。

もしこのテンプレートを使ってシフト勤務表を作成することになった場合に、現場の介護職員からは、「見づらい」・「計算式や数字なんて表に乗せないで、シフトだけわかるようにして」と不満が噴出するだろう。少なくともシフト勤務者自身は、こんなテンプレートに統一するなんて百害あって一利なしであると思うだろう。

介護の場で、利用者に逢いたいし汗する職員に何のメリットもなく、役人の事務作業がやりやすくなる結果にしか結びつかないクソ改革に、こんな費用と時間をかける無駄をなくさないとどうしようもない。このくそつまらないテンプレートを作成したことで、仕事をしたつもりになられても困るのである。

全くどっちを向いて改革しようとしているのか・・・。ペーパーワーク削減議論は、現場を知らない人間の認知力に欠けた議論としか言いようがなくて、あきれるばかりである。
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2021年度介護報酬改定を先読みしてみた


介護保険制度改正と介護報酬改定は、制度の持続性を担保するために行われてる。そこに最も影響が大きいのは団塊の世代の動向と考えられてきた。

そのためこれまでの制度改正・報酬改定は、団塊の世代の方々がすべて65歳に達する2015年や、それらの方々が75歳以上の後期高齢者となる2025年を睨んで制度設計がされてきたわけである。

しかし6月に国会審議を経て通過した介護保険制度改正議論からは、その先の2040年をにらんだ制度・報酬設計に変わってきている。

では2040年という年には、いったいどういう意味があるのだろうか。

日本の人口構造上、団塊の世代の次に大きな塊となっているのは、「団塊ジュニア世代」である。その世代が2039年にすべて65歳以上に達することから、2040年とはその人たちが介護保険の1号被保険者になった後の介護保険制度の設計を考え直すという意味がある。つまり日本の介護を考えるうえで注目すべき世代が、団塊の世代から団塊ジュニア世代に交代されているのである。

今更言うまでもないが、世代人口は第1次ベビーブームと呼ばれる1947年から1949年に生まれた、「団塊の世代」が最も多く、出生総数は3年間で約806万人にのぼる。

団塊ジュニア世代は、団塊の世代の人たちが生んだ子供が中心になっている世代と言え、第2次ベビーブームと言われる1971年から1974年に生まれた世代を指し、出生総数は4年間で800万人を超えている。

このように団塊ジュニア世代は、団塊の世代より年間の出生数は少ないものの、一般的にその世代の対象となる3年間と4年間を比較した場合の出生総数はほぼ同じと言え、少子高齢化が進む我が国において、今後団塊の世代が続々と介護支援を必要とする状態になった際には、その支援者たる社会資源としても大きな塊であるともいえる世代である。

ところが団塊の世代は、2039年にすべて90歳に達することになり、その数は激減していくと予測される。その時に団塊ジュニア世代が65歳に達するのであるが、わが国には第3次ベビーブームが存在しなかったために、団塊ジュニア世代の次の塊の世代は存在していない。

つまり2040年以降、高齢者や要介護者の数はどんどん減って、必要とされる介護サービス資源の量は、今より少なくて済むことになるが、それ以上に生産年齢人口が減ってしまうために、今よりさらに財源と人材が不足するのである。介護財源不足も介護人材不足も、自然には解消されないために、何らかの手を加えねばならない。

それを見越した制度設計として、制度改正と報酬改定が行われているのである。

逆に言えば、近直の2025年の制度設計は終わり、2040年を見越した制度改正・報酬改定を行っているという意味で、改革をそう慌てて急ぐ必要はないという意味にもつながっている。拙速な制度改正やルール改正は、国民の反発を招きかねないので、緩やかに目立たぬように変えていこうという意志が国の中には存在するのである。

だから近直の介護保険制度改正では、被保険者範囲・受給者範囲の拡大とか、「現役並み所得」・「一定以上所得」の判断基準変更とか、軽度者の生活援助サービス等の地域支援事業への移行とかという重要課題をすべて先送りしているのである。それらは2040年に向けて、徐々に変えていけばよいというわけだ・・・。

次期報酬改定も、コロナ禍という特別の事情が影響を与えた改定となっており、通常改定とは異なるという認識が広がっている。抜本的な変革は先送りして、今緊急に必要な手当てだけをとりあえず行って終わりにしようという意志が働いても仕方がない状況に思える。

そういう意味では、今回の介護報酬改定では大きな改革的な動きはなく、小幅な改定にとどまるのではないかと予測している。むしろ2024年度の介護報酬改定は、診療報酬とのダブル改定となるので、ここで大幅な見直しが行われるのではないかと予測している。

問題は改定率である。コロナ対応を含めた感染予防対策費を含めて、関係者の間ではプラス改定への期待の声が高まる一方だが、甘い見込みは立てられない。

むしろコロナ禍で経済状況が悪化し、税収が不足し、企業体力の低下が労働者の賃金水準低下につながっている現状を鑑みると、介護報酬改定への負の影響は避けられないのではないかという悲観的観測が強まっており、全体でマイナス改定にならなければ良しとすべきではないかという空気も漂い始めた。

現に9/4の審議では、基本報酬の引き上げは、40歳以上の保険料(2号被保険者の保険料)の引き上げに直結し、労使折半分の負担増を懸念した経済界からは、報酬をプラスする分はマイナスすべき分から補填する形で行うように要望が出されている。

14日の会合でも、認知症の人と家族の会が報酬引き上げには一定の理解を示しながらも、プラス改定により低所得者への負の影響が広がることへの懸念の声が挙がっている。

さらに言えば、今春改定された診療報酬は、薬価を1.01%下げたうえで本体報酬を0.55%引き上げるという実質的なマイナス改定であったのである。この数字は、患者負担を合わせた全体の医療費が約2.116億円程度引き下げられることを意味するものであるが、コロナ特例を含めて、介護が医療より優遇されるという保障は何もない。

一縷の望みは、菅内閣の最重要課題としてコロナ対策が掲げられたことだ。

そうなると感染予防対策費を報酬に上積みしてのプラス改定という期待も高まるわけだが、まだまだ予断を許さない状況がしばらく続きそうだ。

どちらにしても次期報酬改定は、政治的ウルトラCがない限り小幅な改定で終わりそうだ。介護関係者が期待するコロナウイルス感染予防費の積み上げもわずかで、お茶を濁して終わるかもしれないことを念頭に置いておくべきであり、経営努力としての経費節減策などに、引き続きと止めていかねばならないことを、事業経営者は心にとどめておくべきである。
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事実だけを伝える報道には、「真実」が存在しないこともある


今週は久しぶりにお日様を見る時間が多かった週だったと思っていたら、週末の土曜日は雨になった。今日からまたしばらく雨と曇天が続くらしい。天気が悪くて外に出る機会が減っても気分が滅入らないようにしたい。

それはそうと今週は嬉しいことがあった。あかい花道場の卒業生を1年ぶりに訪ねて、その子が去年から新たに勤め始めた場所で、輝くような笑顔で働いている姿を目にすることができたからだ。そのことについては、ぼくのもう一つのブログに、「咲く場所を変えて大輪を咲かそうとしている花のその後」という記事を書いているので、是非参照していただきたい。

さて本題に移ろう。

市町村が実施している介護保険の総合事業の施行規則の一部を改正する省令案について、国はパブリックコメントとして意見を募集している。

その中の(1)‖茖厩羯業の対象者の弾力化について、多くのメディアは、国が(概要)の中で示した考え方、「要介護認定を受けると、それまで受けていた総合事業のサービスの利用が継続できなくなる点について、本人の希望を踏まえて地域とのつながりを継続することを可能とする観点から、介護保険の給付が受けられることを前提としつつ、弾力化を行うことが重要」という文章をそのままに伝え、論評を加えていない。

そのため結果的には、その裏にある国の意図や、制度改正の布石を伝えていない状態となっている。

たしかに、「サービスの継続性を担保し、地域とのつながりを維持してもらうことが狙い。」というのは国が示している考えであり、そうした考えを示していると報道することは、「事実」を伝えていると言って間違いはない。

しかし過去の経緯を踏まえて考えたら、そもそもサービスの継続性は何故分断されているのかということを伝えなければ、「真実」は伝わらないと思う。

「要支援から要介護になった途端、それまでのサービスが全て使えなくなってしまうのは本人にとって良くないとして、関係者から再考を求める声が出ていた。」と報道されているが、その前に要介護だった人の身体状況が改善し、要支援になった途端、それまでのサービスを使えなくしたは誰なんだと言いたい。それを伝えなければ問題の本質は見えなくなるのではないのか?

要支援者の訪問・通所サービスは、もともと指定介護事業者による要支援者に対する介護給付サービスとして、分断なんかされずに一体的にサービス提供されていたのである。

それが分断されたのは、介護保険法の一部改正により、2015年(平成27年)から「介護予防・日常生活支援総合事業(以下「総合事業」)」がスタートしたのがきっかけであった。経過措置期間を経て2017年4月から全国すべての市町村で、要支援者の訪問・通所サービスは介護給付より単価が低く抑えられる総合事業に移行させられたのである。

要支援者の訪問・通所サービスを市町村の総合事業としなければ、「要支援から要介護になった途端、それまでのサービスが全て使えなくなる」という問題もなかったのである。

給付抑制のために要支援者の訪問・通所サービスを市町村事業にしたことがサービス分断の原因であるという真の問題点を、どの報道機関も伝えていない。

しかも・・・である。施行規則が改正された後は、要介護者になっても総合事業が使えることを、「ありがたいこと」のように報道しているが、ありがたいのは利用者ではなく市町村である。前述したように総合事業の訪問・通所サービスは、介護給付の訪問介護と通所介護より単価が安く設定されている。そのため要介護となっても介護給付の訪問介護や通所介護を利用せずに、総合事業のサービスを利用してくれる人が増えれば財源負担は減るのだ。よってそれは財政事情が厳しい市町村にとってはこの上なくありがたいことである。

しかもこの施行規則変更は、次の制度改正への布石にもなっている。要介護者が総合事業の訪問・通所サービスを利用するという実績をつくることによって、要介護者にとっても総合事業の訪問・通所サービスは効果があるという論理展開につながるわけである。

このようなアリバイ作りを行なったうえで、「軽介護者(要介護1と2)については、総合事業の訪問・通所サービスが利用できれば問題ない」という論理を作り出し、介護給付の訪問・通所サービスは要介護3以上に限定利用させるという給付抑制につながっていくことになる。

いま国は、インセンティブ交付金と連動させて市町村の通いの場づくりを強力に推し進めている。(参照:市町村の「通いの場」の拡充と充実が促されている意味

その政策と要介護者の総合事業利用をセットで進めた先に、軽介護者の訪問・通所サービスのすべてを総合事業化する意図や方向性を伝えた報道は皆無である。

それは果たして、「真実の報道」と言ってよいものなのだろうか。大いに疑問である。介護担当のジャーナリストの魂とは何かを問いたいと思うのは、果たして僕だけだろうか。
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介護事業を巡る経営者の論理と従業員のニーズの乖離


今週の月曜(8/3)に行われた第181回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)では、令和3年度(2021年度)介護報酬改定に向けて、事業者団体のヒアリングが行われた。(※資料はこちら

その中で、各種団体から見守りセンサーなどの介護ロボットやICTの導入を推進するインセンティブ措置を講じる意見と、それらの機器の活用を前提として、サービスごとに人員配置基準と資格要件を大幅に見直す要望が相次いだ。

つまり機器導入のインセンティブ報酬(新加算)と人員配置規準の緩和を求めたということだ。

この背景には、今後も十分なマンパワーの確保はますます難しくなっていくという共通認識があることは間違いのないところだ。

そしてその議論の中でも、「生産性」という言葉が飛び交い、これらの要望が介護の生産性を高めるという論理で、要望の正論化が図られようとしている。

しかしこれらの要望や意見がすべて介護現場を代表した声だと思ってもらっては困る。少なくともその声は、介護事業経営者の声であって、介護現場で汗する従業員の声を代表したものではない。

生産性を高めようとすれば従業員の意志は無視され、事業者の決め事から外れる労務はすべてカットされることは間違いないところだ。従業員は機械的に決められたスケジュールをこなす方法に誘導され、それによって利用者ニーズは切り捨てられていくことも明らかだ。そのことは、「生産性向上論の落とし穴」という記事に詳しく書いているので改めて参照していただきたい。

そもそも対人援助サービスの分野で、数値化できる形で生産性の向上を実現することはさほど難しくはない。そこでは利用者の、「こうしてほしい」という要望の声をできる限り無視して、最低限のサービスしか提供せず、従業員は分刻みで決められた作業労働をこなし、決められた時間で作業を終え、決して残業しないようにすればよいだけである。

その時に用いられるのが、「デマンド(希望)は、単なる利用者のわがままな望みでしかなく、ニーズ(必要性)ではない」という論理だ。ニーズとデマンドの境界の見極めは非常に難しいことを無視して、そうした冷たい論理で利用者のサービスを切り捨てていけばよいのである。

しかし労働時間が管理されて残業がないからと言って、従業員の仕事が楽になるわけではない。その分就業時間にびっしりと作業が詰め込まれるからだ。しかもこの部分について、さらに生産性を上げるために人手をより少なくするわけである。人が少なくなった部分を本当に機械が代替してくれるならよいが、そんな機械もロボットも存在しない。むしろ高性能なセンサーによって、人が呼び出される機会が増えて、対応しきれないという状況も生まれる。

管理的な分刻みの作業労働は、時として人の心を壊す例は、メッセージが経営していた、「アミーユ川崎幸町」の事件を見ても明らかだ。そのことについては僕とFBで繋がっているルポライターの中村 淳彦氏が、『川崎老人ホーム連続殺人犯の元同僚が証言「私が見た”闇”の実態」』という記事にしてネット配信しているので、そちらを参照してもらった方がよいだろう。

ここに書かれているように、「Sアミーユ川崎幸町」では、より少ない人数で合理的に運営する方針に基づいて職員の心身に過度な負荷をかけていたわけである。その時使っていたシステムとは、介護職の一日のスケジュールをコンピューターによって割り出し、分単位で介護労働を徹底するという、あの悪名高い「アクシストシステム」という管理システムである。

その結果アミーユ川崎幸町は、現在1審で死刑判決を受け控訴審で係争中の今井被告による一連の殺人事件と、中村氏のリポートに書かれているような虐待事件を引き起こし、親会社のメッセージは損保ジャパン日本興亜ホールディングスに事業を売り渡すことになった。そして全国展開されていた有料老人ホーム及びサ高住のアミーユは「SOMPOケア そんぽの家」に名称変更され、地に堕ちたアミーユブランドは消滅の憂き目にあわざるを得なかったわけである。

このようにアミーユ事件は即ち、生産性向上を目的にした対人援助がいかに危ういかということを示した失敗の典型であると言わざるを得ない。

今回の要望の結果は、アミーユの失敗を全国的に繰り広げることになりかねないのである。

人と同等か、それ以上の仕事をしてくれるロボットやセンサーが存在しない現状で、人員配置規準の緩和を強行すれば、介護サービスの場で働く職員は疲弊し、その負の影響はケアサービスの品質の低下となって現れるという結果にしかならないことは、「人員配置基準緩和で喜ぶ職員なんて存在しない」でも指摘している通りである。

全国の介護事業者で、日々利用者に寄り添いながら汗を流し続けている従業員の皆さんは、自分たちの声を代表すべき委員会出席者が、このような荒唐無稽の理論展開を行い、従業員の心身を疲弊させるような要望を行っていることを知らなければならない。

この要望が実現した先には、利用者の要望を無視して、嘆きや悲しみを振り切りながら仕事をし続けなければならなくなる自分の姿があることを想像しなければならない。

時間とスケジュールに追われ、心を壊していく自分の姿を想像しなければならないのである。

配置規準緩和の要望は、事業者の収益を上げる結果にはつながるかもしれないが、その反動は従業員の心身の疲弊と、アミーユ川崎幸町で起きたような心を壊した職員による暴言や暴力につながっていくのかもしれない。

なぜなら、わずかな加算とセットで人員配置基準が緩和されれば、配置基準がこうなったという理由だけで、従業員の労務負担が今以上に増えることを無視して、介護現場からの従業員数減らしが強行されるのからである。現場が廻らないから人をもっと雇ってくれという声は、今以上に上に届かなくなるからである。

介護事業者の従業員の皆さんは、自分たちを代表する委員が、介護給付費分科会という場で、こんな荒唐無稽で勝手なことを言っているのを、いつまで許しておくつもりなのだろうか。

どちらにしても闇雲に配置人員を削る結果は、従業員の労務負担増加と、心身の疲弊に結び付き、ケアサービスの品質低下に直結するのだから、そうした試みをしようとしている事業者に勤めている人は、一日も早く職場を替えたほうが良い。

その場合は、下記のような信頼できる支援サイトの助けを借りることが一番である。お金は一切かからないので、まず登録から始めてほしい。
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介護報酬は景気対策を含めて特例的対応はできないのだろうか


昨年12月16日に介護保険部会で諮問・答申が行わた介護保険制度の見直しに関する意見は、やっと衆議院で審議入りし、今月中の可決の見通しが立てられている。6月には参議院でも法案審議・可決され成立の見込みだ。

その内容は決してプチ改正ではないとこのブログでは訴えてきたので、関係者の皆さんには改めて法案を確認しておくことをお勧めする。(参照:今回の介護保険制度改正はプチ改正ではない

この法案通過後は、いよいよ来年4月の介護報酬改定に向けて、介護給付費分科会の審議も再開されるだろう。今年の夏から年末にかけて具体策をめぐる議論が大急ぎで行われていくことになるのではないだろうか。

このブログでは何度も指摘しているが、次期報酬改定は前回のように診療報酬とのダブル改正ではなく、介護単独改正のため、薬価引き下げ分が財源になった前回のようなおこぼれにもありつけない。財源がない中での厳しい改定となる。

しかし新型コロナウイルス感染症の問題が収束に向かったとしても、感染予防対策はコロナ禍以前と以後では異なってくるのは確実で、マスクやゴーグルを通常装備品にする必要もあるし、空間除菌の日常化も必要になるなど環境消毒にかけなければならない費用は当然増えるのは確実である。

新しい生活様式に沿うために、ICT技術や介護ロボットなどを今以上に取り入れる必要もあり、ここにもお金がかかる。

その対策としての費用上乗せが必要であるとして、介護給付費のアップを求めることは当然必要だろう。

感染症の影響でサービスの利用控えや休業などで経営が厳しくなっている事業者も多く、2020年度の決算で単年度赤字になる介護事業者も多いだろう。

そんな中で、介護報酬ダウンということになれば、事業経営にとっては大変な逆風となることが予想される。そうした状態を懸念して介護報酬のプラス改定を望む切実な声が挙がっている。

新型コロナウイルス対応では、介護保険施設等への負担が強いられた。そのような中で訪問介護等の居宅サービスの必要性も改めてクローズアップされており、そんな状況で国は厳しい報酬カットや複雑なルール変更を断行しづらいという見方もある。

しかし昨年10月の消費税アップに伴う報酬改定は、特定加算を含めると改定率はプラス2.13%とされている。このアップ分は事業収益には結びつかないものの、国は2018年報酬改定に引き続き2年連続のプラス改定であることを盛んに強調している。

すなわち国の主張とは、骨太改革で社会保障費の削減が続けられている中で、2年連続報酬をアップされている医療・介護業界は、他の産業より優遇されたのだから、次回の報酬改定時は、他産業分野とバランスを取るために、少し泣いてもらうというもので、決して報酬改定に向けて順風が吹いているわけではない。

