カナダ・ヨーク大学の研究チームが認知症となるリスクに関する最新分析結果を公表した。
それによると1晩に7時間未満の睡眠しか取らない場合は認知症リスクが約18%増加し、1晩に8時間以上の睡眠を取っている場合はリスクが約28%増加するという関連性がみられたという・・・つまり、認知症リスクを低下させるのに最適な睡眠時間は、1晩あたり7〜8時間というわけである。
睡眠時間の分析には合計130万人以上のデータが用いられたというが、果たしてそれは我が国の国民にも通用する分析結果だろうか。
認知症の発生要因は食事や運動の習慣、社会とのかかわり方など生活のあり方に関係してくるため、国や地域によって大きく異なると云われている。認知症のリスク因子の影響の大きさも、社会的・文化的な背景によって変わってくる可能性があるので、カナダチームの睡眠時間分析が日本人に当てはまるかは不透明だ。
というか認知症に関してはまだまだ解明できていない部分が多すぎて、予防や治療は実現できていないというのが現状である。
例えばアルツハイマー型認知症は、脳内にアミロイドβたんぱく質が貯留し、それがタウタンパクに変質して脳細胞を圧迫・壊死させることが原因だと云われて久しいが、本来体外に排出されるアミロイドβが正常に輩出されなくなる原因や、タウタンパクを取り除く方法などに人類は辿り着いていない。

よって上記のアミロイド仮説も、仮説という言葉を外せない状態で、それが本当かどうかという結論には至っていない。
ただし我が国においては、認知症の人が抱える合併症上の中では難聴が最も大きな割合を占めているという事実がある。それが認知症の誘因となっている可能性は否定できないために、聴力低下が気になったら耳鼻科を受診することは重要となる。
視覚障害を放置することで認知症が発生・悪化することも知られている。
こうした感覚機能の低下が認知症の発症と関連深い理由は、人が獲得できる情報量が減るからであろうと思う。すると聴覚・視覚以外にも、嗅覚・味覚の低下も外部情報の減少に結びつくので、認知症発症の原因になるだろう。
次に認知症リスクとして大きいのが運動不足である。定期的に体を動かすことは脳だけでなく血管の健康にも良い影響を与えるので、散歩など日常の中で意識的に体を動かす習慣を積み重ねることは大切である。
LDLコレステロール・糖尿病・高血圧・喫煙・過度の飲酒といった血管や代謝に関わる要因も、認知症リスクとして無視できない割合を占めている。これらはすでに治療法や管理法が確立されている病気なのだから、治療中の方はその継続が最も重要である。
治療が必要ではない方も定期的な健診を通じて自分の数値を把握しておくことが認知症予防という意味でも重要となる。
こうして見ると「認知症の予防」は特別な取り組みというより、血管・代謝、目や耳やその他の身体機能、そして社会とのつながりという日常の健康管理の延長線上にあることがわかる。
残念ながら学習療法等の脳トレについては、認知症を防ぐという明確な証拠はない。通所リハビリ等で認知症リハビリと称する脳トレを行っていても、それが認知症を予防したり、認知症の発症を遅らせるという科学は存在していないのが現状である。軽度認知障害(MCI)の改善に効果があるというエビデンスもないといってよい。
とにもかくにも認知症についてはわかっていることより、わからないことの方が多いのである。果たして僕が生きている間に、人類は認知症から解放されるだろうか・・・それは極めて難しいと云わざるを得ない。
※筆者の講演予定はこちらからご覧ください。講演依頼はあかい花公式Web右上の✉をクリックしてお気軽に相談・お申し込みください。
※別ブログ「masaの血と骨と肉」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。
北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。
・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。
・masaの看取り介護指南本「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
それによると1晩に7時間未満の睡眠しか取らない場合は認知症リスクが約18%増加し、1晩に8時間以上の睡眠を取っている場合はリスクが約28%増加するという関連性がみられたという・・・つまり、認知症リスクを低下させるのに最適な睡眠時間は、1晩あたり7〜8時間というわけである。
睡眠時間の分析には合計130万人以上のデータが用いられたというが、果たしてそれは我が国の国民にも通用する分析結果だろうか。
認知症の発生要因は食事や運動の習慣、社会とのかかわり方など生活のあり方に関係してくるため、国や地域によって大きく異なると云われている。認知症のリスク因子の影響の大きさも、社会的・文化的な背景によって変わってくる可能性があるので、カナダチームの睡眠時間分析が日本人に当てはまるかは不透明だ。
というか認知症に関してはまだまだ解明できていない部分が多すぎて、予防や治療は実現できていないというのが現状である。
例えばアルツハイマー型認知症は、脳内にアミロイドβたんぱく質が貯留し、それがタウタンパクに変質して脳細胞を圧迫・壊死させることが原因だと云われて久しいが、本来体外に排出されるアミロイドβが正常に輩出されなくなる原因や、タウタンパクを取り除く方法などに人類は辿り着いていない。

よって上記のアミロイド仮説も、仮説という言葉を外せない状態で、それが本当かどうかという結論には至っていない。
ただし我が国においては、認知症の人が抱える合併症上の中では難聴が最も大きな割合を占めているという事実がある。それが認知症の誘因となっている可能性は否定できないために、聴力低下が気になったら耳鼻科を受診することは重要となる。
視覚障害を放置することで認知症が発生・悪化することも知られている。
こうした感覚機能の低下が認知症の発症と関連深い理由は、人が獲得できる情報量が減るからであろうと思う。すると聴覚・視覚以外にも、嗅覚・味覚の低下も外部情報の減少に結びつくので、認知症発症の原因になるだろう。
次に認知症リスクとして大きいのが運動不足である。定期的に体を動かすことは脳だけでなく血管の健康にも良い影響を与えるので、散歩など日常の中で意識的に体を動かす習慣を積み重ねることは大切である。
LDLコレステロール・糖尿病・高血圧・喫煙・過度の飲酒といった血管や代謝に関わる要因も、認知症リスクとして無視できない割合を占めている。これらはすでに治療法や管理法が確立されている病気なのだから、治療中の方はその継続が最も重要である。
治療が必要ではない方も定期的な健診を通じて自分の数値を把握しておくことが認知症予防という意味でも重要となる。
こうして見ると「認知症の予防」は特別な取り組みというより、血管・代謝、目や耳やその他の身体機能、そして社会とのつながりという日常の健康管理の延長線上にあることがわかる。
残念ながら学習療法等の脳トレについては、認知症を防ぐという明確な証拠はない。通所リハビリ等で認知症リハビリと称する脳トレを行っていても、それが認知症を予防したり、認知症の発症を遅らせるという科学は存在していないのが現状である。軽度認知障害(MCI)の改善に効果があるというエビデンスもないといってよい。
とにもかくにも認知症についてはわかっていることより、わからないことの方が多いのである。果たして僕が生きている間に、人類は認知症から解放されるだろうか・・・それは極めて難しいと云わざるを得ない。
※筆者の講演予定はこちらからご覧ください。講演依頼はあかい花公式Web右上の✉をクリックしてお気軽に相談・お申し込みください。
※別ブログ「masaの血と骨と肉」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。
北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。
・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。
・masaの看取り介護指南本「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。


感動の完結編。
