介護人材不足が益々深刻化し、その解決の道標もない我が国の介護事業者では、少ない人材である方々に適切な知識と援助技術を備えてもらい、より効率的に介護実務をこなしてもらうことが最重要課題となっている。

その為に必要とされるのが、教育・訓練であることは今さら言うまでもない。

しかし新人や後輩に対して適切に教育・指導できない上司や管理者職が年々増えているのも事実だ。

その一つの原因がホワハラによるものだと云われている。

ホワハラは、「ホワイトハラスメント」の略で、上司や先輩が部下に対して過剰に気を遣ったり、配慮しすぎたりすることで、本来任せるべき業務や責任を与えず、部下の成長機会を奪う状態を指す。
介護事業のホワイトハラスメント
人手が少なく職員募集に応募も少ない介護事業者にとって、一旦採用した人は貴重な戦力だと思われる。そうした貴重な戦力が、上司のちょっとした注意で委縮して仕事が続けられなくなることを極端に恐れる上司や先輩が増えている。

それらの上司や先輩たちが、新規従業員の採用後研修でも入職者のミスを叱ることができず、過度にかばったり甘えさせたりする状態が存在する。

新人職員を叱ることができず、ミスをかばう人自身は、それが優しさや配慮のつもりであって決して悪意はない。しかしそれは結果的に部下の成長機会やキャリア形成を妨げることになる。それも職場でのハラスメントの一つなのである。

その背景には適切な指導とハラスメントの境界があいまいになっているという現状がある。そうした職場の上司からは、「部下のミスを注意できない」「雑談するのが怖い」といった声を耳にするようになっている。

こんなふうにハラスメントを恐れて部下に必要な指導ができなくなってしまった上司が、人を育てることを恐れ、人に教える気を失ってホワハラに走るのである。

だからこそ適切な指導・教育とハラスメントの違いをしっかりと上司に伝える教育も必要不可欠になるのだ。ちなみに僕は、その違いを明確にして説明する介護事業におけるハラスメント防止講演も行っているので、ご要望のある方は気軽にメールで問い合わせていただきたい。

どちらにしても介護事業者の従業員として、正しい知識と援助技術を身に着け、高品質でかつ、生産性の高い介護サービスを提供するためには、入職後の指導教育が不可欠であり、ホワハラがそれを阻害するとしたらそれは即ち、介護サービスの質を削りとっているということになる。

その状態を放置してはならない。
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