だが感染予防対策費用への手当とか、感染の恐れがある場所で頑張る職員への危険手当などという面ばかりではなく、日本全体の景気対策として考えた場合、介護報酬という法定費用を下げることのマイナス面にも注目していただきたい。

日本全体の景気は間違いなく冷え込んでいるし、その回復にはまだ数年を要するし、そこには国の景気刺激策は欠かせない。介護報酬という法定費用にも、その面を反映させて景気刺激するという考え方は決して荒唐無稽ではない。

介護事業全体を見渡すと、前述したように感染予防対策費は増やさざるを得ないし、人材確保のための費用も間違いなく増やさざるを得ない。介護報酬をアップさせた分が内部留保を増やすだけの結果に終わる恐れは少ないのだ。むしろアップ分は経費として支出されるのだから介護関連事業全体への波及効果を考えても経済効果が見込まれることは確実ではないかと思う。

通所介護などでは自主休業で大変な損失が出て、厳しい経営状態になっている事業者も多い中、せめて来年に迫った介護報酬改定では、それらの事業者が体力を回復できる報酬体系とプラス改定を望みたいものだ。

だからといって、経営努力をしなくても収益が出るような報酬アップは期待できず、事業者自身の経営努力も不可欠だ。新しい時代・新生活様式に合わせて人材と収益を確保できる方法を、より早く取り入れは事業者しか残っていけなくなる。

そういう意味では今後の介護事業では、ランニングコストの抑制も大きな課題となるが、『収益減に対する自己防衛策としてリスクとコストゼロで電気料金を賢くカットしましょう』で紹介した方法などにより、コストカットしていくことも今以上に必要になるだろう。

様々な複合的対策を施す事業者が生き残っていくわけであるが、高齢者数の延びと、介護ニーズの増大を考えると、生き残っていく事業者には、大きな収益を得るチャンスでもあり、このビッグチャンスを手にする知恵と工夫が、今この瞬間から求められていることを忘れてはならない。
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次期介護報酬改定議論は進められるのか


政府が23日に発表した4月の月例経済報告は、「景気は、新型コロナウイルスの影響により急速に悪化しており、極めて厳しい状況にある」という判断を示している。

感染症の拡大が続き、先が見えない中で、景気の悪化はさらに深刻化することが予測されるが、そんな中で医療費や介護給付費を含めた社会保障財源の確保のために、さらなる国民負担を求めることは出来るのだろうか?景気動向を無視した国民負担増は難しいと考えるのは、甘い考えなのだろうか。

今の厳しい経済状況を考えるならば、ウイルス感染症の収束が見込まれるまでは、国民負担増の議論は一度凍結したほうが良いように思う。この状況で国民の痛みを求める改革案が示されたならば社会不安は広がるばかりだ。ここは政府の決断を待ちたいところだ。

来年4月は介護報酬の改定も予定されており、そのスケジュールも3/16の介護給付費分科会で示されている。しかしそれ以降分科会は開催されておらず、次回の開催予定日も示されていない。感染予防のために会議自体を自粛している影響だろうと思うが、ネットを利用したオンライン会議に切り替えて議論が進むのかも今のところ不透明だ。

スケジュールでは、すでに主な論点の整理に向けて、事業者団体ヒアリングが進められていなければならないが、それもできないのが現在の状況だ。次期報酬改定では自立支援介護を本格導入するということで、成果報酬を様々なサービスに導入するとされているが、そのための検証作業も進んでいるとは思えない。

次期介護報酬改定は、2040年を見据えて新たなステージに向かってどうスタートを切るかを問う、「抜本的な仕組みの議論になるだろう」という意見が日本医師会の江澤委員から出されているが、そのような抜本議論の結論を出すことができる時間はもう無くなっているように思う。

改定の度に加算・減算が追加されて複雑な報酬体系になった介護報酬を、今一度整理してわかりやすい報酬体系にしていくことも必要だが、そんな議論は全く進んでいない。

しかも新型コロナウイルスの感染が広がっている現在の状況を鑑みると、介護事業者の感染予防に関する費用負担は、今後ますます増えることが予測され、それに対応する報酬体系は議論されなくてよいのかという大問題が新たに生まれている。ここをきちんと議論しないと、介護事業者は存亡の危機に立つし、感染の不安から介護人材確保はさらに難しくなる恐れがある。

中長期的にみれば、この感染拡大が及ぼす人材確保のためのリスク対応も議論されなければならない。考えるべきこと、検討されるべきことは山ほどあるが、会議さえまともに開けない現況を鑑みると、もう議論には時間が足りないのではないだろうか。

ケアマネジャーの処遇改善も、次期報酬改定時の重要課題になっているが、その可否や財源を議論する時間もほとんどなくなっている。

適当なデータを拾い集めて、おざなりな議論でアリバイ作りをして、国の意図する既定路線でそのまま次期介護報酬を組み立てるなんてことがあってはならないはずだ。

ここは腹を括って早い時期に、報酬改定時期の1年引き延ばしを宣言するべきではないのだろうか。

現行の報酬体系で2022年まで経営と運営ができるという安心感を、早めに介護事業者に与えることによって、感染症対応の更なる充実を図りながら、利用者の福祉の向上を実現する介護事業経営に専心させることが、今一番求められていることではないのだろうか。
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国民だけに痛みを求める制度改正


昨年12月16日の介護保険部会で、「介護保険制度の見直しに関する意見」の素案が出されたことにより、今後、諮問・答申が行われ、通常国会に法案が提出され、審議・可決という流れになる。

そのため今後の議論は制度改正から、21年度の介護報酬改定にシフトしていくが、これらはすべて介護保険制度の持続可能性を高めることが最大の目的とされていく。そのため改正と改定の実態は、サービス利用の抑制策の強化と、国民負担の増加でしかない。

こんなふうに政治改革や行政改革が全く行われない中で、社会保障費の伸びを抑える政策が続けられているのだから、痛みを負うのは国民ばかりである。

そのため介護保険制度は、ますます使いずらい制度になっている。

社会保障費に関連する国民負担もどんどん増え続けており、次の介護保険制度改正も決して小さな改正ではないことは、「今回の介護保険制度改正はプチ改正ではない」で指摘しているところだ。

いうなれば介護保険制度の給付は、2000年に制度がスタートした当時が最大で、それ以降3年ごとの改正の度に縮小の一途をたどっているわけだ。強制加入の社会保険料を支払わねばならなくなるにあたっては、給付を最大限に見せて、それ以降は縮小させ続けるという手法は詐欺師の手口と同じと言っても良いのかもしれない。

しかも国民の痛みはそれだけではない。

例えば医療費については、一定の所得がある後期高齢者(75歳以上)による医療費の窓口負担を、現在の原則1割から2割にするとし、団塊の世代が75歳以上になり始める2022年度初めまでの実施を目指し、枠組みを検討していくことになっている。

加えて2017年の介護保険法の改正により、2号被保険者の保険料負担は、2017年8月から年収が高い人により多く支払ってもらう「総報酬割」へ段階的に移行しているが、この改正が2020年から全面施行となる。そうなれば主に大企業で働く会社員の介護保険料が4月から大幅に上がり、年1万円を超える負担増になる人が続出することも見逃してはならない。

財源には限りがあるのだから、それは仕方がないことであると国は言う。

超高齢社会であり、少子高齢社会であることを考えると、国民負担はもっと増やしていく必要があるし、給付は必要なところにだけ重点的に行って、必要性の薄いところは、「小さなリスク」とみなして、自己責任でカバーしなさいと国は言う。

一方で政治改革は一歩も進まず、選挙制度改革にかこつけて国会議員の数はむしろ増えている。

それで仕事をしているならいいが、国会議員たろうというものが、一番大事な新型コロナウイルスの感染症対策の会議をほっぽり出して、地元の講演会や新年会という場所での、「呑み会」に参加しているという破廉恥ぶりだ。そいつが国民の見本となると豪語して、育休をとって職務を放棄しようとしている。

IR(統合型リゾート)を巡る汚職で逮捕された国会議員が、その身分のままで、だれも責任を取らせようとしない。そんな連中に血税は使われ続けている。そもそもIRが推進される理由は、経済発展のためなのか、巨額の利権のためなのか・・・。

そんな傲慢で破廉恥な国会議員を挙げればきりがないのが、今の政治家の現状だ。

政府・内閣に人事権を握られた官僚も事なかれ主義がさらに蔓延し、政治家の言いなりである。しかしそうは言いながら、握った利権は決して放そうとせず、利権のためには国民生活は二の次・参の次である。

国民は年金で生活ができずに、定年を年々延長され、老体にムチ打ちながら働き続けなければならないのに、官僚は天下って、席に座っているだけで年収何千万円という世界である。

こんな国が民主国家で、先進国と言えるのだろうか。

そんな中で唯一称賛されるべきは、一方的に痛みを負わされ続けている国民が、暴動も起こさず、さしたる文句も愚痴も言わずに、粛々・黙々と日々の労働と納税に汗を流し続けていることだ。なんと素晴らしい国民性だろうか・・・。

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介護保険制度はどこに向かっているのか


次期介護保険制度改正議論の中では、要介護1と2の人の生活援助(訪問介護)や通所介護を、介護予防・日常生活支援総合事業(以下、総合事業と略)に移行してはどうかという議論が展開されたが、結果的にそれは見送られた。

その大きな理由は、軽度者の総合事業への移行は、どのような理屈をつけても給付抑制であることが明らかであり、消費税を10%に引き上げたにもかかわらず、政治家や官僚の痛みが全く伴わない状況でさらに国民の痛みを求めることは、政府与党にとっての大きな逆風になりかねないという理由もあったが、最大の理由は、受け皿となる自治体独自の総合的なケア体制が整っていなかったからである。

しかし財源抑制の観点からは、いずれ介護給付の対象は今以上に絞っていく必要性があるために、近い将来には必ず、軽介護者の生活援助や通所介護については総合事業に移行されていくだろうし、それを橋頭保にして、医療系サービスの一部も介護給付から切り離せないかを検討していくことになるだろう。

そのため昨年12/16の介護保険部会で示された、「介護保険制度の見直しに関する意見」の素案では、市町村が実施する総合事業には、新たに要介護者もサービスの対象とすることが明記されている。

その理由について国は、要支援者が使い慣れた総合事業を、要介護に認定された途端に使えなくなるのでは、サービスの継続性が担保されずに、自立支援を阻害するとか、市町村からも「要介護者でも総合事業により自立支援を促せるケースがあるにも関わらず、一体的な支援に繋げられない」という意見や要望があったからなどとしているが、この理屈はおかしい。

なぜなら介護保険制度における介護給付サービスは、もともと軽度者も重度者も一体的で継続的なサービスであったのである。それを分断したのは制度改正そのものであり、給付体系を予防給付と介護給付に分断し、さらに予防給付の一部を地域支援事業における総合事業に移行させたことが、サービスの継続性や一体性を失わせた元凶なのである。

それを正すために、さらに軽介護者のサービスを総合事業に取り込もうとするのはまやかしにしか過ぎず、それは将来的に軽介護者の介護給付サービスを制限するための方便であるということは見え見えである。しかしその方向性はやがて自己責任論に転嫁され、軽介護者の保険給付はままならないという論理にも結び付きかねない。

しかも来年度から400億円に倍増される、「保険者機能強化推進交付金」については、地域の高齢者の、「通いの場」の拡充や、その通いの場にリハビリ専門職が関わっているかなどが新たな評価として加わることになっており、それは近い将来、要介護1と2の通所介護利用者の通いの場に転換する目的であることは明らかである。

一方で生活援助については、その担い手不足が深刻化している。

ホームヘルパーなどの訪問介護職の有効求人倍率が、昨年度13.1倍まで上昇し、すべての職種の平均と比べておよそ9倍の高さとなっていたことがわかり、訪問介護で新たな人材を確保することが一層難しくなっている。そもそも訪問介護員は50歳以上が働き手が全体の73.0%を占めており、20代は1.0%という惨状なのである。

つまり訪問介護員の多くの方々は、他の介護事業を退職した後、第2の人生を生きる中でヘルパーとして再就職した方が多いのである。団塊の世代のすべての方々が、今年やっと70歳に達する中で、元気高齢者が多い状況が、ヘルパー人材の枯渇を何とか防いでいるのがこの国の介護現場の実情である。

しかしそのような元気高齢者の数も、今後はどんどん減っていくのであるから、言葉は悪いが訪問介護員は、「絶滅危惧種」である。そんな中で軽度者の生活援助を総合事業に持ってきても、市町村にそのサービスの担い手はいるのだろうか。

例えば身体介護をしなくてよい生活援助専門にサービスをつっかする資格もあるが、その資格を取得しようとする人の数は少ない。そもそもそんな資格をいくら作っても、それは賃金の低い、「底辺労働」にしかならないのだから、そこに張り付く人材も、他に働き場所のない高齢者が中心となり、サービスの質は低下せざるを得ないし、その数もどんどん少なくなっているのだ。

とすれば、我が国の介護保険制度や地域包括ケアシステムは、ヘルパーのなり手がないところから崩壊が始まるといってよいのではないだろうか。

それに対する有効な処方箋は存在していないというのが、我が国の実情でもある。

そんな中でも介護保険制度は、「持続可能性を高める」ことを目的として改正され続けていく。その改正とは給付抑制と、国民負担増加である。

しかもその改正結果の検証作業はおざなりだ。

例えば2018年度の介護報酬改定の効果検証調査の実施案が介護給付費分科会に示されている。しかしこれっておかしくないか?改訂議論を行う分科会と、その改訂結果の検証作業を行う分科会が同じでは正当な評価なんて出来っこない。

それは事実上検証作業をアリバイ作り・形骸化させる結果にしかならない。本当に馬鹿が悪知恵ばかり働かせているのが国の委員会だと思う。

その中で痛みを負うのは国民ばかりで、政治改革や行政改革という政治家や官僚の痛みにつながる改革はまったくされていない。

だから介護保険制度も闇に向かってまっしぐらである。

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今回の介護保険制度改正はプチ改正ではない


介護保険制度の今後の動向を考えると、介護保険制度の見直しに関する意見(12/16介護保険部会)に基づいて諮問・答申が行われ、通常国会に法案提出・審議そして可決という流れになっていく。

そのため今後の議論は、制度改正議論から2021年度介護報酬改定議論に移行していくことになり、そこではケアマネジャーの処遇改善に向けた議論が重要なテーマの一つになってくる。

ところで今回の介護保険制度改正では、多くの検討事項が見送られたことから、小さな改正にとどまっているという見方があるが、本当にそうだろうか。僕は決してそうは思わない。

なるほど被保険者範囲・受給者範囲の拡大、居宅介護支援費の自己負担導入、自己負担化されていない老健等の多床室の室料負担、軽度者の生活援助サービス等の地域支援事業への移行、「現役並み所得」・「一定以上所得」の判断となる所得基準の引き下げについては、ことごとく先送りされた。

介護認定を受けていながら保険サービスを利用していない人に対する現金給付については、介護者の介護負担そのものが軽減されるわけではなく、 介護離職が増加する可能性もあり、慎重に検討という形でこれも見送りとなった。

補足給付の資産要件に、「土地・家屋」も加えて評価するという案も見送られた。

これらの案が見送られた主な理由として、「消費税増税」がある。2019年10月〜消費税を10%に引き上げたことは直接の国民の痛みにつながっている。しかしそれは社会保障費の増大に伴う必要な改革であり、増税分はすべて社会保障財源とするというのが、国と国民の約束事である。

しかるにそうであるにもかかわらず、ここでさらに国民の痛みにつながる、負担増や給付抑制を求めることは国民に説明がつかないということが、多くの改正案が先送りされた大きな理由となっている。

その背景をさらに深読みすると、衆議院議員の任期満了が迫る中で、内閣が死に体になる前に、オリンピックが終了した直後にも、「解散総選挙」が行われるかもしれないという政治状況も関係しているだろう。政治家と官僚の痛みの伴わない中で、国民の痛みだけをこれ以上増やすことは、政治的な敗北に直結しかねないという背景要因が無視できなかったという意味だ。

そんな中で2号被保険者の範囲を拡大することや、所得要件を引き下げて国民負担を下げること、介護保険利用の自己負担割合を増やすことは先送りされたわけである。しかしこれはあくまで、「先送り」であって、「検討終了」ではない。消費税アップの余波が引いて、政治的状況がより一層安定した場合には、それらの検討課題は随時実施していくという意味だ。

居宅介護支援費の自己負担導入もいずれ実現されるし、介護保険の負担割合は2割負担がスタンダードになり1割負担者はいずれいなくなるし、2号被保険者の年齢は40歳から20歳に引き上げられていくだろう。それがいつになるかという、「時期」だけが問題なのである。

しかし今回改正される内容だけをみても、その影響は決して小さくはない。今回の制度改正では、高額所得者と低所得者の両極端の層に負担増を求めている。

年収1.160万円以上の人は、高額サービス費の上限が現行の月額44.400円〜一気に月額140.100円となり、月にして95.700円負担増となる。高額所得者といってもこれは大きな負担増であり決して痛みが少ないわけではない。

低所得者については、年収120万超で155万以下の人たちの負担段階が3段階△箸覆辰董⊃費が月額22.000円アップとなる。しかも補足給付の資産要件がさらに厳しくなるので、単身者の場合預貯金が第2段階で「650万円以下」、 第3段階,「550万円以下」、第3段階△任蓮500万円以下」の人しか補足給付されなくなるため、今現在は補足給付が支給されていても、いきなりその支給がされなくなる人も出てくる。

施設入所している人で補足給付を受けている人の中には、自宅で妻もしくは夫が暮らしている人がいる。その人たちは実質二つの竈(かまど)を少ない所得で維持しているようなものなのだから、補足給付が命綱であり、今回の変更は死活問題でもある。

しかも老後の暮らしを護るための預貯金は2.000万円以上必要と言われる中で、それよりはるかに低い額しか預金が許されなくなるということは、低所得者は、「早く死ね」と言われているようなものだと感じる人も出てこよう。その心理的負担は察して余りある。

さらに次の改正への布石もちりばめられている。要介護1と2の生活援助と通所介護の地域支援事業化が見送られた大きな要因として、地域にサービス資源がないということが挙げられた。特に通所介護については、非該当や要支援の方々の通いの場所も不十分である中で、要介護1と2の人まで地域支援事業で対応するキャパがないことが指摘された。

そのため厚労省は、来年度から400億円へと倍増されるインセンティブ交付金について、増額分の200億円をすべて、介護予防や健康づくりを推進する目的で集中的に投下する意向を示し、制度改正でもそのことを盛り込んでいる。これによって増額分の交付を受けたい市町村は、必然的に地域の“通いの場”の整備を余儀なくされていく。そこに要介護者も通えるように基準緩和し、将来的には要介護1と2の人の通所介護は、介護給付から外され地域支援事業化されていくという地図が描かれているのである。

そのほか更新認定の二次判定において直前の要介護度と同じ要介護度と判定された者については、有効期間の上限を 36 か月から 48 か月に延長することを可能とする改正や、認定調査を指定市町村事務受託法人に委託して実施する場合において、ケアマネジャー以外の保健、医療、福祉に関しての専門的な知識を有している者を認定調査員とする改正も行われる。

このように国民の痛みはより大きくなっており決して小さな改正ではないし、事業者として利用者に説明同意を得なければならない作業も決して少なくないということを理解しておくべきではないかと思う。

