大型連休直前の4/28に行われた財政制度等審議会・財政制度分科会で取り上げられたのは、令和7年度介護事業経営概況調査結果の概要・・・この資料の中の「各介護サービスにおける収支差率」を取り上げた財務省は、「介護サービスの類型や提供実態に応じて介護報酬を適正化する必要がある」と指摘している。
そして来年度の報酬改定で、「給付の効率化・適正化を実施すべき」とマイナス改定とすべきと主張している。

ここで取り上げられている収支差率とは、令和6年度の決算である。つまり前回の介護報酬プラス改定が行われた年度の決算数字だ。本来ならその数字は前年比で改善(収支差率アップ)して当然だ。そうであるにもかかわらず、前年度決算数字と比べてわずかな収支差率の改善しかされていない。
しかも介護報酬は3年間据え置きなのだから、本来令和6年度決算では、その後の2年間の運営経費増のための資金をストックせねばならない。(※今年度の臨時改定は処遇改善加算のみだから、事業者収入につながる費用は据え置かれていることに変わりはない)よって令和6年度決算数字は、令和8年度までの3年間で一番収支差率が高くならねば、その後の介護事業経営は心もとないものとなるのである。
ところが物価高等の事業経費増に食われて、プラス改定分の報酬効果が減殺されている。そうであればその後の2年間は、さらに物価高がすすみ事業運営経費がかさんでおり、しかもイラン情勢の悪化で石油製品の高騰が起き、介護事業に欠かせないプラスティックグローブや紙おむつなども品薄・価格上昇という大打撃を受けている。それを考えると令和8年度決算は、単年度赤字の事業者が爆増する恐れがある。
しかも収支差率が高く出ている訪問介護等は、抽出率はわずか「10分の1」でしかないが、小規模訪問介護事業所は業務に余裕がなく、調査対象となっても回答できないケースが大半だ。
結果的に国に調査データを提出しているのは、法人事務部門が別に存在するために財務データを取りまとめて提出できる大規模法人併設の訪問介護か、全国に事業展開する大手訪問介護事業者が大半である。
そこはスケールメリットが働き収支差率は高くなるが、訪問介護事業の多数を占めるのは、調査に回答する余裕のない小規模事業者である。それらの収支差率は大規模事業者と比べものにならないほど低くなる。
(※ちなみに収入には物価高騰対策関連補助金は含まれていない旨が強調されているが、収支差率が高いと指摘されている訪問介護の令和6年度補助額は3千円/月でしかない。経営上ほとんど意味のない額だ。)
そもそも収支差率は税引き前の数値であって、しかも借入金の元金返済は「支出額」に含まれておらず、収支差率には反映されないのである。
よって収支差率が数パーセントのプラスであっても、それらを差し引いた場合、実態収益はマイナスとなる事業が多数みられる。例えば特養の令和6年度の実質収益は平均でマイナスとなるはずだ。
そのような中で、昨年の全産業平均と介護職員の給与の格差は月8.3万円となり、前年の月6.9万円から大幅に拡大しているのである。このことは収支差率が高い事業ほど、従業員が労務に見合わない低い対価に甘んじている結果ともいえるわけである。
介護が社会の底辺労働化するようなこの格差是正は急務の課題だ。
よって我が国の介護事業を護り、介護職員等の給与を全産業平均により近づけるためには、来年度の介護報酬改定では、処遇改善加算の引き上げだけではなく基本報酬の大幅な引き上げ・プラス改定が必要不可欠なのである。
が・・・しかし、このような理屈を、財務のプロであり我々よりずっと頭が良い財務官僚が知らないわけがない。収支差率の読み方を間違えるわけがないのである。
財務官僚はそうした実態を知ったうえで、あえて知らないふりをして、事実から目を背けてマイナス改定の理屈を口にしているだけなのだ。無知を装って屁理屈を正当化するという手段をとっているだけだ。
だから介護関係者がいくら正論を口にしようと、そのような声も聴こえないふりをして、マイナス改定に向けたエセ理論武装をさらに進めるのである。
それに負けないで声を出し続ける必要がある。それに負けない毅然とした態度が求められるのである。
ただし次期報酬改定に影響するデータは、今回示された令和7年度介護事業経営概況調査結果ではなく、今年5月に実施され秋ころまでに結果が出る令和7年度決算の介護事業経営実態調査である。
この調査票が届けられた介護事業者で、物価高等で経営が苦しい事業者の方々は、この調査票を放置せず、必ず苦しい経営状況を報告してほしい。そしてデータ数値を正しく読み込むように声を挙げ続けてほしい。
それができるかどうかで、次期報酬改定の動向が決まると言って過言ではない。
※CBニュースの連載masaが読み解く介護の今の最新記事がアップされました。

