今週は新年度に切り替わる週となったが、このタイミングで値上げされる飲食料品は「2,516品目」にも上るそうだ。
エネルギー価格も高騰しており、これに加えてイラン危機の勃発により、介護事業に欠かせないPVCグローブ等のプラスチック製品や紙おむつなどの石油由来製品の品薄と価格高騰が見られている。
このようなコストの増加は、介護事業経営にも大きな影響を与えている。2024年度の介護報酬改定で基本報酬が引き上げられた増収分も、人件費・食材料費・電気代やガス代などの光熱費の増加に呑み込まれて減益となってしまっており、介護事業経営は非常に厳しい状況に陥っていると言わざるを得ない。
今年6月には臨時の介護報酬改定が行われることになっているが、この改定は「処遇改善加算」の拡充のためのもので、引き上げられた額のすべてを介護従事者に還元しなければならない。
そのため事業者の収益増につながるものではなく、介護事業経営者にはより一層の経営努力が求められてくる。
施設サービスの場合はベッド稼働率をできるだけ高める必要があるし、居宅サービスの場合も利用率を高めて、なおかつ定員増加を図ってコスパを高めなければならない。
同時に今一度加算算定状況を見直して、取り逃がしている加算があれば、これを速やかに取得するように担当従業員に命ずる必要がある。

だがこの時、単に加算を取れと命ずるのではなく、加算を算定する必要性と意味を十分説明する必要がある。そうしなければ従業員は、経営者の方針がにわかに変わって、利用者無視の儲け主義に走っているのではないかと疑いの目を向けることにもなりかねない。自それは経営者に寄せる信頼の念を揺るがすことにもつながりかねない。
従業員の中には、利用者負担が伴う加算算定は、サービス利用者にとって経済的負担だけが増えるデメリットであると考え、そうした観点から加算取得を積極的に行わない考え方を持っている人もいるので、加算取得は利用者にとってのメリットにもつながるものだということも説明する必要がある。
いうまでもなく介護事業者の売上とは(基本報酬 + 加算報酬 − 減算報酬) × 利用回数(利用日数)で決まるものだ。
2000年の介護保険制度創設時は、介護バブルと呼ばれるほど基本報酬単価が高く、それを取得さえすれば大きな利益の出るサービスも少なくなかった。例えば通所介護費の当時の1時間単価は、特養の1時間単価より高く設定されていたため、誰もが容易に通所介護業経営が可能だったのである。
しかしそのような介護報酬の設計は、改定と共に徐々に変えられアウトカム評価の構造に変えられていった。つまり国が求める一定レベル以上の品質の高いサービスを提供することにより、高い報酬が得られる方向にレールが敷き直されていったのである。
そのため現在は、基本報酬だけでは利益を出すのが困難な時代であると言ってよい。同時に加算報酬とは、事業者の努力と専門的アプローチによって取得できる料金であるともいえるわけである。
加算による収益増加が、介護事業者の存続に大きく影響することになるし、それは物価高騰・経営コスト増加に対抗する唯一の手段であるともいえ、加算取得率が高い介護事業者ほど倒産リスクが低下することを従業員全員に説明・理解を促す必要がある。
また前述したように、加算は国が介護事業者に求める高い品質のサービスを要件としており、加算取得することは即ちケアサービスの品質向上に結びつくことを従業員にも、利用者にも周知する必要がある。
加算要件を達成することは、自立支援・重度化予防に結びつき、利用者のQOL向上という成果にもつながるものであるからこそ、加算取得に努めるのだということを全従業員に説明し、加算取得に向けたコンセンサスを得るように努めなければならない。
※親和性の高い加算を算定しないのは勿体ないに続く。
※CBニュースの連載・「快筆乱麻・masaが読み解く介護の今」の第123回記事が配信されました。