それにしても政治家や官僚の痛みはゼロで、これだけの国民いじめがされて暴動が起こらないのは、日本くらいではないのか思ってしまう。そんな制度改正と言えるのではないだろうか。

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制度をひねくり回すよりワンストップサービスの復活を望む


僕は今、福井県自治会館(福井県福井市)で行われている、「福井県介護支援専門員協会主催・介護支援専門員資質向上研修研修、スーパービジョンとOJT」で講師を務めている最中だ。

今日の講演は10時から始まり午後4時30分まで続く予定だ。途中で短い時間のグループワークを挟んで、正味5時間の講演である。講演テーマは、『すべての「人財力」を活かす魅力ある職場つくりのために』であり、人を育てるOJTやスーパービジョンの在り方を中心に話を展開させている。

そんなわけ昼休みの時間を使ってこの記事を更新している。ということで本題に入ろう。

12月27日の社保審・介護保険部会でまとめられた意見書には、地域包括支援センターが居宅介護支援事業所に委託しやすい環境を作り出す観点から、具体策を構想すべきという内容が盛り込まれ、「介護報酬上の対応についても検討が必要」と明記された。(※リンク先の意見書の7頁

要するに予防支援費の単価をもっと高くすることで、居宅介護支援事業所が予防プランを受託しやすい環境を作り、予防支援計画を居宅介護支援事業所へ委託するケースをもっと増やしたいという訳である。

それはなぜかというと、地域包括支援センターが予防プランマネジメントに業務の時間をとられ、地域支援に力を発揮できないという状況がある。ここにメスを入れて地域包括支援センターの機能強化を図ろうという対策である。

その背景には高齢化で相談支援のニーズが増大しているほか、地域全体を見据えた連携・調整のコーディネート、地域ケア会議の運営などの重要性が高まっていることが挙げられる。それに加え、今後政府が推奨する、「全世代型社会保障」の推進のために、地域包括支援センターが高齢者のみならず、育児支援や児童支援、障害児者支援にも関わっていくことが予測され、その準備や教育にも時間が取られていくことを見据えた対策ともいえる。

が・・・しかしである。

だからと言ってその対策として予防プランの委託を進めるのはいかがなものか。それよりもっとマシな方法があると思わないだろうか?そんな対策より、予防と介護でマネジメント主体が違うという制度の複雑さをなくす議論を行うのが筋ではないかと思う。

介護保険制度が誕生した際には、高齢者の介護サービスについて、居宅介護支援事業所の担当ケアマネジャーを窓口にさえすれば、総合的に調整が行われ支援が受けられるという、「ワンストップサービス」が実現したのである。そのことに一番の意義と成果を感じた人が多いはずだ。

しかしそれを崩壊させたのが制度改正であった。介護保険サービスを予防サービスと介護サービスに分断し、予防プランを地域包括支援センターが担当することにしたことによって、予防プランと介護プランと、それに付随する各種サービスは寸断され、ワンストップサービスはそこで崩壊したのである。

そんなふうに予防プランと介護プランが寸断・分断されてしまった過去を反省して、予防プランも居宅介護支援事業所の主管に戻せばよいだけの話である。その方が制度はスッキリわかりやすくなるし、利用者にとって予防と介護の時期で計画担当者が変わるというデメリットがなくなる。

そもそも予防プランを、介護予防に精通した地域包括支援センターの保健師が担わなければ、自立支援ができないという理屈はすでに崩壊しているのである。そのことは、そんな成果は挙がっていないという事実が証明している。

それにしても介護保険部会の委員はなんとお馬鹿な議論を繰り返しているのだろうか。脳みそが機能不全の連中が寄り集まって、いったいどんなふうに制度が改正されるというのだろうか。

ワンストップサービスの再生。それが一番良い結論なのである。

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要介護認定の新ルール等を受けて考えたこと


今日の夕方、僕は今年最後となる、「介護認定審査会」の審査に臨む予定になっている。そのため事前に送られてきた資料を読み込んでいるが、今日は審査上限の35件より少ない23件の審査予定だ。

認定期間が最長36カ月に延長されたことが、審査数の減少に影響していることは間違いなく、それは決して悪いことではない。審査すべき申請が多すぎて審査会にかけられずに認定が先送りされ、サービスが利用できなかったり、暫定プランで利用せざるをえなかったりするケースが減ることのメリットは大きいと思うからだ。

そのことに関連したルール変更が、来年度から実施されることが決まった。

16日に行なわれた社保審・介護保険部会では、厚労省より介護認定期間の48カ月までの延長が提案され、同会の承認を得た。

これによって2021年度の審査ケースからは、更新の前後で要介護度に変化がなかった高齢者については、認定期間が最長48カ月に延長される。要介護度に変化があったケースについては、現在と同様の36カ月が最長の認定期間であることに変わりはない。

期間延長で状態変化が要介護度に正しく反映されないのではないかと懸念する声も聞こえてくるが、そんな心配はいらない。そもそも要介護認定には状態変化の対応した、「区分変更申請」という方法が認められ、その申請いつでも制限なくできるのだから、要介護認定を受けてる本人もしくは家族、あるいはその支援担当ケアマネジャーが、常に要介護者の状態像に注意して、随時区分変更を申請すればよいだけの話だ。

そういう意味で僕は、「認定期間」そのものを廃止しても問題ないと思っており、「介護認定期間の延長は是か非か」という記事の中でも、そのことを主張している。

サービスの調整機能を果たしていない区分支給限度額も必要ないと思っているので、認定区分自体をもっと簡素化すればよいと思っている。(参照:要介護認定廃止議論に欠けている視点求められる要介護認定の見直し

何よりも、審査に必要な情報がほとんど書かれていないにもかかわらず、それがないことによって審査に着手できない元凶ともいえる、「医師意見書」の廃止を強く求めたいものである。(参照:やっぱり医師意見書は必要ない?

どちらにしても認定期間は最長48カ月に延長されるのだから、介護支援専門員に対して規準省令で課している、「短期入所生活介護及び短期入所療養介護を利用する日数が要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えないようにしなければならない。」というルールも必要ないとして、削除すべきだろう。30日のリセットルールと、30日超えの減算ルールでのみで、一般入所と変わりのないショート利用なんて十分防止できるのであるから、これはいらないルールだ。

ところで要介護認定に関連しては、もう一つルール変更が行われる。それは認定調査に関する変更で、市町村が社会福祉協議会などの「指定事務受託法人」に認定調査を委託した場合のみ、介護支援専門員以外の職種の者に調査委託が可能とするというものだ。

調査が可能になる職種については、看護師や社会福祉士、介護福祉士が想定され、それは今後決定されるそうであるが、そのことも別に問題となるような新ルールではないだろう。

そもそも市町村の職員であれば、現在でも何の資格もなくとも認定調査ができるわけであるし、認定調査の判定ルールは全国共通であり、調査員の裁量が及ばないガチガチの基準が決められているのだから、そのルールに沿って調査を行えばよいだけである。

そもそも介護支援専門員の養成課程に、認定調査スキルを得られるようなカリキュラムが存在するわけでもなく、簡単な調査員研修を受けるだけで実施できる調査だ。はっきり言って専門性がさほど問われるわけでもない調査を、介護支援専門員に限定して委託しなければならないルールの方がおかしい。そういう意味では、職種調査職種を広げる条件を、「指定事務受託法人」に限る必要もないだろう。

調査委託を介護支援専門員限定しているからこそ、法人内のケアマネが鉛筆を舐め、調査票を作為的に埋めて、自法人の収益にプラスになるような要介護度の重度化誘導が行われているケースもないとは言えない現状がある。そうであるがゆえに調査が可能となる職種を広げて、利益相反のない第3者による調査の可能性を広げるという意味でも、この改正は求められる方向だ。

おそらく「指定事務受託法人」に限って認められた今回のルールは、期間限定的なルールに終わりるだろう。そして近い将来には、すべての調査においてケアマネ以外の有資格者による調査が認められるようになるだろう。

こんなふうに次期介護保険制度改正の議論は終結に向かっている。今後は12/16の社保審・介護保険部会の資料の(案)の通り、諮問答申が行なわれて、国会で審議可決することになるのだろう。

その内容は、国民批判が強まると予測される給付制限と負担増は見送って、その実現は消費税増の余韻が消えた後の、国民の関心が薄れた際に密かに確実に行おうという先送りに過ぎず、今回は痛みを負う層を現役並み所得者層と低所得者層に限定して実施するのである。

しかもその対象者の負担増加と、その額を決める論理はかなり乱暴で粗雑でさえある。この改悪で、生活苦に泣く低所得者が増えることは間違いないところであり、現場の支援者、特に介護支援専門員を含めたソーシャルワーカーは、その支援の視点が不可欠になることを忘れないでほしい。

そしてこの厳しい流れは来年度早々に始まる介護報酬改定論議に引き継がれていくことになることを忘れたはならない。

その介護報酬改定議論に影響を与えるのが確実な、介護報酬の風上にある来春の診療報酬改定においては、薬価がマイナス0.99%、材料価格がマイナス0.02%としたうえで、基本報酬は消費税財源を活用した救急病院における勤務医の働き方改革への特例的な対応分を除くとが、実質プラス0.47%で、全体の改定率は、マイナス0.46%に決定された。

そうなると2018年と2019年の2年連続でプラス改定とされている介護報酬は、診療報酬のように基本報酬のプラス財源となった薬価のマイナス分のような財源がない中で、今回の制度改正で給付抑制や自己負担増が十分実現できなかったという影響を受け、かなり厳しいマイナス改定が確実である。

自立支援介護の実現に向けたインセンティブ報酬が拡充されると言われる中で、基本サービス費が下がるサービスは広範囲に及ぶのではないだろうか。

どちらにしても年明け早々からの関係諸機関の動きや、報酬改定議論に先駆けて飛び交う情報を敏感に察知するアンテナが求められ、それに応じた戦略の見直しが介護事業者に迫られていることを覚悟せねばならない。

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補足給付の見直しは低所得者層を狙い撃ちした改悪


先週の火曜日から始まった松山市〜久万高原町〜京都の旅を終え、今日は一旦北海道に帰ってきた。

昨日までの京都講演2日間は、看取り介護について基礎的な考え方から、実践論まで10時間に及ぶ研修であったが、90人を超える参加者の皆さんから、積極的な意見もいただき大変有意義な研修であったと思う。会場で販売した僕の著作本も、用意した冊数すべてが売り切れとなる盛況ぶりで、大変ありがたかった。この場を借りて改めてお礼を申し上げたい。

会場で本を買えなかった方は、このブログをPC画面で見ると、右サイドバーに取り寄せ購入先がリンクできるようにしているので、そちらで購入いただきたい。購入した本を僕が講演を行っている会場に持ち込んでいただくと、いつでもサインをさせていただくので、よろしくお願いします。

それはさておき本題に移るとしよう。

介護業界を取り巻く状況はますます厳しくなっているが、次期制度改正議論が佳境に入り、12/16に開催された社保審・介護保険部会では次期改正等の全容が明らかにされた。(参照:第88回社会保障審議会介護保険部会資料

介護保険制度制度改正を巡っては、「これまでの検討と議論の整理の方向性」が示されている。

そこでは、「被保険者範囲・受給者範囲の拡大 」・「室料の自己負担化がされていない老健等の多床室の室料負担 」・「ケアプラン(居宅介護支援費)の自己負担導入」・「軽度者の生活援助サービス等の地域支援事業への移行」・「3割負担及び2割負担の対象者の拡大」については見送られることが示されている。

おそらくこれは、先の消費税引き上げに伴う国民の痛みが増大されている情勢下での政治的判断だろう。社会保障費財源でもある消費税を引き上げたのに、なおかつ社会保障の国民負担増となる一連の利用者負担の増加は、国民から理解を得られる可能性が低く、逆に反発が起きることを懸念し、ソフトランディングを目論んで先送りしただけであり、次のまた次の制度改正では、それらが実現されていくことは間違いのないところだ。

一方で、高額サービス費の上限引き上げと、補足給付の見直しが提案されている。それはあたかも国民全部をカバーしない層の負担増を目論んだもので、痛みを感じる当事者を絞って、批判をできるだけ抑えようとする策に思えてならない。

このうち補足給付の見直しについて考えてみよう。

介護保険施設の食費と居住費は、保険外費用で全額利用者負担とされている。ただし所得の低い方については負担額を所得に応じて減額し、減額した不足分が「特定入所者介護サービス費(補足給付)」として施設側に支給される。補足給付が支給されるのは、1段階から3段階に該当する非課税世帯等で、第4段階は食費・居住費ともに全額自己負担とされている。

今回の改正案では、この給付段階の第3段階を 80万円超120万円以下)と、◆120万円超155万円以下)に細分化し、第3段階△凌費を22,000円上げて、補足給付が適用されない第4段階と同じ水準とするというものだ。

なおかつショートステイの食費についても段階区分ごとに上げる案が示されている。

加えて2015年8月以降、一定額超の預貯金等(単身者1000万円超、夫婦世帯2000万円超)がある場合は補足給付が支給されなくなっているが、このうち単身者の預金額基準を第2段階「650万円以下」、第3段階「550万円以下」、第3段階◆500万円以下」として、それ以上の預金がある人について補足給付の対象外とする案も示されている。

いずれも利用者にとっては厳しい負担増となっているが、ここで思い出してほしいことがある。

6/3に金融庁が、「老後に年金収入以外に2000万円の資金が必要」とした報告書について、年金の信頼性を揺らがせるなどとして金融担当大臣が受け取らないという事態に発展したことは記憶に新しい。だがその報告書については、「老後の生活は年金収入だけでは成り立たない」ということを示した正直な内容だったという意見も根強い。

その影響もあって、高齢者の預貯金は暮らしの破綻を防ぐための命綱であると考える人はますます増えているわけである。

そんな中で一定額以上の預金がある第3段階と第2段階の方々は、その預金を切り崩して介護保険施設における食費と居住費を支払わなければならないのである。預金が一定額以下になれば、補足給付は再支給されると言っても、それらの人々は実質、補足給付の支給基準以下の預金しかできなくなるという意味だ。

その支給対象となる預金の基準額をさらに引き下げるという意味は、低所得者が補足給付を受けるために、さらに預金を削り取られるという意味だ。しかもその額は金融庁が老後に必要だとした2000万円よりはるかに低い500 万以下(第3段階△両豺隋砲泙撚爾欧茲Δ箸靴討い襪錣韻任△襦

この提案は、そのまま次期介護保険制度改正案として1月の通常国会に法案として提出され、そのまま新ルールとして制度に位置付けられることになりそうだ。

しかしその対象となる人は、市町村民税が非課税の所得の低い人たちであり、将来の生活により強い不安を持つ人である。その人たちが生活費を削って貯めた預貯金を根こそぎ持っていくような改悪がされようとしている。

それはまるで所得の低い人が預貯金をたくさん抱えるのはけしからんとでも言うかのようなものだ。所得の低い人は生活水準が低レベルで我慢しろとでもいうのだろうか。

これでは現役世代の間に貯金をして老後に備えようという意欲は益々減退するだろうし、預金などせずに老後は生活保護に頼ろうと考える人が増えて、社会保障費は逆に増えてしまう恐れさえある。

どちらにしても補足給付の見直しとは、低所得者層を狙い撃ちして、その痛みをさらに増すものとしか思えず、到底納得できるものではない。

社会保障とは本来、「社会の財」の再分配機能があるはずなのに、介護保険制度改正はその機能をどんどん失う方向で行われている。制度維持のための、「痛み」はすべて国民が負わされて、政治家や官僚は無傷のまま何もしないという制度改正はいったいつまで続くのだろうか。それを国民はいつまで許し続けるのだろうか。

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補足給付の資産要件見直しは乱暴すぎないか?


老後の生活設計に欠かせない年金問題について、金融審議会がまとめた報告書を、政権与党は承認せずに撤回するという、「安倍内閣年金問題」が起こったことは記憶に新しい。

この時に承認されなかった報告内容とは、「老後に年金収入以外に2000万円の資金が必要」というもので、「老後の生活は年金収入だけでは成り立たない」ということを示した正直な報告書だったように思う。

だからこそ年金を受給する年齢になる前に、できるだけ貯金をしておこうと考える人が多くなることは当然だと思う。かく言う僕自身も高齢者と呼ばれる年齢に近づいているので、収入が少なくとも無駄なお金を使わずに、できるだけ貯金を殖やしたいと考えている。

つまり高齢者になればなるほど預貯金とは、生活防衛の意味合いが強くなるし、必要不可欠なものなのである。

ところで、その高齢者の大切な預貯金を狙い撃ちした変更が、介護保険制度改正議論の中で行われようとしている。それは介護施設の食費・居住費に対する補足給付(特定入所者介護サービス費)の見直しである。

介護保険施設の食費と居住費は、保険外費用で全額利用者負担とされているが、所得の低い方については、「居住費」や「食費」の負担額を所得に応じて減額し、減額した不足分を「特定入所者介護サービス費(補足給付)」として施設側に支給されることになっている。

補足給付の支給対象となっているのは、利用者負担第3段階までの利用者とされているが、2015年8月以降は、一定額超の預貯金等(単身では1000万円超、夫婦世帯では2000万円超)がある場合には対象外とされているところである。

次の介護保険制度改正にむけて、政府は補足給付の預貯金の現行要件を見直して、約500万円までの間で資産要件を引き下げる検討に入っているのである。具体的な額等については、次の介護給付費分科会に提案される予定であるとのことなので、どこまでその額が引き下げられるのか注目したいところだ。

まさかいきなり現在の額の半額となる500万円までその基準は下げられないだろうとは思うが、どちらにしても乱暴な変更ではないかと思う。

なぜなら前述したように、高齢者の預貯金は暮らしの破綻を防ぐための命綱であり、それは最低2000万円が必要であることを、国の審議会が示しているのである。その金額の半分に満たない預金があるからと言って、そのために補足給付を支給しないということになれば、第3段階以下の方々は、その預金を切り崩して支払いをしなければならなくなる。

預金が一定額以下になれば、補足給付は再支給されると言っても、それらの人々は実質、補足給付の支給基準以下の預金しかできなくなるという意味だ。

しかしそれらの人は、市町村民税が非課税の所得の低い人たちである。受給年金額が低い人たちが現役時代に、生活費を削って貯めた預貯金を根こそぎ持っていくようなものだ。しかも預金が一定額以下になった後の、その人たちの暮らしが成り立つかどうかは一顧だにされていないのだ。その先には、「生活破綻」という文字しか見えなくなるのではないだろうか。

僕はこのブログで9月に「2020年制度改正に向けた動きについて」という記事を書いて、その中で補足給付の見直しにも触れているが、そこでは預貯金の額を見直すのではなく、預貯金以外の資産として、土地や建物の資産勘案がされるのではないかと予想していた。

それは政府に承認されなかったとはいえ、金融審議会の報告書は正論だったので、預貯金の大切さを考えると、その基準を引き下げるのには無理があると思ったからであるが、そんなことは今回の改正議論では全く無視されたわけである。

土地や建物などの資産勘案については、その価値がいくらかという資産調査が難しいという点がネックとなったのだろう。だから預金の基準額の引き下げという方向にシフトされたのだと思う。

