masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

介護保険制度

看護・介護職員配置基準緩和の危うさ


介護人材不足が益々深刻化する介護事業。来年度の介護報酬改定の主な論点の一つには、「介護人材の確保と介護現場の生産性の向上」が挙げられている。

介護保険制度改正でも、介護DXによる生産性向上を目的とした方向性が示されている。

その一環として、介護ロボット・ICT機器の導入支援を要件とした配置基準緩和(4:1配置へ)のモデル事業がも実施されている最中だ。(※モデル事業実施施設は、三重県津市の老健施設

しかし配置基準緩和したからと言って、実際に介護施設等の職員数をそこまで減らそうと考える経営者や管理者はどれほどいるのだろう?

僕は社福の総合施設長として、100人定員の既存型多床室もある特養を経営していたが、配置基準の3:1ではシフトが回せないと考えていたため、実際の職員配置数は対利用者比2:1まで介護職員を増やしていた。

何故基準配置でシフトが回せないのか・・・それは実際の職場では、従業員に有給休暇を与える必要があり、僕は法人内でその消化率を8割以上に保つことが健全な職場と考えていたためである。

このことを理解しやすくするために、仮に職員配置がた利用者比4:1になったとして、基準人数ぎりぎりしか職員配置しなかった場合の、特養の介護職員の配置状況と業務をシュミレーションしてみよう。
視界不良
看護・介護職員数が対利用者比4:1とした場合、前年度の平均利用者数50人の特養で必要な看護・介護職員数が12.5人となる。わかりやすいように13人と考えてみよう。

このうち看護職員が最低2名必要だから、介護職員は11名ということになる。

11名のうち必ず夜勤者が2名必要となる。よって夜勤明けが2名ということも必然だ。通常のシフトでは夜勤明けの翌日が公休となるのだから公休者も2名となる。よってこの6名を除いて日中の勤務は5名で回さなければならないということだ。

しかし週休2日を基準としている事業者が多い現状で、4週8休を実現するためには、「夜勤〜明け〜公休」というシフトを回し続けては、その平均勤務時間を超えてしまうことになる。シフトの中で、「夜勤〜明け〜公休〜公休」などという調整が必要になるのだ。

つまり日勤時間帯を残りの職員でカバーする必要があり、日によってはその人数が3名以下になることもあるのだ。50人の利用者に対し夜勤以外の日勤時間帯を3名〜5名で永遠とシフトを回し続けること果たして可能と言えるだろうか・・・。
※夜間帯は22:00〜翌5:00を含めた連続した16時間という定めがあるため、日勤帯は8時間であるが、3名〜5名でカバーする時間帯とは、夜勤帯のうち早出や遅出がカバーする時間も含まれるため、実際には10時間〜12時間程度と想定できる。

そのような勤務体制がICTやAIロボット等を活用した介護DXを実現して可能となるのだろうか・・・。しかし見守りセンサーがいくら優れた性能となっていると言っても、見守りセンサーは異常を知らせるだけであり、そこに掛けつけて利用者対応するロボットは存在しない。

日中のルーティンワークをこなしながら、食事・移動・入浴と言った必要なADL介護を行いつつ、たった3人以下の職員で、50人の利用者対応がどれだけできるのだろう。

僕はとてもではないは、そんなシフトは続けられないと思う。

ましてやそのシフトの中で有給休暇を取得するのはかなり困難で、休みを取るたびに他の職員から白い眼で見られかねない。そんな職場環境で、健全に働き続けられる人がどれだけいるのだろう・・・。

そういう意味では、看護・介護職員数が対利用者比4:1とするモデル事業においては、看護・介護職員の有給取得率の低下が起きないかも検証すべきであると思う。

それがないなら、「配置基準緩和は可能」という結論が出されたとしても、それは配置基準緩和ありきといったトップの意向に忖度した結果としか言えないのである。






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新複合型サービスは創設が決まったんじゃなっかたの?


次の介護保険制度改正における最大の目玉は、「新複合型サービス」の創設ではないかと思っていた。

そのことは昨年末にまとめられた、「介護保険制度改正の見直しに関する意見」の6頁に次のように書かれている。

「定期巡回・随時対応型訪問介護看護、(看護)小規模多機能型居宅介護の更なる普及に加え、例えば、特に都市部における居宅要介護者の様々な介護ニーズに柔軟に対応できるよう、複数の在宅サービス(訪問や通所系サービスなど)を組み合わせて提供する複合型サービスの類型などを設けることも検討することが適当である。」

これによって、コロナ特例で通所サービス事業所から職員が自宅訪問してサービス提供した方法をモデルにした新サービスが創設されると考えられていた。・・・というか僕はそう思っていた。

しかしそれは決定事項ではないようだ・・・なるほど見直し意見にも創設決定とは書いておらず、検討することが適当としか書かれていないから、これから新複合型サービスの創設は検討して、創設せずという結論もあるということか。
介護給付費分科会
8/30の第222回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)は、新複合型サービスの創設について侃々諤々の議論が展開されたが、その創設に反対の意見が相次いだ。

反対論者の主な意見は以下の通りである。
・「なぜ新たなサービスが必要なのか。事業者間の連携を深めれば済む問題ではないか」(日本経団連・井上隆専務理事)
・「今でも制度が複雑だと言われているのに、屋上屋を重ねて更に複雑化させるのは反対。新たなサービスがないと現場が成り立たない、というエビデンスもない」(全国老人保健施設協会・東憲太郎会長)
・「必要性を感じない。既存サービスの規制緩和を先行させてはどうか」(日本慢性期医療協会・田中志子常任理事)
・「人材不足への根本的な対策ではない。介護職への応募を増やす施策を考えて欲しい」(認知症の人と家族の会・鎌田松代代表理事)

制度がますます複雑になり、わかりづらくなるというのはその通りだと思う。しかしそれにも増して新サービスの創設は意義があるとされていた。

新複合型サービスは、地域密着サービスとして月額定額報酬制として考えられていた。そしておそらくヘルパー資格(初任者研修等の受講条件)がない職員でも、訪問できるサービスとして創設される考えられていた。

つまり訪問介護員の絶滅危惧に対応するサービスであるという意味だ。

訪問介護員の成り手がなく、有効求人倍率が16倍を超え、しかも75歳以上のヘルパーが1割を超えているという現状は、訪問介護事業所が地域から撤退してしまって訪問介護サービスが提供できない地域が今後出てくるであろうことを意味している。

それに対応して、訪問介護に代わるサービスとして新複合型サービスは意味があると言えるだろう。

しかし新複合型サービスを通所介護事業所が行う際に、そこがお泊りデイサービスを行っている事業所である場合、そのサービス体系は小規模多機能型居宅介護と同じで、違いがないという意見がある。

その違いについては、新複合型サービスは小規模多機能型居宅介護と異なり、事業所に介護支援専門員を配置せず、外部の居宅介護支援事業所の介護支援専門員が居宅サービス計画に位置付けて利用できるサービスにするのではないかという予測がされていた。

というのも小規模多機能型居宅介護がなかなか普及しない理由は、居宅介護支援事業所の介護支援専門員の担当から外れて、小規模多機能型居宅介護事業所内の介護支援専門員の担当に替わってしまうことが理由で、それを嫌って居宅介護支援事業所の介護支援専門員が、自分の担当利用者が小規模多機能型居宅介護を利用することを勧めないケースが多いと言われていたからである。

しかし先般の介護給付費分科会の小規模多機能型居宅介護の議論では、担当ケアマネジャーの選択制導入という意見が示されている。

小規模多機能型居宅介護を利用する際に、利用者自身が小規模多機能型居宅介護の介護支援専門員に担当を替るか、そうではなくて居宅介護支援事業所の介護支援専門員が担当したまま小規模多機能型居宅介護を利用するか選択できるようにするという考え方である。

これが実現すれば、居宅介護支援事業所の介護支援専門員が担当したまま小規模多機能型居宅介護を利用するケースは、新複合型サービスとまったく同じということになりかねないのである。

そうであるがゆえに、8/30の分科会での反対意見は大いに説得力を持つともいえるわけである。

これに対して新複合型サービスの創設に賛成する意見は以下の通りである。
・「新たなサービスの創設には意義がある。人材の有効活用、柔軟な対応による質の高いサービスの提供などが期待できる」(全国老人福祉施設協議会・古谷忠之参与)
・「サービスの効率化や人材の有効活用など、うまくいけばプラスに働く。多くの事業者が参入して運営を続けられるよう、しっかりした報酬設定・制度設計を」(民間介護事業推進委員会・稲葉雅之代表委員)

新複合型サービス創設賛成論を唱える人の意見は、いまいち意味が分からない。人材活用が小規模多機能型居宅介護の更なる普及で可能になるのではないかと思え、説得力に欠ける意見と言わざるを得ない。

厚労省はこれから年末にかけて更に議論を深める方針だそうで、今後は8/30に示された賛否両論の意見も踏まえて検討していくことになるそうだ。果たして次期制度改正の目玉とも言えた新複合型サービスは創設されるのだろうか・・・。はたまた幻の創設論で終わるのだろうか・・・。

今後の議論に注目したいところである・・・しかし新複合型サービスがぽしゃって創設見送りになったら、昨年末にその創設を高らかに掲げた厚労省の面子は丸つぶれだな。

そのしっぺ返しもありそうな気がする。怖いな〜!!






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さらに先送られた2割負担層拡大論


2024年度からの介護保険制度改正に関しては、昨年末に、「介護保険制度の見直しに関する意見」がまとめられている。

この中で保険料負担に関連して、『低所得者に配慮しつつ、利用者負担は原則2割負担とし、3割負担の対象も拡大すべき』として、次期改正で「現役並み所得」、「一定以上所得」の判断基準を変更する必要があるとしている。(※要するに基準所得の引き下げを行って、より多くの利用者負担を求めるという意味

国は次期改正で介護保険料負担について、後期高齢者医療制度並みに所得上位 30%の被保険者の負担割合を2割としたいことは間違いのないところである。

しかし昨年末の意見書では、その方針を明確にすることはできなかった。物価高が国民の懐具合を直撃し、生活苦という状況も生ずる中で、更なる国民負担を求めることは政権基盤を揺るがす問題になりかねないという声が、政権与党の中で高まったためである。

ただし、2割負担層の拡大は、制度を持続させるうえで必要不可欠という考え方は維持されており、今年の夏ごろまでにその方針を示す予定であった。

何故その時期かということは、夏(6月末)までには、統一地方選挙が終わり、しばらく国政選挙がない時期であり、毎年その時期に内閣の骨太方針(経済財政運営と改革の基本方針)が示される時期であり、そこで2割負担層の拡大方針が示される予定であった。
骨太の方針2023
しかしその骨太方針2023でも、「保険料の上昇を抑えるため利用者負担について検討を行い、年末までに結論を得る」というふうに決定時期が先送りされている。

次期制度改正の中で最重要課題と位置付けられている問題が、昨年末に続き、骨太方針決定過程でも先送りされるのは極めて異例な事態である。

おそらくここには内閣支持率の低下を懸念する意図が働いているのだろう。

広島サミット後に一時的に内閣支持率が上昇したにもかかわらず、直近の選挙情勢が予想以上に悪かったうえ、少子化対策を打ち出したものの、その直後の世論調査では支持率の下落傾向が続いており、この時期にさらに国民の痛みにつながる介護保険料2割負担層の拡大方針を示すことはタイミングが最悪と判断されたのだろう。

しかしこの再先送りという異例の事態は、2割以上の保険料負担層の拡大をぎりぎりまで検討して、できる限り次期制度改正時に実現するという国の強い意思の現れとも言えなくはない。

将来的に介護保険料の利用者負担は、2割負担をスタンダードにして、現役並み所得者の3割負担層の所得基準も引き下げて、3割負担者の数も増やしていくことが国の方針だ。

当然のことながら1割負担はいずれなくしていくのが既定路線である。原則2割負担とした際に、既に1割負担とされていた人は、経過措置でそのまま1割負担とされるが、同じ時期に被保険者となった人については、2割負担から始まるということになるのである。

このことは覚悟しておかねばならないことであるが、同時に利用者負担上限が3割にとどまり続けるとは限らないことも頭の隅に入れておかねばならない。制度維持のために保険料の定率負担はどこまでが限度なのかについても、今後議論されていくことになる可能性が高い。

その際にきちんと国民発・現場発の意見を発信できる準備も進めなければならない。

どちらにしても今年の年末は、来年度の介護報酬の改定率がどうなるのかに加え、サービス利用の際の2割負担者の拡大が実現するのかどうかについても注目していかねばならない。
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社福法人の屋台骨を揺さぶる勢力


2024年度の介護保険制度改正では、2027年度以降の改正に向けた様々な布石がちりばめられている。

例えば、介護保険制度の見直しに関する意見(2022/12/20)の28頁、(財務状況等の見える化)では以下のように記されている。
-----------------------------------------------------
・医療法人の経営情報に係る検討状況も踏まえ、介護サービス事業者の経営状況を詳細に把握・分析し、介護保険制度に係る施策の検討等に活用できるよう、介護サービス事業者が財務諸表等の経営に係る情報を定期的に都道府県知事に届け出ることとし、社会福祉法人と同様に、厚生労働大臣が当該情報に係るデータベースを整備するとともに、介護サービス事業者から届け出られた個別の事業所の情報を公表するのではなく、属性等に応じてグルーピングした分析結果を公表することが適当である。その際、介護サービス事業者の事務負担等に十分に配慮する必要がある。
-----------------------------------------------------
このように社会福祉法人や障害福祉サービス事業所が法令の規定により事業所等の財務状況を公表することとされていることを踏まえて、2024年度以降は、社福以外の全介護サービス事業者にも同様の財務状況を公表する義務を課すことになる。

このことについて社福関係者の中には、この変更が社福にはあまり関係のないことで、新たに義務を課せられる社福以外の事業者の問題でしかないと思っている人が多い。

しかしその考えは間違っている。

このルール変更は、今後の社会福祉法人に大きな影響を与えかねない変更である。というよりむしろ社会福祉法人の屋台骨が外されてしまう大改革につながりかねない問題だと僕は思う。

なぜならこのルール変更によって、社会福祉法人とそれ以外の事業主体の差が縮小されたことになるからだ。

公益法人としての社会福祉法人は、他の経営主体よりもより高い倫理観で経営を行うよう、様々な義務を背負って運営されている。そのため財務状況を公表するという意味は、公益法人として公費を適切に支出していることを明らかにするという意味もあった。

しかし財務状況の公表が、全事業主体に広がったという意味は、その部分で民間営利企業との差が縮まったということになる。その意味をもっと深く考えてほしい。
制度の光と闇
この結果を受けて、社会福祉法人は何のために非課税という恩恵を得られているのだという声が挙がりかねない。というより財務諸表の公表を全サービスに広げようとする意図の一つは、そこにあるということだ。

2016年の社会福祉法改正の際に、その議論の中で社会福祉法人の非課税特権はなくしても良いのではないかという意見が出された。その時は、社会福祉法人の公益性は変わっていないとして、非課税廃止論は否定され、社会福祉法人の屋台骨と言える非課税は護られたわけである。

しかしそうした議論がされるということは、社福の非課税特権が未来永劫続くとは限らないことを意味している。

その勢力の際たるものが財務省であることは容易に想像がつく。

そうした財務省の思惑に沿って進められている介護保険制度改正と報酬改定のところどころに社会福祉法人の非課税特権をはく奪する布石が隠されているというわけである。その圧力を跳ね返す力を社福は持ち続けられるのだろうか。・・・厚労省は既に腰砕けではないのか・・・。

そうした厳しい状況を理解したうえで、社福の屋台骨である非課税特権を護ろうとするなら、公益事業であることを強く意識した事業経営が求められることは必然である。

低所得者に対する社会福祉法人の軽減措置を実施していない社福は、その看板を下ろして退場してもらわねばならないし、社福を舞台にした不適切ケア・虐待事件が起こるなんてもってのほかである。

非課税特権に甘えて危機感のない社福経営者は、現状把握をし直して足元を固めるべく、まずは公益性をしっかりと地域住民にアピールできる経営に心掛けてもらいたい。
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新複合型サービスの姿を予測する


看護小規模多機能型サービスは、2012年から2015年まで「複合型サービス」と呼ばれていた。

それが看護小規模多機能型居宅介護と名称変更された以後は、複合型サービスと呼ばれるサービス種別は介護保険制度上にはなくなっているわけだが、2024年度からその名称のサービスが復活することになりそうだ。

そのことは、介護保険制度の見直しに関する意見(令和4年12月20日・社会保障審議会介護保険部会)の6頁に以下のように記されている。

○ 単身・独居や高齢者のみの世帯の増加、介護ニーズが急増する大都市部の状況等を踏まえ、柔軟なサービス提供によるケアの質の向上や、家族負担の軽減に資するよう、地域の実情に合わせて、既存資源等を活用した複合的な在宅サービスの整備を進めていくことが重要である。
○ その際、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、(看護)小規模多機能型居宅介護の更なる普及に加え、例えば、特に都市部における居宅要介護者の様々な介護ニーズに柔軟に対応できるよう、複数の在宅サービス(訪問や通所系サービスなど)を組み合わせて提供する
複合型サービスの類型などを設けることも検討することが適当である。

かつてあった別サービスの名称をそのまま新サービスに当てはめるのは、混乱を呼ぶものとしか思えず、正式にサービスが創設された際には、名称も別にするように工夫してほしい。本記事では混乱を防ぐために、新サービスを新複合型サービスと表記することにしたい。

昨年11月の介護保険部会に厚労省が唐突にこの案を示した際の説明を読むと、そのモデルは通所サービス事業所から訪問サービスを行ったコロナ特例であることは間違いのないところだ。

コロナ特例の場合は、通所サービス事業が休止されたケースで、自宅待機していた利用者に対する訪問サービスであったり、感染を恐れるなどの理由で自らの意思で通所サービス利用を休んでいる利用者に対し、自宅訪問してサービスを提供するというものであった。

新複合サービスも、通所サービスを利用している人について、随時訪問を組み合わせてサービス提供できるものである。

例えばリハビリテーションに特化した短時間デイサービスを利用している人は、通所介護事業所で昼食などの食事サービスや入浴サービスを受けることなく帰宅する人が多い。それらの人に対し、帰宅後の自宅で、食事提供や入浴支援といったサービスを、通所介護事業所職員が訪問して行うこともできるとされている。
福寿草
こうしたサービスを新設する理由は、訪問介護員の不足と高齢化が顕著で、近い将来、訪問介護サービスが提供できなくなる地域が出現することが確実になっているからだろう。そのため訪問介護に代わる新たなサービスの必要性が高まっているのだ。

そうであれば訪問介護員のなり手がなかなか見つからない理由の一つが、初任者研修等の受講によって訪問介護員となる資格を得なければならないというものなのだから、新複合型サービスの訪問担当者は、無資格で可とされるだろうと予測する。

また新複合型サービスと、小規模多機能型サービスの違いは何かということになると、小規模多機能型居宅介護が思ったように普及しない理由が、居宅介護支援事業所のケアマネジャーの担当から外れてしまうということなので、そうならないように差別化するという意味だと思う。

つまり新複合サービスは、居宅サービス計画書に位置付けるサービスとし、居宅介護支援事業所の所管から外れることなく利用できるサービスとするのではないかと思う。新複合型サービス事業所に、介護支援専門員配置は必要としないという意味だ。

ただしこれらはすべて予測でしかなく、新複合型サービスの全体像は、今年の年末に明らかにされるまで謎のままである部分が多い。

例えば新複合サービスは地域密着型サービスに分類されると書いたが、そうなると都道府県指定の通所介護事業所は、このサービスを提供できないのかという疑問がわく。それとも通所介護部分は都道府県指定事業のまま、訪問を組み合わせた部分のみ地域密着型の指定を受けるのだろうか・・・?疑問は尽きない。

どちらにしても国主導で創設される新複合型−ビスなのだから、このサービスの普及を図るため2024年〜の3年間の新複合型サービスの報酬単価は高めに設定されることが予測される。

そのためこのサービスの全体像をいち早くとらえるために、発信される情報に素早くアンテナを張り、できるだけ2024年当初から、新複合型サービスに参入することを目指したいものである。
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通所介護と訪問介護を組み合わせた新サービスの課題


週初めの12/19に厚労省から、「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」が公表された。

これは12/5に開催された、『第104回社会保障審議会介護保険部会』の提出資料を修正・追加記載したものであり、このまま正式な意見書として諮問される可能性が高い重要な資料である。
※この記事をアップした直後に、案という文字が取れた介護保険制度の見直しに関する意見が発出された:内容は記事に書いたものと変わりない

この6頁の(在宅サービスの基盤整備)では、次のような課題が示されている。
単身・独居や高齢者のみの世帯の増加、介護ニーズが急増する大都市部の状況等を踏まえ、柔軟なサービス提供によるケアの質の向上や、家族負担の軽減に資するよう、地域の実情に合わせて、既存資源等を活用した複合的な在宅サービスの整備を進めていくことが重要である。

その際、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、(看護)小規模多機能型居宅介護の更なる普及に加え、例えば、特に都市部における居宅要介護者の様々な介護ニーズに柔軟に対応できるよう、 複数の在宅サービス(訪問や通所系サービスなど)を組み合わせて提供する複合型サービスの類型などを設けることも検討することが適当である。(以下略)


これによって通所介護と訪問介護を組み合わせた新たなサービス類型を介護保険に創設することが決定されたと言ってよい。

このことは、「介護保険新サービスの創設について」で指摘したように、訪問介護という資源が枯渇する地域が生ずることを見越した対策であることは間違いなく、初任者研修資格等を必要としない訪問サービス従事者を広く地域展開させて、介護難民が生まれないようにしようというものだ。
北海道の冬の風景
しかし新サービスの実態がまだ明確に見えてこない。・・・現在までのところ示されているのは、新サービスは市町村が指定権者となる「地域密着型サービス」の枠組みに位置付けることと、月額包括報酬とする案を軸に具体化を進めていくということだ。

そしてサービスの具体例については、通所介護事業所が訪問サービスを提供する形などを想定しているという。

しかし新サービスを提供する通所介護事業所が、保険外宿泊サービスを行っている、「お泊りデイサービス」であるとすれば、この形は小規模多機能型居宅介護そのものである。・・・小規模多機能型居宅介護も、地域密着型サービスであり月額包括報酬のサービスであるのだから、新サービスとの違いを見出すことが難しくなる。

だからといって厚労省は、小規模多機能型居宅介護が、新サービスに呑み込まれて淘汰されていくような方向性を望んではいないだろう。

なぜなら厚労省の方々とお話をさせていただく際に、ことごとく小規模多機能型居宅介護のサービスソフトは優れていると評価する声を聴くからだ。

小規模多機能居宅介護は、欧米にもないサービスモデルであり、日本の厚労省官僚が創りだした全く新しいサービスであるという自負を厚労省の方々は持っているのである。

そういう意味では、小規模多機能居宅介護関係者は、新サービスに自分たちの事業が呑み込まれてなくなってしまうのではないかという心配をする必要はないと思う。

今回示された、「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」の6頁では、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護と夜間対応型訪問介護など、機能が類似・重複しているサービスについては、将来的な統合・整理に向けて検討する必要がある。」として、類似サービスの整理統合も必要とされているので、新サービスが既存の小規模多機能居宅介護と類似サービスとされることも厚労省は望んでいないだろう。

ということで今後、新サービスの具体像が明らかにされる中で、小規模多機能居宅介護との差別化がどうなされていくのかに注目したいと思う。

今の時点では、それはまだ全く見えておらず、期待と不安の両方をもって待ち望んでいる段階である。

僕の想像では、新サービスは通所介護事業所が、訪問サービスを日常的に行うことができるという点を中心にサービスの構築をしていくものと思える。

資格を特に持たない通所介護職員が、利用者ニーズに応じて、通所介護事業所内で行うサービス内容にとらわれない生活援助や身体介護を自宅訪問して行うように設計していくのではないか・・・。

う〜ん・・・やっぱ小規模多機能型居宅介護との差別化ができそうもない・・・。困ったな。
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全世代型社会保障構築会議資料(素案)の注目すべき点


12/5に開催された、『第104回社会保障審議会介護保険部会』に提出された資料、介護保険制度の見直しに関する意見(案)の28頁は、「2.給付と負担(全体に P)」という見出しが書かれているだけで、内容は空白のままである。

つまりそこに書くべき国民負担増について、会議までに調整がつかずに、内容を書くことができなかったという意味だ。

ここに書かれる予定だった内容とは、具体的には2割負担者の拡大を行うのか、行うとすれば後期高齢者医療制度並みに年金+その他の所得合計が200万円以上まで範囲を広げられるのかという問題である。

居宅介護支援費の自己負担化や、要介護1と2の対象者の、「訪問・通所介護」の地域支援事業化という国民負担増と給付抑制策が見送られることが確実となった次期制度改正において、利用者の2割負担をスタンダードにするための、対象者拡大は岸田首相も実現を強く望んでいた対策であり、年内に何としても結論を出したかった改正案でもある。

しかしその調整が困難を極めた背景には、物価高が及ぼす政治的影響という背景もある。諸物価が高騰する中でその対策が無策ではないかという批判がある中、内閣の支持率が下げ止まらないことから、このままでは来年4月の統一地方選挙を戦えないという危機感が政府与党にはある。

よって今の時期に国民負担増は強引に推し進められないという声が与党の有力議員を中心に広がっていることが大きく影響している。
雪道
そのため12/7に行われた、「全世代型社会保障構築会議」で公表された素案11頁では、この問題について次のように記している。

介護保険の持続可能性の確保
今後、更なる介護ニーズの増加が見込まれる中、介護保険制度の持続可能性を確保するため、「骨太の方針 2022」や「新経済・財政再生計画 改革工程表 2021」等に掲げられた課題について、来年の「骨太の方針」に向けて検討を進めるべきである。

このように、「給付と負担の見直し」については、年内に結論を出すことをあきらめたとうことだ。

しかも、「来年の「骨太の方針」に向けて検討」とうことであれば、最長骨太方針(経済財政運営と改革の基本方針)が示される時期まで、結論が先送りされる可能性があるという意味だ。

骨太の方針は、毎年6月頃に出されているので、2割負担者の拡大の結論もそこまで引っ張られる可能性があるというわけである。その時期だと統一地方選挙も終わっており、次の選挙も近直にはないので、国民負担増もしやすいということであろう。なんとも姑息な対応である・・・。

また素案10頁には、「介護現場の生産性向上と働く環境の改善」として、「生産性向上に向けた処遇改善加算の見直し」が記されている。

何気なく見逃してしまいそうな箇所であるが、次期報酬改定に向けて、3種類に分かれてますます複雑化した処遇改善加算の見直しが明記されているという意味は大きい。

これによって、処遇改善加算の一本化や基本報酬への組み入れなどが議論の俎上に乗せられる可能性が高くなる。

ただし処遇改善の更なる拡充とは一言も書かれていないために、単に加算体系を単純化して、そこに手当てする予算は増やさずに、配分の事業者裁量を拡充してお茶を濁す結果に終わらないとも限らない。

そうしないためのアクションがこれから関係者に求められてくる。その覚悟を持たねばならない。
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財務諸表の公表義務付けに伴って経営者は何を考えるべきか


厚労省は2004年度からの制度改正に伴って、すべての介護事業所に財務諸表の公表を義務付ける方針を決めた。

このことは5日に示された介護保険制度の見直しに関する意見(案)の26頁に、(財務状況等の見える化)として記されており、案が削られた正式文書にも、この内容がそのまま掲載される予定だ。

