介護保険制度の理念の一つである自立支援の考え方は、制度施行時から変化(進化?)し続けている。
そのことに関連した介護報酬改定の過去の経緯を振り返ると、2006年度の改定時に「経口維持加算」が新設され、その要件として栄養マネジメント加算(常勤の管理栄養士1名以上の配置が要件)の算定が必要とされた。
それ以後、経口からの食事摂取の取り組みが重視され、そこに管理栄養士又は栄養士(※以下、栄養士等と表記)が関わることを評価する報酬体系が整えられていった。
これは自立支援は身体の機能維持・回復のための医学的リハビリテーションエクササイズだけで実現できるものではなく、栄養状態の維持・向上が必須であり、そのためには経口からの食事摂取を続けることが重要であるという考え方に基づくものである。
2024年度の介護報酬改定では、この考え方がさらに進められて、高齢者のフレイル(虚弱)予防のために口腔機能向上に関する取り組みが求められるようになり、リハビリテーション、口腔、栄養の一体的取組が高く評価されている。

自立支援の第一歩は「お口のケア」からであり、食べる喜びの維持が全身状態の維持につながるとして、栄養士等の役割が益々重要視されているのである。(参照:オーラルフレイル予防の重要性を示唆する報酬改定)
このように栄養士等の仕事とは、レシピを工夫したり献立を立てて栄養計算をすることのみではなく、利用者の口腔状態・摂食状況なども把握しながら、食べる喜びを維持するための工夫・取り組み全般を含むものである。
そうであれば、要介護者が看取り介護の対象になった際にも栄養士等の役割は重要となってくる。
看取り介護対象者は、そのいずれかの時期において経口摂取が不可能となる。いわゆる禁食という状態に陥るわけであるが、それは医師の判断によって時期が決まる。その際に栄養士等からの情報提供を参考にすることはあっても、禁食の判断・指示を行うのはあくまで医師である。
(※看取り介護の場合、口からの食事摂取ができなくなっても経管栄養を行うことはないし、多くの場合、点滴も行わないか、必要最低限にとどめるのが普通である。)
だが、禁食となった以後は食事提供されなくなるのだから、栄養士等の出番はなくなると考えてはならない。むしろ食の専門家である栄養士等の腕の見せ所は禁食となった以後である。
食事ができなくなっても、口から物を摂取できなくなっても、味わうことはできるかもしれない。好きな味を感ずることはできるかもしれない。そういう機会を保障・実現する専門家が栄養士等だと思う。
来週7月15日(水)に大阪市社会福祉センターで行う看取りケア・ターミナルケア研修会には、大阪市老連の栄養士研修も兼ねているため、数多くの栄養士さんが受講する予定となっている。
その為、看取りの場で必要となる栄養士の役割にも触れる予定だ。そこでのキーワードは、「出来ないことより、出来ることを考えるのが専門職の役割」である。
看取り介護期で、なおかつ禁食となった以後に職の専門家として出来ること・しなければならないことを伝える予定だ。
是非会場で耳をそばだてながら、僕の話を受け止めていただきたいと思う。それでは当日会場で愛ましょう。
※メディカルサポネットの連載、「菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営」の最新記事がアップされました。

今回のテーマは、「改革と変化に適応できるケアマネジメント〜介護保険制度改正とAIが示す転換点―現場はどう変わるのか〜」です。文字リンク先を参照ください。
※筆者の講演予定はこちらからご覧ください。講演依頼はあかい花公式Web右上の✉をクリックしてお気軽に相談・お申し込みください。
※別ブログ「masaの血と骨と肉」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。
北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。
・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。
・masaの看取り介護指南本「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
そのことに関連した介護報酬改定の過去の経緯を振り返ると、2006年度の改定時に「経口維持加算」が新設され、その要件として栄養マネジメント加算(常勤の管理栄養士1名以上の配置が要件)の算定が必要とされた。
それ以後、経口からの食事摂取の取り組みが重視され、そこに管理栄養士又は栄養士(※以下、栄養士等と表記)が関わることを評価する報酬体系が整えられていった。
これは自立支援は身体の機能維持・回復のための医学的リハビリテーションエクササイズだけで実現できるものではなく、栄養状態の維持・向上が必須であり、そのためには経口からの食事摂取を続けることが重要であるという考え方に基づくものである。
2024年度の介護報酬改定では、この考え方がさらに進められて、高齢者のフレイル(虚弱)予防のために口腔機能向上に関する取り組みが求められるようになり、リハビリテーション、口腔、栄養の一体的取組が高く評価されている。

自立支援の第一歩は「お口のケア」からであり、食べる喜びの維持が全身状態の維持につながるとして、栄養士等の役割が益々重要視されているのである。(参照:オーラルフレイル予防の重要性を示唆する報酬改定)
このように栄養士等の仕事とは、レシピを工夫したり献立を立てて栄養計算をすることのみではなく、利用者の口腔状態・摂食状況なども把握しながら、食べる喜びを維持するための工夫・取り組み全般を含むものである。
そうであれば、要介護者が看取り介護の対象になった際にも栄養士等の役割は重要となってくる。
看取り介護対象者は、そのいずれかの時期において経口摂取が不可能となる。いわゆる禁食という状態に陥るわけであるが、それは医師の判断によって時期が決まる。その際に栄養士等からの情報提供を参考にすることはあっても、禁食の判断・指示を行うのはあくまで医師である。
(※看取り介護の場合、口からの食事摂取ができなくなっても経管栄養を行うことはないし、多くの場合、点滴も行わないか、必要最低限にとどめるのが普通である。)
だが、禁食となった以後は食事提供されなくなるのだから、栄養士等の出番はなくなると考えてはならない。むしろ食の専門家である栄養士等の腕の見せ所は禁食となった以後である。
食事ができなくなっても、口から物を摂取できなくなっても、味わうことはできるかもしれない。好きな味を感ずることはできるかもしれない。そういう機会を保障・実現する専門家が栄養士等だと思う。
来週7月15日(水)に大阪市社会福祉センターで行う看取りケア・ターミナルケア研修会には、大阪市老連の栄養士研修も兼ねているため、数多くの栄養士さんが受講する予定となっている。
その為、看取りの場で必要となる栄養士の役割にも触れる予定だ。そこでのキーワードは、「出来ないことより、出来ることを考えるのが専門職の役割」である。
看取り介護期で、なおかつ禁食となった以後に職の専門家として出来ること・しなければならないことを伝える予定だ。
是非会場で耳をそばだてながら、僕の話を受け止めていただきたいと思う。それでは当日会場で愛ましょう。
※メディカルサポネットの連載、「菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営」の最新記事がアップされました。

今回のテーマは、「改革と変化に適応できるケアマネジメント〜介護保険制度改正とAIが示す転換点―現場はどう変わるのか〜」です。文字リンク先を参照ください。
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感動の完結編。