今回のテーマは、「介護報酬臨時改定・求められる加算以外の処遇改善」です。文字リンク先を参照ください。
※筆者の講演予定はこちらからご覧ください。講演依頼はあかい花公式Web右上の✉をクリックしてお気軽に相談・お申し込みください。
※別ブログ「masaの血と骨と肉」もあります。お暇なときに覗きに来て下さい。
北海道介護福祉道場あかい花から介護・福祉情報掲示板(表板)に入ってください。
・「介護の誇り」は、こちらから送料無料で購入できます。
・masaの看取り介護指南本「看取りを支える介護実践〜命と向き合う現場から」(2019年1/20刊行)はこちらから送料無料で購入できます。
エネルギー価格も高騰しており、これに加えてイラン危機の勃発により、介護事業に欠かせないPVCグローブ等のプラスチック製品や紙おむつなどの石油由来製品の品薄と価格高騰が見られている。
このようなコストの増加は、介護事業経営にも大きな影響を与えている。2024年度の介護報酬改定で基本報酬が引き上げられた増収分も、人件費・食材料費・電気代やガス代などの光熱費の増加に呑み込まれて減益となってしまっており、介護事業経営は非常に厳しい状況に陥っていると言わざるを得ない。
今年6月には臨時の介護報酬改定が行われることになっているが、この改定は「処遇改善加算」の拡充のためのもので、引き上げられた額のすべてを介護従事者に還元しなければならない。
そのため事業者の収益増につながるものではなく、介護事業経営者にはより一層の経営努力が求められてくる。
施設サービスの場合はベッド稼働率をできるだけ高める必要があるし、居宅サービスの場合も利用率を高めて、なおかつ定員増加を図ってコスパを高めなければならない。
同時に今一度加算算定状況を見直して、取り逃がしている加算があれば、これを速やかに取得するように担当従業員に命ずる必要がある。

だがこの時、単に加算を取れと命ずるのではなく、加算を算定する必要性と意味を十分説明する必要がある。そうしなければ従業員は、経営者の方針がにわかに変わって、利用者無視の儲け主義に走っているのではないかと疑いの目を向けることにもなりかねない。自それは経営者に寄せる信頼の念を揺るがすことにもつながりかねない。
従業員の中には、利用者負担が伴う加算算定は、サービス利用者にとって経済的負担だけが増えるデメリットであると考え、そうした観点から加算取得を積極的に行わない考え方を持っている人もいるので、加算取得は利用者にとってのメリットにもつながるものだということも説明する必要がある。
いうまでもなく介護事業者の売上とは(基本報酬 + 加算報酬 − 減算報酬) × 利用回数(利用日数)で決まるものだ。
2000年の介護保険制度創設時は、介護バブルと呼ばれるほど基本報酬単価が高く、それを取得さえすれば大きな利益の出るサービスも少なくなかった。例えば通所介護費の当時の1時間単価は、特養の1時間単価より高く設定されていたため、誰もが容易に通所介護業経営が可能だったのである。
しかしそのような介護報酬の設計は、改定と共に徐々に変えられアウトカム評価の構造に変えられていった。つまり国が求める一定レベル以上の品質の高いサービスを提供することにより、高い報酬が得られる方向にレールが敷き直されていったのである。
そのため現在は、基本報酬だけでは利益を出すのが困難な時代であると言ってよい。同時に加算報酬とは、事業者の努力と専門的アプローチによって取得できる料金であるともいえるわけである。
加算による収益増加が、介護事業者の存続に大きく影響することになるし、それは物価高騰・経営コスト増加に対抗する唯一の手段であるともいえ、加算取得率が高い介護事業者ほど倒産リスクが低下することを従業員全員に説明・理解を促す必要がある。
また前述したように、加算は国が介護事業者に求める高い品質のサービスを要件としており、加算取得することは即ちケアサービスの品質向上に結びつくことを従業員にも、利用者にも周知する必要がある。
加算要件を達成することは、自立支援・重度化予防に結びつき、利用者のQOL向上という成果にもつながるものであるからこそ、加算取得に努めるのだということを全従業員に説明し、加算取得に向けたコンセンサスを得るように努めなければならない。
※親和性の高い加算を算定しないのは勿体ないに続く。
※CBニュースの連載・「快筆乱麻・masaが読み解く介護の今」の第123回記事が配信されました。

今回のテーマは、「介護報酬臨時改定・求められる加算以外の処遇改善」です。文字リンク先を参照ください。
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感動の完結編。