国はこれにより、介護事業者の経営状況をより詳細に把握・分析できる環境の整備を図ることできると判断している。財務諸表の中身を精査して、必要なデータを国が介護事業者に求めることができるようになるからだ。

そうなると例えば介護職員の更なる処遇改善など、今後の重要施策の効果を高めるために活用していくこともできるというのが国の考え方だ。

どちらにしても今後、全介護事業者が財務諸表を公表する義務が課せられる。さらに介護サービス情報公表システムを通じての情報開示も求められていくことになる。

既に社会福祉法人等には財務諸表の公表義務が課せられており、各法人の公式サイト等でその内容を閲覧することができるが、それを見てわかるように、複数の拠点や併設サービスがある場合、その拠点ごと・サービスごとの損益計算書を、「会計の区分」に従って個別に作成して提出しなければならなくなる。

こうした会計処理に慣れていない事業者は、今からそれに備えて新しい方法で会計処理を行うように対策しなければならない。

しかしそうした事務処理は、専門の事務職員に任せておけば問題ないのだろう。

それにも増して必要なことは、介護事業経営者がそれらの財務諸表を正しく読めるようにしておくことだ・・・。と書いたら、「財務諸表を読めない介護事業経営者が居るのか?」という当然の疑問が呈されると思う。
北海道富良野市の雪原
しかし財務諸表が読めないお寒い介護事業経営者や、読めたとしても頓珍漢な読み方しかできない介護事業経営者は、世間の皆さんが考えている以上に多いのである。

なぜなら介護事業経営者という位置に立ちながら、経営を知らない運営者でしかないトップがまだたくさんいるからである。

特に社会福祉法人等で、代々家族経営が続いているような場合はその傾向が強い。財務諸表の中身を全く理解せず、単に年度ごとの収支差率がどうなっているかという結果しか見ることができない経営者は、その収支差率につながっている様々な要因を読み取ることができない。

そういう人は経営戦略なんて建てられないのであるが、残念ながらそういう介護事業経営者は決して少なくない。

そんなふうに措置費運営という温い時代の亡霊を引きずっているのが、介護事業の実情でもある。

しかしすべての介護事業所に財務諸表の公表が義務付けされる先には、いろいろな方々がその内容を自由に閲覧できるのだから、その中身についてあらゆる場所で介護事業経営者に様々に質問や問い合わせが行われると予測できる。

その際に頓珍漢な答えしかできない介護事業経営者は大恥をかくだけではなく、それが原因で就職希望者や顧客から三下り半を突き付けられる恐れがある。

そんな事態にならないように、基本諸表の読み方くらいはしっかり勉強しておく必要があるだろう。

というか・・・こういう指摘をしなければならないこと自体が、情けない話というわけではある・・・。
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2024年度介護保険制度見直しの意見(案)を読んで感じたこと


昨日(12/5)に開催された、『第104回社会保障審議会介護保険部会』では、介護保険制度の見直しに関する意見(案)が示された。

昨日の審議を受けて、この案が正式な意見書となって諮問されるわけであるから、この意見(案)はかなり重要な資料であると言える。

しかしこの案を見てわかる通り、最終28頁の「2.給付と負担」は、記載事項がなく空白のまま提出されている。

これは、関係者間の調整が難航しているためであり、現時点で方向性も示すことはできなかったことを意味している。

この部分の焦点は、利用者自己負担の2割負担者の拡大が実現できるか、拡大するとしても後期高齢者医療並みに、年金+その他の所得の合計額が200万以上の層まで拡大できるかどうかが焦点となる。(※現状は、年額280万円以上〜340万円未満が2割負担

首相は利用者負担増を実現したい意向だが、物価高で国民負担を増やせないと考える勢力の力が大きくなりつつある現状から、年内にこの調整が終わるかどうかは不透明で、結論は年明けになるという見方が強まっている。どちらにしても今後の注目点であることは間違いないところだ。

一方で、要介護1と2の訪問介護・通所介護を市町村の総合事業へ移す案と、居宅介護支援費の利用者負担導入案は、年内に見送りが決まる見通しである。この点では、関係者は胸をなでおろして良いと思う。
夜汽車
資料6頁には、「 複数の在宅サービス(訪問や通所系サービスなど)を組み合わせて提供する複合型サービスの類型などを設けることも検討することが適当である。」として、地域密着サービスの新類型サービスの創設が示されている。新サービスの創設は決定事項と考えてよく、今後既存の小規模多機能型居宅介護との差別化を含めて、サービスの方法や報酬体系などが今後具体化されていくことになる。ここも大きな注目点である。

7頁には、「介護サービス全体として、科学的介護が推進されているところ、ケアマネジメントについてもケアプラン情報の利活用を通じて質の向上を図っていくことが重要である。」という文言がある。

これは居宅介護支援事業への、科学的介護に関連した新加算の創設の指摘ではないのか・・・。居宅介護支援事業所は、利用者情報をLIFEに送る必要がないため(実際にサービス提供している居宅サービス事業所から情報を送っているため。)、居宅サービス計画書に位置づけたサービス事業所にLIFEからフィードバックされた内容を、サービス担当者会議等で検討し、各事業所においてフィードバックのPDCA活用が行われているかを確認するなどして、新加算を算定するような形を想定した文章にも読める。深読みだろうか・・・。

個人的には9頁の、(施設入所者への医療提供)が気になっている
〇 特別養護老人ホームにおける医療ニーズへの適切な対応のあり方について、配置医師の実態等も踏まえつつ、引き続き、診療報酬や介護報酬上の取扱いも含めて、検討を進めることが適当である。
↑いったいこれはどのような方向性を示したものだろう。昨日の部会では、全国老施協の代表委員がこの内容に賛同の意見を述べていたことから、特養の医療を老健のようにマルメにするような指摘ではないと思える。特養の医療提供に介護報酬加算を新設するという意味なのだろうか・・・。どなたかこの内容に思い当たる人がいたら、是非ご意見いただきたい。

11頁では、(介護情報利活用の推進)として、介護情報(介護レセプト情報、要介護認定情報、LIFE情報、ケアプラン、主治医意見書等)と医療情報の集約及び一体的運用を地域支援事業として行うことが提言されている。しかし地域レベルでこうした情報を管理して、果たして個人情報の保護などが十分機能するのだろうか。心配である。

15頁は、予防プランを居宅介護支援事業所が直接所管できるようにすべきだと書かれており、これも年内に正式決定されるだろう。ただここでは予防プランへの地域包括支援センターの一定の関与には触れられていない。このまま関与なしに、予防プランの所管拡大が実現することを望みたい。

ざっと気になった点についてまとめてみたが、読者の皆さんはほかにどんな点が気になったあであろうか。気が付いた点などあれば、コメントなどで是非ご意見を頂きたいと思う。
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居宅介護支援費自己負担と軽介護者の介護給付外しは先送りへ


介護事業関係者にとって朗報ともいえるニュースが飛び込んできた。

昨晩ロイター通信がネット配信した、介護保険制度改正関連記事の内容は以下の通りである。
------------------------------------------------------------------
国内社会(共同)2022年11月28日8:50 午後より転載
ケアプラン有料化、先送りへ
厚労省は介護保険制度見直しを巡り、サービスを利用する際に必須となる「ケアプラン」(介護計画)作成の有料化を先送りする方向で検討に入った。3年に1度の制度見直しで課題とされたが、利用控えが起きるとの懸念が相次いでいた。複数の関係者が28日明らかにした。

与党から負担増に慎重論が強まり、民間団体からも異論が出ていた。

議論の中で、介護度が比較的軽い要介護1、2の人が使う訪問介護のうち、掃除や洗濯といった生活援助サービスの事業主体を、国から地方へ移す案が出ている。これについても見送る方向で調整する。

厚労省は社会保障審議会の部会での議論を踏まえ、最終決定する。(記事転載以上
------------------------------------------------------------------
居宅介護支援費の自己負担導入と、要介護1と2の訪問介護・通所介護の地域支援事業化という二つの大きな改正案が見送られることになって、胸をなでおろしている人が多いことだろう。

両案については、僕も反対である旨をその理由とともに何度もこのブログで意見具申してきたので、ひとまず先送りされたことは喜ばしいことだと思っている。

しかし両改革案は、次の制度改正(2027年度改正)でも必ず議論の俎上に上ってくることは間違いのないところだ。その時もしっかりとダメ出しができる理論武装を今から準備していかねばならない。

特に軽介護者の通所介護が地域支援事業化される場合、全国で相当数の通所介護事業所が廃業を余儀なくされるだろう。(参照:もし軽介護者の通所介護が総合事業化されたとしたら・・・。

そうなることは深刻な問題と受け止めて、制度あってサービスなしという状況を作らないための反対論を展開していく必要がある。
樹氷の道
そのような方針の一方で、厚労省は昨日開催された、第103回社会保障審議会介護保険部会において、利用者自己負担の2割対象者の拡大案を、「検討してはどうか」という形で、改めて議論の俎上に載せている。

与党議員の中には、物価高という世相を鑑みて、国民負担増は難しいという考えを持つ人も多くなっているが、負担と給付のあり方を見直して制度の持続可能性を高めるという制度改正の目的を達するために、この利用者負担増が最大目標とされて議論されていくことは間違いなく、後期高齢者医療制度並みに自己負担が引き上げられる可能性は高まったといえるだろう。(参照:骨太改革2022に盛られた毒と次期介護報酬の動向

このほか今後議論されるであろう論点を整理してみよう。

福祉用具については、歩行補助つえや固定用スロープなど、比較的廉価である程度中長期の利用が見られる福祉用具の貸与と販売の選択制の是非が、議論の俎上に上ってくるだろう。

ICT等を活用した人員配置基準緩和も、各種サービスで検討されることとなる。

老健と介護医療院の多床室の室料について、特養と同様に自己負担を導入することは極めて実現性が高いと思われる。

訪問と通所などを組み合わせた新サービスの創設は、小規模多機能居宅介護との差別化が重要課題となりながら具体案が示されてくる。

予防プランの作成を居宅介護支援事業所も担えることになるが、その際の地域包括支援センターの関与の是非や、その条件も具体化してくる。

特養の特例入所を改めて周知して適用を広く図ることは決定事項である。

佳境に入った次期介護制度改正論議に、目が離せない状況がしばらくは続くことになる。
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介護予防支援の指定対象拡大議論の中身のなさ


地域包括支援センターの業務増大に伴い、予防プランの作成業務を居宅介護支援事業所にも申し込めるようにする案が検討されている。

居宅介護支援事業所の予防プラン作成業務を、現在のように地域包括支援センター(介護予防支援事業所)からの委託業務としてではなく、介護プランと同じように直接利用者との契約で行うことができるようにする案が検討されるわけである。

予防ケアマネジメントを居宅介護支援から切り離した際の理屈と経緯を忘れたかのような態度で、地域包括支援センターの業務の都合だけで、制度を変えようとする国の姿勢には憤りを感じざるを得ない。

しかし介護マネジメントと予防マネジメントは、本来切り離すべきではなかったと僕個人は思っているので、居宅介護支援事業所が介護マネジメントと予防マネジメントの両方を所管できるようになることは良いことだと思う。

なぜなら介護マネジメントが居宅介護支援事業所の所管なのに、予防マネジメントは介護予防支援事業所(地域包括支援センター)の所管で、居宅介護支援事業所はその委託業務としてしか予防マネジメントに関わることができないというのは、介護プランと予防プランの分断そのものでしかないからだ。

そのことによって介護保険制度創設時に実現した居宅介護支援事業所のケアマネジャーを窓口にすることで、必要な介護サービスをそこですべてマネジメントできるというワンストップサービスが壊されたことを意味するからだ。

その過ちを修正する良い機会だと思え、ワンストップサービスの復活につながるという意味で、僕自身は大いにその案に賛成である。

しかし14日の介護保険部会では、「その前提として、予防プランの実施状況の把握などについて、包括の一定の関与を担保すべき」という意見も出されている・・・しかし地域包括支援センターが立案している予防プランがすべて、ケアマネジャーが手本とするようなプラン内容になっているとでもいうのだろうか?

介護予防支援事業所の計画担当者が、それほど優れたリーダーシップを取って地域のケアマネジメントリーダーとなっている実態はあるのだろうか?
中島公園
厚労省資料によると、令和3年4月時点における地域包括支援センターの運営形態は、市町村直営が20.5.%、委託型が79.5%で、かつ委託型がさらに増加傾向にあるとしている。

おもな委託先は社会福祉法人・社会福祉協議会・医療法人等である。つまり多くの地域包括支援センターは、事業規模が大きな法人が受託しているという現状にある。

つまり予防プランの作成能力に長けた人材が介護予防支援事業所の計画担当者とされているわけではなく、地域包括支援センターとして委託を受けている法人にたまたま雇用されている職員が、介護予防支援事業所の業務に就いているに過ぎないのである。

そういう人が予防プランに関与して、予防プランの品質が保たれるというのだろうか・・・。

むしろ委託法人のサービスに予防プラン作成対象者を囲い込んで、他の法人には、自法人のサービス事業所が放り出した困難ケースしか回さない地域包括支援センター職員が存在していたりする。

介護予防支援事業所の予防プランの品質もその程度である。そんな予防プランしか立案できない人物より、もっとスキルの高い居宅介護支援事業所のケアマネなんてたくさん存在している。

よって仮に予防プランを居宅介護支援事業所が直接契約で作成できるようになったとしても、地域包括支援センターが一定の関与を担保しないと予防プランの質が保たれないというようなことはないし、そんな無駄な関与は居宅介護支援事業所の介護支援専門員の業務負担を増やすだけのバリアにしかならない。

そんなバリア創ったならば、わざわざ単価の低い予防プランを居宅介護支援事業所が受ける意欲を失わせかねない。

21年報酬改定で予防支援費に委託連携加算(300単位)が新設されたものの、委託した月のみにしか算定できない費用で、わずか3000円の増収にしかならないことから、この加算の算定率は著しく低くとどまっている。よって予防プランの委託増加にはつながらなかったのである。その二の舞になりかねない。

そうした馬鹿げた関与なしに、予防プランを居宅介護支援事業所に手渡せと言いたい。

今週24日にこのことが介護保険部会で議論されるそうであり、その議論展開に注目したいと思う。
Visionと戦略12月号
※「どうなる介護保険制度・報酬改革介護業界への影響と対策を探る〜利用者数に影響を及ぼす介護保険制度改正と収益の増減に影響を及ぼす介護報酬改定の影響予測〜」というテーマの座談会が掲載されている、保健・医療・福祉サービス研究会(HMS)の「Visionと戦略が11月20日発行されました。
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介護保険新サービスの創設について


昨日11/14に開催された第101回社会保障審議会・介護保険部会では、国側から制度改正を巡って重要な提案が行われた。

その中でも訪問介護や通所介護など複数の在宅サービスを組み合わせた新たなサービスの類型を2024年度から創設するという方針が示されたことは重大ニュースと言ってよい。

文字リンクを貼りつけた資料7頁では、以下のとおり提案している。
在宅サービスの基盤整備
◆単身・独居や高齢者のみの世帯の増加、介護ニーズが急増する大都市部の状況等を踏まえ、柔軟なサービス提供によるケアの質の向上や、家族負担の軽減に資するよう、地域の実情に合わせて、既存資源等を活用した複合的な在宅サービスの整備を進めていくことが重要ではないか。
◆その際、例えば、特に都市部における居宅要介護者の様々な介護ニーズに柔軟に対応できるよう、 複数の在宅サービス(訪問や通所)を組み合わせて提供する複合型サービスの類型などを設けることも検討してはどうか。また、定期巡回・随時対応型訪問介護看護と夜間対応型訪問介護など、機能が類似・重複しているサービスについては、将来的な統合・整理に向けて検討してはどうか。

新サービスは、コロナ特例として実施された、通所介護からの訪問サービスをイメージすればよいのだろう。

コロナ特例では、通所介護に通えなくなった利用者等に対し、通所介護事業所に所属する介護職員等が利用者宅に出向いて訪問サービスを行うなどしたが、この際に特段の支障が見られなかったことも踏まえ、それを発展させた形の恒久的新サービスを創ろうという提案ではないかと思う。そのため新サービスは、コロナ特例サービスの形が基盤になって新しいルールや方式が検討されていくことになろうと思う。その際には、小規模多機能型サービスとの差別化も議論されることだろう。

どちらにしても今この時期に、このような形で新サービス案が示されたということは、新サービス創設は決定的であると言ってよい。

介護事業者にとってもこのサービスはメリットが大きい。事業拡大戦略に中に組み入れて、柔軟なサービス提供ができる事業を新たに抱えることができるからだ。

しかもこのサービスの訪問資格は特に必要とされないと思われる。訪問介護とは異なり、初任者研修などを受講していない介護職員も訪問サービスが提供できるのだろうから、その点でも柔軟なサービス提供が可能となる。

訪問介護員の確保に困って、訪問介護事業を継続できなくなりつつある事業所も増えているが、新サービスは訪問介護がなくなる地域があることをも想定していると考えられる。
タイトルなし
そういう意味では、新サービスは訪問介護崩壊の危惧に対する新処方ともいえ、一抹の光になり得る事業であると言えるかもしれない。(参照:絶滅危惧職種の懸念で基盤が揺らぐ地域包括ケアシステム

どちらにしても、このサービスが制度改正の最大の目玉と言えるだろう。今後その具体像がどうなっていくのかに大いに注目したい。

昨日の介護保険部会ではこのほか、全ての介護サービス事業所に経営状況が分かる財務諸表などの公表を義務付ける方針も示された。既に社会福祉法人はこの義務を負っているのだから、それを全サービスに広げるだけの話で、この方針は既定路線であって特段の問題はないだろう。

もう一つ重要な提案として、特養の入所基準緩和案に関連した方針も示された。

ここでは、「特例入所について、現在実施している老健事業等により早急に実態を把握の上、改めて趣旨の明確化を図るなど、適切な運用を図る」(資料11頁)とされており、会議後記者質問に応えた厚労省関係者は、「あくまでも趣旨の明確化要介護3以上の原則を大きく変えるような入所基準の思い切った緩和は今のところ想定していない」と語ったそうである。

特例入所が機能していないのは、ローカルルールで煩雑な手続きが必要としている市町村が多いからに他ならない。特例入所と判定する前に事前協議を義務付けている自治体さえある。これを変えない限り、厚労省の一片の周知文で状況が変わることはない。

国からの指示という形で、「特例入所については、特養の入所判定員会で審議・判定して認められれば可。市町村に対しては事後報告で構わない。」というような簡易なルールを定めてほしいものだ。

それがなければ何も変わらないと思う。
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居宅介護支援費自己負担導入に対する財務省の世迷言


先日、保健・医療・福祉サービス研究会(HMS)の「Visionと戦略」(11月20日発行)に掲載される座談会に出席したが、その中で、「居宅介護支援費の利用者自己負担導入」についても話題になった。(※当日の座談会の議論展開は、「Visionと戦略」(11月20日発行)をご覧願いたい。

この議論は今年で足掛け15年目の議論となっており、自己負担導入は一番長く積み残されている課題とも言え、なおかつ年間約50億円以上の財政効果が見込まれることから、いよいよその実現が図られるのではないかという声も高まっている。

しかし前回の制度改正議論の際も、同じように実現可能性が高いと言われながら、業界各団体から反対論が高まった影響もあってか、結局自己負担導入は行われなかった。

10/26の社保審・介護保険部会でも、日経連と健康保険組合連合会の代表委員が自己負担導入に賛同する意見を述べたものの、その他の委員は全員反対意見を述べた。

またこの部会に先駆けて日本介護支援専門員協会は、居宅介護支援の現行の10割給付を今後とも維持していくよう訴える要望書を厚生労働省に提出しているが、この要望書は全国老人保健施設協会、全国老人福祉施設協議会、日本介護福祉士会、日本認知症グループホーム協会、全国コープ福祉事業連帯機構、民間事業者の質を高める全国介護事業者協議会、日本在宅介護協会、市民福祉団体全国協議会、JA高齢者福祉ネットワークの10団体の連名によるものとなっている。
2022年の冬シーズン・北海道の初雪
こんなふうに前回改正議論の時と同じように、居宅介護支援費の現行給付の維持・継続という意見が強まっており、簡単に自己負担導入に舵を取るようなことはできない雰囲気は出てきているように感じる。

そのような中、7日の財政制度等審議会・財政制度分科会で財務省は、この問題に関して2024年度から実行すべきと重ねて求めた。

居宅介護支援費の利用者自己負担が実現すれば、「利用者が自己負担を通じてケアプランに関心を持つ仕組みとすれば、ケアマネジメントの意義を認識するとともに、サービスのチェックと質の向上にも資する」と財務省は主張する。

しかしこれは歪んだ論理でしかない。(プラン内容が理解できない認知症の人を除いて)自分のケアプランに関心のない利用者なんて存在するわけがないからだ。

自己負担のあるなしにかかわらず、自分の身上・暮らしに関わるケアプランは、利用者にとって最も関心のあるものだ。

これが自己負担導入でさらに関心が高まり、ケアマネジメントの意義を感ずることに通ずるなんてことにはならない。暴論もここまでくると世迷言に過ぎなくなる。

こんな理屈の通らないことを国の審議会という場で、よく恥も外聞もなく発言できるものだ。さすれば官僚とはなんと厚顔無恥の存在なのかということだ・・・。

介護施設などの報酬にケアマネジメントの経費が内包されていることを踏まえ、「施設と在宅で公平性が確保されていない」とも指摘しているが、この論理も首をひねる部分がある・・・本当に施設サービス費にはケアマネジメントの経費が内包されているのか?

だって措置制度から介護保険制度になったときに、その費用が上乗せされたなんて事実はないぞ。介護支援専門員の配置義務が新たに設けられたのにもかかわらず、人件費の上乗せもなかった。その際の論理は、相談員が介護支援専門員を兼務できて、ケアマネジメントはもともと相談援助業務として行っているもので、施設サービス計画も、相談員が立案していた「個別処遇計画」は替わるものでしかないというものだったのではないのか?

それは置くとしても、そもそもケアマネジメントに特化した居宅介護支援費と、介護の費用が大部分を占める施設サービス費の自己負担の在り方を同じ土俵で論ずることがおかしい。両者の利用者負担構造に違いがあったってなにも不思議ではなく、不公平でもない。

加えて言えば、施設サービス計画書が施設サービスの要件であるのに対し、居宅サービス計画書はサービス要件ではなく、償還払いを現物給付化する手段であるという違いもあるのだから、自己負担構造が同じでなくとも公平ではないとは言えないのである。

そのため制度開始当初から、「要介護の利用者に対し、個々の解決すべき課題、その心身の状況や置かれている環境などに応じて、保健・医療・福祉にわたるサービスが、多様な提供主体により総合的かつ効率的に提供されるようにすること」という重要性に鑑みて、居宅介護支援費は10割給付されていたものである。

こうした理念の重要性は、介護制度創設から時を経ても決して変わるものでもないし、揺らぐものでもない。

よって財務省の自己負担導入の理屈には、一片の正論もなく、論理性に欠ける勝手な愚論と結論付けねばならない。詭弁と言ってよいだろう。

この問題に関しては、厚労省は財務省のように、自己負担導入に積極的ではないような感がしている。そこが関係者の希望と言えるのではないのだろうか・・・。
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軽介護者の保険はずしを財務省が譲歩する理由


昨日(11/7)の財政制度分科会では、次期介護保険制度改正で、2割・3割の対象者を拡大することについて、「早急に結論を得るべく検討を」とトーンを高くして迫る場面が見られた。

この問題は岸田首相も給付と負担の見直しという観点から、「負担できる人には負担を求める」ことを国会で答弁しているので、2割負担3割負担者の所得基準見直しは避けられない見込みである。

おそらく今年10月から2割負担の基準が変更された、「後期高齢者医療制度」に合わせて変更されるのではないか。
介護保険と後期高齢者医療制度の定率負担所得基準の比較表
この場合、「年金収入その他の合計所得金額」が、単身世帯なら280万円以上が2割負担とされている現行基準を、200万以上に下げることを中心に検討が行われるだろう。

一方でつい先日ツイッターで「#要介護1と2の保険外し」がトレンド入りした(参照:発信力で負けている介護事業団体)、軽介護者の訪問・通所介護等の総合事業化については、それを推進すべきという声のトーンが落とされている。

財務省は今回、要介護1と2の高齢者に対してこれまで使ってきた「軽度者」という表現を避けた。これは要介護1と2の対象者は、必ずしも軽介護者ではなく、それらの人を対象にしたサービスを総合事業化することは、即ち給付外しそのもので、要介護1と2の人たちが必要なサービスを受けられなくなる改悪であるという反対論を考慮した表現変更と思える。

財務省はそのうえで、「今後も介護需要の大幅な増加が見込まれるなか、生活援助型サービスをはじめ、全国一律の基準ではなく、人員配置や運営基準の緩和などを通じて、地域の実情に合わせた多様な人材・資源を活用する枠組みを構築する必要がある。」と主張している。

つまり訪問・通所介護を一挙に総合事業化するのではなく、とりあえず訪問介護の生活援助のみを総合事業化してはどうかと提案したという意味だ。

訪問介護と通所介護をまとめて総合事業化する案には強い抵抗が予測され、なおかつ地域社会の現状を見ると、要介護2以下の方を受け入れることができる、「通いの場」が十分ではないという問題がある。

仮に今強引に、要介護2以下の利用者の通所介護を地域の総合事業化したとしても、現状では現在利用者が利用している通所介護事業所に総合事業を委託するしかないケースがほとんどである。

また利用者宅で身体介護ができるボランティアもほとんどいないと考えられ、これも現行の訪問介護事業所に委託する形で総合事業としてのサービスをせざるを得ない。

つまり訪問介護の身体介護と通所介護については、総合事業化したとしても現在と同じサービスを行って、給付単価だけを総合事業に見合って下げると同時に、年額上限の範囲で給付するという、改正とは言えないお茶を濁したルール変更にしかならないことが明らかなのである。

そうした批判や反対論が強いことから、次期改正では訪問介護の身体介護と通所介護の総合事業化は、見送ってもやむを得ないという考え方に財務省はシフトしたものと思える。

その代わり、訪問介護の中から生活援助だけを切り取って総合事業化しようというのが、昨日の財務省の新たな提案である。

これによって通所介護の要介護2以下の総合事業化案は、事実上なくなったと考えてよいのではないか。しかしそれも2024年改正に限ったことでしかない。

もし今回、財務省の譲歩案が通って、生活援助の総合事業化が実現した場合、それは大きな橋頭保(きょうとうほ)になるだろう。

今回はソフトランディングとして生活援助のみを総合事業化し、その次はいよいよ、訪問・通所介護の一括した総合事業化が促進されると考えて間違いのないところだ。

つまり財務省の腹づもりとは、次期改正の最大のテーマは、利用者負担割合いの所得基準見直しで、2割負担者を全体の25%(4人に一人を2割負担以上とする)に近づけること・・・。その先には、介護保険の負担割合のスタンダードを2割負担として、1割負担をなくすこと・・・その実現を図る改正を優先して、訪問介護の身体介護と通所介護の総合事業化は後回しにしても良いという判断だろう。

決して通所介護等の要介護2以下の対象者を、市町村の総合事業に移行させようとする目論見がなくなったわけではないことを、関係者の方々はしっかりと肝に銘じ、今後もそうならないように抵抗・反対の声を全国各地から挙げ続けねばならない。

そのことだけは忘れないでいてほしい。
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制度の影をアンタッチャブルにしないために・・・。


