一昨日、介護関連の大きなニュースが飛び込んできた。
4/22に行われた日本成長戦略会議(第4回)で政府は、女性の離職率低下を目的とした家事支援サービスの利用促進策として国家資格を創設し、試験を2027年秋ごろに実施することを明らかにした。

同会議の資料では、「家事支援サービス・ベビーシッターは認知されているが、潜在需要に対して価格の高さや心理的抵抗感により、都市部を除き利用は限定的」と指摘している。
そのため家事援助の利用を促進するためには、国家資格という形で国がお墨付きを与えることで信頼性を高め、利用が促されることで、出産・育児や介護・看護のための離職を防ぐ狙いがあるとしている。
この方針については、数多くの介護関係者が興味を寄せているようで、家事支援国家資格創設という記事を配信した昨日のオンラインサイトにはアクセスが集中し、記事のリンク先に繋がらずに、「アクセスが大量に発生しているための一時的なエラーです。」というメッセージが出たほどである。

ところで国家資格保有者が、家事援助サービスを提供するようになったとしても、それはあくまで保険外サービスの域を出ない。
保険外サービスであれば新国家資格保有者でなくともサービス提供は可能であろう。現行の訪問介護員の有資格者だけではなく、家事支援の国家資格創設後もその資格を取らない無資格者であろうともサービス提供できてしまう。
そう考えると家事支援の国家資格など、ほとんど意味が無い資格のようにも思え、無理して時間を削り出して、勉強して試験を受けてまで新国家資格を取ろうとする動機づけがどれほど生まれるのか・・・大いに疑問である。
そもそも家事援助の担い手に国家試験を課すのに、家事援助も身体介護も行う訪問介護員は、試験に合格しなくとも初任者研修を受講するだけでその資格を得られる。この矛盾はどう考えればよいのだろう。
家事支援サービスが事業として成り立つのかも疑問だ。現行の家事支援サービスが普及しない背景には、他人に自宅に入られることに抵抗があるという理由が取り上げられているが、それより大きな問題は費用負担である。保険外で補助のない家事援助にお金をかけるより、自分ができることなのだから自分でやろうとする人が多いのである。
そうであれば家事援助の国家資格を持った人から保険外サービスを受けるニーズより、現行の訪問介護の中で家事援助を受けたいというニーズの方が高くなることはごく当たり前のことだろう。
しかも保険給付がないのだから、品質の担保されたを安心して利用できる体制を構築したとしても、サービス対価はさほど高く設定できない。一方で国家資格を取得した人からすれば、国家資格に見合った対価を求めたくなるだろう。有資格者のニーズに応える価格設定をすれば顧客確保は難しく、価格を安くすればサービス提供する人材は集まらない・・・そのようなサービスで事業を継続できるほどの収益を得られるだろうか。
それ以上に問題となるのが現行の訪問介護の家事援助サービスとの整合性だ。どのように両者を並び立てるのかということだ。
そう考えると家事支援の国家資格創設とは、家事援助を保険給付から外すための布石・橋頭保とも考えられるのではないだろうか。
保険給付サービスから家事援助が外されれば、少なくとも保険給付の家事援助と保険外の家事援助の競合は存在しなくなる。そうなると保険外の家事支援サービスもそれなりに普及することだろう。
今国会では健康保険法などの改正案が審議されているが、そこに盛り込まれたOTC類似薬の負担見直しでは、77成分1100品目を対象に来年3月から薬剤費の25%を患者から追加徴収することを想定している。このように「一部保険外療養」の創設が意図されているが、同じように介護保険の給付外しも視野に入れながら政権は運営されているように思える。
されば家事援助の新国家資格創設は、いよいよ政府・内閣として家事援助の保険はずしにシフトしたとみてよいのではないだろうか。
※筆者の講演予定はこちらからご覧ください。講演依頼はあかい花公式Web右上の✉をクリックしてお気軽に相談・お申し込みください。
※別ブログ「masaの血と骨と肉」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。
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・masaの看取り介護指南本「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
4/22に行われた日本成長戦略会議(第4回)で政府は、女性の離職率低下を目的とした家事支援サービスの利用促進策として国家資格を創設し、試験を2027年秋ごろに実施することを明らかにした。

同会議の資料では、「家事支援サービス・ベビーシッターは認知されているが、潜在需要に対して価格の高さや心理的抵抗感により、都市部を除き利用は限定的」と指摘している。
そのため家事援助の利用を促進するためには、国家資格という形で国がお墨付きを与えることで信頼性を高め、利用が促されることで、出産・育児や介護・看護のための離職を防ぐ狙いがあるとしている。
この方針については、数多くの介護関係者が興味を寄せているようで、家事支援国家資格創設という記事を配信した昨日のオンラインサイトにはアクセスが集中し、記事のリンク先に繋がらずに、「アクセスが大量に発生しているための一時的なエラーです。」というメッセージが出たほどである。

ところで国家資格保有者が、家事援助サービスを提供するようになったとしても、それはあくまで保険外サービスの域を出ない。
保険外サービスであれば新国家資格保有者でなくともサービス提供は可能であろう。現行の訪問介護員の有資格者だけではなく、家事支援の国家資格創設後もその資格を取らない無資格者であろうともサービス提供できてしまう。
そう考えると家事支援の国家資格など、ほとんど意味が無い資格のようにも思え、無理して時間を削り出して、勉強して試験を受けてまで新国家資格を取ろうとする動機づけがどれほど生まれるのか・・・大いに疑問である。
そもそも家事援助の担い手に国家試験を課すのに、家事援助も身体介護も行う訪問介護員は、試験に合格しなくとも初任者研修を受講するだけでその資格を得られる。この矛盾はどう考えればよいのだろう。
家事支援サービスが事業として成り立つのかも疑問だ。現行の家事支援サービスが普及しない背景には、他人に自宅に入られることに抵抗があるという理由が取り上げられているが、それより大きな問題は費用負担である。保険外で補助のない家事援助にお金をかけるより、自分ができることなのだから自分でやろうとする人が多いのである。
そうであれば家事援助の国家資格を持った人から保険外サービスを受けるニーズより、現行の訪問介護の中で家事援助を受けたいというニーズの方が高くなることはごく当たり前のことだろう。
しかも保険給付がないのだから、品質の担保されたを安心して利用できる体制を構築したとしても、サービス対価はさほど高く設定できない。一方で国家資格を取得した人からすれば、国家資格に見合った対価を求めたくなるだろう。有資格者のニーズに応える価格設定をすれば顧客確保は難しく、価格を安くすればサービス提供する人材は集まらない・・・そのようなサービスで事業を継続できるほどの収益を得られるだろうか。
それ以上に問題となるのが現行の訪問介護の家事援助サービスとの整合性だ。どのように両者を並び立てるのかということだ。
そう考えると家事支援の国家資格創設とは、家事援助を保険給付から外すための布石・橋頭保とも考えられるのではないだろうか。
保険給付サービスから家事援助が外されれば、少なくとも保険給付の家事援助と保険外の家事援助の競合は存在しなくなる。そうなると保険外の家事支援サービスもそれなりに普及することだろう。
今国会では健康保険法などの改正案が審議されているが、そこに盛り込まれたOTC類似薬の負担見直しでは、77成分1100品目を対象に来年3月から薬剤費の25%を患者から追加徴収することを想定している。このように「一部保険外療養」の創設が意図されているが、同じように介護保険の給付外しも視野に入れながら政権は運営されているように思える。
されば家事援助の新国家資格創設は、いよいよ政府・内閣として家事援助の保険はずしにシフトしたとみてよいのではないだろうか。
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感動の完結編。
