来年度からの介護報酬改定議論の場である社会保障審議会・介護給付費分科会は、9/16までに関係団体等意見交換会(※3日間行われた)を終え、いよいよ各サービスの2巡目の論点整理に入ることになる。

それを前にして、高市第2次内閣で留任した上野賢一郎厚生労働相が9/18に会見した。

そこでは来年度の介護報酬改定について触れて、「介護・障害福祉分野の賃上げ、経営の安定、離職の防止、人材の確保を図る必要がある」・「経営状況なども把握したうえで、物価や賃金の上昇などを適切に反映するための対応を実施していきたい」と明言した。

来年度の介護報酬改定によって、この言葉が実現することを期待したい。
第2次高市内閣
その期待が高まる要素がほかにもある。新たに任命された副大臣・政務官・首相補佐官を調べてみると、「責任ある積極財政を推進する議員連盟」の所属議員が、なんと30人も入っているのだ。

ということは新たな内閣は積極財政派の布陣となっていると言えるのである。さすれば「責任ある積極財政元年」は本気で成し遂げられるかもしれない。当然そうなれば「財源がない」という理由で介護報酬が切り捨てられることにならない。

そもそも財源がないというのは官僚の戯言だ。消費税を1%に下げるための財源は、あっという間に確保できたではないか。

だからこそ処遇改善加算の引き上げだけではなく、介護事業者の収支改善につながる基本報酬の引き上げを行ってもらいたい。

そのためには、もうすぐ明らかになる昨年度決算の介護事業経営実態調査に注目が集まる。ここで示される収支差率が報酬改定に大きく影響することになるのだが、本当にこの調査は介護事業者の経営実態を現しているのだろうか。

国が収集し分析するビッグデータは、個々の介護事業者からすればブラックボックスでしかない。その為、経営実態調査結果として示された収支差率が、介護事業経営者や介護事業者の実態とかけ離れた高い利益を現す数値になっていることが多い。

前回(2024年度)の介護報酬改定では、訪問介護の収支差率が高いとして、訪問介護費がマイナス改定とされた結果、たくさんの訪問介護事業所が赤字廃業となっている。

その様なことが繰り返されれば、介護保険制度及び介護サービスは、「制度あって、サービスなし」という状態になりかねない。

そうならないように、介護事業経営実態調査の結果を参考資料にしつつも、それだけを唯一の根拠とせずに、昨今の物価高をきちんと勘案してもらいたい。
(※例えば今年8月以降、紙おむつ各メーカーの値上げが相次いでおり、5%〜20%の価格上昇がみられる)

それは介護事業経営者の懐に入れるお金を増やすための対策ではなく、介護サービス事業者と利用者の福祉を護るために必要な対策であることを理解してほしい。
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