私たちが仕事をして報酬を得るサービスは介護保険法に則ったサービスです。よって法令ルールが適用されるのですから介護保険制度の詳細を知ることは必要不可欠なことです。

仮に保険外サービスで大きな収益を挙げているとしても、主たる業務は保険給付サービスに関する業務であり、法制度と切り離して保険外サービスを所管することはできません。そのため制度に精通することは保険外サービスを続ける上でも大事なことです。

当然、その制度は持続可能性を高めるために変えられていきますので、その議論内容や方向性を知る必要もあります。

しかしいくら制度に精通しても、自分以外の他者の暮らしに寄り添う対人援助サービスでは、「人間理解」という根底がなければ、私たちが寄り添う人を救うことはできません。

制度論を好む傾向のある人に対しては、それも良いのだけれど、もう一つ大事なことを忘れないでほしいと言っておきたいのです。

制度の光をあまねく人々に届けられるのは、制度に精通するだけではなく、人を理解しようする態度や、対人援助のプロとしての確かな援助技術が何よりも求められるのだということを、自分自身の戒めとして常に考えておく必要があります。

そのような思いを持たざるを得ない出来事が起きました。

介護事件ともいわれるその一報が届いています。
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11/3 (木) 13:29発ANNネットニュースより転載
2日夕方、神奈川県大磯町の漁港で79歳の妻を海に突き落として殺害したとして81歳の夫が逮捕されました。無職の藤原宏容疑者は、午後5時半ごろ、大磯町の漁港で妻の照子さんを海に突き落として殺害した疑いが持たれています。

警察によりますと、釣りをしていた人が人が浮いているのを見つけ、照子さんは病院で死亡が確認されました。照子さんの身元を確認していたところ、藤原容疑者の息子から「父が母を海に突き落としたと言っている」などと通報があり、夫である藤原容疑者が浮上しました。

取り調べに対し、藤原容疑者は容疑を認めていて「40年近く介護をしていて疲れた」「散歩に行こうと誘い、車いすごと突き落とした」などと話しているということです。照子さんは足が不自由で車いすを使っていました。
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制度の光が届かないところに影ができると言いますが、この事件の加害者と被害者となったご夫婦には、制度の光は届けられていたのではないでしょうか。
制度の光と影
40年もの長期間に渡って介護を続けていた夫が、22年前から存在する介護保険制度を知らなわけがないし、何らかのサービスを利用しながら介護を続けてきたと思うのです。

しかし制度の光が届かない真っ暗な闇とは別の場所にも、影は生まれてくるのだということを、この事件によって気づかされました。

光を浴びた影に、ほんの少しだけ存在する闇が、ふとしたはずみで感情のある人間の心理にしのび込む瞬間があるのでしょう。

この事件の加害者は、被害者となった妻を散歩に連れ出した時に、まさか海に妻を車いすごと突き落そうと考えていたわけではなかったのではないでしょうか。たまたま海の近くを散歩させていた時に、40年間の介護に疲れた思いと、これからそのことが何年先まで続くのか考えたときの絶望に似た思いが、心の隙に闇となってしのび込んだのではないでしょうか。

私たちソーシャルワーカーは、この闇に手が届くのでしょうか・・・。少なくとも制度サービスだけで、この闇を払うことはできないことを自覚しておく必要があるでしょう。

例えばケアマネジャーが、利用者に対して上から目線で自分が立案したサービス計画書の通りサービス利用して暮らして居ればよいと考え、その計画内容にいちゃもんをつける利用者や家族を排除しようとすれば、それは自らが闇になっているという意味であって、自分と同化して見えなくなる利用者の心の闇を見つけることはできなくなります。

だからこそソーシャルワーカーは、利用者と目線を合わせて、「ともに生きる姿勢」が求められるのだと思います。

他者からは決して伺うことができない利用者の思いを、いつも素直に吐露できる相手が、担当ケアマネジャーであるという関係性を築く必要があるのだと思います。だからこそ、「立派なケアマネになる前に、どうぞ感じの良いケアマネでいてください。」と思うのです。

そういうケアマネであれば、利用者の心にしのび込んだ闇を、利用者自身が素直に聞かせてくれるのではないでしょうか。

そのことによって、少しだけでも手が届く部分が増えていくのではないでしょうか。

私たちの仕事は、そういう小さな努力の積み重ねによって成り立つ仕事なのだと思います。
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基本型老健には厳しい制度改正になります


基本型老健の関係者の皆さんは、いま議論されている制度改正の内容を見て、暢気に構えていられないと思うのだが、いかがだろうか。

それだけ基本型老健の存続の危機につながる制度改正になるような気がするし、そういう危機感をもって対策に乗り出す必要があるのではないのか・・・。

というのも次期改正では、特養の入所基準見直しが検討されている。これが基本型以下の老健経営に大きく影響してくる。(参照:特養の入所基準の再見直しは他サービスにも広く影響します

今この時期に厚労省の提案としてこの見直し案が議論の俎上に挙げられたということは、何らかの変更が行われるのは確実で、元通り要介護1以上が入所対象になるか、そうならなくとも特例入所のハードルを下げて、実質要介護1以上の要介護者は、特養に入所することが可能になることはほぼ間違いがない。

文字リンクを貼りつけた記事にも書いた通り、そうなると「その他型」と「基本型」の老健に入所している、長期入所の軽介護者(要介護1と2の利用者)が特養に入所できることになる。

問題はそれだけではない。
落陽
今現在の段階で、次期改正で変更可能性が一番高い改正案は、サービス利用時の自己負担割合の2割負担者と3割負担者の拡大案である。

このことについては18日の国会における首相答弁でも、「負担できる方には、確実に負担していただくように制度を改正する」という趣旨が語られており、なおかつ後期高齢者医療制度の2割負担者が10月から拡大している流れもあって、2割負担者が拡大することは確実視されている。

それと同時に、老健と介護医療院の多床室の室料自己負担も確実に実施されることが予測されている。

既に特養の多床室室料自己負担は実施されており、介護保険施設の類型が介護医療院の新設で、新たな3類型と再編されたことによって、多床室室料負担の均等化を図ることの障壁がなくなっている。よって老健と介護医療院の多床室利用者の室料負担という形の自己負担増も確実視されている。

老健の利用料金は基本サービス費の自己負担は特養より高くなっているものの、多床室の室料負担がない分、特養より全体の利用料金がかからないか、ほとんど変わらないかという金額であるために、特養に入所できない軽介護者が老健に長期入所しているケースも多い。

そこに2割負担する利用者が増え、かつ室料負担が上乗せされてくる。

この2重の負担増に耐えきれずに、特養への転入所を希望する老健利用者が増えることは容易に想像できる。それに加えて要介護2以下でも特養に入所できる改正が実現すれば、その他型老健や基本型老健から退所して、特養に入所する軽介護者が増えることは確実だ。

さらに特養の入所要件が元に戻されて、要介護2以下も入所対象となれば、老健の新規利用者の数も減ってくるだろう。その時、全国に数多くある基本型老健は、ベッドを埋めて稼働率を下げることなく収益を挙げ続けることができるだろうか・・・。

僕が1年間だけ勤めていた千歳市の「クリアコート千歳」という老健は、加算型になるには程遠い在宅復帰率の低い基本型老健であるが、そこでは介護職員のトップが、「職員の数が足りず手が回らないので、新規利用者は食事摂取が自立してい人ではないと受け入れてはならない」と、勝手なルールを入所担当者に押し付けていた。そのような老健は今回の厳しい改正の波の中に吞み込まれ沈没の危険性がある。こういう施設には決して就職しないことが大事だ。

食事摂取が自立していない人の入所を拒むような老健は、無くなってしまっても問題ないが、行き場のない軽介護者を受け入れるために、あえて基本型老健としていた施設は、加算型への転換などの事業戦略の見直しが早急に迫られることになるだろう。

どちらにしても、その他型と基本型老健に厳しい改正になることは確実で、しかしそれは、老健は加算型以上(加算型・在宅強化型・超強化型)が残ればよいという、厚労省の思惑とも合致する改正なのかもしれない。
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発信力で負けている介護事業団体


介護関係者に最も欠けているスキルとして、「発信力」を挙げる人が多い。

それは単なる印象で事実とは異なるかもしれない。発信力のある介護関係者も決して少なくはないと思う。しかしその発信力も介護関係者間にとどまり、社会全体に発信する力にはなっていないと言われると、なるほどと思うこともある。

介護関係の職能団体の公式サイトを、会員専用としクローズしているのも、介護業界全体の発信力を低下させる要因になっている。

会費を納めている人に対して報いるために、そのような閉ざされた情報発信をしているんだろうが、だからと言ってそこに会員だけが手に入れることができる貴重な情報が存在するかと言えば怪しい。

そもそも会員パスワードなど、手に入れようと思えば誰しも手に入れることができる。仲の良い会員に頼んでそっと教えてもらえばよいだけの話だ。しかしパスワードを手に入れてアクセスしても大した情報が載せられているわけではなく、がっかりして終わりということが多い。

どちらにしてもクローズしている意味はほとんどなく、単にアクセスする手間を増やしているに過ぎない。結果的にそれは情報発信力を自ら下げるというデメリットにしかならない。だから会員さえもそこにつなぐ機会を減らし、ほとんど誰にも見られないサイトと化す。存在しないのと同じである。

もっと情報をオープンにし、貴重な情報をすすんで発信するようにしないと、介護業界全体が閉ざされた業界と思われてしまう。それは国民全体に向けた福祉の向上に尽力していない業界というレッテルにもつながりかねない。

パスワード設定をしているクローズサイトの管理人は、もっとグルーバルな視点をもってサイト管理に当たるべきだ。

さてそのような発信力に欠く介護業界が、後手後手に回るような動きに見えたのが、先週の制度改正を巡る動きである。

9/29に書いた、「実態と先人たちの努力を無視した総合事業化論はどうなる?」で論評したように、僕は次期改正で要介護1と2の対象者の訪問・通所介護等の総合事業化は見送られるのではないかと予測している。それは介護保険部会等で、厚労省が積極的にその方向性を示しているわけではなく、財務省の主張の紹介などとして総合事業化案を説明しているにとどまっているからだ。

しかし9/28の「全世代型社会保障構築会議」では、厚労省に対して要介護1、2の訪問介護(生活援助)・通所介護を総合事業へ移管することも審議会などで具体的な検討を進めるよう要請を行う考えを示している。

このように政府による軽介護者の訪問・通所介護の総合事業化圧力を、厚労省がはねつけられるのかが今後の焦点になるが、この問題に関連して10/1の午後、Twitterでは一時、「#要介護1と2の保険外し」がトレンド入りした。
発信力
介護保険制度に関連したキーワードがトレンド入りした記憶はほとんどないので、これには少し驚かされた・・・。

この現象は、「認知症の人と家族の会」による、要介護1と2の保険外し反対のオンライン署名運動に支持が集まったことに起因している。

9/26の社保審・介護保険部会でも、認知症の人と家族の会代表委員は、「要介護1と2の保険外し」に反対意見を述べているが、同会はオンライン署名サイトChange.orgで、「制度はあってもサービスが使えないものになってしまう」と問題を提起し、「到底容認できない」と訴えたのである。

すると1日16時の時点で2万9065人が賛同するなど、大きな反響を呼んだ。お見事と拍手を送るしかない快挙だ。

認知症の人と家族の会が今回行った社会的アピールは、本来ならば介護職能団体がすべきではないのか。

特に通所介護事業者を数多く会員として抱える全国老施協は、軽介護者の介護給付外しを問題視して社会へアピールし、反対の国民世論を高める活動をすべきではないのだろうか。なぜなら、「もし軽介護者の通所介護が総合事業化されたとしたら・・・。」で指摘したように、軽介護者の訪問・通所介護の総合事業化が実現した場合は、どんなに経営努力を行っても、廃業せざるを得ない通所介護事業所は相当数に上るからだ。

それは介護保険サービスという社会資源の一部を失うことにほかならず、国民の福祉の低下を意味する問題であると、介護事業者団体が強く国民に向けて訴えるべきだ。

勿論、先日の介護保険部会でも、全国老施協の代表委員が軽介護者の保険はずし反対の意見を堂々と述べていることは知っている。そのことは十分評価できるだろう。しかしその声に国が耳を傾けるようにするためには、国民の支持がバックにあるということが重要になるはずだ。

特に全国老施協は先の参議院議員選挙で、老施協は組織内候補であった国会議員を失い、政治的な力が大きく削がれているのだから、それに代わる大きなパワーとして、国民の声を背負う必要があると思う。

そうであるにもかかわらず、支持を得るための情報発信に腰が重たいのが現状である。専門家集団であるはずの介護事業者団体が、「認知症の人と家族の会」の後塵を拝す動きしかできないようであっては、あまりにも情けない。

正論は国民の支持を得ることによって、大きな力になることをもっと意識しなければならないと思う。
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もし軽介護者の通所介護が総合事業化されたとしたら・・・。


(昨日の記事:実態と先人たちの努力を無視した総合事業化論はどうなる?から続く)
もし軽介護者(要介護1と2の対象者)の訪問介護と通所介護が、市町村の総合事業化された場合、通所介護事業所はどう生き残っていけばよいのだろう。

僕はそのことを考えると背筋が寒くなる。妙案がないからだ。

関係者の中には、「介護保険外サービスの確立による新たな収入源の確保や、要介護3以上の中重度者への対応強化など、通所介護事業のビジネスモデルの見直しを検討していかなければならない」と言っている人がいる。

それは至極当たり前のことに聞こえるが、「なるほど妙案だ」なんて全く思えない。

むしろ建前経営論でしかないように聞こえる。このような考え方を介護関係者に向かって披露する人は、本当にそんなことで通所介護事業が続けられると思っているのだろうか。だとしたら相当能天気である。

介護保険外サービスの確立による新たな収入源の確保というが、具体的にそれは何だろう。例えば通所介護サービス提供時間中に、同時進行して認められている保険外サービスとは以下の通りだ。(※下記画像は僕の講演スライドの1枚。
通所介護中に認められている保険外サービス
こうした保険外事業を通常サービスとして行うことは大事だ。だがそれはあくまで顧客の利便性を図って、選択される事業所になる目的が主であって、この収益によって事業経営が安定化するなんてことは期待薄だ。

保険外サービスは利用者の全額負担であり、保険給付サービスのような値段設定はできない。そんな高額なサービスは誰も使えないからだ。そのため価格を安く設定する必要がありが、そうであっても利用者の大部分が利用するサービスではないために、そこにかかる人件費を考えると収益はほとんど期待できない。収益が挙がるとしても経営安定化の財源になるような金額ではない。

それとも通所介護とは全く別の保険外のサービスを実施して利益をあげるように体質改善せよという意味なのか?例えばフィットネスクラブを併経営するなど・・・。しかし保険外サービスは競争も厳しく、必ず収益が挙がるとは限らない。リスクも保険サービスより大きい。大きな損失を出す恐れが常にある分野だ。

そもそも保険で護られている温い事業経営で、十分収益が確保できない事業者が、経営手腕が必要になる保険外事業でどうやって収益をあげることができるのだ。

そういう意味で、「介護保険外サービスの確立による新たな収入源の確保」なんていうのは、言うは易し行うは難しと言ったところで、僕に言わせれば、「荒唐無稽」な意見でしかない。

「要介護3以上の中重度者への対応強化」はさらにひどい。笑止千万な指摘だ。要介護3以上の利用者が少ないのは、通所介護事業者に受け入れ態勢が整っていないからではなく、そもそも要介護3以上の人で、通所介護利用ニーズがある人が少ないからだ。

多くの地域で通所介護利用者の8割以上が要介護2以下の対象者である。通所介護事業者が重度化対応にシフトしたとして、この割合が急に変わって、中重度者の通所介護利用が増えるとでもいうのか?それはあり得ない・・・。

要介護4以上の人は、施設・居住系サービスへの入所ニーズが高いのが現状だ。そういう人たちの家族がレスパイトケアとして使いたいサービスは通所介護ではなく、数日滞在できるショートステイである。

また要介護3の在宅者は、通所サービスに加えて訪問サービスを必要とすることが多い。しかしヘルパーの不足から地方へ行けば行くほど訪問介護事業所の数は減っている。そのため訪問サービスと通所サービスをセット利用する、「小規模多機能型居宅介護」の利用ニーズが高まり、要介護2以下の人は通所介護、要介護3以上の人は小規模多機能型利用と、サービス間の住み分けが進んでいる地域もある。

この状況に劇的な変化がない限り通所介護事業者が重度対応にシフトを置いたとして、要介護3以上の通所介護利用者がそのことで今以上に増えるなんてことはないのだ。むしろ重度化にシフトするための、人件費や設備投資の資金回収の目途も経たない地域が多いのが現状で、荒唐無稽の経営論に踊らされては、大事を誤ることになりかねない。

そういう意味では、本当に軽介護者の通所介護が総合事業化されたとしたら、現在経営している通所介護事業所の半数近くが廃業する可能性があるのではないかと思う。その中にはポジティブな戦略的事業撤退とか、小規模多機能型居宅介護への事業転換とかも含まれてくるとは思うが・・・。

また総合事業化しても、実際のサービスは現行通りサービス事業所に委託して、同じサービスを単価を下げて実施するだけになる可能性は高い。通所介護事業所はそのため、何とか要介護2以下の利用者を今からたくさん囲い込んで、単価が下がる総合事業サービス受託で生き残っていくという戦略も考えられるが、そこでは今と同じ人件費をかけても収益は下がるのだ。

それは働き手のコスパの低い労働に委ねられるという意味で、せっかく改善傾向にある介護職の待遇悪化を助長するのではないだろうか。

このように考えると、軽介護者の通所介護の総合事業化は、通所介護事業者にとって厳しいものとしか言えない。それに対する有効な処方箋は、今のところ見つからないというのが本当のところだろう。

だからこそなんとしてでも、そのような暴挙は阻止せねばならないと思うのである。
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実態と先人たちの努力を無視した総合事業化論はどうなる?


9月15日に更新した、「軽介護者の訪問介護と通所介護はどうなるのか」で指摘したように、次期制度改正(2024年度〜)では、軽介護者(要介護1と2)の訪問・通所介護の総合事業化はないのではないかと僕は予測している。

僕と同意見だという人はたくさんおられると思う。

この件に関して26日に開催された社保審・介護保険部会で議論が沸騰した。

軽介護者の訪問・通所介護の総合事業化に賛成の意見を述べたのは、日本経団連の代表委員のみで、「重度者への支援に給付を重点化していくべき」・「軽度者へのサービスをより効率的な形に変えるべき」という給付抑制に偏った考え方を示している。

これに対し認知症家族の会代表委員は、「要介護1、2の人に軽度者とレッテルをはれば、サービスを減らせるかのような、非常に粗雑な審議は絶対に避けて欲しい。介護保険料を支払い、サービスが必要と認定されても在宅で暮らすことができない人をこれ以上増やさないで欲しい。過重な介護負担に起因する高齢者虐待、介護心中、介護殺人などの悲劇をこれ以上増やさないで欲しい」と述べた。

市民委員の面目躍如たる国民目線の意見である。こうした国民の声を国はしっかり受け止めてほしい。
介護崩壊
また全国老施協の小泉委員は、「要介護1、2の高齢者に専門性の乏しいケアで対応することになり、自立支援のケアを劣化させる」・「地域の実情に合わせた多様な人材・資源を活用したサービスを提供できる、という見通しは実態を無視した空論であり、現実的ではない」・「総合事業へ移行すれば、在宅ケアの質・量を確実に低下させ、長年築いてきた在宅ケアは著しく後退してしまう。過去の積み上げを破壊し、先人たちの努力を踏みにじる改革であり、断固として反対」と堂々たる正論を述べている。

まさに介護の場の声を代表するプロの意見である。心より拍手を送りたい。小泉さん!あんたは偉い!!

こうした総合事業化への厳しい批判が国に届くことを願っている。

ただ26日の議論も、厚労省が総合事業化案を必要な改正案として示したわけではなく、制度の持続可能性を担保するため、財務省などがこの案の実現を要求していることを厚労省が説明したことが議論の発端になっている。

そういう意味では、厚労省が総合事業化に積極的な姿勢を取っているわけではないと思う。2024年度からの訪問・通所介護が総合事業化され、介護給付から外されるという大きな変革はされないのではないだろうか。

しかし確実に総合事業化は見送られると言い切れない要素もある。

例えば28日には政府の、「全世代型社会保障構築会議」が行われている。この会議は今後の社会保障制度改革の方向性を有識者らと話し合うものだが、そこで介護分野では、現役世代にかかる負担が重くなり過ぎることを避ける視点にも配慮して、「高齢者の負担能力に応じた負担、公平性を踏まえた給付内容のあり方」を検討していく方針が明示されている。

「公平性を踏まえた給付内容のあり方を検討する」という意味は、軽介護者のサービスを見直し、介護給付は重介護者に重点化するという意味で、訪問・通所介護の要介護1と2の対象者の総合事業化は、当然その視野に入ってくる。

政府がこの考え方を強力に推し進めた場合、厚労省は腰砕けになるやもしれず、 経過措置期間を設けたうえで、2024年度〜随時軽介護者の訪問・通所介護を総合事業化する可能性はゼロではない。

どちらにしても中長期で考えれば軽度者改革の議論が進んでいく可能性は十分あり得る。それは誰も否定できない。

仮にもしそうなった場合、通所介護事業者の生き残る道はあるのだろうか。そのことも考えておかねばならない。

しかし今日は時間切れである。明日そのことは改めて論ずることにしようと思う。明日の記事は、「もし軽介護者の通所介護が総合事業化されたとしたら・・・。」にしようと思う。明日のお昼ごろに読みに来てほしい。

なお本日朝5時、CBニュースの僕の連載記事がアップされた。そちらもぜひ参照願いたい。
masaが紐解く介護の今
(※もし軽介護者の通所介護が総合事業化されたとしたら・・・。に続く)
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軽介護者の訪問介護と通所介護はどうなるのか


通所介護事業者の職能団体等から依頼を受けて、通所介護に関連する講演を行うことが多い。

通所介護経営や制度改正・報酬改定の見込みと影響のほか、通所介護計画について・通所介護の顧客確保や人材マネジメントといった内容等、多岐にわたるテーマを依頼されるが、僕自身、通所介護の相談援助業務や総合施設長としての経営の実務経験があるため、ほぼすべてのテーマについて実務論として語ることができる。

それはともかく、最近の通所介護関連講演の質疑応答で必ず出される質問は、「要介護1と2の利用者の通所介護は、地域支援事業化されるのでしょうか?」というものである。

このことは通所介護経営上、大問題である。利用者が要介護3以上となってもなお、通所介護事業経営を続けていく自信がある経営者は、そんなに多くはないだろう。多くの通所介護事業所は、要介護1と2の利用者割合が7割を超え、それらの人が利用できなくなると、顧客確保ができずに収益を挙げられなくなるからである。

そこでこの問題に注目が集まるというわけである。

軽介護者の保険サービスについては、通所介護のほか、訪問介護と福祉用具貸与等も地域支援事業化して、介護給付から外そうとする議論があることは事実だ。特に財務省は強力にこの主張を展開している。

よって議論の流れによっては、あるいは何かの取引の結果として、軽介護者のそれらのサービスについては、はやければ2024年から介護給付から外れることもないとは言えない。

今のところ厚労省は、そのことに消極的姿勢に思われるが、何しろ要支援者の訪問介護と通所介護は、既に介護給付から外されて地域支援事業化されているのだ。その例を鑑みれば、厚労省が必ずしも軽介護者の通所介護等を介護給付にとどめおこうとする積極的動機を持っているとは言い難い。

しかし今週、このことに関連して注目しておきたい動きがあった。

第97回社会保障審議会介護保険部会(9/12)では、要支援者の訪問型サービス・通所型サービスなども「総合事業」が議論の俎上に上った。(※資料はこちら
秋の風景
そこに提出された資料の、「検討の視点」では、「住民主体の多様なサービスや民間企業の生活支援サービスなども含め、要支援者らの状態・希望に合った相応しいサービスを選択できるようにすることが重要」とされている。

そして今後の論点として、『市町村が地域の実情に応じた総合事業を推進するのを支援するにあたって、どのような方策が考えられるか』とされ、地域支援事業の検証が必要と指摘しているのである。

さすれば当然のことながら、介護給付から外して地域支援事業化された要支援者の訪問介護と通所介護の実情の検討が必要となる。

通所型サービスなど「総合事業」の実施状況を資料から確認すると、予防給付の基準を踏襲した「従前相当サービス」は9割超となっており、地域住民やボランティアなどが主体となる「サービスB」を実施している市町村の割合は、昨年3月末時点で訪問型が16.7%、通所型が15.0%に留まっている。

つまり訪問介護と通所介護の予防給付サービスは、市町村事業化されたといっても、サービス内容自体はほとんど変わらないまま、費用の安い委託費サービスとして継続されているケースが多いということだ。

地域の実情に合わせた介護予防効果をきたして実施されたはずの地域支援事業化が、給付抑制策としてしか機能していないという意味になりかねない実情があるということだ。

このことの検証を先に行わないと、軽介護者の訪問介護と通所介護の地域支援事業化は難しいという意味にとれる。

現に12日の資料では、要介護1、2の高齢者への訪問介護、通所介護を総合事業へ移す改革案は載せられていない。

このことから考えると、今回の制度改正論議では、軽介護者の通所介護を総合事業化する案先送りされ、2024年度からも現行通り要介護1と2の方が、今までどおり介護給付の通所介護サービスを利用できる可能性が高まったと言えるのではないか。

まだ油断できないが、通所介護経営者の方々は、こうした動きを注視しながら、何よりも地域の皆様から選ばれるサービスを構築し、他事業所と差別化できる独自のサービスを打ち立て、今より多くのお客様から選ばれる通所介護事業所としていく努力が求められる。

ぜひ頑張っていただきたい。そして僕の通所介護関連講演も随時オンライン配信してくので、機会があれば視聴していただきたい。
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特養の入所基準の再見直しは他サービスにも広く影響します


社保審・介護保険部会(8月25日)で厚労省は、今後の介護保険制度改正論議において特養の入所基準変更を議論の俎上に乗せる旨を明らかにした。(参考資料

資料の当該部分を要約すると、「既に高齢化のピークを迎えた地方を中心に、高齢者人口の減少により待機者が減少して、定員が埋まらずに空床が生じているという声がある。」などとしている。

他の介護保険施設と同じように、要介護者が入所対象となっていた特養であったが、平成27年度(2015年度)から要介護3以上の要介護者に限定して入所が認められるように法令が改正された。

これがいわゆる特養の入所要件の厳格化と呼ばれる法改正である。

その基準を再度見直そうという提案が介護保険部会で行われたのである。

2015年当時、僕は社福の総合施設長として特養も管理していたが、入所要件の厳格化で混乱した覚えはない。僕の管理する特養は入所者の平均要介護度も高かったし、要介護1と2の対象者も在籍していたものの、それらの方々も全て経過措置で救済された。さらに経過措置期間を過ぎたとしても特例入所の対象となる認知症の方などであったため影響はなかった。

しかし全国的にみると、その影響はどんどん広がっていたようで、2017年ごろから特養の待機者の減少と空床増加が報告されるようになった。

北海道でも人口の少ない郡部に新設された特養のベッドが埋まらないという話も聞こえるようになった。

それは特養の入所要件が要介護3以上となったことに加えて、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの「高齢者向け住まい」の数が増えた影響もあると思える。
高齢者向け住まい
現に、「高齢者向け住まい」が増加し続けており、その定員数は約 88.3 万人と介護保険施設の利用者数(受給者数)の約 104 万人に近づいている。さらに事業所数でみると、高齢者向け住まいは約2万4千件 と、介護保険施設の約1万6千件を上回っているのである。