第124回目のテーマは、「家事支援の国家資格創設への疑問」です。文字リンク先を参照ください。
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・masaの看取り介護指南本「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
そして来年度の報酬改定で、「給付の効率化・適正化を実施すべき」とマイナス改定とすべきと主張している。

ここで取り上げられている収支差率とは、令和6年度の決算である。つまり前回の介護報酬プラス改定が行われた年度の決算数字だ。本来ならその数字は前年比で改善(収支差率アップ)して当然だ。そうであるにもかかわらず、前年度決算数字と比べてわずかな収支差率の改善しかされていない。
しかも介護報酬は3年間据え置きなのだから、本来令和6年度決算では、その後の2年間の運営経費増のための資金をストックせねばならない。(※今年度の臨時改定は処遇改善加算のみだから、事業者収入につながる費用は据え置かれていることに変わりはない)よって令和6年度決算数字は、令和8年度までの3年間で一番収支差率が高くならねば、その後の介護事業経営は心もとないものとなるのである。
ところが物価高等の事業経費増に食われて、プラス改定分の報酬効果が減殺されている。そうであればその後の2年間は、さらに物価高がすすみ事業運営経費がかさんでおり、しかもイラン情勢の悪化で石油製品の高騰が起き、介護事業に欠かせないプラスティックグローブや紙おむつなども品薄・価格上昇という大打撃を受けている。それを考えると令和8年度決算は、単年度赤字の事業者が爆増する恐れがある。
しかも収支差率が高く出ている訪問介護等は、抽出率はわずか「10分の1」でしかないが、小規模訪問介護事業所は業務に余裕がなく、調査対象となっても回答できないケースが大半だ。
結果的に国に調査データを提出しているのは、法人事務部門が別に存在するために財務データを取りまとめて提出できる大規模法人併設の訪問介護か、全国に事業展開する大手訪問介護事業者が大半である。
そこはスケールメリットが働き収支差率は高くなるが、訪問介護事業の多数を占めるのは、調査に回答する余裕のない小規模事業者である。それらの収支差率は大規模事業者と比べものにならないほど低くなる。
(※ちなみに収入には物価高騰対策関連補助金は含まれていない旨が強調されているが、収支差率が高いと指摘されている訪問介護の令和6年度補助額は3千円/月でしかない。経営上ほとんど意味のない額だ。)
そもそも収支差率は税引き前の数値であって、しかも借入金の元金返済は「支出額」に含まれておらず、収支差率には反映されないのである。
よって収支差率が数パーセントのプラスであっても、それらを差し引いた場合、実態収益はマイナスとなる事業が多数みられる。例えば特養の令和6年度の実質収益は平均でマイナスとなるはずだ。
そのような中で、昨年の全産業平均と介護職員の給与の格差は月8.3万円となり、前年の月6.9万円から大幅に拡大しているのである。このことは収支差率が高い事業ほど、従業員が労務に見合わない低い対価に甘んじている結果ともいえるわけである。
介護が社会の底辺労働化するようなこの格差是正は急務の課題だ。
よって我が国の介護事業を護り、介護職員等の給与を全産業平均により近づけるためには、来年度の介護報酬改定では、処遇改善加算の引き上げだけではなく基本報酬の大幅な引き上げ・プラス改定が必要不可欠なのである。
が・・・しかし、このような理屈を、財務のプロであり我々よりずっと頭が良い財務官僚が知らないわけがない。収支差率の読み方を間違えるわけがないのである。
財務官僚はそうした実態を知ったうえで、あえて知らないふりをして、事実から目を背けてマイナス改定の理屈を口にしているだけなのだ。無知を装って屁理屈を正当化するという手段をとっているだけだ。
だから介護関係者がいくら正論を口にしようと、そのような声も聴こえないふりをして、マイナス改定に向けたエセ理論武装をさらに進めるのである。
それに負けないで声を出し続ける必要がある。それに負けない毅然とした態度が求められるのである。
ただし次期報酬改定に影響するデータは、今回示された令和7年度介護事業経営概況調査結果ではなく、今年5月に実施され秋ころまでに結果が出る令和7年度決算の介護事業経営実態調査である。
この調査票が届けられた介護事業者で、物価高等で経営が苦しい事業者の方々は、この調査票を放置せず、必ず苦しい経営状況を報告してほしい。そしてデータ数値を正しく読み込むように声を挙げ続けてほしい。
それができるかどうかで、次期報酬改定の動向が決まると言って過言ではない。
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感動の完結編。