それにしても所得の低い人が預貯金をたくさん抱えるのはけしからんとでも言うのだろうか。所得の低い人は、生活水準が低レベルで我慢しろとでもいうのだろうか。

社会保障とは本来、「社会の財」の再分配機能があるはずなのに、介護保険制度改革はその機能をどんどん失う方向で行われている。

どちらにしても血も涙もない改革と言わざるを得ない。

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インセンティブ交付金が倍に拡充されることが決定される


政府が年末に編成する2020年度予算案で、「保険者機能強化推進交付金」が、現在の2倍となる400億円に拡充されることが確実となった。

保険者機能強化推進交付金とは、通称インセンティブ交付金とも呼ばれるもので、2018年に創設されたものである。現状の予算200億円は、市町村へ190億円、都道府県へ10億円の配分となっており、それは介護予防や自立支援の成果を挙げた自治体に手厚く配分するという、「報酬金」という性格を帯びている。

現在その交付金については、PDCAサイクルの活用による保険者機能の強化、ケアマネジメントの質の向上、多職種連携による地域ケア会議の活性化、介護予防の推進、介護給付適正化事業の推進、要介護状態の維持・改善の度合いなど、都道府県に向けては23項目、市町村に向けては65項目の評価指標に基づいて、毎年評価(ポイント計算)し配分額が決められている。

そのインセンティブ交付金について、今年6月の未来投資会議で、新たな成長戦略のひとつとして強化する方針を打ち出していたところであるが、予算案にそれが盛り込まれたことで、強化策としての予算拡充が確実なものになった。

交付金の目的は、認知症の予防や要介護状態の維持・軽減に成果を挙げること等で、介護予防効果を上げて、介護給付費等の抑制を図るためであるとされているが、本当にそのような自立支援効果が発揮されているのだろうか。

予算財源が潤沢にあるわけではない各自治体としては、当然その交付金はできるだけ多くもらいたいのが本音だから、国の指標に沿った成果を挙げることが目的化される向きがあることは否めない。交付金がもたらす効果に関心を寄せるよりも、交付金を得るためのテクニックにエネルギーが注がれるわけである。

そうであれば、この交付金によってもたらされているものは、自立支援ではなく自立編重の給付抑制策にしか過ぎないのではないのだろうかという疑問が生ずる。

介護保険制度からの卒業という変な言葉が独り歩きして、元気高齢者がもてはやされ、介護サービスをつかわないことに価値があるという方向に住民意識を持っていき、真にサービスを必要とする人が肩身の狭い思いをしていないだろうか・・・。どうもその心配が現実化しているような気がしてならない。その傾向が益々進められていくのが、今回の拡充策ではないだろうか。

拡充された交付金については、地域の高齢者の、「通いの場」の拡充や、その通いの場にリハビリ専門職が関わっているかなどが新たな評価として加わることになっている。ここにはすでに地域支援事業化されている要支援者の通いの場(通所型サービス)の充実も含まれることになるだろう。

そこに自治体のエネルギーが注がれ、高齢者の通いの場が充実されていった先には、要介護1と2の軽介護者と呼ばれる人たちの通所介護も、地域支援事業化されていく可能性が高まる。

来年から団塊の世代の人々が、すべて70歳に達する。まだお元気な方が多い団塊世代の人々であるが、70歳を超えてくると徐々に心身に障害を持つ人が増えてくるだろうし、通所介護を利用する人も増えてくるだろう。

そうなると現在、過当競争気味で顧客確保に苦労している通所介護事業者が多いという状況が好転して、通所介護事業においては顧客確保が現在より容易になるかもしれない。しかしそれは同時に介護給付費の増加につながる問題であり、国としては団塊の世代の人たちが介護サービスを使うことで増加する介護給付費を、少しでも抑えようとすることは目に見えている。それが要介護1と2の通所介護の地域支援事業化に他ならない。

ということで2020年の制度改正・2021年の報酬改定時に、要介護1と2の通所介護が介護給付から外れる可能性は低いと思うが、その次の制度改正もしくは報酬改定時に、そのことは実現されてしまうのではないかと危惧しているところだ。

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完全なるワンストップサービスを復活させる良い機会


介護支援を必要とする人が、多種類の介護保険サービスを利用する際に、利用者本人が多種類のサービス窓口に直接出向いて利用申し込みを行わずとも、居宅介護支援事業所というひとつの窓口にその機能を集約させて、すべてのサービスが利用できるように支援することをワンストップサービスと呼ぶことができる。

介護保険制度誕生から2006年3月までは、一度介護認定を受けて更新認定を受け続ける限り、利用者が希望するのであれば、ずっと一人のケアマネジャーが担当者であり続けることができた。信頼でき任せられるケアマネジャーを窓口として、ケアサービスが継続的・連続的に展開できるという「完全なるワンストップサービス」が機能していたわけである。

しかし2006年4月から新予防給付が導入され、介護認定と予防認定が区別され、要支援1と2という区分ができたことで、予防居宅介護支援の事業指定は地域包括支援センターしか受けられなくなった。

このため予防プランを主管するのは地域包括支援センターとなり、居宅介護支援事業所が要支援者の予防計画を立てるためには、予防居宅介護支援事業所である地域包括支援センターの委託を受け、下請けにならない限り継続的に担当窓口であり続けることはできなくなった。

そのため短い期間で状態変化が生じやすい人で、更新認定のたびに要支援2と要介護1の間を行ったり来たりという揺れ動く人は、そのたびに予防計画担当者と介護計画担当者が変わるという現実に直面して、その中には計画担当者との信頼関係や人間関係がなかなか構築できないというケースも発生した。

それはまさにワンストップサービスの完全形の崩壊による弊害といえる現象といえた。

ところがこの問題の関連して、10月9日に行われた介護保険部会の議論の中で厚労省は、求められる役割が増えている地域包括支援センターの負担を軽減し、地域全体を見据えた連携・調整や相談対応などの機能の強化につなげるためには、「予防プラン」について、居宅介護支援事業所により多くの業務を担ってもらう方向で検討を進めていく方針を示した。

厚労省の考え方はあくまで、「要支援者の予防プランは引き続き包括が担うことが重要で、居宅介護支援事業所への外部委託を行いやすい環境の整備を進めることが重要」としているものである。

しかし、「外部委託を行いやすい環境」とは即ち、委託料の改善が不可欠であると言うことだ。

そもそも予防プランだからといって、介護プランよりプラン作成業務が軽減できるわけではない。毎月の訪問義務はないといっても、実際には月単位のサービスプランの適性を評価するために、義務以外に毎月自宅訪問して確認しなければならないケースも多い。

よって予防マネジメントにかかわる費用が、介護マネジメントにかかわる費用と比較して、著しく低額である現状では、委託料もその範囲でしかないのだから委託環境も改善しない。

厚労省は、「要支援者などに対する適切なケアマネジメントを実現する観点からは、引き続き包括が担うことが重要」としているが、その内容は、なぜ適切な予防マネジメントは包括支援センターが主管する必要があるのかという問いかけに対しては、説得力には欠ける論理でしかないというしかない。

委託の予防プランをいちいち包括支援センターの担当者が隅々までチェック検証して、常に必要なアドバイスをしているという事実はない。委託プランは丸投げプランそのものである。そうであっても委託プラン自体に支障があって自立支援を阻害していると問題になることもないのが現状だ。

そもそも地域包括支援センターの予防プランとは、すべて適切なマネジメントであると言い切れるほど立派なものなのだろうか。怪しい予防計画など、そこかしこに存在しているのではないだろうか。

ということでいっそのこと、予防プランも利用者の希望に応じて、居宅介護支援事業所に、直接作成依頼できるようにすればよい。作成単価も介護給付と区分せず、同じ単価設定とすればよい。

そうした思い切った改革によって、失われたワンストップサービスの完全形を取り戻すことが、一番求められていることだ。

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国民の更なる痛みで制度は維持される


10月からの介護報酬改定に関連して、「介護保険最新情報vol.740」が発出され、今回の改定に伴う利用者負担額の改定に同意した旨の署名・捺印は必ずしも要しないという考え方が示された。

これは今回の介護報酬改定が消費税率引上げに伴う臨時・ 特例的な対応であることを踏まえことによる特例で、各介護事業所は利用者に対し説明を行った日時・方法・対象者を明確に記録し残しておくだけで良いとする通知だ。

しかしこの通知が発出されたのは9月18日。自己負担額が改定されるのは10月で、その説明・同意は9月中に行わねばならないのだから、9月に入った時点ですぐに説明・同意に動いていた介護事業者が多いと思う。よってこの通知が発出された時点で、すでに多くの事業者が説明同意を終え、利用者から署名・捺印をいただいていたはずだ。

それがいまさら不要と言われても、何の事務負担削減にもならないし、利用者にとってもわざわざ事業者を訪れ署名捺印したことが無駄になったとしか感じないだろう。

この通知で恩恵を受けるのは、事務作業の腰を上げるのが遅れていた事業者くらいではないのか・・・。こうした通知を出すなら、せめて説明同意の事務作業にかかることが明らかな9月を前に、その前月の8月中に出すべきではないかと思う。報酬解釈のQ&Aじゃないんだから、その程度のスピード感は持てるだろうに・・・。まったく現場ニーズを無視した行政通知としか言いようがない。

さて制度改正に関連しては、一昨日書いた、「2020年制度改正に向けた動きについて」の中で、2割負担と3割負担の対象者の拡大について触れたが、それについては具体的な動きがすでに始まっている。

2割及び3割負担者は、現行では所得水準の上位20%を対象としているが、これを上位25%へ拡げる案を軸に検討する方針を厚労省が示している。

僕の講演を聴いたことがある人は、このことはすでに承知しているだろう。

2017年に制定された、「地域包括ケアシステム強化法」によって、65歳以上のさらに所得が高い利用者の3割負担導入が規定されたわけだが、これにより介護保険サービス利用時の利用者自己負担は、スタンダードが1割負担、一定以上所得者が2割負担(※単身で年金収入のみの場合で280万円以上など)、現役並み所得者が3割負担(※単身で年金収入のみの場合で383万円以上など)の3段階になったわけである。

しかも2割負担が導入されて、わずか3年しかたっていない時点で、3割負担が導入されている。これは明らかに利用者負担のスタンダードを2割に引き上げ、1割負担を廃止する動きであることは、一昨年から僕は講演で言い続けていることで、まさにそれが現実化しようとしている。

そのために一気に1割負担を廃止するのではなく、2割負担の幅を広げ(対象所得を引き下げるという意味)、3割負担の枠も広げながら、徐々にアリバイ作りをしつつ、1割負担廃止へのソフトランディングに向けて動き出したということになる。

さらに高額介護サービス費の上限も、44.000円(月)から引き上げを行うことになる。補足給付の認定に資産換算をすることと合わせて、利用者負担の増加増によって制度を下支えしようという訳だ。

このように消費税のアップと合わせて国民の痛みはさらに増すわけである。政治改革には全くと言ってよいほど手を付けず、政治家は一切痛みを感じない中での国民負担は許されるのだろうか・・・。

さて話はすっかり変わるが、昨日ひとつ嬉しいことがあった。将棋ファンでもある僕が注目していた第60期王位戦(北海道新聞社も主催者の一つ)7番勝負の最終局で、挑戦者の木村一基九段が勝利して初戴冠したことだ。46歳3カ月での初戴冠は、これまでの37歳6カ月(有吉道夫九段)の記録を大幅に破る新記録である。

藤井聡太七段という高校生のニューヒーローが人気を沸騰させた棋界において、おじさんパワー健在というところを見せつけた。まさに中年の星である。

しかしそんな実力者である木村新王位は、一面苦労と挫折の道を歩んだ人でもある。

プロの登竜門である奨励会に入会してからプロになるまで10年以上かかるという遅咲きぶりが、その苦労の一つ。プロになってからは勝率が高く、常に第一線で活躍してきたが、七大タイトル戦は何度も挑戦権を得ているが、その都度タイトルホルダーにはじき返され、タイトルとは縁がなかった。

特に2009年度は悔しさのピークの年で、羽生九段との棋聖戦五番勝負は第3局まで2勝1敗でリードして、奪取にあと1勝としたが、第4局で敗れてフルセットの戦いとなり最終局でも敗れている。そして深浦王位に挑戦した王位戦七番勝負でも第3局まで3連勝したものの、第4局から4連敗を喫し、またしても初タイトル獲得に失敗している。

そんな挫折を乗り越えて、本来なら棋士としての力のピークを越えることが多い46歳にして初戴冠は見事としか言いようがない。しかも木村新王位は、名解説者としても有名で、テレビ将棋ファンを愉しませる第一人者でもある。 

人間的にも奥深い人格者である新王位の、今後の益々の活躍を期待したいところである。

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介護保険制度誕生前に吹き荒れた嵐


台風17号の影響で、北海道もこれから明日にかけて嵐になるそうだ。登別の今は雨が少し降っている程度だが、嵐の前の静けさと言ったところかもしれない。僕は今日、家に閉じ籠って文筆活動に専念しているところだが、嵐と言えば介護保険誕生時の混乱も、「吹き荒れる嵐」のごときものではなかっただろうか。その時のことを改めて思い出してみたい。

介護保険制度の萌芽は、1993年厚生省内に「高齢者介護問題に関する省内検討プロジェクトチーム」が設置されたことによるものだ。それが1996年6月25日に「与党介護保険制度の創設に関するワーキングチーム」が設置され、臨時国会への「介護保険関連3法」の法案提出につながっている。しかしその法案はすんなり議決されたわけではなく、2回の継続審議を経て1997年末に可決成立へと繋がっていったわけである。

その過程の中では1996年1月5日、公的介護保険制度創設を支持してきた社会党の村山富市首相が突然退陣表明するなんてこともあった。それを受け、同日、自・社・さ政権協議にて、自民党総裁・橋本龍太郎を首班とする連立で合意することとなったが、このとき自民党内には公的介護保険制度創設反対論が根強く、その動向が注目されたりした。

だが橋本龍太郎自民党総裁は、1/8年頭の記者会見で「高齢化社会対策としての介護保険制度創設の必要性」を訴え、通常国会への公的介護保険制度関連法案提出への意欲を示したうえで1/11に組閣。そのとき注目の厚生大臣には、介護保険制度導入に前向きな新党さきがけの菅直人を指名している。(※菅は同年9月、さきがけの鳩山由紀夫が民主党を設立すると、鳩山と共同代表として同党に参加し、後に政権離脱した。なお社会党はこの月、党名を「社民党」に変更した。)

1/24、厚生省は通常国会に法案提出を予定している「公的介護保険」について保険の運営主体として市町村案を検討していることを表明。なお最初の法案では制度の実施時期は1997年〜とされていた。

この後、保険料負担の年齢や実施主体(市町村か都道府県か)や、居宅サービスと施設サービスの段階的実施か同時実施かなどを巡って大議論と大混乱が見られた。例えば6/10には、連立与党プロジェクトチームの強い要請で厚生省私案が方向転換し
1.保険料負担・受給は共に40歳から
2. 制度は在宅、施設の同時実施。

という修正方針を示した。これに対し「負担は20歳、受給は65歳から、在宅、施設の段階実施」という案でまとまっていた老人保健福祉審議会は「一夜で内容が変わるなんて無節操」と猛反発したりしている。

そんな経緯もあったが反対論が強かった自民党も小選挙区制の導入を控え、市町村長の影響力が強まることを無視できず、さらに選挙後の連立体制を考えれば、制度導入に積極的だった社民・さきがけ・民主党との深刻な対立は避けたく、介護問題への積極姿勢を示さざるを得なかったことから、11/21自民党総務会で法案了承につながった。

そして11/29国会に法案提出となるが、野党・新進党の西岡幹事長は、厚生省汚職(彩福祉会事件)に触れ「厚生関係議員のトップ」としての首相の責任を追及するとともに、厚生省に対しても介護保険制度の旗振り役の事件を引き合いに出し「法案提出自体が不見識」・「汚職事件の中心人物が法案作成にかかわったのであり、撤回すべし」と審議入りそのものを拒否し、通常国会に新たな法案を提出するように求めたこともあり、審議は時間切れで19日臨時国会は閉会し、同法案は継続審議となった。

翌1997年1月20日、通常国会開会後に介護保険3法案の審議も再開され、5/22衆議院本会議可決されたが、参議院厚生委員会では医療保険制度改革関連法案の修正問題で審議が遅れ、介護保険法の審議に時間が取れなくなり会期切れ。介護保険法案は臨時国会まで再度継続審議となった。

その後12/2に参議院厚生委員会で政府責任を明確にする修正を加えたうえで自民・社民・民主・太陽党の賛成多数で法案可決。反対は、全額税制方式を主張した平成会(新進党と公明党の参議院院内合同会派)と、従前からの老人福祉制度と保険方式の組み合わせを訴えた共産党であった。

そして介護保険関連法案は12/23衆参両議院で採決・成立したものである。この時、新進党は欠席し採決に加わっていない。(※新進党の党首は小沢一郎)

ざっと書いたが、こんな風に戦後初の大改正が構想からわずか4年で法案成立したわけである。

どちらかと言えば農村部を選挙基盤にしている代議士が多かった自民党が、国民の新たな負担が伴う介護保険制度には消極的で、介護負担に対しては現金給付によって支持を広げようとした中での大改正は、なぜ日の目を見たのか。

その理由は旧・社会党の政権参加と村山富市の首班指名という政治状況大きく影響している。

自民党の一党支配時代には旧態勢力として厚生省に深く根をおろしてきた「厚生族議員」の力が、政界再編と連立政権下で衰えて行った過程で、政権与党〜野党に横断的に戦略的なメリットがあった新制度創設議論と相まった。これによって厚生官僚の模索する新たな介護システムとしての制度が日の目を見る間隙が生まれたといえよう。

つまり自民単独政権下で族議員が跳梁跋扈していた状況であれば、この制度は議論段階でつぶされていたと言えるのではないだろうか。

介護保険制度以後にこの業界に入ってきた人たちは、こうした経緯を知らない人が多いし、知らなくとも仕事に支障はないだろう。しかし介護保険制度が今後どうなっていくかを考えていく上では、その歴史を知ることは意味があることのように思う。

特に安定政権下では、その政権のに利権が固定化されているので、新しい制度は生まれにくいし、政治混乱の中で、官僚の力がより大きくなる時に制度は動くということだ。してみると現在の介護保険制度は、しばらくはこの形のまま続いていくと考えて良いように思える。

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老健施設が役割として求められているもの


長崎県の老健協会からお声がけをいただき、10/11(金)13:40〜長崎ブリックホール 国際会議場にて、「住み慣れた場所で自分らしく過ごすためには〜その時、老人保健施設の役割とは〜」というテーマで、90分お話をさせていただく機会をいただいた。

この講演会は市民公開講座として開催されるもので、老健関係者が多いものの、一般の方の参加もあるとのことで、市民レベルで理解できる話をしてほしいと依頼を受けた。

そうであればどのような流れの中で老健施設が誕生し、どのような転換点があったのかを説明しながら、昨年の報酬改定時に新たに老健に求められたことを解説することが必要ではないかと考えた。

老健の誕生のきっかけとなった意見書やモデル事業、その後の法的位置づけなど一連の過程を解説しながら、老健とはどのような施設かということを紐解くことが、老健に求められる役割を理解するためには一番わかりやすい方法であると考え、現在講演内容を構想しているところである。

老健とはどんな施設なのかというレベルまで講演内容を引き下げては、参加者の多数を占める老健関係者には退屈な講演になるのではないかという心配の声が聴こえてきそうだが、果たしてそんなことになるだろうか。

例えば、老健施設が中間施設と呼ばれていることを知らない関係者はいないだろう。しかし中間施設とは、いったい何と何の中間施設なのかということや、いつからそうされているのかということを正確に答えられる人は、現在の老健関係者の中にどれだけいるのだろう。

「中間施設って、医療機関と居宅の中間だろう」って簡単に答えている人が多い。それは間違いではないが、老健が誕生する経緯を見たときに、老健という新しい施設を創ろうとした構想段階で、社会保障審議会が「中間施設を検討する必要がある。」という意見書を出した時点では、医療機関と居宅の中間施設という意味ではなかったのである。そのことを知っている人はどれだけいるだろう?