この影響を受けて全国の5割以上の特養に空きベッドが生じていると言われ、全国の平均空床率は25%前後であると推測されている。実に特養の指定ベットの1/4が使われていない。

勿論、ベッドが稼働しない理由は、入所利用者が見つからないということだけではなく、介護職員が配置できずに一部のフロアを休止せざるを得ないという施設も少なくない。しかし入所待機者が減っているのも事実であり、特養への入所希望者を見つけることができずに、相談員が顧客探しの営業のために地域を回るというケースも増えている。

そのような背景が今回の厚労省の提案に結びついたのではないかと思われるが、さすがに2015年度に法改正したばかりの規定を元に戻すことはないだろう。そんなことをすれば特養の入所要件の厳格化を推奨してきた厚労省の面子が丸つぶれになる。

よって、「特養の入所基準変更」とは、入所要件を要介護1以上に戻すのではなく、特例入所を使いやすくするなど、例外規定の拡大を図るという意味ではないのだろうか・・・。今後の介護保険部会での議論の進展が待たれるところだ。

どちらにしても特養の入所基準変更の必要性は、厚労省が言い出しっぺであるのだから、実現可能性が高いと言ってよいだろう。

すると2024年度以降、要介護1と2の方々の特養新規入所ケースが増えるようになると思われる。特養は補足給付対象施設なのだから、年金受給額が低い高齢者にとっては利用しやすい施設であり、今現在サ高住等の「高齢者向け住まい」に入居している人の住み替えも進むだろう。

すると特定施設・GH・サ高住が影響を受けるだけではなく、行き場がなく「基本型老健」「その他」の老健に入所している軽介護者も特養に流れ、老健施設の顧客確保が現状より難しくなるだろう。在宅復帰を希望していない軽介護者にとって、3月ごとの在宅復帰検討で自宅に帰ることを促される不安は、特養に入所することで解消できるからだ。

サ高住等に暮らしながら通所サービスを利用していた人も特養入所で、通所利用をやめるケースが出てくる。

自宅で頑張って暮らし続けた人が、利用料金の安い特養に早めに住み替えて、訪問介護や訪問看護・通所介護や通所リハの利用をやめるケースも出てくるかもしれない。福祉用具貸与にも当然影響が出てくるだろう。

よってこの問題は、特養関係者のみならず、他の介護保険施設・高齢者向け住まい(居住系施設)の関係者や居宅サービス関係者も注目すべき問題であろうと思う。

この問題について今後の検討・議論の動きに注目しなければならない。
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財務省の理屈もなっていない暴論を斬る


2024年度の制度改正・報酬改定について議論する時期は、衆議院の解散がなければ国政選挙が3年先までない、「黄金の3年」という時期に行われるので、国民に痛みを求めても選挙でそのしっぺ返しが行われることを心配しなくてよい時期でもある。

それを見越したわけでもないだろうが、政府は7月29日の経済財政諮問会議で、来年度予算案の編成に向けた基本的な考え方(令和5年度の予算の全体像)をまとめた中で、「利用者負担の見直しを含む持続性の確保」に取り組むと明記した。

これによって介護保険サービス利用時の2割負担者と3割負担者の拡大は必至の状況である。

同時にそれは将来的に介護サービス利用時の負担割合は、1割負担をなくして2割負担からとすることにもつながっていくだろう。

さらに居宅介護支援費の自己負担導入についても可能性が高まっている。

この問題では財務省が強く自己負担導入を主張しているが、2022.4.13財政制度等審議会資料の79頁にもそのことが書かれている。

文字リンクを貼っているのでその部分を確認してほしいが、「居宅介護支援(ケアマネジメント)については、要介護者等が積極的にサービスを利用できるようにする観点から、利用者負担をとらない例外的取扱いがなされてきた。しかしながら、介護保険制度創設から20年を超え、サービス利用が定着し、他のサービスでは利用者負担があることも踏まえれば、利用者負担を導入することは当然である。」とされている。

一見それは論理的な主張に読まれてしまうが、よく考えてほしい。これは理屈が通らない財務省の横車でしかない。
屁理屈
居宅介護支援が全額公費となっていることにはいくつか理由があるが、「利用者個々の解決すべき課題、その心身の状況や置かれている環境等に応じて保健・医療・福祉にわたる指定居宅サービス等が、多様なサービス提供主体により総合的かつ効率的に提供されるよう、居宅介護支援を保険給付の対象として位置づけたものであり、その重要性に鑑みたものである。」として利用者負担をとらない例外的取扱いとしているのもその理由の一つである。

しかしサービスが定着したから、その理由=重要性が失われるとでもいうのだろうか。サービスが定着したことで、例外的取り扱いが必要なくなるという論理はおかしくないのか。

そもそも居宅サービス利用に必ずしも居宅サービス計画が必要とされるわけではない。にもかかわらず居宅サービス計画を作成する理由は、償還払いサービス現物給付化するためである。

本来償還払いであるはずの介護保険サービスを現物給付化し、合わせて介護支援専門員という有資格者が適切な計画を立案することで自立支援を目指すということが、居宅介護支援の最大の重要性である。

制度がスタートし、年数が経てばサービスは自ずと定着るのが当たり前だ。だからと言ってサービスの本質が変わるわけではなく、居宅介護支援の重要性も変化していないのである。

よって財務省の主張は、屁理屈で問題の本質を捻じ曲げているものとしか思えない。

単にサービス利用が定着したことを理由に、利用者自己負担導入を求めているのは筋が通らない乱暴な意見でしかないのである。

こんな捻じ曲がった理屈の通らない主張に与してはならない。

私たちは国民と利用者を護り、制度の光をあまねく人々に届ける責任と役割を持つ者として、正論を捨てることなく、主張すべきものは最後まで主張し、筋を通すべきものは筋を通して、国民にとって必要なサービスの在り方を護り通す姿勢が必要である。

ちなみに、「全国老施協が居宅介護支援費の自己負担導入を容認」という記事に、inaさんがコメントを書いてくれているが、その内容は全国老施協が自己負担容認と指摘された部分を削除したとのことである。

例えばこちらの報道では、「老施協、居宅介護支援の利用者負担の導入を一部容認」とされている。これらの世間の評価を受け、はじめて事態の深刻さに気が付いたということだろう。(※文字リンク先を参照いただきたい)

この要望書内容から言えば、世間からそのような評価を受けることは当たり前なのに、そこに気が付かずに国への要望書を書き上げて承認したという事実が、この組織の頭脳がへたっていることを証明している。

一旦世に出て、これだけ大きく報道されたものを訂正削除したからと言って、世間に与えた印象そのものは消すことができないのだ。そのことを全国老施協執行部は理解しているのだろうか。

なんともお粗末な対応であり、迷走する全国老施協よ大丈夫かと言いたくなる・・・。

そういう意味では、全国老施協に今必要とされるのは、頭脳役を担う外部アドバイザーの存在だろう。現状の頭脳レベルでは、もうどうしようもないと思う。
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全国老施協が居宅介護支援費の自己負担導入を容認


介護保険制度改正は、制度の持続性を担保することを最大の目的として行われているので、財源に限りがあることを理由として、青天井の給付を防ぐために様々な給付抑制策が取られていくことになる。

利用者負担増も、財源確保の方策として実施されていることは間違いないが、それに加えてサービスの抑制効果を見込んで実施されていく意味合いも含まれている。

昨今の介護保険制度改正状況を見ると、こうした給付抑制策と利用者負担増を含む国民負担の増加策が次々と実現されているが、一度実現が見送られた給付抑制策や国民負担増についても、決して廃案になって終わりではなく、繰り返し議論され、タイミングを選んで実現の運びとなっている。

そのことを考えると、次期(2024年度)制度改正・報酬改定では、居宅介護支援費の自己負担導入がきわめて現実味を帯びてくる。

なぜなら過去に議論があり、その議論が続いている積み残された課題とされるものの中で、一番古くから議論されているのがこの問題だからである。自己負担導入論が議論の俎上に上ったのは2008年であり、そこから検討され始め今年で足掛け15年目の議論なのである。

そのため財務省は、「他のサービスでは利用者負担があることも踏まえれば、利用者負担を導入することは当然である」(財政制度等審議会資料より)とより強い言葉で、自己負担導入を求めている。

しかし他のサービスと居宅介護支援を同列視することは、介護保険制度施行時に否定されており、「居宅介護支援は、実際のサービスを提供するものではなく、相談支援や手続き支援であり、利用者に自己負担を求めることは馴染まない。」とされていたことを、私たちはしっかりと記憶している。

そうした考え方がなかったかのように、財務省官僚は記憶障害を装って居宅介護支援を他のサービスと同列と決めつけて利用者自己負担導入を求めているが、それは極めて乱暴な意見でしかないと言える。

しかしそうした意見を支持する声も出てくる背景には、居宅介護支援費の介護給付の費用額に占める割合が、制度開始当初の3%台前半だったものが5%をうかがう水準に伸びているという理由がある。

これは短期入所生活介護や通所リハビリの給付費用を超えているという意味であり、仮に居宅介護支援費に他のサービスと同様の1割〜3割自己負担が導入されると、年間約590億円の財政効果が見込まれることになる。この数字は2021年度の介護報酬改定でプラスとなったことによって、年間650億円の給付費が増えている分の9割以上の金額を賄う数字に該当することになる。

このことが利用者負担導入議論のお尻を押す形になっているのである。
居宅介護支援費の自己負担導入はデメリットばかり
ところでこの問題に関して、全国老施協が5日に厚労省に提出した要望書の中で、「例えば、仮に自己負担を導入する場合は、加算の有無で費用に差が出ることがないよう1割負担ではなく定額制とすることも考えられる」(18頁)と自己負担導入を受け入れるような意見を書いている。

老施協は組織内候補であった国会議員を失い、政治的な力が大きく削がれてるために、要望書自体も国から軽視される可能性が高いが、この部分だけは介護業界組織も自己負担導入を受けて入れいることの証拠とされる可能性が高い。

要望書18頁の「ケアマネジメントに関する給付の在り方」の冒頭には、「全額公費が望ましい」という意見も付されているものの、その部分は無視され、「定額制の自己負担導入の提案を行った」ということが大きく取り上げられ、結果的に自己負担導入の後押しに利用されることになるだろう。

つまり国側にいいように利用されるだけの結果にしかならないのである。

居宅介護支援費の利用者負担は、定率負担ではなく定額負担も考えられるという議論は2008年当時から存在する議論で、今更全国老施協が念押しするまでもない議論なのに、要望書にそれを書くことによって、全国老施協という組織が居宅介護支援費の自己負担導入を容認したという印象を強く業界に与えるだけの結果になっている。

しかし一旦自己負担が導入されれば、それが定額制であろうと数年後には、「居宅介護支援費だけ定額制なのはおかしい。他のサービスが定率負担なのを踏まえれば、居宅介護支援費も定率負担にするのは当然だ」という理屈がまかり通って修正されるのは必至で、ことさら定額制で利用者負担導入を認める意味はほとんどないといっても過言ではない。

そもそも利用者負担は1割〜3割までに分けられているにもかかわらず、国に挙げる要望書に、「1割負担ではなく」などと意味不明なことを書いているのが、この組織の頭脳が機能していない証拠でもある。

何度もこのブログで指摘しているが、ケアプランの有料化は、御用聞きケアマネや、囲い込み事業者を増やすだけで、自己負担化された費用より、過剰サービスの給付費が上回ることになる懸念もぬぐえない。自己負担金の徴収業務・会計処理などで介護支援専門員の業務負担も増大するだろう。(参照:ケアプラン有料化にメリットはゼロどころか・・・。

こうしたデメリットが明らかなのに、次期介護報酬改定時には居宅介護支援費の自己負担導入可能性が高まっている。

全国老施協が図らずも、それに手を貸してしまっている結果になっていると言うことになるのだろう・・・。全く馬鹿げたことである。
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あれやこれやの事件やニュースに触れて


今朝の北海道新聞朝刊には、「特養入所者の投票偽造 登別の施設長ら 容疑で書類送検」という記事が大きく報道されている。どうしん電子版(ネットニュース)にも同様の記事が配信されている。

特に朝刊紙面では、3面記事として大きく取り上げられて報道されている。
8/3の道新朝刊3面記事
先の参議院議員選挙の不在者投票で、認知症等で意思表示ができない入所者3人の道選挙区(改選数3)と比例代表の投票用紙を使い、施設長と事務員が不正投票を行ったという内容である。

記事によると、道警は、「事務員は勝手に自らが支持する自民党などと記載し、施設長は白票で投票した。」とみているとのことである。

当該施設は僕が7年前まで総合施設長を務めていた法人施設である。元の職場が世間をお騒がせして申し訳のない思いだ。

書類送検された施設長は僕から2代後の施設長で、僕が総合施設長を務めていた際は、母体医療法人の老健施設に勤めていた人だと思う。仕事を一緒にしたことはないが知り合いではある。

ご存じかと思うが、不在者投票を実施する施設への経費として、投票した有権者1人当たり1.073円が支払われる。これは投票用紙を請求した人数ではなく、実際に投票した人数に対して支払われるために、多くの事務作業を費やして不在者投票を行っているのだから、できるだけ多くの投票用紙を請求し、なおかつ投票行動に結び付けてほしいと思うのは人情である。しかし意思確認できない人の分まで投票用紙を請求し、なおかつ代理投票者の意思で投票するのはやりすぎである。

しかも請求できる経費があるといっても、わずか千円程度・・・。ゴミのような経費を請求するために、自分の経歴に汚点をつけるのは賢い選択とは言えない。

そもそも国政投票で、わずか3票増えたって何の意味もないだろうし、仮に入所者全員分の100票を不正操作したって、結果にはほとんど影響はない。なぜそんなことをしなければならないのか意味が分からない。

施設における不在者投票は、施設利用者の権利を護るためにあるものであるし、投票行動を通じて社会参加していることを実感してもらうためにこそ必要とされているもので、その目的をないがしろにする不正は許されることではない。

道警は2人について、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けて書類送検したそうであるが、今後は検察官の判断によって起訴するかどうかが決まる。起訴されてしまうと日本での有罪率は約99%となるので、執行猶予がついても前科がついてしまうことになる。

しかしこのような大それたことが、一施設の施設長判断で行われたのだろうか?どうもそうは思えない。もっと上からの指示や、上に対する忖度が働いたのではないかと疑ってしまう。

どちらにしても最高責任者は社福法人理事長であり、その責任は回避できない。これだけ大きな事件になっているのだから、その任を辞するのが筋だろう。今後の千葉泰二理事長(三愛病院院長)の身の処し方に注目する必要がある。

僕はもう7年間もその法人を離れているので、法人や施設の現状がどうなっているのかを知る身ではないが、投票管理において杜撰な状態になっていたことが今回明らかになったということになる。ケアの品質管理にも齟齬が生じていないかを心配しているところだ。大いに反省して、正常な状態に一日も早く戻してもらいたい。

さて話は変わるが、7/29の経済財政諮問会議は、来年度予算案の編成に向けた基本的な考え方をまとめ、次の2024年度の介護保険制度改正にも言及している。

当日の資料3-1の3頁目・3.歳出改革・ワイズスペンディングの推進(1)社会保障では、「セルフメディケーションの推進、ヘルスリテラシーの向上、インセンティブ付けなどを通じた、予防・重症化予防・健康づくりの推進」が挙げられている。

セルフメディケーションとは、「自分で病気を治すこと」であり、ヘルスリテラシーとは、「健康や医療に関する情報を探したり、活用したりする能力」という意味だから、この部分は介護予防の在り方を指しているのだろう。

軽介護者の生活援助や通所介護の地域支援事業化がこの目指すところに含まれてくる。

「利用者負担見直しを含む介護保険の持続性確保」・「給付と負担のバランスの確保」・「現役世代の負担上昇の抑制」・「後期高齢者医療制度の保険料賦課限度額の引上げを含む保険料負担の在り方等各種保険制度における能力に応じた負担の在り方等の総合的な検討」などは、2割負担・3割負担の対象者の拡大や、居宅介護支援費の自己負担導入などを視野に入れたものであることは誰もが気づくことだろう。

自己負担割合は将来的に2割がスタンダードになるレールが敷かれている。

そしてこの方針が令和5年度予算の編成の方針として示されている意味は、制度改正部分は、2024年度の報酬改定を待たずに、2023年度途中からの施行もあるということになる。2割負担と3割負担の範囲拡大は令和5年(2023年)10月1日からということもあり得るわけである。

どちらにしてもこれらは対象者だけではなく、介護事業者にも厳しい改正になりそうである。
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参院選後に大きく動く制度改正


今年の夏に参議院議員選挙が行われることは、今更言うまでもない。

この国政選挙は決して介護業界にも無関係ではない。特に現在行われている介護保険制度改正議論には大きく関連した問題で、参議院選挙前には、政党や政治家から給付制限・国民負担増という、「国民の痛み」につながる考え方は示されないのが普通だ。

政党として、政治家としてそんな発言をしてしまえば、票を減らしかねないからである。

よって現在は、「国民の痛み」につながる改正具体案は、財務省や厚労省等が設置した各種委員会が国に提言するという形で表面化しているに過ぎない。

これが選挙を終えると一変する。結果がどうあれ、制度の持続性を担保させるために、財源に見合った給付制限と国民負担増という方向が、政治の場でも具体化してくることは間違いのないところだ。

通常で言えば国政選挙は来年は行われないのだから、政権党は国民受けのしない政策にも手を付けやすくなる。介護保険サービス利用の際の自己負担割合について、2割負担者や3割負担者の対象範囲を広げる方向にも舵を切りやすい情勢が生まれるといってよい。

そのため2024年の制度改正・報酬改定に向けて、介護事業者や国民に対する厳しい風は、参院選後に一気に強まる可能性が高い。

そこで介護事業者は手をこまねいているだけでは、政治的逆風に吹き飛ばされる恐れがある。

そうした危機感の表れともいえる動きが5月27日にあった。

この日夕方、介護サービス事業者らで組織する団体がこぞって参議院会館に集合し、来る参院選に向けて、「介護業界の利益を代表する候補者」の支援方針を表明する会見を行った。

その候補者とは、全国老人福祉施設協議会の組織内候補であり現職である、園田 修光氏(自民党)である。

今回は全国老施協のほかに、全国老人保健施設協会・日本認知症グループホーム協会・ 日本介護支援専門員協会・日本福祉用具供給協会・全国介護事業者連盟・日本在宅介護協会・障がい者福祉研究所が一堂に会した。

各団体の間を取り持ったのは、全国老人保健施設協会の東憲太郎会長だそうである。そのためこの日も、「介護業界は一致団結することが必要だ」と呼びかけている。

このように介護関係団体がこぞって一人の候補者を支援することは、過去にはあまり記憶がない。そういう意味では、過去にない大きな集票能力が期待できるかもしれない。
選挙応援
国政選挙では、全国老施協は大きな苦渋を舐めた過去も持っている。故・中村博彦氏という剛腕会長を国政の場に送り出すことに成功した半面、中村氏が現職期間中の中間で行われた参院選では、支援候補者をめぐって組織の分裂が起き、その結果、候補者も落選させて国会議員を2名輩出することに失敗した歴史もある。

そもそも特養等を経営する社会福祉法人を中心として組織されている全国老施協は、会員数のわりに集票能力が低いという特徴がある。

特養や通所介護の職員は女性が多いことがその理由であるとも言われている。組織として特定候補者を支援し、その選挙に協力したとしても投票は別であり、一家の主である夫の会社が支援する候補者に票を投ずる傾向があるからだ。

このように選挙運動への協力が、そのまま投票行動に結びつかないのが、全国老施協会員の特徴でもある。

他の介護関連団体も似たような傾向があるとはいっても、今回のように事業種別を超えた介護関連団体が横断的に手を結ぶことは、かつてない大きな集票能力につながるのではないだろうか。

関係者も大いに期待値を高めていることだろう。介護業界全体にとってみれば、それは決して悪いニュースではないといえよう。

なぜなら介護報酬の動向は、決して政策と関係のない問題ではないのだから、介護業界の意見を代表する政治家の存在は、決して小さな存在ではないのである。
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実務を知らない提言が多すぎる


先週5月26日に開かれた介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会では、福祉用具を貸与した後のチェック体制が議題として取り上げられた。(資料はこちら

そこで行われている議論内容には、あきれ果ててしまった。それはケアマネジメント実務を一度でも経験した者からすれば、あまりに実情を知らぬ者の荒唐無稽な内容というしかない。

その内容とは、「同種の福祉用具を多数借りているケース」が適切なサービス利用にあたるのかどうかというものである。そして、「極端なケースについては、地域ケア会議でその内容を検証すべき」とする声も挙がっているが、それには開いた口がふさがらない。

極端なケースとは何ぞやという突っ込みも入れたくなるが、その前になぜ同種の複数の福祉用具貸与が問題になるのかと言いたい。

自宅での暮らしを続けるために何が不便で、それをどう変えたら「より自立的な生活」に結びつくのかを考えたとき、複数の手すりを設置することが必要なケースなんてよくあることだ。

むしろ同じ福祉用具を複数貸与する必要性に気が付いているということは、それだけ深く利用者の日常生活のアセスメントができているという意味である。

福祉用具貸与品が、原則単品利用しかできない原則になっていない点も、その必要性を鑑みてのことである。

それなのに複数利用というだけで問題にするのは、現場を知らないというより、頭がおかしいのではないかとさえ言いたくなる。給付制限を勧めたい思いが先走ってのことだと思うが、馬鹿も休み休み言ってほしいものだ。

この検討会ではさらに、福祉用具専門相談員の資格のあり方が話し合われた。福祉用具専門相談員には常に最新の知識が必要"という認識から、「一定期間ごとの研修を義務付けてはどうか」という意見が示されている。

しかし資格更新制度が、資格者の質を担保しない例は、介護支援専門員の資格更新制度や教師のそれを見ても証明されていることではないのか・・・。

最新の知識は更新研修で得られるなんて言う考え方もどうかしている。資格更新研修なんて、大したスキルのない講師の受け売りを聴かされるだけに過ぎない。

現代社会において最新情報とは、あふれるネット情報から自分で取捨選択できるものである。有能な人材であれば既にそのことを行っている。更新研修程度でしか情報を得られない有資格者は、それだけでスキルが疑わしい。

だからこそケアマネの更新研修だって、居眠りをし続けそれで終わりという受講者がいかに多いことか・・・。更新研修はいずれも、研修主催者の利権にしかなっていないではないか。
ナンセンスな資格更新制度
そもそもスキルを担保するために資格更新が必要不可欠だというなら、人の命を預かる医者の資格を更新制にしろと言いたくなる。

このほかにも財政審は、「福祉用具のみは報酬減としろ」という提言を国に行っている。ケアマネジメントの結果、必要なサービスは福祉用具のみと判断したとしても、ケアマネジメント業務自体は、複数サービスの組み合わせプランの業務と同じことをしているのに、なぜ対価が減らされないとならないんだ。

それともケアマネジメントとは、居宅サービス計画書の文字数と、給付管理票の計算式の多さに比例するとでもいうのだろうか。あまりにも身勝手な結論である。

さらに規制改革会議に至っては、「介護施設の人員配置緩和を勧めないと施設介護は崩壊する」と提言し始めた。

人口構造を鑑みると、今後の介護人材確保が困難であること理解できるが、だからと言って人に替わる仕事ができるロボットがない状況で、人に知らせるセンサーがそれに替るかのような幻想的思考で、短絡的に人員配置の削減を図る考え方はいかがなものか・・・。

こうした意見を言う人間は、1日でも良いので介護施設の夜勤時間帯を含めて、職員がどんな仕事振りかを見に来いと言いたい。

実際に介護業務なんて体験する必要はないけど、見るだけでもロボットやICTが人にとって替れれない仕事がいかに多いかが理解できるし、現状の配置でも通常業務が勤務時間内に終わっていない状況を知ることになろうと思う。

それでもなおかつ配置基準を緩和するというなら、運営基準も緩和して、もっと劣悪なケアの体制でも指導対象とならないようにしなければならないだろう。それはもはや対人援助サービスとは言えなくなる・・・。

どちらにしても、介護実務の場で体を動かしたことがない人たちが、荒唐無稽の議論を展開している状態である。しかし恐ろしいのは、その議論がそのまま新しい法令等に結びつく可能性があることだ。

そこでは荒唐無稽な基準が作られ、介護を受ける人々が生きる場所は果てしない荒野になっていくのである。
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経営規模拡大を図る財務省の暴論


13日に開催された「財政制度等審議会」で財務省は、小規模介護事業経営を批判する意見を堂々と述べている。次の3つの発言がそれである。

・「幅広い経営主体の参入こそ進んだものの、小規模法人が多く、事業者間の競争が必ずしもサービスの質の向上につながっているとも言い切れないうえ、業務の効率化も不十分と言わざるを得ない」

・「小規模な法人が他との連携を欠いたまま競争するということでは、介護の質の向上にも限界があり、新型コロナのような感染症発生時の業務継続もおぼつかない

・「規模の利益を生かす効率的な運営を行っている事業所などをメルクマールとして介護報酬を定めることも検討すべき。そうしてこそ大規模化・協働化を含む経営の効率化を促すことができる」

新型コロナも味方にするかのように論理展開して、大幅な制度改正・報酬改定を求めているのである。・・・それによって財務省の考える方向、すなわち給付抑制と利用者負担増という方向へ流れを創りたいというわけである。

その主張の中にある、メルクマールという言葉は、あまり聞きなれない言葉であるが、辞書検索するとそれは、『物事を判断する基準や、その指標のこと。一般的には、最終目的を達成するための一連の過程等における中間指標目印のことを意味する。』とされている。

要するに大規模事業を目印にして経営を進める・・・すなわち同じサービスであっても、小規模事業者の給付費は下げて、大規模事業者の給付費の方が高く設定し、収益を上げたいのであれば、大規模経営を目指して統合を図るなどしなさいというわけである。
傲慢な主張
こうした難しい言葉を使って、論ずることによって、『頭の良い人間が考えているんだから、下々の人間は、くだらない反論などせずに言うことを聴いて逆らうな!!』と脅しをかけているわけである。

財務省は、『小規模事業所の競合が必ずしもサービスの質向上につながっていない』というが、それは地域包括ケアシステムが深化せずに、多職種連携が機能していないという問題ではないか。そしてそれは事業規模の問題とは関係のないことである。

確かに小規模事業者質の高いサービスを提供する事業者ではないことは事実だ。

サービスマナー意識の低い事業者が、小規模事業者でもかなり多いことを含めて、サービスの質向上が思った以上に酢進んでいないという事実を介護事業関係者は、重く受け止める必要があると思う。

しかし大規模事業所で対応しきれなかった困難ケースを引き受けて、きめ細かく対応している小規模事業者は数多くあり、それらもこの政策によって切り捨てるのはやむを得ないとするのは、あまりに乱暴な論理である。

そもそも介護事業の大規模化が行き着く先は、特定事業者による一定地域の寡占化である。

寡占化を図る途中で、他事業者を蹴落とす過程で一時的なサービス向上が行われたとしても、寡占化が常態化された時期には、事業者論理による利用者ニーズの切り捨てということが必ず起こることは、過去の様々な歴史が示しており、小規模事業所の競合が必ずしもサービスの質向上につながっていない現状より、それは劣悪な状態を作り出す懸念を高める問題である。

しかもその過程では、まだ数が少ないかもしれないが、利用者ニーズに即したサービス提供を行い、利用者の暮らしの質を劇的に高めている優良な小規模事業者が、バタバタと頓死憤死していくのである。

