2024年度の介護報酬改定時に、「身体拘束等の適正化」として、介護保険施設に義務付けられていた適正化の措置(委員会の開催・指針の整備・研修の実施)が、短期入所系サービスと多機能系サービスに拡大されるとともに、訪問系サービス・通所系サービス・居宅介護支援等の運営基準に身体拘束廃止規定が設けられています。

さらに身体拘束廃止未実施減算が強化され、減算単位が引き上げられているのです。

その意味は、身体拘束が未だになくなっていないからにほかならず、介護事業関係者はそのことを恥と感じて、身体拘束は絶対に行ってはならないという心構えを持たねばならないと思います。

さて身体拘束廃止の措置の中には定期的な研修実施が含まれているため、それをテーマにした講師依頼も少なくありません。そのため来月は、「身体拘束廃止」をテーマにした講演を2カ所で行う予定が入っています。
身体拘束廃止講演
上の画像は、その研修のために作成しているPPTスライドの一部です。こうした実践経験に即したスライドはAIには作れないでしょう。

画像を見て解かるように、ここでは過去に介護施設等で日常的に拘束が行われていた例を示すとともに、現在も行われている身体拘束を例示します。

最近話題になった医療機関の身体拘束事案として、2026年6/18、八戸市のみちのく記念病院の元看護師や運営する医療法人の元理事長たちに対する告発状が八戸警察署に提出されたという報道がありました。

それは2023年3月、八戸市のみちのく記念病院で起きた入院患者の死亡事件に対する告発状です。

同病院では、おむつ交換の時に入院患者が暴れることを理由に、看護師が独断で当該患者の手足をベッドに縛って放置していました。

拘束されていた入院患者は抵抗できない状態のまま、別の患者から歯ブラシの柄で左目まぶた付近を何度も突き刺され亡くなりました・・・つまり被害者の方は、同室の人からめった刺しにされていながら、何の抵抗もできずに苦しみながら亡くなっていったのです。これほど悲惨な死に方はありません。

こうした事件を考えると、身体拘束廃止は単に法令を護るために実現させるのではなく、人としての尊厳と権利を護るために実現させねばならないのだとつくづく思います。

身体拘束廃止が出来ないところでは、人間尊重が価値前提である社会福祉がどん座位しないともいえます。

そこは人間が人間らしく生きることができる場所ではなくなります。私たち対人援助の専門家は、そうした場所をつくらないために、社会福祉の精神や制度の光を、社会の隅々まで届ける役割を持っているのです。

そのことを決して忘れずに、身体拘束廃止を掛け声だけに終わらせずに、実効性のあるものとするために、廃止の方法論も含めた実践的講演を行っていきたいと思います。
CBニュースの連載、快筆乱麻・masaが読み解く介護の今の最新記事が6/25アップされました。
快筆乱麻・masaが読み解く介護の今
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