老健施設がはっきりと医療機関と居宅をつなぐ、「中間施設」としての位置づけが確定したのは、昭和62年2月から全国7カ所で実施された、「老人保健施設モデル施設の指定事業」以降のことである。

このモデル事業は予測以上に良い結果が出た。というのも病院ではリハビリの時間内で筋肉・関節の訓練を行うが、老健モデル施設では身心のケアを十分に行い自立を促し、日常の行動全般に訓練・リハビリを組み入れ、生活に生きがいを持たせたことにより大きな効果が見て取れた。そのことによって社会的入院と言われ、長期入院を続ける高齢者を家庭に復帰させるための新しい施設としての可能性が見いだされたのである。この結果によって老健施設とは、医療機関と居宅をつなぐ中間施設という概念が確立したのだ。

そうであればモデル事業以前の意見書の段階での中間施設とは何だったのだろう。その答えは、当日の講演会場、「長崎ブリックホール 国際会議場」で明らかにすることになるだろう。

それと老健の今日までの短い歴史を振り返ると、「役割混乱とその修正」というキーワードが出てくる。過去2度にわたる大きな役割混乱の時期を乗り越え、昨年の報酬改定では、その混乱の収束のための大改革が行われたという意味があるように思え、そのことも当日の講演で明らかにしたい。

ちなみにモデル事業以降の流れは以下のようになる。

S62.11 老人保健審議会において、「老人保健施設の施設及び人員並びに設備及び運営に関する基準について」を答申
S62.12 国会報告
S63. 1 「老人保健施設の施設及び人員並びに設備及び運営に関する基準について」公布
S63. 4 老人保健施設の本格実施
H 9.12 介護保険法成立(根拠規定が老人保健法から介護保険法に移行)
H12. 4 介護保険法施行

勿論、介護保険以降の老健の改革・改定についても触れることになる。そこには「中村秀一ショック」というキーワードも出てくることになる。

同時に僕からの提言として、「老健の役割や機能を都合の良いように使い分けてはならない」ということを指摘してきたい。

時にはここは医療機関ではなく介護施設だと言いながら、時には老健は生活の場ではなく在宅復帰を目指した滞在施設だという使い分けを都合よく行いながら、施設目線での介護サービスの提供が目立つ老健が多い。しかし在宅復帰を目指す施設だとしても、そこにも暮らしはある。だからこそ暮らしの質を無視した治療的関わりのみの視点は介護施設とは言えないと思う。そもそもリハビリテーションの本来の意味は、全人的復権=人としての権利を取り戻すものであるということを考えると、もっと利用者視点に沿ったサービスの在り方が考えられてよいと思う。

そうしたことも含めて、老健のターミナルケアについても、中間施設として矛盾しないことなどを語る内容になっている。

これらの内容は、僕が老健施設のわずか一年という短い勤務経験があるから語ることができる内容ではなく、老人保健法の時代から、老健の誕生と推移を見ながら、裏側の政治的な動きや、官僚の思惑をも知る立場にあったからこそ語ることができる内容と言え、他では聞くことができないと思う。

そういう意味で他では聞くことができないとても面白い講演になると思うので、聞き逃しがないようにしてほしい。

市民公開講座ということでどなたでも参加できると思うので、お近くの皆さんは是非会場にお越しいただきたい。期待は裏切りません。

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軽介護者の通所介護はどうなる?


介護保険法の改正が来年に迫り、社保審・介護保険部会では今年2月から法改正に向けた審議が始まっているが、8/29の同部会から議論内容が総論から各論へ移り、年内の取りまとめに向けていよいよ本格的な審議がスタートしている。

今後は同部会で月1回〜2回の審議を積み重ねて、年内に取りまとめを行うというスケジュールが示されている。その中で居宅介護支援費の有料化について話し合われた経緯については、6日に更新した、「ケアプラン有料化にメリットはゼロどころか・・・。」で解説しているが、この記事にも書いたように、反対意見の多かったケアプラン有料化ではあるが、国としては有料化させることが既定路線となっている。

介護保険部会や介護給付費分科会は、「審議の場」とされているが、その実態は国の方針を追認するだけで、議論は単なるアリバイ作りに終わっている感がある。そういう意味では各委員の成果ある意見陳述にはあまり期待できないものの、その行方を見守っていく必要があるだろう。

ところで29日の部会では、給付と負担のテーマとして、下記の3点も検討事項として挙げられている。
1.被保険者・受給者の範囲
2.居宅介護支援費の自己負担導入
3.軽度者の生活援助サービス


1については、いよいよ2号被保険者の年齢引き下げ論が本格的に審議対象となるだろうし、2割負担や3割負担の所得水準の見直しが行われ、その対象者が拡大される方向が示されているという意味だろう。そして所得については、預金に加えて不動産などの資産も対象となってくる可能性が高い。そのことは審議の流れを見ながら、改めてここで解説することになるだろう。

今日考えたいのは3である。これは要介護1と2の方を対象とした、「訪問介護の生活援助」を介護給付から切り離して、市町村の地域支援事業に持っていくという内容だ。つまり要支援者の訪問介護と通所介護と同じように、地域支援事業化するという方向が示されている。これは極めて実現性が高くなったと言えるだろう。

ところで生活援助と同様に、地域支援事業化されるのではないかと言われている、「要介護1と2の通所介護(以下、軽介護者の通所介護と略)」については、この中に含まれていないが、それはどうなるのだろうか。

軽介護者の通所介護を介護給付から除外すべきだという意見は、財務省が強く提言しているもので、予防通所介護が地域支援事業化された直後から、その主張は行われ続けていた。そして今年4/23の財政制度分科会資料の中でも、そのことは示されており、以下のように提言されている。

「小さなリスク」については、より自助で対応することとすべとし、軽度者のうち要介護1・2への訪問介護サービスの約1/2を占める生活援助型サービスと要介護1・2への通所介護については、地域支援事業への移行や、利用者者負担の見直し(自己負担による利用)を具体的に検討していく必要がある

8/29の介護保険部会では、この中の「要介護1・2への訪問介護サービスの約1/2を占める生活援助型サービス」の給付見直しだけが取り上げられているという訳だが、それが即ち軽介護者の通所介護外しはなくなったという意味ではないだろう。

というのも「経済財政運営と改革の基本方針2019」原案〜骨太の方針〜には、介護インセンティブ交付金(保険者機能強化推進交付金)に関する部分で、次のような提言が示されている。

(a)介護予防について、運動など高齢者の心身の活性化につながる民間サ ービスも活用し、地域の高齢者が集まり交流する通いの場の拡大・充実、ポイントの活用といった点について

さらに8/7に厚労省で行われた「有識者会議」の資料にも次の一文が載せられている。

「一般介護予防事業」の「通いの場」について、疾病・重症化の予防や体操などの効果を高める観点から、医師や保健師、理学療法士、管理栄養士といった専門職がコミットする機会を増やしていく構想を示した。

↑これも市町村のPDCAサイクル構築の中で、プロセス評価やアウトカム評価の指標を新たに定めて、インセンティブ交付金と連動させるという考え方を示したものだ。

つまり予防通所介護の通いの場さえ十分に確保できているとは言えない中で、地域支援事業の通いの場を要介護2の人まで拡大して対象としても、通ってサービスを使える場所がないという現状があり、今すぐに軽介護者の通所介護を介護給付から外せないという現状評価をしているものと思える。

そのため市町村のインセンティブ交付金を得る指標評価の中に、軽介護者が通うことのできる場を確保し、なおかつそこに介護予防の専門職をコミットさせることによって、より高いポイントが得られるようにすることで、市町村の責任において軽介護者の通いの場を確保しようとする意図が読み取れる。

さすれば次期改正では、とりあえず要介護1と2の生活援助だけを介護給付から切り離したうえで、それを橋頭保として、徐々に地支援事業化するサービスを増やしていくのだろう。

軽介護者の通所介護については、ひとまず介護給付サービスとして残し、市町村には急ぎ、軽介護者の通所介護を介護給付から切り離した際に、その対象者が通って使えるサービスの場を創るように促し、次期報酬改定もしくは制度改正時に、軽介護者の通所介護を地域支援事業化しようということだろうと思う。

どちらにしても軽介護者の通所介護は、いずれ介護給付から外れることは間違いのないところだ。

通所介護事業者は、それに備えて重介護者へシフトできる介護力の向上に努めねばならないし、障がい者の方々の【生活介護】を、高齢者の通所介護と同時一体的にサービス提供ができる、共生型通所介護への移行を早期に進める必要があるだろう。

そうした備えがない通所介護事業所は、倒産予備軍とならざるを得ない。

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ケアプラン有料化にメリットはゼロどころか・・・。


僕は今、福島県いわき市に向かう旅の途中である。

昨年10月にいわき市で行われた、『福島県介護支援専門員協会総会及び研修会』にお招きを受け、居宅介護支援費に新設されたターミナルケアマネジメント加算に関連して、「看取り介護」について講演をさせていただいたが、その席で今回の研修会のお招きを受けた。

そういう訳で2年連続となるいわき市講演である。そして今回は、「いわき市介護支援専門員連絡協議会」の創立20周年記念の祝賀会での記念講演という、おめでたい席へのご招待である。明日グランパルティいわきにて、「介護支援専門員に求められる役割〜医療 介護連携からターミナルケアまで」というテーマで講演を行なう予定になっており、そのための前日移動である。

今日はいわき駅の一駅手前の湯島駅で降り、そこからバスに乗って「スパリゾートハワイアン」に向かうことになっている。そこで前夜祭が予定されているためである。事前の連絡によるとそこの名物はポリネシアン料理だそうである。僕はそんな料理はまだ一度も食べたことがない。どんなものが食べられるのか楽しみにしている。今日食べる料理がどんなものかについては明日の朝更新する、「masaの血と骨と肉」に掲載する予定なので、読者の皆様には是非そちらもお楽しみにしていただきたい。

明日の講演は、介護支援専門員の皆様に対してお話しすることになるため、ケアマネジメントについていろいろな角度からお話しすることになる。そのケアマネジメントに関連しては、先月29日の社保審・介護保険部会で、日経連の委員からケアプラン有料化(居宅介護支援費の自己負担導入:以下ケアプラン有料化に統一する)を求める声が挙がったが、それに対して「経済的な理由から必要な介護サービスを利用できなくなる」(認知症の人と家族の会:花俣委員)などの反論が相次いで、反対派の方が多数を占めるという結果となった。

それにしても情けないのが日本介護支援専門員協会の濱田委員である。彼もケアプラン有料化には反対意見を述べているがその内容は、「ケアマネジメントは介護保険事業の基盤であるので有料化には反対」というものである。これではほとんど意味が通じず、反対理由にもなっていないので、説得力はほとんどない。大事なケアプランの作成業務にかかわっている人間が、語彙に乏しく表現力がないのは哀しい姿だ。花俣委員の爪の垢を煎じて飲みなさいと言いたくなる。この団体には人材がいないのか・・・。

2021年の報酬改定に向けては、ケアプラン有料化必至という流れができている。この流れを変えることはできるのだろうか?どちらにしても現場からの発信が何より大事だ。なぜなら有料化するメリットは何もないと言えるからだ。

僕はこの場所でケアプラン有料化が、いかに問題がある施策であるかということについて、様々な角度から論じてきた【参照:ケアプラン有料化に関するかこのブログ

ここで書いた有料化のデメリットについて、簡単にまとめてみようと思う。

1.有料化されることで、ケアマネにより強い責任感が生まれ、ケアマネジメントの質が上がるなんてことはない。そんなことでしか責任感を持てない人物は、そもそも対人援助に向いていない。むしろ自己負担金があるということで、過度な利用者の権利意識が前面に出て、生活課題とは関係のない過剰なサービス要求が増え、それに迎合するケアマネジメントが増える。いわゆる「御用聞きケアマネ」を増やす結果にしかならない。

2.自己負担があることで、経済的に困窮している人は、居宅介護支援を依頼しづらくなり、結果的に居宅サービス計画をがない状態で、居宅サービスを使えないまま放置されてしまうケースが出現する恐れがある。

3.ケアプラン作成の自己負担を援助するというサービス事業者の営業が増える。具体的には2のケースのような人などに、訪問介護事業者などのサービス事業者が、セルフプランならお金がかからないので、自己作成を無料で手伝いますという営業が増える。実際にはそうした事業者の職員が自己作成の手伝いと称して、利用者のプランを代行作成し、その代わりに自社のサービスに囲い込むなど、自社サービスの提供回数を増やして利益を上げようとする。それはニーズに基づかない過剰サービスが増えることをも意味している。しかも無料でセルフプランの作成を手伝うという行為は、保険給付とは関係のない行為で、そこに資格は必要とされないし、作成代行ではなく、作成を手伝うためのアドバイスの体裁を整えれば、代行業務ともならず違法性も問われることはない。

4.自己負担が導入されるということは、居宅介護支援事業所の業務に、利用者負担分の請求と、利用者負担金の徴収作業いう仕事が増えるということ。しかも自己負担部分については、かならず一定程度の未収金が発生することになるが、その督促業務も担当ケアマネの業務とされるだけではなく、事業者によっては回収不能となった分の補填責任をケアマネ個人に求めるようなトラブルも生じかねない。どちらにしても自己負担金発生に伴い、居宅介護支援事業所には新たな事務作業負担が確実に増えることになる。ただでさえ忙しいケアマネの仕事が増えるが、給料は増えないという現象が起こる可能性が高い。

このようにケアプランの有料化は、御用聞きケアマネや、囲い込み事業者を増やすだけで、自己負担化された費用より、過剰サービスの給付費が上回ることになる。よって給付費抑制効果はないだけではなく、マイナス効果につながる結果となるだろう。そういう意味では、制度の持続性を高めることを理由に、ケアプラン有料化を提言している日経連の委員は、素人で浅はかな考えしかない委員と言えると思う。

しかも居宅介護支援事業所の業務負担は一層増えるのだから、良い点は一つもないのである。よってこれに反対しない介護支援専門員は、頭のねじが一本足りていない人物と言ってよいだろう。

実は国としてはケアプランの有料化は既定路線であり、ほぼ決定事項とされている。このことを覆す事は非常に困難ではあるが、諦めてしまっては何も変わらないのだから、逆転を信じて現場発信し続けるしか道はないと考えて欲しい。

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年金生活者支援給付金によって負担段階が変更されることはない


僕は今、神楽坂の研究社英語センターに来ている。

午前10時から行われている、「東京都社会福祉協議会・栄養士・看護師・介護士合同研修会」で講師及びコーディネーターを務めている真っ最中だ。午前中は2時間講義を行って、昼休みを挟んでさらに2時間講義を行った後、シンポジウムのコーディネートを行うなどして、16:30までこの会場にいる予定だ。

ということで現在は昼食休憩中だが、昼休み中の著作本販売とサイン会のために、すぐに会場に戻らねばならないので、今日は表の掲示板で話題になった、消費税アップに伴う「年金生活者支援給付金」が、介護保険の居住費及び食費の負担限度額認定に影響しないかという議論の結論を情報提供する記事にしたい。

年金を受給している人に対する、消費税アップに対応する「年金生活者支援給付金」は、本年12月年金支給時から上乗せ支給されるが、その申請の時期になっている。

この給付金は、支給申請をしなければ給付されないので、うっかり受給できなくなる人がいるかもしれない。そのため介護施設の相談援助職などは、その支給申請の手続きを支援する必要がある。

しかしここで疑問が生じた。この給付金を受給してしまえば、収入が増えることになって、居住費と食費負担に関わる特定入所者介護サービス費(補足給付)の負担限度額が上がってしまわないかということだ。

例えば負担限度額2段階と3段階の違いとは、公的年金等の収入金額が80万円/年以下か、それを上回るかの違いである。その際今回の支援給付金が収入認定されてしまえば、年収が80万円以下だった人が、その額を超えてしまって、居住費と食費の負担段階が2段階から3段階に移行し、結果的に支援給付金で収入が増えた分より、負担する金額の方が上回るため、「年金生活者支援給付金」の支給申請を行わないほうが良いのではないかという疑問である。

恥ずかしながら僕は当初、その通りと思っており、それは年金と介護保険の部局の違いによる縦割り行政の弊害ではないかと指摘したりしていた。しかしそのことは完全に間違っており、「年金生活者支援給付金」については、特定入所者介護サービス費(補足給付)の負担限度額認定の際には収入として計上しなくてよいということを、弱小保険者さんというハンドルネームの方から教えていただいた。

ということで弱小保険者さんから教えていただいた根拠を整理して、ここで情報提供しておく。

特定入所者介護サービス費(補足給付)の負担限度額認定に関する年金収入は何を指すのかということについては、平成十七年九月七日厚生労働省告示第414号において、「厚生労働大臣が定める年金」とされている。

そしてこの「厚生労働大臣が定める年金」については、『厚生労働大臣が定める年金 (平成二十八年三月二十三日厚生労働省告示第81号)』で定められており、軍人恩給と同様の非課税対象である当該給付金は、この対象に含まれていないことになる。

よって「年金生活者支援給付金」を受給しても、介護保険の補足給付の負担段階には全く影響しないので、介護保険施設の相談援助職だけではなく、居宅介護支援事業所の介護支援専門員の皆さんは、自分の担当者がこの給付金を受給できなくならないように、支給申請の支援を行っていただきたい。

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小さなリスクという言葉が、大きな後悔につながらないように


介護保険制度の今後の運営に関連して、財務省は、「小さなリスクは自助努力で対応すべき」と言い始めた。

小さなリスクの概念は、いかようにも考えられ、いかようにも広げることができるが、当面は要介護1と2の対象者のサービスを制限するための方便に、この言葉が使われていくことになる。具体的には要介護2までの対象者の生活援助(訪問介護)と通所介護を、市町村の総合事業に移行させ、介護給付から外すことが狙いである。

そして「小さなリスク概念」を緩やかに広げて、地域支援事業化できるサービス種別を、福祉系サービスを中心に徐々に拡大するとともに、地域支援事業のサービス単価を下げる方向で、市町村の担当者を洗脳し、やがてそれらのサービスは、自己負担利用が原則であるという方向にもっていこうとする狙いがある。このたくらみに、介護業界関係者は気づく必要がある。

このようにして、訪問介護の生活援助や通所介護から計介護者を外す改正が、2021年度当初から実現されるかどうかはわからないが、内閣・財務省・厚労省等の様々な資料を読むと、「給付の重点化」という文言がしばしば見受けられるので、介護給付サービスは、より重度の人へ重点的に給付される仕組みに変わっていくことは明らかである。

そうであるがゆえに、介護事業経営の視点としては、保険給付サービスについて、重度化対応にシフトできる方向で、職員の意識転換を図る必要がある。そして利用者の重度化に対応する知識と技術を獲得するようにスキルアップの仕組みを取り入れていかねばならない。当然そこには、認知症の人に対するケアスキルとか、看取り介護スキルと言った、技術面の向上が含まれてくる。それが顧客確保の基盤となることを忘れてはならない。