つまり大規模事業者をサービスの担い手の中心とすることが、現在のサービスの質を向上させる手立てであるということにはならないのである。

財務省の主張は、『どうせサービスの品質は低いんだから、大規模事業者による寡占化が進んで、企業の論理で利用者ニーズが切り捨てられたって大した問題ではないだろう。介護サービスは使えさえすればよいのだ。』とでもいうような横暴な論理である。

これはあまりに国民を馬鹿にした論理である。それは国民の福祉の低下に直結する由々しき問題であり、国民にのみ痛みを求める改革はいい加減にしてくれという声が挙がって当然だろう。
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2024年度の介護保険法改正に向けて


昨日行われた財政制度分科会では、介護保険制度改正に関連して財務省がいつものように利用者負担増給付抑制策を強く主張した。

居宅介護支援費の利用者負担導入については、「他のサービスで利用者負担があることも踏まえれば、利用者負担を導入することは当然」と述べているが、これは居宅介護支援費に自己負担を導入しなかった経緯を無視した暴論であるとしか言えない。

居宅介護支援費が全額保険給付されている理由について国は、「利用者個々の解決すべき課題、その心身の状況や置かれている環境等に応じて保健・医療・福祉にわたる指定居宅サービス等が、多様なサービス提供主体により総合的かつ効率的に提供されるよう、居宅介護支援を保険給付の対象として位置づけたものであり、その重要性に鑑みたものである。」としてきたのである。

つまり保険給付を現物給付化するためのケアプランは、実質すべての利用者が必要とするものであり、セルフプランを作成する能力がある人でない限り、居宅介護支援は必要不可欠なサービスなので、選択性のある他のサービスとは一線を画しているのである。

さらに居宅サービス計画によって、サービスを計画利用することそのものが、必要なサービスを選び、不必要なサービスを利用しない効果につながり、それ自体が給付費の無駄遣いを防ぐ効果もあることを見越しているという意味もある。

どちらにしても、居宅介護支援費の自己負担導入という方向性が、「当然だ」とする財務省の姿勢は、あまりに傲慢な態度といってよいだろう。

このブログで何度も主張しているように、居宅介護支援費の自己負担導入は何らメリットのないものであることを我々は強く主張し続ける必要があると思う。(参照:ケアプラン有料化にメリットはゼロどころか・・・。
庶民のための政治を
このほか財務省は、要介護1と2の方々については、「軽度者」と定義したうえで、それらの方々の訪問介護と通所介護については、市町村の総合事業化することも当然行うべきとしている。

このことについて財務省は、予防訪問介護と予防通所介護が総合事業化された実績を盾にして、なんとしても実現を図ろうとしている。そのため既に市町村のインセンティブ交付金について、「地域の通いの場づくり」を支給要件に加え、軽介護者の受け皿づくりを進めているところだ。(参照:インセンティブ交付金が倍に拡充されることが決定される

僕が住む登別市の状況からすれば、国の思惑通りには地域の通いの場づくりは進んでおらず、軽介護者の通所介護が総合事業化されても、軽介護者の行き場所がないのではないかという懸念がぬぐえないが、そのようなことは市町村が考えるべきこととして、強引に進められる恐れも無きにしも非ずだ。

それは国民の福祉の低下に直結する由々しき問題である。

今年の夏には参議院選挙があるので、給付抑制や利用者負担増などの国民の痛みが強調されることは、選挙結果に負の影響を与えかねないとして政治判断がどう影響するかもそ関連してくる問題であるが、我々も自分のできる範囲で声を挙げ続ける必要があると思う。

ところで次の介護保険制度改正は2024年度からの改正となるが(※ただし一部の改正項目は前倒しもあり得る)、その具体的議論の場となる社会保障審議会介護保険部会が3月24日、1年8カ月ぶりに開催されている。

今後はこの部会で制度改正の具体策が話し合われるわけであるが、議論の前提には財源問題が強く関連してくることは間違いのないところだ。

介護給付費増加の推移をみると、創設された2000年の3.2兆円(利用者負担除く)に対し、2019年度には10.1兆円となっている。この費用の伸びに伴い、第1号保険料は月額2911円(第1期)が6.014円(第8期)に、第2号保険料も2.075円(2000年度)から今年度は6.829円を見込んでおり、ともに保険料負担は大幅に増加している。

そのため給付費の増加をできるだけ抑える方向で制度改正論は進められ、下記の積み残されている課題が再検討されることになる。
・居宅介護支援費(ケアマネジメント)への自己負担導入
・2割と3割負担対象者の拡大
・要介護2までの生活援助サービス・通所介護・福祉用具貸与の総合事業移行
・老健、介護医療院、介護療養病床の多床室の室料負担導入
・被保険者・受給者範囲の拡大

さらに、「福祉用具適正化議論の本質はケアマネジメント適正化議論だ」で指摘した通り、杖や手すりなどの福祉用具について貸与種目から販売へ移行させることや、ケアプランの内容が福祉用具貸与のみの場合に居宅介護支援の介護報酬を引き下げる議論がすでに、「介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会」で検討課題に挙がっており、これらも議論の俎上に上ることとなる。

また、10月から3段階となる処遇改善加算については、「処遇改善を行うに当たっては、これまでの措置で明らかになった課題や対象外となった職種も含め、検証を行う」とされ、3つの加算の一本化も含めた議論が展開されることになると思われる。

介護職員の給与については着実に改善されているが、その歩みは亀のように鈍い歩みである。しかも全産業平均と比較するとそれより低い水準にあるままでもある。

さらに介護事業を支えているのは介護職だけではなく、縁の下を支える事務員等の待遇改善も求められるところだ。そもそも介護職員の給与改善がなかなか進まない原因は、他の職種との「格差」「不公平」なのだから、介護業者全体の給与改善が求められるところだ。

複雑化した3段階の処遇改善加算の是正と共に、全職種の給与改善につながる改正を期待したい。

「介護ロボットやICT活用などにより、施設の3対1の配置基準を緩和すること」も再検討されることになる。

それは介護実務に従事する人たちの業務負担増につながり、介護人材も減らしてしまう愚策であり絶対に阻止しなければならないが、そのためには介護実務に就いている介護職等の生の声を国に届けなければならない。

僕もそのためには労力を惜しまないので、このブログや表の掲示板に、是非皆さんの声として意見を書き込んでほしいと思う。

さて今日の記事の終わりに際して、一つだけ紹介しておきたい動画を見つけた。

今から5年以上前の2016年10月に、三重県四日市で行われた地域活性化トークバトルというイベントに招待を受け、講演とシンポジウムに参加したことがある。その際にも制度改正について話をしているが、それをまとめた短い動画がユーチューブで今も配信されている。興味のある方は、下記もご覧になっていただきたい。

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2021年から2022年へ向けて〜介護業界はどうなるか。


今年も残すところあと12時間弱となった。果たしてこのブログ読者の皆さんにとって今年はどんな年であったろうか。

振り返って思い出すことは、やはりコロナに関連した問題であろうか。それとも報酬改定であったのだろうか・・・。はたまたオリンピックとか、総選挙や首相交代劇等の政治劇であったろうか。

いろいろあった2021年であるが、苦しいことも辛かったことも、後から振り返るとどれも思い出になっていく。変えられない過去を思い悩むことはやめて、変えられる未来をポジティブに考えながら前に進みたい。
大晦日の風景
コロナ禍以後、僕は全国各地に出向く機会は減っているが、今年は昨年よりもその数は増えている。同時にオンラインでの講演や会議は日常化したために、ネットを通じた出会いも多かった。来年もきっと良い出会いがたくさんあるだろう。そう考えるだけで希望を胸にして生きていけるような気がする。

このブログの読者の皆様にとっても、来るべき2022年が幸多い一年になることを祈りたい。

ここを訪れる方は何らかの形で、「介護事業」に関わっている方だと思う。勿論、介護の仕事をしていたが今は別な職業に就いている人や、リタイヤされて仕事をしていないという方もいらっしゃるだろう。そうであっても僕の記事を読んでくださっているという意味は、介護という職業に興味を持ち続けてくださっているということだと思う。

だから大晦日の今日も介護事業に関連した話題を書く。

来年2022年は、2024年度の介護保険制度改正に関する本格的議論が始められる年である。それに先駆けて財務相の諮問会議、「財政制度等審議会」・「財政制度等分科会」は今年、社会保障費を抑制する観点から介護に関する施策として以下の内容をまとめている。
・利用者負担の見直し (原則2割とすることや2割負担の対象範囲の拡大を図ることを検討する)
・介護人材確保の取組とICT化等による生産性向上 ・ケアマネジメントの在り方の見直し
・多床室の室料負担の見直し (介護老人保健施設・介護医療院・介護療養病床の多床室室料相当額について基本サービス費等から除外するよう見直す)
・地域支援事業(介護予防・日常生活支援総合事業)の事業費上限超過の抑制
・区分支給限度額の在り方の見直し
・居宅サービスについての保険者等の関与の在り方
・軽度者に対する居宅療養管理指導サービス等の給付の適正化
・介護サービス事業者の経営状況の把握(事業報告書等の報告・公表の義務化)


生産性向上に関しては、2022 年6月までに施行される「社会福祉連携推進法人制度」 の積極的な活用を促すなど、経営主体の統合・再編等による介護事業所・施設の運 営効率化を促す施策を講じていくことも求めている。

またケアマネジメントの見直しについては、2024年度介護報酬改定での利用者負担導入だけでなく、福祉用具の貸与のみを行うケースについては報酬の引下げを行うことなどを盛り込むよう提言している。

これらはまだ政府や内閣の方針にはなっていないが、2024年度の介護報酬改定や制度改定を巡る議論の中で、すべて俎上に乗せられてくることだろう。

さらに政府の、「社会のデジタル化推進方針」を受けて、介護事業に対してもICTやセンサー、インカム、ロボットの導入、周辺業務のアウトソーシング、これらに伴う業務オペレーションの整理などを進めることを前提に、 人員配置基準の3:1から4:1への緩和が提言されており、このことも議論の俎上に上ってくることは間違いがない。

しかし配置基準緩和とは、単に基準改正にとどまらず報酬単価にも影響してくることを忘れてはならない。現行の基本サービス費には人件費分も含まれているが、その計算根拠となる人員配置を緩和するという意味は、緩和された基準に基づいて基本サービス費単価を見直すという意味である。当然その単価は下げられることになる。

こうした厳しい改正議論が進んでいくことになるし、補助金で介護職員の給与を多少上げられるとはいっても、介護人材確保は益々厳しい状況になっていく。その中で介護事業経営者の悩みは尽きることはないだろう。

そのような介護事業経営者を含めて、志を高く持つすべての介護関係者の方々にエールを送るとともに、皆様の声を国に届ける努力も続けていきたいと思う。

同時に皆様の下に隠された情報も含めて様残な情報を伝えていきたい。それは単なる伝聞に依らず、表だてられている情報に隠されている意図などを深堀りして、事実のみならず真実を届けていきたいと思う。

どうぞ来年もよろしくお願いします。そしてこのブログを訪れているすべての方々にとって、2022年が良い年になることを願っています。できればそうした方々とお愛したいので、1/28の出版記念セミナーの会場までお越しいただきたいと思います。張り付いたリンク先から申し込んでください。

それで皆さま、良いお年を迎えてください。新年は1/4(火)〜記事更新を始める予定です。FBの方は、元日から正月3が日も書き込みする予定ですので、そちらもご覧ください。
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制度知識が足りない関係者が多いという現実


コロナ禍で迎える2回目の年末・・・皆さんは大晦日の前日をどう過ごしているだろう。

このブログの最初の記事は、2005年11月09日17:26に配信している。それからもう16年以上たったわけだが、こんなに長く続くことになろうとは自分でも驚いている。

そんなブログに今年もたくさんの人が訪れてくださった。訪問者数が増えるのを目的にしているわけではないが、そんな場所に訪問し続けてくれる方には、この場を借りてお礼を申し上げたい。

ただしこの場所は、誰かが読んでくれることを期待し記事更新しているわけではない。あくまで僕の心にたぎる思いを文字にする場所である。自分自身の熱い思いに身が焦がされないように、自らの心の鎮めのために創った場所だ。

だから読み手の存在は一切考えずに勝手な思いを書く。何かや誰かを口汚く罵ることも躊躇しない。それが嫌で不快な人はつなげなければ良い。そういう姿勢は来年も変わらない。僕が嫌いな人間はここに来るなということだ。

ところでこのブログは、「介護福祉情報掲示板」の裏板という位置づけでで設置している。その表板も相変わらずたくさんの人が利用している。

だがここも訪問者数が増えて嬉しいという場所ではない。志の高い人で知識を高めたいと考え、自分でも調べるという努力を怠らないという人だけが利用してもらいたい場所である。

根拠のない馬鹿なコメントしかできない人や、匿名で批判目的のみでコメントする人は使ってほしくない。来年以降もそのコンセプトは変えずに、僕の定めたルールを護らない人には、厳しく冷酷に対応し続ける。

優しく教えるだけの、くだらない掲示板は他にあるのだからそこに行けばよいのだ。

それにしても介護保険制度施行から20年以上経っているのに、いまだにこの制度の基本知識が浸透していないのはどうしてなんだろうか。

しかも制度の中核に存在している介護支援専門員という資格を持っている人が、介護支援専門員しかできない業務独占の仕事内容をわかっていない状態を見るにつけて、有資格者に対する信頼感が揺らいでしまうのではないかと心配になることがある。

例えば、「 居宅へ届く実績の保管について」というスレッドのコメントを読むと、複数の介護支援専門員が給付管理の際に、実績に合わせて給付管理単位しなければならないと勘違いしている。

給付管理票の単位数と、居宅サービス事業所の請求単位が一致しないと介護給付費が支払われないとでもいうのだろうか。そんな勘違いがなぜ起こっているのだろう。勉強不足としか言いようがない。

給付管理された単位以下であれば、居宅サービス事業所の請求額は支払われるのだから、いちいち実績に合わせた給付管理をする必要はなく、当初からの計画単位数で給付管理して問題ないわけである。これは利用者の体調が悪い時などは、当然サービス利用できないので、計画単位数より請求単位が減ることは想定範囲内だからこそのルールである。

計画単位数を上回ったサービス利用の場合のみ、その必要性を認めた場合は、計画単位を上回る単位で給付管理をしなければ、居宅サービス事業所には請求単位ではなく計画単位しか支払われなくなる(※返戻にはならない)という基本知識も持っていないケアマネが存在することも見て取れる。

その一方で、介護保険制度の細かなルールに精通して、ケアマネジメント技術にもたけている達人ケアマネジャーも存在する。

やはり介護支援専門員の一番の問題は、「人による質の差」であることは間違いのないところだ。この凸凹をどう慣らしていくのかが介護保険制度における課題の一つでもある。

その課題を解決するために行われていることは、ケアプランチェックの強化である。しかもそのチェックとは、ケアプランの内容を精査するものではなく、計画したサービスの占める割合であったり、数であったりするわけだ。

介護保険における給付の水準の考え方は「平等=当配分」ではなく、「公平=得られる結果が同程度になる」であるということの理解もない役人が、そのような方法でプランチェックして何の標準化が図れるというのだろうか。馬鹿馬鹿しいにもほどがある。

しかしその馬鹿馬鹿しさを生んでいる原因の一つが、制度の知識がないケアマネジャーの存在そのものであることが残念でならない。

そんな問題を解消することに少しでも役立つように、表と裏の板は来年以降も存在していくだろう。

ただしそこはいずれも優しい場所でもないし、上品なアドバイスとは無縁の場所である。
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DNAを引き継いでくれる若い力


僕たちには、後進に引き継ぐべき財産がある。

それは介護保険制度以前から介護業界に関わり、介護保険制度創設という戦後初の抜本的社会保障構造改革・福祉制度改革の真っただ中で、介護事業に携わってきた経験を持つという財産だ。

経験だけが財産なのかと揶揄する向きもあるが、「走りながら考える」とされてきたこの制度の20年以上にわたる歴史の生き証人としての財産は、私たちの世代が確実に手にしているのである。

例えば、その真っただ中にいた者の責任として、制度創設の経緯については、「介護保険・夜明けの雷鳴1」・「介護保険・夜明けの雷鳴2」・「介護保険制度へと続く道」・「介護保険制度誕生前に吹き荒れた嵐」などで解説してきた。
※今後の経営戦略にもかかわるこの経緯を、介護関係者は十分理解しておくべきであるので、まだ読んでいない方は、リンクを張った4つの記事を是非読んでいただきたい。

そのほかにもこの制度の変換を身をもって体験した者にしかわからないことがある。

例えば介護保険制度創設時のショートステイは、区分支給限度額の別枠管理とされており、要介護状態区分ごとに利用日数上限が定められていたこと・・・。それが平成14年に、「区分支給限度額の一本化」という改正が行われ、ショートステイも他のサービスと同様の区分支給限度額管理は行われるようになったことで、連続利用カウントルール・31日目の全額自己負担利用によるリセットルールや、認定期間の概ね半数以下の利用ルールが定められたことについても、生き証人として伝えねばならないことがある。

それはルールが単に変わったということではなく、そこでどのような議論が沸騰し、どんな混乱が見られたのかということである。利用者や国民に対して真摯に福祉制度として対応しようとした人たちと、お金儲けだけのために議論に参加していた人たちとの軋轢を伝えることで、何を将来の財産として残すべきかが見えてくるのかもしれないし、私たちの次の世代が、この制度をどのように変えていこうとするのかを考えるための一助につながるかもしれないのだ。

それは国を良くすることにつながることだと思うから、後進に歴史を正しく伝えることは大事なことだ。特に高い志を持つ人ならば、その志を受け継ぐ後進を見つけ、己のDNAを継承していくことが大事だと思う。

そんな志を受け継いでくれる若者の一人が、奈良の若き介護事業経営者・片山海斗(かたやま かいと)クンで、22歳の青年である。
友遠方より来る
今週月曜(9/13)東室蘭駅前の「ふなや」で会食した際に撮影。当日の料理は、【この魚は鯉ですか?フナや!!】を御覧ください。ちなみに写真は勿論、向かって右が海斗である。(間違えようがないですね…汗!!)

彼との出会いは、かれこれ3〜4年前にさかのぼる。我がよき友であり、株式会社 グローバルウォークの代表取締役でもある幸地伸哉(こうち しんや)シャッチョーからの紹介で出会ったのがきっかけだ。

幸地クンから、「面白い若いもんがおる」と紹介されたとき、海斗はまだ18歳だった。

高校を中退した後、最初に就職した介護事業者で、海斗は先輩職員が利用者を虐待する様を目撃したそうである。

海斗の偉いところは、そのことで介護事業や介護職に幻滅するのではなく、こんなことを介護業界からなくさねばならないと思い、そのためには虐待を徹底的に排除する介護事業を自ら経営するしかないと考えたことだ。

最初に出会った頃の海斗は、まだ介護事業経営を行う前であったが、そのことを僕の前で高らかに宣言していた。ただその頃の海斗は、ずいぶんとがって危うい雰囲気も醸し出していた。

しかし幸地伸哉という優れた介護経営者が、応援団として傍らにいるのだから、何とかうまく成長してほしいと願っていた。

そんな海斗が訪問介護事業所を皮切りに、介護事業経営に携わるようになった。そして、「日本一働きやすい会社を創る」と宣言し、実績を挙げている。

訪問介護員の日本全体の平均年齢は55.5歳で、しかも50歳以上が全体の73.0%を占めており、20代は1.0%という現状から、訪問介護事業は絶滅危惧サービス種別と言われている。そのような情勢でも、海斗の事業所では人材確保に困っておらず30人以上のヘルパーを雇用し、かつ従業員の平均年齢が30代であるという。

勤務は基本フレックスタイム制で、在宅ワーク中心で、出社しなくとも仕事に支障がない体制をとり、職員の福祉を何よりも大事にする会社である。そこに海斗の理念に共感した人材は集まり、経営者として海斗はその人達を何より大事に思い、素晴らしい職場環境が生まれているのだと思う。

おそらく事業経営も山あり谷ありで、決して平たんな道のりではなかったと思うが、なんと今や海斗は、介護事業経営者としてだけではなく、IT関連事業を含めて8社の経営に携わっている。

その中には、厚労省関連の仕事も受注している事業もあるし、ベトナム等の海外にも業績を伸ばしているじぎょうもある。

その一つである、「介護経営ラボ」は、介護事業者のコンサルタントを行う会社で、既に国内全体で総合コンサル37社という実績も挙げている。今後の発展が益々期待できる会社だ。介護事業経営相談を求めている方は、リンク先のサイトを参照して、是非一度相談してほしい。

今週約4年ぶりに再会した海斗は、顔がすっかり大人になって、経営者としての人間の幅ができていた。18歳の頃のとがった雰囲気は、いまや全く感じさせなくなっている。人間として急速に、そして著しく成長した海斗を見て、とても嬉しくなった。

もともとであった時から、僕が推奨する、「介護サービスの割れ窓理論」にも、「サービスマナーを持った利用者対応」にも、「竹内理論という悪魔の所業を否定・排除する」ということにも共感していた海斗であるから、僕が今まで培ってきたノウハウや、様々な知識と経験を彼が継承して言ってくれればと願っている。

僕がこの業界で何かをし続けることができる年数も、そう長くはない。だからこそ海斗のような若い力が、僕たちのDNAを継承し、次の時代の新しい介護のステージを創ってもらいたい。

皆さんも、この若者を是非育てることに手を貸していただきたい。どこかで出会ったら、肩に手を当て応援してやってほしい。
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役人の制度を国民の制度にしていくために


介護保険以前の訪問介護は、市町村からのホームヘルパー派遣事業として実施されていた。

そこではサービス利用者に対する、「散歩」の付き添いは普通に行われていた。身体の障害を抱える高齢者にとって、散歩は心身をリフレッシュし、機能を維持するために当然必要な介護だと考えられていたためである。

しかし介護保険制度施行を機に、散歩は過剰なサービスで保険サービスとしてそぐわないとされるようになった。そのため訪問介護員は利用者に対して、「訪問介護で散歩の付き添いは出来ないのです。それはこの法律の決まりなので、どうしても散歩の介助が必要なら、保険外で全額自己負担になるのですが、それでも良いですか」と説明することが仕事として求められた。

今まで気持ちよく散歩に付き添っていたヘルパーからは、今更そんな酷なことを利用者の方々に言えないと訴えられるケースも相次いだ。散歩の付き添いが訪問介護として、保険給付の対象にならないというのはおかしいという声が全国から聴こえてきた。

この訪問介護の散歩問題が片付いたのは、介護保険制度がスタートして9年も経った後のことだ。

2009年1月の通常国会の参議院における審議で、首相に対する質問答弁書として公式見解があらためて示されたからである。

その内容は「訪問介護員による散歩の同行については、適切なケアマネジメントに基づき、自立支援、日常生活活動の向上の観点から、安全を確保しつつ常時介助できる状態で行うものについては、利用者の自立した生活の支援に資するものと考えられることから、現行制度においても、介護報酬の算定は可能である。」というものである。

これによって散歩は保険給付サービスの対象となることが確定したわけであるが、同じように自立支援や日常生活活動の向上の観点があるとしても、「趣味活動」の参加支援は現在も認められてはいない。

医学的・治療的リハビリテーションエクササイズは、それを嫌がる利用者に無理やりさせても保険給付対象になり、加算報酬さえ受けられるのに、生きるために行きたがっている趣味の場所への参加支援にお金を給付しないのが介護保険制度なのである。

しかし人間は機械ではないし、介護は身体のメンテナンスでもない。

単なる楽しみを得る機会を持つことは罪なのか・・・。それは何故保険給付対象ではないのか。人はパンのみで生きているにあらずである。

趣味や楽しみの機会に参加支援されることで、心が晴れやかになって、生きる喜びが得られるならば、それが自立支援や日常生活活動の向上につながるのだから、公費や保険料を使うのにはそぐわないという論理は破たんしている。

心がウキウキしてこそ、身体も元気になろうというものだ。

国や役人は、自立支援=医学的リハビリテーションと考えているようであるが、病気がないのに心がうつうつとして、心を病んで引きこもっている人に一番必要なものは、医学的・治療的リハビリテーションエクササイズではないという、ごく当たり前のことを理解してほしい。

もっと人の生きがいにつながる支援方法が模索されてよいと思う。アセスメントはその為に行われるものだと思うのである。

そういう意味で、介護保険制度は役人目線の駄目な制度である。

しかしそれがなくなっては、この国の高齢者介護は消滅してしまうという意味もあり、ないよりはあった方がマシな制度となっている。

今後の制度改正では、ここを少しでも改善していけるのか。単に制度を維持するだけで終わってしまうのか・・・。それは介護事業者や、そこで働く人々の情報発信力にかかってくる問題なのかもしれない。

もっと国民全体にアピールすべき問題がないだろうか・・・。

だからこそ介護の場で、私たちと利用者の間に刻まれる様々なエピソードをもっとたくさんの人が発信してほしいと思う。

人が人と関わる中で展開される喜怒哀楽の史劇が、この国の介護の在り方を考えるうえで一番大事な根拠になるのではないだろうか。そこにある真実だけが、人の暮らしを護るヒントになってくるのではないだろうか。

だから介護関係者は決して口を閉ざしてはならない。そして発信する情報とは、事実でなければならない。

感動や笑顔のエピソードに限らず、慟哭や哀しみがなぜそこで生まれているのかも発信してほしい。

介護支援で救われない人々の切実な声をも発信してほしい。介護という名の暴力が存在することも明らかにしてほしい。

そうした悲劇は決してマジョリティーではないし、多くの介護事業者は、利用者の暮らしを護ろうとしているのだけれど、その網からこぼれる人々が存在し、そこから零れ落ちる理由も制度の穴であったり、人の悪意であったり、あるいは悪意のない感覚麻痺であったり、様々な問題が存在することを明らかにしてほしい。

私たちが何を行っているかという事実、そこで利用者がどうなっているのかという事実・・・その中からしか真実は浮かんでこない。

SNSはその為に利用してほしと思う。
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介護保険制度の一面の真実


国が介護保険制度の施行に踏み切った目的の一つは、「介護」をビジネスの舞台に引っ張り上げることにであったことは否めない。

人類が経験したことがない超高齢者社会が進行する日本で、毎年1兆円以上の社会保障費が膨らむ中で2015年には、「団塊の世代」と呼ばれるとんでもないボリュームの集団が高齢者世代に組み入れられることがわかりきっていた。

その状態を放置して従前のままの措置中心の高齢者福祉制度を続けていれば、高齢者福祉に掛けるお金が膨らんで財源不足となり、この国の福祉制度は機能しなくなるし、健康保険制度も崩壊するという危機感が当時の厚生官僚を中心として広がっていった。

その危機感が、「高齢者介護対策本部」の立ち上げにつながっていったものである。

そこに至る議論において、従前までごちゃまぜだった医学的治療を主とした「医療」と、生活の支援・身体の介助を主とした「介護」とを切り分け、ある一定年齢に達した場合、介護は誰しも必要になるものであり必要不可欠なものという大義名分を得て、国民を介護保険という公的保険制度に強制加入させ、新たな保険料を徴収する仕組みを整えたのだ。

そこで役人が描いた絵図とは、介護を市場原理によって自立させ、高齢者福祉をビジネスとして民間営利企業にアウトソーシングすることである。

つまり介護保険制度によって、介護はビジネスとなり、資本の論理の上に乗せられたという主張は、あながち間違った考え方とはいえないのである。

介護が資本論理の上に乗ったビジネスとなったのだから、助けられるためにはお金が必要だ。保険サービス利用における利用者負担とは、そういう意味で導入されたものである。

これによって介護保険制度は、お金のある人を救い、お金のない人は救えないという一面も持たざるを得なくなっている。区分支給限度額を超えたサービスを利用できるのは、お金持ちだけであるという事実がそれを証拠立てている。

