介護サービス別のBCP要点(その1)より続く
介護事業におけるBPCが必要とされる理由として次の3点を挙げておきたい。
・生命の維持に直結:介護サービスが停止すると、利用者の生命や健康に直接的な重大な影響を及ぼす。
・社会的インフラとしての責任:地域社会において、要介護者を支える不可欠なライフラインとしての役割を担っている。
・職員の安全と雇用の確保:災害時における職員の安全を守り、法人の事業継続(倒産防止)を図るために必須となる。

(※参照:介護事業におけるBPC策定の要点というテーマの筆者の講演スライドの1枚)
ということで昨日の通所サービスのBPCの策定要点に続き今日は、訪問サービス、居宅介護支援、施設・居住系サービス別にBCP策定の要点を整理してみよう。
訪問サービスは、自転車やバイク、自動車で各家庭を巡回するため、移動中の被災や、道路寸断による訪問不能という事態が発生する可能性がある。日ごろからハザードマップを確認して、安全な移動ルートの選択、避難場所の確認が必要だ。
災害時は全利用者に訪問することは不可能となるので、限られた人員で誰を優先して訪問・安否確認するかという利用者の優先順位付け(トリアージ)も求められる。
訪問中に地震が発生した場合、利用者の安全を確保した上で、スタッフ自身の命を守る行動を最優先する必要がある。さらに災害時は固定電話や携帯音声通話が繋がりにくくなるため、LINE等のテキストで連絡を取れるようにしておくことも重要だ。
訪問スタッフのバッグに、モバイルバッテリー、懐中電灯、簡易救急セット等を常時携行さておくべきだろう。
居宅介護支援事業所は利用者の基本情報のハブ機能を持つという特徴があり、データの保護が最重要課題である。そのため介護ソフトをオンプレミス(事務所のPC保存)からクラウド型へ移行し、事務所が被災しても自宅のPCやタブレットから利用者情報にアクセスできる環境を構築しておくことが重要だ。
そのうえでケアマネジャーが自宅からでも安否確認や電話調整が行えるよう、業務用の支給スマホや、VPN接続による安全なリモートワーク環境を平時から整備・テストしておくべきだ。
独居で医療依存度の高い利用者など、「サービスが途切れると直ちに命に関わる利用者」をリスト化し、優先的に安否確認と調整を行う必要がある。
災害時の緊急的なサービス追加や変更について、事後的にケアプランを変更・交付する柔軟な対応手順(保険者のローカルルール確認)を整理しておき、日ごろからサービス事業所との連携を図り、柔軟なサービスプランの変更に対応できるようにしておきたい。
施設・居住系サービスについては、利用者の生活の場であるため、昼夜問わず災害が発生した際に、その場にいる職員で外部の避難所へ移動させることは極めて困難である。そのため護施設そのものが頑丈に造られており、津波等の危険性が低い地域にあるならば、施設内に留まる方が利用者のリスクは低くなる。水害が予想される地域では、1階の利用者を2階以上へ移動させる「垂直避難」の基準(水位等)と、シーツや車椅子を使った搬送手順を定め置く必要がある。
施設内留まり際に大量の物資が消費されることを想定し、公的な支援物資が施設に届くまでには最低でも3日かかると言われていることを踏まえて、最低3日分の物資を備蓄しておくべきだ。
具体的には、全入居者+出勤スタッフ分の飲料水、非常食、簡易トイレ、オムツ、衛生用品をローリングストック法(日常的に食品や日用品を少し多めに備蓄し、消費した分を随時補充することで、常に一定量を確保する備蓄方法)管理する必要がある。
ライフライン停止へのアプローチは非常に重要だ。非常用自家発電機が何時間稼働するかを確認しておくべきである。また、軽油などの燃料を優先的に給油してもらえるよう、地元のガソリンスタンドと事前に協定(MOU)を結ぶことが重要となる。
在宅酸素や人工呼吸器を使用している利用者の停電対策が、極めてクリティカルな課題となることを忘れてはならない。
排泄ケアの継続も考えておく必要がある。断水で最も困るのは水洗トイレが使えなくなることだ。マ
ンホールトイレの設置や、便器にかぶせるタイプの凝固剤入り非常用トイレ袋を大量に備蓄し、感染症予防に努めなければならない。
ただし施設倒壊の恐れがある場合に備え、協定を結んだ同法人の他施設や、福祉避難所への福祉車両による移送計画を立てておくことも必要である。
すべてのサービス種別において、大規模災害時は自社だけでの復旧は困難であることを理解しなければならない。そのため近隣の他法人の介護施設等と「物資の融通」「職員の応援」「利用者の代替受け入れ」の協定を平時から締結しておくことが望ましい。
※メディカルサポネットの連載、「菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営」の第17回配信記事が5/21午前中にアップされました。