さらに事業経営の視点で言えば、給付抑制された部分のサービスは、保険外サービスのターゲットにもなり得ると考えることが重要だ。和光市方式で、「介護保険から卒業させられた人」の1割が、卒業前と同じサービスを利用しているというデータが存在するように、給付が制限されたサービスを、自費で利用したいと思う人は一定割合おり、その人たちを顧客として掴んでおくことは、将来の保険給付サービスの顧客確保戦略とリンクしてくるので、より重要な視点となる。

保険外サービスは、そのような付加価値とともに考えるべきで、そこで莫大な収益が挙がらないとしても、安定的な顧客確保には欠かせないサービスと言えるのだ。

だからといって保険外サービスは全額自己負担のサービスであるからといって、事業者が赤字を出し続けて、「出血サービス」を続けるわけにはいかない。そんなことをすれば、その負の影響は従業員の待遇に直結し、介護労働が社会の底辺労働につながりかねないからだ。

だから保険外サービスと、保険給付サービスをうまく組み合わせて、保険外サービスを効率的に提供して収益を挙げるという、「混合介護」は事業経営にとって重要な要素になるのである。しかしサービスを混合して提供するにあたっては、サービスの提供時間は長くなり、労務負担は増えるわけである。しかし混合介護で収益があっがた分以上に、人件費をかけてしまって、収支が悪化しては本末転倒度頃の騒ぎではなく、それは事業経営を危うくしてしまう。そうであるがゆえに、混合介護は、保険給付サービス以上に、知恵が必要なサービスであるという理解が必要だ。

混合介護については昨年9月に、「介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについて 」が示され、グレーだった部分が明確にされるとともに、それまで認めてこなかった、保険給付サービスと連続する保険外サービスや、保険給付サービスを途中で中断して、再開するまでの間に行うことも認めており、こうしたルールを大いに利用して、保険給付サービスと同時一体的に収益を挙げられる工夫を、それぞれの事業者が考えていかねばならない。(参照:混合介護のルール明確化1・訪問介護編 ・ 混合介護のルール明確化2・通所介護編

さらに現在行われている混合介護のモデル事業の中から、より弾力的な組み合わせが示される可能性もあり、介護事業者はその情報を常にチェックしながら、事業所独自の工夫とアイディアを引き出して、顧客に選択されるサービスを提供していかねばならない。その覚悟と工夫がない事業経営者は、それそれ業界を去るべき時である。

小規模サービス事業所を立ち上げれば、自然と顧客が寄ってきて、事業経営の工夫をせずとも事業運営ができた時代はもう来ない。そんな夢を追うことなく、地域に根差した高品質サービスを作り上げていかないと、事業経営は続けられないのである。

それにしても国は、「小さなリスク」とレッテルを張った、軽度の要介護者をいとも簡単に切り捨てようとしている。しかしそのことは制度運営上は、大きなリスクであると言えないだろうか。軽介護者は、自分でできることもたくさんあるから、サービスの質と量はさほど増やさなくても自立支援ができるということだろうが、介護支援が必要な人に、軽度のうちから必要なサービスをマッチングさせることで、より大きな給付につながらないようにしてきた効果を、そのレッテル貼りによって消滅させてしまう恐れがある。

小さなリスクというレッテル貼りが、大きな後悔につながる危険性を内包していることは解っているとしても、責任を取る体質のない国の機関は、当座の給付抑制に走って、その暴走を止めようとはしないということだろう。

このことは、国民として、介護業界関係者として、しっかり歴史の証人ならねばならない。公文書に残されない真実を、しっかり記録として残し、後世に伝えなければならない。

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公定価格を価格上限と印象操作する財務省建議


こんな早い時間に記事更新するのには理由(わけ)がある。

昨日上京し、講演を終えた後、五反田のホテルで一泊し月曜日の朝を迎えたが、今朝はそのまま千葉県鎌ケ谷市に移動し、この後午前10:00〜講演を行う予定である。12時までお話しすることになっているが、昼以降も何かと予定が入る可能性が高く、いつ記事更新できるかわからないので、いっそのこと鎌ヶ谷に向かう移動の真っ最中のこの時間に記事更新を行おうと思い立って、電車内でこの記事を書きはじめ、講演前にアップしている。

今日の講演は、介護支援専門員の皆様に向けた講演である。そうであれば介護支援専門員には、財務省が無茶な要求を突き付けており、そのことの情報提供と解説もしなければならないと思っている。

今年4/23に行われた財政制度分科会資料では、ケアマネジメントの役割りについては、「介護サービスの価格の透明性を高めていくための取組等を通じて、サービスの質を確保しつつ、確実に価格競争が行われる仕組み(より良いサービスがより安価に提供される仕組み)を構築すべきである。」と提言されている。

それはあたかも介護支援専門員を価格割引の交渉窓口にせよという乱暴な指摘だ。こんな提言が正当化されてしまえば、高品質なサービスを提供して、様々な加算を算定している事業者が悪者扱いされてしまう。

そもそもケアマネジメントは、価格競争のためにあるのではなく、必要な社会資源と利用者を適切に結び付けるものである。そうであるにも関わらず、価格競争を促すという不純な要素がケアマネジメントの一部だとされてしまえば、安かろう悪かろうサービスも有りということになり、自立支援とかQOLの向上という介護保険制度の理念は、どこかへ吹っ飛んで行ってしまう。

しかし財務省は、その考え方を頑として変えようとしていない。

それが証拠に6/19にまとめられた、財政制度等審議会の「令和時代の財政の在り方に関する建議」では、「介護サービス事業者は介護報酬を下回る価格を設定でき、サービス面のみならず価格競争も可能。しかしながら現実には、サービス価格が介護報酬の上限に張り付いている」として、割引サービスを実施しない事業者や、割引を促さずに事業者を選んで、居宅サービス計画を立案する介護支援専門員を批判している。

介護支援専門員は、もっと公定価格を割り引くための社会活動をせよというわけだ。そのうえで価格を見比べて、より安い価格でサービス提供する事業者を、居宅サービス計画に組み入れなさいというのである。

馬鹿言ってんじゃない。割引ができる制度になっているからと言って、公定価格は価格上限と言えるほど高い価格設定ではない。報酬改定では、改定の前々年の経営実態調査での収支率をもとに、それが高い事業種別の給付費を削減してきた結果、収益を挙げるのに汲汲とするほど低い価格に抑えているのが介護給付費の現状である。

介護事業経営者が莫大な収益を懐に入れているわけではないし、小規模事業所では、従業員より低い年収で介護事業を経営している人がいる中で、サービスが提供されているわけである。3年ごとに給付費が削減されることで、処遇改善加算の支給対象となっていない職員の定期昇給財源確保に苦労している事業者も多い。

それななかでの割引推奨は、介護の職業を社会の底辺化に向かわせる改悪でしかない。

そもそも割引を強要するサービス・買いたたくサービスの品質をとやかく言うことはできなくなることは明白ではないか。「安くしとくから、多少、職員の資質に問題があっても文句は言わないでね」ということになっては困るわけだ。

ところが財務省は割引を促す布石として、居宅サービス計画を作成するプロセスで、複数の事業所のサービス内容や利用者負担について加減算の有無も含めて説明することを、居宅介護支援事業所の運営基準として義務付けるべきだという。そしてそれが適切に行われていなければ、運営基準減算を適用せよという。

このようにケアマネジャーを小馬鹿にするような、乱暴な提案が行われているのを知らない関係者はいないと思うが、それにしてもこの提案に対して、抗議の声があまり聞こえてこない。

介護支援専門員協会は、なぜ真っ先に反論と不満の声を挙げないのだろう。勿論、同協会が4月の財政制度分科会資料に対しては、「利用者による正当な事業所の評価を阻害する可能性が高い」という意見を挙げていることは知っている。しかしそれは協会の公式サイトやフェイスブックに意見書を掲載するという手段でしかない。それじゃあダメなのだ。国の政策とか、介護報酬とかに関連する議論は、真正面から反論をたたきつけないと誰も相手にしてくれない。介護給付費分科会に委員を出している団体が、なぜ強硬に反対の公式意見書を財政審に向かって提出しないのか?それをしないから6/19の建議書では、協会反対意見があることなど何も影響されず、全く無視して再び暴論が展開されているわけである。

反論が反論になっていない協会のこういう中途半端なところが、日本介護支援専門員協会が、国のひも付き団体と揶揄される所以である。この団体に何も期待できないことが、ここでも明らかになっている。

昨年の報酬改定で居宅介護支援費はプラス改定であった。しかしそれは雀の涙程度のアップでしかなく、運営基準改正で介護支援専門員の仕事量は増えており、決して労働に見合った対価とは言い難い。

そのような中で、さらに義務と責任と新たな仕事を押し付けるような提言がされ、それは減算という脅しがセットになっている。こんな横暴を許しておいてよいのだろうか。介護支援専門員はもっと国に対して声を挙げなければならないのではないだろうか。

そんなことも含めて、今日は2時間の講演を行なう予定だ。だからその予告編として、朝のこの時間に記事更新しているのである。

鎌ヶ谷はファイターズタウンだから、ファイターズファンの僕としては、気合と魂を込めて、闘志とともに、鎌ヶ谷の介護支援専門員の皆さんに檄を飛ばしてきたい。

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市町村の「通いの場」の拡充と充実が促されている意味


今日も僕は空の上からこの記事を更新している。昨年12月まで、四国で唯一、講演を行なっていなかった香川県での、2度目の講演のために高松市に向かっている最中である。

北海道から高松空港への直行便がないため、今日も羽田経由便を利用し、高松空港へは午後5時少し前に到着予定だ。明日午後2時からサンメッセ香川で行われるセミナーは、一般参加も可能なので、是非たくさんの皆様においでいただきたい。申し込みは今日まで間に合いますよ。(貼り付けた文字リンクを参照ください。)

さて、それはさておき本題に移ろう。

先月27日に、厚生労働省が「一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会」の初会合を開いた。この検討会は、それぞれの地域の住民が主体で実施する、体操教室や茶話会といった「通いの場」の運営の支援などを中心とした、市町村の一般介護予防事業の推進策を検討する場である。

初回は効果的な取り組みを進めるための、専門職の関与の仕方や事業の指標・評価方法などが論点として提示されたが、今後は介護予防の効果的な取り組みが検討されることになっており、年内に議論の結果を取りまとめて社会保障審議会介護保険部会に報告し、2021年度の介護保険制度改正へ反映させるとしている。

その主議題が「通いの場」の運営支援だという。それがどのように次期制度改正に反映されるというのだろう。

このことを考えるうえで参考になるのが、先に示された、「経済財政運営と改革の基本方針2019」原案〜骨太の方針〜である。その16頁に注目してほしい。

その頁の最初のタイトル、(介護インセンティブ交付金(保険者機能強化推進交付金))という部分では、次のような考え方が示されている。

先進自治体の介護予防モデルの横展開を進めるために保険者と都道府県のインセンティブを高めることが必要であり、公的保険制度における介護予防の位置づけを高めるため、介護インセンティブ交付金の抜本的な強化を図る。同時に、介護予防等に資する取組を評価し、
(a)介護予防について、運動など高齢者の心身の活性化につながる民間サ ービスも活用し、地域の高齢者が集まり交流する通いの場の拡大・充実、ポイントの活用といった点について、
(b)高齢者就労・活躍促進について、高齢者の介護助手への参加人数、ボランティアや介護助手へのポイント付与といった点について、交付金の配分基準のメリハリを強化する。


このように(a)で、地域の高齢者が集まり交流する「通いの場」の拡大・充実が取り上げられている。これと市町村に支給されるインセンティブ交付金を関連づけて、「メリハリを強化」すると書かれている。つまりこの「通いの場」を拡充・充実させない市町村には、インセンティブ交付金は渡さないという意味にとれる。

通いの場という言葉があるのだから、当然通所介護の関係者は、この議論に注目しなければならない。

というよりこれは明らかに、要介護1と2の利用者の、通所介護からの切り離しを視野に入れた検討である。

なかなか広がらない介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)における、通所型サービスA(緩和した基準によるサービス)や、通所型サービスB(住民主体によるサービス)の場を、市町村がもっと積極的に支援して作りなさいという意味だ。

とはいっても尻を叩いただけでは前に進まない市町村が多いことから、市町村がぜひとも手に入れたいインセンティブ交付金を餌にしたというわけだ。

このように市町村への報酬金制度の見直しを、通いの場の拡充支援と絡めることによって、市町村が高齢者が集うサロン造りの支援を行うという意味である。そのサロンとは市町村が行う介護予防の目的を果たすサロンであり、そこに元気高齢者が集まることができるようにし、それらの人々が介護給付の通所介護を利用する必要がないようにすることを目的にしているのだ。

そして要介護2までの人は、元気高齢者として介護予防の対象に入れてしまおうとするもので、2021年の報酬改定・制度改定時には、通所介護の対象者が要介護3以上の人に限定される可能性があることを示している。これは先に財政制度分科会資料で示された給付抑制策と完全に一致する内容だ。(参照:次期制度改正に向けた財務省の資料を読んで

通所介護事業経営者の方は、要介護2までの利用者が介護給付から外れて、自分の経営する事業所を使えなくなったとき、現在の事業を継続できるだろうか。それを見据えて事業戦略立て直しできるのだろうか。
(※現在市町村の総合事業としての通所介護を受託している事業所は、そこからも利用者が、通所型サービスAもしくはBに流出する可能性が高いことも併せて指摘しておきたい。)

それはなかなか厳しいことだろうと思うが、内閣も財務省も厚労省も、同じ方向に向かった検討・議論を進めている以上、通所介護はその方向に向かう可能性が高いという覚悟で、今後の事業経営を考えていかなければならない。

特に重度者へのシフトという方向が可能となるように、そこに向かった顧客確保の戦略とともに、それに対応する職員のスキルアップを同時に考えていく必要があるだろう。そしてできるだけ早く、要介護3以上の利用者数を増やしていかねばならない。

なぜなら要介護3以上の要介護者で、通所介護を利用している人はそう多くはないからだ。今のうちにそういう方々を顧客として確保していかないと、いざ通所介護利用が要介護3以上に限定された際に、顧客が全くいないということになりかねない。この部分は特養の入所要件が、原則要介護3以上になった際とは状況が大きく異なり、顧客がいないために倒産せざるを得ないという混乱が広がる可能性が高い。

そういう意味も含めて考えると、この給付制限が実現した場合、現在営業している通所介護事業所のうち、過半数を超える事業所の経営が困難になると予測する。非常に厳しい現実の中で、事業撤退か事業転換が迫られる事業主体も多くなるのではないだろうか・・・。

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管理者要件厳格化の経過措置延長を要望した協会の今更


4/10に行われた社保審・介護給付費分科会で、日本介護支援専門員協会の小原秀和副会長が、居宅介護支援事業所の管理者を主任介護支援専門員とする運営基準の厳格化の経過措置(2021年3月まで)を延長するように要望した。

延長が必要な理由について小原副会長は、「(主任ケアマネになるには5年以上の実務経験と70時間の研修が必要になってるため)厳格化が決まる前から事業を行っている事業所の中には、努力しても実務経験の課題を解決できないところがある」と述べたそうであるが、管理者要件の厳格化そのものには反対していない。そりゃそうだろう。すでにそのことには賛成するっていう趣旨の意見書を国に提出しているご当人が小原副会長だから、今更その意見を覆すことはあり得ない。

しかし一方で日本介護支援専門員協会は、都道府県支部長宛てに、「介護保険制度改正及び介護報酬改定に関する調査への周知協力について(お願い) 」という文書を3/18付で送っている。その中で居宅介護支援事業所の管理者要件厳格化について賛成か反対かという意見を求めているのである。そのアンケート結果も出ていない時点で、経過措置の延長だけを求めているということは、アンケートがアリバイ作りの形式的なものでしかなく、いかにこの協会が現場の声を軽視しているかということの証明でもある。(参照:日本介護支援専門員協会の遅すぎるアリバイ作り

もともと僕は居宅介護支援事業所の管理者を主任ケアマネにする問題については、約4万件ある居宅介護支援事業所のうち半数以上の管理者が主任ケアマネ資格なしという状況を考えると、昨年4月からの経過措置期間の3年で、全事業所の管理者が主任ケアマネの資格取得をすることは困難と言い続けてきた。そして経過措置の延長はあり得ることだと様々な講演会場で言ってきたことだ。

今回の小原副会長の要望は、その問題には沿うものであったとしても、この管理者要件の変更問題の本質はそのようなところにはない。

主任ケアマネの資格を持っているからと言って、そのことが管理者に必要な見識や知識につながるかというのが最大の問題なのである。(参照:この問題に関する一連記事

小原副会長は、現場のケアアンネの声を聴こうともせず、管理者を主任ケアマネに限定することに独善的に賛成した理由について、2018年2月に次のように述べている。

「まずは5年間の実務経験が不可欠になります。管理者としての責務を十分に果たすには、やはり一定の経験値を積んでいることが必要になると考えます。主任ケアマネの研修を修了していることも重要です。個別事例の検討やスーパービジョンなどは非常に大事ですし、後輩の育成や業務管理、リスクマネジメントに関するカリキュラムも含まれています。これらを学んでいる人とそうでない人のどちらが相応しいか? それはやはり前者ですよね。厚労省の調査でも裏付けられました。主任ケアマネが管理者を担っている事業所の方が、他のケアマネが相談できる時間を設けていたりOJTを行っていたりする割合が高いと報告されています。」(インタビューに対する小原副会長の言葉をそのまま抜粋引用)

このコメントを読んでわかるように、2018年2月時点で主任ケアマネになるためには介護支援専門員として5年の実務経験が必要だということを十分認識したうえで、経過措置は3年間しかないことも承知して、管理者要件厳格化に賛成しているのである。そうであるにもかかわらず今更のように経過措置延長を求めているのは、管理者要件厳格化に賛成したことへの批判の声が高いことから、そのことを少しでもかわそうとする姑息な手段でしかない。

小原副会長が唱える管理者要件厳格化賛成の理由は、主任ケアマネになるために研修を受けているから、受けていない人よりましだという理由でしかない。・・・寝ていても受講したものと認められ、試験もなく取得できる資格を得ているからと言って、そんなことで研修を受けていないケアマネとの差別化が図れると言い切ってよいのか?主任ケアマネの受講機会に「当たった」ケアマネが、研修を受ける暇もないほど多くの利用者を抱えて走り回っている介護支援専門員より知識や援助技術が豊富になると言い切れるのだろうか。現場で汗水たらして利用者支援に努めている人よりましになることがあるのだろうか。

しかもスキルが高くなるという根拠を不正統計で名高い厚労省の調査データに求めている。あんな調査結果は、データの拾い方、数字の読み込み方でどのようにでも解釈できる。そんなものに何の信頼も置けないことは、少し知識のあるものなら常識というレベルの話だ。

そもそも、「相談できる時間を設けていたりOJTを行っていたりする割合が高い」といっても、問題となるのはその中身だろう。スーパービジョンのスキルかない人が、いくら相談時間をとっていても時間の無駄である。OJTと称して実際に何をしているかが問われてくる問題で、厚労省のあの調査結果でそんな実態は見えてこない。

こうした根本的な問題に触れず、支部会員に対するおざなりなアンケートを行うだけで、その意見も拾おうともしていない。そして給付費分科会という場で、会員の声とは無縁のパフォーマンスに終始する姿を、お金を払っている会員たちはどう見ているのだろうか。

日本介護支援専門員協会の本音とは、主任ケアマネジャーになるための研修と更新研修を受ける人が増えることで生ずる「利権」を得ることに他ならない。黒い陰謀の中にこの動きがあるということだ。