民間営利企業は、お金持ちを積極的に救うことにより、制度外の収益までひっくるめて大きな利益を獲得することができるわけである。逆にいえばそのことは、保険制度内のごくわずかなサービスの対象にしかならない人が、制度からはじき出される理由や要素にもつながっているわけだ。

そんなことも含め、国はその裏の事情も熟知したうえで、介護を民間営利企業にアウトソーシングさせる際に、参入希望事業者の目の前においしそうな餌を撒いている。

この国で介護ビジネスは、最も安定した右上がりの成長産業となる」・「介護は最も有望なビジネスである」という言葉がこの国のありとあらゆる場所で陰に陽に語られていた時期がある。そんな言葉に踊らされて、介護業界に進出した民間営利組織も少なくない。

そんな介護事業者にとって確かに制度施行後数年間は旨味もあった。後に介護バブルと称される単価の高い介護報酬と、国が国民に対して介護サービス利用を盛んに促す政策によって、経営能力がなくとも介護事業さえ立ち上げれば、自然と介護事業経営者の懐が潤う状態が続いたからだ。

この時期に国は、サービス利用は国民の権利なのだから、認定を受けた方は遠慮なくサービスを利用してくださいと、国民に向けて盛んに呼び掛けていた。

しかし一旦介護保険制度が国民に認知され、サービス利用が促進されると、国は掛けた梯子を外しにかかった。

即ち介護サービスを介護給付と予防給付に分断し、サービス利用を抑制するシステムを導入するとともに、利用抑制の網は報酬改定ごとに引き絞ることができるようにした。

サービスの抑制は、ケアプランの適正化という名の下でも実行され、あたかも居宅介護支援事業所が作成するケアプランが、過剰サービスの温床になっているかのように印象操作し、利用者を囲い込むサービス事業者が制度を危うくしているという印象操作も行いながら、国民の権利として利用できるサービスの範囲を狭めていった。

そのため区分支給限度額上限までサービス利用しているプランは過剰サービスそのものであり、そうしたプランンによるサービス利用者まで白い目で見られるような、いわれのない批判や糾弾が相次いで行われた。

しかし要介護4とか5の人が、在宅で一人暮らしを続けるなら、区分支給限度額上限までサービスを使っても、まだ足りないことは当然であり、限度額を超えた全額自己負担ができないために施設入所を余儀なくされるという多くの人々の事情が世間の耳目にさらされることはあまりに少ない。

こうした歪んだサービス抑制論が横行するのに加えて、介護事業者が大きな利益を挙げているとして介護報酬の引き下げが断行されるようになった。

そこでは全国展開している大企業が、いかに先行投資して人員を集めていたとしても関係なく、投資を回収できないまま報酬は切り捨てられていく。

そのため介護事業者は、運営コストを削る企業努力を続け、事務経費や人件費を圧縮・効率化しようとした。しかしその結果、さらに利益が生じていれば容赦なく報酬は切り捨てられるのである。

介護従事者の平均給与の低さとは、国のこの姿勢に根本原因あるにもかかわらず、それがあたかも介護事業経営者の搾取のように論理のすり替えが行われ、その見返りに介護職員の処遇改善加算や特定加算が新設されていった。

しかしその結果、小規模事業者では経営者が無休で頑張って、介護職員と同等程度の給与水準で介護職員に手当てを支払い続けているという状態が起きたり、事業経営自体に支障をきたして、従業員の雇用を護れなくなるなどの事態も起きている。

介護保険制度はもはや存在しさえすればよく、国民の福祉の向上とは建前だけの目的となりつつあるのは、こうした一面が、制度運用の中で行われ続けていることが最大の原因なのである。このことに気づかねばならない。

それは役人の支配論理の結果というに等しい。だからこの国の唯一の高齢者介護制度は、決して高齢者の豊かな暮らしを保障する制度とは言えないわけである。

いつまでも制度に幻想を抱いていても始まらない。現実を見つめつつ、その中でよりましな方向に踏み出すために、できることを粛々と続けていきながら、必要なことはついては毅然と物申してゆく先に、少しだけ光は射すのではないだろうか。

そういう意味でも、サービスの場からの生の声としての情報発信は重要なのである。
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社会保障審議会は何故ろくなものではないのか


介護保険制度を審議する介護保険部会も、介護報酬改定を審議する介護給付費分科会も、社会保障審議会の1部会である。

しかしそこで何か重要な提言が行われ、国の将来を左右するような重要な決定がされたことはない。

そこはいつも厚労省の決定事項を承認するだけの部会に成り下がっている。第3者が加わって審議している体をとってはいるが、それはアリバイ作りに利用されているだけで、審議されているといっても、厚労省から一方的に示された改正・改定案について、ひととおり意見を述べているだけに過ぎない。

その意見が厚労省の最終決定に対して大きな影響を与えているというわけでもない。

厚労省はそれらの意見を、「ご高説は承って起きます」と鷹揚に受け流し、意見を述べた委員もその流れをいつの間にか受け入れているように、毎回粛々と議事が進行されるだけで、熱い議論が交わされることは全くない。

それは何故かといえば、その場が専門家が集って議論する部会にはなっておらず、その実態は利害関係者を含む、関係団体のガス抜きの意見交換会になっているに過ぎないことにある。

多くの委員の背後には、特定の利害団体がついているのだから、その利害に沿った意見しか出てこない。利害に沿った足の引っ張り合いだから、国にいいようにコントロールされ、特定事業所集中減算のように、特定事業所加算の範囲を広げるための取引材料として、福祉系サービスのみにターゲットを絞った減算という人質をとられたりしている。

少なくとも純粋な有識者というのは、この委員会メンバーには皆無であり、介護業界と関係のない学者が入っていても、それは国とべったりの御用聞き学者である。

市民代表の委員も入ってはいるが、あまりにも稚拙な知識しか持っていないので、その意見によって何かを動かすことなんてできない。的外れな愚痴を言う人が一人いるというだけの話だ。

だから大局高所から、この国のため国民のために正論を述べるという態度に欠けてしまっているのが現状だ。

その負の影響は至る所に生じている。

例えば今月に入って、介護施設の入所者の一部からは悲痛な声が挙がっている。それは補足給付の変更による負担増に対する悲鳴だ。(参照:補足給付と高額サービス費の変更実施が迫っています

この問題については、朝日新聞デジタルの8/1配信記事でも、「家族の悲痛な声」として取り挙げられているが、その記事は時期を読みながら今月初日にアップしたものと思える。しかし本当に悲痛な声が全国各地から挙がってくるのは、請求金額が増大する今月分の請求書が届く9/10前後になるだろう。その請求額を見て負担の大きさにショックを受ける人はもっと増えてくる。

補足給付の資産要件である預金額1千万円を、一気にその半額まで引き下げて給付を打ち切るルール変更や、食費負担額が月22.000円以上増となるルール変更など、あまりに乱暴と言える変更を、さしたる議論もなく通しているのがこの審議会である。

補足給付の変更は、法案改正ではなく省令改正なので、国会審議を経ていない。つまり政治家はこの変更内容に関わっていないのである。唯一、省令改正案を審議したのが介護給付費分科会だから、その責任は重たいと言わざるを得ない。

ということで介護保険部会や介護給付費分科会は、今後も続けられ、その議事進行はユーチューブでリアルタイムにオンライン配信されているが、自分の貴重な時間を削ってまで、その会議を視聴する必要はないし、視聴する場合も、事務仕事をしながら、聴き耳を立てる程度で良いだろう。

議事録を読んでもさして意味はないので、分科会に提出された資料を読み込むだけで、情報取得は十分である。

くれぐれも審議内容に期待するなどという勘違いをしないようにしていただきたい。
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2024年度からの介護保険制度改正に向けて


今年度からの介護保険制度改正は、昨年6月に国会通過した法律によって行われ、そのに伴う省令改正等によるルール変更がそこに加わっている。

その中には、一昨日の記事で指摘したように、低所得者と高額所得者がともに大きな負担増となる変更も含まれているが、当初の改正議論における国民負担増と利用者負担増に関するものは、主要なものがすべて先送りされている。

例えば2号被保険者の年齢引き下げ(最終的には20歳以上としたいと国は考えている)と、1号被保険者の年齢引き上げ(例えば70歳からしか1号被保険者としないなど)も睨んだ被保険者範囲・受給者範囲の拡大も先送りされた。

「現役並み所得(自己負担割合が3割の対象者)」と「一定以上所得(自己負担割合が2割の対象者)」の所得基準を引き下げて、その対象割合を増やそうとする案も先送りされている。

そのほか自己負担化されていない老健・介護医療院の多床室の室料負担や、居宅介護支援費の自己負担導入、軽度者の生活援助サービスや通所介護等の地域支援事業への移行も先送りされており、骨抜きの改正ともいわれている。

しかしそれらの案は消滅したわけではなく、先送りし今後2024年の制度改正案として再度検討されることになる。

その先駆け議論として今年4月から財政審での議論(というか財務省の一方的な指摘に近い)が行われ、その建議が5/21に公開されている。それを読むと給付抑制と自己負担増のオンパレードだ。ただ財務省がそうした方向で建議するのはいつものことではある。その内容を下記にまとめたので参照していただきたい。

・利用者負担を原則2割とすること、2割負担の対象範囲を拡大することを検討していくべき。
・居宅介護支援のケアマネジメントにも利用者負担を新たに導入すべき。
・福祉用具貸与のみを行うケースの報酬を引き下げるなど、サービス内容に応じた報酬体系へ改めるべき。
・老健、介護医療院、介護療養病床の多床室の室料相当額を、基本サービス費から除外する見直しを行うべき。
・様々な政策上の配慮を理由に、限度額の対象外に位置付けられる加算が増えてきていることから、こうした例外措置を2024年度の報酬改定で再考すべき。
・介護保険の居宅療養管理指導や訪問看護などは原則、「通院が困難な利用者」に対して給付を行うこととなっているが、実態としてそれ以外の利用者にもサービスが提供されていないか、速やかに把握して適正化すべき。
・定期巡回・随時対応サービスなどの普及を図る観点に留まらず、サービス見込み量を超えた場合に、市町村が都道府県への事前協議の申し入れや指定拒否ができるようにすることで、自治体が実際のニーズに合わせて地域のサービス供給量をコントロールできるようにすべき。
・市町村の総合事業の事業費の上限額の仕組みが機能せず形骸化していることから、速やかに上限超過を厳しく抑制すべき。
・サービスの質を確保しつつ、より少ない労働力でサービスを提供していけるよう、人員配置基準の緩和なども行いながら、テクノロジーを活かした業務の効率化を進めるべき。
・経営主体の統合・再編などによる事業所の運営の効率化を促す施策を講じるべき。
・事業所の財務諸表などの報告・公表を義務化し、その経営状況の"見える化"を速やかに推進すべき。

今、この制度改正議論は一段落しているが、年明けからは介護保険部会の改正議論が本格化することになり、それが終われば介護給付費分科会の報酬改定議論に移っていくことになる。

そうなるといつも介護事業者は、制度改正と報酬改定に振り回されているような印象になるが、保険給付費で運営している以上それは仕方のないことで、常にその情報にチャンネルを合わせていかねばならないのは介護事業者の宿命だ。

耳の痛い話、厳しい経営状況につながる話だからと言って、決して耳をふさいではならない。どのような状況にも対応策はあるのだから、常に新しい正しい情報をキャッチし、その対応を考えていく必要があるのだ。

報酬改定の部分で言えば、次の改定は診療報酬とのダブル改定になる。限りある財源を医療と介護で引っ張り合いをするわけであるが、消費税増加分の改定とあわせて3期連続のプラス改訂となっている介護報酬への風当たりが強くなることが予測される。診療報酬もその風当たりの強さは同様で、常識で考えると次の改正・改定時は、コロナ禍で疲弊した経済の立て直しが優先される中で行われるので、その風当たりは大幅なマイナス改定につながる可能性もある。

ただ社会情勢や政治情勢は流動的な部分が多い。今年度の介護報酬改定も、今回はプラス改定とすべき財源がないため、マイナス改定が必至と言われる中、コロナ禍という予想外の感染症や、首相交代という政治状況が報酬改定上は順風となるなどの状況が生まれている。

そのように流動的要素はたくさん存在するが、情報をいち早くキャッチし続けることが、そこに順応できる唯一の策につながることを忘れず、怠けずに対応していく必要がある。

そのことをしっかりと心していただきたい。
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制度改正により貧富格差は広がるばかり


200年4月に、「走りながら考える」としてスタートした介護保険制度にとって、制度改正は必要不可欠な整頓作業であると考えられている。

しかしそこでの主要なテーマは、「制度の持続可能性を高める」ことであり、制度を良くするとか、利用者にとってよりメリットの高い制度にするという視点からは、かけ離れた修正作業となっている。

改正とは、「不適当なところや、不備な点を改めること」という意味であるが、介護保険制度改正における改正の主語は、あくまで制度を維持する国なのである。

よって国民にとっての不適当な点は無視され考慮されないで制度は整えられていく。

お金の取れるところからはお金を取り、かけなくて良い部分にお金はかけずに、できるだけ国民の自助努力を促すという方向で制度はコントロールされているわけである。

受益者負担という冠をつけて、自己負担を強く求める先は、お金持ちばかりではない。むしろ経済的弱者をターゲットにしたルール改正が目立つのが介護保険制度改正であり、それはあたかも社会保障を受けることが、「悪」であるかのような印象操作にさえ映る。

たとえば施設入所者やショート利用者の食費と居住費の支払いが困難になる経済的弱者を救うために設けられている、世帯全員が非課税世帯などを対象にした補足給付は、利用者負担段階2段階と3段階を区分する80万以上の年間所得の計算式では、当初遺族年金等の非課税年金を計算式に入れていなかった。

しかし平成28年度のルール変更で、ここに非課税年金を加えたため、実際の所得が増えていないのに利用者負担段階が2段階から3段階に変更されて、自己負担が増えた人がかなりいる。

平成30年の改正では資産要件が設けられて、単身世帯で1.000万円以上の預金がある人は補足給付の対象外としたばかりなのに、令和3年8月からは利用者負担段階を細分化したうえで、資産要件の基準を利用者各段階ごとに引き下げ、2段階の人はその額が一気に1/2の500万円とされた。

さらに食費の基準費用の引き上げにより、4段階の施設利用者は1.643円/月(31日計算)の引き上げになるが、問題なのは世帯全員非課税で、年間所得が120万円以上の人の新区分3段階△乏催する方々の負担増だ。

施設入所者で3段階△乏催させられた人は、食費だけで22.010円/月(31日日計算)もの大幅な負担増である。この負担に耐えられず退所を検討せざるを得ないケースも出てくるだろうが、だからと言ってほかに行く場所があるのだろうか。その人たちは今後、どこでどのように生きていくことができるのだろうか・・・。(参照:補足給付と高額サービス費の変更実施が迫っています

恐ろしいことに補足給付の改正はこれが最終地点ではない。資産要件について国は、預貯金だけではなく、土地や建物と言った不動産資産を勘案すべきだと考えている。そのため今後は、評価額が一定以上の不動産を保有する対象者については、補足給付の対象外とするために、市町村がその不動産を担保とした貸し付けを介護保険の財源を用いた事業として行って、利用者の死後に回収する仕組みを導入する方法等が議論されていくことになる。

低所得者と言えども、墓場まで費用を取り立てに行って、資産を根こそぎ奪い取ろうという施策が堂々と議論されていくわけである。これが先進国ニッポンのもう一つの顔である。

介護保険制度は社会福祉構造改革の一環として設立された、「社会福祉制度」である。そして経済的弱者に対する給付制度は、「社会保障費」であることは議論の余地がないところだ。

社会保障制度とは本来、社会の「財」の再分配機能を有するものであり、現役時代に何らかの理由で経済力の差が生じ、貧富の差が生まれたとしても、そのハンデキャップを高齢期に引きずらないようにするための制度でもある。

しかし補足給付の対象となっている低所得者から、資産を奪い取るような施策がさらに進むと、社会の財の再分配という機能は消滅し、この国の国民は現役世代に生まれたハンデキャップを一生引きずって生きていかねばならなくなり、社会全体の貧富の差はさらに広がることだろう。

誰がそんな国にしたのだろうか・・・。少なくともその姿は、世界に向けて堂々と披露できる姿ではない。
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1.57ショックさえ懐かしく思える惨状


僕の大学時代の所属は文学部社会福祉学科である。

現在のカリュキュラムのように、そこから高齢者福祉専門課程とか、福祉計画専門課程とかのコースに分かれてはいなかったので、社会福祉全般について4年間の専門教育を受けたわけである。

ただしその中でも得意、不得意の科目があって、老人福祉論は不得意な学問で、「可」で何とか単位を取った。

僕の得意科目は、「児童福祉分野」であり、実習も児童相談所で行っている。だから卒業後に、特養で高齢者福祉に係るようになった以後も、自分の専門分野と言ってよい児童福祉の領域にはいつも興味を寄せていた。

1990年(平成)はそのような時期であったが、その年に児童福祉と高齢者福祉関係者に大きなインパクトを与えたのが、「1.57ショック」であった。

この年厚生省(当時)が、「平成元年人口動態統計」を公表したが、その中の合計特殊出生率が1966年(昭和41年)の丙午の年の1.58を下回り、統計史上最低の1.57になった。そのニュースが老人福祉法を改正する法案を審議する国会開催中に明らかになったことで、このままでは日本の高齢者福祉制度は崩壊するとして、そのショックが国会を駆け巡ることになった。

同時に児童福祉分野では、政府・全国団体・地方自治体などから次々と児童福祉施策に関する提言や計画が公表されるきっかけにもなった。

合計特殊出生率 (合計出生率)とは、1人の女性が一生の間に何人の子を産むかを表す数字で、1974年(昭和49年)から一貫して減少傾向をたどっていたが、まさかその数字が1.57まで落ち込むことは誰も予測していなかったわけである。

子供は一人では産めないわけで、合計特殊出生率が2を下回っているということは、一組二人の夫婦が一生の間に産む子供の数が2未満であるということになり、これは人口の減少が止まらないことを表す数字でもある。このままでは日本という国は、次第に社会の活力を失い、経済力も低下していくことがわかってはいたが、そのスピードがあまりにも早いことがわかり、日本中にショックをもたらしたわけである。

ところがその数字にショックを受けた過去など、終わりの始まりに過ぎないということが、今はわかってきた。それ以降も合計特殊出生率の低下が止まらない今日、それは高齢者介護問題の終わりの始まりでもある。

厚生労働省が昨日(6月4日)、昨年の人口動態統計を発表したが、合計特殊出生率が前年から0.02ポイント下がって1.34となっている。地域別で最も低いのは東京都の1.13。最も高いのは沖縄県で1.86だった。

このように1.57ショックどころの騒ぎではないわけだ。

2020年に国内で生まれた日本人の子どもは84万832人と、前年より2万4407人(2・8%)減って過去最少となり、90万人を初めて割り込んで「86万ショック」と呼ばれた19年の86万5239人から、さらに大きく減ったわけである。この数字は政府の推計よりも3年早い減り具合だ。

しかも婚姻数も前年より12・3%減の52万5490組と急減し戦後最少となっている。新型コロナウイルスの影響も重なり、日本の少子化が加速していることがわかるが、それはここ数年のうちに合計特殊出生率が回復する見込みがないことを示すものだ。

すると昨年生まれた子供が小学生に上がる2026年頃は、小学校の教室にさらに使われない空き教室が増えることになるばかりではなく、その子らが成人式を迎える2040年には、生産年齢人口の数が国の予測よりはるかに少ないことになる。

そこで次のグラフを見てほしい。
団塊の世代と団塊ジュニア世代の動向を見据えた改革
このように2040年になると、団塊の世代は90歳を超え、急激にその数を減らしていくが、その時に団塊ジュニア世代がすべて65歳以上になるわけである。

団塊の世代の介護を、団塊ジュニア世代が支えていたような次の塊が我が国には存在しないのだから、2040年になると高齢者の数は減って、要介護者の数も減って、特養も通所介護も今より数が減っていくことになるが、そこで働く生産年齢の人の数は今以上に少なくなり、その減少数とスピードも、いま国が予測している数とスピードを上回ることになる。

つまり国の施策はそこに追いつかないのである。

2021年度の制度改正と報酬改定は、2040年度を睨んだ施策を取っているものだが、それをさらに加速した制度改正と報酬改定が2024年度に向けて必要になるということだ。財源と人材がさらに減ることにどう対応するかというために、より厳しく強い施策がとられていくことになるということだ。

そんな中で今後20年以上、介護事業を続けていくつもりの事業者は、人材対策を国に頼ってはならないと覚悟すべきだ。国に頼るだけでは人材は確保できないことを前提にした人材確保と育成システム策を独自で構築しなければ事業が続けられなくなる。

今まではそんなものがなくてもなんとかなった事業者であっても、今後は何とかならないのだ。今ここから始めないと、少子化の進行過程で数年のうちに事業廃止に追い込まれることを覚悟しておかねばならない。

これは脅しではなく、現実である。
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介護認定申請や判定にも改正点があります


今年2月に発出された介護保険最新情報Vol.924は、老人福祉法施行規則等の一部を改正する省令の公布について告知する内容だった。

この通知が発出されたことも忘れている人がいるかもしれないが、この通知は4月からの介護認定の申請や判定に関係する内容が含まれている。

以下の新規定が4月からの申請や判定において適用されることを改めて確認しておいてほしい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
2 介護保険法施行規則(平成11 年厚生省令第36 号)の一部改正(改正省令第2条関係)
(1) 医療保険の個人単位被保険者番号の活用(第 35 条、第 37 条、第 40 条、第 42条、第49 条、第51 条、第54 条、第55 条の2及び第59 条関係)
・要介護認定申請等の申請書の記載事項に、医療保険被保険者番号等を追加すること。

(2) 要介護更新認定・要支援更新認定における有効期間の延長(第 41 条及び第 55条関係)
・認定審査会が判定した被保険者の要介護状態区分が、当該被保険者が現に受けている要介護認定に係る要介護状態区分と同一である場合等には、要介護更新認定における有効期間の上限を48 か月間とすること。要支援更新認定についても同様とすること。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
このように4月以降の介護認定審査委の際は、医療保険被保険者番号が必要になり、この確認のために申請時の確認書類として健康保険の被保険証の持参が必要であるとする保険者が多くなっている。被保険者証を持たないで窓口申請に出向いた場合、申請ができないというケースが数多く報告されているので、申請代行を行っている方はご注意いただきたい。

なお介護認定申請の代行ができる条件については、「申請代行について」を参照していただきたい。

登別市の認定審査委員を務めている僕にとっては、(2)についても忘れてはならない改正である。4月審査分から48カ月まで認定期間を延長する判断が求められてくるからだ。

ただし48カ月まで延長できるのは、更新申請で前回と介護度に変更がない場合のみで、かつ今後の状態の急激な変化が予測されないケースとされており、新ルールによる延長期間を表にすると下記のようになる。
要介護認定期間の延長について
なお、32分以上52分未満の状態(要支援2か要介護1)の維持・改善可能性にかかる審査判定を行った場合で、状態が不安定であるという理由で要介護1と判定したときは、概ね6カ月以内に介護の手間が増大する可能性がある状態であるため、認定期間も6カ月以内に設定するのが適当であるというルールに変更はない。

介護保険制度がスタートした2000年度は、要介護認定期間が原則6カ月で、期間延長もなかったところから始まり、延長期間は12カ月、24カ月、36カ月、48カ月と延びてきている。

また当初の延長可能ケースは、要介護4以上に限定されていたルールも現在は撤廃され、状態区分に関係なく延長できることになっている。

今後は前回認定結果と同じ結果の場合は、認定有効期間を48カ月に延長するケースが増えるだろう。

そうなると、「4年間も認定結果を更新しなくても良いのか?」・「状態像の変化に対応しない不適切な区分支給限度額につながりかねないのではないか?」などの疑問の声も挙がってこようが、それは期間延長されるたびに、いつも沸き起こってくる批判の声と同様だ。

しかし過去の認定期間延長が何か大きな問題につながったことがあるだろうか。そんなことはなかったと断言してよいのである。

そもそも認定期間なんでなくてよいというのが僕の持論である。(参照:介護認定期間の延長は是か非か ・ 要介護認定の新ルール等を受けて考えたこと

介護認定は原則申請によって行われることになっているのだから、新規申請以外は状態変化による区分変更申請を原則にすればよいだけだ。そうすれば認定審査数も大幅に減るのだから、判定にくその役にも立たない、「医師意見書」に掛かる経費や、認定調査・審査会にかける経費も削減できる。

国全体から見ると、その経費削減は大きい財源支出減につながると言えるのではないのか。

認定期間がなくなれば、認定審査の遅れによる暫定利用も大幅に減る。要介護認定結果の予測が外れて全額自己負担が生ずることを恐れて、サービスの暫定利用さえできないケースも減るのだから、有効認定期間の撤廃はデメリットを埋めて余りあるメリットが生まれるのだ。

次の報酬改定時に、認定期間の60カ月の延長案が出される前に、そのような漫才をやめて、有効認定期間の撤廃を図っていただきたいと思う。
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どうしようもないと思った介護支援専門員協会の会見


このブログには月曜から昨日まで、訪問介護の介護報酬に関連した記事を続けて書いてきたので、今週月曜日に行われた日本介護支援専門員協会のオンライン会見の話題には触れなかったが、それはとてもひどいものであった。

その会見を見た感想を、自分のフェイスブックでつぶやいたろころ、たくさんの仲間から賛同の声をいただいた。

その中にはこの会見を見て日本介護支援専門員協会に見切りをつけなければならないことがはっきり分かったという声や、現場のことをわかっていない人が上に立っている団体であることがはっきりしたという声もあり、居宅介護支援実務を行っている人の残念感は半端でないことが伝わってきた。

僕がフェイスブックでつぶやいた内容とは以下の通りである。
----------------------------------
来年度から居宅介護支援で6カ月ごとにケアプランに占める福祉系サービスの割合などの説明が義務化されることについて、日本介護支援専門員協会は1日に開いたオンライン記者会見で、ケアマネ負担増を懸念しこの義務を「1年に1回」とすることを国に求めていく考え方を表明しています。

本当にこの団体は現場の声を代表しないクソ団体です。執行部の頭の中身は、脳みそではなく南瓜でも詰まっているのでしょう。本来現場のケアマネジャーを代表する団体であれば、こんな説明義務はいらないと主張すべきなのです。年に2回を1回にするように主張したら、やっぱりその説明は必要なんだと認めるようなものです。必要ない説明なので、義務付け反対と強く主張して初めて、回数や頻度は見直されるというのに・・・。こんな団体に会費を払ってまで入会していてはなりません。
-----------------------------------
そもそも日本介護支援専門員協会は、介護給付費分科会に委員として協会副会長を送り出しているのに、この説明義務が課せられるという議論の最中に何の反論もすることなく、基準改正が答申され決定された今この時期に、そのルールの一部緩和を唱えるというのはどういうことなんだと思う。

それも介護給付費分科会で黙して、このルールを通した本人の口から言い訳がましく要望するとはどういうことだ。

この時期のそんな要望は何の意味を持たないし、単なるパフォーマンスとしか言いようがなく、会見を行った人は代表委員としての責務を全く果たしていないとしか思えない。

今回設けられた半年ごとに行う定期的な説明義務については、居宅介護支援実務に就いている人には、何の意味もない改悪ルールという認識が広がって、日に日に悪評が高まるばかりである。

