私たち対人援助のプロとは、利用者の家族とは異なる存在である。

そうであるがゆえに利用者と遠慮ない関係を築くのではなく、適度な距離感をもって対人援助のプロとして、正しい知識を伝え適切な援助技術を届ける存在である。

だからこそ「親しき仲にも礼儀あり」という諺のごとく、節度ある最低限のマナー意識をもって利用者対応しなければならない。そのことは先月更新した、「利用者との距離感をどうとるのかという悩み」でも詳しく解説したし、今週月曜日にも、「対人援助のプロとしての利用者との距離感」という記事をアップして解説している。

だがそのことがなかなか理解できずに、利用者と馴れ馴れしく接することが、支援者と利用者の壁を取り除くことだと勘違いしている輩も多い。

しかしそれは非常に危険な事でもある。なぜなら利用者との適切な距離感をとるということは、職業上のリスク管理にもつながるという側面をも併せ持つことにつながるからだ。

特に利用者宅に訪問するサービスの担当者は気をつけなければならない。

例えば居宅介護支援事業所の介護支援専門員(以下、居宅ケアマネと略)は、利用者宅で利用者に面接してアセスメントやモニタリングを行う必要がある。

そこには利用者のみならず、その家族が同席する場合も多い。
ケアマネの馴れ馴れしい態度に腹を立てる息子
その際に、居宅ケアマネが利用者との距離感を意識せずに、あまりにも馴れ馴れしい態度をとることに不快感を覚える家族がいないとも限らない。

家族にもいろいろな人が居り、その中には様々な障害を抱えている人も混じっていることを理解せねばならない。利用者の子が、軽度の統合失調症や発達障害である場合は少なくないのである。

統合失調症の家族の場合、妄想を抱く危険性があることを理解しているだろうか・・・。

統合失調症による妄想とは、実際にはないことを強く確信する症状であるが、利用者とケアマネが必要以上に近い距離で馴れ馴れしい態度をとっていると、「自分の親がケアマネに取り込まれて、言われるがままになんでも受け入れてしまう」といった妄想に取りつかれる可能性もある。

そこに判断力低下が伴うと、自分の親に取り入っていうがままに親を動かしているケアマネは殺してしまおうと、危険行動に結びつける可能性も生まれてくるのである。

発達障害の家族がいる場合も、そうした危険性が生まれる。

発達障害がある人の特徴は、特定のことに強い関心をもつ・こだわりが強い・感覚が過敏であるというものである。

そうした特徴を持つ人の前で、他人であるはずのケアマネジャーが、あたかも自分の家族のように、馴れ馴れしく自分の親にタメ口対応している姿を見て、自分の親がケアマネジャーに洗脳されて、何でも言うことを聞き入れて大切な財産まで搾取されているのではないかという妄想を抱くケースは容易に想像できる。

そうした統合失調症による思い込みや、発達障害による妄想が講じた結果、ある日前ぶれもなく訪問先を訪ねた瞬間に、刃物で襲われるケアマネが居たとしても不思議ではないのである。

訪問先には、そうしたリスクがあることを考えると、利用者との心理的距離を家族以上に近くしないようにすることに注意するという考え方は必要不可欠になるのである。

だからこそ・・・どうぞ対人援助のプロとしての適性距離感覚を忘れない人でいてください。

今週金曜日8/21に呉市の新日本造機ホール(呉市民ホール)で行う講演では、そうした距離感の話もする予定だ。
介護事業のサービスマナー講演in呉市
どなたデミ無料で参加可能な講演会で、申し込みなしに入場できるので、お近くの方は今から予定を組んで、会場までお越しいただきたい。是非会場で愛ましょう。
筆者の講演予定はこちらからご覧ください。講演依頼はあかい花公式Web右上のをクリックしてお気軽に相談・お申し込みください。

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