こんなことを許していることは、僕にはとても理解ができない。本当に不思議な組織である。

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改元を給付制限に都合よく利用しようとしている人たち


平成から令和へと元号が変わることが、様々な場所で利用されている。国の審議会もしかりである。

4/4に財務省の財政制度等審議会の総会が開かれているが、その中で同会会長は、「財政を悪化させてしまった平成30年間の過ちを繰り返してはいけない。新しい令和の時代に相応しい財政運営が実現するよう、私が先頭に立って取り組む」と決意表明している。こんなところでも元号変更が利用されている。

そして給付抑制を徹底的に進めるために、「歳出改革部会」を新たに設置し、社会保障費の抑制などを集中的に論じることを決定している。改元という時期を利用して、締め付けをさらに厳しくするぞという決意表明である。

それというのも2021年度には制度改正・報酬改定が予定されているためである。国はこの夏の参議院選挙が終わってからそのための本格的議論を始め、その中身を年末までに固めるレールを敷いている。

そのなかで財務省は、次の改正で利用者負担割合を原則2割に引き上げることをもくろんでいる。そもそも現行の負担率1割(原則)・2割(一定以上所得者)・3割(現役並み所得者)の3段階がいつまでも続くはずがなく、負担割合については2割を経て3割までもっていこうというのが財務省の思惑ではある。2割負担を原則とするのは3割負担実現のソフトランディングに過ぎないが、その実現のための1割負担廃止を2021年にも実行しようと手綱を引き絞っているという訳である。

そのほか既に居宅介護支援費の利用者負担導入もほぼ既定路線化されている。

施設サービスにおける多床室の室料負担は、現在特養だけが利用者負担とされているが、この範囲を老健・介護医療院・療養型医療施設にも広げることもほぼ決定事項だ。

軽度者への生活援助サービスについて給付のあり方を検討する方向性も財政審はかねてより示唆している。すでに予防給付の訪問介護は地域支援事業へ編入されているが、要介護1と2の利用者に対する生活援助も同じように新総合事業化が検討されるという意味だ。

その延長線上には、福祉用具貸与と通所介護の要介護1と2の利用者のサービスも、介護給付から外して新総合事業化する議論が含まれてくるだろう。

医療系サービスも例外ではない。訪問・通所リハビリや訪問看護等も予防給付が永遠に続くなんてあり得ないと考えたほうが良い。

このように下々の者たちの痛みと我慢だけで、この国の問題を解決しようとしているわけである。そんなことが許されてよいのだろうか。

それに対して何も抵抗できない各種審議会の委員も総入れ替えが必要だと意見すれば、「いや介護給付費分科会は、国から決められたことを下ろされるだけだから、そこで何かを決められないんだから委員の責任ではない」という人がいる。本当にそうであれば、そんな審議会や委員会にお金をかける無駄こそを省いてほしいと思う。

どちらにしても今年10月の消費税対応で介護給付費が引き上げられた場合には、財政事情が厳しい中で2年連続して介護給付費は引き上げたという政府実績になるのだから、次の2021年改定では、3回連続給付費用を引き上げるのは、財政事情から考えて優遇しすぎであるとされ、必ずマイナス改定とする方向で、「歳出改革部会」は様々な指摘をしてくるだろう。

厚労省はそれに対して抵抗・反論ができるだろうか。

しかし平成時代に積み起こした最大のものは、「社会保障改革」ではなかったはずだ。社会保障と税の一体改革という「国民の痛みを伴う改革」の前提は、政治家も痛みを負う「政治改革」があってこそのものではなかったのか。

しかるに政治改革は全く行われず、定数の削減という議員の痛みには全く踏み込まず、逆に国会議員の定数は増やすという。

つまり平成の時代に積み残した課題の最大のものとは、「政治改革」ではなかったのか。いやしえ時改革を行うという虚言でもって、国民の痛みだけが強いられたのが「平成の改革の実態」であったと言い切ってよいだろう。その付けを返せと言いたい。

国の借金を減らして財政を健全化する取り組みが必要なことはわかっている。そのために収入を増やすだけではなく、支出も減らすために、不必要な経費はできるだけ削っていくという方針も理解できる。しかし減らしてよい経費とは、国民の暮らしを護るための経費ではなく、痛みを伴う改革を全く行っていない政治家に欠ける経費ではないのか。少なくとも改革の優先度は、国民に痛みを強い前に、国会議員をはじめとした政治家の痛みを伴う事柄が先に来るべきだろう。

国家公務員の待遇の見直しも必要だ。高級官僚とかキャリアとか呼ばれる人々の待遇は、国民の痛みに比して高すぎるのではないかという議論もあってよい。

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主治医意見書の記載が負担だというのなら・・・。


3月27日に報告された、中央社会保険医療協議会・診療報酬改定結果検証部会の「医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進に係る評価等に関する実施状況調査」によると、医師が「負担が非常に大きい」・「負担が大きい」と感じている業務では、「主治医意見書の記載」が59.1%で最上位となっている。

そして「主治医意見書の記載」については、他職種に実施、または補助してほしいと思っているとの回答が多かった。・・・ということは、他職種が医師に比べて暇だと思っているのだろう。

しかし仮に「主治医意見書の記載」を医師以外の誰かが実施または補助できるとしても、診断に関することは他の職種の者が業務として行うことはできないのだから、代行できることとは、医師がメモしたことや口頭で指示した内容を代筆したり、PC入力してプリントアウトりする程度にとどまる。それでは大した業務軽減にはつながらないだろう。

というかそれほど業務負担になっているほど、まじめに医師は意見書を書いているのだろうか?医師意見書を丁寧に書いている医師などあまりいないというのが僕の実感である。

僕は介護保険制度がスタートした年から、登別市の認定審査委員を務めているが、認定審査の際に医師意見書が必須の資料だと感じたケースは1件もないと言い切ってよい。参考程度に見ることはあるが、それがなくても審査はできる。

そもそもほとんど何も書いていない意見書もある。特記すべき事項が書かれていないだけではなく、患者氏名と生年月日、診断名だけ殴り書きして終わりという意見書もある。調査票を読むと、明らかに重度の認知症であることがわかる人の医師意見書の診断名に、「高血圧」とだけしか書かれておらず、認知症に関する記述が一切ないこともある。

要介護1相当の場合は、予防給付である要支援2とするか、介護給付となる要介護1とするかについては、認知症の自立度が重要なファクターであるが、その際に医師の判断と調査員の判断が異なることがある。その際にも医師意見書の判定内容より、調査員が書いた調査票の判定が正しいと思われるケースの方が多い。中には判定基準を確認しているのか疑わしい医師意見書の判定もある。

そもそも認知症の自立度判定は、判定項目そのものをみなくとも、調査票の内容から審査員はそれを判断することができるので、その部分でも医師意見書が必要不可欠ということにはならない。

そんな医師の意見書の作成料金は1件につき新規が(在宅)5,000円(施設)4,000円、継続の場合は(在宅)4,000円(施設)3,000円とされている。ほとんど何も書いていない意見書でも、これだけの費用が支払われているわけである。財源問題が給付抑制につながっている今日、この費用こそ無駄であって削減すべき費用ではないのだろうか。

しかも医師の意見書が介護認定には必要不可欠とされていることによって、審査には大きな弊害も生まれている。それは、「医師意見書の遅れを何とかしてくれ!!」で指摘しているように、作成依頼しているにも関わらず、意見書の提出が遅くなって審査ができないという弊害である。

医師の意見書が挙がってこないことによって、認定審査ができないケースがある。この場合、認定結果を待つ申請者は、認定結果が出る前に「暫定利用」でサービスを利用することはできるものの、審査会で認定結果が非該当となった場合、保険給付が受けられないことになって、暫定利用したサービス分をのちに全額自己負担せねばならないために、それを恐れてサービス利用ができないというケースさえある。

それもすべて、忙しくて大きな業務負担であると言って、医師意見書を書いてくれないという医師の都合に他ならない。

であれば・・・医師の意見書の業務を減らすことは根本的に難しいことを鑑みると、いっそのこと認定審査の仕組みを大幅に変えて、医師の意見書を廃止してはどうなのだろう。完全に廃止しない場合も、医師の意見書がなくとも認定審査を行うことを基本するルールに変えて、認定審査の際にどうしても医師の専門的意見が必要なケースのみ、審査会の求めで医師の意見書を書くというルールに変えるべきではないだろうか。

そんな風にして医師の意見書が審査資料として必要ではなくしたとしても、審査結果自体は今と違いは出ないし、審査そのものに支障が来たすようなこともないだろう。

それで意見書が遅れて審査ができないという弊害は無くなるし、財源負担も減るのだから、これは一石二鳥、いや一石三鳥の効果があると言ってよいのではないだろうか。

医師意見書の作成が業務負担だと言って嘆いている医師も、それがなくなれば喜ぶのではないだろうか。

そうした医師意見書廃止論に医師会が反対するなんておかしい。もし反対するなら会を挙げて、医師意見書の提出が遅れないように取り組めと言いたい。

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野合は利権しか生み出さない


昨日は新元号の発表の話題で、日本中が沸き立っていたが、その由来・出典となった万葉集の関連書籍が、今日あたりから書店で大いに売れるのではないだろうか。僕も時間が合ったら書店に行って、関連本が売っていないか探してこようと思ったりしている。

そんな喧騒の中での新年度のスタートの日であったが、このブログを読んでくださる方々にとって、それはどのような日であったろうか。新しい職場で新たな一歩を踏み出した人も多いのではないかと思うが、それぞれのステージで素敵な花を咲かせてくれることを願ってやまない。

年度が変わったことをきっかけにして、いろいろな動きもみられる。現在所属している組織の在り方に疑問を感じて、あらたな活動を模索している人もいる。そういう人たちに新しい径が開かれるようにお手伝いをする機会も多くなるという予感がしている。

今日の記事は、そのことに関連した話題に触れて筆を進めようと思う。

日本介護支援専門員協会という組織が、「現場の声を代表する組織」とか「全員参加型のチー ム」を標榜しているにもかかわらず、それはまやかしで、実際には極めて非民主的な役員中心の運営組織でしかないことを、このブログ内で様々な批判記事を書いて指摘してきた。

このブログ記事には拍手という機能が張り付いているが、通常の記事にはその数は二けたになることも珍しいのに、協会の批判記事を書くとその数字の桁数が全く違ってきて、何百ときには何千という拍手数がつく。

それだけ日本介護支援専門員協会の運営姿勢に疑問と怒りを感じている会員が多いということではないだろうか。

僕が一番批判していることは、昨年の介護報酬改定に向けた一連の議論の中で、日本介護支援専門員協会が居宅介護支援事業所の管理者を主任ケアマネに限定することに積極的に手を貸したこと、そして特定事業所集中減算の全面廃止に賛同せずに、福祉系3サービスに対する減算存続を求めたことなどであるが、その「意見書」を書いた小原副会長をはじめとした協会の役員は、批判記事に対する賛同者数の多さをどう感じているのだろうか。

そのような中で、関東のとある地域の会員の方々が、この組織の姿勢に憤りを感じて、改革の意思のないことに幻滅し、新たな活動を模索しようという動きがある。日本協会に頼らない新たな活動の先には、「新組織」をつくろうという動きにもつながる可能性がある。それはあくまで可能性の話で、選択肢の一つにしか過ぎないが、一つの小さな動きが大きな流れをつかむことだってあるのだから、そのことに注目していきたいと思う。

当然のことながらそれをよく思わない人もいるだろう。せっかくの全国組織から脱退するのは、組織そのものの弱体化につながり、それはそのまま会員の利益に反する行動につながるのではないかという声もあるだろうが、そもそも所属組織が自分の利益を代表していないと感じてとる行動は、組織の利益と反して当たり前である。

新たな可能性を求めて、既存の組織運営の方針とは全く違う方向で活動する先に、志を同じくする人が新組織を求める結果も必然と言える。その活動が小さくて知名度はない組織から始まるとしても、目指すものを同じくする仲間が集まるような透明性があって、民主的な運営組織であれば、やがて独善的で硬直的な組織を凌駕して先頭に立っていくことも可能となるだろう。

そうした動きに対して、批判的な目を向ける人も多いだろう。例えば介護業界全体を見渡した場合、社会保障費の自然増を抑制する政策の中で、2021年度の制度改正・報酬改定は、より規模しいものになると予測されるのだから、業界団体が一枚岩になって、それに対抗した備えが必要となると考えと、介護業界は組織を統合して大きな勢力を持って、統一対応するべきだと考える人もいる。

そういう人たちは、福祉系の職能団体が各個ばらばらに存在するのではなく、大同団結を図るべきだと考えているから、介護支援専門員という職業を持つ人の利益を代表する組織が複数存在するようになることには反対するだろう。

しかし共通の目的を持てなくなった人々が、一つの集団としなって組織形成することは困難だ。

共通するものもないばらばらの集団が、まとまりなく集まることを「野合」という。それは政治の世界で、選挙に勝つ目的のためだけに異なる政党が急に新党を作って合併したりする状態のときなどに、批判的に使われる言葉でもある。

組織の方針に反した考え方を持つ人が、しがらみや権力に縛られて自分が信じる活動ができなくなるのは、非民主的な組織運営でしかなく、それは一部の役員の独裁につながりかねない。考え方が異なる人がそこにしがみついて離れなれないことこそ野合である。

野合は一部の権力者の利益にしかつながらない。そういう野合より、群雄割拠を経て正常な民主的組織をまとめ上げようとする人々の活動は、支持されてしかるべきではないのだろうか。

僕はそうした人たちにエールを送りたいと思う。

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全国課長会議で特定処遇改善加算の新情報は無し


昨日(3/19)全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議が行われ、その資料が発出された。

その資料を読んでわかる通り、10月から算定・支給される「特定処遇改善加算」については、従前から示されていた情報しかなく、新たな情報や資料は示されなかった。この会議で解釈通知等が示されるのではないかと期待していた人も多かったのだろうから、その期待は見事に裏切られたことになる。ただし関係者には、この会議でそれらの資料は出されないことは、事前に知らされていたとのことである。

ということで今後の予定としては、解釈通知等は今年度末(おそらく来週中)に発出となり、Q&Aは4月以降になるそうである。

ただし特定処遇改善加算の算定要件や、事業所に裁量権がある支給方法は、明らかになっていることが多いので、それをもとに支給方法の検討・準備を進めておくことは可能だろう。

10月からの算定・支給なので、ここはあまり焦らないほうが良い。それより大事なことは、(前からここで主張しているが)示されている情報を丁寧に職員にも周知・説明に努め、この加算をどのように活用するかという視点から、その支給方法のルールを説明し、職場に最もふさわしい支給方法を職員全体で議論できる機会を創ることである。

最終的な支給決定は、トップの判断であるが、その過程で説明と意見交換という丁寧な手順を踏まないと、経営者や管理職への不信感が高まったり、職員間の関係が悪化するなど、職場が空中分解しかねない要素を内包してしまうことになるので、極めてデリケートな問題として、この加算対応を考えるべきである。

現時点でこの加算について明らかになっていない点で、気になる点は何だろう。

例えばこの加算は算定単位が事業種別ごととされているが(※例えば通所介護を併設している特養の場合、特養は加算気2.7%、通所介護で1.2%とそれぞれ別個に算定することになる。)、支給単位は事業種別を超えて法人単位とすることが認められた。

この場合、最低1人以上は昇給後に月8万円アップするか、年収が440万円を超える必要があるという要件について、これも法人単位でみてよいのか、それとも事業種別ごとに見るのかは現時点では不明である。

この問題は結構大きな問題で、それによって支給方法が異なってくる可能性があるため、事業経営者は早く情報が欲しいところだろう。
※僕個人の考え方で言えば、支給が法人単位としてよいのだから、その場合の算定要件も法人単位でみるのが筋だと思う。

またこの要件に関して、「設定することが困難な場合」の「職員全体の賃金水準が低い事業所などで、直ちに一人の賃金を引き上げることが困難な場合 」の賃金ベースをどの程度の金額に置くかなども疑問が残る点である。

算定要件の「職場環境等要件に関し、複数の取組を行っていること 」については、「資質の向上」、「労働環境・処遇の改善」、「その他」でそれぞれ一つ以上の取り組みを行っておかねばならないが、その具体的内容は、3/6発出資料の7ページを参照して、具体的対応を決定することになる。ここは特に問題なくクリアできる点である。

また、「ホームページへの掲載等を通じた見える」については、都道府県等が情報提供する仕組みとして『情報公表制度 』を活用するとしているが、そこに情報を掲載する方法しか認めないのか、事業者の公式サイトなどの活用も認めるのかが明らかではない。

さらに前者だとしたら、その情報の掲載について都道府県が掲載料金を徴収するのかどうかも問題となる点である。この加算によって、情報公表制度の有料化が復活するなんてことにはならないと思うが、役人の悪だくみは際限がないので注意が必要だ。もしこの部分で有料化が行われた場合は、早急なる抗議の声を挙げないとならないと思う。

さらに経験10年の判断に関する事業者の裁量権のうち、「10年以上の勤続年数を有しない者であっても、業務や技能等を勘案し対象とできる」という部分の、業務や技能等の具体例が示されるのかどうかも今後の注目点だろう。

ざっと考えてみた僕の疑問はこの程度であるが、細かくみればさらに疑問が湧いてくる部分はあると思う。関係者の皆様は、現時点の確定情報を確認しながら、何が疑問として残っているのかを整理すると、今後の発出情報の理解や整理に役立つと思う。

このブログの読者の皆様で、こんなことが疑問として残っていると思うことがあれば、コメント欄に書き込んでいただきたい。

ところで今回発出資料の中では、「次期介護保険制度改正について」や「生産性向上・業務負担軽減の取組について」(総務課)なども含まれているが、その内容を読むと、将来の光が見えなくなるような内容も含まれており、突っ込みどころも満載の内容となっている。

それらは明日以降、徐々にこのブログで指摘していきたいと思う。

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末期がんで介護認定申請をする2号被保険者の病名記入のルール変更について


2月19日に発出された、介護保険最新情報vol.699は、タイトルが「がん患者に係る要介護認定等の申請に当たっての特定疾病の記載等について」とされている。

その内容とは、「がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会及びがん対策推進協議会等 」の議論において、65 歳未満のがん患者が要介護認定の申請をする際には、「末期がん」 を特定疾病として記載する必要があり、記入しづらく利用が進まないとの指摘があることから、要介護認定等の申請をするに当たっての特定疾病の名称の記入に係る取扱い等について次のような取り扱いとすると通知している。

1. 特定疾病の名称の記入について特定疾病の名称の記入に当たっては、「がん(医師が一般に認められている医学 的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)」、「末期がん」又は「がん末期」等の記載に限らず、単に「がん」と記載されたもので申請を受理して差し支えありません。

2. 特定疾病の確認について 申請書に「がん」とだけ記載した方に特定疾病に該当するかを確認する場合であっても、「末期がん」等の表現ではなく、介護保険サービスを利用し得る状態である ことを主治医に確認したかどうかに留めるなど、申請者の心情に配慮した対応をお 願いします。なお、特定疾病に該当するかについては、介護認定審査会における審査及び判定に基づき判断するものであり、必ずしも、要介護認定等の申請を受理する時点において、特定疾病に該当するかどうかを申請者に確認する必要はありません。


この変更は末期がんで介護保険サービスを利用できるようになる2号被保険者の心情に配慮したもので、一定の評価を与えてよいだろう。

早期発見で治う可能性が高まってきた「がん治療」においては、がんの告知が当たり前になっているが、同時に治療不可能な「末期がん」の場合も、その病名と余命診断の結果を告知することが当然であると考えられつつある。