このルールによって、なぜケアマネジメントの質が担保されるのかということを誰も理解することができない。

国は、福祉系サービスの計画割合が高いことは、即ち不必要な過剰サービスや囲い込みの根源だと思い込んでいるのだろう。しかし囲い込みの最たるものは、利用者のかかりつけ医師の所属する医療機関のサービス利用を、受診先で促されるという形の方がずっと多いのである。その結果、通所リハビリや訪問リハビリといった医療系サービスの方が囲い込み利用の割合が高くなっているはずだ。

福祉系サービスだけをやり玉に挙げて、利用者に説明させたからと言ってケアマネジメントの質は決して向上しないし、何も変化は期待できないと思う。(参照:ストレスフルだけど意味がない6月毎のケアプラン説明

説明を受ける利用者にしてみても、「その説明に何の意味があるのですか?」と戸惑うだけの結果にしか結びつかないのではないだろうか。説明を受けなければならないから聴くけど、そのような説明は受ける時間も無駄だし、自分にとって本当は必要のない説明だと思う人が大半だろう。

こんなルールを、さしたる議論もないまま成立させた介護給付費分科会もどうかしている。それはこの分科会が制度のあり方を決める場ではなく、単なるアリバイ作りの会合としか言いようがないことを証明しているようなものだが、それにも増して、すべてが決まった後に会員に後から言い訳をするためのパフォーマンスとしか思えない意見を会見で垂れ流す日本介護支援専門員協会の対応は、人としての真摯さを問われる姿であると言っても言い過ぎではないだろう。

今週月曜日の会見でルール緩和に触れた理由は、この説明義務に対して、居宅介護支援実務に携わる介護支援専門員から思った以上の反発の声が挙がっていることに危機感を抱き、自らの保身のためであろうと言われても仕方がない。

このような団体に会費を払い続けている会員の皆さんはある意味可哀想である。少なくとも、もっとケアマネ現業者の意見を尊重するような組織に変えなければ存続意義がないと思う。

しかしそのような改革は、執行部・役員の選出方法にメスを入れない限り、それは実現しないとも思うのである・・・。
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新介護報酬単価はどうなる〜加算上位区分には高い壁があります。


本日13時より行われる介護給付費分科会の資料が、先ほど午前10時に厚労省の公式サイトにアップされた。

しかし資料1・資料2はともに既出の資料でしかなく、期待された新報酬単価が載せられた資料は今の時間までにはアップされていない。

会議は午後1時から開始されるので、それまでに示されるのだろうか?やきもきさせられるところである。

今回の改定率は、新型コロナウイルス感染症に対応するための 特例的な評価 +0.05%(令和3年9月末までの間に限定支給)を含めて全体(平均)で+0.7%とされている。この数字は年間の給付費を11兆円と仮定するとすれば、およそ770億円/年が新たに介護現場へ投入されることを表している。 

しかし個々のサービスの算定構造を見ていくと、黙っていて収益が挙がる構造にはなっておらず、新設加算や従来加算に上乗せされている上位区分を算定しなければ大きな減収となる事業者も多いことがわかる。

例えば多くの介護事業者が算定しているサービス提供体制強化加算は、新しい上位区分として介護福祉士の割合等を従前以上に拡大した加算気設けられている。新加算気禄樵阿劉汽い茲蠱碓未上がるが、その財源は新加算供塀樵芦短鮫汽ぁ砲魏爾欧導諒櫃垢襪發里如介護福祉士等の割合が新気陵弖錣肪しない場合減収となる。

さらに従前の加算汽蹐鉢供Ν形蠹の加算は、新加算靴砲覆襪、この要件のうち勤続年数要件が3年から7年に引き上げられている。すると開業7年未満の事業者は、勤続年数要件ではこの加算を算定できなくなり、加算自体を算定できない事業所が出てくることは間違いがないところだ。

だからこそ、「CHASEのフィードバックとPDCAサイクル推進のイメージ」で情報提供したように、施設系サービス、通所系サービス、居住系サービス、多機能系サービスについて、全領域でVISIT・CHASEによるPDCAサイクルの推進を要件にした加算、「科学的介護推進体制加算」は必ず算定できるようにしなければならないし、介護施設に新設される、「自立支援推進体制加算」(寝たきり予防・重度化防止に対する取り組みへの評価として新設)等も算定する必要があるし、現行の加算についてもCHASEへの情報提出等を要件にした上位区分を算定せねばならない。

しかし簡単に上位区分と言っても、実際の算定はそうハードルは低くない。

例えば通所リハと通所介護の入浴介助加算も、自宅訪問アセスメント等を要件にした新しい上位区分は、現行の加算単位より10単位高く設定されるようだが、その分現行加算は10単位減額されるという情報がある。

そうすると従前のままでは大きな減収だ。しかし自宅への訪問アセスメントは介護福祉士でも可能とされた上位区分を確実に算定できるだろうか。この上位区分は集団で入浴ケアを行っていれば算定できず、個別対応が必要なので、入浴支援の在り方を変えなければ、算定不可となる事業所があることを忘れてはならない。

また通所介護はさらに規模しい。従前の個別機能訓練加算気鮖残蠅靴討い疹豺隋訓練の人数制限もなかったし、実際の訓練を行う職種は、機能訓練指導員の指示を受けておれば相談員でも介護職員でもよかったわけである。しかし新しい個別機能訓練加算は気皚兇盞盈内容が統合されており、訓練の対象を5人程度以下の小集団又は個別とせねばならないし、機能訓練は機能訓練指導員が直接実施しなければならない。相談員や介護職員の訓練対応では加算できないのである。

この要件がクリアできずに、従前の加算算定対象者の加算ができなくなるケースも考えられる。

こんなふうに今回の報酬改定では、新要件に対応できない事業者は、確実に減収減益となっていかざるを得ず、勝ち負けがはっきり分かれる結果を生むと言って過言ではないだろう。

ということで、13時からユーチューブ配信される介護給付費分科会を視聴する前に、報酬単価が載せられた資料のアップを今か今かと待ちながらの時間がもうしばらく続くことになる。
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介護給付費分科会委員も勉強してくれ


介護保険制度や介護報酬について審議をする場として、介護給付費分科会という会議の場がある。

昨年まではその会議を実際に傍聴する機会がある人は、都内に住む一部の関係者のみだったと思う。そのため会議の内容は、厚労省サイトに公開される議事録によって知るだけの人が多かったのではないだろうか。

しかしコロナ禍以降、会議がオンラインで行われるようになり、リアルタイムでその様子がユーチューブで配信され、多くの関係者が視聴できるようになったことで、実際の審議の様子を知る人が増えたように思う。そしてその会議の実態を知る人が増えたと思う。

そうした方々が集う場で指摘されることは、国の審議会と言っても大したことを話し合っているわけではないし、委員の知識も決して深くないね・・・ということである。

介護の様子を視聴していると、委員の中には国民の福祉の向上など一顧だにせず、所属団体の利益誘導のみを目的としてしか発言しないような輩もいることも見て取ることもできる。その良識の無さ、見識の狭さに壁壁することも多い。

現在その委員会のメンバーは、張り付いたリンク先の名簿の通りとなっている。介護事業の専門家ではない市民代表も含まれているので、専門性に欠ける帰来があることはやむを得ないことかもしれないが、国民すべてに関係ある制度や、それに関連する報酬体系構造を審議するのだから、もっと勉強して深い議論をしてほしいと思うのは僕だけではないようだ。

ところで今回の報酬改定は、自立支援介護の具体化の第一歩として、国の介護データベースCHASEへの情報提出が多角的に求められている。膨大なデータを収集する中で、自立したというアウトカムを数値化する第一歩が踏み出されているわけで、このデータをもとに2024年度の介護報酬改定時には、アウトカム評価の加算を多数新設しようとしているのだ。

その為国は、CHASE提出情報を分析し、事業者に自立支援につながる分析情報をフィードバックし、介護事業者はそれを踏まえて計画の見直し・再作成につなげていくという PDCA サイクルの推進が求められている。

13日に行われた分科会では、某委員がこのPDCAサイクルの推進について評価する声を挙げた。しかしその際にPDCAのAをアセスメントであると言っていた・・・。

PDCAとは、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)であり、AはAssessmentではない。それは改善と表記されるように、計画見直しなどの自立支援に向けた上方向へのベクトルにつなげる行動そのものであり、評価・評定ではないのだ。こうした理解もないのに、その推進を良いことだと論評できるのかと大いに首を傾げざるを得ない。もっと勉強しろよと言いたくなる・・・。

また複数の委員から、法定資格を持たない介護職員に対して、認知症基礎研修の受講義務を課したことに対して、介護の品質向上につながる良い方策だという評価の声が挙がっていたが、このことにも首を傾げる。

認知症基礎研修は、認知症の人の理解や対応の基本、ケアの留意点など、基本中の基本を学ぶものに過ぎない。研修時間はわずか6時間であるが、厚労省はカリキュラムを再整理し、これを更に短縮する方針を示してる。そして研修を全てeラーニングで完結できるようにするとしている。

そうであれば、3年の経過措置の中で資格を持たない介護職員が、全員この研修を受講することは難しくはないが、だからと言ってそのことで資質がアップすると考えるのもどうかしている。受講者の中には、業務に疲れた体にムチ打って受講する人も多いだろう。そういう人にとっては、eラーニング画面は催眠術だ。ほとんど研修内容は頭に入らないかもしれないし、そもそも現在の認知症基礎研修は、現場で実務に就いている人にとって、さほど役立つ内容になっていない。

介護業務の経験のない人が入口として入る研修としてはともかく、実務に5年・10年と従事している人は、職場の中で認知症の基礎を学んでいるだろうし、経験の中で培ったノウハウも持っていることも多い。

そういう人たちが改めて受講する研修なのだから、認知症の基礎知識として自分が持っている知識の何が正しく、何が間違っているのかを分かりやすく説明できる講義が必要だ。経験的に何となくわかっていたことを、きちんと言語化して、本当の知識に変えることができる講義内容が必要だ。

そもそも認知症は治療も予防もできないのだから、介護現場での認知症の人に対する対応は、行動・心理症状が起きないようにするにはどうしたらよいか、行動・心理症状が起きている人の、症状緩和のための対応はどういうものかを具体的・実務的に伝えなければ意味がない。

そういう研修内容をプログラミングして、それをきちんと伝えられる講師がいて初めて、認知症基礎研修の義務受講は、受講者のスキルアップに結び付くと言えるだろう。

国がそうしたシステムをつくり、講師を選ぶということについて関心の高くない現状では、今回の研修義務化は、寝て聞き流す人を大量に排出するだけの結果にしか結びつかないと断言しておこう。

僕が行う認知症講演は、誰も眠らない・誰も退出しない講演だが、そっちを聴きに来た方がよほど良いと思う。
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署名・押印はいらなくなっても説明・同意は必要です


25日に発出された介護保険最新情報Vol900は、【「押印を求める手続の見直し等のための厚生労働省関係省令の一部を改正する省令」の公布等について】であり、法令又は慣行により国民や事業者等に対して紙の書面の作成・提出等を求めているもの、押印を求めているもの又は対面での手続を求めているものについて、今後は押印を求めないこととするとしている。

介護施設・事業所が自治体へ提出する申請書等も新たな様式とするとしたうえで、押印欄がある旧様式については、手書きによる打ち消し線を引くなど、これを修正して使用することができる。

このことに関連しては、介護報酬改定の5つの柱のうち、「4.介護人材の確保・介護現場の革新」の、「文書負担軽減や手続きの効率化による介護現場の業務負担軽減の推進」の中で、次の3点が示されている。
○ 利用者等への説明・同意について、電磁的な対応を原則認める。署名・押印を求めないことが可能であることや代替手段を明示する。
○ 諸記録の保存・交付等について、電磁的な対応を原則認める。
○ 運営規程等の重要事項の掲示について、事業所の掲示だけでなく、閲覧可能な形でファイル等で備え置くこと等を可能とする。


このため今後国は、ケアプランや各サービスの計画書、重要事項説明書などの同意を利用者から得る際の押印についても、必ずしも必要ないことをルール上明確にする考えを示している。

これらの効率化がいつから有効になるか現時点で定かではないが、少なくとも来年4月からの介護報酬改定の際には、利用料金等の説明・同意について、いちいち全利用者から同意書を取る必要もなくなるし、ケアプラン等の署名・同意もいらなくなる。

とはいっても利用者や家族に、メールで料金変更のお知らせ文書を送りつけて済むという問題ではない。いらなくなるのは署名や押印であって、説明と同意は必要であることを忘れてはならない。

すると来年4月の報酬改定に伴う料金変更等の説明は、各事業者ごとに行わねばならないことに変わりはない。しかしその際の同意については口頭で構わないので、同意書を作成する必要はなく、業務日誌等でだれがいつ同意したのかという記録で良いことになる。また説明についてもいちいち対面して行う必要はなく、メールで変更内容のお知らせ文を送り、電話でその内容を説明し同意を得た記録を残しておけばよい。

しかし利用者全員に電話で説明を行うのは、かえって手間である。そこで考えられる方法は、例えば介護施設なら、一度は利用者や家族を集めて説明会を行う機会を持ってよいと思う。そこで説明を受けた人については、口頭で同意をいただき記録に残しておけばよい。そしてその説明会を動画録画しておき(スマホでの録画でも十分だ)、それをユーチューブ等にアップしたうえで、当日説明会に来ることができなかった人については、メールで料金変更のお知らせ文を送り、そこに説明会の動画をダウンロードできるURLを書いて知らせ、その説明を見たうえで同意する旨をメールの返信もしくは、電話で返答いただくようにお願いしても有効となるだろう。

居宅サービス事業所も、あらかじめ説明動画を録画して、それを見ていただいて口頭同意をいただくだけで良いだろう。同じ説明を何回もしないように、動画録画は推奨される方法だ。

ケアプラン同意等についても、利用者本人ではなく家族から同意を得る場合には、メールと電話を使った同意が主流になってくるかもしれない。

おそらく利用料金の請求書・領収書等の押印もいらなくなり、電磁的方法で請求書・領収書の発行も可能とされるだろう。(※ちなみに確定申告などで必要な領収書は、既に押印がなくても有効とされている。)

これらをいちいち郵送する必要がなくなれば、事務処理業務は大幅に削減されることになる。喜ばしいことだ。

そうなると問題は、内部決裁文書の扱いになる。

行政への申請文書をはじめ、請求書や領収書も押印が必要なくなるのに、内部文書だけ押印が必要で、判子を常に職場に備え置く必要があるというのはおかしい。内部決裁の押印文化もやがて消えゆき、確認も署名のみということになっていくだろう。もしかしたら署名さえ必要ない確認方法が各事業者ごとに発案されていくかもしれない。それも大いに結構だ。

どちらにしても文書をよく確認もしないで、判子を押すことだけに時間をとられるということがなくなることは良いことだ。押印が必要なくなることで、逆に文書内容を確かめる習慣がつくかもしれないし、そのことはポジティブに捉えたら良いのではないかと思う。
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厚労省のしっぺ返しが懸念される訪問看護のリハ規制見送り


厚労省は訪問看護ステーションから理学療法士等が派遣される回数が、看護師の派遣回数を上回ることを問題視して、その規制のために報酬改定の度に、訪問看護ステーションの介護報酬算定について様々なルールを課してきた経緯がある。

それはリハ職の訪問サービスを不必要とみているという意味ではなく、訪問看護は本来は看護師が訪問するサービスで、リハ職はあくまで看護師に替わって派遣されるに過ぎず、自宅でリハビリテーションを受ける必要性があるなら、本来は訪問リハビリを利用すべきであるという考え方が根底にある。

しかし訪問リハビリは訪問看護ステーションのように、母体から独立してセラピストが配置され、訪問専門の業務に専従する形は不可とされている。訪問リハビリとして認められるのは、病院、診療所、介護老人保健施設が母体となっているケースだけだからだ。

よって訪問リハビリというサービス種別の絶対数が不足しているため、それに替わって訪問看護のセラピスト派遣が増えているという経緯がある。それがまかりならんというのが厚労省の立場である。

だったらその問題を解決するのであれば、リハ職の訪問リハビリの独立経営を認めればよいと思うのだが、事はそう簡単ではないという。

そもそも理学療法士等のセラピストの資格は、業務独占の資格ではなく名称独占の資格である。リハビリテーションも、医師の指示に基づいて指示された内容を実施しなければならず、医師配置のない場所で、名称独占でしかないセラピストが独立経営してよいのかという議論がある。さらに日本看護協会が、セラピストの独立経営に反対の立場をとっているという経緯もある。

その為、この問題はなかなか解決が図れない問題であるのだが、今回の介護報酬改定議論の中で厚労省は、訪問看護ステーションの運営基準を見直し、サービス提供を担う職員に占める看護職の割合が6割以上であることを指定要件とすることを提案していた。これが実現すれば、その基準を満たすためには、訪問看護師の数を増やすか、セラピストの数を減らすしかない事業所が出てくるわけだ。

そうなると看護人材も不足してる現況においては、訪問看護師を増やして基準を満たすことは難しく、必然的に訪問看護ステーションの職を失うセラピストが増えることはめにみえている。

この提案が行われた11/16の介護給付費分科会では、日本慢性期医療協会の代表委員から、「訪問看護ステーションのリハは利用者の依頼に基づいて行われる。訪問看護の中でリハが大きなウェイトを占めることにクレームが出る理由が分からない。」などの反対意見も挙がった。

さらに日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会は共同で声明を出し、「利用者のニーズを排除した改正」・「約5000人のリハ職が雇用を失う」などと異論が噴出し、署名運動も行われるなどの騒ぎになった。

その中で厚労省にとって一番プレッシャーになったのは政治の動きである。

11/27の衆院・厚労委員会で公明党の桝屋敬悟議員がこの話題を取り上げ、リハ職が仕事を失ってしまうことや、サービスを受けている利用者にも支障が出ることの懸念を表明し、「毎年輩出される多くのリハ職を、介護現場で有効に活用するという視点も重要。地域支援事業で活躍してもらうのもなかなか難しい。地域の中でリハ職が活きる新しいスキームを抜本的に考えるべき」と提言した。

その結果12/9の介護給付費分科会で厚労省は、先に提案していた訪問看護の運営基準の厳格化は見送ることを表明した。

しかし同時に返す刀で、リハ職によるサービスは単位数の引き下げ、提供回数の適正化などを行うとした。

厚労省が目指した基準改正を、政治家等の圧力でつぶされた恨みつらみは、報酬単価の引き下げで晴らそうというわけだ。

現在セラピストの訪問は、1回に時間に関係なく296単位である。これは看護師の20分未満の訪問単位より低い単価で、1日に2回を超える訪問の際は、この単価がさらに1割減算されることになっている。

この単価がさらに下げられ、回数制限のルールも組み入れられる可能性が高い。セラピストの方々にとっては、規準厳格化が見送られてホッとするという状況にはないわけである。

くれぐれも油断なきように、声を挙げ続けていただきたいと思う。
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報酬改定と制度改正をしっかり分けて情報整理してください


来年4月からの介護報酬改定議論が佳境を迎えている。あと2月もしないうちに改定率が公表され、諮問・答申案が示されることになる。

しかしその見込みは決して甘くはないことと、そうであるからこそ経営努力として、コスト削減に引き続き取り組むことの重要性を、「(新情報)介護・医療事業に実績のある新電力でコスト削減を」で情報提供しているので参照願いたい。

新型コロナウイルスの影響が長期化する見込みの中、一般企業は固定費の削減を大きな課題としている。例えばANAは、3.500人にも上る人員削減で固定費カットを図っている。そんな中、介護事業者の経営者には危機感がない人がいる。感染予防対策費は介護給付費に上乗せしてくれるだろうと呑気に構えていて良いのか。上乗せはされたとしても、全部の経費増を賄えるほど、国はその積み上げ額を見積もってくれるという保障はない。

介護事業は人が人にサービスを提供するのだから、人員削減は難しいのだ。だからこそ人員以外の固定費のカットは緊急課題である。あらゆる面でのコスト削減に取り組む努力をしないところからは、人材も逃げ事業経営も難しくなるだろう。この危機感を是非忘れないで、可能な対策は今のうちに講じてほしい。北国の介護事業者は、電気・ガス料金は、これからが需要のピークを迎えるのだから、今のうちの対策が求められることを忘れないでいただきたい。

ところで介護保険制度に関しては、介護報酬改定議論に軸足が移った後、6月に国会を通過・成立した介護保険制度改正関連法案のことは、すっかり忘れ去られているような向きがあるが、これも来年度に大きく影響してくる問題である。

特に来年8月からの施行になるとみられている、高額サービス費と補足給付の改正の影響は、前者は現役並み所得者を直撃し、後者は第3段階△乏催する非課税所得者を直撃する問題である。(参照:価値ある情報は待つだけでは入ってこない。

この変更に対する同意書の作成も必要になってくるし、何よりその負担に耐えて、サービスを継続利用できるための支援を、経済面・精神面の両方向から行っていく必要も生じてくる。だからこそ、制度改正も振り返って、報酬改定と並行して何がどのように変わっているのか、変わろうとしているのかを、介護事業者全体で確認してほしい。少なくとも管理職やリーダーについては、その情報をくまなく伝え、新しい時代の備えという意識を職場全体に植え付けることが大事である。

そのような情勢の中で、かねてからこのブログで情報提供していた、「介護保険の総合事業の施行規則の一部を改正する省令」が公布された。そのことについて厚労省は22日に介護保険最新情報Vol.885を発出し、関係団体への周知に努めている。

これにより来年4/1〜市町村の総合事業の訪問型・通所型のサービスについて、要介護になっても引き続き利用できるようになるが、国はこのことについて、もともと総合事業のサービスを利用していた高齢者が要介護の認定を受けた場合に、そのまま継続させることを認めるもので、サービスの継続性を保証するものとしている。

しかしその真の目的は要介護1と2の対象者の訪問介護・通所介護を市町村事業化する布石であることは明らかであることは、過去にも示している通りである。(参照:事実だけを伝える報道には、「真実」が存在しないこともある

いま国は市町村へのインセンティブ交付金と、地域の高齢者の通いの場を市町村の責任で拡充させることをリンクさせている最中だ。(参照:市町村の「通いの場」の拡充と充実が促されている意味

これにより確実に市町村独自の、「高齢者が通って使えるサービスの場」が増えていくこととなる。そして今回の省令改正で、要介護者が市町村の総合事業を利用するという実績ができたら、それが前例となっていくのだから、2025年度からを目途に、要支援1と2の訪問介護と通所介護が市町村の総合事業に移行させられ、介護給付サービスから外れることは確実と言えるだろう。

その時、訪問介護と通所介護の経営者は、要介護1と2の利用者がいなくなっても、現在のように事業経営が続けられるのだろうか。その答えを探しながら、新たな事業戦略を練っていく必要があるわけである。

そういう意味ではこれからの時代、カリスマ経営者の個性だけでは生き残ることは出来ないと思う。一人の能力だけで対応できる時代ではなくなるのである。だからこそ組織力の強化が緊急課題だ。

今起きている変化とは何か、それは将来のどのような姿に結び付いていくのかを、事業所内で分析する力をつけていく必要がある。そのためには組織内で情報を共有化する普段の努力が求められてくるのである。

介護保険制度は持続する。2040年以降も高齢者の介護制度は今の制度を持続させ対応していくことは間違いない。しかし制度はその為に変化していく。このことも間違いのないところである。その中で生き残っていくことができる介護事業者とは、力がある強い事業者ではなく、その変化に対応できる事業者である。だからこそ少しの変化も見逃さないために、情報を常に更新して分析していく必要があるのだ。介護事業経営者はそのことを忘れてはならない。

介護事業者全体で今回の介護報酬改定と、先に決定されている介護保険制度改正をセットで学ぼうとする場合、僕は講演という形で協力できると思う。90分から120分の講演で全体像を明らかにできるだろう。それは会場での集合講演でも可能だし、オンライン講演という形でも可能である。

そういう機会をお求めの方は、masaの講演予定の文字に張り付いたリンク先に書かれている連絡先まで、お気軽に相談していただきたい。

まずは相談から始めていただきたい。
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価値ある情報は待つだけでは入ってこない。


ネット上には様々な情報があふれている。それを誰もが無料で手に入れることができる時代と社会になっている。

しかしネット上にあふれる情報の中には価値のない情報や、むしろ有害でさえある情報もあふれている。コロナ禍の最中にも、フェイクニュースによって被害が拡大した事例もある。(参照:次亜塩素酸水による空間除菌の必要性

介護事業経営者はこの厳しい時代を乗り切るために、必要でかつ正確な情報の取得する力も、経営能力の重要な要素だと考えていかねばならない。情報は取りに行くもので、座して入ってくるものではないし、最新で正確な情報を得るために使うお金とエネルギーは無駄ではないと考えねばならない。

今どき、単なる情報確保にお金をかけるのは無駄だと考える前時代的な経営者や管理者は、表舞台から降りていかねばならなくなるのである。

コロナ禍は、そのような情報の窓口を一時的に閉ざす問題でもあった。コロナ禍であるからこそ、それに対応するための国の通知文等が毎日のように発出され、その対応に追われた介護事業者では、コロナ関連以外の情報に対する目をふさぎ、耳を閉ざす姿勢が無きにしもあらずであった。コロナ関連以外の情報を仕入れたり、分析したりする余裕がなかった事業者も多かったのだろう・・・。

例えばコロナ禍と同時並行的に進められた介護報酬改定議論は、一応目を通して確認している関係者が多かったが、6月に介護保険制度改正関連法案が成立したことを知らずに、「補足給付の変更はいつ決まるのですか?」という質問が表の掲示板に書き込まれたりした。法案提出の段階では、何が決まっていたかを何となく理解していたが、審議・可決までに間があったことから、理解していた部分もうる覚えになってしまっている人もいた。

そんな諸々の事情が絡み合って、制度改正法案が成立したのは知っていたけれど、今回の審議で何が見送られ、何が決定したのかという正確な情報を持っている人は意外と少なかった。

それは感染予防対策から、集団となる集合研修の機会が奪われ、情報獲得手段が個人の能力に委ねられる結果となったことが一番の原因だろう。現在のようにオンライン研修もまだ十分に行われていない時期に、素早く正しい情報を手に入れることができなかった人は考えられている以上に多かったのかもしれない。

このブログで何度も指摘しているように、制度改正と報酬改定は、団塊の世代が全て65歳以上の高齢者となる2015年問題と、団塊の世代がすべて後期高齢者となる2025年問題の手当てを終え、来年度の制度改正と報酬改定からは、団塊の世代がすべて90歳以上となり減少していく中で、団塊ジュニア世代がすべて65歳以上となる2040年問題を見据えた視点へと移っているのだ。

それは時間的余裕があることをも意味しており、改革に対する国民の反発や抵抗感ををより少なくするために、変更は時間を掛けてゆっくり行うことを視野に入れている。そのため今回の改正法案では、将来必ず実現されるであろう被保険者範囲・受給者範囲の拡大や、「現役並み所得」と「一定以上所得」の判断基準の変更など、重要な課題はすべて先送りされている。

だからといって今回の制度改正がプチ改正であったかと言えば決してそのようなことはなく、低所得者も高額所得者も、両方の層が痛みを負う大きな改正が行われている。

補足給付の改正では、前回導入されたばかりの金融資産要件が引き下げられ、給付対象とならない預金額が単身で1.000万円超から、新設された第3段階△任500万円超と、一気に1/2の金額に引き下げられているのだ。金融資産要件を新設する際には、それに該当する層が少なくて済むように高いハードルを掲げながら、一旦ルールとして金融資産要件が存在するようになった途端に、ハードルは簡単に下げられていくのである。

