今日の北海道新聞・朝刊2面では、北海道第2の都市・旭川市で要介護認定が大幅に遅れているという問題を大きく報じている。

認定結果が出ないために暫定プランでサービス利用した人が、予想外に要介護状態区分が下がってしまったため、区分支給限度額を超えてサービス利用してしまう結果となり、4万円以上自己負担するなどの混乱が生じているケースなどが紹介されている。(道新Web配信記事はこちら

要介護認定の法定期間は30日以内なのに、2025年度の旭川市の平均は70日以上と、法定機関の2倍以上かかっているそうである。その理由は外部委託調査員の数が減ったことによるものであるとし、今後調査員を増やすために調査委託費も上げる方針だと報じられている。

法定期間を大きく超える認定遅れは問題であるし、要介護者には大きな不利益が生ずる結果は看過できない。

だが果たしてそれが旭川市だけの問題かと言えば、そのようなことはない。

このブログで過去に、『伊達市介護保険課の「通知」は世間の非常識』で指摘したように、伊達市というさして大きな市ともいえない地域でも、要介護認定の法定期間を超える遅延が出ているのだ。

東京・大阪などの都市部では、そのような認定遅れは決して珍しくないことだろう。

継続したサービス利用が必要な方々にとって、結果が出ない間も暫定的なサービス利用ができるといっても、配信記事に書かれているように、認定結果が予想と異なって自己負担が増えることもあるのだからこうした遅れは確かに問題である。

だが果たしてこうした問題は、認定調査員を増やして解決することなのだろうか。仮に増やすとしても役所内の人員を闇雲に増やすわけにはいかないので、外部調査員に調査委託するケースを増やすことが考えられる。
介護認定調査
しかし誰でもが介護認定の外部調査員になれるわけではない。

保険者の職員でない者が認定調査員となるためには、介護支援専門員等の特定の資格を取得し、実務経験を満たした上で指定の研修を受ける必要がある。そのハードルは決して低くはない。

調査員研修を受講している職種としては介護支援専門員が多数を占めているが、居宅介護支援事業所の介護支援専門員自体が不足しているのだから、外部調査を受託できるキャパが地域にあるかどうかが一番の問題と云える。

そうした問題を複合的に考えた場合、調査員を増やして認定遅れを防ごうと考える前に、そもそも認定期間が必要なのかということを考えてほしい。

認定期間は介護保険制度開始時には原則6カ月としてスタートしたが、現行では原則12カ月、最大延長は48カ月に定められている。4年間更新申請がされないケースも大きく増えているのだ。それで何か支障が出ているだろうか。支障はないと結論付けて良いと思う。

なぜなら介護認定に関しては、区分変更申請という制度があるからだ。状態像が変化したならいつでも区分変更を申請できるのだ。そのほかにも保険者の職権による区分変更というレールも備えている。

よって定期更新しないとリアルタイムの状態像に合わなくなるという懸念は生じない。制度の主旨に見合わないデメリットが生ずることもないのだ。

むしろ必要性の薄い定期的な更新認定をしないことで、保険者の認定に関わる事務費支出は大幅に削減できる。特に医師意見書の財源支出は年間数十億に上ると云われているが、認定結果に影響を及ぼすような内容が書かれている医師意見書はほとんどない。こうした無駄な支出も認定期間がなくなり、定期的な更新申請が必要無くなると大幅に削減できるのである。(やっぱり医師意見書は必要ない?

認定期間廃止については、かねてよりこのブログで意見具申しているところでもある。(要介護認定期間の撤廃要望には大いに賛同したい

来年度からの介護保険制度改正はこの問題をスルーしているが、認定期間は本当に必要なのかということを議論の俎上に乗せてほしいと強く望むのである。
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