しかし告知される患者が、すべてそのことを冷静に受け止められるとは限らないし、ポジティブに捉えられるとも限らない。それは個人の置かれた環境・年齢・死生観等に左右され、告知することが良いことなのか、正しいかどうかという判断基準はどこにもない。それはあくまで個人レベルで判断すべき問題である。

そのことについては、僕の最新刊「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」でも問題提起しているし、このブログの中でも何度か問題点を指摘しているので、「末期癌が特定疾病に追加されたことで生じる問題。」・「告知について〜死期を告げることの是非論」・「リビングウイルの視点・告知と余命宣告を考える」等を参照いただきたい。

今回のルール変更によって、上記で紹介した問題がすべて解消するということではない。そもそも65歳未満の2号被保険者の方であれば、自分が65歳に達する前に介護申請ができ、介護保険サービスが使えるためには、特定疾病に該当する必要があるということは知っている人がほとんどだろう。そして自分がどの特定疾病に該当するかも知ってしまうだろう。

その時に申請書の文言が、「末期がん」ではなく、「がん」としかされていないとしても、特定疾病の条件そのものが、「末期がん」である限りそれは動かせない事実だし、そのことを申請者自身が知ってしまう確率はかなり高いだろうと思える。よって記載ルールが変わったとしても、心情的な負担はそう変わらないかもしれない。

今回のルール変更で変わるものがあるとすれば、自分が末期がんで余命いくばくもないと理解している人に対し、介護認定の申請窓口という場所で、配慮のない言葉で心を傷つけ、身体死の前に心が殺される人がいなくなるように配慮するという意味しかないのかもしれない。自分の命の期限が短いと知っている人も、その事実を受け止めているとしても、心には常に揺れが生じ、ちょっとした言葉で、心に深い傷を負う場合がある。「あなた本当に治らない末期のがんで、もうすぐ死が近いのですか」という言葉の確認は、そうした心の揺れを増幅させ、深い傷跡に変えてしまう恐れがあるからだ。

このように終末期を過ごす人たちの心情に少しでも配慮しようとする取り組みは否定されるべきではないし、こうした配慮の積み重ねこそが、終末期と判定された人たちの心に寄り添う小さな一歩に結びついていくのではないかと思う。

どんなに医療や介護の知識があろうとも、がんに関する専門知識を持っていようとも、自分が終末期と診断されて、限られた時間を過ごす人の気持ちをすべて理解することは不可能だ。同じ気持ちになることはできない。

そうであるからこそ、自らの命の期限を区切られてしまった人・その事実を知ってしまった人の心情を慮って、少しでも心の負担を減らそうとすることは大事なことである。そうした配慮こそが、最期の瞬間まで傍らに寄り添うことができる関係性の基盤になってくるものだろうと思える。だからこうしたルール変更は、実質的に意味がないと切り捨ててはならず、そうした配慮を積み重ねた先に、逝く人の尊厳を守る結果が生まれてくるものだと信じなければならない。

それにしてもこの通知では、「要介護認定等の申請を受理する時点において、特定疾病に該当するかどうかを申請者に確認する必要はありません。」と、具体的な行為を指摘して、それが必要ない行為だとしている点が気にかかることである。

実際に申請窓口で、末期がんであるかどうか患者本人に、申請の必要絶対条件として確認のために行われている事実があるとすれば、ルールがどうあろうと、行政職員の人間性が問われる問題ではないかと思ってしまう。

このことが事実そういったことがあるという意味ではなく、検討会などの杞憂の結果、示された文言であってほしいと思う。

そうではないとしたら、あまりに人に優しさがない社会だと幻滅せざるを得ないからだ。配慮に欠ける行為が、ルールを守るという理屈で行われているとしたら、それは権力や行政の暴力でしかなく、哀しいくらい民度の低い国で生きている証拠でもあるということになってしまうからである。

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3号被保険者創設の布石が隠されている制度改正


介護報酬と診療報酬のダブル改定があった次の年は、本来ならば大きな制度上の変更のない年になるのが普通だが、今年の10月に消費税が引き上げられるのに伴って、介護報酬も診療報酬も引き上げられる。

両報酬はこれで2年連続のプラス改訂となるが、それは2020年の診療報酬改定、2021年の介護報酬改定には大きな足かせになる。今年の報酬改定は消費税の引き上げに対応したものでしかなく、事業者の収益増にはつながらないにも関わらず、プラス改訂であるという事実のみを持って、財政事情が厳しい中で介護報酬や診療報酬が3回連続の引き上げになるのは、「けしからん」という論理で引き下げが図られる可能性が高いのである。

介護報酬については区分支給限度額も引き上げられ、補足給付に関連する食費と居住費の標準費用も引き上げられる。それに加えて「特定処遇改善加算」という大きな改訂がある。(参照:あけてびっくりの新処遇改善加算

その分の引き上げも含めて考えると、2021年の介護報酬改定は、「自立支援介護」としてのアウトカム評価を加算に反映しようという動きと相まって、非常に厳しい改定になるだろう。

ところで先の報酬改定や、その前年の制度改正においては、次の2021年改訂につながる布石が所々にちりばめられている。そのことにお気づきだろうか?

昨日の神戸講演でも話させていただいたが、今後の介護事業の経営戦略を練る立場の人たちや、制度の今後の動きを見据えながら業務にあたる専門家の皆さんには、制度改正と報酬改定をきちんと区分して考えながら、そこにちりばめられている今後の布石や橋頭保とは何かということも思慮に入れてほしい。

ということで今日は、昨年の介護・診療ダブル報酬改定に先駆けて行われた制度改正・地域包括ケアシステム強化法(2017年)の中の、次の改正への布石と思われることについて、僕なりに解説してみたいと思う。

例えば地域包括ケアシステム強化法(2017年)によって創設された「共生型サービス」の意味をどう考えるかも重要である。

それは単に3つのサービス(訪問介護・通所介護・短期入所生活介護)の中で、高齢者と障害者のサービスが同時一体的に提供されるようになっただけではない。制度は統合できなくともサービスは統合されたという点が大きいのだ。

厚労省には、将来的に障害者の福祉サービスを介護保険制度と統合したいと考えている人が存在する。それは2号被保険者の年齢を20歳まで引き下げたいと考える動きと一体となっている。しかしそのことに障害者の方々の理解が得られず、障がい者団体の強力な反対運動があって、実現の目途はたっていない。

そのような中で共生型サービスが創設されたわけであるが、これによって高齢者の福祉制度と障害者の福祉制度は、両者を統合しなくとも、二つの制度の類似サービスを同時一体的に提供することが可能になったわけである。そうであればその中で、両サービスの共通項・互換性を増やしていくという論理で、自己負担が増やされたり、給付費用が削減されたりする可能性があり、今回の共生型サービスの創設はその布石・橋頭保となり得るものである。

そしてこのサービスによって、高齢者と障害者が同時一体的にサービス提供を受けることに馴染んでくるのだから、その先にある狙いとは、被保険者の拡大による保険料負担年齢の拡大であることは明白である。

仮に2号被保険者の年齢を20歳まで引き下げられない場合には、保険料を3段階に分けて、20歳〜39歳の新保険料を創設しようという動きも出てくるだろう。

つまり2号被保険者の年齢を20歳まで引き下げることはできないとしても、それに替えて20歳から39歳までの新3号被保険者を創設し、2号被保険者より安い保険料負担で被保険者に組み込もうとする意図がそこには隠されているということだ。

2021年の介護報酬改定論議の中では、サービス利用時の自己負担割合が現在1割(スタンダード)、2割(一定額以上の所得者)、3割(現役並み所得者)の3段階に分かれているが、このうち1割負担を廃止して、スタンダードの負担割合を2割にするという議論が展開される。それは2021年にも実施される可能性があり、それが実現した先には必ず保険料負担の年齢引き下げ論議が起こるのである。

そのした布石が、そこかしこにちりばめられていることを意識して、先の改正と報酬改定を振り返ってみれば、そこに新たな経営戦略が開けてこようというものだ。しかしこれ以上は、ブログには書けないのであしからず・・・。

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給付制限ありきの自立支援は地獄支援でしかない


介護保険法第一条は、この法律の目的を定めたもので、この中で国民が要介護状態になったとしても「その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう」ことが、尊厳の保持につながり、そのためにサービスを利用するのだと定め、そのことが結果的に、「国民の保健医療の向上及び福祉の増進」を図るのであるとしている。

自立支援がこの制度の理念であるという根拠が、ここに書かれているわけだ。

そのことに異議はない。ただそれも程度に寄るだろうと思う。なぜならこの制度のサービス対象者とは高齢者が中心であり、その高齢者とは過去に人類が経験したことがない超高齢社会に暮らす人々だからである。

加齢による疾病の発症や慢性疾患の重症化が、その人が暮らす世帯でどのような問題を引き起こすのかということや、認知症の進行による記憶・見当識の悪化や、それに伴う行動・心理症状の重篤化が、どのような過程を踏んで、どんな結果をもたらすかについてを、すべて予測することは不可能なのだ。そこで要介護状態になってしまった人が、自立しなければならない事柄とは、一つ一つの世帯において、一人一人の置かれた状況で異なってくるだろう。

ある一場面だけを切り取って考えると、依存的に暮らしているとしても、そこで手を貸して助けたほうが、暮らし全体としてみれば自立しているというケースは多々ある。場面を切り取らずに生活全般を考える必要があるのだ。

しかも社会の高齢化と人口減少という自然現象の中で、介護保険制度で定めることができないインフォーマルな支援能力は、確実に低下していくのである。

昭和のインフォーマルな支援能力を、新しく平成から元号が変わる時代に求めることはできないわけである。

しかし介護保険制度は、ますます自立支援を促していく制度に向かっていく。先の報酬改定では、訪問介護の生活援助中心型サービスについて、一定回数以上の回数を計画するケアプランの、市町村への届け出義務が課せられた。

だがそれは一律不適切な計画という意味ではなく、国が発出している「厚生労働大臣が定める回数及び訪問介護」の交付についてでは、「生活援助サービスについては、必要以上のサービス提供を招きやすい構造的な課題があると指摘がある一方で、利用者において、様々な事情を書明ける場合もあることを踏まえて利用者の自立支援にとって、より良いサービスとするため、ケアアンネジャーの視点だけではなく、他職種協働による検証を行い、必要に応じて、ケアプランの是正を促すものである。」と釘を刺しているところである。

しかし地域によってはこうした趣旨を無視して、一定回数以上の生活援助中心型サービスを一律不適切と判断し、是正を求めるという動きが発生している。そこでは一定回数以上の生活援助中心型サービスを計画した介護支援専門員に対する、「公開処刑」が行われていると揶揄する向きもある。しかも処刑人は市町村の職員とは限らず、そこに手を貸す介護支援専門員もいるのだという。

しかも届け出義務議論の根拠となった、北海道標茶町のケースは、のちに必要なサービスであり、適切なプランであったことが明らかになっている。つまり月100回を超える生活援助中心型サービスを組み入れたケアプランは、糾弾すべきプランではなく、模範とすべきプランだったのである。

そのようなことを無視して、生活援助とは本来保険給付の対象とすべきではないとか、一定上の回数が必要なら、それは自己責任なので全額自費利用すべきだとかを平気で口にする関係者が存在する。

いつから介護保険制度は人にやさしくない、尻を叩き続ける制度になったんだろう。

要介護度が低くて身の回りのことは何とかできる人であっても、加齢や見当識の低下に伴って、家事までは頑張れないという人がいるのだ。その人たちは、家事をこなすたびに毎日、「辛い、辛い」と嘆きながら、生きるために仕方なく頑張らされている。辛いからいっそ死にたいと思っている人たちの最大の願いは、「一日でも早く、お迎えが来ますように」である。

そんな超高齢社会が、21世紀に2度目のオリンピックを開催しようとする先進国・ニッポンの現状である。それが本当に先進であるのだろうか。

人は誰かに頼ることができるからホッとできるのだ。誰かにも頼れず、寄りかかることができない社会は恐ろしい。自立とは共立の概念があってこそ、はじめて成立する概念である。誰かに頼ることを、「悪」とか「不適切」と考える社会は、人が暮らしを営む社会とは言えない。

辛いという文字に一を足せば幸せという文字になる。介護とは本来、辛いと叫ぶ人に、「幸せになる一をつなぐ仕事」であるはずだ。辛い辛いも自己責任だと見放し、見下す仕事ではないはずだ。

辛いを幸せに変えるための「」を探すのがケアマネジメントである。そうした思いにもっとシフトしたほうが、制度は本来の機能を発揮するのではないだろうか。

給付制限ありきの自立支援は地獄支援でしかない。自立支援より自律支援が求められることを今一度思い返す必要があるのではないだろうか。
幸せにする一をつなぐ介護

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国の隠された思惑とはケアマネの政策的削減(後編)


国の隠された思惑とはケアマネの政策的削減(前編)より続く
今年度から介護支援専門員の受験要件の見直しが適用され、法定資格のない介護職員だけの実務経験だけでは受験要件に該当しないという、受験資格の厳格化が実施されたことは周知のとおりである。

これも国の政策誘導の一つであり、介護保険制度が誕生から昨年度までのような、「介護支援専門員の大量生産」の必要性は薄くなったと国は感が他のだろう。そうであれば同時に、介護支援専門員より足りない介護職員が、介護支援専門員の資格を取って介護実務をしなくなる状況をできるだけなくそうと考えたという結論にたどり着く。

むしろ国としては介護支援専門員の受験者については、もっと職種を絞って、相談援助の専門家に絞りたいというのが本音だ。しかし既得権益というものを無視できずに、すべての介護職をそこから除外することはできなかった。そのため法定資格という言葉を用いることで、体の良い形で一部の介護職実務経験者追い出しルールを作ったわけである。それが証拠に相談援助職については救済措置により法定資格がなくても受験資格から外れないようにしているわけである。

ただしこの受験要件の厳格化によって、大幅に受験者数が減ったということにはならない。

このことについては、11/6に書いた「介護支援専門員実務研修受講試験の受験者の大幅減について」という記事の中で僕は、受験者数の減少は、受験要件が法定資格を有する者などに厳格化されたことによるものではなく、処遇改善加算の支給対象に介護支援専門員が含まれていないことの影響もあるということを指摘しているところである。

受験者数が6割減ったという事実があったとしても、法定資格者以外の受験者が昨年までの受験者の6割を占めていたなんて言う事実はないからだ。

むしろ年収という生活に直結するものが、この受験者減に影響しているのだ。

介護職員処遇改善交付金以来、現行の介護職員処遇改善加算まで続く、介護職員の給与改善策の効果が徐々に表れてきた段階で、すでに一部の地域では夜勤手当を含めると、介護職員の方が介護支援専門員より年収が高くなり、しかも介護職員の待遇改善はさらに続けられる政策がとられる見込みが確実になったことで、将来を見据えて介護職からケアマネへの転身を目指さない人は確実に増えているというわけである。

そこにはお金のために介護支援専門員を目指す人を減らして、相談援助を職業にしたいという動機づけを持つ人だけが介護支援専門員を目指す方向にもっていくという思惑がある。それは介護支援専門員の資格を得た後に、その業務に興味を持てずに辞めてしまったり、業務スキルがない状態で質の低い業務しかできない状態に陥る人を、あらかじめスクリーニングしようという意図もある。

それも国の政策誘導の結果といえるのだ。介護支援専門員の数の確保より、介護職員の数の確保を優先するために、介護職から介護支援専門員へ転身して、介護職員の数が減少することを是としない方針転換が水面下で行われているのである。それでも介護支援専門員は将来的には充足するという意味もある。

介護職員をまず減らさないことを優先し、介護支援専門員が一時的に減った分については、政策的に介護支援専門員の必須業務を減らして対応しようというのである。

勿論、地域によっては今現在も介護支援専門員のなり手が少なく、居宅サービス計画書の作成担当者が見つからない住民がいて、そうした地域では、居宅介護支援事業所の介護支援専門員がケアプラン作成数の限界を超えて受けている事例があることも国はわかっている。それでもなおかつ今後はそうした状況が解消でき、将来的には今の介護支援専門員の数が維持されれば、介護支援専門員の数余りが生ずるとみているのだ。

それはなぜだろうか。例えば介護支援専門員のなり手が減り続けた先に、今現役の介護支援専門員がリタイヤすることを考えたとき、介護支援専門員の数が足りずに、サービス利用ができない国民が生ずるのではないかと国は考えないのだろうか。

それにはカラクリが隠されているのだ。いやそれは今後に向けた国の強い意図が隠されているといってよいだろう。

その意図とは、政策的に必要な居宅サービス計画数を減少していく方向に誘導していくという意味である。計画すべき居宅サービス計画の数が減るのであれば、それに対応する計画担当者としての介護支援専門員の数は少なくて済むということだ。

そのための次の一手は、居宅介護支援費の自己負担導入である。このことについて僕は「御用聞きケアマネを増やす悪政」として反対意見をこのブログ記事の中で再三唱えてきたが、いよいよ2021年の報酬改定時には、自己負担が導入される可能性が高くなっている。

それが定率負担なのか定額負担なのかは、今後の議論の流れで決まってくるが、どうやら自己負担導入の流れは止められないようである。するとここで起こることは、自己負担しなくてよいセルフプランの増加である。

制度が複雑になった状況で、セルフプランなんてそう増えるものではないと考えている人が多いが、ここでいうセルフプランとは、純粋な意味で利用者自身が作成するプランではなく、法令ルールの隙間を縫って、「サービス事業者が、自社サービスの囲い込みを目的に、無料でセルフプランを作成支援する」ということである。(参照:居宅介護支援費への自己負担導入は、介護支援専門員の職が奪われるという意味でもあるんだぜ

これによって居宅介護支援事業所の顧客は減ることになり、介護支援専門員の仕事も減るということになる。

さらに2021年の報酬改定時には、要介護1と2の人の訪問介護の生活援助が地域支援事業に移行される可能性が高くなった。もしかしたら福祉用具貸与も同様の取り扱いとなるかもしれない。

これによって相当数の居宅サービス計画が必要とされなくなることが予測され、この部分のケアマネの仕事も奪われていくわである。

しかも2021年の改定は序章にしか過ぎない。国の描くグランドデザインの中には、介護保険給付対象を、重・中度の要介護者に絞るというものがある。

つまり将来的には介護保険給付対象者は要介護3以上にして、それ以外の人は、原則として地域支援事業の対象とするか、もしくは自己負担で保険外サービスを利用してもらうという考え方である。

先般、「介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについて 」が発出され、保険外サービスの提供の弾力化が図られた意味は、利用者に保険外サービスに馴染んでもらおうという意図が隠されているのである。

そして徐々に、軽度者に対する保険給付できるサービス種類を減らしていくという意図があり、その結果、居宅介護支援事業所の介護支援専門員の仕事が大幅に減るために、その数は今より6割減っても対応できるという意味になる。

それはとりもなおさず個々の質の差を均等化するきっかけになるかもしれないということまで国は見据えているわけだ。

その考え方や政策誘導の方向性が正しいとは言わないが、そうした方向に進んでいるという事実に目をつぶってはならないのである。

はっきり言ってこうした状況下で、その背景分析をしてものを言わない職能団体(例えば日本介護支援専門員協会など)は一体何をしているんだという問題でもある。

どちらにしてもそのようなレールの上を走っていることを、介護支援専門員をはじめとした関係者は理解する必要があるだろう。

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