しかも第3段階△乏催する所得が120万円超155万円以下の対象者については、食費の給付がなくなり、月22.000円もの自己負担増になる。この負担はショートステイ利用者にも適用されるのだから、施設利用者だけの負担増ではない。この負担ができずに施設を退所せざるを得ない人や、ショートの利用回数を減らす人も出てくるのではないだろうか。それだけ大きな改革である。

高額所得者にも大きな負担増が強いられている。高額サービス費の上限が44.400円/月〜年収約1.160万円以上の人は140.100円に、年収770万円〜1.160万円未満の人は93.000円/月まで引き上げられている。

前回の改正で2割負担から3割負担になった人であっても、高額サービス費の適用により、自己負担が増加しなかった人も多い。しかしこの改正でそれらの人は大幅負担増となる。いくら現役並みの高額所得者であっても、いきなり月の負担が96.600円も増えるのは、大きな痛みと言えるのではないだろうか。

このような法案が国会を通って成立したことや、その実施時期がいつになるのかということを、施設の担当者や居宅サービス計画担当者は利用者に伝えているのだろうか。このような大事な情報を、きちんと手に入れて対策を練っているのだろうか。

こうした情報を手にする時期に、早すぎる時期というものは存在せず、正確な情報の獲得は早ければ早いほど対策を急ぐことができるので、好ましいわけである。

どちらにしてもこうした情報を手にすると、国のハードル下げは急に大幅に行われることが理解でき、「現役並み所得」と「一定以上所得」の判断基準の変更とは、その負担層を拡大するだけではなく、真の目的は1割負担をなくして、スタンダードを2割負担とすることだということも理解できるはずである。

こうした分析情報も含めて、正しい情報を手に入れるための研修機会を失ったままの業界であってはならない。適切な時期に、オンラインも併用した密にならない研修機会を確保しなければならないし、今の時期は、法人・事業者単独でも、正しい情報を仕入れるための講演機会などを設ける必要がある。

今日16:30〜僕は、福岡県太宰府の介護事業者の職員研修のための講演を、北海道登別市の自宅から配信する予定になっている。

実はこの講演は、4月に大宰府に出かけて実施する予定になっていたものであるが、国が最初に発令した緊急事態宣言地域に福岡県が含まれていたため、その時期の実施をいったん見送ったものである。

今回Zoomでのオンライン講演が普及してきたこともあり、約半年ぶりに当初企画していたテーマ、「人を語らずして介護を語るな〜介護従事者に求められるサービスマナー意識」で話をさせていただくことができるようになった。

コロナ禍が終息していないこの時期に、事業所内での研修機会をきちんと設け、将来に備えた職員のスキルアップを図る事業者に未来は輝いていくのだろう。そうした事業者には、自然と良い人材も集まってくるだろう。

最新の正しい情報を得ることと、たゆまない職員の成長を図る努力が無駄になることは決してないのである。
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結論が近づく配置基準緩和はどうなるのか


介護報酬改定の論点の一つは、「介護人材の確保・介護現場の革新」である。

人材を確保するといっても、介護事業者で働く人の数を飛躍的に伸ばすことが出来る魔法はない。むしろ減り続ける生産年齢人口を考えると、今後も介護人材を確保することが難しい状況は続いていくと予測される。

そのため外国人が介護福祉士の資格を取ることによって、その人たちが実質的に日本に永住して、介護事業者で働き続けることができるような対策を講じたり、外国人実習生が介護事業者で働くことが出来る期間を延ばしたりして、日本人以外の労働力をより多く介護の場に張り付けようとしている。だがそれでも介護事業を支える働き手は充足しないというのが大方の見方だ。

そこで登場するのが、「介護現場の革新」である。何が革新なのかというと、人に替わるテクノロジーの導入がその意味であろうと思われる。

ロボットやセンサー、ICTなどの活用により、人手をかけずにできることを増やすことで、人手不足の解消を図ろうというものだ。それらの機器を導入することを条件に、配置基準を緩和(人員を減らす)という考え方も、その延長線上にあるものだ。

この考え方は国が示しているだけではなく、一部の介護事業経営者や職能団体も要望しているという経緯がある。

例えば介護報酬改定のために8月に行った関係団体ヒヤリングでは、日本グループホーム協会が、「見守り機器の導入やオンコールの緊急対応要員の確保などにより、入居者に支障がなく、安全が図られる場合には、事業所の状況に応じて柔軟に対応できるよう、2ユニットで1人の夜勤も認めて頂きたい」と要望している。

GHの夜勤配置基準は、ユニットごとに夜勤者1名の配置を求めているが、介護保険創設時には2ユニットの場合、「夜勤者1名+宿直者1名」で可とされていた。しかし長崎や札幌で相次いだGH火災で、夜勤時間帯に数多くの利用者が避難が出来ずに死亡した事故を受け、配置基準が今のように改正されたのである。

ところが昨今の人手不足を受けて、夜勤者の確保が難しくなり、事業を継続できないGHが増えていたり、夜勤配置のために日中の勤務人員が減り、その業務負担の増加がさらに募集に応募をかけても人が集まらない状況に拍車をかける結果になっていることに危機感を持つGH経営者が増えているのも事実だ。

そもそもGHのユニット利用者の上限は9名だから、一人の夜勤者で2ユニットを兼務しても、対応する人数は18名が最多人数である。それに比べて広域型の特養や老健施設の場合、夜勤者一人当たりの担当件数は20名程度が平均である。基準を緩和しても、夜勤者は特養等より少ない人数を担当するだけであり、その業務負担は介護施設と比べても過酷とは言えず、火災などの事故対応も、宿直者を加えることで複数職員での避難誘導が可能になるという点では、ユニットごとに夜勤配置を求めている現行基準と変わりないといえる。

よって日本グループホーム協会の要望は、決して検討に値しない要望とは言えないものだ。大いに議論される価値はあるだろう。

しかしながら、現実にGHで夜勤業務を行っている職員の考え方はまた別である。すべての利用者が、認知症という症状を持つ人であり、行動・心理症状のある人も多いGHを、他の介護施設と比較してもらっては困るという意見を持つ人もいるし、何より夜間時間帯に自分が担当してケアを行う利用者数が、現行の9人から一気に18人になることに不安を持つのは当然である。

そういう意味では、日本グループホーム協会は国に要望する前に、足元の会員施設の職員の意思統一を図る広報を行ったり、経営者側と職員の意見交換の場を作る必要があったのではないのだろうか。

なぜなら9日の介護給付費分科会では、多くの委員がGHの夜勤配置基準の緩和に対し、「既存の職員の負担が増す」・「サービスの質の低下につながる」・「利用者の安全を守る観点から緩和すべきでない」という反対意見が出され、それを知った現場職員の間からも、「その通りである」という意見が多数聴こえてくるからである。

GHの各論審議の場はこれで終了となると思われ、こうなるとGHの夜勤配置基準緩和は見送りの公算が高くなった。ただしケアマネ配置基準の緩和は実現しそうだ。

グループホームの計画作成担当者は、認知症介護実践者研修を修了したケアマネ配置が条件で、ユニットごとに計画担当者を置かねばならないが、複数ユニットの場合、ケアマネ資格のない計画担当者を、ケアマネ資格を持つ者が監督することで可としている。この基準を緩和し、ケアマネがすべてのユニットの計画担当者となり、ほかに計画担当者を置かなくて可とする緩和である。

少なくとも2ユニットのGHには、その緩和基準が適用されることになるだろう。基準が緩和されても、一人のケアマネが担当する計画者数は18人だから、これも施設や居宅介護支援事業所のケアマネジャーの担当件数と比較しても少ない件数で、過重負担とは言えないので、この改正は多くのGH関係者に歓迎されるものとなるのではないだろうか。

また全サービスに渡って適用される改正案としては、常勤配置を求められている職種の配置基準緩和も実現可能性が出てきた。

各サービスの管理者・介護施設のケアマネジャーや生活相談員、訪問介護のサービス提供責任者などは常勤配置が求められる職種だ。

これらに該当する職員が産休、育休を取る場合に、同じ資格を持つ複数の非常勤職員を常勤換算することにより、運営基準を満たしたと見なす特例の導入を俎上に載せられた。

果たしてそうした専門職等の休みに対応して、資格や能力を持つ非常勤職員を臨時に雇用できるかどうかは別問題として、現に働いている人に今以上の業務負担を背負わせることなく、配置基準を満たして運営する方法が多様化することは歓迎されることだろう。

一方で、今後議論されるであろう介護施設等の配置基準緩和は、介護職員に今以上の業務負担を強いる結果になる懸念が高い問題である。

一番実現に近い方向で議論されているのは、ユニット型施設の1ユニットの人数制限緩和である。現行10人程度とされている基準を、15人とする案が示されている。

さらに昼間については、ユニットごとに常時一人以上の介護職員又は看護職員を配置することとされている配置規定を緩和し、常時一人以上の介護職員又は看護職員を配置することを求めるユニット数を2ユニットまでにしようとしている。

そのことが認められると、職員の業務負担は大幅に増すことが予測され、現場で働く人たちの不安の声が高まっている。(参照:配置基準緩和に対するアンケート結果

この影響で、介護施設で働こうとする人がますます減ってしまうのではないかという懸念の声も高まっている。そうなればその改正は、革新にも人材対策にもなるどころか、それに反した結果を生み出すだけの愚策になってしまう。

次の特養の報酬改定議論の最大の注目点は、そこになるのではないだろうか。
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自己負担割合決定に金融資産勘案を財務省が主張


我が国の高齢者介護問題においては、団塊の世代と団塊ジュニア世代という2つの大きな塊の動向が、財源や人材の両面で大きく影響してくる。

少子化で生産年齢人口が減り続ける中で、最も大きな塊である団塊の世代が高齢者になるにつれて増大する社会保障費用をどうするのかということに続き、団塊の世代が徐々にいなくなる時期には、団塊の世代の介護財源や人材を支えてきたもう一つの塊である団塊ジュニア世代が高齢期に達することになるが、その人たちに続く次の塊が、わが国には存在しないことが大問題となっている。

団塊の世代は2029年に全員80歳に達し、2039年に90歳に達するのである。

そして団塊の世代を支えてきた団塊ジュニアは、2039年にすべて65歳以上となるのだ。

だからこそ2040年以降の高齢者介護問題が大きなテーマになってきているのである。

そのため2012年度までの介護保険制度改正と報酬改定(介護・医療)は、団塊の世代が全て65歳以上の高齢者となる2015年問題に向けられたものであった。

2013年度以降の介護保険制度改正と報酬改定(介護・医療)は、団塊の世代がすべて後期高齢者となる2025年問題と、それ以降の問題に向けられ、そのため地域包括ケアシステムの基礎作りから深化が求められた。

そして2021年の制度改正と報酬改定からは、いよいよ2040年以降を見据えた改革に取り掛かっているのである。

今年6月に国会通過して成立した介護保険制度改正関連法については、補足給付の段階区分と資産基準の見直しや、高額サービス費の見直し等、それなりに大きな改正が含まれているものの、被保険者範囲と受給者範囲の拡大や、現役並み所得と一定以上所得の判断基準の見直し等の重要な改正課題の多くは先送りされる結果となった。

その理由は、前述したようにすでに制度改正と報酬改定は、2040年度を睨んだものに変わっており、それまでに主要な改正テーマを解決すればよいとしているからである。つまり時間的余裕があるので、改革を急ぐあまり国民の大反発を招いて、政権運営ができなくなるような事態を避けつつ、ソフトランニングで改革・改正を行って、2040年度に間に合えばよいという意味だ。

だからこそ2021年度の制度改正で、議論の俎上に上りながら先送りされた課題については、徐々に実現されていくことになることは間違いなく、国民負担は徐々に増やされていくことになるのである。その結果、介護保険サービス利用の際の自己負担については、いずれ1割負担はなくなり、2割負担が最低限求められ行くことになるだろう。

そんな中で、8日に開かれた財政制度等審議会・財政制度分科会では、2021年度の介護保険制度改正議論では議論されることがなかった、新たな国民負担増加案を財務省が主張した。

それは介護保険利用の際の自己負担割合について、所得のみを勘案して負担率を決める現行制度は不公平だとするもので、負担率決定には金融資産を勘案せよという主張である。

財務省の主張をまとめると以下の通りとなる。

・高齢者は現役と比べて、平均的に所得は少ないが貯蓄は多い

・低所得の高齢者が相当の金融資産を持つケースもある」とし、所得のみを勘案して自己負担を決める制度は不公平

・医療保険・介護保険で高齢者に支払ってもらう自己負担の設定の際に、金融資産の保有状況を十分に反映させるべきである


この主張は今春の介護報酬改定が行われた直後から始まる、「次期介護保険制度改正議論」の中で、間違いなく議論の俎上に載せられ主要なテーマの一つとなっていくだろう。

そしてそのことは少なくとも2040年までには実現される可能性が高いと言える。なぜなら金融資産の勘案は、すでに補足給付の負担段階の決定においては実現されていることであり、それを前例にすることができるという意味で、決してハードルが高くはないからである。

このように国民の痛みは、静かに確実に増大させられているのである。少子高齢化という時代背景を受けて、それは「やむを得ないことである」という声も聴こえるが、少なくとも政治家や官僚には痛みがまったくない改革や改正は、あまりにも無慈悲で無責任である。

そのような改革がいつまでも許されると思っていると、必ず大きなしっぺ返しがされるであろうことを予言しておきたい。
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勤務形態一覧表の様式統一は誰のために行うのか?


厚労省が9/30付で発出した介護保険最新情報のVol.876は、介護事業者に活用を促す勤務形態一覧表の新テンプレートを公開・意見募集するものである。

この新テンプレートは、今年3月に先行して公表した訪問介護・通所介護・小規模多機能・特養のテンプレートに対して寄せられた意見を踏まえて改良したもので、今後11/30までに意見をさらに求め、今年度末までに国の推奨テンプレートとして介護事業者や自治体の担当部局に活用するよう促すとしている。

このことに関連しては、次期報酬改定の論点でもある(介護人材の確保・介護現場の革新)の中で、<文書量の削減>として次のような考え方が示されている。
事務負担の軽減の点からも、総合事業も含め国が標準的な様式等を作成することで、文書の簡素化・標準化・ICT化を推し進めていくということも必要ではないか。

今回の通知は、この実現の一環としてペーパーワークを削減するためのものと思われる。

しかしこのブログで何度も指摘しているように、文書量の削減・ペーパーワークの削減の方向性は、当初の目的から大きくずれてしまっているのではないかと思う。

ペーパーワークの削減の必要性が指摘された当初は、介護保険制度の創設以来、介護現場の看護・介護職のペーパーワークが大幅に増えていることが問題だったはずだ。行政指導の際の証明のための記録が大幅に増えて、本来の介護業務等に支障が来すほどペーパーワークが増え、介護職員等の疲弊が広がり、それが介護サービスの品質低下につながるとしたら、それは本末転倒になってしまうので、できるだけ直接介護職員のペーパーワークを減らして、利用者に接してケアする時間を十分に確保しようというのが本来の目的であったはずだ。

ところがペーパーワーク削減議論が進むにつれ、それが事務書類の削減に転嫁され、減らされる書類とは、申請事務に関する書類が中心となり、看護・介護記録の削減はほとんど手つかずの状態で放置され、介護の場で直接利用者に接する職員のペーパーワークはまったくと言ってよいほど減らない結果に終わっている。(参照:文書負担軽減委員会のあっち向いてホイっぷり

今回の新プレート活用で、介護事業者等の勤務形態一覧表書式を統一したとしても、少なくとも介護現場で利用者と相対する職員には何も関係のないことで、業務負担の軽減にはつながらない。

このことで仕事が楽になるのは、勤務体制を確認する役所の実地指導担当者だけではないか。すでに勤務表をソフトに組み込んでいる事業者にとっては迷惑でしかない。使い勝手の良い勤務表作成PCソフトを使い慣れた事業者にとって、今回公表されたエクセルファイルなんて、不便で不便で仕方ない。

そもそも国は、「改善すべき点を指摘して欲しいと広く呼びかけていた」というが、その呼びかけに応じて、意見を出した人とはいったい誰なんだ?介護事業者の事務担当職員が意見を出したかもしれないが、介護職員からの意見は挙がってきているのだろうか?

そんな疑問を持つ理由は、公開されたテンプレートは、「見づらい」からである。勤務表は事務担当者のためにあるのではなく、実際にそれでシフトを確認する介護職員のためにあるといってよい。

申請様式をそのまま業務の勤務表に置き換えられたらかなわないわけである。

勤務表に対して、現場の介護職員から挙がってくる要望は、「もっと見やすくして」・「文字が大きくないと見づらい」である。

シフト勤務者にとって勤務表とは、単に自分のシフトを確認するという意味ではなく、出勤者が誰と誰であるかを確認するためにあるもので、「自分はその日に誰と組むのだろうか」ということを確認するものである。そのため全体の勤務状況が一目で見やすくなっていないテンプレートを、介護職員が支持するわけがないのである。

もしこのテンプレートを使ってシフト勤務表を作成することになった場合に、現場の介護職員からは、「見づらい」・「計算式や数字なんて表に乗せないで、シフトだけわかるようにして」と不満が噴出するだろう。少なくともシフト勤務者自身は、こんなテンプレートに統一するなんて百害あって一利なしであると思うだろう。

介護の場で、利用者に逢いたいし汗する職員に何のメリットもなく、役人の事務作業がやりやすくなる結果にしか結びつかないクソ改革に、こんな費用と時間をかける無駄をなくさないとどうしようもない。このくそつまらないテンプレートを作成したことで、仕事をしたつもりになられても困るのである。

全くどっちを向いて改革しようとしているのか・・・。ペーパーワーク削減議論は、現場を知らない人間の認知力に欠けた議論としか言いようがなくて、あきれるばかりである。
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2021年度介護報酬改定を先読みしてみた


介護保険制度改正と介護報酬改定は、制度の持続性を担保するために行われてる。そこに最も影響が大きいのは団塊の世代の動向と考えられてきた。

そのためこれまでの制度改正・報酬改定は、団塊の世代の方々がすべて65歳に達する2015年や、それらの方々が75歳以上の後期高齢者となる2025年を睨んで制度設計がされてきたわけである。

しかし6月に国会審議を経て通過した介護保険制度改正議論からは、その先の2040年をにらんだ制度・報酬設計に変わってきている。

では2040年という年には、いったいどういう意味があるのだろうか。

日本の人口構造上、団塊の世代の次に大きな塊となっているのは、「団塊ジュニア世代」である。その世代が2039年にすべて65歳以上に達することから、2040年とはその人たちが介護保険の1号被保険者になった後の介護保険制度の設計を考え直すという意味がある。つまり日本の介護を考えるうえで注目すべき世代が、団塊の世代から団塊ジュニア世代に交代されているのである。

今更言うまでもないが、世代人口は第1次ベビーブームと呼ばれる1947年から1949年に生まれた、「団塊の世代」が最も多く、出生総数は3年間で約806万人にのぼる。

団塊ジュニア世代は、団塊の世代の人たちが生んだ子供が中心になっている世代と言え、第2次ベビーブームと言われる1971年から1974年に生まれた世代を指し、出生総数は4年間で800万人を超えている。

このように団塊ジュニア世代は、団塊の世代より年間の出生数は少ないものの、一般的にその世代の対象となる3年間と4年間を比較した場合の出生総数はほぼ同じと言え、少子高齢化が進む我が国において、今後団塊の世代が続々と介護支援を必要とする状態になった際には、その支援者たる社会資源としても大きな塊であるともいえる世代である。

ところが団塊の世代は、2039年にすべて90歳に達することになり、その数は激減していくと予測される。その時に団塊ジュニア世代が65歳に達するのであるが、わが国には第3次ベビーブームが存在しなかったために、団塊ジュニア世代の次の塊の世代は存在していない。

つまり2040年以降、高齢者や要介護者の数はどんどん減って、必要とされる介護サービス資源の量は、今より少なくて済むことになるが、それ以上に生産年齢人口が減ってしまうために、今よりさらに財源と人材が不足するのである。介護財源不足も介護人材不足も、自然には解消されないために、何らかの手を加えねばならない。

それを見越した制度設計として、制度改正と報酬改定が行われているのである。

逆に言えば、近直の2025年の制度設計は終わり、2040年を見越した制度改正・報酬改定を行っているという意味で、改革をそう慌てて急ぐ必要はないという意味にもつながっている。拙速な制度改正やルール改正は、国民の反発を招きかねないので、緩やかに目立たぬように変えていこうという意志が国の中には存在するのである。

だから近直の介護保険制度改正では、被保険者範囲・受給者範囲の拡大とか、「現役並み所得」・「一定以上所得」の判断基準変更とか、軽度者の生活援助サービス等の地域支援事業への移行とかという重要課題をすべて先送りしているのである。それらは2040年に向けて、徐々に変えていけばよいというわけだ・・・。

次期報酬改定も、コロナ禍という特別の事情が影響を与えた改定となっており、通常改定とは異なるという認識が広がっている。抜本的な変革は先送りして、今緊急に必要な手当てだけをとりあえず行って終わりにしようという意志が働いても仕方がない状況に思える。

そういう意味では、今回の介護報酬改定では大きな改革的な動きはなく、小幅な改定にとどまるのではないかと予測している。むしろ2024年度の介護報酬改定は、診療報酬とのダブル改定となるので、ここで大幅な見直しが行われるのではないかと予測している。

問題は改定率である。コロナ対応を含めた感染予防対策費を含めて、関係者の間ではプラス改定への期待の声が高まる一方だが、甘い見込みは立てられない。

むしろコロナ禍で経済状況が悪化し、税収が不足し、企業体力の低下が労働者の賃金水準低下につながっている現状を鑑みると、介護報酬改定への負の影響は避けられないのではないかという悲観的観測が強まっており、全体でマイナス改定にならなければ良しとすべきではないかという空気も漂い始めた。

現に9/4の審議では、基本報酬の引き上げは、40歳以上の保険料(2号被保険者の保険料)の引き上げに直結し、労使折半分の負担増を懸念した経済界からは、報酬をプラスする分はマイナスすべき分から補填する形で行うように要望が出されている。

14日の会合でも、認知症の人と家族の会が報酬引き上げには一定の理解を示しながらも、プラス改定により低所得者への負の影響が広がることへの懸念の声が挙がっている。

さらに言えば、今春改定された診療報酬は、薬価を1.01%下げたうえで本体報酬を0.55%引き上げるという実質的なマイナス改定であったのである。この数字は、患者負担を合わせた全体の医療費が約2.116億円程度引き下げられることを意味するものであるが、コロナ特例を含めて、介護が医療より優遇されるという保障は何もない。

一縷の望みは、菅内閣の最重要課題としてコロナ対策が掲げられたことだ。

そうなると感染予防対策費を報酬に上積みしてのプラス改定という期待も高まるわけだが、まだまだ予断を許さない状況がしばらく続きそうだ。

どちらにしても次期報酬改定は、政治的ウルトラCがない限り小幅な改定で終わりそうだ。介護関係者が期待するコロナウイルス感染予防費の積み上げもわずかで、お茶を濁して終わるかもしれないことを念頭に置いておくべきであり、経営努力としての経費節減策などに、引き続きと止めていかねばならないことを、事業経営者は心にとどめておくべきである。
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事実だけを伝える報道には、「真実」が存在しないこともある


今週は久しぶりにお日様を見る時間が多かった週だったと思っていたら、週末の土曜日は雨になった。今日からまたしばらく雨と曇天が続くらしい。天気が悪くて外に出る機会が減っても気分が滅入らないようにしたい。

それはそうと今週は嬉しいことがあった。あかい花道場の卒業生を1年ぶりに訪ねて、その子が去年から新たに勤め始めた場所で、輝くような笑顔で働いている姿を目にすることができたからだ。そのことについては、ぼくのもう一つのブログに、「咲く場所を変えて大輪を咲かそうとしている花のその後」という記事を書いているので、是非参照していただきたい。

さて本題に移ろう。

市町村が実施している介護保険の総合事業の施行規則の一部を改正する省令案について、国はパブリックコメントとして意見を募集している。

その中の(1)‖茖厩羯業の対象者の弾力化について、多くのメディアは、国が(概要)の中で示した考え方、「要介護認定を受けると、それまで受けていた総合事業のサービスの利用が継続できなくなる点について、本人の希望を踏まえて地域とのつながりを継続することを可能とする観点から、介護保険の給付が受けられることを前提としつつ、弾力化を行うことが重要」という文章をそのままに伝え、論評を加えていない。

そのため結果的には、その裏にある国の意図や、制度改正の布石を伝えていない状態となっている。

たしかに、「サービスの継続性を担保し、地域とのつながりを維持してもらうことが狙い。」というのは国が示している考えであり、そうした考えを示していると報道することは、「事実」を伝えていると言って間違いはない。

しかし過去の経緯を踏まえて考えたら、そもそもサービスの継続性は何故分断されているのかということを伝えなければ、「真実」は伝わらないと思う。

「要支援から要介護になった途端、それまでのサービスが全て使えなくなってしまうのは本人にとって良くないとして、関係者から再考を求める声が出ていた。」と報道されているが、その前に要介護だった人の身体状況が改善し、要支援になった途端、それまでのサービスを使えなくしたは誰なんだと言いたい。それを伝えなければ問題の本質は見えなくなるのではないのか?

要支援者の訪問・通所サービスは、もともと指定介護事業者による要支援者に対する介護給付サービスとして、分断なんかされずに一体的にサービス提供されていたのである。

それが分断されたのは、介護保険法の一部改正により、2015年(平成27年)から「介護予防・日常生活支援総合事業(以下「総合事業」)」がスタートしたのがきっかけであった。経過措置期間を経て2017年4月から全国すべての市町村で、要支援者の訪問・通所サービスは介護給付より単価が低く抑えられる総合事業に移行させられたのである。

要支援者の訪問・通所サービスを市町村の総合事業としなければ、「要支援から要介護になった途端、それまでのサービスが全て使えなくなる」という問題もなかったのである。

給付抑制のために要支援者の訪問・通所サービスを市町村事業にしたことがサービス分断の原因であるという真の問題点を、どの報道機関も伝えていない。

しかも・・・である。施行規則が改正された後は、要介護者になっても総合事業が使えることを、「ありがたいこと」のように報道しているが、ありがたいのは利用者ではなく市町村である。前述したように総合事業の訪問・通所サービスは、介護給付の訪問介護と通所介護より単価が安く設定されている。そのため要介護となっても介護給付の訪問介護や通所介護を利用せずに、総合事業のサービスを利用してくれる人が増えれば財源負担は減るのだ。よってそれは財政事情が厳しい市町村にとってはこの上なくありがたいことである。

しかもこの施行規則変更は、次の制度改正への布石にもなっている。要介護者が総合事業の訪問・通所サービスを利用するという実績をつくることによって、要介護者にとっても総合事業の訪問・通所サービスは効果があるという論理展開につながるわけである。

このようなアリバイ作りを行なったうえで、「軽介護者(要介護1と2)については、総合事業の訪問・通所サービスが利用できれば問題ない」という論理を作り出し、介護給付の訪問・通所サービスは要介護3以上に限定利用させるという給付抑制につながっていくことになる。

いま国は、インセンティブ交付金と連動させて市町村の通いの場づくりを強力に推し進めている。(参照:市町村の「通いの場」の拡充と充実が促されている意味

その政策と要介護者の総合事業利用をセットで進めた先に、軽介護者の訪問・通所サービスのすべてを総合事業化する意図や方向性を伝えた報道は皆無である。

それは果たして、「真実の報道」と言ってよいものなのだろうか。大いに疑問である。介護担当のジャーナリストの魂とは何かを問いたいと思うのは、果たして僕だけだろうか。
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