今回のテーマは、「厳しい物価高に介護事業者はどのように対応すべきか」です。文字リンク先を参照願います。
※筆者の講演予定はこちらからご覧ください。講演依頼はあかい花公式Web右上の✉をクリックしてお気軽に相談・お申し込みください。
※別ブログ「masaの血と骨と肉」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。
北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。
・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。
・masaの看取り介護指南本「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
介護事業におけるBPCが必要とされる理由として次の3点を挙げておきたい。
・生命の維持に直結:介護サービスが停止すると、利用者の生命や健康に直接的な重大な影響を及ぼす。
・社会的インフラとしての責任:地域社会において、要介護者を支える不可欠なライフラインとしての役割を担っている。
・職員の安全と雇用の確保:災害時における職員の安全を守り、法人の事業継続(倒産防止)を図るために必須となる。

(※参照:介護事業におけるBPC策定の要点というテーマの筆者の講演スライドの1枚)
ということで昨日の通所サービスのBPCの策定要点に続き今日は、訪問サービス、居宅介護支援、施設・居住系サービス別にBCP策定の要点を整理してみよう。
訪問サービスは、自転車やバイク、自動車で各家庭を巡回するため、移動中の被災や、道路寸断による訪問不能という事態が発生する可能性がある。日ごろからハザードマップを確認して、安全な移動ルートの選択、避難場所の確認が必要だ。
災害時は全利用者に訪問することは不可能となるので、限られた人員で誰を優先して訪問・安否確認するかという利用者の優先順位付け(トリアージ)も求められる。
訪問中に地震が発生した場合、利用者の安全を確保した上で、スタッフ自身の命を守る行動を最優先する必要がある。さらに災害時は固定電話や携帯音声通話が繋がりにくくなるため、LINE等のテキストで連絡を取れるようにしておくことも重要だ。
訪問スタッフのバッグに、モバイルバッテリー、懐中電灯、簡易救急セット等を常時携行さておくべきだろう。
居宅介護支援事業所は利用者の基本情報のハブ機能を持つという特徴があり、データの保護が最重要課題である。そのため介護ソフトをオンプレミス(事務所のPC保存)からクラウド型へ移行し、事務所が被災しても自宅のPCやタブレットから利用者情報にアクセスできる環境を構築しておくことが重要だ。
そのうえでケアマネジャーが自宅からでも安否確認や電話調整が行えるよう、業務用の支給スマホや、VPN接続による安全なリモートワーク環境を平時から整備・テストしておくべきだ。
独居で医療依存度の高い利用者など、「サービスが途切れると直ちに命に関わる利用者」をリスト化し、優先的に安否確認と調整を行う必要がある。
災害時の緊急的なサービス追加や変更について、事後的にケアプランを変更・交付する柔軟な対応手順(保険者のローカルルール確認)を整理しておき、日ごろからサービス事業所との連携を図り、柔軟なサービスプランの変更に対応できるようにしておきたい。
施設・居住系サービスについては、利用者の生活の場であるため、昼夜問わず災害が発生した際に、その場にいる職員で外部の避難所へ移動させることは極めて困難である。そのため護施設そのものが頑丈に造られており、津波等の危険性が低い地域にあるならば、施設内に留まる方が利用者のリスクは低くなる。水害が予想される地域では、1階の利用者を2階以上へ移動させる「垂直避難」の基準(水位等)と、シーツや車椅子を使った搬送手順を定め置く必要がある。
施設内留まり際に大量の物資が消費されることを想定し、公的な支援物資が施設に届くまでには最低でも3日かかると言われていることを踏まえて、最低3日分の物資を備蓄しておくべきだ。
具体的には、全入居者+出勤スタッフ分の飲料水、非常食、簡易トイレ、オムツ、衛生用品をローリングストック法(日常的に食品や日用品を少し多めに備蓄し、消費した分を随時補充することで、常に一定量を確保する備蓄方法)管理する必要がある。
ライフライン停止へのアプローチは非常に重要だ。非常用自家発電機が何時間稼働するかを確認しておくべきである。また、軽油などの燃料を優先的に給油してもらえるよう、地元のガソリンスタンドと事前に協定(MOU)を結ぶことが重要となる。
在宅酸素や人工呼吸器を使用している利用者の停電対策が、極めてクリティカルな課題となることを忘れてはならない。
排泄ケアの継続も考えておく必要がある。断水で最も困るのは水洗トイレが使えなくなることだ。マ
ンホールトイレの設置や、便器にかぶせるタイプの凝固剤入り非常用トイレ袋を大量に備蓄し、感染症予防に努めなければならない。
ただし施設倒壊の恐れがある場合に備え、協定を結んだ同法人の他施設や、福祉避難所への福祉車両による移送計画を立てておくことも必要である。
すべてのサービス種別において、大規模災害時は自社だけでの復旧は困難であることを理解しなければならない。そのため近隣の他法人の介護施設等と「物資の融通」「職員の応援」「利用者の代替受け入れ」の協定を平時から締結しておくことが望ましい。
※メディカルサポネットの連載、「菊地雅洋の一心精進・激動時代の介護経営」の第17回配信記事が5/21午前中にアップされました。

今回のテーマは、「厳しい物価高に介護事業者はどのように対応すべきか」です。文字リンク先を参照願います。
※筆者の講演予定はこちらからご覧ください。講演依頼はあかい花公式Web右上の✉をクリックしてお気軽に相談・お申し込みください。
※別ブログ「masaの血と骨と肉」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。
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・masaの看取り介護指南本「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。


感動の完結編。

ありがとうございました。
masa
が
しました