先週火曜日(7/28)16:27頃、熊本地方を中心に最大震度7という大震災並みの地震が起こった。

激甚災害に指定されることが明らかになったこの地震における、今日まで把握されている死者数は38名で、このうち1人は避難のため車中泊をしていた70代女性で、熱中症の疑いで死亡したそうである。

この地域は10年前にも大きな地震が起こり被害を受けている。そのわずか10年後に、それより大きな揺れを伴う地震災害に見舞われてしまった。しかもその10年の間には大雨洪水被害などもあり、短い周期で自然災害を受けている。住民の方々は大変な思いをしていることだろう。

被災地から最も遠くの北の端に住んでいる僕などは、義援金協力を行う以外、被災地及び被災者の方々に手を差し伸べる術はない・・・逆に言えば唯一手を差し伸べる手立てとしての義援金協力は惜しまないつもりだ。

ところで今回の地震と10年前の地震とを比べたとき、介護事業者を巡る状況は大きく異なっている。

10年前の地震の際にはBCP事業継続計画)を策定している介護事業者はほとんどなかったが、今回は逆にほぼすべての介護事業者が自然災害対応のBCP(事業継続計画)を策定していたはずである。なぜならその策定は、2021年度の基準改正で全サービスで義務化され、2024年3月末までに経過措置期間も切れ、現在BCP(事業継続計画)を策定していない場合は運営基準減算の対象になるからである。

今回の地震で、介護事業者は各々BCP(事業継続計画)が機能していたかを確認する必要がある。

そもそもBCP(事業継続計画)は最初から完璧なものができることにはならない。もBCP(事業継続計画)は、「失敗して課題を見つける」ことが重要となるために、訓練(シミュレーション)を繰り返すことが求められている。

訓練後に気づいたマニュアルの不備や備品不足を、BCPにフィードバックし計画を改定しなければならないのであるが、実際の災害の際にも同じことが言える・・・というより実際の災害において課題を振り返る方がより実践的なもBCP(事業継続計画)見直しにつながる可能性が高い。
災害関連死
特に今回は、日中の最高気温が40度に達するような炎天下での地震発生であった。

停電と断水が続き、ACも効かず、水分補給も十分にできない状態になった炎天下で、備蓄品などはそれに備えたものであったのかということを検証しなければならない。

重点的に検証してほしい点は次の4点だ。
・緊急時の初動対応
災害発生直後、利用者と職員の安否確認、避難の実施、建物の被害状況の把握など、命を守る最優先のアクション。

・業務継続・復旧
人員や物資が不足する中で、優先すべき必須業務を絞り込み、関係機関と連携しながらサービスを継続・復旧させることができたか。

・最悪の事態の想定
想定される災害の中で「最も事業継続に影響を与える事態(電気・水道の長期停止、道路の寸断など)」をシナリオ設定は十分だったか、それに基づき対策を練ることができたか。

・指揮命令系統の混乱は生じなかったか
各自に割り当てられていた役割分担は(安否確認班、救護班、情報収集班など)機能したのか。停電時や携帯電話の輻輳(ふくそう)時に備えた情報共有手段(LINE等のSNS・災害用伝言ダイヤル・衛星電話ライフライン停止への備絵は有効だったか
インターネット回線や電話回線にアクセスが集中する状況のこと。輻輳によって通信速度が低下する、通信システムそのものがダウンするといった弊害が生ずる可能性がある。

また今回の地震では、マニュアルでの取り決めが護られないことが大問題につながった。

イオンモール熊本の爆発事故で、従業員2人が亡くなった店の運営会社が、2日記者会見を開き、「売上金を金庫に戻すよう2人に指示した」ことを認めている。イオンのマニュアルでは被災した建物から避難後に、建物内に戻ることを禁じている。

このようにいくらBCP(事業継続計画)を策定しても、そこで規定されている対応策が護られないと意味はなく、貴重な人命さえも奪いかねないことが明らかとなった。そのことを重く受け止め、今後の教訓としなければならない。

そてにしてもそのような形で亡くなられた方は本当にお気の毒である。地震とその関連でお亡くなりになった方々に、改めて冥福をお祈りしたい。合掌。
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